(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-06
(54)【発明の名称】携帯用かつコンパクトな遠心分離のためのデバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
B04B 5/02 20060101AFI20230530BHJP
B04B 9/14 20060101ALI20230530BHJP
B04B 9/08 20060101ALI20230530BHJP
G01N 1/10 20060101ALI20230530BHJP
【FI】
B04B5/02 Z
B04B5/02 A
B04B9/14
B04B9/08
G01N1/10 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022562476
(86)(22)【出願日】2021-04-12
(85)【翻訳文提出日】2022-12-08
(86)【国際出願番号】 US2021026931
(87)【国際公開番号】W WO2021211473
(87)【国際公開日】2021-10-21
(32)【優先日】2020-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521010872
【氏名又は名称】サンドストーン ダイアグノスティックス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SANDSTONE DIAGNOSTICS, INC.
【住所又は居所原語表記】6624 Owens Drive, Pleasanton, California 94588, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】シャフ, ウルリヒ
(72)【発明者】
【氏名】リー, アンジェラ
(72)【発明者】
【氏名】パン, ティファニー
(72)【発明者】
【氏名】ホン, キュンジン
(72)【発明者】
【氏名】ニール, クララ
【テーマコード(参考)】
2G052
4D057
【Fターム(参考)】
2G052AA30
2G052AD09
2G052AD29
2G052ED17
4D057AA03
4D057AB01
4D057AC01
4D057AC05
4D057AD01
4D057AE11
4D057BA15
4D057BA21
4D057BA24
4D057BA29
4D057BB12
(57)【要約】
携帯用かつコンパクトな遠心分離システムのための単一管回転子の実施形態が、説明される。実施形態は、ストレートプル射出成型における製造にとって好適なモノリシック回転子を含み、回転子は、取り付けハブ、厳密に1つのサンプル管のための固定された保持部、保持部のためのアーム、および薄型の空気力学的釣り合い重りを伴う。実施形態は、釣り合い重りおよび下方に角度付けられる管保持部と、サンプル管を手動で設置するための中心隙間容積と、固定される回転円形物をちょうど充填するために最適化された寸法とを含む。実施形態は、エンクロージャ、ヒンジ接続された蓋、モータ、およびタイマを伴う遠心分離機を含み、ユーザ制御およびユーザディスプレイの両方がない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠心分離における使用のための回転子であって、前記回転子は、
回転軸と、
前記回転軸に対して垂直な回転子平面と、
前記回転軸まわりで回転するように適合されたモータシャフトに取り付けられるように適合されたモータ取り付けハブと、
前記回転子平面からの固定された所定の角度で、単一の流体サンプル管を手動で取り外し可能に保持するように適合された1つの管保持部と、
前記単一の流体サンプル管を伴って回転するとき、前記回転子を釣り合わせるように適合された釣り合い重りと、
前記単一の管保持部の中に前記単一の流体サンプル管を手動で通すように適合された開放された中心部分と
を備えている、回転子。
【請求項2】
前記回転子は、モノリシックである、請求項1に記載の回転子。
【請求項3】
前記回転子平面からの前記固定された所定の角度は、0~60度(0度および60度を含む)である、請求項1に記載の回転子。
【請求項4】
1つ以上の支持アームをさらに備え、前記1つ以上の支持アームは、それらが前記単一の流体サンプル管の側面に弾力的に圧力を提供するように、前記単一の管保持部に接続されている、請求項1に記載の回転子。
【請求項5】
前記管保持部は、上側部分と、下側部分とをさらに備え、前記1つ以上の支持アームは、前記上側部分に接続し、前記モータ取り付けハブは、前記下側部分に接続する、請求項4に記載の回転子。
【請求項6】
前記モータ取り付けハブを前記釣り合い重りに機械的に接続する湾曲したまたは角度付けられた釣り合い重り支持構造をさらに備え、前記釣り合い重り支持構造の形状は、前記開放された中心部分に干渉しない、請求項1に記載の回転子。
【請求項7】
前記釣り合い重りは、前縁と後縁とを備え、前記前縁および後縁は、前記釣り合い重りの残りとともに、前記回転子がスピンするとき、空気抵抗を最小化するように適合されている、請求項1に記載の回転子。
【請求項8】
前記回転子は、前記回転子が製作される材料の弾性以外、可動部品がない、請求項1に記載の回転子。
【請求項9】
前記回転軸は、中心開口部を通過する、請求項1に記載の回転子。
【請求項10】
前記モータ取り付けハブを介して前記回転子を手動で取り付けること、および取り外すことは、ツールなしで行われ、
前記サンプル管を前記管保持部の中に挿入すること、および前記管保持部の外へ手動で取り外すことは、ツールなしで行われる、請求項1に記載の回転子。
【請求項11】
前記回転子は、1つ以上の流体サンプルを備えている1つ以上のサンプル管の手動平衡のための要件がないように適合されている、請求項1に記載の回転子。
【請求項12】
前記回転軸上に中心に置かれた回転ディスク円形物をさらに備え、前記回転ディスク円形物は、前記回転軸からの単一の最大寸法を画定し、前記回転子の全ての部分、および前記1つの管保持部内に設置されたときの前記単一の流体サンプル管の全ての部分は、前記回転軸から、前記単一の最大寸法以内に存在する、請求項1に記載の回転子。
【請求項13】
前記釣り合い重りは、前記回転軸上に中心を置かれた釣り合い重り円形物上の外側縁を備え、前記釣り合い重り円形物の直径は、前記回転ディスク円形物の直径より小さい、請求項12に記載の回転子。
【請求項14】
前記回転軸からの前記釣り合い重りの任意の部分の最大距離、および前記回転軸からの前記単一の流体サンプル管の任意の部分の最大距離の両方は、前記回転軸からの回転ディスク円形物の半径の80パーセント~100パーセント(80パーセントおよび100パーセントを含む)の範囲内である、請求項1に記載の回転子。
【請求項15】
前記釣り合い重りの質量の少なくとも70パーセントは、前記回転軸からの回転ディスク円形物の半径の50~100パーセント(50および100パーセントを含む)の範囲内にある、請求項1に記載の回転子。
【請求項16】
前記流体サンプル管の長さは、50mm以下であり、前記流体サンプルの体積は、20μL~1,000μLの範囲内である、請求項1に記載の回転子。
【請求項17】
前記釣り合い重りの上側および下側表面によって画定される平面の角度は、回転平面から5度~60度の範囲内でオフセットされ、
前記単一のサンプル管の管軸の角度は、回転平面から5度~60度の範囲内でオフセットされている、請求項1に記載の回転子。
【請求項18】
請求項1に記載の回転子の使用方法であって、前記方法は、
サンプル流体を備えているサンプル管を前記回転子の中に設置するステップと、
好適な遠心分離機上に前記回転子を設置するステップと、
前記遠心分離機を介して前記回転子をスピンさせるステップと、
前記遠心分離機がスピンすることを停止した後、前記サンプル管を取り外すステップと
を含む、方法。
【請求項19】
前記サンプル管を設置すること、および取り外すことは、手動で行われ、ツールなしで行われる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記好適な遠心分離機は、視覚的ユーザ制御がなく、ユーザディスプレイがなく、ワイヤ接続がなく、ワイヤレスデータインターフェースがない、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上澄み液中に懸濁させられた粒子の流体分離の装置および方法を対象とする。特に、遠心分離システムを使用した全血の血漿および血液細胞成分への分離を対象とする。細胞または微粒子を含む他の生物学的なサンプルも、そのような遠心分離システムによって分離され得る。従来技術の遠心分離デバイスは、ユーザによる手動の回転子平衡を要求する。
【背景技術】
【0002】
全血は、生体外で急速に劣化し、したがって、典型的に、サンプル取得の24時間以内に処理される。全血は、赤血球細胞、血小板、および血漿に分離され得る。血漿は、凍結されると、最大1年の保存寿命を有し、ある人物の健康全般の属性を決定するために、または臨床決定を行うことにおいて支援するために、包括的生化学検査または脂質検査等の種々の分析実験室検査の対象となることができる。全血を血漿部分および細胞部分に分離することの別の利点は、それが、診断器具が血液細胞で詰まることを防止するということである。血漿は、赤血球細胞がその細胞内含有物をサンプル内に溶血および放出し得、それらが診断検査における被分析物濃度に干渉し得るので、全血より安定している。全血の凝固の後に残る液体である血清も、本発明の実施形態を用いて、遠心分離を受け得る。
【0003】
従来技術は、訓練されたユーザを要求し、それは、その分野内の用途、患者による遠く離れた場所、車両、砂漠地での使用を限定した。これは、典型的に、サンプル収集から、検査施設への移送を要求する。これは、時間的制約のある用途の従来技術の適用をさらに限定する。いくつかの従来技術は、手動クランク回転遠心分離機を含む。これらは、不十分かつ一貫性のないスピン率およびスピン時間を含む問題を有する。
【0004】
従来技術は、遠心分離機またはスピンする回転子の平衡を保たせるために、遠心分離のための流体を含む管が対であることを要求する。第2の合致する管を調整することは、訓練、スキル、機器、および時間を要求する。
【0005】
従来技術は、スピン率、スピン時間等の設定等、ユーザインターフェースを用いて遠心分離機を動作させることをユーザに要求する。
【0006】
従来技術は、周囲空気とサンプルを含む管との間に、2つのエンクロージャを有する。例えば、管は、スピンする「スペースシップ」エンクロージャの内側に設置され得、スペースシップエンクロージャは、次に、遠心分離機ケースまたは一次エンクロージャの内側に設置される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
従来技術の遠心分離機の限定および弱点を克服するデバイスおよび使用方法の実施形態が説明される。
【0008】
一実施形態では、遠心分離機デバイスは、訓練されたユーザまたは電源に対する必要性がなく、遠く離れた場所でのデバイスの使用を可能にするために、特に、小型、軽量、かつ低価格であり、本明細書に説明される具体的な構造的特徴によって可能にされる。いくつかの実施形態では、デバイス全体が、使い捨てである。
【0009】
別の実施形態では、遠心分離機デバイスは、スイッチ、ノブ、ボタン、ディスプレイ等を備えているユーザインターフェースがない。動作は、単一のサンプル管を対応する容器の中に設置し、蓋を閉じることのみを要求する。遠心分離機は、自動的に開始し、適切な速度で、適切な量の時間にわたって、スピンし、次いで、自動的に停止する。ユーザは、次いで、この時点で、サンプルの分離された部分を含むサンプル管を取り外し得る。本実施形態は、開始ボタンがなく、停止ボタンがない。
【0010】
さらなる別の実施形態では、デバイスは、厳密に1つのサンプル管のための単一の容器を備えている。回転子が、固定された釣り合い重りを用いて、釣り合い重りの場所において、予め平衡を保たれ、ユーザをいかなる重量平衡からも解放し、ユーザを第2の管を調製するための必要性から解放する。実際に、ユーザは、いかなる重量平衡も実施しないこともある。
【0011】
さらなる別の実施形態では、回転子は、モータハブ、サンプル管容器、および釣り合い重りを含む単一の射出成型可能なモノリシック構成要素である。実施形態は、スピンする空気抵抗を低減させるために、空気力学的「翼」も含み得る。本実施形態の変形例では、回転子は、依然として、単一のモノリシック要素であるが、しかしながら、この回転子は、1つ以上の鋼鉄球等の釣り合い重りを受け取るための容器を備えている。この釣り合い重り要素は、典型的に、ユーザが、知識、訓練を必要としないように、工場出荷時に据え付けられ、回転子の平衡を保たせるためのハードウェアである。いくつかの実施形態では、釣り合い重りおよび空気力学的翼は、回転子の単一の部分において組み合わせられる。そのような実施形態は、回転子設計形状を含み得、それによって、単発単一プル成型において、射出成型されることができる。
【0012】
さらなる別の実施形態では、回転子は、摩擦、またはサンプル管の側面に対するアームからの圧力の使用によって、単一のサンプル管を弾力的に保持するサンプル管容器の一部として、1つ以上の「アーム」または「リップ」を備えている。サンプル管は、単に、手で、容器内に圧接され、次いで、容器からそれを引っ張ることによって手で取り外される。アームは、サンプル管を回転子に対して固定された位置で保持する。アームは、管のネックの周囲の「環」の全体または一部によって、実装され得、環は、サンプル管の周囲で、弾力的な締り嵌めを可能にするために、1つ以上のスロットを有する。
【0013】
さらなる別の実施形態では、回転子内の容器は、回転子の平面から、0度(水平管)より大きく、90度(垂直管)未満の固定された角度で、サンプル管を保持する。
【0014】
実施形態は、単に回転子を含む。
【0015】
実施形態は、回転子および遠心分離機の筐体と、機構と、電子機器とを含む。
【0016】
実施形態は、遠心分離機の筐体の内側でシールされた一次バッテリの使用を含む。これは、外部のまたはバッテリ据え付けの使用によって、またはバッテリ充電源への接続の使用によってのいずれかの電源のいかなる検討からも、ユーザを解放する。
【0017】
コンパクトな装置を用いて、生物学的なサンプルを分離する方法およびデバイスが、説明される。実施形態は、平衡を保たせることを伴うことなく、生物学的なサンプルを含む単一のサンプル管の回転を提供する。実施形態は、小型かつ携帯用かつ滅菌可能かつ自己内蔵型の筐体内に、予め平衡を保たれた、コンパクトかつ使い捨て可能な回転子を備えている。デバイスは、軽量な構造体および空気力学的設計によって、エネルギーを保護し、内部または外部バッテリまたは別の携帯用かつコンパクトな電源を用いて、動力動作を可能にする。
【0018】
実施形態は、バッテリまたは別の携帯用電源によって、電力を供給されるので、実施形態は、プラグイン遠心分離へのアクセスが限定される場所での遠隔血液分離を可能にする。外部電源を要求することなく、遠く離れた環境、家、または車両において、実施形態の使用が、達成されることができる。本明細書に説明される実施形態等の内部電源遠心分離機は、診断検査のための規制および規格によって要求される一貫したスピン率およびスピン時間の性能を提供する。さらに、平衡を保たせることおよび従来の遠心分離機を動作させることは、遠隔、移送、または家庭環境において一般的であり得るような、大部分の訓練されていないユーザの能力を超えている。家庭または遠隔での検査は、小型かつ携帯用かつ電源内蔵型遠心分離機によって促進される。そのような実施形態は、携帯性を促進するために、最小サイズを有し、典型的なポケット、リュックサック、財布、応急キット等内に嵌合する。実施形態は、内部バッテリ電源動作を含み、携帯性を促進するために、遠心分離機の回転子の直径を最小化し、技術的に困難な平衡を保たせる動作に対する必要性を排除するために、自己平衡型である。したがって、家庭または遠く離れた医療出先機関におけるユーザ、介護士、または患者による完全自律型の使用が、可能である。
【0019】
本明細書に説明される実施形態は、概して、(a)体積が0.02mL~2.00mLのサンプル処理、(b)訓練されていないユーザによるサンプル処理、(c)遠隔エリアまたは利用可能な電力がない場合のサンプル処理、(d)限定された保存または貯蔵空間を伴うサンプル処理、(e)時間制約下のサンプル処理を含む従来技術の遠心分離機が、多くの場合において不十分または利用不可能である状況において、流体サンプルの分離および処理を促進するように意図されている。典型的に、そのような流体サンプルは、生物学的または医学的な性質のものであり、排他的ではないが、非限定的である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1A】
図1Aは、上面図における取り囲まれた1本管回転子を示す。
【
図1B】
図1Bは、断面図における取り囲まれた1本管回転子を示す。
【
図2】
図2は、上面図における取り外された底部部分およびアセンブリ構成要素を伴う取り囲まれた1本管回転子を示す。
【
図3】
図3は、デバイス内のアセンブリの断面における取り囲まれた1本管回転子を示す。
【
図4】
図4は、上面図、側面図、断面図における圧入回転子を示す。
【
図5】
図5は、側面図における角度付けられた圧入回転子を示す。
【
図6】
図6は、代替上面図における取り囲まれた1本管回転子を示す。
【
図9B】
図9Bは、回転子の代替実施形態の別の透視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書に説明される実施形態は、概して、効果的なスピン率での回転子の回転によって、流体サンプルにおいて、軽質留分から重質留分を分離することが意図される遠心分離デバイスを含む。そのような流体サンプルのある例は、軽質留分としての血漿と、重質留分としての血液細胞とを含む血液サンプルである。そのようなデバイスは、凝固させられた全血から血清を分離するためにも使用され得る。実施形態は、携帯できることが望ましい用途に対して最適化される。したがって、エネルギー消費および遠心分離デバイスのサイズを最小化する要素が、含まれる。さらに、開示される実施形態は、単一の管または他のコンテナ内に含まれる流体サンプルを分離するように構成または適合される。従来技術の遠心分離デバイスは、ユーザによって、回転子の平衡を保たせることを要求する。適切な釣り合い重り、および他の要素を含むことによって、本明細書に説明および主張される実施形態は、ユーザによって場の平衡を保たせることを要求しないこともある。
【0022】
遠心分離機実施形態の主要構成要素は、ケースと、蓋と、モータと、回転子とを含む。ケースは、任意の必要な電子機器と、モータと、一次バッテリ等の一体型電源とを保持する。(他の実施形態は、外部電源または再充電可能バッテリを使用する。)蓋は、典型的に、透明であり、動作可能に開閉され、理想的に、ケースに対して固定されたヒンジを伴う。開いているとき、回転子は、露出され、サンプル管が、挿入され得るか、または取り外され得る。閉じているとき、回転子およびサンプル管は、周囲空気から隔離され、物体または手からの接触の危険性を伴うことなく、スピンさせられ得る。モータは、モータが動作しているとき、スピンするモータシャフトを備えている。モータシャフトは、デバイスの軸上にあり、デバイスの軸を画定する。
【0023】
回転子は、サンプル管を保持し、モータシャフトに取り付けることによって、モータが動作しているとき、サンプル管を遠心的にスピンさせる。回転子は、デバイス軸に対して垂直である一次回転子平面を有する。遠心分離機の軸は、回転子のスピン軸でもある。
【0024】
回転子は、3つの主要構成要素を有する。いくつかの実施形態では、回転子全体がモノリシックであり、したがって、そのような回転子構成要素間の境界は、回転子内にあり、「明確な線」である、構成要素境界を有しないこともあることに留意されたい。主要な回転子構成要素は、ハブ、サンプル管容器、および釣り合い重りである。ハブは、回転子をモータシャフトに取り付ける。理想的に、これは、プッシュオン、プッシュオフ式の取り外し可能な取り付けであり、そのように設置されると、典型的に、摩擦が、モータシャフト上に回転子を維持する。1回のみ使用されて廃棄される遠心分離機を用いる実施形態では、回転子は、モータシャフトに取り外せないように取り付けられ得る。サンプル管容器は、単一の適切なサンプル管を取り外し可能に受け取るように適合される。典型的に、モノリシック回転子の一部としての「アーム」または「リップ」が、容器とサンプル管との間の摩擦と圧力との組み合わせによって、サンプル管を定位置に保持する。モノリシックに成型された回転子の一部であり得るか、または、鋼鉄球等の別個の要素であり得る釣り合い重りは、回転子内の適切な釣り合い重り容器内に設置される。釣り合い重りは、回転子軸に対して、サンプル管容器と反対側にある。それは、典型的な量のサンプルを伴って、サンプル管容器内に設置された典型的なサンプル管と最適に釣り合いを取るように適合される。回転子は、スピンするときの回転子の空気抵抗を低減させるための空気力学的「翼」も備え得る。これらの空気力学的翼は、釣り合い重りまたは釣り合い重り容器の一部であり得る。一般に、これらの翼は、重量平衡を保たれた状態で動作(スピン)する回転子を達成するために、依然として、必要な質量を有する一方、可能な限り薄いものであるであるべきである。翼は、前縁と、後縁と、平均的なまたは最大の厚さとを備えている。
【0025】
サンプル管は、回転子のサンプル管容器内で、回転子平面に対して、固定された所定の角度で保持される。
【0026】
最初に、回転子の実施形態を説明する。次いで、下記に、遠心分離デバイス全体を説明する。
【0027】
図1Aは、取り囲まれた単一管102を保持するほぼディスク形状の回転子101の上面図の例示的実施形態を示し、回転子101は、遠位穴110と、円周遠位溝111とを備え得、サンプル管102は、管蓋106がページに垂直な回転軸104の1~10mm以内または1~5mm以内に位置し得るように、内壁105内の中心開口部103の内側に設置され得る。参照回転子平面は、ページに平行であり、回転軸104に対して垂直である。このように、サンプル管102は、従来技術における標準的なスイングバケット回転子のように、外方向に振られず、回転子平面に対して、例えば、0~60度(0度および60度を含む)、好ましくは、0~45度(0度と45度を含む)の固定された角度で、保持され得る。サンプル管102の底部部分(底部は、蓋を各閉端に相当する)は、低減した直径を伴う回転子101を可能にするために、遠位穴110から、部分的にまたは全体的に突出し得る。この要素は、直径を小さくするために、遠位溝111においてほぼディスク形状の回転子と反対側で同様にまねられ得る。回転子101の直径を最小化することは、製品の携帯性を増加させ得る。サンプルにおいけるより重質な留分からのより軽質な留分の分離は、回転子が2,000~15,000RPM等の効果的なスピン率でスピンさせられるとき、可能であり得る。次いで、サンプル管102は、懸濁物抽出のために、スピンさせられた後、中心開口部103から取り外され得る。回転子101は、生体有害物汚染のリスクを低減させるために、使用後に容易に廃棄され得るように、使い捨て材料を備え得る。回転子101は、単一の使途のために設計され得る。
【0028】
図1Bは、断面AA-AA’におけるほぼディスク形状の回転子10の例示的断面側面図を示し、それは、上部部分108と、底部部分109と、ハブ112と、遠位穴110と、遠位溝111と、バラストエンクロージャまたはリブ114とを備え、バラスト113が、サンプル管102に対する釣り合い重りとしての役割を果たし得、その蓋106が、回転軸104のあたり、または近くに位置し、サンプル管102は、流体サンプル107を保持し得る。バラストエンクロージャ114は、回転子101アセンブリの質量の中心が、回転軸104の0~5mm以内(0および5mmを含む)、好ましくは、0~1mmの範囲内(0および1を含む)であるように、遠心分離回転中、バラスト113を定位置に保持するための捕捉リブを備え得る。バラスト113は、例えば、直径2mm~12mmの例示的サイズの1つ以上の鋼鉄軸受け球を備え得る。バラスト113は、鉛、タングステン、銅合金、アルミニウム合金、ガラス、セラミック等の他の材料、または1.0より高い質量密度、または立方センチメートルあたり1.5グラムより高い他の材料等も含み得る。内壁105は、管蓋106が適切に取り付けられていない場合、サンプル管102からの流体サンプル107の生体有害物質との回転子の内側部分の接触を防止し得る。この図に示されるように、サンプル管102の先端が遠位穴110を通して突出していることに留意されたい。遠位穴110は、サンプル管102を保持するのにも役立つ。ハブ112は、回転子101が、遠心分離機のモータのモータピンと嵌め合うことを可能にし得る。他の実施形態は、バラストエンクロージャ114またはバラスト113を有さず、むしろ、回転子101の一部として成型される効果的な釣り合い重りを有する。回転子101の上側および下側部分108および109は、それぞれ、
図1Bに示されるような反転ボウル形状を示すほぼディスク形状であり得、名目上のディスク形状内に、開口部、スロット、隆起部、または他の特徴を備え得る。回転子101の上側および下側部分108および109は、それぞれ、別個に構築され、組み立てられるか、または、好ましくは、回転子101を射出成型することによって等、単一のモノリシック要素として製造され得る。好ましい実施形態は、単発ストレートプル射出成型(single-shot,straight pull injection mold)において成型され得るような、回転子101の形状を備えている。
【0029】
図2は、回転子101が、2つの部分:上側部分108および下側部分109から構築される実施形態に関し、回転子101の底部部分109の例示的上面図を示し、サンプル管102は、管蓋106の下方のサンプル管102側面に隣り合う側壁201を伴って、
図1Aの実施形態の底部部分109に設置され得る。このように、サンプル管102は、遠心分離のための場所にスライドするように、側壁201によって容易に誘導され得る。バラスト113は、回転軸104まわりでスピンさせられると、流体サンプル107がより軽質な留分とより重質な留分とに分離され得るように、サンプル管102の場所と反対側の底部部分109内でバラストエンクロージャ114によって包囲される。
底部部分109の内壁105は、底部部分109の取り付け点202が上部部分108上の嵌め合わせられる取り付け点202と整列させられ、それに圧入されると、上部部分108の合致内壁105と整列する。他の実施形態は、別個の上側および下側部分108および109と、嵌め合わせられる取り付け点202とを伴う回転子ではなく、モノリシックな単一部品回転子101を使用する。他の実施形態は、バラストエンクロージャ114内の別個の「バラスト」113ではなく、モノリシック回転子内に成型された釣り合い重りを使用する。側壁201は、サンプル管102の保持のための「アーム」または「リップ」によって置換され得る。いくつかの実施形態では、用語「アーム」または「リップ」は、側壁201に適用される。
【0030】
図3は、筐体302を備えている遠心分離機301の例示的断面側面図を示し、筐体302は、動作可能な蓋303が開き、回転子101を見せることを可能にするヒンジ304を含み得、筐体302は、管蓋106が内部上部表面308の上方にある状態でサンプル管102を保持するように適合されている。遠位穴110と遠位溝111とを備えている回転子101は、スピンするとき、蓋303または筐体302への干渉を防止するために十分コンパクトである。5mm等の0.1mm~10mm(0.1mmおよび10mmを含む)の隙間範囲内であり得る回転子101の動作可能な蓋303。電気回路または電子コントローラが、一次バッテリ等の電源306からの電力をモータ305に提供する。電気的および電子的構成要素が、回路基板30上に存在し得る。内部電源306は、一次または再充電可能バッテリ、または「スーパーコンデンサ」等の他のエネルギー貯蔵要素のいずれかとして、1つ以上のリチウム、アルカリ、またはニッケル金属水素化物電池を備え得る。代替実施形態は、外部電源、または再充電可能バッテリに再充電するための外部電力を支持する。一実施形態では、エンクロージャ302の表面または蓋303は、内部再充電可能電源を再充電するために使用され得る太陽電池を備え得る。回転子101のハブ112に嵌め合わせられるモータ305の回転は、回転子101に、回転またはスピンさせ、したがって、サンプル管102内のサンプル流体に遠心分離による分離を受けさせる。回転子101の効果的な回転率は、2,000~15,000RPM(2,000および15,000RPMを含む)であり得、効果的な遠心分離時間(効果的な回転率における時間)が最小化され、費用、サイズ、デバイスの複雑性、および動作の複雑性も最小化する一方、安全性、単純性、公衆衛生、およびデバイスの信頼性を最大化し得る。筐体302は、振動減衰材料を備え得、それは、サンプル純度を維持し、可聴雑音を低減させるために遠心分離機の振動を低減させるように機能する。振動減衰材料の例は、シリコンゴム、熱可塑性エラストマ、ブチルゴム、およびポリジメチルシロキサン(PDMS)を含む。1つ以上の振動減衰要素の設置は、機械分野においては周知である。筐体の内部表面309または蓋は、滅菌エアロゾルの使用によって等、除菌可能または滅菌可能であり得る。減衰材料およびシーリング材料は、実施形態内の種々の場所で使用され得る。例えば、回路基板307、電源306、モータ305の内部上部表面308、または蓋303は、任意の組み合わせで、減衰材料またはガスケットとともに、隔離、搭載、または固定され得る。示されないが、エンクロージャ302の下の脚部も、減衰材料を備え得る。モータ305は、ブラシ付きまたはブラシレスモータであり得る。それは、DCまたはACモータ、またはステッピングまたはマイクロステッピングモータであり得る。好ましいモータは、ブラシ付きDCモータであり得る。
【0031】
図4Aは、回転子本体402と、空気力学的釣り合い重り403とを備えている例示的な取り囲まれていない圧入回転子401の上面図を示す。釣り合い重り403は、軸104に対して、サンプル管102および流体サンプル107の重量を補償する。釣り合い重り403は、空気抵抗を最小化するために、(回転子401の回転の方向に対して)前縁および後縁を有する。釣り合い重り403は、概して、空気抵抗を最小化するために、平滑な湾曲表面を有する。釣り合い重り支持部402は、釣り合い重りをハブ112に接続する。
回転子401は、釣り合い重り403からつながっている「アーム」404を備え、アーム404は、サンプル管102を部分的に包囲している留め金405および406を用いて、そのネック近くで、サンプル管102を保持または弾力的に把持する。「アーム」402の形状は、サンプル管102が、容易に、適切に設置され、回転子401から取り外され得るように、それを弾力的に把持する限り、変動し得る。留め金405および406は、示されるように、上側留め金および下側留め金を有し得る。しかしながら、留め金は、数および形状において変動し得る。例えば、他の実施形態では、留め金は、1つ以上のスロットを伴う環から形成され、環は、そのネックにおいて、またはその近くで、サンプル管102を包囲または部分的に包囲する。留め金405および406は、摩擦と圧力との任意の組み合わせによって、弾力的にかつ取り外し可能にサンプル管102を保持する。サンプル管102は、手動で中心開口部103を通して設置される。示される実施形態では、サンプル管軸は、回転軸104を通過する。回転子401は、サンプル管102との摩擦を増加させ、動作中、特に、回転の開始中および停止中、それが移動することを防止するために、例えば、上側留め金405および下側留め金406(
図4B参照)がサンプル管102と接触する所にゴム、プラスチック、または他のエラストマ材料を備え得る。別の実施形態では、回転子401は、管蓋106が取り外された場合、特に、サンプル管102が水平または角度付けられた位置に保持された場合、流体サンプル107の漏出を防止するために、管蓋106に巻き付き得る。
図4A、4B、および4Cに示されるように、回転子401は、概して、回転軸104に対して垂直である
図15にCC-CC’として示される平面のような平面状である。他の実施形態では、回転子401は、
図5に示されるように、この平面から下向きに角度付けられ、すなわち、回転軸104において、またはその近くにおける中心部分近傍で、「折り曲げ」られる。本実施形態では、留め金405および406は、サンプル管102が、この平面から、固定された所定の下向きの角度で保持されるように、角度付けられる。釣り合い重り403は、同様に、下向きに角度付けられることも、角度付けられないこともある。サンプル管102の結果として生じる角度は、1度~89度、または5度~85度、30度~60度、または10度~60度に角度付けられ得る。好適な角度は、45度である。
【0032】
図4Bは、回転子401の例示的側面図を示し、
図4Aのハブ112および下側留め金406も、見られ得る。ハブ112は、回転軸104まわり回転子401を回転させるために、遠心分離機301等の遠心分離機デバイスに、または、直接または間接的にモータ305のモータシャフトに嵌め合わせられ得る。
【0033】
図4Cは、BB-BB’(
図4A参照)における回転子401の例示的断面を示し、回転子401は、空気力学的延長部408と進入表面409とを備えている縁を伴う前表面407を備えている。進入表面409は、サンプル管102が、回転子401内の上側留め金405の2つの側面と下側留め金406との間の場所に圧入され得る開口部を例証する。このように、サンプル管102の中間区分は、回転子にスナップ嵌めまたは圧入され、それによって、管蓋106は、上側留め金405および下側留め金406の後方(回転軸104の近位)にあり、サンプル管102の底部端部は、中央に見られ得る。アーム404は、空気力学的延長部408の一部として、サンプル管102から外方向に突出する、前表面407を有し得る。丸形かつ平滑な縁を伴う空気力学的設計は、回転中、回転子401に対する空気抵抗を最小化し得る。回転子401は、好ましくは、回転子401を射出成型することによって等、単一のモノリシック要素として製造されるであろう。好ましい実施形態は、単発ストレートプル射出成型において成型され得るような、回転子401の形状を備えている。例えば、上側留め金405は、上から見たとき、任意の点において、下側留め金406に覆いかぶさらないように、成形され得る。単発ストレートプル射出成型による単一のモノリシック要素としての製作の利点は、低費用および生産の容易化を含む。
【0034】
図5は、圧入回転子401の例示的実施形態を示し、回転子401は、角度501によって示されるように、場所CC-CC’に対して角度付けられ得る。さらなる別の実施形態では、そのような角度はまた、
図3にも示される。その他の点で、釣り合い重り403等の類似する構成要素が、回転子401を備え得、釣り合い重り403は、上側留め金405および下側留め金406によって流体サンプル107を含む管蓋106を伴うサンプル管102を保持するために、アーム404を延ばし得、下側留め金406は、軸104まわりで回転するために、ハブ112において、遠心分離機301と嵌め合う。本実施形態は、適切な遠心分離機301との組み合わせにおいて、コンパクトな遠心分離システムまたはデバイスが、本明細書の他の場所で説明される因子に対して最適化され得るように、回転子401の直径全体を減少させ得る。サンプル管102の下方に傾けることによって、より小さな半径が、サンプル管によって描かれ、取り囲んでいる遠心分離機デバイスまたはシステムのためのより小さな占有面積を可能にする。さらに、流体サンプル107は、管蓋106が取り外された場合、重力下で、漏出する可能性が低い。回転子401の任意の形状に関しては、サンプル管102が、中心開口部103を通して、手動で回転子401内に設置され、それから取り外され得るように、要素間に隙間を有する必要があることに留意されたい。
【0035】
図6は、
図1に類似する、取り囲まれた単一管102を保持するディスク形状のサンドウィッチタイプの回転子101の実施形態の例示的上面図を示し、ここでは、より短い短半径601およびより長い長半径602が、円形ではなく、卵またはレーストラック形状のディスクを作成し得、ディスクは、回転軸104に中心に置かれている。このように、材料、重量、および費用は、
図1に示されるように、名目上の円形の回転子と比較して、低減させられ得る。回転子101は、円周遠位溝111内に遠位穴110を備え得、管蓋106を伴うサンプル管102が、中心開口部103の内側に設置され、内壁105内に含まれ得る。
【0036】
図7Aは、回転子101のさらなる別の実施形態の上面図を示し、管ホルダ703は、釣り合い重り702を備えているアーム701から反射され、オフセットされた空間を占有し得る。管ホルダは、サンプル管軸と垂直な線において、釣り合い重り702からオフセットされ、釣り合い重りは、管軸と平行に向けられ得、管軸は、管蓋106から、流体サンプル107を通して、サンプル管102の底部端部まで伸びる。
【0037】
図7Bは、サンプル管102の長手側を見たときの
図7Aに示される実施形態のサンプル管回転子101の例示的側面
図Aを示し、管ホルダ703と、釣り合い重り702を備えているアーム701と、回転軸104の中心に置かれたハブ112とが見られ得る。
【0038】
図7Cは、
図7Aおよび7Bに示される実施形態の回転子101の側面図を示す。サンプル管102の底部端部が、示され、サンプル管102は、管ホルダ703によって保持され、ハブ112の指骨状部を通して、釣り合い重り701に接続されている。
【0039】
図8は、圧入回転子401の実施形態の例示的断面図を示し、上側留め金405および随意または代替の下側留め金801は、2つの対向する側面上にサンプル管102を保持するために、同じ部分から生じ得る。管蓋106は、サンプル管102の留め金で留められた領域の後方に存在する。アーム404は、サンプル管102から外方向に突出する前表面407内に含まれ得る。
【0040】
ここで、
図9Aおよび9Bを参照しながら、回転子のさらなる追加の実施形態の透視図を見ることにする。101は、回転子を示す。901は、釣り合い重りを示す。釣り合い重りは、かなりの数の実施形態を有し得、2つ以上が存在し得る。それらは、モノリシック回転子の一部として構築され得る。それらは、1つ以上の鋼鉄球等の別個のバラストまたは別の高密度の材料を備え得る。それらは、回転子保持要素によって、回転子内に保持され得る。釣り合い重りが、空気抵抗を低減させるために可能な限り空気力学的であることは有利であり、それは、次に、振動および雑音を最小化し、それは、モータのサイズも最小化し;電源のサイズを最小化し;遠心分離機が、単一の内部電源で起動し得る回数を最大化し;回転速度を最大化し、それは、次に、流体サンプルを遠心分離するために要求される時間を短縮する。釣り合い重りは、概して、典型的な量およびタイプのサンプル流体で充填される典型的なサンプル管と最適に釣り合うように選択されるべきである。釣り合い重りは、回転子がスピンすると、空気の方に向く前縁911と、回転子がスピンすると空気から離れて向く後縁902とを有し得る。前縁911および後縁902は、任意の翼または航空機翼と同様、空気抵抗を最小化するために、釣り合い重りの形状および表面912とともに、理想的に設計される。典型的に、前縁911と後縁902とのための最適な形状は、同じではないが、しかしながら、それらは、同じであり得る。釣り合い重り901は、対称である必要はなく、サンプル管軸またはサンプル管保持部906上に位置する必要もない。釣り合い重り901は、回転軸923に対して垂直である回転子平面から下向きに角度付けられ得るが、しかしながら、下向きに角度付けられる必要はなく、回転子平面とほぼ水平であることも、上向きに角度付けられることもある。下向きに角度付けることは、いくつかの利点を有し、いくつかの利点は、回転子の全径を角度付けられていない実施形態より小さくすることを含み、より多くの空気力学的効果も含む。釣り合い重りの下向きの角度は、サンプル管924の下向きの角度と類似し得る。903は、サンプル管保持構造906において、サンプル管924の手動での挿入および取り外しを可能にするために十分である回転子内の開放された容積を示す。この凹状空間(または容積)は、特許図面要件内に表すことが幾分困難である。本実施形態では、この凹状容積は、釣り合い重り901と、釣り合い重り支持構造910と、サンプル管保持部906と、ハブ908とによって画定される。釣り合い重り支持部910は、サンプル管924に関して説明されるように、必要な隙間を具体的に作成するために、幾分直観的ではない形状を有し得ることに留意されたい。
【0041】
906は、サンプル管保持部の一実施形態を示す。そのような構造要素または複数の構造要素は、多くの異なる形態を有し得る。サンプル管保持部906の目的は、回転中、スピンアップ中、スピンダウン中、および回転子101の中への手動挿入およびそれからの手動取り外中、サンプル管924を取り外し可能に保持することである。サンプル管924がそのような遠心分離機の動作中、移動または振動しないことは重要である。サンプル管924は、アーム905および909、およびサンプル管保持構造906の上側部分907および下側904部分からの摩擦および圧力を介して保持され得る。サンプル管保持構造906は、フィンガ、環、または分割環等の多数の実施形態を有し得、いくつかの形態として、それは、サンプル管蓋926のための支持部または止め具、またはサンプル管924の遠位端部のための支持部または止め具を有し得、それは、先細り型または非先細り型であり得る。本実施形態に示されるように、(
図4に関連付けられる上側留め金405と類似する)上側部分907および(
図4に関連付けられる下側留め金406と類似する)下側部分904は、サンプル管924の本体に部分的に巻き付くことに留意されたい。サンプル管支持部906は、対称または非対称であり得るが、これらの図では、対称として示される。アーム905および909はまた、多くの形態を有する。それらは、保持を支援するために、挿入されるサンプル管924に弾性圧力を提供するために可撓性であるが、しかしながら、そのような圧力は、全ての実施形態における要件ではない。
【0042】
908は、回転子101のハブ部分を示す。示されないが、ハブ908は、回転子101を遠心分離機のモータシャフトに、直接または間接的に、取り外し可能に取り付けるために使用される。
図10も参照されたい。いくつかの実施形態では、908を介した取り付けは、取り外し可能ではない。回転子101は、1回のみ使用されて廃棄されるか、または、滅菌のために取り外され得る。ハブ908は、摩擦圧入またはスナップ嵌めを介して、モータシャフトに取り付けられ得る。これは、モータシャフトへの精密な篏合を支援するために、内部隆起部(図示せず)または突起部(図示せず)を備え得、これは、スピンアップ中およびスピンダウン中において、特に重要である。912は、釣り合い重り901の上側表面を示す。この表面は、空気力学的効率を最適化するために、平滑であるべきである。しかしながら、この同じ目的のために、大抵の翼の表面と同様、湾曲させられていることもある。示されないが、釣り合い重り901の下側表面は、上側表面912と類似する要件を有する。それは、大抵の翼の構造と同様、上側表面912と平行であることも、そうでないこともある。回転子101および釣り合い重り901の空気力学的効率の設計は、シミュレーションソフトウェアを介して、または遠心分離機上で、または風洞内で検査することによって行われ得る。最適化および検査の簡単な方法では、種々の設計が、遠心分離機内で検査され得る。他の全てが、比較可能である場合、最速の最終的なスピン速度、または最小の振動、または最小の雑音を伴う設計が、多くの場合、それらの検査される設計の中でもとりわけ、最適かつ利用可能な設計である。釣り合い重り901は、単発ストレートプル射出成型を可能にし、材料を最小化し、回転子101の直径等、回転軸923からの任意の回転子101構造遠位の最大距離を最小化することによって等、回転子の製造費用を最小化することも望ましい。釣り合い重り901を回転軸923に対して直角の回転子平面から下向きに角度付けることの一利点は、回転子101の全径を最小化し、したがって、サイズ、重量、および費用も最小化することが可能であることである。
【0043】
ここで、
図9Bを参照すると、
図9Aと同じ回転子101が見られる。921は、回転の方向を示す。典型的に、回転子は、いずれの方向にもスピンし得るが、前縁911と後縁902とが対称的な形状ではない場合、回転の方向は、重要である。922は、スピンするときの回転子101およびサンプル管924の任意の部分の最大直径を表すスピン円を示す。この円が、電力、サイズ、重量を最小化するために、可能な限り小さいこと、および回転子101および関連遠心分離機1007(
図10参照)の利便性は、有利である。釣り合い重り901の最外縁がスピン円922に合致するように湾曲させられていることに留意されたい。923は、回転軸を示し、この軸は、ハブ908の中心を通過する。ハブ908が対称である必要がないことに留意されたい。
図9Bは、サンプル管保持部906内に据え付けられたサンプル管924も示す。本実施形態では、サンプル管924の遠位端部は、サンプル管保持部906から遠位に延びている。さらに、サンプル管上部およびキャップ926は、軸923の中心線に向かって近位に延び、またはそれを過ぎさえする。この配置の利点は、スピン円922のサイズを最小化することであり、サンプル管924の遠位端部は、それをクリアしなければならない。実際、サンプル管924の長さは、スピン円922のサイズを最小化するための主要決定因子であり得る。本実施形態では、サンプル管924およびサンプル管保持部906は、軸923に対して垂直である回転子平面から下向きに角度付けられる。釣り合い重り901の下向きの角度付けと同様、この配置は、本明細書に説明されるような付随する利点を伴って、スピン円922のサイズを最小化し得る。サンプル管924を下向きに角度付けることの別の利点は、サンプル管のキャップ926が、サンプル管924上に完全に固定されていない場合、サンプル管924内の任意のサンプル流体が、溢れる可能性が低いことである。927は、釣り合い重り901と回転子101の構造の残りの部分との間の随意の構造線を示す。釣り合い重り901およびアーム905および909は、この線927から下向きに角度付けられ得る。しかしながら、回転子101要素の任意の下向きの角度付けは、必ずしも、この線または任意の他の線からとは限らない。
図9Aおよび9Bは、湾曲させられた縁を伴う回転子101を示す。そのような湾曲させられた縁は、回転子101の空気力学的効率を最大化することを支援し、手動での取り扱いを改良し、製造可能性を改良し、回転子101の総重量を低減させる。そのような湾曲させられた縁は、要件ではない。さらに、任意のそのような湾曲部は、回転子101の異なる部分において、大幅に変動し得る。
図9Bは、サンプル管保持部906の上側部分925を示す。この同じ構造が、907として、
図9Aに示されるが、要素925が、下側保持部要素904と併せて、サンプル管924を定位置で保持することを支援することは、
図9Bにおいて、より容易に見られる。サンプル管保持要素904および925は、スピンアップおよびスピンダウン中、サンプル管924の回転加速が垂直方向(すなわち、軸923と平行)における加速力より大きいので、上部および底部と比較すると、サンプル管924の「左と右」に存在する。
明確な註解として、軸923から離れたサンプル管924上の遠心分離力が非常に大きいので、回転子101の全体的な設計は、依然として、サンプル管924を回転子101の中に容易に手動で挿入し、それから取り外すことを可能にしながらも、これらの非常に大きな力に耐え、スピンアップ中、スピンダウン中、および回転中、サンプル管924を確実に定位置に保持しなければならない。
【0044】
図10は、スピンする回転子1005にとって好適な遠心分離機1001のある実施形態を示す。本遠心分離機は、取り囲まれた基部1007、透明な蓋1003、ヒンジ1009を備えている。蓋1004は、示されないが、ハブ1008の中に通るモータシャフトの中への回転子1005の挿入およびそれからの取り外し中、開放される。蓋1004は、遠心分離機の動作中、閉じられる。閉じられているとき、蓋リップ1004は、基部1007に対して、名目上のシールを提供する。ガスケットが、シールを支援するために使用され得、それは、雑音を低減させ、振動を低減させ、故障の場合の損傷または負傷に対して保護することができる。一実施形態では、開放または閉鎖のような蓋1003の状態は、蓋1003の中またはその上に設置される磁石または他のトリガ1002によって検出される。この磁石または他のトリガは、基部1007の外部または内部に設置されるセンサ1006によって、検出され得る。この特徴は、遠心分離機の完全自動動作を可能にする。遠心分離機は、蓋1003が閉じられているとき、スピンすることを自動的に開始し、所定の時間間隔にわたって、または蓋1003が開放されるまで、スピンし続ける。遠心分離機1001の実施形態は、遠隔制御アプリまたはパネルからのボタン、スイッチ、タッチディスプレイ、またはワイヤレス動作等の任意のユーザ制御がない。遠心分離機1001の実施形態は、遠隔制御アプリまたはパネルからの視覚的インジケータ、視覚的ディスプレイ、ワイヤレスディスプレイ等の任意のユーザディスプレイがない。遠心分離機1001の実施形態は、任意の可聴インジケータがないが、スピン完了またはエラー等の可聴インジケータが、ユーザ制御がない、および/または視覚的インジケータがない実施形態では、依然として、存在し得る。実施形態は、依然として随意に、スマートフォンアプリケーション、インターネットベースのアプリケーション、またはクラウドベースのアプリケーション等のワイヤレスアプリを使用する、任意の組み合わせにおいては、付属ユーザ制御、付属視覚的インジケータがない、または付属可聴インジケータがないこともある。ワイヤレス接続は、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)、携帯電話データ、近距離無線通信(NFC)、赤外線信号伝達、または他のワイヤレス通信を介し得る。
【0045】
小型サンプル管のサイズは、標準化されていない。典型的な管は、長さ50mmであり得る。流体サンプルのための典型的な管の容積は、50μL~1,000μLの範囲内である。別の好適な範囲は、200μL~800μLである。平衡重りの重量を選択する目的のために、管は、容量の25%~100%の範囲内であると見なされ得る。別の好適な範囲は、容量の60%~80%である。典型的な回転子の直径は、20mm~160mmの範囲、または50mm~100mmの範囲内であり得る。回転子にとって好適な材料は、PP、PC、PET、ABS、POM、PS、ガラス充填樹脂、ナイロン、Kevlar、炭素繊維複合体等のポリマーを含む。POMまたはABSが、好ましい。ポリマーは、比較的高い剛性(1.5Gpaより優れた弾性係数)およびccあたり1グラムより大きな密度を有するべきである。
【0046】
任意の釣り合い重りまたは釣り合い重りホルダは、回転動作中の空気抵抗を最小化し、回転子101を製造する費用を最小化するために、平滑な湾曲表面を備えている。さらに、実施形態の形状は、ストレートプル射出成型を使用して、単一のステップで、モノリシック回転子を製造することを可能にし得る。回転子101の角度の半径は、0.1mm~3.0mmの範囲内、または0.3mm~1.0mmの範囲内であり得る。これらの半径は、
図4C、5、および8に見られるもの等のサンプル管ホルダの一般的な形状、または
図1A、2、4A、および6に示されるもの等の上から見た釣り合い重りまたは回転子の外側表面を含まない。
【0047】
さらなる別の実施形態では、回転子101の釣り合い重りは、空気力学的な構造的特徴:より広い遠位区分およびより狭い近位区分;より厚い遠位区分を備え得、釣り合い重りは、回転の方向に対して先細りする前後の表面をさらに備えていることによって、低い空気力学的抵抗のためにさらに構成され、先細りする前後の部分は、少なくとも長さ1mmである。
【0048】
さらなる別の実施形態では、回転子101の構造的な形状は、ストレートプル射出成型を使用して製造するために、それを好適なものにする要素を備え、アーム、回転子本体、および上側および下側留め金は、上方から見たとき、アーム、回転子本体、上側および下側留め金の上側表面が、互いに重複した、または塞がないように位置付けられ、アーム、上側および下側留め金はさらに、下方から見たとき、アーム、上側および下側留め金の下側表面が、互いに重複した、または塞がないように位置付けられる。回転子の任意の形状に関して、サンプル管102が、中心開口部103を通して等、手動で回転子の中に設置され、それから取り外され得るように、要素間の隙間を有することが必要であることに留意されたい。
【0049】
さらなる別の実施形態では、管102を保持するための上側および下側留め金は、管の角度に垂直な近位表面を有し、近位表面は、管のネックにおいて、1つ以上のフランジを支持するように位置付けられ、近位表面は、テーパをさらに備え、それによって、管の直径は、上側留め金上の近位表面の一部と、下側留め金上の近位表面の一部との間の距離より大きい。いくつかの実施形態では、サンプル管102が回転子内に設置されていないとき、設置されたサンプル管102を保持するために、上側および下側留め金または他の構造によって形成される開口部は、若干、サンプル管102の直径より小さく、サンプル管102が回転子内に設置されたとき、そのような留め金または他の構造は、外方向に撓曲し、したがって、サンプル管102に対して圧力を提供する。そのような圧力は、動作中、固定された位置においてサンプル管102を維持しながら、サンプル管102の手動での設置、および回転子101からの取り外しにとって好適である。
(追加の実施形態)
【0050】
下記の実施形態およびそれらの均等物が、特徴および限定の任意の組み合わせにおいて、特に請求される。
A.装置の実施形態であって、装置の実施形態は、
回転子アセンブリと、回転軸と、筐体と、モータと、バッテリの組と、遠心分離機の蓋とを備え、遠心分離機の蓋は、回転子を覆って位置付けられ、バッテリの組は、回転子装置をスピンさせるモータに電力を提供し、回転子アセンブリは、上部部分と、底部部分と、バラストと、流体サンプルを含むサンプル管と、管蓋とを備え、回転子アセンブリは、1本の管のみを回転させるように構成または適合され、サンプル管は、回転軸に垂直な平面に対して、0~20度の固定された角度で保持され、回転子アセンブリは、サンプル管を回転子アセンブリ内に可逆的に設置することを可能にするように構成または適合された上部部分における進入穴を有し、回転子アセンブリは、空気力学的断面を有し、回転子は、回転軸においてモータに接続する篏合ハブを有し、管蓋は、回転軸の5mm以内であるように、回転子アセンブリ内に位置付けられ、該回転子アセンブリは、外縁を有し、該バラストは、捕捉リブによって、管から回転軸の反対側で保持され、該バラストは、回転子アセンブリの質量の中心が、回転軸の2mm以内であるように設置される、装置の実施形態。
B.サンプル管の底部部分が回転子アセンブリの縁から突出することを可能にする遠位穴をさらに備えている、実施形態Aの装置。
C.上部部分に円周溝をさらに備え、円周溝は、該回転子の直径を減少させる、実施形態Aの装置。
D.遠心分離機の蓋は、該回転子縁の1.5mm以内である、実施形態Aの装置。
E.該回転子装置は、より長い軸およびより短い軸を備え、空気力学的延長部を伴う前表面縁を有し、バラストおよびサンプル管は、長軸に沿って位置する、実施形態Aの装置。
F.該バラストは、1つ以上の鋼鉄軸受け球を備えている、実施形態Aの装置。
G.該筐体は、振動減衰材料を備えている、実施形態Aの装置。
H.装置の実施形態であって、装置の実施形態は、
回転子と、サンプル管と、管蓋と、サンプル管内に含まれる流体サンプルと、回転軸と、筐体と、モータと、バッテリの組と、遠心分離機の蓋とを備え、遠心分離機の蓋は、回転子を覆って位置付けられ、バッテリの組は、回転子装置をスピンさせるモータに電力を提供し、回転子は、1つのモノリシック部分を備え、回転子は、1本の管のみを回転させるように構成または適合され、該回転子は、回転軸を備え、サンプル管は、回転軸に垂直な平面に対して、0~20度の固定された角度で保持され、該モータは、該回転軸に位置するハブにおいて、該回転子と篏合し、該回転子は、空気力学的断面を伴う本体および釣り合い重りをさらに備え、釣り合い重りは、回転子アセンブリの質量の中心が回転軸の2mm以内であるような構造であり、管蓋は、回転軸の5mm以内であるように、回転子内に位置付けられ、該回転子は、アームおよび上側留め金をさらに備え、該上側留め金は、回転子が、効果的な率で回転させられるとき、サンプル管を確実に保持し、該アームおよび上部留め金は、空気力学的表面を有し、該上側留め金は、進入表面を有する、装置の実施形態。I.上側留め金は、該アームによって、該釣り合い重りに接合され、該突出部は、サンプル管が上方から挿入されるとき、離れて撓曲するように構成または適合され、複数のボア管が収容されている、実施形態Hの装置。
J.空気力学的延長部をさらに備えている、実施形態Hの装置。
K.ハブから、または上側留め金から延びている下側留め金をさらに備えている、実施形態Hの装置。
L.装置の実施形態であって、装置の実施形態は、
回転子と、管と、管蓋と、管内に含まれる流体サンプルと、回転軸と、筐体と、モータと、バッテリの組と、遠心分離機の蓋とを備え、遠心分離機の蓋は、回転子を覆って位置付けられ、バッテリの組は、回転子装置をスピンさせるモータに電力を提供し、回転子は、1つのモノリシック部分を備え、回転子は、1本の管のみを回転させるように構成または適合され、該回転子は、回転軸および管軸を備え、サンプル管は、回転軸に垂直な平面に対して、0~20度(0および20度を含む)の固定された角度で保持され、管の中心線は、管軸と平行に設置され、該モータは、該回転軸に位置するハブにおいて、該回転子と篏合し、該回転子は、空気力学的断面を伴う釣り合い重りをさらに備え、回転子は、管軸に垂直な線において釣り合い重りからオフセットされた環状管ホルダを備え、該釣り合い重りは、管軸に平行に向けられ、該釣り合い重りは、サンプル管の断面の半分未満の空気力学的断面を有する、装置の実施形態。
【0051】
下記の実施形態およびその均等物が、特徴および限定の任意の組み合わせにおいて、特に請求される。
M.遠心分離機であって、遠心分離機は、
サンプル管保持部を備えている回転子と、
モータシャフトおよび回転軸を伴うモータと、
モータ、電光源、および回転タイマを備えているエンクロージャと、
蓋と、
開放されているとき、または閉鎖されているときの蓋の状態を検出するように適合されているセンサと
を備え、
蓋が閉じられると、回転子の回転が開始し、タイマが開始され、蓋が開けられるか、またはタイマが終了するかのいずれかが先に生じると、停止する、遠心分離機。
N.ユーザ制御がなく、視覚的ユーザディスプレイがなく、付属ワイヤがない、実施形態Mの遠心分離機。
O.ワイヤレスデータインターフェースがない、実施形態A-Lの遠心分離機。
P.遠心分離機または回転子のいずれも、いかなる平衡も要求しない、上記の実施形態のいずれかの遠心分離機または回転子。
Q.効果的な使用は、ツールなしで行われる、上記の実施形態のいずれかの遠心分離機または回転子。
【0052】
説明、シナリオ、例、および図面は、非限定的な実施形態である。「発明(invention)」または「変形例(variation)」の全ての言及は、「実施形態(embodiments)」を指す。
【0053】
本明細書に説明される実施形態は、血液分離における使用が意図されるデバイス、およびそのデバイスを使用する方法に関する。他の実施形態は、他の用途を有する。
【0054】
図面は、縮尺通りではない。
【0055】
用語「デバイス(device)」と「装置(apparatus)」とは、同義語であり、交換可能である。別様に記述されない、または文脈から明白ではない限り、「デバイス(device)」は、遠心分離機または遠心分離機のための回転子のいずれかである。用語「~を回転させる(rotate)」と「~をスピンさせる(spin)」とは、同義語であり、交換可能である。用語「釣り合い重り(counterweight)」と「平衡重り(counterbalance)」とは、同義語であり、交換可能である。
【0056】
理想的な(Ideal)、理想的には(Ideally)、最適な(Optimum)、および好ましい(Preferred)-「理想的な(ideal)」、「理想的には(ideally)」、「最適な(optimum)」、「最適な(optimum)」、「~するべきである(should)」、および「好ましい(preferred)」という単語の使用は、本発明を説明する文脈において使用されるとき、本発明の1つ以上の用途のための1つ以上の実施形態にとって最良なモードを特に指す。そのような最良なモードは、非限定的であり、当業者が理解するであろうように、全ての実施形態、用途、または実装技法にとって最良のモードではないこともある。
【0057】
全ての例は、サンプル実施形態である。特に、語句、「発明(invention)」は、全ての条件下において、「本発明のある実施形態(an emboidment of this invention)」を意味すると解釈されるべきである。例、シナリオ、および図面は、非限定的である。本発明の限定事項のみが、請求項に存在する。
【0058】
~し得る(May)、~し得る(Could)、随意(Option)、モード(mode)、代替の(alternative)、および特徴(feature)-「~し得る(may)」、「~し得る(could)」、「(随意)option、」、「随意の(optional)」、「モード(mode)」「代替の(alternative)」、「典型的な(typical)」、「理想的な(ideal)」、および「特徴(feature)」という単語の使用は、本発明を説明する文脈において使用されるとき、本発明の種々の実施形態を具体的に指す。説明される利点は、その利点を提供する、それらの実施形態のみを指す。本明細書内の全ての説明は、当業者が理解するであろうように、非限定的である。語句「~するように構成される(configuredto)」はまた、「~するように適合させる(adaptedto)」を意味する。語句「ある構成(a condiguration)」は、「ある実施形態(an embodiment)」を意味する。
【0059】
明細書内の全ての数値範囲は、単なる非限定的な例示的実施形態である。図の簡単な説明も、単なる非限定的な例示的実施形態である。
【0060】
本発明の実施形態は、全ての請求項の全ての特徴、要素、および限定の全ての組み合わせおよび副次的な組み合わせを明示的に含む。本発明の実施形態は、全ての特徴、要素、例、実施形態、表、値、範囲、および明細書内の図面、図、図面、および全ての図面シートの全ての組み合わせおよび副次的な組み合わせを明示的に含む。本発明の実施形態は、請求書、明細書、図面において説明される全ての方法の任意の組み合わせを実装するためのデバイスおよびシステムを明示的に含む。本発明の方法の実施形態は、任意の機能的な順序において、従属方法クレームステップの全ての組み合わせを明示的に含む。本発明の方法の実施形態は、任意のデバイス請求項を参照するとき、デバイス請求項内の要素の全ての組み合わせを含め、任意のおよび全ての他のデバイス請求項に対するその代用を明示的に含む。
【国際調査報告】