(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-07
(54)【発明の名称】作業器具向けのコーナーセグメント及びコーナーシュラウド
(51)【国際特許分類】
E02F 3/40 20060101AFI20230531BHJP
E02F 9/28 20060101ALI20230531BHJP
【FI】
E02F3/40 B
E02F9/28 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022563453
(86)(22)【出願日】2021-04-07
(85)【翻訳文提出日】2022-11-02
(86)【国際出願番号】 US2021026110
(87)【国際公開番号】W WO2021221864
(87)【国際公開日】2021-11-04
(32)【優先日】2020-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391020193
【氏名又は名称】キャタピラー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビェルケ、ネイサン アール.
(72)【発明者】
【氏名】コンドン、トーマス エム.
【テーマコード(参考)】
2D012
【Fターム(参考)】
2D012GB01
(57)【要約】
コーナーシュラウドは、床部裏面(202)と、床部内面(200)と、床部下面(204)と、湾曲部分(214)を有する床部上面(206)と、を有する床部分(164)と、床部分(164)から延び、側部外面(192)、側部裏面(198)、側部内面(196)、及び側部上面(194)を有する側部分(162)と、床部分(164)と側部分(162)との間に延びる前部分(158)であって、前面(166)、前部内面(170)、及び前部裏面(172)を有する、前部分(158)と、前部分(158)から延びる頂部分(160)であって、頂部上面(176)、頂部内面、頂部下面(184)、頂部裏面(178)、及び頂部外面(182)を有する、頂部分(160)と、を有する本体(156)を含む。床部上面(206)、側部内面(196)、前部裏面(202)、頂部下面(184)、及び頂部内面(180)は、凹部(216)を画定する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床部裏面(202)と、床部内面(200)と、床部下面(204)と、湾曲部分(214)を有する床部上面(206)と、を有する床部分(164)と、
前記床部分(164)から延び、側部外面(192)、側部裏面(198)、側部内面(196)、及び側部上面(194)を有する側部分(162)と、
前記床部分(164)と前記側部分(162)との間に延びる前部分(158)であって、前面(166)、前部内面(170)、及び前部裏面(172)を有する、前部分(158)と、
前記前部分(158)から延びる頂部分(160)であって、頂部上面(176)、頂部内面(180)、頂部下面(184)、頂部裏面(178)、及び頂部外面(182)を有する、頂部分(160)と、を含む本体(156)を備えるコーナーシュラウドであって、
前記床部上面(206)、前記側部内面(196)、前記前部裏面(202)、前記頂部下面(184)、及び前記頂部内面(180)は、凹部(216)を画定する、コーナーシュラウド。
【請求項2】
前記床部上面(206)の湾曲部分(214)は、前記床部分(164)の水平方向の幅及び前記床部分(164)の垂直方向の高さによって画定される平面における曲線によって画定される、請求項1に記載のコーナーシュラウド。
【請求項3】
前記床部分(164)の水平方向の幅(W206)に関して、前記湾曲部分(214)の曲率半径(R214)は、400mm~800mmの範囲にある、請求項2に記載のコーナーシュラウド。
【請求項4】
前記床部分(164)の水平方向の幅(W206)に関して、前記湾曲部分(214)は、前記床部分(164)の外側半分を含む、請求項2に記載のコーナーシュラウド。
【請求項5】
前記床部分(164)の深さに関して、前記湾曲部分(214)は、前記床部分(164)の外側2/3を含む、請求項2に記載のコーナーシュラウド。
【請求項6】
前記湾曲部分(214)の曲率半径は、前記床部内面(200)に最近接する前記湾曲部分(214)の内端から、前記側部内面(196)に最近接する前記湾曲部分(214)の外端に向かって変化する、請求項2に記載のコーナーシュラウド。
【請求項7】
少なくとも1つの接触パッド(218、220)は、前記湾曲部分(214)に設けられ、前記湾曲部分(214)上の前記少なくとも1つの接触パッド(218、220)は、湾曲した上面を有する、請求項6に記載のコーナーシュラウド。
【請求項8】
床部裏面(138)、床部内面(132)、床部上面(130)、床部前面(134)、及び床部下面(136)を有する床部分(110)と、
前記床部分(110)の外端から延び、側部前面(116)と、側部外面(118)と、側部裏面(122)と、側部上面(120)と、前記床部上面(120)に隣接する側部内面(114)と、を有する、側部分(108)と、を含む本体(106)を備えるバケットコーナーであって、
前記床部分(110)の幅(W136)に関して、前記床部分(110)は、前記側部分(108)に隣接する湾曲部分(154)を含む、バケットコーナー。
【請求項9】
前記床部分(110)の湾曲部分(154)は、前記床部分(110)の水平方向の幅及び前記床部分(110)の垂直方向の高さによって画定される平面における曲線によって画定される、請求項8に記載のバケットコーナー。
【請求項10】
前記床部分(100)の水平方向の幅に関して、前記湾曲部分の曲率半径(R154)は、400mm~800mmの範囲にある、請求項9に記載のバケットコーナー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して地面係合工具に取付可能なコーナーセグメントに関する。本開示はまた、コーナーセグメントに取付け可能なコーナーシュラウドに関する。
【背景技術】
【0002】
バケットなどの作業器具は機械に取り付けられ、砂、砂利、石、土、又は破片などの物質を掘り下げ、移動させるために使用される。バケットは、バケットのエッジに取り付けられる地面係合工具(GET)を有し得る。GETは、物質とかみ合ってバケットのエッジを摩耗から保護し、それゆえバケットの寿命を延ばす。時間とともに加速される摩耗は、コーナー部分などGETの一部分にのみ生じ得る。その結果、GETの寿命は、摩耗の加速されている部分の寿命にまで低下する。GETの交換は、新しいGETの費用、交換中のダウンタイム、並びに交換プロセスに紐付けられた作業及び費用のゆえに、費用がかさむ。
【0003】
GETは、バケットに個別に設置可能な、シュラウドとも呼ばれる、複数の交換可能な摩耗部材を含み得る。シュラウドの交換はGET全体の交換より容易であり、シュラウドの交換により、GET全体の寿命及びバケットの寿命は延ばされ得る。しかし、米国特許第4,047,312号に記述されているコーナーツースアセンブリなど周知のシュラウドは、水平及び垂直の平らな表面を有する構成であり、これは、バケットの水平及び垂直の平らな表面に取り付けられる。つまり、’312特許に記載のように、コーナーツースアセンブリは、バケットのコーナーに取り外し可能に固定され得るコーナーセグメントの例として、バケットの水平床部にボルト止めされ、それによって水平床部と垂直側壁部材との間のギャップを埋める。しかし’312特許のコーナーツースアセンブリは、過度の摩耗にさらされ得る。特に、コーナーツースアセンブリの水平方向及び横方向に延びる底板として、コーナーツースアセンブリが適時に交換されない場合、バケットの水平床部も同様に摩耗しやすい。さらに、コーナーツースアセンブリ自体は、不均一な摩耗にさらされ得、底板の最外部分に生ずる加速的摩耗を伴う。それゆえコーナーツースアセンブリは、比較的高い頻度で交換を必要とし得、これは、機械のダウンタイムを増加させる。
【0004】
本開示のコーナーセグメント及びコーナーシュラウドは、上述の問題のうち1つ以上及び/又は本分野における他の問題を解決し得る。しかしながら、本開示の範囲は、添付の請求項によって定義され、特定の具体的な問題を解決する能力によって定義されるものではない。
【発明の概要】
【0005】
本開示の一態様において、コーナーシュラウドは、床部裏面、床部内面と、床部下面と、湾曲部分を有する床部上面と、を有する床部分を有し得る本体を有し得る。本体はまた、床部分から延び、側部外面、側部裏面、側部内面、及び側部上面を有する側部分を有し得る。さらに、本体は、床部分と側部分との間に延びる前部分を有し得、前部分は、前面、前部内面、及び前部裏面を有する。さらに、本体は、前部分から延びる頂部分を有し得、頂部分は、頂部上面、頂部内面、頂部下面、頂部裏面、及び頂部外面を有する。床部上面、側部内面、前部裏面、頂部下面、及び頂部内面は、凹部を画定する。
【0006】
本開示の別の態様において、コーナーシュラウドは、床部下面、床部裏面、床部内面、及び床部上面を有する床部分を有し得る本体を含み、床部上面は、湾曲部分を有する。床部分の厚さは、その内端から外端に向かって湾曲部分に沿って増加する。本体はまた、床部分から延び、側部外面と、側部裏面と、床部上面の湾曲部分に隣接する側部内面と、側部上面と、を有する側部分を有し得る。さらに、本体は、床部分と側部分との間に延びる前部分を有し得、前部分は、前面と、前部裏面と、床部上面の湾曲部分に隣接する前部内面と、を有する。さらに、床部分は、前部分から延びる頂部分を有し得、頂部分は、頂部上面、頂部内面、頂部下面、頂部裏面、及び頂部外面を有する。床部上面、側部内面、前部裏面、頂部下面、及び頂部内面は、凹部を画定する。
【0007】
本開示のさらに別の態様において、バケットコーナーは、床部裏面、床部内面、床部上面、床部前面、及び床部下面を有する床部分を含み得る本体を含む。本体はまた、床部分の外端から延び、側部前面と、側部外面と、側部裏面と、側部上面と、床部上面に隣接する側部内面と、を有する側部分を含み得る。床部分の幅に関して、床部分は、側部分に隣接する湾曲部分を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示に従ってGETの部分としてのコーナーセグメントを有する、作業器具の例としてのバケットの概要図を示す。
【
図2】
図1に示されたコーナーセグメントのうちの1つの等角概略図を示す。
【
図3】
図2に示されたコーナーセグメントの別の等角概略図を示す。
【
図4】
図2及び
図3に示されたコーナーセグメントの正面概略図を示す。
【
図5】
図2~
図4に示されたコーナーセグメント用コーナーシュラウドの等角概略図を示す。
【
図6】
図5に示されたコーナーシュラウドの別の等角概略図を示す。
【
図7】
図5及び
図6に示されたコーナーシュラウドの背面概略図を示す。
【
図8】コーナーセグメントに設置されたコーナーシュラウドの等角概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
上述の一般的な説明及び後述の詳細な説明の両方は、単に例示的且つ説明的なものであり、特許請求されている特徴を限定するものではない。本明細書で使用されているように、用語「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、又はその他の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図し、それによって要素のリストを含む工程、方法、物品、又は装置は、単にそれらの要素のみを含むのではなく、そのような工程、方法、物品、又は装置に明示的に列挙されていないか、又は内在していない他の要素を含んでもよい。加えて、本開示において、例えば、「約」、「概して」、「実質的に」、及び「およそ」などの相対的な用語は、述べられた値の±10%の可能な変動を示すために使用される。さらに、本開示において、様々な部分及び/又は表面に関して与えられた幅、深さ、及び高さへの言及は一貫している。つまり幅は、すべてx軸に沿って画定され、深さは、すべてz軸に沿って画定され、高さは、すべてy軸に沿って画定される。
【0010】
図1は、バケット100に取り付けられる地面係合工具(GET)の部分として、2つのコーナーセグメント102及び2つのコーナーシュラウド104を有する、作業器具の例としてのホイールローダ機械のバケット100の概要図を示す。コーナーセグメント102は、バケット100のコーナーに装着され、コーナーシュラウド104は、コーナーセグメント102に取り付けられる。コーナーシュラウド104の一部の表面は、物質、例えば砂、砂利、石、土、破片、又はそれらの組み合わせなどにさらされ、それらとかみ合う一方、コーナーシュラウド104の他の表面は、コーナーセグメント102の表面に接触し、且つ/又は接合する。コーナーセグメント102及びコーナーシュラウド104の両方は、例えば鋼で形成され得る。ただし、コーナーセグメント102及びコーナーシュラウド104を形成する物質は、鋼に限定されず、他の物質が使用され得る。
【0011】
図2は、コーナーセグメント102の等角概略図を示し、
図3は、コーナーセグメント102の別の等角概略図を示し、
図4は、コーナーセグメント102の正面概略図を示す。
図2に示されるように、コーナーセグメント102は、バケット100に固定され得る側部分108を含む本体106と、側部分108と一体的に形成される床部分110と、を有する、。側部分108は、コーナーセグメント102を移動させるため、吊上げ部材を受容されるように構成された1つ以上の貫通穴112を有し得る。
図2~
図4に関して、側部分108は、側部内面114、側部前面116、側部外面118、側部上面120、及び側部裏面122を有する。
図2に示されるように、側部内面114は、平らであり得、y軸方向の高さ及びz軸方向の深さによって画定され得る。側部前面116は、概して側部内面114に対して垂直に延び、下平面124、インデント126、及び傾斜面128を含み得る。側部前面116は、y軸方向の高さ及びx軸方向の幅によって画定され得る。側部上面120は、概して平らであり、側部内面114に対して垂直に、且つ側部前面116の傾斜面128に対して斜めに延びる。側部上面120は、x軸方向の幅及びz軸方向の深さによって画定され得る。側部裏面122は、側部上面120及び側部内面114に対して垂直に延び、x軸方向の幅及びy軸方向の高さによって画定され得る。
図3に関して、側部外面118は、概して平らであり、側部前面116及び側部上面120に対して垂直に延びる。側部外面118は、z軸方向の深さ、y軸方向の、前面に隣接する前端の高さ、及び側部裏面122に隣接する後端の高さによって画定され得る。
【0012】
図2~
図4に関して、コーナーセグメント102の床部分110は、床部上面130、床部内面132、床部前面134、床部下面136、及び床部裏面138を有する。
図2に示されるように、床部上面130は、概して平らであり、x軸方向の幅及びz軸方向の深さによって画定され得る。床部内面132は、概して床部上面130に対して垂直である。
図4に優れて示されるように、及び面取り部上エッジ140、面取り部下エッジ142、及びその間にピーク144を含み得る。面取り部上エッジ140は、床部上面130に隣接し、面取り部下エッジ142は、床部下面136に隣接する。床部内面132は、y軸方向の高さ及びz軸方向の深さによって画定され得る。床部前面134は、面取り部上エッジ146、面取り部下エッジ148、及びその間にピーク150を有し得る。面取り部上エッジ146は、床部上面130に隣接し、面取り部下エッジ148は、床部下面136に隣接する。床部前面134は、概して床部内面132に対して垂直であり、y軸方向の高さ及びx軸方向の幅によって画定され得る。
図3に関して、床部下面136は、床部平面部分152及び湾曲部分154を含む。床部下面136の床部平面部分152は、床部内面132及び床部前面134に対して垂直に、且つ隣接して延び、
図3に示されるように湾曲部分154の周囲でL形状を形成する。床部下面136は、x軸方向の幅及びz軸方向の深さによって画定され得る。床部裏面138は、概して平らであり、床部内面132、床部上面130、及び床部下面136に対して垂直に延びる。床部裏面138は、y軸方向の高さ及びx軸方向の幅によって画定され得る。
【0013】
図3及び
図4に示されるように床部下面136は、床部分110の、つまりx軸方向の幅W
136、及び床部分110の、つまりz軸方向の深さD
136によって画定される。湾曲部分154は、床部分110の床部下面136の幅W
136部分に沿ってx軸方向の幅W
154と、床部分110の床部下面136の深さD
136部分に沿ってz軸方向の深さD
154と、を有する。
図2~
図4に示される実施形態において、湾曲部分154の幅W
154は、床部分110の床部下面136の幅W
136のほぼ2/3を含み得る。ただし、湾曲部分154の幅W
154は、床部分110の床部下面136の幅W
136の2/3に限定されず、床部分110の床部下面136のほぼ幅W
136を含み得る。例として、床部分110の床部下面136の幅W
136は、ほぼ225mmであり得、湾曲部分154の幅W
154は、ほぼ150mmであり得る。ただし、床部分110の床部下面136の幅W
136及び湾曲部分154の幅W
154は、このような値に限定されない。
図3に関して、湾曲部分154の深さD
154は、床部分110の床部下面136の深さD
136のほぼ2/3を含み得る。湾曲部分154は、x軸及びy軸によって画定される少なくとも平面における曲線によって画定される。
図4に示されるように、湾曲部分154の曲線の曲率半径R
154は、例えば400mm~800mmの範囲にあり得る。ただし、曲率半径R
154は、400mm~800mmの範囲の値に限定されず、400mm未満、又は800mmより大きい値であり得る。曲率半径R
154の値はまた、例えば床部分110の床部下面136の幅W
136、又は床部分110の床部下面136の深さD
136など、コーナーセグメント102の1つ以上の寸法に基づいて決定され得る。
【0014】
図5~
図7を参照すると、コーナーシュラウド104は、前部分158、頂部分160、側部分162、及び床部分164を含む本体156を有する。
図5及び
図6に関して、前部分158は、前面166、前部上面168、前部内面170、及び前部裏面172を有する。前面166は、概して垂直であり、y軸方向の高さ及びx軸方向の幅によって画定され得る。前部上面168は、前面166の平面に対して角度をなし、z軸方向の深さ、x軸方向の幅、及びy軸方向の高さによって画定され得る。前部内面170は、概して前面166に対して垂直に延び、y軸方向の高さ及びz軸方向の深さによって画定され得る。前部裏面172は、概して前部内面170に対して垂直に延び、y軸方向の高さ及びx軸方向の幅によって画定され得る。
【0015】
図5~
図7に関して、頂部分160は、前部分158から延び、頂部前面174、頂部上面176、頂部裏面178、頂部内面180、頂部外面182、及び頂部下面184を有する。頂部前面174は、概して平らであり、頂部前面174から頂部裏面178に向かって延びる前部貫通穴186が付属する。頂部前面174は、頂部上面176の平面に対して斜めに延びる前部貫通穴186の両側面に2つの平面部分を有し得る。頂部前面174は、例えば、y軸方向の高さ及びx軸方向の幅によって画定され得る。頂部上面176は、概して平らであり、頂部前面174に対して斜めに延びる。頂部上面176は、頂部上面176から頂部下面184まで延びる頂部貫通穴188を有し得る。頂部上面176は、例えば、z軸方向の深さ及びx軸方向の幅によって画定され得る。頂部裏面178は、概して平らであり、頂部上面176に対して垂直に延び、y軸方向の高さ及びx軸方向の幅によって画定され得る。頂部内面180は、概して平らであり、頂部上面176及び頂部裏面178に対して垂直に延び、例えば、z軸方向の深さ及びy軸方向の高さによって画定され得る。頂部外面182は、概して平らであり、頂部上面176及び頂部裏面178に対して垂直に延び、z軸方向の深さ及びy軸方向の高さによって画定され得る。頂部下面184は、
図6及び
図7に示されるように、ノッチ190を形成する複数の表面を有する。
図6及び
図7に示される実施形態において、ノッチ190はまた、頂部裏面178上に形成される。
【0016】
図6及び
図7に示されるように、側部分162は、前部分158及び床部分164から延び、側部外面192、側部上面194、側部内面196、及び側部裏面198を有する。側部外面192は、平らであり、y軸方向の高さ及びz軸方向の深さによって画定され得る。側部上面194は、平らであり、側部外面192から垂直に延び、x軸方向の幅及びz軸方向の深さによって画定され得る。側部内面196は、概して平らであり、側部上面194から垂直に延び、y軸方向の高さ及びz軸方向の深さによって画定され得る。側部裏面198は、概して平らであり、側部外面192、側部上面194、及び側部内面196に対して垂直に延び、y軸方向の高さ及びx軸方向の幅によって画定され得る。
【0017】
図6及び
図7に関して、床部分164は、前部分158及び側部分162から延び、床部内面200、床部裏面202、床部下面204、及び床部上面206を有する。床部内面200は、概して平らであり、前部内面170に対して平行である。床部内面200は、z軸方向の深さ及びy軸方向の高さによって画定され得る。床部裏面202は、概して平らであり、床部内面200に対して垂直に延び、y軸方向の高さ及びx軸方向の幅によって画定され得る。床部下面204は、前部分158に隣接する平面平坦部分208と、床部裏面202に隣接する平面傾斜部分210と、を含み得る。平面平坦部分208及び平面傾斜部分210は、例えば、ほぼ150°の内角を形成し得る。床部上面206は、床部内面200から側部内面196まで延び、前部裏面172から床部裏面202まで延びる。床部上面206は、床部内面200に隣接する床部平面部分212を含み得る。床部上面206、側部内面196、前部裏面172、頂部下面184、及び頂部外面182は、凹部216を画定する。
【0018】
床部分164はまた、
図6及び
図7に示されるように、床部分164の床部上面206の、つまりx軸方向の幅W
206に沿って、且つ床部分164の床部上面206の、つまりz軸方向の深さD
206に沿って位置する湾曲部分214を有し得る。湾曲部分214は、床部上面206の幅W
206の部分に沿ってx軸方向の幅W
214と、床部上面の深さD
206の部分に沿ってz軸方向の深さD
214と、を有する。
図5~
図7に示される実施形態において、湾曲部分214の幅W
214は、床部上面206の幅W
206のほぼ1/3を含み得る。ただし、湾曲部分214の幅W
214は、床部上面206の幅W
206の1/3に限定されず、床部上面206のほぼ幅W
206を包含し得る。加えて、湾曲部分214の幅W
214は、床部上面206の幅W
206の外側1/3に沿って、床部上面206と側部内面196との間の遷移部又は湾曲コーナーに隣接して画定され得る。例として、床部上面206の幅W
206は、ほぼ300mmであり得、湾曲部分214の幅W
214は、ほぼ100mmであり得る。ただし、床部分206の幅W
206及び湾曲部分214の幅W
214は、このような値に限定されない。
図6に関して、湾曲部分214の深さD
214は、床部上面206の深さD
206にほぼ等しくてもよく、ほぼ80mmであってもよい。ただし、床部上面206の深さD
206及び湾曲部分214の深さD
214は、このような値に限定されない。
【0019】
湾曲部分214はまた、x軸及びy軸によって画定される少なくとも平面における曲線によって画定される。
図7に示されるように湾曲部分214の曲線の曲率半径R
214は、コーナーセグメント102の湾曲部分154の曲線の曲率半径R
154とほぼ同じであり得る。つまり、湾曲部分214の曲線の曲率半径R
214は、例えば400mm~800mmの範囲にあり得る。ただし、曲率半径R
214は、400mm~800mmの範囲の値に限定されず、400mm未満、又は800mmより大きい値であり得る。曲率半径R
214の値はまた、例えば床部分164の床部上面206の幅W
206、又は床部分164の床部上面206の深さD
206など、コーナーシュラウド104の床部上面206の1つ以上の寸法に基づいて決定され得る。加えて、湾曲部分214により、床部分164の厚さは変化する。より具体的には、
図7に示されるように床部分164は、床部内面200に隣接する端部で、内端のy軸方向の厚さT
164_1を有し、側部内面196の方向に向かって増加して、側部内面196に隣接する端部で、外端のy軸方向の厚さT
164_2になる。床部分164の厚さは、内端の厚さT
164_1から次第に外端の厚さT
164_2に増加する。つまり、コーナーシュラウド104の床部分164を形成する物質の量は、床部分164の内端から床部分164の外端に向かって増加する。内端の厚さT
164_1の外端の厚さT
164_2に対する比率は、例えば110%~190%の範囲にあり得る。ただし、厚さの比率はこの範囲に限定されず、190%より大きい又は110%未満であり得る。曲率半径R
214はまた、床部上面206と側部内面196との間の湾曲コーナーの曲率半径より大きくてもよい。
【0020】
図6及び
図7に示されるように、前部分158は、前部裏面172に設けられた1つ以上の接触パッド218を有し得、床部分164は、床部上面206に設けられた1つ以上の接触パッド220を有し得る。接触パッド218及び220は、凹部216内に突出する、それぞれの表面の隆起部分として形成され得、例えば
図7に示すように互いに離間し得る。特に、1つの接触パッド218は、前部裏面172上に設けられ得、頂部外面182と側部内面196との間の凹部216内に突出する。第2接触パッド218はまた、前部裏面172上に設けられ得、頂部下面184と床部上面206との間の凹部216内に突出する。床部上面206に設けられた接触パッド220のうち1つは、湾曲部分214に設けられ得る。この場合、湾曲部分214上の接触パッド220の上面は、
図7に示されるように湾曲部分214の曲率半径R
214に等しい曲率半径によって画定される。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本開示のコーナーセグメント102及びコーナーシュラウド104は、バケット100などの作業器具向けに簡単に交換可能な構成要素と、不均一な摩耗を減少させ、それによってGET及びバケット100の寿命全体を伸ばす、バケット100に取付け可能なGET用の付随する摩耗構成要素と、を提供する。加えて、本開示のコーナーセグメント102及びコーナーシュラウド104は、従来のコーナーセグメント及びコーナーシュラウドと比較して頻繁な交換を必要とし得ない。
【0022】
コーナーセグメント102をバケット100に取り付けるため、コーナーセグメント102は、コーナーセグメント102の側部分108内の貫通穴112の一方又は両方にリフト部材を挿入することで移動し得る。コーナーセグメント102は、溶接によってバケット100に固定され得る。例えば、コーナーセグメント102の側部内面114、側部裏面122、及び床部裏面138は、バケット100に溶接され得る。コーナーシュラウド104をコーナーセグメント102に取り付けるため、コーナーシュラウド104は、頂部貫通穴188及びノッチ190にリフト部材を挿入し、コーナーシュラウド104をコーナーセグメント102上に配置/スライドさせることで移動し得る。特に、
図8に示されるように、コーナーシュラウド104がコーナーセグメント102に配置される場合、コーナーセグメント102の床部分110は、コーナーシュラウド104の前部分158と、頂部分160と、側部分162と、床部分164との間の凹部216内に位置決めされる。
【0023】
より具体的には、コーナーシュラウド104がコーナーセグメント102に配置される場合、コーナーセグメント102の側部分108の側部内面114は、コーナーシュラウド104の頂部分160の頂部外面182に面し、コーナーセグメント102の側部分108の側部外面118は、コーナーシュラウド104の側部分162の側部内面196に面し、コーナーセグメント102の側部分108の側部前面116は、コーナーシュラウド104の前部分158の前部裏面172に面する。加えて、コーナーセグメント102の床部分110の床部上面130は、コーナーシュラウド104の頂部分160の頂部下面184に面し、コーナーセグメント102の床部分110の床部前面134は、コーナーシュラウド104の前部分158の前部裏面172に面し、コーナーセグメント102の床部分110の床部下面136は、床部分164の床部上面206に面する。さらに、コーナーセグメント102の湾曲部分154は、コーナーシュラウド104の湾曲部分214に沿って位置決めされる。
【0024】
コーナーセグメント102は、例えば溶接によってバケット100に固定され得る。加えて、コーナーシュラウド104は、例えば複数のボルト及びナットなどの機械的手段によってコーナーセグメント102に固定され得る。あるいは、コーナーシュラウド104は、例えば溶接によってコーナーセグメント102に固定され得る。特に、コーナーシュラウド104の前部裏面172、床部上面206、及び側部内面196のうち1つ以上は、例えばコーナーセグメント102の床部上面130、床部下面136、及び側部外面118にそれぞれ溶接され得る。より具体的には、コーナーセグメント102の床部下面136の床部平面部分154は、コーナーシュラウド104の床部上面206の床部平面部分212に溶接されて、コーナーセグメント102とコーナーシュラウド104との間に確実な溶接継手を確保し得る。つまり、コーナーセグメントの床部下面136の床部平面部分154、及びコーナーシュラウド104の床部上面206の床部平面部分212は、正方形の溶接継手を形成するための平坦な表面を与える。
【0025】
代替実施形態において、コーナーセグメント102の湾曲部分154及びコーナーシュラウド104の湾曲部分214は、多数の平面における曲線によって画定され得る。特に、x軸及びy軸によって画定される平面における曲線による画定に加えて、湾曲部分154、214は、z軸及びy軸によって画定される平面における曲線によっても画定され得る。
【0026】
別の代替実施形態において、コーナーセグメント102の表面との係合のため、1つ以上の溝は、コーナーシュラウド104の床部分164の1つ以上の表面上に設けられ得る。特に、溝は、コーナーシュラウド206の前部裏面172、頂部外面182、頂部下面184、側部内面196、及び床部上面206のうち1つ以上の表面上に設けられ得、コーナーセグメント102の対応する表面、つまりコーナーセグメント102の床部前面134、側部内面114、床部上面130、側部外面118、及び床部下面136はそれぞれ、溝に係合し得る。
【0027】
さらに別の代替実施形態において、コーナーセグメント102の湾曲部分154の曲率半径R154、及びコーナーシュラウドの湾曲部分214の曲率半径R214はそれぞれ、湾曲部分154の幅W154に沿って、且つ湾曲部分214の幅W214に沿って変化し得る。本実施形態において、コーナーセグメント102の湾曲部分154、及びコーナーシュラウド104の湾曲部分214は、その内端の近傍で比較的大きな曲率半径を有し得、その外端の近傍で比較的小さな曲率半径を有し得る。
【0028】
厚さ、つまり側部内面196に隣接する端部での床部分164の外端の厚さT164_2が増加することにより、特にコーナーシュラウド104の床部分164で物質が追加されることにより、コーナーシュラウド104の摩耗寿命は長くなる。つまり、本開示のコーナーセグメント102の形状は、従来のシュラウドと比較して加速される摩耗にさらされるエリアにおいて物質を増加させたシュラウドの使用を提供する。そして、結果として、コーナーセグメントの摩耗寿命及びコーナーシュラウド104の摩耗寿命は長くなり得る。さらに、コーナーセグメント102及びコーナーシュラウド104の一方又は両方を交換するための機械のダウンタイムは減少し得る。
【0029】
さらに、コーナーシュラウド104の湾曲部分214内に入れ子になっているコーナーセグメント102の湾曲部分154により、コーナーセグメント102の床部分110がコーナーシュラウド104の凹部216内に位置決めされる場合、コーナーセグメント102とコーナーシュラウド104との間で締りばめが形成される。加えて、コーナーセグメント102及びコーナーシュラウド104を確実に取付けるために提供される、コーナーセグメント102の床部平面部分152と、コーナーシュラウド104の床部平面部分212と、により、組み立てられたコーナーセグメント102及びコーナーシュラウド104は、その間に隙間を作ることなく固定される。これにより、使用中、コーナーセグメント102は、コーナーシュラウド104に対して移動することなく、このため、コーナーセグメント102とコーナーシュラウド104との間の溶接継手は、負荷がかかったり破損したりしないことが確保される。
【0030】
本開示の範囲から逸脱することなく、開示されたコーナーセグメント及びコーナーシュラウドに様々な修正及び変形を加え得ることは、当業者に明らかであろう。コーナーセグメント及びコーナーシュラウドの他の実施形態は、本明細書及び添付された図面の考慮から、当業者には明らかになるであろう。本明細書、特に本明細書に提供された例は、単に例示的なものと見なされるべきであり、本開示の真の範囲は、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物によって示されることが意図されている。
【国際調査報告】