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特表2023-523345モジュール官能基を有する核酸ナノ粒子を含有する組成物
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-02
(54)【発明の名称】モジュール官能基を有する核酸ナノ粒子を含有する組成物
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/88 20060101AFI20230526BHJP
   C12N 15/09 20060101ALI20230526BHJP
   C12N 15/113 20100101ALI20230526BHJP
   C12N 15/11 20060101ALI20230526BHJP
   C12N 15/115 20100101ALI20230526BHJP
   C07K 17/02 20060101ALI20230526BHJP
   C07K 16/00 20060101ALI20230526BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20230526BHJP
   A61K 31/7088 20060101ALI20230526BHJP
   A61K 31/7125 20060101ALI20230526BHJP
   A61K 47/54 20170101ALI20230526BHJP
   A61K 47/55 20170101ALI20230526BHJP
   A61K 47/56 20170101ALI20230526BHJP
   A61K 47/62 20170101ALI20230526BHJP
   A61K 47/68 20170101ALI20230526BHJP
   A61P 35/00 20060101ALN20230526BHJP
【FI】
C12N15/88 Z ZNA
C12N15/09 110
C12N15/113 Z
C12N15/11 Z
C12N15/115 Z
C07K17/02
C07K16/00
A61K48/00
A61K31/7088
A61K31/7125
A61K47/54
A61K47/55
A61K47/56
A61K47/62
A61K47/68
A61P35/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022565867
(86)(22)【出願日】2021-04-27
(85)【翻訳文提出日】2022-12-22
(86)【国際出願番号】 IB2021000284
(87)【国際公開番号】W WO2021220053
(87)【国際公開日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】63/015,735
(32)【優先日】2020-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522420513
【氏名又は名称】シックスフォールド バイオサイエンス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ラッシュワース, ジェイムズ ルーク
(72)【発明者】
【氏名】フット, ジョージ ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ロッセル, アンナ ペルドリックス
(72)【発明者】
【氏名】ブルゾスコ, ズザンナ アレクサンドラ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
4H045
【Fターム(参考)】
4C076AA31
4C076AA95
4C076CC27
4C076EE59
4C076FF34
4C084AA13
4C084MA41
4C084NA05
4C084NA13
4C084ZB26
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA13
4C086ZB26
4H045AA10
4H045AA11
4H045BA54
4H045BA55
4H045BA60
4H045DA76
(57)【要約】
本発明は、対象の体内におけるカーゴ分子の機能を改善する要素に結合したカーゴ分子を含有する組成物を提供する。組成物は、治療目的および診断目的に有用である。さらに、本発明は、これらの組成物を生成することができる;コア分子を、生体直交型クリックケミストリーを介して、モジュール特性を付与するような方法で、官能化することができる方法を概説する。この官能化は、同時に、生物学的に関連するカーゴの搭載を可能にし、分子の全体的な構造に安定化をもたらす。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1またはそれを超えるカーゴ分子に共有結合的に連結したオリゴヌクレオチド
を含む組成物。
【請求項2】
コンジュゲーションを可能にする反応性部位で官能化されており;
核酸ナノ粒子に組み立てられている、
オリゴヌクレオチドを含む組成物。
【請求項3】
前記核酸ナノ粒子がカーゴ分子に結合しており、前記核酸ナノ粒子が、対象における前記カーゴ分子の生物学的活性を促進するように官能化されている、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記核酸ナノ粒子が、三量体、四量体、五量体または六量体である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
以下の特徴の少なくとも1つを含む少なくとも1つの反応を介して、核酸ナノ粒子を少なくとも1つのカーゴ分子に結合させるステップを含む方法:
前記反応が1つのポットで行われる;
前記反応が水によって妨害されない;
前記反応が最小限の副産物を生成する;および
前記反応が単一反応生成物を与える高い熱力学的駆動力を含む。
【請求項6】
前記特徴の少なくとも1つを含む第1の反応を介して第1のカーゴ分子を結合させるステップと;
前記特徴の少なくとも1つを含む第2の反応を介して第2のカーゴ分子を結合させるステップと、
を含み、
前記第1の反応と前記第2の反応とが直交性である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の反応が、前記核酸ナノ粒子中の少なくとも1つのオリゴヌクレオチドの鎖に対する修飾を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記核酸ナノ粒子が、銅(I)アジド-アルキン付加環化を介して前記第1のカーゴ分子に結合される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記核酸ナノ粒子が、歪み促進型アジド-アルキン付加環化を介して前記第1のカーゴ分子に結合される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記核酸ナノ粒子が、逆電子要請型ディールスアルダー反応を介して前記第1のカーゴ分子に結合される、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記核酸ナノ粒子が、ジスルフィド結合を介して前記第1のカーゴ分子に結合される、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記核酸ナノ粒子が、硫黄(VI)フッ化物交換を介して前記第1のカーゴ分子に結合される、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記核酸ナノ粒子が、ヒドラゾン形成を介して前記第1のカーゴ分子に結合される、請求項7に記載の方法。
【請求項14】
前記核酸ナノ粒子が、チオール-エンラジカル付加を介して前記第1のカーゴ分子に結合される、請求項7に記載の方法。
【請求項15】
前記核酸ナノ粒子が、チオール-イン反応を介して前記第1のカーゴ分子に結合される、請求項7に記載の方法。
【請求項16】
前記核酸ナノ粒子が、チオール-マイケル付加を介して前記第1のカーゴ分子に結合される、請求項7に記載の方法。
【請求項17】
前記核酸ナノ粒子が、チオール-イソシアネートケミストリーを介して前記第1のカーゴ分子に結合される、請求項7に記載の方法。
【請求項18】
前記核酸ナノ粒子が、チオール-エポキシドケミストリーを介して前記第1のカーゴ分子に結合される、請求項7に記載の方法。
【請求項19】
前記核酸ナノ粒子が、求核開環反応を介して前記第1のカーゴ分子に結合される、請求項7に記載の方法。
【請求項20】
前記核酸ナノ粒子が、無痕跡型シュタウディンガーライゲーションを介して前記第1のカーゴ分子に結合される、請求項7に記載の方法。
【請求項21】
前記オリゴヌクレオチドの5’、3’または内部位置(ヌクレオチド上の任意の所与の位置)が、これらの方法を介して概説される共有結合の形成を可能にする官能基で修飾される、請求項8から20に記載の方法。これらの結合は、それだけに限らないが、ADIBO-PEG4、N-[(1R,8S,9s)-ビシクロ[6.1.0]ノナ-4-イン-9-イルメチルオキシカルボニル]-1,8-ジアミノ-3,6-ジオキサオクタン、(1R,8S,9s)-ビシクロ[6.1.0]ノナ-4-イン-9-イルメタノール、ブロモアセトアミド-dPEG(登録商標)4-アミド-DBCO、ブロモアセトアミド-dPEG(登録商標)12-アミド-DBCO、ブロモアセトアミド-dPEG(登録商標)24-アミド-DBCO、ジベンゾシクロオクチン-酸、ジベンゾシクロオクチン-N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、ジベンゾシクロオクチン-PEG4-酸、ジベンゾシクロオクチン-PEG4-アルコール、ジベンゾシクロオクチン-PEG4-N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、(4-(1,2,4,5-テトラジン-3-イル)フェニル)メタンアミン塩酸塩、(E)-シクロオクタ-4-エノール、(E)-シクロオクタ-4-エニル2,5-ジオキソ-1-ピロリジニルカーボネート、2,5-ジオキソ-1-ピロリジニル5-[4-(1,2,4,5-テトラジン-3-イル)ベンジルアミノ]-5-オキソペンタノエート、5-[4-(1,2,4,5-テトラジン-3-イル)ベンジルアミノ]-5-オキソペンタン酸、5-ノルボルネン-2-酢酸スクシンイミジルエステル、5-ノルボルネン-2-エンド-酢酸、メチルテトラジン-NHSエステル、メチルテトラジン-PEG4-NHSエステル、TCO PEG4スクシンイミジルエステル、TCO-アミン、テトラジン-PEG5-NHSエステル、
アルキン-PEG5-酸、(R)-3-アミノ-5-ヘキシン酸塩酸塩、(S)-3-アミノ-5-ヘキシン酸塩酸塩、(S)-3-(boc-アミノ)-5-ヘキシン酸、N-boc-4-ペンチン-1-アミン、boc-プロパルギル-Gly-OH、3-エチニルアニリン、4-エチニルアニリン、プロパルギルアミン塩酸塩、プロパルギルクロロホルメート、プロパルギル-N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、プロパルギル-PEG2-酸、3-(4-アジドフェニル)プロピオン酸、3-アジド-1-プロパンアミン、3-アジド-1-プロパノール、4-カルボキシベンゼンスルホンアジド、O-(2-アミノエチル)-O’-(2-アジドエチル)ヘプタエチレングリコール、O-(2-アミノエチル)-O’-(2-アジドエチル)ノナエチレングリコール、O-(2-アミノエチル)-O’-(2-アジドエチル)ペンタエチレングリコール、アジド-dPEG(登録商標)4(n)酸(式中、nは4、8、12、24であり得る)、アジド-dPEG(登録商標)(n)-アミン(式中、nは7、11、23、35であり得る)、アジド-dPEG(登録商標)4(n)NHSエステル(式中、nは4、8、12、24であり得る)、アジド-dPEG(登録商標)(n)-TFPエステル(式中、nは4、8、12、24、36であり得る)、2-[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]エタノール、O-(2-アジドエチル)-O-[2-(ジグリコリル-アミノ)エチル]ヘプタエチレングリコール、O-(2-アジドエチル)ヘプタエチレングリコール、O-(2-アジドエチル)-O’-メチル-トリエチレングリコール、O-(2-アジドエチル)-O’-メチル-ウンデカエチレングリコール、17-アジド-3,6,9,12,15-ペンタオキサヘプタデカン-1-アミン、14-アジド-3,6,9,12-テトラオキサテトラデカン酸、11-アジド-3,6,9-トリオキサウンデカン-1-アミン、ブロモアセトアミド-dPEG(登録商標)(n)アジド(式中、nは3、11、23であり得る)およびその組み合わせからなる群の化学部分で修飾された任意のオリゴヌクレオチドまたはカーゴ分子とカップリング反応を行うことによって形成され得る。
【請求項22】
前記核酸ナノ粒子が、刺激に応答性のリンカーを介して前記第1のカーゴに結合される、請求項7に記載の方法。
【請求項23】
前記刺激が、pH、光、温度、還元電位または酸素濃度からなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記核酸ナノ粒子が共有結合的に安定化される、請求項7に記載の方法。
【請求項25】
o-フタルアルデヒドと複合体化してイソインドールを生成する核酸
を含む組成物。
【請求項26】
アミンおよびチオール反応性部位で官能化されたオリゴヌクレオチドと;
これらの官能化オリゴヌクレオチドを自己組織化した核酸ナノ粒子と
を含む組成物。
【請求項27】
アミンおよびチオールが、オルト-フタルアルデヒドと同時に反応して、蛍光イソインドールを生成する、請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
前記蛍光部分がさらなるフルオロフォアにコンジュゲートされている、請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
請求項7に概説されるように、前記核酸ナノ粒子が直交型クリックケミストリーを介してカーゴにコンジュゲートされている、請求項26に記載の組成物。
【請求項30】
外部作用剤と複合体化してフルオロフォアを形成する反応性部分を含む核酸二本鎖を含む核酸ナノ粒子
を含む組成物。
【請求項31】
アミンおよびチオールが、オルト-フタルアルデヒドと同時に反応し、前記フルオロフォアが蛍光イソインドールである、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
前記フルオロフォアがさらなるフルオロフォアにコンジュゲートされている、請求項31に記載の組成物。
【請求項33】
前記核酸ナノ粒子が直交型クリックケミストリーを介してカーゴ分子にコンジュゲートされている、請求項30に記載の組成物。
【請求項34】
前記核酸ナノ粒子が、
疎水性部分と、
親水性部分と、
ヌクレオチド結合部分と
を含む成分を含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項35】
前記疎水性部分および親水性部分が、前記核酸ナノ粒子に共有結合的に付着している、請求項34に記載の組成物。
【請求項36】
前記疎水性部分および親水性部分が、アミド、アミン、またはエーテル結合を介して前記核酸に共有結合的に付着している、請求項34に記載の組成物。
【請求項37】
前記親水性部分がアミンを含む、請求項36に記載の組成物。
【請求項38】
前記親水性部分が、スペルミン、エチレンジアミン、メチルエチレンジアミン、エチルエチレンジアミン、イミダゾール、スペルミン-イミダゾール-4-イミン、N-エチル-N’-(3-ジメチルアミノプロピル)-グアニジニルエチレンイミン、ジメチルアミノエチルアクリレート、アミノビニルエーテル、4-イミダゾール酢酸、ジエチルアミノプロピルアミド、スルホンアミド(例えば、スルファジメトキシン スルファメトキサゾール、スルファジアジン、スルファメタジン)、アミノケタール、N-2-ヒドロキシルプロピルチメチルアンモニウムクロリド、イミダゾール-4-イミン、メチル-イミダゾール、2-(アミノメチル)イミダゾール、4-(アミノメチル)イミダゾール、4(5)-(ヒドロキシメチル)イミダゾール、N-(2-アミノエチル)-3-((2-アミノエチル)(メチル)アミノ)プロパンアミド、2-(2-エトキシエトキシ)エタン-1-アミン、ビス(3-アミノプロピル)アミン、[N,N-ジメチルアミノ)エトキシ]エチル、N-(2-アミノエチル)-3-((2-アミノエチル)(エチル)アミノ)プロパンアミド、(N-(アミノエチル)カルバモイル)メチル、N-(2-((2-アミノエチル)アミノ)エチル)アセトアミド3,3’-((2-アミノエチル)アザンジイル)ビス(N-(2-アミノエチル)プロパンアミド)、グアニジルベンジルアミド、[3-(グアニジニウム)プロピル]、ジメチルエタノールアミン、1-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)-N,N-ジメチルメタンアミン、2-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)-N,N-ジメチルエタン-1-アミン、N-(2-((2-(2-アミノエトキシ)プロパン-2-イル)オキシ)エチル)アセトアミド、アミノブチル、アミノエチル、1-(2-アミノエチル)-3-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-2-エチルグアニジン、1-(3-アミノ-3-オキソプロピル)-2,4,6-トリメチルピリジン-1-イウム、1-(1,3-ビス(カルボキシオキシ)プロパン-2-イル)-2,4,6-トリメチルピリジン-1-イウム、グアニジニルエチルアミン、エーテルヒドロキシルトリアゾール、およびβ-アミノエステルからなる群から選択される、請求項37に記載の組成物。
【請求項39】
前記ヌクレオチドが、2-(2-(ジメチルアミノ)エトキシ)エタン-1-オール、N-ブチル-2-ヒドロキシアセトアミド、(1H-イミダゾール-5-イル)メタノール、アミノ((2-(2-ヒドロキシアセトアミド)エチル)アミノ)メタンイミニウムおよび1-(2-(2-ヒドロキシアセトアミド)エチル)-2,4,6-トリメチルピリジン-1-イウムからなる群から選択される部分で官能化されている、請求項36に記載の組成物。
【請求項40】
前記ヌクレオチド結合部分がシステインである、請求項36に記載の組成物。
【請求項41】
前記核酸ナノ粒子が、受容体に依存しない方法で前記カーゴ分子のエンドソーム脱出を促進する、請求項34に記載の組成物。
【請求項42】
前記核酸ナノ粒子が、細胞内の受容体に結合する成分を含む、請求項34に記載の組成物。
【請求項43】
前記成分が、葉酸、TfR-T12、およびヘマグルチニンペプチドからなる群から選択される成分を含む、請求項34に記載の組成物。
【請求項44】
前記カーゴ分子が、リソソーム内で切断され得るリンカーを介して前記核酸ナノ粒子に結合している、請求項34に記載の組成物。
【請求項45】
前記カーゴ分子がカテプシンB切断可能リンカーに結合している、請求項34に記載の組成物。
【請求項46】
前記カーゴ分子がプロテアーゼ切断可能リンカーに結合している、請求項34に記載の組成物。
【請求項47】
前記カーゴ分子がピロリン酸ジエステルに結合している、請求項34に記載の組成物。
【請求項48】
アルコール系求核試薬によるアンヒドロウリジンの処理を含む、2’-O置換ヌクレオシドを合成するための方法。
【請求項49】
前記処理が、バリウムtert-ブトキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、2-tert-ブチルイミノ-2-ジエチルアミノ-1,3-ジメチル-ペルヒドロ-1,3,2-ジアザホスホリン、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム、dabco(登録商標)、N,N-ジイソプロピルメチルアミン、ジメチルアミン、4-(ジメチルアミノ)ピリジン、エチルアミン、N-エチルジイソプロピルアミン、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムtert-ブトキシド、リチウムジシクロヘキシルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムジメチルアミド、リチウムエトキシド、リチウムイソプロポキシド、リチウムメトキシド、リチウム2,2,6,6-テトラメチルピペリジド、マグネシウムビス(ヘキサメチルジシラジド)、メチルアミン、メチルリチウム、モルホリン、ピペリジン、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムtert-ブトキシド、カリウムエトキシド、カリウムメトキシド、トリエチルアミンからなる群から選択される塩基を含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記処理が、臭化アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミニウムイソプロポキシド、三塩化ホウ素(およびその様々な錯体)、三フッ化ホウ素(およびその様々な錯体)、ジシクロヘキシルボロン、臭化鉄(III)、塩化鉄(III)、モンモリロナイトK10&K30、塩化スズ(IV)、塩化チタン(IV)、チタン(IV)イソプロポキシド、四塩化チタンからなる群から選択される塩基を含む、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
カーゴ分子と;前記カーゴ分子に結合した核酸ナノ粒子であって、対象における前記カーゴ分子の生物学的活性を促進するように官能化されている核酸ナノ粒子と
を含む、組成物。
【請求項52】
前記核酸ナノ粒子が、細胞への内部移行を促進するように官能化されている、請求項51に記載の組成物。
【請求項53】
前記カーゴ分子が、細胞への内部移行を促進するように官能化されている、請求項51に記載の組成物。
【請求項54】
前記カーゴ分子が、前記細胞の脂質二重層を通した浸透を促進するアンカーコレステロール分子である、請求項53に記載の組成物。
【請求項55】
前記官能化が、クラスリン媒介エンドサイトーシス、非クラスリン/非カベオラエンドサイトーシス、カベオラ媒介エンドサイトーシス、受動拡散、単純拡散、促進拡散、トランスサイトーシス、マクロピノサイトーシス、食作用、受容体媒介エンドサイトーシス、受容体拡散、小胞媒介輸送、能動輸送を介して前記細胞への内部移行を促進する、請求項51に記載の組成物。
【請求項56】
前記核酸ナノ粒子が、エンドソーム、リソソーム、ピノソーム、またはファゴソームを介して前記細胞に侵入するか、またはプロセシングされ得る、請求項55に記載の組成物。
【請求項57】
前記核酸ナノ粒子が、生体膜を横切って前記細胞に侵入し得る、請求項56に記載の組成物。
【請求項58】
前記官能化が、前記細胞の細胞質、核、ミトコンドリアまたは他の細胞区画において効果を発揮し得る、請求項55に記載の組成物。
【請求項59】
前記カーゴ分子が、mRNA、gRNA/CRISPR、siRNA、ASO、miRNA、lnRNA、shRNA、リボザイム、アプタマー、ペプチド、タンパク質、抗体および治療用低分子からなる群から選択される、請求項51に記載の組成物。
【請求項60】
細胞傷害性ヌクレオチドがオリゴヌクレオチド骨格に組み込まれている、請求項51記載の組成物。
【請求項61】
前記細胞傷害性ヌクレオチドが、アリストマイシン、ネオプラノシンA、リバビリン、ピラゾフリン、シタラビンアラビノシド(ara-C)、ゲムシタビン、クラドリビン(2-CdA)、ショードマイシン、エラシタラビンからなる群から選択される、請求項60に記載の組成物。
【請求項62】
リン酸プロドラッグが核酸骨格に組み込まれている、請求項60に記載の組成物。
【請求項63】
前記リン酸プロドラッグが、9-[2-(ホスホノメトキシ)エチル]アデニンのビス(S-アシル-2-チオエチル)エステル誘導体、シクロSalプロヌクレオチド、HepDirectプロドラッグまたはオクタデシルオキシエチル-シドホビルである、請求項62に記載の組成物。
【請求項64】
前記オリゴヌクレオチドが核酸ナノ粒子に組み立てられている、請求項60に記載の組成物。
【請求項65】
共有結合的に連結している2またはそれを超えるカーゴ分子を含む組成物。
【請求項66】
前記カーゴ分子の鎖が一般式
【化22】
(式中、
C1およびC2はカーゴ分子であり;
rは生体直交型反応の生成物として形成されるバイオコンジュゲーション結合であり;
Lは直鎖リンカーまたは分岐リンカーのいずれかであり;
kは0または1であり;
mは1または1より大きい任意の正の整数であり;
nは1または1より大きい任意の正の整数であり;
m>1、またはn>1、またはm>1とn>1の両方の場合、以下が適用される:
(i)各rは、同じであるか、または少なくとも2つの異なるバイオコンジュゲーション結合の混合物であり;
(ii)各Lは、同じであるか、または少なくとも2つの異なるリンカー分子の混合物であり;
(iii)各C2は、同じであるか、または少なくとも2つの異なるカーゴ分子の混合物である)
を有する、請求項65に記載の組成物。
【請求項67】
前記カーゴ分子の少なくとも1つが生物学的機能を有する、請求項66に記載の組成物。
【請求項68】
1またはそれを超えるカーゴ分子が、核酸、ペプチド、タンパク質、脂質、炭水化物、アルカロイド、ポリケチド、テトラピロール、テルペン/テルペノイド、フェニルプロパノイド、医薬化合物またはその組み合わせである、請求項67に記載の組成物。
【請求項69】
前記カーゴ分子の少なくとも1つが、mRNA、gRNA/CRISPR、siRNA、ASO、saRNA、miRNA、lnRNA、shRNA、リボザイム、アプタマー、ペプチド、タンパク質、タンパク質ドメイン、抗体、抗体断片、抗体模倣物、レクチン、脂質、ビタミン、ベンズアミド、低分子、またはその組み合わせである、請求項67に記載の組成物。
【請求項70】
前記カーゴ分子の少なくとも2つが、(dT)n、(dA)n、d(C)n、d(G)n、(rU)n、(rA)n、(rC)n、(rG)n、またはその組み合わせ(式中、nは1~50の任意の正の整数である)からなる群のオリゴヌクレオチドスペーサーを介して連結されたsiRNAである、請求項69に記載の組成物。
【請求項71】
前記2またはそれを超えるsiRNAが、5’→5’、3’→3’または5’→3’方向に互いに結合している、請求項70に記載の組成物。
【請求項72】
前記カーゴ分子の少なくとも1つが、肝細胞によって発現されるアシアロ糖タンパク質受容体を標的とし、1またはそれを超える標的化部分が、一価、二価、または三価分岐リンカーを介して連結されているN-アセチルガラクトサミンまたはN-アセチルガラクトサミン誘導体を含む、請求項67に記載の組成物。
【請求項73】
前記少なくとも1つのN-アセチルガラクトサミン部分が、固相合成中または合成後にオリゴヌクレオチドカーゴ分子に結合され、前記結合が、前記オリゴヌクレオチドカーゴ分子の5’末端、3’末端または1またはそれを超える連続する内部位置で起こる、請求項72に記載の組成物。
【請求項74】
前記カーゴ分子の1またはそれより多くが、以下の脂質の少なくとも1つを含む、請求項69に記載の組成物:
(i)コレステロールまたはその誘導体;
(ii)リン脂質;
(iii)必要に応じて第四級アンモニウムイオンを含むカチオン性脂質;
(iv)必要に応じてリン酸基を含むアニオン性脂質;および
(v)イオン化可能な脂質;および
(vi)分岐脂質。
【請求項75】
前記カーゴ分子の少なくとも1つが、切断可能リンカーによってさらなるカーゴ分子に連結されている、請求項66に記載の組成物。
【請求項76】
前記カーゴ分子の少なくとも1つが、ジチオビスマレイミドエタンおよび1,4-ビス[3-(2-ピリジルジチオ)プロピオンアミド]ブタンを含むチオール切断可能リンカーによってさらなるカーゴ分子に連結されている、請求項75に記載の組成物。
【請求項77】
前記カーゴ分子の少なくとも1つが、エチレングリコールビス(スクシンイミジルスクシネート)を含むヒドロキシルアミン切断可能リンカーによってさらなるカーゴ分子に連結されている、請求項75に記載の組成物。
【請求項78】
前記カーゴ分子の少なくとも1つが、ビス[2-(N-スクシンイミジル-オキシカルボニルオキシ)エチル]スルホンを含む塩基切断可能リンカーによってさらなるカーゴ分子に連結されている、請求項75に記載の組成物。
【請求項79】
前記カーゴ分子の少なくとも1つが、5-(ビス(メチルチオ)メチレン)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-4,6-ジオンを含むメルドラム酸誘導体によってさらなるカーゴ分子に連結されている、請求項75に記載の組成物。
【請求項80】
前記カーゴ分子の少なくとも1つが、共有結合を介してさらなるカーゴ分子に連結されている、請求項66に記載の組成物。
【請求項81】
前記カーゴ分子の少なくとも1つが、ダイサー基質によってさらなるカーゴ分子に連結されている、請求項66に記載の組成物。
【請求項82】
前記カーゴ分子の少なくとも1つが、1,8-ビスマレイミド-ジエチレングリコール、1,11-ビスマレイミド-トリエチレングリコール、1,4-ビスマレイミドブタン、ビスマレイミドヘキサン、ビスマレイミドエタン、トリス(2-マレイミドエチル)アミン)、N-α-マレイミドアセトキシスクシンイミドエステル、N-β-マレイミドプロピルオキシスクシンイミドエステル、N-ε-マレイミドカプロン酸、N-γ-マレイミドブチリルオキシスクシンイミドエステル、スクシンイミジル4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシ-(6-アミドカプロエート)、スクシンイミジル6-(3(2-ピリジルジチオ)プロピオンアミド)ヘキサノエート、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、スクシンイミジルヨードアセテート、スクシンイミジル(4-ヨードアセチル)アミノベンゾエート、PEG化された長鎖SMCC架橋剤、スクシンイミジル4-(p-マレイミドフェニル)ブチレートおよびスルホ-NHS等価物)、p-マレイミドフェニルイソシアネートからなる群から選択されるリンカーによってさらなるカーゴ分子に連結されている、請求項66に記載の組成物。
【請求項83】
前記カーゴ分子の少なくとも1つが、CuAAC、SPAAC、RuAAC、IEDDA、SuFEx、SPANC、ヒドラゾン/オキシムエーテル形成、チオール-エンラジカル反応、チオール-インラジカル反応、チオール-マイケル付加反応、チオール-イソシアネート反応、チオール-エポキシドクリック反応、求核開環反応(バネ荷重反応)、無痕跡型シュタウディンガーライゲーションからなる群から選択される反応を介してさらなるカーゴ分子に連結されている、請求項66に記載の組成物。これらの結合は、それだけに限らないが、ADIBO-PEG4、N-[(1R,8S,9s)-ビシクロ[6.1.0]ノナ-4-イン-9-イルメチルオキシカルボニル]-1,8-ジアミノ-3,6-ジオキサオクタン、(1R,8S,9s)-ビシクロ[6.1.0]ノナ-4-イン-9-イルメタノール、ブロモアセトアミド-dPEG(登録商標)4-アミド-DBCO、ブロモアセトアミド-dPEG(登録商標)12-アミド-DBCO、ブロモアセトアミド-dPEG(登録商標)24-アミド-DBCO、ジベンゾシクロオクチン-酸、ジベンゾシクロオクチン-N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、ジベンゾシクロオクチン-PEG4-酸、ジベンゾシクロオクチン-PEG4-アルコール、ジベンゾシクロオクチン-PEG4-N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、(4-(1,2,4,5-テトラジン-3-イル)フェニル)メタンアミン塩酸塩、(E)-シクロオクタ-4-エノール、(E)-シクロオクタ-4-エニル2,5-ジオキソ-1-ピロリジニルカーボネート、2,5-ジオキソ-1-ピロリジニル5-[4-(1,2,4,5-テトラジン-3-イル)ベンジルアミノ]-5-オキソペンタノエート、5-[4-(1,2,4,5-テトラジン-3-イル)ベンジルアミノ]-5-オキソペンタン酸、5-ノルボルネン-2-酢酸スクシンイミジルエステル、5-ノルボルネン-2-エンド-酢酸、メチルテトラジン-NHSエステル、メチルテトラジン-PEG4-NHSエステル、TCO PEG4スクシンイミジルエステル、TCO-アミン、テトラジン-PEG5-NHSエステル、
アルキン-PEG5-酸、(R)-3-アミノ-5-ヘキシン酸塩酸塩、(S)-3-アミノ-5-ヘキシン酸塩酸塩、(S)-3-(boc-アミノ)-5-ヘキシン酸、N-boc-4-ペンチン-1-アミン、boc-プロパルギル-Gly-OH、3-エチニルアニリン、4-エチニルアニリン、プロパルギルアミン塩酸塩、プロパルギルクロロホルメート、プロパルギル-N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、プロパルギル-PEG2-酸、3-(4-アジドフェニル)プロピオン酸、3-アジド-1-プロパンアミン、3-アジド-1-プロパノール、4-カルボキシベンゼンスルホンアジド、O-(2-アミノエチル)-O’-(2-アジドエチル)ヘプタエチレングリコール、O-(2-アミノエチル)-O’-(2-アジドエチル)ノナエチレングリコール、O-(2-アミノエチル)-O’-(2-アジドエチル)ペンタエチレングリコール、アジド-dPEG(登録商標)4(n)酸(式中、nは4、8、12、24であり得る)、アジド-dPEG(登録商標)(n)-アミン(式中、nは7、11、23、35であり得る)、アジド-dPEG(登録商標)4(n)NHSエステル(式中、nは4、8、12、24であり得る)、アジド-dPEG(登録商標)(n)-TFPエステル(式中、nは4、8、12、24、36であり得る)、2-[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]エタノール、O-(2-アジドエチル)-O-[2-(ジグリコリル-アミノ)エチル]ヘプタエチレングリコール、O-(2-アジドエチル)ヘプタエチレングリコール、O-(2-アジドエチル)-O’-メチル-トリエチレングリコール、O-(2-アジドエチル)-O’-メチル-ウンデカエチレングリコール、17-アジド-3,6,9,12,15-ペンタオキサヘプタデカン-1-アミン、14-アジド-3,6,9,12-テトラオキサテトラデカン酸、11-アジド-3,6,9-トリオキサウンデカン-1-アミン、ブロモアセトアミド-dPEG(登録商標)(n)アジド(式中、nは3、11、23であり得る)およびその組み合わせからなる群の化学部分で修飾された任意のカーゴ分子とカップリング反応を行うことによって形成され得る。
【請求項84】
前記カーゴ分子の鎖が、
核酸ナノ粒子にコンジュゲートしており、前記コンジュゲートが
【化23】
(式中、
PはRNAナノ粒子であり;
rは生体直交型コンジュゲーション反応の生成物として形成されるバイオコンジュゲーション結合であり;
L1およびL2は直鎖または分岐リンカー分子のいずれかであり;
jは0または1であり;
C1およびC2はカーゴ分子であり;
kは1または1より大きい任意の正の整数であり;
lは0または1であり;
mは1または1より大きい任意の正の整数であり;
nは1または1より大きい任意の正の整数であり;
qは1または1より大きい任意の正の整数であり;
k>1またはm>1またはn>1またはq>1のいずれかまたはその組み合わせである場合、以下が適用される:
(i)rは、同じであるか、または少なくとも2つの異なるバイオコンジュゲーション結合の混合物であり;
(ii)L1は、同じであるか、または少なくとも2つの異なるリンカー分子の混合物であり;
(iii)L2は、同じであるか、または少なくとも2つの異なるリンカー分子の混合物であり;
(iv)L1およびL2は、同じまたは異なるリンカー分子であり;
(v)C1は、同じであるか、または少なくとも2つの異なるカーゴ分子の混合物であり;
(vi)C2は、同じであるか、または少なくとも2つの異なるカーゴ分子の混合物であり;
(vii)C1およびC2は、同じまたは異なるリンカー分子である)
の一般式構造を有する、請求項65に記載の組成物。
【請求項85】
少なくとも2つのカーゴ分子と;
前記少なくとも2つのカーゴ分子の各々に結合した核酸ナノ粒子と
を含む組成物。
【請求項86】
前記少なくとも2つのカーゴ分子の各々が生物学的機能を有する、請求項86に記載の組成物。
【請求項87】
前記少なくとも2つのカーゴ分子の各々が、mRNA、gRNA/CRISPR、siRNA、ASO、miRNA、lnRNA、shRNA、リボザイム、アプタマー、ペプチド、タンパク質、抗体および治療用低分子からなる群から選択される、請求項86に記載の組成物。
【請求項88】
前記少なくとも2つのカーゴ分子の2つ以上が同じ核酸ナノ粒子にコンジュゲートされている、請求項85に記載の組成物。
【請求項89】
前記少なくとも2つのカーゴ分子の前記2つ以上が異なる、請求項85に記載の組成物。
【請求項90】
前記2つ以上のカーゴ分子が同じである、請求項85に記載の組成物。
【請求項91】
前記異なるカーゴ分子が等しくない量で前記ナノ粒子にコンジュゲートされている、請求項89に記載の組成物。
【請求項92】
前記少なくとも2つのカーゴ分子が安定な共有結合を介してコンジュゲートされている、請求項86に記載の組成物。
【請求項93】
前記少なくとも2つの分子が安定な共有結合を介して刺激応答性リンカーにコンジュゲートされている、請求項86に記載の組成物。
【請求項94】
前記カーゴ分子の少なくとも1つが、CuAAC、SPAAC、RuAAC、IEDDA、SuFEx、SPANC、ヒドラゾン/オキシムエーテル形成、チオール-エンラジカル反応、チオール-インラジカル反応、チオール-マイケル付加反応、チオール-イソシアネート反応、チオール-エポキシドクリック反応、求核開環反応(バネ荷重反応)、無痕跡型シュタウディンガーライゲーションからなる群から選択される反応を介してさらなるカーゴ分子に連結されている、請求項92に記載の組成物。これらの結合は、それだけに限らないが、ADIBO-PEG4、N-[(1R,8S,9s)-ビシクロ[6.1.0]ノナ-4-イン-9-イルメチルオキシカルボニル]-1,8-ジアミノ-3,6-ジオキサオクタン、(1R,8S,9s)-ビシクロ[6.1.0]ノナ-4-イン-9-イルメタノール、ブロモアセトアミド-dPEG(登録商標)4-アミド-DBCO、ブロモアセトアミド-dPEG(登録商標)12-アミド-DBCO、ブロモアセトアミド-dPEG(登録商標)24-アミド-DBCO、ジベンゾシクロオクチン-酸、ジベンゾシクロオクチン-N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、ジベンゾシクロオクチン-PEG4-酸、ジベンゾシクロオクチン-PEG4-アルコール、ジベンゾシクロオクチン-PEG4-N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、(4-(1,2,4,5-テトラジン-3-イル)フェニル)メタンアミン塩酸塩、(E)-シクロオクタ-4-エノール、(E)-シクロオクタ-4-エニル2,5-ジオキソ-1-ピロリジニルカーボネート、2,5-ジオキソ-1-ピロリジニル5-[4-(1,2,4,5-テトラジン-3-イル)ベンジルアミノ]-5-オキソペンタノエート、5-[4-(1,2,4,5-テトラジン-3-イル)ベンジルアミノ]-5-オキソペンタン酸、5-ノルボルネン-2-酢酸スクシンイミジルエステル、5-ノルボルネン-2-エンド-酢酸、メチルテトラジン-NHSエステル、メチルテトラジン-PEG4-NHSエステル、TCO PEG4スクシンイミジルエステル、TCO-アミン、テトラジン-PEG5-NHSエステル、
アルキン-PEG5-酸、(R)-3-アミノ-5-ヘキシン酸塩酸塩、(S)-3-アミノ-5-ヘキシン酸塩酸塩、(S)-3-(boc-アミノ)-5-ヘキシン酸、N-boc-4-ペンチン-1-アミン、boc-プロパルギル-Gly-OH、3-エチニルアニリン、4-エチニルアニリン、プロパルギルアミン塩酸塩、プロパルギルクロロホルメート、プロパルギル-N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、プロパルギル-PEG2-酸、3-(4-アジドフェニル)プロピオン酸、3-アジド-1-プロパンアミン、3-アジド-1-プロパノール、4-カルボキシベンゼンスルホンアジド、O-(2-アミノエチル)-O’-(2-アジドエチル)ヘプタエチレングリコール、O-(2-アミノエチル)-O’-(2-アジドエチル)ノナエチレングリコール、O-(2-アミノエチル)-O’-(2-アジドエチル)ペンタエチレングリコール、アジド-dPEG(登録商標)4(n)酸(式中、nは4、8、12、24であり得る)、アジド-dPEG(登録商標)(n)-アミン(式中、nは7、11、23、35であり得る)、アジド-dPEG(登録商標)4(n)NHSエステル(式中、nは4、8、12、24であり得る)、アジド-dPEG(登録商標)(n)-TFPエステル(式中、nは4、8、12、24、36であり得る)、2-[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]エタノール、O-(2-アジドエチル)-O-[2-(ジグリコリル-アミノ)エチル]ヘプタエチレングリコール、O-(2-アジドエチル)ヘプタエチレングリコール、O-(2-アジドエチル)-O’-メチル-トリエチレングリコール、O-(2-アジドエチル)-O’-メチル-ウンデカエチレングリコール、17-アジド-3,6,9,12,15-ペンタオキサヘプタデカン-1-アミン、14-アジド-3,6,9,12-テトラオキサテトラデカン酸、11-アジド-3,6,9-トリオキサウンデカン-1-アミン、ブロモアセトアミド-dPEG(登録商標)(n)アジド(式中、nは3、11、23であり得る)およびその組み合わせからなる群の化学部分で修飾された任意のカーゴ分子とカップリング反応を行うことによって形成され得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その内容が参照により組み込まれる、2020年4月27日に出願された米国仮特許出願第63/015,735号の利益および優先権を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は、一般に、カーゴを送達するための核酸ナノ粒子を含む治療用組成物および同組成物を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
過去10年間で、広範囲の疾患に対する治療薬(例えば、がんを処置するための抗新生物剤)を送達するためのビヒクルとしての核酸ナノ粒子の開発に多くの努力が集中してきた。しかしながら、核酸ナノ粒子に基づく治療は、まだ克服されていない様々な問題に悩まされている。多くの有望な治療薬は、体内の正しい細胞に無傷で送達され、それらの細胞によって内部移行され、次いで、特定の細胞内部位に輸送される必要がある生物学的高分子であり、核酸ナノ粒子はしばしばそれらの機能の1またはそれより多くを実施することができない。さらに、現在の初期段階のオリゴヌクレオチドに基づく治療は、所与の適応症に対して特異的に設計されている。ナノ粒子の設計を変更する場合、安定性、合成の容易さ、および生物学的環境におけるその潜在的な挙動などの様々な因子を考慮する必要がある。したがって、ナノ粒子の設計を連続的に変更することは現実的ではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
本発明は、いくつかの異なる種類の結合を介して1またはそれを超えるカーゴに連結されたナノ粒子、例えば核酸(DNA、RNA、PNA、LNA、GNA、TNA)ナノ粒子を使用して、がん細胞などの標的化細胞にカーゴを送達するための組成物を提供する。RNAナノ粒子などの核酸ナノ粒子は、体内の標的細胞にカーゴを送達するための構造足場としての、ならびに標的への経路中のカーゴの活性を保存し、到着するとその活性を促進する、および/またはオフターゲット部位でのその活性を阻害する機能的調節因子としての両方の役割を果たす。
【0005】
本発明の組成物は、がんを含む様々な障害を処置するのに有用である。作用機序の例としては、mRNAの分解、DNA複製の遮断、アポトーシスの促進、および免疫系による破壊のための細胞のタグ付けが挙げられる。本発明の組成物は、薬剤の活性が標的化細胞において誘発されるが他の細胞では遮断されることを可能にするので、化学療法剤などの潜在的に危険なカーゴの送達によく適している。
【0006】
ナノ粒子組成物は、生体直交型クリックケミストリー(図1)の使用を介して達成されるモジュール設計を有する。これらの反応は、ライゲーションと安定化の両方に使用される。「クリックケミストリー」は、高収率で、範囲が広く、副産物をほとんど~全く生成しない任意の反応を包含する。生成された任意の副産物は、容易に除去されるべきである。本発明は、「クリックケミストリー」として広く認められているいくつかの異なる結合を組み込んでおり、これらは本明細書で論じられる。手短に言えば、これらには、それだけに限らないが、銅(I)触媒アルキン-アジド付加環化(CuAAC)、歪み促進型アルキン-アジド付加環化(SPAAC)、ルテニウム触媒アジド-アルキン付加環化(RuAAC)、逆電子要請型ディールスアルダー反応(IEDDA)、硫黄フッ化物交換(SuFEx)、歪み促進型アルキン-ニトロン付加環化(SPANC)、ヒドラゾン/オキシムエーテル形成、チオール-エンラジカル反応、チオール-インラジカル反応、チオール-マイケル付加反応、チオール-イソシアネート反応、チオール-エポキシドクリック反応、求核開環反応(バネ荷重反応(spring-loaded reaction))、無痕跡型シュタウディンガーライゲーションが含まれる。
【0007】
本発明におけるモジュール設計は、極めて安定なコア足場を可能にする。送達システムに追加の官能基を付加する必要がある場合、核酸ナノ粒子全体を再設計する必要はなく、これをクリックすることができる。多くの現世代の核酸ナノ粒子は、DNA/RNAハイブリッドの会合を促進するためにDNA/RNA足がかりを利用し、これは、しばしばコア足場と会合する成分のインシリコ設計を必要とする(K.A.Afoninら The Use of Minimal RNA Toeholds to Trigger the Activation of Multiple Functionalities、Nano Lett.16(2016)1746-1753。https://doi.org/10.1021/acs.nanolett.5b04676)。本発明のモジュール設計は、カーゴ分子のより容易な結合を可能にし、したがって、配列設計において必要とされる最適化が少ないため、開発プロセスに関連する時間の有意な短縮をもたらす。モジュール設計はまた、合成および組み立てにおけるより大きな再現性ならびにより少ないバッチ間変動をもたらす。
【0008】
上記で概説した利点に加えて、モジュール設計はまた、増加したカーゴ容量およびより高い治療ペイロードを可能にする。交互の結合部位は、複数の固有の治療モダリティのコンジュゲーションを可能にし、1ナノ粒子当たりより多量の治療ペイロードの結合も可能にし、それによって、より効果的な併用療法をもたらす。例えば、六量体RNAナノ構造の構造は、以前に記録された足がかりコンジュゲーション(toehold conjugation)戦略(K.A.Afoninら Multifunctional RNA nanoparticles、Nano Lett.14(2014)5662-5671.https://doi.org/10.1021/nl502385k)を使用したsiRNA治療用カーゴ分子の6つの結合部位に限定され得る。本明細書に記載されるように、足がかりコンジュゲーションの代わりにクリックケミストリーを使用すると、同様の六量体構造上の利用可能な結合部位が増加し、カーゴ分子の搭載容量の増加をもたらす。
【0009】
生体直交型クリックケミストリーの使用はまた、複数のカーゴ分子を核酸ナノ粒子に結合させる能力を可能にする。一実施形態では、これが、ナノ粒子にコンジュゲートした同じカーゴ分子の2つ以上を含み得る。別の実施形態では、これが、ナノ粒子にコンジュゲートした異なる生物学的機能を担う複数のカーゴ分子を含み得る。組成物は、同じ核酸ナノ粒子にコンジュゲートしたsiRNA分子、アプタマー、化学療法剤、細胞傷害性ヌクレオシドおよびエンドソーム脱出分子の複数のバリエーションを含み得る。この汎用性は、診断目的または治療目的のためのナノ粒子の設計および製造におけるより大きな柔軟性を可能にする。
【0010】
カーゴ分子はまた、「コンビナトリアル鎖」で互いに結合していてもよく、各カーゴ分子は可逆的リンカーまたは不可逆的リンカーを介して別のものに結合している。この概念は、さらに高い治療負荷を可能にする。一実施形態では、同じ配列を含む2またはそれを超えるsiRNAを連結して、1リガンド-受容体相互作用当たりのサイレンシング効力の増加および細胞取り込みの増強のためのホモ多量体を形成する。別の実施形態では、同じmRNAを標的とする異なる配列を含む2またはそれを超えるsiRNAを連結し、それによって、より完全なノックダウンのためのより大きな標的配列カバレッジ(スプライスバリアント、非翻訳領域を含む)および増加した表現型浸透度を可能にしてオフターゲット作用の影響を減少させる単一遺伝子標的化ヘテロ多量体を形成する。別の実施形態では、異なるmRNAを標的とする異なる配列を含む2またはそれを超えるsiRNAを連結して、複数の遺伝子のコンビナトリアルサイレンシングのためのヘテロ多量体を形成する。このような複数遺伝子標的化ヘテロ多量体を併用療法として使用することによって、特に単一標的化siRNAで効率的に処置することができないより複雑な疾患に対して、相乗的な治療効果を達成することができる。さらに別の実施形態では、siRNAの直鎖ホモまたはヘテロ多量体鎖を、肝細胞への細胞型特異的標的化のために、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)などのさらなるカーゴ分子にさらにコンジュゲートする。一実施形態では、コンビナトリアル鎖が核酸ナノ粒子に結合している。1またはそれを超えるコンビナトリアル鎖が各ナノ粒子に結合していてもよい。別の実施形態では、コンビナトリアル鎖がコアナノ粒子から独立している。
【0011】
核酸ナノ粒子は、ナノ粒子中の核酸にコンジュゲートした成分を含み得る。成分は、核酸ナノ粒子中の核酸の2’位にコンジュゲートされ得る。成分は、核酸ナノ粒子中の核酸の塩基にコンジュゲートされ得る。成分は、オリゴヌクレオチドの5’末端にコンジュゲートされ得る。成分は、オリゴヌクレオチドの3’末端にコンジュゲートされ得る。成分は、核酸ナノ粒子中のヌクレオチドのリン含有結合にコンジュゲートされ得る。リン含有結合は、3-(2-ニトロフェニル)-プロピルホスホロアミダイト結合、3-フェニルプロピルホスホロアミダイト結合、アルキルホスホロチオエート結合、アミノブチルホスホロアミダイト結合、アリールホスホロチオエート結合、ジメチルアミノホスホロアミダイト結合、グアニジノブチルホスホロアミデート結合、またはホスホロチオエート結合であり得る。
【0012】
一実施形態では、本発明は、上記修飾ヌクレオチドまたはホスホロアミダイト上の記載されている位置の1つを適切なカップリングパートナーと一緒にライゲーションすることを含む。CuAAC、SPAACおよびRuAACの場合、前記方法が、アルキン基をアジド基と反応させてトリアゾール結合を形成することを含む。IEDDAの場合、前記方法が、1,2,4,5-テトラジンをオレフィンと反応させてジヒドロピリダジンを形成することを含み、ジヒドロピリダジンを対応するピリダジンにさらに酸化してもよい。SuFExの場合、前記方法が、フッ化スルホニルを求核試薬と反応させて置換生成物を形成することを含む。SPANCの場合、前記方法が、ジベンゾシクロオクチンをニトロンと反応させてN-アルキル化イソオキサゾリンを得ることを含む。ヒドラゾン形成の場合、前記方法が、ヒドラジンをカルボニルと反応させてヒドラゾンを得ることを含む。オキシムエーテル形成の場合、前記方法が、ヒドロキシルアミンをカルボニルと反応させることを含む。チオール-エンラジカル反応、チオール-インラジカル反応、チオール-イソシアネート反応、チオール-エポキシドクリック反応の場合、前記方法が、チオールを適切なカップリングパートナーと反応させることを含む。求核開環反応の場合、前記方法が、求核試薬を適切な歪み求電子試薬と反応させて所望の結合を生成することを含む。無痕跡型シュタウディンガーライゲーションの場合、前記方法が、ホスフィン(すなわち、(ジフェニルホスフィノ)メタンチオール)をチオエステルと反応させて所望の結合を形成することを含む。
【0013】
1またはそれを超えるカーゴ分子を結合させるために上に概説されるケミストリーを使用することに加えて、ナノ粒子中のヌクレオチド鎖を安定化するためにこれを使用することもできる。クリックケミストリー、特にCuAACの使用による熱力学的安定化が当技術分野で示されている(国際公開第2008/120016号参照)。この組成物は、核酸ナノ粒子構造を安定化するために上記の方法の組み合わせを使用する(図2)。
【0014】
別の実施形態では、核酸ナノ粒子が、クリックケミストリーまたは化学的ライゲーションを介してライゲーションされているオリゴヌクレオチドから構築され得る。このようなオリゴヌクレオチドに基づく構造は、当技術分野で公知である(国際公開第2015/177520号;米国特許出願公開第2017/057415号;M.Kollaschinskiら、Efficient DNA Click Reaction Replaces Enzymatic Ligation、Bioconjug.Chem.31(2020)507-512.https://doi.org/10.1021/acs.bioconjchem.9b00805.)。
【0015】
別の実施形態では、本発明は核酸ナノ粒子を含み、個々のオリゴヌクレオチド鎖が、外部作用剤とカップリングしてフルオロフォアを生成することができるペンダント部分を有する。
【0016】
組成物は、ナノ粒子組み立ておよび細胞取り込みを可視化および監視するために使用することができる蛍光発生クリック部分を含み得る。これは、蛍光イソインドール架橋(FlICk)ケミストリーを含み得る。このような官能基は、アミンまたはチオール修飾ヌクレオチドを介して組み込まれ得る。次いで、これはカーゴのためのステープルまたは結合部位として作用し得る。
【0017】
組成物は上記の修飾の任意の組み合わせを含み得る。代替クリック反応をフルオロフォア生成反応と連結してもよい。
【0018】
組成物は複数のRNA分子を含み得る。例えば、組成物は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12個、またはそれを超えるRNA分子を含有し得る。
【0019】
核酸ナノ粒子はアプタマーを含み得る。
【0020】
核酸ナノ粒子は、RNAナノ粒子、DNAナノ粒子、またはRNAとDNAの両方を含有する粒子であり得る。
【0021】
自己組織化構築物は、それだけに限らないが、三量体、四量体、五量体または六量体を含む任意の数の形態の形をとり得る。
【0022】
別の実施形態では、核酸ナノ粒子が、複数の双直交クリック結合を有するRNA分子の二本鎖であり得る。これらは、刺激応答性リンカーを介してカーゴに結合されてもされなくてもよい。コア鎖は、RNA、DNA、mRNA、siRNAまたは別の種類のオリゴヌクレオチド治療薬(図3)であり得る。細胞傷害性薬物(I)、RNA/siRNA(II)、標的化部分(例えばアプタマー)(III)、エンドソーム脱出分子(IV)およびフルオロフォア(V)を含む様々なカーゴ分子が結合され得る。これらの部分は、刺激応答性リンカー(VI)を介して結合されてもされなくてもよい。
【0023】
別の態様では、本発明は、カーゴ分子と、対象におけるカーゴ分子の生物学的活性を促進するためにカーゴ分子に連結されている要素、例えば刺激応答性リンカーとを含む組成物(図4)を提供する。
【0024】
カーゴ分子は、RNA分子、DNA分子、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、細胞傷害性薬物もしくはその任意の組み合わせであり得るか、またはこれらを含み得る。RNA分子は、mRNA分子、lnRNA分子、miRNA分子、siRNA分子、またはshRNA分子であり得る。カーゴ分子は、CRISPR成分であり得るか、またはCRISPR成分をコードし得る。カーゴ分子は、キメラ抗原受容体であり得るか、またはキメラ抗原受容体をコードし得る。
【0025】
治療的に冗長なRNA足場を使用することに加えて、コア足場は、その治療効果を増強するためにいくつかの官能基を組み込むように修飾され得る。コアナノ足場は、例えば、細胞取り込みおよびエンドソーム脱出を促進し、それによって、カーゴの細胞質利用可能性を増加させるように修飾され得る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、モジュールクリックベース官能基を有する単純化された六量体核酸ナノ粒子を示す概略図である。直交型クリックハンドルを、既知のヌクレオチドおよび新規なヌクレオチドに組み込むことができる。
図2図2は、核酸ナノ粒子を安定化するための生体直交型クリックケミストリーの使用を示す概略図である。
図3図3は、六量体などのナノ構造へのさらなる組み立てを必要としない送達ビヒクルとしての二本鎖RNAを示す概略図である。細胞傷害性薬物(I)、RNA/siRNA(II)、標的化部分(例えばアプタマー)(III)、エンドソーム脱出分子(IV)およびフルオロフォア(V)を含む様々なカーゴ分子が直接結合されることが示されている。これらの部分は、刺激応答性リンカー(VI)を介して結合されてもされなくてもよい。
図4図4は、生体直交型クリックケミストリーを介してコンジュゲートされたカーゴを有する四量体核酸ナノ粒子を示す概略図である。示されるクリック化学には、siRNA(II)のアルキン-アジド(I)およびジスルフィド結合(III)が含まれる。アプタマー(IV)などの標的化分子のハイブリダイゼーションも可能である。
図5図5は、核酸ナノ粒子内で使用されるDNA/RNAの可能な2’修飾を概説する表である。
図6図6は、RNAヌクレオチドの構造修飾を示す。これらは、塩基上においてアジドで修飾されている。
図7図7は、生体直交型クリックケミストリーを可能にする可能なホスホロアミダイト修飾を示す表である。
図8図8は、オリゴヌクレオチドに対する逆電子要請型ディールスアルダー反応を示す概略図である。
図9図9は、チオール修飾オリゴヌクレオチドを用いて行うことができる可能なクリック反応を示す概略図である。これらには、ジスルフィド(I)、チオール-エン(II)、チオール-イン(III)、チオール-マレイミド(IV)、チオール-イソシアネート(V)およびチオール-エポキシ(VI)が含まれる。
図10図10は、ある範囲の求核試薬による2,2’-アンヒドロ-1-(β-D-アラビノフラノシル)ウラシルの求核開環の最適化を示す概略図である。
図11図11は、ヌクレオチドナノ粒子に適用される蛍光イソインドールクリック(FlICk)ケミストリーを要約する概略図である。隣接するアミンおよびチオールをオルトフタルアルデヒドで処理すると、結果として生じる縮合反応により検出可能なフルオロフォアが生成する。
図12図12は、その蛍光能力を増加させるためのフルオロフォア(ローダミンB)のオルトフタルアルデヒドへのコンジュゲーションを示す概略図である。
図13図13は、酸不安定性リンカーを介したエンドソーム脱出媒介ペプチドの核酸ナノ粒子への結合を示す概略図である。
図14図14は、核酸ナノ粒子に組み込まれる可能な細胞傷害性ヌクレオチドを示す概略図である。刺激応答特性は、ジスルフィド結合を介して組み込まれ得る。
図15図15は、CuAACを介して生成され得る細胞傷害性ヌクレオチドを示す概略図である。
図16図16は、ボロン酸ベースの細胞傷害性ヌクレオチドである。
図17図17は、5’末端で核酸に複合体化することができる金属ベースの部分を示す概略図である。
図18図18は、核酸ナノ粒子に組み込むことができる細胞傷害性化合物である9-[2-(ホスホノメトキシ)エチルアデニンの(S-アシル-2-チオエチル)エステル誘導体を示す概略図である。
図19図19は、核酸ナノ粒子に組み込むことができる細胞傷害性化合物であるHepDirectを示す概略図である。
図20図20は、核酸ナノ粒子に組み込むことができる細胞傷害性化合物であるオクタデシルオキシエチル環状シドホビルを示す概略図である。
図21図21は、コンビナトリアル鎖;2またはそれを超えるカーゴ分子を一緒に連結して治療薬搭載容量を増加させる方法の概念を概説する概略図である。組成物の非網羅的な例を示す(A~D)。概略図では、I)コンビナトリアル鎖;II)ナノ構造;III)リンカー;IV)治療用カーゴ;V)標的化カーゴ;VI)細胞侵入カーゴ;VII)他の機能性カーゴが参照される。
図22図22は、本発明の一実施形態の組成物のコア足場(SQ-0000-001)を概説する概略図である。
図23図23は、本発明の一実施形態によるジスルフィド-ノルボルネン5’修飾子(modifier)の合成の概略図である。
図24図24は、NHS-エステルリンカーによる5’アミノ修飾RNAの修飾に使用される手順を概説する概略図である。
図25図25は、5’アミノ修飾RNAとNHS-PEG-DBCOの反応のRP-HPLCトレースを示す。
図26図26は、5’アミノ修飾siRNAの分取RP-HPLCトレースを示す。
図27図27は、RNA鎖の分析用RP-HPLCトレースを示す。
図28図28は、5’ノルボルネン修飾C-4.4 RNAと5’テトラジン修飾siRNA S-1.5のカップリング(1:1モル当量)後の経時的実験の重ね合わせた分析用RP-HPLCトレースを示す。
図29図29は、5’ノルボルネン修飾RNA C-4.4と5’テトラジン修飾siRNA S-1.5のカップリング(1:2モル当量)後の経時的実験の重ね合わせた分析用RP-HPLCを示す。
図30図30は、5’ノルボルネン修飾RNA C-4.4と5’テトラジン修飾siRNA S-1.5のカップリング(1:4モル当量)後の経時的実験の重ね合わせた分析用RP-HPLCトレースを示す。
図31図31は、5’ノルボルネン修飾RNA C-4.4と5’テトラジン修飾アプタマーA-1.3のカップリングの分析用RP-HPLCトレースを示す。
図32図32は、精製された画分を示す、対応するPAGE(15%変性、250 V)を用いたIEDDAカップリング鎖(NAナノ粒子コア鎖C-4.4+siRNA S-1.5)の精製を示すHPLCトレースを示す。
図33図33は、アニーリングされたsiRNAセンス鎖およびアンチセンス鎖を示す18% MOPS PAGE(150 V、2.5時間、gel red染色)を示す。T
図34図34は、30℃で1:1モル当量のコア:アプタマーを使用したIEDDAを介したアプタマーA-1.3へのコアNAナノ粒子鎖C-4.4のコンジュゲーションを示す15%変性PAGE(250V、1時間、gel red染色)を示す。
図35図35は、完全組み立てNAナノ粒子(SQ1-0000-005)との代表的なIEDDAコンジュゲーションを示すネイティブPAGE(8%、150V、1時間)を示す。
図36図36は、アジド官能化siRNA S-1.6を有するコア鎖C-4.3とのSPAACコンジュゲーションの変性PAGE(15%、250V、1時間)を示す。
図37図37は、C-5.2を形成するためのC-5.3のCy7-NHS標識(302nm GelRed/Cy7チャネル)の変性PAGE(15%、250V、1時間)を示す。
図38図38は、クリックされた鎖(1つの位置(鎖C-5.4)、または8つの位置(鎖C-5.5)でPEGおよびコレステロール)の変性ゲル(15%、250V、1時間)を示す。
図39図39は、可逆的ジスルフィド架橋を介した5’-チオール修飾siRNAセンス鎖S-1.1によるナノ粒子コア鎖C-1.1の官能化を示す変性PAGE(15%、250V、1時間)を示す。
図40図40は、マレイミド修飾GFWFGのRP HPLCトレースを示す。15分で0~100%B(A=H2O+0.1% TFA;B=MeCN+0.1% TFA)。
図41図41は、左パネルにおいて、同じ鎖のチオール-RNA C-2.1対ペプチドコンジュゲートRNAの変性PAGEおよび右パネルにおいて、コンジュゲーション反応混合物の粗RP HPLCトレースを示す。
図42図42は、FlICkケミストリーで使用するためのオルト-フタルアルデヒド含有ホスホロアミダイトの合成スキームを示す。
図43図43は、qPCRによって得られた、ジスルフィドまたはIEDDAカップリングを介してPLK1標的化siRNAにコンジュゲートした20nMのRNA鎖によるトランスフェクションの48時間後のMDA-MB-231乳がん細胞におけるPLK1 mRNAの発現レベルを示すグラフである。
図44図44は、IEDDAカップリング反応混合物の分析変性PAGE(250 V、1時間、gelred染色)を示す。
図45図45は、qPCRによって得られた、20nMの示されたsiRNAによるトランスフェクションの48時間後のMDA-MB-231乳がん細胞におけるPLK1 mRNAの発現レベルを示すグラフである。
図46図46は、200nMの濃度の10%熱不活性化FBSを含む細胞培養培地中で2時間インキュベートした後の、0、1、2または4個のEGFR標的化アプタマー(A-1.1)を保有するCy3標識構築物のEGFR過剰発現A431がん細胞への結合を示すグラフを示す。
図47図47は、アプタマーが内部移行後にリソソームに蓄積することを示す顕微鏡像を示す。
図48図48は、RNAナノ粒子が細胞への内部移行後に核周囲空間に蓄積することを示し、エンドソーム取り込みを示唆する顕微鏡像を示す。
図49図49は、自己犠牲リバビリンホスホロアミダイトの合成スキームを示す。(i)DMTrCl、ピリジン(ii)TBDMSCl、AgNO、ピリジン(iii)2-((2-(((4-ニトロフェノキシ)カルボニル)オキシ)エチル)ジスルファニル(disulfaneyl))エチルアセテート、TEA、DCM、(iv)AcOH(v)2-((2-(ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)エチル)ジスルファニル)エチル(4-ニトロフェニル)カーボネート、TEA、DCM(vi)KCO、MeOH(vii)CEP-Cl、ピリジン、DCM。
図50図50は、非変性PAGEを介して組立体の3つの異なるバージョンを示す。
図51図51は、GalNAc C3 5’ホスホロアミダイト(Glen)を介して一価および三価GalNAcにカップリングしたコンビナトリアルカーゴ(siRNA)の概略図である。
図52図52は、合成後IEDDAコンジュゲーションのための5’GalNAc修飾子の合成の概略図である。GalNAc C3 CPG(Glen)は、GalNAc C3 5’ホスホロアミダイト(Glen)および5’ノルボルネンホスホロアミダイトで鎖伸長され、標準的なRNA脱保護条件(AMA/HF)がそれに続く。
図53図53は、修飾ホスホロアミダイトを介してコレステロールおよび三価GalNAcに二重コンジュゲートしたコンビナトリアルカーゴ(siRNA)の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明は、細胞へのカーゴの送達を可能にする広範囲の組成物を提供する。これらの組成物は、カーゴの交換可能な結合を可能にする反応性部位で装飾される。カーゴの例としては、標的細胞における外因性ポリペプチドの発現を可能にするmRNA分子、標的細胞における遺伝子発現の調節を可能にする他の種類のRNA分子、および他の種類の治療薬または診断薬が挙げられる。本発明の組成物は、細胞特異性、細胞内部移行能、生物学的分子の治療有効性を修正し、オフターゲット作用を低減し得る。
【0028】
核酸ナノ粒子を含むナノ粒子
ある特定の実施形態では、本発明の組成物がナノ粒子を含む。本明細書で使用される場合、「ナノ粒子」は、ナノメートルスケールで測定される寸法を有する粒子を指す。例えば、ナノ粒子は、1~1000nmの直径、長さ、幅、または深さを有し得る。
【0029】
RNAナノ粒子は、定義される二次構造を有する個々のRNA分子の規則正しい配列から形成される。RNA分子は、シュードノット、キッシングヘアピン、およびヘアピンループ、3ウェイジャンクションおよび4ウェイジャンクションなどの様々な構造モチーフを形成し、これらは分子の形状寸法と、塩基対形成を介して他のRNA分子と安定な相互作用を形成するその能力の両方に影響を及ぼす。典型的には、個々のRNA分子は、分子内塩基対形成から生じる二本鎖領域、および他のRNA分子と塩基対を形成することができるか、または他の方法で他の種類の分子に結合することができる一本鎖領域を有する。
【0030】
例えば、限定されないが、ナノアレイ、ナノケージ、ナノキューブ、ナノプリズム、ナノリング、ナノ足場、およびナノチューブを含む、規則的な二次元または三次元構造を有する様々なRNAナノ構造が知られている。ナノリングは、軸の周りに整列させられた3個、4個、5個、6個、7個、8個またはそれを超えるRNA分子を含む対称構造または非対称構造であり得る。したがって、ナノリングは、三量体、四量体、五量体、六量体、七量体、八量体、またはより大きな数の多量体であり得る。ナノリングは、円形、三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、八角形、または他の多角形の形状であり得る。シート、ケージ、デンドリマーおよびクラスターなどの他の種類のRNAナノ粒子も可能であり、本発明の範囲内である。「ナノ足場」は、一般的に、他の分子を結合させることができるナノ構造を指す。様々な構造配置のRNAナノ粒子は、例えば、その各々の内容が参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2005/003,293号;国際公開第2007/016,507号;国際公開第2008/039,254号;国際公開第2010/148,085号;国際公開第2012/170,372号;国際公開第2015/042,101号;国際公開第2015/196,146号;国際公開第2016/168,784号;および国際公開第2017/197,009号に記載されている。
【0031】
核酸ナノ粒子は、天然に存在するヌクレオチドを含有し得るか、または化学修飾ヌクレオチドを含有し得る。化学修飾ヌクレオチドは当技術分野で公知であり、例えば、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2018/118587号に記載されている。例えば、限定されないが、核酸ナノ粒子、治療薬およびアプタマーは、2’フルオロ、2’O-メチル、2-チオウリジン、2’-O-メトキシエチル、2’-アミン、5-メトキシウリジン、シュードウリジン、5-メチルシチジン、N1-メチル-シュードウリジン、ロック核酸(LNA)、モルホリノ、およびホスホロチオエート修飾の1またはそれより多くを含有し得る。他の修飾ヌクレオチドには、5caC、5fC、5hoC、5hmC、5meC/5fu、5meC/5moU、5meC/thG、5moC、5meC/5camU、5meC,ψ、5meC/ψ、5moC/5moU、5moC/5meU、5hmC/5meU、me1ψ、5meC/me1ψ、5moU、5camU、m6A、5hmC/ψ、5moC/ψ、me6DAP、me4C、5fu、5-メトキシウリジン、2-アミノアデニン、2-チオシトシン、2-チオチミン、2-チオウラシル、3-メチルアデニン、4-チオウラシル、5,6-デヒドロウラシル、5-アリルシトシン、5-アリルウラシル、5-アミノアリルシトシン、5-アミノアリルウラシル、5-ブロモウラシル、5-エチニルシトシン、5-エチニルウラシル、5-フルオロウラシル、5-ヒドロキシメチルシトシン、5-ヒドロキシメチルウラシル、5-ヨードウラシル、5-メチルシトシン、5-メチルウラシル、5-プロピニルシトシン、5-プロピニルシトシン、5-プロピニルウラシル、5-プロピニルウラシル、6-O-メチルグアニン、6-チオグアニン、7-デアザ-8-アザグアニン、7-デアザアデニン、7-デアザグアニン、7-デアザグアニン、8-オキソアデニン、8-オキソグアニン、5-メチルシチジン、シュードウリジン、イノシン、2’-O-メチルアデノシン、2’-O-メチルシチジン、2’-O-メチルグアノシン、2’-O-メチルウリジン、2’-O-メチル-シュードウリジン、2’-O-メチル3’-ホスホロチオエートアデノシン、2’-O-メチル3’-ホスホロチオエートシチジン、2’-O-メチル3’-ホスホロチオエートグアノシン、2’-O-メチル3’-ホスホロチオエートウリジン、立体配座が制限されたヌクレオチド、および2’-O-メチル3’-ホスホロチオエートシュードウリジンが含まれる。
【0032】
ナノ粒子の核酸は糖修飾を含有し得る。例えば、限定されないが、ナノ粒子の核酸は、2’-O-(2-メトキシエチル)(2’MOE)、2’-メトキシ(2’OMe)、2’-フルオロ(2’F)、2’-O-アセタールエステル、2-グアニジノメチル-2-エチルブチリルオキシメチル(GMEBuOM)、2-アミノ-2-メチルプロピオニルオキシメチル(AMPrOM)、2-アミノメチル-2-エチルブチリルオキシメチル(AMEBuOM)、2’-O-ピバロイルオキシメチル(PivOM)、上記のアミンまたはペプチドで修飾された2’アミノロック核酸(LNA)、2’-O-[N,N-ジメチルアミノ)エトキシ]エチル、2’-N-[N,N-ジメチルアミノ)エトキシ]エチル、2’-N-イミダゾールアセトアミド(2’-N-imidazolacetyamide)、2’-O-[3-(グアニジニウム)プロピル]、2’-N-[3-(グアニジニウム)プロピル]、2’-O-[3-(グアニジニウム)エチル]、2’-N-[3-(グアニジニウム)エチル]、2’-O-(N-(アミノエチル)カルバモイル)メチル、2’-N-(N-(アミノエチル)カルバモイル)メチル、2’-O-[N-(2-((2-アミノエチル)アミノ)エチル)]アセトアミド、2’-N-[N-(2-((2-アミノエチル)アミノ)エチル)]アセトアミド、2’-N-2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-ペンタデカフルオロオクタンアミド、2’-N-イミダゾールアセトアミド、2’-O-イミダゾールメチル、2’-N-グアニジルベンジルアミド、および4’-C-グアニジニンカルボヒドラジドメチル(4'-C-guanidinincarbohydrazidomethyl)、2’-O-イミダゾールメチル、2’-N-イミダゾールメチルアミンエチルの1またはそれより多くを含有し得る。
【0033】
クリックケミストリー
クリックケミストリーを開発して、有機分子を一緒に結合して高収率および温和な条件下で生成物を得る簡単な方法を提供した。二置換1,2,3トリアゾールを形成するためのアジドとアルキンとの間の反応は、最初にMeldalおよび共同研究者ら(C.W.Tornoeら[1,2,3]-Triazoles by regiospecific copper(I)-catalyzed 1,3-dipolar cycloadditions of terminal alkynes to azides、J.Org.Chem.67(2002)3057-3064.https://doi.org/10.1021/jo011148j.)ならびにSharplessおよび共同研究者ら(V.V.Rostovtsevら A stepwise huisgen cycloaddition process:Copper(I)-catalyzed regioselective ’’ligation’’ of azides and terminal alkynes、Angew.Chemie-Int.Ed.41(2002)2596-2599.https://doi.org/10.1002/1521-3773(20020715)41:14<2596::AID-ANIE2596>3.0.CO;2-4.)によって別々に報告された。それ以後、この反応は、その単純さおよび温和な条件の使用のために、最も重要なコンジュゲーション反応の1つとして浮上した。
【0034】
ナノ粒子は、任意のアルキン保有部分を含有し得る。これは、化学的または酵素的に修飾されたヌクレオチドを介するものであり得る。アルキン修飾ヌクレオチドは当技術分野で公知であり、例えば国際公開第2017/189978号に記載されている。アルキン修飾ヌクレオチドは、糖上、2’位、またはヌクレオチド塩基上で修飾され得る。例えば、限定されないが、糖修飾核酸ナノ粒子は、4-アミノ-1-((2R,3R,4R,5R)-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)-3-(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2(1H)-オン(2’OアルキンC)、1-((2R,3R,4R,5R)-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)-3-(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(2’OアルキンU)、(2R,3R,4R,5R)-5-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-2-(ヒドロキシメチル)-4-(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)テトラヒドロフラン-3-オール(2’OアルキンA)、2-アミノ-9-((2R,3R,4R,5R)-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)-3-(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)-1,9-ジヒドロ-6H-プリン-6-オン(2’OアルキンG)の1またはそれより多くを含有し得る。さらなるCH基またはエチレングリコール基をアルキン部分とCH部分との間に付加してもよい。メチレンの代わりにエチレングリコール単位を使用してもよい(図5)。
【0035】
修飾が塩基上に現れるアルキン修飾ヌクレオチドは、(2R,3S,4R,5R)-2-(ヒドロキシメチル)-5-(6-(プロパ-2-イン-1-イルアミノ)-9H-プリン-9-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(N6プロパルギルA)、1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-4-(プロパ-2-イン-1-イルアミノ)ピリミジン-2(1H)-オン(N4プロパルギルC)、9-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-(プロパ-2-イン-1-イルアミノ)-1,9-ジヒドロ-6H-プリン-6-オン(N2プロパルギルG)、1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-3-(プロパ-2-イン-1-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(N3プロパルギルU)の1またはそれより多くを含有し得る。
【0036】
ナノ粒子は、オリゴヌクレオチド配列の5’または3’末端に組み込まれるアルキン修飾リン酸を含有し得る(図7)。このようなホスホロアミダイトは、当技術分野、例えば米国特許出願公開第2009124571号に記載されている。これらには、それだけに限らないが、2-シアノエチルプロパ-2-イン-1-イルジイソプロピルホスホロアミダイトおよびリン中心とアルキン部分との間の任意のメチレン伸長が含まれ得る。メチレンの代わりにエチレングリコール単位を使用してもよい。
【0037】
ナノ粒子は、任意のアジド保有部分を含有し得る。これは、化学的または酵素的に修飾されたヌクレオチドを介するものであり得る。アルキン修飾ヌクレオチドは、糖上、2’位、またはヌクレオチド塩基上で修飾され得る。例えば、限定されないが、糖修飾核酸ナノ粒子は、(2R,3R,4R,5R)-5-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-4-(アジドメトキシ)-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3-オール、4-アミノ-1-((2R,3R,4R,5R)-3-(アジドメトキシ)-4-ヒドロキシ-5(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2(1H)-オン、2-アミノ-9-((2R,3R,4R,5R)-3-(アジドメトキシ)-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-1,9-ジヒドロ-6H-プリン-6-オン(N2アジドG)、1-((2R,3R,4R,5R)-3-(アジドメトキシ)-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの1またはそれより多くを含有し得る。
【0038】
ヌクレオチド塩基のアジド修飾は当技術分野で公知であり、例えば、米国特許出願公開第2006/0147924号に記載されている。塩基修飾アジド化合物は、それだけに限らないが、(2R,3R,4S,5R)-2-(6-アジド-9H-プリン-9-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(N6アジドA)、4-アジド-1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2(1H)-オン(N4アジドC)、2-アジド-9-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-1,9-ジヒドロ-6H-プリン-6-オン(N2アジドG)の1またはそれより多くを含有し得る(図6)。
【0039】
ナノ粒子は、オリゴヌクレオチド配列の5’または3’末端に組み込まれるアジド修飾リン酸を含有し得る。これらには、それだけに限らないが、アジドメチル(2-シアノエチル)ジイソプロピルホスホロアミダイトおよびリン中心とアジド部分との間の任意のメチレン伸長が含まれ得る。メチレンの代わりにエチレングリコール単位を使用してもよい。
【0040】
微量の銅に関する潜在的な毒性の懸念のために、銅フリーアジド-アルキン付加環化は、文献において生物学的に関連する分子にますます普及している。歪み促進型アジド-アルキン付加環化(SPAAC)は、この問題を回避する便利な方法である。アルキンを活性化するためにCu(I)を使用する代わりに、アルキンが歪みシクロオクチン誘導体に導入される(N.J.Agardら Comparative study of bioorthogonal reactions with azides.、ACS Chem.Biol.1(2006)644-648.https://doi.org/10.1021/cb6003228.)。この環ひずみを緩和したいという要求が、アジドとの反応を促進する。このアプローチは、オリゴヌクレオチド-アジド誘導体の合成後標識に使用されており(M.L.Winz.Site-specific one-pot triple click labeling for DNA and RNA、Chem.Commun.54(2018)11781-11784.https://doi.org/10.1039/c8cc04520h.)、本発明のモジュール設計の一部として適用することができる。アジド修飾ヌクレオチドを核酸ナノ粒子に組み込むことができる。次いで、組み立てられた構築物をシクロオクチン標識基質でタグ付けすることができる。
【0041】
逆電子要請型ディールスアルダーは、生体分子コンジュゲーションのための最も堅牢なクリックケミストリーの1つとして確立されており、DNAおよびRNAの合成後標識に使用されている(J.Schochら Post-Synthetic Modification of DNA by Inverse-Electron-Demand Diels-Alder Reaction、J.Am.Chem.Soc.132(2010)8846-8847.https://doi.org/10.1021/ja102871p.);(A.M.Pykaら Diels-alder cycloadditions on synthetic RNA in mammalian cells、Bioconjug.Chem.25(2014)1438-1443.https://doi.org/10.1021/bc500302y.)。その内容は参照により本明細書に組み込まれる。この付加環化反応は、遷移金属を使用せずに迅速に進行し、室温でのオリゴヌクレオチドの効率的な官能化を可能にする(図8)。
【0042】
ナノ粒子は、任意のノルボルネン(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン)部分を含有し得る。これは、化学的または酵素的に修飾されたヌクレオチドを介するものであり得る。ノルボルネン修飾ヌクレオチドは、糖上、2’位、またはヌクレオチド塩基上で修飾され得る。例えば、限定されないが、糖修飾核酸ナノ粒子は、(2R,3R,4R,5R)-5-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-4-(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イルメトキシ)-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3-オール、4-アミノ-1-((2R,3R,4R,5R)-3-(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イルメトキシ)-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2(1H)-オン、1-((2R,3R,4R,5R)-3-(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イルメトキシ)-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの1またはそれより多くを含有し得る(図5)。
【0043】
ナノ粒子は、オリゴヌクレオチド配列の5’末端に組み込まれるノルボルネン修飾リン酸を含有し得る。これらには、それだけに限らないが、当技術分野(J.Schochら Post-Synthetic Modification of DNA by Inverse-Electron-Demand Diels-Alder Reaction、J.Am.Chem.Soc.132(2010)8846-8847.https://doi.org/10.1021/ja102871p.)で記載されるアジドメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イルメチル(2-シアノエチル)ジイソプロピルホスホロアミダイト、およびリン中心とアジド部分との間の任意のメチレン伸長が含まれ得る。メチレンの代わりにエチレングリコール単位を使用してもよい(図7)。
【0044】
ナノ粒子は、任意のチオール部分を含有し得る。これは、化学的に修飾されたヌクレオチドを介するものであり得る(図5)チオール修飾ヌクレオチドは、糖上、2’位、またはヌクレオチド塩基上で修飾され得る。例えば、限定されないが、糖修飾核酸ナノ粒子は、(2R,3R,4R,5R)-5-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-2-(ヒドロキシメチル)-4-(2-メルカプトエトキシ)テトラヒドロフラン-3-オール(チオールA)、4-アミノ-1-((2R,3R,4R,5R)-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)-3-(2メルカプトエトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2(1H)-オン(チオールC)、2-アミノ-9-((2R,3R,4R,5R)-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)-3-(2-メルカプトエトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)-1,9-ジヒドロ-6H-プリン-6-オン(チオールG)、1-((2R,3R,4R,5R)-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)-3-(2-メルカプトエトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(チオールU)の1またはそれより多くを含有し得る。糖と硫黄原子との間に任意の数のメチレン伸長が可能である。メチレンの代わりにエチレングリコール単位を使用してもよく、上記の組み合わせを使用してもよい。
【0045】
硫黄修飾ヌクレオチドとの可能なコンジュゲーション反応には、ジスルフィド形成(F.Gauthierら Conjugation of Small Molecules to RNA Using a Reducible Disulfide Linker Attached at the 2’-OH Position through a Carbamate Function、European J.Org.Chem.2019(2019)5636-5645.https://doi.org/10.1002/ejoc.201900740.)、チオール-エンラジカル反応(A.B.Lowe、Thiol-ene’’click’’ reactions and recent applications in polymer and materials synthesis:A first update、Polym.Chem.5(2014)4820-4870.https://doi.org/10.1039/c4py00339j.)、チオール-インラジカル反応([1]A.B.Lowe、Thiol-yne’click’/coupling chemistry and recent applications in polymer and materials synthesis and modification、Polymer(Guildf).55(2014)5517-5549.https://doi.org/10.1016/j.polymer.2014.08.015.)、チオール-マイケル付加(R.M.Hensarling、Thiol-isocyanate ’’click’’ reactions:Rapid development of functional polymeric surfaces、Polym.Chem.2(2011)88-90.https://doi.org/10.1039/c0py00292e.)、チオール-イソシアネート(R.M.Hensarling、Thiol-isocyanate ’’click’’ reactions:Rapid development of functional polymeric surfaces、Polym.Chem.2(2011)88-90.https://doi.org/10.1039/c0py00292e.)またはチオール-エポキシド開環(M.C.Stuparu、Thiol-epoxy’’click’’ chemistry:Application in preparation and postpolymerization modification of polymers、J.Polym.Sci.Part A Polym.Chem.54(2016)3057-3070.https://doi.org/10.1002/pola.28195.)が含まれる(図9)。
【0046】
ナノ粒子は、任意のアミン部分を含有し得る。これは、化学的または酵素的に修飾されたヌクレオチドまたはホスホロアミダイトを介するものであり得る。アミン修飾ヌクレオチドは、糖上、2’位、またはヌクレオチド塩基上で修飾され得る。例えば、限定されないが、糖修飾核酸ナノ粒子は、(2R,3R,4R,5R)-5-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-4-(2-アミノエトキシ)-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3-オール(アミノA)、4-アミノ-1-((2R,3R,4R,5R)-3-(2-アミノエトキシ)-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2(1H)-オン(アミノC)、2-アミノ-9-((2R,3R,4R,5R)-3-(2-アミノエトキシ)-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-1,9-ジヒドロ-6H-プリン-6-オン(アミノG)、1-((2R,3R,4R,5R)-3-(2-アミノエトキシ)-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの1またはそれより多くを含有し得る。糖とアミノ基との間に任意の数のメチレン伸長が可能である。メチレンの代わりにエチレングリコール単位を使用してもよい(図5)。
【0047】
四フッ化チオニル(SOF)は、生体適合性の高いクリックケミストリーハンドルとして登場した。Sharplessおよび共同研究者らは近年、このハンドルを有する一連のコンビナトリアルDNAタグを開発した(F.Liuら Biocompatible SuFEx Click Chemistry:Thionyl Tetrafluoride(SOF4)-Derived Connective Hubs for Bioconjugation to DNA and Proteins、Angew.Chemie-Int.Ed.(2019)8029-8033.https://doi.org/10.1002/anie.201902489.)。本発明では、任意の求核試薬修飾オリゴヌクレオチド鎖がSOF基と反応するため、構築物に結合する基質上で任意のSuFEx修飾が起こる。
【0048】
四フッ化チオニルハンドルを、別のクリック官能基を有する分子にコンジュゲートしてもよい。
【0049】
従来のクリックケミストリーに加えて、例えば、パラジウム錯体を使用したチオールアリール化((E.V.Vinogradovaら、Organometallic palladium reagents for cysteine bioconjugation、Nature.526(2015)687-691.https://doi.org/10.1038/nature15739.)、オキシムライゲーション(J.Y.Axupら Synthesis of site-specific antibody-drug conjugates using unnatural amino acids、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.109(2012)16101-16106.https://doi.org/10.1073/pnas.1211023109.)、ヒドラゾン形成(D.K.Koelmelら、Oximes and Hydrazones in Bioconjugation:Mechanism and Catalysis、Chem.Rev.117(2017)10358-10376.https://doi.org/10.1021/acs.chemrev.7b00090.)によって、またはカテプシンB応答性リンカーを介して(F.Brydenら、Impact of cathepsin B-sensitive triggers and hydrophilic linkers on:In vitro efficacy of novel site-specific antibody-drug conjugates、Org.Biomol.Chem.16(2018)1882-1889.https://doi.org/10.1039/c7ob02780j.)、直接的な共有結合的付着が達成され得る。
【0050】
共有結合安定化構造を生成するためのクリックケミストリーの使用
クリックケミストリーは、オリゴヌクレオチドの形成におけるライゲーション戦略として広く使用されている;リン酸骨格をトリアゾールで置き換えることによって生成された材料は、例えば、高い熱力学的安定性および酵素分解に対する増加した耐性を有する(A.H.El-Sagheerら Click nucleic acid ligation:Applications in biology and nanotechnology、Acc.Chem.Res.45(2012)1258-1267.https://doi.org/10.1021/ar200321n.)。本発明は、この原理を利用して、核酸ナノ粒子により高い安定性を付与する。
【0051】
ナノ粒子は、シュードノット、キッシングヘアピン、およびヘアピンループ、3ウェイジャンクションおよび4ウェイジャンクションにクリック部分を含有し得る(図2)。これらの修飾はまた、二本鎖全体に散在していてもよく、各核酸鎖全体の様々な点でリン酸骨格の代わりに存在していてもよい。
【0052】
ヘアピンおよび他の円形高次構造もまた、クリックケミストリーを介して形成され得る。G-CおよびC-G塩基対で構成されるヘアピンステムを生成するためのアルキンとアジドとの間の1,3-双極子付加環化が当技術分野で示されている(A.Kiliszekら Stabilization of RNA hairpins using non-nucleotide linkers and circularization、Nucleic Acids Res.45(2017)4-12.https://doi.org/10.1093/nar/gkx122.)。この方法論は、円形構造を生成するために本発明で使用され得る。オリゴヌクレオチドの樹脂上合成(on-resin synthesis)もまた、環状構造を生成するために使用され得る(J.Lietardら New strategies for cyclization and bicyclization of oligonucleotides by click chemistry assisted by microwaves、J.Org.Chem.73(2008)191-200.https://doi.org/10.1021/jo702177c.)。
【0053】
官能化ヌクレオチドの製造方法
2,2’-アンヒドロ-1-(β-D-アラビノフラノシル)ウラシルは、ヌクレオシドケミストリーにおける重要な中間体として広く使用されており(A.Miahら、2’,3’-Anhydrouridine.A useful synthetic intermediate、J.Chem.Soc.-Perkin Trans.1.(1998)3277-3283.https://doi.org/10.1039/a803563f.)、その合成に向かう様々な経路が当技術分野で示されている(欧州特許出願公開第1992632A1号)。この中間体の求核開環は、多くの異なる官能基の結合を可能にし、ユニバーサル核酸ナノ粒子の設計および開発において特に有用である。この反応は極めて非効率的であり、過酷な条件(120℃超、複数当量の強ルイス酸)の使用を必要とする。
【0054】
これらの制限を克服するために、2,2’-アンヒドロ-1-(β-D-アラビノフラノシル)ウラシルを、以下の試薬:ジメチルアセトアミド(DMA)、ジオキサン、ヘキサメチルホスホルアミド(HMPA)、DMF、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N’-ジメチルプロピレン尿素(DMPU)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMI)、テトラヒドロフラン(THF)およびその組み合わせの1またはそれより多く;温度:室温~160℃;塩基(以下を含むが、これに限定されない):バリウムtert-ブトキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、2-tert-ブチルイミノ-2-ジエチルアミノ-1,3-ジメチル-ペルヒドロ-1,3,2-ジアザホスホリン、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム、dabco(登録商標)、N,N-ジイソプロピルメチルアミン、ジメチルアミン、4-(ジメチルアミノ)ピリジン、エチルアミン、N-エチルジイソプロピルアミン、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムtert-ブトキシド、リチウムジシクロヘキシルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムジメチルアミド、リチウムエトキシド、リチウムイソプロポキシド、リチウムメトキシド、リチウム2,2,6,6-テトラメチルピペリジド、マグネシウムビス(ヘキサメチルジシラジド)、メチルアミン、メチルリチウム、モルホリン、ピペリジン、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムtert-ブトキシド、カリウムエトキシド、カリウムメトキシド、トリエチルアミン;ルイス酸(以下を含むが、これに限定されない):臭化アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミニウムイソプロポキシド、三塩化ホウ素(およびその様々な錯体)、三フッ化ホウ素(およびその様々な錯体)、ジシクロヘキシルボロン、臭化鉄(III)、塩化鉄(III)、モンモリロナイトK10&K30、塩化スズ(IV)、塩化チタン(IV)、チタン(IV)イソプロポキシド、四塩化チタンで処理する。
【0055】
FlICkケミストリー
蛍光イソインドール架橋(FlICk)反応は、近年、ペプチドの二次構造を安定化するための貴重なツールとして浮上した(M.Todorovicら、Fluorescent Isoindole Crosslink(FlICk)Chemistry:A Rapid,User-friendly Stapling Reaction、Angew.Chemie Int.Ed.(2019)14258-14262.https://doi.org/10.1002/anie.201909719.)。この反応では、オルト-フタルアルデヒドを遊離アミン基およびチオール基を有する高分子に添加し、結果として生じる縮合反応により蛍光イソインドールが得られる。次いで、イソインドール基が、そのペプチド二次構造を安定化することができ、また、インビトロおよびインビボ研究に使用することができる蛍光シグナルを生成する。
【0056】
このような反応は、核酸ナノ粒子構築物の安定化を可能にし、生物学的研究のための固有蛍光を提供する(図11)。蛍光イソインドール色素は当技術分野で公知であり、例えば、米国特許第9412955号および国際公開第2012/022945号に記載されている。この方法論は、鎖安定化に加えてフルオロフォアが生成されるので、他のステープリング方法よりも有利である。これはまた、さらなる蛍光部分の結合の使用を無効にする。
【0057】
蛍光部分を生成するために、チオール含有ヌクレオチドは、アミン修飾を有する隣接ヌクレオチドの近くに配置される必要がある。これらは、同じオリゴヌクレオチド鎖上、または二本鎖の対向する鎖上のヌクレオチドであり得る。これらはまた、キッシングステム-ループの一部であってもよい。次いで、組み立てられた核酸ナノ粒子構築物を、オルト-フタルアルデヒドまたはその類似体で処理する。
【0058】
オルト-フタルアルデヒド類似体は、既知の蛍光色素にコンジュゲートされたジアルデヒドを含み得る。これらには、それだけに限らないが、フルオレセイン、Hoechst 33342、BODIPY-FL、Cascade Yellow、4-MU、ピレン、BODIPY-TR、Cy3、Cy5、SRh101、Rh110、レソフリン、DAPI、またはNBDが含まれ得る(図12)。
【0059】
FlICkステープリングは、アミンおよびチオール修飾ヌクレオチドを利用する。さらに、組成物はまた、蛍光タグ部位;チオール基およびアミン基が同じ分子上で4~5個の結合の範囲内で離れている新規なチオール-アミン系ヌクレオチドを組み込んでもよい。その例は、1-((2R,3R,4R,5R)-3-(3-アミノ-2-(メルカプトメチル)プロポキシ)-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンとして以下に与えられる。
【化1】
【0060】
結合カーゴの機能
上に概説される修飾は、様々な官能基の結合を可能にする。これらには、それだけに限らないが、細胞傷害性薬物および他の治療薬、mRNA折り紙(mRNA origami)、エンドソーム脱出のメディエーターおよびタンパク質コロナを操作する部分が含まれる。これらの実体は、低分子、ペプチド、タンパク質、オリゴヌクレオチド、またはその組み合わせであり得る。
【0061】
細胞侵入
カーゴ分子の細胞内標的化は、治療カーゴを送達するために核酸ナノ粒子を使用する組成物の開発における重要な課題である。本発明は、具体的には、カーゴ分子の治療有効性を改善するための1またはそれを超える細胞侵入機序を有し、USPTO62/894,390で行われた研究の拡張であるナノ粒子を含む組成物を提供することによって、この課題に対処する。
【0062】
エンドサイトーシスは、形質膜からの小胞の出芽および小胞のリソソームへのルーティングを伴い、ここではエンドサイトーシスされたカーゴが分解される。エンドソーム内のpHはリソソームへの経路で低下し、リソソームの酸性環境は高分子の分解を支持する。結果として、カーゴ分子を核酸ナノ粒子に結合させるためのpH感受性リンカーの使用は、循環血液または他の細胞外環境の中性pHでの確実な結合を可能にするが、小胞エンドサイトーシス経路におけるナノ粒子からのカーゴの放出を可能にする。例えば、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、Gujrati Mら、Multifunctional pH-Sensitive Amino Lipids for siRNA Delivery、Bioconjug Chem.2016 Jan 20;27(1):19-35,doi:10.1021/acs.bioconjchem.5b00538を参照されたい。
【0063】
エンドソーム脱出を促進するための1つのアプローチは、ヌクレオチドを修飾する、および/またはRNAナノ粒子中のヌクレオチドに特定の特性を有する低分子をコンジュゲートすることである。修飾または付加は、ヌクレオチドの2’位、ヌクレオチドの塩基、またはリン含有骨格であり得る。例えば、限定されないが、コンジュゲートは、以下:2’-O-イミダゾールアセチル修飾、2’-O-[N,N-ジメチルアミノエトキシ]エチル修飾、アルキル-ホスホロチオエート、アミン(例えば、異なるpKa値を有する第一級、第二級、第三級、およびイミダゾールアミンの組み合わせ)、コレステロール脂質、エンドソーム増強ドメイン、フッ化アルキン鎖、グアニジノブチルホスホロアミデート、疎水性基、正に荷電した部分、トリエチレングリコール、およびトリフルオロメチルキノリンであり得るか、またはこれらを含み得る。このような修飾は、他の種類の高分子のエンドソーム脱出を促進するために使用されてきた。例えば、トリプトファンまたはフェニルアラニンなどの疎水性アミノ酸は、エンドソーム膜との相互作用および細孔形成のためにエンドソーム脱出を増強することができる。異なるpKa値を有する第一級、第二級、第三級、およびイミダゾールアミンの組み合わせを含むアミンは、pH5~7でプロトン化され、粒子膜を破裂させ、カーゴをサイトゾルに放出することによってエンドソーム脱出を促進する。エンドソーム脱出を促進するための前記戦略の多くは、例えば、その各々の内容が参照により本明細書に組み込まれる、Liu DおよびAuguste DT、Cancer targeted therapeutics:From molecules to drug delivery vehicles、J Control Release.2015年12月10日;219:632-643.doi:10.1016/j.jconrel.2015.08.041;Singh DDら、CRISPR/Cas9 guided genome and epigenome engineering and its therapeutic applications in immune mediated diseases、Semin Cell Dev Biol.2019年6月19日.pii:S1084-9521(18)30111-3.doi:10.1016/j.semcdb.2019.05.007;およびLonn Pら、Enhancing Endosomal Escape for Intracellular Delivery of Macromolecular Biologic Therapeutics、Sci Rep.2016年9月8日;6:32301.doi:10.1038/srep32301;Gujrati Mら、Multifunctional pH-Sensitive Amino Lipids for siRNA Delivery、Bioconjug Chem.2016年1月20日;27(1):19-35,doi:10.1021/acs.bioconjchem.5b00538;Deglane,G.ら、Impact of the guanidinium group on hybridization and cellular uptake of cationic oligonucleotides,Chembiochem,2006 7(4):684-92頁、DOI:10.1002/cbic.200500433;Prhavc,M.ら、2’-O-[2-[2-(N,N-dimethylamino)ethoxy]ethyl]modified oligonucleotides:symbiosis of charge interaction factors and stereoelectronic effects、Org Lett、2003.5(12):2017-20頁、DOI:10.1021/ol0340991;Shen,W.ら、Journal of Materials Chemistry B,2016.4(39):6468-6474頁;およびKurrikoff,Kら、Recent in vivo advances in cell-penetrating peptide-assisted drug delivery、Expert Opin Drug Deliv、2016、13(3):373-87頁、DOI:10.1517/17425247.2016.1125879;Gilleron Jら、Image-based analysis of lipid nanoparticle-mediated siRNA delivery,intracellular trafficking and endosomal escape、Nat Biotechnol.2013年7月;31(7):638-46.doi:10.1038/nbt.2612に記載されている。
【0064】
エンドサイトーシスまたはその他のいずれかを介して細胞侵入を促進する以下の分子の1またはそれより多くをナノ粒子中の核酸にコンジュゲートすることができる:UN 7938、トリフルオロメチルキノリン、UN 2383、CPW1F10、CBN40D12、ADD41 D14、ADD29 F15、CBN40H10、CBN40 K7、BADGE、CBN35 C21、CBNO53 M19、CPW1-J18、メトキシクロル、CPW097 A20、LOMATIN、グアナベンズ、UNC7938、CPM2、3-(ペルフルオロブタ-1-イル)-1-ヒドロキシプロピル、3-(ペルフルオロヘキサ-1-イル)-1-ヒドロキシプロピル、3-デアザプテリジン、α-トコフェロール、ベラパミル、ニゲリシン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9-ペンタデカフルオロノナン-2-オン、またはN1-エチル-N1-メチル-N2-(7-(トリフルオロメチル)キノリン-4-イル)エタン-1,2-ジアミン、TfR-T12、メリチン、HA2、葉酸、オクタ-アルギニンコンジュゲートステアリル-R8、ロック核酸、ペプチド導入ドメインおよびフッ化または過フッ化化合物。
【0065】
いくつかの実施形態では、核酸ナノ粒子が、以下に示される、グアニジノブチルホスホロアミデートを有する:
【化2】
【0066】
いくつかの実施形態では、核酸ナノ粒子が、以下に示される、2’-O-イミダゾールアセチル修飾を有する:
【化3】
【0067】
いくつかの実施形態では、核酸ナノ粒子が、以下に示される、2’-O-[N,N-ジメチルアミノ)エトキシ]エチル修飾を有する:
【化4】
【0068】
いくつかの実施形態では、核酸ナノ粒子が、コアNP上にアームとして結合したトリエチレングリコール(TEG)リンカーを介してコンジュゲートしたコレステロール脂質を有するdsDNAを有する。
【0069】
いくつかの実施形態では、核酸ナノ粒子が、RNAの分子に直接結合したコレステロールを有する。
【0070】
いくつかの実施形態では、核酸ナノ粒子が、dsDNAまたはdsRNAに結合したアルキルホスホロチオエート(PPT)の疎水性ベルトを有する。
【0071】
いくつかの実施態様では、核酸ナノ粒子が、約5.0~約7.0のpKaを有する成分を有する。
【0072】
いくつかの実施形態では、核酸ナノ粒子が疎水性成分を有する。
【0073】
いくつかの実施形態では、核酸ナノ粒子が、約7.0のpHで正に帯電している成分を有する。
【0074】
いくつかの実施形態では、核酸ナノ粒子がペプチドを有する。ペプチドは、表1の配列の1またはそれより多くを含み得る。
【表1】
【0075】
いくつかの実施形態では、核酸ナノ粒子が、疎水性部分と、親水性部分と、ヌクレオチド結合部分とを含む成分を有する。例えば、限定されないが、成分は以下の構造を有し得る:
【化5】
【0076】
親水性部分はアミンを含み得る。親水性部分は、スペルミン、エチレンジアミン、メチルエチレンジアミン、エチルエチレンジアミン、イミダゾール、スペルミン-イミダゾール-4-イミン、N-エチル-N’-(3-ジメチルアミノプロピル)-グアニジニルエチレンイミン、ジメチルアミノエチルアクリレート、アミノビニルエーテル、4-イミダゾール酢酸、ジエチルアミノプロピルアミド、スルホンアミド(例えば、スルファジメトキシン スルファメトキサゾール、スルファジアジン、スルファメタジン)、アミノケタール、N-2-ヒドロキシルプロピルチメチルアンモニウムクロリド(N-2-hydroxylpropyltimehyl ammonium chloride)、イミダゾール-4-イミン、メチル-イミダゾール、2-(アミノメチル)イミダゾール、4-(アミノメチル)イミダゾール、4(5)-(ヒドロキシメチル)イミダゾール、N-(2-アミノエチル)-3-((2-アミノエチル)(メチル)アミノ)プロパンアミド、2-(2-エトキシエトキシ)エタン-1-アミン、ビス(3-アミノプロピル)アミン、[N,N-ジメチルアミノ)エトキシ]エチル、N-(2-アミノエチル)-3-((2-アミノエチル)(エチル)アミノ)プロパンアミド、(N-(アミノエチル)カルバモイル)メチル、N-(2-((2-アミノエチル)アミノ)エチル)アセトアミド3,3’-((2-アミノエチル)アザンジイル)ビス(N-(2-アミノエチル)プロパンアミド)、グアニジルベンジルアミド、[3-(グアニジニウム)プロピル]、ジメチルエタノールアミン、1-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)-N,N-ジメチルメタンアミン、2-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)-N,N-ジメチルエタン-1-アミン、N-(2-((2-(2-アミノエトキシ)プロパン-2-イル)オキシ)エチル)アセトアミド、アミノブチル、アミノエチル、1-(2-アミノエチル)-3-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-2-エチルグアニジン、1-(3-アミノ-3-オキソプロピル)-2,4,6-トリメチルピリジン-1-イウム、1-(1,3-ビス(カルボキシオキシ)プロパン-2-イル)-2,4,6-トリメチルピリジン-1-イウム、グアニジニルエチルアミン、エーテルヒドロキシルトリアゾール、またはβ-アミノエステルであり得る。
【0077】
ヌクレオチド結合部分はシステインであり得る。
【0078】
核酸ナノ粒子は、受容体に依存しない方法でカーゴ分子の細胞侵入を促進し得る。核酸ナノ粒子は、受容体に依存する方法でカーゴ分子のエンドソーム脱出を促進し得る。核酸ナノ粒子は、細胞内の受容体に結合する成分を含有し得る。受容体に結合する成分は、葉酸、TfR-T12、またはヘマグルチニンペプチドであり得る。
【0079】
組成物は、上記のリンカーのいずれかを含有し得る。
【0080】
いくつかの実施形態では、核酸ナノ粒子が、アジドメチル-メチルマレイン酸無水物リンカーを介して細胞取り込みを増加させることができる部分に結合され得る(図13)(K.Maierら J.Am.Chem.Soc.134(2012)10169-10173.https://doi.org/10.1021/ja302705v.)。
【0081】
組成物は、上記の核酸ナノ粒子のいずれかを含有し得る。核酸ナノ粒子は、上記の修飾ヌクレオチド(およびその誘導体)のいずれかを含有し得る。誘導体は、2’位に様々なリンカー長、または塩基上で置換された様々な基を含み得る。
【0082】
上記の修飾に加えて、以下の部分(およびその誘導体)をヌクレオチド骨格に直接結合させることができる:
【化6】
【0083】
誘導体は、2’位に様々なリンカー長、または塩基上で置換された様々な基を含み得る。
【0084】
エンドソーム脱出に加えて、核酸ナノ粒子は、脂質二重層と動的に相互作用することができる分子で装飾され得る。DNAナノポアは、脂質二重層を穿孔し、水溶性分子の細胞内への直接輸送を促進することができることが示されている(J.R.Burnsら、Membrane-spanning DNA nanopores with cytotoxic effect、Angew.Chemie-Int.Ed.53(2014)12466-12470.https://doi.org/10.1002/anie.201405719.)。これらのナノポアは、アンカーコレステロール基を利用する;2つのDNA二本鎖当たり1つのコレステロール基が、高い穿孔活性を生じる(O.Birkholzら、Multi-functional DNA nanostructures that puncture and remodel lipid membranes into hybrid materials、Nat.Commun.9(2018)1521.https://doi.org/10.1038/s41467-018-02905-w.)。上記のコレステロール部分は、核酸ナノ粒子にコンジュゲートされ、ナノ粒子取り込みを媒介するのを助けることができる。
【0085】
細胞傷害性ヌクレオシド
細胞傷害性カーゴの直接結合に加えて、本発明の組成物は、オリゴヌクレオチド鎖または核酸ナノ粒子に埋め込まれた細胞傷害性ヌクレオシドを含み得る。これらのヌクレオシドには、それだけに限らないが、アリストマイシン(aristomycin)、ネオプラノシンA、リバビリン、ピラゾフリン、シタラビンアラビノシド(ara-C)、ゲムシタビン、2-CdA、ショードマイシンおよびチアゾフリンならびにその組み合わせが含まれ得る(図14)。現在使用されている治療用ヌクレオシドおよびヌクレオチド類似体は、内因性ヌクレオシドまたはヌクレオチドと同じ代謝経路を利用し、代謝拮抗薬として作用する。細胞に侵入すると、化合物は、ヌクレオシドキナーゼおよび/またはヌクレオシド一リン酸キナーゼによって、次いで、さらなる細胞キナーゼまたはホスホリボシルトランスフェラーゼによってリン酸化される。これはしばしば化合物活性化をもたらす。診療所における多くの現在の細胞傷害性ヌクレオシドおよびヌクレオチドは耐性になりやすいため、核酸ナノ粒子送達システム内の組み合わせアプローチは、この問題を回避するのに役立ち得る。これらのプロヌクレオチド修飾は当技術分野で記載されており、参照により本明細書に組み込まれる;B.Colinら Synthesis and biological evaluation of some phosphate triester derivatives of the anti-cancer drug AraC、Nucleic Acids Res.17(18)(1989)7195-7201.doi:10.1093/nar/17.15.6065;C.McGuiganら Synthesis and biological evaluation of some phosphate triester derivatives of the anti-viral drug AraA、Nucleic Acids Res.17(15)(1989)6065-6075.doi:10.1093/nar/17.15.6065;C.McGuiganら Aryl phosphate derivatives of AZT retain activity against HIV1 in cell lines which are resistant to the action of AZT、Antiviral Res.17(4)(1992)311-321.doi:10.1016/0166-3542(92)90026-2;J.Balzariniら Mechanism of anti-HIV action of masked alaninyl d4T-MP derivatives、Proc.Natl.Acad.Sci.93(14)(1996)7295-7299.doi:10.1073/pnas.93.14.7295;T.-F.Chouら Phosphoramidate pronucleotides:a comparison of the phosphoramidase substrate specificity of human and Escherichia coli histidine triad nucleotide binding proteins、Mol.Pharm.4(2)(2007)208-217.doi:10.1021/mp060070y;T.W.Abrahamら Synthesis and biological activity of aromatic amino acid phosphoramidates of 5-fluoro-2 ’-deoxyuridine and 1-β-arabinofuranosylcytosine:Evidence of phosphoramidase activity、J.Med.Chem.39(23)(1996)4569-4575.doi:10.1021/jm9603680;J.Kimら Direct Measurement of Nucleoside Monophosphate Delivery from a Phosphoramidate Pronucleotide by Stable Isotope Labeling and LC-ESI--MS/MS、Mol.Pharm.1(2)(2004)102-111.doi:10.1021/mp0340338;C.Congiatuら Molecular modelling studies on the binding of some protides to the putative human phosphoramidase Hint1、Nucleosides Nucleotides Nucleic Acids 26(8-9)(2007)1121-1124.doi:10.1080/15257770701521656;P.Wipfら Synthesis of chemoreversible prodrugs of ara-C with variable time-release profiles.Biological evaluation of their apoptotic activity、Bioorg.Med.Chem.4(10)(1996)1585-1596.doi:10.1016/0968-0896(96)00153-8;S.C.Tobiasら Synthesis and biological evaluation of a cytarabine phosphoramidate prodrug、Mol.Pharm.1(2)(2004)112-116.doi:10.1021/mp034019v.。
【0086】
上記修飾は、核酸ナノ粒子を形成するオリゴヌクレオチド内に直接埋め込まれ得る。
【0087】
デオキシシチジン類似体、ara-Cは、その有効性を低下させる耐性機序を起こしやすい。これに対抗するために、エラシタラビンとして知られる、ara-Cのエライジン酸エステルが開発されている(A.C.Burkeら Elacytarabine-lipid vector technology overcoming drug resistance in acute myeloid leukemia、Expert Opin.Invest.Drugs 20(12)(2011)1707-1715.doi:10.1517/13543784.2011.625009;S.O’brien、Elacytarabine has single-agent activity in patients with advanced acute myeloid leukaemia、Br.J.Haematol.158(5)(2012)581-588.doi:10.1111/j.1365-2141.2012.09186.x)。本発明は、5’末端の、3’末端の、またはオリゴヌクレオチド鎖内に埋め込まれたこの修飾を含み得る。
【0088】
多くのヌクレオシド化合物の細胞傷害性の欠如の一般的な理由は、それらがヌクレオシドキナーゼまたは他の活性化酵素によって一リン酸レベルに活性化され得ないことである(J.D.Roseら、Enhancement of nucleoside cytotoxicity through nucleotide prodrugs、J.Med.Chem.45(2002)4505-4512.doi:10.1021/jm020107s.)。したがって、これらのヌクレオシドは、一リン酸プロドラッグとしてペンダント部分として結合され得る。
【0089】
細胞傷害性ヌクレオシドは、グルタチオン応答性ジスルフィド結合などの刺激応答性リンカーに結合され得る。2-((3-((2-シアノエチル)(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル(phosphaneyl))プロピル)ジスルファニル)エチルメチルカーボネートなどのジスルフィド含有ホスホロアミダイトは、5’末端、3’末端に組み込まれ得る、またはオリゴヌクレオチド鎖内に埋め込まれ得る。このジスルフィドにコンジュゲートした細胞傷害性プロドラッグの例は、5-フルオロウラシルである(図14)。
【0090】
クリックケミストリーを使用して細胞傷害性化合物を生成することもできる。フコシルトランスフェラーゼ(Fuc-T)は、多くの重要な糖類の生合成および発現における最終グリコシル化ステップを触媒する酵素である。これらは、がん転移を含むいくつかの病態に関連しており、ヌクレオチド様化合物によるそれらの阻害が広く研究されている(L.V.Leeら A potent and highly selective inhibitor of human α-1,3-fucosyltransferase via click chemistry、J.Am.Chem.Soc.125(2003)9588-9589.doi:10.1021/ja0302836.)。本発明は、トリアゾール連結核酸を含み得る。トリアゾール連結を介して生成される細胞傷害性化合物の例としては、N-([1,1’-ビフェニル]-4-イルメチル)-5-(4-(((3-(((2R,3S,4R,5R)-5-(2-アミノ-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-9H-プリン-9-イル)-3,4-ジヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)-1,1,3,3-テトラオキソ-1λ,3λ-ジホスホキサニル(diphosphoxaneyl))オキシ)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ペンタンアミドが挙げられる(図15)。
【0091】
ナノ粒子は、5’または3’末端に組み込まれたハイブリッドを含有し得る。これらには、Wangによって記載されたボロン酸担体(図16)(N.Linら Design and synthesis of boronic-acid-labeled thymidine triphosphate for incorporation into DNA、Nucleic Acids Res.35(4)(2007)1222-1229.doi:10.1093/nar/gkl1091;M.Liら Selecting aptamers for a glycoprotein through the incorporation of the boronic acid moiety、J.Am.Chem.Soc.130(38)(2008)12636-12638.doi:10.1021/ja801510d)および鎖カルボランまたは金属-カルボラン錯体(図17)(A.Olejniczakら 2’-deoxyadenosine bearing hydrophobic carborane pharmacophore、Nucleosides Nucleotides Nucleic Acids 26(10-12)(2007)1611-1613.doi:10.1080/15257770701548733;B.A.Wojtczakら ’’Chemical Ligation’’:A versatile method for nucleoside modification with boron clusters、Chemistry 14(34)(2008)10675-10682.doi:10.1002/chem.200801053)が含まれ得る。
【0092】
核酸ナノ粒子はまた、5’末端に、3’末端に組み込まれた、またはオリゴヌクレオチド鎖内に埋め込まれた、またはクリックケミストリーを介して合成後に組み込まれた任意のリン酸プロドラッグを保有し得る。このような修飾には、9-[2-(ホスホノメトキシ)エチル]アデニン(PMEA)のビス(S-アシル-2-チオエチル)エステル誘導体(図18)(S.Benzariaら Synthesis,in vitro antiviral evaluation,and stability studies of bis(S-acyl-2-thioethyl)ester derivatives of 9-[2-(phosphonomethoxy)ethyl]adenine(PMEA)as potential PMEA prodrugs with improved oral bioavailability、J.Med.Chem.39(25)(1996)4958-4965.doi:10.1021/jm960289o)、シクロSalプロヌクレオチド(C.Meierら Application of the cycloSal-prodrug approach for improving the biological potential of phosphorylated biomolecules、Antiviral Res.71(2-3)(2006)282-292.doi:10.1016/j.antiviral.2006.04.011;C.Meierら Chemistry and anti-herpes simplex virus type 1 evaluation of cyclo Sal-nucleotides of acyclic nucleoside analogues、Antivir.Chem.Chemother.9(5)(1998)389-402.doi:10.1177/095632029800900503;O.R.Ludekら Divergent synthesis and biological evaluation of carbocyclic α-,iso-and 3’-epi-nucleosides and their lipophilic nucleotide prodrugs、Synthesis 2006(08)(2006)1313-1324.doi:10.1055/s-2006-926411)、HepDirectプロドラッグ;肝細胞におけるシトクロムP450触媒酸化的開裂反応後に直接肝臓標的化送達をもたらすリン酸およびホスホン酸プロドラッグ(図19)(M.D.Erion、Liver-targeted drug delivery using HepDirect prodrugs、J.Pharmacol.Exp.Ther.312(2)(2005)554-560.doi:10.1124/jpet.104.075903;S.H.Boyer、Synthesis and characterization of a novel liver-targeted prodrug of cytosine-1-β-D-arabinofuranoside monophosphate for the treatment of hepatocellular carcinoma、J.Med.Chem.49(26)(2006)7711-7720.doi:10.1021/jm0607449;M.D.Erionら Design,synthesis,and characterization of a series of cytochrome P450 3A-activated prodrugs(hepdirect prodrugs)useful for targeting phosph(on)ate-based drugs to the liver、J.Am.Chem.Soc.126(16)(2004)5154-5163.doi:10.1021/ja031818y;K.Y.Hostetler、Alkoxyalkyl prodrugs of acyclic nucleoside phosphonates enhance oral antiviral activity and reduce toxicity:current state of the art、Antiviral Res.82(2)(2009)A84-A98.doi:10.1016/j.antiviral.2009.01.005)、オクタデシルオキシエチル-シドホビル(ODE-CDV)(図20)(G.R.Painterら Design and development of oral drugs for the prophylaxis and treatment of smallpox infection、Trends Biotechnol.22(8)(2004)423-427.doi:10.1016/j.tibtech.2004.06.008)が含まれる。
【0093】
この節で言及される治療用部分の全ては、核酸ナノ粒子を形成するオリゴヌクレオチド内に直接埋め込まれ得る。
【0094】
コンビナトリアル鎖
ナノ粒子上の各結合点における特異なカーゴ分子の直接結合に加えて、本発明の組成物はまた、他のカーゴ分子に連結されているカーゴ分子を含み得る(図21)。カーゴ分子はまた、ナノ粒子の非存在下で他のカーゴ分子に連結され得る。
【0095】
「コンビナトリアル鎖」とも呼ばれるこれらの連結されたカーゴ分子(図21)には、それだけに限らないが、細胞の内部または外部で機能および/または生物学的効果を促進する分子(例えば、IRES、リボソーム動員、サイトカイン刺激)、細胞への侵入を促進する分子(例えば、ペプチド、エンドソーム脱出化合物)、標的細胞に結合する分子(例えば、アプタマー、抗体、リガンド)、細胞傷害性化合物(例えば、細胞傷害性ヌクレオシド)、細胞内で遺伝子産物を発現する分子(例えばmRNA)、化学療法化合物(例えば、アルキル化剤、代謝拮抗薬、トポイソメラーゼ阻害剤)、細胞内で遺伝子をサイレンシングするか、または変化させる分子(例えば、siRNA、miRNA、アンチセンス治療、lncRNA)、CRISPR分子(例えば、gRNA、Cas9タンパク質、Cas9 mRNA)、低分子治療(例えば、タンパク質-チロシンキナーゼ阻害剤、プロテアソーム阻害剤)、タンパク質、ペプチド、および診断薬が含まれ得る。
【0096】
コンビナトリアル鎖は、カーゴ分子の任意の組み合わせであり得、任意の長さであり得る。一実施形態では、これらが、ナノ構造体に連結されていてもいなくてもよいsiRNA、ペプチド、およびアプタマーコンビナトリアル鎖を含むことができる。別の実施形態では、コンビナトリアル鎖が、異なるまたは同じ標的遺伝子をサイレンシングするように設計された複数のsiRNA治療であり得る。さらなる実施形態は、同じコンビナトリアル鎖の一部を形成する化学療法薬およびsiRNAなどの複数の治療を含み得る。別の実施形態では、カーゴ分子が、直線的に配置されて、または分岐した配置で連結されてコンビナトリアル鎖を形成し得る。
【0097】
コンビナトリアル鎖はナノ粒子に連結されていてもされていなくてもよい。複数の鎖が同じナノ粒子に連結されていてもよい。コンビナトリアル鎖は、核酸ナノ粒子および核酸から構築されていないナノ粒子(例えば、脂質およびポリマーナノ粒子ならびに抗体-薬物コンジュゲート)に連結することができる。
【0098】
コンビナトリアル鎖は、クリックケミストリーによってナノ粒子に結合することができる。手短に言えば、これらには、それだけに限らないが、CuAAC、SPAAC、RuAAC、IEDDA、SuFEx、SPANC、ヒドラゾン/オキシムエーテル形成、チオール-エンラジカル反応、チオール-インラジカル反応、チオール-マイケル付加反応、チオール-イソシアネート反応、チオール-エポキシドクリック反応、求核開環反応(バネ荷重反応)、無痕跡型シュタウディンガーライゲーションが含まれる。
【0099】
コンビナトリアル鎖は、足がかり相互作用によって核酸ナノ粒子に結合することもできる(K.A.Afoninら The Use of Minimal RNA Toeholds to Trigger the Activation of Multiple Functionalities、Nano Lett.16(2016)1746-1753.https://doi.org/10.1021/acs.nanolett.5b04676.)。
【0100】
コンビナトリアル鎖を形成するカーゴ分子は、リンカー分子を介して互いに連結され得る。リンカー分子には、それだけに限らないが、チオール切断可能リンカー、例えばジチオビスマレイミドエタン、1,4-ビス[3-(2-ピリジルジチオ)プロピオンアミド]ブタンおよび3-(2-ピリジルジチオ)プロピオニルヒドラジド、塩基切断可能リンカー、例えばビス[2-(N-スクシンイミジル-オキシカルボニルオキシ)エチル]スルホンまたはヒドロキシルアミン切断可能リンカー、例えば(エチレングリコールビス(スクシンイミジルスクシネート))が含まれる。可逆性クリック部分、すなわち、メルドラム酸誘導体である5-(ビス(メチルチオ)メチレン)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-4,6-ジオンを使用して、カーゴ分子を架橋することもできる(K.L.Diehlら Click and chemically triggered declick reactions through reversible amine and thiol coupling via a conjugate acceptor、Nat.Chem.8(2016)968-973.https://doi.org/10.1038/nchem.2601.)。ダイサー基質を、それ自身で、または上記と組み合わせて使用してもよい。治療薬がサイトゾル放出を必要としない場合、非切断可能リンカーも使用され得る;これらには、それだけに限らないが、チオール反応性マレイミド(例えば、1,8-ビスマレイミド-ジエチレングリコール、1,11-ビスマレイミド-トリエチレングリコール、1,4-ビスマレイミドブタン、ビスマレイミドヘキサン、ビスマレイミドエタン、トリス(2-マレイミドエチル)アミン)、チオール/アミン反応性リンカー(例えば、N-α-マレイミドアセトキシスクシンイミドエステル、N-β-マレイミドプロピルオキシスクシンイミドエステル、N-ε-マレイミドカプロン酸、N-γ-マレイミドブチリルオキシスクシンイミドエステル、スクシンイミジル4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシ-(6-アミドカプロエート)、スクシンイミジル6-(3(2-ピリジルジチオ)プロピオンアミド)ヘキサノエート、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、スクシンイミジルヨードアセテート、スクシンイミジル(4-ヨードアセチル)アミノベンゾエート、PEG化された長鎖SMCC架橋剤、スクシンイミジル4-(p-マレイミドフェニル)ブチレートおよびスルホ-NHS等価物)、ヒドロキシル/チオール反応性リンカー(例えば、p-マレイミドフェニルイソシアネート)が含まれる。
【0101】
実施形態
実施形態では、本発明は、1またはそれを超えるカーゴ分子に共有結合的に連結したオリゴヌクレオチドを含む組成物を提供する。
【0102】
実施形態では、組成物が、コンジュゲーションを可能にする反応性部位で官能化されており、核酸ナノ粒子に組み立てられているオリゴヌクレオチドを含む。
【0103】
実施形態では、核酸ナノ粒子がカーゴ分子に結合しており、核酸ナノ粒子が、対象におけるカーゴ分子の生物学的活性を促進するように官能化されている。
【0104】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、三量体、四量体、五量体または六量体である。
【0105】
実施形態では、本発明は、以下の特徴の少なくとも1つを含む少なくとも1つの反応を介して、核酸ナノ粒子を少なくとも1つのカーゴ分子に結合させるステップを含む方法を提供する:反応が1つのポットで行われる、反応が水によって妨害されない、反応が最小限の副産物を生成する、および反応が単一反応生成物を与える高い熱力学的駆動力を含む。
【0106】
実施形態では、本方法が、特徴の少なくとも1つを含む第1の反応を介して第1のカーゴ分子を結合させるステップと、特徴の少なくとも1つを含む第2の反応を介して第2のカーゴ分子を結合させるステップとを含み、第1の反応と第2の反応とが直交性である。
【0107】
実施形態では、第1の反応が、核酸ナノ粒子中の少なくとも1つのオリゴヌクレオチドの鎖に対する修飾を含む。
【0108】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、銅(I)アジド-アルキン付加環化を介して第1のカーゴ分子に結合される。
【0109】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、歪み促進型アジド-アルキン付加環化を介して第1のカーゴ分子に結合される。
【0110】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、逆電子要請型ディールスアルダー反応を介して第1のカーゴ分子に結合される。
【0111】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、ジスルフィド結合を介して第1のカーゴ分子に結合される。
【0112】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、硫黄(VI)フッ化物交換を介して第1のカーゴ分子に結合される。
【0113】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、ヒドラゾン形成を介して第1のカーゴ分子に結合される。
【0114】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、チオール-エンラジカル付加を介して第1のカーゴ分子に結合される。
【0115】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、チオール-イン反応を介して第1のカーゴ分子に結合される。
【0116】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、チオール-マイケル付加を介して第1のカーゴ分子に結合される。
【0117】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、チオール-イソシアネートケミストリーを介して第1のカーゴ分子に結合される。
【0118】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、チオール-エポキシドケミストリーを介して第1のカーゴ分子に結合される。
【0119】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、求核開環反応を介して第1のカーゴ分子に結合される。
【0120】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、無痕跡型シュタウディンガーライゲーションを介して第1のカーゴ分子に結合される。
【0121】
実施形態では、1つの反応性官能基が、スペーサーまたはリンカーを介して別の反応性官能基に結合される。
【0122】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、刺激に応答性のリンカーを介して第1のカーゴに結合される。
【0123】
実施形態では、刺激が、pH、光、温度、還元電位または酸素濃度からなる群から選択される。
【0124】
実施形態では、核酸ナノ粒子が共有結合的に安定化される。
【0125】
実施形態では、本発明は、o-フタルアルデヒドと複合体化してイソインドールを生成する核酸を含む組成物を提供する。
【0126】
実施形態では、本発明は、アミンおよびチオール反応性部位で官能化されたオリゴヌクレオチドと、これらの官能化オリゴヌクレオチドを自己組織化した核酸ナノ粒子とを含む組成物を提供する。
【0127】
実施形態では、アミンおよびチオールが、オルト-フタルアルデヒドと同時に反応して、蛍光イソインドールを生成する。
【0128】
実施形態では、蛍光部分がさらなるフルオロフォアにコンジュゲートされている。
【0129】
実施形態では、核酸ナノ粒子が直交型クリックケミストリーを介してカーゴにコンジュゲートされている。
【0130】
実施形態では、本発明は、外部作用剤と複合体化してフルオロフォアを形成する反応性部分を含む核酸二本鎖を含む核酸ナノ粒子を含む組成物を提供する。
【0131】
実施形態では、アミンおよびチオールが、オルト-フタルアルデヒドと同時に反応し、フルオロフォアが蛍光イソインドールである。
【0132】
実施形態では、フルオロフォアがさらなるフルオロフォアにコンジュゲートされている。
【0133】
実施形態では、核酸ナノ粒子が直交型クリックケミストリーを介してカーゴ分子にコンジュゲートされている。
【0134】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、疎水性部分と、親水性部分と、ヌクレオチド結合部分とを含む成分を含む。
【0135】
実施形態では、疎水性部分および親水性部分が、核酸ナノ粒子に共有結合的に付着している。
【0136】
実施形態では、疎水性部分および親水性部分が、アミド、アミン、またはエーテル結合を介して核酸に共有結合的に付着している。
【0137】
いくつかの実施形態では、親水性部分がアミンを含む。
【0138】
実施形態では、親水性部分が、スペルミン、エチレンジアミン、メチルエチレンジアミン、エチルエチレンジアミン、イミダゾール、スペルミン-イミダゾール-4-イミン、N-エチル-N’-(3-ジメチルアミノプロピル)-グアニジニルエチレンイミン、ジメチルアミノエチルアクリレート、アミノビニルエーテル、4-イミダゾール酢酸、ジエチルアミノプロピルアミド、スルホンアミド(例えば、スルファジメトキシン スルファメトキサゾール、スルファジアジン、スルファメタジン)、アミノケタール、N-2-ヒドロキシルプロピルチメチルアンモニウムクロリド、イミダゾール-4-イミン、メチル-イミダゾール、2-(アミノメチル)イミダゾール、4-(アミノメチル)イミダゾール、4(5)-(ヒドロキシメチル)イミダゾール、N-(2-アミノエチル)-3-((2-アミノエチル)(メチル)アミノ)プロパンアミド、2-(2-エトキシエトキシ)エタン-1-アミン、ビス(3-アミノプロピル)アミン、[N,N-ジメチルアミノ)エトキシ]エチル、N-(2-アミノエチル)-3-((2-アミノエチル)(エチル)アミノ)プロパンアミド、(N-(アミノエチル)カルバモイル)メチル、N-(2-((2-アミノエチル)アミノ)エチル)アセトアミド3,3’-((2-アミノエチル)アザンジイル)ビス(N-(2-アミノエチル)プロパンアミド)、グアニジルベンジルアミド、[3-(グアニジニウム)プロピル]、ジメチルエタノールアミン、1-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)-N,N-ジメチルメタンアミン、2-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)-N,N-ジメチルエタン-1-アミン、N-(2-((2-(2-アミノエトキシ)プロパン-2-イル)オキシ)エチル)アセトアミド、アミノブチル、アミノエチル、1-(2-アミノエチル)-3-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-2-エチルグアニジン、1-(3-アミノ-3-オキソプロピル)-2,4,6-トリメチルピリジン-1-イウム、1-(1,3-ビス(カルボキシオキシ)プロパン-2-イル)-2,4,6-トリメチルピリジン-1-イウム、グアニジニルエチルアミン、エーテルヒドロキシルトリアゾール、およびβ-アミノエステルからなる群から選択される。
【0139】
実施形態では、ヌクレオチドが、2-(2-(ジメチルアミノ)エトキシ)エタン-1-オール、N-ブチル-2-ヒドロキシアセトアミド、(1H-イミダゾール-5-イル)メタノール、アミノ((2-(2-ヒドロキシアセトアミド)エチル)アミノ)メタンイミニウムおよび1-(2-(2-ヒドロキシアセトアミド)エチル)-2,4,6-トリメチルピリジン-1-イウムからなる群から選択される部分で官能化されている。
【0140】
実施形態では、ヌクレオチド結合部分がシステインである。
【0141】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、受容体に依存しない方法でカーゴ分子のエンドソーム脱出を促進する。
【0142】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、細胞内の受容体に結合する成分を含む。
【0143】
実施形態では、成分が、葉酸、TfR-T12、およびヘマグルチニンペプチドからなる群から選択される成分を含む。
【0144】
実施形態では、カーゴ分子が、リソソーム内で切断され得るリンカーを介して核酸ナノ粒子に結合している。
【0145】
実施形態では、カーゴ分子がカテプシンB切断可能リンカーに結合している。
【0146】
実施形態では、カーゴ分子がプロテアーゼ切断可能リンカーに結合している。
【0147】
実施形態では、カーゴ分子がピロリン酸ジエステルに結合している。
【0148】
実施形態では、本発明は、アルコール系求核試薬によるアンヒドロウリジンの処理を含む、2’-O置換ヌクレオシドを合成するための方法を提供する。
【0149】
実施形態では、処理が、バリウムtert-ブトキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、2-tert-ブチルイミノ-2-ジエチルアミノ-1,3-ジメチル-ペルヒドロ-1,3,2-ジアザホスホリン、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム、dabco(登録商標)、N,N-ジイソプロピルメチルアミン、ジメチルアミン、4-(ジメチルアミノ)ピリジン、エチルアミン、N-エチルジイソプロピルアミン、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムtert-ブトキシド、リチウムジシクロヘキシルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムジメチルアミド、リチウムエトキシド、リチウムイソプロポキシド、リチウムメトキシド、リチウム2,2,6,6-テトラメチルピペリジド、マグネシウムビス(ヘキサメチルジシラジド)、メチルアミン、メチルリチウム、モルホリン、ピペリジン、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムtert-ブトキシド、カリウムエトキシド、カリウムメトキシド、トリエチルアミンからなる群から選択される塩基を含む。
【0150】
実施形態では、処理が、臭化アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミニウムイソプロポキシド、三塩化ホウ素(およびその様々な錯体)、三フッ化ホウ素(およびその様々な錯体)、ジシクロヘキシルボロン、臭化鉄(III)、塩化鉄(III)、モンモリロナイトK10&K30、塩化スズ(IV)、塩化チタン(IV)、チタン(IV)イソプロポキシド、四塩化チタンからなる群から選択される塩基を含む。
【0151】
実施形態では、本発明は、カーゴ分子と、カーゴ分子に結合した核酸ナノ粒子であって、対象におけるカーゴ分子の生物学的活性を促進するように官能化されている核酸ナノ粒子とを含む、組成物を提供する。
【0152】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、細胞への内部移行を促進するように官能化されている。
【0153】
実施形態では、カーゴ分子が、細胞への内部移行を促進するように官能化されている。
【0154】
実施形態では、カーゴ分子が、細胞の脂質二重層を通した浸透を促進するアンカーコレステロール分子である。
【0155】
実施形態では、官能化が、クラスリン媒介エンドサイトーシス、非クラスリン/非カベオラエンドサイトーシス、カベオラ媒介エンドサイトーシス、受動拡散、単純拡散、促進拡散、トランスサイトーシス、マクロピノサイトーシス、食作用、受容体媒介エンドサイトーシス、受容体拡散、小胞媒介輸送、能動輸送を介して細胞への内部移行を促進する。
【0156】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、エンドソーム、リソソーム、ピノソーム、またはファゴソームを介して細胞に侵入するか、またはプロセシングされ得る。
【0157】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、生体膜を横切って細胞に侵入し得る。
【0158】
実施形態では、官能化が、細胞の細胞質、核、ミトコンドリアまたは他の細胞区画において効果を発揮し得る。
【0159】
実施形態では、カーゴ分子が、mRNA、gRNA/CRISPR、siRNA、ASO、miRNA、lnRNA、shRNA、リボザイム、アプタマー、ペプチド、タンパク質、抗体および治療用低分子からなる群から選択される。
【0160】
実施形態では、細胞傷害性ヌクレオチドがオリゴヌクレオチド骨格に組み込まれている。
【0161】
実施形態では、細胞傷害性ヌクレオチドが、アリストマイシン、ネオプラノシンA、リバビリン、ピラゾフリン、シタラビンアラビノシド(ara-C)、ゲムシタビン、クラドリビン(2-CdA)、ショードマイシン、エラシタラビンからなる群から選択される。
【0162】
実施形態では、リン酸プロドラッグが核酸骨格に組み込まれている。
【0163】
実施形態では、リン酸プロドラッグが、9-[2-(ホスホノメトキシ)エチル]アデニンのビス(S-アシル-2-チオエチル)エステル誘導体、シクロSalプロヌクレオチド、HepDirectプロドラッグまたはオクタデシルオキシエチル-シドホビルである。
【0164】
実施形態では、オリゴヌクレオチドが核酸ナノ粒子に組み立てられている。
【0165】
実施形態では、本発明は、第1のカーゴ分子と、第1のカーゴ分子に連結された第2のカーゴ分子とを含む組成物を提供する。
【0166】
いくつかの実施形態では、第1のカーゴ分子が生物学的機能を有する。
【0167】
実施形態では、第1のカーゴ分子が、mRNA、gRNA/CRISPR、siRNA、ASO、miRNA、lnRNA、shRNA、リボザイム、アプタマー、ペプチド、タンパク質、抗体および治療用低分子からなる群から選択される。
【0168】
実施形態では、第1のカーゴ分子が、アプタマー、レクチン、糖タンパク質、脂質、抗体、ナノボディ、またはDARPINを含む細胞または組織標的化リガンドである。
【0169】
実施形態では、第1のカーゴ分子および第2のカーゴ分子の少なくとも1つが、一価、二価、または三価分岐リンカーを介して連結されているGalNAcまたはGalNAc誘導体を含む。
【0170】
実施形態では、第1のカーゴ分子および第2のカーゴ分子の少なくとも1つがコレステロールまたはその誘導体を含む。
【0171】
実施形態では、第1のカーゴ分子および第2のカーゴ分子の少なくとも1つがリン脂質を含む。
【0172】
実施形態では、第1のカーゴ分子および第2のカーゴ分子の少なくとも1つが、必要に応じて第四級アンモニウムイオンを含むカチオン性脂質を含む。
【0173】
実施形態では、第1のカーゴ分子および第2のカーゴ分子の少なくとも1つが、必要に応じてリン酸基を含むアニオン性脂質を含む。
【0174】
実施形態では、第1のカーゴ分子および第2のカーゴ分子の少なくとも1つがイオン化可能な脂質を含む。
【0175】
実施形態では、第1のカーゴ分子および第2のカーゴ分子の少なくとも1つが分岐脂質を含む。
【0176】
実施形態では、第1のカーゴ分子が切断可能リンカーによって第2のカーゴ分子に連結されている。
【0177】
実施形態では、第1のカーゴ分子および第2のカーゴ分子がsiRNAである。
【0178】
実施形態では、第1のカーゴ分子および第2のカーゴ分子が、(dT)n、(dA)n、d(C)n、d(G)n、(rU)n、(rA)n、(rC)n、(rG)n、およびその組み合わせ(式中、nは1~16である)からなる群のオリゴヌクレオチドスペーサーを介して連結されている。
【0179】
実施形態では、第1のカーゴ分子および第2のカーゴ分子の少なくとも1つが第3のカーゴ分子に連結されている。
【0180】
実施形態では、第1のカーゴ分子および第2のカーゴ分子の少なくとも1つが、ジチオビスマレイミドエタンおよび1,4-ビス[3-(2-ピリジルジチオ)プロピオンアミド]ブタンを含むチオール切断可能リンカーによって第3のカーゴ分子に連結されている。
【0181】
実施形態では、第1のカーゴ分子および第2のカーゴ分子の少なくとも1つが、エチレングリコールビス(スクシンイミジルスクシネート)を含むヒドロキシルアミン切断可能リンカーによって第3のカーゴ分子に連結されている。
【0182】
実施形態では、第1のカーゴ分子および第2のカーゴ分子の少なくとも1つが、ビス[2-(N-スクシンイミジル-オキシカルボニルオキシ)エチル]スルホンを含む塩基切断可能リンカーによって第3のカーゴ分子に連結されている。
【0183】
実施形態では、第1のカーゴ分子および第2のカーゴ分子の少なくとも1つが、5-(ビス(メチルチオ)メチレン)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-4,6-ジオンを含むメルドラム酸誘導体によって第3のカーゴ分子に連結されている。
【0184】
実施形態では、第1のカーゴ分子および第2のカーゴ分子の少なくとも1つが共有結合を介して第3のカーゴ分子に連結されている。
【0185】
実施形態では、第1のカーゴ分子および第2のカーゴ分子の少なくとも1つがダイサー基質によって第3のカーゴ分子に連結されている。
【0186】
実施形態では、第1のカーゴ分子および第2のカーゴ分子の少なくとも1つが、1,8-ビスマレイミド-ジエチレングリコール、1,11-ビスマレイミド-トリエチレングリコール、1,4-ビスマレイミドブタン、ビスマレイミドヘキサン、ビスマレイミドエタン、トリス(2-マレイミドエチル)アミン)、N-α-マレイミドアセトキシスクシンイミドエステル、N-β-マレイミドプロピルオキシスクシンイミドエステル、N-ε-マレイミドカプロン酸、N-γ-マレイミドブチリルオキシスクシンイミドエステル、スクシンイミジル4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシ-(6-アミドカプロエート)、スクシンイミジル6-(3(2-ピリジルジチオ)プロピオンアミド)ヘキサノエート、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、スクシンイミジルヨードアセテート、スクシンイミジル(4-ヨードアセチル)アミノベンゾエート、PEG化された長鎖SMCC架橋剤、スクシンイミジル4-(p-マレイミドフェニル)ブチレートおよびスルホ-NHS等価物)、p-マレイミドフェニルイソシアネートからなる群から選択されるリンカーによって第3のカーゴ分子に連結されている。
【0187】
実施形態では、第1のカーゴ分子および第2のカーゴ分子の少なくとも1つがナノ粒子に連結されている。
【0188】
実施形態では、本発明は、少なくとも2つのカーゴ分子と、少なくとも2つのカーゴ分子の各々に結合した核酸ナノ粒子とを含む組成物を提供する。
【0189】
実施形態では、少なくとも2つのカーゴ分子の各々が生物学的機能を有する。
【0190】
実施形態では、少なくとも2つのカーゴ分子の各々が、mRNA、gRNA/CRISPR、siRNA、ASO、miRNA、lnRNA、shRNA、リボザイム、アプタマー、ペプチド、タンパク質、抗体および治療用低分子からなる群から選択される。
【0191】
実施形態では、少なくとも2つのカーゴ分子の2つ以上が同じ核酸ナノ粒子にコンジュゲートされている。
【0192】
実施形態では、少なくとも2つのカーゴ分子の2つ以上が異なる。
【0193】
実施形態では、2つ以上のカーゴ分子が同じである。
【0194】
実施形態では、異なるカーゴ分子が等しくない量で前記ナノ粒子にコンジュゲートされている。
【0195】
実施形態では、少なくとも2つのカーゴ分子が安定な共有結合を介してコンジュゲートされている。
【0196】
実施形態では、少なくとも2つの分子が安定な共有結合を介して刺激応答性リンカーにコンジュゲートされている。
【0197】
実施形態では、本発明は、1またはそれを超えるカーゴ分子に共有結合的に連結したオリゴヌクレオチドを含む組成物を提供する。
【0198】
実施形態では、オリゴヌクレオチドが、コンジュゲーションを可能にする反応性部位で官能化されており、核酸ナノ粒子にコンジュゲートされている。
【0199】
実施形態では、核酸ナノ粒子が3つまたはそれより多くのジャンクションの三次構造であり、前記ジャンクションが3~200ヌクレオチド長の少なくとも2つのオリゴヌクレオチド鎖によって形成され、各オリゴヌクレオチド鎖が、水素結合もしくは塩基スタッキング相互作用のいずれかまたはその両方を通して少なくとも1つの他のオリゴヌクレオチド鎖と部分的に相互作用する。
【0200】
実施形態では、各ヌクレオチドが、必要に応じて、それだけに限らないが、2’-O-メチル、2’-フルオロ、2’-F-アラビノ核酸、2’-O-メトキシエチル、ロック核酸、アンロック核酸、4’-チオリボヌクレオシド、4’-C-アミノメチル-2’-O-メチル、シクロヘキセニル核酸、ヘキシトール核酸、グリコール核酸、ホスホロチオエート、ボラノホスフェート、5’-C-メチル、5’(E)-ビニルホスホネート、および2’チオウリジンを含む修飾を含む。
【0201】
実施形態では、核酸ナノ粒子がカーゴ分子に結合しており、カーゴ分子が対象におけるカーゴ分子の生物学的活性を促進する。
【0202】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、(i)血液中の血清タンパク質、または細胞中もしくは細胞表面の受容体に結合すること、(ii)受容体に依存しない方法でのカーゴ分子のエンドソーム脱出を促進すること、(iii)動物または対象の組織を標的とすること、(iv)体内分布をモジュレートすること、(v)免疫学的応答を誘導または防止すること、(vi)細胞取り込みを増強すること、(vii)遺伝子発現をモジュレートすること、(viii)細胞傷害性を誘導すること、および(ix)治療効果を有すること、またはその組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの生物学的活性を行う。
【0203】
実施形態では、1またはそれを超えるカーゴ分子が、mRNA、gRNA/CRISPR、siRNA、shRNA、ASO、saRNA、miRNA、lnRNA、リボザイム、アプタマー、ペプチド、タンパク質、タンパク質ドメイン、抗体、抗体断片、抗体模倣物、レクチン、ビタミン、脂質、炭水化物、ベンズアミドおよび治療用低分子、またはその組み合わせのうちの少なくとも1つで構成される。
【0204】
実施形態では、官能化が細胞への内部移行を促進し、内部移行機序が、クラスリン媒介エンドサイトーシス、非クラスリン/非カベオラエンドサイトーシス、カベオラ媒介エンドサイトーシス、受動拡散、単純拡散、促進拡散、トランスサイトーシス、マクロピノサイトーシス、食作用、受容体媒介エンドサイトーシス、受容体拡散、小胞媒介輸送、および能動輸送のうちの少なくとも1つを含む。
【0205】
実施形態では、核酸ナノ粒子の少なくとも1つのカーゴ分子への結合が、以下の特徴の少なくとも1つを含む少なくとも1つの反応を含む方法によって得ることができる:(i)反応が1つのポットで行われる、(ii)反応が水によって妨害されない、(iii)反応が最小限の副産物を生成する、および(iv)反応が単一反応生成物を与える高い熱力学的駆動力を含む。
【0206】
実施形態では、結合反応が、(i)上記特徴の少なくとも1つを含む第1の反応を介して第1のカーゴ分子を結合させるステップと、(ii)上記特徴の少なくとも1つを含む第2の反応を介して第2のカーゴ分子を結合させるステップとを含み、第1の反応と第2の反応とが直交性である。
【0207】
実施形態では、オリゴヌクレオチドの5’、3’、または内部位置(ヌクレオチド上の任意の所与の位置)が、CuAAC、SPAAC、RuAAC、IEDDA、SuFEx、SPANC、ヒドラゾン/オキシムエーテル形成、チオール-エンラジカル反応、チオール-インラジカル反応、チオール-マイケル付加反応、チオール-イソシアネート反応、チオール-エポキシドクリック反応、求核開環反応(バネ荷重反応)、無痕跡型シュタウディンガーライゲーションからなる群から選択される反応を介して共有結合の形成を可能にする官能基で修飾される。これらの結合は、それだけに限らないが、ADIBO-PEG4、N-[(1R,8S,9s)-ビシクロ[6.1.0]ノナ-4-イン-9-イルメチルオキシカルボニル]-1,8-ジアミノ-3,6-ジオキサオクタン、(1R,8S,9s)-ビシクロ[6.1.0]ノナ-4-イン-9-イルメタノール、ブロモアセトアミド-dPEG(登録商標)4-アミド-DBCO、ブロモアセトアミド-dPEG(登録商標)12-アミド-DBCO、ブロモアセトアミド-dPEG(登録商標)24-アミド-DBCO、ジベンゾシクロオクチン-酸、ジベンゾシクロオクチン-N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、ジベンゾシクロオクチン-PEG4-酸、ジベンゾシクロオクチン-PEG4-アルコール、ジベンゾシクロオクチン-PEG4-N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、(4-(1,2,4,5-テトラジン-3-イル)フェニル)メタンアミン塩酸塩、(E)-シクロオクタ-4-エノール、(E)-シクロオクタ-4-エニル2,5-ジオキソ-1-ピロリジニルカーボネート、2,5-ジオキソ-1-ピロリジニル5-[4-(1,2,4,5-テトラジン-3-イル)ベンジルアミノ]-5-オキソペンタノエート、5-[4-(1,2,4,5-テトラジン-3-イル)ベンジルアミノ]-5-オキソペンタン酸、5-ノルボルネン-2-酢酸スクシンイミジルエステル、5-ノルボルネン-2-エンド-酢酸、メチルテトラジン-NHSエステル、メチルテトラジン-PEG4-NHSエステル、TCO PEG4スクシンイミジルエステル、TCO-アミン、テトラジン-PEG5-NHSエステル、
アルキン-PEG5-酸、(R)-3-アミノ-5-ヘキシン酸塩酸塩、(S)-3-アミノ-5-ヘキシン酸塩酸塩、(S)-3-(boc-アミノ)-5-ヘキシン酸、N-boc-4-ペンチン-1-アミン、boc-プロパルギル-Gly-OH、3-エチニルアニリン、4-エチニルアニリン、プロパルギルアミン塩酸塩、プロパルギルクロロホルメート、プロパルギル-N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、プロパルギル-PEG2-酸、3-(4-アジドフェニル)プロピオン酸、3-アジド-1-プロパンアミン、3-アジド-1-プロパノール、4-カルボキシベンゼンスルホンアジド、O-(2-アミノエチル)-O’-(2-アジドエチル)ヘプタエチレングリコール、O-(2-アミノエチル)-O’-(2-アジドエチル)ノナエチレングリコール、O-(2-アミノエチル)-O’-(2-アジドエチル)ペンタエチレングリコール、アジド-dPEG(登録商標)4(n)酸(式中、nは4、8、12、24であり得る)、アジド-dPEG(登録商標)(n)-アミン(式中、nは7、11、23、35であり得る)、アジド-dPEG(登録商標)4(n)NHSエステル(式中、nは4、8、12、24であり得る)、アジド-dPEG(登録商標)(n)-TFPエステル(式中、nは4、8、12、24、36であり得る)、2-[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]エタノール、O-(2-アジドエチル)-O-[2-(ジグリコリル-アミノ)エチル]ヘプタエチレングリコール、O-(2-アジドエチル)ヘプタエチレングリコール、O-(2-アジドエチル)-O’-メチル-トリエチレングリコール、O-(2-アジドエチル)-O’-メチル-ウンデカエチレングリコール、17-アジド-3,6,9,12,15-ペンタオキサヘプタデカン-1-アミン、14-アジド-3,6,9,12-テトラオキサテトラデカン酸、11-アジド-3,6,9-トリオキサウンデカン-1-アミン、ブロモアセトアミド-dPEG(登録商標)(n)アジド(式中、nは3、11、23であり得る)およびその組み合わせからなる群の化学部分で修飾された任意のオリゴヌクレオチドまたはカーゴ分子とカップリング反応を行うことによって形成され得る。
【0208】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、第1のカーゴ分子、第1のカーゴ分子に連結された第2のカーゴ分子、および必要に応じて、第2または第1のカーゴ分子に連結されたさらなるカーゴ分子に結合される。
【0209】
実施形態では、第1のカーゴ分子が、mRNA、gRNA/CRISPR、siRNA、shRNA、ASO、saRNA、miRNA、lnRNA、リボザイム、アプタマー、ペプチド、タンパク質、タンパク質ドメイン、抗体、抗体断片、抗体模倣物、レクチン、ビタミン、脂質、炭水化物、ベンズアミドおよび治療用低分子、またはその組み合わせのうちの少なくとも1つからなる群から選択される。
【0210】
実施形態では、第1のカーゴ分子が切断可能リンカーによって第2のカーゴ分子に連結されている。
【0211】
実施形態では、第1のカーゴ分子および第2のカーゴ分子の少なくとも1つが、ジチオビスマレイミドエタンおよび1,4-ビス[3-(2-ピリジルジチオ)プロピオンアミド]ブタンを含むチオール切断可能リンカー、エチレングリコールビス(スクシンイミジル)スクシネートを含むヒドロキシルアミン切断可能リンカー、ビス[2-(N-スクシンイミジル-オキシカルボニルオキシ)エチル]スルホンを含む塩基切断可能リンカー、または5-(ビス(メチルチオ)メチレン)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-4,6-ジオンを含むメルドラム酸誘導体のいずれかによって第3のカーゴ分子に連結されている。
【0212】
実施形態では、第1のカーゴ分子および第2のカーゴ分子の少なくとも1つが、それだけに限らないが、配列(T)k、(A)l、(G)m、(C)n、およびその組み合わせ(式中、k、l、m、およびnは正の整数である)を含む切断を受けることができるダイサー基質または伸長核酸スペーサー領域によって第3のカーゴ分子に連結されている。
【0213】
実施形態では、第1のカーゴ分子および第2のカーゴ分子の少なくとも1つが、1,8-ビスマレイミド-ジエチレングリコール、1,11-ビスマレイミド-トリエチレングリコール、1,4-ビスマレイミドブタン、ビスマレイミドヘキサン、ビスマレイミドエタン、トリス(2-マレイミドエチル)アミン)、N-α-マレイミドアセトキシスクシンイミドエステル、N-β-マレイミドプロピルオキシスクシンイミドエステル、N-ε-マレイミドカプロン酸、N-γ-マレイミドブチリルオキシスクシンイミドエステル、スクシンイミジル4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシ-(6-アミドカプロエート)、スクシンイミジル6-(3(2-ピリジルジチオ)プロピオンアミド)ヘキサノエート、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、スクシンイミジルヨードアセテート、スクシンイミジル(4-ヨードアセチル)アミノベンゾエート、PEG化された長鎖SMCC架橋剤、スクシンイミジル4-(p-マレイミドフェニル)ブチレートおよびスルホ-NHS等価物)、およびp-マレイミドフェニルイソシアネートからなる群から選択されるリンカーによって第3のカーゴ分子に連結されている。
【0214】
実施形態では、第2のカーゴ分子が、ポリマー様式で任意の所与の数のカーゴ分子に連結されている。
【0215】
実施形態では、第1のカーゴ分子が、CuAAC、SPAAC、RuAAC、IEDDA、SuFEx、SPANC、ヒドラゾン/オキシムエーテル形成、チオール-エンラジカル反応、チオール-インラジカル反応、チオール-マイケル付加反応、チオール-イソシアネート反応、チオール-エポキシドクリック反応、求核開環反応(バネ荷重反応)、無痕跡型シュタウディンガーライゲーションからなる群から選択される反応を介して核酸ナノ粒子に連結されている。これらの結合は、それだけに限らないが、ADIBO-PEG4、N-[(1R,8S,9s)-ビシクロ[6.1.0]ノナ-4-イン-9-イルメチルオキシカルボニル]-1,8-ジアミノ-3,6-ジオキサオクタン、(1R,8S,9s)-ビシクロ[6.1.0]ノナ-4-イン-9-イルメタノール、ブロモアセトアミド-dPEG(登録商標)4-アミド-DBCO、ブロモアセトアミド-dPEG(登録商標)12-アミド-DBCO、ブロモアセトアミド-dPEG(登録商標)24-アミド-DBCO、ジベンゾシクロオクチン-酸、ジベンゾシクロオクチン-N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、ジベンゾシクロオクチン-PEG4-酸、ジベンゾシクロオクチン-PEG4-アルコール、ジベンゾシクロオクチン-PEG4-N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、(4-(1,2,4,5-テトラジン-3-イル)フェニル)メタンアミン塩酸塩、(E)-シクロオクタ-4-エノール、(E)-シクロオクタ-4-エニル2,5-ジオキソ-1-ピロリジニルカーボネート、2,5-ジオキソ-1-ピロリジニル5-[4-(1,2,4,5-テトラジン-3-イル)ベンジルアミノ]-5-オキソペンタノエート、5-[4-(1,2,4,5-テトラジン-3-イル)ベンジルアミノ]-5-オキソペンタン酸、5-ノルボルネン-2-酢酸スクシンイミジルエステル、5-ノルボルネン-2-エンド-酢酸、メチルテトラジン-NHSエステル、メチルテトラジン-PEG4-NHSエステル、TCO PEG4スクシンイミジルエステル、TCO-アミン、テトラジン-PEG5-NHSエステル、
アルキン-PEG5-酸、(R)-3-アミノ-5-ヘキシン酸塩酸塩、(S)-3-アミノ-5-ヘキシン酸塩酸塩、(S)-3-(boc-アミノ)-5-ヘキシン酸、N-boc-4-ペンチン-1-アミン、boc-プロパルギル-Gly-OH、3-エチニルアニリン、4-エチニルアニリン、プロパルギルアミン塩酸塩、プロパルギルクロロホルメート、プロパルギル-N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、プロパルギル-PEG2-酸、3-(4-アジドフェニル)プロピオン酸、3-アジド-1-プロパンアミン、3-アジド-1-プロパノール、4-カルボキシベンゼンスルホンアジド、O-(2-アミノエチル)-O’-(2-アジドエチル)ヘプタエチレングリコール、O-(2-アミノエチル)-O’-(2-アジドエチル)ノナエチレングリコール、O-(2-アミノエチル)-O’-(2-アジドエチル)ペンタエチレングリコール、アジド-dPEG(登録商標)4(n)酸(式中、nは4、8、12、24であり得る)、アジド-dPEG(登録商標)(n)-アミン(式中、nは7、11、23、35であり得る)、アジド-dPEG(登録商標)4(n)NHSエステル(式中、nは4、8、12、24であり得る)、アジド-dPEG(登録商標)(n)-TFPエステル(式中、nは4、8、12、24、36であり得る)、2-[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]エタノール、O-(2-アジドエチル)-O-[2-(ジグリコリル-アミノ)エチル]ヘプタエチレングリコール、O-(2-アジドエチル)ヘプタエチレングリコール、O-(2-アジドエチル)-O’-メチル-トリエチレングリコール、O-(2-アジドエチル)-O’-メチル-ウンデカエチレングリコール、17-アジド-3,6,9,12,15-ペンタオキサヘプタデカン-1-アミン、14-アジド-3,6,9,12-テトラオキサテトラデカン酸、11-アジド-3,6,9-トリオキサウンデカン-1-アミン、ブロモアセトアミド-dPEG(登録商標)(n)アジド(式中、nは3、11、23であり得る)およびその組み合わせからなる群の化学部分で修飾された任意のオリゴヌクレオチドまたはカーゴ分子とカップリング反応を行うことによって形成され得る。
【0216】
実施形態では、少なくとも2つのカーゴ分子の各々が生物学的機能を有する。
【0217】
実施形態では、本発明は、1またはそれを超えるカーゴ分子に共有結合的に連結したオリゴヌクレオチドを含む組成物を提供する。
【0218】
実施形態では、組成物が、コンジュゲーションを可能にする反応性部位で官能化されており、核酸ナノ粒子に組み立てられているオリゴヌクレオチドを含む。
【0219】
実施形態では、核酸ナノ粒子がカーゴ分子に結合しており、核酸ナノ粒子が、対象におけるカーゴ分子の生物学的活性を促進するように官能化されている。
【0220】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、三量体、四量体、五量体または六量体である。
【0221】
実施形態では、本発明は、以下の特徴の少なくとも1つを含む少なくとも1つの反応を介して、核酸ナノ粒子を少なくとも1つのカーゴ分子に結合させるステップを含む方法を提供する:反応が1つのポットで行われる、反応が水によって妨害されない、反応が最小限の副産物を生成する、および反応が単一反応生成物を与える高い熱力学的駆動力を含む。
【0222】
実施形態では、本方法が、特徴の少なくとも1つを含む第1の反応を介して第1のカーゴ分子を結合させるステップと、特徴の少なくとも1つを含む第2の反応を介して第2のカーゴ分子を結合させるステップとを含み、第1の反応と第2の反応とが直交性である。
【0223】
実施形態では、第1の反応が、核酸ナノ粒子中の少なくとも1つのオリゴヌクレオチドの鎖に対する修飾を含む。
【0224】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、銅(I)アジド-アルキン付加環化を介して第1のカーゴ分子に結合される。
【0225】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、歪み促進型アジド-アルキン付加環化を介して第1のカーゴ分子に結合される。
【0226】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、逆電子要請型ディールスアルダー反応を介して第1のカーゴ分子に結合される。
【0227】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、ジスルフィド結合を介して第1のカーゴ分子に結合される。
【0228】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、硫黄(VI)フッ化物交換を介して第1のカーゴ分子に結合される。
【0229】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、ヒドラゾン形成を介して第1のカーゴ分子に結合される。
【0230】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、チオール-エンラジカル付加を介して第1のカーゴ分子に結合される。
【0231】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、チオール-イン反応を介して第1のカーゴ分子に結合される。
【0232】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、チオール-マイケル付加を介して第1のカーゴ分子に結合される。
【0233】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、チオール-イソシアネートケミストリーを介して第1のカーゴ分子に結合される。
【0234】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、チオール-エポキシドケミストリーを介して第1のカーゴ分子に結合される。
【0235】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、求核開環反応を介して第1のカーゴ分子に結合される。
【0236】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、無痕跡型シュタウディンガーライゲーションを介して第1のカーゴ分子に結合される。
【0237】
実施形態では、オリゴヌクレオチドの5’、3’または内部位置(ヌクレオチド上の任意の所与の位置)が、これらの方法を介して概説される共有結合の形成を可能にする官能基で修飾される。これらの結合は、それだけに限らないが、ADIBO-PEG4、N-[(1R,8S,9s)-ビシクロ[6.1.0]ノナ-4-イン-9-イルメチルオキシカルボニル]-1,8-ジアミノ-3,6-ジオキサオクタン、(1R,8S,9s)-ビシクロ[6.1.0]ノナ-4-イン-9-イルメタノール、ブロモアセトアミド-dPEG(登録商標)-アミド-DBCO、ブロモアセトアミド-dPEG(登録商標)12-アミド-DBCO、ブロモアセトアミド-dPEG(登録商標)24-アミド-DBCO、ジベンゾシクロオクチン-酸、ジベンゾシクロオクチン-N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、ジベンゾシクロオクチン-PEG4-酸、ジベンゾシクロオクチン-PEG4-アルコール、ジベンゾシクロオクチン-PEG4-N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、(4-(1,2,4,5-テトラジン-3-イル)フェニル)メタンアミン塩酸塩、(E)-シクロオクタ-4-エノール、(E)-シクロオクタ-4-エニル2,5-ジオキソ-1-ピロリジニルカーボネート、2,5-ジオキソ-1-ピロリジニル5-[4-(1,2,4,5-テトラジン-3-イル)ベンジルアミノ]-5-オキソペンタノエート、5-[4-(1,2,4,5-テトラジン-3-イル)ベンジルアミノ]-5-オキソペンタン酸、5-ノルボルネン-2-酢酸スクシンイミジルエステル、5-ノルボルネン-2-エンド-酢酸、メチルテトラジン-NHSエステル、メチルテトラジン-PEG4-NHSエステル、TCO PEG4スクシンイミジルエステル、TCO-アミン、テトラジン-PEG5-NHSエステル、
アルキン-PEG5-酸、(R)-3-アミノ-5-ヘキシン酸塩酸塩、(S)-3-アミノ-5-ヘキシン酸塩酸塩、(S)-3-(boc-アミノ)-5-ヘキシン酸、N-boc-4-ペンチン-1-アミン、boc-プロパルギル-Gly-OH、3-エチニルアニリン、4-エチニルアニリン、プロパルギルアミン塩酸塩、プロパルギルクロロホルメート、プロパルギル-N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、プロパルギル-PEG2-酸、3-(4-アジドフェニル)プロピオン酸、3-アジド-1-プロパンアミン、3-アジド-1-プロパノール、4-カルボキシベンゼンスルホンアジド、O-(2-アミノエチル)-O’-(2-アジドエチル)ヘプタエチレングリコール、O-(2-アミノエチル)-O’-(2-アジドエチル)ノナエチレングリコール、O-(2-アミノエチル)-O’-(2-アジドエチル)ペンタエチレングリコール、アジド-dPEG(登録商標)4(n)酸(式中、nは4、8、12、24であり得る)、アジド-dPEG(登録商標)(n)-アミン(式中、nは7、11、23、35であり得る)、アジド-dPEG(登録商標)4(n)NHSエステル(式中、nは4、8、12、24であり得る)、アジド-dPEG(登録商標)(n)-TFPエステル(式中、nは4、8、12、24、36であり得る)、2-[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]エタノール、O-(2-アジドエチル)-O-[2-(ジグリコリル-アミノ)エチル]ヘプタエチレングリコール、O-(2-アジドエチル)ヘプタエチレングリコール、O-(2-アジドエチル)-O’-メチル-トリエチレングリコール、O-(2-アジドエチル)-O’-メチル-ウンデカエチレングリコール、17-アジド-3,6,9,12,15-ペンタオキサヘプタデカン-1-アミン、14-アジド-3,6,9,12-テトラオキサテトラデカン酸、11-アジド-3,6,9-トリオキサウンデカン-1-アミン、ブロモアセトアミド-dPEG(登録商標)(n)アジド(式中、nは3、11、23であり得る)およびその組み合わせからなる群の化学部分で修飾された任意のオリゴヌクレオチドまたはカーゴ分子とカップリング反応を行うことによって形成され得る。
【0238】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、刺激に応答性のリンカーを介して第1のカーゴに結合される。
【0239】
実施形態では、刺激が、pH、光、温度、還元電位または酸素濃度からなる群から選択される。
【0240】
実施形態では、核酸ナノ粒子が共有結合的に安定化される。
【0241】
実施形態では、本発明は、o-フタルアルデヒドと複合体化してイソインドールを生成する核酸を含む組成物を提供する。
【0242】
実施形態では、本発明は、アミンおよびチオール反応性部位で官能化されたオリゴヌクレオチドと、これらの官能化オリゴヌクレオチドを自己組織化した核酸ナノ粒子とを含む組成物を提供する。
【0243】
実施形態では、アミンおよびチオールが、オルト-フタルアルデヒドと同時に反応して、蛍光イソインドールを生成する。
【0244】
実施形態では、蛍光部分がさらなるフルオロフォアにコンジュゲートされている。
【0245】
実施形態では、請求項7に概説されるように、核酸ナノ粒子が直交型クリックケミストリーを介してカーゴにコンジュゲートされている。
【0246】
実施形態では、本発明は、外部作用剤と複合体化してフルオロフォアを形成する反応性部分を含む核酸二本鎖を含む核酸ナノ粒子を含む組成物を提供する。
【0247】
実施形態では、アミンおよびチオールが、オルト-フタルアルデヒドと同時に反応し、フルオロフォアが蛍光イソインドールである。
【0248】
実施形態では、フルオロフォアがさらなるフルオロフォアにコンジュゲートされている。
【0249】
実施形態では、核酸ナノ粒子が直交型クリックケミストリーを介してカーゴ分子にコンジュゲートされている。
【0250】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、疎水性部分と、親水性部分と、ヌクレオチド結合部分とを含む成分を含む。
【0251】
実施形態では、疎水性部分および親水性部分が、核酸ナノ粒子に共有結合的に付着している。
【0252】
実施形態では、疎水性部分および親水性部分が、アミド、アミン、またはエーテル結合を介して核酸に共有結合的に付着している。
【0253】
いくつかの実施形態では、親水性部分がアミンを含む。
【0254】
実施形態では、親水性部分が、スペルミン、エチレンジアミン、メチルエチレンジアミン、エチルエチレンジアミン、イミダゾール、スペルミン-イミダゾール-4-イミン、N-エチル-N’-(3-ジメチルアミノプロピル)-グアニジニルエチレンイミン、ジメチルアミノエチルアクリレート、アミノビニルエーテル、4-イミダゾール酢酸、ジエチルアミノプロピルアミド、スルホンアミド(例えば、スルファジメトキシン スルファメトキサゾール、スルファジアジン、スルファメタジン)、アミノケタール、N-2-ヒドロキシルプロピルチメチルアンモニウムクロリド、イミダゾール-4-イミン、メチル-イミダゾール、2-(アミノメチル)イミダゾール、4-(アミノメチル)イミダゾール、4(5)-(ヒドロキシメチル)イミダゾール、N-(2-アミノエチル)-3-((2-アミノエチル)(メチル)アミノ)プロパンアミド、2-(2-エトキシエトキシ)エタン-1-アミン、ビス(3-アミノプロピル)アミン、[N,N-ジメチルアミノ)エトキシ]エチル、N-(2-アミノエチル)-3-((2-アミノエチル)(エチル)アミノ)プロパンアミド、(N-(アミノエチル)カルバモイル)メチル、N-(2-((2-アミノエチル)アミノ)エチル)アセトアミド3,3’-((2-アミノエチル)アザンジイル)ビス(N-(2-アミノエチル)プロパンアミド)、グアニジルベンジルアミド、[3-(グアニジニウム)プロピル]、ジメチルエタノールアミン、1-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)-N,N-ジメチルメタンアミン、2-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)-N,N-ジメチルエタン-1-アミン、N-(2-((2-(2-アミノエトキシ)プロパン-2-イル)オキシ)エチル)アセトアミド、アミノブチル、アミノエチル、1-(2-アミノエチル)-3-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-2-エチルグアニジン、1-(3-アミノ-3-オキソプロピル)-2,4,6-トリメチルピリジン-1-イウム、1-(1,3-ビス(カルボキシオキシ)プロパン-2-イル)-2,4,6-トリメチルピリジン-1-イウム、グアニジニルエチルアミン、エーテルヒドロキシルトリアゾール、およびβ-アミノエステルからなる群から選択される。
【0255】
実施形態では、ヌクレオチドが、2-(2-(ジメチルアミノ)エトキシ)エタン-1-オール、N-ブチル-2-ヒドロキシアセトアミド、(1H-イミダゾール-5-イル)メタノール、アミノ((2-(2-ヒドロキシアセトアミド)エチル)アミノ)メタンイミニウムおよび1-(2-(2-ヒドロキシアセトアミド)エチル)-2,4,6-トリメチルピリジン-1-イウムからなる群から選択される部分で官能化されている。
【0256】
実施形態では、ヌクレオチド結合部分がシステインである。
【0257】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、受容体に依存しない方法でカーゴ分子のエンドソーム脱出を促進する。
【0258】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、細胞内の受容体に結合する成分を含む。
【0259】
実施形態では、成分が、葉酸、TfR-T12、およびヘマグルチニンペプチドからなる群から選択される成分を含む。
【0260】
実施形態では、カーゴ分子が、リソソーム内で切断され得るリンカーを介して核酸ナノ粒子に結合している。
【0261】
実施形態では、カーゴ分子がカテプシンB切断可能リンカーに結合している。
【0262】
実施形態では、カーゴ分子がプロテアーゼ切断可能リンカーに結合している。
【0263】
実施形態では、カーゴ分子がピロリン酸ジエステルに結合している。
【0264】
実施形態では、本発明は、アルコール系求核試薬によるアンヒドロウリジンの処理を含む、2’-O置換ヌクレオシドを合成するための方法を提供する。
【0265】
実施形態では、処理が、バリウムtert-ブトキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、2-tert-ブチルイミノ-2-ジエチルアミノ-1,3-ジメチル-ペルヒドロ-1,3,2-ジアザホスホリン、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム、dabco(登録商標)、N,N-ジイソプロピルメチルアミン、ジメチルアミン、4-(ジメチルアミノ)ピリジン、エチルアミン、N-エチルジイソプロピルアミン、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムtert-ブトキシド、リチウムジシクロヘキシルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムジメチルアミド、リチウムエトキシド、リチウムイソプロポキシド、リチウムメトキシド、リチウム2,2,6,6-テトラメチルピペリジド、マグネシウムビス(ヘキサメチルジシラジド)、メチルアミン、メチルリチウム、モルホリン、ピペリジン、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムtert-ブトキシド、カリウムエトキシド、カリウムメトキシド、トリエチルアミンからなる群から選択される塩基を含む。
【0266】
実施形態では、処理が、臭化アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミニウムイソプロポキシド、三塩化ホウ素(およびその様々な錯体)、三フッ化ホウ素(およびその様々な錯体)、ジシクロヘキシルボロン、臭化鉄(III)、塩化鉄(III)、モンモリロナイトK10&K30、塩化スズ(IV)、塩化チタン(IV)、チタン(IV)イソプロポキシド、四塩化チタンからなる群から選択される塩基を含む。
【0267】
実施形態では、本発明は、カーゴ分子と、カーゴ分子に結合した核酸ナノ粒子であって、対象におけるカーゴ分子の生物学的活性を促進するように官能化されている核酸ナノ粒子とを含む、組成物を提供する。
【0268】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、細胞への内部移行を促進するように官能化されている。
【0269】
実施形態では、カーゴ分子が、細胞への内部移行を促進するように官能化されている。
【0270】
実施形態では、カーゴ分子が、細胞の脂質二重層を通した浸透を促進するアンカーコレステロール分子である。
【0271】
実施形態では、官能化が、クラスリン媒介エンドサイトーシス、非クラスリン/非カベオラエンドサイトーシス、カベオラ媒介エンドサイトーシス、受動拡散、単純拡散、促進拡散、トランスサイトーシス、マクロピノサイトーシス、食作用、受容体媒介エンドサイトーシス、受容体拡散、小胞媒介輸送、能動輸送を介して細胞への内部移行を促進する。
【0272】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、エンドソーム、リソソーム、ピノソーム、またはファゴソームを介して細胞に侵入するか、またはプロセシングされ得る。
【0273】
実施形態では、核酸ナノ粒子が、生体膜を横切って細胞に侵入し得る。
【0274】
実施形態では、官能化が、細胞の細胞質、核、ミトコンドリアまたは他の細胞区画において効果を発揮し得る。
【0275】
実施形態では、カーゴ分子が、mRNA、gRNA/CRISPR、siRNA、ASO、miRNA、lnRNA、shRNA、リボザイム、アプタマー、ペプチド、タンパク質、抗体および治療用低分子からなる群から選択される。
【0276】
実施形態では、細胞傷害性ヌクレオチドがオリゴヌクレオチド骨格に組み込まれている。
【0277】
実施形態では、細胞傷害性ヌクレオチドが、アリストマイシン、ネオプラノシンA、リバビリン、ピラゾフリン、シタラビンアラビノシド(ara-C)、ゲムシタビン、クラドリビン(2-CdA)、ショードマイシン、エラシタラビンからなる群から選択される。
【0278】
実施形態では、リン酸プロドラッグが核酸骨格に組み込まれている。
【0279】
実施形態では、リン酸プロドラッグが、9-[2-(ホスホノメトキシ)エチル]アデニンのビス(S-アシル-2-チオエチル)エステル誘導体、シクロSalプロヌクレオチド、HepDirectプロドラッグまたはオクタデシルオキシエチル-シドホビルである。
【0280】
実施形態では、オリゴヌクレオチドが核酸ナノ粒子に組み立てられている。
【0281】
実施形態では、本発明は、共有結合的に連結している2またはそれを超えるカーゴ分子を含む組成物を提供する。
【0282】
実施形態では、カーゴ分子の鎖が一般式
【化7】
(式中、C1およびC2はカーゴ分子であり、rは生体直交型反応の生成物として形成されるバイオコンジュゲーション結合であり、Lは直鎖リンカーまたは分岐リンカーのいずれかであり、kは0または1であり、mは1または1より大きい任意の正の整数であり、nは1または1より大きい任意の正の整数であり、m>1、またはn>1、またはm>1とn>1の両方の場合、以下が適用される:(i)各rは、同じであるか、または少なくとも2つの異なるバイオコンジュゲーション結合の混合物であり、(ii)各Lは、同じであるか、または少なくとも2つの異なるリンカー分子の混合物であり、(iii)各C2は、同じであるか、または少なくとも2つの異なるカーゴ分子の混合物である)
を有する。
【0283】
実施形態では、カーゴ分子の少なくとも1つが生物学的機能を有する。
【0284】
実施形態では、1またはそれを超えるカーゴ分子が、核酸、ペプチド、タンパク質、脂質、炭水化物、アルカロイド、ポリケチド、テトラピロール、テルペン/テルペノイド、フェニルプロパノイド、医薬化合物またはその組み合わせである。
【0285】
実施形態では、カーゴ分子の少なくとも1つが、mRNA、gRNA/CRISPR、siRNA、ASO、saRNA、miRNA、lnRNA、shRNA、リボザイム、アプタマー、ペプチド、タンパク質、タンパク質ドメイン、抗体、抗体断片、抗体模倣物、レクチン、脂質、ビタミン、ベンズアミド、低分子、またはその組み合わせである。
【0286】
実施形態では、カーゴ分子の少なくとも2つが、(dT)n、(dA)n、d(C)n、d(G)n、(rU)n、(rA)n、(rC)n、(rG)n、またはその組み合わせ(式中、nは1~50の任意の正の整数である)からなる群のオリゴヌクレオチドスペーサーを介して連結されたsiRNAである。
【0287】
実施形態では、2またはそれを超えるsiRNAが、5’→5’、3’→3’または5’→3’方向に互いに結合している。
【0288】
実施形態では、カーゴ分子の少なくとも1つが、肝細胞によって発現されるアシアロ糖タンパク質受容体を標的とし、1またはそれを超える標的化部分が、一価、二価、または三価分岐リンカーを介して連結されているN-アセチルガラクトサミンまたはN-アセチルガラクトサミン誘導体を含む。
【0289】
実施形態では、少なくとも1つのN-アセチルガラクトサミン部分が、固相合成中または合成後にオリゴヌクレオチドカーゴ分子に結合され、結合が、前記オリゴヌクレオチドカーゴ分子の5’末端、3’末端または1またはそれを超える連続する内部位置で起こる。
【0290】
実施形態では、カーゴ分子の1またはそれより多くが、以下の脂質の少なくとも1つを含む:(i)コレステロールまたはその誘導体、(ii)リン脂質、(iii)必要に応じて第四級アンモニウムイオンを含むカチオン性脂質、(iv)必要に応じてリン酸基を含むアニオン性脂質、(v)イオン化可能な脂質、および(vi)分岐脂質。
【0291】
実施形態では、カーゴ分子の少なくとも1つが、切断可能リンカーによってさらなるカーゴ分子に連結されている。
【0292】
実施形態では、カーゴ分子の少なくとも1つが、ジチオビスマレイミドエタンおよび1,4-ビス[3-(2-ピリジルジチオ)プロピオンアミド]ブタンを含むチオール切断可能リンカーによってさらなるカーゴ分子に連結されている。
【0293】
実施形態では、カーゴ分子の少なくとも1つが、エチレングリコールビス(スクシンイミジルスクシネート)を含むヒドロキシルアミン切断可能リンカーによってさらなるカーゴ分子に連結されている。
【0294】
実施形態では、カーゴ分子の少なくとも1つが、ビス[2-(N-スクシンイミジル-オキシカルボニルオキシ)エチル]スルホンを含む塩基切断可能リンカーによってさらなるカーゴ分子に連結されている。
【0295】
実施形態では、カーゴ分子の少なくとも1つが、5-(ビス(メチルチオ)メチレン)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-4,6-ジオンを含むメルドラム酸誘導体によってさらなるカーゴ分子に連結されている。
【0296】
実施形態では、カーゴ分子の少なくとも1つが、共有結合を介してさらなるカーゴ分子に連結されている。
【0297】
実施形態では、カーゴ分子の少なくとも1つが、ダイサー基質によってさらなるカーゴ分子に連結されている。
【0298】
実施形態では、カーゴ分子の少なくとも1つが、1,8-ビスマレイミド-ジエチレングリコール、1,11-ビスマレイミド-トリエチレングリコール、1,4-ビスマレイミドブタン、ビスマレイミドヘキサン、ビスマレイミドエタン、トリス(2-マレイミドエチル)アミン)、N-α-マレイミドアセトキシスクシンイミドエステル、N-β-マレイミドプロピルオキシスクシンイミドエステル、N-ε-マレイミドカプロン酸、N-γ-マレイミドブチリルオキシスクシンイミドエステル、スクシンイミジル4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシ-(6-アミドカプロエート)、スクシンイミジル6-(3(2-ピリジルジチオ)プロピオンアミド)ヘキサノエート、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、スクシンイミジルヨードアセテート、スクシンイミジル(4-ヨードアセチル)アミノベンゾエート、PEG化された長鎖SMCC架橋剤、スクシンイミジル4-(p-マレイミドフェニル)ブチレートおよびスルホ-NHS等価物)、p-マレイミドフェニルイソシアネートからなる群から選択されるリンカーによってさらなるカーゴ分子に連結されている。
【0299】
実施形態では、カーゴ分子の少なくとも1つが、CuAAC、SPAAC、RuAAC、IEDDA、SuFEx、SPANC、ヒドラゾン/オキシムエーテル形成、チオール-エンラジカル反応、チオール-インラジカル反応、チオール-マイケル付加反応、チオール-イソシアネート反応、チオール-エポキシドクリック反応、求核開環反応(バネ荷重反応)、無痕跡型シュタウディンガーライゲーションからなる群から選択される反応を介してさらなるカーゴ分子に連結されている。これらの結合は、それだけに限らないが、ADIBO-PEG4、N-[(1R,8S,9s)-ビシクロ[6.1.0]ノナ-4-イン-9-イルメチルオキシカルボニル]-1,8-ジアミノ-3,6-ジオキサオクタン、(1R,8S,9s)-ビシクロ[6.1.0]ノナ-4-イン-9-イルメタノール、ブロモアセトアミド-dPEG(登録商標)-アミド-DBCO、ブロモアセトアミド-dPEG(登録商標)12-アミド-DBCO、ブロモアセトアミド-dPEG(登録商標)24-アミド-DBCO、ジベンゾシクロオクチン-酸、ジベンゾシクロオクチン-N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、ジベンゾシクロオクチン-PEG4-酸、ジベンゾシクロオクチン-PEG4-アルコール、ジベンゾシクロオクチン-PEG4-N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、(4-(1,2,4,5-テトラジン-3-イル)フェニル)メタンアミン塩酸塩、(E)-シクロオクタ-4-エノール、(E)-シクロオクタ-4-エニル2,5-ジオキソ-1-ピロリジニルカーボネート、2,5-ジオキソ-1-ピロリジニル5-[4-(1,2,4,5-テトラジン-3-イル)ベンジルアミノ]-5-オキソペンタノエート、5-[4-(1,2,4,5-テトラジン-3-イル)ベンジルアミノ]-5-オキソペンタン酸、5-ノルボルネン-2-酢酸スクシンイミジルエステル、5-ノルボルネン-2-エンド-酢酸、メチルテトラジン-NHSエステル、メチルテトラジン-PEG4-NHSエステル、TCO PEG4スクシンイミジルエステル、TCO-アミン、テトラジン-PEG5-NHSエステル、
アルキン-PEG5-酸、(R)-3-アミノ-5-ヘキシン酸塩酸塩、(S)-3-アミノ-5-ヘキシン酸塩酸塩、(S)-3-(boc-アミノ)-5-ヘキシン酸、N-boc-4-ペンチン-1-アミン、boc-プロパルギル-Gly-OH、3-エチニルアニリン、4-エチニルアニリン、プロパルギルアミン塩酸塩、プロパルギルクロロホルメート、プロパルギル-N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、プロパルギル-PEG2-酸、3-(4-アジドフェニル)プロピオン酸、3-アジド-1-プロパンアミン、3-アジド-1-プロパノール、4-カルボキシベンゼンスルホンアジド、O-(2-アミノエチル)-O’-(2-アジドエチル)ヘプタエチレングリコール、O-(2-アミノエチル)-O’-(2-アジドエチル)ノナエチレングリコール、O-(2-アミノエチル)-O’-(2-アジドエチル)ペンタエチレングリコール、アジド-dPEG(登録商標)4(n)酸(式中、nは4、8、12、24であり得る)、アジド-dPEG(登録商標)(n)-アミン(式中、nは7、11、23、35であり得る)、アジド-dPEG(登録商標)4(n)NHSエステル(式中、nは4、8、12、24であり得る)、アジド-dPEG(登録商標)(n)-TFPエステル(式中、nは4、8、12、24、36であり得る)、2-[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]エタノール、O-(2-アジドエチル)-O-[2-(ジグリコリル-アミノ)エチル]ヘプタエチレングリコール、O-(2-アジドエチル)ヘプタエチレングリコール、O-(2-アジドエチル)-O’-メチル-トリエチレングリコール、O-(2-アジドエチル)-O’-メチル-ウンデカエチレングリコール、17-アジド-3,6,9,12,15-ペンタオキサヘプタデカン-1-アミン、14-アジド-3,6,9,12-テトラオキサテトラデカン酸、11-アジド-3,6,9-トリオキサウンデカン-1-アミン、ブロモアセトアミド-dPEG(登録商標)(n)アジド(式中、nは3、11、23であり得る)およびその組み合わせからなる群の化学部分で修飾された任意のカーゴ分子とカップリング反応を行うことによって形成され得る。
【0300】
実施形態では、カーゴ分子の鎖が核酸ナノ粒子にコンジュゲートしており、コンジュゲートが
【化8】
(式中、PはRNAナノ粒子であり、rは生体直交型コンジュゲーション反応の生成物として形成されるバイオコンジュゲーション結合であり、L1およびL2は直鎖または分岐リンカー分子のいずれかであり、jは0または1であり、C1およびC2はカーゴ分子であり、kは1または1より大きい任意の正の整数であり、lは0または1であり、mは1または1より大きい任意の正の整数であり、nは1または1より大きい任意の正の整数であり、qは1または1より大きい任意の正の整数であり、k>1またはm>1またはn>1またはq>1またはその組み合わせである場合、以下が適用される:(i)rは、同じであるか、または少なくとも2つの異なるバイオコンジュゲーション結合の混合物であり、(ii)L1は、同じであるか、または少なくとも2つの異なるリンカー分子の混合物であり、(iii)L2は、同じであるか、または少なくとも2つの異なるリンカー分子の混合物であり、(iv)L1およびL2は、同じまたは異なるリンカー分子であり、(v)C1は、同じであるか、または少なくとも2つの異なるカーゴ分子の混合物であり、(vi)C2は、同じであるか、または少なくとも2つの異なるカーゴ分子の混合物であり、(vii)C1およびC2は、同じまたは異なるリンカー分子である)
の一般式構造を有する。
【0301】
実施形態では、本発明は、少なくとも2つのカーゴ分子と、少なくとも2つのカーゴ分子の各々に結合した核酸ナノ粒子とを含む組成物を提供する。
【0302】
実施形態では、少なくとも2つのカーゴ分子の各々が生物学的機能を有する。
【0303】
実施形態では、少なくとも2つのカーゴ分子の各々が、mRNA、gRNA/CRISPR、siRNA、ASO、miRNA、lnRNA、shRNA、リボザイム、アプタマー、ペプチド、タンパク質、抗体および治療用低分子からなる群から選択される。
【0304】
実施形態では、少なくとも2つのカーゴ分子の2つ以上が同じ核酸ナノ粒子にコンジュゲートされている。
【0305】
実施形態では、少なくとも2つのカーゴ分子の2つ以上が異なる。
【0306】
実施形態では、2つ以上のカーゴ分子が同じである。
【0307】
実施形態では、異なるカーゴ分子が等しくない量で前記ナノ粒子にコンジュゲートされている。
【0308】
実施形態では、少なくとも2つのカーゴ分子が安定な共有結合を介してコンジュゲートされている。
【0309】
実施形態では、少なくとも2つの分子が安定な共有結合を介して刺激応答性リンカーにコンジュゲートされている。
【0310】
実施形態では、カーゴ分子の少なくとも1つが、CuAAC、SPAAC、RuAAC、IEDDA、SuFEx、SPANC、ヒドラゾン/オキシムエーテル形成、チオール-エンラジカル反応、チオール-インラジカル反応、チオール-マイケル付加反応、チオール-イソシアネート反応、チオール-エポキシドクリック反応、求核開環反応(バネ荷重反応)、無痕跡型シュタウディンガーライゲーションからなる群から選択される反応を介してさらなるカーゴ分子に連結されている。これらの結合は、それだけに限らないが、ADIBO-PEG4、N-[(1R,8S,9s)-ビシクロ[6.1.0]ノナ-4-イン-9-イルメチルオキシカルボニル]-1,8-ジアミノ-3,6-ジオキサオクタン、(1R,8S,9s)-ビシクロ[6.1.0]ノナ-4-イン-9-イルメタノール、ブロモアセトアミド-dPEG(登録商標)-アミド-DBCO、ブロモアセトアミド-dPEG(登録商標)12-アミド-DBCO、ブロモアセトアミド-dPEG(登録商標)24-アミド-DBCO、ジベンゾシクロオクチン-酸、ジベンゾシクロオクチン-N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、ジベンゾシクロオクチン-PEG4-酸、ジベンゾシクロオクチン-PEG4-アルコール、ジベンゾシクロオクチン-PEG4-N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、(4-(1,2,4,5-テトラジン-3-イル)フェニル)メタンアミン塩酸塩、(E)-シクロオクタ-4-エノール、(E)-シクロオクタ-4-エニル2,5-ジオキソ-1-ピロリジニルカーボネート、2,5-ジオキソ-1-ピロリジニル5-[4-(1,2,4,5-テトラジン-3-イル)ベンジルアミノ]-5-オキソペンタノエート、5-[4-(1,2,4,5-テトラジン-3-イル)ベンジルアミノ]-5-オキソペンタン酸、5-ノルボルネン-2-酢酸スクシンイミジルエステル、5-ノルボルネン-2-エンド-酢酸、メチルテトラジン-NHSエステル、メチルテトラジン-PEG4-NHSエステル、TCO PEG4スクシンイミジルエステル、TCO-アミン、テトラジン-PEG5-NHSエステル、
アルキン-PEG5-酸、(R)-3-アミノ-5-ヘキシン酸塩酸塩、(S)-3-アミノ-5-ヘキシン酸塩酸塩、(S)-3-(boc-アミノ)-5-ヘキシン酸、N-boc-4-ペンチン-1-アミン、boc-プロパルギル-Gly-OH、3-エチニルアニリン、4-エチニルアニリン、プロパルギルアミン塩酸塩、プロパルギルクロロホルメート、プロパルギル-N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、プロパルギル-PEG2-酸、3-(4-アジドフェニル)プロピオン酸、3-アジド-1-プロパンアミン、3-アジド-1-プロパノール、4-カルボキシベンゼンスルホンアジド、O-(2-アミノエチル)-O’-(2-アジドエチル)ヘプタエチレングリコール、O-(2-アミノエチル)-O’-(2-アジドエチル)ノナエチレングリコール、O-(2-アミノエチル)-O’-(2-アジドエチル)ペンタエチレングリコール、アジド-dPEG(登録商標)4(n)酸(式中、nは4、8、12、24であり得る)、アジド-dPEG(登録商標)(n)-アミン(式中、nは7、11、23、35であり得る)、アジド-dPEG(登録商標)4(n)NHSエステル(式中、nは4、8、12、24であり得る)、アジド-dPEG(登録商標)(n)-TFPエステル(式中、nは4、8、12、24、36であり得る)、2-[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]エタノール、O-(2-アジドエチル)-O-[2-(ジグリコリル-アミノ)エチル]ヘプタエチレングリコール、O-(2-アジドエチル)ヘプタエチレングリコール、O-(2-アジドエチル)-O’-メチル-トリエチレングリコール、O-(2-アジドエチル)-O’-メチル-ウンデカエチレングリコール、17-アジド-3,6,9,12,15-ペンタオキサヘプタデカン-1-アミン、14-アジド-3,6,9,12-テトラオキサテトラデカン酸、11-アジド-3,6,9-トリオキサウンデカン-1-アミン、ブロモアセトアミド-dPEG(登録商標)(n)アジド(式中、nは3、11、23であり得る)およびその組み合わせからなる群の化学部分で修飾された任意のカーゴ分子とカップリング反応を行うことによって形成され得る。
【実施例
【0311】
実施例1-分子の命名法
表2は、本発明で使用される構築物の命名フォーマットを提供する。表4および表5は、RNAナノ粒子を形成するために使用される例示的なRNAモノマーの配列および各RNAモノマーの官能基を提供する。表6は、本発明で使用されるペプチドを概説する。
【表2】
【0312】
本発明で網羅されるRNA鎖を表3に記載する。
【表3-1】
【表3-2】
【表3-3】
【0313】
本発明で網羅されるsiRNA鎖を表4に記載する。
【表4-1】
【表4-2】
【表5-1】
【表5-2】
【0314】
本明細書で使用されるペプチドを表6に記載する。
【表6-1】
【表6-2】
【0315】
実施例2-RNA合成
H-16合成装置(K&A)を使用してRNA鎖を合成した。合成は、標準的なRNAカップリングプロトコル(2’-tert-ブチルジメチルシリル(TBDSM)保護アミダイトおよび他の全ての修飾について720秒間)を使用して、DMT-OFFモードで1μmolカラムで実施した。アミダイト、テトラゾールおよびアセトニトリルの溶液を活性化モレキュラーシーブ(4Å)上で一晩乾燥させた。合成後、RNAをrtで3時間、1:1メチルアミン/水酸化アンモニウム(AMA)で脱保護した。次いで、固体支持体を濾過し、EtOH:水(1:1)で2回洗浄した。次いで、結果として生じるRNA溶液を蒸発乾固し、200μlの脱水DMSOに溶解した。次いで、275μlのTEA3HF(TREAT-HF)を添加し、65℃で3時間インキュベートした。次いで、RNAをEtOH沈殿に供した。
【0316】
粗RNA鎖を、IEX-HPLCまたはIP-RP HPLCのいずれかによって精製した。
IEXは、半分取DNAPac PA100(ThermoFisher)、22×250mmカラム、75℃、流量4.5mL/分および260nmでのUV検出を用いて行った。通常、1実行当たり100~250μLの粗RNA溶液を注入した。開始濃度をオリゴヌクレオチドの長さに調整して、2~2.5カラム体積にわたっておよそΔ10%Bの線形勾配で溶出を実施した。緩衝液A:25mM Tris・HCl、pH8.0、20%アセトニトリル、10mM過塩素酸ナトリウム;緩衝液B:25mM Tris・HCl、pH8.0、20%アセトニトリル、600mM過塩素酸ナトリウム。
【0317】
RP-HPLCは、Hypersil Gold(ThermoFisher)C18カラム(10×150mm)を用い、60℃、流量5mL/分および260nmでのUV検出を用いて行った。通常、1実行当たり100~250μLの粗RNA溶液を注入した。緩衝液A:TEAA(0.1M、pH=7);緩衝液B:MeCN。
RNAを含有する画分をプールし、アセトニトリルを真空中で除去した。次いで、精製したオリゴをGel-Pak脱塩カラム(Glen)で脱塩した。溶液を蒸発させ、RNAをヌクレアーゼフリー水に溶解して、UV吸光度による濃度決定および変性PAGEによる品質評価を行った。
【0318】
修飾鎖のための合成手順への適合
MeCN中5’アミノ-10%DEA溶液を、まだCPG上にある間にオリゴヌクレオチドに適用した。5分間の処理後、カラムをMeCNですすぎ、さらに処理した。
【0319】
Cy3含有配列の5’末端の5’Cy3-MMTr基をRPC MMT-ON精製中に除去した。
【0320】
実施例3-最適化された組み立てプロトコル
この作業の重要な足場である四角形SQ1を標準的なプロトコルに従って組み立てた。等モル量の5つの異なる鎖(A、B、C、D、E-図22;これらは、C-1.0、C-2.0、C-3.0、C-4.0およびC-5.0ならびにサブバリアントに対応する)を、最終濃度10μMで、PBS+MgCl(2mM)緩衝液中で合わせた。5つの鎖を95℃で5分間互いにアニーリングし、次いで、15℃までゆっくり冷却した。次いで、ネイティブポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)および動的光散乱(DLS)によって足場を分析した(以下参照)。
【0321】
図22は、本発明の一実施形態の組成物のコア足場(SQ-0000-001)を概説する概略図である。
【0322】
PAGEの場合、組み立てた足場を、100Vの定電圧で1×TBMg(890mM Trisホウ酸+20mM Mg(OAc)、pH=8.3)中ネイティブPAGE(6%)で電気泳動した。GelRed(商標)を使用してゲルバンドを可視化した。10 pmolの構造物を搭載した。搭載前に2μLのグリセリン(HO中70%)を試料に添加した。
【0323】
DLSの場合、Malvern Zetasizer Nano S ZEN 1600 Nano Particle Size Analysisを使用して、組み立てられた足場を分析した-20μLの試料を使用し、強度を記録した。3回の試行の平均を計算した。全ての測定は25℃で行った。塵およびデブリを除去するために、分析前に試料を12000 rpmで5分間遠心分離した。
【0324】
実施例4-コンジュゲーションケミストリーを可能にするための修飾子の合成
一般的な実験
H NMRスペクトルを400MHzで記録した。13C NMRスペクトルを100MHzで記録した。化学シフト(δ)は、テトラメチルシランから低磁場側の百万分率(ppm)の単位で引用され、残留溶媒ピークが基準とされる。(CDCl(δ:7.26、δ:77.0))。結合定数(J)は、ヘルツ(Hz)の単位で引用される。以下の略語をH NMR分析内で使用する:s=一重項、d=二重項、t=三重項、q=四重項、pent=五重項、m=多重項、dd=二重項の二重項、dt=三重項の二重項。400(H NMR)および100(13C NMR)で記録されたスペクトルは、Imperial College London Department of Chemistry NMR Serviceが行った。
【0325】
低分解能および高分解能質量分析(EI、CI、FAB)は、Imperial College Londonで記録された。Imperial College Department of Chemistry Mass Spectrometry Serviceによって行われた測定は、Micromass Platform IIおよびMicromass AutoSpec-Q分光計を使用した。
【0326】
フラッシュカラムクロマトグラフィーは、BDHシリカゲル60、粒径0.040~0.063mmで行った。薄層クロマトグラフィー(TLC)を、予めコーティングされたアルミニウムを裏打ちプレートまたはガラス裏打ちプレート(Merck Kieselgel 60 F254)で実施し、紫外光(254nm)または過マンガン酸カリウム(KMnO)、バニリンもしくはリンモリブデン酸(PMA)染色で可視化した。
【0327】
5’C6 S-Sノルボルネン修飾子
図23は、本発明の一実施形態によるジスルフィド-ノルボルネン5’修飾子の合成の概略図である。
【0328】
6,6’-ジスルファンジイルビス(ヘキサン-1-オール)
【化9】
Varenikovおよび共同研究者らによって概説された手順に従って合成した(A.Varenikov、M.Gandelman、Organotitanium Nucleophiles in Asymmetric Cross-Coupling Reaction:Stereoconvergent Synthesis of Chiral α-CF 3 Thioethers、J.Am.Chem.Soc.141(2019)10994-10999.https://doi.org/10.1021/jacs.9b05671.)。無色油が得られた(18.2g、92%)。H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ3.65(t,J=6.6Hz,4H),2.70(dd,J=7.9,6.8Hz,4H),1.81-1.77(m,2H),1.76-1.65(m,4H),1.59(dq,J=7.9,6.6Hz,4H),1.51-1.32(m,8H)。
【0329】
6-((6-ヒドロキシヘキシル)ジスルファニル)ヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-カルボキシレート
【化10】
当技術分野で見出される修正された手順に従って合成した(米国特許出願公開第2011/263526号)。DCCの溶液(5mLの無水DCM中1.15g、5.61mmol)を、5-ノルボルネン-2-カルボン酸(500mg、3.62mmol)、6,6’-ジスルファンジイルビス(ヘキサン-1-オール)(1.93g、7.25mmol)およびDMAP(89mg、0.72mmol)の無水DCM(20mL)中攪拌溶液に0℃で5分間にわたって滴下添加した。次いで、反応混合物を0℃で3時間撹拌した。完了したら(TLC:25% EtOAc/ペンタン)、反応混合物を濾過した。次いで、濾液を水(3×20mL)およびブライン(3×20mL)で洗浄した。次いで、有機層を乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮した。次いで、粗残渣をカラムクロマトグラフィー(20~30%EtOAc/ペンタン)によって精製すると、標記化合物が無色油(469mg、34%)として得られた。H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ6.22(dd,J=5.7,3.1Hz,1H),5.94(dd,J=5.7,2.9Hz,1H),4.04(td,J=6.6,4.2Hz,2H),3.23(dq,J=3.4,1.8Hz,1H),2.95(ddd,J=12.6,4.7,3.0Hz,2H),2.71(td,J=7.3,2.2Hz,5H),1.93(ddd,J=12.6,9.3,3.7Hz,1H),1.72(dt,J=7.2,4.0Hz,4H),1.51-1.37(m,14H),1.36-1.26(m,1H);HRMS ES+(m/z):C2034について計算された[M]:386.6090;実測値:386.6097。
【0330】
6-((6-(((2-シアノエトキシ)(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル)オキシ)ヘキシル)ジスルファニル)ヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-カルボキシレート
【化11】
6-((6-ヒドロキシヘキシル)ジスルファニル)ヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-カルボキシレート(496mg、0.87mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(451mg、609μL、3.49mmol)を無水DCM(15mL)に溶解し、活性化モレキュラーシーブ上で、0℃で1時間撹拌した。2-シアノエチルN,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト(413mg、1.74mmol)を添加し、反応混合物を0℃で30分間攪拌し、次いで、1.5時間にわたってゆっくりrtに加温した。完了したら(TLC:25% EtOAc/ペンタン)、反応混合物を飽和NaHCO(3×20mL)で洗浄した。次いで、有機層を乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮し、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(10%EtOAc/ペンタン+1% EtN)によって精製すると、標記化合物が無色油(341mg、67%)として得られた。H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ6.21(dd,J=5.7,3.1Hz,1H),5.94(dd,J=5.7,2.9Hz,1H),4.04(td,J=6.6,4.0Hz,2H),3.92-3.78(m,2H),3.75-3.54(m,4H),3.23(dd,J=4.1,2.3Hz,1H),3.03-2.88(m,2H),2.73-2.67(m,6H),2.07(s,1H),1.92(ddd,J=11.8,9.3,3.7Hz,1H),1.70(d,J=7.2Hz,3H),1.66-1.61(m,4H),1.45-1.39(m,8H),1.30(t,J=4.4Hz,1H),1.21(dd,J=6.8,4.1Hz,14H);31P NMR(162MHz,クロロホルム-d)δ 147.26;HRMS ES+(m/z):C2951PSについて計算された[M]:586.3028;実測値:586.8304。
【0331】
5’ノルボルネン修飾子
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イルメチル(2-シアノエチル)ジイソプロピルホスホロアミダイト
【化12】
Schochおよび共同研究者らによって概説された手順に従って合成した。(J.Schoch、M.Wiessler、A.Jaeschke、Post-Synthetic Modification of DNA by Inverse-Electron-Demand Diels-Alder Reaction、J.Am.Chem.Soc.132(2010)8846-8847.https://doi.org/10.1021/ja102871p.)。H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ6.16(dd,J=5.7,3.1Hz,1H),5.98(ddd,J=8.2,5.8,2.9Hz,1H),3.94-3.76(m,3H),3.62(dpd,J=10.1,6.8,1.4Hz,2H),3.40(ddt,J=38.5,10.1,7.0Hz,1H),3.30-3.14(m,1H),2.96-2.92(m,1H),2.82(q,J=1.8Hz,1H),2.72-2.62(m,2H),1.82(dddd,J=11.7,9.2,3.8,1.1Hz,1H),1.50-1.43(m,1H),1.20(dd,J=6.8,5.6Hz,15H),0.59-0.49(m,1H);31P NMR(162MHz,クロロホルム-d)δ147.18(dd,J=37.8,10.4Hz)。
【0332】
4-(2-アジドエチル)-1H-イミダゾール
【化13】
Yangおよび共同研究者らによって概説された手順に従って合成した。(A Luo.ng、T.Issarapanichkit、S.D.Kong、R.FongおよびJ.Yang pH-Sensitive、N-ethoxybenzylimidazole(NEBI)bifunctional crosslinkers enable triggered release of therapeutics from drug delivery carriers,Org.Biomol.Chem.、2010、8、5105-5109、doi.org/10.1039/C0OB00228C)。淡褐色油が得られた(360mg、95%)。H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.64(s,1H),6.92(s,1H),3.61(t,J=6.7Hz,2H),2.97-2.88(m,2H);LRMS ES+(m/z):Cについて計算された[M];137.1 実測値:138.1[M+H]
【0333】
グアニジンアジド
tert-ブチル(4-アジドブチル)カルバメート
【化14】
Ramosおよび共同研究者らによって概説された手順に従って合成した。(R.Swider、M.Maslyk、J.M.Zapico、C.Coderch、R.Panchuk、N.Skorokhyd、A.Schnitzler、K.Niefind、B.de Pascual-TeresaおよびA.Ramos、Synthesis,biological activity and structural study of new benzotriazole-based protein kinase CK2 inhibitors、RSC Adv.、2015、5、72482、doi.org/10.1039/C5RA12114K)。無色粘着性固体が得られた(361mg、88%)。H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ4.59(br.s,1H),3.33(t,J=6Hz,2H),3.18-3.15(m,2H),1.67-1.56(m,4H),1.46(s,9H)。
【0334】
1-(4-アジドブチル)グアニジン
【化15】
tert-ブチル(4-アジドブチル)カルバメート(360mg、1.0mmol)をDCM/TFA(9:1、16.6mL)に溶解し、室温で一晩撹拌した。有機溶媒を蒸発させ、DCM(10mL)に再溶解し、KCO3(s)でクエンチし、濾過し、蒸発させた。得られた油性生成物を続くステップに直接使用した。
【0335】
半分の量の粗混合物(186mg、1.0当量、1.61mmol)をDCM(15.5mL)に溶解し、引き続いてN,N’-ビス(ベンジルオキシカルボニル)-1H-ピラゾール-1-カルボキサミジン(561mg、1.1当量、1.7nmol)、TEA(0.6mL)を添加した。反応混合物をrtで一晩撹拌した。DCM(15mL)を反応混合物に添加し、次いで、その後、水(2×15mL)、飽和NaHCO(10mL)、ブライン(10mL)で洗浄した。次いで、有機相をMgSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。得られた油をDCM/TFA(2:8、5mL)に溶解し、rtで一晩撹拌した。反応物を固体KCOでクエンチし、濾過し、HO(2×10mL)で洗浄した。水相を蒸発させ、C18カラムで脱塩すると、標記化合物が得られた。LRMS ES+(m/z):C12について計算された[M];156.1 実測値:157.1[M+H]
【0336】
実施例5-NHSエステル系リンカーによるアミン修飾鎖の5’修飾
コンジュゲーションケミストリーを可能にする適切な反応性基を導入するために、5’アミノ修飾RNA鎖を、これを含有するヘテロ二官能性NHSリンカーで処理した。
【0337】
図24は、NHS-エステルリンカーによる5’アミノ修飾RNAの修飾に使用される手順を概説する概略図である。修飾には、テトラジン、アジドおよびジベンゾシクロオクチン(DBCO)が含まれる。
【0338】
一般的なカップリング手順
アミノ修飾オリゴヌクレオチドをストック溶液または脱水アリコートとして調製した。ヘテロ二官能性NHS-エステル(NHS-SM)を無水DMSOに100mMの濃度で溶解した。
【0339】
アミノ修飾オリゴヌクレオチドを100~200μMの最終濃度に希釈し、引き続いてDMSO(総体積の50%)、重炭酸緩衝液(0.5M、pH=8.4、総体積の20%)およびNHS-SM(5~20当量)を添加した。反応混合物を30℃で1~3時間撹拌し、次いで、RP-HPLCによって精製した。より高い体積では、EtOH沈殿およびHOへの再懸濁が推奨される。
【0340】
テトラジンNHSの修飾カップリング手順
アミノ修飾オリゴヌクレオチドをストック溶液または脱水アリコートとして調製した。ヘテロ二官能性NHS-エステル(NHS-SM)を無水DMFに100mMの濃度で溶解した。
【0341】
アミノ修飾オリゴヌクレオチドを100~200μMの最終濃度に希釈し、引き続いて塩化ナトリウム/重炭酸塩緩衝液(100mM NaCl、0.05M、pH=8.4)およびNHS-テトラジン(5~20当量)を添加した。反応混合物を30℃で1時間撹拌し、次いで、RP-HPLCによって精製した。より高い体積では、EtOH沈殿およびHOへの再懸濁が推奨される。
【0342】
図25は、5’アミノ修飾RNAとNHS-PEG-DBCOの反応のRP-HPLCトレースを示す。上のパネルはトレースC-4.2全体を示し、下のパネルは13分でのピークを示し、これは生成物C-4.3を含有する。
【0343】
図26は、5’アミノ修飾siRNAの分取RP-HPLCトレースを示す。上のパネルは出発物質S-1.2を示し、第2のパネルはNHS-PEG5-テトラジンで処理した物質を示し、第3のパネルはNHS-PEG4-アジドで処理した物質を示し、下のパネルはNHS-Cy7で処理した物質を示す。
【0344】
実施例6-siRNAおよびアプタマーのRNAへのIEDDAおよびSPAACコンジュゲーション
IEDDAクリック手順の例
ノルボルネン修飾コア鎖C-4.4(5nmol、1.0当量、50uM最終濃度)を、PBS緩衝液中でテトラジン-NHS(S-1.5、15nmol、3.0当量)を介して官能化されたsiRNAと混合した。反応混合物をrtで12時間撹拌し、引き続いてHypersil Gold C18作業前カラムを使用し、5mL/分の流量で、20分で5%~25% Bの逆相HPLC(A:0.1M TEAA緩衝液pH7、B:MeCN)で精製し、生成物を含有する画分を濃縮し、脱塩すると、44%の単離収率が得られた。
【0345】
SPAACクリック手順の例
DBCO修飾コア鎖(C-4.3、1nmol、1.0当量、50uM最終濃度)を、PBS緩衝液中でアジド官能化siRNA S-1.6(2nmol、2.0当量)と混合した。反応混合物をrtで24時間撹拌した、引き続いて直接PAGE分析を行った。
【0346】
組み立てられたNAナノ粒子でのIEDDA
NAナノ粒子(SQ1-0000-005)を標準的な組み立てプロトコルに従って組み立てて、1つの鎖(C-4.4)が5’位に反応性ノルボルネン部分を有する、10μMの濃度の構築物を得た。次いで、これをPBS中、それぞれ1、2および4モル当量のテトラジン標識siRNA S-1.5で処理した。結果として生じる溶液を30℃で撹拌し、引き続いて8%ネイティブPAGEによって直接分析した(図35)。
【0347】
図27は、RNA鎖の分析用RP-HPLCトレースを示す。上のパネルは未修飾鎖C-4.0を示し、中央のパネルはノルボルネンC-4.4で修飾された類似鎖を示し、下のパネルはテトラジンC-4.3で修飾された類似鎖を示す。
【0348】
図28は、5’ノルボルネン修飾C-4.4 RNAと5’テトラジン修飾siRNA S-1.5のカップリング(1:1モル当量)後の経時的実験の重ね合わせた分析用RP-HPLCトレースを示す。
【0349】
図29は、5’ノルボルネン修飾RNA C-4.4と5’テトラジン修飾siRNA S-1.5のカップリング(1:2モル当量)後の経時的実験の重ね合わせた分析用RP-HPLCを示す。
【0350】
図30は、5’ノルボルネン修飾RNA C-4.4と5’テトラジン修飾siRNA S-1.5のカップリング(1:4モル当量)後の経時的実験の重ね合わせた分析用RP-HPLCトレースを示す。
【0351】
図31は、5’ノルボルネン修飾RNA C-4.4と5’テトラジン修飾アプタマーA-1.3のカップリングの分析用RP-HPLCトレースを示す。上のパネルはテトラジン修飾アプタマーの14.2分までのトレースを示し、中央のパネルは、IEDDAコンジュゲートの12.2分までのトレースを示し、下のパネルは5’ノルボルネン修飾RNAの11.5分までのトレースを示す。
【0352】
図32は、精製された画分を示す、対応するPAGE(15%変性、250V)を用いたIEDDAカップリング鎖(NAナノ粒子コア鎖C-4.4+siRNA S-1.5)の精製を示すHPLCトレースを示す。
【0353】
図33は、アニーリングされたsiRNAセンス鎖およびアンチセンス鎖を示す18% MOPS PAGE(150V、2.5時間、gel red染色)を示す。センス鎖は、IEDDA(C-4.4+S-1.5)を介してコアNAナノ粒子鎖にコンジュゲートされる。レーン1、コア鎖-IEDDAセンス鎖(C-4.4+S-1.5);レーン2、アンチセンス鎖(S-2.1);レーン3、アニーリング産物(C-4.4+S-1.5+S-2.1);レーン4、低分子領域ssRNAラダー。
【0354】
図34は、30°Cで1:1モル当量のコア:アプタマーを使用したIEDDAを介したアプタマーA-1.3へのコアNAナノ粒子鎖C-4.4のコンジュゲーションを示す15%変性PAGE(250V、1時間、gel red染色)を示す。左パネルは6時間の反応時間後のPAGEを示し、右パネルは12時間の反応時間後のPAGEを示す。レーン1、コアNAナノ粒子鎖C-4.4;レーン2、アプタマーA-1.3;レーン3、IEDDA反応混合物;レーンL、低分子領域ssRNAラダー。
【0355】
図35は、完全組み立てNAナノ粒子(SQ1-0000-005)との代表的なIEDDAコンジュゲーションを示すネイティブPAGE(8%、150V、1時間)を示す。レーン1、出発物質;レーン2、1モル当量のsiRNA(S-1.5);レーン3、2モル当量のsiRNA(S-1.5);レーン4、4モル当量のsiRNA(S-1.5)。
【0356】
図36は、アジド官能化siRNA S-1.6を有するコア鎖C-4.3とのSPAACコンジュゲーションの変性PAGE(15%、250V、1時間)を示す。
【0357】
図37は、C-5.2を形成するためのC-5.3のCy7-NHS標識(302nm GelRed/Cy7チャネル)の変性PAGE(15%、250V、1時間)を示す。
【0358】
実施例7-5’修飾RNAに対するCuAAC
アジ化銅-アルキン付加環化(CuAAC)を2つのプロトコルに従って行った;(1)20μl反応のために予めNを流した0.6mlのエッペンドルフに、アジド含有RNA(3μM)、アルキン含有RNA(9μM)、PBS(10x、2ul)、0.6μLの20%(v/v)アセトニトリル/水溶液を添加した。反応混合物を脱気した後、0.3μLの脱気した10mMアスコルビン酸ナトリウム溶液(新たに調製した)を添加し、引き続いて新たに調製した硫酸銅(0.1μl、5mMストック溶液)を添加した。反応混合物を再び脱気し、rtまたは40℃のヒートブロックで1時間インキュベートした。次いで、さらに0.1μlの脱気したアスコルビン酸ナトリウム溶液を反応混合物に添加した。反応混合物を再び脱気し、rtまたは40℃のヒートブロックで1時間インキュベートした。クリックされた生成物を変性PAGEによって分析した。(2)予めNを流した0.6mlのエッペンドルフに、アジド含有RNA(1nmol、1μl)、アルキン含有RNA(1.5nmol、1μl)、MgCl(20mM、0.5μl)、TEAA(0.4M、1μl、pH=7)、DMSO(5μl)および新鮮なアスコルビン酸(25mM、1μl)を添加した。反応混合物を脱気した後、新たに調製したCuBr-TBTA溶液(DMSO/t-BuOH 3:1(v/v)中50mM CuBr/50mM TBTA 1:2(v/v)、0.5μl)を添加した。反応混合物を再び脱気し、rtのシェーカー上で1~2時間放置した。クリックされた生成物を変性PAGEによって分析した。約10~50%のRNA-RNAカップリング効率が観察された。
【0359】
実施例8-内部修飾RNAに対するCuAAC
内部位置(C-5.4、C-5.5)がプロパルギル基で修飾されたRNAに対してCuAACを試みた。
【0360】
内部クリック修飾のための一般的な手順
20μLのアルキン修飾RNA(TEAA 2M中100μM、pH=7.0)、4μLのヘプタエチレングリコール(DMSO中5mM)、20μLのアスコルビン酸ナトリウム10mM(TEAA中 2M、pH=7.0)ならびに20μLのCuSO(DMSO中)およびTHPTA(TEAA中 2M、pH=7.0)の10mM 1:1溶液を用いて100μL溶液を調製した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。この時間の後、混合物を、1.5mLの250mM Tris pH8、10mM過塩素酸ナトリウム、20% MeCNで予めコンディショニングしたDiscovery(登録商標)DSC-SAX SPE Tube(Merck)を通して濾過した。0.75mLの250mM Tris pH8、600mM過塩素酸ナトリウム、20% MeCNを使用して溶出した。LCMS分析前に、Gel-Pak(商標)1.0Desalting Column(Glen)を使用して試料を脱塩した。
【0361】
図38は、クリックされた鎖(1つの位置(鎖C-5.4)、または8つの位置(鎖C-5.5)でPEGおよびコレステロール)の変性ゲル(15%、250V、1時間)を示す。シフトにより、生成物が1またはそれを超えるコレステロール単位にカップリングしていることが明らかになった。レーン1、鎖C-5.4(非コンジュゲート、出発物質);レーン2、鎖C-5.4コレステロールクリック(C18精製);レーン3、鎖C-5.4コレステロールクリック(EtOH沈殿);レーン4、鎖C-5.4PEG7クリック(C18精製);レーン5、鎖C-5.4PEG7クリック(EtOH沈殿);レーン6、鎖C-5.5(非コンジュゲート出発物質);レーン7、鎖C-5.5コレステロールクリック(C18精製);レーン8、鎖C-5.5コレステロールクリック(EtOH沈殿);レーン9、鎖C-5.5PEG7クリック(C18精製);およびレーン10、鎖C-5.5PEG7クリック(EtOH沈殿)。
【0362】
図39は、可逆的ジスルフィド架橋を介した5’-チオール修飾siRNAセンス鎖S-1.1によるナノ粒子コア鎖C-1.1の官能化を示す変性PAGE(15%、250V、1時間)を示す。レーンM、低分子領域ssRNAラダー(NEB、番号N0364S);レーンcr、粗カップリング混合物;レーン1~6、粗カップリング混合物のIEX-HPLC精製後に得られた画分1~6。
【0363】
実施例9-ジスルフィド形成を介したチオール含有RNAの溶液相コンジュゲーション
siRNA分子を、ジスルフィド結合形成を介してコア構築物に結合させた。チオール含有RNAセンス鎖(S-1.1)およびコア鎖(C-1.1またはC-4.1)をDTT(総体積250μLの20 A260単位/mLのRNA当たり4mgのDTT)と混合し、溶液のpHをトリエチルアミンでpH8超に調整し、還元を室温で30分間~2.5時間行った。還元RNAをGel-Pak脱塩カラム(Glen)による脱塩に供し、脱塩画分中のRNA濃度をnanodropでUV吸光度によって決定した。その後、カップリングパートナー(siRNAセンス鎖およびコア鎖)を、鎖の一方、好ましくはsiRNAセンス鎖が2~5倍モル過剰で使用されるように一緒に混合した。最終体積の10%に相当する体積の1M KCO/K(CO緩衝液(pH10)および最終体積の20%に相当する体積のホルムアミドを鎖混合物に添加し、混合物をサーモシェーカー上室温で一晩インキュベートした。次いで、カップリング生成物をIEX-HPLCによって精製し、精製した生成物を250Vの定電圧で1×TBE中の変性PAGE(15%)にローディングした。GelRed(商標)を使用してゲルバンドを可視化した(図39)。
【0364】
実施例10-ペプチド合成および結合
固相ペプチド合成-実施例手順
以下の溶液を調製した:脱保護溶液:DMF中20%ピペリジン;活性剤溶液:DMF中0.25M HATU;塩基性溶液:DMF(5.54mL)中2,6-ルチジン(2.05mL)+DIPEA(1.96mL);キャッピング溶液:DMF(18mL)中AcO(0.92mL)+2,6-ルチジン(1.3mL);アミノ酸溶液:DMF中0.2M。
【0365】
予めローディングしたアミノ系樹脂(上記の通り)(50mg)を室温で30分間DMF(3mL)中で膨潤させた。次いで、DMFを排出し、樹脂をDMF中20%ピペリジンに浸漬した(このステップを繰り返した)。次いで、樹脂をDMF(3×3mL)、DCM(3×3mL)で洗浄し、再びDMF(3×3mL)で洗浄した。別の容器で、所望のアミノ酸溶液(1.29mL)、HATU(452μL、4.5当量)および塩基溶液(110μL)を混合し、次いで、樹脂に添加した。次いで、結果として生じる懸濁液をrtで30分間撹拌し、シリンジをフラッシュし、カップリングステップを繰り返した。カップリングの成功をカイザーテストで監視した。カップリングが成功した後、樹脂をDMF(3×3mL)、DCM(3×3mL)およびDMF(3×3mL)で洗浄した。次いで、樹脂をキャッピング溶液(上記参照)に5分間浸漬した。シリンジをフラッシュし、樹脂をDMF(3×3mL)、DCM(3×3mL)およびDMF(3×3mL)で洗浄した。次いで、所望の配列が得られるまで、(脱保護ステップから)プロセスを繰り返した。
【0366】
樹脂をTFA/フェノール/水/TIPS(88/5/5/2)の混合物に浸漬し、3時間撹拌し、引き続いて氷冷ジエチルエーテル中に滴下沈殿させることによって、樹脂からの切断を達成した。次いで、結果として生じる沈殿を酢酸に溶解し、凍結乾燥すると、所望のペプチドが酢酸塩として得られた。
【0367】
精製
ペプチドおよびペプチドコンジュゲートのHPLC分析および精製を、RESOURCE(商標)RPC3カラム(3mL、6.4mm×100mm)を備えたThermo Fisher Vanquish Coreで実施した。試料をDMSOに溶解し、注入した。流量3mL/分;溶離液A:HO(0.1% TFA);溶離液B:MeCN(0.1% TFA)。
【0368】
15分で0~100%Bの勾配、引き続いて5分間100%Bを利用した。
【0369】
合成ペプチドの質量分析
本明細書で使用されるペプチドを表7に記載する。
【表7】
【0370】
図40は、マレイミド修飾GFWFGのRP HPLCトレースを示す。15分で0~100% B(A=H2O+0.1% TFA;B=MeCN+0.1% TFA)。
【0371】
図41は、左パネルにおいて、同じ鎖のチオール-RNA C-2.1対ペプチドコンジュゲートRNAの変性PAGEおよび右パネルにおいて、コンジュゲーション反応混合物の粗RP HPLCトレースを示す。30分のピークはチオール-RNAに対応する。50分のピークは、ペプチド-RNA産物である。
【0372】
実施例11-マレイミド官能化ペプチドのチオール含有RNAへの溶液相コンジュゲーション
実施例手順
凍結乾燥オリゴヌクレオチドC-2.1(234nmol)を水(1mL)に溶解し、2つの別々のバイアルに分割した。各バイアルに、EtN(10μL)および50μLのDTTの1M溶液を添加した。次いで、結果として生じる溶液をrtで2.5時間撹拌した。次いで、過剰のDTTをGelPak脱塩カラム(Glen Research)で除去し、RNA濃度を測定した。96nmolの完全脱塩RNAを回収した。2つの脱塩オリゴを合わせてプールして、HO中総体積を3.6mLとした。これに、TEAA(100mM、pH=7、0.8mL)を添加した。ペプチド(RNAに対して10当量)を、別のバイアルにおいて、MeCN中20%ホルムアミドに溶解して、50mMの濃度を得た。これを新たに脱塩したオリゴ溶液に添加すると、顕著な沈殿が生じた。DMSO(4.4mL)を添加して、TEAA/DMSOの1:1(v/v)混合物を得て、ペプチドを可溶化し、オリゴの変性を補助した。反応混合物をrtで16時間撹拌した。RNA-ペプチドコンジュゲートに対するRNAの保持時間の差はおよそ20分であるので、これはRP HPLCによって直接精製することができる。
【0373】
実施例12-FlICkケミストリー
FlICkケミストリーを介したRNA-カーゴコンジュゲーションの成功を可能にするためには、2つの重要な官能基:オルト-フタルアルデヒドならびに末端アミンおよびチオールを有する「ピンサー」配置が必要である。オリゴヌクレオチドの5’末端は、それだけに限らないが、以下に示されるCys-Lysジペプチドを含む任意のCys-Lys含有ペプチドで修飾され得る。この修飾は、オルト-フタルアルデヒド保有分子でステープリング反応が起こることを可能にする。
【化16】
【0374】
オルト-フタルアルデヒド修飾オリゴヌクレオチドは、DNAをタンパク質にカップリングさせるために文献で使用されている(Y.Ma、Z.Lv、T.Li、T.Tian、L.Lu、W.Liu、Z.Zhu、C.Yang、Design and synthesis of ortho-phthalaldehyde phosphoramidite for single-step,rapid,efficient and chemoselective coupling of DNA with proteins under physiological conditions、Chem.Commun.54(2018)9434-9437.https://doi.org/10.1039/c8cc05037f.)。この方法論は、FlICkケミストリーを誘発するために所望の官能基を有するRNAカーゴを官能化するためにここで適用され得る。この合成で使用される中間体(以下)はまた、それだけに限らないが、ペプチド、タンパク質、抗体、脂質および治療用低分子を含む代替カーゴを官能化するために使用され得る。
【化17】
【0375】
図42は、FlICkケミストリーで使用するためのオルト-フタルアルデヒド含有ホスホロアミダイトの合成スキームを示す。Maおよび共同研究者らによって概説された文献方法に基づく(Y.Ma、Z.Lv、T.Li、T.Tian、L.Lu、W.Liu、Z.Zhu、C.Yang、Design and synthesis of ortho-phthalaldehyde phosphoramidite for single-step,rapid,efficient and chemoselective coupling of DNA with proteins under physiological conditions、Chem.Commun.54(2018)9434-9437.https://doi.org/10.1039/c8cc05037f)。
【0376】
実施例13-細胞傷害性ヌクレオチド
それだけに限らないが、アリストマイシン、ネオプラノシンA、リバビリン、ピラゾフリン、シタラビンアラビノシド(ara-C)、ゲムシタビン、クラドリビン(2-CdA)、ショードマイシン、エラシタラビンを含む細胞傷害性ヌクレオシドは、オキシムなどの刺激応答性リンカーを介して核酸ナノ粒子に結合され得る。これらは、ヌクレオシド上の任意の所与のOHに連結され得、Meyerおよび共同研究者らによって概説された方法論を利用して、フタルイミドオキシ修飾オリゴヌクレオチドを介して結合されよう(以下に示される構造)。(Y.Ma、Z.Lv、T.Li、T.Tian、L.Lu、W.Liu、Z.Zhu、C.Yang、Design and synthesis of ortho-phthalaldehyde phosphoramidite for single-step,rapid,efficient and chemoselective coupling of DNA with proteins under physiological conditions、Chem.Commun.54(2018)9434-9437.https://doi.org/10.1039/c8cc05037f.)。
【化18】
【0377】
あるいは、これらの化合物は、ホスホロアミダイトケミストリーを介して核酸骨格に組み込まれてもよく、切断されやすい配列に囲まれてもよく、または自己犠牲リンカーに直接結合されてもよい(C.A.Blencowe、A.T.Russell、F.Greco、W.Hayes、D.W.Thornthwaite,Self-immolative linkers in polymeric delivery systems、Polym.Chem.2(2011)773-790.https://doi.org/10.1039/c0py00324g.)。例えば、リバビリンは、このケミストリーを利用してオリゴ内の任意の内部に組み込まれ得る。この化合物(以下)は当技術分野で公知である(.I.Dawson、A.N.Jina、S.Torkelson、S.Rhee、M.Moore、D.A.Zarling、P.D.Hobbs、Synthesis and characterization of a ribavirin-3’,5’-phosphate pentadecamer homoribopolymer bearing a 5’-amino tether group and a 3’-thymidine、Nucleic Acids Res.18(1990)1099-1102.https://doi.org/10.1093/nar/18.5.1099.)。
【化19】
【0378】
この一般式を有する化合物は、成分オリゴヌクレオチド鎖全体に組み込まれ得る:
【化20】
【0379】
犠牲リンカーを有するリバビリンホスホロアミダイトの例を以下に示す。カーボネートに隣接するジスルフィドは、長い間、高分子プロドラッグとして使用されてきた(A.Kock、K.Zuwala、A.A.A.Smith、P.Ruiz-Sanchis、B.M.Wohl、M.Tolstrup、A.N.Zelikin、Disulfide reshuffling triggers the release of a thiol-free anti-HIV agent to make up fast-acting,potent macromolecular prodrugs、Chem.Commun.50(2014)14498-14500.https://doi.org/10.1039/c4cc04280h.;X.Hu、J.Hu、J.Tian、Z.Ge、G.Zhang、K.Luo、S.Liu、Polyprodrug amphiphiles:Hierarchical assemblies for shape-regulated cellular internalization,trafficking,and drug delivery、J.Am.Chem.Soc.135(2013)17617-17629.https://doi.org/10.1021/ja409686x.;S.Bhuniya、S.Maiti、E.J.Kim、H.Lee、J.L.Sessler、K.S.Hong、J.S.Kim、An activatable theranostic for targeted cancer therapy and imaging、Angew.Chemie-Int.Ed.53(2014)4469-4474.https://doi.org/10.1002/anie.201311133.)。この化合物の提案される合成を図49に概説する。
【化21】
【0380】
図49は、自己犠牲リバビリンホスホロアミダイトの合成スキームを示す。(i)DMTrCl、ピリジン(ii)TBDMSCl、AgNO、ピリジン(iii)2-((2-(((4-ニトロフェノキシ)カルボニル)オキシ)エチル)ジスルファニル)エチルアセテート、TEA、DCM、(iv)AcOH(v)2-((2-(ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)エチル)ジスルファニル)エチル(4-ニトロフェニル)カーボネート、TEA、DCM(vi)KCO、MeOH(vii)CEP-Cl、ピリジン、DCM。
【0381】
実施例14-コンジュゲートsiRNAの生物学的活性
アンチセンス鎖のアニールメント
等モル量の(i)siRNAアンチセンス鎖(S-2.1)および(ii)センス鎖またはセンス鎖コンジュゲートをそれぞれ、ヌクレアーゼフリー水中20μMの最終濃度で混合した。混合物を5分間95℃に加熱し、引き続いてサーモサイクラー中0.1℃/秒の速度で20℃まで温度を降下させた。アニーリングをMOPS緩衝液(20mM MOPS、5mM NaOAc、2.25mM MgCl、pH 7.0)中のネイティブPAGEによって確認した(図33-18%MOPS PAGE)。
【0382】
トランスフェクション、逆転写およびqPCR
ヒトMDA-MB-231乳がん細胞を分割し、計数し、DMEM(10%FBSおよび1%ペニシリン/ストレプトマイシンを補充した)に希釈し、7×10細胞/ウェルの密度で24ウェルプレートに蒔いた。蒔いた24時間後、30~50%のコンフルエンスで、細胞を、ポロ様キナーゼ1(PLK1)に対する20nMのsiRNAまたはsiRNAコンジュゲートでトランスフェクトした。siRNAのトランスフェクションを、非標的化siRNAによる対照トランスフェクション(siGENOME RISC-Free Control siRNA、Horizon Discovery番号D-001220-01-20)と非トランスフェクト細胞の両方と比較した。トランスフェクション混合物を以下のように調製した:siRNAをOpti-MEM(登録商標)中120 nMの濃度に希釈した。次いで、lipofectamine(商標)2000トランスフェクション試薬の1:100希釈液をOpti-MEM(商標)中で調製し、室温で5分間インキュベートした。等体積の希釈siRNAおよび希釈リポフェクタミンを穏やかに混合し、室温で20分間インキュベートし、その間に細胞の成長培地を吸引し、200μlの完全成長培地で置き換えた。その後、100μl/ウェルのsiRNA-リポフェクタミン混合物を細胞に添加して、20nMのsiRNAの最終濃度を得た。プレートを穏やかに揺動させ、CO2インキュベーター内に37℃で置いた。24時間後、成長培地を500μlの完全培地で置き換えた。トランスフェクションの48時間後、細胞をPBSで2回洗浄し、プレートを-70℃で凍結した。
RNeasy Plus Mini Kit(Qiagen)を製造者の指示に従って使用して、凍結トランスフェクト細胞からRNAを単離した。供給業者のプロトコルに従って、200 UのSuperScript III逆転写酵素(Thermo Fisher Scientific)および0.5μlのランダムプライマーを含有する20μlの反応液中で200 ngのRNAから一本鎖cDNAを合成した。目的の各遺伝子について、7.5μLのPowerUp SYBR Green Master Mix(Thermo Fisher Scientific)を5μMの組み合わせた順方向プライマーおよび逆方向プライマー1μLならびに1.5μLのRNAseフリー水(単一反応用)と合わせることによって、qPCRマスターミックスを調製した。次いで、10μLのマスターミックスを96ウェルプレートのウェルに等分し、5μLの1:30希釈cDNAを添加した。各条件を3連でピペッティングした。プレートを光学接着カバーで密封し、QuantStudio 5 Real Time PCR機器にローディングした。サイクリング条件は、50℃で2分(1サイクル);95℃で2分、95℃で1秒および60℃で30秒(40サイクル);引き続いて、融解曲線分析(連続蛍光測定により95℃で1秒、60℃で30秒、および60℃から90℃への増加)とした。
【0383】
図43は、qPCRによって得られた、ジスルフィドまたはIEDDAカップリングを介してPLK1標的化siRNAにコンジュゲートした20nMのRNA鎖によるトランスフェクションの48時間後のMDA-MB-231乳がん細胞におけるPLK1mRNAの発現レベルを示すグラフである。1列、RNA対照なし(リポフェクタミン2000のみで処理した細胞);2列、リポフェクタミン対照なし(siRNAで処理した細胞);3列、センス鎖のみの対照(5’→5’ジスルフィド結合形成を介してセンス鎖S-1.1にコンジュゲートされたコア鎖C-4.1でトランスフェクトした細胞、アンチセンス鎖は付加されていない);4列、コア鎖とsiRNA二本鎖の5’→5’へのジスルフィド架橋コンジュゲート(C-4.1+S-1.1+S-2.1);5列、siRNA二本鎖(5’チオールを使用、S-1.1+S-2.1);6列、コア鎖とsiRNA二本鎖の5’→5’ IEDDAカップリングコンジュゲート(C-4.4+S-1.5+S-2.1);7列、siRNA二本鎖(3’チオールを使用、S-1.7+S-2.1);8列、コア鎖とsiRNA二本鎖の5’→3’ジスルフィド架橋コンジュゲート(C-4.1+S-1.7+S-2.1)。
【0384】
図43に示されるように、この研究で試験した全てのsiRNAコンジュゲートは、生物学的に活性のままであり、MDA-MB-231乳がん細胞におけるPLK1mRNAレベルの60~90%の減少をもたらした。
【0385】
実施例15-コンビナトリアルカーゴ-siRNA
核酸ナノ粒子の搭載能力を増加させるために、2つのPLK1 siRNA(センス鎖)を、コンビナトリアルリンカー設計を使用して互いに直接コンジュゲートした。TTTTスペーサーおよびジスルフィドの2つのコンジュゲーション戦略を使用した。配列を表8に示す。
【表8-1】
【表8-2】
【0386】
コンビナトリアルsiRNAの合成を、実施例2に概説される慣用的な固相技術を使用して行った。ジスルフィド連結鎖の場合、5’チオールC6修飾子(Glen)を第1のsiRNA配列の5’末端に付加した。次いで、DMT基を除去し、鎖を通常通り伸長させた。
【0387】
実施例14に概説されるプロトコルに従ってコンビナトリアルsiRNAでトランスフェクトした細胞のRT-qPCR分析は、両コンビナトリアル設計戦略(4.および5.)が、古典的な単一siRNA設計(3)と比較してMDA-MB-231細胞においてより高いノックダウン活性をもたらすことを示した。
【0388】
図44は、IEDDAカップリング反応混合物の分析変性PAGE(250V、1時間、gelred染色)を示す。レーン1、RNA S-1.5(出発物質);レーン2、S-3.1(出発物質);レーン3、C-4.4(出発物質);レーン4、S-1.5にコンジュゲートしたC-4.4(IEDDA)、脱塩;レーン5、S-1.5にコンジュゲートしたC-4.4(IEDDA)、EtOH沈殿;レーン6、S-3.1とコンジュゲートしたC-4.4、脱塩;およびレーン7、S-3.1にコンジュゲートしたC-4.4、EtOH沈殿。
【0389】
図45は、qPCRによって得られた、20 nMの示されたsiRNAによるトランスフェクションの48時間後のMDA-MB-231乳がん細胞におけるPLK1 mRNAの発現レベルを示すグラフである。示されるデータは、2回の生物学的反復実験から得た。スクランブルsiRNAは、RISC相互作用についての能力が損なわれた市販の非標的化siRNAを示す(siGENOME RISC-Free Control siRNA、Horizon Discovery、D-001220-01-20)。
【0390】
図50は、非変性PAGEを介して組立体の3つの異なるバージョンを示す。組立体の増加した搭載の特性評価を、75分間の実行時間を用いて100Vにおいて6%非変性PAGEで行った。形成された構築物は、(i)アプタマーを含まないS-A0構築物(SQ1-0000-001とも呼ばれ、鎖C-1.0、C-2.0、C-3.0、C-4.0、C-5.0で構成される)、(ii)1つのsiRNAを含むSQ-0100-001構築物(SQ16とも呼ばれ、鎖C-1.0、C-2.0、C-3.0、C-4.4、C-5.0、S-1.5、S-2.0で構成される)、(iii)2つのsiRNAを含むSQ-0200-001構築物(SQ-17とも呼ばれ、C-1.0、C-2.0、C-3.0、C-4.4、C-5.0、S-3.1、S-2.0鎖で構成される)を、10μMの最終濃度で、2mM MgCl2を補充したPBS中で等モル量で合わせた。鎖を5分間95℃に加熱し、室温までゆっくり冷却した。組立体の各バージョンについて、1 pmolをゲルにローディングした。ゲルの実行後染色を、GelRed染色を用いて行った。組立体上のsiRNAの数が増加するにつれて、ゲルシフトがあることが分かる。
【0391】
実施例16-コンビナトリアルカーゴ-GalNAc/siRNA
N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)-siRNAコンジュゲートは、裸のsiRNA送達に関連する課題を克服するために広く研究されてきた。原型siRNAコンジュゲートは、アシアロ糖タンパク質受容体(ASGPR)に結合するGalNAcの三量体である(Springer,A.D.;Dowdy,S.F.GalNAc-SiRNA Conjugates:Leading the Way for Delivery of RNAi Therapeutics.Nucleic Acid Ther.2018,28(3),109-118.)。このモチーフは、コンビナトリアルカーゴ設計の一部として使用され得る。これは、ホスホロアミダイトケミストリーを介して、例えば5’末端でS-3.0からS-4.1への伸長として結合され得る。この修飾は、(4-(トリメトキシトリチルオキシメチル)-1-(6-(4-(3,4,6-O-トリアセチル-2-アセチルアミノ-2-デオキシ-β-D-ガラクトピラノシル)ブタンアミド)ヘキサノイル)ピペリジン-4-イル)メチル-O-[(2-シアノエチル)-(N,N-ジイソプロピル)]ホスホロアミダイト(Glen Research)を用いた標準的な固相合成によって組み込まれるであろう。
【0392】
図51は、GalNAc C3 5’ホスホロアミダイト(Glen)を介して一価および三価GalNAcにカップリングしたコンビナトリアルカーゴ(siRNA)の概略図である。
【0393】
図52は、合成後IEDDAコンジュゲーションのための5’GalNAc修飾子の合成の概略図である。GalNAc C3 CPG(Glen)をGalNAc C3 5’ホスホロアミダイト(Glen)および5’ノルボルネンホスホロアミダイトで鎖伸長し、引き続いて標準的なRNA脱保護条件(AMA/HF)を適用する。
【0394】
合成後アプローチをとることもできる。三価GalNAcは、固相合成とそれに続くビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イルメチル(2-シアノエチル)ジイソプロピルホスホロアミダイトによる直接伸長を介して、安価かつ容易に合成され得る。
【0395】
実施例17-コンビナトリアルカーゴ-コレステロールおよびGalNAcへの二重コンジュゲーション
siRNAコンジュゲートの有効性を改善するためのほとんどの戦略は、例えば、リガンド結合価、間隔、電荷、リンカー長およびリンカー疎水性を最適化することによって、コンジュゲートされたリガンドの効力を増強することに焦点を当てるか、または治療用siRNAの化学的安定性を増強することを目的とする。異なるアプローチは、複数のリガンドおよび複数のsiRNA分子を組み合わせて単一コンジュゲートにすることであろう。
【0396】
図53は、修飾ホスホロアミダイトを介してコレステロールおよび三価GalNAcに二重コンジュゲートしたコンビナトリアルカーゴ(siRNA)の概略図である。
【0397】
このような戦略は、治療ペイロードを増加させ、多重遺伝子サイレンシングを可能にし、同時に、コンジュゲートの薬物動態特性を微調整することを可能にするであろう。オリゴヌクレオチドの固相合成中の二本鎖siRNAへのコレステロールおよび三価または四価GalNAc部分の結合は、2つのmRNAを標的とするために使用することができ、それによりコンジュゲートの送達が、GalNAcのおかげで肝細胞に制限され、潜在的な腎毒性が、腎蓄積を減少させるコレステロールのために制限され得る(F.Wada、T.Yamamoto、T.Ueda、M.Sawamura、S.Wada、M.Harada-Shiba、S.Obika、Cholesterol-GalNAc Dual Conjugation Strategy for Reducing Renal Distribution of Antisense Oligonucleotides、Nucleic Acid Ther.28(2018)50-57.https://doi.org/10.1089/nat.2017.0698)。コレステロールおよびGalNAcリガンドは、以前に記載されたような単一GalNAc部分を有するホスホロアミダイト(K.G.Rajeev、J.K.Nair、M.Jayaraman、K.Charisse、N.Taneja、J.O’Shea、J.L.S.Willoughby、K.Yucius、T.Nguyen、S.Shulga-Morskaya、S.Milstein、A.Liebow、W.Querbes、A.Borodovsky、K.Fitzgerald、M.A.Maier、M.Manoharan、Hepatocyte-Specific Delivery of siRNAs Conjugated to Novel Non-nucleosidic Trivalent N-Acetylgalactosamine Elicits Robust Gene Silencing in Vivo、ChemBioChem.16(2015)903-908.https://doi.org/https://doi.org/10.1002/cbic.201500023)および5’-コレステロール-TEG-CEホスホロアミダイトからの標準的な固相合成を介して組み込まれるであろう。二重リガンド二重siRNAは、合成後クリック反応で、例えば鎖C-4.4へのIEDDA媒介コンジュゲーションを介して、RNAナノ粒子足場鎖にさらに結合され得る。
【0398】
実施例18-アプタマー結合の評価
ハイブリダイゼーションによるアプタマーの結合
(i)アプタマーを含まないCy3標識S-A0構築物(SQ1-0000-001とも呼ばれ、鎖C-1.0、C-2.0、C-3.0、C-4.0、C-5.1で構成される)、(ii)1つのアプタマーを含むS-A1構築物(SQ1-1000-001とも呼ばれ、鎖C-1.3、C-2.0、C-3.0、C-4.0、C-5.1で構成される)、(iii)2つのアプタマーを含むS-A2構築物(SQ-2000-001とも呼ばれ、鎖C-1.3、C-2.0、C-3.2、C-4.0、C-5.1で構成される)、および(iv)4つのアプタマーを含むS-A4構築物(S-4000-001とも呼ばれ、C-1.3、C-2.3、C-3.2、C-4.5、C-5.1で構成される)に組み立てられるように設計された5つの四角形足場RNA鎖を、10μMの最終濃度で、2mM MgCl2を補充したPBS中で等モル量で合わせた。5つの鎖を5分間95℃に加熱し、室温までゆっくり冷却した。アプタマー(A-1.1)を3分間75℃に加熱し、次いで、それぞれ0、等モル、2倍モルまたは4倍モル当量でコア鎖組立体に混合した。次に、混合物を55℃で10分間インキュベートして、アプタマー鎖を構築物にハイブリダイズさせた。ナノ粒子の品質をネイティブPAGEによって評価した。
【0399】
アプタマー結合アッセイ
高レベルの上皮成長因子受容体(EGFR)を発現する細胞株であるA431類表皮癌細胞を、アプタマー構築物による処理の48時間前に、0.75×10細胞の濃度で24ウェルプレートに蒔いた。培地を24時間後に一回更新した。蒔いた後2日目に、細胞を1mLのDPBSで洗浄し、10% FBSを補充したDMEM中200μLの200 nM構築物(S-A0/SQ1-0000-001、S-A1/SQ-1000-001、SQ-A2/S-2000-001、SQ-A4/S-4000-001)で処理した。細胞を37℃で2時間インキュベートした。次いで、培地を吸引し、細胞を、37℃で5分間、200μLの0.25%(w/v)トリプシンでトリプシン処理した。完全成長培地で中和した後、細胞をエッペンドルフチューブに等分し、4℃4分間、300×gで遠心分離した。培地を吸引し、細胞を1mLのMACS緩衝液に再懸濁し、次いで、メッシュFACSチューブを通して移した。この洗浄手順を2回繰り返した。細胞を最終的に200μLのMACS緩衝液に再懸濁し、フローサイトメトリー分析前に氷上に保った。
【0400】
フローサイトメトリー
細胞へのアプタマー結合を、FACS Divaソフトウェアを用いてBD LSRFortessa(商標)Flow Cytometerで試験した。フローサイトメトリー測定の約5分前に、細胞を2μLの1:10希釈DAPI溶液で染色して、生細胞と死細胞との識別を可能にした。DAPIシグナルを405nmレーザーおよび450/50 nmフィルタで検出し、Cy3蛍光を561nmレーザーおよび586/15nmフィルタで収集した。ゲーティング、データ分析およびプロットは、macOS用FlowJo(商標)ソフトウェアv.10.7.1を用いて実施した。Cy3+細胞の量および蛍光強度の幾何平均を列挙するヒストグラムを抽出し、GraphPad PrismのTukey一元配置分散分析を使用して統計分析を実施した。
【0401】
図46は、200nMの濃度の10%熱不活性化FBSを含む細胞培養培地中で2時間インキュベートした後の、0、1、2または4個のEGFR標的化アプタマー(A-1.1)を保有するCy3標識構築物のEGFR過剰発現A431がん細胞への結合を示すグラフを示す。A、アプタマーA-1.1;(★)、Cy3
標識;(**)、p≦0.01;(***)、p≦0.001;(****)、p≦0.0001;示されていない場合は有意ではない。
【0402】
実施例19-RNAナノ粒子取り込みの評価
200nMのCy5標識E07min A-1.0アプタマー(A-1.0)または200nMのCy5標識構築物(SQ1-1000-001)で処理した後、共焦点顕微鏡法によって細胞を画像化した。アプタマー取り込み実験のために、10% v/vのFBSを含有する300μLのDMEM中のμ-Slide 8ウェルibidi処理チャンバー(IBIDI)の各ウェルに1×10細胞を蒔いた。取り込み実験のために、3.4×10細胞(HeLa、MDA-MB-231およびA549細胞)または6.8×10細胞(Mcf-7)を、10% v/vのFBSを含有する100μLのDMEM中のμ-Slide 18ウェルibidi処理チャンバー(IBIDI)の各ウェルに蒔いた。細胞が接着した5時間後および画像化の48時間前に、37℃の一晩のインキュベーションのために、培地を50粒子/細胞(PPC)CellLight初期エンドソーム-GFP(Thermo Fisher Scientific)で置き換えた。さらに、200 nMアプタマーを含有する200μLのDMEMアリコートを、対応するインキュベーション時点で細胞に添加した。その後、培地を除去し、100~200μLのDMEM中の60nM LysoTracker Red DND-99(Thermo Fisher Scientific)と37℃で1時間交換した。次いで、細胞をハンクス平衡塩溶液(HBSS)(Gibco)で1回洗浄した。最後に、100~200μLの画像化培地(pH7.4に調整した、20mMの4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)で緩衝したHBSS)を細胞に添加した。共焦点画像を、60倍油浸対物レンズを使用してEVOS顕微鏡またはZeiss LSM510レーザー走査顕微鏡で捕捉した。ImageJソフトウェアを使用して画像を生成した。
【0403】
図47は、アプタマーが内部移行後にリソソームに蓄積することを示す顕微鏡像を示す。E07minアプタマー(A-1.0)で処理した後の生HeLa細胞の代表的な共焦点蛍光顕微鏡による画像(時間の長さを増加させて、倍率60倍)。Lysotrackerおよび初期エンドソームGFP染色を使用して、各区画を同定した。スケールバー、50μm。
【0404】
共焦点データは、E0O7minアプタマーを有するCy5標識構築物(SQ1-1000-001)が、EGFRを発現するがん細胞によって特異的に取り込まれることを実証した(図47)。
【0405】
さらなる取り込み実験のために、MDA-MB-231細胞を計数し、18ウェルIBIDIチャンバーにおいて3.4×10細胞/ウェルの細胞密度で播種した。24時間後、細胞を洗浄し、Opti-MEM(商標)中の単一EGFR標的化E07minアプタマーを保有する200nM Cy5標識構築物(SQ1-1000-001)で4、8および24時間処理した。画像化前に、核二本鎖DNAをHoechst 33342で染色した。蛍光顕微鏡による画像を、60倍油浸対物レンズ(NA1.35)を使用してOlympus IX81顕微鏡で捕捉した。ImageJソフトウェアを使用して画像を分析した。
【0406】
図48は、RNAナノ粒子が細胞への内部移行後に核周囲空間に蓄積することを示し、エンドソーム取り込みを示唆する顕微鏡像を示す。倍率60倍の、単一アプタマーを保有する200nMのCy3標識構築物(S-A1/S-1000-001)で4時間、8時間および24時間処理した後の生MDA-MB-231細胞の代表的な蛍光顕微鏡による画像。核をHoechst 33342で染色し、構築物をCy5で標識した(明るい白色スポットとして現れる)。スケールバー、20μm。
【0407】
図48に示される顕微鏡によるデータは、E0O7minアプタマー(SQ1-1000-001)を有するCy5標識構築物ががん細胞によって取り込まれ、核周囲領域に濃縮されることを実証している。当業者であれば、核周囲空間がエンドソーム小胞およびリソソームに富むことが知られている領域であり、共局在アッセイなどの方法を使用してエンドソームおよびリソソームへの取り込みを実証することができることを認識する。
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【配列表】
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【国際調査報告】