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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-06
(54)【発明の名称】外科用ステープリング装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/068 20060101AFI20230530BHJP
【FI】
A61B17/068
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022548891
(86)(22)【出願日】2020-02-14
(85)【翻訳文提出日】2022-08-12
(86)【国際出願番号】 CN2020075213
(87)【国際公開番号】W WO2021159446
(87)【国際公開日】2021-08-19
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】アハメド, サイード
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC09
4C160CC29
(57)【要約】
外科用ステープリング装置(10)は、未関節運動位置と関節運動後位置との間の関節運動のために取り付けられるツールアセンブリ(16、116)を含む。ツールアセンブリ(16、116)の未関節運動位置におけるツールアセンブリのぐらつきを最小化するために、ステープリング装置(10)は、ツールアセンブリ(16、116)に所定の力が加えられるまではツールアセンブリ(16、116)を未関節運動位置に保持する保持構造を含む取り付けアセンブリ(20、120)を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用ステープリング装置であって、
第1の長軸を画定し近位端部分および遠位端部分を有する長細の本体であって、前記長細の本体は、内側シャフトおよび外側チューブを含み、前記内側シャフトは、径方向に対向する窪みを画定する、長細の本体と、
第2の長軸を画定する、ツールアセンブリと、
前記ツールアセンブリに装着された取り付けアセンブリであって、前記取り付けアセンブリは、第1および第2のヒンジ、第1の取り付け部材ならびに第2の取り付け部材を含み、前記第1の取り付け部材は、本体と、前記第1の取り付け部材の前記本体から外向きに延在する第1のハブとを含み、前記第2の取り付け部材は、本体と、前記第2の取り付け部材の前記本体から外向きに延在する第2のハブとを含み、前記第1および第2のヒンジのそれぞれは、遠位端部分および近位端部分を含み、前記第1のヒンジの前記遠位端部分は、前記第1の取り付け部材の前記第1のハブを受容するボアを画定し、前記第2のヒンジの前記遠位端部分は、前記第2の取り付け部材の前記第2のハブを受容して、前記第1および第2のヒンジを前記第1および第2の取り付け部材に枢動可能に装着する、第2のボアを画定し、前記第1および第2のヒンジの前記近位端部分は、前記内側シャフトの前記径方向に対向する窪み内に受容されて、前記第1および第2のヒンジを前記長細の本体に固定的に装着し、前記第1および第2のヒンジは、前記第1の長軸と前記第2の長軸とが一直線になっている未関節運動位置から、前記第1の長軸と前記第2の長軸とが鋭角を画定する関節運動後位置までの、前記長細の本体に対する前記第1および第2の取り付け部材ならびに前記ツールアセンブリの関節運動を容易化する、取り付けアセンブリと、 を備え、
前記第1および第2の取り付け部材は、それぞれ第1の係合部材を画定し、前記第1および第2のヒンジは、それぞれ第2の係合部材を画定し、前記第1および第2の取り付け部材の前記第1の係合部材のそれぞれは、前記ツールアセンブリが前記未関節運動位置にあるときに、前記第1および第2のヒンジのそれぞれの第2の係合部材を受容して、前記ツールアセンブリを前記未関節運動位置に保持する、外科用ステープリング装置。
【請求項2】
前記長細の本体の前記近位端部分に結合されたハンドルアセンブリをさらに含み、前記ハンドルアセンブリは、前記本体上に支持された静止ハンドルおよび可動ハンドルを画定する本体を含む、請求項1に記載の外科用ステープリング装置。
【請求項3】
前記第1の係合部材のそれぞれは、凹状部を含み、前記第2の係合部材のぞれぞれは、凸状部を画定する、請求項1に記載の外科用ステープリング装置。
【請求項4】
前記第1の係合部材のそれぞれは、突出部を含み、前記第2の係合部材のぞれぞれは、ボアを画定する、請求項1に記載の外科用ステープリング装置。
【請求項5】
前記第1および第2の取り付け部材は、それぞれ片持ち部分を含み、前記突出部のそれぞれは、前記片持ち部分のそれぞれにおいて支持される、請求項4に記載の外科用ステープリング装置。
【請求項6】
前記第1および第2のヒンジの前記近位端部分のそれぞれは、切り欠きを画定し、前記長細の本体の前記内側シャフトにおける前記径方向に対向する窪みは、前記第1および第2のヒンジの前記近位端部分の形状に対応する形状を有し、前記第1および第2のヒンジを前記長細の本体に軸方向に固定する、請求項1に記載の外科用ステープリング装置。
【請求項7】
前記長細の本体の前記外側チューブは、前記内側シャフトのまわりに受容され、前記径方向に対向する窪みの上に位置決めされて、前記第1および第2のヒンジの前記近位端部分を、前記内側シャフトの前記径方向に対向する窪み内に保持する、請求項6に記載の外科用ステープリング装置。
【請求項8】
前記ツールアセンブリは、アンビルアセンブリおよびカートリッジアセンブリを含む、請求項1に記載の外科用ステープリング装置。
【請求項9】
前記アンビルアセンブリおよび前記カートリッジアセンブリは、直線状の構成を有する、請求項8に記載の外科用ステープリング装置。
【請求項10】
前記ハンドルアセンブリは、回転ノブによって前記長細の本体に結合され、前記回転ノブは、前記ハンドルアセンブリの前記本体に対する前記回転ノブの回転が、前記ハンドルアセンブリの前記本体に対する前記ツールアセンブリの回転を引き起こすように、前記ハンドルアセンブリの前記本体に回転可能に装着されている、請求項2に記載の外科用ステープリング装置。
【請求項11】
前記回転ノブは、関節レバーを支持し、前記関節レバーは、前記未関節運動位置と前記関節運動後位置との間で前記ツールアセンブリを動かすよう移動可能である、請求項10に記載の外科用ステープリング装置。
【請求項12】
前記第1の取り付け部材は、前記第2の取り付け部材に固定的に装着されて、前記取り付けアセンブリを通って延在するチャネルを画定する、請求項1に記載の外科用ステープリング装置。
【請求項13】
前記チャネルは、前記チャネルの近位端から前記チャネルの遠位端に向かって収束する、請求項12に記載の外科用ステープリング装置。
【請求項14】
取り付けアセンブリであって、
第1の取り付け部材および第2の取り付け部材であって、前記第1の取り付け部材は、前記第2の取り付け部材に固定的に結合されて取り付けアセンブリ本体を形成し、前記取り付けアセンブリ本体は、前記取り付けアセンブリ本体を通って延在するチャネルを画定し、前記第1の取り付け部材は、本体と、前記第1の取り付け部材の前記本体から外向きに延在する第1のハブとを含み、前記第2の取り付け部材は、本体と、前記第2の取り付け部材の前記本体から外向きに延在する第2のハブとを含む、第1の取り付け部材および第2の取り付け部材と、
第1のヒンジおよび第2のヒンジであって、前記第1および第2のヒンジのそれぞれは、長軸を画定し、遠位端部分および近位端部分を含み、前記第1のヒンジの前記遠位端部分は、前記第1の取り付け部材の前記第1のハブを受容するボアを画定し、前記第2のヒンジの前記遠位端部分は、前記第2の取り付け部材の前記第2のハブを受容して、前記第1および第2のヒンジを前記第1および第2の取り付け部材に枢動可能に装着する、第2のボアを画定し、前記第1および第2のヒンジの前記近位端部分は、外科用ステープリングを固定的に係合するように構成され、前記第1および第2のヒンジは、前記チャネルが前記第1および第2のヒンジの長軸と一直線になっている未関節運動位置から、前記チャネルが前記第1および第2のヒンジの長軸と一直線になっていない関節運動後位置までの、前記第1および第2のヒンジに対する前記取り付けアセンブリ本体の関節運動を容易化する、第1のヒンジおよび第2のヒンジと、 を備え、
前記第1および第2の取り付け部材は、それぞれ第1の係合部材を画定し、前記第1および第2のヒンジは、それぞれ第2の係合部材を画定し、前記第1および第2の取り付け部材の前記第1の係合部材のそれぞれは、前記取り付けアセンブリ本体が前記未関節運動位置にあるときに、前記第1および第2のヒンジのそれぞれの第2の係合部材を受容して、前記取り付けアセンブリを前記未関節運動位置に保持する、取り付けアセンブリ。
【請求項15】
前記第1の係合部材のそれぞれは、凹状部を含み、前記第2の係合部材のぞれぞれは、凸状部を画定する、請求項14に記載の取り付けアセンブリ。
【請求項16】
前記第1の係合部材のそれぞれは、突出部を含み、前記第2の係合部材のぞれぞれは、ボアを画定する、請求項14に記載の取り付けアセンブリ。
【請求項17】
前記第1および第2の取り付け部材は、それぞれ片持ち部分を含み、前記突出部のそれぞれは、前記片持ち部分のそれぞれにおいて支持される、請求項16に記載の取り付けアセンブリ。
【請求項18】
前記第1および第2のヒンジの前記近位端部分のそれぞれは、切り欠きを画定し、前記窪みは、前記第1および第2のヒンジの前記近位端部分の形状に対応する形状を有し、前記第1および第2のヒンジを前記長細の本体に軸方向に固定する、請求項14に記載の取り付けアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、概して、外科用ステープリング装置に関し、より詳細には、関節式ツールアセンブリを有する内視鏡外科用ステープリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
外科的処置を内視鏡的に行うための外科用ステープリング装置はよく知られており、患者の外傷を最小化し、患者の回復時間を短縮するために一般的に使用されている。典型的には、これらのステープリング装置は、長細の本体と、この長細の本体の遠位端部分において支持されるツールアセンブリと、を含む。外科的処置の間に体腔内の組織により容易にアクセスするために、ツールアセンブリは、ツールアセンブリが長細の本体と一直線になっている未関節運動位置と、ツールアセンブリが長細の本体と鋭角を画定する位置と、の間の関節運動のために長細の本体に枢動可能に装着される。
【0003】
関節式ツールアセンブリを含む既知の外科用ステープリング装置においては、ツールアセンブリは、ツールアセンブリがその未関節運動位置にあり、力がツールアセンブリに加えられたとき、ぐらつく傾向を有する。すなわち、ツールアセンブリは、ツールアセンブリに力が加えられたとき、その未関節運動位置から、ツールアセンブリがステープリング装置の長細の本体と一直線になっていない位置に、動く傾向がある。ツールアセンブリがぐらつくこの傾向は、特に、臨床医が外科的処置の間に組織を安定して把持および保持するためにツールアセンブリを使用しているときに、臨床医にとって困難を引き起こす。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
いくつかの態様においては、本開示は、概して、未関節運動位置と関節運動後位置との間の関節運動のために取り付けられるツールアセンブリを含む、内視鏡外科用ステープリング装置に関する。ツールアセンブリの未関節運動位置におけるツールアセンブリのぐらつきを最小化するために、本ステープリング装置は、ツールアセンブリに所定の力が加えられるまではツールアセンブリを未関節運動位置に保持するための保持構造を含む、取り付けアセンブリを含む。
【0005】
本開示の一態様は、長細の本体、ツールアセンブリ、および取り付けアセンブリを含む外科用ステープリング装置を対象としている。長細の本体は、第1の長軸を画定し、近位端部分および遠位端部分を有する。長細の本体はまた、径方向に対向する窪みを画定する内側シャフトと、内側シャフトのまわりに受容される外側チューブとを含む。ツールアセンブリは、第2の長軸を画定する。取り付けアセンブリは、ツールアセンブリに装着され、第1および第2のヒンジ、第1の取り付け部材、ならびに第2の取り付け部材を含む。第1の取り付け部材は、本体と、第1の取り付け部材の本体から外向きに延在する第1のハブとを含む。第2の取り付け部材は、本体と、第2の取り付け部材の本体から外向きに延在する第2のハブとを含む。第1および第2のヒンジのそれぞれは、遠位端部分および近位端部分を含む。第1のヒンジの遠位端部分は、第1の取り付け部材の第1のハブを受容するボアを画定し、第2のヒンジの遠位端部分は、第2の取り付け部材の第2のハブを受容して、第1および第2のヒンジを第1および第2の取り付け部材に枢動可能に装着する、第2のボアを画定する。第1および第2のヒンジの近位端部分は、第1および第2のヒンジを長細の本体に固定的に装着するために、内側シャフトの径方向に対向する窪み内に受容される。第1および第2のヒンジは、第1の長軸と第2の長軸とが一直線になっている未関節運動位置から、第1の長軸と第2の長軸とが鋭角を画定する関節運動後位置まで、長細の本体に対する第1および第2の取り付け部材ならびにツールアセンブリの関節運動を容易化する。第1および第2の取り付け部材は、それぞれ第1の係合部材を画定し、第1および第2のヒンジは、それぞれ第2の係合部材を画定し、第1および第2の取り付け部材の第1の係合部材のそれぞれは、ツールアセンブリが未関節運動位置にあるときに第1および第2のヒンジのそれぞれの第2の係合部材を受容して、ツールアセンブリを未関節運動位置に保持する。
【0006】
本開示の態様においては、ステープリング装置は、長細の本体の近位端部分に結合され、本体上に支持された静止ハンドルおよび可動ハンドルを画定する本体を含む、ハンドルアセンブリを含む。
【0007】
本開示のいくつかの態様においては、第1の係合部材のそれぞれは、凹状部を含み、第2の係合部材のそれぞれは、凸状部を画定する。
【0008】
本開示の特定の態様においては、第1の係合部材のそれぞれは、突出部を含み、第2の係合部材のそれぞれは、ボアを画定する。
【0009】
本開示の態様においては、第1および第2の取り付け部材は、それぞれ片持ち部分を含み、突出部のそれぞれは、片持ち部分のそれぞれにおいてに支持される。
【0010】
本開示のいくつかの態様においては、第1および第2のヒンジの近位端部分のそれぞれは、切り欠きを画定し、長細の本体の内側シャフトにおける径方向に対向する窪みは、第1および第2のヒンジの近位端部分の形状に対応する形状を有し、第1および第2のヒンジを長細の本体に軸方向に固定する。
【0011】
本開示の特定の態様においては、長細の本体の外側チューブは、内側シャフトのまわりに受容され、径方向に対向する窪みの上に位置決めされて、第1および第2のヒンジの近位端部分を内側シャフトの窪み内に保持する。
【0012】
本開示の態様においては、ツールアセンブリは、アンビルアセンブリおよびカートリッジアセンブリを含む。
【0013】
本開示のいくつかの態様においては、アンビルアセンブリおよびカートリッジアセンブリは、直線状の構成を有する。
【0014】
本開示の特定の態様においては、ハンドルアセンブリは、ハンドルアセンブリの本体に回転可能に装着された回転ノブによって長細の本体に結合され、ハンドルアセンブリの本体に対する回転ノブの回転が、ハンドルアセンブリの本体に対するツールアセンブリの回転を引き起こすようにされる。
【0015】
本開示の態様においては、回転ノブは、未関節運動位置と関節運動後位置との間でツールアセンブリを動かすよう移動可能である関節レバーを支持する。
【0016】
本開示のいくつかの態様においては、第1の取り付け部材は、第2の取り付け部材に固定的に装着されて、取り付けアセンブリを通って延在するチャネルを画定する。
【0017】
本開示の特定の態様においては、チャネルは、チャネルの近位端からチャネルの遠位端に向かって収束する。
【0018】
本開示の他の態様は、第1および第2の取り付け部材と、第1および第2のヒンジとを含む、取り付けアセンブリを対象としている。第1の取り付け部材は、第2の取り付け部材に固定的に結合されて、取り付けアセンブリ本体を通って延在するチャネルを画定する取り付けアセンブリ本体を形成する。第1の取り付け部材は、本体と、第1の取り付け部材の本体から外向きに延在する第1のハブとを含む。第2の取り付け部材は、本体と、第2の取り付け部材の本体から外向きに延在する第2のハブとを含む。第1および第2のヒンジのそれぞれは、長軸を画定し、遠位端部分および近位端部分を含む。第1のヒンジの遠位端部分は、第1取り付け部材の第1のハブを受容するボアを画定し、第2のヒンジの遠位端部分は、第2の取り付け部材の第2のハブを受容して、第1および第2のヒンジを第1および第2の取り付け部材に枢動可能に装着する、第2のボアを画定する。第1および第2のヒンジの近位端部分は、外科用ステープリング装置と固定的に係合するように構成される。第1および第2のヒンジは、チャネルが第1および第2のヒンジの長軸と一直線になっている未関節運動位置から、チャネルが第1および第2のヒンジの長軸と一直線になっていない関節運動後位置までの、第1および第2のヒンジに対する取り付けアセンブリ本体の関節運動を容易化する。第1および第2の取り付け部材は、それぞれ第1の係合部材を画定し、第1および第2のヒンジは、それぞれ第2の係合部材を画定する。第1および第2の取り付け部材の第1の係合部材のそれぞれは、取り付けアセンブリ本体が未関節運動位置にあるときに、第1および第2のヒンジのそれぞれの第2の係合部材を受容して、取り付けアセンブリ本体を未関節運動位置に保持する。
【0019】
本開示の他の特徴は、以下の説明から理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
開示される外科用ステープリング装置の様々な態様が、図面を参照しながら本明細書で以下に説明される。
【0021】
図1】ステープリング装置の長細の本体上にツールアセンブリが支持されている、本開示の例示的な態様を含む外科用ステープリング装置の側方斜視図である。
図2図1に示される外科用ステープリング装置の詳細の示された領域の拡大図である。
図3】ツールアセンブリが長細の本体から外されている、ツールアセンブリの近位端部分と、図1に示される外科用ステープリング装置の長細の本体の遠位端部分との側方斜視切断図である。
図4図3に示される外科用ステープリング装置の取り付けアセンブリの側方斜視分解図である。
図5図2の断面線5-5に沿ってとられた断面図である。
図6】ツールアセンブリがわずかに関節運動させられた位置にある、図1に示される外科用ステープリング装置の遠位部分の、遠位端からの側方斜視図である。
図7図6の断面線7-7に沿ってとられた断面図である。
図8】ツールアセンブリがさらに関節運動させられた位置にある、図6に示される外科用ステープリング装置の遠位部分の上方からの斜視図である。
図9図1に示されるステープリング装置の代替の取り付けアセンブリの分解斜視図である。
図10図9に示される取り付けアセンブリを有する、図1に示される外科用ステープリングの断面線5-5に沿ってとられた断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
開示される外科用ステープリング装置はここで、同様の参照数字がいくつかの図のそれぞれにおいて同一または対応する要素を示す図面を参照して、詳細に説明される。しかしながら、本開示の態様は、本開示の単なる例示であり、様々な形態で実施され得ることは、理解されるべきである。良く知られた機能または構造は、不必要な詳細で本開示を不明瞭にすることを避けるために、詳細には説明されない。それ故、本明細書に開示された特定の構造的および機能的な詳細は、限定するものとして解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲の根拠として、および実質的に任意の適切な詳細構造で本開示を多様に利用することを当業者に教示するための代表的な根拠として、解釈されるべきである。これに加えて、前部、後部、上方、下方、上部、底部、遠位、近位、および同様の用語のような方向の用語は、説明の理解を助けるために使用され、開示を限定することを意図するものでない。
【0023】
本明細書において、「近位」なる用語は、装置の臨床医に近い部分を指すために一般的に使用され、「遠位」なる用語は、装置の臨床医から遠い部分を指すために一般的に使用される。これに加えて、「内視鏡」なる用語は、内視鏡的な、腹腔鏡的な、関節鏡的なおよび/またはその他の小径切開または挿管を通して行われる任意の処置を指すために概して使用される。さらに、「臨床医」なる用語は、医師、看護師およびサポート要員を含む医療要員を指すために概して使用される。
【0024】
図1および図2は、全体がステープリング装置10として示される開示される外科用ステープリング装置の例示的な態様を示す。ステープリング装置10は、ハンドルアセンブリ12、長細の本体14、およびツールアセンブリ16を含む。長細の本体14は、長軸「X」を画定し、ハンドルアセンブリ12に結合される近位端部分14aと、ツールアセンブリ16を支持する遠位端部分14bとを含む。ツールアセンブリ16は、ツールアセンブリ16によって画定される軸「Y」(図6)が長細の本体14の長軸「X」と一直線になっている未関節運動位置と、ツールアセンブリ16の軸「Y」と長細の本体14の軸「X」とが鋭角を画定する関節運動後位置との間で、長細の本体に対するツールアセンブリ16の関節運動を容易化する取り付けアセンブリ20によって、長細の本体14と結合されている近位端部分16aを含む。
【0025】
本開示の態様においては、ハンドルアセンブリ12は、手動で操作され、静止ハンドル24、可動ハンドル26、後退ノブ28、回転ノブ30、および関節レバー32を含む。可動ハンドル26は、ツールアセンブリ16を作動させるために、すなわちツールアセンブリ16を開放位置とクランプ位置との間で移動させ、ステープルを排出し、組織を切断するために、静止ハンドル24に対して移動可能である。回転ノブ28は、長細の本体14を支持し、回転ノブ30の回転がハンドルアセンブリ12の静止部分に対する長細の本体14およびツールアセンブリ16の長軸「X」のまわりの回転を引き起こすような回転のためにハンドルアセンブリ12に結合される。関節レバー32は、ツールアセンブリ16に結合され、ツールアセンブリ16をその未関節運動位置からその関節運動後位置に移動させるために操作することができる。米国特許第6,241,139号(「’139特許」)および同第7,424,965号(「’965特許」)は、ステープリング装置10のハンドルアセンブリ12の例示的な構成要素の詳細な記載を含む。ステープリング装置10は、手動で操作されるハンドルアセンブリを有するように図示されているが、本開示の態様は、ロボット制御されるステープリング装置を含む動力付きステープリング装置に関連することも想定される。米国特許第9,055,943号は、動力付きステープリング装置の例示的な態様を開示している。
【0026】
ツールアセンブリ16は、アンビルアセンブリ40およびカートリッジアセンブリ42を含む。アンビルアセンブリ40およびカートリッジアセンブリ42はそれぞれ、直線状の構成を有し、取り付けアセンブリ20に装着された近位端40a、42aをそれぞれ含む。本開示の態様においては、アンビルアセンブリ40およびカートリッジアセンブリ42は、開位置とクランプ位置との間のアンビルアセンブリ40に対するカートリッジアセンブリ42の枢動運動を容易化するねじ46によって、取り付けアセンブリ20に取り付けられる。図示されるように、アンビルアセンブリ40は、取り付けアセンブリ20に対して静止しており、カートリッジアセンブリ42は、アンビルアセンブリ40に向かっておよびアンビルアセンブリ40から離れるようにねじ46のまわりに枢動する。カートリッジアセンブリ42が、取り付けアセンブリ20に対して静止し、アンビルアセンブリ40が、カートリッジアセンブリ42に向かっておよびカートリッジアセンブリ42から離れるようにねじ46を中心に枢動し得ることも、想定される。
【0027】
図3は、取り付けアセンブリ20の部分がツールアセンブリ16に装着された状態の、互いに対して離隔された関係にあるツールアセンブリ16の近位端部分16aおよび長細の本体14の遠位端部分とを示す。
【0028】
図4および図5は、第1の取り付け部材50、第2の取り付け部材52、第1のヒンジ54、および第2のヒンジ56を含む、取り付けアセンブリ20を示す。第1の取り付け部材50は、ベース部分60および結合部分62を含む。第1の取り付け部分50のベース部分60は、第1の取り付け部材50のベース部分60をツールアセンブリ16の近位端部分16aに装着するために、ねじ46(図2)を受容する横方向のボア64を画定する。第1の取り付け部分50の結合部分62は、結合部分62の外側表面から外向きに延在し、ツールアセンブリ16によって画定される長軸「Y」(図6)に対して垂直な軸「Z」(図4)を画定するハブ66を含む。結合部分62はまた、ハブ66の外側に位置決めされ、ハブ66によって画定される軸「Z」に対して平行な方向に延在する離隔されたボア68を画定する。第1の取り付け部分50の結合部分62の外側表面は、ディンプルまたは凹状部69を含む第1の係合部材を画定する。
【0029】
第2の取り付け部材52はまた、第2の取り付け部材52の外側表面から外向きに延在し、第1の取り付け部材50上のハブ66と同軸である、ハブ70を画定する。第2の取り付け部材52は、第1の取り付け部材50を第2の取り付け部材52に装着して取り付けアセンブリ本体53を画定するために、第1の取り付け部材50の離隔されたボア68に受容される、2つの上方に延在するポスト72(図4)を含む。第1および第2の取り付け部材50、52がそれぞれともに装着されると、取り付けアセンブリ本体53を通して、チャネル74の近位端からチャネル74の遠位端に向かって収束するチャネル74が画定される。第2の取り付け部分50の外側表面は、ディンプルまたは凹状部75(図5)を含む第2の係合部材を画定する。
【0030】
チャネル74は、ステープリング装置10の駆動アセンブリ(図示されていない)を受容する。’139特許は、外科用ステープリング装置の例示的な駆動アセンブリの構造および動作を記載している。
【0031】
第1および第2のヒンジ54、56は、実質的に直線状であり、遠位端部分80および近位端部分82を有する。第1および第2のヒンジ54、56の遠位端部分80のそれぞれは、ボア86を画定し、ディンプル88を含む。ボア86のそれぞれは、第1および第2の取り付け部材50、52のそれぞれのハブ66、70のうちの一方を受容する。ディンプル88のそれぞれは、ディンプル88の一方の側に凸状部90(図5)を含む。第1および第2のヒンジ54、56の近位端部分82のそれぞれは、実質的に長方形の形状であり、少なくとも1つの切り欠き92を画定する。第1および第2のヒンジ54、56は、様々な構成を有し得ることが想定される。本開示のいくつかの態様においては、第1および第2のヒンジ54、56のそれぞれは、ヒンジ54、56の各側に切り欠き92を含む。本開示の態様においては、第1および第2のヒンジ54、56は金属薄板から形成されるが、他の材料の構造も想定される。
【0032】
図5Aは、長細の本体14の遠位端部分14b、およびツールアセンブリ16の近位端部分16aを示す。長細の本体14は、外側チューブ100および内側シャフト102含む。内側シャフト102は、第1および第2のヒンジ54、56の近位端部分82の形状に対応する形状を有する径方向に対向する窪み104を画定する。第1および第2のヒンジ54、56の近位端部分82は、窪み104に受容されて、第1および第2のヒンジ部分54、56を長細の本体14の内側シャフト102に軸方向に固定する。長細の本体14の外側チューブ100は、内側シャフト102のまわりに位置決めされて、第1および第2のヒンジ54、56が内側シャフト102の窪み104から取り外されることを防止し、第1および第2のヒンジ54、56を長細の本体14に固定的に装着する。
【0033】
第1および第2のヒンジ54、56が取り付けアセンブリ20に結合されると、第1および第2のヒンジ54、56のボア86は、第1および第2の取り付け部材50、52のハブ66、70を受容して、第1および第2のヒンジ54、56の遠位端部分を取り付けアセンブリ20の両側に装着し、第1および第2のヒンジ54、56の近位端部分82は、長細の本体14の内側シャフト102の両側における窪み104に受容されて、第1および第2のヒンジ54、56の近位端部分を長細の本体14の遠位端部分14bに装着する。長細の本体4の外側チューブ100は、内側シャフト102のまわりに位置決めされて、第1および第2のヒンジ54、56と長細の本体14との係合を維持する。
【0034】
図5および図5Aは、ツールアセンブリ16が未関節運動位置にある状態の、長細の本体14の遠位端部分14bに結合されたツールアセンブリ16の近位端部分16aを示す。ツールアセンブリ16が未関節運動位置にあるとき、第1および第2のヒンジ54、56上のディンプル88の凸状部90は、取り付けアセンブリ20の第1および第2の取り付け部材50、52における凹状部69と位置合わせされて、ツールアセンブリ16に所定の力が加えられるまで、ツールアセンブリ16を未関節運動位置に保持する。このことは、ツールアセンブリ16が未関節運動位置にあるときのツールアセンブリのぐらつきを最小化する。所定の力の大きさは、凸状部90および/または凹状部69のサイズを選択することにより、または剛性を大きくすることにより、選択することができる。例えば、凸状部69のサイズおよびまたは剛性を大きくすることは、ツールアセンブリ16を未関節運動位置から動かすのに必要な所定の力を増大させる。ツールアセンブリの未関節運動位置においては、取り付けアセンブリ20の取り付けアセンブリ本体53もまた、取り付けアセンブリ本体53のチャネル74がツールアセンブリ16の長軸「Y」上の中央に位置するその未関節運動位置にある。
【0035】
図6~8は、ツールアセンブリ16が長細の本体14に対して関節運動させられるときのツールアセンブリ16を示す。ツールアセンブリ16が、第1および第2の取り付け部材50、52のハブ66、70によって画定される軸「Z」のまわりに、図6および図8における矢印「A」の方向に関節運動させられるとき、第1および第2の取り付け部材50、52の凹状部69が回転させられて、第1および第2のヒンジ54、56の凸状部90と位置が合わなくなる。
【0036】
図9および図10は、概して取り付けアセンブリ120として示される代替の取り付けアセンブリを示す。取り付けアセンブリ120は、取り付けアセンブリ20(図4)と実質的に類似しており、第1および第2の取り付け部材150、152ならびに第1および第2のヒンジ154、156を含む。取り付けアセンブリ120は、第1および第2のヒンジ54および56上の凸状部またはディンプル88がボア188で置き換えられ、第1および第2の取り付け部材50、52上の凹状部69が隆起部169に置き換えられている点で、取り付けアセンブリ20(図4)とは異なる。隆起部169は、ツールアセンブリ116が未関節運動位置にあるときにボア188内に受容され、ツールアセンブリ116を未関節運動位置に保持し、ぐらつきを最小化する。
【0037】
本開示のいくつかの態様においては、第1および第2の取り付け部材150、152のそれぞれにおける隆起部169は、片持ち部分180上に支持される。第1および第2の取り付け部材150、152の片持ち部分180は、隆起部が第1および第2のヒンジ154、156のボア188の中に入るようにおよびボアから出るように撓むことを可能にするように、内側方向に変形可能である。
【0038】
取り付けアセンブリ20(図4)および120(図9)は、ステープリング装置の一部を形成するよう示されているが、取り付けアセンブリ20、120はまた、ステープリング装置10の長細の本体14に解放可能に結合される再装填アセンブリまたは使い捨て装填ユニット(DLU)の一部を形成し得ることが想定される。’139特許は、例示的な再装填/DLUを開示している。
【0039】
当業者であれば、本明細書において具体的に説明され、添付の図面に図示される装置および方法が、本開示の非限定的な例示的な態様であることを理解するであろう。1つの例示的な実施形態に関連して例示または記載される要素および特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく、別の要素および特徴と組み合わせても良いことが想定される。同様に、当業者であれば、本開示の上述の開示の態様に基づく本開示のさらなる特徴および利点を理解するであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲によって指示される場合を除いて、具体的に図示および記載されたものによって限定されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】