(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-01
(54)【発明の名称】肺組織に対する急性損傷のための新規治療法
(51)【国際特許分類】
A61K 45/00 20060101AFI20230525BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20230525BHJP
A61K 9/12 20060101ALI20230525BHJP
A61K 9/72 20060101ALI20230525BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20230525BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20230525BHJP
A61P 31/12 20060101ALI20230525BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20230525BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230525BHJP
A61P 7/02 20060101ALI20230525BHJP
A61P 11/02 20060101ALI20230525BHJP
A61K 9/19 20060101ALI20230525BHJP
A61P 31/14 20060101ALI20230525BHJP
【FI】
A61K45/00
A61P11/00
A61K9/12
A61K9/72
A61K9/14
A61K9/08
A61P31/12
A61P29/00
A61P43/00 107
A61P7/02
A61P11/02
A61K9/19
A61P31/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022563428
(86)(22)【出願日】2021-04-21
(85)【翻訳文提出日】2022-12-16
(86)【国際出願番号】 IL2021050455
(87)【国際公開番号】W WO2021214767
(87)【国際公開日】2021-10-28
(32)【優先日】2020-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522408119
【氏名又は名称】リモデレス シーヴイ リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】522408120
【氏名又は名称】トラスティーズ オブ ボストン ユニバーシィティ
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダーマン、ジェイコブ
(72)【発明者】
【氏名】ドゥ―アム、フロリアン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
【Fターム(参考)】
4C076AA11
4C076AA24
4C076AA30
4C076AA93
4C076BB27
4C076CC05
4C076CC10
4C076CC14
4C076CC15
4C076CC26
4C076CC35
4C076FF68
4C084AA17
4C084MA13
4C084MA17
4C084MA43
4C084MA44
4C084NA10
4C084NA14
4C084ZA34
4C084ZA54
4C084ZA59
4C084ZB11
4C084ZB22
4C084ZB33
(57)【要約】
本開示の様々な実施形態により、損傷した肺組織、例えば、ウイルス感染(例えば、コロナウイルス)および/または細菌感染および/または寄生虫病原体を有する患者、あるいは化学物質への曝露によって肺組織が損傷した患者、ならびに急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を有する患者の肺を処置するための方法が提供される。肺におけるサイトカイン合成を阻止することによって、脳を神経侵害から保護し、肺から離れた器官に対する炎症性損傷を防止するための方法もまた提供される。処置は、レプチンアンタゴニスト(LepA)を患者の上気道および/または肺に局所的に投与することを含む。典型的には、LepAは吸入可能組成物(例えば、エアロゾルなど)で投与される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の損傷した肺組織を処置するための方法であって、レプチンアンタゴニスト(LepA)を前記患者の肺に局所的に投与することを含む方法。
【請求項2】
前記LepAを、吸入可能組成物でエアロゾルを介して投与することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
エアロゾルを介してLepAを投与することが、ネブライザー、吸入器または換気補助器を使用することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
約10μg~100μgの範囲内にある効果的な送達LepA用量を前記患者に投与することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記吸入可能組成物が空気動力学的中央粒子径(MMAD)を1.5μm~4.5μmの範囲内に有する、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記吸入可能組成物が、前記粒子の50%超が1.5μm未満であるFPF(微細粒子画分)を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記吸入可能組成物が乾燥粉末を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記吸入可能組成物が生理学的生理食塩水溶液を溶質として含む、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記損傷した肺組織が、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、ウイルス、細菌または寄生虫病原体による感染、および化学物質への曝露のうちの少なくとも1つを患っている患者の組織である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記損傷した肺組織が、コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染した患者の組織である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
コロナウイルス感染患者を処置するための方法であって、レプチンアンタゴニスト(LepA)を前記患者の気道に局所的に投与することを含む方法。
【請求項12】
約10μg~100μgの範囲内にある効果的な送達LepA用量を前記患者に投与することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記LepAを、吸入可能組成物でエアロゾルを介して投与することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記吸入可能組成物が、乾燥粉末、または生理学的生理食塩水溶液に溶解したLepAを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記患者の肺におけるウイルス量を減少させること、前記患者の肺における炎症を軽減させること、前記患者の肺の遠位の気管支上皮細胞および肺胞上皮細胞の完全性および生存能を保つこと、損傷した肺細胞におけるサイトカイン合成を阻止すること、サイトカインレベルの全身的増大を防止し、それにより、前記患者の肺から離れた器官に影響を及ぼすことが知られているサイトカインストームを防止すること、前記患者の脳におけるウイルス量を減少させ、前記患者の鼻の細胞ならびに嗅上皮細胞および嗅神経細胞を介したコロナウイルスの神経侵害を軽減させること、ならびに静脈および/または動脈の血栓症を促進させることが知られている血液凝固性亢進を低下させることのうちの1つまたは複数について有用である、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
上気道および肺組織に局所的に適用するための、エアロゾル形態での吸入可能組成物であって、レプチンアンタゴニスト(LepA)を含む組成物。
【請求項17】
肺胞細胞に対して、また鼻の細胞ならびに嗅上皮細胞および嗅神経細胞に対して送達されることになる10μg~100μgの範囲での効果的なLepA用量を含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
生理学的生理食塩水溶液に溶解した前記LepAを含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項19】
前記LepAを乾燥した凍結乾燥粉末として含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項20】
空気動力学的中央粒子径(MMAD)が1.5μm~4.5μmの範囲内にあるエアロゾル液滴を有する、請求項16に記載の組成物。
【請求項21】
前記エアロゾル粒子の50%超が1.5μm未満であるFPFを有する、請求項16に記載の組成物。
【請求項22】
前記LepAが、レプチンもしくはレプチン受容体に結合すること、および/またはレプチンもしくはレプチン受容体を分解することが可能である作用物質、ならびにレプチンもしくはレプチン受容体の発現をDNAレベルまたはRNAレベルでダウンレギュレーションすることが可能である作用物質のうちの少なくとも1つを含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項23】
前記LepAがSHLA(超活性なヒトレプチンアンタゴニスト)を含む、請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
患者の肺におけるウイルス量を減少させること、患者の肺における炎症を軽減させること、患者の肺の遠位の気管支上皮細胞および肺胞上皮細胞の完全性および生存能を保つこと、損傷した肺細胞におけるサイトカイン合成を阻止すること、サイトカインレベルの全身的増大を防止し、それにより、患者の肺から離れた器官に影響を及ぼすことが知られているサイトカインストームを防止すること、患者の脳におけるウイルス量を減少させ、患者の鼻の細胞ならびに嗅上皮細胞および嗅神経細胞を介したコロナウイルスの神経侵害を軽減させること、ならびに静脈および/または動脈の血栓症を促進させることが知られている血液凝固性亢進を低下させることのうちの1つまたは複数について有用である、請求項16に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、レプチンアンタゴニストを肺に局所的に適用することに基づく肺組織損傷のための治療法に関する。
【背景技術】
【0002】
COVID19は主に、肺胞上皮細胞表面のACE2受容体にウイルスのスパイク(Sタンパク質)を介して結合する新規なコロナウイルス(SARS-CoV-2)によって引き起こされる呼吸器疾患である。その結果として生じる肺病理は、肺組織における進行性の有害な再構築、サイトカインレベルの局所的および全身的な上昇、急性の肺炎症、全身的な血管炎および凝固障害によって特徴づけられる。COVID19疾患の急性期には、SARS-CoV-2が鼻の鼻甲介上皮および嗅神経を経由して脳ニューロンを侵害することに関連づけられる神経学的症状が伴い得る。さらに、約1/3のコロナウイルス感染患者が疾患後の後期神経学的症状を示している。
【0003】
高血圧および肥満が、これらはともに炎症に関連する一方で、COVID19疾患の重症度と相関することが示されている。特筆すべきことに、上昇した循環レプチンレベルが肥満の顕著な特徴である。レプチンおよびレプチン受容体が、HIVなどのウイルス感染では過剰発現していることが示され、また、レプチンが、サイトカイン調節不全を伴った重症の2009年新型インフルエンザA(H1N1)感染の病理発生のメディエーターであることが見出された。そのうえ、レプチンは、COVID19患者において高頻度で発生する静脈および動脈の血栓症を促進させている。
【0004】
有害な組織再構築が、コロナウイルス感染に対する応答の一部として肺胞の壁で起きている。このプロセスは、炎症性の単球およびマクロファージの局所的な広範囲に及ぶ浸潤、局所的なROS合成、サイトカイン蓄積、ならびに好中球活性化によって特徴づけられる。また、レプチンホルモンおよびレプチン受容体が傷害部位において局所的に合成される。
【0005】
局所的に利用可能なレプチン受容体に結合するレプチンアンタゴニストにより、不活性な複合体が生じる。したがって、様々なレプチンアンタゴニストが、大動脈瘤につながる中膜変性を起こしやすい大動脈壁に局所的に投与されたときには細胞および組織の完全性を保護することにおいて効果的であることが示されている。
【0006】
しかしながら、コロナウイルスに感染した肺組織に対するレプチンアンタゴニストの効果、ならびにその後の肺組織損傷および関連した合併症(例えば、直接的な神経侵害、および原発性肺事象によって誘発されるような遠隔性の炎症応答を介する合併症など)を処置することにおけるレプチンアンタゴニストの効力は、依然として不可解である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の様々な実施形態により、損傷した肺組織を、レプチンアンタゴニスト(LepA)を上気道および/または肺に局所的に投与することによって処置するための方法が提供される。典型的には、LepAは、吸入可能組成物で、すなわち、湿ったエアロゾル(例えば、溶質としての生理学的生理食塩水溶液(例えば、0.9%生理食塩水)に溶解したLepA)である場合があるエアロゾル、または乾燥した吸入可能組成物(粉末)で投与される。
【0008】
いくつかの実施形態において、LepAは、自発的用手呼吸(spontaneous manual breathing)のためのネブライザーを使用することによって、あるいは重度呼吸不全または意識不明の患者の場合には換気補助により、例えば、機械的呼吸器を使用することによりエアロゾルを導入することによってエアロゾルを介して投与される。
【0009】
本開示の様々な実施形態により、所与の患者、例えば、ウイルス感染(例えば、コロナウイルス)および/または細菌感染および/または寄生虫病原体を有する患者、あるいは化学物質への曝露によって肺組織が損傷した患者、ならびに急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を有する患者の急性損傷肺のための処置が提供される。
【0010】
いくつかの実施形態において、本開示は、コロナウイルス感染患者を、レプチンアンタゴニスト(LepA)を患者の上気道および肺に局所的に投与することによって処置するための方法を提供する。
【0011】
LepAは、患者に毎日、例えば、1日に1回または2回、投与される場合がある。いくつかの実施形態において、約10μg~100μgのLepAの(肺に投与される)効果的な1日送達用量が、吸入可能組成物で(例えば、0.9%生理食塩水溶液に溶解した、または乾燥粉末として)肺に適用される。
【0012】
処置は、本開示の様々な実施形態によれば、とりわけ、肺におけるウイルス量を減少させるために、肺における炎症を軽減させるために、肺の肺胞細胞の完全性および生存能を保つために、肺から離れた器官をサイトカインストームから保護するために、ならびに離れた器官(例えば、脳など)におけるウイルス量を減少させるために有用である場合がある。
【0013】
本開示の様々な実施形態により、肺組織に局所的に適用するための、LepAを含む吸入可能組成物が提供される。組成物はLepAを生理食塩水溶液において、または乾燥粉末として含む場合がある。組成物は、ヒト対象のためは、肺に送達される約10μg~100μgのLepAの効果的な送達用量を含む場合がある。1つの実施形態において、組成物は、肺胞細胞に対して、また鼻の細胞ならびに嗅上皮細胞および嗅神経細胞に対して送達されることになる10μg~100μgの範囲での効果的なLepA用量を含む。
【0014】
用語「レプチンアンタゴニスト」には、組織におけるレプチン活性を典型的には当該組織への局所的投与によりダウンレギュレーションすることが可能である作用物質が含まれる。例えば、レプチンアンタゴニストには、レプチンもしくはレプチン受容体に結合すること、および/またはレプチンもしくはレプチン受容体を分解することが可能である下記作用物質の少なくとも1つ;あるいはレプチンおよび/またはレプチン受容体の発現をDNAレベルまたはRNAレベルでダウンレギュレーションすることが可能である作用物質が含まれる場合がある。いくつかの実施形態において、レプチンアンタゴニストは、選択的に投与されるための局所的適用のために設計されている、したがって、関与組織のみに影響を及ぼし、周囲組織または離れた組織にはどのような影響であれ追跡可能または機能的な影響がない16KDの組換えタンパク質(天然に合成されたレプチンホルモンの変異体)である。
【0015】
次に、本開示が、より完全に理解され得るように、以下の例示的な図を参照してある特定の例および実施形態に関連して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】例1において、LepA処置により組織完全性および細胞生存能が保たれたことを明らかにする経時的分析を示す。
【0017】
【
図2】例2において、LepAまたは生理食塩水溶液により処置されるSARS COV-2接種(10
∧6PFU)後4日目でのK18-hACE2トランスジェニックマウスの肺組織のH&Eを示す。
【0018】
【
図3A】例2において、生理食塩水またはLepAにより処置されるK18-hACE2トランスジェニックマウスの肺組織におけるウイルス量をSARS-CoV-2接種(10
∧6PFU)後4日目において示す(ただし、LepA処置が接種後24時間で開始された)。
【0019】
【
図3B】例2において、SARS-CoV-2接種後4日目でのK18-hACE2マウスの生理食塩水処置肺組織対LepA処置肺組織におけるTNFαおよびIL6のmRNAの発現をまとめたものである(ただし、LepA処置が接種後24時間で開始された)。
【0020】
【
図4】例2において、生理食塩水またはLepAにより処置されるK18-hACE2トランスジェニックマウスの肺組織および脳組織におけるウイルス量をSARS-CoV-2接種(10
∧6PFU)後4日目および7日目において示す(ただし、LepA処置が接種後12時間で開始された)。
【0021】
【
図5】例2において、LepA処置が接種後12時間で開始されるSARS-CoV-2接種(10
∧6PFU)後4日目でのマウスからの肺組織のIHC/SARS-CoV-2スパイクおよびH&Eを示す。
【0022】
【
図6】例2において、LepA処置が接種後12時間で開始されるSARS-CoV-2接種(10
∧6PFU)後7日目でのK18-hACE2トランスジェニックマウスの肺組織のIHC/SARS-CoV-2スパイクおよびH&Eを示す。
【0023】
【
図7】LepA処置が接種後12時間で開始されるSARS-CoV-2接種(10
∧6PFU)後4日目でのK18-hACE2トランスジェニックマウスの脳組織のIHC/SARS-CoV-2スパイクおよびH&Eを示す。
【0024】
【
図8】例2において、LepA処置が接種後12時間で開始されるSARS-CoV-2接種(10
∧6PFU)後7日目でのK18-hACE2トランスジェニックマウスの脳組織のIHC/SARS-CoV-2スパイクおよびH&Eを示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本開示の様々な実施形態により、肺および/または脳の組織に対する損傷の防止および改善(これらはまとめて、「処置」として示される場合がある)が可能となる。
【0026】
ウイルス感染(および他の感染性因子)、無菌性の化学的損傷、およびARDS他などの状態は、生体組織細胞を損傷するROS(活性酸素種)の生成を誘発する侵害性ストレスを引き起こす場合がある。JAK/STATシグナル伝達経路が、レプチン/レプチン受容体複合体の局所的活性化によって駆動されるので、これらの状況のもとで細胞に影響を及ぼし、これにより、局所的炎症および細胞アポトーシスを促進させる重要な経路である。局所的LepA療法により、侵害性ストレスによって損傷している生体細胞の完全性および生存能が保護され、かつ保たれる。
【0027】
本開示の1つの実施形態により、組織再構築に起因する組織に対する損傷、例えば、肺組織への感染(例えば、コロナウイルス感染など)の後での組織再構築に起因する組織損傷を処置することが可能となる。
【0028】
1つの実施形態において、コロナウイルス感染患者を処置するための方法が提供される。この方法は、レプチンアンタゴニストを患者の気道(例えば、上気道および肺)に局所的に投与することを含む。
【0029】
本開示の1つの実施形態により、損傷した組織に局所的に適用するための、レプチンアンタゴニスト(LepA)を含有する組成物が提供される。1つの実施形態において、組成物は0.9%生理食塩水溶液に溶解したLepAを含む。別の実施形態において、組成物はLepAの乾燥した微視的粉末を含む。典型的には、組成物は、エアロゾル形態で投与されるように設計される。
【0030】
コロナウイルス感染患者を処置するための方法、および上記で記載される組成物はまた、患者の肺におけるウイルス量を減少させること、患者の肺における炎症を軽減させること、患者の肺の遠位の気管支上皮細胞および肺胞上皮細胞の完全性および生存能を保つこと、損傷した肺細胞におけるサイトカイン合成を阻止すること、サイトカインレベルの全身的増大を防止し、それにより、患者の肺から離れた器官に影響を及ぼすことが知られているサイトカインストームを防止すること、患者の脳におけるウイルス量を減少させ、患者の鼻の細胞ならびに嗅上皮細胞および嗅神経細胞を介したコロナウイルスの神経侵害を軽減させること、ならびに静脈および/または動脈の血栓症を促進させることが知られている血液凝固性亢進を低下させることの1つまたは複数について有用である場合がある。
【0031】
レプチンアンタゴニストは、組織におけるレプチン活性を典型的には当該組織への局所的投与によりダウンレギュレーションすることが可能である作用物質を示す。そのような作用物質には、レプチンもしくはレプチン受容体に局所的に結合すること、および/またはレプチンもしくはレプチン受容体を局所的に分解することが可能である分子、化合物または成分、同様にまた、レプチンおよび/またはレプチン受容体の発現をDNAレベルまたはRNAレベルで局所的にダウンレギュレーションすることが可能である分子、化合物または成分(すなわち、転写または翻訳を局所的に阻止することが可能である作用物質)が含まれる場合がある。本明細書中に例示される実施形態において、LepAには、天然の哺乳動物レプチンのムテイン(変異体)、例えば、組換えによる16KDタンパク質、すなわち、生来的な内因性レプチンと比較してレプチン受容体に対する60倍高い親和性を示すSMLA(超活性なマウスレプチンアンタゴニスト)およびSHLA(超活性なヒトレプチンアンタゴニスト)のような類似した親和性またはより高い親和性によりレプチン受容体に結合することができ、しかし、形成された複合体がレプチン受容体活性化効力を欠いている、天然に合成されたレプチンホルモンの変異体が含まれる。したがって、この変異体は内因性レプチンの活性を阻止し、または弱める。1つの実施形態において、ヒトレプチンホルモンの変異体が使用され、例えば、超活性なヒトレプチンアンタゴニストSHLA(PLR Ldtによって頒布される;例えば、カタログ番号SLAN-2 GENE ID 3952、またはカタログ番号番号SLAN-1 GENE ID 16846)などが使用される。
【0032】
組成物におけるLepAの治療効果的な量(効果的な送達量)は、器官に依存して、具体的には治療予定の組織のサイズに依存して変動する場合がある。標的組織に対するLepAの局所的な直接的適用では、単離された器官における明確にされた損傷組織に対処するための動脈内への選択的なLepA投与と比較して、より少ない用量が要求される。本開示の実施形態において、LepA療法は局所的適用のみのために(例えば、エアロゾルを介して)使用され、全身的散布によって使用されない。1つの実施形態において、例えば、コロナウイルス(例えば、COVID19)に感染した患者の処置のために使用されるときには、LepAの効果的な送達用量(10μg~100μg)が、直接吸入により、(場合によっては毎日の処置あたり)肺に送達される。
【0033】
1つの実施形態において、組成物はSHLA(超活性なヒトレプチンアンタゴニスト)を含む。
【0034】
本明細書中で使用される場合、用語「投与」は、例えば、エアロゾルデバイス、吸入器デバイス、人工呼吸器、または有効成分(例えば、LepAおよび場合によっては他の治療剤)を患者の上気道および肺に送達することが可能である別のデバイスを介して、処方量のLepAを患者の肺に導入することを意味する。
【0035】
本開示の実施形態による様々な組成物が、肺を標的とするために特に設計される場合がある。例えば、組成物はエアロゾル形態である場合がある。吸入されたエアロゾルの使用により、肺の選択的処置が、高い薬物濃度が下気道において達成されることによって直接的に可能となる。
【0036】
空気動力学的中央粒子径(mass median aerodynamic diameter;MMAD)が4.5μm未満であるエアロゾルが、小さい気管支および細気管支の効果的な標的化のために使用される。より小さいサイズのMMADを有するエアロゾルが、微小液滴を肺胞において遠位に沈着させるために好都合であるに違いない。本開示の1つの実施形態によれば、上気道および肺組織への効果的な局所的適用のための吸入可能組成物はレプチンアンタゴニストを含み、MMADが1.5μmであるエアロゾル液滴を有する。いくつかの実施形態において、組成物は、MMADが1.5μm~4.5μmの範囲にあるエアロゾル液滴を有する。
【0037】
いくつかの実施形態において、非キャリア型の乾燥粉末組成物が使用される場合がある。この組成物は、乾燥粉末としての凍結乾燥されたLepAを含む場合があり、コロナウイルスに感染した患者を処置するための方法、または損傷した(例えば、どのような理由からであれ損傷した)肺を処置するための方法は、組成物を患者の肺組織に送達するための乾燥粉末吸入器の使用を含む。いくつかの実施形態において、乾燥粉末吸入器による投与のためのLepAのキャリア型組成物が提供される。
【0038】
いくつかの実施形態において、乾燥粉末吸入器による投与のための、LepAおよび効力制御剤(force control agent)を含有するキャリア型組成物が提供される。いくつかの実施形態において、乾燥粉末吸入器による投与のためのLepAのキャリア型組成物であって、微細粒子画分(FPF)が1.5μm未満であり、いくつかの実施形態では0.5μm未満であるキャリア型組成物が提供される。
【0039】
いくつかの実施形態において、吸入可能組成物は、粒子の50%超が1.5μm未満であるFPFを有する。
【0040】
本開示の実施形態による様々な組成物が、患者に投与するための様々な好適な容器に詰められる場合がある。例えば、組成物は、投与のための総用量を含有するカプセルに充填される場合がある。カプセルは、乾燥粉末吸入器デバイスまたは他の好適な肺投与デバイスを使用することによる患者による肺投与のために設計される場合がある。
【0041】
いくつかの実施形態において、加圧定量吸入器、ソフトミスト吸入器、およびスマートミスト吸入器が、LepAの投与のために使用される場合がある。ミスト吸入器のために、水性溶液が使用される場合がある。1つの実施形態において、0.9%生理食塩水溶液に溶解したLepAが、例えば、ネブライザー、吸入器または換気補助器を介して、患者に投与される。ネブライザーが自発的用手呼吸のために使用される場合があり、一方、換気補助器、例えば、機械的呼吸器が、重度呼吸不全の患者または意識不明の患者において使用される場合がある。
【0042】
本開示の発明者らは、レプチンアンタゴニスト(LepA)をコロナウイルス感染マウスにおいて肺に、エアロゾルを介して局所的に投与することは、ウイルス量を減少させ、ウイルス排除を促進させ、かつ、肺における炎症促進性サイトカインの発現を低下させたことを示している。患部肺細胞によるサイトカイン合成の阻害は、全身的なサイトカインレベルをコロナウイルスに感染した対象において低下させ、したがって、このことにより、全身的なサイトカインストーム、血管炎、全身的な凝固障害、および離れた器官(例えば、心臓、腎臓、脳および筋肉など)における損傷を防止することが予想される。
【0043】
エアロゾルを介したLepA処置は、ウイルス感染、重度の炎症、および細胞の損傷軽減から脳を保護することにおいて効果的であることが見出された。このことが、嗅球を経由したCNS内へのウイルスの直接的な侵入を防止することによって特に達成された。LepA処置はまた、患者の脳におけるウイルス量を減少させること、そして患者の鼻の細胞ならびに嗅上皮細胞および嗅神経細胞を介したコロナウイルスの神経侵害を軽減させることにおいて効果的であることが見出された。
【0044】
下記に記載される例において、SARS-CoV-2感染時の損傷した肺組織および/または脳組織を保護すること、または処置することにおけるLepAの有益な効果が、ヒトACE2のトランスジェニックマウスモデルを使用して示された。
【0045】
本明細書中に記載される実験で使用されるLepAには、SMLA、すなわち、ヒト型であるSHLAと構造的および機能的に類似するマウス型が含まれる。
【0046】
レプチンアンタゴニストであるSHLAおよびSMLAは、レプチン受容体に対する親和性が、内因性レプチンと比較して60倍大きい。SMLAを使用する以前の実験では、毒性の徴候が何ら認められず、末梢循環への全身的な漏出の証拠が何ら認められず、また、全身的なホルモン乱れも認められなかった。
【0047】
以下の例では、損傷した組織を処置すること、組織を感染(例えば、肺のウイルス感染および/または細菌感染)から保護すること、感染組織におけるウイルス感染の効果的な排除を促進することにおけるLepAの好都合な特性、同様にまた、本開示が実際にどのように実施され得るかの様々な局面が例示される。これらの例は、本開示の範囲を限定するためには意図されない。
【0048】
例1
例1は、肺に適用されるようなLepAエアロゾル療法の安全性を、7日間にわたって適用後モニターされたマウスにおいて明らかにする。
【0049】
材料および方法:
【0050】
野生型C57BL/6マウスをこの実験では使用した。マウスを、(マウス/肺あたりおよそ1μgのLepAを送達する)エアロゾルを介して肺に投与されるLepAにさらした。1mgのLepAを0.9%生理食塩水溶液に溶解し、臨床的にハイグレードのeFlow迅速ネブライザーシステム(PARI)に導入した。処置後、マウスを追跡調査し、選択されたマウスを治療後1日目、3日目および7日目に屠殺して、肺の組織学を評価した。
【0051】
結果:
【0052】
図1に示される組織学的結果は、保たれた組織完全性および細胞生存能を明らかにする経時的分析を示す。損なわれた肺機能を示唆する徴候もまた何ら認められなかった。すべてのマウスが、正常な行動をLepAエアロゾル療法の後で示した。
【0053】
例2
例2は、高用量のSARS-CoV-2ウイルス(10∧6 PFU)(WA1/2020株)が接種された後のヒトACE2トランスジェニックマウスの肺に施されるLepAエアロゾル療法の結果を明らかにする。LepAを、連続する7日間にわたって1日1回、エアロゾルを介して投与した(1日あたり1匹のマウスにつき肺に送達される推定用量が1μgであった)。結果から、肺における減少したウイルス量、低下した炎症変化、および阻害されたサイトカイン(TNFαおよびIL-6)合成の証拠が得られる。例2における実験の結果からはまた、LepAエアロゾル処置が脳におけるウイルス量を減少させ、かつ、ウイルスのCNS(中枢神経系)内への直接的な神経侵害を防止することが示された。このことが、最も恐らくは、上気道を介した吸入LepAの影響(これにより、鼻甲介の上皮細胞裏層が保護される)、および直接的には嗅神経を介した吸入LepAの影響によってもまた達成されている。
【0054】
材料および方法:
【0055】
様々な研究により、SARS-CoV-2は、ヒトアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)に結合することによってヒト細胞に進入することが示されている。トランスジェニックhACE2マウスが、ヒトサイトケラチン18(K18)プロモーターの制御下にあるヒトACE2コード配列を野生型マウスに導入して、hACE2トランスジェニックマウス株を作製することによって作り出されている。ACE2発現が、感染した気道上皮細胞で認められた。K18-hACE2トランスジェニックマウスへのSARS-CoV-2の鼻腔内接種が神経侵害を促進させることが、本開示の発明者らおよび他者によって示されている。このモデルにおける感染時の死亡原因は不明であり、肺に誘発された病理または肺炎によって至らされる可能性は低い。しかしながら、このモデルでは、肺および脳がSARS-CoV-2に重症感染している。感染は気道上皮で始まり、下部呼吸器に広がり、その後、脳に広がる。感染は、肺におけるマクロファージおよびリンパ球の浸潤、ならびに肺および脳における炎症促進性サイトカインおよびケモカインのアップレギュレーションを引き起こしている。感染後、K18-hACE2マウスは、体重が急速に減少し、嗜眠状態および呼吸困難になることが示された。
【0056】
COVID19において肺に施されるLepA処置の効力を詳しく調べるために、SARS-CoV-2感染のマウスモデル(K18-hACE2)を使用した。ACE2 TGマウスを、Jackson laboratoriesから購入した。20匹のマウスにSARS-CoV-2ウイルス(10∧6 PFU)を鼻腔内接種した。
【0057】
第I相:
【0058】
超活性なマウスレプチンアンタゴニスト(SMLA)-LepA(n=10)、または生理食塩水(n=10)を、連続する3日間にわたってエアロゾルを介して投与した。
【0059】
LepA療法をウイルスの鼻腔内接種の24時間後に開始した。
【0060】
それぞれの群からの5匹のマウスを接種後(DPI)4日目に屠殺し、生存動物をDPI-11において安楽死させた。
【0061】
第II相:
【0062】
LepA療法を、(第I相で使用される24時間間隔の代わりに)ウイルスを接種した12時間後に施した。同様に、LepA療法の継続期間を3日間から7日間に延ばした。
【0063】
第I相の結果:
【0064】
肺組織および脳組織の免疫組織化学(IHC)、ならびにヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)染色を使用する組織化学を含めた組織学的検査を、DPI-4およびDPI-11のマウスに対して行った。
【0065】
図2はLepA処置肺組織DPI-4(上段左側)対生理食塩水対照肺組織DPI-4(下段)対正常肺組織(上段右側)のH&Eを示し、これらから、LepA処置の組織は非損傷(正常肺組織と同じ)であるように見え、それに対して、生理食塩水処置の組織は損傷していることが明らかにされる。
【0066】
ウイルス量、IL-6およびTNFαのmRNAレベルをDPI-4のマウスにおいて評価した。
【0067】
図3Aは、LepAにより処置される組織に対して、生理食塩水により処置される肺組織おけるウイルス量を示す。LepA処置マウスにおいて肺組織は、mg組織あたり10
7未満のウイルスRNAコピー数に低下したウイルス量を示し、これに対して、生理食塩水処置の肺組織ははるかに高いウイルス量を示すことが明らかにされた。mg組織あたり10
7未満のウイルスRNAコピー数のウイルス量を有する組織は、(組織学によって明らかにされるように)生産的に感染しておらず、したがって、LepA処置の肺は、生理食塩水処置の対照と比較して、より低いウイルス量および活性ウイルス複製の非存在を示したと結論づけられている。
【0068】
図3Bは、生理食塩水処置肺組織対LepA処置肺組織におけるTNFαおよびIL6のmRNA発現をDPI-4のマウスにおいてまとめたものである。TNFαおよびIL6の両方の発現が、生理食塩水処置マウスに対して、LepA処置マウスからの肺では低くなっており、このことから、ウイルス量とTNFα/IL6発現との間における相関が示された。これらの結果から、SARS-CoV-2感染マウスのLepA処置の明らかな効果が示され、LepA処置が肺組織を過剰な炎症から保護することが示唆される。
【0069】
第II相の結果:
【0070】
図4は、生理食塩水またはLepAにより処置されるK18-hACE2トランスジェニックマウスの肺組織および脳組織におけるウイルス量をSARS-CoV-2接種(10
∧6PFU)後4日目および7日目において示す。LepA処置を接種後12時間で開始した。
図3Aおよび
図4に示される結果は、LepA処置が肺および脳のウイルス量を減少させることを明らかにする。
【0071】
図5は、LepA処置マウスに対する生理食塩水処置(対照)マウスからの肺組織のIHC/SARS-CoV-2スパイク(下段)およびH&E(上段)をDPI-4において示す。
【0072】
図6は、LepA処置マウスからの肺組織のIHC/SARS-CoV-2スパイク(下段)およびH&E(上段)をDPI-7において示す。
【0073】
図7は、LepA処置マウスに対する生理食塩水処置マウスからの脳組織のIHC/SARS-CoV-2スパイク(下段)およびH&E(上段)をDPI-4において示す。
【0074】
図8は、LepA処置マウスからの脳(上段)組織のIHC/SARS-CoV-2スパイク(下段)およびH&EをDPI-7において示す。
【0075】
LepA処置マウスはウイルススパイク抗原をDPI-4およびDPI-7で脳において全く明らかにせず、これに対して、生理食塩水処置マウスはコロナウイルススパイク抗原をDPI4で示し(
図7において矢印によって示される)、DPI-7でははるかに高い密度で示した(
図8において矢印によって示される)。
【0076】
嗅球の分析により、LepA処置マウスは、ウイルススパイク抗原の存在をDPI-4で示すことは稀であり、その非存在をDPI-7で示し、一方、生理食塩水処置マウスは、嗅球におけるウイルス抗原が多量であることを両方の時点でもたらしたことが明らかになった。
【0077】
これらの結果は、LepAが肺からのウイルス排除を促進し、脳を神経侵害から保護することを示す。
【0078】
体重減少または生存における差がLepA処置マウスと対照マウスとの間で何ら明らかにされなかった。特筆すべきことに、いくつかの証拠により、ACE2 TGマウスは最も恐らくは、肺機能不全または神経学的損傷とは別の原因で死亡することが示唆されるので、死亡率はこの試験における終了点ではなかった。
【0079】
本明細書中に記載される例は、コロナウイルス感染動物のLepA処置が重度の肺炎症からの保護をもたらし、ウイルス量を減少させ、かつウイルス排除を促進させ、そして肺組織におけるIL-6およびTNFαのmRNAアップレギュレーションを防止することを明らかにする。
【0080】
上記結果に基づいて、エアロゾル吸入を介した選択的な局所的LepA療法は高度な保護的利益をSARS-CoV-2感染時において、また、恐らくはではあるが、同様に、他のウイルスおよび病原体による様々な肺感染においてももたらすと推定することができる。また、この治療法は、どのような原因によってであれ化学的肺損傷およびARDS(急性呼吸窮迫症候群)の場合において、細胞の完全性、生存能および機能を保護する有益な効果をもたらすに違いない。
【0081】
LepAエアロゾル療法は、本開示の様々な実施形態によって提供される場合、短時間作用性であり、かつ、損傷した肺組織を、全身的なLepA散布を伴うことなく救済するために患部組織に局所的に適用される。局所的に適用され、損傷した肺組織における有害な再構築および局所的炎症を阻止するにもかかわらず、本処置は結果的には全身的なサイトカインストームを減弱させ、これにより、血管炎、全身的な凝固障害、ならびに離れた器官に対する損傷を防止する。したがって、本開示の様々な実施形態は、損傷した肺組織および/または脳組織に対する効果的かつ安全な治療法を提供しており、コロナウイルス感染患者を効果的かつ安全に処置するために使用される場合がある。
【国際調査報告】