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特表2023-523014ポリグリセロールエステルを有する相乗的な防腐性/パーソナルケア組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-01
(54)【発明の名称】ポリグリセロールエステルを有する相乗的な防腐性/パーソナルケア組成物
(51)【国際特許分類】
   A01N 25/00 20060101AFI20230525BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20230525BHJP
   A01N 37/02 20060101ALI20230525BHJP
   A01N 31/14 20060101ALI20230525BHJP
   A01N 31/02 20060101ALI20230525BHJP
   A01N 37/10 20060101ALI20230525BHJP
   A01N 37/36 20060101ALI20230525BHJP
   A01N 43/80 20060101ALI20230525BHJP
   A01N 47/44 20060101ALI20230525BHJP
   A01N 55/02 20060101ALI20230525BHJP
   A61K 8/36 20060101ALI20230525BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20230525BHJP
   A61K 8/23 20060101ALI20230525BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20230525BHJP
   A61K 8/40 20060101ALI20230525BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20230525BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20230525BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20230525BHJP
   A61Q 1/14 20060101ALI20230525BHJP
   A61Q 1/10 20060101ALI20230525BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20230525BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20230525BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20230525BHJP
【FI】
A01N25/00 101
A01P3/00
A01N37/02
A01N31/14
A01N31/02
A01N37/10
A01N37/36
A01N43/80 102
A01N47/44
A01N55/02 150
A61K8/36
A61K8/34
A61K8/23
A61K8/49
A61K8/40
A61K8/37
A61K8/86
A61Q19/00
A61Q1/14
A61Q1/10
A61Q5/12
A61Q19/10
A61Q5/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022564544
(86)(22)【出願日】2021-04-22
(85)【翻訳文提出日】2022-12-22
(86)【国際出願番号】 EP2021060553
(87)【国際公開番号】W WO2021214237
(87)【国際公開日】2021-10-28
(31)【優先権主張番号】63/014,202
(32)【優先日】2020-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】20176133.5
(32)【優先日】2020-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504280067
【氏名又は名称】アーチ・ユーケイ・バイオサイズ・リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】520061734
【氏名又は名称】アークサーダ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ARXADA, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100129458
【弁理士】
【氏名又は名称】梶田 剛
(72)【発明者】
【氏名】クラーク,ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】キャンベル,ジェイク
(72)【発明者】
【氏名】ローバック,フィリップ・ルイス
(72)【発明者】
【氏名】ショー,ニール・スコット
(72)【発明者】
【氏名】サンジラルヂ,アンジェラ
【テーマコード(参考)】
4C083
4H011
【Fターム(参考)】
4C083AB111
4C083AC151
4C083AC152
4C083AC172
4C083AC231
4C083AC241
4C083AC251
4C083AC301
4C083AC302
4C083AC311
4C083AC312
4C083AC421
4C083AC471
4C083AC691
4C083AC742
4C083AC841
4C083AC851
4C083AC852
4C083AC861
4C083AC862
4C083AC931
4C083AC932
4C083AD111
4C083BB48
4C083CC04
4C083CC05
4C083CC14
4C083CC23
4C083CC24
4C083CC33
4C083CC38
4C083DD12
4C083DD23
4C083DD31
4C083DD41
4C083EE11
4H011AA01
4H011AA03
4H011BA02
4H011BB03
4H011BB06
4H011BB10
4H011BB14
4H011BB16
4H011BC06
(57)【要約】
最終使用配合物において効果的な防腐製剤であるために必要な防腐剤の量の低減を可能にする相乗的効果を有する、防腐剤とポリグリセロールエステルの防腐性組成物が、本明細書において提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)酸化合物、フェノール化合物、スルファイト、鉄キレート剤、芳香族アルコール、第四級アンモニウム化合物、ピロン化合物、尿素化合物、イミダゾール化合物、イソチアゾリノン化合物、または2種以上の防腐剤の組合せを含む防腐剤;ならびに
(ii)前記防腐剤単独と比較して、前記防腐剤の効力を十分に増加させる量で存在し、その増加量は、単独で用いられた防腐剤およびポリグリセロールエステルの殺生物活性の相加効果より大きいポリグリセロールエステル
を含み、
前記ポリグリセロールエステルと前記防腐剤との重量比が、0.0001~2.0の範囲である、防腐性組成物。
【請求項2】
前記ポリグリセロールエステルと前記防腐剤との重量比が、0.001~1.5の範囲、例えば0.01~1.0の範囲などである、請求項1に記載の防腐性組成物。
【請求項3】
前記防腐剤が、鉄キレート剤を含み、前記鉄キレート剤が、ピリチオン亜鉛、ピリチオンナトリウムまたはこれらの混合物などのピリチオン化合物、ピロクトンオラミン、2-ピリジノール-1-オキシド、N-ヒドロキシ-6-オクチルオキシピリジン2(1H)-オン、-ヒドロキシ-6-オクチルオキシピリジン2(1H)-オンエタノールアミン塩またはこれらの混合物を含む、請求項1に記載の防腐性組成物。
【請求項4】
前記防腐剤が、酸、酸のエステルまたは酸の塩などの酸化合物である、請求項1に記載の防腐性組成物。
【請求項5】
前記酸化合物が、安息香酸、プロピオン酸、サリチル酸、ソルビン酸、ギ酸、ウンデカ-10-エン酸、乳酸、グリコール酸、およびクエン酸、またはこれらの塩を含む、請求項4に記載の防腐性組成物。
【請求項6】
前記防腐剤が、アルキル(C12~22)トリメチルアンモニウム化合物、ベンゼトニウム化合物、またはこれらの混合物などの第四級アンモニウム化合物を含む、請求項1に記載の防腐性組成物。
【請求項7】
前記防腐剤が、低級アルキルアルコールまたは芳香族アルコールなどのアルコールを含む、請求項1に記載の防腐性組成物。
【請求項8】
前記芳香族アルコールがフェノキシエタノールを含み、前記低級アルキルアルコールがイソプロパノールを含む、請求項7に記載の防腐性組成物。
【請求項9】
前記ポリグリセロールエステルが、(a)平均値に基づき2~12個のグリセロール分子から構成されるポリグリセロール成分、および(b)カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、オレイン酸、またはデカオレイン酸を含む脂肪酸から誘導されたポリグリセロールエステルを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の防腐性組成物。
【請求項10】
ポリグリセリル脂肪酸エステルが、1つまたは複数のラウリン酸ポリグリセリル-10、デカオレイン酸ポリグリセリル-10;モノステアリン酸ポリグリセリル-3;ジステアリン酸ポリグリセリル-6、ステアリン酸ポリグリセリル-10;オレイン酸ポリグリセリル-10;ジパルミチン酸ポリグリセリル-10、またはカプリル酸/カプリン酸ポリグリセリル-10を含む、請求項9に記載の防腐性組成物。
【請求項11】
最終使用配合物における防腐剤の効力を増加させる方法であって、最終使用配合物および防腐剤を提供するステップと、前記最終使用配合物に前記ポリグリセロールエステルを伴わない等量の防腐剤と比較して、前記最終使用配合物における前記防腐剤の効力を増加させるために、有効量のポリグリセロールエステルを前記防腐剤および最終使用配合物に添加するステップとを含む、方法。
【請求項12】
前記防腐剤を前記最終使用配合物に添加する前に、前記ポリグリセロールエステルが前記防腐剤に添加されるか、または前記ポリグリセロールエステルを前記最終使用配合物に添加する前に、前記防腐剤が前記最終使用配合物に添加されるか、または前記防腐剤を前記最終使用配合物に添加する前に、前記ポリグリセロールエステルが前記最終使用配合物に添加されるか、または前記防腐剤と前記ポリグリセロールエステルが、前記最終使用配合物に同時に添加される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
パーソナルケア配合物またはホームケア配合物などの、請求項1から10のいずれか一項に記載の防腐剤を含む最終使用配合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[002]本開示は、防腐剤自体を有する防腐性組成物と比較して、防腐特性が強化された防腐剤および増強剤原料を含有する防腐性組成物に関する。
【0002】
[003]
【背景技術】
【0003】
[004]パーソナルケア製品、化粧品、ホームケア製品および他の同様の製品の微生物汚染は、産業にとって極めて重要な問題であり、最終使用配合物の製品損失および経済的損失の両方の主要な原因となり得る。その上、化粧品およびホームケア製品の汚染は、それらが消費者にとって危険な製品に変換されるという結果をもたらし得る。細菌または真菌からの微生物攻撃に対して、最終使用配合物を保護し、保存するための防腐剤および防腐性組成物は、当技術分野で公知である。これらの防腐剤および組成物は、パーソナルケア製品、化粧品、ホームケア製品、ならびに健康および衛生製品などの分野で多種多様な用途を有する。従来の防腐剤および組成物は、微生物攻撃に対して良好な殺細菌および殺真菌の特性を提供する伝統的な活性成分を使用してきた。
【0004】
[005]理想的には、防腐剤または組成物は、全ての種類の微生物に対して、さまざまなpHレベルにおいて広域スペクトル活性を有する。防腐剤または組成物はまた、費用を削減し、防腐性組成物中の防腐剤または複数の防腐剤により引き起こされる可能性がある有害作用を回避または低減するために、最小量の防腐製剤が使用され得るような高い効力も持たなければならない。また、防腐剤または組成物が、製造、包装、および輸送中と同様に、防腐剤または組成物が入れられた最終配合物の保管中に、直面するあらゆる温度変化に対して安定であることが望ましい。さらに、理想的な防腐剤または防腐性組成物の成分は、1種の防腐剤または防腐性組成物が、さまざまな製品に好適に組み込まれ得るように、さまざまな最終使用配合物中に存在する原料と、物理的および化学的に適合性がある。
【0005】
[006]防腐製剤分野における近年の開発において、防腐剤(複数可)の効力を高めるため、および/または防腐剤(複数可)の最小量を使用して所望レベルの防腐性を達成しながら、所望の防腐特性を有する防腐製剤に必要な防腐剤(複数可)の量を効果的に低減するために、防腐剤(複数可)と相乗的に相互作用する化合物を見い出すための多大な努力がなされてきた。これは、最終使用配合物中の防腐剤(複数可)の量を低減するための継続的な規制の圧力の結果である。
【0006】
[007]同様に、フケ症などの特定の状態を処置する活性物質を含有するパーソナルケア配合物の分野では、パーソナルケア配合物中の活性成分の量を低減するための規制の圧力が継続している。活性成分の量を低減するための1つの方法は、活性成分と増強剤との相乗的な混合物を形成して、それが活性成分の効力を増加させ、パーソナルケア配合物中の活性成分の効力を増加させることである。
【0007】
[009]
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
[008]本開示は、パーソナルケア配合物を含むさまざまな組成物中で防腐製剤として使用され得る、防腐剤とポリグリセロールエステル化合物の相乗的な混合物を提供することにより、その必要性に対する答えを提供する。
【0009】
[010]一態様では、(i)防腐剤;および(ii)防腐剤単独と比較して、防腐剤の効力を十分に増加させる量で存在し、その増加量は、単独で用いられた防腐剤およびポリグリセロールエステルの殺生物活性の相加効果より大きいポリグリセロールエステルを含有する防腐性組成物を提供する。
【0010】
[011]別の態様では、ポリグリセロールエステルと防腐剤との重量比が、0.00001~10.0の範囲;詳細には0.0001~2.0の範囲;より詳細には0.001~1.5の範囲;最も詳細には0.01~1.0の範囲であることによる防腐性組成物を提供する。
【0011】
[012]別の態様では、防腐性組成物は、酸化合物、アルデヒド、フェノール化合物、スルファイト、鉄キレート剤、芳香族アルコール、第四級アンモニウム化合物、ピロン化合物、尿素化合物、イミダゾール化合物、イソチアゾリノン化合物である防腐剤、または2種以上の防腐剤の組合せを有する。
【0012】
[013]特定の態様では、防腐性組成物は、鉄キレート剤を含有し、前記鉄キレート剤は、ピリチオン化合物、ピロクトンオラミン、2-ピリジノール-1-オキシド、N-ヒドロキシ-6-オクチルオキシピリジン2(1H)-オン、-ヒドロキシ-6-オクチルオキシピリジン2(1H)-オンエタノールアミン塩またはこれらの混合物を含む。特定のピリチオン化合物は、ピリチオン亜鉛、ピリチオンナトリウムまたはこれらの混合物を含む、防腐剤を有する。
【0013】
[014]本開示の一実施形態では、防腐剤は酸化合物である。酸化合物は、酸、酸のエステルまたは酸の塩であってもよい。特定の実施形態では、酸化合物は、安息香酸、プロピオン酸、サリチル酸、ソルビン酸、ギ酸、ウンデカ-10-エン酸、乳酸、グリコール酸、およびクエン酸、またはこれらの塩を含む。
【0014】
[015]別の実施形態では、防腐剤は、第四級アンモニウム化合物である。特定の第四級アンモニウム化合物は、アルキル(C12~22)トリメチルアンモニウム化合物、ベンゼトニウム化合物、またはこれらの混合物を含む。
【0015】
[016]さらなる実施形態では、防腐剤は、アルコールを含む。アルコールは、低級アルキルアルコールまたは芳香族アルコールを含む。特定の芳香族アルコールはフェノキシエタノールであり、特定の低級アルコールはイソプロパノールである。
【0016】
[017]別の態様では、ポリグリセロールエステルが、(a)平均値に基づき2~12個のグリセロール分子から構成されるポリグリセロール成分、および(b)カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、オレイン酸、またはデカオレイン酸を含む脂肪酸から誘導されるポリグリセロール脂肪酸エステルである防腐性組成物を提供する。そのようなポリグリセリル脂肪酸エステルの特定の例は、1つまたは複数のラウリン酸ポリグリセリル-10、デカオレイン酸ポリグリセリル-10;モノステアリン酸ポリグリセリル-3;ジステアリン酸ポリグリセリル-6、ステアリン酸ポリグリセリル-10;オレイン酸ポリグリセリル-10;ジパルミチン酸ポリグリセリル-10、またはカプリル酸/カプリン酸ポリグリセリル-10を含む。
【0017】
[018]本開示の別の態様では、最終使用配合物における防腐剤の効力を増加させる方法を提供する。本方法は、防腐剤および有効量のポリグリセロールエステルを提供するステップを含む。防腐剤およびポリグリセロールエステルを最終使用配合物に添加することは、ポリグリセロールエステルを伴わない等量の防腐剤と比較して、最終使用配合物における防腐剤の効力を増加させる。ポリグリセロールエステルは、防腐剤の最終使用配合物への添加の前に防腐剤に添加されてもよく、防腐剤が最終使用配合物に添加された後に、防腐剤の最終使用配合物への添加の前に、または最終使用配合物に防腐剤と同時に添加されてもよい。
【0018】
[019]本開示のさらなる態様では、生物的攻撃に対する最終使用配合物の抵抗性を増加させる方法を提供する。本方法は、化粧品配合物を提供するステップと、先行する態様または実施形態のいずれかにおける防腐性組成物を化粧品配合物に添加するステップとを有する。防腐性組成物を添加することにより、最終使用組成物は、防腐性組成物中に存在するポリグリセロールエステルを伴わない最終使用配合物と比較して、生物的攻撃に対する抵抗性が増加する。
【0019】
[020]本開示のさらなる態様では、最終使用配合物における効果的な防腐活性のために必要な防腐剤最小量を低減する方法を提供する。本方法は、防腐剤を提供するステップと、ある量のポリグリセロールエステルを防腐剤に添加して、防腐性組成物を形成するステップとを有する。次に、防腐性組成物は最終使用配合物に添加され、最終使用配合物における効果的な防腐活性のために必要な防腐剤の最小量は、防腐剤が単独で使用された場合より少ない。
【0020】
[021]さらなる実施形態では、先行する実施形態のいずれかの防腐性組成物を含有する最終使用配合物を提供する。最終使用配合物は、パーソナルケア配合物またはホームケア配合物であってもよい。
【0021】
[022]これらおよび他の態様は、発明を実施するための形態を読むと明らかになるであろう。
【0022】
[023]
【発明を実施するための形態】
【0023】
[024]本議論は、例示的な実施形態の記載のみであり、本開示のより広範な態様を制限することを意図するものではないことを当業者は理解されたい。
【0024】
[025]一般に、本開示は、防腐性組成物に関する。本明細書で使用される場合、用語「防腐製剤」とは、微生物が、最終使用配合物を破壊するか、または最終使用配合物が開発された特定の目的のために最終使用配合物を使用することを不可能とすることを防ぐために、パーソナルケア配合物、化粧品、ホームケア配合物、ならびに健康および衛生製品などの最終使用配合物中にブレンドされることを意図する殺生物剤または殺生物組成物を意味する。
【0025】
[026]驚いたことに、ある量のポリグリセロールエステルを最終使用配合物用の防腐製剤に添加することが、防腐製剤とポリグリセロールエステルとの間に相乗的な相互作用を有する、効果的に保存された最終使用配合物を提供し得ることが見い出された。本明細書で使用される場合、「相乗的な相互作用」は、防腐製剤が、ポリグリセロールエステルと組み合わせられた場合、防腐製剤単独、またはポリグリセロールエステル単独の抗菌/抗真菌特性より大きい、総合的な抗菌/抗真菌性効果を有するという事実を指す。言い換えれば、本開示の防腐製剤は、特定の微生物に対してそれぞれの存在において、同じ濃度における防腐製剤単独の抗菌活性またはポリグリセロールエステル単独の抗菌活性と比較して、より大きい抗菌/抗真菌活性を有するように、ポリグリセロールエステルと相乗的に作用する。相乗的効果に起因して、所望の効力を依然として生み出しながら、防腐性組成物中に存在する防腐製剤の量は低減され得る。この効果はまた、防腐性組成物中の防腐剤の「増強性」としても公知である。防腐剤のこの増強性はまた、本明細書で、防腐剤とポリグリセロールエステルとの間で、防腐剤の効力を高める「相乗的効果」も指す。
【0026】
[027]本明細書で使用される場合、用語「その塩」は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウムおよびエタノールアミンのカチオンならびに他の同様のカチオン、塩素、臭素、アセテート、スルフェートのアニオンおよび他の同様のアニオンを含むことが意図される。
【0027】
[028]本開示で使用可能な好適な防腐剤は、例えば、酸、エステルおよびその塩、アルデヒド、フェノール化合物、スルファイトおよび鉄キレート剤、芳香族アルコール、第四級アンモニウム化合物、アルデヒド、ピロン化合物、尿素化合物、イミダゾール化合物、イソチアゾリノンならびにこれらの組合せを含む。
【0028】
[029]一実施形態では、防腐剤は、芳香族および非芳香族の酸の両方を含む酸化合物であってもよい。例示的な酸は、例えば、安息香酸、プロピオン酸、サリチル酸、ソルビン酸、ギ酸、ウンデカ-10-エン酸、乳酸、グリコール酸、およびクエン酸を含む。加えて、これらの酸の塩もまた、同様にこれらの酸のエステルも使用されてもよい。塩の例は、安息香酸ナトリウムおよびソルビン酸カリウムを含む。他の塩もまた使用されてもよい。酸化合物は、典型的には、特定の酸化合物に応じて、約3重量%までの量で、最終使用配合物中で防腐製剤として使用される。エステルおよび塩に関して同様の量が使用されてもよい。使用されるほとんどの場合、酸、そのエステルまたは塩の量は、約1重量%まで、より典型的には約0.6重量%までの量で使用される。酸の混合物もまた、防腐剤として使用されてもよい。
【0029】
[030]別の実施形態では、防腐剤はアルデヒドであってもよい。例示的なアルデヒドは、例えば、ホルムアルデヒドおよびパラホルムアルデヒドを含む。例示的なアルデヒド形成剤は、ジメチロールジメチルヒダントイン(DMDMH)、および他の同様のアルデヒド形成ヒダントインなどのヒダントインのようなイミダゾリジン化合物を含む。使用に応じて、アルデヒドは、保存される組成物中に0.3重量%までの量で存在してもよい。典型的には、アルデヒドの量は、保存される組成物の重量に基づいて、0.2%までである。アルデヒドの混合物もまた、防腐剤として使用されてもよい。
【0030】
[031]さらなる実施形態では、防腐剤は、フェノール化合物であってもよい。例示的なフェノール化合物は、例えば、パラベン化合物、ビフェニル-2-オール(o-フェニルフェノール)またはその塩、4-クロロ-m-クレゾール、5-クロロ-2-(2,4-ジクロロフェノキシ)フェノール(トリクロサン)、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール、4-イソプロピル-m-クレゾール、2-ベンジル-4-クロロフェノール、およびブロムクロロフェンを含む。例示的なパラベン化合物は、例えばブチルパラベン、プロピルパラベン、エチルパラベン、メチルパラベン、ならびに例えば、カリウム、ナトリウムおよび/またはカルシウムの塩を含むそれらの塩を含む。フェノール化合物は、典型的には、総最終使用配合物の重量に基づいて、約1重量%までの量で、最終使用配合物中で防腐製剤として使用される。この上限は、特定のフェノール化合物に応じて変わる。より典型的には、約0.5重量%までのフェノール化合物が、化粧品配合物中で使用される。
【0031】
[032]さらに別の実施形態では、防腐剤は、鉄キレート剤として公知である化合物であってもよい。例示的な鉄キレート剤は、ピリチオン化合物およびピロクトンオラミンなどの化合物またはヒドロキシルピリジン化合物およびこれらの塩を含む。ピリチオンは、2メルカプトピリジン-N-オキシド;2-ピリジンチオール-1-オキシド(CAS登録番号 1 121 -31-9);1-ヒドロキシピリジン-2-チオンおよび1ヒドロキシ-2(1H)-ピリジンチオン(CAS登録番号 1 121 -30-8);2-ピリジノール-1-オキシド(HPNO)およびN-ヒドロキシ-6-オクチルオキシピリジン2(1H)-オンおよび-ヒドロキシ-6-オクチルオキシピリジン2(1H)-オンエタノールアミン塩を含む、いくつかの名称で公知である。ピリチオン塩は、OMADINEナトリウム(登録商標)またはOMADINE亜鉛(登録商標)などがLonza社から市販されている。
【0032】
[033]防腐剤として存在するピリチオンは、水不溶性の形態または水溶性の形態で存在し得る。ピリチオンは、ピリチオンナトリウム、ピリチオン亜鉛、ピリチオンバリウム、ピリチオンストロンチウム、ピリチオン銅、ピリチオンカドミウム、および/またはピリチオンジルコニウムを含み得る。組成物中に存在し得る他のピリチオンは、ピリチオンナトリウム、ピリチオンビスマス、ピリチオンカリウム、ピリチオンリチウム、ピリチオンアンモニウム、ピリチオンカルシウム、ピリチオンマグネシウム、ピリチオン銀、ピリチオン金、ピリチオンマンガン、および/または有機アミンピリチオンを含む。単一のピリチオンが防腐剤として存在してもよく、または上記のいずれかの組合せが防腐剤として含まれてもよい。
【0033】
[034]ピリチオン粒子は、100%の粒子が約10マイクロメートル(ミクロン)未満の粒子径を有し、および少なくとも70%の粒子が5マイクロメートル未満の粒子径を有し、例えば少なくとも約50%の粒子が1マイクロメートル以下の粒子径を有し得るような粒子径を有し得る。粒子径は、レーザー散乱式粒子径分析器、例えばHORIBA LA 910粒子径分析器などを使用して測定され得る。
【0034】
[035]ピリチオン粒子は、ピリチオンまたはピリチオンの水溶性塩、および水溶性の多価金属塩を、微粉砕力を生み出す加圧された循環乱流反応器内で反応させることにより生成され得る。加圧された循環乱流反応器により生み出された微粉砕力は、マイクロメートルサイズのピリチオン塩粒子を効率的に生成する。該方法により作製されたマイクロメートルサイズのピリチオン塩粒子は、狭く均一なサイズ分布を有し、マイクロメートル粒子の集合により提供された大きい表面積に起因して、優れた表面堆積特性を有する。
【0035】
[036]鉄キレート剤化合物は、典型的には、特定の化合物に応じて、約1重量%までの量で、最終使用配合物中で防腐製剤として使用される。特に目的のものは、ピリチオン亜鉛およびピロクトンオラミンである。これらの鉄キレート剤はまた、ヘアケア製品における抗フケ特性を含む、配合物における他の利益を有することを含む他の利点も有し得る。
【0036】
[037]別の実施形態では、防腐剤は、無機スルファイト化合物および亜硫酸水素化合物を含み得る。スルファイト化合物は、一般に、最終使用配合物の総重量に基づいて、約0.5重量%までの量で存在する。
【0037】
[038]本開示で使用可能な別の防腐剤は、アルコール化合物を含む。アルコールは、低級アルコールまたは芳香族アルコールであってもよい。低級アルコールは、典型的には、一官能性低分子アルコール、好ましくはメタノール、エタノール、イソプロパノールもしくはブタノールなどの1~4個の炭素原子を有するアルカノール、またはこれらの組合せから選択される。クロロブタノールなどの置換アルコールもまた、使用されてもよい。特に好適な低級アルコールは、エタノールおよびイソプロピルアルコールを含む。芳香族アルコールもまた、使用されてもよい。好適な芳香族アルコールは、フェノキシエタノール、2,4-ジクロロフェニルメタノール、ベンジルアルコール、1-フェノキシプロパノール、クロルフェネシン、およびベンジルヘミホルマールを含む。アルコール化合物は、典型的には、特定のアルコール化合物に応じて、最終使用配合物の総重量に基づいて約1.5重量%までの量で、最終使用配合物中で防腐剤として使用される。ほとんどの場合、アルコール化合物の量は、典型的には、最終使用配合物の重量に基づいて、約1重量%まで、より典型的には約0.5重量%までの量で使用される。
【0038】
[039]別の実施形態では、第四級アンモニウム化合物が、防腐剤として使用されてもよい。好適な第四級アンモニウム化合物は、例えばセトリモニウムブロミド、セトリモニウムクロリド、ラウルトリモニウムブロミド、ラウルトリモニウムクロリド、ステアルトリモニウムブロミド、およびステアルトリモニウムクロリドを含む、例えばアルキル(C12~22)トリメチルアンモニウムブロミド、アルキル(C12~22)トリメチルアンモニウムクロリド化合物、またはこれらの混合物、例えばベンザルコニウムクロリド、ベンザルコニウムブロミドおよびサッカリン酸ベンザルコニウムを含むベンゼトニウム化合物を含む。第四級アンモニウム化合物は、典型的には、特定の第四級アンモニウム化合物に応じて、最終使用配合物の総重量に基づいて約0.2重量%までの量で、最終使用配合物中で防腐製剤として使用される。ほとんどの場合、第四級アンモニウム化合物の量は、典型的には、最終使用配合物の重量に基づいて、約0.1重量%まで、より典型的には約0.05重量%までの量で使用される。
【0039】
[040]本開示で防腐剤として使用可能な例示的なピロン化合物は、例えば、デヒドロ酢酸およびその塩を含む。ピロン化合物は、化粧品配合物の総重量に基づいて約1.0重量%までの量で使用され得る。より典型的には、ピロン化合物は、約0.6重量%までの量で使用され得る。
【0040】
[041]本開示で防腐剤として使用可能な例示的なイソチアゾリノンは、例えば5-クロロ-2-メチル-イソチアゾール-3-オン(クロロメチルイソチアゾリノン)、2-メチル-イソチアゾール-3-オン(メチルイソチアゾリノン)、ベンズイソチアゾリノンおよびこれらの混合物を含む。これらの化合物は、典型的には、最終使用配合物の約0.01重量%までの量で使用される。
【0041】
[042]本開示で防腐剤として使用可能な例示的な尿素化合物は、例えば、3-(4-クロロフェニル)-1-(3,4-ジクロロフェニル)尿素(トリクロカルバン);1,1’-メチレンビス{3-[4-(ヒドロキシメチル)-2,5-ジオキソイミダゾリジン-4-イル]尿素};およびN-(ヒドロキシメチル)-N-(ジヒドロキシメチル-1,3-ジオキソ2,5-イミダゾリニジル-4)-N’-(ヒドロキシメチル)尿素を含む。これらの化合物は、典型的には、最終使用配合物の約0.5重量%までの量で使用される。
【0042】
[043]本開示で防腐剤として使用可能な例示的なイミダゾール化合物は、例えば、1-(4-クロロフェノキシ)-1-(イミダゾール-1-イル)-3,3-ジメチルブタン-2-オン);1,3-ビス(ヒドロキシメチル)-5,5-ジメチルイミダゾリジン-2,4-ジオン)を含む。これらの化合物は、典型的には、最終使用配合物の約0.5重量%までの量で使用される。
【0043】
[044]防腐剤として使用され得る他の成分は、ジブロモヘキサアミジンおよびその塩;チオメルサール;フェニル第二水銀塩;ヘキセチジン;2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール;5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサン;ポリヘキサメチレンビグアナイドまたはその塩;ヘキサメチレンテトラミン;メテナミン3-クロロアリルオクロリド;2-クロロアセトアミド;クロロヘキシジンおよびそのジグルコノネート、またはその二酢酸エステルおよび二塩酸塩;4,4-ジメチル,1,3-オキサゾリジン;グルタルアルデヒド;5-エチル-3,7-ジオキサ-1-アザビシクロオクタン;ヒドロキシメチルグリシンナトリウム、ブチルカルバミン酸3-ヨード-2-プロピニル(IPBC)およびラウロイルアルギン酸エチルを含む。これらの化合物は、典型的には、最終使用配合物の約0.5重量%までの量で使用される。
【0044】
[045]加えて、防腐剤は、単一の防腐剤、単一の種類の防腐剤からの2種以上の防腐剤の混合物であってもよく、または異なる種類の防腐剤の2種以上の混合物であってもよい。
【0045】
[046]一実施形態では、本開示で使用可能なポリグリセロールエステルは、飽和、不飽和、天然または合成の脂肪酸などから形成され得る。例えば、飽和脂肪酸は、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、これらの組合せ、これらの誘導体などを含む。さらに、ポリグリセロールエステルは、(a)平均値に基づき2~12個のグリセロール分子から構成されるポリグリセロール成分、および(b)カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、オレイン酸、デカオレイン酸からなる群から選択される脂肪酸、これらの混合物などから誘導される。
【0046】
[047]本開示で使用可能なポリグリセロールエステルの例は、モノデカオレイン酸ポリグリセリル、例えばデカオレイン酸ポリグリセリル-10;モノオレイン酸ポリグリセリル、例えばモノオレイン酸ポリグリセリル-2、モノオレイン酸ポリグリセリル-3、モノオレイン酸ポリグリセリル-4、モノオレイン酸ポリグリセリル-6、またはモノオレイン酸ポリグリセリル-10;ジオレイン酸ポリグリセリル、例えばジオレイン酸ポリグリセリル-2、ジオレイン酸ポリグリセリル-3、ジオレイン酸ポリグリセリル-5、ジオレイン酸ポリグリセリル-6またはジオレイン酸ポリグリセリル-10;トリオレイン酸ポリグリセリル、例えばトリオレイン酸ポリグリセリル-5またはトリオレイン酸ポリグリセリル-10;テトラオレイン酸ポリグリセリル、例えばテトラオレイン酸ポリグリセリル-2、テトラオレイン酸ポリグリセリル-6、またはテトラオレイン酸ポリグリセリル-10;ペンタオレイン酸ポリグリセリル、例えばペンタオレイン酸ポリグリセリル-4、ペンタオレイン酸ポリグリセリル-6、またはペンタオレイン酸ポリグリセリル-10;ヘプタオレイン酸ポリグリセリル、例えばヘプタオレイン酸ポリグリセリル-6、ヘプタオレイン酸ポリグリセリル-10;モノステアリン酸ポリグリセリル、例えばモノステアリン酸ポリグリセリル-2、モノステアリン酸ポリグリセリル-3、モノステアリン酸ポリグリセリル-4、モノステアリン酸ポリグリセリル-5、モノステアリン酸ポリグリセリル-6またはモノステアリン酸ポリグリセリル-10;ジステアリン酸ポリグリセリル、例えばジステアリン酸ポリグリセリル-2、ジステアリン酸ポリグリセリル-3、ジステアリン酸ポリグリセリル-4、ジステアリン酸ポリグリセリル-6、またはジステアリン酸ポリグリセリル-10;トリステアリン酸ポリグリセリル、例えばトリステアリン酸ポリグリセリル-4、トリステアリン酸ポリグリセリル-5、トリステアリン酸ポリグリセリル-6、またはトリステアリン酸ポリグリセリル-10;テトラステアリン酸ポリグリセリル、例えばテトラステアリン酸ポリグリセリル-2;ペンタステアリン酸ポリグリセリル、例えばペンタステアリン酸ポリグリセリル-4、ペンタステアリン酸ポリグリセリル-6、またはペンタステアリン酸ポリグリセリル-10;ヘプタステアリン酸ポリグリセリル、例えばヘプタステアリン酸ポリグリセリル-10;イソステアリン酸ポリグリセリル、例えばイソステアリン酸ポリグリセリル-2、イソステアリン酸ポリグリセリル-3、イソステアリン酸ポリグリセリル-4、イソステアリン酸ポリグリセリル-6、またはイソステアリン酸ポリグリセリル-10;ジイソステアリン酸ポリグリセリル、例えばジイソステアリン酸ポリグリセリル-2、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-3、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-4、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-6、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10、またはジイソステアリン酸ポリグリセリル-15;トリイソステアリン酸ポリグリセリル、例えばトリイソステアリン酸ポリグリセリル-2、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-3、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-5、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-10;テトライソステアリン酸ポリグリセリル、例えばテトライソステアリン酸ポリグリセリル-2;カプリル酸ポリグリセリル、例えばカプリル酸ポリグリセリル-2、カプリル酸ポリグリセリル-3、カプリル酸ポリグリセリル-4、カプリル酸ポリグリセリル-6、またはカプリル酸ポリグリセリル-10;ジカプリル酸ポリグリセリル、例えばジカプリル酸ポリグリセリル-5;セスキカプリル酸ポリグリセリル、例えばセスキカプリル酸ポリグリセリル-2;オクタカプリル酸ポリグリセリル、例えばオクタカプリル酸ポリグリセリル-6;カプリン酸ポリグリセリル、例えばカプリン酸ポリグリセリル-2、カプリン酸ポリグリセリル-3、カプリン酸ポリグリセリル-4、カプリン酸ポリグリセリル-5、カプリン酸ポリグリセリル-6、カプリン酸ポリグリセリル-10、ジカプリン酸ポリグリセリル、例えばジカプリン酸ポリグリセリル-3またはジカプリン酸ポリグリセリル-6;カプリル酸/カプリン酸ポリグリセリル、例えばカプリル酸/カプリン酸ポリグリセリル-4、カプリル酸/カプリン酸ポリグリセリル-6、またはカプリル酸/カプリン酸ポリグリセリル-10;パルミチン酸ポリグリセリル、例えばパルミチン酸ポリグリセリル-2、パルミチン酸ポリグリセリル-3、パルミチン酸ポリグリセリル-6またはパルミチン酸ポリグリセリル-10;ジパルミチン酸ポリグリセリル、例えばジパルミチン酸ポリグリセリル-6またはジパルミチン酸ポリグリセリル-10;テトラベヘン酸ポリグリセリル、例えばテトラベヘン酸ポリグリセリル-6;ミリスチン酸ポリグリセリル、例えばミリスチン酸ポリグリセリル-6またはミリスチン酸ポリグリセリル-10;リンシノレイン酸ポリグリセリル、例えばポリリンシノレイン酸ポリグリセリル-6またはリンシノレイン酸ポリグリセリル-10;またはこれらの混合物、他の複合体またはその誘導体などを含むが、これらに限定されない。
【0047】
[048]好適には、ポリグリセロールエステルは、1つまたは複数のデカオレイン酸ポリグリセリル-10、モノステアリン酸ポリグリセリル-3、ジステアリン酸ポリグリセリル-6、ステアリン酸ポリグリセリル-10、オレイン酸ポリグリセリル-10、ジパルミチン酸ポリグリセリル-10、カプリル酸/カプリン酸ポリグリセリル-10;およびこれらの混合物であり得る。一態様では、ポリグリセロールエステルは、カプリル酸/カプリン酸ポリグリセリル-10である。
【0048】
[049]本開示では、ポリグリセロールエステル(PGE)と防腐剤(PA)との重量比は、典型的には、約0.00001~約10.0(PGE/PA)の範囲である。本明細書で使用される場合、「重量比」は、ポリグリセロールエステルの量を、防腐剤の量で除算することにより算出される(例えば、重量比10は、10PGE:1PAと同じである)。より典型的には、ポリグリセロールエステル(PGE)と防腐剤(PA)との重量比は、典型的には、約0.0001~約2.0の範囲、より典型的には0.001~1.5およびさらにより詳細には0.01~1.0の範囲である。PGEとPAとの重量比は、最小値と最大値の間の任意の量であってもよい。例えば、該比は、0.00001~2.0;0.0001~1.5;0.00001~1;0.00001~0.5;0.0001~10;0.0001~1.5;0.0001~1;0.0001~0.5;0.001~10;0.001~1.5;0.001~1;0.001~0.5;0.01~10;0.01~1.5;0.01~1;0.01~0.5の間であってもよい。
【0049】
[050]本開示の最終使用配合物中で使用される防腐剤の量は、上述のように、特定の防腐剤に応じて変化する。代替の実施形態では、防腐剤は、防腐性濃縮物の形態で配合されてもよい。「防腐性濃縮物」または「防腐性組成物」により、最終使用配合物に規定された量で添加される組成物が意味される。防腐性濃縮物では、防腐剤の量は、典型的な最終使用量より多い。防腐性濃縮物は、防腐剤およびポリグリセロールエステルのみを有してもよい。あるいは、防腐性濃縮物は、防腐剤、ポリグリセロールエステルおよび最終使用配合物と適合する担体を含有してもよい。例示的な担体は、例えば、使用され得る水性溶媒は水であり、または最終使用配合物およびこれらの配合物の使用に許容される他の溶媒を含む。典型的には、防腐性濃縮物は、最後の最終使用配合物中で所望の量の防腐製剤を達成するのに必要な量で、最終使用配合物に添加される
[051]防腐性濃縮物に含有される場合、防腐剤およびポリグリセロールエステルは、さまざまな異なる成分と組み合わせられてもよい。例えば、一実施形態では、溶媒が製品中に存在し得る。一般に、溶媒は、水などの極性溶媒、またはアルコールおよび/もしくはグリコールエーテルなどの水混和性溶媒である。水に加えて、抗菌性組成物はさらに水混和性の有機溶媒を含み得る。水混和性溶媒の例は、エタノール、プロパノール、ベンジルアルコール、イソプロパノール、ジエチレングリコールプロピルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテルおよびこれらの組合せを含む。
【0050】
[052]他の実施形態では、ポリグリセロールエステルおよび防腐剤は、たがいに独立して最終使用配合物に添加されてもよい。すなわち、ポリグリセロールエステルは、防腐剤の最終使用配合物への添加の前に、防腐剤に添加されてもよく、防腐剤が最終使用配合物に添加された後に、防腐剤の最終使用配合物への添加の前に、または最終使用配合物に防腐剤と同時に別々の原料として添加されてもよい。
【0051】
[053]さまざまな異なる微生物が、本開示により制御され得る。例えば、本開示の防腐性組成物は、グラム陽性菌、グラム陰性菌などを制御することができる。細菌に加えて、本開示の防腐性組成物はまた、ウイルス、胞子、マイコバクテリアなどのさまざまな他の微生物を死滅させ、その成長を制御することができる。本開示により制御され得る特定の微生物の例は、Staphylococcus aureus、Streptococcus pneumoniae、Pseudomonas aeruginosa、Serratia marcescens、Salmonella enteritidis、Neisseria gonorrhoeae、Escherichia coli、Enterococcus hirae、Acinetobacter baumannii、Listeria monocytogenes、Enterobacter gergoviae、Klebsiella pneumoniae、Burholderia cepacia、Pseudomonas putida、Kocuria rhizophila、Candida albicans、Saccharomyces cerevisiae、Aspergillus brasiliensis、Penicillium funiculosum、Eupenicillium levitum、Bacillus cereus、Bacillus subtilis、Clostridium difficile、Clostridium perfringens、Mycobacterium tuberculosis、Mycobacterium terrae、Mycobacterium avium、Poliovirus、Adenovirus、Norovirus、Vaccinia virus、インフルエンザウイルス、Hepatitis B virus、Human Immunodeficiency virus、ヒトパピローマウイルス、またはこれらの混合物を含む。
【0052】
[054]一般に、本開示の防腐性組成物は、任意の多くの異なる最終使用配合物または製品に組み込まれ得る。本明細書で使用される場合、「最終使用配合物」または「最終使用製品」は、化粧品を含むパーソナルケア製品、ホームケア製品、ならびに健康および衛生製品を意味することが意図される。例えば、パーソナルケア製品は、顔用クリーム、メーキャップ除去剤、マスカラ、またはウェットワイプなどの化粧品配合物を含み得る。パーソナルケア製品配合物はまた、シャンプー、コンディショナー、肌用ローション、またはパーソナルケアのウェットワイプ用途の液体も含み得る。パーソナルケア製品配合物は、使用者の皮膚または毛髪への局所的適用のための製品も含み得る。防腐製剤としてパーソナルケア製品配合物と組み合わせる場合、組成物は、広いpH範囲にわたって効果的な広域スペクトル防腐活性を有する。例えば、組成物および/またはパーソナルケア製品のpHは、一般に約2より大きく約9未満、例えば、約3~約8、詳細には約3~約6であり得る。
【0053】
[055]防腐性組成物は、手洗い食器用セッケン、洗濯用洗剤、洗浄用ワイプ、汎用クリーナー、および家庭周りで使用される他の同様の配合物などのホームケア製品にも組み込まれ得る。
【0054】
[056]パーソナルケア製品配合物は、一般に、本開示の防腐性組成物が添加されるベース配合物を含む。ベース配合物は、最終使用の用途に応じて、多くの異なる原料を含有してもよい。パーソナルケア製品配合物は、例えば、溶媒、界面活性剤、乳化剤、コンシステンシー要素、コンディショニング剤、エモリエント剤、スキンケア原料、保湿剤、増粘剤、保水剤、充填剤、抗酸化剤、他の防腐製剤、活性成分、詳細には皮膚科学的に活性な成分、芳香剤など、同様にこれらの混合物を含有してもよい。本明細書で言及する活性成分は、例えば、抗炎症剤、抗細菌剤、抗真菌剤などの薬剤を含む。局所的適用に適する活性成分が、特に好ましい。
【0055】
[057]好適な界面活性剤は、硫酸アルキル、例えばラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム;セテアリル硫酸ナトリウム;アルキルスルホ酢酸塩、例えばラウリルスルホ酢酸ナトリウム;アルキルエーテル硫酸塩、例えばラウレス硫酸ナトリウム;トリデセス硫酸ナトリウム;オレス硫酸ナトリウム;ラウレス硫酸アンモニウム;アルキルエーテルスルホコハク酸塩、例えばスルホコハク酸ラウレス二ナトリウム;アルキルグリコシド、例えばデシルグルコシド;ラウリルグルコシド;両性イセチオン酸アルキル、例えばコカミドプロピルベタイン;ココアンホ酢酸ナトリウム;ラウロアンホ酢酸ナトリウム;ラウロアンホ二酢酸二ナトリウム;ココアンホ二酢酸二ナトリウム;ラウロアンホプリピオン酸ナトリウム;ラウロアンホジプロピオン酸二ナトリウム;前述の両性物質のカリウムまたはアンモニウム塩;カプリル/カプルアミドプロピルベタイン;ウンデシレンアミドプロピルベタイン;ラウロミドプロピルベタイン;および脂肪アルコールポリグリコールエーテルを含む。
【0056】
[058]好適な乳化剤は、例えばアニオン性物質、脂肪酸の塩として、例えばステアリン酸ナトリウムまたはパルミチン酸ナトリウム、有機セッケン、例えばモノ-、ジ-またはトリエタノールアミノエート、硫酸化またはスルホン化された化合物、例えばラウリル硫酸ナトリウムまたはセチルスルホン酸ナトリウム、サポニン、ラメポン(lamepones);カチオン性物質、第四級アンモニウム塩として;非イオン性物質、脂肪アルコールとして、飽和または不飽和脂肪酸との脂肪酸エステル、脂肪酸のポリオキシエチレンエステルまたはポリオキシエチレンエーテル、酸化エチレンおよび酸化プロピレンまたはプロピレングリコールからのポリマー、両性物質、ホスファチドとして、ゼラチン、カゼインのようなタンパク質、アルキルアミドベタイン、アルキルベタインおよびアンホグリシネート、アルキルホスフェート、ポリオキシエチレンアルキルホスフェートまたは対応する酸、シリコーン誘導体、例えばアルキルジメチコンコポリオールである。
【0057】
[059]好適なコンシステンシー要素は、例えば脂肪アルコールまたはその脂肪酸エステルとの混合物、例えばアセチル化ラノリンアルコール、ステアリン酸アルミニウム、カルボマー、セチルアルコール、オレイン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル(および)ステアリン酸PEG100、ステアリン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、オレイン酸、ステアリン酸、ステアリルアルコール、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、蜜ロウおよびこれらの合成等価物、カルボマーなどである。好適なコンディショニング剤は、例えば乳酸アンモニウムアルキルアミド、セトリモニウムクロリドおよびジステアロイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトスルフェートおよびセテアリルアルコール、セチルジメチコン、リシノール酸セチル、ジメチコン、ラウレス-23、ラウレス-4、ポリデセン、パルミチン酸レチニル、四級化タンパク質加水分解物、四級化セルロースおよびデンプン誘導体、アクリル酸もしくはメタクリル酸または塩の四級化コポリマー、四級化シリコーン誘導体である。
【0058】
[060]好適なエモリエント剤は、例えばイソノナン酸セテアリル、オクタン酸セテアリル、オレイン酸デシル、ステアリン酸イソオクチル、カプリル酸/カプリン酸ヤシ油、ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル、イソノナン酸エチルヘキシル、イソステアリン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸オレイル、ラウリン酸ヘキシル、鉱物油、PEG-75ラノリン、PEG-7グリセリルココエート、ワセリン、オゾケライトシクロメチコン、ジメチコン、ジメチコンコポリオール、ジカプリリルエーテル、butyrospermum parkii、buxus chinensis、キャノーラ、カルナウバ・セラ(carnauba cera)、copernicia cerifera、oenothera biennis、elaeis guineensis、prunus dulcis、スクアラン、zea mays、glycine soja、helianthus annuus、ラノリン、水添ヒマシ油、水添ヤシ油、水添ポリイソブテン、スクロースココエート、ステアロキシジメチコン、ラノリンアルコール、イソヘキサデカンである。
【0059】
[061]好適なスキンケア原料は、例えば植物抽出物、ビサボロール、抗炎症剤、尿素、アラントイン、パンテノールおよびパンテノール誘導体、フィタントリオール、ビタミンA、E、C、D、動物または植物由来のセラミド、レシチンなどである。
【0060】
[062]好適な保湿剤は、例えばブチレングリコール、セチルアルコール、ジメチコン、酒石酸ジミリスチル、グルコースグリセレス-26、グリセリン、ステアリン酸グリセリル、加水分解乳タンパク質、乳酸、ラクトースおよび他の糖、ラウレス-8、レシチン、オクトキシグリセリン、PEG-12、PEG135、PEG-150、PEG-20、PEG-8、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、フィタントリオール、ポリクアテルニウム-39、PPG-20メチルグルコースエーテル、プロピレングリコール、ヒアルロン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、PCAナトリウム、ソルビトール、スクシノグリカン、合成蜜蝋、クエン酸トリ-C14~15アルキル、デンプンである。
【0061】
[063]好適な増粘剤は、例えばアクリレート/ステアレス-20メタクリレートコポリマー、カルボマー、カルボキシメチルデンプン、蜜蝋、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー、アルギン酸プロピレングリコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、シリカ、シリカジメチルシリレート、キサンタンガム、水添ブチレン/エチレン/スチレンコポリマーである。
【0062】
[064]好適な保水剤は、例えばアジピン酸、フマル酸およびその塩、安息香酸およびその塩、グリセリン三酢酸、ラウリル硫酸ナトリウムまたはラウリル硫酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体状ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ホウ酸、モノ-ラウレートまたはモノ-パルミテート、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、セチルステアリルアルコール、タルクム、高級脂肪酸のカルシウムまたはマグネシウム塩、高級脂肪酸のモノ-、ジ-またはトリグリセリド、ポリテトラフルオレチレンである。
【0063】
[065]好適な抗酸化剤は、例えばスルファイト、例えば亜硫酸ナトリウム、トコフェロールまたはその誘導体、アスコルビン酸またはその誘導体、クエン酸、没食子酸プロピル、キトサングリコール酸、システイン、N-アセチルシステインプラス硫酸亜鉛、チオ硫酸塩、例えばチオ硫酸ナトリウム、ポリフェノールなどである。
【0064】
[066]配合物は、活性成分、例えば抗菌剤、抗炎症剤、植物抽出物、ビサボロール、パンテノール、トコフェロール、抗刺痛、抗刺激もしくはフケ防止用途の活性物質、またはレチノール、メリビオースなどの老化防止剤などをさらに含有してもよい。他の好適な活性物質は、例えばMedicago officinalis、Actinidia chinensis、アラントイン、Aloe barbadensis、Anona cherimolia、Anthemis nobilis、Arachis hypogaea、Arnica Montana、Avena sativa,ベータ-カロチン、ビサボロール、Borago officinalis、ブチレングリコール、Calendula officinalis、Camellia sinensis、ショウノウ、Candida bombicola、カプリロイルグリシン、Carica papaya、Centaurea cyanus、セチルピリジニウムクロリド、Chamomilla recutita、Chenopodium quinoa、Chinchona succirubra、Chondrus crispus、オレンジ果皮油、Citrus grandis、Citrus limonum、Cocos nucifera、Coffea Arabica、Crataegus monogina、Cucumis melo、ジクロロフェニルイミダゾルジオキソラン、Enteromorpha compressa、Equisetum arvense、エトキシジグリコール、エチルパンテノール、ファルネソール、フェルラ酸、Fragaria chiloensis、Gentiana lutea、Ginkgo biloba、グリセリン、ラウリン酸グリセリル、Glycyrrhiza glabra、Hamamelis virginiana、ヘリオトロピン、水添パーム脂肪酸グリセリズ、シトレート、水添ヒマシ油、加水分解コムギタンパク、Hypericum perforatum、Iris florentina、Juniperus communis、ミルクプロテイン、ラクトース、Lawsonia inermis、リナロオール、Linum usitatissimum、リシン、アスパラギン酸マグネシウム、Magnifera indica、Malva sylvestris、マンニトール、Melaleuca alternifolia、Mentha piperita、メントール、乳酸メンチル、Mimosa tenuiflora、Nymphaea alba、オラフルル、Oryza sativa、パンテノール、鉱物油、PEG-20M、ホホバ脂肪酸PEG-26、PEG-26ホホバアルコール、PEG-35ヒマシ油、PEG-40水添ヒマシ油、PEG-60水添ヒマシ油、PEG-8カプリル酸/カプリン酸、アボカド油、ワセリン、アスパラギン酸カリウム、ソルビン酸カリウム、プロピレングリコール、Prunus amygdalus dulcis、Prunus armeniaca、Prunus persica、パルミチン酸レチニル、Ricinus communis、Rosa canina、Rosmarinus officinalis、Rubus idaeus、サリチル酸、Sambucus nigra、サルコシン、Serenoa serrulata、Simmondsia chinensis、カルボキシメチルベータグルカンナトリウム、ココイルアミノ酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、パルミトイルプラリンナトリウム、ステアロキシトリメチルシラン、ステアリルアルコール、硫化TEA-リシノール酸、タルク、Thymus vulgaris、Tilia cordata、トコフェロール、酢酸トコフェリル、トリデセス-9、triticum vulgare、チロシン、ウンデシレノイルグリシン、尿素、Vaccinium myrtillus、バリン、酸化亜鉛、硫酸亜鉛である。
【0065】
[067]本開示の防腐性組成物は、エマルション(水中油型および油中水型の両方)に、水溶液に、PIT(位相反転温度)エマルションに、油性溶液に、発泡性化粧品配合物(発泡体)に、およびいわゆる複合エマルションに、例えば三相エマルション(水/油/水エマルションなど)に使用され得る。
【0066】
[068]本開示の防腐性組成物はまた、クリーム、ゲル、液体またはローションとしても配合され得る。それらは、ヘアケア製品、例えばシャンプー、ヘアコンディショナー、染毛剤、育毛剤、ヘアジェル、整髪料、整毛補助剤および他のヘアケア調製物など;シェービング用途、例えばシェービングクリーム、アフターシェーブローション、および他のシェービング用途など;身体および手用のパーソナルクリーナー、例えば液体浴用セッケンおよび洗剤など;芳香性調製物、例えば香水、浴後スプラッシュ、および他の同様の芳香性調製物、スキンケア製品、例えば保湿剤、クリーム、およびローションならびに他の同様のスキンケア製品、メイクアップ製品、例えばマスカラ、下地用ファンデーションなど;メイクアップ除去製品、例えば太陽光線ケア製品、屋内日焼け製品、および他の同様のパーソナルケア製品に使用され得る。配合物のための防腐製剤としての本防腐性組成物の1つの特定の使用は、ワイプに十分に染み込ませるために使用され、パーソナル洗浄および衛生に使用される(例えば乳児用ワイプ、ウエットトイレ用ワイプ、メイクアップ除去用ワイプおよび剥離用ワイプなど)。防腐性組成物はまた、防腐剤が必要とされる他の配合物中でも使用され得る。
【0067】
[069]典型的には、本開示の防腐性組成物は、保存される最終使用配合物に、配合物の0.01重量%~約10重量%の量で添加され得る。より詳細には、防腐性組成物は、配合物の約0.1~5.0重量%である量で添加される。添加される防腐性組成物の量は、選択された防腐剤に依存する。
【0068】
[070]防腐性組成物はまた、ウェットワイプに十分に染み込ませるために使用されるウェットワイプ配合物中で使用され得る。防腐性組成物は、使用前に、ウェットワイプ配合物およびワイプを保存するのに役立つ。ウェットワイプ組成物がいったん配合されると、ウェットワイプ組成物は基材に塗布される。
【0069】
[071]含有された防腐性組成物を有するウェットワイプ組成物は、従来の適用技術を使用して、処理される基材に適用され得る。従来の技術は、配合物を基材に噴霧、注入、噴射および/またはワイプすることを含む。組成物は、即時使用可能な配合物として最終使用者に提供されるか、または容器中で適用手段と共に最終使用者に提供される。例えば、組成物は、エアロゾルとして圧縮された容器、トリガまたは噴霧用ポンプを有する容器中で、噴出容器または使用者が配合物を基材に注ぐことができるように取り外しキャップを有する従来の容器として提供されてもよい。
【0070】
[072]しかしながら、特に有用な適用手段の1つは、ワイパー基材内に配合物を含浸させることである。この実施形態では、ワイプは、配合物を含浸させた単回使用ワイプであり、使用者がワイプを分けて取り出せる容器に保存される。ワイプを有する容器は、単一のワイプ、または複数のワイプを含有してもよい。好適な容器は、使用者により開封される湿ったタオレットなどの単一のワイプを含有するパウチを含むか、または再封可能な開口部を有するパウチであってもよく、それは一度に開口部から単一のワイプを取り出すことを可能にするように積み重ねられるか、もしくは他の好適な様式のいくつかのワイプを含有する。パウチは、一般に、フィルム、塗工紙もしくはホイルなどの液体不透過性材料、または他の同様の液体不透過性材料から作製される。本発明のワイプを分けて取り出す別の方法は、容器中のワイプに手が届くような開口部を有する液体不透過性容器にワイプを入れることである。容器は、液体不透過性の蓋を有する成形されたプラスチック容器であってもよい。一般に、蓋は、容器中のワイプに手が届くような開口部を有する。容器中のワイプは、1つのワイプが容器から取り出された時、使用者が次のワイプを取り出すように準備されて、次のワイプが容器の開口部に位置するように交互に積み重ねられてもよい。あるいは、ワイプは、連続体の材料の個々のワイプの間にミシン目を入れた、連続体の材料であってもよい。ミシン目を有する連続体のワイプ材料は、折りたたみ形態であってもよく、またはロール状形態であってもよい。一般に、ロール状形態では、ワイプ材料は、ロール状材料の中心から供給される。交互に積み重ねられているため、1つのワイプが容器から取り出された時、必要な場合、次のワイプを取り出す使用のために、次のワイプが開口部に位置する。
【0071】
[073]使い捨てワイプは、再利用可能なスポンジ、ラグなどの他の適用媒体に勝る利点をもたらす。繰り返し使用されるスポンジ、ラグなどとは異なり、含浸ワイプは、単回で使用されて処分される。
【0072】
[074]ワイプを予め湿らせて、処理される基材上をワイプが動き回る時、配合物を基材上に出現させるかまたは放出するように、配合物をワイプに含浸させる。一般に、ワイプ動作を通して、ワイプが配合物を基材に放出するように、配合物をワイプ内に十分に染み込ませる。
【0073】
[075]好適なワイプ基材は、織材料および不織材料を含む。本質的に、任意の不織ウェブ材料が使用されてもよい。例示的な不織材料は、溶融ブロー、コフォーム、スパンボンド、エアレイド、エアレース(airlaced)、水流交絡不織布、スパンレース、ボンデッドカーデッドウェブ、およびこれらの積層体を含み得るが、これらに限定されない。ワイプ基材を作製するために使用される繊維は、セルロース系繊維、熱可塑性繊維およびこれらの混合物であってもよい。繊維はまた、連続繊維、不連続繊維、短繊維およびこれらの混合物であってもよい。不織ウェブの坪量は、1平方メートル当り約12グラム~1平方メートル当り200グラム(gsm)以上で変化し得る。
【0074】
[076]一実施形態では、ワイプ組成物を含浸させた基材は、著しい量のセルロース系繊維を含有する。詳細には、本開示のワイプ組成物は、製品を汚染し得る微生物による攻撃からセルロース基材を保護するのに特に適している。特定の一実施形態では、例えば、基材は、80重量%超、85重量%超など、90重量%超など、95重量%超など、100重量%でさえのセルロース系繊維から製造され得る。例えば、一実施形態では、基材は、エアレースプロセスではパルプ繊維および結合剤から製造される。基材の坪量は、約20gsm~約100gsm、約40gsm~約70gsmなど、約50gsm~約60gsmなどであり得る。
【0075】
[077]いったん基材に組み込まれると、得られたワイプ製品は、約5:1~約1:1、例えば約2:1~約4:1などの、液体と基材との重量比を有し得る。
【0076】
[078]以下の実施例は、本発明を制限することなく例示するものである。全ての部および百分率は、別段の指示がない限り、重量で与えられる。
【0077】
[079]以下の実施例に記載されるそれぞれの要素、または2種以上の要素は共に、また、上述の種類とは異なる他の種類の方法において有用な用途を見い出し得ることが理解されよう。さらなる分析を用いることなく、前述の内容は、本開示の主意を十分に明らかにするため、現行の知識を適用することにより、先行技術の観点から、添付の特許請求の範囲に明示された本開示の一般的または特定の態様の本質的な特徴を明確に構成する特徴を省くことなく、それをさまざまな用途に容易に適合させることができるであろう。
【0078】
[080]
【実施例
【0079】
[081]相乗的効果を実証するために、以下の実施例を実施した。
【0080】
[082]試験生物体の調製
[083]対象とする生物体のPseudomonas aeruginosaATCC 15442を冷凍庫から取り出し、トリプトンダイズ寒天(TSA)上で37℃で24時間成長させた。第2の継代培養を第1から生成し、同じ条件で成長させた。次に、ループ1杯分の生物体をトリプトン緩衝食塩水に添加することにより試験懸濁液を作り、内部確立した検量線分光光度計を600nmの波長で使用して、細胞濃度を1×10および5×10CFU/mlに調整した。正確なCFU/mlを確立するために、次に1mlのアリコートを試験懸濁液から取り出し、10-6および10-7に連続希釈し、次に1mlの各希釈物を、混釈平板法を使用してTSAに反復して(in duplicate)プレーティングした。次にプレートを、24時間37℃でインキュベートし、計数した。
【0081】
[084]試験試料の調製
[085]試験する各活性成分に関して、一連の3試料を減菌蒸留水中で調製した;
[086]試験試料1-活性成分単独(活性成分の基本的効力を測定するため)
[087]試験試料2-カプリル酸/カプリン酸ポリグリセリル-10と組み合わせた活性成分(活性成分とポリグリセロールエステルの組合せの効力を測定するため)
[088]対照-カプリル酸/カプリン酸ポリグリセリル-10の対照試料を、脱イオン水中で調製し、ポリグリセロールエステル単独の効力を測定した。
【0082】
[089]試験手順中の、試験生物体懸濁液の添加からの希釈効果を考慮して、各試験試料を、目標濃度より10%高い濃度で調製した。
【0083】
[090]試験手順
[091]試験生物体懸濁液の0.1mlアリコートをチューブに入れ、続いて0.9mlの試験試料(上記で調製)を添加することにより、試験混合物を調製した。次に、この組合せを混合し、即座にタイマーを開始した。各試験混合物を、表1に示す規定の接触時間静置した。
【0084】
[092]
【0085】
【表1】
【0086】
[093]規定の接触時間に達した時に、試験混合物の0.1mlアリコートを0.9mlの中和培養液に添加し、全溶液を混合することにより、試験混合物を非活性化した。この溶液を5分間放置し、活性成分の作用が効果的に中和されたことを確認した。
【0087】
[094]中和された試験混合物中の生物体の残存数を定量化するために、4×0.025mlのアリコートを取り出し、乾燥TSAの表面にスポットプレーティングした。次に、プレートを24時間37℃でインキュベートした。
【0088】
[095]対数減少のカウントおよび算出
[096]検出限界(LOD)
[097]細胞を計数するために使用される方法および技術の希釈パラメータに応じて、信頼できる計数を確実にするために、特定の検出限界が設定されなければならない。
【0089】
[098]混釈プレートのカウントに関して、<10のカウント下限および>330のカウント上限を使用して、インキュベートしたプレートからのコロニーを計数した。例えば、プレートが、カウント可能な7つの視認できるコロニーを有する場合、<10が記録され、10が算出に使用される。上限に関して、407のコロニーがプレート上にカウントされた場合、>330が記録され、330が算出に使用される。
【0090】
[099]スポットプレーティングに関して、<1のカウント下限および>150のカウント上限を使用して、インキュベートしたプレートからのコロニーを計数した。例えば、プレートが、視認できるコロニーを0個有する場合、<1が記録され、1が算出に使用される。上限に関して、156のコロニーがプレート上にカウントされた場合、>150が記録され、150が算出に使用される。
【0091】
[100]最終対数減少値を報告する場合に、算出するためにより低い検出限界を使用した場合、「>」値、例えば「>5.02対数減少」が報告され、一方、算出するためにより高い検出限界を使用した場合、「<」値、例えば「<2.92対数減少」が報告される。
【0092】
[101]N(試験生物体懸濁液)およびNの計数および算出
【0093】
【数1】
【0094】
式中、
Cは、生存カウント値の合計であり、
は、より低い希釈、すなわち10-6に関する生存カウント値の数であり、
は、より高い希釈、すなわち10-7に関する生存カウント値の数であり、
10-6は、より低い希釈に対応する希釈倍率であり、
例えば:
【0095】
【数2】
【0096】
は、接触時間の開始時における、試験混合物中1ml当たりの細胞数である。Nは、試験製品の添加による10倍希釈に起因して、Nの加重平均の10分の1である。したがって、この例では、Nは、1.9×10cfu/mlである。
【0097】
[102]T(試験混合物)の計数および算出
最初に、以下の計算を使用して、0.025mlのスポット当たりのcfuの平均(mean average)を確定した;
【0098】
【数3】
【0099】
式中、
は、4スポットからの生存カウント値の合計であり、
例:
【0100】
【数4】
【0101】
次に、これに40を乗算し、cfu/mlを確定した;
例;
T=29.5×40=1180cfu/ml
中和ステップ中に、試験混合物は、10倍希釈を受けた。これを考慮して、最終的に10倍の乗算を適用する;
T=1180×10=11800=1.18×10cfu/ml
対数減少算出(N0-T)
対数減少を算出する前に、NとTの両方を、基底10の対数値に変換した。例えば;
=1.9×10=7.28log10
T=1.18×10=4.07log10
最終対数減少を算出するために、以下の計算式を使用した;
-T=対数減少
例えば;
7.28-4.07=3.21
この例に関する最終対数減少は、3.21である。
【0102】
[103]
実施例1
[104]上に概説した試験手順を使用して、カプリル酸/カプリン酸ポリグリセリル-10(PG10CC)と、表1に列記したさまざまな活性成分との間の相乗作用を試験した。カプリル酸/カプリン酸ポリグリセリルグリセリル-10は、以下の表2に報告されるように、125ppmにおいて、ほとんどまたは全く活性を示さなかった。濃度を変化させて調製し、Pseudomonas aeruginosaの存在に関して、表1に列記する時間で試験した。以下の表2で示すのは、殺生物剤とPG10CCとの間の相乗作用の初期徴候があった、殺生物原料およびPG10CCの量である。算出した対数減少は、Pseudomonas aeruginosaにおけるものであり、さまざまな混合物について表2に示す。
[105]
【0103】
【表2】
【0104】
[106]本発明は、その特定の実施形態を参照して上に記載されるが、本明細書に開示される発明概念から逸脱することなく、多くの変更、修正および変形がなされ得ることは明らかである。したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨および広い範囲内である、全てのそのような変更、修正および変形を包含することが意図される。
【国際調査報告】