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特表2023-523463回転式流体分配器、およびそのような流体分配器が備わっている、プリフォーム内部処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-05
(54)【発明の名称】回転式流体分配器、およびそのような流体分配器が備わっている、プリフォーム内部処理装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 49/42 20060101AFI20230529BHJP
   B29C 71/00 20060101ALI20230529BHJP
【FI】
B29C49/42
B29C71/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022566076
(86)(22)【出願日】2021-04-22
(85)【翻訳文提出日】2022-12-16
(86)【国際出願番号】 EP2021060481
(87)【国際公開番号】W WO2021219472
(87)【国際公開日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】2004273
(32)【優先日】2020-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504102770
【氏名又は名称】シデル パルティシパション
【氏名又は名称原語表記】SIDEL PARTICIPATIONS
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トルイエ,ミキャエル
(72)【発明者】
【氏名】ケテル,フランソワ
【テーマコード(参考)】
4F201
4F208
【Fターム(参考)】
4F201AG07
4F201AH55
4F201AJ08
4F201AM10
4F201AM11
4F201AR07
4F201BA07
4F201BC02
4F201BD06
4F201BR02
4F201BR38
4F208AG07
4F208AH55
4F208AJ08
4F208AM10
4F208AM11
4F208AR07
4F208LA09
4F208LB01
4F208LG03
4F208LH01
4F208LH30
(57)【要約】
本発明は、固定ステータ(62)と、カルーセル(32)に固定され、少なくとも1つの注入管(54)に接続された少なくとも1つの処理ポート(66A)を備える外部ロータ(64)と、ステータ(62)とロータ(64)との間に半径方向に介在する分配チャンバ(70A)とを備える回転式流体分配器(60)であって、ステータ(62)は、「非アクティブ角度セクタ(72-OFF)」と呼ばれるそれらの円形経路の角度セクタにわたって各処理ポート(66A)を遮断する固定された遮断面(82A)を備えることを特徴とする、回転式流体分配器に関する。
本発明はまた、そのような回転式流体分配器(60)を備える、プリフォーム(22)の内部を処理するための処理装置(20)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性材料製プリフォーム(22)処理設備用回転式流体分配器(60)であって、
ベース(34)に対して固定されて取り付けられるように意図され、処理ガス供給パイプ(74)を備える、内部ステータ(62)と、
中心軸線(Z1)を中心としてステータ(62)の周りを回転できるように取り付けられた外部ロータ(64)であって、ロータ(64)を半径方向に貫通する少なくとも1つの処理ポート(66A)を備え、前記処理ポートは、処理ガスをプリフォーム(22)内に注入するための少なくとも1つの注入管(54)に接続されるように意図されており、処理ポート(66A)は、中心軸線(Z1)を中心とする円形経路に沿って移動する、外部ロータ(64)と、
ステータ(62)とロータ(64)との間に半径方向に介在し、供給パイプ(74)によって処理ガスが供給される分配チャンバ(70A)であって、処理ポート(66A)は、「アクティブ角度セクタ(72-ON)」と呼ばれる、その円形経路の少なくとも第1の角度セクタにわたって分配チャンバ(70A)内に開口する、分配チャンバ(70A)と、を備える、回転式流体分配器(60)において、
ステータ(62)は、「非アクティブ角度セクタ(72-OFF)」と呼ばれる、それらの円形経路の第2の角度セクタにわたって各処理ポート(66A)を遮断する固定された遮断面(82A)を備えることを特徴とする、回転式流体分配器(60)。
【請求項2】
処理ポート(66A)の円形経路は、単一のアクティブ角度セクタ(72-ON)と、単一の非アクティブ角度セクタ(72-OFF)とを備える2つの角度セクタに分割されることを特徴とする、請求項1に記載の回転式流体分配器(60)。
【請求項3】
ステータ(62)は、供給パイプ(74)が備わったコア(86)と、コア(86)に締結され、遮断面(82A)を具備する装着された要素とを備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の回転式流体分配器(60)。
【請求項4】
装着された要素は、ステータ(62)のコア(86)とロータ(64)との間に半径方向に介在する処理リング(88A)によって形成されることを特徴とする、請求項3に記載の回転式流体分配器(60)。
【請求項5】
分配チャンバ(70A)は、処理リング(88A)のセグメントとロータ(64)との間で半径方向に境界が決められることを特徴とする、請求項4に記載の回転式流体分配器(60)。
【請求項6】
ロータ(64)は、ロータ(64)の周りに均一に分布された複数の処理ポート(66A)を備えることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の回転式流体分配器(60)。
【請求項7】
ロータ(64)は、処理ポート(66A)のすべてを具備する少なくとも1つの装着されたスリーブ(64A)を備えることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の回転式流体分配器(60)。
【請求項8】
処理リング(88A)は、非アクティブ角度セクタ(72-OFF)の範囲を調節することが可能であるような方法で交換可能であることを特徴とする、請求項4および5のいずれか一項に記載の回転式流体分配器(60)。
【請求項9】
処理ガスの注入によって、熱可塑性材料製プリフォーム(22)の内部を処理するための処理装置(20)において、
固定ベース(34)上で中心軸線(Z1)を中心として回転できるように取り付けられたカルーセル(32)であって、プリフォーム(22)を保持するための保持部材(38)を担持するカルーセル(32)と、
各保持部材(38)に対応してカルーセル(32)上に担持される注入管(54)と、
を備える処理装置(20)であって、
請求項1~8のいずれか一項に従って実装された回転式流体分配器(60)を備えることを特徴とする、処理装置(20)。
【請求項10】
各注入管(54)は、対応付けられた保持部材(38)によって支持されたプリフォーム(22)の完全に外側にあることが意図された後退した極限位置と、対応付けられた保持部材(38)によって支持されたプリフォーム(22)の内部に挿入されることが意図された挿入された極限位置との間でカルーセル(32)上を摺動することが可能であるように取り付けられ、装置(20)は、カルーセル(32)の角度位置に応じて自動的に制御される少なくとも1つのアクチュエータ(56)を備え、各注入管(54)は、上流から下流に、
各注入管(54)がそれに沿ってその後退した極限位置を取る第1の後退した角度セクタ(S0)と、
各注入管(54)がその後退した極限位置からその挿入された極限位置までそれに沿って移動する第2の挿入角度セクタ(S1)と、
各注入管(54)がそれに沿ってその挿入された極限位置を取る第3の挿入された角度セクタ(S2)と、
各注入管(54)がその挿入された極限位置からその後退した極限位置までそれに沿って移動する第4の後退角度セクタ(S3)と、
に分割される円形経路に沿って移動し、
回転式流体分配器(60)のアクティブ角度セクタ(72-ON)は、少なくとも第3の挿入された角度セクタ(S2)と一致することを特徴とする、請求項9に記載の処理装置(20)。
【請求項11】
回転式流体分配器(60)の非アクティブ角度セクタ(72-OFF)は、少なくとも第2の挿入角度セクタ(S1)と一致することを特徴とする、請求項10に記載の装置(20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転式流体分配器に関する。本発明はまた、処理ガスの注入によって熱可塑性材料で作成されたプリフォームの内部を処理するための処理装置であって、プリフォームを保持するための保持部材を担持する回転式カルーセルと、各保持部材に対応する、カルーセル上に担持される注入管と、そのような回転式流体分配器とを備える処理装置にも関する。
【背景技術】
【0002】
加圧ガスの注入によって、熱可塑性材料で作成された少なくとも1つのプリフォームの内部を処理するための処理装置の例は、従来技術から知られている。これらは、例えば、加圧空気を注入する粉塵除去装置、またはプリフォームの内部に殺菌ガスを注入して殺菌する装置である。
【0003】
既知の方法では、熱可塑性材料で作成されたプリフォームは、ボトル、バイアル、ポットなどの容器の製造が意図されている。
【0004】
プリフォームは一般に、その容器への変換の前に、一般に異なる工業現場で熱可塑性材料を射出成形することによって製造される。次いで、プリフォームは、それらの製造場所からそれらの変換場所にばら荷で搬送され、多くの場合、それらの各々に保管される。
【0005】
その結果、様々な種類の粉塵がプリフォームの内部に侵入しやすいことが分かった。「粉塵」とは、非限定的に、材料の微粒子、例えば、粉塵の微小片だけでなく、例えば、厚紙などの包装片、または熱可塑性材料も意味すると理解され、特にフィラメントの形態であるが、これに限定されない。
【0006】
プリフォームから得られた容器を処理するための粉塵除去装置の使用は、従来技術から知られている。しかしながら、このような装置の性能は、プリフォームと比較した容器の容積の大きさのために満足のいくものではない。これが、プリフォームの内部に存在する粉塵を除去するために粉塵除去装置が有利に使用される理由である。プリフォームから粉塵を除去するための粉塵除去装置は、例えば、炉の上流に配置される。
【0007】
容器を製造するために、成形ユニットの成形型の1つにおいて、ブロー成形または延伸ブロー成形によって、その後、本体の材料の変換を可能にする温度まで加熱することによって本体の材料を軟化させるために、プリフォームが炉内で熱的に調整されることが想起されよう。
【0008】
この目的のために、粉塵除去装置は注入手段を備え、注入手段は、プリフォームの内部に圧縮空気を注入することが可能である管であって、注入された空気と粉塵を同時にプリフォームから排出することが可能である吸引手段に関連付けられた管で構成される。注入管は、プリフォームに対して並進移動可能であり、後退した極限位置と、管の少なくとも一部がプリフォームの内部に収容される挿入された極限位置との間で軸線方向に摺動するように取り付けられる。
【0009】
従来技術による粉塵除去装置では、空気は、下降段階の開始時に、すなわち、遅くともプリフォームの内部への導入中に、管の自由端に位置するオリフィスを通して継続して注入される。注入管は、管をプリフォームに導入する間の「過圧プラグ」の発生を制限するために、プリフォームの軸線に対して偏心されている。この過圧プラグは、注入管が、その後退した極限位置からその挿入された極限位置に下げられているときに、既に加圧空気を放出しているという事実によって引き起こされる。
【0010】
プリフォームの軸線に対する、管の軸線の、このような半径方向のオフセットは、管とプリフォームとの間に干渉が生じることなく管を内部に導入することができる深さを制限することがある。特定のプリフォームでは、その挿入された極限位置を取る管が、このときプリフォームの底部から遠すぎて、重力によって底部に顕著に集中する粉塵を効果的に追い出すことができないため、実現される粉塵の除去は満足のいくものではない。
【0011】
「過圧プラグ」現象は、注入管が下降される速度も制限するという事実に加えて、本出願人は、下降動作中に注入された、粉塵を取り除く空気が粉塵を内部表面に押し付ける効果を有し、所望されるようには、プリフォームの内部に存在する粉塵を一掃する効果を持たないことを確立した。
【0012】
熱可塑性材料で作成されたプリフォームから容器を製造するための設備(「ブロー成形機」とも呼ばれる)は、例えば、連続して少なくとも1つの炉と、成形ユニットと、場合によっては充填機とを備え、充填機の上流または下流には、ラベル貼付機、および充填後に容器を閉じるためのキャッピング機が配置されてもよい。そのような設備では、容器の製造速度は増加し続け、その結果、そのような設備に組み込まれた粉塵除去装置によって実行される粉塵除去サイクルの持続時間も考慮すべき要因である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
信頼性を向上させ、それによって運転コスト、特に空気の消費を低減するために、そのような粉塵除去装置の性能を向上させることも望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、熱可塑性材料で作成されたプリフォームを処理するための設備のための回転式流体分配器を提案し、前記回転式流体分配器は、
ベースに対して固定されて取り付けられるように意図され、処理ガス供給パイプを具備する、内部ステータと、
中心軸線を中心としてステータの周りを回転できるように取り付けられ、ロータを半径方向に貫通する少なくとも1つの処理ポートを具備する外部ロータであって、前記処理ポートは、処理ガスをプリフォーム内に注入するための少なくとも1つの注入管に接続されるように意図されており、処理ポートは、中心軸線を中心とする円形経路に沿って移動する、外部ロータと、
ステータとロータとの間に半径方向に介在し、供給パイプによって処理ガスが供給される分配チャンバであって、処理ポートは、「アクティブ角度セクタ」と呼ばれる、その円形経路の少なくとも第1の角度セクタにわたって分配チャンバ内に開口する、分配チャンバと、
を備え、
ステータは、「非アクティブ角度セクタ」と呼ばれる、それらの円形経路の第2の角度セクタにわたって各処理ポートを遮断する、固定された遮断面を具備することを特徴とする。
【0015】
回転式流体分配器の別の特徴によれば、処理ポートの円形経路は、単一のアクティブ角度セクタと、単一の非アクティブ角度セクタとを備える2つの角度セクタに分割される。
【0016】
回転式流体分配器の別の特徴によれば、ステータは、供給パイプが装備されたコアと、コアに装着されて締結され、遮断面を具備する要素とを備える。
【0017】
回転式流体分配器の別の特徴によれば、装着された要素は、ステータのコアとロータとの間に半径方向に介在する処理リングによって形成される。
【0018】
回転式流体分配器の別の特徴によれば、分配チャンバは、処理リングのセグメントとロータとの間で半径方向に境界が決められる。
【0019】
回転式流体分配器の別の特徴によれば、ロータは、ロータの周りに均一に分布された複数の処理ポートを備える。
【0020】
回転式流体分配器の別の特徴によれば、ロータは、すべての処理ポートを具備する少なくとも1つの装着されたスリーブを備える。
【0021】
回転式流体分配器の別の特徴によれば、処理リングは、非アクティブ角度セクタの範囲を調節することが可能であるような方法で交換可能である。
【0022】
本発明はまた、処理ガスの注入によって、熱可塑性材料で作成されたプリフォームの内部を処理するための処理装置であって、
固定ベース上で中心軸線を中心として回転できるように取り付けられたカルーセルであって、プリフォームを保持するための保持部材を担持する回転式カルーセルと、
各保持部材に対応してカルーセル上に担持される注入管と、
を備え、
本発明の教示に従って実装された回転式流体分配器を備えることを特徴とする処理装置に関する。
【0023】
処理装置の別の特徴によれば、各注入管は、対応付けられた保持部材によって支持されたプリフォームの完全に外側にあることが意図された後退した極限位置と、対応付けられた保持部材によって支持されたプリフォームの内部に挿入されることが意図された挿入された極限位置との間でカルーセル上を摺動することが可能であるように取り付けられ、装置は、カルーセルの角度位置に応じて自動的に制御される少なくとも1つのアクチュエータを備え、各注入管は、上流から下流に、
各注入管がその後退した極限位置を取る、第1の後退した角度セクタと、
各注入管がその後退した極限位置からその挿入された極限位置までそれに沿って移動する、第2の挿入角度セクタと、
各注入管がそれに沿ってその挿入された極限位置を取る、第3の挿入された角度セクタと、
各注入管がその挿入された極限位置からその後退した極限位置までそれに沿って移動する、第4の後退角度セクタと、
に分割される円形経路に沿って移動し、
回転式流体分配器のアクティブ角度セクタは、少なくとも第3の挿入された角度セクタと一致する。
【0024】
処理装置の別の特徴によれば、回転式流体分配器の非アクティブ角度セクタは、少なくとも第2の挿入角度セクタと一致する。
【0025】
本発明のさらなる特徴および利点は、以下の詳細な説明を読むことから明らかになり、その理解のために添付の図面を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の教示に従って実装される処理装置を概略的に示す上面図である。
図2図1の断面2-2に沿った軸線方向断面図であり、空気圧ラムによって制御される注入管をその挿入された極限位置で備える処理ステーションを示す図である。
図3図1の断面3-3に沿った軸線方向断面図であり、空気圧ラムによって制御される注入管をその後退した極限位置で備える処理ステーションを示す図である。
図4】本発明の教示に従って実装され、図1の処理装置の中心に設置された回転式流体分配器を示す、より大きな縮尺の斜視図である。
図5】回転式流体分配器の様々な段を示す、図4の断面5-5に沿った軸線方向断面図である。
図6】回転式流体分配器の処理段を示す、図4の断面6-6に沿った水平方向断面図である。
図7】処理ポートの開閉を制御するように回転式流体分配器の処理段を装備する処理リングを示す斜視図である。
図8】回転式流体分配器の第1の制御段を示す、図4の断面8-8に沿った水平方向断面図である。
図9】作動ポート内の作用ガスの循環を制御するように回転式流体分配器の第1の制御段を装備する第1の制御リングを示す斜視図である。
図10】回転式流体分配器の第2の制御段を示す、図4の断面10-10に沿った水平方向断面図である。
図11】処理装置が通常モードで動作するときの処理装置の処理ステーションにおける作用ガスの循環を示す流体スキームを示す図である。
図12】処理装置が安全モードで動作するときの処理装置の処理ステーションにおける作用ガスの循環を示す流体スキームを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
説明の残りの部分では、同一の構造または同等の機能を示す要素は、同じ参照番号によって示される。
【0028】
説明の残りの部分は、限定するやり方ではなく、カルーセル32の中心軸線「Z1」に平行であり、図中の矢印「V」に従って底部から頂部に向けられた垂直配向を採用する。カルーセル32の中心軸線「Z1」から外側に向かって半径方向に向けられた半径方向の配向、ならびに半径方向および軸線方向の向きに対して直角に向けられた接線方向の配向もまた採用される。「周方向」という用語は、カルーセル32の中心軸線「Z1」を中心とする円の円弧の形態で延在する運動または要素を示すために使用される。
【0029】
図1には、熱可塑性材料で作成されたプリフォーム22の内部を処理するための処理装置20が示されている。この場合、非限定的な例として、それは粉塵除去装置である。
【0030】
示されていない本発明の一変形形態では、それは、各プリフォームの内部への滅菌ガスの注入によってプリフォームの内部を滅菌するための滅菌装置である。このような装置は、プリフォームの外側に位置するノズルを通じたガスの注入がプリフォームの底部に到達することを不可能にするように、プリフォームが寸法決めされる場合に特に有用である。これは、プリフォームの中央にガスの局所的な過圧が形成され、プラグを形成する場合に特に当てはまる。
【0031】
そのようなプリフォーム22が図2に示されている。前記プリフォームは、熱可塑性材料、この場合はポリエチレンテレフタレート(PET)で作成される。これは、従来、射出成形によって得られるものである。これは、垂直配向の主軸線「Z0」を中心に実質的に軸対称な形状を有する。
【0032】
図2に示されるように、それは、管状壁を有する円筒形本体24を有し、前記本体は、その下端で底部26によって閉じられ、その上端で、頂部に向かって垂直方向に開いているネック28であって、やはり管状であるネック28によって延長されている。壁の内面29が、プリフォーム22の内部の境界を決める。ネック28は一般に、既にその決定的な形状を有するような方法で射出成形されるが、プリフォーム22の本体24は、後続の成形ステップ中に最終容器を形成するために比較的大きな変形を受けることが意図されている。
【0033】
プリフォーム22のネック28はまた、半径方向に突出する環状カラー30を備える。カラー30は、この場合、ネック28のベースと本体24との間の接合部に配置される。
【0034】
処理装置20は、固定ベース34上の中心垂直軸線「Z1」を中心に回転できるように取り付けられたカルーセル32を備える。ベース34は、処理装置20が載置される地面に対して固定される。
【0035】
カルーセル32は、より詳細には、例えば電気モータ(図示せず)を利用して、中心軸線「Z1」の垂直シャフト36によって、この場合は図1の矢印Fによって示されるように反時計回り方向に連続回転で動かされる。
【0036】
カルーセル32は、中心軸線「Z1」を中心とする円弧の形態の共通経路に沿って一列にプリフォーム22を動かすために、プリフォーム22を保持するための保持部材38を担持する。
【0037】
保持部材38は、この場合、リング40の外周に作られた半円形のノッチによって形成される。リング40は、カルーセル32上に固定されて取り付けられる。各保持部材38は、カラー30の真下に位置するプリフォーム22の本体24の一部を収容することを可能にする一方で、カラー30はリング40の上面に載置され、したがってプリフォーム22がその経路に沿って動かされることを可能にする。
【0038】
示されていない本発明の一変形形態では、保持部材は、カラーの真上または真下で各プリフォームを把持するグリッパによって形成される。
【0039】
カルーセル32の回転中にプリフォーム22が遠心力の影響を受けて落下するのを防止するために、ベース34に対して固定されたアーチ型レール42が、プリフォーム22の円弧経路に沿って配置される。したがって、プリフォーム22は、レール42に沿って摺動し、これにより、プリフォームをそれらの関連付けられた保持部材38の内側に半径方向に保持することを可能にする。
【0040】
リング40は、例えば、その周囲に均等に分布された32個または40個の保持部材38を備える。処理装置20は、プリフォーム22の高スループット、例えば時間当たり60,000個程度のプリフォームの輸送および粉塵の除去を可能にするように設計されている。
【0041】
図1に示されるように、プリフォーム22は、図1に円で示されている投入ホイール46によって処理装置20の入口44まで搬送される。プリフォーム22は、処理後、この場合は粉塵の除去後に、出口50において図1に円で示されている排出ホイール48上に移送される。投入ホイール46および排出ホイール48は、例えば、カルーセル32について説明したものと同様の保持部材38を有するノッチ付きホイールである。入口44と出口50との間で、プリフォーム22の経路は、この場合、180°を超える、例えば300°程度の角度セクタにわたって延在する。
【0042】
カルーセル32にはまた、プリフォームが入口44から出口50に搬送されるときにプリフォーム22を処理し、この場合プリフォームから粉塵を除去することを可能にする複数の処理ステーション52が備わっている。各処理ステーション52は、カルーセル32上に担持される、すなわち、各処理ステーション52は、カルーセル32と協働して中心軸線「Z」を中心として回転式に動かされる。
【0043】
図2および図3に示されるように、各処理ステーション52は、カルーセル32上に担持される少なくとも1つの注入管54を備える。各注入管54は、関連付けられた保持部材38に対応して垂直方向に配置される。したがって、カルーセル32は、保持部材38と同数の注入管54を備える。
【0044】
各注入管54は、以下により詳細に説明されるように、注入ノズル55が設けられた自由下端と、加圧処理ガスの供給源(図示せず)に接続されることが意図される供給オリフィス58が設けられた上端とを有する。ここでは、粉塵の除去のための処理が伴うため、処理ガスは、例えば空気によって形成される。粉塵を取り除くガスの圧力は、例えば7バール程度である。
【0045】
一変形形態では、処理装置がプリフォームの内部を滅菌するための滅菌装置である場合、処理ガスは滅菌ガスによって形成される。これは、例えば、過酸化水素および/または過酢酸などの強力な酸化剤を含有するガスである。
【0046】
各注入管54は、図3に示されるように上に向かって垂直方向に後退した極限位置と、図2に示されるように下方の挿入された極限位置との間でカルーセル32上を垂直方向に摺動できるように取り付けられている。
【0047】
挿入された極限位置では、注入管54の垂直方向の直線を成す下端部は、プリフォーム22の内部に挿入されることが意図されており、そのネック28は、関連付けられた保持部材38によって支持される。注入管54は、この場合、前記プリフォーム22の主軸線「Z0」と同軸である。この挿入された極限位置では、注入ノズル55は、プリフォーム22の底部26から短い距離「d」のところに配置される。
【0048】
後退した極限位置では、注入管54は、関連する保持部材38によって支持されたプリフォーム22から完全に引き抜かれて、粉塵除去を受けたプリフォーム22が排出ホイール48へと半径方向外側に向かって移送されることを可能にし、投入ホイール46から保持部材38の半径方向内側に向かって来る新しいプリフォーム22が受け入れられることを可能にする。
【0049】
各注入管54の摺動は、カルーセル32の角度位置に応じて自動的に制御される少なくとも1つのアクチュエータによって制御される。図に示される実施形態では、各処理ステーション52は、前記処理ステーション52のすべての注入管54の摺動が同時に制御されることを可能にする単一のアクチュエータを備える。
【0050】
そのようなアクチュエータは、例えば、回転コレクタによって、または任意の他の既知の適切な駆動手段によって制御される電気モータによって形成される。図に示される実施形態では、アクチュエータは、以下でより詳細に説明される空気圧ラム56によって形成される。
【0051】
処理装置20が通常モードで動作しているとき、各注入管54は、上流から下流へ、図1に示されている、ベース34に対して固定された複数の角度セクタに分割された円形経路に沿って走行する。ここで、1つの注入管54について、通常モードにおける処理装置20の動作の説明が提供され、この説明は、注入管54の各々に対して提供可能である。
【0052】
以下では後退した角度セクタ「S0」と呼ばれる第1の角度セクタに沿って、注入管54はその後退した極限位置を取る。この最初の後退した角度セクタ「S0」に沿って、各プリフォーム22は入口44で保持部材38のうちの1つに受容されるが、関連付けられた注入管54は、その後退した上方位置に留まっている。
【0053】
カルーセル32は回転し続け、注入管54を、以下では挿入角度セクタ「S1」と呼ばれる第2の角度セクタまで運び、それに伴って注入管54は、その後退した極限位置からその挿入された極限位置まで移動する。この挿入角度セクタ「S1」は、例えば、約25°にわたって延在する。
【0054】
注入管54がその挿入された極限位置に達すると、それはその経路の第3の角度セクタ「S2」に入り、それに伴って各注入管54はその挿入された極限位置に留まる。注入ノズル55は、加圧処理ガスの連続ジェットを放出し、これはプリフォーム22の内面29に沿ってネック28まで上昇することによってプリフォーム22内に含まれる粉塵を追い出す。プリフォーム22から追い出された粉塵は、他のプリフォーム22を汚染しないように、粉塵抽出器(図示せず)によって収集される。挿入された角度セクタ「S2」は、例えば、約120°にわたって延在する。
【0055】
注入管54が、以下では後退角度セクタ「S3」と呼ばれる第4の角度セクタに達すると、注入管54はその挿入された極限位置からその後退した極限位置まで移動する。この後退角度セクタ「S3」は、例えば、約25°にわたって延在する。
【0056】
注入管54がその後退した極限位置に達すると、それはその経路の後退された角度セクタ「S0」に戻る。注入管54は、こうして粉塵除去を受けたプリフォーム22が排出ホイール48に移送されることを可能にするために、プリフォーム22が出口50に到達する前に、その後退した極限位置に到達する。
【0057】
処理ガスの供給源は、地面に対して固定されている。各注入管54に処理ガスを搬送することを可能にするために、処理装置20は、少なくとも第1の処理段60Aを備える回転式流体分配器60を備える。
【0058】
図4および図5により詳細に示されるように、そのような回転式流体分配器60は、内部ステータ62を備える。ステータ62は、ベース34に対する回転を防止するために、例えば回転防止装置(図示せず)と協働する平坦部63を利用して、ベース34に対して固定されて取り付けられる。ステータ62は、中心軸線「Z1」と同軸の円筒状の全体形状を有する。
【0059】
前記回転式流体分配器はまた、外部ロータ64を備える。外部ロータ64は、垂直軸線のスリーブの形状を有する。ロータ64は、ステータ62を中心として中心軸線「Z1」と同軸に回転可能に取り付けられている。ロータ64は、カルーセル32と一体に回転する。
【0060】
図5に示されるように、ロータ64を回転で案内するためのガイドベアリング65が、ロータ64とステータ62との間に半径方向に介在している。この場合の回転式流体分配器60は、その垂直方向端部の各々に配置された2つのガイドベアリング65を備える。
【0061】
これらは、ここでは転がり軸受65である。示されていない本発明の一変形形態では、それらは滑り軸受である。
【0062】
図4および図6に示されるように、第1の処理段60Aを形成するために、ロータ64は、前記ロータを半径方向に貫通する少なくとも1つの処理ポート66Aを備える。処理ポート66Aは、図2および図3に示される可撓性導管68を介して少なくとも1つの注入管54に接続される。これにより、処理ポート66Aは、中心軸線「Z1」を中心とする円軌道に沿って走行する。
【0063】
各処理ポート66Aは、この場合処理ステーション52に接続される。この場合の各処理ステーション52は、4つの注入管54を備える。このように、1つの処理ポート66Aが、処理装置20の連続する4つの注入管54を同時に供給することを可能にする。したがって、図1に示される処理装置20は、10個の処理ステーション52の各々によって4つのグループで支持される40個の注入管54を備える。したがって、ロータ64は、同じレベルに配置され、ロータ64の一部の周りに均等に分布される10個の処理ポート66Aを備える。10個の処理ポート66Aは、より詳細には、それらを含むロータ64の一部が中心軸線「Z1」を中心とする回転対称性を示すように同一である。
【0064】
この構成は、有利には、ロータ64に設けられた処理ポート66Aの数を制限することを可能にする一方で、以下に説明されるようにセクタごとの処理ガスの分布を制御することも可能にする。
【0065】
示されていない一変形形態では、各処理ポートは、異なる数、例えば1つ、2つ、3つ以上の注入管を供給してもよい。
【0066】
図6を参照すると、処理ガス用の分配チャンバ70Aが、処理ポート66Aのレベルでステータ62とロータ64との間に半径方向に介在している。したがって、処理ポート66Aは、「アクティブ角度セクタ72-ON」と呼ばれる、その円形経路の少なくとも第1の角度セクタにわたって、内部開口71Aを介して分配チャンバ70A内に開口することが可能である。
【0067】
図5に示されるように、分配チャンバ70Aは、処理ポート66Aの内部開口71Aの高さと略等しいか、またはそれよりわずかに高い垂直の高さ「H」にわたって延在する。図面に示される実施形態では、処理ポート66Aの内部開口71Aは、円形断面を有する。分配チャンバ70Aの高さ「H」は、この場合、内部開口71Aの直径よりわずかに大きい。
【0068】
分配チャンバ70Aの気密性は、ロータ64とステータ62との間に半径方向に介在する2つのスペーサリング84によって、両方向で垂直方向に確保される。スペーサリング84は、この場合、ステータ62に対して固定され、ロータ64に対して摺動することが可能であるように取り付けられる。
【0069】
この場合、各スペーサリング84は、金属材料で作成される。ステータ62とスペーサリング84との半径方向の間には、エラストマ材料で作成された環状の内側シール85Aが介在し、ロータ64とスペーサリング84との半径方向の間には、環状の外側シール85Bが介在している。外側シール85Bは、スペーサリング84の外側の円筒面に対して摺動するように半径方向に支持している。スペーサリング84の内側および外側の円筒面は、分配チャンバ70Aの気密性を垂直方向に確保するために十分に滑らかな表面状態を有する。
【0070】
第1の処理段60Aは、こうして、処理ポート66Aおよび分配チャンバ70Aを備える。
【0071】
ステータ62は、分配チャンバ70Aに処理ガスを供給する処理ガス供給パイプ74を備える。処理ガス供給パイプ74は、より詳細には、ステータ62の、この場合は上側の軸線方向端面78に形成された少なくとも1つの上流オリフィス76を、分配チャンバ70A内に開口する少なくとも1つの下流オリフィス80に接続する。この場合、下流オリフィス80は、処理ポート66Aと同じレベルで半径方向外側に向かって開口する。一例として、この場合のステータ62は、単一の上流オリフィス76および単一の下流オリフィス80を備える。処理ガス供給パイプ74は、この場合、上流オリフィス76に接続される全体が垂直の部分と、下流オリフィス80に接続される半径方向部分とを備える単一の屈曲導管から形成される。
【0072】
圧縮された処理ガスを良好に使用できるようにするために、注入管54の供給が、「非アクティブ角度セクタ72-OFF」と呼ばれる、それらの経路の少なくとも1つの角度セクタにわたって中断されるような措置がなされている。処理ポート66Aの円形経路は、この場合、単一のアクティブ角度セクタ72-ONおよび単一の非アクティブ角度セクタ72-OFFを備える2つの相補的角度セクタに分割される。例えば、アクティブ角度セクタ72-ONは、少なくとも、挿入された角度セクタ「S2」の全体と一致する。
【0073】
さらに、回転式流体分配器60の非アクティブ角度セクタ72-OFFは、少なくとも、挿入角度セクタS1と一致する。これは、特に、説明の前文で述べられた過圧プラグ効果を回避することを可能にする。その結果、注入管54をプリフォーム22の軸線「Z0」と位置合わせすることが可能であり、したがって距離「d」を最小限に抑えることができる。
【0074】
図示の例によれば、アクティブ角度セクタ72-ONは、挿入された角度セクタ「S2」の全体にわたって、かつ後退角度セクタ「S3」の少なくとも一部にわたって延在するのに対して、非アクティブ角度セクタ72-OFFは、後退角度セクタ「S3」の相補的部分にわたって、後退された角度セクタ「S0」にわたって、かつ挿入角度セクタ「S1」にわたって延在する。したがって、アクティブ角度セクタ72-ONは、例えば、挿入された角度セクタ「S2」の開始から数えて約145°にわたって延在するのに対して、非アクティブ角度セクタ72-OFFは、経路の相補的な部分、すなわち約215°にわたって延在する。
【0075】
注入管54の、このセクタベースの供給を単純かつ安価な方法で実施するために、ステータ62は、図5に示されるように、それらの円形経路の非アクティブ角度セクタ72-OFFにわたって各処理ポート66Aを遮断する固定された遮断面82Aを備える。この目的のために、遮断面82Aは、ステータ62の中心軸線「Z1」の周りで前記非アクティブ角度セクタ72-OFFにわたって周方向に延在する円筒形セグメントの形状を有するのに対して、分配チャンバ70Aは、アクティブ角度セクタ72-ONにわたって延在する。
【0076】
遮断面82Aとロータ64との間には、ロータ64が摩擦なしで回転することを可能にするように、機能的な半径方向の隙間が確保されている。しかしながら、この隙間は、遮断面82Aによって遮断された処理ポート66Aに到達可能な処理ガスの流量が無視できる程度に小さいものとなる。
【0077】
図に示される例では、ステータ62は複数の別個の要素で作成されている。したがって、ステータ62は、処理ガス供給パイプ74が備わったコア86を備える。コア86は、円筒形状を有し、ステータ62の中心に配置される。
【0078】
ステータ62は、コア86に締結され、遮断面82Aを備える装着された要素をさらに備える。この場合、装着された要素は、ステータ62のコア86とロータ64との間に半径方向に介在する、処理リング88Aと呼ばれる第1のリングによって形成される。図7に示されるように、処理リング88Aは、平面環状上面および平面環状下面によって垂直方向に境界が決められ、内部円筒面90Aおよび外部円筒面92Aによって半径方向に境界が決められる。
【0079】
処理リング88Aは、コア86の周りに緊密に嵌合して収容される。有利には、処理リング88Aは、コア86の周りに圧締めされて収容されるわけではないが、リングが容易な方法で取り付けや取り外しを可能にするように、前記リングが垂直方向に摺動することを可能にする半径方向の隙間を有する。
【0080】
分配チャンバ70Aは、この場合、処理リング88Aの外面のセグメントとロータ64との間で半径方向に境界が決められる。この目的のために、外面92Aは、前記セグメント上に凹状のくぼみ94Aを備える。外面92Aの残りの部分は、遮断面82Aを形成する滑らかな円筒面を有する。凹状のくぼみ94Aは、例えば、2つの縁部96によって垂直方向に境界が決められている。
【0081】
一変形形態では、凹状のくぼみは、処理リングの全高さにわたって延在する。
【0082】
処理リング88Aは、処理ポート66Aのレベルおよび処理ガス供給パイプ74の下流オリフィス80のレベルでコア86の周りに締結されることが意図されている。処理リング88Aは、下流オリフィス80が分配チャンバ70Aの内部と連通することを可能にする導管98によって半径方向に通される。導管98は、この場合、周方向でくぼみの中央に配置される。
【0083】
処理リング88Aは、現在の処理リング88Aを、異なる角度セクタにわたって延在する遮断面82Aを有する交換処理リング88Aと交換することによって、非アクティブ角度セクタ72-OFFの範囲を調整することが可能であるような方法でコア86に交換可能に取り付けられる。
【0084】
処理リング88Aは、例えば、図6に示されるように、半径方向締結ねじ100、この場合は2つの半径方向締結ねじによってコア86に締結される。
【0085】
示されていない一変形形態では、処理リングは、例えば、平坦部またはスプラインなどの相補的な形状の垂直係合手段によってコアと一体に回転する。次いで、処理リングは、例えば「サークリップ」タイプの弾性ワッシャによってコアに締結されたスペーサリングを利用して垂直方向に動けないようにされる。
【0086】
処理リング88Aは、この場合、剛性プラスチック材料で作成される。処理リング88Aは、例えば、成形によって製造される。
【0087】
一変形形態では、処理リング88Aは、金属材料で作成される。
【0088】
上記で説明されたように、アクチュエータは、この場合、空気圧ラム56によって形成される。
【0089】
図2を参照すると、各空気圧ラム56は、カルーセル32の角度位置に応じて自動的に制御される。空気圧ラム56は、関連付けられた注入管54の上昇および下降を制御するピストン102を備える。空気圧ラム56はまた、図3に示されるように、関連付けられた注入管54の後退した極限位置に対応する第1の上部極限位置と、図2に示されるように、関連付けられた注入管54の挿入された極限位置に対応する下部極限位置との間で垂直方向に摺動することが可能であるように、ピストン102が取り付けられたシリンダ104を備える。
【0090】
空気圧ラム56をその第1の極限位置で制御するための第1の作用チャンバ106は、ピストン102とシリンダ104の垂直方向端部の一方との間で境界が決められる。この場合、第1の作用チャンバ106は、その後退した極限位置に向かう注入管54の上昇を制御する。
【0091】
ここでは複動式空気圧ラム56が関与するため、空気圧ラム56はまた、ピストン102とシリンダ104の垂直方向端部の他方との間に境界が決められる、その極限位置の第2の位置において空気圧ラム56を制御するための第2の作用チャンバ108を備える。第2の作用チャンバ108はこの場合、その挿入された極限位置に向かう注入管54の下降を制御する。
【0092】
一変形形態では、空気圧ラムは、単動ラムである。その場合、空気圧ラムは、その極限位置の一方におけるピストンの摺動を制御するための単一の作用チャンバのみを備え、ピストンは、その極限位置の他方において、ばねなどの弾性戻り部材によって制御される。
【0093】
空気圧ラム56は、回転式流体分配器60によって制御される。この点において、回転式流体分配器60は、空気圧ラム56の作用チャンバ106、108の各々に関連付けられた制御段60B、60Cと呼ばれる追加の段を備える。
【0094】
図4および図5に見られるように、異なる段60A、60B、60Cは、垂直方向に重ねられている。処理段60Aは、この場合、回転式流体分配器60の上端に配置される。
【0095】
第1の制御段60Bに属している要素に関連する参照符号は、接尾辞「B」によって示される。
【0096】
図4および図8に示されるように、第1の制御段60Bを形成するために、ロータ64は、導管110Bによって、空気圧ラム56の関連付けられた作用チャンバ、この場合は第2のチャンバ108に接続された少なくとも第1の作動ポート66Bを備える。これにより、作動ポート66Bは、中心軸線「Z1」を中心とする円軌道に沿って走行する。非制限的なやり方において、第1の制御段60Bは、注入管54を、その挿入された極限位置に向かって制御するために、第2の作用チャンバ108に関連付けられる。
【0097】
各処理ステーション52は、空気圧ラム56を備える。したがって、ロータ64の第1の制御段60Bは、同じレベルに配置され、ロータ64の一部分の周りに均等に分布された10個の作動ポート66Bを備える。10個の作動ポート66Bは、より詳細には、それらを含むロータ64の一部が中心軸線「Z1」を中心とする回転対称性を示すように同一である。
【0098】
各作動ポート66Bは、この場合、同じ処理ステーション52に関連付けられた処理ポート66Aと一列に沿って垂直方向に位置合わせされている。
【0099】
図8に示されるように、第1の制御段60Bは、作動ポート66Bのレベルでステータ62とロータ64との間に半径方向に介在する圧力チャンバ70B-1を備える。したがって、作動ポート66Bは、「作動角度セクタ112B-IN」と呼ばれるその円形経路の第1の角度セクタにわたって内部開口71Bを介して圧力チャンバ70B-1内に開口することが可能である。
【0100】
第1の制御段60Bはまた、作動ポート66Bのレベルでステータ62とロータ64との間に半径方向に介在する排気チャンバ70B-2を備える。したがって、作動ポート66Bは、「排気角度セクタ112B-OUT」と呼ばれるその円形経路の第2の角度セクタにわたって、その内部開口71Bを介して排気チャンバ70B-2内に開口することが可能である。
【0101】
作動角度セクタ112B-INおよび排気角度セクタ112B-OUTは、重ならない2つの別個の角度セクタである。圧力チャンバ70B-1を排気チャンバ70B-2から隔離するために、半径方向の分離隔壁114Bが設けられている。
【0102】
圧力チャンバ70B-1および排気チャンバ70B-2は、作動ポート66Bの内部開口71Bの高さと略等しいか、またはそれよりわずかに高い共通の垂直方向の高さ「H」にわたって延在する。図面に示される実施形態では、作動ポート66Bの内部開口71Bは、円形断面を有する。圧力チャンバ70B-1および排気チャンバ70B-2の高さはこの場合、内部開口の直径よりわずかに大きい。
【0103】
圧力チャンバ70B-1および排気チャンバ70B-2の気密性は、分配チャンバ70Aの気密性と同じ方法で、すなわち、ロータ64とステータ62との間に半径方向に介在する2つの円形のスペーサリング84によって、両方向で垂直方向に確保される。ステータ62とスペーサリング84との半径方向の間には、エラストマ材料で作成された内側シール85Aが介在し、ロータ64とスペーサリング84との半径方向の間には、外側シール85Bが介在している。
【0104】
ステータ62、より具体的にはステータ62のコア86は、圧力チャンバ70B-1に圧縮された作用ガスを供給する圧力パイプ116を備える。圧力パイプ116は、より詳細には、ステータ62の、この場合は上側端面78に形成された少なくとも1つの上流オリフィス118を、圧力チャンバ70B-1に供給するための少なくとも1つの下流オリフィス120Bに接続する。この場合、下流オリフィス120Bは、作動ポート66Bと同じレベルで半径方向外側に向かって開口する。一例として、この場合のステータ62は、圧力チャンバ70B-1に供給するための単一の上流オリフィス118および単一の下流オリフィス120Bを備える。圧力パイプ116は、この場合、上流オリフィス118に接続された全体的な垂直部分と、下流オリフィス120Bに接続された半径方向部分とを含む単一の屈曲導管から形成される。
【0105】
ステータ62のコア86は、排気チャンバ70B-2に含まれる加圧作用ガスを排出することを可能にする排気パイプ122Bをさらに備える。排気パイプ122Bは、より詳細には、排気チャンバ70B-2内に開口する少なくとも1つの上流オリフィス124Bを、ステータ62のこの場合は上側端面78に形成された少なくとも1つの下流オリフィス126Bに接続する。この場合、上流オリフィス124Bは、作動ポート66Bと同じレベルで半径方向外側に向かって開口する。一例として、この場合のステータ62は、単一の上流オリフィス124Bおよび単一の下流オリフィス126Bを備える。排気パイプ122Bは、この場合、上流オリフィス124Bに接続された全体的な半径方向部分と、下流オリフィス126Bに接続された垂直部分とを含む単一の屈曲導管から形成される。
【0106】
排気パイプ122Bを通って逃げるガスは、供給導管を通って入る作用ガスの圧力よりも低い圧力を有するが、依然として大気圧よりも高い圧力を有する。
【0107】
ステータ62の第1の制御段60Bは、それらの円形経路の中間角度セクタ112B-OFF1、112B-OFF2にわたって各作動ポート66Bを遮断する、2つの固定された遮断面82B-1、82B-2を備える。
【0108】
第1の中間角度セクタ112B-OFF1は、図8の矢印「F」によって示されるロータ64の回転方向において、作動角度セクタ112B-INと排気角度セクタ112B-OUTとの間に周方向に介在している。第2の中間角度セクタ112B-OFF2は、図8の矢印「F」によって示されるロータ64の回転方向において、排気角度セクタ112B-OUTと作動角度セクタ112B-INとの間に周方向に介在している。
【0109】
この目的のために、各遮断面82B-1、82B-2は、ステータ62の中心軸線「Z1」の周りで前記中間角度セクタ上に周方向に延在する円筒形セグメントの形状を有する。図面に示される実施形態では、後退角度セクタ「S3」の直前に位置する中間角度セクタ112B-OFF1に対応する第1の遮断面82B-1は、挿入角度セクタ「S1」の直前に位置する中間角度セクタ112B-OFF2に対応する第2の遮断面82B-2よりもはるかに小さい角度にわたって延在する。例えば、第1の中間角度セクタ112B-OFF1は20°にわたって延在するのに対して、第2の中間角度セクタ112B-OFF2は60°にわたって延在する。
【0110】
各遮断面82B-1、82B-2とロータ64との間には、ロータ64が摩擦なしで回転することを可能にするように、機能的な半径方向の隙間が確保されている。しかしながら、この隙間は、遮断面82B-1、82B-2によって遮断された作動ポート66Bに到達可能な作用ガスの流量が無視できるほど小さいものである。
【0111】
処理段60Aに関して、ステータ62は、装着された要素をさらに備え、装着された要素はコア86に締結され、遮断面82B-1、82B-2および分離隔壁114Bを備える。図9に示されるように、装着された要素は、この場合、ステータ62のコア86とロータ64との間に半径方向に介在する、第1の制御リング88Bと呼ばれるリングによって形成される。第1の制御リング88Bは、平面環状上面および平面環状下面によって垂直方向に境界が決められ、内部円筒面90Bおよび外部円筒面92Bによって半径方向に境界が決められる。
【0112】
第1の制御リング88Bは、コア86の周りに緊密に嵌合して収容される。有利には、第1の制御リング88Bは、コア86の周りに圧締めされて収容されないが、リングが容易な方法で取り付けおよび取り外しを可能にするように前記リングが垂直方向に摺動することを可能にする半径方向の隙間を有して収容される。
【0113】
外部チャンバと呼ばれる2つのチャンバ70B-1の一方は、この場合、第1の制御リング88Bの外面92Bのセグメントとロータ64との間で半径方向に境界が決められる。この目的のために、外面92Bは、前記セグメント上に凹状のくぼみ94B-1を備える。外面92Bの残りの部分は、滑らかな円筒面を有する。凹状のくぼみ94B-1は、例えば、2つの縁部96によって垂直方向に境界が決められている。
【0114】
一変形形態では、凹状のくぼみは、第1の制御リングの全高さにわたって延在する。
【0115】
2つのチャンバ70B-1、70B-2の内部の圧力は、非常に異なるように意図されている。したがって、圧力チャンバ70B-1の圧力は、排気チャンバ70B-2の圧力よりもはるかに高くなるように意図されている。2つのチャンバが外部チャンバ70B-1と同じ方法で実装された場合、作用ガスは、遮断面82B-1、82B-2の少なくとも1つとロータ64との間に確保された機能的な隙間、例えば、第1の遮断面82B-1とロータ64との間に境界が決められた機能的な隙間を通過することが可能であり、これは、第2の中間角度セクタ112B-OFF2よりも短い中間角度セクタ112B-OFF1にわたって延在する。したがって、圧力パイプ116を介して到達する作用ガスの無視できない部分は、直接排気パイプ122Bを介して再び出ていく。このような漏出を回避するために、機能的な隙間を介して2つのチャンバ70B-1、70B-2の間の通路部分を小さくすることが提案されている。
【0116】
そうするために、内部チャンバと呼ばれる2つのチャンバ70B-2の他方は、第1のリング88Bの第2の内部円筒面90Bセグメントとコア86との間で半径方向に境界が決められる。この目的のために、内面は、前記セグメント上に凹状のくぼみ94B-2を備える。この場合、前記くぼみ94B-2は、第1の制御リング88Bの全高さにわたって延在する。
【0117】
この場合、内部チャンバ70B-2が排気チャンバ70B-2を構成するのに対して、外部チャンバ70B-1は圧力チャンバ70B-1を構成する。
【0118】
内部チャンバ70B-2を排気角度セクタ112B-OUTにわたって作動ポート66Bと連通させるために、外部円筒面92Bセグメントには、作動ポート66Bのレベルでその長さにわたって分布される複数の貫通オリフィス128Bが備わっている。これにより、2つのチャンバ70B-1、70B-2の間の通路部分は、貫通オリフィス128の部分の合計に縮小される。しかしながら、貫通オリフィスの寸法および数量は、関連付けられた作用チャンバ106、108に含まれる作用ガスが排気角度セクタにわたって排気チャンバ70B-2の方向に逃げることを可能にするのになおも十分である。
【0119】
内部チャンバ70B-2は、各々が遮断面82B-1、82B-2のうちの1つを有する半径方向の分離隔壁114Bによって外部チャンバ70B-1から周方向に分離される。
【0120】
示されていない本発明の一変形形態では、内部チャンバは圧力チャンバを形成するのに対し、外部チャンバは排気チャンバを形成する。
【0121】
第1の制御リング88Bは、作動ポート66Bのレベルならびに圧力パイプ116の下流オリフィス120Bおよび排気パイプ122Bの上流オリフィス124Bのレベルでコア86の周りに締結されるように意図されている。第1の制御リング88Bは、圧力パイプ116の下流オリフィス120Bが圧力チャンバ70B-1の内部と連通することを可能にする導管130Bによって半径方向に通される。導管130Bは、この場合、くぼみの周方向の中央に配置される。排気パイプ122Bの上流オリフィス124Bは、その部分について、排気チャンバ70B-2の境界を決めるくぼみの中に直接開口する。
【0122】
第1の制御リング88Bは、現在の第1の制御リング88Bを、異なる角度セクタにわたって延在する圧力チャンバおよび排気チャンバ70B-1、70B-2を有する交換制御リングと交換することによって、角度セクタ112B-IN、112B-OFF1、112B-OUT、112B-OFF2の範囲を調整することが可能であるような方法で、コア86に交換可能に取り付けられる。
【0123】
第1の制御リング88Bは、例えば締結ねじ132を介してコア86に締結されている。
【0124】
示されていない一変形形態では、第1の制御リングは、例えば、平坦部またはスプラインなどの相補的な形状の垂直係合手段によってコアと一体に回転する。次いで、第1の制御リングは、スペーサリングを利用して垂直方向に動けないようにされる。
【0125】
第1の制御リング88Bは、この場合、剛性プラスチック材料で作成される。第1の制御リング88Bは、例えば、成形によって製造される。
【0126】
一変形形態では、制御リングは、金属材料で作成される。
【0127】
ここでは複動式空気圧ラム56が関与するため、回転式流体分配器60は、第1の制御段60Bとほぼ同一の第2の制御段60Cを備える。したがって、第2の制御段60Cは、第1の制御段60Bの作動ポートと同一の作動ポート66Cを備えるが、それらは関連付けられた空気圧ラム56の第1の作用チャンバ106に接続される。
【0128】
しかしながら、第2の制御段60Cは、第1の制御段60Bの圧力チャンバ70B-1と第2の制御段60Cの排気チャンバ70C-2とが一致し、第1の制御段60Bの排気チャンバ70B-2と第2の制御段60Cの圧力チャンバ70C-1とが一致するように、圧力チャンバ70C-1および排気チャンバ70C-2の位置が変更されている点において、第1の制御段とは異なる。したがって、第2の制御段60Cの作動角度セクタ112C-INは、第1の制御段60Bの排気角度セクタ112B-OUTと一致するのに対して、第2の制御段60Cの排気角度セクタ112C-OUTは、第1の制御段60Bの作動角度セクタ112B-INと一致する。
【0129】
したがって、上記に提供された第1の制御段60Bの説明は、第2の制御段60Cに適用可能である。参照符号の接尾辞「B」が接尾辞「C」で置き換えられている図10を参照されたい。
【0130】
第2の制御段60Cは、この場合、第1の制御段60Bの垂直方向下方に配置される。
【0131】
第2の制御段60Cの圧力チャンバ70C-1はこの場合、同じ圧力パイプ116を介して供給される。したがって、圧力パイプ116を形成する屈曲導管の全体が垂直の部分は、2つの制御段60B、60Cに共通であり、第2の制御段60Cの圧力チャンバ70C-1に供給する2つの下流オリフィス120Cに接続された第2の半径方向部分を供給する。
【0132】
対照的に、第2の制御段60Cは、第1の制御段60Bに関連付けられた排気パイプ122Bとは異なる排気パイプ122Cを備える。2つの排気パイプ122B、122Cは、コア86の内部で互いに連通していない。
【0133】
第2の制御段60Cはまた、第1の制御段60Bの制御リング88Cと同様の制御リング88Cを備える。第2の制御段60Cの制御リング88Cは、リングを反転させることによって、すなわち矢印の方向「V」を反転させることによって図9に示される制御リング88Bと同一である。
【0134】
安全上の理由から、処理装置20は、注入管54がプリフォーム22などの他の要素と衝突するのを回避するために、処理装置20の機能不全が起こった場合に、すべてのアクチュエータが迅速かつ同時にそれらの後退した極限位置になるように制御される安全モードに従って動作することが可能である。
【0135】
処理装置20に空気圧ラム56が設けられており、そこでは、注入管54を後退した極限位置に制御するために、空気圧ラム56の関連付けられた第1の作用チャンバ106に作用ガスを供給する必要がある場合、図面に示される例の場合のように、回転式流体分配器60は第4の安全段60Dを備える。この安全段60Dは、すべての空気圧ラム56に作用ガスを同時に供給して、それらを後退した極限位置に向かうように制御する回転接続部として動作する。
【0136】
安全段60Dは、この場合、回転式流体分配器60の下端部に配置される。
【0137】
安全段60Dを形成するために、ロータ64は、処理装置20が空気圧ラム56を備えるのと同じ数の、それを半径方向に貫通する安全ポート66Dを備える。各安全ポート66Dは、関連付けられた第1の作用チャンバ106に接続されている。各安全ポート66Dは、中心軸線「Z1」を中心とする円軌道に沿って走行する。第1の作用チャンバ106への接続は、第1の作用チャンバ106を第2の制御段60Cの安全ポート66Dまたは作動ポート66Cに交互に接続することを可能にする回路セレクタ133によって行われる。
【0138】
したがって、ロータ64は、同じレベルに配置され、ロータ64の一部の周りに均等に分布される10個の安全ポート66Dを備える。10個の安全ポート66Dは、より詳細には、それらを含むロータ64の一部が中心軸線「Z1」を中心とする回転対称性を示すように同一である。
【0139】
各安全ポート66Dは、この場合、同じ処理ステーション52に関連付けられた処理ポート66Aと一列に沿って垂直方向に位置合わせされている。
【0140】
安全チャンバ70Dが、安全ポート66Dのレベルに、ステータ62とロータ64との間に半径方向に介在している。安全チャンバ70Dは、ステータ62を一周する環状形状を有する。したがって、各安全ポート66Dは、その円形経路全体にわたって常に内部開口71Dを通して安全チャンバ70D内に開口する。安全チャンバ70Dは、この場合、内側に向かってコア86によって半径方向に直接境界が決められ、ロータ64によって外側に向かって直接境界が決められる。
【0141】
安全チャンバ70Dは、安全ポート66Dの内部開口71Dの高さと略等しいか、またはそれよりわずかに高い垂直方向の高さにわたって延在する。図面に示される実施形態では、安全ポート66Dの内部開口71Dは円形断面を有する。この場合、安全チャンバ70Dの高さは、内部開口71Dの直径よりわずかに大きい。
【0142】
ステータ62のコア86は、安全チャンバ70Dに作用ガスを供給するための安全パイプ134を備える。安全パイプ134は、より詳細には、ステータ62のこの場合は上側端面78に形成された少なくとも1つの上流オリフィス136を、安全チャンバ70D内に開口する少なくとも1つの下流オリフィス138に接続する。一例として、この場合のステータ62は、単一の上流オリフィス136および単一の下流オリフィス138を備える。安全パイプ134は、この場合、上流オリフィス136に接続された全体的な垂直部分と、下流オリフィス138に接続された半径方向部分とを含む単一の屈曲導管から形成される。この場合、安全パイプ134は、圧力パイプ116から独立している、すなわち、2つの管116、134は互いに連通していない。
【0143】
この安全パイプ134には、圧力パイプ116または安全パイプ134を交互に供給する上流分配器140を利用して、制御されたやり方で作用ガスが供給される。分配器140は、回転式流体分配器60の上流に配置される。この場合の上流分配器140は3つの位置を有する。図11に示され、通常モードに対応する第1の通常位置では、それは、安全パイプ134が遮断されている間、圧力パイプ116に供給する。図12に示され、安全モードに対応する安全位置では、それは、圧力パイプ116が遮断されている間、作用ガスを安全パイプ134に供給する。処理装置20の完全な停止に対応する中立位置(図示せず)では、2つのパイプのいずれにも作用ガスは供給されない。
【0144】
安全パイプ134および圧力パイプ116は、この場合、上流分配器140を介して同じ作用ガス源に接続される。処理ガスの供給源は、この場合、作用ガスの供給源とは異なる。作用ガスの供給源は、ここでは地面に対して固定されている。
【0145】
さらに、安全モードでは、空気圧ラム56の第2の作用チャンバ108内に収容された作用ガスを、常に排気装置143を介して排出することが可能でなければならない。この目的のために、第2の作用チャンバ108は、この場合はスプール分配器型の下流分配器142に接続され、図11に示される通常の動作位置と図12に示される安全位置との間で制御される。したがって、下流分配器142はカルーセル32上に担持される。下流分配器142は、第2の作用チャンバ108が、通常モードでは関連付けられた作動ポート66Bに、または安全モードではカルーセル32上に担持された排気装置143に交互に接続されることを可能にする。
【0146】
この場合、下流分配器142のスプールは、その通常の動作位置に弾性式に戻される。下流分配器142をその安全位置に自動的に制御するために、下流分配器142のスプールは、安全チャンバ70Dを下流分配器142に接続する導管を利用して、例えばピストンまたは電気コイルなどのアクチュエータ(図示せず)を利用して作用ガスによって作動される。したがって、作用ガスは、弾性の戻り力に逆らってスプールをその安全動作位置に向かって押す。
【0147】
この目的のために、ロータ64は、安全ポート66Dと同じレベルに、ロータ64の安全段60Dの周りに交互に配置された活性化オリフィス144を備える。各活性化オリフィス144は、関連付けられた下流分配器142のラムに接続される。
【0148】
処理装置20が通常モードで動作するとき、上流分配器140はその通常位置を取る。安全チャンバ70Dは次いで、上流分配器140の上流に位置する排気装置146に接続されるのに対して、制御段60B、60Cの圧力チャンバ70B-1および70C-1には、圧縮された作用ガスが供給される。回路セレクタ133は、空気圧ラム56の第1の作用チャンバ106を関連付けられた第2の制御段60Cの作動ポート66Cに接続するように制御される。下流分配器142は、空気圧ラム56の第2の作用チャンバ108が関連付けられた第1の制御段60Bの作動ポート66Bに接続される、その通常の位置を取る。
【0149】
図12に示されるように、処理装置20が安全モードで動作するとき、上流分配器140はその安全位置を取る。次いで、安全チャンバ70Dに圧縮された作用ガスが供給されるのに対して、制御段60B、60Cの圧力チャンバ70B-1および70C-1は、上流分配器140の上流に位置する排気装置148に接続される。回路セレクタ133は、空気圧ラム56の第1の作用チャンバ106を安全段60Dの安全ポート66Dに接続するように制御される。下流分配器142は、空気圧ラム56の第2の作用チャンバ108が排気装置143に接続されるその安全位置を取る。
【0150】
回転式流体分配器60の取り付け中、処理リング88Aおよび制御リング88B、88Cは、コア86の周りに垂直に挿入され、スペーサリング85を垂直方向に介在させて積み重ねられる。この場合、このスタックは、処理リング88Aと肩部との間に別のスペーサリング85を介在させて、上部に向かってコアの肩部にもたれる。次いで、このスタックは、弾性の環帯によって所定の位置に保持される。
【0151】
チャンバ70Dは、コアの周りに嵌合され、スタックの下端においてスペーサリング85から垂直方向の距離のところで締結された最後のスペーサリングを利用して形成される。
【0152】
次いで、処理リング88Aおよびリング88B、88Cは、それぞれのねじ100、132によってコア86と一体に回転する。
【0153】
次いで、ロータ64は、このように形成されたステータ62の周りに転がり軸受65を介在させて嵌合される。
【0154】
回転式流体分配器60の取り付けを単純化することを可能にし、潜在的に単動ラム、複動ラムまたは他のタイプのアクチュエータを有する処理装置20に区別なくそれを適合させることができるようにするために、ロータ64は、各々がロータ64の一部に対応する複数の装着されたスリーブとして製造される。したがって、すべての処理ポート66Aを備えるロータ64の第1のスリーブ64Aは、処理段60Aを製造するために使用される。ここで、作動ポート66Bおよび66Cのすべてを備えるロータ64の単一のスリーブ64Bは、この場合、2つの制御段60B、60Cに共通である。最後に、安全ポート66Dおよび活性化オリフィス144のすべてを備えるロータ64の最後のスリーブ64Dは、安全段60Dを製造するために使用される。ロータ64のスリーブ64A、64B、64Dのすべては、この場合、積み重ねられ、少なくとも1つの垂直アンカーボルト150によって一緒に垂直方向に圧締めされて保持される。
【0155】
したがって、本発明は、注入管54の経路の有用な部分のみに処理ガスを使用することを可能にする。さらに、処理ガスは、回転式流体分配器60によって簡単なやり方で分配される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】