(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-02
(54)【発明の名称】ペットフード組成物
(51)【国際特許分類】
A23K 50/40 20160101AFI20230526BHJP
A23K 10/30 20160101ALI20230526BHJP
A23K 20/111 20160101ALI20230526BHJP
A23K 10/37 20160101ALI20230526BHJP
A23K 20/163 20160101ALI20230526BHJP
A23K 20/147 20160101ALI20230526BHJP
A23K 20/158 20160101ALI20230526BHJP
A23K 10/18 20160101ALI20230526BHJP
A23K 10/16 20160101ALI20230526BHJP
【FI】
A23K50/40
A23K10/30
A23K20/111
A23K10/37
A23K20/163
A23K20/147
A23K20/158
A23K10/18
A23K10/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022561178
(86)(22)【出願日】2021-04-06
(85)【翻訳文提出日】2022-10-06
(86)【国際出願番号】 US2021070355
(87)【国際公開番号】W WO2021207755
(87)【国際公開日】2021-10-14
(32)【優先日】2020-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502329223
【氏名又は名称】ヒルズ・ペット・ニュートリシャン・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003579
【氏名又は名称】弁理士法人山崎国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100173978
【氏名又は名称】朴 志恩
(74)【代理人】
【識別番号】100118647
【氏名又は名称】赤松 利昭
(74)【代理人】
【識別番号】100123892
【氏名又は名称】内藤 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169993
【氏名又は名称】今井 千裕
(74)【代理人】
【識別番号】100071010
【氏名又は名称】山崎 行造
(72)【発明者】
【氏名】ワーニモント、スーザン
(72)【発明者】
【氏名】グロス、キャシー
(72)【発明者】
【氏名】ジャクソン、マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ストーマ―、アンドリュー
【テーマコード(参考)】
2B005
2B150
【Fターム(参考)】
2B005AA06
2B150AA06
2B150AB10
2B150AB11
2B150AC05
2B150AC08
2B150CA06
2B150CA13
2B150CA18
2B150CE01
2B150CE02
2B150CE04
2B150CE05
2B150CE11
2B150CE15
2B150CE16
2B150CE17
2B150CE23
2B150CE26
2B150CJ07
2B150CJ08
2B150DA08
2B150DA37
2B150DC14
2B150DC15
(57)【要約】
コンパニオンアニマルの下痢または便秘を治療する、阻害する、その重症度を低減する、または予防する、便の特徴を改善する、排便行動を改善する、および/または生活の質を改善するためのペットフード組成物および方法が開示されている。ペットフード組成物は、オオバコまたはその誘導体、ポリフェノールの供給源、高溶解性繊維の供給源、および低溶解性繊維の供給源を含んでもよい。方法は、ペットフード組成物の有効量を、それを必要とするコンパニオンアニマルに投与することを含んでもよい。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペットフード組成物であって、
オオバコまたはその誘導体と、
ポリフェノールの供給源と、
高溶解性繊維の供給源と、
低溶解性繊維の供給源と、を含む、ペットフード組成物。
【請求項2】
前記オオバコまたはその誘導体が、前記組成物の約0.1重量%~約5重量%、随意に約0.5重量%~約2.5重量%、または約1重量%~約2重量%の量で、さらに随意に、前記ペットフード組成物の総重量に基づいて、約1.1重量%、約1.2重量%、約1.3重量%、約1.4重量%、約1.5重量%、約1.6重量%、約1.7重量%、約1.8重量%、または約1.9重量%で存在する、請求項1に記載のペットフード組成物。
【請求項3】
前記高溶解性繊維の供給源が、オートブラン、ソバ挽き割り、大麦、トマト搾りかす、柑橘類パルプ、ビートパルプ、またはそれらの組み合わせのうちの一つ以上を含み、より好ましくは、前記高溶解性繊維の供給源が、オートブラン、ソバ挽き割り、大麦、柑橘類パルプ、ビートパルプ、またはそれらの組み合わせのうちの一つ以上を含む、請求項1または請求項2に記載のペットフード組成物。
【請求項4】
前記低溶解性繊維の供給源が、セルロース系材料、ピーカン繊維、またはそれらの組み合わせのうちの一つ以上を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項5】
約30重量%~約55重量%のタンパク質、随意に約32重量%~約38重量%のタンパク質、さらに随意に約33重量%、約34重量%、約35重量%、約36重量%、または約37重量%のタンパク質を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項6】
約5重量%~約15重量%の総食物繊維、随意に約8重量%~約14重量%の総食物繊維、さらに随意に約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、または約13重量%の総食物繊維を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項7】
不溶性繊維と可溶性繊維との重量比が、約10:1~約1:1、随意に約7.5:1~約2.5:1、さらに随意に約5:1である、請求項1~6のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項8】
オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸との混合物をさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項9】
前記オメガ6脂肪酸と前記オメガ3脂肪酸との前記重量比が、約10:1~約1:1、随意に約7.5:1~約2:1、さらに随意に約3.5:1である、請求項8に記載のペットフード組成物。
【請求項10】
前記オメガ3脂肪酸が、約0.1重量%~約0.5重量%のドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、またはそれらの混合物、また随意に約0.3重量%~約0.4重量%、さらに随意に約0.31重量%、約0.32重量%、約0.33重量%、約0.34重量%、約0.35重量%、約0.36重量%、約0.37重量%、約0.38重量%、または約0.39重量%を含む、請求項8または9に記載のペットフード組成物。
【請求項11】
前記オメガ3脂肪酸が亜麻仁によって提供される、請求項8~10のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項12】
前記ポリフェノールの供給源が、デヒドロオキシロスマリン酸、クマロイルネピトリン、ユーパフォリン、カルノソール、スクテラリン、ケンフェロール、ロスマリン酸、ロスマノール、シルシマリチン、ルテオリン、6-メトキシ-ルテオリン、7-エピロスマンノール、ケルセチン、カテキン、ヘスペリジン、シアニジン、およびそれらの組み合わせのうちの一つ以上から選択されるポリフェノールを提供する、請求項1~11のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項13】
前記ポリフェノールの供給源が、圧搾クランベリー、クランベリーかす、またはそれらの組み合わせを含み、より好ましくは、前記ポリフェノールの供給源が、圧搾クランベリーを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項14】
前記組成物が実質的にエンドウ豆繊維のない、請求項1~13のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項15】
カボチャをさらに含む、請求項1~14のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項16】
プロバイオティックをさらに含む、請求項1~15のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項17】
前記プロバイオティックが、ビフィズス菌ラクティス、ビフィズス菌アニマリス、アシドフィルス菌、ビフィズス菌ロンガム、エンテロコッカス・フェシウムまたはそれらの組み合わせのうちの一つ以上を含む、請求項16に記載のペットフード組成物。
【請求項18】
プレバイオティックをさらに含む、請求項1~17のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項19】
前記プレバイオティックがフラクトオリゴ糖を含む、請求項18に記載のペットフード組成物。
【請求項20】
下痢または便秘を治療、阻害または予防することと、
便の特徴を改善することと、
排便行動を改善することと、および/または
コンパニオンアニマルの生活の質を改善する方法であって、
請求項1~19のいずれか一項に記載する前記ペットフード組成物の有効量を、それを必要とする前記コンパニオンアニマルに投与することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ペットは、継続的な成長と通常の健康状態のために健康的な食餌と適切な胃腸運動が必要である。さらに、異常な胃腸運動は、一般的なペットフード組成物の消化を妨害し、便秘または下痢につながる可能性があり、これは非常に重篤でありうる。これらの症状は、症状を呈するペットにとって非常に好ましくないだけでなく、特に症状が慢性的である場合には、ペットを世話するペット所有者にとっても問題を生む可能性がある。
【0002】
特定の成分は便の硬さの増加に効果的であることが知られているが、1)便秘および/または下痢を治療、予防および/または阻害する、ならびに2)コンパニオンアニマルの便の特徴、排便行動、および生活の質を改善する成分およびペットフード組成物に対するニーズが依然として存在する。
【0003】
その結果、必要とされるのは、下痢/便秘を治療、予防または阻害し、便の特徴を改善し、および/または排便行動を改善するための、改善されたペットフード組成物および方法である。
【発明の概要】
【0004】
この概要は、本開示の一つ以上の実施の一部の態様の簡略化された要約を単に紹介することを意図するものである。本開示が適用可能である更なる領域は、以下で行う詳細な説明から明らかになるであろう。本概要は、広範な概要ではなく、本教示の重要な鍵または不可欠な要素を特定することも意図しておらず、また本開示の範囲を説明することも意図されていない。むしろ、その目的は、以下の詳細な説明の前置きとして、一つ以上の概念を簡略化された形式で提示することに過ぎない。
【0005】
前述および/または本開示で具現化される他の態様および有用性は、オオバコまたはその誘導体、ポリフェノールの供給源、高溶解性繊維の供給源、および低溶解性繊維の供給源を含むペットフード組成物を提供することによって達成されうる。
【0006】
少なくとも一つの実施では、オオバコまたはその誘導体は、組成物の約0.1重量%~約5重量%、随意に約0.5重量%~約2.5重量%、または約1重量%~約2重量%の量で存在してもよく、ペットフード組成物の総重量に基づき、さらに随意に約1.1重量%、約1.2重量%、約1.3重量%、約1.4重量%、約1.5重量%、約1.6重量%、約1.7重量%、約1.8重量%または約1.9重量%の量で存在してもよい。
【0007】
少なくとも一つの実施では、高溶解性繊維の供給源は、オートブラン、ソバ挽き割り、大麦、トマト搾りかす、亜麻仁、柑橘類パルプ、ビートパルプ、またはそれらの組み合わせ、より好ましくは、オートブラン、ソバ挽き割り、大麦、亜麻仁、柑橘類パルプ、ビートパルプ、またはそれらの組み合わせのうちの一つ以上を含んでもよい。
【0008】
少なくとも一つの実施では、高溶解性繊維の供給源は、オートブラン、ソバ挽き割り、大麦、亜麻仁、トマト搾りかす、柑橘類パルプ、ビートパルプ、またはそれらの組み合わせのうちの一つ以上を含んでもよい。
【0009】
少なくとも一つの実施では、低溶解性繊維の供給源は、セルロース系材料、ピーカン繊維、またはそれらの組み合わせのうちの一つ以上を含んでもよい。
【0010】
少なくとも一つの実施では、ペットフード組成物は、約15重量%~約55重量%のタンパク質、約20重量%~約55重量%のタンパク質、随意に約32重量%~約38重量%のタンパク質、さらに随意に約33重量%、約34重量%、約35重量%、約36重量%、または約37重量%のタンパク質をさらに含んでもよい。
【0011】
少なくとも一つの実施では、ペットフード組成物は、約5重量%~約15重量%の総食物繊維、随意に約8重量%~約14重量%の総食物繊維、さらに随意に約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、または約13重量%の総食物繊維をさらに含んでもよい。
【0012】
少なくとも一つの実施では、ペットフード組成物は、約10:1~約1:1、随意に約7.5:1~約2.5:1、さらに随意に約5:1の不溶性繊維と可溶性繊維との重量比を含んでもよい。
【0013】
少なくとも一つの実施では、ペットフード組成物は、オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸との混合物をさらに含んでもよい。少なくとも一つの実施では、オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸との重量比は、約10:1~約1:1、随意に約7.5:1~約2:1、さらに随意に約3.5:1であってもよい。少なくとも一つの実施では、オメガ3脂肪酸は、約0.1重量%~約0.5重量%のドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、またはそれらの混合物、随意に約0.3重量%~約0.4重量%、さらに随意に約0.31重量%、約0.32重量%、約0.33重量%、約0.34重量%、約0.35重量%、約0.36重量%、約0.37重量%、約0.38重量%または約0.39重量%を含んでもよい。少なくとも一つの実施では、オメガ3脂肪酸は亜麻仁によって提供されてもよい。
【0014】
少なくとも一つの実施では、ポリフェノールの供給源は、デヒドロオキシロスマリン酸、クマロイルネピトリン、ユーパフォリン、カルノソール、スクテラリン、ケンフェロール、ロスマリン酸、ロスマノール、シルシマリチン、ルテオリン、6-メトキシ-ルテオリン、7-エピロスマンノール、ケルセチン、カテキン、ヘスペリジン、シアニジン、およびそれらの組み合わせの一つ以上から選択されるポリフェノールを提供してもよい。
【0015】
少なくとも一つの実施では、ポリフェノールの供給源は、圧搾クランベリーを含んでもよい。
【0016】
少なくとも一つの実施では、ポリフェノールの供給源は、クランベリーかすを含んでもよい。
【0017】
少なくとも一つの実施では、ペットフード組成物は、エンドウ豆繊維を含まないか、または実質的に含まなくてもよい。
【0018】
少なくとも一つの実施では、ペットフード組成物は、カボチャをさらに含んでもよい。
【0019】
少なくとも一つの実施では、ペットフード組成物は、プロバイオティックをさらに含んでもよい。プロバイオティックは、ビフィズス菌ラクティス、ビフィズス菌アニマリス、アシドフィルス菌、ビフィズス菌ロンガム、エンテロコッカス・フェシウム、またはそれらの組み合わせのうちの一つ以上を含んでもよい。
【0020】
少なくとも一つの実施では、ペットフード組成物は、プレバイオティックをさらに含んでもよい。プレバイオティックは、フラクトオリゴ糖を含んでもよい。
【0021】
前述および/または本開示で具現化される他の態様および有用性は、下痢または便秘を治療、阻害または予防する方法を提供する、便の特徴を改善する、排便行動を改善する、および/またはコンパニオンアニマルの生活の質を改善することによって達成されうる。方法は、本明細書に開示されるペットフード組成物の任意の一つの有効量を、それを必要とするコンパニオンアニマルに投与することを含んでもよい。例えば、方法は、オオバコまたはその誘導体、ポリフェノールの供給源、高溶解性繊維の供給源および低溶解性繊維の供給源を含むペットフード組成物の有効量を、それを必要とするコンパニオンアニマルに投与することを含んでもよい。
【0022】
本開示が適用可能である更なる領域は、以下で行う詳細な説明から明らかになるであろう。発明を実施するための形態及び特定の実施例は、本開示の一部の典型的態様を示しているものの、説明の目的のみとして意図されており、本開示の範囲を限定することを意図していないと理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本開示は、添付の図面と併せて読む時に、以下の詳細な説明から最もよく理解される。業界の標準的な慣行に従い、様々な特徴は原寸に比例していないことが強調される。事実、様々な特徴の寸法は、議論を明確にするために任意に増加または減少されてもよい。
【0024】
【
図1】
図1は、実施例2のコンパニオンアニマルで観察された便中血液のプロットまたはグラフィカル表現を示す。
【0025】
【
図2】
図2は、実施例3のコンパニオンアニマルで観察された便中血液のプロットまたはグラフィカル表現を示す。
【0026】
【
図3】
図3は、実施例4のコンパニオンアニマルで観察された便粘液のプロットまたはグラフィカル表現を示す。
【0027】
【
図4】
図4は、実施例5のコンパニオンアニマルで観察された便粘液のプロットまたはグラフィカル表現を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
様々な典型的な態様の以下の説明は、本質的に単に例示的であり、かつ、いかなる点においても本開示、その適用、または使用を制限することは意図されていない。
【0029】
本開示全体を通して使用されている通り、範囲は、その範囲内にある各値およびすべての値を記述するための省略表現として使用される。当然のことながら、範囲形式の記載は、単に利便性および簡潔性のためであり、本明細書で開示される任意の実施形態または実施の範囲に対する柔軟性のない制限として解釈されるべきではない。したがって、開示された範囲は、その範囲内の全ての可能な部分範囲ならびに個々の数値を具体的に開示したものと解釈されるべきである。そのため、範囲内の任意の値が、その範囲の末端として選択されうる。例えば、1~5などの範囲の説明は、1.5~3、1~4.5、2~5、3.1~5などの部分範囲、ならびにその範囲内の個々の数、例えば、1、2、3、3.2、4、5などを、具体的に開示したものと見なされるべきである。これは、範囲の幅に関係なく適用される。
【0030】
特に断らない限り、本明細書内および本明細書の他の箇所で表現される割合および量は全て、重量パーセントを指すものと理解されるべきである。与えられている量は材料の活性重量に基づく。
【0031】
さらに、数値は、示された値の「約」または「およそ」であり、当業者によって予想される実験誤差および変形を考慮に入れる。本明細書に開示されているすべての数値および範囲は、「約」がそれと併せて使用されるかどうかにかかわらず、おおよその値および範囲であることが理解されるべきである。また当然のことながら、本明細書で使用される場合、「約」という用語は、数字と併せて、その数字の±0.01%(境界値含む)、±0.1%(境界値含む)、±0.5%(境界値含む)、±1%(境界値含む)、その数字の±2%(境界値含む)、その数字の±3%(境界値含む)、その数字の±5%(境界値含む)、その数字の±10%(境界値含む)、またはその数字の±15%(境界値含む)でありうる値を指す。さらに当然のことながら、数値範囲が本明細書に開示される場合、範囲内に入る任意の数値も具体的に開示される。
【0032】
本明細書で使用される場合、材料が「ない」」または「実質的にない」とは、組成物、成分または相の総重量に基づいて、材料が10.0重量%未満、5.0重量%未満、3.0重量%未満、2.0重量%未満、1.5重量%未満、1.0重量%未満、0.5重量%未満、0.25重量%未満、0.1重量%未満、0.05重量%未満、0.01重量%未満、0.005重量%未満、または0.0001重量%未満の量で存在する、組成物、成分または相を指してもよい。
【0033】
さらに、本明細書内で引用される参照文献は全て、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本開示における定義と、引用された参照文献における定義に矛盾がある場合、本開示が支配する。
【0034】
本発明者らは、驚くべきことにかつ予想外にも、抗酸化物質およびポリフェノール化合物を含む植物繊維の組み合わせを含むペットフード組成物が、コンパニオンアニマルの便秘および/または下痢を治療、予防および/または阻害することを発見した。具体的には、本発明者らは、驚くべきことにかつ予想外にも、オオバコまたはその誘導体、ポリフェノールの供給源、高溶解性繊維の供給源、および低溶解性繊維の供給源の組み合わせを含むペットフード組成物が、コンパニオンアニマルにおける便秘および下痢を治療、予防および/または阻害することを発見した。
【0035】
組成物
ペットフード組成物が本明細書で開示される。ペットフード組成物は、オオバコおよび/またはその誘導体、ポリフェノールの供給源、高溶解性繊維の供給源および低溶解性繊維の供給源、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。オオバコおよび/またはその誘導体、ポリフェノールの供給源、高溶解性繊維の供給源、および/または低溶解性繊維の供給源の組み合わせは、下痢または便秘を治療、予防および/または阻害する能力があってもよく、または下痢または便秘を治療、予防および/または阻害するために構成されてもよい。オオバコおよび/またはその誘導体、ポリフェノールの供給源、高溶解性繊維の供給源、および/または低溶解性繊維の供給源の組み合わせは、下痢または便秘を治療、予防および/または阻害するのに有効な量で存在してもよい。
【0036】
食物繊維の供給源は、コンパニオンアニマルの酵素消化に対して抵抗性があるペットフード組成物または食事中の植物材料であってもよく、またはそれらを含んでもよい。食物繊維の供給源には、セルロース、非セルロース多糖類(例えば、ヘミセルロース、ペクチン、物質、ガム、粘液など)、リグニン、またはそれらの組み合わせが含まれうるが、これらに限定されない。食物繊維の供給源は、特異的または所定のpHでの緩衝水溶液の溶解性に基づいて、少なくとも二つの群に分けられてもよい。特定のpHまたは所定のpHは、当業者によって決定されてもよい。食物繊維の供給源の二つの群は、高溶解性繊維および低溶解性繊維または不溶性繊維であってもよく、またはそれらを含んでもよい。高溶解性繊維の供給源は、ペクチン、ガム、粘液、またはそれらの組み合わせを含む繊維または繊維成分であってもよく、またはそれらを含んでもよい。高溶解性繊維の供給源は、可溶性繊維であってもよく、またはそれらを含んでもよい。低溶解性繊維または不溶性繊維は、セルロース、ヘミセルロース、リグニン、またはそれらの組み合わせを含む繊維または繊維成分であってもよく、またはそれらを含んでもよい。
【0037】
少なくとも一つの実施では、高溶解性繊維の供給源は、ガム(例えば、グアー、ローカストビーンなど)、粘液(例えば、アカシア、カラヤ、トラガカント、アロエベラ、コロハ、亜麻仁、プランテインなど)海草(例えば、アルギン酸塩、カラギーナンなど)、ペクチン(例えば、りんご、洋ナシ、グアバ、カリン、プラム、グースベリー、オレンジ、その他の柑橘類、ジャガイモ、テンサイなど)、ソバ挽き割り、全粒オーツ麦、全粒トウモロコシ、全粒大麦、柑橘類パルプ、ビートパルプ、カボチャなどのその他の繊維の供給源、またはそれらの組み合わせのうちの一つ以上を含む。少なくとも一つの実施では、低溶解性繊維の供給源は、セルロース系材料、ピーカン繊維、またはそれらの組み合わせのうちの一つ以上を含んでもよい。例示的な実施では、ペットフード組成物は、エンドウ豆繊維を含まないか、または実質的に含まなくてもよい。セルロース系材料は、ブラン、オーツ麦およびその他の穀粒、エンドウ豆および他のマメ科植物、トマト搾りかす、木本植物(木、竹繊維など)、根(ニンジン、ビート、サツマイモ、ヤムなど)、ナシ、リンゴ、またはそれらの組み合わせからの精製セルロースであってもよく、またはそれらを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0038】
上述のように、ペットフード組成物は、オオバコおよび/またはその誘導体を含んでもよい。オオバコの例証的な誘導体は、オオバコ殻、オオバコ種、オオバコ種殻、粉末オオバコ、またはそれらの組み合わせであってもよく、またはそれらを含んでもよいが、これらに限定されない。オオバコの誘導体またはオオバコ任意の一つを、単独で、または他の化合物もしくは物質と組み合わせて利用して、粉末、ゲル、ガム、または他の形態、またはそれらの組み合わせを調製してもよい。
【0039】
少なくとも一つの実施では、オオバコおよび/またはその誘導体は、ペットフード組成物の総重量に基づいて、約0.1重量%~約5重量%の量でペットフード組成物中に存在してもよい。例えば、オオバコおよび/またはその誘導体は、ペットフード組成物の総重量に基づいて、約0.1重量%~約5重量%、随意に、約0.5重量%~約2.5重量%、または約1重量%~約2重量%の量でペットフード組成物中に存在してもよい。別の実施例では、オオバコおよび/またはその誘導体は、ペットフード組成物の総重量に基づいて、約1.1重量%、約1.2重量%、約1.3重量%、約1.4重量%、約1.5重量%、約1.6重量%、約1.7重量%、約1.8重量%、または約1.9重量%の量でペットフード組成物中に存在してもよい。好ましい実施では、オオバコおよび/またはその誘導体は、ペットフード組成物の総重量に基づいて、約1.3重量%~約1.7重量%、約1.4重量%~約1.6重量%、または約1.5重量%の量でペットフード組成物中に存在してもよい。
【0040】
少なくとも一つの実施では、ペットフード組成物は、ペットフード組成物の総重量に基づいて、約30重量%~約55重量%の量でタンパク質を含んでもよい。例えば、ペットフード組成物は、ペットフード組成物の総重量に基づいて、約30重量%~約40重量%、約30重量%~約55重量%、約32重量%~約38重量%、約32重量%~約45重量%の量でタンパク質を含んでもよい。別の実施例では、ペットフード組成物は、ペットフード組成物の総重量に基づいて、約33重量%、約34重量%、約35重量%、約36重量%、約37重量%、約38重量%、約39重量%、約40重量%、約42重量%、約44重量%、約46重量%、約48重量%、約50重量%、約52重量%、約54重量%、または約55重量%の量のタンパク質を含んでもよい。
【0041】
少なくとも一つの実施では、ペットフード組成物は、ペットフード組成物の総重量に基づいて、約5重量%~約15重量%の量の総食物繊維を含んでもよい。例えば、ペットフード組成物は、ペットフード組成物の総重量に基づいて、約5重量%~約15重量%、約8重量%~約14重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%または約13重量%の量の総食物繊維を含んでもよい。
【0042】
少なくとも一つの実施では、不溶性繊維と可溶性繊維との重量比は、約10:1~約1:1であってもよい。例えば、ペットフード組成物中の不溶性繊維と可溶性繊維との重量比は、約10:1~約1:1、約7.5:1~約2.5:1、約7.5:1~約2:1、または約5:1であってもよい。
【0043】
少なくとも一つの実施では、ペットフード組成物は、オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。例示的な実施では、ペットフード組成物は、オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸との混合物を含む。オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸との重量比は、約10:1~約1:1であってもよい。例えば、オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸との重量比は、約10:1~約1:1、約7.5:1~約2:1、または約3.5:1であってもよい。少なくとも一つの実施では、オメガ3脂肪酸は、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。オメガ3脂肪酸は、約0.1重量%~約0.5重量%の量でDHAおよび/またはEPAを含んでもよい。例えば、オメガ3脂肪酸は、約0.1重量%~約0.5重量%、約0.3重量%~約0.4重量%、随意に、約0.31重量%、約0.32重量%、約0.33重量%、約0.34重量%、約0.35重量%、約0.36重量%、約0.37重量%、約0.38重量%または約0.39重量%の量で、DHAおよび/またはEPAを含んでもよい。少なくとも一つの実施では、オメガ3脂肪酸は亜麻仁によって提供される。
【0044】
少なくとも一つの実施では、ポリフェノールの供給源は、一つ以上のポリフェノールを含む。ポリフェノールは、エンテロジオール、ナリゲニン、セコイソラリシレシノール、エリオジクチオール、アピゲニン、クリシン、クリソエリオール、クメストロール、ダイゼイン、ジヒドロフェラート、ジヒドロケンペロール、ジオスメチン、エリオジクチオール、フェルラ酸、フェルロイルプトレシン、ゲニステイン、グリシテイン、ヘスペリジン、ケンフェロール、マタイレシノール、ナリルチン、ネオポンシリン、セコイソラリシレジノールジグルコシド、シナピン酸、シネンセチン、シリング酸、タンゲレチン、テトラメチル-o-スクテラリン、チロソール、バニリン酸、またはそれらの組み合わせのうちの一つ以上であってもよく、またはそれらを含んでもよいが、これらに限定されない。例示的な実施では、ポリフェノールの供給源は、亜麻仁、全果実、乾燥果実、圧搾果実、果実の搾りかす、茶抽出物、ローズマリー抽出物、ロスマリン酸、コーヒー抽出物、ピーカン殻、コーヒー酸、ウコン抽出物、ブルーベリー抽出物、ブドウ抽出物、ブドウ種抽出物、大豆抽出物、これに類するもの、またはそれらの組み合わせを含む。例示的な果実は、クランベリー、ブルーベリー、チェリー、エルダーベリー、ブラックベリー、ラズベリー、これに類するもの、またはそれらの組み合わせであってもよく、またはそれらを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0045】
少なくとも一つの実施では、ペットフード組成物は、カボチャを含んでもよい。カボチャは、ペットフード組成物の総重量に基づいて、約0.1重量%~約30重量%、随意に約0.2重量%~約20重量%、または約0.5重量%~約15重量%の量で存在してもよい。カボチャは、可溶性繊維および不溶性繊維の両方の供給源を提供してもよい。カボチャは、下痢または便秘を少なくとも部分的に予防、治療または阻害する能力があってもよく、または下痢または便秘を少なくとも部分的に予防、治療または阻害するように構成されてもよい。カボチャは、比較的高い水分含量を有する調理済みカボチャピューレとして、乾燥・粉砕して粉末化した丸ごとのカボチャからなどの粉末として、またはそれらの組み合わせとして、提供されてもよい。
【0046】
ペットフード組成物は、一つ以上の添加物を含んでもよい。一つ以上の添加物は、当技術分野で周知の添加物を含んでもよい。例証的な添加物は、安定化効果もしくは安定化物質、感覚刺激物質、加工助剤、および栄養利益を提供する物質、またはそれらの組み合わせであってもよく、またはそれらを含んでもよいが、これらに限定されない。添加物は、ペットフード組成物の目的および効果を損なわない量で存在してもよい。例えば、添加物は、下痢および/または便秘の治療、予防、および/または阻害、改善された便の特徴、改善された排便行動、コンパニオンアニマルの改善された生活の質、またはそれらの組み合わせに影響を与えない量で存在してもよい。
【0047】
安定化物質は、ペットフード組成物の貯蔵寿命を延ばす能力があってもよく、または貯蔵寿命を延ばすように構成されてもよい。例証的な安定化物質は、防腐剤、抗酸化物質、協力剤および捕捉剤、包装ガス、安定剤、乳化剤、増粘剤、ゲル化剤、湿潤剤、またはそれらの組み合わせのうちの一つ以上であってもよく、またはそれらを含んでもよいが、これらに限定されない。乳化剤および/または増粘剤の例としては、ゼラチン、セルロースエーテル、デンプン、デンプンエステル、デンプンエーテル、加工デンプン、またはそれらの組み合わせのうちの一つ以上であってもよく、またはそれらを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0048】
着色、嗜好性および/または栄養目的での添加物は、着色剤、塩、ビタミン、ミネラル、香味剤、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。ペットフード組成物中のこうした添加物の量は、組成物の乾燥物質基準で最高約5重量%であってもよい。他の添加物としては、抗酸化物質、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸、グルコサミン、コンドロイチン硫酸、植物抽出物、薬草抽出物、これに類するもの、またはそれらの組み合わせなどを挙げることができる。塩は、塩化ナトリウム、クエン酸カリウム、塩化カリウム、他の食用塩、これに類するもの、またはそれらの組み合わせであってもよく、またはそれらを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0049】
少なくとも一つの実施では、ペットフード組成物は、不足を回避し健康を維持するために十分な量でのビタミンおよびミネラルを含んでもよい。十分な量は、当技術分野でよく知られている。例えば、アメリカ飼料検査官協会(AAFCO)は、イヌおよびネコに推奨される、こうした栄養素の量を提供している(Association of American Feed Control Officials. Official Publication,pp.126-140(2003)を参照のこと)。
【0050】
ビタミンは、ビタミンA、ビタミンB1(チアミンまたは硝酸チアミンなどの関連する供給源)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB3(ナイアシン)、ビタミンB5(パントテン酸、またはパントテン酸カルシウムなどの関連する供給源)、ビタミンB6(ピリドキシン、または塩酸ピリドキシンなどの関連する供給源)、ビタミンB8(葉酸)、ビタミンB12、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンD(ビタミンD3サプリメントなど)、ビタミンE、ビタミンH(ビオチン)、ビタミンK、酢酸塩、コリンおよびコリンに関連する供給源(塩化コリンなど)、これに類するもの、またはそれらの組み合わせのうちの一つ以上であってもよく、またはそれらを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0051】
例証的なミネラルおよび微量元素は、カルシウム、リン、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、銅、亜鉛、コリン、鉄塩、またはそれらの組み合わせのうちの一つ以上であってもよく、またはそれらを含んでもよいが、これらに限定されない。ミネラルの供給源またはミネラルおよび/または微量元素の供給源としては、亜セレン酸ナトリウム、モノナトリウムリン酸塩、炭酸カルシウム、塩化カリウム、硫酸第一鉄、酸化亜鉛、硫酸マンガン、硫酸銅、酸化マンガン、ヨウ化カリウム、および/または炭酸コバルト、またはそれらの組み合わせであってもよく、またはそれらを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0052】
本明細書に開示されるペットフード組成物は、炭水化物を含んでもよい。本明細書で使用される場合、「炭水化物」という用語は、加水分解されるとエネルギーとして代謝される多糖類(例えば、デンプン、デキストリン)および糖類(例えば、スクロース、ラクトース、マルトース、グルコース、フルクトース)が含んでもよい。本明細書に開示されるペットフード組成物に含めるものとして適した例証的な炭水化物には、トウモロコシ、穀実用モロコシ、小麦、大麦、米、これに類するもの、またはそれらの組み合わせのうちの一つ以上を含んでもよいが、これに限定されない。
【0053】
少なくとも一つの実施では、炭水化物成分または炭水化物は、一つ以上の炭水化物の供給源を含んでもよい。例示的な実施では、炭水化物は、二つ以上の炭水化物の供給源の混合物または組み合わせを含んでもよい。例証的な炭水化物、炭水化物の供給源または炭水化物成分は、穀物、穀類、トウモロコシ、小麦、米、オーツ麦、挽き割りトウモロコシ、モロコシ、穀実用モロコシ/ミロ、小麦ブラン、オートブラン、アマランス、デュラム、セモリナ、これに類するもの、またはそれらの組み合わせのうちの一つ以上でであってもよく、またはそれらを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0054】
当然のことながら、当業者であれば、一つ以上の炭水化物の供給源またはその炭水化物のバランスを適切に取ることによって、最終製品またはペットフード組成物の質感を操作することができる。例えば、短鎖多糖類は粘り気や糊気が出やすく、長鎖多糖類は、短鎖多糖類よりも比較的粘り気や糊気が出にくい。少なくとも一つの実施では、ペットフード組成物の望ましい質感は、長鎖多糖類および天然デンプンもしくは加工デンプンなどの加工デンプン、セルロース、これに類するもの、またはそれらの組み合わせによって達成される。
【0055】
少なくとも一つの実施では、炭水化物の混合物は、添加塩、スパイス、調味料、ビタミン、ミネラル、風味剤、着色剤、これに類するもの、またはそれらの組み合わせなどの随意の成分を含んでもよい。随意の添加物の量は、動物の異なるライフステージにおける栄養要件に少なくとも部分的に依存してもよい。
【0056】
ペットフード組成物は、ペットフード組成物の総重量に基づいて、約10重量%~約14重量%の量で脂肪(複数可)を含んでもよい。脂肪または脂肪の供給源としては、鶏肉脂肪、鶏脂、七面鳥脂肪、豚脂、ラード、獣脂、牛脂、植物油、コーン油、大豆油、綿実油、パーム油、パーム核油、アマニ油、キャノーラ油、なたね油、魚油、ニシン油、アンチョビ油、および/またはオレストラ、これに類するもの、またはそれらの組み合わせのうちの一つ以上であってもよく、またはそれらを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0057】
ペットフード組成物は、タンパク質を含んでもよい。本明細書で使用される場合、「タンパク質」という用語は、アミノ酸のポリペプチド、ペプチド、またはポリマーを意味してもよい。この用語は、自然発生的および非自然発生(合成)ポリマーと、人工化学模倣品が一つ以上のアミノ酸に対して置換されているポリマー(例:ペプチド模倣薬)とを包含する。ペプチド模倣薬とは、既存のペプチドの修飾から、またはペプトイドやベータペプチドなどのペプチドを模倣する類似のシステムを設計することのいずれかによって生まれうるペプチドを模倣するよう設計された、小さなタンパク質様鎖を指してもよい。この用語はまた、同じまたは実質的に同じ特性を有し、かつ元の配列と同じまたは実質的に同じ機能を実施する断片、バリアント、相同体を包含する。この用語は、約2~1000、約4~約800、約6~約600、約8~約400のアミノ酸を含有するポリマーを含む、任意の長さのポリマーを包含する。この用語は、合成された、ならびに天然源から単離および精製されたアミノ酸ポリマーを含む。少なくとも一つの実施では、「ポリペプチド」、「ペプチド」、または「タンパク質」という用語は、互換的に使用されうる。
【0058】
一部の実施形態では、タンパク質は、ペットフード組成物の総重量に基づいて、約15重量%~約55重量%の量で存在してもよい。例えば、タンパク質は、ペットフード組成物の総重量に基づいて、約15重量%~約55重量%のタンパク質、約30重量%~約55重量%のタンパク質、随意に約32重量%~約38重量%のタンパク質、さらに随意に約33重量%、約34重量%、約35重量%、約36重量%、または約37重量%の量で存在してもよい。
【0059】
タンパク質は、植物源、動物源、またはそれらの組み合わせを含む、当業者に周知の任意の様々な源によって供給されてもよい。動物源は、肉、肉副産物、魚介類、乳製品、卵類、これに類するもの、またはそれらの組み合わせであってもよく、またはそれらを含んでもよいが、これらに限定されない。例証的な肉には、鶏肉などの動物肉、およびウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギを含む哺乳類、これに類するもの、またはそれらの組み合わせであってもよく、またはそれらを含んでもよいが、これらに限定されない。肉副産物は、一次食品加工ラインからの任意の二次製品であってもよく、またはそれらを含んでもよいが、これらに限定されない。肉副産物は、例えば肺、腎臓、脳、肝臓、心臓、胃、腸など、ヒトの消費に典型的に使用されない一部の成分であってもよく、またはそれらを含んでもよいが、これらに限定されない。植物タンパク質は、大豆、綿実、豆、トウモロコシ、ピーナッツ、これに類するもの、またはそれらの組み合わせであってもよく、またはそれらを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0060】
例証的なタンパク質、またはタンパク質成分は、チキンミール、鶏肉、鶏肉副産物ミール、ラム肉、ラム肉ミール、七面鳥、七面鳥ミール、牛肉、牛肉副産物、内臓、魚粉、オキアミ、オキアミ粉末、カンガルー、白身魚、鹿肉、大豆ミール、大豆タンパク質単離物、大豆タンパク質濃縮物、コーングルテンミール、コーンタンパク質濃縮物、蒸留機乾燥穀物および/または蒸留機乾燥穀物溶液、昆虫、昆虫粉末、単細胞タンパク質(例えば酵母、藻類、および/または細菌培養物)などであってもよく、またはそれらを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0061】
タンパク質は未変性であり、完全に加水分解されているか、部分的に加水分解されていてもよい。ペットフード組成物のタンパク質含有量は、当業者に周知の幾つかの方法、例えば公認分析化学者協会(Association of Official Analytical Chemists)がOfficial Methods of Analysis(「OMA」)において公表している988.05法による決定などによって決定することができる。本明細書に開示されるペットフード組成物中のタンパク質の量は、当業者に知られている方法に従ったペットフード組成物の窒素の量に基づいて決定されてもよい。
【0062】
例証的なアミノ酸は、1-トリプトファン、タウリン、ヒスチジン、カルノシン、アラニン、システイン、アルギニン、メチオニン、トリプトファン、リシン、アスパラギン、アスパラギン酸、フェニルアラニン、バリン、スレオニン、イソロイシン、ヒスチジン、ロイシン、グリシン、グルタミン、チロシン、ホモシステイン、オルニチン、シトルリン、グルタミン酸、プロリン、セリンまたはそれらの組み合わせであってもよく、またはそれらを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0063】
ペットフード組成物は、一つ以上のカロチノイドを含んでもよい。カロチノイドまたはカロチノイドの源は、ルテイン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、ビキシン、リコピン、ベータ-カロチン、またはそれらの組み合わせであってもよく、またはそれらを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0064】
ペットフード組成物は、一つ以上の脂肪酸または脂肪酸成分を含んでもよい。一つ以上の脂肪酸または脂肪酸成分は、アラキドン酸、アルファ-リノレン酸、ガンマリノレン酸、リノール酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、EPAおよび/またはDHAの供給源としての魚油、またはそれらの組み合わせのうちの一つ以上であってもよく、またはそれらを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0065】
ペットフード組成物は、一つ以上のグルコース模倣体を含んでもよい。グルコース模倣体は、2-デオキシ-D-グルコース、5-チオ-D-グルコース、3-O-メチルグルコースを含む)、アンヒドロ糖(1,5-アンヒドロ-D-グルシトール、2,5-アンヒドロ-D-グルシトール、2,5-アンヒドロ-D-マンニトールを含む)、マンノヘプツロース、および/またはマンノヘプツロースを含むアボカド抽出物、またはそれらの組み合わせを含むグルコース抗代謝産物の一つ以上であってもよく、またはそれらを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0066】
ペットフード組成物は、牛肉ブロス、魚ブロス、鶏肉ブロス、ビール乾燥酵母、卵、卵製品、ひき割り亜麻、DLメチオニン、アミノ酸、ロイシン、リシン、アルギニン、システイン、シスチン、アスパラギン酸、ポリリン酸塩、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム;塩化亜鉛、グルコン酸銅、塩化第一スズ、フッ化第一スズ、フッ化ナトリウム、トリクロサン、グルコサミン塩酸塩、コンドロイチン硫酸、ミドリイガイ、ムラサキイガイ(blue lipped mussel)、メチルスルホニルメタン(MSM)、ホウ素、ホウ酸、フィトエストロゲン、フィトアンドロゲン、ゲニステイン、ダイゼイン、L-カルニチン、ピコリン酸クロム、トリピコリン酸クロム、ニコチン酸クロム、酸/塩基改質剤、クエン酸カリウム、塩化カリウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、重硫酸ナトリウム;ユーカリ、ラベンダー、ペパーミント、可塑剤、着色剤、風味剤、甘味料、緩衝剤、滑り助剤、担体、pH調整剤、天然成分、安定剤、生物学添加物(酵素(プロテアーゼおよびリパーゼを含む)など)、化学添加物、冷却剤、キレート剤、変性剤、薬物収斂剤、乳化剤、外用沈痛剤、芳香性化合物、湿潤剤、不透明化剤(酸化亜鉛および二酸化チタンなど)、消泡剤(シリコーンなど)、防腐剤(ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)およびブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、塩化ベンザルコニウム、EDTA、ベンジルアルコール、ソルビン酸カリウム、パラベンならびにこれらの混合物)、還元剤、溶媒、ハイドロトロープ剤、可溶化剤、懸濁剤(非界面活性剤)、溶媒、粘性増加剤(水性および非水性)、捕捉剤、角質溶解剤、これに類するもの、またはそれらの組み合わせのうちの任意の一つ以上を含んでもよい。
【0067】
ペットフード組成物は、一つ以上のプロバイオティクスまたはプロバイオティック成分を含んでもよい。例証的なプロバイオティクスまたはプロバイオティック成分は、任意の適切な細菌、酵母、微生物、またはそれらの組み合わせのうちの一つ以上であってもよく、またはそれらを含んでもよいが、これらに限定されない。様々なプロバイオティック微生物が当技術分野で周知である。少なくとも一つの実施において、プロバイオティック成分は、ラクトバシラス目の細菌、バチルス属、バクテロイデス属、および/またはビフィドバクテリウム属の細菌、サッカロミケス族およびカンジダ属を含むサッカロミケス目の酵母、またはそれらの組み合わせであってもよく、またはそれらを含んでもよいが、これらに限定されない。プロバイオティックは胞子を形成してもよく、または形成しなくてもよい。
【0068】
ペットフード組成物は、一つ以上のプレバイオティクスまたはプレバイオティック成分を含んでもよい。当技術分野で公知の任意の一つ以上のプレバイオティクスまたはプレバイオティック成分を利用してもよい。例示的な実施では、ペットフード組成物は、フラクトオリゴ糖を含む。
【0069】
本明細書での使用に適した例証的なラクトバシラス目の細菌は、レンサ球菌属(乳連鎖球菌、ストレプトコッカス・クレモリス、ストレプトコッカス・ジアセチラクチス、および/またはサーモフィルス菌など)、エンテロコッカス属(エンテロコッカス・フェシウムなど)、ペディオコッカス属(すなわち、オコッカス・セレビジェ)を含む乳酸桿菌科、ロイコノストック属、および乳酸菌属(ラクトバチルス・ブルガリクス、アシドフィルス菌、ラクトバチルス・ヘルヴェティクス、ビフィズス菌、ラクトバチルス・カゼイ、乳酸杆菌、ラクトバチルス・プランタルム、ラクトバチルス・ラムノースス、ラクトバチルス・デルブルエッキイー、好熱乳酸杆菌、発酵乳酸杆菌、ラクトバシラス・サリバリウス、ラクトバチルス・ロイテリなど)、および/またはこれらの任意の混合物であってもよく、またはそれらを含んでもよいが、これらに限定されない。ビフィズス菌属の細菌の非限定的な例としては、ビフィズス菌ロンガム、ビフィドバクテリウム・インファンティス、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ビフィズス菌アニマリス、および/またはビフィドバクテリウム・プソイドロングム、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0070】
少なくとも一つの実施では、ペットフード組成物は、一つ以上のポリフェノールを含む。ポリフェノールの供給源またはポリフェノールの供給源は、アピゲニン、エンテロジオール、ナリンゲニン、クリシン、クリソエリオール、クメストロール、ダイゼイン、ジヒドロフェラート、ジヒドロケンペロール、ジオスメチン、エリオジクチオール、フェルラ酸、フェルロイルプトレシン、ゲニステイン、グリシテイン、ヘスペリジン、ケンフェロール、マタイレシノール、ナリルチン、ネオポンシリン、セコイソラリシレジノールジグルコシド、シナピン酸、シネンセチン、シリング酸、タンゲレチン、テトラメチル-o-スクテラリン、チロソール、バニリンを含むフェノール化合物、またはそれらの組み合わせのうちの一つ以上であってもよく、またはそれらを含んでもよいが、これらに限定されない。ポリフェノールの供給源は、ピーカン殻、ピーカンナッツの任意の他の成分、またはそれらの組み合わせのうちの一つ以上であってもよく、またはそれらを含んでもよいが、これらに限定されない。少なくとも一つの実施では、ピーカン殻はまた、リグニン系繊維の供給源であってもよい。例示的ポリフェノールの供給源は、上述のような亜麻仁、全果実、乾燥果実、圧搾果実、果実の搾りかす、これに類するものなど、茶抽出物、ローズマリー抽出物、ロスマリン酸、コーヒー抽出物、ピーカン殻、コーヒー酸、ウコン抽出物、ブルーベリー抽出物、ブドウ抽出物、ブドウ種抽出物、大豆抽出物、またはそれらの組み合わせであってもよく、またはそれらを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0071】
ペットフード組成物は、粗脂肪または脂肪を含んでもよい。粗脂肪または脂肪は、当業者によって公知の様々な供給源のいずれかによって提供または供給されてもよい。脂肪および/または粗脂肪の例証的な供給源は、肉、肉副産物、魚油、植物、これに類するもの、またはそれらの組み合わせであってもよく、またはそれらを含んでもよいが、これらに限定されない。植物脂肪源または植物脂肪からの供給源は、小麦、亜麻仁、ライ麦、大麦、米、モロコシ、トウモロコシ、オーツ麦、アワ、小麦胚芽、トウモロコシ胚芽、大豆、ピーナッツ、綿実、ならびにこれらおよび他の植物脂肪源の油、これに類するもの、またはそれらの組み合わせのうちの一つ以上であってもよく、またはそれらを含んでもよいが、これらに限定されない。当然のことながら、ペットフード組成物の脂肪の量または脂肪含有量は、当業者に周知の任意の数の方法によって決定されてもよい。
【0072】
ペットフード組成物は、灰分を含んでもよい。灰分は、有機物または水、ミネラルではない化合物であってもよく、またはそれらを含んでもよく、一般的に生物学的材料の燃焼によって生成される。当然のことながら、ペットフード組成物の灰分の量または灰分含有量は、当業者に周知の任意の数の方法によって決定されてもよい。
【0073】
ペットフード組成物は、水分または水を含んでもよい。ペットフード組成物中の水分量または存在する水は、ペットフード組成物のタイプに少なくとも部分的に依存してもよい。例えば、ペットフード組成物は、乾燥キブル、半生食品、またはウェットローフもしくはウェットフードの形態であってもよい。乾燥キブルは、約6重量%~約12重量%の水分含量を有してもよく、半生食品は、約15重量%~約30重量%の水分含量を有してもよく、ウェットフードは、約30重量%超、約50重量%超、約60重量%~約85重量%超、または約75重量%超の水分含量など、半生食品よりも大きな水分含量を有してもよい。
【0074】
少なくとも一つの実施では、ペットフード組成物は、ビタミン、ミネラル、充填剤、風味増強剤、結合剤、風味、安定剤、乳化剤、甘味剤、着色剤、緩衝剤、塩、コーティング、これに類するもの、またはそれらの組み合わせのうちの一つ以上など、一つ以上の追加成分を含んでもよい。安定剤としては、防腐剤、協力剤および捕捉剤、包装ガス、安定剤、乳化剤、増粘剤、ゲル化剤、湿潤剤などの組成物の貯蔵寿命を増加させる傾向がある物質を含んでもよい。乳化剤および/または増粘剤の例としては、ゼラチン、セルロースエーテル、デンプン、デンプンエステル、デンプンエーテル、加工デンプンが挙げられる。各組成物の構成成分、食物成分、他の成分の具体的な量は、組成物に含まれる特定の構成成分および成分、患畜またはペットの種、ペットまたは患畜の年齢、患畜の体重、患畜の一般的な健康状態、患畜の性別、患畜の食餌、ペットの消費率、治療される疾患のタイプ、これに類するもの、またはそれらの組み合わせなどの様々な要因に依存することになる。従って、構成成分および成分の量は大幅に変化する場合があり、また本明細書に記述される好ましい割合から逸脱する場合がある。
【0075】
少なくとも一つの実施では、ペットフードはドライペットフードである。ペットフード組成物は、当業者に周知の従来のプロセスを使用して、ドライ形態で調製されてもよい。典型的に、動物性タンパク質、植物性タンパク質、穀類、これに類するものなどの乾燥成分を粉砕し、一緒に混合する。次に、脂肪、油、動物性タンパク質、水、これに類するものを含む湿った成分または液体成分を添加し、乾燥混合物と混合する。次に、混合物を乾燥食物片に加工してもよい。
【0076】
本明細書に記載のペットフード組成物は、組成物を患者、ペット、またはコンパニオンアニマルに給餌するのに有用な任意の形態であってもよい。例えば、ペットフード組成物は、キブル、おやつ、動物性食品用の玩具、これに類するもの、またはそれらの組み合わせの形態であってもよい。キブルは一般に、ドライ成分とウェット成分の混合物を、高圧および高温にて機械操作にかけ、小さい開口部から押し出して、回転ナイフによってキブルへと切断する押出成形プロセスを使用して形成される。次に、湿ったキブルを乾燥させて、風味剤、脂肪、油、これに類するものなどの一つ以上の局所的なコーティングを用いて随意にコーティングする。キブルはまた、押出成形ではなく焼き上げるプロセスを用いて生地から作製することもでき、生地を型の中に定置した後、乾燥加熱処理する。
【0077】
おやつとしては、食事の時間ではない間に、ペットまたはコンパニオンアニマルに食事の気を引かせるために与えられる組成物を含んでもよい。おやつは栄養があってもよく、それによりその組成物は一つ以上の栄養素および/または食物様組成物を含んでもよい。栄養のないおやつは、無毒性の任意の他のおやつを包含する。組成物またはその構成成分は、おやつ上にコーティングされてもよく、またはおやつに組み込まれてもよく、またはその両方であってもよい。おやつは、ドライフードのために使用されるプロセスと類似の押出成形または焼き上げるプロセスによって調製されてもよい。また、既存のおやつ形態の外側に組成物をコーティングするために、または既存のおやつ形態の中に組成物を注入するために、他のプロセスが使用されてもよい。
【0078】
玩具としては、人工骨のような噛むことができる玩具、および動物にとって魅力的な自然の食物をまねて形作られた食品組成物などを含む。ペットフード組成物は、玩具を含んでもよく、または玩具の一部分を形成してもよい。例えば、ペットフード組成物は、玩具の表面または玩具の構成要素の表面上にコーティングを形成してもよい。ペットフード組成物を玩具に部分的に組み込むか、または玩具全体に完全に組み込むか、またはこれらの両方を行ってもよい。少なくとも一つの実施では、ペットフード組成物は、意図されたユーザーによって経口的にアクセス可能であってもよい。ペットフード組成物は、部分的に消費可能な玩具(プラスチック構成要素を含む玩具など)、および完全に消費可能な玩具(例えば様々な人工骨および類似の食物)を含んでもよい。さらに、玩具は、ヒト用と非ヒト用の両方の玩具、具体的にコンパニオンアニマル、家畜動物、動物園の動物用の玩具、さらに具体的にネコ科動物およびイヌ科動物用の玩具を含んでもよい。
【0079】
少なくとも一つの実施では、本明細書に開示されるペットフード組成物は、オオバコまたはその誘導体、ポリフェノールの供給源、高溶解性繊維の供給源、および低溶解性繊維の供給源を含む。オオバコまたはその誘導体は、約0.1重量%~約5重量%、随意に約0.5重量%~約2.5重量%、または約1重量%~約2重量%の量で存在してもよい。高溶解性繊維の供給源は、オートブラン、ソバ挽き割り、大麦、トマト搾りかす、柑橘類パルプ、ビートパルプ、またはそれらの組み合わせのうちの一つ以上を含んでもよく、より好ましくは、高溶解性繊維の供給源は、オートブラン、ソバ挽き割り、大麦、柑橘類パルプ、ビートパルプ、またはそれらの組み合わせのうちの一つ以上を含んでもよい。低溶解性繊維の供給源は、セルロース系材料、ピーカン繊維、またはそれらの組み合わせのうちの一つ以上を含んでもよい。少なくとも一つの実施では、ペットフード組成物は、タンパク質をさらに含んでもよい。タンパク質は、ペットフード組成物の総重量に基づいて、約30重量%~約55重量%のタンパク質、随意に約32重量%~約38重量%のタンパク質、さらに随意に約33重量%、約34重量%、約35重量%、約36重量%、または約37重量%の量で存在してもよい。ペットフード組成物は、ペットフード組成物の総重量に基づいて、約5重量%~約15重量%、随意に約8重量%~約14重量%、さらに随意に約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、または約13重量%の量での食物繊維を含んでもよい。少なくとも一つの実施では、不溶性繊維と可溶性繊維との重量比は、約10:1~約1:1、随意に約7.5:1~約2.5:1、さらに随意に約5:1である。好ましい実施では、ペットフード組成物は、オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸との混合物を含む。オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸との重量比は、約10:1~約1:1、随意に約7.5:1~約2:1、さらに随意に約3.5:1である。少なくとも一つの実施では、オメガ3脂肪酸は、約0.1重量%~約0.5重量%のドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、またはそれらの混合物、随意に約0.3重量%~約0.4重量%、さらに随意に約0.31重量%、約0.32重量%、約0.33重量%、または約0.34重量%、約0.35重量%、約0.36重量%、約0.37重量%、約0.38重量%、または約0.39重量%を含む。一つの実施では、ポリフェノールの供給源は、デヒドロオキシロスマリン酸、クマロイルネピトリン、ユーパフォリン、カルノソール、スクテラリン、ケンフェロール、ロスマリン酸、ロスマノール、シルシマリチン、ルテオリン、6-メトキシ-ルテオリン、7-エピロスマンノール、ケルセチン、カテキン、ヘスペリジン、シアニジン、およびそれらの組み合わせのうちの一つ以上から選択されるポリフェノールを提供する。ポリフェノールの供給源は、圧搾クランベリー、クランベリーかす、またはそれらの組み合わせを含み、より好ましくは、ポリフェノールの供給源は、圧搾クランベリーを含む。少なくとも一つの例では、ペットフード組成物は、カボチャをさらに含んでもよい。
【0080】
少なくとも一つの実施では、本明細書に開示されるペットフード組成物は、約30重量%~約40重量%、約34重量%~約38重量%、約36重量%の量でのタンパク質、約15重量%~約25重量%、または約18重量%~約22重量%、または約20重量%の量での脂肪、約8重量%~約16重量%、約10重量%~約14重量%、または約12重量%の量での総食物繊維を含み、食物繊維は可溶性繊維および不溶性繊維を含み、可溶性繊維が約0.5重量%~約3.5重量%、約1重量%~約3重量%、または約2重量%の量で存在し、不溶性繊維が、約7重量%~約13重量%、約8重量%~約12重量%、または約10重量%の量で存在し、オメガ6脂肪酸が約1重量%~約5重量%、約2重量%~約4重量%、または約3.5重量%の量で存在し、オメガ3脂肪酸が約0.5重量%~約1.5重量%、または約1.0重量%の量で存在し、オメガ3脂肪酸は、約0.1重量%~約0.5重量%、約0.2重量%~約0.4重量%、または約0.35重量%の量でのEPAおよびDHAを含んでもよい。
【0081】
例示的な実施では、ペットフード組成物は、粉砕されたピーカン殻、ビートパルプ、亜麻仁、柑橘類パルプ、圧搾クランベリー、エンドウ豆繊維、カボチャ、フラクトオリゴ糖、オオバコ種殻、またはそれらの組み合わせのうちの一つ以上を含む混合繊維の供給源をさらに含む。好ましい実施では、混合繊維の供給源は、粉砕されたピーカン殻、ビートパルプ、亜麻仁、柑橘類パルプ、圧搾クランベリー、エンドウ豆繊維、カボチャ、フラクトオリゴ糖、オオバコ種殻の組み合わせを含む。
【0082】
少なくとも一つの実施では、ペットフード組成物は、全穀物をさらに含む。全穀物は、トウモロコシ、大麦、オーツ麦、またはそれらの組み合わせのうちの一つ以上を含んでもよい。好ましい実施では、全穀物は、トウモロコシ、大麦、およびオーツ麦の組み合わせを含む。
【0083】
少なくとも一つの実施では、本明細書に開示されるペットフード組成物は、約30重量%~約40重量%、約34重量%~約38重量%、約36重量%の量でのタンパク質、約15重量%~約25重量%、または約18重量%~約22重量%、または約20重量%の量での脂肪、約8重量%~約16重量%、約10重量%~約14重量%、または約12重量%の量での総食物繊維を含み、食物繊維は可溶性繊維および不溶性繊維を含み、可溶性繊維が約0.5重量%~約3.5重量%、約1重量%~約3重量%、または約2重量%の量で存在し、不溶性繊維が、約7重量%~約13重量%、約8重量%~約12重量%、または約10重量%の量で存在し、オメガ6脂肪酸が約1重量%~約5重量%、約2重量%~約4重量%、または約3.5重量%の量で存在し、オメガ3脂肪酸が約0.5重量%~約1.5重量%、または約1.0重量%の量で存在し、オメガ3脂肪酸は、約0.1重量%~約0.5重量%、約0.2重量%~約0.4重量%、または約0.35重量%の量でのEPAおよびDHAを含んでもよい。例示的な実施では、ペットフード組成物は、粉砕されたピーカン殻、ビートパルプ、亜麻仁、柑橘類パルプ、圧搾クランベリー、エンドウ豆繊維、カボチャ、フラクトオリゴ糖、オオバコ種殻、またはそれらの組み合わせのうちの一つ以上を含む混合繊維の供給源をさらに含む。好ましい実施では、混合繊維の供給源は、粉砕されたピーカン殻、ビートパルプ、亜麻仁、柑橘類パルプ、圧搾クランベリー、エンドウ豆繊維、カボチャ、フラクトオリゴ糖、オオバコ種殻の組み合わせを含む。少なくとも一つの実施では、ペットフード組成物は、全穀物をさらに含む。全穀物は、トウモロコシ、大麦、オーツ麦、またはそれらの組み合わせのうちの一つ以上を含んでもよい。好ましい実施では、全穀物は、トウモロコシ、大麦、およびオーツ麦の組み合わせを含む。
【0084】
本明細書に開示されるペットフード組成物を、コンパニオンアニマルに投与または給餌してもよい。好ましい実施では、コンパニオンアニマルは、ネコ、イヌ、またはそれらの組み合わせであってもよく、またはそれらを含んでもよい。より好ましい実施では、コンパニオンアニマルはネコ科動物またはネコである。
【0085】
方法
本開示は、下痢および/または便秘を治療、予防、および/または阻害する、便の特徴を改善する、排便行動を改善する、コンパニオンアニマルの生活の質を改善する方法、またはそれらの組み合わせを提供してもよい。本明細書で使用される場合、「下痢および/または便秘を阻害する」という用語または表現は、下痢または便秘の重症度を低減することを指してもよい。方法は、本明細書に開示されるペットフード組成物の任意の一つ以上の有効量を、それを必要とするコンパニオンアニマルに給餌または投与することを含んでもよい。本明細書で使用される場合、「便の特徴」という用語または表現は、便の一貫性、便の色、便臭、便中の血液および/または粘液の量または存在、これに類するもの、またはそれらの組み合わせを含んでもよいが、これらに限定されない。本明細書で使用される場合、「排便行動」という用語または表現は、排便の頻度、排便がうまくいかない頻度、排便時にいきむ頻度、排便時に痛みの声を上げる頻度、吐き気/嘔吐、排便姿勢を取らずにペット用トイレに入ること、無気力さ、排便中の粗相、またはそれらの組み合わせを含んでもよいが、これらに限定されない。本明細書で使用される場合、「生活の質」という用語または表現は、健康関連生活の質(HRQoL)を指してもよく、これは、獣医学における終末期の問題に関連する生活の質の考慮事項とは異なる。本明細書で使用される「生活の質」は、所有者が記入したCat Health and Wellbeing(CHEW)質問票を使用して測定された。この質問票は検証済みで以前に公開されており、当業者であれば容易に利用できる。
【0086】
実施例
本明細書に記載される実施例およびその他の実施は、例示的であり、本開示の組成物および方法の全範囲の説明を限定するものではない。特定の実施、材料、組成物、および方法の同等の変更、修正および変形は、実質的に類似した結果を伴って、本開示の範囲内で行われてもよい。
【0087】
実施例1
[1]繊維補助された対照ペットフード組成物(CF)および本明細書に開示の組成物に従ってネコの便秘または下痢を治療、予防および/または阻害するための例示的または試験用ペットフード組成物(TF)の有効性を評価するために、試験を実施した。試験用ペットフード組成物には、抗酸化物質およびポリフェノール化合物を含む植物繊維の組み合わせが含まれた。対照ペットフード組成物(CF)および試験用ペットフード組成物(TF)の特徴を表1に要約する。
[2]米国全土22ヵ所の民間獣医診療所から募集した、便秘または下痢と診断された成人ネコ43匹を対象に、前向きの無作為化比較対照盲検化臨床試験を実施した。下痢または便秘の臨床的兆候を示すネコを試験に登録した。各ネコの適格性を、病歴、薬歴および食事歴、身体検査、ならびに血液や尿の臨床検査分析により評価した。1歳未満の場合、腎臓疾患を含む全身性疾患(IRISステージ3以上)がある場合、体脂肪指数が20未満である場合、試験食品のみを摂取する意思がないか摂取できない場合、巨大結腸を有する、または別の理由で繊維補助食品から利益を得る可能性が低い場合、結腸運動薬剤を慢性的に使用した場合、または経口抗生物質もしくはプロバイオティクスを現在投与されている場合、または中止する意思がない場合、ネコを本試験から除外した。
【表1】
【0088】
登録したネコを、完全かつバランスの取れた治療用乾燥食品二種のうちの一つに無作為割付した。合計でネコ18匹を対照ペットフード組成物(CF)に、ネコ25匹を試験用ペットフード組成物(TF)に無作為化した。対照ペットフード組成物(CF)のネコ18匹のうち、16匹に便秘が、2匹に下痢があった。試験用ペットフード組成物(TF)のネコ25匹のうち、19匹に便秘が、6匹に下痢があった。対照ペットフード組成物(CF)の繊維供給源には、挽き割り精白玉麦、粉末全粒トウモロコシ、乾燥ビートパルプ、フラクトオリゴ糖(FOS)、およびオオバコ種殻が含まれた。試験用ペットフード組成物(TF)の繊維供給源には、粉末全粒トウモロコシ、粉末ピーカン殻、挽き割り精白玉麦、全粒オーツ麦、乾燥ビートパルプ、エンドウ豆繊維、亜麻仁、乾燥柑橘類パルプ、カボチャ、圧搾クランベリー、FOS、およびオオバコ種殻が含まれた。試験用ペットフード組成物(TF)は、比較的大量の不溶性繊維およびオメガ3脂肪酸も含んでいた。具体的には、試験用ペットフード組成物(TF)は、約10重量%の不溶性繊維および約1重量%の量でのオメガ3脂肪酸を含み、対照ペットフード組成物(CF)は、約3重量%の不溶性繊維および約0.2重量%の量でのオメガ3脂肪酸を含んでいた。
【0089】
獣医は、身体検査を行い、便秘または下痢の臨床的兆候を評価し、対照ペットフード組成物(CF)および試験用ペットフード組成物(TF)に対するネコの反応を評価した。獣医はネコの症状を評価し、定義されたスケールを使用して、1、2、3、4、および28日目のGI症状の消失度を格付けした。スケールには以下を含めた。否定的反応、無反応、肯定的反応、および完全消失。否定的反応は、最後の来院と比較して兆候の頻度および/または重症度が増加したことと定義した。無反応は、最後の来院と比較して兆候の頻度および/または重症度の変化がないことと定義した。肯定的反応は、最後の来院と比較して兆候の頻度および/または重症度が減少したことと定義した。完全消失は、最後の来院と比較して兆候の頻度および/または重症度が完全に消失したことと定義した。この試験については、Hill’s Pet Nutrition, Inc.の動物実験委員会が審査を行い承認した。修正されたRIDITスコアによるコクラン-マンテル-ヘンツェル検定法を使用して、獣医の評価を解析した。P<0.05で有意な結果を報告した。結果を表2に要約する。具体的には、表2は、試験開始時と比較して、試験の各間隔時点において獣医が肯定的反応または完全消失のいずれかと評価した下痢または便秘のあるネコの数を要約している。結果は、試験期間中に指示された食品を摂取した、下痢または便秘があるネコについて獣医が評価した臨床転帰である。結果を、疾患/症状にわたり組み合わせた。
【表2】
【0090】
表2に示すように、試験用ペットフード組成物(TF)を与えられた下痢または便秘のあるネコの96%が、驚くべきことにかつ予想外にも、獣医の評価で肯定的反応または完全消失のいずれかを示し、これに比べて、対照ペットフード組成物(CF)を与えられた下痢または便秘のあるネコでは74%であった。試験用ペットフード組成物(TF)の効果は、少なくとも4週間摂食した後に最も有意であった。そのため、試験用ペットフード組成物(TF)を与えられた下痢または便秘のあるネコの96%が、下痢または便秘の臨床的兆候の肯定的反応または完全消失を示した。当然のことながら、対照ペットフード組成物(CF)は、ネコの下痢および便秘に肯定的な影響を誘発することが期待された「陽性対照ペットフード組成物」であった。しかしながら、表2は、試験用ペットフード組成物(TF)が有効性により優れていること、および試験用ペットフード組成物(TF)の優越性は試験用ペットフード組成物(TF)の特徴または混合繊維のタイプやレベルの組み合わせに起因することを実証した。
【0091】
この試験は、試験用ペットフード組成物(TF)が、便秘または下痢のいずれかがあるネコにおいて、獣医が評価した臨床転帰を効果的に解決したことを裏付けている。これらの結果は、抗酸化物質および抗炎症性化合物が豊富な試験用ペットフード組成物(TF)の繊維供給源の組み合わせが、下痢または便秘のあるネコの臨床反応の改善にあたり、対照ペットフード組成物(CF)で利用される伝統的または従来の繊維供給源よりも効果的であったことを示す。さらに、試験用ペットフード組成物(TF)を与えられた便秘および下痢のあるネコは、病態別に分析した場合、試験集団全体と同様に反応し、表3および4に示すように、獣医が評価した臨床的兆候の経時的な改善を示した(各病態における試験食品についてはp≦0.01)。
【表3】
【表4】
【0092】
実施例2
【0093】
便秘のあるネコの便中血液を減少させる上での実施例1の試験用ペットフード組成物(TF)の有効性を評価するために、試験を実施した。便秘または下痢のない健康なネコでは、典型的には便中に血液がないことが当業者によって理解されるべきである。便秘のあるネコは、排便中にいきむことが多く、下部結腸内での硬い乾燥した便の動きがこれらの組織を刺激し、結腸粘膜内層の出血を引き起こし、便の通過に伴いこの血液が便に付着する。その一方、下痢は腸内の炎症や出血を引き起こす可能性がある。さらに、腸内の炎症は、吸収不良(したがって下痢)ならびに出血をもたらすことがある。便秘が解消すると、痛みがより少なくなり、便はそれほど硬くなく乾燥してもおらず、そのため、結腸粘膜内層を刺激せず、下痢が回復し始める時でも便の通過に伴う便中血液は明らかではない。便中血液の減少は、便秘および下痢が軽快中または解消したこと、またネコがより健康な状態にあることを示す指標である。
【0094】
約2カ月間にわたり試験を実施した。臨床試験で典型的なように、2カ月間以降に最後の来院をスケジュールすることもできる。結果を
図1に示す。
図1に示すように、ネコの大部分では便中血液がなかったが、試験中の便中血液の頻度の顕著な減少が観察された。試験用ペットフード組成物(TF)をネコに与えた期間が長いほど、効果がより有意または顕著であった。
【0095】
実施例3
【0096】
下痢のあるネコの便中血液を減少させる上での実施例1の試験用ペットフード組成物(TF)の有効性を評価するために、試験を実施した。約2カ月間にわたり試験を実施した。臨床試験で典型的なように、2カ月間以降に最後の来院をスケジュールすることもできる。結果を
図2に示す。
【0097】
ネコの大部分では便中血液がなかったが、試験中の便中血液の頻度の顕著な減少が観察された。試験用ペットフード組成物(TF)をネコに与えた期間が長いほど、効果がより有意または顕著であった。
【0098】
実施例4
【0099】
便秘のあるネコの便中粘膜を減少させる上での実施例1の試験用ペットフード組成物(TF)の有効性を評価するために、試験を実施した。便秘または下痢のない健康なネコでは、典型的には便中に血液がないことが当業者によって理解されるべきである。便秘のあるネコは、排便中にいきむことが多く、下部結腸内での硬い乾燥した便の動きがこれらの組織を刺激し、結腸粘膜内層の出血を引き起こし、便の通過に伴いこの血液が便に付着する。下痢も腸内粘液への刺激を引き起こす可能性があり、腸内粘液の防護または保護のために粘液が産生される。便秘または下痢が解消すると、硬い便や乾燥した便も少なくなり、下痢も少なくなるため、粘液の産生が誘発されなくなる。そのため、便中粘液の減少は、便秘または下痢が軽快中または解消したこと、またネコがより健康な状態にあることを示す指標である。
【0100】
約2カ月間にわたり試験を実施した。結果を
図3に示す。ネコの大部分では便中粘液がなかったが、試験中の便中粘液の頻度の顕著な減少が観察された。試験用ペットフード組成物(TF)をネコに与えた期間が長いほど、効果がより有意または顕著であった。
【0101】
実施例5
【0102】
下痢のあるネコの便中粘液を減少させる上での実施例1の試験用ペットフード組成物(TF)の有効性を評価するために、試験を実施した。 約2カ月間にわたり試験を実施した。臨床試験で典型的なように、2カ月間以降に最後の来院をスケジュールすることもできる。結果を
図4に示す。
【0103】
ネコの大部分では便中粘液がなかったが、試験中の便中粘液の頻度の顕著な減少が観察された。試験用ペットフード組成物(TF)をネコに与えた期間が長いほど、効果がより有意または顕著であった。
【0104】
実施例6
【0105】
便秘のあるネコの排便行動を改善する上での実施例1の試験用ペットフード組成物(TF)および対照ペットフード組成物(CF)の有効性を評価するために、試験を実施した。56日間にわたり試験を実施した。試験開始時(1日目)および試験終了時(56日目)に実施された行動質問票を介して、この試験を実施した。行動質問票の焦点を、試験用ペットフード組成物および対照ペットフード組成物についてそれぞれ表5と6に示す。試験の結果を、試験用ペットフード組成物および対照ペットフード組成物についてそれぞれ表5と6に要約している。当然のことながら、数値の減少は行動の減少を表し、これは症状の改善を示す指標である。
【表5】
【表6】
【0106】
表5に示すように、試験用ペットフード組成物(TF)を与えられたネコでは、GI症状に関連した排便行動の顕著な減少が観察された。さらに、表6に示すように、GI症状に関連した排便行動の顕著な減少は、陽性対照ペットフード組成物(CF)を与えられたネコでは観察されなかった。
【0107】
本開示は、例示的実施を参照して説明されてきた。限られた数の実施が示され、記述されているが、当業者であれば、先述した詳細な説明の原理および精神から逸脱することなく、これらの実施において変更を行い得ることが理解されるであろう。本開示は、添付の特許請求の範囲またはその均等物の範囲内にあるような、そのような修正および変更を含むものとして解釈されることが意図されている。さらに、本明細書ならびに以下の特許請求の範囲において特定の用語が使用されてもよいが、それらは包括的かつ説明的な意味でのみ使用されており、本開示を制限する目的ではなく、また以下に続く特許請求の範囲を制限する目的ではない。
【手続補正書】
【提出日】2022-10-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペットフード組成物であって、
オオバコまたはその誘導体と、
ポリフェノールの供給源と、
高溶解性繊維の供給源と、
低溶解性繊維の供給源と、を含む、ペットフード組成物。
【請求項2】
前記オオバコまたはその誘導体が、前記組成物の約0.1重量%~約5重量%、随意に約0.5重量%~約2.5重量%、または約1重量%~約2重量%の量で、さらに随意に、前記ペットフード組成物の総重量に基づいて、約1.1重量%、約1.2重量%、約1.3重量%、約1.4重量%、約1.5重量%、約1.6重量%、約1.7重量%、約1.8重量%、または約1.9重量%で存在する、請求項1に記載のペットフード組成物。
【請求項3】
前記高溶解性繊維の供給源が、オートブラン、ソバ挽き割り、大麦、トマト搾りかす、柑橘類パルプ、ビートパルプ、またはそれらの組み合わせのうちの一つ以上を含み、より好ましくは、前記高溶解性繊維の供給源が、オートブラン、ソバ挽き割り、大麦、柑橘類パルプ、ビートパルプ、またはそれらの組み合わせのうちの一つ以上を含み、
前記低溶解性繊維の供給源が、セルロース系材料、ピーカン繊維、またはそれらの組み合わせのうちの一つ以上を含む、請求項1または2に記載のペットフード組成物。
【請求項4】
約30重量%~約55重量%のタンパク質、随意に約32重量%~約38重量%のタンパク質、さらに随意に約33重量%、約34重量%、約35重量%、約36重量%、または約37重量%のタンパク質を含み、
約5重量%~約15重量%の総食物繊維、随意に約8重量%~約14重量%の総食物繊維、さらに随意に約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、または約13重量%の総食物繊維を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項5】
不溶性繊維と可溶性繊維との重量比が、約10:1~約1:1、随意に約7.5:1~約2.5:1、さらに随意に約5:1である、請求項1~4のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項6】
オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸との混合物をさらに含み、
前記オメガ6脂肪酸と前記オメガ3脂肪酸との前記重量比が、約10:1~約1:1、随意に約7.5:1~約2:1、さらに随意に約3.5:1である、請求項1~5のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項7】
前記オメガ3脂肪酸が、約0.1重量%~約0.5重量%のドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、またはそれらの混合物、また随意に約0.3重量%~約0.4重量%、さらに随意に約0.31重量%、約0.32重量%、約0.33重量%、約0.34重量%、約0.35重量%、約0.36重量%、約0.37重量%、約0.38重量%、または約0.39重量%を含む、請求項6に記載のペットフード組成物。
【請求項8】
前記オメガ3脂肪酸が亜麻仁によって提供される、請求項6または7に記載のペットフード組成物。
【請求項9】
前記ポリフェノールの供給源が、デヒドロオキシロスマリン酸、クマロイルネピトリン、ユーパフォリン、カルノソール、スクテラリン、ケンフェロール、ロスマリン酸、ロスマノール、シルシマリチン、ルテオリン、6-メトキシ-ルテオリン、7-エピロスマンノール、ケルセチン、カテキン、ヘスペリジン、シアニジン、およびそれらの組み合わせのうちの一つ以上から選択されるポリフェノールを提供する、請求項1~8のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項10】
前記ポリフェノールの供給源が、圧搾クランベリー、クランベリーかす、またはそれらの組み合わせを含み、より好ましくは、前記ポリフェノールの供給源が、圧搾クランベリーを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項11】
前記組成物が実質的にエンドウ豆繊維のない、請求項1~10のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項12】
カボチャ、および/またはプロバイオティックをさらに含む、請求項1~11のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項13】
前記ペットフード組成物が、プロバイオティックを含み、前記プロバイオティックが、ビフィズス菌ラクティス、ビフィズス菌アニマリス、アシドフィルス菌、ビフィズス菌ロンガム、エンテロコッカス・フェシウムまたはそれらの組み合わせのうちの一つ以上を含む、請求項12に記載のペットフード組成物。
【請求項14】
プレバイオティックをさらに含み、前記プレバイオティックがフラクトオリゴ糖を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項15】
下痢または便秘を治療、阻害または予防することと、
便の特徴を改善することと、
排便行動を改善することと、および/または
コンパニオンアニマルの生活の質を改善する方法であって、
請求項1~14のいずれか一項に記載する前記ペットフード組成物の有効量を、それを必要とする前記コンパニオンアニマルに投与することを含む、方法。
【国際調査報告】