IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 蘇州上声電子股▲フン▼有限公司の特許一覧

特表2023-523055ツイーター及びカーオーディオシステム
<>
  • 特表-ツイーター及びカーオーディオシステム 図1
  • 特表-ツイーター及びカーオーディオシステム 図2
  • 特表-ツイーター及びカーオーディオシステム 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-01
(54)【発明の名称】ツイーター及びカーオーディオシステム
(51)【国際特許分類】
   H04R 9/02 20060101AFI20230525BHJP
   H04R 9/04 20060101ALI20230525BHJP
   G10K 11/16 20060101ALI20230525BHJP
   H04R 1/24 20060101ALI20230525BHJP
【FI】
H04R9/02 101Z
H04R9/04 104A
G10K11/16 160
H04R1/24
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022564672
(86)(22)【出願日】2021-04-25
(85)【翻訳文提出日】2022-10-24
(86)【国際出願番号】 CN2021089622
(87)【国際公開番号】W WO2021218856
(87)【国際公開日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】202010338269.6
(32)【優先日】2020-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519348325
【氏名又は名称】蘇州上声電子股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】SUZHOU SONAVOX ELECTRONICS CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】沈 躍武
(72)【発明者】
【氏名】柴 国強
(72)【発明者】
【氏名】謝 玉萍
(72)【発明者】
【氏名】高 鵬
(72)【発明者】
【氏名】顧 博
【テーマコード(参考)】
5D012
5D061
【Fターム(参考)】
5D012AA01
5D012BA06
5D012BB01
5D012FA02
5D012FA10
5D012GA01
5D061AA04
5D061AA09
5D061AA22
5D061AA26
(57)【要約】
【課題】ツイーター及びカーオーディオシステムを提供する。
【解決手段】本発明は、ツイーター及びカーオーディオシステムを開示する。ツイーターは、ブラケットと、ブラケットに設置され、本体部及び本体部を取り囲むエッジを含むダイヤフラムと、ブラケットに設置され、ボイスコイル挿入用の磁気ギャップがある磁気回路システムと、上端は、ダイヤフラムの本体部または前記リングの前記本体部に近いのエッジ部分に接続する、下端部は、磁気ギャップに挿入されるボイスコイルと、を含む。ダイヤフラムの本体部、ボイスコイルの内側壁、および磁気回路システムの間に第1の空洞は、形成される。ブラケットは磁気回路システムを収容するために中空に設置され、ブラケットには、環状の内側縁及び環状の外側縁があり、内側縁が外側縁より低く、ダイヤフラムのエッジはブラケットの外側縁に固定され、磁気回路システムはブラケットの内側縁に固定され、ダイヤフラムのエッジ、ボイスコイルの外壁、およびブラケットの間に第2の空洞は、形成される。ボイスコイルには1つまたは複数の貫通穴が開けられ、第1の空洞と第2の空洞は貫通穴を介して連通する。本発明は、ツイーターの開始周波数を広げる場合、ツイーターのサイズが小さく、組み立てが簡単であることを保証する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラケットと、前記ブラケットに設置され、本体部及び前記本体部を取り囲むリングが含まれるダイヤフラムと、前記ブラケットに設置され、磁気ギャップを有し、前記ダイヤフラムの下に配置される磁気回路システムと、前記ダイヤフラムの本体部または前記リングの前記本体部に近いのエッジ部分接続する上端と、前記磁気ギャップに挿入された下端部を有するボイスコイルと、を含み、ここで、前記ダイヤフラムの前記本体部、前記ボイスコイルの内側壁、および前記磁気回路システムの間に第1の空洞が、形成されるツイーターであって、
前記ブラケットは前記磁気回路システムを収容するために中空に設置され、前記ブラケットには、環状の内側縁及び環状の外側縁があり、前記内側縁が前記外側縁より低く、前記ダイヤフラムの前記リングは前記ブラケットの外側縁に接続され、前記磁気回路システムは前記ブラケットの前記内側縁に接続され、したがって、前記ダイヤフラムの前記リング、前記ボイスコイルの外壁、および前記ブラケットの間に第2の空洞が形成され、
前記ボイスコイルには1つまたは複数の貫通穴が開けられ、前記第1の空洞と前記第2の空洞は前記貫通穴を介して連通することを特徴とするツイーター。
【請求項2】
前記ブラケットには、前記外側縁と前記内側縁との間に形成された溝を有し、前記溝は前記第2の空洞の一部を形成することを特徴とする請求項1に記載のツイーター。
【請求項3】
前記溝内に制振材料が配置されていることを特徴とする請求項2に記載のツイーター。
【請求項4】
前記制振材料はポリウレタンフォームまたは発泡ゴムまたはフェルトであることを特徴とする請求項3に記載のツイーター。
【請求項5】
前記溝は、前記磁気回路システムを取り囲む環状の溝であることを特徴とする請求項2に記載のツイーター。
【請求項6】
前記ブラケットの底面は、前記磁気回路システムの底面より高いか、又は同じ高さであることを特徴とする請求項1に記載のツイーター。
【請求項7】
前記ボイスコイルの上端は、前記ダイヤフラムの前記本体部の前記リングに近い縁部位に接続されることを特徴とする請求項1に記載のツイーター。
【請求項8】
前記磁気回路システムには、順番に設置されたフロントピース、磁性鋼、U鉄が含まれ、前記U鉄は本体及び前記本体から上向きに伸びる上縁を含み、前記上縁は前記ブラケットの内側縁に固定接続され、前記フロントピース及び前記磁性鋼は、前記U鉄の前記本体に設置され、前記U鉄の上縁が前記フロントピース及び前記磁性鋼を取り囲み、前記磁気ギャップを形成することを特徴とする請求項1に記載のツイーター。
【請求項9】
前記磁気回路システムには、フロントピース、磁性鋼、T鉄が含まれ、前記T鉄は、本体と、前記本体から上向きに伸びる柱状部とを含み、前記磁性鋼と前記フロントピースは下から上に前記本体に積み重ねられ、且つ前記磁性鋼及び前記フロントピースは、前記柱状部に嵌設され、前記磁気ギャップは、前記柱状部の外面と前記フロントピース及び前記磁性鋼の内面との間に形成され、前記本体は前記ブラケットに固定接続されることを特徴とする請求項1に記載のツイーター。
【請求項10】
前記貫通穴は複数あり、前記ボイスコイルの円周に沿って間隔を置いて配置されることを特徴とする請求項1に記載のツイーター。
【請求項11】
前記ツイーターには、ダイヤフラムの本体部を覆うパネルも含まれ、前記パネル、前記リング及び前記ブラケットの外側縁は順番に固定接続されることを特徴とする請求項1に記載のツイーター。
【請求項12】
前記ツイーターは車載用ツイーターであることを特徴とする請求項1に記載のツイーター。
【請求項13】
カーオーディオシステムであって、請求項1から12のいずれか一項に記載のツイーターを含むことを特徴とするカーオーディオシステム。
【請求項14】
前記カーオーディオシステムにはウーファーも含まれることを特徴とする請求項13に記載のカーオーディオシステム。
【請求項15】
前記カーオーディオは主に前記ツイーター及びウーファーで構成されていることを特徴とする請求項14に記載のカーオーディオシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
【0002】
この出願は、2020年4月26日に出願された出願番号CN202010338269.6の中国特許出願の優先権を主張し、その全内容は参照により本出願に組み込まれる。
【0003】
本発明は、スピーカーの分野、特にツイーター及びカーオーディオシステムに関する。
【背景技術】
【0004】
既存のツイーターには、通常、ブラケット、ブラケット上に設置されたダイヤフラム、ダイヤフラムに接続されたボイスコイル、およびブラケットに固定接続された磁気回路システムが含まれている。磁気回路システムには、順番に積み重ねられているフロントピース、磁性鋼、U鉄が含まれ、フロントピース、ボイスコイル、ダイヤフラムの間にエアギャップキャビティが形成されている。既存のツイーターは、エアギャップキャビティが小さく、開始周波数が狭く、歪みが大きくなっている。
【0005】
この問題に対応して、出願人は中国特許CN208158876Uでツイーターを提供し、磁気回路システム、ボイスコイル、ダイヤフラムの間に第1の空洞が形成され、また、裏蓋を追加することにより、ダイヤフラムと裏蓋の間に磁気回路システムを配置し、裏蓋と磁気回路システムの間に第2の空洞を形成し、磁気回路システムに貫通穴が開けられ、貫通穴が第1の空洞と第2の空洞を連通して、前記ツイーターのエアギャップキャビティを形成する。この構造のツイーターは、ツイーターの開始周波数を効果的に広げるが、裏蓋を追加しているため、スピーカー全体のサイズ(特に厚み)が比較的大きく、適用できない場合があり、また、組み立てが複雑になり、材料費が増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の問題に対応するため、本発明は、ツイーターの開始周波数を広げた状態で、ツイーターのサイズを小さくし、組み立てを簡単にするツイーターを提供する。
【0007】
本発明はまた、スコーカーを装備する必要がなく、同時により良い音響効果を有するカーオーディオシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様によれば、ツイーターは、
ブラケットと、
前記ブラケットに設置され、本体部及び前記本体部を取り囲むリングが含まれるダイヤフラムと、
前記ブラケットに設置され、磁気ギャップを有する磁気回路システムと、
前記ダイヤフラムの本体部または前記リングの前記本体部に近いのエッジ部分に接続する上端と、前記磁気ギャップに挿入された下端部を有するボイスコイルと、を含む。
【0009】
ここで、前記ダイヤフラムの前記本体部、前記ボイスコイルの内側壁、および前記磁気回路システムの間に第1の空洞が、形成され、
前記ブラケットは前記磁気回路システムを収容するために中空に設置され、前記ブラケットには、環状の内側縁及び環状の外側縁があり、前記内側縁が前記外側縁より低く、前記ダイヤフラムの前記リングは前記ブラケットの外側縁に接続され、前記磁気回路システムは前記ブラケットの前記内側縁に接続され、したがって、前記ダイヤフラムの前記リング、前記ボイスコイルの外壁、および前記ブラケットの間に第2の空洞が形成される。
【0010】
前記ボイスコイルには1つまたは複数の貫通穴が開けられ、前記第1の空洞と前記第2の空洞は前記貫通穴を介して連通する。
【0011】
1つの実施例では、前記ブラケットには、前記外側縁と前記内側縁との間に形成された溝を有し、前記溝は前記第2の空洞の一部を形成する。溝によってエアギャップキャビティは効果的に拡大され、開始周波数が前方に拡大するのに役立つ。
【0012】
さらに、前記溝内に制振材料が配置されている。ツイーターのQ(品質係数)値を下げ、それによりツイーターの中周波曲線を滑らかにし、ツイーターの歪みを抑え、高音の音質を向上させる。
【0013】
好ましくは、前記制振材料はポリウレタンフォームまたは発泡ゴムまたはフェルトである。
【0014】
さらに、前記溝は、前記磁気回路システムを取り囲む環状の溝である。
【0015】
1つの実施例において、前記ブラケットの底面は、前記磁気回路システムの底面より高いか、又は同じ高さである。
【0016】
1つの実施例において、前記ボイスコイルの上端は、前記ダイヤフラムの前記本体部の前記リングに近い縁部位に接続される。
【0017】
1つの実施例において、前記磁気回路システムには、順番に設置されたフロントピース、磁性鋼、U鉄が含まれ、前記U鉄は本体及び前記本体から上向きに伸びる上縁を含み、前記上縁は前記ブラケットの内側縁に固定接続され、前記フロントピース及び前記磁性鋼は、前記U鉄の前記本体に設置され、前記U鉄の上縁が前記フロントピース及び前記磁性鋼を取り囲み、前記磁気ギャップを形成する。
【0018】
1つの実施例において、前記磁気回路システムには、フロントピース、磁性鋼、T鉄が含まれ、前記T鉄は、本体と、前記本体から上向きに伸びる柱状部とを含み、前記磁性鋼と前記フロントピースは下から上に前記本体に積み重ねられ、且つ前記磁性鋼及び前記フロントピースは、前記柱状部に嵌設され、前記磁気ギャップは、前記柱状部の外面と前記フロントピース及び前記磁性鋼の内面との間に形成され、前記本体は前記ブラケットに固定接続される。
【0019】
1つの実施例において、前記貫通穴は複数あり、前記ボイスコイルの円周に沿って間隔を置いて配置される。
【0020】
1つの実施例において、前記ツイーターには、ダイヤフラムの本体部を覆うパネルも含まれ、前記パネル、前記リング及び前記ブラケットの外側縁は順番に固定接続される。カーオーディオシステムで使用する場合、ツイーターはそのパネルを介して車内部品に取り付けられる。
【0021】
1つの実施例において、前記ツイーターは車載用ツイーターである。
【0022】
本発明の第2の態様によれば、カーオーディオシステムは上記のようなツイーターを含む。
【0023】
1つの実施例において、前記カーオーディオシステムにはウーファーも含まれる。
【0024】
1つの実施例において、前記カーオーディオは主に前記ツイーター及びウーファーで構成されている。即ち、該カーオーディオシステムには、スクォーカーが含まれない。
【0025】
1つの実施例において、前記ツイーターの前記パネルは車内部品に取り付けられる。
【発明の効果】
【0026】
本発明は、上記の手段を採用しており、従来技術と比較して以下の利点を有する。
【0027】
本発明のツイーターでは、ボイスコイルの周囲に空洞を増設することにより、ツイーターのエアギャップを拡大し、ツイーターのF0(スピーカー共振周波数)を低減し、ツイーターのミッドレンジをさらに前方に拡張して、ツイーターの開始周波数を広げ、実際の使用では、中低周波スピーカとのつながりを改善できる。この前提では、追加のコンポーネントは必要せず、ツイーターのサイズは比較的小さく、組み立てが比較的簡単であり、特にスピーカーの全体的なサイズ(特に厚さ)の増加を回避し、より幅広い場合で使用できる。本発明のカーオーディオシステムを適用することにより、スクォーカーを設置することなく、より良い音の再生効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本発明の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下は、実施例の説明で使用される添付の図面を簡単に紹介し、明らかに、以下の説明の図面は、本発明のいくつかの実施例にすぎず、当業者にとって、他の図面もまた、創造的な努力なしにこれらの図面から得ることができる。
【0029】
図1】本発明の実施例によるツイーターの断面図である。
図2】本発明の実施例のツイーターと既存のツイーターの周波数応答曲線の比較である。
図3】本発明の実施例のツイーターと既存のツイーターの高音インピーダンス曲線の比較である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の好ましい実施例は、添付の図面を参照して以下に詳細に説明されるので、本発明の利点および特徴は、当業者によってより容易に理解され得る。ここで、これらの実施形態の説明は、本発明の理解を助けるために使用されるが、本発明の限定を構成するものではないことに留意されたい。さらに、以下に説明する本発明の様々な実施形態に含まれる技術的特徴は、互いに矛盾がない限り、互いに組み合わせることができる。
【0031】
本明細書および特許請求の範囲に示されるように、「含む」および「含み」という用語は、明確に識別されたステップおよび要素が含まれることを意味するだけであり、これらのステップおよび要素は、排他的リストを構成しない。方法または装置は、他のステップまたは要素も含むことができる。本明細書で使用される「及び/又は」という用語は、関連するリストされたアイテムの1つまたは複数の任意の組み合わせを含む。
【0032】
特に指定のない限り、ある特徴を別の特徴に「固定」または「接続」と呼ぶ場合は、別の特徴に直接固定または接続することも、別の特徴に間接的に固定または接続することもできる。さらに、本発明で使用される上、下、左、右などの説明は、添付の図面における本発明の各構成要素の相互の位置関係にのみ関連している。
【0033】
本実施例は、カーオーディオシステムでの使用に適したツイーター、特に車載用ツイーターを提供する。該ツイーター全体のサイズが40mm(具体的には、ブラケットなど外径が最大の部品の外径)以上である。
【0034】
図1を参照すると、本実施例のツイーターは、ブラケット1、ダイヤフラム2、磁気回路システム3、およびボイスコイル4を含む。ブラケット1は、ダイヤフラム2と磁気回路システム3を支持するために使用され、ダイヤフラム2と磁気回路システム3の両方がブラケット1上に配置されている。ダイヤフラム2は、本体部21及び該本体部21を取り囲むリング22を含み、本実施例において、本体部21の形状は、具体的には球殻の一部であり、その中央は上向きにアーチ状になっているが、これによって制限されない。リング22は、円周方向に本体部21を取り囲むように本体部21の外部延長部から半径方向に沿って外向きに伸びる。ダイヤフラム2は、好ましくは一体的に形成され、すなわち、本体部21とリング22は一体である。磁気回路システム3は、ダイヤフラム2の下に配置され、ボイスコイル4が挿入されるための磁気ギャップを有する。ボイスコイル4の上端は、ダイヤフラム2の本体部21またはリング22の本体部21に近いのエッジ部分に接続され、下端部は、磁気回路システム3の磁気ギャップに挿入されて、磁気回路システム3によって振動を駆動し、ダイヤフラム2を駆動して振動および音を出す。ボイスコイル4の上端は好ましくは、前記リング22に近い本体部21の縁部位に接続される。したがって、図1に示すように、ダイヤフラム2の本体部21、ボイスコイル4の内側壁、および磁気回路システム3の間に第1の空洞5は、形成される。ブラケット1は磁気回路システム3を収容するために中空に設置され、ブラケット1は、環状(円環状、四角環状を含むがこれに限定されない)内側縁11および環状外側縁12を有し、内側縁11が外側縁12より低く、ダイヤフラム2のリング22はブラケット1の外側縁12に固定され、磁気回路システム3はブラケット1の内側縁11に固定され、したがって、ダイヤフラム2のリング22、ボイスコイルの外壁、およびブラケットの間に第2の空洞6が形成される。ボイスコイル4には1つまたは複数の貫通穴41が開けられ、第1の空洞5と第2の空洞6は該貫通穴41を介して連通する。
【0035】
さらに、ブラケット1には、外側縁12と内側縁11との間に形成された溝13を有し、溝13は第2の空洞6の一部を形成する。溝13は、磁気回路システム3を取り囲む環状の溝13である。溝13の断面の形状には、長方形、扇形、三角形が含まれるが、これらに限定されない。具体的には、本実施例において、ブラケット1は、その外側縁12と内側縁11との間から下向きに凹んで該溝13を形成し、そのノッチは上部リング22に面している。ブラケット1の底面は、磁気回路システム3の底面より高いか、又は同じ高さである。
【0036】
さらに、溝13内に制振材料14が配置されている。制振材料14はポリウレタンフォームまたは発泡ゴムまたはフェルトである。
【0037】
さらに、ボイスコイル4の貫通穴41は複数あり、ボイスコイル4の円周に沿って間隔を置いて、好ましくは等間隔で配置されている。貫通穴41の形状は、円形、四角形、楕円形、および三角形を含むが、これらに限定されない。上記磁気回路システム3には、順番に設置されたフロントピース31、磁性鋼32、U鉄33が含まれる。U鉄33は、全体がディスク状になっている本体331と、本体331から上向きに伸びる環状上縁332とを含み、上縁332はブラケット1の内側縁11に固定接続され、フロントピース31及び磁性鋼32は、U鉄33の本体331に設置され、U鉄33の上縁332がフロントピース31及び磁性鋼32を取り囲み、前記磁気ギャップを形成する。U鉄33の本体331の下面は、上記ブラケット1の底面であり、好ましくはブラケット1の底面と同じ高さである。本実施例において、図1に示すU鉄を含む内部磁気構造が使用されているが、他の実施例では、該内部磁気構造をT鉄を含む外部磁気構造に置き換えることができる。
【0038】
該ツイーターには、ダイヤフラム2の本体部を覆うパネル7も含まれ、パネル7、折り畳みリング22、およびブラケット1の外側縁12は、順番に固定接続されている。
【0039】
スピーカーの周波数応答曲線の比較
既存の通常のツイーターと実施例のツイーターに対して周波数応答テストを実行し、図2に示すように、2つのツイーターの周波数応答曲線が得られる。ここで、曲線の色深度に応じて、明るい色の線は実施例1のツイーターの周波数応答曲線を表し、暗い色の線は通常のツイーターの周波数応答曲線を表す。
【0040】
スピーカーのインピーダンス曲線の比較
既存の通常のツイーターと実施例のツイーターに対してインピーダンステストを実行し、図3に示すように、ツイーターのインピーダンス曲線が得られる。ここで、曲線の色深度に応じて、明るい色の線は実施例1のツイーターの周波数応答曲線を表し、暗い色の線は通常のツイーターの周波数応答曲線を表す。
【0041】
この図から、実施例のツイーターのF0(共振周波数)は1200Hzであり、通常のツイーターのF0(共振周波数)は1580Hzであり、図1に示すツイーターの周波数応答曲線は、通常のツイーターより低周波数部分までさらに広がっていることが分かる。
【0042】
上記のツイーターでは、ボイスコイル4の周囲に空洞を増設することにより、ツイーターのエアギャップキャビティを拡大し、ツイーターのF0(スピーカー共振周波数)を低減し、これによりツイーターの中周波数部分がさらに前方に拡張され、ツイーターの開始周波数が広がり、実際の使用では、ミッドウーファーとのつながりを改善できる。追加された第2の空洞6に制振材料14が追加され、ツイーターのQ(品質係数)値が低下し、ツイーターの中周波曲線が滑らかになり、ツイーターの歪みが低減され、高音の音質が向上する。この前提では、追加のコンポーネントは必要せず、ツイーターのサイズは比較的小さく、組み立てが比較的簡単であり、特にスピーカーの全体的なサイズ(特に厚さ)の増加を回避し、より幅広い場合で使用できる。
【0043】
本実施例はまた、カーオーディオシステムを提供する。図4に示されるように、該カーオーディオシステムは、ツイーター100およびウーファー200を含み、これは、スクォーカーを含まない。該カーオーディオシステムはさらにサブウーファーを含み得る。その中のツイーター100は、図1に示すツイーターであるため、ウーファー200との整合性が高く、中周波部分でのつながりも良好であり、スクォーカーがなくても、より良い効果音を生成できる。
【0044】
上記の実施例は、本発明の技術的概念および特徴を説明するためだけのものであり、好ましい実施例であり、それは、当業者が本発明の内容を理解し、それに応じてそれを実施することができ、これによって本発明の保護範囲を制限することができないことを目的とする。本発明の精神に従って行われたすべての同等の変換または修正は、本発明の保護範囲内に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0045】
1、ブラケット
11、内側縁
12、外側縁
13、溝
14、制振材料
2、ダイヤフラム
21、本体部
22、リング
3、磁気回路システム
31、フロントピース
32、磁性鋼
33、U鉄
331、本体
332、上縁
4、ボイスコイル
41、貫通穴
5、第1の空洞
6、第2の空洞
7、パネル
図1
図2
図3
【国際調査報告】