(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-06
(54)【発明の名称】発射装置及び発射装置における発射体の組立方法
(51)【国際特許分類】
F41F 1/00 20060101AFI20230530BHJP
F41A 9/01 20060101ALI20230530BHJP
F42B 3/103 20060101ALI20230530BHJP
【FI】
F41F1/00
F41A9/01
F42B3/103
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022562689
(86)(22)【出願日】2021-03-30
(85)【翻訳文提出日】2022-12-13
(86)【国際出願番号】 SE2021050283
(87)【国際公開番号】W WO2021211032
(87)【国際公開日】2021-10-21
(32)【優先日】2020-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518357852
【氏名又は名称】ベーアーエー・システムズ・ボフォース・アクチエボラグ
【氏名又は名称原語表記】BAE SYSTEMS BOFORS AB
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】クリステンセン,ヤン
(57)【要約】
本発明は、推進剤チャージ(10)で発射される発射体(100)のモジュール式発射装置(1)に関し、発射体(100)は、起爆装置(20)が発射装置(1)に配置された発射体本体(50)に配置され、発射装置(1)に少なくとも1つの推進剤チャージ(10)と共に組み立てられるように、配置される。さらに、本発明は、モジュールを使用することにより発射装置に発射体を組み立てるための方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
推進剤チャージ(10)を有する発射体(100)を発射するためのモジュール式発射装置(1)であって、前記発射体(100)は、発射装置(1)内の発射体本体(50)に起爆装置(20)が配置されて、組み立てられるように、すなわち、前記発射体(100)は、前記発射装置(1)内の少なくとも1つの推進剤チャージ(10)と共に銃身内に配置されることを特徴とする、モジュール式発射装置(1)。
【請求項2】
前記起爆装置(20)は、前記発射装置(1)に配置された少なくとも1つの起爆装置マガジン(30)に配置され、前記発射体本体(50)は、前記発射装置(1)に配置された少なくとも1つの発射体本体マガジン(60)に配置され、前記起爆装置(20)は、前記発射装置(1)の前記発射体本体(50)に自動的に配置されることを特徴とする請求項1に記載のモジュール式発射装置(1)。
【請求項3】
前記推進剤チャージ(10)は、前記発射装置(1)に配置された少なくとも1つの推進剤チャージマガジン(12)に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のモジュール式発射装置(1)。
【請求項4】
前記起爆装置(20)は、始動ユニット(22)、安全ユニット(24)、および爆発ユニット(26)を含み、
前記始動ユニット(22)は、組み立てられた安全ユニット(24)および爆発ユニット(26)に配置され、
前記爆発ユニット(26)は、組み立てられた始動ユニット(22)および安全ユニット(24)に配置され、
前記始動ユニット(22)は、安全ユニット(24)および爆発ユニット(26)と同時に配置されることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のモジュール式発射装置(1)。
【請求項5】
前記始動ユニット(22)は、前記発射装置(1)に配置された少なくとも1つの始動ユニットマガジン(23)に配置され、および/または前記安全ユニット(24)は、前記発射装置(1)に配置された少なくとも1つの安全ユニットマガジン(25)に配置され、および/または前記爆発ユニット(26)は、前記発射装置(1)に配置された少なくとも1つの爆発ユニットマガジン(27)に配置されていることを特徴とする請求項4に記載のモジュール式発射装置(1)。
【請求項6】
前記発射体本体(50)は、包囲ユニット(52)とペイロードユニット(54)とを含み、前記ペイロードユニット(54)は、前記発射装置(1)に配置された少なくとも1つのペイロードユニットマガジン(55)に配置され、前記ペイロードユニット(54)は、前記発射装置(1)に配置された少なくとも1つの包囲ユニットマガジン(53)に配置された前記包囲ユニット(52)に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のモジュール式発射装置(1)。
【請求項7】
前記包囲ユニット(52)は、プラスチック、複合材、金属、またはこれらの組み合わせで作られたシェルから構成されてもよいことを特徴とする請求項6に記載のモジュール式発射装置(1)。
【請求項8】
前記ペイロードユニット(54)は、1つまたは複数の爆薬、煙弾、フレア、および/または弾頭で構成されてもよいことを特徴とする請求項6に記載のモジュール式発射装置(1)。
【請求項9】
起爆装置は、発射装置内の発射体に自動的に配置されることと、
発射体に配置された状態の起爆装置は、発射装置に詰め込まれることと、
推進剤チャージは発射装置に配置されることと、
を含むことを特徴とするモジュールを使用して発射装置内で発射体を組み立てるための方法。
【請求項10】
前記起爆装置は、以下:
始動ユニットマガジンに配置される始動ユニットと、
安全ユニットマガジンに配置される安全ユニットと、
爆発ユニットマガジンに配置される爆発ユニットと、から選択され、
前記始動ユニット、前記安全ユニット、および、前記爆発ユニットは、前記発射装置に自動的に組み立てられ、
前記発射体は、以下:
包囲ユニットマガジンに配置された包囲ユニットと、
ペイロードユニットマガジンに配置されたペイロードユニットと、を含むことができ、
前記包囲ユニットと前記ペイロードユニットは、前記発射装置に自動的に組み立てられる
ことを特徴とする請求項9に記載のモジュールを使用することによって、発射装置内で発射体を組み立てるための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、推進剤を充填した発射体を発射するためのモジュール式発射装置に関する。さらに、本発明はモジュールを使用して発射装置内で発射体を組立てる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発射体と推進剤の取り扱いを含む兵器システムで利用される主な原則は、一方では発射体と推進剤がスリーブ内に一緒に配置される場合スリーブ内の弾薬を構成し、他方では発射体と推進剤が分離され、発射装置内に一緒に配置されるシステムを構成する。発射体の口径が約100mmを超える場合は慣例上、スリーブを備えたシステムが使用され、直径が100mmを超える発射体には、発射体と推進剤とが分離されたシステムが使用されることがよくある。例外として、スリーブ内の弾薬は最大155mmのシステムでも使用される。
【0003】
特許文献US2011/0083548A1には、スリーブレス兵器システムが開示されている。これは、銃身(barrel)に対して、それぞれ移動可能に配置された発射体チャンバーと推進剤チャンバーとを有する。特許文献には、発射体が部品またはモジュールから構成されていることが開示されていない。
【0004】
特許文献US8546736B2には、モジュール式発射体が開示されている。モジュールは、ペイロード、誘導モジュール、および後部モジュール、例えば、ロケットモータを含むものなどで構成されている。さらに、ペイロードモジュールには、起爆装置が含まれていてもよい。発射体は、事前に、または製造業者によって組み立てられ、発射装置内のユニットとして配置される。特許文献には、発射体が発射装置内の部品またはモジュールから構成されていることが開示されていない。
【0005】
上記の状態の課題及び更なる課題の解決策を下記に示す。
【発明の概要】
【0006】
本発明の1つの目的は、上記の課題を解決することである。
【0007】
本発明によって解決されるその他の目的は、低感度装備品(Insensitive Munition)に関するものであり、起爆装置と発射体本体とが、組立てられるまで、正確には組立てられる前までは、分離した状態にしておくことができる。さらに、サブシステムが、組み立てに関連して、または正確には組立前に調整されている場合、より多くの構成の可能性があるため、柔軟性の向上に関する課題が解決される。さらに、起爆装置は、組立てに関連して、または正確には組立前に発射体本体に自動的に配置されるので、起爆装置が発射体または発射体本体に手動で配置される従来の大砲(artillery)に関して課題が解決される。
【0008】
本発明の更なる目的は、起爆装置が発射装置内の発射体本体に配置され、発射装置内の少なくとも1つの推進剤チャージ(propellant charge)と共に組み立てられるように、発射体が配置される、推進剤が充填された発射体を発射するためのモジュール式発射装置である。
【0009】
本発明によるモジュール式発射装置のさらなる態様によれば、
起爆装置は、発射装置に配置された少なくとも1つの起爆装置マガジン(magazine)に配置され、発射体本体は、発射装置に配置された少なくとも1つの発射体本体マガジン内に配置され、起爆装置は、発射装置の発射体本体に自動的に配置される。
【0010】
推進剤チャージは、発射装置に配置された少なくとも1つの推進剤チャージマガジンに配置される。
【0011】
起爆装置は、始動ユニットと、安全ユニットと、爆発ユニットとを備え、
始動ユニットは、組み立てられた安全ユニットおよび爆発ユニットに配置され、
爆発ユニットは、組み立てられた起爆ユニットおよび安全ユニットに配置され、
始動ユニットは、安全ユニットと爆発ユニットと同時に配置される。
【0012】
始動ユニットは、発射装置に配置された少なくとも1つの始動ユニットマガジンに配置され、および/または安全ユニットは、発射装置に配置された少なくとも1つの安全ユニットマガジンに配置され、および/または爆発ユニットは、発射装置に配置された少なくとも1つの爆発ユニットマガジンに配置される。
【0013】
発射体本体は、包囲ユニットと、ペイロードユニットから構成され、ペイロードユニットは、発射装置に配置された少なくとも1つのペイロードユニットマガジン内に配置され、ペイロードユニットは包囲ユニットに配置され、包囲ユニットは発射装置に配置された少なくとも1つの包囲ユニットマガジンに配置される。
【0014】
包囲ユニットは、プラスチック、複合材、金属、またはこれらの組み合わせで作られたシェルから構成されてもよい。
【0015】
ペイロードユニットは、1つまたは複数の爆薬、煙弾、フレア、および/または弾頭で構成されている。
【0016】
さらに、本発明によれば、モジュールを使用して発射装置内で発射体を組み立てるための改良された方法が作成され、以下のステップを含む。
起爆装置が、発射装置内の発射体本体に自動的に配置され、
発射体本体と一緒に配置された起爆装置が、発射装置に配置され、
推進剤チャージが、発射装置に配置される。
【0017】
本発明によるモジュールを使用することによって、発射装置内で発射体を組み立てる方法のさらなる態様によれば、
起爆装置は、次のもの:
始動ユニットマガジンに配置された始動ユニット、
安全ユニットマガジンに配置された安全ユニット、
爆発ユニットマガジンに配置された爆発ユニット、から選択されてもよく、
始動ユニット、安全ユニット、および爆発ユニットは、発射装置に自動的に組み立てられ、
発射体本体は以下のもの:
包囲ユニットマガジンに配置された包囲ユニット、
ペイロードユニットマガジンに配置されたペイロードユニット、を含み、
包囲ユニットとペイロードユニットは、発射装置に自動的に組み立てられてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明は、添付の図面を参照して、以下により詳細に説明される。
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態に係る起爆装置の側面図。
【
図2】本発明の一実施形態に係るサブコンポーネントに分割された起爆装置の側面図。
【
図3】本発明の一実施形態に係る発射体本体の側面図。
【
図4】本発明の一実施形態に係るサブコンポーネントに分割された発射体本体の側面図。
【
図5】本発明の一実施形態に係る組み立てられた発射体の側面図。
【
図6】本発明の一実施形態に係るサブコンポーネントに分割された発射体の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、発射装置を示すものである。
【0021】
大砲(cannon)、榴弾砲、または大砲のピースなどとも呼ばれる発射装置は、推進剤によって発射体を発射することを目的としている。好ましくは、火薬などの推進剤は、大砲の一部、多くの場合、このために特別に適合させたチャンバーで点火される。点火は、例えば、弾薬ユニット内の点火カートリッジまたはライターを用いて推進剤に点火することによって発生し、これは衝撃によって点火される。推進剤の点火の他の方法として、レーザまたは電気エネルギーによって推進剤を点火してもよい。推進剤は多くのガスを生成しながら高速で燃焼し、チャンバー内にガス圧が発生し、発射装置の銃身から発射体が押し出される。推進剤は、発射体が銃身内を移動している間、発射体に可能な限り一定の圧力を発生させるようになっており、これにより、発射体が銃身の口から出るときに発射体が高速になる。
【0022】
様々なタイプの砲弾などの発射体は、多くの場合、何らかの形の弾頭と、弾頭を始動させる何らかの形の起爆装置を備える。起爆装置、ヒューズとしても知られている、には、様々な種類があり、一般的には、物体に接触して破裂するように設計された衝撃式、あらかじめ決められた時間に破裂するように設計されたタイマーヒューズ式、物体が発射体から一定の距離内に入ると破裂するように設計されたゾーンヒューズ式がある。ゾーンヒューズ式は、飛翔体との戦闘で好ましく使用され、一方、タイマーヒューズ式や衝撃式は、多数の異なる物体との戦闘で使用されることがある。有利なことには、異なるタイプの起爆機能を同じ起爆装置に組み合わせることで、ゾーンヒューズ機能を備えた起爆装置が物体を検出しない場合、発射体は一定時間後に破裂する等の効果が得られる。しかしながら、すべての起爆機能を同じ起爆装置に搭載することは、コスト高や複雑さを伴う場合があり、対象物との戦闘で必ずしも活用されるとは限らない。
【0023】
弾頭は、好ましくは、何らかの形態の爆薬と、爆薬を包囲する何らかの形態の破片生成用ケーシングを含む。さらに、フィン等の各種操舵手段は、起爆装置または専用のサブコンポーネントのいずれかに配置できる。
【0024】
通常、大砲用の発射体は、弾頭、砲弾(shell)、および、発射体が大砲内に配置されるまたは詰め込まれる前に砲弾上に配置される起爆装置を含む。安全および物流の理由から、詰め込み前までは、起爆装置は砲弾に配置されないことが好ましい。多くの場合、起爆装置は、ねじで配置され、砲弾にねじ止めされている。起爆装置は、例えば、起爆装置の一部分がある所望の位置にねじられて機械的に修正するようにプログラムすることもでき、あるいは、起爆装置の接触や誘導/容量プログラミングなど、電気的にプログラムすることもできる。
【0025】
弾薬ユニットは、通常、多くの場合火薬で形成された推進剤、爆発物を含む弾頭、および爆発物を始動するための一次爆薬を含む起爆装置が含まれる。弾薬ユニットは、長期保管に適し、輸送中などの大きな機械的ストレスに耐えるように設計されている。弾薬ユニット内のバッテリーなどの部品を交換する必要がある場合、弾薬ユニットを解体してバッテリーを交換するために、大がかりな手段が必要となる。同様に、弾薬ユニットの解体には、弾薬ユニットを構成する様々な部品の解体という大がかりな作業が必要となる。
【0026】
例えば、一般的に行われている製造方法の1つは、弾頭内に爆薬を流し込む方法があるが、この場合、爆薬の取り出しが比較的複雑となる。
【0027】
起爆装置には、電子回路が組み込まれていることが多く、その技術開発は継続的に行われている。機能の向上も継続して開発されており、例えば、GNC(Guidance Navigation and Control)システム、新型センサーシステム、人工知能を用いた新たなアルゴリズム等を含む新しい技術が次々と起爆装置に搭載される可能性がある。
【0028】
サブコンポーネントで構成される発射体を発射装置に配置する利点は、以下の通りである。
詰め込み前に異なるサブコンポーネントを組み合わせることにより、発射体の性能を変化させることができ、
精密部品を単独で輸送し、非精密部品を単独で輸送することにより、損傷や事故のリスクを軽減することができ、物流が改善され、
弾薬ユニット全体または発射体ユニットを交換することなく、古くなりすぎたサブコンポーネントの交換やアップグレードの可能性が向上される。
【0029】
機能的記載
モジュール式発射装置1は、推進剤チャージ10を有する発射体100を発射(fire)または発射(shoot)するようになっている。例えば火薬とすることができる推進剤チャージ10は、始動後に燃焼し、高圧を生成し、これにより発射体100が銃身から発射される。発射体は、ラミング(ramming)として知られるプロセスによって銃身内に配置される。発射体を包囲するガードルが、発射体を銃身内に保持する銃身内に配置された溝に対して変形することがしばしば起こる。推進剤チャージ10は、しばしばチャンバーと呼ばれる場所に配置され、その中で推進剤チャージが燃焼し、発射体を銃身内で移動させるガスまたは火薬ガスを生成する。好ましくは、連続的または一定の圧力がチャンバー内に生成され、発射体が銃身の口に向かって移動するときに、発射体の後ろの銃身も満たされる。発射体本体50に起爆装置20を配置して、ラミング前かつラミングに近接した状態で発射体100を生成することで、多くの技術的課題を解決することができる。起爆装置20は、有利には、ラミング前の時間的にも距離的にも、ラミングに近い発射体本体50に配置される。
【0030】
発射体本体は、発射体本体マガジン60に配置されてもよいが、発射体本体または発射体本体の一部は複数のマガジンに配置されることもでき、それらを組み合わせて発射装置内の発射体本体を形成する。さらに、起爆装置は、起爆装置マガジン30に配置できるが、起爆装置または起爆装置の一部は複数のマガジンに配置されることもでき、それらを組み合わせて発射装置内の起爆装置を形成する。さらに、起爆装置は、発射装置に配置される前にプログラムされることができる。
【0031】
推進剤チャージ10は、推進剤チャージマガジン12内に配置することができ、それは、例えば、モジュラーチャージ、ユニフレックス、または別の標準的な推進剤チャージ構造から構成することができる。さらに、チャンバーは使用される特定の推進剤チャージ構造に適合させることができ、例えば、より少ない量またはより少ない単位の推進剤チャージが使用されている場合、チャンバー容積は減少し、より多い量またはより多くの単位の推進剤チャージが使用されている場合、チャンバー容積は増加する。チャンバー容積の増減は、物理的に容積を変更することによって行うことができるが、特定の数の推進剤チャージユニットが常にチャンバー内に装填されているため、射程に応じて推進剤チャージユニットを、高エネルギー物質を含む複数のユニット、および、発射体の発射後に再利用される金属ユニットなど、間隔を生成するだけのいくつかのユニットで構成されてもよい。
【0032】
モジュールを使用して発射装置内に発射体を組み立てるステップは、以下を含んでもよい。
起爆装置は、発射装置内の発射体本体に自動的に配置され、
起爆装置は、発射体本体に配置され、発射装置に詰め込まれ、
推進剤チャージは発射装置に配置され、その後、推進剤チャージが開始され、発射装置の銃身から発射体が押し出される。
【0033】
起爆装置は、以下の中:
始動ユニットマガジンに配置された始動ユニット、
安全ユニットマガジンに配置された安全ユニット、
爆発ユニットマガジンに配置された爆発ユニット、から選択されたもので構成されてもよく、
始動ユニット、安全ユニットおよび爆発ユニットは、発射装置に自動的に組み立てられ、
発射体本体は、以下:
包囲ユニットマガジンに配置された包囲ユニットと、
ペイロードユニットマガジンに配置されたペイロードユニットと、で構成されてもよく、
包囲ユニットとペイロードユニットは、発射装置内に自動的に組み立てられる。
【0034】
図1は、起爆装置20が、始動ユニット22、安全ユニット24、および一次爆薬とも呼ばれる爆発ユニット26から構成されていることを示している。さらに、図示の本実施形態における起爆装置は、発射体本体に配置するためにねじ式の接続部25を備えて配置されている。ねじ式の接続部25は、大砲などの大口径銃、例えば100mmより大きい直径を有する発射体に一般的に使用される。発射体本体に配置される起爆装置の他の方法は、例えば、圧入、接着、はんだ付け、溶接、バヨネットコネクタ、クリックロックなどのロックを使用することもできる。
【0035】
始動ユニット22は、爆発開始のための適切なセンサおよび/または計算ユニットを含み、例えば、
衝撃、つまり、発射体がターゲットに当たったとき、
開始が衝撃の特定の時間後に発生するような、遅れた衝撃、
タイミングヒューズとも呼ばれる一定時間後、
ゾーンヒューズとも呼ばれるターゲットへの近接、
高さ、特定の高さでの開始、
その他の開始方法である。
【0036】
SAT装置とも呼ばれる安全ユニット24は、爆発ユニット26の安全な開始を保証するためのレイアウトを含む。例えば、SAT装置は、輸送のための安全装置、銃身内の移動用の安全装置、および、弾道上の安全装置を備えているので、爆発ユニットは間違った時間に開始されない。安全ユニットは、完全に機械式、電気機械式、電子式、またはこれらの組み合わせが取り得る。例えば、安全ユニットは、爆発ユニットが作動可能とされる前に、特定の回転または特定の加速度を必要とするラッチを備えることができる。
【0037】
爆発ユニット26は、起爆装置20の一部であり、起爆装置20に配置された弾頭または発射体本体を始動させるための高エネルギー材料または爆薬を含む。爆発ユニット26は、爆発装置で開始されるいわゆる点火チェーンの一部である。起爆装置20は、始動ユニット22、安全ユニット24、および、爆発ユニット26を含み、これらは、例えば、以下のように互いに関連付けられて配置される。
始動ユニット22は、組み立てられた安全ユニット24と爆発ユニット26に配置され、
爆発装置26は、組み立てられた始動ユニット22と安全ユニット24に配置され、
始動ユニット22は、安全ユニット24と爆発ユニット26と同時に配置される。
【0038】
始動ユニット22、安全ユニット24、および爆発ユニット26のそれぞれの部分は、発射装置1に一緒に配置するために、別々に配置されることができる。そして、始動ユニット22は、発射装置1に配置された少なくとも1つの始動ユニットマガジン23に配置することができ、安全ユニット24は、発射装置1に配置された少なくとも1つの安全ユニットマガジン25に配置することができ、爆発ユニット26は、発射装置1に配置された少なくとも1つの爆発ユニットマガジン27に配置することができる。発射体を発射する際に、異なる構成要素を別々のマガジンに分離することで、性能と構成の異なる起爆装置を発射装置に一緒に配置できる。爆発ユニット26は、外部からの作用に敏感な場合があるため、他の構成要素から分離することが重要である。さらに、爆発ユニット26を始動ユニット22と安全ユニット24から分離することができれば、他の起爆装置の構成要素を安全に取り扱うことができる。始動ユニット22は、急速な技術開発が行われている電子機器を含むことが多いので、技術開発に合わせて始動ユニット22を更新することが適切である。始動ユニットが起爆装置と一体化している場合や、発射ユニット全体が一体化している場合は、起爆装置・発射薬ユニットの再構築が必要となり、複雑で時間とコストがかかる。始動ユニット22が、発射装置内の起爆装置/発射体を発射させる際に配置される別ユニットである場合、始動ユニット22の交換や交換する始動ユニット22の解体・廃棄等の回収が非常に容易となる。
【0039】
図2に示すように、起爆装置20は、始動ユニット22、安全ユニット24および爆発ユニット25の自立型構成要素(free-standing components)に分割されている。
図2に示される実施形態では、爆発ユニット26は、安全ユニット24に配置されている。始動ユニット22は、例えば、図示しないクリックロックまたは、ねじカップリングによって、安全ユニット24に配置される。
【0040】
図3には、発射体本体50が示されている。起爆装置20は、発射体本体のノーズ51において発射体本体50に配置できる。好ましくは、ノーズ51は、起爆装置20が弾頭、火工品装薬、フレアまたは煙装置、または発射体本体50に配置された他のペイロードを開始できるように配置される。
【0041】
図4は、包囲ユニット52およびペイロードユニット54からなる発射体本体50を示し、ペイロードユニット54は、例えば、1つまたは複数の爆薬、発煙弾、フレア、および/または弾頭から構成され得る。包囲ユニット52は、シェル、または、プラスチック、複合材、金属、および/またはこれらの組み合わせから成る他のカバーによって構成され得る。組み立てられた発射体が破砕効果のある発射体である場合、シェルは、金属シェルに埋め込まれた硬質金属ボールなどの適切なフラグメント(fragment)で設計されている。
【0042】
ペイロードユニット54は、ペイロードユニット54を発射装置1における包囲ユニット52に配置できるように、ペイロードユニットマガジン55が発射装置1に配置される少なくとも1つのペイロードユニットマガジン55に配置することが可能である。包囲ユニット52も、少なくとも1つの包囲ユニットマガジン53に配置でき、包囲ユニットマガジンは、発射装置1に配置されている。
【0043】
図5は、起爆装置20が発射体本体50に配置された発射体100を示す。発射体100は、発射装置1から発射される準備ができている。
【0044】
図6は、本発明の一実施形態に係る構成要素が分離された発射体100を示す。図示の実施形態は、始動ユニット22、安全ユニット24および爆発ユニット26、包囲ユニット52、およびペイロードユニット53から構成される。他の実施形態では、示された構成要素のすべて、または一部が使用されてもよい。本発明で図示または説明されていない他の構成要素、例えば、起爆装置と発射体本体の両方に配置されたフィンを備えた操舵のためのモジュールなども使用可能である。
【0045】
例示的実施形態
モジュール式発射システムの例には、衝撃、時間、またはゾーンヒューズ機能用に設計されたさまざまな起爆装置を含む口径40~155mmの発射体と、破片化または爆発効果用に設計された発射体が含まれる。
【0046】
代替実施形態
本発明は、図示した特別な実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内で種々の変更が可能である。
【0047】
例えば、モジュール式発射システムを構成する部品および要素の数、サイズ、材料および形状は、発射体または発射体の集合体および特定のケースの他の設計特性に従って適合させることができることは明らかである。
【0048】
例えば、発射体は、爆発効果、分裂効果、燃焼効果、サーモバリック(thermobaric)効果、消防、トレーニング発射体、火炎、発煙弾、電磁効果、電磁干渉、または、他のペイロードおよび機能に応じて設計できる。
【国際調査報告】