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特表2023-523376検査チップに用いられる分析装置およびその操作方法、分析システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-05
(54)【発明の名称】検査チップに用いられる分析装置およびその操作方法、分析システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/17 20060101AFI20230529BHJP
   G01N 35/04 20060101ALI20230529BHJP
   C12M 1/00 20060101ALI20230529BHJP
   C12M 1/34 20060101ALI20230529BHJP
   C12Q 1/686 20180101ALN20230529BHJP
【FI】
G01N21/17 A
G01N35/04 G
C12M1/00 A
C12M1/34 Z
C12Q1/686 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021575013
(86)(22)【出願日】2021-03-12
(85)【翻訳文提出日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 CN2021080428
(87)【国際公開番号】W WO2021218443
(87)【国際公開日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】202010367897.7
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.FIREWIRE
3.THUNDERBOLT
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】侯 孟▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ ▲瓊▼
(72)【発明者】
【氏名】王 友学
(72)【発明者】
【氏名】耿 ▲凱▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 祝▲凱▼
(72)【発明者】
【氏名】于 静
【テーマコード(参考)】
2G058
2G059
4B029
4B063
【Fターム(参考)】
2G058BB02
2G058BB09
2G058CD12
2G058GA01
2G059AA01
2G059AA06
2G059BB12
2G059CC16
2G059DD13
2G059DD16
2G059EE01
2G059EE02
2G059EE07
2G059FF03
2G059GG01
2G059HH01
2G059HH02
2G059JJ02
2G059JJ12
2G059KK04
2G059MM01
4B029AA07
4B029BB20
4B029CC01
4B029FA12
4B029GA03
4B029GB06
4B063QA01
4B063QQ42
4B063QQ52
4B063QR08
4B063QR32
4B063QR62
4B063QS25
4B063QX02
(57)【要約】
検査チップに用いられる分析装置、分析システムおよび分析装置を操作する方法を提供する。該分析装置は、搭載部と、温度制御部と、信号検出部と、を含む。搭載部は、使用中に検査チップを受け取り載置し、かつ検査チップを移動できるように構成される。温度制御部は、ヒータ及び冷却器を含む。ヒータは、検査チップを加熱するように構成され、冷却器は、検査チップを冷却するように構成される。信号検出部は、光学センサを含む。光学センサは、検査チップからの光を受光し、かつ前記光に基づいて検出を行うように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搭載部と、温度制御部と、信号検出部と、を含み、検査チップに用いられる分析装置であって、
前記搭載部は、使用中に検査チップを受け取って載置し、かつ前記検査チップを移動できるように構成され、
前記温度制御部は、ヒータ及び冷却器を含み、ここで、前記ヒータは、前記検査チップを加熱するように構成され、前記冷却器は、前記検査チップを冷却するように構成され、
前記信号検出部は、光学センサを含み、ここで、前記光学センサは、前記検査チップからの光を受光し、かつ前記光に基づいて検出を行うように構成された検査チップに用いられる分析装置。
【請求項2】
前記搭載部は、
検査チップを載置し、かつ少なくともその一部が駆動されることができるように構成された輸送構造と、
前記輸送構造を駆動することにより、前記検査チップを第1位置と、第2位置と、第3位置との間に往復移動させることができるように構成されたドライバと、を含み、
ここで、前記第1位置は、前記検査チップを前記輸送構造に収容することを可能にし、
前記第2位置は、前記温度制御部が前記検査チップの温度を調整することを可能にし、
前記第3位置は、前記信号検出部の前記光学センサが検査チップからの前記光を受光することを可能にする請求項1に記載の分析装置。
【請求項3】
前記輸送構造は、
使用中に前記検査チップを載置するように構成されたステージと、
前記ドライバに接続されることにより、前記ドライバの駆動に応じて移動するように構成された可動プラットフォームと、
前記ステージと前記可動プラットフォームとを接続することにより、可動プラットフォームが駆動される時にステージを駆動できるように構成されたホルダと、を含む請求項2に記載の分析装置。
【請求項4】
前記ホルダは、
前記ステージを載置するように構成された第1部分と、
使用中に前記可動プラットフォームに接続されるように構成された第2部分と、を含み、
ここで、前記第1部分は、第1方向に沿って延在し、前記第2部分は、第2方向に沿って延在し、かつ前記第1方向は、前記第2方向に垂直である請求項3に記載の分析装置。
【請求項5】
前記ステージは、抜き領域を有することにより、前記検査チップが前記ステージに配置される場合、前記検査チップの前記ステージと接触する側面を少なくとも局所的に前記冷却器に露出させる請求項3に記載の分析装置。
【請求項6】
前記検査チップは、加熱電極を含み、
前記ヒータは、コンタクト電極を含み、前記コンタクト電極は、使用中に前記検査チップの前記加熱電極と電気的に接触するように構成され、
前記ヒータは、前記コンタクト電極により前記検査チップの前記加熱電極に電気信号を印加することにより、前記加熱電極が前記検査チップを加熱するようにさらに構成される請求項1~5のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項7】
前記ヒータは、前記検査チップに加熱用赤外線又は気流を提供することにより、前記検査チップを加熱するように構成される請求項1~5のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項8】
前記温度制御部は、温度センサをさらに含み、前記温度センサは、前記検査チップの温度を検出するように構成される請求項1~7のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項9】
前記温度センサと前記冷却器とは、互いに間隔を隔てて構成されることにより、前記検査チップが前記温度センサと前記冷却器との間に介在することを可能にする請求項8に記載の分析装置。
【請求項10】
前記温度センサは、赤外線温度センサ又は熱電対温度センサを含む請求項8又は9に記載の分析装置。
【請求項11】
前記冷却器は、ファン又は半導体冷却シートを含む請求項1~10のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項12】
前記信号検出部は、
使用中に光を提供して前記検査チップを照射するように構成された光源と、
使用中に前記光源により提供される前記光を前記検査チップに伝送し、かつ前記検査チップにより反射されるか又は透過される光を前記光学センサに伝送するように構成された光伝送部と、をさらに含む請求項1~11のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項13】
前記光源は、レーザ又は蛍光光源を含む請求項12に記載の分析装置。
【請求項14】
前記光学センサは、画像センサであり、前記検査チップの光学画像を収集して分析に用いるように構成される請求項1~13のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項15】
前記分析装置は、コントローラをさらに含み、前記コントローラは、
前記搭載部に信号接続されることにより、前記搭載部が移動するように制御し、
前記ヒータに信号接続されることにより、前記検査チップを加熱するように前記ヒータを制御し、
前記冷却器に信号接続されることにより、前記検査チップを冷却するように前記冷却器を制御し、
前記光学センサに信号接続されることにより、前記検査チップからの前記光を分析する、という操作の少なくとも一つを実行するように構成される請求項1~14のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項16】
前記分析装置は、ディスプレイスクリーン、タッチセンサ、電源インタフェース、データ伝送インタフェースで構成されたグループのうちの少なくとも一つをさらに含む請求項1~15のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか一項に記載の分析装置と、
前記検査チップと、を含む分析システム。
【請求項18】
前記検査チップが載置される前記搭載部を前記温度制御部に移動し、
前記ヒータ及び前記冷却器により前記検査チップの温度を調整し、
前記検査チップが載置される前記搭載部を前記信号検出部に移動し、かつ前記光学センサにより前記検査チップからの前記光を取得し、
前記検査チップからの前記光を分析することにより、分析結果を得ることを含む請求項1~16のいずれか一項に記載の分析装置を操作する方法。
【請求項19】
前記ヒータ及び前記冷却器により前記検査チップの温度を調整するステップは、
前記ヒータ及び前記冷却器により前記検査チップを少なくとも二つの温度に循環的に維持することを含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記光学センサにより前記検査チップからの前記光を取得するステップは、
画像センサにより前記検査チップの光学画像を取得することを含み、
前記検査チップからの前記光を分析することにより、分析結果を得るステップは、
前記光学画像をグレースケール画像に変換し、
前記グレースケール画像から前記検査チップの反応チャンバを識別し、
識別された前記反応チャンバに基づいて、前記グレースケール画像における仕切線を決定し、
前記仕切線に基づいて、前記グレースケール画像を分割することにより、複数のチャンバ画像ブロックを得て、
前記複数のチャンバ画像ブロックのうち画素の標準偏差が所定の閾値より大きいチャンバ画像ブロックを目標画像ブロックとして決定することを含む請求項18又は19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例は、検査チップに用いられる分析装置およびその操作方法、分析システムに関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本願は、2020年4月30日に提出された出願番号が202010367897.7である中国特許出願の優先権を主張し、ここで、上記中国特許出願に開示されている内容の全体が本願の一部として援用される。
【背景技術】
【0003】
デジタルポリメラーゼ連鎖反応チップ技術(dPCR)は、核酸サンプルを十分に希釈し、各反応チャンバのサンプルテンプレート数が1個以下にすることにより、単分子DNAに対する絶対定量を実現する。その感度が高く、特異性が高く、検査スループットが高く、定量が正確であるなどの利点により、臨床診断、遺伝子への不安定分析、単細胞の遺伝子発現、環境微生物検出及び出生前診断などの方面に広く応用される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の少なくとも一つの実施例は、検査チップに用いられる分析装置を提供し、搭載部と、温度制御部と、信号検出部と、を含み、
ここで、前記搭載部は、使用中に検査チップを受け取り載置し、かつ前記検査チップを移動できるように構成され、
前記温度制御部は、ヒータ及び冷却器を含み、ここで、前記ヒータは、前記検査チップを加熱するように構成され、前記冷却器は、前記検査チップを冷却するように構成され、
前記信号検出部は、光学センサを含み、ここで、前記光学センサは、前記検査チップからの光を受光し、かつ前記光に基づいて検出を行うように構成される。
【0005】
例えば、本開示の少なくとも一つの実施例に係る分析装置において、前記搭載部は、
検査チップを載置し、かつ少なくとも局所的に駆動されるように構成された輸送構造と、
前記輸送構造を駆動することにより、前記検査チップを第1位置と、第2位置と、第3位置との間に往復移動させることができるように構成されたドライバと、を含み、
ここで、前記第1位置は、前記検査チップを前記輸送構造に収容することを可能にし、
前記第2位置は、前記温度制御部が前記検査チップの温度を調整することを可能にし、
前記第3位置は、前記信号検出部の前記光学センサが検査チップからの前記光を受光することを可能にする。
【0006】
例えば、本開示の少なくとも一つの実施例に係る分析装置において、前記輸送構造は、
使用中に前記検査チップを載置するように構成されたステージと、
前記ドライバに接続されることにより、前記ドライバの駆動に応じて移動するように構成された可動プラットフォームと、
前記ステージと前記可動プラットフォームとを接続することにより、可動プラットフォームが駆動される時にステージを駆動できるように構成されたホルダと、を含む。
【0007】
例えば、本開示の少なくとも一つの実施例に係る分析装置において、前記ホルダは、
前記ステージを載置するように構成された第1部分と、
使用中に前記可動プラットフォームに接続されるように構成された第2部分と、を含み、
ここで、前記第1部分は、第1方向に沿って延在し、前記第2部分は、第2方向に沿って延在し、かつ前記第1方向は、前記第2方向に垂直である。
【0008】
例えば、本開示の少なくとも一つの実施例に係る分析装置において、前記ステージは、抜き領域を有することにより、前記検査チップが前記ステージに配置される場合、前記検査チップの前記ステージと接触する側面を少なくとも局所的に前記冷却器に露出させる。
【0009】
例えば、本開示の少なくとも一つの実施例に係る分析装置において、前記検査チップは、加熱電極を含み、
前記ヒータは、コンタクト電極を含み、前記コンタクト電極は、使用中に前記検査チップの前記加熱電極と電気的に接触するように構成され、
前記ヒータは、前記コンタクト電極により前記検査チップの前記加熱電極に電気信号を印加することにより、前記加熱電極が前記検査チップを加熱するようにさらに構成される。
【0010】
例えば、本開示の少なくとも一つの実施例に係る分析装置において、前記ヒータは、前記検査チップに加熱用赤外線又は気流を提供することにより、前記検査チップを加熱するように構成される。
【0011】
例えば、本開示の少なくとも一つの実施例に係る分析装置において、前記温度制御部は、温度センサをさらに含み、前記温度センサは、前記検査チップの温度を検出するように構成される。
【0012】
例えば、本開示の少なくとも一つの実施例に係る分析装置において、前記温度センサと前記冷却器とは、互いに間隔を隔てて構成されることにより、前記検査チップが前記温度センサと前記冷却器との間に介在することを可能にする。
【0013】
例えば、本開示の少なくとも一つの実施例に係る分析装置において、前記温度センサは、赤外線温度センサ又は熱電対温度センサを含む。
【0014】
例えば、本開示の少なくとも一つの実施例に係る分析装置において、前記冷却器は、ファン又は半導体冷却シートを含む。
【0015】
例えば、本開示の少なくとも一つの実施例に係る分析装置において、前記信号検出部は、
使用中に光を提供して前記検査チップを照射するように構成された光源と、
使用中に前記光源により提供される前記光を前記検査チップに伝送し、かつ前記検査チップにより反射されるか又は透過される光を前記光学センサに伝送するように構成された光伝送部と、をさらに含む。
【0016】
例えば、本開示の少なくとも一つの実施例に係る分析装置において、前記光源は、蛍光光源又はレーザを含む。
【0017】
例えば、本開示の少なくとも一つの実施例に係る分析装置において、前記光学センサは、画像センサであり、前記検査チップの光学画像を収集して分析に用いるように構成される。
【0018】
例えば、本開示の少なくとも一つの実施例に係る分析装置において、前記分析装置は、コントローラをさらに含み、前記コントローラは、
前記搭載部に信号接続されることにより、前記搭載部が移動するように制御し、
前記ヒータに信号接続されることにより、前記ヒータが前記検査チップを加熱するように制御し、
前記冷却器に信号接続されることにより、前記冷却器が前記検査チップを冷却するように制御し、
前記光学センサに信号接続されることにより、前記検査チップからの前記光を分析する、という操作の少なくとも一つを実行するように構成される。
【0019】
例えば、本開示の少なくとも一つの実施例に係る分析装置は、ディスプレイスクリーン、タッチセンサ、電源インタフェース、データ伝送インタフェースで構成されたグループのうちの少なくとも一つをさらに含む。
【0020】
本開示の少なくとも一つの実施例は、分析システムをさらに提供し、
本開示のいずれかの実施例に記載の分析装置と、
前記検査チップと、を含む。
【0021】
本開示の少なくとも一つの実施例は、本開示のいずれかの実施例に記載の分析装置を操作する方法をさらに提供し、
前記検査チップが載置される前記搭載部を前記温度制御部に移動し、
前記ヒータ及び前記冷却器により前記検査チップの温度を調整し、
前記検査チップが載置される前記搭載部を前記信号検出部に移動し、かつ前記光学センサにより前記検査チップからの前記光を取得し、
前記検査チップからの前記光を分析することにより、分析結果を得ることを含む。
【0022】
例えば、本開示の少なくとも一つの実施例に係る方法において、前記ヒータ及び前記冷却器により前記検査チップの温度を調整する前記ステップは、
前記ヒータ及び前記冷却器により前記検査チップを少なくとも二つの温度に循環的に維持することを含む。
【0023】
例えば、本開示の少なくとも一つの実施例に係る方法において、前記光学センサにより前記検査チップからの前記光を取得する前記ステップは、画像センサにより前記検査チップの光学画像を取得することを含み、
前記光学情報を分析することにより、分析結果を得る前記ステップは、
前記光学画像をグレースケール画像に変換し、
前記グレースケール画像から前記検査チップの反応チャンバを識別し、
識別された前記反応チャンバに基づいて、前記グレースケール画像における仕切線を決定し、
前記仕切線に基づいて、前記グレースケール画像を分割することにより、複数のチャンバ画像ブロックを得て、
前記複数のチャンバ画像ブロックのうち画素の標準偏差が所定の閾値より大きいチャンバ画像ブロックを目標画像ブロックとして決定することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本開示の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、実施例の図面を以下に簡単に紹介する。明らかに、以下の説明の図面は、本開示を限定するのではなく、本開示のいくつかの実施例にのみ関連している。
【0025】
図1】本開示の少なくとも一つの実施形態に係る検査チップに用いられる分析装置の概略的なブロック図である。
図2】本開示の少なくとも一つの実施形態に係る搭載部の概略的なブロック図である。
図3】本開示の少なくとも一つの実施例に係る輸送構造の分解状態の構造模式図である。
図4】本開示の少なくとも一つの実施例に係る輸送構造の組立状態の構造模式図である。
図5】本開示の少なくとも一つの実施形態に係る検査チップの概略的なブロック図である。
図6】本開示の少なくとも一つの実施例に係る温度制御部の分解状態の構造模式図である。
図7】本開示の少なくとも一つの実施例に係る温度制御部の組立状態の構造模式図である。
図8】本開示の少なくとも一実施例に係る信号検出部の構成模式図である。
図9】本開示の少なくとも一実施例に係る信号検出部の具体的な構成模式図である。
図10】本開示の少なくとも一つの実施例に係る組立状態にある搭載部、温度制御部及び信号検出部の構造模式図である。
図11】本開示の少なくとも一つの実施例に係る分析装置の概略的なブロック図である。
図12】本開示の少なくとも一つの実施例に係る分析装置の正面図である。
図13】本開示の少なくとも一つの実施例に係る分析装置の背面図である。
図14】本開示の少なくとも一つの実施例に係る分析装置の斜視図である。
図15】本開示の少なくとも一つの実施例に係る分析システムの概略的なブロック図である。
図16】本開示の少なくとも一つの実施例に係る分析装置を操作する方法のフローチャートである。
図17A】本開示の少なくとも一つの実施例に係るステップS320を実行する過程を示す。
図17B】本開示の少なくとも一つの実施例に係るステップS320を実行する過程を示す。
図17C】本開示の少なくとも一つの実施例に係るステップS320を実行する過程を示す。
図18】本発明の少なくとも一つの実施例に係る温度制御サイクルの温度変化図である。
図19】ステップS360の実行時に本開示の少なくとも一つの実施例に係る分析装置の断面図を示す。
図20】本開示の少なくとも一つの実施例に係るステップS380のフローチャートである。
図21A】本開示の少なくとも一つの実施例に係る補助画像の行画素値和の分布図である。
図21B】本開示の少なくとも一つの実施例に係る補助画像の列画素値和の分布図である。
図22A】本開示の少なくとも一つの実施例に係る補助画像の行方向の谷の模式図である。
図22B】本開示の少なくとも一つの実施例に係る補助画像の列方向の谷の模式図である。
図23】本開示の少なくとも一実施例に係る補助画像の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示の目的、技術案及び利点をさらに明確に説明するために、以下、本開示の実施例の図面を参照して、本開示の実施例の技術案について明確かつ完全に説明する。明らかなように、記載された実施例は、本開示の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。記載された本開示の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をせずに取得するその他の実施例は、いずれも本開示の保護範囲に含まれる。
【0027】
特に定義されない限り、本開示で使用される技術用語又は科学用語は、当業者が理解する通常の意味を有すべきである。本開示で使用される「第1」、「第2」及び類似語は、何らかの順序、数量又は重要性を示すものではなく、異なる構成部分を区別するためのものにすぎない。「含む」や「含まれる」などの類似語は、この語の前に出現した素子や物がこの語の後に挙げられる素子や物、及びそれらの均等物を含むことを意味するが、その他の素子や物を排除するものではない。「接続」や「互いに接続」などの類似語は、物理的又は機械的な接続に限定されず、直接的か間接的かを問わず、電気的な接続を含んでもよい。「上」、「下」、「左」、「右」などは、相対位置関係を示すためのものにすぎず、説明対象の絶対位置が変わると、該相対位置関係もそれに応じて変わる可能性がある。
【0028】
本開示の実施例の以下の説明を明確かつ簡潔にするために、本開示は既知の機能および既知の部品の詳細な説明を省略する。
【0029】
dPCR製品は、一般的に複数台のセット装置を必要として、分析結果を取得し、これは、検査時間が長く、検査コストが高く、操作ステップが多く、かつ試薬汚染のリスクが存在することをもたらす。
【0030】
本開示の少なくとも一つの実施例は、検査チップに用いられる分析装置、分析システム及び分析装置を操作するための方法を提供し、該実施例の分析装置は、搭載部と、温度制御部と、信号検出部とを集積し、統合し、単一の装置で検査チップに対する検出を実現し、必要なセット装置の数を減少させ、操作ステップを簡略化し、検出時間を短縮し、かつ試薬汚染のリスクを減少させる。
【0031】
図1は、本開示の少なくとも一つの実施例に係る検査チップに用いられる分析装置の概略的なブロック図である。図1に示すように、本開示の少なくとも一つの例に係る検査チップに用いられる分析装置100は、少なくとも搭載部110と、温度制御部120と、信号検出部130とを含んでもよい。
【0032】
搭載部110は、使用中に検査チップを受け取って載置し、かつ検査チップを温度制御部及び信号検出部に移動することを可能にするように構成される。
【0033】
温度制御部120は、ヒータ121と冷却器122とを含む。ヒータ121は、分析装置に搭載される検査チップを加熱するように構成され、冷却器122は、分析装置に搭載される検査チップを冷却するように構成され、これにより検査チップの温度に対する制御を実現する。
【0034】
信号検出部130は、光学センサ131を含む。光学センサ131は、検査チップからの光を受光し、かつ検査チップの光に基づいて検出を行うように構成される。
【0035】
理解すべきなのは、本開示の各実施例に記載の検査チップは、いかなるタイプの生物検査チップ又は化学検査チップであってもよく、例えば様々なマイクロ流体チップであり、本開示の実施例は、これを限定しない。
【0036】
図2は、本開示の少なくとも一つの実施例に係る搭載部の模式的ブロック図である。搭載部110は、輸送構造111とドライバ112とを含むことができる。
【0037】
輸送構造111は、検査チップを載置し、かつ少なくともその一部が駆動されることができるように構成される。ドライバ112は、輸送構造111を駆動することができ、例えば輸送構造111に操作可能に接続され、検査チップを第1位置と、第2位置と第3位置との間に往復移動させるように構成される。少なくとも一つの実施例において、第1位置は、検査チップを輸送構造111に収容することを可能にし、すなわちユーザが、検出サンプルが搭載された検査チップを搭載部110に入れることを可能にする。第2位置は、温度制御部120が検査チップの温度を調整することを可能にする。第3位置は、信号検出部130の光学センサ131が検査チップからの光を受光することを可能にする。例えば、以下に説明する図17Bは、本開示の少なくとも一つの実施例における第1位置P1の例を示す。例えば、以下に説明する図17Cは、本開示の少なくとも一つの実施例における第2位置P2の例を示す。例えば、以下に説明する図19は、本開示の少なくとも一つの実施例における第3位置P3の例を示す。
【0038】
しかしながら、理解すべきなのは、いくつかの実施例において、搭載部110は、ドライバ112を含まなくてもよく、それにより輸送構造111を手動で移動する(例えばプッシュするか又は引く)ことができ、本開示の実施例は、これを限定しない。
【0039】
図3は、本開示の少なくとも一つの実施例に係る輸送構造の分解状態の構造模式図であり、図4は、本開示の少なくとも一つの実施例に係る輸送構造の組立状態の構造模式図である。図3及び図4に示すように、輸送構造111は、ステージ1111と、可動プラットフォーム1112と、ホルダ1113とを含んでも良い。
【0040】
ステージ1111は、使用中に検査チップを載置するように構成され、図中の例において、ステージ1111は、矩形の板状であり、ホルダ1113に移動可能に取り付けられる。ステージ1111は、検査チップを収容するための第1窪み領域RA1を有し、該第1窪み領域RA1の輪郭は、一般的に検査チップの外形と基本的に同じであり、図に示すように、いずれも矩形であり、かつユーザが指で検査チップを入れかつ取り出すことを容易にするために、該第1窪み領域RA1の一側辺に例えば半円形の窪み部が外向きに突出することにより、検査チップを摘んている指を収容する。
【0041】
例えば、ステージ1111は、耐高温材料で形成され、該耐高温材料は、例えば金属、プラスチック、セラミック、ゴム、樹脂等であってもよい。ステージ1111を形成する耐高温材料の熱変形温度は、例えば、100℃、200℃、300℃、400℃、500℃以上である。ステージ1111は、耐高温で熱伝導性に劣る材料で形成されていてもよい。例えば、一つの具体的な実施例において、ステージ1111は、セラミックで形成され、それにより軽い重量を有するだけでなく、高温に耐えることができる。
【0042】
いくつかの実施例において、ステージ1111は、水準器Hをさらに含んでもよく、それによりステージ1111が水平であるか否かを検出する。例えば、ステージ1111が第2窪み領域RA2を有する場合、水準器Hを第2窪み領域RA2に収容して固定することができる。しかしながら、理解すべきなのは、ステージ1111は、第2窪み領域RA2を有しなくてもよく、水準器Hは、粘着剤等によりステージ1111に取り付けられ、本開示の実施例は、これを限定しない。水準器Hは、例えば気泡水準器、インダクタンス式水準器、静電容量式水準器等であってもよく、本開示の実施例は、これを限定しない。水準器Hにより、ステージ1111に載置された検査チップを水平に保持することができ、それにより光学センサ131が検査チップからの光を受光することに役立つ。
【0043】
図3及び図4に示すように、ステージ1111は、抜き領域HAを有してもよく、それにより検査チップがステージ1111に配置される場合、検査チップとステージ1111と接触する側面を少なくとも局所的に露出させ、例えば温度制御部120の冷却器122に露出させる。実際の要求に応じて、抜き領域HAは、任意の適切な形状を有することができ、例えば円形、三角形、矩形、五角形、六角形又は他の不規則な形状等である。また、例えば、抜き領域HAは、一つ又は複数の開口を有することができ、本開示の実施例は、これを限定しない。検査チップの抜き領域HAの所在の平面での投影の大きさは、抜き領域HAの大きさよりも大きく、それにより検査チップがステージ1111に載置される。
【0044】
可動プラットフォーム1112は、ドライバ112に操作可能に接続されることにより、ドライバ112の駆動で移動するように構成される。ドライバ112は、例えばモータであってもよく、可動プラットフォーム1112は、例えばモータの駆動端に接続される。例えば、ドライバ112は、回転モータであってもよく、該回転モータの駆動端は親ねじSに接続され、それにより親ねじSを回転することができ、可動プラットフォーム1112は、親ねじSと螺合されたナットにより親ねじSに接続され、それにより親ねじSの回転を水平移動に変換することができ、それにより可動プラットフォーム1112は、ドライバ112の駆動により移動することができる。また、親ねじSに平行なガイドロッドGが設置されてもよい。可動プラットフォーム1112は、ガイドロッドGに移動可能に接続されている。ガイドロッドGは、可動プラットフォーム1112を拘束する役割を果たす。理解すべきなのは、図3及び図4に示されたガイドロッドG及び親ねじSの数は、いずれも例示的なものであり、本開示の実施例は、これを限定しない。例えば、ドライバ112は、リニアモータであってもよく、該リニアモータの可動子は、可動プラットフォーム1112に接続されることができ、それにより可動プラットフォーム1112が移動するように駆動する。本開示の実施例は、ドライバ112がどのように可動プラットフォーム1112を駆動するのかを限定せず、例えば、さらにラックアンドピニオンの組み合わせにより回転運動を水平移動に変換することができる。
【0045】
可動プラットフォーム1112は、任意の剛性材料で形成されてもよく、例えば、金属、プラスチック、セラミック、ゴム、樹脂等であり、本開示の実施例は、これを限定しない。また、理解すべきなのは、図3及び図4に示される可動プラットフォーム1112の形状も例示的なものに過ぎず、実際の要求に応じて、可動プラットフォーム1112は、任意の適切な形状を有してもよい。
【0046】
ホルダ1113は、ステージ1111と可動プラットフォーム1112とを接続し、これにより可動プラットフォーム1112が駆動される時にステージ1111を駆動することができるように構成される。
【0047】
図3中の破線枠に示すように、ホルダ1113は、第1部分1113A及び第2部分1113Bを含んでもよい。第1部分1113Aは、使用中にステージ1111を載置するように構成される。第2部分1113Bは、使用中に可動プラットフォーム1112に接続されるように構成されている。第1部分1113Aは、第1方向に沿って延在し、第2部分1113Bは、第2方向に沿って延在し、かつ第1方向は、第2方向に垂直である。ホルダ1113をL字形又はT字形に形成することにより、単一方向でのサイズを減少させ、分析装置の全体体積を減少させることに役立つ。
【0048】
ホルダ1113の第1部分1113Aは、例えばバネ等によりステージ1111に接続され、例えばステージ1111の四隅に対応する四つのバネにより、対応するバネを調整することによりステージ1111の水平状態を調整することができる。
【0049】
ホルダ1113の第2部分1113Bは、例えばネジ等により可動プラットフォーム1112に取り外し可能に又は固定的に接続され、それにより可動プラットフォーム1112がホルダ1113を駆動して共に移動することを可能にする。又は、第2部分1113Bは、可動プラットフォーム1112と一体に形成されてもよい。
【0050】
ホルダ1113は、任意の剛性材料で形成されてもよく、例えば、金属、プラスチック、セラミック、ゴム、樹脂等であり、本開示の実施例は、これを限定しない。また、理解すべきなのは、図3及び図4に示されるホルダ1113の形状も例示的なものに過ぎず、実際の要求に応じて、ホルダ1113は、任意の適切な形状を有してもよい。
【0051】
図5は、本開示の少なくとも一つの実施例に係る検査チップの模式的ブロック図である。いくつかの実施例において、検査チップCは、加熱電極CEを含んでもよく、かつ電気信号が受信された場合、加熱電極CE又はそれに電気的に接続される抵抗配線などは、熱を生成することにより、検査チップCを加熱することができる。検査チップCは、他の用途の電極をさらに含んでもよく、例えば電気信号を印加して試料が検査チップC内に移動するように試料を駆動するための電極などである。前記のように、本開示の実施例は、検査チップCのタイプ、構造などを限定しない。
【0052】
図3及び図4に示すように、いくつかの実施例において、ヒータ121は、コンタクト電極1211を含んでもよい。コンタクト電極1211は、例えば、耐高温金属材料により形成することができる。コンタクト電極1211は、使用中に検査チップCの加熱電極CEと電気的に接触するように構成されている。ヒータ121は、コンタクト電極1211により検査チップCの加熱電極CEに電気信号を印加することにより、加熱電極CEが検査チップCを加熱するようにさらに構成される。例えば、コンタクト電極1211は、ステージ1111に設置され、かつ露出されてもよく、使用中に検査チップCの露出した加熱電極CEと接触することを可能にし、それにより検査チップCの加熱電極CEに電気信号(例えば直流電圧又は交流電圧)を印加する。検査チップCがステージ1111に配置された後、コンタクト電極1211は、検査チップCの加熱電極CEと接触し、それにより電気信号を伝送することができる。コンタクト電極1211は、ステージ1111を貫通する線路により電源又はコントローラに電気的に接続されて、制御信号を受信することができる。
【0053】
また、コンタクト電極1211は、さらに検査チップCを固定する役割を果たすことができる。例えば、検査チップCがステージ1111に配置された後、例えばバネなどの方式でコンタクト電極1211を移動することにより、コンタクト電極1211が検査チップCの加熱電極CEと接触し、かつ検査チップCに作用力を印加し、それによりコンタクト電極1211とステージ1111とにより検査チップCを固定する。
【0054】
他の実施例において、検査チップは、加熱電極を有さなくてもよく、かつヒータ121は、検査チップに加熱用赤外線又は気流を提供することにより、検査チップを加熱するように構成されてもよい。例えば、ヒータ121は、赤外線ヒータ又はガスヒータ(例えば抵抗により空気を加熱し、かつファンにより加熱された空気が流れるように加熱された空気を駆動する)等であってもよく、本開示の実施例は、これを限定しない。
【0055】
図6は、本開示の少なくとも一つの実施例に係る温度制御部の分解状態の構造模式図であり、図7は、本開示の少なくとも一つの実施例に係る温度制御部の組立状態の構造模式図である。図6及び図7に示すように、温度制御部120は、例えば温度センサ123を含むことができる。温度センサ123は、検査チップの温度を検出するように構成される。温度センサ123は、従来の温度センサを採用することができ、本開示の実施例は、これについて説明を省略する。例えば、温度センサ123は、赤外線温度センサ又は熱電対温度センサを含むことができる。理解すべきなのは、本開示のいくつかの実施例において、検査チップが温度センサを含むと、分析装置に温度センサ123を設置する必要がない。
【0056】
図7に示すように、温度センサ123と冷却器122とは、互いに間隔を隔てて配置されることにより、検査チップが温度センサ123と冷却器122との間に介在することを可能にする。図6及び図7に示すように、温度制御部120は、温度制御ホルダ124をさらに含むことができ、温度センサ123及び冷却器122は、それぞれ温度制御ホルダ124に接続されることにより、互いに間隔を隔てて配置される。理解すべきなのは、図6及び図7における温度センサ123及び冷却器122の位置は、例示的なものに過ぎず、本開示の実施例は、これを限定しない。例えば、他の実施例において、温度センサ123は、使用中に検査チップの上方又は下方に位置することができ、冷却器122は、使用中に検査チップの側部に位置することができる。
【0057】
例えば、冷却器122は、ファン又は半導体冷却シートを含むがこれらに限定されず、本開示の実施例は、冷却器122の具体的なタイプを限定しない。図6及び図7に示すように、冷却器122は、例示的にファンであってもよく、該ファンの外形は、略円形であり、かつ四隅に設置される四つの取付柱により温度制御ホルダ124に固定される。
【0058】
温度制御ホルダ124は、開口を有することにより、使用中に温度センサ123及び冷却器122を検査チップに露出させ、それにより温度センサ123が検査チップの温度を検出することを可能にし、かつ冷却器122が検査チップを冷却することを可能にすることができる。
【0059】
図6及び図7に示すように、温度制御ホルダ124の断面は、「コ」字形を呈することができ、冷却器122は、該「コ」字形の開口内に設置され、温度センサ123は、温度制御ホルダ124の頂部の底部から離れる表面に位置してもよく、冷却器は、温度制御ホルダ124の底部の頂部に向く表面に位置してもよく、かつ温度制御ホルダ124の頂部に開口を有してもよく、それにより温度センサ123を局所的に露出させ、検査チップが温度制御ホルダ124の頂部と底部との間に位置する時に温度センサ123が検査チップの温度を検出することを可能にする。
【0060】
温度制御ホルダ124は、任意の剛性材料で形成されてもよく、例えば、金属、プラスチック、セラミック、ゴム、樹脂等であり、本開示の実施例は、これを限定しない。また、理解すべきなのは、図6及び7に示される温度制御ホルダ124の形状も例示的なものに過ぎず、実際の要求に応じて、温度制御ホルダ124は、任意の適切な形状を有してもよい。
【0061】
図8は、本開示の少なくとも一実施例に係る信号検出部の構成模式図である。図8に示すように、本開示の少なくとも一つの実施例において、光学センサ131に加えて、信号検出部130は、光源132及び光伝送部133をさらに含むことができる。
【0062】
光学センサ131は、例えば画像センサであり、検査チップの光学画像を収集して分析するために用いられるように構成される。光学センサ131は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を含むことができる。しかしながら、理解すべきなのは、他の実施例において、光学センサ131は、さらにフォトダイオード、フォトレジスタ、赤外線センサ、紫外線センサ等であってもよく、本開示の実施例は、これを限定しない。
【0063】
光源132は、使用中に検査チップに光を提供して検査チップを照射するように構成される。光伝送部133は、使用中に光源132から提供される光を検査チップに伝送し、かつ検査チップにより反射または透過された光を光学センサ131に伝送するように構成される。
【0064】
例えば、光源132は、様々なタイプがあり、可視光、赤外線等を発することができ、例えばレーザ又は蛍光光源を含み、レーザ及び蛍光光源の波長は、実際の必要に応じて選択することができ、本開示の実施例は、これを限定しない。
【0065】
図9は、本開示の少なくとも一実施例に係る信号検出部の具体的な構成模式図である。図9に示すように、いくつかの実施例において、光伝送部133は、90°転向プリズムシステム1331と、反射光路システム1332とを含むことができる。90°転向プリズムシステム1331は、検査チップからの光を光学センサ131に伝送するように構成されてもよい。反射光路システム1332は、光源132からの光を伝送することにより、検査チップを照射するように構成されてもよく、かつ反射光路システム1332は、フィルタをさらに含み、該フィルタは、検査チップから光学センサ131までの光路において、所定波長の光のみを透過させるように、該光路で伝送された光を濾過する。90°転向プリズムシステム1331及び反射光路システム1332は、いずれも本分野における一般的な設計を採用することができ、本開示は、これについて説明を省略する。
【0066】
図9に示すように、いくつかの実施例において、信号検出部130は対物レンズ134をさらに含んでもよい。対物レンズ134は、検査チップからの光を収集するように構成される。例えば、対物レンズ134は、レンズを含んでもよい。
【0067】
図9に示すように、いくつかの実施例において、信号検出部130は、ブラケット135をさらに含んでもよい。ブラケット135は、信号検出部130のうちの少なくとも一部の部品、例えば光源132、光伝送部133等を固定して載置するためのものである。いくつかの実施例において、ブラケット135は、さらに光伝送部133と検査チップとの間の距離を調整することにより、検査チップが光伝送部133の焦点に位置するように構成されてもよい。ブラケット135は、本分野における一般的な設計を採用することができ、本開示は、これについて説明を省略する。
【0068】
いくつかの実施例において、信号検出部130は、水準器H’をさらに含んでもよく、それにより信号検出部130が水平であるか否かを検出する。例えば、水準器H’は、光伝送部133、光学センサ131、光源132等に接続されてもよい。図9において、一例として、水準器H’は、90°転向プリズムシステム1331に接続される。しかしながら、理解すべきなのは、本開示の実施例は、これに限定されるものではない。水準器H’は、接着、磁気吸着、ねじ接続等の任意の適切な方式で信号検出部30の他の部材に接続され、本開示の実施例は、これを限定しない。水準器H’は、例えば気泡水準器、インダクタンス式水準器、静電容量式水準器等であってもよく、本開示の実施例は、これを限定しない。水準器H’により、例えば光伝送部133から検査チップに伝送された光が検査チップに垂直であるか、又は検査チップからの光が光伝送部133に垂直に入ることができ、それにより後続の信号処理を容易にし、例えば検査チップの画像に角度補正を行うステップを省略することができる。
【0069】
図10は、本開示の少なくとも一つの実施例に係る組立状態にある搭載部、温度制御部及び信号検出部の構造模式図である。図10に示すように、分析装置は、ベース101を含んでもよく、かつ搭載部110と、温度制御部120と、信号検出部130とは、いずれもベース101に設置され、例えばネジ、治具、粘着剤等によりベース101に固定される。温度制御部120及び信号検出部130は、搭載部110における可動プラットフォーム1112の移動経路に沿って設置されることにより、可動プラットフォーム1112の移動により、ステージ1111に載置された検査チップを温度制御部120に移動して温度制御を行い、かつ信号検出部130に移動して検査チップからの光を収集するように駆動することができる。
【0070】
しかしながら、理解すべきなのは、図10に示す配置方式は、例示的なものに過ぎず、搭載部110、温度制御部120及び信号検出部130の異なる構造及び形状に基づいて、異なる配置方式を採用してもよく、本開示の実施例は、これを限定しない。
【0071】
図11は、本開示の少なくとも一つの実施例に係る分析装置の概略的なブロック図である。図11に示すように、分析装置100は、一つ又は複数のコントローラ140をさらに含む。該一つ又は複数のコントローラ140は、搭載部110に信号接続されることにより、搭載部110が移動するように搭載部110を制御し、ヒータ121に信号接続されることにより、ヒータ121を制御して検査チップを加熱し、冷却器122に信号接続されることにより、冷却器122を制御して検査チップを冷却させ、光学センサ131に信号接続されることにより、検査チップからの光を分析する、という操作の少なくとも一つを実行するように構成される。
【0072】
コントローラ140は、例えば中央処理装置(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ワンチップマイコン、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、複雑プログラマブル論理デバイス(CPLD)、特定用途向け集積回路(ASIC)等により実施することができ、本開示の実施例は、これを限定しない。
【0073】
理解すべきなのは、いくつかの実施例において、コントローラ140は、複数のサブコントローラとして実現することができ、該複数のサブコントローラは、それぞれ上記操作のうちの少なくとも一つを実行することができる。該複数のサブコントローラは、一つのコントローラに分離可能に設置されるか又は集積され、本開示の実施例は、これを限定しない。
【0074】
図11に示すように、いくつかの実施例において、分析装置100は、通信部CPをさらに含むことができる。通信部CPは、移動端末やサーバ等と信号接続を形成するように構成される。該信号接続は、有線接続であってもよく、無線接続であってもよく、本開示の実施例は、これを限定しない。無線接続は、例えば、Wi-Fi(Wireless Fidelity)、Bluetooth、Wireless Direct、赤外線などを含む。有線接続は、例えば、USB(Universal Serial Bus)、FireWire、Thunderbolt、又は物理的なケーブルを必要とする任意の接続を含む。
【0075】
図12図13及び図14は、それぞれ本開示の少なくとも一つの実施例に係る分析装置の正面図、背面図および斜視図である。図12に示すように、本開示の少なくとも一つの実施例に係る分析装置は、ディスプレイスクリーン150をさらに含むことができる。ディスプレイスクリーン150は、表示を行うように構成され、例えば液晶ディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、量子ドット発光ダイオード(QLED)表示画面、マイクロ発光ダイオードディスプレイ、電子インク表示画面、電子ペーパーディスプレイなどであってもよく、本開示の実施例は、これを限定しない。例えば、ディスプレイスクリーン150は、タッチスクリーンであってもよく、それによりユーザの入力を受信する。しかしながら、理解すべきなのは、いくつかの実施例において、分析装置は、ディスプレイスクリーン150を含まず、単独に設置されたディスプレイスクリーンに接続されるか又は分析結果のようなデータをデジタルファイル又は物理ファイルの形式で出力してもよく、本開示の実施例は、これを限定しない。
【0076】
図13に示すように、本開示の少なくとも一つの実施例に係る分析装置は、電源インタフェース160をさらに含むことができる。分析装置は、電源インタフェース160を介して電源に接続されて、電力を取得する。しかしながら、理解すべきなのは、いくつかの実施例において、分析装置は、電源インタフェース160を有さず、一次電池又は二次電池が内蔵され、又は太陽電池が内蔵されてもよく、本開示の実施例は、これを限定しない。
【0077】
図13に示すように、本開示の少なくとも一つの実施例に係る分析装置は、データ伝送インタフェース170をさらに含むことができる。データ伝送インタフェース170は、分析結果のようなデータを外部装置に出力するか、又は外部装置からのデータを分析装置に伝送するように構成される。データ伝送インタフェース170は、例えば、USB(Universal Serial Bus)インタフェース、SATA(Serial Advanced Technology Attachment)インタフェース等であってよい。少なくとも一つの実施例において、データ伝送インタフェース及び電源インタフェースは、一つのインタフェース、例えばUSBインタフェースに統合することができ、データを伝送するために用いられてもよく電気エネルギーを伝送するために用いられてもよい。
【0078】
図12に示すように、本開示の少なくとも一つの実施例に係る分析装置は、ボタン180をさらに含むことができる。ボタン180は、ユーザの入力指令を取得するように構成され、例えば機械式ボタン、光学式ボタン等であってもよく、本開示の実施例は、これを限定しない。理解すべきなのは、図12におけるボタン180の形状及び数は、例示的なものに過ぎず、本開示の実施例は、これを限定しない。
【0079】
図12に示すように、本開示の少なくとも一つの実施例に係る分析装置は、チップ搭載ポート190をさらに含むことができる。チップ搭載ポート190は、ステージ1111がその中から突出することを可能にすることにより、検査チップを収容する。
【0080】
図12に示すように、本開示の少なくとも一つの実施例に係る分析装置は、タッチセンサ192をさらに含んでもよい。タッチセンサ192は、ユーザのタッチ操作を受信して検出し、かつユーザのタッチ操作を電気信号に変換し、コントローラ又は他の制御装置、例えばコントローラ140又は外部のサーバ等に伝送するように構成される。タッチセンサ192は、例えば静電容量式タッチセンサ、抵抗式タッチセンサ等であってもよく、本開示の実施例は、これを限定しない。理解すべきなのは、ディスプレイスクリーン150がタッチディスプレイであるか又は分析装置が他の形式の入力装置(例えばボタン180、マイクロフォン等)を含む場合、分析装置は、タッチセンサ192を含まなくてもよい。
【0081】
図14に示すように、本開示の少なくとも一つの実施例に係る分析装置は、放熱口191をさらに含んでもよい。放熱口191は、例えば、コントローラ140や温度制御部120の熱を放出するために用いることができる。放熱口191は、無塵パッケージを採用することにより、ほこりが分析装置の内部に入ることを回避することができる。
【0082】
本開示の少なくとも一つの実施例は、分析システムをさらに提供する。図15は、本開示の少なくとも一つの実施例に係る分析システムの模式的ブロック図である。図15に示すように、分析システム200は、分析装置210及び検査チップ220を含み、例えば、ユーザの使用のため、分析装置210及び未使用の検査チップ220を組み合わせてユーザに提供することができる。分析装置210は、上記のいずれの分析装置であってもよい。検査チップ220は、上記のいずれの検査チップであってもよい。
【0083】
理解すべきなのは、本開示のいくつかの実施例において、分析システム200は、より多くのコンポーネント又は部品をさらに含むことができ、本開示の実施例は、これを限定しない。該分析装置210及び検査チップ220に関する詳細な説明及び技術的効果は、上記の反応装置に関する説明を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0084】
本開示の少なくとも一つの実施例は、分析装置を操作する方法をさらに提供する。該方法は、本開示のいずれか実施例に係る分析装置に適用することができる。図16は、本開示の少なくとも一つの実施例に係る分析装置を操作する方法のフローチャートである。図16に示すように、本開示の少なくとも一つの実施例に係る分析装置を操作する方法300は、ステップS320、検査チップが載置される搭載部を温度制御部に移動することを含んでもよい。
【0085】
ステップS320において、検査チップが載置される搭載部を温度制御部に手動で移動することができる。搭載部は、検査チップを載置し、かつ少なくとも局所的に駆動可能に構成される輸送構造と、輸送構造を駆動可能に構成されるドライバとを含む場合、ステップS320は、ドライバにより検査チップが載置される輸送構造を駆動することにより、検査チップを温度制御部に移動することを含んでもよい。
【0086】
図17A~17Cは、本開示の少なくとも一つの実施例に係るステップS320を実行する過程を示す。図17B及び図17Cにおいて、説明の便宜上、検査チップCを示す。図17Aに示すように、本開示の少なくとも一つの実施例に係る分析装置のステージ1111は、分析装置のチップ搭載ポート190から伸び出すことにより、検査チップを収容する。図17Bに示すように、検査チップCは、第1位置P1に位置し、該第1位置P1で検査チップCがステージ1111に収容されて載置される。図17Cに示すように、検査チップCは、第2位置P2に位置し、該第2位置P2は、温度制御部が検査チップCの温度を調整することを可能にする。
【0087】
図16に示すように、本開示の少なくとも一つの実施例に係る分析装置を操作する方法300は、ステップS340、ヒータ及び冷却器により検査チップの温度を調整することをさらに含んでもよい。
【0088】
検査チップが加熱電極を含み、かつ、ヒータがコンタクト電極を含む場合、ステップS340は、コンタクト電極により検査チップの加熱電極に電気信号を印加することにより、加熱電極が検査チップを加熱することを含んでもよい。
【0089】
いくつかの実施例において、ステップS340は、ヒータ及び冷却器により検査チップを少なくとも二つの温度に循環的に維持することをさらに含む。例えば、ヒータにより検査チップを加熱し、かつ冷却器により検査チップを冷却し、検査チップに対して複数の温度制御サイクル、例えば30個の温度制御サイクルを実施することにより、検査チップが、PCR熱サイクル増幅を実行する。各温度制御サイクルは、検査チップを95℃に10秒維持することと、検査チップを50℃に10秒維持することと、検査チップを72℃に10秒維持することと、を含む。理解すべきなのは、上記温度制御サイクルは、例示的なものに過ぎず、本開示の実施例は、これを限定しない。図18は、本発明の少なくとも一つの実施例に係る温度制御サイクルの温度変化図である。図18において、横軸は、時間を示し、単位は、分であり、縦軸は、温度を示し、単位は、摂氏度である。
【0090】
図18に示すように、本開示の少なくとも一つの実施例に係る分析装置を操作する方法300は、ステップ360、検査チップが載置される搭載部を信号検出部に移動し、かつ光学センサにより検査チップからの光を取得することをさらに含んでもよい。
【0091】
ステップS360において、検査チップが載置される搭載部を手動で信号検出部に移動することができる。搭載部は、検査チップを載置し、かつ少なくとも局所的に駆動可能に構成される輸送構造と輸送構造を駆動可能に構成されるドライバとを含む場合、ステップS360は、ドライバにより検査チップが載置される輸送構造を駆動することにより、検査チップを信号検出部に移動することを含むことができる。
【0092】
図19は、ステップS360の実行時に本開示の少なくとも一つの実施例に係る分析装置の断面図を示す。図19において、説明の便宜上、検査チップCを示す。図19に示すように、検査チップは、第3位置P3に位置し、該第3位置P3は、信号検出部130の光学センサ131が検査チップからの光を取得することを可能にする。
【0093】
ステップS360は、光を検査チップに照射し、かつ光学センサにより検査チップに反射又は透過された光を検査チップからの光として受光する。
【0094】
光学センサが画像センサを含む場合、ステップS360は、画像センサにより検査チップの光学画像を取得することを含んでもよい。また、信号検出部が光源と光伝送部とをさらに含む場合、ステップS360は、光源により光を提供することと、光伝送部により、光源により提供される光を伝送することにより、検査チップを照射することと、光伝送部により、検査チップにより反射されるか又は透過される光を検査チップからの光として光学センサ(又は光学センサに含まれる画像センサ)に伝送することと、を含んでもよい。
【0095】
図16に示すように、本開示の少なくとも一つの実施例に係る分析装置を操作する方法300は、ステップS380、検査チップからの光を分析することにより、分析結果を得ることをさらに含んでもよい。
【0096】
理解すべきなのは、上記方法300における一つ又は複数のステップ及び少なくとも一部のサブステップは、例えばソフトウェア又はファームウェアにより実行されることができ、例えば分析装置に信号接続される移動端末、サーバ等により実行され、本開示の実施例は、これを限定しない。
【0097】
いくつかの実施例において、光学センサにより検査チップからの光を取得することは、画像センサにより検査チップの光学画像を取得することを含む場合、ステップS380は、ステップS3802、光学画像をグレースケール画像に変換することを含んでもよい。
【0098】
例えば、ステップS3802において、グレースケール画像にガウス平滑化処理を行うことにより、ノイズの影響を低減することをさらに含むことができる。
【0099】
例えば、方法300は、ステップS3804、グレースケール画像から検査チップの反応チャンバを識別することをさらに含んでもよい。
【0100】
検査チップが円形反応チャンバを含む場合、ステップS3804において、ハフ円変換アルゴリズムによりグレースケール画像から反応チャンバを検出できるが、本開示の実施例は、これに限定されないと理解すべきである。
【0101】
例えば、方法300は、ステップS3806、識別された反応チャンバに基づいて、グレースケール画像における仕切線を決定することをさらに含んでもよい。
【0102】
図20は、本開示の少なくとも一つの実施例に係るステップS380のフローチャートである。
【0103】
いくつかの実施例において、ステップS3806は、グレースケール画像と同じ大きさの補助画像に、識別された反応チャンバの画像領域の中心座標及び半径に基づいて、反応チャンバが描かれる。理解すべきなのは、該補助画像は、グレースケール画像と同じサイズ及び画素数を有し、かつ該補助画像において、反応チャンバに対応する円及びその円心の画素値は、非ゼロの任意の値に設定してもよく、反応チャンバ以外の領域の画素値は、ゼロに設定してもよい。
【0104】
いくつかの実施例において、ステップS3806は、該補助画像の各行の画素の画素値の和及び各列の画素の画素値の和を計算することをさらに含んでもよい。
【0105】
図21Aは、本開示の少なくとも一つの実施例に係る補助画像の行画素値の和の分布図であり、図21Bは、本開示の少なくとも一つの実施例に係る補助画像の列画素値の和の分布図である。
【0106】
いくつかの実施例において、補助画像の各行の画素の画素値の和及び各列の画素の画素値の和を計算する前に、ステップS3806は、補助画像に対して角度補正及びノイズ除去などの処理を実行することをさらに含んでもよい。
【0107】
いくつかの実施例において、ステップS3806は、補助画像において行方向の画素値の和のうちの極小値と列方向の前記画素値の和のうちの極小値とを決定することと、行方向の極小値に対応する行座標をグレースケール画像にける列方向に沿って延在する仕切線の行座標とすることと、列方向の極小値に対応する列座標をグレースケール画像における行方向に沿って延在する仕切線の列座標とすることと、をさらに含んでもよい。例えば、いくつかの実施例において、補助画像の各行の画素値の和に微分を行い、かつ補助画像の各列の列画素値和に微分を行い、微分結果に対してsign関数での量化を行い、量化結果に微分を行い、かつノイズ除去を行って波の山をフィルタリングして谷を得る。行方向の谷(すなわち極小値)は、列方向に沿って延在する仕切線に対応し、列方向の谷(すなわち極小値)は、行方向に沿って延在する仕切線に対応する。
【0108】
図22Aは、本開示の少なくとも一つの実施例に係る補助画像の行方向の谷の模式図であり、図22Bは、本開示の少なくとも一つの実施例に係る補助画像の列方向の谷の模式図である。
【0109】
例えば、方法300は、ステップS3808、仕切線に基づいて、グレースケール画像を分割することにより、複数のチャンバ画像ブロックを取得することをさらに含んでもよい。
【0110】
いくつかの実施例において、ステップS3808は、補助画像における行方向の画素値の和の極小値の行座標をグレースケール画像における列方向に沿って延在する仕切線の行座標とし、補助画像における列方向の画素値和の極小値の列座標をグレースケール画像における行方向に沿って延在する仕切線の列座標とし、それによりグレースケール画像における仕切線を得ることを含むことができる。図23は、本開示の少なくとも一実施例に係る補助画像の一例である。該補助画像においてさらに行方向及び列方向の画素値の和の谷(すなわち極小値)の位置を模式的に示し、該位置は、グレースケール画像における仕切線に対応する。
【0111】
例えば、方法300は、ステップS3810、複数のチャンバ画像ブロックのうち画素の標準偏差が所定の閾値より大きいチャンバ画像ブロックを目標画像ブロックとすることをさらに含んでもよい。
【0112】
いくつかの実施例において、ステップS3810は、ステップ3804で識別された反応チャンバが仕切線と重なると、該反応チャンバを無効反応チャンバとし、そうでなければ有効反応チャンバとすることと、有効反応チャンバが存在するチャンバ画像ブロックの画素の標準偏差を計算することと、画素の標準偏差が所定の閾値より大きいチャンバ画像ブロックを目標画像ブロックとすることと、をさらに含んでもよい。
【0113】
いくつかの実施例において、ステップS380は、目標画像ブロックの数と、検査チップの反応チャンバの総数と、サンプル希釈倍数とに基づいて、以下の式により初期コピー数を決定することをさらに含んでもよく、
c=[ln(1-f/n)]/m
ここで、cは、初期コピー数を示し、fは、目標画像ブロックの数を示し、mは、サンプル希釈倍数を示し、nは、検査チップの反応チャンバの総数を示す。
【0114】
下記の点をさらに説明する必要がある。
(1)本開示の実施例の図面は、本開示の実施例の関する構造のみに関し、他の構造については、通常の設計を参照することができる。
【0115】
(2)衝突がない場合、本開示の実施例および実施例における特徴を互いに組合せて新しい実施例を得ることができる。
【0116】
以上は、本開示の具体的な実施形態に過ぎず、本開示の保護範囲は、これに限定されず、特許請求の範囲の保護範囲を基準とすべきである。
【符号の説明】
【0117】
100 分析装置
110 搭載部
120 温度制御部
121 ヒータ
122 冷却器
130 信号検出部
131 光学センサ
図1
図2
図3
図4
図5
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図15
図16
図17A
図17B
図17C
図18
図19
図20
図21A
図21B
図22A
図22B
図23
【国際調査報告】