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2023-522949CD73調節のための化合物及び方法並びにそれらの表示
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-01
(54)【発明の名称】CD73調節のための化合物及び方法並びにそれらの表示
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/14 20060101AFI20230525BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20230525BHJP
   C07D 403/14 20060101ALI20230525BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230525BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20230525BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230525BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20230525BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20230525BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20230525BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20230525BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20230525BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20230525BHJP
   C07D 413/14 20060101ALI20230525BHJP
   C07D 487/08 20060101ALI20230525BHJP
   C07D 491/107 20060101ALI20230525BHJP
   C07D 417/14 20060101ALI20230525BHJP
   A61K 31/501 20060101ALI20230525BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20230525BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20230525BHJP
   C07D 471/08 20060101ALI20230525BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20230525BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20230525BHJP
【FI】
C07D401/14
C07D405/14 CSP
C07D403/14
A61P43/00 121
A61K45/00
A61P35/00
A61P29/00
A61P25/28
A61P35/02
A61P25/16
A61P25/00
A61K39/395 N
C07D413/14
C07D487/08
C07D491/107
C07D417/14
A61K31/501
A61K31/506
A61K31/5377
C07D471/08
A61P43/00 111
A61P43/00 105
A61P13/12
A61P1/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022564088
(86)(22)【出願日】2021-04-22
(85)【翻訳文提出日】2022-12-16
(86)【国際出願番号】 US2021028677
(87)【国際公開番号】W WO2021216898
(87)【国際公開日】2021-10-28
(31)【優先権主張番号】63/014,523
(32)【優先日】2020-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】522410215
【氏名又は名称】オプナ バイオ ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シ、ソンユアン
(72)【発明者】
【氏名】ベル、ジョン
(72)【発明者】
【氏名】グオ、ズオチュン
(72)【発明者】
【氏名】リー、クオン
(72)【発明者】
【氏名】スペヴァック、ウェイン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンダー ヴァル、マーク
(72)【発明者】
【氏名】ヴァレシャウザー、ジャック
(72)【発明者】
【氏名】チャン、チャオ
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ジャーチョン
【テーマコード(参考)】
4C050
4C063
4C065
4C084
4C085
4C086
【Fターム(参考)】
4C050AA03
4C050AA04
4C050BB04
4C050BB07
4C050CC07
4C050CC08
4C050CC16
4C050EE02
4C050FF01
4C050GG01
4C050GG02
4C050HH04
4C063AA03
4C063AA05
4C063BB01
4C063BB02
4C063BB03
4C063BB08
4C063CC22
4C063CC28
4C063CC34
4C063CC51
4C063CC54
4C063CC62
4C063CC72
4C063CC73
4C063CC78
4C063DD03
4C063DD10
4C063DD12
4C063DD22
4C063DD28
4C063EE01
4C065AA09
4C065BB04
4C065CC01
4C065DD01
4C065EE02
4C065HH05
4C065JJ01
4C065KK01
4C065LL01
4C065PP09
4C065PP11
4C065PP12
4C084AA19
4C084NA05
4C084ZA021
4C084ZA151
4C084ZA161
4C084ZA751
4C084ZA811
4C084ZB111
4C084ZB211
4C084ZB261
4C084ZB271
4C084ZC521
4C084ZC751
4C085AA01
4C085AA14
4C085CC23
4C085EE03
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC41
4C086BC50
4C086BC67
4C086BC82
4C086CB05
4C086CB22
4C086GA02
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA09
4C086GA10
4C086GA12
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZA15
4C086ZA16
4C086ZA75
4C086ZA81
4C086ZB11
4C086ZB21
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC52
4C086ZC75
(57)【要約】
式(I)の化合物、
【化1】

又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体若しくは重水素化類似体であって、式中、R、R、R、A、E、L及びGは、本開示に記載される実施形態のいずれかに記載の通りである化合物、その組成物、及びその使用が開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iを有する化合物、
【化1】

又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体若しくは重水素化類似体であって、式中、
Aは、5~6員芳香環又は4~7員窒素含有ヘテロシクロアルキルであり、Aは、0~3個のRで置換されており、但し、環Aが4~7員窒素含有ヘテロシクロアルキルである場合、式Iのピリダジノン部分は、Aの窒素原子に結合しており、
Eは、フェニル又は5員若しくは6員ヘテロアリールであり、Eは、0~3個のQ及び0~1個のR11で置換されており、但し、Eが5員又は6員ヘテロアリールである場合、Oは、Eのヘテロ原子に結合しておらず、
Lは、存在しない、-C(O)N(H)-、C~Cアルキレン、-N(H)-又は-O-であり、
Gは、以下の基:
(a)0~4個のT及び0~1個のTで置換されたシクロアルキル、
(b)0~4個のT及び0~1個のTで置換されたシクロアルケニル、
(c)0~4個のT及び0~1個のTで置換された架橋炭素環、
(d)1つの共通のスピロ炭素原子によって結合された2つのシクロアルキル基を含む炭素環式スピロ環であって、前記炭素環式スピロ環が0~4個のT及び0~1個のTで置換されている、炭素環式スピロ環、
(e)少なくとも1つのヘテロ原子を有する2つの環式基を含む複素環式スピロ環であって、前記2つの環式基が1つの共通のスピロ炭素原子によって結合されており、前記複素環式スピロ環が0~3個のT、0~1個のTで置換されている、複素環式スピロ環、
(f)0~4個のT及び0~1個のTで置換されたフェニル、
(g)0~4個のT及び0~1個のTで置換されたヘテロシクロアルキル、
(h)0~4個のT及び0~1個のTで置換されたヘテロシクロアルケニル、
(i)0~4個のT及び0~1個のTで置換された架橋複素環、又は
(j)0~3個のT及び0~1個のTで置換されたヘテロアリール、
のうちの1つであり、
各Qは独立して、ハロゲン、CN、又は1~3個のハロゲンで置換されていてもよいアルキルであり、
各Tは独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、1~3個のRで置換されていてもよいアルキル、1~3個のRで置換されていてもよいアルケニル、1~3個のRで置換されていてもよいアルキニル、CN、シアノアルキル、1~3個のRで置換されていてもよいアルコキシル、又は1~3個のRで置換されていてもよいアルコキシアルキルであり、
は、-(CH0~3-N(R)SO-R、-(CH0~3-SO-R、-(CH0~3-SON(R)R、-(CH0~3-N(R)SON(R)R、-(CH0~3-N(R)C(O)N(R)R、-(CH0~3-N(R)C(O)R、-(CH0~3-N(R)C(O)OR、-(CH0~3-N(R)R、-(CH0~3-C(O)N(R)R、-(CH0~3-C(O)OR、-(CH0~3-C(O)R10、-(CH0~3-C(O)H、-(CH0~3-N(R)C(O)R10、1~4個のZで置換されていてもよい-(CH0~3シクロアルキル、1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~3-フェニル、又は1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~3ヘテロアリールであり、
は、-(CH0~3-C(O)N(R)R、-(CH0~3-N(R)R、-(CH0~3-C(O)OR、-(CH0~3-シクロアルキル、-(CH0~3-シクロアルケニル、-(CH0~3-ヘテロシクロアルキル、-(CH0~3-ヘテロシクロアルケニル、4-クロロピリダジン-3-オン-5-イルで置換されていてもよい-O-ヘテロシクロアルキル、又は-(CH0~3-架橋炭素環であり、前記-(CH0~3-シクロアルキル、-(CH0~3-シクロアルケニル、-(CH0~3-ヘテロシクロアルキル、-(CH0~3-ヘテロシクロアルケニル、又は-(CH0~3-架橋炭素環は、それぞれ1~3個のZ及び0~1個のZで置換されていてもよく、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、GはTの酸素原子又は窒素原子に結合することができず、
は、-(CH0~3C(O)OR、-(CH0~3-N(R)C(O)R、-(CH0~3-N(R)SO-R、-(CH0~3-SO-R、-(CH0~3-SON(R)R、-(CH0~3-N(R)C(O)N(R)R、又はN(Rであり、
各Tは独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、1~3個のRで置換されていてもよいアルキル、1~3個のRで置換されていてもよいアルケニル、1~3個のRで置換されていてもよいアルキニル、CN、シアノアルキル、1~3個のRで置換されていてもよいアルコキシル、又は1~3個のRで置換されていてもよいアルコキシアルキルであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Tは、ハロゲン、ヒドロキシル、CN、又は1~3個のRで置換されていてもよいアルコキシルであることはできず、
は、-(CH0~3-N(R)SO-R、-(CH0~3-SO-R、-(CH0~3-SON(R)R、-(CH0~3-N(R)SON(R)R、-(CH0~3-N(R)C(O)N(R)R、-(CH0~3-N(R)C(O)R、-(CH0~3-N(R)C(O)OR、-(CH0~3-N(R)R、-(CH0~3-C(O)-N(R)R、-(CH0~3-C(O)OR、-(CH0~3-C(O)R10、-(CH0~3-N(R)C(O)R10、-N(H)C(H)C=O、1~4個のZで置換されていてもよい-(CH0~3シクロアルキル、1~4個のZで置換されていてもよい-(CH0~2ヘテロシクロアルキル、1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~3ヘテロアリール、又は4-クロロピリダジン-3-オン-5-イルであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、Tの酸素原子又は窒素原子に結合することができず、
は、H又はアルキルであり、
は、ハロゲン、CN、CF又はヒドロキシルであり、但し、1個以下のRがCFであってもよく、
は、H、アルコキシアルキル、0~4個のZで置換されたアルケニル、又は0~4個のZで置換されたC~Cアルキルであり、
は、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルコキシル、ハロアルキル、CF又はCNであり、
は、H、ハロゲン、アルキル、CN又はハロアルキルであり、
各Rは独立して、ハロゲン、CN、又は1~3個のハロゲンで置換されていてもよいアルキルであり、
は、1~4個のZで置換されていてもよいアルキル、1~4個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-シクロアルキル、1~4個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-フェニル、1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-ヘテロアリール、又は1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-ヘテロシクロアルキルであり、
は、H、1~4個のZで置換されていてもよいアルキル、1~4個のZで置換されていてもよいアルケニル、1~4個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-シクロアルキル、1~4個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-フェニル、1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-ヘテロアリール、1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-ヘテロシクロアルキル、又は0~5個のTで置換された架橋炭素環であり、
各Rは独立して、H又は1~4個のZで置換されていてもよいアルキルであり、
10は、0~4個のZで置換されたアルキル、1~4個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-シクロアルキル、1~4個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-フェニル、1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-ヘテロアリール、又は1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-ヘテロシクロアルキルであり、
11は、NHであり、
は、シアノアルキル、-(CH0~2-C(O)OR、-(CH0~2-C(O)-N(R)Rであり、但し、Zがヘテロ原子に結合している場合、ZはC(O)ORではなく、
各Zは独立して、ヒドロキシル、ハロゲン、NH又はCNであり、但し、1個以下のZは、NHであってもよく、
各Zは独立して、アルキル、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシル、アルコキシアルキル、又はCNであり、
各Zは独立して、ヒドロキシル、ハロゲン、アルコキシル、又はCNであり、
各Zは独立して、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、ハロゲン、アルコキシル、アルコキシアルキル、CN又はシアノアルキルであり、但し、Zがヘテロ原子に結合している場合、Zは、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシル又はCNではない、化合物。
【請求項2】
環Aが、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、イミダゾール、チアゾール又はピラゾリルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式IIを有する請求項1に記載の化合物、
【化2】

又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体若しくは重水素化類似体であって、式中、Lは存在しない、-N(H)-若しくは-O-であり、mは0~2である、化合物。
【請求項4】
式IIIa又はIIIbを有する請求項1に記載の化合物、
【化3】

又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体若しくは重水素化類似体であって、式中、
Eは、フェニル又は6員ヘテロアリールであり、Eは、0~2個のQで置換されており、但し、Eが6員ヘテロアリールである場合、OはEのヘテロ原子に結合しておらず、
Gは、以下の基:
(k)0~3個のT及び0~1個のTで置換されたC~Cシクロアルキル、
(l)0~3個のT及び0~1個のTで置換されたC~Cシクロアルケニル、
(m)0~3個のT及び0~1個のTで置換された5~9員架橋炭素環、
(n)1つの共通のスピロ炭素原子によって結合された2つのシクロアルキル基を含む5~9員炭素環式スピロ環であって、前記炭素環式スピロ環が0~3個のT及び0~1個のTで置換されている、5~9員炭素環式スピロ環、
(o)少なくとも1つのヘテロ原子を有する2つの環式基を含む6~9員複素環式スピロ環であって、前記2つの環式基が1つの共通のスピロ炭素原子によって結合されており、前記複素環式スピロ環が0~3個のT、0~1個のTで置換されている、6~9員複素環式スピロ環、
(p)0~3個のT及び0~1個のTで置換されたフェニル、
(q)0~3個のT及び0~1個のTで置換された4~6員ヘテロシクロアルキル、
(r)0~3個のT及び0~1個のTで置換された4~6員ヘテロシクロアルケニル、
(s)0~3個のT及び0~1個のTで置換された5~9員架橋複素環、又は
(t)0~3個のT及び0~1個のTで置換された5~6員ヘテロアリール、
のうちの1つであり、
各Qは独立して、ハロゲン、CN、又は1~3個のハロゲンで場合により置換されていてもよいC~Cアルキルであり、
各Tは独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、1~3個のRで置換されていてもよいC~Cアルキル、1~3個のRで置換されていてもよいC~Cアルケニル、1~3個のRで置換されていてもよいC~Cアルキニル、CN、C~Cシアノアルキル、1~3個のRで置換されていてもよいC~Cアルコキシル、又は1~3個のRで置換されていてもよいC~CアルコキシC~Cアルキルであり、
は、-(CH0~2-N(R)SO-R、-(CH0~2-SO-R、-(CH0~2-SON(R)R、-(CH0~2-N(R)SON(R)R、-(CH0~2-N(R)C(O)N(R)R、-(CH0~2-N(R)C(O)R、-(CH0~2-N(R)C(O)OR、-(CH0~2-N(R)R、-(CH0~2-C(O)N(R)R、-(CH0~2-C(O)OR、-(CH0~2-C(O)R10、-(CH0~2-C(O)H、-(CH0~2-N(R)C(O)R10、1~4個のZで置換されていてもよい-(CH0~2~Cシクロアルキル、1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~2-フェニル、又は1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~2-5~6員ヘテロアリールであり、
は、-(CH0~2-C(O)N(R)R、-(CH0~2-N(R)R、-(CH0~2-C(O)OR、-(CH0~2-C~Cシクロアルキル、-(CH0~2-5~6員ヘテロシクロアルキル、4-クロロピリダジン-3-オン-5-イルで置換されていてもよい-O-5~6員ヘテロシクロアルキル、又は-(CH0~2-5~9員架橋炭素環であり、前記-(CH0~2-C~Cシクロアルキル、-(CH0~2-5~6員ヘテロシクロアルキル、又は-(CH0~2-5~9員架橋炭素環は、それぞれ1~3個のZ及び0~1個のZで置換されていてもよく、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、GはTの酸素原子又は窒素原子に結合することができず、
は、-(CH0~2C(O)OR、-(CH0~2-N(R)C(O)R、-(CH0~2-N(R)SO-R、-(CH0~2-SO-R、-(CH0~2-SON(R)R、-(CH0~2-N(R)C(O)N(R)R、又はN(Rであり、
各Tは独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、1~3個のRで置換されていてもよいC~Cアルキル、1~3個のRで置換されていてもよいC~Cアルケニル、1~3個のRで置換されていてもよいC~Cアルキニル、CN、C~Cシアノアルキル、1~3個のRで置換されていてもよいC~Cアルコキシル、又は1~3個のRで置換されていてもよいC~CアルコキシC~Cアルキルであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Tは、ハロゲン、ヒドロキシル、CN、又は1~3個のRで置換されていてもよいC~Cアルコキシルであることはできず、
は、-(CH0~2-N(R)SO-R、-(CH0~2-SO-R、-(CH0~2-SON(R)R、-(CH0~2-N(R)SON(R)R、-(CH0~2-N(R)C(O)N(R)R、-(CH0~2-N(R)C(O)R、-(CH0~2-N(R)C(O)OR、-(CH0~2-N(R)R、-(CH0~2-C(O)-N(R)R、-(CH0~2-C(O)OR、-(CH0~2-C(O)R10、-(CH0~2-N(R)C(O)R10、-N(H)C(H)C=O、1~4個のZで置換されていてもよい-(CH0~2-C~Cシクロアルキル、1~4個のZで置換されていてもよい-(CH0~2-5~6員ヘテロシクロアルキル、1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~3-5~6員ヘテロアリール、又は4-クロロピリダジン-3-オン-5-イルであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、GはTの酸素原子又は窒素原子に結合することができず、
は、H又はC~Cアルキルであり、
は、ハロゲン、CN、CF又はヒドロキシルであり、但し、1個以下のRがCFであってもよく、
は、水素、C~CアルコキシC~Cアルキル、1~4個のZで置換されたC~Cアルケニル、又は1~4個のZで置換されたC~Cアルキルであり、
は、H、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルコキシル、C~Cハロアルキル、CF又はCNであり、
は、H、ハロゲン、C~Cアルキル、CN又はC~Cハロアルキルであり、
各Rは独立して、ハロゲン、CN、又は1~3個のハロゲンで置換されていてもよいC~Cアルキルであり、
は、1~4個のZで置換されていてもよいC~Cアルキル、1~4個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル、1~4個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-フェニル、1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-5~6員ヘテロアリール、又は1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-5~6員ヘテロシクロアルキルであり、
は、H、1~4個のZで置換されていてもよいC~Cアルキル、1~4個のZで置換されていてもよいC~Cアルケニル、1~4個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル、1~4個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-フェニル、1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-5~6員ヘテロアリール、1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-5~6員ヘテロシクロアルキル、又は0~4個のTで置換されている5~9員架橋炭素環であり、
各Rは独立して、H又は1~4個のZで置換されていてもよいC~Cアルキルであり、
10は、0~4個のZで置換されたC~Cアルキル、1~4個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル、1~4個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-フェニル、1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-5~6員ヘテロアリール、又は1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-5~6員ヘテロシクロアルキルであり、
11は、NHであり、
は、C~Cシアノアルキル、-(CH0~2-C(O)OR、-(CH0~2-C(O)-N(R)Rであり、但し、Zがヘテロ原子に結合している場合、Zは、-C(O)ORではなく、
各Zは独立して、ヒドロキシル、ハロゲン、CNであり、
各Zは独立して、C~Cアルキル、ハロゲン、C~Cハロアルキル、ヒドロキシル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cアルコキシル、又はCNであり、
各Zは独立して、ヒドロキシル、ハロゲン、C~Cアルコキシル、又はCNであり、
各Zは独立して、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、ヒドロキシル、C~Cヒドロキシアルキル、ハロゲン、C~Cアルコキシル、CN又はC~Cシアノアルキルであり、但し、Zがヘテロ原子に結合している場合、Zは、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cアルコキシル又はCNではない、化合物。
【請求項5】
Eがフェニル又は6員ヘテロアリールであり、Eが0~1個のQで置換されており、但し、Eが6員ヘテロアリールである場合、OはEのヘテロ原子に結合しておらず、
Gが、以下の基:
(a)0~2個のT及び0~1個のTで置換されたC~Cシクロアルキル、
(b)0~2個のT及び0~1個のTで置換されたC~Cシクロアルケニル、
(c)0~2個のT及び0~1個のTで置換された5~9員架橋炭素環、
(d)1つの共通のスピロ炭素原子によって結合された2つのシクロアルキル基を含む5~9員炭素環式スピロ環であって、前記炭素環式スピロ環が0~2個のT及び0~1個のTで置換されている、5~9員炭素環式スピロ環、
(e)少なくとも1つのヘテロ原子を有する2つの環式基を含む6~9員複素環式スピロ環であって、前記2つの環式基が1つの共通のスピロ炭素原子によって結合されており、前記複素環式スピロ環が0~2個のT、0~1個のTで置換されている、6~9員複素環式スピロ環、
(f)0~2個のT及び0~1個のTで置換されたフェニル、
(g)0~2個のT及び0~1個のTで置換された4~6員ヘテロシクロアルキル、
(h)0~2個のT及び0~1個のTで置換された4~6員ヘテロシクロアルケニル、
(i)0~2個のT及び0~1個のTで置換された5~9員架橋複素環、又は
(j)0~2個のT及び0~1個のTで置換された5~6員ヘテロアリール、
のうちの1つであり、
Qが、独立して、ハロゲン、CN、又は1~3個のハロゲンで場合により置換されていてもよいC~Cアルキルであり、
各Tが、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、1~3個のRで置換されていてもよいC~Cアルキル、1~3個のRで置換されていてもよいC~Cアルケニル、1~3個のRで置換されていてもよいC~Cアルキニル、CN、C~Cシアノアルキル、1~3個のRで置換されていてもよいC~Cアルコキシル、又は1~3個のRで置換されていてもよいC~CアルコキシC~Cアルキルであり、
が、-(CH0~1-N(R)SO-R、-(CH0~1-SO-R、-(CH0~1-SON(R)R、-(CH0~1-N(R)SON(R)R、-(CH0~1-N(R)C(O)N(R)R、-(CH0~1-N(R)C(O)R、-(CH0~1-N(R)C(O)OR、-(CH0~1-N(R)R、-(CH0~1-C(O)N(R)R、-(CH0~1-C(O)OR、-(CH0~1-C(O)R10、-(CH0~1-C(O)H、-(CH0~1-N(R)C(O)R10、1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~2~Cシクロアルキル、1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~1-フェニル、又は1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~1-5~6員ヘテロアリールであり、
が、-(CH0~2-C(O)N(R)R、-(CH0~2-N(R)R、-(CH0~2-C(O)OR、-(CH0~2-C~Cシクロアルキル、-(CH0~2-5~6員ヘテロシクロアルキル、4-クロロピリダジン-3-オン-5-イルで置換されていてもよい-O-5~6員ヘテロシクロアルキル、又は-(CH0~2-5~9員架橋炭素環であり、前記-(CH0~2-C~Cシクロアルキル、-(CH0~1-5~6員ヘテロシクロアルキル、又は-(CH0~2-5~9員架橋炭素環は、それぞれ1~3個のZ及び0~1個のZで置換されていてもよく、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、GはTの酸素原子又は窒素原子に結合することができず、
が、-(CH0~1C(O)OR、-(CH0~1-N(R)C(O)R、-(CH0~1-N(R)SO-R、-(CH0~1-SO-R、-(CH0~1-SON(R)R、-(CH0~1-N(R)C(O)N(R)R、又はN(Rであり、
各Tが独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、1~3個のRで置換されていてもよいC~Cアルキル、1~3個のRで置換されていてもよいC~Cアルケニル、1~3個のRで置換されていてもよいC~Cアルキニル、CN、C~Cシアノアルキル、1~3個のRで置換されていてもよいC~Cアルコキシル、又は1~3個のRで置換されていてもよいC~CアルコキシC~Cアルキルであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Tは、ハロゲン、ヒドロキシル、CN、又は1~3個のRで置換されていてもよいC~Cアルコキシルであることはできず、
が、-(CH0~1-N(R)SO-R、-(CH0~1-SO-R、-(CH0~1-SON(R)R、-(CH0~1-N(R)SON(R)R、-(CH0~1-N(R)C(O)N(R)R、-(CH0~1-N(R)C(O)R、-(CH0~1-N(R)C(O)OR、-(CH0~1-N(R)R、-(CH0~1-C(O)-N(R)R、-(CH0~1-C(O)OR、-(CH0~1-C(O)R10、-(CH0~1-N(R)C(O)R10、-N(H)C(H)C=O、1~4個のZで置換されていてもよい-(CH0~1-C~Cシクロアルキル、1~4個のZで置換されていてもよい-(CH0~1-5~6員ヘテロシクロアルキル、1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~1-5~6員ヘテロアリール、又は4-クロロピリダジン-3-オン-5-イルであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、GはTの酸素原子又は窒素原子に結合することができず、
が、H又はC~Cアルキルであり、
が、F、Cl、CN、CF又はヒドロキシルであり、但し、1個以下のRがCFであってもよく、
が、水素、C~CアルコキシC~Cアルキル、1~3個のZで置換されたC~Cアルケニル、又は1~3個のZで置換されたC~Cアルキルであり、
が、H、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルコキシル、C~Cハロアルキル、CF又はCNであり、
が、H、ハロゲン、C~Cアルキル、CN又はC~Cハロアルキルであり、
各Rが独立して、ハロゲン、CN、又は1~3個のハロゲンで置換されていてもよいC~Cアルキルであり、
が、1~3個のZで置換されていてもよいC~Cアルキル、1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル、1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-フェニル、1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-5~6員ヘテロアリール、又は1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-5~6員ヘテロシクロアルキルであり、
が、H、1~3個のZで置換されていてもよいC~Cアルキル、1~3個のZで置換されていてもよいC~Cアルケニル、1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル、1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-フェニル、1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-5~6員ヘテロアリール、1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-5~6員ヘテロシクロアルキル、又は0~3個のTで置換されている5~9員架橋炭素環であり、
各Rが独立して、H、又は1~3個のZで置換されていてもよいC~Cアルキルであり、
10が、0~3個のZで置換されたC~Cアルキル、1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル、1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-フェニル、1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-5~6員ヘテロアリール、又は1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-5~6員ヘテロシクロアルキルであり、
が、C~Cシアノアルキル、-(CH0~1-C(O)OR、-(CH0~1-C(O)-N(R)Rであり、但し、Zがヘテロ原子に結合している場合、Zは、-C(O)ORではなく、
各Zが独立して、ヒドロキシル、ハロゲン、又はCNであり、
各Zが独立して、C~Cアルキル、ハロゲン、C~Cハロアルキル、ヒドロキシル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cアルコキシル、又はCNであり、
各Zが独立して、ヒドロキシル、ハロゲン、C~Cアルコキシル、又はCNであり、
各Zが独立して、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、ヒドロキシル、C~Cヒドロキシアルキル、ハロゲン、C~Cアルコキシル、CN又はC~Cシアノアルキルであり、但し、Zがヘテロ原子に結合している場合、Zは、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cアルコキシル又はCNではない、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
が水素である、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
が、C~CアルコキシC~Cアルキル、1~3個のZで置換されたC~Cアルケニル、又は1~3個のZで置換されたC~Cアルキルである、請求項1、2、3、4、又は5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
が、-CHCHOH、-CHCHCHOH、-CHCH(OH)CHOH、又は-CHCH(CH)OHであり、
が、Cl、Br、CF、又はCNであり、
Eが、ピリジル、フェニル、ピリミジニル又はピリダジニルである、
請求項1、2、3、4又は5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
がClである、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
が、Hであり、
が、Cl、Br、CF、又はCNであり、
が、ハロゲンであり、
Eが、ピリジル、フェニル、ピリミジニル又はピリダジニルである、
請求項1、2、3、4、又は5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
がClである、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
以下の式のうちのいずれか1つを有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物、
【化4】

又はその薬学的に許容される塩であって、式中、Rが、Cl、Br、CF又はCNであり、mが0~1である、化合物。
【請求項13】
以下の式のうちのいずれか1つを有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物、
【化5-1】

【化5-2】

【化5-3】

【化5-4】

【化5-5】

【化5-6】

【化5-7】

【化5-8】

又はその薬学的に許容される塩であって、式中、Rが、Cl、Br、CF又はCNである、化合物。
【請求項14】
以下の式のうちのいずれか1つを有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物、
【化6-1】

【化6-2】

又はその薬学的に許容される塩であって、式中、Rが、Cl、Br、CF又はCNである、化合物。
【請求項15】
式IV(a)、IV(b)、IV(c)、IV(d)、IV(e)、IV(f)のうちの1つを有する、請求項12に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項16】
式V(a)、V(b)、V(c)、V(d)、V(e)、V(f)、V(g)、V(h)、V(i)、V(j)、V(k)、V(l)、V(m)、V(n)、V(o)、V(p)、V(q)、V(r)、V(s)、V(t)、V(u)、V(v)、V(w)、V(af)、V(ag)、V(ah)、V(ai)、V(aj)、V(ak)、V(al)、V(am)、V(an)、V(ao)、V(ap)、V(aq)、V(ar)、V(as)、V(at)、V(au)、V(av)、V(aw)、V(ay)、V(az)、V(ba)、V(bb)のうちの1つを有する、請求項13に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項17】
式VI(a)、VI(b)、VI(c)、VI(d)、VI(e)、VI(f)、VI(g)、VI(h)、VI(i)、VI(j)、VI(k)、VI(l)、VI(m)、VI(n)、VI(o)の1つを有する、請求項14に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項18】
Gが、以下の基:
(a)0~2個のT及び0~1個のTで置換されたC~Cシクロアルキル、
(b)0~2個のT及び0~1個のTで置換されたC~Cシクロアルケニル、
(c)少なくとも1つのヘテロ原子を有する2つの環式基を含む6~9員複素環式スピロ環であって、前記2つの環式基が1つの共通のスピロ炭素原子によって結合されており、前記複素環式スピロ環が0~2個のT、0~1個のTで置換されている、6~9員複素環式スピロ環、
(d)0~2個のT及び0~1個のTで置換されたフェニル、
(e)0~2個のT及び0~1個のTで置換された5~6員ヘテロシクロアルキル、
(f)0~2個のT及び0~1個のTで置換された5~6員ヘテロシクロアルケニル、
(g)0~2個のT及び0~1個のTで置換された5~9員架橋複素環、又は
(h)0~2個のT及び0~1個のTで置換された5~6員ヘテロアリール、
のうちの1つである、請求項1から17のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項19】
Gが、それぞれが0~2個のT及び0~1個のTで置換された、ピラゾリル、イソオキサゾリル、インドリル、1,2,3-トリアゾリル、イミダゾリル、チアゾリル又はピロリルである、請求項16に記載の化合物。
【請求項20】
Gが、それぞれが0~2個のT及び0~1個のTで置換された、ピペラジニル、ピペリジン、ピロリジン、テトラヒドロピラン、モルホリニル、1,2,3,6-テトラヒドロピリジニル、2,5-ジヒドロピロリル、又は3,6-ジヒドロピラニルである、請求項16に記載の化合物。
【請求項21】
Gが、それぞれが0~2個のT及び0~1個のTで置換された、(1R,5S)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタニル、(1R,5S)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、又は(1R,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタニルである、請求項16に記載の化合物。
【請求項22】
Gが、それぞれが0~2個のT及び0~1個のTで置換された、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキセニル、シクロペンテニルである、請求項16に記載の化合物。
【請求項23】
が、-CHC(O)N(H)シクロプロピル、-CHC(O)N(H)CH、-CH-COOH、オキセタニル、-(CH0~2シクロプロピル、-(CH0~2シクロブチル、-(CH0~2-テトラヒドロピラン、-(CH0~2-テトラヒドロフラン、-(CH0~2アゼチジニル、-(CH0~2ピロリジニル、又は-(CH0~2モルホリニルである、請求項1から3又は6から17のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項24】
Gが以下の式、
【化7-1】

【化7-2】

のうちの1つである、請求項1から17のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項25】
Gが以下の式のうちの1つであり、
【化8-1】

【化8-2】

【化8-3】

各T1aが独立して、F、Cl又はCHであり、
各T5aが独立して、F、Cl又はCHである、請求項1から17のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項26】
Gが、式(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)又は(h)のうちの1つである、請求項25に記載の化合物。
【請求項27】
Gが、式(i)、(j)、(k)、(l)、(m)、(n)、(o)、(p)、(q)、(r)、(s)、(t)、(u)、(v)、(w)、(x)、(y)、(z)、(aa)、(ab)、(ac)又は(ad)のうちの1つである、請求項25に記載の化合物。
【請求項28】
Gが、式(ae)、(af)、(ag)、(ah)、(ai)、(aj)、(ak)、(al)、(am)、(an)、(ao)、(ap)又は(aq)のうちの1つである、請求項25に記載の化合物。
【請求項29】
Gが、式(ar)又は(as)のいずれかである、請求項25に記載の化合物。
【請求項30】
Gが、式(at)又は(au)のいずれかである、請求項25に記載の化合物。
【請求項31】
Gが、式(av)、(aw)、(ax)、(ay)又は(az)のうちの1つである、請求項25に記載の化合物。
【請求項32】
が、オキセタニルメチレン、-C(O)CHOH、-C(O)OH、-SOCH、-C(O)シクロプロピル、-C(O)CH、-N(H)SO-シクロプロピル、-N(H)C(O)シクロプロピル、-SON(H)CHCHCH、-SONHシクロプロピル又は-SOCHCHCHである、請求項1から3、6から25、又は27のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項33】
が、F、Cl、CHCl、CHF、CH、-CHCH、-CH(CH、CHOH、-CHCHOH、-CHC(CHOH、-CH(CHOH)、-CHCH(OH)CF、CHCF、CN、-CHCN、-OCH、-CHOCH、-CHF、-CHCHF、-CHCH(OH)CHCHCl、-CH(CHOH)CHCl、-CH(CHOH)CHI又は-CHC(CH)(CHOH)CHClである、請求項1から3、6から25、27又は29のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項34】
が、CH、F、Cl、CN、-CHCN、-CHCH、又はOHである、請求項1から25のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項35】
表1から選択される請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項36】
請求項1から35のいずれか一項に記載の化合物と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
【請求項37】
第2の医薬品を更に含む、請求項36に記載の医薬組成物。
【請求項38】
CD73によって媒介される疾患又は状態を有する対象を治療するための方法であって、有効量の請求項1から35のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、若しくは重水素化類似体、又は請求項36から37のいずれか一項に記載の医薬組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項39】
前記疾患又は状態が、腫瘍性障害、癌、加齢性疾患、炎症性障害、認知障害及び/又は神経変性疾患である、請求項38に記載の疾患又は状態を治療するための方法。
【請求項40】
前記疾患又は状態が、膀胱癌、結腸直腸癌、胃癌、胆嚢癌、多形性膠芽腫、神経膠腫、白血病、リンパ腫、肺癌、乳癌、黒色腫、多発性骨髄腫、卵巣癌、前立腺癌、膵臓癌、甲状腺癌、肺線維症、肝線維症、アルツハイマー病、多発性硬化症、又はパーキンソン病である、請求項38に記載の疾患又は状態を治療するための方法。
【請求項41】
前記リンパ腫が、成人T細胞リンパ腫、AIDS関連リンパ腫、未分化大細胞リンパ腫、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、腸症関連T細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、肝脾T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、MALTリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯B細胞リンパ腫、原発性滲出性リンパ腫、又はT細胞リンパ腫である、請求項40に記載の疾患又は状態を治療するための方法。
【請求項42】
前記白血病が、成人T細胞白血病、急速進行型NK細胞白血病、B細胞慢性リンパ性白血病、急性単球性白血病、急性前骨髄球性白血病、B細胞前リンパ球性白血病、急性好酸球性白血病、急性赤血球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性巨核芽球性白血病、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、又は肥満細胞白血病である、請求項40に記載の疾患又は状態を治療するための方法。
【請求項43】
前記疾患又は状態が、腎臓癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、急性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、乳癌又は前立腺癌である、請求項38に記載の方法。
【請求項44】
1つ又は複数の更なる治療薬を投与することを更に含む、請求項38から43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記1つ又は複数の更なる治療薬が、i)アドゼレシン、アルトレタミン、ビゼレシン、ブスルファン、カルボプラチン、カルボコン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、ダカルバジン、エストラムスチン、フォテムスチン、ヘプスルファム、スファミド、インプロスルファン、イロフルベン、ロムスチン、メクロレタミン、メルファラン、オキサリプラチン、ピポスルファン、セムスチン、ストレプトゾシン、テモゾロミド、チオテパ及びトレスルファンから選択されるアルキル化剤、ii)ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、メノガリル、マイトマイシン、ミトキサントロン、ネオカルジノスタチン、ペントスタチン及びプリカマイシンから選択される抗生物質、iii)アザシチジン、カペシタビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、デシタビン、フロクスウリジン、フルダラビン、5-フルオロウラシル、フトラフル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、メルカプトプリン、メトトレキサート、ネララビン、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、チオグアニン及びトリメトレキサートからなる群から選択される代謝拮抗物質、iv)PD-1又はPD-L1阻害剤から選択される免疫療法剤、v)エンザルタミド、アビラテロン、アナストロゾール、アンドロゲン、ブセレリン、ジエチルスチルベストロール、エキセメスタン、フルタミド、フルベストラント、ゴセレリン、イドキシフェン、レトロゾール、ロイプロリド、マゲストロール、ラロキシフェン、タモキシフェン及びトレミフェンからなる群から選択されるホルモン又はホルモンアンタゴニスト、vi)DJ-927、ドセタキセル、TPI287、パクリタキセル及びDHA-パクリタキセルから選択されるタキサン、vii)アリトレチノイン、ベキサロテン、フェンレチニド、イソトレチノイン、及びトレチノインから選択されるレチノイド、viii)エトポシド、ホモハリントニン、テニポシド、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン及びビノレルビンから選択されるアルカロイド、ix)AE-941(GW786034、ネオバスタット)、ABT-510、2-メトキシエストラジオール、レナリドミド、及びサリドマイドから選択される抗血管新生剤、x)アムサクリン、エドテカリン、エキサテカン、イリノテカン、SN-38(7-エチル-10-ヒドロキシ-カンプトテシン)、ルビテカン、トポテカン及び9-アミノカンプトテシンから選択されるトポイソメラーゼ阻害剤、xi)エルロチニブ、ゲフィチニブ、フラボピリドール、メシル酸イマチニブ、ラパチニブ、ソラフェニブ、リンゴ酸スニチニブ、AEE-788、AG-013736、AMG706、AMN107、BMS-354825、BMS-599626、UCN-01(7-ヒドロキシスタウロスポリン)、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、トラメチニブ、コビメチニブ、セルメチニブ及びバタラニブから選択されるキナーゼ阻害剤、xii)ボルテゾミブ、ゲルダナマイシン及びラパマイシンから選択される標的化シグナル伝達阻害剤、xiii)イミキモド、インターフェロン-α及びインターロイキン-2から選択される生物学的応答調節剤、xiv)IDO阻害剤、並びにxv)3-AP(3-アミノ-2-カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾン)、アルトラセンタン、アミノグルテチミド、アナグレリド、アスパラギナーゼ、ブリオスタチン-1、シレンギチド、エレスクロモール、メシル酸エリブリン(E7389)、イキサベピロン、ロニダミン、マソプロコール、ミトグアナゾン、オブリメルセン、スリンダク、テストラクトン、チアゾフリン、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、Cdk4阻害剤、Akt阻害剤、Hsp90阻害剤、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤又はアロマターゼ阻害剤(アナストロゾール、レトロゾール、エキセメスタン)から選択される化学療法剤、xvi)Mek阻害剤、xvii)チロシンキナーゼ阻害剤xviii)c-Kit変異阻害剤、xix)EGFR阻害剤、PD-1阻害剤、又はxx)エピジェネティックモジュレータ、のうちの1つ又は複数である、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記1つ又は複数の更なる治療薬が、PD-1又はPD-L1阻害剤である、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記PD-1又はPD-L1阻害剤が、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、セミプリマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ又はデュルバルマブである、請求項46に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年4月23日に出願された米国仮出願第63/014,523号の米国特許法第119条(e)の下での利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、哺乳動物における治療、特にCD73の過剰発現に関連する様々な疾患のためのCD73の調節に有用な有機化合物に関する。
【背景技術】
【0003】
AMPのアデノシンへの分解を触媒する酵素CD73は、多くの種類の癌で過剰発現されることが分かっている。CD73は、T細胞の腫瘍誘導性免疫抑制機構を調節する細胞外アデノシンの生成に関与し、それによって腫瘍由来CD73は、アデノシン受容体(AR)シグナル伝達を介して抗腫瘍T細胞免疫を制限することによって腫瘍増殖を促進する細胞外アデノシンを産生する、エクト酵素として機能する。より具体的には、高度に保存されたエクト-ヌクレオチダーゼであるCD73は、原形質膜の外葉で発現される二量体酵素である。CD73は、5’ヌクレオチドのサブセットの脱リン酸化を触媒し、その中で5’-アデノシン一リン酸(AMP)が一次基質である。アデノシンは、腫瘍微小環境内で高レベルでCD73が触媒するAMP加水分解によって産生される。アデノシンは、免疫細胞上のA2a及びA2b受容体に結合し、腫瘍細胞に対する免疫監視を阻害する。CD73のAMP加水分解の遮断は、抗腫瘍免疫を抑制するための潜在的な治療アプローチである。マウス腫瘍モデルにおけるCD73を標的化する小分子阻害剤による結果は、標的化CD73療法が腫瘍増殖の効果的な制御に対する重要な代替的かつ現実的なアプローチであることを示唆している。特に、腫瘍浸潤Tリンパ球の機能を増加させ、続いて癌患者の生存率の改善をもたらし得る適応免疫応答機構を増強することによって、T細胞ベースの治療に役立つ。
【0004】
臨床試験データに基づいて、CD73の発現は、ヒトTNBCにおける予後不良及び抗腫瘍免疫の低下に関連し、CD73の標的化は、このBCサブタイプの腫瘍微小環境を再プログラムするための有望な戦略となり得ることが報告されている。(Bruissert et al.,Clinical significance of CD73 in triple-negative breast cancer:multiplex analysis of a phase III clinical trial(トリプルネガティブ乳癌におけるCD73の臨床的意義:第III相臨床試験のマルチプレックス解析),Ann Oncol.2018 Apr 1;29(4):1056-1062を参照されたい)
【0005】
CD73が免疫療法の標的であることも報告されており、CD73阻害剤を用いた臨床試験は、肺癌患者にとって有益であることが判明し得る。(Hui et al.,Evaluation of CD73 in lung cancer(肺癌におけるCD73の評価),Journal of Clinical Oncology 201735:15を参照されたい)
【0006】
また、CD73が癌の発生における重要な調節分子であること、より具体的には、乳癌、結腸直腸癌、卵巣癌、胃癌、胆嚢癌などの多くの種類の癌細胞株や患者の生検においてCD73が過剰発現しており、また、癌患者の臨床的特徴や予後と関連していることを検証する証拠が増えてきていることが報告されている。更に、担癌マウスモデルに対する正の効果は、抗CD73療法がそのような癌患者の治療のための有望なアプローチになっていることを実証している。(Zhao-wei Gao et al.,The Roles of CD73 in Cancer(癌におけるCD73の役割),BioMed Research International,Volume 2014を参照されたい)。
【0007】
宿主のCD73は、神経膠芽腫の増殖、その血管新生、及びその浸潤性の促進を含む、神経膠芽腫の病因の複数の領域において顕著な役割を果たすことが更に実証されている。より具体的には、研究により、偽と比較してGB上のA2Bアデノシン受容体(AR)発現が20倍増加し、及びその阻害がテモゾロミドに対する神経膠芽腫の化学感受性を増加させることが実証された。これらの知見は、CD73及びA2B ARの遮断又は阻害が将来の神経膠芽腫治療の主要な標的であることを強く示している。(Yan.A et al.,CD73 Promotes Glioblastoma Pathogenesis and Enhances Its Chemoresistance via A2B Adenosine Receptor Signaling(CD73はA2Bアデノシン受容体シグナル伝達を介して神経膠芽腫の病態形成を促進させ、化学療法への耐性を促進させる),J Neurosci.2019 May 29;39(22):4387-4402を参照されたい)。
【0008】
研究により、CD73活性が神経膠腫細胞株における増殖過程の期間中に増大することが見出されており、このことは、脳腫瘍発達期間中におけるこの酵素の重要な役割を示唆している。まとめると、これらの結果は、神経膠腫細胞増殖における外部50-NT/CD73の重要な役割を示唆している。(Luci Bavaresco et al.,The role of ecto-5’-nucleotidase/CD73 in glioma cell line proliferation(神経膠腫細胞株増殖におけるエクト-5’-ヌクレオチダーゼ/CD73の役割),Mol Cell Biochem(2008)319:61-68を参照されたい)。
【0009】
更に、CD73の発現が高い胃癌患者では全生存率が低く、CD73の発現は胃癌患者の独立した予測因子であることが判明した。(Lu XX et al.,Expression and clinical significance of CD73 and hypoxia-inducible factor-1α in gastric carcinoma(胃癌におけるCD73及び低酸素誘導因子-1αの発現と臨床的意義),World J Gastroenterol.2013 Mar 28;19(12):1912-8を参照されたい)。
【0010】
他の研究では、黒色腫細胞株の高侵襲性表現型、増殖性慢性リンパ性白血病細胞、乳頭癌(甲状腺癌の最も一般的な形態)、膵管腺癌、及び結腸直腸癌の間質などの特定の状態でCD73発現が増加することが見出された。神経膠腫細胞株、リンパ節転移性前立腺癌、及びヒト腫瘍膀胱細胞株において、CD73のmRNA及び活性が増加することが見出された。(Luca Antonioli et al.,Anti-CD73 in cancer immunotherapy:awakening new opportunities(癌免疫療法における抗CD73抗体:新たな可能性の発見),Trends Cancer.2016 Feb 1;2(2):95-,109を参照されたい)。
【0011】
CD73を阻害してその免疫抑制効果を防ぐことは、白血病の制御を強化する可能性があるので、有望な治療標的となり得ることも報告された。(Paolo Bernasconi et al.,Targeting Leukemia Stem Cell-Niche Dynamics:A New Challenge in AML Treatment(白血病幹細胞ニッチ動態を標的:急性骨髄性白血病治療の新たな挑戦),Journal of Oncology,Volume 2019を参照されたい)。
【0012】
他の研究では、臨床病理学的因子とは無関係に患者の予後不良に関連する膵臓癌細胞による高いCD73発現が見出されており、これは、CD73が膵管腺癌における関連する免疫療法標的及び有望な免疫予後バイオマーカであり得ることを示唆している。(N.Messaoudi et al.,CD73 as a novel immune target and biomarker in pancreatic adenocarcinoma(膵臓腺癌における新規免疫標的及びバイオマーカとしてのCD73),HPB 2018,20(S1),S5eS35を参照されたい)。
【0013】
リンパ節転移性前立腺癌におけるCD73の発現は、非転移性前立腺癌よりも高いことも報告されており、CD73が前立腺癌転移の分子療法のための関連特異的標的であり得ることを示唆している。(Yang Q et al.,Overexpression of CD73 in prostate cancer is associated with lymph node metastasis(前立腺癌におけるCD73の過剰発現はリンパ節転移と関連する),Pathol Oncol Res.2013 Oct;19(4):811-4を参照されたい)。
【0014】
他の研究では、CD73由来アデノシンの制限がミクログリア媒介性神経炎症を実質的に抑制し、パーキンソン病モデルにおけるドーパミン作動性ニューロン及び運動行動の生存率を改善したことが報告されている。著者らは、パーキンソン病におけるアデノシン産生及び神経炎症を制限するために、CD73などのヌクレオチド代謝経路を標的化することが有望な治療戦略であり得ると結論付けた。(Fan Meng et al.,CD73-derived adenosine controls inflammation and neurodegeneration by modulating dopamine signaling(CD73由来アデノシンは、ドーパミンシグナル伝達を調節することにより、炎症及び神経変性を制御する),Brain,Volume 142,Issue 3,March 2019,Pages 700-718を参照されたい)。
【0015】
肝線維症は、慢性炎症及び進行中の肝損傷に対する応答として発症する。この病理学的プロセスは、筋線維芽細胞の活性化及び蓄積によって駆動される。CD73は、肝星状細胞、門脈線維芽細胞、及び筋線維芽細胞分化の結果として線維性中隔において上方制御される。CD73欠損マウスは肝線維症の発症に抵抗性であることが報告されており、線維形成におけるその役割及びアデノシン産生が示唆されている。CD73は、肝線維症の予防に有用であり得る。
【0016】
更に他の研究では、CD73が初期アルツハイマー病の調節のための新規な標的であることが報告されており、初期アルツハイマー病のβアミロイドモデルにおけるシナプス及び記憶機能障害は、CD73によって生成されるATP由来細胞外アデノシンの形成の増加に依存する。(Goncalves et al.,Synaptic and memory dysfunction in a β-amyloid model of early Alzheimer’s disease depends on increased formation of ATP-derived extracellular adenosine(初期アルツハイマー病のβ-アミロイドモデルにおけるシナプス及び記憶の機能障害は、ATP由来の細胞外アデノシンの形成の増加に依存する),Neurobiol Dis.2019 Dec;132:104570を参照されたい)。
【0017】
したがって、CD73を阻害することができる化合物は、免疫応答及び腫瘍増殖を調節することができる新しいクラスの潜在的な治療薬を表す。ヒトの疾患の治療又は予防のために現在承認されているCD73阻害剤はないので、CD73を調節することができる新規化合物の満たされていない必要性が存在する。
【発明の概要】
【0018】
本開示の一実施形態は、本明細書の実施形態のいずれかに記載される新規化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体若しくは重水素化類似体に関し、これらの新規化合物はCD73を調節することができる。
【0019】
本開示の別の実施形態は、式Iの化合物
【化1】

又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体若しくは重水素化類似体に関し、式中、R、R、R、A、E、L及びGは、本開示の実施形態のいずれか(その下位実施形態のいずれかを含む)に記載の通りである。
【0020】
式Iの他の実施形態及び下位実施形態は、本開示において本明細書で更に説明される。
【0021】
本開示の別の実施形態は、式I又は本開示において本明細書に記載される式Iの任意の実施形態及び下位実施形態による化合物、又はこれらの化合物のいずれかの薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体若しくは重水素化類似体、及び薬学的に許容される担体若しくは賦形剤を含む医薬組成物に関する。
【0022】
本開示の別の実施形態は、式I又は本開示において本明細書に記載される式Iの任意の実施形態及び下位実施形態の化合物、又はこれらの化合物のいずれかの薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体若しくは重水素化類似体、及び別の治療薬を含む医薬組成物に関する。
【0023】
本開示の別の実施形態は、CD73によって媒介される疾患又は状態を有する対象を治療するための方法に関し、当該方法は、有効量の式I又は本開示に記載される式Iの任意の実施形態の化合物、又はこれらの化合物のいずれかの薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体若しくは重水素化類似体、又は本開示に記載される化合物のいずれかの医薬組成物を対象に投与することを含み、疾患又は状態は、異常な若しくは違った風にCD73を発現するか、又は前述のいずれかの活性化変異若しくは転座を発現する。
【0024】
更なる実施形態は、本開示の詳細な説明に更に記載されている。
【発明を実施するための形態】
【0025】
I.定義
本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、以下の定義が適用される。
【0026】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数の言及を含むことに留意されたい。
【0027】
結合点がそうでないことを示さない限り、本開示の式Iの変数の定義及びその全て実施形態に列挙された化学物質部分は、左から右に読まれるべきであり、右側は定義された親構造に直接結合している。しかし、結合点(例えば、ダッシュ「-」)が化学物質部分(例えば、-アルキルオキシ-C~Cアルキル)の左側に示されている場合、この化学物質部分の左側は、定義されるように親部分に直接結合している。
【0028】
化合物を構築する目的で本明細書に記載の化合物の一般的な説明を考慮すると、そのような構築は安定な構造の生成をもたらすと考えられる。すなわち、当業者であれば、理論的には、いくつかの構築物は通常、安定な化合物とは考えられないことを認識するであろう(すなわち、立体的に実用的及び/又は合成的に実現可能である)。
【0029】
「アルキル」は、それ自体で、又は別の置換基の一部として、特に明記しない限り、指定された数の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖炭化水素を意味する(すなわち、C~Cは1~6個の炭素を意味する)。代表的なアルキル基としては、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12個の炭素原子を有する直鎖及び分岐鎖アルキル基が挙げられる。更に代表的なアルキル基としては、1、2、3、4、5、6、7又は8個の炭素原子を有する直鎖及び分岐鎖アルキル基が挙げられる。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチルなどが挙げられる。本明細書における定義(例えば、アルキル、アルコキシ、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキルなど)のそれぞれについて、アルキル部分の炭素原子の数を示すために接頭語が含まれない場合、アルキル部分又はその一部は、12個以下の主鎖炭素原子又は8個以下の主鎖炭素原子又は6個以下の主鎖炭素原子を有する。例えば、C~Cアルキルは、1、2、3、4、5又は6個の炭素原子を有する直鎖又は分岐炭化水素を指し、-CH、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、C~Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルキル及びCアルキルが挙げられるが、これらに限定されない。置換は、安定な化合物を生成するために任意の利用可能な原子で結合されると理解されるが、任意に置換されたアルキルが-OR(例えばアルコキシ)、-SR(例えばチオアルキル)、-NHR(例えばアルキルアミノ)、-C(O)NHRなどの部分のR基である場合、アルキルR基の置換は、部分の任意のO、S、又はN(Nがヘテロアリール環原子である場合を除く)に結合したアルキル炭素の置換が、部分の任意のO、S、又はNに結合したアルキル炭素に結合する置換基の任意のO、S、又はN(Nがヘテロアリール環原子である場合を除く)をもたらす置換基を排除するようなものである。
【0030】
「アルキレン」は、それ自体で、又は別の置換基の一部として、接頭語に示される数の炭素原子を有するアルカンから誘導される直鎖又は分岐の飽和二価炭化水素部分を意味する。例えば、(すなわち、C~Cは、1~6個の炭素を意味し、C~Cアルキレンは、メチレン、エチレン、プロピレン、2-メチルプロピレン、ペンチレン、ヘキシレンなどを含むことを意味する)。C1~4アルキレンとしては、メチレン-CH-、エチレン-CHCH-、プロピレン-CHCHCH-、及びイソプロピレン-CH(CH)CH-、-CHCH(CH)-、-CH-(CHCH-、-CH-CH(CH)CH-、-CH-C(CH-CH-CHCH(CH)-が挙げられる。典型的には、アルキル(又はアルキレン)基は、1~24個の炭素原子を有し、それらの基は、10個以下、8個以下、又は6個以下の炭素原子を有する。アルキレン部分の炭素原子の数を示すために接頭語が含まれない場合、アルキレン部分又はその一部は、12個以下の主鎖炭素原子又は8個以下の主鎖炭素原子、6個以下の主鎖炭素原子、又は4個以下の主鎖炭素原子、又は3個以下の主鎖炭素原子、又は2個以下の主鎖炭素原子、又は1個の炭素原子を有する。
【0031】
「アルケニル」は、接頭語に示される数の炭素原子を有し、少なくとも1つの二重結合を含む、直鎖一価炭化水素基又は分岐一価炭化水素基を指す。例えば、C~Cアルケニルは、エテニル、プロペニルなどを含むことを意味する。「C~CアルケニルC~Cアルキレン」は、基-C~Cアルキレン-C~Cアルケニルであり、アルケニル及びアルキレンは本明細書で定義される通りである。
【0032】
「アルケニレン」という用語は、少なくとも1つの二重結合を含み、接頭語に示される数の炭素原子を有する、直鎖二価炭化水素基又は分岐二価炭化水素基を指す。そのような基の例としては、ビニル、2-プロペニル、クロチル、2-イソペンテニル、2-(ブタジエニル)、2,4-ペンタジエニル、3-(1,4-ペンタジエニル)、並びに高級同族体及び異性体が挙げられる。
【0033】
「アルキニル」という用語は、いくつかの実施形態では、2~20個の炭素原子(いくつかの実施形態では、2~10個の炭素原子、例えば、2~6個の炭素原子)を有し、1~6個の炭素-炭素三重結合、例えば1、2又は3個の炭素-炭素三重結合を有する、不飽和炭化水素のモノラジカルを指す。いくつかの実施形態では、アルキニル基としては、エチニル(-C≡CH)、プロパルギル(又はプロピニル、例えば-C≡CCH)などが挙げられる。アルケニル又はアルキニル部分の炭素原子の数を示すために接頭語が含まれない場合、アルケニル又はアルキニル部分又はその一部は、12個以下の主鎖炭素原子又は8個以下の主鎖炭素原子、6個以下の主鎖炭素原子又は4個以下の主鎖炭素原子を有する。
【0034】
「アルキニレン」という用語は、少なくとも1つの三重結合を含み、接頭語に示される数の炭素原子を有する、直鎖二価炭化水素基又は分岐二価炭化水素基を指す。そのような基の例としては、エチニル、1-及び3-プロピニル、3-ブチニル、並びに高級同族体及び異性体が挙げられる。
【0035】
「アルコキシ」又は「アルコキシル」は-O-アルキル基を指し、アルキルは本明細書で定義される通りである。例として、「C~Cアルコキシ」は-O-C~Cアルキル基を指し、アルキルは本明細書で定義される通りである。アルコキシ上の置換は、安定な化合物を生成するために任意の利用可能な原子で結合されると理解されるが、アルコキシの置換は、O、S又はN(Nがヘテロアリール環原子である場合を除く)がアルコキシのOに結合したアルキル炭素に結合しないようなものである。更に、アルコキシが別の部分の置換基として記載されている場合、アルコキシの酸素は、他の部分のO、S又はN(Nがヘテロアリール環原子である場合を除く)に結合した炭素原子、又は他の部分のアルケン若しくはアルキン炭素に結合しない。
【0036】
「アルコキシアルキル」及び「アルコキシアルキレン」という用語は、アルコキシ基で置換されたアルキル基を指す。例として、「C~CアルコキシC~Cアルキル」は、アルキル及びアルコキシが本明細書で定義される通りであるC~Cアルコキシで置換されたC~Cアルキルを指し、「C~CアルコキシC~Cアルキレン」は、アルキレン及びアルコキシが本明細書で定義される通りであるC~Cアルコキシで置換されたC~Cアルキルを指す。
【0037】
「アミノ」又は「アミン」は、基-NHを示す。
【0038】
「アリール」は、それ自体で、又は別の置換基の一部として、特に明記しない限り、6~14個の環炭素原子を含む単環式、二環式又は多環式の多価不飽和芳香族炭化水素基を指し、これは、単環であるか、又は一緒に縮合しているか若しくは共有結合している多環(3個までの環)であってもよい。しかし、アリールは、以下に定義されるヘテロアリールを包含するものでも、重複するものでもない。1つ又は複数のアリール環がヘテロアリール環と縮合している場合、得られる環系はヘテロアリールである。非置換アリール基の非限定的な例としては、フェニル、1-ナフチル及び2-ナフチルが挙げられる。「アリーレン」という用語は、二価アリールを指し、アリールは本明細書で定義される通りである。
【0039】
「5~6員芳香環」は、本明細書で定義されるフェニル環又は5~6員ヘテロアリール環を指す。本開示の目的のために、橋頭の原子は、任意の特定の環上の2つの隣接原子であることはできない。
【0040】
「架橋環」又は「架橋化合物」は、2つの橋頭の原子を接続する1~4個の炭素原子の架橋を含む2つ以上の環を有する炭素環式又は複素環式化合物又は部分である。本開示では、「架橋炭素又は複素環」という語句は、「架橋炭素環又は架橋複素環」という語句と同じ意味を有する。本開示の目的のために、架橋環内の2つの橋頭の原子は、特定の環上の同じ原子とすることはできない。架橋複素環は、少なくとも1つのヘテロ原子を有する架橋化合物を指す。橋頭の原子は、分子の骨格フレームワークの一部である。架橋環(又は化合物)は、完全に炭素環式(全て炭素骨格原子)であってもよい。以下は、架橋原子及び橋頭の原子のそれぞれを示す架橋環の例である。
【化2】
【0041】
本開示の目的のために、架橋環は、その架橋原子及び橋頭の原子のいずれにも結合していない1~2個のC~Cアルキル基を有してもよい環を含むことを意味し、これらの架橋環は、本開示に記載されるように置換することができる。架橋環の他の非限定的な例としては、ビシクロ[1.1.1]ペンタン、アダマンチル、(1s,5s)-ビシクロ[3.3.1]ノナン、(1R,5S)-6,6-ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタン、(1R,5S)-6,6-ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタン、(1r,2R,4S,5r,6R,8S)-テトラシクロ[3.3.1.02,4.06,8]ノナン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン及び1-フルオロビシクロ[2.2.2]オクタンが挙げられる。
【0042】
「シクロアルキル」又は「炭素環」又は「炭素環式」は、それ自体で、又は別の置換基の一部として、特に明記しない限り、飽和又は部分的に不飽和の非芳香族単環式環、又は縮合環、例えば二環式若しくは三環式炭素環系、又はキュバンを指し、接頭語に示される数の炭素原子を有するか、又は指定されない場合は環あたり36個、更に46個、及び更には5~6個の環員を有し、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどであり、ここで、1個又は2個の環炭素原子がカルボニルで置き換えられていてもよい。更に、シクロアルキルという用語は、分子の残りの部分との結合点にかかわらず、芳香環(例えば、アリール)に縮合した環系を包含することが意図されている。シクロアルキルは、示された数の環原子(例えば、C3~6シクロアルキル及び3~6員シクロアルキルは両方とも3~6個の環炭素原子を意味する)を有する炭化水素環を指す。「シクロアルケニル」という用語は、少なくとも1つの不飽和単位を有するシクロアルキルを指す。シクロアルキル又はシクロアルケニルの置換基は、シクロアルキル又はシクロアルケニル基の結合点にあってもよく、第四級中心を形成する。
【0043】
「シクロアルキルアルキル」及び「シクロアルキルアルキレン」は、-(アルキレン)-シクロアルキル基を指し、アルキレンは、本明細書で定義されるように、示された数の炭素原子を有するか、又は指定されない場合は6個以下の炭素原子を有し、シクロアルキルは、本明細書で定義されるように、示された数の炭素原子を有するか、又は指定されない場合は環あたり310個、また38個、更には36個の環員を有する。例として、4~6員シクロアルキル-C~Cアルキルは、1~6個の炭素原子を有するアルキレン鎖に結合した4~6個の炭素原子を有するシクロアルキルを指し、アルキレン鎖は親部分に結合している。他の例示的なシクロアルキルアルキル基としては、例えば、シクロプロピルメチレン、シクロブチルエチレン、シクロブチルメチレンなどが挙げられる。「シクロアルキルアルキニレン」は、-(アルキニレン)-シクロアルキル基を指し、例えば、C~CシクロアルキルC~Cアルキニレンは、基-(C~Cアルキニレン)-C~Cシクロアルキルである。「C~Cシクロアルキルエチニレン」は、基-C≡C-C~Cシクロアルキルである。
【0044】
「シアノ」という用語は、基-CNを指す。「C~Cシアノアルキル」という用語は、1、2又は3個のシアノ基で置換されている、本明細書で定義されるC~Cアルキルを指す。「C~Cシアノアルキルエチニレン」は、基-C≡C-C~Cシアノアルキルである。
【0045】
「ハロアルキル」という用語は、1~7個のハロゲン原子によって置換されたアルキルを指す。ハロアルキルとしては、モノハロアルキル又はポリハロアルキルが挙げられる。例えば、「C~Cハロアルキル」という用語は、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、4-クロロブチル、3-ブロモプロピルなどを含むことを意味する。更に、「ハロアルキレン」という用語は、1~7個のハロゲン原子によって置換されたアルキレンを指す。
【0046】
「ハロアルコキシ」又は「ハロアルコキシル」という用語は-O-ハロアルキル基を指し、ハロアルキルは本明細書で定義される通りである。ハロアルコキシルとしては、モノハロアルキルオキシル又はポリハロアルコキシルが挙げられる。例えば、「C~Cハロアルコキシル」という用語は、トリフルオロメチルオキシ、ジフルオロメチルオキシなどを含むことを意味する。
【0047】
「ハロゲン」又は「ハロ」は、全てのハロゲン、すなわち、クロロ(Cl)、フルオロ(F)、ブロモ(Br)又はヨード(I)を指す。
【0048】
「ヘテロ原子」は、酸素(O)、窒素(N)、及び硫黄(S)を含むことを意味する。
【0049】
「ヘテロアリール」は、O、S及びNからなる群から独立して選択される1個又は複数、14、13又は12個のヘテロ原子を含む、5~9個の環原子を含む単環式又は二環式の芳香族環基(本開示では5~9員ヘテロアリールとも呼ばれ、5又は6個の環原子を含む単環式芳香族環基(本開示では5~6員ヘテロアリールとも呼ばれる)を含む)を指す。少なくとも1個のヘテロ原子を含む任意の芳香族環又は環系は、結合点にかかわらず(すなわち、縮合環のいずれか1つを介して)ヘテロアリールである。ヘテロアリールはまた、第三級環窒素のスルフィニル、スルホニル及びノキシドなどの酸化されたS又はNを有する部分を含むことが意図されている。炭素原子又は窒素原子は、安定な化合物が生成されるようなヘテロアリール環構造の結合点である。ヘテロアリール基の例としては、ピリジル、ピリダジニル、ピラジニル、インドリジニル、ベンゾ[b]チエニル、キナゾリニル、プリニル、インドリル、キノリニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、チエニル、イソオキサゾリル、オキサチアジアゾリル、イソチアゾリル、テトラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、フラニル、ベンゾフリル、トリアジニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、ベンゾトリアジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンズイソオキサゾリル、イソベンゾフリル、イソインドリル、インドリジニル、チエノピリジル、チエノピリミジニル、ピラゾロピリミジニル、イミダゾピリジン、ベンゾチアキソリル、ベンゾチエニル、キノリル、イソキノリル、インダゾリル、プテリジニル及びチアジアゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。「窒素含有ヘテロアリール」は、環ヘテロ原子の少なくとも1つがNであるヘテロアリールを指す。
【0050】
「ヘテロシクロアルキル」は、N、O、S(S(O)及びS(O)を含む)又はP(ホスフィンオキシドを含む)から選択される1~5個のヘテロ原子を含む飽和又は部分不飽和非芳香族シクロアルキル基を指し、窒素、硫黄及びリン原子は酸化されていてもよく、窒素原子は四級化されていてもよく、残りの環原子はCであり、1個又は2個のC原子はよりカルボニルとして存在していてもよい。更に、ヘテロシクロアルキルという用語は、分子の残りの部分との結合点にかかわらず、ヘテロアリールではない少なくとも1個のヘテロ原子を含む任意の環又は環系を包含することを意図している。ヘテロシクロアルキル基としては、形式的に電荷分離された芳香族共鳴構造を有する環を有するもの、例えば、N-メチルピリドニルが挙げられる。ヘテロシクロアルキルは、1個又は2個のオキソ基で置換されていてもよく、スルホン及びスルホキシド誘導体を挙げることができる。ヘテロシクロアルキルは、3~12個、4~10個、5~10個又は5~6個の環原子の単環式、縮合二環式又は縮合多環式環系であってもよく、1~5個の環原子が-N=、-N-、-O-、-S-、-S(O)-又は-S(O)-から選択されるヘテロ原子であり、更に、1個又は2個の環原子が-C(O)-基によって置き換えられていてもよい。一例として、4~6員ヘテロシクロアルキルは、少なくとも1個のヘテロ原子を有する4~6個の環員を有するヘテロシクロアルキルである。ヘテロシクロアルキルは、シクロアルキルと縮合した複素環式アルキル環であってもよい。ヘテロシクロアルキル基の非限定的な例としては、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピリドニルなどが挙げられる。ヘテロシクロアルキル基は、環炭素又はヘテロ原子を介して分子の残りの部分に結合することができる。「ヘテロシクロアルケニル」は、少なくとも1つの不飽和単位を有するヘテロシクロアルキルを指す。ヘテロシクロアルキル又はヘテロシクロアルケニルの置換基は、ヘテロシクロアルキル又はヘテロシクロアルケニル基の結合点にあってもよく、第四級中心を形成する。
【0051】
「ヒドロキシル」又は「ヒドロキシ」は、基OHを指す。「ヒドロキシアルキル」又は「ヒドロキシアルキレン」という用語は、1~5個のヒドロキシ基で置換された、本明細書でそれぞれ定義されるアルキル基又はアルキレン基を指す。
【0052】
「オキソ」という用語は、C(=O)又は(O)を指す。いくつかの実施形態では、炭素上の2つの可能な結合点がオキソ基を形成する。
【0053】
本開示を通して使用される「任意の置換基」又は「置換されていてもよい」は、化合物に対する置換が起こっても起こらなくてもよいこと、及びその説明が、置換が起こる場合と、置換が起こらない場合とを含むことを意味する。例えば、「1~3個のT基で置換されていてもよい」という語句は、T基が存在してもよいが、存在する必要はないことを意味する。本開示では、化合物に対する任意の置換は、安定な化合物をもたらす方法で起こると仮定される。
【0054】
「スピロ炭素原子」は、2つの環に共通の炭素原子である。「炭素環式スピロ環」は、この例に示すように、1つの共通のスピロ炭素原子で結合した2つのシクロアルキル環を含む。
【化3】

「複素環式スピロ環」は、この例に示すように、1つの共通のスピロ炭素原子で複素環に結合したシクロアルキル又はヘテロシクロアルキル環を含む。
【化4】
【0055】
本開示の化合物に関連して本明細書で使用される場合、「合成する」及び同様の用語は、1つ又は複数の前駆体材料からの化学合成を意味する。
【0056】
本明細書で使用される場合、「組成物」という用語は、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物及び少なくとも1つの薬学的に許容される担体又は賦形剤を含有する、意図される動物対象への治療目的での投与に適した製剤を指す。
【0057】
「薬学的に許容される」という用語は、示された材料が、治療される疾患又は状態及びそれぞれの投与経路を考慮して、合理的に判断できる医師が患者への材料の投与を回避する特性を有さないことを示す。例えば、そのような材料は、例えば注射剤の場合、本質的に無菌であることが一般に要求される。
【0058】
「薬学的に許容される塩」は、哺乳動物などの患者への投与に許容される塩(例えば、所与の投与計画に対して許容される哺乳動物の安全性を有する塩)を指す。企図される薬学的に許容される塩形態としては、モノ、ビス、トリス、テトラキスなどが挙げられるが、これらに限定されない。薬学的に許容される塩は、それらが投与される量及び濃度において非毒性である。そのような塩の調製は、化合物がその生理学的効果を発揮するのを妨げることなく、化合物の物理的特性を変化させることによって薬理学的使用を容易にすることができる。物理的特性の有用な変化には、融点を下げて経粘膜投与を容易にすること、及び溶解度を上げてより高濃度の薬物の投与を容易にすることが含まれる。そのような塩は、本明細書に記載の化合物に見られる特定の置換基に応じて、薬学的に許容される無機又は有機塩基及び薬学的に許容される無機又は有機酸から誘導することができる。
【0059】
薬学的に許容される塩は、標準的な技術によって調製することができる。例えば、化合物の遊離塩基形態は、適切な溶媒、例えば適切な酸を含有する水溶液又は水性アルコール溶液に溶解し、次いで溶液を蒸発させることによって単離することができる。別の例では、塩は、有機溶媒中で遊離塩基と酸とを反応させることによって調製することができる。
【0060】
本開示の化合物が比較的酸性の官能基を含有する場合、塩基付加塩は、このような化合物の中性形態を、そのままで又は適切な不活性溶媒中で、十分な量の所望の塩基(すなわち、第一級、第二級、第三級、第四級又は環状アミン、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物など)と接触させることによって得ることができる。所望の酸は、例えば、ピラノシジル酸(グルクロン酸、ガラクツロン酸など)、α-ヒドロキシ酸(クエン酸、酒石酸など)、アミノ酸(アスパラギン酸、グルタミン酸など)、芳香族酸(安息香酸、桂皮酸など)、スルホン酸(p-トルエンスルホン酸、エタンスルホン酸など)などであってもよい。いくつかの実施形態では、塩は、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グリコール酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、ナフタレンスルホン酸、ニコチン酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、スルファミン酸、ヨウ化水素酸、炭酸、酒石酸、p-トルエンスルホン酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、安息香酸、ケイ皮酸、アントラニル酸、メシル酸、サリチル酸、p-ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、エンボン酸(パモ酸)、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、スルファニル酸、ステアリン酸、シクロヘキシルスルファミン酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、キナ酸、アルゲン酸、ヒドロキシ酪酸、ガラクタル酸及びガラクツロン酸などの薬学的に許容される酸から誘導することができる。
【0061】
アルギニン酸塩などのアミノ酸の塩、及びグルクロン酸又はガラクツロン酸などの有機酸の塩も含まれる(例えば、Berge,S.M.et al.,「Pharmaceutical Salts」(薬学的塩),J.Pharmaceutical Science,1977,66:1-19を参照されたい。)。本開示の特定の化合物は、化合物を塩基付加塩又は酸付加塩のいずれかに変換することを可能にする塩基性官能基及び酸性官能基の両方を含有する。
【0062】
化合物の中性形態は、塩を塩基又は酸と接触させ、従来の方法で親化合物を単離することによって再生することができる。化合物の親形態は、極性溶媒への溶解度などの特定の物理的特性において様々な塩形態とは異なるが、それ以外は、塩は本開示の目的のために化合物の親形態と等価である。
【0063】
異なる化合物の薬学的に許容される塩は、複合体として存在してもよい。複合体の例としては、8-クロロテオフィリン複合体(例えば、ジメンヒドリナート:ジフェンヒドラミン8-クロロテオフィリン(1:1)複合体に類似、ドラマミン)及び種々のシクロデキストリン包接複合体が含まれる。
【0064】
「重水素化」という用語は、本明細書で単独で又は基の一部として使用される場合、置換重水素原子を意味する。「重水素化類似体」という用語は、本明細書で単独で又は基の一部として使用される場合、水素原子の代わりに置換重水素原子を含む化合物を意味する。本開示の重水素化類似体は、完全又は部分的に重水素置換された誘導体であってもよい。いくつかの実施形態では、本開示の重水素置換誘導体は、完全又は部分的に重水素置換されたアルキル、アリール又はヘテロアリール基を有する。
【0065】
本開示はまた、本明細書に列挙されたものと同一であるが、1つ又は複数の原子が、自然界で通常見られる原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を有する原子によって置き換えられているという事実のための本開示の同位体標識化合物を包含する。本開示の化合物の全ての同位体変種は、放射性であろうとなかろうと、本開示の範囲内に包含されることが意図されている。本開示の化合物に組み込むことができる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素及び塩素の同位体、例えば、H(重水素、D)、H(トリチウム)、11C、13C、14C、15N、18F、31P、32P、35S、36Cl及び125Iが挙げられるが、これらに限定されない。特に明記しない限り、位置が具体的に「H」又は「水素」と指定される場合、その位置は、その天然存在比の同位体組成又はその同位体、例えば重水素(D)又はトリチウム(H)で水素を有すると理解される。本開示の特定の同位体標識化合物(例えば、H及び14Cで標識されたもの)は、化合物及び/又は基質組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム化(すなわち、H)及び炭素-14(すなわち、14C)及びフッ素-18(18F)同位体は、それらの調製の容易さ及び検出可能性のために有用である。更に、重水素(すなわち、H)などのより重い同位体による置換は、より大きな代謝安定性(例えば、インビボ半減期の増加又は必要投与量の減少)から生じる特定の治療上の利点を与える可能性があり、したがっていくつかの状況では好ましい場合がある。本開示の同位体標識化合物は、一般に、非同位体標識試薬の代わりに同位体標識試薬を用いることによって、本明細書の以下のスキーム及び例に記載されるものと同様の手順によって調製することができる。
【0066】
「プロドラッグ」は、そのようなプロドラッグが対象に投与された場合に、インビボで式Iによる活性親薬物を放出する任意の化合物を意味する。式Iの化合物のプロドラッグは、通常の操作又はインビボのいずれかで、修飾がインビボで切断されて親化合物を放出することができるように、式Iの化合物中に存在する官能基を修飾することによって調製される。プロドラッグは、単一の工程でプロドラッグ形態から活性形態に進行し得るか、又はそれ自体が活性を有し得るか若しくは不活性であり得る1つ又は複数の中間形態を有してもよい。いくつかのプロドラッグには、酵素的に活性化されて活性化合物を生じるものや、又は更なる化学反応時に活性化合物を生じる化合物がある。プロドラッグには、式Iの化合物が含まれ、式Iの化合物中のヒドロキシ、アミノ、カルボキシル又はスルフヒドリル基は、インビボで切断されて遊離ヒドロキシル、アミノ又はスルフヒドリル基をそれぞれ再生することができる任意の基に結合している。プロドラッグの例としては、式Iの化合物中のヒドロキシ官能基のエステル(例えば、酢酸塩、ギ酸塩及び安息香酸塩誘導体)、アミド、グアニジン、カルバミン酸塩(例えば、N,N-ジメチルアミノカルボニル)などが挙げられるが、これらに限定されない。プロドラッグの他の例としては、限定されないが、活性化合物の炭酸塩ト、ウレイド、溶媒和物又は水和物が挙げられる。プロドラッグの調製、選択、及び使用は、T.Higuchi and V.Stella,「Pro-drugs as Novel Delivery Systems」,Vol.14 of the A.C.S.Symposium Series、「Design of Prodrugs」,ed.H.Bundgaard,Elsevier,1985、及びin Bioreversible Carriers in Drug Design,ed.Edward B.Roche,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987で論じられ、これらの各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0067】
The Practice of Medicinal Chemistryの第31~32章(Ed.Wermuth,Academic Press,San Diego,CA,2001)に示すように、プロドラッグは、2つの非排他的なカテゴリー、生体前駆体プロドラッグ及び担体プロドラッグに概念的に分けることができる。一般に、生物前駆体プロドラッグは、1つ又は複数の保護基を含有し、代謝又は加溶媒分解によって活性形態に変換される、対応する活性薬物化合物と比較して不活性であるか又は活性が低い化合物である。活性薬物形態及び任意の放出された代謝産物の両方が、許容できるほど低い毒性を有するべきである。典型的には、活性薬物化合物の形成は、以下のタイプの1つである代謝プロセス又は反応を含む。
【0068】
(1)酸化反応:酸化反応としては、アルコール、カルボニル及び酸官能基の酸化、脂肪族炭素のヒドロキシル化、脂環式炭素原子のヒドロキシル化、芳香族炭素原子の酸化、炭素-炭素二重結合の酸化、窒素含有官能基の酸化、ケイ素、リン、ヒ素及び硫黄の酸化、酸化的N-脱アルキル化、酸化的O-及びS-脱アルキル化、酸化的脱アミノ化、並びに他の酸化反応などの反応が例示されるが、これらに限定されない。
【0069】
(2)還元反応:還元反応としては、カルボニル官能基の還元、アルコール官能基及び炭素-炭素二重結合の還元、窒素含有官能基の還元、及び他の還元反応などの反応が例示されるが、これらに限定されない。
【0070】
(3)酸化状態が変化しない反応:酸化状態が変化しない反応としては、エステル及びエーテルの加水分解、炭素-窒素単結合の加水分解開裂、非芳香族複素環の加水分解開裂、多結合での水和及び脱水、脱水反応に起因する新たな原子結合、加水分解脱ハロゲン化、ハロゲン化水素分子の除去、及び他のこれらの反応などの反応が挙げられるが、これらに限定されない。
【0071】
担体プロドラッグは、例えば、作用部位への取り込み及び/又は局所送達を改善する輸送部分を含む薬物化合物である。そのような担体プロドラッグの場合、薬物部分と輸送部分との間の結合は共有結合であり、プロドラッグは不活性であるか、又は薬物化合物よりも活性が低く、プロドラッグ及び任意の放出輸送部分は許容可能な無毒性であることが望ましい。輸送部分が取り込みを増強することを意図するプロドラッグの場合、典型的には、輸送部分の放出は迅速でなければならない。他の場合では、徐放を提供する部分、例えば特定のポリマー又はシクロデキストリンなどの他の部分を利用することが望ましい。(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Chengらの米国特許出願公開第2004/0077595号を参照されたい。)そのような担体プロドラッグは、経口投与される薬物にとって有利であることが多い。担体プロドラッグは、例えば、以下の特性である、親油性の増加、薬理学的効果の持続時間の増加、部位特異性の増加、毒性及び有害反応の減少、及び/又は製剤の改善(例えば、安定性、水溶性、望ましくない官能特性又は物理化学的特性の抑制)のうちの1つ又は複数を改善するために使用することができる。例えば、親油性は、親油性カルボン酸によるヒドロキシル基のエステル化、又はアルコール、例えば脂肪族アルコールによるカルボン酸基のエステル化によって増加させることができる。
【0072】
「担体」という用語はまた、ミクロスフェア、リポソーム、ミセル、ナノ粒子(天然に装備されたナノキャリア、例えばエキソソーム)などを含むことを意味する。エキソソームは非常に有効な薬物担体であり得ることが知られており、内容全体が参照により組み込まれる、J Control Release.2015 December 10;219:396-405に記載されている技術を含む、薬物をエキソソームにロードすることができる様々な方法がある。
【0073】
代謝産物、例えば活性代謝産物は、上記のプロドラッグ、例えばバイオ前駆体プロドラッグと重複する。したがって、そのような代謝産物は、薬理学的に活性な化合物、又は対象の体内での代謝プロセスから生じる誘導体である薬理学的に活性な化合物に更に代謝される化合物である。これらのうち、活性代謝産物は、そのような薬理学的に活性な誘導体化合物である。プロドラッグの場合、プロドラッグ化合物は、一般に不活性であるか、又は代謝産物よりも活性が低いものである。活性代謝産物の場合、親化合物は、活性化合物又は不活性プロドラッグのいずれかであってもよい。
【0074】
プロドラッグ及び活性代謝産物は、当技術分野で公知の日常的な技術を使用して同定することができる。例えば、Bertolini et al.,1997,J.Med.Chem.,40:2011-2016、Shan et al.,1997,J Pharm Sci 86(7):756-757、Bagshawe,1995,Drug Dev.Res.,34:220-230を参照されたい。
【0075】
「互変異性体」とは、分子の1つの原子のプロトンが他の原子に移動する現象によって生成される化合物を意味する。Jerry March,Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms and Structures,Fourth Edition,John Wiley&Sons,pages 69-74(1992)を参照されたい。互変異性体はまた、平衡状態で存在し、1つの異性体形態から別の異性体形態に容易に変換される2つ以上の構造異性体のうちの1つを指す。例としては、アセトン/プロペン-2-オールケト-エノール互変異性体、例えば、イミン-エナミン互変異性体など、環鎖互変異性体、例えばグルコース/2,3,4,5,6-ペンタヒドロキシ-ヘキサナールなど、-N=C(H)-NH-環原子配列を含むヘテロアリール基の互変異性形態、例えばピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール及びテトラゾールが挙げられる。化合物が、例えば、ケト若しくはオキシム基又は芳香族部分を含む場合、互変異性(tautomeric isomerism)(「互変異性(tautomerism)」)が起こる可能性がある。本明細書に記載される化合物は、1つ又は複数の互変異性体を有する場合があり、したがって、様々な異性体を含む。当業者は、他の互変異性環原子配置が可能であることを認識するであろう。これらの化合物の全てのそのような異性体は、本開示に明示的に含まれる。
【0076】
「異性体」は、同一の分子式を有するが、それらの原子の結合の性質若しくは順序、又は空間におけるそれらの原子の配置が異なる化合物を意味する。空間におけるそれらの原子の配置が異なる異性体は、「立体異性体」と呼ばれる。「立体異性体(stereoisomer)」及び「立体異性体(stereoisomers)」は、例えば、それらが1つ又は複数の不斉中心、又は不斉置換を有する二重結合を有する場合、異なる立体異性体形態で存在する化合物を指し、したがって、個々の立体異性体として又は混合物として生成することができる。立体異性体としては、エナンチオマー及びジアステレオマーが挙げられる。互いに鏡像ではない立体異性体は「ジアステレオマー」と呼ばれ、互いに重ね合わせることができない鏡像である立体異性体は「エナンチオマー」と呼ばれる。化合物が不斉中心、例えば4つの異なる基に結合した炭素などの原子を有する場合、一対のエナンチオマーが可能である。エナンチオマーは、その不斉中心の絶対配置によって特徴付けることができ、カーン及びプレローグのR及びS配列決定規則によって、又は分子が偏光面を回転させる様式によって記載され、右旋性又は左旋性(すなわち、それぞれ(+)又は(-)-異性体として)と呼ばれる。キラル化合物は、個々のエナンチオマー又はそれらの混合物として存在することができる。等しい割合のエナンチオマーを含む混合物は、「ラセミ混合物」と呼ばれる。別の例として、立体異性体には、二重結合の隣接する炭素上の置換基のシス又はトランス配向などの幾何異性体が含まれる。別段示されない限り、説明は、個々の立体異性体並びに混合物を含むことが意図される。立体化学の決定及び立体異性体の分離のための方法は当技術分野で公知であり(Advanced Organic Chemistry,6th edition J.March,John Wiley and Sons,New York,2007の第4章の考察を参照されたい)、1つ又は複数の立体中心のキラリティーが異なる。
【0077】
「水和物」は、水分子と溶質の分子又はイオンとの組み合せによって形成される複合体を指す。「溶媒和物」は、溶媒分子と溶質の分子又はイオンとの組み合せによって形成される複合体を指す。溶媒は、有機化合物、無機化合物、又は両方の混合物であってもよい。溶媒和物は、水和物を含むことを意味する。溶媒のいくつかの例としては、メタノール、N,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド及び水が挙げられるが、これらに限定されない。一般に、溶媒和形態は、非溶媒和形態と等価であり、本開示の範囲内に包含される。
【0078】
モジュレータであるか、モジュレータであってもよい化合物の使用、試験、又はスクリーニングの文脈において、「接触」という用語は、化合物が特定の分子、複合体、細胞、組織、生物、又は他の特定の材料に十分に近接し、化合物と他の特定の材料との間の潜在的な結合相互作用及び/又は化学反応が起こり得ることを意味する。
【0079】
「アッセイする」とは、実験条件の作成及び特定の実験条件への曝露による特定の結果に関するデータの収集を意味する。例えば、酵素は、検出可能な基質に作用する能力に基づいてアッセイすることができる。化合物は、特定の1つ又は複数の標的分子に結合するその能力に基づいてアッセイすることができる。
【0080】
本明細書で使用される場合、「リガンド」及び「モジュレータ」という用語は、標的生体分子、例えば本明細書に記載されるものなどの酵素の活性を変化させる(すなわち、増加又は減少)化合物を指すために同等に使用される。一般に、リガンド又はモジュレータは小分子であり、「小分子」は、1500ダルトン以下、1000ダルトン以下、800ダルトン以下、又は600ダルトン以下の分子量を有する化合物を指す。したがって、「改善されたリガンド」は、参照化合物よりも良好な薬理学的及び/又は薬物動態学的特性を有するものであり、「より良好」は、特定の生物学的系又は治療的使用のために当業者によって定義することができる。
【0081】
標的と潜在的結合化合物との間の相互作用に関連する「結合する」という用語は、潜在的結合化合物が、一般にタンパク質との会合(すなわち、非特異的結合)と比較して統計的に有意な程度に標的と会合することを示す。したがって、「結合化合物」という用語は、標的分子と統計的に有意な関連を有する化合物を指す。いくつかの態様では、結合化合物は、10mM以下、1,000μM以下、100μM以下、10μM以下、1μM以下、1,000nM以下、100nM以下、10nM以下、又は1nM以下の解離定数(K)で特定の標的と相互作用する。標的に結合する化合物の文脈において、「より大きい親和性」及び「選択的」という用語は、化合物が参照化合物よりも強く、又は参照条件で同じ化合物よりも強く、すなわち解離定数がより低いことを示す。いくつかの実施形態では、より大きい親和性は、少なくとも2、3、4、5、8、10、50、100、200、400、500、1000又は10,000倍大きい親和性である。
【0082】
「調節する」、「調節」などの用語は、CD73などの標的の機能及び/又は発現を増加又は減少させる化合物の能力を指し、そのような機能は転写調節活性及び/又は結合を含むことができる。調節は、インビトロ又はインビボで行うことができる。調節は、本明細書中に記載されるように、CD73に関連する機能若しくは特徴の阻害、拮抗作用、部分的拮抗作用、活性化、アゴニズム若しくは部分的アゴニズムを直接的若しくは間接的に、及び/又は発現CD73の上方制御若しくは下方制御を直接的若しくは間接的に含む。別の実施形態では、調節は直接的である。阻害剤又はアンタゴニストは、例えば、結合し、刺激を部分的又は完全に遮断し、減少させ、予防し、阻害し、活性化を遅延させ、不活性化させ、脱感作し、又はシグナル伝達を下方制御する化合物である。活性化剤又はアゴニストは、例えば、結合し、刺激し、増加させ、開き、活性化し、促進し、活性化を増強し、活性化し、感作し、又はシグナル伝達を上方制御する化合物である。
【0083】
本明細書で使用される場合、「治療する」、「治療すること」、「治療(therapy)」、「治療(therapies)」などの用語は、材料、例えば、疾患若しくは状態の1つ又は複数の症状、すなわち適応症を予防、緩和、若しくは改善するため、及び/又は治療されている対象の生存を延長するために有効な量の本明細書に記載の任意の1つ又は複数の化合物を投与することを指す。
【0084】
本明細書で使用される「予防する」、「予防すること」、「予防」という用語及びそれらの文法的変形は、疾患、障害若しくは状態及び/又はその付随する症状の1つ若しくは複数の発症若しくは再発を部分的若しくは完全に遅延若しくは排除するか、又は対象が障害若しくは状態を獲得若しくは再獲得するのを阻止するか、又は対象が障害若しくは状態又はその付随する症状の1つ若しくは複数を獲得若しくは要求するリスクを低減する方法を指す。
【0085】
本明細書で使用される場合、「対象」、「動物対象」などの用語は、ヒト及び非ヒト脊椎動物、例えば任意の哺乳動物、例えばヒト、他の霊長類、スポーツ動物及び商業的に関心のある動物、例えばウシ、ウマ、ヒツジ又はブタ、げっ歯類又はペット、例えばイヌ及びネコを含むが、これらに限定されない生物を指す。
【0086】
「単位剤形」は、疾患又は病状に罹患している対象を治療するための単回投与を意図した組成物を指す。各単位剤形は、典型的には、本開示の化合物+1種又は複数の薬学的に許容される賦形剤を含む。単位剤形の例は、個々の錠剤、個々のカプセル、バルク粉末、液剤、軟膏、クリーム、点眼剤、坐剤、乳剤又は懸濁剤である。疾患又は状態の治療は、単位剤形の定期的な投与、例えば、1つの単位剤形を1日に2回以上、各食事と共に1回、4時間又は他の間隔で1回、又は1日に1回のみの投与を必要とし得る。「経口単位剤形」という表現は、経口的に摂取されるように設計された単位剤形を示す。
【0087】
「投与する」という用語は、対象への経口投与、坐剤としての投与、局所接触、静脈内、腹腔内、筋肉内、病巣内、鼻腔内又は皮下投与、又は徐放装置、例えばミニ浸透圧ポンプの埋め込みを指す。投与は、非経口及び経粘膜(例えば、頬側、舌下、口蓋、歯肉、鼻、膣、直腸、又は経皮)を含む任意の経路によるものである。非経口投与には、例えば、静脈内、筋肉内、細動脈内、皮内、皮下、腹腔内、脳室内及び頭蓋内が含まれる。他の送達様式には、リポソーム製剤、静脈内注入、経皮パッチなどの使用が含まれるが、これらに限定されない。
【0088】
本文脈において、「治療有効」又は「有効量」という用語は、投与された場合の化合物若しくは材料又は化合物若しくは材料の量が、治療されている疾患、障害又は医学的状態の1つ又は複数の症状を予防、緩和、又は改善する、及び/又は治療されている対象の生存を延長するのに十分又は有効であることを示す。治療有効量は、化合物、疾患、障害又は状態及びその重症度並びに治療される哺乳動物の年齢、体重などに応じて変化する。一般に、対象において満足のいく結果が、約0.1~約10g/kg対象体重の1日投与量で得られることが示される。いくつかの実施形態では、1日用量は、約0.10~10.0mg/kg体重、約1.0~3.0mg/kg体重、約3~10mg/kg体重、約3~150mg/kg体重、約3~100mg/kg体重、約10~100mg/kg体重、約10~150mg/kg体重、又は約150~1000mg/kg体重の範囲である。投与量は、好都合には、例えば1日4回までの分割用量で、又は持続放出形態で投与することができる。
【0089】
化合物がCD73の機能を阻害する能力は、生化学的アッセイ、例えば結合アッセイ又は細胞ベースのアッセイで実証することができる。
【0090】
本明細書で使用される場合、「CD73媒介疾患又は状態」という用語は、CD73の生物学的機能が疾患又は状態の発症及び/又は経過に影響を及ぼす、及び/又はCD73の調節が発症、経過及び/又は症状を変化させる疾患又は状態を指す。CD73媒介疾患又は状態には、CD73阻害が治療上の利益を提供する疾患又は状態が含まれ、例えば、本明細書に記載される化合物を含むCD73阻害剤による治療は、疾患又は状態に罹患しているか又はそのリスクがある対象に治療上の利益を提供する。CD73媒介疾患又は状態は、CD73における機能変異の喪失を有する癌、又はCD73の活性化が存在する癌を含むことが意図される。CD73媒介疾患又は状態はまた、結腸、肺、膵臓、及び卵巣のものを含む様々なヒト癌腫、並びに腫瘍血管新生に関連する疾患又は状態、及び浸潤性を含むことが意図される。
【0091】
また、生体分子標的に結合する化合物の文脈において、「より高い特異性」という用語は、化合物が、関連する結合条件下に存在し得る別の1つ又は複数の生体分子よりも大きな程度で特定の標的に結合し、そのような他の生体分子への結合が、特定の標的への結合とは異なる生物学的活性を生じることを示す。典型的には、特異性は、例えばCD73の場合、他の生体分子の限定されたセットを基準としている。特定の実施形態では、より高い特異性は、少なくとも2、3、4、5、8、10、50、100、200、400、500、又は1000倍高い特異性である。
【0092】
結合化合物又はリガンドに関連して本明細書で使用される場合、「CD73に特異的」という用語及び同様の意味の用語は、特定の化合物が、特定の試料中に存在し得る他の標的よりも統計的に大きな程度でCD73に結合することを意味する。また、結合以外の生物学的活性が示される場合、「CD73に特異的」という用語は、特定の化合物が、他の酵素に対するよりもCD73の結合に関連するより大きな生物学的効果、例えば酵素活性阻害を有することを示す。
【0093】
「第一選択癌治療」という用語は、癌細胞の数を減少させるための初期レジメンとして対象に施される療法を指す。第一選択療法はまた、誘導療法、一次療法及び一次治療とも呼ばれる。第一選択療法は、1つ又は複数の薬剤と組み合わせて施すことができる。特定の疾患に対する第一選択治療に対する現在受け入れられているアプローチの要約は、そのような疾患に対するNCIガイドラインに見出すことができる。
【0094】
「第二選択癌治療」という用語は、第一選択治療に反応しない、すなわち、しばしば第一選択治療が施されるか、又は寛解後に癌が再発した対象に施される癌治療を指す。特定の実施形態では、施され得る第二選択治療は、初期の成功した癌治療の繰り返しを含み、これは「第一選択癌治療」に記載される治療のいずれかであってもよい。特定の疾患に対する第二選択治療に対する現在受け入れられているアプローチの要約は、そのような疾患に対するNCIガイドラインに記載されている。
【0095】
「難治性」という用語は、対象が癌治療又は治療に応答しないか、そうでなければ抵抗性であることを指す。癌治療は、第一選択、第二選択又は任意のその後に施される処置であってもよい。特定の実施形態では、難治性とは、対象が2回の誘導試行後に完全寛解を達成できない状態を指す。対象は、特定の治療に対する癌細胞の固有の耐性のために難治性であってもよいか、又は対象は、特定の治療の経過中に発生する獲得耐性のために難治性であってもよい。
【0096】
更に、本明細書で使用される略語は、以下のそれぞれの意味を有する。
【表1-1】

【表1-2】
【0097】
II.化合物
本明細書で企図される化合物は、一般式及び特定の化合物の両方を参照して記載される。更に、本明細書に記載される化合物は、全て本開示の範囲内で、いくつかの異なる形態又は誘導体で存在し得る。これらには、例えば、互変異性体、立体異性体、ラセミ混合物、位置異性体、塩、プロドラッグ(例えばカルボン酸エステル)、溶媒和形態及び活性代謝産物が含まれる。
【0098】
いくつかの化合物は互変異性を示し得ることが理解される。そのような場合、本明細書中に提供される式は、可能な互変異性形態の1つのみを明示的に示す。したがって、本明細書で提供される式は、示された化合物の任意の互変異性形態を表すことを意図しており、式の図面によって示される特定の互変異性形態のみに限定されるものではないことを理解されたい。
【0099】
同様に、本開示による化合物のいくつかは、本明細書で定義される立体異性体として存在し得る。そのような単一の立体異性体、ラセミ体及びそれらの混合物は全て、本開示の範囲内であることが意図されている。そうではないと指定されない限り、そのような立体異性形態は全て、本明細書で提供される式に含まれる。
【0100】
いくつかの実施形態では、本開示のキラル化合物は、少なくとも80%の単一の異性体(60%の鏡像体過剰率(「e.e.」)又はジアステレオマー過剰率(「d.e.」))、又は少なくとも85%(70%e.e.又はd.e.)、90%(80%e.e.又はd.e.)、95%(90%e.e.又はd.e.)、97.5%(95%e.e.又はd.e.)、若しくは99%(98%e.e.又はd.e.)を含む形態である。当業者に一般的に理解されるように、1つのキラル中心を有する光学的に純粋な化合物は、2つの可能なエナンチオマー(すなわち、鏡像異性的に純粋である)のうちの1つから本質的になる化合物であり、2つ以上のキラル中心を有する光学的に純粋な化合物は、ジアステレオマー的に純粋であり、エナンチオマー的に純粋である化合物である。いくつかの実施形態では、化合物は、光学的に純粋な形態で存在する。
【0101】
合成が二重結合、特に炭素-炭素二重結合での単一基の付加を含む化合物の場合、付加は二重結合連結原子のいずれかで起こり得る。そのような化合物について、本開示は、そのような位置異性体の両方を含む。
【0102】
本明細書に記載される本式及び化合物に加えて、本開示はまた、プロドラッグ(一般に薬学的に許容されるプロドラッグ)、活性代謝誘導体(活性代謝産物)、及びそれらの薬学的に許容される塩を含む。
【0103】
そうではないと指定されない限り、本明細書中の化合物の仕様には、そのような化合物の薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体又は重水素化類似体が含まれる。
【0104】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、アンモニウム、ジエチルアミン、エタノールアミン、エチレンジアミン、ジエタノールアミン、t-ブチルアミン、ピペラジン、メグルミンなどの塩基付加塩、酢酸塩、アセチルサリチル酸塩、ベシル酸塩、カンシル酸塩、クエン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルタル酸塩、塩酸塩、マレイン酸塩、メシル酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、リン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩などの酸付加塩を含む酸又は塩基、並びにアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン又はバリンなどのアミノ酸と複合体形成する。いくつかの例では、複合体の非晶質形態は、酸又は塩基と混合した親化合物の噴霧乾燥、ローラー圧縮などの機械化学的方法、又はマイクロ波照射などによる追加の処理によって促進される。そのような方法はまた、複合体の非晶質性を更に安定化する、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシナート(HPMCAS)及びメタクリル酸コポリマー(例えば、Eudragit(登録商標)L100-55)を含むがこれらに限定されないイオン性及び/又は非イオン性ポリマー系の添加を含むことができる。このような非晶質複合体は、いくつかの利点を提供する。例えば、遊離塩基に対する融解温度の低下は、化合物の生物医薬特性を更に改善するために、ホットメルト押出などの追加の加工を容易にする。また、非晶質複合体は容易に破砕可能であり、これにより、固体をカプセル又は錠剤形態に充填するための圧縮が改善される。
【0105】
化合物の実施形態
本開示の実施形態1は、式Iを有する化合物、
【化5】

又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体若しくは重水素化類似体に関し、式中、
Aは、5~6員芳香環又は4~7員窒素含有ヘテロシクロアルキルであり、Aは、0~3個のRで置換されており、但し、環Aが4~7員窒素含有ヘテロシクロアルキルである場合、式Iのピリダジノン部分は、Aの窒素原子に結合しており、
Eは、フェニル又は5員若しくは6員ヘテロアリールであり、Eは、0~3個のQ及び0~1個のR11で置換されており、但し、Eが5員又は6員ヘテロアリールである場合、Oは、Eのヘテロ原子に結合しておらず、
Lは、存在しない、-C(O)N(H)-、C~Cアルキレン、-N(H)-又は-O-であり、
Gは、以下の基:
(a)0~4個のT及び0~1個のTで置換されたシクロアルキル、
(b)0~4個のT及び0~1個のTで置換されたシクロアルケニル、
(c)0~4個のT及び0~1個のTで置換された架橋炭素環、
(d)1つの共通のスピロ炭素原子によって結合された2つのシクロアルキル基を含む炭素環式スピロ環であって、炭素環式スピロ環が0~4個のT及び0~1個のTで置換されている、炭素環式スピロ環、
(e)少なくとも1つのヘテロ原子を有する2つの環式基を含む複素環式スピロ環であって、2つの環式基が1つの共通のスピロ炭素原子によって結合されており、複素環式スピロ環が0~3個のT、0~1個のTで置換されている、複素環式スピロ環、
(f)0~4個のT及び0~1個のTで置換されたフェニル、
(g)0~4個のT及び0~1個のTで置換されたヘテロシクロアルキル、
(h)0~4個のT及び0~1個のTで置換されたヘテロシクロアルケニル、
(i)0~4個のT及び0~1個のTで置換された架橋複素環、又は
(j)0~3個のT及び0~1個のTで置換されたヘテロアリール、
のうちの1つであり、
各Qは独立して、ハロゲン、CN、又は1~3個のハロゲンで置換されていてもよいアルキルであり、
各Tは独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、1~3個のRで置換されていてもよいアルキル、1~3個のRで置換されていてもよいアルケニル、1~3個のRで置換されていてもよいアルキニル、CN、シアノアルキル、1~3個のRで置換されていてもよいアルコキシル、又は1~3個のRで置換されていてもよいアルコキシアルキルであり、
は、-(CH0~3-N(R)SO-R、-(CH0~3-SO-R、-(CH0~3-SON(R)R、-(CH0~3-N(R)SON(R)R、-(CH0~3-N(R)C(O)N(R)R、-(CH0~3-N(R)C(O)R、-(CH0~3-N(R)C(O)OR、-(CH0~3-N(R)R、-(CH0~3-C(O)N(R)R、-(CH0~3-C(O)OR、-(CH0~3-C(O)R10、-(CH0~3-C(O)H、-(CH0~3-N(R)C(O)R10、1~4個のZで置換されていてもよい-(CH0~3シクロアルキル、1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~3-フェニル、又は1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~3ヘテロアリールであり、
は、-(CH0~3-C(O)N(R)R、-(CH0~3-N(R)R、-(CH0~3-C(O)OR、-(CH0~3-シクロアルキル、-(CH0~3-シクロアルケニル、-(CH0~3-ヘテロシクロアルキル、-(CH0~3-ヘテロシクロアルケニル、4-クロロピリダジン-3-オン-5-イルで置換されていてもよい-O-ヘテロシクロアルキル、又は-(CH0~3-架橋炭素環であり、-(CH0~3-シクロアルキル、-(CH0~3-シクロアルケニル、-(CH0~3-ヘテロシクロアルキル、-(CH0~3-ヘテロシクロアルケニル、又は-(CH0~3-架橋炭素環は、それぞれ1~3個のZ及び0~1個のZで置換されていてもよく、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、GはTの酸素原子又は窒素原子に結合することができず、
は、-(CH0~3C(O)OR、-(CH0~3-N(R)C(O)R、-(CH0~3-N(R)SO-R、-(CH0~3-SO-R、-(CH0~3-SON(R)R、-(CH0~3-N(R)C(O)N(R)R、又はN(Rであり、
各Tは独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、1~3個のRで置換されていてもよいアルキル、1~3個のRで置換されていてもよいアルケニル、1~3個のRで置換されていてもよいアルキニル、CN、シアノアルキル、1~3個のRで置換されていてもよいアルコキシル、又は1~3個のRで置換されていてもよいアルコキシアルキルであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Tは、ハロゲン、ヒドロキシル、CN、又は1~3個のRで置換されていてもよいアルコキシルであることはできず、
は、-(CH0~3-N(R)SO-R、-(CH0~3-SO-R、-(CH0~3-SON(R)R、-(CH0~3-N(R)SON(R)R、-(CH0~3-N(R)C(O)N(R)R、-(CH0~3-N(R)C(O)R、-(CH0~3-N(R)C(O)OR、-(CH0~3-N(R)R、-(CH0~3-C(O)-N(R)R、-(CH0~3-C(O)OR、-(CH0~3-C(O)R10、-(CH0~3-N(R)C(O)R10、-N(H)C(H)C=O、1~4個のZで置換されていてもよい-(CH0~3シクロアルキル、1~4個のZで置換されていてもよい-(CH0~2ヘテロシクロアルキル、1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~3ヘテロアリール、又は4-クロロピリダジン-3-オン-5-イルであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、Tの窒素原子又は酸素原子に結合することができず、
は、H又はアルキルであり、
は、ハロゲン、CN、CF又はヒドロキシルであり、但し、1個以下のRがCFであってもよく、
は、H、アルコキシアルキル、0~4個のZで置換されたアルケニル、又は0~4個のZで置換されたC~Cアルキルであり、
は、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルコキシル、ハロアルキル、CF又はCNであり、
は、H、ハロゲン、アルキル、CN又はハロアルキルであり、
各Rは独立して、ハロゲン、CN、又は1~3個のハロゲンで置換されていてもよいアルキルであり、
は、1~4個のZで置換されていてもよいアルキル、1~4個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-シクロアルキル、1~4個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-フェニル、1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-ヘテロアリール、又は1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-ヘテロシクロアルキルであり、
は、H、1~4個のZで置換されていてもよいアルキル、1~4個のZで置換されていてもよいアルケニル、1~4個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-シクロアルキル、1~4個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-フェニル、1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-ヘテロアリール、1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-ヘテロシクロアルキル、又は0~5個のTで置換された架橋炭素環であり、
各Rは独立して、H又は1~4個のZで置換されていてもよいアルキルであり、
10は、0~4個のZで置換されたアルキル、1~4個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-シクロアルキル、1~4個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-フェニル、1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-ヘテロアリール、又は1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-ヘテロシクロアルキルであり、
11は、NHであり、
は、シアノアルキル、-(CH0~2-C(O)OR、-(CH0~2-C(O)-N(R)Rであり、但し、Zがヘテロ原子に結合している場合、ZはC(O)ORではなく、
各Zは独立して、ヒドロキシル、ハロゲン、NH又はCNであり、但し、1個以下のZは、NHであってもよく、
各Zは独立して、アルキル、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシル、アルコキシアルキル、又はCNであり、
各Zは独立して、ヒドロキシル、ハロゲン、アルコキシル、又はCNであり、
各Zは独立して、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、ハロゲン、アルコキシル、アルコキシアルキル、CN又はシアノアルキルであり、但し、Zがヘテロ原子に結合している場合、Zは、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシル又はCNではない。
【0106】
実施形態1の下位実施形態
実施形態1(a)は、実施形態1に関し、式中、Aは、5~6員芳香環であり、Aは、0~3個のRで置換されている。
【0107】
実施形態1(b)は、実施形態1に関し、式中、Aは、4~7員窒素含有ヘテロシクロアルキルであり、但し、式Iのピリダジノン部分は、Aの窒素原子に結合している。
【0108】
実施形態1(c)は、実施形態1、1(a)又は1(b)のいずれか一項に関し、式中、Eは、0~3個のQ及び0~1個のR11で置換されたフェニルである。
【0109】
実施形態1(d)は、実施形態1、1(a)又は1(b)のいずれか一項に関し、式中、Eは、5若しくは6員ヘテロアリールであり、Eは、0~3個のQ及び0~1個のR11で置換されており、但し、Oは、Eのヘテロ原子に結合していない。
【0110】
実施形態1(e)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)又は1(d)のいずれか一項に関し、式中、Lは、存在しない。
【0111】
実施形態1(f)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)又は1(d)のいずれか一項に関し、式中、Lは、-C(O)N(H)-である。
【0112】
実施形態1(g)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)又は1(d)のいずれか一項に関し、式中、Lは、C~Cアルキレンである。
【0113】
実施形態1(h)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)又は1(d)のいずれか一項に関し、式中、Lは、-N(H)-である。
【0114】
実施形態1(i)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)又は1(d)のいずれか一項に関し、式中、Lは、-O-である。
【0115】
実施形態1(j)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)又は1(i)のいずれか一項に関し、式中、Gは、0~4個のT及び0~1個のTで置換されたシクロアルキルである。
【0116】
実施形態1(k)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)又は1(i)のいずれか一項に関し、式中、Gは、0~4個のT及び0~1個のTで置換されたシクロアルケニルである。
【0117】
実施形態1(l)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)又は1(i)のいずれか一項に関し、式中、Gは、0~4個のT及び0~1個のTで置換された架橋炭素環である。
【0118】
実施形態1(m)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)又は1(i)のいずれか一項に関し、式中、Gは、1つの共通のスピロ炭素原子によって結合された2つのシクロアルキル基を含む炭素環式スピロ環であり、式中、炭素環式スピロ環は、0~4個のT及び0~1個のTで置換されている。
【0119】
実施形態1(n)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)又は1(i)のいずれか一項に関し、式中、Gは、少なくとも1つのヘテロ原子を有する2つの環式基を含む複素環式スピロ環であり、式中、2つの環式基は、1つの共通のスピロ炭素原子によって結合されており、式中、複素環式スピロ環は、0~3個のT及び0~1個のTで置換されている。
【0120】
実施形態1(o)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)又は1(i)のいずれか一項に関し、式中、Gは、0~4個のT及び0~1個のTで置換されたフェニルである。
【0121】
実施形態1(p)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)又は1(i)のいずれか一項に関し、式中、Gは、0~4個のT及び0~1個のTで置換されたヘテロシクロアルキルである。
【0122】
実施形態1(q)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)又は1(i)のいずれか一項に関し、式中、Gは、0~4個のT及び0~1個のTで置換されたヘテロシクロアルケニルである。
【0123】
実施形態1(r)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)又は1(i)のいずれか一項に関し、式中、Gは、0~4個のT及び0~1個のTで置換された架橋複素環である。
【0124】
実施形態1(s)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)又は1(i)のいずれか一項に関し、式中、Gは、0~3個のT及び0~1個のTで置換されたヘテロアリールである。
【0125】
実施形態1(t)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)、1(j)、1(k)、1(l)又は1(m)のいずれか一項に関し、式中、Tは、-(CH0~3-N(R)SO-Rである。
【0126】
実施形態1(u)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)、1(j)、1(k)、1(l)又は1(m)のいずれか一項に関し、式中、Tは、-(CH0~3-SO-Rである。
【0127】
実施形態1(v)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)、1(j)、1(k)、1(l)又は1(m)のいずれか一項に関し、式中、Tは、-(CH0~3-N(R)SON(R)Rである。
【0128】
実施形態1(w)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)、1(j)、1(k)、1(l)又は1(m)のいずれか一項に関し、式中、Tは、-(CH0~3-N(R)C(O)N(R)Rである。
【0129】
実施形態1(x)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)、1(j)、1(k)、1(l)又は1(m)のいずれか一項に関し、式中、Tは、-(CH0~3-N(R)C(O)Rである、する。
【0130】
実施形態1(y)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)、1(j)、1(k)、1(l)又は1(m)のいずれか一項に関し、式中、Tは、-(CH0~3-N(R)C(O)ORである。
【0131】
実施形態1(z)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)、1(j)、1(k)、1(l)又は1(m)のいずれか一項に関し、式中、Tは、-(CH0~3-N(R)Rである。
【0132】
実施形態1(aa)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)、1(j)、1(k)、1(l)又は1(m)のいずれか一項に関し、式中、Tは、-(CH0~3-C(O)N(R)Rである。
【0133】
実施形態1(ab)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)、1(j)、1(k)、1(l)又は1(m)のいずれか一項に関し、式中、Tは、-(CH0~3-C(O)ORである。
【0134】
実施形態1(ac)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)、1(j)、1(k)、1(l)又は1(m)のいずれか一項に関し、式中、Tは、-(CH0~3-C(O)R10である。
【0135】
実施形態1(ad)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)、1(j)、1(k)、1(l)又は1(m)のいずれか一項に関し、式中、Tは、-(CH0~3-C(O)Hである。
【0136】
実施形態1(ae)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)、1(j)、1(k)、1(l)又は1(m)のいずれか一項に関し、式中、Tは、-(CH0~3-N(R)C(O)R10である。
【0137】
実施形態1(af)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)、1(j)、1(k)、1(l)又は1(m)のいずれか一項に関し、式中、Tは、1~4個のZで置換されていてもよい-(CH0~3シクロアルキルである。
【0138】
実施形態1(ag)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)、1(j)、1(k)、1(l)又は1(m)のいずれか一項に関し、式中、Tは、1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~3-フェニルである。
【0139】
実施形態1(ah)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)、1(j)、1(k)、1(l)又は1(m)のいずれか一項に関し、式中、Tは、1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~3-フェニルである。
【0140】
実施形態1(ai)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)、1(j)、1(k)、1(l)又は1(m)のいずれか一項に関し、式中、Tは、1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~3ヘテロアリールである。
【0141】
実施形態1(aj)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)又は1(s)のいずれか一項に関し、式中、Tは、-(CH0~3-C(O)N(R)Rである。
【0142】
実施形態1(ak)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)又は1(s)のいずれか一項に関し、式中、Tは、-(CH0~3-N(R)Rであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Tは-N(R)Rであることはできない。
【0143】
実施形態1(al)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)又は1(s)のいずれか一項に関し、式中、Tは、-(CH0~3-C(O)ORである。
【0144】
実施形態1(am)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)又は1(s)のいずれか一項に関し、式中、Tは、1~3個のZ及び0~1個のZで置換されていてもよい-(CH0~3-シクロアルキルである。
【0145】
実施形態1(an)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)又は1(s)のいずれか一項に関し、式中、Tは、1~3個のZ及び0~1個のZで置換されていてもよい-(CH0~3-ヘテロシクロアルキルであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、GはTの窒素原子又は酸素原子に結合することができない。
【0146】
実施形態1(ao)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)又は1(s)のいずれか一項に関し、式中、Tは、4-クロロピリダジン-3-オン-5-イルで置換されていてもよい-O-ヘテロシクロアルキルであり、但し、-O-ヘテロシクロアルキルはGのヘテロ原子に結合していない。
【0147】
実施形態1(ap)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)又は1(s)のいずれか一項に関し、式中、Tは、1~3個のZ及び0~1個のZで置換されていてもよい-(CH0~3-架橋炭素環である。
【0148】
実施形態1(aq)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)又は1(i)のいずれか一項に関し、式中、Tは、-(CH0~3C(O)ORである。
【0149】
実施形態1(ar)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)又は1(o)のいずれか一項に関し、式中、Tは、-(CH0~3-N(R)SO-Rである。
【0150】
実施形態1(as)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)又は1(o)のいずれか一項に関し、式中、Tは、-(CH0~3-SO-Rである。
【0151】
実施形態1(at)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)又は1(o)のいずれか一項に関し、式中、Tは、-(CH0~3-SON(R)Rである。
【0152】
実施形態1(au)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)又は1(o)のいずれか一項に関し、式中、Tは、-(CH0~3-N(R)C(O)N(R)Rである。
【0153】
実施形態1(av)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)又は1(o)のいずれか一項に関し、式中、Tは、N(Rである。
【0154】
実施形態1(aw)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)、1(n)、1(p)、1(q)又は1(r)のいずれか一項に関し、式中、Tは、-(CH0~3-N(R)SO-Rであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Tは-N(R)SO-Rであることはできない。
【0155】
実施形態1(ax)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)、1(n)、1(p)、1(q)又は1(r)のいずれか一項に関し、式中、Tは、-(CH0~3-SO-Rである。
【0156】
実施形態1(ay)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)、1(n)、1(p)、1(q)又は1(r)のいずれか一項に関し、式中、Tは、-(CH0~3-SON(R)Rである。
【0157】
実施形態1(az)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)、1(n)、1(p)、1(q)又は1(r)のいずれか一項に関し、式中、Tは、-(CH0~3-N(R)SON(R)Rであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Tは-N(R)SON(R)Rであることはできない。
【0158】
実施形態1(ba)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)、1(n)、1(p)、1(q)又は1(r)のいずれか一項に関し、式中、Tは、-(CH0~3-N(R)C(O)N(R)Rであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Tは-N(R)C(O)N(R)Rであることはできない。
【0159】
実施形態1(bb)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)、1(n)、1(p)、1(q)又は1(r)のいずれか一項に関し、式中、Tは、-(CH0~3-N(R)C(O)Rであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Tは-N(R)C(O)Rであることはできない。
【0160】
実施形態1(bc)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)、1(n)、1(p)、1(q)又は1(r)のいずれか一項に関し、式中、Tは、-(CH0~3-N(R)C(O)ORであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Tは-N(R)C(O)ORであることはできない。
【0161】
実施形態1(bd)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)、1(n)、1(p)、1(q)又は1(r)のいずれか一項に関し、式中、Tは、-(CH0~3-N(R)Rであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Tは-N(R)Rであることはできない。
【0162】
実施形態1(be)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)、1(n)、1(p)、1(q)又は1(r)のいずれか一項に関し、式中、Tは、-(CH0~3-C(O)-N(R)Rである。
【0163】
実施形態1(bf)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)、1(n)、1(p)、1(q)又は1(r)のいずれか一項に関し、式中、Tは、-(CH0~3-C(O)ORである。
【0164】
実施形態1(bg)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)、1(n)、1(p)、1(q)又は1(r)のいずれか一項に関し、式中、Tは、-(CH0~3-C(O)R10である。
【0165】
実施形態1(bh)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)、1(n)、1(p)、1(q)又は1(r)のいずれか一項に関し、式中、Tは、-(CH0~3-N(R)C(O)R10であり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Tは-N(R)C(O)R10であることはできない。
【0166】
実施形態1(bi)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)、1(n)、1(p)、1(q)又は1(r)のいずれか一項に関し、式中、Tは、-N(H)C(H)C=Oであり、但し、TはGのヘテロ原子に結合していない。
【0167】
実施形態1(bj)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)、1(n)、1(p)、1(q)又は1(r)のいずれか一項に関し、式中、Tは、1~4個のZで置換されていてもよい-(CH0~3シクロアルキルである。
【0168】
実施形態1(bk)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)、1(n)、1(p)、1(q)又は1(r)のいずれか一項に関し、式中、Tは、1~4個のZで置換されていてもよい-(CH0~2ヘテロシクロアルキルであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、GはTの窒素原子又は酸素原子に結合することができない。
【0169】
実施形態1(bl)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)、1(n)、1(p)、1(q)又は1(r)のいずれか一項に関し、式中、Tは、1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~3ヘテロアリールであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、GはTの窒素原子又は酸素原子に結合することができない。
【0170】
実施形態1(bm)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)、1(j)、1(k)、1(l)、1(m)、1(n)、1(o)、1(p)、1(q)、1(r)、1(s)、1(t)、1(u)、1(v)、1(w)、1(x)、1(y)、1(z)、1(aa)、1(ab)、1(ac)、1(ad)、1(ae)、1(af)、1(ag)、1(ah)、1(ai)、1(aj)、1(ak)、1(al)、1(am)、1(an)、1(ao)、1(ap)、1(aq)、1(ar)、1(as)、1(at)、1(au)、1(av)、1(aw)、1(ax)、1(ay)、1(az)、1(ba)、1(bb)、1(bc)、1(bd)、1(be)、1(bf)、1(bg)、1(bh)、1(bi)、1(bj)、(bk)又は1(bl)のいずれか一項に関し、式中、Rは、水素である。
【0171】
実施形態1(bn)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)、1(j)、1(k)、1(l)、1(m)、1(n)、1(o)、1(p)、1(q)、1(r)、1(s)、1(t)、1(u)、1(v)、1(w)、1(x)、1(y)、1(z)、1(aa)、1(ab)、1(ac)、1(ad)、1(ae)、1(af)、1(ag)、1(ah)、1(ai)、1(aj)、1(ak)、1(al)、1(am)、1(an)、1(ao)、1(ap)、1(aq)、1(ar)、1(as)、1(at)、1(au)、1(av)、1(aw)、1(ax)、1(ay)、1(az)、1(ba)、1(bb)、1(bc)、1(bd)、1(be)、1(bf)、1(bg)、1(bh)、1(bi)、1(bj)、(bk)又は1(bl)のいずれか一項に関し、式中、Rは、0~4個のヒドロキシルで置換されたC~Cアルキルである。
【0172】
実施形態1(bo)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)、1(j)、1(k)、1(l)、1(m)、1(n)、1(o)、1(p)、1(q)、1(r)、1(s)、1(t)、1(u)、1(v)、1(w)、1(x)、1(y)、1(z)、1(aa)、1(ab)、1(ac)、1(ad)、1(ae)、1(af)、1(ag)、1(ah)、1(ai)、1(aj)、1(ak)、1(al)、1(am)、1(an)、1(ao)、1(ap)、1(aq)、1(ar)、1(as)、1(at)、1(au)、1(av)、1(aw)、1(ax)、1(ay)、1(az)、1(ba)、1(bb)、1(bc)、1(bd)、1(be)、1(bf)、1(bg)、1(bh)、1(bi)、1(bj)、(bk)、1(bl)、1(bm)又は1(bn)のいずれか一項に関し、式中、Rは、ハロゲンである。
【0173】
実施形態1(bp)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)、1(j)、1(k)、1(l)、1(m)、1(n)、1(o)、1(p)、1(q)、1(r)、1(s)、1(t)、1(u)、1(v)、1(w)、1(x)、1(y)、1(z)、1(aa)、1(ab)、1(ac)、1(ad)、1(ae)、1(af)、1(ag)、1(ah)、1(ai)、1(aj)、1(ak)、1(al)、1(am)、1(an)、1(ao)、1(ap)、1(aq)、1(ar)、1(as)、1(at)、1(au)、1(av)、1(aw)、1(ax)、1(ay)、1(az)、1(ba)、1(bb)、1(bc)、1(bd)、1(be)、1(bf)、1(bg)、1(bh)、1(bi)、1(bj)、(bk)、1(bl)、1(bm)又は1(bn)のいずれか一項に関し、式中、Rは、CNである。
【0174】
実施形態1(bq)は、実施形態1、1(a)、1(b)、1(c)、1(d)、1(e)、1(f)、1(g)、1(h)、1(i)、1(j)、1(k)、1(l)、1(m)、1(n)、1(o)、1(p)、1(q)、1(r)、1(s)、1(t)、1(u)、1(v)、1(w)、1(x)、1(y)、1(z)、1(aa)、1(ab)、1(ac)、1(ad)、1(ae)、1(af)、1(ag)、1(ah)、1(ai)、1(aj)、1(ak)、1(al)、1(am)、1(an)、1(ao)、1(ap)、1(aq)、1(ar)、1(as)、1(at)、1(au)、1(av)、1(aw)、1(ax)、1(ay)、1(az)、1(ba)、1(bb)、1(bc)、1(bd)、1(be)、1(bf)、1(bg)、1(bh)、1(bi)、1(bj)、(bk)、1(bl)、1(bm)、1(bn)、1(bo)又は1(bp)のいずれか一項に関し、式中、Rは、Hである。
【0175】
本開示の実施形態2は、実施形態1、1に記載の化合物に関し、式中、環Aは、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、イミダゾール、チアゾール又はピラゾリルである。
【0176】
実施形態2の下位実施形態
本開示の実施形態2(a)は、実施形態2に記載の化合物に関し、式中、環Aは、アゼチジンである。
【0177】
本開示の実施形態2(b)は、実施形態2に記載の化合物に関し、式中、環Aは、ピロリジンである。
【0178】
本開示の実施形態2(c)は、実施形態2に記載の化合物に関し、式中、環Aは、ピペリジンである。
【0179】
本開示の実施形態2(d)は、実施形態2に記載の化合物に関し、式中、環Aは、イミダゾールである。
【0180】
本開示の実施形態2(e)は、実施形態2に記載の化合物に関し、式中、環Aは、チアゾールである。
【0181】
本開示の実施形態2(f)は、実施形態2に記載の化合物に関し、式中、環Aは、アゼチジンである。
【0182】
本開示の実施形態2(g)は、実施形態2に記載の化合物に関し、式中、環Aは、ピラゾリルである。
【0183】
本開示の実施形態3は、式IIを有する実施形態1に記載の化合物、
【化6】

又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体若しくは重水素化類似体に関し、式中、Lは存在しない、-N(H)-若しくは-O-であり、mは0~2である。
【0184】
本開示の実施形態4は、式IIIa又はIIIbを有する実施形態1に記載の化合物、
【化7】

又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体若しくは重水素化類似体に関し、式中、
Eは、フェニル又は6員ヘテロアリールであり、Eは0~2個のQで置換されており、但し、Eが6員ヘテロアリールである場合、OはEのヘテロ原子に結合しておらず、
Gは、以下の基:
(a)0~3個のT及び0~1個のTで置換されたC~Cシクロアルキル、
(b)0~3個のT及び0~1個のTで置換されたC~Cシクロアルケニル、
(c)0~3個のT及び0~1個のTで置換された5~9員架橋炭素環、
(d)1つの共通のスピロ炭素原子によって結合された2つのシクロアルキル基を含む5~9員炭素環式スピロ環であって、炭素環式スピロ環が0~3個のT及び0~1個のTで置換されている、5~9員炭素環式スピロ環、
(e)少なくとも1つのヘテロ原子を有する2つの環式基を含む6~9員複素環式スピロ環であって、2つの環式基が1つの共通のスピロ炭素原子によって結合されており、複素環式スピロ環が0~3個のT、0~1個のTで置換されている、6~9員複素環式スピロ環、
(f)0~3個のT及び0~1個のTで置換されたフェニル、
(g)0~3個のT及び0~1個のTで置換された4~6員ヘテロシクロアルキル、
(h)0~3個のT及び0~1個のTで置換された4~6員ヘテロシクロアルケニル、
(i)0~3個のT及び0~1個のTで置換された5~9員架橋複素環、又は
(j)0~3個のT及び0~1個のTで置換された5~6員ヘテロアリール、
のうちの1つであり、
各Qは独立して、ハロゲン、CN、又は1~3個のハロゲンで場合により置換されていてもよいC~Cアルキルであり、
各Tは独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、1~3個のRで置換されていてもよいC~Cアルキル、1~3個のRで置換されていてもよいC~Cアルケニル、1~3個のRで置換されていてもよいC~Cアルキニル、CN、C~Cシアノアルキル、1~3個のRで置換されていてもよいC~Cアルコキシル、又は1~3個のRで置換されていてもよいC~CアルコキシC~Cアルキルであり、
は、-(CH0~2-N(R)SO-R、-(CH0~2-SO-R、-(CH0~2-SON(R)R、-(CH0~2-N(R)SON(R)R、-(CH0~2-N(R)C(O)N(R)R、-(CH0~2-N(R)C(O)R、-(CH0~2-N(R)C(O)OR、-(CH0~2-N(R)R、-(CH0~2-C(O)N(R)R、-(CH0~2-C(O)OR、-(CH0~2-C(O)R10、-(CH0~2-C(O)H、-(CH0~2-N(R)C(O)R10、1~4個のZで置換されていてもよい-(CH0~2~Cシクロアルキル、1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~2-フェニル、又は1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~2-5~6員ヘテロアリールであり、
は、-(CH0~2-C(O)N(R)R、-(CH0~2-N(R)R、-(CH0~2-C(O)OR、-(CH0~2-C~Cシクロアルキル、-(CH0~2-5~6員ヘテロシクロアルキル、4-クロロピリダジン-3-オン-5-イルで置換されていてもよい-O-5~6員ヘテロシクロアルキル、又は-(CH0~2-5~9員架橋炭素環であり、-(CH0~2-C~Cシクロアルキル、-(CH0~2-5~6員ヘテロシクロアルキル、又は-(CH0~2-5~9員架橋炭素環は、それぞれ1~3個のZ及び0~1個のZで置換されていてもよく、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、GはTの酸素原子又は窒素原子に結合することができず、
は、-(CH0~2C(O)OR、-(CH0~2-N(R)C(O)R、-(CH0~2-N(R)SO-R、-(CH0~2-SO-R、-(CH0~2-SON(R)R、-(CH0~2-N(R)C(O)N(R)R、又はN(Rであり、
各Tは独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、1~3個のRで置換されていてもよいC~Cアルキル、1~3個のRで置換されていてもよいC~Cアルケニル、1~3個のRで置換されていてもよいC~Cアルキニル、CN、C~Cシアノアルキル、1~3個のRで置換されていてもよいC~Cアルコキシル、又は1~3個のRで置換されていてもよいC~CアルコキシC~Cアルキルであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Tは、ハロゲン、ヒドロキシル、CN、又は1~3個のRで置換されていてもよいC~Cアルコキシルであることはできず、
は、-(CH0~2-N(R)SO-R、-(CH0~2-SO-R、-(CH0~2-SON(R)R、-(CH0~2-N(R)SON(R)R、-(CH0~2-N(R)C(O)N(R)R、-(CH0~2-N(R)C(O)R、-(CH0~2-N(R)C(O)OR、-(CH0~2-N(R)R、-(CH0~2-C(O)-N(R)R、-(CH0~2-C(O)OR、-(CH0~2-C(O)R10、-(CH0~2-N(R)C(O)R10、-N(H)C(H)C=O、1~4個のZで置換されていてもよい-(CH0~2-C~Cシクロアルキル、1~4個のZで置換されていてもよい-(CH0~2-5~6員ヘテロシクロアルキル、1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~3-5~6員ヘテロアリール、又は4-クロロピリダジン-3-オン-5-イルであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、GはTの酸素原子又は窒素原子に結合することができず、
は、H又はC~Cアルキルであり、
は、ハロゲン、CN、CF又はヒドロキシルであり、但し、1個以下のRがCFであってもよく、
各Rは、水素、C~CアルコキシC~Cアルキル、1~4個のZで置換されたC~Cアルケニル、又は1~4個のZで置換されたC~Cアルキルであり、
は、H、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルコキシル、C~Cハロアルキル、CF又はCNであり、
は、H、ハロゲン、C~Cアルキル、CN又はC~Cハロアルキルであり、
各Rは独立して、ハロゲン、CN、又は1~3個のハロゲンで置換されていてもよいC~Cアルキルであり、
は、1~4個のZで置換されていてもよいC~Cアルキル、1~4個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル、1~4個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-フェニル、1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-5~6員ヘテロアリール、又は1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-5~6員ヘテロシクロアルキルであり、
は、H、1~4個のZで置換されていてもよいC~Cアルキル、1~4個のZで置換されていてもよいC~Cアルケニル、1~4個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル、1~4個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-フェニル、1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-5~6員ヘテロアリール、1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-5~6員ヘテロシクロアルキル、又は0~4個のTで置換されている5~9員架橋炭素環であり、
各Rは独立して、H又は1~4個のZで置換されていてもよいC~Cアルキルであり、
10は、0~4個のZで置換されたC~Cアルキル、1~4個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル、1~4個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-フェニル、1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-5~6員ヘテロアリール、又は1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-5~6員ヘテロシクロアルキルであり、
11は、NHであり、
は、C~Cシアノアルキル、-(CH0~2-C(O)OR、-(CH0~2-C(O)-N(R)Rであり、但し、Zがヘテロ原子に結合している場合、Zは、-C(O)ORではなく、
各Zは独立して、ヒドロキシル、ハロゲン、CNであり、
各Zは独立して、C~Cアルキル、ハロゲン、C~Cハロアルキル、ヒドロキシル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cアルコキシル、又はCNであり、
各Zは独立して、ヒドロキシル、ハロゲン、C~Cアルコキシル、又はCNであり、
各Zは独立して、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、ヒドロキシル、C~Cヒドロキシアルキル、ハロゲン、C~Cアルコキシル、CN又はC~Cシアノアルキルであり、但し、Zがヘテロ原子に結合している場合、Zは、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cアルコキシル又はCNではない。
【0185】
実施形態4の下位実施形態
本開示の実施形態4(a)は、式IIIaを有する実施形態4に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体若しくは重水素化類似体に関する。
【0186】
本開示の実施形態4(b)は、式IIIbを有する実施形態4に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体若しくは重水素化類似体に関する。
【0187】
本開示の実施形態4(c)は、実施形態4、4(a)又は4(b)に記載の化合物に関し、式中、Gは、0~3個のT及び0~1個のTで置換されたC~Cシクロアルキルである。
【0188】
本開示の実施形態4(d)は、実施形態4、4(a)又は4(b)に記載の化合物に関し、式中、Gは、0~3個のT及び0~1個のTで置換されたC~Cシクロアルケニルである。
【0189】
本開示の実施形態4(e)は、実施形態4、4(a)又は4(b)に記載の化合物に関し、式中、Gは、0~3個のT及び0~1個のTで置換された5~9員架橋炭素環である。
【0190】
本開示の実施形態4(f)は、実施形態4、4(a)又は4(b)に記載の化合物に関し、式中、Gは、1つの共通のスピロ炭素原子によって結合された2つのシクロアルキル基を含む5~9員炭素環式スピロ環であり、式中、炭素環式スピロ環は、0~3個のT及び0~1個のTで置換されている。
【0191】
本開示の実施形態4(g)は、実施形態4、4(a)又は4(b)に記載の化合物に関し、式中、Gは、少なくとも1つのヘテロ原子を有する2つの環式基を含む6~9員複素環式スピロ環であり、2つの環式基は、1つの共通のスピロ炭素原子によって結合されており、複素環式スピロ環は、0~3個のT、0~1個のTで置換されている。
【0192】
本開示の実施形態4(h)は、実施形態4、4(a)又は4(b)に記載の化合物に関し、式中、Gは、0~3個のT及び0~1個のTで置換されたフェニルである。
【0193】
本開示の実施形態4(i)は、実施形態4、4(a)又は4(b)に記載の化合物に関し、式中、Gは、0~3個のT及び0~1個のTで置換された4~6員ヘテロシクロアルキルである。
【0194】
本開示の実施形態4(j)は、実施形態4、4(a)又は4(b)に記載の化合物に関し、式中、Gは、0~3個のT及び0~1個のTで置換された4~6員ヘテロシクロアルケニルである。
【0195】
本開示の実施形態4(k)は、実施形態4、4(a)又は4(b)に記載の化合物に関し、式中、Gは、0~3個のT及び0~1個のTで置換された5~9員架橋複素環である。
【0196】
本開示の実施形態4(l)は、実施形態4、4(a)又は4(b)に記載の化合物に関し、式中、Gは、0~3個のT及び0~1個のTで置換された5~6員ヘテロアリールである。
【0197】
本開示の実施形態4(m)は、実施形態4、4(a)、4(b)、4(c)、4(d)、4(e)又は4(f)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-N(R)SO-Rである。
【0198】
本開示の実施形態4(n)は、実施形態4、4(a)、4(b)、4(c)、4(d)、4(e)又は4(f)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-SO-Rである。
【0199】
本開示の実施形態4(o)は、実施形態4、4(a)、4(b)、4(c)、4(d)、4(e)又は4(f)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-SON(R)Rである。
【0200】
本開示の実施形態4(p)は、実施形態4、4(a)、4(b)、4(c)、4(d)、4(e)又は4(f)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-N(R)SON(R)Rである。
【0201】
本開示の実施形態4(q)は、実施形態4、4(a)、4(b)、4(c)、4(d)、4(e)又は4(f)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-N(R)C(O)N(R)Rである。
【0202】
本開示の実施形態4(r)は、実施形態4、4(a)、4(b)、4(c)、4(d)、4(e)又は4(f)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-N(R)C(O)Rである。
【0203】
本開示の実施形態4(s)は、実施形態4、4(a)、4(b)、4(c)、4(d)、4(e)又は4(f)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-N(R)C(O)ORである。
【0204】
本開示の実施形態4(t)は、実施形態4、4(a)、4(b)、4(c)、4(d)、4(e)又は4(f)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-N(R)Rである。
【0205】
本開示の実施形態4(u)は、実施形態4、4(a)、4(b)、4(c)、4(d)、4(e)又は4(f)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-C(O)N(R)Rである。
【0206】
本開示の実施形態4(v)は、実施形態4、4(a)、4(b)、4(c)、4(d)、4(e)又は4(f)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-C(O)ORである。
【0207】
本開示の実施形態4(w)は、実施形態4、4(a)、4(b)、4(c)、4(d)、4(e)又は4(f)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-C(O)R10である。
【0208】
本開示の実施形態4(x)は、実施形態4、4(a)、4(b)、4(c)、4(d)、4(e)又は4(f)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-C(O)Hである。
【0209】
本開示の実施形態4(y)は、実施形態4、4(a)、4(b)、4(c)、4(d)、4(e)又は4(f)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-N(R)C(O)R10である。
【0210】
本開示の実施形態4(z)は、実施形態4、4(a)、4(b)、4(c)、4(d)、4(e)又は4(f)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~4個のZで置換されていてもよい-(CH0~2~Cシクロアルキルである。
【0211】
本開示の実施形態4(aa)は、実施形態4、4(a)、4(b)、4(c)、4(d)、4(e)又は4(f)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~2-フェニルである。
【0212】
本開示の実施形態4(ab)は、実施形態4、4(a)、4(b)、4(c)、4(d)、4(e)又は4(f)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~2-5~6員ヘテロアリールである。
【0213】
本開示の実施形態4(ac)は、実施形態4、4(a)、4(b)又は4(l)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-C(O)N(R)Rである。
【0214】
本開示の実施形態4(ad)は、実施形態4、4(a)、4(b)又は4(l)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-N(R)Rであり、但し、Tは、Gのヘテロ原子に結合しており、Gは、N(R)Rに結合していない。
【0215】
本開示の実施形態4(ae)は、実施形態4、4(a)、4(b)又は4(l)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-C(O)ORである。
【0216】
本開示の実施形態4(af)は、実施形態4、4(a)、4(b)又は4(l)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~3個のZ及び0~1個のZで置換されていてもよい-(CH0~2-C~Cシクロアルキルである。
【0217】
本開示の実施形態4(ag)は、実施形態4、4(a)、4(b)又は4(l)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~3個のZ及び0~1個のZで置換されていてもよい-(CH0~2-5~6員ヘテロシクロアルキルであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合していないである。
【0218】
本開示の実施形態4(ah)は、実施形態4、4(a)、4(b)又は4(l)に記載の化合物に関し、式中、Tは、4-クロロピリダジン-3-オン-5-イルで置換されていてもよい-O-5~6員ヘテロシクロアルキルである。
【0219】
本開示の実施形態4(ai)は、実施形態4、4(a)、4(b)又は4(l)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~3個のZ及び0~1個のZで置換されていてもよい-(CH0~2-5~9員架橋炭素環である。
【0220】
本開示の実施形態4(aj)は、実施形態4、4(a)、4(b)又は4(h)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2C(O)ORである。
【0221】
本開示の実施形態4(ak)は、実施形態4、4(a)、4(b)又は4(h)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-N(R)C(O)Rである。
【0222】
本開示の実施形態4(al)は、実施形態4、4(a)、4(b)又は4(h)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-N(R)SO-Rである。
【0223】
本開示の実施形態4(am)は、実施形態4、4(a)、4(b)又は4(h)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-SO-Rである。
【0224】
本開示の実施形態4(an)は、実施形態4、4(a)、4(b)又は4(h)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-SON(R)Rである。
【0225】
本開示の実施形態4(ao)は、実施形態4、4(a)、4(b)又は4(h)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-N(R)C(O)N(R)Rである。
【0226】
本開示の実施形態4(ap)は、実施形態4、4(a)、4(b)又は4(h)に記載の化合物に関し、式中、Tは、N(Rである。
【0227】
本開示の実施形態4(aq)は、実施形態4、4(a)、4(b)、4(g)、4(i)、4(j)又は4(k)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-N(R)SO-Rであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、-N(R)SO-Rに結合していない。
【0228】
本開示の実施形態4(ar)は、実施形態4、4(a)、4(b)、4(g)、4(i)、4(j)又は4(k)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-SO-Rである。
【0229】
本開示の実施形態4(as)は、実施形態4、4(a)、4(b)、4(g)、4(i)、4(j)又は4(k)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-SON(R)Rである。
【0230】
本開示の実施形態4(at)は、実施形態4、4(a)、4(b)、4(g)、4(i)、4(j)又は4(k)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-N(R)SON(R)Rであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、-N(R)SON(R)Rに結合していない。
【0231】
本開示の実施形態4(au)は、実施形態4、4(a)、4(b)、4(g)、4(i)、4(j)又は4(k)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-N(R)C(O)N(R)Rであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、-N(R)C(O)N(R)Rに結合していない。
【0232】
本開示の実施形態4(av)は、実施形態4、4(a)、4(b)、4(g)、4(i)、4(j)又は4(k)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-N(R)C(O)Rであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、-N(R)C(O)Rに結合していない。
【0233】
本開示の実施形態4(aw)は、実施形態4、4(a)、4(b)、4(g)、4(i)、4(j)又は4(k)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-N(R)C(O)ORであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、-N(R)C(O)ORに結合していない。
【0234】
本開示の実施形態4(ax)は、実施形態4、4(a)、4(b)、4(g)、4(i)、4(j)又は4(k)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-N(R)Rであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、-N(R)Rに結合していない。
【0235】
本開示の実施形態4(ay)は、実施形態4、4(a)、4(b)、4(g)、4(i)、4(j)又は4(k)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-C(O)-N(R)Rである。
【0236】
本開示の実施形態4(az)は、実施形態4、4(a)、4(b)、4(g)、4(i)、4(j)又は4(k)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-C(O)ORである。
【0237】
本開示の実施形態4(ba)は、実施形態4、4(a)、4(b)、4(g)、4(i)、4(j)又は4(k)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-C(O)R10である。
【0238】
本開示の実施形態4(bb)は、実施形態4、4(a)、4(b)、4(g)、4(i)、4(j)又は4(k)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-N(R)C(O)R10であり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、-N(R)C(O)R10に結合していない。
【0239】
本開示の実施形態4(bc)は、実施形態4、4(a)、4(b)、4(g)、4(i)、4(j)又は4(k)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-N(H)C(H)C=Oであり、但し、Tは、Gのヘテロ原子に結合していない。
【0240】
本開示の実施形態4(bd)は、実施形態4、4(a)、4(b)、4(g)、4(i)、4(j)又は4(k)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~4個のZで置換されていてもよい-(CH0~2-C~Cシクロアルキルである。
【0241】
本開示の実施形態4(be)は、実施形態4、4(a)、4(b)、4(g)、4(i)、4(j)又は4(k)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~4個のZで置換されていてもよい-(CH0~2-5~6員ヘテロシクロアルキルであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、5~6員ヘテロシクロアルキルの酸素原子又は窒素原子に結合していない。
【0242】
本開示の実施形態4(bf)は、実施形態4、4(a)、4(b)、4(g)、4(i)、4(j)又は4(k)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~3-5~6員ヘテロアリールであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、5~6員ヘテロアリールの酸素原子又は窒素原子に結合していない。
【0243】
本開示の実施形態4(bg)は、実施形態4、4(a)、4(b)、4(g)、4(i)、4(j)又は4(k)に記載の化合物に関し、式中、Tは、4-クロロピリダジン-3-オン-5-イルである。
【0244】
実施形態4(bh)は、実施形態4、4(a)、4(b)、4(c)、4(d)、4(e)、4(f)、4(g)、4(h)、4(i)、4(j)、4(k)、4(l)、4(m)、4(n)、4(o)、4(p)、4(q)、4(r)、4(s)、4(t)、4(u)、4(v)、4(w)、4(x)、4(y)、4(z)、4(aa)、4(ab)、4(ac)、4(ad)、4(ae)、4(af)、4(ag)、4(ah)、4(ai)、4(aj)、4(ak)、4(al)、4(am)、4(an)、4(ao)、4(ap)、4(aq)、4(ar)、4(as)、4(at)、4(au)、4(av)、4(aw)、4(ax)、4(ay)、4(az)、4(ba)、4(bb)、4(bc)、4(bd)、4(be)、4(bf)又は4(bg)のいずれか一項に関し、式中、Rは、水素である。
【0245】
実施形態4(bi)は、実施形態4、4(a)、4(b)、4(c)、4(d)、4(e)、4(f)、4(g)、4(h)、4(i)、4(j)、4(k)、4(l)、4(m)、4(n)、4(o)、4(p)、4(q)、4(r)、4(s)、4(t)、4(u)、4(v)、4(w)、4(x)、4(y)、4(z)、4(aa)、4(ab)、4(ac)、4(ad)、4(ae)、4(af)、4(ag)、4(ah)、4(ai)、4(aj)、4(ak)、4(al)、4(am)、4(an)、4(ao)、4(ap)、4(aq)、4(ar)、4(as)、4(at)、4(au)、4(av)、4(aw)、4(ax)、4(ay)、4(az)、4(ba)、4(bb)、4(bc)、4(bd)、4(be)、4(bf)又は4(bg)のいずれか一項に関し、式中、Rは、0~4個のヒドロキシルで置換されたC~Cアルキルである。
【0246】
実施形態4(bj)は、実施形態4、4(a)、4(b)、4(c)、4(d)、4(e)、4(f)、4(g)、4(h)、4(i)、4(j)、4(k)、4(l)、4(m)、4(n)、4(o)、4(p)、4(q)、4(r)、4(s)、4(t)、4(u)、4(v)、4(w)、4(x)、4(y)、4(z)、4(aa)、4(ab)、4(ac)、4(ad)、4(ae)、4(af)、4(ag)、4(ah)、4(ai)、4(aj)、4(ak)、4(al)、4(am)、4(an)、4(ao)、4(ap)、4(aq)、4(ar)、4(as)、4(at)、4(au)、4(av)、4(aw)、4(ax)、4(ay)、4(az)、4(ba)、4(bb)、4(bc)、4(bd)、4(be)、4(bf)又は4(bg)のいずれか一項に関し、式中、Rは、ハロゲンである。
【0247】
実施形態4(bk)は、実施形態4、4(a)、4(b)、4(c)、4(d)、4(e)、4(f)、4(g)、4(h)、4(i)、4(j)、4(k)、4(l)、4(m)、4(n)、4(o)、4(p)、4(q)、4(r)、4(s)、4(t)、4(u)、4(v)、4(w)、4(x)、4(y)、4(z)、4(aa)、4(ab)、4(ac)、4(ad)、4(ae)、4(af)、4(ag)、4(ah)、4(ai)、4(aj)、4(ak)、4(al)、4(am)、4(an)、4(ao)、4(ap)、4(aq)、4(ar)、4(as)、4(at)、4(au)、4(av)、4(aw)、4(ax)、4(ay)、4(az)、4(ba)、4(bb)、4(bc)、4(bd)、4(be)、4(bf)又は4(bg)のいずれか一項に関し、式中、Rは、CNである。
【0248】
実施形態4(bl)は、実施形態14、4(a)、4(b)、4(c)、4(d)、4(e)、4(f)、4(g)、4(h)、4(i)、4(j)、4(k)、4(l)、4(m)、4(n)、4(o)、4(p)、4(q)、4(r)、4(s)、4(t)、4(u)、4(v)、4(w)、4(x)、4(y)、4(z)、4(aa)、4(ab)、4(ac)、4(ad)、4(ae)、4(af)、4(ag)、4(ah)、4(ai)、4(aj)、4(ak)、4(al)、4(am)、4(an)、4(ao)、4(ap)、4(aq)、4(ar)、4(as)、4(at)、4(au)、4(av)、4(aw)、4(ax)、4(ay)、4(az)、4(ba)、4(bb)、4(bc)、4(bd)、4(be)、4(bf)又は4(bg)のいずれか一項に関し、式中、Rは、Hである。
【0249】
本開示の実施形態5は、実施形態1から4のいずれか一項に記載の化合物に関し、
式中、Eは、フェニル又は6員ヘテロアリールであり、Eは、0~1個のQで置換され、但し、Eが6員ヘテロアリールである場合、Oは、Eのヘテロ原子に結合しておらず、
Gは、以下の基:
(a)0~2個のT及び0~1個のTで置換されたC~Cシクロアルキル、
(b)0~2個のT及び0~1個のTで置換されたC~Cシクロアルケニル、
(c)0~2個のT及び0~1個のTで置換された5~9員架橋炭素環、
(d)1つの共通のスピロ炭素原子によって結合された2つのシクロアルキル基を含む5~9員炭素環式スピロ環であって、炭素環式スピロ環が0~2個のT及び0~1個のTで置換されている、5~9員炭素環式スピロ環、
(e)少なくとも1つのヘテロ原子を有する2つの環式基を含む6~9員複素環式スピロ環であって、2つの環式基が1つの共通のスピロ炭素原子によって結合されており、複素環式スピロ環が0~2個のT、0~1個のTで置換されている、6~9員複素環式スピロ環、
(f)0~2個のT及び0~1個のTで置換されたフェニル、
(g)0~2個のT及び0~1個のTで置換された4~6員ヘテロシクロアルキル、
(h)0~2個のT及び0~1個のTで置換された4~6員ヘテロシクロアルケニル、
(i)0~2個のT及び0~1個のTで置換された5~9員架橋複素環、又は
(j)0~2個のT及び0~1個のTで置換された5~6員ヘテロアリール、
のうちの1つであり、
各Qは独立して、ハロゲン、CN、又は1~3個のハロゲンで場合により置換されていてもよいC~Cアルキルであり、
各Tは独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、1~3個のRで置換されていてもよいC~Cアルキル、1~3個のRで置換されていてもよいC~Cアルケニル、1~3個のRで置換されていてもよいC~Cアルキニル、CN、C~Cシアノアルキル、1~3個のRで置換されていてもよいC~Cアルコキシル、又は1~3個のRで置換されていてもよいC~CアルコキシC~Cアルキルであり、
は、-(CH0~1-N(R)SO-R、-(CH0~1-SO-R、-(CH0~1-SON(R)R、-(CH0~1-N(R)SON(R)R、-(CH0~1-N(R)C(O)N(R)R、-(CH0~1-N(R)C(O)R、-(CH0~1-N(R)C(O)OR、-(CH0~1-N(R)R、-(CH0~1-C(O)N(R)R、-(CH0~1-C(O)OR、-(CH0~1-C(O)R10、-(CH0~1-C(O)H、-(CH0~1-N(R)C(O)R10、1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~2~Cシクロアルキル、1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~1-フェニル、又は1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~1-5~6員ヘテロアリールであり、
は、-(CH0~2-C(O)N(R)R、-(CH0~2-N(R)R、-(CH0~2-C(O)OR、-(CH0~2-C~Cシクロアルキル、-(CH0~2-5~6員ヘテロシクロアルキル、4-クロロピリダジン-3-オン-5-イルで置換されていてもよい-O-5~6員ヘテロシクロアルキル、又は-(CH0~2-5~9員架橋炭素環であり、-(CH0~2-C~Cシクロアルキル、-(CH0~1-5~6員ヘテロシクロアルキル、又は-(CH0~2-5~9員架橋炭素環は、それぞれ1~3個のZ及び0~1個のZで置換されていてもよく、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、GはTの酸素原子又は窒素原子に結合することができず、
は、-(CH0~1C(O)OR、-(CH0~2-N(R)C(O)R、-(CH0~1-N(R)SO-R、-(CH0~1-SO-R、-(CH0~1-SON(R)R、-(CH0~1-N(R)C(O)N(R)R、又はN(Rであり、
各Tは独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、1~3個のRで置換されていてもよいC~Cアルキル、1~3個のRで置換されていてもよいC~Cアルケニル、1~3個のRで置換されていてもよいC~Cアルキニル、CN、C~Cシアノアルキル、1~3個のRで置換されていてもよいC~Cアルコキシル、又は1~3個のRで置換されていてもよいC~CアルコキシC~Cアルキルであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Tは、ハロゲン、ヒドロキシル、CN、又は1~3個のRで置換されていてもよいC~Cアルコキシルであることはできず、
は、-(CH0~1-N(R)SO-R、-(CH0~1-SO-R、-(CH0~1-SON(R)R、-(CH0~1-N(R)SON(R)R、-(CH0~1-N(R)C(O)N(R)R、-(CH0~1-N(R)C(O)R、-(CH0~1-N(R)C(O)OR、-(CH0~1-N(R)R、-(CH0~1-C(O)-N(R)R、-(CH0~1-C(O)OR、-(CH0~1-C(O)R10、-(CH0~1-N(R)C(O)R10、-N(H)C(H)C=O、1~4個のZで置換されていてもよい-(CH0~1-C~Cシクロアルキル、1~4個のZで置換されていてもよい-(CH0~1-5~6員ヘテロシクロアルキル、1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~1-5~6員ヘテロアリール、又は4-クロロピリダジン-3-オン-5-イルであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、GはTの酸素原子又は窒素原子に結合することができず、
は、H又はC~Cアルキルであり、
は、F、Cl、CN、CF又はヒドロキシルであり、但し、1個以下のRがCFであってもよく、
は、H、C~CアルコキシC~Cアルキル、1~3個のZで置換されたC~Cアルケニル、又は1~3個のZで置換されたC~Cアルキルであり、
は、H、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルコキシル、C~Cハロアルキル、CF又はCNであり、
は、H、ハロゲン、C~Cアルキル、CN又はC~Cハロアルキルであり、
各Rは独立して、ハロゲン、CN、又は1~3個のハロゲンで置換されていてもよいC~Cアルキルであり、
は、1~3個のZで置換されていてもよいC~Cアルキル、1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル、1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-フェニル、1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-5~6員ヘテロアリール、又は1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-5~6員ヘテロシクロアルキルであり、
は、H、1~3個のZで置換されていてもよいC~Cアルキル、1~3個のZで置換されていてもよいC~Cアルケニル、1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル、1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-フェニル、1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-5~6員ヘテロアリール、1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-5~6員ヘテロシクロアルキル、又は0~3個のTで置換されている5~9員架橋炭素環であり、
各Rは独立して、H、又は1~3個のZで置換されていてもよいC~Cアルキルであり、
10は、0~3個のZで置換されたC~Cアルキル、1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル、1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-フェニル、1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-5~6員ヘテロアリール、又は1~3個のZで置換されていてもよい-C~Cアルキル-5~6員ヘテロシクロアルキルであり、
は、C~Cシアノアルキル、-(CH0~1-C(O)OR、-(CH0~1-C(O)-N(R)Rであり、但し、Zがヘテロ原子に結合している場合、Zは、-C(O)ORではなく、
各Zは独立して、ヒドロキシル、ハロゲン、又はCNであり、
各Zは独立して、C~Cアルキル、ハロゲン、C~Cハロアルキル、ヒドロキシル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cアルコキシル、又はCNであり、
各Zは独立して、ヒドロキシル、ハロゲン、C~Cアルコキシル、又はCNであり、
各Zは独立して、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、ヒドロキシル、C~Cヒドロキシアルキル、ハロゲン、C~Cアルコキシル、CN又はC~Cシアノアルキルであり、但し、Zがヘテロ原子に結合している場合、Zは、ハロゲン、ヒドロキシル、C~Cアルコキシル又はCNではない。
【0250】
実施形態5の下位実施形態
本開示の実施形態5(a)は、実施形態5に関し、式中、Eは、0~1個のQで置換されたフェニルである。
【0251】
本開示の実施形態5(b)は、実施形態5に関し、式中、Eは、0~1個のQで置換された6員ヘテロアリールであり、但し、Oは、Eのヘテロ原子に結合していない。
【0252】
本開示の実施形態5(c)は、実施形態5、5(a)又は5(b)に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換されたC~Cシクロアルキルである。
【0253】
本開示の実施形態5(d)は、実施形態5、5(a)又は5(b)に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換されたC~Cシクロアルケニルである。
【0254】
本開示の実施形態5(e)は、実施形態5、5(a)又は5(b)に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換された5~9員架橋炭素環である。
【0255】
本開示の実施形態5(f)は、実施形態5、5(a)又は5(b)に関し、式中、Gは、1つの共通のスピロ炭素原子によって結合された2つのシクロアルキル基を含む5~9員炭素環式スピロ環であり、炭素環式スピロ環は、0~2個のT及び0~1個のTで置換されている。
【0256】
本開示の実施形態5(g)は、実施形態5、5(a)又は5(b)に関し、式中、Gは、少なくとも1つのヘテロ原子を有する2つの環式基を含む6~9員複素環式スピロ環であり、2つの環式基は、1つの共通のスピロ炭素原子によって結合されており、複素環式スピロ環は、0~2個のT、0~1個のTで置換されている。
【0257】
本開示の実施形態5(h)は、実施形態5、5(a)又は5(b)に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換されたフェニルである。
【0258】
本開示の実施形態5(i)は、実施形態5、5(a)又は5(b)に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換された4~6員ヘテロシクロアルキルである。
【0259】
本開示の実施形態5(j)は、実施形態5、5(a)又は5(b)に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換された4~6員ヘテロシクロアルケニルである。
【0260】
本開示の実施形態5(k)は、実施形態5、5(a)又は5(b)に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換された5~9員架橋複素環である。
【0261】
本開示の実施形態5(l)は、実施形態5、5(a)又は5(b)に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換された5~6員ヘテロアリールである。
【0262】
本開示の実施形態5(m)は、実施形態5、5(a)、5(b)、5(c)、5(d)、5(e)又は5(f)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)SO-Rである。
【0263】
本開示の実施形態5(n)は、実施形態5、5(a)、5(b)、5(c)、5(d)、5(e)又は5(f)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-SO-Rである。
【0264】
本開示の実施形態5(o)は、実施形態5、5(a)、5(b)、5(c)、5(d)、5(e)又は5(f)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-SON(R)Rである。
【0265】
本開示の実施形態5(p)は、実施形態5、5(a)、5(b)、5(c)、5(d)、5(e)又は5(f)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)SON(R)Rである。
【0266】
本開示の実施形態5(q)は、実施形態5、5(a)、5(b)、5(c)、5(d)、5(e)又は5(f)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)C(O)N(R)Rである。
【0267】
本開示の実施形態5(r)は、実施形態5、5(a)、5(b)、5(c)、5(d)、5(e)又は5(f)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)C(O)Rである。
【0268】
本開示の実施形態5(s)は、実施形態5、5(a)、5(b)、5(c)、5(d)、5(e)又は5(f)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)C(O)ORである。
【0269】
本開示の実施形態5(t)は、実施形態5、5(a)、5(b)、5(c)、5(d)、5(e)又は5(f)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)Rである。
【0270】
本開示の実施形態5(u)は、実施形態5、5(a)、5(b)、5(c)、5(d)、5(e)又は5(f)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-C(O)N(R)Rである。
【0271】
本開示の実施形態5(v)は、実施形態5、5(a)、5(b)、5(c)、5(d)、5(e)又は5(f)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-C(O)ORである。
【0272】
本開示の実施形態5(w)は、実施形態5、5(a)、5(b)、5(c)、5(d)、5(e)又は5(f)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-C(O)R10である。
【0273】
本開示の実施形態5(x)は、実施形態5、5(a)、5(b)、5(c)、5(d)、5(e)又は5(f)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-C(O)Hである。
【0274】
本開示の実施形態5(y)は、実施形態5、5(a)、5(b)、5(c)、5(d)、5(e)又は5(f)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)C(O)R10である。
【0275】
本開示の実施形態5(z)は、実施形態5、5(a)、5(b)、5(c)、5(d)、5(e)又は5(f)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~2~Cシクロアルキルである。
【0276】
本開示の実施形態5(aa)は、実施形態5、5(a)、5(b)、5(c)、5(d)、5(e)又は5(f)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~1-フェニルである。
【0277】
本開示の実施形態5(ab)は、実施形態5、5(a)、5(b)、5(c)、5(d)、5(e)又は5(f)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~1-5~6員ヘテロアリールである。
【0278】
本開示の実施形態5(ac)は、実施形態5、5(a)、5(b)又は5(l)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-C(O)N(R)Rである。
【0279】
本開示の実施形態5(ad)は、実施形態5、5(a)、5(b)又は5(l)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-N(R)Rであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、-N(R)Rに結合していない。
【0280】
本開示の実施形態5(ae)は、実施形態5、5(a)、5(b)又は5(l)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-C(O)ORである。
【0281】
本開示の実施形態5(af)は、実施形態5、5(a)、5(b)又は5(l)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~3個のZ及び0~1個のZで置換されていてもよい-(CH0~2-C~Cシクロアルキルである。
【0282】
本開示の実施形態5(ag)は、実施形態5、5(a)、5(b)又は5(l)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~3個のZ及び0~1個のZで置換されていてもよい-(CH0~2-5~6員ヘテロシクロアルキルであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、5~6員ヘテロシクロアルキルの酸素原子又は窒素原子に結合していない。
【0283】
本開示の実施形態5(ah)は、実施形態5、5(a)、5(b)又は5(l)に記載の化合物に関し、式中、Tは、4-クロロピリダジン-3-オン-5-イルで置換されていてもよい-O-5~6員ヘテロシクロアルキルである。
【0284】
本開示の実施形態5(ai)は、実施形態5、5(a)、5(b)又は5(l)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~3個のZ及び0~1個のZで置換されていてもよい-(CH0~2-5~9員架橋炭素環である。
【0285】
本開示の実施形態5(aj)は、実施形態5、5(a)、5(b)又は5(h)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1C(O)ORである。
【0286】
本開示の実施形態5(ak)は、実施形態5、5(a)、5(b)又は5(h)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)C(O)Rである。
【0287】
本開示の実施形態5(al)は、実施形態5、5(a)、5(b)又は5(h)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)SO-Rである。
【0288】
本開示の実施形態5(am)は、実施形態5、5(a)、5(b)又は5(h)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-SO-Rである。
【0289】
本開示の実施形態5(an)は、実施形態5、5(a)、5(b)又は5(h)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-SON(R)Rである。
【0290】
本開示の実施形態5(ao)は、実施形態5、5(a)、5(b)又は5(h)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)C(O)N(R)Rである。
【0291】
本開示の実施形態5(ap)は、実施形態5、5(a)、5(b)又は5(h)に記載の化合物に関し、式中、Tは、N(Rである。
【0292】
本開示の実施形態5(aq)は、実施形態5、5(a)、5(b)、5(g)、5(i)、5(j)又は5(k)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)SO-Rであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、-N(R)SO-Rに結合していない。
【0293】
本開示の実施形態5(ar)は、実施形態5、5(a)、5(b)、5(g)、5(i)、5(j)又は5(k)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-SO-Rである。
【0294】
本開示の実施形態5(as)は、実施形態5、5(a)、5(b)、5(g)、5(i)、5(j)又は5(k)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-SON(R)Rである。
【0295】
本開示の実施形態5(at)は、実施形態5、5(a)、5(b)、5(g)、5(i)、5(j)又は5(k)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)SON(R)Rであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、-N(R)SON(R)Rに結合していない。
【0296】
本開示の実施形態5(au)は、実施形態5、5(a)、5(b)、5(g)、5(i)、5(j)又は5(k)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)C(O)N(R)Rであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、-N(R)C(O)N(R)Rに結合していない。
【0297】
本開示の実施形態5(av)は、実施形態5、5(a)、5(b)、5(g)、5(i)、5(j)又は5(k)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)C(O)Rであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、-N(R)C(O)Rに結合していない。
【0298】
本開示の実施形態5(aw)は、実施形態5、5(a)、5(b)、5(g)、5(i)、5(j)又は5(k)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)C(O)ORであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、-N(R)C(O)ORに結合していない。
【0299】
本開示の実施形態5(ax)は、実施形態5、5(a)、5(b)、5(g)、5(i)、5(j)又は5(k)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)Rであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、-N(R)Rに結合していない。
【0300】
本開示の実施形態5(ay)は、実施形態5、5(a)、5(b)、5(g)、5(i)、5(j)又は5(k)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-C(O)-N(R)Rである。
【0301】
本開示の実施形態5(az)は、実施形態5、5(a)、5(b)、5(g)、5(i)、5(j)又は5(k)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-C(O)ORである。
【0302】
本開示の実施形態5(ba)は、実施形態5、5(a)、5(b)、5(g)、5(i)、5(j)又は5(k)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-C(O)R10である。
【0303】
本開示の実施形態5(bb)は、実施形態5、5(a)、5(b)、5(g)、5(i)、5(j)又は5(k)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)C(O)R10であり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、-N(R)C(O)R10に結合していない。
【0304】
本開示の実施形態5(bc)は、実施形態5、5(a)、5(b)、5(g)、5(i)、5(j)又は5(k)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-N(H)C(H)C=Oであり、但し、Tは、Gのヘテロ原子に結合していない。
【0305】
本開示の実施形態5(bd)は、実施形態5、5(a)、5(b)、5(g)、5(i)、5(j)又は5(k)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~4個のZで置換されていてもよい-(CH0~1-C~Cシクロアルキルである。
【0306】
本開示の実施形態5(be)は、実施形態5、5(a)、5(b)、5(g)、5(i)、5(j)又は5(k)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~4個のZで置換されていてもよい-(CH0~1-5~6員ヘテロシクロアルキルであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、5~6員ヘテロアリールのヘテロ原子に結合していない。
【0307】
本開示の実施形態5(bf)は、実施形態5、5(a)、5(b)、5(g)、5(i)、5(j)又は5(k)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~1-5~6員ヘテロアリールであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、5~6員ヘテロアリールのヘテロ原子に結合していない。
【0308】
実施形態5(bg)は、実施形態5、5(a)、5(b)、5(c)、5(d)、5(e)、5(f)、5(g)、5(h)、5(i)、5(j)、5(k)、5(l)、5(m)、5(n)、5(o)、5(p)、5(q)、5(r)、5(s)、5(t)、5(u)、5(v)、5(w)、5(x)、5(y)、5(z)、5(aa)、5(ab)、5(ac)、5(ad)、5(ae)、5(af)、5(ag)、5(ah)、5(ai)、5(aj)、5(ak)、5(al)、5(am)、5(an)、5(ao)、5(ap)、5(aq)、5(ar)、5(as)、5(at)、5(au)、5(av)、5(aw)、5(ax)、5(ay)、5(az)、5(ba)、5(bb)、5(bc)、5(bd)、5(be)又は5(bf)のいずれか一項に関し、式中、Rは、水素である。
【0309】
実施形態5(bh)は、実施形態5、5(a)、5(b)、5(c)、5(d)、5(e)、5(f)、5(g)、5(h)、5(i)、5(j)、5(k)、5(l)、5(m)、5(n)、5(o)、5(p)、5(q)、5(r)、5(s)、5(t)、5(u)、5(v)、5(w)、5(x)、5(y)、5(z)、5(aa)、5(ab)、5(ac)、5(ad)、5(ae)、5(af)、5(ag)、5(ah)、5(ai)、5(aj)、5(ak)、5(al)、5(am)、5(an)、5(ao)、5(ap)、5(aq)、5(ar)、5(as)、5(at)、5(au)、5(av)、5(aw)、5(ax)、5(ay)、5(az)、5(ba)、5(bb)、5(bc)、5(bd)、5(be)又は5(bf)のいずれか一項に関し、式中、Rは、0~4個のヒドロキシルで置換されたC~Cアルキルである。
【0310】
実施形態5(bi)は、実施形態5、5(a)、5(b)、5(c)、5(d)、5(e)、5(f)、5(g)、5(h)、5(i)、5(j)、5(k)、5(l)、5(m)、5(n)、5(o)、5(p)、5(q)、5(r)、5(s)、5(t)、5(u)、5(v)、5(w)、5(x)、5(y)、5(z)、5(aa)、5(ab)、5(ac)、5(ad)、5(ae)、5(af)、5(ag)、5(ah)、5(ai)、5(aj)、5(ak)、5(al)、5(am)、5(an)、5(ao)、5(ap)、5(aq)、5(ar)、5(as)、5(at)、5(au)、5(av)、5(aw)、5(ax)、5(ay)、5(az)、5(ba)、5(bb)、5(bc)、5(bd)、5(be)又は5(bf)のいずれか一項に関し、式中、Rは、ハロゲンである。
【0311】
実施形態5(bj)は、実施形態5、5(a)、5(b)、5(c)、5(d)、5(e)、5(f)、5(g)、5(h)、5(i)、5(j)、5(k)、5(l)、5(m)、5(n)、5(o)、5(p)、5(q)、5(r)、5(s)、5(t)、5(u)、5(v)、5(w)、5(x)、5(y)、5(z)、5(aa)、5(ab)、5(ac)、5(ad)、5(ae)、5(af)、5(ag)、5(ah)、5(ai)、5(aj)、5(ak)、5(al)、5(am)、5(an)、5(ao)、5(ap)、5(aq)、5(ar)、5(as)、5(at)、5(au)、5(av)、5(aw)、5(ax)、5(ay)、5(az)、5(ba)、5(bb)、5(bc)、5(bd)、5(be)又は5(bf)のいずれか一項に関し、式中、Rは、CNである。
【0312】
実施形態5(bk)は、実施形態5、5(a)、5(b)、5(c)、5(d)、5(e)、5(f)、5(g)、5(h)、5(i)、5(j)、5(k)、5(l)、5(m)、5(n)、5(o)、5(p)、5(q)、5(r)、5(s)、5(t)、5(u)、5(v)、5(w)、5(x)、5(y)、5(z)、5(aa)、5(ab)、5(ac)、5(ad)、5(ae)、5(af)、5(ag)、5(ah)、5(ai)、5(aj)、5(ak)、5(al)、5(am)、5(an)、5(ao)、5(ap)、5(aq)、5(ar)、5(as)、5(at)、5(au)、5(av)、5(aw)、5(ax)、5(ay)、5(az)、5(ba)、5(bb)、5(bc)、5(bd)、5(be)又は5(bf)のいずれか一項に関し、式中、Rは、Hである。
【0313】
本実施形態の実施形態6は、前述の実施形態1、2、3、4又は5のいずれか一項に記載の化合物に関し、式中、Rは、水素である。
【0314】
本実施形態の実施形態7は、実施形態1、2、3、4又は5のいずれか一項に記載の化合物に関し、式中、Rは、C~CアルコキシC~Cアルキル、1~3個のZで置換されたC~Cアルケニル、又は1~3個のZで置換されたC~Cアルキルである。
【0315】
本開示の実施形態8は、実施形態1、2、3、4又は5のいずれか一項に記載の化合物に関し、式中、
は、-CHCHOH、-CHCHCHOH、-CHCH(OH)CHOH、又は-CHCH(CH)OHであり、
は、Cl、Br、CF、又はCNであり、
Eは、ピリジル、フェニル、ピリミジニル又はピリダジニルである。
【0316】
実施形態8の下位実施形態
本開示の実施形態8(a)は、実施形態8に関し、式中、Rは、-CHCHOHであり、Rは、Clであり、Eは、ピリジルである。
【0317】
本開示の実施形態8(b)は、実施形態8に関し、式中、Rは、-CHCHCHOであり、Rは、Clであり、Eは、ピリジルである。
【0318】
本開示の実施形態8(c)は、実施形態8に関し、式中、Rは、-CHCH(OH)CHOHであり、Rは、Clであり、Eは、ピリジルである。
【0319】
本開示の実施形態8(d)は、実施形態8に関し、式中、Rは、-CHCH(CH)OHであり、Rは、Clであり、Eは、ピリジルである。
【0320】
本開示の実施形態9は、実施形態8に記載の化合物に関し、式中、Rは、Clである。
【0321】
本開示の実施形態10は、実施形態1、2、3、4又は5のいずれか一項に記載の化合物に関し、式中、
は、Hであり、
は、Cl、Br、CF、又はCNであり、
は、ハロゲンであり、
Eは、ピリジル、フェニル、ピリミジニル又はピリダジニルである。
【0322】
実施形態10の下位実施形態
本開示の実施形態10(a)は、実施形態10に関し、式中、Eは、ピリジルである。
【0323】
本開示の実施形態11は、実施形態10に記載の化合物に関し、式中、Rは、Clである。
【0324】
本開示の実施形態12は、以下の式のうちのいずれか1つを有する実施形態1から5のいずれか一項に記載の化合物に関する。
【化8】
【0325】
実施形態12の下位実施形態
本開示の実施形態12(a)は、実施形態12に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換されたC~Cシクロアルキルである。
【0326】
本開示の実施形態12(b)は、実施形態12に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換されたC~Cシクロアルケニルである。
【0327】
本開示の実施形態12(c)は、実施形態12に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換された5~9員架橋炭素環である。
【0328】
本開示の実施形態12(d)は、実施形態12に関し、式中、Gは、1つの共通のスピロ炭素原子によって結合された2つのシクロアルキル基を含む5~9員炭素環式スピロ環であり、炭素環式スピロ環は、0~2個のT及び0~1個のTで置換されている。
【0329】
本開示の実施形態12(e)は、実施形態12に関し、式中、Gは、少なくとも1つのヘテロ原子を有する2つの環式基を含む6~9員複素環式スピロ環であり、2つの環式基は、1つの共通のスピロ炭素原子によって結合されており、複素環式スピロ環は、0~2個のT、0~1個のTで置換されている。
【0330】
本開示の実施形態12(f)は、実施形態12に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換されたフェニルである。
【0331】
本開示の実施形態12(g)は、実施形態12に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換された4~6員ヘテロシクロアルキルである。
【0332】
本開示の実施形態12(h)は、実施形態12に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換された4~6員ヘテロシクロアルケニルである。
【0333】
本開示の実施形態12(i)は、実施形態12に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換された5~9員架橋複素環である。
【0334】
本開示の実施形態12(j)は、実施形態12に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換された5~6員ヘテロアリールである。
【0335】
本開示の実施形態12(k)は、実施形態12、12(a)、12(b)、12(c)又は12(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)SO-Rである。
【0336】
本開示の実施形態12(l)は、実施形態12、12(a)、12(b)、12(c)又は12(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-SO-Rである。
【0337】
本開示の実施形態12(m)は、実施形態12、12(a)、12(b)、12(c)又は12(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-SON(R)Rである。
【0338】
本開示の実施形態12(n)は、実施形態12、12(a)、12(b)、12(c)又は12(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)SON(R)Rである。
【0339】
本開示の実施形態12(o)は、実施形態12、12(a)、12(b)、12(c)又は12(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)C(O)N(R)Rである。
【0340】
本開示の実施形態12(p)は、実施形態12、12(a)、12(b)、12(c)又は12(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)C(O)Rである。
【0341】
本開示の実施形態12(q)は、実施形態12、12(a)、12(b)、12(c)又は12(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)C(O)ORである。
【0342】
本開示の実施形態12(r)は、実施形態12、12(a)、12(b)、12(c)又は12(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)Rである。
【0343】
本開示の実施形態12(s)は、実施形態12、12(a)、12(b)、12(c)又は12(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-C(O)N(R)Rである。
【0344】
本開示の実施形態12(t)は、実施形態12、12(a)、12(b)、12(c)又は12(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-C(O)ORである。
【0345】
本開示の実施形態12(u)は、実施形態12、12(a)、12(b)、12(c)又は12(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-C(O)R10である。
【0346】
本開示の実施形態12(v)は、実施形態12、12(a)、12(b)、12(c)又は12(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-C(O)Hである。
【0347】
本開示の実施形態12(w)は、実施形態12、12(a)、12(b)、12(c)又は12(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)C(O)R10である。
【0348】
本開示の実施形態12(x)は、実施形態5、12、12(a)、12(b)、12(c)又は12(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~2~Cシクロアルキルである。
【0349】
本開示の実施形態12(y)は、実施形態12、12(a)、12(b)、12(c)又は12(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~1-フェニルである。
【0350】
本開示の実施形態12(z)は、実施形態12、12(a)、12(b)、12(c)又は12(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~1-5~6員ヘテロアリールである。
【0351】
本開示の実施形態12(aa)は、実施形態12又は12(j)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-C(O)N(R)Rである。
【0352】
本開示の実施形態12(ab)は、実施形態12又は12(j)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-N(R)Rであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、-N(R)Rに結合していない。
【0353】
本開示の実施形態12(ac)は、実施形態12又は12(j)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-C(O)ORである。
【0354】
本開示の実施形態12(ad)は、実施形態12又は12(j)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~3個のZ及び0~1個のZで置換されていてもよい-(CH0~2-C~Cシクロアルキルである。
【0355】
本開示の実施形態12(ae)は、実施形態12又は12(j)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~3個のZ及び0~1個のZで置換されていてもよい-(CH0~2-5~6員ヘテロシクロアルキルであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、5~6員ヘテロシクロアルキルの酸素原子又は窒素原子に結合していない。
【0356】
本開示の実施形態12(af)は、実施形態12又は12(j)に記載の化合物に関し、式中、Tは、4-クロロピリダジン-3-オン-5-イルで置換されていてもよい-O-5~6員ヘテロシクロアルキルである。
【0357】
本開示の実施形態12(ag)は、実施形態12又は12(j)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~3個のZ及び0~1個のZで置換されていてもよい-(CH0~2-5~9員架橋炭素環である。
【0358】
本開示の実施形態12(ah)は、実施形態12又は12(j)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1C(O)ORである。
【0359】
本開示の実施形態12(ai)は、実施形態12又は12(j)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)C(O)Rである。
【0360】
本開示の実施形態12(aj)は、実施形態12又は12(j)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)SO-Rである。
【0361】
本開示の実施形態12(ak)は、実施形態12又は12(j)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-SO-Rである。
【0362】
本開示の実施形態12(al)は、実施形態12又は12(j)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-SON(R)Rである。
【0363】
本開示の実施形態12(am)は、実施形態12又は12(j)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)C(O)N(R)Rである。
【0364】
本開示の実施形態12(an)は、実施形態12又は12(j)に記載の化合物に関し、式中、Tは、N(Rである。
【0365】
本開示の実施形態12(ao)は、実施形態12、12(e)、12(g)、12(h)又は12(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)SO-Rであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、-N(R)SO-Rに結合していない。
【0366】
本開示の実施形態12(ap)は、実施形態12、12(e)、12(g)、12(h)又は12(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-SO-Rである。
【0367】
本開示の実施形態12(aq)は、実施形態12、12(e)、12(g)、12(h)又は12(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-SON(R)Rである。
【0368】
本開示の実施形態12(ar)は、実施形態12、12(e)、12(g)、12(h)又は12(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)SON(R)Rであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、-N(R)SON(R)Rに結合していない。
【0369】
本開示の実施形態12(as)は、実施形態12、12(e)、12(g)、12(h)又は12(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)C(O)N(R)Rであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、-N(R)C(O)N(R)Rに結合していない。
【0370】
本開示の実施形態12(at)は、実施形態12、12(e)、12(g)、12(h)又は12(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)C(O)Rであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、-N(R)C(O)Rに結合していない。
【0371】
本開示の実施形態12(au)は、実施形態12、12(e)、12(g)、12(h)又は12(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)C(O)ORであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、-N(R)C(O)ORに結合していない。
【0372】
本開示の実施形態12(av)は、実施形態12、12(e)、12(g)、12(h)又は12(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)Rであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、-N(R)Rに結合していない。
【0373】
本開示の実施形態12(aw)は、実施形態12、12(e)、12(g)、12(h)又は12(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-C(O)-N(R)Rである。
【0374】
本開示の実施形態12(ax)は、実施形態12、12(e)、12(g)、12(h)又は12(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-C(O)ORである。
【0375】
本開示の実施形態12(ay)は、実施形態12、12(e)、12(g)、12(h)又は12(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-C(O)R10である。
【0376】
本開示の実施形態12(az)は、実施形態12、12(e)、12(g)、12(h)又は12(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)C(O)R10であり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、-N(R)C(O)R10に結合していない。
【0377】
本開示の実施形態12(ba)は、実施形態12、12(e)、12(g)、12(h)又は12(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-N(H)C(H)C=Oであり、但し、Tは、Gのヘテロ原子に結合していない。
【0378】
本開示の実施形態12(bb)は、実施形態12、12(e)、12(g)、12(h)又は12(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~4個のZで置換されていてもよい-(CH0~1-C~Cシクロアルキルである。
【0379】
本開示の実施形態12(bc)は、実施形態12、12(e)、12(g)、12(h)又は12(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~4個のZで置換されていてもよい-(CH0~1-5~6員ヘテロシクロアルキルであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、5~6員ヘテロアリールのヘテロ原子に結合していない。
【0380】
本開示の実施形態12(bd)は、実施形態12、12(e)、12(g)、12(h)又は12(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~1-5~6員ヘテロアリールであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、5~6員ヘテロアリールのヘテロ原子に結合していない。
【0381】
実施形態12(be)は、実施形態12、12(a)、12(b)、12(c)、12(d)、12(e)、12(f)、12(g)、12(h)、12(i)、12(j)、12(k)、12(l)、12(m)、12(n)、12(o)、12(p)、12(q)、12(r)、12(s)、12(t)、12(u)、12(v)、12(w)、12(x)、12(y)、12(z)、12(aa)、12(ab)、12(ac)、12(ad)、12(ae)、12(af)、12(ag)、12(ah)、12(ai)、12(aj)、12(ak)、12(al)、12(am)、12(an)、12(ao)、12(ap)、12(aq)、12(ar)、12(as)、12(at)、12(au)、12(av)、12(aw)、12(ax)、12(ay)、12(az)、12(ba)、12(bb)、12(bc)又は12(bd)のいずれか一項に関し、式中、Rは、水素である。
【0382】
実施形態12(bf)は、実施形態12、12(a)、12(b)、12(c)、12(d)、12(e)、12(f)、12(g)、12(h)、12(i)、12(j)、12(k)、12(l)、12(m)、12(n)、12(o)、12(p)、12(q)、12(r)、12(s)、12(t)、12(u)、12(v)、12(w)、12(x)、12(y)、12(z)、12(aa)、12(ab)、12(ac)、12(ad)、12(ae)、12(af)、12(ag)、12(ah)、12(ai)、12(aj)、12(ak)、12(al)、12(am)、12(an)、12(ao)、12(ap)、12(aq)、12(ar)、12(as)、12(at)、12(au)、12(av)、12(aw)、12(ax)、12(ay)、12(az)、12(ba)、12(bb)、12(bc)又は12(bd)のいずれか一項に関し、式中、Rは、0~4個のヒドロキシルで置換されたC~Cアルキルである。
【0383】
実施形態12(bg)は、実施形態12、12(a)、12(b)、12(c)、12(d)、12(e)、12(f)、12(g)、12(h)、12(i)、12(j)、12(k)、12(l)、12(m)、12(n)、12(o)、12(p)、12(q)、12(r)、12(s)、12(t)、12(u)、12(v)、12(w)、12(x)、12(y)、12(z)、12(aa)、12(ab)、12(ac)、12(ad)、12(ae)、12(af)、12(ag)、12(ah)、12(ai)、12(aj)、12(ak)、12(al)、12(am)、12(an)、12(ao)、12(ap)、12(aq)、12(ar)、12(as)、12(at)、12(au)、12(av)、12(aw)、12(ax)、12(ay)、12(az)、12(ba)、12(bb)、12(bc)又は12(bd)のいずれか一項に関し、式中、Rは、Clである。
【0384】
実施形態12(bh)は、実施形態12、12(a)、12(b)、12(c)、12(d)、12(e)、12(f)、12(g)、12(h)、12(i)、12(j)、12(k)、12(l)、12(m)、12(n)、12(o)、12(p)、12(q)、12(r)、12(s)、12(t)、12(u)、12(v)、12(w)、12(x)、12(y)、12(z)、12(aa)、12(ab)、12(ac)、12(ad)、12(ae)、12(af)、12(ag)、12(ah)、12(ai)、12(aj)、12(ak)、12(al)、12(am)、12(an)、12(ao)、12(ap)、12(aq)、12(ar)、12(as)、12(at)、12(au)、12(av)、12(aw)、12(ax)、12(ay)、12(az)、12(ba)、12(bb)、12(bc)又は12(bd)のいずれか一項に関し、式中、Rは、CNである。
【0385】
実施形態13は、以下の式のうちのいずれか1つを有する、実施形態1から5のいずれか一項に記載の化合物、
【化9-1】

【化9-2】

【化9-3】

【化9-4】

【化9-5】

【化9-6】

【化9-7】

【化9-8】

又はその薬学的に許容される塩に関し、式中、Rは、Cl、Br、CF又はCNである。
【0386】
実施形態13の下位実施形態
本開示の実施形態13(a)は、実施形態13に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換されたC~Cシクロアルキルである。
【0387】
本開示の実施形態13(b)は、実施形態13に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換されたC~Cシクロアルケニルである。
【0388】
本開示の実施形態13(c)は、実施形態13に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換された5~9員架橋炭素環である。
【0389】
本開示の実施形態13(d)は、実施形態13に関し、式中、Gは、1つの共通のスピロ炭素原子によって結合された2つのシクロアルキル基を含む5~9員炭素環式スピロ環であり、炭素環式スピロ環は、0~2個のT及び0~1個のTで置換されている。
【0390】
本開示の実施形態13(e)は、実施形態13に関し、式中、Gは、少なくとも1つのヘテロ原子を有する2つの環式基を含む6~9員複素環式スピロ環であり、2つの環式基は、1つの共通のスピロ炭素原子によって結合されており、複素環式スピロ環は、0~2個のT、0~1個のTで置換されている。
【0391】
本開示の実施形態13(f)は、実施形態13に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換されたフェニルである。
【0392】
本開示の実施形態13(g)は、実施形態13に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換された4~6員ヘテロシクロアルキルである。
【0393】
本開示の実施形態13(h)は、実施形態13に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換された4~6員ヘテロシクロアルケニルである。
【0394】
本開示の実施形態13(i)は、実施形態13に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換された5~9員架橋複素環である。
【0395】
本開示の実施形態13(j)は、実施形態13に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換された5~6員ヘテロアリールである。
【0396】
本開示の実施形態13(k)は、実施形態13、13(a)、13(b)、13(c)又は13(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)SO-Rである。
【0397】
本開示の実施形態13(l)は、実施形態13、13(a)、13(b)、13(c)又は13(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-SO-Rである。
【0398】
本開示の実施形態13(m)は、実施形態13、13(a)、13(b)、13(c)又は13(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-SON(R)Rである。
【0399】
本開示の実施形態13(n)は、実施形態13、13(a)、13(b)、13(c)又は13(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)SON(R)Rである。
【0400】
本開示の実施形態13(o)は、実施形態13、13(a)、13(b)、13(c)又は13(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)C(O)N(R)Rである。
【0401】
本開示の実施形態13(p)は、実施形態13、13(a)、13(b)、13(c)又は13(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)C(O)Rである。
【0402】
本開示の実施形態13(q)は、実施形態13、13(a)、13(b)、13(c)又は13(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)C(O)ORである。
【0403】
本開示の実施形態13(r)は、実施形態13、13(a)、13(b)、13(c)又は13(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)Rである。
【0404】
本開示の実施形態13(s)は、実施形態13、13(a)、13(b)、13(c)又は13(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-C(O)N(R)Rである。
【0405】
本開示の実施形態13(t)は、実施形態13、13(a)、13(b)、13(c)又は13(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-C(O)ORである。
【0406】
本開示の実施形態13(u)は、実施形態13、13(a)、13(b)、13(c)又は13(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-C(O)R10である。
【0407】
本開示の実施形態13(v)は、実施形態13、13(a)、13(b)、13(c)又は13(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-C(O)Hである。
【0408】
本開示の実施形態13(w)は、実施形態13、13(a)、13(b)、13(c)又は13(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)C(O)R10である。
【0409】
本開示の実施形態13(x)は、実施形態5、13、13(a)、13(b)、13(c)又は13(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~2~Cシクロアルキルである。
【0410】
本開示の実施形態13(y)は、実施形態13、13(a)、13(b)、13(c)又は13(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~1-フェニルである。
【0411】
本開示の実施形態13(z)は、実施形態13、13(a)、13(b)、13(c)又は13(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~1-5~6員ヘテロアリールである。
【0412】
本開示の実施形態13(aa)は、実施形態13又は13(j)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-C(O)N(R)Rである。
【0413】
本開示の実施形態13(ab)は、実施形態13又は13(j)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-N(R)Rであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、-N(R)Rに結合していない。
【0414】
本開示の実施形態13(ac)は、実施形態13又は13(j)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-C(O)ORである。
【0415】
本開示の実施形態13(ad)は、実施形態13又は13(j)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~3個のZ及び0~1個のZで置換されていてもよい-(CH0~2-C~Cシクロアルキルである。
【0416】
本開示の実施形態13(ae)は、実施形態13又は13(j)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~3個のZ及び0~1個のZで置換されていてもよい-(CH0~2-5~6員ヘテロシクロアルキルであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、5~6員ヘテロシクロアルキルの酸素原子又は窒素原子に結合していない。
【0417】
本開示の実施形態13(af)は、実施形態13又は13(j)に記載の化合物に関し、式中、Tは、4-クロロピリダジン-3-オン-5-イルで置換されていてもよい-O-5~6員ヘテロシクロアルキルである。
【0418】
本開示の実施形態13(ag)は、実施形態13又は13(j)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~3個のZ及び0~1個のZで置換されていてもよい-(CH0~2-5~9員架橋炭素環である。
【0419】
本開示の実施形態13(ah)は、実施形態13又は13(j)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1C(O)ORである。
【0420】
本開示の実施形態13(ai)は、実施形態13又は13(j)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)C(O)Rである。
【0421】
本開示の実施形態13(aj)は、実施形態13又は13(j)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)SO-Rである。
【0422】
本開示の実施形態13(ak)は、実施形態13又は13(j)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-SO-Rである。
【0423】
本開示の実施形態13(al)は、実施形態13又は13(j)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-SON(R)Rである。
【0424】
本開示の実施形態13(am)は、実施形態13又は13(j)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)C(O)N(R)Rである。
【0425】
本開示の実施形態13(an)は、実施形態13又は13(j)に記載の化合物に関し、式中、Tは、N(Rである。
【0426】
本開示の実施形態13(ao)は、実施形態13、13(e)、13(g)、13(h)又は13(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)SO-Rであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、-N(R)SO-Rに結合していない。
【0427】
本開示の実施形態13(ap)は、実施形態13、13(e)、13(g)、13(h)又は13(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-SO-Rである。
【0428】
本開示の実施形態13(aq)は、実施形態13、13(e)、13(g)、13(h)又は13(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-SON(R)Rである。
【0429】
本開示の実施形態13(ar)は、実施形態13、13(e)、13(g)、13(h)又は13(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)SON(R)Rであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、-N(R)SON(R)Rに結合していない。
【0430】
本開示の実施形態13(as)は、実施形態13、13(e)、13(g)、13(h)又は13(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)C(O)N(R)Rであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、-N(R)C(O)N(R)Rに結合していない。
【0431】
本開示の実施形態13(at)は、実施形態13、13(e)、13(g)、13(h)又は13(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)C(O)Rであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、-N(R)C(O)Rに結合していない。
【0432】
本開示の実施形態13(au)は、実施形態13、13(e)、13(g)、13(h)又は13(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)C(O)ORであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、-N(R)C(O)ORに結合していない。
【0433】
本開示の実施形態13(av)は、実施形態13、13(e)、13(g)、13(h)又は13(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)Rであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、-N(R)Rに結合していない。
【0434】
本開示の実施形態13(aw)は、実施形態13、13(e)、13(g)、13(h)又は13(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-C(O)-N(R)Rである。
【0435】
本開示の実施形態13(ax)は、実施形態13、13(e)、13(g)、13(h)又は13(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-C(O)ORである。
【0436】
本開示の実施形態13(ay)は、実施形態13、13(e)、13(g)、13(h)又は13(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-C(O)R10である。
【0437】
本開示の実施形態13(az)は、実施形態13、13(e)、13(g)、13(h)又は13(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)C(O)R10であり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、-N(R)C(O)R10に結合していない。
【0438】
本開示の実施形態13(ba)は、実施形態13、13(e)、13(g)、13(h)又は13(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-N(H)C(H)C=Oであり、但し、Tは、Gのヘテロ原子に結合していない。
【0439】
本開示の実施形態13(bb)は、実施形態13、13(e)、13(g)、13(h)又は13(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~4個のZで置換されていてもよい-(CH0~1-C~Cシクロアルキルである。
【0440】
本開示の実施形態13(bc)は、実施形態13、13(e)、13(g)、13(h)又は13(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~4個のZで置換されていてもよい-(CH0~1-5~6員ヘテロシクロアルキルであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、5~6員ヘテロアリールのヘテロ原子に結合していない。
【0441】
本開示の実施形態13(bd)は、実施形態13、13(e)、13(g)、13(h)又は13(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~1-5~6員ヘテロアリールであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、5~6員ヘテロアリールのヘテロ原子に結合していない。
【0442】
実施形態13(be)は、実施形態13、13(a)、13(b)、13(c)、13(d)、13(e)、13(f)、13(g)、13(h)、13(i)、13(j)、13(k)、13(l)、13(m)、13(n)、13(o)、13(p)、13(q)、13(r)、13(s)、13(t)、13(u)、13(v)、13(w)、13(x)、13(y)、13(z)、13(aa)、13(ab)、13(ac)、13(ad)、13(ae)、13(af)、13(ag)、13(ah)、13(ai)、13(aj)、13(ak)、13(al)、13(am)、13(an)、13(ao)、13(ap)、13(aq)、13(ar)、13(as)、13(at)、13(au)、13(av)、13(aw)、13(ax)、13(ay)、13(az)、13(ba)、13(bb)、13(bc)又は13(bd)のいずれか一項に関し、式中、Rは、Clである。
【0443】
実施形態13(bf)は、実施形態13、13(a)、13(b)、13(c)、13(d)、13(e)、13(f)、13(g)、13(h)、13(i)、13(j)、13(k)、13(l)、13(m)、13(n)、13(o)、13(p)、13(q)、13(r)、13(s)、13(t)、13(u)、13(v)、13(w)、13(x)、13(y)、13(z)、13(aa)、13(ab)、13(ac)、13(ad)、13(ae)、13(af)、13(ag)、13(ah)、13(ai)、13(aj)、13(ak)、13(al)、13(am)、13(an)、13(ao)、13(ap)、13(aq)、13(ar)、13(as)、13(at)、13(au)、13(av)、13(aw)、13(ax)、13(ay)、13(az)、13(ba)、13(bb)、13(bc)又は13(bd)のいずれか一項に関し、式中、Rは、CNである。
【0444】
実施形態14は、以下の式のうちのいずれか1つを有する、実施形態1から5のいずれか一項に記載の化合物、
【化10-1】

【化10-2】

又はその薬学的に許容される塩に関し、式中、Rは、Cl、Br、CF又はCNである。
【0445】
実施形態14の下位実施形態
本開示の実施形態14(a)は、実施形態14に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換されたC~Cシクロアルキルである。
【0446】
本開示の実施形態14(b)は、実施形態14に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換されたC~Cシクロアルケニルである。
【0447】
本開示の実施形態14(c)は、実施形態14に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換された5~9員架橋炭素環である。
【0448】
本開示の実施形態14(d)は、実施形態14に関し、式中、Gは、1つの共通のスピロ炭素原子によって結合された2つのシクロアルキル基を含む5~9員炭素環式スピロ環であり、炭素環式スピロ環は、0~2個のT及び0~1個のTで置換されている。
【0449】
本開示の実施形態14(e)は、実施形態14に関し、式中、Gは、少なくとも1つのヘテロ原子を有する2つの環式基を含む6~9員複素環式スピロ環であり、2つの環式基は、1つの共通のスピロ炭素原子によって結合されており、複素環式スピロ環は、0~2個のT、0~1個のTで置換されている。
【0450】
本開示の実施形態14(f)は、実施形態14に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換されたフェニルである。
【0451】
本開示の実施形態14(g)は、実施形態14に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換された4~6員ヘテロシクロアルキルである。
【0452】
本開示の実施形態14(h)は、実施形態14に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換された4~6員ヘテロシクロアルケニルである。
【0453】
本開示の実施形態14(i)は、実施形態14に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換された5~9員架橋複素環である。
【0454】
本開示の実施形態14(j)は、実施形態14に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換された5~6員ヘテロアリールである。
【0455】
本開示の実施形態14(k)は、実施形態14、14(a)、14(b)、14(c)又は14(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)SO-Rである。
【0456】
本開示の実施形態14(l)は、実施形態14、14(a)、14(b)、14(c)又は14(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-SO-Rである。
【0457】
本開示の実施形態14(m)は、実施形態14、14(a)、14(b)、14(c)又は14(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-SON(R)Rである。
【0458】
本開示の実施形態14(n)は、実施形態14、14(a)、14(b)、14(c)又は14(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)SON(R)Rである。
【0459】
本開示の実施形態14(o)は、実施形態14、14(a)、14(b)、14(c)又は14(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)C(O)N(R)Rである。
【0460】
本開示の実施形態14(p)は、実施形態14、14(a)、14(b)、14(c)又は14(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)C(O)Rである。
【0461】
本開示の実施形態14(q)は、実施形態14、14(a)、14(b)、14(c)又は14(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)C(O)ORである。
【0462】
本開示の実施形態14(r)は、実施形態14、14(a)、14(b)、14(c)又は14(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)Rである。
【0463】
本開示の実施形態14(s)は、実施形態14、14(a)、14(b)、14(c)又は14(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-C(O)N(R)Rである。
【0464】
本開示の実施形態14(t)は、実施形態14、14(a)、14(b)、14(c)又は14(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-C(O)ORである。
【0465】
本開示の実施形態14(u)は、実施形態14、14(a)、14(b)、14(c)又は14(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-C(O)R10である。
【0466】
本開示の実施形態14(v)は、実施形態14、14(a)、14(b)、14(c)又は14(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-C(O)Hである。
【0467】
本開示の実施形態14(w)は、実施形態14、14(a)、14(b)、14(c)又は14(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)C(O)R10である。
【0468】
本開示の実施形態14(x)は、実施形態5、14、14(a)、14(b)、14(c)又は14(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~2~Cシクロアルキルである。
【0469】
本開示の実施形態14(y)は、実施形態14、14(a)、14(b)、14(c)又は14(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~1-フェニルである。
【0470】
本開示の実施形態14(z)は、実施形態14、14(a)、14(b)、14(c)又は14(d)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~1-5~6員ヘテロアリールである。
【0471】
本開示の実施形態14(aa)は、実施形態14又は14(j)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-C(O)N(R)Rである。
【0472】
本開示の実施形態14(ab)は、実施形態14又は14(j)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-N(R)Rであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、-N(R)Rに結合していない。
【0473】
本開示の実施形態14(ac)は、実施形態14又は14(j)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~2-C(O)ORである。
【0474】
本開示の実施形態14(ad)は、実施形態14又は14(j)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~3個のZ及び0~1個のZで置換されていてもよい-(CH0~2-C~Cシクロアルキルである。
【0475】
本開示の実施形態14(ae)は、実施形態14又は14(j)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~3個のZ及び0~1個のZで置換されていてもよい-(CH0~2-5~6員ヘテロシクロアルキルであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、5~6員ヘテロシクロアルキルの酸素原子又は窒素原子に結合していない。
【0476】
本開示の実施形態14(af)は、実施形態14又は14(j)に記載の化合物に関し、式中、Tは、4-クロロピリダジン-3-オン-5-イルで置換されていてもよい-O-5~6員ヘテロシクロアルキルである。
【0477】
本開示の実施形態14(ag)は、実施形態14又は14(j)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~3個のZ及び0~1個のZで置換されていてもよい-(CH0~2-5~9員架橋炭素環である。
【0478】
本開示の実施形態14(ah)は、実施形態14又は14(j)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1C(O)ORである。
【0479】
本開示の実施形態14(ai)は、実施形態14又は14(j)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)C(O)Rである。
【0480】
本開示の実施形態14(aj)は、実施形態14又は14(j)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)SO-Rである。
【0481】
本開示の実施形態14(ak)は、実施形態14又は14(j)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-SO-Rである。
【0482】
本開示の実施形態14(al)は、実施形態14又は14(j)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-SON(R)Rである。
【0483】
本開示の実施形態14(am)は、実施形態14又は14(j)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)C(O)N(R)Rである。
【0484】
本開示の実施形態14(an)は、実施形態14又は14(j)に記載の化合物に関し、式中、Tは、N(Rである。
【0485】
本開示の実施形態14(ao)は、実施形態14、14(e)、14(g)、14(h)又は14(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)SO-Rであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、-N(R)SO-Rに結合していない。
【0486】
本開示の実施形態14(ap)は、実施形態14、14(e)、14(g)、14(h)又は14(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-SO-Rである。
【0487】
本開示の実施形態14(aq)は、実施形態14、14(e)、14(g)、14(h)又は14(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-SON(R)Rである。
【0488】
本開示の実施形態14(ar)は、実施形態14、14(e)、14(g)、14(h)又は14(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)SON(R)Rであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、-N(R)SON(R)Rに結合していない。
【0489】
本開示の実施形態14(as)は、実施形態14、14(e)、14(g)、14(h)又は14(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)C(O)N(R)Rであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、-N(R)C(O)N(R)Rに結合していない。
【0490】
本開示の実施形態14(at)は、実施形態14、14(e)、14(g)、14(h)又は14(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)C(O)Rであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、-N(R)C(O)Rに結合していない。
【0491】
本開示の実施形態14(au)は、実施形態14、14(e)、14(g)、14(h)又は14(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)C(O)ORであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、-N(R)C(O)ORに結合していない。
【0492】
本開示の実施形態14(av)は、実施形態14、14(e)、14(g)、14(h)又は14(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)Rであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、-N(R)Rに結合していない。
【0493】
本開示の実施形態14(aw)は、実施形態14、14(e)、14(g)、14(h)又は14(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-C(O)-N(R)Rである。
【0494】
本開示の実施形態14(ax)は、実施形態14、14(e)、14(g)、14(h)又は14(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-C(O)ORである。
【0495】
本開示の実施形態14(ay)は、実施形態14、14(e)、14(g)、14(h)又は14(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-C(O)R10である。
【0496】
本開示の実施形態14(az)は、実施形態14、14(e)、14(g)、14(h)又は14(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-(CH0~1-N(R)C(O)R10であり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、-N(R)C(O)R10に結合していない。
【0497】
本開示の実施形態14(ba)は、実施形態14、14(e)、14(g)、14(h)又は14(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、-N(H)C(H)C=Oであり、但し、Tは、Gのヘテロ原子に結合していない。
【0498】
本開示の実施形態14(bb)は、実施形態14、14(e)、14(g)、14(h)又は14(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~4個のZで置換されていてもよい-(CH0~1-C~Cシクロアルキルである。
【0499】
本開示の実施形態14(bc)は、実施形態14、14(e)、14(g)、14(h)又は14(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~4個のZで置換されていてもよい-(CH0~1-5~6員ヘテロシクロアルキルであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、5~6員ヘテロアリールのヘテロ原子に結合していない。
【0500】
本開示の実施形態14(bd)は、実施形態14、14(e)、14(g)、14(h)又は14(i)に記載の化合物に関し、式中、Tは、1~3個のZで置換されていてもよい-(CH0~1-5~6員ヘテロアリールであり、但し、TがGのヘテロ原子に結合している場合、Gは、5~6員ヘテロアリールのヘテロ原子に結合していない。
【0501】
実施形態14(be)は、実施形態14、14(a)、14(b)、14(c)、14(d)、14(e)、14(f)、14(g)、14(h)、14(i)、14(j)、14(k)、14(l)、14(m)、14(n)、14(o)、14(p)、14(q)、14(r)、14(s)、14(t)、14(u)、14(v)、14(w)、14(x)、14(y)、14(z)、14(aa)、14(ab)、14(ac)、14(ad)、14(ae)、14(af)、14(ag)、14(ah)、14(ai)、14(aj)、14(ak)、14(al)、14(am)、14(an)、14(ao)、14(ap)、14(aq)、14(ar)、14(as)、14(at)、14(au)、14(av)、14(aw)、14(ax)、14(ay)、14(az)、14(ba)、14(bb)、14(bc)又は14(bd)のいずれか一項に関し、式中、Rは、Clである。
【0502】
実施形態14(bf)は、実施形態14、14(a)、14(b)、14(c)、14(d)、14(e)、14(f)、14(g)、14(h)、14(i)、14(j)、14(k)、14(l)、14(m)、14(n)、14(o)、14(p)、14(q)、14(r)、14(s)、14(t)、14(u)、14(v)、14(w)、14(x)、14(y)、14(z)、14(aa)、14(ab)、14(ac)、14(ad)、14(ae)、14(af)、14(ag)、14(ah)、14(ai)、14(aj)、14(ak)、14(al)、14(am)、14(an)、14(ao)、14(ap)、14(aq)、14(ar)、14(as)、14(at)、14(au)、14(av)、14(aw)、14(ax)、14(ay)、14(az)、14(ba)、14(bb)、14(bc)又は14(bd)のいずれか一項に関し、式中、Rは、CNである。
【0503】
実施形態15は、式IV(a)、IV(b)、IV(c)、IV(d)、IV(e)、IV(f)のうちの1つを有する実施形態12に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は式IV(a)、IV(b)、IV(c)、IV(d)、IV(e)、IV(f)のいずれかの下位実施形態、若しくはその薬学的に許容される塩に関する。
【0504】
実施形態16は、式V(a)、V(b)、V(c)、V(d)、V(e)、V(f)、V(g)、V(h)、V(i)、V(j)、V(k)、V(l)、V(m)、V(n)、V(o)、V(p)、V(q)、V(r)、V(s)、V(t)、V(u)、V(v)、V(w)、V(af)、V(ag)、V(ah)、V(ai)、V(aj)、V(ak)、V(al)、V(am)、V(an)、V(ao)、V(ap)、V(aq)、V(ar)、V(as)、V(at)、V(au)、V(av)、V(aw)、V(ay)、V(az)、V(ba)、V(bb)のうちの1つを有する実施形態13に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は式V(a)、V(b)、V(c)、V(d)、V(e)、V(f)、V(g)、V(h)、V(i)、V(j)、V(k)、V(l)、V(m)、V(n)、V(o)、V(p)、V(q)、V(r)、V(s)、V(t)、V(u)、V(v)、V(w)、V(af)、V(ag)、V(ah)、V(ai)、V(aj)、V(ak)、V(al)、V(am)、V(an)、V(ao)、V(ap)、V(aq)、V(ar)、V(as)、V(at)、V(au)、V(av)、V(aw)、V(ay)、V(az)、V(ba)、V(bb)のいずれかの下位実施形態若しくはその薬学的に許容される塩に関する。
【0505】
実施形態17は、式VI(a)、VI(b)、VI(c)、VI(d)、VI(e)、VI(f)、VI(g)、VI(h)、VI(i)、VI(j)、VI(k)、VI(l)、VI(m)、VO(n)、VI(o)のうちの1つを有する実施形態14に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は式VI(a)、VI(b)、VI(c)、VI(d)、VI(e)、VI(f)、VI(g)、VI(h)、VI(i)、VI(j)、VI(k)、VI(l)、VI(m)、VO(n)、VI(o)のいずれかの下位実施形態、若しくはその薬学的に許容される塩に関する。
【0506】
実施形態18は、実施形態1から17のいずれか一項に記載の化合物に関し、式中、
Gは、以下の基:
(a)0~2個のT及び0~1個のTで置換されたC~Cシクロアルキル、
(b)0~2個のT及び0~1個のTで置換されたC~Cシクロアルケニル、
(c)少なくとも1つのヘテロ原子を有する2つの環式基を含む6~9員複素環式スピロ環であって、2つの環式基が1つの共通のスピロ炭素原子によって結合されており、複素環式スピロ環が0~2個のT、0~1個のTで置換されている、6~9員複素環式スピロ環、
(d)0~2個のT及び0~1個のTで置換されたフェニル、
(e)0~2個のT及び0~1個のTで置換された5~6員ヘテロシクロアルキル、
(f)0~2個のT及び0~1個のTで置換された5~6員ヘテロシクロアルケニル、
(g)0~2個のT及び0~1個のTで置換された5~9員架橋複素環、又は
(h)0~2個のT及び0~1個のTで置換された5~6員ヘテロアリール、
のうちの1つである。
【0507】
実施形態19は、実施形態16に記載の化合物に関し、式中、Gは、それぞれが0~2個のT及び0~1個のTで置換された、ピラゾリル、イソオキサゾリル、インドリル、1,2,3-トリアゾリル、イミダゾリル、チアゾリル又はピロリルである。
【0508】
実施形態19の下位実施形態
実施形態19(a)は、実施形態19に記載の化合物に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換されたピラゾリルである。
【0509】
実施形態19(b)は、実施形態19に記載の化合物に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換されたイソオキサゾリルである。
【0510】
実施形態19(c)は、実施形態19に記載の化合物に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換されたインドリルである。
【0511】
実施形態19(d)は、実施形態19に記載の化合物に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換された1,2,3-トリアゾリルである。
【0512】
実施形態19(e)は、実施形態19に記載の化合物に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換されたイミダゾリルである。
【0513】
実施形態19(f)は、実施形態19に記載の化合物に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換されたチアゾリルである。
【0514】
実施形態19(g)は、実施形態19に記載の化合物に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換されたピロリルである。
【0515】
実施形態20は、実施形態16に記載の化合物に関し、式中、Gは、それぞれが0~2個のT及び0~1個のTで置換された、2,5-ジヒドロピロリル、又は3,6-ジヒドロピラニルである。
【0516】
実施形態20の下位実施形態
実施形態20(a)は、実施形態20に記載の化合物に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換されたピペラジニルである。
【0517】
実施形態20(b)は、実施形態20に記載の化合物に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換されたピペリジンである。
【0518】
実施形態20(c)は、実施形態20に記載の化合物に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換されたピロリジンである。
【0519】
実施形態20(d)は、実施形態20に記載の化合物に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換されたテトラヒドロピランである。
【0520】
実施形態20(e)は、実施形態20に記載の化合物に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換されたモルホリニルである。
【0521】
実施形態20(f)は、実施形態20に記載の化合物に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換された1,2,3,6-テトラヒドロピリジニルである。
【0522】
実施形態20(g)は、実施形態20に記載の化合物に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換された2,5-ジヒドロピロリルである。
【0523】
実施形態20(h)は、実施形態20に記載の化合物に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換された3,6-ジヒドロピラニルである。
【0524】
実施形態21は、実施形態16に記載の化合物に関し、式中、Gは、それぞれが0~2個のT及び0~1個のTで置換された、(1R,5S)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタニル、(1R,5S)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、又は(1R,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタニルである。
【0525】
実施形態21の下位実施形態
実施形態21(a)は、実施形態21に記載の化合物に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換された(1R,5S)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタニルである。
【0526】
実施形態21(b)は、実施形態21に記載の化合物に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換された(1R,5S)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタニルである。
【0527】
実施形態21(c)は、実施形態21に記載の化合物に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換された(1R,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタニルである。
【0528】
実施形態22は、実施形態16に記載の化合物に関し、式中、Gは、それぞれが0~2個のT及び0~1個のTで置換された、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキセニル、シクロペンテニルである。
【0529】
実施形態22の下位実施形態
実施形態22(a)は、実施形態22に記載の化合物に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換されたシクロヘキシルである。
【0530】
実施形態22(b)は、実施形態22に記載の化合物に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換されたシクロペンチルである。
【0531】
実施形態22(c)は、実施形態22に記載の化合物に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換されシクロヘキセニルである。
【0532】
実施形態22(d)は、実施形態22に記載の化合物に関し、式中、Gは、0~2個のT及び0~1個のTで置換されシクロペンテニルである。
【0533】
実施形態23は、実施形態1から17のいずれか一項に記載の化合物に関し、式中、Tは、-CHC(O)N(H)シクロプロピル、-CHC(O)N(H)CH、-CH-COOH、オキセタニル、-(CH0~2シクロプロピル、-(CH0~2シクロブチル、-(CH0~2-テトラヒドロピラン、-(CH0~2-テトラヒドロフラン、-(CH0~2アゼチジニル、-(CH0~2ピロリジニル、又は-(CH0~2モルホリニルである。
【0534】
実施形態24は、実施形態1から17のいずれか一項に記載の化合物に関し、式中、Gは、以下の式のうちのいずれか1つである。
【化11-1】

【化11-2】
【0535】
実施形態25は、実施形態1から17のいずれか一項に記載の化合物に関し、式中、Gは、以下の式のうちのいずれか1つであり、
【化12-1】

【化12-2】

各T1aは独立して、F、Cl又はCHであり、
各T5aは独立して、F、Cl又はCHである。
【0536】
実施形態26は、実施形態25に記載の化合物に関し、式中、Gは、式(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)又は(h)のうちの1つである。
【0537】
実施形態27は、実施形態25に記載の化合物に関し、式中、Gは、式(i)、(j)、(k)、(l)、(m)、(n)、(o)、(p)、(q)、(r)、(s)、(t)、(u)、(v)、(w)、(x)、(y)、(z)、(aa)、(ab)、(ac)又は(ad)のうちの1つである。
【0538】
実施形態28は、実施形態25に記載の化合物に関し、式中、Gは、式(ae)、(af)、(ag)、(ah)、(ai)、(aj)、(ak)、(al)、(am)、(an)、(ao)、(ap)又は(aq)のうちの1つである。
【0539】
実施形態29は、実施形態25に記載の化合物に関し、式中、Gは、(ar)又は(as)のうちのいずれか1つである。
【0540】
実施形態30は、実施形態25に記載の化合物に関し、式中、Gは、(at)又は(au)のうちのいずれか1つである。
【0541】
実施形態31は、実施形態25に記載の化合物に関し、式中、Gは、式(av)、(aw)、(ax)、(ay)又は(az)のうちの1つである。
【0542】
実施形態32は、実施形態1から25又は27のいずれか一項に記載の化合物に関し、式中、Tは、オキセタニルメチレン、-C(O)CHOH、-C(O)OH、-SOCH、-C(O)シクロプロピル、-C(O)CH、-N(H)SO-シクロプロピル、-N(H)C(O)シクロプロピル、-SON(H)CHCHCH、-SONHシクロプロピル又は-SOCHCHCHである。
【0543】
実施形態33は、実施形態1から25、27又は29のいずれか一項に記載の化合物に関し、式中、Tは、F、Cl、CHCl、CHF、CH、-CHCH、-CH(CH、CHOH、-CHCHOH、-CHC(CHOH、-CH(CHOH)、-CHCH(OH)CF、CHCF、CN、-CHCN、-OCH、-CHOCH、-CHF、-CHCHF、-CHCH(OH)CHCHCl、-CH(CHOH)CHCl、-CH(CHOH)CHI又は-CHC(CH)(CHOH)CHClである。
【0544】
実施形態34は、実施形態1から25のいずれか一項に記載の化合物に関し、式中、Zは、CH、F、Cl、CN、-CHCN、-CHCH、又はOHである。
【0545】
実施形態35は、表1から選択される実施形態1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩に関する。
【0546】
更に、式は、同定された構造の水和又は溶媒和並びに非水和又は非溶媒和形態を網羅することを意図している。例えば、示された化合物は、水和形態と非水和形態の両方を含む。溶媒和物の他の例としては、イソプロパノール、エタノール、メタノール、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、酢酸又はエタノールアミンなどの適切な溶媒と組み合わせた構造が挙げられる。
【0547】
III.製剤及び投与
本開示の実施形態36は、本開示の実施形態の1つにおける化合物、例えば、その任意の下位実施形態を含む実施形態1~35のいずれか1つによる化合物、及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物に関する。
【0548】
本開示の実施形態37は、第2の医薬品を更に含む、実施形態36の医薬組成物に関する。
【0549】
適切な剤形は、一部には、使用又は投与経路、例えば、経口、経皮、経粘膜、吸入剤、又は注射(非経口)に依存する。そのような剤形は、化合物が標的細胞に到達することを可能にすべきである。他の因子は当技術分野で公知であり、毒性、及び化合物又は組成物がその効果を発揮するのを遅延させる剤形などの考慮事項を含む。技法及び製剤は、一般に、The Science and Practice of Pharmacy,21st edition,Lippincott,Williams and Wilkins,Philadelphia,PA,2005(参照により本明細書に組み込まれる)に見出すことができる。
【0550】
本開示の化合物(すなわち、その下位実施形態のいずれかを含む、実施形態1から36に記載される化合物のいずれか)は、薬学的に許容される塩として製剤化することができる。
【0551】
担体又は賦形剤を使用して組成物を製造することができる。担体又は賦形剤は、化合物の投与を容易にするように選択することができる。担体の例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、ラクトース、グルコース、又はスクロースなどの様々な糖、又はデンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油、ポリエチレングリコール及び生理学的に適合性の溶媒の種類が挙げられる。生理学的に適合する溶媒の例としては、注射用水(WFI)、生理食塩水、及びデキストロースの滅菌溶液が挙げられる。
【0552】
化合物は、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、経口、経粘膜、直腸、経皮、又は吸入剤を含む様々な経路によって投与することができる。いくつかの実施形態では、化合物は、経口投与によって投与することができる。経口投与の場合、例えば、化合物は、カプセル剤、錠剤、並びにシロップ剤、エリキシル剤、及び濃縮液滴剤などの液体製剤などの従来の経口剤形に製剤化することができる。
【0553】
吸入剤の場合、本開示の化合物は、乾燥粉末又は適切な溶液、懸濁液若しくはエアロゾルとして製剤化することができる。粉末及び溶液は、当技術分野で公知の適切な添加剤を用いて製剤化することができる。例えば、粉末は、ラクトース又はデンプンなどの適切な粉末基剤を含むことができ、溶液は、プロピレングリコール、滅菌水、エタノール、塩化ナトリウム、並びに酸、アルカリ及び緩衝塩などの他の添加剤を含むことができる。そのような溶液又は懸濁液は、スプレー、ポンプ、アトマイザー、又はネブライザーなどを介して吸入することによって投与することができる。本開示の化合物はまた、他の吸入療法、例えば、プロピオン酸フルチカゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、ブデソニド及びフロ酸モメタゾンなどのコルチコステロイド、アルブテロール、サルメテロール、及びホルモテロールなどのベータアゴニスト、イプラトロピウムブロミド又はチオトロピウムなどの抗コリン剤、トレプロスチナール及びイロプロストなどの血管拡張剤、DNAaseなどの酵素、治療用タンパク質、免疫グロブリン抗体、一本鎖又は二本鎖のDNA又はRNA、siRNAなどのオリゴヌクレオチド、トブラマイシンなどの抗生物質、ムスカリン受容体アンタゴニスト、ロイコトリエンアンタゴニスト、サイトカインアンタゴニスト、プロテアーゼ阻害剤、ネドクリルナトリウム、及びクロモグリク酸ナトリウムと組み合わせて使用することができる。
【0554】
経口使用のための医薬製剤は、例えば、活性化合物を固体賦形剤と組み合わせ、場合により得られた混合物を粉砕し、所望であれば適切な補助剤を添加した後に顆粒の混合物を加工して錠剤又は糖衣錠コアを得ることによって得ることができる。適切な賦形剤は、特に、ラクトース、スクロース、マンニトール、又はソルビトールを含む糖などの充填剤、セルロース調製物、例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、バレイショデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)及び/又はポリビニルピロリドン(PVP:ポビドン)である。所望であれば、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、若しくはアルギン酸、又はアルギン酸ナトリウムなどのその塩などの崩壊剤を添加することができる。
【0555】
糖衣錠コアには適切なコーティングが施されている。この目的のために、例えば、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール(PEG)、及び/又は二酸化チタン、ラッカー溶液、及び適切な有機溶媒又は溶媒混合物を含んでもよい濃縮糖溶液を使用することができる。識別のために、又は活性化合物用量の異なる組み合せを特徴付けるために、染料又は顔料を錠剤又は糖衣錠コーティングに添加することができる。
【0556】
経口的に使用することができる医薬製剤としては、ゼラチン製のプッシュフィットカプセル(「ゲルキャップ」)、並びにゼラチン製の密封ソフトカプセル、及びグリセロール又はソルビトールなどの可塑剤が含まれる。プッシュフィットカプセルは、ラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤、及び/又はタルク若しくはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、及び場合により安定剤と混合して活性成分を含むことができる。ソフトカプセルでは、活性化合物は、脂肪油、流動パラフィン、又は液体ポリエチレングリコール(PEG)などの適切な液体に溶解又は懸濁することができる。更に、安定剤を添加することができる。
【0557】
或いは、注射(非経口投与)、例えば、筋肉内、静脈内、腹腔内及び/又は皮下を使用することができる。注射のために、本開示の化合物は、生理的に適合性の緩衝液又は溶液、例えば生理食塩水、ハンクス液又はリンゲル液などの滅菌液体溶液中に製剤化される。更に、化合物は、固体形態で製剤化され、使用直前に再溶解又は懸濁することができる。凍結乾燥形態も製造することができる。
【0558】
投与はまた、経粘膜、局所、経皮、又は吸入手段によるものであってもよい。経粘膜、局所又は経皮投与の場合、浸透されるバリアに適切な浸透剤が製剤に使用される。そのような浸透剤は当技術分野で一般的に公知であり、例えば、経粘膜投与のための胆汁酸塩及びフシジン酸誘導体が挙げられる。更に、透過を促進するために界面活性剤を使用することができる。経粘膜投与は、例えば、鼻腔スプレー又は坐剤(直腸又は膣)によるものであってもよい。
【0559】
本開示の局所組成物は、当技術分野で公知の適切な担体の選択によって、油、クリーム、ローション、軟膏などとして製剤化される。適切な担体としては、植物油又は鉱油、白色ワセリン(白色軟質パラフィン)、分岐鎖脂肪又は油、動物性脂肪及び高分子量アルコール(C12超)が挙げられる。別の実施形態では、担体は、活性成分が可溶性であるものである。乳化剤、安定剤、保湿剤及び酸化防止剤、並びに必要に応じて色又は芳香を付与する薬剤も含むことができる。局所適用のためのクリームは、鉱油、自己乳化蜜蝋及び水の混合物から製剤化され、この混合物中で、少量の溶媒(例えば、油)に溶解された活性成分が混合される。更に、経皮的手段による投与は、活性成分及び場合により当技術分野で公知の1つ又は複数の担体又は希釈剤を含浸させた包帯などの経皮パッチ又は包帯を含むことができる。経皮送達系の形態で投与されるために、投与量投与は、当然、投与レジメン全体にわたって断続的ではなく連続的である。
【0560】
投与される種々の化合物の量は、化合物のIC50、化合物の生物学的半減期、対象の年齢、サイズ及び体重、並びに処置される適応症などの因子を考慮した標準的な手順によって決定することができる。これら及び他の要因の重要性は、当業者に公知である。一般に、用量は、治療される対象の約0.01~50mg/kg又は0.1~20mg/kgである。複数回の用量を使用することができる。
【0561】
本開示の化合物は、同じ疾患を治療するための他の療法と組み合わせて使用することもできる。そのような組み合せには、異なる時点での化合物及び1つ若しくは複数の他の治療薬の投与、又は化合物及び1つ若しくは複数の他の治療薬の同時投与が含まれる。いくつかの実施形態では、投与量は、当業者に公知の方法によって、組み合わせて使用される本開示の化合物又は他の治療薬の1つ又は複数について、例えば、単独で使用される化合物又は治療と比較して投与量を減少させるように変更することができる。
【0562】
組み合せでの使用は、他の治療、薬物、医療処置などとの使用を含み、他の治療又は処置は、本開示の化合物とは異なる時間(例えば、数時間以内(例えば、1、2、3、4~24時間)などの短時間内、又はより長い時間以内(例えば、1~2日、2~4日、4~7日、1~4週間))に、又は本開示の化合物と同時に施すことができることが理解される。組み合せでの使用はまた、他の治療又は処置の前又は後に短時間又はそれより長い時間以内に投与される本開示の化合物と共に、1回又はまれに施される治療又は医療処置、例えば手術での使用を含む。いくつかの実施形態では、本開示は、異なる投与経路又は同じ投与経路によって送達される本開示の化合物及び1つ又は複数の他の薬物治療薬の送達を提供する。任意の投与経路のための組み合せでの使用には、本開示の化合物と、2つの化合物が投与されたときにそれらの治療活性を維持するように化学的に結合している製剤を含む任意の製剤中で同じ投与経路によって一緒に送達される1つ又は複数の他の薬物治療薬との送達が含まれる。一態様では、他の薬物療法は、本開示の1つ又は複数の化合物と同時投与することができる。同時投与による組み合せでの使用には、同じ又は異なる経路によって投与される、共製剤若しくは化学的に結合した化合物の製剤の投与、又は2つ以上の化合物を互いに短時間(例えば、1時間以内、2時間以内、3時間以内、最大24時間以内)内に別々の製剤で投与することが含まれる。別個の製剤の同時投与には、1つの装置、例えば同じ吸入装置、同じシリンジなどを介した送達による同時投与、又は互いに短時間以内の別個の装置からの投与が含まれる。本開示の化合物と、同じ経路によって送達される1つ又は複数の追加の薬物療法との共製剤は、1つの製剤に組み合わされた別個の化合物、又はそれらが化学的に結合されるが依然としてそれらの生物学的活性を維持するように修飾された化合物を含む、1つの装置によって投与することができるように材料を一緒に調製することを含む。そのような化学的に結合した化合物は、インビボで実質的に維持される結合を有することができるか、又は結合がインビボで分解して2つの活性成分を分離することができる。
【0563】
IV.使用方法
本方法及び化合物は、典型的には、ヒト対象の治療に使用される。しかし、それらはまた、他の動物対象における類似又は同一の適応症を処置するために使用することができる。
【0564】
特定の実施形態では、患者は60歳以上であり、第一選択癌治療後に再発した。特定の実施形態では、患者は18歳以上であり、第二選択癌治療後に再発性又は難治性である。特定の実施形態では、患者は60歳以上であり、第一選択癌治療に対して原発性難治性(primary refractory)である。特定の実施形態では、患者は70歳以上であり、以前に治療されていない。特定の実施形態では、患者は70歳以上であり、癌治療から利益を得ることができない及び/又は可能性が低い。
【0565】
特定の実施形態では、本明細書中に提供される方法において使用される治療有効量は、少なくとも1日当たり10mgである。特定の実施形態では、治療有効量は、1日当たり10、50、90、100、135、150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1000、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2200、2500mgである。他の実施形態では、治療有効量は、1日当たり10、50、90、100、135、150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1000、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2200、2500、3000、3500、4000、4500、5000mg以上である。特定の実施形態では、化合物は連続的に投与される。
【0566】
一定の実施形態では、本明細書では、CD73によって媒介される疾患又は状態を治療するための方法であって、疾患又は状態を有する哺乳動物に、少なくとも1日当たり10、50、90、100、135、150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1000、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2200、2500、3000、3500、4000、4500、5000mgの実施形態1から36のいずれか1つの化合物に記載される化合物のいずれか、又はその薬学的に許容される塩、重水素化類似体、互変異性体若しくは立体異性体を投与する方法が提供され、化合物は、空の胃に投与される。
【0567】
本開示の実施形態38は、CD73によって媒介される疾患又は状態を有する対象を治療するための方法に関し、当該方法は、実施形態1から35のいずれか1つ(又は適用可能な場合はその任意の下位実施形態)の化合物、又はその薬学的に許容される塩、重水素化類似体、互変異性体若しくは立体異性体、又は実施形態36から37のいずれか1つの医薬組成物の有効量を対象に投与することを含む。
【0568】
本開示の実施形態39は、実施形態38に記載の疾患又は状態を治療するための方法に関し、疾患又は状態は、腫瘍性障害、癌、加齢性疾患、炎症性障害、認知障害及び/又は神経変性疾患である。
【0569】
本開示の実施形態40は、実施形態38に記載の疾患又は状態を治療するための方法に関し、疾患又は状態は、膀胱癌、結腸直腸癌、胃癌、胆嚢癌、多形性膠芽腫、神経膠腫、白血病、リンパ腫、肺癌、乳癌、黒色腫、多発性骨髄腫、卵巣癌、前立腺癌、膵臓癌、甲状腺癌、肝線維症、アルツハイマー病、多発性硬化症、又はパーキンソン病である。
【0570】
本開示の実施形態40(a)は、実施形態38に記載の疾患又は状態を治療するための方法に関し、疾患又は状態は、膀胱癌、結腸直腸癌、胃癌、胆嚢癌、多形性膠芽腫、神経膠腫、白血病、リンパ腫、肺癌、乳癌、黒色腫、多発性骨髄腫、卵巣癌、前立腺癌、膵臓癌、甲状腺癌、肺線維症、肝線維症、アルツハイマー病、多発性硬化症、又はパーキンソン病である。
【0571】
本開示の実施形態41は、実施形態40に記載の疾患又は状態を治療するための方法に関し、リンパ腫は、成人T細胞リンパ腫、AIDS関連リンパ腫、未分化大細胞リンパ腫、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、腸症関連T細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、肝脾T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、MALTリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯B細胞リンパ腫、原発性滲出性リンパ腫、又はT細胞リンパ腫である。
【0572】
本開示の実施形態42は、実施形態40に記載の疾患又は状態を治療するための方法に関し、白血病は、成人T細胞白血病、急速進行型NK細胞白血病、B細胞慢性リンパ性白血病、急性単球性白血病、急性前骨髄球性白血病、B細胞前リンパ球性白血病、急性好酸球性白血病、急性赤血球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性巨核芽球性白血病、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、又は肥満細胞白血病である。
【0573】
本開示の実施形態43は、実施形態38に記載の疾患又は状態を治療するための方法に関し、疾患又は状態は、腎臓癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、急性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、乳癌又は前立腺癌である。
【0574】
実施形態43の下位実施形態
本開示の実施形態43(a)は、実施形態43に記載の疾患又は状態を治療するための方法に関し、疾患又は状態は、腎臓癌である。
【0575】
本開示の実施形態43(b)は、実施形態43に記載の疾患又は状態を治療するための方法に関し、疾患又は状態は、小細胞肺癌である。
【0576】
本開示の実施形態43(c)は、実施形態43に記載の疾患又は状態を治療するための方法に関し、疾患又は状態は、非小細胞肺癌である。
【0577】
本開示の実施形態43(d)は、実施形態43に記載の疾患又は状態を治療するための方法に関し、疾患又は状態は、急性骨髄性白血病である。
【0578】
本開示の実施形態43(e)は、実施形態43に記載の疾患又は状態を治療するための方法に関し、疾患又は状態は、多発性骨髄腫である。
【0579】
本開示の実施形態43(f)は、実施形態43に記載の疾患又は状態を治療するための方法に関し、疾患又は状態は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫である。
【0580】
本開示の実施形態43(g)は、実施形態43に記載の疾患又は状態を治療するための方法に関し、疾患又は状態は、乳癌である。
【0581】
本開示の実施形態43(h)は、実施形態43に記載の疾患又は状態を治療するための方法に関し、疾患又は状態は、前立腺癌である。
【0582】
V.併用療法
CD73モジュレータは、特に癌の治療において、別の薬理学的に活性な化合物と、又は2つ以上の他の薬理学的に活性な化合物と有用に組み合わせることができる。一実施形態では、組成物は、本明細書に記載の任意の1つ又は複数の化合物を、同じ疾患適応症に対して治療上有効な1つ又は複数の化合物と共に含み、化合物は疾患適応症に対して相乗効果を有する。一実施形態では、組成物は、癌の治療に有効な本明細書に記載の任意の1つ又は複数の化合物と、同じ癌の治療に有効な1つ又は複数の他の化合物とを含み、更に、化合物は癌の治療に相乗的に有効である。
【0583】
CD39、CD38、A2AR又はA2BRに対する薬剤などの他のアデノシン軸遮断薬との組み合せ
生理学的条件下では、生体液及び細胞外空間中のATP及びNADは低く(30~100nM)、その細胞内濃度はmM範囲である。細胞活性化、ストレス、低酸素及び組織損傷の際に、それらは細胞から放出される。過剰の細胞外ATPは、CD39又はエクトヌクレオチドピロホスファターゼ/ホスホジエステラーゼ(すなわち、ENPP1)などのエクトヌクレオチダーゼによって急速に加水分解され、ADP及び最終的にAMPを生成する。或いは、AMPは、エクト-NAD-グルコヒドロラーゼCD38とENPP1の協調作用によって細胞外ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)から生成することができる。AMPは、主にCD73によって、及びあまり効率的ではないがアルカリホスファターゼによってアデノシンに更に加水分解される。アデノシンは、Gタンパク質共役受容体A1、A2a、A2b及びA3を介してシグナル伝達経路を活性化する。免疫細胞活性化に応答して上方制御されるA2a又はA2b受容体に結合すると、アデノシンは細胞内cAMPの増加を誘発し、免疫機能の著しい抑制をもたらす。前臨床研究は、アデノシン作動性経路の複数のポイントを標的化することが、癌処置のための有意な治療上の利益を提供することができることを支持している。Perrot,I.et al.Blocking Antibodies Targeting the CD39/CD73 Immunosuppressive Pathway Unleash Immune Responses in Combination Cancer Therapies.(CD39/CD73免疫抑制経路を標的としたブロッキング抗体により、癌併用療法における免疫反応を引き出す)Cell Rep.27,2411-2425.e9(2019)、Young,A.et al.Co-inhibition of CD73 and A2AR Adenosine Signaling Improves Anti-tumor Immune Responses.(CD73とA2ARアデノシンシグナル伝達の共阻害は抗腫瘍免疫反応を改善する)Cancer Cell 30,391-403(2016)。
【0584】
免疫チェックポイント遮断との組み合せ
抗PD-1及び抗CTLA4チェックポイント遮断の両方は、抗CD73又は抗A2a療法と相乗作用することができる。Allard,B.et al.Targeting CD73 Enhances the Antitumor Activity of Anti-PD-1 and Anti-CTLA-4 mAbs.(CD73を標的とすることで、抗PD-1及び抗CTLA-4 mAbsの抗腫瘍活性が強化される)Clin.Cancer Res.19,5626-5636(2013)、Hay,C.M.et al.Targeting CD73 in the tumor microenvironment with MEDI9447.(MEDI9447による腫瘍微小環境におけるCD73の標的化)Oncoimmunology 5,1-10(2016)、Willingham,S.B.et al.A2AR Antagonism with CPI-444 Induces Antitumor Responses and Augments Efficacy to Anti-PD-(L)1 and Anti-CTLA-4 in Preclinical Models.(CPI-444によるA2AR拮抗作用は、前臨床モデルにおいて、抗腫瘍反応を誘発し、抗PD-(L)1及び抗CTLA-4の抗腫瘍効果を増強する)6,22-25(2018)、Waickman,A.T.&Powell,J.D.NIH Public Access.61,917-926(2013)、Beavis,P.A.et al.Adenosine Receptor 2A Blockade Increases the Efficacy of Anti-PD-1 through Enhanced Antitumor T-cell Responses.(アデノシン受容体2A遮断は、増強された抗腫瘍性T細胞反応を介して抗PD-1の効果を高める)3,(2015)、Mittal,D.et al.Antimetastatic Effects of Blocking PD-1 and the Adenosine A2A Receptor.(PD-1とアデノシンA2A受容体の遮断による抗転移効果)3,3652-3659(2014)。相乗効果は、CD8+T細胞及びIFN-γ依存的に、いくつかの腫瘍モデルにおいて増殖遅延及び完全な拒絶さえも促進することが示された。Allard,B.et al.Targeting CD73 Enhances the Antitumor Activity of Anti-PD-1 and Anti-CTLA-4 mAbs.(CD73を標的とすることで、抗PD-1及び抗CTLA-4 mAbsの抗腫瘍活性が強化される)Clin.Cancer Res.19,5626-5636(2013)、Hay,C.M.et al.Targeting CD73 in the tumor microenvironment with MEDI9447.(MEDI9447による腫瘍微小環境におけるCD73の標的化)Oncoimmunology 5,1-10(2016)、Willingham,S.B.et al.A2AR Antagonism with CPI-444 Induces Antitumor Responses and Augments Efficacy to Anti-PD-(L)1 and Anti-CTLA-4 in Preclinical Models.(CPI-444によるA2AR拮抗作用は、前臨床モデルにおいて、抗腫瘍反応を誘発し、抗PD-(L)1及び抗CTLA-4の抗腫瘍効果を増強する)6,22-25(2018)、Beavis,P.A.et al.Adenosine Receptor 2A Blockade Increases the Efficacy of Anti-PD-1 through Enhanced Antitumor T-cell Responses.(アデノシン受容体2A遮断は、増強された抗腫瘍性T細胞反応を介して抗PD-1の効果を高める)3,(2015)。潜在的なCD73阻害剤は、PDL1、LAG-3、TIGIT、TIM-3、VISTA、B7-H3などのT細胞関連阻害分子を標的とする他の試薬と相乗作用することができる。
【0585】
TNFAスーパーファミリーメンバーのアゴニストとの組み合せ
抗原刺激T細胞の表面上の4-1BB、GITR及びOX40などの腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメンバーに対するアゴニスト抗体は、前臨床及び臨床試験の様々な段階にある。しかし、それらは単剤として限られた治療上の利益しか示さなかった。腫瘍微小環境におけるTGF-βによって維持されたT細胞上のCD73発現は、これらのアゴニスト抗体の治療活性を妨げた。CD73阻害剤は、TNFRアゴニストに対する耐性を克服し、TNFRアゴニストの有効性を増強することができる。
【0586】
標的療法との組み合せ
乳癌におけるCD73の高発現は、抗HER2/ErbB2 mAbであるトラスツズマブに対する耐性に関連する。Turcotte,M.et al.CD73 promotes resistance to HER2/ErbB2 antibody therapy.(CD73はHER2/ErbB2抗体療法への耐性を増強する)Cancer Res.77,5652-5663(2017)。CD73の遮断は、乳房腫瘍並びに肺転移を治療するための抗ErbB2 mAbの活性を増強することが示された。同上。
【0587】
BRAF変異型腫瘍を有する黒色腫患者では、CD73の発現上昇が観察された。A2ARアンタゴニストは、BRAF変異型腫瘍を有するマウスにおいてBRAF及びMEK阻害の有効性を増強することが示された。Young,A.et al.Targeting adenosine in BRAF-mutant melanoma reduces tumor growth and metastasis.(BRAF変異型黒色腫におけるアデノシンの標的化は、腫瘍増殖及び転移を抑制する)Cancer Res.77,4684-4696(2017)。同様に、CD73阻害剤は、BRAF及びMEK阻害剤の治療上の利益を改善することができた。
【0588】
CD73は、EGFR変異を有するNSCLCにおいて過剰発現される。Inoue,Y.et al.Prognostic impact of CD73 and A2A adenosine receptor expression in non-small-cell lung cancer.(非小細胞肺癌におけるCD73及びA2Aアデノシン受容体発現の予後への影響)Oncotarget 8,8738-8751(2017)。同様に、CD73阻害剤は、BRAF及びMEK阻害剤の治療上の利益を改善することができた。CD73は、EGFR変異を有する非小細胞肺癌(NSCLC)で過剰発現し(Inoue,Y.et al.Prognostic impact of CD73 and A2A adenosine receptor expression in non-small-cell lung cancer.(非小細胞肺癌におけるCD73及びA2Aアデノシン受容体発現の予後への影響)Oncotarget 8,8738-8751(2017))、その発現は、NSCLC、肝臓、乳癌及び神経膠芽腫におけるEGFR発現と正の相関がある。Zhu,J.et al.CD73/NT5E is a target of miR-30a-5p and plays an important role in the pathogenesis of non-small cell lung cancer.(CD73/NT5EはmiR-30a-5pの標的であり、非小細胞肺癌の病態形成に重要な役割を担っている)Mol.Cancer 16,1-15(2017)、Shali,S.et al.Ecto-5’-nucleotidase(CD73)is a potential target of hepatocellular fhI(エクト-5’-ヌクレオチダーゼ(CD73)は肝細胞癌の潜在的な標的である)J.Cell.Physiol.234,10248-10259(2019)、Zhi,X.et al.Potential Prognostic Biomarker CD73 Regulates Epidermal Growth Factor Receptor Expression in Human Breast Cancer.(潜在的予後バイオマーカCD73は、ヒト乳癌における上皮成長因子受容体の発現を制御する)IUBMB Life.64,911-920(2012)、Ludwig,H.et al.Expression of CD73(ecto-5’-nucleotidase)in 165 glioblastomas by immunohistochemistry and electronmicroscopic histochemistry(免疫組織化学及び電子顕微鏡組織化学による165個の神経膠芽腫におけるCD73(エクト-5’-ヌクレオチダーゼ)の発現の検討)Anticancer Res.19,1747-52(1999)。CD73は、NSCLC、肝臓及び乳癌細胞を含むいくつかの種類の癌細胞においてEGFR発現を促進することが見出された。Zhu,J.et al.CD73/NT5E is a target of miR-30a-5p and plays an important role in the pathogenesis of non-small cell lung cancer.(CD73/NT5EはmiR-30a-5pの標的であり、非小細胞肺癌の病態形成に重要な役割を担っている)Mol.Cancer 16,1-15(2017)、Shali,S.et al.Ecto-5’-nucleotidase(CD73)is a potential target of hepatocellular carcinoma.(エクト-5’-ヌクレオチダーゼ(CD73)は肝細胞癌の潜在的な標的である)J.Cell.Physiol.234,10248-10259(2019)、Zhi,X.et al.Potential Prognostic Biomarker CD73 Regulates Epidermal Growth Factor Receptor Expression in Human Breast Cancer.(潜在的予後バイオマーカCD73は、ヒト乳癌における上皮成長因子受容体の発現を制御する)IUBMB Life.64,911-920(2012)。以前の研究では、CD73の阻害が、NSCLC及び肝臓癌細胞の増殖(Zhu,J.et al.CD73/NT5E is a target of miR-30a-5p and plays an important role in the pathogenesis of non-small cell lung cancer.(CD73/NT5EはmiR-30a-5pの標的であり、非小細胞肺癌の病態形成に重要な役割を担っている)Mol.Cancer 16,1-15(2017)、Shali,S.et al.Ecto-5’-nucleotidase(CD73)is a potential target of hepatocellular carcinoma.(エクト-5’-ヌクレオチダーゼ(CD73)は肝細胞癌の潜在的な標的である)J.Cell.Physiol.234,10248-10259(2019))並びに乳癌細胞の遊走及び浸潤を減少させることが示されている。Zhi,X.et al.Potential Prognostic Biomarker CD73 Regulates Epidermal Growth Factor Receptor Expression in Human Breast Cancer.(潜在的予後バイオマーカCD73は、ヒト乳癌における上皮成長因子受容体の発現を制御する)IUBMB Life.64,911-920(2012)。CD73阻害は、これらの癌におけるEGFR阻害剤の治療転帰を潜在的に改善することができる。CD73阻害剤とEGFR阻害剤との組み合せは、単剤よりも良好な治療上の利益をもたらすことができる。
【0589】
照射及び化学療法との組み合せ
放射線療法及び化学療法は、癌細胞からのATP放出を誘導することができる。それらはまた、アデノシン軸におけるCD73及び他のメンバーの発現を増強する。腫瘍微小環境におけるCD73/アデノシン系の活性は、腫瘍増殖の増加及び腫瘍免疫回避に関連するだけでなく、肺線維症などの放射線誘発性の有害な後期効果にも関与する。Wirsdorfer,F.et al.Extracellular adenosine production by ecto-50-nucleotidase(CD73)enhances radiation-induced lung fibrosis.(エクト-50-ヌクレオチダーゼ(CD73)による細胞外アデノシン産生は放射線誘発性肺線維症を促進する)Cancer Res.76,3045-3056(2016)。CD73活性を遮断することにより、放射線療法(Wennerberg,E.et al.Adenosine regulates radiation therapy-induced anti-tumor immunity.(アデノシンは放射線療法による抗腫瘍免疫を制御する)J.Immunother.Cancer 3,P378(2015)、Wennerberg,E.et al.Adenosine generation limits radiation-induced tumor immunogenicity by abrogating recruitment and activation of CD103+DCs.(アデノシン産生は、CD103+DCの動員及び活性化を阻害することにより、放射線誘発性腫瘍の免疫原性を制限する)J.Immunol.198,154.6(2017))、並びにドキソルビシン、パクリタキセル(Loi,S.et al.CD73 promotes anthracycline resistance and poor prognosis in triple negative breast cancer.(CD73はトリプルネガティブ乳癌におけるアントラサイクリン耐性及び予後不良を促進する)doi:10.1073/pnas.1222251110.)及びミトキサントロンなどの化学療法試薬の抗腫瘍効果を高めることができ、また、放射線療法によって誘発される正常組織に対する後期毒性を減少させることができ(Wirsdorfer,F.et al.Extracellular adenosine production by ecto-50-nucleotidase(CD73)enhances radiation-induced lung fibrosis.(エクト-50-ヌクレオチダーゼ(CD73)による細胞外アデノシン産生は放射線誘発性肺線維化を促進する)Cancer Res.76,3045-3056(2016)、de Leve,S.et al.The CD73/Ado System-A New Player in RT Induced Adverse Late Effects.(CD73/Adoシステム-RTによる有害な後期効果の新しい担い手)Cancers(Basel)11,1578(2019))、したがって、放射線療法及び化学療法の治療的利益を改善することができる。
【0590】
養子T細胞移入又はDCワクチンとの組み合せ
養子T細胞移入(腫瘍浸潤リンパ球療法及びCAR-T療法)は、特定の種類の悪性腫瘍に対して前例のない臨床応答をもたらした。マウスにおけるCD73遮断と養子T細胞移入との間の相乗効果が実証されている。Wang,L.et al.CD73 has distinct roles in nonhematopoietic and hematopoietic cells to promote tumor growth in mice.(CD73は非造血細胞と造血細胞で異なる役割を有し、マウスの腫瘍増殖を促進させる)J.Clin.Invest.121,2371-2382(2011)、Jin,D.et al.CD73 on tumor cells impairs anti-tumor T cell responses:a novel mechanism of tumor-induced immune suppression.(腫瘍細胞上のCD73は抗腫瘍T細胞応答を阻害する:腫瘍による免疫抑制の新規の機構)Cancer Res.70,2245-2255(2011)。これは、養子移入された腫瘍特異的T細胞のホーミングをCD73遮断によって腫瘍部位で増強することによって説明された。Wang,L.et al.CD73 has distinct roles in nonhematopoietic and hematopoietic cells to promote tumor growth in mice.(CD73は非造血細胞と造血細胞で異なる役割を有し、マウスの腫瘍増殖を促進させる)J.Clin.Invest.121,2371-2382(2011)。
【0591】
免疫学的記憶を有する腫瘍特異的エフェクターT細胞を誘導することを目的とする樹状細胞(DC)ワクチン接種は、癌免疫療法の有望なアプローチである。その免疫抑制機構を標的とする他の療法との組み合せは、転帰を改善するために必要である。CD73の標的化は、腫瘍特異的T細胞活性の誘導を介してDCワクチンの有効性を改善することが示された。Arab,S.et al.Increased efficacy of a dendritic cell-based therapeutic cancer vaccine with adenosine receptor antagonist and CD73 inhibitor.(アデノシン受容体アンタゴニストとCD73阻害剤を用いた樹状細胞ベースの治療用癌ワクチンの有効性の向上)Tumor Biol.1-8(2017)doi:10.1177/1010428317695021。
【0592】
別の実施形態では、本開示は、疾患を治療するための1つ又は複数の他の適切な治療と組み合わせて、本明細書に記載の任意の1つ又は複数の化合物を含む有効量の組成物を対象に投与することによって、CD73によって媒介される疾患又は状態を治療する方法を提供する。
【0593】
肝線維症
肝線維症は、アルコール又はウイルス感染による慢性炎症及び進行中の肝損傷に対する応答として発症する。この病理学的プロセスは、筋線維芽細胞の活性化及び蓄積によって駆動される。CD73は、肝星状細胞、門脈線維芽細胞、及び筋線維芽細胞分化の結果として線維性中隔において上方制御される。Fausther,M.et al.Activated hepatic stellate cells upregulate transcription of ecto-5’-nucleotidase/CD73 via specific SP1 and SMAD promoter elements.(活性化した肝星細胞はSP1及びSMADプロモータエレメントを介してエクト-5’-ヌクレオチダーゼ/CD73の転写を上方制御している。)Am.J.Physiol.-Gastrointest.Liver Physiol.303,(2012)。CD73欠損マウスは肝線維症の発症から保護されており、線維形成におけるその役割及びアデノシン産生が示唆されている。Peng,Z.et al.Ecto-5’-nucleotidase(CD73)-mediated extracellular adenosine production plays a critical role in hepatic fibrosis.(エクト-5’-ヌクレオチダーゼ(CD73)による細胞外アデノシン産生は肝線維症に重要な役割を果たす)FASEB J.22,2263-2272(2008)。CD73は、肝線維症の予防に有用であり得る。
【0594】
多発性硬化症(MS)
MSは、CNSに影響を及ぼす自己免疫疾患である。MS動物モデルにおいて、実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)、ミエリン抗原特異的CD4+T細胞は、CNS炎症、脱髄及び神経変性を誘導する役割を果たすことが示された。CD73は免疫抑制におけるその中心的な役割について公知であるにもかかわらず、CD73-/-マウスはEAE誘導に対して高度に耐性であった。Mills,J.H.et al.CD73 is required for efficient entry of lymphocytes into the central nervous system during experimental autoimmune encephalomyelitis.(CD73は、実験的自己免疫性脳脊髄炎中のリンパ球の中枢神経系への効率的な進入に必要である)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.105,9325-9330(2008)。これは、神経炎症の調節における役割よりもEAE誘導中のCNSリンパ球浸潤におけるCD73及びアデノシンのより深い役割によって説明された。同上。CD73阻害は、MS及び他の神経炎症性疾患の処置に有用であり得る。
【0595】
本開示の実施形態44は、実施形態38から43のいずれか一項に記載の方法、又はその任意の下位実施形態に関し、1つ又は複数の更なる治療薬を投与することを更に含む。
【0596】
本開示の実施形態45は、実施形態44に記載の方法に関し、i)アドゼレシン、アルトレタミン、ビゼレシン、ブスルファン、カルボプラチン、カルボコン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、ダカルバジン、エストラムスチン、フォテムスチン、ヘプスルファム、イホスファミド、インプロスルファン、イロフルベン、ロムスチン、メクロレタミン、メルファラン、オキサリプラチン、ピポスルファン、セムスチン、ストレプトゾシン、テモゾロミド、チオテパ及びトレスルファンから選択されるアルキル化剤、ii)ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、メノガリル、マイトマイシン、ミトキサントロン、ネオカルジノスタチン、ペントスタチン及びプリカマイシンから選択される抗生物質、iii)アザシチジン、カペシタビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、デシタビン、フロクスウリジン、フルダラビン、5-フルオロウラシル、フトラフル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、メルカプトプリン、メトトレキサート、ネララビン、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、チオグアニン及びトリメトレキサートからなる群から選択される代謝拮抗物質、iv)PD-1又はPD-L1阻害剤から選択される免疫療法剤、v)エンザルタミド、アビラテロン、アナストロゾール、アンドロゲン、ブセレリン、ジエチルスチルベストロール、エキセメスタン、フルタミド、フルベストラント、ゴセレリン、イドキシフェン、レトロゾール、ロイプロリド、マゲストロール、ラロキシフェン、タモキシフェン及びトレミフェンからなる群から選択されるホルモン又はホルモンアンタゴニスト、vi)DJ-927、ドセタキセル、TPI287、パクリタキセル及びDHA-パクリタキセルから選択されるタキサン、vii)アリトレチノイン、ベキサロテン、フェンレチニド、イソトレチノイン、及びトレチノインから選択されるレチノイド、viii)エトポシド、ホモハリントニン、テニポシド、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン及びビノレルビンから選択されるアルカロイド、ix)AE-941(GW786034、ネオバスタット)、ABT-510、2-メトキシエストラジオール、レナリドミド、及びサリドマイドから選択される抗血管新生剤、x)アムサクリン、エドテカリン、エキサテカン、イリノテカン、SN-38(7-エチル-10-ヒドロキシ-カンプトテシン)、ルビテカン、トポテカン及び9-アミノカンプトテシンから選択されるトポイソメラーゼ阻害剤、xi)エルロチニブ、ゲフィチニブ、フラボピリドール、メシル酸イマチニブ、ラパチニブ、ソラフェニブ、リンゴ酸スニチニブ、AEE-788、AG-013736、AMG706、AMN107、BMS-354825、BMS-599626、UCN-01(7-ヒドロキシスタウロスポリン)、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、トラメチニブ、コビメチニブ、セルメチニブ及びバタラニブから選択されるキナーゼ阻害剤、xii)ボルテゾミブ、ゲルダナマイシン及びラパマイシンから選択される標的化シグナル伝達阻害剤、xiii)イミキモド、インターフェロン-α及びインターロイキン-2から選択される生物学的応答調節剤、xiv)IDO阻害剤、並びにxv)3-AP(3-アミノ-2-カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾン)、アルトラセンタン、アミノグルテチミド、アナグレリド、アスパラギナーゼ、ブリオスタチン-1、シレンギチド、エレスクロモール、メシル酸エリブリン(E7389)、イキサベピロン、ロニダミン、マソプロコール、ミトグアナゾン、オブリメルセン、スリンダク、テストラクトン、チアゾフリン、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、Cdk4阻害剤、Akt阻害剤、Hsp90阻害剤、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤又はアロマターゼ阻害剤(アナストロゾール、レトロゾール、エキセメスタン)から選択される化学療法剤、xvi)Mek阻害剤、xvii)チロシンキナーゼ阻害剤xviii)c-Kit変異阻害剤、xix)EGFR阻害剤、PD-1阻害剤、又はxx)エピジェネティックモジュレータ、のうちの1つ又は複数である。
【0597】
本開示の実施形態46は、実施形態45に記載の方法に関し、1つ又は複数の更なる治療薬は、PD-1又はPD-L1阻害剤である。
【0598】
本開示の実施形態47は、実施形態46に記載の方法に関し、PD-1又はPD-L1阻害剤は、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、セミプリマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ又はデュルバルマブである。
【0599】
本開示の実施形態47(a)は、実施形態46に記載の方法に関し、PD-1又はPD-L1阻害剤は、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、セミプリマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、又はジンベリマブである。
【0600】
本開示の実施形態48は、実施形態44に記載の方法に関し、1つ又は複数の更なる治療薬は、PD-1阻害剤であり、疾患又は状態は、結腸直腸癌である。
【0601】
本開示の実施形態49は、実施形態44に記載の方法に関し、第1及び第2の更なる治療薬を投与することを含む
【0602】
本開示の実施形態50は、実施形態49に記載の方法に関し、第1の更なる治療薬は、PD-1阻害剤であり、第2の更なる治療薬は、化学療法剤であり、疾患又は状態は、腺癌である。
【0603】
本開示の実施形態50(a)は、実施形態50に記載の方法に関し、腺癌は、転移性膵管腺癌である。
【0604】
別の実施形態では、本開示は、本明細書に記載の任意の1つ又は複数の化合物を含む有効量の組成物を、癌の治療に有効な1つ又は複数の他の療法又は医療処置と組み合わせて対象に投与することによって、癌の治療を必要とする対象において癌を治療する方法を提供する。他の療法又は医療処置としては、適切な抗癌療法(例えば、薬物療法、ワクチン療法、遺伝子療法、光線力学療法)又は医療処置(例えば、手術、放射線治療、温熱療法加温、骨髄又は幹細胞移植)が挙げられる。一実施形態では、1つ又は複数の適切な抗癌療法又は医療処置は、化学療法剤(例えば、化学療法薬)による処置、放射線処置(例えば、X線、ガンマ線、又は電子、プロトン、中性子、又はα粒子ビーム)、温熱療法加温(例えば、マイクロ波、超音波、高周波アブレーション)、ワクチン療法(例えば、AFP遺伝子肝細胞癌ワクチン、AFPアデノウイルスベクターワクチン、AG-858、同種GM-CSF分泌乳癌ワクチン、樹状細胞ペプチドワクチン)、遺伝子療法(例えば、Ad5CMV-p53ベクター、MDA7をコードするアデノベクター、アデノウイルス5-腫瘍壊死因子アルファ)、光線力学的療法(例えば、アミノレブリン酸、モテキサチンルテチウム)、外科手術又は骨髄及び幹細胞移植から選択される。
【0605】
VI.キット
別の態様では、本開示は、実施形態1から35のいずれか1つの化合物のいずれか1つに記載される1つ又は複数の化合物、又はその薬学的に許容される塩、重水素化類似体、互変異性体若しくは立体異性体、又は実施形態36から37のいずれか1つの医薬組成物を含むキットを提供する。いくつかの実施形態では、化合物又は組成物は、例えば、バイアル、ボトル、フラスコに包装され、これは、例えば、箱、封筒、又はバッグ内に更に包装することができる。化合物又は組成物は、哺乳動物、例えばヒトへの投与のために、米国食品医薬品局又は同様の規制機関によって承認され得る。化合物又は組成物は、CD73媒介疾患又は状態のための哺乳動物、例えばヒトへの投与について承認され得る。本明細書中に記載されるキットは、CD73媒介疾患又は状態のための哺乳動物、例えば、ヒトへの投与に化合物又は組成物が適しているか又は承認されているという書面の使用説明書及び/又は他の表示を含んでもよい。化合物又は組成物は、単位用量又は単回用量形態、例えば単回用量ピル、カプセルなどで包装されてもよい。
【0606】
VII.結合アッセイ
本開示の方法は、標的分子への化合物の結合を検出することができるアッセイを含むことができる。そのような結合は統計学的に有意なレベルであり、アッセイシグナルが標的分子への結合を表す、すなわちバックグラウンドと区別される信頼水準は、少なくとも90%、又は少なくとも95、97、98、99%又はそれを超える信頼水準である。いくつかの実施形態では、対照は、標的結合を非特異的結合と区別するために使用される。結合を示す多種多様なアッセイが種々の標的タイプについて知られており、本開示に使用することができる。
【0607】
結合化合物は、標的分子の活性に対するそれらの効果によって特徴付けることができる。したがって、「低活性」化合物は、標準条件下で1μMを超える阻害濃度(IC50)又は有効濃度(EC50)を有する。「非常に低い活性」とは、標準条件下で100μMを超えるIC50又はEC50を意味する。「極めて低い活性」とは、標準条件下で1mMを超えるIC50又はEC50を意味する。「中程度の活性」とは、標準条件下で200nM~1μMのIC50又はEC50を意味する。「中程度に高い活性」とは、1nM~200nMのIC50又はEC50を意味する。「高活性」とは、標準条件下で1nM未満のIC50又はEC50を意味する。IC50又はEC50は、測定されている標的分子(例えば、酵素又は他のタンパク質)活性の50%が、化合物が存在しない場合に観察される活性の範囲に対して失われるか又は増加する化合物の濃度として定義される。活性は、当業者に公知の方法を使用して、例えば、酵素反応の発生によって生成される任意の検出可能な生成物若しくはシグナル、又は測定されるタンパク質による他の活性を測定することによって測定することができる。
【0608】
結合アッセイに関して「バックグラウンドシグナル」とは、標的分子に結合する試験化合物、分子骨格又はリガンドの非存在下で、特定のアッセイの標準条件下で記録されるシグナルを意味する。当業者は、受け入れられた方法が存在し、バックグラウンドシグナルを決定するために広く利用可能であることを理解するであろう。
【0609】
「標準偏差」とは、分散の平方根を意味する。分散は、分布がどの程度広がっているかの尺度である。これは、その平均からの各数の平均二乗偏差として計算される。例えば、番号1、2、及び3について、平均は2であり、分散は以下の通りである。
【数1】
【0610】
表面プラズモン共鳴
結合パラメータは、例えば、固定化された結合成分でコーティングされたBIAcore(登録商標)チップ(Biacore、日本)を用いて、表面プラズモン共鳴を使用して測定することができる。表面プラズモン共鳴は、標的分子に対するsFv又は他のリガンド間の反応の微視的な会合定数及び解離定数を特徴付けるために使用される。そのような方法は、一般に、参照により本明細書に組み込まれる以下の参考文献に記載されている。Vely F.et al.,(2000)BIAcore(登録商標) analysis to test phosphopeptide-SH2 domain interactions(BIAcore(登録商標)解析によるリン酸化ペプチド-SH2ドメイン相互作用の検証),Methods in Molecular Biology.121:313-21、Liparoto et al.,(1999)Biosensor analysis of the interleukin-2 receptor complex(インターロイキン2受容体複合体のバイオセンサー解析),Journal of Molecular Recognition.12:316-21、Lipschultz et al.,(2000)Experimental design for analysis of complex kinetics using surface plasmon resonance(表面プラズモン共鳴を用いた複雑なキネティクス解析のための実験デザイン),Methods.20(3):310-8、Malmqvist.,(1999)BIACORE:an affinity biosensor system for characterization of biomolecular interactions(BIACORE:生体分子間相互作用を特徴付けるためのアフィニティバイオセンサーシステム),Biochemical Society Transactions 27:335-40、Alfthan,(1998)Surface plasmon resonance biosensors as a tool in antibody engineering(抗体工学のツールとしての表面プラズモン共鳴型バイオセンサー),Biosensors&Bioelectronics.13:653-63、Fivash et al.,(1998)BIAcore for macromolecular interaction(高分子間相互作用のためのBIAcore),Current Opinion in Biotechnology.9:97-101、Price et al.;(1998)Summary report on the ISOBM TD-4 Workshop:analysis of 56 monoclonal antibodies against the MUC1 mucin.(ISOBM TD-4ワークショップの概要報告:MUC1ムチンに対する56個のモノクローナル抗体の解析)Tumour Biology 19 Suppl 1:1-20、Malmqvist et al,(1997)Biomolecular interaction analysis:affinity biosensor technologies for functional analysis of proteins(生体分子間相互作用解析:タンパク質の機能解析のためのアフィニティバイオセンサー技術),Current Opinion in Chemical Biology.1:378-83、O’Shannessy et al.,(1996)Interpretation of deviations from pseudo-first-order kinetic behavior in the characterization of ligand binding by biosensor technology(バイオセンサー技術によるリガンド結合の特徴付けにおける擬一次速度論的挙動からの乖離の解釈),Analytical Biochemistry.236:275-83、Malmborg et al.,(1995)BIAcore as a tool in antibody engineering(抗体工学のツールとしてのBIAcore),Journal of Immunological Methods.183:7-13、Van Regenmortel,(1994)Use of biosensors to characterize recombinant proteins(バイオセンサーを用いた組換えタンパク質の特徴付け),Developments in Biological Standardization.83:143-51、及びO’Shannessy,(1994)Determination of kinetic rate and equilibrium binding constants for macromolecular interactions:a critique of the surface plasmon resonance literature(高分子相互作用の動力学的速度定数と平衡結合定数の決定:表面プラズモン共鳴に関する文献の批評),Current Opinions in Biotechnology.5:65-71.
【0611】
BIAcore(登録商標)は、表面プラズモン共鳴(SPR)の光学特性を使用して、金/ガラスセンサーチップ界面の表面にあるデキストランマトリックス、デキストランバイオセンサーマトリックスに結合したタンパク質濃度の変化を検出する。簡単に説明すると、タンパク質を既知の濃度でデキストランマトリックスに共有結合させ、タンパク質のリガンドをデキストランマトリックスを通して注入する。センサーチップ表面の反対側に向けられた近赤外光は反射され、金膜にエバネッセント波も誘起され、これにより、共振角として知られる特定の角度で反射光に強度ディップが生じる。センサーチップ表面の屈折率が変化すると(例えば、リガンドが結合タンパク質に結合することによって)、共鳴角にシフトが生じる。この角度シフトは測定することができ、1000RUが1ng/mmの表面タンパク質濃度の変化に相当するように、共鳴単位(RU)として表される。これらの変化は、任意の生物学的反応の会合及び解離を示すセンサーグラムのy軸に沿って時間に関して表示される。
【0612】
ハイスループットスクリーニング(HTS)アッセイ
HTSは、典型的には、所望の活性について多数の化合物を探索するために自動化されたアッセイを使用する。典型的には、HTSアッセイは、特定の酵素又は分子に作用する化学物質をスクリーニングすることによって新しい薬物を見出すために使用される。例えば、化学物質が酵素を不活性化する場合、疾患を引き起こす細胞内のプロセスを予防するのに有効であることが判明する可能性がある。ハイスループット法により、研究者は、ロボットハンドリングシステム及び結果の自動分析を使用して、各標的分子に対して数千の異なる化学物質を非常に迅速に分析することが可能になる。
【0613】
本明細書で使用される場合、「ハイスループットスクリーニング」又は「HTS」は、多数の化合物(ライブラリー)、一般に、ロボットスクリーニングアッセイを使用して、数万から数十万の化合物の迅速なインビトロスクリーニングを指す。超ハイスループットスクリーニング(uHTS)は、一般に、1日当たり100,000試験を超える、加速されたハイスループットスクリーニングを指す。
【0614】
ハイスループットスクリーニングを達成するためには、試料をマルチコンテナキャリア又はプラットフォーム上に収容することが有利である。マルチコンテナキャリアは、複数の候補化合物の反応を同時に測定することを容易にする。キャリアとしてマルチウェルマイクロプレートを使用することができる。そのようなマルチウェルマイクロプレート、及び多数のアッセイでそれらを使用する方法は、当技術分野で公知であり、市販されている。
【0615】
スクリーニングアッセイは、較正及びアッセイの成分の適切な操作の確認の目的のための制御を含むことができる。反応物の全てを含むが化学ライブラリーのメンバーを含まないブランクのウェルが通常含まれる。別の例として、モジュレータが求められる酵素の既知の阻害剤(又は活性化剤)をアッセイの1つの試料とインキュベートし、得られた酵素活性の減少(又は増加)を比較又は対照として使用することができる。モジュレータを酵素活性化剤又は阻害剤と組み合わせて、そうでなければ公知の酵素モジュレータの存在によって引き起こされる酵素活性化又は抑制を阻害するモジュレータを見出すこともできることが理解される。
【0616】
スクリーニングアッセイ中の酵素反応及び結合反応の測定
例えば、複数容器担体中の酵素反応及び結合反応の進行を測定するための技術は、当技術分野で公知であり、限定されないが、以下を含む。
【0617】
分光光度及び分光蛍光分析アッセイは、当技術分野で公知である。そのようなアッセイの例としては、Gordon,A.J.and Ford,R.A.,(1972)The Chemist’s Companion:A Handbook Of Practical Data,Techniques,And References,John Wiley and Sons,N.Y.,Page437に記載されているような、過酸化物の検出のための比色アッセイの使用が挙げられる。
【0618】
蛍光分光法を使用して、反応生成物の生成を監視することができる。蛍光法は、一般に、吸収法よりも高感度である。蛍光プローブの使用は当業者に公知である。総説については、Bashford et al.,(1987)Spectrophotometry and Spectrofluorometry:A Practical Approach,pp.91-114,IRL Press Ltd.、及びBell,(1981)Spectroscopy In Biochemistry,Vol.I,pp.155-194,CRC Pressを参照されたい。
【0619】
分光蛍光法では、酵素は、標的酵素によって処理されると固有の蛍光を変化させる基質に曝露される。典型的には、基質は非蛍光性であり、1つ又は複数の反応によってフルオロフォアに変換される。非限定的な例として、SMase活性を、Amplex(登録商標)Red試薬(Molecular Probes、オレゴン州ユージーン)を使用して検出することができる。Amplex(登録商標)Redを用いてスフィンゴミエリナーゼ活性を測定するために、以下の反応を行う。第1に、SMaseはスフィンゴミエリンを加水分解し、セラミドとホスホリルコリンを生成する。第2に、アルカリホスファターゼはホスホリルコリンを加水分解してコリンを生じる。第3に、コリンは、コリンオキシダーゼによってベタインに酸化される。最後に、Hは、西洋ワサビペルオキシダーゼの存在下で、Amplex(登録商標)Redと反応して蛍光生成物レゾルフィンを生成し、そこからのシグナルを分光蛍光光度法を用いて検出する。
【0620】
蛍光偏光(FP)は、受容体タンパク質などのより大きな分子に結合すると生じるフルオロフォアの分子回転速度の低下に基づいており、結合したリガンドによる偏光された蛍光発光を可能にする。FPは、平面偏光による励起後のフルオロフォア発光の垂直成分及び水平成分を測定することによって実験的に決定される。フルオロフォアの分子回転が低下すると、偏光放射が増加する。フルオロフォアは、より大きな分子(すなわち、受容体)に結合すると、より大きな分極シグナルを生成し、フルオロフォアの分子回転を遅くする。分極シグナルの大きさは、蛍光リガンド結合の程度に定量的に関連する。したがって、「結合した」シグナルの分極は、高親和性結合の維持に依存する。
【0621】
FPは均一な技術であり、反応は非常に迅速であり、平衡に達するのに数秒から数分かかる。試薬は安定であり、大きなバッチを調製することができ、高い再現性が得られる。これらの特性のために、FPは高度に自動化可能であることが証明されており、多くの場合、単一の予め混合されたトレーサ受容体試薬との単一のインキュベーションで実施される。総説については、Owicki et al.,(1997),Application of Fluorescence Polarization Assays in High-Throughput Screening(ハイスループットスクリーニングにおける蛍光偏光アッセイの応用),Genetic Engineering News,17:27を参照されたい。
【0622】
FPは、その読み出しが発光強度とは無関係であり(Checovich,W.J.,et al.,(1995)Nature 375:254-256、Dandliker,W.B.,et al.,(1981)Methods in Enzymology 74:3-28)、したがって蛍光発光を消光する着色化合物の存在に反応しないため、特に望ましい。FP及びFRET(下記参照)は、スフィンゴ脂質受容体とそれらのリガンドとの間の相互作用を遮断する化合物を同定するのによく適している。例えば、Parker et al.,(2000)Development of high throughput screening assays using fluorescence polarization:nuclear receptor-ligand-binding and kinase/phosphatase assays(蛍光偏光法を用いたハイスループットスクリーニングアッセイの開発:核内受容体リガンド結合アッセイ及びキナーゼ/ホスファターゼアッセイ),J Biomol Screen 5:77-88を参照されたい。
【0623】
FPアッセイで使用することができるスフィンゴ脂質由来のフルオロフォアは市販されている。例えば、Molecular Probes(オレゴン州ユージーン)は現在、スフィンゴミエリン及び1つのセラミドフルオロフォアを販売している。これらはそれぞれ、N-(4,4-ジフルオロ-5,7-ジメチル-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン-3-ペンタノイル)スフィンゴシルホスホコリン(BODIPY(登録商標)FL C5-スフィンゴミエリン)、N-(4,4-ジフルオロ-5,7-ジメチル-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン-3-ドデカノイル)スフィンゴシルホスホコリン(BODIPY(登録商標)FL C12-スフィンゴミエリン)、及びN-(4,4-ジフルオロ-5,7-ジメチル-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン-3-ペンタノイル)スフィンゴシン(BODIPY(登録商標)FL C5-セラミド)である。米国特許第4,150,949号(ゲンタマイシンの免疫アッセイ)は、フルオレセインチオカルバニルゲンタマイシンを含むフルオレセイン標識ゲンタマイシンを開示している。更なるフルオロフォアは、当業者に公知の方法を使用して調製することができる。
【0624】
例示的な正常偏光蛍光リーダとしては、POLARION(登録商標)蛍光偏光システム(Tecan AG、スイスのホンブレヒティコン)が挙げられる。VERSAMAX(登録商標)リーダ及びSPECTRAMAX(登録商標)マルチウェルプレート分光光度計(いずれもMolecular Devices製)など、他のアッセイ用の一般的なマルチウェルプレートリーダが利用可能である。
【0625】
蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)は、相互作用を検出するための別の有用なアッセイであり、記載されている。例えば、Heim et al.,(1996)Curr.Biol.6:178-182、Mitra et al.,(1996)Gene 173:13-17、及びSelvin et al.,(1995)Meth.Enzymol.246:300-345を参照されたい。FRETは、既知の励起波長及び発光波長を有する近接した2つの蛍光物質間のエネルギー移動を検出する。一例として、タンパク質は、緑色蛍光タンパク質(GFP)との融合タンパク質として発現することができる。タンパク質が標的分子と特異的に相互作用する場合など、2つの蛍光タンパク質が近接している場合、共鳴エネルギーを一方の励起分子から他方の励起分子に伝達することができる。その結果、試料の発光スペクトルがシフトし、これは、fMAXマルチウェル蛍光光度計(Molecular Devices、カリフォルニア州サニーベール)などの蛍光光度計によって測定することができる。
【0626】
シンチレーション近接アッセイ(SPA)は、標的分子との相互作用を検出するための特に有用なアッセイである。SPAは製薬業界で広く使用されており、記載されている(Hanselman et al.,(1997)J.Lipid Res.38:2365-2373、Kahl et al.,(1996)Anal.Biochem.243:282-283、Undenfriend et al.,(1987)Anal.Biochem.161:494-500)。米国特許第4,626,513号及び第4,568,649号、並びに欧州特許第0154734号も参照されたい。1つの市販のシステムは、FLASHPLATE(登録商標)シンチラントコーティングプレート(NEN Life Science Products、マサチューセッツ州ボストン)を使用する。
【0627】
標的分子は、様々な公知の手段によってシンチレータプレートに結合することができる。GST、His6又はFlag融合タンパク質などの融合タンパク質に結合するように誘導体化されたシンチラントプレートが利用可能である。標的分子がタンパク質複合体又は多量体である場合、1つのタンパク質又はサブユニットを最初にプレートに付着させ、次いで複合体の他の成分を結合条件下で後に添加して、結合複合体を得ることができる。
【0628】
典型的なSPAアッセイでは、発現プール中の遺伝子産物を放射性標識し、ウェルに添加し、ウェル中の固定化標的分子及びシンチラントコーティングである固相と相互作用させる。アッセイは直ちに測定することができ、又は平衡に達することができる。いずれの方法でも、放射性標識がシンチラントコーティングに十分に近づくと、TOPCOUNT NXT(登録商標)マイクロプレートシンチレーションカウンター(Packard BioScience Co.、コネチカット州メリデン)などの装置によって検出可能な信号が生成される。放射性標識された発現産物が標的分子に結合する場合、放射性標識は、検出可能なシグナルを生成するのに十分な長さでシンチレータに近接したままである。
【0629】
対照的に、標的分子に結合しないか、又は短時間だけ結合する標識タンパク質は、バックグラウンドを超えるシグナルを生成するのに十分な長さでシンチラントの近くに残らない。ランダムなブラウン運動によって引き起こされるシンチラントの近くで費やされた時間も、有意な量の信号をもたらさない。同様に、発現工程中に使用される、残存する組み込まれていない放射性標識が存在してもよいが、それは標的分子と相互作用するのではなく溶液中にあるので、有意なシグナルを生成しない。したがって、これらの非結合相互作用は、数学的に除去することができる一定レベルのバックグラウンドシグナルを引き起こす。あまりにも多くのシグナルが得られる場合、所望の特異性が得られるまで、塩又は他の修飾剤をアッセイプレートに直接添加することができる(Nichols et al.,(1998)Anal.Biochem.257:112-119)。
【0630】
一般的な合成
化合物は、本明細書に開示される方法及びその通常の変更を用いて調製することができ、これは本明細書の開示及び当技術分野で公知の方法を考慮すれば明らかであろう。本明細書の教示に加えて、従来の公知の合成方法を使用することができる。本明細書に記載される典型的な化合物の合成は、以下の例に記載されるように達成することができる。入手可能な場合、試薬は、例えばSigma Aldrich又は他の化学供給業者から商業的に購入することができる。
【0631】
本開示の化合物は、例えば、以下の一般的な方法及び手順を使用して、容易に入手可能な出発物質から調製することができる。典型的又は好ましいプロセス条件(すなわち、反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧力など)が与えられる場合、特に明記しない限り、他のプロセス条件も使用できることが理解される。最適な反応条件は、使用される特定の反応物又は溶媒によって異なり得るが、そのような条件は、通常の最適化手順によって当業者によって決定することができる。
【0632】
更に、当業者に明らかなように、従来の保護基は、特定の官能基が望ましくない反応を受けるのを防ぐために必要であり得る。様々な官能基のための適切な保護基、並びに特定の官能基を保護及び脱保護するための適切な条件は、当技術分野で公知である。例えば、多数の保護基がWuts,P.G.M.,Greene,T.W.,&Greene,T.W.(2006).Greene’s protective groups in organic synthesis.(有機合成におけるグリーンの保護基)Hoboken,N.J.,Wiley-Interscience、及びそこに引用されている参考文献に記載されている。
【0633】
本開示の化合物は、1つ又は複数の不斉中心又はキラル中心を含むことができる。したがって、所望であれば、そのような化合物は、純粋な立体異性体として、すなわち個々のエナンチオマー若しくはジアステレオマーとして、又は立体異性体濃縮混合物として調製若しくは単離することができる。そのような立体異性体(及び濃縮混合物)は全て、別段示されない限り、本開示の範囲内に含まれる。純粋な立体異性体(又は濃縮混合物)は、例えば、当該分野で公知の光学活性出発物質又は立体選択的試薬を用いて調製することができる。或いは、そのような化合物のラセミ混合物は、例えば、キラルカラムクロマトグラフィー、超臨界流体クロマトグラフィー、キラル種結晶、キラル分割剤などを用いて分離することができる。
【0634】
以下の反応のための出発材料は、一般に公知の化合物であるか、又は公知の手順若しくはその明白な改変によって調製することができる。例えば、出発材料の多くは、Aldrich Chemical Co.(米国ウィスコンシン州ミルウォーキー)、Bachem(米国カリフォルニア州トーランス)、Emka-Chemce又はSigma(米国ミズーリ州セントルイス)などの商業的供給業者から入手可能である。他のものは、Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis、第1~15巻(John Wiley,and Sons,1991)、Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds、第1~5巻、及びSupplementals(Elsevier Science Publishers、1989)organic Reactions、第1~40巻(John Wiley,and Sons,1991)、March’s Advanced Organic Chemistry、(John Wiley,and Sons,5th Edition,2001)、及びLarock’s Comprehensive Organic Transformations(VCH Publishers Inc.,1989)などの標準的な参照テキストに記載されている手順又はその明白な改変によって調製することができる。
【0635】
また、各スキームにおいて、任意の置換基の付加は、いくつかの異性体生成物(エナンチオマー又は1つ又は複数のジアステレオマーを含むが、これらに限定されない)の生成をもたらすことができ、そのいずれか又は全てが従来の技術を用いて単離及び精製することができることも理解される。エナンチオマー的に純粋な又は濃縮された化合物が望まれる場合、当技術分野で従来使用されているように、又は例に記載されているように、キラルクロマトグラフィー及び/又はエナンチオマー的に純粋な又は濃縮された出発物質を使用することができる。
【0636】
本開示の化合物は、以下に記載される一般的な反応スキーム及び/又は例に従って合成することができる。一般的なスキームは、出発材料を同様の構造を有する他の材料で置換して対応する生成物を得ることによって変更することができる。所望の生成物の構造は、一般に、必要な出発材料を当業者に明らかにする。
【0637】
スキーム1は、本明細書で提供される化合物(例えば、式Iの化合物)を合成するための例示的な合成経路を提供する。式Iの化合物、又は本明細書に開示される他の式若しくは化合物は、典型的には、最初にコア式X(a)を提供し、次いで適切な条件(例えば、コンジュゲート付加、カルボナート、カルバマート、又は尿素形成、又はクロスカップリング)を使用して所望の置換基を結合することによって調製される。
【0638】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物の合成は、スキーム1に従って進行する。
スキーム1
【化13】
【0639】
スキーム1では、A、E、G、L、R、R及びRは式Iで定義される通りである。スキーム1では、式X(a)の化合物を式X(b)の化合物に変換する。次いで、式X(b)の化合物を、場合により式X(c)を介して式X(d)の化合物に変換することができ、これを式Iの化合物に変換することができる。A、E.E11.G、L、L、L11、P、R15、R21、R31、Z及びZは以下に記載の通りである。
【0640】
スキーム1では、Z及びZの各々は独立して脱離基、例えばハロゲン化物又は適切なカップリングパートナーであるか、又はZはR21である。例えば、Z及び/又はZは、塩化物又は臭化物であってもよい。カップリングパートナーとして、Z又はZは、例えば亜鉛金属などの還元亜鉛試薬によってその場で活性化することができる。式X(a)の化合物は、コンジュゲート付加条件下で化合物101と反応させることができる。
【0641】
スキーム1では、Pは、H、R15又はN-保護基である。例えば、Pは、親構造(例えば、Pは、テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル(「THP」)などのテトラヒドロピランであってもよい)とアミノ又はアミドを形成するN-保護基であってもよい。PがHである場合、R15は、従来の手段によって、例えば、第一級ハロゲン化物(例えば、R15がRの保護された前駆体である場合、2-(2-ブロモエトキシ)テトラヒドロ-2H-ピランなどのハロゲン化物)などのハロゲン化物への親構造の求核付加によって付加することができる。Pがピランを含む場合、ピランは、例えば、本明細書に記載されるように、又は当技術分野で公知のように、従来のピラン脱保護条件によって除去することができる。PがHではない場合、Pは、従来の手段によって、例えば、本明細書に記載の方法による保護基化学によって、又は当技術分野で公知のように添加することができる。例えば、Pは、ジヒドロ-2H-ピランへの親構造の酸触媒付加によって付加することができる。
【0642】
スキーム1では、R15は、R又はRの誘導体、例えばRの保護誘導体である。いくつかの実施形態では、R15は、Rのヒドロキシル保護誘導体である。例えば、Rのヒドロキシル保護誘導体としては、シリルエーテル、アセタート、ベンジル、ベンゾイル、アセトニド、又はテトラヒドロピラニル誘導体(例えば、Rがエタン-2-オールである場合、R15は2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)エチルであってもよい)を挙げることができる。いくつかの実施形態では、R15は、Rのジオールに対応する保護ジオール(例えば、Rがビシナルジオールを含む場合、R15はジオキソランを含むことができる)を含む。
【0643】
スキーム1では、Aは、A又はその誘導体である。AでのAの誘導体は、Aが酸化、還元及び/又は保護によって誘導され得る置換基を更に含むことができる(例えば、Aはシアノ置換基を含むことができ、Aはアミドを含む)。例えば、Aは、ピロリジン-1-イル、例えば(R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル又は(3S,4S)-3-ヒドロキシ-4-フルオロピロリジン-1-イルであってもよい。
【0644】
スキーム1では、Eは、E若しくはその誘導体であるか、又はEはHであってもよい。EでのEの誘導体は、脱離基又は適切なカップリングパートナー(例えば、Eは、ハロ、例えばブロモ又はヨードを含むことができる)を含むことができる。EでのEの誘導体は、Eが酸化、還元及び/又は保護によって誘導され得る置換基を更に含むことができる(例えば、Eはシアノ置換基を含むことができ、Eはアミドを含む)。式X(b)の化合物は、本明細書に記載の又は当技術分野で公知の求核芳香族置換条件下又は銅カップリング条件下で化合物102又は化合物104と反応させることができる。いくつかの実施形態では、Eは、フェニル、ピリダジン-4-イル、ピリミジン-4-イル、ピリミジン-6-イル、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、又はピリジン-4-イルを含むことができる。いくつかの実施形態では、L-E11は、4-ブロモピリジン-2-イル、4-ブロモ-5-クロロ-2-フルオロ-ピリジン、3-ブロモ-5-ヨード-ピリジン、1-ブロモ-3-ヨードベンゼン、5-ブロモ-3-クロロ-ピリダジン、又は4,6-ジクロロピリミジンである。化合物X(b)を式X(d)に直接変換する場合、式X(b)を化合物104と反応させることができる。このような実施形態では、G-L-E11は、4-(2-フルオロ-4-ピリジル)-3,5-ジメチル-イソオキサゾール又は4-(6-クロロピリダジン-4-イル)-3,5-ジメチル-イソオキサゾールであってもよい。
【0645】
スキーム1では、E11は、化合物102又は化合物104との反応によって式X(b)の親構造にEを付加するのに適したEの誘導体である。例えば、式X(b)の化合物を、求核置換条件下、例えば、求核芳香族置換条件下で化合物102又は化合物104と反応させることができる。
【0646】
スキーム1では、L及びLの各々は独立して、Lの部分又は誘導体であるか、又はLはHであってもよく、又はLはLであってもよい。LでのLの部分又は誘導体は、Lの残りの部分又はGの結合点に水素原子を含むことができる(例えば、Lが親構造に結合した酸素又は窒素原子を含む場合、A-Lは、対応するヒドロキシル、アミン、又は-C(O)NHであってもよい)。LでのLの部分又は誘導体は、Gの結合点に保護基を含むことができる(例えば、p-ニトロフェノキシカルボニル若しくはテトラヒドロピランなどのヒドロキシル保護基、又はtert-ブトキシカルボニルなどのアミン保護基)。いくつかの実施形態では、L又はLは存在しなくてもよい。
【0647】
スキーム1では、L11は、化合物103との反応によって式X(c)の親構造にLを付加するのに適したLの誘導体である。L11は、適切なカップリングパートナー又は脱離基(例えば、ボロン酸、4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イルなどのボロン酸エステル、擬ハロゲン化物、又はクロロ、ブロモ若しくはヨードなどのハロゲン化物)であってもよい。例えば、式X(c)の化合物を、求核置換条件下、例えば、求核芳香族置換条件下、又はパラジウムカップリング条件下若しくは銅カップリング条件下などのカップリング条件下で化合物103と反応させることができる。いくつかの実施形態では、L11は、水素である。
【0648】
スキーム1では、Gは、G又はGの誘導体である。Gの誘導体は、T、T、T、T、T、及び/又はT(「T~T」)を付加するのに適した1つ又は複数の部分を含むことができ、及び/又はGの誘導体は、窒素又は酸素保護基(例えば、THP)を含むことができる。したがって、Gの誘導体は、アミン(例えば、Gがピペリジニル、ピペラジニル又はピロリジニルを含む環状アミン)又は保護アミン(例えば、tert-ブトキシカルボニル保護基を含む)を含むことができる。GからGへの変換は、T~Tのカルボニル又はスルホニル部分での置換反応を含み、カルボナート、カルバマート、尿素又はスルホンアミド(例えば、Gがアミンを含む場合、Gのアミンは、T~Tに対応するスルファモイルクロリド又は塩化アシルに添加することができる)を形成することができる。GからGへの変換は、代替的に、T~Tの一部に求核置換反応(例えば、Sn1又はSn2型反応)を含むことができる。例えば、T~Tがα-カルボニルを含む場合、反応は、擬ハロゲン化物(例えば、(3-シアノビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)メチル4-メチルベンゼンスルホナートなどのスルホナート)又はハロゲン化物(例えば、tert-ブチル2-ブロモアセタートなどのブロモ)のSn2置換によって進行し得る。
【0649】
スキーム1では、R21は、H、又はRの保護誘導体、又は適切なカップリングパートナー(例えば、擬ハロゲン化物、又はクロロ、ブロモ若しくはヨードなどのハロゲン化物)であるか、又はR21はRである。
【0650】
スキーム1では、R31はRである。
【0651】
コンジュゲート付加条件
適切な場合、例えば、化合物101(OH-A-H)を式X(a)の化合物に添加する場合、コンジュゲート付加反応を行うことができる。コンジュゲート付加反応は、求核付加条件下(例えば、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピル-N-エチルアミンなどの塩基又は炭酸塩、例えば炭酸カリウムの存在下で)、適切な溶媒(例えば、極性非プロトン性溶媒、テトラヒドロフラン、DMFなど)中、場合により不活性雰囲気下で行う。反応は、典型的には、約20~100℃の温度で、約10分~約7日間行われる。反応が実質的に完了したら、生成物を従来の手段によって単離する。いくつかの実施形態では、化合物101は、(R)-ピロリジン-3-オール若しくは(3S,4S)-4-フルオロピロリジン-3-オール、又はその塩である。
【0652】
求核芳香族置換条件
適切な場合には、例えば、化合物102(L-E11)を式X(b)の化合物に添加する場合、求核芳香族置換反応を行うことができる。求核芳香族置換反応は、求核付加条件下(例えば、水素化ナトリウム又は炭酸セシウムなどの塩基の存在下で)、適切な溶媒(例えば、極性非プロトン性溶媒、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、DMFなど)中、場合により不活性雰囲気下で行われる。反応は、典型的には、約20~120℃の温度で、約10分~約7日間行われる。条件は、離散的な脱プロトン化工程(例えば、塩基が水素化ナトリウムである場合)を含むことができる。反応が実質的に完了したら、生成物を従来の手段によって単離する。いくつかの実施形態では、化合物102は、2-フルオロピリジン、3-フルオロピリジン又は4-フルオロピリジン(例えば、4-ブロモ-5-クロロ-2-フルオロ-ピリジン)である。
【0653】
パラジウムカップリング条件
適切な場合、例えば式X(a)、式X(b)、式X(c)又は式X(d)の化合物、Z、Z、E11、L、L11又はGのいずれかが適切なカップリングパートナー、例えば擬ハロゲン化物又はハロゲン化物(例えば、クロロ)を含む化合物102、化合物103又は化合物104、又は亜鉛試薬(例えば、シアン化亜鉛)を、標準的な金属触媒クロスカップリング条件下(例えば、パラジウム触媒を使用する)、適切な溶媒(例えば、トルエン、N,N-ジメチルアセトアミド、ジオキサン、アセトニトリル、水など)中、場合により不活性雰囲気下で反応させる。カップリング反応は、不活性溶媒、例えば1,4-ジオキサン水溶液又はN,N-ジメチルホルムアミド水溶液中、弱塩基、例えばピリジン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム又はナトリウムtert-ブトキシドの存在下で行われる。反応は、典型的には、金属触媒、例えばトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、又はジクロロ1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)、ruphos palladacycle GEN4の存在下、場合により適切な配位子(例えば、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)と共に、場合によりマイクロ波照射下、約60~160℃の温度で約10分~約24時間行われる。反応物を密封してもよい。反応が実質的に完了したら、生成物を従来の手段によって単離する。
【0654】
銅カップリング条件
適切な場合、例えば、E又はZが適切なカップリングパートナー、例えばハロゲン化物(例えば、クロロ、ブロモ又はヨード)を含む式X(b)の化合物を、場合により不活性雰囲気下の適切な溶媒中、銅触媒クロスカップリング条件下で反応させて式X(c)又はX(d)を形成する。カップリング反応は、不活性溶媒、例えばトルエン又はDMF中、弱塩基、例えば炭酸セシウムの存在下、場合により密閉容器中で行う。反応は、典型的には、銅触媒(例えば、ヨウ化銅(I)(ヨウ化第一銅))の存在下、場合により適切な配位子(例えば、3,4,7,8-テトラメチル-1,10フェナントロリン)を用いて、約60~150℃の温度で約10分~約24時間行われる。反応が実質的に完了したら、生成物を従来の手段によって単離する。
【0655】
求核芳香族置換条件
適切な場合、例えば、式X(d)の化合物を式(I)の化合物に変換する場合、求核置換反応を行うことができる。求核置換反応は、求核付加条件下(例えば、水素化ナトリウム、ナトリウムtert-ブトキシド、又は炭酸セシウムなどの塩基の存在下で)、適切な溶媒(例えば、極性非プロトン性溶媒、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、DMFなど)中、場合により不活性雰囲気下で行われる。反応は、典型的には、約20~160℃の温度で、約10分~約7日間行われる。条件は、離散的な脱プロトン化工程(例えば、塩基が水素化ナトリウムである場合)を含むことができ、78℃~0℃で進行することができる。反応が実質的に完了したら、生成物を従来の手段によって単離する。いくつかの実施形態では、T~Tに対応する求電子剤は、第一級擬ハロゲン化物(例えば、フェニルスルホニル)又はハロゲン化物(例えば、ブロモ)である。
【0656】
ピラン脱保護条件
適切な場合、例えば、式X(c)又はX(d)の化合物が、例えば、P又はR15にピラン保護基を含む場合、化合物は、適切な溶媒(例えば、1,4-ジオキサン、ジクロロメタン、酢酸エチル、アセトニトリル、水、メタノール、エタノールなど)中、場合により不活性雰囲気下、標準的な酸触媒脱保護条件下(例えば、ルイス酸又はプロトン酸を使用する)で反応して、R15又はRを形成することができる。反応は、典型的には、酸触媒、例えばHCl又はトリフルオロ酢酸の存在下、約0~100℃の温度で、約10分~約24時間行われる。反応が実質的に完了したら、生成物を従来の手段によって単離する。いくつかの実施形態では、ピラン脱保護のための出発材料は、精製せずに前の工程から持ち越すことができる。
【0657】
当業者は、式X(a)、X(b)又はX(c)の化合物のいずれも、特定の実施形態について商業的供給業者から入手可能であり得ることを理解する。式X(a)、X(b)又はX(c)の化合物の代替的な合成は、本明細書に記載の通りであっても、当業者に公知の通りであってもよい。
【0658】
中間体1
【化14】
【0659】
工程1:4,5-ジクロロ-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)ピリダジン-3(2H)-オン2の調製:4,5-ジクロロピリダジン-3(2H)-オン(1、30g、182mmol)及びトシン酸(1.6g、9.1mmol)を250mLフラスコ中で合わせ、テトラヒドロフラン(100mL)を添加した。次いで、3,4-ジヒドロ-2H-ピラン(18.4g、218mmol)をシリンジを介して添加し、反応物を15時間加熱還流した。LCMS分析は、生成物への変換及び残留出発物質を示した。反応物を50gのシリカゲル上で濃縮し、順相フラッシュカラムクロマトグラフィー(120gカラム、ヘキサン中0~100%酢酸エチル)によって精製して、4,5-ジクロロ-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)ピリダジン-3(2H)-オン(2)を得た。MS(ESI)[M+H-THP]=248.9.
【0660】
工程2:4-クロロ-5-((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)ピリダジン-3(2H)-オン3の調製:250mL丸底フラスコに、4,5-ジクロロ-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)ピリダジン-3(2H)-オン(2、9.35g、37.5mmol)及び(R)-ピロリジン-3-オール塩酸塩(5.6g、45.0mmol)を添加した。次いで、炭酸カリウム(15.6g、113mmol)及びN,N-ジメチルホルムアミド(100mL)を添加し、反応物を室温で15時間撹拌した。LCMS分析により、所望の生成物への変換が示された。反応物を40gのシリカゲル上で濃縮し、順相フラッシュカラムクロマトグラフィー(40gカラム、ヘキサン中0~100%酢酸エチル)によって精製して、4-クロロ-5-((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)ピリダジン-3(2H)-オン(3)を得た。MS(ESI)[M+H=300.2.
【0661】
中間体2
【化15】
【0662】
工程1:5-((R)-3-((4-ブロモピリジン-2-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)-4-クロロ-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)ピリダジン-3(2H)-オン4の調製:250mL丸底フラスコに、4-クロロ-5-((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)ピリダジン-3(2H)-オン(3、4.0g、13.3mmol)、4-ブロモ-2-フルオロ-ピリジン(2.8g、16.0mmol)、炭酸セシウム(8.7g、26.7mmol)及びN,N-ジメチルホルムアミド(50mL)を添加した。反応物を油浴中80℃で18時間撹拌した。LCMS分析により、所望の生成物への変換が示された。反応物を20gのシリカゲル上で濃縮し、順相フラッシュカラムクロマトグラフィー(120gシリカゲルカラム、ヘキサン中0~100%酢酸エチル)によって精製して、5-((R)-3-((4-ブロモピリジン-2-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)-4-クロロ-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)ピリダジン-3(2H)-オン(4)を得た。MS(ESI)[M+H=455.1.
【0663】
例1
【化16】
【0664】
工程1:4-クロロ-5-((3S,4S)-3-フルオロ-4-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)ピリダジン-3(2H)-オン5の調製:250mL丸底フラスコに、4,5-ジクロロ-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)ピリダジン-3(2H)-オン(2、7.2g、28.9mmol)及び(3S,4S)-4-フルオロピロリジン-3-オール塩酸塩(4.5g、31.8mmol)を添加した。次いで、炭酸カリウム(16.0g、116mmol)及びN,N-ジメチルホルムアミド(100mL)を添加し、反応物を室温で15時間撹拌した。LCMS分析により、所望の生成物への変換が示された。反応物を40gのシリカゲル上で濃縮し、順相フラッシュカラムクロマトグラフィー(120gカラム、ヘキサン中0~100%酢酸エチル)によって精製して、4-クロロ-5-((3S,4S)-3-フルオロ-4-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)ピリダジン-3(2H)-オン(5)を得た。MS(ESI)[M+H-THP]=234.1.
【0665】
工程2:5-[(3S,4S)-3-[(4-ブロモ-2-ピリジル)オキシ]-4-フルオロ-ピロリジン-1-イル]-4-クロロ-2-テトラヒドロピラン-2-イル-ピリダジン-3-オン6の調製:250mL丸底フラスコに、4-クロロ-5-[(3S,4S)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-ピロリジン-1-イル-2-テトラヒドロピラン-2-イル-ピリダジン-3-オン(5、4.0g、12.6mmol)、4-ブロモ-2-フルオロ-ピリジン(2.7g、15.1mmol)、炭酸セシウム(8.2g、25.2mmol)及びN,N-ジメチルホルムアミド(50ml)を添加した。反応物を油浴中80℃で18時間撹拌した。LCMS分析により、所望の生成物への変換が示された。反応物を20gのシリカゲル上で濃縮し、順相クロマトグラフィー(120gシリカゲルカラム、ヘキサン中0~100%酢酸エチル)によって精製して、5-[(3S,4S)-3-[(4-ブロモ-2-ピリジル)オキシ]-4-フルオロ-ピロリジン-1-イル]-4-クロロ-2-テトラヒドロピラン-2-イル-ピリダジン-3-オン(6)を得た。MS(ESI)[M+H=473.0.
【0666】
工程3:4-クロロ-5-((3S,4S)-3-((4-(3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)-4-フルオロピロリジン-1-イル)ピリダジン-3(2H)-オン7の調製:250mL丸底フラスコ中で、1,4-ジオキサン(90ml)中の5-((3S,4S)-3-((4-ブロモピリジン-2-イル)オキシ)-4-フルオロピロリジン-1-イル)-4-クロロ-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)ピリダジン-3(2H)-オン(6、4.6g、9.8mmol)、3,5-ジメチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イソオキサゾール(3.3g、14.7mmol)及びジクロロ(1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)パラジウム(II)アセトン付加物(772mg、0.98mmol)に、水中1M炭酸カリウム(29ml)を添加した。反応混合物を100℃に予熱した油浴中で直ちに100℃に加熱した。反応物を温度で2時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、20gのシリカゲル上で濃縮した。反応物を順相フラッシュカラムクロマトグラフィー(120gシリカカラム、ヘキサン中0~100%酢酸エチル)によって精製して、中間生成物を得た。次いで、この物質をジクロロメタン20mLに溶解し、塩酸(1,4-ジオキサン中4M、20mL、80mmol)を添加し、反応物を室温で30分間撹拌した。反応物を濃縮して、4-クロロ-5-((3S,4S)-3-((4-(3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)-4-フルオロピロリジン-1-イル)ピリダジン-3(2H)-オン(7)を得た。MS(ESI)[M+H=406.2.
【0667】
工程4:4-クロロ-5-((3S,4S)-3-((4-(3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)-4-フルオロピロリジン-1-イル)-2-(2-ヒドロキシエチル)ピリダジン-3(2H)-オン(P-0179)の調製:4-クロロ-5-((3S,4S)-3-((4-(3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)-4-フルオロピロリジン-1-イル)ピリダジン-3(2H)-オン(7、4.0g、9.9mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(40mL)に溶解し、炭酸カリウム(2.7g、19.7mmol)を添加した。次いで、2-(2-ブロモエトキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン(2.7g、12.8mmol)を添加し、反応物を60℃で15時間撹拌した。LCMSは、4-クロロ-5-((3S,4S)-3-((4-(3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)-4-フルオロピロリジン-1-イル)-2-(2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)エチル)ピリダジン-3(2H)-オンへの変換を示した。固体炭酸カリウムを濾別し、粗反応物を塩酸(1,4-ジオキサン中4M、20mL、80mmol)と混合した。反応物を室温で2時間撹拌した。反応物を20mLのメタノールでクエンチし、60gのシリカゲル上で濃縮した。次いで、この物質を逆相フラッシュクロマトグラフィー(415gのC18カラム、0~45%B、A:99.9%HO、0.1%HCOH、B:99.9%CHCN、0.1%HCOH)によって精製した。この精製により、依然として不純な生成物が得られた。次いで、物質を順相クロマトグラフィー(40gシリカゲルカラム、ヘキサン中0~100%酢酸エチル)によって精製した。この精製により、4-クロロ-5-((3S,4S)-3-((4-(3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)-4-フルオロピロリジン-1-イル)-2-(2-ヒドロキシエチル)ピリダジン-3(2H)-オン(P-0179)を得た。MS(ESI)[M+H=450.1.
【0668】
例2
【化17】
【0669】
工程1:4,5-ジブロモ-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)ピリダジン-3(2H)-オン9の調製:スクリューキャップ反応容器に、4,5-ジブロモ-1H-ピリダジン-6-オン(8、1.00g、3.95mmol)、3,4-ジヒドロ-2H-ピラン(1.00g、11.9mmol)、DCE(25ml)及びPTSA一水和物(0.195g、1.03mmol)を装填した。反応容器を密封し、70℃の油浴中で16時間撹拌した。次いで、反応物を冷却し、酢酸エチル及び水で抽出し、2回濾過して微粒子を除去した。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した。揮発性物質を回転蒸発によって除去し、得られた残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(40gシリカゲルカラム、ヘキサン中0~60%酢酸エチル)によって精製した。この精製により、4,5-ジブロモ-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)ピリダジン-3(2H)-オン(9)を得た。MS(ESI)[M+H=338.8.
【0670】
工程2:4-ブロモ-5-((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)ピリダジン-3(2H)-オン10の調製:4,5-ジブロモ-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)ピリダジン-3(2H)-オン(9、0.43g、1.27mmol)を入れた丸底フラスコに、(3R)-ピロリジン-3-オール塩酸塩(0.189g、1.53mmol)を添加し、続いてN,N-ジメチルホルムアミド(10ml)を添加した。この溶液にトリエチルアミン(0.27ml、1.91mmol)を添加した。反応物を室温で4日間撹拌した。全ての揮発性物質を減圧下で除去し、得られた残渣を酢酸エチル及び水で抽出した。TLCで水層が生成物を含まなくなるまで、水層を更に4回抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過した。揮発性物質を回転蒸発によって除去し、得られた残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(24gシリカゲルカラム、ジクロロメタン中0~6%メタノール)によって精製した。この精製により、4-ブロモ-5-((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)ピリダジン-3(2H)-オン(10)を得た。MS(ESI)[M+H=344.0.
【0671】
工程3:4-ブロモ-5-[(3R)-3-[[4-(3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-イル)-2-ピリジル]オキシ]ピロリジン-1-イル]-2-テトラヒドロピラン-2-イル-ピリダジン-3-オン11の調製:1,4-ジオキサン(10ml)中の4-ブロモ-5-((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)ピリダジン-3(2H)-オン(10、195mg、0.567mmol)に水素化ナトリウム(鉱油中60%、25mg、0.62mmol)を添加した。ガス発生が停止した後、4-(2-フルオロ-4-ピリジル)-3,5-ジメチル-イソオキサゾール(122mg、0.635mmol)を添加し、反応物をアルゴン雰囲気下、油浴中、60℃で6時間撹拌し、続いて80℃で更に17時間撹拌した。反応揮発性物質を減圧下で除去し、得られた残渣をTHF/MeOHからシリカに乾式装填し、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(24gカラム、ヘキサン中50~100%酢酸エチル)によって精製した。この精製により、4-ブロモ-5-[(3R)-3-[[4-(3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-イル)-2-ピリジル]オキシ]ピロリジン-1-イル]-2-テトラヒドロピラン-2-イル-ピリダジン-3-オン(11)を得た。MS(ESI)[M+H=515.5.
【0672】
工程4:5-[(3R)-3-[[4-(3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-イル)-2-ピリジル]オキシ]ピロリジン-1-イル]-2-テトラヒドロピラン-2-イル-4-(トリフルオロメチル)ピリダジン-3-オン12の調製:N,N-ジメチルホルムアミド(2ml)中のメチル2,2-ジフルオロ-2-フルオロスルホニル-アセタート(79mg、0.41mmol)及び4-ブロモ-5-[(3R)-3-[[4-(3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-イル)-2-ピリジル]オキシ]ピロリジン-1-イル]-2-テトラヒドロピラン-2-イル-ピリダジン-3-オン(11、101mg、0.196mmol)にヨウ化銅(I)(122mg、0.383mmol)を添加した。混合物を100℃で15時間加熱した。反応物を冷却し、THFで希釈した。THF不溶性物質を沈降させ、可溶性画分をシリカゲルに乾式装填し、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(12gシリカゲルカラム、ヘキサン中0~100%酢酸エチル)によって精製した。この精製により、5-[(3R)-3-[[4-(3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-イル)-2-ピリジル]オキシ]ピロリジン-1-イル]-2-テトラヒドロピラン-2-イル-4-(トリフルオロメチル)ピリダジン-3-オン(12)を得た。MS(ESI)[M+H=506.1.
【0673】
工程5:(R)-5-(3-((4-(3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)-4-(トリフルオロメチル)ピリダジン-3(2H)-オン(P-0053)の調製:5-[(3R)-3-[[4-(3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-イル)-2-ピリジル]オキシ]ピロリジン-1-イル]-2-テトラヒドロピラン-2-イル-4-(トリフルオロメチル)ピリダジン-3-オン(12、6.0mg、0.01mmol)を入れた丸底フラスコに、ジクロロメタン(5ml)を添加し、続いてトリフルオロ酢酸(0.5ml、6.53mmol)を添加した。溶液を周囲温度で2時間撹拌した。揮発性物質を減圧下で除去して、(R)-5-(3-((4-(3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)-4-(トリフルオロメチル)ピリダジン-3(2H)-オン(P-0053)を得た。MS(ESI)[M+H=422.0.
【0674】
例3
【化18】
【0675】
工程1:5-((R)-3-((4-ブロモ-5-クロロピリジン-2-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)-4-クロロ-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)ピリダジン-3(2H)-オン13の調製:バイアル内で、N,N-ジメチルホルムアミド(5ml)中の4-クロロ-5-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-2-テトラヒドロピラン-2-イル-ピリダジン-3-オン(3、0.30g、1.0mmol)及び炭酸セシウム(1.27g、4.0mmol)に、4-ブロモ-5-クロロ-2-フルオロ-ピリジン(0.27g、1.28mmol)を添加した。反応混合物を室温で3日間撹拌した。反応物を濾過して炭酸セシウムを除去した。揮発性物質を真空下で除去した。この物質をシリカゲルに直接装填し、順相フラッシュカラムクロマトグラフィー(12gシリカゲルカラム、ヘキサン中0~100%酢酸エチル)によって精製した。この精製により、5-((R)-3-((4-ブロモ-5-クロロピリジン-2-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)-4-クロロ-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)ピリダジン-3(2H)-オン(13)を得た。MS(ESI)[M+H=488.8.
【0676】
工程2:4-クロロ-5-((R)-3-((5-クロロ-4-(4-(ピロリジン-1-イルスルホニル)フェニル)ピリジン-2-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)ピリダジン-3(2H)-オン14の調製:10mLマイクロウェーブバイアル中で、1,4-ジオキサン(2ml)中の5-[(3R)-3-[(4-ブロモ-5-クロロ-2-ピリジル)オキシ]ピロリジン-1-イル]-4-クロロ-2-テトラヒドロピラン-2-イル-ピリダジン-3-オン(13、50mg、0.1mmol)、(4-ピロリジン-1-イルスルホニルフェニル)ボロン酸(40mg、0.16mmol)及びジクロロ(1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)パラジウム(II)アセトン付加物(15mg、0.019mmol)に、水中1M炭酸カリウム(1ml、1mmol)を添加した。反応混合物を100℃に予熱した油浴中で直ちに100℃に加熱した。反応物を温度で5分間撹拌した。冷却した反応混合物に、水及び酢酸エチルを添加した。有機層を分離し、水及びブラインで洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させた。揮発性物質を5gのシリカゲル上で真空下で除去した。次いで、粗製物質を順相フラッシュカラムクロマトグラフィー(12gシリカゲルカラム、ジクロロメタン中0~100%酢酸エチル)によって精製した。この精製により、4-クロロ-5-[(3R)-3-[[5-クロロ-4-(4-ピロリジン-1-イルスルホニルフェニル)-2-ピリジル]オキシ]ピロリジン-1-イル]-2-テトラヒドロピラン-2-イル-ピリダジン-3-オン(14)を得た。MS(ESI)[M+H=620.0.
【0677】
工程3:(R)-4-クロロ-5-(3-((5-クロロ-4-(4-(ピロリジン-1-イルスルホニル)フェニル)ピリジン-2-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)ピリダジン-3(2H)-オン(P-0250)の調製:40mLバイアル中で、1,4-ジオキサン(2ml)中の4-クロロ-5-[(3R)-3-[[5-クロロ-4-(4-ピロリジン-1-イルスルホニルフェニル)-2-ピリジル]オキシ]ピロリジン-1-イル]-2-テトラヒドロピラン-2-イル-ピリダジン-3-オン(14、40mg、0.064mmol)に塩酸(1,4-ジオキサン中4M、9mL、36mmol)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。揮発性物質を真空下で除去した。粗物質を分取HPLC(C18カラム、0~60%B、A:99.9%HO、0.1%HCOH、B:99.9%CHCN、0.1%HCOH)によって直接精製した。この精製により、(R)-4-クロロ-5-(3-((5-クロロ-4-(4-(ピロリジン-1-イルスルホニル)フェニル)ピリジン-2-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)ピリダジン-3(2H)-オン(P-0250)を得た。MS(ESI)[M+H=535.9.
【0678】
例4
【化19】
【0679】
工程1:5-[(3R)-3-(3-ブロモフェノキシ)ピロリジン-1-イル]-4-クロロ-2-テトラヒドロピラン-2-イル-ピリダジン-3-オン15の調製:20mLのマイクロウェーブバイアルに、4-クロロ-5-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-2-テトラヒドロピラン-2-イル-ピリダジン-3-オン(3、0.30g、1.0mmol)、1-ブロモ-3-ヨードベンゼン(0.19ml、1.5mmol)、ヨウ化第一銅(10mg、0.05mmol)、3,4,7,8-テトラメチル-1,10-フェナントロリン(24mg、0.1mmol)、炭酸セシウム(489mg、1.5mmol)及びトルエン(5ml)を添加した。バイアルを密封し、脱気し、窒素雰囲気下で120℃で18時間撹拌した。反応混合物をブライン上に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、シリカゲル上で蒸発させた。反応物を順相フラッシュカラムクロマトグラフィー(24gシリカゲルカラム、ヘキサン中0~100%酢酸エチル)によって精製して、5-[(3R)-3-(3-ブロモフェノキシ)ピロリジン-1-イル]-4-クロロ-2-テトラヒドロピラン-2-イル-ピリダジン-3-オン(15)を得た。MS(ESI)[M+H=453.9.
【0680】
工程2:(R)-4-クロロ-5-(3-(3-(1,3,5トリメチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェノキシ)ピロリジン-1-イル)ピリダジン-3(2H)-オン(P-0200)の調製:5mLのマイクロウェーブバイアルに、5-[(3R)-3-(3-ブロモフェノキシ)ピロリジン-1-イル]-4-クロロ-2-テトラヒドロピラン-2-イル-ピリダジン-3-オン(15、0.15g、0.33mmol)、1,3,5-トリメチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピラゾール(0.12g、0.50mmol)、ジクロロ(1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)パラジウム(II)アセトン付加物(0.026g、0.033mmol)、炭酸カリウム水溶液(1M、0.66ml、0.66mmol)及び1,4-ジオキサン(2ml)を添加した。バイアルを密封し、100℃で30分間照射した。反応物を濾過し、シリカゲル上で蒸発させ、逆相フラッシュカラムクロマトグラフィー(30gのC18カラム、0~70%B、A:99.9%HO、0.1%HCOH、B:99.9%CHCN、0.1%HCOH)によって精製した。この精製により、THP保護された中間体を得た。保護された中間体をジクロロメタン(2mL)に溶解し、塩酸(1,4-ジオキサン中4M、0.80ml、3.2mmol)で処理した。反応物を室温で2時間撹拌し、蒸発乾固させ、(R)-4-クロロ-5-(3-(3-(1,3,5トリメチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェノキシ)ピロリジン-1-イル)ピリダジン-3(2H)-オン(P-0200)を得た。MS(ESI)[M+H=400.0.
【0681】
例5
【化20】
【0682】
工程1:4-(6-クロロピリダジン-4-イル)-3,5-ジメチルイソオキサゾール17の調製:5mLのマイクロウェーブバイアルに、5-ブロモ-3-クロロ-ピリダジン(16、0.1g、0.52mmol)、3,5-ジメチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イソオキサゾール(0.14g、0.62mmol)、ジクロロ(1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)パラジウム(II)アセトン付加物(0.04g、0.05mmol)、1M炭酸カリウム水溶液(1.03ml)及び1,4-ジオキサン(2ml)を添加した。バイアルを密封し、脱気し、100℃で30分間照射した。反応物をシリカゲル上で蒸発させ、逆相フラッシュカラムクロマトグラフィー(30gのC18カラム、0~70%B、A:99.9%HO、0.1%HCOH、B:99.9%CHCN、0.1%HCOH)によって精製して、4-(6-クロロピリダジン-4-イル)-3,5-ジメチルイソオキサゾール(17)を得た。MS(ESI)[M+H=210.0.
【0683】
工程2:(R)-4-クロロ-5-(3-((5-(3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-イル)ピリダジン-3-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)ピリダジン-3(2H)-オン(P-0160)の調製:20mLのシンチレーションバイアルに、4-クロロ-5-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-2-テトラヒドロピラン-2-イル-ピリダジン-3-オン(3、0.10g、0.33mmol)、4-(6-クロロピリダジン-4-イル)-3,5-ジメチル-イソオキサゾール(17、0.070g、0.33mmol)及びN,N-ジメチルホルムアミド(5mL)を添加した。水素化ナトリウム(鉱油中60%、16mg、0.67mmol)を添加し、反応物を室温で2時間撹拌した。反応物をシリカゲル上で蒸発させ、逆相フラッシュカラムクロマトグラフィー(30gのC18カラム、0~70%B、A:99.9%HO、0.1%HCOH、B:99.9%CHCN、0.1%HCOH)によって精製して、THP保護された中間体を得た。THP保護された中間体をジクロロメタン(5mL)に溶解し、塩酸(1,4-ジオキサン中4M、0.83mL、3.3mmol)で処理し、室温で2時間撹拌した。反応物をシリカゲル上で蒸発させ、逆相フラッシュカラムクロマトグラフィー(30gのC18カラム、0~50%B、A:99.9%HO、0.1%HCOH、B:99.9%CHCN、0.1%HCOH)によって精製して、(R)-4-クロロ-5-(3-((5-(3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-イル)ピリダジン-3-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)ピリダジン-3(2H)-オン(P-0160)を得た。MS(ESI)[M+H=389.0.
【0684】
例6
【化21】
【0685】
工程1:4-クロロ-5-((R)-3-((6-クロロピリミジン-4-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)ピリダジン-3(2H)-オン18の調製:250mL丸底フラスコ中で、4-クロロ-5-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-2-テトラヒドロピラン-2-イル-ピリダジン-3-オン(3、3.0g、10.0mmol)、4,6-ジクロロピリミジン(2.98g、20.0mmol)及びN,N-ジメチルホルムアミド(100mL)を合わせた。反応混合物を0℃に冷却し、水素化ナトリウム(鉱油中60%、0.48g、20.0mmol)を分割して添加した。反応物を、2時間にわたって室温にゆっくり加温しながら撹拌した。反応物を冷飽和塩化アンモニウムに注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、濾過し、シリカゲル上で蒸発させた。生成物を順相フラッシュカラムクロマトグラフィー(40gシリカゲルカラム、ヘキサン中0~100%酢酸エチル)によって単離して、4-クロロ-5-[(3R)-3-(6-クロロピリミジン-4-イル)オキシピロリジン-1-イル]-2-テトラヒドロピラン-2-イル-ピリダジン-3-オン(18)を得た。MS(ESI)[M+H=412.0.
【0686】
工程2:(R)-4-クロロ-5-(3-((6-(3-(メトキシメチル)-5-メチルイソオキサゾール-4-イル)ピリミジン-4-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)ピリダジン-3(2H)-オン19の調製:5mLのマイクロウェーブバイアル中で、4-クロロ-5-[(3R)-3-(6-クロロピリミジン-4-イル)オキシピロリジン-1-イル]-2-テトラヒドロピラン-2-イル-ピリダジン-3-オン(18、0.10g、0.24mmol)、[3-(メトキシメチル)-5-メチル-イソオキサゾール-4-イル]ボロン酸(0.050g、0.29mmol)、ジクロロ(1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)パラジウム(II)アセトン付加物(0.020g、0.02mmol)、1M炭酸カリウム水溶液(0.49mL、0.49mmol)及び1,4-ジオキサン(3mL)を合わせた。バイアルを窒素雰囲気下に置き、100℃で40分間照射した。反応物をシリカゲル上で蒸発させ、THP保護された中間体を逆相フラッシュカラムクロマトグラフィー(30gのC18カラム、0~70%B、A:99.9%HO、0.1%HCOH、B:99.9%CHCN、0.1%HCOH)によって単離した。中間体をジクロロメタン(5mL)に溶解し、塩酸(1,4-ジオキサン中4M、0.61mL、2.4mmol)で処理し、室温で2時間撹拌した。反応混合物を蒸発乾固し、N,N-ジメチルホルムアミド(2mL)に溶解し、逆相カラムクロマトグラフィー(30gのC18カラム、0~50%B、A:99.9%HO、0.1%HCOH、B:99.9%CHCN、0.1%HCOH)によって精製して、(R)-4-クロロ-5-(3-((6-(3-(メトキシメチル)-5-メチルイソオキサゾール-4-イル)ピリミジン-4-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)ピリダジン-3(2H)-オン(19)を得た。MS(ESI)[M+H=419.0.
【0687】
工程3:(R)-4-クロロ-2-(2-ヒドロキシエチル)-5-(3-((6-(3-(メトキシメチル)-5-メチルイソオキサゾール-4-イル)ピリミジン-4-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)ピリダジン-3(2H)-オン(P-0126)の調製:20mLのシンチレーションバイアル中で、(R)-4-クロロ-5-(3-((6-(3-(メトキシメチル)-5-メチルイソオキサゾール-4-イル)ピリミジン-4-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)ピリダジン-3(2H)-オン(19、0.040g、0.080mmol)、N,N-ジメチルホルムアミド(3mL)、炭酸カリウム(0.020g、0.17mmol)及び2-(2-ブロモエトキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン(0.030ml、0.17mmol)を合わせた。反応物を70℃で3時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、塩酸(1,4-ジオキサン中4M、0.42mL、1.68mmol)を添加し、反応物を2時間撹拌した。反応混合物をシリカゲル上で蒸発させ、生成物を逆相フラッシュカラムクロマトグラフィー(30gのC18カラム、0~50%B、A:99.9%HO、0.1%HCOH、B:99.9%CHCN、0.1%HCOH)によって単離して、(R)-4-クロロ-2-(2-ヒドロキシエチル)-5-(3-((6-(3-(メトキシメチル)-5-メチルイソオキサゾール-4-イル)ピリミジン-4-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)ピリダジン-3(2H)-オン(P-0126)を得た。MS(ESI)[M+H=463.0.
【0688】
例7
【化22】
【0689】
工程1:(R)-4-クロロ-5-(3-((4-(ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)ピリダジン-3(2H)-オン20の調製:5mLの乾燥マイクロウェーブバイアルに、5-[(3R)-3-[(4-ブロモ-2-ピリジル)オキシ]ピロリジン-1-イル]-4-クロロ-2-テトラヒドロピラン-2-イル-ピリダジン-3-オン(4、0.30g、0.66mmol)、tert-ブチルピペラジン-1-カルボキシラート(0.25g、1.32mmol)、(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2-アミノエチル)フェニル)]塩化パラジウム(II)(0.050g、0.07mmol)、炭酸セシウム(0.32g、0.99mmol)、及び1,4-ジオキサン(5mL)を添加した。バイアルを密封し、油浴中で12時間80℃に加熱した。反応物をシリカゲル上で蒸発させ、逆相フラッシュカラムクロマトグラフィー(50gのC18カラム、0~70%B、A:99.9%HO、0.1%HCOH、B:99.9%CHCN、0.1%HCOH)によって精製して、ビス保護された中間体を得た。この物質をジクロロメタン(5mL)に溶解し、塩酸(1,4-ジオキサン中4M、0.82ml、3.3mmol)で処理した。室温で2時間撹拌した後、反応物を蒸発乾固させ、(R)-4-クロロ-5-(3-((4-(ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)ピリダジン-3(2H)-オン(20)を得た。MS(ESI)[M+H=377.0.
【0690】
工程2:(R)-4-(2-((1-(5-クロロ-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-4-イル)ピロリジン-3-イル)オキシ)ピリジン-4-イル)-N-シクロプロピルピペラジン-1-スルホンアミド(P-0231)の調製:20mLのシンチレーションバイアルに、(R)-4-クロロ-5-(3-((4-(ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)ピリダジン-3(2H)-オン(20、0.050g、0.11mmol)、ピリジン(0.88ml、10.9mmol)及びN-シクロプロピルスルファモイルクロリド(0.020g、0.13mmol)を添加した。反応物を室温で2時間撹拌した。反応物をシリカゲル上で蒸発させ、逆相フラッシュカラムクロマトグラフィー(30gのC18カラム、0~50%B、A:99.9%HO、0.1%HCOH、B:99.9%CHCN、0.1%HCOH)によって精製して、(R)-4-(2-((1-(5-クロロ-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-4-イル)ピロリジン-3-イル)オキシ)ピリジン-4-イル)-N-シクロプロピルピペラジン-1-スルホンアミド(P-0231)を得た。MS(ESI)[M+H=496.0.
【0691】
例8
【化23】
【0692】
工程1:5-((R)-3-((4-(4-アミノ-2-フルオロフェニル)ピリジン-2-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)-4-クロロ-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)ピリダジン-3(2H)-オン21の調製:20mLのマイクロウェーブバイアル中で、1,4-ジオキサン(10mL)中の5-[(3R)-3-[(4-ブロモ-2-ピリジル)オキシ]ピロリジン-1-イル]-4-クロロ-2-テトラヒドロピラン-2-イル-ピリダジン-3-オン(4、0.50g、1.1mmol)、3-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)アニリン(0.46g、1.9mmol)及びジクロロ(1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)パラジウム(II)アセトン付加物(0.15g、0.19mmol)に1M炭酸カリウム水溶液(5mL)を添加した。反応混合物を100℃に予熱した油浴中で直ちに100℃に加熱した。反応は5分未満で完了した。反応物を10gのシリカゲル上で濃縮し、逆相フラッシュカラムクロマトグラフィー(50gのC18カラム、0~60%B、A:99.9%HO、0.1%HCOH、B:99.9%CHCN、0.1%HCOH)によって精製して、5-((R)-3-((4-(4-アミノ-2-フルオロフェニル)ピリジン-2-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)-4-クロロ-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)ピリダジン-3(2H)-オン(21)を得た。MS(ESI)[M+H=486.0.
【0693】
工程2:(R)-N-(4-(2-((1-(5-クロロ-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-4-イル)ピロリジン-3-イル)オキシ)ピリジン-4-イル)-3-フルオロフェニル)ベンズアミド(P-0216)の調製:5-((R)-3-((4-(4-アミノ-2-フルオロフェニル)ピリジン-2-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)-4-クロロ-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)ピリダジン-3(2H)-オン(21、40mg、0.082mmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解し、トリエチルアミン(25mg、0.25mmol)を添加した。室温で激しく撹拌しながら、塩化ベンゾイル(14mg、0.099mmol)を一度に添加し、反応物を室温で2時間撹拌した。粗反応物に塩酸(1,4-ジオキサン中4M、2mL、8mmol)を添加し、混合物を室温で30分間撹拌した。次いで、反応物を10gのシリカゲル上で濃縮し、逆相クロマトグラフィー(50gのC18カラム、0~60%B、A:99.9%HO、0.1%HCOH、B:99.9%CHCN、0.1%HCOH)によって精製した。この精製により、(R)-N-(4-(2-((1-(5-クロロ-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-4-イル)ピロリジン-3-イル)オキシ)ピリジン-4-イル)-3-フルオロフェニル)ベンズアミド(P-0216)を得た。MS(ESI)[M+H=506.0.
【0694】
例9
【化24】
【0695】
工程1:5,5’-((3R,3’R)-(ピリジン-3,5-ジイルビス(オキシ))ビス(ピロリジン-3,1-ジイル))ビス(4-クロロ-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)ピリダジン-3(2H)-オン)22の調製:バイアル中で、N,N-ジメチルホルムアミド(5mL)中の4-クロロ-5-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-2-テトラヒドロピラン-2-イル-ピリダジン-3-オン(3、500mg、1.67mmol)、ヨウ化第一銅(20.0mg、0.11mmol)及び3,4,7,8-テトラメチル-1,10-フェナントロリン(0.04ml、0.17mmol)に、3-ブロモ-5-ヨード-ピリジン(500mg、1.76mmol)及び炭酸セシウム(850mg、2.61mmol)を添加した。反応混合物を100℃に16時間加熱した。少量の目的生成物を含む3つの生成物が検出された。粗反応物を濾過し、シリカゲル上で濃縮した。次いで、この物質を順相フラッシュカラムクロマトグラフィー(24gシリカゲルカラム、ジクロロメタン中0~100%酢酸エチル勾配)によって精製した。この精製により、5,5’-((3R,3’R)-(ピリジン-3,5-ジイルビス(オキシ))ビス(ピロリジン-3,1-ジイル))ビス(4-クロロ-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)ピリダジン-3(2H)-オン)(22)を得た。MS(ESI)[M+H=674.1.
【0696】
工程2:5,5’-((3R,3’R)-(ピリジン-3,5-ジイルビス(オキシ))ビス(ピロリジン-3,1-ジイル))ビス(4-クロロピリダジン-3(2H)-オン)(P-0165)の調製:40mLバイアル中で、1,4-ジオキサン(2mL)中の5,5’-((3R,3’R)-(ピリジン-3,5-ジイルビス(オキシ))ビス(ピロリジン-3,1-ジイル))ビス(4-クロロ-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)ピリダジン-3(2H)-オン)(22、40mg、0.060mmol)に塩酸(1,4-ジオキサン中4M、6mL、24mmol)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。揮発性物質を減圧下で除去し、物質を2mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。次いで、この物質を逆相フラッシュカラムクロマトグラフィー(30gのC18カラム、0~50%B、A:99.9%HO、0.1%HCOH、B:99.9%CHCN、0.1%HCOH)によって精製した。この精製により、5,5’-((3R,3’R)-(ピリジン-3,5-ジイルビス(オキシ))ビス(ピロリジン-3,1-ジイル))ビス(4-クロロピリダジン-3(2H)-オン)(P-0165)を得た。MS(ESI)[M+H=505.9.
【0697】
例10
【化25】
【0698】
工程1:4-クロロ-5-((R)-3-((4-(3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)ピリダジン-3(2H)-オン23の調製:10mLのマイクロウェーブバイアル中で、1,4-ジオキサン(4mL)中の5-[(3R)-3-[(4-ブロモ-2-ピリジル)オキシ]ピロリジン-1-イル]-4-クロロ-2-テトラヒドロピラン-2-イル-ピリダジン-3-オン(4、0.20g、0.44mmol)、3,5-ジメチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イソオキサゾール(0.20g、0.90mmol)及びジクロロ(1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)パラジウム(II)アセトン付加物(0.050g、0.060mmol)に1M炭酸カリウム水溶液(2mL、2.0mmol)を添加した。反応混合物を100℃に予熱した油浴中で直ちに100℃に加熱した。反応は5分未満で完了した。反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及びブラインで洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層をシリカゲル上で濃縮し、順相フラッシュカラムクロマトグラフィー(12gシリカゲルカラム、ジクロロメタン中0~100%酢酸エチル勾配)によって精製した。この精製により、4-クロロ-5-((R)-3-((4-(3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)ピリダジン-3(2H)-オン(23)を得た。MS(ESI)[M+H=472.3.
【0699】
工程2:(R)-5-(3-((4-(3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)-3-オキソ-2,3-ジヒドロピリダジン-4-カルボニトリル(P-0065)の調製:バイアル中で、4-クロロ-5-((R)-3-((4-(3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)ピリダジン-3(2H)-オン(23、156mg、0.33mmol)に、N,N-ジメチルアセトアミド(5mL)を添加した。溶液をアルゴンでバブリングすることによって脱気した。この溶液に、アルゴン下、室温で亜鉛末(10mg、0.15mmol)、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(16mg、0.030mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(15mg、0.030mmol)及びシアン化亜鉛(50mg、0.43mmol)を添加した。混合物を120℃で20時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液(飽和)に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及びブラインで洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液をシリカゲル上で濃縮し、順相フラッシュカラムクロマトグラフィー(12gシリカゲルカラム、ジクロロメタン中0~80%酢酸エチル勾配、続いてジクロロメタン中0~10%メタノール勾配)によって精製した。粗THP保護された生成物を回収し、残渣を1,4-ジオキサン(2mL)に溶解し、塩酸(1,4-ジオキサン中4M、8mL、32mmol)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。反応物を濃縮し、次いで、2mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。この溶液を逆相フラッシュカラムクロマトグラフィー(30gのC18カラム、0~50%B、A:99.9%HO、0.1%HCOH、B:99.9%CHCN、0.1%HCOH)によって精製して、(R)-5-(3-((4-(3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)-3-オキソ-2,3-ジヒドロピリダジン-4-カルボニトリル(P-0065)を得た。MS(ESI)[M+H=379.3.
【0700】
例11
【化26】
【0701】
工程1:4-クロロ-5-[(3R)-3-[[4-(3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2-ピリジル]オキシ]ピロリジン-1-イル]-2-テトラヒドロピラン-2-イル-ピリダジン-3-オン24の調製:250mL丸底フラスコ中で、1,4-ジオキサン(50ml)中の5-[(3R)-3-[(4-ブロモ-2-ピリジル)オキシ]ピロリジン-1-イル]-4-クロロ-2-テトラヒドロピラン-2-イル-ピリダジン-3-オン(4、2.0g,4.39mmol)、3,5-ジメチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(1.46g、6.6mmol)及びジクロロ(1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)パラジウム(II)アセトン付加物(0.35g、0.44mmol)に1M炭酸カリウム水溶液(13mL、13mmol)を添加した。反応混合物を100℃に予熱した油浴中で直ちに100℃に加熱した。反応物を100℃で4時間撹拌した。次いで、反応物を50gのシリカゲル上で濃縮し、逆相フラッシュクロマトグラフィー(150gのC18カラム、0~50%B、A:99.9%HO、0.1%HCOH、B:99.9%CHCN、0.1%HCOH)によって精製した。この精製により、4-クロロ-5-[(3R)-3-[[4-(3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2-ピリジル]オキシ]ピロリジン-1-イル]-2-テトラヒドロピラン-2-イル-ピリダジン-3-オン(24)を得た。MS(ESI)[M+H=471.3.
【0702】
工程2:2-[4-[2-[(3R)-1-(5-クロロ-6-オキソ-1H-ピリダジン-4-イル)ピロリジン-3-イル]オキシ-4-ピリジル]-3,5-ジメチル-ピラゾール-1-イル]酢酸25の調製:4-クロロ-5-[(3R)-3-[[4-(3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2-ピリジル]オキシ]ピロリジン-1-イル]-2-テトラヒドロピラン-2-イル-ピリダジン-3-オン(24、250mg、0.53mmol)及びtert-ブチル2-ブロモアセタート(207mg、1.1mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(5mL)に溶解し、水素化ナトリウム(鉱油中60%、42mg、1.1mmol)を添加した。反応物を室温で15時間一晩撹拌した。反応物を10gのシリカゲル上で濃縮し、順相フラッシュカラムクロマトグラフィー(12gシリカゲルカラム、ヘキサン中0~100%酢酸エチル)によって精製した。この精製により、中間体ビス保護された生成物を得た。この物質をジクロロメタン20mLに溶解し、塩酸(1,4-ジオキサン中4M、5mL、20mmol)を添加した。反応物を室温で30分間撹拌した。反応物を濃縮して、2-[4-[2-[(3R)-1-(5-クロロ-6-オキソ-1H-ピリダジン-4-イル)ピロリジン-3-イル]オキシ-4-ピリジル]-3,5-ジメチル-ピラゾール-1-イル]酢酸(25)を得た。MS(ESI)[M+H=445.2.
【0703】
工程3:(R)-2-(4-(2-((1-(5-クロロ-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-4-イル)ピロリジン-3-イル)オキシ)ピリジン-4-イル)-3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-1-イル)-N-シクロプロピルアセトアミドP-0042の調製:2-[4-[2-[(3R)-1-(5-クロロ-6-オキソ-1H-ピリダジン-4-イル)ピロリジン-3-イル]オキシ-4-ピリジル]-3,5-ジメチル-ピラゾール-1-イル]酢酸(25、50mg、0.112mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(1mL)に溶解し、HBTU(55mg、0.10mmol)及びシクロプロピルアミン(26mg、0.45mmol)を添加した。室温で激しく撹拌しながら、トリエチルアミン(45mg、0.45mmol)を一度に添加し、反応物を15時間一晩撹拌した。次いで、反応物を逆相フラッシュカラムクロマトグラフィー(50gのC18カラム、0~50%B、A:99.9%HO、0.1%HCOH、B:99.9%CHCN、0.1%HCOH)によって直接精製した。この精製により、(R)-2-(4-(2-((1-(5-クロロ-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-4-イル)ピロリジン-3-イル)オキシ)ピリジン-4-イル)-3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-1-イル)-N-シクロプロピルアセトアミド(P-0042)を得た。MS(ESI)[M+H=484.3.
【0704】
例12
【化27】
【0705】
工程1:4-クロロ-5-[(3R)-3-[[4-(3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2-ピリジル]オキシ]ピロリジン-1-イル]-2-テトラヒドロピラン-2-イル-ピリダジン-3-オン24の調製:250mL丸底フラスコ中で、1,4-ジオキサン(50ml)中の5-[(3R)-3-[(4-ブロモ-2-ピリジル)オキシ]ピロリジン-1-イル]-4-クロロ-2-テトラヒドロピラン-2-イル-ピリダジン-3-オン(4、2.0g,4.39mmol)、3,5-ジメチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(1.46g、6.6mmol)及びジクロロ(1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)パラジウム(II)アセトン付加物(0.35g、0.44mmol)に1M炭酸カリウム水溶液(13mL、13mmol)を添加した。反応混合物を100℃に予熱した油浴中で直ちに100℃に加熱した。反応物を100℃で4時間撹拌した。次いで、反応物を50gのシリカゲル上で濃縮し、逆相フラッシュクロマトグラフィー(150gのC18カラム、0~50%B、A:99.9%HO、0.1%HCOH、B:99.9%CHCN、0.1%HCOH)によって精製した。この精製により、4-クロロ-5-[(3R)-3-[[4-(3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2-ピリジル]オキシ]ピロリジン-1-イル]-2-テトラヒドロピラン-2-イル-ピリダジン-3-オン(24)を得た。MS(ESI)[M+H=471.3.
【0706】
工程2:3-((4-(2-(((3R)-1-(5-クロロ-6-オキソ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1,6-ジヒドロピリダジン-4-イル)ピロリジン-3-イル)オキシ)ピリジン-4-イル)-3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボニトリル26の調製:バイアル中で、N,N-ジメチルホルムアミド(2mL)中の4-クロロ-5-[(3R)-3-[[4-(3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2-ピリジル]オキシ]ピロリジン-1-イル]-2-テトラヒドロピラン-2-イル-ピリダジン-3-オン(24、0.060g、0.13mmol)に水素化ナトリウム(鉱油中60%、0.010g、0.34mmol)を添加した。反応物を室温で15分間撹拌した。このとき、(3-シアノビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)メチル4-メチルベンゼンスルホナート(0.060g、0.22mmol)を添加し、室温で16時間撹拌した。反応物を濾過して不溶性物質を除去し、シリカゲル上で濃縮した。次いで、この物質を順相フラッシュカラムクロマトグラフィー(12gシリカゲルカラム、ジクロロメタン中0~100%酢酸エチル勾配)によって精製した。この精製により、3-((4-(2-(((3R)-1-(5-クロロ-6-オキソ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1,6-ジヒドロピリダジン-4-イル)ピロリジン-3-イル)オキシ)ピリジン-4-イル)-3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボニトリル(26)を得た。MS(ESI)[M+H=576.3.
【0707】
工程3:(R)-3-((4-(2-((1-(5-クロロ-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-4-イル)ピロリジン-3-イル)オキシ)ピリジン-4-イル)-3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボニトリル27の調製:40mLのバイアル中で、ジクロロメタン(10mL)中の3-((4-(2-(((3R)-1-(5-クロロ-6-オキソ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1,6-ジヒドロピリダジン-4-イル)ピロリジン-3-イル)オキシ)ピリジン-4-イル)-3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボニトリル(26、48mg、0.080mmol)にトリフルオロ酢酸(1mL)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応物を減圧下で濃縮し、2mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。次いで、この溶液を逆相フラッシュカラムクロマトグラフィー(30gのC18カラム、0~50%B、A:99.9%HO、0.1%HCOH、B:99.9%CHCN、0.1%HCOH)によって精製した。この精製により、(R)-3-((4-(2-((1-(5-クロロ-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-4-イル)ピロリジン-3-イル)オキシ)ピリジン-4-イル)-3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボニトリル(27)を得た。MS(ESI)[M+H=492.3.
【0708】
工程4:(R)-3-((4-(2-((1-(5-クロロ-1-(2-ヒドロキシエチル)-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-4-イル)ピロリジン-3-イル)オキシ)ピリジン-4-イル)-3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボニトリル(P-0036)の調製:バイアル中で、N,N-ジメチルホルムアミド(2mL)中の(R)-3-((4-(2-((1-(5-クロロ-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-4-イル)ピロリジン-3-イル)オキシ)ピリジン-4-イル)-3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボニトリル(27、18mg、0.040mmol)に、炭酸カリウム(0.15g、1.1mmol)及び2-(2-ブロモエトキシ)テトラヒドロピラン(50mg、0.24mmol)を添加した。反応混合物を60℃に16時間加熱した。反応物を濾過して不溶性物質を除去し、減圧下で濃縮した。この物質にジクロロメタン(8mL)及びトリフルオロ酢酸(1mL)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応物を減圧下で濃縮し、2mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。この溶液を逆相フラッシュカラムクロマトグラフィー(30gのC18カラム、0~50%B、A:99.9%HO、0.1%HCOH、B:99.9%CHCN、0.1%HCOH)によって精製した。この精製により、(R)-3-((4-(2-((1-(5-クロロ-1-(2-ヒドロキシエチル)-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-4-イル)ピロリジン-3-イル)オキシ)ピリジン-4-イル)-3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボニトリル(P-0036)を得た。MS(ESI)[M+H=536.3.
【0709】
例13
【化28】
【0710】
工程1:5-((3R)-3-((4-(4-アセチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)-4-クロロピリダジン-3(2H)-オン(P-0070)の調製:小さなガラスバイアル中の5-[(3R)-3-[(4-ブロモ-2-ピリジル)オキシ]ピロリジン-1-イル]-4-クロロ-2-テトラヒドロピラン-2-イル-ピリダジン-3-オン(4、0.10g、0.22mmol)、1-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)シクロヘキサ-3-エン-1-イル]1-エタノン(0.080g、0.33mmol)及びジクロロ(1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)パラジウム(II)アセトン付加物(0.020g、0.020mmol)の混合物に、1,4-ジオキサン(3mL)を添加した。バイアルに蓋をし、窒素で5分間パージし、次いで油浴中100℃で加熱した。炭酸カリウム水溶液(1M、0.44mL、0.44mmol)を添加し、混合物を100℃で150分間加熱した。粗反応物をセライト上で濃縮し、順相フラッシュカラムクロマトグラフィー(12gシリカゲルカラム、ヘキサン中0~80%酢酸エチル勾配)によって精製した。この精製により、中間体THP保護された生成物を得た。この物質をジクロロメタン(3mL)に溶解し、塩酸(酢酸エチル中1M、2.2mL、2.2mmol)で処理した。次いで、反応物を室温で2時間撹拌した。反応物を濃縮し、アセトニトリル/水(1:1、4mL)に再溶解し、次いで、逆相フラッシュカラムクロマトグラフィー(30gのC18カラム、5~100%B、A:99.9%HO、0.1%HCOH、B:99.9%CHCN、0.1%HCOH)によって精製した。この精製により、5-((3R)-3-((4-(4-アセチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)-4-クロロピリダジン-3(2H)-オン(P-0070)を得た。MS(ESI)[M+H=415.3.
【0711】
例14
【化29】
【0712】
工程1:(R)-4-クロロ-5-(3-((4-(2,2-ジフルオロ-7-アザスピロ[3.5]ノナン-7-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)ピリダジン-3(2H)-オン(P-0024)の調製:5-[(3R)-3-[(4-ブロモ-2-ピリジル)オキシ]ピロリジン-1-イル]-4-クロロ-2-テトラヒドロピラン-2-イル-ピリダジン-3-オン(4、0.10g、0.22mmol)、2,2-ジフルオロ-7-アザスピロ[3.5]ノナン塩酸塩(0.070g、0.33mmol)、ruphos palladacycle GEN4(0.040g、0.040mmol)、ナトリウムtert-ブトキシド(0.060g、0.66mmol)及びトルエン(2mL)をマイクロウェーブバイアルに添加した。次いで、バイアルに蓋をし、窒素でパージし、マイクロウェーブ反応器中で150℃まで45分間加熱した。粗反応物をセライト上で濃縮し、逆相フラッシュカラムクロマトグラフィー(30gのC18カラム、5~80%B、A:99.9%HO、0.1%HCOH、B:99.9%CHCN、0.1%HCOH)によって精製した。この精製により、中間体THP保護された生成物を得た。この物質をジクロロメタン(2mL)に溶解し、塩酸(酢酸エチル中1M、1.0mL、1.0mmol)で処理した。次いで、反応物を室温で90分間撹拌した。反応物を濃縮し、アセトニトリル/水(1:1、2mL)に再溶解し、次いで、逆相フラッシュカラムクロマトグラフィー(30gのC18カラム、5~80%B、A:99.9%HO、0.1%HCOH、B:99.9%CHCN、0.1%HCOH)によって精製した。この精製により、(R)-4-クロロ-5-(3-((4-(2,2-ジフルオロ-7-アザスピロ[3.5]ノナン-7-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)ピリダジン-3(2H)-オン(P-0024)を得た。MS(ESI)[M+H=452.2.
【0713】
例15
【化30】
【0714】
工程1:4-クロロ-5-((3R)-3-((4-(8-メチル-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)ピリダジン-3(2H)-オン(P-0004)の調製:5-[(3R)-3-[(4-ブロモ-2-ピリジル)オキシ]ピロリジン-1-イル]-4-クロロ-2-テトラヒドロピラン-2-イル-ピリダジン-3-オン(4、0.10g、0.22mmol)、8-メチル-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン塩酸塩(0.054g、0.33mmol)、ナトリウムtert-ブトキシド(0.084g、0.88mmol)、ruphos palladacycle GEN4(0.037g、0.044mmol)及びトルエン(2mL)をマイクロウェーブバイアルに添加した。次いで、バイアルに蓋をし、窒素でパージし、マイクロウェーブ反応器中で150℃まで30分間加熱した。粗反応物をセライト上で濃縮し、逆相フラッシュカラムクロマトグラフィー(30gのC18カラム、5~80%B、A:99.9%HO、0.1%HCOH、B:99.9%CHCN、0.1%HCOH)によって精製した。この精製により、中間体THP保護された生成物を得た。この物質をジクロロメタン(1mL)に溶解し、塩酸(酢酸エチル中1M、0.5mL、0.5mmol)で処理した。次いで、反応物を室温で60分間撹拌した。反応物を濃縮し、アセトニトリル/水(1:1、2mL)に再溶解し、次いで、逆相フラッシュカラムクロマトグラフィー(15gのC18カラム、5~80%B、A:99.9%HO、0.1%HCOH、B:99.9%CHCN、0.1%HCOH)によって精製した。この精製により、4-クロロ-5-((3R)-3-((4-(8-メチル-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)ピリダジン-3(2H)-オン(P-0004)を得た。MS(ESI)[M+H=417.3.
【0715】
以下に列挙される表1の全ての化合物は、本開示に記載される合成例に従って、及び当業者が商業的に又は他の方法で得ることができる出発物質の任意の必要な置換を行うことによって生成することができる。
【表2-1】

【表2-2】

【表2-3】

【表2-4】

【表2-5】

【表2-6】

【表2-7】

【表2-8】

【表2-9】

【表2-10】

【表2-11】

【表2-12】

【表2-13】

【表2-14】

【表2-15】

【表2-16】

【表2-17】

【表2-18】

【表2-19】

【表2-20】

【表2-21】

【表2-22】

【表2-23】

【表2-24】

【表2-25】

【表2-26】

【表2-27】

【表2-28】

【表2-29】

【表2-30】

【表2-31】

【表2-32】
【0716】
生物学的例
生物学的試験方法
本開示の化合物を、以下のアッセイを使用して試験した。
【0717】
CD73酵素アッセイ
CD73酵素活性を、Promega製のCellTiter-Glo(登録商標)システムを使用したルシフェラーゼに基づく間接アッセイで測定した。ATPの存在下でのルシフェラーゼ反応は、CD73の一次基質であるAMPによって阻害される。CD73酵素を反応に添加すると、AMPがアデノシンに変換され、阻害が解除され、発光シグナルが生成される。CD73の阻害は、この発光シグナルの減少をもたらす。
【0718】
N末端Hisタグを有するヒトCD73(アミノ酸残基27~549)を大腸菌(E.coli)で精製した。全てのアッセイ成分を、0.01%Tween-20を含む50mM HEPEs緩衝液(pH7.4)中で調製した。CD73酵素アッセイは、0.4nM CD73及び150μM AMPを使用して行った。1μLの様々な濃度の試験化合物又はDMSOビヒクルを含む384ウェルプレートのウェルに、9.5μLのCD73タンパク質及び9.5μLのAMPを添加し、室温で1時間インキュベートした。CD73、AMP及び5%DMSOを含む16ウェルを高対照として使用した。AMP及び5%DMSOを含む16ウェルを低対照として使用した。酵素反応を停止させ、5μLのCellTiter-Glo(登録商標)2.0試薬及び5μLのATPを最終濃度1μMで添加することによってAMPレベルを間接的に測定した。プレートを室温で30分間インキュベートした後、Tecanプレートリーダで発光シグナルを読み取った。高対照及び低対照に対する個々の濃度での阻害率を計算した。IC50値を生成するために非線形回帰を使用することによって、データを分析した。
【0719】
細胞ベースのアッセイでCD73に対する阻害剤活性を決定する
CMVプロモータの制御下でヒトCD73を発現するプラスミドの安定なトランスフェクションにより、CD73発現CHO-K1細胞クローンを作製した。5%CO2を供給した加湿インキュベータ中、37℃で10%ウシ胎児血清及び1mg/ml G418を補充したHam’s F-12K(Kaighn’s)培地で細胞を選択した。アッセイは以下のように行った。50μLの培養培地中の96ウェルプレートに、1×10/ウェルの密度で細胞を播種した。5mMの最大濃度の化合物を、合計8点の滴定のためにDMSO中で1:3に段階希釈した。各希釈点の2μLアリコートを248μLの培養培地に添加し、25μLを各ウェルに添加して、最大濃度点で10μMの化合物を得た。AMPを培地で希釈し、25μLを最終濃度150μMで各ウェルに添加した。0.2%DMSO処理細胞及びAMPを含む4つのウェルを高対照として使用し、0.2%DMSO及びAMPのみを含む培地を含む4つのウェルを低対照として使用した。4時間のインキュベーション後、20μLの上清を384ウェルプレートに移した。5μLのCellTiter-Glo(登録商標)2.0試薬及び5μLのATPを最終濃度1μMで添加することによって、上清中のAMPレベルを間接的に測定した。プレートを室温で30分間インキュベートした後、Tecanプレートリーダで発光シグナルを読み取った。高対照及び低対照に対する個々の濃度での阻害率を計算した。IC50値を生成するために非線形回帰を使用することによって、データを分析した。
【0720】
以下の表2は、表1の本明細書に記載の例示的化合物の生化学的及び/又は細胞阻害活性を示すデータを提供する。以下の表2では、活性は以下のように提供される。+++=0.001μM<IC50<10μM、++=10μM<IC50<100μM、+=100μM<IC50<1000μM。
【表3-1】

【表3-2】

【表3-3】

【表3-4】

【表3-5】

【表3-6】

【表3-7】

【表3-8】

【表3-9】
【0721】
本明細書で引用される全ての特許及び他の参考文献は、本開示が関連する当業者の技術レベルを示し、各参考文献がその全体において個別に参照により組み込まれているのと同じ程度に、任意の表及び図を含むそれらの全体が参照により組み込まれる。
【0722】
当業者は、本開示が、言及された目的及び利点、並びにそれらに固有のものを得るようによく適合されていることを容易に理解するであろう。本明細書に記載の方法、分散、組成物及び実施形態は例示であり、本開示の範囲に対する限定として意図されていない。その中の変更及び他の使用が当業者には思い浮かぶであろうが、それらは本開示の精神の範囲内に含まれる。
【0723】
本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく、本明細書に記載の本開示に対して様々な置換及び修正を行うことができることは、当業者には容易に明らかであろう。例えば、本開示の更なる化合物を提供するために変形を行うことができ、及び/又は様々な投与方法を使用することができる。したがって、そのような追加の実施形態は、本開示及び以下の特許請求の範囲の範囲内である。
【0724】
本明細書に例示的に記載された本開示は、本明細書に具体的に記載されていない要素(element)、要素(elements)、制限(limitation)、又は制限(limitations)がない状態で適切に実施することができる。使用された用語及び表現は、限定ではなく説明の用語として使用され、そのような用語及び表現の使用において、示され説明された特徴又はその一部の均等物を除外する意図はないが、特許請求される開示の範囲内で様々な修正が可能であることが認識される。したがって、本開示は実施形態及び任意の特徴によって具体的に説明されているが、本明細書に記載の概念の修正及び変形は当業者によって使用されてもよく、そのような修正及び変形は、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の範囲内にあると見なされることを理解されたい。
【0725】
更に、本開示の特徴又は態様が代案のグループ化に関して記載されている場合、当業者は、本開示がそれによって本明細書に記載のグループの任意の個々のメンバー又はメンバーのサブグループに関しても記載されていることを認識するであろう。
【0726】
また、そうではないと示されない限り、様々な数値が実施形態について提供される場合、追加の実施形態は、任意の2つの異なる値を範囲の終点として採用することによって説明される。そのような範囲も本開示の範囲内である。
【0727】
したがって、追加の実施形態は、本開示の範囲内及び以下の特許請求の範囲内にある。
【国際調査報告】