(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-02
(54)【発明の名称】中空コア顆粒、その顆粒を組み込んだ製品、及びその顆粒を調製する方法
(51)【国際特許分類】
B01J 13/02 20060101AFI20230526BHJP
C11D 3/12 20060101ALI20230526BHJP
C11D 3/386 20060101ALI20230526BHJP
C11D 3/395 20060101ALI20230526BHJP
C11D 3/50 20060101ALI20230526BHJP
C11D 3/48 20060101ALI20230526BHJP
C11D 3/40 20060101ALI20230526BHJP
C11D 3/37 20060101ALI20230526BHJP
A01N 25/12 20060101ALI20230526BHJP
D06M 23/12 20060101ALI20230526BHJP
A01K 1/015 20060101ALI20230526BHJP
A61L 9/01 20060101ALI20230526BHJP
A61L 9/014 20060101ALI20230526BHJP
B01J 20/12 20060101ALI20230526BHJP
B01J 20/04 20060101ALI20230526BHJP
B01J 20/18 20060101ALI20230526BHJP
B01J 20/20 20060101ALI20230526BHJP
B01J 20/28 20060101ALI20230526BHJP
B01J 13/12 20060101ALN20230526BHJP
【FI】
B01J13/02
C11D3/12
C11D3/386
C11D3/395
C11D3/50
C11D3/48
C11D3/40
C11D3/37
A01N25/12
D06M23/12
A01K1/015 B
A61L9/01 B
A61L9/014
B01J20/12 A
B01J20/04 A
B01J20/18 B
B01J20/18 E
B01J20/20 B
B01J20/20 D
B01J20/28 A
B01J13/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022564405
(86)(22)【出願日】2021-04-23
(85)【翻訳文提出日】2022-12-20
(86)【国際出願番号】 US2021028821
(87)【国際公開番号】W WO2021216986
(87)【国際公開日】2021-10-28
(32)【優先日】2020-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522029903
【氏名又は名称】チャーチ・アンド・ドゥワイト・カンパニー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CHURCH & DWIGHT CO., INC.
【住所又は居所原語表記】469 North Harrison Street, Attn Patent Law Group, Princeton, New Jersey 08543-5297 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【氏名又は名称】冨田 雅己
(74)【代理人】
【識別番号】100189429
【氏名又は名称】保田 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213849
【氏名又は名称】澄川 広司
(72)【発明者】
【氏名】ゴメス,アンドレ ヴィエイラ
(72)【発明者】
【氏名】ブテラ,アダム イー.
(72)【発明者】
【氏名】エゴヤンツ、ペートル エー.
(72)【発明者】
【氏名】チョプールナヤ,イリナ エー.
(72)【発明者】
【氏名】カルシェフ,ミハイル ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ビコフ,ヴァディム エー.
(72)【発明者】
【氏名】イリイン,イリヤ
【テーマコード(参考)】
2B101
4C180
4G005
4G066
4H003
4H011
4L031
【Fターム(参考)】
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2B101AA20
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2B101GB08
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4L031DA13
(57)【要約】
本開示は、中空コア顆粒、該中空コア顆粒を組み込んだ製品及び該中空コア顆粒を製造する方法に関する。本中空コア顆粒は、固体も液体も実質的に欠いている空洞を実質的に囲んで中空コアを区画する少なくとも1つの壁を含んでなることができ、該少なくとも1つの壁は、少なくとも1つの壁形成材料の複数の個別粒子を含み、該複数の個別粒子は、前記少なくとも1つの壁が構造的に自立するように十分にまとまって結合している。本中空コア顆粒は、更に、少なくとも1つの壁に存在するバインダー材料を含むことができる。本中空コア顆粒は、スタンドアローン型材料として有用であり得、及び/又は本中空コア顆粒が更なる成分と混合されるか、そうでなければ組み合わされる種々の製品の製造に有用であり得る。本開示は、更に、本中空コア顆粒を製造する方法を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体も液体も実質的に欠いている空洞を実質的に囲んで中空コアを区画する少なくとも1つの壁を含んでなる中空コア顆粒であって、該少なくとも1つの壁は、少なくとも1つの壁形成材料の複数の個別粒子を含み、該複数の個別粒子は、前記少なくとも1つの壁が構造的に自立するように十分にまとまって結合している、中空コア顆粒。
【請求項2】
前記少なくとも1つの壁形成材料が、クレイ、ガラス、セラミック、アルミナ、シリケート、ゼオライト、カーボン、金属、塩、吸収剤、吸着剤、脱臭剤、防臭剤、界面活性剤、酵素、ブリーチ、酸化剤、還元剤、ゲル化剤、香味料、香料、研磨剤、肥料、殺虫剤、有害生物駆除剤、殺菌剤、除草剤、抗菌剤、固着防止剤、フィラー、バインダー、保存剤、蛍光剤、消毒剤、キレート剤、分子結合剤、染料、着色剤、着色粒子、除塵剤及びこれらの組合せからなる群より選択される、請求項1に記載の中空コア顆粒。
【請求項3】
前記少なくとも1つの壁形成材料がクレイを含む、請求項1に記載の中空コア顆粒。
【請求項4】
前記少なくとも1つの壁形成材料が炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、過炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム過酸化物、塩化カリウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム及びこれらの組合せからなる群より選択される塩を含む、請求項1に記載の中空コア顆粒。
【請求項5】
前記少なくとも1つの壁形成材料がファブリックケア組成物である、請求項1に記載の中空コア顆粒。
【請求項6】
前記ファブリックケア組成物が、洗濯洗剤、ブリーチ、ホワイトナー、ブライトナー、ステインリムーバー、脱臭剤、セントブースター及びこれらの組合せからなる群より選択される、請求項5に記載の中空コア顆粒。
【請求項7】
前記少なくとも1つの壁形成材料がペットリター組成物である、請求項1に記載の中空コア顆粒。
【請求項8】
前記少なくとも1つの壁形成材料がペットリター組成物の添加物である、請求項1に記載の中空コア顆粒。
【請求項9】
前記少なくとも1つの壁形成材料が、当該中空コア顆粒に接触する1又は2以上の臭気原因化学物質の吸収、吸着又は他の結合のために構成されている、請求項1に記載の中空コア顆粒。
【請求項10】
前記少なくとも1つの壁形成材料が、当該中空コア顆粒に接触する液体の吸収、吸着又は他の結合のために構成されている、請求項1に記載の中空コア顆粒。
【請求項11】
前記少なくとも1つの壁形成材料がpH調整剤、肥料、有害生物駆除剤又は臭気マスキング剤である、請求項1に記載の中空コア顆粒。
【請求項12】
前記少なくとも1つの壁形成材料の前記個別粒子同士間に存在する間質空間の少なくとも一部に存在する少なくとも1つのバインダー材料を更に含んでなる、請求項1に記載の中空コア顆粒。
【請求項13】
前記少なくとも1つのバインダーが親水性材料である、請求項12に記載の中空コア顆粒。
【請求項14】
前記少なくとも1つのバインダーがポリエチレングリコール(PEG)材料を含む、請求項13に記載の中空コア顆粒。
【請求項15】
前記少なくとも1つのバインダーが疎水性材料である、請求項12に記載の中空コア顆粒。
【請求項16】
前記少なくとも1つのバインダーが、ワックス、パラフィン、ポリカプロラクトン、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、ポリプロピレンカーボネート、ポリ(テトラメチレンオキシド)、ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(トランス-ブタジエン)、熱可塑性ポリウレタン、ステアリン酸及びこれらの組合せからなる群より選択される材料を含む、請求項15に記載の中空コア顆粒。
【請求項17】
前記少なくとも1つのバインダーが、当該中空コア顆粒の総重量に基づいて約1重量%~約45重量%含む、請求項12に記載の中空コア顆粒。
【請求項18】
前記中空コアが当該中空コア顆粒の直径の約10%~約80%である直径を有する、請求項1に記載の中空コア顆粒。
【請求項19】
前記中空コアを区画する前記空洞が当該中空コア顆粒の体積の約0.1%~約50%である体積を有するように構成されている、請求項1に記載の中空コア顆粒。
【請求項20】
前記空洞の体積が当該中空コア顆粒の体積の約0.5%~約10%である、請求項19に記載の中空コア顆粒。
【請求項21】
水に浮揚性である請求項1に記載の中空コア顆粒。
【請求項22】
前記少なくとも1つの壁が前記壁形成材料の前記個別粒子の凝集体である、請求項1に記載の中空コア顆粒。
【請求項23】
同じ重量の前記少なくとも1つの壁形成材料単独の実質的に完全な溶解までの時間より少なくとも10%早い実質的に完全な溶解までの時間を示す請求項1に記載の中空コア顆粒。
【請求項24】
請求項1~23のいずれか1項に記載の中空コア顆粒を複数含む製品。
【請求項25】
洗浄剤製品として構成されている請求項24に記載の製品。
【請求項26】
前記洗浄剤製品がファブリックケア製品である、請求項25に記載の製品。
【請求項27】
前記ファブリックケア製品が、洗濯洗剤、室内装飾品クリーナー、ブライトナー、ホワイトナー、ステインリムーバー、セントブースター及びこれらの組合せからなる群より選択される、請求項26に記載の製品。
【請求項28】
前記クリーニング製品が食器用洗剤、研磨クリーナー又は歯垢除去製品である、請求項25に記載の製品。
【請求項29】
脱臭剤として構成されている請求項24に記載の製品。
【請求項30】
前記複数の中空コア顆粒が、炭酸水素ナトリウム、ゼオライト、活性炭、ベントナイト及びこれらの組合せからなる群より選択される材料を前記少なくとも1つの壁形成材料として含むように構成されている、請求項29に記載の製品。
【請求項31】
動物リターとして構成されている請求項24に記載の製品。
【請求項32】
前記複数の中空コア顆粒が炭酸水素ナトリウムを前記少なくとも1つの壁形成材料として含むように構成されている、請求項31に記載の製品。
【請求項33】
前記複数の中空コア顆粒がクレイを前記少なくとも1つの壁形成材料として含むように構成されている、請求項31に記載の製品。
【請求項34】
前記クレイがベントナイトを含む、請求項33に記載の製品。
【請求項35】
前記複数の中空コア顆粒が前記動物リターの少なくとも5重量%含む、請求項31に記載の製品。
【請求項36】
ペットリター添加物として構成されている請求項24に記載の製品。
【請求項37】
肥料又は有害生物駆除剤である請求項24に記載の製品。
【請求項38】
約40℃~約95℃の融点を有するバインダーと、該バインダー中に実質的に不溶であり且つ該バインダーの融点より高い融点を有する少なくとも1つの壁形成材料の複数の個別粒子とを組み合わせて混合物を形成すること;
前記混合物を、前記バインダーの融点以上であって少なくとも1つの壁形成材料の前記複数の個別粒子の融点より低い最大温度まで加温して、少なくとも1つの壁形成材料の前記複数の個別粒子の凝集体を形成すること;及び
前記少なくとも1つの壁形成材料の前記複数の個別粒子の凝集体を冷却して中空コア顆粒を形成すること
を含む、中空コア顆粒を製造する方法。
【請求項39】
前記形成される中空コア顆粒が、固体も液体も実質的に欠いている空洞を実質的に囲んで中空コアを区画する少なくとも1つの壁を含んでなり、該少なくとも1つの壁は、少なくとも1つの壁形成材料の複数の個別粒子を含み、該複数の個別粒子は、前記少なくとも1つの壁が構造的に自立するように十分にまとまって結合している、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記バインダー及び少なくとも1つの壁形成材料の前記複数の個別粒子が、前記中空コア顆粒の前記少なくとも1つの壁に存在する該バインダーの量が、前記中空コア顆粒の総重量に基づいて約0.1重量%~約50重量%であるように、組み合わされる、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
流動床で行われる請求項38に記載の方法。
【請求項42】
前記冷却が前記バインダーの融点より低い温度に冷却することを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項43】
請求項38~42のいずれか1項に記載の方法より製造された中空コア顆粒を含む製品。
【請求項44】
洗濯洗剤、食器用洗剤、ファブリッククリーナー、ファブリック脱臭剤、研磨クリーナー、歯垢除去組成物、消毒剤、ステインリムーバー、ホワイトナー、ブライトナー、ブリーチ、セントブースター、吸収剤、吸着剤、脱臭剤、消臭剤、臭気マスキング製品、肥料、有害生物駆除剤、動物リター及び動物リター添加物からなる群より選択される請求項43に記載の製品。
【請求項45】
前記中空コア顆粒と1又は2以上の更なる成分との混合物を含む洗濯洗剤である請求項43に記載の製品。
【請求項46】
洗濯洗剤であり、少なくとも1つの壁形成材料の前記複数の個別粒子が洗濯洗剤組成物の粒子を含む、請求項43に記載の製品。
【請求項47】
前記中空コア顆粒と1又は2以上の更なる成分との混合物を含む動物リターである請求項43に記載の製品。
【請求項48】
動物リターであり、少なくとも1つの壁形成材料の前記複数の個別粒子がクレイ粒子又は炭酸水素ナトリウム粒子を含む、請求項43に記載の製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、中空コア顆粒に関する。中空コア顆粒は、中空コアを区画する空洞を囲む少なくとも1つの壁を含むことができる。少なくとも1つの壁は、少なくとも1つの壁形成材料の粒子を含むことができ、同様に少なくとも1つのバインダーを含み得る。
【背景技術】
【0002】
様々な化合物が、実質的に固体形態での様々な使用について知られている。多くの化合物は、実質的に粒状形態で提供される場合、利用可能な表面積によって制限される可能性がある使用を提供し得る。例えば、いくつかの化合物は反応性であり得るが、任意の反応は、実質的に粒子の表面でのみ起こり得、粒子の質量の多くは反応に関与しない。さらに、固体形態、実質的には粒状形態で有用な多くの材料は、過度に重い場合がある。例えば、クレイ粒子は、様々な消費者製品において、最も顕著には典型的な動物リター組成物において一般的に使用されている。動物リターは、例えばリタートレイを満たすために必要とされ得るように、実質的に大容量で販売されることが多い。この典型的な配置のために、商業的な包装に必要とされる動物リターの体積は、過度に重くなる可能性がある。さらに、典型的に達成される範囲に等しいか又はそれを超える特性を依然として示しながら、便利な取り扱いを提供する新しい形態の製品が引き続き必要とされている。したがって、改善した特性も提供しながら、化学製品、化合物、及び組成物を固体形態、実質的には顆粒状形態で提供するための手段が、当該分野において依然として必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示は、中空コア顆粒に関する。中空コア顆粒は、具体的には、1又は2以上の壁形成材料の複数の粒子が、中空コアを区画する空洞を実質的に取り囲む少なくとも1つの壁の形態で、集塊させるか、凝集させるか、又はそうでなければ一緒にされる、設計構造体である可能性がある。中空コア顆粒は、中空コアを囲む壁としての個別粒子の組合せが、その天然形態(すなわち、中空コアを囲む複数の粒子として存在しない)の壁形成材料と比較して改善した特性を顆粒に示させることができるという点で、壁形成材料の天然形態とは区別される。これにより、中空コア顆粒を、少なくとも部分的に複数の中空コア顆粒を含む様々な製品における様々な使用に利用可能にすることができる。本開示はまた、そのような中空コア構造体を形成する方法、及び中空コア顆粒を含むことができる様々な製品又は製造物品を提供する。
【0004】
1又は2以上の実施形態では、本開示は、中空コア顆粒に関する可能性がある。構造体は単数形の顆粒に関して記載されているが、そのような用語は便宜上使用されており、中空コア顆粒の種々の特性及び使用は単一の顆粒に限定されないことが理解される。むしろ、実質的に同じ特性を示し、実質的に同じ用途を有する複数の顆粒が本開示に包含される。さらに、使用において、製品を形成するか又は特定の使用を実施する際には複数の顆粒が典型的には利用されることが理解される。それにもかかわらず、本主題は、単一の顆粒又は複数の顆粒で特定され得る。
【0005】
例示的な実施形態では、本開示による中空コア顆粒は、固体も液体も実質的に欠いている空洞を実質的に囲んで中空コアを区画する少なくとも1つの壁を含むことができ、少なくとも1つの壁は、該少なくとも1つの壁形成材料の複数の個別粒子を含み、該複数の個別粒子は、該少なくとも1つの壁が構造的に自立するように十分にまとまって結合している。中空コア顆粒(又は複数の中空コア顆粒)は、1又は2以上の実施形態において、以下の記述のうちのいずれか1又は2以上に関してさらに定義することができ、これらの記述は、任意の数又は順序で所望に応じて組み合わせることができ、以下の記述の任意の特定の組合せ(又は以下の記述の可能な組合せの全て)を行う能力は、本明細書中のさらなる開示から直ちに明らかである。
【0006】
少なくとも1つの壁形成材料は、クレイ、ガラス、セラミック、アルミナ、シリケート、ゼオライト、カーボン、金属、塩、吸収剤、吸着剤、脱臭剤、防臭剤、界面活性剤、酵素、ブリーチ、酸化剤、還元剤、ゲル化剤、香味料、香料、研磨剤、肥料、殺虫剤、有害生物駆除剤、殺菌剤、除草剤、抗菌剤、固着防止剤、フィラー、バインダー、保存剤、蛍光剤、消毒剤、キレート剤、分子結合剤、染料、着色剤、着色粒子、除塵剤及びこれらの組合せからなる群より選択することができる。
少なくとも1つの壁形成材料は、クレイを含むことができる。
クレイはベントナイトを含むことができる。
少なくとも1つの壁形成材料は、塩を含むことができる。
【0007】
塩は、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、過炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム過酸化物、塩化カリウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム及びこれらの組合せからなる群より選択することができる。
塩は、炭酸水素ナトリウムとすることができる。
塩は、炭酸ナトリウムとすることができる、請求項6に記載の中空コア顆粒。
塩は、塩化ナトリウムとすることができる。
【0008】
少なくとも1つの壁形成材料は、ファブリックケア組成物とすることができる。
ファブリックケア組成物は、洗濯洗剤、ブリーチ、ホワイトナー、ブライトナー、ステインリムーバー、脱臭剤、セントブースター及びこれらの組合せからなる群より選択することができる。
少なくとも1つの壁形成材料は、ファブリックケア組成物のための添加物であり得る。
少なくとも1つの壁形成材料は、ペットリター組成物とすることができる。
少なくとも1つの壁形成材料は、ペットリター組成物のための添加物とすることができる。
ペットリター組成物のための添加物は、フィラー、凝集剤、バインダー、保存剤、除塵剤、香料、及びこれらの混合物からなる群より選択することができる。
【0009】
少なくとも1つの壁形成材料は、中空コア顆粒に接触する1又は2以上の臭気原因化学物質の吸収、吸着又は他の結合のために構成することができる。
少なくとも1つの壁形成材料は、中空コア顆粒に接触する水性液体の吸収、吸着又は他の結合のために構成することができる。
少なくとも1つの壁形成材料は、中空コア顆粒に接触する非水性液体の吸収、吸着又は他の結合のために構成することができる。
少なくとも1つの壁形成材料は、pH調整剤とすることができる。
【0010】
少なくとも1つの壁形成材料は、肥料を含むことができる。
【0011】
肥料は、窒素源、リン源、カリウム源、微量栄養素源、及びこれらの組合せからなる群より選択することができる。
肥料としての中空コア顆粒は、以下の条件のうちの1又は2以上が満たされる可能性があることを特徴とすることができる:少なくとも1つの壁形成材料は、クレイを更に含むことができ、肥料の少なくとも一部は、クレイの粒子に吸収させるか、吸着させるか、又はそうでなければ組み合わせることができる;肥料の少なくとも一部は、マイクロカプセル化形態とすることができる;肥料は、少なくとも2つの異なる肥料を含むことができる;肥料は、実質的に即時放出のために構成することができる;肥料は、制御放出のために構成することができる。
【0012】
少なくとも1つの壁形成材料は、有害生物駆除剤を含むことができる。
有害生物駆除剤は、ビフェントリン、アセフェート、カルバリル、シフルトリン、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸、トリフルラリン、クロルピリホス、アレトリン、シペルメトリン、ジスルホトン、2,6-ジクロロベンゾニトリル、メトラクロール、シハロスリン、ヒドラメチルノン、アトラジン、クロロタロニル、ミクロブタニル、ジカンバ、アザジラクチン、キャプタン、ダイアジノン、カルボフラン、メトミル、デルタメトリン、プロピコナゾール、ボレート、ジノテフラン、ジチオピル、イソキサベン、プロジアミン、キンクロラック、セトキシジム、リン酸鉄(III)、マンコゼブ、チオファネートメチル、エスフェンバレレート、テブコナゾール、レスメトリン、グリホサート、マラチオン、ペルメトリン、イミダクロプリド、フィプロニル、アバメクチン、スピノサド、トリクロピル、ピペロニルブトキシド、ペンジメタリン、オリザリン、オキサジアゾン、及びこれらの組合せからなる群より選択された活性剤とすることができる。
【0013】
少なくとも1つの壁形成材料は、クレイを更に含むことができ、有害生物駆除剤の少なくとも一部は、クレイ粒子に吸収されるか、吸着されるか、又はそうでなければ組み合わされる。
少なくとも1つの壁形成材料は、臭気マスキング剤を含むことができる。
【0014】
中空コア顆粒は、親水性とすることができる。
中空コア顆粒は、疎水性とすることができる。
中空コア顆粒は、少なくとも1つの壁の少なくとも一部を覆う1又は2以上のコーティング層を更に含むことができる。
中空コア顆粒は、少なくとも1つの壁形成材料の個別粒子同士間に存在する間質空間の少なくとも一部に存在する少なくとも1つのバインダー材料を更に含むことができる。
【0015】
少なくとも1つのバインダーは、親水性材料とすることができる。
少なくとも1つのバインダーは、ポリエチレングリコール(PEG)材料を含むことができる。
少なくとも1つのバインダーは、疎水性材料とすることができる。
少なくとも1つのバインダーは、ワックス、パラフィン、ポリカプロラクトン、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、ポリプロピレンカーボネート、ポリ(テトラメチレンオキシド)、ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(トランス-ブタジエン)、熱可塑性ポリウレタン、ステアリン酸及びこれらの組合せからなる群より選択される材料を含むことができる。
少なくとも1つのバインダーは、中空コア顆粒の総重量に基づいて、約1重量%~約45重量%含むことができる。
【0016】
中空コア顆粒は、約0.1mm~約20mmの直径を有することができる。
中空コア顆粒の直径は、約0.5mm~約6mmとすることができる。
中空コアは、中空コア顆粒の直径の約10%~約80%である直径を有することができる。
中空コアの直径は、中空コア顆粒の直径の約25%~約55%とすることができる。
少なくとも1つの壁は、約0.05mm~約8mmの平均厚さを有することができる。
平均厚さは、約0.1mm~約4mmとすることができる。
【0017】
中空コア顆粒は、中空コアを区画する空洞が、中空コア顆粒の体積の約0.1%~約50%である体積を有するように構成することができる。
空洞の体積は、中空コア顆粒の体積の約0.5%~約10%とすることができる。
中空コア顆粒は、壁形成材料の密度よりも少なくとも20%低い密度を有することができる。
中空コア顆粒の密度は、壁形成材料の密度よりも約15%~約50%低くすることができる。
中空コア顆粒は、水中で浮揚性とすることができる。
【0018】
少なくとも1つの壁は、壁形成材料の個別粒子の凝集体とすることができる。
壁形成材料の個別粒子は、約0.01mm~約2mmの平均粒径を有することができる。
壁形成材料の個別粒子は、約0.05mm~約1.0mmの平均粒径を有することができる。
中空コア顆粒は、同じ重量の少なくとも1つの壁形成材料単独の実質的に完全な溶解までの時間より少なくとも10%早い実質的に完全な溶解までの時間を示すことができる。
【0019】
中空コア顆粒は、外力の適用時に、壁形成材料粒子の個別群を含む複数の部分に壊れるように構成することができる、請求項1に記載の中空コア顆粒。
【0020】
例示的な実施形態では、本開示は、複数の中空コア顆粒を含む製品に関する可能性がある。複数の中空コア顆粒は、前述の記述のうちのいずれか1又は2以上、及び本明細書中に説明されるような中空コア顆粒の任意のさらなる説明に関して定義することができる。さらに、複数の中空コア顆粒を含む製品は、以下の記述のうちのいずれか1又は2以上に関してさらに定義してもよく、これらの記述は、任意の数又は順序で所望に応じて組み合わせることができ、以下の記述の任意の特定の組合せ(又は以下の記述の可能な組合せの全て)を行う能力は、本明細書中のさらなる開示から直ちに明らかである。
【0021】
製品は、洗浄剤製品として構成することができる。
洗浄剤製品は、ファブリックケア製品とすることができる。
ファブリックケア製品は、洗濯洗剤、室内装飾品クリーナー、ブライトナー、ホワイトナー、ステインリムーバー、セントブースター及びこれらの組合せからなる群より選択することができる。
洗浄剤製品は、食器用洗剤とすることができる。
洗浄剤製品は、研磨クリーナーとすることができる。
洗浄剤製品は、歯垢除去製品とすることができる。
【0022】
洗浄剤製品は、複数の構成要素の調合物とすることができ、複数の中空コア顆粒は、複数の構成要素のうちの単一の構成要素として構成とすることができる。
洗浄剤製品は、複数の構成要素の調合物とすることができ、複数の構成要素のうちの2又は3以上が、複数の中空コア顆粒の壁形成材料として含まれる。
複数の成分の全てが、複数の中空コア顆粒の壁形成材料として含まれる可能性がある。
製品は、栄養補助剤として構成することができる。
製品は、緩下剤として構成することができる。
製品は、脱臭剤として構成することができる。
【0023】
複数の中空コア顆粒は、炭酸水素ナトリウム、ゼオライト、活性炭、ベントナイト及びこれらの組合せからなる群より選択される材料を少なくとも1つの壁形成材料として含むように構成することができる。
複数の中空コア顆粒は、臭気中和剤及び臭気マスキング剤の一方又は両方を含むように構成することができる。
製品は、動物リターとして構成することができる。
複数の中空コア顆粒は、炭酸水素ナトリウムを少なくとも1つの壁形成材料として含むように構成することができる。
複数の中空コア顆粒は、クレイを少なくとも1つの壁形成材料として含むように構成することができる。
クレイはベントナイトを含むことができる。
【0024】
複数の中空コア顆粒は、動物リターの少なくとも5重量%含むことができる。
製品は、ペットリター添加物として構成することができる。
ペットリター添加物は、フィラー、凝集剤、バインダー、保存剤、除塵剤、香料、及びこれらの混合物からなる群より選択することができる。
【0025】
製品は、肥料とすることができる。
複数の中空コア顆粒は、1又は2以上の窒素源、リン源、カリウム源、及び微量栄養素源を少なくとも1つの壁形成材料として含むように構成することができる。
複数の中空コア顆粒は、クレイの個別粒子を少なくとも1つの壁形成材料として含むように構成することができる。
少なくとも1つの肥料材料は、クレイの個別粒子に吸収させるか、吸着させるか、又はそうでなければ組み合わせることができる。
複数の中空コア顆粒は、1又は2以上の肥料材料を少なくとも1つの壁形成材料としてカプセル化された形態で含むように構成することができる。
【0026】
製品は、有害生物駆除剤とすることができる。
複数の中空コア顆粒は、ビフェントリン、アセフェート、カルバリル、シフルトリン、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸、トリフルラリン、クロルピリホス、アレトリン、シペルメトリン、ジスルホトン、2,6-ジクロロベンゾニトリル、メトラクロール、シハロスリン、ヒドラメチルノン、アトラジン、クロロタロニル、ミクロブタニル、ジカンバ、アザジラクチン、キャプタン、ダイアジノン、カルボフラン、メトミル、デルタメトリン、プロピコナゾール、ボレート、ジノテフラン、ジチオピル、イソキサベン、プロジアミン、キンクロラック、セトキシジム、リン酸鉄(III)、マンコゼブ、チオファネートメチル、エスフェンバレレート、テブコナゾール、レスメトリン、グリホサート、マラチオン、ペルメトリン、イミダクロプリド、フィプロニル、アバメクチン、スピノサド、トリクロピル、ピペロニルブトキシド、ペンジメタリン、オリザリン、オキサジアゾン、及びこれらの組合せからなる群より選択された活性剤を含むように構成することができる。
【0027】
複数の中空コア顆粒は、クレイの個別粒子を少なくとも1つの壁形成材料として含むように構成することができる。
少なくとも1つの有害生物駆除剤材料は、クレイの個別粒子に吸収させるか、吸着させるか、又はそうでなければ組み合わせることができる。
【0028】
例示的な実施形態では、本開示は、中空コア顆粒を調製するための方法を更に提供することができる。特に、そのような方法は、約40℃~約95℃の融点を有するバインダーと、該バインダー中に実質的に不溶であり且つ該バインダーの融点より高い融点を有する少なくとも1つの壁形成材料の複数の個別粒子とを組み合わせて混合物を形成すること;該混合物を、該バインダーの融点以上であって少なくとも1つの壁形成材料の該複数の個別粒子の融点より低い最大温度まで加温して、少なくとも1つの壁形成材料の該複数の個別粒子の凝集体を形成すること;及び該少なくとも1つの壁形成材料の該複数の個別粒子の凝集体を冷却して中空コア顆粒を形成することを含むことができる。該製造方法は、以下の記述のうちのいずれか1又は2以上に関してさらに定義してもよく、これらの記述は、任意の数又は順序で所望に応じて組み合わせることができ、以下の記述の任意の特定の組合せ(又は以下の記述の可能な組合せの全て)を行う能力は、本明細書中のさらなる開示から直ちに明らかである。
【0029】
形成される中空コア顆粒は、固体も液体も実質的に欠いている空洞を実質的に囲んで中空コアを区画する少なくとも1つの壁を含むことができ、該少なくとも1つの壁は、少なくとも1つの壁形成材料の複数の個別粒子を含み、該複数の個別粒子は、該少なくとも1つの壁が構造的に自立するように十分にまとまって結合している。
バインダー及び少なくとも1つの壁形成材料の複数の個別粒子は、中空コア顆粒の少なくとも1つの壁に存在するバインダーの量が、中空コア顆粒の総重量に基づいて約0.1重量%~約50重量%であるように、組み合わせることができる。
中空コア顆粒の少なくとも1つの壁に存在するバインダーの量は、中空コア顆粒の総重量に基づいて、約5重量%~約30重量%とすることができる。
このプロセスは流動床で行うことができる。
冷却は、バインダーの融点より低い温度に冷却することを含むことができる。
【0030】
本開示は、1又は2以上の実施形態では、上記で具体的に提供された方法及び/又はそうでなければ本明細書中に記載される方法に従って調製された1又は2以上の中空コア顆粒を含む製品に更に関する可能性がある。特定の非限定的な例示的な実施形態では、製品は、洗濯洗剤、食器用洗剤、ファブリッククリーナー、ファブリック脱臭剤、研磨クリーナー、歯垢除去組成物、消毒剤、ステインリムーバー、ホワイトナー、ブライトナー、ブリーチ、セントブースター、吸収剤、吸着剤、脱臭剤、消臭剤、臭気マスキング製品、肥料、有害生物駆除剤、動物リター及び動物リター添加物からなる群より選択することができる。
【0031】
本開示は、1又は2以上の材料を所望の使用現場に送達する方法であって、該1又は2以上の材料が、本明細書中に記載される中空コア顆粒の少なくとも1つの壁に含まれる材料の複数の個別粒子として送達のために提供される、方法を更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】
図1は、本開示の例示的な実施形態による中空コア顆粒の部分切断斜視図である。
【
図2】
図2は、本開示の例示的な実施形態による中空コア顆粒の壁の拡大部分の部分断面図である。
【
図3】
図3は、本開示のさらなる例示的な実施形態による中空コア顆粒の壁の拡大部分の部分断面図である。
【
図4】
図4は、本開示の例示的な実施形態による複数の壁/層を組み込んだ中空コア顆粒の断面図である。
【
図5】
図5は、本開示の例示的な実施形態に従って調製された中空コア顆粒のかさ密度対加工処理時間を示すグラフである。
【
図6】
図6は、本開示の例示的な実施形態に従って調製された中空コア顆粒の、壁形成材料の含量対加工処理時間を示すグラフである。
【
図7】
図7は、本開示の例示的な実施形態に従って調製された中空コア顆粒についての破砕強度対加工処理時間を示すグラフである。
【
図8】
図8A~
図8Eは、流動床装置における異なる滞留時間にて、本開示の例示的な実施形態に従って調製された中空コア顆粒の摩損を示すグラフである。
【
図9】
図9は、本開示の例示的な実施形態に従って調製された中空コア顆粒の顆粒サイズ及び関連する空洞サイズを示すグラフである。
【
図10】
図10は、流動床装置における異なる滞留時間で本開示の例示的な実施形態に従って調製された中空コア顆粒の分画重量を示すグラフである。
【
図11】
図11は、流動床装置における異なる滞留時間で本開示の例示的な実施形態に従って調製されたPEGバインダー及びベントナイト壁形成材料を有する中空コア顆粒についての顆粒かさ密度を示すグラフである。
【
図12】
図12は、本開示の例示的な実施形態に従って調製された中空コア顆粒の寸法及び関連する空洞寸法を、流動床装置における加工処理時間の関数として示すグラフである。
【
図13】
図13は、本開示の例示的な実施形態に従って調製された中空コア顆粒の全顆粒体積に対する空洞体積のパーセンテージを示すグラフである。
【
図14】
図14は、流動床装置における滞留時間の関数としての、本開示の例示的な実施形態に従って調製された中空コア顆粒の顆粒サイズ及び関連する空洞サイズを示すグラフである。
【
図15】
図15は、本開示の例示的な実施形態に従って調製された中空コア顆粒の全顆粒体積に対する空洞体積のパーセンテージを示すグラフである。
【
図16】
図16は、本開示の例示的な実施形態に従って調製された中空コア顆粒の摩損を、篩にかけられた時間の関数として示すグラフである。
【
図17】
図17は、本開示の例示的な実施形態に従って調製された様々な中空コア顆粒に関するデータを示す表である。
【
図18】
図18は、本開示の例示的な実施形態に従って調製された様々な中空コア顆粒に関する追加のデータを示す表である。
【
図19】
図19A及び
図19Bは、本開示の例示的な実施形態による、壁形成材料としてゼオライトを有する中空コア粒子の異なる倍率での走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。
【
図20】
図20A及び
図20Bは、本開示の例示的な実施形態による、壁形成材料として活性チャコールを有する中空コア粒子の異なる倍率でのSEM画像である。
【
図21】
図21A、21B、及び21Cは、本開示の例示的な実施形態による、壁形成材料として炭酸水素ナトリウムを有する中空コア粒子の異なる倍率でのSEM画像である。
【
図22】
図22は、大量の試験材料に添加されたある特定の量の猫リター模倣組成物、フェリニンからアンモニアが放出されることよって引き起こされる悪臭を低減するための、炭酸水素ナトリウム単独及びベントナイト単独に対する本開示の例示的な実施形態による中空コア粒子の性能を示すグラフである。
【
図23】
図23は、大量の試験材料に添加されたある特定の量の猫リター模倣組成物、フェリニンから硫黄化合物が放出されることよって引き起こされる悪臭を低減するための、炭酸水素ナトリウム単独及びベントナイト単独に対する本開示の例示的な実施形態による中空コア粒子の性能を示すグラフである。
【
図24】
図24は、本開示の例示的な実施形態による、壁形成材料としての炭酸水素ナトリウム及びバインダーとしてのPEGから形成された中空コア顆粒の画像であり、顆粒は、半分に切断されている。
【
図25】
図25は、本開示の例示的な実施形態による、壁形成材料としてのベントナイト及びバインダーとしてのPEGから形成された中空コア顆粒の画像であり、顆粒は、半分に切断されている。
【
図26】
図26は、本開示の例示的な実施形態による、壁形成材料としての炭酸水素ナトリウム及びベントナイト、並びにバインダーとしてのPEGから形成された中空コア顆粒のベースの画像である。
【
図27】
図27は、本開示の例示的な実施形態による、壁形成材料としての炭酸水素ナトリウム及びバインダーとしてのポリオキシエチレンステアリルエーテルから形成された中空コア顆粒の画像であり、顆粒は、半分に切断されている。
【
図28】
図28は、本開示の例示的な実施形態による、壁形成材料としてのベントナイト及びバインダーとしてのポリオキシエチレンステアリルエーテルから形成された中空コア顆粒の画像であり、顆粒は、半分に切断されている。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、種々の実施形態を参照することによって、本発明をより詳細に説明する。
これらの実施形態は、本開示が徹底的且つ完全なものとなり、本発明の範囲を当業者に十分に伝えるように提供されるものである。実際に、本発明は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書中に記載される実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が、適用可能な法的要件を満たすように提供される。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「該(the)」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の参照を含む。
【0034】
本開示は、実質的に中空コアを有する構造体、そのような構造体を組み込んだ組成物、そのような構造体の製造方法、並びにそのような構造体及び組成物の使用/用途に関する。本明細書で提供される構造体は、特に、中空コアである空洞を囲む少なくとも1つのシェル/壁を含む中空コア構造体であってもよい。シェル/壁は、具体的には、少なくとも1つの固体壁形成材料及びバインダー材料を含むことができる。複数の固体壁形成材料を利用してもよい。同様に、複数のバインダーを利用してもよい。少なくとも1つの固体壁形成材料は、バインダーでまとまって結合して、中空コアを区画する空洞を囲むシェル/壁を区画する複数の個別粒子として構成することができる。シェル/壁は、中空コア又は空洞を囲み包囲する実質的に連続した壁として特徴付けられてもよい。壁が複数の個別粒子から形成されている個別中空コア構造体は、したがって、顆粒と称してもよい。したがって、本明細書中で使用される「顆粒」との用語は、中空コア構造体を指すことができ、「粒子」との用語は、顆粒又は中空コア構造体のシェル/壁を形成するための壁形成材料として使用される固体材料(複数可)の個別の片を指すことができる。いくつかの実施形態では、複数のシェル/壁が存在することができ、各シェル/壁は、独立して、異なる組成及び/又は厚さを有することができる。さらに、中空コアは、1又は2以上の成分が、中空コアが完全に充填されず、したがって、依然として中空コアと称することができるような量でその中に含まれるように構成されてもよい。そのような中空コア構造体は、スタンドアロン型材料として有用であり得、及び/又は該中空コア構造体がさらなる成分と混合されるか、そうでなければ組み合わされる種々の製品の製造に有用であり得る。
【0035】
本開示による中空コア顆粒は、特定の特性及び特定の用途で構成することができる。特性及び/又は用途の正確な性質は、他の要因の中でも、シェル(複数可)/壁(複数可)を形成する材料(複数可)の性質、中空コア構造体のサイズ、中空コア内に含まれる成分を形成する任意の材料の性質等に基づいて変動する可能性がある。いくつかの実施形態では、本発明の中空コア構造体は、1又は2以上の脱臭機能を提供するように特に構成することができる。これは、臭気原因化合物を吸収及び/又は同伴する能力を示すことを含むことができ、臭気中和剤を含む及び/又は送達すること等によって、臭気中和能力を示すことを代替的に又は追加的に含むことができる。いくつかの実施形態では、本発明の中空コア構造体は、1又は2以上の吸収及び/又は吸着機能を提供するように特に構成することができる。これは、液体を吸収する能力を示すことを含むことができ、該液体は極性及び/又は非極性液体を含むことができる。さらに、中空コア構造体は、陸上及び/又は水中の場において選択的に吸収及び/又は吸着するように構成することができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、本発明の中空コア構造体は、所望の用途を有する1又は2以上の化学製品、化合物、組成物等の設計された形態として提供することができ、中空コアフォーマットの1又は2以上の化学製品、化合物、組成物等の提供により、特性の改善を達成することができる(例えば、再設計された中空コアフォーマットではない「通常の」炭酸水素ナトリウムと比較して改善した臭気吸収及び/若しくは洗浄特性を示す中空コア炭酸ナトリウム、又は再設計された中空コアフォーマットではない「通常の」クレイと比較して改善した液体吸収を示す中空コアクレイ)。改善した特性は、特に、化学製品、化合物、組成物等の天然形態に関連してもよく、該天然形態は、化学物質、化合物、若しくは組成物が天然に存在する形態、又は化学物質、化合物、若しくは組成物が典型的に作製及び/若しくは販売される形態である。
天然形態は、特に、中空コアフォーマットではない形態とすることができる。
【0037】
本発明の中空コア構造体は、様々な目的のために利用可能とすることができるスタンドアロン型の化学物質又は化合物として有用である可能性がある。同様に、そのようなスタンドアロン型の化学製品又は化合物は、より複雑な組成物(例えば、少なくとも2つの異なる化学製品、化合物等から形成される材料である複雑な組成物)の1又は2以上の成分として使用してもよい。さらに、2又は3以上の化学製品、化合物等を組み合わせて中空コア顆粒を形成してもよく、該顆粒は組成物の一部又は全部を形成してもよい。例示的な実施形態では、スタンドアロン型の化学製品、化合物等は、炭酸水素ナトリウム、クレイ、界面活性剤等の材料を含むことができ、そのような材料のさらなる例を、本明細書で更に論じる。したがって、そのような材料は、その全体又は一部が調製された顆粒で形成されている製品として提供することができる。例えば、洗浄剤製品、研磨剤、パーソナルケア製品、脱臭剤、動物リター等は、全体として本明細書に記載される中空コア顆粒から調製されてもよく、あるいは、そのような中空コア顆粒は、そのような製品の1又は2以上の成分を形成してもよい。いくつかの実施形態では、本発明の中空コア構造体は、所望の製品を所望の環境に送達する際の用途のために特に構成することができる。例えば、肥料、有害生物駆除剤等は、改善した特性を有する肥料、有害生物駆除剤等の送達を可能にする中空コア構造体として提供することができる。前述の用途及び製品は、例示的な実施形態であると理解され、本開示の中空コア構造体の有用な適用先を限定することを意図するものではない。
【0038】
中空コアを有する構造体
【0039】
図1を参照すると、本開示による構造体/顆粒10は、内部コア20を囲み、実質的に包囲する外壁15を含んでよく、該内部コアは、実質的に中空であってよく、したがって空洞を区画してよい。「壁」との用語は、限定するものとして解釈されるべきではなく、そのような用語は、類似用語、例えば「シェル」と同義であり得ることを理解されたい。したがって、「壁」との用語は、本開示全体を通して使用され得るが、壁は、中空コアを区画する空洞を囲むことを理解されたい。実質的に中空なコアは、比較的少ない含有量の材料(例えば、固体又は液体)を含んでもよいが、そうでなければ、本質的に外壁内の開放空隙である。具体的には、「実質的に中空な」との語句は、コアの少なくとも90体積%、少なくとも95体積%、又は少なくとも99体積%が、いかなる固体及び/又は液体材料をも含まないことを示し得る。構造体10は、外壁面17及び内壁面19を有することに関してさらに定義してもよい。したがって、中空コア構造体のコアは、内壁面19によって境界が定められる中空コア構造体の内部体積として定義してもよい。
【0040】
本開示による中空コア顆粒は、特に、固体も液体も実質的に欠いている空洞を実質的に囲んで中空コアを区画する少なくとも1つの壁を含んでなるものとして説明してもよく、該少なくとも1つの壁は、少なくとも1つの壁形成材料の複数の個別粒子を含み、該複数の個別粒子は、前記少なくとも1つの壁が構造的に自立するように十分にまとまって結合している。空洞を実質的に囲む少なくとも1つの壁は、壁が空洞を完全に囲むことを示すことができるか、又は1又は2以上の開放細孔が内部空洞と外部環境との間の1又は2以上の経路を区画し得るという点で、壁の開放多孔性を示してもよい。本明細書で提供されるさらなる考察に加えて、空洞を「実質的に囲む」少なくとも1つの壁の性質は、特に、壁が空洞を完全に囲む(すなわち、100%の包囲)か、又は空洞と外部環境との間に開口部を提供する壁中の開放細孔又は他の不連続性(すなわち、壁の面積に基づいて少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の包囲)の存在を通して等、壁のわずかな部分が不連続である状態で空洞を囲むことを意味することができる。包囲量の特定は、顕微鏡画像の測定に基づいて計算することができる。例えば、
図19A~
図21Cに提供されるSEM画像では、壁における開放細孔を視覚的に特定し、測定することができることが明らかである。他の分析方法を同じように使用してもよい。いくつかの実施形態では、本明細書中に記載されるように特性の改善を達成するために、空洞の100%未満の包囲を有することが望ましいとすることができる。空洞が任意の固体又は液体を「実質的に欠いている」ことは、顆粒のコアが固体又は液体材料で意図的に満たされておらず、壁の内面から測定した場合に中空コア顆粒を横切って広がる開放空間があることを示すことができる。これは、
図24、
図25、
図27、及び
図28に示される、内部空洞を示すために半分に切断された中空コア顆粒の画像において特に明らかである。したがって、実質的に欠いているとは、壁の内部表面によって区画されるコアの内部体積が、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、又は少なくとも99%開放されており、いかなる固体又は液体も存在しないことを意味することができる。複数の個別粒子が「十分に結合されている」とは、粒子が互いに対してそれらの位置を保持し、中空コア顆粒の通常の取り扱い中に、いかなる有意な程度の再配置も示さないことを意味することができる。
【0041】
中空コア構造体10は、様々なサイズで提供されてもよく、平均サイズは、中空コア構造体の直径(例えば、実質的に球状の構造体の場合)に関して、又は最大寸法(例えば、実質的に細長いか又は不均一な構造体の場合の横方向又は縦方向の測定値)に関して定義してもよい。中空コア顆粒は、約0.1mm~約20mm、約1mm~約10mm、又は約2mm~約5mmの平均サイズを有することができる。いくつかの実施形態では、中空コア構造体は、約0.1mm~約7mm、約0.5mm~約6mm、約1mm~約5mm、約1.5mm~約4.5mm、又は約2mm~約4mmの平均サイズを有する等、サイズが実質的に小さくてもよい。他の実施形態では、中空コア構造体は、約2mm~約20mm、約3mm~約15mm、又は約4mm~約12mmの平均サイズを有する等、サイズが実質的により大きくてもよい。さらに別の実施形態では、約5mm~約50mm、約10mm~約45mm、又は約15mm~約40mm等のさらに大きなサイズを達成することができる。したがって、前述のサイズは、個別顆粒に関し得る。さらに、以下に記載される製造方法からより明らかであるように、達成される顆粒サイズは、使用されるバインダー材料の粒子サイズによって少なくとも部分的に定義してもよい。したがって、バインダー材料は、より大きい中空コア顆粒を達成するためにより大きい粒子サイズで提供してもよく、バインダー材料は、より小さい中空コア顆粒を達成するためにより小さい粒子サイズで提供してもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、中空コア構造体の個別顆粒は、実質的に球形、実質的に楕円形であってもよく、又はそうでなければ実質的に丸みを帯びた形態を有してもよい。そのような実施形態では、壁は、中空コアを区画する空洞を完全に囲んでもよい(すなわち、中空コアは、周囲環境から完全に分離される)。しかしながら、他の形状も排除されない。例えば、特定の実施形態では、本明細書中で提供される中空コア構造体10は、細長い形態、例えば、実質的に繊維形態又は管状形態であってもよく、閉鎖端部、開放端部、又は部分的に閉鎖された端部を有していてもよい。さらに、構造体10は、実質的に不規則な形態であってもよい。例えば、中空コア顆粒は、実質的に楕円形状を有していてもよい。さらに、中空コア顆粒の壁の少なくとも一部は凹状であってもよい。いくつかの実施形態では、複数の構造体10は、互いに接着して、2、3、4、又は5以上の構造体の凝集体を形成してもよい。そのような凝集物は、実質的に「洋ナシ」形状(例えば、2つの接着した粒子が異なるサイズである場合)を有してもよく、又は実質的に「8の字」形状(例えば、2つの接着した粒子が実質的に同じサイズである場合)を有してもよい。
【0043】
図1に図示されているように、構造体10の壁15は厚さが実質的に均一である。しかしながら、いくつかの実施形態では、壁15の厚さは変動してもよい。平均壁厚(例えば、外壁面17から内壁面19まで測定される)は、約0.05mm~約8mm、約0.1mm~約7mm、約0.5mm~約6mm、約1.0mm~約5mm、又は約1.5mm~約2.5mmの範囲内であってもよい。小サイズの顆粒が調製される場合、その平均壁厚は、比例的により小さくてもよく、例えば、約0.1mm~約4mm、約0.25mm~約3.5mm、約1mm~約3mm、又は約1.5mm~約2.5mmである。中空コア構造10の壁厚と全体のサイズとは、中空コア構造を形成するのに使用される材料のタイプに基づいて変動する可能性がある。特に、使用されるバインダーの性質は、中空コア構造体のコアを区画する空洞のサイズに強く影響を及ぼす可能性がある。同様に、壁厚は、使用される壁形成材料の個別粒子のサイズに少なくとも部分的に依存する可能性がある。いくつかの実施形態では、加工処理条件、例えば、流動床で費やされる時間の長さもまた、中空コア構造体の寸法の要因となる可能性がある。したがって、バインダー材料の選択、壁形成材料のタイプの選択、及び壁形成材料の個別粒子のサイズを通して、中空コア構造体の全体のサイズ、中空コア構造体の壁の厚さ、及び構造体の中空コアを区画する空洞のサイズの相対的寸法をカスタマイズしてもよい。いくつかの実施形態では、そのような寸法は、個別顆粒の中空コアを区画する空洞の直径(すなわち、内壁面で測定した場合の最大寸法での中空コアを横切る直径)と個別顆粒の全直径(すなわち、外壁面で測定した場合の最大寸法での顆粒を横切る直径)との関係でまとめることができる。特に、空洞の直径は、顆粒の直径の約10%~約80%、約15%~約65%、約20%~約60%、約25%~約55%、又は約30%~約50%とすることができる。いくつかの実施形態では、相対的寸法は、顆粒全体の体積に対する中空コアを区画する空洞の体積に関してまとめることができる。特に、空洞の体積は、顆粒全体の体積の約0.1%~約50%、約0.25%~約25%、約0.5%~約10%、約0.7%~約7%、又は約1%~約4%とすることができる。上記の相対的寸法はまた、中空コア構造体のかさ密度に影響を及ぼす可能性がある。種々の実施形態では、本明細書中に記載される中空コア構造体は、約200グラム/リットル(g/L)~約2000g/L、約250g/L~約1200g/L、約200g/L~約900g/L、約400g/L~約850g/L、約450g/L~約800g/L、又は約500g/L~約750g/Lの範囲内のかさ密度を有することができる。このように、本明細書中に記載される中空コア顆粒は、壁形成材料自体のかさ密度とは顕著に異なるかさ密度を有することができる。例えば、炭酸水素ナトリウムが約1100g/Lのかさ密度を有する場合、壁形成材料として炭酸水素ナトリウムを使用する本明細書中に記載の中空コア顆粒は、約700g/Lのかさ密度を有することができる。同じように、ベントナイトが約1000g/Lのかさ密度を有する場合、壁形成材料としてベントナイトを使用する本明細書中に記載の中空コア顆粒は、約600g/Lのかさ密度を有することができる。したがって、いくつかの実施形態では、本開示の中空コア顆粒は、その天然形態の(すなわち、天然に見出されるか、又は商品として販売される)壁形成材料のかさ密度よりも少なくとも20%、少なくとも30%、又は少なくとも40%低いかさ密度を有することができる。具体的には、中空コア顆粒は、その天然形態の壁形成材料のかさ密度よりも約10%~約75%、約15%~約50%、又は約20%~約45%低いかさ密度を有することができる。比較は、形成された中空コア顆粒の密度対中空コア顆粒に組み込まれる前の壁形成材料の密度であると特徴付けられ得る。
【0044】
本発明の中空コア構造体は、壁によって境界を示された、開放された又は実質的に開放された空洞を有するにもかかわらず、実質的に一貫した形状を依然として保持することができる。これは、少なくとも1つが壁を支持する内部塊なしに壁形成材料の複数の個別粒子から形成されるので、驚くべき効果である。したがって、少なくとも1つの壁は、壁がそれ自体実質的に陥没せず、むしろ、いくつかの実施形態では、その中にいかなる固体又は液体材料も実質的に欠いている中心空洞を有しながら、上記で説明されるような顆粒形状を維持するという点で、実質的に自立していると特徴付けることができる。
【0045】
中空コア顆粒は、顆粒全体にわたって中実であるよりもむしろ中空であるにもかかわらず、依然として顕著に高い強度を示すことができる。強度は、特に、添付の実施例で論じられるような破砕強度であってもよい。該強度は、壁形成材料の選択及びバインダーの選択に基づいて変動する可能性がある。いくつかの実施形態では、顆粒強度は、少なくとも0.5ニュートン(N)、少なくとも2N、少なくとも3N、少なくとも5N、少なくとも10N、又は少なくとも15Nとすることができる。最大顆粒強度は、いくつかの実施形態では、約50Nの最大値を有し得る。特定の実施形態では、顆粒強度は、約0.5N~約50N、約1N~約30N、約2N~約25N、又は約3N~約20Nとすることができる。
【0046】
中空コア構造体10の壁15が、1又は2以上の固体の壁形成材料の個別粒子152の凝集体として構成されていることにより、壁15が粒子152間に間質空間154を有するようにする。これは、
図2に図示されている部分断面図に見て取れる。このように、壁15は、安定した自立構造を形成するために互いに十分に会合した個別粒子から形成されるという点で実質的に連続した構造であり、間質空間は、中空コア構造体10に特定の特性を提供することができる。
図2に見て取れるように、壁15の外部表面17及び/又は内部表面19は、必ずしも均一ではなく、実質的に平滑な壁表面とは区別され得る粗さ又は凹凸のレベルを示し得る。いくつかの実施形態では、間質空間154は、バインダー材料で少なくとも部分的に満たされていてもよい。これは
図3に示されており、粒子152はバインダー155によって実質的に囲まれている。しかしながら、バインダー155は、必ずしも全ての粒子152を完全に囲まなくてもよいことが理解される。同様に、バインダー155は、個別バインダー粒子が壁形成材料の2又は3以上の粒子152をまとまって結合し得るように、不連続形態、例えば、粒状形態で存在してもよい。
【0047】
本開示による中空コア構造体10は、単一の壁15を含んでいてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、構造体10は、複数の壁を具備してもよく、これは、いくつかの実施形態では、多層構造を有する壁として特徴付けられ得る。
図4の断面図に見て取れるように、構造体10は、実質的に空であるか、又は固体若しくは液体材料を欠いている可能性がある内部コア又は空洞20と、周囲壁15とを含んでもよい。壁15(第1の壁、第1の層、内壁、又は内層と称することができる)は、次いで、別の壁25(第2の壁、第2の層、さらなる壁、さらなる層、外壁、又は外層と称してもよい)によって実質的に囲まれていてもよい。このように、中空コア構造体10は、実質的に中空の内部コア20を囲む単一の壁又は層を含んでもよく、又は複数の壁又は層を含んでもよい。複数の壁又は層が存在する場合、各個別壁又は層は、異なる平均厚さを有してもよく、又は壁又は層の相対的な平均厚さが変動してもよい。いくつかの実施形態では、外壁又は外層は、内壁又は内層よりも薄い平均厚さを有してもよい。複数の壁又は層の少なくとも1つは、壁形成材料の個別粒子の凝集体である。しかしながら、1又は2以上の壁又は層、特に外壁又は外層は、内壁又は内層に適用されたコーティングとして構成されていてもよい。凝集は、より詳細には、壁形成材料の個別粒子の隣接する粒子への実質的な接着に関して参照してもよい。接着は、様々な相互作用力によって生じてもよく、壁形成材料の個別粒子を少なくとも部分的にコーティングする1又は2以上である、及び/又は壁形成材料の個別粒子同士間の間質空間を少なくとも部分的に充填するバインダー材料の存在に少なくとも部分的によって達成されてもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載される中空コア構造体は、構造体の壁の多孔性に関して定義され得る。多孔性は、中空コア構造体10の個別顆粒の壁15を形成している粒子152間の間質空間154の存在に関して少なくとも部分的に定義され得る。多孔性は、様々な様式、例えば、壁10を形成している個別粒子152の平均サイズを変更することによって、2又は3以上異なる平均粒径の粒子を組み合わせることによって、存在し得る任意のバインダーの量を制御すること等によって制御され得る。例えば、壁形成材料として使用される粒子は、約0.01mm~約2mm、約0.02mm~約1.5mm、約0.05mm~約1.0mm、又は約0.1mm~約0.8mmの範囲内の平均サイズを有してもよい。いくつかの実施形態では、より大きい粒子間の空間を充填するより小さい粒子を用いて、壁のより大きいパッキング密度を達成するために、ある範囲の粒径が使用されてもよい。したがって、壁形成材料粒子は、最小粒径が最大粒径と約1mm、約0.8mm、約0.5mm、又は約0.2mm異なるような範囲にわたる平均サイズを有してもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、多孔性はさらに、壁を形成する際に使用される材料の選択を通して、例えば、高多孔性若しくは低多孔性の材料を利用するか、又は異なる多孔性の材料の組合せを利用して、少なくとも部分的に制御してもよい。本発明の中空コア構造体の壁を形成するのに有用な材料の例を以下に詳細に論じる。いくつかの実施形態では、多孔性は、平均細孔サイズ、細孔分布等のいずれか1又は2以上に関して定義され得る。例えば、構造体の壁中の細孔の平均細孔径は、約100nm~約200μm、約250nm~約100μm、又は約500nm~約50μmの範囲内にあってもよい。
【0050】
壁の性質に加えて、本開示による中空コア構造体は同様に、中空コアの性質に関して定義することができる。上述のように、中空コアを区画する空洞(すなわち、開放体積)は、変動する可能性があり、空洞は、いかなる固体又は液体材料も実質的に完全に欠いてよい(例えば、製造時にその中に任意の固体又は液体を含む、空洞体積の10%未満、5%未満、2%未満、又は1%未満)。いくつかの実施形態では、中空コア構造体は、中空コア構造体の最内壁の内部表面によって区画された体積内に存在するさらなる材料の内容物を含んでもよい。例えば、構造的足場が、中空コアを区画する空洞に存在してもよい。他の例として、液体が、中空コアを区画する空洞内に充填されていてもよい。このように、中空コア構造体は、中空コア内に存在する材料が、外壁の溶解、破壊、又は他の除去を介して制御された様式で送達されて内部材料を放出することができる送達物品を提供し得る。
【0051】
本開示による構造体は、様々な検査技術を利用して特徴付けられ得る。例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)試験は、粒子特性、粒子形態、多孔性及び細孔分布等を特徴付けるのに有用であり得る。したがって、本構造体及びそのような構造体を組み込んだ製品は、前述の特徴のうちの1又は2以上に関してさらに定義され得る。中空コア顆粒の多孔性は、例えば、
図19A~
図21Cに示される走査型電子顕微鏡(SEM)画像に見て取ることができる。壁形成材料としてゼオライト粒子を含む中空コア顆粒を、59倍の倍率で
図19AのSEM画像に示し、270倍の倍率で
図19BのSEM画像に示す。壁形成材料として活性チャコール粒子を含む中空コア顆粒を、68倍の倍率で
図20AのSEM画像に示し、229倍の倍率で
図20BのSEM画像に示す。壁形成材料として炭酸水素ナトリウム粒子を含む中空コア顆粒を、87倍の倍率で
図21AのSEM画像に、346倍の倍率で
図21BのSEM画像に、及び1,535倍の倍率で
図21CのSEM画像に示す。それぞれの画像に見て取れるように、中空コア顆粒を、異なる壁形成材料の粒子を用いて一貫して調製した。さらに、中空コア顆粒が一貫して類似の構造を保持し、中空コア顆粒の壁が壁形成材料の個別粒子同士間に多数の細孔を有することが画像から明らかである。開放多孔性は、バインダー材料で満たされている細孔が多いか少ないかで変化することが分かる。したがって、中空コア顆粒は、より多くの又はより少ないバインダーが中空コア顆粒の壁に保持されるように加工処理を制御することによって、より高い又はより低い開放多孔性で構成することができる。開放多孔性を制御する能力は、達成される特性、例えば、改善した溶解、吸収/吸着特性、及び本明細書でさらに論じられる他の特性を微調整するのに大いに役立つ可能性がある。
【0052】
様々な壁形成材料を使用して、本開示による中空コア顆粒の1又は2以上の壁を調製してもよい。壁形成材料は、機能的なもの及び構造的なものの一方又は両方であってもよい。機能的な壁形成材料は、中空コア顆粒中に含まれており、中空コア顆粒を含む製品に所望の機能を与える任意の材料とすることができる。したがって、そのような材料は、機能的材料の機能を示す製品を形成するために個別に使用されてもよく、及び/又は組み合わされた機能を示す製品を形成するために任意の数のそのような材料を任意の組合せで使用されてもよい。壁形成材料として1又は2以上の機能的材料を有する中空コア顆粒を含む製品はまた、他の非機能的成分、例えば、フィラー、増量剤、不活性成分等を含んでもよいことが理解される。さらに、中空コア顆粒自体は、中空コア顆粒全体における機能的材料の適切な投与を達成するために、1又は2以上の機能的材料と組み合わせて、1又は2以上の壁形成材料として、フィラー、増量剤、不活性成分等を含んでもよい。機能的材料(複数可)は、本明細書中に記載される中空コア顆粒の調製に必要な条件下において固体形態(例えば、粒子)で利用可能であり得る。そのような場合、機能的材料は、中空コア顆粒の壁の構造成分としてさらに有効であり得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、中空コア顆粒で使用するための1又は2以上の機能的材料は、典型的には、本明細書中に記載される中空コア顆粒の調製に必要な条件下において液体形態で入手可能であり得る。そのような実施形態では、液体材料を構造材料と組み合わせて、液体を固体形態で提供してもよい。1又は2以上の液体材料を組み合わせてもよい構造材料はまた、機能的材料であってもよい。しかしながら、1又は2以上の液体材料を組み合わせてもよい構造材料は、調製される中空コア顆粒において非機能的であってもよく、したがって、構造材料は、担体成分又は粒子、フィラー、増量剤、不活性成分又は粒子等と称してもよい。クレイ、セラミック、シリケート、ゼオライト、カーボン、及びさらには他のミネラル又は塩は、中空コア顆粒中に含めるための所望の液体を吸収、吸着、又は含浸させることができる担体として有用である可能性がある。担体粒子は、送達現場に対して実質的に不活性である(すなわち、所望の利益を提供しないが、依然として使用に安全である)と考えられてもよく、活性剤の送達後に残存してもよく、又はさらに溶解若しくは崩壊してもよい。いくつかの実施形態では、担体粒子は、液体の機能的材料の有効性が担体粒子との組合せを通して改善されるように、又は担体粒子自体が送達現場において異なる所望の効果をもたらすように、相加的効果をもたらしてもよい。
【0053】
液体成分は、代替的に又は追加的に、カプセル化技術の使用により、本明細書中に記載されるような中空コア顆粒の1又は2以上の壁を形成する際の使用に好適な形態で提供されてもよい。したがって、カプセル及び/又はマイクロカプセルを利用してもよい。カプセル化技術は、同様に、カプセル化された成分を制御放出形態で提供するために、他の固体材料と共に利用することができ、それによって、カプセル化シェルは、カプセル化された材料が送達現場で放出されるために、可溶化され、分解され、又はそうでなければ除去されなければならない。
【0054】
本発明の中空コア顆粒のための壁形成材料として使用される任意の材料のカプセル化は、任意の適切な手法を使用して行うことができる。例えば、マイクロカプセルは、様々な化学的カプセル化技術、例えば、溶媒蒸発、溶媒抽出、有機相分離、界面重合、単純及び複合コアセルベーション、in situ重合、リポソームカプセル化、並びにナノカプセル化のいずれかを使用して形成することができる。あるいは、カプセル化の物理的方法、例えば、スプレーコーティング、パンコーティング、流動床コーティング、環状ジェットコーティング、スピニングディスク噴霧、スプレー冷却、スプレー乾燥、スプレーチリング、固定ノズル共押出、遠心ヘッド共押出、又は浸漬ノズル共押出が使用され得る。採用されるカプセル化方法論に関わらず、カプセルを形成するために使用される材料は変動する可能性がある。壁又はシェル材料として典型的に使用される材料のクラスとしては、タンパク質、多糖類、デンプン、ワックス、脂肪、天然及び合成ポリマー、並びに樹脂が挙げられる。マイクロカプセルを形成するために使用されるマイクロカプセル化プロセスにおいて使用するための例示的な材料としては、ゼラチン、アラビアガム、ポリ酢酸ビニル、アルギン酸カリウム、カロブビーンゴム、クエン酸カリウム、カラギーナン、ポリメタリン酸カリウム、クエン酸、トリポリリン酸カリウム、デキストリン、ポリビニルアルコール、ポビドン、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシリコーン、精製パラフィンワックス、エチルセルロース、漂白シェラック、加工食用デンプン、アルギン酸ナトリウム、グアーガム、ナトリウム、クエン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フェロシアン化ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、ローカストビーンガム、メチルセルロース、トリメタリン酸ナトリウム、メチルエチルセルロース、トリポリリン酸ナトリウム、マイクロクリスタリンワックス、タンニン酸、ペトロリウムワックス、テルペン樹脂、トラガント、ポリエチレン、キサンタンガム、及びポリエチレングリコールが挙げられる。マイクロカプセルは市販されており、マイクロカプセル技術の例示的なタイプは、Gutcho, Microcapsules and Microencapsulation Techniques (1976); Gutcho, Microcapsules and Other Capsules Advances Since 1975 (1979);Kondo, Microcapsule Processing and Technology (1979);Iwamotoら, AAPS Pharm. Sci. Tech. 2002 3(3): article 25;Cherukuriらの米国特許第5,004,595号;Bonnerの米国特許第5,690,990号;Wamplerらの米国特許第5,759,599号;Soperらの米国特許第6,039,901号;Soperらの米国特許第6,045,835号;Lewの米国特許第6,056,992号;Soperらの米国特許第6,106,875号;Takadaらの米国特許第6,117,455号;DeRoosらの米国特許第6,482,433号;及びBouwmeestersらの米国特許第6,929,814号に記載されているタイプのものであり、これらの各々は参照により本明細書に組み込まれる。
【0055】
本明細書中に記載される中空コア構造体の壁を形成する際の使用に好適であるとすることができる材料の非限定的な例示的な実施形態としては、クレイ(例えば、ベントナイト)、ガラス、セラミック、アルミナ、シリケート、ゼオライト、カーボン(例えば、活性チャコール)、金属、塩(例えば、炭酸水素ナトリウム又は重曹、炭酸ナトリウム又はソーダ灰、塩化ナトリウム等)、粉末調合物(例えば、固形洗浄組成物、例えば、洗濯洗剤、食器用洗剤、ファブリッククリーナー/脱臭剤、研磨クリーナー等)、吸収剤、吸着剤、脱臭剤、防臭剤、健康又は美容剤、界面活性剤、酵素、ブリーチ、酸化剤(例えば、ペルオキシド)、還元剤、ゲル化剤(例えば、ゼラチン、ペクチン、セルロース系等)、香味料、香料、研磨剤、肥料、殺虫剤、有害生物駆除剤、殺菌剤、除草剤、抗菌剤、固着防止剤、フィラー、バインダー、保存剤、蛍光剤(例えば、ブライトナー)、消毒剤、キレート剤、分子バインダー、染料、着色剤、着色粒子、除塵剤、並びに製品に特定の機能を提供するために消費者製品及び/又は産業の場で使用するために公知の他の材料を挙げることができる。前述のもののうちのいずれかは、上記で参照されるような機能的材料であってもよく、また、所望の機能を付与するために他の製品に添加することができる、及び/又は相加的結果を達成するために必要に応じて他の製品と組み合わせることができるスタンドアロン型製品として提供されてもよいという点において、添加剤と称してもよい。そのような材料は、改変を伴って、又は改変を伴わずに、制御放出を付与する、及び/又は材料の親水性/疎水性を改変する、機能的及び/又は構造的な壁形成材料として固体形態で使用され得る。そのような材料は、担体又は他の固体材料に組み合わされた場合、及び/又は固体フォーマット、例えば、上記のカプセル化法になるように改変された場合、機能的壁形成材料として液体形態で使用され得る。壁形成材料の前述のリストは、包括的であることを意図するものではなく、当業者は、本開示の全体に照らして、本開示の中空コア構造体を形成する際に同様に利用することができる市販製品に使用されるか、又は該市販製品として使用される他の化学製品、化合物、組成物等を特定することができることが理解される。
【0056】
特定の実施形態では、ベントナイト又は炭酸水素ナトリウムは、そのような材料の莫大な数の用途のために壁形成材料として特に使用してもよく、いずれも本発明の中空コア顆粒の機能的成分及び/又は構造成分として利用してもよい。使用することができるベントナイトクレイの非限定的な例としては、ナトリウムベントナイト、カリウムベントナイト、リチウムベントナイト、カルシウムベントナイト、及びマグネシウムベントナイト、又はこれらの組合せが挙げられる。クレイベースの液体吸収材料は、例えば、Millerらの米国特許第8,720,375号に記載されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。さらに、ベントナイトと組み合わせて、又はベントナイトの代替物として中空コア顆粒に使用するのに好適な吸収性又は吸着性材料の非限定的な例としては、クレイ、石英、長石、方解石、イライト、炭酸カルシウム、カーボン、雲母、ジョージア白クレイ、ヘクトライト、スメクタイト、オパール、カオリナイト、軽石、トベルマイト(トベルマイト)、スレート、石膏、バーミキュライト、ハロイサイト、セピオライト、マール、珪藻土、ドロマイト、アタパルジャイト、モンモリロナイト、モンテレー頁岩、フラー土、シリカ、化石化植物材料、パーライト、膨張パーライト、これらの混合物、及び同様の材料を挙げることができる。
【0057】
好ましくは、中空コア顆粒の調製時の壁形成材料は、固体の実質的に粒子状の形態であり、同様に、壁構造を形成する際に使用され得るバインダーに実質的に不溶であるように適合又は構成され得る。これは、材料の自然発生的な状態を参照してもよく、又は既に上記で論じたように、所望の材料と別の構造材料との組合せによって生じてもよい。いくつかの実施形態では、壁形成材料は、中空コア顆粒の調製に使用される場合、約100℃以上、約110℃以上、約120℃以上、又は約130℃以上の融点を有する固体粒子として構成される。
【0058】
本開示による中空コア顆粒中の任意の機能的材料は、材料の制御放出を提供するような様式で提供され得る。制御放出は、具体的には、以下のいずれかを示すことができる:所定の期間後に実質的に材料の全量(すなわち、「ボーラス」)が放出されるような遅延放出;所定の期間後に材料の放出が開始し、第2の所定の期間にわたって進行するような遅延放出(すなわち、「長期放出」);又は材料の放出が適用の実質的に直後に開始するが、放出が所定の期間にわたって進行するような計量放出。制御放出は、上記で考察されたカプセル化方法の使用によって達成され得る。制御放出は、代替的に又は追加的に、材料の「速放性」及び「徐放性」形態として構成される材料の選択によって達成され得る。さらに、制御放出の構成は、本明細書中に別途記載されるように、任意の材料に、任意の製品と共に、及び/又は中空コア顆粒の任意の使用と共に適用され得る。本明細書中で論じられる特定の製品は、その制御放出の形態に関して具体的に記載され得るが、これらの制御放出の特性は、そのような特徴が本明細書中の製品の別の考察に関して具体的に言及されるか否かにかかわらず、本明細書中に記載される任意の製品に適用され得ることが理解される。
【0059】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される中空コア構造の壁は、ゲル化材料から形成されてもよい。そのようなゲル化材料は、少なくとも1つの親水性長鎖ポリマー及び少なくとも1つの水源を含んでもよい。本明細書で有用な親水性長鎖ポリマーとしては、長鎖炭水化物(例えば、多糖類)及び種々のタンパク質を挙げることができる。親水性長鎖ポリマーは、好ましくは、(加温の有無にかかわらず)水和時に増粘してゲルを形成するように構成される。本開示による壁を形成する際に利用してもよい親水性長鎖ポリマーの非限定的な例としては、ゼラチン、ペクチン、カラギーナン、ジェランガム、グアーガム、ローカストビーンガム、アラビアガム、キサンタンガム、デンプン、メチルセルロース、寒天、コンニャク、アルギン酸塩、及びこれらの組合せ(単一成分、二成分、三成分、又は四成分ブレンドを含む)を挙げることができる。親水性長鎖ポリマーは、中空コア構造体の壁を形成するために使用されるゲル化材料の約0.1重量%~約20重量%、約1重量%~約15重量%、又は約2重量%~約10重量%含んでもよい。ゲル化材料は、そうでなければ、水源、特に脱イオン水を約80重量%~約99.9重量%、約85重量%~約99重量%、又は約90重量%~約98重量%含んでもよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、中空コア顆粒の壁は、脂質材料を含んでもよい。脂質基剤の非限定的な例としては、油、脂肪、及びそれを用いて形成された組成物が挙げられる。いくつかの実施形態では、特に食用脂肪を使用してもよい。親油性組成物の形成に使用するのに好適な脂質材料としては、植物源、動物源、ナッツ源、種子源等の1又は2以上に由来する脂肪及び油が挙げられる。好適な脂質材料は、優勢に又は完全に飽和されていてもよく、優勢に又は完全に不飽和であってもよく、又は水素化されていてもよい。好適な脂質材料の非限定的な例としては、以下のうちの1又は2以上に由来する脂肪及び/又は油が挙げられる:カカオ、ヤシ、ココナッツ、アーモンド、カシュー、ヘーゼルナッツ、マカデミアナッツ、ピーナツ、ペカン、ピスタチオ、クルミ、カボチャ種子、ゴマ種子、ダイズ、ナタネ、トウモロコシ、ベニバナ種子等。本明細書中に記載される組成物を調製する際に使用され得る脂質ベースの材料の具体的な非限定的な例としては、任意のカカオ濃度を有するチョコレート(例えば、ミルクチョコレート、ダークチョコレート、ホワイトチョコレート)、パーム脂肪、ココナツ脂肪、ピーナッツバター、ヘーゼルナッツ脂肪、植物油、乳脂肪、菓子脂肪(例えば、AAK、ABから入手可能なもの)等が挙げられる。そのような材料は、追加の成分、例えば、糖、塩、他の油等を含んでもよい。例えば、チョコレートは、糖、カカオバター、アルカリで加工処理されたカカオ、乳脂肪、ラクトース(例えば、乳由来)、大豆レシチン、乳化剤、バニリン、人工香味料、乳、及び/又は他の構成要素を含んでもよい。親油性組成物に利用される乳成分としては、牛乳、ヤギ乳等に由来する脂肪、タンパク質、及び/又は糖を挙げることができる。
【0061】
上述のように、1又は2以上の実施形態では、中空コア顆粒の壁は、バインダーの使用によって調製され、形成された壁は、バインダー材料の内容物を保持する。しかしながら、いくつかの実施形態では、実質的に全てのバインダーが、構造体の加工処理中に構造体から除去されてもよい。これは、特に、上述したような1又は2以上の壁形成材料が、バインダー材料の除去後であってもその粒子が結合したままであり得る性質のものである場合に生じ得る。特定の実施形態では、バインダーの少なくとも一部は、形成された中空コア顆粒の壁に保持される。例えば、形成された顆粒は、顆粒の壁に(例えば、壁形成材料の個別粒子間の間質空間の少なくとも一部に)保持されたバインダーを、顆粒の総重量に基づいて、約0.1重量%~約50重量%、約1重量%~約45重量%、約2重量%~約40重量%、又は約5重量%~約30重量%の量で含み得る。顆粒の残存する重量は、壁形成材料(複数可)単独で、又は顆粒に適用した任意のコーティングとの組合せで占められていてもよい。
【0062】
バインダー材料は、特に、中空コア顆粒を形成するための加工処理において使用するための特定のフォーマットで提供されてもよい。具体的には、加工処理装置に添加される場合、バインダーが粒状形態であることが有益である可能性がある。このようにして、壁形成材料粒子は、固体バインダーが加温によって軟化するにつれて、バインダー粒子の周りに凝集又は蓄積することができる。その後、バインダーが液化するにつれて、液体バインダーは、形成中の顆粒のコアから流出し、壁形成材料で形成される壁の中に流入する。この目的のために、バインダー粒子、シード、又は結晶が、約0.1mm~約5mm、約0.5mm~約4mm、又は約0.8mm~約3mmの範囲内の初期サイズを有することが特に有用である可能性がある。
【0063】
様々な材料をバインダーとして利用してもよい。いくつかの実施形態では、バインダーは、約50℃以下、約45℃以下、又は約40℃以下の温度で実質的に固体であり、そのような温度を超えると液体である材料であってもよい。特定の実施形態では、バインダーは、約10℃~約50℃、約15℃~約45℃、又は約20℃~約40℃の範囲内の温度で固体であるように適合又は構成されていてもよい。追加的に又は代替的に、バインダーは、約40℃~約95℃、約45℃~約90℃、又は約50℃~約90℃の範囲内の融点を有する材料であってもよい。バインダーはまた、バインダーが親水性であるか疎水性であるかに基づいて、本明細書中にさらに記載されるように、所定の用途のために選択されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、疎水性バインダー、例えば、パラフィン系炭化水素、オレフィン系炭化水素、ワックス、ビーワックス、又は前述の状態変化特性を呈する類似の材料を利用してもよい。疎水性ポリマーを同様に利用してもよい。好適な疎水性バインダーの非限定的な例としては、ワックス、パラフィン、ポリカプロラクトン、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、ポリプロピレンカーボネート、ポリ(テトラメチレンオキシド)、ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(トランス-ブタジエン)、熱可塑性ポリウレタン(例えば、カルボセイン(carbothane)TPU)、ステアリン酸等を挙げることができる。同様に、上記の1又は2以上の脂質材料を、疎水性バインダーとして利用してもよい。さらなる実施形態では、バインダーは、具体的には、親水性材料、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)であってもよい。好適なバインダーのさらなる例としては、様々なタイプのアルコール(例えば、ラウリル、セチル、ステアリル、及びオレイルアルコール)から誘導されるポリオキシエチレン脂肪エーテル等の材料が挙げられ、そのような材料は、Brij(商標)S100(ポリオキシエチレンステアリルエーテル)又はステアレス-100等の名称で入手可能である。そのようなポリオキシエチレン脂肪エーテルは、他の親水性バインダー、例えば、PEG材料よりも本質的に疎水性であるが、親水性バインダーとして有用であり得る。同様に、炭素鎖長がC10~C30の範囲内である脂肪酸がバインダーとして有用であり得、1つの例示的な実施形態はステアリン酸である。1又は2以上の実施形態では、バインダーは、中空コア構造体の壁を形成する際に使用される材料の融解温度よりも低い融解温度を有する材料であってもよい。このように、好適なバインダー材料は、実質的に高い融解温度、例えば、約90℃~約200℃、約100℃~約180℃、又は約110℃~約160℃の範囲内での融解温度を有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、プラスチック(例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、高密度ポリエチレン(HDPE)等)、熱可塑性物質、ラバー、及び類似の材料をバインダーとして利用してもよい。
【0064】
いくつかの実施形態では、バインダーは、液化形態のバインダーの粘度に特に関して選択されてもよい。液体粘度がより低いバインダーは、顆粒形成のため加工処理をより速くすることができ、一方、液体粘度がより高いバインダーは、顆粒形成のための加工処理により長い時間を要する。しかしながら、同様に、バインダーの液体粘度は、完成した顆粒の1又は2以上の特性に影響を及ぼし得る。例えば、液体粘度がより高いバインダーは、比較的強い顆粒をもたらすことができる。このように、バインダーの選択は、バインダーの液体粘度の要因となる可能性がある。いくつかの実施形態では、液体形態のバインダーの流動特性は、少なくとも部分的に、バインダーの分子量の選択によって制御されてもよい。例えば、PEG材料は、バインダーとして特に有用である可能性があり、種々のグレードのPEG材料は、材料の分子量に少なくとも部分的に基づいて選択することができる。種々の実施形態では、中空コア顆粒中のバインダーとして使用するのに好適なPEG材料は、特に、少なくとも400Da、少なくとも1000Da、少なくとも2000Da、又は少なくとも4000Daの分子量を有することができる。最大分子量は、例えば、50000Da以下、45000Da以下、又は40000Da以下とすることができる。より詳細には、PEG分子量は、約400Da~約34,000Daの範囲内とすることができる。特定の実施形態では、より低い範囲、例えば、約400Da~約15000Da、約500Da~約12000Da、又は約1000Da~約10000Daを使用してもよい。他の実施形態では、高い範囲、例えば、約8000Da~約34000Da、約10000Da~約30000Da、又は約12000Da~約25000Daを使用してもよい。
【0065】
分子量は、重量平均分子量(Mw)又は数平均分子量(Mn)として表現することができる。両表現は、高分子溶質含有溶液を、平均分子数(ni)及び各分子のモル質量(Mi)を有するものとして特徴付けることに基づいている。したがって、数平均分子量は下記式1で定義される。
【0066】
【0067】
重量平均分子量(分子量平均としても知られる)は、光散乱法を使用して直接測定することができ、下記式2で定義される。
【0068】
【0069】
分子量はまた、Z-平均モル重量(Mz)として表すことができ、計算は、モル重量が大きい分子をより重視して行われる。Z-平均モル重量は、下記式3で定義される。
【0070】
【0071】
特に断りのない限り、分子量(MW)は、本明細書中では重量平均分子量として表される。
【0072】
様々な固体の壁形成材料が、様々なバインダーと共に上に記載されているが、本開示は、本明細書中に記載されるような、及びそうでなければ本開示に照らして有用であると認識されるような、壁形成材料とバインダーとの全ての組合せを企図することが理解される。このように、本開示は、少なくとも1つの壁又は層が以下のいずれかを含む中空コア構造体を包含する:上記の少なくとも1つのバインダーに組み合わされた1又は2以上のタイプのクレイ(例えば、ベントナイト)の粒子;上記の少なくとも1つのバインダーに組み合わされたガラス粒子;上記の少なくとも1つのバインダーに組み合わされた1又は2以上のセラミックの粒子;上記の少なくとも1つのバインダーに組み合わされた1又は2以上のアルミナの粒子;上記の少なくとも1つのバインダーに組み合わされた1又は2以上のシリケートの粒子;上記の少なくとも1つのバインダーに組み合わされた1又は2以上のゼオライトの粒子;上記の少なくとも1つのバインダーに組み合わされたカーボン粒子;上記の少なくとも1つのバインダーに組み合わされた1又は2以上の金属の粒子;上記の少なくとも1つのバインダーに組み合わされた1又は2以上の塩(例えば、炭酸水素ナトリウム又は重曹、炭酸ナトリウム又はソーダ灰、又は塩化ナトリウム)の粒子;上記の少なくとも1つのバインダーに組み合わされた1又は2以上の洗浄組成物の粒子;上記の少なくとも1つのバインダーに組み合わされた1又は2以上の肥料の粒子;上記の少なくとも1つのバインダーに組み合わされた1又は2以上の有害生物駆除剤の粒子;上記の少なくとも1つのバインダーに組み合わされた1又は2以上の吸収剤及び/又は吸着剤の粒子;上記の少なくとも1つのバインダーに組み合わされた1又は2以上の脱臭剤及び/又は防臭剤の粒子;上記の少なくとも1つのバインダーに組み合わされた1又は2以上のブリーチ又はブリーチング剤の粒子;上記の少なくとも1つのバインダーに組み合わされた1又は2以上の酸化剤の粒子;上記の少なくとも1つのバインダーに組み合わされた1又は2以上の還元剤の粒子;上記の少なくとも1つのバインダーに組み合わされた1又は2以上のゲル化剤の粒子;上記の少なくとも1つのバインダーに組み合わされた1又は2以上のフィラーの粒子;並びに上記の少なくとも1つのバインダーに組み合わされた1又は2以上のキレート剤の粒子。当然ながら、本明細書中に記載される任意のタイプの材料は、単独で、又は所望の材料が固体形態ではない場合に固体と組み合わせて、壁形成材料として使用してもよいことが理解される。
【0073】
本明細書中でさらに論じられるように、壁形成材料の選択及び/又はバインダー材料の選択は、種々の特性を示すように中空コア顆粒をカスタマイズするのに有効であるとすることができる。いくつかの実施形態では、中空コア顆粒は、吸水能に関して定義され得る。これは、特に、中空コア顆粒が親水性であるように適切な壁形成材料及び/又はバインダーを含む中空コア顆粒に関して特徴的な特色であるとすることができる。例示的な実施形態では、中空コア顆粒は、中空コア顆粒が中空コア顆粒の初期重量の約5%~約80%、約10%~約70%、又は約15%~約60%である重量の水を吸収するような吸水能を有することができる。中空コア顆粒は、同様に、壁形成材料単独よりも高い吸水率を示し得る。例えば、中空コア顆粒は、中空コア顆粒を形成する際に使用される壁形成材料(すなわち、壁形成材料が、中空コア顆粒に組み込まれる前のその天然形態であるとき)の吸水率を約2%~約20%、約2%~約15%、又は約3%~約10%の量だけ超える吸水率を有し得る。
【0074】
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載される中空コア顆粒は、吸油能に関して定義され得る。これは、特に、中空コア顆粒が疎水性であるように適切な壁形成材料及び/又はバインダーを含む中空コア顆粒に関して特徴的な特性であるとすることができる。例示的な実施形態では、中空コア顆粒は、中空コア顆粒が中空コア顆粒の初期重量の約5%~約80%、約10%~約70%、又は約25%~約65%である重量の油を吸収するような吸油能を有することができる。中空コア顆粒は、同様に、壁形成材料単独よりも高い吸油率を示し得る。例えば、中空コア顆粒は、中空コア顆粒を形成する際に使用される壁形成材料(すなわち、壁形成材料が、中空コア顆粒に組み込まれる前のその天然形態であるとき)の吸油率を約5%~約50%、約10%~約40%、又は約15%~約35%の量だけ超える吸油率を有し得る。
【0075】
調製方法
【0076】
本開示による中空コア構造体は、様々な方法に従って調製してもよい。1又は2以上の実施形態では、実質的に中空のコアを有する構造体を調製するための方法は、本明細書中に記載されるバインダーを本明細書中に記載される壁形成材料の複数の固体粒子と組み合わせて混合物を形成することを含んでもよい。壁形成材料は、特に、バインダーに実質的に不溶であり、且つ、バインダーの融点よりも高い融点を有する材料であってもよい。上記で提供された固体の壁形成材料の例示的な実施形態及びバインダーの例示的な実施形態に照らして、そのような方法を実施するためにどのタイプの固体の壁形成材料をどのタイプのバインダーと組み合わせ得るのかが直ちに明らかになる。例示的な実施形態では、好適なバインダーは、約40℃~約95℃(又は上記のさらなる範囲)の融点を有する材料であってもよく、好適な固体粒子は、約60℃以上、約70℃以上、約80℃以上、約100℃以上、又は約110℃以上の融点を有する材料であってもよい。当然ながら、好適なバインダーは、バインダーが壁形成材料の融点よりも少なくとも5℃、少なくとも10℃、少なくとも15℃、又は少なくとも20℃だけ低い融点を有するように選択してもよいことが理解される。バインダー及び固体粒子は、バインダーの融点より低い温度、例えば室温又は周囲温度で組み合わせてわせてもよい。バインダー及び固体粒子は、実質的に均一な混合物を提供するために、本温度で特定の時間、例えば、約15秒~約180秒、約30秒~約150秒、又は約45秒~約120秒等にわたって混合してもよい。
【0077】
材料の組合せは、加温用の第2の容器へ移送するための第1の容器内にあってもよい。あるいは、このプロセスは、単一のユニット、例えば、流動床反応器で実施することができる。このように、流動化ガス、例えば、空気は、床を通って上方に流れて、混合をもたらし、任意に、混合物の加温及び/又は冷却をもたらすことができる。他のタイプの反応器も使用してよい。流動床反応器を使用する場合、バインダー材料の粒子を最初に流動床に添加し、続いて壁形成材料粒子を添加してもよい。
【0078】
バインダーと固体粒子との混合物を最大温度まで加温して、バインダーを融解させることができる。このように、最大温度は、バインダーの融点を上回り、且つ複数の固体粒子の融点を下回る温度とすることができる。そのような加温は、固体粒子の凝集体を形成するように適合又は構成することができる。いくつかの実施形態では、最大温度は、バインダーの融点を約5℃以上、約10℃以上、又は約20℃以上だけ超える温度であってもよい。バインダーは、代替的に、又は追加的に、壁形成材料に添加されるときに少なくとも部分的に流動化(例えば、融解)されてもよい。例えば、液体形態のバインダーは、例えば、実質的に微細なスプレー又はミスト形態で液体バインダーを提供するように適合又は構成されたアトマイザー又は類似ユニットによって、壁形成材料粒子の上に噴霧されてもよい。いくつかの実施形態では、壁形成材料の粒子よりも実質的に大きいバインダー粒子が利用される場合、インサイチュ(その場での)融解を利用することができる。具体的には、中空コア粒子は、壁形成材料粒子の融解バインダー粒子中への侵入及び続く層化によって形成されてもよい。しかしながら、好ましくは、材料は、壁形成材料粒子がバインダーのシード粒子又は結晶の周りに蓄積又は凝集するような好適な構成で供給され、その結果、加温が継続するにつれて、バインダーは、形成中の顆粒の中心から流れ出て、壁を形成する粒子の間質空間に入る。
【0079】
いくつかの実施形態では、加温は、指定された加温速度を利用して実施することができる。例えば、加熱は、約5℃/分~約25℃/分、約7℃/分~約22℃/分、又は約10℃/分~約20℃/分の速度で行われることが望ましいとすることができる。加温は、周囲温度で開始してもよく、最大温度に達するまで、言及した速度で加温してもよい。いくつかの実施形態では、最大温度は、所定の期間にわたって維持されてもよい。例えば、最大温度は、約30秒~約1時間、約30秒~約45分、又は約2分~約30分の時間にわたって維持されてもよい。添付の実施例に見て取れるように、最大加温温度での滞留時間は、壁厚、顆粒サイズ、及び形成された顆粒の壁に存在するバインダーのパーセンテージを含む、最終顆粒特性に影響を及ぼす可能性がある。
【0080】
いくつかの実施形態では、流動床反応器内の加工処理時間を制御して、調製される中空コア構造体の個別顆粒の平均サイズを調整することができる。加工処理時間はまた、他の特性、例えば、中空コア構造体の個別顆粒中の空洞のサイズ、顆粒全体の直径に対する空洞直径の比、及び顆粒のかさ密度を制御するために調整してもよい。いくつかの実施形態では、流動床反応器における加工処理時間は、1又は2以上の言及した特性を最大化するために、約10分~約20分の範囲内又は約12分~約18分の範囲内であるように調整することができる。より短い加工処理時間(例えば、約1分~約9分又は約3分~約7分)及び/又はより長い加工処理時間(例えば、約22分~約30分)を利用して、より低い値を得ることができる。加工処理時間は、液化バインダーの粘度に基づいて同様に調整してもよい。具体的には、粘度が高いほど長い滞留時間を必要とし得る、一方、粘度が低いほど短い滞留時間を必要とし得る。
【0081】
形成された、複数の固体粒子の凝集体を冷却して、各々が実質的に中空のコア(すなわち、内部空洞)を有する複数の顆粒を提供することができる。特に、これは、バインダーの融点より低い温度に冷却することを含むことができる。いくつかの実施形態では、固体粒子の実質的に急速な冷却、例えば、約5秒~約5分、約10秒~約3分、又は約15秒~約2分の時間内にバインダーの融点未満に冷却することをもたらすことが有益であるとすることができる。他の実施形態では、より長い冷却時間、例えば、約5分~約60分、約10分~約50分、約20分~約40分、又は約25分~約35分を利用してもよい。
【0082】
非限定的な例として、いくつかの実施形態では、本明細書中に記載される構造体の調製は、多段ミキサーで実施してもよい。例えば、第1段階のミキサーにおいて、壁形成材料粒子は、バインダーに組み合わされて、バインダーの結晶又は粒子(複数可)の周りに壁形成粒子の比較的薄いコーティングを効果的に形成し得る。混合は、壁形成の粒子がバインダーの周りに凝結し続ける間、又はそうでなければ結合して壁の厚さを増大させる間、継続してもよい。所望であれば、第1段階のミキサーからの粒子を第2段階のミキサーに通してもよく、そこで凝集又は粒子接着が壁の形成のために継続してもよい。所望の壁厚を有する構造体は、次いで、構造体からバインダーの一部又は実質的に全てを除去するために回転乾燥機(又は類似の構造体)に通して、所望の中空コア構成を有する構造体を残してもよい。そのような凝結のために、バインダー材料の選択を用いて、中空コア構造体の個別顆粒内の空洞のサイズを調整することができる。比較的小さい粒子又は結晶として存在する傾向があるバインダーは、したがって、比較的小さいコア直径を有する個別顆粒を形成するように選択することができ、比較的大きい粒子又は結晶として存在する傾向があるバインダーは、したがって、比較的大きいコア直径を有する個別顆粒を形成するように選択することができる。
【0083】
上記で論じたように、壁形成材料粒子は、最初にバインダー材料の粒子の周りに凝結し得るが、バインダー材料が液化するにつれて、バインダー材料は、形成中の顆粒のコアから流れ出て、壁形成材料粒子を蓄積することができる。形成中の及び/又は形成された顆粒の内部からのバインダーの排出ことにより、顆粒の内部空洞が生じる。バインダーの一部は、個別顆粒を形成する壁の内壁面19及び外壁面17の一方又は両方に残存してもよい。同様に、バインダーの一部は、先に論じたように、間質空間154に残存してもよい。非限定的な例として、本開示による実質的に中空のコアを有する形成された構造体は、中空コア構造体の壁に存在するバインダーの量が、顆粒の総重量に基づいて、約0.1重量%~約50重量%、約1重量%~約45重量%、約2重量%~約40重量%、又は約5重量%~約30重量%であるように構成されていてもよい。
【0084】
1又は2以上の実施形態では、実質的に中空のコアを有する構造体は、ゲル形成プロセスにおいて調製してもよい。そのようなプロセスは、ゲル又はヒドロゲルであり、主に水及びゲル形成剤を含む実質的に連続した相の外壁を有する中空コア構造体を形成するのに特に有用である可能性がある。そのような中空コア構造体は、形成されたまま利用してもよく、又はさらに処理して、例えば、ゲル壁を囲むさらなる外壁を形成してもよい。
【0085】
そのような実施形態による構造体を調製するための方法は、ゲル形成剤の水溶液を提供することを含むことができる。ゲル形成剤は、特に、本明細書中に別途記載されるように親水性長鎖ポリマーとすることができる。好ましくは、ゲル形成剤及び水は、溶液を形成するために、上昇温度にすることができるか、又はポリマー溶解を促進するような温度に特異的に加温することができる。例えば、ゲル形成剤の水溶液は、約50℃以上、約60℃以上、又は約70℃以上、例えば、約50℃~約95℃、約55℃~約90℃、又は約60℃~約85℃の温度にすることができる。溶液は、形成されたゲルの実質的に全てが溶解するまで(例えば、目視検査によって確認されるように)撹拌するか、又は上昇温度で単に放置してもよい。
【0086】
該方法は、ゲル形成剤(例えば、親水性長鎖ポリマー)の液滴を形成するように適合又は構成された様式で、溶液の流れを疎水性液体と接触させることをさらに含むことができる。接触は、様々な手段を介して行うことができる。例えば、溶液の流れ及び疎水性液体の流れは、この2つの流れが該溶液をゲル液滴に分離させるのに十分に物理的に接触し得るように、同時に注ぐことができる。いくつかの実施形態では、疎水性液体を容器に提供することができ、ゲル形成剤の水溶液を該容器に注ぐか、又はそうでなければ導入することができる。所望であれば、溶液は、疎水性液体との接触のために、実質的に液滴の形態又は比較的細い水流(stream)の形態で送達されてもよい。例えば、溶液は、望ましくは小さいサイズ、例えば、直径約0.01mm~約2mm、約0.05mm~約1.5mm、約0.1mm~約1.2mm、又は約0.2mm~約1mmの1又は複数の出口を含むシリンジポンプ又は類似のデバイスを通して送達されてもよい。
【0087】
溶液は、疎水性液体と組み合わせる前に少なくとも部分的に冷却されてもよく、及び/又は疎水性液体との接触によって冷却されてもよい。いくつかの実施形態では、予冷は除外してもよい。好ましくは、疎水性液体は、ゲル形成剤の溶液の温度よりも低い温度にある。例えば、疎水性液体は、約45℃以下、約40℃以下、又は約35℃以下(例えば、約5℃~約40℃、約5℃~約25℃、又は約5℃~約20℃)の温度にあってもよい。いくつかの実施形態では、疎水性液体は、冷蔵タンク又は類似の貯蔵ユニット内に提供されてもよい。
【0088】
任意に、方法は、ゲル液滴を疎水性液体から分離することを含んでもよい。材料の2つの流れを同時に接触させる場合、該分離は、形成工程の間に、例えば、ゲル液滴が捕捉されるように適切なサイズの篩等にかけながら該流れを組み合わせることによって行ってもよい。あるいは、溶液の流れが容器中の疎水性液体に添加される場合、疎水性液体と形成されたゲル液滴との混合物は、ゲル液滴を捕捉するために適切なサイズの篩等を通して加工処理されてもよい。いくつかの実施形態では、収集されたゲル液滴(又はビーズ)を疎水性液体タンクから移動させるために、コンベア又は類似の輸送システムを使用することができる。
【0089】
いくつかの実施形態では、実質的に清浄なゲル液滴を提供するために、例えば、石鹸を用いてゲル液滴の洗浄を行うことが有用であるとすることができる。これは、例えば、石鹸溶液でリンスすることによってか、ゲル液滴を石鹸溶液浴中に一時的に浸漬し、続いて実質的に純粋な水でリンスすることによってか、又は任意の類似の方法によって達成してもよい。これは、ゲル液滴上の残留疎水性液体がゲル液滴を実質的に疎水性にし、ゲル液滴の最終強度及び吸水特性を低下させる可能性があるので、有益であるとすることができる。石鹸等で洗浄することにより、実質的に清浄なゲル液滴を提供することができる。
【0090】
実質的に清浄なゲル液滴をコンディショニング剤で少なくとも部分的にコーティングして、コンディショニングされたゲル液滴を形成することが更に有用であるとすることができる。コンディショニング剤は、ゲル液滴が互いに接着するのを実質的に防止するように適合又は構成された任意の材料又は材料の組合せとすることができる。このように、コンディショニング剤は、流動助剤として機能してもよい。さらに、コンディショニング剤は、ゲル液滴上へのコーティング層/壁の接着を改善するのに有用な1又は複数の材料であってもよい。いくつかの実施形態では、コンディショニング剤は、不活性粉末と油との混合物であってもよい。例えば、タルカム粉末、粉末状デンプン(例えば、コーンスターチ、タピオカデンプン、アロールートデンプン、コメデンプン)、穀物粉(例えば、オート麦粉)、ヒュームドシリカ、沈降シリカ、粉砂糖、ケイ酸カルシウム、アルミノケイ酸ナトリウム、フェロシアン化ナトリウム、フェロシアン化カリウム、フェロシアン化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、セルロース粉末、骨リン酸塩、ケイ酸ナトリウム、二酸化ケイ素、三ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムカリウム、ベントナイト、ケイ酸アルミニウム、ステアリン酸、ポリジメチルシロキサン等を不活性粉末として利用してもよい。好適な油としては、シリコーン油、鉱油、ジメチコン等を挙げることができる。
【0091】
コンディショニング剤の添加は、ゲル液滴上へのコーティング層の後の添加に関して特に有用であり得る。例えば、特にクレイ材料は、コーティング層に形成されてもよく、これは、コンディショニングされたゲル液滴をクレイ粒子又は粉末状クレイ(又は本明細書中に既に記載された他の材料)と接触させることを含むことができる。コーティング層がゲル液滴に適用される場合、乾燥工程を実施することが有用であるとすることができる。例えば、コーティング層を有するゲル液滴は、周囲温度又は上昇温度で乾燥させてもよく、あるいは、強制空気乾燥を利用してもよい。いくつかの実施形態では、コーティング層を有するゲル液滴は、約90℃以上、約100℃以上、又は約110℃以上(例えば、約90℃~約150℃、約100℃~約140℃、又は約110℃~約130℃)の温度で乾燥させてもよい。好ましくは、上昇温度での乾燥は、コーティングが完了した後に実施してもよい。コーティングは、様々なコーティングユニット(例えば、プレート造粒機、ドラム造粒機等)を使用して実施してもよく、ここで、ゲル液滴は、コーティング材料と実質的に均一に混合してもよい。
【0092】
1又は2以上の実施形態では、本開示は、したがって、中空コア構造体を製造するための実質的に連続したプロセスを提供することができる。そのようなプロセスは、ヒドロゲルビーズ/液滴を形成すること、形成されたヒドロゲルビーズ/液滴を洗浄すること、及び粉末状又は粒状の固体コーティング材料を利用してヒドロゲルビーズ/液滴をコーティングすることを含むことができる。より詳細には、ビーズ/液滴を形成することは、ヒドロゲル溶液を、任意に冷蔵された疎水性液体と接触させることを含むことができ、これは、複数の出口を含むことができるシリンジポンプ又は類似の構成部材を通して貯蔵容器からヒドロゲル溶液を送達することを含むことができる。ビーズ/液滴は、疎水性液体中で実質的に自発的に形成してもよく、それらは、コンベヤシステム又は類似のユニットを介してそこから洗浄/リンス段階へと除去してもよい。洗浄/リンス段階では、ビーズ/液滴は、疎水性液体の残留層を有してもよく、この残留層は、例えば、噴霧され得るか又はそうでなければビーズ/液滴と接触され得る洗剤溶液との接触によって、ビーズ/液滴から実質的に又は完全に除去され得る。洗浄/リンスされたビーズ/液滴は、任意に、例えば、ヒーター及び/又は空気乾燥機を通過させることによって、少なくとも部分的に乾燥させてもよい。任意に少なくとも部分的に乾燥させた、洗浄/リンスされたビーズ/液滴は、任意に、上記で論じたようにプレコンディショニングしてもよい。このように、ビーズ/液滴は、好適なコンディショニング材料でスプレーコーティングしてもよく、又はそうでなければそれと接触させてもよい。洗浄/リンス及び任意のさらなる処理を受けたビーズ/液滴は、次いで、コーティングユニットを通過させてもよく、このコーティングユニットは、1又は複数の混合段階からなっていてもよく、ここにおいて、該ビーズ/液滴は、所望のコーティング厚に達するまで、粉末状又は粒状の固体コーティング材料と接触させられる。次いで、このようにコーティングされたビーズ/液滴は、熱及び/又は強制空気によって乾燥させるための乾燥ユニットを通過させることができる。乾燥させたビーズ/液滴は、使用の準備ができていてもよく、又は任意に、さらなるコーティング層、例えば、さらなるコンディショニング層及び/又はコーティング材料(例えば、ベントナイト粉末又は本明細書中に記載の他のコーティング材料)のさらなる層の添加のために1又2以上のさらなる混合ユニットを通過させてもよい。そのようなプロセスは、ビーズ/液滴が連続的に形成され、搬送システム又は類似の好適なシステムに沿って1つの加工処理ユニットから次の加工処理ユニットに輸送されて、完成した中空コア構造体を提供し得るという点で、実質的に連続的であってもよい。
【0093】
製品及び製造物品
【0094】
中空コア構造体/顆粒は、様々な製品を形成する際に利用することができる。そのような製品は、その機能的態様に関して、及び/又は本明細書中に記載の中空コア構造体としての製品の少なくとも1つの成分の構成から少なくとも部分的に生じるその物性に関して定義され得る。上記の製造方法は、様々な固体材料(例えば、化合物、ミネラル、及び多成分の混合物)を、その高密度形態(すなわち、内部空洞又は中空コアを有さない)で提供される場合の同じ材料と比較して改善した特性をもたらすことができる中空コア形態に構成することを可能にする。例えば、本明細書中に記載されるような中空コア形態で材料を提供することにより、増加した用途及び改善した性能、例えば、材料の重量又はかさ密度の減少、製品溶解度の改善、吸収特性及び/又は吸着特性の改善、成分放出の改善、固体顆粒の流動性の改善、又は類似の特性等を提供することができる。異なる材料の混合物に関して、混合物の単一成分を中空コア形態で提供し、したがって材料の混合物全体に改善した特性を付与してもよい。同様に、混合物の複数の成分又は全ての成分が中空コア形態で提供されてもよい。例えば、混合物は、中空コア顆粒として別々に構成された1又は2以上の成分(例えば、第1の成分が壁形成材料である中空コア顆粒の第1の群、及び第2の成分が壁形成材料である中空コア顆粒の第2の群、及び任意にそれより多くの、中空コア顆粒の群、該中空コア顆粒の群は混和されている)を含んでもよい。別の例として、混合物は、中空コア顆粒(例えば、2又は3以上の成分の全てが壁形成材料として使用される中空コア顆粒の群)として組み合わされた1又は2以上の成分を含んでもよい。さらなる例として、混合物は、前述のタイプの中空コア顆粒のいずれかと、中空コア顆粒形態ではない1又は2以上の成分とを含み得る。
【0095】
いくつかの実施形態では、中空コア構造体の形態で提供された製品は、非中空コアバージョンの材料に対して改善した溶解度を示すことができる。溶解の改善は、材料をサイズベースで比較した場合に特に明白であるとすることができる。所与の材料の複数の個別粒子を含む外壁を有する中空コア構造体として調製された顆粒は、顆粒の外壁に存在する材料の個別粒子よりもサイズが顕著に大きい。より大きな顆粒は、顆粒の壁を形成するより小さな粒子が個別に溶解するように、適切な溶媒の存在下で直ちに分解するように構成することができる。中空コア顆粒と実質的に同じサイズで存在する材料の完全に高密度な粒子は、溶媒が表面をゆっくりと浸透するにつれて、顕著にゆっくりと溶解する。したがって、材料の個別粒子の壁で形成された顆粒は、溶媒との相互作用のための顕著に大きな表面積を示すことになる。同様に、顆粒を形成する際に利用されるバインダーは、所望の溶媒中での溶解度について選択することができる。例えば、水性溶媒又は極性溶媒中での溶解が意図される固体材料に関して、親水性バインダー、例えば、種々のPEG材料を利用してもよく、そして該バインダーは、溶媒中での顆粒の急速な溶解に少なくとも部分的に関与する。同じように、非極性溶媒中での溶解が意図される固体物質に関して、疎水性バインダー、例えば、ワックス又は疎水性ポリマーを利用してもよく、そして該バインダーもやはり、溶媒中での顆粒の急速な溶解に少なくとも部分的に関与する。いくつかの実施形態では、本明細書中に記載される中空コア構造体を有する指定された重量の顆粒の実質的に完全な溶解までの時間は、完全に高密度な形態(すなわち、中空コア形態ではない)の同じ重量の同じ材料の実質的に完全な溶解までの時間よりも少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、又は少なくとも75%速くなる可能性がある。より詳細には、材料の中空コア形態は、同じ材料の非中空コア形態よりも約10%~約99%、約15%~約95%、約20%~約90%、又は約25%~約80%速い速度で実質的に溶解してもよい。
【0096】
バインダー材料で壁に結合した1又は2以上の材料の複数の粒子から形成されるものとして本明細書中に記載される中空コア構造体の性質は、制御放出組成物のための様々な選択肢を提供することができる。異なる材料は、材料の化学的及び/又は物理的性質に起因して、種々の溶媒及び溶媒温度において異なる溶解速度を有する。材料の特定された溶解速度に基づいて、本開示によれば、その壁が2又は3以上の異なる溶解速度を有する2又は3以上の異なる材料の粒子を含む中空コア構造体の顆粒を提供することが可能である。例えば、本明細書中でさらに論じられるように、本発明の中空コア構造体は、肥料製品において利用してもよい。肥料として有用な様々の化学製品及び化合物は、異なる溶解速度又は放出速度を示すことができる。特に、「速放性」肥料及び「徐放性」肥料が様々に知られている。放出速度の異なる肥料の組合せを提供することが望ましい場合、速放性肥料の粒子及び徐放性肥料の粒子を所望の比で組み合わせて、上記のような中空コア構造体の顆粒を調製するための壁形成成分として使用することができる。したがって、得られる肥料顆粒は、中空コアを囲む壁を有し、該壁は、設計された比で速放性肥料の粒子及び徐放性肥料の粒子を含む。施肥を必要とする現場に適用すると、速放性肥料の粒子は即時施肥を提供し、徐放性肥料の粒子は、その徐放性のために予想される時間にわたって残存する。同じ原理を、溶解及び/又は放出速度の異なる任意の数の固体材料に適用することができ、その結果、多くのタイプの制御放出顆粒を調製することができる。
【0097】
同じように、制御放出は、同じ固体材料の2又は3以上の異なる形態を使用することによって達成してもよい。例えば、所望の材料は、2又は3以上の異なる溶解速度又は放出速度を示す2又は3以上の異なる形態の粒子として提供されてもよい。異なる放出速度は、粒径、粒子純度、カプセル化層の存在、又は溶解若しくは放出速度に影響を及ぼすための他の認識された様式に関連し得る。例えば、第1のサイズの第1の粒子は、第1の溶解又は放出速度を有してもよく、第2の異なるサイズの第2の粒子は、第2の異なる溶解又は放出速度を有してもよい。さらなる例として、実質的に純粋である(すなわち、完全に単一の材料から形成されるか、又は微量の不純物のみを有する)第1のセットの粒子は、第1の溶解速度又は放出速度を示してもよく、第2のセットの粒子は、第2のセットの粒子が第1のセットの粒子とは異なる溶解速度又は放出速度を有するようにする量の添加物(例えば、不活性材料又は異なる溶解速度若しくは放出速度を有する異なる所望の材料)を含んでもよい。さらに別の例として、第1のセットの粒子は、コーティングされていない状態で提供されてもよく、同じ材料の第2のセットの粒子は、コーティングされた又はカプセル化された粒子が、コーティングされていない又はカプセル化されていない粒子と比較して遅延放出を示すように、コーティングを具備しているか又はカプセル化された形態で提供されてもよい。これら又は類似の状況は、2、3、4、又はさらに多くのセットの粒子に適用することができ、次いで、これらの粒子を所望の比で混合し、壁形成材料として使用して、中空コアを囲む壁が、2、3、4、又はさらに多くの異なる溶解速度又は放出速度を有する2、3、4、又はさらに多くのセットの粒子を含む顆粒を調製することができる。例えば、洗濯ケア用途では、洗浄液中に洗剤材料を即時放出させるが、ブリーチング材料、ブライトナー等を遅延放出させることが望ましい場合がある。そのような場合、即時放出のための洗濯成分は、未修飾形態で提供されてもよく、遅延放出のための洗濯成分は、カプセル化又はコーティングされた形態で提供されてもよく、次いで、異なる材料を混合し、壁形成材料として使用して、洗濯洗浄組成物の顆粒を調製してもよく、該洗濯洗浄組成物は、洗浄液に添加されると、そこから洗剤成分を即時放出する一方で、さらなる成分(すなわち、コーティング又はカプセル化された成分)の放出を遅延させる。
【0098】
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載されるような中空コア形態で材料を提供することは、製品性能を制限することなく低減された製品重量を提供するのに特に有益であるとすることができる。例えば、大量に販売されることが多い固体の粒状製品は、望ましくないほど高重量を示す場合があり、これは消費者にとって持ち運び及び操作に支障をきたすおそれがある。そのような製品を中空コア形態で提供することによって、所望の最終結果を達成するのに有効な体積で製品を提供しながら、総重量を低減することができ、したがって、同じ結果を達成するために消費者のコストが有効に増加するのを回避することができる。言い換えれば、製品の有効体積は、ほぼ同じ製品コストであるが、製品重量が低減された状態で、依然として実質的に同じ最終結果を提供することができる。
【0099】
例示的な実施形態では、全体重量のそのような所望の低減は、高密度な製品、例えば、クレイから少なくとも部分的に形成されることが多い動物リターの分野で特に適用することができる。クレイは、比較的安価で有効な液体吸収材料であるため、動物リターに使用されることが多い。しかしながら、クレイは比較的高密度であり、動物リター製品をかなり重くし、商業的に販売される量は、大型のリタートイレを充填するために30~40ポンドものクレイベースのリターを必要とする。したがって、本明細書中に記載されるような中空コア構造体を提供する能力は、顕著に低い重量及び更に改善した吸収特性を有する動物リターを形成するのに特に有用であるとすることができる。これは、クレイベースの中空コア構造体及び非クレイ中空コア構造体に拡張することができる。
【0100】
本明細書中に記載されるような中空コア形態で材料を提供することによる所与の材料の重量又は質量の低減は、実質的に純粋な製品の密度に基づいて変動する可能性がある。密度のより高い材料は、密度のより低い材料に比べ、中空コア形態で提供された場合、製品の質量又は重量をより大きく低減することができる。いくつかの実施形態では、指定された体積の本開示による中空コア形態で提供された材料は、その質量又は重量がその天然又は典型的な非中空コア形態で提供された場合の同じ体積の材料の質量又は重量よりも少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、又は少なくとも20%少ない可能性がある。特定の実施形態では、中空コアバージョンは、同じ体積の非中空コアバージョンの製品の質量又は重量よりも約5%~約60%、約7%~約40%、又は約10%~約35%少ない質量又は重量を有することができる。
【0101】
いくつかの実施形態では、中空コア構造体として形成された顆粒は、気体及び液体を吸収及び/又は吸着する改善した能力を示すことができる。このように、典型的な高密度形態で良好な吸収及び/又は吸着特性を示すことが以前から知られている材料は、中空コアの周りの壁として材料の粒子を構成することによってそのような特性を改善させることができる。同様に、それらの典型的な高密度形態で吸収及び/又は吸着特性を必ずしも示さない材料は、材料の粒子が中空コアの周りの壁として構成される場合、そのような目的のために利用することができる。理論に束縛されることを望むものではないが、吸収及び/又は吸着特性の改善は、少なくとも部分的には、材料の極めて多数のより小さい粒子をまとまって結合して中空コアを囲む壁とすることによって達成される多孔性の増加に起因して生じる可能性があると考えられている。同様に、シェル構造体中の多数の小粒子の組合せは、吸収及び/又は吸着目的に利用可能な表面積を顕著に増加させることができる。さらに、シェル構造体中におけるバインダーの添加は、同様に、固体の壁形成材料自体の粒子中に存在するそのような特性と相加的である吸収及び/又は吸着特性を提供することができる。そのような特性は、臭気吸収(すなわち、実質的に気体状態で存在し得る臭気原因化学物質の取り込み)及び液体吸収(例えば、溢流の清掃)における使用にまで及ぶ可能性がある。
【0102】
改善した吸収及び/又は吸着は、特に、同じ体積又は重量の気体又は液体が、その天然又は典型的な完全に密な形態の(すなわち、中空コア形態ではない)同じ材料と比較して、より少ない重量の中空コア顆粒によって吸収され得ることを示すことができる。例えば、本発明の中空コア構造体は、本明細書に記載の中空コア形態ではない場合の同じ重量の材料と比較して、(気体の体積に基づいて、又は液体の体積若しくは質量のいずれかに基づいて)少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、又は少なくとも75%大きい気体及び/又は液体の吸収を提供し得る。より詳細には、そのような改善は、約10%~約95%、約15%~約90%、約20%~約85%、又は約25%~約75%の範囲内であり得る。
【0103】
例示的な実施形態では、気体の吸収及び/又は吸着が改善され、脱臭剤として機能するように構成された(すなわち、臭気原因化合物を吸収、吸着、又はそうでなければトラップ、結合、及び/又は中和するように構成された)中空コア顆粒は、様々な壁形成材料、様々なバインダーを用いて調製することができ、任意選択の臭気中和剤を含むことができる。例えば、種々のクレイ(例えば、ベントナイト)、塩(例えば、炭酸水素ナトリウム)、カーボン材料(例えば、活性炭)、及び高多孔性材料(例えば、ゼオライト)は、臭気原因化合物を捕捉するのに有効である可能性があり、そのような材料の任意の1若しくは2以上、又は類似の有効性を示す他の材料は、中空コア顆粒のための壁形成材料として使用してもよい。好適なバインダーとしては、種々の分子量のPEG(例えば、PEG8000、PEG12000、及び/又はPEG35000)、飽和脂肪酸(例えば、ステアリン酸)、及びポリオキシエチレン脂肪エーテル(例えば、Brij(商標)S100)等の材料を挙げることができる。臭気中和剤は、壁形成材料として含まれ得る固体として提供されてもよく、固体の壁形成材料に組み合わされた液体であってもよく、バインダーとブレンドされている液体であってもよく、又は任意の他の好適な様式で中空コア顆粒中に含まれていてもよい。好適な臭気中和剤の一例は、ラウリルメタクリレートである。臭気マスキング剤も同様に利用してもよく、望ましくない臭気をマスクするのに十分な量で所望の臭気を送達することができる芳香剤等を包含することができる。
【0104】
臭気原因化学製品又は化合物を吸収、吸着、又は別の方法で結合することによって悪臭を軽減する、本明細書中に記載の中空コア顆粒の改善した能力は、本明細書中の実施例12に例証されている。具体的には、臭気制御剤として有効な材料が本開示による中空コア顆粒中の壁形成材料として使用される場合、中空コア形態の該材料は、その天然状態にある同材料に対して改善した機能性を示すことが示されている。例えば、臭気低減剤の中空コア形態は、臭気原因化学製品又は化合物の検出可能な濃度が、臭気原因化学製品又は化合物と臭気低減剤との所定の接触時間後に、少なくとも10%未満、少なくとも25%未満、少なくとも50%未満、少なくとも75%未満、又は少なくとも90%未満である可能性があるという点で、天然形態の臭気低減剤に対して改善した悪臭低減を示すことができる。実施例12の試験では、中空コア形態の臭気低減剤が、時間と共に増加する改善した悪臭低減を提供する継続的な能力が示された。このように、上記範囲について該当する期間は、1時間程度の短さであってもよく、100時間程度の長さであってもよい。
【0105】
さらなる例示的な実施形態では、液体の吸収及び/又は吸着が改善し、したがって、溢流の清掃又は類似用途のために機能するように構成することができる中空コア顆粒は、様々な壁形成材料、様々なバインダーを用いて調製することができ、所定の目的、例えば、有機物の分解を達成するための任意選択の添加物を含むことができる。例えば、種々のクレイ(例えば、ベントナイト)、カーボン材料(例えば、活性炭)、及び高多孔性材料(例えば、ゼオライト)は、種々の場所(陸上及び/又は水中)で水性及び/又は非水性液体を吸収するために有効である可能性があり、そのような材料の任意の1若しくは2以上、又は類似の有効性を示す他の材料は、中空コア顆粒のための壁形成材料として使用してもよい。好適なバインダーは、所望の用途に基づいて選択することができる。例えば、特定の実施形態では、バインダーは、炭化水素、例えば、種々の油を含む液体の吸収における陸上使用のための顆粒を調製するために特異的に選択することができる。そのような目的に好適なバインダーとしては、親水性材料、例えば、種々の分子量のPEG(例えば、PEG8000、PEG12000、及び/又はPEG35000)、飽和脂肪酸(例えば、ステアリン酸)、及びポリオキシエチレン脂肪エーテル(例えば、Brij(商標)S100)を挙げることができる。クレイ、例えば、ベントナイトは、そのような用途のための壁形成材料として特に有用であり得る。他の特定の実施形態では、バインダーは、水中用途、例えば、海洋の場における油溢流の清掃等のための顆粒を調製するために特異的に選択することができる。そのような目的に好適なバインダーとしては、疎水性材料、例えば、ワックス、パラフィン、ポリカプロラクトン、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、ポリプロピレンカーボネート、ポリ(テトラメチレンオキシド)ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(トランス-ブタジエン)、及び熱可塑性ポリウレタン(例えば、Carbothane TPU)を挙げることができる。ここでも、種々のクレイが、そのような用途における吸収性の壁形成材料として特に有用であり得る。炭化水素の分解に有効な、又はそうでなければ溢流した液体を改変して清掃しやすさを改善するのに有効な生物学的薬剤及び類似の材料が、中空コア顆粒とともに含まれていてもよい。壁形成材料として含まれ得る固体として提供されるそのような成分は、固体の壁形成材料に組み合わされた液体であってもよく、バインダーとブレンドされている液体であってもよく、又は任意の他の好適な様式で中空コア顆粒中に含まれていてもよい。
【0106】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の中空コア形態で所与の材料を提供する能力は、材料の加工処理及び使用に関して有益であるとすることができる。例えば、典型的には粒状形態で販売される多くの固体材料は、微粉(すなわち、材料の残量の平均サイズよりもサイズが顕著に小さいある特定の量の材料)の存在のために、取扱い中に顕著なダスティングを示す可能性がある。微粉は、製造プロセスに起因して、貯蔵及び/若しくは取扱い中の粒子の不可避の破砕に起因して、又は他の理由に起因して、大量の特定の材料に本質的に存在していてもよい。中空コア構造体の顆粒を形成する個別粒子が、バインダーの存在により個別顆粒のシェル/壁に保持されるので、本開示によるとダスティングの低減を達成することができる。微粒子は、顆粒の壁において及び/又は壁の1又は2以上の層においてまとまって結合又は接着されているので、そのような微粒子は、粒子の移動中に空中浮遊する可能性が低い。このように、固体材料の個別粒子がバインダーに組み合わされて中空コアを囲む1又は2以上の壁又はシェルを形成する中空コア構造体中の組成物を提供することにより、所与の量の材料に伴う粉塵の量を顕著に低減することができる。
【0107】
ダスティングの低減に加えて、中空コア顆粒の構造(すなわち、中空コアを囲む粒子及びバインダーの壁を有する)はまた、材料の流動性及び/又は注入性(pourability)の改善をもたらすことができる。中空コア構造体の個別顆粒は、バインダー粒子の周りの凝集によって形成されるので、個別顆粒は、サイズ及び形状の一方又は両方において実質的な程度の均一性を示すことができる。これは、顕著に広範囲の粒径及び/又は形状を有し得る、その典型的な高密度形態にある同じ材料の粒子に比べ、改善した外観をもたらすことができる。一方、本発明の中空コア構造体は、平均粒径が、例えば、メジアン粒径に対して20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、又は2%未満だけ変動し得るように、サイズの実質的な均一性を備えることができる。そのような均一性は、中空コア構造体が互いに沿って及び互いの周りをより容易に流れるように、個別顆粒が移動中に互いに相互作用する様式を改善することができる。
【0108】
いくつかの実施形態では、本開示による中空コア顆粒は、pH調整をもたらすように構成することができる。このように、中空コア顆粒は、実質的に酸性の材料又は現場(例えば、pHが7未満、6未満、5未満、4未満、又は3未満である)に添加して、該材料又は現場をより酸性でない、実質的に中性(例えば、pHが約6~約8又は約6.5~約7.5の範囲内である)、又は塩基性(例えば、pHが7を超える、8を超える、9を超える、10を超える、11を超える、又は12を超える)にするように構成することができる。あるいは、中空コア顆粒は、実質的に中性の材料又は現場に添加して、該材料又は現場を上記で規定したように実質的に酸性にするか、又は上記で規定したように実質的に塩基性にするように構成することができる。あるいは、中空コア顆粒は、上記のような実質的に塩基性の材料又は現場に添加して、該材料又は現場を、より塩基性でなくするか、上記で規定したように実質的に中性にするか、又は上記で規定したように実質的に酸性にするように構成することができる。pH調整のための構成は、壁形成材料として酸性成分を利用すること、壁形成材料として塩基性成分を使用すること、壁形成材料として緩衝剤を利用すること、又は壁形成材料として酸性成分、塩基性成分及び緩衝剤のいくつかの組合せを使用することによって、達成することができる。酸性成分としては、有機酸、例えば、シュウ酸、酒石酸、クエン酸、マレイン酸等を挙げることができ、これらは典型的には固体形態で入手可能である。周囲環境のpHを低下させるのに有効であるとすることができる溶解時にイオンを放出する能力に関して、種々の塩を同様に利用してもよい。塩基性成分としては、材料、例えば、種々の金属の酸化物及び溶解時にイオンを放出し、周囲環境のpHを上昇させるために有効であるとすることができる種々の塩、例えば、種々の炭酸塩、水酸化物等を挙げることができる。緩衝液は、例えば、局所環境において実質的に一貫したpHを維持するために適切なレベルで溶液中にイオンを放出する類似の材料の塩の混合物によって調製することができる。一旦、中空コア顆粒として提供されると、pH調整中空コア顆粒は、例えば、液体に添加することができ、そして急速な溶解を達成して、上記で言及したような様式でpHを調整することができる。
【0109】
前述に照らして、本開示は、本明細書中に記載の中空コア形態ではない場合の同じ材料(複数可)の典型的な形態に対する改善を含む、とても有用な特性を示すことができる多種多様な製品を包含することができることを見て取ることができる。これは、それらの塩形態で種々の製品において典型的に有用である多数の化学製品及び化合物に拡張することができる。多くの塩は、一般に周囲条件下において固体形態で作製されるか、又は天然に見出され、したがって、多種多様な塩を、本開示による中空コア顆粒中の壁形成材料として利用してもよい。本開示による中空コア顆粒の形態で提供することができる塩は、有機又は無機とすることができる。いくつかの実施形態では、中空コア顆粒としての調製に好適な塩としては、カチオン性基を有するもの、例えば、アルミニウム、アンモニウム、ビスマス、カルシウム、クロム、銅、ゲルマニウム、鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン、ニッケル、パラジウム、白金、カリウム、銀、ナトリウム、硫黄、スズ、チタン、タングステン、バナジウム、亜鉛、及びジルコニウムを挙げることができる。さらなる実施形態では、中空コア顆粒としての調製に好適な塩としては、アニオン性基を有するもの、例えば、アセテート、アルミン酸塩、硫酸アンモニウム、安息香酸塩、ホウ化物、炭酸水素塩、臭素酸塩、臭化物、カーバイド、炭酸塩、塩化物、クロム酸塩、フェライト、フッ化物、水素化物、水酸化物、ヨウ素酸塩、ヨウ化物、乳酸塩、マンガン酸塩、硝酸塩、窒化物、シュウ酸塩、酸化物、過塩素酸塩、リン酸塩、リン化物、シリケート、ケイ化物、ステアリン酸塩、硫酸塩、硫化物、チタン酸塩、タングステン酸塩、バナジン酸塩、及びジルコン酸塩を挙げることができる。中空コア顆粒に利用することができる具体的な塩の非限定的な例としては、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、過炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム過酸化物、塩化カリウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム等が挙げられる。
【0110】
化合物、例えば塩の中空コア構造体の形態である場合に驚くほど改善した特性を示す能力は、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)又は重曹の例示的な実施形態に関して示すことができる。炭酸水素ナトリウムには多種多様な用途があることが知られており、その1つの例は、臭気原因化合物、例えば、硫黄化合物を吸収する材料の能力を考慮した脱臭剤としての用途である。本明細書中でさらに記載されるように、炭酸水素ナトリウムの粒子は、バインダー、例えば、PEG、パラフィン、又は他のバインダーに組み合わされて、顆粒を形成することができ、ここで、中空コアは、炭酸水素ナトリウム及び該特定のバインダーを含む1又は2以上の壁/シェルによって囲まれている。得られた中空コア炭酸水素ナトリウムの顆粒は、材料が単に粉末として又はより大きなサイズの固体塊で提供される既知の形態の炭酸水素ナトリウムよりも改善した臭気吸収特性を提供することができる。したがって、中空コア炭酸水素ナトリウムの顆粒は、冷蔵庫、ごみ箱、ゴミ入れ、ペットリターボックス等を含む様々な環境で使用するための脱臭気剤として特に有用であるとすることができる。これは、以下の実施例12に示されており、ここで、中空コア形態の炭酸水素ナトリウムは、アンモニア及び硫黄等の物質に関して改善した悪臭低減を示すことが示された。
【0111】
したがって、中空コア炭酸水素ナトリウムは、実質的に純粋な化合物の例示的な実施形態であり、かかる実質的に純粋な化合物はバインダーと組み合わされて中空コア顆粒を形成するように改変することによって、改善した使用のためにアップグレードすることができる。このように、中空コア炭酸水素ナトリウムの顆粒は、シェル/壁が中空コアを囲むように、顆粒がバインダーを有するシェル/壁中に炭酸水素ナトリウムの粒子を含むという点で、炭酸水素ナトリウムの典型的な形態とは異なる。バインダーは、炭酸水素ナトリウムの所望の使用に関して実質的に不活性であってもよいが、いくつかの実施形態では、バインダーは、意図した使用を補完し、したがって、炭酸水素ナトリウム自体に相加的効果をもたらすように選択されてもよい。中空コア炭酸水素ナトリウムはまた、既に上記で論じたような改善した特性、例えば、改善した吸収及び/又は吸着、改善した溶解、低減した重量、並びに他の特性に関して、典型的な形態の炭酸水素ナトリウムとは異なる。
【0112】
中空コア構造体のための壁形成材料として炭酸水素ナトリウムが使用される例示的な実施形態から見て取れるように、本開示によれば、壁形成材料の有用性及び有効性をスタンドアロン型製品として改善することができるように、該壁形成材料をより高次のフォーマットに構築することが可能である。しかしながら、そのような改善は炭酸水素ナトリウムに限定されず、本明細書中に記される他の壁形成材料も同様に、材料をその天然フォーマット(すなわち、典型的な完全に密な形態の固体材料)から、該材料の粒子が中空コアを囲むバインダーと共に壁に配置される壁をつけたフォーマットに再構築することによって利益を得ることができる。同様に、そのような改善は、スタンドアロン型製品としての用途に限定されない。むしろ、中空コアフォーマットを有する顆粒にアップグレードした個別材料、例えば、炭酸水素ナトリウムは、他のタイプの製品を規定する種々の混合物及び組成物の成分として使用することができる。
【0113】
例えば、中空コア炭酸水素ナトリウムの顆粒を例にとると、そのようなアップグレードされた形態の材料は、多数の有用な製品の構成要素として利用することができる。現在、炭酸水素ナトリウムは、その典型的な完全に密な形態で、他の調合物、例えば洗濯洗剤、食器用洗剤、カーペットクリーナー/脱臭剤、動物リター、及びパーソナルケア製品、例えばデオドラント/制汗剤、及びデンタルケアアイテム(例えば練り歯磨き)に使用されている。したがって、そのような製品のいずれか1又は2以上は、その典型的な形態にある炭酸水素ナトリウムを本開示による中空コアの炭酸水素ナトリウム顆粒で置き換えることによって改変及び改善してもよい。次いで、そのように改変した組成物は、少なくとも中空コアの炭酸水素ナトリウム顆粒の改善した機能的態様から生じる改善を示すことができる。当然ながら、炭酸水素ナトリウムは例示的な実施形態として利用され、改善した製品を提供する能力は、中空コアの炭酸水素ナトリウム顆粒の用途に限定されず、そのような改善は、その成分として炭酸水素ナトリウムを含んでも含まなくてもよい化学製品、化合物、及び複雑な混合物及び組成物のアップグレードを通して達成され得ることが理解される。
【0114】
多種多様な材料を壁形成材料として使用してもよいので、本発明の中空コア顆粒は、多種多様な製品として構成することができる。本開示の中空コア顆粒を部分的に又は全体的に含んでもよい製品の非限定的な例としては、洗浄組成物(例えば、洗濯洗剤、食器用洗剤、ファブリッククリーナー、ファブリック脱臭剤、研磨クリーナー、歯垢除去組成物、消毒剤等)、洗浄組成物添加物(例えば、ステインリムーバー、ホワイトナー、ブライトナー、ブリーチ、セントブースター等)、吸収剤、吸着剤、脱臭剤、消臭剤、臭気マスキング製品、肥料、有害生物駆除剤、動物リター、動物リター添加物、並びに他の消費者製品及び/又は工業製品が挙げられる。前述のもののうちのいずれかは、上記で参照されるような機能的材料であってもよく、また、所望の機能を付与するために他の製品に添加することができる、及び/又は相加的結果を達成するために必要に応じて他の製品と組み合わせることができるスタンドアロン型製品として提供されてもよいという点において、添加物と称してもよい。
【0115】
1又は2以上の実施形態では、中空コア顆粒として提供するのに好適な製品は、洗剤/クリーナーとして、及び/又は洗剤/クリーナーと組み合わせるのに有用な添加物として有効な1又は2以上の化学製品、化合物、又は材料の混合物を含むことができる。多くの洗浄剤製品は、固体形態で、典型的には粉末又は他の粒状形態として提供される。そのような組成物の一般的な例としては、ファブリックケアアイテム(例えば、洗濯機で使用するための洗濯洗剤、室内装飾品クリーナー、ブライトナー、ホワイトナー、ステインリムーバー、セントブースター等)及び食器用洗剤が挙げられる。本開示によれば、既存の洗浄組成物は、混合物の1又は2以上の個別成分が中空コア形態で存在し得るアップグレードしたフォーマットに再設計してもよい。例えば、そのような調合物中の炭酸水素ナトリウムは、炭酸水素ナトリウムの中空コア顆粒で置き換えられてもよい。洗浄組成物の他の単体の成分は、代替的に又は追加的に、中空コアバージョンの成分で置き換えられてもよい。他の実施形態では、組成物全体が中空コア顆粒の形態になるように、粉末状製品全体を改変してもよい。粉末状洗浄組成物は、実質的に均一な粉末又は他の粒状形態にブレンドされる成分の混合物であってもよい。粉末状形態で利用するのではなく、混合物全体を壁形成材料として利用し、好適なバインダーと混合して、洗浄組成物全体の個別粒子が、中空コアフォーマットを有する形成された顆粒の1又は2以上の壁においてバインダーと凝集するようにしてもよい。あるいは、中空コアフォーマットを有する顆粒は、2又は3以上の壁/シェルを有するように調製してもよい。そのような実施形態では、洗浄組成物の第1の部分は、第1の内部シェル又は壁として存在してもよく、該洗浄組成物の第2の(又はそれ以上の)部分は、内部シェルの外部の第2の(又はそれ以上の)壁又はシェルに存在してもよい。より詳細には、洗浄組成物の1又は2以上の成分は、第1の内部シェル又は壁として存在してもよく、該洗浄組成物の第2の(又はそれ以上の)成分は、内部シェルの外部の第2の(又はそれ以上の)壁又はシェルに存在してもよい。このようにして、クリーナーの個別成分の時限放出を提供してもよい。例えば、食器洗浄組成物中の1又は2以上の外側シェルは、洗浄機能を提供してもよく、該組成物の1又は2以上の内部シェルは、食器洗浄サイクルの後の部分でより望ましい酵素機能又は異なる機能を提供してもよい。このようにして、単一の組成物に、該組成物の異なる成分の時限放出を提供することができる。類似の効果は、他の組成物、例えば、洗濯洗浄組成物において層を形成することによって達成することができる。時限放出を提供することに加えて、中空コアフォーマットの組成物の提供により、さらなる利益を提供することができる。例えば、粉末状洗濯洗剤及び類似の調合物の再設計は、例えば、全体の製品重量を低減する、溶解度を改善する(したがって、清浄にした物品に洗剤が残留する可能性を低減する)等のために望ましい場合がある。
【0116】
本開示による洗浄組成物は、実質的に本開示による中空コア顆粒のみを含んでもよい。中空コア顆粒は、壁形成材料としての洗浄適用先が1又は2以上である化学製品、化合物等を含んでもよく、該壁形成材料はまた、任意に、洗浄機能を必ずしも提供しない1又は2以上の担体、フィラー、不活性材料等を含んでもよい。したがって、実質的に中空コア顆粒のみを含む洗浄組成物は、設計された用途(例えば、洗濯洗剤、食器用洗剤等)のための実質的に完全な調合物として構成されてもよく、又は実質的に中空コア顆粒のみを含む洗浄組成物は、所望の最終用途のための別の組成物に添加することができる添加物(例えば、ブリーチ、ブライトナー、ホワイトナー、ステインリムーバー、脱臭剤等)として構成されてもよい。本開示による洗浄組成物は、非中空コア成分と組み合わせて中空コア顆粒を含んでもよい。例えば、洗浄組成物は、成分の混合物として提供されてもよく、成分のうちの1又は2以上は、中空コア形態で提供されてもよいが、残存する成分のうちの1又は2以上は、非中空コア形態で提供されてもよい。
【0117】
前述のことから明らかなように、本開示による洗浄組成物は、洗浄組成物全体を規定する材料の組み合わせであってもよく、又は洗浄剤製品のための添加物として提供される、より特化した製品であってもよい。その非限定的な例としては、添加物、例えば、ブライトナー、ノンブリーチホワイトナー(酸化材料を含む)、セントブースター、酵素、脱臭剤、ステインリムーバー、及び洗浄剤製品に有用な他の材料が挙げられる。さらに、既に先に言及したように、中空コアフォーマットで組成物を提供する能力は、液体又は半固体成分にも同様に拡張することができる。特に、1又は2以上の液体又は半固体成分は、洗浄組成物の固体成分中若しくは固体成分上に、又は洗浄液中に無害に溶解して除去され得る不活性担体上に、吸収、吸着、又は包埋され得る。
【0118】
いくつかの実施形態では、本開示による洗浄剤製品又は組成物は、ファブリッククリーナー又はファブリック洗浄組成物であってもよい。ファブリッククリーナーは、少なくとも織物又はファブリック、例えば、衣類、室内装飾品、カーペット、ラグ、寝具(例えば、シーツ、ブランケット、羽毛布団、ベッドカバー、キルト、マットレス等)、タペストリー等と共に使用するように構成された任意の製品とすることができる。
【0119】
ファブリッククリーナーは、具体的には洗濯洗剤であってもよい。そのような組成物は、ポリマー、界面活性剤、ビルダー、脱臭剤、酵素、酸化剤、ブリーチング成分、塩、香料等を含む多数の成分を含むことが知られている。塩、例えば、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等が特に洗濯洗剤に含まれてもよい。好適なポリマーの例示的な実施形態としては、種々の分子量のポリエチレングリコール(PEG)ポリマーが挙げられる。好適な界面活性剤の例示的な実施形態としては、アニオン性、非イオン性、双性イオン性、両性、カチオン性、及びこれらの組合せを挙げることができる。洗濯洗剤の一例は、C12~15エトキシル化アルコール、ラウレス硫酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ジスチリルビフェニルジスルホン酸二ナトリウム、変性アクリル酸コポリマー、プロテアーゼ酵素/アミラーゼ酵素、炭酸ナトリウム過酸化物、塩化カリウム、及び香料を含む。そのような組成物は、固体(例えば、粉末状)フォーマットで提供されてもよく、固体洗剤粒子を壁形成材料として使用して、洗濯洗剤を中空コア顆粒として提供することができる。いくつかの実施形態では、本開示による製品は、洗濯洗剤が中空コア顆粒と洗濯洗剤組成物中で有効な1又は2以上のさらなる成分との混合物を含むように、本明細書中に記載の方法によって調製した洗濯洗剤とすることができる。さらなる実施形態では、本開示による製品は、少なくとも1つの壁形成材料の複数の個別粒子が洗濯洗剤組成物の粒子を含むように調製された中空コア顆粒を洗濯洗剤が含むように、本明細書中に記載の方法によって調製した洗濯洗剤とすることができる。
【0120】
ファブリッククリーナーはまた、設計された効果を提供するためにより特化した形態で提供されてもよい。ファブリック洗浄、特に洗濯ケアにおいて添加物として使用することができる製品を設計するために、種々の機能的調合物が可能である。そのような添加物調合物の例示的な実施形態としては、セントブースター、ステインリムーバー、ブライトナー、ホワイトナー、ブリーチ等が挙げられる。セントブースターの一例としては、塩化ナトリウムビルダー、香料、炭酸水素ナトリウムビルダー、水和シリカ加工処理助剤、オレイン酸ソルビタン界面活性剤、及び着色料が挙げられる。そのような組成物は、固体(例えば、粉末状)フォーマットで提供されてもよく、固体粒子を壁形成材料として使用して、セントブースター調合物を中空コア顆粒として提供することができる。ステインリムーバーの一例としては、炭酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、C12~15直鎖アルコールエトキシレート、香料、及びブルーソルト(blue salt)が挙げられる。そのような組成物は、固体(例えば、粉末状)フォーマットで提供されてもよく、固体粒子を壁形成材料として使用して、ステインリムーバー調合物を中空コア顆粒として提供することができる。ファブリックケアのための他の添加物調合物も同様に、中空コア顆粒として製品を提供するために調合することができる。
【0121】
粉末状組成物が中空コア粒子の形態で提供され得る食器用洗剤も同様に調合することができる。任意の既知の固体食器用洗剤をそのように調合してもよい。更に、食器用洗剤の個別成分は、添加物として提供され得るか又はそうでなければ、中空コアフォーマットではない食器用洗剤の他の成分と混和され得る中空コア顆粒として個別に調合されてもよい。
【0122】
他のタイプの家事用クリーナーもまた、そのような再設計の対象となり得る。例えば、ファブリックケアの分野では、カーペットクリーナー又は他の室内装飾品クリーナーは、粉末状形態で提供されることが多く、そのような組成物は、本明細書中に記載の中空コアフォーマットに再設計することによって改善することができる。例えば、炭酸水素ナトリウムは、臭気を除去するとともに洗浄効果を提供するためにカーペットクリーナーに使用してもよく、中空コア顆粒の壁形成材料として炭酸水素ナトリウムを提供することは、そのようなフォーマットによって改善した吸収及び/又は吸着が提供されるので、最終用途における活性を改善するのに有効であるとすることができる。そのようなクリーナーの他の成分は、追加的に又は代替的に、中空コアフォーマットの製品に含まれてもよい。同様に、カーペット又は室内装飾品洗浄組成物の全体は、清浄にする材料に適用することができる中空コア顆粒として提供されてもよい。適用した顆粒は、適切な時間に真空にされるか、又はそうでなければ除去されてもよく、又はいくつかの実施形態では、中空コア顆粒は、中空コア顆粒のより微細な粉末状形態への分解を達成するように、外力(例えば、歩行又は機械の使用)を通して作用させてもよい。そのような機械的作用は、例えば、カーペット等の真空化によって組成物を除去する前に洗浄効果を改善すること、臭気除去を改善すること等に有効であるとすることができる。
【0123】
いくつかの実施形態では、中空コア顆粒は、外力の適用時に分解するように特に構成され得る。外力は、摩擦、ワイピング、スクラビング、又は表面の洗浄中に典型的に加えられる他の物理的圧力であってもよい。より具体的には、外力の適用中、中空コア顆粒は、壁形成材料粒子の個別の群を含む複数の部分に壊れるように構成することができる。言い換えれば、顆粒全体は、元の顆粒のサイズよりも小さいが壁形成材料の個別粒子のサイズよりも大きいサイズを有する複数のサブユニットに壊れるが、これは、複数の粒子が、複数のサブユニットの各々において依然として凝集されているためである。しかしながら、力の適用中、個別粒子が複数のサブユニットと共に解放されることもあり得る。力のさらなる適用又は継続した適用の間、複数のサブユニットは、さらにより小さいサブユニット及び/又は壁形成材料の個別粒子にさらに分解することができる。
【0124】
上記で論じたように洗浄剤製品と同じように、中空コア構造体の有用性は、特に研磨剤タイプのクリーナーにまで拡張することができる。本明細書で使用される研磨剤タイプのクリーナーは、スクラビング作用によって表面から堆積物を物理的に除去する固体粒子の機械的作用に少なくとも部分的によって洗浄が達成されるクリーナーを意味することが意図される。そのようなクリーナーは、清浄にする表面に沿って粒子を機械的にスクラビングすることに加えて、洗浄力によって洗浄を達成することもできる。本明細書で論じられるように、中空コア構造体の顆粒は、より小さい壁形成材料粒子で形成された少なくとも1つの壁を有する。壁形成材料が研磨剤タイプのクリーナーとして有効である場合、それから形成される中空コア顆粒は、「粗い」研磨性の表面を提供することができる比較的大きな粒子として存在することができ、機械的スクラビング作用は、中空コア顆粒をより微細な粒子へと徐々に分解させることができる。その結果は、表面からの材料のバルク除去のために低グリットの粗い表面を最初に使用し、その後、平滑化のためにより高いグリットの表面を使用する、表面のサンディングと類似している。中空コア構造体の顆粒は、同じように、残留物及び蓄積物のバルク除去のための低グリットの粗い研磨剤として機能することができ、顆粒がより微細な壁形成粒子に分解するにつれて、そのような粒子は、より微量の該残留物及び蓄積物を除去するためのより優れた洗浄効果を提供するためのより高いグリットの研磨剤として機能する。さらに、バインダー材料は、中空コア顆粒がどの程度容易に破砕するかを制御するように、中空コア顆粒がどの程度迅速に溶媒に溶解するかを制御するように、また、相加的なクレンジング効果を提供するように選択することができる。加えて、中空コアフォーマットは、研磨剤洗浄の有効性として触覚フィードバックをユーザーに付与することができる。より大きい中空コア顆粒は、より微細な壁形成粒子の触感とは著しく異なる振動を付与する。同様に、中空コア顆粒は、応力、例えば、洗浄時の圧力の適用の下で破砕するように構成することができるので、顆粒のより微細な壁形成粒子への破壊はまた、洗浄作用がどのように進行しているかの触知覚を提供する。したがって、中空コア顆粒は、首尾よくより小さいサイズの粒子に分解して、異なるサイズの壁形成粒子、無傷の中空コア顆粒、及び顆粒壁が分解するときの顆粒壁の中間サイズの区分によって提供される洗浄能力の差に起因する層状スカーリングの有効性を提供するように構成することができる。
【0125】
上記で言及した研磨クリーナーと類似して、本開示の中空コア顆粒は、同様に、ポリッシング剤として使用され得る。特に、壁形成材料及びバインダーの一方又は両方は、ポリッシング属性を提供するように選択することができる。同様に、壁形成材料粒子は、ポリッシング中の材料を過度に引っ掻いたり傷つけたりすることなくポリッシング効果を達成するために必要とされる所望のレベルの研磨性を提供するようにサイズを選択してもよい。その他の点では、中空コアポリッシング顆粒は、上記の研磨剤洗浄顆粒と機能的に類似していてもよい。
【0126】
いくつかの実施形態では、本開示の中空コア顆粒は、パーソナルケア物品に利用することができる。特定の例は、デオドラント/制汗剤の領域にある。さらなる例としては、剥脱用製品を挙げることができ、ここで、中空コア顆粒は、最初のより大きな顆粒サイズにおいて比較的粗いレベルの剥脱を提供し、そして中空コア顆粒が、サイズが顕著により小さい個別の壁形成粒子に分解するにつれて、連続的により平滑なレベルの剥脱を提供することができる。そのような適用におけるバインダー材料は、顆粒が分解するときに及び/又は顆粒が水に溶解するときに、追加のスキンクレンジング効果を提供するように及び/又は皮膚に潤滑効果を提供するようにカスタマイズすることができる。
【0127】
デンタルケア製品は、中空コア顆粒の利用によって改善を示すことができる製品のさらなる例である。より詳細には、本明細書中に記載される中空コア顆粒は、練り歯磨き組成物を形成する際に利用してもよい。練り歯磨き組成物の個別成分の1又は2以上は、歯垢除去に使用されるペースト、ゲル、又は類似の組成物全体に組み込まれる中空コア顆粒として提供されてもよい。例えば、炭酸水素ナトリウムは練り歯磨き組成物中の一般的な構成要素であり、炭酸水素ナトリウムは中空コア顆粒として該組成物中に存在してもよい。同様に、多くの歯垢除去組成物は少なくとも穏やかな研磨剤粒子を利用するので、そのような粒子は、壁形成材料の少なくとも1つとして中空コア顆粒に組み込まれてもよい。さらに、バインダー材料はまた、壁形成材料の活性を改善するように、及び/又はブラッシング中の急速な展開のために壁形成材料の溶解を改善するように選択されてもよい。あるいは、歯垢除去組成物全体を中空コア構造体として再設計してもよく、これを次いで基材又は担体材料と組み合わせてペースト、ゲル等を形成することができる。
【0128】
中空コア顆粒の使用により、新しい歯垢除去調合物を提供することもできる。例えば、中空コア顆粒を歯垢除去ゲル又はペーストに組み込むのではなく、中空コア顆粒は、歯垢除去組成物の実質的に全体を含んでいてもよい。例示的な実施形態では、完全な又は実質的に完全な歯垢除去組成物を壁形成材料として利用することができ、その結果、形成された中空コア顆粒は、歯垢除去のために口内に注ぐことができる「練り歯磨きビット(toothpaste bits)」として有効である。同じように、複数の中空コア歯垢除去顆粒は、錠剤形態又は類似の形態に組み合わされてもよく、その結果、単一の「錠剤」を歯垢除去のために口内に挿入してもよい。より詳細には、練り歯磨きビット又は練り歯磨き錠剤は、口内に挿入されると、咀嚼されてよく、その結果、研磨剤粒子がユーザーの歯及び/又は歯肉からデブリ及び他の物質を除去する。ここでも、バインダー材料の選択は、歯垢除去顆粒をより容易に分解させるか、又はより長く持続させるのに有効であり得、その結果、有効な使用時間をカスタマイズしてもよい。さらに、バインダーは、バインダーが歯及び/又は歯肉からデブリ又は他の物質を除去するのに少なくとも部分的に有効であるように、歯垢除去特性を提供するのに有効であり得る。他の研磨性洗浄用の中空コア顆粒と同様に、歯垢除去中空コア顆粒は、中空コア構造体が首尾よくより微細なサイズの粒子に分解するにつれて、様々なレベルの洗浄効力を提供することができる。
【0129】
クリーナー、洗剤、及び類似の製品は、わずかな構成要素のみを有する実質的に「単純な」製品として調製されてもよく、そのような成分に使用される比較的わずかな成分のうちの1又は2以上は、中空コアフォーマットで存在してもよく、又は製品を規定する組成物の実質的に全体が、中空コアフォーマットで存在してもよい。そのようなタイプの製品の他のものは、多数の成分を含むことに関して比較的複雑であり得る。ここでも、成分のいずれか1又は2以上が中空コア形態であってもよく、又は実質的に組成物全体が中空コア形態であってもよい。しかしながら、いくつかのタイプの組成物では、その主要成分のみが中空コア形態であることがより典型的であり得る。このように、主要成分のみが、中空コア形態であることに関して本明細書で考察され得る。しかしながら、多くの消費者製品は、多種多様なクラスの材料を含んでもよく、動物リター、洗濯製品、食器洗浄製品、パーソナルケア物品等を含む、本開示に包含される任意の製品又は製造物品に利用してもよい任意のさらなる成分が、本明細書中に記載の中空コア形態のそのような製品又は製造物品に含まれてもよいことが理解される。したがって、以下の添加物のいずれかを、その成分が典型的に使用されると理解される任意の製品又は製造物品において使用してもよいことが明示的に意図される:フィラー、バインダー、保存剤、香料、塩(例えば、炭酸塩、炭酸水素塩、塩化物等)、蛍光剤(例えば、ブライトナー及び/又はホワイトナー)、消毒剤、酵素、抗菌剤、酸化剤、デオドラント、pH調整剤、染料、着色剤等。
【0130】
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の中空コア顆粒は、経口摂取用の栄養補助剤を形成するのに有用であるとすることができる。これにより、物品が咀嚼可能であるように構成されているか、又は全体を嚥下するように構成されているかにかかわらず、改善した特性を提供するために、多種多様な形態の栄養補助剤を提供することができる。後者のフォーマットに関して、多くの栄養補助剤は、ビタミン(複数可)、ミネラル(複数可)、繊維、プロバイオティクス、酵素、アミノ酸、タンパク質、又は種々の栄養補助剤中に典型的に見出される他の補助的薬剤(複数可)の放出不良に悩まされる。これは、丸剤又は錠剤形態全体の不十分な溶解度から生じることが多い。しかしながら、上記で論じたように、本開示による中空コア構造体は、壁形成材料として使用される顕著に小さい粒子に急速に分解する壁の能力のために、及びバインダー自体が接触溶媒中に直ちに溶解するように、溶解が実施される環境に対してバインダーをカスタマイズする能力のために、改善した溶解度を示すことができる。小さい壁形成粒子によってはるかに大きい表面積が与えられるために、より大きい中空コア顆粒の個別壁形成粒子への急速な分解により、ユーザーの消化器系における栄養補助剤(複数可)の急速な放出及び迅速な取込みを提供することができる。さらに、中空コアフォーマットは、時限放出のための種々の成分の組合せを可能にすることができる。本明細書中で別途論じられるように、コーティング、カプセル化、及び他の方法を採用して、遅延放出形態又は持続放出形態の1又は2以上の壁形成材料のある特定の量の個別粒子を提供することができる。したがって、栄養補助剤の中空コア顆粒が摂取されると、壁形成粒子として使用される栄養補助剤の少なくとも一部は、実質的に即時放出(所望の場合)を提供することができ、壁形成粒子として使用される栄養補助剤の少なくとも一部は、遅延及び/又は持続放出(所望の場合)を提供することができる。同じように、全ての栄養補助剤が胃で直ちに吸収されるわけではなく、及び/又は胃で部分的又は完全に分解される場合があるので、本開示は、胃の高酸性環境に耐えるが、必要な吸収のために小腸で放出される、コーティング又はカプセル化された形態で栄養補助剤粒子の少なくとも一部を提供することを可能にする。したがって、異なるフォーマットで異なる栄養成分を提供する能力により、栄養材料が中空コア顆粒の壁形成材料として存在した大いにカスタマイズ可能な栄養補助剤組成物が可能となる。
【0131】
栄養補助剤と類似して、中空コア顆粒は、経口摂取用に構成された他のパーソナルケア製品として構成することができる。例えば、緩下薬、制酸薬、及び類似の材料を中空コア顆粒に使用してもよい。PEGといった材料は、緩下剤として機能することが知られており、中空コア顆粒を、実質的に不活性であり得、緩下剤又は便軟化剤としても構成され得るか、又は繊維補助剤である、制酸薬(例えば、炭酸水素ナトリウム)等であるといった追加の利益を提供し得る、壁形成材料用のPEGバインダーを使用して調製してもよい。
【0132】
一部のユーザーは、丸剤、錠剤、カプセル剤等を嚥下することが困難であり得るので、本発明の中空コア顆粒は、栄養補助剤が咀嚼可能なフォーマットであるように構成することができる。具体的には、栄養材料は、ここでも中空コア顆粒の壁形成材料として使用してもよいが、該顆粒は、該補助剤が依然として容易に摂取されながら、好都合な形態(例えば、液体投与量に対する固体投与量)で提供することができるようにユーザーの口内での咀嚼し易いように及び/又は急速に溶解するように構成することができる。さらに、様々な添加物を栄養補助剤と組み合わせて、嗜好性の高い構成の中空コア顆粒を提供することができる。例えば、甘味料、香味料、又は他の摂取可能な材料を、そうではなく苦味、酸味等があり得る栄養成分が添加物によってマスクされ得るように壁形成材料の一部として使用してもよい。さらに、バインダーの少なくとも一部は、同様に、栄養補助剤自体に伴う任意の不快な味をマスクするために、嗜好性の高い品質を付与するように構成してもよい。ビタミン(複数可)、ミネラル(複数可)、繊維、プロバイオティクス、酵素、アミノ酸、タンパク質、又は種々の栄養補助剤中に典型的に見出される他の補助的薬剤(複数可)を含む栄養補助剤は、バルクフォーマットで提供することができ、中空コア顆粒の質量又は体積は、その中に含まれる該補助剤(複数可)の1日推奨投与量又は他の投与量を送達するために摂取すべき中空コア顆粒の量についての投与指示を備えている。代替的に、予め投与された量の中空コア顆粒は、中空コア顆粒がブロック、ウエハー、又はそこから該中空コア顆粒を放出するためにユーザーが噛んでもよい類似の単位フォーマットとして一緒に保持されるように、例えば、結合剤の使用によって単一のユニットに組み合わせることができる。
【0133】
栄養補助剤の例示的な実施形態は、ビタミンD補助剤であり、これは、デキストレート、微結晶性セルロース、ステアリン酸マグネシウム、カモミール粉末状抽出物、香味料、及びビタミンDを含む。これらの成分は、調合され、次いで、本明細書中に記載の中空コア顆粒中の壁形成材料として使用することができる。任意の栄養補助剤を、中空コアフォーマットの補助剤の調製のために同じように調合することができる。
【0134】
いくつかの実施形態では、本発明の中空コア構造体は、動物リターを形成するのに特に有用であるとすることができる。本明細書中で前述したように、クレイは、その比較的低いコスト及び液体吸収に対する特に良好な有効性のために、動物リター製品の主要成分であることが多い。しかしながら、クレイは比較的高密度であり、動物リター製品をかなり重くし、商業的に販売される量は、大型のリタートイレを充填するために30~40ポンドものクレイベースのリターを必要とする。しかしながら、クレイは、より小さいクレイ粒子及びバインダーを含む壁を有する中空コア顆粒としてクレイを生成するための壁形成材料としての使用に特に適っている可能性がある。したがって、得られた中空コアクレイ顆粒は、顕著に低い重量及びさらに改善した吸収特性を有する動物リターを形成するのに特に有用であるとすることができる。これは、中空コアクレイ顆粒及び異なる壁形成材料から形成された中空コア顆粒を有する動物リターに拡張することができる。
【0135】
したがって、本開示は、中空コア顆粒の形態でその少なくとも1つの成分を含み、且つ組成物全体の重量の低減を含むがこれに限定されない改善した特性を示すことができる動物リター組成物を提供することができる。中空コア顆粒は、動物リター組成物の総重量に基づいて、規定量、例えば、約1重量%以上の量で動物リター中に存在することができる。さらなる実施形態では、1又は2以上のタイプの中空コア顆粒は、組成物の総重量に基づいて、約1重量%~約95重量%、約2重量%~約75重量%、約3重量%~約60重量%、又は約5重量%~約50重量%の(互いに独立した)量で動物リター組成物中に存在してもよい。いくつかの実施形態では、中空コア顆粒として存在する材料は、動物リター組成物の総重量に基づいて、比較的低い濃度、例えば、約1重量%~約10重量%、約1.25重量%~約7.5重量%、又は約1.5重量%~約5重量%で存在してもよい。これは、例えば、脱臭気成分、香料、又は動物リター中に典型的に存在する他の成分として有用であり得る炭酸水素ナトリウムといった構成要素に関する場合であり得る。さらなる実施形態では、中空コア顆粒として存在する材料は、動物リター組成物の総重量に基づいて、比較的高い濃度、例えば、約10重量%~約90重量%、約20重量%~約85重量%、又は約25重量%~約75重量%で存在してもよい。これは、例えば、液体吸収剤(例えば、クレイ)、フィラー等の構成要素に関する場合であり得る。他の実施形態では、動物リター中の中空コア顆粒は、中空コアバージョンが同じ材料の非中空コアバージョンよりも顕著に軽いと予想されるので、材料の体積比に関して定義され得る。例えば、動物リター中の中空コア顆粒の総含有量は、動物リター組成物の総体積に基づいて、約5体積%~約98体積%、約10体積%~約95体積%、約20体積%~約90体積%、又は約30体積%~約80体積%の範囲内であってもよい。既に上述の他の濃度範囲を、体積基準で利用してもよい。これは、低濃度成分及び/又は高濃度成分を含むことができる。
【0136】
動物リターは、様々な成分を含んでもよく、本開示による動物リター組成物は、以下の成分のうちの1つを中空コア顆粒の形態で含んでもよいことが理解される。同様に、本発明の動物リター組成物は、以下の成分のうちの2つ、3つ、4つ、又は更に多くを任意の組合せで中空コア顆粒の形態で含んでもよい。動物リターに使用してもよく、中空コア顆粒の形態で存在してもよい成分のタイプの非限定的な例としては、液体吸収剤、フィラー、凝集剤(又は凝集強化材料)、バインダー、保存剤、例えば、殺生物剤(例えば、ベンズイソチアゾリノン、メチルイソチアゾロン)、除塵剤、香料、炭酸水素塩、及びこれらの組合せが挙げられる。
【0137】
本発明の動物リター組成物に使用するのに好適なフィラーとしては、非吸収性の、不溶性基材とすることができるか、又は吸収性の基材とすることができる様々な材料を挙げることができる。1又は2以上の実施形態では、有用なフィラーとしては、吸収性基材、例えば、非凝集性クレイを挙げることができる。有用な非凝集性クレイの非限定的な例としては、アタパルジャイト、フラー土、カルシウムベントナイト、パリゴルスカイト、セピオライト、カオリナイト、イライト、ハロイサイト、ホルマイト、バーミキュライト、又はこれらの混合物が挙げられる。本開示による好適なフィラーはまた、様々な非吸収性の、不溶性基材、例えば、非粘土物質等を含むことができる。使用することができる非クレイ材料の非限定的な例としては、ゼオライト、砕石(例えば、ドロマイト及び石灰石)、石膏、砂、方解石、再生廃棄物材料、及びシリカが挙げられる。例として、動物リター組成物は、動物リター組成物の総重量に基づいてか、又は動物リター組成物の総体積に基づいた体積で、約0重量%~約75重量%、約10重量%~約70重量%、約25重量%~約65重量%、又は約40重量%~約60重量%の1又は2以上のフィラーを含むことができる。そのようなフィラーは、典型的な非中空コアフォーマットで存在してもよく、又は中空コア顆粒として存在してもよく、又は中空コア顆粒のための壁形成材料として使用される複数の成分の1つとして存在してもよい。
【0138】
好適な凝集剤の説明は、Millerらの米国特許第8,720,375号に提供されており、本開示は参照により本明細書に組み込まれる。有用な凝集剤は、リター顆粒の微細なサイズの粒子の互いへの接着、及び濡れたときに凝集物を形成する粒子の接着を促進するのに好適な材料である。好ましくは、凝集剤は、動物の尿といった液体に曝されたときにゲル化凝集物の形成を可能にする。凝集剤は、動物リターのさらなる成分との混和物(例えば、粒子形態)で提供されてもよい。いくつかの実施形態では、凝集剤は、動物リターを形成する他の成分の少なくとも一部の上のコーティングとして(例えば、フィラー材料の少なくとも一部の上のコーティングとして)提供することができる。そのようなコーティングは、任意の公知の方法、例えば、噴霧によって提供され得る。所望であれば、既に上述したように、中空コア構造体上の外層/壁として凝集剤を提供してもよい。例えば、凝集剤を、クレイ壁及び/又は炭酸水素ナトリウム壁を有する中空コア構造体上にコーティングしてもよい。凝集剤としての使用に好適な材料の非限定的な例としては、天然起源のポリマー、半合成ポリマー、及びシーラントが挙げられる。天然起源の凝集剤の例示的な実施形態としては、コーンスターチを含む種々のデンプン、様々なガム、例えば、アラビアガム、カラヤガム、トラガントガム、ガッチゴム、グアーガム、及びキサンタンガム、及びアルギン酸塩、カラギーナン、ペクチン、デキストラン、ゼラチン、グルテン、プランタゴ(Plantago)科の乾燥植物、ポリビニルアルコール、ポリビニルエステル、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルオキサゾリドン、ポリビニルメチルオキサゾリドン、コポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。半合成ポリマーの例示的な実施形態としては、セルロースエーテル(例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース又はこれらの混合物)、及びグアーガム誘導体が挙げられる。動物リター組成物中に存在する任意の凝集剤の量は、組成物全体に基づいて変動する可能性がある。例えば、より多量の非吸収性フィラーが使用される場合、より多量の凝集剤を含むことが有用であるとすることができる。いくつかの実施形態では、凝集剤は、リター組成物の総重量に基づいて、又はリター組成物の総体積に基づいた体積で、0.1重量%~約6重量%、約0.2重量%~約5.5重量%、約0.3重量%~約5重量%、又は約0.5重量%~約4重量%の総量で存在することができる。
【0139】
1又は2以上のバインダー、保存剤、除塵剤、香料、炭酸水素塩等が含まれる範囲で、そのような材料は、動物リター組成物の総重量に基づいて、最大約5重量%、最大約2重量%、最大約1重量%、又は最大約0.5重量%、例えば、約0.01重量%~約5重量%、~約4重量%、~約3重量%、~約2重量%、又は~約1重量%の任意の量で独立して存在し得る。あるいは、そのような量は、リター組成物の総体積に基づく体積によるものであってもよい。さらに、そのような材料の任意の1又は2以上は、本発明の動物リター組成物から明示的に除外されていてもよいことが理解される。
【0140】
いくつかの実施形態では、本開示による製品は、動物リターが中空コア顆粒と動物リター組成物に有効な1又は2以上のさらなる成分との混合物を含むように、本明細書に記載される方法によって調製された動物リターとすることができる。さらなる実施形態では、本開示による製品は、動物リターが、少なくとも1つの壁形成材料の複数の個別粒子がクレイの粒子又は炭酸水素ナトリウムの粒子を含むように調製された中空コア顆粒を含むように、本明細書中に記載の方法によって調製した動物リターとすることができる。
【0141】
リター組成物に加えて、本開示は、ネコリターと共に使用され得る様々な添加物に更に拡張することができる。例えば、種々の臭気マスキング剤又は脱臭剤は、固体形態で利用可能であり得、そしてそのような材料は、本明細書中に記載される中空コア顆粒の形態で提供され得る。中空コア顆粒の形態で提供され得るリター添加物の非限定的な例としては、脱臭剤、凝集剤、除塵剤、香料、臭気マスキング剤等が挙げられる。ペットリターにおいて有用な任意の1又は2以上の材料は、中空コア顆粒の形態で個別に又は一緒に調合してもよい。
【0142】
本明細書で既に論じたように、中空コア顆粒は、肥料組成物において特に有用であるとすることができる。肥料は、典型的には、窒素、リン、カリウム、又は植物の健康に必要な他のミネラル、例えば、いわゆる微量栄養素(例えば、ホウ素、塩素、銅、鉄、マンガン、モリブデン、及び亜鉛)を提供する組成物として認識されている。肥料は、特に窒素源とすることができ、窒素源の例としては、窒素を、以下のうちの1又は2以上として提供することができる材料を挙げることができる:アミド、例えば、尿素、尿素硝酸アンモニウム(UAM)、又はポリマーカプセル化尿素;アンモニウム化合物、例えば、炭酸水素アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム等;並びに硝酸塩、例えば、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、及び硝酸アンモニウム。肥料は特にリン源とすることができ、リン源の例としては、リンをその元素形態又はリン酸塩で提供し得る材料を挙げることができる。肥料は特にカリウム源とすることができ、カリウム源の例としては、カリウムを元素形態又は塩形態で提供することができる材料、例えばカリを挙げることができる。肥料は、特に微量栄養素源とすることができ、微量栄養素源の例としては、上記で言及したような微量栄養素又はそうでなければこのように許容される微量栄養素を提供する材料を挙げることができる。本明細書で使用される肥料の群に収まると考えられ得る他の材料は、土壌のpHを調整するために一般的に使用される材料を含むことができる。土壌のpHを上昇させるための材料としては、石灰を挙げることができ、石灰は、より詳細には、炭酸カルシウム、又は方解石石灰石、又はドロマイト質石灰石(炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムとの組合せである)として存在することができる。土壌のpHを低減させるための材料としては、硫黄又は硫黄含有ミネラル若しくは硫黄含有化合物が挙げられる。
【0143】
肥料としての使用に好適な任意の1又は2以上の材料が、本明細書中に記載される中空コア顆粒のための壁形成材料として使用されてもよい。したがって、固体形態で利用可能な肥料材料は、中空コア顆粒における1又は2以上の壁/シェルを区画する比較的小さい粒子として提供されてもよい。使用現場に送達されると、肥料粒子は、土壌中での溶解のために比較的大きな顆粒から放出され得る。液体形態で利用可能な肥料材料は、液体肥料がそれによって同伴するように、吸収性又は吸着性材料の粒子、例えば、クレイと組み合わされてもよい。次いで、組み合わされた材料の粒子を使用して、肥料の中空コア顆粒を調製してもよい。使用現場に送達されると、肥料は担体粒子から放出されてもよく、残存するクレイ粒子は、土壌又は他の送達現場に害なく組み込まれてもよい。
【0144】
肥料として有用な様々の化学製品及び化合物は、異なる溶解速度又は放出速度を示すことができる。特に、「速放性」肥料及び「徐放性」肥料が様々に知られている。放出速度の異なる肥料の組合せを提供することが望ましい場合、速放性肥料の粒子及び徐放性肥料の粒子を所望の比で組み合わせて、上記のような中空コア構造体の顆粒を調製するための壁形成成分として使用することができる。したがって、得られる肥料顆粒は、中空コアを囲む壁を有し、該壁は、設計された比で速放性肥料の粒子及び徐放性肥料の粒子を含む。施肥を必要とする現場に適用すると、速放性肥料の粒子は即時施肥を提供し、徐放性肥料の粒子は、その徐放性のために予想される時間にわたって残存する。同じ原理を、溶解及び/又は放出速度の異なる任意の数の固体材料に適用することができ、その結果、多くのタイプの制御放出顆粒を調製することができる。あるいは、放出速度の異なる肥料を、別個の中空コア顆粒で提供してもよい。次いで、別個の中空コア顆粒を使用時に所望の比で組み合わせることができる。
【0145】
いくつかの実施形態では、肥料の制御放出は、特に、既に上述したようなカプセル化方法の使用によって達成してもよい。例えば、特定の肥料は、カプセル化材料の溶解、分解等の後にのみ肥料材料が放出されるように、マイクロカプセル化された形態又は他のカプセル化された形態で提供してもよい。カプセル化された肥料粒子は、壁形成材料として(単独で、又は急速放出及び/又は制御放出形態の他の肥料粒子と組み合わせて)使用して、制御放出を示す中空コア肥料顆粒を提供してもよい。コーティング技術はまた、壁形成材料として液体成分を提供するための手段として利用してもよい。一例として、ポリマーカプセル化尿素の粒子は、バインダーと組み合わせて中空コア肥料顆粒を調製することができる壁形成材料として使用してもよい。さらなる実施形態では、制御放出は、バインダー材料の選択によって達成してもよい。例えば、バインダーは、中空コア顆粒の壁における肥料粒子がバインダーの溶解時にのみ放出されるように、特定の溶解度に基づいて選択してもよい。同様に、中空コア肥料顆粒は、そこからの1又は2以上の肥料成分の放出を制御するために、異なる特性を有する複数の壁、シェル、コーティング等を備えていてもよい。異なる壁、シェル、コーティング等は、特定の条件下でのみ、その肥料成分を放出してもよく、及び/又は複数の壁、シェル、コーティング等の溶解/分解に基づいて制御放出が達成され得るように、異なる溶解特性を示してもよい。これは、多段階放出肥料又は制御放出肥料として特徴付けることができる。
【0146】
肥料組成物は、様々な方法によって使用現場に適用してもよい。固体肥料組成物は、時間をかけて溶解することによって肥料成分を放出させるために、土壌に直接適用してもよい。しかしながら、他の肥料組成物は、好ましくは、溶媒と混和し、次いで、送達現場に噴霧してもよい。本明細書中に記載の中空コアフォーマットを利用することによって提供される改善した溶解速度は、そのような用途に有益であるとすることができる。特に、固体の中空コア肥料顆粒は、バルクで提供してもよく、次いで、所望の質量又は体積の固体の中空コア肥料顆粒は、適用の直前にタンク噴霧器又は類似の装置に添加することができる。中空コアフォーマットは、材料の溶解時間を顕著に短縮することができるので、中空コア肥料顆粒は、使用サイトでの適用のためのタンク噴霧器又は類似の装置内で、顕著な遅延なしに急速に溶解することができる。したがって、中空コア顆粒は、大規模農業等において特に有用であるとすることができる。同様に、中空コアフォーマットは材料の重量を顕著に低減させるので、これにより肥料の適用のし易さをさらに改善することができる。
【0147】
中空コア顆粒の急速な溶解はまた、環境的な安全性のために有利であるとすることができる。肥料の流出は、水路(例えば、川、小川、池、又は更には汚水排水)への通過に起因して問題となる可能性がある。肥料粒子は、粒子が実質的に分解又は溶解していない場合、大雨によってそのような水路へと容易に洗い流されることができる。中空コアフォーマットは、溶解及び/又は分解を顕著に早めることができるので、肥料のための中空コアフォーマットの使用は、そのような潜在的な問題を低減することができる。添付の実施例に見て取れるように、壁形成材料としてベントナイトを使用し、バインダーとしてPEG8000を使用して形成された中空コア肥料顆粒は、数秒で水に溶解することが示されている。これは、好都合に貯蔵及び輸送され(固体対液体)、より取り扱い易く(例えば、重量が低減されている)、水と接触すると急速に溶解して肥料成分を放出する形態の中空コア肥料顆粒を提供する本開示による能力を例証する。
【0148】
例示的な実施形態では、中空コア肥料顆粒は、様々な壁形成材料及び様々なバインダーを用いて調製することができる。例えば、種々のクレイ(例えば、ベントナイト)、塩(例えば、炭酸水素ナトリウム、硫酸マグネシウム等)、及び類似の材料が、顆粒に含まれ得る任意の特定の固体肥料材料と共に、壁形成材料として有用であるとすることができる。クレイは、そのような成分が様々なタイプの肥料を効果的に結合し、肥料を土壌中に放出し、次いで不活性添加物として土壌中に残存することができるので、特に有用である。ポリマーカプセル化肥料を特に利用することができ、カプセル化された尿素及びカプセル化されたリン酸塩が例示的な実施形態である。好適なバインダーとしては、親水性材料、例えば、種々の分子量のPEG(例えば、PEG8000、PEG12000、及び/又はPEG35000)、又は顆粒の分解及びそこからの肥料材料の放出のために土壌中に直ちに溶解する類似の材料を挙げることができる。
【0149】
環境での適用に望ましい場合がある他のタイプの材料も同様に、中空コアフォーマットで提供することから利益を得る場合がある。有害生物駆除剤は、例えば、有害生物、昆虫等の防除のために構成された多種多様な化学製品、化合物等を含むことができる。有害生物駆除剤の群は、例えば、殺藻剤、抗菌剤、生物有害生物駆除剤、消毒剤、殺真菌剤、除草剤、殺虫剤、殺ダニ剤、軟体動物駆除剤、殺卵剤、忌避剤、殺鼠剤等を含むことができる。したがって、本明細書における「有害生物駆除剤」との用語の使用は、望ましくない種(有害生物、昆虫、雑草等)の防除に有用な材料の上記の例示的な実施形態のいずれかを指すものとして理解され得る。多くのそのような材料は、一般に、スプレッダーでの適用又は手での適用のための粒子形態で販売されている。有害生物駆除剤は、改善した性能が適用後の湿潤によって達成されるように設計してもよい。これは、活性成分が土壌又は他の適用点に確実に分散されるようにするため、及び/又は活性成分とヒト、ペット、又は野生動物との接触を制限するために必要であるとすることができる。さらに、潜在的に危険な化学製品の水路への不必要な流出を防止するために、分散及び土壌接触のための湿潤が必要であるとすることができる。
【0150】
有害生物駆除剤として有効な任意の化学製品、化合物、又は類似の材料を、本開示による中空コア顆粒を形成する際に利用してもよい。有害生物駆除剤は、具体的には、有害生物駆除剤活性を示すものとしての以前の認識に照らして、活性剤であるとみなされてもよい。本開示に従って使用してもよく、有害生物駆除剤活性剤であるとみなされてもよい有害生物駆除剤の非限定的な例には、ビフェントリン、アセフェート、カルバリル、シフルトリン、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸、トリフルラリン、クロルピリホス、アレトリン、シペルメトリン、ジスルホトン、2,6-ジクロロベンゾニトリル、メトラクロール、シハロスリン、ヒドラメチルノン、アトラジン、クロロタロニル、ミクロブタニル、ジカンバ、アザジラクチン、キャプタン、ダイアジノン、カルボフラン、メトミル、デルタメトリン、プロピコナゾール、ボレート、ジノテフラン、ジチオピル、イソキサベン、プロジアミン、キンクロラック、セトキシジム、リン酸鉄(III)、マンコゼブ、チオファネートメチル、エスフェンバレレート、テブコナゾール、レスメトリン、グリホサート、マラチオン、ペルメトリン、イミダクロプリド、フィプロニル、アバメクチン、スピノサド、トリクロピル、ピペロニルブトキシド、ペンジメタリン、オリザリン、及びオキサジアゾンが含まれる。
【0151】
肥料に関して既に上記で論じたのと類似の方法で、任意の1又は2以上の有害生物駆除剤を中空コア顆粒中で利用してもよい。特に、1又は2以上の有害生物駆除剤を、本明細書中に記載の中空コア顆粒のための壁形成材料として使用してもよい。したがって、固体形態で利用可能な有害生物駆除剤は、1又は2以上のバインダーとの組合せを介して、中空コア顆粒における1又は2以上の壁/シェルを区画する比較的小さい粒子として提供されてもよい。使用現場に送達されると、有害生物駆除剤粒子は、土壌中での溶解及び/又は分散のために、比較的大きい顆粒から放出され得る。液体形態で利用可能な有害生物駆除剤は、液体有害生物駆除剤がそれによって同伴するように、吸収性又は吸着性材料の粒子、例えば、クレイと組み合わされてもよい。次いで、組み合わされた材料の粒子を使用して、有害生物駆除剤の中空コア顆粒を調製してもよい。使用現場に送達されると、有害生物駆除剤は担体粒子から放出されてもよく、残存するクレイ粒子は、土壌又は他の送達現場に害なく組み込まれてもよい。
【0152】
有害生物駆除性の中空コア顆粒は、単一の有害生物駆除剤を用いて、又は同じ若しくは異なる活性を有する有害生物駆除剤の組合せを用いて構成され得る。複数の異なる有害生物駆除剤が中空コア構造体中の壁形成材料として使用される場合、該異なる有害生物駆除剤は、上記の中空コア構造体の顆粒を調製するための1又は2以上のバインダーとの組合せのために所望の比で組み合わせることができる。したがって、得られた有害生物駆除剤顆粒は、中空コアを囲む壁を有し、該壁は、設計された比で、異なる有害生物駆除剤を含む粒子を含む。
【0153】
有害生物駆除剤組成物は、様々な方法によって使用現場に適用してもよい。固体有害生物駆除剤組成物は、有害生物駆除剤成分(複数可)の放出のために土壌又は他の表面に直接適用してもよい。しかしながら、他の有害生物駆除剤組成物は、好ましくは、溶媒と混和し、次いで、送達現場に噴霧してもよい。本明細書中に記載の中空コアフォーマットを利用することによって提供される改善した溶解速度は、そのような用途に有益であるとすることができる。特に、固体の中空コア有害生物駆除剤顆粒は、バルクで提供してもよく、次いで、所望の質量又は体積の固体の中空コア有害生物駆除剤顆粒は、適用の直前にタンク噴霧器又は類似の装置に添加することができる。中空コアフォーマットは、材料の溶解時間を顕著に短縮することができるので、中空コア有害生物駆除剤顆粒は、使用現場での適用のためのタンク噴霧器又は類似の装置内で、顕著な遅延なしに急速に溶解することができる。これにより、使用時に急速な送達を依然として可能にしながら、貯蔵し易さ及び輸送し易さを示す、固体フォーマットの軽量組成物の形成を可能にすることができる。
【0154】
例えば、直接の植物接触を必要とする除草剤の場合、又は例えば、家庭等での適用のために噴霧される有害生物駆除剤の場合に、液体フォーマットでの送達を必要とする有害生物駆除剤は、有害生物駆除剤を装填した担体粒子を中空コア顆粒中の壁形成材料として組み込む前に、液体有害生物駆除剤を担体粒子と組み合わせることによって、固体フォーマットで有益に構成することができる。次いで、形成された中空コア有害生物駆除剤顆粒を、適用前に好適な溶媒に溶解することができる。好適な担体粒子及びバインダーは、同様に溶解し、不活性成分としてか又は添加物として殺有害生物駆除剤と共に送達されるように選択することができる。例えば、固体有害生物駆除剤の粒子は、液体有害生物駆除剤の担体として使用してもよい。同じように、1又は2以上の有害生物駆除剤を壁形成材料として使用して有害生物駆除剤中空コア顆粒を調製してもよく、1又は2以上のさらなる有害生物駆除剤を、形成された粒子上のコーティングとして使用して、所与の顆粒中の複数の有害生物駆除剤の混合送達を提供してもよい。
【0155】
異なる放出特性を有する有害生物駆除剤組成物を提供する能力は、特に有益であるとすることができる。例えば、いくつかの有害生物駆除剤は、野生生物又は家畜によって摂取された場合にリスクをもたらすおそれがあり、そのような有害生物駆除剤が迅速に溶解、分解する等して、望ましくない相互作用が起こり得る時間を短縮することが有益であり得る。これは、かなりの時間にわたって環境中に存続する可能性のある多くの固体形態の有害生物駆除剤に伴う問題であるとすることができる。しかしながら、そのような材料は、本開示に従って、急速な溶解、分解等を示す中空コア形態で提供され得る。
【0156】
中空コア有害生物駆除剤はまた、種々の環境においてそれらを非常に有用にする特定の特性を示すように構成され得る。例えば、中空コア顆粒は、水中での適用に特に有用にすることができる浮力を示すように調製してもよい。池又は他の淡水領域は、種々の有害生物のための処理を必要とし得るが、直ぐに溶解又は沈降するのではなく、表面に存続する形態で固体粒子を提供することは困難である可能性がある。バインダーの選択及び/又は壁形成材料中の添加物の包含は、有害生物駆除剤を水表面に放出することができるのに十分な時間にわたって顆粒全体を浮揚性にするのに有効であるとすることができる。例えば、疎水性バインダーをこの目的のために利用してもよく、添加物、例えば、セルロース系(例えば、セルロース系エアロゲル)、わら(又は類似の浮揚性植物材料)、及び種々のクレイを、中空コア顆粒の壁形成材料中の有害生物駆除剤のための添加物及び/又は担体として利用して、該顆粒を浮揚性にしてもよい。本明細書で既に論じたような制御放出の選択肢を同様に適用して、有害生物駆除剤材料が確実に処置現場への適用後の適切な時間に放出されるようにしてもよい。
【0157】
例示的な実施形態では、中空コア有害生物駆除剤顆粒は、様々な壁形成材料及び様々なバインダーを用いて調製することができる。クレイ(例えば、ベントナイト)は、顆粒中に含まれ得る任意の特定の固体有害生物駆除剤材料と共に、有害生物駆除剤顆粒中の壁形成材料として特に有用であるとすることができる。同様に、クレイは、典型的には液体形態で提供され得る1又は2以上の有害生物駆除剤の担体として有用であるとすることができる。好適なバインダーとしては、親水性材料、例えば、種々の分子量のPEG(例えば、PEG8000、PEG12000、及び/又はPEG35000)、又は顆粒中に保持された有害生物駆除剤材料の放出のために直ちに溶解する類似の材料を挙げることができる。PEG及び類似のバインダーは、特に、バインダーが有害生物駆除剤材料(複数可)の少なくとも一部のためのビヒクルとして機能するように、それと混和された1又は2以上の有害生物駆除剤を有してもよく、クレイ粒子又は類似の材料は、本質的に不活性な壁形成剤として利用してもよい。
【0158】
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の中空コア構造体として形成された製品は、単位用量形態で提供してもよい。既に上述したように、多種多様な材料を中空コア顆粒のための壁形成材料として使用してもよく、得られる製品は、所望の任意の質量又は体積で提供することができる複数の中空コア顆粒である。しかしながら、いくつかの実施形態では、所望の投与量を達成するために、規定された質量又は体積の中空コア顆粒を組み合わせて提供することが有益であり得る。例えば、洗剤/クリーナーの分野では、所定の質量又は体積の洗濯洗剤組成物を、1回分の洗濯物に対して好都合な事前投与量として提供することが望ましい場合がある。類似の利点は、栄養補助剤、肥料、有害生物駆除剤といった他の分野、及び個別顆粒の所望の用量を計量する代わりに、消費者にとって事前投与量の中空コア顆粒製品を有することがより好都合であり得るさらなる領域においても達成され得る。したがって、本開示による任意の1又は2以上の中空コア顆粒製品は、個別顆粒の大量供給に加えて、又はその代替として、単位用量フォーマットで提供してもよい。
【0159】
例えば、顆粒状洗剤組成物及びペースト、ゲル、スラリー等を、ポッドと呼ばれ得る水溶性フィルムパウチに入れて提供することが知られている。中空コア顆粒として提供される本発明の組成物は、同様に、大量の中空コア顆粒が、所定の重量及び/又は体積のパウチ中に提供されるような単位用量形態で提供されてもよい。単位用量形態で記載されるように中空コア顆粒を提供するための好適な技術は、例えば、Huberらの米国特許第8,669,220号;Edwardsらの米国特許出願公開第2002/0033004号;Oehmsらの米国特許出願公開第2007/0157572号;Rossettoらの米国特許出願公開第2012/0097193号;米国特許第4,973,416号;Adamyらの米国特許第7,915,213号;及びKellarらの米国特許出願公開第2006/0281658号に記載され、これらの文献の全ては、参照により本明細書に組み込まれる。例示的な実施形態では、所定の製品(例えば、洗濯洗剤、食器用洗剤、肥料、有害生物駆除剤等)を提供する中空コア顆粒は、例えば、単純なUlineヒートシーラーを使用してポリ(ビニルアルコール)フィルムに包囲され、それによって単位用量ポッドを形成してもよい。任意の好適な水溶性フィルムを使用してもよく、任意の好適なシーリング技術を利用して、所望の最終用途のために規定量の製品を提供するのに好適な任意の所望の質量/体積でポッドを形成してもよい。単位用量は、同様に、溶解性繊維又は非溶解性繊維から形成され得るファブリックパウチといった他の形態で提供されてもよい。
【0160】
他のタイプの単位用量形態も本開示に包含される。例えば、単位用量は、1又は2以上のバインダーで圧縮された大量の固体を包含してもよい。そのような単位用量形態は、特定の最終用途のために本明細書中に記載される中空コア顆粒の内容物を含んでもよい。例えば、製品、例えば、栄養補助剤、咀嚼可能な歯垢除去組成物、又はフィルムに包囲されることが望ましくない他の製品が、そのようなフォーマットで提供されてもよい。特定の実施形態では、所望の質量/体積の中空コア顆粒を、複数の中空コア顆粒を単位用量として一緒に保持することを可能にするバインダーと組み合わせてもよい。例えば、ガム(例えば、グアーガム又はキサンタンガム)、セルロース系材料、デンプン材料、及び/又は水溶性接着剤を使用して、複数の中空コア顆粒を単一の単位用量形態に凝集させることにより、そのようなブロック、錠剤、丸剤、カプレット、プリル、又は他の形状因子を作製してもよい。中空コア構造体から形成されたこれらのブロック等は、本発明の中空コア構造体を含まない既知の単位用量粉末と比較して、顕著により軽く、且つ/又は顕著により速く溶解することができる。
【0161】
本明細書中で先に論じた吸収特性の改善に照らして、中空コア顆粒は、気体及び/又は液体の吸収及び/又は吸着が所望される1又は2以上の製品の形成に特に有効であるとすることができる。いくつかの実施形態では、中空コア顆粒は、1又は2以上の大気汚染物質の吸収及び/又は吸着に使用するために構成されてもよい。多くの物質が、例えば米国環境保護庁によって大気汚染物質として分類されている。そのような物質の非限定的な例は、一酸化炭素、鉛、窒素酸化物、オゾン、粒状物質、二酸化硫黄、アクロレイン、アスベスト、ベンゼン、二硫化炭素、クレオソート、燃料油/灯油、多環式芳香族炭化水素、合成ガラス質繊維、全石油炭化水素等である。多くの材料が、同様に、これら又は他のタイプの大気汚染物質の1又は2以上を吸収する、吸着する、又はそうでなければ結合するのに有効であることが知られている。そのような材料は、本開示による中空コア顆粒を調製する際に壁形成材料として使用することができる。これらの大気汚染物質捕捉成分を有する顆粒は、1又は2以上の大気汚染物質の捕捉のために、周囲空気との相互作用のための種々の形態の要因で展開することができる。同様に、顆粒は、大気汚染物質の捕捉及びその後の廃棄に好適な場所に展開することができる物品、例えば、エアフィルタ、産業用汚染物質捕捉物品(例えば、発電所ガスフィルタ及び排気クリーナー)等に包埋することができる。そのような顆粒は同様に、個人的な使用のために大気汚染物質を除去するために、個人用物品、例えば、呼吸用マスクに利用してもよい。非限定的な例として、活性炭、ゼオライト、及び他の多孔質材料は、種々の汚染物質の捕捉に有効であることが知られており、そのような材料は、壁形成材料として中空コア顆粒に組み込まれてよく、したがって、1又は2以上の汚染物質の捕捉及び臭気の捕捉等に有効な顆粒を提供し得る。
【0162】
いくつかの実施形態では、中空コア顆粒は、液体の吸収又は他の捕捉に使用するために構成されてもよい。中空コア顆粒は、優れた液体吸収特性を有するように構成することができ、該顆粒は、水性又は疎水性液体を優先的に取り込むように構成してもよいので、中空コア顆粒は、液体の除去及び/又は液体溢流現場の修復のために様々な様式で使用することができる。特定の実施形態では、中空コア顆粒は、顆粒自体を溶解させることなく1又は2以上のタイプの液体を吸収するように構成することができる。このようにして、液体を顆粒によって結合することができ、ひいては、これは、実質的に凝集性の塊で、及び/又は顆粒状構造を実質的に保持する個別顆粒として除去してもよい。これは、海洋又は他の水環境における有機溢流物(例えば、油)の除去に特に有用であるとすることができる。中空コア顆粒は、溢流した有機物との相互作用を最大化することができる水面上に実質的に浮遊する(例えば、本明細書で先に論じた浮力を示す)ように構成することができる。ここでも、中空コア顆粒は、それらの顆粒状構造を保持するように、及び/又は一旦結合活性が完了すると比較的容易に除去される塊に凝集するように構成することができる。これは、単一式物品、例えば、スピルスリーブ(spill sleeves)等の調製に拡張することができ、ここで、中空コア顆粒を、ファブリック、メッシュ、又はそうでなければ多孔質物品内に保持して、水表面全体にわたって個別顆粒の分散を防止する一方で、なお有機材料の流入を保持することを可能にする。いくつかの実施形態では、顆粒は同様に、吸収及び/又は吸着に加えて機能を提供する成分を組み込むことができる。例えば、生物学的成分は、有機物を分解するか、又は特定の材料をより低粘性にさせて、材料の被吸収能力を向上させるのに有用であることが知られている。
【0163】
本開示の中空コア顆粒は、壁形成材料及び/又はバインダー材料の選択によって所望の最終用途のために容易に調合することができ、これは、添付の実施例に示されている。例えば、疎水性バインダーの利用は、水の表面に浮遊する(すなわち、浮力を示す)中空コア顆粒を提供することが本明細書で示されている。一方、親水性バインダー、例えば、PEGの利用は、親水性であり、水に直ちに沈んで迅速に溶解する中空コア顆粒を提供することができる。さらに、同じ壁形成材料(例えば、ベントナイト)の使用は、親水性バインダー、例えば、PEGと共に使用される場合、又は疎水性バインダー、例えば、パラフィンと共に使用される場合、水性環境及び非水性環境の両方で同じように挙動する2つの異なるタイプの中空コア顆粒をもたらすことができることが本明細書で示されている。したがって、非常に安定した壁形成材料、例えば、ベントナイトの選択は、バインダーの選択に関係なく、顆粒特性を決定することができる。さらに、特性をさらに調整するために、コーティング材料を使用して顆粒を追加的に改変することができる。一例として、親水性バインダー(例えば、PEG)と非常に安定した壁形成材料、例えば、ベントナイトとの組み合わせは、一般的に親水性の顆粒をもたらすことができるが、該顆粒は、疎水性コーティング層の形成によって改変して、そうでなく親水性の顆粒を浮揚性にし、したがって、水中の場において浮遊することを可能にして、浮力が望まれる設計機能を顆粒が実行できるようにすることができる。したがって、例えば、ベントナイト及びPEGから形成されるが、疎水性層、例えば、パラフィンでコーティングされた中空コア顆粒は、海洋の場における油溢流の清掃のために有用とすることができる。
【実施例】
【0164】
実験
本開示は、以下の実施例によってより完全に例証され、これらの実施例は、本開示の特定の実施形態を例証するために記載され、本開示を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0165】
実験方法
中空コア顆粒の様々なサンプルを、流動床乾燥機を利用して調製した。各セットのサンプルについて、選択された粒径を有する粒状形態にある選択されたバインダー5グラムを、選択された粒径を有する粒状形態にある選択された壁形成材料250グラムと共に流動床乾燥機に装填した。これにより、中空コア顆粒の形成のためにまとまって結合するのに必要な壁形成材料の量が過剰となった。加工後、形成された顆粒を流動床乾燥機から取り出し(残存する未結合の壁形成材料を残す)、秤量した。装填したバインダーの全てを顆粒形成に使用したが、壁形成材料粒子の全てを使用したわけではないので、形成された顆粒の総重量(グラム)を5グラム(バインダーの最初に装填された重量)で割ったものとして形成された顆粒のバインダー濃度を計算した。5グラムのバインダー及び250グラムの壁形成材料(これらの実施例では、炭酸水素ナトリウム又はベントナイトクレイ)を使用した顆粒形成は、典型的には、約50グラムの中空コア顆粒を調製するのに有効であった。
【0166】
顆粒及び空洞サイズ
形成された顆粒の平均サイズ、内部空洞(すなわち、中空コア)の平均サイズ、及び平均壁厚を測定するために、各試験セットから無作為に選択された20個の顆粒を、Exactoナイフを使用して半分に切断し、元の形状をより良好に保持することが視覚的に観察された半分を、顕微鏡定規を使用して顕微鏡的に測定した。実質的に細長い形状を示す顆粒については、各寸法について3回の測定を行い、3回の測定値の合計の平均を記録した。
【0167】
顆粒密度
顆粒密度を測定するために、33.5mLの既知の体積を有するカップを顆粒で満たし、秤量した。得られた重量を該既知の体積で割って顆粒密度を確立し、顆粒の所与のサンプルについての5回の測定値の平均としてかさ密度を得た。
【0168】
顆粒強度
顆粒の強度を、顆粒を粉砕するのに必要な最大力として測定した。試験は、Tinius Olsen社製のModel 5 ST Benchtop Tester(5kN/1klbf)を使用して実施した。機械プローブは、100mm/分の速度で移動するように設定した。各測定は、顆粒のそれぞれのセットから無作為に選択した10個の顆粒を用いて繰り返した。抵抗力を記録し、最大ピーク力を強度値とした。10回の測定値を平均して、所与のバッチにおける顆粒強度の最終的な数値を得た。
【0169】
吸水
顆粒による水の吸収を測定するために、1グラムの水を、平均厚さが1cmの顆粒の調製された層上に滴下した。この組合せを5分間静置して、秤量前に凝集塊を形成させた。吸水パーセンテージを以下の式に従って計算した:[(凝集塊の重量-1g)/1g]×100%。
【0170】
吸油
顆粒による油の吸収を測定するために、8グラムの顆粒を篩中の油に5分間入れた。
【0171】
この組合せを5分間放置して過剰の油を排出させ、残存する遊離油をろ紙に吸収させた。
その後、顆粒を秤量し、油吸収のパーセンテージを以下の式に従って計算した:[(湿潤顆粒の重量-8g)/8g]×100%。
【0172】
水中安定性
水安定性を評価するために、3グラムの顆粒を、室温(約22℃)で0.03リットルの水で満たされたビーカーに入れた。顆粒をモニターして、いつ顆粒が崩壊し始めるかを判定した。水を満たしたビーカーに顆粒を入れてから崩壊するまでの時間を測定し、水中安定性の時間として報告した。
【0173】
油中安定性
油安定性を評価するために、3グラムの顆粒を、室温(約22℃)で、0.03リットルのLukoil標準10W-40マルチグレードミネラルエンジン油(API SF/CC)で満たされたビーカーに入れた。顆粒をモニターして、いつ顆粒が崩壊し始めるかを判定した。油を満たしたビーカーに顆粒を入れてから崩壊して沈殿物として現れるまでの時間を測定し、油中安定性の時間として報告した。
【0174】
浮力
顆粒が水中に浮遊し続ける能力を評価するために、3グラムの顆粒を、室温(約22℃)で0.15リットルの水で満たされたビーカーに入れた。この組合せを直ちに評価し、顆粒の大部分が浮遊することが観察された全ての場合において、顆粒は水中で浮揚性であると認められた。
【0175】
撹拌水中での溶解時間
水中溶解をさらに評価するために、10グラムの顆粒を、室温(約22℃)で1.4リットルの脱イオン水で満たされたビーカーに入れた。500rpmに設定したビーカー中に、インペラー撹拌機を含めた。顆粒を入れてからそれらが消失する(すなわち、溶液が実質的に透明になり、実質的な溶解を示す)までの時間を測定し、溶解時間として報告した。測定は、壁形成材料が水溶性固体(すなわち、炭酸水素ナトリウム)であるサンプルについてのみ行った。
【0176】
実施例1:炭酸水素ナトリウム+PEG
顆粒を、バインダー粒子又は結晶として5グラムのPEG8000(1.2mm~1.6mmの公称サイズ)を使用して調製し、これを、250グラムの炭酸水素ナトリウム(0.100mm~0.400mmの公称サイズ)とともに流動床乾燥機に装填した。流動床乾燥機を65℃で運転して、最大温度にて異なる滞留時間(5分、10分、15分、20分、又は30分)で5つのバッチを調製した。形成された顆粒を取り出す前に、それぞれのバッチを30℃に冷却した。切断後の中空コア顆粒の1つの画像を
図24に示す。
【0177】
流動床乾燥機中の加工処理時間の関数としての顆粒のかさ密度は、滞留時間の増加と共に実質的に増加することが分かり、測定した値を
図5に示す。滞留時間はまた、形成された顆粒に存在する炭酸水素ナトリウム粒子の総量の要因であることが見出され、総含有量は、加工処理時間とともに増加するが、バインダーが完全に利用されたときにプラトーに達するようであり、これを、
図6に示す。顆粒強度は、加工処理時間が増加するにつれてわずかに低減するだけで、ほぼ不変のままであることが分かった(
図7を参照)。類似のパターンが粒子摩損に関して見て取れた(
図8A~
図8Eを参照)。
【0178】
形成された顆粒中の空洞のサイズは、バインダー粒子の初期サイズに強く影響されると判定された。シェルの厚さは、
図9に示すように、空洞の直径とほぼ同じであり、ここで、A、B、及びCは、顆粒の外側寸法であり、a、b、及びcは、空洞の寸法である。したがって、空洞の直径は、顆粒の外径の約1/3であることが分かった。したがって、空洞体積は、顆粒の総体積の約3~4%であると計算された。中空コア顆粒の典型的なバッチの分画組成を
図10に示すが、これもやはり流動床における滞留時間に依存することが分かった。3つの篩(1mm、2mm、及び3.2mmの公称サイズ)を使用して、ASTM E-11に準拠して分別組成物を評価した。一般に、流動床中での滞留時間が長いほど大きな顆粒サイズが得られ、壁形成材料粒子がバインダーの結晶と凝集する時間が長くなることが分かった(
図10を参照)。全体的な顆粒特性を
図17及び
図18の表に示す。
【0179】
実施例2:ベントナイト+PEG
顆粒を、バインダー粒子又は結晶として5グラムのPEG8000(1.2mm~1.6mmの公称サイズ)を使用して調製し、これを、250グラムのベントナイト(0.100mm~0.400mmの公称サイズ)とともに流動床乾燥機に装填した。流動床乾燥機を65℃で運転して、最大温度にて異なる滞留時間(15分及び30分)で5つのバッチを調製した。形成された顆粒を取り出す前に、それぞれのバッチを30℃に冷却した。切断後の中空コア顆粒の1つの画像を
図25に示す。
【0180】
流動床乾燥機中の加工処理時間の関数としての顆粒のかさ密度は、滞留時間の増加と共に実質的に減少することが分かり、測定した値を
図11に示す。顆粒強度は、実施例1の顆粒の測定された強度よりも低いことが分かった(本発明の顆粒が3.6Nであるのに対し、実施例1の顆粒は15N)。ベントナイト中空コア顆粒のシェル厚さは、空洞の直径にほぼ等しかった(
図12を参照)。したがって、空洞の直径は、顆粒の全直径の約1/3であることが分かった。したがって、空洞の体積は、顆粒の総体積の約3~4%であることが分かった(
図13を参照)。全体的な顆粒特性を
図17及び
図18の表に示す。
【0181】
実施例3:炭酸水素ナトリウム+ベントナイト+PEG
顆粒を、バインダー粒子又は結晶として5グラムのPEG8000(1.2mm~1.6mmの公称サイズ)を使用して調製し、これを、235グラムのベントナイト(0.100mm~0.400mmの公称サイズ)及び235グラムの炭酸水素ナトリウム(0.100mm~0.400mmの公称サイズ)とともに流動床乾燥機に装填した。流動床乾燥機を65℃で15分間運転させた後、30℃に冷却してから、形成された顆粒を取り出した。得られた顆粒は、実施例2のベントナイト顆粒と類似の平均顆粒サイズを有していた。得られた顆粒の密度は、実施例1の炭酸水素ナトリウム顆粒と実施例2のベントナイト顆粒の密度のほぼ中間であった。顆粒の強度は、実施例2のベントナイト顆粒の強度と類似していた。全体的な顆粒特性を
図17及び
図18の表に示す。複数の中空コア顆粒の画像を
図26に示す。
【0182】
実施例4:炭酸水素ナトリウム+Brij(商標)S100
顆粒を、バインダー粒子又は結晶として5グラムのBrij(商標)S100(1.2mm~1.6mmの公称サイズ)を使用して調製し、これを、250グラムの炭酸水素ナトリウム(0.100mm~0.400mmの公称サイズ)とともに流動床乾燥機に装填した。流動床乾燥機を60℃で運転させた。最大温度に達した直後に、顆粒を30℃に冷却した後、形成された顆粒を取り出した(すなわち、実質的に0の滞留時間)。Brij(商標)S100はPEG8000と類似の融解温度を有するが、得られる液体は液化PEGよりもはるかに粘性が低い。これにより、液化したBrij(商標)S100が凝集した壁形成粒子に浸透して中空コアを区画する空洞を残すことで、顕著に速い加工速度がもたらされた。形成された顆粒の特性は、Brij(商標)S100がPEGよりも幾分疎水性であるため、溶解度パラメータを除いて、PEG+炭酸水素ナトリウム顆粒と実質的に類似していた。全体的な顆粒特性を
図17及び
図18の表に示す。切断後の中空コア顆粒の1つの画像を
図27に示す。
【0183】
実施例5:ベントナイト+Brij(商標)S100
顆粒を、バインダー粒子又は結晶として5グラムのBrij(商標)S100(1.2mm~1.6mmの公称サイズ)を使用して調製し、これを、250グラムのベントナイト(0.100mm~0.400mmの公称サイズ)とともに流動床乾燥機に装填した。流動床乾燥機を60℃で運転させた。最大温度に達した直後に、顆粒を30℃に冷却した後、形成された顆粒を取り出した(すなわち、実質的に0の滞留時間)。形成された顆粒の特性は、PEG+ベントナイト顆粒と実質的に類似していた。Brij(商標)S100+ベントナイト顆粒は、Brij(商標)S100がPEGよりも幾分疎水性であるため、幾分高い水安定性を示した。全体的な顆粒特性を
図17及び
図18の表に示す。切断後の中空コア顆粒の1つの画像を
図28に示す。
【0184】
実施例6:炭酸水素ナトリウム+パラフィン
顆粒を、バインダー粒子又は結晶として5グラムのパラフィン(1.2mm~1.6mmの公称サイズ)を使用して調製し、これを、250グラムの炭酸水素ナトリウム(0.100mm~0.400mmの公称サイズ)とともに流動床乾燥機に装填した。動床乾燥機を、最大温度で0分、5分、及び10分の滞留時間を使用して55℃で運転させた。形成された顆粒を取り出す前に、顆粒を30℃に冷却した。パラフィンはPEGよりも融解温度が低いので、バインダーとしてPEGを使用して観察されるよりも顆粒形成は速かった。
【0185】
形成された顆粒のかさ密度は、バインダーとしてPEG8000又はBrij(商標)S100のいずれかと共に炭酸水素ナトリウムの壁形成粒子を使用した場合よりも低いことが分かった(すなわち、本発明の顆粒では556~575グラム/リットルであるのに対して、バインダーとしてPEG8000又はBrij(商標)S100を使用して形成された顆粒では671~716グラム/リットル)。
図14に見て取れるように、全体的な顆粒サイズ及び空洞サイズは、0分の滞留時間でわずかに小さくなっていたが、流動床中の追加の滞留時間で増加した。空洞の体積は、全顆粒体積の約2~5%を占めることが分かった(
図15を参照)。この顆粒は、PEGベースの顆粒よりも比較的弱いようであり、これは、摩損試験(
図16を参照)及び破砕強度測定(3.5Nの強度を有する本発明の顆粒)の両方によって実証された。全体的な顆粒特性を
図17及び
図18の表に示す。
【0186】
実施例7:ベントナイト+パラフィン
ベントナイト及びパラフィンから形成された顆粒は、上記の流動床法における調製の間に遭遇するわずかな剪断力に耐えるのに十分な強度がないことが試験により示しされた。理論に縛られることを望むものではないが、ベントナイトの親水性の性質及びパラフィンの疎水性の性質は、顆粒形成を可能にするのに十分な不相溶性を少なくとも部分的に係わっていると考えられる。しかしながら、顆粒は、ドラム様形成プロセスを使用して調製した。バインダー粒子又は結晶として5グラムのパラフィン(1.2mm~1.6mmの公称サイズ)を使用して顆粒を調製した。これらを、約500グラムのベントナイト(0.100mm~0.400mmの公称サイズ)と、加温された平なべの中で55℃にて5分間手動で混合した。30℃に冷却した後、形成された顆粒を評価のために取り出した。
【0187】
これらの顆粒の強度は、実際に、約0.5Nであった(PEG又はBrig(商標)S100を使用して作製したサンプルについては約3.5Nであったのに対して)。パラフィンの疎水性の性質ために、吸水試験において、水は顆粒状材料中に伝播せず、むしろ表面上のベントナイト粒子中に吸収され、この方法における測定結果を人工的に高くした(115%)。パラフィン-ベントナイト顆粒の大部分は、初めに水中に浮遊したが、約1時間で崩壊した。顆粒は、3日より長く油中でその完全性を維持した。全体的な顆粒特性を
図17及び
図18の表に示す。
【0188】
実施例8:ベントナイト+ステアリン酸
5グラムのステアリン酸(1.2mm~1.6mmの公称サイズ)をバインダー粒子又は結晶として使用して、手動のドラム様プロセスを使用して顆粒を再び形成した。これらを、約500グラムのベントナイト(0.100mm~0.400mmの公称サイズ)と、加温された平なべの中で75℃にて5分間手動で混合した。30℃に冷却した後、形成された顆粒を評価のために取り出した。炭酸水素ナトリウムはステアリン酸の融点と同じ温度範囲(すなわち、約70℃)で分解することが知られているので、壁形成材料として炭酸水素ナトリウムを使用して試験を試みなかった。形成された顆粒の強度及びかさ密度は、パラフィン及びベントナイトを用いて作製された顆粒について得られた値と類似していた。この場合、ステアリン酸は、パラフィンと非常に類似した疎水性バインダーとして挙動した。全体的な顆粒特性を
図17及び
図18の表に示す。
【0189】
実施例9:ベントナイト+ポリカプロラクトン
上記の流動床法及び手動混合法の両方を利用して、壁形成材料としてベントナイトを、バインダーとしてポリカプロラクトンを使用して中空コア顆粒を形成することを試みたが、中空コア顆粒はうまく形成されなかった。ポリカプロラクトンは、融解温度が60℃の疎水性ポリマーであり、150℃までの温度を使用した場合であっても、得られる製品は、ポリカプロラクトンの固体コアを囲むベントナイト粒子の薄いコーティングであった。理論に縛られることを望むものではないが、液化ポリカプロラクトンの粘度が高すぎて、液体をベントナイトシェル中に伝播させることができなかったと考えられる。したがって、中空コア顆粒をうまく形成するために、液化バインダーの粘度は、壁形成粒子の壁の中への伝播を可能にするために十分に低くあるべきであると判定された。同様に、より高粘度の材料、例えば、ポリカプロラクトンも、液化バインダー組成物の全粘度が中空顆粒形成のために十分に低くなるように、別のバインダー材料及び/又は粘度調整剤と混和する場合に利用されると考えられる。
【0190】
実施例10:ヒドロゲル法による中空コア顆粒の形成
ヒドロゲル粒子を、寒天の2.4重量%水溶液を使用して調製した。この溶液を約100℃に加温して寒天を溶解し、次いで60℃に冷却して、さらなる加工処理のために好適な溶液粘度を維持した。
寒天溶液の流れを約11℃に冷やした植物油浴中に注入することによって液滴を形成した。液滴は、植物油と接触すると自然に形成され、形成された液滴を油から分離し、石鹸溶液を使用して洗浄した。
【0191】
分離して洗浄した液滴を空気中で部分的に乾燥させ、次いで、タルカム粉末及びシリコン油から形成されたコンディショニング組成物でコーティングした。次いで、粒子が視覚的に実質的に均一にベントナイト粉末でコーティングされるまで、コンディショニングしたゲル液滴をベントナイト粉末と混合した。コーティングされた顆粒を、約120℃の温度で応用の静的加温下で乾燥させた。乾燥時間は顆粒層の厚さに部分的に依存することが認められた。例えば、実質的に単一の厚さの層は約1時間で十分に乾燥したが、厚さ約1cmの顆粒層は所望の乾燥のために約10時間を要した。静的乾燥を利用したが、乾燥時間を短縮するために強制空気を適用してもよい。いくつかのサンプルを約160℃の温度で乾燥させたが、そのような乾燥温度は、粒子の望ましくない収縮/変形をもたらしたことが認められた。
【0192】
実施例11:中空コア洗剤顆粒
中空コア顆粒を、粉末状洗剤組成物を使用して調製し、調製した中空コア顆粒を、その天然形態の洗剤粉末に対して、特性の変化について試験した。使用した洗剤は、Arm and Hammer Crisp Clean Detergentの名称で販売されている市販の組成物であった。
中空コア顆粒を調製するために、Pluriol(登録商標)E8000PEGの粒子を、壁形成材料としての粉末状洗剤と共にバインダー材料としてSherwood M501流動床乾燥機に装填し、材料を加工して中空コア洗剤顆粒を形成した。3回の別個の運転を行って、中空コア洗剤顆粒の3つのサンプルを得た。実施例1~3において上記の調製方法と同じように加工を実施して、約100グラムの量の中空コア顆粒(下記で論じる試験サンプル1~3)で「研究室規模(lab scale)」の顆粒形成物を得た。2つの追加のサンプルを製造規模で調製して、4Kg(試験サンプル4)及び50 Kg(試験サンプル5)の量の顆粒形成物を得て、観察された特性が大規模生産において一貫して維持されたことを確認した。
【0193】
次いで、中空コア洗剤顆粒の溶解度を、天然形態(すなわち、「ニート(neat)」)の洗剤組成物の溶解度と比較した。各試験サンプル(中空コア顆粒又はニート洗剤粉末)について、サンプル10グラムを室温の水1600mLに溶解し、全ての顆粒が溶解した時間を溶解時間として記録した。2000mLのガラスビーカーをこの試験に使用し、プロペラを備えたIKA Werke EUROSTAR Power-B Overhead Stirrer Mixerを使用し700rpmで混合した。ストップウォッチを使用して時間を測定した。
【0194】
洗剤粉末の比較ニートサンプルは、9分32秒の溶解時間を示した。中空コア洗剤顆粒の5つの試験サンプルは、以下の溶解時間を示した:1)4分30秒;2)4分24秒;3)4分21秒;4)4分37秒;及び5)6分11秒。試験によって検証されたように、中空コアフォーマットの洗剤組成物の提示により、その天然形態の洗剤組成物と比較して、溶解までの時間が顕著に短縮した。これは、粉末状洗剤組成物の粒径が天然形態に対して中空コア形態で変化しなかったので、驚くべきことであった。むしろ、中空コア形態の洗剤組成物の溶解時間は、バインダー材料の溶解時間よりもさらに短くなるように短縮した。これは、中空コア顆粒の全体的な性質が、溶解特性の改善において相加的効果以上の効果を提供することの証拠であると考えられ、物理的特性におけるそのような驚くべき改善は、他の機能、例えば、吸収特性にまで拡張することが期待される。さらに、溶解時間の顕著な短縮は、中空コアフォーマットでの他の化学製品、化合物、及び組成物の提示により、そのような中空コア製品の溶解が改善し、それに比例してその成分(例えば、クリーナー、肥料、有害生物駆除剤、及び本明細書に論じた他の材料)の放出が改善するという期待を支持すると考えられる。
【0195】
実施例12:中空コア顆粒悪臭試験
様々な異なる壁形成材料を使用して中空コア顆粒を調製して、臭気原因化学製品をトラップし、関連する臭気を防止又は低減する能力を評価した。全部で7つのサンプルを評価した:1)壁形成材料としてPEGバインダー及び活性炭を含む中空コア顆粒;2)壁形成材料としてPEGバインダー及びゼオライトクリノプチロライトを含む中空コア顆粒;3)壁形成材料としてPEGバインダー及びセピオライトクレイを含む中空コア顆粒;4)壁形成材料としてPEGバインダー及びセピオライトクレイと、ゼオライトクリノプチロライトと、活性炭との混合物を含む中空コア顆粒;5)壁形成材料としてPEGバインダー及び炭酸水素ナトリウムを含む中空コア顆粒;6)天然炭酸水素ナトリウム粉末;及び7)Bentonite Performance Minerals社製の天然ナトリウムベントナイトクレイ。サンプル6及び7を比較例として使用して、臭気低減について、製品、例えば、ペットリターに典型的に使用される材料と中空コア顆粒の性能を比較した。中空コア顆粒サンプル1~5のそれぞれについて、それぞれのサンプルを、約15重量%~約25重量%のPEGバインダー及び約85重量%~約75重量%のそれぞれの壁形成材料を含むように調製した。ゼオライトクリノプチロライト中空コア顆粒のSEM画像を
図19A及び
図19Bに提供する。活性炭中空コア顆粒のSEM画像を
図20A及び
図20Bに提供する。炭酸水素ナトリウム中空コア顆粒のSEM画像を
図21A~
図21Cに提供する。
【0196】
悪臭試験を実施するために、約100グラムの試験サンプルを、サイドバルブ及びワンホールストッパーを備えたエルレンマイヤー真空フラスコに入れた。ストッパーに、追加のバルブ又はDragerアンモニアサンプリングチューブ(Drager,Inc.から入手可能)のいずれかを取り付けた。各サンプルに、約20mLの合成尿(フェリニン(ネコ尿中に見出されるアミノ酸化合物[2-アミノ-3-プロパン酸]であり、推定のネコフェロモンの、微生物リアーゼを介する前駆体)及びチオール[3-メルカプト-3-メチルブタン-1-オール])を加えた。アンモニアのレベルをDrager管から直接モニターし、Halimeter(Interscan Corporationから入手可能)を使用して、硫黄ガスを定期的に測定した。サンプルを約100時間監視して、NH
3(ppm)及びS(ppb)を測定し、それぞれの臭気原因化学物質の濃度が低いほど、臭気原因化学物質を捕捉する際の試験材料による性能が良好であることを示し、それぞれの臭気原因化学物質の濃度が高いほど、臭気原因化学物質を捕捉する際の試験材料による性能が低いことを示した。NH
3による悪臭の低減性能を
図22に示し、Sによる悪臭の低減性能を
図23に示す。NH
3及びSガスの両方について、中空コアゼオライトクリノプチロライトは、最良の程度の臭気軽減を提供した。
図23に見て取れるように、硫黄臭軽減のための中空コア炭酸水素ナトリウムと天然炭酸水素ナトリウムとの直接比較では、中空コア形態の材料が優れた性能を示すことが示された。具体的には、約100時間後、中空コア炭酸水素ナトリウムについて測定されたS濃度は約26ppbであったが、天然炭酸水素ナトリウムについて測定されたS濃度は約100ppbであった。
【0197】
本明細書で使用される「約」又は「実質的に」は、特定の列挙された値が、明示的に列挙された値及びそれに比較的近い値も包含するものとして解釈されることが意図されていることを示すことができる。例えば、「約」特定の数又は「実質的に」特定の値の値は、特定の数又は値だけでなく、そこから(+又は-)5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、又は1%以下だけ変動する数又は値を示すことができる。いくつかの実施形態では、この値は、明確なものとして定義してもよく、よって、「約」又は「実質的に」との用語(したがって、言及した分散)は、かかる明確な値から除外されてもよい。
【0198】
本明細書に記載される本発明の多くの変形例及び他の実施形態が、前述の説明に提示される教示の利益を有する、これらの発明が関係する当業者に想起されるであろう。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、変形例及び他の実施形態は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。特定の用語が本明細書で採用されているが、それらは一般的且つ説明的な意味でのみ使用され、限定の目的では使用されていない。
【国際調査報告】