IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 京東方科技集團股▲ふん▼有限公司の特許一覧 ▶ 成都京東方光電科技有限公司の特許一覧

特表2023-523662表示基板およびその製造方法、表示装置
<>
  • 特表-表示基板およびその製造方法、表示装置 図1
  • 特表-表示基板およびその製造方法、表示装置 図2
  • 特表-表示基板およびその製造方法、表示装置 図3
  • 特表-表示基板およびその製造方法、表示装置 図4A
  • 特表-表示基板およびその製造方法、表示装置 図4B
  • 特表-表示基板およびその製造方法、表示装置 図5
  • 特表-表示基板およびその製造方法、表示装置 図6
  • 特表-表示基板およびその製造方法、表示装置 図7
  • 特表-表示基板およびその製造方法、表示装置 図8
  • 特表-表示基板およびその製造方法、表示装置 図9
  • 特表-表示基板およびその製造方法、表示装置 図10A
  • 特表-表示基板およびその製造方法、表示装置 図10B
  • 特表-表示基板およびその製造方法、表示装置 図10C
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-07
(54)【発明の名称】表示基板およびその製造方法、表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20230531BHJP
   G09G 3/3225 20160101ALI20230531BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20230531BHJP
   H10K 50/10 20230101ALI20230531BHJP
   H10K 59/122 20230101ALI20230531BHJP
   H10K 59/131 20230101ALI20230531BHJP
   H10K 59/12 20230101ALI20230531BHJP
   H10K 50/844 20230101ALI20230531BHJP
【FI】
G09F9/30 310
G09F9/30 365
G09G3/3225
G09G3/20 622A
H10K50/10
H10K59/122
H10K59/131
H10K59/12
G09F9/30 348A
G09G3/20 621M
G09G3/20 680H
H10K50/844
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021570224
(86)(22)【出願日】2021-03-12
(85)【翻訳文提出日】2021-11-25
(86)【国際出願番号】 CN2021080498
(87)【国際公開番号】W WO2021218447
(87)【国際公開日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】202010366290.7
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】511121702
【氏名又は名称】成都京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1188,Hezuo Rd.,(West Zone),Hi-tech Development Zone,Chengdu,Sichuan,611731,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】代 ▲潔▼
(72)【発明者】
【氏名】于 ▲鵬▼▲飛▼
(72)【発明者】
【氏名】白 露
(72)【発明者】
【氏名】姜 ▲暁▼峰
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 昊
(72)【発明者】
【氏名】王 思雨
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ 慧娟
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲シン▼
【テーマコード(参考)】
3K107
5C080
5C094
5C380
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC21
3K107CC43
3K107DD39
3K107DD89
3K107DD90
3K107GG28
3K107HH04
5C080AA06
5C080BB05
5C080DD12
5C080FF11
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ06
5C080KK02
5C080KK07
5C080KK23
5C080KK43
5C080KK47
5C094AA60
5C094BA03
5C094BA27
5C094CA19
5C094DA09
5C094DB04
5C094FA01
5C094FB15
5C094HA05
5C094HA08
5C380AA01
5C380AB06
5C380AB18
5C380AC07
5C380AC08
5C380AC09
5C380AC11
5C380AC12
5C380BA08
5C380CB17
5C380CB22
5C380CB26
5C380CC26
5C380CC33
5C380CC39
5C380CC65
5C380CD017
5C380CF07
5C380CF43
(57)【要約】
表示基板およびその製造方法、表示装置である。該表示基板は、表示領域(AA)と周辺領域(NA)とを含み、周辺領域(NA)は、表示領域(AA)の第1側に位置する第1走査駆動回路(G1)と第2走査駆動回路(G2)とを含み、周辺領域(NA)は、第1側に隣接する表示領域(AA)の第2側に位置するバインディング領域(B)をさらに含み、周辺領域(NA)は、有機絶縁層(101)を含み、有機絶縁層(101)は、少なくとも局所的に第1走査駆動回路(G1)を覆い、少なくとも局所的に第2走査駆動回路(G2)を覆い、かつほぼ第1方向に沿って延在する長尺状の第1凹溝(1011)を含むことにより、第1走査駆動回路(G1)と第2走査駆動回路との間の部分(G2)を露出させ、第1凹溝(1011)は、さらに第1側から第2側まで延在し、かつ第2側にほぼ第2方向に沿って延在し、第2方向は、第1方向に交差する。該表示基板の周辺領域(NA)の第1凹溝(1011)は、水や酸素等の不純物が表示領域(AA)に入る通路を効果的に遮断することができ、さらに表示基板の表示領域(AA)に対して保護作用を果たす。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域と、前記表示領域の周辺に位置する周辺領域とを含む表示基板であって、
前記周辺領域は、前記表示領域の第1側に位置する第1走査駆動回路と第2走査駆動回路とを含み、前記第1走査駆動回路は、前記第2走査駆動回路の前記表示領域に近い側に位置し、前記周辺領域は、前記第1側に隣接する前記表示領域の第2側に位置するバインディング領域をさらに含み、
前記周辺領域は、有機絶縁層を含み、前記有機絶縁層は、少なくとも局所的に前記第1走査駆動回路を覆い、少なくとも局所的に前記第2走査駆動回路を覆い、かつほぼ第1方向に沿って延在する長尺状の第1凹溝を含むことにより、前記第1走査駆動回路と前記第2走査駆動回路との間の部分を露出させ、
前記第1凹溝は、さらに前記第1側から前記第2側まで延在し、かつ前記第2側にほぼ第2方向に沿って延在し、前記第2方向は、前記第1方向に交差する表示基板。
【請求項2】
ベース基板をさらに含み、
前記第1走査駆動回路と、前記第2走査駆動回路と、前記有機絶縁層とは、前記ベース基板に設置され、
前記表示基板は、前記ベース基板に位置し、かつ前記周辺領域に位置する第1電源配線をさらに含み、前記第1電源配線は、前記第2側に前記第1方向に沿って延在する第1部分と前記第2方向に沿って延在する第2部分とを含み、
前記ベース基板に垂直な方向において、前記第1凹溝は、前記第1電源配線の第1部分と少なくとも局所的に重なり、前記有機絶縁層は、前記第1電源配線の第1部分の前記第2方向に沿う縁部に位置する遮断壁をさらに含み、前記第1凹溝は、前記遮断壁において切れ離れ、前記遮断壁は、前記第1電源配線の第1部分の第2方向に沿う縁部を覆う、請求項1に記載の表示基板。
【請求項3】
前記ベース基板に位置し、かつ前記周辺領域に位置する第2電源配線をさらに含み、
前記ベース基板に垂直な方向において、前記第1凹溝は、前記第2電源配線と重ならない、請求項1又は2に記載の表示基板。
【請求項4】
前記第2電源配線は、前記第1電源配線の前記表示領域から離れる側に位置し、前記第2電源配線は、前記第2側に前記第1方向に沿って延在する第1部分と前記第2方向に沿って延在する第2部分とを含み、
前記第1凹溝の少なくとも一部は、前記第1電源配線の第2部分と前記第2電源配線の第2部分との間にある、請求項3に記載の表示基板。
【請求項5】
前記第1電源配線の第1部分及び前記第2電源配線の第1部分は、前記バインディング領域に電気的に接続される、請求項4に記載の表示基板。
【請求項6】
前記表示領域は、画素アレイを含み、前記画素アレイは、アレイに配列された複数のサブ画素を含み、前記複数のサブ画素のそれぞれは、それぞれ行走査信号、発光制御信号及びデータ信号を受信するための行走査信号端、発光制御信号端及びデータ信号端を含み、かつ前記走査信号、前記発光制御信号及び前記データ信号に基づいて動作するように構成され、
前記第1走査駆動回路は、行走査駆動回路であり、前記行走査信号を提供するように構成され、
前記第2走査駆動回路は、発光走査駆動回路であり、前記発光制御信号を提供するように構成される、請求項1~5のいずれか一項に記載の表示基板。
【請求項7】
前記周辺領域は、前記第1走査駆動回路及び前記第2走査駆動回路の一端にそれぞれ電気的に接続された静電気放電回路をさらに含み、
前記第1凹溝の前記静電気放電回路が位置する平面での正投影は、前記静電気放電回路を通過し、かつ前記ベース基板に垂直な方向において、前記第1凹溝は、前記静電気放電回路を露出させない、請求項3~5のいずれか一項に記載の表示基板。
【請求項8】
前記第1凹溝の前記第1側での部分の第1幅は、前記第1凹溝の前記第2側での部分の第2幅より小さく、かつ前記第2幅は、前記第1幅の2~3倍である、請求項1~5のいずれか一項に記載の表示基板。
【請求項9】
前記表示領域は、画素アレイを含み、前記画素アレイは、アレイに配列された複数のサブ画素を含み、前記複数のサブ画素のそれぞれは、発光素子と画素駆動回路とを含み、
前記画素駆動回路は、前記ベース基板に設置され、前記表示領域は、前記画素駆動回路の前記ベース基板から離れる側に位置する平坦化層をさらに含み、前記発光素子は、前記平坦化層の前記ベース基板から離れる側に位置し、
前記有機絶縁層は、前記平坦化層と同じ層に設置される、請求項7に記載の表示基板。
【請求項10】
前記第1走査駆動回路、前記第2走査駆動回路及び前記静電気放電回路は、前記画素駆動回路と同じ層に設置される、請求項9に記載の表示基板。
【請求項11】
前記周辺領域は、前記第2走査駆動回路の前記表示領域から離れる側に位置する第1バリア壁をさらに含み、
前記有機絶縁層は、第2走査駆動回路と第1バリア壁との間に位置する第2凹溝をさらに含み、前記第2凹溝は、前記表示領域の周囲を取り囲む、請求項9又は10に記載の表示基板。
【請求項12】
前記周辺領域は、前記第1バリア壁の前記表示領域から離れる側に位置する第2バリア壁をさらに含み、
前記有機絶縁層は、前記第1バリア壁と前記第2バリア壁との間に位置する第3凹溝をさらに含み、前記第3凹溝は、前記表示領域の周囲を取り囲む、請求項11に記載の表示基板。
【請求項13】
前記有機絶縁層は、第2バリア壁の前記表示領域から離れる側に位置する第4凹溝をさらに含み、前記第4凹溝は、前記表示領域の周囲を取り囲む、請求項12に記載の表示基板。
【請求項14】
前記表示領域は、平坦化層の前記画素駆動回路から離れる側に位置する画素画定層と、前記画素画定層の前記平坦化層から離れる側に位置するスペーサ層をさらに含み、
前記第1バリア壁は、前記有機絶縁層、前記画素画定層及び前記スペーサ層のうちの少なくとも一部と同じ層に設置される、請求項12又は13に記載の表示基板。
【請求項15】
前記第2バリア壁は、前記有機絶縁層、前記画素画定層及び前記スペーサ層のうちの少なくとも一部と同じ層に設置され、かつ前記表示基板に垂直な方向において、前記第2バリア壁の高さは、前記第1バリア壁の高さより高い、請求項14に記載の表示基板。
【請求項16】
前記画素駆動回路は、薄膜トランジスタを含み、前記薄膜トランジスタは、ゲートとソースドレインとを含み、
前記第1電源配線、前記第2電源配線は、前記ソースドレインと同じ層に設置される、請求項9~15のいずれか一項に記載の表示基板。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか一項に記載の表示基板を含む表示装置。
【請求項18】
表示領域と前記表示領域の周辺に位置する周辺領域とを形成することを含む表示基板の製造方法であって、前記周辺領域に前記表示領域の第1側に位置する第1走査駆動回路及び第2走査駆動回路を形成し、前記第1走査駆動回路は、前記第2走査駆動回路の前記表示領域に近い側に形成され、かつ前記周辺領域に前記第1側に隣接する前記表示領域の第2側に位置するバインディング領域を形成し、
前記製造方法は、前記周辺領域に有機絶縁層を形成することをさらに含み、前記有機絶縁層が少なくとも局所的に前記第1走査駆動回路を覆い、少なくとも局所的に前記第2走査駆動回路を覆い、かつほぼ第1方向に沿って延在する長尺状の第1凹溝を含むことにより、前記第1走査駆動回路と前記第2走査駆動回路との間の部分を露出させ、前記第1凹溝が、前記第1側から前記第2側まで延在し、かつ前記第2側にほぼ第2方向に沿って延在し、前記第2方向が、前記第1方向と交差する、表示基板の製造方法。
【請求項19】
ベース基板を提供することであって、前記第1走査駆動回路、前記第2走査駆動回路及び前記有機絶縁層が前記ベース基板に形成されることと、
前記ベース基板に、かつ前記周辺領域に第1電源配線を形成することであって、前記第1電源配線が前記第2側に前記第1方向に沿って延在する第1部分と、前記第2方向に沿って延在する第2部分とを含むこととをさらに含み、
前記ベース基板に垂直な方向において、前記第1凹溝は、前記第1電源配線の第1部分と少なくとも局所的に重なり、前記有機絶縁層は、前記第1電源配線の第1部分の前記第2方向に沿う縁部に位置する遮断壁をさらに含み、前記第1凹溝は、前記遮断壁において切れ離れ、前記遮断壁は、前記第1電源配線の第1部分の第2方向に沿う縁部を覆う、請求項18に記載の表示基板の製造方法。
【請求項20】
前記ベース基板に、かつ前記周辺領域に第2電源配線を形成することをさらに含み、
前記ベース基板に垂直な方向において、前記第1凹溝は、前記第2電源配線と重ならない、請求項18又は19に記載の表示基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年4月30日に提出された出願番号が202010366290.7である中国特許出願の優先権を主張し、ここで、上記中国特許出願に開示されている内容の全体が本願の一部として援用される。
【0002】
本開示の実施例は、表示基板およびその製造方法、表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
OLED(OrganicLightEmittingDiode、有機発光ダイオード)表示装置は、自発光、コントラストが高く、解像度が高く、視野角が広く、消費電力が低く、応答速度が速く、かつ製造プロセスが薄膜トランジスタ(TFT)のプロセスと互換性があるなどの一連の利点を有し、既に新世代の表示装置の重要な発展方向の一つとなるため、ますます注目される。
【0004】
OLED装置において、表示領域以外の周辺領域に位置する構造を合理的に設計する必要があり、それが表示領域内の構造に対して一定の保護作用を果たすためであり、例えば外部環境中の不純物が表示領域に入って表示領域の表示効果に悪影響を与えることを防止する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の少なくとも一つの実施例は、表示基板を提供し、該表示基板は、表示領域と前記表示領域の周辺に位置する周辺領域とを含み、前記周辺領域は、前記表示領域の第1側に位置する第1走査駆動回路と第2走査駆動回路とを含み、前記第1走査駆動回路は、前記第2走査駆動回路の前記表示領域に近い側に位置し、前記周辺領域は、前記第1側に隣接する前記表示領域の第2側に位置するバインディング領域をさらに含み、前記周辺領域は、有機絶縁層を含み、前記有機絶縁層は、少なくとも局所的に前記第1走査駆動回路を覆い、少なくとも局所的に前記第2走査駆動回路を覆い、かつほぼ第1方向に沿って延在する長尺状の第1凹溝を含むことにより、前記第1走査駆動回路と前記第2走査駆動回路との間の部分を露出させ、前記第1凹溝は、さらに前記第1側から前記第2側まで延在し、かつ前記第2側にほぼ第2方向に沿って延在し、前記第2方向は、前記第1方向に交差する。
【0006】
例えば、本開示の少なくとも一つの実施例に係る表示基板は、ベース基板をさらに含み、前記第1走査駆動回路と、前記第2走査駆動回路と、前記有機絶縁層とは、前記ベース基板に設置され、前記表示基板は、前記ベース基板に位置し、かつ前記周辺領域に位置する第1電源配線をさらに含み、前記第1電源配線は、前記第2側に前記第1方向に沿って延在する第1部分と前記第2方向に沿って延在する第2部分とを含み、前記ベース基板に垂直な方向において、前記第1凹溝は、前記第1電源配線の第1部分と少なくとも局所的に重なり、前記有機絶縁層は、前記第1電源配線の第1部分の前記第2方向に沿う縁部に位置する遮断壁をさらに含み、前記第1凹溝は、前記遮断壁において切れ離れ、前記遮断壁は、前記第1電源配線の第1部分の第2方向に沿う縁部を覆う。
【0007】
例えば、本開示の少なくとも一つの実施例に係る表示基板は、前記ベース基板に位置し、かつ前記周辺領域に位置する第2電源配線をさらに含み、前記ベース基板に垂直な方向において、前記第1凹溝は、前記第2電源配線と重ならない。
【0008】
例えば、本開示の少なくとも一つの実施例に係る表示基板において、前記第2電源配線は、前記第1電源配線の前記表示領域から離れる側に位置し、前記第2電源配線は、前記第2側に前記第1方向に沿って延在する第1部分と前記第2方向に沿って延在する第2部分とを含み、前記第1凹溝の少なくとも一部は、前記第1電源配線の第2部分と前記第2電源配線の第2部分との間にある。
【0009】
例えば、本開示の少なくとも一つの実施例に係る表示基板において、前記第1電源配線の第1部分と前記第2電源配線の第1部分とは、前記バインディング領域に電気的に接続される。
【0010】
例えば、本開示の少なくとも一つの実施例に係る表示基板において、前記表示領域は、画素アレイを含み、前記画素アレイは、アレイに配列された複数のサブ画素を含み、前記複数のサブ画素のそれぞれは、それぞれ行走査信号と、発光制御信号及びデータ信号を受信するための行走査信号端、発光制御信号端及びデータ信号端とを含み、かつ前記走査信号、前記発光制御信号及び前記データ信号に基づいて動作するように構成され、前記第1走査駆動回路は、行走査駆動回路であり、前記行走査信号を提供するように構成され、前記第2走査駆動回路は、発光走査駆動回路であり、前記発光制御信号を提供するように構成される。
【0011】
例えば、本開示の少なくとも一つの実施例に係る表示基板において、前記周辺領域は、前記第1走査駆動回路及び前記第2走査駆動回路の一端にそれぞれ電気的に接続された静電気放電回路をさらに含み、前記第1凹溝は、前記静電気放電回路が位置する平面での正投影が前記静電気放電回路を通過し、かつ前記ベース基板に垂直な方向において、前記第1凹溝は、前記静電気放電回路を露出させない。
【0012】
例えば、本開示の少なくとも一つの実施例に係る表示基板において、前記第1凹溝の前記第1側での部分の第1幅は、前記第1凹溝の前記第2側での部分の第2幅より小さく、かつ前記第2幅は、前記第1幅の2~3倍である。
【0013】
例えば、本開示の少なくとも一つの実施例に係る表示基板において、前記表示領域は、画素アレイを含み、前記画素アレイは、アレイに配列された複数のサブ画素を含み、前記複数のサブ画素のそれぞれは、発光素子と画素駆動回路とを含み、前記画素駆動回路は、前記ベース基板に設置され、前記表示領域は、前記画素駆動回路の前記ベース基板から離れる側に位置する平坦化層をさらに含み、前記発光素子は、前記平坦化層の前記ベース基板から離れる側に位置し、前記有機絶縁層は、前記平坦化層と同じ層に設置される。
【0014】
例えば、本開示の少なくとも一つの実施例に係る表示基板において、前記第1走査駆動回路、前記第2走査駆動回路及び前記静電気放電回路は、前記画素駆動回路と同じ層に設置される。
【0015】
例えば、本開示の少なくとも一つの実施例に係る表示基板において、前記周辺領域は、前記第2走査駆動回路の前記表示領域から離れる側に位置する第1バリア壁をさらに含み、前記有機絶縁層は、第2走査駆動回路と第1バリア壁との間に位置する第2凹溝をさらに含み、前記第2凹溝は、前記表示領域の周囲を取り囲む。
【0016】
例えば、本開示の少なくとも一つの実施例に係る表示基板において、前記周辺領域は、前記第1バリア壁の前記表示領域から離れる側に位置する第2バリア壁をさらに含み、前記有機絶縁層は、前記第1バリア壁と前記第2バリア壁との間に位置する第3凹溝をさらに含み、前記第3凹溝は、前記表示領域の周囲を取り囲む。
【0017】
例えば、本開示の少なくとも一つの実施例に係る表示基板において、前記有機絶縁層は、第2バリア壁の前記表示領域から離れる側に位置する第4凹溝をさらに含み、前記第4凹溝は、前記表示領域の周囲を取り囲む。
【0018】
例えば、本開示の少なくとも一つの実施例に係る表示基板において、前記表示領域は、平坦化層の前記画素駆動回路から離れる側に位置する画素画定層と、前記画素画定層の前記平坦化層から離れる側に位置するスペーサ層とをさらに含み、前記第1バリア壁は、前記有機絶縁層、前記画素画定層及び前記スペーサ層のうちの少なくとも一部と同じ層に設置される。
【0019】
例えば、本開示の少なくとも一つの実施例に係る表示基板において、前記第2バリア壁は、前記有機絶縁層、前記画素画定層及び前記スペーサ層のうちの少なくとも一部と同じ層に設置され、かつ前記表示基板に垂直な方向において、前記第2バリア壁の高さは、前記第1バリア壁の高さより高い。
【0020】
例えば、本開示の少なくとも一つの実施例に係る表示基板において、前記画素駆動回路は、薄膜トランジスタを含み、前記薄膜トランジスタは、ゲートとソースドレインとを含み、前記第1電源配線及び前記第2電源配線は、前記ソースドレインと同じ層に設置される。
【0021】
本開示の少なくとも一つの実施例は、表示装置をさらに提供し、該表示装置は、本開示の実施例に係るいずれか一つの表示基板を含む。
【0022】
本開示の少なくとも一つの実施例は、表示基板の製造方法をさらに提供し、該製造方法は、表示領域と前記表示領域の周辺に位置する周辺領域とを形成することを含み、前記周辺領域に前記表示領域の第1側に位置する第1走査駆動回路と第2走査駆動回路とを形成し、前記第1走査駆動回路は、前記第2走査駆動回路の前記表示領域に近い側に形成され、かつ前記周辺領域に前記第1側に隣接する前記表示領域の第2側に位置するバインディング領域を形成し、前記製造方法は、前記周辺領域に有機絶縁層を形成することをさらに含み、前記有機絶縁層が少なくとも局所的に前記第1走査駆動回路を覆い、少なくとも局所的に前記第2走査駆動回路を覆い、かつほぼ第1方向に沿って延在する長尺状の第1凹溝を含むことにより前記第1走査駆動回路と前記第2走査駆動回路との間の部分を露出させ、前記第1凹溝が、前記第1側から前記第2側まで延在し、かつ前記第2側にほぼ第2方向に沿って延在し、前記第2方向が、前記第1方向と交差する。
【0023】
例えば、本開示の少なくとも一つの実施例に係る表示基板の製造方法は、ベース基板を提供することであって、前記第1走査駆動回路、前記第2走査駆動回路及び前記有機絶縁層が前記ベース基板に形成されることと、前記ベース基板に、かつ前記周辺領域に第1電源配線を形成することであって、前記第1電源配線が前記第2側に前記第1方向に沿って延在する第1部分と、前記第2方向に沿って延在する第2部分とを含むことと、をさらに含み、前記ベース基板に垂直な方向において、前記第1凹溝は、前記第1電源配線の第1部分と少なくとも局所的に重なり、前記有機絶縁層は、前記第1電源配線の第1部分の前記第2方向に沿う縁部に位置する遮断壁をさらに含み、前記第1凹溝は、前記遮断壁において切れ離れ、前記遮断壁は、前記第1電源配線の第1部分の第2方向に沿う縁部を覆う。
【0024】
例えば、本開示の少なくとも一つの実施例に係る表示基板の製造方法は、前記ベース基板上に、かつ前記周辺領域に第2電源配線を形成することをさらに含み、前記ベース基板に垂直な方向において、前記第1凹溝は、前記第2電源配線と重ならない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本開示の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、実施例の図面を以下に簡単に紹介する。明らかに、以下の説明の図面は、本開示を限定するのではなく、本開示のいくつかの実施例にのみ関連している。
【0026】
図1】表示基板の平面模式図である。
図2】本開示の少なくとも一つの実施例に係る表示基板の一部の平面模式図である。
図3】本開示の少なくとも一つの実施例に係る表示基板の他の一部の平面模式図である。
図4A】本開示の少なくとも一つの実施例に係る表示基板の別の一部の平面模式図である。
図4B】本開示の少なくとも一つの実施例に係る表示基板の別の一部の平面模式図である。
図5】本開示の少なくとも一つの実施例に係る表示基板の画素駆動回路の回路図である。
図6】本開示の少なくとも一つの実施例に係る表示基板の表示領域の断面模式図である。
図7図2のA-A線に沿う断面模式図である。
図8】本開示の少なくとも一つの実施例に係る表示基板の平面模式図である。
図9図2のB-B線に沿う断面模式図である。
図10A図3における破線丸部分の拡大模式図である。
図10B図10AのC-C線に沿う断面模式図である。
図10C図10AのD-D線に沿う断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示の目的、技術案及び利点をさらに明確に説明するために、以下、本開示の実施例の図面を参照して、本開示の実施例の技術案について明確で完全に説明する。明らかなように、記載された実施例は、本開示の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。記載された本開示の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をせずに取得するその他の実施例は、いずれも本開示の保護範囲に含まれる。
【0028】
特に定義されない限り、本開示で使用される技術用語又は科学用語は、当業者が理解する通常の意味を有すべきである。本開示で使用される「第1」、「第2」及び類似語は、何らかの順序、数量又は重要性を示すものではなく、異なる構成部分を区別するためのものにすぎない。「含む」や「含まれる」などの類似語は、この語の前に出現した素子や物がこの語の後に挙げられる素子や物、及びそれらの均等物を含むことを意味するが、その他の素子や物を排除するものではない。「接続」や「互いに接続」などの類似語は、物理的又は機械的な接続に限定されず、直接的か間接的かを問わず、電気的な接続を含んでもよい。「上」、「下」、「左」、「右」などは、相対位置関係を示すためのものにすぎず、説明対象の絶対位置が変わると、該相対位置関係もそれに応じて変わる可能性がある。
【0029】
OLED表示基板の表示領域は、駆動回路層と、発光素子と、発光素子を覆う封止層などの構造を含み、封止層は、外部環境中の不純物が表示領域の内部に入って駆動回路層及び発光素子の構造を破壊することを防止するように、駆動回路層と発光素子とに対して保護作用を果たしている。本開示の発明者は、駆動回路層に、かつ駆動回路層と表示装置との間に一般的に一つ又は複数の絶縁層を有するため、これらの絶縁層のうちの少なくとも一部が親水性を有し、裂け目を有する場合など、封止層が損傷される場合、外部の水や酸素等の不純物が上記絶縁層に沿って表示領域の内部に入り、さらに駆動回路層及び発光素子の構造を破壊し、表示領域に正常に表示できない無効領域を形成し、かつ無効領域が拡大し続けることに着目した。
【0030】
いくつかの実施形態において、上記絶縁層に凹溝を形成することにより、水や酸素等の不純物が表示領域に入る延伸経路を遮断することができる。
【0031】
例えば、図1は、表示装置の平面模式図を示し、該ディスプレイ装置において、表示領域AA以外の周辺領域の絶縁層に凹溝1を有し、凹溝1は、表示領域AAの上側、左側及び右側を囲むことにより、表示領域AAの上側、左側及び右側で水や酸素等の不純物の延伸経路を遮断する。いくつかの実施形態において、周辺領域の絶縁層に凹溝2をさらに有し、凹溝2は、表示領域AAの下側に位置することにより、表示領域AAの下側で水や酸素等の不純物の延伸経路を遮断する。しかしながら、凹溝1と凹溝2との間に凹溝が設置されていない大きな領域があるため、これらの領域にも水や酸素等の不純物の拡散経路が形成される可能性があり、それにより表示領域AAに大きな失効のリスクが存在する。
【0032】
本開示の少なくとも一つの実施例は、表示基板およびその製造方法、表示装置を提供する。該表示基板は、表示領域と、表示領域の周辺に位置する周辺領域とを含み、周辺領域は、表示領域の第1側に位置する第1走査駆動回路と第2走査駆動回路を含み、第1走査駆動回路は、第2走査駆動回路の表示領域に近い側に位置し、周辺領域は、第1側に隣接する表示領域の第2側に位置するバインディング領域をさらに含み、周辺領域は、有機絶縁層を含み、有機絶縁層は、少なくとも局所的に第1走査駆動回路を覆い、少なくとも局所的に第2走査駆動回路を覆い、かつほぼ第1方向に沿って延在する長尺状の第1凹溝を含むことにより第1走査駆動回路と第2走査駆動回路との間の部分を露出させ、第1凹溝は、さらに第1側から第2側まで延在し、かつ第2側にほぼ第2方向に沿って延在し、第2方向は、第1方向に交差する。該表示基板の周辺領域が有する有機絶縁層は、基本的に表示領域の周囲を囲む第1凹溝を含み、該第1凹溝は、水や酸素等の不純物が表示領域に入る通路を効果的に遮断でき、さらに表示領域を保護する役割を果たす。また、該第1凹溝の少なくとも一部は、周辺領域の第1走査駆動回路と第2走査駆動回路との間に位置するため、表示領域により近い位置で表示領域を保護することができる。
【0033】
以下、いくつかの具体的な実施例により本開示の実施例に係る表示基板およびその製造方法、表示装置を詳細で非限定的に説明する。
【0034】
図2は、本開示の少なくとも一つの実施例に係る表示基板の平面模式図を示し、図2に示すように、該表示基板は、表示領域AAと、表示領域の周辺に位置する周辺領域NAとを含む。周辺領域NAは、表示領域AAの第1側(例えば図中の左側)に位置する第1走査駆動回路G1と第2走査駆動回路G2とを含み、第1走査駆動回路G1と第2走査駆動回路G2との間に一定の距離を隔て、第1走査駆動回路G1は、第2走査駆動回路G2の表示領域AAに近い側に位置し、周辺領域NAは、第1側に隣接する表示領域AAの第2側(例えば図中の下側)に位置するバインディング領域Bをさらに含み、周辺領域NAは、有機絶縁層101を含み、有機絶縁層101は、少なくとも局所的に第1走査駆動回路G1を覆い、かつ少なくとも局所的に第2走査駆動回路G2を覆い、それにより第1走査駆動回路G1と第2走査駆動回路G2との回路構造を保護する。例えば、有機絶縁層101は、第1走査駆動回路G1と第2走査駆動回路G2との間の部分を露出させるようにほぼ第1方向(図中の垂直方向)に沿って延在する長尺状の第1凹溝1011を含み、すなわち有機絶縁層101の第1走査駆動回路G1と第2走査駆動回路G2との間に位置する部分が除去されて該第1凹溝1011を形成する。例えば、第1凹溝1011は、さらに第1側から第2側まで延在し、かつ第2側でほぼ第2方向に沿って延在し、第2方向は、第1方向と交差する。
【0035】
例えば、第1走査駆動回路G1と第2走査駆動回路G2とは、第1側に沿って配置され、例えばそれらのそれぞれの延在長さは、表示領域AAの第1側での長さに略相当する。第1凹溝1011は、長尺状に形成され、かつほぼ第1方向に沿って第1走査駆動回路G1と第2走査駆動回路G2との間に延在する。
【0036】
例えば、いくつかの実施例において、第2方向は、第1方向に垂直である。例えば、図1に示す実施例において、第1凹溝1011は、第1側に表示領域AAの左側縁部に沿って延在し、第1凹溝1011は、第1側から第2側まで延在した後、第2側に表示領域AAの下側縁部に沿って延在し続ける。これにより、第1凹溝1011は、表示領域AAの周囲に水や酸素等の不純物が表示領域AAに入ることを効果的に遮断するという技術的効果を実現することができる。
【0037】
例えば、いくつかの実施例において、表示基板は、ベース基板を含み、第1走査駆動回路G1、第2走査駆動回路G2及び有機絶縁層101などの構造は、ベース基板に設置される。
【0038】
例えば、図3は、図2における右側破線枠の拡大模式図であり、図3に示すように、表示基板は、ベース基板に位置し、かつ周辺領域NAに位置する第1電源配線102をさらに含み、第1電源配線は、第2側に第1方向に沿って延在する第1部分102Aと第2方向に沿って延在する第2部分102Bを含む。ベース基板に垂直な方向において、第1凹溝1011は、第1電源配線の第1部分102Aと少なくとも局所的に重なり、例えば、有機絶縁層101は、第1電源配線の第1部分102Aの第2方向に沿う縁部に位置する遮断壁1012をさらに含み、第1凹溝1011は、遮断壁1012において切れ離れ、すなわち有機絶縁層101の第1電源配線の第1部分102Aの第2方向に沿う縁部に位置する部分が除去されず、有機絶縁層101の材料が保持され、それにより第1凹溝1011を遮断する遮断壁1012を形成し、このとき、遮断壁1012は、第1電源配線の第1部分102Aの第2方向に沿う縁部を覆う。これにより、遮断壁1012は、第1電源配線の第1部分102Aの第2方向に沿う縁部に対して保護作用を果たし、該縁部での第1電源配線102の材料が表示基板の製造過程で損傷され、例えばエッチング液に侵食されることを防止することができる。
【0039】
例えば、いくつかの実施例において、図3に示すように、表示基板は、ベース基板に位置し、かつ周辺領域NAに位置する第2電源配線103をさらに含み、ベース基板に垂直な方向において、第1凹溝1011は、第2電源配線103と重ならない。これにより、第1凹溝1011は、第2電源配線103を露出させず、有機絶縁層101は、少なくとも第2電源配線103の縁部で第2電源配線103を覆うことにより、第2電源配線103を保護し、第2電源配線103の材料が表示基板の製造過程で損傷され、例えばエッチング液に侵食されることを防止する。
【0040】
例えば、いくつかの実施例において、第1電源配線102は、ハイレベル電源信号を提供するための配線VDDであり、第2電源配線103は、ローレベル電源信号を提供するための配線VSSである。
【0041】
例えば、図4Aは、図2における左側の破線枠の拡大模式図であり、図3及び図4Aに示すように、第2電源配線103は、第1電源配線102の表示領域AAから離れる側に位置する。例えば、第2電源配線103は、第2側に第1方向に沿って延在する第1部分103Aと第2方向に沿って延在する第2部分103Bとを含み、第1凹溝1011の少なくとも一部、例えば部分1011Bは、第1電源配線の第2部分102Bと第2電源配線の第2部分103Bとの間にある。
【0042】
例えば、いくつかの実施例において、図2に示すように、第1電源配線の第1部分102A及び第2電源配線の第1部分103Aは、バインディング領域Bに電気的に接続される。例えば、図4Aにおいて、第1電源配線の第1部分102A及び第2電源配線の第1部分103Aの下端は、バインディング領域Bまで延在する。例えば、バインディング領域Bは、複数のコンタクトパッドを含み、第1電源配線の第1部分102A及び第2電源配線の第1部分103Aの下端は、それぞれこれらのコンタクトパッドに電気的に接続され(すなわちバインディングされ)、それにより第1電源配線102及び第2電源配線103をバインディング領域Bにバインディングする。
【0043】
例えば、いくつかの実施例において、図2に示すように、表示基板は、バインディング領域Bの表示領域AAから離れる側に位置する駆動回路D、例えばチップIC又はフレキシブル回路基板FPCをさらに含み、バインディング領域Bは、複数本の配線により駆動回路Dに電気的に接続され、それにより第1電源配線102及び第2電源配線103を駆動回路Dに電気的に接続し、さらに駆動回路Dを利用して第1電源配線102及び第2電源配線103に電気信号を提供する。例えば、表示基板は、フレキシブル表示基板であってもよく、駆動回路Dは、折り曲げて表示基板の非表示側に設置されてもよく、それにより表示基板の表示側における周辺領域の面積を減少させ、さらに表示基板の額縁を縮小し、表示基板の大画面化を実現する。
【0044】
例えば、図4Bは、周辺領域NAの表示領域AAの第2側に位置する一部の平面模式図である。いくつかの実施例において、図4Bに示すように、第1電源配線102は、表示領域AAの第2側に連続的に配置された配線層であり、それにより第1電源配線102の第1部分102Aは、第2方向での左右両端に二つの縁部を有する。例えば、有機絶縁層101は、該二つの縁部にいずれも遮断壁1012を有し、第1凹溝1011は、該二つの縁部において切れ離れることにより、遮断壁1012が、該二つの縁部で第1電源配線102を保護する。
【0045】
例えば、いくつかの実施例において、表示基板は、フレキシブル表示基板であり、表示領域AAとバインディング領域Bとの間に折り曲げ領域Wをさらに有し、駆動回路Dは、折り曲げ領域Wの折り曲げにより表示基板の非表示側に設置される。例えば、第1電源配線102の第1部分102A及び第2電源配線の第1部分103Aは、折り曲げ領域Wによりバインディング領域Bに電気的に接続される。例えば、バインディング領域Bは、複数本の接続配線を有し、第1電源配線102の第1部分102A及び第2電源配線の第1部分103Aの下端は、それぞれ折り曲げ領域Wにおける接続配線の一端に電気的に接続され、折り曲げ領域Wにおける接続配線の他端は、バインディング領域Bに電気的に接続され、それにより第1電源配線102の第1部分102A及び第2電源配線の第1部分103Aをバインディング領域Bに電気的に接続する。
【0046】
例えば、いくつかの実施例において、表示基板の表示領域AAは、画素アレイを含み、該画素アレイは、アレイに配列された複数のサブ画素を含み、複数のサブ画素のそれぞれは、発光素子と画素駆動回路とを含み、画素駆動回路は、それぞれ行走査信号、発光制御信号及びデータ信号とを受信するための行走査信号端、発光制御信号端及びデータ信号端を含み、かつ行走査信号、発光制御信号及びデータ信号に基づいて動作するように構成される。
【0047】
例えば、第1走査駆動回路G1は、行走査駆動回路であり、行走査信号を提供するように構成され、第2走査駆動回路G2は、発光走査駆動回路であり、発光制御信号を提供するように構成される。例えば、第1走査駆動回路G1は、カスケード接続された複数の第1シフトレジスタユニットを含み、該複数の第1シフトレジスタユニットは、それぞれ第1走査信号出力端を含み、該複数の第1走査信号出力端は、それぞれ表示領域AAにおける複数行のサブ画素に対応し、かつ対応する導線によりサブ画素の行走査信号端に接続される。第2走査駆動回路G2は、同様にカスケード接続された複数の第2シフトレジスタユニットを含み、該複数の第2シフトレジスタユニットは、それぞれ第2走査信号出力端を含み、該複数の第2走査信号出力端は、それぞれ表示領域AAにおける複数行のサブ画素に対応し、かつ対応する導線によりサブ画素の発光制御信号端に接続される。
【0048】
本開示の実施例は、第1走査駆動回路G1及び第2走査駆動回路G2の具体的な構造を制限せず、例えば、第1走査駆動回路G1に含まれる複数の第1シフトレジスタユニット、又は、第2走査駆動回路G2に含まれる複数の第2シフトレジスタユニットは、4T1C構造であってもよく、すなわち少なくとも四つのトランジスタ及び一つのコンデンサ(図7は、一つのトランジスタのみを参照として示す)を含み、それによりそれぞれ信号入力、信号出力、レジスタリセット等の機能を実現し、より多くのトランジスタ及び/又は、コンデンサを含んでもよく、例えばプルアップノード制御、プルダウンノード制御、ノイズ低減等の機能を実現するためのサブ回路等を加えることにより、より安定した入力、出力及びリセットを実現する。
【0049】
なお、本開示の実施例に記載の第1走査駆動回路及び第2走査駆動回路は、それぞれ薄膜トランジスタ、コンデンサ及びそれらの間の接続配線等の構造を含むが、第1走査駆動回路及び第2走査駆動回路の上記構造に接続される外部信号配線を含まない。
【0050】
例えば、いくつかの実施例において、周辺領域NAの配線は、軸対称に配列される。例えば、図2に示すように、表示基板は、表示領域AAの第1側と対向する第3側に位置する第1走査駆動回路G1及び第2走査駆動回路G2をさらに含み、共に複数のサブ画素に行走査信号及び発光制御信号を提供する。例えば、図2における表示領域AAの垂直中心線を対称軸とし、第1側及び第3側に位置する第1走査駆動回路G1及び第2走査駆動回路G2は、軸対称に配列される。例えば、いくつかの実施例において、図2における表示領域AAの垂直中心線を対称軸とし、第1電源配線102は、表示領域AAの第2側に軸対称に配列され、このとき、有機絶縁層101は、軸対称に配列される二つの遮断壁1012を含み、第1凹溝1011は、該二つの遮断壁1012で遮断される。
【0051】
例えば、図5は、画素駆動回路の回路図を示す。いくつかの実施例において、図5に示すように、画素駆動回路は7T1Cの画素駆動回路であってもよく、複数の薄膜トランジスタT1、T2、T3、T4、T5、T6及びT7と、蓄積コンデンサCとを含み、かつ行走査信号端Sと、発光制御信号端Mと、データ信号端Dとを有し、それぞれは行走査信号、発光制御信号及びデータ信号を受信するためのものである。
【0052】
例えば、第1薄膜トランジスタT1の第1ゲートは、第3薄膜トランジスタT3の第3ドレインD3及び第4薄膜トランジスタT4の第4ドレインD4に電気的に接続される。第1薄膜トランジスタT1の第1ソースS1は、第2薄膜トランジスタT2の第2ドレインD2及び第5薄膜トランジスタT5の第5ドレインD5に電気的に接続される。第1薄膜トランジスタT1の第1ドレインD1は、第3薄膜トランジスタT3の第3ソースS3及び第6薄膜トランジスタT6の第6ソースS6に電気的に接続される。
【0053】
例えば、第2薄膜トランジスタT2の第2ゲートは、行走査信号を受信するように行走査信号端Sに構成され、第2薄膜トランジスタT2の第2ソースS2は、データ信号を受信するようにデータ線に電気的に接続されるデータ信号端Dに構成され、第2薄膜トランジスタT2の第2ドレインD2は、第1薄膜トランジスタT1の第1ソースS1に電気的に接続される。
【0054】
例えば、第3薄膜トランジスタT3の第3ゲートは、行走査信号を受信するように行走査信号端Sに構成され、第3薄膜トランジスタT3の第3ソースS3は、第1薄膜トランジスタT1の第1ドレインD1に電気的に接続され、第2薄膜トランジスタT3の第2ドレイン電極D3は、第1薄膜トランジスタT1の第1ゲートに電気的に接続される。
【0055】
例えば、第4薄膜トランジスタT4の第4ゲートG4は、リセット信号を受信するようにリセット信号端に構成され、第4薄膜トランジスタT4の第4ソースS4は、初期化信号を受信するように初期化線RLに電気的に接続されるように構成され、第4薄膜トランジスタT4の第4ドレインD4は、第1薄膜トランジスタT1の第1ゲートに電気的に接続される。
【0056】
例えば、第5薄膜トランジスタT5の第5ゲートは、発光制御信号を受信するように発光制御信号端Mに構成され、第5薄膜トランジスタT5の第5ソースS5は、第1電源信号を受信するように第1電源配線VDDに電気的に接続されるように構成され、第5薄膜トランジスタT5の第5ドレインD5は、第1薄膜トランジスタT1の第1ソースS1に電気的に接続される。
【0057】
例えば、第6薄膜トランジスタT6の第6ゲートは、発光制御信号を受信するように発光制御信号端Mに構成され、第6薄膜トランジスタT6の第6ソースS6は、第1薄膜トランジスタT1の第1ドレインD1に電気的に接続され、第6薄膜トランジスタT6の第6ドレインD6は、発光素子EMのアノード層に電気的に接続される。
【0058】
例えば、第7薄膜トランジスタT7の第7ゲートは、リセット信号を受信するようにリセット信号端に構成され、第7薄膜トランジスタT7の第7ソースS7は、発光素子EMのアノード層に電気的に接続され、第7薄膜トランジスタT7の第7ドレインD7は、初期化信号を受信するように初期化線RLに電気的に接続されるように構成される。例えば、第7薄膜トランジスタT7の第7ドレインD7は、第4薄膜トランジスタT4の第4ソースS4に接続されることにより初期化線RLとの電気的接続を実現することができる。
【0059】
例えば、蓄積コンデンサは、第1コンデンサ極板1031と第2コンデンサ極板1032とを含む。第2コンデンサ極板1032は、第1電源配線VDDに電気的に接続され、第1コンデンサ電極CE1は、第1薄膜トランジスタT1の第1ゲート及び第3薄膜トランジスタT3の第3ドレインD3に電気的に接続される。
【0060】
例えば、発光素子EMのカソード層は、第2電源配線VSSに電気的に接続される。
【0061】
なお、第1電源配線VDD及び第2電源配線VSSのうちの一つは、高電圧を提供するための電源線であり、もう一つは、低電圧を提供するための電源線である。例えば、第1電源配線VDDは、一定の第1電圧を提供し、第1電圧は、正電圧である。第2電源配線VSSは、一定の第2電圧を提供し、第2電圧は、負電圧等であってもよい。例えば、一部の例において、第2電圧は、接地電圧であってもよい。また、上記リセット信号及び上記初期化信号は、同じ信号であってもよい。例えば、第1走査駆動回路G1及び第2走査駆動回路G2は、それぞれ上記行走査信号端S及び発光制御信号Mに電気的に接続されることにより、それぞれ行走査信号及び発光制御信号を提供する。
【0062】
例えば、いくつかの実施例において、図4Aに示すように、表示基板の周辺領域NAは、第1走査駆動回路G1及び第2走査駆動回路G2の一端にそれぞれ電気的に接続される静電気放電回路Eをさらに含み、第1凹溝1011の静電気放電回路Eが位置する平面での正投影は、静電気放電回路を通過し、かつベース基板に垂直な方向において、第1凹溝1011は、静電気放電回路Eを露出させない。例えば、静電気放電回路Eは、画素駆動回路の薄膜トランジスタTのソースドレイン(後述する)と同じ層に設置される部分を含み、ベース基板に垂直な方向において、第1凹溝1011は、該部分と重ならない。これにより、有機絶縁層101は、さらに静電気放電回路Eを完全に覆うことにより、静電気放電回路Eの回路構造が表示基板の製造過程において損傷されること、例えばエッチング液に侵食されることを防止するように静電気放電回路Eの回路構造を保護する。第1走査駆動回路G1及び第2走査駆動回路G2を伝送した電気信号が異なる時刻で大きな差がある可能性があるため、該信号がハイレベル及びローレベルの変換時、信号の残留が存在し、さらに信号のクロストークが発生する可能性がある。静電気放電回路が第1走査駆動回路G1及び第2走査駆動回路G2の一端に設置されて第1走査駆動回路G1及び第2走査駆動回路G2の電気信号を処理することができ、さらにこのようなクロストークを除去することができる。
【0063】
例えば、いくつかの実施例において、図4Aに示すように、第1凹溝1011の第1側での部分1011Aの第1幅は、第1凹溝1011の第2側での部分1011Bの第2幅より小さく、かつ第2幅は、第1幅の2~3倍である。例えば、いくつかの例において、第1凹溝1011の第1側での部分1011Aの第1幅は、9μm~11μmであってもよく、例えば10μmであり、第1凹溝1011の第2側での部分1011Bの第2幅は20μm~30μmであってもよく、例えば25μmである。
【0064】
なお、第1の溝1011の幅とは、第1の溝1011の第1凹溝1011の延在方向に垂直な方向でのサイズを意味する。表示領域AAの第1側での回路配置が密であるため、第1凹溝1011の第1側での部分1011Aの幅が狭く、周辺領域NAの第1側での面積を小さくすることができ、狭額縁を実現する。表示領域AAの第2側での回路配置が相対的に疎であるため、第1凹溝1011の第2側での部分1011Bの幅を増大させ、第1凹溝1011の水や酸素等の不純物に対する阻止効果をさらに向上させる。
【0065】
例えば、図6は、表示領域AAにおいて一つのサブ画素の部分断面模式図を示し、図6に示すように、各サブ画素は、発光素子EMと画素駆動回路とを含み、画素駆動回路は、ベース基板110に設置され、薄膜トランジスタT(例えば上記第6薄膜トランジスタT6)及び蓄積コンデンサCなどの構造を含む。例えば、表示領域AAは、画素駆動回路のベース基板110から離れる側に位置する平坦化層1016をさらに含み、発光素子EMは、平坦化層1016のベース基板110から離れる側に位置する。例えば、周辺領域NAの有機絶縁層101は、平坦化層1016と同じ層に設置される。
【0066】
なお、本開示の実施例において、「同じ層に設置される」とは、二つの機能層又は構造層が表示基板の階層構造において同じ層に、かつ同じ材料で形成されることであり、すなわち製造プロセスにおいて、該二つの機能層又は構造層は、同一の材料層で形成されてもよく、かつ同一のパターニングプロセスにより所要なパターン及び構造を形成することができる。
【0067】
例えば、いくつかの実施例において、第1走査駆動回路G1、第2走査駆動回路G2及び静電気放電回路Eは、画素駆動回路と同じ層に設置される。
【0068】
例えば、図6に示すように、画素駆動回路の薄膜トランジスタTは、ベース基板110に順次配置された活性層1021と、ゲート1022と、ゲート絶縁層1014(例えば第1ゲート絶縁層1014Aと第2ゲート絶縁層1014Bとを含む)と、層間絶縁層1015と、ソースドレイン電極(ソース1023とドレイン1024とを含む)とを含む。画素駆動回路の蓄積コンデンサCは、第1コンデンサ極板1031と第2コンデンサ極板1032とを含む。発光素子EMは、アノード層1041と発光層1042とカソード層1043とを含む。アノード層1041は、平坦化層1016のビアを介して薄膜トランジスタのソース1023に接続される。例えば、第1コンデンサ極板1031は、ゲート1022と同じ層に設置され、第2コンデンサ極板1032は、ゲート絶縁層1014と層間絶縁層1015との間にある。
【0069】
例えば、図7は、図2におけるA-A線に沿う断面模式図であり、それにより第1走査駆動回路G1及び第2走査駆動回路G2の断面構成を示している。図7に示すように、第1走査駆動回路G1は、薄膜トランジスタT10や配線S10等の構造を含み、第2走査駆動回路G2は、薄膜トランジスタT20や配線S20等の構造を含む。薄膜トランジスタT10及びT20も、それぞれ、活性層、ゲート電極、ソースドレイン電極等の構造を有する。例えば、薄膜トランジスタT10及びT20は、画素駆動回路における薄膜トランジスタTと同じ層に設置され、すなわち薄膜トランジスタT10及びT20は、画素駆動回路の薄膜トランジスタTにおける対応層とそれぞれ同じ層に設置される。例えば、配線S10及び配線S20は、第2コンデンサ極板1032と同じ層に設置されてもよい。これにより、表示基板の製造プロセスを簡略化することができる。例えば、いくつかの実施例において、図2に示すように、表示基板の周辺領域NAは、第2走査駆動回路G2の表示領域AAから離れる側に位置する第1バリア壁104をさらに含むことができ、有機絶縁層101は、第2走査駆動回路G2と第1バリア壁104との間に位置する第2凹溝111をさらに含み、すなわち有機絶縁層101の第2走査駆動回路G2と第1バリア壁104との間に位置する部分が除去されることにより、第2凹溝111を形成する。第2凹溝111は、表示領域AAの周囲を取り囲み、例えば、第2凹溝111は、無端のリング状を呈し、それにより表示領域AAの周囲を完全に取り囲む。これにより、第2凹溝111は、第1凹溝1011の表示領域AAから離れる側に水や酸素等の不純物が表示領域AAに入ることを阻止するという技術的効果を実現することができる。
【0070】
例えば、いくつかの実施例において、図2に示すように、表示基板の周辺領域NAは、第1バリア壁104の表示領域AAから離れる側に位置する第2バリア壁105をさらに含み、有機絶縁層101は、第1バリア壁104と第2バリア壁105との間に位置する第3凹溝112をさらに含み、すなわち有機絶縁層101の第1バリア壁104と第2バリア壁105との間に位置する部分が除去されることにより、第3凹溝112を形成する。第3凹溝112は、表示領域AAの周囲を取り囲み、例えば、第3凹溝112は、無端のリング状を呈し、それにより表示領域AAの周囲を完全に取り囲む。これにより、第3凹溝112は、第1凹溝1011及び第2凹溝111と共に多重阻止作用を実現することができ、それにより水や酸素等の不純物が表示領域AAに入ることを阻止する。
【0071】
例えば、いくつかの実施例において、図2に示すように、有機絶縁層101は、第2バリア壁105の表示領域AAから離れる側に位置する第4凹溝113をさらに含み、すなわち有機絶縁層101の第2バリア壁105の表示領域AAから離れる側に位置する部分が除去されることにより、第4凹溝113を形成する。第4凹溝113は、表示領域AAの周囲を取り囲む。例えば、第4凹溝113は、無端のリング状を呈し、それにより表示領域AAの周囲を完全に取り囲む。これにより、図8に示すように、第4凹溝113は、第1凹溝1011、第2凹溝111及び第3凹溝112と共に表示領域AAの周囲に多重阻止作用を実現することができ、それにより水や酸素等の不純物が表示領域AAに入ることを阻止し、さらに表示領域AAの内部構造を効果的に保護する。
【0072】
例えば、いくつかの実施例において、図6に示すように、表示領域AAは、平坦化層1016の画素駆動回路から離れる側に位置する画素画定層1017(複数のサブ画素を画定するためのものである)と、画素画定層1017の平坦化層1016から離れる側に位置するスペーサ層1018とをさらに含む。例えば、第1バリア壁104は、平坦化層1016、画素画定層1017及びスペーサ層1018のうちの少なくとも一部と同じ層に設置される。
【0073】
例えば、いくつかの実施例において、第2バリア壁105は、平坦化層1016、画素画定層1017及びスペーサ層1018のうちの少なくとも一部と同じ層に設置され、かつ表示基板110に垂直な方向において、第2バリア壁105の高さは、第1バリア壁104の高さより高い。
【0074】
例えば、図9は、図2におけるB-B線に沿う断面模式図であり、それにより第1バリア壁104及び第2バリア壁105の断面構造を示している。図9に示すように、一例において、第1バリア壁104は、三つのサブ層を含み、この三つのサブ層は、それぞれ有機絶縁層101、画素画定層1017及びスペーサ層1018と同じ層に設置される。第2バリア壁105も三つのサブ層を含み、この三つのサブ層は、それぞれ有機絶縁層1016、画素画定層1017及びスペーサ層1018と同じ層に設置される。例えば、第1バリア壁104の第1サブ層104Aの高さは、第2バリア壁105の第1サブ層105Aの高さより小さく、それにより第1バリア壁104の全体の高さは、第2バリア壁105の全体の高さより小さい。例えば、第1バリア壁104の第1サブ層104A及び第2バリア壁105の第1サブ層105Aは、いずれも有機絶縁層101と同じ層に設置されるが、第1バリア壁104の第1サブ層104Aは、製造過程において薄化されることにより、第1バリア壁104の第1サブ層104Aの高さは、第2バリア壁105の第1サブ層105Aの高さよりも小さい。例えば、いくつかの例において、第1バリア壁104の高さは、0.8μm~1μmであり、例えば0.9μmであり、第2バリア壁105の高さは、1.2~1.5μmであり、例えば1.4μmである。これにより、第1バリア壁104及び第2バリア壁105は、周辺領域NAに高さの異なるバリア壁を形成し、水や酸素等の不純物が表示領域AAに入る経路を延長させ、さらに表示領域AAを保護する効果を実現することができる。
【0075】
例えば、他の実施例において、第1バリア壁104は、画素画定層1017及びスペーサ層1018と同じ層に設置され、第2バリア壁105は、有機絶縁層1016、画素画定層1017及びスペーサ層1018と同じ層に設置され、それにより第1バリア壁104の全体の高さが第2バリア壁105の全体の高さよりも小さくてもよい。又は、第1バリア壁104は、有機絶縁層1016及び画素画定層1017と同じ層に設置され、第2バリア壁105は、有機絶縁層1016、画素画定層1017及びスペーサ層1018と同じ層に設置され、それにより第1バリア壁104の全体の高さが第2バリア壁105の全体の高さよりも小さくてもよい。本開示の実施例は、第1バリア壁104及び第2バリア壁105の具体的な設置態様を限定するものではない。
【0076】
例えば、いくつかの実施例において、第1電源配線102及び第2電源配線103は、薄膜トランジスタTのソースドレインと同じ層に設置される。これにより、表示基板の製造プロセスを簡略化する。例えば、第1電源配線102、第2電源配線103及び薄膜トランジスタTのソースドレインは、チタン、アルミニウム、銅又はモリブデン等の金属材料又は合金材料を採用することができる。例えば、第1電源配線102、第2電源配線103及び薄膜トランジスタTのソースドレインは、単層又は多層の金属構造、例えば三層の金属層構造を有することができ、例えばチタン/アルミニウム/チタン、モリブデン/アルミニウム/モリブデン、チタン/銅/チタン又はモリブデン/銅/モリブデン等の三層の金属層構造等である。
【0077】
上記三層構造における中間層、例えばアルミニウム層が比較的に活性であるため、第1電源配線102及び第2電源配線103の縁部が露出すると、表示基板の後続の製造過程で使用されるエッチング液、例えば発光素子EMのアノード層1041をエッチングして形成するエッチング液が第1電源配線102及び第2電源配線103をエッチングし、さらに第1電源配線102及び第2電源配線103の構造を破壊する可能性がある。本開示の実施例において、周辺領域NAの有機絶縁層101は、少なくとも第1電源配線102及び第2電源配線103の縁部を覆い、それにより第1電源配線102及び第2電源配線103の構造を保護する。
【0078】
例えば、図10Aは、図3における破線丸以内の構造を示し、図10Bは、図10AにおけるC-C線に沿う断面模式図である。図10Bに示すように、有機絶縁層101の遮断壁1012は、第1電源配線102の第1部分102Aの第2方向に沿う縁部(すなわち図中の左側縁部)を覆う。これにより、第1電源配線102が三層の金属構造である場合、中間層の活性な金属層が露出しないため、エッチングされるリスクを回避する。
【0079】
例えば、いくつかの実施例において、図10Bに示すように、遮断壁1012の第1凹溝1011の延在方向(図中の水平方向)での長さは、25μm~35μmであり、例えば30μmであり、遮断壁1012が第1電源配線102を覆う部分(すなわち第1電源配線102の図中の右側破線枠に位置する部分)の長さは、約10μm~20μmであり、例えば15μmであり、遮断壁1012が第1電源配線102を覆わない部分(すなわち第1電源配線102の図中の左側破線枠に位置する部分)の長さは、約10μm~20μmであり、例えば15μmである。
【0080】
例えば、図10Cは、図10AにおけるD-D線に沿う断面模式図であり、図10B及び図10Cに示すように、表示基板は、第1電源配線102のベース基板110に近い側に位置する配線L1及び配線L2をさらに含む。例えば、配線L1及び配線L2は、それぞれ第1走査駆動回路G1及び第2走査駆動回路G2に電気的に接続され、第1走査駆動回路G1及び第2走査駆動回路G2に電気信号を提供するためのものである。例えば、配線L1は、蓄積コンデンサCの第2コンデンサ極板1032と同じ層に設置され、配線L2は、薄膜トランジスタTのゲート1022及び蓄積コンデンサCの第1コンデンサ極板1031と同じ層に設置される。これにより、表示基板の製造プロセスを簡略化する。
【0081】
例えば、いくつかの実施例において、図6に示すように、表示基板は、ベース基板110に設置される阻止層1112及びバッファ層1013をさらに含むことができ、阻止層1112は、水や酸素等の不純物がベース基板110から薄膜トランジスタT等の機能構造に浸入することを防止することができ、バッファ層1013は、平坦な表面を提供することにより、表示基板の他の機能層の設置を容易にする。阻止層1112及びバッファ層1013は、共にベース基板110上の他の機能構成を保護する役割を果たすことができる。
【0082】
例えば、図6に示すように、表示基板は、封止層ENをさらに含んでもよく、封止層ENは、ベース基板110に順次積層設置された第1無機封止層1051、第1有機封止層1052及び第2無機封止層1053を含む。これにより、封止層ENは、表示基板に対して多層封止を形成し、表示基板を保護することができる。
【0083】
例えば、いくつかの実施例において、ベース基板110は、ポリイミド(PI)等のフレキシブル基板であってもよい。例えば、ゲート1022、第1コンデンサ極板1031及び第2コンデンサ極板1032の材料は、アルミニウム、チタン、コバルト、銅等の金属又は合金材料を含む。活性層1021には、ポリシリコンや金属酸化物などの材料を用いることができる。阻止層1112、バッファ層1013、ゲート絶縁層1014(第1ゲート絶縁層1014Aと第2ゲート絶縁層1014Bとを含む)、層間絶縁層1015及び封止層ENの第1無機封止層1051と第2無機封止層1053とには、酸化ケイ素、窒化ケイ素又は酸窒化ケイ素等の無機絶縁材料を用いることができる。例えば、平坦化層1016、有機絶縁層101、画素画定層1017、スペーサ層1018及び封止層ENの第1有機封止層1052は、ポリイミド、樹脂等の有機絶縁材料を採用することができる。本開示の実施例は、各機能層の材料を限定せず、かつ各機能層の材料は、上記例に限定されない。
【0084】
本開示の少なくとも一つの実施例は、表示装置をさらに提供し、該表示装置は、本開示の実施例に係るいずれか一つの表示基板を含む。該表示装置は、携帯電話、タブレットコンピュータ、テレビ、ディスプレイ、ノートパソコン、デジタルカメラ、ナビゲーション等の表示機能を有する製品又は部品であってもよい。本開示の実施例は、表示装置の種類を限定するものではない。
【0085】
本開示の少なくとも一つの実施例は、表示基板の製造方法をさらに提供し、該製造方法は、表示領域と表示領域の周辺に位置する周辺領域とを形成することを含む。周辺領域を形成することは、周辺領域に表示領域の第1側に位置する第1走査駆動回路及び第2走査駆動回路を形成することを含み、第1走査駆動回路は、第2走査駆動回路の表示領域に近い側に形成され、かつ周辺領域に第1側に隣接する表示領域の第2側に位置するバインディング領域を形成し、製造方法は、前記周辺領域に有機絶縁層を形成することをさらに含み、有機絶縁層は、少なくとも局所的に第1走査駆動回路を覆い、かつ少なくとも局所的に第2走査駆動回路を覆い、かつほぼ第1方向に沿って延在する長尺状の第1凹溝を含むことにより第1走査駆動回路と第2走査駆動回路との間の部分を露出させ、第1凹溝は、第1側から第2側まで延在し、かつ第2側に第2方向に沿って延在し、第2方向は、第1方向と交差する。
【0086】
例えば、いくつかの実施例において、表示基板の製造方法は、ベース基板を提供することであって、第1走査駆動回路、第2走査駆動回路及び有機絶縁層がベース基板に形成されることと、ベース基板に、かつ周辺領域に第1電源配線を形成することであって、第1電源配線が第2側に第1方向に沿って延在する第1部分と、第2方向に沿って延在する第2部分とを含むことと、をさらに含み、ベース基板に垂直な方向において、第1凹溝は、第1電源配線の第1部分と少なくとも局所的に重なり、有機絶縁層は、第1電源配線の第1部分の第2方向に沿う縁部に位置する遮断壁をさらに含み、第1凹溝は、遮断壁において切れ離れ、遮断壁は、第1電源配線の第1部分の第2方向に沿う縁部を覆う。
【0087】
例えば、いくつかの実施例において、表示基板の製造方法は、ベース基板に、かつ周辺領域に第2電源配線を形成することをさらに含み、ベース基板に垂直な方向において、第1凹溝は、第2電源配線と重ならない。
【0088】
例えば、いくつかの実施例において、図6に示すとおり、表示領域は、画素アレイを含み、画素アレイは、アレイに配列された複数のサブ画素を含み、複数のサブ画素のそれぞれは、発光素子と画素駆動回路とを含み、画素駆動回路は、ベース基板に形成され、画素駆動回路のベース基板から離れる側に平坦化層が形成され、発光素子は、平坦化層のベース基板から離れる側に形成され、例えば、周辺領域の有機絶縁層は、平坦化層と同じ層に形成され、例えば同じ材料層を採用し、かつ同じパターニングプロセスにより形成され、それにより表示基板の製造プロセスを簡略化する。
【0089】
例えば、一次パターニングプロセスは、フォトレジストの形成、露光、現像及びエッチング等の工程を含む。本開示の実施例は、各構成層や機能層の形成態様を具体的に限定するものではない。
【0090】
例えば、いくつかの実施例において、画素駆動回路は、薄膜トランジスタを含み、薄膜トランジスタは、ゲート及びソースドレインなどの構造を含み、第1電源配線及び第2電源配線は、ソースドレインと同じ層に設置される。
【0091】
例えば、いくつかの実施例において、図6及び図7に示すように、第1走査駆動回路、第2走査駆動回路及び静電気放電回路は、画素駆動回路と同じ層に形成される。例えば、第1走査駆動回路、第2走査駆動回路は、それぞれ薄膜トランジスタを含み、第1走査駆動回路及び第2走査駆動回路の薄膜トランジスタは、画素駆動回路の薄膜トランジスタにおける対応層と同じ層に形成される。
【0092】
例えば、いくつかの実施例において、図2図6及び図9に示すように、周辺領域を形成することは、第2走査駆動回路の表示領域から離れる側に第1バリア壁を形成することをさらに含み、有機絶縁層は、第2走査駆動回路と第1バリア壁との間に第2凹溝を形成し、第2凹溝は、表示領域の周囲を取り囲む。
【0093】
例えば、周辺領域を形成することは、第1バリア壁の表示領域から離れる側に第2バリア壁を形成することをさらに含み、有機絶縁層は、第1バリア壁と第2バリア壁との間に第3凹溝を形成し、第3凹溝は、前記表示領域の周囲を取り囲む。
【0094】
例えば、有機絶縁層は、第2バリア壁の表示領域から離れる側に第4凹溝をさらに形成し、第4凹溝は、表示領域の周囲を取り囲む。
【0095】
例えば、表示領域を形成することは、平坦化層の画素駆動回路から離れる側に画素画定層を形成することと、画素画定層の平坦化層から離れる側にスペーサ層を形成することとをさらに含み、第1バリア壁は、有機絶縁層、画素画定層及びスペーサ層のうちの少なくとも一部と同じ層に形成される。例えば、第2バリア壁は、有機絶縁層、画素画定層及びスペーサ層のうちの少なくとも一部と同じ層に形成され、かつ表示基板に垂直な方向において、第2バリア壁の高さは、第1バリア壁の高さより高い。第1バリア壁及び第2バリア壁の具体的な態様は、上記実施例を参照することができ、ここでは、説明を省略する。
【0096】
本開示の実施例に係る表示基板、又は開示の実施例に係る製造方法を利用して得られた表示基板において、表示基板の周辺領域が有する有機絶縁層は、基本的に表示領域の周囲を取り囲む第1凹溝を含み、該第1凹溝は、水や酸素等の不純物が表示領域に入る通路を効果的に遮断することができ、さらに表示領域に対して保護作用を果たす。また、該第1凹溝の少なくとも一部は、周辺領域の第1走査駆動回路と第2走査駆動回路との間に位置するため、表示領域により近い位置で表示領域を保護することができる。かつ、第1凹溝は、有機絶縁層の下方に位置する第1電源配線及び第2配線の縁部を露出させないため、有機絶縁層は、さらに第1電源配線及び第2電源配線を効果的に保護することができる。また、周辺領域にさらに第2凹溝と、第3凹溝と、第4凹溝と、第1バリア壁と、第2バリア壁等の構造が形成され、これらの構造は、第1凹溝と共に水や酸素等の不純物が表示領域に入ることを効果的に回避することを実現することができ、それにより表示領域を保護し、表示基板の信頼性を向上させる。
【0097】
下記の点をさらに説明する必要がある。
【0098】
(1)本開示の実施例の図面は、本開示の実施例の関する構造のみに関し、他の構造について通常の設計を参照することができる。
【0099】
(2)明確にするために、本開示の実施例を説明するための図面において、層、又は領域の厚さは、拡大又は縮小され、すなわちこれらの図面は、実際の比率に応じて描画されるものではない。理解されるように、層、膜、領域又は基板のような素子は、別の素子「上」又は、「下」に位置すると呼ばれる場合、該素子は、別の素子「上」又は「下」に「直接的に」位置するか又は中間素子が存在してもよい。
【0100】
(3)衝突がない場合、本開示の実施例および実施例における特徴を互いに組合せて新しい実施例を得ることができる。
【0101】
以上は、本開示の具体的な実施形態に過ぎず、本開示の保護範囲は、これに限定されず、特許請求の範囲の保護範囲を基準とすべきである。
【符号の説明】
【0102】
101 有機絶縁層
1011 第1凹溝
AA 表示領域
B バインディング領域
G1 第1走査駆動回路
G2 第2走査駆動回路
NA 周辺領域
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
【国際調査報告】