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特表2023-522992オゾン化モジュール及び複数の当該モジュールの遠隔管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-01
(54)【発明の名称】オゾン化モジュール及び複数の当該モジュールの遠隔管理システム
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/015 20060101AFI20230525BHJP
【FI】
A61L9/015
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022564336
(86)(22)【出願日】2021-04-21
(85)【翻訳文提出日】2022-12-09
(86)【国際出願番号】 IB2021053290
(87)【国際公開番号】W WO2021214683
(87)【国際公開日】2021-10-28
(31)【優先権主張番号】102020000008470
(32)【優先日】2020-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(31)【優先権主張番号】102021000007910
(32)【優先日】2021-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522412091
【氏名又は名称】オー3ゼットワイ エスエイ
【氏名又は名称原語表記】O3ZY SA
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100170597
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ジェームス モッシ
【テーマコード(参考)】
4C180
【Fターム(参考)】
4C180AA07
4C180CA10
4C180EA17X
4C180HH05
4C180HH11
4C180KK02
4C180KK03
4C180KK04
4C180LL06
(57)【要約】
オゾン化モジュールが開示されている。当該オゾン化モジュールは、前記筐体内にはオゾン発生装置(3,101)が収容される筐体と、さらに前記オゾン発生装置を制御するのに適した制御部に接続されるオゾンセンサーと、触媒作用を有するフィルタアセンブリ(103)又はUV源(113)を用いる抑制アセンブリで構成されるオゾン減少手段を備える。前記制御部は、時間スケジュール及びオゾン閾値濃度と前記オゾンセンサー(4,102)からの濃度信号との比較に基づいて前記オゾン発生装置を制御する。空気流は、それぞれの制御された換気手段(103a)によって前記フィルタアセンブリ(103)又は抑制アセンブリを貫流する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にオゾン発生装置が収容される筐体を備えるオゾン化モジュールであって、さらに、
前記オゾン発生装置を制御するのに適した制御部に接続されるオゾンセンサーと、
触媒作用を有するフィルタアセンブリ又はUV源を用いる抑制アセンブリで構成されるオゾン抑制手段を備え、
前記制御部は、時間スケジュール及びオゾン閾値濃度と前記オゾンセンサーからの濃度信号との比較に基づいて前記オゾン発生装置を制御し、
空気流は、それぞれの制御された換気手段によって前記フィルタアセンブリ又は抑制アセンブリを貫流する、
ことを特徴とするオゾン化モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載のオゾン化モジュールであって、前記オゾンセンサーは、通信手段によって前記制御部に接続される、オゾン化モジュール。
【請求項3】
請求項2に記載のオゾン化モジュールであって、
前記通信手段は無線データ通信部を含み、
前記オゾンセンサーは、自己充足型で、前記オゾン発生装置から離れるように動こうとする、
オゾン化モジュール。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載のオゾン化モジュールであって、存在検出器がさらに供される、オゾン化モジュール。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載のオゾン化モジュールであって、
前記オゾン発生装置は、入口開口部にファンが供され、出口に偏向ダクトが供されるコンベヤベルト内に格納され、前記筐体の外部へ向けられるオゾンの豊富な空気流を生成しようとする、
オゾン化モジュール。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載のオゾン化モジュールであって、前記オゾン発生装置の運転の光/音響/視覚的警報装置が、前記筐体外部で視認可能なように供される、オゾン化モジュール。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載のオゾン化モジュールであって、煙センサー、温度センサー、湿度センサー、空気清浄度センサー、酸素センサー、一酸化炭素(CO)センサー、二酸化炭素(CO2)センサーのうちの1つ以上をさらに備える、オゾン化モジュール。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載のオゾン化モジュールであって、前記制御部はプログラム可能な装置を備える、オゾン化モジュール。
【請求項9】
請求項1~8のいずれかに記載の複数のオゾン化モジュールの管理システムであって、
前記モジュールの各々は、広域ネットワーク(WAN)に接続されるローカルエリアネットワーク(LAN)に接続される通信手段を有し、
前記モジュールの制御部は、前記通信手段を介して、共通のサーバーによって管理される、
管理システム。
【請求項10】
請求項9に記載の管理システムであって、
前記共通のサーバーは、前記モジュールの各々の運転データ、及び、前記モジュールに係り、かつ前記モジュールをプログラムすることを可能にするユーザーの識別データが格納されるデータベースを備える、
管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オゾン生成モジュール及びそのようなモジュールを設置することができるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
公知のように、部屋の除菌のために、多くの異なる薬剤を採用することができる。これらのうち、オゾン(О)の使用が知られており、これは、その強い酸化特性により、あらゆる種類の生きた病原体又は有害な生物を中和するために効果的に使用される。オゾンが室内の除菌に有効であることは、ウィルス感染(例えばSARS-COV-2)に関しても膨大な文献が存在する。
【0003】
しかし、気体オゾンは長期的に安定ではないため、簡便に製造し、その後の使用のために瓶に貯蔵することができない。したがって、部屋の衛生管理のために、オゾンは通常、資格のあるオペレータによって管理されるハンドヘルドオゾン発生装置を使って、要求に応じて局所的に生成される。このように、オゾンの供給は、特定の専門的な部屋(無菌室、病室、獣医手術室など)の除菌のために、必要なときに、要求に応じて行われる。これらの装置は、常に資格を持ったオペレータの介入を必要とし、除菌される部屋を通常そこにいる人々から適切に隔離する必要がある。無人のオゾン発生装置は、明らかに人の安全に対するリスクがある。
【0004】
しかしながら、毎回専門業者に依頼することなく、職場と家庭の両方の空間を制御された方法で恒久的に除菌するためにオゾンを利用できることが望ましい状況もある。特に、今日まで、職場や家庭の空間で効果的に使用することができ、様々な理由でそれらの環境を占有する人間にとって危険のない、所望の除菌効果を永続的に提供するように適切に制御できるオゾン発生装置が利用できないでいた。
【0005】
従って、設置及び使用が簡単で、人間やペットに危険を及ぼすことなく、一定数の空間の除菌に関する安全かつ効果的な制御を維持することができるオゾン発生装置を利用できるようにする解決策を提供する必要性が感じられる。
【0006】
特許文献1、特許文献2及び特許文献3には、オゾンを用いて環境を除菌するための装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2012/230879号公報
【特許文献2】欧州特許第2010828号公報
【特許文献3】米国特許出願公開第2009/311138号公報
【特許文献4】伊国特許出願第102021000007910号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、本出願人は、既存の装置には、構造の面でも操作の面でも改善の余地があることを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、上記報告された目的は、添付の独立請求項に定義された特徴を有するオゾン化モジュール及び当該モジュールが挿入され得るシステムによって達成される。そのような解決法の他の好ましい特徴は、従属請求項に定義されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明による解決策のさらなる特徴及び利点は、それにもかかわらず、純粋に非限定的な例として提供され、添付図面に示される、同じものの好ましい実施形態の以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【0011】
図1】本発明の第1実施形態による例示的なモジュールの透視図である。
図2】カバーを取り外した状態の図1と同様の図である。
図3図1のモジュールの動作構成要素の透視図である。
図4図1実施形態の唯一のオゾン生成コンポーネントの透視図である。
図5】本発明の代替実施形態によるモジュールの、部分的にシースルーとなった透視図である。
図6A図5のモジュールの分解透視図である。
図6A図5のモジュールの分解透視図である。6B及び6Cは、カバーリングが取り外された図5のモジュールの異なる観点による図である。
図7図5のモジュールのすべての構成要素の分解透視図である。
図8】本発明による除菌サイクルのグラフィック表示である。
図9図5の実施形態の変形例の部品を取り外した透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明による例示的なオゾン化モジュールを示している。筐体ケース内に、いくつかの動作部品が収容され、ケースのパネル1aの貫通部分から外部に露出される。代替案として、すべての動作部品を共通のパッケージ又は回路基板に含められ得て、図5図7を参照してさらによく説明するように、モジュール1内に取り付けられる。このレイアウトは、保守と修理作業を容易にすることができる。
【0013】
モジュール1は、産業用又は家庭用の空間に簡単に設置できるような形状及びサイズである。例えば図5図7に示されるように、モジュール1は、モジュラー吊り天井システムの標準フレームに埋め込まれ得る。あるいはモジュール1は、床の近傍に箱への取付、若しくは壁へ埋め込むのためのレイアウト、又は、最後に(審美的に楽しい)仕上げ被覆、及び、家庭用家具の一部で家電機器として埋め込まれ得て、若しくは空間にわたって手動で移動できる可動式家電機器として利用できる支持装置(脚部又は車輪)で適切に覆われている。
【0014】
図2では、パネル1aが取り外されている。それによりケース1の閉塞荷車1bが、横方向の通気スリット1cと、モジュール1の動作部品とを備えているのが視認される。
【0015】
閉塞荷車1bとパネル1aは、曲げられた金属板で作ることができるが、好ましくは、例えばABSのような成形又は熱成形されたプラスチック材料で作ることができる。
【0016】
動作部品は好ましくは、モジュールのケース1内に収容された電源パネル2を介して電流によって給電され、この電源パネル2は、例えばネットワーク電圧(ヨーロッパでは220V AC)を、様々な操作部品が動作するための低減電圧(例えば12V)に変圧する。あるいは、例えばLiFePoタイプの充電式電池の積層体を提供することも可能であり、交換可能、あるいは小容量充電維持電源によって充電が維持される。
【0017】
図4を参照すると、主な動作部品は、ガス状オゾンの発生装置3とオゾン検出センサー4である。
【0018】
オゾン発生装置3は、好ましくは、同一の電力消費量及び特定の大きさの装置で生成されるオゾンガスの量の観点で、この用途に特に有効であることが証明されているコロナ板を有するタイプである。他のオゾン生成装置を採用できることは排除されない。
【0019】
特に発生装置3は、搬送路を規定する筒状箱型容器32に収容された一対のコロナ板31を備えている。筒状容器32の上流の一端には、システムを冷却し、生成されたオゾンを除菌されるべき環境に押し出すために適切な大きさのファン33が設けられている。実施例では、コンピュータの冷却に使用されるタイプの速度調整可能なファン(好ましくはフィルタ付き)が示されているが、例えば接線タイプのような他のタイプの機械ファンを使用することも排除されない。ファンの代わりに、例えば圧縮空気ラインに接続された制御された出口バルブなど、気流を発生させるための他の装置を設けることも可能である。反対側の端部には、パネル1aで実践された切り抜き部11に気流を偏向させる偏向ダクト34(又は同等のフラップ)が設けられている。
【0020】
このレイアウトでは、空気流は環境からモジュールのスリット1cを通って引き込まれ、ファン33によってコロナプレート31に押し付けられ、こうしてオゾン(O3)で濃縮され、その後、切り抜き部11を通って環境に再び押し出される。
【0021】
オゾンセンサー4は、好ましくはアナログ式であり、例えば、アナログ式出力信号を有する10ppmのフルスケールのSn酸化物を有するタイプである。しかし、他の検出閾値だけでなく、他の検出原理や他のタイプの出力信号、例えばPWMやシリアル通信によるデジタルのセンサーを使用できることを排除するものではない。
【0022】
図解された実施形態によれば、オゾンセンサー4は、パネル1a上に、出力切り抜き部11から離間して取り付けられている。好ましい実施形態によれば、検出の冗長性とより高い精度を得るために、少なくとも2つの別個のセンサーが提供される。
【0023】
より好ましくは、モジュール1から離れた環境位置のオゾン濃度を検出するように、モジュール1に対して遠隔位置に設置可能な自己電源式(例えば電池による、しかしネットワークソケットに接続される独自の電源も有する)、少なくとも遠隔オゾンセンサーが提供される。この場合、オゾンセンサー4は、検出したデータをモジュール1に搭載された受信機Wに転送するために、例えば規格IEEE 802.11のWiFiで伝送する無線伝送装置(図示せず)も備えているが、装置間の他の通信方式も排除されることはない。図面では、受信機Wのアンテナが示されており、モジュール1のパネル1aから突出するように設計されているが、モジュール外から見えないようにモジュール1内にとどまり得ることは排除されない。
【0024】
これらの主要構成要素に加えて、モジュール1は、システムの機能状態の視覚的/音響的信号発生用の複数の装置も備えている。好ましくは、少なくとも装置を備える。
- 電圧の存在を明らかにする第1のライトインジケータ5。
- オゾン発生装置3が作動していることを示す第2の光及び/又は音インジケータ6。
- オゾン濃度レベル(過剰/許容)を示す第3の光源7。
- 動作の異常を示すための第4の可能な光インジケータ。
【0025】
これらのインジケータは、代わりに単一のデジタルディスプレイV(例えば、英数字とグラフィック機能を持つ小型LCD、タッチスクリーンプログラマブルディスプレイ)上にすべて統合することができ、おそらく本装置の制御装置の動作設定と起動にも使用可能で、どのインジケータを表示する必要があるかに応じて表示状態を変更できる。
【0026】
任意で、以下のものも提供される。
- ある大きさ以上の人及び/又は動物が部屋にいることが検出される、動き及び/又は存在検出器8。
- オゾンは火災を発生させる燃焼剤であるため、煙の存在が検出されたときにモジュールの起動を抑制するために使用される、煙存在センサー。
【0027】
オゾンセンサー4と同様に、他のすべての動作部品は、モジュールの一体型部品とすることも、別のパッケージに搭載して無線方式又は電線でモジュール1に接続することも、モジュール1の一体型部品又は別のパッケージに複製してモジュールに接続し、考えられる環境の空気状態及び品質の冗長制御を行うことも可能である。
【0028】
上述の主要構成要素に加えて、モジュール1は、好ましくはプログラム可能なソフトウェア又はファームウェアを備える、デジタルハードウェアを有する制御ユニットC(図示の実施形態によれば、それは電源パネル2内に配置される)を備え、それは様々なセンサーから来る信号を集め、好適にはオゾン発生装置3の動作を制御する。制御ユニットは、好ましくはプログラミング部(例えばディスプレイV)を介して調整され、それによって少なくとも所望の動作時間及びオゾンレベル閾値が設定される。
【0029】
モジュール1は、受信機Wを介して、又は有線(イーサネット(登録商標)を介して)WiFi伝送能力を備えているので、例えば、WiFi通信機を備えた装置(適切なアプリケーションソフトウェアを備えたタブレット又はスマートフォンなど)を介して直接、又はインターネットネットワークに接続されて受信機Wと通信するホットスポット又はWiFiルータを介して作用して遠隔で制御部を制御及びプログラミングすることも可能である。
【0030】
モジュール1の全体的な動作は、電力供給の開始後、予備的なセキュリティ制御ステップを提供し、発電機3は、手動同意ボタンを介して、及び/又は存在検知器8からの存在信号の欠如に由来する自動同意を介して(及び場合によっては煙存在信号の欠如においても)動作することを許可される。それによって、モジュール1は、人及び/又は大型動物(例えば、猫又は犬)が周囲の環境に滞在することが予想されない場合にのみ、オゾンの生成を開始する。
【0031】
この装置は、ユーザーによって管理され、検知器とセキュリティセンサーを常に考慮しながら自動的に動作するように設計された、時間プログラムによっても開始することができる。
【0032】
その後、オゾン発生装置3は、検出センサー4から来る信号によって決定される所望の濃度に達するまで、上に示した方法に従ってオゾンの生成を開始する。オゾン濃度レベルは、リアルタイムで、又は周期的なサンプリングによって検出することができる。
【0033】
濃度閾値は、プログラム可能な装置によって制御部において、個々のユーザが所望するようにプリセット又は設定することができる。
【0034】
好ましくは、オゾン化モジュール1が、時限サイクル(その中で、人間が部屋に存在しないとみなされる)に従って動作することが提供される。それによって、オゾンセンサー4を介して、オゾン発生装置3が、除菌には適しているが人間及び/又は動物の滞在には適していない期間維持される閾値-閾値濃度レベルでプラトーとなる-までは少なくとも上昇するオゾン濃度プロファイルに従うように制御され得る。このサイクルの終わりには、オゾンセンサー4は常に能動状態のままであり、オゾン濃度レベルの変化を通知する。その場合、許容オゾン濃度レベルに達する前に人及び/又は動物の存在が環境内で検出された場合に、オゾン生成を直ちに中断し、適切な警報音警告を発する(例えば光/音表示器6及び7を介して)ことができるように、存在センサー8又はそれと同等のものをモジュールに設けることが好適である。
【0035】
気流の経路に挿入されるのに適し、オゾン含有量の減少を達成するのに適したフィルタリングアセンブリ(図示せず)がさらに好ましくは提供される。このような場合、除菌サイクルの終了時に、環境中のオゾンレベルを迅速に減少させ、部屋の気流をフィルタリングアセンブリで循環させることができる。
【0036】
図8を参照すると、制御部Cは、以下の例示的な基本サイクルを用いて除菌装置を自動的に管理する。
1.オゾン発生装置を、プログラムされた閾値(図8の水平な「オゾンレベル」線)に達するまで作動させる。
2. 予定された時間、到達したオゾンレベル(プラトー)を維持し、濃度レベルを2つの閾値(最小と最大)の間で自動的に維持し、予定の閾値をわずかに上回る。
3. 前述のステップの終了時に、フィルタリングアセンブリ(粒子/分子フィルタ)を作動させて、過剰なオゾンを除去し、処理された環境の即時使用に有用な0.2ppmの閾値に到達させることができる。
【0037】
図8の図では、上部に環境中のオゾン濃度の傾向が、下部にオゾン発生装置のデューティサイクルの図が明確に示されている。除菌モジュールが作動する部屋の容積に適合する完全な作動サイクルは、40分のオーダーであることに注意して欲しい。ただし、プラトーの2回目のメンテナンスは、望ましい効果を得るために少なくとも20分必要である。
オゾン発生モジュールは、例えば夜間のみオゾンを発生するように設定された運転サイクルを、無効にされるか電源が遮断されるまで継続的に繰り返すようにプログラムすることも可能である。
【0038】
オゾン発生とそのレベルの情報取得のための運転サイクルに加えて、さらなるセンサーの統合により、運転を最適化するための追加情報を得ることが可能である。
【0039】
一例として、温度センサー、湿度センサー、空気品質センサー、酸素センサー(O2)、一酸化炭素センサー(CO)、二酸化炭素センサー(CO2)、微粒子センサー(PM2,5とPM10)、VOCセンサー、二酸化窒素センサー(NO2)などである。
【0040】
すべての動作データ及び情報データは、好適にプログラムされた装置のディスプレイ上のグラフィックインターフェースを通じて、好適にユーザーに表示することができる。
【0041】
図5図7には、本発明によるモジュールの代替実施形態が示されており、その全体が参照番号100で識別されている。
【0042】
この場合も、少なくともオゾン発生装置101aと流量が制御された換気手段101bとからなる個々の構成要素の組合せであるO3発生装置アセンブリ101が提供される。図7の例示的なバージョンでは、4つの発生装置101aが設けられ、例えばそれぞれが10gr/hのオゾン生成量を有し、それぞれは流量が制御された独自のファン101bを備えている。ファンは、カーター107の切り欠き107cを通して取り付けることもできるし、荷車107内に完全に残ってグリッド107bを通してモジュール外部との気流を作り出すこともできる。
【0043】
使用されている技術は、いわゆる「コロナプレート」のものだが、オゾン生成のために他のシステムを使用することも可能である。特定の装置が設置される部屋の容積に応じて異なる生産性を有する発電機が使用される。
【0044】
図示のレイアウトは例示であるが、1枚以上のコロナプレート、1台以上のファン、1台以上のO3流のコンベア、配線及び電源パネルへの接続のための部材を設けることが可能である。
【0045】
換気手段101bは、典型的には、空気コンベアのサイズに適した直径の標準的なファン(電気モーターとその羽根車からなる)の形状であり、好ましくは回転数の調整のためのタコメーター発電機が備えられている。ファンは、電源電流及び調整信号を受信できるように制御ユニットCに電気的に接続されている。制御装置Cは上述のものと完全に類似しており、好ましくはディスプレイVも備えている。
【0046】
タコメーター発電機の存在により、制御ユニットからの信号に従って、ファンによって押し出される及び/又は吸い込まれる空気の流量及び速度を変化させることが可能である。また、タコメーター発電機(タコジェネレーター)から制御部へのフィードバック信号により、ファンの動作を検出するための値が供給されるため、タコメーター発電機は診断機能をも兼ねている。
【0047】
第1実施形態に関しては、この場合も、モジュールはさらに、基本構成要素の1つであるオゾンセンサー102を含んでいる。
【0048】
さらなるセンサーの追加は、基準容積においてオゾン濃度の安全レベルのシグナリングを冗長化する目的で提供されるが拘束力はなく、独立して供給され(電気ネットワーク又はバッテリー)、モジュールの制御ユニットに、例えば無線方式で接続される。
【0049】
この場合にも、第1実施形態について説明した存在検知器108及び機能及び緊急インジケータと同様に、センサーが提供される。
【0050】
フィルタリングアセンブリ103がさらに設けられ、これは、VOC及びPM2.5までの微粒子を機械的にフィルタリングするのに適した粒子/分子フィルターとして機能するものである。活性炭フィルターなどを有するフィルタリングアセンブリは、さらに、除菌サイクルの終了時又は休憩時に、触媒を介してO3をO2に迅速に変換するために使用される。そのような意味において、フィルタリングアセンブリは、オゾン抑制アセンブリとしても定義可能である。
【0051】
フィルタリングアセンブリ103は、専用の換気手段103aを備え、この換気手段は、部屋の空気がフィルタリングアセンブリ103を通って流れるように動作する。空気流はさらに、フィルター103への進入の前又は後に、荷車107上のグリッド107aを通る。換気手段103は、作業サイクルが換気を行うときのみ、すなわちオゾン生成の終了時にのみ作動するように、制御部によって制御される。
【0052】
センサーが自動的にフィルター飽和レベルを決定し、その値は例えばユーザーの携帯機器(スマートフォン、スマートウォッチ、PDA、ラップトップ、...)にインストールされたアプリケーションによって伝達される。空気流の流量は、ファンの固定速度で公称900m3/hのオーダーで提供することができるが、より小さな流量とその結果としての騒音レベルの最適化を管理できるように、速度調整器を設置できるように提供される。
【0053】
好ましくは、フィルタリングアセンブリ103は、例えば仕切り106aを介して、オゾン発生装置アセンブリ101が収容される対応する区画から実質的に分離されているモジュール区画に収容される。
【0054】
さらに、電源ボックス104を設けられる。電源ボックス104内では、センサーのラインと各機器の電源ラインは、モジュールを独立させ、自律的に動作させるようにまとめられる。また、電圧の有無を示すランプを備えた電源(例えばAC220V)用の接続部も設けられている。
【0055】
図面では、さらにプロセスの制御ユニット105が示されている(これは、市販のタイプ、Raspberry(商標)又はArduino(商標)タイプなどのものであってもよいし、埋め込まれたものであってもよい)。
【0056】
明確に示されているように、全ての構成要素は、曲げられた金属板(例えばステンレス鋼)又は熱成形プラスチック材料(例えばABS)からなる要素からなる荷車108で囲まれた、周辺支持体107(例えば旋回キャスターの形状)を備えるフレーム106上に取り付けられている。
【0057】
モジュールは、異なるサイズとレイアウトで供給することができる。例えば以下のようなものが考えられる。
- 携帯用、車輪付きの電気家庭用品として機能し、部屋から部屋へ簡単に移動できる生産量20~60g/hの独立した装置。
- 吊り天井に組み込むことを想定した装置(60×60cmのモジュール式パネル)。中央制御ロジック(インターネットに接続したイーサネット)で、各部屋にあるオゾン発生装置を管理できる生産量20~60g/hの装置。
- 救急車、作業車、レンタカーなど雑多な用途の輸送手段に有用な約10g/hの小型装置。このモデルは、除菌する量が非常に少なく、O3がO2に自然に戻る時間が適切と考えられるため、粒子/分子フィルターを省略することができる。
【0058】
図9は、図5~7に示したものの変形である更なる実施形態を示している。5-7. この場合、フィルタリングアセンブリ103の代わりに、UVランプが設置される流出要素113aからなるUVモジュールユニット113が配置される。
【0059】
UVモジュールユニット113は、ここに参考として援用する特許文献4に記載されている通りである。
【0060】
ユニット113は、並んで配置された複数の流れ用部材を備え、それぞれが細長い中空体からなるUV除菌モジュール113aを構成し、その中にUVランプ(図示せず)が収容されている。各除菌モジュール113a内には、通気手段103aによって押し出され、好ましくは通気手段103aの反対端に配置されたフィルタリング部113bによって濾過される気流が流れるようにされる。
【0061】
ユニット113は、得られた空気除菌効果をオゾン化部分と統合するために使用することができ、あるいは、オゾンアセンブリとして、すなわち、UVランプによって生成されたUV放射の作用のおかげでO3の分子をO2分子に変換するために(フィルタリングアセンブリ103の機能と同様の機能を有する)使用することも可能である。
【0062】
変形例(図示せず)によれば、本発明によるモジュールは、2つ以上のオゾン化モジュールが設置され、様々な部屋に配置される、より拡張された制御システムの一部である。
【0063】
制御システムは、リモートコントロールを受信し、個々のモジュールに送信することができるように、例えばインターネットのためのより広い地理的ネットワーク(WAN)に接続されたオンライン及びオフサイト(Amazon AWSなど)の中央制御サーバを提供する。モジュール1は、電気的な家庭用品タイプであってもよいし、WANネットワークに順番に接続された同じLAN WiFiネットワーク上に、相互に接続された複数のモジュール1が存在することも可能である。モジュール1は、会社の様々な部屋、他の構築された建物、民間及び公共の建物、さらには例えば電車、船、飛行機などの輸送手段にも配置される。
【0064】
このようなシステムにより、様々なモジュールを時間通りに制御し、適切なスケジューリングにより自動化された方法で管理及び調整することができる。同時に、このシステムは、モジュールに搭載されたセンサーから複数のデータを収集し、様々な部屋の操作と衛生状態の全体像を把握することができる。
【0065】
サーバーには、各モジュールの動作データ、対応するタイムスケジュール、各モジュールに関連付けられアクセス可能なユーザーのデータが保存されているデータベースも用意されることが好ましい。
【0066】
データベースは、各ユーザーが1つ以上の建物(自宅、オフィス、ジムなど)に関連付けられ、各建物が1つ以上の部屋を持つような構造にすることができる。各部屋は1つ又は複数のモジュールに対応する。
【0067】
このように、データベースでは、各ユーザーが1つ以上のモジュールをプログラムすることができ、各モジュールはシステム内で独自の単数ID(例えば、ネットワーク通信モジュールのMACアドレスに対応する)によって識別される。
【0068】
サーバーは、ウェブブラウザー用アプリケーションや携帯機器用アプリケーション(Android(商標)やiOS(商標)オペレーティングシステム用など)を通じて表示可能なモジュールのデータや、同じアプリケーションを通じて様々なモジュールに送信される制御信号を管理するように設計されている。このようにして、数や場所に制限されることなく、すべてのモジュールを一元管理することができる。
【0069】
システムサーバーを通じて、ユーザーは、(アプリケーションの通知、テキストメッセージや電子メールの受信を通じて)自分が行こうとしている部屋の衛生レベル、又はオゾン発生モジュールの予定された動作を可能にするために特定の部屋を明け渡す必要性に関するリアルタイムの情報を得ることができる。
【0070】
また、サーバー上の情報は、他の補完的な機能にも利用することができる。例えば、部屋のアクセスロックの制御コマンドをシステムに統合し、対応するモジュールによる除菌が行われている部屋へのアクセスを防止することが可能である。さらに、部屋の窓の開閉や、扇風機や空調システム、その他のシステムのオン/オフを制御する制御をシステムに統合し、除菌プロセスの終了時に部屋を自動的に換気することが可能である。
【0071】
上記の説明から推測できるように、本発明によるモジュールとシステムは、前文に示された目的に完全に合致している。実際、オゾン濃度センサーと存在センサーによって適切にプログラムされ制御されるオゾン発生装置を同じモジュールに統合することによって、居住者のリスクなしに、また望ましい動作を適切に調整する機会とともに、部屋の恒久的な除菌のための解決策が提供されるのである。
【0072】
本発明のシステムにより、構築された建物内の一連のオゾン化モジュールを適切に調整することがさらに可能であり、したがって、ユーザーに仕事場や家庭の部屋での安全で健康的な経験を提供することができる。
【0073】
それにもかかわらず、本発明は、説明され図示された特定の実施形態に限定されると考えられてはならず、以下の請求項によってのみ定義される本発明の保護範囲から逸脱することなく、すべて当業者の可能な範囲で、様々な変形が可能であることが理解される。
【0074】
例えば、オゾン化モジュールは、モジュール構造を備えることができ、様々な構成要素が、非熟練ユーザーでもメインマザーボードに(プラグ&プレイ方式で)容易に係合可能である。このようにして、唯一のオゾン発生装置とセンサーを備えた基本モジュールが提供され、ユーザーは、他の付属部品も徐々に購入し、複数のモジュールをシステムに挿入することができる。
【0075】
さらに、様々な構成要素は、説明したものと同等の類似の要素で置き換えることができる。例えば、WiFiモジュールの代わりに、ケーブルネットワークに接続するためのイーサネット(登録商標)カードや同等の接続手段を提供することが可能である。
図1
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図3
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図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
【国際調査報告】