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特表2023-523121使い捨てカッティングプレート付き外科用ステープル留めデバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-02
(54)【発明の名称】使い捨てカッティングプレート付き外科用ステープル留めデバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20230526BHJP
【FI】
A61B17/072
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022548892
(86)(22)【出願日】2020-02-14
(85)【翻訳文提出日】2022-08-12
(86)【国際出願番号】 CN2020075298
(87)【国際公開番号】W WO2021159475
(87)【国際公開日】2021-08-19
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】アハメド, サイード
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC09
4C160CC26
4C160CC29
(57)【要約】
外科用ステープル留めデバイス(10)は、アンビル(22)と、カートリッジアセンブリ(20)およびカッティングプレート(54)を含むリロードアセンブリ(50)とを含む。リロードアセンブリ(50)は、ステープル留めデバイス(10)に取り外し可能に結合されて、ステープル留めデバイス(10)上のカートリッジアセンブリ(20)およびカッティングプレート(54)の交換を容易にする。本開示の特定の態様では、リロードアセンブリ(50)は、カートリッジアセンブリ(20)上に支持され、かつカッティングプレート(54)を支持する輸送用キャップ(52)も含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステープル留めデバイスであって、
長手方向軸を画定するフレームであって、前記フレームが、遠位短手方向部分、近位短手方向部分、および前記遠位短手方向部分と前記近位短手方向部分との間に延在する中央長手方向部分を含み、前記フレームの前記遠位短手方向部分が、チャネルを画定する、フレームと、
前記フレーム上に支持されたアプロキシメーションアセンブリであって、前記アプロキシメーションアセンブリが、ポケットを画定する遠位部分を有するクランプスライドアセンブリを含み、前記クランプスライドアセンブリが、後退位置から前進位置まで前記フレームに対して移動可能である、アプロキシメーションアセンブリと、
前記チャネルを覆って前記フレームの前記遠位短手方向部分に固着されているアンビルであって、前記アンビルおよび前記チャネルが、チャネル入口を画定する、アンビルと、
カートリッジアセンブリ、および前記カートリッジアセンブリ上に支持されたカッティングプレートを含むリロードアセンブリであって、前記リロードアセンブリが、前記ステープル留めデバイス上に取り外し可能に支持されて、前記カートリッジアセンブリを前記クランプスライドアセンブリの前記ポケットに位置決めし、前記カッティングプレートを前記フレームの前記遠位短手方向部分の前記チャネルに位置決めする、リロードアセンブリと、を備える、ステープル留めデバイス。
【請求項2】
前記カートリッジアセンブリが、カートリッジ本体、プッシャー、およびナイフアセンブリを含み、前記カートリッジ本体が、ステープルポケットの列、および前記ステープルポケットの列間に位置決めされたナイフスロットを画定する、請求項1に記載のステープル留めデバイス。
【請求項3】
前記カートリッジアセンブリが、前記ステープルポケットの各々に支持されたステープルを含む、請求項2に記載のステープル留めデバイス。
【請求項4】
前記リロードアセンブリが、前記カートリッジアセンブリ上に支持された輸送用キャップを含み、前記輸送用キャップが、前記ステープルが前記ステープルポケットの列から排出されるのを防ぐために前記ステープルポケットの列の上に位置決めされている、請求項3に記載のステープル留めデバイス。
【請求項5】
輸送用キャップが、突起部を有する遠位表面を含み、前記カッティングプレートが、第1の開口部を画定し、前記突起部が、前記輸送用キャップ上の前記カッティングプレートを支持するために前記第1の開口部に受容されている、請求項4に記載のステープル留めデバイス。
【請求項6】
前記輸送用キャップが、ガイドチャネルを画定する弾性フィンガーを含み、前記ガイドチャネルが、前記カッティングプレートを前記チャネル入口内にガイドするために、前記リロードアセンブリの前記クランプスライドアセンブリ上への設置中に、前記フレームの前記遠位短手方向部分を受容するように位置決めされている、請求項5に記載のステープル留めデバイス。
【請求項7】
前記カートリッジアセンブリが、カッティングプレート取り外しピンを含み、前記カッティングプレート取り外しピンが、前記カッティングプレートから係合解除される後退位置から前記カッティングプレートと係合する前進位置に移動可能であり、前記カッティングプレート取り外しピンの前記前進位置では、前記クランプスライドアセンブリからの前記カートリッジアセンブリの取り外しは、前記フレームの前記遠位短手方向部分の前記チャネルからの前記カッティングプレートの取り外しをもたらす、請求項2に記載のステープル留めデバイス。
【請求項8】
前記プッシャーが、前記カートリッジ本体から前記ステープルを排出するように、前記カートリッジ本体内で後退位置から前進位置に移動可能である、請求項7に記載のステープル留めデバイス。
【請求項9】
前記プッシャーがその後退位置からその前進位置に移動して、前記カッティングプレート取り外しピンをその後退位置からその前進位置に移動させると、前記プッシャーが前記カッティングプレート取り外しピンと係合するように位置決めされる、請求項8に記載のステープル留めデバイス。
【請求項10】
前記カッティングプレートが、前記カッティングプレート取り外しピンがその前進位置にあるときに、前記カッティングプレート取り外しピンを受容する第2の開口部を画定する、請求項7に記載のステープル留めデバイス。
【請求項11】
ハンドルアセンブリをさらに含み、前記フレームが、前記ハンドルアセンブリから遠位方向に延在する、請求項1に記載のステープル留めデバイス。
【請求項12】
前記遠位短手方向部分および前記近位短手方向部分が、前記長手方向軸を横切る軸に沿って湾曲している、請求項1に記載のステープル留めデバイス。
【請求項13】
前記クランプスライドアセンブリのその後退位置からその前進位置への移動が、前記アンビルに対する前記カートリッジアセンブリの開位置からクランプ位置への移動をもたらす、請求項1に記載のステープル留めデバイス。
【請求項14】
ステープル留めデバイスであって、
長手方向軸を画定するフレームであって、前記フレームが、遠位短手方向部分、近位短手方向部分、および前記遠位短手方向部分と前記近位短手方向部分との間に延在する中央長手方向部分を含み、前記フレームの前記遠位短手方向部分が、チャネルを画定する、フレームと、
前記フレーム上に支持されたアプロキシメーションアセンブリであって、前記アプロキシメーションアセンブリが、ポケットを画定する遠位部分を有するクランプスライドアセンブリを含み、前記クランプスライドアセンブリが、後退位置から前進位置まで前記フレームに対して移動可能である、アプロキシメーションアセンブリと、
前記チャネルを覆って前記フレームの前記遠位短手方向部分に固着されているアンビルであって、前記アンビルおよび前記チャネルが、チャネル入口を画定する、アンビルと、
カートリッジアセンブリ、輸送用キャップ、およびカッティングプレートを含むリロードアセンブリであって、前記輸送用キャップが、前記カートリッジアセンブリ上に支持され、前記カッティングプレートが、前記輸送用キャップ上に支持され、前記リロードアセンブリが、前記ステープル留めデバイス上に取り外し可能に支持されて、前記カートリッジアセンブリを前記クランプスライドアセンブリの前記ポケットに位置決めし、前記カッティングプレートを前記フレームの前記遠位短手方向部分の前記チャネルに位置決めする、リロードアセンブリと、を備える、ステープル留めデバイス。
【請求項15】
輸送用キャップが、突起部を有する遠位表面を含み、前記カッティングプレートが、第1の開口部を画定し、前記突起部が、前記輸送用キャップ上の前記カッティングプレートを支持するために前記第1の開口部に受容される、請求項14に記載のステープル留めデバイス。
【請求項16】
前記輸送用キャップが、ガイドチャネルを画定する弾性フィンガーを含み、前記ガイドチャネルが、前記カッティングプレートを前記チャネルの前記チャネル入口内にガイドするために、前記リロードアセンブリの前記クランプスライドアセンブリ上への設置中に、前記フレームの前記遠位短手方向部分を受容するように位置決めされている、請求項15に記載のステープル留めデバイス。
【請求項17】
前記カートリッジアセンブリが、カッティングプレート取り外しピンを含み、前記カッティングプレート取り外しピンが、前記カッティングプレートから係合解除される後退位置から前記カッティングプレートと係合する前進位置に移動可能であり、前記カッティングプレート取り外しピンの前記前進位置では、前記クランプスライドアセンブリからの前記カートリッジアセンブリの取り外しは、前記フレームの前記遠位短手方向部分の前記チャネルからの前記カッティングプレートの取り外しをもたらす、請求項16に記載のステープル留めデバイス。
【請求項18】
ステープル留めデバイスであって、
長手方向軸を画定するフレームであって、前記フレームが、遠位短手方向部分、近位短手方向部分、および前記遠位短手方向部分と前記近位短手方向部分との間に延在する中央長手方向部分を含む、フレームと、
前記チャネルを覆って前記フレームの前記遠位短手方向部分に固着されているアンビルであって、前記アンビルおよび前記チャネルが、チャネル入口を画定する、アンビルと、
カートリッジアセンブリを含むリロードアセンブリであって、前記カートリッジアセンブリが、カートリッジ本体、プッシャー、ナイフブレードを含むナイフアセンブリ、および位置合わせピンを含む位置合わせピンアセンブリを含み、前記カートリッジ本体が、ステープルポケットの列を画定し、前記ステープルポケットの列間にナイフスロットが位置決めされ、前記位置合わせピンが長手方向スロットを画定し、前記ナイフアセンブリが、前記カートリッジ本体内に埋め込まれた後退位置から、前記ナイフスロットから延在する前進位置まで移動可能であり、前記ナイフブレードは、前記ナイフアセンブリがその後退位置からその前進位置に移動すると、前記位置合わせピンの前記長手方向スロットに受容される第1の横方向延在部を含む、リロードアセンブリと、を備える、ステープル留めデバイス。
【請求項19】
前記フレームの前記中央長手方向部分上に支持されたガイドプレートをさらに含み、前記ガイドプレートが、ガイド表面を画定し、前記ナイフブレードが、第2の横方向延在部を含み、前記第2の横方向延在部が、前記ナイフアセンブリがその後退位置からその前進位置に移動すると、前記ガイドプレートの前記ガイド表面と係合して、前記ガイド表面に沿って移動するように位置決めされている、請求項18に記載のステープル留めデバイス。
【請求項20】
前記ガイド表面は、遠位方向に前記カートリッジアセンブリに向かって角度が付けられた遠位部分を有する、請求項19に記載のステープル留めデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、概して、外科用ステープル留めデバイス、より具体的には、カッティングプレートを含む使い捨てリロードアセンブリを有する外科用ステープル留めデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
圧縮された生体組織を通してステープルの列を適用するための外科用ステープル留めデバイスは、当技術分野で知られており、一般に、組織を切断または切除する前に組織または器官を閉鎖するために、および胸部または腹部の手術中に器官を咬合するために使用される。このようなステープル留めデバイスは、ときに組織へのステープルの列の適用と同時に、組織または器官を切断または切除するためのナイフを含む。
【0003】
典型的に、ステープル留めデバイスは、アンビルアセンブリおよびカートリッジアセンブリまたはリロードアセンブリを含むツールアセンブリと、駆動部材またはプッシャーと、ツールアセンブリを離間位置とクランプ位置との間で移動させるための接近アセンブリと、を含む。特定のステープル留めデバイスでは、リロードアセンブリは、組織をカットするためにアンビルアセンブリと係合するように移動可能であるカッティングブレードを有するナイフアセンブリを含む。いくつかのステープル留めデバイスでは、アンビルアセンブリは、ナイフアセンブリが作動されるときにカッティングブレードによって係合されるカッティングプレートを含む。カッティングプレートは、組織をより効果的にカットするために組織を圧縮できる表面を提供する。カッティングブレードとカッティングプレートとの間の係合により、カッティングプレートが変形または破損することがある。
【0004】
横断型ステープル留めデバイスでは、カートリッジアセンブリは、ステープル留めデバイスの再利用を容易にするためにステープル留めデバイスの各発射後に交換され得るリロードアセンブリの一部を形成する。このようなデバイスでは、カッティングプレートはアンビルアセンブリの一部として含まれており、リロードアセンブリと交換されない。したがって、ステープル留めデバイスの前回の発射中にカット、変形、または破損される可能性のあるカッティングプレートは、その後のステープル留めデバイスの発射中に意図した方式で機能しないことがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、本開示は、一般に、アンビルを含む外科用ステープル留めデバイスと、カートリッジアセンブリおよびカッティングプレートとを含むリロードアセンブリに関する。リロードアセンブリは、ステープル留めデバイスに取り外し可能に結合されて、ステープル留めデバイスの各発射後のカートリッジアセンブリおよびステープル留めデバイス上のカッティングプレートの交換を容易にする。本開示の特定の態様では、リロードアセンブリは、カートリッジアセンブリ上に支持され、かつカッティングプレートを支持する輸送用キャップも含む。
【0006】
本開示の一態様は、フレーム、アプロキシメーションアセンブリ、アンビルおよびリロードアセンブリを含むステープル留めデバイスを対象とする。フレームは、長手方向軸を画定し、遠位短手方向部分、近位短手方向部分、および遠位短手方向部分と近位短手方向部分との間に延在する中央長手方向部分を含む。フレームの遠位短手方向部分は、チャネルを画定する。アプロキシメーションアセンブリはフレーム上に支持され、ポケットを画定する遠位部分を有するクランプスライドアセンブリを含む。クランプスライドアセンブリは、フレームに対して後退位置から前進位置まで移動可能である。アンビルは、チャネル入口を画定するために、チャネルを覆う位置でフレームの遠位短手方向部分に固着されている。リロードアセンブリは、カートリッジアセンブリと、カートリッジアセンブリ上に支持されたカッティングプレートを含む。リロードアセンブリは、ステープル留めデバイス上に取り外し可能に支持されて、カートリッジアセンブリをクランプスライドアセンブリのポケット内に位置決めし、カッティングプレートをフレームの遠位短手方向部分のチャネル内に位置決めする。
【0007】
本開示の別の態様では、ステープル留めデバイスは、フレーム、アプロキシメーションアセンブリ、アンビル、およびリロードアセンブリを含む。フレームは、長手方向軸を画定し、遠位短手方向部分、近位短手方向部分、および遠位短手方向部分と近位短手方向部分との間に延在する中央長手方向部分を含む。フレームの遠位短手方向部分は、チャネルを画定する。アプロキシメーションアセンブリはフレーム上に支持され、ポケットを画定する遠位部分を有するクランプスライドアセンブリを含む。クランプスライドアセンブリは、フレームに対して後退位置から前進位置まで移動可能である。アンビルは、チャネル入口を画定するために、チャネルを覆ってフレームの遠位短手方向部分に固着されている。リロードアセンブリには、カートリッジアセンブリ、輸送用キャップ、およびカッティングプレートを含む。輸送用キャップは、カートリッジアセンブリ上に支持され、カッティングプレートは輸送用キャップ上に支持される。リロードアセンブリは、ステープル留めデバイス上に取り外し可能に支持されて、カートリッジアセンブリをクランプスライドアセンブリのポケット内に位置決めし、カッティングプレートをフレームの遠位短手方向部分のチャネル内に位置決めする。
【0008】
本開示の態様では、カートリッジアセンブリは、カートリッジ本体、プッシャー、およびナイフアセンブリを含み、ステープルポケットの列、およびステープルポケットの列間に位置決めされたナイフスロットを画定する。
【0009】
本開示のいくつかの態様では、カートリッジアセンブリは、ステープルポケットの各々に支持されたステープルを含む。
【0010】
本開示の特定の態様では、リロードアセンブリは、カートリッジアセンブリ上に支持され、かつステープルがステープルポケットの列から排出されるのを防ぐためにステープルポケットの列の上に位置決めされる輸送用キャップを含む。
【0011】
本開示の態様では、輸送用キャップは、突起部を有する遠位表面を含み、カッティングプレートは、第1の開口部を画定し、突起部は、輸送用キャップ上のカッティングプレートを支持するために第1の開口部に受容される。
【0012】
本開示のいくつかの態様では、輸送用キャップは、カッティングプレートをチャネル入口内にガイドするために、リロードアセンブリのクランプスライドアセンブリ上への設置中に、フレームの遠位短手方向部分を受容するように位置決めされたガイドチャネルを画定する弾性フィンガーを含む。
【0013】
本開示の特定の態様では、カートリッジアセンブリは、カッティングプレートから係合解除される後退位置からカッティングプレートと係合する前進位置に移動可能なカッティングプレート取り外しピンを含み、カッティングプレート取り外しピンの前進位置では、クランプスライドアセンブリからのカートリッジアセンブリの取り外しは、フレームの遠位短手方向部分のチャネルからのカッティングプレートの取り外しをもたらす。
【0014】
本開示の態様では、プッシャーは、カートリッジ本体からステープルを排出するように、カートリッジ本体内で後退位置から前進位置に移動可能である。
【0015】
本開示のいくつかの態様では、プッシャーがその後退位置からその前進位置に移動して、カッティングプレート取り外しピンをその後退位置からその前進位置に移動させると、プッシャーがカッティングプレート取り外しピンと係合するように位置決めされる。
【0016】
本開示の特定の態様では、カッティングプレートは、カッティングプレート取り外しピンがその前進位置にあるときに、カッティングプレート取り外しピンを受容する第2の開口部を画定する。
【0017】
特定の実施形態では、ステープル留めデバイスは、ハンドルアセンブリを含み、フレームは、ハンドルアセンブリから遠位方向に延在する。
【0018】
本開示のいくつかの態様では、遠位および近位短手方向部分は、長手方向軸を横切る軸に沿って湾曲している。
【0019】
本開示の特定の態様では、クランプスライドアセンブリのその後退位置からその前進位置への移動は、アンビルに対するカートリッジアセンブリの開位置からクランプ位置への移動をもたらす。
【0020】
別の態様では、本開示は、フレーム、アンビル、およびリロードアセンブリを含むステープル留めデバイスに関する。フレームは、長手方向軸を画定し、遠位短手方向部分、近位短手方向部分、および遠位短手方向部分と近位短手方向部分との間に延在する中央長手方向部分を含む。アンビルは、チャネル入口を画定するために、チャネルを覆ってフレームの遠位短手方向部分に固着されている。リロードアセンブリは、カートリッジ本体、プッシャー、ナイフブレードを含むナイフアセンブリ、および位置合わせピンを含む位置合わせピンアセンブリを有するカートリッジアセンブリを含む。カートリッジ本体は、ステープルポケットの列、およびステープルポケットの列間に位置決めされたナイフスロットを画定する。位置合わせピンは、長手方向スロットを画定する。ナイフアセンブリは、カートリッジ本体内に埋め込まれた後退位置からナイフスロットから延在する前進位置まで移動可能である。ナイフブレードは、ナイフアセンブリがその後退位置からその前進位置に移動すると、位置合わせピンの長手方向スロットに受容される第1の横方向延在部を含む。
【0021】
本開示の態様では、ステープル留めデバイスは、フレームの中央長手方向部分上に支持され、ガイド表面を画定するガイドプレートを含む。ナイフブレードは、ナイフアセンブリがその後退位置からその前進位置に移動すると、ガイドプレートのガイド表面に係合し、これに沿って移動するように位置決めされた第2の横向き延在部を含む。
【0022】
本開示のいくつかの態様では、ガイド表面は、遠位方向にカートリッジアセンブリに向かって角度が付けられた遠位部分を有する。
【0023】
本開示の他の特徴は、以下の説明から理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本開示の様々な態様は、図面を参照して、本明細書で以下に説明される。
【0025】
図1】リロードアセンブリがステープル留めデバイスのクランプスライドアセンブリから分離されており、かつ輸送用キャップがリロードアセンブリに結合された状態での、本開示の特定の態様による、外科用ステープル留めデバイスの斜視図である。
図2図1の細部の指示領域の拡大図である。
図3図1に示すステープル留めデバイスのリロードアセンブリおよび輸送用キャップの遠位端からの斜視図である。
図4図3に示すリロードアセンブリおよび輸送用キャップの分解図である。
図5】リロードアセンブリがクランプスライドアセンブリから取り外された状態での、図1に示すステープル留めデバイスの遠位部分の側面斜視図である。
図6】アンビルアセンブリのアンビルプレートがステープル留めデバイスから分離された状態での、図5に示すステープル留めデバイスの遠位端部分の側面斜視図である。
図7】リロードアセンブリが輸送用キャップを支持し、ステープル留めデバイスのクランプスライドアセンブリから分離された状態での、図1に示すステープル留めデバイスの遠位部分の側面斜視図である。
図8】リロードアセンブリとしてのリロードアセンブリがクランプスライドアセンブリ上に位置決めされた状態での、図7に示すステープル留めデバイスの遠位部分の側面斜視図である。
図9】リロードアセンブリのカッティングプレートがファントムで示されている状態での、リロードアセンブリがクランプスライドアセンブリ上に位置決めされている図1に示すステープル留めデバイスの遠位端からの斜視図である。
図10】リロードアセンブリがクランプスライドアセンブリ上に部分的に設置された状態での、図1に示すステープル留めデバイスの遠位部分の側面斜視図である。
図11】リロードアセンブリがクランプスライドアセンブリ上に引き続き設置された状態での、図1に示すステープル留めデバイスの遠位部分の側面斜視図である。
図12】リロードアセンブリがクランプスライドアセンブリ上に完全に設置された状態での、図1に示すステープル留めデバイスの遠位部分の側面斜視図である。
図13】アンビルアセンブリのアンビルプレートが取り外され、リロードアセンブリがクランプスライドアセンブリに完全に設置されている状態での、図1に示すステープル留めデバイスの遠位部分の側面斜視図である。
図14図4の切断線14-14に沿って切り取られた断面図である。
図15】ステープル留めデバイスが発射位置にある状態での、図1に示すステープル留めデバイスの遠位部分の側面断面切り取り図である。
図16】リロードアセンブリがクランプスライドアセンブリから取り外されているときの、図1に示すステープル留めデバイスの遠位部分の側面斜視図である。
図17】位置合わせアセンブリの位置合わせピンが前進位置にある状態で、ステープル留めデバイスが非クランプ位置にある状態での、本開示の他の態様を含む別のステープル留めデバイスの遠位部分の側面斜視図である。
図18】ナイフガイドプレートが遠位フレーム部分から分離された状態での、図17に示すステープル留めデバイスの遠位部分のフレームアセンブリの遠位フレーム部分の側面斜視図である。
図19図17に示すステープル留めデバイスの遠位部分の位置合わせピンアセンブリの位置合わせピンの側面斜視切り取り図である。
図20図19の切断線20-20に沿って切り取られた断面図である。
図21図17に示すステープル留めデバイスの遠位部分の側面斜視図である。
図22】ナイフブレードが前進位置にある状態で、ステープル留めデバイスがクランプ位置および発射位置にある状態での、図17に示すステープル留めデバイスの遠位部分の側面斜視図である。
図23図22の切断線23-23に沿って切り取られた断面図である。
図24図22の切断線24-24に沿って切り取られた断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
ここで、開示のステープル留めデバイスを、図面を参照して詳細に説明するが、いくつかの図の各々において、同様の参照番号は、同一または対応する要素を示す。しかしながら、本開示の態様は、本開示の単なる例示に過ぎず、様々な形態で具現化され得ることを理解されたい。既知の機能または構成は、不必要な詳細で本開示を曖昧にすることを避けるために、詳細には記載されない。ゆえに、本明細書で開示される特定の構造的および機能的な詳細は、限定として解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲の基礎として、かつ本開示を実質的に任意の適切な詳細構造に様々に用いることを当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。加えて、前方、後方、上方、下方、上部、底部、遠位、近位、および同様の用語などの方向を示す用語は、説明の理解を助けるために使用され、本開示を限定することを意図しない。
【0027】
本明細書では、「近位」という用語は概して、臨床医に近い方のデバイスのその部分を指すために使用されるのに対し、「遠位」という用語は概して、臨床医から遠い方のデバイスのその部分を指すために使用される。加えて、「内視鏡」という用語は、概して、内視鏡、腹腔鏡、関節鏡、および/または、小径の切開またはカニューレを介して行われる任意の他の処置を指すために使用される。さらに、「臨床医」という用語は、概して、医師、看護師、および支援要員を含む医療従事者を指すために使用される。
【0028】
開示された外科用ステープル留めデバイスは、アンビルを有するツールアセンブリおよびリロードアセンブリを含む。リロードアセンブリは、カートリッジアセンブリ、輸送用キャップ、および輸送用キャップに解放可能に結合されたカッティングプレートを含む。カートリッジアセンブリは、ナイフブレードおよび位置合わせピンアセンブリを含む。リロードアセンブリがステープル留めデバイスのツールアセンブリ上に設置されるときに、カッティングプレートがアンビルに挿入されて、カートリッジアセンブリのナイフブレードに対する切断面を提供する。位置合わせピンアセンブリは、リロードアセンブリがステープル留めデバイスから取り外されるときにカッティングプレートがアンビルから取り外されるように、輸送用キャップと係合するように移動可能である。新しいリロードアセンブリがステープル留めデバイス上に設置されるときに、新しいカッティングプレートがアンビルに挿入される。
【0029】
図1および図2は、一般に、ステープル留めデバイス10として示される、例示的な外科用ステープル留めデバイスを示す。ステープル留めデバイス10は、ハンドルアセンブリ12と、長手方向軸「Y」を画定する細長い本体14と、ツールアセンブリ16と、を含む。ハンドルアセンブリ12は、固定ハンドル18、およびツールアセンブリ16を作動させるように固定ハンドル18に対して移動可能であるトリガ19を含む。ツールアセンブリ16は、細長い本体14の長手方向軸「Y」に対して横向きの軸を画定するカートリッジアセンブリ20およびアンビル22を含む。カートリッジアセンブリ20は、細長い本体14の遠位端部分上に支持され、アンビル22に対して、非クランプ位置とクランプ位置との間で移動可能である(図10)。クランプ位置では、カートリッジアセンブリ20は、アンビル22と並列に位置合わせされている。本開示の態様では、カートリッジアセンブリ20およびアンビル22は、横向きの軸に沿って湾曲している。代替的には、カートリッジアセンブリ20およびアンビル22は、角度構成または線形構成を有することができる。
【0030】
ステープル留めデバイス10は、ハンドルアセンブリ12の一部分を形成する近位部分(図示せず)と、細長い本体14の一部分を形成する中央部分34と、ツールアセンブリ16の一部分を形成する遠位部分36と、を有するフレームアセンブリ28を含む。フレームアセンブリ28の遠位部分36は、遠位短手方向部分36a、近位短手方向部分36b、および中央長手方向部分36cを含む。フレームアセンブリ28は、フレーム部材28aとフレーム部材28bとの間にチャネル42(図1)を画定するために、互いに対して離間し一緒に固定されたフレーム部材28aおよびフレーム部材28bを含む。
【0031】
ステープル留めデバイス10は、アプロキシメーション機構30およびスラストバー32(図1)を含む。アプロキシメーション機構30は、後退位置と前進位置との間の移動のためにフレームアセンブリ28のチャネル42内に支持されたクランプスライドアセンブリ38を含む。クランプスライドアセンブリ38は、カートリッジアセンブリ20がクランプスライドアセンブリ10に設置されるときに、カートリッジアセンブリ20を支持する遠位端部分46を含む。本開示の態様では、クランプスライドアセンブリ38の遠位支持部分46は、カートリッジアセンブリ20を受容するポケット46aを画定する。
【0032】
アプロキシメーション機構30は、トリガ19の作動を介して作動して、フレームアセンブリ28のチャネル42内でクランプスライドアセンブリを前進させて、アンビル22に対してカートリッジアセンブリ20を移動させ、ステープル留めデバイス10をその非クランプ位置とクランプ位置との間で移動させることができる。ステープル留めデバイス10のクランプ位置(図10)では、カートリッジアセンブリ20は、アンビル22と並列に位置合わせされて位置決めされている。スラストバー32も、トリガ19の作動を介して作動して、ステープル(図示せず)をカートリッジアセンブリ20からアンビル22に発射することができる。ハンドルアセンブリ12、アプロキシメーション機構30およびスラストバー44の構造および動作のより詳細な説明については、米国特許第6,817,508号(「‘508特許」)を参照のこと。
【0033】
図2~4は、カートリッジアセンブリ20、輸送用キャップ52、およびカッティングプレート54を含むリロードアセンブリ50(図4)を示す。カートリッジアセンブリ20は、カートリッジ本体56、ステープルプッシャー58、位置合わせピンアセンブリ60、カッティングプレート取り外しピン59(図4)およびナイフアセンブリ62を含む。ナイフアセンブリ62は、ナイフブレード62aおよびナイフホルダー62bを含む。カートリッジ本体56は、ステープルポケット64の列(図4)、およびステープルポケット64の列間に位置決めされたナイフスロット66を画定する。ステープルポケット64の各々は、ステープル68を受容する。カートリッジ本体56は、その近位端で開いており、ステープルプッシャー58およびナイフアセンブリ56を受容して、組織のステープル留めおよび切除または切断をもたらすために、ステープルプッシャー58およびナイフアセンブリ62のカートリッジ本体56内の後退位置から前進位置への移動を容易にする。カッティングプレート取り外しピン59は、ステープル留めデバイス10が発射された後に、カートリッジアセンブリ20を伴うアンビル22からのカッティングプレート54の取り外しを容易にするようにカッティングプレート54と係合するように、後退位置から前進位置(図14)に移動可能である。この操作については、以下で詳細に記載される。
【0034】
位置合わせピンアセンブリ60(図4)は、位置合わせピン70、位置合わせピン結合部材72、キャップ74、およびバイアス部材76を含む。本開示の特定の態様では、位置合わせピン70は、テーパー状のヘッド部分78を有する実質的にD字形の本体70aと、カートリッジアセンブリ20のナイフブレード62aに面し、かつナイフブレード62aが、カートリッジ本体56およびナイフスロット66を通って前進する際に、ナイフブレード62aと係合するガイド表面80と、を有する。位置合わせピンアセンブリ60は、ステープル留めデバイス10の位置合わせピンプッシャー82に結合されて、位置合わせピン70の格納位置からアンビル22と係合した前進位置への移動を容易にする。位置合わせピンアセンブリ60の構造および操作のより詳細な説明については、’508特許を参照のこと。
【0035】
輸送用キャップ52(図2)は、カートリッジアセンブリ20に固定され、結合部分84およびキャップ部分86を含む。結合部分84は、ステープル留めデバイス10の長手方向軸「Y」に実質的に平行な方向に延在し、カートリッジ本体56を受容し、把持して、輸送用キャップ52をカートリッジ本体56に固定する半円形の弾性アーム88を含む。結合部分はまた、カートリッジアセンブリ20から輸送用キャップ52を取り外すために把持および引っ張ることができるグリップ部材89を含む。
【0036】
キャップ部分86は、結合部分84を横切る方向に延在し、遠位表面86aおよび近位表面(図示せず)を含む。近位表面(図示せず)は、カートリッジ本体56内にステープル68を保持するために、カートリッジ本体56の遠位表面56aに当接するように位置決めされる。キャップ部分86aの遠位表面86aは、突起90および弾性フィンガー92を含む。突起90は、カッティングプレート54を支持する。弾力フィンガー92は、ステープル留めデバイス10上へのリロードアセンブリ50の設置中に、アンビル22内にカッティングプレート54を位置決めするためのガイドチャネルを画定する。リロードアセンブリがクランプスライドアセンブリ30上に設置されてリロードアセンブリ50を適切に配向するときに、ガイドチャネルは、フレーム28の遠位短手方向部分36aを受容するように位置決めされる。輸送用キャップ52は、リロードアセンブリ50が外科用デバイス10上に設置された後、臨床医によってカートリッジアセンブリ20のカートリッジ本体56から取り外される。
【0037】
カッティングプレート54は、カートリッジアセンブリ20およびアンビル22の形状に対応する形状を有する本体96を含む。本体96は、挿入端部98および支持端部100を有する。支持端部100は、キャップ100aおよび第1の開口部102および第2の開口部104を画定するテーパー体102bを含む。第1の開口部102は、輸送用キャップ52上に支持されたカッティングプレート54を支持するために輸送用キャップ52上に形成された突起部90を受容する。第1の開口部102はまた、リロードアセンブリ50がステープル留めデバイス10から取り外されるときに、アンビル22からのカッティングプレート52の除去を容易にするためにカッティングプレート取り外しピン59を受容する。第2の開口部104は、位置合わせピンアセンブリ60の位置合わせピン70を受容する。
【0038】
本開示の態様では、カッティングプレート54は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)材料、ポリオキシメチレン(POM)材料、またはポリフェニルスルホン材料(PPSU)などの、プラスチック材料から形成されている。本開示の態様では、カッティングプレート54は、他の製造方法が想定されるが、射出成形によって形成されている。カッティングプレート54は、ナイフ62aとの係合時に局所的および構造的に変形する材料で形成されるべきである。カッティングプレート54の局所的な変形は、ナイフブレード62aとカッティングプレート52の表面との間に隙間が存在しないことを確実にして、組織をきれいにカットすることを容易にする。構造変形は、ステープル留めデバイス10を発射するのに必要な発射力を制限する。
【0039】
図5および図6は、アンビル22を含むフレームアセンブリ28の遠位短手方向部分36aを示す。フレームアセンブリ28の遠位短手方向部分36aは、カートリッジアセンブリ20およびアンビル22の構成に対応する構成を有し、例えば、湾曲し、カッティングプレート54を支持するシート112を含む湾曲したチャネル110を画定する。チャネル110は、均一な幅のチャネル部分110bに向かってテーパー状の拡大された口部110aを含む。チャネル110の拡大された口部110aは、ステープル留めデバイス10が発射されるときに位置合わせピン70が後退位置から前進位置に移動するときに位置合わせピン70を受容するボア114を画定する。フレームアセンブリ28の遠位短手方向部分36aはまた、カットアウト116およびカットアウト116内に位置決めされたボア118を画定する。
【0040】
アンビル22は、フレーム28の遠位短手方向部分36aおよびカートリッジアセンブリ22の構成に対応する構成、例えば、湾曲している。アンビル22は、近位に面するステープル変形表面120およびブラケット122を含む。ステープル変形表面120は、ステープル変形ポケット126の列、およびステープル変形スロット126の列間に延在するナイフブレードスロット128を画定する。本開示のいくつかの態様では、ステープル変形表面120は、ナイフブレードスロット128の一方側に2列のステープル変形スロット126を含み、ナイフブレードスロット128の他方側に3列のステープル変形スロット126を含む。代替的には、ステープル変形スロットの他のアレイが想定されている。ブラケット122は、フレームアセンブリ28のカットアウト116に受容され、フレームアセンブリ28の遠位短手方向部分36aのボア118と位置合わせされるボア132を画定する。ボア118、132は、アンビル22をフレームアセンブリ28の遠位部分に固定するためのピンまたはリベット(図示せず)を受容する。アンビル22がフレームアセンブリ28の遠位短手方向部分36aに固定されるときに、チャネル110が囲まれ、ナイフブレードスロット128と位置合わせされる。チャネル入口138(図5)は、アンビル22の一端に画定され、チャネル110の口部110aと連通している。
【0041】
図7~13は、ステープル留めデバイス10上へのリロードアセンブリ50の設置を示している。リロードアセンブリ50がステープル留めデバイス10のフレームアセンブリ28の遠位短手方向部分36a上に設置されるときに、輸送用キャップ52は、輸送用キャップ52の弾性フィンガー92間に受容されたカッティングプレート54と共にカートリッジアセンブリ20上に支持されている。カッティングプレート54の挿入端部分98が位置合わせされ、リロードアセンブリ50が、フレームアセンブリ28の遠位短手方向部分36a上で図8の矢印「A」の方向に回転される。リロードアセンブリ50がフレームアセンブリ28の遠位短手方向部分36a上で回転されると、カッティングプレート54がチャネル110の入口138に挿入され、それを通って移動する。図9に示されるように、輸送用キャップ52の弾性フィンガー92は、フレームアセンブリ28の遠位短手方向部分36aの両側に係合し、矢印「B」の方向に外向きに偏向されて、リロードアセンブリ50をフレームアセンブリ28の遠位短手方向部分36a上にガイドする。リロードアセンブリ50は、カートリッジアセンブリ20がフレームアセンブリ26の中央長手方向部分36c(図10)に係合するまで、フレームアセンブリ28の遠位短手方向部分36a上で回転され、カッティングプレート54のキャップ102a(図8)は、フレームアセンブリ28の遠位短手方向部分36aにおいて画定されるチャネル入口138(図8)を覆う。
【0042】
図11~13は、リロードアセンブリ50が前進されてステープル留めデバイス10にロックされたリロードアセンブリ50を示している。リロードアセンブリ50がフレームアセンブリ28の遠位短手方向部分36a上で回転された後、リロードアセンブリ50は、図11の矢印「C」によって示されるように、クランプスライドアセンブリ38の遠位端部分46のポケット46a(図5)内に、ハンドルアセンブリ12(図1)の方向に近位に移動されて、ナイフアセンブリ62のナイフホルダー62bをスラストバー32(図1)と係合するように移動させる。カートリッジアセンブリ20がクランプスライドアセンブリ38のポケット46a内に移動するときに、カッティングプレート54はアンビル22内に保持され、輸送用キャップ52から分離される。カッティングプレート54が輸送用キャップ52から分離すると、輸送用キャップ52の突起部90(図4)は、カッティングプレート54の第1の開口部102から取り外される。これにより、輸送用キャップ52をカートリッジアセンブリ20から取り外すことができる。
【0043】
図14および15は、カートリッジアセンブリ20が発射されるときのカートリッジアセンブリ20を示している。カートリッジアセンブリ20が発射されるときに、カートリッジ本体56内で前進してカートリッジ本体56からステープル68を排出するカートリッジアセンブリ20のプッシャー58が、カッティングプレート取り外しピン59と係合して、カッティングピン取り外しピン59を、カートリッジアセンブリ20のカートリッジ本体56内の後退位置(図14)から前進位置(図15)へ移動させる。前進位置では、カッティングプレート取り外しピン59は、カッティングプレート54の支持端部分100の第1の開口部102(図15)内に受容される。
【0044】
図16は、カートリッジアセンブリ20およびカッティングプレート54が矢印「D」によって示される方向にステープル留めデバイス10から取り外されたときのステープル留めデバイス10の遠位端部分46を示している。カートリッジアセンブリ20がステープル留めデバイス10から取り外されると、上記のようにカッティングプレート54の第1の開口部102を通って延在するカッティングプレート取り外しピン59は、カッティングプレート54をチャネル入口138を通して引っ張ってカッティングプレート54をアンビルアセンブリ22から取り外す。
【0045】
図17~24は、ツールアセンブリ216(図22)を含む本開示の別の例示的なステープル留めデバイスのフレームアセンブリ228の遠位部分236(図18)を示している。フレームアセンブリ228の遠位部分236は、チャネル246を画定する離間したフレーム部材228aおよび228bを含む。離間したフレーム部材228a、228bの遠位部分236は、近位短手方向部分240、遠位短手方向部分242、および中央長手方向部分244を形成する。本開示の態様では、フレームアセンブリ228の遠位部分236の遠位短手方向部分240および近位短手方向部分242は、フレームアセンブリ28(図1)の遠位部分36に関して上記のように湾曲した構成を有する。フレームアセンブリ228の遠位部分236の遠位短手方向部分240および近位短手方向部分242は、実質的に線形であり得る。
【0046】
ツールアセンブリ216は、フレームアセンブリ228の遠位部分236上に支持され、カートリッジアセンブリ220およびアンビル222を含む。ステープル留めデバイス10(図1)のアンビル22(図6)に関して説明したように、アンビル222は、フレーム228の遠位短手方向部分240の構成に対応する構成を有する。アンビル222は、近位に面するステープル変形表面320(図18)を含み、ブラケット322(図18)によってフレームアセンブリ228の遠位短手方向部分240上に支持されている。ステープル変形表面320は、ステープル変形ポケットの列(図示せず)、およびアンビル22(図6)に関して上記のようにステープル変形スロットの列間に延在するナイフブレードスロットを画定する。
【0047】
カートリッジアセンブリ220(図22)は、カートリッジアセンブリ20(図4)に関して実質的に上記と同じであり、とりわけ、プッシャー258(図23)、ならびにナイフブレード262a(図21)およびナイフホルダー262b(図4)を含むナイフアセンブリ262を含む。ナイフブレード262(図21)は、ナイフホルダー262b(図23)に固定され、遠位刃先266と、横方向延在部268aおよび268bを含む側面とを有する本体264を含む。
【0048】
フレームアセンブリ228の中央長手方向部分244は、フレームアセンブリ228の遠位短手方向部分240とフレームアセンブリ228の近位短手方向部分242との間に位置決めされるガイドプレート286(図18)を支持する。本開示の態様では、ガイドプレート286は、リベット290、ねじなどを使用してフレームアセンブリ228の中央長手方向部分244に固定され、中央長手方向部分244から離れる方向にカートリッジアセンブリ220(図22)に面するガイド表面286aを含む。本開示のいくつかの態様では、ガイド表面286aは、実質的に平坦で線形である近位部分、および遠位方向にカートリッジアセンブリ220に向かって内向きに角度が付けられたテーパー表面293を画定する遠位部分を有する。テーパー表面293は、ガイドプレート286上で片持ち梁式に支持されている。
【0049】
カートリッジアセンブリ220は、図19および20に示される位置合わせピン292を含む。位置合わせピン292は、上記の位置合わせピン70(図4)と同様であり、アンビル222と係合するように構成された直径が減少した先端294a、およびステープル留めデバイス10(図1)の位置合わせピンプッシャー300(図19)に結合された近位部分298を有する本体294を含む。位置合わせピン292の本体294はまた、位置合わせピン292の長さに沿って延在する長手方向スロットまたはチャネル296を画定する。
【0050】
図23および24は、ツールアセンブリ216が発射されるときのツールアセンブリ216を示している。示すように、ナイフブレード262の横方向延在部268aは、位置合わせピン292の長手方向スロット296に受容され、ナイフブレード262の横方向延在部268bは、ガイドプレート286のガイド表面286aと係合する。ナイフブレード262が、矢印「E」によって示される方向にカートリッジアセンブリ220からその格納位置からその前進位置に前進すると、位置合わせピン292の長手方向スロット296内のナイフブレード262の横方向延長268aの受容、およびナイフブレード262の横方向延在部268bとガイドプレート286のガイド表面286aとの間の係合は、組織がきれいに切断または切除される可能性を改善するために、ナイフブレード262の経路に組織「T」を保持する。ナイフブレード262のナイフ横方向延在部268bがガイドプレート286のテーパー表面293と係合するときに、テーパー表面293を支持するガイドプレート286の遠位部分は、横方向延在部286bによって下向きに偏向される。ガイドプレート286の遠位部分は、ステープル留めデバイスの追加の発射のためにナイフブレード262が所定の位置に後退されるときに、その非偏向位置に戻る。
【0051】
当業者であれば、本明細書において具体的に説明され、添付の図面に図示されるデバイスおよび方法が、本開示の非限定的な例示的な態様であることを理解するであろう。1つの例示的な実施形態に関連して例示または記載される要素および特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく、別の要素および特徴と組み合わせてもよいことが想定される。同様に、当業者であれば、本開示の上述の開示の態様に基づく本開示のさらなる特徴および利点を理解するであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲によって指示される場合を除いて、具体的に図示および記載されたものによって限定されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
【国際調査報告】