(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-06
(54)【発明の名称】立体巻鉄心変圧器の挟持装置及び変圧器
(51)【国際特許分類】
H01F 27/06 20060101AFI20230530BHJP
H01F 27/00 20060101ALI20230530BHJP
H01F 27/26 20060101ALI20230530BHJP
H01F 27/30 20060101ALI20230530BHJP
【FI】
H01F27/06
H01F27/00 120
H01F27/26 130S
H01F27/30 160
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022518396
(86)(22)【出願日】2021-11-10
(85)【翻訳文提出日】2022-03-22
(86)【国際出願番号】 CN2021129879
(87)【国際公開番号】W WO2022213602
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】202110383583.0
(32)【優先日】2021-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515114625
【氏名又は名称】海鴻電気有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【氏名又は名称】岡田 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100160495
【氏名又は名称】畑 雅明
(74)【代理人】
【識別番号】100173716
【氏名又は名称】田中 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【氏名又は名称】今下 勝博
(72)【発明者】
【氏名】許 凱旋
(72)【発明者】
【氏名】梁 慶寧
(72)【発明者】
【氏名】楊 剣波
(72)【発明者】
【氏名】譚 恒志
(72)【発明者】
【氏名】黄 嘉俊
(72)【発明者】
【氏名】張 景暖
(72)【発明者】
【氏名】関 卓文
【テーマコード(参考)】
5E043
5E059
【Fターム(参考)】
5E043FA02
5E043FA04
5E059AA02
5E059BB04
5E059DD08
5E059KK03
5E059KK13
5E059LL03
(57)【要約】
本発明は、立体巻鉄心変圧器の複数のコイルセットの下側に設置される下枠と、前記複数のコイルセットの上側に分布設置される複数の上押え板モジュールと、複数のスクリューモジュールとを含み、前記下枠と前記上押え板モジュールがスクリューモジュールによって接続されて共同で前記コイルセットを締め付ける立体巻鉄心変圧器の挟持装置及び変圧器を開示する。本発明の実施例による変圧器はこの挟持装置を採用したので、従来の挟持装置と比較すると、鉄心の周りの鋼鉄消耗材料を減少して、構造をより簡単にし、全体的な占有体積をより小さくし、重量をより軽くして、材料節約と変圧器漂遊損減少の作用を果たす。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
立体巻鉄心変圧器の複数のコイルセットの下側に設置される下枠と、
前記複数のコイルセットの上側に分布設置される複数の上押え板モジュールと、
前記下枠と前記上押え板モジュールが共同で前記コイルセットを締め付けるように、前記下枠と前記上押え板モジュールを接続するために用いられる複数のスクリューモジュールとを含むことを特徴とする立体巻鉄心変圧器の挟持装置。
【請求項2】
前記複数の上押え板モジュールは、それぞれ立体巻鉄心の1つの鉄心脚側に対応して分布される複数の第1上押え板モジュールを含むことを特徴とする請求項1に記載の挟持装置。
【請求項3】
前記第1上押え板モジュールは、
第1上押え板と、
前記第1上押え板と前記コイルセットとの間に設置される第1上押えブロックとを含むことを特徴とする請求項2に記載の挟持装置。
【請求項4】
前記複数のスクリューモジュールは、
前記第1上押え板モジュールと前記下枠を接続するために用いられ、頂部に吊り下げ部材が設置された第1引締めスクリュー及び第1締結ナットを備える複数の第1スクリューモジュールを含むことを特徴とする請求項2に記載の挟持装置。
【請求項5】
前記立体巻鉄心は、それぞれに少なくとも1つの前記第1上押え板モジュールを設けた3つの鉄心脚を含むことを特徴とする請求項2に記載の挟持装置。
【請求項6】
前記複数の上押え板モジュールは、それぞれ立体巻鉄心の1つの上鉄ヨーク側に対応して分布される複数の第2上押え板モジュールを含むことを特徴とする請求項1に記載の挟持装置。
【請求項7】
前記第2上押え板モジュールは、
第2上押え板と、
前記第2上押え板と前記コイルセットとの間に設置される第2上押えブロックとを含むことを特徴とする請求項6に記載の挟持装置。
【請求項8】
前記立体巻鉄心は、それぞれに少なくとも1つの前記第2上押え板モジュールを設けた3つの上鉄ヨークを含むことを特徴とする請求項6に記載の挟持装置。
【請求項9】
前記下枠と前記コイルセットとの間に設置される下鉄ヨーク絶縁部材を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の挟持装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の挟持装置を含むことを特徴とする変圧器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力設備の技術分野に関し、特に、立体巻鉄心変圧器の挟持装置及び変圧器に関する。
【背景技術】
【0002】
立体巻鉄心変圧器は、性能が優れ、無負荷損失と騒音レベルが低い等のメリットを有するので、幅広く応用されている。
【0003】
関連技術において、立体巻鉄心変圧器は、コイルセットの変位により変圧器の性能が影響されて無負荷損失及び騒音が大きくなることを回避するために、組み立て及び運転過程でコイルセットを支持するための挟持装置が設置されているのが一般である。
【0004】
従来の挟持装置には主に略正三角形枠である上挟持部材と下挟持部材を含み、上挟持部材と下挟持部材は、鋼板又は型鋼を溶接してなり、鉄心の輪郭線を取り囲むように一体に構成され、複数のスクリューモジュールによって接続され、その全体的な占有体積が大きく、重量が重く、そして製造に使用する消耗材料が多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以下は本明細書で詳細に説明されたテーマに対する概要である。この概要は特許請求の範囲を限定するためのものではない。
【0006】
本発明の実施例は、挟持装置の体積と重量を低減し、消耗材料を節約することのできる立体巻鉄心変圧器の挟持装置及び変圧器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様において、本発明の実施例は、
立体巻鉄心変圧器の複数のコイルセットの下側に設置される下枠と、
前記複数のコイルセットの上側に分布設置される複数の上押え板モジュールと、
前記下枠と前記上押え板モジュールが共同で前記コイルセットを締め付けるように、前記下枠と前記上押え板モジュールを接続するために用いられる複数のスクリューモジュールとを含む立体巻鉄心変圧器の挟持装置を提供する。
【0008】
本発明の実施例の第1態様の挟持装置によれば、少なくとも以下の有用な効果を有する。
本発明の実施例の挟持装置は、立体巻鉄心変圧器の複数のコイルセットの下側に設置される下枠と、前記複数のコイルセットの上側に分布設置される複数の上押え板モジュールと、複数のスクリューモジュールとを含み、前記下枠と前記上押え板モジュールがスクリューモジュールによって接続されて共同で前記コイルセットを締め付ける。本発明の実施例による挟持装置は、従来の挟持装置と比較すると、鉄心の周りの鋼鉄消耗材料を減少して、構造をより簡単にし、全体的な占有体積をより小さくし、重量をより軽くして、材料節約と変圧器漂遊損減少の作用を果たす。
【0009】
本発明の第1態様のいくつかの実施例によれば、前記複数の上押え板モジュールは、それぞれ立体巻鉄心の1つの鉄心脚側に対応して分布される複数の第1上押え板モジュールを含む。
【0010】
本発明の第1態様のいくつかの実施例によれば、前記第1上押え板モジュールは、
第1上押え板と、
前記第1上押え板と前記コイルセットとの間に設置される第1上押えブロックとを含む。
【0011】
本発明の第1態様のいくつかの実施例によれば、前記複数のスクリューモジュールは、
第1上押え板モジュールと前記下枠を接続するために用いられ、頂部に吊り下げ部材が設置された第1引締めスクリュー及び第1締結ナットを備える複数の第1スクリューモジュールを含む。
【0012】
本発明の第1態様のいくつかの実施例によれば、前記立体巻鉄心は、それぞれに少なくとも1つの前記第1上押え板モジュールを設けた3つの鉄心脚を含む。
【0013】
本発明の第1態様のいくつかの実施例によれば、前記複数の上押え板モジュールは、それぞれ立体巻鉄心の1つの上鉄ヨーク側に対応して分布される複数の第2上押え板モジュールを含む。
【0014】
本発明の第1態様のいくつかの実施例によれば、前記第2上押え板モジュールは、
第2上押え板と、
前記第2上押え板と前記コイルセットとの間に設置される第2上押えブロックとを含む。
【0015】
本発明の第1態様のいくつかの実施例によれば、前記立体巻鉄心は、それぞれに少なくとも1つの前記第2上押え板モジュールを設けた3つの上鉄ヨークを含む。
【0016】
本発明の第1態様のいくつかの実施例によれば、挟持装置は、
前記下枠と前記コイルセットとの間に設置される下鉄ヨーク絶縁部材を更に含む。
【0017】
第2態様において、本発明の実施例は、第1態様のいずれかの実施例に記載の挟持装置を含む変圧器を提供する。
【0018】
本発明の第2態様の実施例の変圧器によれば、少なくとも下記のような有用な効果を有する。
本発明の技術的解決手段に係る変圧器は、第1態様のいずれかの実施例の挟持装置を含み、この挟持装置は、立体巻鉄心変圧器の複数のコイルセットの下側に設置される下枠と、前記複数のコイルセットの上側に分布設置される複数の上押え板モジュールと、複数のスクリューモジュールとを含み、前記下枠と前記上押え板モジュールがスクリューモジュールによって接続されて共同で前記コイルセットを締め付ける。本発明の実施例による変圧器はこの挟持装置を採用したので、従来の挟持装置と比較すると、鉄心の周りの鋼鉄消耗材料を減少して、構造をより簡単にし、全体的な占有体積をより小さくし、重量をより軽くして、材料節約と変圧器漂遊損減少の作用を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0019】
添付図面は本発明の技術的解決手段を更に理解させるためのものであり、明細書の一部となり、本発明の実施例と共に本発明の技術的解決手段を解釈することに用いられ、本発明の技術的解決手段を限定する意図がない。
【0020】
【
図1】本発明の実施例による変圧器の構造の正面図である。
【
図2】本発明の実施例による変圧器の構造の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下では、本発明の実施例を詳しく説明し、実施例の例は添付図面に示されており、始めから終わりまで、同一或いは類似の符号は同一或いは類似の素子、又は同一或いは類似の機能を有する素子を示す。以下に添付図面を参考して説明される実施例は例示的なものであり、本発明を解釈するためのものに過ぎず、本発明を限定するものとして理解すべきではない。
【0022】
本発明の説明において、方位に関する説明、例えば「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」などが指す方位或いは位置関係は、図面に基づいて示す方位或いは位置関係であり、本発明の説明の便宜及び説明の簡略化のためのものに過ぎず、その指す装置或いは素子が必ず特定の方位を持ち、特定の方位で構成、操作されなければならないとは提示或いは暗示するわけではないので、本発明を限定するものとして理解すべきではない。
【0023】
本発明の説明において、「第1」、「第2」と言及した場合、技術的特徴を区分するためのものに過ぎず、相対的重要性を提示又は暗示し、或いは提示される技術的特徴の数を暗示的に指定し、或いは提示される技術的特徴の前後関係を暗示的に指定するように理解すべきではない。
【0024】
本発明の説明において、別途明確な限定がない限り、「設置」、「取り付け」、「接続」といった技術用語は、広義に理解すべきであり、当業者であれば、技術的解決手段の具体的な内容に応じて上記技術用語の本発明における具体的な意味を理解できる。当業者であれば、本発明の実施例に記載の接続は直接的接続と中間部材を介した間接的接続を含むことを理解できる。
【0025】
本発明の説明において、「少なくとも1つ」は1つ又は複数を指し、「複数」は2つ又は2つ以上を指す。「及び/又は」は関連対象の関連関係を説明するものであり、3種の関係が存在可能であることを意味し、例えば、A及び/又はBは、Aのみが存在すること、AとBが同時が存在すること、Bのみが存在することを意味するのが可能である。その中でA、Bは単数であっても複数であってもよい。符号「/」は一般に前後関連対象が「又は」という関係であることを意味する。「以下の少なくとも一項」及びその類似的な表現はこれらの項目のうちの任意組合を指し、一項又は複数項の任意組合を含む。例えば、a、b及びcのうちの少なくとも一項はa、b、c、aとb、aとc、bとc又はa、b及びcを指すのが可能で、その中でa、b、cは単数であっても、複数であってもよい。
【0026】
立体巻鉄心変圧器は、性能が優れ、無負荷損失と騒音レベルが低い等のメリットを有するので、幅広く応用されている。
【0027】
関連技術において、立体巻鉄心変圧器は、コイルセットの変位により変圧器の性能が影響されて無負荷損失及び騒音が大きくなることを回避するために、組み立て及び運転過程でコイルセットを支持するための挟持装置が設置されているのが一般である。
【0028】
従来の挟持装置には主に略正三角形枠である上挟持部材と下挟持部材を含み、上挟持部材と下挟持部材は、鋼板又は型鋼を溶接してなり、鉄心の輪郭線を取り囲むように一体に構成され、複数のスクリューモジュールによって接続され、その全体的な占有体積が大きく、重量が重く、そして製造に使用する鋼鉄材料が多い。立体巻鉄心の周りの鋼鉄消耗材料が多い場合に、変圧器の漂遊損を増加させることがある。
【0029】
現在、Y字状構造を採用した上挟持部材と下挟持部材があるが、実装ずれと運搬振動の影響のため、変圧器の複数のコイルセットの上/下端面を共に同一高さに保持することが難しく、このような場合にY字状構造の挟持部材を使用すると、コイルセット毎に受ける圧力が不均一な問題が発生して、各コイルセットをしっかり締め付けることを確保できない。
【0030】
以上に鑑みて、本発明の実施例は、挟持装置の体積と重量を低減し、消耗材料を節約することのできる立体巻鉄心変圧器の挟持装置及び変圧器を提供する。
【0031】
本発明の実施例による変圧器を示した
図1と
図2を参照されたい。
図1に示す変圧器は、立体巻鉄心10、コイルセット20及び挟持装置30を含む立体巻鉄心変圧器である。
【0032】
図1と
図2に示すように、本発明の実施例の立体巻鉄心10は複数の鉄ヨーク11と複数の鉄心脚12から構成される。具体的に、鉄心脚12は、数量が3つであり、3つの鉄心脚が正三角形で配列される。鉄ヨーク11は、数量がそれぞれ3つである上鉄ヨーク111と下鉄ヨーク112を含み、隣接する2つの鉄心脚12は上鉄ヨーク111と下鉄ヨーク112によって接続される。
【0033】
図1と
図2に示すように、本発明の実施例のコイルセット20は、数量が3つであり、それぞれA相コイルセット、B相コイルセット、C相コイルセットである。三相のコイルセット20は一対一に3つの鉄心脚12に巻き付けられている。具体的に、各相のコイルセット20は低圧コイルセットと高圧コイルセットを含み、且つ高圧コイルセットが低圧コイルセットの外側に巻き付けられている。
【0034】
図1と
図2に示すように、本発明の実施例による立体巻鉄心変圧器の挟持装置30は、
立体巻鉄心変圧器の複数のコイルセット20の下側に設置される下枠31と、
前記複数のコイルセット20の上側に分布設置される複数の上押え板モジュール32と、
前記下枠31と前記上押え板モジュール32が共同で前記コイルセット20を締め付けるように、前記下枠31と前記上押え板モジュール32を接続する複数のスクリューモジュール33と、を含む。
【0035】
下枠31として、構造が略三角形である枠部材を採用する。具体的に実現する時に、下枠31をコイルセット20の下側に組み立て、且つコイルセット20の底部端面に密着させる。
【0036】
複数の上押え板モジュール32が三相のコイルセット20の上側に分布設置されている。具体的に、各相のコイルセット20の上側にそれぞれ少なくとも1つの上押え板モジュール32が設置されており、このようにして、各相のコイルセット20に対して、コイルセット20の上に分布されている上押え板モジュール32と下枠31の両方によってコイルセット20を挟持する。
【0037】
各上押え板モジュール32に第1貫通孔が開設され、下枠31に複数の第2貫通孔が開設されており、複数の第2貫通孔が複数の上押え板モジュール32の第1貫通孔に互いに対応し、スクリューモジュール33が対応する第1貫通孔と第2貫通孔を通って下枠31と上押え板モジュール32を接続することによって、前記下枠31と前記上押え板モジュール32が共同で前記コイルセット20を締め付ける。
【0038】
本発明の実施例による挟持装置30は、従来の枠式上挟持部材の代わりに複数の上押え板モジュール32を採用する。このようにして、従来の挟持装置30と比較すると、鉄心の周りの鋼鉄消耗材料を減少可能で、構造がより簡単であり、全体的な占有体積がより小さく、重量がより軽く、挟持装置30の製造に必要な材料を節約すると共に、鉄心の周りの鋼鉄消耗材料の減少が変圧器の漂遊損の減少にも寄与する。
【0039】
なお、本発明の実施例の各上押え板モジュール32は互に独立したものであり、一体化したY字状構造の枠と比較すると、各相のコイルセット20の端面の高さの不一致による影響を受けることがなく、独立的にコイルセット20に圧力を印加し、コイルセット20の締め付け程度を強くした。
【0040】
前記複数の上押え板モジュール32は第1上押え板モジュール321及び/又は第2上押え板モジュール322を含む。
【0041】
前記第1上押え板モジュール321は、数量が複数であり、それぞれ立体巻鉄心10の1つの鉄心脚12側に対応して分布される。
【0042】
具体的に、変圧器の各鉄心脚12側に少なくとも1つの前記第1上押え板モジュール321が設けられており、このようにして、各相のコイルセット20の上に少なくとも1つの前記第1上押え板モジュール321が設けられ、各第1上押え板モジュール321が他の第1上押え板モジュール321の影響を受けることがなく独立的に対応するコイルセット20に圧力を印加することを確保し、各相のコイルセット20が全て締め付けられることを確保する。本発明の実施例が第1上押え板モジュール321の具体的数量を限定するものではないことは言うまでもない。
【0043】
例えば、
図2に示すように、第1上押え板モジュール321は、数量が3つであり、3つの第1上押え板モジュール321が三角形で分布され、それぞれ3つの鉄心脚12側に対応して設置されている。具体的に応用する時に、第1上押え板モジュール321を、対応する鉄心脚12の外側面に密着させてよい。
【0044】
前記第2上押え板モジュール322は、数量が複数であり、それぞれ立体巻鉄心10の1つの上鉄ヨーク111側に対応して分布されている。
【0045】
具体的に、各相のコイルセット20に対する挟持を実現するために、各上鉄ヨーク111側にそれぞれ少なくとも1つの前記第2上押え板モジュール322が設けられている。本発明の実施例が第2上押え板モジュール322の具体的数量を限定するものではないことは言うまでもない。
【0046】
例えば、
図2に示すように、第2上押え板モジュール322は、数量が3つであり、3つの第2上押え板モジュール322がY字状で分布され、3つの上鉄ヨーク111側に対応して設置されている。具体的に応用する時に、第2上押え板モジュール322を、対応する上鉄ヨーク111の外側面に密着させて、隣接する2つのコイルセット20を同時に締め付けてよい。
【0047】
一例として、前記第1上押え板モジュール321は、
第1上押え板3211と、
前記第1上押え板3211と前記コイルセット20との間に設置される第1上押えブロック3212とを含んでよい。
【0048】
図1に示すように、第1上押え板3211が第1上押えブロック3212の上に設置され、第1上押えブロック3212がコイルセット20の上端面に密着する。このようにして、第1上押え板3211は第1上押えブロック3212を介してコイルセット20に圧力を印加する。
【0049】
前記複数のスクリューモジュール33は、
第1上押え板モジュール321と前記下枠31を接続するために用いられ、第1引締めスクリュー3311と第1締結ナット3312を備える複数の第1スクリューモジュール331を含む。
【0050】
ここで、第1上押え板3211は第1上押えブロック3212、第1スクリューモジュール331によって下枠31と提携してコイルセット20を締め付ける。具体的な実現過程で、第1スクリューモジュール331を締めることによって対応するコイルセット20への十分な締め付け力を確保する。
【0051】
第1スクリューモジュール331は、更に、前記第1引締めスクリュー3311の頂部に設置される吊り下げ部材3313を含んでもよい。一例として、前記吊り下げ部材3313は吊り上げ板であってよい。立体巻鉄心10変圧器を吊り上げる時に、複数の第1引締めスクリュー3311における吊り下げ部材3313によって吊り上げを実現することができる。
【0052】
一例として、前記第2上押え板モジュール322は、
第2上押え板3221と、
前記第2上押え板3221と前記コイルセット20との間に設置される第2上押えブロック3222とを含む。
【0053】
前記複数のスクリューモジュール33は、
第2上押え板モジュール322と前記下枠31を接続するために用いられ、第2引締めスクリュー3321と第2締結ナット3322を備える複数の第2スクリューモジュール332を含む。
【0054】
図1に示すように、各第2上押え板モジュール322は、接続信頼性を高めるために、2つ又は2つ以上の第2スクリューモジュール332によって前記下枠31に接続してもよい。
【0055】
ここで、第2上押え板3221は第2上押えブロック3222、第2スクリューモジュール332によって下枠31と提携して隣接する2つのコイルセット20を締め付ける。具体的な実現過程で、第2スクリューモジュール332を締めることによって対応する2つのコイルセット20への十分な締め付け力を確保する。
【0056】
鋼製の下枠31がコイルセット20の性能に与える影響を減少するために、挟持装置30は、前記下枠31と前記コイルセット20との間に設置される下鉄ヨーク絶縁部材311を更に含む。
【0057】
以上、添付図面を参照しながら本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、当業者が有する知識の範囲内で、本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。
【符号の説明】
【0058】
10 立体巻鉄心
20 コイルセット
30 挟持装置
11 鉄ヨーク
12 鉄心脚
111 上鉄ヨーク
112 下鉄ヨーク
31 下枠
32 上押え板モジュール
33 スクリューモジュール
321 第1上押え板モジュール
3211 第1上押え板
3212第1上押えブロック
322 第2上押え板モジュール
3221 第2上押え板
3222 第2上押えブロック
331 第1スクリューモジュール
3311 第1引締めスクリュー
3312 第1締結ナット
3313 吊り下げ部材
332 第2スクリューモジュール
3321 第2引締めスクリュー
3322 第2締結ナット
311 下鉄ヨーク絶縁部材
【国際調査報告】