(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-01
(54)【発明の名称】電池の筐体、電池、電力消費機器、筐体の製造方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/367 20210101AFI20230525BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20230525BHJP
H01M 10/6556 20140101ALI20230525BHJP
H01M 10/6567 20140101ALI20230525BHJP
H01M 10/6563 20140101ALI20230525BHJP
H01M 10/615 20140101ALI20230525BHJP
H01M 50/342 20210101ALI20230525BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20230525BHJP
H01M 50/375 20210101ALI20230525BHJP
【FI】
H01M50/367
H01M10/613
H01M10/6556
H01M10/6567
H01M10/6563
H01M10/615
H01M50/342 101
H01M50/204 401H
H01M50/342 201
H01M50/375
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022537169
(86)(22)【出願日】2021-03-31
(85)【翻訳文提出日】2022-06-16
(86)【国際出願番号】 CN2021084448
(87)【国際公開番号】W WO2022205084
(87)【国際公開日】2022-10-06
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】黎 ▲賢▼▲達▼
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 小波
(72)【発明者】
【氏名】胡 ▲ル▼
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ ▲飄▼▲飄▼
(72)【発明者】
【氏名】岳 金如
(72)【発明者】
【氏名】▲顧▼ 明光
【テーマコード(参考)】
5H012
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H012AA01
5H012BB01
5H012DD05
5H012EE01
5H012FF01
5H012FF08
5H031AA09
5H031KK08
5H040AA37
(57)【要約】
本願の実施例は電池の筐体、電池、電力消費機器、筐体の製造方法及び装置を提供する。該筐体は、複数の電池セルを収容することに用いられる電気室であって、該電池セルは圧力放出機構を備え、該圧力放出機構は該電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達すると該内部圧力を放出するよう作動することに用いられる電気室と、流体を収容して該電池セルの温度を調整することに用いられる熱管理部材と、該圧力放出機構の作動時に該電池セル内から排出され且つ該熱管理部材を通過する排出物を収集することに用いられる収集室とを備え、電気室と収集室は熱管理部材の両側に設けられ、熱管理部材は電気室と収集室を分離することに用いられ、該収集室の壁に第1圧力放出領域が設けられ、該第1圧力放出領域は該収集室内の該排出物を放出することに用いられる。本願は電池の筐体、電池、電力消費機器、筐体の製造方法及び装置を提供し、電池の安全性を高めることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池の筐体であって、
複数の電池セル(20)を収容することに用いられる電気室(11a)であって、前記電池セル(20)は圧力放出機構(213)を備え、前記圧力放出機構(213)は前記電池セル(20)の内部圧力又は温度が閾値に達すると、前記内部圧力を放出するように作動することに用いられる電気室(11a)と、
ことに用いられる流体を収容して前記電池セル(20)の温度を調整する熱管理部材(13)と、
前記圧力放出機構(213)の作動時に前記電池セル(20)内から排出され且つ前記熱管理部材(13)を通過する排出物を収集することに用いられる収集室(11b)と、を備え、
前記電気室(11a)と前記収集室(11b)は前記熱管理部材(13)の両側に設けられ、前記熱管理部材(13)は前記電気室(11a)と前記収集室(11b)を分離することに用いられ、前記収集室(11b)の壁に第1圧力放出領域(113)が設けられ、前記第1圧力放出領域(113)は前記収集室(11b)内の前記排出物を放出することに用いられる、ことを特徴とする電池の筐体。
【請求項2】
前記熱管理部材(13)は、前記電気室(11a)と前記収集室(11b)により共有される壁を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の筐体。
【請求項3】
前記熱管理部材(13)を保護することに用いられ、前記熱管理部材(13)とともに前記収集室(11b)を形成する保護部材(115)を備える、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の筐体。
【請求項4】
前記保護部材(115)は底壁(1151)と複数の側壁(1152)とを備え、一端が開口する中空構造を形成し、前記熱管理部材(13)は前記開口を覆って前記収集室(11b)を形成する、ことを特徴とする請求項3に記載の筐体。
【請求項5】
前記複数の側壁(1152)に前記第1圧力放出領域(113)が設けられる、ことを特徴とする請求項4に記載の筐体。
【請求項6】
前記複数の側壁(1152)のそれぞれに複数の前記第1圧力放出領域(113)が設けられる、ことを特徴とする請求項5に記載の筐体。
【請求項7】
複数の前記第1圧力放出領域(113)は前記側壁(1152)の各々に均一に並んでいる、ことを特徴とする請求項6に記載の筐体。
【請求項8】
前記保護部材(115)に第1貫通孔が設けられ、前記第1圧力放出領域(113)は前記第1貫通孔を備える、ことを特徴とする請求項4~7のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項9】
前記保護部材(115)に第1脆弱領域が設けられ、前記第1脆弱領域は前記圧力放出機構(213)が作動するとき前記収集室(11b)内の前記排出物により破壊されて前記排出物を前記収集室(11b)から排出することに用いられ、前記第1圧力放出領域(113)は前記第1脆弱領域を備える、ことを特徴とする請求項4~8のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項10】
前記第1脆弱領域の材料の融点は、前記保護部材(115)の前記第1脆弱領域を除くほかの領域の材料の融点よりも低い、ことを特徴とする請求項9に記載の筐体。
【請求項11】
前記第1脆弱領域の材料の融点は200℃以下である、ことを特徴とする請求項9又は10に記載の筐体。
【請求項12】
前記複数の側壁(1152)に前記第1脆弱領域が設けられ、前記複数の側壁(1152)の前記第1脆弱領域の肉厚は前記複数の側壁(1152)のほかの領域の肉厚に等しい、ことを特徴とする請求項9~11のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項13】
前記第1脆弱領域は前記保護部材(115)における切り欠きを備える、ことを特徴とする請求項9~11のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項14】
前記熱管理部材(13)に第2圧力放出領域(133)が設けられ、それにより前記圧力放出機構(213)が作動するとき前記電池セル(20)内から排出される排出物は前記第2圧力放出領域(133)を通過して前記収集室(11b)に排出できる、ことを特徴とする請求項1~13のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項15】
前記第2圧力放出領域(133)と前記圧力放出機構(213)は対向して設けられる、ことを特徴とする請求項14に記載の筐体。
【請求項16】
前記熱管理部材(13)に流路(134)が設けられ、前記流路(134)は、前記流体を収容し、前記圧力放出機構(213)が作動するとき前記電池セル(20)内から排出される排出物により破壊されて前記流体を前記流路(134)の内部から排出することに用いられる、ことを特徴とする請求項14又は15に記載の筐体。
【請求項17】
前記流路(134)の壁に第2脆弱領域(135)が設けられ、それにより前記圧力放出機構(213)が作動するとき、前記流路(134)は前記第2脆弱領域(135)で破壊される、ことを特徴とする請求項16に記載の筐体。
【請求項18】
前記熱管理部材(13)は第1熱伝導板(131)と第2熱伝導板(132)とを備え、前記第1熱伝導板(131)は第1壁(21a)と前記第2熱伝導板(132)との間に位置し、且つ前記第1壁(21a)にアタッチされ、前記第1壁(21a)は前記電池セル(20)の前記圧力放出機構(213)を設けた壁であり、前記第1熱伝導板(131)は前記第2熱伝導板(132)に密着し、前記第2熱伝導板(132)は開口が前記第1熱伝導板(131)を向く第1凹溝(1321)を有し、前記第1凹溝(1321)と前記第1熱伝導板(131)は前記流路(134)を形成する、ことを特徴とする請求項17に記載の筐体。
【請求項19】
前記第2脆弱領域(135)は前記第1凹溝(1321)の側壁又は底壁に位置する、ことを特徴とする請求項18に記載の筐体。
【請求項20】
前記第2圧力放出領域(133)は前記熱管理部材(13)における第2貫通孔である、ことを特徴とする請求項17~19のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項21】
前記第2貫通孔の側壁に前記第2脆弱領域(135)が設けられる、ことを特徴とする請求項20に記載の筐体。
【請求項22】
前記第2圧力放出領域(133)は前記熱管理部材(13)に前記圧力放出機構(213)と対向して設けられる第2凹溝(1311)であり、前記第2凹溝(1311)の底壁は前記圧力放出機構(213)が作動するとき前記電池セル(20)内から排出される排出物により破壊されて前記電池セル(20)内から排出される排出物を前記収集室(11b)に排出することに用いられる、ことを特徴とする請求項17~19のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項23】
前記第2凹溝(1311)の径方向寸法は、前記圧力放出機構(213)から離れる方向に沿って徐々に小さくなる、ことを特徴とする請求項22に記載の筐体。
【請求項24】
前記熱管理部材(13)は第1熱伝導板(131)と第2熱伝導板(132)とを備え、前記第1熱伝導板(131)は第1壁(21a)と前記第2熱伝導板(132)との間に位置し、且つ前記第1壁(21a)にアタッチされ、前記第1壁(21a)は前記電池セル(20)の前記圧力放出機構(213)を設けた壁であり、前記第1熱伝導板(131)は前記第2熱伝導板(132)に密着し、前記第2熱伝導板(132)は開口が前記第1熱伝導板(131)を向く第1凹溝(1321)を有し、前記第1凹溝(1321)と前記第1熱伝導板(131)は前記流路(134)を形成し、前記第1熱伝導板(131)は前記第2圧力放出領域(133)で前記第2熱伝導板(132)へ凹んで前記第2凹溝(1311)を形成する、ことを特徴とする請求項22又は23に記載の筐体。
【請求項25】
前記第2凹溝(1311)が前記第1凹溝(1321)内に設けられることで、前記第1凹溝(1321)の側壁と前記第2凹溝(1311)の側壁との間に前記流路(134)を形成する、ことを特徴とする請求項24に記載の筐体。
【請求項26】
前記第2凹溝(1311)の側壁に前記第2脆弱領域(135)が設けられる、ことを特徴とする請求項22~25のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項27】
前記第2脆弱領域(135)の材料の融点は、前記流路(134)の前記第2脆弱領域(135)を除くほかの領域の材料の融点よりも低い、ことを特徴とする請求項17~26のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項28】
前記第2脆弱領域(135)の材料の融点は400℃以下である、ことを特徴とする請求項17~27のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項29】
前記流路(134)の前記第2脆弱領域(135)の肉厚は前記流路(134)のほかの領域の肉厚に等しい、ことを特徴とする請求項17又は28に記載の筐体。
【請求項30】
前記熱管理部材(13)を保護することに用いられ、前記熱管理部材(13)とともに前記収集室(11b)を形成する保護部材(115)をさらに備え、前記保護部材(115)に第1脆弱領域が設けられ、前記第1脆弱領域は前記圧力放出機構(213)が作動するとき前記収集室(11b)内の前記排出物によって破壊されて前記排出物を前記収集室(11b)から排出し、前記第2脆弱領域(135)の材料の融点は前記第1脆弱領域の材料の融点よりも低い、ことを特徴とする請求項17~29のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項31】
カバー(110)をさらに備え、前記カバー(110)は一端が開口する中空構造であり、前記熱管理部材(13)は前記カバー(110)の開口を覆って前記電気室(11a)を形成する、ことを特徴とする請求項1~30のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項32】
電池であって、
複数の電池セルであって、前記複数の電池セルのうちの少なくとも1つの電池セルは圧力放出機構を備え、前記圧力放出機構は前記圧力放出機構を設けた前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達すると、前記内部圧力を放出するように作動することに用いられる複数の電池セルと、
前記複数の電池セルを収容することに用いられる請求項1~31のいずれか一項に記載の電池の筐体と、を備える、ことを特徴とする電池。
【請求項33】
電力消費装置であって、前記電力消費装置に電気エネルギーを供給することに用いられる請求項32に記載の電池を備える、ことを特徴とする電力消費装置。
【請求項34】
電池の筐体の製造方法であって、
複数の電池セルを収容することに用いられ、前記電池セルは圧力放出機構を備え、前記圧力放出機構は前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達すると、前記内部圧力を放出するように作動することに用いられる電気室を提供するステップと、
流体を収容して前記電池セルの温度を調整することに用いられる熱管理部材を提供するステップと、
収集室であって、前記収集室は前記圧力放出機構の作動時に前記電池セル内から排出され且つ前記熱管理部材を通過する排出物を収集することに用いられる収集室を提供するステップと、を含み、
前記電気室と前記収集室は前記熱管理部材の両側に設けられ、前記熱管理部材は前記電気室と前記収集室を分離することに用いられ、前記収集室の壁に第1圧力放出領域が設けられ、前記第1圧力放出領域は前記収集室内の前記排出物を放出することに用いられる、ことを特徴とする電池の筐体の製造方法。
【請求項35】
電池の筐体の製造装置であって、提供モジュールを備え、前記提供モジュールは、
複数の電池セルを収容することに用いられ、前記電池セルは圧力放出機構を備え、前記圧力放出機構は前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達すると、前記内部圧力を放出するように作動することに用いられる電気室を提供すること、
流体を収容して前記電池セルの温度を調整することに用いられる熱管理部材を提供すること、及び
前記圧力放出機構の作動時に前記電池セル内から排出され且つ前記熱管理部材を通過する排出物を収集することに用いられる収集室を提供することに用いられ、
前記電気室と前記収集室は前記熱管理部材の両側に設けられ、前記熱管理部材は前記電気室と前記収集室を分離することに用いられ、前記収集室の壁に第1圧力放出領域が設けられ、前記第1圧力放出領域は前記収集室内の前記排出物を放出することに用いられる、ことを特徴とする電池の筐体の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は電池の技術分野に関し、特に電池の筐体、電池、電力消費機器、筐体の製造方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
省エネ排出削減は自動車産業の持続可能な発展の鍵である。この場合、電動車両は、省エネで環境にやさしい利点を持つため、自動車産業の持続可能な発展の重要な部分になっている。電動車両の場合、電池技術はその発展を左右する重要な要素である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
電池技術の発展では、電池の性能を向上させるだけでなく、安全性の問題も無視できない問題である。電池の安全性を確保できないと、該電池は使用不能になってしまう。従って、電池の安全性をどのように高めるかは、電池技術において解決を急ぐべき技術的問題となっている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願は、電池の安全性を高めることができる電池の筐体、電池、電力消費機器、筐体の製造方法及び装置を提供する。
【0005】
第1態様によれば、複数の電池セルを収容することに用いられる電気室であって、前記電池セルは圧力放出機構を備え、前記圧力放出機構は前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達すると、前記内部圧力を放出するように作動することに用いられる電気室と、流体を収容して前記電池セルの温度を調整することに用いられる熱管理部材と、前記圧力放出機構の作動時に前記電池セル内から排出され且つ前記熱管理部材を通過する排出物を収集することに用いられる収集室と、を備え、前記電気室と前記収集室は前記熱管理部材の両側に設けられ、前記熱管理部材は前記電気室と前記収集室を分離することに用いられ、前記収集室の壁に第1圧力放出領域が設けられ、前記第1圧力放出領域は前記収集室内の前記排出物を放出することに用いられる、電池の筐体を提供する。
【0006】
従って、本願の実施例における電池の筐体は、収集室の壁に第1圧力放出領域が設けられることで、圧力放出機構が作動するとき、電池セルから圧力放出機構によって排出される排出物は収集室に入った後、収集室の壁における第1圧力放出領域によってタイムリーに排出されることで、収集室内の圧力及び温度を放出することができ、電池の安全性を高める。
【0007】
いくつかの実施例では、前記熱管理部材は前記電気室と前記収集室により共有される壁を有する。
【0008】
いくつかの実施例では、前記筐体は、前記熱管理部材を保護することに用いられ、前記熱管理部材とともに前記収集室を形成する保護部材を備える。
【0009】
いくつかの実施例では、前記保護部材は、底壁と複数の側壁とを備え、一端が開口する中空構造を形成し、前記熱管理部材は前記開口を覆って前記収集室を形成する。
【0010】
いくつかの実施例では、前記複数の側壁に前記第1圧力放出領域が設けられる。
【0011】
保護部材の底壁に第1圧力放出領域が設けられる場合、該保護部材の底壁の強度に影響し、電池の使用過程では、電池全体の衝撃安全性に不利であり、従って、通常、該第1圧力放出領域は側壁に設けられる。
【0012】
いくつかの実施例では、前記複数の側壁のそれぞれに複数の前記第1圧力放出領域が設けられる。
【0013】
複数の第1圧力放出領域が設けられることで、排出物が収集室から排出される速度を加速できるが、保護部材の構造強度を考慮すると、各側壁に多すぎる第1圧力放出領域が設けられることは好ましくない。
【0014】
いくつかの実施例では、複数の前記第1圧力放出領域は前記各側壁に均一に並んでいる。
【0015】
各側壁に第1圧力放出領域が均一に分布することで、該保護部材の使用過程での力受けを均一にすることができ、保護部材の局所強度が弱すぎて該保護部材の構造強度に影響することはない。
【0016】
いくつかの実施例では、前記保護部材に第1貫通孔が設けられ、前記第1圧力放出領域は前記第1貫通孔を備える。
【0017】
第1圧力放出領域が貫通孔として設けられることで、収集室に入る排出物は迅速に該貫通孔から排出でき、排出速度を加速する。
【0018】
いくつかの実施例では、前記保護部材に第1脆弱領域が設けられ、前記第1脆弱領域は前記圧力放出機構が作動するとき前記収集室内の前記排出物により破壊されて前記排出物を前記収集室から排出することに用いられ、前記第1圧力放出領域は前記第1脆弱領域を備える。
【0019】
第1圧力放出領域が第1脆弱領域として設けられることで、第1圧力放出領域が第1貫通孔として設けられる形態に比べて、電池セルが正常で且つ熱暴走が発生していないとき収集室と電池外部との相対的な密封状態を維持することを確保し、外部の湿気やほこりが電池の使用に悪影響を与えることを防止することができる。
【0020】
いくつかの実施例では、前記第1脆弱領域の材料の融点は前記保護部材の前記第1脆弱領域を除くほかの領域の材料の融点よりも低い。
【0021】
感温材料を使用して該第1脆弱領域を設けることで、圧力放出機構が作動するとき、収集室内の圧力が低いとしても、該第1脆弱領域は破壊可能であり、さらに電池セルから排出物をタイムリーに排出する。
【0022】
いくつかの実施例では、前記第1脆弱領域の材料の融点は200℃以下である。
【0023】
電池セルに熱暴走が発生すると、排出される排出物は通常400℃~800℃と高く、熱管理部材を通過した後、該高温排出物が保護部材に到達する時の温度は200℃~400℃と高いことを考慮して、保護部材に到達する排出物が第1脆弱領域を溶融できるために、該第1脆弱領域の材料の融点は200℃以下に設定されてもよい。
【0024】
いくつかの実施例では、前記複数の側壁に前記第1脆弱領域が設けられ、側壁の構造強度を確保するように前記複数の側壁の前記第1脆弱領域の肉厚は前記複数の側壁のほかの領域の肉厚に等しい。
【0025】
いくつかの実施例では、前記第1脆弱領域は前記保護部材における切り欠きを備える。
【0026】
いくつかの実施例では、前記熱管理部材に第2圧力放出領域が設けられ、それにより前記圧力放出機構が作動するとき前記電池セル内から排出される排出物は前記第2圧力放出領域を通過して前記収集室に排出できる。
【0027】
いくつかの実施例では、前記第2圧力放出領域と前記圧力放出機構は対向して設けられる。
【0028】
このように、圧力放出機構が作動するとき、排出される排出物は直接該第2圧力放出領域を通過して電気室から排出できる。
【0029】
いくつかの実施例では、前記熱管理部材に流路が設けられ、前記流路は、前記流体を収容し、前記圧力放出機構が作動するとき前記電池セル内から排出される排出物により破壊されて前記流体を前記流路の内部から排出することに用いられる。
【0030】
いくつかの実施例では、前記流路の壁に第2脆弱領域が設けられ、それにより前記圧力放出機構が作動するとき、前記流路は前記第2脆弱領域で破壊され、このように、流路内の流体は直接排出されて排出物を降温させることができる。
【0031】
いくつかの実施例では、前記熱管理部材は第1熱伝導板と第2熱伝導板とを備え、前記第1熱伝導板は第1壁と前記第2熱伝導板との間に位置し、且つ前記第1壁にアタッチされ、前記第1壁は前記電池セルの前記圧力放出機構を設けた壁であり、前記第1熱伝導板は前記第2熱伝導板に密着し、前記第2熱伝導板は開口が前記第1熱伝導板を向く第1凹溝を有し、前記第1凹溝と前記第1熱伝導板は前記流路を形成する。
【0032】
いくつかの実施例では、前記第2脆弱領域は前記第1凹溝の側壁又は底壁に位置する。
【0033】
いくつかの実施例では、前記第2圧力放出領域は前記熱管理部材における第2貫通孔である。
【0034】
第2圧力放出領域が第2貫通孔として設けられることで、圧力放出機構から排出される排出物は第2貫通孔を迅速に通過して収集室に排出できる。
【0035】
いくつかの実施例では、前記第2貫通孔の側壁に前記第2脆弱領域が設けられる。
【0036】
第2貫通孔の孔壁は流路の壁であり、このように、排出物が該第2貫通孔を通過するとき、該第2脆弱領域を破壊でき、それにより流路内の流体は排出されて排出物を降温させる。
【0037】
いくつかの実施例では、前記第2圧力放出領域は前記熱管理部材に前記圧力放出機構と対向して設けられる第2凹溝であり、前記第2凹溝の底壁は前記圧力放出機構が作動するとき前記電池セル内から排出される排出物により破壊されて前記電池セル内から排出される排出物を前記収集室に排出することに用いられる。
【0038】
第2圧力放出領域が凹溝として設けられることで、電池セルの熱暴走が発生するとき、圧力放出機構は圧力の放出のための十分な空間を確保でき、電池セルが正常に動作するとき、電気室と収集室が相互に連通せず、電気室が収集室の影響を受けることはない。
【0039】
いくつかの実施例では、前記第2凹溝の径方向寸法は、前記圧力放出機構から離れる方向に沿って徐々に小さくなる。
【0040】
第2凹溝の孔径の変化は第2凹溝の孔壁の面積を増大させることができ、電池セルから圧力放出機構によって排出される排出物と第2凹溝の孔壁との接触面積も増加させ、より多くの排出物を降温させることができ、また、より多くの排出物は第2凹溝の孔壁に接触することで、該第2凹溝の孔壁を排出物でより容易に破壊でき、特に第2凹溝の孔壁が流路の壁として機能する場合、第2凹溝の側壁が破壊されて内部の流体を迅速に流出させて排出物を降温させることができる。
【0041】
いくつかの実施例では、前記第1熱伝導板は前記第2圧力放出領域で前記第2熱伝導板へ凹んで前記第2凹溝を形成する。
【0042】
いくつかの実施例では、前記第2凹溝が前記第1凹溝内に設けられることで、前記第1凹溝の側壁と前記第2凹溝の側壁との間に前記流路を形成する。
【0043】
いくつかの実施例では、前記第2凹溝の側壁に前記第2脆弱領域が設けられる。
【0044】
つまり、第2凹溝の側壁は流路の壁であり、排出物は第2凹溝の底壁を破壊して収集室に入ると同時に、第2凹溝の側壁の第2脆弱領域を破壊することで、流路内の流体を流出させて排出物を降温させる。
【0045】
いくつかの実施例では、前記第2脆弱領域の材料の融点は前記流路の前記第2脆弱領域を除くほかの領域の材料の融点よりも低い。
【0046】
いくつかの実施例では、前記第2脆弱領域の材料の融点は400℃以下である。
【0047】
電池セルに熱暴走が発生するとき、排出される排出物は通常、400℃~800℃と高いことを考慮し、従って、第2脆弱領域の材料は融点が400℃以下の材料を選択してもよい。
【0048】
いくつかの実施例では、熱管理部材の流路の強度を確保するように、前記流路の前記第2脆弱領域の肉厚は前記流路のほかの領域の肉厚に等しい。
【0049】
いくつかの実施例では、前記第2脆弱領域の材料の融点は前記第1脆弱領域の材料の融点よりも低い。
【0050】
排出物が圧力放出機構から排出された後、まず熱管理部材に接触することを考慮し、従って、該熱管理部材の第2脆弱領域の材料の融点を高く設定することができ、このように、熱管理部材が過度に脆弱であることを回避でき、排出物は熱管理部材を通過して収集室に入るとき、熱管理部材は既に排出物を降温させ、排出物の降温は速く、従って、収集室の第1脆弱領域の材料の融点を低く設定することができることで、該第1脆弱領域を迅速に溶融して排出物を収集室から排出することができる。
【0051】
いくつかの実施例では、前記筐体はカバーをさらに備え、前記カバーは一端が開口する中空構造であり、前記熱管理部材は前記カバーの開口を覆って前記電気室を形成する。
【0052】
第2態様によれば、複数の電池セルであって、前記複数の電池セルのうちの少なくとも1つの電池セルは圧力放出機構を備え、前記圧力放出機構は前記圧力放出機構を設けた前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達すると、前記内部圧力を放出するように作動することに用いられる複数の電池セルと、前記複数の電池セルを収容することに用いられる第1態様における電池の筐体と、を備える電池を提供する。
【0053】
第3態様によれば、電気エネルギーを供給することに用いられる第2態様における電池を備える電力消費機器を提供する。
【0054】
いくつかの実施例では、前記電力消費機器は車両、船舶又は宇宙機である。
【0055】
第4態様によれば、複数の電池セルを収容することに用いられ、前記電池セルは圧力放出機構を備え、前記圧力放出機構は前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達すると、前記内部圧力を放出するように作動することに用いられる電気室を提供するステップと、流体を収容して前記電池セルの温度を調整することに用いられる熱管理部材を提供するステップと、前記圧力放出機構の作動時に前記電池セル内から排出され且つ前記熱管理部材を通過する排出物を収集することに用いられる収集室を提供するステップと、を含み、前記電気室と前記収集室は前記熱管理部材の両側に設けられ、前記熱管理部材は前記電気室と前記収集室を分離することに用いられ、前記収集室の壁に第1圧力放出領域が設けられ、前記第1圧力放出領域は前記収集室内の前記排出物を放出することに用いられる電池の筐体の製造方法を提供する。
【0056】
第5態様によれば、上記第4態様の方法を実行するモジュールを備える電池の筐体の製造装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【
図1】本願の一実施例に開示されている車両の構造模式図である。
【
図2】本願の一実施例に開示されている電池の分解構造模式図である。
【
図3】本願の一実施例に開示されている電池モジュールの部分構造模式図である。
【
図4】本願の一実施例に開示されている電池セルの分解図である。
【
図5】本願の一実施例に開示されている電池の断面図である。
【
図6】本願の一実施例に開示されている電気室の分解図である。
【
図7】本願の一実施例に開示されている別の電気室の分解図である。
【
図8】本願の一実施例に開示されている電池の筐体の構造模式図である。
【
図9】本願の一実施例に開示されている別の電池の筐体の構造模式図である。
【
図10】本願の一実施例に開示されている別の電池の筐体の分解図である。
【
図11】本願の一実施例に開示されている別の電池の分解図である。
【
図12】本願の一実施例に開示されている保護部材の模式図である。
【
図13】本願の一実施例に開示されている別の保護部材の断面模式図である。
【
図14】本願の一実施例に開示されている熱管理部材の分解図である。
【
図15】本願の一実施例に開示されている熱管理部材及び保護部材の取り付け後の平面図である。
【
図16】本願の一実施例に開示されている熱管理部材及び保護部材の断面模式図である。
【
図17】本願の一実施例に開示されている熱管理部材及び保護部材の断面の部分拡大図である。
【
図18】本願の一実施例に開示されている熱管理部材及び保護部材の別の断面模式図である。
【
図19】本願の一実施例に開示されている電池の筐体の製造方法の模式的フローチャートである。
【
図20】本願の一実施例に開示されている電池の筐体の製造装置の模式的ブロック図である。
【0058】
図面において、図面は実際の縮尺で描かれていない。
【発明を実施するための形態】
【0059】
以下、図面及び実施例を参照しながら本願の実施形態をさらに詳細に説明する。以下の実施例の詳細な説明及び図面は本願の原理を例示的に説明するために用いられ、本願の範囲を限定するものではなく、すなわち、本願は説明される実施例に限定されない。
【0060】
本願の説明では、説明する必要がある点として、特に断らない限り、「複数」の意味は2つ以上(2つのを含む)であり、「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」などの用語で指示される方位又は位置関係は本願を説明しやすくし説明を簡素化させるためのものに過ぎず、係る装置又は素子が必ずしも特定の方位を有したり、特定の方位で構成及び操作されたりすることを指示又は暗示するものではなく、従って、本願を制限しないと理解すべきである。また、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、相対的な重要性を指示又は暗示するものではなく、説明するためのものに過ぎない。「垂直」は厳密には垂直ではなく、誤差許容範囲内のものである。「平行」は厳密には平行ではなく、誤差許容範囲内のものである。
【0061】
以下の説明に出現する方位語はいずれも図示されている方向であり、本願の具体的な構造を限定するものではない。本願の説明において、さらに説明する必要がある点として、特に明確な規定及び限定がない限り、「取り付け」、「連結」、「接続」及び「アタッチ」のような用語は広義に理解すべきであり、例えば、固定して接続されてもよく、取り外し可能に接続されるか、又は一体的に接続されてもよく、直接連結されてもよく、中間媒体を介して間接的に連結されてもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本願での具体的な意味を理解することができる。
【0062】
本願では、電池セルは一次電池、二次電池を含んでもよく、例えば、リチウムイオン電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池などであってもよく、本願の実施例はこれを限定しない。電池セルは円筒状、扁平状、直方体又はほかの形状などであってもよく、同様に、本願の実施例はこれを限定しない。電池セルは一般的に、パッケージ方式に従って、円筒形電池セル、角形電池セル及びソフトパック電池セルの3種類に分けられ、同様に、本願の実施例はこれを限定しない。
【0063】
本願の実施例で言及される電池とは、より高い電圧及び容量を提供するように1つ又は複数の電池セルを備える単一の物理モジュールである。例えば、本願で言及される電池は電池モジュール又は電池パック等を含んでもよい。電池パックは、一般的に、1つ又は複数の電池セルをパッケージするための筐体を備える。筐体は、液体や他の異物が電池セルの充電又は放電に影響することを回避することができる。
【0064】
電池セルは電極組立体と電解液を備え、電極組立体は正極板、負極板及び隔膜を備える。電池セルは主に正極板と負極板との間での金属イオンの移動に依存して動作する。正極板は正極集電体及び正極活物質層を備え、正極活物質層は正極集電体の表面に塗布され、正極活物質層が塗布されていない集電体は正極活物質層が塗布されている集電体よりも突出し、正極活物質層が塗布されていない集電体は正極タブとして使用される。リチウムイオン電池を例として、正極集電体の材料はアルミニウムであってもよく、正極活物質は、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元リチウム又はマンガン酸リチウムなどであってもよい。負極板は負極集電体及び負極活物質層を備え、負極活物質層は負極集電体の表面に塗布され、負極活物質層が塗布されていない集電体は負極活物質層が塗布されている集電体よりも突出し、負極活物質層が塗布されていない集電体は負極タブとして使用される。負極集電体の材料は銅であってもよく、負極活物質はカーボン又はシリコンなどであってもよい。溶断が発生せずに高電流が流れることを確保するために、正極タブは、複数であり、一体に積層され、負極タブは、複数であり、一体に積層される。隔膜の材質はPP又はPEなどであってもよい。また、電極組立体は、巻回型構造であってもよく、積層型構造であってもよく、本願の実施例はこれらに限定されない。電池技術の発展は、例えば、エネルギー密度、サイクル寿命、放電容量、充放電レートなどの性能パラメータのような様々な設計要素を同時に考慮する必要があり、また、さらに電池の安全性を考慮する必要がある。
【0065】
電池の場合、主な安全上の危険は充電及び放電過程由来であり、電池の安全性を向上させるために、電池セルは一般的に圧力放出機構が設けられる。圧力放出機構とは、電池セルの内部圧力又は温度が所定の閾値に達すると、内部圧力又は温度を放出するように作動する素子又は部材である。該所定の閾値は様々な設計ニーズに応じて調整することができる。前記所定の閾値は、電池セルの正極極板、負極極板、電解液及び隔膜のうちの1つ又は複数の材料に決められる。圧力放出機構は、例えば、感圧又は感温素子又は部材を使用してもよく、すなわち、電池セルの内部圧力又は温度が所定の閾値に達すると、圧力放出機構が作動し、それにより内部圧力又は温度を放出する通路を形成する。
【0066】
本願で言及される「作動」とは、圧力放出機構が動作を発生させて電池セルの内部圧力及び温度を放出することである。圧力放出機構で発生する動作は、圧力放出機構の少なくとも一部の破裂、引き裂き又は溶融などを含んでもよいが、これらに限定されない。圧力放出機構が作動すると、電池セル内部の高温高圧物質は排出物として圧力放出機構から外へ排出される。このようにして、圧力又は温度が制御可能な場合に電池セルに対して圧力放出を行い、それにより潜在的かつより深刻な事故を回避する。
【0067】
本願で言及される電池セル由来の排出物は、電解液、溶解した又は割れた正負極極板、隔膜の破片、反応で生じた高温高圧ガス、炎などを含むが、これらに限定されない。
【0068】
電池セルの圧力放出機構は電池の安全性に重要な影響を与える。例えば、電池セルに短絡、過充電などの現象が発生するとき、電池セルの内部に熱暴走が発生して圧力又は温度が急激に上昇する可能性がある。この場合、圧力放出機構が作動することによって内部圧力及び温度向を外へ放出して電池セルの爆発、発火を防止することができる。
【0069】
従来の圧力放出機構の設計手段では、主に電池セル内部の高圧及び高温を放出すること、すなわち、前記排出物を電池セルの外部に排出することに注目している。しかしながら、電池の出力電圧又は電流を確保するために、互いにバスバー部材を介して電気的に接続される複数の電池セルが必要である。電池セルの内部から排出される排出物は残りの電池セルの短絡現象を引き起こす可能性があり、例えば、排出される金属スクラップが2つのバスバー部材に電気的に接続されると、電池の短絡を引き起こし、従って、安全上のリスクが存在する。また、高温高圧の排出物は電池セルに圧力放出機構を設ける方向へ排出され、且つより具体的には圧力放出機構が作動する領域を向く方向に沿って排出され、このような排出物の威力や破壊力は非常に大きい可能性があり、さらに該方向で1つ又は複数の構造を壊し、さらなる安全上の問題を招いてしまう可能性がある。
【0070】
上記事情に鑑みて、本願の実施例における電池内に熱管理部材がさらに設けられてもよく、該熱管理部材の表面は電池セルの圧力放出機構が設けられる表面にアタッチされ、且つ、該熱管理部材にも圧力放出領域が設けられてもよい。該管理部材を使用して電池の筐体の内部を分離して電池セルを収容する電気室と排出物を収集する収集室を形成することができ、圧力放出機構が作動するとき、電池セルの排出物は収集室に入ることが可能であり、それにより電気室内のバスバー部材に対する排出物の影響を減少させ、従って、電池の安全性を高めることができ、また、電池セルの排出物が収集室によって収集されることで、高温高圧の排出物は緩衝され、排出物の圧力及び温度はある程度低下し、ほかの構造への破壊力を減少させ、それによりさらに電池の安全性が高められる。
【0071】
しかし、収集室に入る排出物がタイムリーに排出できないと、熱拡散を引き起こす可能性が非常に高く、該排出物はほかの電池セルの熱暴走も引き起こす可能性が非常に高く、さらに電池の爆発を引き起こしてしまう。
【0072】
この問題を解決するために、本願の実施例は電池の筐体を提供し、該筐体は電気室、熱管理部材及び収集室を備え、収集室に第1圧力放出領域が設けられ、該第1圧力放出領域は収集室内の排出物を放出することに用いられることで、排出物を収集室内からタイムリーに排出し、収集室内の圧力及び温度を放出して爆発の発生を防止することができる。
【0073】
理解できるように、本願の実施例における該熱管理部材は、流体を収容して複数の電池セルの温度を調整することに用いられ得る。ここでの流体は液体又は気体であってもよく、温度調整とは、複数の電池セルを加熱又は冷却することである。電池セルを冷却又は降温させる場合、該熱管理部材は冷却流体を収容して複数の電池セルの温度を低下させることに用いられ、このとき、熱管理部材は冷却部材、冷却システム又は冷却板などとも呼ばれ得、それに収容される流体は冷却媒体又は冷却流体とも呼ばれ得、より具体的には、冷却液又は冷却ガスとも呼ばれ得る。また、熱管理部材は加熱して複数の電池セルを昇温させることに用いられてもよく、本願の実施例はこれを限定しない。選択可能に、前記流体は、よりよい温度調整の効果を達成するように、循環的に流れてもよい。選択可能に、流体は水、水とエチレングリコールとの混合液又は空気などであり得る。
【0074】
また、圧力放出機構が作動するとき、電池セル内から排出される排出物は該熱管理部材の圧力放出領域を通過して排出でき、該熱管理部材はさらに電池セルを降温さることができ、それにより電池セルの爆発が回避される。
【0075】
本願の実施例における電気室は、複数の電池セルを収容することに用いられてもよく、バスバー部材を収容することに用いられてもよい。電気室は、密閉又は非密閉としてもよい。電気室は電池セル及びバスバー部材の取り付け空間を提供する。いくつかの実施例では、電気室内には電池セルを固定するための構造が設けられてもよい。電気室の形状は収容される複数の電池セル及びバスバー部材に応じて決められてもよい。いくつかの実施例では、電気室は角形であってもよく、6つの壁を有する。電気室内の電池セルが電気的接続によって高い電圧出力を形成するため、電気室は「高圧室」とも呼ばれ得る。
【0076】
バスバー部材は、複数の電池セル間の電気的接続、例えば並列接続又は直列接続又は直並列接続を実現することに用いられる。バスバー部材は電池セルの電極端子に接続されることによって電池セル間の電気的接続を実現してもよい。いくつかの実施例では、バスバー部材は溶接によって電池セルの電極端子に固定されてもよい。「高圧室」に対応して、バスバー部材で形成される電気的接続は「高圧接続」とも呼ばれ得る。
【0077】
本願の実施例における収集室は、排出物を収集することに用いられ、密閉又は非密閉としてもよい。いくつかの実施例では、前記収集室内には空気、又はほかのガスが含まれてもよい。収集室内には電圧出力への電気的接続がなく、「高圧室」に対応して、収集室は「低圧室」とも呼ばれ得る。選択可能に、又は付加的に、収集室に入る排出物をさらに降温させるように、前記収集室内には、例えば冷却媒体のような液体含まれるか、又は、該液体を収容する部材が設けられてもよい。さらに選択可能に、収集室内の気体又は液体は循環的に流れている。
【0078】
本願の実施例で説明される技術案はいずれも電池を使用する様々な装置に適用でき、例えば、携帯電話、携帯機器、ノートパソコン、電動自転車、電気玩具、電動工具、電動車両、船舶及び宇宙機などに適用でき、例えば、宇宙機は飛行機、ロケット、スペースシャトル及び宇宙船などを含む。
【0079】
理解できるように、本願の実施例で説明される技術案は上記説明された機器に適用できるだけでなく、電池を使用するすべての機器にも適用できるが、説明を簡潔にするために、以下の実施例はいずれも電動車両を例として説明される。
【0080】
例えば、
図1に示すように、本願の一実施例における車両1の構造模式図であり、車両1は燃料自動車、燃料ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は純電気自動車、ハイブリッド自動車又はエクステンデッド・レンジ電気自動車などであってもよい。車両1の内部にモータ40、コントローラ30及び電池10が設けられてもよく、コントローラ30はモータ40に給電するように電池10を制御することに用いられる。例えば、車両1の底部又は前部又は尾部に電池10が設けられてもよい。電池10は車両1の給電に用いられてもよく、例えば、電池10は車両1の操作電源として使用されてもよく、車両1の回路システムに用いられ、例えば、車両1の始動、ナビゲーション及び運転時の動作電力需要に用いられる。本願の別の実施例では、電池10は車両1の操作電源として使用されるだけでなく、車両1の駆動電源として使用され、燃料又は天然ガスを代替又は部分的に代替して車両1に駆動動力を提供することができる。
【0081】
様々な電力使用需要を満たすために、電池10は複数の電池セル20を備えてもよく、複数の電池セル20同士は直列接続又は並列接続又は直並列接続されてもよく、直並列接続とは、直列接続と並列接続との組合せである。電池10は電池パックとも呼ばれ得る。選択可能に、まず、複数の電池セル20を直列接続又は並列接続又は直並列接続して電池モジュール200を構成し、次に、複数の電池モジュール200を直列接続又は並列接続又は直並列接続して電池10を構成するようにしてもよい。つまり、複数の電池セル20は直接電池10を構成してもよく、まず、電池モジュール200を構成し、次に、電池モジュール200から電池10を構成するようにしてもよい。
【0082】
例えば、
図2に示すように、本願の一実施例における電池10の構造模式図であり、電池10は少なくとも1つの電池モジュール200を備えてもよい。電池モジュール200は複数の電池セル20を備える。電池10は筐体11をさらに備えてもよく、筐体11の内部は中空構造であり、複数の電池セル20は筐体11内に収容される。
図2に示すように、筐体11は2つの部分を備えてもよく、ここではそれぞれ第1部分111及び第2部分112と呼ばれ、第1部分111と第2部分112は一体に係合される。第1部分111及び第2部分112の形状は電池モジュール200を組み合わせた形状に応じて決められてもよく、第1部分111及び第2部分112のうちの少なくとも一方は1つの開口を有する。例えば、
図2に示すように、該第1部分111及び第2部分112はいずれも中空の直方体であり、且つそれぞれ1つのみの面が開口面であり、第1部分111の開口と第2部分112の開口は対向して設けられ、第1部分111と第2部分112は相互に係合して密閉チャンバーを有する筐体11を形成するようにしてもよい。さらに例えば、
図2に示すものと異なるように、第1部分111及び第2部分112のうち一方は開口を有する中空の直方体であり、他方は開口を覆うように板状である。例えば、ここでは、第2部分112は中空の直方体で且つ1つのみの面が開口面であり、第1部分111は板状であることを例とすると、第1部分111は第2部分112の開口を覆って閉鎖チャンバーを有する筐体11を形成し、該チャンバーは複数の電池セル20を収容することに用いられ得る。複数の電池セル20は相互に並列接続又は直列接続又は直並列接続して組み合わせられた後、第1部分111と第2部分112を係合することで形成された筐体11内に収容される。
【0083】
選択可能に、電池10はほかの構造をさらに備えてもよく、ここでは詳細説明を省略する。例えば、該電池10はバスバー部材をさらに備えてもよく、バスバー部材は複数の電池セル20間の電気的接続、例えば並列接続又は直列接続又は直並列接続を実現することに用いられる。具体的には、バスバー部材は電池セル20の電極端子に接続されることによって電池セル20間の電気的接続を実現してもよい。さらに、バスバー部材は溶接によって電池セル20の電極端子に固定されてもよい。複数の電池セル20の電気エネルギーはさらに導電機構によって筐体11を通過して導出されてもよい。
【0084】
様々な電力需要に応じて、電池モジュール200の電池セル20の数は任意の数値に設定されてもよい。複数の電池セル20は直列接続、並列接続又は直並列接続の方式で接続されて大きな容量又は電力を実現することができる。各電池10に備えられる電池セル20の数が多い可能性があるため、取り付けを容易にするために、電池セル20をグループ分けして設置し、各グループの電池セル20は電池モジュール200を構成する。電池モジュール200に備えられる電池セル20の数について限定せず、ニーズに応じて設定することができる。例えば、
図3は電池モジュール200の一例である。電池10は複数の電池モジュール200を備えてもよく、これらの電池モジュール200は直列接続、並列接続又は直並列接続の方式で接続されてもよい。
【0085】
図4は本願の一実施例における電池セル20の構造模式図であり、電池セル20は、1つ又は複数の電極組立体22、ハウジング211及びカバープレート212を備える。ハウジング211とカバープレート212はケーシング21を形成する。ハウジング211の壁及びカバープレート212はいずれも電池セル20の壁と呼ばれる。ハウジング211は1つ又は複数の電極組立体22を組み合わせた後の形状に応じて決められ、例えば、ハウジング211は中空の直方体又は立方体又は円筒状であってもよく、且つハウジング211の1つの面は1つ又は複数の電極組立体22をハウジング211内に簡単に収容できるように開口を有する。例えば、ハウジング211が中空の直方体又は立方体である場合、ハウジング211の1つの平面は開口面であり、すなわち、該平面は壁がないことでハウジング211の内外部を連通させる。ハウジング211が中空の円筒状であり得る場合、ハウジング211の端面は開口面であり、すなわち、該端面は壁体がないことでハウジング211の内外部を連通させる。カバープレート212は開口をカバーし且つハウジング211に接続されることで、電極組立体22を収容する密閉チャンバーを形成する。ハウジング211内に、例えば電解液のような電解質が充填されている。
【0086】
該電池セル20は2つの電極端子214をさらに備えてもよく、2つの電極端子214はカバープレート212に設けられてもよい。カバープレート212は通常、平板形状であり、2つの電極端子214はカバープレート212の平板面に固定され、2つの電極端子214はそれぞれ第1電極端子214aと第2電極端子214bである。2つの電極端子214の極性は反対である。例えば、第1電極端子214aは正電極端子である場合、第2電極端子214bは負電極端子である。各電極端子214にそれぞれ1つの接続部材23が対応して設けられ、接続部材23はカバープレート212と電極組立体22との間に位置し、電極組立体22と電極端子214との電気的接続を実現することに用いられる。
【0087】
図4に示すように、各電極組立体22は第1タブ221aと第2タブ222aと有する。第1タブ221aと第2タブ222aの極性は反対である。例えば、第1タブ221aは正極タブである場合、第2タブ222aは負極タブである。1つ又は複数の電極組立体22の第1タブ221aは1つの接続部材23を介して1つの電極端子に接続され、1つ又は複数の電極組立体22の第2タブ222aはもう1つの接続部材23を介してもう1つの電極端子に接続される。例えば、正の第1電極端子214aは1つの接続部材23を介して正極タブに接続され、負の第2電極端子214bはもう1つの接続部材23を介して負極タブに接続される。
【0088】
該電池セル20では、実際の使用ニーズに応じて、電極組立体22は1つ又は複数設けられてもよく、
図4に示すように、電池セル20内には4つの独立した電極組立体22が設けられる。
【0089】
電池セル20の1つの壁に圧力放出機構213がさらに設けられてもよい。
図4に示すように、電池セル20の第1壁21aに圧力放出機構213が設けられる。
図4における第1壁21aはハウジング211と分離し、すなわち、ハウジング211の底側に開口を有し、第1壁21aは底側の開口をカバーし且つハウジング211に接続され、接続方式は溶接又は接着などであり得る。代替可能に、第1壁21aとハウジング211は一体式構造であり得る。圧力放出機構213は電池セル20の内部圧力又は温度が閾値に達すると、内部圧力又は温度を放出するように作動することに用いられる。
【0090】
該圧力放出機構213は第1壁21aの一部であってもよく、第1壁21aとは別体の構造であってもよく、例えば、溶接によって第1壁21aに固定される。圧力放出機構213が第1壁21aの一部である場合、例えば、圧力放出機構213は第1壁21aに切り欠きを設けることによって形成されてもよく、該切り欠きに対応する第1壁21aの厚さは圧力放出機構213の切り欠きを除くほかの領域の厚さ未満である。切り欠きは圧力放出機構213の最も脆弱な位置である。電池セル20に生じたガスが多すぎてハウジング211の内部圧力が上昇し且つ閾値に達するか、又は電池セル20の内部で反応して熱を発生させて電池セル20の内部温度が上昇し且つ閾値に達すると、圧力放出機構213は切り欠きで破裂してハウジング211の内外部を連通させ、ガス圧力及び温度が圧力放出機構213の破裂によって外部へ放出され、それにより電池セル20の爆発が回避される。
【0091】
選択可能に、本願の一実施例では、
図4に示すように、圧力放出機構213が電池セル20の第1壁21aに設けられる場合、電池セル20の第2壁に電極端子214が設けられ、第2壁は、第1壁21aとは異なる。
【0092】
選択可能に、第2壁と第1壁21aは対向して設けられる。例えば、第1壁21aは電池セル20の底壁、第2壁は電池セル20のカバープレート212であり得る。
【0093】
圧力放出機構213と電極端子214が電池セル20の異なる壁に設けられることで、圧力放出機構213が作動するとき、電池セル20の排出物をさらに電極端子214から遠くすることができ、それにより電極端子214及びバスバー部材に対する排出物の影響を減少させ、従って電池10の安全性を向上させることができ。
【0094】
さらに、電極端子214が電池セル20のカバープレート212に設けられる場合、圧力放出機構213が電池セル20の底壁に設けられることで、圧力放出機構213が作動するとき、電池セル20の排出物を電池10の底部に排出することができる。このように、一方では、電池10の底部の熱管理部材を使用して排出物の危険性を低減させることができ、他方では、電池10が車両内に設けられるとき、電池10の底部が通常乗員から遠いことで、乗員への害を低減させることができる。
【0095】
圧力放出機構213は様々な可能な圧力放出構造であってもよく、本願の実施例はこれを限定しない。例えば、圧力放出機構213は感温圧力放出機構であってもよく、感温圧力放出機構は、圧力放出機構213を設けた電池セル20の内部温度が閾値に達すると溶融できるように構成され、及び/又は、圧力放出機構213は感圧圧力放出機構であってもよく、感圧圧力放出機構は、圧力放出機構213を設けた電池セル20の内部気圧が閾値に達すると破裂できるように構成される。
【0096】
図5は本願の一実施例における電池10の筐体11の模式図である。
図5に示すように、筐体11は電気室11a、収集室11b及び熱管理部材13を備えてもよい。具体的には、
図5に示すように、電気室11aと収集室11bは熱管理部材13の両側に設けられ、熱管理部材13は電気室11aと収集室11bを分離することに用いられ、該電気室11aは複数の電池セル20を収容することに用いられてもよく、電池セル20は圧力放出機構213を備え、圧力放出機構213は電池セル20の内部圧力又は温度が閾値に達すると内部圧力を放出するように作動することに用いられ、該熱管理部材13は、流体を収容して電池セル20の温度を調整することに用いられ、該収集室11bは圧力放出機構213の作動時に電池セル20内から排出され且つ熱管理部材13を通過する排出物を収集することに用いられる。また、
図5に示すように、収集室11bの壁に第1圧力放出領域113が設けられ、第1圧力放出領域113は収集室11b内の排出物を放出することに用いられる。
【0097】
従って、本願の実施例における電池10の筐体11は、収集室11bの壁に第1圧力放出領域113が設けられることで、圧力放出機構213が作動するとき、電池セル20から圧力放出機構213によって排出される排出物は収集室11bに入った後、収集室11bの壁における第1圧力放出領域113によってタイムリーに排出されることで、収集室11b内の圧力及び温度を放出することができ、さらに排出物が収集室11b内で蓄積して排出できないと電池10の爆発が発生することを回避することができる。
【0098】
理解できるように、本願の実施例の
図5に示す電池10の筐体11は
図1~
図4に示す電池10の筐体11に対応でき、且つ関連説明に適用され、簡潔にするために、ここでは詳細説明を省略する。
【0099】
本願の実施例における熱管理部材13は電気室11aと収集室11bを隔離することに用いられる。ここでは、いわゆる「隔離」とは、分離であり、非密閉である。
【0100】
本願の実施例における電気室11aは複数の電池セル20を収容することに用いられ、且つバスバー部材12を収容することに用いられてもよく、すなわち、電気室11aは電池セル20及びバスバー部材12の収容空間を提供し、電気室11a内には電池セル20を固定するための構造がさらに設けられてもよい。
【0101】
バスバー部材12は複数の電池セル20の電気的接続を実現することに用いられる。バスバー部材12は電池セル20の電極端子214に接続されることで電池セル20間の電気的接続を実現してもよい。
【0102】
複数の電池セル20のうちの少なくとも1つの電池セル20は圧力放出機構213を備えてもよく、圧力放出機構213は圧力放出機構213を設けた電池セル20の内部圧力又は温度が閾値に達すると、内部圧力又は温度を放出するように作動することに用いられる。
【0103】
説明の便宜上、以下の圧力放出機構213についての関連説明に係る電池セル20は、圧力放出機構213を設けた電池セル20である。例えば、電池セル20は
図4における電池セル20であり得る。
【0104】
選択可能に、本願の一実施例では、熱管理部材13を使用して電気室11aと収集室11bを隔離し、すなわち、複数の電池セル20及びバスバー部材12を収容する電気室11aと排出物を収集する収集室11bとは分離して設けられ、熱管理部材13は電気室11aと収集室11bにより共有される壁を有する。
図5に示すように、熱管理部材13は同時に電気室11aの1つの壁及び収集室11bの1つの壁としてもよい。つまり、熱管理部材13(又はその一部)は電気室11aと収集室11bにより共有される壁とみなされてもよく、このように、電池セル20の排出物は熱管理部材13を通過して収集室11bに入ることが可能であり、また、熱管理部材13が存在することで、該排出物を電気室11aからできるだけ離間させることができ、それにより排出物の危険性を低減させ、電池10の安全性を高める。
【0105】
選択可能に、本願の一実施例では、筐体11はカバー110をさらに備えてもよく、該カバー110は一端が開口する中空構造であってもよく、電気室11aは開口を有する該カバー110と熱管理部材13とで形成されてもよい。例えば、
図6は本願の実施例における電気室11aの分解図であり、
図6に示すように、筐体11の電気室11aは、一端に開口を有するカバー110(例えば、
図6における下側開口)を備えてもよい。開口を有するカバー110は半密閉チャンバーであり、外部に連通する開口を有し、熱管理部材13は該開口を覆って、チャンバー、すなわち電気室11aを形成する。
【0106】
選択可能に、カバー110は複数の部分からなってもよく、例えば、
図7は本願の実施例における電気室11aの別の分解図を示す。
図7の実施例は
図2をもとに改良することで得られるものである。具体的には、
図2に示す筐体11を電気室11aとみなしてもよく、すなわち、電気室11aを形成するカバー110は第1部分111と第2部分112とを備える。
図2における第2部分112の底壁を熱管理部材13で置き換え、熱管理部材13を電気室11aの1つの壁とするだけで、
図7における電気室11aが形成される。換言すれば、
図2における第2部分112の底壁を除去すると、両側が開口する周壁が形成され、第1部分111と熱管理部材13はそれぞれ第2部分112の両側の開口を覆って、チャンバー、すなわち電気室11aを形成する。
【0107】
選択可能に、本願の一実施例では、収集室11bは、熱管理部材13と保護部材115とから形成され得る。例えば、
図8は本願の実施例における筐体11の模式図を示し、
図8における電気室11aは
図6に示す電気室11aであり、
図9は本願の実施例における筐体11の別の模式図を示し、
図9における電気室11aは
図7に示す電気室11aである。
図8及び
図9に示すように、筐体11は保護部材115をさらに備える。保護部材115は熱管理部材13を保護することに用いられ、且つ、保護部材115と熱管理部材13は収集室11bを形成する。
【0108】
保護部材115と熱管理部材13で形成される収集室11bは、電池セル20を収容可能な空間を占有せず、従って、大きな空間の収集室11bを設けることができ、それにより排出物を効果的に収集及び緩衝し、その危険性を低減させることができる。
【0109】
選択可能に、本願の一実施例では、収集室11b内に入った排出物をさらに降温させるように、収集室11b内には、例えば、冷却媒体のような流体が設けられるか、又は該流体を収容する部材が設けられるようにしてもよい。一方、収集室11b内に設けられる流体は、収集室11bの壁に設けられる第1圧力放出領域113が排出物を排出することに影響しない。
【0110】
選択可能に、本願の一実施例では、収集室11bは密閉チャンバーであり得る。例えば、保護部材115と熱管理部材13との接続部はシール部材で密封され得る。
【0111】
選択可能に、本願の一実施例では、収集室11bは非密閉チャンバーであり得る。例えば、収集室11bの第1圧力放出領域113は非密閉であり得ることで、収集室11bは外気に連通し、このように、一部分の排出物は筐体11の外部に直接排出できる。
【0112】
上記実施例では、熱管理部材13はカバー110の開口を覆って電気室11aを形成し、熱管理部材13と保護部材115は収集室11bを形成する。選択可能に、熱管理部材13は密閉な筐体11を電気室11aと収集室11bに直接分割するようにしてもよく、保護部材115を別途設置する必要がない。
【0113】
例えば、本願の一実施例では、
図10は本願の別の実施例における電池10の筐体11の分解図を示し、該
図10の筐体11は
図2に示す筐体11に対応できる。
図10に示すように、該筐体11は第1部分111、第2部分112及び熱管理部材13を備えてもよく、第1部分111、第2部分112及び熱管理部材13は電気室11aと収集室11bを形成することができる。具体的には、
図10に示す第1部分111及び第2部分112はいずれも一側に開口を有する空洞構造であり、それぞれ半密閉構造を形成できる。熱管理部材13は第2部分112の内部に設けられてもよく、第1部分111は第2部分112の開口を覆う。換言すれば、まず、熱管理部材13を半密閉な第2部分112内に設けて収集室11bを画定し、さらに第1部分111で第2部分112の開口を覆って電気室11aを形成し、このように、
図10と
図9を比較したところ、第2部分112の底壁で保護部材115を代替して収集室11bを形成してもよいことが分かった。
【0114】
説明の便宜上、以下、熱管理部材13と保護部材115が収集室11bを構成することを例として説明するが、同様にほかの場合にも適用でき、本願の実施例はこれに限定されない。
【0115】
具体的には、
図11は本願の実施例における電池10の分解図であり、
図11に示すように、該電池10はカバー110、熱管理部材13、保護部材115及び複数の電池セル20を備え、カバー110と熱管理部材13は電気室11aを構成し、電池セル20を収容することに用いられ、熱管理部材13と保護部材115は収集室11bを形成し、電池セル20の圧力放出機構213が作動するとき、電池セル20から排出される排出物は熱管理部材13を通過して収集室11bに入り、該収集室11bの第1圧力放出領域113は排出物を排出する。
【0116】
選択可能に、本願の実施例における第1圧力放出領域113は防収集室11bのいずれか1つ又は複数の壁に設けられてもよい。例えば、熱管理部材13に該第1圧力放出領域113が設けられ得ることで、圧力放出機構213が作動するとき、電池セル20から排出される排出物は熱管理部材13を通過して収集室11bに排出された後、熱管理部材13に設けられる第1圧力放出領域113を通過して排出され、収集室11b内の気圧が大きすぎるか又は温度が高すぎることによって電池10の爆発を引き起こすことを回避する。
【0117】
選択可能に、本願の実施例における第1圧力放出領域113は収集室11bのほかの壁に設けられてもよく、例えば、さらに保護部材115に設けられてもよい。具体的には、
図12は本願の実施例における保護部材115の模式図を示し、
図13は本願の実施例における別の保護部材115の断面図を示す。
図11~
図13に示すように、本願の実施例における保護部材115は、一端が開口する中空構造を形成するように底壁1151及び複数の側壁1152を備え、熱管理部材13は開口を覆って収集室11bを形成する。
【0118】
選択可能に、該第1圧力放出領域113は保護部材115の底壁1151及び/又は複数の側壁1152に設けられてもよい。第1圧力放出領域113が保護部材115の底壁1151に設けられると、保護部材115の底壁1151が該第1圧力放出領域113で相対的に脆弱であることを考慮する場合、電池10の使用過程では、電池10の構造強度に影響し、該電池10の衝撃安全性に影響する可能性がある。従って、
図11~
図13に示すように、通常、複数の側壁1152に第1圧力放出領域113が設けられる。
【0119】
また、本願の実施例では、第1圧力放出領域113の数及び各第1圧力放出領域113の面積や形状はいずれも実際の応用に応じて設定されてもよい。第1圧力放出領域113の数を大きく設定し、各第1圧力放出領域113の面積を過度に大きく設定すると、該保護部材115の構造強度に影響するが、第1圧力放出領域113の数を少なく設定し、各第1圧力放出領域113の面積を小さく設定すると、排出物の排出に影響し、従って、保護部材115の寸法及び強度のニーズに応じて第1圧力放出領域113の数及び各第1圧力放出領域113の面積を適切に設定することができる。各第1圧力放出領域113の形状も柔軟に設定でき、且つ複数の第1圧力放出領域113の形状は同じであるか又は異なるようにしてもよい。例えば、加工の便宜上、すべての第1圧力放出領域113を、例えば、
図11~
図13に示す長方形のような同じ形状に設定してもよいが、本願の実施例はこれに限定されない。
【0120】
選択可能に、
図11~
図13に示すように、複数の側壁1152のうちの1つの側壁1152又は複数の側壁1152に第1圧力放出領域113が設けられ、且つ各側壁1152に1つ又は複数の第1圧力放出領域113が設けられてもよい。また、各側壁1152に複数の第1圧力放出領域113が設けられる場合、該複数の第1圧力放出領域113は各側壁1152に均一に並んでいるように設けられてもよく、それにより該保護部材115の力受けが均一であり、該保護部材115の構造強度が確保される。
【0121】
理解できるように、本願の実施例における第1圧力放出領域113は様々な形態で実現され得る。選択可能に、該第1圧力放出領域113は貫通孔であってもよく、例えば、保護部材115に少なくとも1つの第1貫通孔が設けられ、第1圧力放出領域113は該第1貫通孔を備える。選択可能に、該第1圧力放出領域113は該保護部材115の脆弱領域であってもよく、例えば、保護部材115に少なくとも1つの第1脆弱領域が設けられ、該第1脆弱領域は圧力放出機構213が作動するとき、収集室11b内の排出物により破壊可能であり、排出物を収集室11bから排出し、該第1圧力放出領域113は該第1脆弱領域を備える。
【0122】
選択可能に、本願の実施例における第1脆弱領域は該保護部材115の凹溝であってもよく、該凹溝の底壁の厚さは保護部材115のほかの領域の厚さよりも小さく、それにより第1脆弱領域が形成される。選択可能に、該凹溝の開口は該収集室11bの内部を向いてもよく、収集室11bの外部を向いてもよく、該凹溝は該保護部材115の切り欠きを備えてもよい。勿論、理解できるように、第1脆弱領域は直接保護部材115の切り欠きであり得る。
【0123】
選択可能に、本願の実施例における第1脆弱領域は感温材料が位置する領域であってもよく、すなわち、第1脆弱領域の材料は感温材料を使用し、該感温材料は、温度が閾値に達すると溶融することに用いられ、すなわち、第1脆弱領域の材料の融点を保護部材115の第1脆弱領域を除くほかの領域の材料の融点よりも低く設定することで、感温材料を使用する第1脆弱領域は排出物の温度が所定値に達すると溶融できる。具体的には、電池セル20に熱暴走が発生するときに排出される排出物の温度に応じて、該第1脆弱領域の材料を適切に選択することができる。例えば、電池セル20に熱暴走が発生するとき、排出される排出物は通常400℃~800℃と高く、熱管理部材13を通過した後、該熱管理部材13の降温作用により、該高温排出物が保護部材115に到達する時の温度は200℃~400℃と高いことを考慮し、第1脆弱領域を溶融可能にするために、該第1脆弱領域の材料の融点を200℃以下に設定してもよく、例えば、第1脆弱領域の材料は錫合金材料を選択するか、又はポリプロピレンエンジニアリングプラスチック材料を使用することで、温度が200℃に達すると、第1脆弱領域は直ちに溶融でき、それにより排出物は溶融領域を通過して収集室11bからスムーズに排出される。
【0124】
強度が弱い凹溝又は切り欠きの形態を使用して該第1脆弱領域を設けることに比べて、感温材料を選択して該第1脆弱領域を設けることは、該第1脆弱領域の機械的強度を確保し、電池10の使用中の筐体11の衝撃安全性を確保することができ、且つ、感温材料を使用して該第1脆弱領域を設けることで、収集室11b内のガス圧力が不足する場合、収集室11b内の温度変化だけによって第1脆弱領域を迅速に溶融させ、破壊にはガスが一定の圧力に蓄積する必要がある凹溝又は切り欠きに比べて、感温材料を使用して第1脆弱領域を設けることは排出物をよりタイムリーに排出し、電池10の使用状の安全性を高めることができる。
【0125】
保護部材115の構造強度を確保するために、感温材料を選択する第1脆弱領域の厚さは通常ほかの領域の厚さと一致する。例えば、複数の側壁1152に第1脆弱領域が設けられる場合、複数の側壁1152の第1脆弱領域の肉厚は複数の側壁1152のほかの領域の肉厚に等しい。
【0126】
図14は本願の実施例における熱管理部材13の分解図を示し、
図15は本願の実施例における熱管理部材13及び保護部材115の取り付け後の平面図を示し、
図16は熱管理部材13及び保護部材115の取り付け後の
図15に示すA-A’方向に沿った断面模式図であり、
図17は
図16における領域Aの部分拡大図であり、
図18は熱管理部材13及び保護部材115の取り付け後の
図15に示すB-B’方向に沿った断面模式図である。
【0127】
図14~
図18に示すように、本願の実施例における熱管理部材13に流路134が設けられ、流路134は流体を収容することに用いられ、且つ、流路134は圧力放出機構213の作動時に電池セル20内から排出される排出物により破壊可能であり、流体を流路134の内部から排出し、圧力放出機構213の作動時に電池セル20内から排出される排出物は第2圧力放出領域133を通過して収集室11bに排出できるように熱管理部材13に第2圧力放出領域133がさらに設けられてもよい。
【0128】
本願の実施例における第2圧力放出領域133は圧力放出機構213の位置及び寸法に応じて設けられてもよい。例えば、圧力放出機構213が作動するとき、排出物は第2圧力放出領域133をスムーズに通過して収集室11bに排出できるように、該第2圧力放出領域133は圧力放出機構213と対向して設けられてもよく、さらに該第2圧力放出領域133の面積は該圧力放出機構213の面積よりも大きく設定されてもよい。また、第2圧力放出領域133の形状も圧力放出機構213の形状及び面積に応じて設定されてもよく、例えば、本願の実施例は、第2圧力放出領域133の形状と圧力放出機構213の形状が同じであり、いずれも
図14及び
図15に示すトラック状であることを例として説明を行うが、本願の実施例はこれに限定されない。
【0129】
本願の実施例における流路134の寸法、位置及び形状は実際の応用に応じて設定されてもよい。
図14~
図18に示すように、本願の実施例における流路134は長尺状に設けられてもよく、圧力放出機構213が作動するとき、電池セル20内から排出される排出物は第2圧力放出領域133を通過して流路134を破壊して流体を流路134内から排出して排出物を降温させるために、流路134が第2圧力放出領域133の周囲に設けられてもよく、且つ、異なる位置での流路134の断面の形状又は寸法は同じであってもよく、異なってもよいが、本願の実施例はこれに限定されない。
【0130】
図134~
図18に示すように、本願の実施例における熱管理部材13は第1熱伝導板131と第2熱伝導板132とを備えてもよい。
図5、
図11、
図14~
図18を組み合わせて示すように、第1熱伝導板131は圧力放出機構213が位置する第1壁21aと第2熱伝導板132との間に位置し、且つ第1熱伝導板131は第1壁21aにアタッチされ、第1熱伝導板131は第2熱伝導板132に密着する。第2熱伝導板132は開口が第1熱伝導板131を向く第1凹溝1321を有し、第1凹溝1321と第1熱伝導板131は流路134を形成する。第2熱伝導板132に設けられる1つ又は複数の第1凹溝1321の寸法は同じであるか又は異なるようにしてもよく、本願の実施例はこれに限定されない。
【0131】
理解できるように、本願の実施例では、第1熱伝導板131が電池セル20の第1壁21aにアタッチされることは、第1熱伝導板131が第1壁21aに直接接触することを含んでもよく、第1熱伝導板131が熱伝導接着剤又はほかの物質によって第1壁21aに接続されることを含んでもよく、それにより第1熱伝導板131と電池セル20の第1壁21aとの間の熱交換が実現される。
【0132】
選択可能に、本願の実施例における流路134の壁に第2脆弱領域135が設けられてもよく、それにより圧力放出機構213が作動するとき、流路134は破壊されやすくなり、すなわち、該流路134は第2脆弱領域135で破壊可能であり、流路134内の流体は流出して排出物を降温させる。
【0133】
選択可能に、該第2脆弱領域135は様々な形態で実現され得る。例えば、該第2脆弱領域135は流路134の壁における切り欠きであってもよく、又は、該第2脆弱領域135は感温材料を使用してもよく、すなわち、該第2脆弱領域135の材料の融点は流路134の第2脆弱領域135を除くほかの領域の材料の融点よりも低く、それにより該第2脆弱領域135は温度が所定値に達すると溶融可能である。具体的には、電池セル20から排出される排出物の温度に応じて、第2脆弱領域135の材料を選択するようにしてもよい。例えば、電池セル20に熱暴走が発生するとき、排出される排出物は通常400℃~800℃と高いことを考慮し、従って、第2脆弱領域135の材料は融点が400℃以下の材料を選択してもよく、このように、排出物は該第2脆弱領域135に接触し、該第2脆弱領域135を溶融して該第2脆弱領域135を破壊することができる。例えば、該第2脆弱領域135は錫合金材料、又はポリプロピレンエンジニアリングプラスチック材料を使用してもよい。
【0134】
熱管理部材13の流路134の強度を考慮する場合、該流路134の第2脆弱領域135の肉厚は通常流路134のほかの領域の肉厚に等しく設定されることで、電池10の使用過程では、電池セル20に熱暴走が発生する前に第2脆弱領域135が予め破壊されることを回避する。例えば、第2脆弱領域135は錫合金材料を使用するが、流路134の残りの領域はアルミニウム材を使用し、両者は同じ厚さで設けられてもよく、且つ溶接又は構造用接着剤などによって接続されるが、本願の実施例はこれに限定されない。
【0135】
切り欠きの形態を使用して該第2脆弱領域135を設けることに比べて、感温材料を使用して該第2脆弱領域135を設けることは流路134の構造強度を確保することができ、熱管理部材13の構造強度も確保することができ、それにより電池10の正常使用過程では、該第2脆弱領域135は破壊されにくくなり、また、凹溝の形態を使用して該第2脆弱領域135を設ける場合、該第2脆弱領域135の表面に作用する気圧は十分に大きい必要があり、感温材料を使用して該第2脆弱領域135を設けることで、ガス圧力が不足する場合、温度変化を感知することで第2脆弱領域135を迅速に溶融することができ、破壊にはガスが蓄積する必要がある凹溝に比べて、感温材料を使用して第2脆弱領域135を設けることは流路134をよりタイムリーに破壊し、熱暴走が発生する電池セル20をタイムリーに降温させることを実現し、電池10の安全性を高めることができる。
【0136】
電池セル20に熱暴走が発生することを考慮し、排出される排出物はまず、熱管理部材13を通過して収集室11bに到達し、すなわち、該排出物はまず第2脆弱領域135を破壊し、従って、該第2脆弱領域135の材料の融点を大きく設定してもよく、それによって、流路134の強度を確保できるだけでなく、排出物が該第2脆弱領域135に接触とき、該第2脆弱領域135を溶融して流路134内の流体を排出し、熱暴走が発生する電池セル20、排出物及び筐体11を降温させることができ、降温後の排出物は収集室11bに入るとき、温度が既に低下し、従って、第2脆弱領域135の材料の融点を第1圧力放出領域113に含まれる第1脆弱領域の材料の融点未満に設定してもよく、それによって、降温後の排出物は第1圧力放出領域113の材料を溶融して排出物を収集室11bから排出することができる。
【0137】
選択可能に、本願の実施例における第2脆弱領域135の形状及び面積は実際の応用に応じて設定されてもよい。例えば、該第2脆弱領域135の面積は過度に大きく設定されることが好ましくない。第2脆弱領域135の面積が大きすぎると、流路134が過度に脆弱であり、流路134の機械的強度を確保できず、且つ圧力放出機構213が作動するとき、大面積の第2脆弱領域135が破壊されると、流路134内の流体の浪費を引き起こしてしまう。
【0138】
選択可能に、本願の実施例における第2脆弱領域135の位置は実際の応用に応じて設定されてもよく、該第2脆弱領域135は流路134のいずれか1つ又は複数の位置に設けられてもよい。例えば、圧力放出機構213が作動するとき、電池セル20の排出物は熱管理部材13の第2圧力放出領域133を通過して収集室11bに排出でき、従って、第2圧力放出領域133に応じて該第2脆弱領域135の位置をしてもよく、それによって、第2圧力放出領域133を通過する排出物は該第2脆弱領域135を破壊することができ、また、流路134の位置に応じて該第2脆弱領域135の位置を適切に設定してもよい。以下、図面を参照しながら例示的に説明する。
【0139】
選択可能に、本願の実施例における第2圧力放出領域133は熱管理部材13における貫通孔であってもよく、例えば、該熱管理部材13には第1熱伝導板131と第2熱伝導板132を貫通する第2貫通孔が設けられてもよく、該第2圧力放出領域133は該第2貫通孔である。且つ、該第2貫通孔の側壁は流路134の壁であってもよく、この場合、該第2貫通孔の側壁に該第2脆弱領域135が設けられてもよく、それによって、電池セル20の排出物は該第2貫通孔を通過するとき、孔壁の第2脆弱領域135を破壊して流路134内の流体をスムーズに流出させることができる。
【0140】
選択可能に、本願の実施例における第2圧力放出領域133は熱管理部材13における第2凹溝1311であり得る。具体的には、該第2圧力放出領域133は熱管理部材13に圧力放出機構213と対向して設けられる第2凹溝1311であり、第2凹溝1311の底壁は圧力放出機構213が作動するときに電池セル20内から排出される排出物により破壊されて電池セル20内から排出される排出物を収集室11bに排出することに用いられる。選択可能に、該第2凹溝1311の開口は圧力放出機構213を向くか又は該圧力放出機構213とは反対側を向くようにしてもよい。
【0141】
該第2凹溝1311の側壁が流路134の1つの壁であると、該第2脆弱領域135はさらに第2凹溝1311の側壁に設けられてもよい。説明の便宜上、以下、
図14~
図18を例として説明を行う。
図14~
図18に示すように、第2凹溝1311の開口が圧力放出機構213を向くことを例として、本願の実施例における第2凹溝1311は熱管理部材13の第1熱伝導板131によって実現されてもよく、すなわち、第1熱伝導板131は第2圧力放出領域133で第2熱伝導板132へ凹んで第2凹溝1311を形成し、このように、圧力放出機構213と該第2凹溝1311の底壁との間に隙間があり、圧力放出機構213の変形空間を提供でき、それにより電池セル20の熱暴走が発生するとき、該圧力放出機構213がスムーズに開いて電池10の安全性を向上させることを確保することができる。
【0142】
選択可能に、第2凹溝1311の寸法は実際の応用に応じて設定されてもよく、例えば、
図14~
図18に示すように、本願の実施例における第2凹溝1311の径方向寸法は圧力放出機構213から離れる方向に沿って徐々に小さくなってもよく、この第2凹溝1311の孔径の変化は第2凹溝1311の孔壁の面積を増大させることができ、つまり、電池セル20から圧力放出機構213によって排出される排出物と第2凹溝1311の孔壁との接触面積を増加させ、より多くの排出物を降温させることができ、また、より多くの排出物が第2凹溝1311の孔壁に接触することで、該第2凹溝1311の孔壁が排出物により破壊されやすくなり、特に第2凹溝1311の孔壁が流路134の壁とする場合、第2凹溝1311の側壁は破壊されて内部の流体を迅速に流出させて排出物を降温させることができる。理解できるように、ほかの実施例では、第2凹溝1311の径方向寸法は圧力放出機構213から離れる方向に沿って変化しなくてもよい。
【0143】
選択可能に、本願の実施例における第2圧力放出領域133は貫通孔と凹溝とを組み合わせて使用したものであってもよく、例えば、
図14を例として、第2凹溝1311の底壁に第3貫通孔1312が設けられ、これに対応して、第2熱伝導板132に第4貫通孔1322が設けられることで、該第2圧力放出領域133を形成するようにしてもよく、本願の実施例はこれに限定されない。
【0144】
又は、凹溝と貫通孔とを使用して該第2圧力放出領域133を形成することは、ほかの形態を含んでもよい。例えば、該第2凹溝1311の底壁に第3貫通孔1312が設けられるが、第3貫通孔1312の断面面積が該第2凹溝1311の底壁の面積未満であり、対応する第2熱伝導板132に第4貫通孔1322が設けられておらず、該第2凹溝1311の底壁の貫通孔を除く領域が第2熱伝導板132に接続されることで、第2圧力放出領域133を形成するか、又は、該第2凹溝1311の底壁に第3貫通孔1312が設けられていないが、対応する第2熱伝導板132に第4貫通孔1322が設けられ、且つ第4貫通孔1322の断面面積が該第2凹溝1311の底壁の面積未満であり、該第2凹溝1311の底壁が第2熱伝導板132の第4貫通孔1322の周囲の領域に接続されることで、第2圧力放出領域133を形成するようにしてもよく、本願の実施例はこれに限定されない。
【0145】
選択可能に、
図14~
図18に示すように、本願の実施例における第2凹溝1311は第1凹溝1321内に設けられてもよく、それによって、第1凹溝1321の側壁と第2凹溝1311の側壁との間に流路134が形成され、これに対応して、第2凹溝1311の側壁に第2脆弱領域135が設けられてもよく、排出物は第2圧力放出領域133を破壊すると同時に、第2凹溝1311の側壁の第2脆弱領域135を破壊でき、流路134内の流体を流出させて熱暴走が発生する電池セル20に直接噴射し、それにより熱暴走が発生する電池セル20に対する降温効果を直接実現することができる。
【0146】
選択可能に、該第2脆弱領域135は流路134のほかの位置にあってもよく、例えば、
図14及び
図17に示すように、第1凹溝1321と第1熱伝導板131の第2凹溝1311を設けていない領域とで形成される流路134の場合、第2脆弱領域135はさらに該流路134を形成する第1凹溝1321の側壁又は底壁に位置してもよい。選択可能に、該第1凹溝1321の側壁又は底壁に設けられる該第2脆弱領域135は通常、感温材料を選択し、電池セル20から排出される排出物は収集室11bに入るとき、気圧が不足する可能性があるが、温度が高い可能性があることを考慮し、従って、感温材料を使用して該第2脆弱領域135を設けることで、排出物は該第1凹溝1321の側壁又は底壁に設けられる第2脆弱領域135を通過して流路134の壁を迅速に破壊でき、流路134内の流体を収集室11b内に直接流し、さらに保護部材115の温度を低減させ、熱暴走が発生する電池セル20の降温効果を間接的に実現することもできる。
【0147】
従って、本願の実施例における電池10は電気室11aと収集室11bとを備え、電気室11aと収集室11bはそれぞれ熱管理部材13の両側に設けられ、電池セル20に熱暴走が発生すると、圧力放出機構213は作動し、排出される排出物は熱管理部材13を通過して収集室11bに入ることができ、収集室11bに設けられる第1圧力放出領域113によって、該排出物を収集室11bに排出して収集室11b内の圧力及び温度を放出し、電池10の使用中の安全性を向上させることができる。また、熱管理部材13に第2脆弱領域135が設けられてもよく、例えば、流路134に該第2脆弱領域135が設けられ、電池セル20から圧力放出機構213によって排出される排出物は該第2脆弱領域135を破壊して流路134内の流体を流出させ、電池セル20を降温させることができ、収集室11b及び収集室11b内の排出物を降温させ、さらに電池10が爆発する可能性を減少させることもできる。
【0148】
以上、本願の実施例における電池10の筐体11、電池10及び電力消費機器を説明したが、以下、本願の実施例における電池の筐体の製造方法及び装置を説明し、詳細に説明されていない部分について、上記各実施例を参照すればよい。
【0149】
図19は本願の一実施例における電池の筐体の製造方法300の模式的フローチャートを示す。
図19に示すように、該方法300は、S310、複数の電池セルを収容することに用いられ、前記電池セルは圧力放出機構を備え、前記圧力放出機構は前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達すると、前記内部圧力を放出するように作動することに用いられる電気室を提供するステップと、S320、前記熱管理部材は流体を収容して前記電池セルの温度を調整することに用いられる熱管理部材を提供するステップと、S330、前記圧力放出機構の作動時に前記電池セル内から排出され且つ前記熱管理部材を通過する排出物を収集することに用いられる収集室を提供するステップと、を含み、前記電気室と前記収集室は前記熱管理部材の両側に設けられ、前記熱管理部材は前記電気室と前記収集室を分離することに用いられ、前記収集室の壁に第1圧力放出領域が設けられ、前記第1圧力放出領域は前記収集室内の前記排出物を放出することに用いられる。
【0150】
図20は本願の一実施例における電池の筐体の製造装置400の模式的ブロック図を示す。
図20に示すように、該装置400は提供モジュール410を備えてもよい。該提供モジュール410は、複数の電池セルを収容することに用いられ、前記電池セルは圧力放出機構を備え、前記圧力放出機構は前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達すると、前記内部圧力を放出するように作動することに用いられる電気室を提供すること、流体を収容して前記電池セルの温度を調整することに用いられる熱管理部材を提供すること、及び前記圧力放出機構の作動時に前記電池セル内から排出され且つ前記熱管理部材を通過する排出物を収集することに用いられる収集室を提供することに用いられ、前記電気室と前記収集室は前記熱管理部材の両側に設けられ、前記熱管理部材は前記電気室と前記収集室を分離することに用いられ、前記収集室の壁に第1圧力放出領域が設けられ、前記第1圧力放出領域は前記収集室内の前記排出物を放出することに用いられる。
【0151】
好適実施例を参照しながら本願を説明したが、本願の範囲を逸脱せずに種々の改良を行ったりその部材を同等物で置換したりすることができる。特に、構造上の矛盾がない限り、各実施例で言及される各技術的特徴を任意に組み合わせることができる。本願は明細書に開示されている特定の実施例に限定されず、特許請求の範囲に属するすべての技術案を含む。
【符号の説明】
【0152】
1 車両
10 電池
11 筐体
11a 電気室
11b 収集室
12 バスバー部材
13 熱管理部材
20 電池セル
21 ケーシング
21a 第1壁
22 電極組立体
23 接続部材
30 コントローラ
40 モータ
110 カバー
111 第1部分
112 第2部分
113 第1圧力放出領域
115 保護部材
131 第1熱伝導板
132 第2熱伝導板
133 第2圧力放出領域
134 流路
135 第2脆弱領域
200 電池モジュール
211 ハウジング
212 カバープレート
213 圧力放出機構
214 電極端子
214a 第1電極端子
214b 第2電極端子
221 第1タブ
222 第2タブ
400 製造装置
410 提供モジュール
1151 底壁
1152 側壁
1311 第2凹溝
1312 第3貫通孔
1321 第1凹溝
1322 第4貫通孔
【手続補正書】
【提出日】2022-06-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池の筐体であって、
複数の電池セ
ルを収容することに用いられる電気
室であって、前記電池セ
ルは圧力放出機
構を備え、前記圧力放出機
構は前記電池セ
ルの内部圧力又は温度が閾値に達すると、前記内部圧力を放出するように作動することに用いられる電気
室と、
ことに用いられる流体を収容して前記電池セ
ルの温度を調整する熱管理部
材と、
前記圧力放出機
構の作動時に前記電池セ
ル内から排出され且つ前記熱管理部
材を通過する排出物を収集することに用いられる収集
室と、を備え、
前記電気
室と前記収集
室は前記熱管理部
材の両側に設けられ、前記熱管理部
材は前記電気
室と前記収集
室を分離することに用いられ、前記収集
室の壁に第1圧力放出領
域が設けられ、前記第1圧力放出領
域は前記収集
室内の前記排出物を放出することに用いられる、電池の筐体。
【請求項2】
前記熱管理部
材は、前記電気
室と前記収集
室により共有される壁を有する
、請求項1に記載の筐体。
【請求項3】
前記熱管理部
材を保護することに用いられ、前記熱管理部
材とともに前記収集
室を形成する保護部
材を備える
、請求項1又は2に記載の筐体。
【請求項4】
前記保護部
材は底
壁と複数の側
壁とを備え、一端が開口する中空構造を形成し、前記熱管理部
材は前記開口を覆って前記収集
室を形成する
、請求項3に記載の筐体。
【請求項5】
前記複数の側
壁に前記第1圧力放出領
域が設けられる
、請求項4に記載の筐体。
【請求項6】
前記複数の側
壁のそれぞれに複数の前記第1圧力放出領
域が設けられる
、請求項5に記載の筐体。
【請求項7】
複数の前記第1圧力放出領
域は前記側
壁の各々に均一に並んでいる
、請求項6に記載の筐体。
【請求項8】
前記保護部
材に第1貫通孔が設けられ、前記第1圧力放出領
域は前記第1貫通孔を備える
、請求項4~7のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項9】
前記保護部
材に第1脆弱領域が設けられ、前記第1脆弱領域は前記圧力放出機
構が作動するとき前記収集
室内の前記排出物により破壊されて前記排出物を前記収集
室から排出することに用いられ、前記第1圧力放出領
域は前記第1脆弱領域を備える
、請求項4~8のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項10】
前記第1脆弱領域の材料の融点は、前記保護部
材の前記第1脆弱領域を除くほかの領域の材料の融点よりも低い
、請求項9に記載の筐体。
【請求項11】
前記第1脆弱領域の材料の融点は200℃以下である
、請求項9又は10に記載の筐体。
【請求項12】
前記複数の側
壁に前記第1脆弱領域が設けられ、前記複数の側
壁の前記第1脆弱領域の肉厚は前記複数の側
壁のほかの領域の肉厚に等しい
、請求項9~11のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項13】
前記第1脆弱領域は前記保護部
材における切り欠きを備える
、請求項9~11のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項14】
前記熱管理部
材に第2圧力放出領
域が設けられ、それにより前記圧力放出機
構が作動するとき前記電池セ
ル内から排出される排出物は前記第2圧力放出領
域を通過して前記収集
室に排出できる
、請求項1~13のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項15】
前記第2圧力放出領
域と前記圧力放出機
構は対向して設けられる
、請求項14に記載の筐体。
【請求項16】
前記熱管理部
材に流
路が設けられ、前記流
路は、前記流体を収容し、前記圧力放出機
構が作動するとき前記電池セ
ル内から排出される排出物により破壊されて前記流体を前記流
路の内部から排出することに用いられる
、請求項14又は15に記載の筐体。
【請求項17】
前記流
路の壁に第2脆弱領
域が設けられ、それにより前記圧力放出機
構が作動するとき、前記流
路は前記第2脆弱領
域で破壊される
、請求項16に記載の筐体。
【請求項18】
前記熱管理部
材は第1熱伝導
板と第2熱伝導
板とを備え、前記第1熱伝導
板は第1
壁と前記第2熱伝導
板との間に位置し、且つ前記第1
壁にアタッチされ、前記第1
壁は前記電池セ
ルの前記圧力放出機
構を設けた壁であり、前記第1熱伝導
板は前記第2熱伝導
板に密着し、前記第2熱伝導
板は開口が前記第1熱伝導
板を向く第1凹
溝を有し、前記第1凹
溝と前記第1熱伝導
板は前記流
路を形成する
、請求項17に記載の筐体。
【請求項19】
前記第2脆弱領
域は前記第1凹
溝の側壁又は底壁に位置する
、請求項18に記載の筐体。
【請求項20】
前記第2圧力放出領
域は前記熱管理部
材における第2貫通孔である
、請求項17~19のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項21】
前記第2貫通孔の側壁に前記第2脆弱領
域が設けられる
、請求項20に記載の筐体。
【請求項22】
前記第2圧力放出領
域は前記熱管理部
材に前記圧力放出機
構と対向して設けられる第2凹
溝であり、前記第2凹
溝の底壁は前記圧力放出機
構が作動するとき前記電池セ
ル内から排出される排出物により破壊されて前記電池セ
ル内から排出される排出物を前記収集
室に排出することに用いられる
、請求項17~19のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項23】
前記第2凹
溝の径方向寸法は、前記圧力放出機
構から離れる方向に沿って徐々に小さくなる
、請求項22に記載の筐体。
【請求項24】
前記熱管理部
材は第1熱伝導
板と第2熱伝導
板とを備え、前記第1熱伝導
板は第1
壁と前記第2熱伝導
板との間に位置し、且つ前記第1
壁にアタッチされ、前記第1
壁は前記電池セ
ルの前記圧力放出機
構を設けた壁であり、前記第1熱伝導
板は前記第2熱伝導
板に密着し、前記第2熱伝導
板は開口が前記第1熱伝導
板を向く第1凹
溝を有し、前記第1凹
溝と前記第1熱伝導
板は前記流
路を形成し、前記第1熱伝導
板は前記第2圧力放出領
域で前記第2熱伝導
板へ凹んで前記第2凹
溝を形成する
、請求項22又は23に記載の筐体。
【請求項25】
前記第2凹
溝が前記第1凹
溝内に設けられることで、前記第1凹
溝の側壁と前記第2凹
溝の側壁との間に前記流
路を形成する
、請求項24に記載の筐体。
【請求項26】
前記第2凹
溝の側壁に前記第2脆弱領
域が設けられる
、請求項22~25のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項27】
前記第2脆弱領
域の材料の融点は、前記流
路の前記第2脆弱領
域を除くほかの領域の材料の融点よりも低い
、請求項17~26のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項28】
前記第2脆弱領
域の材料の融点は400℃以下である
、請求項17~27のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項29】
前記流
路の前記第2脆弱領
域の肉厚は前記流
路のほかの領域の肉厚に等しい
、請求項17又は28に記載の筐体。
【請求項30】
前記熱管理部
材を保護することに用いられ、前記熱管理部
材とともに前記収集
室を形成する保護部
材をさらに備え、前記保護部
材に第1脆弱領域が設けられ、前記第1脆弱領域は前記圧力放出機
構が作動するとき前記収集
室内の前記排出物によって破壊されて前記排出物を前記収集
室から排出し、前記第2脆弱領
域の材料の融点は前記第1脆弱領域の材料の融点よりも低い
、請求項17~29のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項31】
カバ
ーをさらに備え、前記カバ
ーは一端が開口する中空構造であり、前記熱管理部
材は前記カバ
ーの開口を覆って前記電気
室を形成する
、請求項1~30のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項32】
電池であって、
複数の電池セルであって、前記複数の電池セルのうちの少なくとも1つの電池セルは圧力放出機構を備え、前記圧力放出機構は前記圧力放出機構を設けた前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達すると、前記内部圧力を放出するように作動することに用いられる複数の電池セルと、
前記複数の電池セルを収容することに用いられる請求項1~31のいずれか一項に記載の電池の筐体と、を備える、電池。
【請求項33】
電力消費装置であって、前記電力消費装置に電気エネルギーを供給することに用いられる請求項32に記載の電池を備える、電力消費装置。
【請求項34】
電池の筐体の製造方法であって、
複数の電池セルを収容することに用いられ、前記電池セルは圧力放出機構を備え、前記圧力放出機構は前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達すると、前記内部圧力を放出するように作動することに用いられる電気室を提供するステップと、
流体を収容して前記電池セルの温度を調整することに用いられる熱管理部材を提供するステップと、
収集室であって、前記収集室は前記圧力放出機構の作動時に前記電池セル内から排出され且つ前記熱管理部材を通過する排出物を収集することに用いられる収集室を提供するステップと、を含み、
前記電気室と前記収集室は前記熱管理部材の両側に設けられ、前記熱管理部材は前記電気室と前記収集室を分離することに用いられ、前記収集室の壁に第1圧力放出領域が設けられ、前記第1圧力放出領域は前記収集室内の前記排出物を放出することに用いられる、電池の筐体の製造方法。
【請求項35】
電池の筐体の製造装置であって、提供モジュールを備え、前記提供モジュールは、
複数の電池セルを収容することに用いられ、前記電池セルは圧力放出機構を備え、前記圧力放出機構は前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達すると、前記内部圧力を放出するように作動することに用いられる電気室を提供すること、
流体を収容して前記電池セルの温度を調整することに用いられる熱管理部材を提供すること、及び
前記圧力放出機構の作動時に前記電池セル内から排出され且つ前記熱管理部材を通過する排出物を収集することに用いられる収集室を提供することに用いられ、
前記電気室と前記収集室は前記熱管理部材の両側に設けられ、前記熱管理部材は前記電気室と前記収集室を分離することに用いられ、前記収集室の壁に第1圧力放出領域が設けられ、前記第1圧力放出領域は前記収集室内の前記排出物を放出することに用いられる、電池の筐体の製造装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0130
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0130】
図
14~
図18に示すように、本願の実施例における熱管理部材13は第1熱伝導板131と第2熱伝導板132とを備えてもよい。
図5、
図11、
図14~
図18を組み合わせて示すように、第1熱伝導板131は圧力放出機構213が位置する第1壁21aと第2熱伝導板132との間に位置し、且つ第1熱伝導板131は第1壁21aにアタッチされ、第1熱伝導板131は第2熱伝導板132に密着する。第2熱伝導板132は開口が第1熱伝導板131を向く第1凹溝1321を有し、第1凹溝1321と第1熱伝導板131は流路134を形成する。第2熱伝導板132に設けられる1つ又は複数の第1凹溝1321の寸法は同じであるか又は異なるようにしてもよく、本願の実施例はこれに限定されない。
【国際調査報告】