(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-06
(54)【発明の名称】片持ち梁構築物を伴うコンテナ荷役車両および複数のコンテナ荷役車両を備える自動保管および回収システム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20230530BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022562478
(86)(22)【出願日】2021-04-09
(85)【翻訳文提出日】2022-11-29
(86)【国際出願番号】 EP2021059312
(87)【国際公開番号】W WO2021209338
(87)【国際公開日】2021-10-21
(32)【優先日】2020-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】315015988
【氏名又は名称】オートストアー テクノロジー アーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ジュヴェ ヘゲベ, イェルゲン
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022EE05
3F022FF00
3F022JJ11
3F022MM01
(57)【要約】
フレーム構造(100)の上部を横断して第1の方向(X)にコンテナ荷役車両(401)の移動を誘導するように配列される、平行レールの第1のセット(110)と、第1の方向に対して直角である、第2の方向(Y)にコンテナ荷役車両(401)の移動を誘導するための、レールの第1のセット(110)に対して直角に配列される、平行レールの第2のセット(111)とを備える、2次元レールシステム(108)上での動作のためのコンテナ荷役車両(401)であって、平行レールの第1および第2のセット(110、111)は、レールシステム(108)を複数のグリッドセル(122)に分割し、コンテナ荷役車両(401)は、車輪基部ユニット(2)と、本体ユニット(410)と、昇降デバイス(414)とを備える。本発明はさらに、複数のコンテナ荷役車両(401)を備える、自動保管および回収システム(1)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム構造(100)の上部を横断して第1の方向(X)にコンテナ荷役車両(401)の移動を誘導するように配列される、平行レールの第1のセット(110)と、前記第1の方向に対して直角である、第2の方向(Y)に前記コンテナ荷役車両(401)の移動を誘導するための、前記レールの第1のセット(110)に対して直角に配列される、平行レールの第2のセット(111)とを備える、2次元レールシステム(108)上での動作のためのコンテナ荷役車両(401)であって、前記平行レールの第1および第2のセット(110、111)は、前記レールシステム(108)を複数のグリッドセル(122)に分割し、前記コンテナ荷役車両(401)は、
-前記レールシステム(108)に沿って前記第1および第2の方向(X、Y)に前記コンテナ荷役車両(401)を誘導するための、車輪のセット(32a、32b)を備える、車輪基部ユニット(2)と、
-本体ユニット(410)であって、
前記車輪基部ユニット(2)上に提供される、下側区分(411)であって、前記下側区分(411)は、前記グリッドセル(122)のうちの1つの水平範囲に等しい、またはそれ未満である、水平範囲と、第1の高さ(h1)における、上部表面とを伴う占有面積を有する、下側区分(411)と、
前記下側区分(411)から垂直に延在する、支持区分(412)であって、前記支持区分(412)は、前記下側区分(411)の占有面積より小さい水平範囲を伴う占有面積を有する、支持区分(412)と、
前記下側区分(411)の占有面積を越えて前記支持区分(412)から水平に延在する、片持ち梁区分(413)と
を備える、本体ユニット(410)と、
-前記本体ユニット(410)の前記片持ち梁区分(413)から懸吊される、昇降フレーム(415)を備える、昇降デバイス(414)であって、前記昇降フレーム(415)は、前記昇降フレーム(415)が前記片持ち梁区分(413)に隣接する上側位置にドッキングされると、第2の高さ(h2)における、最下部分を有する、昇降デバイス(414)と
を備え、
前記昇降フレーム(415)の最下部分の第2の高さ(h2)は、前記昇降フレーム(415)がその上側位置にドッキングされると、前記本体ユニット(410)の前記下側区分(411)の上部表面の第1の高さ(h1)を上回る、コンテナ荷役車両(401)。
【請求項2】
前記支持区分(412)は、保管コンテナ(106)を上回る高さにわたって延在し、前記第2の高さ(h2)と前記第1の高さ(h1)との間の差異は、少なくとも、保管コンテナ(106)の高さに対応している、請求項1に記載のコンテナ荷役車両(401)。
【請求項3】
前記昇降デバイス(414)は、昇降デバイスモータ(416’)と、少なくとも2つの昇降シャフト(417)とを備え、前記少なくとも2つの昇降シャフト(417)は、前記片持ち梁区分(413)内に配列され、前記昇降デバイスモータ(416’)は、前記下側区分(411)内に配列され、前記昇降デバイスモータ(416’)および少なくとも2つの昇降シャフト(417)は、可撓性の力伝達要素(418)を介して相互に接続される、前記請求項のいずれかに記載のコンテナ荷役車両(401)。
【請求項4】
前記昇降デバイス(414)は、前記昇降デバイス(414)を持上または降下させるための昇降デバイスモータ(416’’)と、少なくとも2つの昇降シャフト(417)とを備え、前記昇降デバイスモータ(416’’)および前記少なくとも2つの昇降シャフト(417)は、前記片持ち梁区分(413)内に配列される、請求項1または2に記載のコンテナ荷役車両(401)。
【請求項5】
前記本体ユニット(410)は、前記下側区分(411)、前記支持区分(412)、および前記片持ち梁区分(413)をともに連結する、S字形状筐体を備える、前記請求項のいずれかに記載のコンテナ荷役車両(401)。
【請求項6】
前記本体ユニット(410)の下側区分(413)の占有面積は、前記車輪基部ユニット(2)の占有面積に対して、実質的に車輪(32a、32b)の幅だけ、またはそれに等しく変位される、前記請求項のいずれかに記載のコンテナ荷役車両(401)。
【請求項7】
前記昇降フレーム(415)は、昇降バンド(419)上に懸吊され、前記昇降フレーム(415)は、水平に延在し、把持デバイス(420)と、角ガイド(420)とを備え、前記角ガイド(420)の最下点は、前記昇降フレーム(415)の最下部分を提供する、前記請求項のいずれかに記載のコンテナ荷役車両(401)。
【請求項8】
フレーム構造(100)の上部を横断して第1の方向(X)にコンテナ荷役車両(401)の移動を誘導するように配列される、平行レールの第1のセット(110)と、前記第1の方向に対して直角である、第2の方向(Y)に前記コンテナ荷役車両(401)の移動を誘導するための、前記レールの第1のセット(110)に対して直角に配列される、平行レールの第2のセット(111)とを備える、2次元レールシステム(108)を備える自動保管および回収システムであって、前記平行レールの第1および第2のセット(110、111)は、前記レールシステム(108)を複数のグリッドセル(122)に分割し、前記自動保管および回収システムは、前記請求項のいずれかに記載の複数のコンテナ荷役車両(401)を備える、自動保管および回収システム。
【請求項9】
同一の配向を有する、2つのコンテナ荷役車両(401)は、相互に通過するとき、3つのグリッドセル(122)を占有する、請求項8に記載の自動保管および回収システム。
【請求項10】
前記2つのコンテナ荷役車両(401)は、前記第1および第2のコンテナ車両が隣接グリッドセル(122)上で相互に通過するとき、第1のコンテナ荷役車両のドッキングされた昇降フレームの前記最下部分が第2のコンテナ荷役車両の前記本体ユニットの下側区分の上部表面にわたって通過し得るように構成される、請求項9に記載の自動保管および回収システム。
【請求項11】
前記レールの第1のセット(110)および/または前記レールの第2のセット(111)は、単一軌道、または2つの軌道を備える二重軌道のいずれかを備え、グリッドセル(122)は、単一グリッド開口部(115)を封入し、それに最も近接して配列されている、前記第1および第2の方向(X、Y)における、前記レールの第1および第2のセットの単一軌道によって占有される面積とともに、前記レールの第1のセットおよび前記レールの第2のセット(110、111)によって分界される、グリッド開口部(115)によって占有される、前記水平面積として定義される、請求項8、9、または10に記載の自動保管および回収システム。
【請求項12】
前記車輪基部ユニット(2)は、グリッドセル(122)の前記第1および第2の方向(X、Y)内の水平範囲に等しい占有面積を有する、請求項8-11のいずれかに記載のコンテナ荷役車両(401)。
【請求項13】
前記コンテナ荷役車両(401)のうちの少なくとも1つは、別のコンテナ荷役車両(401)を通過するとき、保管コンテナ(106)を有保することが可能である、請求項8-12のいずれかに記載のコンテナ荷役車両。
【請求項14】
前記保管コンテナ(106)の最下点は、有保されるとき、前記下側区分(411)の第1の高さ(h1)より高い、請求項13に記載の自動保管および回収システム。
【請求項15】
一方向における前記支持区分(412)の幅は、前記レールおよび/または2つの軌道(110、111)の幅に対応する、請求項8-14のいずれかに記載のコンテナ荷役車両。
【請求項16】
第2の片持ち梁区分(513’)の反対に配列される第1の片持ち梁区分(513’’)を備える、少なくとも1つの二重コンテナ荷役車両(501)をさらに備える、請求項8-15のいずれかに記載のコンテナ荷役車両。
【請求項17】
少なくとも第1のコンテナ荷役車両(401)は、第1の配向を有し、少なくとも第2のコンテナ荷役車両(401)は、前記第1の配向の反対の第2の配向を有し、前記二重コンテナ荷役車両(501)および前記第1および第2のコンテナ荷役車両(401)は、相互に同時に通過するとき、5つのグリッドセルを占有する、請求項16に記載の自動保管および回収システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、自動保管および回収システムの分野に関する。具体的には、本発明は、片持ち梁区分を伴うコンテナ荷役車両、および複数のコンテナ荷役車両を備える自動保管および回収システムに関し、コンテナ荷役車両は、2つのコンテナ荷役車両が、片持ち梁タイプの先行技術コンテナ荷役車両と比較して下層のレールシステム上のより少ないグリッドセルを占有することによって、相互に通過することを可能にする、構成を有する。
【背景技術】
【0002】
(背景および先行技術)
図1Aは、骨格構造100を伴う、典型的な先行技術自動保管および回収システム1を開示し、
図2および3Aは、そのようなシステム1上で動作するために好適な2つの異なる先行技術コンテナ荷役車両201、301を開示する。
【0003】
骨格構造100は、直立部材102と、水平部材103と、直立部材102と水平部材103との間に行に配列される保管カラム105を備える、保管容積とを備える。これらの保管カラム105では、容器としても公知である、保管コンテナ106が、相互の上にスタックされ、スタック107を形成する。部材102、103は、典型的には、金属、例えば、押出アルミニウムプロファイルから成ってもよい。
【0004】
自動保管および回収システム1の骨格構造100は、骨格構造100の上部を横断して配列される、レールシステム108を備え、そのレールシステム108上で、複数のコンテナ荷役車両201、301が、保管コンテナ106を保管カラム105から持上し、保管コンテナ106をその中に降下させ、また、保管コンテナ106を保管カラム105の上方に輸送するように動作される。レールシステム108は、フレーム構造物100の上部を横断した第1の方向Xにおけるコンテナ荷役車両201、301の移動を誘導するように配列される、平行レールの第1のセット110と、第1の方向Xに対して直角である、第2の方向Yにおけるコンテナ荷役車両201、301の移動を誘導するための、レールの第1のセット110に対して直角に配列される、平行レールの第2のセット111とを備える。カラム105内に保管されるコンテナ106が、コンテナ荷役車両によって、レールシステム108内のグリッドセル122内のアクセス開口部/グリッド開口部112を通してアクセスされる。コンテナ荷役車両201、301は、保管カラム105の上方で側方に、すなわち、水平なX-Y平面に対して平行である平面内で移動することができる。
【0005】
骨格構造100の直立部材102は、カラム105から外へのコンテナの持上およびその中へのコンテナの降下の間に、保管コンテナを誘導するために使用されてもよい。コンテナ106のスタック107は、典型的には、自立型である。
【0006】
各先行技術コンテナ荷役車両201、301は、車体201a、301aと、それぞれ、X方向およびY方向におけるコンテナ荷役車両201、301の側方移動を可能にする、車輪の第1および第2のセット201b、301b、201c、301cとを備える。
図2および3Aでは、各セット内の2つの車輪は、完全に可視である。車輪の第1のセット201b、301bは、レールの第1のセット110の2つの隣接するレールと係合するように配列され、車輪の第2のセット201c、301cは、レールの第2のセット111の2つの隣接するレールと係合するように配列される。セット車輪201b、301b、201c、301cのうちの少なくとも1つが、車輪の第1のセット201b、301bおよび/または車輪の第2のセット201c、301cが、どの時点においても、レールの個別のセット110、111と係合され得るように上昇され、降下されることができる。
【0007】
各先行技術コンテナ荷役車両201、301はまた、保管コンテナ106の垂直輸送、例えば、保管コンテナ106を保管カラム105から持上し、保管コンテナ106を保管カラム105の中に降下させるための、昇降デバイス(図示せず)も備える。昇降デバイスは、車両201、301に対する把持/係合デバイスの位置が、第1の方向Xおよび第2の方向Yに直交する第3の方向Zにおいて調節され得るように、保管コンテナ106に係合するように適合され、把持/係合デバイスが車両201、301から降下され得る、1つ以上の把持/係合デバイスを備える。コンテナ荷役車両301の把持デバイスの一部が、
図3Aに示され、参照番号304とともに示される。コンテナ荷役デバイス201の把持デバイスが、
図2の車体301a内に位置する。
【0008】
従来のように、また、本願の目的のために、Z=1は、保管コンテナの最上層、すなわち、レールシステム108の直下にある層を識別し、Z=2は、レールシステム108の下方の第2の層を識別し、Z=3は、第3の層を識別する等となる。
図1Aに開示される例示的先行技術では、Z=8は、保管コンテナの最下底部層を識別する。同様に、X=1...nおよびY=1...nは、水平面における各保管カラム105の位置を識別する。その結果、実施例として、かつ
図1Aに示されるデカルト座標系X、Y、Zを使用すると、
図1Aにおいて106’として識別される保管コンテナは、保管位置X=10、Y=2、Z=3を占有すると言え得る。コンテナ荷役車両201、301は、層Z=0内を進行すると言え得、各保管カラム105は、そのXおよびY座標によって識別されることができる。
【0009】
骨格構造100の保管容積は、多くの場合、グリッド104と称されており、本グリッド内の可能性として考えられる保管位置は、保管セルと称される。各保管カラムは、XおよびY方向における位置によって識別され得る一方、各保管セルは、X、Y、およびZ方向におけるコンテナ番号によって識別され得る。
【0010】
各先行技術コンテナ荷役車両201、301は、レールシステム108を横断して保管コンテナ106を輸送するとき、保管コンテナ106を受容および収容するための、保管コンパートメントまたは空間を備える。保管空間は、
図2に示されるように、かつ例えば、第WO2015/193278A1号(その内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるように、車体201a内の中心に配列される、空洞を備えてもよい。
【0011】
図3Aは、片持ち梁構造物を伴う、コンテナ荷役車両301の代替構成を示す。そのような車両は、例えば、第NO317366号(その内容もまた、参照することによって本明細書に組み込まれる)に詳細に説明される。
【0012】
図2に示される中心空洞コンテナ荷役車両201は、例えば、第WO2015/193278A1号(その内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるように、概して、保管カラム105の側方範囲に等しい、XおよびY方向における寸法を伴う面積を被覆する、占有面積を有してもよい。本明細書で使用される用語「側方」は、「水平」を意味し得る。
【0013】
代替として、中心空洞コンテナ荷役車両101は、例えば、第WO2014/090684A1号に開示されるように、保管カラム105によって画定される側方面積より大きい占有面積を有してもよい。
【0014】
レールシステム108は、典型的には、その中に車両の車輪が挿入される溝を伴うレールを備える。代替として、レールは、上向きに突出する要素を備えてもよく、車両の車輪は、脱線を防止するための、フランジを備える。これらの溝および上向きに突出する要素は、集合的に、軌道として公知である。各レールは、1つの軌道を備えてもよい、または各レールは、2つの平行な軌道(下記において
図1B-1Dに関連して説明される、いわゆる、「二重軌道」)を備えてもよい。
【0015】
第WO2018146304号(その内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)は、レールと、X方向およびY方向の両方における平行軌道とを備える、レールシステム108の典型的構成を図示する。
【0016】
骨格構造100では、カラム105の大部分は、保管カラム105、すなわち、保管コンテナ106がスタック107で保管される、カラム105である。しかしながら、いくつかのカラム105は、他の目的を有し得る。
図1Aでは、カラム119および120は、保管コンテナ106が、保管コンテナ106が骨格構造100の外側からアクセスされる、または骨格構造100の外もしくはその中に移送され得る、アクセスステーション(図示せず)に輸送され得るように、それらを積み降ろす、および/または積み込むためのコンテナ荷役車両201、301によって使用される、そのような特殊目的カラムである。当技術分野内では、そのような場所は、通常、「ポート」と称され、その中にポートが位置する、カラムは、「ポートカラム」119、120と称され得る。アクセスステーションへの輸送は、水平、斜め、および/または垂直である、任意の方向にあってもよい。例えば、保管コンテナ106は、骨格構造100内のランダムまたは専用カラム105内に設置され、次いで、任意のコンテナ荷役車両によって積み込まれ、アクセスステーションへのさらなる輸送のために、ポートカラム119、120に輸送されてもよい。用語「斜め」が、水平と垂直との間のある場所に一般的な輸送配向を有する、保管コンテナ106の輸送を意味することに留意されたい。
【0017】
図1Aでは、第1のポートカラム119は、例えば、コンテナ荷役車両201、301が、アクセスまたは移送ステーションに輸送されるべき保管コンテナ106を積み降ろし得る、専用の積降ポートカラムであってもよく、第2のポートカラム120は、コンテナ荷役車両201、301が、アクセスまたは移送ステーションから輸送されている保管コンテナ106を積み込み得る、専用の積込ポートカラムであってもよい。
【0018】
アクセスステーションは、典型的には、製品アイテムが保管コンテナ106から除去される、またはその中に位置付けられる、ピッキングステーションもしくは備蓄ステーションであってもよい。ピッキングステーションまたは備蓄ステーションでは、保管コンテナ106は、通常、自動保管および回収システム1から除去されないが、いったんアクセスされると、再度骨格構造100の中に戻される。保管コンテナを別の保管設備に(例えば、別の骨格構造に、または別の自動保管および回収システムに)、輸送車両(例えば、電車もしくは大型トラック)に、または生産設備に移送するために、ポートもまた、使用されることができる。
【0019】
コンベヤを備える、コンベヤシステムが、通常、ポートカラム119、120とアクセスステーションとの間で保管コンテナを輸送するために採用される。
【0020】
ポートカラム119、120およびアクセスステーションが、異なるレベルに位置する場合、コンベヤシステムは、保管コンテナ106をポートカラム119、120とアクセスステーションとの間で垂直に輸送するための垂直コンポーネントを伴う、昇降デバイスを備えてもよい。
【0021】
コンベヤシステムは、例えば、第WO2014/075937A1号(その内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるような、異なる骨格構造間で保管コンテナ106を移送するように配列されてもよい。
【0022】
図1Aに開示されるカラム105のうちの1つの中に保管される保管コンテナ106が、アクセスされるべきであるとき、コンテナ荷役車両201、301のうちの一方が、標的保管コンテナ106をその位置から回収し、それを積降ポートカラム119に輸送するように命令される。本動作は、コンテナ荷役車両201、301を、その中に標的保管コンテナ106が位置付けられる、保管カラム105の上方の場所に移動させ、コンテナ荷役車両201、301の昇降デバイス(図示せず)を使用して、保管コンテナ106を保管カラム105から回収し、保管コンテナ106を積降ポートカラム119に輸送することを伴う。標的保管コンテナ106が、スタック107内の深くに位置する、すなわち、1つまたは複数の他の保管コンテナ106が、標的保管コンテナ106の上方に位置付けられた状態である場合、動作はまた、標的保管コンテナ106を保管カラム105から上昇させることに先立って、上方に位置付けられる保管コンテナを一時的に移動させることを伴う。時として、当技術分野内では「掘出」と称される、本ステップは、続いて、標的保管コンテナを積降ポートカラム119に輸送するために使用される、同一のコンテナ荷役車両を用いて、または1つまたは複数の他の協働するコンテナ荷役車両を用いて、実施されてもよい。代替として、または加えて、自動保管および回収システム1は、保管コンテナを保管カラム105から一時的に除去するタスクに具体的に専用のコンテナ荷役車両を有してもよい。いったん標的保管コンテナ106が、保管カラム105から除去されると、一時的に除去された保管コンテナは、元の保管カラム105の中に再度位置付けられることができる。しかしながら、除去された保管コンテナは、代替として、他の保管カラムに再配置されてもよい。
【0023】
保管コンテナ106が、カラム105のうちの1つの中に保管されるべきであるとき、コンテナ荷役車両201、301のうちの一方が、保管コンテナ106を積込ポートカラム120から積み込み、それをそれが保管されるべき保管カラム105の上方の場所に輸送するように命令される。保管カラムスタック107内の標的位置またはその上方に位置付けられる任意の保管コンテナが、除去された後、コンテナ荷役車両201、301は、保管コンテナ106を所望の位置に位置付ける。除去された保管コンテナは、次いで、保管カラム105の中に戻るように降下される、または他の保管カラムに再配置されてもよい。
【0024】
(
図3Aに開示されるような)片持ち梁構築物を伴う先行技術コンテナ荷役車両はそれぞれ、レールシステム上の少なくとも2つのグリッドセルを占有し、これは、先行技術コンテナ荷役車両のうちの2つが近隣するグリッドセル上で相互に通過すると、少なくとも4つのグリッドセルが占有されることをもたらす。
【0025】
したがって、本発明の目的は、相互に通過する2つのコンテナ荷役車両によって占有されるグリッドセルの数が、先行技術の解決策におけるもの未満である、コンテナ荷役車両および関連付けられる保管および回収システムを提供することである。
【0026】
具体的には、同一の方向に配向される片持ち梁構築物を伴う他のコンテナ荷役車両を通過するとき、レールシステム上のより少ないグリッドセルを占有する、片持ち梁構築物を伴うコンテナ荷役車両を提供することが、本発明の目的ある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0027】
【特許文献1】国際公開第2015/193278号公報
【特許文献2】国際公開第2014/090684号公報
【特許文献3】国際公開第2018/146304号公報
【特許文献4】国際公開第2014/075937号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0028】
(発明の要約)
本発明は、独立請求項に記載される一方、従属請求項は、本発明の代替策を説明する。
【0029】
本発明は、フレーム構造の上部を横断して第1の方向にコンテナ荷役車両の移動を誘導するように配列される、平行レールの第1のセットと、第1の方向に対して直角である、第2の方向にコンテナ荷役車両の移動を誘導するための、レールの第1のセットに対して直角に配列される、平行レールの第2のセットとを備える、2次元レールシステム上での動作のためのコンテナ荷役車両に関し、平行レールの第1および第2のセットは、レールシステムを複数のグリッドセルに分割し、コンテナ荷役車両は、
【0030】
-レールシステムに沿って第1および第2の方向にコンテナ荷役車両を誘導するための、車輪のセットを備える、車輪基部ユニットと、
【0031】
-本体ユニットであって、
車輪基部ユニット上に提供される、下側区分であって、下側区分は、グリッドセルのうちの1つの水平範囲に等しい、またはそれ未満である、水平範囲と、第1の高さにおける、上部表面とを伴う占有面積を有する、下側区分と、
【0032】
下側区分から垂直に延在する、支持区分であって、支持区分は、下側区分の占有面積より小さい水平範囲を伴う占有面積を有する、支持区分と、
【0033】
下側区分の占有面積を越えて支持区分から水平に延在する、片持ち梁区分と
を備える、本体ユニットと、
【0034】
-本体ユニットの片持ち梁区分から懸吊される、昇降フレームを備える、昇降デバイスであって、昇降フレームは、昇降フレームが片持ち梁区分に隣接する上側位置にドッキングされると、第2の高さにおける、最下部分を有する、昇降デバイスと
を備え、
昇降フレームの最下部分の第2の高さは、昇降フレームがその上側位置にドッキングされると、本体ユニットの下側区分の上部表面の第1の高さを上回る。
【0035】
昇降フレームの最下部分の第2の高さが、昇降フレームがその上側位置にドッキングされると、本体ユニットの下側区分の上部表面の第1の高さを上回るという事実が、提供される。したがって、第1のコンテナ荷役車両のドッキングされた昇降フレームの最下部分は、第1および第2のコンテナ車両が隣接グリッドセル上で相互に通過するとき、第2のコンテナ荷役車両の本体ユニットの下側区分の上部表面にわたって通過することができる。
【0036】
このように、同一の配向を有する、自動保管および回収システムの2つのコンテナ荷役車両が、一方のコンテナ荷役車両の片持ち梁区分が(クリアランスを伴って)別のコンテナ荷役車両の下側区分および車輪基部ユニットにわたって通過することが可能であるため、相互に通過するとき、より少ないグリッドセルを占有することが、可能である。言い換えると、一方のコンテナ荷役車両の片持ち梁区分は、通過している他のコンテナ荷役車両の下側区分および車輪基部ユニットと垂直に重複するであろう。
【0037】
支持区分の垂直の延長は、第1の高さと第2の高さとの間の差異を判定する。支持区分が、比較的に大きい延在部を有する場合、第1の高さと第2の高さとの間の差異も、比較的に大きい。同様に、支持区分が、比較的に小さい延在部を有する場合、第1の高さと第2の高さとの間の差異も、比較的に小さい。いずれの場合も、支持区分は、2つのコンテナ荷役車両が、昇降フレームの最下部分と下側区分の上部表面との間にクリアランスを伴って相互に通過し得るような延在部であるべきである。そのようなクリアランスは、コンテナ荷役車両の加速および減速から結果として生じる、その上側位置にドッキングされた状態になると、昇降フレームの予期される垂直移動と少なくとも同じであってもよい。一実施例では、2つのコンテナ荷役車両間のクリアランスは、数ミリメートル~数センチメートルまでの範囲に及び得る。
【0038】
上部表面の(XおよびY方向における)水平範囲は、支持区分を越えて水平に延在する、片持ち梁区分の一部の水平範囲に等しい、または実質的に等しくてもよい。
【0039】
車輪基部ユニットおよび本体ユニットは、他のもののうちの1つに取り付けられ得る、モジュールであってもよい。本体ユニットは、車輪基部ユニットの上側表面上に搭載される、またはある他の方法においてそれに取り付けられてもよい。代替として、車輪基部ユニットおよび本体ユニットは、一体部品に形成されることができる、すなわち、それらは、1つの共通ユニットを形成してもよい。
【0040】
車輪基部ユニットは、レールシステム上での第1の方向における移動のための、車輪の第1のセットと、第1の方向に対して直角の第2の方向における移動のための、車輪の第2のセットとを有する、車輪配列を特徴とし得る。車輪の各セットは、車輪基部ユニットの両側に配列される、車輪の2つの対を備える。車輪基部ユニットがレールシステム上で進行し得る方向を変更するために、車輪のセットのうちの一方が、車輪変位アセンブリに接続される。車輪変位アセンブリは、所望の方向に走行する車輪のセットのみがレールシステムと接触するように、接続される車輪のセットを他の車輪のセットに対して上昇および降下させることが可能である。車輪変位アセンブリは、電動モータによって駆動される。さらに、再充電可能バッテリによって動力供給される、2つの電動モータが、車輪のセットに接続され、車輪基部ユニットを所望の方向に移動させてもよい。
【0041】
第1の高さは、下側区分が車輪基部ユニット上に搭載されたときの、レールシステムの上部から下側区分の上部表面の上部までの距離として定義され得る。
【0042】
第2の高さは、レールシステムの上部から昇降フレームの最下部分までの距離として定義され得る。
【0043】
支持区分は、保管コンテナを上回る高さにわたって延在してもよく、第2の高さと第1の高さとの間の差異は、少なくとも、わずかなクリアランスに加えて、保管コンテナの高さに対応してもよい。本構築物の1つの利点は、ロボット、すなわち、コンテナ荷役車両が、いずれも保管コンテナを有保していない、または一方もしくは両方が保管コンテナを有保しているかどうかとは無関係に、重複部を伴って相互に通過し得ることである。
【0044】
昇降デバイスは、昇降デバイスモータと、少なくとも2つの昇降シャフトとを備えてもよい。少なくとも2つの昇降シャフトが、片持ち梁区分内に配列されてもよく、昇降デバイスモータが、下側区分内に配列されることができる。昇降デバイスモータおよび少なくとも2つの昇降シャフトは、可撓性の力伝達要素を介して相互に接続されてもよい。力伝達要素は、昇降デバイスモータと昇降シャフトとの間で回転移動を伝達することが可能な、ベルト、チェーン、バンド、または別の比較的に可撓性の構成要素であることができる。
【0045】
昇降デバイスはさらに、保管コンテナ、または昇降デバイスモータを駆動するための、車輪の変位のために使用される、独立した再充電可能バッテリもしくは同一のバッテリ等の電源を解放可能に把持するように構成されている、把持デバイスを備えてもよい。コンテナ荷役車両の安定性を向上させるために、バッテリは、下側区分または車輪基部ユニット(もしくは、例えば、下側区分と車輪基部ユニットとの間にある重複が存在する場合、両方)の中に配列されてもよい。
【0046】
昇降デバイスは、昇降デバイスを持上および降下させるための、昇降デバイスモータと、少なくとも2つの昇降シャフトとを備えてもよく、昇降デバイスモータおよび少なくとも2つの昇降シャフトは、片持ち梁区分内に配列されてもよい。昇降デバイスモータは、ブラシレスDCモータを備えることができる。第WO2019/137870 A1号(出願人:Autostore Technology AS)(その内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)において説明されるような、永久磁石同期モータ(永久磁石を使用する)およびスイッチトリラクタンスモータ(いかなる永久磁石も使用しない)を含む、種々のタイプのブラシレスDCモータが、公知である。しかしながら、昇降デバイスモータは、同様に、他の形態の電動モータも含み得る。
【0047】
本体ユニットは、下側区分、支持区分、および片持ち梁区分をともに連結する、S字形状筐体(例えば、本体ユニットの側面から視認されるときにS字形状)を備えてもよい。
【0048】
ある側面では、本体ユニットの下側区分の占有面積は、車輪基部ユニットの占有面積に対して、実質的に車輪の幅だけ、またはそれに等しく変位されてもよい。幅寸法は、車輪の軸方向にある。下側区分は、車輪基部ユニットが、その車輪を第1の軌道(またはグリッド開口部に最も近接している軌道)にわたって位置付けさせているとき、例えば、コンテナ荷役車両がフレーム構造の保管カラムの中もしくは外に昇降フレームを降下/持上させるために位置付けられているとき、片持ち梁区分の下のレールシステムの第2の軌道の外縁から、かつ下側区分の反対側におけるレールシステムの第1の軌道の内縁から垂直に延在するように、位置付けられてもよい。占有面積はその区分の平面図を見たときの外寸として定義される。
【0049】
昇降フレームは、昇降バンド上に懸吊されてもよく、昇降フレームは、水平に延在し、把持デバイスと、角ガイドとを備えてもよい。角ガイドの最下点は、これが、下側区分の上側表面の第1の高さにわたって、またはそれを上回って通過するための最小の第2の高さの観点から考慮される必要があるものが、本点であるように、昇降フレームの最下部分を提供してもよい。
【0050】
フレーム構造の上部を横断して第1の方向にコンテナ荷役車両の移動を誘導するように配列される、平行レールの第1のセットと、第1の方向に対して直角である、第2の方向にコンテナ荷役車両の移動を誘導するための、レールの第1のセットに対して直角に配列される、平行レールの第2のセットとを備える、2次元レールシステムを備える自動保管および回収システムが、さらに説明され、平行レールの第1および第2のセットは、レールシステムを複数のグリッドセルに分割し、自動保管および回収システムは、上記に定義されるような複数のコンテナ荷役車両を備える。
【0051】
2つのコンテナ荷役車両が同一の配向を有する、自動保管および回収システムの2つのコンテナ荷役車両は、相互に通過するとき、合計で3つのグリッドセルを占有し得る。
【0052】
自動保管および回収システムの2つのコンテナ荷役車両、すなわち、第1のコンテナ荷役車両および第2のコンテナ荷役車両は、第1のコンテナ荷役車両のドッキングされた昇降フレームの最下部分が、第1および第2のコンテナ車両が隣接グリッドセル上で相互に通過するとき、第2のコンテナ荷役車両の本体ユニットの下側区分の上部表面にわたって通過し得るように構成されてもよい。これは、例えば、支持区分を越えて水平に延在する片持ち梁区分の一部の(XおよびY方向における)水平範囲に等しいまたは実質的に等しい上部表面の(XおよびY方向における)水平範囲を構成することによって、可能に成され得る。
【0053】
レールの第1のセットおよび/またはレールの第2のセットは、単一軌道、もしくは2つの単一軌道を備える二重軌道のいずれかを備えてもよく、グリッドセルは、単一グリッド開口部を封入し、それに最も近接する、第1および第2の方向における、レールの第1および第2のセットの単一軌道によって占有される面積とともに、レールの第1のセットおよびレールの第2のセットによって分界される、グリッド開口部によって占有される、水平面積として定義され得る。
【0054】
車輪基部ユニットは、下層のグリッドセルとして、グリッドセルの第1および第2の方向における水平範囲に等しい占有面積を有してもよい。言い換えると、車輪基部ユニットは、単一のグリッドセルの占有面積を有してもよい。
【0055】
コンテナ荷役車両のうちの少なくとも1つは、別のコンテナ荷役車両を通過するとき、保管コンテナを有保してもよい。ある側面では、両方のコンテナ荷役車両が、相互に通過するとき、(規則的なサイズの)保管コンテナを有保することができる。2つのコンテナ荷役車両間のクリアランスは、数ミリメートル~数センチメートルまでの範囲に及び得る。
【0056】
保管コンテナの最下点は、有保されるとき、下側区分の第1の高さより高くてもよい。
【0057】
一方向における支持区分の幅が、レールおよび/または2つの軌道の幅に対応してもよい。
【0058】
自動保管および回収システムはさらに、第2の片持ち梁区分の反対に配列される第1の片持ち梁区分を備える、少なくとも1つの二重コンテナ荷役車両を備えてもよい。少なくとも第1のコンテナ荷役車両は、第1の配向を有してもよく、少なくとも第2のコンテナ荷役車両は、第1の配向の反対の第2の配向を有してもよく、二重コンテナ荷役車両および第1および第2のコンテナ荷役車両は、相互に同時に通過するとき、合計で5つのグリッドセルを占有してもよい。
【0059】
相対用語「上側」、「下側」、「下方」、「上方」、「より高い」等は、それらの通常の意味において、かつデカルト座標系において見られるように理解されるものとする。
【0060】
以下において、多数の具体的な詳細が、請求されるシステムおよび車両の実施形態の徹底的な理解を提供するために、実施例としてのみ紹介される。しかしながら、当業者は、これらの実施形態が、具体的な詳細のうちの1つ以上を伴うことなく、もしくは他の構成要素、システム等を用いて実施され得ることを認識するであろう。他の事例では、周知の構造または動作が、開示される実施形態の側面を曖昧にすることを回避するために、示されていないか、もしくは詳細に説明されていない。
【図面の簡単な説明】
【0061】
以下の図面は、本発明の理解を促進するために添付される。
【0062】
【
図1A】
図1Aは、先行技術自動保管および回収システムの骨格構造の斜視図である。
【0063】
【
図1B】
図1B-Dは、コンテナ荷役車両レールシステムの上面図であり、
図1Bは、単一軌道レールシステムを示す。
【
図1C】
図1B-Dは、コンテナ荷役車両レールシステムの上面図であり、
図1Cは、二重軌道レールシステムを示す。
【
図1D】
図1B-Dは、コンテナ荷役車両レールシステムの上面図であり、
図1Dは、示されるコンテナ荷役車両グリッドセルの幅および長さを伴う、二重レールシステムを示す。
【0064】
【
図2】
図2は、保管コンテナをその中に有保するための中心に配列された空洞を有する、先行技術コンテナ荷役車両の斜視図である。
【0065】
【
図3A】
図3Aは、保管コンテナを真下に有保するための片持ち梁を有する、先行技術コンテナ荷役車両の斜視図である。
【0066】
【
図3B】
図3Bおよび3Cは、コンテナ荷役車両のための例示的車輪基部ユニットを示す。
【
図3C】
図3Bおよび3Cは、コンテナ荷役車両のための例示的車輪基部ユニットを示す。
【0067】
【
図4A】
図4Aは、車輪基部ユニットと、本体ユニットとを備える、本発明による、コンテナ荷役車両の簡略側面図であり、本体ユニットは、下側区分と、支持区分と、片持ち梁区分とを備える。
【0068】
【
図4B】
図4Bは、本発明による、コンテナ荷役車両の斜視図であり、保護カバーが、コンテナ荷役車両の本体ユニットの下側区分、支持区分、および片持ち梁区分内の構成要素の設定をより明瞭に図示するために除去されている。
【0069】
【0070】
【
図4D】
図4D-4Iは、昇降シャフトの反対回転を提供する、異なる設定の例示的側面図である。
【
図4E】
図4D-4Iは、昇降シャフトの反対回転を提供する、異なる設定の例示的側面図である。
【
図4F】
図4D-4Iは、昇降シャフトの反対回転を提供する、異なる設定の例示的側面図である。
【
図4G】
図4D-4Iは、昇降シャフトの反対回転を提供する、異なる設定の例示的側面図である。
【
図4H】
図4D-4Iは、昇降シャフトの反対回転を提供する、異なる設定の例示的側面図である。
【
図4I】
図4D-4Iは、昇降シャフトの反対回転を提供する、異なる設定の例示的側面図である。
【0071】
【
図5】
図5は、本体ユニットの片持ち梁区分のある実施例であり、片持ち梁区分の一部を形成し得る部分を示す。
【0072】
【
図6A】
図6A-6Cは、相互に通過する2つのコンテナ荷役車両の第1の実施形態の異なる図を示し、コンテナ荷役車両のうちの一方のみが、通過の間に保管コンテナを有保することができる。
【
図6B】
図6A-6Cは、相互に通過する2つのコンテナ荷役車両の第1の実施形態の異なる図を示し、コンテナ荷役車両のうちの一方のみが、通過の間に保管コンテナを有保することができる。
【
図6C】
図6A-6Cは、相互に通過する2つのコンテナ荷役車両の第1の実施形態の異なる図を示し、コンテナ荷役車両のうちの一方のみが、通過の間に保管コンテナを有保することができる。
【0073】
【
図7A】
図7A-7Cは、相互に通過する2つのコンテナ荷役車両の第2の実施形態の異なる図を示し、コンテナ荷役車両は両方とも、通過の間に保管コンテナを有保することができる。
【
図7B】
図7A-7Cは、相互に通過する2つのコンテナ荷役車両の第2の実施形態の異なる図を示し、コンテナ荷役車両は両方とも、通過の間に保管コンテナを有保することができる。
【
図7C】
図7A-7Cは、相互に通過する2つのコンテナ荷役車両の第2の実施形態の異なる図を示し、コンテナ荷役車両は両方とも、通過の間に保管コンテナを有保することができる。
【0074】
【
図7D】
図7Dは、保管コンテナを有保していないときの、
図7A-7Cの第2の実施形態による、コンテナ荷役車両を示す。
【0075】
【
図8】
図8は、3つのコンテナ荷役車両が、相互に通過するときに5つのみのセルを占有するように、両端に2つの片持ち梁区分、ならびに相互に対して反対の配向を伴う2つのコンテナ荷役車両を有する、二重コンテナ荷役車両を伴う、ある実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0076】
図面では、明示的に別様に記載される、または文脈から暗黙的に別様に理解されない限り、同様の参照番号が、同様の部分、要素、もしくは特徴を示すために使用されている。
【0077】
(本発明の詳細な説明)
以下において、本発明の実施形態が、添付の図面を参照して、実施例としてのみ、さらに詳細に議論されるであろう。しかしながら、図面が、本発明を図面に描写される主題に限定することを意図していないことを理解されたい。
【0078】
自動保管および回収システム1の骨格構造100は、
図1A-1Dに関連して上記に説明される先行技術骨格構造100、すなわち、いくつかの直立部材102、および直立部材102によって支持される、いくつかの水平部材103に従って構築され、さらに、骨格構造100は、X方向およびY方向における、第1の上側レールシステム108を備える。
【0079】
骨格構造100はさらに、部材102、103の間に提供される、保管カラム105の形態にある、保管コンパートメントを備え、保管コンテナ106は、保管カラム105内のスタック107内にスタック可能である。
【0080】
骨格構造100は、任意のサイズであることができる。特に、骨格構造が、
図1Aに開示されるものより大幅に広い、および/または長い、ならびに/もしくは深くあり得ることを理解されたい。例えば、骨格構造100は、700×700個超のカラムの水平範囲と、12個超のコンテナの保管深度とを有してもよい。
【0081】
レールシステム108は、
図1Bに示されるように、単一レール(単一軌道とも示される)システムであってもよい。代替として、レールシステム108は、
図1Cに示されるように、二重レール(二重軌道とも示される)システムであり、したがって、概して、アクセス開口部/グリッドカラム112によって画定される側方面積に対応する占有面積を有するコンテナ荷役車両201が、別のコンテナ荷役車両201がその行に近隣するグリッドカラムの上方に位置付けられている場合でも、グリッドカラムの行に沿って進行することを可能にし得る。単一軌道システムおよび二重軌道システムの両方、または単一レールシステム108内に単一軌道配列と、二重軌道配列とを備える組み合わせは、水平面P内に、複数の長方形かつ均一なグリッド場所もしくはグリッドセル122を備える、グリッドパターンを形成し、各グリッドセル122は、レールの第1のセット110の軌道110a、110bの対およびレールの第2のセット111の軌道111a、111bの対によって分界されている、グリッド開口部115を備える。
図1Cでは、グリッドセル122は、破線が付けられたボックスによって示される。例えば、アルミニウムから成っているレールベースのシステムの区分は、レールであり、レールの上側表面上に、車両の車輪が走行する、軌道の対が存在する。しかしながら、区分は、それぞれが軌道を伴う、別個のレールであり得る。
【0082】
その結果、軌道110aおよび110bは、X方向に走行するグリッドセルの平行な行を画定するレールの対を形成し、軌道111aおよび111bは、Y方向に走行するグリッドセルの平行な行を画定するレールの対を形成する。
【0083】
図1Dに示されるように、各グリッドセル122は、典型的には、30~150cmの間隔内にある、幅W
cと、典型的には、50~200cmの間隔内にある、長さL
cとを有する。各グリッド開口部115は、典型的には、グリッドセル122の幅W
cおよび長さL
cより2~10cm下回る、幅W
oと、長さL
oとを有する。
【0084】
X方向およびY方向において、近隣するグリッドセルが、それらの間にいかなる空間も存在しないように、相互と接触して配列される。
【0085】
図3Aは、真下に保管コンテナを有保するための片持ち梁を有する、先行技術コンテナ荷役車両301の斜視図である。
【0086】
本発明による、コンテナ荷役車両401のための例示的車輪基部ユニットが、
図3Bおよび3Cに示される。車輪基部ユニット2は、レールシステム108の上の第1の方向における移動のための車輪の第1のセット32aと、第1の方向に対して直角の第2の方向における移動のための車輪の第2のセット32bとを有する、車輪配列32a、32bを特徴とする。車輪の各セットは、車輪基部ユニット2の対向側に配列される、車輪の2つの対を備える。車輪基部ユニットがレールシステム上で進行し得る方向を変化させるために、車輪のセット32bのうちの一方が、車輪変位アセンブリ7に接続される。車輪変位アセンブリは、所望の方向において進行する車輪のセットのみがレールシステムと接触するように、車輪の接続されたセット32bを車輪の他方のセット32aに対して上昇させ、降下させることが可能である。車輪変位アセンブリ7は、電動モータ8によって駆動される。さらに、再充電可能バッテリ6によって給電される2つの電動モータ4、4’が、車輪のセット32a、32bに接続され、車輪基部ユニットを所望の方向に移動させる。
【0087】
さらに
図3Bおよび3Cを参照すると、車輪基部ユニット2の水平周囲が、2つの車輪基部ユニット2が、レールシステム108の任意の隣接するグリッドセル上で相互に通過し得るように、グリッドセルによって画定される水平面積内に嵌合するように定寸される。言い換えると、車輪基部ユニット2は、例えば、第WO2015/193278A1号(その内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるように、概して、グリッドセルの水平面積、すなわち、XおよびY方向におけるグリッドセルの範囲に等しい、占有面積、すなわち、XおよびY方向における範囲を有してもよい。
【0088】
図4Aは、車輪基部ユニット2と、本体ユニット410とを備える、本発明のある実施形態による、コンテナ荷役車両401の簡略側面図であり、本体ユニット410は、下側区分411と、支持区分412と、片持ち梁区分413とを備える。
【0089】
図3Bおよび4Aを参照すると、車輪基部ユニット2は、コンテナ荷役車両401の本体ユニット410への接続のための接続インターフェースとして構成される、上部パネル/フランジ9(すなわち、上側表面)を有する。上部パネル9は、中心開口部20を有し、本体ユニット401の下側区分411内の対応する貫通孔を介したボルト接続のために好適な、複数の貫通孔10(すなわち、接続要素)を特徴とする。他の実施形態では、上部パネル9の接続要素は、例えば、下側区分411の貫通孔との相互作用のための、ねじ山付きピンであってもよい。中心開口部20の存在は、これが再充電可能バッテリ6および電子制御システム21等の、車輪基部ユニット2の内部構成要素へのアクセスを提供するため、有利である。
【0090】
さらに
図4Aを参照すると、本体ユニット410が、下側区分411、支持区分412、および片持ち梁区分413をともに連結する、S字形状筐体を備えるものとして開示される。
図4Aのコンテナ荷役車両401は、
図1A-1Dに関連して説明されるように、レールシステム108上で動作可能であり、車輪基部ユニット2と、本体ユニット410とを備える。車輪基部ユニット2は、コンテナ荷役車両401を、レールシステム108に沿って、第1および第2の方向X、Yに誘導するための、車輪32a、32bのセットを備える。本体ユニット410は、下側区分411と、支持区分412と、片持ち梁区分413を備える。下側区分411は、車輪基部ユニット2の上側表面上に搭載される。下側区分411は、グリッドセル122のうちの1つの水平範囲に等しい、またはそれ未満である水平範囲を伴う、占有面積を有してもよく、上部表面は、第1の高さh1にある。すなわち、第1の高さh1は、下側区分が、車輪基部ユニット2上に搭載されたときの、レールシステム108の上部から、下側区分411の上部表面の上部までの距離である。支持区分412は、下側区分411から垂直に延在し、下側区分411の占有面積より小さい水平範囲を伴う、占有面積を有する。支持区分412の幅(すなわち、X方向における拡張)は、(X方向における)下側区分411の幅に等しくてもよい。支持区分412のY方向における拡張は、411における下側区分のY方向における拡張より小さい。さらに、
図4Cを参照すると、上方から平面図内を見ると、支持区分412の占有面積は、下側区分411の占有面積の範囲内である。言い換えると、
図4A-4Cに開示されるように、支持区分412は、下側区分411を越えて延在しない。片持ち梁区分413は、支持区分412から、下側区分411の占有面積を越えて水平に延在し、片持ち梁区分413から懸吊される、昇降デバイス414を備える。昇降デバイス414は、昇降フレーム415が片持ち梁区分413に隣接する上側位置内にドッキングされると、第2の高さh2における最下部分を有する、昇降フレーム415を備える(
図4Aおよび4Bは、昇降フレーム415のドッキングされた位置を示す)。すなわち、第2の高さh2は、レールシステム108の上部から昇降フレーム415の最下部分までの距離である。昇降フレーム415は、昇降バンド419を介して片持ち梁区分413から懸吊される。昇降フレーム415は、昇降フレームを保管コンテナ106の相補的な昇降孔に接続し、それによって、保管コンテナ106の上昇および降下を可能にするための、その下側表面から延在する、把持デバイス420を備えてもよい。加えて、昇降フレーム415は、昇降フレーム415の下側表面の角内に配列され、保管コンテナ106上の相補的な昇降孔に対して昇降フレーム415の把持デバイス420を整合させる、ガイド421を備えてもよい。多くの状況では、ガイド421または把持デバイス420は、第2の高さh2がこれらの構成要素のうちのいずれかの最下部分であるように、昇降フレーム415の最下部分を成してもよい。しかしながら、本発明によると、昇降フレーム415の最下部分の第2の高さh2は、昇降フレーム415がその上側位置内にドッキングされると、常時、本体ユニット410の下側区分411の上部表面の第1の高さh1を上回る。
【0091】
第1のコンテナ荷役車両401のドッキングされた昇降フレーム415の最下部分が、第1および第2のコンテナ車両401が隣接グリッドセル122上で相互に通過すると、第2のコンテナ荷役車両401の本体ユニット410の下側区分411の上部表面にわたって通過し得ることを確実にすることによって、第1および第2のコンテナ荷役車両401は、相互に通過しながら、集合的に、先行技術の解決策において要求されるものより少ないグリッドセルを占有することができる。
【0092】
図4Bは、本発明の実施形態による、コンテナ荷役車両401の斜視図であり、保護カバーが、コンテナ荷役車両401の本体ユニット410を成す、下側区分411、支持区分412、および片持ち梁区分413内の構成要素の設定をより明瞭に図示するために除去されている。
図4Bの実施形態では、昇降デバイス414は、昇降デバイスモータ416’と、少なくとも2つの昇降シャフト417’、417’’とを備えるものとして開示される。2つの昇降シャフト417’、417’’が、片持ち梁区分413内に並列に配列される。昇降フレーム415に接続される昇降バンド419が、昇降シャフト417’、417’’上に巻き取とられ、それから巻き出され、それによって、昇降フレーム416、および昇降フレーム415によって搬送される任意の保管コンテナ106を上下に移動させる。昇降シャフト車輪423’、423’’が、昇降シャフト417の各端部上に配列され、それぞれ、昇降シャフト417とともに動作する。
図4Bに示されるように、昇降デバイスモータ416’が、下側区分411内に配列される。昇降デバイスモータ416’および2つの昇降シャフト417は、昇降シャフト車輪423’、423’’、および滑車422を介して走行する無端の可撓性力伝達要素418を介して、相互に接続され、第1および第2の昇降シャフト417が同一の方向に同時に回転することを確実にする。昇降デバイスモータ416’に電力を供給するための任意の必要な電源(図示せず)が、重い保管コンテナ106を上昇させる場合および/またはコンテナ荷役車両401の高すぎる加速度/減速度の結果としてのコンテナ荷役車両の傾転の低減されたリスクを伴って、好ましい重心を取得するために、下側区分413内に配列されてもよい。
【0093】
昇降フレーム415は、昇降フレーム415の下側表面の角内に配列され、保管コンテナ106上の相補的な昇降孔に対して昇降フレーム41の把持デバイス420を整合させる、ガイド421とともに示される。
【0094】
昇降デバイスモータ416’’に電力を供給するための任意の必要な電源(図示せず)が、重い保管コンテナ106を上昇させる場合および/またはコンテナ荷役車両401の高すぎる加速度/減速度の結果としてのコンテナ荷役車両の傾転の低減されたリスクを伴って、好ましい重心を取得するために、下側区分413内に配列されてもよい。
【0095】
図4Cは、下側区分411、支持区分412、および片持ち梁区分413を示す、
図4Bの上面図である。
【0096】
図4D-4Iは、昇降シャフト417’、417’’の反対回転を提供する、異なる設定の実施例である。
図4D-4Iの実施例の全てにおいて開示されるように、力伝達設定の全てに共通であるものは、回転可能な昇降デバイスモータ416’、そのそれぞれが、回転のために個別の昇降シャフト417’、417’’に対して接続される、第1および第2の昇降シャフト車輪423’、423’’、少なくとも1つの滑車422’、422’’、閉ループを形成する無端ベルトの形態にある、力伝達要素418の存在、および滑車422’、422’’のうちの少なくとも一方が閉ループの内側に配列されていることである。加えて、第1または第2の昇降シャフト車輪423’、423’’は、無端ベルト418の内側表面と接触し、第1または第2の昇降シャフト車輪423’、423’’の他方は、無端ベルト418の外側表面と接触する。これは、第1または第2の昇降シャフト車輪423’、423’’のうちの一方を力伝達要素418によって形成される閉ループの内側に、および第1または第2の昇降シャフト車輪423’、423’’のうちの他方を力伝達要素418によって形成される閉ループの外側に配列することによって、達成される。(例えば、無端ベルトの両側に作用する)第1および第2の昇降シャフト車輪423’、423’’、ガイド滑車422’、422’’、および力伝達要素418の相互設定は、(それぞれ、第1および第2の昇降シャフト車輪423’、423’’を介して)第1および第2の昇降シャフト417’、417’’が、反対方向に回転する(反転する)ようなものである。第1および第2の昇降シャフト車輪423’、423’’は、好ましくは、昇降の間の水平安定性を確実にするために、同一の水平面内に配列される。滑車422’、422’’は、力伝達要素418の進行方向に「変化」を提供するように、固定位置における力伝達要素418の進行に沿って配列される。滑車422’、422’’はそれぞれ、力伝達要素418を正確に第1および第2の昇降シャフト車輪423’、423’’上に導き、それによって、第1および第2の昇降シャフト車輪423’、423’’(したがって、昇降シャフト417’、417’’)が反対方向に回転することを可能にするように配列される。
【0097】
図4Dの実施例では、1つの滑車422’が、示される。
【0098】
図4E-4Iの実施例では、2つの滑車422’、422’’を備える力伝達設定のいくつかの実施例が、示される。力伝達要素418の進行の両方向において、第1の昇降シャフト車輪423’がその後に滑車422’、422’’が続き、第2の昇降シャフト車輪423’’がその後に滑車422’、422’’が続くように、滑車422’、422’’は、力伝達要素418の経路に沿って交互に配列される。
【0099】
図4G、4H、4Iの実施例では、力伝達要素418の架張のための緊締車輪424を含む、実施例が、開示される。緊締車輪424は、例えば、固定されたブラケット内の開口部内で調節され得る軸を伴う、回転可能な滑車を備える、偏心性の架張機構であってもよい。力伝達要素418の経路に沿った緊締車輪424の場所は、好ましくは、力伝達要素418の経路長が影響を及ぼされ得る(すなわち、力伝達要素の経路が、力伝達要素内の張力をさらに架張する、または低減させるために短縮もしくは延長され得る)場所にある。緊締車輪424は、力伝達要素418によって形成される閉ループの内側(
図4Gおよび4I)または外側(
図4H)に配列されることができる。
【0100】
図4D-4Fの実施例では、緊締車輪等の専用の架張機構が、示されていないが、しかしながら、架張機構が要求される場合、滑車422’または422’’のうちの一方が、架張機構であってもよく、緊締車輪424によって置換されることができる。
【0101】
図5は、昇降シャフト417と、昇降シャフト417’、417’’上に巻き取り可能、かつそれから巻き出し可能な昇降バンドとに加えて、昇降デバイスモータ416’’もまた、本体ユニット410の片持ち梁区分413内に配列される、昇降デバイス414の別の設定のある実施例である。
図5の昇降デバイスモータ416’’は、昇降シャフト417’、417’’のうちの一方を取り囲む、ブレラシレスDCモータである。昇降シャフト417’、417’’の同期的動作は、第WO2019/137870 A1号(出願人:Autostore Technology AS)(その内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)の
図5A-5Eおよび6A-6Hに開示されるような、力伝達要素等の同期化要素によって取得されることができる。
【0102】
図6A-6Cは、相互に通過する2つのコンテナ荷役車両401の第1の実施形態の異なる図を示し、コンテナ荷役車両401のうちの一方は、同一の配向にある別のコンテナ荷役車両401を通過するとき、保管コンテナ106を有保することが可能である。したがって、2つのコンテナ荷役車両401が、一方の片持ち梁区分413が、(クリアランスを伴って)他方の下側区分411および車輪基部ユニット2にわたって通過することが可能であるため、相互に通過するとき、先行技術片持ち梁コンテナ荷役車両を用いた場合より少ないグリッドセル122を占有することができる。通過の間、一方のコンテナ荷役車両の片持ち梁区分413は、他方のコンテナ荷役車両401の下側区分411および車輪基部ユニット2と垂直に重複するであろう。
【0103】
図6A-6Cに見られるように、下側区分411の上側表面の第1の高さH1および昇降フレーム415の最下部分の第2の高さH2の差異は、保管コンテナ106の高さ未満であり、これは、「正面」コンテナ荷役車両(すなわち、図の左のコンテナ荷役車両)のみが、通過の間に保管コンテナを有保し得ることをもたらす。しかしながら、本配列を用いると、通過の間、コンテナ荷役車両は、先行技術片持ち梁車両と比較してより少ないグリッドセル122、すなわち、4つではなく、3つのグリッドセル122を占有する。クリアランスcが、
図6Cの左のコンテナ荷役車両401の下側区分411と
図6Cの右のコンテナ荷役車両401の昇降フレーム415の最下部分との間に示される。
【0104】
コンテナ荷役車両401は、その上でコンテナ荷役車両401が動作するレールシステム108を備える、自動保管および回収システム1の一部を形成する。
【0105】
図6Cに見られるように、本体ユニット410の下側区分413の占有面積は、車輪基部ユニット2の占有面積に対して、実質的に車輪32a、32bの幅だけ、またはそれに等しく変位されてもよい。下側区分411は、車輪基部ユニット2が、その車輪32aを第1の軌道(またはグリッド開口部に最も近接している軌道)にわたって位置付けさせているとき、片持ち梁区分413の下の第2の軌道の外縁から、かつ反対側における第1の軌道の内縁から垂直に延在するように、位置付けられる。
図6A-6Cに示されるように、同一の配向を有する、2つのコンテナ荷役車両401が、相互に通過するとき、それらは、合計で3つのグリッドセル122を占有する。
【0106】
図7A-7Cは、相互に通過する2つのコンテナ荷役車両401の第2の実施形態の異なる図を示し、コンテナ荷役車両401は両方とも、通過の間に保管コンテナを有保することができる。コンテナ荷役車両401は、その上でコンテナ荷役車両401が動作するレールシステム108を備える、自動保管および回収システム1の一部を形成する。
【0107】
図7Dは、保管コンテナを有保していないときの、
図7A-7Cの第2の実施形態による、コンテナ荷役車両を示す。
図7A-7Dに示されるように、第2の高さH2と第1の高さH1との間の差異は、少なくとも、わずかなクリアランスcを含む、保管コンテナ106の高さに対応している(
図7C参照)。
【0108】
図8は、第2の片持ち梁区分513’の反対に配列される第1の片持ち梁区分513’’を備える、二重コンテナ荷役車両501を伴う、ある実施形態を示す。
図8のコンテナ荷役車両401は、第2の実施形態による(すなわち、コンテナ荷役車両401が両方とも、通過の間に保管コンテナを有保し得る、
図7A-7Cに開示されるような)コンテナ荷役車両である。二重コンテナ荷役車両501は、
図4A-4C、5、6A-6C、および7A-7Cに関連して上記に説明されるように、2つの昇降デバイスを備える。
図8に示されるように、第1のコンテナ荷役車両401は、第1の配向を有し、第2のコンテナ荷役車両401は、第1のコンテナ荷役車両401の配向の反対の第2の配向を有する。先行技術構成では、二重コンテナ荷役車両501および第1および第2のコンテナ荷役車両401は、相互に通過するとき、7つのセルを占有するであろうが、しかしながら、本明細書に定義されるようなコンテナ荷役車両401、501は、それらが、相互に通過するとき、5つのみのセルを占有することを可能にする。
図8の二重コンテナ荷役車両501は、2つの保管コンテナ106を有保し、コンテナ荷役車両401はそれぞれ、通過するとき、1つの保管コンテナ106を有保する。
【0109】
前述の説明では、本発明による、自動保管および回収システムの種々の側面が、例証的実施形態を参照して説明されている。しかしながら、本説明は、限定的意味で解釈されることを意図していない。当業者に明白である、例証的実施形態の種々の修正および変形例、ならびに本システムの他の実施形態が、以下の請求項によって定義されるような、本発明の範囲内に存在すると見なされる。
【0110】
【国際調査報告】