IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ バウアー,ウォルター,ジェイコブの特許一覧

<>
  • 特表-液体処理のシステム及び方法 図1
  • 特表-液体処理のシステム及び方法 図2
  • 特表-液体処理のシステム及び方法 図3
  • 特表-液体処理のシステム及び方法 図4
  • 特表-液体処理のシステム及び方法 図5
  • 特表-液体処理のシステム及び方法 図6
  • 特表-液体処理のシステム及び方法 図7
  • 特表-液体処理のシステム及び方法 図8
  • 特表-液体処理のシステム及び方法 図9
  • 特表-液体処理のシステム及び方法 図10
  • 特表-液体処理のシステム及び方法 図11
  • 特表-液体処理のシステム及び方法 図12
  • 特表-液体処理のシステム及び方法 図13A
  • 特表-液体処理のシステム及び方法 図13B
  • 特表-液体処理のシステム及び方法 図14
  • 特表-液体処理のシステム及び方法 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-01
(54)【発明の名称】液体処理のシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 17/04 20060101AFI20230525BHJP
   C10L 1/32 20060101ALI20230525BHJP
   B01D 17/05 20060101ALI20230525BHJP
   B01D 17/12 20060101ALI20230525BHJP
   C02F 1/68 20230101ALI20230525BHJP
   B01F 25/431 20220101ALI20230525BHJP
   B01D 17/02 20060101ALI20230525BHJP
【FI】
B01D17/04 502A
C10L1/32 D
B01D17/04 503Z
B01D17/04 504B
B01D17/05 501
B01D17/12 Z
C02F1/68 510A
C02F1/68 510B
C02F1/68 510G
C02F1/68 510H
C02F1/68 510Z
C02F1/68 520Z
C02F1/68 530Z
C02F1/68 540Z
B01F25/431
B01D17/02 501A
B01D17/04 501Z
B01D17/02 501E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022565864
(86)(22)【出願日】2021-04-30
(85)【翻訳文提出日】2022-12-12
(86)【国際出願番号】 CA2021050602
(87)【国際公開番号】W WO2021217270
(87)【国際公開日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】63/018,880
(32)【優先日】2020-05-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522204658
【氏名又は名称】バウアー,ウォルター,ジェイコブ
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】バウアー ウォルター ジェイコブ
【テーマコード(参考)】
4G035
4H013
【Fターム(参考)】
4G035AB37
4G035AC06
4H013DC00
(57)【要約】
液体を処理するための方法が提供され、前記方法は、液体を受け入れるステップと、前記液体をジェネレータに通して前記液体を切断し、剪断するステップと、得られた前記液体を使用するために放出するステップと、を含む。また、液体処理システムも提供され、前記システムは、液体ソースと、前記液体ソースと流体連通して前記液体を切断し、剪断するジェネレータと、前記システムを通して液体の流れを生成するポンプと、処理済の前記液体が流れる出口と、を含む。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソース液体溶液を受け入れるための流入部分と、
前記ソース液体溶液を処理するための処理部分であって、前記処理部分がモリブデン含有構造体を備え、前記モリブデン含有構造体がモリブデンを含む耐食性合金で作られており、前記モリブデン含有構造体が、鋳造プロセスからスケールを除去するために機械加工又は研磨されている、処理部分と、
処理済液体溶液を流出させるための流出部分と、
を有するハウジングを備える、液体冷却ジェネレータであって、
前記処理部分が、キャビテーション空間によって分離された少なくとも2つの接触面平面を備え、
前記ソース液体が前記モリブデン含有構造体と接触すると、吸熱的電気化学的酸化反応が起こり、その結果、前記液体溶液が冷却される、液体冷却ジェネレータ。
【請求項2】
前記モリブデン含有構造体が、前記ハウジングを通って軸方向に延びるシャフトに取り付けられた少なくとも2つのディスク状要素を備え、前記ディスク状要素が距離によって分離され、各ディスク状要素が、前記流入部分に面する第一の壁、前記流出部分に面する第二の壁、及び前記第一の壁と前記第二の壁の間に延びる周壁を有し、前記ディスク状要素はシャフトに取り付けられ、前記ディスク状要素は任意の幾何学的形状からなり、前記ディスク状要素間の前記距離はキャビテーション空間を提供し、前記接触面平面は、前記鋳造プロセスからのスケールを除去するために機械加工又は研磨される前記ディスク状要素上の表面を形成する、請求項1に記載の液体冷却ジェネレータ。
【請求項3】
前記ディスク状要素が、約1.0重量%以上のモリブデン、約1.5重量%以上のモリブデン、約3.0重量%~約4.0重量%のモリブデン、約4.0重量%~約4.5重量%のモリブデン、約4.0重量%~約5.0重量%のモリブデン、約5.0重量%~約6.0重量%のモリブデン、約6.0重量%~約7.0重量%のモリブデン、約7.0重量%~約8.0重量%のモリブデン、約8.0重量%~約9.0重量%のモリブデン、約9.0重量%~約10.0%重量%のモリブデン、約10.0重量%~約15.0重量%のモリブデン、約15.0重量%~約20.0%重量%のモリブデン、約20.0重量%~約25.0重量%のモリブデン、約25.0重量%~約30.0%重量%のモリブデン、約30.0重量%~約35.0重量%のモリブデン、約35.0重量%~約40.0%重量%のモリブデン、約0.5重量%~約40.0重量%のモリブデン、又は約40.0%重量%までのモリブデンを含む金属合金で作られる、請求項2に記載の液体冷却ジェネレータ。
【請求項4】
前記ディスク状要素の金属合金が、さらに、約5.0重量%以上のニッケル、約10.0重量%以上のニッケル、約15.0重量%以上のニッケル、約20.0重量%以上のニッケル、約25.0重量%以上のニッケル、約5.0重量%~約10.0重量%のニッケル、約10.0重量%~約15.0重量%のニッケル、約15.0重量%~約20.0重量%のニッケル、又は約20.0重量%~約25.0重量%のニッケルを含む、請求項3に記載の液体冷却ジェネレータ。
【請求項5】
前記金属合金が316Lステンレス鋼、317Lステンレス鋼、又は904Lステンレス鋼である、請求項4に記載の液体冷却ジェネレータ。
【請求項6】
前記ディスク状要素が前記鋳造プロセスからのミリングスケールを含み、誘電体汚染物質を含む前記ミリングスケールの100%が前記ディスク状要素の表面から除去される、請求項1~5のいずれか一項に記載の液体冷却ジェネレータ。
【請求項7】
前記ディスク状要素が、金属汚染物質を含まない非イオン性サンディンググリットで機械加工又は研磨される、請求項1~6のいずれか一項に記載の液体冷却ジェネレータ。
【請求項8】
前記ディスク状要素の少なくとも1つのエッジがウォータージェット切断される、請求項1~7のいずれか一項に記載の液体冷却ジェネレータ。
【請求項9】
前記液体冷却ジェネレータが2つ以上30以下のディスク状要素を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の液体冷却ジェネレータ。
【請求項10】
(c)少なくとも1つの液体冷却ジェネレータであって、各液体冷却ジェネレータが、ソース液体溶液を受け入れるための流入部分と、前記ソース液体溶液を処理するための処理部分と、冷却されたモリブデン活性化処理済液体溶液を放出するための流出部分と、を備え、前記処理部分がキャビテーション空間によって分離された少なくとも2つの逐次剪断面を備え、前記剪断面は、モリブデンを含む耐腐食性合金で作られ、前記剪断面は、鋳造プロセスからのスケールを除去するために機械加工又は研磨される、少なくとも1つの液体冷却ジェネレータと、
(d)前記液体冷却ジェネレータの前記流入部分と液体連通している前記液体溶液のソースと、
を備える、モリブデン活性化液体溶液生成システム。
【請求項11】
前記液体冷却ジェネレータが、前記ハウジングを通って軸方向に延びるシャフトに取り付けられた少なくとも2つのディスク状要素を備え、前記ディスク状要素は、距離だけ離れて、剪断面を含み、各ディスク状要素は、前記流入部分に面する第一の壁、前記流出部分に面する第二の壁、及び前記第一の壁と前記第二の壁との間に延びる周壁と、を有し、前記ディスク状要素はシャフトに取り付けられ、前記ディスク状要素は任意の幾何学的形状からなり、前記ディスク状要素間の前記距離はキャビテーション空間を提供し、前記剪断面は、前記鋳造プロセスからのスケールを除去するために機械加工又は研磨される前記ディスク状要素上の表面を形成する、請求項10に記載のモリブデン活性化液体溶液生成システム。
【請求項12】
前記システムが、ソース液体前処理システム、高ゼータ電位結晶ジェネレータ、前濾過システム、少なくとも1つの濾過デバイス、又はそれらの任意の組み合わせからなる1つ以上の構成要素を備える、請求項11に記載のモリブデン活性化液体溶液生成システム。
【請求項13】
前記液体冷却ジェネレータと前記液体の前記ソースとが液体連通している、請求項12に記載のモリブデン活性化液体溶液生成システム。
【請求項14】
前記ディスク状要素が、約1.0重量%以上のモリブデン、約1.5重量%以上のモリブデン、約3.0重量%~約4.0重量%のモリブデン、約4.0重量%~約4.5重量%のモリブデン、約4.0重量%~約5.0重量%のモリブデン、約5.0重量%~約6.0重量%のモリブデン、約6.0重量%~約7.0重量%のモリブデン、約7.0重量%~約8.0重量%のモリブデン、約8.0重量%~約9.0重量%のモリブデン、約9.0重量%~約10.0%重量%のモリブデン、約10.0重量%~約15.0重量%のモリブデン、約15.0重量%~約20.0%重量%のモリブデン、約20.0重量%~約25.0重量%のモリブデン、約25.0重量%~約30.0%重量%のモリブデン、約30.0重量%~約35.0重量%のモリブデン、約35.0重量%~約40.0%重量%のモリブデン、約0.5重量%~約40.0重量%のモリブデン、又は約40.0%重量%までのモリブデンを含む金属合金で作られる、請求項13に記載のモリブデン活性化液体冷却生成システム。
【請求項15】
前記ディスク状要素の前記金属合金が、さらに、約5.0重量%以上のニッケル、約10.0重量%以上のニッケル、約15.0重量%以上のニッケル、約20.0重量%以上のニッケル、約25.0重量%以上のニッケル、約5.0重量%~約10.0重量%のニッケル、約10.0重量%~約15.0重量%のニッケル、約15.0重量%~約20.0重量%のニッケル、又は約20.0重量%~約25.0重量%のニッケルを含む、請求項14に記載のモリブデン活性化液体冷却生成システム。
【請求項16】
前記金属合金が316Lステンレス鋼、317Lステンレス鋼、又は904Lステンレス鋼である、請求項15に記載のモリブデン活性化液体冷却生成システム。
【請求項17】
前記ディスク状要素が前記鋳造プロセスからのミリングスケールを含み、誘電体汚染物質を含む前記ミリングスケールの100%が前記ディスク状要素の表面から除去される、請求項10~16のいずれか一項に記載のモリブデン活性化液体冷却生成システム。
【請求項18】
前記ディスク状要素が、金属汚染物質を含まない非イオン性サンディンググリットで機械加工又は研磨される、請求項10~17のいずれか一項に記載のモリブデン活性化液体冷却生成システム。
【請求項19】
前記ディスク状要素の少なくとも1つのエッジがウォータージェット切断される、請求項10~18のいずれか一項に記載のモリブデン活性化液体冷却生成システム。
【請求項20】
前記液体冷却ジェネレータが2つ以上30以下のディスク状要素を含む、請求項1~19のいずれか一項に記載のモリブデン活性化液体冷却生成システム。
【請求項21】
モリブデン活性化液体溶液を生成するための方法であって、
(c)ソース液体溶液を受け入れるための流入部分と、前記ソース液体溶液を処理するための処理部分と、冷却されたモリブデン活性化液体溶液を放出するための流出部分と、を備える液体冷却ジェネレータを提供するステップであって、前記処理部分がキャビテーション空間によって分離された少なくとも2つの逐次剪断面を備え、処理部分は前記ソース液体溶液を処理するためで、前記剪断面は、モリブデンを含む耐腐食性合金で作られ、前記剪断面は、鋳造プロセスからのスケールを除去するために機械加工又は研磨される、ステップと、
(d)前記ソース液体溶液を前記液体冷却ジェネレータに通し、それによって、モリブデンで活性化され、冷却された処理済液体溶液を生成するステップと、
を含む、方法。
【請求項22】
前記処理部分が、前記ハウジングを通って軸方向に延びるシャフトに取り付けられた少なくとも2つのディスク状要素を備え、前記ディスク状要素は、距離だけ離れ、各ディスク状要素は、前記流入部分に面する第一の壁、前記流出部分に面する第二の壁、及び前記第一の壁と前記第二の壁との間に延びる周壁と、を有し、前記ディスク状要素はシャフトに取り付けられ、前記ディスク状要素は任意の幾何学的形状からなり、前記ディスク状要素間の前記距離はキャビテーション空間を提供し、前記剪断面は、前記鋳造プロセスからのスケールを除去するために機械加工又は研磨される前記ディスク状要素上の表面を形成する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ディスク状要素が、約1.0重量%以上のモリブデン、約1.5重量%以上のモリブデン、約3.0重量%~約4.0重量%のモリブデン、約4.0重量%~約4.5重量%のモリブデン、約4.0重量%~約5.0重量%のモリブデン、約5.0重量%~約6.0重量%のモリブデン、約6.0重量%~約7.0重量%のモリブデン、約7.0重量%~約8.0重量%のモリブデン、約8.0重量%~約9.0重量%のモリブデン、約9.0重量%~約10.0%重量%のモリブデン、約10.0重量%~約15.0重量%のモリブデン、約15.0重量%~約20.0%重量%のモリブデン、約20.0重量%~約25.0重量%のモリブデン、約25.0w.%~約30.0%重量%のモリブデン、約30.0重量%~約35.0重量%のモリブデン、約35.0重量%~約40.0%重量%のモリブデン、約0.5重量%~約40.0重量%のモリブデン、又は約40.0%重量%までのモリブデンを含む金属合金で作られる、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記ディスク状要素の前記金属合金が、さらに、約5重量%以上のニッケル、約10重量%以上のニッケル、約15重量%以上のニッケル、約20重量%以上のニッケル、約25重量%以上のニッケル、約5.0重量%~約10.0重量%のニッケル、約10.0重量%~約15.0重量%のニッケル、約15.0重量%~約20.0重量%のニッケル、又は約20.0重量%~約25.0重量%のニッケルを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記金属合金が316Lステンレス鋼、317Lステンレス鋼、又は904Lステンレス鋼である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記ディスク状要素が前記鋳造プロセスからのミリングスケールを含み、誘電体汚染物質を含む前記ミリングスケールの100%が前記ディスク状要素の表面から除去される、請求項21~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記ディスク状要素が、金属汚染物質を含まない非イオン性サンディンググリットで機械加工又は研磨される、請求項21~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記ディスク状要素の少なくとも1つのエッジがウォータージェット切断される、請求項21~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記液体冷却ジェネレータが2つ以上30以下のディスク状要素を含む、請求項21~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
液体冷却ジェネレータの製造方法であって、
直列の2つ以上のディスク状要素を提供するステップであって、前記ディスク状要素がモリブデンを含む金属合金からなり、前記ディスク状要素が任意の幾何学的形状からなる、ステップと、
前記鋳造プロセスからのスケールを除去するために、前記ディスク状要素を機械加工又は研磨するステップと、
前記ディスク状要素内に少なくとも1つの鋭いエッジを形成するために、前記ディスク状要素をウォータージェット切断するステップと、
前記直列の2つ以上のディスク状要素をシャフトに取り付けるステップであって、前記ディスク状要素が距離だけ離れており、前記ディスク状要素間の前記距離がキャビテーション空間を提供する、ステップと、
チャンバを提供するステップと、
前記シャフトに取り付けられた前記直列の2つ以上の逐次ディスク状要素を前記チャンバ内に挿入し、前記ディスク状要素が前記チャンバ内を軸方向に延びるようにするステップと、
を含む、方法。
【請求項31】
前記チャンバ内で前記シャフトに取り付けられた前記直列の2つ以上の逐次ディスク状要素を、1つ以上の未処理液体を受け入れるための流入部分と、前記1つ以上の未処理液体を処理するための処理部分と、前記1つ以上の処理済液体を放出するための流出部分と、を有するハウジング内にフィットさせるステップであって、各ディスク状要素が、前記流入部分に面する第一の壁、前記流出部分に面する第二の壁、及び前記第一の壁と前記第二の壁の間に延びる周壁を有する、ステップを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記ディスク状要素が、約1.0重量%以上のモリブデン、約1.5重量%以上のモリブデン、約3.0重量%~約4.0重量%のモリブデン、約4.0重量%~約4.5重量%のモリブデン、約4.0重量%~約5.0重量%のモリブデン、約5.0重量%~約6.0重量%のモリブデン、約6.0重量%~約7.0重量%のモリブデン、約7.0重量%~約8.0重量%のモリブデン、約8.0重量%~約9.0重量%のモリブデン、約9.0重量%~約10.0%重量%のモリブデン、約10.0重量%~約15.0重量%のモリブデン、約15.0重量%~約20.0%重量%のモリブデン、約20.0重量%~約25.0重量%のモリブデン、約25.0重量%~約30.0%重量%のモリブデン、約30.0重量%~約35.0重量%のモリブデン、約35.0重量%~約40.0%重量%のモリブデン、約0.5重量%~約40.0重量%のモリブデン、又は約40.0%重量%までのモリブデンを含む金属合金で作られる、請求項30又は31に記載の方法。
【請求項33】
前記ディスク状要素の前記金属合金が、約5重量%以上のニッケル、約10重量%以上のニッケル、約15重量%以上のニッケル、約20重量%以上のニッケル、約25重量%以上のニッケル、約5.0重量%~約10.0重量%のニッケル、約10.0重量%~約15.0重量%のニッケル、約15.0重量%~約20.0重量%のニッケル、又は約20.0重量%~約25.0重量%のニッケルを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記ディスク状要素の前記金属合金が、316Lステンレス鋼、317Lステンレス鋼、又は904Lステンレス鋼からなる、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記鋳造プロセスからのスケールを除去するために前記ディスク状要素を機械加工又は研磨するステップは、前記ディスク状要素の前記表面から誘電体汚染物質を含む前記ミリングスケールを100%除去するステップを含む、請求項30~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記鋳造プロセスからのスケールを除去するために前記ディスク状要素を機械加工又は研磨するステップは、金属汚染物質を含まない非イオン性サンディンググリットを使用するステップを含む、請求項30~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記鋳造プロセスからのスケールを除去するために前記ディスク状要素を機械加工又は研磨するステップは、ナンバー4グレードまでで完了する、請求項30~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記ディスク状要素を前記ウォータージェット切断するステップが、ナンバー5グレードのウォータージェット切断を使用して完了する、請求項30~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記ディスク状要素の表面は、ウォータージェット切断中にプラスチックで覆われる、請求項30~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記ディスク状要素の表面に熱を加えない、請求項30~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
チャンバであって、前記チャンバが前記チャンバ内を軸方向に延びるシャフトに取り付けられた直列の2つ以上の逐次ディスク状要素を有し、前記ディスク状要素が空間によって分離され、各ディスク状要素は、表面、少なくとも1つのエッジ、円周、及び前記円周内の一点から前記円周内の別の点まで、前記ディスク状要素の中心を横切って延びる1つ以上のS字状部材を備え、前記2つ以上の逐次ディスク状要素は、前記装置内の少なくとも1つのディスク状要素がそのS字状部材を順向き位置に有し、前記装置内の少なくとも1つのディスク状要素がそのS字状部材を逆向き位置に有するように、前記シャフトに沿って捩れ配置で取り付けられる、チャンバ
を備える、逆流装置であって、
前記ディスク状要素が、少なくとも0.5重量%以上のモリブデンと少なくとも5重量%以上のニッケルとを含む金属合金からなり、前記ディスク状要素が前記鋳造プロセスからのスケールを除去するために機械加工又は研磨され、
液体が前記ディスク状要素に接触すると、前記チャンバ内で吸熱電気化学酸化反応が起こり、その結果、前記液体が冷却される、逆流装置。
【請求項42】
前記スパイラル装置が、1つ以上の未処理液体を受け入れるための流入部分と、前記1つ以上の未処理液体を処理するための処理部分と、前記1つ以上の処理済液体を放出するための流出部分と、を有するハウジングを含む、請求項41に記載の逆流装置。
【請求項43】
前記ディスク状要素は、モリブデン(Mo)及びニッケル(Ni)を含むステンレス鋼で作られる、請求項41又は42に記載の逆流装置。
【請求項44】
前記ディスク状要素が、約1.0重量%以上のモリブデン、約1.5重量%以上のモリブデン、約3.0重量%~約4.0重量%のモリブデン、約4.0重量%~約4.5重量%のモリブデン、約4.0重量%~約5.0重量%のモリブデン、約5.0重量%~約6.0重量%のモリブデン、約6.0重量%~約7.0重量%のモリブデン、約7.0重量%~約8.0重量%のモリブデン、約8.0重量%~約9.0重量%のモリブデン、約9.0重量%~約10.0%重量%のモリブデン、約10.0重量%~約15.0重量%のモリブデン、約15.0重量%~約20.0%重量%のモリブデン、約20.0重量%~約25.0重量%のモリブデン、約25.0重量%~約30.0%重量%のモリブデン、約30.0重量%~約35.0重量%のモリブデン、約35.0重量%~約40.0%重量%のモリブデン、約0.5重量%~約40.0重量%のモリブデン、又は約40.0%重量%までのモリブデンを含む金属合金で作られる、請求項41~43のいずれか一項に記載の逆流装置。
【請求項45】
前記ディスク状要素の前記金属合金が、約5重量%以上のニッケル、約10.0重量%以上のニッケル、約15重量%以上のニッケル、約20重量%以上のニッケル、約25重量%以上のニッケル、約5.0重量%~約10.0重量%のニッケル、約10.0重量%~約15.0重量%のニッケル、約15.0重量%~約20.0重量%のニッケル、又は約20.0重量%~約25.0重量%のニッケルを含む、請求項44に記載の逆流装置。
【請求項46】
前記ディスク状要素の前記金属合金が、316Lステンレス鋼、317Lステンレス鋼、又は904Lステンレス鋼からなる、請求項45に記載の逆流装置。
【請求項47】
誘電体汚染物質を含む前記ミリングスケールの100%が前記ディスク状要素の前記表面から除去される、請求項41~46のいずれか一項に記載の逆流装置。
【請求項48】
前記ディスク状要素が、金属汚染物質を含まない非イオン性サンディンググリットで機械加工又は研磨される、請求項41~47のいずれか一項に記載の逆流装置。
【請求項49】
前記ディスク状要素の少なくとも1つのエッジがウォータージェット切断される、請求項41~48のいずれか一項に記載の逆流装置。
【請求項50】
直列の2つ以上の逐次ディスク状要素を提供するステップであって、前記ディスク状要素が、少なくとも0.5重量%以上のモリブデンと少なくとも5重量%以上のニッケルとを含む金属合金からなり、各ディスク状要素が表面、円周、及び前記円周内の一点から前記円周内の別の点まで、前記ディスク状要素の中心を横切って延びる1つ以上のS字状部材を備える、ステップと、
前記鋳造プロセスからのスケールを除去するために、前記ディスク状要素を機械加工又は研磨するステップと、
前記ディスク状要素内に少なくとも1つの鋭いエッジを形成するために、前記ディスク状要素をウォータージェット切断するステップと、
前記直列の2つ以上の逐次ディスク状要素を取り付けるステップであって、前記直列の2つ以上の逐次ディスク状要素は、前記装置内の少なくとも1つのディスク状要素がそのS字状部材を順向き位置に有し、前記装置内の少なくとも1つのディスク状要素がそのS字状部材を逆向き位置に有するように、前記シャフトに沿って捩れ配置で取り付けられる、ステップと、
チャンバを提供するステップと、
前記チャンバ内で前記シャフト上に取り付けられた前記直列の2つ以上の逐次ディスク状要素を、前記ディスク状要素が前記チャンバ内を軸方向に延びるように、挿入するステップと、
を含む、方法。
【請求項51】
前記チャンバ内で前記シャフトに取り付けられた前記直列の2つ以上の逐次ディスク状要素を、1つ以上の未処理液体を受け入れるための流入部分と、前記1つ以上の未処理液体を処理するための処理部分と、前記1つ以上の処理済液体を放出するための流出部分と、を有するハウジング内にフィットさせるステップを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記ディスク状要素は、モリブデン(Mo)及びニッケル(Ni)を含むステンレス鋼で作られる、請求項50又は51に記載の方法。
【請求項53】
前記ディスク状要素が、約1.0重量%以上のモリブデン、約1.5重量%以上のモリブデン、約3.0重量%~約4.0重量%のモリブデン、約4.0重量%~約4.5重量%のモリブデン、約4.0重量%~約5.0重量%のモリブデン、約5.0重量%~約6.0重量%のモリブデン、約6.0重量%~約7.0重量%のモリブデン、約7.0重量%~約8.0重量%のモリブデン、約8.0重量%~約9.0重量%のモリブデン、約9.0重量%~約10.0%重量%のモリブデン、約10.0重量%~約15.0重量%のモリブデン、約15.0重量%~約20.0%重量%のモリブデン、約20.0重量%~約25.0重量%のモリブデン、約25.0重量%~約30.0%重量%のモリブデン、約30.0重量%~約35.0重量%のモリブデン、約35.0重量%~約40.0%重量%のモリブデン、約0.5重量%~約40.0重量%のモリブデン、又は約40.0%重量%までのモリブデンを含む金属合金で作られる、請求項50~52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記ディスク状要素が、約5重量%以上のニッケル、約10重量%以上のニッケル、約15重量%以上のニッケル、約20重量%以上のニッケル、約25重量%以上のニッケル、約5.0重量%~約10.0重量%のニッケル、約10.0重量%~約15.0重量%のニッケル、約15.0重量%~約20.0重量%のニッケル、又は約20.0重量%~約25.0重量%のニッケルを含む金属合金で作られる、請求項50~53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記ディスク状要素の前記金属合金が、316Lステンレス鋼、317Lステンレス鋼、又は904Lステンレス鋼からなる、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記鋳造プロセスからのスケールを除去するために前記ディスク状要素を機械加工又は研磨するステップは、前記ディスク状要素の前記表面から誘電体汚染物質を含む前記ミリングスケールを100%除去するステップを含む、請求項50~55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記鋳造プロセスからのスケールを除去するために前記ディスク状要素を機械加工又は研磨するステップは、金属汚染物質を含まない非イオン性サンディンググリットを使用するステップを含む、請求項50~56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記鋳造プロセスからのスケールを除去するために前記ディスク状要素を機械加工又は研磨するステップは、ナンバー4グレードまでで完了する、請求項50~57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記ディスク状要素を前記ウォータージェット切断するステップが、ナンバー5グレードのウォータージェット切断を使用して完了する、請求項50~58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記ディスク状要素の表面は、ウォータージェット切断中にプラスチックで覆われる、請求項50~59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
前記ディスク状要素の表面に熱を加えない、請求項50~60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
液体溶液又はエマルジョンを処理するためのシステムであって、前記液体溶液又はエマルジョンのソースと、請求項41~49のいずれか一項に記載の逆流装置と、を含み、前記逆流装置の前記流入部分は前記ソースに動作可能に接続され、125psi又は約125psiの圧力で前記液体溶液又はエマルジョンを前記チャンバ内に注入する、システム。
【請求項63】
前記システムが、濾過デバイス、UV殺菌器、及びZ電位結晶ジェネレータのうちの少なくとも1つをさらに備え、前記逆流装置、前記ソース、及び前記濾過デバイス、前記UV殺菌器、及び前記Z電位結晶ジェネレータのうちの前記少なくとも1つが互いに液体連通している、請求項62に記載のシステム。
【請求項64】
前記システムが、濾過デバイス、UV殺菌器、及びZ電位結晶ジェネレータをさらに備え、前記逆流装置、前記ソース、前記濾過デバイス、前記UV殺菌器、及び前記Z電位結晶ジェネレータが互いに液体連通している、請求項63に記載のシステム。
【請求項65】
前記システムが、請求項41~49のいずれか一項に記載の逆流装置を複数備える、請求項62~64のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項66】
請求項41~49のいずれか一項に記載の逆流装置で処理される、液体エマルジョン。
【請求項67】
前記液体エマルジョンが水中油型エマルジョンである、請求項66に記載の液体エマルジョン。
【請求項68】
水中油型エマルジョンをクラッキングする方法であって、前記方法が、前記水中油型エマルジョンを請求項41~49のいずれか一項に記載の逆流装置に通して、分離した水相及び油相が生成される処理済材料を取得するステップを含み、前記水中油型エマルジョンのクラッキングが約70~約125psiの圧力で行われる、方法。
【請求項69】
前記方法が、前記水中油型エマルジョンを熱分解して誘導体を取得するステップをさらに含み、前記水中油型エマルジョンの代わりに前記誘導体を、請求項41~49のいずれか一項に記載の逆流装置に通すステップを含む、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記水中油型エマルジョンの前記クラッキングは、請求項41~49のいずれか一項に記載の逆流装置内に凝集剤を添加することを含まない、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記水中油型エマルジョンが、油性廃水、石油原料、又は二次石油回収システムの一部である、請求項68~70のいずれか一項に記載の水中油型エマルジョンをクラッキングする方法。
【請求項72】
油を含む液体溶液又はエマルジョンの粘度を低下させる方法であって、前記方法は、油を含む前記液体溶液又はエマルジョンを、請求項41~49のいずれか一項に記載の逆流装置に通過させ、油を含む前記液体溶液又はエマルジョンよりも低い粘度を有する処理済み材料を取得して、油を含む前記液体溶液又はエマルジョンの粘度を低下させるステップを含む、方法。
【請求項73】
請求項41~49のいずれか一項に記載の逆流装置に前記液体を通過させ、クラッキングされた液体を取得するステップを含む、液体をクラッキングする方法。
【請求項74】
前記クラッキングされた液体が、前記液体に対してより短い炭素鎖種を有する炭化水素をより多く含む、請求項73に記載の液体をクラッキングする方法。
【請求項75】
前記方法が溶媒を用いない、請求項73又は74に記載の液体をクラッキングする方法。
【請求項76】
前記液体がエマルジョン、石油原料又は二次石油回収システムの一部である、請求項73~75のいずれか一項に記載の液体をクラッキングする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、水を含む様々な種類の液体及び液体溶液を処理するシステム及び方法に関する。特に、本開示は、電極触媒デバイスを用いて液体を処理するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液体及び水の処理産業内における改善は、処理される液体又は水をより効果的に浄化することのできる液体処理システムを提供し、より高品質の製品を提供するために、絶えず追求されている。液体処理システム内で使用される金属のある種の欠陥は、液体処理システムの性能にも、処理済液体の浄化にも有害な影響を与え、液体処理システムが意図したとおりに機能しない可能性があることが明らかになってきた。
【0003】
液体処理システムは、典型的には、液体処理内に直列の回転ディスクを含み、直列の回転ディスクは、液体又は水を、それが液体処理システムの処理部分を通過する際に処理する。回転ディスクは、ステンレス鋼等の非腐食性金属から製造され、特定の液体処理システム用に特定の形状に切断される。これらのディスクのイオン反応面を増やすことで、液体又は水の処理の向上が得られることが分かってきた。従来、これらのディスクのイオン反応面は、ディスクの所望の形状を形成するためにレーザ切断又はウォータージェット切断されたディスクの表面積だけであった。これは、ディスクの表面積のわずか1/7に過ぎない。顕微鏡で調査したところ、ウォータージェット及びレーザーカッタの切断動作が均一ではなく、最適な表面カットができていないことが、さらに判明した。液体処理システムのディスク状要素の表面カットを改善し、ディスク状要素のイオン反応面を増やし、液体自体の中のイオン電気化学反応を高めることで、より浄化された低温の液体を得られることが分かってきた。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】本開示の一実施形態によるモリブデン活性化液体冷却ジェネレータの透視図である。
図2図1のモリブデン活性化液体冷却ジェネレータの全体の外形図(a)、透過図(B)、縦断面図(C)である。
図3】本開示の一実施形態によるモリブデン活性化液体冷却ジェネレータの処理部分の側面図を示すグラフである。
図4図1のモリブデン活性化液体冷却ジェネレータの処理部分の等角図を示すグラフである。
図5】本開示の一実施形態によるモリブデン活性化液体冷却ジェネレータのディスク状要素の正面図を示すグラフである。
図6図1のモリブデン活性化液体冷却ジェネレータの縦断面の拡大図であり、モリブデン活性化液体冷却ジェネレータを通過する液体溶液の流れを示す。
図7】冷却されたモリブデン活性化液体を提供するための本発明システムの一実施形態である。
図8】冷却されたモリブデン活性化液体を提供するための本発明システムの一実施形態である。
図9】本開示の一実施形態による静的スパイラルミキサの処理部分の内部の透視図である。
図10】本開示の一実施形態による静的スパイラルミキサのディスク状要素及びシャフトの透視図である。
図11】本開示の一実施形態によるスパイラルミキサのディスク状要素の正面図である。
図12】本開示の一実施形態による静的スパイラルミキサの側面図である。
図13A】一実施形態による逆流装置内の7つのディスク状要素のセットアップを示す。
図13B図13Aに図示された同じ逆流装置内の7つのディスク状要素のセットアップの一実施形態である。
図14】本開示の一実施形態によるスパイラルミキサを含むシステムを示す。
図15】本開示の逆流装置で処理されたエマルジョンを含む遠心分離管の写真を表す。エマルジョンは、廃棄物タンクの異なるレベルから採取された。左から一番目のチューブ内のサンプルは、廃棄物タンクの底部の円錐から採取された。サンプルは、左から右へ連続してより明るくなり、廃棄物タンクの頂部から採取された左から四番目のチューブが最も明るい。
【発明を実施するための形態】
【0005】
(定義)
本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、他に定義されない限り、この発明が属する技術分野の当業者が一般に理解するのと同じ意味を有する。また、特に指示をしない限り、特許請求の範囲内を除き、「又は」の使用は「及び」を含み、その逆もまた同様である。非限定的な用語は、明示的に記載されない限り、又は文脈が明確に示していない限り、限定的に解釈されない(例えば、「備える」、「含む」、「有する」、及び「構成する」は、通常、「制限なく含む」ことを示す)。限定的な用語の例としては、「からなる」及び「から本質的になる」が挙げられる。特許請求の範囲に含まれる「1つの」、「その」等の単数形は、明示的に別段の記載がない限り、複数形の参照を含む。
【0006】
「流体」という用語は、液体及び/又は気体を含む。
【0007】
「液体」という用語は、液体溶液及び/又はエマルジョン(水中油型、又は油中水型エマルジョン)及び/又は単一成分を含む液体を含むために使用される。
【0008】
本明細書で使用される「廃油」という用語は、化石燃料廃油、廃食用油、及びそれらの混合物、並びに廃油を含む溶液及びエマルジョンに使用される。
【0009】
疾患の治療に関連して使用される場合、「治療する」、「治療している」及び「治療」という用語は、疾患及び/又はその付随する症状を緩和又は軽減する方法を意味する。
【0010】
発明の理解及び準備を助けるために、以下の例示的で非限定的な実施例を提供する。
【0011】
(液体冷却ジェネレータ)
開示の発明システム及び方法は、液体材料のソースの中に冷却された乱流を効果的に発生させるが、ソース液体材料の元素組成を変えることもなく、また有毒又は有害な添加物を使用することも必要としない。システム及びプロセスは、据え付けの設置ユニットで実施してもよいし、携帯型ユニットで実施してもよい。また、本発明システムは、水分配システムのような既存の液体溶液分配システムに後付けすることもできる。いくつかの具体的な実施形態を説明するが、本発明システム及び方法は図示された実施形態に限定されず、追加の実施形態も使用できることは明らかであろう。本発明の冷却乱流液体溶液は、本明細書で後述する様々な用途において高い効果を発揮する。
【0012】
したがって、本明細書に開示される液体処理システムは、改良された液体冷却ジェネレータを含む。図1図6を参照すると、改良型液体冷却ジェネレータ100は、ソース液体溶液を受け取るための流入部分140と、直列の逐次キャビテーションゾーン及び剪断面を有する処理部分110と、より効果的で容易に浄化され得る冷却乱流液体を放出するための流出部分150と、を有するハウジング110を含んでもよい。
【0013】
図1及び図2を参照すると、ハウジング110は、実質的に管状の形態をとることができる。流入部分140及び流出部分150は、各端部に、ねじ切りされたボス120及び130を含んでもよい。ハウジング110及びボス120、130は、好ましくは、ポリ塩化ビニル(PVC)のような実質的に不活性な材料で作られる。
【0014】
図2及び図3を参照すると、ハウジング110内に含まれる直列の逐次キャビテーションゾーン及び剪断面は、ハウジング110を通って軸方向に延び、流入部分140と流出部分150との間に介在され得る直列の間隔を空けた要素160を有することによって得られてもよい。各要素160は、ディスクの形態をとってもよい。要素160は、中央ロッド180に支持されてもよい。要素160は、互いに間隔を空けた関係で保持されてもよい。
【0015】
図2B及び図2C図5図6及び図8を参照すると、液体冷却ジェネレータの処理部分115は、直列の逐次キャビテーションゾーン190及び表面平面168を含んでもよい。直列の逐次キャビテーションゾーン190及び表面平面168は、ハウジング110を通って軸方向に延び、液体冷却ジェネレータの流入部分と流出部分との間に介在され得る直列の間隔を空けて配置された(2つ以上の)要素160を有する概して細長い部材180を有することによって可能にされてもよい。間隔を空けて配置された2つ以上30以下の要素160を使用してもよい。また、間隔を空けて配置された30以上の要素160を使用してもよい。各要素160は、ディスクの形態であってもよく、ディスクは、一方の側に側方表面Aを有し、対向する側に側方表面Bを有し、表面Aと表面Bとの間に水平に配置され、ディスクの周方向に延びる平面状の表面Cを有する。ディスク状要素160(リング要素とも呼ばれる)は、中央ロッド又はシャフト180の上に支持されても、あるいはそれに取り付けられてもよい。図8を参照すると、ディスク160は、対向する壁161、162(表面A及び表面Bとも呼ばれる)、及び周壁又は側壁163を含んでもよい。表面Aは液体乱流ジェネレータの流入部分に面し、表面Bは流出部分に面してもよい。周壁163は、対向する表面Aと表面Bとの間に延びてもよい。ディスク状要素160は、互いに間隔を空けた関係で保持されてもよい。要素160は、空間170によって互いに分離されてもよい。
【0016】
(静的スパイラルミキサ/逆流装置)
第二の実施形態において、液体冷却ジェネレータ又は液体冷却生成システムのディスク状要素は、図9図12及び図13A及び図13Bに示すように、逆流装置(可動部分を有しないので静的スパイラルミキサとも呼ばれる)115を形成するように構成されてもよい。
【0017】
本開示の本発明の静的逆流装置、システム、及び方法は、液体の流れを層流から乱流に効果的に変換する。本開示の本発明の装置、システム、及び方法は、液体の混合物、又は固体を伴う液体、又は気体を伴う液体を、触媒、有毒又は有害な添加物又は化学物質の使用を必要とせずに、効果的に製造する。いくつかの実施形態では、「混合物」という用語は、本開示の装置の生産物を指すために使用される。システム及びプロセスは、据え付けの設置ユニットで実施してもよいし、携帯型ユニットで実施してもよい。また、本発明のシステムは、水分配システムのような既存の液体溶液分配システムに後付けされてもよい。いくつかの具体的な実施形態を説明するが、本発明システム及び方法は図示された実施形態に限定されず、追加の実施形態も使用できることは明らかであろう。本開示の方法によって製造される液体混合物は、本明細書において以下に説明されるように、様々な用途において非常に効果的である。本開示の装置、システム、及び方法は、混合物を生成するために外部の空気又はガスを必要としない。
【0018】
実施形態において、逆流装置/静的スパイラルミキサのハウジングは、実質的に管状の形態をとる。流入部分及び流出部分は、各端部に、ねじ切りされたボスを含んでもよい。ハウジング及びボスは、好ましくは、実質的に不活性な材料で作られる。実施形態では、そのような不活性材料の例として、ポリ塩化ビニル(PVC)のようなポリマーが挙げられる。
【0019】
逆流装置/静的スパイラルミキサの処理部分内の各ディスク状要素160は、ディスクの形態をとってもよい。逆流装置/静的スパイラルミキサのディスク状要素160は、中央ロッド又はシャフト180上に支持されるか、又はそれに取り付けられてもよい。ディスク160は、対向する側面161、162、及びディスク状要素160の円周163に沿った周壁又は側壁を含んでもよい。一方の側面161は、ジェネレータの流入部分に面し、反対側の側面162は、ジェネレータの流出部分に面してもよい。周壁163は、対向する剪断壁161と162との間に延びてもよい。ディスク状要素160は、互いに間隔を空けた関係で保持されてもよい。要素160は、空間170によって互いから分離されてもよい。
【0020】
各要素160は、ディスク状要素160の中心169を横切りながら、円周163の一点から円周の別の点まで延びる少なくとも1つのS字状部材310を含んでもよく、それによって、1つのディスク状要素160のS字状部材310間にアパーチャ311が形成される。各S字状部材310は、エッジ167を含んでもよい。エッジ167は、スカラップデザインを有してもよく、鋭いこともある。好ましくは、ディスク状要素は、レーザ切断で作られてもよい。各ディスク状要素160の幅「a」は、2つの連続するディスク状要素160の間の距離「b」の約半分以下である。各要素160の中心は、シャフト180を受け入れるために、中心169にアパーチャ168を含んでもよい。図10に例示されたディスク状要素は、シャフト180を受けるためのアパーチャを示していないが、この例示は単なる例であり、シャフトを受けるために、アパーチャが存在すべきである。
【0021】
静的スパイラルミキサ115の軸方向に連続する円盤状要素160は、ロッド180に沿って配置されている。要素160は、少なくとも1つのディスク状要素160がそのS字状部材310を順向き位置(310a)に有し、少なくとも1つのディスク状要素がそのS字状部材を逆向き位置(310b)に有するように(すなわち、少なくとも1つのディスク状要素がミキサの別のディスク状要素に対して反転して、又は逆向きになっている)、ツイスター又は螺旋状にロッド180に配置されてもよい。図9は、S字状部材310を順向き位置に有するディスク状要素(310a)に、S字状部材を逆向き位置に有するディスク状要素(310b)が続く交互パターンを示す。しかしながら、本発明は、少なくとも1つのディスク状要素が逆向きS字状部材310を有する限り、同じS字状部材310を有する2つ以上のディスク状要素が互いに隣り合っている状況もカバーすることを理解されたい。
【0022】
静的スパイラルミキサの各ディスク状要素160は、ハウジング110内の未処理液体の流れに対して実質的に垂直に配置されてもよく、例えば、要素160がハウジング110を通るいかなる直接的な流体の流れも実質的に遮断し、その結果、流体の流れがディスク状要素160のそれぞれにあるアパーチャ311を通過するようにしてもよい。S字状部材310の捩れ配置のために、ディスク状要素160の間の流体フローは乱流であり、各ディスク状要素160のアパーチャ311断面積、ディスク状要素160の幅、及びディスク状要素160の間の空間170が異なることにより、液体は、ハウジング110内を通過する際に、加速及び減速され、ディスク状要素160の表面上での乱流を確実にする。
【0023】
(廃棄物管理用静的スパイラルミキサ)
実施形態において、本開示の装置は、スラッジからの廃油の分離を促進し、リサイクルのために廃油及び潤滑油材料を収集するために使用される。様々な水中油型エマルジョンが、油を回収するために本開示の装置で処理され得る。炭化水素及び/又は食用油は、本開示の装置で処理することができる。エマルジョン中の油及び油汚染物質には、工業用潤滑油、汚染された油及び水、自動車用/モータオイル、潤滑油及び油圧油が含まれる。実施形態において、回収された油は、政府及び環境規制の排出認可を満たす。
【0024】
ポンプは、廃棄物タンクから得られた水中油型エマルジョンを、単一の本開示の装置に、又は2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、14、15、16、17、18~30が直列になった本開示の装置に送出するために使用でき、それらの装置はまた並列にすることも可能である。処理された油を水から分離して、リサイクルすることも、あるいは廃棄物タンクに戻すこともできる。態様では、処理された油は油中水型エマルジョンである。
【0025】
この構成の目的は、連続的な流れの中で再循環することなく、流体が最終目的地に到達するまで、あるいはタンクに再び入るまで、流体を懸濁状態に保ち、底部に沈泥、重油、水、最頂部に軽油と、比重に応じて自己分離させる処理を可能にすることである。
【0026】
他のデバイスは、スパイラル静的ミキサによる流体の激しい剪断による分離の機能に必要ないか、あるいはその分離の機能を実行できない。
【0027】
水中油型エマルジョンをポンプで送出する前に、エマルジョンは処理を助けるために加熱されることもある。
【0028】
実施形態では、水中油型エマルジョンに応じて、必要に応じて、分離を補助するために化学物質を使用してもよい。
【0029】
すべての油はいくらかの水を含むので、これは、精製油、燃料、アルコール、エタノール、ディーゼル燃料及びバンカーC重油を含むすべての油の流れに対応する。
【0030】
このプロセスは、石油及び燃料の脱硫にも使用できる。
【0031】
(粘度低減、水中油型エマルジョン分解、石油クラッキング用静的スパイラルミキサ)
オイルサンドのビチューメン等の重質油や油汚染溶液等を含むオイルの粘度を下げる方法は数多くある。これは、坑井から精製所へのビチューメンの輸送、又は油汚染溶液中の油のリサイクルを可能にするために必要な場合がある。
【0032】
本開示の装置は、実施形態において、液体材料中の油と液体材料中の他の成分との間の分子間結合を分解することによって、水中油型エマルジョン等の油を含む液体材料の粘度を低下させるために使用される。材料中の油と他の物質との結合を分解することで、液体材料は粘度が低くなる。さらに、材料中の油が経験する可能性のあるクラッキングのため、小さい炭化水素鎖が小さいほど、粘度が低くなる。
【0033】
本教示の特定の態様によれば、本開示は、水中油型エマルジョンをクラッキング又は分解する方法に関する。本方法は、任意の一般的なタイプの水中油型エマルジョンに適用することができる。水中油型エマルジョンの例としては、石油化学製品及び油含有廃水が挙げられる。また、水中油型エマルジョンは、二次石油回収システムの一部であってもよい。例えば、プラントからの油性廃水を本開示の方法を用いて破壊し、油性排水中の油分を水から除去することができる。エマルジョンを分解して水中から油を除去するために、タンクに貯蔵されたエマルジョンを、例えば、容積式ポンプ等のポンプを用いて本開示の装置に送出する。エマルジョンが濃すぎる場合、装置への送達の前に、より濃くないエマルジョン誘導体を得ることができる。水中油型エマルジョン誘導体を得るために、元の水中油型エマルジョンは、最初に(酸素が奪われた環境で)熱分解されることもある。発生したヒュームは水で急冷され、乳化液となる。エマルジョン誘導体とも呼ばれる乳化液は、次に、容積式ポンプ等のポンプによって、本開示の装置に供給される。エマルジョン又はエマルジョン誘導体は、場合により、次に、本開示の装置に通されるか、又は本開示の装置で処理されて処理済材料を取得し、それによって、分離した水相及び油含有相が生成される(図15を参照)。処理済材料中の油の全て又は実質的に全ては水から分離され、油は水から除去することができ、清浄な水を廃棄すること、及び油を油材料に対して環境に優しい方法でリサイクル又は廃棄することが可能になる。処理済材料は、分離された別個の油相と水相とを含む。処理済材料中の油相は、純油(すなわち、約100%の油)から構成されるか、又は油中水型エマルジョンの形態で実質的に純油から構成される。
【0034】
このように、一実施形態において、本開示は、水中油型エマルジョン、又は水中油型エマルジョンの誘導体を、本開示の逆流装置又は静的スパイラルミキサに通して、分離した別個の水相と油相とが生成される処理済材料を取得することを含む水中油型エマルジョンのクラッキング又は分解の方法である。実施形態において、本方法は、処理済材料の油相を水相から分離するステップをさらに含んでもよい。
【0035】
クラッキング又は精製は、炭化水素鎖の長さを全体的に短くすることであり、より重い、より高沸点の石油留分を分解又はクラッキングして、ガソリン、燃料油、及びガス油等のより価値のある製品にするプロセスである。特定の実施形態において、本開示の装置は、ソースに含まれる炭化水素をクラッキングするために使用される。処理済の油溶液又はエマルジョンは、処理開始前の未処理の対照油溶液又はエマルジョンと比較して、より短い炭素鎖種を有する炭化水素を多く含み、また対照試料と比較してより長い炭素鎖を有する炭化水素の損失もある。元の未処理の液体ソースの沸点は、処理済液体の沸点より高いので、未処理の液体ソースのクラッキングが進んでいることが分かる。
【0036】
ほとんどの静的ミキサの設計は、分割又は均質化のいずれかによって、2つ以上の流体を混合するためのものである。本開示のデバイスは、主に分子剪断デバイスとして設計されている。その設計により、分子間(弱い分子結合)及び分子内(強い分子結合)の両方を破壊するのに十分な剪断強度が得られる。特定の実施形態において、水油エマルジョンをクラッキングするのに十分な剪断強度は、ディスク状要素のエッジを切断するためにナンバー5グレードのウォータージェット切断を使用することによって提供される。本開示の装置は、水油エマルジョンの分子間結合及び分子内結合の両方を破壊する能力を明確に実証している。エマルジョン成分とは無関係に、分子間結合と分子内結合の両方の分離が常に存在する。この分離により、流体は一貫して、比重によってその別々の成分に分離されるか、又は濾過可能に分離される。さらに、十分な処理時間と圧力があれば、比重液槽分離又はガスクロマトグラフィ分析により、流体を所望の分離に処理することができる。例えば、C-40のオイルは、時間の長さと処理の流体圧力によって、より小さな鎖にすることができる。その結果、混合物の粘度及び化学組成が変化する。これは、従来の静的ミキサが達成できると想像されていたものをはるかに超えている。
【0037】
逆流装置/静的スパイラルミキサは、精製所が水中油型エマルジョンを分解する必要がないという点で、従来のハイドロクラッキングプロセスを置き換えるものである。本開示の逆流装置/静的スパイラルミキサは、溶媒及び/又は加熱蒸留抽出のいずれかを使用して油エマルジョンを分解するという既存のパラダイムを変えるものである。このデバイスは、熱(例えば、キルン)、超音波又は溶媒を必要とせず、分子間結合及び分子内結合を破壊し、油エマルジョンから水を分離させる。本開示の装置は、従来の石油産業における二酸化炭素排出量を劇的に減らすことができるように、水から油を分離する超低エネルギー方法である。これは、低エネルギー精製と呼ぶことができる。水中油型エマルジョンをクラッキングするためには、クラッキングのための十分な摩擦力又は剪断力を達成するために、十分な量の圧力が供給されなければならない。このクラッキング圧力は、通常400~600psiの範囲であり、ギアポンプによって供給される。本開示の逆流装置/静的スパイラルミキサは、モリブデン・ニッケル合金からなるディスク状要素を使用し、これは、70又は約70psiから125又は約125psiの範囲の圧力で水中油型エマルジョンをクラッキングすることが可能である。クラッキングされた油は、炭素長が約C20から約C40の範囲であり、ダウンパイプを通して容易に流せる低粘度製品を提供する。クラッキングされた油は、低粘着性、比較的低粘度、パイプを流れる際の低抗力という点でスリックである。逆流防止装置/静的スパイラルミキサでは、処理済流体が十分に低粘度化できるため、粘度低下や流動性向上のためのブタン等の添加剤が不要となる。エマルジョンを分離する際の温度は、環境条件下である15℃~21℃の範囲だった。テストでは、流体の粘度が低下するので、ポンピングエネルギーが50%以上削減されることが実証されているため、油水エマルジョンをポンピングするのに必要なエネルギーは少なくて済む。逆流防止装置/静的スパイラルミキサは、不純物を自然に凝集させるため、濾過のための凝集剤が不要になり、そのような添加剤の必要性がなくなる。モリブデン・ニッケル合金からなるディスク状要素を含む逆流装置/静的スパイラルミキサは、処理済水油エマルジョン中の硫黄分を90%以上低減できることが示された。具体的には、水中油型エマルジョンは、硫黄が凝固して流体から濾過される前に、硫黄含有量を1.36重量%又は約14,000ppmから1,400ppm未満又は0.14重量%未満に低減することが示された。処理済流体のその後の濾過により、硫黄含有量を減少させ、処理済流体をさらに浄化して、硫黄含有量を50ppm又は0.005重量%未満に低減できるようにする。なお、現行の海上燃料規制では、外航船舶が使用する船舶用燃料の硫黄含有量は0.5重量%と定められている(「The Effects of Changes to Marine Fuel Sulfur Limits in 2020 on Energy Markets」https://www.eia.gov/outlooks/studies/imo/参照)。したがって、逆流装置/静的スパイラルミキサは、硫黄含有量の削減を著しく改善し、その改善は、現行規制で義務付けられている削減をはるかに超えている。
【0038】
逆流防止装置/静的スパイラルミキサは、水銀の濾過性を向上させるために使用されることもある。水銀は、酸性の反応性を有するため、流体から除去することが困難な場合がある。しかしながら、逆流防止装置/静的スパイラルミキサは、電気的凝固により水銀を固化し、結晶化させることができる。これにより、流体中の水銀結晶のサイズが大きくなり、凝固剤や凝集剤を使用することなく、炭素濾過等の様々なプロセスで流体から水銀をより容易に濾過することが可能になる。ある用途において、316Lステンレス鋼製のディスク状要素を有する逆流装置/静的スパイラルミキサに流体のサンプルを通過させた。このサンプルの初期水銀含有量は、12~14ppb(十億分の一)であった。逆流装置/静的スパイラルミキサを通過させ、その後、炭素濾過システムを通過させると、サンプルの水銀含有量は、1ppb(十億分の一)未満となった。大規模な用途では、逆流防止装置/静的スパイラルミキサは、水銀含有量を6~8ppm(百万分の一)から1ppb(十億分の一)未満に低減することが可能である。この程度まで水銀を濾過することで、最初は白っぽく濁っていた液体が目に見えるほど透明になり、処理済の液体又は水を地中に排出することができるようになる。このプロセスは、ウラン等の有害金属と、白金及び金等の貴金属とを含む他の金属にも使用できる。
【0039】
より小さな炭素鎖油、低粘度製品、より良い流動性及び純度の向上を達成するための更なる改善は、逆流装置/静的スパイラルミキサ内の圧力を125psi以上に上げることによって、例えば、従来の水素化クラッキングプロセスで使用される約400~約600psiまで、又はそれ以上に上げることによって、達成することができる。逆流装置/静的スパイラルミキサで処理された水は、坑井の若返りに使用することができる。上記のような逆流装置/静的スパイラルミキサを使用することで、より多くの石油を坑井から回収することも可能になる。例えば、従来のハイドロクラッキングプロセスでは、水中油型エマルジョンから25%しか油を回収できないのに対し、本発明のプロセスでは、坑井内に残っている油をさらに50%以上回収することが可能である。このように、逆流防止装置/静的スパイラルミキサは、グリーンハイドロクラッキングプロセスを提供する。
【0040】
実験的な試験では、バンカーA重油を、1.5重量%のモリブデンを含む316Lステンレス鋼製の21のディスク状要素からなる静的スパイラルミキサに通した。この実験的な試験では、125psiの圧力で10分以内にバンカーA重油をクラッキングすることに成功した。その後、実際に重油のクラッキングが起こったことを証明するために燃焼試験を行った。その結果、未処理のバンカーA重油は約18分で燃焼し、比較的低い熱を放出したのに対し、処理後のバンカーA重油12分で燃焼し、ガソリン及びディーゼル燃料の燃焼と同等の非常に高い熱を放出したことが判明した。
【0041】
モータオイルとディーゼル燃料を、1.5重量%のモリブデンを含む316Lステンレス鋼製の21のディスク状要素からなる静的スパイラルミキサに通した。処理済モータオイルを、その後、処理済ディーゼル燃料で走行する車両のモータ内に挿入した。試験の結果、車両の燃費が約17マイル/ガロンから約27マイル/ガロンに向上し、燃費が約10マイル/ガロン改善されたことが示された。この処理は、ラジエーター液又は冷却水、トランスミッション液、ブレーキ液、パワーステアリング液等の他の車両流体にも使用でき、車両性能を改善できることが想定される。
【0042】
更なる試験において、モリブデン・ニッケル合金からなるディスク状要素を含む逆流装置/静的スパイラルミキサを通して処理された水油エマルジョンについて、ガスクロマトグラフィ高温シミュレーション蒸留法ASTM D7169に従って、その蒸留特性を分析した。その分析結果を以下の表に示す。
【0043】
(表1)
サンプル:F-1418 OR345404 エマルジョン/油/スラッジ CWMNW
ガスクロマトグラフィによる原油及び真空残渣の沸点分布、ASTM D7169
【表1】
【0044】
(表2)
サンプル:F-1419 OR345404 エマルジョン/油/スラッジ CWMNW
ガスクロマトグラフィによる原油及び真空残渣の沸点分布、ASTM D7169
【表2】
【0045】
(表3)
サンプル:F-1419 OR345404 エマルジョン/油/スラッジ CWMNW
ICP-AESによる水中又は水溶性マトリックス中の金属類、ASTM D1976
【表3】
【0046】
(表4)
サンプル:F-1419 OR345404 エマルジョン/油/スラッジ CWMNW
ICP走査、ASTM D5185
【表4】
【0047】
上記のプロセスに加えて、逆流装置又は静的スパイラルミキサは、炭化水素又はフルオロカーボン、あるいはパーフルオロオクチル・スルホン酸(PFOS)のようなより難しい化合物で汚染された水の処理に使用してもよい。水と油とのエマルジョン分離を行わないと、これらの複雑な化学物質を濾過したり、機械的に分離したりすることは非常に困難である。
【0048】
(ディスク状要素)
ディスク状要素は、レーザ切断又はウォータージェット切断で加工される。図3に示すように、各ディスク状要素160の幅「a」、したがって表面Cの幅は、当業者によって決定されるように、冷却された乱流液体フローを形成するのに適した任意のサイズであってもよい。図3図4及び図6に示すように、軸方向に連続するディスク160は、ロッド180に沿って配置される。
【0049】
ディスク状要素は、モリブデンを含む耐腐食性金属又は合金で作られている。特定の実施形態では、ディスク状要素は、0.5重量%を超えるモリブデン、1.0重量%を超えるモリブデン、3.0重量%を超えるモリブデン、4.0重量%を超えるモリブデンを含む。他の実施形態では、ディスク状要素は、約3重量%~約4重量%以上のモリブデンを含む。他の実施形態では、ディスク状要素は、5重量%までのモリブデン、又は10重量%までのモリブデンを含んでもよい。他の実施形態において、ディスク状要素は、約1.0重量%以上のモリブデン、約1.5重量%以上のモリブデン、約3.0重量%~約4.0重量%のモリブデン、約4.0重量%~約4.5重量%のモリブデン、約4.0重量%~約5.0重量%のモリブデン、約5.0重量%~約6.0重量%のモリブデン、約6.0重量%~約7.0重量%のモリブデン、約7.0重量%~約8.0重量%のモリブデン、約8.0重量%~約9.0重量%のモリブデン、約9.0重量%~約10.0%重量%のモリブデン、約10.0重量%~約15.0重量%のモリブデン、約15.0重量%~約20.0%重量%のモリブデン、約20.0重量%~約25.0重量%のモリブデン、約25.0重量%~約30.0%重量%のモリブデン、約30.0重量%~約35.0重量%のモリブデン、約35.0重量%~約40.0%重量%のモリブデン、約0.5重量%~約40.0重量%のモリブデン、又は約40.0%重量%までのモリブデンを含む。
【0050】
ディスク状要素の金属合金は、さらに、約5.0重量%以上のニッケル、約10.0重量%以上のニッケル、約15.0重量%以上のニッケル、約20.0重量%以上のニッケル、約25.0重量%以上のニッケル、約5.0重量%~約10.0重量%のニッケル、約10.0重量%~約15.0重量%のニッケル、約15.0重量%~約20.0重量%のニッケル、又は約20.0重量%~約25.0重量%のニッケルを含んでもよい。
【0051】
ディスク状要素は、316又は316L、317又は317L、あるいは904又は904L等のステンレス鋼300系又は900系の合金から作られてもよい。本教示の特定の態様によれば、300系又は900系の合金は、最小量のモリブデンを含む。特定の実施形態では、モリブデンの最小量は、合金の総重量に対して約3重量%である。更なる実施形態では、モリブデンの最小量は、合金の総重量に対して3重量%より多く、又は約4重量%である。更なる実施形態では、モリブデンの最小量は、合金の総重量に対して4重量%より多い。特定の実施形態では、ディスク状要素は、ステンレス鋼317Lから作られる。他の実施形態では、ディスク状要素は、ステンレス鋼904Lから作られる。
【0052】
ディスク状要素の表面A、表面B及び表面Cの少なくとも1つは、鋳造プロセスからの鍛造スケールを除去するために、機械加工又は研磨されてもよい。特定の実施形態では、表面A及びBは、鍛造スケールを除去するために、機械加工又は研磨されてもよく、他の実施形態では、表面A、B及びCは、鋳造又は酸洗プロセスからの鍛造スケールを除去するために機械加工及び/又は研磨される。本教示の特定の態様によれば、誘電体汚染物質を含むミリングスケールの100%が、ディスク状要素の表面から除去される。鋳造プロセスからスケールを除去するためのディスク状要素の機械加工及び/又は研磨は、ナンバー4グレード又は当業者が適切と考える任意の他のグレードまで完成させる。特定の態様において、ディスク状要素の厚さは、機械加工及び/又は研磨によって5/8インチから1/4インチに減少し、それによって、ディスク状金属の地金が露出する。本教示の更なる態様によれば、ディスク状要素は、金属汚染物質を含まない非イオン性サンディンググリット(non-ionic sanding grit)で機械加工又は研磨される。本教示の更なる態様によれば、ウォータージェットは、ディスク状要素の1つ以上のエッジを切断するために使用されてもよい。ディスク状要素のウォータージェット切断は、ナンバー5グレードのウォータージェット切断又は当業者が適切と考える任意の他のグレードを用いて完成させてもよい。本教示の特定の態様によれば、ディスク状要素は、ウォータージェット切断の間、プラスチックで覆われる。本教示の更なる態様によれば、ディスク状要素を機械加工するステップ及び/又は研磨するステップ、並びにウォータージェット切断するステップの間、ディスク状要素の表面には熱を加えない。
【0053】
図6に示すように、各ディスク状要素160は、ハウジング110内の液体の流れに対して実質的に垂直に配置されてもよく、その結果、要素160が、ハウジング110を通るいかなる直接的な流体の流れも実質的に遮断してもよい。ハウジング110を通過する際に、ディスク状要素160は、ディスク160の表面上の乱流を確保するために、流体を加速及び減速させる。液体冷却ジェネレータは、図1及び図6に矢印で示すように、一方向性及び単一位置性であってもよい。
【0054】
(モリブデン活性化液体製造システム)
本発明開示のシステムは、様々な異なる実施形態で構築されてもよく、より効果的に濾過及び精製することができる処理済液体溶液内に改善された冷却効果を創出することに関連して採用されてもよい。
【0055】
モリブデン活性化液体製造システムは、液体冷却ジェネレータを含む。別の実施形態では、システムは、ソース液体と、液体冷却ジェネレータを含む処理モジュールとを含む。
【0056】
極性及び非極性液体、親水性及び親油性液体溶液を本発明システムのソース液体として使用し、モリブデン活性化液体を生成するために処理して、冷却された乱流を有する処理済溶液を製造することができる。このように、ソース液体は、油、アルコール、水、溶媒、燃料、界面活性剤、ゲル、炭水化物等を含んでもよい。
【0057】
図7は、モリブデン活性化液体を製造するためのシステム10の一実施形態を示す。このシステムは、オプションのソース液体前処理システム15、第一の液体冷却ジェネレータ30、オプションの高ゼータ電位結晶ジェネレータ100、オプションの前濾過システム50、オプションの少なくとも1つの濾過デバイス60、及びオプションの第二の液体冷却ジェネレータ80を含んでもよい。前処理システム15、液体冷却ジェネレータ30、ゼータ電位シフト結晶ジェネレータ100、前濾過システム50、濾過デバイス60、及び第二の液体冷却ジェネレータ80は、互いに液体連通しており、導管システムを介して接続されている。導管システムは、例えば、パイプ、ホース、チューブ、チャネル等を含んでもよい。
【0058】
水又は水道水、油、アルコール等のソース液体溶液は、任意の適切なソース(例えば、蛇口)から供給され、液体はリザーバ20に貯蔵されてもよく、あるいは任意のソースから連続的又は断続的に供給されてもよい。ソース液体の組成は、試験されてもよく、必要に応じて、追加のミネラル及び他の成分、化合物及び/又は溶液が、ソース液体を処理するために添加されてもよい。特定の実施形態では、ソース液体は、アルコール及び酸を含むが、これらに限定されない任意の数の化合物で処理されてもよい。ソース液体を処理するために使用され得る化合物の例には、グリセリン、乳酸、及び塩酸が含まれる。ソース液体は、また、リザーバ20に保持する前又は後に、前処理システム15で処理されて、デブリ、油含有成分等の処理プロセスを妨害する可能性のある不要な汚染物質を実質的に除去してもよい。他の場合では、ソース液体は、液体冷却ジェネレータを通過する前、液体冷却ジェネレータを通過する間、及び/又は液体冷却ジェネレータを通過した後に処理されてもよい。
【0059】
ソース液体は、液体リザーバ20に連続的又は断続的に添加されてもよい。液体溶液は、常磁性属性を有する液体の乱流を生成するために吸熱反応を開始するのに十分な力及び圧力で液体冷却ジェネレータを通って流れてもよい。前記力及び圧力を発生させるために、ポンプを使用してもよい。このように、液体溶液は、システムの液体冷却ジェネレータに向かって能動的にポンプ送りされてもよい。また、水力タービン又はプロペラの前に水を処理するためにプルーム内に位置するような受動システムを用いて、液体を放出してもよい。
【0060】
別の実施形態では、処理済ソース液体は、次に、少なくとも1つの濾過デバイス60に通されてもよい。一実施形態では、濾過デバイス60は、細菌、ウイルス、シスト等を減少させるか、又は実質的に除去する。当該技術分野で知られている任意の濾過デバイスを使用してもよい。濾過デバイス60は、粒子フィルタ、チャコールフィルタ、逆浸透フィルタ、活性炭フィルタ、セラミックカーボンフィルタ、蒸留器フィルタ、イオン化フィルタ、イオン交換フィルタ、紫外線フィルタ、逆洗フィルタ、磁気フィルタ、エネルギーフィルタ、渦流フィルタ、化学酸化フィルタ、化学中毒フィルタ、パイウォーター・フィルタ、樹脂フィルタ、膜ディスクフィルタ、精密濾過膜フィルタ、硝酸セルロース膜フィルタ、スクリーンフィルタ、シーブフィルタ又は微細孔フィルタ、及びこれらの組み合わせを含んでもよいが、これらに限定されない。処理済の濾過された液体は、使用及び消費のために貯蔵又は分配されてもよい。
【0061】
図7に示すように、少なくとも1つの濾過デバイス60に到達する前に、処理済液体は、オプションとして、ゼータ電位結晶ジェネレータ100を通過させてもよい。高ゼータ電位結晶ジェネレータは、当該技術分野において知られており、一般に、スケーリングの防止又は低減に有用である。1つの既知の高ゼータ電位結晶ジェネレータ100は、Zeta RodTMシステムである。Zeta RodTMシステムは、液体システム中の細菌及びミネラルコロイドを電子的に分散させることによって結晶のゼータ電位を高め、生物付着及びスケールの脅威を排除し、化学添加剤の使用を大幅に減少させることができる。液体中のコロイドは、コンデンサの構成要素となり、その自然な表面電荷を大幅に増加させ、粒子の相互作用を支配する二重層の状態を変化させる。Zeta RodTMシステムは、コロイド材料と懸濁物質の分散を安定させ、スケールの核生成と湿った表面への付着を防ぐため、ミネラルスケールの形成を防止する。細菌は表面に付着することなくバルク流体中に分散したままであり、栄養を吸収すること、又は複製してスライムを形成すること、及び悪臭を発生させることはない。既存のバイオフィルムは過剰に水和し、結合強度を失い、分散する。また、生物付着、生物腐食、及びスケール形成は、Zeta RodTMシステムによって阻止される。
【0062】
他の既知の高ゼータ電位結晶ジェネレータ100は、Porta Via Water Companyの子会社であるSterling Water Systems,LLCによって製造されたSterling Water Anti-Scale Applianceである。水がSterling Water Anti-Scale Applianceを通過すると、電流が水中に放出され、水の表面張力が低下し、スケール形成及び硬水スポットの出現が抑制される。スケール形成の抑制は、処理済水のゼータ電位が上昇するためであり、こうして、ミネラル粒子が互いに接触しないようになる。
【0063】
図7に示すように、液体冷却ジェネレータ30及びオプションの高ゼータ電位結晶ジェネレータ100を通過した後、オプションの少なくとも1つの濾過デバイス60に到達する前に、処理済液体は、オプションとして、前濾過システム50を通過させてもよく、ここで、鉄、硫黄、マンガン等のミネラルが処理済ソース液体から実質的に除去される。前濾過システム50は、例えば、ステンレス鋼メッシュフィルタであってもよい。処理済の前濾過されたソース液体は、次に、オプションの少なくとも1つの濾過デバイス60に通され、細菌、ウイルス、シスト等が、処理済液体から実質的に除去される。
【0064】
図7に示す実施形態では、液体冷却ジェネレータ30の下流にポンプ25を設けて、処理済液体を様々な液体システム用途のために断続的又は連続的に放出及び分配している。あるいは、液体冷却ジェネレータ30の上流にポンプを設けてもよい。
【0065】
今や精製され、冷却され、高い乱流を有する処理済液体は、リザーバのような貯蔵容器70に分配され、貯蔵されてもよい。本実施形態では、貯蔵された処理済液体を分配する前に、貯蔵された液体は、処理済ソース液体の更なる浄化、冷却及び乱流の発生のために、第二の液体冷却ジェネレータ80に通されてもよい。2回処理された液体は、その後、使用及び消費のために分配されてもよい。システムは、3つ以上の液体冷却ジェネレータを含んでもよく、そのように、3回又はそれ以上処理された液体は、その後、消費のために分配されてもよいことを理解されたい。
【0066】
図8は、モリブデン活性化液体製造システム10の別の実施形態を示す。システム10は、ソース液体を収容するソースリザーバ20と、オプションのソース液体前処理システム15と、第一の液体冷却ジェネレータ30と、オプションの高ゼータ電位結晶ジェネレータ100と、オプションの前濾過システム50と、オプションの少なくとも1つの濾過デバイス60と、オプションの第二の液体冷却ジェネレータ80を含む。前処理システム15、液体冷却ジェネレータ30、高ゼータ電位結晶ジェネレータ100、前濾過システム50、濾過デバイス60、及び第二の液体冷却ジェネレータ80は、互いに液体連通しており、循環導管システムを介して接続されている。ソースリザーバ20の例には、蒸気ボイラー、水加熱器、冷却塔、飲料水タンク、プール、収容養殖池、水族館、工業用水供給リザーバ、庭池等を含むが、これらに限定されない。ソース液体は、ソースリザーバ20に連続的又は断続的に貯蔵又は添加されてもよく、ソース液体は、先に説明したような受動システムを用いて液体冷却ジェネレータ30に放出されてもよく、又は液体冷却ジェネレータ30に向かってポンピングされてもよく、そこで、モリブデンの活性化、冷却及び液体の乱れが生成される。あるいは、ソース液体は、ソースリザーバ20の中に保持する前又は後に、前処理システム15で処理されて、デブリ及び油含有成分等の処理プロセスを妨害する可能性のある不要な汚染物質を除去してもよい。
【0067】
図8に示す実施形態では、ソースリザーバ20に貯蔵されたソース液体、前処理システム15、液体冷却ジェネレータ30、高ゼータ電位結晶ジェネレータ100、前濾過システム50、濾過デバイス60、第二の液体冷却ジェネレータ80、及びポンプ25は、導管システムによってループ状に接続されている。例示的な導管システムは、パイプ、ホース、チューブ、チャネル等を含んでもよいが、これらに限定されず、大気に露出していても、密閉されていてもよい。この循環型又はループ型の接続は、ソースリザーバ20、前処理システム15、液体冷却ジェネレータ30、高ゼータ電位結晶ジェネレータ100、前濾過システム50、濾過デバイス60、及び第二の液体冷却ジェネレータ80を介するソース液体の連続的又は断続的な循環を提供する。
【0068】
液体冷却ジェネレータシステムによるソース液体の連続的又は断続的な処理は、最終的に、システム10内のソース液体の全容量を液体冷却ジェネレータ30及び80によって処理する時点に到達する。言い換えれば、本発明のシステム10全体は、最終的に、システム10内の液体の全容量を処理して、冷却されたモリブデン活性乱流液体を生成する平衡のような状態に至ってもよい。
【0069】
オプションの濾過デバイス60を通す前に、処理済液体は、オプションとして、高ゼータ電位結晶を生成するための高ゼータ電位結晶ジェネレータ100に通させて、スケールの形成を引き起こす可能性のあるミネラルを実質的に除去してもよい。
【0070】
処理済液体は、液体冷却ジェネレータ30及びオプションの高ゼータ電位結晶ジェネレータ100を通過した後、オプションとして、前濾過システム50を通過させてもよく、ここで、鉄、硫黄、マンガン等のミネラルが処理済ソース液体から実質的に除去される。
【0071】
代替の実施形態では、図8に示すように、オプションの濾過デバイス60を通過した後、処理済液体は、処理済液体内に追加のモリブデンを取り込み、処理済液体をさらに冷却し、処理済液体内に追加の乱流を生成するためのオプションの液体冷却ジェネレータ80に通過させることができる。この実施形態では、第一の液体冷却ジェネレータ30及び第二の液体冷却ジェネレータ80によるソース液体の連続的及び断続的な処理は、最終的に、システム10内のソース液体の全容量が第一の液体冷却ジェネレータ30及び第二の液体冷却ジェネレータ80によって処理される時点に到達する。
【0072】
図14は、上述したような静的スパイラルミキサを組み込んだ例示的なシステムを示す。図14を参照すると、システム600は、オプションのソース液体前処理システム(図示せず)、スパイラルミキサ100、オプションとして、少なくとも1つの濾過デバイス660、及びオプションのUV殺菌器650を含んでもよい。混合器100、フィルタ660及びUV殺菌器650は、互いに液体連通しており、導管システムを介して接続されている。導管システムは、例えば、パイプ、ホース、チューブ、チャネル等を含んでもよい。
【0073】
3つ以上の液体冷却ジェネレータをシステムに含んでもよい。例えば、第三の液体冷却ジェネレータを有するシステムを設置してもよい。しかしながら、4つ、5つ、又はそれ以上の液体冷却ジェネレータを有するシステムも、困難なしに、作製することができる。
【0074】
(冷却されたモリブデン含有溶液を製造する方法)
一実施形態において、本開示は、冷却されたモリブデン活性化溶液の製造方法に関する。本方法は、一実施形態において、ソース液体溶液をジェネレータに通過させ、それによってモリブデン活性化溶液を生成するステップを含んでもよい。本開示の方法及びシステムで製造されるモリブデン活性化溶液は、液体内に比較的高い濃度のモリブデン、又は高められた濃度のモリブデンを含んでもよく、モリブデンは液体内で安定であってもよい。
【0075】
本方法の1つのステップにおいて、吸熱反応を開始し得るジェネレータにソース液体溶液を通過させてもよい。ソース液体は、適切な圧力で通過させてもよい。図9図10に示すシステムの好適な圧力は、約3.2バールであってもよい。圧力は、約4バールであってもよく、最大圧力は、約8バールであってもよい。
【0076】
最初の処理時に水が2°F~4°Fの間にまで冷却する吸熱反応は、水自体の中でのエネルギー変換を示している。
【0077】
要素の臨界材料は、単一の金属、好ましくは耐食性金属、例えば、316L又は317L等のステンレス鋼300系から製造することができる。要素/ディスク160を通過する際の水の剪断作用によって生成される臨界イオンは、吸熱反応を起こす際に触媒として作用する。
【0078】
反応は、ジェネレータ内の直列の要素上の臨界圧力での水流のエネルギーによって開始されてもよい。ジェネレータ内には、少なくとも2つの要素があってもよい。一実施形態では、小型ジェネレータには合計21の要素があり、大型ジェネレータには25の要素があってもよい。要素が25より多いことも可能である。
【0079】
ジェネレータ内の各要素は、剪断面として作用してもよく、剪断面の表面全体が利用されるように、液体溶液の流れに対して実質的に垂直に配置されてもよい。
【0080】
ジェネレータ内の要素間の間隔も、適切なキャビテーションの程度があることを保証するように調整されてもよい。一実施形態では、2つの隣接するディスクの間の空間は、ディスクの幅の約2倍である。
【0081】
図8を参照すると、液体(図8の太い矢印で表される)がキャビテーションゾーン又はチャンバ190に入ると、キャビテーション、電気分解、ナノバブル形成、及び水液構造の再組織化を含む多くの反応が実質的に同時に起こっている可能性がある。
【0082】
液体溶液がジェネレータを通って流れるとき、前述した同時反応を、式n-1回(ここで、「n」はハウジング110内のディスク状要素160の数)に従って順次反復して、溶液の運動エネルギー周波数を増加させてもよい。
【0083】
本開示で結果として得られるモリブデン活性化液体溶液は、液体又は水が後に使用される、又は使用されている全てのものに影響を与え得る常磁性の品質を向上させた。これは、洗浄特性、蒸気及び氷の製造、熱伝導、及び水を汲み上げるのに必要なエネルギーさえも変化させる可能性がある。これは、スケーリング、バイオフィルム及び生物付着を減少させ、水が油脂と相互作用する方法を変える可能性がある。
【0084】
本開示の方法は、酸化還元電位(ORP)のような重要な特性を変化させる。既存の化学濃度の能力を超えてORPを上昇させることにより、本開示の方法は、除菌剤の有効性を実質的に高める。本開示のシステム及び方法は、浮遊性生物を瞬時に殺すのに十分な約650mVを超えて、ORPを上昇させることができる。
【0085】
研究によって、650~700mVのORP値で、自由浮遊腐敗及び腐敗細菌も、大腸菌(O157:H7)又はサルモネラ種のような病原性細菌も30秒以内に死滅することが示された。腐敗酵母及びより敏感な芽胞形成菌も、数分以内の接触後に、このレベルで死滅した。
【0086】
WHO(世界保健機関)は、飲料水の殺菌に用いるORPの基準として650mVを採択した。水のORP測定値が650/1000mVを示すとき、水中の除菌剤は、ほぼ瞬時に有害生物を破壊するのに十分な活性を有する。
【0087】
本開示のモリブデン活性化処理済液体は、液体内の油、酵素、フェノール及び他の不純物を除去することによって、表面を整えてもよい。モリブデン活性化液体は、液体の溶解性を向上させ、表面へのバイオフィルムの付着を抑止するのに役立つ新しいタイプの潤滑剤を生成する。上記の効果の組み合わせにより、除菌された表面/システムを作り出す。
【0088】
また、本開示の方法は、pHにプラスの影響を与え、水又は液体の溶解効果を増大させてもよい。操作のためには、水又は液体の圧力のみが必要とされ得る。
【0089】
(冷却されたモリブデン含有液体溶液)
ジェネレータの処理部分は、そこを通過する液体を冷却する効果がある。その結果、処理済液体は、ジェネレータを通過した後、ジェネレータから出るときに温度が下がる。この温度低下は、1°F~4°Fの間の範囲であってよく、典型的には約2°F~約4°F以上の間である。ジェネレータの処理部分を出た処理済液体は、比較的高濃度のモリブデンを含んでいる。特定の理論に束縛されることなく、液体内のモリブデンは、上述のように、約3重量%~約4重量%以上のモリブデンを含むディスク状要素の組成に由来すると考えられている。さらに、上述したように、鋳造プロセスで生じたスケール又は不純物は、ディスク状要素の表面から機械加工又は研磨で除去される。これにより、液体がジェネレータを通過してディスク状要素の表面に接触する際に、ディスク状要素から一定量のモリブデン核が浸食されて処理済液体に入り込む。つまり、ディスク状要素の表面は機械加工又は研磨されているため、ディスク状要素の金属が露出し、処理済液体との反応に利用できるようになるのである。このモリブデン核の侵食は、オングストロームレベルで起こる。したがって、ディスク状要素は、モリブデン含有構造体として記述することができる。液体冷却ジェネレータは、処理済液体へのモリブデンの移動を可能にする機械加工又は研磨された表面を有し得るモリブデン含有構造体として記述され得る他の構造構成要素を含み得ることがさらに企図されている。モリブデンが処理済液体に導入されると、処理済液体はモリブデン活性化される。モリブデン活性化とは、モリブデンが処理済液体中に存在し、液体中の特定の不純物と電気化学的な酸化反応を起こすことができるようになることを意味する。処理済液体内に存在する不純物には、油、酵素、及びフェノールが含まれるが、これらに限定されない。化学的なレベルでは、液体(例えば、水)内のモリブデンは、水中の特定の酵素と反応してニトロゲナーゼを形成すると考えられている。ニトロゲナーゼは、液体(例えば、水)内に微量に存在する不純物(例えば、油、フェノール及び酵素)をプロトン化して、還元する一連のステップを引き起こし、液体内の不純物の窒素固定をもたらす。モリブデンによる液体中の窒素固定は吸熱反応を起こし、処理済液体全体の温度を下げると考えられている。また、モリブデンは有機化合物(酵素等)の酸化、特に窒素含有有機化合物の酸化の触媒として作用し、金属の表面で非常に強力な電気化学的吸熱反応を起こすと考えられている。こうして、冷却効果が得られる。次に、処理済液体をフィルタ(例えば、逆浸透膜)に通して、液体内のこれらの不純物を除去してもよい。次に、この液体をシステム内の第二のモリブデン活性化液体冷却ジェネレータに通して、処理済液体の更なる精製して、冷却することができる。
【0090】
本開示のジェネレータ、システム及び方法によって、上述の冶金反応を通じて処理済液体内に導入されたモリブデンは安定であり、容易に沈降せず、一般に、溶液を撹拌することなく長期間にわたって懸濁状態で留まる。モリブデンは、処理済液体内の酵素、フェノール、油及び他の不純物内で電気化学的に反応し、これにより、これらの不純物を、その後の濾過ステップを通じて、処理済液体から除去することができる。処理済液体は、約1年前後の寿命を有し、機械加工又は研磨されたディスク状要素は、長年の使用(例えば、10年以上)に耐えるのに十分な耐久性を有している。
【0091】
本明細書に開示される本液体処理システムを、本出願人の以前のナノバブルプロセッサ及び標準的な都市水浄化システムと比較した冷却効果の改善例を、以下の表に示す。すべての温度は、華氏で測定される。
【0092】
(表5)
【表5】
【0093】
(表6)
【表6】
【0094】
モリブデン活性化液体冷却ジェネレータを含む液体処理システムの浄化特性が向上した例を以下の表に示す。この表は、10,000ガロンの水と油のシステムから得られた試験結果を示している。
【0095】
(表7)
【表7】
【0096】
その後、1回の炭素濾過ですべての化学物質が10ppm以下に減少した。これは、極性が増加したため、より効率的に炭素濾過ができるようになったことを示している。
【0097】
これは、化学物質を添加せずに、汚染された水をバイパスモードで4%モリブデンプロセッサに流すことで達成された。
【0098】
現在、化学物質の酸化は、モリブデンが閉鎖系にある少量の酸素と触媒として作用し、非常に強力な酸化化学種を形成しているという理論が有力である。オゾンよりも強力で持続性があり、大きな効果を発揮するようである。
【0099】
また、4%モリブデンプロセッサは、水中のポリスチレンベースの柔軟剤樹脂を完全に溶解させることができることも示されている。
【0100】
要約すると、ディスク状要素の表面反応により、水中に以下のような特性を有するモリブデン活性化溶液が形成される。
・流体の冷却性向上
・潤滑性の向上
・トルエン、アセトン、ベンゼン、フェノールとの還元反応と流体の全体的な冷却性
・透明で疎水性と撥油性を併せ持ち、油等の不純物の付着や汚れを防止する表面化学種コーティングの生成
・機械加工において、潤滑油が表面に付着することはない。冷却液のこの透明な化学種は、油及び水を機械加工された表面から遠ざける。
・潤滑性を測定したときの液体(水等)には、大きな摩擦低減効果がある。逆浸透膜ユニットの性能を向上させることができる。
【0101】
(用途)
本明細書に開示される液体吸熱冷却ジェネレータ及びモリブデン活性化液体生成システムは、多数の液体システムにおいて、細菌及び微生物を除去し、液体の過剰品質を高めるために使用されてもよい。以下により詳細に説明するこれらの液体システムは、水加熱器、水冷却器、飲料水システム、食品加工設定、分子浄化、家庭用水濾過システム、衛生設定、水軟化器、イオン交換器、及び医療、歯科、及び工業用水供給ライン、蒸気補助重力排水(SAGO)等を含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0102】
(水加熱システム)
液体吸熱冷却ジェネレータは、様々な水加熱システムと一体化してもよい。液体吸熱冷却ジェネレータを備えた水加熱システムによって処理された水は、水中の細菌及び微生物を除去することができるので、水加熱システムの伝熱効率を向上させることができる。本発明システムの恩恵を受ける液体加熱システムとしては、連続式水加熱器、ガス燃料給湯槽型ヒータ、電気給湯槽型ヒータ、給湯槽用再循環温水システム、連続式水加熱器、地域暖房システム、床暖房システム、温水及び/又は蒸気を利用する熱交換器、あるいは天然又は合成のホットオイル等の熱伝達液体との組み合わせを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0103】
(水冷却システム)
液体吸熱冷却ジェネレータシステムは、様々な水冷却システムと一体化してもよい。液体吸熱冷却ジェネレータシステムを備える水冷却システムによって処理された水が、液体中の細菌及び微生物を除去することができるので、冷却移動効率を向上させ得ることが、予想外に発見された。水冷却システムには、連続水冷却器、冷蔵庫、ガス及び電気燃焼蒸発器、冷却パッド、湿式フィルム蒸発器、蒸発冷却システム、地熱源冷却システム、湖水又は河川水冷却システム、湖、地表、河川、海の水の熱交換冷却システム、地域冷却システム、再循環冷却システム、床冷却システム、冷却塔のすべてのタイプ及びモデル、ボイラー、砂糖プラントの調理鍋、製紙工場、石油精製プラント、鉱業プラント、石炭、ガス、石油、バイオマス、原子力等の発電所等を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0104】
(飲料水システム)
液体吸熱冷却ジェネレータは、様々な飲料水システムと一体化することができる。液体吸熱冷却ジェネレータを組み込んだシステムで処理された水は、水中の細菌及び微生物を除去し、水質を向上させ、それによって、様々な配管システムにおけるバイオフィルムの形成を防止し、水の味を改善できることが明らかになった。飲料水システムには、井戸、泉、池、湖、川等を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0105】
(食品加工産業)
液体吸熱冷却ジェネレータを組み込んだシステムで処理した水は、生鮮食品の保存に必要な最小限の塩素(5ppm以下)を添加することで殺菌剤として機能することができる。この処理済水は、バイオフィルム形成を妨げるので、食品衛生、生産コストの低減、保存性の向上等に利用することができる。さらに、水の表面張力が低いほど処理済水の溶解性が高まるため、液体冷却装置を組み込んだシステムで処理すると、茶及びコーヒーのオイルの収量を大幅に向上させる。
【0106】
(公衆衛生用途)
液体吸熱冷却ジェネレータ及びモリブデン活性化液体製造システムは、スイミングプール、高圧洗浄機、洗車機、家庭用洗濯機、商業用ランドリー施設、家庭用及び商業用食洗設備等の公衆衛生システムと一体化することができる。
【0107】
(水処理用途)
液体吸熱冷却ジェネレータ及びモリブデン活性化液体製造システムは、軟水器、イオン交換器、塩素、二酸化塩素、過酸化水素、オゾン等を利用するすべての膜及びフィルタのシステム等の水処理用途と一体化することができる。
【0108】
(医療産業)
液体吸熱冷却ジェネレータ及びモリブデン活性化液体製造システムは、医療用システムと一体化することができ、システムは、一般的に入浴、スパ、日常使用による皮膚治療、カルシウムの吸収改善、歯及び状態の改善、医療、歯科、工業用水ライン等に関連した用途に有用である。
【0109】
(家庭用水濾過システム)
液体吸熱冷却ジェネレータ及びモリブデン活性化液体製造システムは、一般家庭で使用してもよく、上述したように、当該技術分野で知られている任意の濾過デバイスと一体化してもよい。
【0110】
(本開示のシステム及び方法を組み込んだデバイス)
本開示の方法、ジェネレータ及びシステムは、既存のデバイス及び液体分配システム、例えば、連続式水加熱器、ガス燃料給湯槽型ヒータ、電気給湯槽型ヒータ、給湯槽用再循環温水システム、連続式水加熱器、地域暖房システム、床暖房システム、温水及び/又は蒸気を利用する熱交換器、あるいは天然又は合成のホットオイル等の熱伝達液体との組み合わせ等を含むが、これらに限定されない水冷却システムと、連続水冷却器、冷蔵庫、ガス及び電気燃焼蒸発器、冷却パッド、湿式フィルム蒸発器、蒸発冷却システム、地熱源冷却システム、湖水又は河川水冷却システム、湖、地表、河川、海の水の熱交換冷却システム、地域冷却システム、再循環冷却システム、床冷却システム、冷却塔のすべてのタイプ及びモデル、ボイラー、砂糖プラントの調理鍋、製紙工場、石油精製プラント、鉱業プラント、石炭、ガス、石油、バイオマス、原子力等の発電所等を含むが、これらに限定されない水冷却システムと、井戸、泉、池、湖、川等を含むが、これらに限定されない飲料水システムと、コーヒー及び茶等の食品加工用途と、スイミングプール、高圧洗浄機、洗車機、家庭用洗濯機、商業用ランドリー施設、家庭用食洗器及び商業用食洗設備等を含むが、これらに限定されない公衆衛生システムと、軟水器、イオン交換器、塩素、二酸化塩素、過酸化水素、オゾン等を利用するすべての膜及びフィルタのシステム等と、入浴、スパ、日常使用による皮膚治療、カルシウムの吸収改善、歯及び状態の改善と、医療、歯科、工業用水ラインと、任意の家庭用水濾過システムと、組み合わせて、又はそれらに後付けして使用できることは明らかである。
【0111】
(農場)
液体吸熱冷却ジェネレータ/モリブデン活性化液体製造システムで処理した水を与えられた動物は、アンモニアの少ない糞をする(アンモニアは有機窒素に変換された)。メタン又は硫化水素を発生させることなく、肥料を変化させ安定させることができる。処理した肥料を作物に施用すると、収量が向上し、カビに強くなり、根が丈夫になり、害虫に強くなり、微量毒素が極めて少なくなることが期待される。畑の作物はより乾燥に強くなり、水と空気の界面によって植物は空気中の水分をより容易に吸収することができ、乳製品は好気性で保存期間がはるかに長くなり、水はリステリア菌を破壊できる可能性がある。
【0112】
(水性塗料)
モリブデン活性化液体溶液で製造された塗料は、乾燥時間が早く、揮発性有機化合物が少なくなる可能性がある。接着性が向上するため、塗料の消費量が減少する可能性がある。塗料は、耐カビ性があり、明るい外観を示し、よりスムーズに乾燥する可能性がある。
【0113】
(飲料プラント)
モリブデン活性化水は、飲料施設のボトル冷却トンネルで1年以上CIP(定置洗浄)が必要だったが、それに取って代わり、コンベヤ上に処理水を噴霧すると、数日でバイオフィルムが除去された。
【0114】
(家禽加工プラント)
液体吸熱モリブデン活性化冷却システムで処理された水を煮沸消毒器(scalder)で使用すると、温度を下げることができ、トリが著しくきれいに出てくるようになる。
【0115】
鶏肉冷却機で処理済水を使用すると、同じ冷凍量でトリの温度をより低くすることができる。また、化学物質はより効果的で、病原体の数が劇的に減少することが実証されている。
【0116】
(タンパク質粉末からの重金属除去)
本明細書に開示されたシステム及び方法で生成されたモリブデン活性化水は、タンパク質から、鉄、鉛、マンガン、ヒ素等の重金属を接触により分離する。この反応は実質的に瞬間的であり、浄化器又は遠心分離器のいずれでも使用することができる。飲料に添加されたタンパク質は、モリブデン活性化水によって自然にカプセル化され、コロイド分散液として、より安定に保存できるようになる。
【0117】
得られた乾燥タンパク質材料は、処理済水の方法論に加えた場合、茶、コーヒー、フルーツ濃縮物を含む乾燥飲料材料、薬、医薬品、デンプン、糖類、チョコレートミックス、全てのフレーバーミックス、及びひき肉を含む全ての食品に使用することが可能である。
【0118】
このように、別の実施形態では、タンパク質粉末から重金属を除去/分離する方法が開示され、この方法は、タンパク質粉末を適切なモリブデン活性化水と接触させ、それによって、タンパク質粉末から重金属を除去/分離することを含む。
【0119】
また、粉末タンパク質から重金属を除去/分離する方法は、未粉砕のタンパク質含有材料を水のように適切なモリブデン活性化液体に予備浸漬するステップと、予備浸漬した材料を乾燥するステップと、タンパク質含有材料を粉砕し、例えば、材料を70~100メッシュサイズに粉砕するステップと、粉砕したタンパク質含有材料をモリブデン活性化液体中で再洗浄するステップと、それによって、粉砕したタンパク質含有材料と重金属を分離させるステップも含んでもよい。また、本方法は、湿潤タンパク質含有材料を噴霧乾燥するステップと、乾燥させたタンパク質含有材料を再粉砕するステップと、乾燥タンパク質含有材料を再洗浄して、より細かい重金属を分離するステップと、タンパク質含有材料を噴霧乾燥するステップ、又は代替乾燥方法を使用するステップと、を含んでもよい。本明細書に記載された方法によって得られたタンパク質は、重金属を実質的に含まないものとなる。それによって分離された重金属は、その後、販売されても、あるいは他の用途で使用されてもよい。
【0120】
(超殺菌)
微生物(細菌、真菌、原生動物、及び関連するバクテリオファージ及びその他のウイルス)は、生物的又は非生物的な表面上で接着性ポリマー(主にEPS)の中で集合的に増殖し、バイオフィルムを形成することができる。バイオフィルムは自然環境及び産業環境に遍在しており、バイオフィルムは抗生物質及び殺生物剤の存在等の厳しい環境からヒト病原体を含む微生物を守ることができるため、多くの微生物にとって主要な生息場所であると考えられるようになっている(3,4,6)。バイオフィルムは、船体、食品加工システム、水中石油プラットフォーム、配管及び冷却塔の内部等、多くの表面を日常的に汚染し、腐食及び金属部品の故障を引き起こすことは、産業界ではよく知られている。浄水システムにおけるバイオフィルムは、水質や運転上の広範な問題の原因となる可能性がある。バイオフィルムは、残留消毒剤の損失、膜の生物付着、処理済水中の微生物再増殖の原因となり、特に、バイオフィルムはシステム内の病原性細菌のリザーバとなり得る(1,5,8)。そのため、バイオフィルムは、一般的な方法では根絶することが非常に難しいので、産業界と医療界との両方で、広範な問題に関連している。
【0121】
バイオフィルムの発生を制御する(すなわち、バイオフィルムの形成を防ぎ、定着したバイオフィルムを根絶する)ための新しいアプローチの開発に、膨大な研究が注がれてきた。これまでにも、表面改質、化学的殺菌剤、その他の物理的・化学的手法が開発され、様々な環境でバイオフィルムの発生を制御するために適用されてきたが、結果は満足のいくものではなく、これらの方法の中には環境に優しくなく、人間の健康に悪影響を与えるものもある(2,9)。バイオフィルム制御のための効果的で環境に優しい新たなアプローチは、依然として緊急に必要である。
【0122】
モリブデン活性化液体溶液は、化学物質の添加の有無にかかわらず、バイオフィルムの形成を防止すること、及び/又はバイオフィルムを溶解することができる。
【0123】
(空気の殺菌及び濾過)
モリブデン活性化液体溶液の常磁性を利用して、建物内の空気中に存在するカビを除去することができる。
【0124】
トイレのアンモニアは、男性用小便器で接触すると、有機窒素に変換され、アンモニア蒸気を除去することができる。
【0125】
ガラス、木材、タイル、金属等あらゆる表面のバイオフィルムを含むホコリを低減することができる。
【0126】
(アルコール製造)
液体吸熱冷却ジェネレータで処理した水を使用することにより、ワインの発酵時間を50%以上短縮することができる。
【0127】
エタノール及び/又はメタノールの製造に必要なエネルギーは、少なくてもよい。エタノールの製造に必要なエネルギーは、最大で約17%少なくてもよい。
【0128】
モリブデン活性化水をアルコールの希釈に使用すると、アルコールの化学的性質が変化し、より滑らかな味になる。
【0129】
モリブデン活性化液体製造システムは、日本酒、ウォッカ、スコッチ、ラム、ライ、ジン、ブランデー、コニャック、テキーラ、メスカル、ワイン、ビール等のアルコール飲料の製造に使用することができる。
【0130】
(製氷)
VogtTM業務用製氷機は、より硬く、より多くの氷をより短時間で作ることが可能である。
【0131】
(水の加熱)
より少ないエネルギーで水を加熱・乾燥させ、表面から蒸発させることができ、場合によっては、最大で約30%速くなる。
【0132】
(発電所での用途)
蒸気・火力発電所では、熱伝達の改善、膜の生物付着防止、水の潤滑性の向上により、効率の改善が期待できる。
【0133】
冷却水を用いる蒸気タービンでの凝縮は、冷却塔を用いた閉鎖ループが可能であり、効率も大幅に向上する。
【0134】
(海上輸送)
モリブデン活性化液体溶液は、処理済水による船体の摩擦を低減することができる。
【0135】
(洗浄デバイス)
液体吸熱冷却ジェネレータ/モリブデン活性化液体製造システムは、高圧洗浄機、洗車機、ランドリー、カーペット洗浄、蒸気洗浄、温水洗浄に使用してもよい。
【0136】
その他の用途には、植物油に水素ガスを注入して、触媒作用を抑制し、油の品質を向上させること、メタンを生成するためにバイオリアクターで使用すること、廃棄水中の塩化第二鉄を、廃棄水の好気性条件と廃棄水の中性pHによって除去すること(現在、これは糞尿溜めで実証済みで、食品製造施設で検証中である。また、再利用水による冷却トンネルのでも検証されている)が含まれる。
【0137】
モリブデン活性化液体溶液は、以下のような物品に使用してもよい。
1)ボトルウォーター、炭酸水、コロン水、飲料水、発泡性水、炭酸入りでない水、フレーバーウォーター、氷河水、氷山水、ミネラルウォーター、スパークリングウォーター、化粧水、ビタミン強化水、ウォーターベッド、スパ、バス、ジャグジー、及びスイミングプール用の水、家畜及びペットの餌用の水、野菜、植物、樹木、作物の灌漑用の水、溶剤製造用の水、塗料製造用の水、タンパク質の精製用の水、及び洗剤製造用の水を含む、水及び水関連品。
2)牛乳、牛乳製品、無糖練乳、タンパク質強化牛乳、牛乳入りココア飲料、フルーツ入り乳飲料、チーズ、サワークリーム、粉乳、バター、クリーム、チーズスプレッド、大豆ベースのチーズ代替品、生クリーム、ホイップクリーム、アイスクリーム、アイスクリームメーカー、大豆ベースのアイスクリーム代替品を含む、乳製品。
3)アルコールカクテル、アルコールコーヒーベースの飲料、アルコールクーラー、アルコール果実飲料、アルコールレモネード、アルコールモルトベースのクーラー、ビール、アルコール茶ベースの飲料、日本酒、ウォッカ、スコッチ、ラム、ライ、ジン、ブランデー、コニャック、テキーラ、メスカル、ワインを含む、アルコール飲料。
4)氷、アイスキューブメーカー、アイスパック、産業用氷を含む、氷関連製品。
5)牛肉、豚肉、魚、鶏肉、冷凍肉、燻製肉、缶詰肉を含む、肉類。
6)気泡入り歯磨き粉、洗口液、デンタルフロス、デンタルジェル、デンタルリンス、及び義歯洗浄剤を含む、歯科産業。
7)洗眼剤、化粧品製造に使用する水、医薬品及び薬用製品の製造に使用する水を含む、医薬品/化粧品産業。
8)蒸気発生器、蒸気製造用の水、石油鉱床からの油抽出用の蒸気、蒸気補助重力排水サービス用の蒸気を含む、蒸気。
9)万能洗浄剤、カーペット洗浄剤、蒸気衛生用水及び蒸気洗浄用水、衛生用水、水性塗料を含む、洗浄。
10)防錆油、油井産業用研磨剤に使用する補助流体、ベビーオイル、バスオイル、植物油・鉱物油・動物油、石油処理に使用する触媒、油井掘削流体用の化学添加剤、料理用の油、油井及びガス井用の掘削粒来、油井掘削用の掘削泥、食用油、燃料油及びガソリン製造、加熱油、ガス及び石油産業用高圧ウォータージェットシステム、工業用油、変圧器用絶縁油、モータオイル、モータオイル添加剤、ろうそく製造に使用する油、化粧品製造に使用する油、塗料製造に使用する油、木材用摩擦油、石油ゼリー、ディーゼル燃料、航空燃料、燃料添加物、及び家庭暖房用燃料を含む、油類。
11)タンパク質、食品添加物として使用するタンパク質、食品フィラーとして使用するタンパク質、栄養補助食品、水処理された動植物性タンパク質。
【0138】
モリブデン活性化液体溶液は、食品用のフレーバー及びエキスを保存することができる。フレーバー、フレグランス等のカプセル化は、食品及び飲料の外観を向上又は変更する役割を果たすことがある。保存料として使用することで、ビタミン、ミネラル、タンパク質を添加することにより、自然の栄養価を回復させる。
【0139】
モリブデン活性化液体溶液は、食用のトリの巣に見られる汚染物質を洗浄して除去するために、例えば、羽毛、真菌、硝酸塩、亜硝酸塩等の除去に使用することができる。モリブデン活性化液体溶液によって、トリの巣は、その巣の元の外観を維持し、その栄養及びエキスを保持しながら、そのような汚染物質を手で除去するのに、より適したものとなる。
【0140】
モリブデン活性化液体溶液は、廃水処理、上下水道管理、水処理、食品衛生、カーペット洗浄、建物の洗浄、おむつ洗浄、ドライ洗浄、毛皮洗浄、宝石洗浄、革洗浄、リグ洗浄、窓洗浄、プール洗浄、自動車(車、トラック、バス、自転車、バイク等)洗浄、列車洗浄、船舶洗浄、飛行機洗浄、油井及びガス井処理、石油精製、燃料処理、蒸気補助重力排水を含むプロセスでも使用してもよい。
【0141】
条項1によれば、液体冷却ジェネレータが提供され、液体冷却ジェネレータは、ソース液体溶液を受け入れるための流入部分と、前記ソース液体溶液を処理するための処理部分であって、前記処理部分がモリブデン含有構造体を備え、前記モリブデン含有構造体がモリブデンを含む耐食性合金で作られており、前記モリブデン含有構造体が、鋳造プロセスからのスケールを除去するために機械加工又は研磨されている、処理部分と、処理済液体溶液を流出させるための流出部分と、を有するハウジングを備え、前記処理部分が、キャビテーション空間によって分離された少なくとも2つの接触面平面を備え、前記ソース液体が前記モリブデン含有構造体と接触すると、吸熱的電気化学的酸化反応が起こり、その結果、前記液体溶液が冷却される。
【0142】
条項2によれば、条項1に記載の液体冷却ジェネレータが提供され、前記モリブデン含有構造体が、前記ハウジングを通って軸方向に延びるシャフトに取り付けられた少なくとも2つのディスク状要素を備え、前記ディスク状要素が距離によって分離され、各ディスク状要素が、前記流入部分に面する第一の壁、前記流出部分に面する第二の壁、及び前記第一の壁と前記第二の壁の間に延びる周壁を有し、前記ディスク状要素はシャフトに取り付けられ、前記ディスク状要素は任意の幾何学的形状からなってもよく、前記ディスク状要素間の前記距離はキャビテーション空間を提供し、前記接触面平面は、前記鋳造プロセスからのスケールを除去するために機械加工又は研磨される前記ディスク状要素上の表面を形成する。
【0143】
条項3によれば、条項1又は2に記載の液体冷却ジェネレータが提供され、前記ディスク状要素は、約1.0重量%以上のモリブデン、約1.5重量%以上のモリブデン、約3.0重量%~約4.0重量%のモリブデン、約4.0重量%~約4.5重量%のモリブデン、約4.0重量%~約5.0重量%のモリブデン、約5.0重量%~約6.0重量%のモリブデン、約6.0重量%~約7.0重量%のモリブデン、約7.0重量%~約8.0重量%のモリブデン、約8.0重量%~約9.0重量%のモリブデン、約9.0重量%~約10.0%重量%のモリブデン、約10.0重量%~約15.0重量%のモリブデン、約15.0重量%~約20.0%重量%のモリブデン、約20.0重量%~約25.0重量%のモリブデン、約25.0重量%~約30.0%重量%のモリブデン、約30.0重量%~約35.0重量%のモリブデン、約35.0重量%~約40.0%重量%のモリブデン、約0.5重量%~約40.0重量%のモリブデン、又は約40.0%重量%までのモリブデンを含む金属合金で作られる。
【0144】
条項4によれば、条項1~3のいずれか一条項に記載の液体冷却ジェネレータが提供され、前記ディスク状要素の前記金属合金は、さらに、約5.0重量%以上のニッケル、約10.0重量%以上のニッケル、約15.0重量%以上のニッケル、約20.0重量%以上のニッケル、約25.0重量%以上のニッケル、約5.0重量%~約10.0重量%のニッケル、約10.0重量%~約15.0重量%のニッケル、約15.0重量%~約20.0重量%のニッケル、又は約20.0重量%~約25.0重量%のニッケルを含む。
【0145】
条項5によれば、条項1~4のいずれか一条項に記載の液体冷却ジェネレータが提供され、前記金属合金は、316Lステンレス鋼、317Lステンレス鋼、又は904Lステンレス鋼である。
【0146】
条項6によれば、条項1~5のいずれか一条項に記載の液体冷却ジェネレータが提供され、前記ディスク状要素が前記鋳造プロセスからのミリングスケールを含み、誘電体汚染物質を含む前記ミリングスケールの100%が前記ディスク状要素の表面から除去される。
【0147】
条項7によれば、条項1~6のいずれか一条項に記載の液体冷却ジェネレータが提供され.前記ディスク状要素が、金属汚染物質を含まない非イオン性サンディンググリットで機械加工又は研磨される。
【0148】
条項8によれば、条項1~7のいずれか一条項に記載の液体冷却ジェネレータが提供され、前記ディスク状要素内の少なくとも1つのエッジがウォータージェット切断される。
【0149】
条項9によれば、条項1~8のいずれか一条項に記載の液体冷却ジェネレータが提供され、前記液体冷却ジェネレータが2つ以上30以下のディスク状要素を含む。
【0150】
条項10によれば、モリブデン活性化液体溶液生成が提供され、前記モリブデン活性化液体溶液生成は、
(a)少なくとも1つの液体冷却ジェネレータであって、各液体冷却ジェネレータが、ソース液体溶液を受け入れるための流入部分と、前記ソース液体溶液を処理するための処理部分と、冷却されたモリブデン活性化処理液体溶液を放出するための流出部分と、を備え、前記処理部分がキャビテーション空間によって分離された少なくとも2つの逐次剪断面を備え、前記剪断面は、モリブデンを含む耐腐食性合金で作られ、前記剪断面は、鋳造プロセスからのスケールを除去するために機械加工又は研磨される、少なくとも1つの液体冷却ジェネレータと、
(b)前記液体冷却ジェネレータの前記流入部分と液体連通している前記液体溶液のソースと、
を含む。
【0151】
条項11によれば、条項10に記載のモリブデン活性化液体溶液生成システムが提供され、前記液体冷却ジェネレータは、前記ハウジングを通って軸方向に延びるシャフトに取り付けられた少なくとも2つのディスク状要素を含み、前記ディスク状要素は、距離だけ離れて、剪断面を含み、各ディスク状要素は、前記流入部分に面する第一の壁、前記流出部分に面する第二の壁、及び前記第一の壁と前記第二の壁との間に延びる周壁と、を有し、前記ディスク状要素はシャフトに取り付けられ、前記ディスク状要素は任意の幾何学的形状からなってもよく、前記ディスク状要素間の前記距離はキャビテーション空間を提供し、前記剪断面は、前記鋳造プロセスからのスケールを除去するために機械加工又は研磨される前記ディスク状要素上の表面を形成する。
【0152】
条項12によれば、条項11に記載のモリブデン活性化液体溶液生成システムが提供され、前記システムは、ソース液体前処理システム、高ゼータ電位結晶ジェネレータ、前濾過システム、少なくとも1つの濾過デバイス、又はそれらの任意の組み合わせの1つ以上の構成要素を含む。
【0153】
条項13によれば、条項10~12のいずれか一条項に記載のモリブデン活性化液体溶液生成システムが提供され、前記液体冷却ジェネレータと前記液体の前記ソースとが液体連通している。
【0154】
条項14によれば、条項10~13のいずれか一条項に記載のモリブデン活性化液体溶液生成システムが提供され、前記液体冷却ジェネレータと前記液体の前記ソースとが液体連通している。他の実施形態において、前記ディスク状要素は、約1.0重量%以上のモリブデン、約1.5重量%以上のモリブデン、約3.0重量%~約4.0重量%のモリブデン、約4.0重量%~約4.5重量%のモリブデン、約4.0重量%~約5.0重量%のモリブデン、約5.0重量%~約6.0重量%のモリブデン、約6.0重量%~約7.0重量%のモリブデン、約7.0重量%~約8.0重量%のモリブデン、約8.0重量%~約9.0重量%のモリブデン、約9.0重量%~約10.0%重量%のモリブデン、約10.0重量%~約15.0重量%のモリブデン、約15.0重量%~約20.0%重量%のモリブデン、約20.0重量%~約25.0重量%のモリブデン、約25.0重量%~約30.0%重量%のモリブデン、約30.0重量%~約35.0重量%のモリブデン、約35.0重量%~約40.0%重量%のモリブデン、約0.5重量%~約40.0重量%のモリブデン、又は約40.0%重量%までのモリブデンを含む金属合金で作られる。
【0155】
条項15によれば、条項10~14のいずれか一条項に記載のモリブデン活性化液体冷却生成システムが提供され、前記ディスク状要素の前記金属合金は、さらに、約5.0重量%以上のニッケル、約10.0重量%以上のニッケル、約15.0重量%以上のニッケル、約20.0重量%以上のニッケル、約25.0重量%以上のニッケル、約5.0重量%~約10.0重量%のニッケル、約10.0重量%~約15.0重量%のニッケル、約15.0重量%~約20.0重量%のニッケル、又は約20.0重量%~約25.0重量%のニッケルを含む。
【0156】
条項16によれば、条項10~15のいずれか一条項に記載の液体冷却ジェネレータが提供され、前記金属合金は、316Lステンレス鋼、317Lステンレス鋼、又は904Lステンレス鋼である。
【0157】
条項17によれば、条項10~16のいずれか一条項に記載の液体冷却ジェネレータが提供され、前記ディスク状要素が前記鋳造プロセスからのミリングスケールを含み、誘電体汚染物質を含む前記ミリングスケールの100%が前記ディスク状要素の表面から除去される。
【0158】
条項18によれば、条項10~17のいずれか一条項に記載のモリブデン活性化液体冷却生成システムが提供され.前記ディスク状要素は、金属汚染物質を含まない非イオン性サンディンググリットで機械加工又は研磨される。
【0159】
条項19によれば、条項10~18のいずれか一条項に記載のモリブデン活性化液体冷却生成システムが提供され、前記ディスク状要素内の少なくとも1つのエッジがウォータージェット切断される。
【0160】
条項20によれば、条項1~19のいずれか一条項に記載のモリブデン活性化液体冷却生成システムが提供され、前記液体冷却ジェネレータが2つ以上30以下のディスク状要素を含む。
【0161】
条項21によれば、モリブデン活性化液体溶液を製造する方法が提供され、前記方法は、
(a)ソース液体溶液を受け入れるための流入部分と、前記ソース液体溶液を処理するための処理部分と、冷却されたモリブデン活性化液体溶液を放出するための流出部分と、を備える液体冷却ジェネレータを提供するステップであって、前記処理部分がキャビテーション空間によって分離された少なくとも2つの逐次剪断面を備え、処理部分は前記ソース液体溶液を処理するためで、前記剪断面は、モリブデンを含む耐腐食性合金で作られ、前記剪断面は、鋳造プロセスからのスケールを除去するために機械加工又は研磨される、ステップと、
(b)前記ソース液体溶液を前記液体冷却ジェネレータに通し、それによって、モリブデンで活性化され、冷却された処理済液体溶液を生成するステップと、
を含む。
【0162】
条項22によれば、条項21に記載の方法が提供され、前記処理部分が、前記ハウジングを通って軸方向に延びるシャフトに取り付けられた少なくとも2つのディスク状要素を備え、前記ディスク状要素は、距離だけ離れ、各ディスク状要素は、前記流入部分に面する第一の壁、前記流出部分に面する第二の壁、及び前記第一の壁と前記第二の壁との間に延びる周壁と、を有し、前記ディスク状要素はシャフトに取り付けられ、前記ディスク状要素は任意の幾何学的形状からなり、前記ディスク状要素間の前記距離はキャビテーション空間を提供し、前記剪断面は、前記鋳造プロセスからのスケールを除去するために機械加工又は研磨される前記ディスク状要素上の表面を形成する。
【0163】
条項23によれば、条項21又は22に記載の方法が提供され、前記ディスク状要素は、約1.0重量%以上のモリブデン、約1.5重量%以上のモリブデン、約3.0重量%~約4.0重量%のモリブデン、約4.0重量%~約4.5重量%のモリブデン、約4.0重量%~約5.0重量%のモリブデン、約5.0重量%~約6.0重量%のモリブデン、約6.0重量%~約7.0重量%のモリブデン、約7.0重量%~約8.0重量%のモリブデン、約8.0重量%~約9.0重量%のモリブデン、約9.0重量%~約10.0%重量%のモリブデン、約10.0重量%~約15.0重量%のモリブデン、約15.0重量%~約20.0%重量%のモリブデン、約20.0重量%~約25.0重量%のモリブデン、約25.0重量%~約30.0%重量%のモリブデン、約30.0重量%~約35.0重量%のモリブデン、約35.0重量%~約40.0%重量%のモリブデン、約0.5重量%~約40.0重量%のモリブデン、又は約40.0%重量%までのモリブデンを含む金属合金で作られる。
【0164】
条項24によれば、条項21~23のいずれか一条項に記載の方法が提供され、前記ディスク状要素の前記金属合金は、さらに、約5重量%以上のニッケル、約10重量%以上のニッケル、約15重量%以上のニッケル、約20重量%以上のニッケル、約25重量%以上のニッケル、約5.0重量%~約10.0重量%のニッケル、約10.0重量%~約15.0重量%のニッケル、約15.0重量%~約20.0重量%のニッケル、又は約20.0重量%~約25.0重量%のニッケルを含む。
【0165】
条項25によれば、条項21~24のいずれか一条項に記載の方法が提供され、前記金属合金は、316Lステンレス鋼、317Lステンレス鋼、又は904Lステンレス鋼である。
【0166】
条項26によれば、条項21~25のいずれか一条項に記載の方法が提供され、前記ディスク状要素が前記鋳造プロセスからのミリングスケールを含み、誘電体汚染物質を含む前記ミリングスケールの100%が前記ディスク状要素の表面から除去される。
【0167】
条項27によれば、条項21~26のいずれか一条項に記載の方法が提供され.前記ディスク状要素は、金属汚染物質を含まない非イオン性サンディンググリットで機械加工又は研磨される。
【0168】
条項28によれば、条項21~27のいずれか一条項に記載の方法が提供され、前記ディスク状要素内の少なくとも1つのエッジがウォータージェット切断される。
【0169】
条項29によれば、条項21~27のいずれか一条項に記載の方法が提供され、前記液体冷却ジェネレータが2つ以上30以下のディスク状要素を含む。
【0170】
条項30によれば、液体冷却ジェネレータを製造する方法が提供され、前記方法は、
直列の2つ以上のディスク状要素を提供するステップであって、前記ディスク状要素がモリブデンを含む金属合金からなり、前記ディスク状要素が任意の幾何学的形状であり得る、ステップと、
前記鋳造プロセスからのスケールを除去するために、前記ディスク状要素を機械加工又は研磨するステップと、
前記ディスク状要素内に少なくとも1つの鋭いエッジを形成するために、前記ディスク状要素をウォータージェット切断するステップと、
前記直列の2つ以上のディスク状要素をシャフトに取り付けるステップであって、前記ディスク状要素が距離だけ離れており、前記ディスク状要素間の前記距離がキャビテーション空間を提供する、ステップと、
チャンバを提供するステップと、
前記シャフトに取り付けられた前記直列の2つ以上の逐次ディスク状要素を前記チャンバ内に挿入し、前記ディスク状要素が前記チャンバ内を軸方向に延びるようにするステップと、
を含む。
【0171】
条項31によれば、条項30に記載の方法が提供され、前記方法は、
前記チャンバ内で前記シャフトに取り付けられた前記直列の2つ以上の逐次ディスク状要素を、1つ以上の未処理液体を受け入れるための流入部分と、前記1つ以上の未処理液体を処理するための処理部分と、前記1つ以上の処理済液体を放出するための流出部分と、を有するハウジング内にフィットさせるステップであって、各ディスク状要素が、前記流入部分に面する第一の壁、前記流出部分に面する第二の壁、及び前記第一の壁と前記第二の壁の間に延びる周壁を有する、ステップを含む。
【0172】
条項32によれば、条項30又は31に記載の方法が提供され、前記ディスク状要素は、約1.0重量%以上のモリブデン、約1.5重量%以上のモリブデン、約3.0重量%~約4.0重量%のモリブデン、約4.0重量%~約4.5重量%のモリブデン、約4.0重量%~約5.0重量%のモリブデン、約5.0重量%~約6.0重量%のモリブデン、約6.0重量%~約7.0重量%のモリブデン、約7.0重量%~約8.0重量%のモリブデン、約8.0重量%~約9.0重量%のモリブデン、約9.0重量%~約10.0%重量%のモリブデン、約10.0重量%~約15.0重量%のモリブデン、約15.0重量%~約20.0%重量%のモリブデン、約20.0重量%~約25.0重量%のモリブデン、約25.0重量%~約30.0%重量%のモリブデン、約30.0重量%~約35.0重量%のモリブデン、約35.0重量%~約40.0%重量%のモリブデン、約0.5重量%~約40.0重量%のモリブデン、又は約40.0%重量%までのモリブデンを含む金属合金で作られる。
【0173】
条項33によれば、条項30~32のいずれか一条項に記載の方法が提供され、前記ディスク状要素の前記金属合金は、約5重量%以上のニッケル、約10重量%以上のニッケル、約15重量%以上のニッケル、約20重量%以上のニッケル、約25重量%以上のニッケル、約5.0重量%~約10.0重量%のニッケル、約10.0重量%~約15.0重量%のニッケル、約15.0重量%~約20.0重量%のニッケル、又は約20.0重量%~約25.0重量%のニッケルを含む。
【0174】
条項34によれば、条項30~33のいずれか一条項に記載の方法が提供され、前記ディスク状要素の前記金属合金が、316Lステンレス鋼、317Lステンレス鋼、又は904Lステンレス鋼からなる。
【0175】
条項35によれば、条項30~34のいずれか一条項に記載の方法が提供され、前記鋳造プロセスからのスケールを除去するために前記ディスク状要素を機械加工又は研磨するステップは、前記ディスク状要素の前記表面から誘電体汚染物質を含む前記ミリングスケールを100%除去するステップを含む。
【0176】
条項36によれば、条項30~35のいずれか一条項に記載の方法が提供され、前記鋳造プロセスからのスケールを除去するために前記ディスク状要素を機械加工又は研磨するステップは、金属汚染物質を含まない非イオン性サンディンググリットを使用するステップを含む。
【0177】
条項37によれば、条項30~36のいずれか一条項に記載の方法が提供され、前記鋳造プロセスからのスケールを除去するために前記ディスク状要素を機械加工又は研磨するステップは、ナンバー4グレードまでで完了する。
【0178】
条項38によれば、条項30~37のいずれか一条項に記載の方法が提供され、前記ディスク状要素を前記ウォータージェット切断するステップが、ナンバー5グレードのウォータージェット切断を使用して完了する。
【0179】
条項39によれば、条項30~38のいずれか一条項に記載の方法が提供され、前記ディスク状要素の表面は、ウォータージェット切断中にプラスチックで覆われる。
【0180】
条項40によれば、条項30~39のいずれか一条項に記載の方法が提供され、前記ディスク状要素の表面に熱を加えない。
【0181】
条項41によれば、逆流装置が提供され、前記逆流装置は、
チャンバであって、前記チャンバが前記チャンバ内を軸方向に延びるシャフトに取り付けられた直列の2つ以上の逐次ディスク状要素を有し、前記ディスク状要素が空間によって分離され、各ディスク状要素は、表面、少なくとも1つのエッジ、円周、及び前記円周内の一点から前記円周内の別の点まで、前記ディスク状要素の中心を横切って延びる1つ以上のS字状部材を備え、前記2つ以上の逐次ディスク状要素は、前記装置内の少なくとも1つのディスク状要素がそのS字状部材を順向き位置に有し、前記装置内の少なくとも1つのディスク状要素がそのS字状部材を逆向き位置に有するように、前記シャフトに沿って捩れ配置で取り付けられる、チャンバを備え、
前記ディスク状要素が、少なくとも0.5重量%以上のモリブデンと少なくとも5重量%以上のニッケルとを含む金属合金からなり、前記ディスク状要素が前記鋳造プロセスからのスケールを除去するために機械加工又は研磨され、
液体が前記ディスク状要素に接触すると、前記チャンバ内で吸熱電気化学酸化反応が起こり、その結果、前記液体が冷却される。
【0182】
条項42によれば、条項41に記載の逆流装置が提供され、前記スパイラル装置が、1つ以上の未処理液体を受け入れるための流入部分と、前記1つ以上の未処理液体を処理するための処理部分と、前記1つ以上の処理済液体を放出するための流出部分と、を有するハウジングを含む。
【0183】
条項43によれば、条項41又は42に記載の逆流装置が提供され、前記ディスク状要素は、モリブデン(Mo)及びニッケル(Ni)を含むステンレス鋼で作られる。
【0184】
条項44によれば、条項41~43のいずれか一条項に記載の逆流装置が提供され、前記ディスク状要素は、約1.0重量%以上のモリブデン、約1.5重量%以上のモリブデン、約3.0重量%~約4.0重量%のモリブデン、約4.0重量%~約4.5重量%のモリブデン、約4.0重量%~約5.0重量%のモリブデン、約5.0重量%~約6.0重量%のモリブデン、約6.0重量%~約7.0重量%のモリブデン、約7.0重量%~約8.0重量%のモリブデン、約8.0重量%~約9.0重量%のモリブデン、約9.0重量%~約10.0%重量%のモリブデン、約10.0重量%~約15.0重量%のモリブデン、約15.0重量%~約20.0%重量%のモリブデン、約20.0重量%~約25.0重量%のモリブデン、約25.0重量%~約30.0%重量%のモリブデン、約30.0重量%~約35.0重量%のモリブデン、約35.0重量%~約40.0%重量%のモリブデン、約0.5重量%~約40.0重量%のモリブデン、又は約40.0%重量%までのモリブデンを含む金属合金で作られる。
【0185】
条項45によれば、条項41~44のいずれか一条項に記載の逆流装置が提供され、前記ディスク状要素の前記金属合金は、約5重量%以上のニッケル、約10重量%以上のニッケル、約15重量%以上のニッケル、約20重量%以上のニッケル、約25重量%以上のニッケル、約5.0重量%~約10.0重量%のニッケル、約10.0重量%~約15.0重量%のニッケル、約15.0重量%~約20.0重量%のニッケル、又は約20.0重量%~約25.0重量%のニッケルを含む。
【0186】
条項46によれば、条項41~45のいずれか一条項に記載の方法が提供され、前記ディスク状要素の前記金属合金は、316Lステンレス鋼、317Lステンレス鋼、又は904Lステンレス鋼を含む。
【0187】
条項47によれば、条項41~46のいずれか一条項に記載の方法が提供され、誘電体汚染物質を含む前記ミリングスケールの100%が前記ディスク状要素の表面から除去される。
【0188】
条項48によれば、条項41~47のいずれか一条項に記載の逆流装置が提供され.前記ディスク状要素が、金属汚染物質を含まない非イオン性サンディンググリットで機械加工又は研磨される。
【0189】
条項49によれば、条項41~48のいずれか一条項に記載の逆流装置が提供され、前記ディスク状要素内の少なくとも1つのエッジがウォータージェット切断される。
【0190】
条項50によれば、逆流装置を製造する方法が提供され、前記方法は、
直列の2つ以上の逐次ディスク状要素を提供するステップであって、前記ディスク状要素が、少なくとも0.5重量%以上のモリブデンと少なくとも5重量%以上のニッケルとを含む金属合金からなり、各ディスク状要素が表面、円周、及び前記円周内の一点から前記円周内の別の点まで、前記ディスク状要素の中心を横切って延びる1つ以上のS字状部材を備える、ステップと、
前記鋳造プロセスからのスケールを除去するために、前記ディスク状要素を機械加工又は研磨するステップと、
前記ディスク状要素内に少なくとも1つの鋭いエッジを形成するために、前記ディスク状要素をウォータージェット切断するステップと、
前記直列の2つ以上の逐次ディスク状要素を取り付けるステップであって、前記直列の2つ以上の逐次ディスク状要素は、前記装置内の少なくとも1つのディスク状要素がそのS字状部材を順向き位置に有し、前記装置内の少なくとも1つのディスク状要素がそのS字状部材を逆向き位置に有するように、前記シャフトに沿って捩れ配置で取り付けられる、ステップと、
チャンバを提供するステップと、
前記チャンバ内で前記シャフト上に取り付けられた前記直列の2つ以上の逐次ディスク状要素を、前記ディスク状要素が前記チャンバ内を軸方向に延びるように、挿入するステップと、
を含む。
【0191】
条項51によれば、条項50に記載の方法が提供され、前記方法は、前記チャンバ内で前記シャフトに取り付けられた前記直列の2つ以上の逐次ディスク状要素を、1つ以上の未処理液体を受け入れるための流入部分と、前記1つ以上の未処理液体を処理するための処理部分と、前記1つ以上の処理済液体を放出するための流出部分と、を有するハウジング内にフィットさせるステップを含む。
【0192】
条項52によれば、条項50又は51に記載の方法が提供され、前記ディスク状要素は、モリブデン(Mo)及びニッケル(Ni)を含むステンレス鋼で作られる。
【0193】
条項53によれば、条項50~52のいずれか一条項に記載の方法が提供され、前記ディスク状要素は、約1.0重量%以上のモリブデン、約1.5重量%以上のモリブデン、約3.0重量%~約4.0重量%のモリブデン、約4.0重量%~約4.5重量%のモリブデン、約4.0重量%~約5.0重量%のモリブデン、約5.0重量%~約6.0重量%のモリブデン、約6.0重量%~約7.0重量%のモリブデン、約7.0重量%~約8.0重量%のモリブデン、約8.0重量%~約9.0重量%のモリブデン、約9.0重量%~約10.0%重量%のモリブデン、約10.0重量%~約15.0重量%のモリブデン、約15.0重量%~約20.0%重量%のモリブデン、約20.0重量%~約25.0重量%のモリブデン、約25.0重量%~約30.0%重量%のモリブデン、約30.0重量%~約35.0重量%のモリブデン、約35.0重量%~約40.0%重量%のモリブデン、約0.5重量%~約40.0重量%のモリブデン、又は約40.0%重量%までのモリブデンを含む金属合金で作られる。
【0194】
条項54によれば、条項50~53のいずれか一条項に記載の方法が提供され、前記ディスク状要素は、約5重量%以上のニッケル、約10重量%以上のニッケル、約15重量%以上のニッケル、約20重量%以上のニッケル、約25重量%以上のニッケル、約5.0重量%~約10.0重量%のニッケル、約10.0重量%~約15.0重量%のニッケル、約15.0重量%~約20.0重量%のニッケル、又は約20.0重量%~約25.0重量%のニッケルを含む金属合金から作られる。
【0195】
条項55によれば、条項50~54のいずれか一条項に記載の方法が提供され、前記ディスク状要素の前記金属合金は、316Lステンレス鋼、317Lステンレス鋼、又は904Lステンレス鋼を含む。
【0196】
条項56によれば、条項50~55のいずれか一条項に記載の方法が提供され、前記鋳造プロセスからのスケールを除去するために前記ディスク状要素を機械加工又は研磨するステップは、前記ディスク状要素の前記表面から誘電体汚染物質を含む前記ミリングスケールを100%除去するステップを含む。
【0197】
条項57によれば、条項50~56のいずれか一条項に記載の方法が提供され、前記鋳造プロセスからのスケールを除去するために前記ディスク状要素を機械加工又は研磨するステップは、金属汚染物質を含まない非イオン性サンディンググリットを使用するステップを含む。
【0198】
条項58によれば、条項50~57のいずれか一条項に記載の方法が提供され、前記鋳造プロセスからのスケールを除去するために前記ディスク状要素を機械加工又は研磨するステップは、ナンバー4グレードまでで完了する。
【0199】
条項59によれば、条項50~58のいずれか一条項に記載の方法が提供され、前記ディスク状要素を前記ウォータージェット切断するステップが、ナンバー5グレードのウォータージェット切断を使用して完了する。
【0200】
条項60によれば、条項50~59のいずれか一条項に記載の方法が提供され、前記ディスク状要素の表面は、ウォータージェット切断中にプラスチックで覆われる。
【0201】
条項61によれば、条項50~60のいずれか一条項に記載の方法が提供され、前記ディスク状要素の表面に熱を加えない。
【0202】
条項62によれば、液体溶液又はエマルジョンを処理するためのシステムが提供され、前記システムは、前記液体溶液又はエマルジョンのソースと、条項41~49のいずれか一条項に記載の逆流装置と、を含み、前記逆流装置の前記流入部分は前記ソースに動作可能に接続され、125psi又は約125psiの圧力で、約70~約125psiの範囲の圧力で、125psi以上の圧力で前記液体溶液又はエマルジョンを前記チャンバ内に注入する。
【0203】
条項63によれば、条項62に記載のシステムが提供され、前記システムが、濾過デバイス、UV殺菌器、及びZ電位結晶ジェネレータのうちの少なくとも1つをさらに備え、前記逆流装置、前記ソース、及び前記濾過デバイス、前記UV殺菌器、及び前記Z電位結晶ジェネレータのうちの前記少なくとも1つが互いに液体連通している。
【0204】
条項64によれば、条項62又は63に記載のシステムが提供され、前記システムが、濾過デバイス、UV殺菌器、及びZ電位結晶ジェネレータをさらに備え、前記逆流装置、前記ソース、前記濾過デバイス、前記UV殺菌器、及び前記Z電位結晶ジェネレータが互いに液体連通している。
【0205】
条項65によれば、条項62~64のいずれか一条項に記載のシステムが提供され、前記システムが、条項41~49のいずれか一条項に記載の逆流装置を複数含む。
【0206】
条項66によれば、条項41~49のいずれか一項に記載の逆流装置で処理された液体エマルジョンが提供される。
【0207】
条項67によれば、条項66に記載の液体エマルジョンが提供され、前記液体エマルジョンは、水中油型エマルジョンである。
【0208】
条項68によれば、水中油型エマルジョンをクラッキングする方法が提供され、前記方法が、前記水中油型エマルジョンを条項41~49のいずれか一条項に記載の逆流装置に通して、分離した水相及び油相が生成される処理済材料を取得するステップを含み、前記水中油型エマルジョンのクラッキングが約70~約125psiの圧力で、又は125psi以上の圧力で行われる。
【0209】
条項69によれば、条項68に記載の方法が提供され、前記方法が、前記水中油型エマルジョンを熱分解して誘導体を取得するステップをさらに含み、前記方法は、前記水中油型エマルジョンの代わりに前記誘導体を、条項41~49のいずれか一条項に記載の逆流装置に通すステップを含む。
【0210】
条項70によれば、条項68又は69に記載の方法が提供され、前記水中油型エマルジョンの前記クラッキングは、条項41~49のいずれか一条項に記載の逆流装置内に凝集剤を添加することを含まない。
【0211】
条項71によれば、条項68~70のいずれか一条項に記載の水中油型エマルジョンをクラッキングする方法が提供され、前記水中油型エマルジョンが、油性廃水、石油原料、又は二次石油回収システムの一部である。
【0212】
条項72によれば、油を含む液体溶液又はエマルジョンの粘度を低下させる方法が提供され、前記方法は、油を含む前記液体溶液又はエマルジョンを、条項41~49のいずれか一項に記載の逆流装置に通過させ、油を含む前記液体溶液又はエマルジョンよりも低い粘度を有する処理済材料を取得して、油を含む前記液体溶液又はエマルジョンの粘度を低下させるステップを含む。
【0213】
条項73によれば、液体をクラッキングする方法は、条項41~49のいずれか一項に記載の逆流装置に前記液体を通過させ、クラッキングされた液体を取得するステップを含む。
【0214】
条項74によれば、条項73に記載の液体をクラッキングする方法が提供され、前記クラッキングされた液体は、前記液体に対してより短い炭素鎖種を有する炭化水素をより多く含む。
【0215】
条項75によれば、条項73又は74に記載の液体をクラッキングする方法が提供され、前記方法は、溶媒を用いない。
【0216】
条項76によれば、条項73~75のいずれか一条項に記載の液体をクラッキングする方法が提供され、前記液体がエマルジョン、石油原料又は二次石油回収システムの一部である。
【0217】
多数の実施形態を本明細書で説明してきた。上記の方法及び装置は、本発明の一般的な範囲から逸脱することなく、変更及び修正を組み込めることは、当業者には明らかであろう。添付の特許請求の範囲又はその均等物の範囲内に入る限り、そのようなすべての変更及び修正を含むことが意図される。本文書で使用される「関連する」という語句は、開示されたデバイスをサポートする構造を指し、開示されたデバイスをサポートすることができるが、本明細書に開示されていない構造も指すこともある。さらに、本文書で使用される「発明」は、本文書の特許請求の範囲で特許請求されているものである。本文書に開示された要素及び/又はサブ組合せについて、他の特許文献における他の発明として請求する権利は、ここに無条件で留保される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2022-12-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化水素含有ソース材料を処理する方法であって、前記方法は、
前記炭化水素含有ソース材料を、約70psi~約125psiの範囲内の圧力で、装置を通過させるステップであって、前記装置は、
前記炭化水素含有ソース材料を受け入れるための流入部分と、
前記炭化水素含有ソース材料を処理するための処理部分であって、前記処理部分がモリブデンを含む耐食性合金で作られたモリブデン含有構造体を含み、前記処理部分が、キャビテーション空間によって分離された少なくとも2つの接触面をさらに含む、処理部分と、
炭化水素含有処理済材料を出力するための流出部分と、を含む、ステップと、
前記出力から前記処理済材料を採取するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記炭化水素含有ソース材料が水中油型エマルジョンを含み、前記炭化水素含有処理済材料が分離した水相及び油相を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記水中油型エマルジョンを熱分解して誘導体を取得するステップと、前記誘導体を前記装置に通すステップと、をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記水中油型エマルジョンが油性廃水、石油原料又は二次石油回収システムの一部を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
凝集剤を添加せずに実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記炭化水素含有ソース材料が前記モリブデン含有構造体に接触すると、吸熱電気化学酸化反応が起こり、その結果、前記炭化水素含有ソース材料が冷却される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記炭化水素含有ソース材料が油を含む液体溶液又はエマルジョンからなり、前記炭化水素含有処理済材料が前記炭化水素含有ソース材料よりも低い粘度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
炭化水素含有ソース材料を処理するシステムであって、前記システムは、
前記炭化水素含有ソース材料を加圧するためのマシンと、
ハウジングを有する装置であって、前記ハウジングが、
約70psi~約125psiの範囲内の圧力で前記炭化水素含有ソース材料を受け入れるために前記マシンに接続された流入部分と、
前記炭化水素含有ソース材料を処理するための処理部分であって、前記処理部分がモリブデンを含む耐食性合金で作られたモリブデン含有構造体を含み、前記処理部分が、キャビテーション空間によって分離された少なくとも2つの接触面をさらに含む、処理部分と、
炭化水素含有処理済材料を出力するための流出部分と、
を有する、装置と、
を備える、システム。
【請求項9】
前記炭化水素含有ソース材料が水中油型エマルジョンを含み、前記炭化水素含有処理済材料が分離した水相及び油相を含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記モリブデン含有構造体が、鋳造プロセスからのスケールを除去するために機械加工又は研磨される、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記モリブデン含有構造体が、前記ハウジングを通って軸方向に延びるシャフトに取り付けられた少なくとも2つのディスク状要素を備え、前記ディスク状要素が距離によって分離され、各ディスク状要素が、前記流入部分に面する第一の壁、前記流出部分に面する第二の壁、及び前記第一の壁と前記第二の壁の間に延びる周壁を有し、前記ディスク状要素はシャフトに取り付けられ、前記ディスク状要素は任意の幾何学的形状からなり、前記ディスク状要素間の前記距離はキャビテーション空間を提供する、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記接触面は、鋳造プロセスからのスケールを除去するために、機械加工又は研磨される前記ディスク状要素上の表面を形成する、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記ディスク状要素が、約1.0重量%以上のモリブデン、約1.5重量%以上のモリブデン、約3.0重量%~約4.0重量%のモリブデン、約4.0重量%~約4.5重量%のモリブデン、約4.0重量%~約5.0重量%のモリブデン、約5.0重量%~約6.0重量%のモリブデン、約6.0重量%~約7.0重量%のモリブデン、約7.0wt%~約8.0重量%のモリブデン、約8.0重量%~約9.0重量%のモリブデン、約9.0重量%~約10.0%重量%のモリブデン、約10.0重量%~約15.0重量%のモリブデン、約15.0重量%~約20.0%重量%のモリブデン、約20.0重量%~約25.0重量%のモリブデン、約25.0重量%~約30.0%重量%のモリブデン、約30.0重量%~約35.0重量%のモリブデン、約35.0重量%~約40.0%重量%のモリブデン、約0.5重量%~約40.0重量%のモリブデン、又は約40.0%重量%までのモリブデンを含む金属合金からなる、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記ディスク状要素の前記金属合金が、約5.0重量%以上のニッケル、約10.0重量%以上のニッケル、約15.0重量%以上のニッケル、約20.0重量%以上のニッケル、約25.0重量%以上のニッケル、約5.0重量%~約10.0重量%のニッケル、約10.0重量%~約15.0重量%のニッケル、約15.0重量%~約20.0重量%のニッケル、又は約20.0重量%~約25.0重量%のニッケルを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記金属合金が316Lステンレス鋼、317Lステンレス鋼、又は904Lステンレス鋼である、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記ディスク状要素の表面には、誘電体汚染物質がない、請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記ディスク状要素が、金属汚染物質を含まない非イオン性サンディンググリットで機械加工又は研磨される、請求項11に記載のシステム。
【請求項18】
前記ディスク状要素の少なくとも1つのエッジがウォータージェット切断される、請求項11に記載のシステム。
【請求項19】
装置が2つ以上30以下のディスク状要素を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項20】
前記炭化水素含有ソース材料が油を含む液体溶液又はエマルジョンからなり、前記炭化水素含有処理済材料が前記炭化水素含有ソース材料よりも低い粘度を有する、請求項8に記載のシステム。
【国際調査報告】