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特表2023-523648複合酸化物の界面における導電状態の低電圧電子ビーム制御
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-06
(54)【発明の名称】複合酸化物の界面における導電状態の低電圧電子ビーム制御
(51)【国際特許分類】
   H10N 60/01 20230101AFI20230530BHJP
   H01L 29/06 20060101ALI20230530BHJP
   B82Y 40/00 20110101ALI20230530BHJP
   H01J 37/305 20060101ALI20230530BHJP
【FI】
H10N60/01 Z
H01L29/06 601N
B82Y40/00
H01J37/305 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022581730
(86)(22)【出願日】2021-02-11
(85)【翻訳文提出日】2022-11-28
(86)【国際出願番号】 US2021017644
(87)【国際公開番号】W WO2021211197
(87)【国際公開日】2021-10-21
(31)【優先権主張番号】63/009,211
(32)【優先日】2020-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506147560
【氏名又は名称】ユニバーシティ オブ ピッツバーグ-オブ ザ コモンウェルス システム オブ ハイヤー エデュケーション
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITY OF PITTSBURGH OF THE COMMONWEALTH SYSTEM OF HIGHER EDUCATION
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】レヴィー、 ジェレミー
【テーマコード(参考)】
4M113
5C101
【Fターム(参考)】
4M113AC45
4M113AC50
4M113BC01
4M113CA16
5C101AA27
(57)【要約】
超低電圧電子ビームを第1の絶縁層の表面に導くことを有する方法が記載されている。第1の絶縁層は第2の絶縁層上に配置される。本方法は、超低電圧電子ビームを当てることで第1の絶縁層の表面を改変し、第1の電子物性を有する第1の状態と第2の電子物性を有する第2の状態との間で界面を選択的に切り替えることを有する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)超低電圧電子ビームを、第2の絶縁層上に配置された第1の絶縁層の表面に導き、
(b)超低電圧電子ビームを当てることで前記第1の絶縁層の表面を改変し、前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層との間にある界面を、第1の電子特性を有する第1の状態と第2の電子特性を有する第2の状態との間で選択的に切り替える、方法。
【請求項2】
前記第1の状態が絶縁状態であり、前記第2の状態が導電状態である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の状態が第1の導電状態であり、前記第2の状態が第2の導電状態である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
約0.1mm/secよりも速く約15mm/sec未満の速度で前記界面に導電線を書き込む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の絶縁層の表面を改変することは、前記第1の絶縁層の表面の一部を改変することを含み、前記第1の絶縁層の前記表面の一部は、約2ナノメートルまたは約200ナノメートル以下の特徴サイズを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
絶縁状態、導電状態、超伝導状態、強誘電状態または強磁性状態のうちの少なくとも1つを実現するように、前記界面の改変が可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の絶縁層がLaAlO3を有し、前記第2の絶縁層がSrTiO3を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の絶縁層上に配置された上層を通して前記超低電圧電子ビームを導く、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の絶縁層がSrTiO3を有し、前記第2の絶縁層がLaAlO3を有し、前記第1の絶縁層上に配置された上層を通して前記超低電圧電子ビームを導く、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記上層がグラフェンを有する、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記界面にナノワイヤを書き込む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
(a)第1の絶縁層及び第2の絶縁層と、
(b)前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層との間の界面と、
(c)前記第1の絶縁層上に配置された上層と、
を有し、
前記界面の電子特性が、前記第1の絶縁層に導かれる超低電圧電子ビームに反応して改変可能である、再構成可能デバイス。
【請求項13】
前記第1の絶縁層がLaAlO3を有する、請求項12に記載の再構成可能デバイス。
【請求項14】
前記第2の絶縁層がSrTiO3を有する、請求項12に記載の再構成可能デバイス。
【請求項15】
前記上層がグラフェンを有する、請求項12に記載の再構成可能デバイス。
【請求項16】
前記第1の絶縁層が、LaTiO3、LaVO3、KTaO3、CaZrO3及びα-Al23からなるグループから選択される化合物を含む、請求項12に記載の再構成可能デバイス。
【請求項17】
前記第1の絶縁層がSrTiO3を有し、前記第2の絶縁層がLaAlO3を有する、請求項12に記載の再構成可能デバイス。
【請求項18】
(a)1つまたは複数のデバイス電極と、
(b)前記1つまたは複数のデバイス電極と結合するように構成された1つまたは複数の界面電極と、
(c)第1の絶縁層及び第2の絶縁層と、
(d)前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層との間にあって、前記1つまたは複数の界面電極と結合された界面と、
(e)前記第1の絶縁層上に配置された上層と、
を有し、
超低電圧電子ビームを前記第1の絶縁層に導くことで再構成可能な、電子アセンブリ。
【請求項19】
前記上層がグラフェンを有する、請求項18に記載の電子アセンブリ。
【請求項20】
前記第1の絶縁層がLaAlO3を有し、前記第2の絶縁層がSrTiO3を有する、請求項18に記載の電子アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年4月13日に出願された米国仮特許出願第63/009,211号を基礎とする利益及び優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【0002】
本発明は、米国海軍省によって授与された認可番号N00014-15-1-2847の下で政府の支援を受けて行われた。政府は本発明について一定の権利を有する。
【0003】
本開示は、酸化物構造及びそのような構造間の界面の挙動に関する。
【背景技術】
【0004】
2次元電子液体は、2つの絶縁性非磁性酸化物LaAlO3(「LAO」)及びSrTiO3(「STO」)の間の界面に形成される。界面は、様々な電気的な物理現象を示し、さまざまな特性を有する。
【0005】
2つの絶縁性非磁性酸化物間の界面の制御を含む新しいデバイス、システム及び方法が当該技術分野で必要とされている。本開示は、その必要性を満たす。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、例えばLaAlO3(「LAO」)及びSrTiO3(「STO」)の2つの絶縁性非磁性酸化物間の界面の制御を含むデバイス、システム及び方法に関する。これらの酸化物間の界面の代表的な物質特性は、超伝導、強いラシュバ等のスピン軌道結合及び強磁性を含む様々な現象で特徴付けられる。
【0007】
さらに、本開示は、LAO/STO及びグラフェン/LAO/STOヘテロ構造における金属-絶縁体遷移の可逆的超低電圧電子ビームリソグラフィ(ULV-EBL:Ultra-Low-Voltage Electron-Beam Lithography)ベースのパターニングのための技術に関する。この技術により、約10nm未満の分解能と、超伝導等の低温で望ましい特性を示すナノ構造の形成が可能になる。本明細書で開示されるULV-EBL技術は、より高い書き込み速度及びスケーラビリティを提供し、例えば、THz及び光学系の光検出器のアレイ、並びにグラフェンベースのナノデバイスを有する、量子デバイスのより複雑なファミリーの開発に貢献する。
【0008】
本開示の一実施形態は、超低電圧電子ビームを第1の絶縁層の表面に導く方法を提供する。第1の絶縁層は第2の絶縁層上に配置される。本方法は、超低電圧(ULV)電子ビームを用いて第1の絶縁層の表面を改変し、それによって、第1の絶縁層と第2の絶縁層との間にある界面を、第1の電子物性を有する第1の状態と第2の電子物性を有する第2の状態との間で選択的に切り替える。
【0009】
本明細書に記載の方法の一態様において、第1の状態は絶縁状態であり、第2の状態は導電状態である。別の態様において、第1の状態は第1の導電状態であり、第2の状態は第2の導電状態である。
【0010】
本明細書に記載の方法の別の態様において、本方法は、約0.1mm/secよりも速く、約15mm/sec未満の速度で界面に導電線を書き込むことをさらに有する。
【0011】
一実施形態において、第1の絶縁層の表面を改変することは、第1の絶縁層の表面の一部を改変することを含み、第1の絶縁層の表面の一部は、約2ナノメートル以上かつ約200ナノメートル以下の特徴サイズを有する。
【0012】
別の実施形態において、本明細書に記載の方法では、絶縁状態、導電状態、超伝導状態、強誘電状態または強磁性状態のうちの少なくとも1つを実現するように界面の改変が可能である。
【0013】
別の実施形態において、本明細書に記載の方法は、第1の絶縁層上に配置された上層を通して超低電圧電子ビームを導くことをさらに含んでいてもよい。一態様において、上層はグラフェンを有する。
【0014】
一実施形態において、本明細書に記載の方法は、界面にナノワイヤを書き込むことをさらに有する。
【0015】
別の実施形態において、第1の絶縁層はLaAlO3を有し、第2の絶縁層はSrTiO3を有する。別の実施形態において、第1の絶縁層はSrTiO3を有し、第2の絶縁層はLaAlO3を有する。
【0016】
本開示の別の実施形態は、第1の絶縁層及び第2の絶縁層を含む再構成可能デバイスを提供する。再構成可能デバイスは、第1の絶縁層と第2の絶縁層との間に界面を有する。再構成可能デバイスは、第1の絶縁層上に配置された上層を含む。界面の電子物性は、第1の絶縁層に導かれる超低電圧電子ビームに反応して改変可能である。
【0017】
そのような再構成可能デバイスの一実施形態において、第1の絶縁層はLaAlO3を有する。別の実施形態において、第2の絶縁層はSrTiO3を有する。さらに、上層はグラフェンを含んでいてもよい。
【0018】
再構成可能デバイスのさらに別の実施形態において、第1の絶縁層は、LaAlO3、SrTiO3、LaTiO3、LaVO3、KTaO3、CaZrO3及びα-Al23からなるグループから選択される化合物を有する。
【0019】
本開示の別の実施形態は、1つまたは複数のデバイス電極を含む電子アセンブリを提供する。電子アセンブリは、1つまたは複数のデバイス電極と結合するように構成された1つまたは複数の界面電極を含む。電子アセンブリは、第1の絶縁層及び第2の絶縁層を含む。電子アセンブリは、第1の絶縁層と第2の絶縁層との間の界面を含む。界面は、1つ以上の界面電極と結合される。電子アセンブリは、第1の絶縁層上に配置された上層を含む。さらに、電子アセンブリは、超低電圧電子ビームを第1の絶縁層に導くことで再構成可能である。
【0020】
一態様において、上層はグラフェンを有する。別の態様において、第1の絶縁層はLaAlO3を有し、第2の絶縁層はSrTiO3を有する。
【0021】
図面及び詳細な説明の前述した概要及び以下の説明の両方は、例示的かつ説明的なものである。それらは、本発明のさらなる詳細を提供することを意図しており、限定するものと解釈するべきではない。他の目的、利点及び新規な特徴は、以下の本発明の詳細な説明から当業者には容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、再構成可能デバイス及び低電圧電子ビームの概略図である。
【0023】
図2A図2Aは、本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、LaAlO3/SrTiO3ヘテロ構造のトポグラフィーを示す図である。
【0024】
図2B図2Bは、本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、電子ビーム及びLaAlO3/SrTiO3ヘテロ構造の概略図である。
【0025】
図2C図2Cは、本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、コンダクタンスの時間トレースのグラフを示す図である。
【0026】
図2D-E】
【0027】
図2D-Eは、本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、再構成可能デバイス及び低電圧電子ビームの概略図、並びに2次元電子ガス(2DEG)のナノワイヤの構造を示す図である。
【0028】
図2F図2Fは、本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、100Vの電子ビーム(eビーム)でナノワイヤを書き込むことによる2つの界面電極の接続に関連するコンダクタンスを示す図である。
【0029】
図2G図2Gは、本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、負にバイアスされたAFMチップを用いたETLV-EBL生成ナノワイヤの原子間力顕微鏡(AFM)消去を示す図である。
【0030】
図3A図3Aは、本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、ワイヤを有するLaAlO3/SrTiO3ヘテロ構造の概略図である。
【0031】
図3B図3Bは、本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、図3AのLaAlO3/SrTiO3ヘテロ構造の詳細な概略図である。
【0032】
図3C図3Cは、本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、離間距離の関数としてのコンダクタンスのグラフを示す図である。
【0033】
図3D図3Dは、本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、ギャップが変化するナノワイヤ書き込みの概略図である。
【0034】
図3E図3Eは、本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、図3Dのナノワイヤの概略図である。
【0035】
図3F図3Fは、本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、離間距離の関数としてのコンダクタンスのグラフを示す図である。
【0036】
図3G図3Gは、本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、再構成可能デバイスの概略図である。
【0037】
図3H図3Hは、本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、冷却曲線を示す図である。
【0038】
図3I図3Iは、本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、電流及び電圧情報を示す図である。
【0039】
図3J図3Jは、本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、B及びIの関数としてプロットされた電流及び電圧情報を示す図である。
【0040】
図4A図4Aは、本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、グラフェンの上層を有するLaAlO3/SrTiO3ヘテロ構造の概略図である。
【0041】
図4B図4Bは、本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、グラフェンの上層を有するLaAlO3/SrTiO3ヘテロ構造の概略図である。
【0042】
図4C図4Cは、本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、グラフェン及びLaAlO3/SrTiO3ヘテロ構造のトポグラフィーを示す図である。
【0043】
図4D図4Dは、本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態によるコンダクタンスの時間トレースのグラフを示す図である。
【0044】
図4E図4Eは、本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、照射量の関数としてのコンダクタンスのグラフを示す図である。
【0045】
図4F図4Fは、本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、グラフェン/LAO/STO上の再構成可能デバイスの概略図を示す図である。
【0046】
図4G-H】
【0047】
図4G-Hは、本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、LAO/STO上のグラフェンのAFMプロファイルを示す図、並びにLAO/STO上のグラフェンのAFM画像を示す図である。
【0048】
図4I図4Iは、本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、2つの界面電極を接続する幅1μmのストリップを書き込むときのコンダクタンスの変化を示す図である。
【0049】
図4J図4Jは、本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、照射量係数を増加させながら一連の5nm幅のワイヤを書き込んでいる間のコンダクタンスの変化を示す図である。
【0050】
図4K図4Kは、本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、異なる幅のワイヤに関する正規化された無次元照射量係数Dに対するコンダクタンスの変化ΔGを示す図である。
【0051】
図5図5は、本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、電子ビーム及びLaAlO3/SrTiO3ヘテロ構造の概略図である。
【0052】
図6図6は、本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、コンダクタンスのプロットを示す図である。
【0053】
図7A図7Aは、本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、hBN/グラフェン/LAO/STO上の再構成可能デバイスの概略図である。
【0054】
図7B図7Bは、本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、図7Aの再構成可能デバイスの概略図である。
【0055】
図7C図7Cは、本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、hBN/グラフェン/LAO/STO上の再構成可能デバイスの概略図である。
【0056】
図7D図7Dは、本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、図7Cの再構成可能デバイスの概略図である。
【0057】
図7E図7Eは、本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、hBN/グラフェン/LAO/STO上の再構成可能デバイスの概略図である。
【0058】
図7F図7Fは、本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、図7Eの再構成可能デバイスの概略図である。
【0059】
図7G図7Gは、本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、hBN/グラフェン/LAO/STO上の再構成可能デバイスの概略図である。
【0060】
図7H図7Hは、本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、図7Gの再構成可能デバイスの詳細な概略図である。
【0061】
図8図8は、本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態によるコンダクタンスのプロットを示す図である。
【0062】
図9図9は、本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、異なる照射量でのコンダクタンスのプロットを示す図である。
【0063】
図10図10は、本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、2次元複合酸化物の界面の電子物性を設定するための例示的な方法を示すフローチャートである。
【0064】
図11A図11Aは、本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、ハニカムパターンを含む再構成可能デバイスを示す図である。
【0065】
図11B図11Bは、本明細書で示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、ハニカムパターンを含む再構成可能デバイスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0066】
各図面における同様の参照番号及び指定は、同様の要素を示す。
I.概要
【0067】
本開示は、今までに例のない柔軟性及び空間分解能を備えた、2次元(2D)複合酸化物の界面の電子物性を再構成するための新規技術を対象とする。特に、低電圧電子ビームを用いて、個々の電子間の平均間隔と同等の空間分解能(例えば、約2nmまたは本明細書に記載されている他の分解能)で、例示的なLaAlO3/SrTiO3の界面を、絶縁状態、導電状態、超伝導状態、強誘電状態及び強磁性状態の間で可逆的に切り替えることを可能にする。
【0068】
量子物質及び量子物質シミュレーションへのアプローチは、量子方程式に従う高度に構成可能な量子システムの合成及び制御を含む場合がある。特に、1つのアプローチは、単一の原子を光の定在波に閉じ込めることで人工的な原子格子を形成することである。これらのシステムを説明する理論モデル(例えば、「フェルミハバード」モデル)は、高温超伝導体の挙動を理解するのに役に立つ。さらに、量子シミュレーション及び関連する量子場には、原子的及び光学的アプローチを含む場合がある。以下の説明から明らかなように、本明細書で開示する特定の実施形態は、量子物質の挙動を示す。
【0069】
以下、添付の図面で示される様々な実施形態を参照する。同一の、機能的に類似の、及び/または構造的に類似の部品を参照するために、可能な限り、図面全体を通して同じ参照番号を使用する。図面の構成要素は、必ずしも正確な縮尺で描かれているわけではなく、例示的な実施形態の原理を示すことに重点が置かれている。
【0070】
低電圧電子ビームを使用して複合酸化物の界面で導電状態を制御するためのシステム及び方法の様々な実施形態が本明細書に記載されている。拡張性のある合成された量子物質は、再構成可能な酸化物ナノエレクトロニクスプラットフォームを使用して形成できる。例えば、例示的なシステムは、LaAlO3の薄い層とSrTiO3の厚い層から形成された酸化物ヘテロ構造を含む。システムは、高分解能(例えば、約10nm未満、例えば、約2nm)を維持しつつ、超低電圧(例えば、約10V、約11V、約12V、約13V、約14V、約15Vまたは任意の他の適切な低電圧)で動作する走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を含んでいてもよい。他の態様において、分解能は、約9nm未満、約8nm未満、約7nm未満、約6nm未満、約5nm未満、約4nm未満、約3nm未満または約2nm未満を維持してもよい。一態様において、高分解能は、約0.1nmよりも上で、かつ本明細書に記載された任意の値よりも下で維持される。
【0071】
リソグラフィ用に構成された超低電圧走査電子顕微鏡(ULV-SEM)は、原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)よりも約103倍速くナノ構造を形成するように構成されている。
【0072】
複合LaAlO3/SrTiO3(LAO/STO)酸化物ヘテロ構造は、STO系の特性に少なくとも部分的に起因する幅広い物理現象を示す。LAOの薄い層(例えば、約4単位セル以下)がTiO2終端STO上で成長すると、2次元電子ガスが界面で自然に形成される。このシステムは、様々な条件下で、超伝導、磁性、ゲート調整可能なスピン軌道相互作用及び調整可能な金属-絶縁体遷移またはそれらの任意の組み合わせ等の特性の1つまたは複数を示す。金属-絶縁体遷移は、光、イオンビーム照射、バックゲート電圧の印加、導電性原子間力顕微鏡(c-AFM:conductive Atomic Force Microscope)リソグラフィ、またはそれらの任意の組み合わせによって制御できる。
【0073】
c-AFMリソグラフィは、LAO/STOにおける金属-絶縁体遷移の正確なナノスケール制御を容易にする。この技術は、水循環、例えばLAOの表面に吸着された水からOHを選択的に除去し、残りのH+イオンがLAO/STOの界面をドープできるようにすることを含む。c-AFMチップに正の電圧を印加すると、LAO/STOの界面が導電状態に局所的に切り替わり、負の電圧を印加すると絶縁相に戻る。c-AFM技術は、複合酸化物系や2次元電子ガス(2DEG:Two-Dimensional Electron Gas)の界面に適用して、弾道ナノワイヤ、電子導波管、単一電子トランジスタ等を形成できる。c-AFMリソグラフィの現実的な制約には、例えば代表的なAFMの比較的小さい走査範囲(例えば、約100μm)及び遅い書き込み速度(例えば、約1μm/sec)が含まれる。
【0074】
AFMチップアレイを用いた並列書き込みは、これまでに概説した様々な制約に対処し、より複雑なデバイスを形成できる。電子ビームリソグラフィ(EBL)パターニングは、より複雑なレイアウトの大型デバイスを形成できるようになると期待されている。EBLは、PMMA等のレジストで利用可能であり、これは一般に、不可逆であるアディティブまたはサブトラクティブ・リソグラフィステップで使用できる。
【0075】
本開示のシステム及び方法は、超低電圧電子ビームリソグラフィ(ULV-EBL)技術を用いて、LAO/STOヘテロ構造における金属-絶縁体遷移の可逆的制御へのアプローチを実証する。低電圧電子ビームのアプローチは、絶縁性の高い酸化物材料の高エネルギー電子ビームに伴う損傷のリスクを回避する。特に、代表的な(例えば、約10keV以上の)電子加速エネルギーの電子浸透は、酸化物材料に損傷を与える可能性がある。さらに、材料自体のエッチングは、制御不能な、多くの場合は構造の歪みに敏感な下層の材料で望ましくない挙動を引き起こす可能性がある。損傷及び/または歪みのリスクは、本明細書の例示的で非限定的な実施形態で開示するように、低電圧電子ビームのリソグラフィ技術を用いることで改善される。
【0076】
少なくとも1つの実施形態において、前述した技術は、電子ビームレジストを用いて実行できる。本明細書で開示する技術は、c-AFMリソグラフィと同等の空間精度を有し、LAO/STO構造のトポグラフィーに識別可能な変化を伴わずに、LAO/STOの界面の導電率を迅速かつ大規模に切り替えることを可能にする。c-AFMリソグラフィよりも大幅に高速であることに加えて、ULV-EBL技術は、単層グラフェン等のファンデルワールス(vdW:van der Waals)材料を介したパターニングを容易にする。ULV-EBL技術は、LAO/STOベースのナノエレクトロニクスと幅広い2D層状材料との組み合わせを可能にする。
システム構成
【0077】
図1は、少なくとも1つの実施形態による、再構成可能デバイス130及び低電圧電子ビームを含むシステム100の概略図である。システム100は、電子銃102(例えば、電子エミッタ)を含む。電子銃102は、電子ビーム108(例えば、平行電子ビーム、集束電子ビーム等)を生成するように構成される。電子ビーム108は、少なくとも1つの実施形態において、低電圧電子ビームである。例えば、低電圧電子ビームは、約200Vの加速電圧(Vacc)を有する電子ビームであってもよい。いくつかの実施形態において、加速電圧は、約100Vから約1000Vの間、すなわちこれら2つの値の間の任意の電圧であればよい。加速電圧は、より低くすることも可能である。例えば、加速電圧は、異なる値、例えば、約10から約20Vの間、またはこれら2つの値の間の任意の値にわたって変動してもよい。
【0078】
少なくとも1つの実施形態において、システム100は、第1の絶縁層112及び第2の絶縁層114を含む再構成可能デバイス130を有する。第1の絶縁層112は、第2の絶縁層114上に配置される。第1の絶縁層112は、表面110を含む。第1絶縁層112は、LaTiO3を含む。電子ビーム108は、第1の絶縁層112を損傷させることなく、第1の絶縁層112を通過できる。電子ビーム108は、第1の絶縁層112を損傷させることなく第1の絶縁層112の通過に必要な低い加速電圧にすればよい。少なくとも1つの実施形態において、第2の絶縁層114はSrTiO3を含む。少なくとも1つの実施形態において、第1の絶縁層112または第2の絶縁層114のうちの1つ、または第1及び第2の層112、114の両方は、LaAlO3、SrTiO3、LaVO3、KTaO3、CaZrO3及びα-Al23、あるいはそれらの組み合わせからなるグループから選択される化合物を含む。
【0079】
少なくとも1つの実施形態において、再構成可能デバイス130は、界面120(例えば、バリア層または中間層等)を含む。界面120は、第1の絶縁層112と第2の絶縁層114との間に配置される。界面120の少なくとも1つの電子物性は、第1の絶縁層112に導かれる電子ビーム108に反応して改変可能である。例えば、改変できる電子物性には、導電率、コンダクタンス及び抵抗率が含まれる。界面120は、互いに接触する2つの層間の平面を含む。界面120は、平面から各層内に延在する約4単位胞(unit cell)の厚さを含む。いくつかの実施形態において、厚さは、例えば、約3単位胞から約5単位胞、または約2単位胞から約6単位胞である。界面は、TiO2層等のパッシベーション層をさらに含んでいてもよく、接触面内または接触面の周囲で2つの層の一方または両方の表面を終端させる。
【0080】
第1の絶縁層112の表面110に導かれた電子ビーム108は、表面110を帯電させるように構成される。例えば、表面110は、電子ビームによる第1の絶縁層112の帯電により正に帯電するように構成される。システム100は、第1の絶縁層112の表面110に陽子118を含み、界面120に電子を含むように構成される。例えば、第1の絶縁層112の表面110に導かれた電子ビーム108は、界面120を導電状態に切り替えることができる。電子ビーム108は静電気的に走査される。例えば、電子ビーム108は、第1の絶縁層112の表面110を帯電させることができる。
【0081】
少なくとも1つの実施形態において、システム100は、少なくとも1つのアノード104を含む。少なくとも1つのアノード104は、電子ビーム108を加速するように構成された加速アノード(例えば、加速電圧が印加されるアノード)であってもよい。システム100は、電子ビーム108を集束するコイルまたは磁石等の少なくとも1つの集束部品106をさらに含んでいてもよい。少なくとも1つの実施形態において、再構成可能デバイス130は、界面接点122を含む。例えば、界面接点122は、いくつかの実施形態において、Ti/Auの界面接点を含む。界面接点122は接地できる。
酸化物ヘテロ構造
【0082】
図2Aは、少なくとも1つの実施形態における、LaAlO3/SrTiO3ヘテロ構造のトポグラフィーを示している。以下の考察では、そのようなヘテロ構造の一例の構成及び調査について説明する。
【0083】
典型的なLaAlO3/SrTiO3ヘテロ構造は、2次元(2D)複合酸化物である。LAOの薄い層(例えば、約3から約4単位胞、約3から約3.5単位胞、または約3.4単位胞)は、パルスレーザー蒸着(PLD:Pulsed Laser Deposition)によってTiO2終端STO(001)基板上に成長される。LAOの厚さは、反射高エネルギー電子回折(RHEED:Reflection High-energy Electron Diffraction)振動によって決定できる。LAOの厚さは、c-AFMリソグラフィのために、絶縁体から金属への遷移が起こる所定の厚さに近づけつつ、界面を絶縁するように制御できる。LAO/STO構造は、当初は界面がMΩの抵抗で絶縁されている。フォトリソグラフィーを使用して、該構造上に少なくとも1層のTi/Au(例えば約5nmのTiと約20nmのAu)を堆積させ、LAO/STOの界面に低抵抗電気接点を備えたいわゆる「キャンバス」を形成する。キャンバスは、約100×約100μm2のクリア(空いている)領域(または任意の他の適切なサイズの領域)内に電極によって画定されて囲まれた領域を含む。中央のキャンバスは、電子ビーム露光用に指定できる。
【0084】
本開示の他の態様において、Ti/Au層は、厚さを変えることが可能であり、例えば、Tiは、約1nm、約2nm、約3nm、約4nm、約5nm、約6nm、約7nm、約8nm、約9または約10nmの厚さに変えることが可能であり、及び/または、Auは、約15nm、約16nm、約17nm、約18nm、約19nm、約20nm、約21nm、約22nm、約23nm、約24nmまたは約25nmの厚さに変えることができる。
【0085】
電子加速を100Vに下げた電子ビームリソグラフィ装置(例えば、ドイツ、ドルトムント、Raith GmBH社製のRaith e-LiNE)は、構造の評価に用いることができる。少なくとも1つの実施形態において、焦点合わせ及び位置合わせを支援するために、典型的な構造の端部にマーカーをパターン化できる。測定された電子ビーム電流Ieは約195pAであり、書き込みフィールドは約100μm×約100μmに設定される。ULV-EBL書き込み及び電気測定中、試料室の真空度は約1×10-6mbarで維持される。LAO/STO構造は光に敏感な場合があるため、試料ステージの位置と電子ビーム銃の位置を調整するために使用される試料室内の光学照明は、初期セットアップ後にオフになり、ULV-EBL書き込み中、該構造は無光状態または低照度状態で保たれる。2DEGデバイスのコンダクタンスは、ULV-EBL書き込みプロセス中はその場で観察される。サンプルのヘテロ構造を希釈冷凍機に移し、約50mKから約300K(またはこれら2つの値の間の任意の値)の温度範囲で、最大約9Tの磁場で電気遷移測定を実行できるようにする。c-AFMリソグラフィは、英国、アビンドン、Oxford Instruments社製のAsylum Research MFP-3D AFM等のAFPリソグラフィ装置をコンタクトモードで使用して実施できる。
【0086】
図2Bは、電子ビーム及びLaAiO3/SrTiO3ヘテロ構造を示す概略図である。第1の絶縁層112(例えば、LaAlO3層)の表面110に導かれた電子ビーム108は、界面120を導電状態に切り替えることができる。ワイヤ202(例えば、導線、導線チャネル)はヘテロ構造上に書き込むことができる。図2Cは、コンダクタンスの時間トレースのグラフを示す図である。図2Cから分かるように、ワイヤ202がヘテロ構造上に書き込まれる前、コンダクタンスはゼロである。ワイヤ202がヘテロ構造上に書き込まれた後、コンダクタンスは30μSから35μSの間の値に増加し、その後、減少して約20μSから約25μSの間の非ゼロ値(例えば、約20μS、約21μS、約22μS、約23μS、約24μSまたは約25μS)で安定する。
【0087】
図2D-Eは、再構成可能デバイス130及び低電圧電子ビームを示す概略図、並びに2次元電子ガス(2DEG)のナノワイヤ構造を示す図である。再構成可能デバイス130は、本明細書で説明するように、ULV-EBL書き込み技術による書き込み及び/またはc-AFM消去技術による消去を行うように構成される。再構成可能デバイス130は、第1の絶縁層112(例えば、LaAlO3層)、第2の絶縁層114(例えば、SrTiO3層)及びワイヤ202を含む。電子ビーム108は、第1の絶縁層112に導かれてもよい。再構成可能デバイス130は、基板(例えば、シリコン基板)上に配置される。例えば、LAO/STO膜はシリコン上に配置できる。
【0088】
いくつかの実施形態において、第2の絶縁層114は、第1の絶縁層112よりも厚くてよい。例えば、薄いLaAlO3層をより厚いSrTiO3層上に配置できる。第1の絶縁層112は、第2の絶縁層114よりも厚くてよい。例えば、厚いSrTiO3層(例えば、約0.1mm、約0.2mm、約0.3mm、約0.4mm、約0.5mm等)を、それよりも薄いLaAlO3層(例えば、約1nm、約1.1nm、約1.2nm、約1.3nm、約1.4nm、約1.5nm等)上に配置できる。
【0089】
ナノワイヤ構成は、全幅w=50nmのドット(例えば、滞留ポイント210)の帯状パターンを含む。ドットの帯状パターンは、図2D-Eで示すように、ULV-EBLを用いて2つの電極間で露出される。平均電子照射量は、Dr=(Ieτ)/dsdlとして定義できる。ここで、Ieはビーム電流、τは滞留時間、ds=dl=約10nmはステップサイズとライン間隔である。チャネルを露出させるために使用される照射量は、約Dr=195μC/cm2(または、約150μC/cm2、約155μC/cm2、約160μC/cm2、約165μC/cm2、約170μC/cm2、約175μC/cm2、約180μC/cm2、約185μC/cm2、約190μC/cm2、約195μC/cm2、約200μC/cm2、約205μC/cm2、約210μC/cm2、約215μC/cm2、約220μC/cm2または約225μC/cm2等の任意の他の適切な値)である。滞留ポイント210は、約10nm(または、例えば、約5nm、約6nm、約7nm、約8nm、約9nm、約10nm、約11nm、約12nm、約13nm、約14nm、約15nm、約16nm、約17nm、約18nm、約20nm、またはこれらの数値の間の任意の値等)の間隔を有する。様々な実施形態によれば、滞留ポイント間の間隔は均一な間隔または不均一な間隔であってもよい。
【0090】
図2Fは、100Vの電子ビーム(eビーム)でナノワイヤを書き込むことで2つの界面電極を接続したときのコンダクタンスを示す図である。図2Fは、サンプルヘテロ構造の特定の特性の関数である「オフ」値によって支配される、約153.7のオン/オフ比を有するコンダクタンスの上昇を示している。ヘテロ構造は、AFMに移動させることが可能であり、例えば周囲大気条件下においてゲル内(例えばゲル容器内)で保持できる。
【0091】
図2Eは、負にバイアスされたAFMチップによる、ULV-EBL生成ナノワイヤの原子間力顕微鏡(AFM)消去を示す図である。図2Eは、導電チャネルが絶縁されている、負にバイアスされたAFMチップからの「切断」を示している。ナノ構造を局所的に消去するc-AFMリソグラフィの能力は、書き込みプロセスが可逆的であることを示している。導電率は、c-AFMベースの方法と同様の方法で制御できる。
【0092】
図3Aは、少なくとも1つの実施形態による、配線を有するLaAlO3/SrTiO3ヘテロ構造を示す概略図である。図3Bは、図3AのLaAlO3/SrTiO3ヘテロ構造の詳細を示す概略図である。第1のワイヤ202Aは、離間距離dだけ第2のワイヤ202Bから離間される。例えば、第1のワイヤ202Aの端部は、離間距離dだけ第2のワイヤ202Bの端部から離間される。図3Cは、コンダクタンスを離間距離dの関数として示している。グラフは、電子ビーム108のおおよその分解能を示している。約10nmを超える離間距離では、ワイヤ202間にコンダクタンスは本質的に存在しない。約10nm未満の離間距離では、ワイヤ202間に導電経路が存在する。この例では、グラフは、電子ビーム108が数十ナノメートル程度の特徴物を形成することを示している。
【0093】
図3Dは、少なくとも1つの実施形態による、様々なギャップを有するナノワイヤの書き込みを示す概略図である。図3Eは、図3Dのナノワイヤの詳細を示す概略図である。ナノワイヤは距離Sで互いに離間している。例えば、Sは約5μm(または、約1μm、約2μm、約3μm、約4μm、約5μm、約6μm、約7μm、約8μm、約9μmまたは約10μm等のその他の適切な値)である。ナノワイヤは、長さdのギャップを有していてもよい(例えば、離間距離、ギャップサイズ)。
【0094】
図3Fは、離間距離の関数としてコンダクタンスのグラフを示している。ギャップサイズが約5nmから約20nmの範囲、すなわち、約6nm、約7nm、約8nm、約9nm、約10nm、約11nm、約12nm、約13nm、約14nm、約15nm、約16nm、約17nm、約18nm、約19nmまたは約20nm等、またはこれらの値の間の任意の値である場合、コンダクタンスΔGに有意な変化が現れる。これは、この範囲の書き込み分解能でギャップがカバーされ始めることを示している。書き込みプロセスの分解能は、約10nm、あるいは本明細書に記載された他の値であってもよい。分解能は、例えば、特定の書き込みパラメータ及び/またはLAO/STOのサンプル間のバリエーションに基づいて変化する可能性がある。
【0095】
図3Gは、再構成可能デバイス130の概略図である。室温における遷移特性は重要であるが、デバイスが低温で導電性を維持できることは、量子デバイスアプリケーションにとって特に重要である。ULV-EBLによって形成されたデバイスの低温遷移特性が示されている。図3Gは、4端子デバイス(例えば、再構成可能デバイス130)を示している。遷移測定は、例えば、ベース温度Tが約50mKの希釈冷凍機で実施できる。図3Hは、Tに対する冷却曲線Rを示している。導電チャネル(例えば、ワイヤ202、ナノワイヤ)は、温度Tが約50mKに到達するまで存在する。他の態様において、温度Tは、例えば、約40mK、約41mK、約42mK、約43mK、約44mK、約45mK、約46mK、約47mK、約48mK、約49mK、約50mK、約51mK、約52mK、約53mK、約54mK、約55mK、約56mK、約57mK、約58mK、約59mK、または約50mKに到達してもよい。ナノワイヤは、約2nmの幅wを有することができる。他の態様において、ナノワイヤは、約1nm、約1.1nm、約1.2nm、約1.3nm、約1.4nm、約1.5nm、約1.6nm、約1.7nm、約1.8nm、約1.9nm、約2nm、約2.1nm、約3nm、約4nm、約5nm、または、約3.2nm、約4.1nm、約4.8nm等のこれらの値の間の任意の値の幅wを有することができる。少なくとも1つの実施形態において、超伝導の挙動は、約200mKから開始することが示されている。他の態様において、超伝導の挙動は、約190mK、約195mK、約200mK、約205mKまたは約210mKから開始することが示されている。
【0096】
図3Iは、B=0Tで超伝導相を示す、T=50mKにおけるIV測定を示している。図3Jは、B及びIの関数としてプロットされたdV/dIを示している。図3Jは、図3Iから抽出された臨界電流Ic=280nAの値及び上部臨界磁場Hc=82mTを示す、コンダクタンスdV/dlの変化に対するバイアス電流I及び磁場Bの強度マップを示している。
【0097】
図4Aは、上層402を有するLaAlO3/SrTiO3ヘテロ構造を示す概略図である。上層402は、グラフェンを含んでいてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態において、上層402はグラフェンに限定されない。例えば、上層402は、六方晶窒化ホウ素(hBN:hexagonal Boron Nitride)、NbSe2、TaS2及びMoS2等の2次元(2D)材料を含む。上層402は、容易に剥離されるファンデルワールス材料を含んでいてもよい。ファンデルワールス材料は、例えば、面内共有結合及び層間相互作用を有する材料を含む。上層402は、遷移金属ジカルコゲナイド単層を含んでいてもよい。上層402は、モノカルコゲナイド単層(例えば、IV族モノカルコゲナイド、ホスホレン、ガリウムモノカルコゲナイド、インジウムモノカルコゲナイド等)を含んでいてもよい。上層402は、極薄(例えば、約100nm以下、約95nm以下、約90nm以下、約85nm以下、約80n以下mまたは約75nm以下、または任意の他の適切な値以下の)層を含んでいてもよい。LaAlO3/SrTiO3ヘテロ構造は、第1の絶縁層112上に配置された1つ以上の上層402を含んでいてもよい。
【0098】
さらに、再構成可能デバイス130は、第1の絶縁層112上に配置された上層402を含んでいてもよい。例えば、再構成可能デバイス130は、LaAlO3層上に配置された上層402を含む。上層402は、ファンデルワールス材料を含んでいてもよい。上層402の下部に導電パスを書き込むことができる。ファンデルワールス層の下部に導電パスを書き込むことができる。ファンデルワールス層は、グラフェン、窒化ホウ素または2テルル化タングステンを含んでいてもよい。上層402は、グラフェンで構成されてもよい。例えば、上層402は2層グラフェンを含んでいてもよい。電子ビーム108は、第1の絶縁層112上に配置された上層402を通して書き込むことができる。電子ビーム108は、グラフェンを通して書き込むことができる。例えば、電子ビーム108は、グラフェンを貫通し、界面120の電子物性を改変できる。電子ビーム108は、上層402を損傷させることなく、上層402を通して書き込むことができる。再構成可能デバイス130は、第1の絶縁層112上に配置された1つまたは複数の上層402を含んでいてもよい。上層402は2重層を含んでいてもよい。2重層は、モアレパターンを含んでいてもよい。モアレパターンは、1.1度で10nmの周期性を有する。第2の絶縁層114は、上層402より厚くてもよい。再構成可能デバイス130は、上層402、第1の絶縁層112及び第2の絶縁層114を含んでいてもよい。第1の絶縁層112は、第2の絶縁層114より厚くてもよい。例えば、厚いSrTiO3層を薄いLaAlO3層上に配置できる。上層402は、厚いSrTiO3層上に配置できる。
【0099】
図4Bは、グラフェンの上層を有するLaAlO3/SrTiO3ヘテロ構造を示す概略図である。図4Cは、グラフェン及びLaAlO3/SrTiO3ヘテロ構造のトポグラフィーを示す図である。図4Dは、コンダクタンスの時間トレースを示すグラフである。該グラフは、ワイヤ202がヘテロ構造上に書き込まれる前はコンダクタンスがゼロであることを示している。ワイヤ202がヘテロ構造上に書き込まれた後、コンダクタンスは約1.4μSから約1.8μSの間の値まで増加し、その後、減少して約1μSから約1.2μSの間の非ゼロ値で安定する。図4Eは、電子の照射量(dosage)の関数としてコンダクタンスを示すグラフである。該グラフは、ワイヤ202の幅が照射量によって変化することを示している。
【0100】
図4Fは、例示的な実施形態による、グラフェン/LAO/STO上の再構成可能デバイス130を示す概略図である。一例によれば、(化学蒸着によって成長された)グラフェンはLAO/STO上に移され、長方形にパターン化される。グラフェンは、LAO/STOの界面電極から電気的に絶縁されている。図4G-Hは、LAO/STO上のグラフェンのAFMプロファイル、並びにLAO/STO上のグラフェンのAFM画像を示している。グラフェンは、STO表面に関して共形(conformal)である。
【0101】
パターニングに続いて、約1μmの幅wを有する導電チャネルが露出され、図4Iで示すように実質的にコンダクタンスを上昇させる。ULV-EBLの書き込み中に総コンダクタンスが増大し、電子ビームがオフになった後に急激に減少し、約1200secの時間tでピーク特性が得られる。電子照射量及びナノワイヤ幅の両方の関数としてチャネルのコンダクタンスを評価できる。D0=約975μC/cm2の照射量(または他の態様において、照射量D0=約900μC/cm2、約925μC/cm2、約950μC/cm2、約975μC/cm2、約1000μC/cm2、約1025μC/cm2または約1050μC/cm2)は、電子ビームの実面積照射量(Dr=D0D)を変化させて選択できる。ここで、Dは無次元の正規化された照射量係数で定義される。特に、照射量は、相互作用を最小限に抑えるために、約5μmの間隔でリードに接続される一連のワイヤ(約5nmのナノワイヤ幅、または本明細書に記載された任意の他の幅を有する)を書き込んでいる間、変化させる。また、間隔は、例えば、約1μm、約2μm、約3μm、約4μm、約5μm、約6μm、約7μm、約8μm、約9μm、約10μm、またはこれらの間の任意の値であってもよい。コンダクタンスの変化ΔGは、図4Jで示すように、電子照射量と共に増大する。異なる幅を有するワイヤの正規化された照射量係数Dに対するコンダクタンスの変化ΔGは図4Kで示している。
【0102】
ULV-EBLを介したLAO/STOの界面の可逆的ドーピングは、本明細書の例示的な実施形態にしたがって実行される。STO層またはLAO層の酸素空孔は、フェルミエネルギーに関するSTOの伝導帯をシフトさせる可能性がある。統計的量子モンテカルロシミュレーション(英国、ケンブリッジ、ケンブリッジ大学で開発されたCASINOソフトウェアを用いて実行される)によると、電子はSTO層に到達する前に停止する可能性がある。電子ビームのエネルギーが低いため、STOにおける酸素空孔の直接的な電子ビーム誘起の生成が除外される可能性がある。イオンの電子衝撃脱離を利用して、ドーピングを逆行させることができる。少なくとも1つの実施形態において、LAOの表面は、高真空条件下でも存在し続ける少なくとも1つの水の単一層によって覆われる。グラフェン/LAO/STOの場合、様々なメカニズムが考えられる。窒化ホウ素/グラフェンヘテロ構造の電子ビームの照射は、グラフェン/LAO/STOの界面のSiO2バリアに印加される電圧及び/または可逆的ゲーティングに応じて、グラフェン層を可逆的にドープするために使用できる。c-AFMリソグラフィでは、陽子がグラフェン層を貫通し、可逆的なコンダクタンスの変化が界面液体層及び/または酸素空孔によって少なくとも部分的に調節されると理解されている。
【0103】
前述の技術は、酸化物の界面層及び/または2次元層を通る大規模で複雑なナノ構造の迅速な形成を可能にすると考えられる。特に、本開示のシステム及び方法は、単層グラフェン以外のLAO/STOとvdW材料との間のヘテロ構造に拡張できる。
【0104】
図5は、電子ビーム及びLaAlO3/SrTiO3ヘテロ構造(例えば、電子アセンブリ)を示す概略図である。ヘテロ構造は、第1の絶縁層112及び第2の絶縁層114を含む。いくつかの実施形態において、電子アセンブリは、1つまたは複数のデバイス電極(例えば、界面接点122)を含む。電子アセンブリは、1つまたは複数の界面電極502を含む。1つまたは複数の界面電極502は、1つまたは複数のデバイス電極と結合するように構成される。電子アセンブリは、第1の絶縁層112及び第2の絶縁層114を含む。
【0105】
電子アセンブリは、第1の絶縁層112と第2の絶縁層114との間に界面120を含む。界面120は、1つまたは複数の界面電極502と結合される。電子アセンブリは、第1の絶縁層112上に配置された上層402を含む。電子アセンブリは、超低電圧電子ビームを第1の絶縁層に導くことで再構成可能である。いくつかの実施形態において、電子アセンブリは、グラフェンを含む上層402を含む。いくつかの実施形態において、第1の絶縁層112はSrTiO3を含み、第2の絶縁層114はLaAlO3を含む。いくつかの実施形態において、第1の絶縁層112はLaAlO3を含み、第2の絶縁層114はSrTiO3を含む。
【0106】
図6は、時間に対するコンダクタンスのプロットを示している。ナノワイヤの書き込み前に測定されたコンダクタンス(G)は、約0シーメンス(S)である。ナノワイヤの書き込み後、測定されたコンダクタンスは、約2.5μSから約3.5μSの間である。コンダクタンスは定常状態に到達する。プロットは、ナノワイヤの書き込みが導電チャネルを形成することを示している。いくつかの実施形態において、書き込みフィールドは約500μmであり、最小ステップサイズは約0.0078μmであり、ビーム電流は約0.4694nAであり、エリアステップサイズは約0.0234μmであり、エリアライン間隔は約0.0234μmであり、エリア滞留時間は約0.013998msであり、エリア照射量は約120μC/cm2であり、ビーム速度は約1.6716674mm/sである。エリア照射量は、ビーム電流と滞留時間の積と、ステップサイズとライン間隔の積との比に対応する(照射量=(ビーム電流×エリア滞留時間)/(ステップサイズ×ライン間隔))。
【0107】
本開示の他の態様において、書き込みフィールドは、約300μm、約325μm、約350μm、約375μm、約400μm、約425μm、約450μm、約475μm、約500μm、約525μm、約550μm、約575μm、約600μm、約625μm、約650μm、約675μm、または約700μm、もしくはこれらの値の間あるいは本明細書に記載された任意の他の適切な値の範囲にすることができる。本開示の他の態様において、最小ステップサイズは、約0.007μm、約0.0071μm、約0.0072μm、約0.0073μm、約0.0074μm、約0.0075μm、約0.0076μm、約0.0077μm、約0.0078μm、約0.0079μm、約0.008μm、約0.0081μm、約0.0082μm、約0.0083μm、約0.0084μm、約0.0085μm、約0.0086μm、約0.0087μm、約0.0088μm、約0.0089μm、または約0.009μm、もしくはこれらの値の間あるいは本明細書に記載された任意の他の適切な値である。本開示の他の態様において、エリアライン間隔は、約0.0230nm、約0.0231nm、約0.0232nm、約0.0233nm、約0.0234nm、約0.0235nm、約0.0236nm、約0.0237nm、約0.0238nm、約0.0239nm、約0.0240nm、またはこれらの値の間あるいは本明細書に記載された任意の他の適切な値である。本開示の他の態様において、エリア滞留時間は、約0.011ms、約0.012ms、約0.13ms、約0.013998ms、約0.014ms、約0.15ms、またはこれらの値の間あるいは本明細書に記載された任意の他の適切な値である。本開示の他の態様において、エリア照射量は、約75μC/cm2、約80μC/cm2、約85μC/cm2、約90μC/cm2、約95μC/cm2、約100μC/cm2、約105μC/cm2、約110μC/cm2、約115μC/cm2、約120μC/cm2、約125μC/cm2、約130μC/cm2、約135μC/cm2、約140μC/cm2、約145μC/cm2、または約150μC/cm2、もしくはこれらの値の間あるいは本明細書に記載された任意の他の適切な値である。最後に、本開示の他の態様において、ビーム速度は、約1.1mm/s、約1.2mm/s、約1.3mm/s、約1.4mm/s、約1.5mm/s、約1.6mm/s、約1.6716674mm/s、約1.7mm/s、約1.8mm/s、約1.9mm/s、約2mm/s、またはこれらの値の間あるいは本明細書に記載された任意の他の適切な値である。
【0108】
図7Aは、hBN/グラフェン/LAO/STO上の再構成可能デバイスを示す概略図である。六方晶窒化ホウ素(hBN)は、グラフェン(Gr)の上層上に配置される。図7Aにおける構造のhBNの厚さは、約25nmである。図7Bは、図7Aの再構成可能デバイスの詳細を示す概略図である。図7Cは、hBN/グラフェン/LAO/STO上の再構成可能デバイスを示す概略図である。六方晶窒化ホウ素(hBN)は、グラフェン(Gr)の上層上に配置される。図7Cにおける構造のhBNの厚さは、約15nmである。図7Dは、図7Cの再構成可能デバイスの詳細を示す概略図である。図7Eは、hBN/グラフェン/LAO/STO上の再構成可能デバイスを示す概略図である。六方晶窒化ホウ素(hBN)は、グラフェン(Gr)の上層上に配置される。図7Eにおける構造のhBNの厚さは、約20nmである。図7Fは、図7Eの再構成可能デバイスの詳細を示す概略図である。図7Gは、hBN/グラフェン/LAO/STO上の再構成可能デバイスを示す概略図である。六方晶窒化ホウ素(hBN)は、グラフェン(Gr)の上層上に配置される。図7Gにおける構造のhBNの厚さは、約15nmである。図7Hは、図7Gの再構成可能デバイスの詳細を示す概略図である。1つまたは複数の実施形態において、hBNの厚さは、約10nmから約30nm(例えば、約10nm、約11nm、約12nm、約13nm、約14nm、約15nm、約16nm、約17nm、約18nm、約19nm、約20nm、約21nm、約22nm、約23nm、約24nm、約25nm、約26nm、約27nm、約28nm、約29nm、または約30nm、もしくはこれらの値の間あるいは本明細書に記載された任意の他の適切な値)の範囲である。いくつかの実施形態において、グラフェンの上層がLaAlO3層上に配置され、LaAlO3層がSrTiO3層上に配置される。ナノワイヤは、hBNカプセル化グラフェン領域を通して書き込むことができる。
【0109】
図8は、時間に対するコンダクタンスのプロットを示している。ナノワイヤの書き込み前に測定されたコンダクタンス(G)は約0シーメンス(S)である。ナノワイヤの書き込み後に測定されたコンダクタンスは約300nSから約1μSの間である。コンダクタンスは定常状態に到達する。プロットは、ナノワイヤの書き込みが導電チャネルを形成することを示している。ナノワイヤは、図7A-7Hで示したhBNカプセル化グラフェン領域を通して書き込むことができる。いくつかの実施形態において、書き込みフィールドは約500μmであり、最小ステップサイズは約0.0078μmであり、ビーム電流は約0.025068nAであり、エリアステップサイズは約0.0234μmであり、エリアライン間隔は約0.0234μmであり、エリア滞留時間は約0.010921msであり、エリア照射量は約50μC/cm2であり、ビーム速度は約2.14226609mm/sである。エリア照射量は、(ビーム電流×エリア滞留時間)/(ステップサイズ×ライン間隔)と等しくなる。本システムは、書き込みフィールドの位置合わせと3点の位置合わせとを含む。
【0110】
図9は、異なる照射量での時間に対するコンダクタンスのプロットを示している。ナノワイヤの書き込み前に測定されたコンダクタンス(G)は約0シーメンス(S)である。上述の図8で示したように、ナノワイヤの書き込み後、測定されたコンダクタンスは、約300nSから約1.2μSの間である。コンダクタンスは定常状態に到達する。プロットは、ナノワイヤの書き込みが導電チャネルを形成することを示している。ナノワイヤは、図7A-7Hで示したhBNカプセル化グラフェン領域を通して書き込むことができる。エリア照射量は、例えば、約50μC/cm2、約100μC/cm2及び約200μC/cm2の照射量を含む。
電子物性制御技術
【0111】
図10は、2次元(2D)複合酸化物の界面の電子物性を設定する(例えば、プログラミングする)ための例示的な方法1000を示すフローチャートである。簡単に概説すると、方法1000は、絶縁層の表面に電子ビームを導くことを含む(ステップ1002)。方法1000は、第1の絶縁層の表面を改変することを含む(ステップ1004)。方法1000は、第1の状態と第2の状態との間で界面を切り替えることを含む(ステップ1006)。方法1000は、界面にナノワイヤを書き込むことを含む(ステップ1008)。
【0112】
さらに詳細には、方法1000は、絶縁層の表面に電子ビームを導くことを含む(ステップ1002)。電子ビームを絶縁層の表面に導くことは、超低電圧電子ビームを第1の絶縁層の表面に導くことを含む。第1の絶縁層は、第2の絶縁層上に配置される。第1絶縁層はSrTiO3を含み、第2絶縁層はLaAlO3を含む。電子ビームの方向付けは、超低電圧電子ビームリソグラフィ技術の一部である。超低電圧電子ビームリソグラフィ技術は、書き込まれたパターンの寿命を延ばすために、真空条件下で実施される。
【0113】
方法1000は、第1の絶縁層の表面を改変することを含む(ステップ1004)。第1の絶縁層の表面を改変することは、超低電圧電子ビームを当てることで第1の絶縁層の表面を改変し、第1の電子物性を有する第1の状態と第2の電子物性を有する第2の状態との間で界面を選択的に切り替えることを含む。いくつかの実施形態において、第1の状態は絶縁状態であり、第2の状態は導電状態である。いくつかの実施形態において、第1の状態は第1の導電状態であり、第2の状態は第2の導電状態である。第2の導電状態は、第1の導電状態よりも高いコンダクタンスを有する。少なくとも1つの実施形態において、導電状態は、長期に及ぶ空気への露出が原因である自然減衰のために可逆的である。
【0114】
第1の絶縁層の表面を改変することは、第1の絶縁層の表面の一部を改変することを含む。第1の絶縁層の表面の一部は、約2ナノメートル以上、かつ約200ナノメートル以下の特徴サイズを有する。例えば、いくつかの実施形態において、この部位は、約3ナノメートル以上、かつ約4ナノメートル未満の特徴サイズを有する。いくつかの実施形態において、特徴サイズは、約2ナノメートル未満、例えば約1.2ナノメートルであってもよい。本開示の他の態様において、第1の絶縁層の表面の一部は、約2nm以上、約3nm以上、約4nm以上、約5nm以上、約6nm以上、約7nm以上、約8nm以上、約9nm以上、約10nm以上、約11nm以上、約12nm以上、約13nm以上、約14nm以上、約15nm以上、約16nm以上、約17nm以上、約18nm以上、約19nm以上、約20nm以上、約21nm以上、約22nm以上、約23nm以上、約24nm以上、または約25nm以上、あるいはこれらの値の間の任意の量、例えば約1.2nm以上、約1.5nm以上、約1.75nm以上の特徴サイズを有してもよい。本開示の他の態様において、第1の絶縁層の表面の一部は、約200nm以下、約195nm以下、約190nm以下、約185nm以下、約180nm以下、約175nm以下、約170nm以下、約170nm以下、約170nm以下、約165nm以下、約160nm以下、約155nm以下、または約150nm以下、あるいはこれらの値の間の任意の量、例えば約195.2nm以下、約195.5nm以下、約195.75nm以下の特徴サイズを有してもよい。
【0115】
第1の絶縁層の表面を改変することは、絶縁状態、導電状態、超伝導状態、強誘電状態及び強磁性状態のうちの少なくとも1つを実現するように界面の一部を切り替えることを含む。例えば、電子ビームは、第1の絶縁層の表面を改変して、界面の電子物性を変化させることができる。
【0116】
方法1000は、第1の状態と第2の状態との間で界面を切り替えることを含む(ステップ1006)。例えば、第1の状態と第2の状態との間で界面を切り替えることは、絶縁状態と導電状態との間で界面を切り替えることを含んでもよい。第1の状態と第2の状態との間で界面を切り替えることは、絶縁状態と導電状態との間で界面を切り替えることを含んでもよい。第1の状態と第2の状態との間で界面を切り替えることは、第1の導電状態と第2の導電状態との間で界面を切り替えることを含んでいてもよい。
【0117】
方法1000は、界面にナノワイヤ(例えば、導電線、ナノスケールの特徴物、パターン等)を書き込むことを含む(ステップ1008)。ナノワイヤを書き込むことは、約0.1mm/sec以上で約15mm/sec以下、約1mm/sec以上で約15mm/sec以下、約2mm/sec以上で約15mm/sec以下、約3mm/sec以上で約15mm/sec以下、約4mm/sec以上で約15mm/sec以下、または約5mm/sec以上で約15mm/sec以下の速度で界面に導電線を書き込むことを含む。例えば、本方法は、約10mm/secの速度でナノスケールの特徴物を書き込むことを含む。いくつかの実施形態において、ナノスケールの特徴物の書き込みは、15mm/secを超える速度で行うこともできる。例えば、ナノスケールの特徴物の書き込みは、約20mm/secの速度で実現できる。ナノワイヤを書き込むことは、界面にナノワイヤを書き込むことを含む。ナノスケールの特徴物の書き込みには、ナノスケールの特徴物の消去も含まれる。導電線の消去は、書き込みプロセス(例えば、書き込み技術)が可逆的(例えば、再構成可能)であることを示している。
【0118】
本開示の他の態様において、ナノワイヤを書き込むことは、約0.1mm/sec以上、約0.2mm/sec以上、約0.3mm/sec以上、約0.4mm/sec以上、約0.5mm/sec以上、約0.6mm/sec以上、約0.7mm/sec以上、約0.8mm/sec以上、約0.9mm/sec以上、約1mm/sec以上、約2mm/sec以上、約3mm/sec以上、約4mm/sec以上、約5mm/sec以上、約6mm/sec以上、約7mm/sec以上、約8mm/sec以上、約9、約10mm/sec以上、約11mm/sec以上、約12mm/sec以上、約13mm/sec以上、約14mm/sec以上、約15mm/sec以上、またはこれらの値の間の任意の適切な値、例えば約2.5mm/sec以上、約3.5mm/sec以上、または約4.5mm/sec以上の速度で界面に導電線を書き込むことを含む。本開示の他の態様において、ナノワイヤを書き込むことは、本明細書に記載された任意の値よりも大きく、かつ約25mm/sec以下、約24mm/sec以下、約23mm/sec以下、約22mm/sec以下、約21mm/sec以下、約20mm/sec以下、約19mm/sec以下、約18mm/sec以下、約17mm/sec以下、約16mm/sec以下、または約15mm/sec以下、あるいはこれらの値の間の任意の適切な値、例えば約20.5mm/sec以下、約23.5mm/sec以下、約24.5mm/sec以下の速度で界面に導電線を書き込むことを含む。
【0119】
少なくとも1つの実施形態における書き込み技術は、上層及び/または第1の絶縁層の原子配置が実質的に保存されるという点で、実質的に非破壊的である。本方法は、上層の下部に再構成可能なナノスケール電極を形成することを含む。例えば、本方法は、2D材料(例えば、六方晶窒化ホウ素、グラフェン、六方晶窒化ホウ素ヘテロ構造等)層の直下に再構成可能なナノスケール電極を形成することを含む。
【0120】
少なくとも1つの実施形態において、本方法は、周期構造を有するパターンを形成することを含む。例えば、パターンは六角形のパターンを含む。パターンには、トポロジー的に保護されたチャネルが含まれる場合がある。パターンは、約10nmの間隔を有するハニカムパターン等の六角構造を含む。パターンは、例えば、非周期パターン、準周期パターンまたは回転対称パターンであってもよく、原子間の間隔によって支配される周期構造に限定されない。例えば、パターンは、2回対称、3回対称、4回対称、5回対称、6回対称、または8回対称を有していてもよい。本開示の他の態様において、ハニカム間隔は、例えば、約5nm、約6nm、約7nm、約8nm、約9nm、約10nm、約11nm、約12nm、約13nm、約14nm、約15nm、またはこれらの値の間の任意で適切な値でもよい。
【0121】
方法1000を再び参照すると、本方法は、第1の絶縁層上に配置された上層を通して、超低電圧電子ビームを導くことをさらに含む。上層は、グラフェンを含むが、これに限定されない。
【0122】
図11Aは、例示的な実施形態による、ハニカムパターンを含む再構成可能デバイスを示している。再構成可能デバイスは、少なくとも1つのグラフェンリードを備えたホールバー型デバイスを含む。グラフェンリードを備えたホールバーデバイスは、少なくとも1つの電極(例えば、Au電極)によって電気的に接続され、LAO/STOナノ構造の下方からゲート制御される。図11Bは、例示的な実施形態による、ハニカムパターンを含む再構成可能デバイスを示している。再構成可能デバイスは、ULV-EBLを用いて形成されたグラフェンナノ接合の2Dアレイに基づく非線形光変調器を含むことができる。
【0123】
上記から理解されるように、本明細書に記載の例示的な酸化物ヘテロ構造は、量子物質の構築を容易にするために使用できる。特に、ULV-SEMは、原子間力顕微鏡(AFM)よりも数百倍速い速度、またはAFMよりも千(1,000)倍速い速度で、本明細書に記載のナノ構造を形成するために使用される。ULV-SEMで形成されたナノ構造は、真空状態を壊すことなくミリケルビン温度で測定するためのボトムローディング希釈冷凍機に移し、ナノ構造パターンを改変する可能性がある空気への露出を防ぐことができる。このアプローチにより、より大きなサイズと複雑な複合量子物質の形成が可能になる。
II.定義と用語
【0124】
本明細書で使用される方向の用語、例えば、上、下、右、左、前、後、上、下、垂直、水平は、描かれた図を参照してのみ表され、別段の明示的な記載がない限り、絶対的な方向を意味するものではない。
【0125】
特に明記しない限り、本明細書に記載の方法は、その手順が特定の順序で実行される必要があると解釈されることも、装置が特定の方向を必要とすると解釈されることも決して意図していない。したがって、方法の請求項がその手順が従うべき順序を実際に述べていない場合、または装置の請求項が個々の構成要素に対する順序あるいは方向を実際に述べていない場合、または手順が特定の順序に限定されるべきであることが特許請求の範囲や明細書で特に述べられていない場合、または装置の構成要素に関する特定の順序あるいは方向が記載されていない場合、いかなる場合においても順序あるいは方向が推測されることを意図するものではない。これは、手順の配列、動作フロー、構成要素の順序または構成要素の方向に関するロジックの内容、文法構成または句読点に由来する平易な意味、並びに明細書に記載されている実施形態の数またはタイプを含む、解釈のためのあらゆる可能な非明示的根拠に適用される。
【0126】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明示しない限り、複数の用語対象を含む。それ故、例えば、「a」構成要素に対する記載は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、2つ以上のそのような構成要素を有する態様を含む。また、「または」という単語は、前に「いずれか一方」を付けずに使用した場合(あるいは、「または」が明確に排他的であることを示す他の同様の言葉、例えば、xまたはyの一方のみ等)は、包含的であると解釈されるべきである(例えば、「xまたはy」は、xまたはyの一方または両方を意味する)。
【0127】
また、「及び/または」という用語も包含的であると解釈されるべきである(例えば、「x及び/またはy」は、xまたはyの一方または両方を意味する)。「及び/または」もしくは「または」が3つ以上のアイテムのグループの接続詞として使用されている状況では、該グループは1つのアイテムのみ、全てのアイテムを一緒に、またはアイテムの任意の組み合わせまたは数を含むと解釈すべきである。さらに、本明細書及び特許請求の範囲で使用される、持つ、持つこと、含む、含むこと等の用語は、有する及び有することという用語と同義であると解釈されるべきである。「及び/または」によって具体的に識別される要素以外の他の要素は、それらの具体的に識別される要素に関連するか関連しないかに係わらず、任意に存在してもよい。非限定的な例として、「X及び/またはY」の言及は、一実施形態では、Xのみ(場合によってY以外の要素を含む)を指す場合があり、いくつかの実施形態では、Yのみ(場合によってX以外の要素を含む)を指す場合があり、さらにいくつかの実施形態では、X及びYの両方(任意に他の要素を含む)を指す場合がある。
【0128】
図面は、正確な縮尺率で描かれた1つまたは複数の実施形態及び/または正確な縮尺率で描かれていない1つまたは複数の実施形態を示すものとして解釈されるべきである。これは、図面が、例えば(a)全て正確な縮尺率で描かれている、(b)正確な縮尺率で描かれていない、または(c)正確な縮尺率で描かれている1つまたは複数の特徴物と、正確な縮尺率で描かれていない1つまたは複数の特徴物とを示している、と解釈されることを意味する。したがって、図面は、図示された特徴物のいずれかのサイズ、比率及び/またはその他のディメンジョンを、単独で、または互いに対して列挙するためのサポートを提供するのに役に立つ。さらに、そのような全てのサイズ、比率及び/またはその他のディメンジョンは、いずれかの方向に0~100%可変であると理解すべきであり、したがって、そのような値、またはそのような値で形成される可能性のある全ての範囲または下位範囲を列挙する各請求項のサポートを提供する。
【0129】
特定の例への言及、「すなわち」の使用、「発明」という言葉の使用等は、例外(b)を呼び出したり、列挙された請求項の範囲を制限したりすることを意味するものではない。例外(b)が適用される場合を除き、本明細書に含まれるいかなる内容も、免責事項または特許請求範囲の否認と見なされるべきではない。
【0130】
さらに、本開示の特徴または態様がマーカッシュ群で記述されている場合、当業者は本開示が任意の個々のメンバーまたはマーカッシュ群のメンバーのサブグループに関しても記述されていることを理解するであろう。
【0131】
特に明記しない限り、本明細書に記載の本発明の様々な特徴は、特に任意の組み合わせで使用できることを意図している。さらに、本開示は、いくつかの実施形態において、本明細書に記載された任意の特徴または特徴の組み合わせが除外または省略されることも企図する。例えば、複合体が成分A,B及びCを含むと明細書に記載されている場合、A、BまたはCのいずれか、またはそれらの組み合わせを省略し、単独でまたは任意の組み合わせで排除する可能性があることを意図する。
【0132】
本明細書で使用される場合、「約」は、当業者によって理解され、それが使用される文脈に応じてある程度変化する。その用語が使用される文脈を考えると、当業者に明確でない用語が使用されている場合、「約」は特定の用語のプラスまたはマイナス10%までを意味する。
【0133】
特定の実施形態について図示及び説明したが、後述する特許請求の範囲で定義された、より広い態様における技術から逸脱することなく、当業者は変更及び修正を行うことができることを理解されたい。
【0134】
本明細書に例示的に記載された実施形態は、本明細書に具体的に開示されていない、要素または複数の要素、限定事項または複数の限定事項がなくても適切に実施できる。そのため、例えば、「有する」、「含む」、「含有する」等の用語は、制限なしに広範に読むべきである。さらに、本明細書で使用される用語及び表現は、限定ではなく説明の用語として使用しており、それらの用語及び表現の使用において、説明され示された特徴またはその一部の均等物を除外する意図はないが、請求項に記載された技術の範囲内で様々な変更が可能であることが認識される。さらに、「から本質的になる」という語句は、具体的に列挙された要素及び請求項に記載された技術の基本的及び新規な特徴に実質的に影響を与えない追加の要素を含むと理解される。「からなる」という語句は、指定されていない要素を除外する。
【0135】
本開示は、本出願に記載された特定の実施形態に限定されるべきではない。当業者には明らかなように、その主旨及び範囲から逸脱することなく、多くの修正及び変更を行うことができる。本明細書に列挙したものに加えて、本開示の範囲内の機能的に同等の方法及び組成物は、前述の説明から当業者には明らかであろう。そのような修正及び変更は、添付の特許請求の範囲内に含むことを意図している。本開示は、添付の特許請求の範囲の条件によってのみ限定されるべきであり、そのような特許請求の範囲が権利を有する同等物の全範囲と共にある。本開示は、特定の方法、化合物または組成物に限定されず、もちろん変化し得ることが理解されるべきである。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するだけのものであり、限定することを意図していないことも理解されたい。
【0136】
当業者によって理解されるように、あらゆる目的のために、特に書面による説明を提供することに関して、本明細書に開示される全ての範囲はまた、エンドポイントを含め、ありとあらゆる可能な下位範囲及びその下位範囲の組み合わせを包含する。したがって、開示された全ての範囲は、全ての下位範囲または各範囲に包含される全ての個々の値を列挙する請求項を包含し、それを裏付けるものと理解するべきである。例えば、1から10の範囲は、1の最小値と10の最大値の間、つまり1以上の最小値で始まり、10以下の最大値(例:5.5~10、2.34~3.56等)または1~10の任意の値(例:3、5.8、9.9994等)及び/またはそれらを含む全ての下位範囲または個々の値を列挙する請求項を包含し、それを裏付けるものと考えるべきである。
【0137】
リストされた範囲は、十分に説明し、同じ範囲を少なくとも等しい2分の1、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1等に分解できるようにするものとして容易に認識できる。非限定的な例として、本明細書で説明する各範囲は、下3分の1、中3分の1、上3分の1等に容易に分類することができる。また、当業者によって理解されるように、「~まで」、「少なくとも」、「より大きい」、「より小さい」等の全ての用語は、列挙された数を含む、可能な範囲を指す。その後、上記のように部分範囲に分割される。さらに、当業者には理解されるように、範囲には個々のメンバーが含まれる。したがって、例えば、1~3層を有するグループは、1、2または3層を有するグループを指す。同様に、1~5層を有するグループは、1、2、3、4または5層を有するグループ等を指す。
【0138】
本明細書で参照される刊行物、特許出願、特許及び他の文書は、個々の刊行物、特許出願、特許または他の文書が、その全体が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。参照により組み込まれる本テキストに含まれる定義は、本開示の定義と矛盾する限り除外される。
【0139】
他の実施形態は、以下の特許請求の範囲に記載されている。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D-E】
図2F
図2G
図3A-3B】
図3C
図3D-3E】
図3F
図3G
図3H
図3I
図3J
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G-H】
図4I
図4J
図4K
図5
図6
図7A-7B】
図7C-7D】
図7E-7F】
図7G-7H】
図8
図9
図10
図11A
図11B
【国際調査報告】