(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-01
(54)【発明の名称】ウイルス感染の非侵襲的予測、検出、及びモニタリングを行う方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
G16H 50/30 20180101AFI20230525BHJP
【FI】
G16H50/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022559795
(86)(22)【出願日】2021-04-19
(85)【翻訳文提出日】2022-11-18
(86)【国際出願番号】 US2021027988
(87)【国際公開番号】W WO2021212112
(87)【国際公開日】2021-10-21
(32)【優先日】2020-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515203295
【氏名又は名称】エンパティカ エスアールエル
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】トグネッティ,シモーネ
(72)【発明者】
【氏名】レガリア,ジュリア
(72)【発明者】
【氏名】モルテラ,アンドレア
(72)【発明者】
【氏名】ライ,マッテオ
(72)【発明者】
【氏名】ピカルド,ロザリンド
(72)【発明者】
【氏名】オノーラッティ,フランチェスコ
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
本明細書のデバイス、システム、及び方法は、感染検出及び感染治癒のための非侵襲的患者モニタリングに関する。これらのシステム及び方法は、患者のバイオシグナルを受信し、測定して、患者の感染レベルを推定し得る。幾つかの実施形態において、方法は、患者の生理学的データを受信するステップを含み得る。感染尺度が生理学的データに基づいて推定し得る。患者の感染状態は、少なくとも部分的に推定感染尺度に基づいて検出し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ又は複数のセンサから、前記1つ又は複数のセンサによって測定された患者の生理学的データを受信することであって、前記生理学的データは前記患者と関連する移動データを含む、受信することと、
前記移動データに基づいて、前記患者が安静にしている安静時間期間を識別することと、
前記生理学的データから、前記安静時間期間の部分中の生理学的パラメータのセットのデータを抽出することと、
前記安静時間期間の前記部分中に抽出された前記生理学的パラメータのセットの前記データに基づいて、前記生理学的パラメータのセットから各生理学的パラメータの導出尺度を特定することと、
前記生理学的パラメータのセットからの対応する生理学的パラメータのベースライン尺度に基づいて、前記生理学的パラメータのセットからの各生理学的パラメータの前記導出尺度を調整することであって、それにより、調整済み尺度のセットを生成し、前記ベースライン尺度は、前記安静時間期間より前の時間期間中に収集された前記患者の前記生理学的データと関連する、調整することと、
前記患者の感染リスクを予測するモデルに前記調整済み尺度のセットを入力することであって、それにより、前記患者の感染レベルを示す予測値を取得する、入力することと、
前記予測値に基づいて前記患者の感染状態を特定することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記生理学的パラメータのセットからの各生理学的パラメータの前記導出尺度は、前記安静時間期間の前記部分中にその生理学的パラメータについて抽出された前記データの集計値である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記集計値は、平均、中央値、標準偏差、分散、又は高次統計の1つ又は複数に基づく、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記生理学的パラメータのセットは、心拍数、心拍数変動、皮膚温度、呼吸速度、皮膚コンダクタンス、皮膚抵抗率、皮膚電位、運動、血中酸素レベル、タンパク質、又はサイトカインの2つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記生理学的パラメータのセットからの各生理学的パラメータの前記導出尺度を前記調整することは、前記生理学的パラメータのセットからの各生理学的パラメータの前記導出尺度と前記ベースライン尺度との間の変化を特定することを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記患者の人口統計データ又は医療データの少なくとも一方を受信することと、
前記人口統計データ又は前記医療データの前記少なくとも一方に基づいて、前記安静時間期間の前記部分中に抽出された前記生理学的パラメータのセットの前記データを調整することと、
を更に含み、
前記生理学的パラメータのセットからの各生理学的パラメータの前記導出尺度を前記特定することは、前記安静データを正規化した後である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記人口統計データ又は前記医療データの少なくとも一方に基づいて、前記患者の感染リスクを予測する前記モデルを調整することを更に含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記安静時間期間の前記部分中に抽出された前記生理学的パラメータのセットの前記データを正規化することを更に含む請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記生理学的パラメータの前記セットからの各生理学的パラメータの前記導出尺度を特定することは、前記安静データの前記正規化後である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記データの正規化は最小最大正規化に基づく、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記患者の前記感染状態を特定することは、
前記予測値が予め定義された閾値よりも大きいか否かを特定することと、
前記予測値が前記予め定義された閾値よりも大きいことに応答して、前記患者が感染していると特定することと、
を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記予め定義された閾値は調整可能である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記モデルは、ユーザのセットと関連する生理学的データを含むトレーニングデータを使用して較正され、前記ユーザのセット及び前記患者は特徴の共通セットを有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記モデルは、重みのセットを前記調整済み尺度のセットに適用するように構成され、前記重みのセットは、ユーザのセットと関連する生理学的データを含むトレーニングデータを使用して較正される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記ユーザのセットの前記生理学的データは、ジオロケーション及び天気の1つ又は複数と関連する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記モデルは非線形関数を定義する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記安静時間期間より前の前記時間期間は、前記安静時間期間より前の少なくとも約24時間である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記安静時間期間より前の前記時間期間は、前記安静時間期間より前の予め定義された時間期間であり、前記予め定義された時間期間は感染のタイプに基づく、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記患者の前記感染状態を経時モニタリングすることであって、それにより、前記患者の前記感染状態の変化、感染の治癒、及び推定感染期間の1つ又は複数を識別する、モニタリングすることを更に含む請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記時間期間及び前記安静時間期間は周期的な時間間隔に基づく、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記周期的な時間期間は、カレンダー周期、ホルモン周期、月周期、概日リズム、多日リズム、及び仕事スケジュールの1つ又は複数を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記導出尺度を調整することは、前記患者と関連する天気に基づく、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
少なくとも部分的に前記患者のジオロケーションに基づいて感染リスクを特定することを更に含む請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
メモリと、
前記メモリ及びセンサのセットに動作可能に結合されたプロセッサと、
を備えた装置であって、前記プロセッサは、前記メモリに記憶された命令を実行して、
前記センサのセットから、前記センサのセットによって測定された患者の生理学的データを受信することと、
前記生理学的データから、前記患者と関連する安静時間期間中、生理学的パラメータのセットのデータを抽出することと、
前記安静時間期間中に抽出された前記生理学的パラメータのセットの前記データに基づいて、前記生理学的パラメータのセットからの各生理学的パラメータの導出尺度を特定することと、
前記生理学的パラメータのセットからの対応する生理学的パラメータのベースライン尺度に基づいて、前記生理学的パラメータのセットからの各生理学的パラメータの前記導出尺度を調整することであって、それにより、調整済み尺度のセットを生成し、前記ベースライン尺度は、前記安静時間期間より前の時間期間中に収集された前記患者の生理学的データと関連する、調整することと、
前記患者の感染リスクを予測するモデル及び前記調整済み尺度のセットを使用して、前記患者の感染レベルを示す予測値を特定することと、
前記予測値に基づいて前記患者の感染状態を特定することと、
を行うように構成される、装置。
【請求項25】
前記センサのセットを含むウェアラブルデバイスを更に備える請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記生理学的パラメータのセットからの各生理学的パラメータの前記導出尺度は、前記安静時間期間の部分中にその生理学的パラメータについて抽出された前記データの集計値である、請求項24又は25に記載の装置。
【請求項27】
前記生理学的パラメータのセットは、心拍数、心拍数変動、皮膚温度、呼吸速度、皮膚コンダクタンス、血中酸素レベル、皮膚抵抗率、皮膚電位、運動、又はサイトカインの2つ以上を含む、請求項24又は25に記載の装置。
【請求項28】
前記プロセッサは、前記生理学的パラメータのセットからの各生理学的パラメータの前記導出尺度とベースライン尺度との間の変化を特定することにより、前記生理学的パラメータのセットからの各生理学的パラメータの前記導出尺度を調整する命令を実行するように構成される、請求項24又は25に記載の装置。
【請求項29】
前記モデルは、重みのセットを前記調整済み尺度のセットに適用するように構成され、前記重みのセットは、ユーザのセットと関連する生理学的データを含むトレーニングデータを使用して較正される、請求項24又は25に記載の装置。
【請求項30】
前記モデルは非線形関数を定義する、請求項24又は25に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
[0001] 本願は、2020年4月17日付けで出願された米国仮特許出願第63/011,833号の利益を主張するものであり、この内容は全体的に参照により本明細書に援用される。
【0002】
技術分野
[0002] 本明細書のデバイス、システム、及び方法は、ウイルス感染を検出するための非侵襲的ユーザモニタリングに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
[0003] 体温、心拍数、及び血圧等のバイタルサインは一般に、ユーザのステータス及び健康を示すのに使用される。例えば、ウイルス感染の疑いがある患者は、体温測定を行うことによって症状の診断を助け得る。アクティブ感染モニタリングは典型的には、患者が症状(例えば不快さ、痛み、発熱、疲労感、咳)を発現した後、実行される。しかしながら、患者によってはCOVID-19又はインフルエンザ等のウイルスに感染した可能性があるが、感染の発症後、ある時間期間(例えば数日)にわたって無症状であり得る。さらに、感染した患者はどのウイルスに感染したか不確かであり得、したがって、探し求めるべき治療が不確かであり得る。これらの患者は、パートナー、家族、友人、同僚、及びコミュニティを含め、接触した他人を非意図的に感染させることになり得る。したがって、ウイルス感染を検出し識別する追加の方法、デバイス、及びシステムが望まれ得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
[0004] 本明細書に記載されるのは、ユーザ感染を非侵襲的にモニタリングするシステム、デバイス、及び方法である。人間の免疫系応答は、部分的に交感神経系(SNS)によって調節し得る。例えば、炎症という最初の免疫応答は、中枢交感神経活動が炎症性サイトカインに直接的影響を有し得るSNSによって調節し得る。リンパ組織も同様に交感神経線維によって高度に支配され得、交感神経末端は免疫細胞の近くにある。一般に、感染の早期発症は、例えば、「発汗応答」のみならず、皮膚表面上の汗のように見えるか、又はそのように感じる「発汗応答」がない場合であっても皮膚に生じる電気的性質の繊細な変化も測定することを含む皮膚電気活動の変化を測定する等のSNSの連続測定によって検出し得る。幾つかの実施形態において、患者の感染を検出する方法は、患者の生理学的データを受信することと、非侵襲的患者測定デバイスを使用して患者の電気皮膚活動を測定することと、少なくとも部分的に心拍数データ、体温データ、及び電気皮膚活動測定値及び/又は生理学的データの組合せに基づいて、感染の確率又は尤度と関連する尺度(例えばウイルス感染の確率推定又はウイルス密度の推定)を推定することと、少なくとも部分的に推定ウイルス密度に基づいて患者の感染状態を検出することとを含み得る。一実施形態において、ユーザデバイスは、所定の時間期間中、患者固有の履歴ベースラインメトリックを特定する。生理学的パラメータが測定されるにつれて、ユーザデバイスはベースラインメトリックから逸脱する測定値を識別する。心拍数逸脱、体温逸脱、及び電気皮膚活動逸脱の所定の組合せ等の所定の逸脱に応答して、感染の通知が提供される。
【0005】
[0005] 幾つかの実施形態において、方法は、1つ又は複数のセンサから、1つ又は複数のセンサによって測定された患者の生理学的データを受信することであって、生理学的データは患者と関連する移動データを含む、受信することと、移動データに基づいて、患者が安静にしている安静時間期間を識別することと、生理学的データから、安静時間期間の部分中の生理学的パラメータのセットのデータを抽出することと、安静時間期間の部分中に抽出された生理学的パラメータのセットのデータに基づいて、生理学的パラメータのセットから各生理学的パラメータの導出尺度を特定することと、生理学的パラメータのセットからの対応する生理学的パラメータのベースライン尺度に基づいて、生理学的パラメータのセットからの各生理学的パラメータの導出尺度を調整することであって、それにより、調整済み尺度のセットを生成し、ベースライン尺度は、安静時間期間より前の時間期間中に収集された患者の生理学的データと関連する、調整することと、患者の感染リスクを予測するモデルに調整済み尺度のセットを入力することであって、それにより、患者の感染レベルを示す予測値を取得する、入力することと、予測値に基づいて患者の感染状態を特定することとを含み得る。
【0006】
[0006] 幾つかの実施形態において、生理学的パラメータのセットからの各生理学的パラメータの導出尺度は、安静時間期間の部分中にその生理学的パラメータについて抽出されたデータの集計値である。幾つかの実施形態において、集計値は、平均、中央値、標準偏差、分散、又はより高次の統計の1つ又は複数に基づく。
【0007】
[0007] 幾つかの実施形態において、生理学的パラメータのセットは、心拍数、心拍数変動、皮膚温度、呼吸速度、皮膚コンダクタンス、皮膚抵抗率、皮膚電位、運動、血中酸素レベル、タンパク質、又はサイトカインの2つ以上を含む。
【0008】
[0008] 幾つかの実施形態において、生理学的パラメータのセットからの各生理学的パラメータの導出尺度を調整することは、生理学的パラメータのセットからの各生理学的パラメータの導出尺度とベースライン尺度との間の変化を特定することを含む。
【0009】
[0009] 幾つかの実施形態において、本方法は、患者の人口統計データ又は医療データの少なくとも一方を受信することと、人口統計データ又は医療データの少なくとも一方に基づいて、安静時間期間の部分中に抽出された生理学的パラメータのセットのデータを調整することとを含み得、生理学的パラメータのセットからの各生理学的パラメータの導出尺度を特定することは、安静データを正規化した後である。幾つかの実施形態において、本方法は、人口統計データ又は医療データの少なくとも一方に基づいて、患者の感染リスクを予測するモデルを調整することを含み得る。
【0010】
[0010] 幾つかの実施形態において、本方法は、安静時間期間の部分中に抽出された生理学的パラメータのセットのデータを正規化することを含み得る。幾つかの実施形態において、生理学的パラメータのセットからの各生理学的パラメータの導出尺度を特定することは、安静データの正規化後である。幾つかの実施形態において、データの正規化は最小最大正規化に基づく。
【0011】
[0011] 幾つかの実施形態において、患者の感染状態を特定することは、予測値が予め定義された閾値よりも大きいか否かを特定することと、予測値が予め定義された閾値よりも大きいことに応答して、患者が感染していると特定することとを含む。
【0012】
[0012] 幾つかの実施形態において、予め定義された閾値は調整可能であり得る。幾つかの実施形態において、モデルは、ユーザのセットと関連する生理学的データを含むトレーニングデータを使用して較正し得、ユーザのセット及び患者は特徴の共通セットを有する。
【0013】
[0013] 幾つかの実施形態において、モデルは、重みのセットを調整済み尺度のセットに適用するように構成し得、重みのセットは、ユーザのセットと関連する生理学的データを含むトレーニングデータを使用して較正される。幾つかの実施形態において、ユーザのセットの生理学的データは、ジオロケーション及び天気の1つ又は複数と関連し得る。
【0014】
[0014] 幾つかの実施形態において、モデルは非線形関数を定義する。幾つかの実施形態において、安静時間期間より前の時間期間は、安静時間期間より前の少なくとも約24時間である。幾つかの実施形態において、安静時間期間より前の時間期間は、安静時間期間より前の予め定義された時間期間であり、予め定義された時間期間は感染のタイプに基づく。
【0015】
[0015] 幾つかの実施形態において、本方法は、患者の感染状態を経時モニタリングすることであって、それにより、患者の感染状態の変化、感染の治癒、及び推定感染期間の1つ又は複数を識別する、モニタリングすることを含み得る。
【0016】
[0016] 幾つかの実施形態において、時間期間及び安静時間期間は周期的な時間間隔に基づく。幾つかの実施形態において、周期的な時間期間は、カレンダー周期、ホルモン周期、月周期、概日リズム、多日リズム、及び仕事スケジュールの1つ又は複数を含む。
【0017】
[0017] 幾つかの実施形態において、導出尺度を調整することは、患者と関連する天気に基づく。幾つかの実施形態において、本方法は、少なくとも部分的に患者のジオロケーションに基づいて感染リスクを特定することを含み得る。
【0018】
[0018] 幾つかの実施形態において、装置は、メモリと、メモリ及びセンサのセットに動作可能に結合されたプロセッサとを含み得、プロセッサは、メモリに記憶された命令を実行して、センサのセットから、センサのセットによって測定された患者の生理学的データを受信することと、生理学的データから、患者と関連する安静時間期間中、生理学的パラメータのセットのデータを抽出することと、安静時間期間中に抽出された生理学的パラメータのセットのデータに基づいて、生理学的パラメータのセットからの各生理学的パラメータの導出尺度を特定することと、生理学的パラメータのセットからの対応する生理学的パラメータのベースライン尺度に基づいて、生理学的パラメータのセットからの各生理学的パラメータの導出尺度を調整することであって、それにより、調整済み尺度のセットを生成し、ベースライン尺度は、安静時間期間より前の時間期間中に収集された患者の生理学的データと関連する、調整することと、患者の感染リスクを予測するモデル及び調整済み尺度のセットを使用して、患者の感染レベルを示す予測値を特定することと、予測値に基づいて患者の感染状態を特定することとを行うように構成される。
【0019】
[0019] 幾つかの実施形態において、その装置は、センサのセットを含むウェアラブルデバイスを含み得る。幾つかの実施形態において、生理学的パラメータのセットからの各生理学的パラメータの導出尺度は、安静時間期間の部分中にその生理学的パラメータについて抽出されたデータの集計値である。幾つかの実施形態において、生理学的パラメータのセットは、心拍数、心拍数変動、皮膚温度、呼吸速度、皮膚コンダクタンス、血中酸素レベル、皮膚抵抗率、皮膚電位、運動、又はサイトカインの2つ以上を含む。幾つかの実施形態において、プロセッサは、生理学的パラメータのセットからの各生理学的パラメータの導出尺度とベースライン尺度との間の変化を特定することにより、生理学的パラメータのセットからの各生理学的パラメータの導出尺度を調整する命令を実行するように構成し得る。
【0020】
[0020] 幾つかの実施形態において、モデルは、重みのセットを調整済み尺度のセットに適用するように構成し得、重みのセットは、ユーザのセットと関連する生理学的データを含むトレーニングデータを使用して較正される。幾つかの実施形態において、モデルは非線形関数を定義し得る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図面の簡単な説明
【
図1】[0021]一実施形態によるユーザの感染を検出するシステムのブロック図である。
【
図2】[0022]一実施形態によるユーザの感染を検出する方法を示すフローチャートである。
【
図3】[0023]一実施形態によるユーザの感染を通知する方法を示すフローチャートである。
【
図4A】[0024]一実施形態による、研究例からのユーザ感染データのプロットであり、
図4Aは一実施形態による経時ウイルス排出のプロットである。
【
図4B】[0024]一実施形態による、研究例からのユーザ感染データのプロットであり、
図4Bは一実施形態による経時症状のプロットである。
【
図5A】[0025]一実施形態による研究例からの生理学的データのプロットであり、
図5Aは一実施形態による経時加速度のプロットである。
【
図5B】[0025]一実施形態による研究例からの生理学的データのプロットであり、
図5Bは一実施形態による経時皮膚コンダクタンスのプロットである。
【
図5C】[0025]一実施形態による研究例からの生理学的データのプロットであり、
図5Cは一実施形態による経時体温のプロットである。
【
図5D】[0025]一実施形態による研究例からの生理学的データのプロットであり、
図5Dは一実施形態による経時心拍数のプロットである。
【
図5E】[0025]一実施形態による研究例からの生理学的データのプロットであり、
図5Eは一実施形態による
図5A~
図5Dに示されるプロットの線形結合である。
【
図6A】[0026]一実施形態による研究例からの生理学的データのプロットであり、
図6Aは一実施形態による経時ウイルス排出のプロットである。
【
図6B】[0026]一実施形態による研究例からの生理学的データのプロットであり、
図6Bは一実施形態による経時症状カウントのプロットである。
【
図7A】[0027]一実施形態による研究例からの生理学的データのプロットであり、
図7Aは一実施形態による経時加速度のプロットである。
【
図7B】[0027]一実施形態による研究例からの生理学的データのプロットであり、
図7Bは一実施形態による経時皮膚コンダクタンスのプロットである。
【
図7C】[0027]一実施形態による研究例からの生理学的データのプロットであり、
図7Cは一実施形態による経時体温のプロットである。
【
図7D】[0027]一実施形態による研究例からの生理学的データのプロットであり、
図7Dは一実施形態による経時心拍数のプロットである。
【
図7E】[0027]一実施形態による研究例からの生理学的データのプロットであり、
図7Eは一実施形態による
図7A~
図7Dに示されるプロットの線形結合である。
【
図8A】[0028]一実施形態によるSARS-CoV-2に感染した患者の生理学的データのプロットであり、
図8Aは一実施形態による経時心拍数のプロットである。
【
図8B】[0028]一実施形態によるSARS-CoV-2に感染した患者の生理学的データのプロットであり、
図8Bは一実施形態による経時体温のプロットである。
【
図8C】[0028]一実施形態によるSARS-CoV-2に感染した患者の生理学的データのプロットであり、
図8Cは一実施形態による経時電気皮膚活動のプロットである。
【
図9】[0029]一実施形態によるユーザの安静時間期間を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
詳細な説明
[0030] 本明細書に記載されるのは、ユーザ(例えば患者)のウイルス感染の検出に使用し得る、1つ又は複数の生理学的パラメータの非侵襲的リアルタイムモニタリングを提供するモニタリングデバイス、システム、及び方法である。本明細書に開示される方法、システム、及びデバイスは、COVID-19及びインフルエンザ等の早期(例えば無症状)呼吸器感染で特に有用であり得る。これらのシステム及び方法は例えば、患者の生理学的データ(例えば心拍数、体温、加速度、サイトカイン含有量)、日時情報、及び環境データ(例えばジオロケーション、天気、大気質)、患者の尺度電気皮膚活動(EDA)(例えば皮膚コンダクタンス)を受信し、少なくともEDA及び生理学的データに基づいて、ウイルス感染(又はそれと関連する何らかの尺度)の確率又は尤度と、サイトカインリリース又はいわゆるサイトカインストームと関連するSNS応答等の感染に伴う傾向のある応答を推定し、推定確率に基づいて感染状態を検出し得る。これにより例えば、リアルタイムで連続又は半連続して患者の健康ステータスの早期洞察が可能であり得る。さらに、患者の生理学的データ又は感染状態の変化に基づいて、患者の感染治癒を検出し、患者の健康ステータス(例えば患者の症状が改善しているか、低下しているか、又は同じままであるか)のモニタリングを促進し得る。感染検出で使用される本明細書に記載のデバイスはコンパクト且つポータブルであり得、それにより、患者の毎日の活動を制限せずにリアルタイムの連続又は半連続モニタリングが可能になり得る。例えば、デバイスは患者の手首に装着されるウェアラブルデバイスであり得る。
【0023】
[0031] 本明細書には、感染検出及び/又は感染治癒のリアルタイム通知を提供する感染モニタリングデバイス、システム、及び方法も記載される。例えば、感染治癒パラメータは感染治癒時を含み得る。幾つかの実施形態において、ウイルス感染が検出されると、患者、指定されたユーザ、及び医療専門家の1人又は複数にアラートを提供し得る。頻度、タイミング、タイプ、重症度、及び内容等の1つ又は複数の通知パラメータは、各患者に向けて構成可能であり得る。例えば、通知は、患者が特定のタイプのウイルスに感染したことの信頼水準(例えば低、中、高、確率値、リスクレベル)を示し得る。
【0024】
[0032] 本明細書に記載の方法及びシステムは、連続した非侵襲的感染モニタリングの患者及び医療専門家にとっての防衛最前線であり得る。早期検出及び通知により例えば、患者がまだ無症状である間、感染した患者を更なるテスト(例えば感染を確認する(且つ感染タイプを特定する)ためのPCR/研究所テスト)に優先させることができ得る。このようにして、患者が感染を示すか、又は感じる前、ウイルス感染と関連する症状を予想し得るという点でウイルス感染を予測し得る。感染の早期検出及び通知により、患者が無症状であるか、又は患者の症状が穏やかである間、治療を開始することも可能になる。これは、疾患の持続時間及び重症度を下げ得、それにより患者の結果を改善し得る。感染の可能性が通知されると、患者は、症状が出る前に自主隔離を選び得、それにより、ウイルスが拡散する能力を下げ得る。患者が感染している間、患者の状態を連続して監視して、患者の治療の効果(例えば患者が改善しているか?)を特定することもできる。例えば、進行中の低身体活動レベルと組み合わせてEDAの急上昇が、呼吸数の増加、心拍数の増加、及び体温の上昇の1つ又は複数と一緒に測定される場合、サイトカインストームの可能性に起因して、更なる介入についての通知を患者及び医療提供者の1つ又は複数に生成し得る。IL-6、IL-12、他のタンパク質レベルを生じ得る変化についてチェックし得、その理由は、特定のパターンのこれらの生理学的マーカーが、より重症な症状及び/又は合併症の尤度増大と関連し得るためである。
【0025】
[0033] 追加又は代替として、医療専門家は、本明細書に記載のシステム、デバイス、及び方法を使用して、断続的な来院よりも頻繁にリモートでモニタリングし得、それにより、感染力の強い患者への医療提供者の潜在的露出が低減し得る。現行の治療標準は多くの場合、患者の見た目、血液検査(例えば血清検査)、及びバイタル測定値の組合せに頼る。モニタリングシステムから提供されるデータは、従来のデータセットを補足し、患者ステータスへの追加の洞察を提供し、患者の過去(例えば参照ベースライン)ステータスを考慮に入れることができる。連続(又は周期的)患者モニタリングにより、問題が悪化する前に医療専門家が合併症及び/又は不良な治療効果にリアルタイムで対処することも可能である。例えば、治療効果が不良である場合、対面での診察なしで、処方された医学療法(例えば薬剤、投与量、頻度)を更新することができる。早期治療及び介入ステップ(例えば自主隔離)と組み合わせた感染の早期検出は、COVID-19及びインフルエンザ等のウイルスのR0を低下させ得(例えばR0<1)、患者、社会、及び経済へのそのような疾病の影響を低減し得る。
【0026】
[0034] 幾つかの実施形態において、測定された生理学的データを使用して、ウイルスの理解を高め得る。例えば、1人又は複数の患者についてある時間期間にわたって測定された患者データは、データトレンドの可視化を可能にし得る。例えば、測定された生理学的データ及び挙動データを使用して、同じウイルス負荷及び/又は同一遺伝子を有する2人の患者が何故、大きく異なる症状重症度を有し得るかを突き止め得る。例えば、身体活動度がより低く、より多くの睡眠をとる患者は、同じ発熱及び同じウイルス負荷であっても、症状及び接触伝染性の日数を短縮又は長期化させ得る。そのようなデータはさらに、患者結果に不一致を生じさせ得る炎症事象を検出するための臨床試験で有用であり得る。
【0027】
I.システム
[0035] 一般に、本明細書に記載のシステムは、ユーザデバイス(例えば、センサを有する1つ又は複数のデバイスを含む患者モニタ)と、1つ又は複数の他の計算デバイス、例えばパートナーデバイス、ネットワーク、サーバ、及びデータベースとを含み得る。ユーザデバイスは患者データを測定し得、幾つかの実施形態において、処理及び分析に向けて患者データを別の計算デバイス、パートナーデバイス、リモートサーバ、及び/又はデータベースに送信し得る。他の実施形態において、患者データは、ユーザデバイス自体によって処理し分析し得る。先に触れたように、患者データは、生理学的データ、環境データ、及び人口統計データの1つ又は複数を含み得る。生理学的データは、1つ又は複数のデバイス(例えばウェアラブルデバイス、スマートフォン、ポータブルデバイス)の1つ又は複数のセンサを使用して測定し得る。患者データを処理し分析して、感染の尤度の確率(又はそれと関連する何らかの尺度)を推定し、及び/又は患者の感染状態を検出し得る。患者データの測定及び感染検出は、所定の間隔で又は連続して実行し得る。感染検出の結果は、患者モニタ、計算デバイス、パートナーデバイス、ネットワーク、サーバ、データベース、それらの組合せ等の1つ又は複数に出力し得る。追加(例えば同時に若しくは続けて)又は代替として、感染検出は、医療専門家及び指定されたユーザ(例えばパートナー、家族、サポートグループ、研究者)の1人又は複数に出力し得る。
【0028】
[0036] 患者モニタリングシステムは、本明細書に記載のようにデバイスを使用して生理学的データを測定及び/又は生成するために必要な構成要素の1つ又は複数を含み得る。
図1は、患者モニタリングシステム(100)の一実施形態のブロック図である。ここに示されるように、システム(100)は、ユーザデバイス(例えば患者モニタ)(110)、計算デバイス(120)、及びネットワーク(140)を含み得、任意選択的にパートナーデバイス(130)を含み得る。
【0029】
[0037] 幾つかの実施形態において、測定された患者データをシステム(100)のデバイスのいずれか1つ(例えばユーザデバイス(110)、計算デバイス(120))で処理及び/又は分析し得(例えば感染を示すために)、一方、他の実施形態において、処理は複数のデバイスにわたって分散し得る。幾つかの実施形態において、患者データ処理は、データをフィルタリングする(例えばノイズ低減、波形平均)ことと、主要事象(例えば覚醒期間、睡眠期間、低、中、若しくは高身体活動度又は屋外空気露出の時間期間)を特定することと、ウイルス感染を推定することと、患者の感染を検出することと、感染変化(例えば患者の状態が変化しているか、低下しているか、増大しているか、それとも同じままであるか)、感染治癒をモニタリングすることと、感染の持続時間を推定することとを含み得る。幾つかの実施形態において、患者データ及び患者識別情報は、医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律(Health Insurance Portability and Accountability Act)(HIPAA)規制に従って暗号化し記憶し得る。
【0030】
[0038] ユーザデバイス(110)は、ユーザと関連する計算デバイスであることができる。ユーザデバイス(110)は、患者に取り外し可能に取り付けられ、患者データ(例えば生理学的データ、環境データ)を測定するように構成することができる。本明細書により詳細に説明するように、ユーザデバイス(110)は、電気皮膚活動センサ、加速度計、心臓センサ、光学センサ、体温センサ、磁力計、高度計、1リード心電図(ECG)センサ、筋電図(EMG)センサ、又は周囲光センサの1つ又は複数を含み得る。幾つかの実施形態において、ユーザデバイス(110)は、例えば患者の四肢(例えば手首、腕、ふくらはぎ)に装着されるウェアラブルデバイスであるように構成し得る。
【0031】
[0039] ユーザデバイス(110)は、1つ又は複数の他のデバイス又はシステムとの通信チャネルを確立するように構成された通信デバイスを更に含み得る(例えば入力/出力デバイス(116)の一部として)。例えば、ユーザデバイス(110)は、1つ又は複数の有線又は無線通信チャネルを通して計算デバイスに結合し得る。ユーザデバイス(110)は、更に詳述するように、1つ又は複数の計算デバイス(120)、プリンタデバイス(130)、及び/又はネットワーク(140)に動作可能に結合し得る。
【0032】
[0040] ユーザデバイス(110)は、複数の時間期間中、患者データ(例えば生理学的データ、電気皮膚活動データ)を測定するように構成し得る。幾つかの実施形態において、測定された患者データは、本明細書に記載のようにデータ処理、感染確率推定及び予想、並びに感染検出に向けて計算デバイスに送信し得る。幾つかの実施形態において、ユーザデバイス(110)は1つ又は複数の他の計算デバイスから制御し得る。幾つかの実施形態において、本明細書に記載のユーザデバイス(110)は、本明細書に記載の測定ステップ、推定ステップ、及び検出ステップのサブセットを実行するように構成し得る。
【0033】
[0041] 幾つかの実施形態において、ユーザデバイス(110)(例えば患者モニタ)は、プロセッサ(112)、メモリ(114)、入力/出力デバイス(116)、及び1つ又は複数のセンサ(118)を含み得る。プロセッサ、メモリ、及び入力/出力デバイスについて本明細書により詳細に説明する。1つ又は複数のセンサ(118)は、1つ又は複数の生理学的パラメータ及び閑居得パラメータを測定するように構成し得る。幾つかの実施形態において、生理学的パラメータは、患者活動(例えば移動)、患者一、睡眠/覚醒ステータス、睡眠の質、NREM/REMステージ、電気皮膚活動(例えば皮膚コンダクタンス)、血液容積、心拍数、心拍数指標、心拍数変動、血圧、呼吸、呼吸数指標、代謝当量(MET)、運動量及びタイプ(MOT)、ストレスレベル、リラックスレベル、体温、皮膚温度、皮膚抵抗率、皮膚電位、運動、皮膚コンダクタンス、血中酸素レベル、熱流束、ANS活動(例えば交感神経系、副交感神経系、及び全神経系の覚醒又は活性化のレベルを示す)、タンパク質(例えばサイトカイン、インターロイキン-6(IL-6)、及びインターロイキン-12(IL-12))、対応する生理学的に関連する指標、それらの組合せ等を含み得る。
【0034】
[0042] 幾つかの実施形態において、1つ又は複数のパラメータは他のパラメータセットから導出し得る。例えば、心拍数及び呼吸は、拍動する心臓又は呼吸している肺によって生成される運動に伴って変化する心理心電図運動パラメータの変化の分析を通して取得し得る。幾つかの実施形態において、心拍数変動(HRV)は、それらの運度パラメータの変化を通して、皮膚を通して、又は患者の皮膚の下の血液の変化を通して測定し得る。HRVは心拍数の心拍間変動として定義し得る。変化が大きいほど、HRVは大きい。HRVには、高周波(HF)振動とも呼ばれる呼吸性洞不整脈(RSA)及び低周波(LF)振動の2つの主要な要素が含まれる。HF振動は呼吸と関連し、様々な周波数にわたり呼吸数を追跡し、低周波振動は血圧のメイヤー波(トラウベ-ヘリング-メイヤー波)と関連する。これらのスペクトル帯域に含まれる総エネルギーはエネルギーが割り当てられる方法と組み合わせて、中枢神経系によって与えられる心拍調整パターンの指示並びに精神的及び身体的健康の状態の指示を与える。
【0035】
[0043] 幾つかの実施形態において、環境パラメータは、ジオロケーション、天気、空気圧、気温、湿度、花粉数、空気質、地域感染率、人口密度、それらの組合せ等を含み得る。
【0036】
[0044] 幾つかの実施形態において、センサ(118)は電気皮膚活動センサ、加速度計、ジャイロスコープ、フォトプレチスモグラフィセンサ、心臓センサ(例えば心電図)、血中酸素センサ、光学センサ、ジオロケーションセンサ(例えばGPS)、気圧計、圧力センサ、温度センサ(例えば皮膚温度センサ)、血糖センサ、気圧計、電極、AC電流センサ、DC電流センサ、発光器、磁力計、高度計、1リード心電図(ECG)センサ、筋電図(EMG)センサ、周囲光センサ、サイトカインセンサ、タンパク質センサ、それらの組合せ等を含み得る。幾つかの実施形態において、加速度計は、移動及び位置の1つ又は複数を測定するように構成された3軸加速度計及びジャイロスコープの1つ又は複数を含み得る。例えば、加速度計又はジャイロスコープは、患者が横になっている持続時間を定量するように構成し得る。幾つかの実施形態において、患者の活動のメトリックとして、患者が横になっていない日毎の総持続時間をモニタし得る。参照ベースライン持続時間からの所定の逸脱は通知(例えばアラート、指示)を出力するように構成し得る。
【0037】
[0045] ユーザデバイス(110)のプロセッサ(112)は、ユーザデバイス(110)のメモリ(114)から通信チャネルを経由して受信したデータを組み込み、例えばユーザデバイス(110)の1つ又は複数の構成要素を制御し得る。メモリ(114)は更に、本明細書に記載の方法と関連するプロセッサ(112)にモジュール、プロセス、及び/又は機能を実行させる命令を記憶し得る。幾つかの実施形態において、メモリ(114)及びプロセッサ(112)は単一のチップ上に実装し得る。他の実施形態において、別個のチップに実装することができる。
【0038】
[0046] 幾つかの実施形態において、ユーザデバイス(110)は計算デバイス(120)、パートナーデバイス(130)及びネットワーク(140)のいずれかに直接結合し得る。ネットワークは、ユーザの生理学的データの無線(例えばWiFi)処理を提供することもでき、それはウェアラブルからのデータと組み合わせ得る。例えば、WiFiを使用して呼吸数及び心拍数を推定し得、これらはウェアラブルからのEDA、体温、又はIL-6と組み合わせ得る。幾つかの実施形態において、ユーザデバイス(110)は、格納、再充電、データ転送、それらの組合せ等のためにドック(図示せず)に結合し得る。ユーザデバイス(110)は、電力をユーザデバイス(110)に提供するように構成された電源を含み得、及び/又はユーザデバイス(110)は外部電源に結合可能であることができる(例えばドックを介して)。幾つかの実施形態において、ユーザに取り付けるために、ウェアラブルデバイスはリストバンド又は他の取り付け機構(例えば磁石、接着剤等)を含むことができる。
【0039】
[0047] ユーザの生理学的パラメータを測定するデバイスの適した例には、例えば、2014年3月17日付けで出願された「Apparatus for electrodermal activity measurement with current compensation」という名称の米国特許出願公開第2014/0316229号、2015年7月24日付けで出願された「Device, system and method for detection and processing of heartbeat signals」という名称の米国特許出願公開第2015/0327787号、2009年4月16日付けで出願された「Washable wearable biosensor」という名称の米国特許第8,140,143号に記載される等のデバイスがあり、これらの各々の内容は参照により本明細書に援用される。
【0040】
[0048] 計算デバイス(120)は、例えばネットワーク(140)を介してユーザデバイス(110)及び/又はパートナーデバイス(130)に動作可能に結合され、又は統合されるリモートデバイスであり得る。幾つかの実施形態において、計算デバイス(120)はサーバと関連することができる。サーバは、1つ又は複数のユーザデバイス(110)とのデータ及び信号の送受信を行う専用サーバであることができる。代替的には、計算デバイス(120)は別のユーザデバイスであることができる。例えば、計算デバイス(120)はセルラ電話(例えばスマートフォン)、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ポータブルメディアプレーヤ等であることができる。
【0041】
[0049] 計算デバイス(120)は、種々のタイプのデータを受信するように構成し得る。例えば、計算デバイスは、人口統計データ(例えば性別、体重、ボディマスインデックス、身長、生年月日、年齢、身長、遺伝情報、診断日、デバイスを使用した応当日、既存の症状、投薬履歴、病歴)、患者データ(例えば血圧データ、心拍数データ、電気皮膚活動データ)、他の同様の状況の患者の一般健康情報(例えばコホート患者データ)、又は他の任意の関連情報を受信するように構成し得る。例えば、病歴は、呼吸器疾患、免疫系疾患、高血圧、心血管疾患、糖尿病等の1つ又は複数の履歴を含み得る。
【0042】
[0050] 幾つかの実施形態において、計算デバイス(120)は、患者プロファイルを作成、受信、及び/又は記憶するように構成し得る。患者プロファイルは、上述した患者人口統計データのいずれかを含み得る。上記情報は計算デバイスによって受信し得るが、幾つかの実施形態において、計算デバイスは、デバイス自体に記憶されるか、又は外部に記憶されたソフトウェアを使用して、受信した情報からの上記の任意のデータを処理するように構成し得る。
【0043】
[0051] 計算デバイス(120)のプロセッサ(122)は、ユーザデバイス(110)から患者データを受信し、他のデータ(例えば環境データ、人口統計データ)を他のソース(例えばパートナーデバイス(130))から受信するように構成することができる。プロセッサ(122)は、データの受信、処理、分析、編纂、記憶、及びアクセスを行うように構成し得る。プロセッサ(122)は、患者から直接入力されたデータ及び/又は患者から測定された入力を受信するように構成し得る。プロセッサ(122)は、本明細書でより詳細に論じるようにネットワーク接続を通して又はデータ若しくは記憶媒体との物理的接続を通して(例えばユニバーサルシリアルバス(USB)若しくは他の任意のタイプのポート)データを受信し得る。
【0044】
[0052] パートナーデバイス(130)は、ヘルスケア施設、研究施設等と関連する計算デバイスであり得る。幾つかの実施形態において、医療専門家等の個人に、パートナーデバイス(130)を通してユーザデバイス(110)にアクセスが許され得る
【0045】
[0053] ネットワーク(140)は、有線ネットワーク及び/又は無線ネットワークとして実施され、ユーザデバイス(110)、計算デバイス(120)、及び/又はパートナーデバイス(130)を含め計算デバイスに動作可能に結合するのに使用される任意のタイプのネットワーク(例えばローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、仮想ネットワーク、電気通信ネットワーク)であることができる。通信は暗号化されてもよく、又は暗号化されなくてもよい。無線ネットワークとは、いかなる種類のケーブルによっても接続されない任意のタイプのデジタルネットワークを指し得る。無線ネットワークにおける無線通信の例には、限定ではなく、セルラ通信、無線通信、衛星通信、及びマイクロ波通信がある。しかしながら、インターネット、他のキャリア音声及びデータネットワーク、ビジネスネットワーク、及びパーソナルネットワークとインターフェースするために、無線ネットワークは有線ネットワークに接続し得る。有線ネットワークは典型的には、銅ツイストペア、同軸ケーブル、及び/又は光ファイバケーブルを経由して運ばれる。ワイドエリアネットワーク(WAN)、大都市圏ネットワーク(MAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネットエリアネットワーク(IAN)、キャンパスエリアネットワーク(CAN)、インターネットのようなグローバルエリアネットワーク(GAN)、及び仮想私設ネットワーク(VPN)を含め、多くの様々なタイプの有線ネットワークがある。ネットワーク(140)は、処理及び/又は記憶のために1つ又は複数のデータベース及びサーバを含み得、又はそれらに結合し得る。
【0046】
[0054] プロセッサ(112、122、132)は、命令又はコードのセットを走らせ及び/又は実行するように構成された任意の適した処理デバイスであり得、1つ又は複数のデータプロセッサ、画像プロセッサ、グラフィックス処理ユニット、物理処理ユニット、デジタル信号プロセッサ、及び/又は中央演算処理装置を含み得る。各プロセッサ(112、122、132)は例えば、汎用プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)等であり得る。各プロセッサ(112、122、132)は、システム及び/又はシステムと関連するネットワークと関連するアプリケーションプロセス及び/又は他のモジュール、プロセス、及び/又は機能を走らせ及び/又は実行するように構成し得る。基礎となるデバイス技術は、種々の構成要素タイプ(例えば相補型金属酸化膜半導体(CMOS)のような金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)技術、エミッタ結合論理(ECL)のようなバイポーラ技術、ポリマー技術(例えばケイ素共役ポリマー及び金属共役ポリマー金属構造)、アナログ及びデジタルの混合等で提供し得る。
【0047】
[0055] 各メモリ(114、124、134)はデータベース(図示せず)を含み得、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)、メモリバッファ、ハードドライブ、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)、電子的消去可能な読み取り専用メモリ(EEPROM)、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ等であり得る。各メモリ(114、124、134)は、通信デバイスと関連するモジュール、プロセス、及び/又は機能、例えば患者データ処理、センサ測定、ウイルス感染確率推定、ユーザデバイス又は患者モニタリングの制御、認証、暗号化、及び/又は通信をプロセッサに実行させる命令を記憶し得る。本明細書に記載の幾つかの実施形態は、種々のコンピュータ実施動作を実行するための命令又はコンピュータコードを有する非一時的コンピュータ可読媒体(非一時的プロセッサ可読媒体と呼ばれることもある)を有する計算記憶製品に関する。コンピュータ可読媒体(又はプロセッサ可読媒体)は、それ自体が一時的な伝播信号(例えば空間又はケーブル等の伝送媒体上で情報を搬送する伝播電磁波)を含まないという点で非一時的である。媒体及びコンピュータコード(コード又はアルゴリズムと呼ばれることもある)は、1つ又は複数の特定の目的に向けて設計、構築されたものであり得る。
【0048】
[0056] 非一時的コンピュータ可読媒体の例には、限定ではなく、ハードディスク、フロッピーディスク、及び磁気テープ;コンパクトディスク/デジタルビデオディスク(CD/DVD)、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、及びホログラフィックデバイス等の光学記憶媒体;光ディスク等の磁気光学記憶媒体;固体状態ドライブ(SSD)及び固体状態ハイブリッドドライブ(SSHD)等の固体状態記憶装置;搬送波信号処理モジュール;並びに特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、読み取り専用メモリ(ROM)デバイス、及びランダムアクセスメモリ(RAM)デバイス等のプログラムコードを記憶し実行するように特に構成されたハードウェアデバイスがある。本明細書に記載の他の実施形態は、例えば本明細書に開示される命令及び/又はコンピュータコードを含み得るコンピュータプログラム製品に関する。
【0049】
[0057] 各入力/出力デバイス(116、126、136)は、患者、医療専門家、又は他のユーザがシステムのデバイスの1つ又は複数を制御できるようにするよう構成される。例えば、計算デバイス(120)の入力/出力デバイス(126)は、ユーザがコマンドを入力するための入力デバイスと、ユーザが出力(例えばディスプレイデバイス上で電気皮膚活動読み取り値)を受信するための出力デバイスとを含み得る。各入力/出力デバイス(116、126、136)は、有線又は無線接続により(例えばネットワーク(140)を介して)計算デバイスを別のシステム(例えばインターネット、リモートサーバ、データベース)に接続するように構成されたネットワークインターフェースを含み得る。幾つかの実施形態において、ネットワークインターフェースは、1つ又は複数のデバイス及び/又はネットワークと通信するように構成された無線(RF)受信機、送信機、及び/又は光学(例えば赤外線)受信機及び送信機を含み得る。ネットワークインターフェースは、ユーザデバイス(110)、計算デバイス(120)、パートナーデバイス(130)、及びネットワーク(140)の1つ又は複数と有線及び/又は無線によって通信し得る。
【0050】
[0058] 幾つかの実施形態において、計算デバイスの出力デバイス(例えば入力/出力デバイス(116、126、136)に組み込まれる)は、ウイルス感染確率推定(例えば感染リスク)、ユーザの現在の状態又は生理学的状態と関連するメトリック等を出力し得、ディスプレイデバイス及びオーディオデバイスの1つ又は複数を含み得る。データ分析は出力デバイス(例えばディスプレイ)によって表示し得る。生理学的データ及び患者データ等の感染検出で使用されるデータは、1つ又は複数の出力デバイスを通して視覚的及び/又は可聴的に出力及びし得る。幾つかの実施形態において、出力デバイスは、発光ダイオード(LED)、液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネッセントディスプレイ(ELD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、薄膜トランジスタ(TFT)、有機発光ダイオード(OLED)、電子ペーパー/eインクディスプレイ、レーザディスプレイ、及び/又はホログラフィックディスプレイの少なくとも1つを含むディスプレイデバイスを含み得る。幾つかの実施形態において、出力デバイスはオーディオデバイスを含むことができる。オーディオデバイスは、患者データ、生理学的データ、システムデータ、アラーム、及び/又は通知を可聴的に出力し得る。例えば、オーディオデバイスは、ウイルス感染確率が所定の感染閾値に達したとき又はユーザデバイス(110)の誤作動が検出されたとき、可聴アラームを出力し得る。幾つかの実施形態において、オーディオデバイスは、スピーカ、圧電オーディオデバイス、磁歪スピーカ、及び/又はデジタルスピーカ等の少なくとも1つを含み得る。幾つかの実施形態において、患者は、オーディオデバイス及び通信チャネルを使用して他のユーザと通信し得る。例えば、患者は、リモート医療専門家とオーディオ通信チャネル(例えばVoIPコール)を形成し得る。
【0051】
[0059] 幾つかの実施形態において、計算デバイスの入力デバイス(例えば入力/出力デバイス(116、126、136))は、制御信号を生成するように構成された少なくとも1つのスイッチを含み得る。例えば、入力デバイスは、制御信号に対応する入力(例えばタッチ表面への指接触)をユーザが提供するタッチ表面を含み得る。タッチ表面を含む入力デバイスは、容量性、抵抗性、赤外線、光学撮像、分散信号、音響パルス認識、及び弾性表面波技術を含め、複数のタッチセンシティブ技術のいずれかを使用してタッチ表面上接触及び移動を検出するように構成し得る。少なくとも1つのスイッチを含む入力デバイスの実施形態において、スイッチは例えば、ボタン(例えばハードキー、ソフトキー)、タッチ表面、キーボード、アナログスティック(例えばジョイスティック)、方向パッド、マウス、トラックボール、ジョグダイアル、ステップスイッチ、ロッカースイッチ、ポインタデバイス(例えばスタイラス)、運動センサ、画像センサ、及びマイクロホンの少なくとも1つを含み得る。運動センサは、患者移動データを光学センサから受信し、ユーザジェスチャを制御信号として分類し得る。マイクロホンはオーディオデータを受信し、患者の音声を制御信号として認識し得る。
【0052】
[0060] 幾つかの実施形態において、触覚デバイスを入力/出力デバイス(例えば入力/出力(116))に組み込んで、追加の感覚出力(例えば力フィードバック)をユーザに提供し得る。例えば、触覚デバイスは、入力デバイス(例えばタッチ表面)へのユーザ入力を確認するための触覚応答(例えば振動)を生成し得る。別の例として、触覚フィードバックは、ユーザ入力が計算デバイスによってオーバーライドされることを通知し得る。幾つかの実施形態において、触覚デバイスを使用してアラートをユーザに送信することができる(例えばユーザに感染が検出された場合)。
【0053】
II.方法
[0061] 本明細書には、本明細書に記載のシステム及びデバイス(例えばユーザデバイス(110)、計算デバイス(120)等)を使用して患者の感染を非侵襲的にモニタリングする方法も記載される。特に、本明細書に記載のシステム、デバイス、及び方法は、ウイルス感染確率等の尺度を推定して、患者の感染をリアルタイムで検出し、及び/又は感染変化(例えば時間の経過に伴う改善又は改善の欠如)を示す尺度を推定するのに使用し得る。例えば、本明細書に記載の患者モニタは、非医療専門家(例えば患者)が、毎日の活動を妨げずに感染レベルを連続又は半連続して非侵襲的に個別に特定し追跡できるようにする。デバイス、システム、及び方法は、患者にとって使用が容易であり得、トレーニングを殆ど必要とせず、公衆にいながらプライベートな感染検出及びモニタリングを可能にし、健康ステータスを特定し追跡する快適でポータブルな方法を提供する。さらに、患者モニタは、患者の活動を妨げず且つ大きな維持費なしで、数日から数週間にわたって快適に連続装着可能なままであり得る。
【0054】
[0062] 幾つかの実施形態において、生理学的データ及び環境データのセットは、患者の感染検出に使用し得る参照ベースラインを確立し得る。患者の参照ベースラインは、患者の定常状態(例えば健康)状況及び/又は非感染状態に対応し得る。幾つかの実施形態において、感染ベースラインは患者の活動、患者の位置、睡眠/覚醒ステータス、睡眠の質、NREM/REMステージ、電気皮膚活動、血液容積、心拍数、心拍数変動、血圧、呼吸、代謝当量(MET)、ストレスレベル、リラックスレベル、患者の体温(例えば皮膚温度)、熱流束、ANS活動、タンパク質、ジオロケーション、天気、空気圧、気温(例えば環境)、湿度、花粉数、空気質、地域感染率、人口密度、それらの組合せ等を含み得る。幾つかの実施形態において、運度データ(例えば患者活動)を使用して、参照ベースラインの時間期間を決定し得る。例えば、患者の運動データを使用して、更なる処理及び分析から除外し得る患者の非睡眠データを決定し得る。即ち覚醒している患者(例えば運動中)の心拍数データ、体温データ、及び電気皮膚活動データは、感染の検出及び治癒にとって有用ではないことがある。
【0055】
[0063] 幾つかの実施形態において、ユーザデバイス(110)等のユーザデバイスは、患者の生理学的データを測定し、その生理学的データを更なる処理及び/又は分析に向けてプロセッサ(例えばプロセッサ(112)、プロセッサ(122))に提供するように構成することができる。幾つかの実施形態において、ユーザデバイスは、複数の生理学的パラメータと関連するデータを測定するように構成することができる。幾つかの実施形態において、生理学的パラメータは、心拍数指標(例えば心拍数から計算される尺度)、呼吸数指標(例えば呼吸数から計算される尺度)、心拍数変動指標(例えば時間ドメイン、周波数ドメイン、複雑性指標、又は心拍数又は呼吸数から計算される他の尺度)、皮膚温度指標(例えば皮膚温度又は任意の処理/クリーニングされた皮膚温度導出データから計算される尺度)、電気皮膚活動指標(例えば電気皮膚活動又は処理/クリーニングされた電気皮膚活動導出データから計算される尺度)、又は運動指標の数量及びタイプ(加速度計データ、ジャイロスコープデータ、筋電図データ、又は運動に関連する他の情報ソースから計算される尺度)の1つ又は複数を含むことができる。幾つかの実施形態において、生理学的パラメータは、2つ、3つ、4つ、又は5つの異なる生理学的パラメータのセットを含むことができる。プロセッサは、生理学的データに基づいて、各生理学的パラメータのベースライン値を特定するように構成することができる。幾つかの実施形態において、プロセッサは、データを分析して、患者が安静にしているか否かを特定し、患者が安静にしているとの特定に応答して、安静時(例えば安静時間期間中)の各生理学的パラメータのベースライン値を特定するように構成することができる。
【0056】
[0064] 幾つかの実施形態において、感染が検出された場合、通知を1人又は複数のユーザ(例えば患者、医療専門家)に提供し得る。幾つかの実施形態において、1つ又は複数の通知(例えばアラート)は、所定の基準に基づいて連絡先の所定のセット(例えば家族、パートナー、介護者、医療専門家)に提供し得る。連絡先のセットは例えば、患者又は介護者によって選択し得、電話呼、電子メール、テキストメッセージ、モバイルデバイスでのプッシュ通知、ウェブポータル等の1つ又は複数を介して通知又は他の通信を受信し得る。幾つかの実施形態において、通知は、患者感染ステータス(及び/又は患者感染治癒ステータス)、感染信頼水準、感染タイプ、挙動(例えば健康)推奨、及び患者入力用のプロンプト(例えばリクエスト)の1つ又は複数を含み得る。例えば、患者入力用のプロンプトは、偽陽性感染を低減するための1つ又は複数の質問(例えば、「24時間以内に、全体的な生理機能に影響する可能性がある任意の新しい薬剤又は物質を摂取しましたか」)を含み得る。幾つかの実施形態において、プロンプトに応答した患者入力は、より詳細に本明細書に説明するように、モデル(例えば機械学習モデル)に組み込むことができる。
【0057】
[0065] 幾つかの実施形態において、患者通知の頻度、タイミング、及び内容の1つ又は複数は、人口統計データ等の患者データに基づいて変更し得る。例えば、高リスク群(例えば高齢者、基礎疾患、社会経済的地位)の患者は、低リスク群(例えば若年、健康)の患者よりも低い推定ウイルス感染確率に基づいて患者感染通知を受信し得る。
【0058】
[0066] 追加又は代替として、幾つかの実施形態において、患者の感染状態を利用して、患者をリモートでモニタ及び/又は管理し得る。例えば、既知の危険因子(例えば糖尿病、高血圧、肥満、高齢)を有する患者は、モバイルアプリケーション及び第三者対話を使用してより積極的且つ包括的にモニタリングし得る。例えば、医療専門家(例えばかかりつけ医)は情報を使用して、投薬計画、臨床評価を調整し、及び/又は治療の意思決定を通知し得る。幾つかの実施形態において、医療専門家(例えば介護提供者)に、ブラウザベースのウェブアクセスポータル等の1つ又は複数の計算デバイス上のグラフィカルユーザインターフェースを介した患者データへのアクセスを提供し得る。医療専門家は例えば、パーソナルコンピュータを介してブラウザベースのウェブアクセスポータルにログインし得る。医療専門家は、1人又は複数の患者からの全てのモニタリングデータをレビューすることができる。医療専門家はさらに、研究所検査結果、患者の予約からのメモ、患者治療変更、患者の感染及び合併症、及び他の任意の所見を患者の健康記録に入力することができる。幾つかの実施形態において、患者感染データは管轄組織(例えば医療組織、大学、研究グループ)に送信し得る。例えば、患者データを匿名化して、識別可能な特徴を除去し、追跡のために米国疾病対策センター(Centers for Disease Control and Prevention)に送信し得る。匿名患者の感染データはウイルス感染モデルに組み込まれて、従来の自主報告及び検査方法よりも先にウイルス感染を予測し得る。
【0059】
[0067] 幾つかの実施形態において、患者群の患者感染データも、時間の経過に伴ってより良好なエビデンスベースの治療推奨に繋がることができる。幾つかの実施形態において、機械学習技法を利用して、大きな患者感染データセットを分析し、感染、治療結果、及びリスクの1つ又は複数に対応する生理学的パラメータ、人口統計パラメータ、及び環境パラメータを決定し改良することができる。例えば、安静時の参照心拍数、体温、及び電気皮膚活動のセットに対する安静時の電気皮膚活動の変化は、COVID-19及びインフルエンザ等の他のウイルスに起因する患者感染と高度に相関し得る。別の例として、データトレンドは、患者感染発症中又は発症前のストレス低減並びに睡眠の時間及び質の増大が疾病の罹患時間及び重症度を下げ得ることを示し得る。
【0060】
感染を検出する方法
[0068] 感染を検出する方法は一般に、患者データ(例えば人口統計データ、医療データ)及び環境データを受信することと、非侵襲的患者測定デバイスを使用して患者の生理学的データ(例えば電気皮膚活動、心拍数変動)を測定することと、少なくとも部分的に生理学的データ測定値及び他のデータに基づいてウイルス感染確率(又は感染の他の尺度)を推定することと、少なくとも部分的に推定ウイルス感染確率に基づいて患者の感染状態を検出することとを含み得る。幾つかの実施形態において、第1の生理学的データは第1の時間期間のベースラインデータの参照セットを含み得、第2の生理学的データは、第2の時間期間のものであり得る。幾つかの実施形態において、患者のウイルス感染確率は、第1の時間期間と第2の時間期間との間での患者データ(例えば生理学的データ、人口統計データ、環境データ、医療データ)の変化に基づいて推定し得る。幾つかの実施形態において、ウイルス感染確率推定は、患者の参照生理学的データ及び患者と関連するコホート患者データを入力として受信する機械学習アルゴリズム又は回帰モデル(例えば非線形モデル)に更に基づき得る。本明細書に記載の任意のシステム及びデバイスを本明細書に記載の方法で使用し得ることを理解されたい。
【0061】
[0069]
図2は、感染を検出する方法(200)の例示的な実施形態を示すフローチャートである。
図2に示す実施形態において、方法は、患者データを受信すること(202)と、生理学的パラメータを測定すること(204)と、測定データを処理すること(206)と、ウイルス感染確率を推定すること(208)と、患者の感染を検出すること(210)と、患者の感染を通知すること(212)と、挙動推奨を通知すること(214)とを含み得る。
【0062】
[0070] 任意選択的に、ステップ202において、患者データは、デバイス(例えばユーザデバイス(110)、計算デバイス(120))で受信し得る。例えば、患者データは、生理学的データ(例えば症状データ)、人口統計データ、及び環境データの1つ又は複数を含むタイムスタンプ付き参照データを含み得る。参照患者データは、1回又は所定の間隔(例えば毎週、2週毎、毎月)で受信し得、ユーザデバイス、計算デバイス、パートナーデバイス、ネットワーク等を含む1つ又は複数のデバイスからのデータに基づき得る。例えば、患者は人口統計情報をユーザデバイス(例えばスマートフォン)又はパートナーデバイス(医師のタブレット)に入力し得る。幾つかの実施形態において、参照患者データは、健康及び/又は非感染状態等の第1の時間期間に対応し得る。幾つかの実施形態において、受信した患者データはユーザデバイス(110)及び/又は計算デバイス(120)のメモリに記憶し得る。幾つかの実施形態において、患者データは、医療施設、天気施設、政府機関、マーケティングエージェンシー等と関連する計算デバイス(例えばパートナーデバイス(130))から受信し得る。幾つかの実施形態において、患者データは、無線通信チャネルを使用して受信し得る。幾つかの実施形態において、参照データは、安静状況(例えば睡眠中)並びに種々のレベルの身体活動及び精神活動中等の非安静状況等の異なる生理学的状況下で測定された測定値を含み得る。
【0063】
[0071] 幾つかの実施形態において、受信される患者データは、患者と関連するコホート生理学的データを含み得る。例えば、患者はコホート(例えば人口統計群、ピア群)に分類し得、コホートは、年齢、性別、人種、及びボディマスインデックスの1つ又は複数によってグループ化され、及び/又は挙動特性(例えば高又は低睡眠規則性)によってグループ化された患者のセットを含み得る。例えば、患者は、患者の年齢、性別、人種、体重、身長、ボディマスインデックス等の情報を含む人口統計データを計算デバイスに入力して、患者のコホートを決定し得る。また、経時測定されたユーザデバイスデータを使用して、挙動を特徴付け得る。幾つかの実施形態において、コホート生理学的データは、ユーザデバイス(110)のメモリに予めプログラムされ記憶することができ、又は通信チャネルを経由して受信(例えば更新)することができる。幾つかの実施形態において、コホート生理学的データは機械学習技法を使用して処理し得る。
【0064】
[0072] 幾つかの実施形態において、患者データは連続して測定及び/又は導出し得る。例えば、患者睡眠及び/又は安静データ(例えば睡眠又は安静開始/終了時刻、持続時間、睡眠効率、睡眠断片化、寝返り数)は、センサ及び/又は生理学的データ及び/又は生理学的指標から推定し得る。幾つかの実施形態において、患者データは、ユーザデバイス(110)が手首装着デバイスである場合、ユーザデバイス(110)が患者によって正しく装着されているときに対応する一度限りの手首データ等のデバイス使用データを含み得る。
【0065】
[0073] ステップ204において、ユーザデバイスを使用して1つ又は複数の生理学的パラメータを測定し得る。例えば、ユーザデバイス(例えばユーザデバイス(110))は1つ又は複数のセンサ(例えばセンサ(118))をリアルタイムで連続又は半連続して使用し得る。幾つかの実施形態において、患者モニタは患者の1つ又は複数の生理学的パラメータ及び環境データを測定し得る。例えば、患者モニタは手首にわたり患者の皮膚と平坦に、取り外し可能に取り付けることができる。患者モニタのセンサは、患者が任意の日常活動を行う間、電気皮膚活動等の生理学的パラメータ及び場所等の環境パラメータを連続して又は所定の間隔で測定するように構成し得る。複数の生理学的パラメータを分析することは、センサ誤較正(例えば患者の手首にある緩んだデバイス)又は咳若しくは運動等の他の状況等の因子に起因した偽陽性及び偽陰性を低減することにより感染検出を改善し得る。幾つかの実施形態において、生理学的パラメータを測定することは、1つ又は複数のセンサを含むユーザデバイスの較正を実行することを含み得る。
【0066】
[0074] 幾つかの実施形態において、生理学的パラメータは、第1の時間期間中及び第1の時間期間後の第2の時間期間中、測定し得る。追加又は代替として、1つ又は複数の人口統計パラメータ及び環境パラメータを、生理学的測定と同じ時間期間(例えば第1の時間期間、第2の時間期間)において測定し得る。第1の時間期間中の測定データのセットを使用して、本明細書に記載のように、1つ又は複数の生理学的パラメータのベースライン値を特定し得る。第2の時間期間中の測定データのセットは、測定患者データと呼び得る。測定パラメータを使用して、第2の時間期間中の患者感染を特定し得る。幾つかの実施形態において、第2の時間期間は、第1の時間期間後の、間の全てのサブ値を含め、約5秒~約1週間であり得る。例えば、第2の時間期間は、第1の時間期間後の最長約1分、最長約5分、最長約10分、最長約30分、最長約60分、最長約2時間、最長約6時間、最長約12時間、最長約24時間、最長約36時間、最長約48時間、最長約72時間、最長約96時間、最長約120時間、最長約1週間であり得る。
【0067】
[0075] 幾つかの実施形態において、より多くの患者データが測定されるにつれて、ベースライン値は経時変化し得、及び/又は周期的な時間間隔/期間に基づき得る。例えば、第1及び第2の時間期間は周期的(例えば月曜夜の睡眠、月の初週、年日、季節、ホルモン周期、生理周期、月周期、概日リズム、多日リズム、仕事スケジュール、学校スケジュール)であってもよく、及び/又は患者入力に基づいて設定されてもよい。例えば、時間期間及び安静時間期間は周期的時間間隔に基づき得る。周期的時間期間は、カレンダー周期、ホルモン周期、月周期、概日リズム、多日リズム、及び仕事スケジュールの1つ又は複数を含み得る。
【0068】
[0076] 幾つかの実施形態において、患者活動は、3軸加速度計を含む患者モニタを使用した加速度測定値を含み得る。幾つかの実施形態において、ユーザデバイス(110)上のフォトプレチスモグラフィ(PPG)センサを使用して血液容積脈(BVP)を測定し得る。幾つかの実施形態において、センサのセット、例えば添付書類A及びBとして添付される特許公開公報に記載のデバイスの1つ又は複数を使用して心拍数、体温、及び電気皮膚活動を測定し得る。センサは、皮膚コンダクタンス、皮膚インピーダンス、皮膚電位、及び皮膚抵抗率の1つ又は複数を測定し得る。センサは、感染の尺度を特定するのに十分な解像度で皮膚コンダクタンス、皮膚インピーダンス、皮膚電位、及び/又は皮膚抵抗率を測定可能であり得る。
【0069】
[0077] 幾つかの実施形態において、例えばGPS及び/又はWiFiを使用して患者ジオロケーションを経時測定し得る。ジオロケーションデータは、睡眠場所、通勤パターン等の移動パターンの特定に使用し得る。規則正しい習慣からの逸脱は、ストレスの高まり及び感染のしやすさの増大を示し得る。幾つかの実施形態において、患者ジオロケーションは、天気、空気質、花粉等の環境パラメータの特定に使用し得る。天気及び環境パラメータは、呼吸機能、気分、及びストレスに影響し得、そのうちの1つ又は複数はウイルスへの感染のしやすさに影響し得る。幾つかの実施態様において、カレンダー情報(例えばカレンダリングソフトウェアからの)をジオロケーションデータと関連付けて、例えば、患者の場所及びそれらの相互作用をよりよく理解することができる。幾つかの変形では、ユーザのセットの生理学的データがジオロケーション及び天気の1つ又は複数と関連付けられ得る。幾つかの変形では、患者と関連付けられた天気に基づいて、導出された尺度を調整し得る。
【0070】
[0078] 幾つかの実施形態において、ユーザデバイス及び/又は別個のタンパク質測定デバイスを使用してタンパク質を測定し得る。例えば、IL-6、IL-12、及びウイルス性炎症への早期サイトカイン応答によって修飾された他のインターロイキン等のタンパク質はウイルス感染を示し得る。
【0071】
[0079] 幾つかの実施形態において、睡眠パラメータは、加速度、EDA、BVP、及び体温等の他の測定値から導出し得る。睡眠パラメータは、24時間期間にわたる主睡眠期間開始時刻、オフセット時刻、中断数、寝返り数、有効安静持続時間、効率、断片化、主睡眠期間の最初の3時間当たりの覚醒数、覚醒の持続時間、昼寝期間及び昼寝の持続時間を含み得る。
【0072】
[0080] 幾つかの実施形態において、ユーザデバイスの温度センサを使用して体温を測定し得る。体温パラメータは、日中、全睡眠、及び睡眠の第1~第4四半時間の正規化皮膚温度の平均、中央値、及び標準偏差、頻度(例えば11ビン)を含み得る。幾つかの実施形態において、体温測定値は、日常活動(例えば安静、運動、歩行)の状況で分析し得る。
【0073】
[0081] ステップ206において、測定された患者データを処理し得る。例えば、生の測定患者データを処理し得(例えばフィルタリング、平均等により異常値等の特定のデータを除去又はクリーニングする)、更に分析し得る処理済み患者データを生成し得る。幾つかの実施形態において、測定患者データを処理して、患者の睡眠/覚醒周期(例えば覚醒状態、睡眠/覚醒遷移状態、睡眠状態)によって測定患者データを分類し得る。幾つかの実施形態において、患者の睡眠/覚醒周期は、例えば時刻、加速度、位置、体温、及び心拍数データに基づいて特定し得る。測定された生理学的パラメータの更なる分析及び処理は、睡眠/覚醒周期に基づき得る。例えば、覚醒状態中のウイルス感染確率推定は、体温、電気皮膚活動、加速度、及び心拍数に基づき得る。睡眠/覚醒状態中のウイルス感染確率推定は睡眠持続時間、断片化、及び睡眠ストーム(sleep storm)に基づき得る。睡眠状態中のウイルス感染確率推定は、体温、電気皮膚活動、心拍数、及び心拍数変動に基づき得る。幾つかの実施態様において、睡眠状態中の感染の検出、モニタリング、又は治癒推定は、体温又は皮膚の温度、電気皮膚活動(例えば皮膚コンダクタンス)、及び心拍数と関連する(例えばそれらから導出される)指標又は尺度に基づき得る。幾つかの実施形態において、睡眠中の感染の検出、モニタリング、又は治癒推定は、心拍数、体温又は皮膚の温度、電気皮膚活動、呼吸数、運動、又はそれらの任意の組合せから導出される指標又は尺度に基づき得る。
【0074】
[0082] 幾つかの実施形態において、心拍数及び心拍数品質特徴(最小率、最大変動)等の生理学的パラメータは、睡眠期間中及び覚醒期間中、別様に分析し得る。例えば、疾病は安静時HRを上昇させ、HRV HF成分及びPPSDを低下させ、LF/HF比を上昇させ、EDAの皮膚コンダクタンスレベルを上昇させ得る。これらの変化パターンは、同様の活動パターンを有する同様の日時に測定された、個人化されたベースラインパターンと比較し得る。
【0075】
[0083] 幾つかの実施形態において、加速度測定値の処理は、別個の安静中及び身体活動中の3軸RMS値の平均、中央値、標準偏差、及びRMS値の頻度分析を含み得る。幾つかの実施形態において、加速度データの頻度分析は、心拍数及び呼吸についての情報を提供し得る。幾つかの実施形態において、ユーザデバイス(110)のユーザの身元情報は、測定された加速度データ及び血液容積脈(BPV)の1つ又は複数に基づいて特定し得る。幾つかの実施形態において、ユーザデバイスは、ユーザデバイスのユーザの身元情報を、測定された加速度及びBPVデータに基づいて確認することができない場合、使用を制限し得る。
【0076】
[0084] 幾つかの実施形態において、加速度の関数として1日を通して身体活動を測定し、睡眠、覚醒安静/低活動、中活動、又は高活動、歩行及び走行活動を含め、活動レベル(例えば活動シグネチャ)を用いて分類し得る。
【0077】
[0085] 幾つかの実施形態において、他の生理学的パラメータを処理するに当たり、加速度測定を使用し得る。例えば、移動データ(例えば加速度測定値)は、特定の時間期間が運動誘導アーチファクト及びエラーを受けやすいことがあることを示し得る。別の例として、皮膚コンダクタンスレベルは、運動誘導発汗のみならず全体覚醒の増大と関連するため、身体活動後、所定量の時間にわたって高い値であり得る。
【0078】
[0086] 幾つかの実施態様において、BVPデータを補間(例えばオーバーサンプリング)し得、低周波(LF)成分及び高周波(HF)成分、LF/HFの比率、PP間隔の標準偏差、及び呼吸データを伝達するエンベロープパラメータの変化を含め、平均ピークツーピーク(PP)間隔(例えば心拍数推定)及び心拍数変動(HRV)を導出するためのピーク位置を改善し得る。幾つかの実施形態において、BVPパラメータから導出された心臓パラメータ値は、加速度、電気皮膚活動、及び体温の1つ又は複数に基づいて処理されて、身体活動ではなくストレスに起因した心拍数変化を補償し得る。幾つかの実施形態において、BVPデータを処理してBP品質スコアを生成し、導出されたHR値及びHRV値の品質を特定し得る。低BP品質スコアを有するBVPデータは、感染検出等の更なるデータ分析から除外し得る。
【0079】
[0087] 幾つかの実施形態において、電気皮膚活動測定値を処理して、睡眠、覚醒、及び異なる日常ルーティーン又は典型的な活動中に捕捉された平均EDA、中央値EDA、時間間隔当たりのピーク数、及び正規化された皮膚コンダクタンスレベル(SCL)を含め、生理学的パラメータの1つ又は複数を生成し得る。幾つかの実施形態において、SCLは活動数(例えば加速度から導出される)及び体温によって正規化し得る。SCLは、睡眠/覚醒周期(例えば日中着座、歩行、異なる睡眠間隔)に基づいて処理することもできる。幾つかの実施形態において、異なる睡眠間隔中のEDAストームの頻度及び長さを計算することもできる。幾つかの実施形態において、睡眠ステージ、自律ストレスレベル、投薬変更、及び身体活動の1つ又は複数を含む生理学的パラメータはEDAに基づき得る。
【0080】
[0088] 幾つかの実施形態において、睡眠パラメータ値は前夜(例えば約1ヶ月まで)から導出し得る。睡眠パラメータ値を処理して、所定の期間(例えば1週間、2週間)にわたる睡眠タイミングの規則性を特定し得る。
【0081】
[0089] 睡眠期間又は安静期間中の患者データは、患者の生理学的状態又は状況に関連しない外部因子による影響を受けにくいことができる。したがって幾つかの実施形態において、システム、デバイス、及び方法は、患者が安静(例えば睡眠中)であるか否かを特定し、睡眠中に収集された生理学的データを使用して、患者の生理学的状態をモニタするように構成することができる。例えば、本明細書に記載のシステム及びデバイス(例えばユーザデバイス(110)、計算デバイス(120))は、安静を検出するアルゴリズム(例えば経時加速度、経時移動等を評価する)を適用して、患者が安静であるときを特定するように構成し得る。そのようなシステム及びデバイスは、ユーザが安静であると特定されると、安静期間中、そのユーザと関連する生理学的データを収集することができる。幾つかの実施形態において、患者データ(例えば心拍数、体温、電気皮膚活動)は、少なくとも約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間にわたり、それらの間の任意の値又は範囲を含め、生理学的指標が存在する睡眠期間中の患者データ(例えば心拍数、体温、電気皮膚活動)を処理し得る。例えば、幾つかの実施形態において、本明細書に記載のシステム及びデバイスは運動(例えば加速度計データ)を分析して、ユーザの安静期間の開始点及び終了点を特定し、次いでその安静期間中のそのユーザについての生理学的データを収集することができる。予め定義された閾値未満の持続時間(例えば約数時間以下)を有する安静期間の場合、本明細書に記載のシステム及びデバイスは、そのようなデータがユーザの感染を評価するには不十分であると判断することができる。予め定義された閾値以上の持続時間を有する安静期間の場合、本明細書に記載のシステム及びデバイスは、それらの期間中に収集された生理学的データを感染検出に向けて処理することができる。幾つかの実施形態において、感染予測、モニタリング、及び/又は治癒のためにデータが不十分である旨を患者に通知し得る。
【0082】
[0090] 幾つかの実施形態において、本明細書に記載のシステム及びデバイスにより、患者が、十分に長い(例えば予め定義された閾値よりも長い)安静期間(例えば安静時間期間)を有すると判断される場合、そのようなシステム及びデバイスは、安静期間(例えばその部分)中、中央時間期間からのデータを使用して、感染について患者を評価するように構成し得る。この中央時間期間からのデータは、患者の生理学的状況に関連しない外部因子による影響を受けにくいことができ、したがって、感染予測及び/又は患者モニタリングにより信頼性の高いデータを提供することができる。例えば、8時間の睡眠期間を有する患者の場合、睡眠時間の中央の4時間期間(例えば2時間目~6時間目)を使用して、患者感染検出及び治癒に使用される患者データを導出し得、その理由は、一般にノイズがより少ない可能性があるためである。幾つかの実施形態において、本明細書に記載のシステム及びデバイスは、
図9に模式的に示すように、患者の安静期間(901)(例えば安静時間期間の部分)に入る予め定義された時間期間(902)(例えば約2時間、約3時間、約4時間、約5時間)中の患者の生理学的データを抽出するように構成し得る。そのようなシステム及びデバイスは次いでこの情報を使用して、感染の検出、モニタリング、又は治癒予測を行うことができる。
【0083】
[0091] 幾つかの実施形態において、現在のパラメータ値は、感染予測時、ベースラインパラメータ値と比較し得る。207において、本明細書に記載のシステム及びデバイスは、過去データ(例えばベースラインパラメータ値)が利用可能であるか否かを特定することができ、利用可能な場合、208に進むことができる。ベースライン値は、より早期の期間中に収集されたデータに基づいて、より早期の期間において特定することができる。例えば、ベースライン値は、現在値前の予め定義された時間期間中に収集された生理学的データに基づいて特定することができる。ベースライン値の特定と現在測定値の特定とを隔てる予め定義された期間は、感染のタイプ(例えばインフルエンザ、COVID-19、又は別のタイプのウイルス若しくは疾病)、ユーザの人口統計等に基づいて異なる値に設定することができる。予め定義される時間期間は、COVID-19の場合、約3日、約4日、又は約5日であり得、インフルエンザ又は他のタイプの風邪ウイルスでは約1日、約2日、又は約3日であり得、その理由は、各タイプのウイルス又は細菌感染は、症状又は他の生理学的変化が現れ得るまでに異なる生理学的潜伏期間を有し得るためである。幾つかの実施形態において、予め定義される時間期間は、間の全ての値及びサブ範囲を含め、約24時間超、約36時間超、約48時間超であり得る。特定の人口統計、例えば子供は一般に、他の人口統計、例えば成人と異なる潜伏期間を有し得る。生理学的潜伏期間は、感染から患者データでの検出可能な生理学的変化までの時間期間に対応し得る。幾つかの実施形態において、生理学的潜伏期間は特定の疾病の過去の評価から決定し得る(例えば医師により及び/又は機械学習技法を使用して)。幾つかの実施形態において、生理学的潜伏期間は症状的潜伏期間未満であることができる。症状的潜伏期間は、感染から患者データにおける患者検出可能な症状変化までの時間期間に対応し得る。症状的潜伏期間は生理学的潜伏期間よりも長い時間期間であり得、その理由は、生理学的変化は、患者が感染の症状を示す前に生じ得るためである。
【0084】
[0092] 幾つかの実施形態において、1つ又は複数の睡眠期間(例えば安静時間期間)及び/又は覚醒期間から導出又は抽出された生理学的データを処理して、それらのパラメータのベースライン値のセットを生成し得る。例えば、本明細書に記載のシステム、デバイス、及び方法は、各生理学的パラメータの導出尺度を特定することができる。幾つかの実施形態において、導出尺度は、各パラメータについて収集された生理学的データ(例えば生の生理学的データ及び/又は処理済みの生理学的データ)で計算される1つ又は複数の集計尺度(例えば平均、中央値、標準偏差、分散、高次統計、及び/又はそれらの組合せ及び/又は変換)を含むことができる。幾つかの実施形態において、最小最大正規化方式を採用して、ベースライン値及び/又は生理学的データを正規化することができる。幾つかの実施形態において、人口統計データ又は他の生理学的データを使用して、異なるサブ群(例えば人口統計群、医療データ)に向けてベースライン値及び/又は生理学的データを調整(例えば正規化)し得る。例えば、皮膚コンダクタンス及び心拍数の1つ又は複数は、体温及び活動レベルの1つ又は複数によって正規化し得る。
【0085】
[0093] ステップ208において、例えばユーザデバイス(例えばユーザデバイス(110))又はリモート計算デバイス(例えばネットワークを介してアクセス可能なサーバと関連する計算デバイス(120))により、ウイルス感染確率(又はそのような確率と関連する何らかの他の尺度、例えばウイルス密度の指示)を推定し得る。例えば、現在の時間期間(例えば第2の時間期間)の測定された生理学的パラメータを過去の時間期間(例えば第1の時間期間)の参照患者データと比較して、ウイルス感染確率を推定し得る。ウイルス感染確率推定を使用して、患者感染状態をモニタし得る。例えば、参照患者データからの測定生理学的パラメータの逸脱は、ウイルス感染確率(例えばウイルス負荷測定)の増大を示し得る。
【0086】
[0094] 幾つかの実施形態において、1つ又は複数のパラメータの現在の測定値は、それらのパラメータの過去の値(例えばベースライン値、ベースライン尺度)に基づいて及び/又は最小最大正規化を使用して調整又は正規化することができる。例えば、そのパラメータの現在の測定値は、そのパラメータの過去の値(例えばベースライン値、ベースライン尺度)に基づいて調整することができる。幾つかの実施形態において、複数のパラメータからの各パラメータの現在の測定値の集計値を特定することができ、集計値と複数のパラメータからの各パラメータの過去の測定データに対応する集計値との間の変化(例えば差)を調整済み尺度として特定することができる。例えば、第1の時間期間中に皮膚コンダクタンスについて収集されたデータに基づく第1の集計値を特定することができ、第1の時間期間後の第2の時間期間中に皮膚コンダクタンスについて収集されたデータに基づく第2の集計値を特定することができ、第1の集計値と第2の集計値との間の変化(例えば差)を特定して、感染リスクを評価することができる。集計値は、平均、中央値、標準偏差、分散、高次統計、及び/又は任意のそのような尺度の組合せ又は変換のいずれか1つであることができる。調整済み尺度は、周期的時間間隔(例えば月曜夜の睡眠、月の初週、年日、季節、ホルモン周期、生理周期、月周期、概日リズム、多日リズム、仕事スケジュール、学校スケジュール)等の所定の時間間隔に基づき得る。
【0087】
[0095] 幾つかの実施形態において、生理学的パラメータのセットの現在の集計尺度と過去の集計尺度(例えばベースライン尺度)との間の差を表す値を特定することができ、そのような値を組み合わせて使用して、感染リスクを評価することができる。例えば、そのような値(例えば調整済み尺度)は、ユーザの感染リスクを表す出力を提供する関数(例えば機械学習モデル)に入力として提供することができる(例えば患者の感染リスクを予測するために)。
【0088】
[0096] 幾つかの実施形態において、各パラメータに所定の重みを提供し得、重みは、本明細書に記載の1つ又は複数の機械学習技法を使用して決定し得る。幾つかの実施形態において、参照データと測定データとの比較は、その日のうちの時間期間、睡眠/覚醒周期、患者ベースライン、コホートベースライン、それらの組合せ等の1つ又は複数に相対し得る。幾つかの実施形態において、パラメータの閾値及び重みは、機械学習技法から導出し得る。
【0089】
[0097] 幾つかの実施形態において、線形又は非線形アルゴリズム(例えば機械学習モデル)を使用して、ユーザの現在の状況又は状態を表す値を出力することができる。そのような実施形態において、確率出力は、重み付き及び/又は正規化された集計パラメータ値(例えばあるパラメータの現在の集計値とあるパラメータの過去の集計値(ベースライン値)との間の差を表す重み付き値)の線形又は非線形関数として計算し得る。例えば、アルゴリズムは、線形回帰、k最近傍、ロジスティック回帰、線形若しくは非線形サポートベクターマシン、決定木、ランダムフォレスト、ニューラルネットワーク、それらの組合せ等の1つ又は複数の機械学習アルゴリズムに基づいて特定される異なるパラメータの重み付き値を有する関数であることができる。幾つかの実施形態において、出力を正規化(例えばスケーリング)し、所定の閾値と比較してリスクレベル(例えば高リスク、低リスク)を決定し得る。
【0090】
[0098] 幾つかの実施形態において、本明細書に記載のシステム及びデバイスは、非線形関数を使用して、ユーザの感染リスクを表す出力を提供することができる。非線形関数は入力として、複数のパラメータの集計値であって、その複数のパラメータのベースライン集計値に基づいて調整された集計値を受信することができる。一実施形態において、各パラメータの調整済み集計値は、ベースライン減算式を使用して特定することができ、集計値νベースライン減算済み=aggregate(νd)-aggregate(νd-2,νd-3,νd-4)であり、式中、aggregate(νd)は、d日で計算されたパラメータの集計値であり、aggregate(νd-2,νd-3,νd-4)は、d-1、d-2、及びd-3のいずれかからのパラメータの集計値又はそれらの日からのパラメータの集計値であることができる。例えば、皮膚コンダクタンス等のパラメータのνベースライン減算済みは、d日で収集された生理学的データの集計尺度とd-4日で収集されたその生理学的データの集計尺度との間の変化(例えば差)であることができる。異なるパラメータでは、異なる集計値を使用し得る(例えば体温の場合、d日とd-1日との間の差で十分であり得、一方、皮膚コンダクタンスの場合、それでは十分ではないことがある)。異なる感染タイプの場合、異なる集計値を使用し得る(例えば、インフルエンザ感染の場合、d日とd-3日との間の差で十分であり得、一方、COVID-19感染の場合、それでは十分ではないことがある)。
【0091】
[0099] 幾つかの実施形態において、特定の日(例えばd-4日)のデータが利用できない場合、本明細書に記載のシステム及びデバイスは別の日(例えばd-3日)のデータを使用することができる。代替的には、特定の日に遡るデータが利用できず(例えばd-3日よりも前のデータが利用できない)、ベースライン尺度と現在の尺度との間で必要とされる予め定義された期間が不十分である(例えばd-3日は現在日dから十分な時間期間ではない)場合、システム及びデバイスは、データが、感染リスクの特定及び/又は感染/治癒進行のモニタリングには不十分であることを示すことができる。幾つかの実施形態において、欠損データは、オートエンコーダ等の多変量モデルを使用して補間し得、補間値の不確実性は続く決定の不確実性に繰り越され得る。パラメータと関連する集計値間の減算が本明細書に記載されるが、例えば、割合差、逸脱尺度(例えば標準偏差)、又は多変量動的パターンを比較するのに適用されるより複雑な非線形計算等を含め、パラメータと関連する現在の集計値と過去の集計値との間の差を表し、又は示す任意の尺度を使用することができることを理解することができる。
【0092】
[0100] 幾つかの実施形態において、非線形関数は異なる重みを生理学的パラメータのセットに適用することができ、重みはトレーニングデータを使用して以前に決定されたものである。トレーニングデータは、特定の感染タイプと関連付けることができ、患者集計値の入力に基づいて感染リスクを特定するように関数を最適化又は較正するのに使用することができる。幾つかの実施形態において、以下210を参照して更に説明するように、非線形関数の出力を閾値と比較することができる。例えば、非線形関数の出力が閾値よりも大きいか、又は小さい場合、本明細書に記載のシステム及びデバイスは、ユーザが感染したことを示すアラートを出力することができる。
【0093】
[0101] 幾つかの実施形態において、ウイルス感染確率推定(例えば感染リスク)は、少なくとも部分的に患者のジオロケーションに基づき得る。例えば、高リスクエリア(例えば感染ホットスポット、高人口密度、公共区域)にいる患者は、低リスクエリアにいる患者よりも高い感染リスクを有し得る。これは将来、ウイルス感染の確率推定を上げ得る。アドバイス又は挙動推奨を提供するようにユーザがシステムを構成する場合、この予想は、システムが提供(例えば通知)する推奨及び示唆をユーザに通知もする。
【0094】
[0102] ステップ210において、例えば、ユーザデバイス(例えばユーザデバイス(110))又はリモート計算デバイス(例えばネットワークを介してアクセス可能なサーバと関連する計算デバイス(120))によって患者感染を検出し得る。幾つかの実施形態において、患者感染は、例えば患者毎に決定される所定の閾値変数に基づき得る。例えば、高リスクコホートにおける患者は、低リスクコホートにおける患者よりも低いウイルス感染確率閾値を有し得る。幾つかの実施形態において、本明細書で更に説明するように、ユーザは、ユーザの選好又は状況に基づいて所定の閾値変数を選択することができる。例えば、ユーザは、より低い又はより高い閾値を選択して、高リスクであるか、又は高リスクである誰かの近くにいるユーザは、より高感度であるように検出アルゴリズムを調整することができ、低リスクであり、及び/又は一人暮らしの別のユーザは、より感度が低くなるように検出アルゴリズムを調整することができるように、検出システムの感度を調整する(例えばシステムが、より高い偽陽性率でもってより多くのアラートを提供するか否かを調整する)ことができる。
【0095】
[0103] ステップ212において、患者感染を通知し得る。幾つかの実施形態において、ユーザデバイス(例えばユーザデバイス(110))は、患者感染陽性に対応する視覚的通知、聴覚的通知、及び触覚的通知(例えばアラート)の1つ又は複数を出力し得る。本明細書より詳細に説明するように、患者通知設定は患者プロファイルに基づき得る。通知は、感染が検出される場合、周期的間隔で更新し得る。例えば、感染が発症し、感染率が変化したとき、患者に通知し得る。幾つかの実施形態において、通知の受信に応答して、ユーザデバイスの入力デバイスに入力を提供するように患者に促し得る。例えば、感染通知の受領を確認し、及び/又は主観的健康状態の格付けを入力するように患者に促し得る。幾つかの実施形態において、医療専門家等の非患者ユーザに患者の感染を通知し得る。
【0096】
[0104] 幾つかの実施形態において、通知は、測定された患者データがベースライン患者データから所定の閾値分逸脱する場合、出力し得る。幾つかの実施形態において、通知感度は、測定された生理学的データのベースライン患者データからの逸脱数に基づき得る。即ち、より頻繁且つより長い時間期間にわたって感染する患者は、通知をより頻繁に受信し得る。幾つかの実施形態において、通知感度は患者によって設定し得る。幾つかの実施形態において、通知は、過去の感染事象と比較した感染尤度のグラフィカル表現を含み得る。
【0097】
[0105] 幾つかの実施形態において、患者の感染通知が患者に送られたことに応答して、通信チャネルを患者と医療専門家との間に確立し得る。幾つかの実施形態において、医療専門家、患者のパートナー、家族、及びサポートグループの1人又は複数が、1つ又は複数の患者感染通知を受信し得る。これにより、介護者及びステークホルダは早期段階で感染に気付くことができ得、必要な場合、患者に早期介入することができる。さらに、患者の状況が所定の閾値を超えて悪化した場合、追加の通知を送信し得る。
【0098】
[0106] 任意選択的に、ステップ214において、挙動推奨を通知し得る。例えば、感染の高尤度を有し、細菌、ベースライン睡眠期間と比べて短い睡眠期間を有する患者は、睡眠不足が感染の重症度に寄与し得、睡眠をとるか、又はストレスをより多く下げて症状を減らすように患者に勧め得る通知を受信し得る。幾つかの実施形態において、挙動推奨は患者のジオロケーション及び秒列に基づき得る。例えば、高リスク郵便番号における既往症を有する患者は、別の場所に移転する推奨を受信し得る。挙動推奨は、各患者に合わせて仕立てることができ、医療専門家からの入力を含み得る。幾つかの実施形態において、通知は通知の信頼水準を含むこともできる。例えば、通知は、「あなたがウイルス感染している可能性が30%あります。デバイスを引き続き装着してください」等のメッセージを出力し得る。
【0099】
[0107] 任意選択的に、ステップ216において、異なる時間期間における患者感染値を相互に及び/又は所定の閾値と比較することによって患者感染治癒を推定し得る。例えば、ウイルス感染確率の低下は感染治癒に対応し得、一方、ウイルス感染確率の増加は感染治癒の欠如に対応し得る。
【0100】
[0108] 任意選択的に、ステップ218において、患者感染治癒を通知し得る。幾つかの実施形態において、ユーザデバイス(例えばユーザデバイス(110))は、患者感染治癒に対応する視覚的通知、聴覚的通知、及び触覚的通知(例えばアラート)の1つ又は複数を出力し得る。患者感染治癒の傾向が変わった場合、通知は周期的間隔で更新し得る。例えば、患者のウイルス感染確率が低下すると、患者に通知し得る。幾つかの実施形態において、通知の受信に応答してユーザデバイスの入力デバイスに入力を提供するように患者に促し得る。例えば、感染治癒通知の受領を確認し、及び/又は主観的健康状態の格付けを入力するように患者に促し得る。幾つかの実施形態において、医療専門家等の非患者ユーザに患者の感染治癒(又はその欠如)を通知し得る。
【0101】
患者感染を通知する方法
[0109] 幾つかの実施形態において、患者の感染状態、挙動推奨、及び患者データ分析の1つ又は複数を含む少なくとも1つの通知を出力し得る。通知は、患者、医療専門家、患者のパートナー、介護者、家族、及びプロバイダの1つ又は複数を含む少なくとも1つの所定の連絡先に通知することを含み得る。高リスク状況の患者に対応する通知に応答して、通信チャネルを患者と医療専門家との間に確立し得る。患者感染通知は、電気皮膚活動等の生理学的パラメータ測定値の1つ又は複数に基づいて出力し得る。
【0102】
[0110]
図3は、患者に通知し、挙動推奨を提供する方法の例示的な実施形態(300)を示すフローチャートである。
図3に示す実施形態において、方法は、通知及び挙動推奨設定を設定すること(302)と、患者プロファイルを受信すること(304)と、ユーザ入力を受信すること(306)と、通知設定を更新すること(308)と、挙動推奨設定を更新すること(310)と、患者感染通知を出力すること(312)と、挙動推奨通知を出力すること(314)とを含み得る。
【0103】
[0111] ステップ302において、通知及び挙動推奨設定を設定し得る。設定は、通知の頻度、内容、及びタイプを含み得る。通知設定は、通信方法(例えばテキスト、SMS、電子メール、電話呼、オーディオ、グラフィック)、言語、複雑度、詳細レベル等を含むこともできる。ステップ304において、患者プロファイルを受信し得る。患者プロファイルは、上述した患者人口統計データのいずれかを含み得る。幾つかの実施形態において、高齢の患者又は高リスクコホートにおける患者はより頻繁な通知を受信し得る。ステップ306において、ユーザ入力を受信し得る。例えば、患者及び/又は医療専門家は、個人選好に基づいて通知の頻度、内容、及びタイミングを調整し得る。幾つかの実施形態において、医療専門家は患者への挙動推奨を更新し得る。ステップ308において、通知設定は、患者プロファイル及びユーザ入力の1つ又は複数に基づいて更新し得る。ステップ310において、挙動推奨設定は、患者プロファイル及びユーザ出力の1つ又は複数に基づいて更新し得る。ステップ312において、更新された設定に基づいて患者感染通知を出力し得る。ステップ314において、更新された設定に基づいて挙動推奨通知を出力し得る。
【0104】
機械学習モデル
[0112] 本明細書に記載されるのは、患者を処理して患者の感染を検出する機械学習モデルを構築するシステム、デバイス、及び方法である。機械学習モデルは、例えば、
図2を参照して上述したように、感染の尺度(例えば感染確率の推定)を特定するのに使用することができる。幾つかの実施形態において、機械学習モデルは、患者群に最適な決定を出力するようにトレーニングし得、最も類似するのが患者のどの群かを比較し、その群に最適化(例えば較正)されたモデルパラメータを使用し、選好に基づいて特定の人物に許容可能なエラーのタイプを調整することによって特定の患者に調整し得る。例えば、タスクベースの機械学習アルゴリズムは、同様の特性、例えば花粉アレルギーを共有する個人の群に向けてトレーニング又は最適化することができ、その特性を有する個人の感染の尺度を特定するのに使用することができる。
【0105】
[0113] 幾つかの実施形態において、xを全てのデータの入力ベクトルとする。出力は、入力データベクトルが、「ウイルス感染」を示すクラスω1からであるか、それとも患者の正常な形状状態を示すクラスω2からであるかについての判断であり得る。良好な判断を下せるようにするには、ω1及びω2の各々を所与としてxの確率を表すようにモデルをトレーニングするか、又はクラスω1からのデータ及びω2からのデータを最適に分ける決定境界を有するまでモデルをトレーニングする必要がある。
【0106】
[0114] なお、これらの2つのクラスの確率は各患者で様々であり得る。モデルは、患者のジオロケーションを考慮に入れ得、例えば、GPSジオロケーションがウイルスホットスポットに対応する場合、P(ω1)が高くなる。同様に、流行しているウイルスに感染しない、平均よりも高い過去健康度を有する患者の場合、P(ω2)が高くなる。患者がデータベースにこの状況での過去データを持たない場合、モデルは、人口統計データに基づいて集団平均を使用するようにデフォルト設定される。
【0107】
[0115] システムエラーのコストを考慮することもできる。幾つかの実施形態において、コストλ12は偽陽性のコストであり得、これは主観的患者メトリックであり得る。例えば、邪魔を好まないある患者には、システムが誤った場合、ウイルス感染がアラートされることにより高いコストを関連付け得、一方、深刻な合併症のリスクが高い別の患者には、実際にウイルス感染がある場合に通知されないことにより高いコスト、例えばコストλ21を関連付け得る。
【0108】
[0116] 人物の医療の価格及び他の選好に応じて、患者は、モデルが正しいことのコストを考慮し得、λ
11は正しく検出された患者感染(エラーなし、しかしλ
11>0)に対応し、通常、健康で居続けることに大きなコストはないため、λ
22=0に設定することを選び得る。この場合、λ
12>λ
22且つλ
21>λ
11であるように、正しくないことのコストは正しいことのコストよりも大きいと仮定される。モデルは、式(1)に基づいてウイルスに感染していると言うことを選ぶ(xはω
1から):
【数1】
【0109】
[0117] その他の場合、モデルは感染を検出せず、通知は出力されない。幾つかの実施形態において、ウイルス感染確率は信頼スコアを用いて推定し得る。
【0110】
[0118] 幾つかの実施形態において、教師あり学習モデルを使用して、生理学的データを健康又は感染として分類し得る。例えば、機械学習モデルは、健康データ及び感染データを含む較正データに基づいて特徴空間を生成し得る。正常データと感染データとの間の特徴空間における境界を表す関数を定義し得る。この関数は、ラベルなしデータ又は半教師あり機械学習を使用して更に改良することもできる。生データを機械学習モデルに入力し、特徴空間にマッピングし得る。生データはサンプル欠損してもよく(例えば故障したセンサから又は運動アーチファクトを含むデータから)、幾つかの実施形態において、これは主成分分析、マルチモーダルオートエンコーダ、又は良好なデータの部分を使用して、欠損している部分を埋める他の手段等の種々の統計技法又は機械学習技法を使用して補間又は外挿し得る。欠損データ自体は、行われている決定に寄与するようにラベル付けることもできる。例えば、特定の種類の欠損データは、健康と比較して人物が病気であるとき、より高い発生確率を有し得、これらを使用してアルゴリズムの出力に影響させることもできる。機械学習モデルの出力は、モデルによって開発された関数を使用して正常データと感染データとの間の生データ(及びその補間)の分類を含み得る。これは、患者感染検出の正確性を改善し得る。
【0111】
[0119] 本明細書に記載の実施形態において、分類アルゴリズム、回帰アルゴリズム、ニューラルネットワークアルゴリズム、教師あり学習モデル、半教師あり及び半教師あり学習モデル、決定木、ランダムフォレスト、混合及びマルチタスク法(mixture and multi-tasking)、混合効果モデル等を含め、種々の機械学習及び統計モデリングアルゴリズムを実施し得る。機械学習アルゴリズムを較正データに適用することにより、関係を開発し、モデルで実装し得る。さらに、較正された機械学習モデルは、較正データと同じタイプのデータを使用することによってテストし反復し得る。したがって、種々のデータパラメータを分析して(例えば本明細書に記載される較正済みモデルを用いて)、患者感染の検出に使用される1つ又は複数の出力を生成し得る。任意の適したデータパラメータの任意の適する較正データを使用して機械学習モデルを較正することが可能であることを理解されたい。
【0112】
[0120] 機械学習モデルの1つ又は複数は、較正データと関連するデータ点の第1のセットを含む特徴空間を生成するように較正し得る。正常較正データと関連するデータ点の第1のセットからのデータ点と感染較正データと関連するデータ点の第1のセットからのデータ点との間の特徴空間における境界を表す関数を定義し得る。トレーニングデータと関連するデータ点の第1のセットを含む特徴空間を生成し得る。生データの部分は、少なくとも部分的に、関数を使用して識別されたデータ点のサブセットに基づいて感染として識別し得る。例えば、較正データからのデータ点は、正常データ点を感染データ点から分ける境界(例えば関数によって定義される平面)を有する特徴空間にプロットし得る。幾つかの実施形態において、正常較正データ及び感染較正データと関連する特徴に基づいて関数をデータにフィッティングし得る。関数は線形であってもよく、又は非線形であってもよい。幾つかの実施形態において、非線形関数は、異なるタイプの感染及び患者状況についてデータへのよりよいフィッティングを提供し得る。
【0113】
[0121] 関数の正確性は、関数の生成に使用されないトレーニング/テストデータのセットを入力することによって検証し得る。関数の有効性が満足のいくものになると、生データを特徴空間にマッピングし得、境界(例えば平面)に対するジオロケーションを使用して、生データ点を正常又は感染として分類し得る。
【0114】
[0122] 幾つかの実施形態において、回帰分析を利用して、モニタされたパラメータと患者感染との関係を特定し得る。回帰分析は、患者感染と測定された患者データとの間で実行して、患者感染通知を生成するための患者又は集団ベースの閾値を生成し得る。この分析は、1つ又は複数の患者データからの遡及的統計回帰分析であり得る。例えば、非線形ロジスティック回帰を実行し得る。回帰が確立されると、測定された患者データが高い感染確率を示す場合、患者感染通知を出力し得る。
【0115】
[0123] 本明細書に記載のシステム、デバイス、及び/又は方法は、ソフトウェア(ハードウェアで実行される)、ハードウェア、又はそれらの組合せによって実行し得る。ハードウェアモジュールは例えば、汎用プロセッサ(又はマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラ)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及び/又は特定用途向け集積回路(ASIC)を含み得る。ソフトウェアモジュール(ハードウェアで実行される)は、C、C++、Java(登録商標)、Python、Ruby、Visual Basic(登録商標)、及び/又は他のオブジェクト指向、手続き型、又は他のプログラミング言語及び開発ツールを含め、多様なソフトウェア言語(例えばコンピュータコード)で表現し得る。コンピュータコードの例には、限定ではなく、マイクロコード又はマイクロ命令、コンパイラによって生成される等の機械命令、ウェブサービスの生成に使用されるコード、及びインタプリタを使用してコンピュータによって時刻されるより高水準の命令を含むファイルがある。コンピュータコードの追加の例には、限定ではなく、制御信号、暗号化コード、及び圧縮コードがある。
【実施例】
【0116】
III.実施例
[0124] 本明細書に記載のように、患者の感染は、測定された生理学的データから導出し得る。以下の例1及び2は2つの研究例:研究例A及びBからの患者感染のプロットを示す。研究例Aからのデータセットは、London Imperial Collegeにおける11日間プロトコルに参加した39人の患者のデータを含む。患者は、試験全体にわたり、専用施設内で隔離された状態を保つように求められた。2日目中、各患者はインフルエンザA-H1N1ウイルスに感染した。フォトプレチスモグラフィ、3軸加速度計、電気皮膚活動、及び周囲温度を介して血液容積脈からのデータを測定し通信するEmpatica(登録商標)E4デバイスを使用して、24時間測定生理学的データと一緒に症状及び鼻スワブの結果を毎日収集した。これらの信号を使用して、デバイスは、心拍数、心拍数変動、呼吸、睡眠/感染、NREM/REMステージ、及び交感神経系によって生成される可能性が高い生理学的変化を導出することができる。
【0117】
[0125] 研究例Bからのデータセットは、Virginia Universityにおける9日間プロトコルに参加した21人の患者のデータを含む。患者の移動は、隔離されないように制限されなかった。5日目中、各患者はインフルエンザA-H1N1ウイルスに感染した。E4デバイスを使用して24時間測定生理学的データと一緒に状及び鼻スワブを毎日収集した。
【0118】
実施例1
[0126]
図4A及び
図4Bは、感染群及び対照分を含む研究例Aからの患者感染データのプロットである。
図4Aは経時ウイルス排出のプロットである。
図4Bは、時間の経過に伴う自主報告された症状(例えば鈍痛及び疼痛、咳、くしゃみ、発熱、呼吸困難、発疹、疲労感等)数のプロットである。プロットの強調表示された部分は、2つの群間の定常(2日以上)の有意差に対応する。症状は2日目~7日目で有意に異なる(例えば95%における赤い点線上の青い実線)。
【0119】
[0127]
図5A~
図5Eは研究例Aからの測定された生理学的データのプロットである。参照ベースライン(例えば非感染状態)を「-1」日目に確立し、ウイルス感染は0日目に開始される。
図5A~
図5Dにおいて、y軸値は「-1」日目からの差に対応する。
図5Aは経時加速度(g)のプロットである。
図5Bは、経時皮膚コンダクタンス(μS)のプロットである。
図5Cは経時温度(摂氏)のプロットである。
図5Dは経時心拍数(毎分心拍数)のプロットである。示される生理学的シグナルは「-1」日目参照に対してプロットされる。
【0120】
[0128]
図5Eは
図5A~
図5Dに示されるプロットの線形結合である。特に、線形結合は、炎症と関連する重み付き成分の和である。
【0121】
[0129] 研究例Aによって実証されたように、ウイルス排出を示している患者は、症状(
図4B)よりも数日(例えば2日以上)早く、ベースライン値から有意に逸脱した生理学的データ(
図5A~
図5E)を有した。したがって、本明細書に記載のシステム、デバイス、及び方法は、患者が感染の症状を経験し得るよりも早期に感染を検出することが可能である。言い換えれば、本明細書に記載のシステム、デバイス、及び方法は、ウイルス感染若しくは恐らくはウイルス感染によってトリガーされた免疫応答活性化と関連するウイルス性炎症若しくは症状の発症又はワクチンが免疫応答を生成するときを予測することが可能であり得る。
【0122】
実施例2
[0130]
図6A及び
図6Bは、研究例Bからの生理学的データのプロットである。
図6Aは経時ウイルス排出のプロットである。
図6Bは時間の経過に伴い自主報告された症状の数のプロットである(例えば鈍痛及び疼痛、咳、くしゃみ、発熱、呼吸困難、発疹、疲労感等)。
【0123】
[0131]
図7A~
図7Eは、研究例Bからの生理学的データのプロットである。参照ベースライン(例えば非感染状態)は「-1」日目に確立され、ウイルス接種は0日目に開始される。
図7A~
図7Dにおいて、y軸値は「-1」日目からの差に対応する。
図7Aは経時加速度(g)のプロットである。
図6Bは経時皮膚コンダクタンス(μS)のプロットである。
図7Cは経時体温(摂氏)のプロットである。
図7Dは経時心拍数(毎分心拍数)のプロットである。
【0124】
[0132]
図7Eは
図6A~
図6Dに示されるプロットの線形組合せである。特に、線形結合は、炎症と関連する重み付き成分の和である。
【0125】
[0133] 研究例Bによって実証されたように、ウイルス排出を示している患者は、症状(
図6B)よりも数日(例えば2日以上)早く、ベースライン値から有意に逸脱した結合生理学的データ(
図7E)を有した。したがって、本明細書に記載のシステム、デバイス、及び方法は、患者が感染の症状を経験し得るよりも早期に感染を検出することが可能である。
【0126】
実施例3
[0134]
図8A~
図8Cは、SARS-CoV-2に感染した患者の生理学的データのプロットである。
図8Aは経時心拍数のプロットである。
図8Bは経時体温のプロットである。
図8Cは電気皮膚活動のプロットである。患者の感染は1日目(例えば11月6日)にわかった。心拍数、体温、及び電気皮膚活動の各々について。約4日目(例えば11月10日)に、心拍数、体温、及び電気皮膚活動プロットの各々に、患者が気付き得る観測可能な増大が見られる。したがって、患者の感染から患者の症状までに時間差があり得る。この時間差は感染のタイプ(例えばCOVID-19、インフルエンザ)に基づいて異なり得る。
【0127】
[0135] 本明細書における具体的な例及び説明は例示的な性質のものであり、実施形態は、本発明の範囲から逸脱せずに、本明細書で教示された材料に基づいて当業者によって開発し得、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【国際調査報告】