(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-06
(54)【発明の名称】複合圧力容器
(51)【国際特許分類】
G01N 3/12 20060101AFI20230530BHJP
F17C 13/02 20060101ALI20230530BHJP
【FI】
G01N3/12
F17C13/02 301Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022564429
(86)(22)【出願日】2021-04-22
(85)【翻訳文提出日】2022-12-20
(86)【国際出願番号】 EP2021060581
(87)【国際公開番号】W WO2021214250
(87)【国際公開日】2021-10-28
(32)【優先日】2020-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521525527
【氏名又は名称】プラスチック・オムニウム・ニュー・エナジーズ・フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】デニス・ティボー
【テーマコード(参考)】
2G061
3E172
【Fターム(参考)】
2G061AA05
2G061AB01
2G061BA15
2G061CA15
2G061CB04
2G061CC17
2G061EA02
3E172AA02
3E172AA05
3E172AB01
3E172AB04
3E172AB05
3E172BA01
3E172BB03
3E172BB12
3E172BB17
3E172BC04
3E172DA41
3E172DA90
3E172JA02
3E172KA02
3E172KA11
(57)【要約】
本発明は、この方法を実施する複合圧力容器および装置を、製造し圧力試験するための方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合圧力容器に対して圧力試験を行うための方法であって、
a 液体を注入するための少なくとも1つの開口部、好ましくは単一の開口部を備える複合圧力容器を提供するステップと、
b 閾値圧力に到達させるために、前記少なくとも1つの開口部を通して前記複合圧力容器内に前記液体を注入するステップと、
c 前記複合圧力容器の外部ボリューム変化を測定するステップと、
d 前記少なくとも1つの開口部を通して、前記複合圧力容器から前記液体を排出するステップと、
e 乾燥ガスを使用して前記複合圧力容器の内部空洞を乾燥させるステップと、
を含み、
前記複合圧力容器の内部空洞を乾燥させるステップが、外部圧力よりも低い前記複合圧力容器内部の圧力で実行される、複合圧力容器に対して圧力試験を行うための方法。
【請求項2】
前記複合圧力容器を加熱するステップを含む、請求項1に記載の複合圧力容器に対して圧力試験を行うための方法。
【請求項3】
前記複合圧力容器を加熱するステップが、前記複合圧力容器の前記内部空洞を乾燥させるステップ中に行われる、請求項2に記載の複合圧力容器に対して圧力試験を行うための方法。
【請求項4】
前記液体が、前記複合圧力容器の内部空洞の表面との接触角が、前記内部空洞の表面との水の接触角よりも大きい液体である、請求項1から3のいずれか一項に記載の複合圧力容器に対して圧力試験を行うための方法。
【請求項5】
前記液体が、大気圧または前記乾燥工程e中に生じた圧力における水の気化温度よりも低い気化温度を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の複合圧力容器に対して圧力試験を行うための方法。
【請求項6】
前記液体が、水、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブチルアルコール、およびそれらの少なくとも2つの混合物からなる群から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の複合圧力容器に対して圧力試験を行うための方法。
【請求項7】
前記乾燥ガスが、N
2、Ar、He、H
2またはそれらの少なくとも2つの混合物からなる群から選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の複合圧力容器に対して圧力試験を行うための方法。
【請求項8】
前記乾燥ガスが空気である、請求項1から6のいずれか一項に記載の複合圧力容器に対して圧力試験を行うための方法。
【請求項9】
前記乾燥ガスが加熱される、請求項1から8のいずれか一項に記載の複合圧力容器に対して圧力試験を行うための方法。
【請求項10】
請求項1から8のいずれか一項に記載の複合圧力容器に対して圧力試験を行うための方法を含む、複合圧力容器を製造するための方法。
【請求項11】
ガスを使用して前記複合圧力容器の内部空洞を乾燥させるステップの後に、前記複合圧力容器にバルブアセンブリを固定するステップを含む、請求項9に記載の複合圧力容器を製造するための方法。
【請求項12】
複合圧力容器を製造し圧力試験するための装置であって、第1のチャンバと第2のチャンバとを備え、前記第1のチャンバが前記複合圧力容器の圧力試験のための手段を備え、前記第2のチャンバが前記複合圧力容器の内部空洞を乾燥させるための手段を備える、装置。
【請求項13】
前記第2のチャンバが、複合圧力容器の開口部にバルブアセンブリを固定するための手段を備える、複合圧力容器を製造し圧力試験するための装置。
【請求項14】
前記第1のチャンバが前記第2のチャンバでもある、請求項12または13に記載の複合圧力容器を製造し圧力試験するための装置。
【請求項15】
複合圧力容器のための圧力試験装置であって、
- 吸引ポイント、吸引ライン、およびスリーブアダプタアセンブリを前記複合圧力容器の第1のボスに固定するように構成された第1の固定手段、を備える、スリーブアダプタアセンブリと、
- プルーフテストアダプタアセンブリ(8)を前記第1のボス(4)に固定するための第2の固定手段(80)と、前記複合圧力容器(1)を液体回路に接続するための第1の接続手段(81)と、を備える、プルーフテストアダプタアセンブリと、
- 複合圧力容器の変形を測定する手段と、
を備える、圧力試験装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮天然ガス(CNG:compressed natural gas)タンク、圧縮水素ガス(CHG:compressed hydrogen gas)タンク、液化石油ガス(LPG:liquefied petroleum gas)タンクなどとして使用される複合圧力容器に対して圧力試験を行うための方法に関する。特に、本発明は、複合圧力容器の製造するための方法に関する。より具体的には、複合圧力容器を製造し試験するための装置にも関する。
【背景技術】
【0002】
複合圧力容器を製造し試験するために現在使用されている方法は、非常に面倒で、時間と労力とを要する。
【0003】
複合圧力容器の耐圧性を試験するための既知の解決策は、複合圧力容器に水を注入するステップを必要とする静水圧試験からなる。残念ながら、複合圧力容器の内部空洞の表面と水との間の物理的および化学的な相互作用により、試験後にある程度の水分が残ることがあり、これは貯蔵ガスの汚染を誘発することがあり、周囲温度および大気圧の下で複合圧力容器内にガスを吹き込むことによる時間を要する乾燥ステップが必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、一般的に、圧縮天然ガス(CNG)タンク、圧縮水素ガス(CHG)タンク、液化石油ガス(LPG)タンクとして使用される複合圧力容器に対して、これまで当業界に存在していた前述の問題を克服する圧力試験を行うための方法を提供する。より具体的には、本開示は、時間を要しない複合圧力容器を製造するための方法を提供する。最後に、本開示は、複合圧力容器を製造し試験するための装置を提供する。
【0005】
特に、本開示の第1の目的は、面倒ではなく、時間と労力を要さない圧力試験を複合圧力容器に行うための方法を提供することである。
【0006】
本開示の第2の目的は、製造時間を短縮した複合圧力容器の製造するための方法を提供することである。
【0007】
本開示の第3の目的は、複合圧力容器を製造し試験するための装置を提供することである。
【0008】
本発明の第4の目的は、複合圧力容器のための圧力試験装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の目的は、これらの目的を達成する複合圧力容器に対して圧力試験を行うための方法を提供することである。本発明による複合圧力容器に対して圧力試験を行うための方法は、
a 液体を注入するための少なくとも1つの開口部、好ましくは単一の開口部を備える複合圧力容器を提供するステップと、
b 閾値圧力に到達させるために、少なくとも1つの開口部を通して複合圧力容器内に液体を注入するステップと、
c 複合圧力容器の外部ボリューム変化を測定するステップと、
d 少なくとも1つの開口部を通して複合圧力容器から液体を排出するステップと、
e 乾燥ガスを使用して複合圧力容器の内部空洞を乾燥させるステップと、
を含み、
複合圧力容器の内部空洞を乾燥させるステップは、外部圧力よりも低い複合圧力容器内部の圧力で行われる。
【0010】
外部圧力よりも低い複合圧力容器内部の圧力の使用は、複合圧力容器から液体を排出するステップdの後に複合圧力容器内に存在する残りの液体の沸騰と気化とを加速することができ、したがって、前記液体の迅速な除去につながる。好ましくは、外部圧力は大気圧である。
【0011】
本開示による複合圧力容器は、非強化ポリマーで作られ内部空洞を形成し繊維強化ポリマーシェルに封入されたインナーライナーを備えるタイプIVの複合圧力容器、または繊維強化ポリマーシェルに封入された金属ライナーを備えるタイプIIIの複合圧力容器、またはファイバーポリマーシェルからなるタイプVの複合圧力容器である。好ましくは、本開示による複合圧力容器は、非強化ポリマーで作られ内部空洞を形成し繊維強化ポリマーシェルに封入されたインナーライナーを備えるタイプIVの複合圧力容器である。
【0012】
「外部圧力」という表現によって、本発明では、繊維強化ポリマーシェルの外面に加えられる圧力を意味することを意図している。
【0013】
「複合圧力容器内の圧力が外部圧力よりも低い」という表現により、本発明では、残りの液体の気化を加速するために、複合圧力容器内部の圧力を周囲の大気圧と比較して低下させることを意味することを意図している。同時に、複合圧力容器がタイプIIIまたはタイプIVの圧力容器である場合、内部圧力と外部圧力との差がインナーライナー容器の崩壊を避けるようなものであるように、複合圧力容器の外側に加えられる圧力も低下することがある。好ましくは、複合圧力容器内部の圧力は外部圧力より高いままである。圧力容器の構造によっては、容器内の相対負圧を一定レベルにすることができ、複合圧力容器がタイプIIIまたはタイプIVの圧力容器である場合は、インナーライナーの崩壊を避けながら許容することができる。
【0014】
「複合圧力容器の内部空洞」という表現は、本発明では、圧縮ガスが貯蔵される空洞を意味することを意図している。
【0015】
複合圧力容器の内部空洞を乾燥させるステップは、複合圧力容器がタイプIIIまたはタイプIVの圧力容器である場合、複合圧力容器のインナーライナーを乾燥させるステップである。
【0016】
複合圧力容器の少なくとも1つの開口部は、第1のボスを備える。好ましくは、複合圧力容器は、第1のボスに関して複合圧力容器の反対側に好ましくは位置する第2のボスを備える。第2のボスは必ずしも開口部に位置する必要はない。
【0017】
一実施形態によれば、本発明による複合圧力容器に対して圧力試験を行うための方法は、前記方法が複合圧力容器を加熱するステップを含むような方法である。
【0018】
複合圧力容器を加熱するステップにより、少なくとも1つの開口部を通して複合圧力容器から液体を排出するステップの後に依然として存在する残りの液体を除去することができる。さらに、加熱するステップにより、異なる温度で圧力試験を行うことができる。
【0019】
本発明による複合圧力容器に対して圧力試験を行うための方法は、圧力試験を行うために使用される液体を加熱するステップを含むことができる。好ましくは、複合圧力容器内部で測定される加熱ステップにおいて使用される温度は、乾燥ステップeにおいて使用される圧力において、液体の沸騰温度よりも高い。
【0020】
好ましい実施形態によれば、本発明による複合圧力容器の圧力試験を行うための方法は、放射加熱ステップを含む複合圧力容器を加熱するステップを含み、このステップにおいて、複合圧力容器内の少なくとも1つの開口部を通して放熱装置が導入されるような方法である。好ましくは、放熱装置は、複合圧力容器の内部空洞の内面による熱吸収を最大化する帯域幅内で放射波を生成する。複合圧力容器の内部空洞の内面の過熱を避けるために、放射出力が制御される。
【0021】
好ましくは、複合圧力容器を加熱するステップは、複合圧力容器の内部空洞を乾燥させるステップ中に行われる。これにより、複合圧力容器に対して圧力試験を行うための方法を行うのに必要な時間を短縮することができる。
【0022】
好ましい実施形態によれば、本発明による複合圧力容器の圧力試験を行うための方法は、圧力試験を行うために使用される液体が、複合圧力容器の内部空洞の表面との接触角が、内部空洞の表面との水の接触角よりも大きい液体であるような方法である。
【0023】
水よりも大きい接触角を有する液体は、内部空洞の表面に付着しにくい傾向があるため、複合圧力容器内部に気体を吹き込むことによって容易に排出される。
【0024】
好ましい実施形態によれば、本発明による複合圧力容器に対して圧力試験を行うための方法は、液体が大気圧での水の気化温度よりも低い気化温度であるような方法である。
【0025】
圧力条件、好ましくは大気圧での水の気化温度よりも低い気化温度である液体の使用により、乾燥のステップを加速することができる。
【0026】
好ましい実施形態によれば、本発明による複合圧力容器の圧力試験を行うための方法は、圧力試験を行うために使用される液体が、水、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブチルアルコール、およびそれらの少なくとも2つの混合物からなる群から選択されるような方法である。
【0027】
特定の実施形態によれば、本発明による複合圧力容器に対して圧力試験を行うための方法は、乾燥ガスが、N2、Ar、He、H2またはそれらの少なくとも2つの混合物からなる群から選択されるような方法である。
【0028】
N2、Ar、He、H2またはそれらの少なくとも2つの混合物などの不活性ガスを乾燥ガスとして使用することにより、特に圧縮水素ガス(H2)を貯蔵する場合に、複合圧力容器の汚染を避けることができる。
【0029】
新規の(of the precious one)代替的な実施形態によれば、本発明による複合圧力容器に対して圧力試験を行うための方法は、乾燥ガスが空気であるような方法である。
【0030】
乾燥ガスとして空気を使用することにより、試験方法が簡素化される。好ましくは、乾燥ガスとしての空気の使用は、圧縮天然ガス(CNG)または液化石油ガス(LPG)の貯蔵に使用される複合圧力容器に限定される。
【0031】
好ましい実施形態によれば、本発明による複合圧力容器に対して圧力試験を行うための方法は、乾燥ガスが加熱されるような方法である。
【0032】
加熱された乾燥ガスを使用すると方法の速度が速くなり、よって試験を行うための合計サイクル時間が短縮される。
【0033】
好ましい実施形態によれば、複合圧力容器に対して圧力試験を行う方法は、前記方法が、ステップa)で注入された液体と共沸混合物を形成する溶媒でリンスするステップを含むような方法である。
【0034】
本発明の第2の目的は、複合圧力容器の製造するための方法を提供することである。本発明による複合圧力容器を製造するための方法は、上記で開示された複合圧力容器に対して圧力試験を行うための方法を含む。
【0035】
好ましい実施形態によれば、本発明による複合圧力容器を製造するための方法は、ガスを使用して複合圧力容器の内部空洞を乾燥させるステップの後に、複合圧力容器にバルブアセンブリを固定するステップを含む。好ましくは、バルブアセンブリを固定するステップは、複合圧力容器の内部空洞を乾燥させるステップの直後に実行され、例えばほこりや湿気などの外部汚染物質による複合圧力容器の汚染問題を減らすことにつながる。バルブアセンブリは、第1のボスを使用して複合圧力容器に固定される。好ましくは、バルブアセンブリは、ねじ込みによって、あるいはカムクロックまたは固定リングナットを使用することによって第1のボスに固定される。前記バルブアセンブリはOTVバルブアセンブリである。
【0036】
好ましい実施形態によれば、本発明による複合圧力容器を製造するための方法は、追加の加熱ステップを含む。前記加熱ステップは、複合圧力容器を加熱するステップおよび/または複合圧力容器に吹き込まれたガスを加熱するステップである。
【0037】
本発明の第3の目的は、複合圧力容器を製造し圧力試験をするための装置を提供することであり、前記装置は、第1のチャンバと第2のチャンバとを備え、第1のチャンバは複合圧力容器の圧力試験のための手段を備え、第2のチャンバは複合圧力容器の内部空洞を乾燥させるための手段を備える。
【0038】
複合圧力容器に対して圧力試験をするための手段は、複合圧力容器の開口部を複合圧力容器の内部に液体を注入するための回路に接続するための、少なくとも第1のアダプタを備え、任意に、第1のチャンバ内部の圧力を下げる手段、長さおよび直径の拡張を測定するための手段、ならびに複合圧力容器の外側の液体を排出する手段を備える。
【0039】
複合圧力容器の内部空洞を乾燥させるための手段は、複合圧力容器の開口部を複合圧力容器の内部に乾燥ガスを注入するための回路に接続するための、少なくとも第2のアダプタを備える。複合圧力容器の内部空洞を乾燥させるための手段は、必要に応じて、複合圧力容器の内側と外側とを真空にする手段も備え得る。好ましくは、内部空洞、好ましくはインナーライナーを乾燥させるための手段はまた、複合圧力容器を加熱するための手段と乾燥ガスを加熱するための手段とを備える。好ましくは、加熱するための手段は放射加熱源である。
【0040】
好ましい実施形態によれば、複合圧力容器を製造し圧力試験をするための装置は、第2のチャンバが複合圧力容器の開口部にバルブアセンブリを固定するための手段を備えるような装置である。
【0041】
代替的な実施形態によれば、複合圧力容器を製造し圧力試験をするための装置は、第1のチャンバ、第2のチャンバ、および第3のチャンバを備え、第1のチャンバは複合圧力容器の圧力試験のための手段を備え、第2のチャンバは液体を排出しガスを吹き込むための手段を備え、第3のチャンバは、複合圧力容器の内部空洞を乾燥させるための手段を備える。
【0042】
本発明の第4の目的は、複合圧力容器のための圧力試験装置を提供することであり、前記圧力試験装置は、
- 吸引ポイント、吸引ライン、およびスリーブアダプタアセンブリを複合圧力容器の第1のボスに固定するように構成された第1の固定手段、を備える、スリーブアダプタアセンブリと、
- プルーフテストアダプタアセンブリを第1のボスに固定するための第2の固定手段と、複合圧力容器を液体回路に接続するための第1の接続手段と、を備える、プルーフテストアダプタアセンブリと、
- 複合圧力容器の変形を測定するための手段と、
- バースト封じ込めチャンバである第1のチャンバと、
を備える。
【0043】
好ましい実施形態によれば、複合圧力容器のための圧力試験装置は、第1チャンバが複合圧力容器の圧力試験のための手段を備えるような装置である。
【0044】
好ましい実施形態によれば、複合圧力容器のための圧力試験装置は、液体を排出しガスを吹き込むための手段を備える第2のチャンバを備える。
【0045】
好ましい実施形態によれば、複合圧力容器のための圧力試験装置は、複合圧力容器の内部空洞を乾燥させるための手段を備える第3のチャンバを備える。
【0046】
好ましい実施形態によれば、スリーブアダプタアセンブリを第1のボスに固定するための第1の固定手段は、複数の開口部、少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの開口部を備える。
【0047】
本発明のこの利点および他の利点は、以下のセクションでより詳細に説明する。
【0048】
本開示は、例として与えられる図を含む以下の実施例を読むことにより、よりよく理解されるであろう。
【0049】
図1から
図16は、本発明による製造および試験方法の異なるステップ中の複合圧力容器の垂直断面図である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【
図1】本発明による複合圧力容器に対して圧力試験を行うための方法のステップ中の複合圧力容器の垂直断面図である。
【
図2】本発明による複合圧力容器に対して圧力試験を行うための方法のステップ中の複合圧力容器の垂直断面図である。
【
図3】本発明による複合圧力容器に対して圧力試験を行うための方法のステップ中の複合圧力容器の垂直断面図である。
【
図4】本発明による複合圧力容器に対して圧力試験を行うための方法のステップ中の複合圧力容器の垂直断面図である。
【
図5】本発明による複合圧力容器に対して圧力試験を行うための方法のステップ中の複合圧力容器の垂直断面図である。
【
図6】本発明による複合圧力容器に対して圧力試験を行うための方法のステップ中の複合圧力容器の垂直断面図である。
【
図7】本発明による複合圧力容器に対して圧力試験を行うための方法のステップ中の複合圧力容器の垂直断面図である。
【
図8】本発明による複合圧力容器に対して圧力試験を行うための方法のステップ中の複合圧力容器の垂直断面図である。
【
図9】本発明による複合圧力容器に対して圧力試験を行うための方法のステップ中の複合圧力容器の垂直断面図である。
【
図10】本発明による複合圧力容器に対して圧力試験を行うための方法のステップ中の複合圧力容器の垂直断面図である。
【
図11】本発明による複合圧力容器に対して圧力試験を行うための方法のステップ中の複合圧力容器の垂直断面図である。
【
図12】本発明による複合圧力容器に対して圧力試験を行うための方法のステップ中の複合圧力容器の垂直断面図である。
【
図13】本発明による複合圧力容器に対して圧力試験を行うための方法のステップ中の複合圧力容器の垂直断面図である。
【
図14】本発明による複合圧力容器に対して圧力試験を行うための方法のステップ中の複合圧力容器の垂直断面図である。
【
図15】本発明による複合圧力容器を製造するための方法のステップ中の複合圧力容器の垂直断面図である。
【
図16】本発明による複合圧力容器を製造するための方法のステップ中の複合圧力容器の垂直断面図である。
【
図17】本発明による複合圧力容器に対して圧力試験を行うための方法のステップ中の複合圧力容器の垂直断面図である。
【
図18】本発明による複合圧力容器を製造および試験する方法で使用されるスリーブアダプタアセンブリの詳細なスケッチである。
【
図19】本発明による複合圧力容器に対して圧力試験を行うための方法のステップ中の複合圧力容器の垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
本発明は、特定の実施形態に関して説明される。
【0052】
図1は、本発明による圧力試験を行うための方法のステップ中の複合圧力容器(1)を示す。複合圧力容器(1)は、非強化ポリマーで作られ内部空洞を形成し繊維強化ポリマーシェル(3)に封入されたインナーライナー(2)を備える。複合圧力容器は第1のボス(4)と第2のボス(6)とを備える。第2のボス(6)を塞ぐキャップ(7)が第2のボスに固定される。キャップ(7)および第2のボス(6)は、複合圧力容器が使用時に1つのサービス開口部のみを必要とする場合モノブロックである。このステップにおいて、スリーブアダプタアセンブリ(5)が第1のボス(4)に固定される。前記スリーブアダプタアセンブリは、吸引ポイント(52)、吸引ライン(51)、およびスリーブアダプタアセンブリ(5)を第1のボス(4)に固定するための第1の固定手段(50)を備える。
【0053】
図2は、本発明による圧力試験を行うための方法のステップ中の複合圧力容器(1)を示す。複合圧力容器(1)は、非強化ポリマーで作られ内部空洞を形成し繊維強化ポリマーシェル(3)に封入されたインナーライナー(2)を備える。複合圧力容器は第1のボス(4)と第2のボス(6)とを備える。第2のボス(6)を塞ぐキャップ(7)が第2のボスに固定される。キャップ(7)および第2のボス(6)は、複合圧力容器が使用時に1つのサービス開口部のみを必要とする場合モノブロックである。このステップにおいて、プルーフテストアダプタアセンブリ(8)が第1のボス(4)に固定される。前記プルーフテストアダプタアセンブリ(8)は、プルーフテストアダプタアセンブリ(8)を第1のボス(4)に固定するための第2の固定手段(80)と、複合圧力容器(1)を液体回路に接続するための第1の接続手段(81)と、を備える。
【0054】
図3は、本発明による圧力試験を行うための方法のステップ中の複合圧力容器(1)を示す。複合圧力容器(1)は、非強化ポリマーで作られ内部空洞を形成し繊維強化ポリマーシェル(3)に封入されたインナーライナー(2)を備える。複合圧力容器は第1のボス(4)と第2のボス(6)とを備える。第2のボス(6)を塞ぐキャップ(7)が第2のボスに固定される。キャップ(7)および第2のボス(6)は、複合圧力容器が使用時に1つのサービス開口部のみを必要とする場合モノブロックである。このステップにおいて、プルーフテストアダプタアセンブリ(8)が第1のボス(4)に固定される。前記プルーフテストアダプタアセンブリ(8)は、プルーフテストアダプタアセンブリ(8)を第1のボス(4)に固定するための第2の固定手段(80)と、複合圧力容器(1)を液体回路に接続するための第1の接続手段(81)と、を含む。複合圧力容器(1)はプルーフテストアダプタアセンブリ(8)を介して液体(9)で満たされ閾値圧力に到達するが、これは既知の規制による公称使用圧力の1.5倍である圧力試験である。複合圧力容器内に液体を注入して閾値圧力に到達させるステップは、バースト封じ込めチャンバ(10)である第1のチャンバ(10)内で行われる。
【0055】
図4は、本発明による圧力試験を行うための方法のステップ中の複合圧力容器(1)を示す。複合圧力容器(1)は、非強化ポリマーで作られ内部空洞を形成し繊維強化ポリマーシェル(3)に封入されたインナーライナー(2)を備える。複合圧力容器は第1のボス(4)と第2のボス(6)とを備える。第2のボス(6)を塞ぐキャップ(7)が第2のボスに固定される。キャップ(7)および第2のボス(6)は、複合圧力容器が使用時に1つのサービス開口部のみを必要とする場合モノブロックである。このステップにおいて、プルーフテストアダプタアセンブリ(8)が第1のボス(4)に固定される。前記プルーフテストアダプタアセンブリ(8)は、プルーフテストアダプタアセンブリ(8)を第1のボス(4)に固定するための第2の固定手段(80)と、複合圧力容器(1)を液体回路に接続するための第1の接続手段(81)と、を含む。複合圧力容器(1)は、プルーフテストアダプタアセンブリ(8)を介して液体(9)で満たされ複合圧力容器(1)内部の閾値圧力に到達するが、これは1050barの圧力試験である。前記圧力試験は試験期間中維持される。試験は、バースト封じ込めチャンバ(10)である第1のチャンバ(10)内で行われる。前記試験は、複合圧力容器の外部ボリューム変化を測定するステップを含む。
【0056】
図5は、本発明による圧力試験を行うための方法のステップ中の複合圧力容器(1)を示す。複合圧力容器(1)は、非強化ポリマーで作られ内部空洞を形成し繊維強化ポリマーシェル(3)に封入されたインナーライナー(2)を備える。複合圧力容器は第1のボス(4)と第2のボス(6)とを備える。第2のボス(6)を塞ぐキャップ(7)が第2のボスに固定される。キャップ(7)および第2のボス(6)は、複合圧力容器が使用時に1つのサービス開口部のみを必要とする場合モノブロックである。このステップにおいて、プルーフテストアダプタアセンブリ(8)が第1のボス(4)に固定される。前記プルーフテストアダプタアセンブリ(8)は、プルーフテストアダプタアセンブリ(8)を第1のボス(4)に固定するための第2の固定手段(80)と、複合圧力容器(1)を液体回路に接続するための第1の接続手段(81)と、を含む。複合圧力容器(1)は、プルーフテストアダプタアセンブリ(8)を介して液体(9)を排出する。排出ステップは、バースト封じ込めチャンバ(10)である第1のチャンバ(10)内で行われる。
【0057】
図6は、本発明による圧力試験を行う方法のステップ中の複合圧力容器(1)を示す。複合圧力容器(1)は、非強化ポリマーで作られ内部空洞を形成し繊維強化ポリマーシェル(3)に封入されたインナーライナー(2)を含む。複合圧力容器は第1のボス(4)と第2のボス(6)とを備える。第2のボス(6)を塞ぐキャップ(7)が第2のボスに固定される。キャップ(7)および第2のボス(6)は、複合圧力容器が使用時に1つのサービス開口部のみを必要とする場合モノブロックである。
図6は、排出ステップの終了を示し、一定量の液体が複合圧力容器(1)内部に残り得ることを示している。このステップにおいて、プルーフテストアダプタアセンブリが分解される。第2の固定手段(80)は第1のボス(4)に固定されたままであり、複合圧力容器(1)を液体回路に接続するための第1の接続手段は引き出される。
【0058】
図7、
図8、および
図9は、本発明による圧力試験を行うための方法のステップ中の複合圧力容器(1)を示す。複合圧力容器(1)は、非強化ポリマーで作られ内部空洞を形成し繊維強化ポリマーシェル(3)に封入されたインナーライナー(2)を備える。複合圧力容器は第1のボス(4)と第2のボス(6)とを備える。このステップでは、第2のボス(6)を塞ぐキャップ(7)が第2のボスに固定される。キャップ(7)および第2のボス(6)は、複合圧力容器が使用時に1つのサービス開口部のみを必要とする場合モノブロックである。このステップでは、スリーブアダプタアセンブリ(5)が第1のボス(4)に固定される。前記スリーブアダプタアセンブリ(5)は、吸引ポイント(52)、吸引ライン(51)、スリーブアダプタアセンブリ(5)を第1のボス(4)に固定するための第1の固定手段(50)、および複合圧力容器内部にガスを吹き込むためのパイプ(53)を備える。ガスは、矢印(11)で表されるように複合圧力容器(1)内部に吹き込まれる。残りの液体(9)は、空気である吹き付けガスを使用して、吸引ポイント(52)と吸引ライン(51)とを介して、スリーブアダプタアセンブリを通して複合圧力容器(1)から排出される。排出ステップは、バースト封じ込めチャンバ(10)である第1のチャンバ(10)内で行われる。
図9は、複合圧力容器(1)内部の吸引ポイント(52)および吸引ライン(51)および/またはパイプ(53)の考えられる回転(12)および/または横方向の動きが、液体排出を最適化するためにこのステップにおいて発生し得ることを示している。テストアダプタアセンブリの第2の固定手段は、スリーブアダプタアセンブリ(5)の第1の固定手段(50)として使用され得るか、前記第1の固定手段(50)に置き換えてもよい。
【0059】
図10は、本発明による圧力試験を行うための方法のステップ中の、より正確には排水ステップ終了時の複合圧力容器(1)を示す。複合圧力容器(1)は、非強化ポリマーで作られ内部空洞を形成し繊維強化ポリマーシェル(3)に封入されたインナーライナー(2)を備える。複合圧力容器は第1のボス(4)と第2のボス(6)とを備える。第2のボス(6)を塞ぐキャップ(7)が第2のボスに固定される。キャップ(7)および第2のボス(6)は、複合圧力容器が使用時に1つのサービス開口部のみを必要とする場合モノブロックである。このステップでは、スリーブアダプタアセンブリ(5)が分解され、吸引ポイント、吸引ライン、複合圧力容器内部にガスを吹き込むためのパイプが取り外される。残ったソール部スリーブアダプタアセンブリ(5)は、スリーブアダプタアセンブリ(5)を第1のボス(4)に固定するための第1の固定手段(50)である。
【0060】
図11は、乾燥ガスを使用してインナーライナーを乾燥させるステップの前の、本発明による圧力試験を行うための方法のステップ中の複合圧力容器(1)を示す。複合圧力容器(1)は、非強化ポリマーで作られ内部空洞を形成し繊維強化ポリマーシェル(3)に封入されたインナーライナー(2)を備える。複合圧力容器は第1のボス(4)と第2のボス(6)とを備える。第2のボス(6)を塞ぐキャップ(7)が第2のボスに固定される。キャップ(7)および第2のボス(6)は、複合圧力容器が使用時に1つのサービス開口部のみを必要とする場合モノブロックである。このステップでは、圧力アダプタコネクタ(54)が第1の固定手段(50)に固定される。あるいは、スリーブアダプタアセンブリ(5)の第1の固定手段(50)は、第3の固定手段に置き換えられてもよく、プルーフテストアダプタアセンブリを複合圧力容器に固定するために使用される第2の固定手段であり得る。複合圧力容器は、バースト封じ込めチャンバ(10)である第1のチャンバ(10)内に配置される。
【0061】
図12は、本発明による圧力試験を行うための方法のステップ中の複合圧力容器(1)を示しており、このステップはインナーライナーを乾燥させると考えられるステップである。複合圧力容器(1)は、非強化ポリマーで作られ内部空洞を形成し繊維強化ポリマーシェル(3)に封入されたインナーライナー(2)を備える。複合圧力容器は第1のボス(4)と第2のボス(6)とを備える。第2のボス(6)を塞ぐキャップ(7)が第2のボスに固定される。キャップ(7)および第2のボス(6)は、複合圧力容器が使用時に1つのサービス開口部のみを必要とする場合モノブロックである。圧力アダプタコネクタ(54)は、第1の固定手段(50)に固定される。あるいは、スリーブアダプタアセンブリ(5)の第1の固定手段(50)は、第3の固定手段に置き換えられてもよく、プルーフテストアダプタアセンブリを複合圧力容器に固定するために使用される第2の固定手段であり得る。複合圧力容器は、バースト封じ込めチャンバ(10)である第1のチャンバ(10)内に配置される。液体の考えられる痕跡を除去するために、複合圧力容器内部を真空にする。インナーライナーの考えられる崩壊を避けるために、第1のチャンバ(10)内を真空にすることにより、複合圧力容器の内側と外側との間で低い圧力差を維持する。液体の除去を促進するために、複合圧力容器の加熱が行われ得る。加熱手段は
図12には示されていない。
【0062】
図13は、本発明による圧力試験を行うための方法のステップ中の複合圧力容器(1)を示しており、このステップは乾燥ガスを使用してインナーライナーを乾燥させると考えられるステップである。複合圧力容器(1)は、非強化ポリマーで作られ内部空洞を形成し繊維強化ポリマーシェル(3)に封入されたインナーライナー(2)を備える。複合圧力容器は第1のボス(4)と第2のボス(6)とを備える。第2のボス(6)を塞ぐキャップ(7)が第2のボスに固定される。キャップ(7)および第2のボス(6)は、複合圧力容器が使用時に1つのサービス開口部のみを必要とする場合モノブロックである。圧力アダプタコネクタ(54)は、第1の固定手段(50)に固定される。あるいは、スリーブアダプタアセンブリ(5)の第1の固定手段(50)は、第3の固定手段に置き換えられてもよく、プルーフテストアダプタアセンブリを複合圧力容器に固定するために使用される第2の固定手段であり得る。複合圧力容器は、バースト封じ込めチャンバ(10)である第1のチャンバ(10)内に配置される。不活性ガス、好ましくは加熱された不活性ガスを複合圧力容器(1)内部に吹き込み、残りの液体の痕跡の蒸発を導く。あるいは、
図13は複合圧力容器の圧力試験を行うための方法の最終ステップを示し、前記複合圧力容器(1)の汚染を避けるための、不活性ガスによって複合圧力容器(1)を充填することと、複合圧力容器(1)内の内部圧力が周囲圧力よりも高いこととを含む。
【0063】
図14は、本発明による圧力試験を行う方法のステップ中の複合圧力容器(1)を示す。複合圧力容器(1)は、非強化ポリマーで作られ内部空洞を形成し繊維強化ポリマーシェル(3)に封入されたインナーライナー(2)を含む。複合圧力容器は第1のボス(4)と第2のボス(6)とを備える。第2のボス(6)を塞ぐキャップ(7)が第2のボスに固定される。キャップ(7)および第2のボス(6)は、複合圧力容器が使用時に1つのサービス開口部のみを必要とする場合モノブロックである。圧力アダプタコネクタ(54)は、第1の固定手段(50)に固定される。あるいは、スリーブアダプタアセンブリ(5)の第1の固定手段(50)は、第3の固定手段に置き換えられてもよく、プルーフテストアダプタアセンブリを複合圧力容器に固定するために使用される第2の固定手段であり得る。複合圧力容器は、バースト封じ込めチャンバ(10)である第1のチャンバ(10)内に配置される。複合圧力容器(1)は不活性ガスによって満たされ、複合圧力容器(1)の内部圧力は周囲圧力よりも高い。プルーフテストアダプタアセンブリを複合圧力容器に固定するために使用されるスリーブアダプタアセンブリ(5)の第1の固定手段(50)、または第3の固定手段、または第2の固定手段は、図示(略)のキャップによって覆われ、複合圧力容器は第1のチャンバ(10)から取り外されて保管される。あるいは、
図13は、複合圧力容器にバルブを固定するステップの前の、本発明による複合ガスの製造方法のステップを示す。この場合、試験することと製造することとが同じチャンバ内で行われない場合、第1のチャンバは第2のチャンバであり、好ましくは、第1のチャンバは第2のチャンバでもある。
【0064】
図15および
図16は、本発明による複合圧力容器(1)の製造方法のステップを示す。
図15は、複合圧力容器にプルーフテストアダプタを固定するために使用されるスリーブアダプタアセンブリの第1の固定手段、または第3の固定手段、または第2の固定手段が取り外されることを示す。取り外しは、第1のチャンバ(10)内または第2のチャンバ内で行われる。試験することと製造することとが同じチャンバ内で行われない場合、第1のチャンバは第2のチャンバであり、好ましくは、第1のチャンバは第2のチャンバでもある。
図16は、複合圧力容器にバルブアセンブリ(13)を固定するステップを示す。前記ステップは、第1のチャンバ(10)内または第2のチャンバ内で行われる。試験することと製造することとが同じチャンバ内で行われない場合、第1のチャンバは第2のチャンバであり、好ましくは、第1のチャンバは第2のチャンバでもある。
【0065】
図17は、複合圧力容器(1)の外部ボリューム変化を測定するステップ、および水を試験液として使用した前記測定の位置を詳細に示している。
【0066】
図18aおよび
図18bは、本発明による複合圧力容器(1)を製造および試験する方法で使用される、スリーブアダプタアセンブリ(5)の特定の実施形態を示す。
図18a)は、スリーブアダプタアセンブリを第1のボスに固定するための第1の固定手段(50)上の複合圧力容器内部にガスを吹き込むための吸引ライン(51)とパイプ(53)との位置を示す、スリーブアダプタアセンブリ(5)の垂直断面図である。
図18b)は、スリーブアダプタアセンブリを第1のボスに固定するための第1の固定手段(50)上の流体連通のための異なる開口部(54、55、56)の位置を示す。第1の開口部は液体の吸引および気体の排出(54)に使用され、第2の開口部は液体の充填(55)に使用され、第3の開口部は気体の注入(56)に使用される。
【0067】
図19は、複合圧力容器に取り付けられたOTV(On Tank Valve:オンタンクバルブ)で、前記OTVはFCVシリンダーバルブである例を示す。
【0068】
表1は、本発明による圧力試験を行うための方法が行われる、複合圧力容器の例を示す。
【0069】
【0070】
複合圧力容器は、350barまたは700bar公称圧力アプリケーションのためのタイプIV容器である。複合圧力容器のライナーは、単層または多層の熱可塑性ポリマー製である。ライナー材料は、ポリエチレン(PE)、好ましくは高密度ポリエチレン(HDPE)およびポリアミド(PA)などポリオレフィンであり得る。ライナーの厚さは、典型的には2から7mmの範囲である。ライナーは好ましくは-35℃から+80℃の範囲の温度にさらされる。ボスは金属製で、一般的にアルミニウムまたはスチールであり、例えばボスは6061-T6硬質アルマイト、または7075-T6グレードのアルミニウムである。複合圧力容器はオンタンクバルブ(OTV)を備える。OTVは、複合圧力容器の開口部に組み立てられる。複合圧力容器には、高圧圧縮水素の固定式または移動式貯蔵シリンダーで使用するために設計されたフローコントロールバルブ(FCV:Flow Control Valve)シリンダーバルブが装備されている。複合圧力容器に固定されたモジュールコンポーネントは、アウトレットアダプタ、手動バルブ、ソレノイドバルブ、ブリードバルブ、熱作動式容器安全弁(TPRD:Thermally activated Pressure Relief Device)、温度センサー、および過流防止弁(EFV:Excess Flow valve)を備え得る。
【0071】
プロセスシーケンスの例を表2に記載する。
【0072】
【0073】
表3は、プロセスで使用されるいくつかのパラメータを示している。
【0074】
【0075】
減圧により、複合圧力容器内の温度が低下するであろう。低温は、減圧段階中での圧力/温度条件に応じて、水の結露と凍結につながることがある。
【0076】
露点を管理し、減圧中に設備をブロックまたは破損することがある水の凍結を防ぐために、湿度レベルを監視する。
【符号の説明】
【0077】
1 複合圧力容器
2 インナーライナー
3 繊維強化ポリマーシェル
4 第1のボス
5 スリーブアダプタアセンブリ
6 第2のボス
7 キャップ
8 プルーフテストアダプタアセンブリ
9 液体
10 バースト封じ込めチャンバ(第1のチャンバ)
11 ガスが吹き込まれる方向
12 吸引ポイントおよび吸引ラインおよび/またはパイプの考えられる回転
13 バルブアセンブリ
50 第1の固定手段
51 吸引ライン
52 吸引ポイント
53 パイプ
54 圧力アダプタコネクタ
54 液体の吸引および気体の排出に使用される開口部
55 液体の充填に使用される開口部
56 気体の注入に使用される開口部
80 第2の固定手段
81 第1の接続手段
【手続補正書】
【提出日】2022-12-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合圧力容器
(1)に対して圧力試験を行うための方法であって、
a 液体を注入するための少なくとも1つの開口部、好ましくは単一の開口部を備える複合圧力容器
(1)を提供するステップと、
b 閾値圧力に到達させるために、前記少なくとも1つの開口部を通して前記複合圧力容器
(1)内に前記液体(9)を注入するステップと、
c 前記複合圧力容器
(1)の外部ボリューム変化を測定するステップと、
d 前記少なくとも1つの開口部を通して、前記複合圧力容器(1)から前記液体
(9)を排出するステップと、
e 乾燥ガスを使用して前記複合圧力容器
(1)の内部空洞を乾燥させるステップと、
を含み、
前記複合圧力容器
(1)の内部空洞を乾燥させるステップが、外部圧力よりも低い前記複合圧力容器内部の圧力で実行される、複合圧力容器
(1)に対して圧力試験を行うための方法。
【請求項2】
前記複合圧力容器
(1)を加熱するステップを含む、請求項1に記載の複合圧力容器
(1)に対して圧力試験を行うための方法。
【請求項3】
前記複合圧力容器
(1)を加熱するステップが、前記複合圧力容器
(1)の前記内部空洞を乾燥させるステップ中に行われる、請求項2に記載の複合圧力容器
(1)に対して圧力試験を行うための方法。
【請求項4】
前記液体
(9)が、前記複合圧力容器
(1)の内部空洞の表面との接触角が、前記内部空洞の表面との水の接触角よりも大きい液体である、請求項1から3のいずれか一項に記載の複合圧力容器
(1)に対して圧力試験を行うための方法。
【請求項5】
前記液体
(9)が、大気圧または前記乾燥工程e中に生じた圧力における水の気化温度よりも低い気化温度を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の複合圧力容器
(1)に対して圧力試験を行うための方法。
【請求項6】
前記液体
(9)が、水、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブチルアルコール、およびそれらの少なくとも2つの混合物からなる群から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の複合圧力容器
(1)に対して圧力試験を行うための方法。
【請求項7】
前記乾燥ガスが、N
2、Ar、He、H
2またはそれらの少なくとも2つの混合物からなる群から選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の複合圧力容器
(1)に対して圧力試験を行うための方法。
【請求項8】
前記乾燥ガスが空気である、請求項1から6のいずれか一項に記載の複合圧力容器
(1)に対して圧力試験を行うための方法。
【請求項9】
前記乾燥ガスが加熱される、請求項1から8のいずれか一項に記載の複合圧力容器
(1)に対して圧力試験を行うための方法。
【請求項10】
請求項1から
9のいずれか一項に記載の複合圧力容器
(1)に対して圧力試験を行うための方法を含む、複合圧力容器
(1)を製造するための方法。
【請求項11】
前記乾燥ガスを使用して前記複合圧力容器
(1)の内部空洞を乾燥させるステップの後に、前記複合圧力容器
(1)にバルブアセンブリを固定するステップを含む、請求項
10に記載の複合圧力容器
(1)を製造するための方法。
【請求項12】
複合圧力容器を製造し圧力試験するための装置であって、第1のチャンバ
(10)と第2のチャンバとを備え、前記第1のチャンバ
(10)が前記複合圧力容器
(1)の圧力試験のための手段を備え、前記第2のチャンバが前記複合圧力容器
(1)の内部空洞を乾燥させるための手段を備える、複合圧力容器を製造し圧力試験するための装置。
【請求項13】
前記第2のチャンバが、複合圧力容器の開口部にバルブアセンブリを固定するための手段を備える、
請求項12に記載の複合圧力容器を製造し圧力試験するための装置。
【請求項14】
前記第1のチャンバ
(10)が前記第2のチャンバでもある、請求項12または13に記載の複合圧力容器を製造し圧力試験するための装置。
【請求項15】
複合圧力容器
(1)のための圧力試験装置であって、
- 吸引ポイント
(52)、吸引ライン
(51)、およびスリーブアダプタアセンブリ
(5)を前記複合圧力容器
(1)の第1のボス
(4)に固定するように構成された第1の固定手段
(50)、を備える、スリーブアダプタアセンブリと、
- プルーフテストアダプタアセンブリ(8)を前記第1のボス(4)に固定するための第2の固定手段(80)と、前記複合圧力容器(1)を液体回路に接続するための第1の接続手段(81)と、を備える、プルーフテストアダプタアセンブリ
(8)と、
- 複合圧力容器の変形を測定する手段と、
を備える、圧力試験装置。
【国際調査報告】