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特表2023-523650触媒制御、および密閉遮断能力を有する回収バルブ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-06
(54)【発明の名称】触媒制御、および密閉遮断能力を有する回収バルブ
(51)【国際特許分類】
   F16K 3/02 20060101AFI20230530BHJP
   F16K 3/18 20060101ALI20230530BHJP
   C10G 11/18 20060101ALI20230530BHJP
【FI】
F16K3/02 A
F16K3/18 Z
C10G11/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023507360
(86)(22)【出願日】2021-04-20
(85)【翻訳文提出日】2022-11-24
(86)【国際出願番号】 US2021028160
(87)【国際公開番号】W WO2021216552
(87)【国際公開日】2021-10-28
(31)【優先権主張番号】63/012,571
(32)【優先日】2020-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522409585
【氏名又は名称】ブラック・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100210398
【弁理士】
【氏名又は名称】横尾 太郎
(72)【発明者】
【氏名】ブラック,フィリップ・ビー
【テーマコード(参考)】
3H053
4H129
【Fターム(参考)】
3H053AA02
3H053AA22
3H053BA11
3H053BC03
3H053BD02
3H053CA02
4H129AA02
4H129CA08
4H129DA04
4H129GA04
4H129NA45
(57)【要約】
作動ステムにより、完全に後退したところの完全な開位置と、完全に延伸したところの密閉遮断の完全な閉位置との間で摺動移動可能であるバルブディスクを有するスライド弁。作動ステムがバルブディスクに柔軟に連結される。バルブディスクが、完全に延伸したところの密閉遮断の完全な閉位置においてバルブディスクが動かなくなるのを防止するために、完全に延伸したところの密閉遮断の完全な閉位置と、部分的に後退したところの非密閉遮断位置との間で選択的に調節される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動接触分解法において、ガス、液体、および触媒物質の流れを制御するためのスライドゲート弁であって、
入口および出口を有するように形成された、内部チャンバを有する弁ボディと、
前記チャンバ内に位置決めされ、オリフィスを有するように形成される、オリフィスプレートと、
前記オリフィスの両側に位置する第1および第2の弁体ガイドであって、各々がガイドチャンネル、および、ウェッジ面を有するウェッジを有する、第1および第2の弁体ガイドと、
ガス、液体、および触媒物質が前記オリフィスを通過することができる完全な開位置から、ガス、液体、または触媒物質の流れが前記オリフィスを通るのを防止するために、前記オリフィスが遮断される完全な閉位置まで、前記弁体ガイドに沿って摺動するように構成された、前記第1の弁体ガイドと前記第2の弁体ガイドとの間に位置決めされたバルブディスクであって、ウェッジ面を各々有する一対のウェッジを有する、バルブディスクと
を備え、
前記完全な開位置から前記完全な閉位置に向かって前記バルブディスクが移動することにより前記バルブディスクが、前記バルブディスクの移動のあるポイントまで前記第1および第2の弁体ガイドに沿って線形に摺動し、
前記ポイントでは、前記バルブディスクの前記ウェッジが前記第1および第2の弁体ガイドの前記ウェッジに係合され、前記バルブディスクを前記オリフィスプレートの方に並進運動させ、前記オリフィスプレートに対して前記バルブディスクを密閉し、前記オリフィスを通る流れを遮断する、
スライドゲート弁。
【請求項2】
前記オリフィスプレートが、前記オリフィスから径方向外側に位置決めされた耐火性材料を含む、
請求項1に記載のスライドゲート弁。
【請求項3】
前記オリフィスプレートが、前記耐火性材料から径方向外側に位置決めされた密閉面を有する、
請求項2に記載のスライドゲート弁。
【請求項4】
前記密閉面がステライト合金の層を有する、
請求項3に記載のスライドゲート弁。
【請求項5】
前記第1の弁体ガイドおよび前記第2の弁体ガイドの各々は、第1の端部および第2の端部を有し、
前記ウェッジが、前記第1の端部と比較して前記第2の端部により接近している、
請求項1に記載のスライドゲート弁。
【請求項6】
前記ウェッジが、前記第1および第2の弁体ガイドと一体である、
請求項5に記載のスライドゲート弁。
【請求項7】
前記第1の弁体ガイドおよび前記第2の弁体ガイドの各々は、ガイドチャンネルおよび平坦な内部壁を有し、
前記ウェッジが前記内部壁から外側に延在する、
請求項5に記載のスライドゲート弁。
【請求項8】
前記バルブディスクが、耐火性材料を有する中央領域を有する頂面を有する、
請求項3に記載のスライドゲート弁。
【請求項9】
前記バルブディスクが、前記中央領域から径方向外側に位置決めされたシートリング部材を有し、
前記シートリング部材が、前記バルブディスクが前記完全な閉位置にあるときに、前記オリフィスプレートの前記密閉面に対して密閉を行うように適合される、
請求項8に記載のスライドゲート弁。
【請求項10】
前記バルブディスクが、ノーズ、および、前記バルブディスクの前記ノーズの周りを包囲する耐火性材料を有する、
請求項9に記載のスライドゲート弁。
【請求項11】
前記バルブディスクの前記ウェッジが前記バルブディスクと一体である、
請求項1に記載のスライドゲート弁。
【請求項12】
前記バルブディスクが、アクチュエータステムの端部を受け入れるように構成されたスロットを有するように形成され、
前記バルブディスクに対しての前記アクチュエータステムの接続が、前記完全な開位置から前記完全な閉位置まで前記バルブディスクが移動させられるときに前記アクチュエータステムに対して前記バルブディスクが移動することを許容する、
請求項1に記載のスライドゲート弁。
【請求項13】
流動接触分解法において、ガス、液体、および触媒物質の流れを制御するためのスライドゲート弁であって、
入口および出口を有するように形成された、内部チャンバを有する弁ボディと、
前記チャンバ内に位置決めされ、オリフィスを有するように形成される、オリフィスプレートと、
前記オリフィスの両側に位置する第1および第2の弁体ガイドであって、各々がガイドチャンネル、および、ウェッジ面を有するウェッジを有する、第1および第2の弁体ガイドと、
ガス、液体、および触媒物質が前記オリフィスを通過することができる完全な開位置から、ガス、液体、または触媒物質の流れが前記オリフィスを通るのを防止するために、前記オリフィスが遮断される完全な閉位置まで、前記弁体ガイドに沿って摺動するように構成された、前記第1の弁体ガイドと前記第2の弁体ガイドとの間に位置決めされたバルブディスクであって、ウェッジ面を各々有する一対のウェッジを有する、バルブディスクと、
前記バルブディスクに連結された第1の端部を有するアクチュエータステムと、
前記アクチュエータステムの第2の端部に連結されたアクチュエータであって、前記アクチュエータおよび前記アクチュエータステムが、前記完全な開位置から前記完全な閉位置まで前記バルブディスクを移動させるように適合される、アクチュエータと
を備え、
前記完全な開位置から前記完全な閉位置に向かって前記バルブディスクが移動することにより前記バルブディスクが、前記バルブディスクの移動のあるポイントまで前記第1および第2の弁体ガイドに沿って線形に摺動し、
前記ポイントでは、前記バルブディスクの前記ウェッジが前記第1および第2の弁体ガイドの前記ウェッジに係合され、前記バルブディスクを前記オリフィスプレートの方に並進運動させ、前記オリフィスプレートに対して前記バルブディスクを密閉し、前記オリフィスを通る流れを遮断する、
スライドゲート弁。
【請求項14】
前記アクチュエータが、線形軸に沿って、部分的に後退したところの非密閉位置まで前記作動ステムおよび前記バルブディスクを定期的に部分的に後退させ、
前記バルブディスクが前記オリフィスプレートに密閉係合されず、オリフィスプレートから短い距離で離間され、空隙を作り出し、前記完全な閉位置に戻すように前記バルブディスクを移動させる、
請求項13に記載のスライドゲート弁。
【請求項15】
前記バルブディスクが、アクチュエータステムの端部を受け入れるように構成されたスロットを有するように形成され、
前記バルブディスクに対しての前記アクチュエータステムの接続が、前記完全な開位置から前記完全な閉位置まで前記バルブディスクが移動させられるときに前記アクチュエータステムに対して前記バルブディスクが移動することを許容する、
請求項13に記載のスライドゲート弁。
【請求項16】
前記オリフィスプレートが、前記オリフィスから径方向外側に位置決めされた耐火性材料を含む、
請求項13に記載のスライドゲート弁。
【請求項17】
前記オリフィスプレートが、前記耐火性材料から径方向外側に位置決めされた密閉面を有する、
請求項16に記載のスライドゲート弁。
【請求項18】
前記バルブディスクが、耐火性材料を有する中央領域を有する頂面を有する、
請求項13に記載のスライドゲート弁。
【請求項19】
前記バルブディスクが、前記中央領域から径方向外側に位置決めされたシートリング部材を有し、
前記シートリング部材が、前記バルブディスクが前記完全な閉位置にあるときに、前記オリフィスプレートの前記密閉面に対して密閉を行うように適合される、
請求項18に記載のスライドゲート弁。
【請求項20】
流動接触分解法において、ガス、液体、および触媒物質の流れを制御するためのスライドゲート弁であって、
入口および出口を有するように形成された、内部チャンバを有する弁ボディと、
前記チャンバ内に位置決めされたオリフィスプレートであって、前記オリフィスプレートがオリフィスを有するように形成される、オリフィスプレートと、
ガイドチャンネルを有する、前記オリフィスに近接するように位置決めされた弁体ガイドと、
ガス、液体、および触媒物質が前記オリフィスを通過することができる完全な開位置から、ガス、液体、または触媒物質の流れが前記オリフィスを通るのを防止するために、前記オリフィスが遮断される完全な閉位置まで、前記弁体ガイドの前記ガイドチャンネルに沿って摺動するように構成されたバルブディスクと、
前記弁ボディの前記内部チャンバ内に位置するカムと
を備え、
前記完全な開位置から前記完全な閉位置に向かって前記バルブディスクが移動することにより前記バルブディスクが、前記バルブディスクの移動のあるポイントまで前記弁体ガイドの前記ガイドチャンネルに沿って線形に摺動し、
前記ポイントでは、前記カムが前記バルブディスクを前記オリフィスプレートの方に並進運動させ、前記オリフィスを通る流れを遮断するために前記オリフィスプレートに対して前記バルブディスクを密閉する、
スライドゲート弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本出願は、参照によりその全体が本明細書に明確に組み込まれている、2020年4月20日に出願した米国仮特許出願63/012,571号の優先権を米国特許法第119条(e)に基づいて請求するものである。
【0002】
[0002]本開示は、弁に関し、詳細には、スライドゲート弁に関する。より詳細には、本開示は、触媒制御のための用途(service)において、および、流動接触分解法においてガスおよび触媒物質の流れを制御するための触媒回収弁(catalyst withdrawal valve)のために、使用されるスライドゲート弁に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]流動接触分解は、高沸点、高分子量である石油原油(petroleum crude oil)の炭化水素留分を、より有益であるガソリン、オレフィンガス、および他の製品へと変換するための、石油精製で使用されるプロセスである。流動接触分解法への供給原料は、通常、大気圧で340℃(華氏644(°F))以上の初留点を有し、さらに、約200から600以上の範囲の平均分子量を有する原油の部分である。供給原料が加熱されて高温・中程度の圧力にされ、高温の粉末触媒に接触させられる。
【0004】
[0004]触媒が高沸点の炭化水素液の長鎖分子を破壊してより短い分子にし、より短い分子が蒸気として収集される。加熱された供給原料が触媒ライザー(catalyst riser)の中に注入され、触媒ライザーで、供給原料が、触媒再生器から提供される非常に高温の粉末触媒に接触して混合されることにより、気化して分解してより小分子の蒸気になる。触媒が容器を有する反応器の中へ流れ、反応器の中で、分解した製品の蒸気(cracked product vapor)が使用済み触媒から分離され、使用済み触媒が、使用済み触媒フローラインを介して、触媒再生器の容器に戻される。再生された触媒の反応器への流れが、再生触媒フローラインおよびライザーセクションによって調整される。3つのスライド弁が、主として、再生器と反応器の容器との間のこの触媒の流れを制御する(通常、Rx触媒(Rx Catalyst)弁、使用済み触媒弁、および再生触媒弁と称される)。再生器に戻るように流れるフロースキームにおける再生器からの触媒を制御するのに使用される他の2つの弁が存在し、これらは、再循環弁(Recirculation valve)および冷却触媒弁(Cooled Catalyst valve)と称される。これらの用途は、複数挙げると、Fluid Cokers、Flexicokers、FCCU、RFCCU、DCCU、DCU、および、高温での微粒子流動の適用(particulate flowing application)を制御するための耐火物を内張りしたスライド弁を利用する他の同様の種類の精製プロセス、において見受けられる。
【0005】
[0005]時間の経過と共に、および、触媒粒子の劣化と共に、触媒の反応性は継続的に失われる。このような反応性の損失は、流動接触分解法では、触媒を再生器から取り出すことにより、および新しい触媒を再生器の中に装填することにより、経時的に是正される必要がある。これらのプロセスは共に、動作中に触媒が内部面に衝突するときに摩耗しない特別なスライドゲート弁を使用することを必要とする。
【0006】
[0006]触媒は、約5ミクロンから約40ミクロンの範囲のサイズの粒径分布を有する微粉または粒子を含む。触媒は、結晶ゼオライト、母材、結合剤、およびフィラー成分を含むことができる。母材成分は、アルミナ母材成分を含むことができる。結合剤はシリカゾルであってよく、フィラーはカオリンなどの粘度であってよい。
【0007】
[0007]再生触媒、使用済み触媒、Rx触媒、再循環冷却触媒の用途(service)で使用されるか、または、触媒回収弁の用途(service)のための使用される、スライドゲート弁は、複数の要因により、機能および動作における問題に直面する。触媒の制御および回収の用途のためのスライドゲート弁は非常に広範囲の温度条件で動作する必要があり、この広範囲の温度条件は、約-34℃(華氏約マイナス30度(-30°F))程度の低い温度となり得る周囲温度条件から、触媒の流れを制御するために弁が開けられるかまたはさらには部分的に開けられた瞬間のつまり弁が使用される瞬間の約732℃(約1350°F)以上の運転温度に及ぶ。弁を通る高温の触媒の流れが弁に温度衝撃を与え、弁の耐摩耗面および構成要素を故障させる。
【0008】
[0008]また、弁を通る高温の触媒の流れは、弁の弁ボディ、ガイド、オリフィスプレート、作動ステム、およびディスクにとって非常に過酷なものである。触媒の流れの開始時の瞬間的な加熱と触媒の流れの停止後の弁の冷却との間の温度変動より、スライド弁のすべての構成要素が非常に大きいストレスを受ける。運転条件に関連するこの極端な温度セットの結果としてスライド弁が早期に故障する。
【0009】
[0009]また、スライド弁を通る触媒の流れは高い浸食性を有し、スライド弁のおよびその構成部品の摩耗を引き起こす。触媒粒子のサイズが小さい場合であっても流れる触媒が触媒の接触することになる任意の表面を「サンドブラスト処理(sand blast)」するが、通常の立方体タイプのシリカサンド粒子より大幅に高い率でサンドブラスト処理する。弁を通る触媒の流れが、弁の上流側の圧力と弁の下流で見られる圧力との間の圧力差によって動かされる。これは、最大138kPa(20ポンド毎平方インチゲージ圧(psig))程度の、使用済み、再生、Rx、触媒冷却器、および再循環の用途(service)において見られ得る。触媒回収弁の用途(service)の場合、弁が再生器の底部に接続され、その圧力が310kPa(45ポンド毎平方インチゲージ圧(psig))以上もの大きさとなり得、この圧力が、部分真空および完全真空が存在するところの弁の下流側にかかる。触媒回収弁に跨る圧力降下はこの種類の弁を耐久させるには非常に大きいものである。通常、スライド弁の通常運転は流動時の動作(flow operation)中に83kPa(12ポンド毎平方インチ)未満の差圧で維持され、弁において103kPa(15ポンド毎平方インチ)から138kPa(20ポンド毎平方インチ)の差圧で運転が行われることはめったにない。触媒回収弁として使用されるスライド弁は、弁に跨る276kPa(40ポンド毎平方インチ)または310kPa(45ポンド毎平方インチ)程度の圧力降下を受ける可能性がある。
【0010】
[0010]触媒回収弁の直面する可能性がある追加の問題が、弁を通る双方向流れが存在する場合に、発生する。このような動作では、触媒回収弁を介するプロセスの開始時に触媒が最初に再生器の中に装填され、その結果、通常の流れとみなされる方向の反対方向において触媒の流れが発生する。このような動作では、弁の内部構成要素が、弁を基準とした両方向の触媒の流れのために設計される必要があり、流れの両方向において弁の構成要素に対して浸食保護および摩耗保護が施される。
【0011】
[0011]従来のスライド弁の直面する別の問題は、開位置と閉位置との間でバルブディスクを移動させる弁作動ステムが、バルブディスクを閉位置へと移動させるために作動ステムによりバルブディスクに対して力が加えられるときに、曲がる傾向がある、ことである。作動ステムが曲がることにより作動ステムのスタフィングボックス内のパッキンが早期に故障し、ストローク位置の端部において制御可能とならない。加えて、バルブ内部に蓄積された触媒と干渉することにより、ディスクが、場合によっては、その完全な閉位置に到達する前に、バルブディスクのクロージングストロークの端部において機械停止部に当たることになる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
[0012]本開示によると、スライド弁が、バルブディスクおよび弁体受けを有する。弁体受けが、弁体ガイド(disc guide)、および、オリフィスを有するオリフィスプレートを有し、ディスクバルブが、オリフィスを通るガスおよび粒子流を可能にする完全に後退したところの完全な開位置と、オリフィスを密閉してガスおよび粒子流がオリフィスを通るのを防止する完全に延伸したところの密閉遮断の完全な閉位置(fully-extended fully-closed tight shutoff position)との間で、弁体ガイド内で選択的に摺動可能である。
【0013】
[0013]例示の実施形態では、バルブディスクおよび弁体受けが、バルブディスクが完全に延伸したところの密閉遮断の完全な閉位置にあるときにバルブディスクをオリフィスプレートに係合させるようにくさび方式で押圧するために互いに係合される個別の傾斜ウェッジを有する。バルブディスクが、完全に延伸したところの密閉遮断の完全な閉位置と、部分的に後退したところの非密閉遮断位置との間で選択的に調節され、部分的に後退したところの非密閉遮断位置では、オリフィスから外へ、および、空隙を通って、粒子が流れるのを防止しながら、オリフィスから外へ、および、バルブディスクとオリフィスプレートとの間の空隙を通って、ガスが流れるのを可能にする小さい空隙がバルブディスクとオリフィスプレートとの間に形成される。
【0014】
[0014]例示の実施形態では、作動ステムが第1の端部のところで油圧シリンダ(アクチュエータ)または電動式駆動組立体(アクチュエータ)に連結され、第2の端部のところでバルブディスクに連結される。アクチュエータが、完全に後退したところの完全な開位置と、完全に延伸したところの密閉遮断の完全な閉位置と、部分的に後退したところの非密閉遮断位置と、の間でアクチュエータステムおよびバルブディスクを選択的に線形に摺動させるように適合される。作動ステムの第2の端部がバルブディスクに柔軟に連結され、その結果、バルブディスクが作動ステムの第2の端部に対して移動可能となり、それにより、バルブディスクがアクチュエータによって移動させられるときにディスクバルブが作動ステムに曲げ力を加えないようになる。
【0015】
[0015]本開示を実行する現在認識されている最良の形態を例証する例示の実施形態を考察することにより当業者には本開示の追加の特徴が明らかとなる。
[0016]詳細な説明は具体的には添付図を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】[0017]スライド弁を示しており、触媒回収プロセスで使用されるときの通常の流動時の動作中の弁の中への触媒の流れおよび弁の外への触媒の流れの方向を例示している、本開示による正面斜視図である。
図2】[0018]図1のスライド弁を示す部分分解正面図である。
図3】[0019]図1のスライド弁を示す部分分解背面図である。
図4】[0020]弁体受け、および、完全に後退したところの完全な開位置と、完全に延伸したところの密閉遮断の完全な閉位置と、の間で、弁体受けに対してバルブディスクを選択的に摺動させる作動ステム、を示している、スライド弁のゲート組立体を示す正面斜視図である。
図5】[0021]作動ステムの遠位端に移動可能に連結されたバルブディスクを追加的に示している、図4のゲート組立体を示す正面分解図である。
図6】[0022]ゲート組立体を示す背面斜視図である。
図7】[0023]ゲート組立体を示す背面分解図である。
図8】[0024]弁体受けのオリフィスプレートに対して、完全に延伸したところの密閉遮断の完全な閉位置にあるバルブディスクを示している、スライド弁を示す、図1の線8-8に沿う断面図である。
図9】[0025]完全に延伸したところの密閉遮断の完全な閉位置にあるディスクを示している、図8の線9に沿う詳細図である。
図10】[0026]完全に延伸したところの密閉遮断の完全な閉位置にあるディスクを示している、図9の線10に沿う詳細図である。
図11】[0027]図8の断面と同様であるが、完全に延伸したところの密閉遮断の完全な閉位置から、部分的に後退したところの非密閉遮断位置まで、オリフィスプレートに対して部分的に後退したバルブディスクを示している、スライド弁を示す断面図である。
図12】[0028]バルブディスクが部分的に後退したところの非密閉遮断位置にあってその結果としてバルブディスクとオリフィスプレートとの間に小さい空隙が形成されたときの、オリフィスプレートから短い距離で離間されたバルブディスクを示す、図11の線12に沿う詳細図である。
図13】[0029]バルブディスクが部分的に後退したところの非密閉遮断位置にあるときのバルブディスクとオリフィスプレートとの間にある空隙を示す、図12の線13に沿う詳細図である。
図14】[0030]バルブディスクがオリフィスプレートに対して完全に後退したところの完全な開位置にあって触媒がバルブを通って流れることが可能になっている、弁を示す断面図である。
図15】[0031]弁のバルブディスクに加えられたアクチュエータの力対時間を示しており、さらに、オリフィスプレートに対してのバルブディスクの位置を示している、時間およびバルブディスクに加えられたアクチュエータの力のグラフである。
図16】[0032]バルブディスクの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[0033]本開示による、スライド弁などの、弁10が、図1~14に示される。弁10が、触媒などの粒子の流れを制御するための、流動接触分解および他のプロセスに関連して使用されるときの触媒回収弁を含むことができる。弁10が、ボディ12と、ハウジング14に連結された第1の端部16および第2の端部18を有する細長いハウジング14と、を有する。アクチュエータ20が、ハウジング14の第2の端部18に連結される。
【0018】
[0034]弁10が、図4~7に示されるように、ゲート組立体90を有する。ゲート組立体90が、オリフィスプレート92と、アクチュエータ20によって駆動されるバルブディスク166と、図8に示されるようにバルブディスク166がオリフィス144を遮断するところである第1の閉位置から、ガスおよび粒子の流れがオリフィス114を通るのを可能にするために図14に示されるようにオリフィス144を遮断しないようにバルブディスク166が外されるところである第2の開位置まで、オリフィスプレート92に対してバブルディスク166を移動させるのを可能にする一対の弁体ガイド136a、136bと、を有する。
【0019】
[0035]アクチュエータ20が、図14に示されるディスク166の完全に後退したところの完全な開位置から、図8に示されるディスク166の完全に延伸したところの完全な閉位置の方に、作動ステム196およびバルブディスク166を摺動移動させるとき、ウェッジ160のウェッジ面162がディスク166のウェッジ184A~Bのウェッジ面186に係合される。ウェッジ160のウェッジ面162が、軸180に対して概して横向きでありかつ中心軸62に概して平行である方向において、ディスク166の頂面172をくさび方式で押圧し、オリフィスプレート92およびリング126の密閉面128に密閉係合させる。それにより、ディスク166が、オリフィス114、ならびに、ボディ12のチャンバ38からの入口48の入口通路56および出口50の出口通路70を堅く完全に密閉し、ガス・固体混合物中のガスの流れおよび粒子の流れがオリフィス114を通ってチャンバ38および出口通路70の中へ流れるのを防止する。
【0020】
[0036]図8~10に示される完全に延伸したところの密閉遮断の完全な閉位置でディスク166が動かなくなるのを防止するために、バルブディスク166が、完全に延伸したところの密閉遮断の完全な閉位置と、図11~13に示されるわずかに部分的に後退したところの非密閉遮断位置と、の間で定期的に調節され得るかまたは摺動移動させられ得る。アクチュエータ20が、図11~13に示される部分的に後退したところの非密閉遮断位置まで、作動ステム196およびディスク166を軸180に沿って部分的に後退させるとき、ディスク166が軸180に沿って非常に短い距離で移動させられ、ボディ12の側壁32から離れる。オリフィスプレート92に対してのバルブディスク166のこの摺動移動が、バルブディスク166がオリフィスプレート92に固着するのを防止する。部分的に後退したところの非密閉遮断位置までのバルブディスクの移動は、ディスク166とオリフィスプレート92との間の隙間171の公称サイズのために粒子ではなく一部のガスがオリフィス114を通過するのを可能にするための小さい開口部を作り出す。
【0021】
[0037]弁10のボディ12が、頂部分24と、頂部分24から離間された底部分26と、円筒形側壁28と、を有する。側壁28が、頂部分24および底部分26の対向する端部の間を延在する。頂部分24、底部分26、および側壁28が、一体に、内部面34および外部面36を形成する。ボディ12が、頂部分24、底部分26、および側壁28によりこれらの中に形成された中空内部チャンバ38を有する。ボディ12が、開口部40を有するように形成されたフランジ30を有する。開口部40が、弁帽31を受け入れるように構成される。弁帽31がフランジ30の開口部40を封鎖し、アクチュエータ20を支持するブラケット組立体33を有し、アクチュエータ20が作動ステム196を駆動する。開口部40がチャンバ38に流体連通される。弁10の頂部分24が、頂部分24の内部面24内に形成された凹形ポケット42を有する。
【0022】
[0038]弁10のボディ12が、図8に示されるように、チャンバ38に流体連通された入口48、および、チャンバ38に流体連通された出口50を有する。入口48が、頂部分24に連結されて頂部分24から外側に延在する管状ステム52を有する。外側に延在するフランジ54が、ステム52の外側端部に連結され得る。フランジ54が、ステム52の中心軸を中心とした概略円形のまたは概略長方形のボルト孔パターンで配置構成された複数のボルト孔を有することができる。入口48が、頂部分24、ステム66、およびフランジ68を通って延在する流体入口通路56を有する。入口通路56が、ボディ12のチャンバ38に選択的に流体連通される。入口通路56が、内部面34内に形成された第1のポート58を有する。入口通路56が、入口48内に形成された第2のポート60を有する。第1のポート58および第2のポート60が互いに流体連通される。入口通路56が、中心軸62に沿って、第1のポート58と第2のポート60との間を延在する。入口通路56が、第1のポート58と第2のポート60との間を延在する、ステム52内の概略円筒形の側壁によって形成される。
【0023】
[0039]出口50が、ボディ12の底部分26に連結されてボディ12の底部分26から外側に延在する管状ステム66を有する。外側に延在するフランジ68が、ステム66の外側端部に連結され得る。フランジ68が、概略円形のまたは概略長方形のボルト孔パターンで配置構成された複数のボルト孔を有することができる。出口50が、底部分26、ステム66、およびフランジ68を通って延在する流体出口通路70を有する。出口通路70が、ボディ12のチャンバ38に流体連通される。出口通路70が、底部分26の内部面34内に形成された第1のポート72、および、フランジ68の外側端部内に形成された第2のポート74を有する。第1のポート72および第2のポート74が互いに流体連通される。
【0024】
[0040]出口通路70が中心軸62を通って延在し、その結果、入口通路56および出口通路70が、中心軸62に沿って互いに概して同軸に位置合わせされる。出口通路70が、第2のポート74から内側に延在する概略円筒形の側壁76によって形成され得る。出口通路70が、底部分26の内部面34と円筒形側壁76との間を延在する概略円錐形の側壁78によって形成されてもよい。円錐形側壁78が、底部分26の内部面34から円筒形側壁76に向かって延在するにつれて内側に向かって先細になっている。弁10のボディ12が金属材料から形成され得る。
【0025】
[0041]弁10が、図4~7に示されるように、ゲート組立体90を有する。ゲート組立体90が、ボディ12のチャンバ38内に位置してボディ12に連結された弁体受け91を有する。弁体受け91がオリフィスプレート92を有する。オリフィスプレート92が図5に示されるように概略長方形であってよく、概略平坦な頂面94を有する概略平坦な頂壁と、頂面94から離間されて頂面94に概して平行である底面96を有する概略平坦な底壁と、を有する。オリフィスプレート92が、概略線形の第1の端部98と、離間しており概して平行である線形の第2の端部100とを有する。オリフィスプレート92が、オリフィスプレート92の第1の端部98と第2の端部100との間を概略線形に延在する第1の側方縁部102と、第1の側方縁部102から離間されて概して平行に、オリフィスプレート92の第1の端部98と第2の端部100との間を概略線形に延在する第2の側方縁部104と、を有する。第1の側方縁部102および第2の側方縁部104が、各々、オリフィスプレート92の頂面94から延在するシート部材106を有する。シート部材106が、ボディ12の頂部分24のポケット42内に着座して位置するように適合されたシート部材106の周辺部を形成する概略円筒形の側壁108を有し、ここでは、突出部108の端壁112がポケット42の底壁に対合的に密閉係合される。
【0026】
[0042]ゲート組立体90のオリフィスプレート92が、オリフィスプレート92およびシート部材106を通る流体通路を形成する、オリフィスプレート92およびシート部材106を通って延在するオリフィス114を有する。オリフィス114が、シート部材106の端壁112内に位置する第1のポート116と、オリフィスプレート92の底面96内に位置する第2のポート118とを有する。オリフィス114が、図7に示されるように、第1のポート116と第2のポート118との間を延在する側壁120を有する。側壁120、および、オリフィス114の周りのエリアが、耐火性ライナ122を有する。耐火性ライナ122が耐浸食性を有し、高い温度および研磨材料により生じるオリフィスプレート92に対してのダメージを制限するための断熱を実現する。耐火性材料122が、耐摩耗性ライナ122の間に位置決めされたリテーナ123によって定位置で固定される。実質的に、耐火性材料122がオリフィスプレート92のオリフィス114を囲む。
【0027】
[0043]オリフィスプレート92が、図7に示されるように、密閉部材126をさらに有する。シール部材126がオリフィス114を囲み、耐火性材料122から径方向外側に位置決めされる。密閉部材126が、好適には、Kennametal Inc.のSTELLITEの商標で市販されているSTELLITE合金などの、耐浸食性・耐摩耗性材料から形成される。STELLITE合金が、浸食および摩耗を制限するために、密閉部材126およびリテーナ123上で使用される。オリフィス114とシール部材126との間に位置決めされた耐火性材料122が、ディスク166が開けられているときに高温ガスおよび研磨材料が密閉部材126を摩滅させるのを防止するのを支援する。耐摩耗性ライナ122が第1のポート116と第2のポート118との間を延在する。シール部材126が、バルブディスク166に密閉係合される平坦な密閉面128を有する。望ましくない漏洩を防止するために非常に平坦であり滑らかである密閉面を提供するために、密閉面128が概してRMS32仕上げとなるように滑らかに研磨処理を施され得る。
【0028】
[0044]ゲート組立体90の受け91が、図6および7に示されるように、弁体ガイド136Aおよび弁体ガイド136Bをさらに有し、受け91を形成するように構成され、受け91内で、バルブディスク166が開位置から閉位置まで摺動する。弁体ガイド136A~Bは互いに実質的に等しく構築されるが、互いに鏡像となるように構築される。各弁体ガイド136A~Bが、第1の端部138と第2の端部140との間を延在する。各弁体ガイド136A~Bが、図6に示されるように、概略平坦な内部壁142、および、離間された概略平行である平坦な外部壁144を有する。内部壁142が、漏出した触媒物質が弁体ガイド136A~Bから落下するのを可能にするために内部壁142内に形成された一連のチャンネル143を有する。各弁体ガイド136A~Bが、第1の端部138から第2の端部140まで延在する凹形の細長いガイドチャンネル146を有する。
【0029】
[0045]弁体ガイド136A~Bの各ガイドチャンネル146が、概略平坦な側壁148、および、弁体ガイド136A~Bの第1の端部138と第2の端部140との間を延在する概略平坦な壁150を有する。ガイドチャンネル146の側壁148が、内部壁142に概して平行である。ガイドチャンネル146の壁150が、ガイドチャンネル146の内部壁142と側壁148との間を概略垂直に延在する。各弁体ガイド136A~Bが、第1の端部138と第2の端部140との間を概略線形に延在するシート152を有する。弁体ガイド136A~Bの各シート152が、オリフィスプレート92の個別のシート106を受けてインターロックされるように適合される。弁体ガイド136Aがオリフィスプレート92の第1の側方縁部102に連結され、弁体ガイド136Bがオリフィスプレート92の第2の側方縁部104に連結され、その結果、弁体ガイド136A~Bのガイドチャンネル146が互いに対向して離間される関係であり、互いに概略平行に延在する。ガイドディスク136A~Bが、好適には、耐摩耗性および耐温度性を向上させるためにSTELLITE合金の層を有する。
【0030】
[0046]各弁体ガイド136A~Bが、図5に示されるように、ウェッジ160を有する。ウェッジ160が弁体ガイド136A~Bの内部壁142上に位置することができ、内部壁142から外側に延在する。各ウェッジ160が、概略平坦な傾斜したウェッジ面162を有する。ウェッジ面162が、ガイドチャンネル146の壁150を含む平面に対して傾斜しており、つまり勾配を付けられる。ウェッジ面162がガイドチャンネル146の壁150に向かって勾配を有する。ウェッジ160が、弁体ガイド136A~Bの第2の端部140から離間される。ウェッジ160が、弁体ガイド136A~Bの第1の端部138と比較して第2の端部140により接近している。ウェッジ面162がオリフィスプレート92の底面96から離間され、オリフィスプレート92の底面96に対して一定の傾斜角で位置する。
【0031】
[0047]弁体ガイド136A~Bのウェッジ160が、オリフィスプレート92に対してディスク166を線形に移動させてその移動の端部の近くにくるとシール部材126により接近するように移動させて係合させてオリフィス144を封鎖するのを可能にするように、位置決めされる。バルブディスク166がウェッジ160に係合されると、バルブディスク166が上昇させられて弁体ガイド136A~Bの壁150から離れる。バルブディスク166がその完全な閉位置から後方に移動させられると、バルブディスク166がウェッジに沿うかたちで降下し始め、バルブディスク166とシール部材126との間に空隙を作り出し、それにより、触媒物質を望まれずに流すのを防止するがオリフィス114から高温ガスが外に出るのを可能にする。
【0032】
[0048]各弁体ガイド136A~Bが、ステライト合金などの、耐摩耗性材料から形成された層である耐摩耗性ライナ164を有することができる。耐摩耗性ライナ164が、各々の弁体ガイド136A~Bの、ガイドチャンネル146の側壁148および壁150、内部壁142、ウェッジ160およびウェッジ面162を形成することができる。オリフィスプレート92および弁体ガイド136A~Bは、一般に、金属材料から形成され得るが、耐摩耗性ライナ164は、金属、セラミック、または他の耐摩耗性材料から形成され得る。
【0033】
[0049]ゲート組立体90がバルブディスク166をさらに有する。ディスク166が、近位端168および離間した遠位端170を有する概略長方形のプレートを備えることができる。ディスク166が、概略平坦な頂面172と、頂面172から離間されて概して平行である概略平坦な底面174とを有する。ディスク166が、細長い概略線形の第1の側方縁部176、および、離間した概略平行な細長い線形の第2の側方縁部178を有する。ディスク166の第1の側方縁部176が、受け91の弁体ガイド136Aのガイドチャンネル146内で摺動可能に受けられてこのガイドチャンネル146内に位置するように適合される。ディスク166の第2の側方縁部178が、受け91の弁体ガイド136Bのガイドチャンネル146内で摺動可能に受けられてこのガイドチャンネル146内に位置するように適合される。ディスク166が、中央軸62に対して概略垂直である概略線形の軸180に沿って、ガイドチャンネル146内で、弁体ガイド136A~Bおよび受け91のオリフィスプレート92に対して選択的に摺動可能となるように適合される。
【0034】
[0050]ディスク166が、第1の細長い溝167および第2の細長い溝169をさらに有する。溝167および169が弁体ガイド136A~Bのガイドチャンネル146に係合されてこのガイドチャンネル146内で摺動する。溝167および169が、第1の壁171と、第1の壁171に対して概略垂直である第2の壁173とを有する。ディスク166が弁体ガイド136A~Bに対して移動させられるとき、溝167、169の第1の壁171が壁150に沿って摺動する。
【0035】
[0051]図7に示されるように、ディスク166が、溝167、169の第1の壁171から上方に延在する離間されたウェッジ182Aおよび184Bを有する。各ウェッジ184A~Bが、概略平坦な傾斜したウェッジ面186を有する。ウェッジ184A~Bのウェッジ面186が互いに概して同一平面上にある。ウェッジ184A~Bの各ウェッジ面186が、ディスク166の第1の壁171から底面174に向かって、外側に延在しかつ勾配を有する。ウェッジ184A~Bが、ディスク166の近位端168からオフセットされる。ウェッジ184A~Bのこのロケーションは、部分的な開位置から完全は閉位置までディスク166が移動させられるときに近位端168および遠位端170を同時に一様に上昇させるのを支援する。ウェッジ184Aのウェッジ面186が、弁体ガイド136Aのウェッジ160のウェッジ面162に摺動可能に係合されてウェッジ面162と対合するように適合され、それにより、バルブディスク166をオリフィスプレート92の方に移動させるようにバルブディスク166の線形運動を変換するためのカムとして機能する。ウェッジ184Bのウェッジ面186が、弁体ガイド136Bのウェッジ160のウェッジ面162に摺動可能に係合されてウェッジ面162と対合するように適合される。ディスク166が開位置から閉位置まで移動させられるとき、ディスク166のウェッジ184A~Bが弁体ガイド136A~Bのウェッジ160、162に係合される。ウェッジの摺動可能な係合により、ディスク166の線形運動に、この線形運動に対して垂直である並進運動も有させる。
【0036】
[0052]頂面172、第1の側方縁部176および第2の側方縁部178、遠位端170、溝167および169、ならびに、ウェッジ184A~Bのウェッジ面186が、STELLITE合金などの、耐摩耗性材料から作られた耐摩耗性カバーを有することができる。ディスク166の近位端168がコネクタ190を有する。図5に示されるように、コネクタ190が、頂面172と底面174との間を延在する概略T形のスロット192を備えることができる。T形スロット192、ディスク166の近位端168内に開口部を形成する近位端を有する脚部を有する。T形スロット192が、T形スロット192の脚部の遠位端から反対方向に外側に延在する対向する凹部をさらに有する。スロット192が、ステム196を曲げるかまたは他のかたちでステム196にダメージを与える可能性のある望ましくない側方荷重を作動ステム196に加えることなく、ディスク166を閉じるときにシールを作るためにディスク166を側方に移動させおよび上方に並進させるのを可能にするように設計される。ディスク166が金属材料から作られ得るが、耐摩耗性カバー層は、金属、セラミック、または他の耐摩耗性材料から形成され得る。
【0037】
[0053]中実/ノッチセクション上でのガイド136A~Bのオフセットが、ポート開口部114からの約11.43cm(4.5インチ)のバックセットである。ポート114の開口部からのガイドの傾斜平面またはウェッジ160のオフセットが7.62cm(3インチ)である。従来技術の弁上のガイドの通常の摩耗または浸食は、通常、オリフィスプレートの張り出し部分の下のガイドの端部において起こる。差圧によりポート114から外に出る物質のスプレー効果が、本発明では、ウェッジ160が位置しているところよりも前方に向けられ、その結果、浸食の効果がガイド136A~Bのウェッジ160の全体の性能には影響しなくなる。ウェッジ160のエリアがガイド136A~Bの一部として形成され、別個の構成要素とはならない。本設計のディスク166は、より急勾配である傾斜平面より、および、シート126に対しての単一の実在物であるディスク166により、閉位置で固着することがない。
【0038】
[0054]ディスク166が、好適には、ノーズ197上に7.62cm(3インチ)の耐火性材料191を有し、ここでは、図15に示されるように圧力降下効果が生じる。STELLITE合金のリテーナが、耐火性材料191を保持するのを支援するために耐火性材料191の間に位置決めされる。ディスク166が、ディスク166が完全な閉位置にあるときにシート126とシールを形成するためにオリフィスプレート92のシート126に適合するシートリング部材193をさらに有する。シートリング部材193が、好適には、STELLITE合金から作られ、耐火性材料を有する中央領域195を囲む。ディスク166が、好適には、ディスク166が閉位置にあるときに16.51cm(6.5インチ)の重複部分を有し、それにより、シートリング部材193がオリフィスプレート92のシート126を完全に密閉することができない場合でもより高い遮断機能性を提供する。
【0039】
[0055]ディスク166の頂面の中央領域195、ノーズ197、およびディスク166の下の前縁部197が、すべて、再構築可能であり、これは、熱および浸食によりダメージを受けた後の耐火性材料が新しい耐火性材料に交換され得ることを意味する。ディスク166のシートリング部材193が、オリフィスプレート92のシート126の同じ形状(360)の表面に適合する360度の表面を提供するように配置構成される。ディスク着座表面、傾斜対合面、およびランナーが、過酷な動作条件によって生じる摩耗を低減するためのSTELLITE合金のオーバーレイを有する。オリフィスプレート92のシート126がシートリング部材193と同じ形状を有し、傾斜平面の表面の潜在的な摩耗を許容するためにディスク166の完全な閉位置の1%の手前で一体に接触するように構成される。
【0040】
[0056]オリフィスプレート92の着座面126が、圧力降下が存在するところであるポート縁部から7.62cm(3インチ)でバックセットされる。オリフィスプレート92が隆起ポートを有するように作られ、その結果、背面側99(開位置の方を向いている)においてオリフィスプレート92に何らかの切欠部が存在する場合、オリフィスプレートの耐火性面が浸食されることになり、オリフィスプレート92の基部の金属は浸食されず、それにより、オリフィスプレート92が完全に再構築可能となり、その結果、耐火性材料が交換され得るようになる。
【0041】
[0057]ガイド136A~Bが好適には固体の一体部片としてウェッジ160を有するように作られ、溶接されたりまたは固定具を用いて固定されたりしない。これにより、傾斜平面に対して最大限の強度を提供することになる。ガイド136A~Bが「L」形の長辺146において「より長く」なっており、それにより、ガイドにおいておよび傾斜平面が存在するところのエリアにおいてより高い強度が得られる。さらに、ガイド136A~Bが「L」形の短辺142においてより厚くなっており、それにより、ガイドに対してより強いランナーの支持が与えられる。ガイド136A~Bがノッチ143を有し、さらに、すべての摩耗面のために、STELLITE合金の層を有する。
【0042】
[0058]ディスク166が、側176、178上に3.81cm(1.5インチ)の追加のオフセットを有し、その結果、シートリング部材193が、シールを作るのに利用可能である十分な表面積を有するようになる。縁部の周りのオリフィスプレートディスク166の耐火性材料が、保持タブを用いて固定される。中央エリア195内に位置する耐火性材料が、その位置を維持するために、六角形メッシュのまたは六角形形状の保持部材を用いて固定される。これにより、中央エリア195内に六角形パターンの耐火性タイルが作り出される。製造中のオリフィスプレート92およびディスク166は、耐火性材料を固定するための保持タブおよび六角形メッシュのための機械加工プロセス中に、印を付けられ、その結果、製作者が、保持タブおよび六角形メッシュを正確に配置すべき場所を正確に知ることができるようになり、それにより、製作段階において人間の入力を大量に排除することができる。この配置構成により、すべての構成要素が、技術者が選択した正確なデザインの通りとなる。
【0043】
[0059]弁10が、例えば図2および7に示されるように、第1の端部198および第2の端部200を有する細長い作動ステム196を有する。作動ステム196が第1の端部198がアクチュエータ20に連結されるように適合される。作動ステム196の第2の端部200が、ディスク166の近位端168に移動可能に連結されるように適合される。作動ステム196の第2の端部200が、ディスク166のT形スロット192内で緩く受けられてT形スロット192内に位置するように適合され、ディスク166を作動ステム196に移動可能にインターロックする、概略T形のヘッド202などのコネクタを有する。作動ステム196が、軸180に沿って第1の端部198と第2の端部200との間を延在する。T形ヘッド202が、軸180に対して横向きに第2の端部200から外側に延在し、T形スロット192の対向する凹部内で緩く受けられるように適合された、対向する突起部201を有する。作動ステム196が、軸180に沿ってアクチュエータ20の方にまたはアクチュエータ20から離れるように、アクチュエータ20により軸180に沿って選択的に線形に移動させられるように適合される。作動ステム196のT形ヘッド202およびディスク166のT形スロット192が、ディスク166と作動ステム196との間に柔軟に移動可能であり枢動可能である接続を形成し、その結果、作動ステム196が、作動ステム196が軸180に沿って概略線形に移動するときに、受け91に対してディスク166を選択的に移動させることができるようになり、対して、ディスク166が、作動ステム196のT形ヘッド202に対して枢動することができさらに側方に並進運動することができ、その結果、ディスク166が、閉位置においてオリフィスプレート92に密閉係合されるように移動することができるようになる。作動ステム196の第2の端部200がディスク166に強固には接続されない。したがって、作動ステム196がディスク166を横向きにさらにはガイド部材136A~Bのウェッジ160に沿わせて上方に摺動移動させるとき、ディスク166が作動ステム196に曲げ力を加えない。作動ステム196とディスク166との間で、例えば、ボール・ソケットまたはヒンジピンなどの、他の種類の柔軟な接続も利用され得る。
【0044】
[0060]図8に示されるように、作動ステム196がボディ12内の開口部40を通って外側に延在し、作動ステム196の周りを密に延在するパッキンリング206を通ってハウジング14の中に入る。作動ステム196がさらに、作動ステム196の周りを密に延在するパッキングランド208を通って摺動可能に延在する。作動ステム196の第1の端部198がアクチュエータ20に連結される。アクチュエータ20が、油圧シリンダ、または、電気モータ210を有する電気アクチュエータを備えることができる。アクチュエータ20が、ボディ12、受け91、およびオリフィスプレート92に対して、図8に示される完全に延伸したところの密閉遮断の完全な閉位置と、図14に示される完全に後退したところの完全な開位置と、の間で軸180に沿って概略線形に作動ステム196およびディスク166を選択的に移動可能に摺動させるように適合される。ハウジング14が、アクチュエータ20から離して軸180に沿ってボディ12の側壁32の方に向かわせるように作動ステム196およびディスク166を弾性的に付勢し、ディスク166を完全に延伸したところの密閉遮断の完全な閉位置の方に弾性的に付勢する、弾性コイルばね212を有する。
【0045】
[0061]ボディ12の入口48が、高温ガス・固体混合物の供給源に連通されるように配置するように適合される。ガス・固体混合物が、空気などのガス、および、触媒などの固体粒子を含むことができる。ガス・固体混合物が圧力下で入口48に供給される。ディスク166が図11に示される完全に延伸したところの密閉遮断の完全な閉位置にあるとき、ディスク166が、オリフィス114と、チャンバ38からの入口通路56および出口通路70と、を堅く完全に密閉し、それにより、ガス・固体混合物中のガスの流れおよび粒子の流れが入口通路56から出口通路70まで流れるのを防止する。
【0046】
[0062]アクチュエータ20が、ディスク166の完全に後退したところの完全な開位置から、ディスク166の完全に延伸したところの完全な閉位置の方に、作動ステム196およびステム166を摺動移動させるとき、受け91のウェッジ160のウェッジ面162が、それぞれ、ディスク166のウェッジ184A~Bのウェッジ面186に係合される。ウェッジ160のウェッジ面162が、軸180に対して概略横向きであり中心軸62に概略平行である方向においてディスク166をくさび方式で移動させてオリフィスプレート92およびリング126の密閉面128に密閉係合させるためのカムとして、機能する。それにより、ディスク166が、オリフィス144と、ボディ12のチャンバ38からの入口48の入口通路56および出口50の出口通路70と、を堅く完全に密閉し、オリフィス114を通ってチャンバ38および出口通路70の中へガス・固体混合物中のガスの流れおよび粒子の流れが流れるのを防止する。
【0047】
[0063]弁10を製造するとき、ウェッジに対して多様な傾斜度が使用されることになり、弁の具体的な機能または弁のサイズに応じて、この傾斜度が変わることになる。ウェッジの傾斜度は、約9度から約20度の範囲であってよく、好適には、約10度から約15度の範囲であってよい。8度未満の傾斜度では潜在的に閉位置においてバルブディスク166がロックまたは固着する可能性があり、それにより、弁10の通常の動作下で開くことが困難となる。バルブディスク116の重量およびオリフィス114を通る流れが、閉位置から開位置の方へバルブディスク166が移動させられるときにウェッジを接触状態で維持するのを可能にする。
【0048】
[0064]ガス・固体混合物を入口通路56からチャンバ38および出口通路70までならびにひいては弁10を通して流すのを可能にすることが所望される場合、アクチュエータ20が、図14に示される完全に後退したところの完全な開位置まで、軸180に沿って作動ステム196およびディスク166を摺動可能に後退させる。図14に示されるように、ディスク166が、オリフィスプレート92に対して、軸180に沿って摺動させられてボディ12の側壁32から離され、その結果、ディスク166がオリフィスプレート92内のオリフィス114のいずれの部分も覆わないようになる。ディスク166が図14に示される完全に後退したところの完全な開位置にあるとき、ガス・固体混合物が、入口通路56から、オリフィスプレート92内のオリフィス114を通って、さらにはボディ12のチャンバ38を通って、さらには出口50の出口通路70を通って、およびそれにより弁10から外側へ、流れることが可能となる。
【0049】
[0065]弁10が、流動接触分解法で、ガス、液体、および触媒物質の流れを制御するのに使用される。弁10が、内部チャンバ34を有するように構成された弁ボディ12を有する。弁ボディ12が入口48および出口50を有する。弁10が、チャンバ34内に位置決めされたオリフィスプレート92を有する。オリフィスプレート92がオリフィス114を有するように形成される。弁10が、オリフィス114に近接するように位置決めされた弁体ガイド136をさらに有する。弁体ガイド136がガイドチャンネル146を有する。弁体ガイドが、単一部片ユニット、複数の部片のユニット、オリフィスプレート92の一部、または弁ボディ12の一部であってよい。弁10が、ガス、液体、および触媒物質がオリフィス114を通過することができる完全な開位置から、オリフィス114が遮断され、それにより、ガス、液体、または触媒物質の流れがオリフィス114を通るのを防止する、完全な閉位置まで、ガイドチャンネル146に沿って摺動するように構成されたバルブディスク166をさらに有する。弁が、弁ボディ12の内部チャンバ34内に位置するカムをさらに有する。カムが、ウェッジ160の形態であってよいか、ウェッジ184の形態であってよいか、あるいは、何らかの他のカム、または、弁ボディ内に位置するかもしくはオリフィスプレート上に位置する傾斜平面の表面であってよい。完全な開位置から完全な閉位置までバルブディスク166が移動することにより、バルブディスク166がバルブディスク166の移動のあるポイントまでガイドチャンネル146に沿って線形に摺動することになり、このポイントでは、カムがバルブディスク166をオリフィスプレート92の方に並進運動させ、それにより、オリフィス114を通る流れを遮断するためにオリフィスプレート92に対してバルブディスク166を密閉する。
【0050】
[0066]ディスク166が図8~10に示される完全に延伸したところの密閉遮断の完全な閉位置にあるとき、ディスク166が潜在的にこの位置で動かなくなる可能性があり、それにより、ウェッジ160および184A~Bによりオリフィスプレート92に対してディスク166が押圧されるときのくさび力により、不可能ではないとしても、ディスク166を完全に後退したところの完全な開位置まで移動させることが困難となる。ウェッジ160のウェッジ面162とウェッジ184A~Bのウェッジ面186との間に位置することになるおよびディスク166の頂面172とオリフィスプレート92との間に位置することになるガス・固体混合物中の粒子により、ディスク166がさらに潜在的に動かなくなる可能性があり、これらの粒子は加熱により粘着性を有するようになっている可能性があり、それにより個別の係合面を互いに付着させる可能性がある。
【0051】
[0067]ディスク166が図8~10に示される完全に延伸したところの密閉遮断の完全な閉位置において動かなくなるのを防止するために、ディスク166が、完全に延伸したところの密閉遮断の完全な閉位置と、図11~13に示されるわずかに部分的に後退したところの非密閉遮断位置と、の間で定期的に調節され得るかまたは摺動移動させられ得る。アクチュエータ20が、図11~13に示される部分的に後退したところの非密閉遮断位置まで、作動ステム196およびディスク166を軸180に沿って部分的に後退させるとき、ディスク166が軸180に沿って非常に短い距離で移動させられ、ボディ12の側壁32から離れる。それにより、ディスク166の頂面172がオリフィスプレート92に堅く密閉係合されるようにはこれ以上押し込まれず、オリフィスプレート92から短い距離で離間され、それにより、ディスク166の頂面172とオリフィスプレート92との間に短い空隙216を作り出す。空隙216の幅は、ガス・粒子混合物中の粒子の最小粒径より小さくてよい。空隙216が、オリフィスプレート92のオリフィス114内の固体・ガス混合物中のガスが空隙216を通過してボディ12のチャンバ38の中へおよび出口50の出口通路70の中へわずかに流れるのを可能にすることができるが、空隙216は、オリフィスプレート92のオリフィス114内のガス・粒子混合物中の粒子が空隙216を通ってチャンバ38の中まで通過するのを防止するのに十分な小ささである。それにより、ディスク166が部分的に後退したところの非密閉遮断位置にあるとき、ディスク166が、入口通路56およびオリフィス114内のガス・粒子混合物中の粒子の流れがオリフィス114を通ってボディ12のチャンバ38および出口50の出口通路70の中へ流れるのを防止し、その結果、ガス・粒子混合物中の粒子の流れが遮断状態を維持する。
【0052】
[0068]図8に示される完全に延伸したところの密閉遮断の完全な閉位置と図11に示される部分的に後退したところの非密閉遮断位置との間でのディスク166の調節または循環運動により、完全に延伸したところの密閉遮断の完全な閉位置でディスク166が動かなくなることが防止される。図15は、アクチュエータ20によりディスク166に加えられる力および時間の、完全に後退したところの完全な開位置と完全に延伸したところの密閉遮断の完全な閉位置と間のディスク166の移動、ならびに、完全に延伸したところの密閉遮断の完全な閉位置と部分的に後退したところの非密閉遮断位置との間のディスク166の調節を示すグラフである。
【0053】
[0069]アクチュエータ20が、アクチュエータ20により作動ステム196に対して加えられる線形の推力の大きさを、所望される推力からプラスまたはマイナス約4.45N(1ポンド)の力にするように、制御するように適合される。アクチュエータ20が、完全に延伸したところの密閉遮断の完全な閉位置にあるディスク166を密閉するための推力を、アクチュエータ20からの利用可能な合計の力の約5%から10%にするように、制御することができる。アクチュエータ20が、アクチュエータ20からの利用可能である合計の力の約30%である後退引張力(retracting pulling force)を作動ステム196およびディスク166に提供することができる。
【0054】
[0070]アクチュエータ20が、ディスク166の位置測定により、所望の位置まで、ディスク166を完全に延伸したところの密閉遮断の完全な閉位置の方に移動させ、次いで、移動の最大約0.5%でディスク166をわずかに後退させることができ、次いで、所望の推力を用いて、ディスク166を完全に延伸したところの密閉遮断の完全な閉位置まで延伸させる。これにより、ディスク166が完全に延伸したところの密閉遮断の完全な閉位置まで駆動されるときにアクチュエータステム196内の曲げをすべて排除するために、ディスク166を用いて、作動ステム196がそれ自体を再調節することが可能となる。次いで、アクチュエータ20が、約0.5%の移動により、完全に延伸したところの密閉遮断の完全な閉位置と部分的に後退したところの非密閉遮断位置との間でディスク166を選択的に調節することになり、ここでは、ディスク166を部分的に後退したところの非密閉遮断位置まで移動させるために必要となる後退力(retraction force)が監視される。後退力が選択した大きさ未満に留まる限りにおいて、弁10は通常通りに動作しているとみなされる。ディスク166が開口部内で動かなくなるかまたは粘着性を有するようになりその結果としてディスク166を後退させるのにより大きい後退力が必要となる場合、ディスク166に加えられる閉鎖力が約2%低減されることになる。さらに、ディスク166に加えられる後退力の大きさが約5%増大され得る。ディスク166が所望される場合に高い信頼性で移動可能な状態を維持することになる。
【0055】
[0071]アクチュエータ20が、弁10を通って流れる再生器からの高温の触媒の量を制御するために、プログラムされた基準に基づいて弁を選択的に開閉するようにプログラムされ得る。1日当たりまたは1週間当たり数十トンの触媒が計算され得、弁10を通って流れるように制御され得る。触媒流れを制御することにより、弁10の下流の配管温度を制御することが可能となる。
【0056】
[0072]可能性は低いがディスクが潜在的に着座位置に固着する場合に備えて、流体回路が、バルブディスク166を緊急に「閉じる」ときにバルブディスク166を着座させることになる力の大きさを低減するように設計されている。電力の低下が存在する場合にまたは精製FCCUのコマンドセンターから提供される信号が存在する場合に、流体回路が弁を緊急に閉じるように機能する。緊急コマンドが与えられる場合、流体システムが流体をアキュムレータ(油圧ピストンタイプ)からシリンダの後方ポートまで直接に放出し、バルブディスク166を閉位置まで駆動する。
【0057】
[0073]バルブディスク166は電力損失時に稼働し、フェイルセーフ機構とみなされることから、バルブディスク166を閉位置まで移動させるのに電気は必要ない。緊急遮断システムは利用可能な電気なしでも稼働するので、通常のESD回路内のディスクに加えられる力の大きさを「制御する」ための方法が存在しない。流体回路が、緊急遮断機能中にアキュムレータからシリンダまで動かされる流体圧力を制御するための液圧流体減圧弁を有する。制御回路がバルブディスク166に加えられる力の大きさを制御し、閉方向において制御される多様なサイズの弁および多様な荷重の今後の用途においても使用されるように調整可能である。
【0058】
[0074]ディスク166の調節または循環運動は任意選択であるが、試験により、予見されたようにバルブディスク166が望まれずに固着することが起こらないことが示された。これは、ガイド上のおよびディスクの底部上のウェッジのために使用される角度のためである。設計中および試験中、バルブディスク166をシート128の中へ駆動させるときの力の大きさを保護するために上に列記された成果を介して配慮が施されるが、バルブディスク166が全圧力でシートの中まで駆動され得、シートからディスクを引き出すために非常に小さい力しか使われない、ことが確認された。例えば、421.3kPa(8800lb/sf)でバルブディスク166をシートの中へ駆動して完全な閉位置に到達させる場合、弁を開けるのに479kPa(10,000lb/sf)から575kPa(12,000lb/sf)が必要となる「可能性がある」ことが予期されたが、試験により、バルブディスク166を再び開けるときに14.3kPa(300lb/sf)から16.8kPa(350lb/sf)のみが必要であることが示された。バルブディスク166が閉位置で固着しないことを証明するために、ディスク166を完全に閉じることを複数回実施した。
【0059】
[0075]通常動作下で、バルブディスク166が通常はポート開位置の50%にあり、バルブディスク166が依然として動作条件下で閉じられ得る。閉じられているバルブディスク166のこの条件が存在することを理由として、弁のための流体制御システムが、閉方向の「推力を制御する」ようにプログラムされる。この制御は、バルブディスクを引いて閉位置から開けるためのより高い出力性能を常に有するのを保証するための、本スライド弁のデザインの機能の一部である。
【0060】
[0076]スライドゲート弁10が、流動接触分解法において、ガス、液体、および触媒物質の流れを制御するのに使用され、入口48および出口50を有するように形成された、内部チャンバ34を有する弁ボディ12を有する。弁10がチャンバ34内に位置決めされたオリフィスプレート92を有し、オリフィスプレート92がオリフィス114を有するように形成される。弁10が、オリフィス114の両側に位置する第1の弁体ガイド136Aおよび第2の弁体ガイド136Bをさらに有し、弁体ガイド136Aおよび弁体ガイド136Bが、各々、ガイドチャンネル146、および、ウェッジ面162を有するウェッジ160を有する。弁10が、第1の弁体ガイド136Aと第2の弁体ガイド136Bとの間に位置決めされたバルブディスク166をさらに有し、バルブディスク166が、ガス、液体、および触媒物質がオリフィスを通過することができる完全な開位置から、ガス、液体、または触媒物質の流れがオリフィスを通るのを防止するために、オリフィス114が遮断される完全な閉位置まで、弁体ガイド136A~Bに沿って摺動するように構成される。
【0061】
[0077]バルブディスク166が、ウェッジ面186を各々有する一対のウェッジ184A~Bを有する。完全な開位置から完全な閉位置に向かってバルブディスク166が移動することによりバルブディスク166が、バルブディスク166の移動のあるポイントまで第1および第2の弁体ガイド136A~Bに沿って線形に摺動し、このポイントでは、バルブディスク166のウェッジ184A~Bが第1および第2の弁体ガイド136A~Bのウェッジ160に係合され、それにより、バルブディスク166をオリフィスプレート92の方に並進運動させ、それにより、オリフィスプレート92に対してバルブディスク166を密閉し、それにより、オリフィス114を通る流れを遮断する。オリフィスプレート92が、オリフィス114から径方向外側に位置決めされた耐火性材料122と、耐火性材料122から径方向外側に位置決めされた密閉面126と、を有する。
【0062】
[0078]密閉面126がSTELLITE合金の層を有する。第1の弁体ガイド136Aおよび第2の弁体ガイド136Bが、各々、第1の端部138および第2の端部140を有し、ウェッジ160が、第1の端部138と比較して第2の端部140により接近して位置し、ウェッジが、第1の弁体ガイド136Aおよび第2の弁体ガイド136Bと一体である。第1の弁体ガイドおよび第2の弁体ガイドが、各々、ガイドチャンネル146および平坦な内部壁142を有し、ここでは、ウェッジ160が内部壁142から外側に延在する。バルブディスク166が、耐火性材料195を有する中央領域を有する頂面と、中央領域から径方向外側に位置決めされたシートリング部材193と、を有し、シートリング部材193が、バルブディスク166が完全な閉位置にあるときに、オリフィスプレート92の密閉面126に対して密閉を行うように適合される。バルブディスク166が、ノーズ197、および、バルブディスク166のノーズ197の周りを包囲する耐火性材料191を有する。バルブディスク166のウェッジ184A~Bがバルブディスク166と一体である。バルブディスク166が、アクチュエータステム196の端部200を受け入れるように構成されたスロット192を有するように形成され、アクチュエータステム196がアクチュエータ20により軸180に沿って移動させられ、ここでは、バルブディスク166に対してのアクチュエータステム196の接続が、完全な開位置から完全な閉位置までバルブディスク166が移動させられるときにアクチュエータステム196に対してバルブディスク166が移動するのを可能にする。アクチュエータ120が、線形軸180に沿って、部分的に後退したところの非密閉位置まで作動ステム196およびバルブディスク166を定期的に部分的に後退させるように構成され、その結果、バルブディスク166がオリフィスプレート92に密閉係合されず、オリフィスプレート91から短い距離で離間され、それにより空隙を作り出し、完全な閉位置に戻すようにバルブディスク166を移動させる。
【0063】
[0079]本発明の例示の実施形態に関連させて本発明の種々の特徴を具体的に示して説明してきたが、これらの具体的な配置構成が単に例示であってよいこと、および、本発明には添付の特許請求の範囲の条件の範囲内でその最も広範の解釈が与えられること、を理解しなければならない。
図1
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【国際調査報告】