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特表2023-523433主モーション負荷経路におけるロストモーション及び高リフト移送構成要素を備えるバルブ作動システム
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  • 特表-主モーション負荷経路におけるロストモーション及び高リフト移送構成要素を備えるバルブ作動システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-05
(54)【発明の名称】主モーション負荷経路におけるロストモーション及び高リフト移送構成要素を備えるバルブ作動システム
(51)【国際特許分類】
   F01L 13/00 20060101AFI20230529BHJP
【FI】
F01L13/00 302C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022564541
(86)(22)【出願日】2021-05-04
(85)【翻訳文提出日】2022-10-24
(86)【国際出願番号】 IB2021053757
(87)【国際公開番号】W WO2021224801
(87)【国際公開日】2021-11-11
(31)【優先権主張番号】62/704,321
(32)【優先日】2020-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505413266
【氏名又は名称】ジェイコブス ビークル システムズ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロバーツ、ガブリエル エス.
(72)【発明者】
【氏名】ベン、スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ドン
(72)【発明者】
【氏名】ホジキンソン、エリック
(72)【発明者】
【氏名】グアルナ、ドミニク
【テーマコード(参考)】
3G018
【Fターム(参考)】
3G018BA11
3G018CB06
3G018DA28
3G018GA27
(57)【要約】
少なくとも1つのバルブトレイン構成要素を備える主モーション負荷経路を介して、少なくとも1つのエンジンバルブに、主事象バルブ作動モーションを提供するように構成されたバルブ作動モーション源を備える、バルブ作動システム。バルブ作動システムは、主モーション負荷経路における第1のバルブトレイン構成要素内に配置されたロストモーション構成要素を更に含み、ロストモーション構成要素は、モーション伝達状態又はモーション吸収状態で動作するように制御可能である。バルブ作動システムはまた、主モーション負荷経路に配置された高リフト移送構成要素を備え、高リフト移送構成要素は、ロストモーション構成要素がモーション吸収状態にあるときに、主モーション負荷経路が、主事象バルブ作動モーションの少なくとも高リフト部分を伝達することを可能にするように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのバルブトレイン構成要素を備える主モーション負荷経路を介して、少なくとも1つのエンジンバルブに、主事象バルブ作動モーションを提供するように構成されたバルブ作動モーション源を備える、バルブ作動システムであって、前記バルブ作動システムが、
前記主モーション負荷経路における第1のバルブトレイン構成要素内に配置されたロストモーション構成要素であって、前記ロストモーション構成要素は、前記ロストモーション構成要素が前記主事象バルブ作動モーションを伝達するモーション伝達状態で動作するように、又は前記ロストモーション構成要素が前記主事象バルブ作動モーションのうちの少なくとも一部分を伝達しないモーション吸収状態で動作するように制御可能である、ロストモーション構成要素と、
前記主モーション負荷経路に配置された高リフト移送構成要素であって、前記高リフト移送構成要素は、前記ロストモーション構成要素が前記モーション吸収状態にあるときに、前記主モーション負荷経路が、前記主事象バルブ作動モーションの少なくとも高リフト部分を伝達することを可能にするように構成されている、高リフト移送構成要素と、を更に備える、バルブ作動システム。
【請求項2】
前記高リフト移送構成要素が、前記ロストモーション構成要素に組み込まれている、請求項1に記載のバルブ作動システム。
【請求項3】
前記高リフト移送構成要素が、前記ロストモーション構成要素においてストローク制限特徴を備える、請求項2に記載のバルブ作動システム。
【請求項4】
前記ロストモーション構成要素が、機械的ロックサブシステムを備える、請求項3に記載のバルブ作動システム。
【請求項5】
前記ロストモーション構成要素が、油圧ロックサブシステムを備える、請求項3に記載のバルブ作動システム。
【請求項6】
前記高リフト移送構成要素が、二次ロックサブシステムを備える、請求項2に記載のバルブ作動システム。
【請求項7】
前記第1のバルブトレイン構成要素が、バルブブリッジである、請求項1に記載のバルブ作動システム。
【請求項8】
前記第1のバルブトレイン構成要素が、ロッカーアームである、請求項1に記載のバルブ作動システム。
【請求項9】
前記第1のバルブトレイン構成要素が、プッシュロッドである、請求項1に記載のバルブ作動システム。
【請求項10】
前記高リフト移送構成要素が、前記主モーション負荷経路において、少なくとも1つのバルブトレイン構成要素に組み込まれている、請求項1に記載のバルブ作動システム。
【請求項11】
前記高リフト移送構成要素が、前記少なくとも1つのバルブトレイン構成要素において、ストローク制限特徴を備える、請求項10に記載のバルブ作動システム。
【請求項12】
前記ストローク制限特徴が、前記少なくとも1つのバルブトレイン構成要素上に配置された少なくとも1つの接触面を備える、請求項11に記載のバルブ作動システム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの接触面が、格納式ピストンを備える、請求項12に記載のバルブ作動システム。
【請求項14】
前記少なくとも1つのバルブトレイン構成要素が、バルブブリッジである、請求項10に記載のバルブ作動システム。
【請求項15】
前記少なくとも1つのバルブトレイン構成要素が、ロッカーアームである、請求項10に記載のバルブ作動システム。
【請求項16】
前記少なくとも1つのバルブトレイン構成要素が、プッシュロッドである、請求項10に記載のバルブ作動システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、内燃機関におけるバルブ作動システムに関し、特に、主モーション負荷経路におけるロストモーション及び高リフト移送構成要素を備えるバルブ作動システムに関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関で使用するためのバルブ作動システムは、当技術分野で周知である。内燃機関の正の動作中、バルブ作動システムは、燃料の燃焼と併せて、バルブ作動モーション源からのバルブ作動モーションを、モーション負荷経路又はバルブトレインを介して、1つ以上のエンジンバルブ(吸気バルブ又は排気バルブのいずれか)に提供するために使用され、その結果、エンジンは、例えば、車両を動作させるために使用され得る動力を出力する。本明細書で使用されるとき、モーション源は、エンジンバルブ、例えば、カムに適用されるモーションを決定する任意の構成要素であり、一方、モーション負荷経路又はバルブトレインは、モーション源とエンジンバルブとの間に展開され、モーション源によって提供されたモーションを、エンジンバルブ、例えば、タペット、ロッカーアーム、プッシュロッド、バルブブリッジ、自動ラッシュアジャスタなどに伝達するために使用される、1つ以上の構成要素を備える。更に、本明細書で使用されるとき、「主」又は「一次」という記述子は、いわゆる主事象エンジンバルブモーション、すなわち、正の動力発生中に使用されるバルブモーション、及びそのようなバルブモーションを伝達するために使用されるモーション負荷経路に関する、本開示の特徴を指す。
【0003】
バルブ作動システムはまた、気筒休止(cylinder deactivation、CDA)と称されることが多い、任意のエンジンバルブの作動(並びに燃料の停止)を排除することによって、所与のエンジン気筒の動作を完全に停止するような方法で動作され得る。そのようなCDAシステムは、各々が独立して休止され得るように、吸気バルブ及び排気バルブ上で別々に動作されることが多い。CDAの利点としては、燃料消費量が低減し、排気温度が上昇して、後処理排出量の制御が改善されることが挙げられる。CDAは、いくつかのシステムでは、堅固/伸長(又はモーション伝達)状態と折り畳み/格納(又はモーション吸収)状態とを切り替えることができるモーション負荷経路に展開された折り畳み又はロストモーション構成要素を使用して実現される。前者の状態では、バルブ作動モーション源からのバルブ作動モーションは、ロストモーション構成要素を介してエンジンバルブに伝達される。後者の状態では、バルブ作動モーションは、バルブ作動モーションがエンジンバルブに適用されないように、すなわち、エンジンバルブが閉じたままであるように、ロストモーション構成要素によって失われる。そのようなロストモーション構成要素は、当技術分野で周知であり、ロック/ロック解除することができる機械デバイス、又は油圧流体のトラップ容積を捕捉/解放することができる油圧デバイスを備えることが多い。
【0004】
CDAがロストモーション構成要素を介して実装されるシステムでは、ロストモーション構成要素の故障モードを引き起こす可能性があることが多く存在する。そのような故障モードには、機械的構成要素の故障、構成要素の疲労故障、不注意の起動をもたらすシステム制御エラー、折り畳み要素の再ロックを防止する破片、振動、ラッシュ設定エラー、過度の熱成長、バルブシートのような重要な要素の過剰な摩耗などが挙げられる。
【0005】
加えて、例えば、エンジンの過負荷及び可能性のある壊滅的なエンジン損傷が、主事象の休止中に発生する可能性がある、4ストロークエンジンの特定の動作状態が存在する。具体的には、排気バルブの主モーション負荷経路が(意図的かどうかにかかわらず)休止されるが、対応する吸気バルブの主モーション負荷経路が休止されない場合、吸気主モーション負荷経路には、気筒内の圧力が排出されなかったため、吸気主事象に対してかなりの負荷があると見なすことができる。この負荷は、モータリング状態であってもバルブトレインの設計値を超える可能性があり、燃料噴射でははるかに悪くなる。また、この故障モードにより、吸気システムが過度の圧力及び温度に曝される可能性がある。例えば、CDA機構の故障によって排出されない動力ストローク中に燃焼事象が存在する場合、燃焼圧力及びガスは、後続の吸気事象において吸気システム内に移動し、吸気システムに損傷を与える。更にまた、この非常に高い吸気負荷事象はまた、ギアトレイン及びクランクシャフトを含むエンジン全体を通して過度の負荷を引き起こす可能性がある。
【0006】
偶発的又は意図しないCDA動作の可能性に対処するために、エンジンに大きな損傷が発生しないような堅牢なエンジンシステムを設計することが可能である。これは、故障モードでエンジン上に配置された負荷が通常の材料の設計限界内にある、より小さな変位エンジンで、より達成可能である。しかしながら、そのような設計は、気筒圧力が典型的にははるかに高い高馬力エンジンで実現することがはるかに困難である。
【0007】
更に、自動車応用では、気筒休止要素が正常にロック又はロック解除されたかどうかを検出するために特定のエンジンパラメータを測定することが、当該技術分野で既知である。検出された問題(例えば、意図しないロック又はロック解除)の場合には、エンジンコントローラは、気筒が完全に休止される保護モード(「リンプホーム」モードと称されることもある)(すなわち、吸気バルブ作動モーション及び排気バルブ作動モーションの両方が中断されるように)を開始して、任意の更なるエンジン損傷を防止する。
【0008】
高馬力エンジンの分野では、(例えば、米国特許第8,936,006号に例示されるように)Jacobs Vehicle Systems,Inc.によって開発された「HPD」システムが、CDA要素が故障した場合にバルブトレイン負荷を保護するために、低減された気筒圧力を保証するモーション源によって提供されるフェールセーフリフトを有する。このフェールセーフリフトは、別個のバルブトレイン要素、具体的にはエンジンブレーキロッカーアームから発生するように設計されている。加えて、米国特許第6,854,433号は、主モーション負荷経路におけるロストモーションシステムの故障にもかかわらず、少なくともいくつかのバルブ作動を可能にする補助モーション負荷経路を説明している。このシステムは、図1に概略的に例示されており、これは、主事象バルブ作動モーションをロッカーアーム108に提供する主バルブ作動モーション源106を含む主モーション負荷経路104を備えるバルブ作動システム102を有する内燃機関100を例示している。次に、主事象バルブ作動モーションは、ロストモーションシステム110及びバルブブリッジ112を介して、1つ以上のエンジンバルブ114に伝達される。上で説明されるように、独立型の油圧で作動するシステムを備えるロストモーションシステム110は、モーション伝達状態又はモーション吸収状態で動作され得る。‘433特許に更に示されるように、ロッカーアーム108は、ロッカーアーム108から離れ、バルブブリッジ112及び/又はエンジンバルブ114のうちの1つのいずれかと位置合わせされた突出部又は突起の形態の「補助システム」122を含む。モーション吸収状態におけるロストモーションシステムの動作中(意図的に又は故障に起因するかどうかにかかわらず)、補助システム122は、ロッカーアーム108によって伝達される主事象バルブ作動モーションのうちの少なくともいくつかもまた、バルブブリッジ112/バルブ114に適用されるように構成され、それにより、バルブ114の開放を、ロストモーションシステム110の動作不能/故障にもかかわらず確実にする。このようにして、補助システム122は、主モーション負荷経路104を迂回する補助モーション負荷経路120を形成する。
【0009】
上で説明される解決策が有益であることが証明されているが、この領域における更なる発展が良好であろう。
【発明の概要】
【0010】
本開示は、少なくとも1つのバルブトレイン構成要素を備える主モーション負荷経路を介して、少なくとも1つのエンジンバルブに、主事象バルブ作動モーションを提供するように構成されたバルブ作動モーション源を備える、バルブ作動システムに関する。バルブ作動システムは、主モーション負荷経路における第1のバルブトレイン構成要素内に配置されたロストモーション構成要素を更に含み、ロストモーション構成要素は、ロストモーション構成要素が主事象バルブ作動モーションを伝達するモーション伝達状態で動作するように、又はロストモーション構成要素が主事象バルブ作動モーションのうちの少なくとも一部分を伝達しないモーション吸収状態で動作するように制御可能である。更に、バルブ作動システムは、主モーション負荷経路に配置された高リフト移送構成要素を備え、高リフト移送構成要素は、ロストモーション構成要素がモーション吸収状態にあるときに、主モーション負荷経路が、主事象バルブ作動モーションの少なくとも高リフト部分を伝達することを可能にするように構成されている。様々な実施形態では、第1のバルブトレイン構成要素は、バルブブリッジ、ロッカーアーム、又はプッシュロッドを備え得る。
【0011】
一実施形態では、高リフト移送構成要素において、ロストモーション構成要素に組み込まれ、特定の実施形態では、ロストモーション構成要素におけるストローク制限特徴として実装され得る。これらの実施形態では、ロストモーション構成要素は、機械的ロックサブシステム又は油圧ロックサブシステムを備え得る。代替的に、ロストモーション構成要素に組み込まれた高リフト移送構成要素は、二次ロックサブシステムとして実装され得る。
【0012】
他の実施形態では、高リフト移送構成要素は、主モーション負荷経路において少なくとも1つのバルブトレイン構成要素(バルブブリッジ、ロッカーアーム、又はプッシュロッドなど)に組み込まれ、特定の実施形態では、少なくとも1つのバルブトレイン構成要素におけるストローク制限特徴として実装され得る。これらの実施形態では、ストローク制限特徴は、少なくとも1つのバルブトレイン構成要素上に配置された少なくとも1つの接触面を備え得る。代替的に、少なくとも1つの接触面は、油圧で作動するピストンなどの格納式ピストンとして実装され得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
前述及び他の特徴及び利点は、添付の図面とともに、特定の実施形態の以下の非限定的な説明で詳細に考察される。
図1】先行技術による、バルブ作動システムの概略例示図である。
図2】本開示による、バルブ作動システムの様々な実施形態の概略例示図である。
図3】本開示による、バルブ作動システムの様々な実施形態の概略例示図である。
図4】本開示による、排気主事象及び吸気主事象、並びに高リフト移送構成要素によって移送される、排気事象の高リフト部分を例示するグラフである。
図5図2の実施形態による、高リフト移送構成要素の様々な実装形態を例示する断面図である。
図6図2の実施形態による、高リフト移送構成要素の様々な実装形態を例示する断面図である。
図7図2の実施形態による、高リフト移送構成要素の様々な実装形態を例示する断面図である。
図8図2の実施形態による、高リフト移送構成要素の様々な実装形態を例示する断面図である。
図9図2の実施形態による、高リフト移送構成要素の様々な実装形態を例示する断面図である。
図10図2の実施形態による、高リフト移送構成要素の様々な実装形態を例示する断面図である。
図11図3の実施形態による、高リフト移送構成要素の様々な実装形態を例示する。
図12図3の実施形態による、高リフト移送構成要素の様々な実装形態を例示する。
図13図3の実施形態による、高リフト移送構成要素の様々な実装形態を例示する。
図14図3の実施形態による、高リフト移送構成要素の様々な実装形態を例示する。
図15図3の実施形態による、高リフト移送構成要素の様々な実装形態を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書で使用されるとき、方向への任意の言及(例えば、頂部、底部、上方、下方、左方、右方向など)は、それぞれの図面に例示される配向に対して定義される。
【0015】
ここで図2を参照すると、本開示によるバルブ作動システム202を備える内燃機関200が描写されている。バルブ作動システム202は、主事象バルブ作動モーションを第1のバルブトレイン構成要素206に提供する主モーション源204を備える。この実施形態では、第1のバルブトレイン構成要素206は、内部に配置されたロストモーション構成要素208を備え、ロストモーション構成要素208は、内部に配置された高リフト移送構成要素210を更に備える。上で説明されるように、ロストモーション構成要素208は、一般に、モーション伝達状態又はモーション吸収状態で動作することができる。次に、以下で更に説明されるように、ロストモーション構成要素206のみ又は高リフト移送構成要素210の動作を通じたロストモーション構成要素206のいずれかは、主事象バルブ作動モーションのうちの少なくとも一部分を第2のバルブトレイン構成要素212に提供し、次に、受容されたバルブ作動モーションを1つ以上のエンジンバルブ214に提供する。当業者には理解されるように、本明細書において説明されるバルブ作動システムは、排気エンジンバルブ若しくは吸気エンジンバルブ、又はその両方に適用され得る。描写されるバルブトレイン構成要素206、212の両方は、バルブブリッジ、ロッカーアーム(エンドピボットタイプ又は中央ピボットタイプのいずれか)、プッシュロッド、タペットなどの、いくつかの周知のバルブトレイン機構のいずれかであり得る。
【0016】
まとめると、図2に例示される第1及び第2のバルブトレイン構成要素は、ロストモーション構成要素2018及び高リフト移送構成要素210の、第1のバルブトレイン構成要素206への組み込みが、ロストモーション構成要素208及び高リフト移送構成要素210を必然的に要して主モーション負荷経路内で完全に動作させるように、主モーション負荷経路を構成する。加えて、図2に描写される主モーション負荷経路は、2つのバルブトレイン構成要素を構成するが、当業者であれば、この目的のためにより多くの又はより少ない数のバルブトレイン構成要素を使用できることを更に理解するであろう。更にまた、ロストモーション構成要素208及び高リフト移送構成要素210は、バルブ作動モーション源に最も近い第1のバルブトレイン構成要素206に組み込まれるものとして描写されているが、これは要件ではなく、ロストモーション構成要素208及びその対応する高リフト移送構成要素210は、設計上の選択の問題として、第2のバルブトレイン構成要素212などの、いくつかの他のバルブトレイン構成要素に等しく配置することができる。
【0017】
本明細書で使用されるとき、「高リフト」という記述子は、一般に、下限リフト閾値よりも大きい主事象バルブ作動モーションの任意の部分を提供することに関する、本開示の態様を指し、下限リフト閾値は、ゼロよりも大きく、主事象バルブ作動モーションによって通常提供される最大リフトよりも小さい。例えば、15mmの最大バルブリフトを有する主事象バルブ作動モーションの場合、下限リフト閾値は、高リフト部分が主事象バルブ作動モーションのほぼ全体を含むように、ゼロに適宜近づくが、ゼロに等しくないように選択され得る。その一方で、下限リフト閾値は、15mmの最大リフト値に適宜近づくが、それに等しくないように選択されてもよく、その結果、高リフト部分は、最大15mmに最も近いバルブリフト値を除いて、主事象バルブ作動モーションのいずれもほとんど含まない。この実施例が明らかになるように、主事象バルブ作動モーションのいずれかの極端に近い高リフト部分を定義する下限リフト閾値を設定することが可能である。しかしながら、実際には、エンジンへの潜在的な損傷を回避するために、特に、排気主事象バルブ作動モーションの場合に必要な、少なくとも気筒減圧のレベルを確保するのに必要な十分な量のバルブリフト(例えば、2mm以上)を提供する値に、下限リフト閾値を設定することが一般的に許容されるが、CDAで発生し、摩擦損失及びポンプ損失を低減することが既知である空気ばねに大きく影響を与えるほど高くならないことが好ましい。このようにして、高リフト部分は、エンジン損傷を回避するために、意図しない又はそうでなければ誤ったCDA動作の場合、フェールセーフリフトとして動作する。
【0018】
主事象バルブ作動モーションの高リフト部分の具体例は、図4に描写されており、主排気バルブ作動モーション402及び主吸気バルブ作動モーション404の周知の例を例示する。この実施例では、およそ12mmの最大リフトが提供され、本明細書に開示される様々なバルブ作動モーションシステムのいずれかを使用して、およそ2mmの高リフト部分406が提供される。すなわち、下限リフト閾値は、排気主事象402の任意の部分408がロストモーション構成要素208によって失われるように、10mmに設定される。
【0019】
図2をもう一度参照すると、ロストモーション構成要素208に組み込まれた高リフト移送構成要素210は、ロストモーション構成要素208がモーション吸収状態で動作しているときはいつでも、ロストモーション構成要素208による主事象バルブ作動モーションの少なくとも少なくとも高リフト部分の伝達を確実にするように構成されている。以下で説明される様々な実装形態では、高リフト移送構成要素210は、ストローク制限特徴、又はロストモーション構成要素208に組み込まれた二次ロック特徴のいずれかとして実装され得る。モーション伝達状態で動作するとき、ロストモーション構成要素208は、ロストモーション構成要素206と第2のバルブトレイン構成要素212との間の実線矢印によって描写されるように、第1のバルブトレイン構成要素206によって受容された主事象バルブ作動モーションを第2のバルブトレイン構成要素212に伝達するように機能する。その一方で、モーション吸収状態で動作するとき(そのような故障モードの意図的な制御によるか、又は故障モードの発生によるかにかかわらず)、高リフト移送構成要素210は、それでもなお、高リフト移送構成要素206と第2のバルブトレイン構成要素212との間の破線矢印によって描写されるように、ロストモーション構成要素206が、第1のバルブトレイン構成要素206によって受容された主事象バルブ作動モーションのうちの少なくとも一部分を第2のバルブトレイン構成要素212に伝達することを可能にするように機能する。
【0020】
ここで図3を参照すると、本開示によるバルブ作動システム302を備える内燃機関300が描写されている。特に、バルブ作動システム302は、以下に記載されるロストモーション構成要素304及び高リフト移送構成要素306の構成を除いて、図2に描写されるシステム202と実質的に同様である。特に、この実施形態では、ロストモーション構成要素304は、ここでもまた第1のバルブトレイン構成要素206に組み込まれているが、高リフト移送構成要素306は、図2のようにロストモーション構成要素304に組み込まれておらず、代わりに、高リフト移送構成要素306もまた第1のバルブトレイン構成要素206に組み込まれている。すなわち、事実上、高リフト移送構成要素306は、図2に描写されるインライン又は直列配置とは対照的に、ロストモーション構成要素304と並列である。高リフト移送構成要素306は、第1のバルブトレイン構成要素206における特徴として示されているが、第2のバルブトレイン構成要素212などの、異なるバルブトレイン構成要素に実装され得ることが理解される。更に、高リフト移送構成要素306は、2つ以上のバルブトレイン構成要素にわたって実装され得ることが理解される。以下で説明される様々な実装形態では、高リフト移送構成要素306は、例えば、少なくとも1つのバルブトレイン構成要素上に展開された接触面の形態で、ストローク制限特徴として実装され得る。更にまた、そのような接触面は、格納式ピストンとして具体化され得る。
【0021】
図5図10は、図2の実施形態による、高リフト移送構成要素の実装形態の様々な実施例を例示する。図5は、米国特許第9,790,824号において説明されているタイプのバルブブリッジ500を例示している。特に、バルブブリッジ500は、バルブブリッジ500の本体510内に形成された中央ボア512内に配設されたロストモーション構成要素505を備える。ロストモーション構成要素505は、中央ボア512内に摺動可能に配設された外側プランジャ520を備える。ウェッジ580の形態のロック要素が提供され、このウェッジは、ボア512を画定する表面に形成された環状の外側のくぼみ572と係合するように構成されている。内側プランジャ560に油圧制御が適用されていない場合(この場合、ロッカーアームを介して、図示せず)、内側ピストンばね544は、内側プランジャ560を所定の位置に付勢し、その結果、ウェッジ580が外側プランジャ520に形成された開口部から伸長し、それにより、外側のくぼみ572と係合し、バルブブリッジ本体510に対して所定の位置に外側プランジャ520を効果的にロックする。このロック状態又はモーション伝達状態では、外側プランジャ520を介してバルブブリッジ500に適用された任意のバルブ作動モーションは、バルブブリッジ本体510に伝達され、最終的にはエンジンバルブ(図示せず)に伝達される。しかしながら、油圧通路590を介して内側プランジャ560の頂部に十分に加圧された油圧流体を提供すると、内側プランジャ160は下方に摺動し、その結果、ウェッジ580が格納され、外側のくぼみ572から係合解除されることが可能になり、それにより、バルブブリッジ本体510に対して、効果的に外側プランジャ520のロック解除し、外側プランジャばね546によって提供される上方付勢を受けて、外側プランジャ520がそのボア512内で自由に摺動することを可能にする。このロック解除状態又はモーション吸収状態では、外側プランジャ520に適用された任意のバルブ作動モーションは、外側プランジャ520をそのボア112内で往復運動させる。
【0022】
しかしながら、この実施形態では、高リフト移送構成要素は、上で説明される下限リフト限界に等しくなるように設計されたストローク長591(外側プランジャ520の下向き面593及びボア512の底部によって画定された上向き面595によって画定された)を有するストロークリミッタの形態で提供される。すなわち、外側プランジャ520のストローク長591は、下限リフト限界よりも大きいバルブリフトが外側プランジャ520をボア512内で最も底部にあるように選択され、それにより、外側プランジャ520とバルブブリッジ本体510との間の固体接触を提供し、そのようなバルブリフトを、バルブブリッジ本体520を介してエンジンバルブに伝達させる。このようにして、ロストモーション構成要素505は、ロストモーション構成要素505がモーション吸収状態で動作されるときは常に、フェールセーフリフトを提供することができる。
【0023】
図6は、米国特許出願公開第2020/0182097号において説明されているタイプの中央ピボット(又はタイプIII)ロッカーアーム600を例示する。図示されるように、ロッカーアーム600は、図5に示されるロストモーション構成要素505と実質的に同様のロストモーション構成要素605を有する2つのハーフロッカーアーム604、606を備え、ロストモーション構成要素605は、ハウジング610内に形成されたボア601内に配設され、次に、第1のロッカーアーム604内に配設される。ロストモーション構成要素605は、第2のハーフロッカーアーム606上に形成された接触面604との接触を確立する。この実施形態では、外側プランジャ612は、ボア601とともに摺動可能に配設され、外側プランジャ612はまた、内側プランジャ614がその中に摺動可能に配設されたボア613を有する。例示の実施形態では、ロックばね620は、内側プランジャ614を外側プランジャボア613に付勢する。ロックばね620によって提供される付勢力が対抗されない限り、内側プランジャ614は、外側プランジャボア413に付勢され、それにより、ウェッジ616が、外側プランジャ612の側壁に形成された開口部を通って伸長され、ハウジング610の内壁に形成された外側のくぼみ618に伸長される。ロック要素616が伸長され、外側のくぼみ618と位置合わせされたとき、外側プランジャ612は、ハウジングボア601内で摺動することが機械的に防止される、すなわち、ハウジング610に対してロックされ、その結果、第1のロッカーアーム604に適用された任意のバルブ作動モーションが、ロストモーション構成要素605を介して接触面604に伝達され、第2のハーフロッカーアーム206、すなわち、ロストモーション構成要素605が、モーション伝達状態で動作される。逆に、油圧流体圧力が外側プランジャボア613に加えられたとき、ロックばね620によって提供された付勢提供された付勢に対向し、内側プランジャ614を外側プランジャボア613から更に摺動させる。そうすることにより、内側プランジャ614の直径が低減された部分がウェッジ616と位置合わせされ、それにより、ウェッジ616が後退し、外側のくぼみ618と係合解除することを可能にする。この状態では、外側プランジャ612は、ハウジングボア411内に更に摺動することが可能になり、すなわち、ハウジング610に対してロック解除され、その結果、第1のロッカーアーム604に適用される任意のバルブ作動モーションは、ロストモーション構成要素605によって吸収され、接触面604に伝達されず、第2のロッカーアーム206、すなわち、ロストモーション構成要素605は、モーション吸収状態で動作される。
【0024】
しかしながら、ここでもまた、この実施形態では、高リフト移送構成要素は、上で説明される下限リフト限界に等しくなるように設計されたストローク長691(外側プランジャ612の左向き面693及びボア601の底部によって画定された右向き面695によって画定された)を有するストロークリミッタの形態で提供される。すなわち、外側プランジャ612のストローク長691は、下限リフト限界よりも大きいバルブリフトが外側プランジャ612をボア601内で最も底部にあるように選択され、それにより、外側プランジャ612と第1のハーフロッカーアーム604との間の固体接触を提供し、そのようなバルブリフトを、第1のハーフロッカーアーム604、ロストモーション構成要素605、及び第2のハーフロッカーアーム606によってエンジンバルブに伝達させる。このようにして、ロストモーション構成要素605は、ロストモーション構成要素605がモーション吸収状態で動作されるときは常に、フェールセーフリフトを提供することができる。
【0025】
図7は、米国特許出願公開第2020/0291826号において説明されているタイプのエンドピボット(又はタイプII)ロッカーアーム600を例示する。図示されるように、ロッカーアーム700は、ロッカーアーム本体702に回転可能に(その第1の端部706に)取り付けられたレバーアーム704を備える。レバーアーム704は、その第1の端部706の反対側に湾曲した端面714を備える。ロストモーション構成要素705は、ロッカーアーム本体702のラッチボス720内に画定されたボア722内に摺動可能に配設されたラッチ712を備える。ラッチ712は、レバーアーム704の湾曲した端面714と係合するように構成されたレバー係合面714を含む。様々な直径を有する作動ピストン710の動作を通して、ボア722内のラッチ712の位置は、ラッチ712が作動ピストン710によって右端の位置に制御されるときに、レバー係合面714が比較的低い点で湾曲した端面714と接触するように制御され得る。これは、ローラ708の頂部で受容されたバルブ作動モーションがレバーアーム704によってロッカーアーム本体702に、及びエンジンバルブ(図示せず)上に伝達されるように、レバーアーム704の比較的高い位置に並進される。このように動作させると、ロストモーション構成要素705は、モーション伝達状態となる。逆に、作動ピストン710は、ボア722内のラッチ712の位置がその左端の位置に制御され、レバー係合面714を、比較的高い点で湾曲した端面714と接触させるように動作され得る。これは、バルブ作動モーションがローラ708に到達することができず、したがってレバーアーム704によってロッカーアーム本体702に、及びエンジンバルブ(図示せず)上に伝達されないように、レバーアーム704の比較的低い位置に並進される。このように動作させると、ロストモーション構成要素705は、モーション吸収状態となる。
【0026】
この実施形態では、高リフト移送構成要素は、上で説明される下限リフト限界に等しくなるように設計されたストローク長791(レバーアーム移動リミッタ730の下向き面及びラッチボス720の頂面によって画定された上向き面によって画定された)を有するストロークリミッタの形態で提供される。すなわち、レバーアーム704のストローク長791は、下限リフト限界よりも大きいバルブリフトがレバーアーム移動リミッタ730の下向き面をラッチボス720の上向き面と接触させるように選択され、それにより、レバーアーム704とロッカーアーム本体702との間の固体接触を提供し、そのようなバルブリフトを、ロッカーアーム本体702によってエンジンバルブに伝達させる。このようにして、ロストモーション構成要素705は、ロストモーション構成要素705がモーション吸収状態で動作されるときは常に、フェールセーフリフトを提供することができる。
【0027】
図8は、本出願と同じ譲受人に割り当てられた、米国特許出願第17/247,481号において説明されているタイプのプッシュチューブ800を例示する。図示されるように、プッシュチューブ800は、図5に示される、上部に取り付けられたロストモーション構成要素505と実質的に同様のロストモーション構成要素805を有するプッシュチューブ本体802を備える。ロストモーション構成要素805は、図5に例示される同一の名称の構成要素と同じ様式で動作する、外側プランジャ820、内側プランジャ860、及びウェッジ880を含み、外側プランジャ820は、プッシュチューブ本体802に堅固に接続されたハウジング804のボア内に摺動可能に配設されている。したがって、ウェッジ880が、外側プランジャ820がハウジング804に対してロックされるように制御されるとき、プッシュチューブ本体802を介して受容されたバルブ作動モーションは、ロストモーション構成要素805によってエンジンバルブ(図示せず)に伝達される。このように動作させると、ロストモーション構成要素805は、モーション伝達状態となる。逆に、ウェッジ880が、外側プランジャ820がハウジング804に対してロック解除されるように制御されるとき、プッシュチューブ本体802を介して受容されたバルブ作動モーションは、ロストモーション構成要素805によってエンジンバルブに伝達されない。このように動作させると、ロストモーション構成要素805は、モーション吸収状態となる。
【0028】
この実施形態では、高リフト移送構成要素は、上で説明される下限リフト限界に等しくなるように設計されたストローク長891(外側プランジャ820の下向き面893及びハウジング804の底部によって画定された上向き面895によって画定された)を有するストロークリミッタの形態で提供される。すなわち、外側プランジャ820のストローク長891は、下限リフト限界よりも大きいバルブリフトが下向き面893を上向き面895と接触させるように選択され、それにより、外側プランジャ820とハウジング804との間の固体接触を提供し、そのようなバルブリフトを、ロストモーション構成要素805によってエンジンバルブに伝達させる。このようにして、ロストモーション構成要素805は、ロストモーション構成要素805がモーション吸収状態で動作されるときは常に、フェールセーフリフトを提供することができる。
【0029】
図9及び図10は、図5に例示されるバルブブリッジ500と実質的に同一であるバルブブリッジ900を例示する。しかしながら、この実施形態では、高リフト移送構成要素は、ストローク制限特徴として実装されておらず、代わりに、二次ロックサブシステム930によって提供される。この実施形態では、二次ロックサブシステム930は、二次ロックボア934内に配設された二次ロックピストン932と、外側プランジャ920の外面における環として形成されたロックチャネル936との組み合わせによって提供される。図9では、ロストモーション構成要素905の内側プランジャ960は、ウェッジ980が環状外側チャネル972と係合し、外側プランジャ920をバルブブリッジ本体910にロックするように位置付けられている。このように動作させると、ロストモーション構成要素905は、正の動力発生中のモーション伝達状態となる。ロストモーション構成要素905のモーション伝達状態中、二次ロックサブシステム930は、二次ロックピストン932とロックチャネル936との間の位置合わせが欠如しているため、ロック解除状態に維持される、すなわち、二次ロックサブシステム930は、モーション伝達状態中の外側プランジャ920のいかなる動きも防止しない。しかしながら、ロストモーション構成要素905のモーション伝達状態中、ウェッジ980が故障した場合、外側プランジャ920がバルブブリッジ本体910に対して並進することができる。この場合、二次ロックサブシステム930は、外側プランジャ920の後続の下方並進(すなわち、ウェッジ980の故障後)が、二次ロックピストン932とロックチャネル936との位置合わせ及び係合を可能にするときに、フェールセーフ機能を実行する。この状態では、二次ロックピストン932とロックチャネル936との係合は、外側プランジャ920の更なる下方並進を防止し、それにより、外側プランジャ920をバルブブリッジ本体910に対して効果的にロックする。下限リフト限界を反映する外側プランジャ920の長手方向の長さに沿った場所にロックチャネル936を選択的に配置することによって、フェールセーフ機能が達成される。
【0030】
油圧流体が油圧通路990に供給されて、ロストモーション構成要素905を制御してモーション吸収状態で動作させる(それにより、CDAを可能にする)とき、図9に示されるように、油圧通路990とロックボア934の近位端と流体連通している半径方向の通路940の存在は、加圧された油圧流体が二次ロックピストン932に衝突することを可能にし、それにより、二次ロックピストン932を左方に並進させ、ロックチャネル936との係合を防止する。更に、図10を参照すると、環状外側チャネル972はまた、外側プランジャ920が、二次ロックピストン932をロックチャネル936と位置合わせするように十分に下方に並進したときに、半径方向の通路940もまた、環状外側チャネル972と位置合わせするようにロックボア934と流体連通しており、それにより、加圧された油圧流体が二次ロックピストン932の面に衝突するのを可能にし続け、ロック係合を防止する(図10に図示せず)。このようにして、モーション吸収状態(すなわち、意図せずにもたらされない)におけるロストモーション構成要素905の命令動作は、スムーズに進行することが可能になり、それにより、完全なCDA動作も可能になる。意図しない油圧損失の場合、二次ロックピストン932及びロックチャネル936は、ここでもまた、上で説明されるように互いに係合し、フェールセーフ機能を提供することを可能にする。
【0031】
図11図15は、図3の実施形態による、高リフト移送構成要素の実装形態の様々な実施例を例示する。図11及び図12は、プッシュチューブ1104からバルブ作動モーションを受容するロッカーアーム1102を備えるバルブ作動システム1100を例示する。図8の実施形態と同様に、プッシュチューブ1104は、ロストモーションアセンブリ1105を含む。しかしながら、図8の実施形態とは異なり、ロストモーション構成要素1105は、高リフト移送構成要素として動作するストローク制限特徴を含まない。この実施形態では、高リフト移送構成要素は、2つのバルブトレイン構成要素、すなわち、ロッカーアーム1102及びプッシュチューブ1104に組み込まれたストローク制限特徴によって提供される。この実装形態では、ストローク制限特徴は、ロッカーアーム延長部1110と、ロストモーション構成要素1105を取り囲むプッシュチューブシュラウド1112との組み合わせによって提供され、ストローク長は、ロッカーアーム延長部1110とプッシュチューブシュラウド1112の頂面との間の間隔によって画定される。図11に最もよく示されるように、ロッカーアーム延長部1110は、ロッカーアーム1102に装着され、Cリングのアーム1111が、プッシュチューブ1104のプッシュチューブ本体1114に装着されたシュラウド1112と位置合わせされるように構成されたCリングを備える。これらの配置により、ロストモーション構成要素1105がモーション吸収状態で動作しているときに、ロッカーアーム延長部1110とシュラウド1112の頂面との間の間隔によって画定されるストローク長は、上で説明される下限リフト限界に等しくなるように設計されている。すなわち、ストローク長は、下限リフト限界よりも大きいバルブリフトが、シュラウドにロッカーアーム延長部1110との固体接触を確立させるように選択され、それにより、そのようなバルブリフトを、ロッカーアーム1102に、及びエンジンバルブ(図示せず)上に伝達させる。このようにして、主モーション負荷経路におけるバルブトレイン構成要素(すなわち、ロッカーアーム1102及びプッシュチューブ1104)は、ロストモーション構成要素1105がモーション吸収状態で動作されるときは常に、フェールセーフリフトを提供することができる。
【0032】
図13は、図3の実施形態の2つの他の実装形態を例示する。この場合、主モーション負荷経路は、ロッカーアーム1302及びバルブブリッジ1304を備える。この場合、バルブブリッジは、ここでもまた、高リフト移送機構がロストモーション構成要素505に組み込まれたストローク制限特徴によって実装されないことを除いて、図5のバルブブリッジと実質的に同一である。これらの実施形態のうちの第1の実施形態では、高リフト移送構成要素は、2つのバルブトレイン構成要素、すなわち、ロッカーアーム1302及びバルブブリッジ1304に組み込まれたストローク制限特徴によって提供される。特に、ストローク制限特徴は、ロッカーアーム1302の鼻部上に展開されたロッカーアームシュラウド1306と、バルブブリッジ1304の頂部接触面1308との組み合わせによって提供され、その結果、ストローク長は、ロッカーアームシュラウド1306と頂部接触面1308との間の間隔によって画定される。これらの配置により、バルブブリッジ1304におけるロストモーション構成要素がモーション吸収状態で動作しているときに、ロッカーアームシュラウド1306と頂部接触面1308との間の間隔によって画定されたストローク長は、上で説明される下限リフト限界に等しくなるように設計されている。すなわち、ストローク長は、下限リフト限界よりも大きいバルブリフトが、ロッカーアームシュラウド1306に頂部接触面1308との固体接触を確立させるように選択され、それにより、そのようなバルブリフトを、ロッカーアーム1302からバルブブリッジ1304に、及びエンジンバルブ上に伝達させる。このようにして、主モーション負荷経路におけるバルブトレイン構成要素(すなわち、ロッカーアーム1302及びバルブブリッジ1304)は、バルブブリッジにおけるロストモーション構成要素がモーション吸収状態で動作されるときは常に、フェールセーフリフトを提供することができる。
【0033】
これらの実施形態のうちの第2の実施形態では、高リフト移送構成要素は、ここでもまた、2つのバルブトレイン構成要素、すなわち、ロッカーアーム1302及びバルブブリッジ1304に組み込まれた代替的なストローク制限特徴によって提供される。(実際には、図13に示されるストローク制限特徴の両方を実装する必要はなく、一方又は他方で十分である。これらの両方は、例示を容易にするために図13に示されている。)特に、ストローク制限特徴は、ロッカーアーム1302のバルブ側部分に展開された、横方向に延在するロッカーアーム延長部1310と、バルブブリッジ1304において展開された、横方向に延在するバルブブリッジ接触面1312との組み合わせによって提供され、ロッカーアーム延長部1306とバルブブリッジ延長部との間の間隔によってストローク長が画定されるように、ロッカーアーム延長部1310と位置合わせされる。これらの配置により、バルブブリッジ1304におけるロストモーション構成要素がモーション吸収状態で動作しているときに、ロッカーアーム延長部1310とバルブブリッジ延長部1312との間の間隔によって画定されたストローク長は、上で説明される下限リフト限界に等しくなるように設計されている。すなわち、ストローク長は、下限リフト限界よりも大きいバルブリフトが、ロッカーアーム延長部1310にバルブブリッジ延長部1312との固体接触を確立させるように選択され、それにより、そのようなバルブリフトを、ロッカーアーム1302からバルブブリッジ1304に、及びエンジンバルブ上に伝達させる。このようにして、ここでもまた、主モーション負荷経路におけるバルブトレイン構成要素(すなわち、ロッカーアーム1302及びバルブブリッジ1304)は、バルブブリッジにおけるロストモーション構成要素がモーション吸収状態で動作されるときは常に、フェールセーフリフトを提供することができる。
【0034】
ここで図14及び図15を参照すると、図13に示される第2の実施形態の代替的な実装形態、すなわち、横方向に延在するロッカーアーム延長部が示されている。この実装形態では、横方向に延在するロッカーアーム延長部1310は、油圧で作動する格納式ピストン1406に置き換えられ、一方、バルブブリッジ延長部1312によって提供される機能は、バルブブリッジ1404の頂面1408によって提供される。図15に最もよく示されるように、ピストン1406は、ロッカーアーム1402に形成されたピストンボア1502内に摺動可能に展開される。付勢ばね1504は、ピストン1406がバルブブリッジ1404の頂面1408と位置合わせされるように、ピストン1406をピストンボア1502から付勢するように提供される。この位置では、ピストン1406及び頂面1408は、図13のロッカーアーム延長部1310及びバルブブリッジ延長部1312と実質的に同一の様式で動作する。しかしながら、ロッカーアーム延長部1310及びバルブブリッジ延長部1312とは異なり、ピストン1406は、ロッカーアーム1402に形成された油圧通路1506を介して、ピストン1406に油圧流体を提供することによって格納され得る。付勢ばね1504の付勢を克服するのに十分なピストン1406に対する油圧流体の加圧は、ピストン1406をボア1502内に格納し、それにより、ピストン1406と頂面1408との間の任意の相互作用を排除する。
【0035】
図14及び図15の実施形態は、油圧で作動するピストンを使用して例示されているが、その中で説明される格納式ピストンは、当業者には既知の他の手段を使用して作動され得ることが理解される。
【0036】
特定の好ましい実施形態が図示及び説明されてきたが、当業者は、本教示から逸脱することなく変更及び修正を行うことができることを理解するであろう。例えば、本明細書において説明されるロストモーション構成要素の実装形態は、主に機械的ロック様式であるが、ロストモーション構成要素は、代わりに、油圧ラッシュアジャスタ(hydraulic lash adjuster、HLA)又は当技術分野で既知であるような制御バルブなどの油圧でロックされるシステムに基づくことができることが理解される。この場合、図2の実施形態と同様に、ストローク制限特徴が油圧ロック構成要素に組み込まれ得る。例えば、油圧ロック構成要素がHLAとして実装される場合、HLAが要求に応じて折り畳まれる(又はロック解除される)ことを可能にするチェックボールポーキング特徴が提供され得、それにより、排気事象を排除する。この場合、ストローク制限特徴は、本体と、HLAのプランジャ構成要素との間のHLAに設計することができる。加えて、ストローク制限特徴は、図3に関して上で説明される代替的な実施形態に従って、HLA折り畳み要素の外部にあり得る。
【0037】
加えて、上記の説明は、フェールセーフリフトを提供する目的で高リフト移送構成要素の提供に焦点を当ててきたが、当業者であれば、他の利点が本明細書において説明される教示によって提供されることが理解されよう。例えば、CDAシステムでは、休止モードにおける燃焼室内の特定の動作条件下では、負圧を達成し、リングを通過してオイルを吸引し、燃焼室を消費する可能性があることが既知である。本明細書において説明される教示は、高リフト移送構成要素がバルブを開いて、吸気圧又は排気圧を許容することによって、サイクルごとに気筒内の圧力を再バランスするために使用することができ、それにより、正の圧力を維持し、オイル消費を最小にしながら、依然として、記載された他の利点を達成するためにエンジンをCDAモードで動作させることができる。
【0038】
更にまた、上に記載される説明は、CDA動作という状況の中でロストモーション構成要素及び高リフト移送構成要素について考察してきたが、当業者であれば、本開示がその点で限定される必要はないことを理解するであろう。例えば、そのような構成要素はまた、Jacobs Vehicle Systems,Inc.によって開発された「HPD」エンジンブレーキ技術などの、主バルブ事象の中断を必要とするエンジンブレーキシステムに適用され得る。
【0039】
したがって、上で説明される教示のありとあらゆる修正、変形、又は同等物は、上で開示され、本明細書で特許請求される基本的な基本原理の範囲内にあると考えられる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2022-10-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
まとめると、図2に例示される第1及び第2のバルブトレイン構成要素は、ロストモーション構成要素208及び高リフト移送構成要素210の、第1のバルブトレイン構成要素206への組み込みが、ロストモーション構成要素208及び高リフト移送構成要素210を必然的に要して主モーション負荷経路内で完全に動作させるように、主モーション負荷経路を構成する。加えて、図2に描写される主モーション負荷経路は、2つのバルブトレイン構成要素を構成するが、当業者であれば、この目的のためにより多くの又はより少ない数のバルブトレイン構成要素を使用できることを更に理解するであろう。更にまた、ロストモーション構成要素208及び高リフト移送構成要素210は、バルブ作動モーション源に最も近い第1のバルブトレイン構成要素206に組み込まれるものとして描写されているが、これは要件ではなく、ロストモーション構成要素208及びその対応する高リフト移送構成要素210は、設計上の選択の問題として、第2のバルブトレイン構成要素212などの、いくつかの他のバルブトレイン構成要素に等しく配置することができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
図2をもう一度参照すると、ロストモーション構成要素208に組み込まれた高リフト移送構成要素210は、ロストモーション構成要素208がモーション吸収状態で動作しているとき、ロストモーション構成要素208による主事象バルブ作動モーションの少なくとも高リフト部分の伝達を確実にするように構成されている。以下で説明される様々な実装形態では、高リフト移送構成要素210は、ストローク制限特徴、又はロストモーション構成要素208に組み込まれた二次ロック特徴のいずれかとして実装され得る。モーション伝達状態で動作するとき、ロストモーション構成要素208は、ロストモーション構成要素206と第2のバルブトレイン構成要素212との間の実線矢印によって描写されるように、第1のバルブトレイン構成要素206によって受容された主事象バルブ作動モーションを第2のバルブトレイン構成要素212に伝達するように機能する。その一方で、モーション吸収状態で動作するとき(そのような故障モードの意図的な制御によるか、又は故障モードの発生によるかにかかわらず)、高リフト移送構成要素210は、それでもなお、高リフト移送構成要素206と第2のバルブトレイン構成要素212との間の破線矢印によって描写されるように、ロストモーション構成要素206が、第1のバルブトレイン構成要素206によって受容された主事象バルブ作動モーションのうちの少なくとも一部分を第2のバルブトレイン構成要素212に伝達することを可能にするように機能する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
図6は、米国特許出願公開第2020/0182097号において説明されているタイプの中央ピボット(又はタイプIII)ロッカーアーム600を例示する。図示されるように、ロッカーアーム600は、図5に示されるロストモーション構成要素505と実質的に同様のロストモーション構成要素605を有する2つのハーフロッカーアーム604、606を備え、ロストモーション構成要素605は、ハウジング610内に形成されたボア601内に配設され、次に、第1のロッカーアーム604内に配設される。ロストモーション構成要素605は、第2のハーフロッカーアーム606上に形成された接触面607との接触を確立する。この実施形態では、外側プランジャ612は、ボア601とともに摺動可能に配設され、外側プランジャ612はまた、内側プランジャ614がその中に摺動可能に配設されたボア613を有する。例示の実施形態では、ロックばね620は、内側プランジャ614を外側プランジャボア613に付勢する。ロックばね620によって提供される付勢力が対抗されない限り、内側プランジャ614は、外側プランジャボア413に付勢され、それにより、ウェッジ616が、外側プランジャ612の側壁に形成された開口部を通って伸長され、ハウジング610の内壁に形成された外側のくぼみ618に伸長される。ロック要素616が伸長され、外側のくぼみ618と位置合わせされたとき、外側プランジャ612は、ハウジングボア601内で摺動することが機械的に防止される、すなわち、ハウジング610に対してロックされ、その結果、第1のロッカーアーム604に適用された任意のバルブ作動モーションが、ロストモーション構成要素605を介して接触面607に伝達され、第2のハーフロッカーアーム206、すなわち、ロストモーション構成要素605が、モーション伝達状態で動作される。逆に、油圧流体圧力が外側プランジャボア613に加えられたとき、ロックばね620によって提供された付勢提供された付勢に対向し、内側プランジャ614を外側プランジャボア613から更に摺動させる。そうすることにより、内側プランジャ614の直径が低減された部分がウェッジ616と位置合わせされ、それにより、ウェッジ616が後退し、外側のくぼみ618と係合解除することを可能にする。この状態では、外側プランジャ612は、ハウジングボア411内に更に摺動することが可能になり、すなわち、ハウジング610に対してロック解除され、その結果、第1のロッカーアーム604に適用される任意のバルブ作動モーションは、ロストモーション構成要素605によって吸収され、接触面607に伝達されず、第2のロッカーアーム206、すなわち、ロストモーション構成要素605は、モーション吸収状態で動作される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
図7は、米国特許出願公開第2020/0291826号において説明されているタイプのエンドピボット(又はタイプII)ロッカーアーム700を例示する。図示されるように、ロッカーアーム700は、ロッカーアーム本体702に回転可能に(その第1の端部706に)取り付けられたレバーアーム704を備える。レバーアーム704は、その第1の端部706の反対側に湾曲した端面716を備える。ロストモーション構成要素705は、ロッカーアーム本体702のラッチボス720内に画定されたボア722内に摺動可能に配設されたラッチ712を備える。ラッチ712は、レバーアーム704の湾曲した端面716と係合するように構成されたレバー係合面714を含む。様々な直径を有する作動ピストン710の動作を通して、ボア722内のラッチ712の位置は、ラッチ712が作動ピストン710によって右端の位置に制御されるときに、レバー係合面714が比較的低い点で湾曲した端面716と接触するように制御され得る。これは、ローラ708の頂部で受容されたバルブ作動モーションがレバーアーム704によってロッカーアーム本体702に、及びエンジンバルブ(図示せず)上に伝達されるように、レバーアーム704の比較的高い位置に並進される。このように動作させると、ロストモーション構成要素705は、モーション伝達状態となる。逆に、作動ピストン710は、ボア722内のラッチ712の位置がその左端の位置に制御され、レバー係合面714を、比較的高い点で湾曲した端面716と接触させるように動作され得る。これは、バルブ作動モーションがローラ708に到達することができず、したがってレバーアーム704によってロッカーアーム本体702に、及びエンジンバルブ(図示せず)上に伝達されないように、レバーアーム704の比較的低い位置に並進される。このように動作させると、ロストモーション構成要素705は、モーション吸収状態となる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
図11図15は、図3の実施形態による、高リフト移送構成要素の実装形態の様々な実施例を例示する。図11及び図12は、プッシュチューブ1104からバルブ作動モーションを受容するロッカーアーム1102を備えるバルブ作動システム1100を例示する。図8の実施形態と同様に、プッシュチューブ1104は、ロストモーション構成要素1105を含む。しかしながら、図8の実施形態とは異なり、ロストモーション構成要素1105は、高リフト移送構成要素として動作するストローク制限特徴を含まない。この実施形態では、高リフト移送構成要素は、2つのバルブトレイン構成要素、すなわち、ロッカーアーム1102及びプッシュチューブ1104に組み込まれたストローク制限特徴によって提供される。この実装形態では、ストローク制限特徴は、ロッカーアーム延長部1110と、ロストモーション構成要素1105を取り囲むプッシュチューブシュラウド1112との組み合わせによって提供され、ストローク長は、ロッカーアーム延長部1110とプッシュチューブシュラウド1112の頂面との間の間隔によって画定される。図11に最もよく示されるように、ロッカーアーム延長部1110は、ロッカーアーム1102に装着され、Cリングのアーム1111が、プッシュチューブ1104のプッシュチューブ本体1114に装着されたシュラウド1112と位置合わせされるように構成されたCリングを備える。これらの配置により、ロストモーション構成要素1105がモーション吸収状態で動作しているときに、ロッカーアーム延長部1110とシュラウド1112の頂面との間の間隔によって画定されるストローク長は、上で説明される下限リフト限界に等しくなるように設計されている。すなわち、ストローク長は、下限リフト限界よりも大きいバルブリフトが、シュラウドにロッカーアーム延長部1110との固体接触を確立させるように選択され、それにより、そのようなバルブリフトを、ロッカーアーム1102に、及びエンジンバルブ(図示せず)上に伝達させる。このようにして、主モーション負荷経路におけるバルブトレイン構成要素(すなわち、ロッカーアーム1102及びプッシュチューブ1104)は、ロストモーション構成要素1105がモーション吸収状態で動作されるときは常に、フェールセーフリフトを提供することができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正の内容】
図6
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正の内容】
図7
【国際調査報告】