(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-02
(54)【発明の名称】慢性疼痛治療のためのカンナビジオール及び/又はテトラヒドロカンナビノールを含有する経皮製剤及び/又は局所製剤
(51)【国際特許分類】
A61K 31/352 20060101AFI20230526BHJP
A61P 25/04 20060101ALI20230526BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20230526BHJP
A61K 31/05 20060101ALI20230526BHJP
A61K 9/12 20060101ALI20230526BHJP
A61K 9/107 20060101ALI20230526BHJP
A61K 9/70 20060101ALI20230526BHJP
【FI】
A61K31/352
A61P25/04
A61P25/00
A61K31/05
A61K9/12
A61K9/107
A61K9/70 401
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022560857
(86)(22)【出願日】2021-04-20
(85)【翻訳文提出日】2022-11-02
(86)【国際出願番号】 IB2021000261
(87)【国際公開番号】W WO2021214545
(87)【国際公開日】2021-10-28
(32)【優先日】2020-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】522142752
【氏名又は名称】パイク セラピューティクス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【氏名又は名称】廣田 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】プラコヤニス,フォショス,エム.
(72)【発明者】
【氏名】ラザー,タマンナ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA09
4C076AA11
4C076AA17
4C076AA24
4C076AA72
4C076AA95
4C076BB31
4C076CC01
4C076DD37
4C076DD38
4C076DD41
4C076DD45
4C076DD55
4C076DD60
4C076FF31
4C076FF34
4C086AA01
4C086AA02
4C086BA08
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA13
4C086MA28
4C086MA63
4C086NA13
4C086ZA02
4C086ZA08
4C206AA01
4C206AA02
4C206CA19
4C206MA03
4C206MA05
4C206MA33
4C206MA48
4C206MA83
4C206NA13
4C206ZA02
4C206ZA08
(57)【要約】
本開示は、患者の副作用が低減される慢性疼痛の治療のための、カンナビジオール(CBD)及びテトラヒドロカンナビノール(THC)を含む、経皮又は局所の医薬製剤に関する。当該経皮又は局所の製剤はまた、多発性硬化症(MS)に関連する様々な症状の治療に用いることができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の:
-カンナビジオール(CBD)、その遊離塩基形、その塩、その異性体、その非晶質形、その誘導体、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、約0.1%~約20%の活性剤;
-テトラヒドロカンナビノール(THC)、その遊離塩基形、その塩、その異性体、その非晶質形、その誘導体、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、約0.1%~約20%の活性剤;
-約10%~約50%の少なくとも1つの溶媒;
-約10%~約50%の少なくとも界面活性剤;
-場合によっては、約3%~約15%の少なくとも1つの浸透促進剤;
-場合によっては、約5%~約20%の接着剤及び/又はポリマー;
を含む、経皮的及び/又は局所的な医薬組成物。
【請求項2】
THCは、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質形、その結晶形、その共結晶形、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成形、その生合成形、その活性代謝物、その多形、その固溶体、その被覆形、その立体異性体、そのイオン対、その溶液、その粉末形、その液体形を、単独で、又は、それらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
CBDは、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質形、その結晶形、その共結晶形、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成形、その生合成形、その活性代謝物、その多形、その固溶体、その被覆形、そのイオン対、その立体異性体、その溶液、その液体形を、単独で、又は、それらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビジオール(CBD)、それらの遊離塩基、それらの塩、それらの異性体、それらの非結晶形、それらの結晶形、それらの共結晶形、それらのプロドラッグ、それらの類似体、それらの誘導体、それらの合成形、それらの生合成形、それらの活性代謝物、それらの多形、それらの固溶体、それらの被覆形、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の活性剤を、経皮送達用の剤形で含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
経皮液体製剤、経皮半固形製剤、経皮ゲル製剤、経皮ポリマーマトリクス製剤、経皮接着マトリクス製剤、経皮フィルム形成ゲル製剤、経皮フィルム形成スプレー製剤、又は経皮drug in adhesive型マトリクス製剤として製剤化された、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
局所液体製剤、局所半固形製剤、局所ゲル製剤、局所ポリマーマトリクス製剤、局所接着マトリクス製剤、局所膜形成ゲル製剤、又は局所膜形成スプレー製剤として製剤化された、請求項1~5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
さらに、溶媒、ゲル化剤、ポリマー、感圧接着性ポリマー、浸透促進剤、エモリエント、皮膚刺激軽減剤、緩衝剤、pH安定剤、粘着付与剤、希釈剤、膨張剤、可溶化剤、懸濁剤、分散剤、安定剤、可塑剤、界面活性剤、抗酸化剤、酸化剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、有効量の担体又は成分を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
さらに、溶媒、ゲル化剤、ポリマー、感圧接着性ポリマー、浸透促進剤、エモリエント、皮膚刺激軽減剤、緩衝剤、pH安定剤、可溶化剤、懸濁剤、分散剤、安定剤、可塑剤、粘着剤、希釈剤、膨張剤、界面活性剤、酸化防止剤、酸化剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、有効量の担体又は成分を0.1%-99.5%w/w又はw/vの範囲で含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
経皮パッチとして製剤化された、請求項1~8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
定量経皮ゲル、定量経皮スプレー、フィルム形成ゲル、フィルム形成スプレー、又は定量エアゾールとして製剤化された、請求項1~9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
局所パッチとして製剤化された、請求項1~10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
定用量ゲル、定用量スプレー、ゲル、クリーム、溶液、エマルジョン、液体組成物、半固体組成物、又はフィルム形成製剤として製剤化された、請求項1~11のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
経皮パッチとして製剤化された、請求項1~12のいずれか一項に記載の医薬組成物であって、ここで、前記経皮パッチは、リザーバパッチ、マイクロリザーバパッチ、マトリクスパッチ、drug in adhesive型パッチ、感圧接着パッチ、徐放性経皮フィルム、液体リザーバシステム、マイクロリザーバパッチ、粘膜接着パッチ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、医薬組成物。
【請求項14】
局所パッチとして製剤化された、請求項1~13のいずれか一項に記載の医薬組成物であって、前記局所パッチは、リザーバパッチ、マイクロリザーバパッチ、マトリクスパッチ、drug in adhesive型パッチ、感圧接着パッチ、徐放性経皮フィルム、液体リザーバシステム、マイクロリザーバパッチ、粘膜接着パッチ、マイクロドージングパッチ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、医薬組成物。
【請求項15】
患者の慢性疼痛の治療及び/又は予防及び/又は抑制のために適応される、請求項1~14のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項16】
多発性硬化症の治療及び/又は予防及び/又は抑制のために適応される、請求項1~15のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項17】
毎日一回、毎日二回、1日に三回、1~8時間に一回、1~24時間に一回、2日に一回、3日に一回、4日に一回、5日に一回、6日に一回、週に一回、8~約13日に一回、2週間に一回、15日~約30日に一回からなる群から選択される用量レジメンで投与されうる経皮製剤として製剤化された、請求項1~16のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項18】
毎日一回、毎日二回、1日に三回、1日に四回、1日に五回、1日六回、1時間~8時間に一回、1時間~24時間に一回、1日に一回、2日に一回、3日に一回、4日に一回、5日に一回、6日に一回、週に一回、8~約13日に一回、2週間に一回、15日~約30日に一回からなる群から選択される用量レジメンで投与されうる局所製剤として製剤化された、請求項1~17のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項19】
マイクロニードルとして製剤化された、請求項1~18のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項20】
テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビジオール(CBD)、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非定形、その多形、その立体異性体、そのイオン対、その被覆形、その結晶形、その共結晶形、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成形、その生合成形、その活性代謝物、及びそれらの組み合わせが合成経路により作製される、請求項1~19のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項21】
神経障害性疼痛、末梢神経障害性疼痛、炎症性疼痛、筋骨格痛、筋痙攣による疼痛、筋緊張亢進による疼痛、変形性関節症性疼痛、筋肉頭痛、緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛、非定型顔面痛、関連痛、外陰部痛、直腸痛、及びこれらのいかなる組み合わせに関する症状の治療及び/又は管理及び/又は予防及び/又は抑制のために投与される薬物からなる群から選択される、少なくとも1つのさらなる活性剤と併用投与される、請求項1~20のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項22】
さらに、THC、CBD、抗うつ剤、NSAIDS、抗痙攣剤、コルチコステロイド剤、鎮痛剤、リドカイン、メントール、カプサイシン、サリチル酸メチル、リドカイン、三環系抗うつ剤、アミトリプチリン、イミプラミン、ノルトリプチリン、デシプラミン、ドキセピン、SNRI及びSSRI、デュロキセチン、ベンラファキシン、フルオキセチン、ミルナシプラン、ジクロフェナク、アスピリン、ナプロキセン、イブプロフェン、ケトプロフェン、セレコキシブ、メロキシカム、アセトアミノフェン、cox-2阻害剤、抗痙攣剤類、カルバマゼピン、ガバペンチン、ラモトリギン、プレガバリン、オクスカルバゼピン、ラモトリギン、バルプロ酸、カンフル、サリチル酸塩、副腎皮質ステロイド剤、トリアムシノロン、メチルプレドニゾロン、コルチゾン、プレドニゾン、デキサメタゾン、及びオピオイドからなる群から選択される、少なくとも1つのさらなる活性剤を含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項23】
患者における慢性疼痛の治療及び/又は予防及び/又は抑制のための方法であって、以下の:
-慢性疼痛の治療及び/又は予防及び/又は抑制が必要な患者を選択し、
-請求項1~22のいずれか一項に記載の医薬組成物を局所的に適用することにより、
前記患者の慢性疼痛を治療、予防及び/又は制御する、
ことを含む、方法。
【請求項24】
慢性疼痛は、神経障害性疼痛、末梢神経障害性疼痛、炎症性疼痛、筋骨格痛、筋痙攣による疼痛、筋緊張亢進による疼痛、変形性関節症性疼痛、筋肉頭痛、緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛、非定型顔面痛、関連痛、外陰部痛、直腸痛、及びこれらのいかなる組み合わせからなる群から選択される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
経皮医薬組成物の局所塗布は、前記患者の慢性疼痛の治療及び/又は予防及び/又は抑制のためであり、かつ、ここで、経皮パッチは、1日に一回、2日に一回、3日に一回、4日に一回、5日に一回、6日に一回、週に一回、10日に一回、及び15日に一回からなる群から選択される時期に塗布される、請求項23又は24に記載の方法。
【請求項26】
患者における多発性硬化症の治療及び/又は予防及び/又は抑制のための方法であって、以下の:
-多発性硬化症の治療及び/又は予防及び/又は抑制が必要な患者を選択し、
-請求項1~22のいずれか一項に記載の医薬組成物を局所的に適用することにより、
前記患者の多発性硬化症を治療、予防及び/又は制御する、
ことを含む、方法。
【請求項27】
さらに、1日に一回、2日に一回、3日に一回、4日に一回、5日に一回、6日に一回、週に一回、10日に一回、及び15日に一回からなる群から選択される期間にわたり、経皮パッチの有効成分を一定の送達速度で提供する、請求項23~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
さらに、1日に一回、2日に一回、3日に一回、4日に一回、5日に一回、6日に一回、週に一回、10日に一回、及び15日に一回からなる群から選択される期間にわたり、経皮パッチの有効成分を安定した吸収率で提供する、請求項23~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
さらに、1日に一回、2日に一回、3日に一回、4日に一回、5日に一回、6日に一回、週に一回、10日に一回、及び15日に一回からなる群から選択される期間にわたり、経皮パッチの活性成分の一定の血清レベルを達成する、請求項23~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
さらに、1日に一回、2日に一回、3日に一回、4日に一回、5日に一回、6日に一回、週に一回、10日に一回、及び15日に一回からなる群から選択される期間にわたり、経皮パッチの有効成分の投与量の変動が低減される、請求項23~29のいずれか一項の方法。
【請求項31】
さらに、約0.01ng/mL~約500ng/mLの治療範囲で、経皮パッチの有効成分の血漿中濃度を提供する、請求項23~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
さらに、約0.1ng/mL~約300ng/mLの治療範囲で、経皮パッチの有効成分の血漿中濃度を提供する、請求項23~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
局所医薬組成物の局所塗布は、前記患者の慢性疼痛の治療及び/又は予防及び/又は抑制のためであり、かつ、ここで、局所パッチは、毎日一回、毎日二回、1日に三回、1日に四回、1日に五回、1時間~8時間に一回、1時間~24時間に一回、1日に一回、2日に一回、3日に一回、4日に一回、5日に一回、6日に一回、週に一回、10日に一回からなる群から選択される時間に塗布される、請求項23~32のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年4月20日に出願された米国仮出願第63/012,428の利益を主張し、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
【背景技術】
【0002】
痛みは神経終末の有毒刺激によって生じる。有毒受容性疼痛は、有毒受容器の有毒刺激により、インパルスが無傷の神経経路を通り、脊髄ニューロン、そして脳へと伝達されることにより生じる。末梢神経障害性疼痛は、神経終末の損傷による痛みで、ほとんどが皮膚、特に表皮にみられる。これらの損傷した神経終末は、刺激がなくてもインパルスを発生したり、通常の刺激に対して過敏になったり、あるいは、残存する局所の炎症性刺激によって誘発されることがある。表皮にあるごく少数の損傷した過活動状態の小神経線維でさえ、末梢神経障害性疼痛を引き起こすのに十分である。神経障害性疼痛は消耗性であり、患者の生活の質をかなり低下させる場合がある。この痛みは、損傷した組織が治癒するまでの間、数カ月から数年続くことがある。
【0003】
神経障害性疼痛には、神経線維の感作をもたらす局所的な炎症成分がある。顆粒層に存在する有毒受容器等、同じ領域を支配する他の無傷の神経線維も感作され、神経因性疼痛(例えば、痛覚過敏)の臨床症状に関与する場合がある。その結果、局所的な神経原性の炎症が生じ、灼熱感、凍りつき、電気ショック、かゆみ、うずき、ピンアンドニードル、痛覚過敏、アロディニア(軽い接触や撫でる等の非疼痛刺激による痛み)等、さまざまな臨床的特徴が生じる。
【0004】
末梢神経の損傷は脊髄内の伝達物質放出の亢進をもたらし、中枢性感作につながる場合がある。一次求心性神経を介した末梢入力の増加は中枢性感作と神経障害性疼痛の維持に決定的に関与している。リドカイン5%薬用パッチやカプサイシン8%パッチ等の末梢作用型薬剤には、神経因性疼痛症候群における疼痛の軽減能が示されている。しかし、リドカインパッチは貼付部をカットする必要があるが、多くの高齢者は足の指にうまく届かないため、高齢者は、特に足の指に貼付しにくい。カプサイシンクリームやパッチを塗ると、灼熱感の亢進等の耐え難い副作用が生じることが多く、この副作用を中和するため、局所麻酔剤を併用する必要がある。
【0005】
一般的な慢性疼痛では、例えば、アセトアミノフェン、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、及びオピオイド等の経口鎮痛剤は、痛みを軽減することを目的としたガイドラインの一部である。しかし、このような経口鎮痛剤を慢性的に用いると、重篤かつ致命的な副作用や有害な薬物間相互作用を引き起こす可能性がある。
【0006】
局所鎮痛剤医薬組成物もまた、慢性疼痛に罹患している患者を助けるために探索されている。神経障害性疼痛に最もよく用いられる局所用化合物は、カプサイシン(バニロイド受容体作動剤及び鎮痛剤)とリドカイン(膜安定剤)の2種類であるが、どちらも明らかな欠点がある。
【0007】
明らかに、一般的な慢性疼痛および特に神経障害性疼痛の治療選択肢を開発する技術において、特に、患者の副作用を軽減する組成物である、慢性疼痛の治療に用いるための新規かつ有効な医薬組成物の開発に対する、緊急かつ長年のニーズがある。
【0008】
多発性硬化症(Multiple Sclerosis:MS)は中枢神経系(CNS)の最も一般的な慢性自己免疫疾患である。MSは炎症、脱髄、神経変性によって特徴づけられるが、これはCNSの自己反応性ミエリン特異的Tリンパ球の浸潤に起因する。これらのT細胞は、腫瘍壊死因子(TNF)αやインターフェロン(INF)等の炎症性サイトカインの放出、炎症細胞の付加、マクロファージの持続的な活性化等の炎症反応を誘発し、オリゴデンドロサイトの死となるさらなる脱髄をもたらす。MSは大きく以下の:1)再発寛解型MS(RRMS)、2)二次性進行型MS(SPMS)、3)一次性進行型MS(PPMS)、4)進行性再発型MS(PRMS)の4つに分類される。85%のMS患者はRRMSグループに該当する(非特許文献1~5)。
【0009】
MSは極めて不均一で予測できない神経障害の経過を示すため、治療法を見つけることは困難である。IFN-β、酢酸グラチラマー、フマル酸ジメチル、ミトキサントロン、テリフルノミド、クラドリビン、フィンゴリモド、シポニモド及びオザニモド、ナタリズマブ、アレムツズマブ、ocrelizumab等のいくつかの免疫調節剤及び免疫抑制剤は、疾患の進行を遅らせ、再発率を低下させることに成功した。上記の薬剤はいずれも臨床効果とリスクベネフィット比がとても低く、効果の高い薬剤ほど重篤な副作用のリスクも高い(非特許文献6及び7)。
【0010】
MSを管理するもう1つの方法は、QOLを最大限に高めつつ、疾患への影響を最小限に抑えるために設計された幅広い薬理学的及び非薬理学的アプローチを用いることである。MSの対症療法としての薬物療法のうち、デルタ-9-THCやカンナビジオール(CBD)等の大麻及びその誘導体は、痙縮や疼痛の治療に有効であるとの認識が高まっている。現在、THC:CBD(1:1)比率のいわゆる「サティベックス」は、MSに関連する痙縮の治療薬として25カ国以上(米国を除く)で販売されている。さらに、疫学調査によると、MS患者は睡眠障害、疼痛、不安、痙縮、さらにはうつ病等、MS症状に関連する様々な症状に大麻製剤を用いることが増えている。これまでの研究によると、大麻はMS及び関連疾患の治療に20-60%の人が使用している(非特許文献5、8、9、10)。
【0011】
大麻(マリファナ)は、米国ではスケジュールI薬物に指定されている。大麻は、400種類以上の植物栄養素(微量栄養素)を含む顕花植物である。100種類以上のテルペノイド、精油、抗酸化物質、カンナビノイドが植物から抽出されている。カンナビノイドには免疫調節作用と免疫抑制作用があり、慢性炎症性疾患の治療薬としての可能性が示唆されている。さらに、最近では、カンナビノイドの受容体は、MSを含む自己免疫疾患の治療標的として提唱されている。また、大麻製剤は、炎症性腸疾患、関節リウマチ、神経変性疾患等の慢性炎症状態や、SARS-CoV-2感染症による急性炎症にも有用であると考えられている(非特許文献11~15)。
【0012】
すべての植物化学物質の中で、テトラヒドロカンナビノール(THC)のみが顕著な精神活性作用を示した。THCについては、その精神作用と治療効果から、多くの研究論文が発表されている。THC以外にも、カンナビジオール(CBD)、カンナビノール(CBN)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビゲロール(CBG)、テトラヒドロカンビバリン(THCV)、デルタ9-テトラヒドロカンビノール(デルタ9THC)等の、精神作用を伴わない治療効果を示す成分が研究されている。カンナビス及びその誘導体は、疼痛、2型関連代謝障害、眼圧低下、ドラベ(Dravet)症候群、レノックス・ガストー(Lennox-Gastaut)症候群(LGS)、てんかん、悪心、AIDSに伴う疼痛及び消耗、関節炎及びリウマチ、片頭痛、多発性硬化症及び麻痺に伴う筋痙縮、アルコール及び麻薬の禁断症状、ストレス及びうつ病、喘息、線維筋痛症、炎症性疼痛、化学療法に伴う疼痛及び/又は炎症の治療に使用できることが示されており、抗菌剤として作用する。FDAが承認したMarinol及びSyndrosにはデルタ9-THCが含まれており、現在、化学療法に伴う吐き気、嘔吐、食欲不振に用いられている。臨床研究では、Sativex(THCとCBDを含むカンナビノイド抽出物口腔粘膜スプレー)は神経障害性疼痛と睡眠の質の改善が示されている。現在、Sativexは口腔粘膜スプレーとして利用可能であり、1スプレーあたり、THC 2.7mgとCBD 2.5mgを投与する。現在の投与レジメンは、1日8~10回経口噴霧する。特許文献1によると、発明者は、経口大麻送達は投与量の90%を代謝すると主張している。さらに、頬腔、舌下、鼻咽頭の粘膜は大麻を代謝しておらず、初回通過代謝を回避することで直接血流に供給していることも示唆された。第I相臨床試験では、舌下投与は経口投与の18%、頬側投与は11%に過ぎないことが判明した。この研究では、口腔粘膜スプレーはカンナビノイドの生物学的利用能を6%から8~10%に高めると結論付けている。カンナビノイドの中には、初回通過代謝を経て代謝されるものが多い。さらに、個々の患者の生物学的利用能の変動を最小化するために、食物摂取との関連で口腔粘膜噴霧の適用を標準化する必要がある(非特許文献16)。換言すれば、口腔粘膜噴霧を介した生物学的利用能はばらつきがとても高い(非特許文献17)。さらに、2016年4月、FDAは結節性硬化症症候群(TSC)、ドラベ症候群及びレノックス・ガストー症候群の治療薬としてカンナビジオールを希少疾病用医薬品として指定した。カンナビジオールは、疼痛及び炎症に対して経口的に有効な治療薬である(非特許文献18)。
【0013】
CBD/THCの経皮送達はMSの管理に対する治療可能性がある。現在、SativexはCBDとTHCを個別に20mg/日に相当する8~10噴霧/日で投与されている。生物学的利用能を考慮すると、経皮投与量は2mg/日となる。経皮投与に必要な流束は以下のとおりである:
必要流量=2000ug/24時間/50
=1.7ug/sqcm/時間
さらに、経口送達に関連する副作用は経皮経路を用いることで回避できる。さらに、経口送達による血漿中濃度のピークと谷は、経皮剤形を用いて常に所定の入力速度で薬物分子を送達することで回避できる。
【0014】
カンナビジオールに関する特許は多数存在するが、その実用性は評価されていない。その一例が特許文献2である。特許文献2にはいくつかの例が示されているが、それらの例のインビトロ又はインビボデータはない。これらのデータがなくては、実用化は不可能である。
【0015】
さらなる例は、特許文献3である。特許文献3は、リザーバパッチと粘着性マトリクスパッチの例を提供する。これらの例はすべて、カンナビジオールの代わりにカンナビノイド(デルタ-8-THC、デルタ-9-THC、カンナビジオール、カンナビノール等)の混合物を含む。THCは向精神剤であり依存性物質である。したがって、特許の有用性には問題がある。
【0016】
本開示は、上記の欠点に対処し、実際に実用化可能な特許を提供する。さらに、本発明では、植物由来のカンナビジオールよりも、より制御された環境で製造される合成カンナビジオールを用いる。これは、合成されたTHC/カンナビジオールは、不純物が混入するものと比較して、浸透性がより高いというさらなる理由である可能性がある。さらに、本発明は、合成カンナビジオールを1日間及び/又は2日間及び/又は3日間及び/又は4日間及び/又は5日間及び/又は6日間及び/又は7日間及び/又は最大15日間送達できる経皮マトリクスパッチを開発することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】欧州特許第1361864号
【特許文献2】米国特許第9375417号
【特許文献3】米国特許第6328992号
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】Furgiuele A.,et.al.,“Immunomodulatory Potential of Cannabidiol in Mulitple Sclerosis: A systematic Review” J Neuroimmune Pharmacol,2021,1-19.
【非特許文献2】Dobson R.,et.al.,“Multiple Sclerosis-A review”,Eur J Neurol,26,27-40
【非特許文献3】Reich DS,et.al.,“Multiple Sclerosis”,N Engl J Med,378,169-180
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【非特許文献5】Thompson AJ,et.al.,“Multiple Sclerosis”,Lancet,391,1622-1636
【非特許文献6】Yamout BI,et.al.,“Multiple Sclerosis”,Semin Nurol,38,212-225
【非特許文献7】Hemmer B.,et.al.,“New Concenpt in the immunopathogenesis of multiple sclerosis”,Nat Rev Neurosci,3,291-301
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【非特許文献10】Schabas AJ,et.al.,“Cannabis-based product use in multiple sclerosis cohort”, Mult Scler J Exp Transl Clin,5,2055217319869360
【非特許文献11】Klein TW,“Cannabinoid-based drugs as anti-inflammatory therapeutics”, Nat Rev Immunol,5,400-411
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【非特許文献16】www.medicines.org.uk/emc/product/602/smpc#gref
【非特許文献17】https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23052407/
【非特許文献18】Costa,B.The non-psychoactive cannabis constituent cannabidiol is an orally effective therapeutic agent in rat chronic inflammatory and neuropathic pain. European Journal of Pharmacology.Volume556,Issues1-3,5 February 2007,Pages 75-83
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
経口経路に関連する欠点を克服できるCBD及び/又はTHCの改善された薬物送達システムが必要である。CBD及び/又はTHC、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質形、その結晶形、その共結晶形、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成形、その生合成形、その活性代謝物、その固溶体、その多形、その立体異性体、その被覆形態、そのイオン対、その溶液を溶媒中に単独で、又は、それらを組み合わせた、溶液の経皮送達及び/又は局所送達は、経口薬物送達に関連する課題に対処することができ、例えば慢性疼痛又はMSの治療、予防及び/又は抑制として有用である。
ここに引用されているすべての参考文献は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本開示は、経皮薬物送達を用いた、例えば慢性疼痛の治療及び/又は予防及び/又は抑制のための組成物及び方法を提供する。経皮薬物送達では、経皮パッチ又は経皮組成物を皮膚表面に局所的に塗布する。経皮パッチ又は経皮構成剤の局所適用期間を通して、薬物は継続的に放出され、無傷の皮膚を通して(経細胞、細胞間および経腱経路)送達され、全身に効果を発揮する。そのため、一度貼付された経皮組成物又は経皮パッチは、1週間から15日までの適用期間に応じて、1日中又は1日以上にわたり、薬物を体循環に送達することができる。
【0021】
経皮送達は、例えば現在1日数回投与されているCBD及び/又はTHCの投与頻度を減らすことができる。経皮送達により、例えばCBD及び/又はTHCの経皮組成物又は経皮製剤又は経皮パッチを皮膚に局所的に塗布することができ、それにより局所塗布の期間を通して薬物を送達することができる。局所適用の持続時間は、必要に応じて1日に一回、2日に一回、3日に一回、4日に一回、5日に一回、週に一回、15日に一回とすることができる。そのため、経皮投与は、投与頻度を減らすことによって、経口投与の反復投与レジメンを克服することができる。
【0022】
さらに、経皮薬物送達では、局所適用期間を通じて薬物は緩慢に継続的に送達されるため、1日の複数回投与に伴う薬剤の血漿中濃度のピークやトラフは存在しない。そのため、例えばCBDやTHCを経皮的に投与することで、薬剤の血漿中濃度を急激に変化させることなく、長期間にわたって薬剤の治療効果を得ることができる。
【0023】
さらに、経皮送達は簡便かつ非侵襲的で便利である。患者自身が経皮パッチ又は経皮組成物を局所的に塗布することができるため、経皮パッチ又は経皮組成物の投与は医療監督が必要ない。したがって、経皮送達は、しばしば痛みを伴い、医療監督が必要な注射の欠点を克服することができる。
【0024】
CBD及び/又はTHCに関しては、経皮組成物又は経皮パッチからの薬物送達の速度を制御することによって薬剤の血漿中濃度を制御できるため、薬理学的反応における患者間の変動は、経皮送達では少なくなると予想される。経皮送達では、少量のCBD及び/又はTHCを経口投与よりも長期間送達することができる。例えば、CBD及び/又はTHCの経皮製剤は、即時放出型剤形よりも乱用防止効果が高い。さらに、何らかの副作用や緊急事態が発生した場合、経皮吸収パッチや経皮吸収組成物を皮膚から剥がすことで、いつでも治療をすることができる。
【0025】
慢性疼痛の治療及び/又は予防及び/又は抑制に関する上記の理由の通り、経皮送達は従来の送達システムよりも患者に優しく、簡素化され、便利な治療レジメンを提供できる。経皮送達はCBD及び/又はTHCの投与頻度を減少させることができる。必要に応じて、1日に一回、2日に一回、3日に一回、4日に一回、5日に一回、6日に一回、週に一回、10日に一回の頻度で投与する。薬物複合体の経皮投与により、2つ以上の薬物を同時に送達することができる。必要に応じて、薬物複合体を含む経皮パッチまたは経皮組成物の投与頻度は、1日に一回、2日に一回、3日に一回、4日に一回、5日に一回、6日に一回、週に一回、10日に一回とすることができる。それは患者のコンプライアンスを向上させることができるだろう。
【0026】
本開示は、以下の:カンナビジオール(CBD)、その遊離塩基形、その塩、その異性体、その非晶質形、その誘導体、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、約0.1%~約20%の活性剤;テトラヒドロカンナビノール(THC)、その遊離塩基形、その塩、その異性体、その非晶質形、その誘導体、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、約0.1%~約20%の活性剤;約10%~約50%の少なくとも1つの溶媒;約10%~約50%の少なくとも界面活性剤;場合によっては、約3%~約15%の少なくとも1つの浸透促進剤;場合によっては、約5%~約20%の接着剤及び/又はポリマー;を含む、経皮的及び/又は局所的な医薬組成物を提供する。本開示は、THCは、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質形、その結晶形、その共結晶形、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成形、その生合成形、その活性代謝物、その多形、その固溶体、その被覆形、その立体異性体、そのイオン対、その溶液、その粉末形、その液体形を、単独で、又は、それらの組み合わせからなる群から選択される、経皮的及び/又は局所的な医薬組成物を提供する。本開示は、CBDは、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質形、その結晶形、その共結晶形、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成形、その生合成形、その活性代謝物、その多形、その固溶体、その被覆形、そのイオン対、その立体異性体、その溶液、その液体形を、単独で、又は、それらの組み合わせからなる群から選択される、経皮的及び/又は局所的な医薬組成物を提供する。本開示は、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビジオール(CBD)、それらの遊離塩基、それらの塩、それらの異性体、それらの非結晶形、それらの結晶形、それらの共結晶形、それらのプロドラッグ、それらの類似体、それらの誘導体、それらの合成形、それらの生合成形、それらの活性代謝物、それらの多形、それらの固溶体、それらの被覆形、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の活性剤を、経皮送達用の剤形で含む、経皮的及び/又は局所的な医薬組成物を提供する。本開示は、経皮液体製剤、経皮半固形製剤、経皮ゲル製剤、経皮ポリマーマトリクス製剤、経皮接着マトリクス製剤、経皮フィルム形成ゲル製剤、経皮フィルム形成スプレー製剤、又は経皮drug in adhesive型マトリクス製剤として製剤化された、経皮的及び/又は局所的な医薬組成物を提供する。本開示は、局所液体製剤、局所半固形製剤、局所ゲル製剤、局所ポリマーマトリクス製剤、局所接着マトリクス製剤、局所膜形成ゲル製剤、又は局所膜形成スプレー製剤として製剤化された、経皮的及び/又は局所的な医薬組成物を提供する。本開示は、さらに、溶媒、ゲル化剤、ポリマー、感圧接着性ポリマー、浸透促進剤、エモリエント、皮膚刺激軽減剤、緩衝剤、pH安定剤、粘着付与剤、希釈剤、膨張剤、可溶化剤、懸濁剤、分散剤、安定剤、可塑剤、界面活性剤、抗酸化剤、酸化剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、有効量の担体又は成分を含む、経皮的及び/又は局所的な医薬組成物を提供する。本開示は、さらに、溶媒、ゲル化剤、ポリマー、感圧接着性ポリマー、浸透促進剤、エモリエント、皮膚刺激軽減剤、緩衝剤、pH安定剤、可溶化剤、懸濁剤、分散剤、安定剤、可塑剤、粘着剤、希釈剤、膨張剤、界面活性剤、酸化防止剤、酸化剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、有効量の担体又は成分を0.1%-99.5%w/w又はw/vの範囲で含む、経皮的及び/又は局所的な医薬組成物を提供する。本開示は、経皮パッチとして製剤化された、経皮的及び/又は局所的な医薬組成物を提供する。本開示は、定量経皮ゲル、定量経皮スプレー、フィルム形成ゲル、フィルム形成スプレー、又は定量エアゾールとして製剤化された、経皮的及び/又は局所的な医薬組成物を提供する。本開示は、局所パッチとして製剤化された、経皮的及び/又は局所的な医薬組成物を提供する。本開示は、定用量ゲル、定用量スプレー、ゲル、クリーム、溶液、エマルジョン、液体組成物、半固体組成物、又はフィルム形成製剤として製剤化された、経皮的及び/又は局所的な医薬組成物を提供する。本開示は、経皮パッチとして製剤化された、本開示の医薬組成物であって、ここで、前記経皮パッチは、リザーバパッチ、マイクロリザーバパッチ、マトリクスパッチ、drug in adhesive型パッチ、感圧接着パッチ、徐放性経皮フィルム、液体リザーバシステム、マイクロリザーバパッチ、粘膜接着パッチ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、経皮的及び/又は局所的な医薬組成物を提供する。本開示は、局所パッチとして製剤化された、本開示の医薬組成物であって、前記局所パッチは、リザーバパッチ、マイクロリザーバパッチ、マトリクスパッチ、drug in adhesive型パッチ、感圧接着パッチ、徐放性経皮フィルム、液体リザーバシステム、マイクロリザーバパッチ、粘膜接着パッチ、マイクロドージングパッチ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、経皮的及び/又は局所的な医薬組成物を提供する。本開示は、患者の慢性疼痛の治療及び/又は予防及び/又は抑制のために適応される、経皮的及び/又は局所的な医薬組成物を提供する。本開示は、多発性硬化症の治療及び/又は予防及び/又は抑制のために適応される、経皮的及び/又は局所的な医薬組成物を提供する。本開示は、毎日一回、毎日二回、1日に三回、1~8時間に一回、1~24時間に一回、2日に一回、3日に一回、4日に一回、5日に一回、6日に一回、週に一回、8~約13日に一回、2週間に一回、15日~約30日に一回からなる群から選択される用量レジメンで投与されうる経皮製剤として製剤化された、経皮的及び/又は局所的な医薬組成物を提供する。本開示は、毎日一回、毎日二回、1日に三回、1日に四回、1日に五回、1日六回、1時間~8時間に一回、1時間~24時間に一回、1日に一回、2日に一回、3日に一回、4日に一回、5日に一回、6日に一回、週に一回、8~約13日に一回、2週間に一回、15日~約30日に一回からなる群から選択される用量レジメンで投与されうる局所製剤として製剤化された、経皮的及び/又は局所的な医薬組成物を提供する。本開示は、マイクロニードルとして製剤化された、経皮的及び/又は局所的な医薬組成物を提供する。本開示は、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビジオール(CBD)、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非定形、その多形、その立体異性体、そのイオン対、その被覆形、その結晶形、その共結晶形、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成形、その生合成形、その活性代謝物、及びそれらの組み合わせが合成経路により作製される、経皮的及び/又は局所的な医薬組成物を提供する。本開示は、神経障害性疼痛、末梢神経障害性疼痛、炎症性疼痛、筋骨格痛、筋痙攣による疼痛、筋緊張亢進による疼痛、変形性関節症性疼痛、筋肉頭痛、緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛、非定型顔面痛、関連痛、外陰部痛、直腸痛、及びこれらのいかなる組み合わせに関する症状の治療及び/又は管理及び/又は予防及び/又は抑制のために投与される薬物からなる群から選択される、少なくとも1つのさらなる活性剤と併用投与される、経皮的及び/又は局所的な医薬組成物を提供する。本開示は、さらに、THC、CBD、抗うつ剤、NSAIDS、抗痙攣剤、コルチコステロイド剤、鎮痛剤、リドカイン、メントール、カプサイシン、サリチル酸メチル、リドカイン、三環系抗うつ剤、アミトリプチリン、イミプラミン、ノルトリプチリン、デシプラミン、ドキセピン、SNRI及びSSRI、デュロキセチン、ベンラファキシン、フルオキセチン、ミルナシプラン、ジクロフェナク、アスピリン、ナプロキセン、イブプロフェン、ケトプロフェン、セレコキシブ、メロキシカム、アセトアミノフェン、cox-2阻害剤、抗痙攣剤類、カルバマゼピン、ガバペンチン、ラモトリギン、プレガバリン、オクスカルバゼピン、ラモトリギン、バルプロ酸、カンフル、サリチル酸塩、副腎皮質ステロイド剤、トリアムシノロン、メチルプレドニゾロン、コルチゾン、プレドニゾン、デキサメタゾン、及びオピオイドからなる群から選択される、少なくとも1つのさらなる活性剤を含む、経皮的及び/又は局所的な医薬組成物を提供する。
【0027】
本開示は、患者における慢性疼痛の治療及び/又は予防及び/又は抑制のための方法であって、以下の:
慢性疼痛の治療及び/又は予防及び/又は抑制が必要な患者を選択し、本開示の医薬組成物を局所的に適用することにより、前記患者の慢性疼痛を治療、予防及び/又は制御する、ことを含む、方法を提供する。本開示は、慢性疼痛は、神経障害性疼痛、末梢神経障害性疼痛、炎症性疼痛、筋骨格痛、筋痙攣による疼痛、筋緊張亢進による疼痛、変形性関節症性疼痛、筋肉頭痛、緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛、非定型顔面痛、関連痛、外陰部痛、直腸痛、及びこれらのいかなる組み合わせからなる群から選択される、方法を提供する。本開示は、経皮医薬組成物の局所塗布は、患者の慢性疼痛の治療及び/又は予防及び/又は抑制のためであり、かつ、ここで、経皮パッチは、1日に一回、2日に一回、3日に一回、4日に一回、5日に一回、6日に一回、週に一回、10日に一回、及び15日に一回からなる群から選択される時期に塗布される、方法を提供する。本開示は、患者における多発性硬化症の治療及び/又は予防及び/又は抑制のための方法であって、以下の:多発性硬化症の治療及び/又は予防及び/又は抑制が必要な患者を選択し、本開示の医薬組成物を局所的に適用することにより、前記患者の多発性硬化症を治療、予防及び/又は制御する、ことを含む、方法を提供する。本開示は、さらに、1日に一回、2日に一回、3日に一回、4日に一回、5日に一回、6日に一回、週に一回、10日に一回、及び15日に一回からなる群から選択される期間にわたり、経皮パッチの有効成分を一定の送達速度で提供する、方法を提供する。本開示は、さらに、1日に一回、2日に一回、3日に一回、4日に一回、5日に一回、6日に一回、週に一回、10日に一回、及び15日に一回からなる群から選択される期間にわたり、経皮パッチの有効成分を安定した吸収率で提供する、方法を提供する。本開示は、さらに、1日に一回、2日に一回、3日に一回、4日に一回、5日に一回、6日に一回、週に一回、10日に一回、及び15日に一回からなる群から選択される期間にわたり、経皮パッチの活性成分の一定の血清レベルを達成する、方法を提供する。本開示は、さらに、1日に一回、2日に一回、3日に一回、4日に一回、5日に一回、6日に一回、週に一回、10日に一回、及び15日に一回からなる群から選択される期間にわたり、経皮パッチの有効成分の投与量の変動が低減される、方法を提供する。本開示は、さらに、約0.01ng/mL~約500ng/mLの治療範囲で、経皮パッチの有効成分の血漿中濃度を提供する、方法を提供する。本開示は、さらに、約0.1ng/mL~約300ng/mLの治療範囲で、経皮パッチの有効成分の血漿中濃度を提供する、方法を提供する。本開示は、局所医薬組成物の局所塗布は、患者の慢性疼痛の治療及び/又は予防及び/又は抑制のためであり、かつ、ここで、局所パッチは、毎日一回、毎日二回、1日に三回、1日に四回、1日に五回、1時間~8時間に一回、1時間~24時間に一回、1日に一回、2日に一回、3日に一回、4日に一回、5日に一回、6日に一回、週に一回、10日に一回からなる群から選択される時間に塗布される、方法を提供する。
【0028】
本開示は、本開示の化合物及び組成物を、本開示で規定された適応を予防及び/又は治療するための医薬品の製造に用いることを提供する。
【0029】
さらなる実施形態では、本開示は、医薬で用いる有効量で、そして最も好ましくは、例えば、本明細書に記載されているように、対象における疾患又は障害を治療するための医薬として用いるために、本明細書に記載されている化合物及び医薬組成物の使用を提供する。
【0030】
さらにさらなる実施形態では、本開示は、医薬で用いる有効量で、そして最も好ましくは、例えば、本明細書に記載されているように、対象における疾患又は障害を治療するための医薬として用いるために、本明細書に記載されている化合物及び医薬組成物及び少なくとも1つのさらなる治療剤の使用を提供する。
【0031】
本開示は、患者において本明細書に記載された疾患又は状態を治療及び/又は予防するための方法を提供し、その方法は、本明細書に記載された当該疾患又は状態を治療及び/又は予防する必要がある患者を選択することを含む。本開示の組成物を治療有効量で患者に投与することにより、当該患者の当該疾患を治療及び/又は予防する。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明は、記載されたある実施形態に限定されるものではなく、そのようなものは、もちろん、異なる可能性があることを理解すべきである。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるので、ここで用いられる用語はある実施形態を説明する目的のみであり、制限することを意図していないことも理解されるべきである。
【0033】
発明の詳細な説明は、読者の便宜のためにのみ様々なセクションに分けられており、いかなるセクションに見られる開示も、他のセクションと組み合わされてよい。特に定義されない限り、ここで用いられるすべての技術的及び科学的用語は、本発明が属する技術分野の通常の技術者が一般的に理解するのと同じ意味を有する。
【0034】
本明細書および添付の特許請求の範囲で用いられる場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈から明らかに別の指示がない限り、複数の参照語を含むことに留意されたい。したがって、例えば、「化合物」への言及は、複数の化合物を含む。
【0035】
他に定義されない限り、本明細書で用いられる全ての技術用語および科学用語は、この発明が属する技術分野における通常の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で用いられる場合、以下の用語は以下の意味を有する。
【0036】
用語「経皮的(transdermal)」と「局所的(topical)」は、互換的に用いられる。
本明細書中で用いられる用語「慢性疼痛」又は「慢性疼痛状態」は、例えば約6~約12週間よりも長く続くいかなる疼痛として定義される。
本明細書中で用いられる用語「神経因性疼痛」は、従来の意味であり、本明細書では体性感覚系(中枢性及び/又は末梢性)に影響を及ぼす病変又は疾患の直接的又は間接的な結果として生じる疼痛を意味する。本開示で用いられる神経障害性疼痛には、神経障害性疼痛としては、全てのタイプの神経障害性疼痛があげられ、例えば、糖尿病1型又は2型、アルコールなどの様々な有害物質により、ビタミンB1、B6及び/又はB12欠乏等の様々な欠乏のため、ビタミンB6過剰症、甲状腺機能低下症、化学療法化合物(例えば、パクリタキセル又はその他のタキサン誘導体、ビンクリスチンその他のビンカアルカロイド、シスプラチンその他の白金誘導体)、薬剤誘発性神経障害、感染症治療用化合物(例:ストレプトマイシン、ジダノシン又はザルシタビン)、又はその他のあらゆる化学毒性化合物に起因する、神経障害性疼痛があげられる。その他の末梢神経障害としては、三叉神経痛、帯状疱疹後神経痛、肋間神経痛、絞扼性神経障害(例:手根管症候群、足根管症候群、腹部皮膚神経絞やく症候群)、小繊維神経障害、遺伝性運動感覚神経障害、慢性炎症性脱髄性多発神経障害、坐骨痛慢性特発性感覚神経障害、ポリオ後症候群等の感染症、AIDS又はHIV関連、ライム関連、シェーグレン関連、リンパ腫性神経障害、骨髄腫性神経障害、癌性神経障害、急性汎自律神経障害、血管炎性/虚血性神経障害、その他の単神経障害及び多発神経障害がある。さらに、用語「神経障害性疼痛」としては、複合性局所疼痛症候群I型及びII型(反射性交感神経性ジストロフィー)、中枢性神経障害性疼痛(例:視床神経障害、脊髄損傷神経障害、脳卒中後疼痛、多発性硬化症神経障害、脊髄空洞症、脊髄腫瘍)、幻肢痛、不穏性器症候群(疼痛)、心臓手術や乳房切除を含む術後瘢痕痛があげられる。
【0037】
本明細書中で用いられる用語「炎症性疼痛」は、従来の意味であり、本明細書では、外傷、熱傷、極寒、骨折、(骨)関節炎、関節リウマチ、慢性歪、手術、感染症、自己免疫疾患の過度の伸張、感染症、血管収縮等に限らず、炎症によって生じる痛みを意味する。複数の炎症性メディエーターが有毒受容体に直接影響を及ぼすこともあれば、炎症領域からある程度離れていても、有毒受容体に触れたり動いたりすることで感作することもある。
本明細書中で用いられる用語「筋骨格痛」は、従来の意味であり、本明細書では、筋骨格系の一部である筋肉、靱帯、腱、骨、関節及び/又は軟組織に影響を及ぼす痛みを意味する。本明細書で用いられる筋骨格痛としては、日常活動の消耗の結果として起こる筋肉組織の損傷によるあらゆる種類の痛みがあげられる。部位への外傷(痙攣運動、自動車事故、転倒、スポーツ外傷、骨折、捻挫、ひずみ、脱臼、筋肉への直接打撃)も筋骨格痛の原因となりうる。筋骨格痛の他の原因としては、姿勢の歪み、反復運動、酷使、長時間の固定、筋肉の誤用、線維筋痛、腰痛、筋緊張亢進による疼痛、酷使による腱炎等があげられる。
【0038】
本明細書中で用いられる用語「治療」は、従来の意味であり、本明細書では最も広い文脈で考慮される。用語「治療」は、望ましくない状態を緩和することを目的とした、活性化合物、すなわち、例えば医薬組成物中の活性医薬成分の局所投与、及びその状態の程度又は症状を除去又は軽減するための治療的投与を含むことを意図する。治療は必ずしも患者が完全に回復するまで治療されることを意味しない。
本明細書中で用いられる用語「鎮痛薬」又は「鎮痛剤」は、従来の意味であり、本明細書では、最も広い文脈で痛みを軽減する化合物、薬剤、薬物又は物質をいう。
【0039】
本明細書中で用いられる用語「鎮痛補助薬」又は「鎮痛補助剤」は、従来の意味であり、本明細書では鎮痛以外の目的を主たる効能・効果とする化合物、薬剤、薬物又は物質であって、化合物が鎮痛作用を示すものをいう。
本明細書中で用いられる用語「鎮痛効果の回復」は、従来の科学的意味であり、本明細書では、少なくとも1つの鎮痛又は鎮痛補助化合物を含む局所製剤を繰り返し用いた後に鎮痛効果が低減された場合に、少なくとも1つの鎮痛化合物又は少なくとも1つの鎮痛補助化合物が(化合物又は組成物の)鎮痛効果を回復させる機能をいう。
本明細書中で用いられる用語「効果増強」、「鎮痛補助効果増強」、「治療効果増強」、「さらなる効果」、「相乗効果」は、従来の意味であり、鎮痛補助化合物(「鎮痛剤」)によって誘導される治療効果の増強を意味し、少なくとも1つの鎮痛化合物(「鎮痛剤」)又は鎮痛補助化合物を含む局所医薬組成物を繰り返し用いた後に鎮痛効果が低減された場合に、1)神経因性疼痛、炎症性疼痛、筋骨格痛、筋痙攣による疼痛、及び/又はその他の慢性疼痛状態を緩和する目的で、医薬品有効成分の治療効果の強化、2)鎮痛効果の発現の迅速化、3)鎮痛期間の延長、及び/又は4)鎮痛効果の回復をもたらす機能をいう。
本明細書中で用いられる用語「局所製剤は、従来の意味であり、本明細書では、治療活性化合物が皮膚内及び/又は皮膚を貫通することを目的として、皮膚又は粘膜に適用されうる製剤、例えば、本開示の局所医薬組成物、例えば、局所クリームとして提供される医薬組成物をいう。
本明細書中で用いられる用語「経皮送達」は、皮膚を介して体循環に薬物を送達することを意味する。
本明細書中で用いられる用語「局所送達」は、局所作用のために皮膚に薬物を送達することを意味する。
本明細書中で用いられる用語「被験体」及び「患者」は、従来の意味であり、互換的に用いられる。本明細書で用いられる用語「患者」は、動物、好ましくは非霊長類(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ネコ、イヌ、ラット等)及び霊長類(例えば、サル及びヒト)等の哺乳動物、最も好ましくはヒトをいう。ある実施形態では、被験体は、家畜(例えば、ウマ、ブタ、又はウシ)又はペット(例えば、イヌ又はネコ)等の非ヒト動物である。ある実施形態では、被験体は、ヒトである。本明細書中で用いられる用語「薬剤」は、疾患又は症状の予防、治療、管理及び/又は診断に用いるためのいかなる分子、化合物、方法論及び/又は物質もいう。本明細書中で用いられる用語「有効量」は、従来の意味であり、疾患又は症状及びその1つ以上の症状の発生、再発又は発症の予防をもたらし、他の療法の予防効果を増強又は改善し、疾患又は症状の重症度、期間を短縮し、疾患又は症状の1つ以上の症状を改善し、疾患又は症状の進行を防ぎ、疾患又は症状を退行させ、及び/又は他の療法の治療効果を増強又は改善するのに十分な量の療法を意味する。
本明細書中で用いられる用語「医薬的(薬学的)に許容される」は、連邦政府又は州政府の規制機関によって承認されるか、又は動物、より詳細にはヒトに用いるために米国薬局方、欧州薬局方、又は他の一般に認められた薬局方に収載されていることを意味する。
【0040】
本明細書中で用いられる用語「治療剤」は、疾患又は障害を治療及び/又は管理するために用いられるいかなる分子、化合物、及び/又は物質もいう。
本明細書中で用いられる用語「治療法」及び「治療」は、疾患若しくは状態、又はそれらの1つ以上の症状の予防、治療及び/若しくは管理に用いることができるいかなる1つ以上の方法、1つ以上の組成物、及び/若しくは1つ以上の薬剤をいうことができる。ある実施形態では、用語「治療法」及び「治療」は、低分子治療をいう。
本明細書中で用いられる用語「誘導体」又は「誘導体化」には、例えば、本開示の化合物の化学修飾、若しくは植物由来又はそれらの医薬的に許容される塩若しくはそれらの混合物から抽出されたものがあげられる。すなわち、「誘導体」は、所定の被験体において改善された薬理学的機能活性を誘導することができる、本開示の化合物の機能的等価物であってよい。
本明細書中で用いられる用語「組成物」及び「剤形」は、互換的に用いられる。
【0041】
活性剤
本明細書中で用いられる用語「有効成分」は、何らかの薬理学的、多くの場合有益な効果をもたらす薬剤、有効成分化合物又はその他の物質、又はその組成物及び混合物をいう。特定の有効成分という場合、適当な場合には、その有効成分とその医薬的に許容される塩を含む。本開示は、例えば、以下の活性剤の一つ以上を含む経皮製剤及び/又は局所製剤を提供する:カンナビノイドは、カンナビス種によって生産される21-炭素含有テルペノフェノール化合物の一群である。カンナビノイドはまた、合成的に製造されることができる。以下、用語「カンナビノイド」は、脳内の神経伝達物質の放出を抑制する細胞上のカンナビノイド受容体に作用する多様な化学化合物の一群をいう。これらの受容体タンパク質としては、エンドカンナビノイド(ヒトや動物が体内で自然に産生する)、フィトカンナビノイド(大麻やその他の一部の植物に含まれる)、合成カンナビノイドがあげられる。親油性カンナビノイドは、一般に、エンドカンナビノイド(最も典型的なのは哺乳類のエンドカンナビノイド);植物由来のフィトカンナビノイド;及び合成カンナビノイド;と分類される。このようなカンナビノイドは、しばしば以下のサブクラス:カンナビゲロール(CBG);カンナビクロメン(CBC);カンナビジオール(CBD;CBDL);テトラヒドロカンナビノール(THC);カンナビノール(CBN);カンナビシクロール(CBL);カンナビエルソイン(CBE);、カンナビトリオール(CBT)に分類される。
【0042】
カンナビジオール
IUPAC名:2-[(1R,6R)-6-イソプロペニル-3-メチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル]-5-ペンチルベンゼン-1,3-ジオール
化学式: C21H30O2
分子量:314.46ダルトン
化学構造を式Iとして以下に示す。
【0043】
【化1】
テトラヒドロカンナビノール(THC)
IUPAC名:(-)-(6aR,10aR)-6,6,9-トリメチル-3-ペンチル-6a,7,8,10a-テトラヒドロ-6H-ベンゾ[c]クロメン-1-オール
化学式:C
21H
30O
2
分子量314.47ダルトン
化学構造式を下記式IIに示す。
【0044】
【化2】
本明細書で用いられる用語「カンナビス」は、カンナビス及びその誘導体を単独又は組み合わせるすべての医薬的に許容される形態をいい、例えば、遊離塩基、塩、異性体、非晶質、結晶性、共結晶性、固溶体、プロドラッグ、類似体、誘導体、代謝物その多形、その固溶体、その被覆形、その立体異性体、そのイオン対、等の形態であるが、これらに限定されない。例えば、カンナビジオールの遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質形、その結晶形、その共結晶形、その固溶体、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体又は合成形、その多形、その立体異性体、そのイオン対等があげられる。本化合物は、例えば、酸付加塩もしくは塩基性塩等の医薬的に許容される塩、又はその水和物を含むその溶媒和物の形態であってよい。適当な酸付加塩は、非毒性塩を形成する酸から形成され、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、コハク酸塩、サッカレート、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、パモ酸塩があげられる。適当な塩基性塩は、非毒性塩を形成する塩基から形成され、例としては、ナトリウム、カリウム、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、及びジエタノールアミン塩があげられる。
【0045】
本明細書中で用いる用語「カンナビジオール」は、カンナビジオールの、遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質形、その結晶形、その共結晶形、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体及びその合成形、その生合成形、その活性代謝物、その固溶体、その多形、その立体異性体、その粉末形態、その液体形態、そのイオン対、溶液をメタノール等の溶媒中で単独で又はそれらの組み合わせで含むが、これらに限定されない。
【0046】
本明細書中で用いられる用語「THC」は、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質形、その結晶形、その共結晶形、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成形、その生合成形、その活性代謝物、その固溶体、その粉末形態、その液体形態、そのイオン対、その多形、その立体異性体、THCのメタノール、ヘプタン等の溶媒中の溶液を単独で又はそれらの組み合わせで含むが、これらに限定されない。
【0047】
本明細書中で用いられる合成カンナビノイドとしては、少なくとも以下があげられる:
AM-087は、3位の側鎖が置換されたΔ8THCのカンナビノイド作動剤誘導体であり、強力なCB1作動剤である鎮痛剤である;AM-251はCB1カンナビノイド受容体の逆作動剤で、SR141716A(リモナバント)と構造的に類似し、いずれもμ-オピオイド受容体拮抗剤と同様にビアリールピラゾール系カンナビノイド受容体拮抗剤である;メトアナンダミド(AM-356)は、アナンダミドの安定なキラル類似体であり、CB1のKiが17.9nM、CB2のKiが868nMでカンナビノイド受容体に作用する;AM-374-パルミチルスルホニルフルオリド;AM-381-フッ化ステアリルスルホニル;AM404は、N-アラキドノイルアミノフェノールとしても知られ、パラセタモール(アセトアミノフェン)の活性代謝物であり、疼痛及び体温調節経路に存在する内因性カンナビノイド系、COX系、及びTRPV系に対する活性を介して鎮痛作用を誘導すると考えられている;AM-411はカンナビノイド作動剤である鎮痛剤である;AM-411は強力でかなり選択的なCB1完全作動剤であり、鎮痛、鎮静及び抗不安等の他のカンナビノイド作動剤と同様の作用をもたらす;AM-630(6-ロドプラバドリン)はカンナビノイド受容体CB2に対する強力で選択的な逆作動剤として作用し、弱い部分作動剤として作用するCB1に対する選択性がある;AM661-1-(N-メチル-2-ピペリジン)メチル-2-メチル-3-(2-ヨード)ベンゾイルインドール;JWH-018(1-ペンチル-3-(1-ナフトイル)インドール)又はAM-678はナフトイルインドールファミリーに属する鎮痛化学物質であり、CB1カンナビノイド受容体及びCB2カンナビノイド受容体に対して完全な作動剤として作用し、CB2に対してある程度の選択性がある;AM-679はカンナビノイド受容体に対する中程度に強力な作動剤として作用する;AM-694(1-(5-フルオロペンチル)-3-(2-ヨードベンゾイル)インドール)はカンナビノイド受容体CB1に対して強力で選択的な作動剤として作用する;AM-735-3-ボルニル-Δ8-THCはCB1/CB2混合型作動剤である;AM-855は、CB1とCB2の両方に対する鎮痛カンナビノイドアゴニストであり、CB1に対して中程度の選択性がある;AM881はアナンダミドの塩素置換立体異性体で、CB1でKi=5.3nM、CB2で95nMである;AM-883はアナンダミドのアリル置換立体異性体で、CB1でKi=9.9nM、CB2で226nMである;AM-905は鎮痛性カンナビノイドであり、CB1カンナビノイド受容体に対する強力で合理的に選択的な作動剤として作用する;AM-906はカンナビノイド作動剤であり、CB1カンナビノイド受容体に対する強力で選択的な作動剤である鎮痛剤である;AM-919はCB1受容体及びCB2受容体に対して強力な鎮痛性カンナビノイド受容体作動剤である;AM-926はCB1に対して中程度の選択性がある、CB1受容体及びCB2受容体に対して強力な作動剤である;AM-938はカンナビノイド受容体作動剤である鎮痛剤であり、CB1受容体及びCB2受容体に強力な作動剤であるが、CB2に対して適度に選択的である;AM-1116はアナンダミドのジメチル化立体異性体である;AM-1172は、強力かつ選択的なAEAの取り込み阻害剤として設計された内因性カンナビノイド類似体で、FAAHの加水分解に抵抗性がある;AM-1220は、カンナビノイド受容体CB1に対して強力で中程度に選択的な作動剤である;AM-1221は、カンナビノイド受容体CB2に対して強力かつ選択的なアゴニストとして作用する;AM-1235(1-(5-フルオロペンチル)-3(ナフタレン-1-オイル)-6-ニトロインドール)はカンナビノイド受容体CB1に対する強力で合理的に選択的な作動剤として作用する;AM-1241(1-(メチルピペリジン-2-イルメチル)-3-(2-ヨード-5-ニトロベンゾイル)インドール)はカンナビノイド受容体CB2に対する強力で選択的な作動剤であり、特に哺乳動物における痛覚過敏症や異痛症等の「非定型」疼痛に対する鎮痛作用があり、また哺乳類のモデルにおいて、筋萎縮性側索硬化症の治療に効能を示す;AM-1248は、カンナビノイド受容体CB1及びCB2に対して中程度に強力な作動剤として作用する;AM-1710は、CB1に対して54倍の選択性を示し、CB2選択的カンナビラクトンである;AM-1714は、末梢性カンナビノイド受容体CB2に対して合理的な選択的作動剤として作用し、鎮痛作用と抗アロディニア作用を備える;AM-2201(1-(5-フルオロペンチル)-3-(1-ナフトイル)インドール)は、カンナビノイド受容体の完全作動剤として強力に作用するが非選択性である;AM-2212はCB1とCB2の両方で強力な作動剤として作用する;AM-2213はCB1とCB2の両方で強力な作動剤として作用する;AM-2232(1-(4-シアノブチル)-3-(ナフタレン-1-オイル)インドール)は、強力で非選択的なカンナビノイド受容体CB1及びCB2の作動剤として作用する;AM-2233はカンナビノイド受容体CB1及びCB2の強力な完全作動剤として作用し、特定の哺乳動物試験ではTHCと完全に置換することが見いだされており、その効能はJWH-018よりも低く、WIN55,212-2よりも高い;AM-2389はCB1受容体に対する強力で合理的に選択的な作動剤として作用する;AM-3102はオレオイルエタノールアミド(増殖因子活性化受容体α(PPARα)の内因性作動剤)の類似体であり、CB1及びCB2において弱いカンナビノイド作動剤として作用する;AM-4030はCB1及びCB2に対する強力な作動剤であるが、CB1に対して適度に選択性のある鎮痛剤である;AM-4054はCB1親和性及びCB2に適度に選択性のある強力ではあるが遅発性の作動剤である;AM-4113は、CB1選択的中立アンタゴニストである;AM-6545はCB1に対する末梢選択的なサイレント拮抗剤として作用し、肥満治療のために開発された;JWH-007は、CB1受容体及びCB2受容体でカンナビノイド作動剤として作用する鎮痛剤であり、CB2に対して若干の選択性を持つ鎮痛剤である;JWH-015は、CB1よりもほぼ28倍強力にCB2に結合する、サブタイプ選択的カンナビノイド作動剤として作用し、免疫調節作用があることが示されており、疼痛や炎症の治療に有用でありうる;JWH018は、CB1及びCB2のカンナビノイド受容体の完全作動剤として作用し、THCと同様の効果をもたらす鎮痛剤である;JWH-019-は、CB1受容体及びCB2受容体で作動剤として作用し、CB1受容体及びCB2受容体でカンナビノイド作動剤として作用するナフトイルインドールファミリーの鎮痛剤である;JWH-030は、CB1受容体の部分作動剤である鎮痛剤である;JWH-047は、CB2受容体の強力で選択的な作動剤である;JWH-048は、CB2受容体の強力で選択的な作動剤である;JWH-051は、CB1受容体への親和性が高い鎮痛剤であるが、CB2に対してより強い作動剤である;JWH-057は、Δ8-THCの1-デオキシ類似体であり、CB2受容体への親和性が非常に高いが、CB1受容体への親和性も高い;JWH-073は、CB1受容体及びCB2受容体の両方でカンナビノイド作動剤として作用する鎮静剤である。以下は、CB1サブタイプに対してある程度選択的である;JWH-081は、カンナビノイドのCB1受容体及びCB2受容体の両方で作動剤として作用する鎮静剤である;JWH-098は、強力でかなり選択的なCB2作動剤である;JWH-116は、CB1リガンドである;JWH-120は、強力かつ173倍の選択性を有するCB2作動剤である;JWH-122は、強力でかなり選択的なCB1作動剤である;JWH-133は、強力で選択的なCB2受容体作動剤である;1JWH-139は、3-(1,1-ジメチルプロピル)-6,6,9-トリメチル6a,7,10,10a-テトラヒドロ-6H-ベンゾ[c]クロメンである;JWH-147は、CB1受容体及びCB2受容体でカンナビノイド作動剤として作用する、ナフトピロール系の鎮痛剤である;JWH-148は、CB2受容体に対する中程度に選択的なリガンドであり、CB1サブタイプの8倍以上の選択性を有する;JWH-149は、強力かつかなり選択的なCB2作動剤である;JWH-161は、CB1リガンドである;JWH-164は、強力なカンナビノイド作動剤である;JWH-166は、強力かつ高度に選択的なCB2作動剤である;JWH-167は、フェニルアセチルインドールファミリーの弱いカンナビノイド作動剤である;JWH-171は、カンナビノイド受容体作動剤として作用する鎮痛剤である;JWH-175は、(1-ペンチリンドール-3-イル)ナフタレン-1-イルメタン、22nMのCB1である;JWH-176は、1([(1E)-3-ペンチリンデン-1-イリジン]メチル)ナフタレンである;JWH-181-強力なカンナビノイド作動剤である;JWH-182は、CB1に対してある程度の選択性を有する強力なカンナビノイド作動剤である;JWH-184は、1-ペンチル-1H-インドール-3-イル(4-メチル-1-ナフチル)メタンである;JWH-185は、1-ペンチル-1H-インドール-3-イル(4-メトキシ1-ナフチル)メタンである;JWH-192は、(1-(2-モルホリン-4-イルエチル)インドール-3-イル)-4-メチルナフタレン-1-イルメタンである;JWH-193は、(1-(2-モルホリン-4-イルエチル)インドール-3-イル)-4-メチルナフタレン-1-イルメタノンである;JWH-194は、2-メチル-1-ペンチル-1H-インドール-3-イル-(4-メチル-1-ナフチル)メタンである;JWH-195は、(1-(2-モルホリン-4-イルエチル)インドール-3-イル)-ナフタレン-1-イルメタンである;JWH-196は、2-メチル-3-(1-ナフタレニルメチル)-1-ペンチル-1H-インドールである;JWH-197は、2-メチル-1-ペンチル-1H-インドール-3-(4-メトキシ-1-ナフチル)メタンである;JWH-198は、(1-(2-モルホリン-4-イルエチル)-インドール-3-イル)-4-メトキシナフタレン-1-イルメタノンである;JWH-199は、(1-(2-モルホリン-4-イルエチル)インドール-3-イル)-4-メトキシナフタレン-1-イルメタンである;JWH-200は、カンナビノイド受容体作動剤として作用するアミノアルキルインドールファミリーの鎮痛剤;JWH-203は、CB1受容体及びCB2受容体にほぼ同等の親和性があるカンナビノイド作動剤として作用するフェニルアセチルインドールファミリー由来の鎮痛剤;JWH-205は、142-メチル-1-ペンチリンドール-3-イル)-2フェニルエタノンである;JWH-210は、CB1受容体及びCB2受容体で強力なカンナビノイド作動剤として作用するナフトイルインドールファミリーの鎮痛剤である;JWH-213は、強力でかなり選択的なCB2作動剤である;JWH-229は、1-メトキシ-3-(1’,1’-ジメチルヘキシル)-Δ8-THCで、強力なCB2作動剤であるジベンゾピラン系カンナビノイドである;JWH-234は、CB2選択性を有するカンナビノイド作動剤である;JWH-250は、CB1受容体及びCB2受容体のカンナビノイド作動剤として作用するフェニルアセチルインドールファミリーの鎮痛剤である;JWH-251は、(1-ペンチル-3-(2-メチルフェニルアセチル)インドール)である;JWH-258は、強力で軽度に選択的なCB1作動剤である;JWH-302は、(1-ペンチル-3-(3-メトキシフェニルアセチル)インドール)である;JWH-307は、ナフトイルピロールファミリーの鎮痛
剤であり、CB1受容体及びCB2受容体においてカンナビノイド作動剤として作用し、CB2サブタイプに対してある程度選択的である;JWH-350は、11-ノル-1-メトキシ-3(1’,1’-ジメチルヘプチル)-9α-ヒドロキシヘキサカンナビノールであり、CB2受容体に対して33倍の選択性を有し、高いCB2受容体親和性を有し、CB1受容体に対する親和性は低い;JWH-359は、強力かつ選択的なCB 2受容体作動剤であるジベンゾピラン系カンナビノイドであり;JWH-387は、1-ペンチル-(4-ブロモ-1-ナフトイル)インドールであり、CB1受容体及びCB2受容体に強力なカンナビノイド作動剤として作用するナフトイルインドールファミリーの鎮痛剤である;JWH-398は、CB1受容体及びCB2受容体で強力なカンナビノイド作動剤として作用するナフトイルインドールファミリーの鎮痛剤であり、KiがCB1で2.3nM、CB2で2.8nMである;JWH-424は、強力かつ中程度の選択性を有するCB2アゴニストで、KiはCB2で5.44nM、CB1で20.9nMである;HU-210は、大麻由来の天然THCの100~800倍の強力なカンナビノイドであり、作用持続時間が長く、天然THCと同じ多くの作用を有する強力な鎮痛剤である;アジュレム酸(AB-III-56、HU-239、IP-751、CPL 7075、CT-3、レズナブ)は、非精神活性THC代謝物11-ノル-9-カルボキシ-THCのカンナビノイド誘導体であり、自覚的に「ハイな」状態を誘発せずに有用な鎮痛及び抗炎症作用を示す。以下は、神経障害性疼痛や関節炎等の炎症性疾患の治療剤として、また生命を脅かす炎症性疾患の希少疾病の治療剤として開発されている;HU-243(AM-4056)はCB1受容体及びCB2受容体で強力な作動剤であるカンナビノイドであり;HU-308はカンナビノイド作動剤として作用し、CB2受容体サブタイプに対して高度に選択的である。以下は、鎮痛作用があり、神経幹細胞の増殖を促進し、TNF-αの阻害を介して酸化ストレスから肝臓と血管組織の両方を保護する;HU-331はカンナビジオールから合成されたキノン抗発がん性化合物である;HU-336は血管新生阻害剤であり、血管新生促進サイトカイン及びその受容体の発現を変化させずに、血管内皮細胞のアポトーシスを直接誘導し、血管新生を阻害する;HU-345(カンナビノールキノン)は、その親化合物であるカンナビノールよりも強力に大動脈輪血管新生を阻害することができる薬物である;CP47,497又は(C7)-CP47,497は、カンナビノイド受容体作動剤である。
【0048】
本開示はまた、カンナビノイドの生合成のための方法、並びにカンナビノイド及びカンナビノイド類似体の製造に用いることができる生合成酵素の産生用の真核生物又は原核生物の発現系で用いるための方法を提供する。カンナビノイド酸合成酵素のクローニング及び発現には、真核細胞及び原核細胞と同様に酵母が適しており、大腸菌、酵母及びバキュロウイルス宿主を含むが、これらに限定されない。したがって、本開示は、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)合成酵素及びカンナビジオール酸(CBDA)合成酵素を含むが、これらに限定されない、カンナビノイド酸合成酵素を用いて、生合成カンナビノイド、例えばTHC及び/又はCBDを産生する方法を提供する。本開示は、さらに、例えば、生合成CBDを単独又は他の活性剤と組み合わせて含む、本明細書中に開示される経皮及び/又は局所組成物を提供する。
【0049】
ある実施形態では、本明細書に記載される経皮及び/又は局所組成物は、疼痛及び/又は炎症の予防及び/又は治療のためのものである。ある実施形態では、本明細書に記載される経皮及び/又は局所組成物は、疼痛及び/又は炎症の重症度を軽減するためのものである。
【0050】
本明細書に記載されるある実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物又は経皮製剤又は局所製剤は、カンナビジオール及び/又はTHC、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質形、その結晶形、その共結晶形、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成形、その生合成形、その活性代謝物、その多形、その立体異性体、その被覆形態、その固溶体、そのイオン対、その溶液を溶媒中に、単独又は組み合わせて含む。より好ましくは、経皮製剤又は局所製剤は、カンナビジオール、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質形、その結晶形、その共結晶形、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成形、その生合成形、その活性代謝物、その多形、その立体異性体、その被覆形態、その固溶体、そのイオン対、カンナビジオールの溶液をメタノール中に単独又は組み合わせ含むことができる。本明細書に記載されるある実施形態では、より好ましくは、経皮的及び局所的な製剤には、THC、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質形、その結晶形、その共結晶形、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成形、その生合成形、その活性代謝物、その多形、その立体異性体、その被覆形態、その固溶体、そのイオン対、カンナビジオールの溶液をメタノール中に単独又は組み合わせ含むことができる。
【0051】
本明細書中で用いられる用語「活性剤」は、活性剤及びその誘導体の単独又は組み合わせのいずれかの医薬的に許容されるすべての形態をいい、例えば、遊離塩基又は塩又は異性体、非晶質又は結晶性又は共結晶性又は固溶体、プロドラッグ又は類似体、誘導体又はその代謝物多形、その立体異性体、その被覆形態、そのイオン対等の形態に限定されない。例えば、活性剤の遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶形、その結晶形、その共結晶形、その固溶体、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成形の多形、そのイオン対、その立体異性体、その被覆形等があげられる。本化合物は、例えば、酸付加塩もしくは塩基性塩等の医薬的に許容される塩、又はその水和物を含むその溶媒和物の形態であってよい。適当な酸付加塩は、非毒性塩を形成する酸から形成され、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、コハク酸塩、サッカレート、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、パモ酸塩があげられる。適当な塩基性塩は、非毒性塩を形成する塩基から形成され、例としては、ナトリウム、カリウム、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、及びジエタノールアミン塩があげられる。活性成分は遊離塩基の形で存在してもよいし、医薬的に許容される塩の形で存在してもよい。本発明の部分を形成する医薬的に許容される塩は、Li、Na及びK塩等のアルカリ金属塩;Ca及びMg塩等のアルカリ土類金属塩;リジン、アルギニン、グアニジン、ジエタノールアミン、コリンなどの有機塩基の塩;アンモニウムまたは置換アンモニウム塩及びアルミニウム塩等のカルボン酸部位の塩を規定するが、それらに限られないことが意図される。塩は、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、過塩素酸塩、ホウ酸塩、ヒドロハロゲン化物、酢酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、パルモアート酸塩、メタンスルホン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、ヒドロキシナフトエート、ベンゼンスルホン酸塩、アスコルビン酸塩、グリセロリン酸塩、ケトグルタル酸塩等を定義するが、これらに限定されない酸付加塩であってよい。
【0052】
本明細書中で用いられる用語「活性剤」は、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質形、その結晶形、その共結晶形、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成形、その生合成形、その活性代謝物、その多形、その立体異性体、その被覆形態、その固溶体、そのイオン対を、単独又は組み合わせ含む。ある実施形態では、活性剤は高度に精製される。ある実施形態では、活性剤は、ある実施形態における製剤の少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、又は99.75%(w/w)を含む活性剤の高度に精製された抽出物として存在し、活性剤の用量は、例えば、約0.01、0.1、0.25、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、又は45 mg/kg/日よりも多い。ある実施形態では、活性剤の用量は、例えば、約0.01、0.1、0.25、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95,100,125,150,175,200,225,250、又は275 mg/日よりも多い。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、製剤の約0.01%、約0.02%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約75%、及び約80%の濃度の活性剤を含むことができる。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、約1~20%、約5%~25%、約10%~約20%、又は約15%~約18%、約30%~約70%、約35%~約65%、約63.13%、及び約40%~約64%w/wの濃度の活性剤を含むことができる。本開示の例示的な製剤では、活性剤は約1質量%~75質量%、好ましくは2質量%~30質量%、より好ましくは5質量%~20質量%の濃度である。
【0053】
本明細書中で用いられる用語「医薬的に許容される塩」は、遊離塩基の酸付加塩又は付加塩を含む。その範囲内の活性剤の「医薬的に許容される塩」という用語は、すべての可能な異性体及びそれらの混合物、ならびにいかなる医薬的に許容される代謝物、バイオ前駆体及び/又はプロドラッグ、例えば、哺乳動物、特にヒトなどの被験体への投与により、開示の化合物の1つとは構造式が異なるものの、直接又は間接的に生体内で開示の化合物に変換される化合物等があげられる。
【0054】
本明細書中で用いられる用語「経皮送達」は、皮膚を介して体循環に薬物を送達することを意味する。
【0055】
さらなる活性剤
本発明の化合物、治療薬又は公知の薬物の組み合わせによる、本明細書中で用いられる用語「併用投与」は、公知の薬物及び/又はその組み合わせがともに治療効果を有するような時点での当該薬物及び1つ以上の化合物の投与を意味する。ある場合、この治療効果は相乗効果をもたらす。このような同時投与は、本発明の組成物及び/又は組み合わせの投与に関して、薬物の併用(すなわち同時に)投与、事前投与、又は後続投与を含むことができる。当業者であれば、本発明の特定の薬物の投与の適当なタイミング、順序及び投与量を決定することは困難ではないだろう。
【0056】
さらに、1又はそれ以上の活性成分は、該当する場合、1つの実質的に純粋な光学的エナンチオマーの形で、又はそのエナンチオマー又は多形の混合物として存在してよい。
【0057】
活性成分は、以下の治療クラスの1つ以上を含むことができるが、それらに限定されない、アドレナリン作動剤;副腎皮質ステロイド;副腎皮質抑制剤;アルドステロン拮抗剤;アミノ酸;同化作用のある同化剤;鎮痛剤;麻酔剤;食欲不振症;にきび治療剤;抗アドレナリン剤;抗アレルギー剤;抗アメーバ剤;抗貧血剤;抗狭心症剤;抗関節炎剤;抗喘息剤;抗アテローム性動脈硬化症剤;抗菌剤;抗コリン剤;抗凝固剤;抗痙攣剤;抗うつ剤;糖尿病治療剤;下痢止め;抗利尿剤;抗嘔吐剤;抗てんかん剤;抗線溶剤;抗真菌剤;抗出血性;抗ヒスタミン剤;抗高脂血症剤;降圧剤;抗感染性剤;抗炎症剤;抗菌剤;抗偏頭痛剤;抗有糸分裂剤;抗真菌剤、抗悪心剤、抗腫瘍剤、抗好中球減少剤、抗寄生虫剤;抗増殖剤;抗精神病剤;抗リウマチ剤;抗脂漏剤;分泌抑制剤;鎮痙剤;抗血栓剤;抗潰瘍剤;抗ウイルス剤;食欲抑制剤;血糖調節剤;骨吸収抑制剤;気管支拡張剤;心血管系剤;コリン作動剤;抑うつ剤;診断補助剤;利尿剤;ドーパミン作動剤;エストロゲン受容体作動剤;線溶系;蛍光剤;遊離酸素ラジカル捕捉剤;胃酸抑制剤;消化管運動促進剤;グルココルチコイド;発毛促進剤;止血剤;ヒスタミンH2受容体拮抗剤;ホルモン;コレステロール低下剤;低血糖剤;低脂血症剤;血圧降下剤;造影剤;免疫賦活剤;免疫調節剤;免疫調節剤;免疫抑制剤;角質溶解剤;LHRH作動剤;気分調節剤;粘液溶解剤;散瞳剤;鼻腔充血除去剤;神経筋遮断剤;神経保護剤;NMDA拮抗剤;非ホルモン性ステロール誘導体;プラスミノーゲン活性化因子;血小板活性化因子拮抗剤;血小板凝集阻害剤;向精神剤;放射性物質;殺疥癬剤;硬化剤;鎮静剤;鎮静催眠剤;選択的アデノシンAl拮抗剤;セロトニン拮抗剤;セロトニン阻害剤;セロトニン受容体拮抗剤;ステロイド;甲状腺ホルモン;甲状腺阻害剤;甲状腺模倣性(チロメティック);精神安定剤;筋萎縮性側索硬化症剤;脳虚血治療剤;パジェット病治療剤;不安定狭心症剤;血管収縮剤;血管拡張剤;創傷治癒剤;キサンチンオキシダーゼ阻害剤があげられる。
【0058】
有効成分の例は、例えば、単独又は組み合わせて、以下のいずれかを含むが、これらに限定されず、有効成分の例は、神経障害性疼痛、末梢神経障害性疼痛、炎症性疼痛、筋骨格痛、筋痙攣による疼痛、筋緊張亢進による疼痛、変形性関節症性疼痛、筋肉頭痛、緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛、非定型顔面痛、関連痛、外陰部痛、直腸痛に関連する症状の治療及び/又は予防、及び/又は制御及び/又は管理のために単独投与又はそれらを併用投与される薬物を含む。
【0059】
一態様では、有効成分の例は、リドカイン、カプサイシン、三環系抗うつ剤(アミトリプチリン、イミプラミン、ノルトリプチリン、デシプラミン、ドキセピン等であるが、これらに限定されない)、SNRI及びSSRI(デュロキセチン、ベンラファキシン、フルオキセチン、ミルナシプラン等であるが、これらに限定されない)、NSAIDS(ジクロフェナク、アスピリン、ナプロキセン、イブプロフェン、ケトプロフェン、セレコキシブ、メロキシカム等であるが、これらに限定されない)、アセトアミノフェン、cox-2阻害剤(セレコキシブ等であるが、これらに限定されない)、抗痙攣剤(カルバマゼピン、ガバペンチン、ラモトリギン、プレガバリン、オクスカルバゼピン、ラモトリギン等であるが、これらに限定されない)、バルプロ酸、メントール、カンフル、サリチル酸メチル、サリチル酸塩、副腎皮質ステロイド剤(トリアムシノロン、メチルプレドニゾロン、コルチゾン、プレドニゾン、デキサメタゾン等であるが、これらに限定されない)、オピオイド等の薬物を含むが、これらに限定されない。
【0060】
一態様では、THC、CBD、リドカイン、メントール、カプサイシン、サリチル酸メチル等の2つ以上の薬物の組み合わせを含む経皮送達システム及び/又は局所送達システムのための2つ以上の薬物の組み合わせの例としては、THC、CBD、リドカイン及びそれらの組み合わせ、THC、CBD、メントール及びそれらの組み合わせ、THC、CBD、カプサイシン及びそれらの組み合わせ、THC、CBD、サリチル酸メチル及びそれらの組み合わせ等が含まれるが、これらに限定されない。
【0061】
さらなる態様では、THC、CBD、抗うつ剤、NSAIDS、抗痙攣剤、副腎皮質ステロイド剤、鎮痛剤等の2つ以上の薬物の併用を含む経皮送達システム及び/又は局所送達システム及び/又は局所送達システムのための2つ以上の薬物の組み合わせの例は、THC、CBD、抗うつ剤及びそれらの組み合わせ、THC、CBD及び抗痙攣剤及びそれらの組み合わせ、THC、CBD、副腎皮質ステロイド剤及びそれらの組み合わせ、THC、CBD、NSAID剤及びそれらの組み合わせ等を含むがこれらに限定されない。
【0062】
示されているように、本明細書に開示される医薬製剤は、例えば希釈剤、結合剤、潤滑剤、界面活性剤、崩壊剤、可塑剤、粘着剤、不透明剤、顔料等の補助賦形剤を含むことができる。当業者であれば、賦形剤の正確な選択とその相対量は、最終的な経皮製剤又は局所製剤にある程度依存することを理解するであろう。
【0063】
医薬組成物
本明細書に記載されているある実施形態では、医薬組成物又は経皮製剤及び/又は局所製剤は、カンナビノイド及びこれらの化合物の誘導体等の活性剤を含む。より好ましくは、経皮製剤及び/又は局所製剤には、CBD及び/又はTHC並びにこれらの化合物の誘導体等の活性剤を含めることができる。
【0064】
本開示の一実施形態は、経皮製剤、経皮パッチ、マイクロニードル、イオントフォレシス、定量経皮スプレー、定量経皮ゲル、経皮エアロゾル、経皮フィルム形成製剤を含むがこれらに限定されない経皮薬物送達システムであってよい。
【0065】
経皮製剤としては、例えば、溶液、懸濁液、分散液、エマルジョン等の限定されない液体があげられる。経皮製剤としては、例えば、ゲル、軟膏、エマルジョン、クリーム、懸濁液、ペースト、ローション、バルム等の限定されない半固体があげられる。好ましくは、液体経皮製剤及び/又は経皮パッチは、経皮パッチ、定量経皮システム、分包等に組み込まれる。経皮製剤は、好ましくは、粘着性マトリクスパッチ、drug in adhesive型マトリクスパッチ、非粘着性マトリクスパッチ、drug in adhesive型マトリクスパッチとしての経皮マトリクス製剤があげられる。その他の経皮製剤としては、経皮ゲル、経皮定量スプレー、経皮定量エアロゾル、経皮フィルム形成製剤、マイクロニードル等があげられる。
【0066】
経皮パッチはいかなる限定もなく、好ましくは、リザーバパッチ、マトリクスパッチ、二層マトリクスパッチ、多層マトリクスパッチ、マイクロリザーバパッチ、接着システム、経皮適用可能テープ及びその他当業界で記載されている全ての経皮薬物送達システムを含むことができるが、これらに限定されない。
【0067】
本開示のある実施形態では、経皮パッチは、CBD及び/又はTHC等の活性剤、及びリザーバー又はマトリクスに含まれるこれらの化合物の誘導体を含む経皮製剤と、経皮パッチを皮膚に付着させ、CBD及び/又はTHC等の活性剤、及びこれらの化合物の誘導体を経皮パッチから患者の皮膚を通過させることを可能にする接着剤とを含む。経皮送達システムは、閉塞性、半閉塞性、又は非閉塞性であってよく、接着性又は非接着性であってよい。
【0068】
CBD及び/又はTHC等の活性剤、及びこれらの化合物の誘導体を含む経皮製剤は、パッチ内に組み込むことができ、パッチは皮膚表面に局所的に適用することができる。パッチは、いかなる適当な期間、被験体上に残存することができる。ある実施形態では、経皮パッチは、所定の時間にわたって経皮パッチの活性成分の一定の送達速度を提供する。実施形態によっては、所定の期間は、24時間、48時間、72時間、96時間、120時間、144時間、7日、8~13日、2週間、15日であってよい。
【0069】
なおさらなる実施形態では、本明細書に記載される経皮パッチは、患者による経皮パッチの活性成分を、一定期間にわたり、安定した吸収速度で提供する。ある実施形態では、一定期間は、24時間、48時間、72時間、96時間、120時間、144時間、7日、8~13日、2週間、又は15日である。
【0070】
なお、さらなる実施形態では、本明細書に記載された経皮パッチは、患者における経皮パッチの活性成分の血清レベルを、一定期間にわたり、一定に提供する。ある実施形態では、一定期間は、24時間、48時間、72時間、96時間、120時間、144時間、7日、8~13日、2週間、又は15日である。
【0071】
なおさらなる実施形態では、本明細書に記載された経皮パッチは、患者における経皮パッチの活性成分の血漿中濃度を、一定期間にわたり、治療範囲で提供する。ある実施形態では、一定期間は、24時間、48時間、72時間、96時間、120時間、144時間、7日、8~13日、2週間、又は15日である。
【0072】
さらにさらなる実施形態では、本明細書に記載された経皮パッチは、患者における活性成分の投与量の変動を低減させることができる。ある実施形態では、一定期間は、24時間、48時間、72時間、96時間、120時間、144時間、7日、8~13日、2週間、又は15日である。
【0073】
さらにさらなる実施形態では、本明細書に記載の経皮パッチは、所定時間にわたって、患者の治療範囲における経皮パッチの活性成分の血漿中濃度を提供する。本明細書に開示される例示的な実施形態では、経皮パッチは、限定されないが、例えば、約0.01ng/mL、約0.02ng/mL、約0.05ng/mL、約0.1ng/mL、約0.2ng/mL、約0.5ng/mL、約1ng/mL、約2ng/mL、約5ng/mL、約10ng/mL、約20ng/mL、約50ng/mL、約100ng/mL、約200ng/mL、約500ng/mL、約1μg/mL、約2μg/mL、約5μg/mL、及びその範囲から選択された活性剤の血清レベルを提供する。ある態様では、経皮パッチは0.01ng/mL~400ng/mLの範囲の活性剤の血清レベルを提供する。さらなる態様では、経皮パッチは0.01ng/mL~100ng/mLの範囲の活性剤の血清レベルを提供する。さらにさらなる態様では、経皮パッチは、0.01~1~ng/ml~1~100~ng/ml~100~500ng/ml~500~1000ng/ml~1000~5000ng/mlの範囲の活性剤の血清レベルを提供する。
【0074】
限定されるものではないが、例えば、軟膏、クリーム、エマルジョン、マイクロエマルジョン、ナノエマルジョン、ペースト、バルム、ゲル、ローション、ムース等の半固体を含む、当該技術分野に記載の局所剤形を用いることができる。溶液、懸濁液、微小懸濁液、ナノ懸濁液、分散液、ナノ分散液等の等の液体、噴霧、エアロゾル、マグマ等のCBD及び/又はTHC及びこれらの化合物の誘導体を含む局所製剤の局所送達のために皮膚表面に局所塗布することができる。
【0075】
本開示の一実施形態は、局所パッチ、局所製剤、定量局所スプレー、局所フィルム形成製剤、drug in adhesive型局所パッチ、局所マトリクスパッチ、局所エアロゾル、定量局所ゲルを含むがこれらに限定されない局所薬物送達システムであってよい。
【0076】
局所製剤としては、例えば、溶液、懸濁液、分散液、エマルジョン等の限定されない液体があげられる。局所製剤としては、例えば、ゲル、軟膏、エマルジョン、クリーム、懸濁液、ペースト、ローション、バルム等の限定されない半固体があげられる。好ましくは、液体製剤及び/又はゲル製剤は、局所パッチ、定量局所システム、分包等に組み込まれる。局所製剤は、好ましくは、粘着性マトリクスパッチ、drug in adhesive型マトリクスパッチ、非粘着性マトリクスパッチ、drug in adhesive型マトリクスパッチとしての局所マトリクス製剤があげられるがこれらに限定されない。その他の局所製剤には、局所ゲル、定量噴霧局所スプレー、定量噴霧局所エアロゾル、局所フィルム形成製剤等があるが、これらに限定されない。
【0077】
局所パッチはいかなる限定もなく、好ましくは、リザーバパッチ、マトリクスパッチ、二層マトリクスパッチ、多層マトリクスパッチ、マイクロリザーバパッチ、接着システム、局所適用可能テープ及びその他当業界で記載されている全ての局所薬物送達システムを含むことができるが、これらに限定されない。
【0078】
本開示のある実施形態では、局所パッチは、ジクロフェナク及び/又はCBD及び/又はTHC等の活性剤、及びリザーバー又はマトリクスに含まれるこれらの化合物の誘導体を含む経皮製剤と、局所パッチを皮膚に付着させ、ジクロフェナク及び/又はCBD及び/又はTHC等の活性剤、及びこれらの化合物の誘導体を局所パッチから患者の皮膚を通過させることを可能にする接着剤とを含む。局所送達システムは、閉塞性、半閉塞性、又は非閉塞性であってよく、接着性又は非接着性であってよい。
【0079】
ジクロフェナク及び/又はCBD及び/又はTHC等の活性剤、及びこれらの化合物の誘導体を含む局所製剤は、パッチ内に組み込むことができ、パッチは皮膚表面に局所的に適用することができる。
パッチは、いかなる適当な期間、被験体上に残存することができる。
【0080】
本開示のある実施形態の経皮製剤及び/又は局所製剤は、これらに限定されないが、溶媒、ゲル化剤、ポリマー、感圧接着性ポリマー、接着性ポリマー、生分解性ポリマー、浸透促進剤、皮膚軟化剤、皮膚刺激軽減剤、緩衝剤、pH安定剤、可溶化剤、懸濁剤、分散剤、安定剤、可塑剤、粘着剤、界面活性剤、揮発性化学物質、抗酸化剤、酸化剤、充填剤、感圧接着剤、キレート剤、錯化剤、希釈剤、膨張剤、賦形剤、パッチを調製するための材料、マトリクスパッチを調製するための材料、リザーバパッチを調製するための材料等のいずれかを単独又は組み合わせた有効量の担体又は成分を含んでよい。
【0081】
活性剤は、上記の単一担体、担体の混合物及び担体の組み合わせに溶解、懸濁、分散又は均一に混合することができる。CBD及び/又はTHC並びにこれらの化合物の誘導体等の2つ以上の薬物のいかなる組合せは、上記の単一の担体、担体の混合物及び担体の組合せ中に溶解、懸濁、分散又は均一に混合することができる。
【0082】
CBD及び/又はTHC及びこれらの化合物の誘導体等の単独又は組み合わせの所望の最適な経皮及び/又は局所剤形は、実施例1~12に記載の以下の担体の単独又は組み合わせで構成されてよいが、これらに限定されない。
ある実施形態では、本明細書に記載される経皮及び/又は局所組成物は、例えば慢性疼痛の治療及び/又は予防及び/又は抑制のためのものである。
【0083】
適応
本開示の一実施形態は、本開示の慢性疼痛の治療に用いるための医薬組成物であり、組成物は、本明細書に開示された活性剤を含み、組成物は、1日おきに、毎日、毎日二回、1日に三回、1日に四回、少なくとも1日、少なくとも1週間、1週間~1年、少なくとも1年又はそれ以上の期間にわたって投与される。本開示の一実施形態は、本開示による慢性疼痛の治療に用いるための医薬組成物であり、本組成物は、1日おきに、毎日、毎日二回、1日に三回、1日に四回、少なくとも1日、少なくとも1週間、1週間~1年、少なくとも1年又はそれ以上の期間にわたって投与される。これにより、慢性疼痛に罹患した患者に本開示の医薬組成物を投与することにより、(末梢)神経障害性疼痛、炎症性疼痛、筋骨格痛、筋痙攣による疼痛、及び/又はその他の慢性疼痛状態が継続的に軽減される。
【0084】
一実施形態では、本開示による慢性疼痛の治療に用いるための医薬組成物は、経皮医薬組成物であり、その使用は、本開示による慢性疼痛の治療における経皮的な使用である。
一実施形態では、開示による慢性疼痛の治療に用いるための医薬組成物は、開示による慢性疼痛の治療に用いるための局所医薬組成物である。本明細書では、慢性疼痛の治療において、疼痛を経験している無傷の皮膚領域に局所的に塗布される。
【0085】
一実施形態では、本開示による慢性疼痛の治療に用いるための医薬組成物は、経皮医薬組成物であり、その使用は、本開示による慢性疼痛の治療における被治療者の無傷の皮膚への経皮的使用である。
一実施形態では、本開示による慢性疼痛の治療に用いるための医薬組成物は、本開示による慢性疼痛の治療において、使用が被治療者の健康な無傷の皮膚への経皮的使用である医薬経皮組成物である。本明細書では、無傷の皮膚及び健康な無傷の皮膚には、科学的に共通の意味があり、本明細書では、例えば、潰瘍、傷、病変、切り傷のない非損傷皮膚をいい、表皮の閉じた外層を構成する皮膚をいう。
【0086】
一実施形態では、本開示による慢性疼痛の治療に用いるための医薬組成物は、医薬組成物であり、慢性疼痛は、末梢神経障害性疼痛である。
【0087】
本開示の一実施形態では、本開示による慢性疼痛の治療に用いるための、本開示による、又は本開示の方法によって提供される医薬組成物であって、慢性疼痛は、神経障害性疼痛、末梢神経障害性疼痛、炎症性疼痛、筋骨格痛、筋痙攣による疼痛、筋緊張亢進による疼痛、変形性関節症性疼痛、筋肉頭痛、緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛、非定型顔面痛、関連痛、外陰部痛、直腸痛、又はこれらの組み合わせである。
【0088】
本開示の一実施形態は、本開示による、または本開示の方法によって提供される、慢性疼痛の治療に使用するための医薬組成物であって、慢性疼痛は、糖尿病1型又は2型、アルコールなどの様々な有害物質により、ビタミンB1、B6及び/又はB12欠乏等の様々な欠乏のため、ビタミンB6過剰症、甲状腺機能低下症、化学療法化合物(例えば、パクリタキセル又はその他のタキサン誘導体、ビンクリスチンその他のビンカアルカロイド、シスプラチンその他の白金誘導体)、薬剤誘発性神経障害、感染症治療用化合物(例:ストレプトマイシン、ジダノシン又はザルシタビン)、又はその他のあらゆる化学毒性化合物に起因する、神経障害性疼痛、三叉神経痛、帯状疱疹後神経痛、肋間神経痛、絞扼性神経障害(例:手根管症候群、足根管症候群、腹部皮膚神経絞やく症候群)、小繊維神経障害、遺伝性運動感覚神経障害、慢性炎症性脱髄性多発神経障害、坐骨痛、慢性特発性感覚神経障害、ポリオ後症候群等の感染症、AIDS又はHIV関連、ライム関連、シェーグレン関連、リンパ腫性神経障害、骨髄腫性神経障害、癌性神経障害、急性汎自律神経障害、血管炎性/虚血性神経障害、その他の単神経障害及び多発神経障害、複合性局所疼痛症候群I型及びII型(反射性交感神経性ジストロフィー)、中枢性神経障害性疼痛(例:視床神経障害、脊髄損傷神経障害、脳卒中後疼痛、多発性硬化症神経障害、脊髄空洞症、脊髄腫瘍)、幻肢痛、不穏性器症候群(疼痛)、心臓手術や乳房切除を含む術後瘢痕痛があげられる。
【0089】
本開示の一実施形態では、本開示による慢性疼痛の治療に用いるための、本開示による、又は本開示の方法によって提供される医薬組成物であって、当該医薬組成物の投与頻度は、1日一回~1日八回、好ましくは1日6回、5回、4回、3回、2回又は一回である。
【0090】
本開示の一実施形態では、本開示による慢性疼痛の治療に用いるための医薬組成物であって、当該医薬組成物は、少なくとも1日、できれば少なくとも1週間、より好ましくは少なくとも1ヶ月、最も好ましくは少なくとも1年、より好ましくは、医薬組成物は1年~10年投与され、より好ましくは、医薬組成物は慢性的に投与される。開示されている慢性疼痛の治療に用いるための医薬組成物が、慢性疼痛に苦しむ患者に生涯にわたって投与されることは、開示の一部であると理解されるべきである。この方法では、慢性の痛みは少なくともそれほど強くなく、患者は慢性の痛みからかなり又は完全に解放されることが望ましい。
【0091】
以下、本発明は、以下の実施例を参照して、より詳細に説明されるが、本発明は、それに限定されるものではないと理解されるべきである。
[実施例]
【実施例1】
【0092】
本開示の経皮製剤及び/又は局所製剤は、当業者に公知である以下の:(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、プロパノール等)のこれらに限定されないC1-C20アルコール、多価アルコール、(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン等)等のこれらに限定されないグリコール類、グリコール類の誘導体、(N-メチル-2-ピロリドン、2-ピロリドン等)等のこれらに限定されないピロリドン類、(ジメチルスルホキシド、デシルメチルスルホキシド等)等のこれらに限定されないスルホキシド類、ジメチルイソソルビド、鉱油、植物油、ごま油水、極性溶媒、半極性溶媒、非極性溶媒、(エタノール、プロパノール、酢酸エチル、アセトン、メタノール、ジクロロメタン、クロロホルム、トルエン、IPA、ヘキサン)等のマトリクスパッチを作るのに用いることができるがこれに限定されない揮発性化学物質、酢酸、乳酸、レブリン酸等の酸、塩基等の酸、ペンタン、ジメチルホルムアミド、ブタン、脂質等、をこれらに限定されずに、単独又はこれらの組み合わせた溶媒を含むことができる。より好ましくは0.01%~95%のw/w又はw/vの範囲である。本開示の製剤は、製剤の約0.01%、約0.02%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約75%、約80%、及び約95%の濃度の溶媒を含むことができる。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、約1~20%、約5%~25%、約10%~約20%、又は約15%~約18%、約30%~約70%、約35%~約65%、約63.13%、及び約40%~約64%w/wの濃度の溶媒を含むことができる。本開示の例示的な製剤では、溶媒は約1質量%~75質量%、好ましくは2質量%~30質量%、より好ましくは5質量%~20質量%の濃度である。
【実施例2】
【0093】
本開示の経皮製剤及び/又は局所製剤は、当業者に公知である以下の:天然重合体寒天、アルギン酸及びその誘導体、カシアトラ、コラーゲン、ゼラチン、ジェランガム、グアーガム、ペクチン、カリウムカラギーナン、ナトリウムカラギーナン、トラガカンス、キサンタンガム、コパルガム、キトサン、樹脂等)のこれらに限定されないその誘導体、セルロース及びその誘導体に限定されないような半合成重合体及び(メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等)のこれらに限定されないその誘導体、カルボキシビニル重合体又はカルボマー等のそれらに限定されない合成重合体及びその誘導体(カルボポール940、カルボポール934、カルボポール971p NF)、ポリエチレン及びその共重合体等、(ケイ酸塩、ベントナイト)、二酸化ケイ素、ポリビニルアルコール、アクリル重合体(オイドラギット)、アクリル酸エステル、ポリアクリル酸共重合体、ポリアクリルアミド、(PVP、コリドン30、ポロキサマー)、イソブチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、天然ゴム、合成ゴム、(bio psa 4302、bio-psa 4202等)等のシリコーン重合体等の感圧接着剤、(duro-tak 87-2156、duro-tak 387-2287、duro-tak 87-9301、duro-tak 387-2051等)等のアクリル感圧接着剤、(ポリイソブチレン低分子量、中分子量ポリイソブチレン、分子量35000ポリイソブチレン等)等のポリイソブチレン、アクリル系共重合体、ゴム系接着剤、ホットメルト接着剤、スチレン-ブタジエン共重合体、ベントナイト、すべての水及び/又は有機溶媒膨潤性重合体等、をこれらに限定されずに、単独又はこれらの組み合わせたゲル化剤及び/又は増粘剤及び/又は懸濁剤及び/又は重合体及び/又は接着性重合体及び/又は感圧接着性重合体を含むことができる。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、製剤の約0.01%、約0.02%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約75%、約80%、及び約95%の濃度のゲル化剤及び/又は増粘剤及び/又は懸濁剤及び/又は重合体及び/又は接着性重合体及び/又は感圧接着性重合体を含むことができる。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、約1~20%、約5%~25%、約10%~約20%、又は約15%~約18%、約30%~約70%、約35%~約65%、約63.13%、及び約40%~約64%w/wの濃度のゲル化剤及び/又は増粘剤及び/又は懸濁剤及び/又は重合体及び/又は接着性重合体及び/又は感圧接着性重合体を含むことができる。本開示の例示的な製剤では、ゲル化剤及び/又は増粘剤及び/又は懸濁剤及び/又は重合体及び/又は接着性重合体及び/又は感圧接着性重合体は、約1質量%~75質量%、好ましくは2質量%~30質量%、より好ましくは5質量%~20質量%の濃度であり、より好ましくは0.1%~80%のw/w又はw/vの範囲である。
【実施例3】
【0094】
本開示の経皮製剤及び/又は局所製剤は、当業者に公知である以下の:スルホキシド及び類似の化学物質であって、例えば、これらに限定されない(ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、デシルメチルスルホキシド、ジメチルイソソルビド等)、アゾン、ピロリドン類であって、例えば、これらに限定されない(N-メチル-2-ピロリドン、2-ピロリドン等)、脂肪酸エステル類であって、例えば、これらに限定されない(モノラウリン酸プロピレングリコール、エタン酸ブチル、エタン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、エタン酸メチル、乳酸ラウリル、オレイン酸デシル、モノオレイン酸グリセロール、モノラウリン酸グリセロール、ラウリン酸ラウリル等)、脂肪酸類であって、例えば、これらに限定されない(カプリン酸、カプリル酸、ラウリン酸、オレイン酸、ミリスチン酸、リノール酸、ステアリン酸、パルミチン酸等)、アルコール類、脂肪アルコール類及びグリコール類であって、例えば、これらに限定されない(オレイルアルコール、エタノール、ドデカノール、プロピレングリコール、グリセロール等)、エーテルアルコール類であって、例えば、これらに限定されない(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)、尿素、トリアセチン等でこれに限定されないトリグリセリド、ポリオキシエチレン脂肪酸エーテル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、脂肪アルコール類のエステル類、精油類、界面活性剤型促進剤であって、例えば、これらに限定されない(brij、ラウリル硫酸ナトリウム、tween、ポリソルベート)、テルペン、テルペノイド及び書籍「Percutaneous Penetration Enhancers」(Eric W.Smith,Howard I.Mailbach,2005.Nov,CRC press)で言及されているすべての浸透促進剤又は浸透促進剤等、をこれらに限定されずに、単独又はこれらの組み合わせた浸透促進剤を含むことができる。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、製剤の約0.01%、約0.02%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約75%、約80%、及び約95%の濃度の浸透促進剤を含むことができる。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、約1~20%、約5%~25%、約10%~約20%、又は約15%~約18%、約30%~約70%、約35%~約65%、約63.13%、及び約40%~約64%w/wの濃度の浸透促進剤を含むことができる。例示的な実施形態では、本開示の製剤の浸透促進剤は、約1質量%~20質量%、好ましくは5質量%~25質量%、より好ましくは10質量%~20質量%、の濃度であり、より好ましくは0.01%~95%のw/w又はw/vの範囲である。
【実施例4】
【0095】
本開示の経皮製剤及び/又は局所的製剤は、当業者に公知である以下の:グリセロール及びそのエステル、リン酸エステル、グリコール誘導体、糖アルコール、セバシン酸エステル、クエン酸エステル、酒石酸エステル、アジピン酸塩、フタル酸エステル、トリアセチン、オレイン酸エステル等の可塑剤、並びに、書籍『Handbook of Plasticizers』(George Wypych,2004,Chem Tec Publishing)で言及されている経皮薬物送達システムで用いられうるすべての可塑剤を、単独又はそれらの組み合わせで当業者に公知である可塑剤を含めることができる。本開示の製剤は、製剤の約0.01%、約0.02%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約75%、及び約80%の濃度の可塑剤を含むことができる。例示的な実施形態では、本開示の製剤の可塑剤は、約1~20%、約5%~25%、約10%~約20%、又は約15%~約18%、約30%~約70%、約35%~約65%、約63.13%、及び約40%~約64%w/wの濃度である。より好ましくは例示的な実施形態では、本開示の製剤の可塑剤は、約1質量%~75質量%、好ましくは2質量%~30質量%、より好ましくは5質量%~20質量%の濃度である。より好ましくは0.01%~95%w/w又はw/vの範囲で含むことができる。
【実施例5】
【0096】
本開示の経皮製剤及び/又は局所的製剤は、当業者に公知である以下の:ワセリン、ラノリン、鉱油、ジメチコン、酸化亜鉛、グリセリン、プロピレングリコール及びその他を、単独又はそれらの組み合わせで当業者に公知である皮膚刺激軽減剤、保湿剤、皮膚刺激軽減剤及び類似の化合物又は化学物質を含めることができる。より好ましくは0.01%~95%のw/w又はw/vの範囲である。本開示の製剤は、製剤の約0.01%、約0.02%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約75%、及び約80%の濃度の皮膚軟化剤、保湿剤、皮膚刺激軽減剤及び類似の化合物を含むことができる。本開示の製剤は、約1~20%、約5%~25%、約10%~約20%、又は約15%~約18%、約30%~約70%、約35%~約65%、約63.13%、及び約40%~約64%w/wの濃度の皮膚軟化剤、保湿剤、皮膚刺激軽減剤及び類似の化合物を含むことができる。本開示の製剤の皮膚軟化剤、保湿剤、皮膚刺激軽減剤及び類似の化合物は、約1質量%~75質量%、好ましくは2質量%~30質量%、より好ましくは5質量%~20質量%の濃度であり、より好ましくは0.01%~95%のw/w又はw/vの範囲である。
【実施例6】
【0097】
本開示の経皮製剤及び/又は局所製剤は、当業者に公知である以下の:(ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80等)等のこれらに限定されないポリソルベート、(span80、span20等)等のこれらに限定されないスパン、(アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性)等のこれらに限定されない界面活性剤、モノカプリル酸プロピレングリコールI型、モノカプリル酸プロピレングリコールII型、ジカプリル酸プロピレングリコール、中鎖トリグリセリド、モノラウリン酸プロピレングリコールII型、リノレオイルポリオキシル6グリセリド、カプリルグリセリド、オレイルポリオキシル-1-6-グリセリド、ラウロイルポリオキシル6グリセリド、ポリグリセリル-3-ジオレイン酸、カプリロカプロイルポリオキシル-8グリセリド等、シクロデキストリン等を、単独又はそれらの組み合わせで当業者に公知である可溶化剤、界面活性剤、乳化剤、分散剤及びこれらに類する化合物又は化学物質を含めることができる。より好ましくは0.01%~95%のw/w又はw/vの範囲である。本開示の製剤は、製剤の約0.01%、約0.02%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約75%、及び約80%の濃度の可溶化剤、界面活性剤、乳化剤、分散剤及びこれらに類する化合物又は化学物質を含めることができる。本開示の製剤は、約1~20%、約5%~25%、約10%~約20%、又は約15%~約18%、約30%~約70%、約35%~約65%、約63.13%、及び約40%~約64%w/wの濃度の可溶化剤、界面活性剤、乳化剤、分散剤及びこれらに類する化合物又は化学物質を含めることができる。本開示の製剤の可溶化剤、界面活性剤、乳化剤、分散剤及びこれらに類する化合物又は化学物質は、約1質量%~75質量%、好ましくは2質量%~30質量%、より好ましくは5質量%~20質量%の濃度であり、より好ましくは0.01%~95%のw/w又はw/vの範囲である。
【実施例7】
【0098】
製剤中の活性剤の安定性及び/又は溶解性を高めるために、コーティング、カプセル化、マイクロカプセル化、ナノカプセル化、凍結乾燥、キレート剤、錯化剤等に制限されることなく、異なる技術及び成分を用いることができる。
【実施例8】
【0099】
本開示の経皮製剤及び/又は局所製剤は、当業者に公知である以下の:リン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤等、かつ、(カルボン酸、無機酸、スルホン酸、ビニル性カルボン酸その他)等のこれらに限定されない酸、(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、トリエチルアミン、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム)等のこれらに限定されない塩基等を、単独又はそれらの組み合わせで当業者に公知であるpH緩衝補助剤及びpH安定剤、並びこれらに類似化合物であって、製剤のpHを、好ましくは、4.0~8.0の範囲内に、維持するのに役立つ化合物を含めることができる。より好ましくは0.01%~30%のw/w又はw/vの範囲である。本開示の製剤は、製剤の約0.01%、約0.02%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約75%、及び約80%の濃度のpH緩衝補助剤及びpH安定剤、並びこれらに類似化合物を含めることができる。本開示の製剤は、約1~20%、約5%~25%、約10%~約20%、又は約15%~約18%、約30%~約70%、約35%~約65%、約63.13%、及び約40%~約64%w/wの濃度のpH緩衝補助剤及びpH安定剤、並びこれらに類似化合物を含めることができる。本開示の製剤のpH緩衝補助剤及びpH安定剤、並びこれらに類似化合物は、約1質量%~75質量%、好ましくは2質量%~30質量%、より好ましくは5質量%~20質量%の濃度であり、より好ましくは0.01%~30%のw/w又はw/vの範囲である。
【実施例9】
【0100】
本開示の経皮製剤及び/又は局所製剤は、当業者に公知である以下の:(メタ重亜硫酸ナトリウム、クエン酸、アスコルビン酸、BHA、BHT)、酸化剤、安定剤、変色剤、防腐剤及び安定剤を得るのに役立つ当業者に公知である類似の化合物又は化学物質等の抗酸化剤等を、単独又はそれらの組み合わせで当業者に公知である抗酸化剤を含めることができる。より好ましくは0.01%~50%のw/w又はw/vの範囲である。本開示の製剤は、製剤の約0.01%、約0.02%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約75%、及び約80%の濃度の酸化防止剤を含めることができる。本開示の製剤は、約1~20%、約5%~25%、約10%~約20%、又は約15%~約18%、約30%~約70%、約35%~約65%、約63.13%、及び約40%~約64%w/wの濃度の酸化防止剤を含めることができる。本開示の製剤の酸化防止剤は、約1質量%~75質量%、好ましくは2質量%~30質量%、より好ましくは5質量%~20質量%の濃度であり、より好ましくは0.01%~50%のw/w又はw/vの範囲である。
【実施例10】
【0101】
本開示の経皮製剤及び/又は局所製剤は、当業者に公知である軟膏及び/又はクリームベース及び/又はゲル及び/又はフィルム形成製剤及び/又は経皮マトリクス製剤及び/又は接着剤中マトリクスパッチ及び/又はマトリクスパッチにおいて製剤化することができる。
【実施例11】
【0102】
本開示のパッチ形態の経皮送達システムを作製するための材料は、当業者に公知の以下の:例えば、リザーバパッチ、マトリクスパッチ、接着剤中の薬剤、フィルム形成製剤、マイクロドージング経皮パッチ、経皮フィルム等であり、かつ、これらに限定されないが、重合体、共重合体、誘導体、支持フィルム、剥離膜、剥離ライナー等を、単独又はそれらの組み合わせで含むことができる。感圧接着剤(これらに限定されない、シリコン重合体、ゴム系接着剤、アクリル重合体、アクリル系共重合体、ポリイソブチレン、アクリル酸イソオクチルアクリル酸共重合体、ホットメルト接着剤、ポリブチレン等)、支持フィルム(これらに限定されない、エチレン酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、金属箔、ポリエステル、アルミ化ドフィルム、ポリエチレン等)、剥離膜(これらに限定されない、マイクロポーラスポリエチレン膜、マイクロポーラスポリプロピレン膜、速度制御エチレン酢酸ビニル共重合体膜等)、離型ライナー(これらに限定されない、シリコン型ポリエステルフィルム、フルオロ重合体コーティングされたポリエステルフィルム、ポリエステルフィルム、シリコン型ポリエチレンテレフタレートフィルム等)、及びテープ等である。
【0103】
本開示の経皮製剤及び/又は局所製剤及び/又は経皮送達システムは、多発性硬化症の疼痛の治療及び/又は予防に必要なヒト血漿中に、少なくとも治療有効用量の活性剤、THC及び/又はCBD及びその誘導体のを単独で、又はそれらの組み合わせで送達することができる。治療上有効な活性剤THC及び/又はCBD、及び/又はその誘導体の用量は、多発性硬化症の疼痛の治療及び/又は予防に必要なヒト血漿中の治療濃度をいう。さらに、経皮製剤又は局所製剤又は経皮送達システムにおけるTHC及び/又はCBD、及びその誘導体の正確な治療有効量は、患者の状態等の要因に基づいて当業者が決定することができるが、これらに限定されない。、経皮製剤又は局所製剤又は経皮送達システムは、患者の要求に基づいて最適な治療結果を達成するために異なる用量強度及びパッチサイズで利用可能となる。
【0104】
さらにさらなる実施形態では、本開示の経皮製剤及び/又は局所製剤及び/又は経皮送達システムは、少なくとも治療効果用量のTHC及び/又はCBD及びその誘導体を送達することができる。治療有効量の活性剤THC及び/又はCBD及びその誘導体とは、多発性硬化症の疼痛の治療及び/又は予防及び/又は抑制に必要なヒト血漿中の活性剤の治療濃度をいう。
【0105】
活性剤THC及び/又はCBD並びにその誘導体の経皮製剤又は経皮パッチは、1日に一回、2日に一回、3日に一回、4日に一回、5日に一回、6日に一回、週に一回、約8日~約13日の範囲で一回、2週間に一回、15日に一回のいずれかの投与レジメンで皮膚表面に塗布することができる。
【実施例12】
【0106】
粘着マトリクスパッチ剤の製剤例
【0107】
【0108】
【実施例13】
【0109】
経皮送達((製剤番号009、010、011、012、013)用の合成デルタ-9-thc(THC)及びカンナビジオール(CBD)製剤を、表1に示す成分を混合することによって調製した。
表1:経皮合成カンナビジオール製剤
【0110】
【表3】
CBD及びTHCを除く表1の全成分を18時間撹拌しながら混合した。次に、CBDとTHCを添加剤混合物に加え、最終的な経皮製剤を調製した。次に、CBD及び/又はTHCを添加剤混合物に加え、最終的な経皮製剤を調製した。
次に、調製した経皮製剤を以下のようにフラックス測定試験にかけた。-80°Cで保存されたヒト死体の皮膚を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で、室温で解凍し、研究で用いる前に、欠陥がないか目視検査した。次に、円筒状ドナーコンパートメントと13mLの容量の他のウォータージャケット付き円筒状受容体コンパートメントを含む標準的なフランツ拡散細胞を用いて、経皮流束を測定した。ヒト死体の皮膚を、真皮側を受容体区画に向けて2つの区画の間にクランプした。ドナーコンパートメントを、上記のように調製された経皮CBD及び/又はTHC製剤で充填した。受容体コンパートメントを受容体培地で充填し、一定の温度で保持し、CBD及び/又はTHCが皮膚を介して受容体コンパートメントに拡散する際に、それを収集するために絶えず撹拌した。受容液が常に皮膚に接触していることを確認することが重要である。CBD及び/又はTHCの分析のために24時間間隔で受容体コンパートメントを空にし、新鮮な受容体溶液に置換した。受容体コンパートメントのシンク状態を維持するためには、受容体コンパートメント内のCBD及び/又はTHCの濃度を溶解度の10%未満に保つことが重要である。実験条件を表2に示す。
【0111】
【表4】
ヒトの死体皮膚を通過するCBD及びTHCの流束(フラックス)を最低72時間(3日間)測定し、フラックス測定の結果を表3と表4に示す。
表3 CBD流束の結果
【0112】
【0113】
【0114】
【0115】
【表8】
本発明は、その具体例を参照して詳細に説明されているが、その精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修正を加えることができることは、当業者には明らかであろう。
【国際調査報告】