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特表2023-522982アルキレングリコールエステルを含有する相乗的保存剤/パーソナルケア組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-01
(54)【発明の名称】アルキレングリコールエステルを含有する相乗的保存剤/パーソナルケア組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/39 20060101AFI20230525BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20230525BHJP
   A01N 31/08 20060101ALI20230525BHJP
   A01N 31/04 20060101ALI20230525BHJP
   A01N 33/04 20060101ALI20230525BHJP
   A01N 33/12 20060101ALI20230525BHJP
   A01N 37/10 20060101ALI20230525BHJP
   A01N 37/36 20060101ALI20230525BHJP
   A01N 43/80 20060101ALI20230525BHJP
   A01N 37/06 20060101ALI20230525BHJP
   A01N 43/16 20060101ALI20230525BHJP
   A61K 8/33 20060101ALI20230525BHJP
   A61K 8/41 20060101ALI20230525BHJP
   A61K 8/36 20060101ALI20230525BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20230525BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20230525BHJP
   A61K 8/00 20060101ALI20230525BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20230525BHJP
【FI】
A61K8/39
A01P3/00
A01N31/08
A01N31/04
A01N33/04
A01N33/12
A01N37/10
A01N37/36
A01N43/80 102
A01N37/06
A01N43/16 B
A61K8/33
A61K8/41
A61K8/36
A61K8/34
A61K8/49
A61K8/00
A61K8/86
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022564238
(86)(22)【出願日】2021-04-22
(85)【翻訳文提出日】2022-12-19
(86)【国際出願番号】 EP2021060549
(87)【国際公開番号】W WO2021214234
(87)【国際公開日】2021-10-28
(31)【優先権主張番号】20171210.6
(32)【優先日】2020-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504280067
【氏名又は名称】アーチ・ユーケイ・バイオサイズ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クラーク,ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】レイ,ルイーズ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス,サマンサ・ジェーン
(72)【発明者】
【氏名】ローバック,フィリップ・ルイス
(72)【発明者】
【氏名】キャンベル,ジェイク
(72)【発明者】
【氏名】ショー,ニール・スコット
【テーマコード(参考)】
4C083
4H011
【Fターム(参考)】
4C083AB032
4C083AB332
4C083AC012
4C083AC072
4C083AC122
4C083AC151
4C083AC171
4C083AC172
4C083AC271
4C083AC301
4C083AC302
4C083AC311
4C083AC401
4C083AC402
4C083AC531
4C083AC642
4C083AC691
4C083AC841
4C083AC861
4C083AD352
4C083CC04
4C083CC33
4C083EE01
4H011AA01
4H011AA03
4H011AA04
4H011BA02
4H011BB03
4H011BB04
4H011BB06
4H011BB08
4H011BB10
4H011BC06
4H011DA13
4H011DF04
(57)【要約】
保存剤及びアルキレングリコールエステルを含有する保存剤組成物を提供する。また、保存剤の効力を増加させるための方法、及び最終用途製剤において有効な保存活性に必要な保存剤の最小量を減少させるための方法も提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)フェノキシエタノール、ビス(3-アミノプロピル)ドデシルアミン、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、安息香酸ナトリウム、乳酸、ベンジルアルコール、ベンゾイソチアゾリノン、ソルビン酸、及びデヒドロ酢酸、又はその塩からなる群から選択される保存剤、及び
(ii)(a)アルキレングリコールと、(b)約6~14個の炭素原子を有する脂肪酸とから誘導される少なくとも1つのアルキレングリコールエステル
を含む保存剤組成物であって、
前記少なくとも1つのアルキレングリコールエステルが、前記保存剤単独と比較して前記保存剤の効力を十分に増加させる量で存在する
保存剤組成物。
【請求項2】
前記保存剤がフェノキシエタノールであり、好ましくは、フェノキシエタノールと前記少なくとも1つのアルキレングリコールエステルとが、6:1~1:1、好ましくは3:1~1:1、より好ましくは2:1~1:1の重量比で含まれる、請求項1に記載の保存剤組成物。
【請求項3】
前記保存剤がビス(3-アミノプロピル)ドデシルアミンであり、好ましくは、ビス(3-アミノプロピル)ドデシルアミンと前記少なくとも1つのアルキレングリコールエステルとが、25:1~1:25、好ましくは20:1~1:20、より好ましくは15:1~1:15の重量比で含まれる、請求項1に記載の保存剤組成物。
【請求項4】
前記保存剤がジデシルジメチルアンモニウムクロリドであり、好ましくは、ジデシルジメチルアンモニウムクロリドと前記少なくとも1つのアルキレングリコールエステルとが、25:1~1:25、好ましくは20:1~1:20、より好ましくは15:1~1:15の重量比で含まれる、請求項1に記載の保存剤組成物。
【請求項5】
前記保存剤が安息香酸ナトリウムであり、好ましくは、安息香酸ナトリウムと前記少なくとも1つのアルキレングリコールエステルとが、50,000:1~50:1、好ましくは10,000:1~100:1、より好ましくは5000:1~150:1の重量比で含まれる、請求項1に記載の保存剤組成物。
【請求項6】
前記保存剤が乳酸であり、好ましくは、乳酸と前記少なくとも1つのアルキレングリコールエステルとが、250:1~1:1、好ましくは220:1~1:1、より好ましくは200:1~2:1の重量比で含まれる、請求項1に記載の保存剤組成物。
【請求項7】
前記保存剤がベンジルアルコールであり、好ましくは、ベンジルアルコールと前記少なくとも1つのアルキレングリコールエステルとが、800:1~1:1、好ましくは600:1~2:1、より好ましくは400:1~3:1の重量比で含まれる、請求項1に記載の保存剤組成物。
【請求項8】
前記保存剤がベンゾイソチアゾリノンであり、好ましくは、ベンゾイソチアゾリノンと前記少なくとも1つのアルキレングリコールエステルとが、100:1~1:4、好ましくは60:1~1:3、より好ましくは40:1~1:2の重量比で含まれる、請求項1に記載の保存剤組成物。
【請求項9】
前記保存剤がソルビン酸であり、好ましくは、ソルビン酸と前記少なくとも1つのアルキレングリコールエステルとが、100:1~1:4、好ましくは80:1~1:3、より好ましくは60:1~1:2の重量比で含まれる、請求項1に記載の保存剤組成物。
【請求項10】
前記保存剤がデヒドロ酢酸であり、好ましくは、デヒドロ酢酸と前記少なくとも1つのアルキレングリコールエステルとが、1000:1~10:1、好ましくは800:1~15:1、より好ましくは600:1~20:1の重量比で含まれる、請求項1に記載の保存剤組成物。
【請求項11】
前記少なくとも1つのアルキレングリコールエステルが、(a)プロピレングリコールと、(b)約6~14個の炭素原子を有する脂肪酸とから誘導されるプロピレングリコールエステル又はプロピレングリコールエステルの混合物である、請求項1~10のいずれか一項に記載の保存剤組成物。
【請求項12】
前記脂肪酸が、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、及びその組合せからなる群から選択される、請求項1~11のいずれか一項に記載の保存剤組成物。
【請求項13】
前記少なくとも1つのアルキレングリコールエステルが、モノエステル、ジエステル又はその組合せである、請求項1~12のいずれか一項に記載の保存剤組成物。
【請求項14】
前記保存剤がフェノキシエタノールであり、前記少なくとも1つのアルキレングリコールエステルとが、1:1~2:1の重量比、好ましくは1.2:1~1.8:1の重量比、及びより好ましくは1.4:1~1.6:1の重量比で前記保存剤組成物に含まれる、請求項1、2及び11~13のいずれか一項に記載の保存剤組成物。
【請求項15】
前記少なくとも1つのアルキレングリコールエステルが、プロピレングリコールカプリレートを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の保存剤組成物。
【請求項16】
前記少なくとも1つのアルキレングリコールエステルが、少なくとも1つのプロピレングリコールモノカプリレートとプロピレングリコールジカプリレートとの混合物を含み、好ましくは、前記少なくとも1つのアルキレングリコールエステルが、少なくとも1つのプロピレングリコールモノカプリレートとプロピレングリコールジカプリレートとの混合物からなる、請求項1~15のいずれか一項に記載の保存剤組成物。
【請求項17】
前記少なくとも1つのプロピレングリコールモノカプリレートとプロピレングリコールジカプリレートとが、15:1~1:1の重量比、好ましくは10:1~1:1の重量比、及びより好ましくは5:1~2:1の重量比で前記混合物中に含まれる、請求項16に記載の保存剤組成物。
【請求項18】
前記保存剤がフェノキシエタノールであり、少なくとも1つのプロピレングリコールモノカプリレートとびプロピレングリコールジカプリレートとの前記混合物とが、1:1~2:1の重量比、好ましくは1.2:1~1.8:1の重量比、及びより好ましくは1.4:1~1.6:1の重量比で前記保存剤組成物中に含まれる、請求項16又は17に記載の保存剤組成物。
【請求項19】
前記少なくとも1つのアルキレングリコールエステルが、該少なくとも1つのアルキレングリコールエステルの総重量に基づいて、少なくとも50重量%の少なくとも1つのプロピレングリコールモノカプリレート、好ましくは少なくとも70重量%の少なくとも1つのプロピレングリコールモノカプリレートを含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の保存剤組成物。
【請求項20】
前記少なくとも1つのプロピレングリコールモノカプリレートが、オクタン酸-2-ヒドロキシ-1-メチルエチルエステル、2-ヒドロキシプロピルカプリレート、及びその組合せから選択され、及び/又はプロピレングリコールジカプリレートが、1,2-プロピレングリコールジカプリレートである、請求項1~19のいずれか一項に記載の保存剤組成物。
【請求項21】
請求項1~20のいずれか一項に記載の保存剤組成物を含むパーソナルケア製品。
【請求項22】
前記保存剤組成物中に含まれる前記少なくとも1つのアルキレングリコールエステルが、前記パーソナルケア製品の重量に基づいて、1重量%以下の量、例えば、0.5重量%以下の量で前記パーソナルケア製品中に存在する、請求項21に記載のパーソナルケア製品。
【請求項23】
請求項1~20のいずれか一項に記載の保存剤組成物を含む最終用途製剤。
【請求項24】
微生物に対する効力を、前記少なくとも1つのアルキレングリコールエステルを含まない等量の前記保存剤と比較して増加させるための請求項1~20のいずれか一項に記載の保存剤組成物の使用であって、好ましくは、前記効力が、少なくとも0.5対数減少、より好ましくは、少なくとも1.0対数減少増加する使用。
【請求項25】
パーソナルケア製品の微生物による腐敗を防止するための方法であって、請求項1~20のいずれか一項に記載の保存剤組成物を前記パーソナルケア製品に添加することを含む方法。
【請求項26】
最終用途製剤において微生物に対する保存剤の効力を増加させる方法であって、最終用途製剤及び保存剤を提供すること、有効量の少なくとも1つのアルキレングリコールエステルを前記保存剤及び最終用途製剤に添加して、前記最終用途製剤中に前記少なくとも1つのアルキレングリコールエステルを含まない等量の保存剤と比較して、前記最終用途製剤における前記保存剤の効力を増加させることを含み、前記保存剤が、フェノキシエタノール、ビス(3-アミノプロピル)ドデシルアミン、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、安息香酸ナトリウム、乳酸、ベンジルアルコール、ベンゾイソチアゾリノン、ソルビン酸、及びデヒドロ酢酸、又はその塩からなる群から選択され、前記少なくとも1つのアルキレングリコールエステルが、(a)アルキレングリコールと、(b)約6~14個の炭素原子を有する脂肪酸とから誘導される、方法。
【請求項27】
前記少なくとも1つのアルキレングリコールエステルが、オクタン酸-2-ヒドロキシ-1-メチルエチルエステル、2-ヒドロキシプロピルカプリレート及び1,2-プロピレングリコールジカプリレートの混合物を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記保存剤がフェノキシエタノールである、請求項26又は27に記載の方法。
【請求項29】
前記効力が、少なくとも0.5対数減少、好ましくは少なくとも1.0対数減少増加する、請求項26~28のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保存剤と増強成分とを含む、保存剤自体を含む保存剤組成物と比較して保存特性が増強された保存剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルケア製品、化粧品、ホームケア製品及び他の同様の製品の微生物汚染は、パーソナルケア産業にとって非常に重要な問題である。微生物汚染は、最終用途製剤の製品損失の主な原因となり得、著しい経済的損失を引き起こし得る。さらに、化粧品及びホームケア製品の汚染により、消費者にとって有害な製品に変換される可能性がある。細菌源又は真菌源のいずれかからの微生物攻撃から保護するための特定の保存剤及び保存剤組成物は、当技術分野で公知である。これらの保存剤は、パーソナルケア製品、化粧品、ホームケア製品、及び健康衛生製品などの分野において多種多様な用途を有する。
【0003】
最終用途製剤中の(1又は複数の)保存剤の量を減少させるための継続的な規制圧力がある。同様に、パーソナルケア製剤の分野では、パーソナルケア製剤中の活性成分の量を減少させるための継続的な規制圧力がある。さらに、特定の従来の保存剤の使用を停止するか、又は最終用途製剤中の特定の従来の保存剤の量を減少させるための継続的な規制圧力がある。
【0004】
したがって、全体的な抗菌効力の許容可能なレベルを維持しながら、活性成分又は保存剤の含有が少ない保存剤組成物が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
パーソナルケア製剤を含む様々な組成物に使用することができる、保存剤とアルキレングリコールエステル化合物との相乗的混合物が本明細書で提供される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様では、(i)保存剤;及び(ii)アルキレングリコールエステルを含有する保存剤組成物であって、アルキレングリコールエステルが、保存剤単独と比較して保存剤の効力を十分に増加させる量で存在し、この増加が、保存剤及びアルキレングリコールエステル単独の殺生物活性の相加効果よりも大きい保存剤組成物が提供される。
【0007】
別の態様では、アルキレングリコールエステル対保存剤の重量比が、例えば、約1:50,000~約500:1、例えば、約1:10,000~約300:1、例えば、約1:5,000~約10:1、例えば、約1:2,500~約8:1、例えば、約1:1,500~約2:1の範囲であり得る保存剤組成物が提供される。多くの用途では、保存剤の効力を高めるために、少量のアルキレングリコールエステルだけが必要である。例えば、一態様では、保存剤は、アルキレングリコールエステルよりも多い量で存在する。特定の実施形態では、アルキレングリコールエステル対保存剤の重量比は、約1:5,000~約4:1、例えば約1:1,500~約4:1、例えば約1:300~約4:1、例えば約1:20~約4:1、例えば約1:15~約4:1、例えば約1:10~約4:1であり得る。
【0008】
別の態様では、保存剤組成物は、酸性化合物、アルデヒド、フェノール化合物、サルファイト、鉄キレート剤、芳香族アルコール、第四級アンモニウム化合物、ピロン化合物、尿素化合物、イミダゾール化合物、イソチアゾリノン化合物、トリアミンなどのアミン又は2種以上の保存剤の組合せである保存剤を有する。
【0009】
特定の態様では、保存剤組成物は、鉄キレート剤を含有する保存剤を有し、前記鉄キレート剤は、ピリチオン化合物、ピロクトンオラミン、2-ピリジノール-1-オキシド、N-ヒドロキシ-6-オクチルオキシピリジン2(1H)-オン、-ヒドロキシ-6-オクチルオキシピリジン2(1H)-オンエタノールアミン塩又はそれらの混合物を含む。特定のピリチオン化合物としては、ジンクピリチオン、ナトリウムピリチオン又はそれらの混合物が挙げられる。
【0010】
本発明の一実施形態では、保存剤は酸化合物である。酸化合物は、酸、酸のエステル又は酸の塩であり得る。特定の実施形態では、酸化合物は、安息香酸、プロピオン酸、サリチル酸、ソルビン酸、ギ酸、ウンデカ-10-エン酸、乳酸、グリコール酸、及びクエン酸、又はその塩を含む。
【0011】
別の実施形態では、保存剤は、第四級アンモニウム化合物である。特定の第四級アンモニウム化合物には、アルキル(C12-22)トリメチルアンモニウム化合物、ベンゼトニウム化合物、又はそれらの混合物が含まれる。
【0012】
さらなる実施形態では、保存剤はアルコールを含む。アルコールには、低級アルキルアルコール又は芳香族アルコールが含まれ得る。特定の芳香族アルコールはフェノキシエタノールであり、特定の低級アルコールはイソプロパノールである。
【0013】
別の態様では、アルキレングリコールエステルは、モノアルキレングリコールエステル、ジアルキレングリコールエステル、トリアルキレングリコールエステル又はそれらの混合物であり得る。アルキレングリコールエステルは、C1-C6アルキレン、例えばエチレン、プロピレン又はブチレンから形成することができる。アルキレングリコールエステルは、モノエステル、ジエステル、又はそれらの混合物であり得、(a)アルキレングリコールと、(b)例えばカプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、又はパルミチン酸を含む脂肪酸とから誘導することができる。そのようなアルキレングリコールエステルの特定の例としては、アルキレングリコールイソステアレート、アルキレングリコールラウレート、アルキレングリコールミリステート、アルキレングリコールオレエート、アルキレングリコールモノラウレート、アルキレングリコールモノカプレート、アルキレングリコールモノカプリレート、アルキレングリコールカプロエート、アルキレングリコールジペルラルゴネート、アルキレングリコールジイソステアレート、アルキレングリコールジラウレート、アルキレングリコールモノパルミテート、アルキレングリコールモノステアレート、アルキレングリコールデカノエート、又はそれらの混合物、他の錯体又は誘導体などの1つ以上が挙げられる。上記の例におけるアルキレン基は、1つ以上のプロピレン基、エチレン基又はブチレン基であり得る。一実施形態では、少なくとも1つのアルキレングリコールモノエステルが組成物中に組み込まれる。
【0014】
本発明の別の態様では、最終用途製剤中の保存剤の効力を増加させる方法が提供される。この方法は、保存剤及び有効量のアルキレングリコールエステルを提供する工程を含む。保存剤及びアルキレングリコールエステルは、アルキレングリコールエステルを含まない等量の保存剤と比較して保存剤の効力を増加させるために最終用途製剤に添加することができる。アルキレングリコールエステルは、保存剤を最終用途製剤に添加する前に、保存剤を最終用途製剤に添加した後に、保存剤を最終用途製剤に添加する前に、又は保存剤と同時に最終用途製剤に添加することができる。
【0015】
本発明のさらなる態様では、生物学的攻撃に対する最終用途製剤の耐性を増加させる方法が提供される。この方法は、化粧品製剤を提供すること、及び化粧品製剤に前述の態様又は実施形態のいずれか1つの保存剤組成物を添加することを含む。保存剤組成物を添加することにより、最終用途組成物は、保存剤組成物中にアルキレングリコールエステルが存在しない最終用途製剤と比較して、生物学的攻撃に対する耐性が増加する。
【0016】
本発明のさらなる態様では、最終用途製剤において有効な保存活性に必要な保存剤の最小量を減少させる方法が提供される。この方法は、保存剤を提供すること、及びある量のアルキレングリコールエステルを保存剤に添加して保存剤組成物を形成することを含む。次いで、保存剤組成物を最終用途製剤に添加することができ、最終用途製剤において有効な保存活性に必要な保存剤の最小量は、保存剤が単独で使用された場合よりも少ない。
【0017】
さらなる実施形態では、先の実施形態のいずれかの保存剤組成物を含有する最終用途製剤が提供される。最終用途製剤は、パーソナルケア製剤又はホームケア製剤であってもよい。
【0018】
さらなる態様では、本発明は、(i)フェノキシエタノール、ビス(3-アミノプロピル)ドデシルアミン、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、安息香酸ナトリウム、乳酸、ベンジルアルコール、ベンゾイソチアゾリノン、ソルビン酸、及びデヒドロ酢酸、又はその塩からなる群から選択される保存剤、及び(ii)(a)アルキレングリコールと、(b)約6~14個の炭素原子を有する脂肪酸とから誘導される少なくとも1つのアルキレングリコールエステルを含む保存剤組成物であって、少なくとも1つのアルキレングリコールエステルが、保存剤単独と比較して保存剤の効力を十分に増加させる量で存在する、保存剤組成物を提供する。
【0019】
一実施形態では、保存剤はフェノキシエタノールであり、好ましくは、フェノキシエタノールと少なくとも1つのアルキレングリコールエステルとが、6:1~1:1、好ましくは3:1~1:1、より好ましくは2:1~1:1の重量比で保存剤組成物中に含まれる。
【0020】
一実施形態では、保存剤はビス(3-アミノプロピル)ドデシルアミンであり、好ましくは、ビス(3-アミノプロピル)ドデシルアミンと少なくとも1つのアルキレングリコールエステルとが、25:1~1:25、好ましくは20:1~1:20、より好ましくは15:1~1:15の重量比で保存剤組成物中に含まれる。
【0021】
一実施形態では、保存剤はジデシルジメチルアンモニウムクロリドであり、好ましくは、ジデシルジメチルアンモニウムクロリドと少なくとも1つのアルキレングリコールエステルとが、25:1~1:25、好ましくは20:1~1:20、より好ましくは15:1~1:15の重量比で保存剤組成物中に含まれる。
【0022】
一実施形態では、保存剤は安息香酸ナトリウムであり、好ましくは、安息香酸ナトリウムと少なくとも1つのアルキレングリコールエステルとが、50,000:1~50:1、好ましくは10,000:1~100:1、より好ましくは5000:1~150:1の重量比で保存剤組成物中に含まれる。
【0023】
一実施形態では、保存剤は乳酸であり、好ましくは、乳酸と少なくとも1つのアルキレングリコールエステルとが、250:1~1:1、好ましくは220:1~1:1、より好ましくは200:1~2:1の重量比で保存剤組成物中に含まれる。
【0024】
一実施形態では、保存剤はベンジルアルコールであり、好ましくは、ベンジルアルコールと少なくとも1つのアルキレングリコールエステルとが、800:1~1:1、好ましくは600:1~2:1、より好ましくは400:1~3:1の重量比で保存剤組成物中に含まれる。
【0025】
一実施形態では、保存剤はベンゾイソチアゾリノンであり、好ましくは、ベンゾイソチアゾリノンと少なくとも1つのアルキレングリコールエステルとが、40:1~1:4、好ましくは60:1~1:3、より好ましくは40:1~1:2の重量比で保存剤組成物中に含まれる。
【0026】
一実施形態では、保存剤はソルビン酸であり、好ましくは、ソルビン酸と少なくとも1つのアルキレングリコールエステルとが、100:1~1:4、好ましくは80:1~1:3、より好ましくは60:1~1:2の重量比で保存剤組成物中に含まれる。
【0027】
一実施形態では、保存剤はデヒドロ酢酸であり、好ましくは、デヒドロ酢酸と少なくとも1つのアルキレングリコールエステルとが、1000:1~10:1、好ましくは800:1~15:1、より好ましくは600:1~20:1の重量比で保存剤組成物中に含まれる。
【0028】
一実施形態では、本発明は、(i)フェノキシエタノールを含む保存剤、及び(ii)(a)アルキレングリコールと(b)約6~14個の炭素原子を有する脂肪酸とから誘導される少なくとも1つのアルキレングリコールエステルを含み、少なくとも1つの保存剤とアルキレングリコールエステルとが、1:1~6:1の重量比で含まれる、保存剤組成物を提供する。
【0029】
一実施形態では、保存剤はフェノキシエタノールである。
【0030】
一実施形態では、少なくとも1つのアルキレングリコールエステルは、(a)プロピレングリコールと(b)約6~14個の炭素原子を有する脂肪酸とから誘導されるプロピレングリコールエステル又はプロピレングリコールエステルの混合物である。一実施形態では、脂肪酸は、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、及びその組合せからなる群から選択される。一実施形態では、少なくとも1つのアルキレングリコールエステルは、モノエステル、ジエステル、又はその組合せである。一実施形態では、少なくとも1つのアルキレングリコールエステルは、プロピレングリコールモノカプリレート、プロピレングリコールジカプリレート、又はその組合せを含む。
【0031】
一実施形態では、フェノキシエタノールと少なくとも1つのアルキレングリコールエステルとが、1:1~2:1の重量比、好ましくは1.2:1~1.8:1の重量比、及びより好ましくは1.4:1~1.6:1の重量比で保存剤組成物中に含まれる。
【0032】
一実施形態では、少なくとも1つのアルキレングリコールエステルは、プロピレングリコールカプリレートを含む。
【0033】
一実施形態では、少なくとも1つのアルキレングリコールエステルは、少なくとも1つのプロピレングリコールモノカプリレート及びプロピレングリコールジカプリレートの混合物を含む。一実施形態では、少なくとも1つのアルキレングリコールエステルは、少なくとも1つのプロピレングリコールモノカプリレート及びプロピレングリコールジカプリレートの混合物からなる。
【0034】
一実施形態では、少なくとも1つのプロピレングリコールモノカプリレートとプロピレングリコールジカプリレートとが、15:1~1:1の重量比、好ましくは10:1~1:1の重量比、より好ましくは5:1~2:1の重量比で混合物中に含まれる。
【0035】
一実施形態では、フェノキシエタノールと、少なくとも1つのプロピレングリコールモノカプリレート及びプロピレングリコールジカプリレートの混合物とが、1:1~2:1の重量比、好ましくは1.2:1~1.8:1の重量比、及びより好ましくは1.4:1~1.6:1の重量比で保存剤組成物中に含まれる。
【0036】
一実施形態では、少なくとも1つのアルキレングリコールエステルは、該少なくとも1つのアルキレングリコールエステルの総重量に基づいて、少なくとも50重量%の少なくとも1つのプロピレングリコールモノカプリレート、好ましくは少なくとも60重量%の少なくとも1つのプロピレングリコールモノカプリレート、より好ましくは少なくとも70重量%の少なくとも1つのプロピレングリコールモノカプリレートを含む。
【0037】
一実施形態では、少なくとも1つのプロピレングリコールモノカプリレートは、オクタン酸-2-ヒドロキシ-1-メチルエチルエステル、2-ヒドロキシプロピルカプリレート、及びその組合せから選択され、及び/又はプロピレングリコールジカプリレートは、1,2-プロピレングリコールジカプリレートである。
【0038】
一実施形態では、少なくとも1つのアルキレングリコールエステルは、オクタン酸-2-ヒドロキシ-1-メチルエチルエステル、2-ヒドロキシプロピルカプリレート及び1,2-プロピレングリコールジカプリレートの混合物を含む。一実施形態では、フェノキシエタノールと、オクタン酸-2-ヒドロキシ-1-メチルエチルエステル、2-ヒドロキシプロピルカプリレート及び1,2-プロピレングリコールジカプリレートの混合物とが、1:1~2:1の重量比、好ましくは1.2:1~1.8:1の重量比、及びより好ましくは1.4:1~1.6:1の重量比で保存剤組成物中に含まれる。
【0039】
一実施形態では、本発明の保存剤組成物は、(i)フェノキシエタノール;及び(ii)オクタン酸-2-ヒドロキシ-1-メチルエチルエステル、2-ヒドロキシプロピルカプリレート及び1,2-プロピレングリコールジカプリレートの混合物を含み、フェノキシエタノールと、オクタン酸-2-ヒドロキシ-1-メチルエチルエステル、2-ヒドロキシプロピルカプリレート及び1,2-プロピレングリコールジカプリレートの混合物とは、1:1~2:1の重量比、好ましくは1.2:1~1.8:1の重量比、及びより好ましくは1.4:1~1.6:1の重量比で保存剤組成物中に含まれる。
【0040】
一実施形態では、本発明の保存剤組成物は、保存剤組成物の総重量に基づいて、(i)フェノキシエタノールを含む45重量%~70重量%の保存剤、及び(ii)(a)アルキレングリコールと、(b)約6~14個の炭素原子を有する脂肪酸とから誘導される25重量%~50重量%の少なくとも1つのアルキレングリコールエステルを含む。
【0041】
一実施形態では、本発明の保存剤組成物は、保存剤組成物の総重量に基づいて、(i)45重量%~70重量%のフェノキシエタノール;及び(ii)25重量%~50重量%の、オクタン酸-2-ヒドロキシ-1-メチルエチルエステル、2-ヒドロキシプロピルカプリレート及び1,2-プロピレングリコールジカプリレートの混合物を含む。
【0042】
さらなる態様では、本発明は、本発明による保存剤組成物を含むパーソナルケア製品を提供する。一実施形態では、保存剤組成物中に含まれる少なくとも1つのアルキレングリコールエステルは、パーソナルケア製品の重量に基づいて、1重量%以下の量、例えば、0.5重量%以下の量でパーソナルケア製品中に存在する。
【0043】
さらなる態様では、本発明は、本発明による保存剤組成物を含む最終用途製剤を提供する。
【0044】
さらなる態様では、本発明は、少なくとも1つのアルキレングリコールエステルを含まない等量の保存剤と比較して、微生物に対する効力を増加させるための本発明による保存剤組成物の使用を提供する。一実施形態では、効力は、少なくとも0.5対数減少だけ増加する。一実施形態では、効力は、少なくとも1.0対数減少だけ増加する。
【0045】
さらなる態様では、本発明は、パーソナルケア製品の微生物による腐敗を防止するための方法であって、本発明による保存剤組成物をパーソナルケア製品に添加することを含む方法を提供する。
【0046】
さらなる態様では、本発明は、最終用途製剤において微生物に対する保存剤の有効性を増加させる方法であって、最終用途製剤及び保存剤を提供すること、有効量の少なくとも1つのアルキレングリコールエステルを保存剤及び最終用途製剤に添加して、最終用途製剤中に少なくとも1つのアルキレングリコールエステルを含まない等量の保存剤と比較して、最終用途製剤における保存剤の効力を増加させることを含み、前記保存剤が、フェノキシエタノール、ビス(3-アミノプロピル)ドデシルアミン、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、安息香酸ナトリウム、乳酸、ベンジルアルコール、ベンゾイソチアゾリノン、ソルビン酸、及びデヒドロ酢酸、又はその塩からなる群から選択され、前記少なくとも1つのアルキレングリコールエステルが、(a)アルキレングリコールと、(b)約6~14個の炭素原子を有する脂肪酸とから誘導される方法を提供する。一実施形態では、本方法は、最終用途製剤中の保存剤の効力を少なくとも0.5対数減少、好ましくは少なくとも1.0対数減少だけ増加させる。
【0047】
これら及び他の態様は、本明細書で提供される詳細な説明を検討することにより明らかになると思われる。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本考察は、例示的な実施形態の説明にすぎず、本発明のより広範な態様を限定する意図のものではないことが当業者によって理解されるべきである。さらに、保存剤組成物の文脈において本明細書で提供される全ての実施形態及び定義は、本発明の製剤、製品、方法及び使用などの本発明の他の全ての態様を同様に定義することを意図していることを理解されたい。
【0049】
全般に、本発明は、保存剤組成物に関する。本明細書で使用される場合、「保存剤」という用語は、微生物が最終用途製剤を破壊するのを防ぐため、又は最終用途製剤が開発された特定の目的に関して最終用途製剤を使用不可能にするのを防ぐために、パーソナルケア製剤、化粧品、ホームケア製剤、及び健康衛生製品などの最終用途製剤とブレンドされることを意図した殺生物剤又は殺生物組成物を意味する。
【0050】
驚くべきことに、ある量のアルキレングリコールエステルを最終用途製剤用に意図された保存剤に添加することにより、保存剤とアルキレングリコールエステルとの間の相乗相互作用により効果的に保存された最終用途製剤を提供できることが見出された。本明細書で使用される場合、「相乗相互作用」とは、アルキレングリコールエステルと組み合わせた場合の保存剤が、保存剤単独又はアルキレングリコールエステル単独の抗菌性/抗真菌性よりも高い総抗菌性/抗真菌性効果を有するという事実を指す。換言すれば、本発明の保存剤は、アルキレングリコールエステルと相乗的に作用して、同じ濃度の保存剤単独の抗菌活性又はアルキレングリコールエステル単独の抗菌活性と比較して、特定の微生物に対してそれぞれの存在下でより大きな抗菌/抗真菌活性を有する。相乗効果のために、保存剤組成物中に存在する保存剤の量は、依然として所望の効力をもたらしながら、減少させることができる。この効果は、保存剤組成物中の保存剤の「増強」としても公知である。保存剤のこの増強は、本明細書では、保存剤の効力を増強するための、保存剤と(1又は複数の)アルキレングリコールエステルとの間の「相乗効果」とも呼ばれる。
【0051】
さらに、本明細書に開示の保存剤組成物の使用は、多数の技術的利点及び利益を提供する。例えば、本明細書に開示の(1又は複数の)保存剤組成物は、様々なpHレベルにおいて全てのタイプの微生物に対して広範囲の活性を維持する。さらに、本明細書に開示の(1又は複数の)保存剤組成物は、全般に、温度の変化に際して、並びに防腐剤組成物が含まれ得る最終製剤の製造、包装、輸送及び貯蔵中に遭遇する変化に際して安定なままである。さらに、本明細書に開示される(1又は複数の)保存剤組成物は、様々な最終用途製剤中に存在する材料と物理的及び化学的に適合性である。最後に、本明細書中でさらに記載されるように、本発明の(1又は複数の)保存剤組成物は、より少ない量の保存剤の含有が可能であり、それでもなお業界標準と一致する抗菌効力を提供し得る。
【0052】
本発明の組成物は、本発明の成分並びに本明細書に記載の他の材料を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなることができる。本明細書で使用される場合、「から本質的になる」とは、追加の材料が特許請求される組成物又は方法の基本的かつ新規な特徴を実質的に変化させない場合に限り、組成物又は成分が追加の材料を含み得ることを意味する。
【0053】
本明細書で使用される場合、使用される物質、材料、成分、又はパラメータの量を修飾する「約」という用語は、例えば、典型的な測定及び取り扱い手順、例えば、濃縮物又は溶液を作製するために使用される液体取り扱い手順によって起こり得る数値量の変動を指す。さらに、測定手順の不注意な誤り、本発明を実施するために使用される材料の製造、供給源又は純度の違いから変動が起こり得る。一実施形態では、「約」という用語は、報告された数値の10%以内を意味する。より明確な実施形態では、「約」という用語は、報告された数値の5%以内を意味する。
【0054】
本発明で使用可能な適切な保存剤としては、例えば、酸、エステル及びその塩、アルデヒド、フェノール化合物、サルファイト及び鉄キレート剤、芳香族アルコール、第四級アンモニウム化合物、アルデヒド、ピロン化合物、尿素化合物、イミダゾール化合物、イソチアゾリノン、アミン並びにその組合せが挙げられる。
【0055】
一実施形態では、保存剤は、芳香族酸及び非芳香族酸の両方を含む酸化合物であり得る。例示的な酸化合物としては、例えば、安息香酸、プロピオン酸、サリチル酸、ソルビン酸、ギ酸、ウンデカ-10-エン酸、乳酸、グリコール酸、及びクエン酸が挙げられる。さらに、これらの酸の塩及びこれらの酸のエステルも使用することができる。塩の例としては、安息香酸ナトリウム及びソルビン酸カリウムが挙げられる。他の塩も使用することができる。酸化合物は、典型的には、最終用途製剤中の保存剤として、特定の酸化合物に応じて、最大約3重量%の量で使用される。同様の量をエステル及び塩として使用してもよい。ほとんどの使用事例では、酸、それらのエステル又は塩の量は、最大約1重量%、より典型的には最大約0.6重量%の量で使用される。酸の混合物も保存剤として使用することができる。
【0056】
別の実施形態では、保存剤はアルデヒドであってもよい。例示的なアルデヒドとしては、例えば、ホルムアルデヒド及びパラホルムアルデヒドが挙げられる。例示的なアルデヒド形成剤としては、ヒダントインのようなイミダゾリジン化合物、例えばジメチロールジメチルヒダントイン(DMDMH)及び他の類似のアルデヒド形成ヒダントインが挙げられる。使用に応じて、アルデヒドは、保存される組成物中に最大0.3重量%の量で存在し得る。典型的には、アルデヒドの量は、保存される組成物の重量に基づいて最大0.2%である。アルデヒドの混合物も保存剤として使用することができる。
【0057】
さらなる実施形態では、保存剤はフェノール化合物であり得る。例示的なフェノール化合物としては、例えば、パラベン化合物、ビフェニル-2-オール(o-フェニルフェノール)又はその塩、4-クロロ-m-クレゾール、5-クロロ-2-(2,4-ジクロロフェノキシ)フェノール(トリクロサン)、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール、4-イソプロピル-m-クレゾール、2-ベンジル-4-クロロフェノール及びブロモクロロフェンが挙げられる。例示的なパラベン化合物としては、例えば、ブチルパラベン、プロピルパラベン、エチルパラベン、メチルパラベン、並びに例えばカリウム塩、ナトリウム塩及び/又はカルシウム塩を含むその塩が挙げられる。フェノール化合物は、典型的には、最終用途製剤の総重量に基づいて、最大約1重量%の量で最終用途製剤中に保存剤として使用される。この上限は、特定のフェノール化合物に応じたものである。より典型的には、最大約0.5重量%のフェノール化合物が化粧品製剤に使用される。
【0058】
さらに別の実施形態では、保存剤は、鉄キレート剤として公知の化合物であってもよい。例示的な鉄キレート剤としては、ピリチオン化合物及びピロクトンオラミン又はヒドロキシルピリジン化合物などの化合物、並びにその塩が挙げられる。ピリチオンは、2メルカプトピリジン-N-オキシド;2-ピリジンチオール-1-オキシド(CAS登録番号1 121-31-9);1-ヒドロキシピリジン-2-チオン及び1-ヒドロキシ-2(1 H)-ピリジンチオン(CAS登録番号1 121-30-8);2-ピリジノール-1-オキシド(HPNO)及びN-ヒドロキシ-6-オクチルオキシピリジン2(1H)-オン及び-ヒドロキシ-6-オクチルオキシピリジン2(1H)-オンエタノールアミン塩を含むいくつかの名称で公知である。ピリチオン塩は、Lonza,Inc.から市販されており、例えば、Sodium OMADINE(R)又はZinc OMADINE(R)である。
【0059】
保存剤として存在するピリチオンは、水不溶性形態又は水溶性形態で存在し得る。ピリチオンは、ナトリウムピリチオン、ジンクピリチオン、バリウムピリチオン、ストロンチウムピリチオン、銅ピリチオン、カドミウムピリチオン、及び/又はジルコニウムピリチオンを含み得る。組成物中に存在し得る他のピリチオンとしては、ナトリウムピリチオン、ビスマスピリチオン、カリウムピリチオン、リチウムピリチオン、アンモニウムピリチオン、カルシウムピリチオン、マグネシウムピリチオン、銀ピリチオン、金ピリチオン、マンガンピリチオン、及び/又は有機アミンピリチオンが挙げられる。単一のピリチオンが保存剤として存在してもよく、又は上記のいずれかの組合せが保存剤として含まれてもよい。
【0060】
ピリチオン粒子は、粒子の100%が約10ミクロン未満の粒径を有し、粒子の少なくとも70%が5ミクロン未満の粒径を有するような粒径を有することができ、例えば粒子の少なくとも約50%が1ミクロン以下の粒径を有することができる。粒径は、HORIBA LA 910粒度分析計などのレーザー散乱粒度分析計を使用して測定することができる。
【0061】
ピリチオン粒子は、ピリチオン又はピリチオンの水溶性塩と水溶性多価金属塩とを、粉砕力を発生させる加圧乱流反応器内で反応させることにより生成することができる。加圧乱流反応器によって生成された粉砕力は、ミクロンサイズのピリチオン塩粒子を効率的に生成する。この方法によって製造されたミクロンサイズのピリチオン塩粒子は、狭い均一なサイズ分布を有し、ミクロン粒子の集団によって提供される大きな表面積のために優れた表面沈着特性を有する。
【0062】
鉄キレート剤化合物は、典型的には、最終用途製剤中の保存剤として、特定の化合物に応じて、最大約1%重量の量で使用される。特に興味深いのは、ジンクピリチオン及びピロクトンオラミンである。これらの鉄キレート剤は、フケ防止特性を含む他の利点の提供など、他の利点も有し得る。
【0063】
別の実施形態では、保存剤は、無機サルファイト化合物及びハイドロゲンサルファイト化合物を含み得る。サルファイト化合物は概して、最終用途製剤の総重量に基づいて、最大約0.5重量%の量で存在する。
【0064】
いくつかの実施形態では、保存剤はアルコール化合物を含む。アルコールは、低級アルコールであっても芳香族アルコールであってもよい。低級アルコールは、典型的には、単官能性低分子アルコール、好ましくはメタノール、エタノール、イソプロパノール若しくはブタノールなどの1~4個の炭素原子を有するアルカノール、又はその組合せの中から選択される。クロロブタノールなどの置換アルコールも使用することができる。特に適切な低級アルコールとしては、エタノール及びイソプロピルアルコールが挙げられる。芳香族アルコールも使用することができる。適切な芳香族アルコールとしては、フェノキシエタノール、2,4-ジクロロフェニル)メタノール、ベンジルアルコール、1-フェノキシプロパノール(Phenoxypropaneol)、クロルフェネシン及びベンジルヘミホルマールが挙げられる。特に好ましいアルコールの1つはフェノキシエタノールである。アルコール化合物は、特定のアルコール化合物に応じて、最終用途製剤の総重量に基づいて最大約1.5重量%の量で最終用途製剤中の保存剤として使用され得る。ほとんどの場合、アルコール化合物の量は、典型的には、最終用途製剤の重量に基づいて、最大約1重量%、より典型的には最大約0.5重量%の量で使用される。
【0065】
別の実施形態では、1つ以上の第四級アンモニウム化合物を保存剤として使用することができる。「quat」としても知られる第四級アンモニウム化合物は、典型的には、少なくとも1つの第四級アンモニウムカチオン及び適切なアニオンを含む。Quatは一般に一般式(1)を有する。
【0066】
【化1】
【0067】
基R、R、R及びRは、広い範囲内で変化し得、抗菌特性を有し得る。典型的には、R、R、R及びRの少なくとも1つ、例えば少なくとも2つは、低級アルキルであり、メチル、エチル、プロピル又はブチル基などの1~4個の炭素原子を有することを意味する。一態様では、R、R、R及びRの少なくとも1つ、例えば少なくとも2つは、6~24個の炭素原子の長鎖アルキル基である。R4は、置換又は非置換のベンジル基、例えばエチルベンジル基、又はアルコキシ基であってもよい。Aは、無機酸若しくは有機酸の1価のアニオン又は1当量の多価アニオンである。Aに適したアニオンは、原則として、全ての無機又は有機アニオン、特にハロゲン化物、例えば塩化物若しくは臭化物、カーボネート、バイカーボネート、カルボキシレート、スルホネート、ホスフェート、プロピオネート、サッカリネート、又はそれらの混合物である。カルボキシレートは、低級カルボン酸又は脂肪酸から誘導され得る。
【0068】
以下、アルキルは、それぞれの場合において、指定された数の炭素の非分枝又は分枝アルキル基、好ましくは非分枝アルキル基、特に好ましくは偶数の炭素原子を有するものを意味すると解釈される。特に、これはまた、天然原料、例えば「ココアルキル」に由来する同族体混合物を意味すると解釈される。
【0069】
一実施形態では、第四級アンモニウム化合物は、以下のR基を有し得る:R1、R2及びR3はアルキル基であり、R4はベンジル基、C6-18アルキル基などのC1-18アルキル基、又は構造-[(CH-O](式中、n=1~20及びRは水素又は非置換若しくは置換フェニルである)などのアルコキシ基であり、Aは上記の通り、例えば無機酸又は有機酸の一価アニオン又は1当量の多価アニオンである。例えば、R1は、1~4個の炭素原子を有するアルキル基であり、R2及びR3は、独立して、6~24個の炭素原子を有するアルキル基であるか、又はR1及びR2は、独立して、1~4個の炭素原子を有するアルキル基であり、R3は、6~24個の炭素原子を有するアルキル基である。
【0070】
適切な第四級アンモニウム化合物としては、例えば、アルキル(C12-22)トリメチルアンモニウムブロミド、アルキル(C12-22)トリメチルアンモニウムクロリド化合物(例えば、セトリモニウムブロミド、セトリモニウムクロリド、ラウルトリモニウムブロミド、ラウトルリモニウムクロリド、ステアルトリモニウムブロミド及びステアルトリモニウムクロリド又はそれらの混合物を含む)、ベンゼトニウム化合物(例えば、ベンザルコニウムクロリド、ベンザルコニウムブロミド及びベンザルコニウムサッカリネートを含む)が挙げられる。
【0071】
一実施形態では、第四級アンモニウム化合物は、ジメチルジアルキルアンモニウム化合物などのジアルキルアンモニウム化合物を含み得る。一実施形態では、ジメチルジアルキルアンモニウム化合物は、アルキル基のそれぞれに約8~約12個の間の炭素原子、例えば約8~約10個の炭素原子を有し得る。
【0072】
ジメチルジアルキルアンモニウム化合物としては、ジメチルジオクチルアンモニウムクロリドなどのジメチルジオクチルアンモニウム化合物、ジメチルジデシルアンモニウムクロリドなどのジメチルジデシルアンモニウム化合物などが挙げられる。ジメチルジアルキルアンモニウム化合物の混合物も使用することができ、上記のような他のアニオンも使用することができる。市販のジメチルジアルキルアンモニウム化合物には、例えば、Lonza Inc.がBARDAC(R)、BARDAP(R)、BARQUAT(R)、又はCARBOQUAT(R)の商品名で市販及び販売している組成物が含まれる。
【0073】
ジメチルジアルキルアンモニウム化合物のこのような市販の例としては、ジオクチルジメチルアンモニウムクロリド(Lonza,Inc.からBardac(R)LF及びLF-80として入手可能)、オクチルデシルジメチルアンモニウムクロリド(Lonza,Inc.からBardac(R)2050及び2080として、オクチルデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロリド及びジデシルジメチルアンモニウムクロリドの混合物として入手可能)、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド(Lonza,Inc.からBardac(R)2250及び2280として入手可能)、デシルイソノニルジメチルアンモニウムクロリド(Lonza,Inc.からBardac(R)21として入手可能)、ジイソデシルジメチルアンモニウムクロリド(イリノイ州ノースフィールドのStepan Co.からBTC 99として入手可能)、並びに前述のいずれかの任意の組合せが挙げられる。
【0074】
第四級アンモニウム化合物は、特定の第四級アンモニウム化合物に応じて、最終用途製剤の総重量に基づいて最大約0.2重量%の量で最終用途製剤中に含まれ得る。特定の実施形態では、最終用途製剤は、最終用途製剤の重量に基づいて、約0.1重量%~約0.05重量%を含有し得る。
【0075】
保存剤として本発明で使用可能な例示的なピロン化合物としては、例えば、デヒドロ酢酸及びその塩が挙げられる。ピロン化合物は、最終用途製剤の総重量に基づいて、最大約1.0重量%の量で使用され得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のピロン化合物を最大約0.6重量%の量で使用することができる。
【0076】
いくつかの実施形態では、保存剤は、1つ以上のイソチアゾリノンを含み得る。例示的なイソチアゾリノンとしては、例えば、5-クロロ-2-メチル-イソチアゾール-3-オン(クロロメチルイソチアゾリノン)、2-メチル-イソチアゾール-3-オン(メチルイソチアゾリノン)、ベンゾイソチアゾリノン及びそれらの混合物が挙げられる。特定の実施形態では、1つ以上のイソチザオリノンは、最終用途製剤の最大約0.01重量%の量で使用され得る。
【0077】
特定の実施形態では、1つ以上(One more)の尿素化合物を保存剤として使用することができ、例示的な尿素化合物としては、例えば、3-(4-クロロフェニル)-1-(3,4-ジクロロフェニル)尿素(トリクロカルバン);1,1’-メチレンビス{3-[4-(ヒドロキシメチル)-2,5-ジオキソイミダゾリジン-4-イル]尿素};及びN-(ヒドロキシメチル)-N-(ジヒドロキシメチル-1,3-ジオキソ2,5-イミダゾリニジル-4)-N’-(ヒドロキシメチル)尿素が挙げられる。これらの化合物は、典型的には、最終用途製剤の最大約0.5重量%の量で使用される。
【0078】
保存剤として本発明で使用可能なイミダゾール化合物の例としては、例えば、1-(4-クロロフェノキシ)-1-(イミダゾール-1-イル)-3,3-ジメチルブタン-2-オン);1,3-ビス(ヒドロキシメチル)-5,5-ジメチルイミダゾリジン-2,4-ジオン)が挙げられる。いくつかの実施形態では、1つ以上の尿素化合物は、最終用途製剤の最大約0.5重量%の量で含まれ得る。
【0079】
さらに別の態様では、保存剤は、トリアミン化合物などのアミン化合物であり得る。適切なトリアミン化合物としては、限定するものではないが、以下の式を有するものが挙げられる
【0080】
【化2】
(式中、Rは、置換又は非置換のC-C18アルキル、C-C18アルケニル、C-C18アルキニル、又はC-C18シクロアルキル若しくはアリールであり、Rは、1個以上のヘテロ原子で中断されていてもよい)。
【0081】
本明細書で使用される「置換」という用語は、ハロゲン(F、Cl、I、Brなど);ヘテロ原子基;C-C18アルキル;C-C18アルケニル;C-C18アルキニル;C-C18シクロアルキル;アリール;又はカルボニル含有C-C18アルキル、C-C18アルケニル又はC-C18アルキニルの基(例えば、ケトン、エステル、エーテル、カーボネート、又はカルボキシレートなど)の1つ以上で置換された化合物を含む。
【0082】
適切なヘテロ原子としては、限定するものではないが、O、N、P及びSが挙げられる。
【0083】
適切なヘテロ原子基としては、限定するものではないが、-NH、-NO、-SO、-SO、-PO、-O及び-OHが挙げられる。
【0084】
置換基Rは、好ましくは、非置換のC-C18アルキル、C-C18アルケニル、C-C18アルキニル、C-C18シクロアルキル又はアリールである。好ましいトリアミンとしては、限定するものではないが、Fair Lawn,N.J.のLonza Inc.からLonzabac(R)12として入手可能なN,N-ビス(3-アミノプロピル)-ドデシルアミン、ビス(3-アミノプロピル)オクチルアミン及びN,N-ビス(3-アミノプロピル)-オクチルアミンが挙げられる。
【0085】
アミン保存剤は、一般に、最終用途製剤の最大約2重量%、特に約50ppm~約200,000ppm、例えば約50ppm~約500ppmの量で含まれ得る。
【0086】
保存剤として使用され得る他の成分としては、ジブロモヘキサミジン及びその塩;チオメルサール;フィエニル水銀塩;ヘキセチジン;2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール;5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサン;ポリヘキサメチレンビグアニド又はその塩;ヘキサメチレンテトラミン;メテナミン3-クロロアリルクロリド;2-クロロアセトアミド;クロロヘキシジン及びそのジグルコノネート、又はその二酢酸エステル及び二塩酸塩;4,4-ジメチル、1,3-オキサゾリジン;グルタルアルデヒド;5-エチル-3,7-ジオキサ-1-アザビシクロオクタン;ヒドロキシメチルグリシン酸ナトリウム、3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート(IPBC)及びラウロイルアルギン酸エチルが挙げられる。特定の実施形態では、これらの成分は、最終用途製剤の最大約0.5重量%の量で含まれ得る。
【0087】
また、保存剤は、単一の保存剤であってもよいし、単一のタイプの保存剤からの2つ以上の保存剤の混合物であってもよいし、2つ以上の異なるタイプの保存剤の混合物であってもよい。
【0088】
本発明の実施形態は、1つ以上のアルキレングリコールエステルを含む。本発明で使用可能なアルキレングリコールエステルは、飽和、不飽和、天然又は合成の脂肪酸などから形成することができる。例えば、飽和脂肪酸には、カプリル酸、カプリン酸、ヘキサン酸、ドデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、その組合せ、それらの誘導体などが含まれる。約5炭素原子~約16炭素原子の炭素鎖長を有する脂肪酸は、アルキレングリコールエステルの形成に使用するのに好適である。アルキレングリコールエステルは、任意の適切なアルキレン、例えばエチレン、ブチレン又はプロピレンから形成することができる。アルキレングリコールエステルは、モノエステル又はジエステルを含み得る。一態様では、モノエステルの混合物、ジエステルの混合物、又はモノエステルとジエステルとの混合物を本発明の組成物に組み込むことができる。一態様では、少なくとも1つのモノエステルが利用され、存在するアルキレングリコールエステルの大部分を構成する。
【0089】
いくつかの実施形態では、(1又は複数の)アルキレングリコールエステルは、(a)プロピレングリコール、エチレングリコール、又はブチレングリコール成分と、(b)約6~12個の炭素原子を有する脂肪酸、例えばカプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、及びこれらの混合物とから誘導される。例えば、プロピレングリコールC6-C12脂肪酸モノエステル又はジエステルを使用することができる。プロピレングリコールC6-C14脂肪酸モノエステル又はジエステルもまた使用することができる。
【0090】
アルキレングリコールエステルの適切な例には、限定するものではないが、プロピレングリコールイソステアレート、プロピレングリコールラウレート、プロピレングリコールミリステート、プロピレングリコールオレエート、プロピレングリコールモノラウレート、プロピレングリコールモノカプレート、プロピレングリコールモノカプリレート、プロピレングリコールモノカプロエート、プロピレングリコールジペルラゴネート、プロピレングリコールジイソステアレート、プロピレングリコールジラウレート、プロピレングリコールモノパルミテート、プロピレングリコールモノステアレート、エチレングリコールイソステアレート、エチレングリコールラウレート、エチレングリコールミリステート、エチレングリコールオレエート、エチレングリコールモノラウレート、エチレングリコールモノカプレート、エチレングリコールモノカプリレート、エチレングリコールモノカプロエート、エチレングリコールジペルラゴネート、エチレングリコールジイソステアレート、エチレングリコールジラウレート、エチレングリコールモノパルミテート、エチレングリコールモノステアレート、ブチレングリコールイソステアレート、ブチレングリコールラウレート、ブチレングリコールミリステート、ブチレングリコールオレエート、ブチレングリコールモノラウレート、ブチレングリコールモノカプレート、ブチレングリコールモノカプリレート、ブチレングリコールモノカプロエート、ブチレングリコールジペルラゴネート、ブチレングリコールジイソステアレート、ブチレングリコールジラウレート、ブチレングリコールモノパルミテート、ブチレングリコールモノステアレート、又はそれらの混合物、他の錯体又はそれらの誘導体などが含まれる。
【0091】
アルキレングリコールジエステルの適切な例は、プロピレングリコールジカプリレートである。
【0092】
一態様では、アルキレングリコールエステルは主にプロピレングリコールモノカプリレートである。プロピレングリコールモノカプリレート生成物は、プロピレングリコールモノエステル及びジエステルの混合物を含むことができる。例えば、生成物は、2-ヒドロキシプロピルカプリレート(40~70重量%)、オクタン酸-2-ヒドロキシ-1-メチルエチルエステル(23~33重量%)及び1,2-プロピレングリコールジカプリレート(5~28重量%)を含み得る。
【0093】
一実施形態では、アルキレングリコールエステルは、プロピレングリコールカプリレートを含む。一実施形態では、アルキレングリコールエステルは、少なくとも1つのプロピレングリコールモノカプリレート及びプロピレングリコールジカプリレートの混合物を含む。一実施形態では、アルキレングリコールエステルは、少なくとも1つのプロピレングリコールモノカプリレート及びプロピレングリコールジカプリレートの混合物である。一実施形態では、少なくとも1つのプロピレングリコールモノカプリレートは、オクタン酸-2-ヒドロキシ-1-メチルエチルエステル、2-ヒドロキシプロピルカプリレート及びその組合せから選択される。一実施形態では、少なくとも1つのプロピレングリコールモノカプリレートは、オクタン酸-2-ヒドロキシ-1-メチルエチルエステル及び2-ヒドロキシプロピルカプリレートの混合物である。一実施形態では、プロピレングリコールジカプリレートは、1,2-プロピレングリコールジカプリレートである。一実施形態では、アルキレングリコールエステルは、アルキレングリコールエステルの総重量に基づいて、少なくとも50重量%の少なくとも1つのプロピレングリコールモノカプリレート、好ましくは少なくとも60重量%の少なくとも1つのプロピレングリコールモノカプリレート、より好ましくは少なくとも70重量%の少なくとも1つのプロピレングリコールモノカプリレートを含む。一実施形態では、少なくとも1つのプロピレングリコールモノカプリレートとプロピレングリコールジカプリレートとが、15:1~1:1の重量比、好ましくは10:1~1:1の重量比、より好ましくは5:1~2:1の重量比で混合物中に含まれる。
【0094】
一実施形態では、アルキレングリコールエステルは、オクタン酸-2-ヒドロキシ-1-メチルエチルエステル、2-ヒドロキシプロピルカプリレート及び1,2-プロピレングリコールジカプリレートの混合物を含む。一実施形態では、アルキレングリコールエステルは、アルキレングリコールエステルの総重量に基づいて、20重量%~35重量%のオクタン酸-2-ヒドロキシ-1-メチルエチルエステル、40重量%~70重量%の2-ヒドロキシプロピルカプリレート及び5重量%~30重量%の1,2-プロピレングリコールジカプリレートを含む。
【0095】
一実施形態では、アルキレングリコールエステルは、アルキレングリコールエステルの総重量に基づいて、20重量%~30重量%のオクタン酸-2-ヒドロキシ-1-メチルエチルエステル、40重量%~60重量%の2-ヒドロキシプロピルカプリレート及び20重量%~30重量%の1,2-プロピレングリコールジカプリレートを含む。
【0096】
一実施形態では、アルキレングリコールエステルは、アルキレングリコールエステルの総重量に基づいて、20重量%~40重量%のオクタン酸-2-ヒドロキシ-1-メチルエチルエステル、50重量%~70重量%の2-ヒドロキシプロピルカプリレート及び5重量%~15重量%の1,2-プロピレングリコールジカプリレートを含む。
【0097】
いくつかの実施形態では、アルキレングリコールエステルは、プロピレングリコール成分と、16個以上の炭素を有する脂肪酸、例えばパルミチン酸から誘導されるプロピレングリコールモノエステルを含み得ない。いかなる特定の理論にも拘束されないが、保存剤とC16脂肪酸を含有するプロピレングリコールモノエステルとの組合せは、相加的又は相乗的な利益を提供し得ないことが発見された。したがって、特定の実施形態では、本明細書に記載の組成物において利用されるアルキレングリコールエステルは、C16脂肪酸、例えば、パルミチン酸を含有するプロピレングリコールモノエステルを実質的に含み得ない。
【0098】
少なくとも1つのアルキレングリコールエステル対保存剤(PA)の重量比は、様々な要因に応じて変化し得る。例えば、少なくとも1つのアルキレングリコールエステル対保存剤の重量比は、最終生成物の組成、制御される微生物、使用される特定のアルキレングリコールエステル及び保存剤、生成物の最終特性などに応じることができる。アルキレングリコールエステル対保存剤の重量比は、例えば、約1:50,000~約500:1、例えば、約1:10,000~約300:1、例えば、約1:5,000~約10:1、例えば、約1:2,500~約8:1、例えば、約1:1,500~約2:1の範囲であり得る。多くの用途では、保存剤の効力を高めるために、少量のアルキレングリコールエステルだけが必要である。例えば、一態様では、保存剤は、少なくとも1つのアルキレングリコールエステルよりも多い量で存在する。特定の実施形態では、アルキレングリコールエステル対保存剤の重量比は、約1:5,000~約4:1、例えば約1:1,500~約4:1、例えば約1:300~約4:1、例えば約1:20~約4:1、例えば約1:15~約4:1、例えば約1:10~約4:1であり得る。一実施形態において、保存剤と少なくとも1つのアルキレングリコールエステルとが、1:1~6:1の重量比で保存剤組成物中に含まれる。一実施形態において、保存剤と少なくとも1つのアルキレングリコールエステルとが、1.1:1~3:1の重量比で保存剤組成物中に含まれる。一実施形態において、保存剤と少なくとも1つのアルキレングリコールエステルとが、1.2:1~2:1の重量比で保存剤組成物中に含まれる。
【0099】
一実施形態では、保存剤はフェノキシエタノールであり、好ましくは、フェノキシエタノールと少なくとも1つのアルキレングリコールエステルとが、6:1~1:1、好ましくは3:1~1:1、より好ましくは2:1~1:1の重量比で保存剤組成物中に含まれる。
【0100】
一実施形態では、保存剤はビス(3-アミノプロピル)ドデシルアミンであり、好ましくは、ビス(3-アミノプロピル)ドデシルアミンと少なくとも1つのアルキレングリコールエステルとが、25:1~1:25、好ましくは20:1~1:20、より好ましくは15:1~1:15の重量比で保存剤組成物中に含まれる。
【0101】
一実施形態では、保存剤はジデシルジメチルアンモニウムクロリドであり、好ましくは、ジデシルジメチルアンモニウムクロリドと少なくとも1つのアルキレングリコールエステルとが、25:1~1:25、好ましくは20:1~1:20、より好ましくは15:1~1:15の重量比で保存剤組成物中に含まれる。
【0102】
一実施形態では、保存剤は安息香酸ナトリウムであり、好ましくは、安息香酸ナトリウムと少なくとも1つのアルキレングリコールエステルとが、50,000:1~50:1、好ましくは10,000:1~100:1、より好ましくは5000:1~150:1の重量比で保存剤組成物中に含まれる。
【0103】
一実施形態では、保存剤は乳酸であり、好ましくは、乳酸と少なくとも1つのアルキレングリコールエステルとが、250:1~1:1、好ましくは220:1~1:1、より好ましくは200:1~2:1の重量比で保存剤組成物中に含まれる。
【0104】
一実施形態では、保存剤はベンジルアルコールであり、好ましくは、ベンジルアルコールと少なくとも1つのアルキレングリコールエステルとが、800:1~1:1、好ましくは600:1~2:1、より好ましくは400:1~3:1の重量比で保存剤組成物中に含まれる。
【0105】
一実施形態では、保存剤はベンゾイソチアゾリノンであり、好ましくは、ベンゾイソチアゾリノンと少なくとも1つのアルキレングリコールエステルとが、40:1~1:4、好ましくは60:1~1:3、より好ましくは40:1~1:2の重量比で保存剤組成物中に含まれる。
【0106】
一実施形態では、保存剤はソルビン酸であり、好ましくは、ソルビン酸と少なくとも1つのアルキレングリコールエステルとが、100:1~1:4、好ましくは80:1~1:3、より好ましくは60:1~1:2の重量比で保存剤組成物中に含まれる。
【0107】
一実施形態では、保存剤はデヒドロ酢酸であり、好ましくは、デヒドロ酢酸と少なくとも1つのアルキレングリコールエステルとが、1000:1~10:1、好ましくは800:1~15:1、より好ましくは600:1~20:1の重量比で保存剤組成物中に含まれる。
【0108】
一実施形態では、少なくとも1つのアルキレングリコールエステルは、少なくとも1つのプロピレングリコールモノカプリレート及びプロピレングリコールジカプリレートの混合物を含む。一実施形態では、少なくとも1つのアルキレングリコールエステルは、アルキレングリコールエステルの総重量に基づいて、少なくとも50重量%の少なくとも1つのプロピレングリコールモノカプリレート、好ましくは少なくとも60重量%の少なくとも1つのプロピレングリコールモノカプリレート、より好ましくは少なくとも70重量%の少なくとも1つのプロピレングリコールモノカプリレートを含む。一実施形態では、少なくとも1つのプロピレングリコールモノカプリレートとプロピレングリコールジカプリレートとが、15:1~1:1の重量比、好ましくは10:1~1:1の重量比、より好ましくは5:1~2:1の重量比で混合物中に含まれる。一実施形態では、フェノキシエタノールと、少なくともプロピレングリコールモノカプリレート及びプロピレングリコールジカプリレートの混合物とが、6:1~1:1、好ましくは3:1~1:1、より好ましくは2:1~1:1の重量比で保存剤組成物中に含まれる。一実施形態では、フェノキシエタノールと、少なくともプロピレングリコールモノカプリレート及びプロピレングリコールジカプリレートの混合物とが、1:1~2:1の重量比、好ましくは1.2:1~1.8:1の重量比、及びより好ましくは1.4:1~1.6:1の重量比で保存剤組成物中に含まれる。
【0109】
一実施形態では、アルキレングリコールエステルは、オクタン酸-2-ヒドロキシ-1-メチルエチルエステル、2-ヒドロキシプロピルカプリレート及び1,2-プロピレングリコールジカプリレートの混合物を含み、保存剤はフェノキシエタノールを含む。一実施形態では、フェノキシエタノールと、オクタン酸-2-ヒドロキシ-1-メチルエチルエステル、2-ヒドロキシプロピルカプリレート及び1,2-プロピレングリコールジカプリレートの混合物とが、1:1~2:1の重量比、好ましくは1.2:1~1.8:1の重量比、及びより好ましくは1.4:1~1.6:1の重量比で保存剤組成物中に含まれる。
【0110】
一実施形態では、保存剤組成物は、
(i)フェノキシエタノール、及び
(ii)オクタン酸-2-ヒドロキシ-1-メチルエチルエステル、2-ヒドロキシプロピルカプリレート及び1,2-プロピレングリコールジカプリレートの混合物、
を含む。
【0111】
一実施形態では、保存剤組成物は、
(i)フェノキシエタノール;及び
(ii)オクタン酸-2-ヒドロキシ-1-メチルエチルエステル、2-ヒドロキシプロピルカプリレート及び1,2-プロピレングリコールジカプリレートの混合物
を含み、
フェノキシエタノールと、オクタン酸-2-ヒドロキシ-1-メチルエチルエステル、2-ヒドロキシプロピルカプリレート及び1,2-プロピレングリコールジカプリレートの混合物とは、1:1~2:1の重量比、好ましくは1.2:1~1.8:1の重量比、及びより好ましくは1.4:1~1.6:1の重量比で保存剤組成物中に含まれる。
【0112】
一実施形態では保存剤組成物は、保存剤組成物の総重量に基づいて、
(i)、フェノキシエタノールを含む、45重量%~70重量%の保存剤、及び
(ii)(a)アルキレングリコールと、(b)約6~14個の炭素原子を有する脂肪酸とから誘導される、25重量%~50重量%の少なくとも1つのアルキレングリコールエステル
を含む。
【0113】
一実施形態では、保存剤組成物は、保存剤組成物の総重量に基づいて、
(i)45重量%~70重量%のフェノキシエタノール;及び
(ii)25重量%~50重量%の、オクタン酸-2-ヒドロキシ-1-メチルエチルエステル、2-ヒドロキシプロピルカプリレート及び1,2-プロピレングリコールジカプリレートの混合物
を含む。
【0114】
本発明はさらに、本発明による保存剤組成物を含む最終用途製剤に関する。本発明の最終用途製剤に使用される保存剤の量は、上記のように、特定の保存剤に応じて変化する。代替の実施形態では、保存剤は、保存剤濃縮物の形態で製剤化されてもよい。「保存剤濃縮物」又は「保存剤組成物」とは、特定の量で最終用途製剤に添加される組成物を意味する。保存剤濃縮物では、保存剤の量は、最終用途製品に配合された最終使用量よりも多くなる。特定の実施形態では、保存剤濃縮物は、保存剤及び少なくとも1つのアルキレングリコールエステルのみを含有し得る。又は、特定の実施形態では、保存剤濃縮物は、保存剤、少なくとも1つのアルキレングリコールエステル及び最終用途製剤と適合性である担体を含有し得る。例示的な担体としては、例えば、水、水性溶媒、又は最終用途製剤及びこれらの製剤の使用に許容される他の溶媒が挙げられる。保存剤濃縮物は、最終最終用途製剤において防腐剤の所望の量を達成するのに必要な量で最終用途製剤に添加することができる。
【0115】
保存剤濃縮物に含有される場合、防腐剤及び少なくとも1つのアルキレングリコールエステルは、様々な異なる成分と組み合わせることができる。例えば、一実施形態では、保存剤濃縮物は溶媒を含有し得る。溶媒は、水などの極性溶媒、又はアルコール及び/若しくはグリコールエーテルなどの水混和性溶媒であり得る。特定の実施形態では、抗菌組成物は、水混和性有機溶媒をさらに含むことができる。適切な水混和性溶媒の例としては、エタノール、プロパノール、ベンジルアルコール、イソプロパノール、ジエチレングリコールプロピルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル及びその組合せが挙げられる。
【0116】
他の実施形態では、1つ以上のアルキレングリコールエステル及び保存剤は、互いに独立して最終用途製剤に添加されてもよい。例えば、特定の実施形態では、少なくとも1つのアルキレングリコールエステルは、保存剤を最終用途製剤に添加する前に保存剤に添加され得る。さらにいくつかの実施形態では、少なくとも1つのアルキレングリコールエステルは、保存剤が最終用途製剤に添加された後に最終用途製剤に添加されてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのアルキレングリコールエステルは、保存剤を最終用途製剤に添加する前に最終用途製剤に添加され得る。特定の実施形態では、少なくとも1つのアルキレングリコールエステルは、別個の材料として、保存剤と同時に最終用途製剤に添加されてもよい。
【0117】
本発明はさらに、少なくとも1つのアルキレングリコールエステルを含まない等量の保存剤と比較して、微生物に対する効力を増加させるための、本発明による保存剤組成物の使用に関する。一実施形態では、効力は、少なくとも0.5対数減少だけ増加する。一実施形態では、効力は、少なくとも1.0対数減少だけ増加する。
【0118】
本発明はさらに、本発明による保存剤組成物を含むパーソナルケア製品に関する。一実施形態では、保存剤組成物中に含まれる少なくとも1つのアルキレングリコールエステルは、パーソナルケア製品の重量に基づいて、1重量%以下の量、例えば、0.5重量%以下の量でパーソナルケア製品中に存在する。
【0119】
本発明はさらに、パーソナルケア製品の微生物による腐敗を防止するための方法であって、本発明による保存剤組成物をパーソナルケア製品に添加することを含む方法に関する。
【0120】
本発明はさらに、最終用途製剤における微生物に対する保存剤の効力を増加させる方法であって、最終用途製剤及び保存剤を提供すること、有効量の少なくとも1つのアルキレングリコールエステルを保存剤及び最終用途製剤に添加して、最終用途製剤中に少なくとも1つのアルキレングリコールエステルを含まない等量の保存剤と比較して、最終用途製剤中の保存剤の効力を増加させることを含み、保存剤及び少なくとも1つのアルキレングリコールエステルが、本発明の保存剤組成物のために定義される方法に関する。
【0121】
様々な異なる微生物を本発明に従って制御することができる。例えば、本発明の保存剤組成物は、グラム陽性細菌、グラム陰性細菌等を制御することができる。細菌に加えて、本発明の保存剤組成物は、真菌、ウイルス、胞子、酵母、マイコバクテリアなどの様々な他の微生物を死滅させ、増殖を制御することもできる。本発明に従って制御され得る特定の微生物の非限定的な例としては、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、スタフィロコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)、シュードモナス・エルギノーザ(Pseudomonas aeruginosa)、セラチア・マルセッセンス(Serratia marcescens)、サルモネラ・エンテリティディス(Salmonella enteritidis)、ナイセリア・ゴノレア(Neisseria gonorrhoeae)、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)、エンテロコッカス・ヒラエ(Enterococcus hirae)、アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、エンテロバクター・ゲルゴビエ(Enterobacter gergoviae)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、ブルホルデリア・セパシア(Burholderia cepacia)、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)、コクリア・リゾフィラ(Kocuria rhizophila)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、アスペルギルス・ブラジリエンシス(Aspergillus brasiliensis)、ペニシリウム・フニクロサム(Penicillium funiculosum)、ユーペニシリウム・レビタム(Eupenicillium levitum)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)、マイコバクテリウム・ツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis)、マイコバクテリウム・タレー(Mycobacterium terrae)、マイコバクテリウム・アビウム(Mycobacterium avium)、ポリオウイルス(Poliovirus)、アデノウイルス(Adenovirus)、ノロウイルス(Norovirus)、ワクシニアウイルス(Vaccinia virus)、インフルエンザウイルス(Influenza virus)、B型肝炎ウイルス(Hepatitis B virus)、ヒト免疫不全ウイルス(Human Immunodeficiency virus)、ヒトパピローマウイルス、(Human papilloma virus)又はそれらの混合物が挙げられる。
【0122】
概して、本発明の保存剤組成物は、任意の数の異なる最終用途製剤又は製品に組み込むことができる。本明細書で使用される場合、「最終用途製剤」又は「最終用途製品」は、化粧品、ホームケア製品及び健康衛生製品を含むパーソナルケア製品を意味することを意図している。例えば、パーソナルケア製品は、フェイスクリーム、メイクアップリムーバー、マスカラ又はウェットワイプを含む化粧品製剤などの製品を含み得る。パーソナルケア製品製剤はまた、シャンプー、コンディショナー、スキンローション又は任意のパーソナルケアウェットワイプ用途のための液体も含む。パーソナルケア製品製剤は、ユーザの皮膚又は毛髪への局所適用のための任意の製品を含み得る。本明細書に開示の保存剤組成物がパーソナルケア製品に配合される場合、保存剤組成物は、広いpH範囲にわたって効果的で広範囲の保存活性を提供する。例えば、特定の実施形態では、パーソナルケア製品は、約2~9、例えば約3~約8、特に約3~約6の範囲のpHを有し得る。したがって、本明細書に開示の保存剤組成物は、広域pHを有する最終用途製品の範囲にわたって、最終用途製品に対して広い抗菌範囲を示し得る。
【0123】
特定の実施形態では、本明細書に開示の保存剤組成物は、約2~約9、例えば約3~約8、特に約3~約6の範囲のpHを有し得る。
【0124】
パーソナルケア製品製剤は、本発明の保存剤組成物が添加されるベース製剤を含み得る。ベース製剤は、最終用途に応じて多数の異なる材料を含有し得る。パーソナルケア製品製剤は、例えば、溶媒、界面活性剤、乳化剤、稠度因子、コンディショナー、皮膚軟化剤、スキンケア材料、保湿剤、増粘剤、湿潤剤、充填剤、酸化防止剤、他の保存剤、活性成分、特に皮膚科学的活性成分、芳香剤など、及びそれらの混合物を含有し得る。本明細書で言及される活性成分は、例えば、抗炎症剤、抗菌剤、抗真菌剤などの薬剤を含む。局所適用に適した活性成分が特に好ましい。
【0125】
適切な界面活性剤としては、アルキルサルフェート、例えばラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム;セテアリル硫酸ナトリウム;アルキルスルホアセテート、例えばラウリルスルホ酢酸ナトリウム;アルキルエーテルサルフェート、例えばラウレス硫酸ナトリウム;トリデセス硫酸ナトリウム;オレス硫酸ナトリウム;ラウレス硫酸アンモニウム;アルキルエーテルスルホスクシネート、例えばスルホコハク酸ラウレス二ナトリウム;アルキルグリコシド、例えばデシルグルコシド;ラウリルグルコシド;アルキルイセチオネート両性物質、例えばコカミドプロピルベタイン;ココアンホ酢酸ナトリウム;ラウロアンホ酢酸ナトリウム;ラウロアンホ二酢酸二ナトリウム;ココアンホ二酢酸二ナトリウム;ラウロアンプリピオン酸ナトリウム(sodium lauroamphopripionate);ラウロアンホジプロピオン酸二ナトリウム;前述の両性物質のカリウム塩又はアンモニウム塩;カプリル/カプラミドプロピルベタイン;ウンデシレンアミドプロピルベタイン;ラウロミドプロピルベタイン;及び脂肪アルコールポリグリコールエーテルが挙げられる。
【0126】
適切な乳化剤としては、例えば、脂肪酸の塩としてのアニオン性物質、例えばステアリン酸ナトリウム又はパルミチン酸ナトリウム、有機石鹸、例えばモノ-、ジ-又はトリエタノールアミノエート、硫酸化又はスルホン化化合物、例えばラウリル硫酸ナトリウム又はセチルスルホン酸ナトリウム、サポニン、ラメポン;第四級アンモニウム塩としてのカチオン性物質;脂肪アルコールとしての非イオン性物質、飽和又は不飽和脂肪酸を有する脂肪酸エステル、脂肪酸のポリオキシエチレンエステル又はポリオキシエチレンエーテル、エチレンオキシド及びプロピレンオキシド又はプロピレングリコールからのポリマー、ホスファチドとしての両性物質、ゼラチンとしてのタンパク質、カゼインアルキルアミドベタイン、アルキルベタイン及びアンホグリシネート、アルキルホスフェート、アルキルポリオキシエチレンホスフェート又は対応する酸、シリコーン誘導体、例えばアルキルジメチコンコプリオールが挙げられる。
【0127】
適切な稠度因子としては、例えば脂肪アルコール又は脂肪酸エステルとのそれらとの混合物、例えばアセチル化ラノリンアルコール、アルミニウムステアレート、カルボマー、セチルアルコール、グリセリルオレエート、グリセリルステアレート、グリセリルステアレート(及び)PEG 100ステアレート、マグネシウムステアレート、マグネシウムサルフェート、オレイン酸、ステアリン酸、ステアリルアルコール、ミリスチルミリステート、イソプロピルパルミテート、蜜蝋及びそれらの合成等価物、カルボマーなどが挙げられる。適切なコンディショナーは、例えば、アルキルアミドアンモニウムラクテート、セトリモニウムクロリド及びジステアロイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート及びセテアリルアルコール、セチルジメチコン、セチルリシノレエート、ジメチコン、ラウレス-23、ラウレス-4、ポリデセン、レチニルパルミテート、四級化タンパク質加水分解物、四級化セルロース及びデンプン誘導体、アクリル酸又はメタクリル酸又は塩の四級化コポリマー、四級化シリコーン誘導体である。
【0128】
適切な皮膚軟化剤としては、例えば、セテアリルイソノナエート、セテアリルオクタノエート、デシルオレエート、イソオクチルステアレート、ココカプリレート/ココカプレート、エチルヘキシルヒドロキシステアレート、エチルヘキシルイソノナエート、イソプロピルイソステアレート、イソプロピルミリステート、オレイルオレエート、ヘキシルラウレート、パラフィンリキダム、PEG-75ラノリン、PEG-7グリセリルココエート、ペトロラタム、オゾケライトシクロメチコン、ジメチコン、ジメチコンコポリオール、ジカプリリルエーテル、ブチロスペルム・パルキイ(butyrospermum parkii)、バクサス・チネンシス(buxus chinensis)、キャノーラ、カルナウバ・セラ(carnauba cera)、コペルニシア・セリフェラ(copernicia cerifera)、オエノセラ・ビエニス(oenothera biennis)、エラエイス・ギニエンシス(elaeis guineensis)、プルヌス・ダルシス(prunus dulcis)、スクアラン、ゼア・メイズ(zea mays)、グリシン・ソヤ(glycine soja)、ヘリアンサス・アナス(helianthus annuus)、ラノリン、硬化ヒマシ油、硬化ヤシ油、水添ポリイソブテン(hydrogenated polyisobutene)、スクロースココエート、ステアロキシジメチコン、ラノリンアルコール、イソヘキサデカンが挙げられる。
【0129】
適切なスキンケア材料としては、例えば、植物抽出物、ビサボロール、抗炎症剤、尿素、アラントイン、パンテノール及びパンテノール誘導体、フィタントリオール、ビタミンA、E、C、D、動物又は植物起源のセラミド、レシチンなどが挙げられる。
【0130】
適切な保湿剤としては、例えば、ブチレングリコール、セチルアルコール、ジメチコン、ジミリスチルタータレート、グルコースグリセレス-26、グリセリン、グリセリルステアレート、加水分解乳タンパク質、乳酸、ラクトース及び他の糖、ラウレス-8、レシチン、オクトキシグリセリン、PEG-12、PEG 135、PEG-150、PEG-20、PEG-8、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、フィタントリオール、ポリクオタニウム-39 PPG-20メチルグルコースエーテル、プロピレングリコール、ナトリウムヒアルロネート、ナトリウムラクテート、ナトリウムPCA、ソルビトール、スクシノグリカン、合成蜜蝋、トリ-C14-15アルキルシトレート、デンプンが挙げられる。
【0131】
適切な増粘剤としては、例えば、アクリレート/ステアレス-20メタクリレートコポリマー、カルボマー、カルボキシメチルスターチ、セラアルバ、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー、プロピレングリコールアルギネート、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、シリカ、ジメチルシリル化シリカ、キサンタンガム、水添(ブチレン/エチレン/スチレン)コポリマーが挙げられる。
【0132】
適切な湿潤剤としては、例えば、アジピン酸、フマル酸及びその塩、安息香酸及びその塩、グリセリントリアセテート、ラウリル硫酸ナトリウム又はラウリル硫酸マグネシウム、マグネシウムステアレート、固体ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ホウ酸、モノラクレート又はモノパルミテート、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、セチルステアリルアルコール、タルカム、高級脂肪酸のカルシウム塩又はマグネシウム塩、高級脂肪酸のモノ-、ジ-又はトリグリセリド、ポリテトラフルオロエチレンが挙げられる。
【0133】
適切な酸化防止剤としては、例えばサルファイト、例えばナトリウムサルファイト、トコフェロール又はその誘導体、アスコルビン酸又はその誘導体、クエン酸、プロピルガレート、キトサングリコレート、システイン、N-アセチルシステイン+ジンクサルフェート、チオサルフェート、例えばナトリウムチオサルフェート、ポリフェノールなどが挙げられる。
【0134】
本明細書に開示される製剤及び組成物は、活性成分、例えば抗菌剤、抗炎症剤、植物抽出物、ビサボロール、パンテノール、トコフェロール、抗刺痛、抗刺激剤又は抗フケ用途のための活性物質、又はレチノール、メリビオースなどの老化防止剤をさらに含有し得る。他の適切な活性物質としては、例えば、メディカゴ・オフィシナリス(Medicago officinalis)、アクチニジア・シネンシス(Actinidia chinensis)、アラントイン、アロエ・バルバデンシス(Aloe barbadensis)、アノナ・チェリモリア(Anona cherimolia)、アンテミス・ノビリス(Anthemis nobilis)、アラキス・ヒポゲア(Arachis hypogaea)、アミカ・モンタナ(Arnica Montana)、アベナ・サティバ(Avena sativa)、β-カロテン、ビサボロール、ボラゴ・オフィシナリス(Borago officinalis)、ブチレングリコール、カレンデュラ・オフィシナリス(Calendula officinalis)、カメリア・シネンシス(Camellia sinensis)、樟脳、カンジダ・ボンビコラ(Candida bombicola)、カプリロイルグリシン、カリカ・パパイア(Carica papaya)、センタウレア・シアヌス(Centaurea cyanus)、セチルピリジニウムクロリド、カモミラ・レクチタ(Chamomilla recutita)、チェノポジウム・キノア(Chenopodium quinoa)、キンコナ・サクシルブラ(Chinchona succirubra)、コンドラス・クリスプス(Chondrus crispus)、シトラス・オーランティアム・ダルシス(Citrus aurantium dulcis)、シトラス・グランディス(Citrus grandis)、シトラス・リモナム(Citrus limonum)、ココス・ナシーラ(Cocos nucifera)、コフィア・アラビカ(Coffea Arabica)、クラタエガス・モノジーナ(Crataegus monogina)、ククミス・メロ(Cucumis melo)、ジクロロフェニルイミダゾールジオキソラン、エンテロモルファ・コンプレッサ(Enteromorpha compressa)、エキセタム・アベンセ(Equisetum arvense)、エトキシジグリコール、エチルパンテノール、ファルネソール、フェルラ酸、フラガリア・キロエンシス(Fragaria chiloensis)、ゲンチアナ・ルテア(Gentiana lutea)、ギンコ・ビロバ(Ginkgo biloba)、グリセリン、グリセリルラウレート、グリシルリザ・グラブラ(Glycyrrhiza glabra)、ハマメリス・ビルギニアナ(Hamamelis virginiana)、ヘリオトロピン、硬化ヤシ油グリセリド、シトレート、加水分解ヒマシ油、加水分解コムギタンパク質、ハイペリカム・パーフォラタム(Hypericum perforatum)、イリス・フロレンティナ(Iris florentina)、ジュニペルス・コミュニス(Juniperus communis)、ラクティス・プロテイナム(Lactis proteinum)、ラクトース、ローソニア・イネルミス(Lawsonia inermis)、リナロール、リナム・ウシタチシムム(Linum usitatissimum)、リジン、マグネシウムアスパルテート、マグニフェラ・インディカ(Magnifera indica)、マルバ・シルヴェストリス(Malva sylvestris)、マンニトール、メラレウカ・アルテルニフォリア(Melaleuca alternifolia)、メンサ・ピペリタ(Mentha piperita)、メントール、メチルラクテート、ミモザ・テヌイフローラ(Mimosa tenuiflora)、ニンファエア・アルバ(Nymphaea alba)、オラフルール、オリザ・サティバ(Oryza sativa)、パンテノール、パラフィン油(paraffinum liquidum)、PEG-20M、PEG-26ホホバ酸、PEG-26ホホバアルコール、PEG-35ヒマシ油、PEG-40 硬化ヒマシ油、PEG-60硬化ヒマシ油、PEG-8カプリル酸/カプリン酸、ペルセア・グラティッシマ(Persea gratissima)、鉱油、カリウムアスパルテート、カリウムソルベート、プロピレングリコール、プルヌス・アミグダルス・ドゥルチス(Prunus amygdalus dulcis)、プルヌス・アルメニアカ(Prunus armeniaca)、プルヌス・ペルシカ(Prunus persica)、レチニルパルミテート、リシヌス・コムニス(Ricinus communis)、ロサ・カニーナ(Rosa canina)、ロスマリヌス・オフィキナリス(Rosmarinus officinalis)、ルブス・イダエウス(Rubus idaeus)、サリチル酸、サムブカス・ニグラ(Sambucus nigra)、サルコシン、セレノア・セルルラータ(Serenoa serrulata)、シモンドシア・シネンシス(Simmondsia chinensis)、カルボキシメチルベータグルカンナトリウム、ココイルアミノ酸ナトリウム、ナトリウムヒアルロネート、ナトリウムパルミトイルプラリーヌ(sodium palmitoyl praline)、ステアロキシトリメチルシラン、ステアリルアルコール、硫化TEA-リシノレート、タルク、タイム・ブルガリス(Thymus vulgaris)、チリア・コルデータ(Tilia cordata)、トコフェロール、トコフェリルアセテート、トリデセス-9、トリチカム・ヴルガレ(triticum vulgare)、チロシン、ウンデシレノイルグリシン、尿素、ワクシニウム・ミルティルス(Vaccinium myrtillus)、バリン、酸化亜鉛、硫酸亜鉛が挙げられる。
【0135】
本発明の保存剤組成物は、エマルジョン(水中油型及び油中水型の両方)、水溶液、PIT(転相温度)エマルジョン、油性溶液、発泡性化粧品製剤(フォーム)、及びいわゆる多重エマルジョン、例えば三重エマルジョン(水/油/水エマルジョンなど)に使用することができる。
【0136】
本発明の保存剤組成物は、クリーム、ゲル、液体又はローションとして製剤化することもできる。それらは、シャンプー、ヘアコンディショナー、染毛剤、ヘアトニック、ヘアジェル、ヘアドレッシング、ヘアグルーミング助剤及び他のヘアケア調製物などのヘアケア製品;シェービングクリーム、アフターシェーブローション及び他のシェービング用途などのシェービング用途;液体浴用石鹸及び洗剤などの身体及び手用のパーソナルクリーナー;芳香剤用途、例えば香料、入浴後スプレー及び他の同様の芳香剤など、スキンケア製品、例えば保湿剤、クリーム及びローション並びに他の同様のスキンケア製品、メイクアップ製品、例えばマスカラ、ベースファンデーションなど、メイクアップリムーバー製品、サンケア製品、屋内用日焼け製品及び他の同様のパーソナルケア製品に使用することができる。特定の実施形態では、本明細書に開示の保存剤組成物は、個人の洗浄及び衛生のために使用されるワイプ(例えば、ベビー用ワイプ、ウェットトイレワイプ、メイクアップリムーバーワイプ及び角質剥離ワイプなど)にしみ込ませるために使用される製剤に組み込まれてもよい。保存剤組成物はまた、保存剤が必要とされる他の製剤に使用することができる。
【0137】
いくつかの実施形態では、本発明の保存剤組成物は、最終用途製剤に、製剤の0.01重量%~約10重量%の間の量で添加することができる。より具体的には、いくつかの実施形態では、保存剤組成物は、製剤の約0.1重量%~5.0重量%の間の量で添加される。添加される保存剤組成物の量は、選択される保存剤に依存し得る。
【0138】
特定の実施形態では、保存剤組成物は、ホームケア製品、例えば、手洗い用石鹸、洗濯用洗剤、洗浄ワイプ、汎用洗浄剤及び家庭で使用される他の同様の製剤に組み込まれてもよい。
【0139】
特定の実施形態では、保存剤組成物は、ウェットワイプにしみ込ませるために使用されるウェットワイプ製剤に含めることができる。これらの実施形態では、保存剤組成物は、ウェットワイプ製剤及び使用前のウェットワイプを保存するのに役立ち得る。ウェットワイプ組成物が製剤化されると、ウェットワイプ組成物は基材に塗布される。
【0140】
保存剤組成物を含むウェットワイプ組成物は、従来の塗布技術を使用して処理される基材に塗布され得る。従来の技術としては、基材上に製剤を噴霧、注入、噴出及び/又は拭き取ることが挙げられる。いくつかの実施形態では、ウェットワイプ組成物は、即時使用製剤としてエンドユーザに提供されるか、又は塗布手段を備えた容器でエンドユーザに提供される。例えば、ウェットワイプ組成物は、エアロゾルとして加圧される容器、トリガ若しくはポンプ噴霧器を有する容器、噴出容器、又はユーザが基材上に製剤を注ぐことを可能にする取り外し可能なキャップを有する従来の容器に提供されてもよい。
【0141】
しかし、特定の実施形態では、本明細書に開示の保存剤組成物を含有するウェットワイプ製剤は、ワイプ基材に含浸又は塗布され得る。この実施形態では、ワイプは、製剤が含浸され、ユーザにワイプを分配する容器に保存される単回使用ワイプである。ワイプを有する容器は、単一のワイプ又はいくつかのワイプを含むことができる。適切な容器としては、ユーザによって引き裂かれて開かれる、濡れティッシュなどの単一のワイプを含むパウチが挙げられるが、又は積み重ねられた形式でいくつかのワイプを含む再密封可能な開口部を有するパウチ、又は一度に単一のワイプを開口部から取り出すことができる他の適切な形成であってもよい。パウチは、一般に、フィルム、コート紙若しくは箔などの流体不透過性材料、又は他の同様の流体不透過性材料から調製される。特定の実施形態では、ワイプは、容器内のワイプにアクセスするための開口部を有する流体不透過性容器内に配置することができる。このようにして、ユーザは、容器の開口部から1つ以上のワイプを取り出すことができる。適切な容器としては、一般に流体不透過性である蓋を有する成形プラスチック容器を挙げることができる。蓋は、容器内のワイプにアクセスするための開口部を有することができる。容器内のワイプは、ワイプが容器から取り出されると、ユーザが次のワイプを取り出す用意のため次のワイプが容器の開口部に配置されるように、挟み込んで積み重ねられた状態で容器内に配置されてもよい。又は、特定の実施形態では、ワイプは、連続材料の個々のワイプの間にミシン目を入れた連続材料であってもよい。ミシン目を有する連続ワイプ材料は、折り畳まれた形態であってもよく、又はロール状形態であってもよい。一般に、ロール状形態では、ワイプ材料は、ロール状材料の中心から、分配用の容器の蓋の開口部を通して供給される。挟み込んで積み重ねられるのと同様に、ワイプがコンテナから取り出されると、次のワイプは、必要に応じて、ユーザが次のワイプを取り出すために開口部に配置される。
【0142】
使い捨てワイプは、再使用可能なスポンジ、ぼろきれなどの他の塗布媒体を超える利点を提供する。特に有利なのは、含浸ワイプが単回使用であり、次いで廃棄されるという事実であり、これは、繰り返し使用され得るスポンジ、ぼろきれなどの使用とは対照的である。
【0143】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示の保存剤組成物を含有する製剤は、ワイプが予め湿らされ、ワイプが処理される基材に塗布されるときに基材上に製剤が絞り出される、又は放出されるようにワイプに含浸される。一般に、ワイプが拭き取り作用を介して基材に製剤を放出するように、製剤をワイプ中にしみ込ませる。
【0144】
適切なワイプ基材には、織布及び不織布材料が含まれる。特定の実施形態では、任意の不織ウェブ材料を使用することができる。例示的な不織布材料としては、限定するものではないが、メルトブロー、コーフォーム、スパンボンド、エアレイド、エアレース、水流交絡不織布、スパンレース、接着カードウェブ、及びそれらの積層体を挙げることができる。ワイプ基材を調製するために使用される繊維は、セルロース繊維、熱可塑性繊維及びそれらの混合物であり得る。繊維はまた、連続繊維、不連続繊維、ステープル繊維及びそれらの混合物であってもよい。不織ウェブの坪量は、約12グラム/平方メートル~200グラム/平方メートル(gsm)以上まで変化し得る。
【0145】
一実施形態では、拭き取り組成物が含浸された基材は、かなりの量のセルロース系繊維を含有する。特に、本発明の拭き取り組成物は、製品を汚染し得る微生物による攻撃からセルロース基材を保護するのに特によく適している。特定の一実施形態では、例えば、基材は、80重量%超、例えば85重量%超、例えば90重量%超、例えば95重量%超、さらには100重量%のセルロース繊維から作製されてもよい。例えば、一実施形態では、基材は、エアレース工程でパルプ繊維及びバインダーから作製される。基材の坪量は、約20gsm~約100gsm、例えば約40gsm~約70gsm、例えば約50gsm~約60gsmであり得る。
【0146】
基材に組み込まれると、得られた拭き取り製品は、約5:1~約1:1、例えば約2:1~約4:1の液体対基材の重量比を有することができる。
【0147】
以下の実施例は、本発明を限定することなく例示する。提供される全ての部及びパーセンテージは、別段の指示がない限り重量基準である。
【0148】
以下の実施例に記載されている各要素、又は2つ以上を併せて、上記のタイプとは異なる他のタイプの方法において有用な適用をさらに見出し得ることが理解されよう。さらなる分析をせずに、前述により本発明の趣旨が十分に明らかになるので、他者は、現在の知識を適用することによって、先行技術の観点から、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の包括的又は特定の態様の本質的な特徴を正当に構成する主要点を省略することなく、様々な適用に容易に適合させることができる。
【実施例
【0149】
相乗効果を実証するために、以下の実施例を行った。以下の実施例では、使用されるプロピレングリコールカプリレート(PGC)は、プロピレングリコールモノカプリレート(オクタン酸-2-ヒドロキシ-1-メチルエチルエステル及び2-ヒドロキシプロピルカプリレート)及びプロピレングリコールジカプリレート(1,2-プロピレングリコールジカプリレート)の混合物であり、この混合物は約74重量%のプロピレングリコールモノカプリレート及び約26重量%のプロピレングリコールジカプリレートを含む。
【0150】
[実施例1]
非イオン性ローションマトリックス中のプロピレングリコールカプリレート(PGC)とフェノキシエタノールとの相乗的保存剤効果を試験した。
【0151】
方法:
試験生物の調製
この試験で使用されるチャレンジ微生物は、シュードモナス・エルギノーザ(Pseudomonas aeruginosa)ATCC 9027/DSM 1128、プルラリバクター・ゲルゴビエ(Pluralibacter gergoviae)ATCC 33028/DSM 9245、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)ATCC 6538/DSM 799、バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)ATCC 25416/DSM 7288、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)ATCC 10031/DSM 681、エシェリヒア・コリ(Eschericia coli)ATCC 8739/DSM 1576、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)ATCC 10231/DSM 1386及びアスペルギルス・ブラジリエンシス(Aspergillus brasiliensis)ATCC 16404/DSM 1988である。
【0152】
細菌株及び酵母株を凍結保存維持した。使用前に、これらをトリプトンソイ寒天(細菌)及び麦芽エキス寒天(酵母)上で継代培養し、適切な温度及び時間でインキュベートした。細菌及び酵母試験株をそれぞれ収集し、希釈剤(トリプトン生理食塩水)に懸濁して、細菌については1.0~5.0×10cfu/ml及び酵母について1.0~5.0×10cfu/mlの最終濃度を得た。これは、波長620nmにおける分光光度計による検量線を使用して達成された。
【0153】
アスペルギルス・ブラジリエンシス(Aspergillus brasliensis)(カビ)を-80℃で凍結保存維持した。使用前に、それらをMEA上で継代培養し、27.5±2.5℃で7~9日間(胞子が成熟するまで)インキュベートした。試験の前に、胞子を滅菌0.05%ポリソルベート80溶液で収集し、この懸濁液を処理して真菌菌糸を除去し、1.0~5.0×10cfu/mlの最終濃度を得た。
【0154】
微生物増殖に使用したインキュベーション条件を表1に要約する。
【0155】
【表1】
【0156】
接種材料培養物の正確なCFU/mlを確立するために、次いで、各細菌、酵母及びカビ懸濁液から1mlアリコートを採取し、細菌については10-7、酵母及びカビについては10-6まで段階希釈し、次いで、各希釈液1mlを混釈平板法を用いて2連でプレーティングし、適切な温度及び時間でインキュベートした。
【0157】
微生物増殖に使用したインキュベーション条件を表2に要約する。
【0158】
【表2】
【0159】
試験試料の調製
各被験生物について、19.8gの各保存剤組成物試料を非イオン性ローション製剤で調製した。この試験で使用した試料を以下の表3に要約する。
【0160】
試料6、7、12及び13は、アスペルギルス・ブラジリエンシス(A.brasiliensis)に対して試験しなかった。
【0161】
【表3】
【0162】
非イオン性ローション製剤
非イオン性ローション製剤の組成を以下に提供する。
【0163】
【表4】
【0164】
試験手順
試料を0日目に接種した。保存効力試験は試料接種時に開始する。保存効力試験を28日間にわたって行った。
【0165】
試験試料を別々の接種材料に接種した。接種材料は、総試料体積の1%未満を超えなかった。
【0166】
細菌懸濁試験のための試料中の全微生物負荷は1×10~1×10cfu/mlとし、真菌懸濁試験のための全負荷は1×10~1×10cfu/mlとする。
【0167】
各接種試料を、均質な混合物が得られるまで混合した。
【0168】
試料を、接種後0、7、14、21及び28日目に試験する。追加の試験を、試料2、3、4、8、9及び10について2日目にも行った。
【0169】
指定された接触時間に達したら、各試験試料の1mlアリコートを9mlの中和ブロスに添加し、溶液全体を混合した。
【0170】
その後の希釈液を、10-5まで段階希釈によって調製した。
【0171】
各希釈液について、適切な寒天を使用して1mlの混釈平板を2連で調製し、表2のような適切な温度及び時間でインキュベートする。
【0172】
各試料希釈液アリコートについての混釈平板を、20ml~25mlの寒天をプレートに注ぎ、完全に混合し、寒天を固化させることによって調製した。
【0173】
検出限界
細胞を回収するために使用される方法及び技術の希釈パラメータに応じて、信頼できる計数を確実にするために特定の検出限界を設定しなければならない。
【0174】
可能な限り、プレートあたり10~330個の間のコロニーをもたらす希釈液をカウントし、2連のプレートの平均を使用して、試料1mlあたりのコロニー形成単位の数を計算した。いかなるプレート上にも増殖が見られない場合、結果は10-1において「<10」CFU/mlとして報告される。
【0175】
例えば、プレートがカウント可能な7個の目に見えるコロニーを有する場合、<10が記録され、10が計算に使用される。上限については、プレート上で407個のコロニーがカウントされた場合、>330が記録され、330が計算に使用される。
【0176】
回収の計算。
試料1mlあたりの回収カウントは、以下のように計算される:
N(播種材料培養物)の計数及び計算
試験中に製品に添加した場合、接種材料培養物の100分の1希釈液なので、試料1mlあたりのカウントは以下のように計算される:
接種材料培養物1mlあたりの生物/100=試料1mlあたりの生物CFU。
【0177】
T(試験試料)の計数及び計算
2連のプレートからの1mlアリコートあたりのCFUの平均値を、以下の計算を用いて確立した;
試験試料1mlあたりの生物/2=試料1mlあたりの生物回収。
【0178】
N(播種材料培養物)及びT(試験試料)の両方が数回の希釈に供された。これを考慮して、希釈係数の最終乗算が両方に適用される。
【0179】
対数減少計算(NT)
対数減少を計算する前に、N及びTの両方を対数底10の値に変換した。
【0180】
最終対数減少を計算するために、以下の計算を使用した:
Log N-log T=対数減少
【0181】
結果:
各試料及び各生物に使用される接種材料濃度を以下に詳述する。
【0182】
【表5】
【0183】
【表6】
【0184】
【表7】
【0185】
【表8】
【0186】
【表9】
【0187】
【表10】
【0188】
【表11】
【0189】
【表12】
【0190】
以下では、表3による試料製剤1~13の各微生物に対する対数減少を提供する。
【0191】
【表13】
【0192】
【表14】
【0193】
【表15】
【0194】
【表16】
【0195】
【表17】
【0196】
【表18】
【0197】
プロピレングリコールカプリレート(PGC)とフェノキシエタノールとの相乗的保存剤効果が、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)ATCC 6538/DSM 799、バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)ATCC 25416/DSM 7288、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)ATCC 10031/DSM 681、エシェリヒア・コリ(Eschericia coli)ATCC 8739/DSM 1576、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)ATCC 10231/DSM 1386及びアスペルギルス・ブラジリエンシス(Aspergillus brasiliensis)ATCC 16404/DSM 1988に対して観察された。
【0198】
プロピレングリコールカプリレート(PGC)及びフェノキシエタノールはまた、シュードモナス・エルギノーザ(Pseudomonas aeruginosa)ATCC 9027/DSM 1128及びプルラリバクター・ゲルゴビエ(Pluralibacter gergoviae)ATCC 33028/DSM 9245に対しても有効であった。
【0199】
[実施例2]
ヘアコンディショナーマトリックス中のプロピレングリコールカプリレート(PGC)とフェノキシエタノールとの相乗的保存剤効果を試験した。
【0200】
方法:
試験生物の調製
この試験で使用されるチャレンジ微生物は、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)ATCC 10231/DSM 1386及びアスペルギルス・ブラジリエンシス(Aspergillus brasiliensis)ATCC 16404/DSM 1988である。
【0201】
試験生物を実施例1のプロトコルに従って調製した。
【0202】
試験試料の調製
各被験生物について、19.8gの各保存剤組成物試料をヘアコンディショナー製剤で調製した。この試験で使用した試料を表4に要約する。
【0203】
【表19】
【0204】
ヘアコンディショナー製剤
ヘアコンディショナー製剤の組成物を以下に提供する。
【0205】
【表20】
【0206】
試験手順
試料を0日目に接種した。保存効力試験は試料接種時に開始する。
【0207】
試験試料に別々の接種材料を接種した。接種材料は、総試料体積の1%未満を超えなかった。
【0208】
真菌懸濁試験のための試料中の全微生物負荷は、1×10~1×10cfu/mlとする。
【0209】
各接種試料を、均質な混合物が得られるまで混合した。
【0210】
試料を、接種後0、2、7、14及び28日目に試験する。
【0211】
指定された接触時間に達したら、各試験試料の1mlアリコートを9mlの中和ブロスに添加し、溶液全体を混合した。
【0212】
その後の希釈液を、10-5まで段階希釈によって調製した。
【0213】
各希釈液について、適切な寒天を使用して1mlの混釈平板を2連で調製し、表2のような適切な温度及び時間でインキュベートする。
【0214】
各試料希釈液アリコートについての混釈平板を、20ml~25mlの寒天をプレートに注ぎ、完全に混合し、寒天を固化させることによって調製した。
【0215】
検出限界
実施例1と同様にして、検出限界及び回収の計算を決定した。
【0216】
結果:
各試料及び各生物に使用される接種材料濃度を以下に詳述する。
【0217】
【表21】
【0218】
【表22】
【0219】
以下では、表4による試料製剤1~7の各微生物に対する対数減少を提供する。
【0220】
【表23】
【0221】
保存剤非含有のヘアコンディショナー(試料1)は、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)に対する有効な保存をもたらすことができない。
【0222】
試料番号2、3及び4は、カンジダ・アルビカンス(candida albicans)に対して3.19超の対数減少(総死滅)をもたらした。
【0223】
同様に、試料5、6及び7は、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)に対して同じ3.19超の対数減少(総死滅)をもたらしたが、これらの試料はより低い濃度のフェノキシエタノール保存剤を含有していた。
【0224】
【表24】
【0225】
ヘアコンディショナー試料番号4、5及び6は、アスペルギルス・ブラジリエンシス(Aspergillus brasiliensis)に対して試料番号2、3及び4と比較した場合、同じ時点ではるかに高いレベルの対数減少をもたらした。
【0226】
[実施例3]
この実施例は、プロピレングリコールカプリレート(PGC)と様々な保存剤との単純な水マトリックス中での相乗的保存効果を詳述している。以下の実施例は、様々な異なる保存剤及びアルキレングリコールエステルの組合せの相乗的保存効果を実証する。
【0227】
この試験で使用されるチャレンジ微生物は、プルラリバクター・ゲルゴビエ(Pluralibacter gergoviae)ATCC 33028/ DSM 9245、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)ATCC 10231/ DSM 1386及びアスペルギルス・ブラジリエンシス(Aspergillus brasiliensis)ATCC 16404/NCPF 2275である。
【0228】
方法:
試験生物の調製
細菌株及び酵母株を-80℃で凍結保存維持した。使用前に、これらをトリプトンソイ寒天(細菌)及び麦芽エキス寒天(酵母)上で継代培養し、適切な温度及び時間でインキュベートした。
【0229】
微生物増殖に使用したインキュベーション条件を表5に要約する。
【0230】
【表25】
【0231】
これらの実験で使用したアスペルギルス・ブラジリエンシス(Aspergillus brasiliensis)ATCC 16404/ NCPF 2275は、1mlのBioBall 14 Day Re-Hydration Fluid(Biomerieux)中の1x10 BioBall M/S10E8 A.brasiliensis(Biomerieux)から調製した。次いで、トリプトン緩衝生理食塩水で試験懸濁液を作製し、細胞濃度を1x10~5x10CFU/mlに調整した。
【0232】
次いで、白金耳量(loopful)の生物を滅菌蒸留水に添加し、細胞濃度を細菌については1×10~5×10CFU/mlの間、酵母については1×10~5×10 CFU/mlの間に調整することによって、細菌及び酵母のそれぞれについて試験懸濁液を作製した。これは、波長620nmにおいて分光光度計によって作成された検量線からのデータを使用して達成された。
【0233】
微生物増殖に使用したインキュベーション条件を表6に要約する。
【0234】
【表26】
【0235】
試験試料の調製
各被験生物について、1gの各保存剤及びPGC組成物試料を滅菌蒸留水で調製した。この試験で使用した試料を以下の表7に要約する。
【0236】
【表27】
【0237】
試験手順
各試験試料は、試験生物懸濁液の1mlアリコートを1mlの試験試料に接種することによって調製した。
【0238】
次いで、この組合せを混合した。各試験混合物をサンプリングし、接種後の規定の時点で試験した。この研究で使用した接触時間を上記の表7に詳述する。
【0239】
指定された接触時間に達したら、100μlの試験混合物を900μlの中和ブロスに添加し、溶液全体を混合することによって試験混合物を失活させた。溶液を5分間放置し、保存剤の作用の効果的な中和を確実にした。その後、100μlを900μlの中和ブロスに添加することによって、希釈液を調製した。
【0240】
各希釈液について、適切な寒天を使用してドロッププレートを調製し、表5のような適切な温度及び時間でインキュベートする。
【0241】
プレーティング
ドロッププレート技術を使用した。
【0242】
20~25℃で層流中で45分間~1時間乾燥させることによって寒天プレートを調製する。各試料希釈液について、0.025mlのアリコートを寒天表面上に滴下する。液滴を乾燥させ、適切にインキュベートする。
【0243】
プレートは、各試料希釈液についてそれぞれ6連ずつプレートを調製した。
【0244】
検出限界
細胞を計数するために使用される方法及び技術の希釈パラメータに応じて、信頼できる計数を確実にするために特定の検出限界を設定しなければならない。
【0245】
ドロッププレートのカウントのために、6個全ての液滴にわたってカウント下限<0.25CFU/0.025ml及びカウント上限>8.25CFU/0.025mlを使用して、インキュベートした接種プレートのコロニーを計数した。希釈係数を考慮すると、これは下限<10CFU/ml及び上限>330CFU/mlをもたらす。
【0246】
ドロッププレーティングの上限及び下限は、最高希釈係数プレート及び最低希釈係数プレートでのみ使用した。
【0247】
例えば、最低希釈プレート、例えば10-1が目に見えるコロニーを平均で0個有した場合、<0.25と記録され、0.25が計算に使用される。
【0248】
同様に、最高希釈プレート、例えば10-4の上限については、カウントされたコロニーを平均で31個有したら、>8.25と記録され、8.25が計算に使用される。
【0249】
全ての生物に使用した最低希釈係数プレートは10-1であった。使用された最高希釈計数プレートは、プルラリバクター・ゲルゴビエ(Pluralibacter gergoviae)については10-5、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)については10-4、及びアスペルギルス・ブラジリエンシス(Aspergillus brasiliensis)については10-3であった。
【0250】
最終的な対数減少値を報告する場合、計算を「>」にするために検出下限が使用された場合、値は例えば「>5.02対数減少」として報告され、計算を「<」にするために検出上限が使用された場合、値は例えば「<2.92対数減少」と報告される。
【0251】
回収の計算:
試料1mlあたりの回収カウントは、以下のように計算される:
N(水対照)の計数及び計算
0.025 mlの液滴あたりのcfuの平均値を、以下の計算を用いて確立した;
【0252】
【数1】
式中、
【0253】
【数2】
は6個の液滴からの生存カウント値の合計である
次いで、これに40を掛けてcfu/mlを確立した;
【0254】
T(試験試料)の計数及び計算
まず、0.025mlの液滴あたりのcfuの平均値を、以下の計算を用いて確立した;
【0255】
【数3】
式中、
【0256】
【数4】
は6個の液滴からの生存カウント値の合計である
次いで、これに40を掛けてcfu/mlを確立した;
【0257】
N(水対照)及びT(試験試料)の両方が数回の希釈に供された。これを考慮して、希釈係数の最終乗算が両方に適用される。
【0258】
対数減少計算(NT)
対数減少を計算する前に、N及びTの両方を対数底10の値に変換した。
【0259】
最終対数減少を計算するために、以下の計算を使用した:
Log10 N-log10 T=対数減少
【0260】
結果:
プロピレングリコールカプリレート(PGC)を、ビス(3-アミノプロピル)ドデシルアミン、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、安息香酸ナトリウム、乳酸、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、ベンゾイソチアゾリノン、ソルビン酸及びデヒドロ酢酸と組み合わせて試験した。
【0261】
プロピレングリコールカプリレートの濃度及び保存剤の濃度を変化させた。対数減少を以下の表に提供する。
【0262】
以下の結果が得られた:
ビス(3-アミノプロピル)ドデシルアミン及びPGCの濃度を、プルラリバクター・ゲルゴビエ(P.gergoviae)及びカンジダ・アルビカンス(C.albicans)に対して試験した。以下では、各微生物に対する対数減少を提供する。
【0263】
【表28】
【0264】
【表29】
【0265】
ジデシルジメチルアンモニウムクロリド及びPGCの濃度をカンジダ・アルビカンス(C.albicans)及びアスペルギルス・ブラジリエンシス(A.brasiliensis)に対して試験した。以下では、各微生物に対する対数減少を提供する。
【0266】
【表30】
【0267】
【表31】
【0268】
安息香酸ナトリウム及びPGCの濃度を、プルラリバクター・ゲルゴビエ(P.gergoviae)、カンジダ・アルビカンス(C.albicans)及びアスペルギルス・ブラジリエンシス(A.brasiliensis)に対して試験した。以下では、各微生物に対する対数減少を提供する。
【0269】
【表32】
【0270】
【表33】
【0271】
【表34】
【0272】
乳酸及びPGCの濃度を、プルラリバクター・ゲルゴビエ(P.gergoviae)及びアスペルギルス・ブラジリエンシス(A.brasiliensis)に対して試験した。以下では、各微生物に対する対数減少を提供する。
【0273】
【表35】
【0274】
【表36】
【0275】
ベンジルアルコール及びPGCの濃度をプルラリバクター・ゲルゴビエ(P.gergoviae)に対して試験した。以下では、プルラリバクター・ゲルゴビエ(P.gergoviae)に対する対数減少を提供する。
【0276】
【表37】
【0277】
フェノキシエタノール及びPGCの濃度を、プルラリバクター・ゲルゴビエ(P.gergoviae)、カンジダ・アルビカンス(C.albicans)及びアスペルギルス・ブラジリエンシス(A.brasiliensis)に対して試験した。以下では、各微生物に対する対数減少を提供する。
【0278】
【表38】
【0279】
【表39】
【0280】
【表40】
【0281】
ベンゾイソチアゾリノン及びPGCの濃度を、プルラリバクター・ゲルゴビエ(P.gergoviae)、カンジダ・アルビカンス(C.albicans)及びアスペルギルス・ブラジリエンシス(A.brasiliensis)に対して試験した。以下では、各微生物に対する対数減少を提供する。
【0282】
【表41】
【0283】
【表42】
【0284】
【表43】
【0285】
ソルビン酸及びPGCの濃度をプルラリバクター・ゲルゴビエ(P.gergoviae)に対して試験した。以下では、各微生物に対する対数減少を提供する。
【0286】
【表44】
【0287】
デヒドロ酢酸及びPGCの濃度をカンジダ・アルビカンス(C.albicans)に対して試験した。以下では、各微生物に対する対数減少を提供する。
【0288】
【表45】
【0289】
[実施例4]
フェノキシエタノール(PHE)と組み合わせた場合の様々なアルキレングリコールエステルの有効性を実証するために、以下の試験を完了した。
【0290】
この実施例では、様々な異なるアルキレングリコールエステルをフェノキシエタノールと組み合わせ、プルラリバクター・ゲルゴビエ(Pluralibacter gergoviae)ATCC 33028/ DSM 9245に対して試験した。
【0291】
方法:
試験生物の調製
プルラリバクター・ゲルゴビエ(Pluralibacter gergoviae)を-80℃で凍結保存維持した。使用前に、これらをトリプトンソイ寒天上で継代培養し、適切な温度及び時間でインキュベートした。
【0292】
微生物増殖に使用したインキュベーション条件を表8に要約する。
【0293】
【表46】
【0294】
次いで、白金耳量(loopful)の生物を滅菌蒸留水に添加し、細胞濃度を1×10~5×10CFU/mlの間に調整することによって試験懸濁液を作製した。
【0295】
接種材料培養物の正確なCFU/mlを確立するために、次いで、接種材料懸濁液から1mlアリコートを採取し、10-8まで段階希釈し、次いで、各希釈液1mlを混釈平板法を用いて2連でプレーティングし、適切な温度及び時間でインキュベートした。
【0296】
試験試料の調製
各被験生物について、1gのPHE(フェノキシエタノール)及びAGE(アルキレングリコールカプリレート)組成物試料を滅菌蒸留水で調製した。この試験で使用した試料を表9に要約する。
【0297】
【表47】
【0298】
試験手順
各試験試料は、試験生物懸濁液の1mlアリコートを1mlの試験試料に接種することによって調製した。
【0299】
次いで、この組合せを混合した。各試験混合物をサンプリングし、接種後の規定の時点で試験した。
【0300】
指定された接触時間に達したら、100μlの試験混合物を900μlの中和ブロスに添加し、溶液全体を混合することによって試験混合物を失活させた。溶液を5分間放置し、保存剤の作用の効果的な中和を確実にした。その後、100μlを900μlの中和ブロスに添加することによって、希釈液を調製した。
【0301】
各希釈液について、適切な寒天を使用してドロッププレートを調製し、表8のような適切な温度及び時間でインキュベートする。
【0302】
プレーティング
ドロッププレート技術を使用した。
【0303】
20~25℃で層流中で45分間~1時間乾燥させることによって寒天プレートを調製する。各試料希釈液について、0.025mlのアリコートを寒天表面上に滴下する。液滴を乾燥させ、適切にインキュベートする。
【0304】
プレートは、各試料希釈液についてそれぞれ6連ずつプレートを調製した。
【0305】
検出限界
細胞を計数するために使用される方法及び技術の希釈パラメータに応じて、信頼できる計数を確実にするために特定の検出限界を設定しなければならない。
【0306】
ドロッププレートのカウントのために、6個全ての液滴にわたってカウント下限<0.25CFU/0.025ml及びカウント上限>8.25CFU/0.025mlを使用して、インキュベートしたプレートのコロニーを計数した。希釈係数を考慮すると、これは下限<10CFU/ml及び上限>330CFU/mlをもたらす。
【0307】
ドロッププレーティングの上限及び下限は、最高希釈係数プレート及び最低希釈係数プレートでのみ使用した。
【0308】
例えば、最低希釈プレート、例えば10-1が目に見えるコロニーを平均で0個有した場合、<0.25と記録され、0.25が計算に使用される。
【0309】
同様に、最高希釈プレート、例えば10-4の上限については、カウントされたコロニーを平均で31個有したら、>8.25と記録され、8.25が計算に使用される。
【0310】
使用した最低希釈係数プレートは10-1であった。使用した最高希釈係数プレートは10-7であった。
【0311】
最終的な対数減少値を報告する場合、計算を「>」にするために検出下限が使用された場合、値は例えば「>5.02対数減少」として報告され、計算を「<」にするために検出上限が使用された場合、値は例えば「<2.92対数減少」と報告される。
【0312】
回収の計算:
試料1mlあたりの回収カウントは、以下のように計算される:
【0313】
N(播種材料培養物)の計数及び計算
試験中に製品に添加した場合、接種材料培養物の2分の1希釈液なので、試料1mlあたりのカウントは以下のように計算される:
接種材料培養物1mlあたりの生物/2=試料1mlあたりの生物CFU。
【0314】
T(試験試料)の計数及び計算
まず、0.025mlのスポットあたりのcfuの平均値を、以下の計算を用いて確立した;
【0315】
【数5】
式中、
【0316】
【数6】
は6個の液滴からの生存カウント値の合計である
次いで、これに40を掛けてcfu/mlを確立した;
【0317】
N(播種材料培養物)及びT(試験試料)の両方が数回の希釈に供された。これを考慮して、希釈係数の最終乗算が両方に適用される。
【0318】
対数減少計算(NT)
対数減少を計算する前に、N及びTの両方を対数底10の値に変換した。
【0319】
最終対数減少を計算するために、以下の計算を使用した:
Log10 N-log10 T=対数減少
【0320】
結果:
以下の表は、15分、30分、1時間及び2時間後に試験した、PHE対照と比較した様々な組合せの対数減少を示す。
【0321】
【表48】
【0322】
上記のように、試験したアルキレングリコールエステルの全てに有効性が実証された。
【国際調査報告】