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特表2023-523500風力海洋水生成設備及びそのような設備を製造する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-06
(54)【発明の名称】風力海洋水生成設備及びそのような設備を製造する方法
(51)【国際特許分類】
   B63B 35/44 20060101AFI20230530BHJP
   B63B 35/00 20200101ALI20230530BHJP
   B63B 75/00 20200101ALI20230530BHJP
   B63B 21/50 20060101ALI20230530BHJP
   B63B 35/34 20060101ALI20230530BHJP
   B63J 1/00 20060101ALI20230530BHJP
   B63B 27/10 20060101ALI20230530BHJP
【FI】
B63B35/44 K
B63B35/00 T
B63B75/00
B63B21/50 A
B63B35/34 B
B63J1/00
B63B27/10 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022547733
(86)(22)【出願日】2020-02-04
(85)【翻訳文提出日】2022-09-02
(86)【国際出願番号】 US2020016493
(87)【国際公開番号】W WO2021158210
(87)【国際公開日】2021-08-12
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506364042
【氏名又は名称】シングル・ブイ・ムーリングス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【弁理士】
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】フェザーストーン、ニール
(72)【発明者】
【氏名】ラーツ、ケビン
(72)【発明者】
【氏名】マーティン、ブルース
(57)【要約】
水域上に位置付けられた海洋水生成設備は、浮遊物体と、少なくとも1つの風力タービンと、風力タービンに結合された発電機と、水生成システムとを含む。浮遊物体は、風力タービンが取り付けられる少なくとも1つの柱を支持する複数の浮力アセンブリを含む。少なくとも1つの柱上に、さらに、処理機器デッキは、風力タービンの動作領域の下方かつ水面レベルの上方に取り付けられている。水生成システムは、処理機器デッキ上に構成され、水生成システムは、海底坑井水圧入のために構成され、圧入される水のための限外濾過ユニット及び膜脱気ユニットを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浮遊物体と、少なくとも1つの風力タービンと、前記風力タービンに結合された発電機と、水生成システムとを備える、水域上の位置付けられる海洋水生成設備であって、
-前記浮遊物体は、風力タービンが取り付けられた少なくとも1つの柱を支持する複数の浮力アセンブリを備え、
-前記少なくとも1つの柱上に、さらに、処理機器デッキは、前記風力タービンの動作領域の下方かつ水面レベルの上方に取り付けられ、
-前記水生成システムは前記処理機器デッキ上に構成され、
前記水生成システムは、海底坑井水圧入のために構成され、圧入される水のための限外濾過ユニット及び膜脱気ユニットを備える、海洋水生成設備。
【請求項2】
ボートランディングデッキは、前記処理機器デッキと前記水面レベルとの間で前記少なくとも1つの柱上に取り付けられる、請求項1に記載の海洋水生成設備。
【請求項3】
前記水生成システムは、前記発電機によって電力が供給される、請求項1又は2に記載の海洋水生成設備。
【請求項4】
前記水生成システムは、揚水ポンプをさらに備え、前記揚水ポンプは、前記水域から水を取り込むように構成され、前記揚水ポンプの出口は、入口フィルタを介して前記限外濾過ユニットの入力に接続され、前記限外濾過ユニットの出口は、前記膜脱気ユニットの入口に接続され、前記膜脱気ユニットの出口は、海底坑井水圧入システムに結合するように構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載の海洋水生成設備。
【請求項5】
前記水生成システムは、水から硫酸塩を除去するための硫酸塩回収ユニット(SRU)をさらに備え、前記硫酸塩回収ユニットは、前記限外濾過ユニットの出口と前記膜脱気ユニットの入口との間に構成され、前記硫酸塩回収ユニットの入口は、前記限外濾過ユニットの出口に結合され、前記硫酸塩回収ユニットの出口は、前記膜脱気ユニットの入口に結合される、請求項4に記載の海洋水生成設備。
【請求項6】
前記水生成システムは、前記限外濾過ユニットの出口と前記膜脱気ユニットの前記入口との間に構成された給水ポンプをさらに備え、前記給水ポンプは前記発電機によって電力供給される、請求項4に記載の海洋水生成設備。
【請求項7】
前記水生成システムは、前記限外濾過ユニットの出口と前記硫酸塩回収ユニットの入口との間に構成された給水ポンプをさらに備え、前記給水ポンプは、前記発電機によって電力供給される、請求項5に記載の海洋水生成設備。
【請求項8】
前記処理機器は、輸送可能な物品のためのレイダウン領域と、前記レイダウン領域に隣接して、前記処理機器デッキ上で前記物品を移動させるためのクレーンとをさらに備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の海洋水生成設備。
【請求項9】
前記レイダウン領域は、前記ボートランディングデッキの領域の上方にあり、前記ボートランディングデッキの領域と重なる前記処理機器デッキのセクタ中に位置付けられる、請求項2に従属する場合に請求項8に記載の海洋水生成設備。
【請求項10】
前記セクタの外側の前記処理機器デッキ上に第2のクレーンをさらに備える、請求項9に記載の海洋水生成設備。
【請求項11】
前記柱は、各浮力アセンブリへの少なくとも1つの径方向接続要素を有するタワーであり、前記浮力アセンブリは、横方向接続要素によって相互接続され、前記風力タービンは、前記タワーの頂部上に取り付けられる、請求項1から10のいずれか一項に記載の海洋水生成設備。
【請求項12】
前記浮力アセンブリは、テンドン又はピンと張った係留ラインによって海底上の対応するアンカーポイントに接続されるように適合されている、請求項1から11のいずれか一項に記載の海洋水生成設備。
【請求項13】
前記浮力アセンブリは半潜水式構造を含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の海洋水生成設備。
【請求項14】
海洋水生成設備を製造する方法であって、
-少なくとも1つの柱と、前記少なくとも1つの柱を支持する複数の浮力アセンブリとを備える浮遊物体を作成することと、
-前記少なくとも1つの柱上に、風力タービンと、前記風力タービンに結合された発電機とを取り付けることと、
-前記少なくとも1つの柱上に、前記風力タービンの動作領域の下方かつ水面レベルの上方に処理機器デッキを作成することと、
-前記処理機器デッキ上に水生成システムを構成することとを含み、
前記水生成システムは、海底坑井水圧入のために構成され、限外濾過ユニット及び膜脱気ユニットを備える、方法。
【請求項15】
前記水生成システムに電力を供給するように前記発電機を構成することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記方法は、前記処理機器デッキ、少なくとも1つの風力タービン、及び発電機を含み、前記水生成システムは、浮遊物体生産設備の波止場側の位置において前記浮遊物体上に設置されることを含む、請求項14又は15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海洋水生成設備に関する。
【0002】
また、本発明は、そのような海洋水生成設備を製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
石油増進回収法(EOR)は、追加の(機械的)手段によって石油が貯留層又は井戸から抽出される原理である。EORは、産地から回収することができる石油の量を増加させる。EORは、水圧入によって達成することができる。EORは、産地の後半段階の間に作用する。したがって、水圧入パッケージは、船がしばらくの間ステーション上にあった後に水上船に頻繁に加えられる。水上船は、このパッケージを位置付けるために利用可能な空間を有するべきであり、利用可能な(重量)容量を有するべきである。これは常にそうであるとは限らない。代替的に、重量及び空間のための収容設備がある場合、水上船は、その耐用期間の大部分にわたって最大ペイロード容量で動作されない。
【0004】
これらの欠点を克服又は軽減することが、本出願の目的である。
【発明の概要】
【0005】
本目的は、浮遊物体と、少なくとも1つの風力タービンと、風力タービンに結合された発電機と、水生成システムとを備える、水域上に位置付けられた海洋水生成設備によって達成され、
-浮遊物体は、風力タービンが取り付けられる少なくとも1つの柱を支持する複数の浮力アセンブリを備え、
-少なくとも1つの柱上に、さらに、処理機器デッキは、風力タービンの動作領域の下方かつ水面レベルの上方に取り付けられ、
-水生成システムは処理機器デッキ上に構成され、
水生成システムは、海底坑井水圧入のために構成され、圧入される水のための限外濾過ユニット及び膜脱気ユニットを備える。
【0006】
より大きなサイズの濾過タワー(又は濾過床)及び脱気ユニットを使用する従来技術のシステムよりも、限外濾過及び膜脱気が、はるかに少ない空間しか必要とせず、より軽量であり、より少ない電力を消費するという事実に起因して、本発明は海洋水生成設備を提供する。
【0007】
本発明は、再生可能なエネルギーによって生成される上水を炭化水素貯留層に挿入することを通して、向上した石油回収を提供する。また、海洋水生成設備は、FPSOなどの石油又はガス生産設備から独立して動作することができる。海洋水生成設備は、地表設備からかなり離れた水圧入井の近くに位置付けることができる。これはまた、水圧入ライザ(water injection riser)のコストを低減する。さらに、海洋水生成設備は、再配置可能であり、要求に応じて炭化水素貯留層の上方に位置付けることができる。石油又はガス生産設備は、水生成システムのためのデッキ空間を確保する必要がない。
【0008】
さらに、本発明は、海洋水生成設備を製造するための方法に関し、方法は、
-風力タービン及び風力タービンに結合された発電機を柱上に取り付けるための少なくとも1つの柱を支持する複数の浮力アセンブリを備える浮遊物体を作成することと、
-少なくとも1つの柱上に、風力タービンの動作領域の下方かつ水面レベルの上方に処理機器デッキを作成することと、
-処理機器デッキ上に水生成システムを構成することとを含み、
水生成システムは、海底坑井水圧入のために構成され、限外濾過ユニット及び膜脱気ユニットを備える。
【0009】
さらに、実施形態によれば、方法は、処理機器デッキ、少なくとも1つの風力タービン、及び水生成システムが、浮遊物体生産設備の波止場において浮遊物体上に設置されることを提供する。有利なことに、この実施形態は、環境条件、風及び波が現場よりも波止場ではるかに低減されるので、比較的低い困難性で機器の設置を可能にする。
【0010】
有利な実施形態が、従属請求項によってさらに定義される。
【0011】
本発明は、その例示的な実施形態が示される図面を参照して、以下でより詳細に説明される。これら図面は、例示目的のみを意図しており、本発明の概念を制限するものではない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲に示される定義によってのみ限定される。
【0012】
図面において、同じ参照番号を有する要素は、同じ又は対応する要素を指す。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施形態による風力海洋水処理システムを含む炭化水素貯留層の上方の海洋サイトを概略的に示す図である。
図2図2は、実施形態による水生成システムのレイアウトを概略的に示す。
図3図3は、実施形態による浮遊物体の側面図を示す。
図4図4は、実施形態による処理機器デッキの上面レイアウトを示す。
図5図5は、実施形態による水生成システムのための電力供給図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、特定の実施形態に関して、ある特定の図面を参照して説明されるが、本発明はそれらに限定されない。説明される図面は、概略的なものにすぎず、非限定的である。図面では、要素のうちのいくつかのサイズは誇張されるかもしれず、例示を目的として原寸通りに描かれていないかもしれない。
【0015】
図1は、実施形態による風力海洋水生成システム100を含む炭化水素貯留層の上方の海洋サイト2を概略的に示す。
【0016】
海洋サイトでは、炭化水素のための浮遊物体式生産及び積出設備FPO(又は浮遊物体式生産貯蔵及び積出設備、FPSO)又はFPU、すなわち半潜水型又はTLP(緊張係留式プラットフォーム)のような生産船200が、海中炭化水素貯留層の上方の海1に位置付けられる。生産船200は、その場所に係留される任意のタイプの炭化水素生産設備であってもよい。スプレッド係留又はタレット係留などの任意のタイプの係留システム(図示せず)を使用して、生産船を係留することができる。生産船は、ライザ(図示せず)によって、炭化水素が収集される海底の1つ以上の生産井に結合される。時間が経つにつれて、炭化水素貯留層の開発中に、井戸の圧力は低下し、これは炭化水素生産を複雑にする。炭化水素生産を向上させるために、海底の圧入位置4において水が炭化水素貯留層に圧入される。圧入位置は、典型的には、炭化水素井戸及び生産船200の位置からかなりの距離にある。
【0017】
実施形態によれば、水圧入は、水生成システム10及び水生成システムを動作させるための電源を装備した浮遊物体によって具現化される海洋水生成設備100によって提供される。電力供給は、風力タービン駆動発電機25、26などの再生可能エネルギー源に基づく。
【0018】
このような実施形態によれば、浮遊物体は、風力タービン26及び発電機25が取り付けられた少なくとも1つの柱40を支持する複数の浮力アセンブリ30を備える。
【0019】
図1に示されるように、浮遊物体は、各浮力アセンブリに対する少なくとも1つの径方向接続要素32を有する中心柱40を支持するいくつかの浮力アセンブリ30を有するトラス構造からなる。浮力アセンブリは、横方向接続要素34によって相互接続される。
【0020】
実施形態が図2を参照して説明される水生成システム10は、海水を取り込み、海水の処理後に、水圧入ライザ6を通して海中圧入点4に水を輸送するように構成される。また、供給パイプライン8は、電力及び/又は制御信号を輸送するために、浮遊物体と海中圧入点4との間に延びていてもよい。
【0021】
浮遊物体は、係留システム50によって、海中圧入点4の近傍又はその場所に位置付けられる。海底には、(ピンと張った)係留ライン又はテンドン54によって浮遊物体に接続されたアンカーポイント52が設けられている。
【0022】
浮遊生産船200から海洋水生成設備への遠隔制御を提供するために、通信システム60、61、好ましくはワイヤレス通信システムが浮遊生産船及び海洋水生成設備に設けられる。
【0023】
図2は、実施形態による、水生成システム10のレイアウトを概略的に示す。
【0024】
水生成システム10は、限外濾過ユニット12と、膜脱気ユニット14と、硫酸塩回収ユニット16と、揚水ポンプ18と、給水ポンプ20と、水圧入ポンプ24とを備える。
【0025】
揚水ポンプ18は、海水を取り込むように構成されている。揚水ポンプ18の出口は、入口(粗)フィルタ22を介して限外濾過ユニット12の入力に接続される。限外濾過ユニット12は、揚水ポンプ18から受け取った海水から高品質の処理済み(淡水)水を生成するように構成されている。
【0026】
限外濾過ユニット12の出口は、給水ポンプ20の入口に接続されている。給水ポンプ20の出口は、水から硫酸イオンを除去するように構成された硫酸塩回収ユニット16の入口に接続されている。
【0027】
硫酸塩回収ユニット16の出口は、水から溶解ガスを除去するように構成された膜脱気ユニット14の入口に接続される。膜脱気ユニット14の出口は、最後に、(高圧水ポンプ24を含む)海底坑井水圧入システムに結合するように構成される。
【0028】
いくつかの実施形態では、水生成システム10は、化学添加剤を水に供給するための供給システム(図示せず)を備える。そのような化学添加剤は、圧入後の貯留層内の生成水の有害な反応を低減するために使用されることができる。
【0029】
水生成システム10は、浮遊物体の柱40に位置付けられた風力タービンベースの発電機25、26によって電力供給される。
【0030】
図3は、実施形態による浮遊物体の側面図を示す。
【0031】
実施形態によれば、水生成システム10は、処理機器デッキ42上に設置される。処理機器デッキ42は、(発電機26を含む)風力タービン25を担持する柱40上に取り付けられる。処理機器デッキ42は、タービンの動作領域(すなわち、ロータの直径によってカバーされる領域)と海面のレベルとの間に位置付けられる。
【0032】
さらなる実施形態によれば、追加のボートランディングデッキ44が、処理機器デッキ42と海面レベルとの間で柱40上に設置される。ボートランディングデッキ44は、水生成システム10と共に使用するための化学物質及び他の物質を配送することができるサービス船を係留するために使用される。
【0033】
実施形態では、ボートランディングデッキ44は、処理機器デッキ42の面積よりも実質的に小さい面積を有する。
【0034】
図4は、実施形態による処理機器デッキ42の上面レイアウトを示す。
【0035】
処理機器デッキ42上で、水生成システム10の構成要素は、風力タービンベースの発電機のみを支持する柱に対して(水平方向の)重心が大きく変化しないように取り付けられる。
【0036】
示す実施形態では、水生成システム10は、構成要素として、一対の限外濾過ユニット12と、一対の膜脱気ユニット14と、一対の硫酸塩回収ユニット16とを備える。また、海底水圧入ポイント4に生成された水を送る水圧入ポンプ24がレイアウトに示されている。
【0037】
処理機器デッキ42の領域は、サービス船によって配送される物品のためのレイダウン領域36として確保されている。デッキを横切って物品を移動させるために、クレーン38はレイダウン領域36に隣接して位置付けられている。
【0038】
任意選択で、第2のクレーンを、レイダウン領域の外側の処理機器デッキ上に設けることができる。
【0039】
処理機器デッキ42上の水生成システム構成要素のレイアウトは、レイダウン領域36が、ボートランディングデッキ44の上方にあり、ボートランディングデッキ44と重なる処理機器デッキ42のセクタ中に位置付けられるようにすることができる。水生成システム10の構成要素は、危険性の高い機器及び化学物質の貯蔵が、その下のボートランディングデッキ44の領域と重複する処理機器デッキのレイダウン領域36中にないように構成されてもよい。
【0040】
図5は、実施形態による、水生成システム10の図を概略的に示す。
【0041】
水生成システム10及び風力タービンベースの発電機25、26は、浮遊物体300の上又は中に構成される。
【0042】
水生成システム10は、入ってくる海水の流れ81を処理して、海中炭化水素貯留層中の水圧入ポンプ24によって圧入される高品質水の流れ82にする。発電機25は、水生成システム10の構成要素12、14、18、24に電力84を供給する。この実施形態では、任意選択で、硫酸塩回収16を同様に設置することができる。
【0043】
浮遊物体300は、図1図3及び図4を参照して上述したように、浮力アセンブリのトラス構造によって支持された浮遊タワー構造として具現化されることができる。代替として、浮遊物体300は、風力タービン26及び発電機25が取り付けられる少なくとも1つの柱310を担持する半潜水可能構造302として具現化されてもよい。潜水可能構造302は、各々が風力タービン及び発電機を支持する2つ以上の柱を担持するように構成されてもよい。
【0044】
実施形態によれば、海洋水生成設備は、方法にしたがって製造され、方法は、
-風力タービン及び風力タービンに結合された発電機を柱上に取り付けるための少なくとも1つの柱を支持する複数の浮力アセンブリを備える浮遊物体を作成することと、
-少なくとも1つの柱上に、風力タービンの動作領域の下方かつ水面レベルの上方に処理機器デッキを作成することと、
-処理機器デッキ上に水生成システムを構成することとを含み、
水生成システムは、海底坑井水圧入のために構成され、限外濾過ユニット及び膜脱気ユニットを備える。
【0045】
好ましくは、少なくとも1つの風力タービン26、発電機25、及び水生成システム10は、浮遊物体生産設備の波止場の場所で浮遊物体上に設置される。波止場の場所に風力タービン及び発電機ならびに水生成システムの構成要素を設置することは、波止場地域での作業条件が典型的には海洋ロケーションよりも良好であるので、コスト及び労力を著しく低減する。
【0046】
本発明は、いくつかの実施形態を参照して説明された。前述の詳細な説明を読んで理解すれば、明らかな修正及び変更が当業者に思い浮かぶであろう。本発明は、全てのそのような修正及び変更を、それらが添付の特許請求の範囲の範囲内にある限り含むものとして解釈されることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】