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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-06
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/14 20060101AFI20230530BHJP
   D06F 21/08 20060101ALI20230530BHJP
【FI】
D06F39/14
D06F21/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022554860
(86)(22)【出願日】2021-03-11
(85)【翻訳文提出日】2022-10-07
(86)【国際出願番号】 CN2021080197
(87)【国際公開番号】W WO2021180171
(87)【国際公開日】2021-09-16
(31)【優先権主張番号】202010174970.9
(32)【優先日】2020-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514114622
【氏名又は名称】青島海爾滾筒洗衣机有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】520148792
【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】趙志強
(72)【発明者】
【氏名】呂佩師
(72)【発明者】
【氏名】許升
(72)【発明者】
【氏名】李以民
【テーマコード(参考)】
3B165
【Fターム(参考)】
3B165AA11
3B165AE02
3B165BA12
3B165BA82
3B165CA01
3B165CA02
3B165CA04
3B165CA05
3B165CA11
3B165CA21
3B165CB01
3B165CB31
3B165CB32
3B165CB60
3B165CB80
3B165GA02
3B165GA13
3B165JM02
(57)【要約】
洗濯機は、ハウジング(18)、回転可能にハウジング(18)の内部に設置される内槽(1)、開閉可能に前記内槽(1)の槽口に装着されており、槽口を密閉することで、洗浄水を独立して収容可能な洗浄室を内槽(1)の内部に形成する内槽ドア(6)、及び、内槽ドア(6)に設置される被検出端/検出端と、ハウジング(18)内に固定される検出端/被検出端を含み、検出端により被検出端の検出信号を取得して、内槽ドア(6)が所定の位置に閉止されたか否かを判定する位置検出装置、を含む。洗濯機は、位置検出装置を用いて内槽ドア(6)が所定の位置に閉止されたか否かを検出することで、内槽ドアが所定の位置に閉止され得ないとの状況を根本的に排除する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング、
回転可能にハウジングの内部に設置される内槽、
開閉可能に前記内槽の槽口に装着されており、前記槽口を密閉することで、洗浄水を独立して収容可能な洗浄室を前記内槽の内部に形成する内槽ドア、及び、
前記内槽ドアに設置される被検出端/検出端と、前記ハウジング内に固定される検出端/被検出端を含み、検出端により被検出端の検出信号を取得して、前記内槽ドアが所定の位置に閉止されたか否かを判定する位置検出装置、を含むことを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
更に、前記ハウジング内に設置される外槽を含み、前記内槽は回転可能に前記外槽内に設置され、前記ハウジングには、前記外槽の槽口に対応して衣類投入口が開設されており、前記衣類投入口に開閉可能な本体ドアが装着され、
前記検出端は、前記外槽、前記ハウジング又は前記本体ドアに設置されて、前記内槽ドア上の被検出端の検出信号を取得可能であることを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記内槽ドアは、内槽ドア体、内槽ドア回転軸及び内槽ドアロックを含み、前記被検出端は、前記内槽ドア体、前記内槽ドア回転軸又は前記内槽ドアロックに設置されることを特徴とする請求項2に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記検出端は光電センサであり、前記被検出端は前記内槽ドアに設置される光線リフレクタであり、前記光電センサは、前記内槽ドアが所定の位置に閉止されたときに光線リフレクタから反射された反射光線を取得可能であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項5】
前記光線リフレクタは前記内槽ドア体に設置され、前記光電センサは前記本体ドアにおける前記内槽ドアに近接する側に設置され、前記光電センサと前記光線リフレクタは、前記本体ドアと前記内槽ドアがいずれも所定の位置に閉止されたときに対向配置を維持することを特徴とする請求項4に記載の洗濯機。
【請求項6】
前記検出端は磁気誘導部材であり、前記被検出端は内槽ドア回転軸に設置される永久磁石部材であり、前記磁気誘導部材は、前記内槽ドアが所定の位置に閉止されたときに前記永久磁石部材の磁気信号を感知して、前記内槽ドアが所定の位置に閉止された旨を反映する感知信号を生成可能であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項7】
永久磁石部材は内槽ドア回転軸に設置される磁石であり、磁気誘導部材は外槽又はハウジングに設置されるホールセンサであり、前記ホールセンサは、内槽ドアが所定の位置に閉止されたときに磁石の磁気信号を感知可能であることを特徴とする請求項7に記載の洗濯機。
【請求項8】
前記検出端は、前記本体ドア又は前記ハウジングに設置される磁気誘導部材であり、前記被検出端は前記内槽ドアに設置される永久磁石部材であり、前記磁気誘導部材は、前記内槽ドアが所定の位置に閉止されたときに前記永久磁石部材の磁気信号を感知して、前記内槽ドアが所定の位置に閉止された旨を反映する感知信号を生成可能であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項9】
前記永久磁石部材は内槽ドアロックに設置され、前記磁気誘導部材は、前記ハウジングの内壁に設置されて、前記内槽ドアが所定の位置に閉止されたときに前記永久磁石部材の磁気信号を感知可能であり、
好ましくは、前記内槽ドアロックは、前記内槽ドアに装着されるロックブラケットと、前記内槽の槽口に装着されるデッドボルトを含み、
前記永久磁石部材はデッドボルトに設置されてデッドボルトに付随して連動し、前記磁気誘導部材は、前記デッドボルトが前記ロックブラケット内にロックされたときに前記永久磁石部材の磁気信号を感知可能であり、
或いは、前記ロックブラケット内には、前記内槽ドアロックのロック過程で前記デッドボルトと連動するドアロックトリガ装置が設置されており、前記永久磁石部材が前記ドアロックトリガ装置に設置され、前記磁気誘導部材は、前記デッドボルトが前記ロックブラケット内にロックされたときに、前記ドアロックトリガ装置上の永久磁石部材の磁気信号を感知可能であることを特徴とする請求項8に記載の洗濯機。
【請求項10】
前記永久磁石部材は前記内槽ドアロックに設置される磁石であり、前記磁気誘導部材は前記ハウジングに設置されるリードスイッチセンサであり、前記リードスイッチセンサは、前記内槽ドアが閉止及びロックされたときに前記磁石の磁気信号を感知可能であることを特徴とする請求項8に記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機器の技術分野に関し、具体的には洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯機は、人々の日常生活において最も広く使用されている家庭用電気製品であり、洗濯の煩わしさから人々を解放し、多大な利便性をもたらしている。しかし、従来の洗濯機は一般的に内槽と外槽を含んでいる。内槽の槽壁には複数の脱水孔が分布しているが、洗浄過程では、内槽と外槽の間の洗浄水は利用されないため、当該部分の洗浄水が無駄となってしまう。且つ、洗浄過程で発生する汚れは水流とともに内槽と外槽の間に進入して蓄積される。そして、長期間使用しているうちに、汚れの蓄積が洗浄効果に影響を及ぼすことで、ユーザエクスペリエンスを低下させる。
【0003】
上記の課題を解決するために、従来の孔無し内槽を有するドラム洗濯機は、孔無し内槽の槽口に開放/閉止可能な内槽ドアを装着することで、洗浄水を独立して収容可能な内部空間を形成している。こうすることで、洗浄及びすすぎ過程において、洗浄水は内槽内に収容されて、内槽と外槽の間は無水となる。これにより、内槽と外槽の間の汚れの問題が解決されるとともに、洗浄用水量の節約にもなる。孔無し内槽を有するドラム洗濯機の構造的特性から明らかなように、洗浄及びすすぎ過程では、内槽ドアの密封性を維持することが、洗浄水を独立して収容可能な内槽の内部空間を形成するポイントとなる。且つ、内槽の高速回転による脱水過程では、内槽ドアがロックされていない場合や、所定の位置にロックされ得ない場合に深刻な危険事故が発生する。そのため、所定の位置に対する内槽ドアの閉止検出は、孔無し内槽を有するドラム洗濯機が正常に運転し得るか否かのポイントとなる。
【0004】
出願人は、当該分野には、このような課題に対し相応の解決方案を提案する特許出願が存在することを把握している。例えば、内槽ドアが所定の位置に閉止されたか否かを検出するための位置検出装置が外槽又はハウジングに設置される。具体的には、内動ドアに磁石を設置し、外槽にリードスイッチを設置する。内槽ドアが所定の位置に閉止されると、リードスイッチが内槽ドア上の磁石の作用を受けて閉じ、内槽ドア閉止信号を生成する。この方案は、原理的には実行可能なように思われるが、実際には多くの課題が存在する。例えば、リードスイッチの検出精度は低いが、内槽ドアのロック及びロック解除という2つの状態における内槽ドアの変位の差は小さい。そのため、リードスイッチと電磁石の仕様及び型番の選択、位置の設定が比較的複雑となる。且つ、内槽ドアが閉じられたにもかかわらずロックされていない状態は、リードスイッチでは検知しにくく、安全上の懸念が存在する。
【0005】
そこで、本願は、孔無し内槽の内槽ドアが所定の位置にロックされたか否かとの問題を解決することを目的とする。
【0006】
上記に鑑みて、本発明を提案する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の目的は、洗濯機を提供することである。具体的には、以下の技術方案を採用する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
洗濯機は、ハウジング、回転可能にハウジングの内部に設置される内槽、開閉可能に前記内槽の槽口に装着されており、槽口を密閉することで、洗浄水を独立して収容可能な洗浄室を内槽の内部に形成する内槽ドア、及び、内槽ドアに設置される被検出端/検出端と、ハウジング内に固定される検出端/被検出端を含み、検出端により被検出端の検出信号を取得して、内槽ドアが所定の位置に閉止されたか否かを判定する位置検出装置、を含む。
【0009】
更に、ハウジング内に設置される外槽を更に含み、前記内槽は回転可能に外槽内に設置される。前記ハウジングには、外槽の槽口に対応して衣類投入口が開設されており、前記衣類投入口に開閉可能な本体ドアが装着される。
【0010】
前記検出端は、外槽又はハウジング又は本体ドアに設置されて、内槽ドア上の被検出端の検出信号を取得可能である。
【0011】
更に、前記内槽ドアは、内槽ドア体、内槽ドア回転軸及び内槽ドアロックを含み、前記被検出端は、内槽ドア体又は内槽ドア回転軸又は内槽ドアロックに設置される。
【0012】
更に、前記検出端は光電センサであり、前記被検出端は内槽ドアに設置される光線リフレクタである。前記光電センサは、内槽ドアが所定の位置に閉止されたときに光線リフレクタから反射された反射光線を取得可能である。
【0013】
更に、前記光線リフレクタは内槽ドア体に設置され、前記光電センサは本体ドアにおける内槽ドアに近接する側に設置される。前記光電センサと光線リフレクタは、本体ドアと内槽ドアがいずれも所定の位置に閉止されたときに対向配置を維持する。
【0014】
更に、前記検出端は磁気誘導部材であり、前記被検出端は内槽ドア回転軸に設置される永久磁石部材である。前記磁気誘導部材は、内槽ドアが所定の位置に閉止されたときに永久磁石部材の磁気信号を感知して、内槽ドアが所定の位置に閉止された旨を反映する感知信号を生成可能である。
【0015】
更に、前記永久磁石部材は内槽ドア回転軸に設置される磁石であり、前記磁気誘導部材は外槽又はハウジングに設置されるホールセンサである。前記ホールセンサは、内槽ドアが所定の位置に閉止されたときに磁石の磁気信号を感知可能である。
【0016】
更に、前記検出端は、本体ドア又はハウジングに設置される磁気誘導部材であり、前記被検出端は内槽ドアに設置される永久磁石部材である。前記磁気誘導部材は、内槽ドアが所定の位置に閉止されたときに永久磁石部材の磁気信号を感知して、内槽ドアが所定の位置に閉止された旨を反映する感知信号を生成可能である。
【0017】
更に、前記永久磁石部材は内槽ドアロックに設置され、前記磁気誘導部材は、ハウジングの内壁に設置されて、内槽ドアが所定の位置に閉止されたときに永久磁石部材の磁気信号を感知可能である。
【0018】
好ましくは、前記内槽ドアロックは、内槽ドアに装着されるロックブラケットと、内槽の槽口に装着されるデッドボルトを含む。前記永久磁石部材はデッドボルトに設置されてデッドボルトに付随して連動し、前記磁気誘導部材は、デッドボルトがロックブラケット内にロックされたときに永久磁石部材の磁気信号を感知可能である。
【0019】
或いは、前記ロックブラケット内には、内槽ドアロックのロック過程でデッドボルトと連動するドアロックトリガ装置が設置されており、前記永久磁石部材がドアロックトリガ装置に設置される。前記磁気誘導部材は、デッドボルトがロックブラケット内にロックされたときに、ドアロックトリガ装置上の永久磁石部材の磁気信号を感知可能である。
【0020】
更に、前記永久磁石部材は内槽ドアロックに設置される磁石であり、前記磁気誘導部材はハウジングに設置されるリードスイッチセンサである。前記リードスイッチセンサは、内槽ドアが閉止及びロックされたときに磁石の磁気信号を感知可能である。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、内槽が前開き式のドラム洗濯機を提供する。内槽には内槽ドアが設置されており、内槽の密閉空間における洗浄を実現する。これにより、内槽内の衣類が飛び出す可能性や、衣類が圧力を受けたり叩き付けられたりすることで、水が内槽から流出又は飛散するとの事態が回避される。且つ、内槽と外槽の間に垢が付着する可能性が回避され、ドラムにおける槽間の無水が真に実現される。
【0022】
孔無し内槽を有するドラム洗濯機の構造的特性から明らかなように、洗浄及びすすぎ過程では、内槽ドアの密封性を維持することが、洗浄水を独立して収容可能な内槽の内部空間を形成するポイントとなる。且つ、内槽の高速回転による脱水過程では、内槽ドアがロックされていない場合や、所定の位置にロックされ得ない場合に深刻な危険事故が発生する。本発明の洗濯機は、位置検出装置を用いて内槽ドアが所定の位置に閉止されたか否かを検出することで、内槽ドアが所定の位置に閉止され得ないとの状況を根本的に排除する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、本発明の実施例1における洗濯機の概略構造図である。
図2図2は、本発明の実施例2における洗濯機の概略構造図である。
図3図3は、本発明の実施例3における洗濯機の概略構造図である。
図4図4は、本発明の実施例3における洗濯機の内槽構造の概略図である。
図5図5は、本発明の実施例3における洗濯機の図4の部分拡大図である(内槽ドアが所定の位置にロックされた状態)。
図6図6は、本発明の実施例3における洗濯機の図4の部分拡大図である(内槽ドアが所定の位置にロックされ得ない/ロックされていない状態)。
図7図7は、本発明の実施例4における洗濯機の図4の部分拡大図である(内槽ドアが所定の位置にロックされた状態)。
図8図8は、本発明の実施例4における洗濯機の図4の部分拡大図である(内槽ドアが所定の位置にロックされ得ない/ロックされていない状態)。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、図面を組み合わせて、本発明の洗濯機について詳細に述べる。
【0025】
図1~8に示すように、本実施例の洗濯機は、ハウジング18、ハウジング18の内部に設置される内槽1、開閉可能に前記内槽1の槽口に装着されており、洗浄水を独立して収容可能な洗浄室を内槽1とともに形成する内槽ドア6、及び、内槽ドア6に設置される被検出端/検出端と、ハウジング18内に固定される検出端/被検出端を含み、検出端により被検出端の検出信号を取得して、内槽ドア6が所定の位置に閉止されたか否かを判定する位置検出装置、を含む。
【0026】
本実施例の洗濯機は、内槽ドア6に被検出端を設置し、ハウジング18内に検出端を固定するか、内槽ドア6に検出端を設置し、ハウジング18内に被検出端を固定する。検出端が内槽ドア6に設置される場合には、検出端の電気供給及び信号伝送の問題を解決する必要があるが、ワイヤレス給電又はバッテリ給電や、ワイヤレス通信方式を採用すればよい。
【0027】
本実施例は、孔無し内槽を有する前開き構造のドラム洗濯機を開示する。内槽1は孔無し構造となっており、内槽1にしっかりと接続される内槽軸が図示する軸受を貫通して駆動モータに接続される。また、内槽1の前部槽口には開放/閉止可能な内槽ドア6が装着されるため、内槽1は洗浄水を独立して収容する洗浄室を有し得る。よって、本実施例の洗濯機は構造がシンプルであり、内槽と外槽の間に洗浄水/すすぎ水を満たす必要がないため、洗濯機の洗浄用水量を極めて大きく減少させられる。また、内槽と外槽の間に垢が付着する恐れが回避されるため、ユーザの健康及びユーザエクスペリエンスが極めて大きく向上し、水資源の極めて大きな節約となる。
【0028】
本実施例のドラム洗濯機はハウジング18を有する。ハウジング18は、上部パネル、前方パネル、後方パネル及びボトムプレートを含む。ボトムプレートには、洗濯機全体を支持するための底脚が装着固定されている。ハウジング18内部の内槽が回転すると(好ましくは、リフティングリブを設置する)、衣類が継続的に昇降して叩き付けられることで洗濯が行われる。
【0029】
孔無し内槽を有するドラム洗濯機の構造的特性から明らかなように、洗浄及びすすぎ過程では、内槽ドア6の密封性を維持することが、洗浄水を独立して収容可能な内槽の内部空間を形成するポイントとなる。且つ、内槽1の高速回転による脱水過程では、内槽ドア6がロックされていない場合や、所定の位置にロックされ得ない場合に深刻な危険事故が発生する。本実施例の洗濯機は、位置検出装置を用いて内槽ドア6が所定の位置に閉止されたか否かを検出することで、内槽ドア6が所定の位置に閉止され得ないとの状況を根本的に排除する。
【0030】
位置検出装置による所定の位置に対する内槽ドア6の閉止の検出を実現するために、本実施例の洗濯機はハウジング18内に設置される外槽2を含む。前記内槽1は回転可能に外槽2内に設置される。また、前記ハウジング18には、外槽2の槽口に対応して衣類投入口が開設されており、前記衣類投入口に開閉可能な本体ドア19が装着される。前記検出端は、外槽2又はハウジング18又は本体ドア19に設置されて、内槽ドア6上の被検出端の検出信号を取得可能である。本実施例の被検出端は内槽ドア6の任意の位置に設置される。また、本実施例の検出端は、外槽2又はハウジング18又は本体ドア19に設置してもよく、被検出端の検出を実現できればよい。
【0031】
本実施例の一実施形態として、本実施例における洗濯機の内槽ドア6は、内槽ドア体、内槽ドア回転軸7及び内槽ドアロックを含む。前記被検出端は、内槽ドア体又は内槽ドア回転軸7又は内槽ドアロックに設置される。
【0032】
本実施例の内槽ドア6における内槽ドアロックと対向する側は、内槽ドア回転軸7を介して回動可能に内槽1の槽口に装着される。前記内槽の槽口には回転軸ブラケット8が設置されており、内槽ドア回転軸7が回動可能に回転軸ブラケット8に装着される。前記回転軸ブラケット8は、内槽の槽口に装着される回転軸ブラケットライナー9を含む。回転軸ブラケットライナー9には、配設に用いられる回転軸ブラケットライナー装着孔10が開設されている。
【実施例1】
【0033】
図1に示すように、本実施例の洗濯機において、前記検出端は磁気誘導部材であり、前記被検出端は内槽ドア回転軸7に設置される永久磁石部材である。前記磁気誘導部材は、内槽ドア6が所定の位置に閉止されたときに永久磁石部材の磁気信号を感知して、内槽ドア6が所定の位置に閉止された旨を反映する感知信号を生成可能である。
【0034】
本実施例では、内槽ドア6が閉止する際の内槽ドア回転軸7の位置特性から、内槽ドア回転軸7が所定の位置まで回動した場合にのみ内槽ドア6が所定の位置に閉止可能となる。よって、本実施例では、永久磁石部材を内槽ドア回転軸7に設置して内槽ドア7とともに同期して回動させる。そして、検出端が永久磁石部材の磁気信号を感知した場合に、内槽ドア回転軸7が所定の位置まで回動して、内槽ドア6が所定の位置に閉止されたことが示される。
【0035】
本実施例の一実施形態として、前記永久磁石部材は内槽ドア回転軸7に設置される磁石であり、前記磁気誘導部材は外槽2又はハウジング18に設置されるホールセンサ3である。前記ホールセンサ3は、内槽ドア6が所定の位置に閉止されたときに磁石の磁気信号を感知可能である。
【実施例2】
【0036】
図2に示すように、本実施例の洗濯機において、前記検出端は光電センサ20であり、前記被検出端は内槽ドアに設置される光線リフレクタ21である。前記光電センサ20は、内槽ドア6が所定の位置に閉止されたときに光線リフレクタ21から反射された反射光線を取得可能である。
【0037】
更に、本実施例における上記の光線リフレクタ21は内槽ドア体に設置され、前記光電センサ20は本体ドア19における内槽ドア6に近接する側に設置される。前記光電センサ20と光線リフレクタ21は、本体ドア19と内槽ドア6がいずれも所定の位置に閉止されたときに対向配置を維持する。
【0038】
本実施例の光電センサ20は、光線発射端及び光線受付端を有し、前記光線リフレクタ21は光線を反射可能な反射面を有する。光電センサ20の光線発射端は、内槽ドア6に向かって光線信号を発射する。内槽ドア6が所定の位置に閉止された場合にのみ、光電センサ20が発射した光線信号は光線リフレクタ21に照射され得る。そして、光線信号が光線リフレクタ21で反射されたあと、光電センサ20の光線受付端に受け付けられることで、内槽ドア6が所定の位置に閉止された旨の信号が取得される。
【実施例3】
【0039】
図3図6に示すように、本実施例の洗濯機において、前記検出端は、本体ドア又はハウジングに設置される磁気誘導部材であり、前記被検出端は内槽ドアに設置される永久磁石部材である。前記磁気誘導部材は、内槽ドアが所定の位置に閉止されたときに永久磁石部材の磁気信号を感知して、内槽ドアが所定の位置に閉止された旨を反映する感知信号を生成可能である。磁気誘導部材は電気部材のため、通電の必要がある。そこで、本実施例では、磁気誘導部材を本体ドア又はハウジングに設置している。これにより、第一に、回路をレイアウトしやすくなり、第二に、外槽2又は内槽1内部の水との接触を排除し得るため一段と安全且つ確実となる。
【0040】
更に、前記永久磁石部材は内槽ドアロックに設置される。また、前記磁気誘導部材は、ハウジングの内壁に設置されて、内槽ドアが所定の位置に閉止されたときに永久磁石部材の磁気信号を感知可能である。
【0041】
好ましくは、前記内槽ドアロックは、内槽ドア6に装着されるロックブラケット5と、内槽1の槽口に装着されるデッドボルト4を含む。前記永久磁石部材はデッドボルト4に設置され、デッドボルトに付随して連動する。前記磁気誘導部材は、デッドボルトがロックブラケット内にロックされたときに永久磁石部材の磁気信号を感知可能である。
【0042】
或いは、前記ロックブラケット5内には、内槽ドアロックのロック過程でデッドボルトと連動するドアロックトリガ装置が設置されており、前記永久磁石部材がドアロックトリガ装置に設置される。前記磁気誘導部材は、デッドボルトがロックブラケット内にロックされたときに、ドアロックトリガ装置上の永久磁石部材の磁気信号を感知可能である。
【0043】
内槽ドアのロック及びロック解除という2つの状態においてデッドボルト4に発生する変位の差は小さい。そのため、デッドボルト4の動作を正確に検出したい場合には、磁気誘導部材の検出精度に対する要求が高くなるが、これにより、間違いなく磁気誘導部材のコストは増加する。そこで、本実施例の洗濯機は、磁気誘導部材のコストをできる限り低下させつつ、検出精度を保証することを前提に、ドアロックトリガ装置を設置して、内槽ドアロックのロック時にデッドボルトと連動させる。ドアロックトリガ装置は、内槽ドアロックのロック時におけるデッドボルトの変位を増大可能とするため、より容易に磁気誘導部材に検出されるようになり、検出の精度が確実に保証される。
【0044】
本実施例の一実施形態として、本実施例における上記のドアロックトリガ装置は、往復運動可能にロックブラケット5内に装着される可動部材13と、可動部材13とロックブラケット5の間に設置される弾性部材15を含む。前記可動部材13には、磁気誘導部材により検出可能な永久磁石部材16が設置される。前記可動部材13は、内槽ドアロックのロック過程でデッドボルト4と連動する。磁気誘導部材は、検出範囲内に進入した永久磁石部材16を検出すると検出信号を生成する。
【0045】
本実施例におけるドアロックトリガ装置の可動部材13は、内槽ドアロックのロック時にデッドボルトに付随して連動することで、デッドボルトの小さな変位を増大可能とするか、デッドボルトの変位発生位置を位置検出装置の検出範囲内まで延長させる。これにより、内槽ドアロックのロック状態時における正確な検出が実現される。
【0046】
本実施例のドアロックトリガ装置の弾性部材15については、内槽ドアロックのロック過程において、可動部材がデッドボルトと連動して弾性部材15を圧縮することで、弾性部材15に弾性変形が発生する。一方、内槽ドアロックがロック解除される際には、可動部材にデッドボルト4が当止しなくなる。これにより、次のロック過程の検出を実施するために、弾性部材15が変形から回復して可動部材13を押動し、位置復帰させる。
【0047】
更に、本実施例における上記のロックブラケット5は、ベースと、ベース内に設置されるロック部材を含む。前記弾性部材15は、一端がベース内に固定され、他端が可動部材13のうちロック部材まで延伸する部分に接続される。前記デッドボルト4は、ロック部材内にロックされて可動部材13に当止し、可動部材13を押動して位置検出装置の検出範囲内に進入するよう運動させる。
【0048】
本実施例における上記のロック部材には開口が開設されており、前記可動部材13の少なくとも一部が弾性部材15の作用によって開口からロック部材内に伸入する。
【0049】
本実施例の洗濯機は、内槽口の辺縁に装着されるベースライナー12と、ベースライナー12に開設されて配設に用いられるベースライナー装着孔11を含む。
【0050】
本実施例における上記のドアロックトリガ装置は、可動部材に設置されてロックブラケット内からの可動部材13の離脱を防止するための位置規制部材14を含む。
【0051】
好ましくは、前記位置規制部材14は、可動部材13に設置される位置規制突起である。前記可動部材13は、一端が開口からロック部材内に伸入し、他端が位置規制突起によって開口の外部に規制される。
【0052】
本実施例の一実施形態として、前記永久磁石部材は内槽ドアロックに設置される磁石であり、前記磁気誘導部材はハウジングに設置されるリードスイッチセンサ22である。前記リードスイッチセンサ22は、内槽ドア6が閉止及びロックされたときに磁石の磁気信号を感知可能である。
【0053】
本実施例におけるリードスイッチの感知距離範囲をLとする。
【0054】
図5に示すように、本実施例の内槽ドア6が所定の位置にロックされ、デッドボルト4が所定の位置に到達すると、デッドボルト4による外槽壁方向への可動部材13及び磁石の押圧が実現される。このとき、磁石とリードスイッチの距離をHとすると、前記H≦L又は前記H<Lが実現されて、リードスイッチが吸引し合うことで開通する。これにより、ドア体が所定の位置にロックされたと判定される。
【0055】
図6に示すように、本実施例の内槽ドア6が所定の位置にロックされ得ないか、開放されている場合、デッドボルト4は所定の位置に到達できないため、弾性部材15による外槽壁から離間する方向への可動部材13の押圧が実現される。このとき、磁石とリードスイッチの距離をH+hとすると、前記H+h>Lが実現されて、リードスイッチが吸引し合わなくなることで閉路する。これにより、ドア体が所定の位置にロックされ得ないと判定される。
【実施例4】
【0056】
図7図8に示すように、本実施例では、ドアロックトリガ装置を設置して、内槽ドアロックのロック時にデッドボルトと連動させる。ドアロックトリガ装置は、内槽ドアロックのロック時におけるデッドボルトの変位を増大可能とするため、より容易に磁気誘導部材に検出されるようになり、検出の精度が確実に保証される。
【0057】
更に、本実施例における上記のドアロックトリガ装置は、内槽ドアロックと連動する可動部材13、磁気誘導部材に検出される永久磁石部材16、及び、可動部材13と永久磁石部材16に伝動可能に接続される伝動機構、を含む。前記永久磁石部材16は、内槽ドアロックのロック時に、磁気誘導部材の検出範囲から離脱する。
【0058】
本実施例の伝動機構は、可動部材13の変位を増大させる作用を有し、磁気誘導部材が感知及び検出しやすいよう、デッドボルトの変位を永久磁石部材16において更に増大可能とする。これにより、極めて大幅なコストダウンとなり、且つ検出精度が向上する。
【0059】
ドアロックトリガ装置による内槽ドアロックのロック変位の増大を実現するために、本実施例における上記の内槽ドアロックは、内槽ドア6に装着されるデッドボルト4と、内槽1の槽口に装着されるロックブラケット5を含む。前記伝動機構はてこ機構である。てこ機構は、ロックブラケット5内に固定されるてこ軸24と、てこ軸24周りに回動可能なてこ23を含む。前記可動部材13及び永久磁石部材16は、それぞれ、てこ23の力点側アーム端及び作用点側アーム端に設置される。
【0060】
好ましくは、前記てこ23の作用点側アームは力点側アームよりも長い。
【0061】
本実施例におけるドアロックトリガ装置の可動部材13は、内槽ドアロックのロック時にデッドボルトに付随して連動することで、デッドボルトの小さな変位を増大可能とする。これにより、内槽ドアロックのロック状態時における正確な検出が実現される。
【0062】
本実施例のてこ機構は、デッドボルトから可動部材13に伝達される変位を更に増大可能とするため、磁気誘導部材の検出精度が更に向上する。更に、本実施例における上記のドアロックトリガ装置は、感知部材を位置検出装置の検出範囲内に位置復帰させるための弾性部材を含む。本実施例のドアロックトリガ装置の弾性部材15については、内槽ドアロックのロック過程において、可動部材がデッドボルトと連動して弾性部材15を圧縮することで、弾性部材15に弾性変形が発生する。一方、内槽ドアロックがロック解除される際には、可動部材にデッドボルト17が当止しなくなる。これにより、次のロック過程の検出を実施するために、弾性部材15が変形から回復して可動部材13を押動し、位置復帰させる。
【0063】
本実施例の一実施形態として、前記弾性部材15は、てこ軸24に装着されるねじりバネであり、ねじりバネの両端がてこ23の力点側アームと作用点側アームにそれぞれ当止する。
【0064】
或いは、前記弾性部材15は、可動部材13とロックブラケット5の間に設置される圧縮バネである。
【0065】
或いは、前記弾性部材15は、永久磁石部材16とロックブラケット5の間に設置される引っ張りバネである。
【0066】
本実施例におけるリードスイッチセンサの感知距離範囲をLとする。
【0067】
本実施例におけるてこ回転軸24から可動部材13までの距離をL1、てこ回転軸24から磁石までの距離をL2とする。好ましくは、L2はL1以上である。また、好ましくは、L2がL1よりも大きい。ここで、てこ機構の役割は増大装置であり、デッドボルト4による可動部材13の押動距離hを(L2/L1)*hに増大可能とする。例えば、デッドボルト4による可動部材13の押動距離hが5mmの場合、(L2/L1)=2であれば、磁石の運動量は10mmとなる。これにより、位置検出装置は、所定の位置にロックされたか否かをいっそう精確に判定可能となる。
【実施例5】
【0068】
本実施例における孔無し内槽への給水を実現するために、本実施例のドラム洗濯機の駆動モータは、内槽軸を介して内槽に伝動可能に接続されており、内槽を回転させる。前記内槽軸内には、内槽の内部と連通する中空経路が備わっており、前記給水管路が内槽軸の中空経路と連通している。
【0069】
本実施例のドラム洗濯機は内槽1を含む。内槽1は孔無し内槽であり、衣類を洗浄する際に洗浄水が収容される。また、更に、内槽1を外部環境と連通させることで内槽内部の気圧のバランスを取る気圧バランス機構を含む。
【0070】
給水時には、内槽の密封室内のガスが圧力を受け、当該バランス機構を通じて漏出可能なことから、気圧の均衡が保証される。
【0071】
突然断水した場合には、外気が迅速に内槽の密封室に進入して逆流を阻止可能とする。これにより、気圧の均衡が保証されるため、洗浄水が水道管網に吸い込まれるとの事態が回避される。
【0072】
このほか、例えば脱水時にも、当該気圧バランス機構によって内槽の気圧の均衡を保証可能である。
【0073】
本実施例の一実施形態として、前記気圧バランス機構は、内槽8に設置される等圧孔路を含む。前記等圧孔路における内槽1の内部と連通する一端は、内槽1における回転中心軸寄りの位置に設置されており、且つ内槽1内の最高水位位置よりも常に高くなっている。
【0074】
具体的に、前記等圧孔路は、内槽軸に開設されて内槽1の内部を外部環境と連通させる。また、前記内槽1内の最高水位は内槽軸よりも低い。これにより、内槽内の水が等圧孔路から流出するとの事態を防止可能である。
【0075】
本実施例における前記等圧孔路は第1孔路区間及び第2孔路区間を含む。第1孔路区間は中空経路と平行に設置されており、一端が内槽の内部と連通している。且つ、第2孔路区間は、一端が第1孔路区間と連通しており、他端が内槽軸の外周壁まで延伸して外槽の内部と連通している。好ましくは、前記第2孔路区間と第1孔路区間は垂直に設置されてL型の等圧孔路を形成する。
【0076】
本実施例は、内槽が前開き式のドラム洗濯機を提供する。内槽には内槽ドアが設置されており、内槽の密閉空間における洗浄を実現する。これにより、内槽内の衣類が飛び出す可能性や、衣類が圧力を受けたり叩き付けられたりすることで、水が内槽から流出又は飛散するとの事態が回避される。且つ、内槽と外槽の間に垢が付着する可能性が回避され、ドラムにおける槽間の無水が真に実現される。
【0077】
以上の記載は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を何らかの形式に制限するものではない。本発明については好ましい実施例によって上記のように開示したが、本発明を限定するとの主旨ではない。本発明の技術方案を逸脱しない範囲において、当業者が上記で提示した技術内容を用いて実施可能なわずかな変更或いは補足は、同等に変形された等価の実施例であって、いずれも本発明の技術方案の内容を逸脱するものではない。また、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に加えられる任意の簡単な修正、同等の変形及び補足は、いずれも本発明の方案の範囲に属する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】