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特表2023-522827複数のキャビテーション量を生成するための超音波プローブ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-01
(54)【発明の名称】複数のキャビテーション量を生成するための超音波プローブ
(51)【国際特許分類】
   A61N 7/00 20060101AFI20230525BHJP
【FI】
A61N7/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022555775
(86)(22)【出願日】2021-03-15
(85)【翻訳文提出日】2022-11-02
(86)【国際出願番号】 EP2021056490
(87)【国際公開番号】W WO2021185738
(87)【国際公開日】2021-09-23
(31)【優先権主張番号】62/991,142
(32)【優先日】2020-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523046143
【氏名又は名称】ソルタ メディカル アイルランド リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ベネット, フレデリック ジェイ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160JJ23
4C160JJ24
4C160JJ43
4C160JJ47
(57)【要約】
超音波エネルギーを送達するためのプローブ、および関連する方法。プローブは、近位端部を遠位端部に結合するシャフトを有するシャンクを含む。シャンクは、シャンクの中心線に沿って配置される縦軸に平行な伝搬方向において、近位端部から遠位端部の先端に超音波エネルギーを伝搬するように構成されている。先端は、超音波エネルギーが共振周波数の4分の1波長の奇数倍に対応するとき、変位腹位置と実質的に一致するように位置付けられ得る。シャフト内の複数の溝は、超音波エネルギーに応答して、シャンクに近接した媒体内で複数のキャビテーション量を作るように構成されている。複数の溝は、第1の溝と近位端部との間に介在する第2の溝を含む。第1の溝は、共振周波数の半波長の整数倍の距離に位置付けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プローブであって、前記プローブは、
近位端部、遠位端部、および前記近位端部から前記遠位端部まで延びているシャフトを含むシャンクであって、前記シャンクの前記近位端部は、超音波エネルギー源に結合されるように構成され、前記シャンクは、前記シャンクの縦軸と平行な伝搬方向において、前記近位端部から前記遠位端部における先端に前記超音波エネルギーを伝搬するように構成されている、シャンクと、
前記シャフト内の第1の溝であって、前記シャフト内の前記第1の溝は、前記先端に近接して位置付けられている、前記シャフト内の第1の溝と、
前記シャフト内の第2の溝と
を備え、
前記シャフト内の前記第2の溝は、前記第1の溝と前記近位端部との間で前記シャンクに沿って位置付けられ、
前記第1の溝は、前記伝搬方向において、前記シャンクの共振周波数の半波長の第1の整数倍におおよそ等しい第1の距離だけ、前記第2の溝から間隔を置かれている、
プローブ。
【請求項2】
前記先端は、前記超音波エネルギーが前記シャンクの前記共振周波数の4分の1波長の奇数倍に対応するとき、第1の変位腹位置と実質的に一致するように、前記近位端部に対して位置付けられている、請求項1に記載のプローブ。
【請求項3】
前記近位端部は、前記超音波エネルギーが前記4分の1波長の前記奇数倍に対応するとき、第2の変位ノード位置と実質的に一致する点において、前記超音波エネルギー源に結合されるように構成されている、請求項2に記載のプローブ。
【請求項4】
前記第1の溝は、前記シャフトの非溝付区分によって、前記第2の溝から間隔を置かれている、請求項1に記載のプローブ。
【請求項5】
前記第1の溝は、前記超音波エネルギーが前記共振周波数の4分の1波長の第1の奇数倍に対応する第1の場所に近接して位置し、前記第2の溝は、前記超音波エネルギーが前記共振周波数の4分の1波長の第2の奇数倍に対応する第2の場所に近接して位置している、請求項4に記載のプローブ。
【請求項6】
前記第1の溝は、複数の第1の溝の中に含まれ、前記第2の溝は、複数の第2の溝の中に含まれる、請求項1に記載のプローブ。
【請求項7】
前記複数の第1の溝と前記複数の第2の溝とは、前記シャフトの前記近位端部から前記シャフトの前記遠位端部まで延びている連続した並びで配置されている、請求項6に記載のプローブ。
【請求項8】
前記シャフトは、前記第2の溝と前記近位端部との間に介在する第3の溝をさらに含み、前記第1の溝は、前記伝搬方向において、前記シャンクの前記共振周波数の半波長の第2の整数倍におおよそ等しい第2の距離だけ、前記第3の溝から間隔を置かれている、請求項1に記載のプローブ。
【請求項9】
前記シャンクは、前記遠位端部から前記近位端部まで延びている管腔を含み、前記先端は、前記管腔に結合されたポートを含む、請求項1に記載のプローブ。
【請求項10】
前記管腔は、外部吸引源に結合されるように構成されている、請求項9に記載のプローブ。
【請求項11】
方法であって、前記方法は、
患者の生体組織内にプローブのシャンクを挿入することと、
超音波源に超音波エネルギーを生成させることと、
前記シャンクの縦軸に平行な伝搬方向において、前記シャンクの近位端部から前記シャンクの遠位端部における先端に前記シャンクのシャフトに沿って前記超音波エネルギーを伝搬することと、
前記シャフト内の1つ以上の第1の溝に近接した媒体内で第1のキャビテーション量を生成することと、
前記シャフト内の1つ以上の第2の溝に近接した前記媒体内で第2のキャビテーション量を生成することと
を含み、
前記先端は、前記超音波エネルギーが前記シャンクの共振周波数の4分の1波長の奇数倍に対応するとき、変位腹位置と実質的に一致するように位置付けられ、前記1つ以上の第1の溝は、前記1つ以上の第2の溝から、前記伝搬方向において、ほぼ前記共振周波数の半波長の整数倍の距離に位置付けられている、方法。
【請求項12】
前記超音波源に前記超音波エネルギーを生成させることは、前記第1のキャビテーション量および前記第2のキャビテーション量の空間的場所を変更することを含み、前記変更することは、
第1の時間において、前記共振周波数の前記4分の1波長の第1の奇数倍に対応する第1の超音波エネルギーを生成することと、
前記第1の時間とは異なる第2の時間において、前記共振周波数の前記4分の1波長の第2の奇数倍に対応する第2の超音波エネルギーを生成することと
を前記超音波源に行わせることによる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記プローブの前記先端のポートを介して前記患者の生体組織に吸引を印加することを外部吸引源に行わせることをさらに含み、
前記ポートは、前記シャンク内に配置された管腔のための退出口を提供するように構成されている、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
超音波プローブであって、前記超音波プローブは、近位端部と、遠位端部と、前記近位端部から前記遠位端部まで延びているシャフトとを含むシャンクを備え、前記近位端部は、超音波エネルギー源に結合されるように構成され、前記シャフトは、第1の複数の溝と、第2の複数の溝と、前記第1の複数の溝と前記第2の複数の溝との間で前記シャフトの縦軸に沿って位置付けられた非溝付区分とを含む、超音波プローブ。
【請求項15】
前記第1の複数の溝のうち少なくとも1つは、前記超音波エネルギーの共振周波数の半波長の整数倍におおよそ等しい前記第2の複数の溝からの距離に位置付けられている、請求項14に記載の超音波プローブ。
【請求項16】
前記非溝付区分における前記シャンクは、第1の直径を伴う外面を有し、前記第1の複数の溝の各々の第1の場所における前記シャフトは、前記第1の直径より小さい第2の直径を有する、請求項15に記載の超音波プローブ。
【請求項17】
前記第2の複数の溝の各々の第2の場所における前記シャフトは、前記第1の直径より小さい第3の直径を有し、前記第2の直径は、前記第3の直径と等しい、請求項16に記載の超音波プローブ。
【請求項18】
前記シャフトは、第1の直径を伴う外面を有し、前記シャフトは、前記外面から突出する複数のフランジを含み、前記第1の複数の溝の各々は、前記複数のフランジの隣接対の間に位置付けられ、前記第1の複数の溝の各々の場所における前記シャフトは、前記第1の直径と等しい第2の直径を有する、請求項14に記載の超音波プローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に説明される本発明は、概して、美容的手技の一部として、超音波エネルギーを送達するためのデバイスに関し、特に、美容的手技中に、超音波エネルギーを送達するためのプローブおよび関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デバイスは、患者の軟組織の超音波破砕または乳化等の種々の美容的手技のために、患者の標的とされたエリアに向かって超音波エネルギーを送達する。そのようなデバイスが、軟組織の超音波破砕または乳化のために使用されるとき、キャビテーション量が、超音波エネルギーと、超音波エネルギーを送達する超音波プローブの先端に近接した軟組織の部分との間の相互作用によって作成される。そのような超音波プローブを使用して実装される美容的手技は、美容的手技によって標的とされている軟組織の各エリアの近接内に先端をもたらすために、所与の超音波プローブの先端を位置変更することを伴い得る。位置変更することの各事実は、美容的手技の持続時間を延長し、それは、操作者の疲労および患者の不快感の原因となる。
【0003】
したがって、そのような悪影響を回避するために、そのような美容的手技の持続時間を削減することが可能な超音波プローブを提供することが、望ましくあり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書に説明される本発明の実施形態は、美容的手技の一部として、超音波エネルギーを送達するように構成されるデバイスにおいて使用するための超音波プローブ(「プローブ」)と、そのような超音波プローブを使用して、美容的手技を実施する方法とを含む。ある実施形態において、プローブは、近位端部、遠位端部、および近位端部を遠位端部に結合するシャフトを有するシャンクを含む。近位端部は、超音波エネルギーを生成するように構成された超音波源に結合するように構成されている。シャンクは、シャンクの中心線に沿って配置される縦軸に平行な伝搬方向において、近位端部から遠位端部の先端に超音波エネルギーを伝搬するように構成されている。先端は、超音波エネルギーがシャンクの共振周波数の4分の1波長の奇数倍に対応するとき、変位腹位置と実質的に一致するように位置付けられ得る。シャフト内の複数の溝は、超音波エネルギーに応答して、シャンクに近接した媒体内でキャビテーション量を作るように構成されている。複数の溝は、先端に近接して位置する第1の溝と、第1の溝と近位端部との間に介在する第2の溝とを含む。第1の溝は、第2の溝から、伝搬方向において、共振周波数の半波長の整数倍の距離に位置付けられる。
【0005】
ある実施形態において、方法は、近位端部、遠位端部、および近位端部を遠位端部に結合するシャフトを有するシャンクを含むプローブにアクセスすることを含む。近位端部は、超音波エネルギーを生成するように構成された超音波源に結合するように構成されている。シャンクは、シャンクの中心線に沿って配置される縦軸に平行な伝搬方向において、近位端部から遠位端部の先端に超音波エネルギーを伝搬するように構成されている。先端は、超音波エネルギーがシャンクの共振周波数の4分の1波長の奇数倍に対応するとき、変位腹位置と実質的に一致するように位置付けられる。シャフトは、超音波エネルギーに応答して、シャンクに近接した媒体内でキャビテーション量を作るように構成された複数の溝を備えている。複数の溝は、先端に近接して位置する第1の溝と、第1の溝と近位端部との間に介在する第2の溝とを含む。第1の溝は、第2の溝から、伝搬方向において、共振周波数の半波長の整数倍の距離に位置付けられる。方法は、複数の溝の少なくともサブセットを備えているプローブの一部を患者の生体組織内に挿入することをさらに含む。方法は、超音波源に超音波エネルギーを生成させることをさらに含む。
【0006】
ある実施形態において、超音波プローブは、近位端部、遠位端部、および近位端部を遠位端部に結合するシャフトを有するシャンクを含む。シャンクの近位端部は、超音波エネルギー源に結合されるように構成されている。シャフトは、第1の複数の溝と、第2の複数の溝と、第1の複数の溝と第2の複数の溝との間でシャフトの縦軸に沿って位置付けられた非溝付区分とを含む。
【0007】
ある実施形態において、超音波プローブは、近位端部、遠位端部、および近位端部を遠位端部に結合するシャフトを有するシャンクを含む。近位端部は、超音波エネルギー源に結合されるように構成されている。シャフトは、シャフトの全長に沿って配置された複数の溝を含む。
【0008】
本概要は、詳細な説明において、下記にさらに説明される簡略化された形態の概念の一部を紹介するために提供される。本概要は、請求される主題の重要な特徴または不可欠な特徴を特定することを意図するものでも、請求される主題の範囲を決定する際の支援として切り離して使用されることも意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
付随の図面は、本明細書に組み込まれ、その一部を構成するが、本発明の種々の実施形態を図示し、上記に与えられる本発明の概要、および下記に与えられる実施形態の詳細な説明とともに、本発明の実施形態を解説するために使用される。図面では、参照数字のようなものが、様々な図において、部品のようなものを示すために使用される。
【0010】
図1図1は、本明細書に説明される本発明の側面を実装するために好適である例示的デバイスのブロック図である。
【0011】
図2図2は、本明細書に説明される本発明の側面を実装するために好適である超音波プローブのための例示的シャンクの側面図である。
【0012】
図3図3A-3Eは、本明細書に説明される本発明の側面を実装するために好適であり得る異なるタイプの溝の詳細側面図である。
【0013】
図4-1】図4A-4Hは、シャンクの共振周波数の4分の1波長の異なる奇数倍によって駆動されることに応答して、超音波プローブのシャンク内で作成された種々の縦圧縮波の実施例を図示するグラフである。
図4-2】図4A-4Hは、シャンクの共振周波数の4分の1波長の異なる奇数倍によって駆動されることに応答して、超音波プローブのシャンク内で作成された種々の縦圧縮波の実施例を図示するグラフである。
【0014】
図5図5A-5Bは、図2に描写される例示的シャンクを介して、超音波エネルギーを患者に送達する超音波プローブをシミュレートすることによって取得された例示的損失場を図示する。
【0015】
図6図6A-6Bは、図2に描写される例示的シャンクを介して、超音波エネルギーを患者に送達する超音波プローブをシミュレートすることによって取得された例示的キャビテーション場を図示する。
【0016】
図7図7A-7Bは、図2に描写される例示的シャンクを介して、超音波エネルギーを患者に送達する超音波プローブをシミュレートすることによって取得された例示的圧力場を図示する。
【0017】
図8図8は、本明細書に説明される本発明の側面を実装するために好適であるシャンクの全長に沿って延びている複数の溝を有する、プローブの側面図である。
【0018】
図9図9および10は、本明細書に説明される本発明の側面を実装するために好適であり得るプローブ先端の側面図である。
図10図9および10は、本明細書に説明される本発明の側面を実装するために好適であり得るプローブ先端の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図面に示される例示的実装の十分な理解を提供するために、多数の詳細が、説明される。しかしながら、図面は、単に、本開示のいくつかの例示的側面を示しているにすぎず、したがって、限定するものとして見なされるべきではない。当業者は、他の効果的な側面または変型が、本明細書に説明される具体的な詳細の全てを含まないことを理解するであろう。さらに、周知のシステム、方法、構成要素、デバイス、および回路は、本明細書に説明される例示的実装のより妥当な側面を曖昧にしないように、網羅的に詳細に説明されてはいない。
【0020】
ここで、図1を参照すると、本明細書に説明される本発明の側面を実装するために好適である例示的デバイス100のブロック図がある。手術時、デバイス100は、美容的手技(例えば、患者の軟組織の超音波破砕または乳化)の一部として、患者の標的とされたエリアに向かって超音波エネルギーを送達するように構成されている。図1に描写されるように、デバイス100は、電力供給110と、超音波源120と、超音波結合器130と、超音波プローブ140とを含む。超音波源120等の電力供給(すなわち、電源)110は、外部電力源(例えば、交流電流(「AC」)コンセント)から、デバイス100の種々の構成要素に電力を送達するように構成されている。ある実施形態において、電力供給110は、種々の構成要素に送達するために、外部電力源から取得されたAC電力を直流(「DC」)電力に変換するように構成されている。ある実施形態において、電力供給110は、外部電力源とデバイス100の他の構成要素との間の電気的絶縁を提供するように構成されている。
【0021】
超音波源120は、概して、超音波プローブ140を駆動するための超音波エネルギーを生成するように構成されている。その目的を達成するために、超音波源120は、発電機122と、トランスデューサ124とを含む。発電機122は、デバイス100の操作者による起動に応答して、特定の周波数(例えば、36kHz)の電気エネルギーを生成するように構成されている。トランスデューサ124は、発電機122によって生成された電気エネルギーを機械的な動きまたは超音波振動エネルギー(「超音波エネルギー」)に変換するように構成されている。その目的を達成するために、トランスデューサは、伸び縮みするように構成され、超音波結合器130を介して、超音波プローブ140内に縦圧縮波を作る。ある実施形態において、トランスデューサ124は、超音波モータ、圧電トランスデューサ、またはその組み合わせを備えている。超音波結合器130は、超音波源120を超音波プローブ140に機械的に結合し、それによって、超音波結合器130からの超音波エネルギーを超音波プローブ140と取り外し可能に結合されたシャンク(例えば、図2のシャンク200)に伝達するように構成されている。ある実施形態において、超音波結合器130は、機械的波増幅器を備えている。
【0022】
ある実施形態において、超音波源120は、連続的動作モードで動作するように構成されている。本実施形態において、連続的動作モードは、超音波エネルギーを連続的に生成する超音波源120を伴う。ある実施形態において、超音波源120は、パルス動作モードで動作するように構成されている。本実施形態において、パルス動作モードは、超音波エネルギーを生成している間、第1の状態と第2の状態との間で循環する超音波源120を伴う。第1の状態中、超音波源120は、超音波プローブ140を駆動するための超音波エネルギーを生成する。第2の状態中、超音波源120は、超音波プローブ140を駆動するための超音波エネルギーを生成することを停止する。
【0023】
図2は、本明細書に説明される本発明の側面を実装するために好適である図1の超音波プローブ140のための例示的シャンク200の側面図である。図2に描写されるように、シャンク200は、近位端部210と、遠位端部220と、近位端部210を遠位端部220に結合するシャフト230とを含む。近位端部210は、シャンク200を超音波源(例えば、図1の超音波源120)と結合するように構成された結合要素212(例えば、スタッド)を含む。シャンク200は、シャフト230に沿った複数の溝(例えば、溝242および溝243)をさらに含み、複数の溝は、以下により詳細に説明されるように、美容的手技中、シャンク200に近接した媒体(例えば、患者の生体組織)内で、キャビテーション量を生成または作るように構成されている。シャンク200は、シャンク200の中心線に沿って配置され得る縦軸205を有する。
【0024】
本明細書内で使用されるように、「溝」は、(縦軸205に対して直角の平面に対して)減少した断面積を有するシャフト230の別々の領域であり、別々の領は、縦軸205に対して半径方向に内方向に延びている。ある実施形態において、溝に対応するシャフト230の別々の領域の減少した断面積は、シャフト230の外径より小さい直径を有する。ある実施形態において、溝は、実質的に平滑なシャンク200を機械加工することによって、シャフト230に形成され得る。ある実施形態において、シャフト230は、チタンまたはチタン合金から成り得る。
【0025】
図2では、複数の溝242、243は、複数の別々の群の中で、シャフト230の長さに沿って配置され、複数の別々の群は、溝242を含む群240と、溝243を含む群241とを含む。シャンク200のシャフト230は、溝242の群240と溝243の群241との間に位置付けられた非溝付区分245を有する。シャンク200のシャフト230は、外面247を有し、円形の実施形態に関して、シャンク200のシャフト230は、溝242の群240および溝243の群241の場所を除いて、その全長に沿って、均一または一定の直径Dを有し得る。特に、非溝付区分245は、直径Dを有し得、外面247は、溝242の群240と溝243の群241との間の非溝付区分245内に、切れ目のない状態で(すなわち、溝切りを伴わずに)延び得る。ある実施形態において、溝242、243は、シャフト230の円周全体の周りに延び得る。ある実施形態において、溝242、243は、外面247に対して、シャフト230の円周全体の周りで窪み得る。
【0026】
種々の実装および配置が、本明細書に説明される本発明の実施形態に従って、シャフト230の複数の溝に対して存在する。例えば、図3A-3Eは、(縦軸205に横断的に延びている平面に対して)異なる断面外形を伴う溝242の実施形態を描写する、シャフト230の一部の詳細側面図を図示する。
【0027】
図3Aにおいて、シャフト230の部分は、フランジ305を含み得、フランジ305は、異なる溝242を画定する。図3Aによって図示されるように、各フランジ305は、縦軸205に対して、半径方向に外方向に延びている増加させられた断面積を有するシャフト230の別々の領域を表す。ある実施形態において、フランジ305によって画定されるシャフト230の別々の領域は、シャフト230の外径と等しい、または実質的に等しい直径を有し得る。各溝242は、フランジ305の隣接対間に位置付けられている。
【0028】
図3Bにおいて、各溝242は、「ボックス形」断面外形を伴う、シャフト230の部分に実装され得る。図3Bによって図示されるように、各溝242の「ボックス形」断面外形は、対の対向する側壁、および対の対向する側壁を結合する下面によって画定される。図3Bに図示される、対の対向する側壁の各対向する側壁は、縦軸205に対して実質的に直角であるように構成され、下面は、縦軸205に実質的に平行であるように構成される。
【0029】
図3Cにおいて、各溝242は、「V字形」断面外形を伴うシャフト230の部分において実装され得る。図3Dでは、各溝242は、「U字形」断面外形を伴うシャフト230の部分において実装される。図3Eでは、シャフト230の部分における各溝242は、1つ以上の隆起部355によって遮断される。したがって、図3B-3Dにおける各溝242は、実質的に周囲を囲むシャフト230として図示されるが、図3Eは、各溝242を実質的に周囲を囲むシャフト230としてではなく、代わりに、シャフト230の一部の周りのみに延びているとして図示する。
【0030】
図2に戻ると、超音波源(例えば、図1の超音波源120)は、近位端部210に位置付けられた結合要素212(例えば、スタッド)を介して、シャンク200に結合される。シャンク200は、概して、近位端部210と遠位端部220における先端222との間で、超音波源によって生成される超音波エネルギーを伝搬するように構成されている。超音波エネルギーは、シャンク200の中心線に沿って配置された縦軸205に平行である伝搬方向215に放たれる。特に、超音波源によって生成される超音波エネルギーは、シャンク200の縦モードを励起し、縦圧縮波を作り出すようにシャンク200に軸方向に振動させる。縦圧縮波は、伝搬方向215に近位端部210から遠位端部220に向かってシャンク200に沿って伝搬し、それらは、先端222において、伝搬方向215と反対の方向に反射され、それによって、定在波パターンを生成する。
【0031】
定在波パターンは、シャンク200のある位置(ノード)が最小またはゼロ振動移動(すなわち、最小振動振幅)を経験し、シャンク200の他の位置(腹)が最大振動移動(すなわち、最大振動振幅)を経験することを引き起こす。超音波エネルギーが、シャンク200に沿って伝搬するにつれて、そのようなノード位置に近接したシャフト230の部分は、最小またはゼロ変位振幅を経験するが、そのような腹位置に近接したシャフト230の部分は、最大変位振幅を経験する。ある実施形態において、そのようなノードおよび腹位置は、それぞれ、本明細書において、「変位ノード位置」および「変位腹位置」と称される。
【0032】
ある実施形態において、群240内の溝242の1つは、シャンク200の共振周波数の全波長に等しい距離だけ、群241内の溝243の1つから、シャフト230の長さに沿って、間隔を置かれ得る。ある実施形態において、群240内の溝242の1つは、シャンク200の共振周波数の半波長に等しい距離だけ、群241内の溝243の1つから、シャフト230の長さに沿って、間隔を置かれ得る。ある実施形態において、群240内の溝242は、シャンク200の近位端部210と遠位端部220とからおおよそ等距離に位置し得る。33kHzの共振周波数に対して、群240、241間の距離は、約60cm~約90cmに等しいこともある。いくつかの実施形態において、群240、241間の距離は、少なくとも約60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、または90cmである。いくつかの実施形態において、群240、241間の距離は、最大約60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、または90cmである。いくつかの実施形態において、群240、241間の距離は、約60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、または90cmである。
【0033】
図4A-4Hは、シャンク200の共振周波数の4分の1波長の異なる奇数倍によって駆動されることに応答して、超音波プローブのシャンク200内で作成された種々の縦圧縮波の例を図示している。図4A-4Hによって描写される各プロットまたはグラフは、シャンク200の正規化長に沿った位置の関数として、正規化変位振幅をプロットすることによって、それぞれの例示的縦圧縮波を図示する。図4A-4Hによって描写される各グラフにおいて、シャンク200の正規化長は、近位端部210が超音波源と結合する位置を表す「0.0」から、先端222の位置を表す「1.0」まで及ぶ。鎖線曲線に対応する、図4A-4H内の正規化変位振幅の値は、生の値を表し、実線曲線に対応する正規化変位振幅は、その生の値の絶対値を表す。図4A-4Hによって描写される、グラフ内の各変曲点は、変位ノード位置を表し、それらのグラフ内の各凹点は、変位腹位置を表す。
【0034】
シャンク200内で作成される縦圧縮波のグラフは、以下の式を使用して、決定される。
【数1】
【数2】
式中、fは、共振周波数であり、wは、共振周波数から決定される角周波数であり、cは、プローブの音速であり、Lは、プローブの長さであり、nは、正の整数であり、xは、プローブの長さに沿った位置である。
【0035】
図4A-4Hによって図示される本発明の一側面は、シャンク200がシャンク200の共振周波数の4分の1波長の奇数倍を備えている超音波エネルギーによって駆動されるとき、先端222は、変位腹位置と実質的に一致するようにシャンク200の長さに沿って位置付けられているということである。図4A-4Hによって図示される本発明の別の側面は、そのような事例において、変位腹位置と実質的に一致するように、先端222を位置付けることが、変位ノード位置と実質的に一致する点において近位端部210を超音波源に結合するように構成することを伴い得るということである。
【0036】
図4A-4Hによって図示される本発明の別の側面は、シャンク200を駆動する超音波エネルギーの周波数が増加するにつれて、シャンク200内のいくつかの変位腹位置が、増加するということである。例えば、図4Aでは、シャンク200を駆動する超音波エネルギーがシャンク200の共振周波数の1つの4分の1波長に対応するとき、1つの変位腹位置が、先端222に対応する「1.0」の正規化長において存在する。図4Bでは、シャンク200を駆動する超音波エネルギーが共振周波数の3つの4分の1波長に対応するとき、2つの変位腹位置が存在し、1つは、先端222に対応する「1.0」の正規化長位置における変位腹位置であり、もう1つは、おおよそ「0.35」の正規化長位置における変位腹位置である。ある実施形態において、溝は、変位腹位置の各々に設置され得る。
【0037】
図4C-4Hは、シャンク200を駆動する超音波エネルギーの周波数が増加し続けるにつれて、変位腹位置の数が増加し続けることを図示する。図4Cでは、シャンク200を駆動する超音波エネルギーが共振周波数の5つの4分の1波長(すなわち、1.25波長共振)に対応するとき、3つの変位腹位置が存在する。図4Dでは、シャンク200を駆動する超音波エネルギーが共振周波数の7つの4分の1波長(すなわち、1.75波長共振)に対応するとき、4つの変位腹位置が存在する。図4Eでは、シャンク200を駆動する超音波エネルギーが共振周波数の9つの4分の1波長(すなわち、2.25波長共振)に対応するとき、5つの変位腹位置が存在する。図4Fでは、シャンク200を駆動する超音波エネルギーが共振周波数の11の4分の1波長(すなわち、2.75波長共振)と対応するとき、6つの変位腹位置が存在する。図4Gでは、シャンク200を駆動する超音波エネルギーが共振周波数の13の4分の1波長(すなわち、3.25波長共振)に対応するとき、7つの変位腹位置が存在する。図4Hでは、シャンク200を駆動する超音波エネルギーが共振周波数の15の4分の1波長(すなわち、3.75波長共振)に対応するとき、8つの変位腹位置が存在する。
【0038】
図4A-4Hによって図示される本発明の別の側面は、複数の変位腹位置および/または変位腹位置がシャンク200に沿って存在するとき、そのような変位ノード/腹位置が、2分の1波長間隔を循環的に繰り返すということである。例えば、3つの変位腹位置が、図4Cでは、シャフト230に沿って存在する。この例では、例示的縦圧縮波の1つの波長サイクルが、「0.00」の正規化長位置とおおよそ「0.80」の正規化長位置との間に現れる。その1つの波長サイクル内では、第1の変位腹位置が、おおよそ「0.20」の正規化波長位置において存在し、第2の変位腹位置が、おおよそ「0.60」の正規化波長位置において存在する。図4Cは、シャンク200を駆動する共振周波数の1つの半波長に対応する距離によって分離されているように、その1つの波長サイクル内で生じる第1の変位腹位置と第2の変位腹位置とを描写する。図4Bおよび4D-4Hは、同様に、半波長の間隔で、シャフト230に沿って交互する変位ノード位置および/または変位腹位置を描写する。
【0039】
上で議論されるように、美容的手技中、シャンク200によって伝搬される超音波エネルギーは、シャンク200内で、縦振動移動を誘発する。超音波エネルギーは、変位腹位置に対応するシャンク200の領域と媒体との間の摩擦接触を通して、シャンク200に近接した媒体(例えば、患者の生体組織)内に局所的熱を生成する。本明細書に説明される本発明の種々の実施形態において、複数の溝は、変位腹位置と実質的に一致するように、シャンク(例えば、シャンク200)のシャフトに沿って位置付けられ得る。シャフトの先端に近接して位置しないそのような溝は、伝搬する超音波エネルギーが近接媒体と相互作用する追加の領域を伴うシャンクを提供し、美容的手技中、局所的熱を生成する。いくつかの変位腹位置およびそのような位置の場所は、シャンクを駆動する超音波エネルギーの周波数を変動させることによって変動し得るが、近接媒体内の溝によって生成または作成されるキャビテーション量の空間的場所も、図8に関して下で議論されるように、変動させられ得る。
【0040】
図5A-5Bは、図2のシャンク200を介して、シミュレートされる美容的手技中、超音波エネルギーを患者に送達する超音波プローブによって取得された例示的損失場を図示する。特に、図5Aは、シャンク200の長さに沿って、例示的損失場を図示し、図5Bは、溝を含むシャンク200の領域に近接した図5Aの例示的損失場の拡大図を提供する。図5A-5Bでは、伝搬する超音波エネルギーと近傍媒体との間で、最大相互作用が生じる領域(すなわち、高強度のエリア)が、伝搬する超音波エネルギーと近傍媒体との間のより低い相互作用によって特徴付けられている他の領域とともに、一点鎖線で図式的に描写される。高強度エリアは、高い相対空間熱を示し、それは、キャビテーションに比例する。損失場は、有限要素解析技法によって決定された。
【0041】
図5A-5Bは、最大損失の2つの領域、すなわち、おおよそ320ミリメートル(「mm」)において集中させられた領域と、おおよそ250mmにおいて集中させられた第2の領域とを図示する。ある実施形態において、図2を参照すると、おおよそ320mmにおいて集中させられた領域は、別々の溝群241に近接した媒体の一部に対応し、おおよそ250mmにおいて集中させられた領域は、別々の溝群240に近接した媒体の一部に対応する。本実施形態において、別々の溝群241内に含まれる溝243は、おおよそ320mmにおいて集中させられ、別々の溝群240内に含まれる溝242は、おおよそ250mmにおいて集中させられている。本実施形態において、別々の溝群240の中心溝242および別々の溝群241の中心溝243は、シャフト230の共振周波数の半波長の整数倍と実質的に一致する距離250によって分離され得る。本実施形態において、距離250は、別々の溝群240の非中心溝242と別々の溝群241の非中心溝243との間で測定され得る。
【0042】
図6A-6Bは、図2のシャンク200を介して、超音波エネルギーを患者に送達する超音波プローブをシミュレートすることによって取得された超音波エネルギー関連圧力場を図示する。特に、図6Aは、シャンク200の長さに沿って、シミュレートされた圧力場を図示し、図6Bは、溝242および溝243を含むシャンク200の一部に近接した図6Aのシミュレートされた圧力場の拡大図を提供する。圧力場は、有限要素解析技法によって決定された。最大圧力場は、その全長に沿って、シャフト内で発生し、圧力場における局所最大値は、一点鎖線によって示されるように、媒体内で生じる。
【0043】
図7A-7Bは、図2のシャンク200を介して、超音波エネルギーを患者に送達する超音波プローブをシミュレートすることによって取得されたシミュレートされたキャビテーション場を図示する。特に、図7Aは、シャンク200の長さに沿って、キャビテーション場を図示し、図7Bは、溝242および溝243を含むシャンク200の一部に近接した図7Aのキャビテーション場の拡大図を提供する。図7A-7Bでは、シャンク200を包囲する媒体内の高キャビテーション確率の領域が、一点鎖線によって示され、それぞれ、溝242および溝243の近傍において生じる。
【0044】
キャビテーション場は、以下の式を使用して、決定される。
【数3】
式中、Gは、無次元キャビテーション数(典型的には、2未満)であり、pは、組織内の計算された圧力であり、ρは、組織密度であり、cは、組織の音速であり、Δυは、組織の計算された粒子速度である。
【0045】
ある実施形態において、シャンク(例えば、シャンク200)の溝によって作成されるキャビテーション量の空間的場所は、シャンクを駆動する超音波エネルギーの周波数を変動させることによって、変更され得る。例として、図4A-4Hに関して上で議論されるように、いくつかの変位腹位置およびそのような位置の場所は、シャンクを駆動する超音波エネルギーの周波数を変動させることによって、変動させられ得る。溝は、断面積における別々の偏差を表し、溝は、図5A-5Bに関して上で議論されるように、伝搬する超音波エネルギーと近接媒体との間で、最大相互作用が生じる領域に対応する変位腹位置と実質的に一致するように、シャンクに沿って位置付けられ得る。したがって、シャンクを駆動する超音波エネルギーの周波数を変動させることによって、数組の溝によって作成されるキャビテーション量の空間的場所は、変更され得る。
【0046】
例えば、超音波源は、複数の溝が、シャフト230のシャンク200の全長に沿って延び得る図8によって図示されるシャンクの実施形態に結合され得る。初期時間において、図8によって図示されるシャンクに結合される超音波源は、共振周波数の4分の1波長の奇数倍(例えば、図4Bの0.75波長共振)に対応する超音波エネルギーを生成させ得る。初期時間において、変位腹位置と一致する、シャンクのおおよそ「0.35」の正規化長位置に位置付けられる溝844は、初期時間における超音波エネルギーに応答して、「0.35」の正規化長位置に近接した媒体内でキャビテーション量を作成し得る。
【0047】
その後の時間において、超音波源は、共振周波数の4分の1波長の異なる奇数倍(例えば、図4Cの1.25波長共振)に対応する超音波エネルギーを生成させ得る。「0.35」の正規化長位置が、もはや、第2の超音波エネルギーに応答して、変位腹位置と一致しない限りにおいて、溝844は、近接媒体内でキャビテーション量を作成することを停止し得る。しかしながら、変位腹位置と一致するおおよそ「0.20」の正規化長位置に位置付けられる溝845は、その後の時間における超音波エネルギーに応答して、「0.20」の正規化長位置に近接した媒体内でキャビテーション量を作成し得る。別の変位腹位置と一致するおおよそ「0.60」の正規化長位置に位置付けられる溝846も、その後の時間における超音波エネルギーに応答して、「0.60」の正規化長位置に近接した媒体内でキャビテーション量を作成し得る。
【0048】
図9および10を参照すると、シャンク200の先端222は、シャンク200内に配置された管腔345のための退出口を提供するように構成されたポート347を含み得る。ポート347は、例えば、先端222の丸みを帯びた側面上に位置し得るか(図9)、または先端222の端部に位置し得る(図10)。ある実施形態において、管腔345は、外部吸引源に結合されるように構成されている。ある実施形態において、外部吸引源は、それに、ポート347を介して、媒体(例えば、美容的手技中の患者の生体組織)に吸引を印加させるように動作させられ得る。
【0049】
本明細書に使用される専門用語は、特定の実施形態を説明する目的のためのみにあり、本発明の実施形態を限定することを意図するものではない。本明細書内で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明白に別様に示さない限り、複数形も同様に含むように意図されている。用語「comprises(~を備えている)」および/または「comprising(~を備えている)」は、本明細書内に使用されるとき、記述された特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を規定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはその群の存在または追加を除外しないことをさらに理解されたい。さらに、用語「includes(~を含む)」、「having(~を有する)」、「has(~を有する)」、「with(~を伴う)」、「comprised of(~から成る)」、またはその異綴語が、詳細な説明または請求項のいずれかにおいて使用される限りにおいて、そのような用語は、用語「comprising(~を備えている)」に類似する様式で、包括的であるように意図されている。
【0050】
「about(約)」、「approximately(おおよそ)」、および「substantially(実質的に)」等の近似を表す言葉によって修飾される用語への本明細書内の言及は、規定される精密な値に限定されるべきではない。近似を表す言葉は、値を測定するために使用される器具の精密性に対応し得、別様に器具の精密性に依存しない限り、記述された値の+/-10%を示し得る。
【0051】
本発明の全てが、種々の実施形態の説明によって図示され、これらの実施形態は、かなり詳細に説明されてきたが、添付の請求項の範囲をそのような詳細に制限する、またはいかようにも限定することは、出願人の意図するところではない。追加の利点および修正は、当業者にとって、容易に想起されるであろう。そのより広範な側面における本発明は、したがって、具体的な詳細、代表的な装置および方法、ならびに示され、説明される例示的実施例に限定されない。故に、出願人の一般的発明概念の精神または範囲から逸脱することなく、そのような詳細から、展開がなされ得る。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4-1】
図4-2】
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
図10
【国際調査報告】