(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-06
(54)【発明の名称】尿路カテーテル延長チューブ
(51)【国際特許分類】
A61M 25/00 20060101AFI20230530BHJP
B65H 75/00 20060101ALI20230530BHJP
B65H 75/32 20060101ALI20230530BHJP
B65H 35/04 20060101ALI20230530BHJP
【FI】
A61M25/00 600
B65H75/00 Z
B65H75/32
B65H35/04
A61M25/00 510
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022564455
(86)(22)【出願日】2021-04-19
(85)【翻訳文提出日】2022-12-12
(86)【国際出願番号】 EP2021060078
(87)【国際公開番号】W WO2021213975
(87)【国際公開日】2021-10-28
(32)【優先日】2020-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512167079
【氏名又は名称】デンツプライ・アイエイチ・アクチエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【氏名又は名称】森 秀行
(74)【代理人】
【識別番号】100196047
【氏名又は名称】柳本 陽征
(72)【発明者】
【氏名】フリーダ、イセラウ
(72)【発明者】
【氏名】ヘイッキ、ソヤッカ
【テーマコード(参考)】
3F058
4C267
【Fターム(参考)】
3F058AA02
3F058AB02
3F058AB05
3F058BA07
3F058BB11
3F058CA10
3F058CA12
3F058CA13
3F058CA14
3F058DA04
3F058EB03
4C267AA03
4C267AA38
4C267AA80
4C267BB01
4C267BB12
4C267GG07
4C267HH17
4C267HH18
(57)【要約】
尿路カテーテル1用の延長チューブ2は、流入口、流出口、および流入口と流出口との間に延びる内部ルーメンを備える管状体を含む。管状体は、少なくとも第1の層を含み、第1の層は、好ましくはかなりの程度の、例えば少なくとも40重量%の天然および/または再生セルロース繊維を含む。管状体は更に、コンパクトにされた、好ましくは一般的に平坦な収納状態に圧縮可能となり、且つ拡張された管状の使用状態に拡張可能となるように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流入口、流出口、および前記流入口と流出口の間に延びる内部ルーメンを備える管状体を含み、前記管状体は、少なくとも第1の層を含み、前記第1の層は、天然および/または再生セルロース繊維を含む、尿路カテーテル用の延長チューブであって、
前記管状体が、コンパクトにされた、好ましくはほぼ平坦な、収納状態に圧縮可能であり、また、拡張された管状の使用状態に拡張可能となるように構成されている、延長チューブ。
【請求項2】
前記第1の層が、天然および/または再生セルロース繊維の少なくとも40重量%、好ましくは少なくとも50重量%、より好ましくは70重量%、更により好ましくは少なくとも80重量%、最も好ましくは少なくとも90重量%を含む、請求項1に記載の延長チューブ。
【請求項3】
前記第1の層が、主に天然セルロース繊維、例えば紙で作製される、請求項1または2に記載の延長チューブ。
【請求項4】
前記第1の層が、再生セルロース繊維、例えばビスコース、好ましくは任意の充填材料を含まないビスコースを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の延長チューブ。
【請求項5】
前記管状体が、前記第1の層によって単一層として形成される、請求項1~4のいずれか一項に記載の延長チューブ。
【請求項6】
前記管状体が、前記第1の層と共に積層構造を形成する、少なくとも1つの追加の層を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の延長チューブ。
【請求項7】
前記管状体が、前記管状体の軸方向に沿って延びる、複数の長手方向に延びる折り目を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の延長チューブ。
【請求項8】
前記長手方向に延びる折り目の少なくとも2つが、互いに対向して配置され、両方向で前記管状体に沿って同一の円周距離で隔てられている、請求項7に記載の延長チューブ。
【請求項9】
ヒダの付いた折り目を形成するため、前記折り目の少なくとも1つにヒダが設けられる、請求項7または8に記載の延長チューブ。
【請求項10】
立ち上がった使用状態の前記管状体が、多角形の断面を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の延長チューブ。
【請求項11】
前記管状体が、立ち上がった使用状態にある場合、四辺形の断面、好ましくは平行四辺形として形成された断面、最も好ましくは菱形または長方形として形成された断面を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の延長チューブ。
【請求項12】
前記管状体が、30~70cmの範囲、好ましくは35~65cmの範囲、より好ましくは40~60cmの範囲の長さを有する、請求項1~11のいずれか一項に記載の延長チューブ。
【請求項13】
前記延長チューブに、前記延長チューブの長手の軸方向に沿って、長さを示すマーキングが設けられている、請求項1~12のいずれか一項に記載の延長チューブ。
【請求項14】
立ち上がった使用状態の前記管状体が、0.5~3cmの範囲、好ましくは1~2.5cmの範囲の最大断面の延長部を有する、請求項1~13のいずれか一項に記載の延長チューブ。
【請求項15】
延長チューブ組立体であって、
ロール状のコンパクトにされた状態で構成される、請求項1~13のいずれか一項に記載の延長チューブと、
前記ロールを収納するための延長チューブティスペンサーであって、前記ロールからある長さの計量分配された延長チューブを切断するためのカッターを含む、延長チューブティスペンサーと、を含む延長チューブ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、尿路カテーテル延長チューブ、および延長チューブ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
尿路カテーテルは、尿を膀胱から排出させるために一般に使用されている。尿路カテーテルは、長期間、例えば、数日もしくは更に数週間使用するための留置型のもの、または間欠的に使用するためのものであってよく、それにより、通常では数分間続く単回の排出処置のためにカテーテルが使用される。間欠尿路カテーテルは、例えば、1日に複数回行われる日常的な処置である、自己尿道法のために多くの人々に使用されている。通常、間欠カテーテル法のためのカテーテルは、例えば、脊髄損傷、多発性硬化症または前立腺肥大症による尿閉に悩まされる患者によって使用される。間欠カテーテルを使用すると、天然または人工尿管を通して膀胱を排出することができる。間欠カテーテル法のためのカテーテルのような多くのカテーテルは、尿管内に安全且つ快適に挿入するために、濡らされたときに平滑でつるつるした表面を提供する親水性コーティングなどが施されている。
【0003】
留置カテーテルは、通常は装着式蓄尿袋と繋がっているが、一方で、間欠尿路カテーテルは、多くの場合尿をトイレなどに直接排出するために使用されている。そのような使用を容易にするため、特に、使用者が十分にトイレの近くに来ることが困難な状況の場合に、および便座の上に移動する必要性を回避するために、排出された尿をカテーテルの排出口からトイレに運ぶ延長チューブを使用することが知られている。延長チューブとして、カテーテルパッケージを使用することも知られている。
【0004】
しかしながら、そのような公知の尿路カテーテル延長チューブは、例えば、カテーテル排出口から排出された尿を受け止めるように延長チューブを所定位置で適切に維持する際に、尿をトイレなどに排出するために配置された延長チューブ出口を排出の間に延長チューブを通る流路の捻れおよび他の障害を回避するように適切に維持する際などに、使用者にとって扱いが困難である場合が多い。
【0005】
更に、公知の延長チューブは比較的高価である場合が多いため、複数回再利用される場合が多い。しかしながら、使用後に適切な方法で洗浄して保管することによって使用済みの延長チューブを手入れすることは、煩雑で手間がかかる。また、延長チューブを再利用しない場合、使用者は、分別を保つため、使用済みの延長チューブを公衆トイレなどのゴミ処理ユニットに廃棄したがらないことが多い。そのため、残存する尿の臭いや、不用意にこぼれ出すことを避けるために、使用後の延長チューブをパッケージ内に配置し、場合により最初に洗浄することによって手入れすることも必要とされている。
【0006】
更に、多くの場合、間欠尿路カテーテルの使用者は、例えば脊髄損傷の結果として、器用さが限られているかまたは低下しており、これによって上記で述べた扱いが一層複雑且つ煩雑なものとなっている。
【0007】
更に、公知の延長チューブは比較的大きくて扱いにくく、延長チューブを個別に持ち運ぶことを困難にしている。
【0008】
従って、特に、それほど器用でない使用者がより容易に扱うことができる尿路カテーテル延長チューブが必要とされている。また、より経済的に製造することができる尿路カテーテル組立体も必要とされている。更に、より小型であり、使用者が日常生活で持ち運ぶのにより容易で、より個別化された、且つ使用後の廃棄がより容易で、より個別化されたカテーテル延長チューブが必要とされている。
【発明の概要】
【0009】
従って、本発明の目的は、上記で述べた問題を少なくとも軽減する尿路カテーテル延長チューブを提供することである。
【0010】
本目的は、添付の特許請求の範囲による尿路カテーテル延長チューブによって達成される。
【0011】
本発明の第1の態様によれば、流入口、流出口、および前記流入口と流出口の間に延びる内部ルーメンを備える管状体(管状の本体)を含み、前記管状体は、少なくとも第1の層を含み、前記第1の層は、天然および/または再生セルロース繊維を含む、尿路カテーテル用の延長チューブであって、管状体が、コンパクトに(小さく)された、好ましくはほぼ平坦な収納状態に圧縮可能となり、拡張させた/立ち上がったさせた管状状態に拡張可能/立ち上げ可能となるように構成される、尿路カテーテル用の延長チューブが提供される。
【0012】
コンパクトにされた収納状態にある場合、延長チューブは非常に小さく、例えば、ロールとして構成することができる。このコンパクトにされた収納位置では、延長チューブを、例えばハンドバッグ、ポケットなどの中で注意を引くことなく個別に持ち運ぶことが容易となり得る。
【0013】
コンパクトにされた収納状態にある場合、延長チューブは、比較的または完全に平坦な状態にコンパクト化されることが好ましい。しかしながら、熟練した読者によって理解されるように、チューブをコンパクト化する他の方法も実現可能である。
【0014】
延長チューブを使用する場合、延長チューブが、拡張された/立ち上がった使用状態に拡張する/立ち上げるため、尿路カテーテルの流体経路の延長をもたらす延長チューブとして機能することができる。この結果、使用者がトイレから若干離れた位置にいる場合であっても、排出された尿を、例えばトイレに排出することができる。
【0015】
使用後、延長チューブを直ちに廃棄することができる。しかしながら、その前に少なくともある程度再びコンパクトにしてもよく、これにより、廃棄する場合により目立たなくなる。代わりに、再度コンパクトにされた延長チューブを収納パッケージ内に配置してもよく、次いで使用前と同様の個別的な方法で使用者に持ち運ばれ、その後廃棄されてもよい。
【0016】
材料は、少なくとも40重量%の天然および/または再生セルロース繊維を含むことが好ましい。延長チューブの材料は、好ましくは、かなりの程度、または極めてかなりの程度でセルロースから作製されているため、一実施形態では、材料は、水に浸漬したときに比較的短い時間の後に分解するように構成され得る。これによって、延長チューブも同様にトイレ内で水に流すようにして廃棄することも可能となる。そのようにすることで、延長チューブは、普通のトイレットペーパーと同様に、しばらくすると分解することになる。このことは、水に流せる延長チューブと称することができる。
【0017】
延長チューブが水に流せるか否かに関わらず、延長チューブの材料は、所定の使用期間の間、すなわち、少なくとも尿を膀胱から排出するのに十分な期間、例えば、少なくとも5分間、好ましくは少なくとも10または15分間、延長チューブの内部ルーメンを通って水または尿が流れるときに、延長チューブが比較的損傷せず、且つ安定的に維持されるように選択および構成されることが好ましい。好ましくは、材料はまた、この所定の使用期間の間に、水分が延長チューブの内面から外面に移動するのを少なくともかなりの程度まで阻止するように構成される。
【0018】
本出願の文脈では、所定の使用期間の間、延長チューブの内部ルーメンを通って水または尿が流れるときに、延長チューブが比較的損傷せず、且つ安定的に維持されるかどうかは、例えば、簡単な試験手順によって、例えば、延長チューブの流入口および流出口の近傍で、それらの間に支持体がなく、比較的水平な位置ではあるが、チューブを通って流れるように若干の僅かな傾斜がついた2つの支持体、例えば2つの棒の上にチューブを置くことによって決定することができる。次いで、水または尿が連続的に流入口に注ぎ込まれる。所定の時間の間に延長チューブが損傷されずに維持される、すなわち、崩壊に抵抗し、且つ、なんらかの著しい漏出がない場合、延長チューブはこの試験に合格している。
【0019】
尿に対する比較的高い抵抗力、および比較的低い吸収性もまた、延長チューブを、例えばゴミ箱などに廃棄する場合に臭いを低減させるための利点となる。
【0020】
同時に、水に流せる延長チューブが求められる場合、延長チューブの材料は、好ましくは水分解性であり、水に浸漬されたときに、例えば延長チューブが水に流せるようになるのに十分な期間内で、延長チューブがかなりの程度まで分解されるように選択および構成される。例えば、延長チューブは、数時間以下の間水に浸漬されたときに、十分に分解するように構成され得る。本明細書における水分解性とは、水性環境に置かれた場合に、例えば水に浸漬された場合に、好ましくは加水分解によって崩壊または分解する材料を意味する。
【0021】
第1の層は、好ましくは、少なくとも50重量%、例えば、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、または少なくとも95重量%の天然および/または再生セルロース繊維を含む。
【0022】
一実施形態では、第1の層は、主に天然セルロース繊維、例えば紙で作製される。
【0023】
これに加えて、またはその代わりに、当該層は、再生セルロース繊維、例えばビスコース、好ましくは任意の充填材料を含まないビスコースを含み得る。
【0024】
管状体は、第1の層によって単一層として形成され得る。それにより、管状体は、第1の層によって実質的に全体が形成され得る。
【0025】
これに代えて、管状体は、前記第1の層と共に積層構造を形成する、少なくとも1つの追加の層を含み得る。追加の層はまた、セルロース系の層、例えば紙であってよいが、より多くのまたはより少ない耐水性、より多くのまたはより少ない剛性などの、第1の層とは異なる特性を有し得る。しかしながら、追加の層はまた、非セルロース系材料、例えば薄いコーティングの熱可塑性ポリマーで作製されていてもよい。
【0026】
追加の層が設けられる場合、第1の層は、最も厚い層であることが好ましい。
【0027】
1つ以上の追加の層を使用する場合、第1の層は、チューブの内腔に面する最内層として構成されていてもよく、またはチューブの外面を形成する最外層として構成されていてもよい。2つ以上の追加の層を使用する場合、第1の層はまた、2つ以上の追加の層の間に配置された中間層であってもよい。
【0028】
セルロース繊維に加えて、セルロース系材料、特に第1の材料は、添加剤、例えば充填剤、顔料、湿潤強度化学物質、保持化学物質、架橋剤、柔軟剤または可塑剤、接着プライマー、湿潤剤、殺生物剤、光学色素、疎水化化学物質、例えばアルキルケテンダイマー(AKD)、アルキルコハク酸無水物(ASA)、ワックス、樹脂などの1つ以上を含み得る。
【0029】
充填剤は、製紙に使用される公知のあらゆる充填剤、例えば、カオリン、陶土、二酸化チタン、セッコウ、タルク、チョーク、粉砕大理石、粉砕炭酸カルシウムおよび沈殿炭酸カルシウムなどの無機充填剤であってよい。
【0030】
好ましくは、材料に所望の吸水特性をもたらすために、例えば、ロジン、流動パラフィンワックス、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルキルコハク酸無水物(ASA)などの1つ以上のサイズ添加剤をセルロース材料に添加してよい。AKDを使用する実施形態では、AKDの含有量は、0.1~10重量%の範囲、好ましくは0.5~5%の範囲、最も好ましくは1~2重量%の範囲であることが好ましい。
【0031】
ポリ乳酸(PLA)を使用する実施形態では、PLAの含有量は、0~50重量%の範囲、好ましくは1~45重量%の範囲、より好ましくは5~40重量%の範囲、更により好ましくは10~35重量%の範囲、最も好ましくは20~30重量%の範囲であることが好ましい。材料にPLAを含有させると、材料がより硬質(高剛性)なものとなる。
【0032】
湿潤強度添加剤は、例えば、ポリアクリルアミド(PAM)などのポリマー、またはデンプンであってよい。
【0033】
好ましい実施形態では、高含量のセルロースと、疎水性を増大させる添加剤だけが存在し、所望により充填剤が添加される。
【0034】
セルロース系材料は、製紙機、例えば、紙、板紙、または同様の製品を製造するために使用される、当業者に公知の任意の従来の種類の機械で製造することができる。材料は湿紙として形成され、次いで乾燥させる。材料の形状安定性および形状記憶を増大させるために、例えば、適切に構成されたワイヤー上に置くことによって、少なくとも部分的に成形され、且つ立ち上げた形態で脱水を行ってもよい。脱水はまた、ウェブを熱、真空、超音波などにさらすことを含み得る。脱水および乾燥後、ソフトニップまたはハードニップ、カレンダーなどによって材料を乾燥または平滑化してもよい。
【0035】
材料のセルロース繊維は、広葉樹繊維または針葉樹繊維の両方に由来する木材セルロース繊維であってよい。しかしながら、セルロースは、農業繊維、例えば、麦わらパルプ、竹、バガス、または他の非木材繊維供給源などの、他の供給源に由来するものであってもよい。材料は、バージン繊維に由来するパルプ、例えば、機械パルプ、化学パルプおよび/またはサーモメカニカルパルプを含むパルプから作製されていることが好ましい。材料はまた、損紙または再生紙から作製することもでき、すなわち、再生繊維であり得る。
【0036】
材料は、結晶質領域および非晶質領域の両方を含む、複数の基本的な繊維を含有するセルロースナノファイバー材料などのナノセルロースも含み得る。この場合、ナノセルロースは、層内で他のセルロースと共に含まれてよく、または別個の層で構成されてよい。ナノセルロースを使用することによって、材料がより安定化して形状が硬質なものとなり、形状記憶が増大し、また、他のセルロース材料よりも耐水性となる。ナノセルロースは、木材または植物ベースのものであってよく、セルロースナノフィブリル(CNF)またはセルロースナノ結晶(CNC)、好ましくはセルロースナノフィブリルから選択され得る。これにより、セルロース製品の原材料は、豊富で再生可能、且つ生分解性の供給源から得られることが保証される。
【0037】
延長チューブを形成する材料は、単一層の材料であるか、または2つ以上の層を有する積層材料であるかに関わらず、50~180g/m2、好ましくは70~170g/m2、最も好ましくは90~130g/m2の範囲の面重量を有することが好ましい。セルロースがより厚く、より長い繊維を有する場合、実質的に同一の特性を有するため、より薄い材料を提供することができる。
【0038】
材料の吸収度は、水がどれくらい多く且つ早く材料に吸収されるかの尺度である。吸収度は、コッブ値として、例えば、ISO 535:014基準に従って測定され得る。コッブ値を測定するための試験では、材料の上に給水柱を配置し、所定時間で測定する。水は室温、典型的には23℃でなければならない。給水柱を取り除き、例えば、ワイプで素早く拭き取ることによって、あらゆる残存する残留水を取り除いた後に、材料の重量を湿潤させた前後で測定した。重量の差が、吸収された水の重量となる。60秒、120秒などの異なる湿潤時間を用いてもよいが、より長い期間およびより短い期間を用いることもできる。しかしながら、標準的な手順に従うと、材料が給水柱にさらされる間の実際の時間は、表面の残存する水を拭き取る時間などを提供するために、指示された湿潤時間未満となる。従って、60秒の湿潤時間の場合、給水柱にさらされるのは45秒であるが、60秒後に秤量が行われる。本出願では、コッブ値は、湿潤が60秒間行われた場合の測定値、すなわちコッブ60値を指す。
【0039】
低いコッブ値は、ほんの少量の水が吸収されることを意味し、これは、ある期間で湿潤させた後であっても、材料がその形状と硬性とを維持し、収納された場合(尿で湿潤した場合)に、材料からの臭いが少ないことを意味するため有利である。より高いコッブ値は、より大量の水が吸収されることを意味する。このことは、材料が湿潤中により容易に溶解/分解することを一般に意味する。従って、十分なコッブ値を有する材料を発見することは、この材料が、チューブを介して排液する間に、安定性および硬性の両方を十分に維持することができ、また、使用後、例えばトイレに流したときに容易に溶解/分解することができることを示している。
【0040】
単一のセルロース系の層、すなわち、第1の層のみを使用する実施形態では、コッブ値として5~50g/m2の範囲で測定される、低い吸収度を有することが好ましい。好ましくは、コッブ値は、10~30g/m2の範囲、最も好ましくは10~20g/m2の範囲である。
【0041】
2つ以上のセルロース系の層を使用する実施形態では、内層がより低いコッブ値を有してよく、外層がより高いコッブ値を有してよい。そのような実施形態では、内層は50~50g/m2の範囲、好ましくは10~30g/m2の範囲、最も好ましくは10~20g/m2の範囲のコッブ値を有し得る。外層は、少なくとも50g/m2、好ましくは少なくとも70g/m2、より好ましくは少なくとも80g/m2、最も好ましくは少なくとも100g/m2のコッブ値を有し得る。外層のコッブ値は、5~150g/m2の範囲、好ましくは70~130g/m2の範囲、最も好ましくは80~110g/m2の範囲であってよい。外層のコッブ値は、150g/m2超、例えば200g/m2以上であってもよい。
【0042】
一実施形態では、内面のコッブ値は、30g/m2未満であることが好ましく、外面のコッブ値は、100g/m2超であることが好ましい。
【0043】
管状体の材料は、内面、すなわち内部ルーメンに面するところでは、壁の中央、および/または外面よりも耐水性であり、より良好な撥水性を有するように構成されることが好ましい。
【0044】
この目的を達成するために、化学的な表面サイズ剤、表面処理剤などを、内面、および所望により外面にも添加してもよい。例えば、デンプンなどのバイオベース組成物を使用して、表面をより高密度で緻密にすることができる。表面は、好適な添加剤によって更に疎水性にすることもできる。
【0045】
加えて、またはその代わりに、積層材料を使用する場合、内層は、外層および/または中間層などの別の層よりも吸収性が低く、耐水性に優れたセルロース系の層であってよい。
【0046】
別の実施形態では、積層材料を使用する場合、コーティングとして疎水性の有機材料、例えばポリ乳酸(PLA)などの薄層が内面に配置され得る。シリコーン系の層、デンプン系の層、粘土系の層、ポリエチレン(PE)層、または他の熱可塑性ポリマー層などを使用することも可能である。積層の代わりに、噴霧またはディップコーティングなどの形態で、そのような層を設けてもよい。内面に対してナノセルロースを含む層を使用してもよい。
【0047】
延長チューブは、主にセルロース系材料で作製されているため、生分解性で非毒性であり、これによって極めて環境に優しいものとなっている。本明細書における生分解性材料とは、微生物作用において、好ましくは、例えば、材料をコンポスト可能にする環境曝露下で、細菌および真菌などの微生物によって分解される有機材料を意味する。生分解性材料は、基準ASTM D6868およびEN 13432に従って生分解性であってもよく、基準ASTM D6400に従ってコンポスト可能であってもよい。
【0048】
管状体は、管状体の軸方向に沿って延びる、複数の長手方向に延びる折り目を有することが好ましい。長手方向に延びる折り目の少なくとも2つは、互いに対向して配置され、両方向で管状体に沿って同一の円周距離で隔てられていることが好ましい。そのような折り目によって、コンパクトにされた実質的に平坦な収納状態に延長チューブを圧縮することが容易となり、また、立ち上がった使用状態に立ち上げたときの延長チューブの硬性が増強される。
【0049】
管状体は、立ち上がった使用状態にあるときに、多角形の断面を有し得る。一実施形態では、管状体は、立ち上がった状態にある場合、四辺形の断面、好ましくは平行四辺形として形成された断面、最も好ましくは菱形または長方形として形成された断面を有する。多角形の断面は、多角形の角または端に折り目を配置することによって提供されることが好ましい。平行四辺形の断面の構成では、各側面は、例えば0.5~1cmの範囲の長さであってよい。
【0050】
折り畳みを容易にするために、また、延長チューブを立ち上がった使用状態で安定化させ、その結果、一度立ち上げたら立ち上がった使用状態を維持するために、折り目は、ヒダの付いた折り目の形態で提供され得る。折り目の中央の窪みまたは突起によってヒダの付いた折り目を設け、折り目に凸状または凹状のビードを形成する。そのようなヒダにより、障害がない場合に立ち上がった使用状態を自動的に取り戻し、この状態を使用中に維持するための記憶を材料に提供することができる。そのようなヒダは、全ての折り目に使用され得るが、代わりに、2つの隣接する折り目、または2つの対向する折り目などの折り目の一部のみに使用され得る。
【0051】
少なくともある程度、立ち上がった使用状態を取り戻すことを目指した、材料における十分な記憶は、他の方法で提供することもできる。例えば、コンパクトにする前に、製造中に少なくとも部分的に立ち上がった状態で延長チューブを乾燥させてもよい。
【0052】
延長チューブは、単一層または2つ以上の層のいずれかを含む単一シートの材料によって形成され得る。チューブを形成するために、好ましくは重複部分によってシートの2つの側面を互いに接続し、頑丈な接続部を設けてよい。接続部は、ホットメルト接着剤などの接着剤によって形成され得る。接着剤は、生体適合性であることが好ましい。
【0053】
重複部分は、折り目によって形成される端の一方にわたって延びるように、例えば、多角形の断面の2つの側面にわたって延びるように構成され得る。それにより、材料が延長チューブの少なくとも一部の部分にわたって二重になるため、構造安定性および耐水性が付与される。そのような二重の層は、例えば、使用時に最下方となることが意図される部分に配置され得る。
【0054】
一実施形態では、重複部分は、2つの折り目の間に延びる少なくとも1つの側面の実質的に全体にわたって延びている。別の実施形態では、重複部分は、少なくとも2つの折り目にわたって延びている。別の実施形態では、重複部分は、折り目にわたって、折り目の間に延びる少なくとも2つの側面の実質的に全体にわたって延びている。
【0055】
管状体は、30~70cmの範囲、好ましくは35~65cmの範囲、より好ましくは40~60cmの範囲の長さを有し得る。しかしながら、延長チューブをはるかに長い長さで提供することもでき、これにより、使用者があらゆる使用状況のために任意の所望の長さで延長チューブをカットすることが可能となる。
【0056】
延長チューブは、延長チューブの長手方向、軸方向に沿って、長さを示すマーキングを設けてもよい。そのようなマーキングは、例えば、定規の目盛りに類似した、様々な長さ、例えばcmまたはインチを示す数字を伴った目盛りの形態であってよい。しかしながら、マーキングは、互いに一定の距離で、例えば5cm毎に配置された符号、または一定の長さ、例えば5cmにわたって連続して延びる、着色されたもしくは別様にマークされた領域などの他の形態であってもよい。そのようなマーキングにより、延長チューブを任意の所望の短い長さにカットまたは切断することが容易となる。それにより、延長チューブの長さを使用者のニーズに容易にカスタマイズさせることができる。例えば、ある使用者は、常に特定の長さの延長チューブを使用するという好みがある可能性があるが、一方で、他の使用者は、トイレの高さ、車椅子からのトイレの到達可能性などの、あらゆる尿の排液処置に対する特定の状況に応じて延長チューブの長さを選択したいと望む可能性がある。
【0057】
特に、そのようなマーキングは、以下で述べるように、例えばディスペンサーを使用して、長い、例えばロール状の延長チューブを提供する場合に大いに有益である。
【0058】
拡張された/立ち上がった使用状態の(管状)体は、0.5~3cmの範囲、好ましくは1~2.5cmの範囲の最大断面の延長部を有することが好ましい。そのような断面の寸法は、尿の排液処置の間に延長チューブを通る尿の流れを制限しないようにできることと、また、使用中にカテーテルの排出端を延長チューブの流入口に挿入することができることの両方において有用である。尿路カテーテルは、多くの場合、しばしばファネルまたはコネクタと称される、広がった、やや拡大した後方端を有しており、延長チューブは、そのような拡大したカテーテル端を挿入することができるような寸法にすることが好ましい。
【0059】
しかしながら、その代わりに、延長チューブは、少なくともその一端で、カテーテルのフレア状に拡大した後方端に挿入されるような寸法にしてよい。
【0060】
延長チューブと共に使用される尿路カテーテルは、通常は、近位挿入端またはその近傍に配置された、1つまたはいくつかの排液口、いわゆるアイまたはアイレットと、アイから排出端に導くカテーテルシャフト内の内部ルーメンとを含む。カテーテルシャフトの一部または全体に親水性コーティングを更に施してよく、または他の方法では、湿潤したときにより低い摩擦を呈する親水性表面を設けてよい。更に、遠位部は、少なくともその一部では、カテーテルシャフトよりも大きい断面寸法を有し得る。遠位部は、例えば、広がっているかまたは遠位端に向かって寸法が増大するファネル形状であってよく、それにより、延長チューブを使用中に正しい位置に維持することが容易となる。
【0061】
カテーテルは、間欠的な、短時間の使用のための尿路カテーテルであることが好ましい。「短時間の使用」という用語は、時間が限られた、特に15分未満、好ましくは10分未満、最も好ましくは5分未満の期間に限られた使用であることを示す。
【0062】
使用時に、カテーテルの排液端を延長チューブの流入口に挿入し、排液処置全体の間、この位置で維持する。
【0063】
延長チューブは、延長チューブの内側とカテーテルの排出端の外壁との間の摩擦によって、カテーテルの端にわたる所定位置で維持するように構成され得る。この摩擦を増大させるため、カテーテルの排出端などと相互作用するように、延長チューブに摩擦増強要素、例えば、入口端の近傍に向かって摩擦を増大させた内部コーティング、畝状部分、フランジ、または他の種類の窪みもしくは突出部分を設けてもよい。一実施形態では、延長チューブの端に、クレープ加工などのヒダ処理により、波状の質感をもたらしてよい。
【0064】
加えて、またはその代わりに、使用者は、例えば、2本の指で握ることなどによって延長チューブをカテーテルの排出端に向かって押すことにより、使用中にカテーテルの排出端にわたる所定位置で延長チューブを手で保持することができる。
【0065】
加えて、またはその代わりに、より密封することが所望される場合、ゴムバンド、接着テープ、ストラップなどの外部接続要素を使用してもよい。
【0066】
本発明の別の態様によれば、
ロール状のコンパクトにされた状態で構成される、上記で述べたような延長チューブと、
回転可能に構成された前記ロールを収納するための延長チューブティスペンサーであって、前記ロールからある長さの計量分配された延長チューブを切断するためのカッターを含む、延長チューブティスペンサーと、を含む延長チューブ組立体が提供される。
【0067】
このディスペンサーによって、使用者は、いつでも所望の長さの延長チューブを計量分配し、切断することができる。このことは、延長チューブにマーキングが設けられている場合に、より一層容易なものとなる。
【0068】
ロールは、複数回の使用に十分な延長チューブを含み得る。例えば、ロールは、長さが1メートル以上、例えば2m以上、5m以上、または更に長い延長チューブを含み得る。
【0069】
ディスペンサーは、延長チューブのロールを交換することができるように構成されていることが好ましい。これにより、ディスペンサーを長期にわたって再使用することができる。
【0070】
カッターは、従来の接着テープのディスペンサーのように、固定された鋸歯として構成してもよく、それにより、延長チューブを鋸歯に向かって下方に引いてカットすることができる。
【0071】
代替的実施形態では、カッターは、蝶番型で、顎状の鋸歯要素を含んでよく、それにより、延長チューブに対してカッターを挟んで固定することによってカットをし、延長チューブを切断する。
【0072】
ディスペンサーは、対向側面;少なくとも1つの側面から延びるハブであって、ハウジング内で延長チューブのロールの回転を保持するように適合されたハブ;側面を接続するブリッジ;およびブリッジに旋回可能に接続されたカッターであって、延長チューブをカットするように適合されたカッターを含む、ハウジングを含み得る。カッターは、複数の切歯を含み得る。ハブは、単一のハブか、またはハウジングの各側面から延びる2つのハブ部分を含んでよく、このハブ部分を互いに噛み合わせてハブを形成する。
【0073】
ディスペンサーは、最低でもディスペンサーに保持される延長チューブのロールよりも大きいことが好ましい。一実施形態では、ディスペンサーは手のひらサイズであるため、使い勝手がよく、持ち運びが容易なものとなる。好ましくは、ディスペンサーは、最低でもディスペンサーに保持される延長チューブのロールよりも大きい。
【0074】
本発明のこれらの態様および他の態様は、以下に記載される実施形態から明らかになり、それらを参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0075】
例示の目的のため、本発明を、添付図面に図示されるそれらの実施形態を参照しながら、以下でより詳細に説明する。
【0076】
【
図1】本発明の実施形態による延長チューブと共に使用するための、例示的な尿路カテーテルの図である。
【
図2a】本発明の実施形態による延長チューブを図示したものであり、
図2aは、立ち上がった使用状態における一実施形態の延長チューブを図示する斜視図であり、
図2bは、コンパクトにされた収納状態の
図2aの延長チューブを図示する斜視図であり、
図2cは、コンパクトにされた収納状態にあり、ロールとして構成される
図2aの延長チューブを図示する側面図であり、
図2dは、立ち上がった使用状態における別の実施形態の延長チューブを図示する斜視図であり、
図2eは、コンパクトにされた収納状態における
図2dの延長チューブを図示する斜視図であり、
図2fは、立ち上がった使用状態における更に別の実施形態の延長チューブを図示する斜視図であり、
図2gは、コンパクトにされた収納状態における
図2fの延長チューブを図示する斜視図であり、
図2hは、立ち上がった使用状態における更に別の実施形態の延長チューブを図示する斜視図である。
【
図2b】本発明の実施形態による延長チューブを図示したものであり、
図2aは、立ち上がった使用状態における一実施形態の延長チューブを図示する斜視図であり、
図2bは、コンパクトにされた収納状態の
図2aの延長チューブを図示する斜視図であり、
図2cは、コンパクトにされた収納状態にあり、ロールとして構成される
図2aの延長チューブを図示する側面図であり、
図2dは、立ち上がった使用状態における別の実施形態の延長チューブを図示する斜視図であり、
図2eは、コンパクトにされた収納状態における
図2dの延長チューブを図示する斜視図であり、
図2fは、立ち上がった使用状態における更に別の実施形態の延長チューブを図示する斜視図であり、
図2gは、コンパクトにされた収納状態における
図2fの延長チューブを図示する斜視図であり、
図2hは、立ち上がった使用状態における更に別の実施形態の延長チューブを図示する斜視図である。
【
図2c】本発明の実施形態による延長チューブを図示したものであり、
図2aは、立ち上がった使用状態における一実施形態の延長チューブを図示する斜視図であり、
図2bは、コンパクトにされた収納状態の
図2aの延長チューブを図示する斜視図であり、
図2cは、コンパクトにされた収納状態にあり、ロールとして構成される
図2aの延長チューブを図示する側面図であり、
図2dは、立ち上がった使用状態における別の実施形態の延長チューブを図示する斜視図であり、
図2eは、コンパクトにされた収納状態における
図2dの延長チューブを図示する斜視図であり、
図2fは、立ち上がった使用状態における更に別の実施形態の延長チューブを図示する斜視図であり、
図2gは、コンパクトにされた収納状態における
図2fの延長チューブを図示する斜視図であり、
図2hは、立ち上がった使用状態における更に別の実施形態の延長チューブを図示する斜視図である。
【
図2d】本発明の実施形態による延長チューブを図示したものであり、
図2aは、立ち上がった使用状態における一実施形態の延長チューブを図示する斜視図であり、
図2bは、コンパクトにされた収納状態の
図2aの延長チューブを図示する斜視図であり、
図2cは、コンパクトにされた収納状態にあり、ロールとして構成される
図2aの延長チューブを図示する側面図であり、
図2dは、立ち上がった使用状態における別の実施形態の延長チューブを図示する斜視図であり、
図2eは、コンパクトにされた収納状態における
図2dの延長チューブを図示する斜視図であり、
図2fは、立ち上がった使用状態における更に別の実施形態の延長チューブを図示する斜視図であり、
図2gは、コンパクトにされた収納状態における
図2fの延長チューブを図示する斜視図であり、
図2hは、立ち上がった使用状態における更に別の実施形態の延長チューブを図示する斜視図である。
【
図2e】本発明の実施形態による延長チューブを図示したものであり、
図2aは、立ち上がった使用状態における一実施形態の延長チューブを図示する斜視図であり、
図2bは、コンパクトにされた収納状態の
図2aの延長チューブを図示する斜視図であり、
図2cは、コンパクトにされた収納状態にあり、ロールとして構成される
図2aの延長チューブを図示する側面図であり、
図2dは、立ち上がった使用状態における別の実施形態の延長チューブを図示する斜視図であり、
図2eは、コンパクトにされた収納状態における
図2dの延長チューブを図示する斜視図であり、
図2fは、立ち上がった使用状態における更に別の実施形態の延長チューブを図示する斜視図であり、
図2gは、コンパクトにされた収納状態における
図2fの延長チューブを図示する斜視図であり、
図2hは、立ち上がった使用状態における更に別の実施形態の延長チューブを図示する斜視図である。
【
図2f】本発明の実施形態による延長チューブを図示したものであり、
図2aは、立ち上がった使用状態における一実施形態の延長チューブを図示する斜視図であり、
図2bは、コンパクトにされた収納状態の
図2aの延長チューブを図示する斜視図であり、
図2cは、コンパクトにされた収納状態にあり、ロールとして構成される
図2aの延長チューブを図示する側面図であり、
図2dは、立ち上がった使用状態における別の実施形態の延長チューブを図示する斜視図であり、
図2eは、コンパクトにされた収納状態における
図2dの延長チューブを図示する斜視図であり、
図2fは、立ち上がった使用状態における更に別の実施形態の延長チューブを図示する斜視図であり、
図2gは、コンパクトにされた収納状態における
図2fの延長チューブを図示する斜視図であり、
図2hは、立ち上がった使用状態における更に別の実施形態の延長チューブを図示する斜視図である。
【
図2g】本発明の実施形態による延長チューブを図示したものであり、
図2aは、立ち上がった使用状態における一実施形態の延長チューブを図示する斜視図であり、
図2bは、コンパクトにされた収納状態の
図2aの延長チューブを図示する斜視図であり、
図2cは、コンパクトにされた収納状態にあり、ロールとして構成される
図2aの延長チューブを図示する側面図であり、
図2dは、立ち上がった使用状態における別の実施形態の延長チューブを図示する斜視図であり、
図2eは、コンパクトにされた収納状態における
図2dの延長チューブを図示する斜視図であり、
図2fは、立ち上がった使用状態における更に別の実施形態の延長チューブを図示する斜視図であり、
図2gは、コンパクトにされた収納状態における
図2fの延長チューブを図示する斜視図であり、
図2hは、立ち上がった使用状態における更に別の実施形態の延長チューブを図示する斜視図である。
【
図2h】本発明の実施形態による延長チューブを図示したものであり、
図2aは、立ち上がった使用状態における一実施形態の延長チューブを図示する斜視図であり、
図2bは、コンパクトにされた収納状態の
図2aの延長チューブを図示する斜視図であり、
図2cは、コンパクトにされた収納状態にあり、ロールとして構成される
図2aの延長チューブを図示する側面図であり、
図2dは、立ち上がった使用状態における別の実施形態の延長チューブを図示する斜視図であり、
図2eは、コンパクトにされた収納状態における
図2dの延長チューブを図示する斜視図であり、
図2fは、立ち上がった使用状態における更に別の実施形態の延長チューブを図示する斜視図であり、
図2gは、コンパクトにされた収納状態における
図2fの延長チューブを図示する斜視図であり、
図2hは、立ち上がった使用状態における更に別の実施形態の延長チューブを図示する斜視図である。
【
図3】他の実施形態による、立ち上がった使用状態における延長チューブを図示する斜視図である。
【
図4】他の実施形態による、立ち上がった使用状態における延長チューブを図示する斜視図である。
【
図5a】他の実施形態による、立ち上がった使用状態における延長チューブを図示する斜視図である。
【
図5b】他の実施形態による、立ち上がった使用状態における延長チューブを図示する斜視図である。
【
図6a】本発明の実施形態による、いずれのヒダもない折り目(
図6a)、内側に突出したヒダを有する折り目(
図6b)、および外側に突出したヒダを有する折り目(
図6c)を図示する側面図である。
【
図6b】本発明の実施形態による、いずれのヒダもない折り目(
図6a)、内側に突出したヒダを有する折り目(
図6b)、および外側に突出したヒダを有する折り目(
図6c)を図示する側面図である。
【
図6c】本発明の実施形態による、いずれのヒダもない折り目(
図6a)、内側に突出したヒダを有する折り目(
図6b)、および外側に突出したヒダを有する折り目(
図6c)を図示する側面図である。
【
図7a】本発明の実施形態による、単一シートの材料によって形成され、1つの側面(
図7a)、2つの側面(
図7b)、ならびに、1つの側面およびこの側面のそれぞれに接する二分の一の側面(
図7c)にわたって延びる接続領域に重複部分を有する延長チューブを図示する断面図である。
【
図7b】本発明の実施形態による、単一シートの材料によって形成され、1つの側面(
図7a)、2つの側面(
図7b)、ならびに、1つの側面およびこの側面のそれぞれに接する二分の一の側面(
図7c)にわたって延びる接続領域に重複部分を有する延長チューブを図示する断面図である。
【
図7c】本発明の実施形態による、単一シートの材料によって形成され、1つの側面(
図7a)、2つの側面(
図7b)、ならびに、1つの側面およびこの側面のそれぞれに接する二分の一の側面(
図7c)にわたって延びる接続領域に重複部分を有する延長チューブを図示する断面図である。
【
図8a】本発明の実施形態による、2つのシートの材料(
図8a)、および3つのシートの材料(
図8b)によって形成された延長チューブを図示する断面図である。
【
図8b】本発明の実施形態による、2つのシートの材料(
図8a)、および3つのシートの材料(
図8b)によって形成された延長チューブを図示する断面図である。
【
図9a】本発明の異なる実施形態による、長さのマーキングのある延長チューブの上面図である。
【
図9b】本発明の異なる実施形態による、長さのマーキングのある延長チューブの上面図である。
【
図9c】本発明の異なる実施形態による、長さのマーキングのある延長チューブの上面図である。
【
図10】
図2aの延長チューブの使用を図示する概略的な側面図である。
【
図11a】本発明の実施形態による、1つ以上の層を有する延長チューブを形成する材料の様々な実施形態を図示する断面図である。
【
図11b】本発明の実施形態による、1つ以上の層を有する延長チューブを形成する材料の様々な実施形態を図示する断面図である。
【
図11c】本発明の実施形態による、1つ以上の層を有する延長チューブを形成する材料の様々な実施形態を図示する断面図である。
【
図11d】本発明の実施形態による、1つ以上の層を有する延長チューブを形成する材料の様々な実施形態を図示する断面図である。
【
図12a】本発明の実施形態による、延長チューブの流入口またはその近傍の接続要素を図示する断面図である。
【
図12b】本発明の実施形態による、延長チューブの流入口またはその近傍の接続要素を図示する断面図である。
【
図12c】本発明の実施形態による、延長チューブの流入口またはその近傍の接続要素を図示する断面図である。
【
図13a】本発明の実施形態による、ロールから延長チューブを計量分配するのに使用可能なディスペンサーの図であって、
図13aはディスペンサーの断面図であり、
図13bはディスペンサーの斜視図である。
【
図13b】本発明の実施形態による、ロールから延長チューブを計量分配するのに使用可能なディスペンサーの図であって、
図13aはディスペンサーの断面図であり、
図13bはディスペンサーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0077】
以下の詳細な説明において、本発明の好ましい実施形態は、実施形態間で交換可能であり、別段特別な指示がない限り、異なる方法で組み合わせてよい。明確にする目的で、図面に図示される特定の構成要素の寸法が、本発明の実際の実装形態において対応する寸法、例えば、延長チューブなどの長さ、幅および高さとは異なっている場合があることにも留意されたい。
【0078】
延長チューブは、尿路カテーテルの排出端が延長チューブの入口端に挿入され、尿の排液中にこの位置の所定位置で保持されるように、尿路カテーテルと協働するように構成される。
【0079】
図1に概略的に図示される例示的な尿路カテーテルは、挿入チップおよびカテーテルシャフトを備える挿入可能な近位部を含む挿入可能部分11と、ファネルまたはコネクタ部および排出端を形成する、遠位部の非挿入可能部分12とを有するカテーテル1を含む。非挿入可能部分12は、少なくともその一部で挿入可能部分11よりも大きい直径を有することが好ましい。非挿入可能部分の後端は、広がっているか、またはファネル形状であってよく、装着式蓄尿袋などの先細の接続部分に接続されるように構成されてよい。しかしながら、代わりに、非挿入可能部分は、比較的均一な断面積を有してよい。
【0080】
延長チューブ
図2a~cを参照すると、延長チューブ2の実施形態は、流入口22、流出口23、および流入口22と流出口23との間に延びる内部ルーメン24を備える管状体21を含む。管状体は、
図2bに図示されるように、コンパクトにされた、ほぼ平坦な状態に圧縮可能となるように構成され、
図2aに図示されるように、立ち上がった、管状の状態に立ち上げ可能となるように構成される。
【0081】
図2cに図示されるように、コンパクトにされた収納状態にある場合、延長チューブは非常に小さく、例えば、ロール25として構成することができる。このコンパクトにされた収納位置では、延長チューブを、例えばハンドバッグ、ポケットなどの中で注意を引くことなく個別に持ち運ぶことが容易となり得る。ロールを巻き上げた状態で維持するために、延長チューブの端にテープを設けてよく、ストラップまたはゴムバンドをロールの周辺などに配置してよい。ロールは、巻き上げた形状を維持する袋などのパッケージに入れて提供してもよい。
【0082】
管状体は、管状体の軸方向に沿って延びる、複数の長手方向に延びる折り目26a~dを有することが好ましい。長手方向に延びる折り目の少なくとも2つは、互いに対向して配置され、両方向で管状体に沿って同一の円周距離で隔てられていることが好ましい。
図2a~cの例示的実施例では、4つの折り目26a~dが設けられ、折り目26aおよび折り目26c、ならびに折り目26bおよび26dは、それぞれ互いに対向して配置され、両方向で管状体に沿って同一の円周距離で隔てられている。従って、ここでの延長チューブは平行四辺形として成形された断面を有しており、立ち上がった使用状態における断面は、例えば、2つの対向側面が1つの長さであり、2つの他の対向側面が別の長さである長方形として形成されるか、または全ての側面が同じ長さである正方形として形成される。
【0083】
図2d~2hを参照すると、延長チューブにフランジを設けてもよく、このフランジは、チューブ壁から突出し得る。フランジは、使用中にチューブを握り、保持するためのハンドルとして使用することができる。加えて、フランジによってチューブに構造安定性が付与されるため、更に使用中にチューブが倒壊することが阻止される。
【0084】
図2dおよび2eに図示される実施形態では、延長チューブ21は、チューブの折り畳まれた端の1つに構成される、すなわち、折り目の1つに沿い、これに接続された細長いタブを形成するフランジ28を含む。フランジは、ここでは、フランジにおいてシートの2つの端を共に接着させることによって形成されている。従って、本実施形態では、フランジとチューブの壁とが同一の材料のシートで作製されており、側壁はシートの単一層を含む一方で、フランジは共に結合された2つの層を含んでいる。従って、本実施形態におけるフランジは、チューブの壁厚と比較して実質的に2倍の厚さを有する。
【0085】
立ち上がった使用状態では、フランジは、
図2dに図示されるように、チューブから突出するように構成されることが好ましい。コンパクトにされた収納状態では、フランジは、
図2eに図示されるように、チューブの側面上に折り畳むことができる。
【0086】
図2fおよび2gに図示される実施形態は、
図2dおよび2eに関して述べた実施形態と同様であり、フランジ28’が同じ方法で形成され、使用される。しかしながら、
図2fおよび2gの実施形態では、フランジは、チューブの側面の1つの中央に構成され、全ての端/折り目から離れて構成される。
【0087】
図2hに図示される更に別の実施形態では、フランジ28”が、
図2dおよび2eに関して述べた実施形態と同じ方法で、端/折り目の1つに接続されて構成される。しかしながら、本実施形態では、チューブを形成するシートの1つの自由端を側壁の1つに接続することによってチューブが形成されるため、壁に2つの層と2倍の厚さとがもたらされる。他の自由端がチューブから伸長することにより、フランジ28”が設けられる。本実施形態では、フランジは単一層で作製されている。チューブは、フランジの厚さの実質的に2倍の厚さを有する、2つの層で作製された少なくとも1つの側壁によって形成される。例示的実施例では、チューブのただ1つの側壁のみが2つの層で作製されている。しかしながら、重複部分を伸長することも実現可能であり、これによって2、3、または4つの側面が2つの層で形成されるか、または側面の一部のみが2倍の層となる。
【0088】
これまでに述べられた実施形態では、チューブは、平行四辺形の形態、特に正方形または菱形の形態の断面を有している。しかしながら、管状体は、立ち上がった使用状態にあるときに、他の多角形の断面を有し得る。延長チューブの実施形態に使用可能ないくつかの例示的な他の多角形の断面を、
図3~5に概略的に図示する。
【0089】
図3の実施形態では、延長チューブの断面が、6つの側壁部分を画定する6つの折り目により、六角形として成形されている。側壁部分は、断面が同一の長さを有する正六角形を形成し得るが、側面は異なる長さであってもよい。しかしながら、好ましくは、任意の2つの対向側面が同一の長さを有することが好ましい。
【0090】
図4の実施形態では、延長チューブの断面が、8つの側壁部分を画定する8つの折り目により、八角形に成形されている。側壁部分は、断面が同一の長さを有する正八角形を形成し得るが、側面は異なる長さであってもよい。しかしながら、好ましくは、任意の2つの対向側面が同一の長さを有することが好ましい。
【0091】
図5aの実施形態では、延長チューブの断面は、同様に六角形として成形されているが、砂時計状であり、凹状の不規則な六角形を形成している。ここでも同様に、側壁部分は、断面が同一の長さを有し得るが、側面は異なる長さであってもよい。しかしながら、好ましくは、任意の2つの対向側面が同一の長さを有することが好ましい。本実施形態では、六角形の凹状の部分の折り畳みが内側に生じることで、コンパクトにされた収納状態が幅方向でよりコンパクトに(小さく)されるが、高さはそれほどコンパクトに(小さく)されることはない。
【0092】
これまでに述べられた全ての実施形態では、延長チューブは、多角形の形態の断面形状を形成する、複数の折り目を有している。しかしながら、より少ない折り目を有する実施形態を使用することもできる。例えば、チューブは、立ち上がった使用状態で互いに向かって圧縮することができるたった2つの折り目を含んでよく、これにより2つの折り目の間にアーチ状に延長する側面が形成される。更に別の代替形態では、折り目が全く存在しない。
【0093】
あらゆる折り目を伴わない、そのような一実施形態を
図5bに図示する。ここでは、チューブは一般に円形の断面形状を有するが、卵形または楕円形などの他の形状を提供してもよい。強制的にコンパクトにされた収納状態にしない場合、立ち上がった状態を取り戻せるように、チューブには、材料になんらかの記憶が施されていることが好ましい。
【0094】
そのような円形断面のチューブは、シートの2つの自由端を共に接着することによって、前述した実施形態と同一の方法で形成することができる。しかしながら、安定性と堅牢性とを増大させるため、例示的実施例のように、材料の細片を螺旋状に共に接着することによってチューブを形成してもよい。
【0095】
折り目は、
図6a~cに関して図示されるように、ヒダの付いた折り目の形態で提供され得る。折り目の中央の窪みまたは突起によってヒダの付いた折り目を設け、折り目に凸状または凹状のビードを形成する。
図6aは、いずれのヒダもない折り目を図示するものであるが、一方で、
図6bは、内側に凹状のヒダを有する折り目を図示し、
図6cは、外側に凸状のヒダを有する折り目を図示している。そのようなヒダは、全ての折り目に使用されてよいが、代わりに、2つの隣接する折り目、または2つの対向する折り目などの折り目の一部のみに使用してよい。
【0096】
延長チューブは、単一層または2つ以上の層のいずれかを含む単一シートの材料によって形成され得る。チューブを形成するために、好ましくは重複部分によってシートの2つの側面を互いに接続し、頑丈な接続部を設けてよい。接続部は、ホットメルト接着剤などの接着剤によって形成され得る。接着剤は、生体適合性であることが好ましい。
【0097】
そのような実施形態を
図7a~cに概略的に図示する。
図7aの実施形態では、2つの端271および272が実質的に1つの側面の長さにわたって互いに重なり合うようにシートが折り畳まれている。
図7bの実施形態では、端271と272との間に、実質的に2つの側面の長さにわたって延びる、より広い重複部分が設けられている。
図7cの実施形態では、
図7bのような同一の長さの重複部分が設けられているが、ここでは、1つの側面全体にわたって、且つ実質的にこの側面全体の側面のそれぞれに接する二分の一の側面にわたって延びている。
【0098】
更に、たった1つのシートの代わりに、2つ以上のシートによって延長チューブを形成することも可能である。そのような実施形態を
図8aおよび8bに図示する。
図8aの実施形態では、チューブは2つのシート27aおよび27bによって形成され、そのどちらもが、それぞれが2つの折り目を含むU字状の断面になるように折り畳まれ、接続部および二重の層がチューブの全ての他の側面に設けられるように、互いに挿入されて構成されている。
図8bの実施形態では、チューブは、その代わり、3つのシート27a、27bおよび27cによって形成されている。ここでは、シートのうちの2つである27aおよび27bが、L字状の断面を形成する単一の折り目によって形成され、第3のシートには、一般にU字状の断面の2つの折り目が設けられている。しかしながら、それぞれがL字状の断面を有する4つのシートなどの他の代替形態も実現可能である。
【0099】
延長チューブに、延長チューブの長手方向、軸方向に沿って、長さを示すマーキングが設けられていてもよい。そのようなマーキングは、
図9aに概略的に図示されているように、例えば、定規の目盛りに類似した、様々な長さ、例えばcmまたはインチを示す数字を伴った目盛りの形態であってよい。本実施形態では、番号の付いたマーキング3がcm毎に設けられている。
【0100】
代替的な実施形態では、マーキングは、
図9bに図示されるように、任意の数字を含まないグラフィックだけのものであり、マーキング3’は、ある種類のグラフィック記号、ここでは、第1の、互いにより離れた距離で、例えば5cm隔てて配置されるより長い線と、別のグラフィック記号、例えば、第2の、互いにより近い距離で、例えば1cm隔てて配置される、より短い線とを含む。
【0101】
更に別の実施形態では、
図9cに図示されるように、互いに連続して構成され、それぞれが特定の長さ、例えば5cmまたは10cmにわたって延びる、異なる色で着色されたか、または異なるマーキングをされた領域の形態で、マーキング3’’が設けられている。2つの異なる種類のマーキングAおよびBを使用して、A-B-A-B-などの連続的な順序が形成され得る。しかしながら、3つ以上の異なる種類のマーキングを使用して、例えば、A-B-C-D-A-B-C-D-A-などの連続的な順序を形成してもよい。マーキング領域は、例えば、赤および青、または淡い灰色および濃い灰色などの異なる色の形態であってよいが、異なる網掛けなどの形態であってもよい。
【0102】
挿入されたカテーテルの排出端を使用中に流入口の所定位置で維持するために、延長チューブと排出端との間の摩擦が多くの場合十分なものであってよく、加えて、またはその代わりに、使用者は、延長チューブを排出端に対して押すことにより、カテーテルの排出端にわたる所定位置で延長チューブを手で保持することができる。
【0103】
しかしながら、接続部は、追加の接続要素を加えることによって強化してもよい。例えば、延長チューブには、
図12aに図示されるように、排出端に摩擦を増大させるため、流入口22の近傍に畝状部分221を設けてよい。加えて、またはその代わりに、
図12bに図示されるように、例えば、延長チューブを内側に折り畳むようにしてフランジ222を設け、これを流入口またはその近傍に設けてよい。
図12aおよび12bの例示的な実施形態では、図示される延長チューブは、円形断面を有する。しかしながら、上記で述べた多角形の断面のいずれかのような、任意の他の種類の断面に対して、同一および類似の種類の追加の接続要素を使用することもできる。
【0104】
加えて、またはその代わりに、追加の接続要素は、例えば、カテーテルの排出端に対して延長チューブを圧縮する、延長チューブ上に構成されるゴムバンドの形態であってよいか、または
図12cに図示されるようなストラップ223としての形態であってよく、これらは、カテーテルの排出端にわたる所定位置にあり、且つ、例えば、接着領域224によって延長チューブ自身と接続されている場合、延長チューブの周りに巻き付けることができる。
【0105】
当業者に容易に認識できるような、多くの他の接続要素が実現可能である。
【0106】
延長チューブの使用
延長チューブを使用するとき、延長チューブは、配置され得る任意のパッケージから取り出されるか、または、(以下でより詳細に述べるように)ディスペンサーから取り出される。延長チューブは、好適な所望の長さに切断してもよい。
【0107】
延長チューブは、次いで、立ち上がった使用状態に立ち上げることにより、延長チューブとして機能させることができる。次いで、尿路カテーテルの排出端12(その挿入可能部分11が既に使用者の尿道に挿入されていてもよい)を、延長チューブの流入口22に入れる。流出口23は、尿を所望の場所に排出することができるように、トイレの縁、または任意の他の適切な位置に配置する。これを
図10に概略的に図示する。この結果、尿路カテーテルの流体経路の延長がもたらされ、使用者がトイレから若干離れた位置にいる場合であっても、排出された尿を、例えばトイレに排出することができる。
【0108】
延長チューブは、延長チューブの内側とカテーテルの排出端の外壁との間の摩擦によって、カテーテルの端にわたる所定位置で維持するように構成され得る。この摩擦を増大させるため、カテーテルの排出端などと相互作用するように、延長チューブに摩擦増強要素、例えば、入口端の近傍に向かって摩擦を増大させた内部コーティング、畝状部分、フランジ、または他の種類の窪みもしくは突出部分を設けてもよい。
【0109】
加えて、またはその代わりに、使用者は、例えば、2本の指で握ることなどによって延長チューブをカテーテルの排出端に向かって押すことにより、使用中にカテーテルの排出端にわたる所定位置で延長チューブを手で保持することができる。
【0110】
加えて、またはその代わりに、より密封することが所望される場合、ゴムバンド、接着テープ、ストラップなどの外部接続要素を使用してもよい。
【0111】
使用後は、延長チューブを直ちに廃棄することができる。しかしながら、その前に少なくともある程度再びコンパクトにしてもよく、これにより、廃棄する場合により目立たなくなる。代わりに、再度収納パッケージ内にコンパクトにされた延長チューブを配置してもよく、次いで使用前と同様の個別的な方法で使用者に持ち運ばれ、その後廃棄してもよい。
【0112】
延長チューブの材料は、かなりの程度で、または極めてかなりの程度でセルロースから作製されているため、材料は、組成物に応じて、水に浸漬したときに比較的短い時間の後に分解するように作製することができる。これによって、延長チューブも同様にトイレ内で水に流すようにして廃棄することも可能となる。そのようにすることで、延長チューブは、普通のトイレットペーパーと同様に、しばらくすると分解することになる。
【0113】
延長チューブの材料
延長チューブは、
図11aに概略的に図示されるように、第1の層273と称する単一のセルロース系の層から作製された、1つまたはいくつかのシートから形成され得る。
【0114】
しかしながら、他の実施形態では、シート材料は、
図11bに図示されるように、積層した第2のセルロース系材料274の形態のような、1つ以上の追加の層を含み得る。
【0115】
加えて、またはその代わりに、シート材料はまた、薄いポリマーフィルムまたはコーティングなどの非セルロース系の層を含み得る。
図11cは、そのような薄いフィルムまたはコーティング275が、第2のセルロース系材料274の上に構成されている一実施形態を図示するものである。
図11dは、薄いコーティングまたはフィルム276が、第1のセルロース系材料273の下方側面の対向面に同様に構成されている一実施形態を図示するものである。
【0116】
しかしながら、例えば、第1のセルロース系の層などの上に構成された薄いポリマーフィルムまたはコーティングのみといった、他の組合せも実現可能である。
【0117】
第1の層は、天然および/または再生セルロース繊維の少なくとも40重量%、好ましくは少なくとも天然および/または再生セルロース繊維の50重量%、例えば、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、または少なくとも95重量%を含み得る。
【0118】
一実施形態では、第1の層は、主に天然セルロース繊維で作製される。好ましい実施形態では、第1の層は、紙で作製される。
【0119】
延長チューブの材料は、所定の使用期間の間、すなわち、少なくとも尿を膀胱から排出するのに十分な期間、例えば、少なくとも5分間、好ましくは少なくとも10または15分間、延長チューブの内部ルーメンを通って水または尿が流れるときに、延長チューブが比較的損傷せず、且つ安定的に維持されるように選択および構成されることが好ましい。好ましくは、材料はまた、この所定の使用期間の間に、水分が延長チューブの内面から外面に移動するのを少なくともかなりの程度まで阻止するように構成される。
【0120】
同時に、延長チューブの材料は、好ましくは水分解性であり、水に浸漬されたときに、例えば延長チューブが水に流せるようになるのに十分な期間内で、延長チューブがかなりの程度まで分解されるように選択および構成される。例えば、延長チューブは、数時間以下の間水に浸漬されたときに、十分に分解するように構成され得る。
【0121】
追加の層は、セルロース系の層であってもよいが、より耐水性であるか、および/またはより硬性を有するなどの、第1のセルロース系の層と少なくともある程度異なる特性を有することが好ましい。任意のそのような追加のセルロース系の層は、好ましくは、天然および/または再生セルロース繊維の少なくとも40重量%、好ましくは天然および/または再生セルロース繊維の少なくとも50重量%、例えば、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、または少なくとも95重量%を含んでもよい。
【0122】
一実施形態では、延長チューブを形成するシート(1つまたは複数)の全ての層がセルロース系の層である。
【0123】
しかしながら、追加の層は、非セルロース系材料、例えば熱可塑性ポリマーの薄いコーティングで作製されていてもよい。
【0124】
セルロース繊維に加えて、セルロース系材料、特に第1の材料は、添加剤、例えば充填剤、顔料、湿潤強度化学物質、保持化学物質、架橋剤、柔軟剤または可塑剤、接着プライマー、湿潤剤、殺生物剤、光学色素、疎水化化学物質、例えばアルキルケテンダイマー(AKD)、アルキルコハク酸無水物(ASA)、ワックス、樹脂などの1つ以上を含み得る。
【0125】
好ましくは、全てのセルロース系の層は、主にセルロースを含有し、所望により充填剤を含有する。任意の追加の添加剤の含有量は、20重量%未満、より好ましくは15重量%未満、より好ましくは10重量%未満、最も好ましくは5重量%未満であることが好ましい。
【0126】
充填剤は、製紙に使用される公知のあらゆる充填剤、例えば、カオリン、陶土、二酸化チタン、セッコウ、タルク、チョーク、粉砕大理石、粉砕炭酸カルシウムおよび沈殿炭酸カルシウムなどの無機充填剤であってよい。
【0127】
材料に所望の吸収特性をもたらすために、例えば、ロジン、流動パラフィンワックス、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルキルコハク酸無水物(ASA)などといった、1つ以上のサイズ添加剤をセルロース材料に添加してよい。
【0128】
AKDを使用する実施形態では、AKDの含有量は、0.1~10重量%の範囲、好ましくは0.5~5%の範囲、最も好ましくは1~2重量%の範囲であることが好ましい。
【0129】
ポリ(乳酸)(PLA)を使用する実施形態では、PLAの含有量は、0~50重量%の範囲、好ましくは1~45重量%の範囲、より好ましくは5~40重量%の範囲、更により好ましくは10~35重量%の範囲、最も好ましくは20~30重量%の範囲であることが好ましい。材料にPLAを含有させると、材料がより硬質なものとなる。
【0130】
湿潤強度剤は、例えば、ポリアクリルアミド(PAM)などのポリマー、またはデンプンであってよい。
【0131】
好ましい実施形態では、高含量のセルロースと、疎水性を増大させる添加剤だけが存在し、所望により充填剤が添加される。
【0132】
セルロース系材料は、製紙機、例えば、紙、板紙、または同様の製品を製造するために使用される、当業者に公知の任意の従来の種類の機械で製造することができる。材料は湿紙として形成され、次いで乾燥させる。材料の形状安定性および形状記憶性を増大させるために、例えば、適切に構成されたワイヤー上に置くことによって、少なくとも部分的に成形され、且つ立ち上がった形態で脱水を行ってもよい。脱水はまた、ウェブを熱、真空、超音波などにさらすことを含み得る。脱水および乾燥後、ソフトニップまたはハードニップ、カレンダーなどによって材料を乾燥または平滑化してもよい。
【0133】
材料のセルロース繊維は、広葉樹繊維および/または針葉樹繊維の両方に由来する木材セルロース繊維であってよい。しかしながら、セルロースは、農業繊維、例えば、麦わらパルプ、竹、バガス、または他の非木材繊維供給源などの、他の供給源に由来するものであってもよい。材料は、バージン繊維に由来するパルプ、例えば、機械パルプ、化学パルプおよび/またはサーモメカニカルパルプを含むパルプから作製されていることが好ましい。材料はまた、損紙または再生紙から作製することもでき、すなわち、再生セルロース繊維であり得る。
【0134】
材料は、結晶質領域および非晶質領域の両方を含む、複数の基本的な繊維を含有するセルロースナノファイバー材料などのナノセルロースも含み得る。この場合、ナノセルロースは、層内で他のセルロースと共に含まれてよく、または別個の層で構成されてよい。ナノセルロースを使用することによって、材料がより安定化して形状が硬質なものとなり、形状記憶が増大し、また、他のセルロース材料よりも耐水性となる。ナノセルロースは、木材または植物ベースのものであってよく、セルロースナノフィブリル(CNF)またはセルロースナノ結晶(CNC)、好ましくはセルロースナノフィブリルから選択され得る。これにより、セルロース製品の原材料は、豊富で再生可能、且つ生分解性の供給源から得られることが保証される。
【0135】
延長チューブを形成するシート材料は、単一層の材料であるか、または2つ以上の層を有する積層材料であるかに関わらず、90~130g/m2の範囲の面重量を有することが好ましい。セルロースがより厚く、より長い繊維を有する場合、実質的に同一の特性を有するため、より薄い材料を提供することができる。
【0136】
単一のセルロース系の層、すなわち、第1の層のみを使用する実施形態では、コッブ60値として5~50g/m2の範囲で測定される吸収度を有することが好ましい。好ましくは、コッブ60値は、10~30g/m2の範囲、最も好ましくは10~20g/m2の範囲である。
【0137】
2つ以上のセルロース系の層を使用する実施形態では、内層がより低いコッブ値を有してよく、外層がより高いコッブ値を有してよい。そのような実施形態では、内層は、5~50g/m2の範囲、好ましくは10~30g/m2の範囲、最も好ましくは10~20g/m2の範囲のコッブ60値を有し得る。外層は、50~150g/m2の範囲、好ましくは70~130g/m2の範囲、最も好ましくは80~110g/m2の範囲のコッブ60値を有し得る。
【0138】
一実施形態では、内面のコッブ60値は、30g/m2未満であることが好ましく、外面のコッブ60値は、100g/m2超であることが好ましい。
【0139】
管状体の材料は、内面、すなわち内部ルーメンに面する箇所では、壁の中央、および/または外面よりも耐水性であり、より良好な撥水性を有するように構成されることが好ましい。
【0140】
この目的を達成するために、化学的な表面サイズ剤、表面処理剤などを、内面、および所望により外面にも添加してもよい。例えば、バイオベース組成物を使用して、表面をより疎水性にすることができる。
【0141】
加えて、またはその代わりに、積層材料を使用する場合、内層は、外層および/または中間層などの別の層よりも吸収性が低く、耐水性に優れたセルロース系の層であってよい。
【0142】
別の実施形態では、積層材料を使用する場合、コーティングとして疎水性の有機材料、例えばポリ(乳酸)(PLA)などの薄層が内面に配置され得る。シリコーン系の層、デンプン系の層、粘土系の層、ポリエチレン(PE)層、または他の熱可塑性ポリマー層などを使用することも可能である。積層の代わりに、噴霧またはディップコーティングなどの形態で、そのような層を設けてもよい。内面に対してナノセルロースを含む層を使用してもよい。
【0143】
延長チューブを形成するシート材料は、生分解性であり、非毒性であることが好ましい。
【0144】
ディスペンサーを備える延長チューブ組立体
延長チューブは、個別のパッケージ内で、例えば、前述で述べたようにロールとして個々に梱包されてよい。
【0145】
代わりに、複数の延長チューブを共にパッケージ内に梱包してよく、例えば、5または10個の延長チューブを1つのパッケージ内に梱包してよい。この場合、パッケージは再封可能であり、パッケージから延長チューブをそれぞれ取り出した後に、パッケージを閉じることができるようにしてもよい。
【0146】
延長チューブは、多くの使用者にとって十分な長さで提供してよく、例えば、30~70cmの範囲、好ましくは35~65cmの範囲、より好ましくは40~60cmの範囲の長さを有する。より短い延長チューブが必要とされる場合、使用者は、例えば、上記で述べたマーキングを用いて延長チューブの一部をカットまたは別様に切断することができる。
【0147】
しかしながら、延長チューブをはるかに長い長さで提供してもよく、これにより、使用者が延長チューブをあらゆる使用状況のために任意の所望の長さにカットすることが可能となる。そのような実施形態では、延長チューブのロールは、非常に長い、例えば、数メートル以上の長さの延長チューブを含んでよく、これにより、ここでも同様に、例えば、上記で述べたマーキングを用いて、使用者があらゆる状況に好適な長さの延長チューブをカットまたは切断することが可能となる。
【0148】
そのように長い延長チューブを容易に扱うために、ロール状のコンパクトにされた状態で配置された延長チューブを収容するように構成されたディスペンサーが提供され得る。ロールは、ハウジング内に回転可能に配置されることが好ましく、ディスペンサーは、前記ロールからある長さの計量分配された延長チューブを切断するためのカッターを含むことが好ましい。
【0149】
このディスペンサーによって、使用者は、いつでも所望の長さの延長チューブを計量分配し、切断することができる。このことは、延長チューブにマーキングが設けられている場合に、より一層容易なものとなる。
【0150】
ロールは、複数回の使用に十分な延長チューブを含み得る。例えば、ロールは、長さが1メートル以上、例えば2m以上、5m以上、または更に長い延長チューブを含み得る。
【0151】
ディスペンサーは、延長チューブのロールを交換することができるように構成されていることが好ましい。これにより、ディスペンサーを長期にわたって再使用することができる。
【0152】
カッターは、従来の接着テープのディスペンサーのように、固定された鋸歯として構成してもよく、それにより、延長チューブを鋸歯に向かって下方に引いてカットすることができる。
【0153】
代替的実施形態では、カッターは、蝶番型で、顎状の鋸歯要素を含んでよく、それにより、延長チューブに対してカッターを挟んで固定することによってカットをし、延長チューブを切断する。
【0154】
そのような実施形態では、
図13aおよび13bに図示されるように、ディスペンサー4は、例示的な実施形態のような開口した側面および閉じた側面、または2つの対向側面を含み、少なくとも1つの側面から延びるハブ42を備えるハウジング41を含む。ハブ42は、延長チューブのロール25がハウジング41の内部で回転するのを保持するように適合されている。周辺壁を形成するブリッジが側面を接続しており、これにより、実質的にロールの厚さを有する比較的平坦なハウジングが形成される。ブリッジは、対向側面のフランジとして形成されてよく、これにより、それらが対になるとブリッジが形成される。
【0155】
ディスペンサーは、ブリッジにヒンジ45を介して回転可能に接続され、延長チューブをカットするように構成されるカッター43を更に含む。カッターは、複数の切歯44を含み得る。歯は、カッターと一体に形成されており、プラスチック材料などの同一の材料であることが好ましい。しかしながら、歯は、別個の構成要素として形成されてもよく、金属などの異なる材料であってよい。歯は、形状が三角形であることが好ましく、3~10歯、例えば3~6歯を設けてよい。しかしながら、歯の代わりに、カッターは、カットするのに効果的な他の種類の刃を有してもよい。
【0156】
ハウジングは、カッターでカットする位置で延長チューブを取り外し可能に保持するために、カッターの歯44を受け入れるチャネル47を形成することが好ましい。チャネル47は、一般に、カッター43をブリッジに接続するヒンジ45と平行な方向で、実質的にハウジングの幅全体に延びていることが好ましい。チャネルは、歯44を完全に受け入れるのに十分な深さがあることが好ましい。チャネルは、カッター43が閉位置に移動するときに弧を描いて横断するように、歯を受け入れるのに十分な幅があることが好ましい。
【0157】
カッターは、スナップロック機構などによって閉位置で維持され得る。
【0158】
ハブ42は、単一のハブか、またはハウジングの各側面から延びる2つのハブ部分を含んでよく、このハブ部分を互いに噛み合わせてハブを形成する。
【0159】
ディスペンサーは、最低でもディスペンサーに保持される延長チューブのロールよりも大きいことが好ましい。一実施形態では、ディスペンサーは手のひらサイズであるため、使い勝手がよく、持ち運びが容易なものとなる。好ましくは、ディスペンサーは、最低でもディスペンサーに保持される延長チューブのロールよりも大きい。ディスペンサーは更に、片手だけで、例えば、カッターを操作するために親指を使用することによって操作可能となるように構成されることが好ましい。
【0160】
回転可能なカッター43は、ハウジング内にロールを実質的に完全に封入するための、ハウジングの蓋およびクロージャーとして機能してもよい。ディスペンサーは、製造するのに費用効率が高く、使用するのに便利である。ハウジングは、例えば、単一の金属片によって製造することができる。
【0161】
ディスペンサーは、単に1つの延長チューブのロールと共に使用される使い捨てユニットとして、または既存のロールが使用された後に新しい延長チューブのロール25が再充填される再利用可能ユニットとしてのいずれかとして使用することができる。
【0162】
好ましい実施形態では、ディスペンサーが再利用可能となるように、ハウジングは、ロールの交換ができるように開口しているか、または開口可能であることが好ましい。例えば、ハウジングは、例示的実施例のように、開口した側面を含み得る。代わりに、ハウジングは、蓋として機能する着脱可能な側壁を含んでよく、この側壁は、ロールを交換するために着脱可能である。更なる別の代替形態では、ハウジングは、2つの対向側壁の間にある、好ましくはカッターと対向する位置にあるブリッジに形成されたヒンジを含んでよく、これにより、ハウジングを開くために、対向側壁を互いに離して折り畳むことが可能となる。従って、2つの対向側壁は、ヒンジのみにわたるブリッジ上で、離れて互いに固定して接続され、固定されていない分離可能なクロージャーによって閉じることができる。ハウジングを閉じたままで維持するために、例えば、スナップロックとして機能し得る固定タブなどを設けてよい。しかしながら、他の固定機構を使用してもよい。
【0163】
ディスペンサーは、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネートなどといった、安価なプラスチック材料から構成されることが好ましい。
【0164】
結論
これまで、本発明の特定の実施形態について説明してきた。しかしながら、当業者に明らかであるように、いくつかの代替形態が可能である。例えば、異なる種類のセルロース系材料を使用してよく、非セルロース系の層を組み合わせてもよい。更に、延長チューブは、例えば、異なる種類の多角形の断面を有するなどの、様々な方法で構成され得る。更に、延長チューブは、単一の長さで提供されてよく、または、長い延長チューブで構成され、例えばディスペンサーを用いて、そこから使用前に適切な長さを切断してよい。更に、ディスペンサーは、様々な方法で構成され得る。
【0165】
そのようなおよび他の明らかな変更は、添付された特許請求の範囲によって定められるように、本発明の範囲内であると見なすべきである。上述の実施形態は、本発明を限定するものではなく、むしろ、当業者が添付の特許請求の範囲の範囲を逸脱することなく多くの代替的実施形態を設計することができることを示すことに留意すべきである。請求項の範囲内の、括弧の間に配置される任意の参照記号は、特許請求の範囲を制限するものとして解釈すべきではない。用語「含む」は、特許請求の範囲に列挙される以外の他の要素または工程の存在を排除するものではない。要素の前に置かれる用語「1つの(「a」)」または「1つの(「an」)」は、複数のそのような要素の存在を排除するものではない。更に、単一ユニットは、特許請求の範囲に記載のいくつかの手段の機能を果たし得る。
【国際調査報告】