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特表2023-522894三次元印刷の安全性を高めるための装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-01
(54)【発明の名称】三次元印刷の安全性を高めるための装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/25 20170101AFI20230525BHJP
   B29C 64/112 20170101ALI20230525BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20230525BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20230525BHJP
【FI】
B29C64/25
B29C64/112
B33Y30/00
B33Y10/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022563107
(86)(22)【出願日】2021-04-27
(85)【翻訳文提出日】2022-12-06
(86)【国際出願番号】 IL2021050488
(87)【国際公開番号】W WO2021220275
(87)【国際公開日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】63/015,699
(32)【優先日】2020-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513131464
【氏名又は名称】ストラタシス リミテッド
【住所又は居所原語表記】1 Holtzman Street, Science Park, P.O. Box 2496, 7612401 Rehovot, Israel
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モルデケイ、ダン
(72)【発明者】
【氏名】グラスマン、バラク
(72)【発明者】
【氏名】ライン、キリル
【テーマコード(参考)】
4F213
【Fターム(参考)】
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL03
4F213WL72
(57)【要約】
三次元印刷システムの回転トレイ用の安全システムが提供さる。この安全システムは、ロック部材を含むラッチであって、ロック部材がトレイの回転を妨げるときにラッチが印刷システムの扉の閉鎖を防止するロック状態と、ロック部材がトレイの回転を許容するときにラッチが扉の閉鎖を許容するアンロック状態とを取るように動作可能なラッチを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ヘッドと、コントローラと、アクセス開口を有する印刷チャンバとを有する三次元印刷システムの回転トレイ用の安全システムであって、
前記アクセス開口における扉が開いているか閉じているかを示す信号を前記コントローラへ送信するように構成された、扉状態センサと、
ロック部材を含むラッチであって、前記ロック部材がトレイの回転を妨げるときに前記ラッチが前記扉の閉鎖を妨げるロック状態と、前記ロック部材が前記トレイの回転を許容するときに前記ラッチが前記扉の閉鎖を許容するアンロック状態とを取るように動作可能なラッチと、
を備える安全システム。
【請求項2】
前記トレイに接続されて共に回転するスプロケットホイールを更に備え、前記ロック部材は前記ロック状態において前記スプロケットホイールに係合し、かつ前記アンロック状態においては前記スプロケットホイールから離脱する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ラッチは前記トレイに対して半径方向に往復摺動可能であり、前記ラッチが外方向に引き出されると前記ラッチは前記ロック状態を取り、前記ラッチが内方向に引き込まれると前記ラッチは前記アンロック状態を取る、請求項1又は請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ラッチは外方向に引き出されたときは前記アクセス開口の外に突き出し、それによって前記扉の閉鎖を防止する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記ラッチの作動による前記ロック状態を維持するために前記ラッチを付勢するように構成されたばねを更に備える、請求項1~請求項4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記ラッチに接続された弾性のレバーを更に備え、前記レバーが弛緩状態にあるときは、前記レバーはストッパ要素に衝突して前記ラッチが前記アンロック状態を取らないようにし、前記レバーが緊張状態にあるときは、前記レバーは前記ストッパ要素を迂回して前記ラッチに前記アンロック状態を取らせるようにする、請求項1~請求項5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記ロック部材の高さは前記トレイを前記ロック状態に支持するように選択される、請求項1~請求項6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記ロック部材の高さは、前記ロック状態では前記トレイを支持し、前記アンロック状態では支持しないように選択される、請求項1~請求項6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記ラッチはプッシュ-プッシュラッチである、請求項1~請求項8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
印刷ヘッドと、
回転トレイと、
コントローラと、
アクセス開口を有する印刷チャンバと、
請求項1~請求項9のいずれか一項に記載の安全システムと、
を備える三次元印刷システム。
【請求項11】
三次元物体の印刷方法であって、
物体の形状に対応する三次元印刷データを受信し、
データを請求項10に記載の三次元印刷システムに供給し、
前記三次元印刷システムを動作させて前記物体を印刷し、
前記印刷チャンバの前記扉を開放し、
前記ラッチを作動させて前記トレイをロックし、
前記物体を前記トレイから取り外す、
ことを含む方法。
【請求項12】
三次元印刷システムであって、
垂直軸を中心に水平回転するように構成された回転トレイと、
構築材料を吐出するように構成された印刷ヘッドと、
前記印刷ヘッドにより吐出された構築材料を矯正するためのレベリング装置と、
前記レベリング装置の下方のトレイの下に配置され、前記レベリング装置によって加えられる力を吸収するための支持ローラと、
前記トレイ上で三次元物体を印刷するための前記印刷ヘッドを制御するように構成されたコントローラと、
を備えるシステム。
【請求項13】
ロック部材を含み、前記ロック部材が前記トレイの回転を妨げるロック状態と、前記ロック部材が前記トレイの回転を許容するアンロック状態とを取るように動作可能なラッチを更に備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ロック部材の高さと形状は、前記トレイにかかる垂直力を少なくとも部分的に吸収するように選択される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記ラッチはプッシュ-プッシュラッチである、請求項13又は請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記ラッチはレバーとストッパ要素とを更に備える、請求項13~請求項15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記レバーは金属シートを備え、前記ストッパ要素はねじ頭を備える、請求項16に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2020年4月27日出願の米国仮特許出願第63/015,699号の優先権の利益を主張し、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明はそのいくつかの実施形態において三次元印刷に関し、より具体的には、これに限るものではないが三次元印刷の安全性を高めるための装置に関する。
【背景技術】
【0003】
付加製造(AM)は一般に、物体のコンピュータモデルを利用して三次元(3D)物体を製造するプロセスである。そのようなプロセスは、可視化、デモンストレーション及び機械的プロトタイピングを目的とする設計関連分野、並びにラピッドマニュファクチャリング、などの様々な分野で使用されている。
【0004】
任意の付加製造システムの基本操作は、三次元コンピュータモデルを薄い断面部分にスライスすること、その結果を2次元位置データに変換すること、そのデータを三次元構造を層状に製造する制御装置に供給すること、から成る。
【0005】
付加製造は、例えば三次元インクジェット印刷などの三次元印刷、薄膜積層法、熱溶解積層法などを含む製造方法への多くの異なるアプローチを伴う。
【0006】
三次元印刷プロセスでは、例えば構築材料が一組のノズルを有する吐出ヘッドから吐出され、支持構造上に構築材料層を堆積する。構築材料に応じて、層はその後適切な装置を用いて硬化又は凝固され得る。構築材料には物体を形成する造形材料、及び構築中に物体を支える支持材料が含まれ得る。様々な三次元印刷技術が存在し、例えば、すべて同一譲受人の米国特許-に開示されており、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0007】
例えば米国特許第10,611,136号は、垂直軸を中心に回転するように構成された回転トレイと、複数の分離されたノズルを有する印刷ヘッドと、回転中に構築材料の液滴を層状に吐出するインクジェット印刷ヘッドを制御するように構成されたコントローラとを有する三次元印刷システムを開示している。このシステムは、新たに形成した層を、その上に次の層が形成される前に矯正するレベリング装置も含む。
【発明の概要】
【0008】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、印刷ヘッドとコントローラとアクセス開口を有する印刷チャンバとを備える三次元印刷システムの回転トレイ用の安全システムが提供される。安全システムはロック部材を有するラッチを備え、このラッチは、ロック部材がトレイの回転を妨げるときにラッチが扉の閉鎖を妨げるロック状態と、ロック部材がトレイの回転を許容するときにラッチが扉の閉鎖を許容するアンロック状態と、を取るように動作可能である。安全システムは、任意選択によりかつ好ましくは、アクセス開口における扉が開いているか閉じているかを示す信号をコントローラへ送信するように構成された、扉状態センサを備える。
【0009】
本発明のいくつかの実施形態によれば、安全システムはトレイに接続されて共に回転するスプロケットホイールを備え、ロック部材がロック状態においてスプロケットホイールに係合し、アンロック状態においてスプロケットホイールから離脱する。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ラッチはトレイに対して半径方向に往復摺動可能であり、ラッチが外方向に引き出されるとラッチはロック状態を取り、ラッチが内方向に引き込まれるとラッチはアンロック状態を取る。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ラッチは外方向に引き出されたときはアクセス開口の外に突き出し、それによって扉の閉鎖を妨げる。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ラッチの作動によるロック状態を維持するために、ラッチを付勢するように構成されたばねを備える。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態によれば、安全システムは、ラッチに接続された弾性レバーを備える。このレバーが弛緩状態にあるときはレバーはストッパ要素に衝突してラッチがアンロック状態を取ることを妨げ、レバーが緊張状態にあるときはレバーはストッパ要素を迂回してラッチがアンロック状態を取ることを許容する。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ロック部材の高さはトレイをロック状態に支持するように選択される。本発明のいくつかの実施形態によれば、ロック部材の高さは、ロック状態ではトレイを支持し、アンロック状態では支持しないように選択される。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ラッチはプッシュ-プッシュラッチである。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、印刷ヘッドと、回転トレイと、コントローラと、アクセス開口を有する印刷チャンバと、前述し、任選択によりかつ好ましくは以下で詳述する安全システムと、を備える三次元印刷システムが提供される。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、三次元物体を印刷する方法が提供される。この方法は、物体の形状に対応する三次元印刷データを受信し、そのデータを三次元印刷システムに供給し、三次元印刷システムを動作させて物体を印刷し、印刷チャンバの扉を開放し、ラッチを作動させてトレイをロックし、物体をトレイから取り外す、ことを含む。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、三次元印刷用のシステムが提供される。このシステムは、垂直軸を中心に水平回転するように構成された回転トレイと、構築材料を吐出するように構成された印刷ヘッドと、その印刷ヘッドにより吐出された構築材料を矯正するためのレベリング装置と、レベリング装置の下方のトレイの下に配置されて、レベリング装置によって加えられる力を吸収するための支持ローラと、トレイ上で三次元物体を印刷するための印刷ヘッドを制御するように構成されたコントローラと、を備える。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態によれば、三次元印刷システムは、ロック部材を有するラッチを備える。このラッチは、ロック部材がトレイの回転を妨げるロック状態と、ロック部材がトレイの回転を許容するアンロック状態とを取るように動作可能である。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ロック部材の高さと形状は、トレイにかかる垂直力を少なくとも部分的に吸収するように選択される。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ラッチはプッシュ-プッシュラッチである。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ラッチは、レバーとストッパ要素とを備える。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態によれば、レバーは金属シートを備え、ストッパ要素はねじ頭を備える。
【0024】
別段の定義がない限り、本明細書で使用するすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者により一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと類似又は同等の方法及び材料が、本発明の実施形態の実行又は試行に使用可能であるが、例示的な方法及び/又は材料を以下に記述する。矛盾する場合には、定義を含む本発明の明細書が優先される。さらに、材料、方法及び実施例は例示に過ぎず、必ずしも制限的であることを意図するものではない。
【0025】
本発明の実施形態の方法及び/又は装置の実施は、選択されたタスクを手動、自動又はそれらの組み合わせで実行又は完了させることを含み得る。さらに、本発明の方法及び/又は装置の実施形態の実際の計装機器及び設備によれば、いくつかの選択されたタスクは、ハードウェアによって、あるいはオペレーティングシステムを用いたソフトウェア又はファームウェア及び/又はそれらの組合せによって実施可能である。
【0026】
例えば、本発明の実施形態による選択されたタスクを実行するためのハードウェアは、チップ又は回路として実装可能である。ソフトウェアに関しては、本発明の実施形態による選択されたタスクは、任意の適切なオペレーティングシステムを用いるコンピュータによって実行される複数のソフトウェア命令として実装可能である。本発明の例示的実施形態では、本明細書に記載の方法及び/又は装置の例示的実施形態による1以上のタスクは、複数の命令を実行するコンピューティングプラットフォームなどのデータプロセッサにより実行される。任意選択により、データプロセッサには、命令及び/又はデータを格納する揮発性メモリ、及び/又は命令及び/又はデータを格納する不揮発性記憶装置、例えば磁気ハードディスク及び/又はリムーバブル媒体が含まれる。任意選択により、ネットワーク接続も提供される。ディスプレイ及び/又はキーボードやマウスなどのユーザ入力装置もまた任意選択で提供される。
【0027】
本明細書において本発明のいくつかの実施形態を添付図面を参照して例示としてのみ説明する。ここで図面を詳細に具体的に参照すると、示される詳細事項は一例であって、本発明の実施形態の例示的議論を目的とするものであることが強調される。これに関し、図面と共に行われる説明により、本発明の実施形態がどのように実行され得るかが当業者には明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1A】本発明のいくつかの実施形態による、付加製造システムの概略図である。
図1B】本発明のいくつかの実施形態による、付加製造システムの概略図である。
図1C】本発明のいくつかの実施形態による、付加製造システムの概略図である。
図2A】本発明のいくつかの実施形態による、印刷ヘッドの概略図である。
図2B】本発明のいくつかの実施形態による、印刷ヘッドの概略図である。
図2C】本発明のいくつかの実施形態による、印刷ヘッドの概略図である。
図3A】本発明のいくつかの実施形態による、座標変換を示す概略図である。
図3B】本発明のいくつかの実施形態による、座標変換を示す概略図である。
図4A】本発明のいくつかの実施形態による、印刷チャンバ、回転トレイ及びラッチの上面(図4A図4B)、及び側面(図4C図4D)を示す概略図である。
図4B】本発明のいくつかの実施形態による、印刷チャンバ、回転トレイ及びラッチの上面(図4A図4B)、及び側面(図4C図4D)を示す概略図である。
図4C】本発明のいくつかの実施形態による、印刷チャンバ、回転トレイ及びラッチの上面(図4A図4B)、及び側面(図4C図4D)を示す概略図である。
図4D】本発明のいくつかの実施形態による、印刷チャンバ、回転トレイ及びラッチの上面(図4A図4B)、及び側面(図4C図4D)を示す概略図である。
図5A】本発明のいくつかの実施形態による、回転トレイをロック及びアンロックするためのラッチの概略斜視図である。
図5B】本発明のいくつかの実施形態による、回転トレイをロック及びアンロックするためのラッチの概略斜視図である。
図5C】本発明のいくつかの実施形態による、回転トレイをロック及びアンロックするためのラッチの概略斜視図である。
図6A】本発明のいくつかの実施形態による、回転トレイをロック及びアンロックするためのラッチの底面(図6A)及び側面(図6B図6C)を示す概略斜視図である。
図6B】本発明のいくつかの実施形態による、回転トレイをロック及びアンロックするためのラッチの底面(図6A)及び側面(図6B図6C)を示す概略斜視図である。
図6C】本発明のいくつかの実施形態による、回転トレイをロック及びアンロックするためのラッチの底面(図6A)及び側面(図6B図6C)を示す概略斜視図である。
図7】本発明のいくつかの実施形態による、垂直軸上のプラッタの概略分解図である。
図8A】本発明のいくつかの実施形態による、プラッタを支持するロック部材を示す概略図である。
図8B】本発明のいくつかの実施形態による、プラッタを支持するロック部材を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明はそのいくつかの実施形態において三次元印刷に関し、より具体的には、これに限るものではないが三次元印刷の安全性を高めるための装置に関する。
【0030】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明に提示され、及び/又は図面及び/又は実施例に示される、構成要素の構造と配置及び/又は方法の詳細に、その適用が必ずしも限定されるものではないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、また様々な方法で実行又は実施することが可能である。
【0031】
本実施形態の方法及びシステムは、コンピュータ物体データに基づいて、その物体の形状に対応する構成パターンで複数の層を形成することにより、三次元物体を層ごとに製造する。コンピュータ物体データは、これに限るものではないが、標準テッセレーション言語(STL)若しくはステレオリソグラフィ輪郭(SLC)フォーマット、仮想現実モデリング言語(VRML)、付加製造ファイル(AMF)フォーマット、図面交換フォーマット(DXF)、ポリゴンファイルフォーマット(PLY)、又はコンピュータ支援設計(CAD)に適する他の任意のフォーマットを含む任意の既知のフォーマットであってよい。
【0032】
本明細書で使用の「物体」という用語は、物体の全体又はその一部を指す。
【0033】
各層が、2次元表面を走査してそれをパターン化する付加製造装置によって形成される。走査中に装置は2次元の層すなわち表面上の複数の標的位置に行き、各標的位置又は一群の標的位置に対して、その各標的位置又は一群の標的位置を構築材料配合物で覆うべきか否か、またそこにどの種類の構築材料配合物を送達するべきか、を決定する。決定は、表面のコンピュータ画像に従って行われる。
【0034】
本発明の好ましい実施形態では、AMは三次元印刷、より好ましくは三次元インクジェット印刷で構成される。これらの実施形態では、構築材料配合物が1以上のノズルアレイを有する印刷ヘッドから吐出されて、支持構造体上に構築材料配合物を層状に堆積する。AM装置はこうして構築材料配合物をそれで覆うべき標的位置に吐出し、他の標的位置を空のままにする。この装置は通常複数のノズルアレイを含み、そのそれぞれが異なる構築材料配合物を吐出するように構成可能である。したがって、異なる標的位置を異なる構築材料配合物で占有することが可能である。構築材料配合物の種類は、造形材料配合物と支持材料配合物の大きく2つに分類される。支持材料配合物は、製造プロセス中に及び/又は他の目的で、物体又は物体の一部を支持するため、例えば中空又は多孔性の物体を提供するための、支持母体又は構造体として作用する。支持構造体には、例えば支持強度を上げるために造形材料配合物要素を追加的に含むこともあり得る。
【0035】
造形材料配合物は一般に、付加製造に使用するために配合された合成物であり、それ自体で、すなわち他のいかなる物質との混合も組合せも必要とせずに、三次元物体を形成可能である。
【0036】
最終的な三次元物体は、造形材料配合物、あるいは複数の造形材料配合物の組み合わせ、あるいは造形材料と支持材料配合物、又はそれらの変形物(例えば硬化などの凝固後のもの)で作られる。これらのすべての操作は固体自由成形分野の当業者には周知である。
【0037】
本発明のいくつかの例示的実施形態において、物体は2以上の異なる造形材料配合物の吐出により製造され、各材料配合物はAM装置の(同一又は異なる印刷ヘッドの)異なるノズルアレイから吐出される。いくつかの実施形態では、異なる造形材料配合物を吐出する2以上のそのようなノズルアレイが、いずれもAM装置の同一印刷ヘッドに配置される。いくつかの実施形態では、異なる造形材料配合物を吐出するノズルアレイは別々の印刷ヘッドに配置される。例えば第1の造形材料配合物を吐出する第1のノズルアレイが第1印刷ヘッドに配置され、第2の造形材料配合物を吐出する第2のノズルアレイが第2印刷ヘッドに配置される。
【0038】
いくつかの実施形態では、造形材料配合物を吐出するノズルアレイと支持材料配合物を吐出するノズルアレイの両方が同じ印刷ヘッドに配置される。いくつかの実施形態では、造形材料配合物を吐出するノズルアレイと支持材料配合物を吐出するノズルアレイが別々の印刷ヘッドに配置される。
【0039】
本発明のいくつかの実施形態による物体のAMに適したシステム10の別の代表的かつ非限定的実施例を図1A図1Cに示す。図1A図1Cは、システム10の平面図(図1A)、側面図(図1B)、及び等角図(図1C)を示す。好ましくは、システム10は三次元インクジェット印刷システムである。
【0040】
本実施形態において、システム10はトレイ12と、それぞれが1以上の分離されたノズルを有するノズルアレイを1以上有する複数のインクジェット印刷ヘッド16とを備える。三次元印刷に使用される材料は、構築材料供給システム42によってヘッド16に供給される。
【0041】
各印刷ヘッドは、任意選択によりかつ好ましくは、1以上の構築材料配合タンクを介して供給され、そこには温度制御ユニット(例えば温度センサ及び/又は加熱装置)と、材料配合物のレベルセンサが任意選択で含まれ得る。
【0042】
構築材料配合物を吐出するために、例えば圧電式インクジェット印刷技術におけるように印刷ヘッドに電圧信号が印加され、印刷ヘッドノズルを介して材料配合物の液滴を選択的に堆積する。各ヘッドの吐出速度は、ノズルの数、ノズルの種類及び印加電圧信号レート(周波数)に依存する。そのような印刷ヘッドは、固体自由成形分野の当業者には知られている。
【0043】
トレイ12は、円板形状であってもよいし、あるいは環状であってもよい。非円形形状もまた想定される。
【0044】
トレイ12とヘッド16は、任意選択によりかつ好ましくは、トレイ12とヘッド16の間で相対的回転運動ができるように取り付けられる。これは、(i)トレイ12が垂直軸14を中心にヘッド16に対して回転する構成、(ii)ヘッド16が垂直軸14を中心にトレイ12に対して回転する構成、又は(iii)トレイ12及びヘッド16の両方が垂直軸14を中心に回転し、ただし異なる回転速度で回転(例えば逆方向に回転)する構成、によって達成可能である。以下においては、システム10のいくつかの実施形態を、トレイが垂直軸14を中心にヘッド16に対して回転するように構成された回転トレイである構成(i)を特に重点的に記載するが、本出願はシステム10に関して構成(ii)及び(iii)をも企図していることを理解されたい。本書に記載のシステム10の実施形態はいずれも、構成(ii)及び構成(iii)のいずれにも適用できるように調整することができ、本明細書に記載の詳細が与えられれば、当業者にはそのような調整の仕方がわかるであろう。さらに、以下に記載のシステム10のいくつかの実施形態では回転AMシステムに特に重点が置かれるが、本開示は、AMシステムが非回転式であり、ヘッドとトレイの間の相対運動が並進式、例えば直線に沿う実施形態も想定する。いくつかの実施形態に適するそのようなAMシステムの代表例は、米国特許第10,611,136号に記載されており、その内容を参照により本明細書に援用する。
【0045】
以下の説明では、トレイ12に平行で軸14から外向きの方向を半径方向rと呼び、トレイ12に平行で半径方向rに直交する方向をここでは方位角方向φと呼び、トレイ12に垂直な方向をここでは垂直方向zと称する。
【0046】
以下で説明するように一般的には、システムのトレイと印刷ヘッドの間の回転運動により、ヘッドが構築材料を吐出しつつトレイ上を方位角方向に走査することを可能とする。したがって、本明細書においては方位角方向を互換的に「走査方向」と称する。通常、印刷ヘッドは走査方向に対してある角度(典型的には直角)をなすノズルアレイを備える。そうして特定の印刷ヘッドは、それぞれが走査方向に延びる幾列かの構築材料を吐出できる。したがって、本明細書においては半径方向を互換的に「割出し方向」と称し、この方向に列が割出しされることを示す。
【0047】
AMシステムが非回転式である場合、半径方向及び方位角方向は存在しないことがわかる。しかしながら、非回転式システムにおいてもノズルアレイを有する印刷ヘッドは、トレイを走査して構築材料列を形成可能である。したがって、非回転システムに対しても同様の用語が使用され、ヘッドがトレイを走査する方向は「走査方向」と呼ばれ、その走査方向に直交する水平方向は「割出し方向」と呼ばれる。文献においてはしばしば、走査方向をX方向、割出し方向をY方向と呼ぶ。
【0048】
本明細書で使用する用語「半径方向位置」とは、軸14から特定の距離にあるトレイ12上又はトレイ12の上方の位置を指す。この用語が印刷ヘッドに関連して使用される場合、この用語は、軸14から特定の距離にあるヘッドの位置を指す。この用語がトレイ12上の点に関連して使用される場合、この用語は、半径が軸14から特定の距離にあり、その中心が軸14にある円である点の軌跡に属する任意の点に対応する。
【0049】
本明細書で使用する用語「方位角位置」は、所定の基準点に対して特定の方位角にあるトレイ12上又はトレイ12の上方の位置を指す。従って、半径方向位置は、基準点に対して特定の方位角を成す直線となる点の軌跡に属する任意の点を指す。
【0050】
本明細書で使用する用語「垂直位置」は、特定の点で垂直軸14と交差する平面上の位置を指す。
【0051】
トレイ12は、三次元印刷のための造形プラットフォームとして機能する。1以上の物体が印刷される作業領域は、通常はトレイ12の総面積より小さい。ただし必ずしもそうである必要はない。本発明のいくつかの実施形態では、作業領域は環状である。作業領域は符号26で示される。本発明のいくつかの実施形態では、トレイ12は、物体の形成中、同一方向に連続的に回転し、本発明のいくつかの実施形態では、トレイは、物体の形成中に少なくとも1回(例えば振動するように)回転方向を逆転する。トレイ12は、任意選択によりかつ好ましくは取外し可能である。トレイ12の取外しは、システム10の保守のために、あるいは所望であれば、新しい物体を印刷する前にトレイを交換するために行うことができる。本発明のいくつかの実施形態では、システム10には1以上の異なる交換トレイ(例えば交換トレイのキット)が提供され、2以上のトレイが異なる種類(例えば異なる重量)の物体、異なる動作モード(例えば異なる回転速度)等のために選定される。トレイ12の交換は、所望により手動又は自動とすることができる。自動交換が使用される場合、システム10は、ヘッド16の下の位置からトレイ12を取り外して、それを交換トレイ(図示せず)と置き替えるように構成されたトレイ交換装置36を含む。図1Aの代表図においてトレイ交換装置36は、トレイ12を引っ張るように構成された可動アーム40を有する駆動装置38として示されているが、他の種類のトレイ交換装置も考えられる。
【0052】
印刷ヘッド16の例示的実施形態を図2A図2Cに示す。これらの実施形態は、これに限らないが回転システム10及び、非回転システムを含む、上記の任意のAMシステムに使用可能である。
【0053】
図2A図2Bは、1つ(図2A)及び2つ(図2B)のノズルアレイ22を有する印刷ヘッド16を示す。アレイ内のノズルは好ましくは、直線に沿って線状に配列される。特定の印刷ヘッドが2以上の線形ノズルアレイを有する実施形態において、ノズルアレイは、任意選択によりかつ好ましくは、互いに平行であってよい。印刷ヘッドが2以上のノズルアレイを有する場合(たとえば図2B)、そのヘッドのすべてのアレイには同一構築材料配合物が供給されてもよいし、あるいは同一ヘッドの少なくとも2つのアレイに異なる構築材料配合物が供給されてもよい。
【0054】
複数の印刷ヘッドを有する非回転システムが使用される場合、全ての印刷ヘッドは、任意選択によりかつ好ましくは、割出し方向に沿って配向され、それらの走査方向に沿う位置は相互にずれて配置される。
【0055】
システム10に類似のシステムが使用される場合、全ての印刷ヘッド16は、任意選択によりかつ好ましくは、半径方向に(半径方向に平行に)配向され、それらの方位角位置が互いにずれて配置される。従って、これらの実施形態では、異なる印刷ヘッドのノズルアレイは、互いに平行ではなく、むしろ互いにある角度を成す。その角度はそれぞれのヘッド間の方位角のずれにほぼ等しい。例えば、1つのヘッドが半径方向に配向されて方位角位置φに配置され、別のヘッドが半径方向に配向されて方位角位置φに配置されることが可能である。この例では、2つのヘッド間の方位角のずれはφ-φであり、2つのヘッドの線形ノズルアレイ間の角度もまたφ-φである。
【0056】
いくつかの実施形態では、2以上の印刷ヘッドを組み合わせて1つの印刷ヘッドブロックとすることが可能である。その場合、そのブロックの印刷ヘッドは通常互いに平行である。いくつかのインクジェット印刷ヘッド16a、16b、16cを含むブロックを図2Cに示す。
【0057】
いくつかの実施形態では、システム10はヘッド16の下に位置する安定化構造30を含み、トレイ12がトレイ安定化構造30とヘッド16との間にくる。安定化構造30は、インクジェット印刷ヘッド16が作動する際に発生し得るトレイ12の振動を防止又は低減するように機能することができる。印刷ヘッド16が軸14を中心に回転する構成では、好ましくは安定化構造30もまた回転して、安定化構造30が常にヘッド16の直下にくるようにする(トレイ12がヘッド16とトレイ12の間にある)。
【0058】
トレイ12及び/又は印刷ヘッド16は、任意選択によりかつ好ましくは、垂直方向zに沿って垂直軸14に平行に移動するように構成されて、トレイ12と印刷ヘッド16との間の垂直距離を変更可能とする。トレイ12を垂直方向に沿って移動させることによって垂直距離を変更する構成では、安定化構造30も好ましくはトレイ12と共に垂直方向に移動する。トレイ12の垂直位置を固定したままで、ヘッド16によって垂直方向に沿う垂直距離を変更する構成では、安定化構造30もまた固定垂直位置に保持される。
【0059】
垂直移動は、垂直駆動装置28によって行うことができる。ある層が完了すると、次に印刷する層の所望の厚さに応じて所定の垂直間隔だけ、トレイ12とヘッド16との間の垂直距離を増大させることができる(例えばトレイ12をヘッド16に対して下降させる)。この手順を繰り返して、三次元物体を層毎に形成する。
【0060】
インクジェット印刷ヘッド16の動作、及び任意選択によりかつ好ましくはシステム10の1以上の他の構成要素の動作、例えばトレイ12の移動は、コントローラ20によって制御される。コントローラは、電子回路と、回路によって読出し可能な不揮発性記憶媒体とを有することができ、記憶媒体は、回路によって読み出されたときに、以下でさらに詳述するような制御動作を回路に実行させるプログラム命令を格納する。
【0061】
コントローラ20はまた、コンピュータ物体データに基づいて、製作命令に関するデジタルデータを送信するホストコンピュータ24と通信することもできる。
デジタルデータは例えば、標準テッセレーション言語(STL)若しくはステレオリソグラフィ輪郭(SLC)フォーマット、仮想現実モデリング言語(VRML)、付加製造ファイル(AMF)フォーマット、図面交換フォーマット(DXF)、ポリゴンファイルフォーマット(PLY)、又はコンピュータ支援設計(CAD)に適した任意の他のフォーマットである。物体データフォーマットは通常デカルト座標系に従って構成される。このような場合、コンピュータ24は好ましくは、コンピュータ物体データにおける各スライスの座標をデカルト座標系から極座標系に変換するための手順を実行する。コンピュータ24は、任意選択によりかつ好ましくは、変換された座標系で製作命令を送信する。代替として、コンピュータ24は、コンピュータ物体データによって提供された元の座標系で製作命令を送信することができる。その場合、座標変換はコントローラ20の回路によって実行される。
【0062】
座標変換により、回転トレイ上での三次元印刷が可能となる。固定トレイを有する非回転システムでは、印刷ヘッドは通常固定トレイ上を直線に沿って往復運動する。そのようなシステムでは、ヘッドの吐出速度が均一であるとすれば、印刷解像度はトレイ上のどの点でも同じである。システム10においては、非回転システムとは違って、ヘッドポイントの全てのノズルが同じ時間の間にトレイ12上の同じ距離をカバーするわけではない。座標変換は、任意選択によりかつ好ましくは、異なる半径方向位置において余剰な材料配合物が等量となるように実行される。本発明のいくつかの実施形態による座標変換の代表例を図3A図3Bに示す。これは物体の3つのスライス(各スライスが物体の異なる層の製作命令に対応する)を表し、図3Aは、デカルト座標系でのスライスを示し、図3Bは、それぞれのスライスに座標変換手順を適用した後の同じスライスを示す。
【0063】
通常、コントローラ20は、製作命令に基づき、かつ以下で説明する格納されたプログラムの指示に基づいて、システム10のそれぞれの構成要素に印加される電圧を制御する。
【0064】
一般的に、コントローラ20は、トレイ12の回転中に印刷ヘッド16を制御して構築材料配合物の液滴を層状に吐出させ、トレイ12上に三次元物体を印刷させる。
【0065】
インクジェット印刷ヘッドは構築材料の層をインクジェット技術により吐出する。各印刷ヘッドは異なる構築材料を吐出するように構成可能である。特定の印刷ヘッドが2以上のノズルアレイを備える場合、各ノズルアレイは異なる構築材料を吐出するように構成可能である。したがって、異なる標的位置を異なる構築材料で占有することが可能である。
【0066】
吐出するために、各印刷ヘッドの各ノズルアレイに搬送される材料の種類は、任意選択によりかつ好ましくは、コントローラ20で制御される。例えば、コントローラ20は、構築材料供給システム42に対して、第1の造形材料を第1のヘッドの1つのノズルアレイに供給し、支持材料を第1のヘッドの別のノズルアレイに供給するように信号を送ることができる。コントローラ20はまた、第1のヘッドの1つのノズルアレイに対して第1の造形材料を、第1のヘッドの別のノズルアレイに対して支持材料を、そして第2のヘッドの1つのノズルアレイに対して第2の造形材料を供給するようにシステム42に対して信号を送ることもできる。あるいは、コントローラ20は別のヘッドのノズルアレイに支持材料を供給するようにシステム42に対して信号を送ることもできる。コントローラ20はまた、第1のヘッドの1つのノズルアレイに対して第1の造形材料、第1のヘッドの別のノズルアレイに対して支持材料、第2のヘッドの1つのノズルアレイに対して第2の造形材料、第2のヘッドの別のノズルアレイに対して第3の造形材料、などを供給するようにシステム42に対して信号を送ることもできる。
【0067】
システム10は任意選択によりかつ好ましくは、構築材料配合物を凝固(例えば硬化)するための凝固装置18を備える。凝固装置18は、1以上の放射線源18を備える。これは、使用される造形材料配合物に応じて、例えば紫外線、可視光若しくは赤外線のランプ、あるいは他の電磁放射線源、あるいは電子線源であってよい。放射線源は、これに限らないが発光ダイオード(LED)、デジタル光処理(DLP)システム、抵抗加熱ランプ等を含む任意の種類の放射線放出装置を含むことができる。本発明の様々な例示的実施形態では、凝固装置18の動作は、凝固装置18を起動及び停止することができるコントローラ20によって制御される。凝固装置が放射線源を備える場合、コントローラ20は任意選択により放射線源により生成される放射線の量も制御する。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態では、放射線源18は、半径方向rに沿ってトレイに対して往復運動をするように構成される。これらの実施形態は、放射線源18の長さがトレイ12上の作業領域26の半径方向の幅より短いときに有用である。半径方向への放射線源18の運動は、任意選択によりかつ好ましくはコントローラ20によって制御される。したがって、本実施形態では放射線源と印刷ヘッドはそれぞれ独立して制御可能であって、別々の移動ステージに沿って半径方向に移動することを想定する。これは、印刷ヘッドと放射線源が同じ印刷ブロックに取り付けられ、そのため同時に移動させられる従来の三次元印刷システムとは異なる。本発明のいくつかの実施形態において、コントローラ20は、放射線源18とヘッド16を、システム10の動作中に半径方向に非同期で移動させるように構成される。本発明のいくつかの実施形態において、コントローラ20は、放射線源18とヘッド16を、システム10の動作中に半径方向に非同期で独立して移動させるように構成される。これらの実施形態は、例えば凝固を遅延させるために凝固(例えば硬化)の開始時間を選択することが望まれる場合に特に有用である。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態では、システム10は、ローラ又はブレードとして製造され得る1以上のレベリング装置32をさらに備える。レベリング装置32は、新たに形成した層を、その上に次の層を形成する前に矯正する役目をする。いくつかの実施形態では、レベリング装置32は円錐ローラの形状を有し、その対称軸34がトレイ12の表面に対して傾斜し、かつその表面がトレイの表面と平行になるように配置される。この実施形態をシステム10の側面図(図1B)に示す。円錐ローラは、円錐又は円錐台の形状を有することができる。
【0070】
レベリング装置32の動作は、任意選択によりかつ好ましくは、コントローラ20によって制御される。コントローラは、レベリング装置32の起動、停止を行い、かつ任意選択により、垂直方向(軸14に平行)、及び/又は半径方向(トレイ12に平行で、軸14に向かうか離れる方向)に沿うその位置も制御し得る。
【0071】
印刷ヘッド6、凝固装置18、及び任意選択によりかつ好ましくはレベリング装置32も、システム10の印刷ブロックを構成し、通常フレーム128などの構造体に取り付けられる。
【0072】
本発明のいくつかの実施形態では、印刷ヘッド16は半径方向rに沿ってトレイに対して往復運動するように構成される。これらの実施形態は、ヘッド16のノズルアレイ22の長さがトレイ12上の作業領域26の半径方向の幅より短いときに有用である。半径方向へのヘッド16の運動は、任意選択によりかつ好ましくはコントローラ20によって制御される。
【0073】
いくつかの実施形態は、(同一又は異なる印刷ヘッドに属する)異なるノズルアレイから異なる材料配合物を吐出することにより物体を作製することを想定する。これらの実施形態は、とりわけ、所定数の材料配合物から材料配合物を選択し、選択した材料配合物とそれらの特性の所望の組合せを定める機能を提供する。本実施形態によれば、各材料配合物を層状に堆積する空間位置は、異なる材料配合物で異なる三次元空間位置を占有させるか、2以上の異なる材料配合物を実質的に同一の三次元位置又は隣接する三次元位置に配置し、堆積後にその層内での材料配合物を空間的に混合させて、それによってそれぞれの単一又は複数の位置に複合材料配合物を形成させるか、のいずれかによって規定される。
【0074】
後から堆積させる造形用材料配合物の任意の組合せ又は混合が考えられる。例えば、特定の材料配合物が吐出された後、それはその元の特性を維持することができる。しかし、それが別の造形材料配合物又は他の吐出材料配合物と同時に、同じ位置あるいは近傍位置で吐出される場合、吐出された材料配合物とは異なる単一又は複数の特性を有する複合材料配合物が形成され得る。
【0075】
本発明のいくつかの実施形態では、システムは、複数層の少なくとも一つに対してデジタル材料を吐出する。
【0076】
本明細書及び当分野で使用される「デジタル材料」という用語は、異なる材料のピクセル又はボクセルがある領域において相互に交錯するような、ピクセルレベル又はボクセルレベルでの2以上の材料の組み合わせを言う。そのようなデジタル材料は、材料の種類及び/又は2以上の材料の比率及び相対的な空間分布の選択によって影響される新しい特性を示すことができる。
【0077】
本明細書で使用するように、層の「ボクセル」は、層内の物理的な3次元の要素体積のことを指し、層を記述するビットマップの単一ピクセルに対応する。ボクセルの寸法は、構築材料が個々のピクセルに対応する位置に吐出され、平坦化され、凝固された後に、構築材料により形成される領域の寸法にほぼ等しい。
【0078】
こうして本実施形態は、広範囲の材料配合物の組合せを堆積可能とし、かつ物体の各部分の特徴づけに要求される特性に応じて、異なる部分が複数の異なる材料配合物の組合せから構成され得る物体の作製を可能にする。
【0079】
この出願から成熟する特許の存続期間の間に、多くの関連するAMシステムが開発されることが予想されるが、AMシステムという用語の範囲は、そのような新技術を先験的に含むことを意図している。
【0080】
印刷プロセスが完了した後、印刷された物体がトレイから取り出される。物体の最下層は通常トレイに取り付けられているので、印刷された物体の取り出しには、通常スクレーパ又は類似の工具の使用が含まれる。トレイが回転式の三次元印刷システム(例えばシステム10)では、削り取り動作でトレイが動くために、トレイが回転自由な状態での物体の取り出しは困難である。したがって、物体の取り出し中にトレイを動かないように固定するロック機構を有することが望ましい。また、システムの別の構成要素のメンテナンス中にもトレイを動かないように固定するロック機構を有することが望ましい。
【0081】
本発明者らは、上記の理由でロック機構は有利であるが、その一方で、ロック機構の使用は回避されるべき人為的なミス(例えば新規の印刷ジョブを開始する前にトレイのアンロックを忘れるなど)を受けやすいことを見いだした。したがって、本発明者らは、これに限らないがシステム10の回転トレイ12のような、三次元印刷システムの回転トレイ用の安全システムを考案した。
【0082】
図4A図4Bは、アクセス開口402とアクセス開口402の扉404を有する印刷チャンバ400の上面を示す概略図である。印刷チャンバ400は、回転トレイ12及び任意選択によりかつ好ましくは印刷システムの他の構成要素、例えば上で詳述したような印刷ブロックやフレーム128(図4A図4Bには示さず。図1Cを参照)を寸法的に含むように設計される。扉404は、図4A図4Bに示すように回転式扉であることが好ましいが、本発明のいくつかの実施形態では、扉はスライド式扉であってもよい。安全システム410がチャンバ400に導入される。この安全システム410は、扉404が開いているか閉じているかを示す扉状態センサ412と、ラッチ414を備え、ラッチ414は、扉404の閉鎖及びトレイ12の回転を妨げるロック状態(図4B)と扉404の閉鎖とトレイの回転を許容するアンロック状態(図4A)とを取るように構成される。扉404が閉じた状態と開いた状態の印刷チャンバ400の側面図を図4C図4Dにそれぞれ示す。
【0083】
ラッチ414は好ましくは手動操作ラッチである。図4A図4Bに示す好適な構成ではラッチ414はトレイ12に対して半径方向に往復摺動する。ラッチ414が内方向に引き込まれているときは、ラッチ414はアンロック状態を取り、ラッチ414が外方向に引き出されているときはラッチ414はロック状態を取る。例えば、図4Bに示すように、ラッチ414は外方向に引き出されると、アクセス開口402の外へ突き出ることができ、それにより扉404の閉鎖を妨げる。他の実施形態では、ラッチ414は半径方向への摺動ではなく、枢動するように構成可能である。ラッチ414は、扉のヒンジをロックする機構(図示せず)を作動させることによって間接的に扉の閉鎖を妨げるように構成することも可能である。
【0084】
扉状態センサ412は、これに限るものではないが、磁気センサ、光学センサ、電気機械式スイッチを含む任意の種類であってよい。センサ412により生成される信号は好ましくは印刷システムのコントローラ(図示せず、例えば図1Aのコントローラ20を参照)に送信される。この信号に応答して、コントローラは三次元印刷システムの様々な構成要素を起動又は停止する。例えば、センサ412からの信号が扉の開放を示すと、コントローラは、ノズルアレイ16、レベリング装置32及び凝固装置18の停止を含め、すべての印刷動作を停止できる。
【0085】
こうして、安全システム410のセンサ412とラッチ414の複合動作により、印刷システム10に更なる安全手段が提供される。それは、トレイ12がロックされているときラッチ414が扉404を開放状態に保持し、扉の開放時にはセンサ412が生成する信号により、コントローラが印刷ジョブの再開又は開始をさせないように保証するからである。
【0086】
図5A図5Cは、本発明のいくつかの実施形態による、ラッチ414の概略斜視図であり、アンロック状態(図5A図5C)とロック状態(図5B)を示す。図5A図5Bはまた、トレイ12(図示せず)を支えるプラッタ452を、プラッタ452の中心を回転軸14に固定するナット406とともに示す。図5Cはプラッタ452を支え、ラッチ414を支える駆動ボード451を有する、プラットフォーム450の斜視図を示す。プラットフォーム450はプラッタ452を回転させ、その結果その上に取り付けられたトレイ12も回転させる。そして、詳細を前述したように垂直方向への移動もおこなうように構成される。
【0087】
ラッチ414は2以上の摺動スロット422を備え、これが個々の固定ピン424上を摺動して半径方向に沿うラッチ414の往復運動を容易にする。ピン424は、例えばプラットフォーム450の駆動ボード451(図5C参照)に固定可能である。ラッチ414は任意選択によりかつ好ましくはプラッタ452への係合及び離脱を可能とするロック部材416を備える。ロック部材は柱形状を有し、例えばピン又はねじとして具現化することができる。アンロック状態(図5A)では、ロック部材416はプラッタ452から離脱し、それによりプラッタ452とトレイ12が回転可能となる。ロック状態(図5B)では、プラッタ452及びトレイ12の回転が阻止される形で、ロック部材416がプラッタ452と係合する。好ましくは、スプロケットホイール418がトレイに接続されて一緒に回転する。これらの実施形態において、ロック部材416はロック状態ではスプロケットホイール418に係合し、アンロック状態ではスプロケットホイール416から離脱する。
【0088】
プラットフォーム450は好ましくは、回転中にトレイ12を支持するための1以上の支持ローラ454を備える。本発明者らは、レベリング装置により加えられる力を吸収するために、少なくとも1つの支持ローラ454をトレイの下でレベリング装置(図1A図1Cには示さず)の下に有することが有利であることを見いだした。更なる支持ローラ454が任意選択によりかつ好ましくはラッチ414に取り付けられる。
【0089】
本発明のいくつかの実施形態では、安全システム410はラッチ414を起動するとラッチ414を付勢してロック状態を保持するようになった1以上のばね420を備える。好ましくは、ラッチ414はプッシュ-プッシュラッチであり、ラッチ414がアンロック状態にあるときラッチ414を内方向に少し動かす(更に押し込む)とばね420が解放されて、それによりラッチ414が外方向に移動する。したがって外方向への力を手動で加える必要がない。ラッチ414をそのロック状態からアンロック状態へ戻すには、引き出し位置から引き込み位置までのラッチ414の全移動長さにわたって、ばね420に対向する力をラッチ414に加える。
【0090】
ばね420がラッチ414を付勢して、ラッチ414の作動と共にロック状態が保持されるような構造とすることの利点は、ばね420が外向きの力をかけるために扉404の閉鎖が阻止され、トレイのロック時に印刷ジョブの開始又は再開を間接的に防止することである。本発明者らが行ったテストでは、予想に反していくつかの操作の間に、扉への強い力の印加により、扉が閉じてもなおトレイがロックされたままという状態が生じることが判明した。そのような状態において、扉が閉じたことを示す信号を受信するコントローラは、トレイが回転していないうちに印刷ジョブを開始又は再開する可能性がある。トレイが回転していないという指示をコントローラが受信したとしても(例えば印刷システムの他のセンサから)、コントローラは警告メッセージを生成し、ユーザに安全保守点検の実行を要求する可能性がある。この事態は避けるべきである。
【0091】
この問題を克服するために、本発明者らは、ラッチ414がその引き出し位置にあるときに扉が閉鎖されることを防止する、二重ロック安全原理を考案した。二重ロック安全原理を次に図6A図6Cを参照して説明する。
【0092】
図6A図6Cは、本発明のいくつかの実施形態による、ラッチ414の底面斜視図(図6A)と側面の概略図(図6B図6C)である。示されているのは、引き出し位置(図6A図6B)と引き込み位置(図6C)にあるラッチ414である。
【0093】
図示された実施形態において、弾性レバー430がラッチ414に(この例ではその底面側に)接続される。レバー430は、例えば、これに限らないが金属板などの板材で具現化できる。ねじなどのようなストッパ要素432を、例えばプラットフォーム450の駆動ボード451(図5C)上に、垂直軸14から一定の半径距離に取り付けることができる。本発明のいくつかの実施形態では、ストッパ要素432はラッチ414に形成された摺動スロット422又は1以上の追加の摺動スロット434を通過する。したがって、ラッチ414が摺動するときストッパ要素430は固定されたままである。レバー430が弛緩状態(図6A図6B)にある場合、ラッチ414に内向きにかかる力はレバー430とストッパ要素432の間の衝突をもたらし、ラッチ414が引き込まれてそのアンロック状態を取ることを防止する。図6Cは、その遠位端に上方向に力436が加えられたあとの、緊張状態にあるレバー430を示す。この状態では、レバー430はストッパ要素432を迂回し、ラッチ414が引っ込んでアンロック状態を取ることを可能とする。
【0094】
図7は本発明のいくつかの実施形態による、垂直軸14上のプラッタ452の概略分解図である。軸14は任意選択によりかつ好ましくはプラッタ452を支持する中央ショルダ440を有するように形成される。典型的には、プラッタ452は馬蹄形ばね442によってショルダ440に固定される。本発明者らは、印刷された物体をプラッタ452から取り外すときにプラッタ452にかかる応力が、馬蹄形ばね442を撓ませることを見いだした。本発明者らは、この時々の撓みがやがて恒久的なものになること、そしてそのような恒久的な撓みがトレイの回転の中心及び/又は平坦度のブレに影響して、印刷の品質を低下させることを予期せずに発見した。
【0095】
本発明者らは、ラッチ414を馬蹄形ばね442への応力低減にも利用して、システム10の印刷品質を向上できることを見いだした。この実施形態を、アンロック状態(図8A)とロック状態(図8B)にあるラッチ414を示す、図8A図8Bに模式的に示す。これらの実施形態では、ロック部材416にはねじ頭のような拡幅されたヘッド447が設けられ、ロック部材416とそのヘッド447の高さ446が、ロック状態でプラッタ452を支持するように選択される。これにより、プラッタ452がロックされているときに、軸14及び結果的に馬蹄形ばね442にかかる応力が低減される。それは例えばトレイから物体を取り外すときにユーザが加える垂直力が馬蹄形ばね442とロック部材416とに分散されるからである。本発明者らは、このことがばね442の寿命を大幅に増大させることを見いだした。好ましくは、ロック部材の高さ446は、ロック状態ではプラッタ452を支持し、アンロック状態では支持しないように選択される。これは、例えばその底面側が平坦でない外形を有するプラッタを提供することで達成可能である。具体的には、これらの実施形態においては、プラッタ452はその中心及び中心近くよりもその周辺においてより大きな厚さを有し、ラッチ414が引き出されると、ロック部材416はプラッタ452のより厚い周辺部を支え、ラッチ414が引き込まれると、ヘッド447とプラッタ452のより薄い非周辺部との間に空隙が存在する。
【0096】
本明細書で使用されるように、用語「約」又は「ほぼ」は±10%を指す。
【0097】
「例示的」という用語は、本明細書では、「例、実例、例示に供する」という意味で使用される。「例示的」として記述される任意の実施形態は、必ずしも他の実施形態よりも好適又は有利であると解釈されるべきではなく、及び/又は他の実施形態の特徴を組み込むことを排除するものではない。
【0098】
「任意選択により」という用語は、本明細書においては、「ある実施形態では提供され、他の実施形態では提供されない」ことを意味するように使用される。本発明の任意の特定の実施形態は、そのような特徴が相反しない限り、複数の「任意選択の」特徴を含み得る。
【0099】
用語「備える」、「備えた」、「含む」、「含んだ」、「有する」及びそれらの活用形は、「含むがそれに限らない」ことを意味する。
【0100】
「から成る」という用語は、「を含み、かつ限定される」ということを意味する。
【0101】
「本質的に~から成る」という用語は、組成、方法又は構造が追加的な成分、ステップ及び/又は部品を含み得るが、その追加的な成分、ステップ及び/又は部品が特許請求の組成、方法又は構造の基本的かつ新規な特性を実質的に変更しない場合に限ることを意味する。
【0102】
本明細書で使用の、単数形の「1つの(a、an)」、「その(the)」は文脈が明確にそうでないことを規定しない限り、複数の言及も含む。例えば、「1つの化合物」又は「少なくとも1つの化合物」という用語は、複数の化合物を、それらの混合物も含めて包含し得る。
【0103】
本出願を通じて、本発明の様々な実施形態が範囲形式で提示され得る。範囲形式の記述は、単に便宜的かつ簡潔化のためのものであって、本発明の範囲の一定不動の限定として解釈されるべきではないことを理解されたい。従って、範囲の記述は、その範囲内の個別の数値と共にすべての可能な部分範囲を具体的に開示しているものと見なされるべきである。例えば、1~6というような範囲の記述は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などの具体的に開示された部分範囲、並びにその範囲内の個別の数値、例えば1、2、3、4、5、6を有すると見なされるべきである。このことは、範囲の広さに拘わらず適用される。
【0104】
本明細書で数値範囲が示されるときはいつでも、示された範囲内の任意の引用された数値(分数又は整数)を含むことが意味される。第1の指定数と第2の指定数「の間の範囲の/範囲にある」という句、及び、第1の指定数「から」第2の指定数「まで」の「範囲の/範囲にある」という句は、本明細書では互換的に使用されて、第1の指定数と第2の指定数、並びにその間のすべての分数及び整数を含むことを意味する。
【0105】
本発明の特定の特徴は、明確にするために別々の実施形態の文脈に記述されていても、組み合わせて1つの実施形態で提供され得ることが理解される。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈中に記述される本発明の様々な特徴は、別々又は任意の適切な部分的組合せで提供されることも、又は本発明の任意の他の説明される実施形態に適切であるように提供されることも可能である。様々な実施形態の文脈において記述される特定の特徴は、それらの要素なしではその実施形態が機能不能とならない限りは、それらの実施形態の必須の特徴と見なされるべきではない。
【0106】
本発明を、その特定の実施形態に関連して説明してきたが、当業者には多くの代替、修正、変形が明らかなことは明白である。したがって、添付の特許請求の範囲の精神及び広い範囲内にあるそのような代替、修正及び変形のすべてを包含することが意図されている。
【0107】
本明細書で言及したすべての刊行物、特許及び特許出願は、各個別の刊行物、特許及び特許出願が具体的かつ個別的に参照により本明細書に組み込まれるように表示された場合と同じ程度に、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。さらに、本出願内のいかなる参照の引用又は特定も、そのような参照が本発明に対する先行技術として利用可能であることを認めるものと解釈されるべきではない。セクション見出しに使用される限りでは、それらは必ずしも制限的であると解釈されるべきではない。さらに、本出願の任意の優先権文書は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7
図8A
図8B
【国際調査報告】