IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルビット システムズ オブ アメリカ,エルエルシーの特許一覧

<>
  • 特表-MEMS気密シール装置および方法 図1
  • 特表-MEMS気密シール装置および方法 図2
  • 特表-MEMS気密シール装置および方法 図3A
  • 特表-MEMS気密シール装置および方法 図3B
  • 特表-MEMS気密シール装置および方法 図4A
  • 特表-MEMS気密シール装置および方法 図4B
  • 特表-MEMS気密シール装置および方法 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-06
(54)【発明の名称】MEMS気密シール装置および方法
(51)【国際特許分類】
   B81B 3/00 20060101AFI20230530BHJP
   B81C 1/00 20060101ALI20230530BHJP
   H01L 23/24 20060101ALI20230530BHJP
   H01L 23/02 20060101ALI20230530BHJP
【FI】
B81B3/00
B81C1/00
H01L23/24
H01L23/02 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022566147
(86)(22)【出願日】2021-04-23
(85)【翻訳文提出日】2022-10-28
(86)【国際出願番号】 US2021028845
(87)【国際公開番号】W WO2021222020
(87)【国際公開日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】63/017,316
(32)【優先日】2020-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512169604
【氏名又は名称】エルビット システムズ オブ アメリカ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】チルコット,ダン ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】スミス,アーリン ダブリュ.
【テーマコード(参考)】
3C081
【Fターム(参考)】
3C081AA01
3C081AA17
3C081BA30
3C081CA28
3C081CA32
3C081CA40
3C081DA27
(57)【要約】
本開示は、パッケージまたはアセンブリ内の装置の気密封止に関する。シール可能なデバイスは、好ましくは、MEMSデバイスである。デバイスを取り囲むものは、内部キャビティを画定する第1のシール部材である。デバイスは、内部キャビティ内に位置付けられることができ、その範囲は、第1のシール領域を画定する。第2のシール部材、および場合によっては他のシール部材が、好ましくは、第1のシール部材の外側に位置付けられる。第2のシール部材は、第1のシール部材から離間して第1のシール部材を取り囲んで、第2のシール領域を画定する。ゲッタ材料が、好ましくは、第1および第2のシール領域内に配置され、第1および第2のシール領域は、比較的低い漏れ率を有するMEMSパッケージ化されたアセンブリを提供するように真空圧力の下でシールされる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に位置付けられる第1のシール部材であって、真空シール内部キャビティを取り囲む、第1のシール部材と、
前記真空シール内部キャビティ内に位置付けられる微小電気機械デバイスと、
前記第1のシール部材の外側で前記基板上に位置付けられ、前記第1のシール部材を取り囲む、第2のシール部材と、
前記第1のシール部材と前記第2のシール部材との間に画定される真空シール領域と、
前記真空シール領域内に位置付けられる取り外し不能なゲッタ材料であって、前記真空シール領域からガスを除去するように構成されるゲッタ材料と、を含む、
シール可能なデバイス。
【請求項2】
前記基板は、第1の基板であり、前記ゲッタ材料は、第2のゲッタ材料であり、更に、第2の基板を含み、第1のゲッタ材料が、前記第2のゲッタ材料上に位置付けられ、前記第1のゲッタ材料は、前記真空シール内部キャビティからガスを除去するように構成される、請求項1に記載のシール可能なデバイス。
【請求項3】
前記第2の基板は、前記第1のシール部材および前記第2のシール部材で封止して、前記真空シール内部キャビティ内に真空を形成する、請求項2に記載のシール可能なデバイス。
【請求項4】
前記ゲッタ材料は、第2のゲッタ材料であり、前記真空シール領域は、第2のシール領域であり、更に、前記第2のシール部材の外側に位置付けられる第3のシール部材を含み、第3のシール領域が、前記第3のシール部材と前記第2のシール部材との間に画定され、第3のゲッタ材料が、前記第3のシール領域内に位置付けられ、前記第2のゲッタ材料は、前記真空シール領域からガスを除去するように構成される、請求項1に記載のシール可能なデバイス。
【請求項5】
前記基板は、第1の基板であり、更に、第2の基板を含み、第1のゲッタ材料が、前記第2の基板上に位置付けられ、前記第1のゲッタ材料は、前記真空シール内部キャビティからガスを除去するように構成される、請求項4に記載のシール可能なデバイス。
【請求項6】
前記第2の基板は、前記第1のシール部材、前記第2のシール部材、および前記第3のシール部材で封止して、前記真空シール内部キャビティ内に真空を形成する、請求項5に記載のシール可能なデバイス。
【請求項7】
第1の基板と、
キャビティを完全に取り囲んで前記第1の基板上にパターン化される第1のシール部材であって、微小電気機械デバイスが第1のシール部材から離間した距離で配置される、第1のシール部材と、
前記第1のシール部材から離間した距離で前記第1のシール部材を完全に取り囲んで前記第1の基板上にパターン化される第2のシール部材と、
前記キャビティ内に画定される第1の真空シール領域と、
前記第1のシール部材と前記第2のシール部材との間に画定される第2の真空シール領域と、
前記第1の真空シール領域内に位置付けられる取り外し不能な第1のゲッタ材料と、
前記第2の真空シール領域内に位置付けられる取り外し不能な第2のゲッタ材料と、を含む、
微小電気機械アセンブリ。
【請求項8】
前記第1および第2のゲッタ材料は、それぞれ、前記第1および第2の真空シール領域内に配置される材料を含み、前記第1および第2の真空シール領域の排気および加熱後に、前記第1および第2のゲッタ材料は、前記第1および第2の真空シール領域からガスを除去するように構成される、請求項7に記載の微小電気機械アセンブリ。
【請求項9】
前記第2の真空シール領域の排気は、前記第2の真空シール領域よりも前記第1の真空シール領域においてより大きい圧力を作り出すために、前記第1の真空シール領域の排気よりも大きい、請求項8に記載の微小電気機械アセンブリ。
【請求項10】
前記第1および第2の真空シール領域内の圧力は、1気圧未満であり、より好ましくは、0.5気圧未満である、請求項9に記載の微小電気機械アセンブリ。
【請求項11】
前記第1および第2のシール部材は、前記第1の基板上にシール材料を堆積させ、該堆積させられるシール材料を選択的に除去して、前記第1の基板上で互いに実質的に同一平面にある前記第1および第2のシール部材を残すことによって、前記第1の基板上にパターン化される、請求項7に記載の微小電気機械アセンブリ。
【請求項12】
前記第1の基板に平行に離間する第2の基板であって、それらの間に気密に封止される前記第1および第2のシール部材を有する第2の基板を更に含む、請求項7に記載の微小電気機械アセンブリ。
【請求項13】
前記第1および第2の基板は、半導体基板を含む、請求項12に記載の微小電気機械アセンブリ。
【請求項14】
前記第1のゲッタ材料は、前記第1の基板に面する前記第2の基板の表面に堆積させられる、請求項12に記載の微小電気機械アセンブリ。
【請求項15】
前記第2のゲッタ材料は、前記第2の基板に面する前記第1の基板の表面に堆積させられる、請求項13に記載の微小電気機械アセンブリ。
【請求項16】
微小電気機械アセンブリを形成する方法であって、
第1の基板上に微小電気機械デバイスを形成することと、
前記微小電気機械デバイスの外側の完全な周りの、前記微小電気機械デバイスの外側から離間する、第1の離間した距離で、前記第1の基板上に第1のシール部材をパターン化させることと、
前記第1の基板上で前記第1のシール部材をパターン化することと同時に、前記第1のシール部材の外側の完全な周りの、前記第1のシール部材の外側から離間する、第2の離間した距離で、前記第1の基板上に第2のシール部材をパターン化させることと、
第2の基板上に第1のゲッタ材料を塗布することと、
前記第2の基板上に前記第1のゲッタ材料を塗布する前または後に、前記第1および第2のシール部材の間で前記第1の基板上に第2のゲッタ材料を塗布することと、
前記微小電気機械デバイスの上で、離間した距離で前記第1のゲッタ材料を整列させる間に、前記第1および第2のシール部材によって互いに気密に封止される結合において分離される前記第1の基板に対して前記第2の基板を真空において封止して、前記微小電気機械デバイスを取り囲む真空シール内部キャビティおよび前記第1のシール部材と前記第2のシール部材との間の真空シール領域を同時に形成することと、
前記第1および第2のゲッタ材料をアクティブ化させることと、を含む、
方法。
【請求項17】
前記封止することは、前記微小電気機械デバイスからよりも前記第1および第2のシール部材からより多くの圧力を除去することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記パターン化することは、前記基板上にシール材料を堆積させることと、該堆積させられるシール材料を選択的に除去して、前記第1の基板上で互いに実質的に同一平面上にある前記第1および第2のシール部材を残すことを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記アクティブ化させることは、加熱することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記塗布することは、スパッタリングすることまたは気化させることを含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本出願は、優先権を主張する2020年4月29日に出願された係属中の米国特許出願番号第63/017,316号の継続出願である。その出願の内容は、その全文が参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
微小電気機械システム(MEMS:microelectromechanical system)デバイスは、顕微鏡デバイスに実装されるマイクロメカトロニクス(micro mechatronics)および/またはマイクロシステム(microsystems)を含む。(代替的にMEMSと呼ばれる)微小電気機械システムデバイスは、0.1~100ミクロンの間のサイズのコンポーネントで構成されることができ、MEMSデバイスは、一般に、0.02~25ミリメートルのサイズの範囲にある。MEMSデバイスは、データ(マイクロプロセッサのような集積回路チップ)を処理する中央ユニットと、周囲と相互作用する幾つかのマイクロエレクトロニクスおよび/またはマイクロメカニカルコンポーネント(microelectronic and/or micromechanical components)とを含むことができる。
【0003】
MEMSデバイスは、有利には、半導体製造技術を使用して製造される。例えば、MEMSデバイスは、それぞれの半導体ウェハ内に2つ以上のダイを積み重ねるときに存在するキャビティ内に形成されることができる。1つのダイは、例えば、キャリヤ上に設けられることができ、別のダイは、第1のダイの頂部に取り付けられることができる。気密シーリング(封止)およびボンディング(接合)構成を含む、積み重ねられたダイおよびウェハ構成は、センサおよびそれらの支持回路構成のようなマイクロメカニカルおよびマイクロエレクトロニクスコンポーネントを含むMEMSパッケージまたはアセンブリを形成するために使用されることがある。積み重ねられたダイおよびウェハは、MEMSデバイスを配置する真空キャビティを形成するために、それらの接合された周辺表面でシール(封止)されることが望ましい。幾つかの場合には、気密シールを信頼性があり且つ長持ちするようにすることは、特にダイまたはチップスケールで問題となり得る。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、デバイスの気密封止に関し、デバイスパッケージ化されたアセンブリに関する。シール可能な装置は、好ましくは、シール可能な微小電気機械(MEMS)デバイスであり、アセンブリは、微小電気機械(MEMS)アセンブリである。シール可能なデバイスは、基板上に位置付けられる(或いはは基板上または基板内に形成される)ことができる。第1のシール部材は、基板上に位置付けられることもできる。第1のシール部材は、内部キャビティを画定する。微小電気機械デバイスは、内部キャビティ内に位置付けられる。第2のシール部材が、第1のシール部材の外側に位置付けられる。第1のシール部材と第2のシール部材との間にはシール領域が画定される。ゲッタ材料が、シール領域内に位置付けられる。
【0005】
本開示の少なくとも1つの例によれば、気密封止された微小電気機械アセンブリが提供される。微小電気機械アセンブリは、第1の基板を含むことができる。第1のシール部材が、微小電気機械デバイスが配置されるキャビティを完全に囲む第1の基板上にパターン化されることができる。微小電気機械デバイスは、第1のシール部材から離間して配置され、特に、第1のシール部材の内側、側壁または側面から離間して配置される。第2のシール部材が、第1のシール部材から離間して第1のシール部材を取り囲む第1の基板上にパターン化されることができる。第1のシール領域が、キャビティの範囲によって画定される。第2のシール領域が、第1のシール部材と第2のシール部材との間に、特に、互いに面し合う第1のシール部材および第2のシール部材の側面の間に画定される。第1のゲッタ材料が、第1のシール領域内に位置付けられることができ、第2のゲッタ材料が、第2のシール領域内に位置付けられることができる。第1のゲッタ材料は、第2のゲッタ材料と同じであることができ、或いは第1のゲッタ材料と異なることができる。
【0006】
本開示の少なくとも更なる例によれば、第3のシール部材が、第2のシール部材を完全に取り囲んで、第2のシール部材から離間した距離で、第1の基板上にパターン化されることができる。第3のシール領域が、第3のシール部材と第2のシール部材との間に画定される。第3のゲッタ材料が、第3のシール領域内に位置付けられることができる。アクティブ化させられると、排気または排気および加熱の両方の後に、第1のゲッタ材料は、第1のシール領域内の真空を完了および/または維持し、第1のシール領域内のガスと反応して、第1のシール領域からガスを除去する。第2および第3のゲッタ材料は、それぞれの第2および第3のシール領域内で真空およびガス除去を維持することによって、同様の機能を果たすことができる。第3のゲッタ材料は、第2のゲッタ材料と同じであることができ、或いは第2のゲッタ材料と異なることができる。
【0007】
本開示の少なくとも別の更なる例によれば、微小電気機械アセンブリまたはパッケージを形成する方法が提供される。方法は、第1の基板上に微小電気機械デバイスを形成するスことを含む。堆積、エッチングおよび一般的なフォトリソグラフィプロセスを含む半導体製造が、基板であるウェハダイエリア上で場合によっては製造される、第1の基板の一部として微小電気機械デバイスを形成することができる。従って、基板は、半導体基板であることができる。代替的に、微小電気機械デバイスは、ダイとして半導体基板上に形成されることができ、ダイは、然る後、第1の基板に電気的に結合されるか或いは接合される。微小電気機械デバイスが第1の基板内に形成されるにしろ第1の基板上に形成されるにしろ、第1の基板は、好ましくは、表面の平面性において制御された最小の変動の半導体ウェハである。第1のシール部材は、好ましくは、第2のシール部材と同時にパターン化され、両方とも、第1の基板トポロジー全体に亘って延在することができるシール材料に適用されるフォトレジストおよびエッチング技法を使用してパターン化される。パターン化の後に、第1のシール部材は、微小電気機械デバイスから第1の離間した距離で微小電気機械デバイスを完全に取り囲む、円形、長方形、台形、四辺形等のリングとして現れる。リングは、第1のシール部材が微小電気機械装置を取り囲む限り、任意の形状であることができ、部分的な直線または弓形の壁を含む。第2のシール部材は、第2のシール部材が第1のシール部材から第2の離間した距離で第1のシール部材を完全に取り囲む限り、第1のシール部材と類似の形状または第1のシール部材とは異なる形状にも現れる。第1の離間した距離は、微小電気機械装置と第1のシール部材との間の空間に沿って異なることができる。同様に、第2の離間した距離は、第1のシール部材と第2のシール部材との間の空間に沿って異なることができる。第1の離間した距離は、第2の離間した距離と同じであることができ、或いは異なることができる。
【0008】
第1のゲッタ材料は、第2の基板に塗布されることができる。第1のゲッタ材料を第2の基板に塗布する前または後に、第2のゲッタ材料が第、1のシール部材と第2のシール部材との間で第1の基板に塗布される。次に、第1のゲッタ材料は、第2の基板が第1および第2のシール部材で第1の基板にシールされると、微小電気機械デバイスの上で離間した距離で整列させられる。従って、第1および第2のシール領域を基板にシールして、第1および第2のシール領域に真空を作り出して維持することができる。ゲッタ材料は、真空を維持し、ガスと反応し、シール領域からガスを除去するために、選択されたエリアに適用される。
【0009】
開示する装置および方法の追加的な構成および利点は、以下の記述および図に記載されており、それらから明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】気密シールされたMEMSデバイスシステムによる、単一のシールを有する気密に封止された微小電気機械またはMEMSデバイスの斜視図である。
【0011】
図2】ある例示的な実施形態による、一対のシールを有する気密に封止されたMEMSデバイスの図である。
【0012】
図3A】第1の状態における気密に封止されたMEMSデバイスの側断面平面図を含む、図2の気密に封止されたMEMSデバイスの図である。
図3B】第1の状態における気密に封止されたMEMSデバイスの側断面平面図を含む、図2の気密に封止されたMEMSデバイスの図である。
【0013】
図4A】第2の真空状態における気密に封止されたMEMSデバイスの側断面平面図を含む、図2の気密に封止されたMEMSデバイスの図である。
図4B】第2の真空状態における気密に封止されたMEMSデバイスの側断面平面図を含む、図2の気密に封止されたMEMSデバイスの図である。
【0014】
図5】気密に封止されたMEMSデバイスを含む微小電気機械アセンブリを形成するための方法動作、ステップまたは作用のシーケンスである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
微小電気機械デバイスまたはMEMSデバイスは、半導体製造技法を使用して、半導体ウェハのような基板の表面上に小さな機械構造を作り出す。MEMSデバイスの製造において、半導体製造技法、温度、変位、加速、電子粒子などを感知する移動構造を作り出すために使用される。
【0016】
そのようなMEMSデバイスのパッケージングは、多くの課題を提起する。MEMSアセンブリまたはパッケージは、それらの接合された周辺表面(perimeter surfaces)で封止される、積み重ねられたダイおよびウェハを含むことができる。対応する半導体ウェハの積み重ねられた並びに封止されたダイは、周辺の内側にキャビティを形成することができ、そこでは、MEMSデバイスであることができるデバイスが、キャビティ内に配置される。デバイスは、別のダイまたはウェハの基板に或いはチップキャリアに電気的に結合または接着されることができるダイの一部分として形成される。従って、デバイスは、半導体基板と含められることができ、或いは別のウェハの別の半導体基板に接合されることができる。いずれの例においても、結果として得られるアセンブリのデバイスは、好ましくは、周囲の外部環境への曝露から気密に封止されるキャビティ内に配置される。
【0017】
信頼性があり且つ長持ちする気密シーリングが、センサ、検出器などを含む、多くのデバイスの性能において必要である。MEMS気密シーリング方法およびシステムは、しばしば、微小電気機械デバイスが存在する内部キャビティ領域内の真空を封止するために単一のシーリングリングを使用する。単一のシーリングリングは、金属、ガラスフリット、はんだ、または他の直接接合材料で構成されることがある。内部キャビティ領域は、目標真空レベルを維持するためにゲッタ材料(getter material)を含むことがある。本明細書に記載されるように、ゲッタ材料は、真空を完成させ且つ維持する目的のために真空システム内に配置される反応性材料または類似の材料である。ガス分子がゲッタ材料に衝突すると、ガス分子は化学的に或いは吸収によってゲッタ材料と結合し、排気された空間からのガスの除去を引き起こす。ゲッタ材料は、排気されたチャンバ内の表面にコーティングとして塗布されることができる。排気プロセスを通じてアクティブ化されるときに、および/または熱エネルギと組み合わされるときに、ゲッタ材料は、次に、ガスを除去して、チャンバ内の真空を維持することができる。
【0018】
MEMSデバイスは、好ましくは、少なくとも2つのシール部材を使用して、チャンバまたはキャビティ内で気密に封止され、ゲッタは、キャビティ内およびシール部材間の両方に配置される。本開示は、内部キャビティ内に収容されたMEMSデバイスの周囲に少なくとも2つのシール部材を位置付けることを提供する。シール部材は、真空シールを形成し、MEMSアセンブリ全体の気密シールの漏れ率(漏れ速度)を減少させる。ゲッタまたは望ましくない汚染物を取り除くことによってその真空の効率を向上させる目的のために真空システムの内側に配置される類似の反応性材料は、シール部材間に位置付けられ、内部キャビティ内に配置されて、真空を促進する。真空の除去または維持は、本明細書では、「ゲッタポンプ/ポンピング(getter pump/pumping)」と記載される。真空中のゲッタ材料は、生成される際に残留ガスを継続的に除去し、しばしば、ポンプのみが達成できるよりも高い真空を達成する。従って、ゲッタ自体が、真空ポンプである。一対のシール部材間のゲッタの位置決めは、二重ポンピングされる構造(double pumped structure)(例えば、ゲッタポンピングの2つの領域)を形成し、第1のものは、MEMSデバイスが存在するキャビティ内に画定される第1のシール領域内にあり、第2のものは、第1のシール部材と第2のシール部材との間に画定される第2のシール領域内にある。二重ポンピングされるアセンブリ構造を使用することは、以前の気密に封止されたMEMSアセンブリと比較して、より低い漏れ率を提供し、より低い漏れ率をより長く維持する。漏れがシール表面またはリングの1つからであるならば、ゲッタは、ガスがメインデバイスキャビティに到達する前に、漏れを遮断する。内部シールリングが格子間ゲッタ(interstitial getter)よりも高い漏れ率を有するならば、これはデバイスキャビティをポンピングするのを助けることもできる。しかしながら、漏れ率自体は、最も遅い速度のシールリングと同様に変化しない。格子間ゲッタは、初期処理の間に除去または浄化されないことがある格子間空間(interstitial space)内の物理的または化学的な種(species)を除去するのにも役立つが、ゲッタについて、種は、メインキャビティにも漏れ入ることがある。以下に更に述べるように、幾つかの例示的な実施形態では、三重ポンピングされるアセンブリ(triple pumped assembly)を利用して、漏れ率を更に下げることができる。
【0019】
様々な実施形態では、複数のシール部材が、互いに実質的に同心的に位置付けられ(例えば、冗長なシールライン)、それらの間にゲッタポンピングが生じる。シール部材は、好ましくは、基板上の印刷されたライン(線)である。ゲッタポンピングは、隣接するが離間したシール部材の離間したシールライン間で生じて、内部キャビティ内に位置付けられる1つ以上のMEMSデバイスを気密に封止する。冗長なシールラインの実装は、より大きな「有効」ゲッタエリアを提供する。外側シールライン(例えば、最も外側のシール部材)を通じる外側環境からの如何なる漏れも、それらのシールライン間に堆積されるゲッタによってポンピングされる。内部キャビティの最大漏れ率は、最も低い漏れ率を有する複数のシールラインにおけるシールラインによって決定される。より多くのシール部材、および追加的なシール部材のシールライン間に位置付けられるゲッタ材料の追加は、幾つかの低い漏れ率ラインの確率を増加させる。しかしながら、非常に低い漏れ率を有する少なくとも1つのシール部材の確率は、シール部材の数が増加するにつれて増加し、それによって、デバイスパッケージ化されたアセンブリ全体の漏れ率を低下させる。
【0020】
封止されたキャビティの完全性は、キャビティの容積の関数として見られることができる。幾つかの同心状のシール部材を互いから離間させて、各シール部材をキャビティおよび内側シール部材の完全な周囲に配置することは、約0.01ccの内部キャビティの漏れ率を1e-13~1e-15Torr*1/秒未満に減少させることができる。
【0021】
図1は、気密に封止された装置アセンブリまたはパッケージ100を示している。アセンブリ100は、任意の半導体デバイスを含むことができ、そのような半導体デバイスの例は、MEMSデバイス106である。MEMSデバイスは、ウェハまたはダイの一部として形成することができ、且つ/或いはダイとしてウェハ上に構成されることができる。MEMSデバイスパッケージ100は、キャビティ102内に配置されるMEMSデバイス106で気密に封止される。キャビティ102およびMEMSデバイス106は、シールリング104によって囲まれる。シールリング104は、上に位置する基板を下に位置する基板108に気密に封止する。上述のように、MEMSデバイス106は、力、温度、電子粒子(例えば、電子)等を感知するためのセンサまたは検出器を含むことができる。シールリング104は、ダイのアレイを含むウェハの基板108上に形成されることができ、そのうちの1つは、MEMSデバイス106を含むことができ、或いは、場合によっては、MEMSデバイス106を電気的に結合するMEMSデバイス106の下のダイを含むことができる。MEMSデバイス106は、MEMS動作を維持するために、下に位置する基板108と上に位置する基板との間に延在するシール部材104によって真空キャビティ102内に封止されることが好ましい微小機械可動要素(micro mechanical moving elements)を含むことができる。
【0022】
一実施形態によれば、シール部材104は、基板108上に形成される金属または複数の金属層を含むことができる。シール部材104は、基板108のトポロジー上の1つ以上の金属層のシール層をパターン化することによって形成されることができる。結果として得られるパターン化されたシール部材104は、キャビティ102の外側の広がりを画定するフォトリソグラフィで画定された幅を有し、MEMSデバイス106から離間された距離にある。シール部材104は、様々な半導体製造技法を使用して、或いは無電解メッキ、電着、またはそれらの様々な組み合わせを通じて堆積されることができる。シールリング104は、銅、金、鉛、錫、アルミニウム、白金、または他の適切な材料、またははんだのための良好な湿潤面を提供することができる材料の組み合わせのような、金属材料の1つ以上の層で作られることができる。別の実施形態によれば、シールリング104は、ガラスフリット、セラミック、または非金属物質の他の組み合わせのような、非金属材料で作られることがある。シール機構は、圧縮、熱圧縮、または上方基板と下方基板との間のシール部材104を入口/出口に対して封止する他の技法によって行われる。
【0023】
ゲッタ材料110は、内部キャビティ102内に位置付けられる。キャビティ102は、ゲッタ材料110を組み込んで、目標真空レベルを維持する。しかしながら、MEMSデバイスを気密に封止するために単一のシール部材104を使用することは、高い漏れ率に悩まされ、単一の真空ポンピングされる構造のみを実装する。更に、気密に封止されたMEMSデバイスのための現在のシステムおよび方法では、シールリングの材料および/またはゲッタの材料の変更は、典型的には、製造されたデバイスにおいて測定可能な-望ましくない-漏れ率をもたらす。
【0024】
図2を参照すると、頂面図が、MEMSアセンブリ200内で気密に封止されたMEMSデバイス206を示している。MEMSアセンブリまたはパッケージ200は、例示的な実施形態による第1のシール部材204および第2のシール部材214を有して示されている。第1のゲッタ材料210が、第1のシール領域230としても知られるキャビティ202内に位置付けられる。第2のゲッタ材料220が、第1のシール部材204と第2のシール部材214との間に位置付けられる。第1のシール部材204と第2のシール部材214との間の空間は、第2のシール領域240として示されている。第1のシール部材204の周囲の第2のシール部材214の位置付け、第2のシール部材214と第1のシール部材204との間の第2のシール領域240内で第2のゲッタ材料220を使用することは、気密に封止されたMEMSアセンブリ200の全体としての漏れ率を低下させる。
【0025】
有利には、第2のシール部材214-および(例えば、3つ、4つ、5つなどの)追加的なシール部材-を有する実施形態は、単一のシール部材が気密に封止されたMEMSアセンブリ100と比較して、気密に封止されたMEMSアセンブリ200のより低い漏れ率を提供する。気密に封止されたMEMSデバイス200の第2のシール部材214は、第1のシール部材204と第2のシール部材214との間に冗長なシールラインおよび二重/複数ゲッタ/真空ポンピングを提供する。従って、外側シール部材を通じる大気からの外側シール部材(例えば、第2のシール部材214)における漏れがシールライン間に堆積されるゲッタ材料220によってポンピングされて、気密に封止されたMEMSアセンブリ200の「有効」ゲッタ領域が増加させられる。逆に、図1に示すような、既存の気密に封止されたMEMSデバイスの外側シール部材内の漏れは、周囲の外気(ambient, outside atmosphere)を内部キャビティおよびその中に位置付けられるMEMSデバイス106に露出させる。
【0026】
図2を参照すると、第1のシール部材204は、完全に周囲に配置され、内部キャビティ202内でMEMSデバイス206を封止し、その場合、内部キャビティ202は、第1のシール領域230を画定する。第1のシール部材204は、第1の基板208上にフォトリソグラフィ印刷されるか或いは付加的にメッキされることができる。内部キャビティ202、よって、第1のシール領域230は、第1のゲッタ材料210を組み込む。第1のゲッタ材料210(ならびに第2のゲッタ材料220、または追加的なシール部材間の追加的な周囲のゲッタ材料)は、印刷、めっき、スパッタリング、抵抗蒸着、電子ビーム蒸着を使用して堆積され、上述の反応性材料を含む。適切なゲッタ材料の例は、ジルコニウム、チタン、ホウ素、コバルト、カルシウム、ストロンチウム、トリウム、アルミニウム、バリウム、マグネシウム、もしくはそれらの組み合わせ、またはハフニウム、タンタル、バナジウム、ニオブ、鉄、および特定の希土類元素を含む合金の組み合わせを含む。ゲッタ材料は、適切なシール領域に配置されてアクティブ化されると、目標真空レベルを維持する。第2のシール部材214は、基板208上の第1のシール部材204と同一平面上に位置付けられる。第2のシール部材214は、第1のシール部材204から離間し、内部キャビティ202および第1のシール部材204の更に外側にあり且つそれらを完全に囲む。
【0027】
第1のシール部材204と第2のシール部材214との間のギャップは、第2のシール領域240を画定する。第2のゲッタ材料220は、第2のシール領域240内で第1のシール部材204と第2のシール部材214との間に位置付けられる。第2のシール領域240内の第2のゲッタ材料220の存在は、気密に封止されたアセンブリ200が二重ポンピングされる構造を達成するように、ゲッタポンプを提供する。第2のシール部材214の位置付けは、シールライン間(例えば、第1のシール部材204と第2のシール部材214との間)の連続的な空間においてゲッタポンピングを可能にして、より効果的なゲッタと、より安定した真空レベルとをもたらす。幾つかの実施態様において、第2のシール領域240は、ゲッタ材料220によって維持される真空を作り出すために、シール中にポンプまたは類似のデバイスでポンピングされる。
【0028】
様々な実施形態では、追加的なシール部材が、第2のシール部材214の外側に位置付けられ、第2のシール部材214を完全に囲み、シール部材間の各々の離間した連続的な領域は、複数のゲッタポンピング領域を持つ複数のシール部材アセンブリを提供するようにゲッタ材料を有する。例えば、5つのシール部材を気密に封止するMEMSデバイスは、隣接するシール部材間のゲッタ材料の4つの領域と、真空封止される内部キャビティ内の1つのゲッタ材料とを含む、5つのポンプされる構造である。ゲッタ材料の4つの領域は、単一のシール部材/リング実装と比較して、より効果的なゲッタポンピングエリアを提供する。
【0029】
内部キャビティ202(または第1のシール領域230)への最大の漏れ率は、複数のシール部材の中で最も低い漏れ率を伴うシール部材/リングによって与えられる。それによって、シール部材の数を増やすことは、幾つかの低い漏れ率のシール部材が存在するとしても、MEMSシーリング確率を増加させる。換言すれば、気密に封止されたMEMSアセンブリにおける複数のシール部材の実装は、内部キャビティ202または第1のシール領域230に配置されるMEMSデバイスについて、より低い漏れ率のシールおよびより安定した真空レベルの可能性をより高くする。幾つかの実施形態において、ゲッタ材料の領域は、シーリングおよび真空ポンピングの複数の部材/リングを提供するために、ゲッタ材料が追加される前または後に真空ポンピングされてよい。
【0030】
図3Aおよび図3Bを参照すると、気密に封止されたMEMSデバイス206の一対の図が例示されている。図2の気密に封止されたMEMSデバイス206の側断面図(図3B)は、組み立てられていない状態300(例えば、第1の状態)で示されている。図3Bは、図3Aの平面3B-3Bに沿って取られて示されている。図3Aは、図2と同様であり、第2のゲッタ220は、図面の明瞭性のために取り除かれている。しかしながら、第2のゲッタ220は、それにもかかわらず存在し、完全性のために図3Bに提供されることが理解されよう。組み立てられていない状態300において、図3Bに示す第2の基板308は、その上に位置付けられた第1のゲッタ材料210を含む。第1の基板208は、その上に位置付けられた第1のシール部材204と、第2のシール部材214の内部とを有し、第2のシール領域240が、第1のシール部材204と第2のシール部材214との間に位置付けられている。
【0031】
第2の基板308は、第1の基板に隣接して、第1の基板に平行に位置付けられる。ゲッタ材料は、基板208または基板308のいずれかの上にあることができ、或いは両方の基板208、308の上にあることができる。例えば、第1のゲッタ材料210は、MEMSデバイス206から離間して整列させられ、第1の基板208上でのパターン化またはめっき中に適用されるときに第1の基板208上に既に気密に封止された第1のシール部材204および第2のシール部材214は、それらの上面(upper surfaces)で、第2の基板308の下面(lower surface)で封止される。第1および第2のシール部材204、214の上面は、有利には、パターン化またはメッキされるシール部材層が、基板208を形成するために使用される半導体ウェハの実質的に平滑で均一なトポロジーに亘る類似の堆積厚さの故に同じ厚さおよび同じ高さであることの故に、同じ高さ(elevation)にあり、且つ互いに平らである。第2のゲッタ材料220も、第1のシール部材204および第2のシール部材214の対向する側面(lateral surfaces)の間で、第1の基板208上に堆積される。第1のシール部材および第2のシール部材の側面は、好ましくは、例えば、フォトレジストで覆われていないシール部材層のエリアに適用される異方性エッチングを使用することによって、第1の基板208の上面に対して垂直に実質的に方向付けられる。従って、シール部材204、214の高さ(height)は同じであり、組み立てられた状態400における図4Bに示すように、それらの間のギャップを維持するために、MEMSデバイス206および第1のゲッタ材料210の厚さよりも大きくなければならない。
【0032】
図4Bを参照すると、組み立てられた状態400が、図4Aの4B-4Bに沿う平面断面として示されている。前述したように、図4Aは、図面における明瞭性のために、第2のゲッタ材料220を図示していない。しかしながら、図4Bは、第2のゲッタ材料220を図示している。図4Aおよび図4Bは、第1および第2のシール部材204、214の外側を完全に取り囲み且つそれらから離間する第3のシール部材314を図示している。第3のシール部材314は、第1および第2のシール部材204、214と同一平面上にあり、第1および第2のシール部材204、214の上面と同一平面上にもある上面を有する。第3のシール部材314に加えて、図4Aおよび図4Bは、第3のシール部材314の外側を取り囲み且つそれから離間する場合によっては追加的なシール部材を示している。それらの追加的なシール部材は、他のシール部材と同一平面上にあり、好ましくは、他のシール部材と同じ(第1の基板208の上面と平行に測定される)幅にある。
【0033】
第2のシール部材214と第3のシール部材との間に配置されるのは、(図4Bに示す)第3のゲッタ材料320である。第3のゲッタ材料320は、第2のゲッタ材料220と実質的に同じ厚さであることができ、場合によっては、第1のゲッタ材料210と同じ厚さであることができる。第1のシール領域230が第1の圧力(P1)を有するように、真空が、キャビティ202によって画定された第1のシール領域230に形成される。第2のシール領域240は、第2のゲッタ材料220を含み、第2のシール圧力(P2)を有する。様々な実施形態において、第1の圧力(P1)は、第2の圧力(P2)よりも大きい。換言すれば、第1のシール領域230内の圧力は、第2のシール領域240内の圧力よりも大きい。ひとたびシールされると、真空レベルが維持され、ゲッタ材料は、封止されたアセンブリ200の内部キャビティ202内に存在するMEMSデバイス206を劣化させることがあるガスと化学的に反応し、吸収し(absorb)、且つ/或いは吸着する(adsorb)。
【0034】
(第1のシール圧力(P1)をもたらす)第1のシール領域230からよりも(第2のシール圧力(P2)をもたらす)第2のシール領域240からより多くの圧力を除去することは、第1のシール部材204が漏れを受け、第2のシール部材214が第1のシール部材204よりも小さい漏れを受ける場合に、MEMSデバイス206からより大きな負圧差を確保することを助ける。第1および第2のシール領域230、240のそれぞれに配置されるゲッタ材料210、220は、圧力差を維持するのを助ける。第1のゲッタ材料210の量は、所望のゲッタポンピング差の程度に依存して、第2のゲッタ材料220の量より多いか或いは少ないことができる。例えば、圧力P1を有する第1のシール領域に対してP2を下げるために第2のシール領域においてより大きな真空度が必要とされるならば、第1のシール領域230に対して第2のシール領域240により多くのゲッタ材料が適用されることがある。
【0035】
図5を参照すると、MEMSアセンブリを形成する方法が示されている。本方法の1つのステップ502は、基板上または基板内にMEMSデバイスを形成することを含む。MEMSデバイスを含む基板は、基板208または基板208上の基板であることができる。MEMSデバイス206が基板上または基板内に形成されるならば、MEMSデバイス206を含む形成されたままの基板を、図示のように、基板208に適用することができる。MEMSデバイス206は、半導体ウェハからダイとして製造されることができる。
【0036】
ステップ504において、第1および第2のシール部材204、214は、互いに同時に形成される。シール部材204、214が単一層であろうと多層であろうと、各層は、基板208のトポロジーに亘って連続的に堆積される。然る後に、フォトレジストおよびエッチングを使用して、トポロジーに亘って堆積された単層または多層シール材料を選択的に除去して、第1および第2のシール部材204、214を残す。
【0037】
ステップ506において、第2のゲッタ材料220を、第1のシール部材204と第2のシール部材214との間の基板208上に配置することができる。第2のゲッタ材料を、互いに面し合うシール部材204、214の側面に配置することもできる。ステップ506で第2のゲッタ材料220を塗布する前または後に、ステップ508で、第1のゲッタ材料210を、第2の基板308に塗布することができる。よって、矢印510によって示すように、順序を逆にすることができる。好ましくは、第1のゲッタ材料は、MEMSデバイス206が形成される基板208の表面に平行であり且つ面する基板308の表面に塗布される。
【0038】
第1のゲッタ材料210をMEMSデバイス206上で離間して整列させる間に、ステップ510で、キャビティ202が、第1のゲッタ材料210とMEMSデバイス206との間のギャップまたは空間に形成される。キャビティは、第2の基板308を第1の基板208に封止することによって真空中で形成される。気密シールは、第1および第2のシール部材204、214の上面と、第2の基板308の下面との間の境界で生じる。真空圧P1およびP2は、第1および第2のシール領域230、240が形成されるときに、シーリング中に境界で排気することによって生成される。第1および第2のゲッタ材料210、220は、真空シール中または熱エネルギ512を加えた後のいずれかでアクティブ化される。
【0039】
様々な例示的な実施形態の構成および配置は例示的にすぎないことに留意することが重要である。この開示においては、ほんの僅かな実施形態のみが詳細に記載されているが、この開示を検討する当業者は、本明細書に記載する主題の新規な教示および利点から実質的に逸脱することなく、多くの修正(例えば、様々な要素のサイズ、寸法、構造、形状および割合、パラメータの値、実装配置、材料の使用、色、向きなどの変化)が可能であることを、容易に理解するであろう。例えば、一体的に形成されたように示される要素は、多数の部品または要素から構成されてよく、要素の位置は、逆にされるか或いは他の方法で変更されてよく、別個の要素または位置の性質または数は、変更されるか或いは変化されてよい。任意のプロセスまたは方法ステップの順序またはシーケンスは、代替的な実施形態に従って変更されて良く或いは順序変更されてよい。追加的に、特定の実施形態からの構成は、当業者に理解されるように他の実施形態からの構成と組み合わされてよい。他の置換、修正、変更および省略が、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な例示的な実施形態の設計、動作条件および配置において行われてもよい。
【0040】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるとき、単数形の単語は、文脈が明らかに別のことを指示しない限り、複数形を含む。よって、単数形の表現(「a」、「an」および「the」)の言及は、一般に、それぞれの用語の複数を含む。例えば、「ある構成(a feature)」への言及は、複数のそのような「構成」を含む。「Xおよび/またはY」の文脈で使用される「および/または」という用語は、「X」または「Y」または「XおよびY」と解釈されるべきである。
【0041】
様々な実施形態を記載する本明細書における「例」という用語のあらゆる使用は、そのような実施形態が可能な実施形態の可能な例、表現および/または図示であることを示すことを意図する(そして、そのような用語は、そのような実施形態が必ずしも異常な例または最高の例であることを意図しない)ことが留意されるべきである。更に、本明細書で利用されるとき、「実質的に」という用語および類似の用語は、本開示の主題が関係する当業者による一般的および受け入れられた用法と調和する広い意味を有することを意図する。これらの用語は、これらの構成の範囲を提供される正確な数値範囲に限定することなく、記載され且つ特許請求される特定の構成の記述を可能にすることを意図することが、当業者によって理解されるはずである。従って、これらの用語は、記載され且つ特許請求される主題の実質的でないまたは重要でない(例えば、所与の角度または他の値の±5%以内の)修正または変更が、添付の特許請求の範囲に記載される本発明の範囲内にあるとみなされることを示すものとして解釈されるべきである。値に関して使用されるときの「ほぼ(approximately)」という用語は、関連する値の±5%を意味する。
【0042】
本明細書で使用されるとき、「結合される(coupled)」等の用語は、2つの部材の互いの直接的または間接的な接合(joining)を意味する。そのような接合は、静止的(例えば、永久的)または可動(例えば、取り外し可能または解放可能)であってよい。そのような接合は、互いに単一の統合的な本体として一体的に形成された2つの部材または2つの部材および任意の追加的な中間部材で、或いは互いに取り付けられた2つの部材または2つの部材および任意の追加的な中間部材で達成されてよい。
【0043】
本明細書中の図は、方法ステップの特定の順序および組成を示すことがあるが、これらのステップの順序は示されるものとは異なってよいことが理解されることが留意されるべきである。例えば、2つ以上のステップは、同時にまたは部分的に同時に行われてよい。また、別個のステップとして行われる幾つかの方法ステップは、組み合わされてよく、組み合わせステップとして行われるステップは、別個のステップに分離されてよく、特定のプロセスのシーケンスは、逆にされてよく或いは他の方法で変更されてよく、別個のプロセスの性質または数は、変更または変化されてよい。任意の要素または装置の順序またはシーケンスは、代替的な実施形態に従って変更または置換されてよい。従って、全てのそのような修正は、添付の特許請求の範囲に定義されるような本開示の範囲内に含まれることが意図される。
【0044】
更なる詳細な説明なしに、当業者は、先行する記述を使用して、特許請求される発明を最大限に利用することができると考えられる。本明細書に開示する例および実施形態は、単なる例示として解釈されるべきであり、本開示の範囲を如何様にも限定しない。議論した基本原理から逸脱することなく、上述の実施形態の詳細に変更を行ってよいことが、当業者に明らかであろう。換言すれば、上記記述中に具体的に開示される実施形態の様々な修正および改良は、添付の特許請求の範囲の範囲内である。例えば、記載される様々な実施形態の構成の任意の適切な組み合わせが考えられる。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
【国際調査報告】