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特表2023-523460待ち時間および占有率シンボル化を有するエレベータ動作デバイス
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  • 特表-待ち時間および占有率シンボル化を有するエレベータ動作デバイス 図1
  • 特表-待ち時間および占有率シンボル化を有するエレベータ動作デバイス 図2
  • 特表-待ち時間および占有率シンボル化を有するエレベータ動作デバイス 図3a
  • 特表-待ち時間および占有率シンボル化を有するエレベータ動作デバイス 図3b
  • 特表-待ち時間および占有率シンボル化を有するエレベータ動作デバイス 図3c
  • 特表-待ち時間および占有率シンボル化を有するエレベータ動作デバイス 図3d
  • 特表-待ち時間および占有率シンボル化を有するエレベータ動作デバイス 図3e
  • 特表-待ち時間および占有率シンボル化を有するエレベータ動作デバイス 図3f
  • 特表-待ち時間および占有率シンボル化を有するエレベータ動作デバイス 図3g
  • 特表-待ち時間および占有率シンボル化を有するエレベータ動作デバイス 図4
  • 特表-待ち時間および占有率シンボル化を有するエレベータ動作デバイス 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-05
(54)【発明の名称】待ち時間および占有率シンボル化を有するエレベータ動作デバイス
(51)【国際特許分類】
   B66B 1/46 20060101AFI20230529BHJP
   B66B 3/00 20060101ALI20230529BHJP
【FI】
B66B1/46
B66B3/00 K
B66B3/00 Q
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022566056
(86)(22)【出願日】2021-04-22
(85)【翻訳文提出日】2022-12-26
(86)【国際出願番号】 EP2021060462
(87)【国際公開番号】W WO2021219469
(87)【国際公開日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】20172258.4
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040729
【氏名又は名称】インベンテイオ・アクテイエンゲゼルシヤフト
【氏名又は名称原語表記】INVENTIO AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バルター,ジャクリーネ
【テーマコード(参考)】
3F303
3F502
【Fターム(参考)】
3F303CA03
3F303CB52
3F303DA02
3F303DB03
3F303DB11
3F303DC14
3F303DC19
3F303DC21
3F502HB02
3F502MA02
3F502MA16
3F502MA31
3F502MA43
(57)【要約】
建物のフロア(L、L1)での進行要求を入力するためのエレベータ動作デバイス(4)は、乗客(P)に可視であるスクリーン領域(37)を有するタッチセンシティブスクリーンシステム(68)と、中央制御デバイス(40)とを有する。中央制御デバイス()は、スクリーン領域(37)に第1のグラフィカルユーザインタフェース(34)を表示するためにスクリーンシステム()を第1のエレベータ動作モードで制御し、スクリーン領域(37)に第2のグラフィカルユーザインタフェース(35)を表示するためにスクリーンシステム()を第2のエレベータ動作モードで制御する。第1のグラフィカルユーザインタフェース(34)は、1つまたは2つの進行方向シンボル(30、32)を含む。第2のグラフィカルユーザインタフェース(35)は、エレベータかご(10)がフロア(L、L1)に到着するまでの待ち時間をシンボル化するために設けられた縁部ゾーン(38)と、縁部ゾーン(38)とは別個に表示されることができ、乗客(P)によるエレベータかご(10)の占有率をシンボル化するために設けられた中央ゾーン(28)であって、中央ゾーン(28)の表示された充満度がエレベータかご(10)の占有率をシンボル化する、中央ゾーン(28)とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータかご(10)およびエレベータコントローラ(8)を有するエレベータシステム(1)が配置される建物のフロア(L、L1)での進行要求を入力するためのエレベータ動作デバイス(4)であって、
エレベータコントローラ(13)と通信するように構成された通信デバイス(36)と、
乗客(P)に可視であるスクリーン領域(37)を有するタッチセンシティブスクリーンシステム(68)と、
通信デバイス(36)およびスクリーンシステム(54)に通信可能に接続された中央制御デバイス(40)であって、スクリーン領域(37)に第1のグラフィカルユーザインタフェース(34)を表示するためにスクリーンシステム(54)を第1のエレベータ動作モードで制御し、スクリーン領域(37)に第2のグラフィカルユーザインタフェース(35)を表示するためにスクリーンシステム(54)を第2のエレベータ動作モードで制御するように構成される、中央制御デバイス(40)と
を備え、
第1のグラフィカルユーザインタフェース(34)は、1つまたは2つの進行方向シンボル(30、32)を備え、
第2のグラフィカルユーザインタフェース(35)は、
スクリーン領域(37)の円周に沿ってスクリーン領域(37)内に延在し、指定された幅を有する縁部ゾーン(38)であって、エレベータかご(10)がフロア(L、L1)に到着するまでの待ち時間をシンボル化するために設けられ、円周に沿って変化する縁部ゾーン(38)の充満度が変化する待ち時間をシンボル化する、縁部ゾーン(38)と、
縁部ゾーン(38)とは別個に表示可能であり、乗客(P)によるエレベータかご(10)の占有率をシンボル化するために設けられた中央ゾーン(28)であって、中央ゾーン(28)の表示された充満度がエレベータかご(10)の占有率をシンボル化する、中央ゾーン(28)と
を備える、
エレベータ動作デバイス(4)。
【請求項2】
円周に沿って変化する縁部ゾーン(38)の充満度は、縁部ゾーン(38)の減少する充満度であり、減少する待ち時間をシンボル化する、請求項1に記載のエレベータ動作デバイス(4)。
【請求項3】
第2のグラフィカルユーザインタフェース(35)の中央ゾーン(28)は、エレベータかご(10)が位置するフロア(L、L1)またはその近傍を表示するためにも設けられる、請求項1または2に記載のエレベータ動作デバイス(4)。
【請求項4】
中央ゾーン(28)は、エレベータかご(10)の進行方向を表示するためにも設けられる、請求項1から3のいずれか一項に記載のエレベータ動作デバイス(4)。
【請求項5】
第2のグラフィカルユーザインタフェース(35)は、縁部ゾーン(38)と中央ゾーン(28)との間に配置された中間ゾーン(25)も備え、中間ゾーン(25)は、進行要求に対応するエレベータかご(10)の進行方向を表示するために設けられる、請求項1から4のいずれか一項に記載のエレベータ動作デバイス(4)。
【請求項6】
中央ゾーン(28)は、動作シンボル(44)、ピクトグラム(44)、またはテキストを表示するためにも設けられる、請求項1から5のいずれか一項に記載のエレベータ動作デバイス(4)。
【請求項7】
スクリーン領域(37)は円形である、請求項1から6のいずれか一項に記載のエレベータ動作デバイス(4)。
【請求項8】
縁部ゾーン(38)は環状である、請求項7に記載のエレベータ動作デバイス(4)。
【請求項9】
中央ゾーン(28)は円形であり、中間ゾーン(25)は環状である、請求項7または9に記載のエレベータ動作デバイス(4)。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載のエレベータ動作デバイス(4)を備えるエレベータシステム(1)。
【請求項11】
乗客(P)によるエレベータかご(10)の占有率を決定するように構成されたセンサデバイス(12)が配置される、請求項10に記載のエレベータシステム(1)。
【請求項12】
エレベータ動作デバイス(4)は、エレベータシステム(1)のシャフトドア(11)もしくはシャフトドアフレームに、または建物の壁に配置される、請求項10または11に記載のエレベータシステム(1)。
【請求項13】
請求項10から12のいずれか一項に記載のエレベータシステム(1)を動作させるための方法であって、
1つまたは2つの進行方向シンボル(30、32)を含む第1のグラフィカルユーザインタフェース(34)を、乗客(P)に可視であるタッチセンシティブスクリーンシステム(68)のスクリーン領域(37)に表示させるために、第1のエレベータ動作モードで、建物のフロア(L、L1)に配置されたエレベータ動作デバイス(4)のタッチセンシティブスクリーンシステム(68)を制御することと、
乗客(P)が進行方向シンボル(30、32)に触れたときに進行要求を検出することと、
第2のグラフィカルユーザインタフェース(35)をスクリーン領域(37)に表示させるように、タッチセンシティブスクリーンシステム(68)を第2のエレベータ動作モードで制御することであって、第2のグラフィカルユーザインタフェース(35)が、
スクリーン領域(37)の円周に沿ってスクリーン領域(37)内に延在し、指定された幅を有する縁部ゾーン(38)であって、エレベータかご(10)がフロア(L、L1)に到着するまでの待ち時間をシンボル化するために設けられ、円周に沿って変化する縁部ゾーン(38)の充満度が変化する待ち時間をシンボル化する、縁部ゾーン(38)と、
縁部ゾーン(38)とは別個に表示されることができ、乗客(P)によるエレベータかご(10)の占有率をシンボル化するために設けられた中央ゾーン(28)であって、中央ゾーン(28)の表示された充満度がエレベータかご(10)の占有率をシンボル化する、中央ゾーン(28)と
を備えることと、
を含む、エレベータシステム(1)を動作させるための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の技術は、一般に、建物内のエレベータシステムに関する。本技術の実施形態は、特に、エレベータ動作デバイス、このようなエレベータ動作デバイスを有するエレベータシステム、およびこのようなエレベータシステムを動作させるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータシステムを有する建物では、エレベータ動作デバイスが設けられており、それによって乗客がエレベータの呼び出しを入力することができる。既知のエレベータシステムでは、エレベータ動作デバイスが個々のフロアに配置されている。これらのエレベータ動作デバイスは、乗客が所望の進行方向を入力するための上下ボタンを有する。それで、エレベータコントローラによって、例えば、乗客が所望の進行方向を入力したフロア(乗車フロア)にエレベータかごを移動させる。このエレベータシステムでは、エレベータ動作デバイスがエレベータかご内に設けられており、このデバイスによって、エレベータかご内の乗客は所望の行先フロアを入力することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
乗客は、上述の上下ボタンを使用してエレベータをフロアまで呼び出すことができるが、エレベータシステムおよび/または建物が乗客に追加の機能を提供する必要がある場合がある。したがって、これらの要件を完全にまたは少なくとも部分的に満たす技術が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書に説明される技術の一態様は、エレベータかごおよびエレベータコントローラを有するエレベータシステムが配置される建物のフロアでの進行要求を入力するためのエレベータ動作デバイスに関する。エレベータ動作デバイスは、エレベータコントローラと通信するように構成された通信デバイスと、乗客に可視であるスクリーン領域を有するタッチセンシティブスクリーンシステムと、通信デバイスおよびスクリーンシステムに通信可能に接続される中央制御デバイスとを有する。中央制御デバイスは、スクリーン領域に第1のグラフィカルユーザインタフェースを表示するためにスクリーンシステムを第1のエレベータ動作モードで制御し、スクリーン領域に第2のグラフィカルユーザインタフェースを表示するためにスクリーンシステムを第2のエレベータ動作モードで制御するように構成される。第1のグラフィカルユーザインタフェースは、1つまたは2つの進行方向シンボルを含む。第2のグラフィカルユーザインタフェースは、スクリーン領域の円周に沿ってスクリーン領域内に延在し、指定された幅を有する縁部ゾーンを含む。縁部ゾーンは、エレベータかごがフロアに到着するまでの待ち時間をシンボル化するために設けられており、円周に沿って変化する縁部ゾーンの充満度が変化する待ち時間をシンボル化する。第2のグラフィカルユーザインタフェースはまた、縁部ゾーンとは別個に表示されることができ、乗客によるエレベータかごの占有率をシンボル化するために設けられる中央ゾーンを含み、中央ゾーンの表示された充満度がエレベータかごの占有率をシンボル化する。
【0005】
本明細書に説明される技術のさらなる態様は、このようなエレベータ動作デバイスを有するエレベータシステムに関する。
【0006】
本技術の別の態様は、エレベータシステムを動作させるための方法に関する。本方法は、1つまたは2つの進行方向シンボルを含む第1のグラフィカルユーザインタフェースを、乗客に可視であるタッチセンシティブスクリーンシステムのスクリーン領域に表示させるために、第1のエレベータ動作モードで、建物のフロアに配置されたエレベータ動作デバイスのタッチセンシティブスクリーンシステムを制御することを含む。乗客が進行方向シンボルに触れると、進行要求が検出される。タッチセンシティブスクリーンシステムは、スクリーン領域に第2のグラフィカルユーザインタフェースを表示させるように、第2のエレベータ動作モードで制御される。第2のグラフィカルユーザインタフェースは、スクリーン領域の円周に沿ってスクリーン領域内に延在し、指定された幅を有する縁部ゾーンを含む。縁部ゾーンは、エレベータかごがフロアに到着するまでの待ち時間をシンボル化するために設けられており、円周に沿って変化する縁部ゾーンの充満度が変化する待ち時間をシンボル化する。第2のグラフィカルユーザインタフェースはまた、縁部ゾーンとは別個に表示されることができ、乗客によるエレベータかごの占有率をシンボル化するために設けられる中央ゾーンを含み、中央ゾーンの表示された充満度がエレベータかごの占有率をシンボル化する。
【0007】
本明細書に記載の技術は、スクリーン領域に2つのグラフィカルユーザインタフェースを互いに別々に表示することができるエレベータ動作デバイスを作成する。どのグラフィカルユーザインタフェースが表示されるかは、エレベータ動作モードに依存する。これにより、乗客は第1のグラフィカルユーザインタフェースによって進行方向を入力することができるだけでなく、第2のグラフィカルユーザインタフェースによって、エレベータの呼び出しを実行するエレベータかごの待ち時間および占有率に関する追加情報が乗客に送信されることができる。より情報が提供されている乗客は、エレベータシステムをより使いやすいものであると認識する。
【0008】
エレベータオペレータが、乗客とエレベータシステムとの相互作用および情報の伝達のための一種の単独のヒューマンマシンインタフェースデバイスとして構成されることも有利である。したがって、乗客は、エレベータ動作デバイスでエレベータを使用することに自分の注意を大幅に限定することができる。ある状況下では、フロアのさらなる情報デバイスが省略されてもよい。
【0009】
待ち時間および占有率がシンボル化される方法もまた、使いやすさに寄与する。一実施形態では、円周に沿って変化する縁部ゾーンの充満度は、縁部ゾーンの減少する充満度として構成され、減少する待ち時間をシンボル化する。
【0010】
一実施形態では、スクリーン領域は円形である。その結果、乗客に可視であるエレベータ動作デバイスの部分は、審美的に好ましい設計を有する。これに対応して、縁部ゾーンおよび中間ゾーンは円形であり得る。この代替として、スクリーン領域は、例えば多角形であり得る。その結果、乗客側のエレベータ動作デバイスの形状に対して複数の構成から1つ選択されることができる。
【0011】
一実施形態では、第2のグラフィカルユーザインタフェースの中央ゾーンは、エレベータかごが位置するフロアまたはその近傍を表示するためにも設けられる。この追加情報はまた、使いやすさに寄与し;乗客は、例えば、ある特定の状況下ではゆっくりであるが、フロア表示が変化するときに、エレベータかごが彼のフロアの方向に移動していることを見ることができる。一実施形態では、第2のグラフィカルユーザインタフェースの中央ゾーンは、エレベータかごの進行方向を表示するためにも設けられる。
【0012】
一実施形態では、第2のグラフィカルユーザインタフェースはまた、縁部ゾーンと中央ゾーンの間に配置された中間ゾーンを含む。中間ゾーンは、進行要求に対応するエレベータかごの進行方向を表示するために設けられている。その結果、例えば、同様にエレベータを使用したいさらなる乗客は、到着しようとしているエレベータかごが、他の乗客が望む進行方向への進行のために既に提供されているかどうかを認識することができる。
【0013】
一実施形態では、中央ゾーンは、動作シンボル、ピクトグラム、またはテキストを表示するためにも設けられる。このようにして、例えば、呼び出しを実行するエレベータかごがフロアに到着していて、エレベータドアが開いていることを表示することができる。加えて、この表示は、エレベータシステムの動作状態に関する情報、例えば、エレベータシステムが休止中であるか、または使用されない可能性があるという情報を提供するために柔軟に使用されることができる。
【0014】
エレベータシステムのシャフトドアもしくはシャフトドアフレームに、または建物の壁に配置されることができるエレベータ動作デバイスの配置に関しても柔軟性がある。建物によっては、エレベータ動作デバイスが、地面に固定された台座(または柱)上に配置されることができる。
【0015】
一実施形態では、センサデバイスがエレベータシステム内に配置されており、このセンサデバイスは、乗客によるエレベータかごの占有率を決定するように構成されている。この場合、センサデバイスまたはその機能が様々な方法で実装されることができることが有利である。例えば、エレベータシステムに既に設けられている荷重測定デバイスが使用されることができるか、または光学測定デバイス(例えば、ビデオデバイス)が設置されることができる。
【0016】
本明細書に説明される技術に従って使用されるタッチセンシティブスクリーンシステムは、タッチスクリーンを含む。タッチスクリーンは、用途および要件に応じて異なるサイズまたは寸法で製造されることができる。したがって、スクリーンシステムのサイズは、建物内の要件に応じて選択されることもできる。サイズに関するこの柔軟性に加えて、タッチスクリーンには、滑らかな表面を有するという利点もある。汚れは、例えば、隆起ならびに/または溝および隙間を有する1つ以上のボタンを有する配置よりも、滑らかな表面からより容易に除去されることができる。これにより、メンテナンス費用が低減される。
【0017】
本明細書に説明される技術はまた、例えば乗客側のエレベータ動作デバイスの形状に関して、構成における自由度を可能にする。創造的自由度は、ユーザインタフェースの構成に及ぶ。特に、現代の外観または現代的な外観が望まれる建物では、タッチスクリーンを装備したエレベータ動作デバイスは、この目的を達成するのに役立つことができる。
【0018】
改善された技術の様々な態様について、図面と併せて実施形態を参照して以下により詳細に説明する。図面では、同一の要素は同一の参照符号を有する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】複数のフロアを有する建物内の状況の一例およびエレベータシステムの一例の概略図である。
図2図1によるエレベータシステムにおいて、フロアに配置されるエレベータ動作デバイスのスクリーン領域の概略図である。
図3a】グラフィカルユーザインタフェースの一例の概略図である。
図3b】グラフィカルユーザインタフェースの一例の概略図である。
図3c】グラフィカルユーザインタフェースの一例の概略図である。
図3d】グラフィカルユーザインタフェースの一例の概略図である。
図3e】グラフィカルユーザインタフェースの一例の概略図である。
図3f】グラフィカルユーザインタフェースの一例の概略図である。
図3g】グラフィカルユーザインタフェースの一例の概略図である。
図4】エレベータ動作デバイスに配置された構成要素およびその接続の一例の概略図である。
図5】エレベータシステムを動作させるための方法の一実施形態の表現の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、エレベータシステム1によってサービスが提供される複数のフロアL、L1を有する建物2内の状況の一例の概略図である。フロアLは、乗客Pが建物2にアクセスするときに入り、乗客が再び建物2から出る、建物2の玄関ホールとすることができる。乗客PがフロアLに入る場合、そこから建物2の各フロアL、L1には、エレベータシステム1によって、適切なアクセス権限で、到達されることができる。例示の目的で、エレベータシステム1のうち、エレベータコントローラ8、駆動機械14、懸架手段16(例えば、鋼ケーブルまたは平ベルト)、懸架手段16に懸架されてシャフト18内で移動可能なエレベータかご10(以下、かご10とも称する)、およびいくつかのエレベータ動作デバイス4、6のみが図1に示されている。当業者であれば、エレベータシステム1は、グループコントローラによって制御される1つ以上のシャフト18内に複数のかご10を含むこともできることを認識するであろう。トラクションエレベータ(図1に示す)の代わりに、エレベータシステム1は、1つ以上の油圧エレベータを有することもできる。
【0021】
図1に示す状況では、エレベータ動作デバイス4が各フロアL、L1に配置され、このエレベータ動作デバイスでは、乗客Pが所望の進行方向を入力し、したがってエレベータをフロアL、L1に呼び出すことができる。乗客Pが位置し、エレベータを呼び出しているフロアL、L1は、乗車フロアとも称される。乗客Pは、エレベータかご10内に配置されたエレベータ動作デバイス6で所望の行先フロアを入力することができる。この制御技術は当業者には既知であるため、より詳細な説明は必要ではないと思われ;以下では、この技術は、本明細書に説明される技術を理解するのに役立つと思われる範囲でのみ説明する。以下に記載の技術の実施形態は、フロアL、L1に配置されたエレベータ動作デバイス4に関する。
【0022】
エレベータ動作デバイス4は、乗客Pに可視であるスクリーン領域37を有するタッチセンシティブスクリーンシステム68を含む。スクリーンシステム68は、エレベータシステム1の(エレベータ)動作モードに応じて制御されることができる。これに応じて、エレベータ動作デバイス4のスクリーン領域37は、第1のグラフィカルユーザインタフェース34または第2のグラフィカルユーザインタフェース35を表示する。図1のフロアLに配置されたエレベータ動作デバイス4は、スクリーン領域37に第1のグラフィカルユーザインタフェース34を表示しており、このユーザインタフェースは、上方向の進行方向シンボル30と、下方向の進行方向シンボル32とを含む。エレベータシステム1は、このフロアLに対して第1の動作モードにあり、この動作モードでは、所望の進行方向(エレベータの呼び出し)は、そこのエレベータ動作デバイス4で入力されることができる。
【0023】
図1のフロアL1に配置されたエレベータ動作デバイス4は、スクリーン領域37に第2のグラフィカルユーザインタフェース35を表示する。図示の第2のグラフィカルユーザインタフェース35は、フロア指定(「3」)、シンボル(24)、およびエリア(28、38)の例を含んでおり;第2のユーザインタフェース35の一実施形態のより一般的な表現が図2に示されている。エレベータシステム1は、このフロアL1に対して第2の動作モードにあり、この動作モードでは、そこのエレベータ動作デバイス4でのエレベータの呼び出し入力が行われ、状態情報がこのエレベータ動作デバイス4で表示される。
【0024】
図2に示す第2のユーザインタフェース35の一実施形態のより一般的な表現によれば、第2のユーザインタフェース35は、縁部ゾーン38、中央ゾーン28、および中間ゾーン25という異なるゾーンに分割される。一実施形態では、スクリーン領域37は円形エリアを有する。これに対応して、図示の実施形態では、縁部ゾーン38は環状であり、中央ゾーン28は円形であり、縁部ゾーン38から離間している。環状の中間ゾーン25は、縁部ゾーン38と中央ゾーン28との間に位置する。これらのゾーン(25、28、38)は、スクリーン領域37上にエリアを形成しており、本明細書に説明される技術による状態情報を表示するために使用される。
【0025】
当業者であれば、スクリーン領域37および/またはゾーン(25、28、38)が、別の実施形態では例として示される円形形状から逸脱し得ることを認識するであろう。スクリーン領域37および/またはゾーン(25、28、38)の少なくとも1つは、例えば、楕円形または多角形として構成されることができる。当業者であれば、ゾーン(25、28、38)によって形成されたエリアは、所望に応じて指定されることができ;例えば、中央ゾーン28は、より小さいエリアを有することができ、それによって中間ゾーン25のエリアが増加されることを認識するであろう。同じことが縁部ゾーン38にも当てはまる。
【0026】
縁部ゾーン38は、スクリーン領域37の円周に沿ってスクリーン領域37内に延在し、指定された幅を有し、その結果、前記エリアが得られる。縁部ゾーン38は、エレベータかご10が(乗車)フロアL、L1に到着するまでの待ち時間をシンボル化するために設けられている。図示の実施形態では、待ち時間は、エリアが多かれ少なかれ満たされるという事実によってシンボル化されており;この表面の充満は、以下では充満度と称される。充満度は、例えば、色で、および/またはパターンもしくは構造化によって表されることができる。円周に沿って変化する縁部ゾーン38の充満度は、変化する待ち時間をシンボル化する。例えば、縁部ゾーン38の減少する充満度は、減少する待ち時間をシンボル化する。縁部ゾーン38の充満度の例は、図1および図3c~図3fに示されている。一実施形態では、充満度は、秒または分単位で待ち時間を表すことができ;完全に満たされた縁部ゾーン38は、例えば、約30秒または60秒の待ち時間を表すことができる。
【0027】
縁部ゾーン38とは別に表示される中央ゾーン28は、乗客Pによるエレベータかご10の占有率をシンボル化するために設けられている。本明細書の他の箇所でより詳細に説明するように、エレベータシステム1は、乗客P(または物体)によるエレベータかご10の占有率が決定されることができるセンサデバイス12を有する。占有率は、例えば、エレベータかご10が空であるか満員であるか、またはエレベータかご10内の乗客Pが少ないか多いかを示す。図示の実施形態では、占有率は、中央ゾーン28のエリアが多かれ少なかれ満たされるという事実によってシンボル化されており;この表面の充満は、以下では充満度と称される。充満度は、例えば、色で、および/またはパターンもしくは構造化によって表されることができる。中央ゾーン28の変化する充満度は、変化する占有率をシンボル化する。例えば、中央ゾーン28の増加する充満度は、増加する占有率をシンボル化する。中央ゾーン28の充満度の例は、図1および図3c~図3fに示されている。
【0028】
中間ゾーン25は、進行要求に対応するエレベータかご10の進行方向を表示するために設けられている。進行方向は、例えば進行方向シンボル30、32と同様に構成されることができる進行方向シンボル24によって表示されることができる。進行方向シンボル24は、フロアL、L1の乗客Pに、このフロアL、L1から次に出発するエレベータかご10が表示された進行方向に進行していることを示す。進行方向シンボル24を有する中間ゾーン25の一実施形態が、図1および図3c~図3fに示されている。
【0029】
本明細書に説明される技術によるエレベータ動作デバイス4は、エレベータシステム1のエレベータシャフトドア11もしくはシャフトドアフレームに、または建物の壁に配置されることができる。建物内の状況によっては、エレベータ動作デバイス4が、フロアの地面に立設した柱に配置されることもできる。エレベータシャフトドア11は、フロアL、L1をエレベータシャフト18から分離しており;エレベータかご10がフロアL、L1に位置する場合、そのかごドア(図1に図示せず)は、例えば、このエレベータかごとともにエレベータシャフトドア35を移動させることができる。エレベータ動作デバイス4がシャフトドア11に配置される場合、エレベータ動作デバイス4は、シャフトドア11とともに移動する。
【0030】
エレベータ動作デバイス4は、通信ネットワーク22を介してエレベータコントローラ8に接続されている。通信線20は、(かご側)エレベータ動作デバイス6をエレベータコントローラ8に接続する。一実施形態では、通信線20はまた、かご10内またはかご10上に配置されたセンサデバイス12をエレベータコントローラ12に接続する。
【0031】
図1に示す実施形態は、センサデバイス12が荷重測定デバイス(目盛りのシンボルによって表される)および/またはカメラデバイス(カメラのシンボルによって表される)を含むことができることを示している。センサデバイス12は、かご10の占有率の尺度を決定し、この尺度はエレベータコントローラ8に利用可能である。この尺度は、最小占有率(すなわち、かご10が空である)から最大占有率(すなわち、かご10が満員(最大乗客数または最大積載重量(ペイロード))である)までの範囲にわたる。例えば、荷重測定デバイスを用いて、積載重量が求められることができ;これにより、乗客の数についての結論が引き出されることも可能になる。エレベータかご10には通常、例えば最大積載重量を超える荷重を検出して警告信号を生成する荷重測定デバイスが装備されている。例えば、かご10内の乗客P(または物体)は、カメラデバイスを用いて計数されることができる。カメラデバイスは、例えば、光学的範囲(可視、赤外線)または評価(例えば、3Dカメラ)によって分類された異なる測定原理に基づくことができる。当業者であれば、占有率を決定するために複数の方法が利用可能であること、センサデバイス12がエレベータシステム1内のかご10以外の場所に配置されることができること、およびセンサデバイス12の機能の全体または一部がエレベータコントローラ12内に実装されることができることを認識するであろう。
【0032】
図1に示す状況において、エレベータシステム1の一実施形態によれば、本明細書に記載の技術では、エレベータ動作デバイス4が有利に使用されており、このエレベータ動作デバイスは、乗客Pに対するエレベータの呼び出しの入力を確認するだけでなく、状況に応じて乗客Pに通知する追加の機能も提供する。フロアLのエレベータ動作デバイス4は、進行方向シンボル30、32を示し、それによって、例えば、このエレベータ動作デバイス4上でエレベータの呼び出し入力が現在行われていないこと、およびエレベータ制御デバイス4が所望の進行方向を入力するために利用可能であることを乗客Pに通知する。フロアL1のエレベータ動作デバイス4は、そこでエレベータの呼び出しが入力された後、例えば図1に示すように、乗客Pに、エレベータかご10の現在位置(「3」(シンボル26))、その(満員の半分の)占有率(中央ゾーン28)、および残りの待ち時間(縁部ゾーン38)を通知する。
【0033】
図3a~図3gは、グラフィカルユーザインタフェース34、35の一例の概略図を示す。この表現は、特に、表示されたユーザインタフェース34、35における経時的な変化を表す。図3aは、図1のフロアLに示されるエレベータ動作デバイス4によっても表示されるように、進行方向シンボル30、32を有する第1のグラフィカルユーザインタフェース34を示している。図3bは、乗客Pが上方向への進行要求のために進行方向シンボル30を押した後の第1のグラフィカルユーザインタフェース34を示している。進行方向シンボル30は、呼び出しが入力されたことを乗客Pに確認するために、光学的に(例えば、色で、および/または明るさ/照明を変化させることによって)強調されることができる。これに対して、下方向の進行方向シンボル32は、強調表示されないか、または非アクティブにされ;例えば、もはや可視ではない場合がある。図3bは、例示の目的で進行方向シンボル32を破線で示している。
【0034】
図3c~図3gは、例えば、呼び出し入力後にフロアL1の乗客Pに可視であるような第2のグラフィカルユーザインタフェース35を示しており、フロアL1は乗車フロアである。乗客の所望の進行方向は、中間ゾーン25(図2参照)内の進行方向シンボル24によって示されるように(図3c~図3f参照)、上方向である。進行方向シンボル24は、例えば、進行方向シンボル30、32に関連して説明したように、光学的に強調表示されてもよいが、このような強調表示は、下方向の進行方向シンボルには提供されない。図3c~図3fでは、進行方向シンボルは、例示の目的で下方向の破線で示されている。
【0035】
エレベータの呼び出しを行うために、エレベータコントローラ8は、エレベータかご10が既に乗車フロア(L1)に位置していない限り、エレベータかご10の乗車フロア(L1)への運動を引き起こす。図示の実施形態では、エレベータかご10は乗車フロア(L1)に向かわせる。乗車フロア(L1)の方向へのエレベータかご10の移動は、例えば中央ゾーン28に表示されるかご運動シンボル40によって表される。かご運動シンボル40は、図3c、図3d、図3fにおけるエレベータかご10の進行方向を示している。エレベータかご10の現在位置は、中央ゾーン28内の数字によるフロアの指定によって表される。図3c~図3fに示す実施形態によれば、エレベータかご10は、フロア「5」からフロア「2」へと下方向に移動される(かご運動シンボル40参照)。
【0036】
図3c~図3fでは、中央ゾーン28は、占有率インディケータ42によって多かれ少なかれ満たされており;占有率インディケータ42によって満たされた中央ゾーン28のエリアは、充満度と称される。占有率インディケータ42または充満度は、乗客Pによるエレベータかご10の占有率をシンボル化している。図示の実施形態では、占有率インディケータ42は、円形の中央ゾーン28を下(すなわち、空のエレベータかご10)から上(エレベータかご10の増加する占有率)まで満たすように構成されている。占有率インディケータ42は、例えば色および/もしくはライティングの選択によって、ならびに/または表面パターンの選択によって、光学的に強調表示されることができる。当業者であれば、占有率インディケータ42は、占有率を明確にシンボル化するために別様に構成されることもでき;例えば、可変サイズの1つ以上の円形または多角形のエリア(例えば、円またはバー)が表示されることができることを認識するであろう。
【0037】
図3eでは、(正方形の)かご運動シンボル40は、エレベータかご10がフロア「3」にあることを示している。この実施形態では、少なくとも1人の追加の乗客Pがエレベータかご10に入る。乗客Pが降車しないため、占有率が増加する。エレベータかご10の増加した占有率は、図3fにおいて、より高い充満度によって、すなわち、より大きなエリアの占有率インディケータ42によって示されている。
【0038】
図3gは、エレベータかご10が乗車フロア(L1)に到着した時点での第2のグラフィカルユーザインタフェース35の一実施形態を示している。この到着は、例えばシャフトドア11が開かれる前に、乗客Pに伝えられることができる。この通知は、例えば、動作シンボル44、ピクトグラム44、および/またはテキストが表示されることによって行われることができる。図3gは、開いているシャフトドア11をシンボル化する水平に配置された二重矢印を示している。少なくとも中央ゾーン28またはその領域がこの表示に使用されることができ;加えて、中間ゾーン25が使用されることができる。当業者であれば、この通知が音響的に知覚可能な通知によって補完されることができることを認識するであろう。
【0039】
エレベータかご10が乗車フロア(L1)の方向に移動すると、そこで待つ乗客Pの待ち時間が変化する。待ち時間は、縁部ゾーン38によって乗客Pに表示される。上述したように、縁部ゾーン38の充満度は、待ち時間をシンボル化している。図3cでは、縁部ゾーン38はほぼ完全に満たされており、黒くなったエリアとして示されている。この状態から開始すると、待ち時間が短縮される。図3d~図3fでは、この待ち時間は、より小さくなる黒くなったエリアによってシンボル化されている。図3gでは、エレベータかご10が乗車フロア(L1)に到着しているため、待ち時間は表示されていない。
【0040】
図4は、一実施形態による、例えばキャリア要素内またはキャリア要素上もしくはキャリア要素の上部に配置される構成要素を内部に有するエレベータ動作デバイス4の概略図を示している。以下では、構成要素は、例えば建物の壁またはシャフトドア11に挿入されることができるキャリア要素7上に配置されている。当業者であれば、これらの構成要素の配置およびそれらが通信可能に接続される方法が例示的であることを認識するであろう。図示の実施形態では、タッチセンシティブスクリーンシステム54、中央制御デバイス46(CPU)、照明デバイス50、電気音響変換器48(例えば、スピーカ)、および通信デバイス36(PoE、Power over Ethernet)が、キャリア要素7内に配置されている。中央制御デバイス46は、エレベータ動作デバイス4の動作および機能を保証するために、上述の構成要素に通信可能に接続されている。
【0041】
タッチセンシティブスクリーンシステム54は、以下ではタッチスクリーン54と称される。図示の実施形態では、タッチスクリーン54は、透明なガラスまたはプラスチックのプレート(図示せず)と、プロセッサ52とを備える。タッチスクリーン54の表示デバイスによって表示されるグラフィカルユーザインタフェース34、35は、動作モードによっては、透明なガラスまたはプラスチックのプレートを通して乗客Pに可視である。プロセッサ52は、中央制御デバイス46に接続されており、例えば、乗客Pが指で方向シンボル30、32のうちの1つに触れたときに信号を生成し;プロセッサ52は、乗客Pへ入力を確認するために、表示デバイス、電気音響変換器38、および/または照明デバイス50を制御する。一実施形態では、中央制御デバイス46は、入力されたエレベータの呼び出しを、例えば音声によって、聴覚的にも、乗客Pに伝達するために、変換器38(スピーカ)を制御する。特に呼び出しを入力するためのタッチスクリーンの構造および機能は、当業者に既知であり、したがって、さらなる説明は必要ないと思われる。
【0042】
一実施形態では、タッチスクリーン54は、指定されたサイズを有しており、例えば、スクリーン領域37が円形である場合には直径として指定され、またはスクリーン領域37が矩形である場合には幅および長さ(または高さ)として、もしくは画面対角線として指定される。タッチスクリーン54またはそのスクリーン領域37の選択された形状およびサイズは、タッチスクリーン54のどのエリアまたはどの部分が(触れるため、および/または情報を表示するための)使用可能エリアとして指定されるかに依存し得る。当業者であれば、スクリーン領域37のサイズが、建物に対して指定された要件、例えば、フロアの数および/または建物の種類もしくは用途(建物に精通している/精通していない、したがって、より少ない/より多い情報を必要とする定期/不定期の乗客)に従って選択されることができることを認識するであろう。
【0043】
照明デバイス50は、エレベータ動作デバイス4のタッチスクリーン54もしくはユーザインタフェース34、35、またはユーザインタフェース34、35の領域のみを照明するために使用される。中央制御デバイス46によって制御されているので、照明デバイス50は、ユーザインタフェース34、35を照明するか、またはこれらのユーザインタフェースを選択的に照明することができ、その結果、表示された進行方向シンボル30、32、ならびに、例えば、乗客Pの待ち時間および占有率のシンボル化が、特に不十分なライティング条件において知覚可能である。照明デバイス50はまた、例えばエレベータの呼び出しの入力を確認するために、ユーザインタフェース34、35または個々のシンボルおよびゾーンを有色光で照明することができる。一実施形態では、照明デバイス50は、1つ以上のLED光源を含む。
【0044】
通信ネットワーク22は、フロア側のエレベータ動作デバイス4をエレベータコントローラ8に接続し、したがってエレベータコントローラ8とエレベータ動作デバイス4との間で通信を可能にする。この通信のために、エレベータ動作デバイス4およびエレベータコントローラ8は、通信ネットワーク22に直接または間接的に接続されることができる。通信ネットワーク22は、通信バスシステム、個々のデータ線、またはこれらの組み合わせを含むことができる。通信ネットワーク22の実装によっては、個々のアドレスおよび/または識別子がエレベータコントローラ8および各エレベータ動作デバイス4に割り振られることができ、それにより、例えば、エレベータコントローラ8は、目標とする方法で所望のエレベータ動作デバイス4にメッセージを送信することができる。通信は、有線通信用のプロトコル、例えばEthernetプロトコルに従って行うことができる。一実施形態では、エレベータ動作デバイス4には、通信ネットワーク22(PoE)を介して電気エネルギーが供給される。
【0045】
エレベータシステム1の上述の基本的なシステム構成要素、エレベータ動作デバイス4、およびこれらの機能を理解した上で、図1に示すエレベータシステム1を動作させるための方法の一例の説明が、図5を参照して以下に行われる。図5は、本方法のフローチャートの一例を示しており;ステップS1で開始し、ステップS7で終了する。当業者であれば、これらのステップへの分割は一例であり、これらのステップのうちの1つ以上が1つ以上のサブステップに分割されてもよく、または複数のステップが1つのステップに組み合わされてもよいことを認識するであろう。
【0046】
本方法は、(現在の)フロアL、L1に位置する乗客Pを参照して説明される。そこに配置されたエレベータ動作デバイス4では、乗客Pは、現在のフロアL、L1から行先フロアL、L1までエレベータで運ばれるために、進行要求(呼び出し)を入力したいであろう。このフロアL、L1から、乗客Pは、上方向または下方向に進行することを望むことができ;行先フロアL、L1は、(現在の)フロアL、L1の上または下に位置することができる。したがって、フロアL、L1は中間フロアであり;このような状況が以下に説明される。しかしながら、乗客Pは、1つの進行方向のみが可能な最下フロアLまたは最上フロアL1にいることもできる。
【0047】
エレベータシステム1が動作の準備ができていて、フロアL、L1のエレベータ動作デバイス4がエレベータの呼び出しの入力の準備ができている場合、ステップS2では、エレベータ動作デバイス4のスクリーンシステム54は第1の動作モードで制御される。ステップS3では、第1のグラフィカルユーザインタフェース34は、この第1の動作モードで表示される。第1のグラフィカルユーザインタフェース34は、少なくとも1つの進行方向シンボル30、32を表示する。本明細書に説明される状況では、乗客Pは中間フロアに位置し;したがって、グラフィカルユーザインタフェース34は、上方向および下方向の進行方向シンボル30、32を表示する。
【0048】
ステップS4では、乗客Pの進行要求が検出される。乗客Pがどの進行方向シンボル30、32に触れているかも検出される。エレベータの呼び出しは、エレベータ動作デバイス4からエレベータコントローラ8に送信される。エレベータコントローラ8は、エレベータの呼び出しが入力されたフロアL、L1と、どの進行方向が望まれているかとを検出する。次に、エレベータコントローラ8は、既知の方法でエレベータの呼び出しを行わせ、特に、フロアL、L1(乗車フロア)のエレベータかご10が利用可能になる。
【0049】
ステップS5では、エレベータ動作デバイス4のスクリーンシステム54は、第2の動作モードで制御される。ステップS6では、第2のグラフィカルユーザインタフェース35は、この第2の動作モードで表示される。第2のグラフィカルユーザインタフェース34は、図1図3fに関連して上述したように、縁部ゾーン38に待ち時間を表示し、中央ゾーン28に占有率を表示する。
【0050】
エレベータコントローラ8は、エレベータかご10の現在位置が決定されることができる測定値を記録する。エレベータコントローラ8は、エレベータかご10の現在位置から、エレベータかご10が乗車フロアに到着するまでの残り時間を決定する。時間の長さは、エレベータかご10が乗車フロアの方向に移動されている間、連続的に決定され;他のフロアでの中間停止も考慮に入れられることができる。エレベータコントローラ8は、決定された時間期間をエレベータ動作デバイス4に送信し、その結果、エレベータ動作デバイスは、この時間期間を待ち時間として縁部ゾーン38に表示する。当業者であれば、エレベータかご10が既に乗車フロアにあり得ることを認識するであろう;この場合、待ち時間の表示は提供されない。
【0051】
エレベータコントローラ8はまた、エレベータかご10の現在の占有率が決定されることができる測定値を記録する。占有率は、例えば、エレベータかご10の動きの開始時、および考えられる中間停止時、乗客Pが乗車または降車するときに決定される。エレベータコントローラ8は、決定された占有率をエレベータ動作デバイス4に送信し、その結果、エレベータ動作デバイスは、中央ゾーン28内に占有率を表示する。
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図3d
図3e
図3f
図3g
図4
図5
【国際調査報告】