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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-07
(54)【発明の名称】飛行経路の決定
(51)【国際特許分類】
   G08G 5/04 20060101AFI20230531BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20230531BHJP
【FI】
G08G5/04 A
G09B29/10 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022564776
(86)(22)【出願日】2021-04-22
(85)【翻訳文提出日】2022-10-25
(86)【国際出願番号】 CN2021088917
(87)【国際公開番号】W WO2021218762
(87)【国際公開日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】202010340054.8
(32)【優先日】2020-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010340087.2
(32)【優先日】2020-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519142480
【氏名又は名称】北京三快在線科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING SANKUAI ONLINE TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 2106-030 No.9 West North 4th Ring Road,Haidian District Beijing 100080 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】張 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】安 培
【テーマコード(参考)】
2C032
5H181
【Fターム(参考)】
2C032HC09
5H181AA26
5H181BB04
5H181BB20
5H181FF22
5H181LL04
5H181MB02
(57)【要約】
本発明は、飛行経路の決定方法、装置、記憶媒体及び電子機器に関する。一例によれば、この方法は、飛行体の飛行起終点及びターゲット空間における複数のタイルに対応するトポロジ図に基づいて、複数のタイルから飛行体が飛行起点から飛行終点まで通過するタイル経路を決定することであって、この飛行起終点は、ターゲット空間内にあり、このターゲット空間内には、位置情報を具備する複数の空間点が存在し、各タイルは、複数の空間点をグループ化した後に取得した空間点グループを含むことと、各空間点の位置情報と前記タイル経路に基づいてタイル経路における各タイルの出入口情報を決定することと、各空間点の位置情報、飛行起終点の位置情報、複数の空間点の相互間の接続関係、タイル経路及びタイル経路における各タイルの出入口情報に基づいて、飛行体の飛行経路を決定することとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛行経路の決定方法であって、
ターゲット飛行体の飛行起点の位置情報及び飛行終点の位置情報と、ターゲット空間における複数のタイルに対応するトポロジ図とに基づいて、前記複数のタイルからタイル経路を決定することであって、
前記タイル経路は、前記ターゲット飛行体が前記飛行起点から前記飛行終点まで通過する複数の第1のタイルを表すために用いられ、
前記飛行起点と前記飛行終点は、いずれも前記ターゲット空間内にあり、
前記ターゲット空間内には、第1の接続情報を具備する複数の空間点が存在し、前記第1の接続情報は、前記ターゲット空間内の2つずつの前記空間点間に接続関係が存在するか否かを表すために用いられ、
前記タイルは、前記複数の空間点をグループ化した後に決定される空間点グループを含むことと、
各前記空間点の位置情報、前記第1の接続情報及び前記タイル経路に基づいて、各前記第1のタイルに対応する出入口情報を決定することであって、前記出入口情報は、
前記ターゲット飛行体が前記第1のタイルに入る入口空間点、及び/又は
前記ターゲット飛行体が前記第1のタイルから離れる出口空間点を含むことと、
前記タイル経路、及び各前記第1のタイルに対応する出入口情報に基づいて、前記ターゲット飛行体の前記飛行起点から前記飛行終点までの飛行経路を決定することと、を含む、ことを特徴とする飛行経路の決定方法。
【請求項2】
前記第1の接続情報と、各前記空間点の適用度情報及び位置情報とに基づいて、前記複数の空間点をグループ化して、前記複数のタイルを決定することであって、前記空間点の適用度情報は、予め設定された時間帯内に飛行体が前記空間点を通過する頻度を表すために用いられることと、
前記第1の接続情報に基づいて前記複数のタイルに対応する第2の接続情報を決定して、前記トポロジ図を生成することであって、前記第2の接続情報は、前記複数のタイルのうちの2つずつの前記タイル間に接続関係が存在するか否かを表すために用いられることと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の接続情報と、各前記空間点の適用度情報及び位置情報とに基づいて、前記複数の空間点をグループ化して、前記複数のタイルを決定することは、
前記ターゲット空間に対してグリッド処理を行って、前記ターゲット空間を複数の幾何学的パーティションに区分することと、
各前記空間点の適用度情報に基づいて、各前記空間点がある適用度パーティションを決定することと、
同一の前記幾何学的パーティションにあり、同一の前記適用度パーティションにあるとともに、相互に接続関係が存在する空間点を、同一の空間点グループに区分して、前記タイルとすることとを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記適用度パーティションは、稠密なパーティションとスパースなパーティションとを含み、各前記空間点の適用度情報に基づいて、各前記空間点がある適用度パーティションを決定することは、
前記予め設定された時間帯内に飛行体が前記空間点を通過する頻度が予め設定された頻度よりも大きい場合、前記空間点が前記稠密なパーティションにあると決定すること、又は、
前記予め設定された時間帯内に飛行体が前記空間点を通過する頻度が前記予め設定された頻度以下である場合、前記空間点が前記スパースなパーティションにあると決定することを含む、ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の接続情報に基づいて前記複数のタイルに対応する第2の接続情報を決定して、前記トポロジ図を生成することは、
第2のタイル内の第2の空間点と第3のタイル内の第3の空間点との間に接続関係が存在する場合、前記第2のタイルと前記第3のタイルに接続関係が存在すると決定して、前記第2の接続情報を取得することであって、
前記第2のタイルと前記第3のタイルは、前記複数のタイルのうちのいずれか2つのタイルであり、
前記第2の空間点は、前記第2のタイル内のいずれか1つの空間点であり、
前記第3の空間点は、前記第3のタイル内のいずれか1つの空間点であることと、
前記第2の接続情報に基づいて、前記トポロジ図を生成することと、を含む、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記タイル経路は、さらに、前記複数の第1のタイル間の接続順序を表すために用いられ、前記ターゲット飛行体の飛行起点の位置情報及び飛行終点の位置情報と、ターゲット空間における複数のタイルに対応するトポロジ図とに基づいて、前記複数のタイルからタイル経路を決定することは、
前記飛行起点の位置情報と前記飛行終点の位置情報に基づいて、前記複数のタイルから前記飛行起点に対応する起点タイルと前記飛行終点に対応する終点タイルを決定することと、
予め設定された経路探索アルゴリズムにより、前記起点タイル、前記終点タイル及び前記トポロジ図に基づいて、前記複数の第1のタイル及び前記接続順序を決定することであって、前記複数の第1のタイルは、前記起点タイルと前記終点タイルとを含むこととを含む、ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
各前記空間点の位置情報、前記第1の接続情報及び前記タイル経路に基づいて、各前記第1のタイルに対応する出入口情報を決定することは、
前記タイル経路におけるi番目の第1のタイル内の複数の空間点のうち、前記タイル経路におけるi+1番目の第1のタイルとの距離が最も近い第4の空間点を前記i番目の第1のタイルの出口空間点として決定することと、
前記第1の接続情報に基づいて、前記タイル経路におけるi-1番目の第1のタイル内の出口空間点と前記i番目の第1のタイル内の第5の空間点との間の接続経路を決定することであって、前記第5の空間点は、前記i番目の第1のタイル内の複数の空間点のうち、前記i-1番目の第1のタイル内の出口空間点との距離が最も近い空間点であることと、
前記接続経路に対して経路探索を行う過程において、前記i番目の第1のタイル内に入った後に探索した初めての空間点を前記i番目の第1のタイルの入口空間点とすることとを含み、
iは、1以上の整数であり、前記空間点と前記第1のタイルとの間の距離は、前記空間点と前記第1のタイル内の予め設定された位置との間の距離である、ことを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記タイル経路、及び各前記第1のタイルに対応する出入口情報に基づいて、前記ターゲット飛行体の前記飛行起点から前記飛行終点までの飛行経路を決定することは、
各前記第1のタイルに対応する出入口情報に基づいて、各前記第1のタイル内の入口空間点と出口空間点との間の直線経路を決定することと、
各前記直線経路上の衝突リスクを検出して、各前記第1のタイル内の第1の飛行サブ経路を決定することと、
各前記空間点の位置情報、前記飛行起点の位置情報、前記飛行終点の位置情報、前記タイル経路、及び各前記第1のタイルに対応する出入口情報に基づいて、前記飛行起点と前記タイル経路における前記飛行起点に対応する第1のタイルの入口空間点との間の第2の飛行サブ経路を決定し、前記タイル経路における前記飛行終点に対応する第1のタイルの出口空間点と前記飛行終点との間の第3の飛行サブ経路を決定することと、
順に第2の飛行サブ経路と、各前記第1の飛行サブ経路と、前記第3の飛行サブ経路とを接続して、前記飛行経路を生成することとを含む、ことを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
各前記直線経路上の衝突リスクを検出して、各前記第1のタイル内の第1の飛行サブ経路を決定することは、
前記直線経路に衝突リスクが存在しない場合、前記直線経路を前記第1の飛行サブ経路とすること、又は、
前記直線経路に衝突リスクが存在する場合、予め設定された経路計画アルゴリズムにより、前記第1のタイルにおける各空間点の接続関係に基づいて、前記第1の飛行サブ経路を決定することを含む、ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
飛行経路の決定装置であって、
ターゲット飛行体の飛行起点の位置情報及び飛行終点の位置情報と、ターゲット空間における複数のタイルに対応するトポロジ図とに基づいて、前記複数のタイルからタイル経路を決定するように構成されているタイル経路決定モジュールであって、
前記タイル経路は、前記ターゲット飛行体が前記飛行起点から前記飛行終点まで通過する複数の第1のタイルを表すために用いられ、
前記飛行起点と前記飛行終点は、いずれも前記ターゲット空間内にあり、
前記ターゲット空間内には、第1の接続情報を具備する複数の空間点が存在し、前記第1の接続情報は、前記ターゲット空間内の2つずつの前記空間点間に接続関係が存在するか否かを表すために用いられ、
前記タイルは、前記複数の空間点をグループ化した後に決定される空間点グループを含むタイル経路決定モジュールと、
各前記空間点の位置情報、前記第1の接続情報及び前記タイル経路に基づいて、各前記第1のタイルに対応する出入口情報を決定するように構成されている情報決定モジュールであって、前記出入口情報は、前記ターゲット飛行体が前記第1のタイルに入る入口空間点、及び/又は前記ターゲット飛行体が前記第1のタイルから離れる出口空間点を含む情報決定モジュールと、
前記タイル経路、及び各前記第1のタイルに対応する出入口情報に基づいて、前記ターゲット飛行体の前記飛行起点から前記飛行終点までの飛行経路を決定するように構成されている飛行経路決定モジュールと、を含む、飛行経路の決定装置。
【請求項11】
コンピュータ可読記憶媒体であって、コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行される時、請求項1~9のいずれか1項に記載の飛行経路の決定方法のステップを実施させる、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項12】
電子機器であって、
コンピュータプログラムが記憶されたメモリと、
前記メモリにおける前記コンピュータプログラムを実行して、請求項1~9のいずれか1項に記載の飛行経路の決定方法のステップを実施するプロセッサと、を備える電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工知能の分野に関し、具体的には、飛行経路の決定に関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の発展に伴い、各業界では、飛行体への応用は、ますます頻繁になっている。無人機及び自動運転をサポートする航空機などの飛行体に対しては、使用前、飛行経路を事前に計画する必要がある。規制当局の規定により、飛行体は、自由に飛行経路を生成するのではなく、空を所定のルールに従って飛行する必要がある。業務の需要と都市の地理環境の複雑性(例えば、建築障害物が比較的多く、大量の飛行体が同じ空間を頻繁に通過する場合など)に応じて、飛行体の飛行経路計画に対してより高い要求を提出する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の主な目的は、飛行経路の決定方法、装置、記憶媒体及び電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様によれば、飛行経路の決定方法を提供し、前記方法は、ターゲット飛行体の飛行起点の位置情報及び飛行終点の位置情報と、ターゲット空間における複数のタイルに対応するトポロジ図とに基づいて、前記複数のタイルからタイル経路を決定することであって、前記タイル経路は、前記ターゲット飛行体が前記飛行起点から前記飛行終点まで通過する複数の第1のタイルを表すために用いられ、前記飛行起点と前記飛行終点は、いずれも前記ターゲット空間内にあり、前記ターゲット空間内には、第1の接続情報を具備する複数の空間点が存在し、前記第1の接続情報は、前記ターゲット空間内の2つずつの前記空間点間に接続関係が存在するか否かを表すために用いられ、前記タイルは、前記複数の空間点をグループ化した後に決定する空間点グループを含むことと、各前記空間点の位置情報、前記第1の接続情報及び前記タイル経路に基づいて、各前記第1のタイルに対応する出入口情報を決定することであって、前記出入口情報は、前記ターゲット飛行体が前記第1のタイルに入る入口空間点、及び/又は前記ターゲット飛行体が前記第1のタイルから離れる出口空間点を含むことと、前記タイル経路、及び各前記第1のタイルに対応する出入口情報に基づいて、前記ターゲット飛行体の前記飛行起点から前記飛行終点までの飛行経路を決定することとを含む。
【0005】
選択的に、前記方法は、前記第1の接続情報と、各前記空間点の適用度情報及び位置情報とに基づいて、前記複数の空間点をグループ化して、前記複数のタイルを決定することであって、前記空間点の適用度情報は、予め設定された時間帯内に飛行体が前記空間点を通過する頻度を表すために用いられることと、前記第1の接続情報に基づいて前記複数のタイルに対応する第2の接続情報を決定して、前記トポロジ図を生成することであって、前記第2の接続情報は、前記複数のタイルのうちの2つずつの前記タイル間に接続関係が存在するか否かを表すために用いられることとをさらに含む。
【0006】
選択的に、前記第1の接続情報と、各前記空間点の適用度情報及び位置情報とに基づいて、前記複数の空間点をグループ化して、前記複数のタイルを決定することは、前記ターゲット空間に対してグリッド処理を行って、前記ターゲット空間を複数の幾何学的パーティションに区分することと、各前記空間点の適用度情報に基づいて、各前記空間点がある適用度パーティションを決定することと、同一の前記幾何学的パーティションにあり、同一の前記適用度パーティションにあるとともに、相互に接続関係が存在する空間点を同一の空間点グループに区分して、前記タイルとすることとを含む。
【0007】
選択的に、前記適用度パーティションは、稠密なパーティションとスパースなパーティションとを含み、前記した、各前記空間点の適用度情報に基づいて、各前記空間点がある適用度パーティションを決定することは、前記予め設定された時間帯内に飛行体が前記空間点を通過する頻度が予め設定された頻度よりも大きい場合、前記空間点が前記稠密なパーティションにあると決定すること、又は、前記予め設定された時間帯内に飛行体が前記空間点を通過する頻度が前記予め設定された頻度以下である場合、前記空間点が前記スパースなパーティションにあると決定することを含む。
【0008】
選択的に、前記した、前記第1の接続情報に基づいて前記複数のタイルに対応する第2の接続情報を決定して、前記トポロジ図を生成することは、第2のタイル内の第2の空間点と第3のタイル内の第3の空間点との間に接続関係が存在する場合、前記第2のタイルと前記第3のタイルに接続関係が存在すると決定して、前記第2の接続情報を取得することであって、前記第2のタイルと前記第3のタイルは、前記複数のタイルのうちのいずれか2つのタイルであり、前記第2の空間点は、前記第2のタイル内のいずれか1つの空間点であり、前記第3の空間点は、前記第3のタイル内のいずれか1つの空間点であることと、前記第2の接続情報に基づいて、前記トポロジ図を生成することとを含む。
【0009】
選択的に、前記タイル経路は、さらに、前記複数の第1のタイル間の接続順序を表すために用いられ、前記ターゲット飛行体の飛行起点の位置情報及び飛行終点の位置情報と、ターゲット空間における複数のタイルに対応するトポロジ図とに基づいて、前記複数のタイルからタイル経路を決定することは、前記飛行起点の位置情報と前記飛行終点の位置情報に基づいて、前記複数のタイルから前記飛行起点に対応する起点タイルと前記飛行終点に対応する終点タイルを決定することと、予め設定された経路探索アルゴリズムにより、前記起点タイル、前記終点タイル及び前記トポロジ図に基づいて、前記複数の第1のタイル及び前記接続順序を決定することであって、前記複数の第1のタイルは、前記起点タイルと前記終点タイルとを含むこととを含む。
【0010】
選択的に、前記した、各前記空間点の位置情報と前記タイル経路に基づいて、各前記第1のタイルに対応する出入口情報を決定することは、前記タイル経路におけるi番目の第1のタイル内の複数の空間点のうち、前記タイル経路におけるi+1番目の第1のタイルとの距離が最も近い第4の空間点を前記i番目の第1のタイルの出口空間点として決定することと、前記第1の接続情報に基づいて、前記タイル経路におけるi-1番目の第1のタイル内の出口空間点と前記i番目の第1のタイル内の第5の空間点との間の接続経路を決定することであって、前記第5の空間点は、前記i番目の第1のタイル内の複数の空間点のうち、前記i-1番目の第1のタイル内の出口空間点との距離が最も近い空間点であることと、前記接続経路に対して経路探索を行う過程において、前記i番目の第1のタイル内に入った後に探索した初めての空間点を前記i番目の第1のタイルの入口空間点とすることとを含む。そのうち、iは、1以上の整数であり、前記空間点と前記第1のタイルとの間の距離は、前記空間点と前記第1のタイル内の予め設定された位置との間の距離である。
【0011】
選択的に、前記した、前記タイル経路と各前記第1のタイルに対応する前記出入口情報に基づいて、前記ターゲット飛行体の前記飛行起点から前記飛行終点までの飛行経路を決定することは、各前記第1のタイルに対応する出入口情報に基づいて、各前記第1のタイル内の入口空間点と出口空間点との間の直線経路を決定することと、各前記直線経路上の衝突リスクを検出して、各前記第1のタイル内の第1の飛行サブ経路を決定することと、各前記空間点の位置情報、前記飛行起点の位置情報、前記飛行終点の位置情報、前記タイル経路、及び各前記第1のタイルに対応する出入口情報に基づいて、前記飛行起点と前記タイル経路における前記飛行起点に対応する第1のタイルの入口空間点との間の第2の飛行サブ経路を決定することと、前記タイル経路における前記飛行終点に対応する第1のタイルの出口空間点と前記飛行終点との間の第3の飛行サブ経路を決定することと、順に第2の飛行サブ経路と、各前記第1の飛行サブ経路と、前記第3の飛行サブ経路とを接続して、前記飛行経路を生成することとを含む。
【0012】
選択的に、前記した、各前記直線経路上の衝突リスクを検出して、各前記第1のタイル内の第1の飛行サブ経路を決定することは、前記直線経路に衝突リスクが存在しない場合、前記直線経路を前記第1の飛行サブ経路とすること、又は、前記直線経路に衝突リスクが存在する場合、予め設定された経路計画アルゴリズムにより、前記第1のタイルにおける各空間点の接続関係に基づいて、前記第1の飛行サブ経路を決定することを含む。
【0013】
本発明の第2の態様によれば、飛行経路の決定装置を提供し、前記装置は、ターゲット飛行体の飛行起点の位置情報及び飛行終点の位置情報と、ターゲット空間における複数のタイルに対応するトポロジ図とに基づいて、前記複数のタイルからタイル経路を決定するように構成されているタイル経路決定モジュールであって、前記タイル経路は、前記ターゲット飛行体が前記飛行起点から前記飛行終点まで通過する複数の第1のタイルを表すために用いられ、前記飛行起点と前記飛行終点は、いずれも前記ターゲット空間内にあり、前記ターゲット空間内には、第1の接続情報を具備する複数の空間点が存在し、前記第1の接続情報は、前記ターゲット空間内の2つずつの前記空間点間に接続関係が存在するか否かを表すために用いられ、前記タイルは、前記複数の空間点をグループ化した後に決定する空間点グループを含む経路決定モジュールと、各前記空間点の位置情報、前記第1の接続情報及び前記タイル経路に基づいて、各前記第1のタイルに対応する出入口情報を決定するように構成されている情報決定モジュールであって、前記出入口情報は、前記ターゲット飛行体が前記第1のタイルに入る入口空間点、及び/又は前記ターゲット飛行体が前記第1のタイルから離れる出口空間点を含む情報決定モジュールと、
【0014】
前記タイル経路、及び各前記第1のタイルに対応する出入口情報に基づいて、前記ターゲット飛行体の前記飛行起点から前記飛行終点までの飛行経路を決定するように構成されている飛行経路決定モジュールとを含む。
【0015】
選択的に、前記装置は、前記第1の接続情報と、各前記空間点の適用度情報及び位置情報とに基づいて、前記複数の空間点をグループ化して、前記複数のタイルを決定するように構成されているタイル取得モジュールであって、前記空間点の適用度情報は、予め設定された時間帯内に飛行体が前記空間点を通過する頻度を表すために用いられるタイル取得モジュールと、前記第1の接続情報に基づいて前記複数のタイルに対応する第2の接続情報を決定して、前記トポロジ図を生成するように構成されているトポロジ図生成モジュールであって、前記第2の接続情報は、前記複数のタイルのうちの2つずつの前記タイル間に接続関係が存在するか否かを表すために用いられるトポロジ図生成モジュールとをさらに含む。
【0016】
選択的に、前記タイル取得モジュールは、前記ターゲット空間に対してグリッド処理を行って、前記ターゲット空間を複数の幾何学的パーティションに区分し、各前記空間点の適用度情報に基づいて、各前記空間点がある適用度パーティションを決定し、同一の前記幾何学的パーティションにあり、同一の前記適用度パーティションにあるとともに、相互に接続関係が存在する空間点を同一の空間点グループに区分して、前記タイルとするように構成されている。
【0017】
選択的に、前記適用度パーティションは、稠密なパーティションとスパースなパーティションとを含み、前記タイル取得モジュールは、前記予め設定された時間帯内に飛行体が前記空間点を通過する頻度が予め設定された頻度よりも大きい場合、前記空間点が前記稠密なパーティションにあると決定し、又は、前記予め設定された時間帯内に飛行体が前記空間点を通過する頻度が前記予め設定された頻度以下である場合、前記空間点が前記スパースなパーティションにあると決定するように構成されている。
【0018】
選択的に、前記トポロジ図生成モジュールは、第2のタイル内の第2の空間点と第3のタイル内の第3の空間点との間に接続関係が存在する場合、前記第2のタイルと前記第3のタイルに接続関係が存在すると決定して、前記第2の接続情報を取得し、そのうち、前記第2のタイルと前記第3のタイルが前記複数のタイルのうちのいずれか2つのタイルであり、前記第2の空間点が前記第2のタイル内のいずれか1つの空間点であり、前記第3の空間点が前記第3のタイル内のいずれか1つの空間点であり、前記第2の接続情報に基づいて、前記トポロジ図を生成するように構成されている。
【0019】
選択的に、前記タイル経路は、さらに、前記複数の第1のタイル間の接続順序を表すために用いられ、前記タイル経路決定モジュールは、前記飛行起点の位置情報と前記飛行終点の位置情報に基づいて、前記複数のタイルから前記飛行起点に対応する起点タイルと前記飛行終点に対応する終点タイルを決定し、予め設定された経路探索アルゴリズムにより、前記起点タイル、前記終点タイル及び前記トポロジ図に基づいて、前記複数の第1のタイル及び前記接続順序を決定するように構成されている、前記複数の第1のタイルは、前記起点タイルと前記終点タイルとを含む。
【0020】
選択的に、前記情報決定モジュールは、前記タイル経路におけるi番目の第1のタイル内の複数の空間点のうち、前記タイル経路におけるi+1番目の第1のタイルとの距離が最も近い第4の空間点を前記i番目の第1のタイルの出口空間点として決定し、前記第1の接続情報に基づいて、前記タイル経路におけるi-1番目の第1のタイル内の出口空間点と前記i番目の第1のタイル内の第5の空間点との間の接続経路を決定し、前記第5の空間点が前記i番目の第1のタイル内の複数の空間点のうち、前記i-1番目の第1のタイル内の出口空間点との距離が最も近い空間点であり、前記接続経路に対して経路探索を行う過程において、前記i番目の第1のタイル内に入った後に探索した初めての空間点を前記i番目の第1のタイルの入口空間点とするように構成されている。そのうち、iは、1以上の整数であり、前記空間点と前記第1のタイルとの間の距離は、前記空間点と前記第1のタイル内の予め設定された位置との間の距離である。
【0021】
選択的に、前記飛行経路決定モジュールは、各前記第1のタイルに対応する出入口情報に基づいて、各前記第1のタイル内の入口空間点と出口空間点との間の直線経路を決定し、各前記直線経路上の衝突リスクを検出して、各前記第1のタイル内の第1の飛行サブ経路を決定し、各前記空間点の位置情報、前記飛行起点の位置情報、前記飛行終点の位置情報、前記タイル経路、及び各前記第1のタイルに対応する出入口情報に基づいて、前記飛行起点と前記タイル経路における前記飛行起点に対応する第1のタイルの入口空間点との間の第2の飛行サブ経路を決定し、前記タイル経路における前記飛行終点に対応する第1のタイルの出口空間点と前記飛行終点との間の第3の飛行サブ経路を決定し、順に第2の飛行サブ経路と、各前記第1の飛行サブ経路と、前記第3の飛行サブ経路とを接続して、前記飛行経路を生成するように構成されている。
【0022】
選択的に、前記飛行経路決定モジュールは、前記直線経路に衝突リスクが存在しない場合、前記直線経路を前記第1の飛行サブ経路とし、又は、前記直線経路に衝突リスクが存在する場合、予め設定された経路計画アルゴリズムにより、前記第1のタイルにおける各空間点の接続関係に基づいて、前記第1の飛行サブ経路を決定するように構成されている。
【0023】
本発明の第3の態様によれば、コンピュータ可読記憶媒体を提供し、コンピュータ可読記憶媒体にコンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行される時、第1の態様に記載の飛行経路の決定方法のステップを実現する。
【0024】
本発明の第4の態様によれば、電子機器を提供し、この電子機器は、コンピュータプログラムが記憶されたメモリと、前記メモリにおける前記コンピュータプログラムを実行して、第1の態様に記載の飛行経路の決定方法のステップを実現するプロセッサとを含む。
【発明の効果】
【0025】
本発明による技術案を採用すると、少なくとも以下の技術的効果を実現することができる。飛行起点と飛行終点を含むターゲット空間においてタイルからなる上位経路を決定し、上位経路に関わる各タイル内の経路を細分化することにより、飛行経路の探索過程の計算量を効果的に減少させ、さらに飛行経路計画の効率を高めることができる。
【0026】
本発明の他の特徴と利点について、その後の発明を実施するための形態部分で詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図面は、本発明に対するさらなる理解を提供するとともに、明細書の一部を構成するものであり、以下の発明を実施するための形態とともに本発明を解釈するために用いられるが、本発明に対する限制を構成しない。
図1】一例示的な実施例に基づいて示す飛行経路の決定方法のフローチャートである。
図2】別の例示的な実施例に基づいて示す飛行経路の決定方法のフローチャートである。
図3】一例示的な実施例に基づいて示すタイル決定方法のフローチャートである。
図4】一例示的な実施例に基づいて示すタイル経路の決定方法のフローチャートである。
図5】一例示的な実施例に基づいて示す出入口情報の決定方法のフローチャートである。
図6】一例示的な実施例に基づいて示すタイル経路に基づいて飛行経路を決定する方法のフローチャートである。
図7】一例示的な実施例に基づいて示す飛行経路の決定装置のブロック図である。
図8】別の例示的な実施例に基づいて示す飛行経路の決定装置のブロック図である。
図9】一例示的な実施例に基づいて示す電子機器の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を結び付けながら、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明する。理解すべきこととして、ここに記述されている具体的な実施形態は、本発明を説明して解釈するためのものに過ぎず、本発明を限制するものではない。
【0029】
関連技術では、飛行体の経路計画方法には、ランダム点に基づく経路計画方法、及び探索に基づく経路計画方法を含む2つの技術的方向が含まれる。ランダム点に基づく経路計画方法の主な代表は、高速拡張ランダムツリーに基づく方法である。この方法の特徴は、高次元空間を探索し、状態空間のランダムサンプリングポイントにより探索を空白領域にガイドすることによって、起点からターゲット点までの計画経路を探すことである。探索に基づく経路計画方法の代表は、Dijkstraアルゴリズム(ダイクストラアルゴリズム)及びA-Starアルゴリズム(A*アルゴリズムと略称)である。A*アルゴリズムは、図ノードをトラバースし、図ノードの経路消費とヒューリスティックな推定のコスト値を計算することによって、図における起点から終点までの最短経路を探索する。しかし、ランダム点に基づく経路計画方法にしろ探索に基づく経路計画方法にしろ、空間内のオリジナルノードに対してトラバース探索を行う過程に関するため、これらの経路探索方式の実行中の、計算量が比較的大きく、地図が比較的小さい又は周辺環境が比較的簡単なシナリオに適するが、面積が比較的大きい又は比較的複雑な周辺環境を有するアプリケーションシナリオに直面する場合、経路探索時間が長すぎ、さらに経路計画の効率が比較的低くなってしまう。
【0030】
発明者らは、この問題に気づき、飛行経路の決定方法を提案する。
【0031】
図1は、一例示的な実施例に基づいて示す飛行経路の決定方法のフローチャートである。図1に示すように、この方法は、ステップ101、ステップ102及びステップ103を含む。
【0032】
ステップ101において、ターゲット飛行体の飛行起点の位置情報及び飛行終点の位置情報と、ターゲット空間における複数のタイルに対応するトポロジ図とに基づいて、複数のタイルからタイル経路を決定する。そのうち、前記タイル経路は、ターゲット飛行体が飛行起点から飛行終点まで通過する複数の第1のタイル、及び複数の第1のタイル間の接続順序を表すために用いられる。前記飛行起点と飛行終点は、このターゲット空間内にあり、このターゲット空間内に複数の空間点が存在する。上記複数の空間点間は、第1の接続情報を具備し、各空間点は、位置情報を具備する。各前記タイルは、複数の空間点をグループ化した後に取得した空間点グループを含む。前記トポロジ図は、複数のタイル間の接続関係を表すために用いられる。前記第1の接続情報は、複数の空間点のうちの2つずつの空間点間に接続関係が存在するか否かを表すために用いられる。
【0033】
例示的には、ターゲット飛行体は、無人機又は自動運転をサポートする航空機などの飛行体であってもよく、飛行起点と飛行終点は、ターゲット飛行体のユーザにより予め入力されたものである。このターゲット空間は、三次元空間であり、飛行起点の位置情報、飛行終点の位置情報及び以下に係る全ての空間点の位置情報は、いずれも、三次元座標である。飛行起点の位置情報と飛行終点の位置情報を受信すると、飛行起点と飛行終点の実際の環境に基づいてターゲット空間を決定することができる。このターゲット空間は、実際に、領域内の地理環境、飛行に関連する限制情報及び履歴の飛行記録に基づいて、接続関係が相互に存在する又は存在しない複数の空間点に解析されており、即ち、これらの空間点は、このターゲット空間内において飛行経路の計画を行うに必要な地理とルール環境を表すことができる。実際にターゲット空間内に無数の空間点が含まれてもよいが、本実施例では、上記空間点を除く他の空間点は、飛行経路の決定過程において存在しないと見なす。
【0034】
例示的には、ステップ101の前に、まず飛行起点と飛行終点に基づいてターゲット空間を決定し、ターゲット空間内の複数の空間点、及び前記複数の空間点間の第1の接続情報を取得し、そしてこの複数の空間点をグループ化して複数の空間点グループ又はタイルを取得し、全てのタイル間のトポロジ図を決定する。その後、ステップ101において、上記複数のタイルからタイル経路を決定する。そのうち、これらの空間点をグループ化する過程は、実際に、予め設定されたグループ化ルールにしたがって、ターゲット空間内の複数の空間点を複数の空間点グループに分けることである。各空間点グループにおける空間点は、ターゲット空間内において規則的又は不規則的な空間を占め、この空間は、このタイルである。以下の経路探索に関連するステップの需要に応じて、各空間グループ又はタイルにおける空間点は、ツリー構造で保存される。例えば、このツリー構造は、k-dimensionalツリー(k-dツリーと略称)又は三次元又は二次元空間点の保存に適する任意の順序付きツリーであってもよい。これにより、ステップ101の前に、既にこのターゲット空間から複数のタイルが分割されており、各タイルは、1つのツリー構造に対応し、このタイル内の空間点の位置及び接続関係を表すために用いられる。そのうち、ターゲット空間における複数の空間点間の接続関係が決定されれば、これらの空間点に対するグループ化は、それらの間の接続関係を変更しない。そして、空間点間の接続関係は、後続のステップで、タイル間の接続関係を決定してさらにトポロジ図を生成するために用いられ、第1のタイルの内部において経路探索を行うために用いられる。
【0035】
例示的には、ステップ101では、それぞれ管理する構想を採用し、まずターゲット空間全体のレベルで上位層のタイル経路を探索し、その後、後続のステップで、上位層のタイル経路における各第1のタイルの内部に対して経路探索を行うことができる。具体的には、まず、タイル間の接続関係に基づいて、タイルからなる経路、即ち、このタイル経路を探索する。飛行起点と飛行終点の位置情報、及び複数のタイルに対応するトポロジ図が知られている場合、飛行起点と飛行終点の位置情報に基づいて、両者に対応するタイルを決定し、このトポロジ図をベースとして、予め設定された経路探索アルゴリズムを実行することで、トポロジ図においてタイルからなる経路、即ち、タイル経路を探索することができる。この経路探索アルゴリズムは、ヒューリスティックな探索アルゴリズム、例えば、A*アルゴリズム、順序付き探索アルゴリズム(Aアルゴリズムと略称)又はDijkstraアルゴリズムなどであってもよい。
【0036】
ステップ102において、各前記空間点の位置情報、前記第1の接続情報及び前記タイル経路に基づいて、各前記第1のタイルに対応する出入口情報を決定する。
【0037】
例示的には、飛行起点がある第1のタイル(即ち、このタイル経路の起点タイル)内にある場合、この起点タイル内に入口空間点が存在せず、同様に、飛行終点がある第1のタイル(即ち、このタイル経路の終点タイル)内にある場合、この終点タイル内に出口空間点が存在せず、飛行起点と飛行終点を含まない第1のタイルは、入口空間点と出口空間点を同時に具備する。したがって、前記出入口情報は、ターゲット飛行体がこの第1のタイルに入る入口空間点及び/又はターゲット飛行体がこの第1のタイルから離れる出口空間点を含む。
【0038】
例示的には、このタイル経路をマクロ的に決定した後であって、各第1のタイルの内部に対してミクロ的な経路探索を行う前に、マクロレベルとミクロレベルとの関係を決定する必要がある。出入口情報は、マクロレベルとミクロレベルとの関係を判定するために用いられる。タイル経路における各第1のタイル間の接続関係は、概念上の関係であり、実際に飛行経路とすることができる路線を反映することができない。実際に、各第1のタイルがどの実際の経路を介して接続されるべきであるかは、さらに空間点の位置と接続関係に基づいてさらに決定する必要がある。また、ある第1のタイルの出入口情報を決定する過程において、この第1のタイル内に含まれない空間点に関わる場合がある。したがって、タイル経路のほか、さらに各空間点の位置情報と前記複数の空間点間の第1の接続情報を必要とする。
【0039】
ステップ103において、前記タイル経路と各第1のタイルに対応する出入口情報に基づいて、前記ターゲット飛行体の前記飛行起点から前記飛行終点までの飛行経路を決定する。
【0040】
例示的には、ステップ102で各第1のタイルの入口空間点と出口空間点を決定した後、ステップ103では、同一の第1のタイル内の入口空間点を出口空間点に直接接続して、飛行サブ経路を決定することができる。又は、何らかの理由で、同一の第1のタイル内の入口空間点と出口空間点を直接接続できず、さらに各第1のタイル内の複数の空間点のツリー構造が示すトポロジ関係に基づいて、上記ヒューリスティックな探索アルゴリズムにより、入口空間点と出口空間点を探索の起点と終点とし、この第1のタイル内において飛行サブ経路を探索することができる。各第1のタイル内の飛行サブ経路を決定した後、タイル経路における複数の第1のタイル間の接続順序にしたがってこれらの飛行サブ経路を順に接続すれば、このターゲット飛行体に対して、飛行起点から飛行終点まで飛行する飛行経路を計画することができる。
【0041】
本発明の実施例による技術案では、飛行起点と飛行終点を含むターゲット空間において、タイルからなる上位経路を決定し、上位経路に関わる各タイル内の経路を細分化することにより、飛行経路の探索過程の計算量を効果的に減少させ、さらに飛行経路計画の効率を高めることができる。
【0042】
図2は、別の例示的な実施例に基づいて示す飛行経路の決定方法のフローチャートである。図2に示すように、各空間点は、さらに適用度情報を具備し、この適用度情報は、予め設定された時間帯内に飛行体がこの空間点を飛行して通過する頻度を表すために用いられる。図1に示す方法におけるステップ101の前に、この方法は、ステップ104及びステップ105をさらに含んでもよい。
【0043】
ステップ104において、前記第1の接続情報と、各前記空間点の適用度情報及び位置情報とに基づいて、前記複数の空間点をグループ化して、前記複数のタイルを決定する。そのうち、前記空間点の適用度情報は、予め設定された時間帯内に飛行体がこの空間点を飛行して通過する頻度を表すために用いられる。
【0044】
例示的には、ターゲット空間内のこれらの空間点をグループ化する過程は、所定のグループ化ルールに従う必要がある。例えば、このグループ化ルールは、ターゲット空間に対してグリッド処理を行った後の幾何学的パーティションを適用状況に応じて決定した適用度パーティションと組み合わせて決定するルールであってもよい。そのうち、この幾何学的パーティションは、このターゲット空間に対してグリッド処理を行って決定した、同じ体積を具備する複数の正方体または直方体などであってもよい。適用状況に応じて決定されたこの適用度パーティションは、飛行体がこの空間点を飛ぶのに適しているか否かを分析し、さらに分析結果に基づいてターゲット空間内の全ての空間点に対して二項分類を行うことに相当する。具体的には、一実施例では、この適用度情報に含まれる頻度に基づいて、飛行体がこの空間点を飛ぶのに適しているか否かを分析することができる。飛行体が空間点をしばしば通過する場合、飛行体がこの空間点を飛ぶのに適していると考えられる。飛行体が空間点を少なく通過する場合、飛行体がこの空間点を飛ぶのに適していないと考えられる。これにより、飛行体がしばしば通過する空間点を1種類に分け、飛行体があまり通過しない空間点を1種類に分けることができる。例えば、いくつかの空間点は、軍事領域又は個人領地にあり、アクラフトが通過することが許されない。これらの空間点は、飛行体があまり出没しない空間点である。
【0045】
ステップ105において、前記第1の接続情報に基づいて前記複数のタイルに対応する第2の接続情報を決定して、前記トポロジ図を生成する。そのうち、前記第2の接続情報は、上記複数のタイルのうちの2つずつのタイル間に接続関係が存在するか否かを表すために用いられる。理解できるように、上記第1の接続情報は、空間点間の、実際の飛行経路を生成できる接続関係を表すが、ここでの第2の接続情報は、タイル間の概念上の接続関係を表す。
【0046】
例示的には、このトポロジ図における複数のタイル間の全ての接続関係は、いずれも概念上の接続関係であるが、これらの接続関係を決定する根拠は、タイル間に実際的な意味を持つ空間点間の接続関係である。例えば、タイルAにおける空間点aとタイルBにおける空間点bとの間に接続関係が存在する場合、このタイルAとこのタイルBに概念上の接続関係が存在し、タイルCにおける全ての空間点とタイルDにおける全ての空間点との間にいずれも接続関係が存在しない場合、このタイルCとこのタイルDに概念上の接続関係が存在しない。したがって、ステップ105は、第2のタイル内の第2の空間点と第3のタイル内の第3の空間点との間に接続関係が存在する場合、この第2のタイルとこの第3のタイルに接続関係が存在すると決定して、この第2の接続情報を取得することであって、この第2のタイルとこの第3のタイルは、上記複数のタイルのうちのいずれか2つのタイルであり、この第2の空間点は、この第2のタイル内のいずれか1つの空間点であり、この第3の空間点は、この第3のタイル内のいずれか1つの空間点であることと、この第2の接続情報に基づいて、このトポロジ図を生成することとをさらに含んでもよい。
【0047】
図3は、一例示的な実施例に基づいて示すタイル決定方法のフローチャートである。図3に示すように、図2に示す方法におけるステップ104は、ステップ1041、ステップ1042及びステップ1043をさらに含んでもよい。
【0048】
ステップ1041において、ターゲット空間に対してグリッド処理を行って、前記ターゲット空間を複数の幾何学的パーティションに区分する。
【0049】
ステップ1042において、前記ターゲット空間内の各空間点の適用度情報に基づいて、各前記空間点がある適用度パーティションを決定する。
【0050】
例示的には、この適用度パーティションは、稠密なパーティションとスパースなパーティションとを含む。例えば、このステップ1042は、この予め設定された時間帯内に飛行体が第1の空間点を飛行して通過する頻度が予め設定された頻度よりも大きい場合、この第1の空間点が稠密なパーティションにあると決定することであって、この第1の空間点は、上記複数の空間点のうちのいずれか1つの空間点であること、又は、この予め設定された時間帯内に飛行体がこの第1の空間点を飛行して通過する頻度がこの予め設定された頻度以下である場合、この第1の空間点がスパースなパーティションにあると決定することを含んでもよい。
【0051】
例示的には、本実施例では、上記複数の空間点がある適用度パーティションは、マシンが上記頻度と頻度閾値により決定するものである。別の実施例では、上記の稠密なパーティションとスパースなパーティションは、作業者がこの空間点の環境情報に基づいて分析することで、手動でマーキングする空間点の適用度パーティションであってもよい。例えば、この環境情報は、この空間点の下方にガソリンスタンドがあるか否か、この空間点のネットワーク信号が安定しているか否か、及びこの空間点の天気が飛行に適しているか否かなどを含んでもよい。空間点の適用度パーティションを手動でマーキングした後、上記ステップ1042を省略し、手動で出力する適用度パーティション結果を直接受け入れ、後続のステップを行うことができる。
【0052】
ステップ1043において、同一の幾何学的パーティションにあり、同一の適用度パーティションにあるとともに、相互に接続関係が存在する空間点を同一の空間点グループに区分して、取得したこの空間点グループをタイルとする。
【0053】
例示的には、上述したように、この適用度パーティションは、上記複数の空間点に対して二項分類を行った後に決定するパーティションである。そのうち、稠密なパーティションにおける空間点は、比較的集中しており、且つ接続関係が比較的明確であるため、直接、ステップ1043におけるグループ化ステップに基づいてパーティションを行うことができる一方、スパースなパーティションにおける空間点は、比較的分散して不規則的であり、相互間の関係も比較的判断しにくいため、スパースなパーティションにおける空間点をグループ化する場合、予め設定された複数の基準点を介する必要がある。この基準点は、ターゲット空間における複数の空間点から選択できる空間点である。これらの基準点は、ターゲット空間における分布が比較的均一であり、且つ相互間に関連関係が存在する。この関連関係は、上記第1の接続情報と上記第2の接続情報に記録された接続関係といずれも同様ではなく、スパースなパーティション内の空間点のグループ化過程のみに用いられる。スパースなパーティションにある基準点に対して、このステップ1043は、同一の幾何学的パーティションにあり、スパースなパーティションにあり、且つ相互に上記関連関係が存在する基準点を同一の空間点グループに区分して、取得した各空間点グループをタイルとすることを含んでもよい。
【0054】
例示的には、現実的に、この飛行起点又はこの飛行終点がスパースなパーティションにある場合以外、スパースなパーティションにおける基準点が位置する位置は、一般的に、飛行体があまり行かない。したがって、一実施例では、ステップ104と105、及びそれらのサブステップの実行過程において、スパースなパーティションにおける基準点からなる空間点グループ又はタイルを無視することができる。
【0055】
図4は、一例示的な実施例に基づいて示すタイル経路の決定方法のフローチャートである。図4に示すように、図1及び図2に示す方法におけるステップ101は、ステップ1011及びステップ1012をさらに含んでもよい。
【0056】
ステップ1011において、飛行起点の位置情報と飛行終点の位置情報に基づいて、上記複数のタイルから前記飛行起点に対応する起点タイルと前記飛行終点に対応する終点タイルを決定する。
【0057】
例示的には、飛行起点及び飛行終点の各々と複数のタイルとの包含関係によって、このステップ1011で、この飛行起点に対応する起点タイルとこの飛行終点に対応する終点タイルは、異なる意味が存在する。飛行起点を例にして説明する。飛行起点がいずれか1つのタイルの内部にある場合、この起点タイルは、この飛行起点があるタイルであり、飛行起点がいずれか1つのタイルの外部にある場合、この起点タイルは、この飛行起点と同一の幾何学的パーティションにあるとともに、この飛行起点に最も近いタイルである。具体的には、飛行起点位置情報に基づいて、飛行起点がいかなるタイルの内部にも存在しないと決定する場合、まず、飛行起点がある幾何学的パーティション(この幾何学的パーティションは、上記ステップ1041で区分された幾何学的パーティションである)を確認する必要がある。これらの幾何学的パーティションがラスタライゼーションを満たすため、全ての幾何学的パーティションの中心点を1つの幾何学的パーティションのツリー構造(以下、パーティションツリー構造と呼ばれる)に入れることができる。このパーティションツリー構造は、各タイルに対応する空間点のツリー構造とは全く意味が異なるが、このパーティションツリー構造は、k-dimensionalツリー(k-dツリーと略称)又は三次元又は二次元空間点を保存できる任意の順序付きツリーであってもよい。このパーティションツリー構造におけるノードに保存されるのは、各幾何学的パーティションの識別子と幾何学的パーティションの中心点の位置情報である。この幾何学的パーティションの中心点は、必ずしも、本実施例で定義される空間点ではない。飛行起点と各幾何学的パーティションの中心点との距離を計算することで、この飛行起点との距離が最も近い幾何学的パーティションをターゲット幾何学的パーティションとして決定することができる。飛行起点があるターゲット幾何学的パーティションを決定した後、このターゲット幾何学的パーティションから、飛行起点との距離が最も近いタイルを起点タイルとして探すことができる。理解できるように、飛行終点に対応する終点タイルの決定方式は、上記の飛行起点に対応する起点タイルの決定方式と同様であり、ここでこれ以上説明しない。
【0058】
例示的には、本実施例では、空間点(飛行起点、飛行終点、又はいずれかの他の空間点を含む)とあるタイルとの距離は、実際に、この空間点とこのタイル内の予め設定された位置との間の距離を代表する。そのうち、この予め設定された位置は、このタイルにおける全ての空間点が囲んだ空間の中心点の位置であってもよく、且つこの中心点は、必ずしも本実施例で定義される空間点ではない。又は、この予め設定された位置は、このタイル内の全ての空間点のうちのある空間点の位置であってもよい。
【0059】
ステップ1012において、予め設定された経路探索アルゴリズムにより、前記起点タイル、前記終点タイル及び前記トポロジ図に基づいて、上記複数の第1のタイル及び上記複数の第1のタイル間の接続順序を決定し、即ち、前記タイル経路を決定する。そのうち、上記複数の第1のタイルは、前記起点タイルと前記終点タイルとを含む。
【0060】
図5は、一例示的な実施例に基づいて示す第1のタイルの出入口情報の決定方法のフローチャートである。このタイル経路におけるi番目の第1のタイル(iは、1以上であり、タイル経路における第1のタイルの数以下の整数である)について、図5に示すように、図1及び図2に示す方法におけるステップ102は、ステップ1021、ステップ1022、及びステップ1023をさらに含んでもよい。
【0061】
ステップ1021において、このi番目の第1のタイル内の複数の空間点のうち、このタイル経路におけるi+1番目の第1のタイルとの距離が最も近い第4の空間点をこのi番目の第1のタイルの出口空間点として決定する。
【0062】
例示的には、出口空間点を決定する過程において、このタイル経路における第1のタイルの接続順序が既知であるため、直接この接続順序にしたがって、1番目の第1のタイル(即ち、起点タイル)から最後1つの第1のタイル(即ち、終点タイル)までこのステップ1021を実行して、各第1のタイル内の出口空間点を決定することができる。
【0063】
ステップ1022において、第1の接続情報の表した2つずつの空間点間の接続関係に基づいて、このタイル経路におけるi-1番目の第1のタイル内の出口空間点とこのi番目の第1のタイル内の第5の空間点との間の接続経路を決定する。そのうち、この第5の空間点は、このi番目の第1のタイル内の複数の空間点のうち、このi-1番目の第1のタイル内の出口空間点との距離が最も近い空間点である。
【0064】
ステップ1023において、この接続経路に対して経路探索を行う過程において、このi番目の第1のタイル内に入った後に探索した初めての空間点をこのi番目の第1のタイルの入口空間点とする。そのうち、各空間点と第1のタイルとの間の距離は、この空間点とこの第1のタイル内の予め設定された位置との間の距離である。
【0065】
例示的には、第1のタイルの入口空間点を決定する過程において、この第1のタイル内に含まれない空間点に関わる。具体的には、このステップ1022と1023における接続経路は、i-1番目の第1のタイルからi番目の第1のタイルに接続される。したがって、この接続経路は、i-1番目の第1のタイルの出口空間点からこのi-1番目の第1のタイル内に含まれない1つ又は複数の空間点を通過してi番目の第1のタイルの内部に入るものであってもよいが、この接続経路がこのi番目の第1のタイルの内部に入った後に初めて通過する点は、必ずしも上記の第5の空間点ではない。したがって、このi番目の第1のタイルの入口空間点を決定する必要がある。このi番目の第1のタイルの入口空間点は、この接続経路に対して経路探索を行う過程において、このi番目の第1のタイル内に入った後に探索した初めての空間点であってもよい。具体的に、この接続経路は、i-1番目の第1のタイル内の出口空間点から始まり、この第5の空間点へ探索して得られた接続経路である。この探索過程において、この第5の空間点に到達するために、この接続経路は、このi番目の第1のタイルの外からこのi番目の第1のタイル内に入る必要がある。この探索過程においてこのi番目の第1のタイル内を探索した初めての空間点は、このi番目の第1のタイルの入口空間点である。
【0066】
例示的には、実際の実行過程において、飛行起点と飛行終点がいずれも第1のタイルにある状況は、比較的少ない。したがって、このステップ1021~1023では、飛行起点と飛行終点がいずれもいかなる第1のタイルに存在しない場合、出入口情報を決定する形態が記述される。飛行起点と飛行終点のうちのいずれか1つがある第1のタイルの内部にある場合、直接この飛行起点がある第1のタイルをタイル経路における起点タイルとし、この飛行起点をこの起点タイルの入口空間点とし、及び/又は、この飛行終点がある第1のタイルをタイル経路における終点タイルとし、この飛行終点をこの終点タイルの出口空間点とすることができる。
【0067】
図6は、一例示的な実施例に基づいて示すタイル経路に基づいて飛行経路を決定する方法のフローチャートである。図6に示すように、図1及び図2に示す方法におけるステップ103は、ステップ1031、ステップ1032、ステップ1033、及びステップ1034をさらに含んでもよい。
【0068】
ステップ1031において、このタイル経路における各第1のタイルの出入口情報に基づいて、各第1のタイル内の入口空間点と出口空間点との間の直線経路を決定する。
【0069】
ステップ1032において、各第1のタイル内のこの直線経路上の衝突リスクを検出して、各第1のタイル内の第1の飛行サブ経路を決定する。
【0070】
例示的には、この直線経路に衝突リスクが存在しない場合、この直線経路を第1の飛行サブ経路とし、又は、この直線経路に衝突リスクが存在する場合、予め設定された経路計画アルゴリズムにより、この第1のタイルにおける各空間点の接続関係に基づいて、この第1の飛行サブ経路を決定する。
【0071】
ステップ1033において、各空間点の位置情報、飛行起点の位置情報、飛行終点の位置情報、タイル経路とタイル経路における各第1のタイルの出入口情報に基づいて、この飛行起点と起点タイルとの間の入口空間点の第2の飛行サブ経路、及び/又は終点タイルの出口空間点とこの飛行終点との間の第3の飛行サブ経路を決定する。
【0072】
例示的には、このステップ1031~下記1034では、依然として、飛行起点と飛行終点がいずれもいかなる第1のタイルに存在しない場合、飛行サブ経路を決定する形態が記述される。具体的には、飛行起点が複数の第1のタイルのうちの起点タイル内にあり、飛行終点が複数の第1のタイルのうちの終点タイル内にある場合、直接飛行起点を起点タイルの入口空間点とし、飛行終点を終点タイルの出口空間点とすることができる。つまり、飛行起点と飛行終点がいずれもタイル経路におけるある第1のタイル内にある場合、ステップ1033を実行することなく、ステップ1031-1032により、複数の第1の飛行サブ経路を決定することができる。その後、ステップ1034で、タイル経路の接続順序情報に基づいて複数の第1の飛行サブ経路を接続する。しかしながら、飛行起点と飛行終点のうちのいずれか1つがいかなる第1のタイルに存在しない場合、前記第2の飛行サブ経路及び/又は前記第3の飛行サブ経路を決定し、下記ステップ1034でこれらのサブ経路を配慮する必要がある。
【0073】
例示的には、この飛行起点及び/又はこの飛行終点がいずれも空間点ではない場合もある。上述したように、本実施例では、ターゲット空間内の上記タイル経路に係る第1のタイル内の空間点を除くほかの空間点は、飛行経路の決定過程において、存在しないものとみなされる。したがって、本実施例では、この飛行起点及び/又はこの飛行終点が空間点ではないと決定する場合、直接このターゲット空間におけるこの飛行起点及び/又はこの飛行終点との距離が最も近い空間点をこの飛行起点及び/又はこの飛行終点とすることができる。
【0074】
ステップ1034において、順に第2の飛行サブ経路と、各第1の飛行サブ経路と、第3の飛行サブ経路とを接続して、この飛行経路を生成する。
【0075】
以上のように、本発明の実施例による技術案では、飛行起点と飛行終点を含むターゲット空間において、タイルからなる上位経路を決定し、上位経路に関わる各タイル内の経路を細分化することにより、飛行経路の探索過程の計算量を効果的に減少させ、さらに飛行経路計画の効率を高めることができる。
【0076】
図7は、一例示的な実施例に基づいて示す飛行経路の決定装置のブロック図であり、図7に示すように、この装置700は、以下のモジュールを含む。
【0077】
タイル経路決定モジュール710は、ターゲット飛行体の飛行起点の位置情報及び飛行終点の位置情報と、ターゲット空間における複数のタイルに対応するトポロジ図とに基づいて、上記複数のタイルからタイル経路を決定するように構成されている。そのうち、このタイル経路は、ターゲット飛行体が飛行起点から飛行終点まで飛行して通過する複数の第1のタイル、及び上記複数の第1のタイル間の接続順序を表すために用いられる。この飛行起点とこの飛行終点は、このターゲット空間内にあり、このターゲット空間内に複数の空間点が存在する。上記複数の空間点は、第1の接続情報を具備し、各空間点は、位置情報を具備する。各前記タイルは、上記複数の空間点をグループ化した後に取得した空間点グループを含む。このトポロジ図は、複数のタイル間の接続関係を表すために用いられる。この第1の接続情報は、上記複数の空間点のうちの2つずつの空間点間に接続関係が存在するか否かを表すために用いられる。
【0078】
情報決定モジュール720は、各前記空間点の位置情報、前記第1の接続情報及び前記タイル経路に基づいて各前記第1のタイルに対応する出入口情報を決定するように構成されている。そのうち、前記出入口情報は、このターゲット飛行体がこの第1のタイルに入る入口空間点及び/又はこのターゲット飛行体がこの第1のタイルから離れる出口空間点を含む。
【0079】
飛行経路決定モジュール730は、各空間点の位置情報、飛行起点の位置情報、飛行終点の位置情報、タイル経路と各第1のタイルに対応する出入口情報に基づいて、このターゲット飛行体が飛行起点から飛行終点まで飛行する飛行経路を決定するように構成されている。
【0080】
図8は、別の例示的な実施例に基づいて示す飛行経路の決定装置のブロック図であり、図8に示すように、図7に示す装置の実施例を基礎として、この装置700は、以下のモジュールをさらに含む。
【0081】
タイル取得モジュール740は、ターゲット空間内の複数の空間点間の第1の接続情報、各空間点の適用度情報及び各空間点の位置情報に基づいて、上記複数の空間点をグループ化して、複数のタイルを決定するように構成されている。そのうち、各空間点は、適用度情報を具備し、この適用度情報は、予め設定された時間帯内に飛行体がこの空間点を飛行して通過する頻度を表すために用いられる。
【0082】
トポロジ図生成モジュール750は、複数の空間点間の第1の接続情報に基づいて上記複数のタイルに対応する第2の接続情報を決定して、トポロジ図を生成するように構成されている。そのうち、前記第2の接続情報は、上記複数のタイルのうちの2つずつのタイル間に接続関係が存在するか否かを表すために用いられる。
【0083】
選択的に、このタイル取得モジュール740は、ターゲット空間に対してグリッド処理を行って、このターゲット空間を複数の幾何学的パーティションに区分し、このターゲット空間内の複数の空間点の各々の適用度情報に基づいて、上記複数の空間点がある適用度パーティションを決定し、同一の幾何学的パーティションにあり、同一の適用度パーティションにあるとともに、相互に接続関係が存在する空間点を同一の空間点グループに区分して、取得した各空間点グループをタイルとするように構成されている。
【0084】
選択的に、この適用度パーティションは、稠密なパーティションとスパースなパーティションとを含み、このタイル取得モジュール740は、この予め設定された時間帯内に飛行体が上記複数の空間点のうちのいずれか1つの空間点である第1の空間点を飛行して通過する頻度が予め設定された頻度よりも大きい場合、この第1の空間点が稠密なパーティションにあると決定し、又は、この予め設定された時間帯内に飛行体がこの第1の空間点を飛行して通過する頻度が予め設定された頻度以下である場合、この第1の空間点がスパースなパーティションにあると決定するように構成されている。
【0085】
選択的に、このトポロジ図生成モジュール750は、第2のタイル内の第2の空間点と第3のタイル内の第3の空間点との間に接続関係が存在する場合、この第2のタイルとこの第3のタイルに接続関係が存在すると決定して、この第2の接続情報を取得し、そのうち、この第2のタイルとこの第3のタイルが上記複数のタイルのうちのいずれか2つのタイルであり、この第2の空間点がこの第2のタイル内のいずれか1つの空間点であり、この第3の空間点がこの第3のタイル内のいずれか1つの空間点であり、この第2の接続情報に基づいて、このトポロジ図を生成するように構成されている。
【0086】
選択的に、このタイル経路決定モジュール710は、この飛行起点の位置情報とこの飛行終点の位置情報に基づいて、上記複数のタイルからこの飛行起点に対応する起点タイルとこの飛行終点に対応する終点タイルを決定し、予め設定された経路探索アルゴリズムにより、この起点タイル、この終点タイル及びこのトポロジ図に基づいて、上記複数の第1のタイル及びこの接続順序を決定し、即ち、前記タイル経路を決定するように構成されている。そのうち、上記複数の第1のタイルは、この起点タイルとこの終点タイルとを含む。
【0087】
選択的に、このタイル経路におけるi番目の第1のタイル(iは、1以上であり、タイル経路における第1のタイルの数以下の整数である)について、この情報決定モジュール720は、このi番目の第1のタイル内の複数の空間点のうち、このタイル経路におけるi+1番目の第1のタイルとの距離が最も近い第4の空間点をこのi番目の第1のタイルの出口空間点として決定し、第1の接続情報の表した2つずつの空間点間の接続関係に基づいて、このタイル経路におけるi-1番目の第1のタイル内の出口空間点とこのi番目の第1のタイル内の第5の空間点との間の接続経路を決定し、そのうち、この第5の空間点がこのi番目の第1のタイル内の複数の空間点のうち、このi-1番目の第1のタイル内の出口空間点との距離が最も近い空間点であり、前記接続経路に対して経路探索を行い、前記経路探索過程において、前記i番目の第1のタイル内に入った後に探索した初めての空間点をこのi番目の第1のタイルの入口空間点とし、そのうち、各空間点と第1のタイルとの間の距離がこの空間点とこの第1のタイル内の予め設定された位置との間の距離であるように構成されている。
【0088】
選択的に、この飛行経路決定モジュール730は、このタイル経路における各第1のタイルの出入口情報に基づいて、各第1のタイル内の入口空間点と出口空間点との間の直線経路を決定し、各第1のタイル内のこの直線経路上の衝突リスクを検出して、各第1のタイル内の第1の飛行サブ経路を決定し、各空間点の位置情報、飛行起点の位置情報、飛行終点の位置情報、タイル経路とタイル経路における各第1のタイルの出入口情報に基づいて、この飛行起点と起点タイルとの間の入口空間点の第2の飛行サブ経路、及び/又は終点タイルの出口空間点とこの飛行終点との間の第3の飛行サブ経路を決定し、順に第2の飛行サブ経路と、各第1の飛行サブ経路と、第3の飛行サブ経路とを接続して、飛行経路を生成するように構成されている。
【0089】
選択的に、この飛行経路決定モジュール730は、前記直線経路に衝突リスクが存在しない場合、前記直線経路を前記第1の飛行サブ経路とし、又は、前記直線経路に衝突リスクが存在する場合、予め設定された経路計画アルゴリズムにより、この第1のタイルにおける各空間点の接続関係に基づいて、第1の飛行サブ経路を決定するように構成されている。
【0090】
以上のように、本発明の実施例による技術案では、飛行起点と飛行終点を含むターゲット空間において、タイルからなる上位経路を決定し、上位経路に関わる各タイル内の経路を細分化することにより、飛行経路の探索過程の計算量を効果的に減少させ、さらに飛行経路計画の効率を高めることができる。
【0091】
例示的には、図9は、一例示的な実施例に基づいて示す電子機器900の機能ブロック図である。図9を参照し、電子機器900は、プロセッサ901を含み、プロセッサの数は、1つ又は複数であってもよい。メモリ902は、プロセッサ901により実行できるコンピュータプログラムを記憶するために用いられる。そのうち、メモリ902に記憶されたコンピュータプログラムは、それぞれ1組のプログラム命令に対応する1つ又は複数のモジュールを含んでもよい。なお、プロセッサ901は、このコンピュータプログラムを実行して、上記飛行経路の決定方法を実行するように構成されてもよい。
【0092】
また、電子機器900は、電源コンポーネント903と通信コンポーネント904とをさらに含んでもよい。そのうち、この電源コンポーネント903は、電子機器900の電源管理を実行するように構成されてもよく、この通信コンポーネント904は、電子機器900の通信、例えば、有線又は無線通信を実現するように構成されてもよい。なお、この電子機器900は、入力/出力(I/O)インターフェース905をさらに含んでもよい。電子機器900は、メモリ902に記憶されたオペレーティングシステム、例えばWindows ServerTM、Mac OS XTM、UnixTM、Linux(登録商標)などを操作することができる。
【0093】
別の例示的な実施例では、プログラム命令を含むコンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。このプログラム命令がプロセッサにより実行される時、上記の飛行経路の決定方法のステップを実現する。例えば、このコンピュータ可読記憶媒体は、プログラム命令を含む上記メモリ902であってもよく、上記プログラム命令は、電子機器900のプロセッサ901により実行されて上記飛行経路の決定方法を行うことができる。
【0094】
以上、図面を結び付けながら本発明の好適な実施の形態について詳細に記述したが、本発明は、上記実施の形態における具体的な詳細に限らない。本発明の技術構想範囲内において、本発明の技術案に対して様々な簡単な変形を行うことができ、これらの簡単な変形は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0095】
また説明すべきこととして、上記発明を実施するための形態に記述された各具体的な技術的特徴は、矛盾しない場合には、いかなる適切な方式で組み合わせされてもよく、不必要な重複を避けるために、本発明は、様々な可能な組み合わせ形態については、別途説明しない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】