(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-06
(54)【発明の名称】全自動遺伝子解析設備および遺伝子解析方法
(51)【国際特許分類】
G01N 35/02 20060101AFI20230530BHJP
G01N 35/00 20060101ALI20230530BHJP
C12M 1/00 20060101ALI20230530BHJP
C12Q 1/686 20180101ALI20230530BHJP
【FI】
G01N35/02 Z
G01N35/00 D
C12M1/00 A
C12Q1/686 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022545870
(86)(22)【出願日】2021-08-05
(85)【翻訳文提出日】2022-07-26
(86)【国際出願番号】 CN2021111017
(87)【国際公開番号】W WO2022193532
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】202110286476.6
(32)【優先日】2021-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110288381.8
(32)【優先日】2021-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522298691
【氏名又は名称】杭州博日科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100087745
【氏名又は名称】清水 善廣
(74)【代理人】
【識別番号】100160314
【氏名又は名称】西村 公芳
(74)【代理人】
【識別番号】100118094
【氏名又は名称】殿元 基城
(74)【代理人】
【識別番号】100134038
【氏名又は名称】野田 薫央
(74)【代理人】
【識別番号】100150968
【氏名又は名称】小松 悠有子
(72)【発明者】
【氏名】李 冬
(72)【発明者】
【氏名】曹 進涛
(72)【発明者】
【氏名】李 支海
(72)【発明者】
【氏名】張 康
(72)【発明者】
【氏名】張 磊建
(72)【発明者】
【氏名】余 躍
(72)【発明者】
【氏名】賀 賢漢
【テーマコード(参考)】
2G058
4B029
4B063
【Fターム(参考)】
2G058BA06
2G058CA02
2G058CB16
2G058ED35
4B029AA07
4B029BB20
4B029CC01
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4B029FA15
4B063QA01
4B063QQ03
4B063QQ08
4B063QQ42
4B063QQ52
4B063QR08
4B063QR55
4B063QR62
4B063QS25
4B063QX02
(57)【要約】
本開示は、全自動遺伝子解析設備および遺伝子解析方法を提供し、医療検査の技術分野に属する。設備は、ボディと、第1ピックアンドプレース装置と、第2ピックアンドプレース装置と、第1開閉蓋装置と、第2開閉蓋装置と、サンプルラックと、消耗品ラックと、PCR検査装置と、遠心搬送装置とを備える。本開示において、第1ピックアンドプレース装置によりサンプルチューブまたはPCRチューブのつまみ上げたり下ろしたりすること、または液体移動操作を行い、開閉蓋装置によりキャップの自動開閉を行い、これによって、遺伝子の自動精製および自動抽出を実現でき、PCRシステムの自動構築が実現され、遠心転移装置によりPCRチューブの自動移動および遠心操作を実現し、設備の多用途を実現し、第2ピックアンドプレース装置およびPCR検査装置によりPCR検査プロセスの自動実行を実現し、全検査過程にわたって人の関与が不要であり、検査効率が高まり、検査の精度が確保されるだけでなく、所要の実験設備が簡素化され、検査の所要スペースが抑えられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボディ(100)と、第1ピックアンドプレース装置(200)と、第2ピックアンドプレース装置と、第1開閉蓋装置(300)と、第2開閉蓋装置(400)と、サンプルラック(500)と、消耗品ラック(600)と、PCR検査装置(700)と、遠心搬送装置(800)と、核酸精製ユニット(180)とを備え、
前記ボディ(100)は、核酸精製領域(110)と、PCR検査領域(120)と、PCR緩衝領域(130)とを含み、
前記第1ピックアンドプレース装置(200)、前記第1開閉蓋装置(300)、前記サンプルラック(500)、前記消耗品ラック(600)および前記核酸精製ユニット(180)は、いずれも前記核酸精製領域(110)内に取り付けられ、前記第1ピックアンドプレース装置(200)が前記核酸精製ユニット(180)、前記サンプルラック(500)、前記消耗品ラック(600)、第1開閉蓋装置(300)および前記遠心搬送装置(800)まで移動して、サンプルチューブ(900)またはPCRチューブ(1000)のつまみ上げたり下ろしたりすること、または液体の移動操作を行うように構成され、
前記PCR検査装置(700)および前記第2ピックアンドプレース装置は、いずれも前記PCR検査領域(120)内に取り付けられ、前記第2ピックアンドプレース装置が、前記遠心搬送装置(800)および前記PCR検査装置(700)まで移動して、PCRチューブ(1000)をつまみ上げたり下ろしたりするように構成され、
前記遠心搬送装置(800)および前記第2開閉蓋装置(400)は、いずれも前記PCR緩衝領域(130)内に取り付けられ、前記遠心搬送装置(800)は、一部が前記核酸精製領域(110)内に位置し、他の一部が前記PCR検査領域(120)内に位置し、前記遠心搬送装置(800)の回動でそれにおけるPCRチューブ(1000)を連れて前記核酸精製領域(110)または前記PCR検査領域(120)内に移動させるように構成される
ことを特徴とする全自動遺伝子解析設備。
【請求項2】
前記PCR緩衝領域(130)は、前記核酸精製領域(110)と前記PCR検査領域(120)とに跨るように設置され、前記PCR緩衝領域(130)が密封室であり、前記密封室に前記核酸精製領域(110)内に位置する第1開口(131)および前記PCR検査領域(120)内に位置する第2開口(132)が設けられ、
前記第1開口(131)にそれを開閉する第1ドアが設置され、前記第2開口(132)にそれを開閉する第2ドアが設置され、
前記遠心搬送装置(800)および前記第2開閉蓋装置(400)は、いずれも前記密封室内に位置し、かつ前記第1開口(131)および前記第2開口(132)の下方に位置する
ことを特徴とする請求項1に記載の全自動遺伝子解析設備。
【請求項3】
負圧吸引装置(1100)と空気処理装置(1200)とをさらに備え、前記負圧吸引装置(1100)が前記PCR検査領域(120)および前記空気処理装置(1200)のそれぞれと連通しており、前記空気処理装置(1200)が外気と連通しており、前記負圧吸引装置(1100)の負圧作用により、前記核酸精製領域(110)の気圧が前記PCR緩衝領域(130)の気圧よりも高く、前記PCR緩衝領域(130)の気圧が前記PCR検査領域(120)の気圧よりも高い
ことを特徴とする請求項2に記載の全自動遺伝子解析設備。
【請求項4】
前記空気処理装置(1200)は、空気濾過手段(1210)と、試薬溶液濾過手段(1220)と、排気管(1230)とを含み、前記負圧吸引装置(1100)、前記空気濾過手段(1210)、前記試薬溶液濾過手段(1220)および前記排気管(1230)が順に連通している
ことを特徴とする請求項3に記載の全自動遺伝子解析設備。
【請求項5】
前記密封室から前記PCR検査領域(120)への気流の一方向の流れを実現するように、前記密封室と前記PCR検査領域(120)との間に逆止弁が設置される
ことを特徴とする請求項2に記載の全自動遺伝子解析設備。
【請求項6】
前記第1ピックアンドプレース装置(200)は、接続される移動機構(210)と第1挟持機構(220)を備え、前記移動機構(210)が、前記第1挟持機構(220)を動かして水平方向移動、昇降移動させるように構成され、
前記第1挟持機構(220)が、2つのクランプアーム(230)を含み、各前記クランプアーム(230)に第1挟持構造(231)および第2挟持構造(232)が設置され、2つの前記第1挟持構造(231)が合わせて第1挟持部をなし、2つの前記第2挟持構造(232)が合わせて第2挟持部をなす
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の全自動遺伝子解析設備。
【請求項7】
前記第1挟持構造(231)は、前記クランプアーム(230)の内側に設けられる円弧状溝であり、および/または、前記第2挟持構造(232)は、前記クランプアーム(230)の下端に設置されるクランプブロックである
ことを特徴とする請求項6に記載の全自動遺伝子解析設備。
【請求項8】
前記第1ピックアンドプレース装置(200)は、ピペットをさらに備え、前記ピペットが、チップを取ったあと、液体移動操作を行うように構成される
ことを特徴とする請求項6に記載の全自動遺伝子解析設備。
【請求項9】
前記PCR検査装置(700)は、複数のPCR検査機構を含み、複数の前記PCR検査機構が所定方向に沿って順次に配置され、前記第2ピックアンドプレース装置が、PCRチューブ(1000)を順次に複数の前記PCR検査機構に入れるように構成され、各PCR検査機構のすべての孔にPCRチューブ(1000)が配置されると検査が開始する
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の全自動遺伝子解析設備。
【請求項10】
前記遠心搬送装置(800)は、回動盤(810)と回動駆動部材(3)とを備え、
前記回動盤(810)が、PCRチューブ(1000)を配置するように構成され、前記第2開閉蓋装置(400)がクランプ部(7)を有し、前記クランプ部(7)が前記PCRチューブ(1000)におけるキャップを移動するように構成され、
前記回動駆動部材(3)が、前記回動盤(810)と伝動可能に接続され、回動モードと遠心モードとを有し、
前記回動駆動部材(3)が、回動モードである場合、前記PCRチューブ(1000)を前記クランプ部(7)の下方まで移動駆動し、
前記回動駆動部材(3)が、遠心モードである場合、前記PCRチューブ(1000)の遠心運動を駆動する
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の全自動遺伝子解析設備。
【請求項11】
前記遠心搬送装置(800)は、取付アッセンブリ(820)をさらに備え、
前記PCRチューブ(1000)が前記取付アッセンブリ(820)内に配置され、前記取付アッセンブリ(820)が複数設置され、複数の前記取付アッセンブリ(820)が前記回動盤(810)の外周方向に沿って均等に設置され、前記取付アッセンブリ(820)が前記回動盤(810)とヒンジ接続され、
任意の隣接する2つの前記取付アッセンブリ(820)の間にキャップ置き部(6)が設置される
ことを特徴とする請求項10に記載の全自動遺伝子解析設備。
【請求項12】
前記第2開閉蓋装置(400)は、クランプハンド駆動部材(8)と、接続スクリュー(9)と、ナットスリーブ(10)と、移動台(11)と、クサビ体(12)とを備え、
前記クランプハンド駆動部材(8)が前記接続スクリュー(9)と伝動可能に接続され、前記ナットスリーブ(10)が前記接続スクリュー(9)に設置され、前記ナットスリーブ(10)が前記移動台(11)を介して前記クサビ体(12)と接続され、前記クランプハンド駆動部材(8)が、前記ナットスリーブ(10)、前記移動台(11)および前記クサビ体(12)を前記接続スクリュー(9)の軸線方向に沿って移動させるように、前記接続スクリュー(9)のその軸線回りの回動を駆動するように構成され、
前記クサビ体(12)が傾斜面を有し、前記クランプ部(7)が前記傾斜面と当接し、前記クサビ体(12)の移動により前記クランプ部(7)のキャップに対する挟持、放しを駆動する
ことを特徴とする請求項10に記載の全自動遺伝子解析設備。
【請求項13】
前記第2開閉蓋装置(400)は、昇降駆動部材(13)と、固定取付板(14)と、固定台(15)とをさらに備え、
前記固定台(15)が前記固定取付板(14)と接続され、前記固定台(15)内にスライド溝が設けられ、前記接続スクリュー(9)が前記固定台(15)を通って前記スライド溝内に延伸し、前記ナットスリーブ(10)が前記スライド溝内に位置し、
前記昇降駆動部材(13)は、前記固定取付板(14)と接続され、前記クランプ部(7)を前記PCRチューブ(1000)に接近する方向または前記PCRチューブ(1000)から離間する方向へ移動させるように、前記昇降駆動部材(13)が前記固定取付板(14)を移動駆動するように構成される
ことを特徴とする請求項12に記載の全自動遺伝子解析設備。
【請求項14】
前記遠心搬送装置(800)は、チューブ本体固定アッセンブリ(16)をさらに備え、
前記回動駆動部材(3)の底部にモータ底板(17)が設置され、前記モータ底板(17)の前記回動駆動部材(3)から離間する側に固定底板(18)が設置され、前記第2開閉蓋装置(400)および前記チューブ本体固定アッセンブリ(16)がいずれも前記固定底板(18)に設置され、
前記チューブ本体固定アッセンブリ(16)は、チューブ本体挟持手段(19)を有し、前記チューブ本体挟持手段(19)が前記PCRチューブ(1000)を挟持するように構成される
ことを特徴とする請求項10に記載の全自動遺伝子解析設備。
【請求項15】
前記チューブ本体固定アッセンブリ(16)は、挟持駆動部材(20)と、挟持スクリュー(21)と、挟持ナット(22)とを備え、
前記挟持駆動部材(20)と前記挟持スクリュー(21)とが伝動可能に接続され、前記挟持ナット(22)が前記挟持スクリュー(21)に設置され、前記挟持ナット(22)が前記チューブ本体挟持手段(19)と接続され、前記挟持駆動部材(20)が、前記チューブ本体挟持手段(19)を前記PCRチューブ(1000)に接近する方向または前記PCRチューブ(1000)から離間する方向へ移動させるように、前記挟持スクリュー(21)をその軸線回りに回動駆動するように構成される
ことを特徴とする請求項14に記載の全自動遺伝子解析設備。
【請求項16】
前記チューブ本体固定アッセンブリ(16)は、挟持取付フレーム(23)をさらに備え、
前記挟持駆動部材(20)は、前記挟持取付フレーム(23)と接続され、前記挟持取付フレーム(23)に位置制限信号センサ(24)および原点信号センサ(25)が設置される
ことを特徴とする請求項15に記載の全自動遺伝子解析設備。
【請求項17】
前記遠心搬送装置(800)は、ハウジング(26)と、上部カバー板(27)と、後部カバー板(28)とをさらに備え、
前記上部カバー板(27)および前記後部カバー板(28)がいずれも前記ハウジング(26)と接続され、前記固定底板(18)が前記ハウジング(26)および前記後部カバー板(28)のそれぞれと接続され、前記固定底板(18)と、前記上部カバー板(27)と、前記後部カバー板(28)と、前記ハウジング(26)とにより収容チャンバーを形成し、前記第2開閉蓋装置(400)が前記収容チャンバー内に位置する
ことを特徴とする請求項14に記載の全自動遺伝子解析設備。
【請求項18】
前記ハウジング(26)と前記上部カバー板(27)との間に上部カバーシール部材(29)が設置され、
前記固定底板(18)に下部シール部材(30)が設置され、
前記後部カバー板(28)と前記ハウジング(26)との間に第1シール部材(31)が設置され、
前記収容チャンバー内に内枠(32)が設置され、前記内枠(32)と前記ハウジング(26)との間に第2シール部材(33)が設置される
ことを特徴とする請求項17に記載の全自動遺伝子解析設備。
【請求項19】
前記遠心搬送装置(800)は、ドア開閉アッセンブリ(35)をさらに備え、
前記上部カバー板(27)に開口が設けられ、前記ドア開閉アッセンブリ(35)がドア圧締板(36)を有し、前記ドア圧締板(36)が前記開口を封止することができ、前記ドア開閉アッセンブリ(35)と前記上部カバー板(27)との間にドア板シール部材(34)が設置される
ことを特徴とする請求項17に記載の全自動遺伝子解析設備。
【請求項20】
前記ドア開閉アッセンブリ(35)は、リニアモータ(37)と、ドア枠(38)と、第1ばね引き掛け部材(39)と、第2ばね引き掛け部材(40)と、弾性部材(41)とを備え、
前記リニアモータ(37)が前記上部カバー板(27)に設置され、前記リニアモータ(37)が前記ドア枠(38)と伝動可能に接続され、前記第1ばね引き掛け部材(39)が前記ドア枠(38)に設置され、前記ドア枠(38)に長孔(42)が設置され、前記ドア圧締板(36)が前記第2ばね引き掛け部材(40)により前記長孔(42)内まで延伸し、
前記弾性部材(41)の一端が前記第1ばね引き掛け部材(39)と接続され、前記弾性部材(41)の他端が前記第2ばね引き掛け部材(40)と接続され、前記弾性部材(41)が、前記ドア圧締板(36)が前記ドア枠(38)に接近する勢いを有するように前記ドア圧締板(36)に付勢するように構成される
ことを特徴とする請求項19に記載の全自動遺伝子解析設備。
【請求項21】
前記上部カバー板(27)に位置制限ブロック(43)が設置され、
前記リニアモータ(37)が前記ドア枠(38)を前記位置制限ブロック(43)の方向に向かって移動駆動することにより、前記ドア圧締板(36)を前記位置制限ブロック(43)に当接させ、前記ドア圧締板(36)が前記長孔(42)に沿って移動して前記ドア板シール部材(34)を圧締するように構成される
ことを特徴とする請求項20に記載の全自動遺伝子解析設備。
【請求項22】
請求項1~21のいずれか1項に記載の全自動遺伝子解析設備を使用し、
S1-核酸抽出ステップと、S2-PCR系の構築ステップと、S3-遠心処理ステップと、S4-PCR検査ステップとを含み、
S1-核酸抽出ステップは、第1ピックアンドプレース装置(200)により、サンプルラック(500)におけるサンプルチューブ(900)を第1開閉蓋装置(300)まで移して、第1開閉装置によりサンプルチューブ(900)のキャップを開け、そして消耗品ラック(600)における第1チップを取り、第1チップによりサンプルチューブ(900)におけるサンプルを吸い上げて核酸精製装置に入れて核酸抽出を行い、
S2-PCR系の構築ステップは、第1ピックアンドプレース装置(200)により消耗品ラック(600)におけるPCRチューブ(1000)を遠心搬送装置(800)まで移して、第2開閉蓋装置(400)によりPCRチューブのキャップを開け、そして第1ピックアンドプレース装置(200)により消耗品ラック(600)における第2チップを取り、第2チップにより試薬を吸い上げてPCRチューブ(1000)に入れ、そして消耗品ラック(600)における第3チップを取り、第3チップにより核酸精製装置で抽出された遺伝子試料を吸い上げてPCRチューブ(1000)に入れ、
S3-遠心処理ステップは、第2開閉蓋装置(400)によりPCRチューブのキャップを閉めて、遠心搬送装置(800)によりPCRチューブ(1000)に対して回転遠心処理を行い、遠心処理されたPCRチューブ(1000)をPCR検査領域(120)まで移し、
S4-PCR検査ステップは、第2ピックアンドプレース装置によりPCR検査領域(120)内のPCRチューブ(1000)をPCR検査装置(700)まで移して検査を行う
ことを特徴とする遺伝子解析方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療検査の技術分野に属し、殊に、全自動遺伝子解析設備および遺伝子解析方法に関する。
【0002】
関係出願の相互参照
本開示は、2021年3月17日に中国専利局に提出された、出願番号が2021102864766であり、名称が「全自動遺伝子解析設備および遺伝子解析方法」である中国出願、および2021年3月17日に中国専利局に提出された、出願番号が2021102883818であり、名称が「分子検査遠心開閉蓋装置」である中国出願に基づいて優先権を主張し、その内容のすべては本出願に参照として取り込まれる。
【背景技術】
【0003】
PCR検査などの遺伝子検査過程において、作業者が完全な実験室で検査設備を利用して検査を行う必要があり、検査の所要スペースが比較的に大きく、検査設備の完全な自動化検査を実現できておらず、検査過程において大量の人手が必要となり、操作過程が複雑で、検査効率が低く、作業者の誤操作が発生し検査結果が影響されることが発生しやすい。
【0004】
また、現在、遺伝子検査過程の核酸抽出において、PCRチューブの開閉蓋操作は、ほとんど手動で行われ、手動で開蓋する場合、開蓋時に試験管の内外圧力差でエアロゾルが発生するため、操作者が直接試験管を持って開蓋する場合、感染のリスクが高まるとともに、操作者による直接の手作業で、試験管同士の交差汚染のリスクも高まる。また、手動で開蓋することは、効率が非常に低く、多くの人工数がかかる。現在、手作業の代わりに自動的に開閉蓋できる装置が市場に出回っている。
【0005】
しかし、従来の試験管開閉蓋装置は、自動の開閉蓋のみ実現でき、機能が単一で、開閉蓋のあとの操作ができない。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、従来の検査設備の、検査所要スペースが大きく、人工数が多くかかり、検査効率が低いなどの問題を解決できる全自動遺伝子解析設備を提供する。
【0007】
本開示に係る全自動遺伝子解析設備は、具体的に下記の技術案を用いる。
【0008】
全自動遺伝子解析設備は、ボディと、第1ピックアンドプレース装置と、第2ピックアンドプレース装置と、第1開閉蓋装置と、第2開閉蓋装置と、サンプルラックと、消耗品ラックと、PCR検査装置と、遠心搬送装置と、核酸精製ユニットとを備え、
前記ボディは、核酸精製領域と、PCR検査領域と、PCR緩衝領域とを含み、
前記第1ピックアンドプレース装置、前記第1開閉蓋装置、前記サンプルラック、前記消耗品ラックおよび前記核酸精製ユニットは、いずれも前記核酸精製領域内に取り付けられ、前記第1ピックアンドプレース装置が前記核酸精製ユニット、前記サンプルラック、前記消耗品ラック、第1開閉蓋装置および前記遠心搬送装置まで移動して、サンプルチューブまたはPCRチューブのつまみ上げたり下ろしたりすること、または液体の移動操作を行うように構成され、
前記PCR検査装置および前記第2ピックアンドプレース装置は、いずれも前記PCR検査領域内に取り付けられ、前記第2ピックアンドプレース装置が、前記遠心搬送装置および前記PCR検査装置まで移動して、PCRチューブをつまみ上げたり下ろしたりするように構成され、
前記遠心搬送装置および前記第2開閉蓋装置は、いずれも前記PCR緩衝領域内に取り付けられ、前記遠心搬送装置は、一部が前記核酸精製領域内に位置し、他の一部が前記PCR検査領域内に位置し、前記遠心搬送装置の回動でそれにおけるPCRチューブを連れて前記核酸精製領域または前記PCR検査領域内に移動させるように構成される。
【0009】
任意選択で、前記PCR緩衝領域は、前記核酸精製領域と前記PCR検査領域とに跨るように設置され、前記PCR緩衝領域が密封室であり、前記密封室に前記核酸精製領域内に位置する第1開口および前記PCR検査領域内に位置する第2開口が設けられ、
前記第1開口にそれを開閉する第1ドアが設置され、前記第2開口にそれを開閉する第2ドアが設置され、
前記遠心搬送装置および前記第2開閉蓋装置は、いずれも前記密封室内に位置し、かつ前記第1開口および前記第2開口の下方に位置する。
【0010】
任意選択で、全自動遺伝子解析設備は、負圧吸引装置と空気処理装置とをさらに備え、前記負圧吸引装置が前記PCR検査領域および前記空気処理装置のそれぞれと連通しており、前記空気処理装置が外気と連通しており、前記負圧吸引装置の負圧作用により、前記核酸精製領域の気圧が前記PCR緩衝領域の気圧よりも高く、前記PCR緩衝領域の気圧が前記PCR検査領域の気圧よりも高い。
【0011】
任意選択で、前記空気処理装置は、空気濾過手段と、試薬溶液濾過手段と、排気管とを含み、前記負圧吸引装置、前記空気濾過手段、前記試薬溶液濾過手段および前記排気管が順に連通している。
【0012】
任意選択で、前記密封室から前記PCR検査領域への気流の一方向の流れを実現するように、前記密封室と前記PCR検査領域との間に逆止弁が設置される。
【0013】
任意選択で、前記第1ピックアンドプレース装置は、接続される移動機構と第1挟持機構を備え、前記移動機構が、前記第1挟持機構を動かして水平方向移動、昇降移動させるように構成され、
前記第1挟持機構が、2つのクランプアームを含み、各前記クランプアームに第1挟持構造および第2挟持構造が設置され、2つの前記第1挟持構造が合わせて第1挟持部をなし、2つの前記第2挟持構造が合わせて第2挟持部をなす。
【0014】
任意選択で、前記第1挟持構造は、前記クランプアームの内側に設けられる円弧状溝であり、および/または、前記第2挟持構造は、前記クランプアームの下端に設置されるクランプブロックである。
【0015】
任意選択で、前記第1ピックアンドプレース装置は、ピペットをさらに備え、前記ピペットが、チップを取ったあと、液体移動操作を行うように構成される。
【0016】
任意選択で、前記PCR検査装置は、複数のPCR検査機構を含み、複数の前記PCR検査機構が所定方向に沿って順次に配置され、前記第2ピックアンドプレース装置が、PCRチューブを順次に複数の前記PCR検査機構に入れるように構成され、各PCR検査機構のすべての孔にPCRチューブが配置されると検査が開始する。
【0017】
また、本開示のいくつかの実施形態において、本開示に係る全自動遺伝子解析設備の遠心搬送装置は、回動盤と、回動駆動部材とを備え、
いくつかの実施形態において、回動盤が、PCRチューブを配置するように構成され、第2開閉蓋装置がクランプ部を有し、クランプ部がPCRチューブにおけるキャップを移動することができる。
【0018】
回動駆動部材が、回動盤と伝動可能に接続され、回動モードと遠心モードとを有し、
回動駆動部材が、回動モードである場合、PCRチューブをクランプ部の下方まで移動駆動し、
回動駆動部材が、遠心モードである場合、PCRチューブの遠心運動を駆動する。
【0019】
選択可能な実施形態において、遠心搬送装置は、取付アッセンブリをさらに備え、
PCRチューブが取付アッセンブリ内に配置され、取付アッセンブリが複数設置され、複数の取付アッセンブリが回動盤の外周方向に沿って均等に設置され、取付アッセンブリが回動盤とヒンジ接続され、
任意の隣接する2つの取付アッセンブリの間にキャップ置き部が設置される。
【0020】
選択可能な実施形態において、第2開閉蓋装置は、クランプハンド駆動部材と、接続スクリューと、ナットスリーブと、移動台と、クサビ体とを備え、
クランプハンド駆動部材が前記接続スクリューと伝動可能に接続され、ナットスリーブが接続スクリューに設置され、ナットスリーブが移動台を介してクサビ体と接続され、クランプハンド駆動部材が、ナットスリーブ、移動台およびクサビ体を接続スクリューの軸線方向に沿って移動させるように、接続スクリューのその軸線回りの回動を駆動するように構成され、
クサビ体が傾斜面を有し、クランプ部が傾斜面と当接し、クサビ体の移動によりクランプ部のキャップに対する挟持、放しを駆動する。
【0021】
選択可能な実施形態において、第2開閉蓋装置は、昇降駆動部材と、固定取付板と、固定台とをさらに備え、
固定台が固定取付板と接続され、固定台内にスライド溝が設けられ、接続スクリューが固定台を通ってスライド溝内に延伸し、ナットスリーブがスライド溝内に位置し、
昇降駆動部材は、固定取付板と接続され、クランプ部をPCRチューブに接近する方向またはPCRチューブから離間する方向へ移動させるように、昇降駆動部材が固定取付板を移動駆動するように構成される。
【0022】
選択可能な実施形態において、遠心搬送装置は、チューブ本体固定アッセンブリをさらに備え、
回動駆動部材の底部にモータ底板が設置され、モータ底板の回動駆動部材から離間する側に固定底板が設置され、第2開閉蓋装置およびチューブ本体固定アッセンブリがいずれも固定底板に設置され、
チューブ本体固定アッセンブリは、チューブ本体挟持手段を有し、チューブ本体挟持手段がPCRチューブを挟持するように構成される。
【0023】
選択可能な実施形態において、チューブ本体固定アッセンブリは、挟持駆動部材と、挟持スクリューと、挟持ナットとを備え、
挟持駆動部材と挟持スクリューとが伝動可能に接続され、挟持ナットが挟持スクリューに設置され、挟持ナットがチューブ本体挟持手段と接続され、挟持駆動部材が、チューブ本体挟持手段をPCRチューブに接近する方向またはPCRチューブから離間する方向へ移動させるように、挟持スクリューをその軸線回りに回動駆動するように構成される。
【0024】
選択可能な実施形態において、チューブ本体固定アッセンブリは、挟持取付フレームをさらに備え、
挟持駆動部材は、挟持取付フレームと接続され、挟持取付フレームに位置制限信号センサおよび原点信号センサが設置される。
【0025】
選択可能な実施形態において、遠心搬送装置は、ハウジングと、上部カバー板と、後部カバー板とをさらに備え、
上部カバー板および後部カバー板がいずれもハウジングと接続され、固定底板がハウジングおよび後部カバー板のそれぞれと接続され、固定底板と、上部カバー板と、後部カバー板と、ハウジングとにより収容チャンバーを形成し、第2開閉蓋装置が収容チャンバー内に位置する。
【0026】
選択可能な実施形態において、ハウジングと上部カバー板との間に上部カバーシール部材が設置され、
固定底板に下部シール部材が設置され、
後部カバー板とハウジングとの間に第1シール部材が設置され、
収容チャンバー内に内枠が設置され、内枠とハウジングとの間に第2シール部材が設置される。
【0027】
選択可能な実施形態において、遠心搬送装置は、ドア開閉アッセンブリをさらに備え、
上部カバー板に開口が設けられ、ドア開閉アッセンブリがドア圧締板を有し、ドア圧締板が開口を封止することができ、ドア開閉アッセンブリと上部カバー板との間にドア板シール部材が設置される。
【0028】
選択可能な実施形態において、ドア開閉アッセンブリは、リニアモータと、ドア枠と、第1ばね引き掛け部材と、第2ばね引き掛け部材と、弾性部材とを備え、
リニアモータが上部カバー板に設置され、リニアモータがドア枠と伝動可能に接続され、第1ばね引き掛け部材がドア枠に設置され、ドア枠に長孔が設置され、ドア圧締板が第2ばね引き掛け部材により長孔内まで延伸し、
弾性部材の一端が第1ばね引き掛け部材と接続され、弾性部材の他端が第2ばね引き掛け部材と接続され、弾性部材が、ドア圧締板がドア枠に接近する勢いを有するようにドア圧締板に付勢するように構成される。
【0029】
選択可能な実施形態において、上部カバー板に位置制限ブロックが設置され、
リニアモータがドア枠を位置制限ブロックの方向に向かって移動駆動することにより、ドア圧締板を位置制限ブロックに当接させ、ドア圧締板が長孔に沿って移動してドア板シール部材を圧締するように構成される。
【0030】
本開示に係る遠心搬送装置は、回動盤と、第2開閉蓋装置と、回動駆動部材とを備える。回動盤は、PCRチューブを取り付けるものとして使用される。第2開閉蓋装置は、クランプ部を有し、クランプ部がPCRチューブにおけるキャップを持って移動させることができる。回動駆動部材は、回動盤と伝動可能に接続され、回動モードと遠心モードとを有し、回動モードである場合、回動駆動部材がPCRチューブをクランプ部の下方まで移動駆動し、遠心モードである場合、回動駆動部材がPCRチューブの遠心運動を駆動する。PCRチューブを回動盤に配置し、回動駆動部材の回動モードにし、PCRチューブをクランプ部の下方に移動させ、第2開閉蓋装置のクランプ部によりPCRチューブにおけるキャップを移動させることにより開蓋操作または閉蓋操作を行う。回動駆動部材の遠心モードにし、回動盤が高速回転してPCRチューブを連れて遠心運動させ、したがって、PCRチューブ内の試薬に対して遠心操作を行う。これによって、開閉機能を実現できるとともに試薬に対する遠心も実現でき、多機能のものであり、従来技術における、PCRチューブの開閉蓋装置がキャップの自動開閉しか実現できなく、機能が単一である技術的問題を改善することができる。
【0031】
また、本開示に係る上記の設備を使用する遺伝子解析方法は、
S1-核酸抽出ステップと、S2-PCR系の構築ステップと、S3-遠心処理ステップと、S4-PCR検査ステップとを含み、
S1-核酸抽出ステップは、第1ピックアンドプレース装置により、サンプルラックにおけるサンプルチューブを第1開閉蓋装置まで移して、第1開閉装置によりサンプルチューブのキャップを開け、そして消耗品ラックにおける第1チップを取り、第1チップによりサンプルチューブにおけるサンプルを吸い上げて核酸精製ユニットに入れて核酸抽出を行い、
S2-PCR系の構築ステップは、第1ピックアンドプレース装置により消耗品ラックにおけるPCRチューブを遠心搬送装置まで移して、第2開閉蓋装置によりPCRチューブのキャップを開け、そして第1ピックアンドプレース装置により消耗品ラックにおける第2チップを取り、第2チップにより試薬を吸い上げてPCRチューブに入れ、そして消耗品ラックにおける第3チップを取り、第3チップにより核酸精製ユニットで抽出された遺伝子試料を吸い上げてPCRチューブに入れ、
S3-遠心処理ステップは、第2開閉蓋装置によりPCRチューブのキャップを閉めて、遠心搬送装置によりPCRチューブに対して回転遠心処理を行い、遠心処理されたPCRチューブをPCR検査領域まで移し、
S4-PCR検査ステップは、第2ピックアンドプレース装置によりPCR検査領域内のPCRチューブをPCR検査装置まで移して検査を行う。
【0032】
本開示に係る全自動遺伝子解析設備および遺伝子解析方法によれば、第1ピックアンドプレース装置によりサンプルチューブまたはPCRチューブのつまみ上げたり下ろしたりすること、または液体移動操作を行い、開閉蓋装置によりキャップの自動開閉を行い、これによって、遺伝子の自動精製および自動抽出を実現でき、PCR系の自動構築が実現され、遠心転移装置によりPCRチューブの自動移動および遠心操作を実現し、設備の多用途を実現し、第2ピックアンドプレース装置およびPCR検査装置によりPCR検査プロセスの自動実行を実現し、全検査過程にわたって人の関与が不要であり、検査効率が高まり、検査の精度が確保されるだけでなく、所要の実験設備が簡素化され、検査の所要スペースが抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本開示の具体的な実施形態または従来技術における技術案をより明瞭に説明するため、以下、具体的な実施形態または従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明する。説明する図面は、本開示のいくつかの実施形態を示すものにすぎず、当業者は、発明能力を用いなくても、これらの図面をもとに他の関連図面を得ることが可能である。
【0034】
【
図1】本開示の例示的な実施形態による全自動遺伝子解析設備の上面図である。
【
図2】本開示の例示的な実施形態による全自動遺伝子解析設備の側面図である。
【
図3】本開示の例示的な実施形態による全自動遺伝子解析設備の模式的部分構成図(一)である。
【
図4】本開示の例示的な実施形態による全自動遺伝子解析設備の模式的部分構成図(二)である。
【
図5】本開示の例示的な実施形態による全自動遺伝子解析設備の遠心搬送装置および一部の密封室の模式的構成図である。
【
図6】本開示の例示的な実施形態による全自動遺伝子解析設備の遠心搬送装置および第2開閉蓋装置の模式的構成図である。
【
図7】本開示の例示的な実施形態による遠心搬送装置の模式的全体構成図である。
【
図8】本開示の例示的な実施形態による遠心搬送装置の第1角度から見た模式的構成図である。
【
図9】本開示の例示的な実施形態による遠心搬送装置における回動駆動部材の取付様態を示す模式的構成図である。
【
図10】本開示の例示的な実施形態による遠心搬送装置における可動バスケットの取付様態を示す模式的構成図である。
【
図11】本開示の例示的な実施形態による遠心搬送装置における開閉蓋アッセンブリの断面構成図である。
【
図12】本開示の例示的な実施形態による遠心搬送装置における開閉蓋アッセンブリの模式的構成図である。
【
図13】本開示の例示的な実施形態による遠心搬送装置におけるチューブ本体固定アッセンブリの模式的構成図である。
【
図14】本開示の例示的な実施形態による遠心搬送装置における固定台の模式的構成図である。
【
図15】本開示の例示的な実施形態による、ハウジングを含む遠心搬送装置の模式的分解構成図である。
【
図16】本開示の例示的な実施形態による、ハウジングを含む遠心搬送装置の模式的構成図である。
【
図17】本開示に係る遠心搬送装置におけるドア開閉アッセンブリの模式的構成図である。
【
図18】本開示に係る遠心搬送装置におけるドア開閉アッセンブリの模式的拡大構成図である。
【
図19】本開示の例示的な実施形態による全自動遺伝子解析設備の第1ピックアンドプレース装置の模式的構成図である。
【
図20】本開示に係る全自動遺伝子解析設備の第1挟持機構の模式的構成図である。
【
図21】本開示に係る全自動遺伝子解析設備の消耗品ラックの模式的構成図である。
【
図22】本開示に係る全自動遺伝子解析設備の空気処理装置の模式的構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本開示の例示的な実施形態の目的、技術案および利点をより明瞭にするため、以下、本開示の例示的な実施形態に用いられる図面を参照しながら、本開示の例示的な実施形態における技術案を明瞭かつ完全に説明し、説明される例示的な実施形態が本開示の一部の実施形態にすぎず、すべての実施形態ではない。ここで図面を用いて示した本開示の例示的な実施形態における部品は、さまざまな配置方法で配置、設計することが可能である。
【0036】
このため、以下の図面に示された本開示の例示的な実施形態に対する詳細な説明は、本開示の選択された例示的な実施形態を示すものにすぎず、保護しようとする本開示の範囲を限定するものではない。本開示の例示的な実施形態をもとに、当業者が発明能力を用いることなく得たすべての他の例示的な実施形態も、本開示の保護範囲に属する。
【0037】
本開示の説明において、「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「内」、「外」などの用語で表された方向または位置関係は、図面に基づくものであり、あるいは該開示製品の通常の配置方向または位置関係であり、本開示を簡単かつ簡略に説明するためのものにすぎず、該当装置または要素が、必ずしも特定の方向を有したり、特定の方向に構成、操作されたりすることを明示または暗示するものではないため、本開示を限定するものではない。また、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、区別して説明するためのものにすぎず、相対重要性を明示または暗示するものではない。
【0038】
また、「水平」、「鉛直」、「重力方向」などの用語は、部品を絶対的な水平または鉛直に設置すると意味するものではなく、少し傾斜してもよい。例えば、「水平」とは、該当構成の方向が、「鉛直」に対する水平となるように、必ず完全水平になるのではなく、少し傾斜してもよい。
【0039】
本開示の説明において、明確な定義や限定がない限り、用語の「設置」、「取付」、「連係」、「接続」を広義に理解すべきである。例えば、固定接続でもよいし、取外し可能な接続でもよいし、一体的な接続でもよい。そして、機械的な接続でもよいし、電気的な接続でもよい。また、直接接続してもよいし、中間物を介して間接的に接続してもよいし、2つの素子の内部が連通してもよい。当業者は、本開示における上記用語の具体的な意味を、具体的な状況に応じて理解することが可能である。
【0040】
以下、図面を参照しながら、本開示のいくつかの実施形態を詳細に説明する。矛盾がない限り、下記の実施形態および実施形態における特徴を互いに組み合わせることができる。
【0041】
背景技術の説明から分かるように、従来の遺伝子検査は、所要スペースが大きく、完全な自動化検査を実現できず、大量の人手を必要とし、検査効率が低く、検査の正確さの更なる向上にも期待されている。これに鑑みて、本開示の例示的な実施形態は、各機能装置の協働により遺伝子解析検査の完全な自動化を実現する全自動遺伝子解析設備を提供する。
【0042】
図1、
図2、
図3および
図4に示すように、本開示の例示的な実施形態による全自動遺伝子解析設備は、ボディ100と、第1ピックアンドプレース装置200(
図19に示す)と、第2ピックアンドプレース装置(図示しない)と、第1開閉蓋装置300と、第2開閉蓋装置400と、サンプルラック500と、消耗品ラック600と、PCR検査装置700と、遠心搬送装置800などの機能装置を備える。本開示の例示的な実施形態を示す
図1において、設備の上部構造の一部しか示されていなく、本実施形態による第1ピックアンドプレース装置200などの部分が示されていない。
【0043】
本開示の例示的な実施形態によるボディ100は、他の機能装置を取り付けるための取り付けベースとして役割を果たし、図面に示される多層箱体のような構造であってもよく、他の構造であってもよい。設備全体の移動を容易にするように、ボディ100の底部にキャスターなどの移動機構が設置され得る。本開示の例示的な実施形態によるボディ100の上部は、仕切板により互いに隔絶される核酸精製領域110およびPCR検査領域120に分けられ、ボディにおいて核酸精製領域110とPCR検査領域120とに跨るPCR緩衝領域が設置される。本実施形態による核酸精製領域110内に核酸精製ユニット180およびテンプレート保管ユニットが設置され、核酸精製ユニット180が試薬ストリップ(図示しない)などの核酸抽出用具を載置するものである。本開示の例示的な実施形態によるボディ100の下部において、予備用消耗品載置領域140および廃棄チップ回収領域150が設置され、予備用消耗品載置領域140が予備用消耗品を載置するためのものであり、廃棄チップ回収領域150が検査過程の使用済みの廃棄チップを集めるためのものである。
【0044】
本開示の例示的な実施形態による第1ピックアンドプレース装置200、第1開閉蓋装置300、サンプルラック500および消耗品ラック600は、いずれも核酸精製領域110内に取り付けられる。本開示の例示的な実施形態による第1ピックアンドプレース装置200が、核酸精製ユニット180、サンプルラック500、消耗品ラック600、第1開閉蓋装置300および遠心搬送装置800まで移動しまたは動作して、サンプルチューブ900などの検査用物品をつまみ上げたり下ろしたりすることができる。該検査用物品が、サンプルチューブ900、PCRチューブ1000および各種のチップなどを含む。本開示の例示的な実施形態による第1開閉蓋装置300は、サンプルチューブ900のチューブキャップを開閉するためのものである。本開示の例示的な実施形態によるサンプルラック500は、サンプルチューブ900を保管するためのものである。本開示の例示的な実施形態による消耗品ラック600は、PCRチューブ1000、試薬および各種のチップなどを保管するためのものである。
【0045】
本開示の例示的な実施形態によるPCR検査装置700および第2ピックアンドプレース装置は、いずれもPCR検査領域120内に取り付けられ、本開示の例示的な実施形態による第2ピックアンドプレース装置が、遠心搬送装置800およびPCR検査装置700まで移動してPCRチューブをつまみ上げたり下ろしたりすることができ、その機能および構造が本開示の例示的な実施形態による第1ピックアンドプレース装置200と類似している。
【0046】
本開示の例示的な実施形態による遠心搬送装置800は、一部が核酸精製領域110内に位置し、その他の部分がPCR検査領域120内に位置し、遠心搬送装置800が、PCRチューブ1000に対して遠心処理を行うことができ、遠心搬送装置800の位置の特徴および構造の特徴を利用して、遠心搬送装置800の回動でそれにおけるPCRチューブ1000を連れて核酸精製領域110からPCR検査領域120に移動させることもでき、したがって、構造が簡素化され、遠心および転移の機能を兼備する。
【0047】
図5~
図18を参照しながら、以下、本開示の例示的な実施形態による遠心搬送装置800の構造を説明する。本開示の例示的な実施形態による遠心搬送装置800は、1つの回動盤810と、回動盤810のエッジの付近にヒンジ接続される複数の取付アッセンブリ820とを含み、取付アッセンブリ820が、PCRチューブ1000を固定、配置するものである。回動盤810の遠心回動の過程において、取付アッセンブリ820が遠心力の作用でさらに遠心回動することができるため、PCRチューブ1000に対する遠心効率および遠心効果を向上させることができる。いくつかの実施形態において、回動盤810は、回動円盤であり得る。
【0048】
図5~
図9に示すように、いくつかの実施形態において、遠心搬送装置800は、回動盤800と、第2開閉蓋装置400と、回動駆動部材3とを備える。回動盤810は、PCRチューブ1000を取り付けるものとして使用される。第2開閉蓋装置400は、クランプ部7を有し、クランプ部7がPCRチューブ1000におけるキャップを持って移動させることができる。回動駆動部材3は、回動盤810と伝動可能に接続され、回動モードと遠心モードとを有し、回動モードである場合、回動駆動部材3がPCRチューブ1000を連れてクランプ部7の下方まで移動し、遠心モードである場合、回動駆動部材3がPCRチューブ1000の遠心運動を駆動する。
【0049】
いくつかの実施形態において、PCRチューブ1000は、回動盤810に配置され、1つ配置されてもよく、複数配置されてもよい。
【0050】
回動盤810に原点トリガー部材が設置され、回動駆動部材3に原点位置信号センサが設置され、回動駆動部材3が回動盤810を回動駆動し、原点トリガー部材が原点位置信号センサの所在位置まで回動したとき、原点位置信号センサが原点トリガー部材を感知し、回動盤810の回動を停止させ、この位置が位置原点であり、回動盤810における各PCRチューブ1000がこの位置を基準として移動ロボットアームのチューブ配置位置まで回転して停止し、移動ロボットアームにおける爪が回動盤810における孔に合わせるように自動的に回動盤810のすべての孔にPCRチューブ1000を配置し、または所要数のPCRチューブ1000を回動盤810の孔に配置し、移動ロボットアームにおけるピペットにより必要な試薬またはサンプルをキャップの開いたPCRチューブ1000内に入れ、例えば、PCR試薬、およびDNAテンプレートまたはRNAテンプレートをキャップの開いたPCRチューブ1000内に入れる。
【0051】
回動駆動部材3は、回動モードに切り替えられると、回動盤810を回転駆動することにより、クランプ部7によりPCRチューブ1000に対してキャップの開閉を行うようにPCRチューブ1000をクランプ部7の下方の位置に移動させる。回動駆動部材3は、遠心モードに切り替えられると、回動盤810を高速回転駆動することにより、試薬に対して遠心操作を行うようにPCRチューブ1000を遠心運動させる。
【0052】
本開示の例示的な実施形態による遠心搬送装置800は、回動盤810と、第2開閉蓋装置400と、回動駆動部材3とを備える。回動盤810は、PCRチューブ1000を取り付けるものとして使用される。第2開閉蓋装置400は、クランプ部7を有し、クランプ部7がPCRチューブ1000におけるキャップを持って移動させることができる。回動駆動部材3は、回動盤810と伝動可能に接続され、回動モードと遠心モードとを有し、回動モードである場合、回動駆動部材3がPCRチューブ1000をクランプ部7の下方まで移動駆動し、遠心モードである場合、回動駆動部材3がPCRチューブ1000の遠心運動を駆動する。PCRチューブ1000を回動盤810に配置し、回動駆動部材3の回動モードにし、PCRチューブ1000をクランプ部7の下方に移動させ、第2開閉蓋装置400のクランプ部7によりPCRチューブ1000におけるキャップを移動させることにより開蓋操作または閉蓋操作を行う。回動駆動部材3の遠心モードにし、回動盤810が高速回転してPCRチューブ1000を連れて遠心運動させ、したがって、PCRチューブ1000内の試薬に対して遠心操作を行う。これによって、本開示の例示的な実施形態による遠心搬送装置800は、開閉蓋機能を実現できるとともに試薬に対する遠心も実現でき、多機能のものであり、従来技術における、PCRチューブの開閉蓋装置がキャップの自動開閉しか実現できなく、機能が単一である技術的問題を改善することができる。
【0053】
上記の例示的な実施形態をもとに、
図10に示すように、選択可能な実施形態において、本開示に係る遠心搬送装置800は、取付アッセンブリ820を備え、取付アッセンブリ820が可動バスケットであり得る。PCRチューブ1000が可動バスケット内に配置され、可動バスケットが複数設置され、複数の可動バスケットが回動盤810の外周方向に沿って均等に設置され、可動バスケットが回動盤810とヒンジ接続され、任意の隣接する2つの可動バスケットの間にキャップ置き部6が設置される。
【0054】
いくつかの実施形態において、回動盤810におけるサンプルチューブ配置孔が回動盤810に均等に分布し、回動盤810が接続部材を介して回動駆動部材3と固定接続され、回動盤810に可動バスケットが均等に取り付けられ、可動バスケットが自在揺動可能であり、キャップ置き部6が2つの可動バスケットの間に設置され、キャップ置き部6と可動バスケットとが間隔をあけて分布するように回動盤810に取り付けられ、回して外したキャップがキャップ置き部に置かれる。また、キャップ置き部6を設置しなくてもよく、PCRチューブ1000が1つだけ設置されるとき、キャップを置かずにクランプ部7によりキャップをつまみっぱなしのようにすることができ、実際の状況に応じてキャップ置き部6を設置するか否かを決める。回動駆動部材3の移動により各孔の位置を特定することは、原点トリガー部材およびトリガーする原点位置信号センサを参照としている。回動駆動部材3は、高速回転遠心の機能に関わり、遠心モータの機能を持っている。
【0055】
PCRチューブ1000が可動バスケット内に配置され、可動バスケットが回転軸を介して回動盤810と接続する。回動盤810が回転しないときに可動バスケットが重力の作用で回動盤810の表面に対して垂直であり、このとき、サンプルおよびPCRチューブ1000のつまみ上げたり下ろしたりすること、キャップの開閉を行うことができる。遠心のとき、遠心力の作用で可動バスケットと回動盤810とがなす夾角が小さくなり、PCRチューブ1000内の試薬またはサンプルをチューブの底部まで遠心することに寄与する。
【0056】
図11に示すように、選択可能な実施形態において、第2開閉蓋装置400は、クランプハンド駆動部材8と、接続スクリュー9と、ナットスリーブ10と、移動台11と、クサビ体12とを備える。クランプハンド駆動部材8が接続スクリュー9と伝動可能に接続され、ナットスリーブ10が接続スクリュー9に設置され、ナットスリーブ10が移動台11を介してクサビ体12と接続される。クランプハンド駆動部材8は、ナットスリーブ10、移動台11およびクサビ体12を接続スクリュー9の軸線方向に沿って移動させるように、接続スクリュー9のその軸線回りの回動を駆動するように構成される。クサビ体12が傾斜面を有し、クランプ部7が傾斜面と当接し、クサビ体12の移動によりクランプ部7のキャップに対する挟持、放しを駆動する。
【0057】
いくつかの実施形態において、クランプハンド駆動部材8は、駆動モータであり、駆動モータの出力軸に第1プーリーが設置され、接続スクリュー9の端部に第2プーリーが設置され、第1プーリーおよび第2プーリーがベルトを介して伝動し、ナットスリーブ10が接続スクリュー9とねじ接続され、クランプハンド駆動部材8が接続スクリュー9を回動駆動し、ナットスリーブ10と接続する移動台11およびクサビ体12が接続スクリュー9に沿って直線運動し、接続スクリュー9の正逆回転により、ナットスリーブ10が往復に直線運動し、そして、クサビ体12が接続部材を介して移動台11と固定接続するため、クサビ体12も往復に直線運動し、クサビ体12に傾斜面が設けられ、クランプ部7が、具体的に2つのアームからなるものであり、アームに、クサビ体12の傾斜面に対応する傾斜面が設けられ、クサビ体12の傾斜面と2つのアームの傾斜面とが、面が合うように構成され、したがって、クサビ体12の傾斜面により2つのアームを互いに接近したり離間したりするように移動駆動し、よって、アームに設置されるクランプハンドによるキャップに対する挟持、放しの機能を実現する。
【0058】
図12、
図14に示すように、選択可能な実施形態において、第2開閉蓋装置400は、昇降駆動部材13と、固定取付板14と、固定台15とをさらに備える。固定台15が固定取付板14と接続され、固定台15内にスライド溝が設けられ、接続スクリュー9が固定台15を通ってスライド溝内に延伸し、ナットスリーブ10がスライド溝内に位置する。昇降駆動部材13は、固定取付板14と接続され、クランプ部7をPCRチューブ1000に接近する方向またはPCRチューブ1000から離間する方向へ移動させるように、昇降駆動部材13が固定取付板14を移動駆動するように構成される。
【0059】
いくつかの実施形態において、昇降駆動部材13は、昇降取付フレームに取り付けられ、昇降取付フレームにスライドレールが設置され、固定取付板14がスライドレールとスライド可能に接続され、昇降取付フレームに原点位置信号センサが設置され、固定取付板14に信号トリガー部材が設置され、昇降駆動部材13の上下移動によりクランプ部7が上下移動駆動され、これによって、キャップとチューブ本体との分離および接続を実現し、昇降駆動部材13の移動が、信号トリガー部材が原点位置信号センサをトリガーする位置を基準として実行する。
【0060】
選択可能な実施形態において、遠心搬送装置800は、チューブ本体固定アッセンブリ16をさらに備える(
図7に示す)。
図8に示すように、回動駆動部材3の底部にモータ底板17が設置され、モータ底板17の回動駆動部材3から離間する側に固定底板18が設置され、第2開閉蓋装置400およびチューブ本体固定アッセンブリ16がいずれも固定底板18に設置される。チューブ本体固定アッセンブリ16は、チューブ本体挟持手段19(
図13に示す)を有し、チューブ本体挟持手段19がPCRチューブ1000を挟持するものである。
【0061】
いくつかの実施形態において、固定底板18とモータ底板17とが支持部材により接続され、固定底板18がモータ底板17を支持するように構成され、チューブ本体固定アッセンブリ16が回動盤810のそばに設置され、開蓋するとき、チューブ本体挟持手段19がPCRチューブ1000を挟持することにより、PCRチューブ1000とキャップとの接続がきつすぎて分離できないことを対処することができる。
【0062】
選択可能な実施形態において、
図13に示すように、チューブ本体固定アッセンブリ16は、挟持駆動部材20と、挟持スクリュー21と、挟持ナット22とを備える。挟持駆動部材20と挟持スクリュー21とが伝動可能に接続され、挟持ナット22が挟持スクリュー21に設置され、挟持ナット22がチューブ本体挟持手段19と接続される。挟持駆動部材20は、チューブ本体挟持手段19をPCRチューブ1000に接近する方向またはPCRチューブ1000から離間する方向へ移動させるように、挟持スクリュー21をその軸線回りに回動駆動するように構成される。
【0063】
選択可能な実施形態において、挟持駆動部材20の駆動端にプーリーが設置され、挟持スクリュー21の端部にもプーリーが設置され、2つのプーリーの協働で、挟持駆動部材20により挟持スクリュー21が回転駆動され、さらに、挟持ナット22および挟持ナット22と接続されるチューブ本体挟持手段19が往復移動駆動され、チューブ本体に対する固定、放しを実現できる。
【0064】
選択可能な実施形態において、チューブ本体固定アッセンブリ16は、挟持取付フレーム23をさらに備える。挟持駆動部材20が挟持取付フレーム23と接続され、挟持取付フレーム23に位置制限信号センサ24および原点信号センサ25が設置される。
【0065】
選択可能な実施形態において、挟持取付フレーム23にガイドレールが設置され、チューブ本体挟持手段19がガイドレールに沿って移動することができ、チューブ本体挟持手段19にトリガー部材が設置され、チューブ本体挟持手段19の移動が、トリガー部材の位置制限信号センサ24および原点信号センサ25をトリガーする位置を基準として実行し、したがって、チューブ本体挟持手段19が位置制限信号センサ24と原点信号センサ25との間でしか移動できないように構成される。
【0066】
いくつかの実施形態において、開蓋の動作は、下記のとおりである。PCRチューブ1000を回動盤810における例えば可動バスケットのような取付アッセンブリ820に配置し、回動駆動部材3の回動モードを起動し、回動盤810の回転によりPCRチューブ1000をクランプ部7の下方に移動させ、昇降駆動部材13によりクランプ部7をPCRチューブ1000に接近する方向へ移動駆動し、挟持駆動部材20によりチューブ本体挟持手段19をPCRチューブ1000の方向に向かって移動駆動することにより、チューブ本体挟持手段19でPCRチューブ1000チューブ本体を挟持する。クランプハンド駆動部材8により接続スクリュー9を回動駆動することにより、クランプ部7の2つのクランプハンドが開き、2つのクランプハンドがキャップの位置まで移動したとき、クランプハンド駆動部材8により接続スクリュー9を逆方向へ回動駆動し、クランプ部7の2つのクランプハンドが互いに接近してキャップを挟持し、昇降駆動部材13によりクランプ部7をPCRチューブ1000から離間する方向へ移動駆動し、したがって、キャップとチューブ本体とが分離し、キャップの開蓋操作が遂げられる。
【0067】
具体的な閉蓋の動作は、下記のとおりである。クランプ部7によりキャップをクランプしたあと、昇降駆動部材13によりクランプ部7をチューブ本体に接近する方向へ移動駆動してキャップをチューブ本体に挿入し、クランプハンド駆動部材8により接続スクリュー9を回動駆動し、これによって、クランプ部7の2つのクランプハンドが互いに離間してキャップが放され、キャップの閉蓋操作が遂げられる。
【0068】
本開示の実施形態において、開蓋も閉蓋も連続的に実行してもよく、開閉蓋を1つずつで実行してもよい。
【0069】
遠心を行うとき、回動駆動部材3の遠心モードを起動し、回動盤810の高速回転により可動バスケットを揺動させ、これによって、PCRチューブ1000のチューブ本体内の試薬が遠心運動し、遠心操作が遂げられる。
【0070】
キャップの開閉過程において試験管における試薬またはサンプルに起因した環境汚染が発生する恐れがある。この状況を防止するため、上記の実施形態をもとに、
図15、
図16に示すように、選択可能な実施形態において、遠心搬送装置800は、ハウジング26と、上部カバー板27と、後部カバー板28とをさらに備え、上部カバー板27および後部カバー板28がいずれもハウジング26と接続され、固定底板18がハウジング26および後部カバー板28のそれぞれと接続され、固定底板18と、上部カバー板27と、後部カバー板28と、ハウジング26とにより収容チャンバーを形成し、第2開閉蓋装置400が収容チャンバー内に位置する。
【0071】
いくつかの実施形態において、ハウジング26と、上部カバー板27と、後部カバー板28と、ハウジング26とにより形成される収容チャンバーは、第2開閉蓋装置400、回動盤810、回動駆動部材3およびチューブ本体固定アッセンブリ16を、外部と隔絶するように内に収容する。
【0072】
選択可能な実施形態において、
図15に示すように、ハウジング26と上部カバー板27との間に上部カバーシール部材29が設置され、固定底板18に下部シール部材30が設置され、後部カバー板28とハウジング26との間に第1シール部材31が設置され、収容チャンバー内に内枠32が設置され、内枠32とハウジング26との間に第2シール部材33が設置される。
【0073】
選択可能な実施形態において、下部シール部材30が固定底板18に取り付けられ、ハウジング26が固定底板18と接続され、これによって、ハウジング26が下部シール部材30を圧締し、下部分が密封される。上部カバーシール部材29がハウジング26に取り付けられ、上部カバー板27がハウジング26と接続され、これによって、上部カバーシール部材29が圧締されて、上部分が密封される。内枠32がハウジング26と接続され、これによって、第2シール部材33が圧締され、側部が密封される。後部カバー板28がハウジング26、固定底板18と接続され、これによって、第1シール部材31および下部シール部材30が圧締されて、後部が密封される。
【0074】
図16、
図17、
図18に示すように、選択可能な実施形態において、遠心搬送装置800は、ドア開閉アッセンブリ35をさらに備え、上部カバー板27に開口が設けられ、ドア開閉アッセンブリ35がドア圧締板36を有し、ドア圧締板36が開口を封止することができ、ドア開閉アッセンブリ35と上部カバー板27との間にドア板シール部材34が設置される。
【0075】
いくつかの実施形態において、ドア開閉アッセンブリ35が複数設置されてもよく、ドア開閉アッセンブリ35と、開口およびドア板シール部材34とが一対一で対応して設置され、ドア板シール部材34が上部カバー板27に取り付けられる。
【0076】
選択可能な実施形態において、ドア開閉アッセンブリ35は、リニアモータ37と、ドア枠38と、第1ばね引き掛け部材39と、第2ばね引き掛け部材40と、弾性部材41とを備える。リニアモータ37が上部カバー板27に設置され、リニアモータ37がドア枠38と伝動可能に接続され、第1ばね引き掛け部材39がドア枠38に設置され、ドア枠38に長孔42が設置され、ドア圧締板36が第2ばね引き掛け部材40により長孔42内まで延伸し、弾性部材41の一端が第1ばね引き掛け部材39と接続され、弾性部材41の他端が第2ばね引き掛け部材40と接続され、弾性部材41が、ドア圧締板36がドア枠38に接近する勢いを有するようにドア圧締板36に付勢するように構成される。
【0077】
いくつかの実施形態において、
図15~
図17に示すように、上部カバー板27に第1ドアハウジングおよび第2ドアハウジングが設置され、モータ取付台が上部カバー板27に取り付けられ、リニアモータ37がモータ取付台に取り付けられ、ガイドレールアッセンブリが上部カバー板27に取り付けられ、ドア枠38が支持部材を介してガイドレールアッセンブリのスライドブロックに取り付けられ、第1ばね引き掛け部材39がドア枠38に取り付けられ、ドア圧締板36が第2ばね引き掛け部材40と接続され、第2ばね引き掛け部材40の両端の軸がドア枠38の長孔42に挿入され、弾性部材41がその両端のフックにより第1ばね引き掛け部材39および第2ばね引き掛け部材40に引き掛けられることによりドア圧締板36の長孔42に沿う移動を可能にするように構成され、リニアモータ37のスクリューがドア枠38と接続され、センサトリガー部材がドア枠38と接続され、第1センサおよび第2センサが上部カバー板27に固定され、第2ドアハウジングが支持部材およびガイドレールアッセンブのリスライドブロックに固定される。
【0078】
図18に示すように、ドア枠38が位置制限位置まで移動したら、リニアモータ37が前に向かって移動するとき、ドア圧締板36が下へ移動し、これによって、ドア板シール部材34を圧締して、したがって、上部カバー板27における開口が密封され、内部のサンプルまたは試薬による外部への汚染を防止することができる。
【0079】
選択可能な実施形態において、上部カバー板27に位置制限ブロック43が設置され、リニアモータ37が、ドア枠38を位置制限ブロック43の方向に向かって移動駆動することにより、ドア圧締板36を位置制限ブロック43に当接させ、ドア圧締板36が長孔42に沿って移動してドア板シール部材34を圧締する。
【0080】
選択可能な実施形態において、
図18に示すように、リニアモータ37が起動し、リニアモータ37におけるスクリューが前に向かって直線運動をし、これによって、ドア枠38がガイドレールアッセンブリでスライドし、ドア圧締板36が位置制限ブロック43と接触したとき、リニアモータ37が前に進むときにドア圧締板36および第2ばね引き掛け部材40アッセンブリが、ドア枠38内で長孔42に沿ってスライドし、垂直方向において下へ移動し、したがって、ドアシール部材を下へ圧締することを実現し、ドアの密封を実現する。リニアモータ37が後に向かって移動するとき、ドア枠38がガイドレールアッセンブリに沿って後に移動し、このとき、ドア圧締板36および第2ばね引き掛け部材40アッセンブリが、ばね部材の引張力により、上へ移動し、ドア圧締板36とドア板シール部材34との分離が実現され、上部カバー板27の開口が開き、第2ドアハウジングが常にドア枠38とともに移動する。
【0081】
遠心搬送装置800におけるハウジングとカバー板との間の各シール部材の設置によれば、遠心搬送装置800の全体の密封を実現することができ、したがって、内部の試薬またはサンプルによる外部の汚染を防止することができる。任意選択で、ドアアッセンブリの設置によれば、ドアの密封をさらに実現でき、したがって、内部の試薬またはサンプルによる外部の汚染をさらに防止することができる。
【0082】
本開示の例示的な実施形態による全自動遺伝子解析設備を応用する具体的な方法は、核酸抽出、PCR系の構築、遠心処理およびPCR検査などの具体的なステップを含む。本開示の例示的な実施形態による核酸抽出ステップは、第1ピックアンドプレース装置200(
図19に示す)により、サンプルラック500におけるサンプルチューブ900を第1開閉蓋装置300まで移して、第1開閉装置によりサンプルチューブのキャップを開け、そして消耗品ラック600における第1チップを取り、第1チップによりサンプルチューブ900におけるサンプルを吸い上げて核酸精製ユニット180に入れて核酸抽出を行うことを含む。
【0083】
本開示の例示的な実施形態によるS2-PCR系の構築ステップは、第1ピックアンドプレース装置200により消耗品ラック600におけるPCRチューブ1000を遠心搬送装置800まで移して、第2開閉蓋装置400によりPCRチューブのキャップを開け、そして第1ピックアンドプレース装置200により消耗品ラック600における第2チップを取り、第2チップにより試薬を吸い上げてPCRチューブ1000に入れ、そして消耗品ラック600における第3チップを取り、第3チップにより核酸精製ユニット180で抽出された遺伝子試料を吸い上げてPCRチューブ1000に入れることを含む。
【0084】
本開示の例示的な実施形態による遠心処理ステップは、第2開閉蓋装置400によりPCRチューブのキャップを閉めて、遠心搬送装置800によりPCRチューブ1000に対して回転遠心処理を行い、遠心処理されたPCRチューブ1000をPCR検査領域120まで移すことを含む。
【0085】
本開示の例示的な実施形態によるPCR検査ステップは、第2ピックアンドプレース装置によりPCR検査領域120内のPCRチューブ1000をPCR検査装置700まで移して検査を行うことを含む。
【0086】
上記のステップについて、具体的に、全自動遺伝子解析設備が作動する前に、サンプルの加えたサンプルチューブ900をサンプルラック500に配置し、具体的に作動するとき、まず第1ピックアンドプレース装置200によりサンプルラック500におけるサンプルチューブ900を取って第1開閉蓋装置300に移動して開蓋を行い、サンプルチューブ900のキャップを開けたあと、本開示の例示的な実施形態による第1ピックアンドプレース装置200が、消耗品ラック600のチップ配置領域に移動して第1チップを取り、そして、再び第1開閉蓋装置300における開蓋されたサンプルチューブ900の上に移動し、第1チップを利用してサンプルチューブ900におけるサンプルを吸い上げて、核酸精製ユニット180の試薬ストリップの上方に移動し、第1チップに吸い上げられたサンプルを試薬ストリップに滴下させ、そして、第1チップを廃棄チップ回収領域に捨てる。上記のステップが完了したあと、第1開閉蓋装置300によりサンプルチューブのキャップを閉め、そして第1ピックアンドプレース装置200の第1開閉蓋装置300で閉蓋したサンプルチューブ900をサンプルラック500に戻す。
【0087】
核酸精製ユニット180の試薬ストリップで核酸抽出を行う同時に、本開示の例示的な実施形態による第1ピックアンドプレース装置200により消耗品ラック600におけるPCRチューブ配置領域のPCRチューブ1000を取って遠心搬送装置800まで移動して、第2開閉蓋装置400によりPCRチューブのキャップを開け、そして第1ピックアンドプレース装置200が再び消耗品ラック600まで移動して第2チップを取って、消耗品ラック600の試薬配置領域で試薬を吸い上げて遠心搬送装置における開蓋したPCRチューブ1000に入れ、そして第2チップを捨てる。
【0088】
本開示の例示的な実施形態による核酸精製ユニット180による核酸抽出が完了したあと、第1ピックアンドプレース装置200は、再び消耗品ラック600に移動して第3チップを取り、そして、核酸精製ユニット180に移動して、抽出されたDNAまたはRNAテンプレートを適量吸い上げて遠心搬送装置800における試薬の加えたかつ開蓋したPCRチューブ1000に入れ、そして第3チップを捨てる。または、第1ピックアンドプレース装置200により第3チップを取って直接核酸精製ユニット180まで移動し、核酸精製ユニット180で抽出されたDNAまたはRNAテンプレートをすべて吸い上げ、そして適量のDNAまたはRNAテンプレートを、試薬の加えたかつ開蓋したPCRチューブ1000に入れ、残りのDNAまたはRNAテンプレートがテンプレート保管領域のテンプレート保管チューブに移されて以後の使用に備え、そして第2開閉蓋装置400によりPCRチューブのキャップを閉める。
【0089】
上記のステップが完了したあと、遠心搬送ユニットは、回転遠心を行い、PCRチューブ1000内の試薬およびDNA、RNAテンプレートを試験管の底部まで遠心し、PCRチューブ1000に対する遠心が完了したあと、本開示の例示的な実施形態による遠心搬送装置800が規定の角度回転し、それにおけるPCRチューブ1000がPCR検査領域120に搬送される。
【0090】
最後、PCR検査領域120内の第2ピックアンドプレース装置により、遠心搬送装置800における、PCR検査領域120内に搬送されたPCRチューブ1000をPCR検査装置700に移動する。PCR検査装置700は、複数のPCR検査機構を含み、複数の前記PCR検査機構が所定方向に沿って順次に配置され、第2ピックアンドプレース装置によりPCRチューブ1000を順次に複数のPCR検査機構に入れ、先立ったPCR検査機構のすべての孔にPCRチューブ1000が配置されてから検査が開始し、同時に、本開示の例示的な実施形態による第2ピックアンドプレース装置が遠心搬送装置800とPCR検査装置700との間に継続につまみ上げたり下ろしたりする作業を行い、2つの部分の作業が同時に行われ、作業効率が向上する。1つのPCR検査機構による検査が完了したあと、第2ピックアンドプレース装置により、検査されたPCRチューブ1000をPCR廃棄物回収装置(図示しない)に捨てる。
【0091】
上記の構造をもとに、PCR検査領域120のエアロゾルがPCR緩衝領域130経由で核酸精製領域110に進入することを防止するため、本開示の例示的な実施形態において、PCR検査領域120とPCR緩衝領域130との間に位置するPCR緩衝領域130に対して密封処理を行い、PCR緩衝領域130を密封室として設計し、第2開閉蓋装置400および遠心搬送装置800がいずれも該密封室内に位置し、密封室に核酸精製領域110内に位置する第1開口131およびPCR検査領域120内に位置する第2開口132が設けられる。第1開口131にそれを開閉する第1ドア(図示しない)が設置され、第2開口132にそれを開閉する第2ドア(図示しない)が設置される。設備の制御システムの制御で、本開示の例示的な実施形態による第1ドアが開かれるとき、本開示の例示的な実施形態による第2ドアが閉められ、本開示の例示的な実施形態による第1ドアが閉められるとき、本開示の例示的な実施形態による第2ドアが開かれ、このようにして、核酸精製領域110とPCR検査領域120との互いの密封を確保する。相応に、PCRチューブ1000の移動および開蓋を実現するため、本開示の例示的な実施形態による遠心搬送装置800および第2開閉蓋装置400がいずれも密封室内に取り付けられ、第2開閉蓋装置400が、遠心搬送装置800におけるPCRチューブ1000に対して開閉蓋操作を行い、本開示の例示的な実施形態による遠心搬送装置800の回動盤810が、第1開口131と第2開口132の下方に位置し、これによって、回動盤810におけるPCRチューブ1000が回動に従って第1開口131および第2開口132の下方に移動し、そして、第1ピックアンドプレース装置200および第2ピックアンドプレース装置によるつまみ上げたり下ろしたりする作業を行う。
【0092】
また、密封効果をさらに向上させ、PCR検査領域120内のエアロゾルが核酸精製領域110に進入することを防止するため、本開示の例示的な実施形態によるボディ100の下部に取付室160が設けられ、該取付室160内に負圧吸引装置1100および空気処理装置1200が取り付けられ、負圧吸引装置1100がPCR検査領域120および空気処理装置1200のそれぞれと連通しており、空気処理装置1200が外気と連通しており、本開示の例示的な実施形態において、密封室からPCR検査領域120への気流の一方向の流れのみを許すように、密封室とPCR検査領域120との間に逆止弁(図示しない)がさらに設置される。設備が正常作動するとき、負圧吸引装置1100が常に作動してPCR検査領域120内の気体を抜き、逆止弁の作用により、PCR緩衝領域130内の気体の一部がPCR検査領域120に流入し、これによって、PCR緩衝領域130とPCR検査領域120とが一定の圧力差を維持するとともに、核酸精製領域110の気圧>PCR緩衝領域130の気圧>PCR検査領域120の気圧を満たす。核酸精製領域110の気圧がPCR緩衝領域130の気圧よりも高いため、第1開口131が開かれるとき、気体が核酸精製領域110からPCR緩衝領域130に流入し、逆流できなく、第2開口132が開かれるとき、PCR緩衝領域130内の気体がPCR検査領域120に流入し、逆流できなく、これによって、エアロゾルがPCR検査領域120から核酸精製領域110に拡散することを防止し、核酸精製領域110への汚染を防止することができる。
【0093】
図19および
図20に示すように、本開示の例示的な実施形態による第1ピックアンドプレース装置200は、接続される移動機構210と第1挟持機構220をさらに備え、移動機構210が、第1挟持機構220を動かして水平方向移動および昇降移動させるものである。本開示の例示的な実施形態による移動機構210が所要の位置に移動することを実現するため、本開示の例示的な実施形態において、互いに垂直である3つの方向に沿って移動できるように移動機構210を設計し、このような移動構造が従来の構造を利用できるため、本開示の例示的な実施形態において第1ピックアンドプレース装置200の移動方式について詳しく説明しない。
【0094】
本開示の例示的な実施形態による第1ピックアンドプレース装置200に対する改良は、主に第1挟持機構220にある。本開示の例示的な実施形態による第1挟持機構220は、2つのクランプアーム230を含み、各クランプアーム230に第1挟持構造231および第2挟持構造232が設置され、2つの第1挟持構造231が合わせて第1挟持部をなし、2つの第2挟持構造232が合わせて第2挟持部をなす。
【0095】
具体的に、該第1挟持構造231は、クランプアーム230の内側に設けられる円弧状溝であり、該第2挟持構造232は、クランプアーム230の下端に設置されるクランプブロックであり、2つの円弧状溝により、サンプルチューブ900を挟持する挟持リングをなし、2つのクランプブロックとの合わせでPCRチューブ1000を挟持でき、したがって、一つの第1挟持機構220だけで2種の挟持機能を実現できる。
【0096】
また、上記の各チップに対する取り、各チップによる液体吸い上げおよび液体排出を行うため、本開示の例示的な実施形態による第1ピックアンドプレース装置200は、ピペット(図示しない)をさらに備える。本開示の例示的な実施形態によるピペットは、チップを取ったあと、液体吸い上げや液体排出などの液体移動操作を行うことができる。つまり、本開示に係る第1ピックアンドプレース装置200は、2種の挟持機能を有するとともに、ピペットも集積されたため液体移動操作を行うこともできる。したがって、一方、設備の多用途化を実現し、設備の構造を簡素化し、他方、設備の作動の全自動化を実現することができる。
【0097】
また、
図21に示すように、本開示の例示的な実施形態において、さらに消耗品ラック600の構造に対して改良を行う。ボディ100にガイドレール170が設置され、本開示の例示的な実施形態による消耗品ラック600は、ガイドレール170にスライド可能に取り付けられ、消耗品ラック600が引出式構造として形成され、したがって、消耗品の交換に寄与できる。好ましくは、本開示の例示的な実施形態による消耗品ラック600に冷蔵ユニットが設置され、したがって、消耗品ラック600における各種の試薬の化学的安定性を確保できる。
【0098】
図22に示すように、本開示の例示的な実施形態において、さらに空気処理装置1200の構造に対して改良を行う。空気処理装置1200は、空気濾過手段1210と、試薬溶液濾過手段1220と、排気管1230とを含む。負圧吸引装置1100、空気濾過手段1210、試薬溶液濾過手段1220および排気管1230が順に連通しており、負圧吸引装置1100によりPCR検査領域120内の空気を吸引して、本開示の例示的な実施形態による空気濾過手段1210および試薬溶液濾過手段1220により空気に対して二重濾過を行い、濾過効果が確保され、濾過された気体が排気管1230経由で直接排出され、空気汚染を防止することができる。
【0099】
上記のように、本開示の例示的な実施形態による全自動遺伝子解析設備および設備の応用方法によれば、自動化検査を実現するとともに、設備の多用途を実現し、そして、全検査過程にわたって人の関与が不要であり、検査効率が高まり、検査の精度が確保されるだけでなく、所要の実験設備が簡素化され、検査の所要スペースが抑えられる。
【0100】
なお、上記の各例示的な実施形態は、本開示の技術案を説明するためのものにすぎず、それを限定するものではない。上記の各例示的な実施形態を参照しながら本開示を詳細に説明したが、当業者は、上記の各例示的な実施形態に記載された技術案を変更してもよく、そのうちの一部またはすべての技術的特徴に対して均等置換を行ってもよい。これらの変更または置換は、該当する技術案の本質を本開示の各例示的な実施形態の技術案の範囲から逸脱させていない。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本開示に係る全自動遺伝子解析設備および遺伝子解析方法が提供され、全自動遺伝子解析設備は、自動化検査を実現するとともに、多用途を実現し、全検査過程にわたって人の関与が不要であり、検査効率が高まり、検査の精度が確保されるだけでなく、所要の実験設備が簡素化され、検査の所要スペースが抑えられる。
【0102】
なお、本開示に係る全自動遺伝子解析設備、PCR検査装置、核酸精製ユニットおよび遠心搬送装置などは、実施可能なものであり、さまざまな産業用途に適用することができる。例えば、本開示に係る全自動遺伝子解析設備は、要自動検査の遺伝子解析実験に適用することができる。
【符号の説明】
【0103】
100…ボディ
110…核酸精製領域
120…PCR検査領域
130…PCR緩衝領域
131…第1開口
132…第2開口
140…予備用消耗品載置領域
150…廃棄チップ回収領域
160…取付室
170…ガイドレール
180…核酸精製ユニット
200…第1ピックアンドプレース装置
210…移動機構
220…第1挟持機構
230…クランプアーム
231…第1挟持構造
232…第2挟持構造
300…第1開閉蓋装置
400…第2開閉蓋装置
500…サンプルラック
600…消耗品ラック
700…PCR検査装置
800…遠心搬送装置
810…回動盤
820…取付アッセンブリ
900…サンプルチューブ
1000…PCRチューブ
1100…負圧吸引装置
1200…空気処理装置
1210…空気濾過手段
1220…試薬溶液濾過手段
1230…排気管
3…回動駆動部材
6…キャップ置き部
7…クランプ部
8…クランプハンド駆動部材
9…接続スクリュー
10…ナットスリーブ
11…移動台
12…クサビ体
13…昇降駆動部材
14…固定取付板
15…固定台
16…チューブ本体固定アッセンブリ
17…モータ底板
18…固定底板
19…チューブ本体挟持手段
20…挟持駆動部材
21…挟持スクリュー
22…挟持ナット
23…挟持取付フレーム
24…位置制限信号センサ
25…原点信号センサ
26…ハウジング
27…上部カバー板
28…後部カバー板
29…上部カバーシール部材
30…下部シール部材
31…第1シール部材
32…内枠
33…第2シール部材
34…ドア板シール部材
35…ドア開閉アッセンブリ
36…ドア圧締板
37…リニアモータ
38…ドア枠
39…第1ばね引き掛け部材
40…第2ばね引き掛け部材
41…弾性部材
42…長孔
43…位置制限ブロック
【国際調査報告】