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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-02
(54)【発明の名称】異常な細胞成長を処置する方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/00 20060101AFI20230526BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20230526BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20230526BHJP
   A61K 31/4523 20060101ALI20230526BHJP
   A61K 31/4184 20060101ALI20230526BHJP
   A61K 31/16 20060101ALI20230526BHJP
   A61K 31/44 20060101ALI20230526BHJP
   A61K 31/437 20060101ALI20230526BHJP
   A61K 31/535 20060101ALI20230526BHJP
   A61K 31/4985 20060101ALI20230526BHJP
   A61K 31/353 20060101ALI20230526BHJP
   A61K 31/4166 20060101ALI20230526BHJP
   A61K 31/275 20060101ALI20230526BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20230526BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230526BHJP
【FI】
A61K45/00
A61K31/506
A61K31/519
A61K31/4523
A61K31/4184
A61K31/16
A61K31/44
A61K31/437
A61K31/535
A61K31/4985
A61K31/353
A61K31/4166
A61K31/275
A61K31/5377
A61P35/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022565600
(86)(22)【出願日】2021-04-27
(85)【翻訳文提出日】2022-10-26
(86)【国際出願番号】 US2021029435
(87)【国際公開番号】W WO2021222278
(87)【国際公開日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】63/015,883
(32)【優先日】2020-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513000780
【氏名又は名称】ベラステム・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Verastem,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】パクター, ジョナサン エー.
(72)【発明者】
【氏名】パターソン, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】スタグリク, ブライアン エム.
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C084AA17
4C084MA02
4C084MA52
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZB26
4C086AA01
4C086AA02
4C086BA08
4C086BC17
4C086BC21
4C086BC36
4C086BC38
4C086BC39
4C086BC47
4C086BC72
4C086CB03
4C086CB05
4C086CB09
4C086GA02
4C086GA07
4C086GA08
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA52
4C086ZB26
4C206AA01
4C206AA02
4C206HA12
4C206HA13
4C206HA16
4C206MA01
4C206MA02
4C206MA04
4C206MA72
4C206NA05
4C206NA14
4C206ZB26
(57)【要約】
本発明は、KRAS変異(例えば、KRAS G12X変異(例えば、KRAS G12V、KRAS G12D、KRAS G12A、KRAS G12R、KRAS G12S、またはKRAS G12C))を有すると同定された対象の異常な細胞成長(例えば、がん)を処置する方法であって、有効量のMEK阻害剤(例えば、二重RAF/MEK阻害剤)を、単独でまたは追加の薬剤と組み合わせて、対象に投与するステップを含む、方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
KRAS G12V変異を有すると同定された対象のがんを処置する方法であって、有効量のMEK阻害剤を前記対象に投与するステップ、それによって、前記対象を処置するステップを含む、方法。
【請求項2】
KRAS G12D変異を有すると同定された対象のがんを処置する方法であって、有効量のMEK阻害剤を前記対象に投与するステップ、それによって、前記対象を処置するステップを含む、方法。
【請求項3】
がんの処置を必要とする対象においてKRAS G12V変異を有すると特徴付けられたがんを処置する方法であって、有効量のMEK阻害剤を前記対象に投与するステップ、それによって、前記対象を処置するステップを含む、方法。
【請求項4】
がんの処置を必要とする対象においてKRAS G12D変異を有すると特徴付けられたがんを処置する方法であって、有効量のMEK阻害剤を前記対象に投与するステップ、それによって、前記対象を処置するステップを含む、方法。
【請求項5】
がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であって、有効量のMEK阻害剤を前記対象に投与するステップを含み、前記対象がKRAS G12V変異を有すると以前同定されている、方法。
【請求項6】
がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であって、有効量のMEK阻害剤を前記対象に投与するステップを含み、前記対象がKRAS G12D変異を有すると以前同定されている、方法。
【請求項7】
がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であって、対象の腫瘍においてKRAS G12V変異を有するがんを有する前記対象を選択するステップと;前記対象を有効量のMEK阻害剤で処置するステップとを含む、方法。
【請求項8】
がんの処置を必要とする対象のがんを処置する方法であって、対象の腫瘍においてKRAS G12D変異を有するがんを有する前記対象を選択するステップと;前記対象を有効量のMEK阻害剤で処置するステップとを含む、方法。
【請求項9】
前記MEK阻害剤がトラメチニブ、コビメチニブ、ビニメチニブ、セルメチニブ、PD-325901、CI-1040、VS-6766、MEK162、AZD8330、GDC-0623、レファメチニブ、ピマセルチブ、WX-554、HL-085、CH4987655、TAK-733、CInQ-03、G-573、PD184161、PD318088、PD98059、RO5068760、U0126、およびSL327、またはその薬学的に許容される塩からなる群より選択される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記MEK阻害剤が二重RAF/MEK阻害剤である、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記MEK阻害剤がVS-6766またはその薬学的に許容される塩である、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記MEK阻害剤が1週間に1回投薬される、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記MEK阻害剤が1週間に2回投薬される、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記MEK阻害剤が1日1回投薬される、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記MEK阻害剤が1日2回投薬される、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記MEK阻害剤が少なくとも3週間投薬される、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記MEK阻害剤がサイクルとして投薬され、前記サイクルが前記MEK阻害剤を3週間にわたり投与し、次いで、前記MEK阻害剤を1週間にわたり投与しないことを含む、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記MEK阻害剤が約0.1mg~約100mgで投薬される、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記MEK阻害剤が約0.5mg~約10mgで投薬される、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記MEK阻害剤が約4mgで投薬される、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記MEK阻害剤が約3.2mgで投薬される、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記MEK阻害剤が経口投与される、請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
追加の薬剤を前記対象に投与するステップをさらに含む、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記追加の薬剤が前記MEK阻害剤の前に投与される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記追加の薬剤が前記MEK阻害剤と同時発生的に投与される、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記追加の薬剤が前記MEK阻害剤の後に投与される、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記追加の薬剤がFAK阻害剤である、請求項23から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記FAK阻害剤がデファクチニブ、TAE226、BI-853520(IN10018)、GSK2256098、PF-03814735、BI-4464、VS-4718、およびAPG-2449、またはその薬学的に許容される塩からなる群より選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記FAK阻害剤がデファクチニブまたはその薬学的に許容される塩である、請求項27または28に記載の方法。
【請求項30】
前記FAK阻害剤が1日2回投薬される、請求項27から29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記FAK阻害剤が1日1回投薬される、請求項27から29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記FAK阻害剤が約100mg~約1000mgで投薬される、請求項27から31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記FAK阻害剤が約200mg~約400mgで投薬される、請求項27から32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記FAK阻害剤が約200mgで投薬される、請求項27から33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記FAK阻害剤が約400mgで投薬される、請求項27から33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記FAK阻害剤が経口投与される、請求項27から35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記がんが卵巣がん、非小細胞肺がん(例えば、NSCLC腺癌)、子宮類内膜癌、膵臓腺癌、結腸直腸腺癌、または肺腺癌である、請求項1から36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記がんが非小細胞肺がんである、請求項1から37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
KRAS G12V変異を有すると同定された対象のがんを処置する方法であって、有効量の汎RAF阻害剤を前記対象に投与するステップ、それによって、前記対象を処置するステップを含む、方法。
【請求項40】
KRAS G12D変異を有すると同定された対象のがんを処置する方法であって、有効量の汎RAF阻害剤を前記対象に投与するステップ、それによって、前記対象を処置するステップを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、2020年4月27日に出願された米国仮特許出願第63/015,883号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
背景
Kirstenラット肉腫2ウイルス癌遺伝子ホモログ(KRAS)は、小型のGTPアーゼおよび癌遺伝子のRasファミリーのメンバーである。KRASは、不活性(GDP結合)状態と活性(GTP結合)状態を循環して、複数のチロシンキナーゼから受け取った上流細胞シグナルを下流エフェクターに伝達して、細胞増殖を含む多種多様なプロセスを調節する分子スイッチとして働く(例えば、Alamgeer et al., (2013) Current Opin. Pharmcol. 13:394-401参照)。KRAS遺伝子変異は、がん、例えば、膵臓がん、肺腺癌、結腸直腸がん、胆嚢がん、甲状腺がん、および胆管がんで見られる(Kodaz et al., EJMO 2017)。
【0003】
RAS/RAF/MEK/ERKシグナル伝達経路の構成要素は、異常な細胞成長、例えば、がんを処置する機会となる。RAS、RAF、MEK、およびERKなどのRAS/RAF/MEK/ERKシグナル伝達経路のある特定の構成要素の選択的阻害剤は、哺乳動物の異常な細胞成長、特にがんの処置において有用である。
【0004】
異常な細胞成長に関連する疾患および障害(例えば、がん)の重症度および幅広さのために、有効な治療手段および処置方法が必要とされている。本明細書に記載される化合物、化合物組合せ、組成物、および方法はこの目的に向けられている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Alamgeerら、Current Opin. Pharmcol.(2013)13:394~401
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
概要
本開示は、部分的には、それを必要とする対象の異常な細胞成長(例えば、がん)を処置する方法を提供する。本明細書で提供される方法は、KRAS変異を有すると同定された対象を処置するのに有用なものとして企図される。例えば、KRAS変異は、例えば、コドン12での単一の点置換変異として、KRAS遺伝子のコドン12にあり得る(すなわち、KRAS G12X変異)。例示的なKRAS G12X変異には、それだけに限らないが、KRAS G12V、KRAS G12D、KRAS G12A、KRAS G12R、KRAS G12S、またはKRAS G12Cが含まれる。本方法は、有効量の本明細書に記載されるMEK阻害剤(例えば、二重RAF/MEK阻害剤)を単独でまたは本明細書に記載される追加の薬剤と組み合わせて投与することによって対象を処置するステップを含む。あるいは、本方法は、汎RAF阻害剤を単独でまたは本明細書に記載される追加の薬剤と組み合わせて投与することによって対象を処置するステップを含み得る。
【0007】
ある態様では、KRAS G12V変異を有すると同定された対象のがんを処置する方法であって、有効量のMEK阻害剤(例えば、二重RAF/MEK阻害剤)を対象に投与するステップ、それによって、対象を処置するステップを含む方法が本明細書で提供される。
【0008】
ある態様では、KRAS G12D変異を有すると同定された対象のがんを処置する方法であって、有効量のMEK阻害剤(例えば、二重RAF/MEK阻害剤)を対象に投与するステップ、それによって、対象を処置するステップを含む方法が本明細書で提供される。
【0009】
ある態様では、それを必要とする対象のKRAS G12V変異を有すると特徴付けられたがんを処置する方法であって、有効量のMEK阻害剤(例えば、二重RAF/MEK阻害剤)を対象に投与するステップ、それによって、対象を処置するステップを含む方法が本明細書で提供される。
【0010】
ある態様では、それを必要とする対象のKRAS G12D変異を有すると特徴付けられたがんを処置する方法であって、有効量のMEK阻害剤(例えば、二重RAF/MEK阻害剤)を対象に投与するステップ、それによって、対象を処置するステップを含む方法が本明細書で提供される。
【0011】
一部の実施形態では、MEK阻害剤がトラメチニブ、コビメチニブ、ビニメチニブ、セルメチニブ、PD-325901、CI-1040、VS-6766、MEK162、AZD8330、GDC-0623、レファメチニブ、ピマセルチブ(pimasertib)、WX-554、HL-085、CH4987655、TAK-733、CInQ-03、G-573、PD184161、PD318088、PD98059、RO5068760、U0126、およびSL327、またはその薬学的に許容される塩からなる群より選択される。
【0012】
一部の実施形態では、MEK阻害剤が二重RAF/MEK阻害剤である。
【0013】
一部の実施形態では、MEK阻害剤(例えば、二重RAF/MEK阻害剤)がVS-6766またはその薬学的に許容される塩である。
【0014】
一部の実施形態では、MEK阻害剤(例えば、VS-6766またはその薬学的に許容される塩)が1週間に2回投薬される。
【0015】
一部の実施形態では、MEK阻害剤(例えば、VS-6766またはその薬学的に許容される塩)が約0.5mg~約10mg(例えば、約4mgまたは約3.2mg)で投薬される。
【0016】
一部の実施形態では、MEK阻害剤(例えば、VS-6766またはその薬学的に許容される塩)が3週間オン、次いで、1週間オフで周期的に投薬される。
【0017】
一部の実施形態では、MEK阻害剤(例えば、VS-6766またはその薬学的に許容される塩)が追加の薬剤と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、追加の薬剤がMEK阻害剤の前に投与される。一部の実施形態では、追加の薬剤がMEK阻害剤と同時発生的に投与される。一部の実施形態では、追加の薬剤がMEK阻害剤の後に投与される。
【0018】
一部の実施形態では、追加の薬剤がFAK阻害剤である。一部の実施形態では、FAK阻害剤がデファクチニブ、TAE226、BI-853520(IN10018)、GSK2256098、PF-03814735、BI-4464、VS-4718、およびAPG-2449、またはその薬学的に許容される塩からなる群より選択される。一部の実施形態では、FAK阻害剤がデファクチニブまたはその薬学的に許容される塩である。
【0019】
一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が1日1回投薬される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が1日2回投薬される。
【0020】
一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が約100mg~約1000mgで投薬される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が約200mg~約400mg(例えば、200mgまたは400mg)で投薬される。
【0021】
一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が約400mg~約800mgで毎日投薬される。例えば、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が約200mg~約400mgで1日2回(例えば、1日2回約200mgまたは約400mg)投薬され得る。
【0022】
一部の実施形態では、MEK阻害剤(例えば、VS-6766またはその薬学的に許容される塩)がサイクルとして投薬され、サイクルがMEK阻害剤を3週間にわたり投与し、次いで、MEK阻害剤を1週間にわたり投与しないことを含む。
【0023】
一部の実施形態では、MEK阻害剤(例えば、VS-6766またはその薬学的に許容される塩)およびFAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)がサイクルとして投薬され、サイクルがMEK阻害剤およびFAK阻害剤を3週間にわたり投与し、次いで、MEK阻害剤およびFAK阻害剤を1週間にわたり投与しないことを含む。
【0024】
一部の実施形態では、MEK阻害剤(例えば、VS-6766またはその薬学的に許容される塩)およびFAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)がサイクルとして独立に投薬される。一部の実施形態では、MEK阻害剤(例えば、VS-6766またはその薬学的に許容される塩)およびFAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)がサイクルとして同時に投薬される。
【0025】
一部の実施形態では、MEK阻害剤(例えば、VS-6766またはその薬学的に許容される塩)が約0.5mg~約10mgで投薬され、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が約200mg~約400mgで投薬される。一部の実施形態では、MEK阻害剤(例えば、VS-6766またはその薬学的に許容される塩)が1週間に2回約4mgで投薬され、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が1日2回約200mgで投薬される。
【0026】
一部の実施形態では、MEK阻害剤(例えば、VS-6766またはその薬学的に許容される塩)が1週間に2回約3.2mgで投薬され、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が1日2回約200mgで投薬される。
【0027】
一部の実施形態では、MEK阻害剤(例えば、VS-6766またはその薬学的に許容される塩)が1週間に2回約4mgで投薬され、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が1日2回約400mgで投薬される。
【0028】
一部の実施形態では、MEK阻害剤(例えば、VS-6766またはその薬学的に許容される塩)が1週間に2回約3.2mgで投薬され、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が1日2回約400mgで投薬される。
【0029】
一部の実施形態では、がんが卵巣がん、非小細胞肺がん(例えば、NSCLC腺癌)、子宮類内膜癌、膵臓腺癌、結腸直腸腺癌、または肺腺癌である。一部の実施形態では、がんがNSCLC(例えば、KRAS G12V変異体NSCLC)である。
【0030】
別の態様では、がんを有する対象に関連するKRAS遺伝子変異の存在を検出する方法であって、
(a)対象から生体試料を得るステップと;
(b)試料の変異をスクリーニングするアッセイを実施するステップと
を含む方法が本明細書で提供される。
別の態様では、KRAS遺伝子変異を有するがんを有する対象を同定する方法であって、
(a)対象から生体試料を得るステップと;
(b)試料の変異をスクリーニングするアッセイを実施するステップと
を含む方法が本明細書で提供される。
【0031】
一部の実施形態では、本方法が、有効量の本明細書に記載されるMEK阻害剤(例えば、二重RAF/MEK阻害剤)を、単独でまたは追加の薬剤(例えば、FAK阻害剤)と組み合わせて、KRAS変異(例えば、KRAS G12X変異(例えば、KRAS G12V、KRAS G12D、KRAS G12A、KRAS G12R、KRAS G12S、またはKRAS G12C))を有するがんを有すると同定された対象に投与するステップをさらに含む。
【0032】
代替実施形態では、本方法が、有効量の汎RAF阻害剤を、単独でまたは追加の薬剤(例えば、FAK阻害剤)と組み合わせて、KRAS変異(例えば、KRAS G12X変異(例えば、KRAS G12V、KRAS G12D、KRAS G12A、KRAS G12R、KRAS G12S、またはKRAS G12C))を有するがんを有すると同定された対象に投与するステップをさらに含み得る。
【0033】
一部の実施形態では、KRAS遺伝子変異がG12A、G12C、G12D、G12R、G12S、G12VまたはG13Dである。一部の実施形態では、KRAS遺伝子変異がG12Vである。一部の実施形態では、がんがNSCLCである。
【0034】
他の目的および利点は、続く詳細な説明、実施例、および特許請求の範囲を考慮することから当業者に明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1図1は、VS-6766の単独療法およびVS-6766とデファクチニブの併用療法についてのKRAS G12V NSCLCにおけるRECISTによる例示的な最良応答を示す。
【0036】
図2図2は、KRAS G12V NSCLCについての処置中の時間を示す。
【0037】
図3図3は、VS-6766の単独療法およびVS-6766とデファクチニブの併用療法についてのKRAS G12V腫瘍(子宮内膜、NSCLC、および卵巣)におけるRECISTによる例示的な最良応答を示す。
【0038】
図4図4は、KRAS G12V腫瘍(子宮内膜、NSCLC、および卵巣)についての処置中の時間を示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
詳細な説明
本明細書に一般的に記載されるように、本開示は、それを必要とする対象の異常な細胞成長(例えば、がん)を処置するのに有用な方法を提供する。がんの処置を必要とする企図される対象は、KRAS変異(例えば、KRAS G12X変異(例えば、KRAS G12V、KRAS G12D、KRAS G12A、KRAS G12R、KRAS G12S、またはKRAS G12C))を有すると同定され得る。
【0040】
定義
「約」および「およそ」は、測定値の性質または精度を考慮して、測定された量について許容される誤差の程度を一般的に意味するものとする。例示的な誤差の程度は、所与の値または値の範囲の20パーセント(%)以内、典型的には10%以内、より典型的には5%以内である。
【0041】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される塩」は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴わないでヒトおよび下等動物の組織と接触して使用するのに適しており、合理的なベネフィット/リスク比に見合った塩を指す。薬学的に許容される塩は当技術分野で周知である。例えば、Bergeらは、J. Pharmaceutical Sciences (1977) 66:1-19で詳細に薬学的に許容される塩を記載している。本発明の化合物の薬学的に許容される塩には、適した無機および有機の酸および塩基から誘導されるものが含まれる。薬学的に許容される、非毒性の酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸などの無機酸または酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸などの有機酸を用いて、あるいはイオン交換などの当技術分野で使用される他の方法を使用することによって形成されるアミノ基の塩である。他の薬学的に許容される塩には、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが含まれる。適切な塩基から誘導される薬学的に許容される塩には、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよびN(C1~4アルキル)塩が含まれる。代表的なアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが含まれる。さらなる薬学的に許容される塩には、適切な場合、ハライド、ヒドロキシド、カルボキシレート、サルフェート、ホスフェート、ニトレート、低級アルキルスルホネート、およびアリールスルホネートなどの対イオンを使用して形成される非毒性アンモニウム、第四級アンモニウム、およびアミンカチオンが含まれる。
【0042】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」は、製剤化される化合物の薬理学的活性を破壊しない非毒性の担体、佐剤、またはビヒクルを指す。本明細書に記載される組成物に使用され得る薬学的に許容される担体、佐剤またはビヒクルには、それだけに限らないが、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質、例えばヒト血清アルブミン、緩衝物質、例えばリン酸塩、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質、例えばプロタミン硫酸塩、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が含まれる。
【0043】
本明細書で使用される場合、投与が企図される「対象」には、それだけに限らないが、ヒト(すなわち、任意の年齢群の男性または女性、例えば、小児対象(例えば、乳児、小児、青年)または成人対象(例えば、若年成人、中年成人または高齢成人))ならびに/あるいは非ヒト動物、例えば霊長類(例えば、カニクイザル、アカゲザル)、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、齧歯類、ネコ、および/またはイヌなどの哺乳動物が含まれる。ある特定の実施形態では、対象がヒトである。ある特定の実施形態では、対象が非ヒト動物である。「ヒト」、「患者」、および「対象」という用語は本明細書で互換的に使用される。
【0044】
疾患、障害、および状態は本明細書で互換的に使用される。
【0045】
本明細書で使用される場合、特に指定しない限り、「処置する」、「処置すること」および「処置」という用語は、疾患、障害もしくは状態の重症度を低下させる、または疾患、障害もしくは状態の進行を遅延させるもしくは減速させる、患者が特定の疾患、障害または状態を患っている間に行われる行為を企図する(「治療的処置」とも)。
【0046】
一般に、化合物の「有効量」は、所望の生物学的応答を誘発するのに十分な量を指す。この分野の当業者によって認識されるように、本発明の化合物の有効量は、所望の生物学的エンドポイント、化合物の薬物動態、処置される疾患、投与様式、ならびに対象の年齢、体重、健康、および状態のような因子に応じて変化し得る。
【0047】
本明細書で使用される場合、特に指定しない限り、化合物の「治療有効量」は、疾患、障害もしくは状態の処置において治療利益を提供する、または疾患、障害もしくは状態に関連する1つもしくは複数の症状を遅らせるもしくは最小化するのに十分な量である。化合物の治療有効量は、疾患、障害または状態の処置において治療利益を提供する、単独でのまたは他の治療と組み合わせた、治療剤の量を意味する。「治療有効量」という用語は、治療全体を改善する、疾患もしくは状態の症状もしくは原因を減少させるもしくは回避する、または別の治療剤の治療有効性を増強する量を包含することができる。
【0048】
本明細書で使用される場合、「予防的処置」は、対象が特定の疾患、障害または状態を患い始める前に行われる行為を企図する。
【0049】
本明細書で使用される場合、特に指定しない限り、化合物の「予防有効量」は、疾患、障害もしくは状態、または疾患、障害もしくは状態に関連する1つもしくは複数の症状を防止する、あるいはその再発を防止するのに十分な量である。化合物の予防有効量は、疾患、障害または状態の防止において予防利益を提供する、単独でのまたは他の薬剤と組み合わせた、治療剤の量を意味する。「予防有効量」という用語は、予防全体を改善する、または別の予防剤の予防有効性を増強する量を包含することができる。
【0050】
「経口剤形」という用語は、本明細書で使用される場合、薬剤を対象に投与するために使用される組成物または媒体を指す。典型的には、経口剤形は口を介して投与されるが、「経口剤形」は、対象に投与され、例えば口、食道、胃、小腸、大腸、および結腸を含む消化管の膜、例えば粘膜を横切って吸収される任意の物質を網羅することを意図している。例えば、「経口剤形」は、胃への栄養管を介して投与される溶液を網羅する。
【0051】
「KRAS変異」は、Krasタンパク質の活性GTP結合状態に有利に働くことによって、増加したおよび/または構成的な活性に関連する異常なKrasタンパク質機能をもたらす、KRAS遺伝子の変異(すなわち、核酸変異)またはKrasタンパク質の変異(すなわち、アミノ酸変異)である。変異は、GTP結合および構成的に活性なKrasタンパク質に有利に働く保存された部位にあり得る。一部の例では、変異がKRAS遺伝子のコドン12、13、および16の1つまたは複数にある。例えば、KRAS変異は、例えば、コドン12の単一の点置換変異(すなわち、KRAS G12X変異)としてKRAS遺伝子のコドン12にあり得る(例えば、KRAS G12V変異は、単一ヌクレオチド変化(c.35G>T)から生じ、12位のグリシン(G)のバリン(V)によるアミノ酸置換をもたらす)。例示的なKRAS G12X変異には、それだけに限らないが、KRAS G12V、KRAS G12D、KRAS G12A、KRAS G12R、KRAS G12S、またはKRAS G12Cが含まれる。
【0052】
処置方法
本明細書に開示される方法は、有効量のMEK阻害剤(例えば、二重RAF/MEK阻害剤)を、単独でまたは追加の薬剤(例えば、FAK阻害剤)と組み合わせて、対象に投与することによって、KRAS変異(例えば、KRAS G12X変異(例えば、KRAS G12V、KRAS G12D、KRAS G12A、KRAS G12R、KRAS G12S、またはKRAS G12C))を有すると同定された対象を処置することを企図する。
【0053】
ある態様では、KRAS G12V変異を有すると同定された対象のがんを処置する方法であって、有効量のMEK阻害剤を対象に投与するステップ、それによって、対象を処置するステップを含む方法が本明細書で提供される。
【0054】
ある態様では、KRAS G12D変異を有すると同定された対象のがんを処置する方法であって、有効量のMEK阻害剤を対象に投与するステップ、それによって、対象を処置するステップを含む方法が本明細書で提供される。
【0055】
ある態様では、それを必要とする対象のKRAS G12V変異を有すると特徴付けられたがんを処置する方法であって、有効量のMEK阻害剤を対象に投与するステップ、それによって、対象を処置するステップを含む方法が本明細書で提供される。
【0056】
ある態様では、それを必要とする対象のKRAS G12D変異を有すると特徴付けられたがんを処置する方法であって、有効量のMEK阻害剤を対象に投与するステップ、それによって、対象を処置するステップを含む方法が本明細書で提供される。
【0057】
ある態様では、それを必要とする対象のがんを処置する方法であって、有効量のMEK阻害剤を対象に投与するステップを含み、対象がKRAS変異(例えば、KRAS G12X変異(例えば、KRAS G12V、KRAS G12D、KRAS G12A、KRAS G12R、KRAS G12S、またはKRAS G12C))を有すると以前同定されている、方法が本明細書で提供される。
【0058】
ある態様では、それを必要とする対象のがんを処置する方法であって、対象の腫瘍においてKRAS変異(例えば、KRAS G12X変異(例えば、KRAS G12V、KRAS G12D、KRAS G12A、KRAS G12R、KRAS G12S、またはKRAS G12C))を有するがんを有する対象を選択するステップと;対象を有効量のMEK阻害剤で処置するステップとを含む方法が本明細書で提供される。
【0059】
MEK阻害剤
MEK阻害剤は、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)酵素MEK1および/またはMEK2(例えば、MAPK/ERK経路)の低分子または生物学的阻害剤であり得る。
【0060】
MEK阻害剤の例としては、それだけに限らないが、
以下の構造:
【化1】
を有するCH5126766(RO5126766またはCKI127としても知られる;本明細書ではVS-6766としても記載される);
以下の構造:
【化2】
を有するトラメチニブ(Mekinst、GSK1120212としても知られる);
以下の構造:
【化3】

を有するコビメチニブ(GDC-0973、XL518としても知られる);
以下の構造:
【化4】

を有するビニメチニブ;
以下の構造:
【化5】

を有するCI-1040(PD184352としても知られる);
以下の構造:
【化6】

を有するPD-325901;
以下の構造:
【化7】

を有するセルメチニブ(AZD6244としても知られる);
以下の構造:
【化8】

を有するMEK162;
以下の構造:
【化9】

を有するAZD8330;
以下の構造:
【化10】

を有するTAK-733;
以下の構造:
【化11】

を有するGDC-0623;
以下の構造:
【化12】

を有するレファメチニブ(RDEA119;BAY869766としても知られる);
以下の構造:
【化13】

を有するピマセルチブ(AS4987655としても知られる);
以下の構造:
【化14】

を有するRO4987655(CH4987655としても知られる);
以下の構造:
【化15】

を有するCInQ-03;
以下の構造:
【化16】

を有するG-573;
以下の構造:
【化17】

を有するPD184161;
以下の構造:
【化18】

を有するPD318088;
以下の構造:
【化19】

を有するPD98059;
以下の構造:
【化20】

を有するRO5068760;
以下の構造:
【化21】

を有するSL327;
以下の構造:
【化22】

を有するU0126;
WX-554(Wilex);およびHL-085(Shanghai Kechow Pharma)が挙げられる。
【0061】
一部の実施形態では、MEK阻害剤がトラメチニブ、コビメチニブ、ビニメチニブ、セルメチニブ、PD-325901、CI-1040、VS-6766、MEK162、AZD8330、GDC-0623、レファメチニブ、ピマセルチブ、WX-554、HL-085、CH4987655、TAK-733、CInQ-03、G-573、PD184161、PD318088、PD98059、RO5068760、U0126、およびSL327、またはその薬学的に許容される塩からなる群より選択される。
【0062】
一部の実施形態では、MEK阻害剤が少なくとも1週間に1回(例えば、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、1週間に4回、1週間に5回、または1週間に6回)投薬される。一部の実施形態では、MEK阻害剤が1週間に1回投薬される。一部の実施形態では、MEK阻害剤が1週間に2回投薬される。一部の実施形態では、MEK阻害剤が1日1回投薬される。一部の実施形態では、MEK阻害剤が1日2回投薬される。一部の実施形態では、MEK阻害剤が少なくとも3週間投薬される。一部の実施形態では、MEK阻害剤が周期的に(例えば、MEK阻害剤を3週間にわたり投与し、次いで、MEK阻害剤を1週間にわたり投与しないことを含むサイクル)投薬される。
【0063】
一部の実施形態では、MEK阻害剤が約0.1mg~約100mg、例えば、約0.1mg~約50mg、約0.1mg~約10mg、約0.1mg~約5mg、約0.1mg~約4mg、約0.1mg~約3mg、約0.1mg~約2mg、約0.1mg~約1mg、約1mg~約10mg、約1mg~約20mg、約1mg~約40mg、約1mg~約60mg、約1mg~約80mg、約1mg~約100mg、約10mg~約100mg、約20mg~約100mg、約40mg~約100mg、約60mg~約100mg、または約80mg~約100mgで投薬される。一部の実施形態では、MEK阻害剤が約0.5mg~約10mgで投薬される。一部の実施形態では、MEK阻害剤が約0.1mg、0.2mg、0.5mg、1mg、1.5mg、3mg、4mg、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、または100mgで投薬される。一部の実施形態では、MEK阻害剤が約4mgで投薬される。一部の実施形態では、MEK阻害剤が約3.2mgで投薬される。一部の実施形態では、MEK阻害剤が経口投与される。
【0064】
一部の実施形態では、MEK阻害剤が二重RAF/MEK阻害剤である。一部の実施形態では、MEK阻害剤がVS-6766またはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、VS-6766の薬学的に許容される塩がVS-6766のカリウム塩である。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が少なくとも1週間に1回(例えば、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、1週間に4回、1週間に5回、または1週間に6回)投薬される。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が1週間に1回投薬される。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が1週間に2回投薬される。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が1日1回投薬される。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が1日2回投薬される。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が約0.1mg~約100mg、例えば、約0.1mg~約50mg、約0.1mg~約10mg、約0.1mg~約5mg、約0.1mg~約4mg、約0.1mg~約3mg、約0.1mg~約2mg、約0.1mg~約1mg、約1mg~約10mg、約1mg~約20mg、約1mg~約40mg、約1mg~約60mg、約1mg~約80mg、約1mg~約100mg、約10mg~約100mg、約20mg~約100mg、約40mg~約100mg、約60mg~約100mg、または約80mg~約100mgで投薬される。一部の実施形態では、MEK阻害剤が約0.5mg~約10mgで投薬される。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が約0.1mg、0.2mg、0.5mg、1mg、1.5mg、3mg、4mg、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、または100mgで投薬される。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が約4mgで投薬される。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が約3.2mgで投薬される。一部の実施形態では、二重RAF/MEK阻害剤が経口投与される。
【0065】
一部の実施形態では、MEK阻害剤(例えば、二重RAF/MEK阻害剤(例えば、VS-6766またはその薬学的に許容される塩))が周期的に(例えば、MEK阻害剤を3週間にわたり投与し、次いで、MEK阻害剤を1週間にわたり投与しないことを含むサイクルとして)投薬される。一部の実施形態では、MEK阻害剤(例えば、二重RAF/MEK阻害剤(例えば、VS-6766またはその薬学的に許容される塩))が1週間に2回投薬される。一部の実施形態では、MEK阻害剤(例えば、二重RAF/MEK阻害剤(例えば、VS-6766またはその薬学的に許容される塩))が約0.5mg~約10mg(例えば、約4mgまたは約3.2mg)で投薬される。
【0066】
あるいは、本方法は、有効量の汎RAF阻害剤を単独でまたは本明細書に記載される追加の薬剤と組み合わせて投与することによって、KRAS変異(例えば、KRAS G12X変異(例えば、KRAS G12V、KRAS G12D、KRAS G12A、KRAS G12R、KRAS G12S、またはKRAS G12C))を有すると同定された対象を処置するステップを含み得る。
【0067】
ある態様では、KRAS G12V変異を有すると同定された対象のがんを処置する方法であって、有効量の汎RAF阻害剤を対象に投与するステップ、それによって、対象を処置するステップを含む方法が本明細書で提供される。
【0068】
別の態様では、KRAS G12D変異を有すると同定された対象のがんを処置する方法であって、有効量の汎RAF阻害剤を対象に投与するステップ、それによって、対象を処置するステップを含む方法が本明細書で提供される。
【0069】
疾患および障害
本明細書で提供される方法は、KRAS変異(例えば、KRAS G12X変異(例えば、KRAS G12V、KRAS G12D、KRAS G12A、KRAS G12R、KRAS G12S、またはKRAS G12C))を有すると特徴付けられたがんの処置に有用なものとして企図される。例えば、がんには、それだけに限らないが、卵巣がん、非小細胞肺がん(例えば、NSCLC腺癌)、子宮類内膜癌、膵臓腺癌、結腸直腸腺癌、または肺腺癌が含まれ得る。一部の実施形態では、がんがNSCLC(例えば、KRAS G12V変異体NSCLC)である。
【0070】
異常な細胞成長
異常な細胞成長は、本明細書で使用される場合、特に指示しない限り、正常な調節機序から独立した細胞成長(例えば、接触阻害の喪失)を指す。これには、(1)例えば、変異チロシンキナーゼを発現させることによって、または受容体チロシンキナーゼの過剰発現によって増殖する腫瘍細胞(腫瘍);(2)例えば、異常なチロシンキナーゼ活性化が起こる他の増殖性疾患の良性および悪性細胞;(3)例えば、受容体チロシンキナーゼによって増殖する任意の腫瘍;(4)例えば、異常なセリン/トレオニンキナーゼ活性化によって増殖し得る任意の腫瘍;ならびに(5)例えば、異常なセリン/トレオニンキナーゼ活性化が起こる他の増殖性疾患の良性および悪性細胞の異常な成長が含まれる。異常な細胞成長は、上皮(例えば、癌腫、腺癌);間葉(例えば、肉腫(例えば、平滑筋肉腫、ユーイング肉腫));造血(hematopoetic)(例えば、リンパ腫、白血病、骨髄異形成(例えば、前悪性));または他の(例えば、黒色腫、中皮腫、および他の起源不明の腫瘍)細胞における細胞成長を指し得る。
【0071】
新生物障害
異常な細胞成長は新生物障害を指し得る。「新生物障害」は、自律成長または複製の能力を有する細胞を特徴とする疾患または障害、例えば増殖性細胞成長を特徴とする異常な状況または状態である。異常な細胞成長または分裂の結果としての組織の異常な塊、または「新生物」は良性、前悪性(上皮内癌)または悪性(がん)であり得る。
【0072】
例示的な新生物障害には、癌腫、肉腫、転移性障害(例えば、前立腺、結腸、肺、乳房および肝臓起源から生じる腫瘍)、造血性新生物障害、例えば、白血病、転移性腫瘍が含まれる。化合物による処置は、新生物障害の少なくとも1つの症状を好転させる(ameliorate)、例えば、細胞増殖を減少させる、腫瘍塊を減少させる等に有効な量であり得る。
【0073】
がん
本発明の発明的方法は、例えば、固形腫瘍、軟部組織腫瘍、およびその転移を含むがんの防止および処置において有用であり得る。開示される方法は、非固形がんの処置においても有用である。例示的な固形腫瘍には、様々な臓器系の悪性疾患(例えば、肉腫、腺癌、および癌腫)、例えば肺、乳房、リンパ系、消化管(例えば、結腸)、および尿生殖器(例えば、腎臓、尿路上皮、または精巣腫瘍)管、咽頭、前立腺、および卵巣の悪性疾患が含まれる。例示的な腺癌には、結腸直腸がん、腎細胞癌、肝臓がん(例えば、肝細胞癌)、肺の非小細胞癌、膵臓(例えば、転移性膵臓腺癌)および小腸のがんが含まれる。
【0074】
がんには、中皮腫;神経線維腫症;例えば、神経線維腫症2型、神経線維腫症1型;腎がん;肺がん、非小細胞肺がん;肝臓がん;甲状腺がん;卵巣;乳がん;神経系腫瘍;シュワン腫;髄膜腫;神経鞘腫症;聴神経腫;腺様嚢胞癌;上衣腫;上衣腫瘍、あるいは低下したマーリン発現および/もしくは変異、ならびに/またはNF-2遺伝子の欠失および/もしくはプロモーター過剰メチル化を呈す任意の他の腫瘍が含まれ得る。
【0075】
がんには、がん幹細胞、がん関連間葉細胞、または腫瘍開始がん細胞を含むと特徴付けられたがんが含まれ得る。がんには、がん幹細胞、がん関連間葉細胞、または腫瘍開始がん細胞が富化されていると特徴付けられているがんが含まれ得る(例えば、上皮間葉転換を受けた細胞が富化された腫瘍または転移性腫瘍)。
【0076】
がんは原発性腫瘍であり得る、すなわち、腫瘍成長開始の解剖学的部位に位置し得る。がんはまた転移性であり得る、すなわち、腫瘍成長開始の解剖学的部位以外の少なくとも第2の解剖学的部位に現れ得る。がんは再発性がん、すなわち、処置後、およびがんが検出不能であった期間の後に再発するがんであり得る。再発性がんは、解剖学的に元の腫瘍に対して局所的に、例えば、解剖学的に元の腫瘍の近くに;元の腫瘍に対して局部的に、例えば、元の腫瘍の近くに位置するリンパ節に;または元の腫瘍に対して遠位に、例えば、解剖学的に元の腫瘍から離れた領域に位置し得る。
【0077】
がんにはまた、例えば、それだけに限らないが、上皮がん、乳がん、肺がん、膵臓がん、結腸直腸がん(例えば、転移性結腸直腸がん、例えば、転移性KRAS変異)、前立腺がん、頭頸部がん、黒色腫(例えば、NRAS変異局所進行または転移性悪性皮膚黒色腫)、急性骨髄性白血病、および神経膠芽腫が含まれ得る。例示的な乳がんには、トリプルネガティブ乳がん、基底細胞様乳がん(basal-like breast cancer)、低クローディン乳がん、浸潤、炎症性、異形成、および治療に抵抗性の進行HER-2陽性またはER陽性がんが含まれる。
【0078】
がんにはまた、肺腺癌、結腸直腸がん、子宮類内膜癌、膀胱尿路上皮癌、乳房の浸潤性小葉癌、子宮頸部扁平上皮癌、皮膚黒色腫、子宮頚管内腺癌(endocervical adenocarcinoma)、肝細胞癌、膵臓腺癌、二相型胸膜中皮腫(biphasic type pleural mesothelioma)、腎明細胞癌、腎明細胞癌、胃腺癌、胃管状腺癌、子宮癌肉腫、または子宮悪性ミュラー管混合腫瘍(uterine malignant mixed Mullerian tumor)が含まれ得る。
【0079】
他のがんには、それだけに限らないが、ブドウ膜黒色腫、脳がん、腹部がん、食道がん、消化管がん、神経膠腫、肝臓がん、舌がん、神経芽細胞腫、骨肉腫、卵巣がん、網膜芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、多発性骨髄腫、皮膚がん、リンパ腫、血液がんおよび骨髄がん(例えば、進行血液悪性疾患、白血病、例えば、急性骨髄性白血病(原発性または続発性)、急性リンパ芽球性白血病、急性リンパ球性白血病、T細胞白血病、血液悪性疾患、進行骨髄増殖性障害、骨髄異形成症候群、再発または難治性多発性骨髄腫、進行骨髄増殖性障害)、網膜がん、膀胱がん、子宮頸がん、腎臓がん、子宮内膜がん、髄膜種、リンパ腫、皮膚がん、子宮がん、肺がん、非小細胞肺がん、鼻咽腔癌、神経芽細胞腫、固形腫瘍、血液悪性疾患、扁平上皮癌、精巣がん、甲状腺がん、中皮腫、脳がん、外陰がん、肉腫、腸がん、口腔がん、内分泌がん、唾液腺がん、精母細胞セミノーマ、散発性甲状腺髄様癌(sporadic medulalry thyroid carcinoma)、非増殖精巣細胞、悪性肥満細胞に関連するがん、非ホジキンリンパ腫、およびびまん性大細胞型B細胞リンパ腫が含まれる。
【0080】
一部の実施形態では、腫瘍が固形腫瘍である。一部の実施形態では、固形腫瘍が局所進行または転移性である。一部の実施形態では、固形腫瘍が標準治療後に難治性(例えば、抵抗性)である。
【0081】
本明細書に記載される方法は、障害および/またはその関連する症状を減少させる、好転させるまたは完全に排除する、それが悪化しないようにする、進行速度を減速させる、あるいは障害が最初に排除されたらその再発率を最小化する(すなわち、再燃を回避する)ことができる。適した用量および治療レジメンは、使用される具体的な化合物、組合せ、および/または医薬組成物、ならびに化合物、組合せ、および/または医薬組成物の送達様式に応じて変化し得る。一部の実施形態では、本方法が、統計学的に有意に、本明細書に記載される組合せで処置された対象の、生存の平均の長さを増加させる、無進行生存の平均の長さを増加させる、および/または再発率を減少させる。
【0082】
一部の実施形態では、がんが肺がん(例えば、非小細胞肺がん(NSCLC)、例えば、KRAS変異体NSCLC(例えば、KRAS G12V変異体NSCLC);転移性がん)、骨がん、膵臓がん、皮膚がん、頭頸部のがん、皮膚または眼内黒色腫、子宮がん、卵巣がん(例えば、切除不能低悪性度卵巣がん、進行または転移性卵巣がん)、直腸がん、肛門部のがん、胃がん、結腸がん、乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳がん(例えば、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、およびHer2/neuの遺伝子を発現しない乳がん))、子宮がん、卵管の癌腫、子宮内膜の癌腫、子宮頸部の癌腫、膣の癌腫、外陰部の癌腫、ホジキン病、食道のがん、小腸のがん、内分泌系のがん、甲状腺のがん、副甲状腺のがん、副腎のがん、軟部組織の肉腫、尿道のがん、陰茎のがん、前立腺がん、慢性または急性白血病、リンパ球性リンパ腫、膀胱のがん、腎臓または尿管のがん、腎細胞癌、腎盂の癌腫、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、脊椎軸腫瘍(spinal axis tumor)、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、中皮腫(例えば、悪性胸膜中皮腫、例えば外科的切除可能悪性胸膜中皮腫)または前記がんのうちの1つもしくは複数の組合せである。一部の実施形態では、がんが転移性である。一部の実施形態では、異常な細胞成長が局所的再発性である(例えば、対象が局所的再発性疾患、例えばがんを有する)。
【0083】
追加の治療
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法および組成物が追加の薬剤または追加の治療(例えば、がん処置)と一緒に投与される。一実施形態では、1種または複数の化合物または医薬組成物の混合物がそれを必要とする対象に本明細書に記載される組合せと投与され得る。さらに別の実施形態では、1種または複数の化合物または組成物(例えば、医薬組成物)が、例えば、がん、糖尿病、神経変性疾患、心血管疾患、血液凝固、炎症、潮紅、肥満、加齢、ストレス等を含む様々な疾患の処置または回避のために本明細書に記載される組合せと投与され得る。様々な実施形態では、本明細書に記載される化合物または医薬組成物を含む併用療法が、(1)1種または複数の化合物を本明細書に記載される組合せと組み合わせて含む医薬組成物および(2)同じ組成物に製剤化されていない本明細書に記載される1種または複数の化合物または医薬組成物と本明細書に記載される組合せの同時投与を指し得る。一部の実施形態では、本明細書に記載される組合せが追加の処置(例えば、追加のがん処置)と投与される。一部の実施形態では、追加の処置(例えば、追加のがん処置)が、同じもしくは別個の組成物で同時に(例えば、同じ時に)、または順次に投与され得る。逐次投与は、追加の、例えば、二次、処置(例えば、化合物または治療)の投与前(例えば、直前、5分、10分、15分、30分、45分、60分未満前;1時間、2時間、3時間、4時間、6時間、8時間、10時間、12時間、16時間、20時間、24時間、48時間、72時間、96時間またはそれよりも長い時間の前;4日、5日、6日、7日、8日、9日またはそれよりも長い日数の前;1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間またはそれよりも長い週数の前)のある処置の投与を指す。第1および第2の化合物または治療の投与の順序を逆にすることもできる。
【0084】
例えば、追加の薬剤はFAK阻害剤であり得る。FAKタンパク質チロシンキナーゼの強力な阻害剤は、哺乳動物、特にヒトにおける抗増殖剤(例えば、抗がん剤)、抗腫瘍剤(例えば、固形腫瘍に対して有効)、抗血管新生剤(例えば、血管の増殖を停止または防止する)としての治療的使用に適合され得る。本明細書に記載される化合物、例えば、FAK阻害剤は、本明細書に記載される疾患または障害(例えば、異常な細胞成長、例えば、がん(例えば、本明細書に記載されるがん))の防止および処置において有用であり得る。
【0085】
例示的なFAK阻害剤には、それだけに限らないが、以下の構造:
【化23】

を有するデファクチニブまたはその薬学的に許容される塩が含まれる。デファクチニブはVS-6063(例えば、VS-6063遊離塩基)またはPF-04554878としても知られる。VS-6063および関連する化合物は、例えば、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,928,109号にも開示されている。一部の実施形態では、VS-6063が薬学的に許容される塩(例えば、VS-6063塩酸塩)を形成することができる。
【0086】
一部の実施形態では、FAK阻害剤が、以下の構造:
【化24】

を有するVS-4718またはその薬学的に許容される塩である。
【0087】
一部の実施形態では、FAK阻害剤が、以下の構造:
【化25】

を有するTAE226またはその薬学的に許容される塩である。
【0088】
一部の実施形態では、FAK阻害剤が、以下の構造:
【化26】

を有するGSK2256098またはその薬学的に許容される塩である。
【0089】
一部の実施形態では、FAK阻害剤が、以下の構造:
【化27】

を有するPF-03814735またはその薬学的に許容される塩である。
【0090】
一部の実施形態では、FAK阻害剤が、以下の構造:
【化28】

を有するBI-4464またはその薬学的に許容される塩である。
【0091】
一部の実施形態では、FAK阻害剤がBI-853520(IN10018;Boehringer Ingelheim)である。一部の他の実施形態では、FAK阻害剤がAPG-2449(Ascentage Pharma Group)である。
【0092】
一部の実施形態では、FAK阻害剤がデファクチニブ、TAE226、BI-853520、GSK2256098、PF-03814735、BI-4464、VS-4718、およびAPG-2449、またはその薬学的に許容される塩からなる群より選択される。一部の実施形態では、FAK阻害剤がデファクチニブまたはその薬学的に許容される塩である。
【0093】
一部の実施形態では、FAK阻害剤が少なくとも1日1回投薬される。例えば、一部の実施形態では、FAK阻害剤が1日2回投薬される。一部の実施形態では、FAK阻害剤が1日1回投薬される。例えば、FAK阻害剤の1日用量は約400mg~約800mg(例えば、1日2回約200mg~約400mg)であり得る。
【0094】
一部の実施形態では、FAK阻害剤が約100mg~約1000mg、例えば、約100mg~約800mg、約100mg~約600mg、約100mg~約400mg、約100mg~約200mg、約200mg~約1000mg、約400mg~約1000mg、約600mg~約1000mg、約800mg~約1000mg、約200mg~約800mg、約200mg~約600mg、約200mg~約400mg、約400mg~約800mg、または約400mg~約600mgで投薬される。一部の実施形態では、FAK阻害剤が約200mg~約400mgで投薬される。一部の実施形態では、FAK阻害剤が約100mgで投薬される。一部の実施形態では、FAK阻害剤が約200mgで投薬される。一部の実施形態では、FAK阻害剤が約300mgで投薬される。一部の実施形態では、FAK阻害剤が約400mgで投薬される。一部の実施形態では、FAK阻害剤が約500mgで投薬される。一部の実施形態では、FAK阻害剤が約600mgで投薬される。一部の実施形態では、FAK阻害剤が経口投与される。
【0095】
一部の実施形態では、MEK阻害剤(例えば、VS-6766またはその薬学的に許容される塩)が、3週間オン、次いで、1週間オフで周期的に投薬される。
【0096】
一部の実施形態では、MEK阻害剤(例えば、VS-6766またはその薬学的に許容される塩)が追加の薬剤と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、追加の薬剤がMEK阻害剤の前に投与される。一部の実施形態では、追加の薬剤がMEK阻害剤と同時発生的に投与される。一部の実施形態では、追加の薬剤がMEK阻害剤の後に投与される。
【0097】
一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が1日2回投薬される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が1日1回投薬される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が約100mg~約1000mgで投薬される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が約200mg~約400mg(例えば、約200mgまたは約400mg)で投薬される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が約200mg~約400mg(例えば、約200mgまたは約400mg)で1日2回投薬される。一部の実施形態では、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が約400mg~約800mg(例えば、1日2回約200mgまたは約400mg)で毎日投薬される。
【0098】
一部の実施形態では、MEK阻害剤(例えば、VS-6766またはその薬学的に許容される塩)およびFAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が周期的に(例えば、MEK阻害剤およびFAK阻害剤を3週間にわたり投与し、次いで、MEK阻害剤およびFAK阻害剤を1週間にわたり投与しないことを含むサイクルとして)投薬される。
【0099】
一部の実施形態では、MEK阻害剤(例えば、VS-6766またはその薬学的に許容される塩)およびFAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が周期的に独立して投薬される。一部の実施形態では、MEK阻害剤(例えば、VS-6766またはその薬学的に許容される塩)およびFAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が周期的に同時に投薬される。
【0100】
一部の実施形態では、MEK阻害剤(例えば、VS-6766またはその薬学的に許容される塩)が約0.5mg~約10mgで投薬され、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が約200mg~約400mgで投薬される。一部の実施形態では、MEK阻害剤(例えば、VS-6766またはその薬学的に許容される塩)が1週間に2回約4mgで投薬され、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が1日2回約200mgで投薬される。
【0101】
一部の実施形態では、MEK阻害剤(例えば、VS-6766またはその薬学的に許容される塩)が1週間に2回約3.2mgで投薬され、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が1日2回約200mgで投薬される。
【0102】
一部の実施形態では、MEK阻害剤(例えば、VS-6766またはその薬学的に許容される塩)が1週間に2回約4mgで投薬され、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が1日2回約400mgで投薬される。
【0103】
一部の実施形態では、MEK阻害剤(例えば、VS-6766またはその薬学的に許容される塩)が1週間に2回約3.2mgで投薬され、FAK阻害剤(例えば、デファクチニブまたはその薬学的に許容される塩)が1日2回約400mgで投薬される。
【0104】
一部の実施形態では、追加の治療が、がん処置である。例示的ながん処置には、例えば、化学療法、標的化療法、例えば抗体療法、免疫療法、およびホルモン療法が含まれる。これらの処置の各々の例が以下で提供される。
【0105】
化学療法
一部の実施形態では、本明細書に記載される組合せが化学療法と投与される。化学療法は、がん細胞を破壊することができる薬物によるがんの処置である。「化学療法」は通常、標的化療法と対照的に、一般的に急速に分裂している細胞に影響を及ぼす細胞傷害薬を指す。化学療法薬物は、様々な可能な方法で細胞分裂、例えば、DNAの複製または新たに形成された染色体の分離を妨害する。化学療法のほとんどの形態は全て、急速に分裂している細胞を標的化し、がん細胞に特異的でないが、ある程度の特異性が、多くのがん細胞がDNA損傷を修復できないが、正常細胞は一般的にできることから生じ得る。
【0106】
がん治療に使用される化学療法剤の例としては、例えば、代謝拮抗薬(例えば、葉酸、プリン、およびピリミジン誘導体)およびアルキル化剤(例えば、ナイトロジェンマスタード、ニトロソウレア、白金、アルキルスルホネート、ヒドラジン、トリアゼン、アジリジン、紡錘体毒、細胞傷害剤、トポイソメラーゼ阻害剤など)が挙げられる。例示的な薬剤には、アクラルビシン、アクチノマイシン、アリトレチノイン(Alitretinon)、アルトレタミン、アミノプテリン、アミノレブリン酸、アムルビシン、アムサクリン、アナグレリド、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アトラセンタン、ベロテカン、ベキサロテン、ベンダムスチン(endamustine)、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブスルファン、カンプトテシン(Camptotnecin)、カペシタビン、カルボプラチン、カルボコン、カルモフール、カルムスチン、セレコキシブ、クロラムブシル、クロルメチン、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、クリサンタスパーゼ、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デシタビン、デメコルチン、ドセタキセル、ドキソルビシン、エファプロキシラル、エレスクロモル、エルサミトルシン(Elsamitrucin)、エノシタビン、エピルビシン、エストラムスチン、エトグルシド、エトポシド、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル(5FU)、フォテムスチン、ゲムシタビン、ギリアデルインプラント、ヒドロキシカルバミド、ヒドロキシウレア、イダルビシン、イホスファミド、イリノテカン、イロフルベン、イキサベピロン、ラロタキセル、ロイコボリン、リポソームドキソルビシン、リポソームダウノルビシン、ロニダミン、ロムスチン、ルカントン、マンノスルファン、マソプロコール、メルファラン、メルカプトプリン、メスナ、メトトレキサート、アミノレブリン酸メチル、ミトブロニトール、ミトグアゾン、ミトタン、マイトマイシン、ミトキサントロン、ネダプラチン、ニムスチン、オブリメルセン、オマセタキシン、オルタタキセル、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペグアスパラガーゼ、ペメトレキセド、ペントスタチン、ピラルビシン、ピキサントロン(Pixanlrone)、プリカマイシン、ポルフィマーナトリウム、プレドニムスチン、プロカルバジン、ラルチトレキセド、ラニムスチン、ルビテカン、サパシタビン、セムスチン、シチマジーンセラデノベック(Sitimagene ceradenovec)、ストラタプラチン(Strataplatin)、ストレプトゾシン、タラポルフィン(Talaporfm)、テガフール・ウラシル、テモポルフィン、テモゾロミド、テニポシド、テセタキセル、テストラクトン、テトラニトレート、チオテパ、チアゾフリン、チオグアニン、チピファルニブ、トポテカン、トラベクテジン、トリアジコン、トリエチレンメラミン、トリプラチン、トレチノイン、トレオスルファン、トロホスファミド、ウラムスチン、バルルビシン、ベルテポルフィン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンフルニン、ビノレルビン、ボリノスタット、ゾルビシン、および本明細書に記載される他の細胞増殖抑制剤または細胞傷害剤が含まれる。
【0107】
一部の薬物は単独よりも合わせてより良く働くので、しばしば2種またはそれよりも多い薬物が同じ時にまたは順次に与えられる。しばしば、2種またはそれよりも多い化学療法剤は併用化学療法として使用される。一部の実施形態では、化学療法剤(併用化学療法を含む)が本明細書に記載される組合せと組み合わせて使用され得る。
【0108】
標的化療法
一部の実施形態では、本明細書に記載される組合せが標的化療法と投与される。標的化療法は、がん細胞の調節解除されたタンパク質に特異的な薬剤の使用を構成する。低分子標的化療法薬物は、一般的にがん細胞内で変異した、過剰発現した、またはその他の点で非常に重要なタンパク質の酵素ドメインの阻害剤である。顕著な例は、アキシチニブ、ボスチニブ、セジラニブ、ダサチニブ(desatinib)、エルロチニブ(erolotinib)、イマチニブ、ゲフィチニブ、ラパチニブ、レスタウルチニブ、ニロチニブ、セマキサニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、およびバンデタニブなどのチロシンキナーゼ阻害剤、ならびにまたアルボシジブおよびセリシクリブなどのサイクリン依存性キナーゼ阻害剤である。モノクローナル抗体療法は、治療剤が、がん細胞の表面上のタンパク質に特異的に結合する抗体である別の戦略である。例としては、乳がんに典型的に使用される抗HER2/neu抗体トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))、ならびに様々なB細胞悪性疾患に典型的に使用される抗CD20抗体リツキシマブおよびトシツモマブが挙げられる。他の例示的な抗体には、セツキシマブ(Ctuximab)、パニツムマブ、トラスツズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、エドレコロマブ、およびゲムツズマブが含まれる。例示的な融合タンパク質には、アフリベルセプトおよびデニロイキンジフチトクスが含まれる。一部の実施形態では、標的化療法が本明細書に記載される組合せと組み合わせて使用され得る。
【0109】
標的化療法はまた、細胞表面受容体または腫瘍を取り囲む罹患細胞外マトリックスに結合することができる「ホーミングデバイス(homing device)」としての低分子ペプチドを伴い得る。これらのペプチドに付着した放射性核種(例えば、RGD)は、細胞の近傍で崩壊すればがん細胞を最終的に殺傷する。このような療法の例としては、BEXXAR(登録商標)が挙げられる。
【0110】
免疫療法
一部の実施形態では、本明細書に記載される組合せが免疫療法と投与される。がん免疫療法は、患者自身の免疫系が腫瘍と戦うよう誘導するように設計された治療戦略の多様なセットを指す。
【0111】
腫瘍に対する免疫応答を生成するための現代の方法には、表在性膀胱がんのための小胞内BCG免疫療法、ならびに腎細胞癌および黒色腫を有する対象において免疫応答を誘導するためのインターフェロンおよび他のサイトカインの使用が含まれる。ドナーの免疫細胞がしばしば移植片対腫瘍効果で腫瘍を攻撃するので、同種造血幹細胞移植は免疫療法の一形態と考えることができる。一部の実施形態では、免疫療法剤が本明細書に記載される組合せと組み合わせて使用され得る。
【0112】
ホルモン療法
一部の実施形態では、記載される組合せがホルモン療法と投与される。一部のがんの成長は、ある特定のホルモンを提供するまたは遮断することによって阻害することができる。ホルモン感受性腫瘍の一般的な例としては、ある特定の型の乳がんおよび前立腺がんが挙げられる。エストロゲンまたはテストステロンを除去または遮断することがしばしば重要な追加の処置である。ある特定のがんでは、プロゲストーゲンなどのホルモンアゴニストの投与が治療上有益となり得る。一部の実施形態では、ホルモン療法剤が本明細書に記載される組合せと組み合わせて使用され得る。
【0113】
放射線療法
本明細書に記載される組合せは、増殖性疾患、例えば、がん、例えば、がん幹細胞に関連するがんを処置するために、指向性エネルギーもしくは粒子、または放射性同位体処置、例えば、放射線療法、例えば、放射線腫瘍学と組み合わせて使用され得る。本明細書に記載される組合せは、指向性エネルギーもしくは粒子、または放射性同位体処置と同時にまたは順次に対象に投与され得る。例えば、本明細書に記載される組合せは、指向性エネルギーもしくは粒子、または放射性同位体処置、またはその組合せの前、その間またはその後に投与され得る。指向性エネルギーまたは粒子療法は、全身照射、局所照射、またはポイント照射を含み得る。指向性エネルギーまたは粒子は、加速装置、シンクロトロン、核反応、真空管、レーザー、または放射性同位体に由来し得る。この療法は、体外照射療法(external beam radiation therapy)、遠隔放射線療法、近接照射療法、密封線源放射線療法(sealed source radiation therapy)、全身放射性同位体療法、または非密封線源放射線療法(unsealed source radiotherapy)を含み得る。この療法は、放射性同位体、例えば放射性ヨウ素、コバルト、セシウム、カリウム、臭素、フッ素、炭素の摂取、またはこれに近接した配置を含み得る。体外照射は、指向性アルファ粒子、電子(例えば、ベータ粒子)、陽子、中性子、陽電子、または光子(例えば、電波、ミリ波、マイクロ波、赤外線、可視光、紫外線、X線、またはガンマ線光子)への曝露を含み得る。放射線は処置を必要とする対象の任意の部分に指向され得る。
【0114】
手術
本明細書に記載される組合せは、増殖性疾患、例えば、がん、例えば、がん幹細胞に関連するがんを処置するために、手術、例えば外科的診査、介入、生検と組み合わせて使用され得る。本明細書に記載される組合せは、手術と同時にまたは順次に対象に投与され得る。例えば、本明細書に記載される組合せは、手術前(術前)、その間、もしくはその後(術後)、またはその組合せで投与され得る。手術は、1種または複数の細胞がさらなる分析のために回収される生検であり得る。生検は、例えば、メス、針、カテーテル、内視鏡、スパチュラ、または鋏により達成され得る。生検は、切除生検、切開生検、コア生検、または針生検、例えば、針吸引生検であり得る。手術は、がん性であると疑われるまたは同定された局所組織の除去を伴い得る。例えば、手順は、がん性病変、塊、ポリープ、または母斑の除去を伴い得る。手順は、大量の組織、例えば、乳房、骨、皮膚、脂肪、または筋肉の除去を伴い得る。手順は、臓器または節、例えば、肺、咽喉、舌、膀胱、子宮頸部、卵巣、精巣、リンパ節、肝臓、膵臓、脳、眼、腎臓、胆嚢、胃、結腸、直腸、または腸の一部または全体の除去を伴い得る。一実施形態では、がんが乳がん、例えばトリプルネガティブ乳がんであり、手術が乳房切除術または腫瘍摘除術である。
【0115】
抗炎症剤
本明細書に記載される組合せは抗炎症剤と投与され得る。抗炎症剤には、それだけに限らないが、非ステロイド性抗炎症剤(例えば、サリチレート(アスピリン(アセチルサリチル酸)、ジフルニサル、サルサレート)、プロピオン酸誘導体(イブプロフェン、ナプロキセン、フェノプロフェン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、オキサプロジン、ロキソプロフェン)、酢酸誘導体(インドメタシン、スリンダク、エトドラク、ケトロラク、ジクロフェナク、ナブメトン)、エノール酸(オキシカム)誘導体(ピロキシカム、メロキシカム、テノキシカム、ドロキシカム、ロルノキシカム(Lomoxicam)、イソキシカム)、フェナム酸誘導体(フェナメート)(メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、トルフェナム酸)、選択的COX-2阻害剤(コキシブ)(セレコキシブ(Ceiecoxib))、スルホンアニリド(ニメスリド)、ステロイド(Steriods)(例えば、ヒドロコルチゾン(コルチゾール)、酢酸コルチゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、トリアムシノロン、ベクロメタゾン、酢酸フルドロコルチゾン、酢酸デオキシコルチコステロン、アルドステロン)が含まれ得る。
【0116】
鎮痛剤
鎮痛剤には、それだけに限らないが、オピエート(例えば、モルヒネ、コデイン、オキシコドン、ヒドロコドン、ジヒドロモルヒネ、ペチジン、ブプレノルフィン、トラマドール、ベンラファキシン)、パラセタモール(paracetomal)および非ステロイド性抗炎症剤(例えば、サリチレート(アスピリン(アセチルサリチル酸)、ジフルニサル、サルサラート)、プロピオン酸誘導体(イブプロフェン、ナプロキセン、フェノプロフェン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、オキサプロジン、ロキソプロフェン)、酢酸誘導体(インドメタシン、スリンダク、エトドラク、ケトロラク、ジクロフェナク、ナブメトン)、エノール酸(オキシカム)誘導体(ピロキシカム、メロキシカム、テノキシカム、ドロキシカム、ロルノキシカム、イソキシカム)、フェナム酸誘導体(フェナメート)(メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、トルフェナム酸)、選択的COX-2阻害剤(コキシブ)(セレコキシブ)、スルホンアニリド(ニメスリド)が含まれ得る。
【0117】
制吐剤
本明細書に記載される組合せは制吐剤と投与され得る。制吐剤には、それだけに限らないが、5-HT3受容体アンタゴニスト(ドラセトロン(Anzemet)、グラニセトロン(Kytril、Sancuso)、オンダンセトロン(Zofran)、トロピセトロン(Navoban)、パロノセトロン(Aloxi)、ミルタザピン(Remeron))、ドーパミンアンタゴニスト(ドンペリドン、オランザピン、ドロペリドール、ハロペリドール、クロルプロマジン、プロメタジン、プロクロルペラジン、メトクロプラミド(Reglan)、アリザプリド、プロクロルペラジン(Compazine、Stemzine、Buccastem、Stemetil、Phenotil)、NK1受容体アンタゴニスト(アプレピタント(Emend)、抗ヒスタミン薬(シクリジン、ジフェンヒドラミン(Benadryl)、ジメンヒドリナート(Gravol、ドラマミン)、メクロジン(ボニン、Antivert)、プロメタジン(ペンタジン、Phenergan、Promacot)、ヒドロキシジン)、ベンゾジアゼピン(benzodiazapines)(ロラゼパム、ミダゾラム)、抗コリン薬(ヒヨスチン)、ステロイド(デキサメタゾン)が含まれ得る。
【0118】
「~と組み合わせて」という句ならびに「同時投与」、「同時投与すること」または「同時提供すること」という用語は、本明細書に記載される化合物の投与または本明細書に記載される治療の文脈において本明細書で使用される場合、2種(またはそれよりも多い)の異なる化合物または治療が疾患または障害(例えば、本明細書に記載される疾患または障害、例えばがん)への対象の罹患の経過中に対象に送達される、例えば、2種(またはそれよりも多い)の異なる化合物または治療が、対象が疾患または障害(例えば、本明細書に記載される疾患または障害、例えばがん)と診断された後、疾患または障害が治癒するもしくは排除される、または処置が他の理由で中止される前に対象に送達されることを意味する。
【0119】
一部の実施形態では、ある化合物または治療の送達が、投与に関して重複が存在するように、第2の化合物または治療の送達が始まる際に依然として行われている。これは時折本明細書において「同時」または「同時発生的送達」と呼ばれる。他の実施形態では、ある化合物または治療の送達が、他の化合物または治療の送達が始まる前に終了する。いずれかの場合の一部の実施形態では、処置(例えば、化合物、組成物、または治療の投与)が、併用投与のためにより有効である。例えば、第2の化合物または治療は、第2の化合物もしくは治療が第1の化合物もしくは治療の非存在下で投与される場合に見られるよりも、有効である、例えば、同等の効果がより少ない第2の化合物もしくは治療で見られる、または第2の化合物もしくは治療がより大きな程度まで症状を減少する、あるいは同様の状況が第1の化合物もしくは治療で見られる。一部の実施形態では、送達が、症状の減少、または障害に関連する他のパラメータが、他方の非存在下で送達される一方の化合物または治療で観察されるものよりも大きくなるようなものである。2種の化合物または治療の効果は部分的に相加的、完全に相加的、または相加的を超えるもの(例えば、相乗的)であり得る。送達は、第2の化合物または治療が送達された際に、送達された第1の化合物または治療が依然として検出可能であるようなものであり得る。
【0120】
一部の実施形態では、第1の化合物または治療と第2の化合物または治療が、同じもしくは別個の組成物で同時に(例えば、同じ時に)、または順次に投与され得る。逐次投与は、追加の、例えば、二次、化合物または治療の投与前(例えば、直前、5分、10分、15分、30分、45分、60分未満前;1時間、2時間、3時間、4時間、6時間、8時間、10時間、12時間、16時間、20時間、24時間、48時間、72時間、96時間またはそれよりも長い時間の前;4日、5日、6日、7日、8日、9日またはそれよりも長い日数の前;1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間またはそれよりも長い週数の前)のある化合物または治療の投与を指す。第1および第2の化合物または治療の投与の順序を逆にすることもできる。
【0121】
本明細書に記載される組合せは、異常な細胞成長、例えば、がんのための第一選択処置であり得(すなわち、がんを処置することを意図した別の薬物を以前投与されていない患者で使用される);がんのための第二選択処置であり得(すなわち、がんを処置することを意図した別の薬物を以前投与された、それを必要とする対象に使用される);がんのための第3または第4の処置であり得る(すなわち、がんを処置することを意図した2種または3種の別の薬物を以前投与された対象に使用される)。
【0122】
経口剤形および製剤
本発明の化合物は経口投与され得る。一部の実施形態では、組成物(例えば、医薬組成物)が、それだけに限らないが、液体ゲル(liqui-gel)錠剤またはカプセル剤、シロップ、エマルジョンおよび水性懸濁物を含む任意の経口的に許容される剤形で経口投与される。液体ゲルは、適したコンシステンシーを達成するために必要な場合には、ゼラチン、可塑剤、および/または乳白剤を含んでもよく、使用について承認されている腸溶コーティング、例えばシェラックでコーティングされてもよい。経口剤形(oral dosage)として使用される場合、組成物(例えば、医薬組成物)の所望のコンシステンシーを達成するために、追加の増粘剤、例えばガム、例えばキサンタンガム(xanthum gum)、デンプン、例えばコーンスターチ、またはグルテンを添加してもよい。所望であれば、ある特定の甘味剤および/または矯味矯臭剤および/または着色剤を添加してもよい。
【0123】
一部の実施形態では、対象に、錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、持続放出製剤、液剤、および懸濁剤などの経口投与に適した形態の組成物(例えば、医薬組成物)が投与される。組成物(例えば、医薬組成物)は、正確な投与量の単回投与に適した単位剤形であり得る。医薬組成物は、本明細書に記載される化合物に加えて、薬学的に許容される担体を含んでもよく、必要に応じて例えば、安定剤、希釈剤、結合剤、および滑沢剤などの1種または複数の薬学的に許容される賦形剤をさらに含んでもよい。さらに、錠剤は、他の薬用または医薬剤、担体および/または佐剤を含み得る。例示的な医薬組成物には、圧縮錠剤(例えば、直接圧縮錠剤)が含まれる。
【0124】
有効成分または治療成分(例えば、本明細書に記載される化合物)を含む錠剤も提供される。有効成分または治療成分に加えて、錠剤は担体などのいくつかの不活性物質を含有し得る。薬学的に許容される担体は、水および石油、動物、植物または合成起源の油、例えば落花生油、ゴマ油などを含む油などの無菌液体であり得る。食塩溶液および水性デキストロースも液体の担い手(earners)として採用され得る。よって、本発明により使用するための経口剤形は、薬学的に使用することができる調製物への有効成分の処理を容易にする賦形剤および助剤を含む1種または複数の薬学的に許容される担体を使用して従来の方法で製剤化され得る。賦形剤は、圧縮される物質に優れた粉末流動および圧縮特性を付与することができる。賦形剤の例は、例えば、Handbook of Pharmaceutical Excipients (5th edition), Edited by Raymond C Rowe, Paul J. Sheskey, and Sian C. Owen; Publisher: Pharmaceutical Pressに記載されている。
【0125】
経口投与については、有効成分、例えば、本明細書に記載される化合物を、有効成分を当技術分野で周知の薬学的に許容される担体と組み合わせることによって容易に製剤化することができる。このような担体は、本発明の有効成分を、対象による経口摂取のための、錠剤、丸剤、カプセル剤、液体、ゲル、シロップ、スラリー、散剤または顆粒剤、水または非水性媒体中の懸濁物または溶液などとして製剤化することを可能にする。経口使用のための薬理学的調製物は、固体賦形剤を使用して、必要に応じて得られた混合物を粉砕し、所望であれば、例えば、錠剤を得るために適した助剤を添加した後に顆粒の混合物を処理して製造することができる。希釈剤、結合剤または崩壊剤などの適した賦形剤が望ましいだろう。
【0126】
投与量は、採用される剤形および利用される投与経路に応じて変化し得る。正確な製剤、投与経路および投与量は、患者の状態に照らして個々の医師によって選ばれ得る。(例えば、Fingl, et al., 1975, in ' he Pharmacological Basis of Therapeutics"参照)。上に列挙される用量より低いまたは高い用量が要求される場合がある。特定の対象のための具体的な投与量および処置レジメンは、採用される具体的な化合物の活性、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与の時間、排泄の速度、薬物組合せ、疾患、状態または症状の重症度および経過、対象の疾患、状態または症状への素因、ならびに処置している医師の判断を含む様々な因子に依存するだろう。治療の過程は、本明細書に記載される化合物の1回または複数回の別個の投与を含むことができる。治療の過程は、本明細書に記載される化合物の1または複数サイクルを含むことができる。
【0127】
一部の実施形態では、サイクルが、薬物の投与のサイクルの文脈において本明細書で使用される場合、薬物が患者に投与される期間を指す。例えば、薬物が21日のサイクルにわたって投与される場合、周期的投与、例えば毎日または1日2回が21日間与えられる。薬物は、1を超えるサイクルにわたって投与され得る。残りの期間はサイクル間に挿入され得る。残りのサイクルは長さが1時間、2時間、4時間、6時間、8時間、10時間、12時間、16時間、20時間、24時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、または1週間、2週間、3週間、4週間またはそれよりも長い週であり得る。
【0128】
経口剤形は、所望であれば、有効成分を含有する1つまたは複数の単位剤形を含有し得る、FDA承認キットなどのパックまたはディスペンサーデバイスで提示され得る。ブリスターパックなどのパックは、例えば、金属またはプラスチック箔を含み得る。パックまたはディスペンサーデバイスは、投与のための指示が添付され得る。パックまたはディスペンサーはまた、組成物の形態またはヒトもしくは獣医学的投与の機関による承認を反映した、医薬品の製造、使用または販売を規制する政府機関によって規定された形態の容器に関連付けた通知が添付され得る。このような通知は、例えば、処方薬について米国食品医薬品局によって承認された標識または承認された製品インサートのものであり得る。
【0129】
スクリーニング
本明細書で提供される方法はまた、MEK阻害剤(例えば、二重RAF/MEK阻害剤)(あるいは、汎RAF阻害剤)による単独でのまたは追加の薬剤(例えば、FAK阻害剤)と組み合わせた処置に適したがんを有する対象をスクリーニングまたは同定する方法を包含する。例えば、本方法は、本明細書に記載されるがんの処置に応答性である可能性が高い対象を同定することを企図している。がんを有する対象の処置についての治療有効性を最適化する方法であって、処置がMEK阻害剤(例えば、二重RAF/MEK阻害剤)またはその薬学的に許容される塩(あるいは、汎RAF阻害剤)を単独でまたは追加の薬剤(例えば、FAK阻害剤)と組み合わせて投与することを含む、方法も提供される。
【0130】
ある態様では、がんを有する対象に関連するKRAS遺伝子変異の存在を検出する方法であって、
(a)対象から生体試料を得るステップと;
(b)試料の変異をスクリーニングするアッセイを実施するステップと
を含む方法が本明細書で提供される。
【0131】
ある態様では、KRAS遺伝子変異を有するがんを有する対象を同定する方法であって、
(a)対象から生体試料を得るステップと;
(b)試料の変異をスクリーニングするアッセイを実施するステップと
を含む方法が本明細書で提供される。
【0132】
一部の実施形態では、KRAS遺伝子変異がG12A、G12C、G12D、G12R、G12S、G12VまたはG13Dである。
【0133】
一部の実施形態では、本方法が、有効量の本明細書に記載されるMEK阻害剤(例えば、二重RAF/MEK阻害剤)またはその薬学的に許容される塩を、単独でまたは追加の薬剤(例えば、FAK阻害剤)と組み合わせて、KRAS変異(例えば、KRAS G12X変異(例えば、KRAS G12V、KRAS G12D、KRAS G12A、KRAS G12R、KRAS G12S、またはKRAS G12C))を有するがんを有すると同定された対象に投与するステップをさらに含む。
【0134】
代替実施形態では、本方法が、有効量の汎RAF阻害剤を、単独でまたは追加の薬剤(例えば、FAK阻害剤)と組み合わせて、KRAS変異(例えば、KRAS G12X変異(例えば、KRAS G12V、KRAS G12D、KRAS G12A、KRAS G12R、KRAS G12S、またはKRAS G12C))を有するがんを有すると同定された対象に投与するステップをさらに含み得る。
【0135】
試料には、それだけに限らないが、組織試料(例えば、腫瘍組織試料)、初代または培養した細胞または細胞系、細胞上清、細胞溶解物、血小板、血清、血漿、硝子体液、リンパ液、滑液、卵胞液、精液、羊水、乳汁、全血、血液由来細胞、尿、脳脊髄液、唾液、痰、涙、汗、粘液、腫瘍溶解物、および組織培養培地、組織抽出物、例えばホモジナイズした組織、腫瘍組織、細胞抽出物、ならびにその組合せが含まれる。一部の実施形態では、試料が血清、血液、尿、または血漿である。
【0136】
個体から得た試料のKRAS遺伝子の特定の変異状態の同定は、当業者に周知のいくつかの方法のいずれかによって実施され得る。例えば、変異の同定は、KRAS遺伝子またはその一部をクローニングし、当技術分野で周知の技術を使用してこれを配列決定することによって達成することができる。あるいは、遺伝子配列を、例えばPCRを使用してゲノムDNAから増幅し、産物を配列決定することができる。一部の実施形態では、アッセイが配列決定を含む。一部の実施形態では、アッセイがポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を含む。例示的なアッセイには、それだけに限らないが、核酸配列決定(ジデオキシおよびパイロシークエンス法)、融解曲線分析を用いたリアルタイムPCR、および野生型配列から変異体を識別するために使用される様々な様式のアレル特異的PCRが含まれる。アッセイはまた、試料中の無細胞DNA(cfDNA)中の変異の量を定量的または半定量的に決定することを含み得る。
【実施例
【0137】
本明細書に記載される本発明をより完全に理解することができるようにするために、以下の実施例が示される。本出願に記載される実施例は、本明細書で提供される医薬組成物および方法を例示するために提供されており、その範囲を限定するものとして決して解釈されるべきでない。
【0138】
(実施例1 デファクチニブおよびVS-6766による離散的KRASコドン12バリアントにおける臨床活性)
この試験では、4週間サイクルの3週間にわたって、VS-6766を1週間に2回投薬し、デファクチニブを1日2回(BID)投薬した(すなわち、両薬物を3週間オンおよび1週間オフで投与した;1サイクル=4週間)。VS-6766を1用量当たり3.2mgまたは4.0mgで投薬し;デファクチニブを1用量当たり200mgまたは400mgで投薬した。VS-6766およびデファクチニブを経口投与した。以下の表1は、KRAS変異卵巣がんおよび肺がんにおけるデファクチニブおよびVS-6766の臨床活性を示している。
表1.
【表1】

*22%減少し、かつ依然として処置中
【0139】
(実施例2 KRAS G12V腫瘍におけるVS-6766およびデファクチニブの効果)
VS-6766(Martinez-Garcia, M. et al, Clin. Cancer Res. 2012)の単独療法の効果を、KRAS G12V腫瘍において、VS-6766とデファクチニブの併用療法と比較した。VS-6766とデファクチニブの組合せを実施例1に記載されるように投与した。図1は、KRAS G12V NSCLCにおけるVS-6766の単独療法およびVS-6766とデファクチニブの併用療法についてのKRAS G12V NSCLCにおける固形腫瘍の治療効果判定基準(RECIST)による最良応答を示す。全ての部分奏効(PR)をRECISTによってその後のスキャンで確認した。図2は、KRAS G12V NSCLCについての処置中の時間を示している。VS-6766とデファクチニブの併用療法は、KRAS G12V NSCLCにおいて57%の全奏効率(ORR)を有する。図3および図4は、それぞれ、KRAS G12V腫瘍(子宮内膜、NSCLC、および卵巣)におけるRECISTによる最良応答および処置中の時間を示している。データは、VS-6766とデファクチニブの併用療法がKRAS G12V腫瘍において58%のORRを有することを示している。
【0140】
均等物および範囲
特許請求の範囲において、「a」、「an」および「the」などの冠詞は、反対の指示がない限り、または文脈から自明でない限り、1つまたは1つを超える数を意味し得る。群の1つまたは複数のメンバー間に「または」を含む請求項または説明は、反対の指示がない限り、または文脈から自明でない限り、群のメンバーの1つ、1つを超える数、または全てが、所与の生成物またはプロセスに存在する、採用される、または関連する場合に満たされると考えられる。本発明は、群の正確に1つのメンバーが所与の生成物またはプロセスに存在する、採用される、または関連する実施形態を含む。本発明は、群のメンバーの1つを超える数、または全てが所与の生成物またはプロセスに存在する、採用される、または関連する実施形態を含む。
【0141】
さらに、本発明は、列挙される特許請求の範囲の1つまたは複数に由来する1つまたは複数の制限、要素、条項、および記述用語が別の請求項に導入される全てのバリエーション、組合せ、および順列を包含する。例えば、別の請求項に従属するいずれの請求項も、同じ基本請求項に従属する他の請求項に見られる1つまたは複数の制限を含むよう修正することができる。要素がリストとして、例えばマーカッシュ群形式で提示されている場合、要素の各亜群も開示されており、いずれの要素も群から除去することができる。一般に、本発明、または本発明の態様が特定の要素および/または特徴を含むものとして言及されている場合、本発明または本発明の態様のある特定の実施形態は、このような要素および/または特徴からなる、またはそれらから本質的になることが理解されるべきである。簡潔にするために、これらの実施形態は本明細書においてこの通りの言葉で具体的には示されていない。「含むこと」および「含有すること」という用語は、開放的であることを意図しており、追加の要素またはステップの包含を許すことにも留意する。範囲が与えられる場合、終点が含まれる。さらに、指示しない限り、または文脈および当業者の理解から自明でない限り、範囲として表されている値は、文脈が明確に定められない限り、本発明の異なる実施形態で明言されている範囲内の任意の具体的な値または部分範囲をその範囲の下限の単位の10分の1まで仮定することができる。
【0142】
本出願は様々な登録特許、公開された特許出願、雑誌論文、および他の刊行物に言及しており、これらの全てが参照により本明細書に組み込まれる。組み込まれている参考文献のいずれかと本明細書との間に矛盾がある場合、本明細書が優先するものとする。さらに、先行技術に入る本発明のいずれの特定の実施形態も特許請求の範囲のいずれか1つまたは複数から明示的に除外され得る。このような実施形態は当業者に公知であるとみなされるので、除外が本明細書に明示的に示されていない場合であっても除外され得る。本発明のいずれの特定の実施形態も、先行技術の存在に関していようがいまいが、任意の理由で、任意の請求項から除外され得る。
【0143】
当業者は、単なる日常的な実験を使用して、本明細書に記載される具体的な実施形態との多くの均等物を認識する、または確認することができるだろう。本明細書に記載される本実施形態の範囲は、上記説明に限定されることを意図しておらず、むしろ添付の特許請求の範囲に示される通りである。当業者は、以下の特許請求の範囲に定義される本発明の精神または範囲から逸脱することなく、本明細書への様々な変更および修正を行うことができることを認識するだろう。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】