(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-01
(54)【発明の名称】仕分け車両、荷物仕分けシステムおよび荷物仕分け方法
(51)【国際特許分類】
B65G 47/46 20060101AFI20230525BHJP
B65G 17/06 20060101ALI20230525BHJP
B65G 47/48 20060101ALI20230525BHJP
【FI】
B65G47/46 B
B65G17/06 C
B65G47/48
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022564670
(86)(22)【出願日】2021-04-09
(85)【翻訳文提出日】2022-10-24
(86)【国際出願番号】 CN2021086060
(87)【国際公開番号】W WO2021213187
(87)【国際公開日】2021-10-28
(31)【優先権主張番号】202010328215.1
(32)【優先日】2020-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】320015083
【氏名又は名称】北京京東乾石科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING JINGDONG QIANSHI TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】ROOM A1905, 19TH FLOOR, NO. 2 BUILDING, NO. 18 KECHUANG 11 STREET, BEIJING ECONOMIC AND TECHNOLOGICAL DEVELOPMENT ZONE, BEIJING 100176, PEOPLE’S REPUBLIC OF CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】単 文君
【テーマコード(参考)】
3F015
【Fターム(参考)】
3F015AA22
3F015FA02
3F015GA01
3F015JC02
3F015JC08
3F015JC12
(57)【要約】
本発明は、仕分け車両、荷物仕分けシステムおよび荷物仕分け方法を提供する。該仕分け車両(1)は、車体(10)と、車体(10)に設けられたドラム駆動機構(11)と、ドラム駆動機構(11)のドラムに設けられた無端搬送ベルト(12)を含むベルトコンベア機構であって、無端搬送ベルト(12)の運転方向が車体(10)の進行方向に垂直であるベルトコンベア機構と、一部または全部が無端搬送ベルト(12)に設けられ、車体(10)の上方に少なくとも1つのストップエリアを形成するように構成されるストップ機構と、受信した荷卸し信号に基づいてドラム駆動機構(11)を制御して無端搬送ベルト(12)を所定距離運転させ、荷物が置かれているストップエリアの一部または全部をドラムの下方に回転させることで、該ストップエリア内の荷物の荷卸しを完成し、受信した復帰信号に基づいてドラム駆動機構(11)を制御してストップエリアの復帰を完成するように構成されるプロセッサ(15)と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体と、
前記車体に設けられたドラム駆動機構と、前記ドラム駆動機構のドラムに設けられた無端搬送ベルトとを含み、前記無端搬送ベルトの運転方向が前記車体の進行方向に垂直であるベルト搬送機構と、
一部または全部が前記無端搬送ベルトに設けられ、荷物を前記車体の上方の一部の無端搬送ベルト上に閉じ込むように、前記車体の上方に少なくとも1つのストップエリアを形成するように構成されるストップ機構と、
受信した荷卸し信号に基づき、前記ドラム駆動機構を制御して前記無端搬送ベルトを所定距離運転させ、荷物が置かれているストップエリアの一部または全部を前記ドラムの下方に回転させて、該ストップエリア内の荷物の荷卸しを完成し、受信した復帰信号に基づき、前記ドラム駆動機構を制御して前記無端搬送ベルトを復帰運動させて、前記ストップエリアの復帰を完成するように構成されるプロセッサと、を備える、
仕分け車両。
【請求項2】
前記ストップ機構は、車体または無端搬送ベルトに設けられて前記車体の進行方向に垂直な止め板を含む、
請求項1に記載の仕分け車両。
【請求項3】
前記ストップ機構は、前記無端搬送ベルトに設けられて前記車体の進行方向に平行な少なくとも2つのリブを含み、且つ、隣接して設けられた任意の2つのリブは、車体の上方に1つのストップエリアを形成可能である、
請求項1に記載の仕分け車両。
【請求項4】
前記無端搬送ベルトには、等間隔に3つのリブが設けられている、
請求項3に記載の仕分け車両。
【請求項5】
前記所定距離は、隣り合う2つのリブ間の最小距離以上である、
請求項1に記載の仕分け車両。
【請求項6】
前記ドラム駆動機構は、サーボモータであり、前記荷卸し信号は、荷卸し方向を含み、前記プロセッサは、前記サーボモータを制御して車体における無端搬送ベルトを前記荷卸し方向へ前記所定距離運動させて、荷物が置かれているストップエリアの一部または全部を前記ドラムの下方に回転させることで、該ストップエリア内の荷物の前記荷卸し方向における荷卸しを完成する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の仕分け車両。
【請求項7】
少なくとも1つの請求項1~6のいずれか一項に記載の仕分け車両と、
前記仕分け車両を運動させるように構成される運搬ラインと、
前記運搬ラインの一方側又は両側に設けられ、積載機構によって前記仕分け車両におけるストップエリアへ荷物を積載するように構成される少なくとも1つの積載エリアと、
前記運搬ラインの一方側または両側に設けられ、前記仕分け車両から荷卸しされた荷物を受け入れるように構成される少なくとも1つの荷卸しエリアと、
前記積載エリアと、前記積載エリアの前方の最も近い荷卸しエリアとの間の運搬ラインの上方に設けられ、スキャンした荷物識別情報およびストップエリア識別情報に基づいてバインディング情報を生成するように構成される少なくとも1つのコードスキャンモジュールと、
前記運搬ラインを制御して前記仕分け車両を運動させ、前記仕分け車両が前記少なくとも1つの積載エリアにおける所定の積載エリアを通過していると確定する場合、前記所定の積載エリアにおける積載機構を制御して仕分け待ち荷物を前記仕分け車両の車体の上方のストップエリア内に置き、前記バインディング情報に基づいて前記ストップエリア内の荷物の対応する荷卸しエリアを確定し、前記仕分け車両が前記対応する荷卸しエリアを通過していると確定する場合、前記仕分け車両が前記対応する荷卸しエリアから離れる前に荷卸し信号に基づいて前記ストップエリア内の荷物を前記対応する荷卸しエリアに荷卸しするように、前記仕分け車両に前記荷卸し信号を送信し、前記仕分け車両が前記少なくとも1つの積載エリアにおけるマッチング積載エリアに到達する前に、前記仕分け車両を制御して前記ストップエリアの復帰を完成するように構成されるコントローラと、を備える、
荷物仕分けシステム。
【請求項8】
前記積載エリアと、前記積載エリアの後方の最も近い荷卸しエリアとの間の運搬ラインの上方に設けられ、前記仕分け車両の第1平面視画像を撮影し、前記第1平面視画像に基づいて荷物の識別およびストップエリア位置の計算を行い、荷物識別の結果として、荷物が置かれていない場合、少なくとも前記ストップエリアの現在位置に対応する復帰距離が含まれた復帰通知信号をコントローラに送信するように構成される復帰撮影モジュールをさらに備え、
前記コントローラは、さらに、前記プロセッサが受信した復帰信号に基づいて前記ドラム駆動機構を制御して前記無端搬送ベルトを復帰運動させることで、前記ストップエリアの復帰を完成するように、前記復帰通知信号に基づいて前記仕分け車両のプロセッサに前記復帰信号を送信するように構成される、
請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記復帰撮影モジュールと、前記復帰撮影モジュールに最も近い積載エリアとの間の運搬ラインの上方に設けられ、前記仕分け車両の第2平面視画像を撮像し、前記第2平面視画像に基づいて前記ストップエリアの現在位置を計算し、ストップエリアの現在位置に対応する微調整距離が含まれた微調整通知信号を前記コントローラに送信するように構成される微調整撮影モジュールをさらに備え、
前記コントローラは、さらに、前記プロセッサが微調整信号に基づいて前記ドラム駆動機構を制御して前記無端搬送ベルトに前記微調整距離を運転させることで、前記ストップエリアの復帰位置を更新するように、前記微調整通知信号に基づいて前記仕分け車両のプロセッサに前記微調整信号を送信するように構成される、
請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記ストップ機構の色および前記荷物の色のいずれも前記無端搬送ベルトの色と異なり、
前記復帰撮影モジュールは、
前記第1平面視画像において、前記ストップ機構の階調と同様のエリアの長さ及び面積がそれぞれ記憶されたストップエリアのリブの長さ及び面積と同様であるか否かを算出することと、
前記第1平面視画像において、前記ストップ機構の階調と同様なエリアの長さが記憶されたストップエリアのリブの長さと同様であり、前記ストップ機構の階調と同様なエリアの面積が記憶されたストップエリアの面積と同様であることに応じて、前記仕分け車両の車体の上方におけるストップエリア内に荷物が置かれていないと確定することと、
前記第1平面視画像において、前記ストップ機構の階調と同様なエリアの長さが記憶されたストップエリアのリブの長さが異なること、前記ストップ機構の階調と同様なエリアの面積が記憶されたストップエリアの面積と異なることのうちの少なくとも1つが存在することに応じて、前記仕分け車両の車体の上方におけるストップエリア内に荷物が置かれていると確定することとにより、
荷物を識別するように構成される、
請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記復帰撮影モジュールは、
前記第1平面視画像において前記ストップエリアの少なくとも1本のリブを位置決めすることと、
所定復帰方向、位置決めたリブの位置、および前記位置決めたリブの所望位置に基づいて復帰距離を確定することにより、
復帰距離を確定するように構成される、
請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
請求項7~11のいずれか一項に記載の荷物仕分けシステムに適用される荷物仕分け方法であって、
前記運搬ラインを制御して前記仕分け車両を運動させることと、
前記仕分け車両が所定の積載エリアを通過していると確定することに応じて、前記所定の積載エリア内の積載機構を制御して仕分け待ち荷物を前記仕分け車両の車体の上方におけるストップエリア内に置くことと、
コードスキャンモジュールからのバインディング情報に基づいて前記ストップエリアの対応する荷卸しエリアを確定することと、
前記仕分け車両が前記対応する荷卸しエリアまで運転したと確定することに応じて、前記仕分け車両が前記対応する荷卸しエリアから離れる前に荷卸し信号に基づいて前記ストップエリア内の荷物を前記対応する荷卸しエリアに荷卸しするように、前記仕分け車両に前記荷卸し信号を送信することと、
前記仕分け車両のマッチング積載エリアへの到達を確定する前に、前記仕分け車両を制御して前記ストップエリアの復帰を完成することと、を含む、
荷物仕分け方法。
【請求項13】
前記仕分け車両が所定の積載エリアに到達する前に、前記仕分け車両を制御して前記ストップエリアの復帰を完成することは、
復帰撮影モジュールからの、前記ストップエリアの現在位置に対応する復帰距離が含まれた復帰通知信号を受信することと、
前記プロセッサが復帰情報に基づいて前記ドラム駆動機構を制御して前記無端搬送ベルトを前記復帰距離運転させることで、前記ストップエリアの復帰を完成するように、前記復帰通知信号に基づいて前記仕分け車両のプロセッサに前記復帰情報を送信することと、を含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ストップエリアの復帰を完成した後、
微調整撮影モジュールからの、前記ストップエリアの現在位置に対応する微調整距離が含まれた微調整通知信号を受信することと、
前記プロセッサが微調整情報に基づいて前記ドラム駆動機構を制御して前記無端搬送ベルトを前記微調整距離運転させることで、前記ストップエリアの復帰位置を更新するように、前記微調整通知信号に基づいて前記仕分け車両のプロセッサに前記微調整情報を送信することと、をさらに含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記仕分け車両が対応する荷卸しエリアまで運転したことに応じて、前記仕分け車両に荷卸し信号を送信する前、
コードスキャンモジュールにより確定されたバインディング情報および前記仕分け車両の運転速度に基づいて前記荷物の位置を位置決めすることをさらに含む、
請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年4月23日に中国特許庁に提出された、出願番号202010328215.1の中国特許出願の優先権を主張し、該出願の内容のすべてが引用によって本願に組み込まれる。
【0002】
本願の実施例は、物流の分野に関し、たとえば、仕分け車両、荷物仕分けシステムおよび荷物仕分け方法に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術におけるクロスベルト仕分け機の仕分け車両には、主にフラップ又はベルトなどの載置具が採用されている。しかし、フラップ仕分け車両およびベルト仕分け車両のいずれも円柱などの転がりやすい物品の仕分けに適していない。フラップ仕分け車両は、傾斜した後の荷物の重力による滑り下りを利用して仕分けを行うものであり、全体の運転速度があまり高くなればいけないため、仕分け効率が低い。ベルト仕分け車両は、ベルトと転がりやすい物品との間に摩擦が小さいため、相対運動が存在し、これによって転がりやすい物品を搬送することもできない。
【0004】
関連技術において、ベルト仕分け車両は、ベルトと転がりやすい物品との相対運動により、転がりやすい物品を搬送できないという技術的問題が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の実施例は、関連技術においてベルト仕分け車両がベルトと転がりやすい物品との相対運動により、転がりやすい物品を搬送できないという問題を解決した仕分け車両、荷物仕分けシステムおよび荷物仕分け方法を提供する。
【0006】
第1態様として、本願の実施例は、
車体と、
前記車体に設けられたドラム駆動機構と、前記ドラム駆動機構のドラムに設けられた無端搬送ベルトとを含み、前記無端搬送ベルトの運転方向が前記車体の進行方向に垂直であるベルト搬送機構と、
一部または全部が前記無端搬送ベルトに設けられ、荷物を前記車体の上方の一部の無端搬送ベルト上に閉じ込むように、前記車体の上方に少なくとも1つのストップエリアを形成するように構成されるストップ機構と、
受信した荷卸し信号に基づき、前記ドラム駆動機構を制御して前記無端搬送ベルトを所定距離運転させ、荷物が置かれているストップエリアの一部または全部を前記ドラムの下方に回転させて、該ストップエリア内の荷物の荷卸しを完成し、受信した復帰信号に基づき、前記ドラム駆動機構を制御して前記無端搬送ベルトを復帰運動させて、前記ストップエリアの復帰を完成するように構成されるプロセッサと、を備える仕分け車両を提供する。
【0007】
第2態様として、本願の実施例は、少なくとも1つの第1態様に記載の仕分け車両と、
前記仕分け車両を運動させるように構成される運搬ラインと、
前記運搬ラインの一方側又は両側に設けられ、積載機構によって前記仕分け車両におけるストップエリアへ荷物を積載するように構成される少なくとも1つの積載エリアと、
前記運搬ラインの一方側または両側に設けられ、前記仕分け車両から荷卸しされた荷物を受け入れるように構成される少なくとも1つの荷卸しエリアと、
前記積載エリアと、前記積載エリアの前方の最も近い荷卸しエリアとの間の運搬ラインの上方に設けられ、スキャンした荷物識別情報およびストップエリア識別情報に基づいてバインディング情報を生成するように構成される少なくとも1つのコードスキャンモジュールと、
前記運搬ラインを制御して前記仕分け車両を運動させ、前記仕分け車両が所定の積載エリアを通過していると確定する場合、前記所定の積載エリアにおける積載機構を制御して仕分け待ち荷物を前記仕分け車両の車体の上方のストップエリア内に置き、前記バインディング情報に基づいて前記ストップエリア内の荷物の対応する荷卸しエリアを確定し、前記仕分け車両が前記対応する荷卸しエリアを通過していると確定する場合、前記仕分け車両が前記対応する荷卸しエリアから離れる前に荷卸し信号に基づいて前記ストップエリア内の荷物を前記対応する荷卸しエリアに荷卸しするように、前記仕分け車両に前記荷卸し信号を送信し、前記仕分け車両がマッチング積載エリアに到達する前に、前記仕分け車両を制御して前記ストップエリアの復帰を完成するように構成されるコントローラと、を備える、荷物仕分けシステムをさらに提供する。
【0008】
第3態様として、本願の実施例は、第2態様に記載の荷物仕分けシステムに適用される荷物仕分け方法であって、
前記運搬ラインを制御して前記仕分け車両を運動させることと、
前記仕分け車両が所定の積載エリアを通過していると確定することに応じて、前記所定の積載エリア内の積載機構を制御して仕分け待ち荷物を前記仕分け車両の車体の上方におけるストップエリア内に置くことと、
コードスキャンモジュールからのバインディング情報に基づいて前記ストップエリアの対応する荷卸しエリアを確定することと、
前記仕分け車両が前記対応する荷卸しエリアまで運転したと確定することに応じて、前記仕分け車両が前記対応する荷卸しエリアから離れる前に荷卸し信号に基づいて前記ストップエリア内の荷物を前記対応する荷卸しエリアに荷卸しするように、前記仕分け車両に前記荷卸し信号を送信することと、
前記仕分け車両のマッチング積載エリアへの到達を確定する前に、前記仕分け車両を制御して前記ストップエリアの復帰を完成することと、を含む荷物仕分け方法をさらに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本願の実施例1に係る仕分け車両の構造模式図である。
【
図2】本願の実施例1に係る仕分け車両の制御ブロック図である。
【
図3】本願の実施例1に係る仕分け車両の側面図である。
【
図4A】本願の実施例1に係るリブの無端搬送ベルトにおける正面図である。
【
図4B】本願の実施例1に係るリブの無端搬送ベルトにおける右側面図である
【
図4C】本願の実施例1に係るリブの無端搬送ベルトにおける平面図である。
【
図5】本願の実施例2に係る荷物仕分けシステムの構造模式図である。
【
図6】本願の実施例2に係る荷物仕分けシステムの制御模式図である。
【
図7】本願の実施例3に係る荷物仕分け方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本願の実施例における図面を参照しながら、実施形態によって本発明の技術案をはっきりと、完全的に説明する。
【0011】
実施例1
【0012】
本願の実施例は、仕分け車両1を提供する。
図1~
図3に示すように、該仕分け車両1は、車体10、ベルト搬送機構、ストップ機構およびプロセッサ15を含む。ベルト搬送機構は、車体10に設けられたドラム駆動機構11と、ドラム駆動機構11のドラムに設けられた無端搬送ベルト12を含み、無端搬送ベルト12の運転方向が車体10の進行方向に垂直である。ストップ機構は、一部または全部が無端搬送ベルト12に設けられ、車体10の上方に少なくとも1つのストップエリアを形成して、荷物を車体10の上方における一部の無端搬送ベルト上に閉じ込むように構成される。プロセッサ15は、受信した荷卸し信号に基づいてドラム駆動機構11を制御して無端搬送ベルト12を所定距離運転させ、荷物が置かれているストップエリアの一部または全部をドラムの下方に回転させて、該ストップエリア内の荷物の荷卸しを完成し、受信した復帰信号に基づいてドラム駆動機構11を制御して無端搬送ベルト12を復帰運動させて、ストップエリアの復帰を完成するように構成される。
【0013】
そのうち、ドラム駆動機構11は、サーボモータであることが好ましい。
【0014】
そのうち、ストップ機構は、車体10または無端搬送ベルト12に設けられて車体10の進行方向に垂直な止め板13を含む(
図1および
図3参照)。
【0015】
理解すべきことに、止め板13は、車体10に設けられた場合、長尺形の板形構造(
図1参照)または長尺形の円柱形構造などが用いられてもよいし、
図3における歯形構造が用いられてもよい。止め板13は、無端搬送ベルト12に設けられた場合、歯形構造であることが好ましいことで、剛性長尺形構造に起因して無端搬送ベルトがドラムの外周に回転できないことを防止し、および、フレキシブル長尺形構造が転がりやすい物品を囲む作用を効果的に果たすことができないことを防止する。さらに、止め板の長さは、車体の長さと同様であることが好ましい。
【0016】
そのうち、ストップ機構は、無端搬送ベルト12に設けられて車体の進行方向に平行な少なくとも2つのリブ14をさらに含み(
図1参照)、且つ該少なくとも2つのリブが、止め板とともに、車体の上方に少なくとも1つのストップエリアを形成することができる。無端搬送ベルト12に設けられたリブ14の数は、実際に応じて選択されてもよい。無端搬送ベルトに2つのリブが設けられた場合、この2つのリブ間の最小距離は、無端搬送ベルトの車体の上方における長さ以下である。無端搬送ベルトに少なくとも3つのリブが設けられた場合、該少なくとも3つのリブが無端搬送ベルトの長さ方向に沿って均一に配置されてもよい(
図4A、
図4Bおよび
図4C参照)。さらに、リブの数は、車体の上方に1つだけのストップエリアを形成できれば良い。車体の上方に少なくとも2つのストップエリアが形成された場合、荷物と仕分け車両における対応するストップエリアとの対応関係を確定した後、荷物を荷卸しする際の無端搬送ベルトの運転方向を確定する必要がある。
【0017】
そのうち、所定距離は、少なくとも隣り合う2つのリブ間の最短距離であってもよい。一部の実施例において、該所定距離は、無端搬送ベルトの長さの半分に設定されている。一部の実施例において、該所定距離は、さらに隣り合う2つのリブ間の最短距離よりも小さいように設定されている。むろん、この情況は、体積が大きい荷物の仕分けに適する。荷卸し過程において、無端搬送ベルトの運転に従って、ストップエリアの1つのリブがドラムの下方に回転し、他の1つのリブが車体の上方に移動し、荷物の宙づり状態となった部分がだんだん大きくなり、そして重力の作用下で無端搬送ベルトから離れる。
【0018】
該仕分け車両によって荷物の仕分けを行う場合は、荷物積載過程、積載運転過程、荷卸し過程およびストップエリア復帰過程に関する。荷物積載過程において、仕分け車両の車体の上方におけるストップエリアは、積載された荷物を受け入れる。積載運転過程において、無端搬送ベルトは、非伝動状態となることが好ましく、このように、荷物を始終に車体の上方におけるストップエリア内に位置させる。荷卸し過程において、プロセッサは、受信した荷卸し信号に基づいてサーボモータを制御して無端搬送ベルトを運転させ、運転距離が荷物の所在するストップエリアの長さ以上となることで、荷物が置かれているストップエリアを全部ドラムの下方に回転させて、該ストップエリア内の荷物の荷卸しを完成する。ストップエリア復帰過程において、プロセッサは、受信した復帰信号に基づいてサーボモータを制御して無端搬送ベルトを復帰運動させて、車体の上方にストップエリアを再度形成する。そのうち、復帰信号は、無端搬送ベルトの運転距離のみを含んでもよい。その際に、運転方向は、所定荷卸方向となる。復帰信号は、さらに無端搬送ベルトの運転距離および荷卸方向を同時に含んでもよい。
【0019】
そのうち、無端搬送ベルトは、ストップエリア復帰過程における運転方向が荷卸過程における運転方向と同様であってもよいし、逆であってもよく、車体の上方に1つのストップエリアを再度形成できれば良い。無端搬送ベルトは、復帰過程における運転方向が荷卸過程における運転方向と逆である場合、サーボモータは、復帰時に逆方向で対応する回転数回転して、ストップエリアを復帰させることができる。
【0020】
本願の実施例に係る仕分け車両の技術案は、ストップ機構によって車体に少なくとも1つのストップエリアを形成し、荷物を車体の上方における一部の無端搬送ベルト上に閉じ込む。このように、転がりやすい荷物と無端搬送ベルトとの間が相対運動しても、ストップエリアが存在するために、仕分け車両の運転過程において、転がりやすい荷物がストップエリア内にのみ運動することができ、無端搬送ベルトとの相対運動により無端搬送ベルトから離れることはなく、無端搬送ベルト仕分け車両の適用範囲を転がりやすい荷物仕分け分野に拡張することができる。
【0021】
実施例2
【0022】
本願の実施例は、荷物仕分けシステムを提供する。
図5および
図6に示すように、該システムは、運搬ライン2、コントローラ7、少なくとも1つの上述した実施例に記載された仕分け車両1、少なくとも1つの積載エリア3、少なくとも1つのコードスキャンモジュール4および少なくとも1つの荷卸しエリア5を含む。運搬ライン2は、仕分け車両1を運動させるように構成される。積載エリア3は、運搬ライン2の一方側または両側に設けられ、積載機構によって仕分け車両1におけるストップエリアへ荷物を積載するように構成される。コードスキャンモジュール4は、積載エリアと、該積載エリアの前方の最も近い荷卸しエリアとの間の運搬ラインの上方に設けられ、スキャンした荷物識別情報およびストップエリア識別情報に基づいてバインディング情報を生成するように構成される。荷卸しエリア5は、運搬ラインの一方側または両側に設けられ、仕分け車両から荷卸しされた荷物を受け入れるように構成される。コントローラ7は、運搬ライン2を制御して仕分け車両1を運動させ、仕分け車両が所定の積載エリア3を通過していると確定する場合、該所定の積載エリアにおける積載機構を制御して仕分け待ち荷物を仕分け車両の車体の上方のストップエリア内に置き、バインディング情報に基づいて該ストップエリア内の荷物の対応する荷卸しエリア4を確定し、仕分け車両が該対応する荷卸しエリア4を通過していると確定する場合、仕分け車両に荷卸し信号を送信し、仕分け車両が該対応する荷卸しエリアから離れる前に、荷卸し信号に基づいてストップエリア内の荷物を該対応する荷卸しエリアに荷卸しし、および仕分け車両がマッチング積載エリアに到達する前に、仕分け車両を制御してストップエリアの復帰を完成するように構成される。
【0023】
そのうち、運搬ラインは、環形の運搬ライン又は直線形の運搬ラインが用いられてもよい。対応的に、環形の運搬ラインは、仕分け車両を環形運動させ、直線形の運搬ラインは、仕分け車両を直線形運動させる。本実施例において、環形の運搬ラインを例として説明する。積載エリアおよび荷卸しエリアについては、関連技術が用いられればよく、本実施例において詳しく説明しない。
【0024】
理解すべきことに、コードスキャンモジュール4は、コントローラ7がバインディング情報に基づいて荷物の位置を位置決めし、バインディング情報から荷物識別情報および対応するストップエリアを抽出し、記憶された荷物識別情報と荷卸しエリアとの対応関係、およびバインディング情報における荷物識別情報に基づいて該ストップエリアの対応する荷卸しエリアを確定するように構成される。
【0025】
図5に示すように、荷卸しエリア5は、車両ゴタンク52、および車両ゴタンク52と仕分け車両の無端搬送ベルトを連結するシュート51を含む。荷物が無端搬送ベルトから離れた後、シュート51に沿って車両ゴタンク52に落下する。該シュートは、荷物のずり下がりの作用を効果的に果たし、荷物が直接的に無端搬送ベルトから車両ゴタンクに落下することによる損害の発生を回避することができる。
【0026】
そのうち、マッチング積載エリアは、仕分け車両が荷卸しエリアにおいて荷卸しを完成する際に、コントローラがそれに対して割当った積載エリアである。該積載エリアは、近傍の積載エリアであってもよいし、遠い積載エリアであってもよい。理解すべきことに、荷物仕分けシステムが1つだけの積載エリアを含む場合、仕分け車両がどの荷卸しエリアにおいて荷卸しするかを問わず、該積載エリアに到達する前にストップエリアの復帰を完成する必要がある。
【0027】
ストップエリアの復帰時に、コントローラは、荷卸し時にドラム駆動機構を制御して無端搬送ベルトを運転させる距離を記録し、そして無端搬送ベルトを逆方向で該距離を運転させることができる。理解すべきことに、該復帰形態は、仕分け車両の復帰回数の増加に従って、復帰の誤差が絶えず累積し、復帰の精度がますます低くなる。
【0028】
ストップエリア復帰の精度を向上させるために、該システムは、復帰撮影モジュール6をさらに含む。該復帰撮影モジュール6は、積載エリア3と該積載エリアの後方の最も近い荷卸しエリアとの間の環形の運搬ライン2の上方に設けられ、仕分け車両の第1平面視画像を撮影し、第1平面視画像に基づいて荷物の識別およびストップエリア位置の計算を行い、荷物識別の結果として、荷物が置かれていない場合、少なくともストップエリアの現在位置に対応する復帰距離が含まれた復帰通知信号をコントローラに送信するように構成される。コントローラは、さらに、復帰通知信号に基づいて仕分け車両のプロセッサに復帰信号を送信し、プロセッサが受信した復帰信号に基づいてドラム駆動機構を制御して無端搬送ベルトを復帰運動させることで、ストップエリアの復帰を完成するように構成される。
【0029】
そのうち、本実施例における後方および前方とは、環形の運搬ラインの運転方向および仕分け車両の現在位置に基づいて命名される。たとえば、復帰撮影モジュール6、積載エリア3および積載エリアに最も近い荷卸しエリア5の位置関係は、仕分け車両が走行過程において、まず積載エリア3に最も近い荷卸しエリア5を通過し、そして復帰撮影モジュール6を通過している後、積載エリア3を通過するように記載されてもよい。積載エリア3、コードスキャンモジュール4、および該積載エリア3の前方の最も近い荷卸しエリア5の位置関係は、仕分け車両1が走行過程において、まず積載エリア3を通過し、そしてコードスキャンモジュール4を通過している後、該積載エリアの前方に位置し該積載エリアとの距離が最も近い荷卸しエリア5を通過するように記載されてもよい。
【0030】
そのうち、復帰信号は、復帰方向を含まず、復帰距離のみを含んでもよく、その際の復帰方向は、所定復帰方向となる。復帰信号には復帰距離および復帰方向が含まれば、仕分け車両のプロセッサは、復帰信号における復帰距離に基づいてサーボモータの回転数を確定し、そしてサーボモータを制御して復帰方向に沿って対応する回転数回転させ、すなわち、サーボモータが搬送を復帰方向に沿って復帰距離運転させることを黙認し、ストップエリアの復帰を完成する。
【0031】
そのうち、ストップ機構の色および荷物の色は、いずれも無端搬送ベルトの色と異なるため、階調画像において、ストップ機構の諧調および荷物の階調は、いずれも無端搬送ベルトの階調と異なり、復帰撮影モジュールは、以下の方法に応じて荷物を識別する。
【0032】
第1平面視画像において、ストップ機構の階調と同様なエリアの長さ及び面積が記憶されたストップエリアのリブの長さ及び面積と同様であるか否かを計算する。第1平面視画像において、ストップ機構の階調と同様なエリアの長さが記憶されたストップエリアのリブの長さと同様であり、ストップ機構の階調と同様なエリアの面積が記憶されたストップエリアの面積と同様である場合、仕分け車両の車体の上方におけるストップエリア内に荷物がないと確定する。第1平面視画像において、ストップ機構の階調と同様なエリアの長さが記憶されたストップエリアのリブの長さと異なる場合、ストップ機構の階調と同様なエリアの面積が記憶されたストップエリアの面積が異なる場合のうちの少なくとも1つが存在すると、仕分け車両の車体の上方におけるストップエリア内に荷物が置かれていると確定する。
【0033】
そのうち、復帰撮影モジュールは、以下の方法に応じて復帰距離を確定する。
【0034】
第1平面視画像においてストップエリアの少なくとも1本のリブを位置決めする。所定復帰方向、位置決めたリブの位置および該位置決めたリブの所望位置に基づき、復帰距離を確定する。
【0035】
ドラムと無端搬送ベルトとの相対運動により、サーボモータは、対応する回転数回転したが、無端搬送ベルトを運転させる距離が正確な復帰距離ではない。その為、ストップエリア復帰の精度を向上させるために、一部の実施例において、該システムは、微調整撮影モジュールをさらに含む。該微調整撮影モジュールは、復帰撮影モジュールと、該復帰撮影モジュールに最も近い積載エリアとの間の環形の運搬ラインの上方に設けられ、仕分け車両の第2平面視画像を撮像し、第2平面視画像に基づいてストップエリアの現在位置を計算し、コントローラにストップエリアの現在位置に対応する微調整距離が含まれた微調整通知信号を送信するように構成される。コントローラは、更に、微調整通知信号に基づいて仕分け車両のプロセッサに微調整信号を送信し、該プロセッサが微調整信号に基づいてドラム駆動機構を制御して無端搬送ベルトを微調整距離運転させて、ストップエリアの復帰位置を更新するように構成される。
【0036】
そのうち、微調整撮影モジュールは、以下の方法に応じて復帰距離を確定する。
【0037】
第2平面視画像においてストップエリアの少なくとも1本のリブを位置決めする。所定微調整方向、位置決めたリブの位置および該位置決めたリブの所望位置に基づいて、微調整距離を確定する。
【0038】
本願の実施例に係る荷物仕分けシステムの技術案としては、関連技術に対して、コントローラは、車体の上方にストップエリアが設けられた仕分け車両を制御して環形の運搬ラインに運転させるとともに、運転過程において積載エリアによって該ストップエリア内へ転がりやすい荷物を積載し、コードスキャンモジュールのバインディング情報に基づいて荷物の所在するストップエリアの位置、および対応する荷卸しエリアを確定し、該ストップエリアが対応する荷卸しエリアに到達する時に該ストップエリア内の荷物を該対応する荷卸しエリアに荷卸しし、空いたストップエリアがいずれの積載エリアに運動する前に、仕分け車両を制御してストップエリアの復帰を完成する。ストップエリアが存在するため、仕分け車両が転がりやすい荷物を環形の運搬ラインで運転させる時に、転がりやすい荷物がストップエリア内にのみ運動することができ、無端搬送ベルトとの相対運動により無端搬送ベルトから離れることはなく、無端搬送ベルト仕分け車両の適用を転がりやすい荷物仕分け分野に拡張することができる。
【0039】
実施例3
【0040】
図7は、本願の実施例3に係る荷物仕分け方法のフローチャートである。本実施例における技術案は、上述した実施例に記載された荷物仕分けシステムが自動的に転がりやすい荷物の仕分けを行う状況に適用される。該方法は、荷物仕分けシステムのコントローラにより実行されてもよい。
図5および
図6を結び付けて、該方法は、以下のステップを含む。
【0041】
S110:運搬ラインを制御して仕分け車両を運動させる。
【0042】
そのうち、運搬ラインは、環形の運搬ラインまたは直線形の運搬ラインであってもよい。本実施例において、運搬ラインが環形の運搬ラインであることを例として説明する。
【0043】
仕分け車両1は、環形の運搬ライン2に設けられ、環形の運搬ライン2により仕分け車両1を駆動して等速環形運動させる。
【0044】
S120:仕分け車両が所定の積載エリアを通過していると確定する場合、該積載エリア内の積載機構を制御して仕分け待ち荷物を仕分け車両の車体の上方におけるストップエリア内に置く。
【0045】
仕分け車両1の環形の運搬ライン2における運転速度が既知であるため、仕分け車両の初期位置が既知である場合、仕分け車両の運転時間に基づいて仕分け車両の環形の運搬ラインにおける位置を確定することができる。コントローラにより、仕分け車両が所定積載エリアを通過していると確定する場合、コントローラは、該積載エリア内の積載機構を制御して仕分け待ち荷物を仕分け車両の車体の上方におけるストップエリア内に置く。理解すべきことに、車体の上方に複数のストップエリアがあれば、積載機構は、仕分け待ち荷物を近傍のストップエリア内に置いてもよい。
【0046】
S130:コードスキャンモジュールからのバインディング情報に基づいてストップエリアの対応する荷卸しエリアを確定する。
【0047】
コントローラは、バインディング情報に基づいて荷物の位置を位置決めし、バインディング情報から荷物識別情報および対応するストップエリアを抽出した後、記憶された荷物識別情報と荷卸しエリアとの対応関係、およびバインディング情報における荷物識別情報に基づいて該ストップエリアの対応する荷卸しエリアを確定する。
【0048】
S140:仕分け車両が該対応する荷卸しエリアまで運転したと確定する場合、仕分け車両が該対応する荷卸しエリアから離れる前に荷卸し信号に基づいてストップエリア内の荷物を該対応する荷卸しエリアに荷卸しするように、仕分け車両に荷卸し信号を送信する。
【0049】
一部の実施例において、コードスキャンモジュール4の所在する位置を初期位置とすれば、環形の運搬ラインの運転速度が既知である場合、コントローラは、現在時点および荷物識別情報のスキャン時間、或いは現在時点およびバインディング情報の生成時間に基づいて荷物の所在するストップエリアの位置を確定することができる。
【0050】
一実施例において、仕分け車両が対応する荷卸しエリアまで運転したことに応じて、仕分け車両に荷卸し信号を送信する前、さらに以下を含む。
【0051】
コードスキャンモジュールにより確定されたバインディング情報および仕分け車両の運転速度に基づいて荷物の位置を位置決めする。
【0052】
コントローラは、荷物の所在するストップエリアがマッチング荷卸しエリア5に到達することを確定した場合、即ち荷物の所在する仕分け車両がマッチング荷卸しエリアに到達する際に、仕分け車両に荷卸し信号を送信し、仕分け車両が該荷卸し信号に基づいて荷卸しし、該対応する荷卸しエリアから離れる前に、該ストップエリア内の荷物を該対応する荷卸しエリアに荷卸しする。
【0053】
理解すべきことに、環形の運搬ラインの内側、外側にそれぞれ荷卸しエリアが設けられていれば、荷卸し信号は、荷卸し方向を含むべきである。仕分け車両のプロセッサは、荷卸し信号における荷卸し方向に基づいてサーボモータを制御して無端搬送ベルトを荷卸し方向に沿って所定距離旋回させる。
【0054】
S150:仕分け車両がマッチング積載エリアに到達すると確定する前に、仕分け車両を制御してストップエリアの復帰を完成する。
【0055】
仕分け車両は、荷物を荷卸しした後、車体の上方に完全的なストップエリアがないかもしれないため、積載エリアに到達する前に、復帰撮影モジュール3から送信された復帰通知信号に基づいて仕分け車両を制御してストップエリアの復帰を完成する必要がある。そのうち、復帰通知信号には、ストップエリアの現在位置に対応する復帰距離が含まれる。
【0056】
そのうち、マッチング積載エリアは、仕分け車両が荷卸しを完成する際に、コントローラがそれに対して割当った積載エリアである。該積載エリアは、近傍の積載エリアであってもよいし、遠い積載エリアであってもよい。理解すべきことに、荷物仕分けシステムが1つだけの積載エリアを含む場合、仕分け車両がどの荷卸しエリアにおいて荷卸しするかを問わず、該積載エリアに到達する前にストップエリアの復帰を完成する必要がある。
【0057】
コントローラは、該復帰通知信号を受信した後、該復帰通知信号に基づいて仕分け車両にストップエリアの現在位置に対応する復帰距離を含む復帰信号を送信する。仕分け車両のプロセッサは、該復帰距離に基づいてサーボモータの復帰回転数を確定した後、サーボモータを制御して所定方向に沿って対応する復帰回転数回転させて、ストップエリアを復帰させる。
【0058】
サーボモータのドラムと無端搬送ベルトとの相対運動により、サーボモータが対応する復帰回転数回転したが、無端搬送ベルトを該復帰距離運転させることはない。その為、一部の実施例において、コントローラは、仕分け車両がマッチング積載エリアに到達する前にストップエリアの復帰微調整を完成する必要がある。復帰微調整過程において、コントローラは、微調整撮影モジュールから送信された微調整通知信号を受信した後、該微調整通知信号に基づいて、ストップエリアの現在位置に対応する微調整距離を含む微調整信号を仕分け車両に送信する。仕分け車両のプロセッサは、該微調整信号を受信した後、該微調整信号における微調整距離に基づいてサーボモータの微調整回転数を確定し、そしてサーボモータを回転して該微調整回転数回転させて、ストップエリアの復帰位置を更新する。
【0059】
そのうち、復帰撮影モジュールが復帰距離を確定する方法、および微調整モジュールが微調整距離を確定する方法については、詳しく上述した実施例をご参照ください。本実施例において、繰り返し説明しない。
【0060】
本願の実施例に係る荷物仕分け方法の技術案としては、関連技術に対して、コントローラは、車体の上方にストップエリアが設けられた仕分け車両を制御して環形の運搬ラインに運転させるとともに、運転過程において積載エリアによって該ストップエリア内へ転がりやすい荷物を積載し、コードスキャンモジュールのバインディング情報に基づいて荷物の所在するストップエリアの位置、および対応する荷卸しエリアを確定し、該ストップエリアが対応する荷卸しエリアに到達する時に該ストップエリア内の荷物を該対応する荷卸しエリアに荷卸しし、空いたストップエリアがいずれの積載エリアに運動する前に、仕分け車両を制御してストップエリアの復帰を完成する。ストップエリアが存在するため、仕分け車両が転がりやすい荷物を環形の運搬ラインで運転させる時に、転がりやすい荷物がストップエリア内にのみ運動することができ、無端搬送ベルトとの相対運動により無端搬送ベルトから離れることはなく、無端搬送ベルト仕分け車両の適用を転がりやすい荷物仕分け分野に拡張することができる。
【手続補正書】
【提出日】2022-10-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体と、
前記車体に設けられたドラム駆動機構と、前記ドラム駆動機構のドラムに設けられた無端搬送ベルトとを含み、前記無端搬送ベルトの運転方向が前記車体の進行方向に垂直であるベルト搬送機構と、
一部または全部が前記無端搬送ベルトに設けられ、荷物を前記車体の上方の一部の無端搬送ベルト上に閉じ込むように、前記車体の上方に少なくとも1つのストップエリアを形成するように構成されるストップ機構と、
受信した荷卸し信号に基づき、前記ドラム駆動機構を制御して前記無端搬送ベルトを所定距離運転させ、荷物が置かれているストップエリアの一部または全部を前記ドラムの下方に回転させて、該ストップエリア内の荷物の荷卸しを完成し、受信した復帰信号に基づき、前記ドラム駆動機構を制御して前記無端搬送ベルトを復帰運動させて、前記ストップエリアの復帰を完成するように構成されるプロセッサと、を備える、
仕分け車両。
【請求項2】
前記ストップ機構は、車体または無端搬送ベルトに設けられて前記車体の進行方向に垂直な止め板を含む、
請求項1に記載の仕分け車両。
【請求項3】
前記ストップ機構は、前記無端搬送ベルトに設けられて前記車体の進行方向に平行な少なくとも2つのリブを含み、且つ、隣接して設けられた任意の2つのリブは、車体の上方に1つのストップエリアを形成可能である、
請求項1に記載の仕分け車両。
【請求項4】
前記無端搬送ベルトには、等間隔に3つのリブが設けられている、
請求項3に記載の仕分け車両。
【請求項5】
前記所定距離は、隣り合う2つのリブ間の最小距離以上である、
請求項1に記載の仕分け車両。
【請求項6】
前記ドラム駆動機構は、サーボモータであり、前記荷卸し信号は、荷卸し方向を含み、前記プロセッサは、前記サーボモータを制御して車体における無端搬送ベルトを前記荷卸し方向へ前記所定距離運動させて、荷物が置かれているストップエリアの一部または全部を前記ドラムの下方に回転させることで、該ストップエリア内の荷物の前記荷卸し方向における荷卸しを完成する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の仕分け車両。
【請求項7】
少なくとも1つの請求項1~
5のいずれか一項に記載の仕分け車両と、
前記仕分け車両を運動させるように構成される運搬ラインと、
前記運搬ラインの一方側又は両側に設けられ、積載機構によって前記仕分け車両におけるストップエリアへ荷物を積載するように構成される少なくとも1つの積載エリアと、
前記運搬ラインの一方側または両側に設けられ、前記仕分け車両から荷卸しされた荷物を受け入れるように構成される少なくとも1つの荷卸しエリアと、
前記積載エリアと、前記積載エリアの前方の最も近い荷卸しエリアとの間の運搬ラインの上方に設けられ、スキャンした荷物識別情報およびストップエリア識別情報に基づいてバインディング情報を生成するように構成される少なくとも1つのコードスキャンモジュールと、
前記運搬ラインを制御して前記仕分け車両を運動させ、前記仕分け車両が前記少なくとも1つの積載エリアにおける所定の積載エリアを通過していると確定する場合、前記所定の積載エリアにおける積載機構を制御して仕分け待ち荷物を前記仕分け車両の車体の上方のストップエリア内に置き、前記バインディング情報に基づいて前記ストップエリア内の荷物の対応する荷卸しエリアを確定し、前記仕分け車両が前記対応する荷卸しエリアを通過していると確定する場合、前記仕分け車両が前記対応する荷卸しエリアから離れる前に荷卸し信号に基づいて前記ストップエリア内の荷物を前記対応する荷卸しエリアに荷卸しするように、前記仕分け車両に前記荷卸し信号を送信し、前記仕分け車両が前記少なくとも1つの積載エリアにおけるマッチング積載エリアに到達する前に、前記仕分け車両を制御して前記ストップエリアの復帰を完成するように構成されるコントローラと、を備える、
荷物仕分けシステム。
【請求項8】
前記積載エリアと、前記積載エリアの後方の最も近い荷卸しエリアとの間の運搬ラインの上方に設けられ、前記仕分け車両の第1平面視画像を撮影し、前記第1平面視画像に基づいて荷物の識別およびストップエリア位置の計算を行い、荷物識別の結果として、荷物が置かれていない場合、少なくとも前記ストップエリアの現在位置に対応する復帰距離が含まれた復帰通知信号をコントローラに送信するように構成される復帰撮影モジュールをさらに備え、
前記コントローラは、さらに、前記プロセッサが受信した復帰信号に基づいて前記ドラム駆動機構を制御して前記無端搬送ベルトを復帰運動させることで、前記ストップエリアの復帰を完成するように、前記復帰通知信号に基づいて前記仕分け車両のプロセッサに前記復帰信号を送信するように構成される、
請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記復帰撮影モジュールと、前記復帰撮影モジュールに最も近い積載エリアとの間の運搬ラインの上方に設けられ、前記仕分け車両の第2平面視画像を撮像し、前記第2平面視画像に基づいて前記ストップエリアの現在位置を計算し、ストップエリアの現在位置に対応する微調整距離が含まれた微調整通知信号を前記コントローラに送信するように構成される微調整撮影モジュールをさらに備え、
前記コントローラは、さらに、前記プロセッサが微調整信号に基づいて前記ドラム駆動機構を制御して前記無端搬送ベルトに前記微調整距離を運転させることで、前記ストップエリアの復帰位置を更新するように、前記微調整通知信号に基づいて前記仕分け車両のプロセッサに前記微調整信号を送信するように構成される、
請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記ストップ機構の色および前記荷物の色のいずれも前記無端搬送ベルトの色と異なり、
前記復帰撮影モジュールは、
前記第1平面視画像において、前記ストップ機構の階調と同様のエリアの長さ及び面積がそれぞれ記憶されたストップエリアのリブの長さ及び面積と同様であるか否かを算出することと、
前記第1平面視画像において、前記ストップ機構の階調と同様なエリアの長さが記憶されたストップエリアのリブの長さと同様であり、前記ストップ機構の階調と同様なエリアの面積が記憶されたストップエリアの面積と同様であることに応じて、前記仕分け車両の車体の上方におけるストップエリア内に荷物が置かれていないと確定することと、
前記第1平面視画像において、前記ストップ機構の階調と同様なエリアの長さが記憶されたストップエリアのリブの長さが異なること、前記ストップ機構の階調と同様なエリアの面積が記憶されたストップエリアの面積と異なることのうちの少なくとも1つが存在することに応じて、前記仕分け車両の車体の上方におけるストップエリア内に荷物が置かれていると確定することとにより、
荷物を識別するように構成される、
請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記復帰撮影モジュールは、
前記第1平面視画像において前記ストップエリアの少なくとも1本のリブを位置決めすることと、
所定復帰方向、位置決めたリブの位置、および前記位置決めたリブの所望位置に基づいて復帰距離を確定することにより、
復帰距離を確定するように構成される、
請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
請求項
7に記載の荷物仕分けシステムに適用される荷物仕分け方法であって、
前記運搬ラインを制御して前記仕分け車両を運動させることと、
前記仕分け車両が所定の積載エリアを通過していると確定することに応じて、前記所定の積載エリア内の積載機構を制御して仕分け待ち荷物を前記仕分け車両の車体の上方におけるストップエリア内に置くことと、
コードスキャンモジュールからのバインディング情報に基づいて前記ストップエリアの対応する荷卸しエリアを確定することと、
前記仕分け車両が前記対応する荷卸しエリアまで運転したと確定することに応じて、前記仕分け車両が前記対応する荷卸しエリアから離れる前に荷卸し信号に基づいて前記ストップエリア内の荷物を前記対応する荷卸しエリアに荷卸しするように、前記仕分け車両に前記荷卸し信号を送信することと、
前記仕分け車両のマッチング積載エリアへの到達を確定する前に、前記仕分け車両を制御して前記ストップエリアの復帰を完成することと、を含む、
荷物仕分け方法。
【請求項13】
前記仕分け車両が所定の積載エリアに到達する前に、前記仕分け車両を制御して前記ストップエリアの復帰を完成することは、
復帰撮影モジュールからの、前記ストップエリアの現在位置に対応する復帰距離が含まれた復帰通知信号を受信することと、
前記プロセッサが復帰情報に基づいて前記ドラム駆動機構を制御して前記無端搬送ベルトを前記復帰距離運転させることで、前記ストップエリアの復帰を完成するように、前記復帰通知信号に基づいて前記仕分け車両のプロセッサに前記復帰情報を送信することと、を含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ストップエリアの復帰を完成した後、
微調整撮影モジュールからの、前記ストップエリアの現在位置に対応する微調整距離が含まれた微調整通知信号を受信することと、
前記プロセッサが微調整情報に基づいて前記ドラム駆動機構を制御して前記無端搬送ベルトを前記微調整距離運転させることで、前記ストップエリアの復帰位置を更新するように、前記微調整通知信号に基づいて前記仕分け車両のプロセッサに前記微調整情報を送信することと、をさらに含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記仕分け車両が対応する荷卸しエリアまで運転したことに応じて、前記仕分け車両に荷卸し信号を送信する前、
コードスキャンモジュールにより確定されたバインディング情報および前記仕分け車両の運転速度に基づいて前記荷物の位置を位置決めすることをさらに含む、
請求項12に記載の方法。
【国際調査報告】