(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-02
(54)【発明の名称】エアロゾル生成物品及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
A24D 1/20 20200101AFI20230526BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20230526BHJP
A24F 40/40 20200101ALI20230526BHJP
A24F 40/465 20200101ALI20230526BHJP
A24D 1/02 20060101ALI20230526BHJP
【FI】
A24D1/20
A24F40/20
A24F40/40
A24F40/465
A24D1/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022564663
(86)(22)【出願日】2021-07-23
(85)【翻訳文提出日】2022-10-24
(86)【国際出願番号】 KR2021009551
(87)【国際公開番号】W WO2022039397
(87)【国際公開日】2022-02-24
(31)【優先権主張番号】10-2020-0105542
(32)【優先日】2020-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ソクス
(72)【発明者】
【氏名】ハン,デナム
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨンファン
(72)【発明者】
【氏名】ユン,スンウク
(72)【発明者】
【氏名】イ,スンウォン
【テーマコード(参考)】
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B045AA50
4B045AB11
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB22
4B162AC12
4B162AC14
4B162AC22
(57)【要約】
本発明は、次を含むエアロゾル生成部を含むエアロゾル発生物品を提供する:エアロゾルに気化するように構成されたエアロゾル生成物質を含むエアロゾル生成部;多数のシワが形成された内部ラッパ及びタバコ充填部を通過するエアロゾルにタバコ成分を付加させる多数のシワに吸着されたタバコ物質の顆粒を含むタバコ充填部;及びエアロゾル生成部及びタバコ充填部の外部表面の少なくとも一部を覆い包み、エアロゾル生成物質及びタバコ物質に熱を伝達するように構成された熱伝導性ラッパ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾルに気化するように構成されたエアロゾル生成物質を含むエアロゾル生成部と、
多数のシワが形成された内部ラッパ及びタバコ充填部を通過するエアロゾルにタバコ成分を付加させる前記多数のシワに吸着されたタバコ物質の顆粒を含むタバコ充填部と、
前記エアロゾル生成部及び前記タバコ充填部の外部表面の少なくとも一部を覆い包み、前記エアロゾル生成物質及び前記タバコ物質に熱を伝達するように構成された熱伝導性ラッパと、を含む、請求項1に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項2】
前記顆粒の直径は、約0.1mm~約1.0mmである、請求項1に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項3】
前記顆粒の直径は、約0.1mm~約0.4mmであり、前記熱伝導性ラッパの厚さは、約0.6μm~約12μmである、請求項1に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項4】
前記顆粒の直径は、約0.5mm~約1.0mmであり、前記熱伝導性ラッパの厚さは、約12μm~約20μmである、請求項1に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項5】
前記内部ラッパは、表面にバインダが塗布され、前記タバコ物質が前記バインダ上に吸着される、請求項1に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項6】
前記バインダは、グリセリンを含む、請求項5に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項7】
前記多数のシワは、前記エアロゾル生成物品の長手方向に沿って延び、空気チャネルを形成するように構成される、請求項1に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項8】
前記内部ラッパの粗さは、表面改質を通じて増加することで、前記粗さの増加による吸着力によって前記内部ラッパの表面に顆粒が付着されるようにする、請求項1に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項9】
前記内部ラッパの多数のシワは、波状に形成された多数の凹凸を有し、前記顆粒は、隣接した前記凹凸の間に吸着される、請求項1に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項10】
前記内部ラッパは、非タバコ材質で構成された、請求項1に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項11】
前記多数のシワそれぞれの幅は、前記顆粒それぞれの直径の約1.4~1.6倍である、請求項1に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項12】
冷却部を流動するエアロゾルが外部空気によって冷却されるように前記外部空気を流入させるように構成された少なくとも1つの穿孔を含む冷却部と、
前記エアロゾルが濾過されるように構成されたフィルタ部と、をさらに含む、請求項1に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項13】
内部ラッパ表面の吸着力を向上させるために、前記内部ラッパに物理的処理及び化学的処理のうち、少なくとも1つを遂行する段階と、
タバコ物質の顆粒が吸着によって前記内部ラッパの表面に付着されるように自由落下によって前記内部ラッパの表面に前記タバコ物質の顆粒を位置させる段階と、
前記内部ラッパを巻取った後、切断してタバコ充填部を準備する段階と、
前記タバコ充填部にエアロゾル生成部を連結する段階と、
前記タバコ充填部及び前記エアロゾル生成部の外部表面を熱伝導性ラッパで覆い包む段階と、を含む、エアロゾル生成物品の製造方法。
【請求項14】
前記物理的処理は、多数の凹凸が形成されたスタンピングローラで前記内部ラッパの表面に多数のシワを形成することを含む、請求項13に記載のエアロゾル生成物品の製造方法。
【請求項15】
前記化学的処理は、前記内部ラッパの表面にバインダを塗布することを含む、請求項13に記載のエアロゾル生成物品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成物品及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法に係わる需要が増加している。例えば、シガレットを燃焼させてエアロゾルを生成する方法の代わりに、エアロゾル生成装置を用いてシガレットまたはエアロゾル生成物質を加熱することで、エアロゾルを生成するシステムに係わる需要が増加している。
【0003】
エアロゾル生成物品のうち、一部製品は、媒質と媒質に添加された物質を加熱してエアロゾルを発生させる構造を有する。例えば、媒質内の板状葉または刻みタバコが加熱されてエアロゾルが生成される。板状葉または刻みタバコからなる媒質の場合、エアロゾルが生成されて流動するとき、喫煙抵抗性が上昇する傾向がある。
【0004】
また、タバコ物質が粒子状に提供される場合、タバコ物質は、エアロゾル生成物品の外部に流出されうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一部エアロゾル生成物品は、媒質及び媒質に添加された物質を加熱することで、エアロゾルを発生させるための構成を有する。例えば、エアロゾルは、媒質内の板状葉または刻みタバコが加熱されて生成される。板状葉または刻みタバコからなる媒質の場合、エアロゾルが発生して流動するとき、喫煙抵抗性が増加する傾向がある。
【0006】
また、タバコ物質が粒子(particle)状に提供される場合、タバコ物質は、エアロゾル生成物品の外部に排出されうる。
【0007】
本発明が解決しようとする技術的課題は、前記のような技術的課題に限定されず、以下の実施例から他の技術的課題が類推されうる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するために、内部ラッパにシワが形成され、前記シワに顆粒状のタバコ物質が吸着されるタバコ充填部を含むエアロゾル生成物品を提供する。
【0009】
また、本発明は、物理的処理または化学的処理を通じて顆粒状のタバコ物質が安定して吸着されるエアロゾル生成物品の製造方法を提供する。
【0010】
本発明の一側面によれば、エアロゾル生成物品は、エアロゾルに気化するように構成されたエアロゾル生成物質を含むエアロゾル生成部;多数のシワが形成された内部ラッパ及びタバコ成分がタバコ充填部を通過するエアロゾルに添加されるように多数のシワに配列されたタバコ物質の顆粒を含むタバコ充填部;及び前記エアロゾル生成部及び前記タバコ充填部の外面の少なくとも一部を覆い包み、前記エアロゾル生成物質及び前記タバコ物質に熱を伝達するように構成された熱伝導性ラッパ;を含む。
【0011】
また、本発明の一側面によるエアロゾル生成物品の製造方法であって、内部ラッパ表面の吸着力を向上させるために、前記内部ラッパに物理的処理または化学的処理のうち、少なくともいずれか1つを遂行する段階と、タバコ物質の顆粒が吸着によって前記内部ラッパの表面に付着されるように自由落下によって前記内部ラッパの表面に前記タバコ物質の顆粒を位置させる段階;前記内部ラッパを巻取った後、切断してタバコ充填部を準備する段階;前記タバコ充填部にエアロゾル生成部を連結する段階;及び前記タバコ充填部及び前記エアロゾル生成部の外部表面を熱伝導性ラッパで覆い包む段階;を含む。
【0012】
課題の解決手段は、前述したところに制限されず、本明細書全体において通常の技術者によって類推されうる事項をいずれも含む。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、タバコ物質が顆粒状に提供されるので、タバコ物質は、タバコ成分の高い移行速度及び喫煙持続性を有し、豊かな霧化量を提供することができる。また、相対的に低い温度でもタバコ物質がよく移行されうる。
【0014】
また、タバコ物質の顆粒は、内部ラッパに形成された多数のシワ及び/または非タバコ材質を含む内部ラッパに適用されるバインダによって内部ラッパに安定して吸着されうる。
【0015】
また、顆粒の直径によって適切な範囲の熱伝導性ラッパの厚さが設定され、タバコ成分の移行率と喫煙持続性が向上しうる。
【0016】
本発明の効果は、上述したところに限定されず、後述する構成から類推可能な効果をいずれも含む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された一例を示す図面である。
【
図2】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された一例を示す図面である。
【
図4】誘導加熱方式を用いたエアロゾル生成装置の一例を示す図面である。
【
図5】一例示によるエアロゾル生成物品の断面図である。
【
図6】
図5に図示されたタバコ充填部の内部ラッパが広げられた形状を示す図面である。
【
図7】
図5に図示されたタバコ充填部の断面図の例示である。
【
図8】
図5に図示されたタバコ充填部の断面図の例示である。
【
図9】
図5に図示されたエアロゾル生成物品の冷却部に外部空気が流入される形状を示す図面である。
【
図10】
図5に図示されたタバコ充填部の内部ラッパにバインダが塗布された形状を示す図面である。
【
図11】一例示によるエアロゾル生成物品の製造方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一側面によれば、エアロゾル生成物品は、エアロゾルに気化するように構成されたエアロゾル生成物質を含むエアロゾル生成部;多数のシワが形成された内部ラッパ及び前記シワに吸着された顆粒状のタバコ物質を含んでエアロゾルにタバコ成分を付加するタバコ充填部;及び前記エアロゾル生成部及び前記タバコ充填部の外部表面の少なくとも一部を覆い包み、前記エアロゾル生成物質及び前記タバコ物質に熱を伝達する熱伝導性ラッパを含む。
【0019】
前記顆粒の直径は、約0.1mm~約1.0mmでもある。
【0020】
前記顆粒の直径は、約0.1mm~約0.4mmであり、前記熱伝導性ラッパの厚さは、約0.6μm~約12μmでもある。
【0021】
前記顆粒の直径は、約0.5mm~約1.0mmであり、前記熱伝導性ラッパの厚さは、約12μm~約20μmでもある。
【0022】
前記内部ラッパは、表面にバインダが塗布され、前記タバコ物質が前記バインダ上に吸着され、前記バインダは、グリセリンを含む。
【0023】
前記多数のシワは、エアロゾル生成物品の長手方向に沿って延びて空気チャネルを形成することができる。
【0024】
前記内部ラッパは、表面を改質して粗さを増加させることで、粗さ増加による接着力によって内部ラッパ表面に顆粒を吸着させうる。
【0025】
前記内部ラッパの多数のシワは、波状に形成された多数の凹凸(bump)を有し、前記顆粒は、隣接した前記凹凸の間に吸着されうる。
【0026】
前記内部ラッパの材質は、非タバコ材質で構成されうる。
【0027】
前記内部ラッパの多数のシワそれぞれの幅は、前記顆粒それぞれの直径の約1.4~1.6倍である。
【0028】
エアロゾル生成物品は、冷却部を流動するエアロゾルが外部空気によって冷却されるように前記外部空気を流入させるように構成された少なくとも1つの穿孔を含む冷却部;及び前記エアロゾルが濾過されるように構成されたフィルタ部をさらに含む。
【0029】
本発明の他の側面によれば、エアロゾル生成物品の製造方法は、内部ラッパ表面の吸着力を向上させるために、前記内部ラッパに物理的処理及び化学的処理のうち、少なくとも1つを遂行する段階;タバコ物質の顆粒が吸着によって前記内部ラッパの表面に付着されるように自由落下によって前記内部ラッパの表面に前記タバコ物質の顆粒を位置させる段階;前記内部ラッパを巻取った後、切断してタバコ充填部を準備する段階;前記タバコ充填部にエアロゾル生成部を連結する段階;及び前記タバコ充填部及び前記エアロゾル生成部の外部表面を熱伝導性ラッパで覆い包む段階;を含む。
【0030】
前記物理的処理は、多数の凹凸が形成された押印ローラで前記内部ラッパの表面に多数のシワを形成することを含み、前記化学的処理は、内部ラッパの表面にバインダを塗布することを含む。
【0031】
実施例で使用される用語は、本発明での機能を考慮しつつ、可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、それは、当分野の技術者の意図または判例、新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。したがって、本発明で使用される用語は、単純な用語の名称ではない、その用語が有する意味と本発明の全般にわたる内容とを基に定義されねばならない。
【0032】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書に記載された「-部」、「-モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、ハードウェアとソフトウェアの結合によっても具現される。
【0033】
ここで、使用された構成リスト(a list of elements)の前に記載された「~のうち、少なくとも1つ」のような表現は、全体構成リスト(list)を修飾し、リストの個別構成を修飾しない。例えば、「a、b及びcのうち、少なくとも1つ」という表現は「a」、「b」、「c」、「aとb」、「aとc」、「bとc」または「a、b及びc」をいずれも含むと理解されねばならない。
【0034】
「エアロゾル生成物品」という用語は、人がエアロゾル生成物品をパフすることで喫煙のために設計された任意の製品を指称する。エアロゾル生成物品は、燃焼なしに加熱されるとき、エアロゾルを発生させるエアロゾル生成物質を含む。例えば、1つ以上のエアロゾル生成物品がエアロゾル生成装置に積載され、前記エアロゾル生成装置による加熱時にエアロゾルを生成する。エアロゾル生成物品の形状、大きさ、材質及び構造は、実施例によって異なってもいる。エアロゾル生成物品の例は、シガレット形状の基材及びカートリッジを含んでもよいが、それに制限されない。以下、「シガレット」(すなわち、「一般的な」、「伝統的な」または「燃焼式の」のような修飾語なしに単独で使用される場合)は、伝統的な燃焼式のシガレットと類似した形状及び大きさを有するエアロゾル生成物品を意味する。以下、添付図面に基づいて、本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な互いに異なる形態にも具現され、ここで説明する実施例に限定されない。
【0035】
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
【0036】
図1及び
図2は、エアロゾル生成装置にシガレット10が挿入された例を示す図面である。
【0037】
図1及び
図2を参照すれば、エアロゾル生成装置20は、バッテリ21、制御部22、ヒータ23及び蒸気化器24を含む。また、エアロゾル生成装置20の内部空間には、シガレット10が挿入されうる。
【0038】
図1及び
図2に図示されたエアロゾル生成装置20には、本実施例に係わる構成要素が図示されている。したがって、
図1及び
図2に図示された構成要素以外に他の汎用的な構成要素がエアロゾル生成装置20にさらに含まれるということを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるあろう。
【0039】
また、
図1及び
図2には、エアロゾル生成装置20にヒータ23が含まれていると図示されているが、必要によって、ヒータ23は、省略されうる。
【0040】
図1には、バッテリ21、制御部22、蒸気化器24及びヒータ23が一列に配置されていると図示されている。また、
図2には、蒸気化器24及びヒータ23が並列に配置されていると図示されている。しかし、エアロゾル生成装置20の内部構造は、
図1及び
図2に図示されたところに限定されない。すなわち、エアロゾル生成装置20の設計によって、バッテリ21、制御部22、ヒータ23及び蒸気化器24の配置は変更されうる。
【0041】
シガレット10がエアロゾル生成装置20に挿入されれば、エアロゾル生成装置20は、ヒータ23及び/または蒸気化器24を作動させ、シガレット10及び/または蒸気化器24からエアロゾルを発生させうる。ヒータ23及び/または蒸気化器24によって発生したエアロゾルは、シガレット10を通過してユーザに伝達される。
【0042】
必要によって、シガレット10がエアロゾル生成装置20に挿入されていない場合にも、エアロゾル生成装置20は、ヒータ23を加熱することができる。
【0043】
バッテリ21は、エアロゾル生成装置20の動作に用いられる電力を供給する。例えば、バッテリ21は、ヒータ23または蒸気化器24が加熱されるように電力を供給し、制御部22の動作に必要な電力を供給することができる。また、バッテリ21は、エアロゾル生成装置20に設けられたディスプレイ、センサ、モータなどの動作に必要な電力を供給することができる。
【0044】
制御部22は、エアロゾル生成装置20の動作を全般的に制御する。具体的に、制御部22は、バッテリ21、ヒータ23及び蒸気化器24だけではなく、エアロゾル生成装置20に含まれた他の構成の動作を制御する。また、制御部22は、エアロゾル生成装置20の構成それぞれの状態を確認し、エアロゾル生成装置20が動作可能な状態であるか否かを判断することができる。
【0045】
制御部22は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイによって具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサで実行されるプログラムが保存されたメモリの組合わせによって具現されうる。また、他の形態のハードウェアによっても具現されることを、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるあろう。
【0046】
ヒータ23は、バッテリ21から供給された電力によって加熱されうる。例えば、シガレット10がエアロゾル生成装置20に挿入されれば、ヒータ23は、シガレット10の外部に位置する。したがって、加熱されたヒータ23は、シガレット10内のエアロゾル生成物質の温度を上昇させうる。
【0047】
ヒータ23は、電気抵抗性ヒータ23でもある。例えば、ヒータ23には、導電性トラック(track)を含み、導電性トラックに電流が流れることにより、ヒータ23が加熱されうる。しかし、ヒータ23は、上述した例に限定されず、希望温度まで加熱されるものであれば、制限なしに該当しうる。ここで、希望温度は、エアロゾル生成装置20に予め設定されていてもよく、ユーザによって所望の温度に設定されうる。
【0048】
一方、他の例として、ヒータ23は、誘導加熱式ヒータ23でもある。具体的に、ヒータ23には、シガレット10を誘導加熱方式で加熱するための導電性コイルを含み、シガレット10は、誘導加熱式ヒータ23によって加熱されるサセプタを含む。
【0049】
例えば、ヒータ23は、管状加熱要素、板状加熱要素、針状加熱要素、または棒状加熱要素を含み、加熱要素の形態によってシガレット10の内部または外部を加熱することができる。
【0050】
また、エアロゾル生成装置20には、ヒータ23が複数個配置されうる。この際、複数個のヒータ23は、シガレット10の内部に挿入されるようにも配置され、シガレット10の外部にも配置されうる。また、複数個のヒータ23のうち、一部は、シガレット10の内部に挿入されるように配置され、残りは、シガレット10の外部に配置されうる。また、ヒータ23の形状は、
図1及び
図2に図示された形状に限定されず、多様な形状にも作製される。
【0051】
蒸気化器24は、液状組成物を加熱してエアロゾルを生成し、生成されたエアロゾルは、シガレット10を通過してユーザに伝達されうる。すなわち、蒸気化器24によって生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成装置20の気流通路に沿って移動し、気流通路は、蒸気化器24によって生成されたエアロゾルがシガレット10を通過してユーザに伝達されるように構成されうる。
【0052】
例えば、蒸気化器24は、液体保存部、液体伝達手段及び加熱要素を含んでもよいが、それらに限定されない。例えば、液体保存部、液体伝達手段及び加熱要素は、独立したモジュールとしてエアロゾル生成装置20に含まれてもよい。
【0053】
液体保存部は、液状組成物を保存する。例えば、液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。液体保存部は、蒸気化器24から/に脱/付着するように作製され、蒸気化器24と一体として作製されうる。
【0054】
例えば、液状組成物は、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤510、または、ビタミン混合物を含む。香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分などを含むが、それらに制限されるものではない。香味剤510は、ユーザに多様な香味または風味を提供する成分を含む。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち、少なくとも1つが混合されたものでもあるが、それらに制限されない。また、液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含む。
【0055】
液体伝達手段は、液体保存部の液状組成物を加熱要素に伝達することができる。例えば、液体伝達手段は、綿繊維、セラミック繊維、ガラスファイバ、多孔性セラミックのような芯(wick)にもなるが、それに限定されない。
【0056】
加熱要素は、液体伝達手段によって伝達される液状組成物を加熱するための要素である。例えば、加熱要素は、金属熱線、金属熱板、セラミックヒータ23などにもなるが、それらに限定されない。また、加熱要素は、ニクロム線のような伝導性フィラメントで構成され、液体伝達手段に巻かれる構造によって配置されうる。加熱要素は、電流供給によって加熱され、加熱要素と接触された液体組成物に熱を伝達し、液体組成物を加熱することができる。その結果、エアロゾルが生成されうる。
【0057】
例えば、蒸気化器24は、カトマイザ(cartomizer)または霧化器(atomizer)とも称されるが、それらに限定されない。
【0058】
一方、エアロゾル生成装置20は、バッテリ21、制御部22、ヒータ23及び蒸気化器24以外に汎用的な構成をさらに含む。例えば、エアロゾル生成装置20は、視覚情報の出力が可能なディスプレイ及び/または触覚情報の出力のためのモータを含む。また、エアロゾル生成装置20は、少なくとも1つのセンサ(例えば、パフ感知センサ、温度感知センサ、シガレット挿入感知センサなど)を含む。また、エアロゾル生成装置20は、シガレット10が挿入された状態でも外部空気が流入されるか、内部気体が流出可能な構造によっても作製される。
【0059】
図1及び
図2には、図示されていないが、エアロゾル生成装置20は、別途のクレードルと共に、システムを構成してもよい。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置20のバッテリ21の充電に利用されうる。または、クレードルとエアロゾル生成装置20が結合された状態でヒータ23が加熱されうる。
【0060】
以下、
図3を参照して、シガレット10の一例について説明する。
【0061】
【0062】
シガレット10は、形態及び構造が一般的な燃焼型シガレット10と類似してもいる。例えば、シガレット10は、エアロゾル生成物質を含む第1部分とフィルタなどを含む第2部分に区分されうる。または、シガレット10の第2部分にもエアロゾル生成物質が含まれる。例えば、顆粒またはカプセルの形態に作られたエアロゾル生成物質が第2部分に挿入されうる。
【0063】
エアロゾル生成装置20の内部には、第1部分の全体が挿入され、第2部分は、外部に露出されうる。または、エアロゾル生成装置20の内部に第1部分の一部だけ挿入され、また第1部分の全体、及び第2部分の一部が挿入されうる。ユーザは、第2部分を口にした状態でエアロゾルを吸い込むことができる。この際、エアロゾルは、外部空気が第1部分を通過することで生成され、生成されたエアロゾルは、第2部分を通過してユーザの口に伝達される。
【0064】
一例として、外部空気は、エアロゾル生成装置20に形成された少なくとも1つの空気通路を通じて流入されうる。例えば、エアロゾル生成装置20に形成された空気通路の開閉及び/または、空気通路の大きさは、ユーザによって調節されうる。これにより、霧化量、喫煙感などがユーザによって調節されうる。他の例として、外部空気は、シガレット10の表面に形成された少なくとも1つの孔15を通じてシガレット10の内部に流入されうる。
【0065】
図3を参照すれば、シガレット10は、タバコロッド11及びフィルタロッド12を含む。上述した第1部分は、タバコロッド11を含み、第2部分は、フィルタロッド12を含む。
【0066】
図3には、フィルタロッド12が単一セグメントに図示されているが、それに限定されない。すなわち、フィルタロッド12は、複数のセグメントで構成されうる。例えば、フィルタロッド12は、エアロゾルを冷却する第1セグメント及びエアロゾル内に含まれた所定の成分をフィルタリングする第2セグメントを含む。また、必要によって、フィルタロッド12には、他の機能を遂行する少なくとも1つのセグメントをさらに含む。
【0067】
シガレット10は、少なくとも1つの外部ラッパ14によっても包装される。外部ラッパ14には、外部空気が流入されるか、内部気体が流出される少なくとも1つの孔15が形成されうる。一例として、シガレット10は、1枚の外部ラッパ14によっても包装される。他の例として、シガレット10は、2以上の外部ラッパ14によって重畳的に包装されうる。例えば、第1ラッパによってタバコロッド11が包装され、第2ラッパによってフィルタロッド12が包装されうる。そして、個別ラッパによって包装されたタバコロッド11及びフィルタロッド12が結合され、第3ラッパによってシガレット10全体が再包装されうる。もし、タバコロッド11またはフィルタロッド12それぞれが複数のセグメントで構成されているならば、それぞれのセグメントが個別ラッパによっても包装される。そして、個別ラッパによって包装されたセグメントが結合されたシガレット10全体が他のラッパによっても再包装される。
【0068】
タバコロッド11は、エアロゾル生成物質を含む。例えば、エアロゾル生成物質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち、少なくとも1つを含んでもよいが、それらに限定されない。また、タバコロッド11は、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含む。また、タバコロッド11には、メントールまたは保湿剤などの加香液が、タバコロッド11に噴射されることで添加することができる。
【0069】
タバコロッド11は、多様にも作製される。例えば、タバコロッド11は、シート(sheet)状に作製され、ストランド(strand)状にも作製される。また、タバコロッド11は、タバコシートが細かく切られた刻みタバコによっても作製される。また、タバコロッド11は、熱伝導物質によって取り囲まれる。例えば、熱伝導物質は、アルミニウムホイルのような金属ホイルでもあるが、それに限定されない。一例として、タバコロッド11を取り囲む熱伝導物質は、タバコロッド11に伝達される熱を均一に分散させてタバコロッドに加えられる熱伝導率を向上させ、それにより、タバコ味を向上させうる。また、タバコロッド11を取り囲む熱伝導物質は、誘導加熱式ヒータ23によって加熱されるサセプタとしての機能が可能である。この際、図面に図示されていないが、タバコロッド11は、外部を取り囲む熱伝導物質以外にも追加のサセプタをさらに含む。
【0070】
フィルタロッド12は、酢酸セルロースフィルタでもある。一方、フィルタロッド12の形状には制限がない。例えば、フィルタロッド12は、円柱状ロッドでもあり、内部に中空を含むチューブ状ロッドでもある。また、フィルタロッド12は、リセス状ロッドでもある。もし、フィルタロッド12が複数のセグメントで構成された場合、複数のセグメントのうち、少なくとも1つが異なる形状にも作製される。
【0071】
また、フィルタロッド12には、少なくとも1つのカプセル13が含まれる。ここで、カプセル13は、香味を発生させる機能を遂行し、エアロゾルを発生させる機能を遂行する。例えば、カプセル13は、香料を含む液体を被膜で覆い包んだ構造でもある。カプセル13は、球状または円筒状を有するが、それに制限されない。
【0072】
一方、
図3には、図示されていないが、一実施例によるシガレット10は、前端フィルタをさらに含む。前記タバコロッド11は、一側でフィルタロッド12と対向し、反対側で前端フィルタと対向する。前端フィルタは、タバコロッド11の脱着を防止し、喫煙中にタバコロッド11から液状化されたエアロゾルがエアロゾル発生装置(
図1及び
図2の20)への流入を防止することができる。
【0073】
図4は、誘導加熱方式を用いたエアロゾル生成装置の一例を示す図面である。
【0074】
図4を参照すれば、エアロゾル生成装置20は、バッテリ21、プロセッサ25、コイル27及びサセプタ26を含む。また、エアロゾル生成装置20の空洞28には、エアロゾル生成物品10の少なくとも一部が収容されうる。
図4のエアロゾル生成物品10、バッテリ21及びプロセッサ25は、
図1ないし
図3のシガレット10、バッテリ21及びプロセッサ25に対応する。また、コイル27及びサセプタ26は、ヒータ23に対応する。したがって、重複説明は、省略する。
【0075】
図4に図示されたエアロゾル生成装置20には、本実施例に係わる構成要素が図示されている。したがって、
図4に図示された構成要素以外に他の汎用的な構成要素がエアロゾル生成装置20にさらに含まれるということを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるあろう。
【0076】
コイル27は、空洞28周辺に位置する。
図4には、コイル27が空洞28を取り囲むように配置されていると図示されているが、それに限定されない。
【0077】
エアロゾル生成物品10がエアロゾル生成装置20の空洞28に収容されれば、エアロゾル生成装置20は、コイル27が磁場を発生させるようにコイル27に電力を供給する。コイル27によって発生した磁場がサセプタ26を貫通することにより、サセプタ26が加熱されうる。
【0078】
このような誘導加熱現象は、ファラデーの誘導法則(Faraday’s Law of induction)によって説明される公知された現象である。具体的に、サセプタ26内の磁気誘導が変化する場合、電場がサセプタ26内に生成されることで、渦電流(eddy current)がサセプタ26内に流れる。渦電流は、サセプタ26内で電流密度及び伝導体抵抗に比例する熱を発生させる。
【0079】
サセプタ26が渦電流によって加熱され、エアロゾル生成物品10内のエアロゾル生成物質は、加熱されたサセプタ26によって加熱されることにより、エアロゾルが生成されうる。エアロゾル生成物質から生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成物品10を通過してユーザに伝達される。
【0080】
バッテリ21は、コイル27が磁場を発生させるように電力を供給する。プロセッサ25は、コイル27と電気的に連結されうる。
【0081】
コイル27は、バッテリ21から供給された電力によって磁場を発生させる導電性コイルでもある。コイル27は、空洞28の少なくとも一部を取り囲むように配置されうる。コイル27によって発生した磁場は、空洞28の内側端部に配置されるサセプタ26に印加されうる。
【0082】
サセプタ26は、コイル27から発生する磁場が貫通されることで加熱され、金属または炭素を含む。例えば、サセプタ26は、フェライト(ferrite)、強磁性合金(ferromagnetic alloy)、ステンレス鋼(stainles ssteel)及びアルミニウム(Al)のうち、少なくとも1つを含んでもよい。
【0083】
また、サセプタ26は、黒鉛(graphite)、モリブデン(molybdenum)、シリコンカーバイド(silicon carbide)、ニオブ(niobium)、ニッケル合金(nickel alloy)、金属フィルム(metal film)、ジルコニア(zirconia)のようなセラミック、ニッケル(Ni)やコバルト(Co)のような遷移金属、ホウ素(B)やリン(P)のような半金属のうち、少なくとも1つを含んでもよい。しかし、サセプタ26は、前述した例に限定されず、磁場が印加されることにより、希望温度まで加熱されるものであれば、制限なしに該当しうる。ここで、希望温度は、エアロゾル生成装置20に予め設定されていてもよく、ユーザによって所望の温度に設定されうる。
【0084】
エアロゾル生成物品10がエアロゾル生成装置20の空洞28に収容されれば、サセプタ26は、エアロゾル生成物品10の少なくとも一部を取り囲むように配置されうる。したがって、加熱されたサセプタ26は、エアロゾル生成物品10内のエアロゾル生成物質の温度を上昇させうる。
【0085】
図4には、サセプタ26がエアロゾル生成物品10の少なくとも一部を取り囲むように配置されていると図示されているが、それに限定されない。例えば、サセプタ26は、管状加熱要素、板状加熱要素、針状加熱要素、または棒状加熱要素を含み、加熱要素の形状によってエアロゾル生成物品10の内部または外部を加熱することができる。
【0086】
また、エアロゾル生成装置20には、サセプタ26が複数個配置されうる。この際、複数個のサセプタ26は、エアロゾル生成物品10の外部に配置され、内部に挿入されるように配置されうる。また、複数個のサセプタ26のうち、一部は、エアロゾル生成物品10の内部に挿入されるように配置され、残りは、エアロゾル生成物品10の外部に配置されうる。また、サセプタ26の形状は、
図4に図示された形状に限定されず、多様な形状にも作製される。
【0087】
図5は、一例示によるエアロゾル生成物品10の断面図である。
図5に図示されたエアロゾル生成物品10は、
図1ないし
図3のシガレット10に対応しうる。したがって、シガレット10についての上述した内容と重複する説明は、省略する。
【0088】
図5を参照すれば、本発明の一実施例によるエアロゾル生成物品10は、エアロゾル生成部100、タバコ充填部200及び熱伝導性ラッパ300のような複数の互いに異なる部分(section)を含む。
【0089】
エアロゾル生成部100は、エアロゾル生成物質部分でもある。すなわち、エアロゾル生成部100は、エアロゾルに気化されるエアロゾル生成物質を含む。例えば、前記エアロゾル生成部100は、プロピレングリコールまたはグリセリンとプロピレングリコールとの混合物を含む。
【0090】
タバコ充填部200は、タバコ充填部分でもある。すなわち、前記タバコ充填部200は、生成されたエアロゾルにタバコ成分を添加するように構成されうる。タバコ充填部200は、内部ラッパ220と顆粒状のタバコ物質210を含む(
図6参照)。前記タバコ物質210は、内部ラッパ220の表面に顆粒状に吸着され、表面に顆粒が吸着された状態で前記内部ラッパ220は、巻き取られる。
【0091】
内部ラッパ220の表面は、クリンピングによって形成された多数のシワ221を含む(
図7参照)。顆粒状のタバコ物質210は、多数のシワ221によって形成された隣接した凹凸の間に吸着されうる。内部ラッパ220は、タバコ成分を含まない非タバコ材質でもある。例えば、内部ラッパ220は、紙を含む。
【0092】
タバコ物質210は、定型のまたは非定型の顆粒状に製造されうる。タバコ物質210が非定型の顆粒状である場合、それぞれのタバコ物質210の直径211は、一定しておらず、2以上の直径を有する。
【0093】
顆粒状のタバコ物質210は、板状葉や刻みタバコに比べて低廉であり、エアロゾルを除去する性質が低く、豊かな霧化量を具現することができる。顆粒は、一般的な板状葉または刻みタバコに比べて、同じ重さや体積にさらに多くのタバコ物質210の量を含む。
【0094】
また、顆粒状のタバコ物質210は、大きな比表面積を有するので、低い温度でも十分なタバコ成分を提供する。したがって、低い温度でもタバコ成分の移行率が優秀であり、エアロゾルに豊かなタバコ成分を付加することができる。一般的なエアロゾル生成物品10の場合、約300℃以上の加熱温度が要求され、一方、本発明の顆粒状のタバコ物質210の場合、約250℃以上の加熱温度でもタバコ成分を十分に提供することができる。したがって、本発明によるエアロゾル生成物品10をヒータ23を含むエアロゾル生成装置20と共に使用する場合、ヒータ23が相対的に低い温度に加熱されるので、バッテリ21の電力消耗を減少させうる。
【0095】
エアロゾル生成部100とタバコ充填部200は、互いに連結された状態で外部ラッパ14によって包装されうる。
図5に図示されたところのように、エアロゾル生成部100は、タバコ充填部200の前端に連結されるが、その順序に限定されるものではない。エアロゾル生成部100で生成されたエアロゾルは、タバコ充填部200に流入され、エアロゾルがタバコ充填部200を通過しつつ、顆粒状のタバコ物質210からタバコ成分を吸収してユーザに伝達されうる。
【0096】
顆粒状のタバコ物質210は、内部ラッパ220に形成されたシワ221に物理的に吸着されうる。前記シワ221によって形成された屈曲(すなわち、凹凸の間)に顆粒が堅固に載置されることで、エアロゾル生成物品10が揺れるか、エアロゾル生成物品10に外部衝撃が加えられる場合にも、タバコ物質210が内部ラッパ220からの離脱を防止することができる。
【0097】
熱伝導性ラッパ300は、熱伝導物質を含んで熱を伝達する。熱伝導性ラッパ300は、エアロゾル生成部100とタバコ充填部200の外周面の少なくとも一部を覆い包み、エアロゾル生成部100の内部に位置するエアロゾル生成物質とタバコ充填部200の内部に位置するタバコ物質210に熱を伝達する。熱伝導性物質は、例えば、アルミニウムのような金属を含む。また、熱伝導性物質は、高分子複合素材のように熱伝導性が高い物質を含む。熱伝導性ラッパ300に含まれた熱伝導性物質の含量を調節することで、熱伝導性ラッパ300の熱伝導率を調節し、それにより、タバコ成分の移行率を調節する。エアロゾル生成部100とタバコ充填部200は、熱伝導性ラッパ300によって覆い包まれ、
図4に図示された誘導加熱式エアロゾル生成装置20に挿入されうる。
【0098】
また、一実施例によるエアロゾル生成物品10は、冷却部400及びフィルタ部500をさらに含む。
【0099】
冷却部400は、エアロゾルを冷却させるための冷却部分でもある。冷却部400には、中空が形成され、前記中空を通じてエアロゾルが流動する。また、冷却部400には、外部空気が流入される穿孔410を少なくとも1つ以上含む(
図9参照)。外部空気が穿孔410を通じて冷却部400に流入されてエアロゾルを冷却する。冷却部400は、紙またはアセテートチューブフィルタからなり、生分解性高分子物質を含む。例えば、冷却部400は、純粋なポリ乳酸(Poly Lactic Acid, PLA)だけで作製されうるが、それに限定されない。
【0100】
また、PLAは、別途のセグメントまたはスレッド(thread)形態に冷却部400に挿入されうる。その場合、エアロゾルは、空気にあまり希釈されず、豊かな霧化量を具現することができる。また、冷却効果を増大させうる。
【0101】
フィルタ部500は、エアロゾルが流動しつつ濾過されるフィルタを含む。フィルタは、複数の孔が形成された酢酸セルロースフィルタでもある。また、フィルタは、エアロゾルに香味を付加する香味剤510を含む。一例として、フィルタ部500に加香液を噴射するか、香味剤510が塗布された別途の繊維がフィルタ部500の内部に挿入されうる。また、フィルタ部500に直接香味剤510が塗布されうる。
【0102】
本発明の一実施例によるエアロゾル生成物品10は、言及された順序で配置されたエアロゾル生成部100、タバコ充填部200、冷却部400及びフィルタ部500を含む。エアロゾル生成部100でエアロゾル生成物質が気化されてエアロゾルが生成され、生成されたエアロゾルは、タバコ充填部200に流動する。エアロゾルがタバコ充填部200を通過するとき、タバコ物質210によってエアロゾルにタバコ成分が添加されうる。タバコ成分が添加された後、エアロゾルが冷却部400を流動しながらエアロゾルの温度が下降する。エアロゾルがフィルタ部500を通過した後、外部に排出されうる。ユーザは、フィルタ部500を通過したエアロゾルを吸い込む。但し、上述した配置順序に限定されるものではなく、適切に異なる順序によっても配置される。また、フィルタ部500または冷却部400のうち、いずれか1つが省略されて使用され、同じセグメントが複数個連結されうる。
【0103】
図6は、
図5に図示されたタバコ充填部200の内部ラッパ220が広げられた形状を示す図面である。
【0104】
図6を参照すれば、顆粒状のタバコ物質210は、内部ラッパ220のシワ221の間に吸着されうる。内部ラッパ220に形成されたシワ221は、顆粒状のタバコ物質210を内部ラッパ220に吸着させる多様なパターンの形状からなる。シワ221は、エアロゾルが流れる方向と並んであるか、垂直に形成され、螺旋形にも形成される。
【0105】
エアロゾルがタバコ充填部200を通過するとき、シワ221の間に流れる。すなわち、エアロゾル生成物質で生成されたエアロゾルがタバコ充填部200を通過するとき、シワ221は、内部ラッパ220に空気チャネルを形成し、よって、エアロゾルが空気チャネルを通じて流れる。その場合、シワ221は、エアロゾル生成物品10の長手方向(すなわち、エアロゾル生成物品10の延長方向)に延びるように形成されうる。板状葉または刻みタバコで構成されたタバコ物質の場合、タバコ材料がエアロゾルの流動を阻止して喫煙抵抗性が増加しうる。一方、本発明の場合、シワ221が空気チャネルとして機能するので、板状葉または刻みタバコで構成されたタバコ物質に比べてエアロゾルがさらに円滑に流動することができるという長所を有する。
【0106】
顆粒状のタバコ物質210の場合、顆粒の直径211は、喫煙持続性とタバコ成分の移行率との相関関係を有する。
【0107】
喫煙持続性とは、エアロゾル生成物品10の使用開始時点から終了時点まで一定量のタバコ成分を提供する能力を意味する。したがって、喫煙持続性が低ければ、使用初期には豊かな量のタバコ成分を提供するが、使用し続けるほど提供されるタバコ成分の量が減少することを示す。
【0108】
タバコ成分の移行率とは、ユーザのパフによって提供されるエアロゾル内のタバコ成分の含量を意味する。タバコ成分の移行率が低ければ、ユーザのパフ間、エアロゾルに含まれたタバコ成分の提供量が低いので、ユーザにおける喫煙満足感が十分ではない。
【0109】
喫煙持続性の観点からして、タバコ物質210の顆粒の直径211が増加するほど、タバコ充填部200に充填されるタバコ物質210の量が増加するので、喫煙持続性が増加しうる。一方、タバコ成分の移行率の観点からして、顆粒の直径211が減少するほど、タバコ充填部200に充填される顆粒の充填率が増加してタバコ成分移行率が増加しうる。したがって、顆粒の直径211が過度に大きくなれば、タバコ成分移行率が不十分であり、過度に小さいと、喫煙持続性が不十分である。顆粒の直径211は、適切な喫煙持続性とタバコ成分の移行率を有するように大きさが決定されることが望ましい。そのために、顆粒の直径211は、約0.1mm~約1.0mmでもある。
【0110】
熱伝導性ラッパ300の厚さが増加することにより、熱伝導性ラッパ300に含まれた熱伝導性物質の量も増加するので、タバコ充填部200に伝達される熱量が増加しうる。したがって、熱伝導性ラッパ300の厚さが厚いほど、喫煙持続性が増加する。しかし、熱伝導性ラッパ300の厚さが増加するほど、熱伝導性ラッパ300を円形に巻き取り難く、熱伝導性ラッパ300を作製し難い短所がある。したがって、熱伝導性ラッパ300は、十分なタバコ成分移行を提供しつつも、作製しやすい厚さを有することが要求される。望ましくは、熱伝導性ラッパ300の厚さは、約20μm以下の厚さでもある。
【0111】
顆粒の直径211と熱伝導性ラッパ300の厚さは、相関関係を有することができる。顆粒の直径211は、約0.1mm~約1.0mm範囲に形成され、熱伝導性ラッパ300の厚さは、顆粒の直径211に基づいて適切に決定されうる。
【0112】
顆粒の直径211が約0.1mm~約0.4mmである場合、熱伝導性ラッパ300の厚さは、約0.6μm~約12μmでもある。顆粒の直径211が約0.5mm~約1.0mmである場合、熱伝導性ラッパ300の厚さは、約12μm~約20μmでもある。
【0113】
図7及び
図8は、
図5に図示されたタバコ充填部200の断面図である。具体的に、
図7及び
図8は、顆粒状のタバコ物質210が吸着される内部ラッパ220を含むタバコ充填部200の縦断面図である。
【0114】
図7を参照すれば、内部ラッパ220のシワ221は、クリンピングによって形成されうる。内部ラッパ220の表面には、波状の凹凸が繰り返して形成されうる。顆粒状のタバコ物質210は、凹凸の間に吸着されうる。前記内部ラッパ220は、タバコ物質210が内部ラッパ220に吸着された状態で巻き取られて切断されてから、タバコ材料210は、熱伝導性ラッパ300によって取り囲まれる。
【0115】
顆粒は、内部ラッパ220のシワ221の間に安定して吸着されなければならないので、シワの幅222と係わって顆粒の直径211を適切に決定せねばならない。顆粒の直径211が過度に大きければ、シワ221の間に挿入されず、過度に小さければ、シワ221の間から離脱するからである。
【0116】
そのために、シワの幅222(すなわち、隣接した2個のリッジ(ridge)間の距離)は、安定して吸着される顆粒の直径211の約1.4~1.6倍である。例えば、シワの幅222は、顆粒の直径211の約1.5倍である。シワの幅222が顆粒の直径211の約1.4~1.6倍である場合、顆粒状のタバコ物質210がシワ221に安定して吸着されうる。
【0117】
また、内部ラッパ220の表面に顆粒状のタバコ物質210を安定して吸着するために、内部ラッパ220の表面を改質して粗さを調節することができる。内部ラッパ220の表面を改質を通じて粗くすれば、表面に微細な凹凸、溝などが形成されうる。これにより、内部ラッパ220表面の摩擦が増加して顆粒が安定して吸着されうる。
図8を参照すれば、内部ラッパ220は、顆粒状のタバコ物質210が吸着された表面が内側に向かうように巻き取られる。また、内部ラッパ220は、タバコ充填部200の長手方向断面に複数の層が形成されるように巻き取られる。
【0118】
図9は、
図5に図示されたエアロゾル生成物品10の冷却部400に外部空気が流入される形状を示す図面である。
【0119】
上述したところのように、冷却部400には、外部空気が流入される穿孔410が形成されうる。エアロゾルが流動するとき、外部空気と混合されてエアロゾルの温度が下降する。外部ラッパ14には、穿孔410が形成された位置と対応する地点に外部空気が流入される孔15が形成されうる。
【0120】
図10は、
図5に図示されたタバコ充填部200の内部ラッパ220にバインダ230が塗布された形状を示す図面である。
【0121】
図10を参照すれば、バインダ230は、タバコ物質210がバインダ230上に吸着されるように、内部ラッパ220の表面に適用されうる。バインダ230は、内部ラッパ220の表面に吸着される吸着力を有する物質であり、よって、バインダ230の吸着力によって顆粒が内部ラッパ220の表面に吸着されうる。例えば、バインダ230は、グリセリンを含む保湿剤または香味添加剤を含む。バインダ230によって顆粒状のタバコ物質210が内部ラッパ220に安定して吸着されうる。
【0122】
本開示によるエアロゾル生成物品10は、エアロゾル生成装置に挿入されて使用されうる。本発明によるエアロゾル生成物品10をエアロゾル生成装置に挿入すれば、ヒータ及び/または蒸気化器によって熱伝導性ラッパ300に熱が伝達されうる。熱伝導性ラッパ300は、エアロゾル生成部100とタバコ充填部200の外周面の少なくとも一部に覆い包まれているので、ヒータ及び/または蒸気化器の熱がエアロゾル生成物質とタバコ物質210に伝達されうる。この際、エアロゾル生成装置に含まれたヒータ23は、エアロゾル生成物品10の内部に挿入されて加熱されうる。また、ヒータ23は、エアロゾル生成物品10の外部からエアロゾル生成物品10を加熱することも可能である。ヒータ23は、誘導加熱方式によってエアロゾル生成物品10を加熱することができる。
【0123】
図11は、一例示によるエアロゾル生成物品10の製造方法のフローチャートである。
【0124】
図11を参照すれば、エアロゾル生成物品10の製造方法は、内部ラッパ220に物理的処理及び化学的処理のうち、少なくとも1つを遂行することができる(S100)。物理的処理または化学的処理は、顆粒状のタバコ物質210が安定して吸着されるようにする。
【0125】
例えば、物理的処理は、内部ラッパ220の表面にシワ221を形成することで遂行されうる。紙など非タバコ材質からなる内部ラッパ220が準備されうる。例えば、内部ラッパ220を表面に凹凸が形成されたスタンピングローラでローリングすることで、シワ221を形成する。
【0126】
例えば、化学的処理は、内部ラッパ220の表面に接着力を有するバインダ230を塗布することで遂行される。バインダ230は、例えば、グリセリンを含む保湿剤を含む。
【0127】
物理的処理または化学的処理を遂行した後、内部ラッパ220の表面に顆粒状のタバコ物質を自由落下させて顆粒を吸着させる(S200)。顆粒状のタバコ物質は、ラッパに吸着させるとき、静電気によって吸着が十分になされない場合がある。これと関連して、内部ラッパ220の表面に顆粒状のタバコ物質210を自由落下させることで、均一で安定して吸着させうる。
【0128】
顆粒状のタバコ物質210が吸着された内部ラッパ220を巻取った後、切断してタバコ充填部200を準備することができる(S300)。顆粒が吸着された内部ラッパ220の表面が内側に向かうように巻き取った後、適当な大きさに切断すれば、タバコ充填部200が完成されうる。
【0129】
完成されたタバコ充填部200の一端にエアロゾル生成部100を連結することができる(S400)。エアロゾル生成部100で生成されたエアロゾルがタバコ充填部200に流動可能なようにエアロゾル生成部100とタバコ充填部220とを連結する。
【0130】
タバコ充填部200及びエアロゾル生成部100が連結された状態で外周面を熱伝導性ラッパ300で取り囲む(S500)。したがって、エアロゾル生成物品10のためのエアロゾル生成部100及びタバコ充填部200が製造されうる。
【0131】
本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者は、前記記載の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態として具現可能であるということを理解することができる。したがって、開示された方法は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されねばならない。本発明の範囲は、前述した説明ではなく、請求範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての相違点は、本発明に含まれたと解釈されねばならない。
【国際調査報告】