(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-07
(54)【発明の名称】物品を被覆または封入するための装置
(51)【国際特許分類】
B01J 2/00 20060101AFI20230531BHJP
B01J 2/12 20060101ALI20230531BHJP
B05B 13/04 20060101ALI20230531BHJP
【FI】
B01J2/00 B
B01J2/12
B05B13/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022565997
(86)(22)【出願日】2021-04-21
(85)【翻訳文提出日】2022-12-23
(86)【国際出願番号】 ES2021070266
(87)【国際公開番号】W WO2021219911
(87)【国際公開日】2021-11-04
(32)【優先日】2020-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521025636
【氏名又は名称】ロマコ テクファム エセ エレ
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クワドラード フェルナンデス ペドロ
【テーマコード(参考)】
4F035
4G004
【Fターム(参考)】
4F035AA04
4F035CA02
4F035CA06
4F035CB05
4F035CC01
4F035CD01
4F035CD12
4F035CD18
4F035CD19
4G004BA01
4G004HA05
(57)【要約】
本発明は、物品を被覆または封入するための装置であって、胴巻きチャンバ内に回転可能に取り付けられた、有孔壁を有するドラムであって、ドラムの回転中に、被覆される物品のバッチを収容して撹拌するのに適したドラムと、ドラムに収容されている物品に被覆製品を噴霧するための1つ以上のノズルを有するディスペンサグループと、清浄な乾燥ガスをドラムの有孔壁に向けるための、ドラムの第1の側にある、チャンバの少なくとも1つのガス入口と、ドラムを通過した汚れた乾燥ガスをチャンバから抜き出すための、ドラムの他方側にある、チャンバの少なくとも1つのガス出口とを備える。装置は、ドラムとチャンバのガス出口との間に介在する調節可能な閉鎖システムを備え、閉鎖システムは、汚れた乾燥ガスの実際の流路をチャンバのガス出口によって提供される流路よりも小さく画定することができ、ドラムの壁の、物品のバッチによって実際に覆われている領域に一致するようにさらに変位または集中させる。ある場合にはドラム内のノズルの位置を考慮して動作する、閉鎖システムの自動調節が想定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品(2)を被覆または封入するための装置(100)であって、
胴巻きチャンバ(5)内に回転可能に取り付けられた、有孔壁(4)を有するドラム(3)であって、前記ドラムの回転中に、被覆される物品(2)のバッチを収容して撹拌するのに適したドラムと、
前記ドラムに収容されている前記物品に被覆製品(8)を噴霧するための少なくとも1つのノズル(7)を有するディスペンサグループ(6)と、
清浄な乾燥ガス(12a)を前記ドラムの前記有孔壁(4)に向けるための、前記ドラムの第1の側にある、前記チャンバ(5)の少なくとも1つのガス入口(10)と、
前記ドラムを通過した汚れた乾燥ガス(12b)を前記チャンバ(5)から抜き出すための、前記ドラムの前記有孔壁(4)に隣接して前記ドラムの他方側にある、前記チャンバ(5)の少なくとも1つのガス出口(11)とを備え、
前記装置が、前記ドラム(3)と前記チャンバ(5)の前記ガス出口(11)との間に介在する調節可能な閉鎖システム(30)を備え、前記閉鎖システム(30)が、前記汚れた乾燥ガス(12b)の実際の流路(11a)を前記チャンバの前記ガス出口(11)によって提供される流路よりも小さく画定することができ、前記ドラムの前記有孔壁(4)の、前記物品(2)のバッチによって実際に覆われている領域(4a)に一致するようさらに変位または集中させることができることを特徴とする装置(100)。
【請求項2】
請求項1に記載の装置(100)であって、前記閉鎖システム(30)を動作させるコントローラ(1)を備え、前記コントローラ(1)が、前記閉鎖システム(30)の状態が最適ではない場合、または前記ドラムの前記有孔壁(4)の、前記物品(2)のバッチによって実際に覆われている前記領域(4a)と一致していない場合に、少なくとも自動で前記閉鎖システム(30)の状態を調節し、または推奨信号(16)を発するためのものであることを特徴とする装置(100)。
【請求項3】
請求項2に記載の装置(100)であって、前記ディスペンサグループ(6)が関連機構(9)を有し、前記関連機構(9)が、前記ノズル(7)を移動させ、前記ドラム(3)の内側の選択位置に配置できるようにし、前記ドラムの前記有孔壁(4)の、前記物品(2)のバッチによって実際に覆われている前記領域(4a)の大きさが、前記ドラムの内側における前記ノズル(7)の瞬間位置に基づいて推定されることを特徴とする装置(100)。
【請求項4】
請求項3に記載の装置(100)であって、測定点と前記ドラム(3)に収容されている前記物品(2)のバッチの自由表面(2a)との間の距離(di)を測定するセンサ(14)を備え、
前記ディスペンサグループの前記関連機構(9)が、前記センサ(14)の測定値に基づいて制御される電動機構であり、したがって、前記ディスペンサグループ(6)が、前記ドラム(3)の内側で前記物品(2)のバッチの前記自由表面(2a)に対して目標距離(d0)の位置に前記ノズル(7)を自動で位置決めする能力を備え、次に、前記コントローラ(1)によって、前記閉鎖システム(30)の状態の、同じく自動的な調節を引き起こすことを特徴とする装置(100)。
【請求項5】
請求項2に記載の装置(100)であって、測定点と前記ドラム(3)に収容されている前記物品(2)のバッチの自由表面(2a)との間の距離(di)を測定するセンサ(14)を備え、前記ドラムの前記有孔壁(4)の、前記物品(2)のバッチによって実際に覆われている前記領域(4a)の大きさが、前記センサ(14)による測定値に基づいて推定されることを特徴とする装置(100)。
【請求項6】
請求項2~5のいずれか1項に記載の装置(100)であって、前記閉鎖システム(30)が、単一の可動ゲート(34)または複数の可動ゲートを含むゲート(31、32、33)のセットを備え、前記単一の可動ゲート(34)または前記複数の可動ゲート(31、32)のうちのいくつかを、前記コントローラ(1)により制御可能なそれぞれのアクチュエータ(34a、31a、32a)によって作動させることができることを特徴とする装置(100)。
【請求項7】
請求項6に記載の装置(100)であって、前記チャンバ(5)の下流に乾燥ガス吸引グループを備え、前記乾燥ガス吸引グループが、前記チャンバ(5)内に真空状態をもたらし、それにより、前記汚れた乾燥ガス(12b)の流れを前記チャンバの1つの出口方向(L)に促すことができ、
前記閉鎖システム(30)が、ガスの流路を横切って配置された複数のゲート(31、32、33)を有し、前記ゲート(31、32、33)が、重ね合わされ、前記方向(L)に対して本質的に垂直なそれぞれの回転軸線(31b、32b、33b)を中心に回転可能に取り付けられた、スラットシャッタのようなブレードの形に構成され、2つ以上のゲート(31、32)が、前記コントローラ(1)により、前記ブレードが前記方向(L)に対して本質的に平行に配置される少なくとも1つの開位置(A)と、前記ブレードが前記方向(L)に対して本質的に垂直である閉位置(B)との間で作動可能であり、前記ゲート(31、32、33)の前記開位置(A)から前記閉位置(B)への動作が最も高い位置のゲートから始まり、すぐ下のゲートへ続いていくカスケード配列の前記ゲート(31、32、33)の動作により、ガスの前記流路が徐々に小さくなり、前記ドラム(3)の前記有孔壁(4)の下部位置に向かって集中するようになっていることを特徴とする装置(100)。
【請求項8】
請求項7に記載の装置(100)であって、前記開位置(A)で、前記可動ゲート(31、32、33)の前記ブレードの下縁部(31d、32d、33d)が前記ドラム(3)の前記有孔壁(4)にぴたりと合うことを特徴とする装置(100)。
【請求項9】
請求項7または8に記載の装置(100)であって、前記閉位置(B)で、前記作動可能なゲート(31、32)の前記ブレードの上縁部(31c、32c)および下縁部(31d、32d)が、本質的に気密にそれぞれの隣接するフレームまたはゲートにぴたりと合うことを特徴とする装置(100)。
【請求項10】
物品(2)を被覆または封入するための方法であって、
チャンバ(5)と、前記チャンバに囲まれた、有孔壁(4)を有する回転ドラム(3)とにガス流を通過させることを含み、前記回転ドラムが、被覆製品(8)が少なくとも1つの噴霧ノズル(7)によって前記ドラムの内側から前記物品上に放出されている間、被覆される前記物品(2)のバッチを収容して撹拌し、
前記方法が、前記ドラムの前記有孔壁(4)の、前記物品(2)のバッチによって実際に覆われている領域(4a)に一致するよう、前記チャンバ(5)からの出口ガス流の実際の流路(11a)を集中させる動作を含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、前記ドラムが胴巻きチャンバに囲まれ、前記チャンバが、清浄な乾燥ガス(12a)を前記ドラムの前記有孔壁(4)に向けるための、前記ドラムの第1の側にある、前記チャンバ(5)の少なくとも1つのガス入口(10)と、前記ドラムを通過した汚れた乾燥ガス(12b)を前記チャンバ(5)から抜き出すための、前記ドラムの前記有孔壁(4)に隣接して前記ドラムの他方側にある、前記チャンバ(5)の少なくとも1つのガス出口(11)とを有し、
前記方法が、前記ドラム(3)と前記チャンバ(5)の前記ガス出口(11)との間に介在する調節可能な閉鎖システム(30)を自動で動作させることを含み、前記閉鎖システム(30)が、前記汚れた乾燥ガス(12b)の実際の流路(11a)を前記チャンバの前記ガス出口(11)によって提供される流路よりも小さく画定することができ、前記ドラムの前記有孔壁(4)の、前記物品(2)のバッチによって実際に覆われている前記領域(4a)に一致するようにさらに変位または集中させることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、前記ドラムの前記有孔壁(4)の、前記物品(2)のバッチによって実際に覆われている前記領域(4a)の大きさを、測定点と前記ドラム(3)に収容されている前記物品(2)のバッチの自由表面(2a)との間の距離(di)の測定値に基づいて、または前記ドラム(3)の内側における前記ノズル(7)の位置に基づいて推定することができることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の製品で被覆される物品のバッチを撹拌するための回転ドラムを備え、ドラムの内側に配置された少なくとも1つのノズルを通して製品が噴霧されるタイプの、物品を被覆または封入するための装置に関する。これらの装置は、例えば、医薬製品および菓子製品に一般的な、錠剤または丸剤の形のような粒状物品を被覆するために使用される。
【背景技術】
【0002】
被覆または封入するための装置は、製薬分野において、1つ以上の製品の外層を、例えば錠剤または丸剤の形の粒状物品に塗布するために広く使用されている。
【0003】
これらの装置は、本質的に容器を備え、容器内で、被覆される物品の製造バッチを収容するドラムが回転する。装置は一般的に、前記物品を被覆するために使用される製品の1つ以上の噴霧ノズルを備える。この噴霧動作は、ドラムが回転して物品のバッチを撹拌している間に行われて、すべての物品の均一な被覆を確実にする。また、従来、ドラムは有孔であり、被覆装置はドラムを通過する強制ガス、一般には空気の回路を備え、噴霧される製品が被覆される物品に塗布された後に、その噴霧された製品を乾燥させるのに役立つ。
【0004】
これらの装置の目的は、特定の物品のバッチに所定の厚さの被覆を施すことであり、被覆は、一般に、最小限の動作時間で適正な量の被覆製品を消費する、可能な限り効率的な方法で、重量増加に関して測定される。
【0005】
ノズルと被覆される物品の自由表面との間の距離が、正確で効率的な被覆を確実にするための重要な要因であることがわかっている。しかしながら、この距離は、最適な被覆を探すときに関与する唯一のパラメータではない。噴霧される製品の噴射方向などの他の要因も重要な役割を果たし、被覆される物品のバッチの自由表面に対して本質的に垂直な方向に噴射を向けることが特に重要である。
【0006】
固定ノズルを備える装置は、これらの要件に適合することができないため、非常に特定の物品のバッチに対してしか効率的に動作することができない。
【0007】
実際には、被覆される物品のバッチが小さいほど、ドラムの内側で撹拌される前記物品の自由表面と噴霧ノズルとの間の距離が大きくなり、大きいバッチに特に適した固定ノズルを備える装置を小さいバッチに使用することができず、またその逆も同様である。
【0008】
同様に、例えば、物品を被覆するために使用する製品の特性が変化する場合、同一の物品のバッチについて、物品の自由表面とノズルとの間に異なる距離が必要なことがある。
【0009】
より汎用性のある装置を提供する目的で、可動噴霧ノズルを備える被覆装置が開示されており、この被覆装置は、異なる空間位置をとることができ、場合によっては、向きを変化させて、物品のバッチおよび/またはその被覆に使用される製品に適合させることもできる。
【0010】
特開2003-062500は、一連のノズルの位置決めグループを取り付けた被覆装置を記載している。この位置決めグループは、1自由度しか有しておらず、ノズルを、ドラムの底部に近付けるまたは底部から離すように鉛直方向にしか動かすことができない。
【0011】
欧州特許第1200197号は、前述した装置の1つの代替案を記載しており、ノズルをドラムの壁に近付けるまたは壁から離すことがさらに可能である。測定点とドラム内で撹拌される物品のバッチの自由表面との間の距離をリアルタイムで検出するセンサによって、ノズルの位置決め機構が制御されることに注目すべきである。
【0012】
欧州特許第3597048号は、可動噴霧ノズルを備える改良された被覆装置を記載しており、この可動噴霧ノズルは、ノズルをドラムの内側で同時に物品のバッチの自由表面に近付けまたは自由表面から離し、ノズルを前記自由表面に対して本質的に垂直に維持するように角度位置を変化させる機構によるものである。装置は超音波タイプのセンサを備えることができ、このセンサは、ドラムの内側における測定点と物品のバッチの自由表面との間の瞬間距離を測定して、ノズルと物品のバッチとの間の距離を自動で補正し、目標値に調節することができる。
【0013】
当然ながら、ドラムの内側で物品のバッチから最適な距離をおいてノズルを配置することができると、装置が異なるバッチサイズで動作するときに、噴霧ノズルが固定されている装置に対して、装置の動作の効率を向上させるのに役立つ。バッチサイズと、被覆される物品および被覆に使用される製品の両方の性質とに応じて、最適なレシピパラメータがあり、これは、バッチサイズおよび動作時間に加えて、ドラムの回転速度、噴霧される製品の流量および/または圧力、さらにはドラムの内側における噴霧ノズルの選択位置を含むことができる。
【0014】
しかしながら、上記にもかかわらず、実際には、効率は予想ほど大きく向上していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2003-062500号公報
【特許文献2】欧州特許第1200197号明細書
【特許文献3】欧州特許第3597048号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
したがって、本発明の目的は、被覆動作の効率をさらに向上させ、特に、レシピパラメータに従ってドラムの内側の選択位置に噴霧ノズルを配置する手段を有する装置の効率を向上させる、物品を被覆または封入するための装置および方法である。
【課題を解決するための手段】
【0017】
ドラムの内側で物品のバッチの方向に噴霧される製品が前記物品に適切に塗布されることを促すために、ドラムを通過するガスが好ましい方向をたどること、詳細には、ドラムに収容されている物品のバッチをガスが通過することを確実にする措置が知られている。
【0018】
このために、ドラムは、胴巻きチャンバ内に回転可能に取り付けられて配置され、チャンバは、清浄な乾燥ガスをドラムの有孔壁に向けるための、ドラムの第1の側にある、チャンバの1つのガス入口と、ドラムを通過した汚れた乾燥ガスをチャンバから抜き出すための、ドラムの他方側にある、チャンバの少なくとも1つのガス出口とを有する。ドラムの回転中、物品のバッチがドラムの底部に蓄積するが、ドラムの一方側にわずかに変位する。ガスが好ましい方向を確実にたどるようにするために、チャンバのガス出口は、物品のバッチが蓄積するドラム領域に一致して配置されて、ガスを物品のバッチに通過させる。
【0019】
装置が可動ノズルを呈し、装置が小さいバッチを含んで動作するときに、これらのノズルが物品のバッチに近付いて、最良の噴霧状態を探し、製品の損失を最小限にすることができる場合でも、物品のバッチは異なる挙動でドラムの有孔壁に配置されることがあり、特に、物品の大きいバッチと比べて、ドラムの有孔壁のより小さい表面を覆うように、物品が分布されることがある。
【0020】
これにより、ガス流が、ドラムから有孔壁を通って、物品により実際に覆われていない領域へ逃げる。噴霧ノズルがドラムの内側で物品の自由表面に対して最良の位置に配置されているときでも、この影響を受ける。
【0021】
このガス流は、被覆製品を物品に付着させることなく被覆製品を運ぶ。ガス流は、ドラムの有孔壁に噴霧され、物品自体には噴霧されない。ガス流は、有用な製品の損失を生じさせる。ガス流は、胴巻きチャンバの下流のガス配管ダクトに汚れを生じさせる。ガス流は、ガス洗浄に従来使用されている洗浄フィルタを劣化させる。明らかに、これらはすべて、被覆動作の効率にとって不利益になる。
【0022】
本発明は、すべてが請求項1により、ドラムと胴巻きチャンバのガス出口との間に介在する調節可能な閉鎖システムを備える装置を提案する。閉鎖システムは、汚れた乾燥ガスの実際の流路をチャンバのガス出口によって提供される流路よりも小さく画定することができ、ドラムの壁の、物品のバッチによって実際に覆われている領域に一致するようにさらに変位または集中させることができる。
【0023】
変形形態において、装置は、閉鎖システムを動作させるコントローラを備え、このコントローラは、閉鎖システムの状態またはドラムの壁の、物品のバッチによって実際に覆われている領域との一致の状態が最適ではない場合に、少なくとも自動で閉鎖システムの状態を調節し、または推奨信号を発するためのものである。この措置により、閉鎖システムの調節、または実際のガス出口が物品のバッチの大きさに従って最適ではないことを操作者に知らせるための対応する警告が自動化される。
【0024】
変形形態において、装置は、ドラムの壁の、物品のバッチによって覆われている領域を、最終的に決定するバッチの大きさと噴霧ノズルの位置との既知の関係のさらなる利点を利用して、可動ノズルを備える装置の噴霧ノズルの位置に応じて、閉鎖システムの状態を自動で調節し、または推奨信号を発生させる。これはすべて、被覆動作の全体的な効率に有利である。
【0025】
本発明の文脈内で、ノズルの位置は、空間位置およびノズルの向きの両方として、または両方のパラメータの組合せとして理解される。空間位置は、例えば、仮想の基準もしくは座標軸に基づいて、ドラムの壁との距離などの装置の他の部品に基づいて、またはドラムの内側における物品のバッチの自由表面との距離などの外部要素に基づいて、規定されてよい。
【0026】
本発明が適用される装置において、ディスペンサグループ、より詳細には、ノズルをレシピパラメータに従ってドラムの内側の選択位置に配置できるようにする関連機構が、手動または電動で作動可能である。両方の場合に、被覆動作のためのドラム内でのノズルの位置を使用して、閉鎖システムを調節する、または推奨信号、すなわち閉鎖システムの調節の推奨を発する。
【0027】
本発明は、操作者が、関連機構を操作して、レシピパラメータに従ってノズルを選択位置に手動で配置することを考慮している。関連機構は当然、ドラムの外側から制御される機構であってもよく、電動機構であってもよい。操作者は、例えば実験の表に基づいて、レシピパラメータに従い、どれが物品のバッチのタイプおよび大きさに応じたノズルの最適位置であるかを知る。
【0028】
本発明は、装置が、ノズルの位置の選択を支援または自動化するための手段を有することをさらに考慮している。
【0029】
したがって、本発明の別の変形形態において、装置は、測定点とドラムに収容されている物品のバッチの自由表面との間の距離(di)を測定するセンサを備え、ディスペンサグループの機構は、上記センサの測定値に基づいて制御される電動機構であり、したがって、ディスペンサグループは、ドラムの内側で物品のバッチの自由表面に対して目標距離(d0)の位置にノズルを自動で位置決めする能力を備え、次に、コントローラによって、閉鎖システムの状態の、同じく自動的な調節を引き起こす。
【0030】
閉鎖システムの自動調節を、別個に、またはノズルの位置の関与なしでさらに行うことができ、これにより、固定ノズルを備える装置においても本発明を実施することが可能になる。
【0031】
この意味で、本発明の別の変形形態において、装置は、測定点とドラムに収容されている物品のバッチの自由表面との間の距離(di)を測定するセンサを備え、ドラムの壁の、物品のバッチによって実際に覆われている領域の大きさが、ノズルの位置を考慮することなく、上記センサの測定値に基づいて推定される。
【0032】
閉鎖システムに関する限り、これは単一の可動ゲートまたは複数の可動ゲートを含むゲートのセットを備えることができ、単一の可動ゲートまたは複数の可動ゲートを、コントローラにより制御可能なそれぞれのアクチュエータによって作動させることができる。
【0033】
ガス出口は、ドラムの一方側に配置され、前記ドラムの底部または底部近くまで延びる有孔壁の一部を覆う。
【0034】
実施形態において、装置は、ドラムを囲むチャンバの下流に乾燥ガス吸引グループを備え、この乾燥ガス吸引グループは、チャンバ内に真空状態をもたらし、それにより、汚れた乾燥ガスの流れをチャンバの1つの出口方向(L)に促すことができる。閉鎖システムは、チャンバのガス出口からのガスの流路を横切って配置された複数のゲートを有し、これらのゲートは、重ね合わされ、方向(L)に対して本質的に垂直なそれぞれの回転軸線を中心に回転可能に取り付けられた、スラットシャッタのようなブレードの形に構成され、2つ以上のゲートが、コントローラにより、ブレードが方向(L)に対して本質的に平行に配置される少なくとも1つの開位置(A)と、ブレードが方向(L)に対して本質的に垂直である閉位置(B)との間で作動可能であり、これらのゲートの開位置(A)から閉位置(B)への動作が最も高い位置のゲートから始まり、すぐ下のゲートへ続いていくカスケード配列のゲートの動作により、ガスの流路が徐々に小さくなり、ドラムの有孔壁の下部位置に向かって集中するようになっている。
【0035】
開位置(A)で、可動ゲートのブレードの下縁部がドラムの有孔壁にぴたりと合うと好都合である。
【0036】
閉位置(B)で、作動可能なゲートのブレードの上縁部および下縁部が、本質的に気密にそれぞれの隣接するフレームまたはゲートにぴたりと合うと好都合である。
【0037】
しかしながら、本発明の目的はまた、物品を被覆または封入するための方法であって、チャンバと、前記チャンバに囲まれた、有孔壁を有する回転ドラムとにガス流を通過させることを含み、回転ドラムは、被覆製品が少なくとも1つのノズルによってドラムの内側から前記物品上に放出されている間、被覆される物品のバッチを収容して撹拌し、さらにこの方法は、ドラムの壁の、物品のバッチによって実際に覆われている領域に一致するよう、チャンバからの出口ガス流の実際の流路を集中させる動作を含む。
【0038】
方法の変形形態において、ドラムは胴巻きチャンバに囲まれ、チャンバは、清浄な乾燥ガスをドラムの有孔壁に向けるための、ドラムの第1の側にある、チャンバの少なくとも1つのガス入口と、ドラムを通過した汚れた乾燥ガスをチャンバから抜き出すための、有孔壁に隣接してドラムの他方側にある、チャンバの少なくとも1つのガス出口とを有し、さらにこの方法は、ドラムとチャンバのガス出口との間に介在する調節可能な閉鎖システムを自動で動作させることを含み、閉鎖システムは、汚れた乾燥ガスの実際の流路をチャンバのガス出口によって提供される流路よりも小さく画定することができ、物品のバッチによって実際に覆われているドラムの壁の領域に一致するようにさらに変位または集中される。
【0039】
物品のバッチによって実際に覆われているドラムの壁の領域の大きさを、測定点とドラムに収容されている物品のバッチの自由表面との間の距離の測定値に基づいて、またはノズルが可動ノズルである場合にはドラムの内側におけるノズルの位置に基づいて推定することができる。この後者の場合、ノズルの位置は、少なくとも物品のバッチの大きさを含むレシピパラメータに従って、または、測定点とドラムに収容されている物品のバッチの自由表面との間の距離の測定値を用いて、手動で選択される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】被覆される物品の異なる大きさのバッチを含んで動作する、物品を被覆または封入するための同一の従来の装置における2つの動作状況のうちの1つを示す概略図である。
【
図2】被覆される物品の異なる大きさのバッチを含んで動作する、物品を被覆または封入するための同一の従来の装置における2つの動作状況のうちの1つを示す概略図である。
【
図3】本発明による物品を被覆または封入するための装置を使用する、一般的な設備の全体外面図である。
【
図5】被覆される物品の異なる大きさのバッチを含んで動作する、本発明による同一の装置における3つの動作状況のうちの1つを示す概略図である。
【
図6】被覆される物品の異なる大きさのバッチを含んで動作する、本発明による同一の装置における3つの動作状況のうちの1つを示す概略図である。
【
図7】被覆される物品の異なる大きさのバッチを含んで動作する、本発明による同一の装置における3つの動作状況のうちの1つを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1および
図2は、錠剤を製造するため、詳細には、粒状医薬物品2を被覆製品8で被覆するために知られているタイプの装置100’を概略的に示すものである。装置100’は、胴巻きチャンバ5に回転可能に取り付けられた、有孔壁4を有するドラム3を備え、ドラム3は、ドラムの回転中に、被覆される物品2のバッチを収容して撹拌するのに適している。そのために、ドラム3には、一連のブレード、フラップ、または同様のもの(図示せず)が既知の方法で設けられており、これらのブレードは、例の矢印Cで示す方向においてドラム3の回転中に、物品のバッチの一部を集めて持ち上げ、ブレードが特定の配置に達すると、物品のバッチを落下させる。
【0042】
装置100’は、レシピパラメータに従ってドラム3に収容されている物品に被覆製品8を噴霧するための、複数のノズル7を有するディスペンサグループ6を備える。
【0043】
チャンバ5は、清浄な乾燥ガス12aをドラムの有孔壁4に向けるための、ドラム3の第1の側にある、チャンバ5のガス入口10と、ドラム3を通過した汚れた乾燥ガス12bをチャンバ5から抜き出すための、ドラム3の有孔壁4に隣接してドラムの他方側にあるガス出口11とを有する。
【0044】
図1および
図2は、被覆される物品2の異なる大きさのバッチが、ドラム3内に異なる挙動で分布している様子を示す。より詳細には、
図1は、装置100’が最大容量で動作するときに、チャンバ5のガス出口11の配置および構成が、確実にチャンバ5から抜き出された実質的にすべての汚れた乾燥ガス12bを、物品2のバッチに通過させていることを示すものである。しかしながら、同一の装置100’が物品2の非常に小さいバッチを含んで動作すると(
図2参照)、ドラム3の有孔壁4の、物品2によって実際に覆われている領域4aが小さくなり、ドラム3の底部側にわずかに変位して、ガス出口11によって提供されるガスの流路に面した、有孔壁4の覆われていない領域4bが残る。この有孔壁4の覆われていない領域4bを通って、汚れたガス12bが、物品2のバッチに付着されていない製品8を引きずってドラム3から出ることがある。物品2のバッチを通過せずにドラム3から出るこの汚れたガス12bの流れは、被覆動作の効率を徐々に低下させる。これは、前述したように、ガス12bが、ドラム3の有孔壁4に噴霧され、それにより、有用な製品の損失を生じさせ、胴巻きチャンバ5の下流のガス配管ダクトに汚れを生じさせ、出口ガスの処理ユニットに従来使用されている洗浄フィルタを劣化させるからである。
【0045】
図3は、本発明による物品2を被覆または封入するための装置100を使用する設備を示す。この設備は、装置100、装置100に吹き込まれる空気などのガスの供給ユニット110、装置100から出るガスの処理ユニット120、および物品を被覆するために使用される製品の供給ユニット130を備える。
【0046】
図3において枠内に拡大して示されている供給ユニット130は、スペイン実用新案第1232314号に記載されているような、閉塞検出手段を備える供給ユニットに相当する。このために、供給ユニット130は、製品8の駆動手段130aと導管130bとを備え、この導管130bは、製品の駆動手段と噴射ノズル7(ドラムの内側に配置される)との間に流体接続を確立する。供給ユニット130は、各導管130bが、検出器130cによって外側からクランプされた柔軟なスリーブからなる部分を有し、この検出器130cは、スリーブ上に設置されたロードセルを用いて、装置の効率を徐々に低下させ得る関連導管またはノズル内の閉塞が生じた場合に、スリーブがスリーブの拡張によってロードセルに加え得る圧力の上昇を、測定可能な電気信号に変換するという特定の特徴を有する。当然、ここに例示したものとは異なる他の供給ユニットを使用してもよい。
【0047】
図4は、装置100の変形形態を概略的に示し例示する。本発明による装置100は、従来の装置100’といくつかの特徴を共有しており、同一の参照数字を使用して、両方の装置のこれらの共通する特徴を示す。
【0048】
装置100の特徴として、装置100は、ドラム3とチャンバ5のガス出口11との間に介在する調節可能な閉鎖システム30を備え、この閉鎖システム30は、チャンバ5のガス出口11によって提供される流路よりも小さい、汚れた乾燥ガス12bの実際の流路を画定することができるだけでなく、それに加えて、閉鎖システム30において、前記制限された流路を、いずれの場合にもドラム3の有孔壁4の、物品2のバッチによって覆われている領域に一致するように集中させることができる。
【0049】
図示しないが、
図4の装置100は、チャンバ5の下流に乾燥ガス吸引グループを備え、この乾燥ガス吸引グループは、チャンバ5内に真空状態をもたらし、それにより、汚れた乾燥ガス12の流れをチャンバ5の出口方向(L)に促すことができる。
【0050】
図4に示すように、装置100の閉鎖システム30は、3つの可動ゲート31、32、33のセットを備える。ゲート31、32、33は、ガスの流路を横切って配置され、重ね合わされ、方向(L)に対して本質的に垂直なそれぞれの回転軸線31b、32b、33bを中心に回転可能に取り付けられた、スラットシャッタとしてのブレードの形に構成され、各ゲート31、32、33は、2つの端位置、すなわち、ブレードが方向(L)に対して本質的に平行に配置される、
図4の例で略水平の向きをとる開位置(A)と、ブレードが方向(L)に対して本質的に垂直に配置される、
図4の例で略鉛直の向きをとる閉位置(B)との間で移動可能である。
【0051】
この例において、上側ゲート31および中間ゲート32は、さらに、コントローラ1により制御可能なそれぞれのアクチュエータ31a、32aによって作動可能であり、以下で説明するように、ガス出口11を通るガスの流路を自動で調節するという目標を有する。下側ゲート33は、開位置(A)において静止した向きに配置される。
【0052】
装置100において、採用される機械的解決策は、各可動ゲートが2つの端フィンガまたはボルトを備えることからなり、これらの端フィンガまたはボルトは、ガス出口ダクトの側面、詳細にはチャンバ5のガス出口11の領域に設けられたそれぞれの孔に回転可能に挿入される。これらのフィンガのうちの少なくとも1つ、またはその一体部品が、チャンバ5の外側に延びて、チャンバ5の外側で伝達レバーにしっかりと取り付けられる。伝達レバーは、上側ゲート31および中間ゲート32の場合に、ここではピストングループとしてのそれぞれのアクチュエータ31a、32aによって作動される。伝達レバーは、ピストンにヒンジで取り付けられ、一方向または反対方向へのピストンの移動により、伝達レバーの回転と、その次の第1の方向または反対方向への関連するゲートの回転とを確実にするようになっている。開位置(A)にあるゲート31、32、33を示す
図4を参照すると、アクチュエータ31a、32aのピストングループが後退することにより、それぞれの伝達レバーが確実に時計方向に回転し、次に関連する上側ゲート31および中間ゲート32のそれぞれも時計方向に回転して閉位置(B)になる。
【0053】
上側ゲート31および中間ゲート32の開位置(A)から閉位置(B)への動作が、最も高い位置のゲートから始まり、すぐ下のゲートへ続いていく、カスケード配列のゲートの動作により、ガスの流路が徐々に小さくなり、ドラム3の有孔壁4の下部領域に向かって徐々に集中し、したがって、物品のバッチの大きさが連続的に小さくなる作業の場合に、覆われない有孔壁4の領域へのガスの流路を閉じることに留意されたい。
【0054】
可動噴霧ノズルを備える装置の存在により、操作者は、ドラムの内側におけるノズルの位置を、レシピパラメータとして加えることができる。被覆される物品の性質、および特に被覆される物品のバッチの大きさにより、ノズルの最適な位置がわかる。この位置は、例えば実験の表に基づいて知ることができる。
【0055】
装置により提供される特徴に従って、ノズルを手動または自動で位置決めすることができ、ノズルを移動させるための複数の既知の機構があり、直線移動、移動の組合せを可能にする機構、さらには、ノズルを所望の位置に配置するだけでなく、その向きを変化させることができる機構がある。
【0056】
いずれの場合にも、レシピパラメータとしてのノズルの位置は、物品のバッチの大きさに直接関連し、物品のバッチの大きさは、ドラムの回転中に物品のバッチによって実際に覆われる有孔壁の領域がドラムの底部に向かってどれだけ小さくまたはより変位するかを決定する。
【0057】
本発明を例示する装置100は、この知見を利用し、コントローラ1は、閉鎖システム30を動作させて、ノズル7の位置に応じて閉鎖システム30の状態を自動で調節することができる。あるいは、装置100の簡単なバージョンでは、コントローラ1は、閉鎖システム30の状態がノズル7の位置に従って最適ではない場合に、推奨信号16を発するように装備されて、操作者が閉鎖システム30の状態を手動で調節するようになっていてもよい。
【0058】
図4の装置100において、複数の噴霧ノズル7を取り付けたディスペンサグループ6が、関連機構9を有し、この関連機構9は、ノズル7をドラムの内側の選択位置に配置できるように支援する。詳細には、機構9は電動であり、測定点とドラム3に収容されている物品2のバッチの自由表面2aとの間の距離(di)をリアルタイムで検出するセンサ14によって制御され、これにより、ディスペンサグループ6は、ドラム3の内側で物品2のバッチの自由表面2aから目標距離(d0)の位置にノズル7を自動で配置するまたはその配置を補正する能力を備える。センサ14を固定点に配置することができ、またはセンサ14はノズル7と共に移動することができる。このタイプのディスペンサグループは、例えば、欧州特許第3597048号に記載されている。
【0059】
既知のセンサの例は、プローブまたは遠隔測定センサ型、例えばレーザ型の機械トランスデューサであるが、レーダ/ソナー型のセンサが特に好ましい。本発明の本変形形態の実施に適したセンサの1つの例は、VEGA社によって市販されている工業用レーダセンサVEGAPULS64である。
【0060】
図5~
図7は、最大投入量、中投入量、および最小投入量のそれぞれの状況におけるこのバージョンの装置100の動作を示す役割を果たす。いずれの場合にも、1つのレシピパラメータは、ノズル7から物品2のバッチの自由表面2aまでの距離であり、これらの距離は、値が等しくても、それぞれの場合で異なっていてもよい。
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図5は最大投入量の状況を示す。センサ14の測定値を、それ自体既知の方法で使用して、物品2のバッチの自由表面2aから目標距離(d0)の位置にノズル7を自動で位置決めする。コントローラ1(図示せず)は、最大投入量の状況において、ノズル7がとる位置をドラムの中心近くに関連させて、物品2のバッチの自由表面2aに対してこの目標距離(d0)を考慮するようにプログラムされている。この最大投入量の状況において、ドラム3の有孔壁4の、物品2のバッチによって実際に覆われている領域4aは、汚れた乾燥ガス12bの出口11を制限する必要がないようになっている。コントローラ1は、それに応じて閉鎖システム30を動作させ、上側ゲート31および中間ゲート32の両方がそれぞれ開位置(A)をとるようにする。
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図6は中投入量の状況を示す。センサ14の測定値を上記の方法で使用して、物品2のバッチの自由表面2aから目標距離(d0)の位置にノズル7を自動で位置決めする。ノズル7の位置は、最大投入量の状況でとった位置とは異なることに留意されたい。コントローラ1(図示せず)は、ノズル7のこの位置を、ドラム3の有孔壁4の、物品2のバッチによって実際に覆われている領域4aが前の場合よりも小さく、上側ゲート31が影響する領域に面した、ドラム3の有孔壁4の覆われていない領域4bが残る中投入量の状況に関連づける。この場合、汚れた乾燥ガス12bの出口11を制限すること、およびより小さい実際の流路11a(図中の枠内の拡大された領域)を画定して、汚れた乾燥ガス12bが物品2のバッチを通って出るよう促すことが望ましい。コントローラ1は、それに対応して閉鎖システム30を動作させ、上側ゲート31が閉位置(B)をとり、中間ゲート32が開位置(A)をとるようにする。
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図7は最小投入量の状況を示す。ここでもセンサ14の測定値を使用して、物品2のバッチの自由表面2aから目標距離(d0)の位置にノズル7を自動で位置決めする。ノズル7の位置は、最大投入量および中投入量の状況でとった位置とは異なる。コントローラ1(図示せず)は、ノズル7のこの位置を、ドラム3の有孔壁4の、物品2のバッチによって実際に覆われている領域4aが前の場合よりもさらに小さく、上側ゲート31およびさらには中間ゲート32が影響する領域に面した、ドラム3の有孔壁4の覆われていない領域4bが残る最小投入量の状況に関連づける。この場合、汚れた乾燥ガス12bの出口11をさらに大きく制限すること、およびさらに小さい実際の流路11a(図中の枠内の拡大された領域)を画定して、望ましくは物品2のバッチのみを通る、汚れた乾燥ガス12bの出口を促すことが望ましい。コントローラ1は、それに対応して閉鎖システム30を動作させ、上側ゲート31および中間ゲート32が閉位置(B)をとるようにする。
【0061】
ガスの流路が実際に対象の領域に制限され集中されるように、この例の装置100において、上側ゲート31、中間ゲート32、および下側ゲート33の寸法は、開位置(A)で、前記ゲートを構成するブレードの下縁部31d、32d、33dがドラム3の有孔壁4にぴたりと合うように選択される。この例では、回転軸から測定されたブレードの選択長さは、ドラム3の前記回転軸線から離れる距離よりも大きく、ブレードごとにわずかに異なり得る決められた角度位置があり、その位置で、この調節が行われるようになっている。これは、ゲートが開位置(A)をとるときにブレードとドラム3との間に存在し得る間隙において、ガスの流路を妨げることを意図している。
【0062】
ゲートの下縁部31d、32d、33dに動的ガスケットを用いてシール要素を備えることができるが、これらのシール要素を省いてもよい。実際には、約5mmの距離では、装置100の正確な動作を変化させることはなく、開位置(A)に配置されたゲートによって可能になる、流路を通るガス流の方向転換に大きく影響することもないことが確認されている。
【0063】
ガスの流路を気密にまたは本質的に気密に閉じるために、閉位置(B)で、作動可能な上側ゲート31および中間ゲート32のブレードの上縁部31c、32cおよび下縁部31d、32dが、それぞれの隣接するフレームまたはゲートに本質的に気密にぴたりと合う。この例では、上側ゲート31および中間ゲート32のブレードの下縁部31d、32dは、すぐ下の位置のブレードに重なる。
【0064】
従来の装置では、可動ノズルを備えていても、ガス中に浮遊する被覆製品8の平均損失は30%~20%であることが認められ、これは、特定のレシピにおいて、損失がより大きくなることを意味する。装置100の実施により、ガス中に浮遊する被覆製品8の平均損失は10%のみになる。
【0065】
当業者には、閉鎖システム30の他のバージョンが可能であること、特に、本発明の本質に影響を与えることなく、作動可能なゲートの数を増減することができることを認識されたい。
【0066】
理解されるように、
図4~
図7により例示される閉鎖システム30は、ドラム3の下部領域に向かう集中に関する限り、出口11を通るガスの流路を個別に調節する能力を装置100に与える。実際には、複数のゲートに基づく閉鎖システム30は、作動可能なゲートが端の開位置(A)または閉位置(B)のいずれか一方をとり、中間位置をとらないように動作するよう意図されている。これにより、この例では、常にドラム3の有孔壁4の下部領域に向かう、ガスの流路の3つの集中レベルが得られる。
【0067】
しかしながら、他の選択肢も可能である。
【0068】
図8の装置101は、ガスの流路の連続調節能力を有する本発明の代替変形形態を例示している。
【0069】
装置101の特徴として、装置101は、ドラム3とチャンバ5のガス出口11との間に介在する、単一の可動ゲート34を有する調節可能な閉鎖システム30を備え、この可動ゲート34は、例えば、下方に移動してチャンバ5のガス出口11をさらにシールすることができるギロチン型である。単一のゲート34は、周方向アーチ形状を有し、ドラム3と同軸に配置されることが好ましい。単一のゲート34は、動的シールガスケット34aなどのシール要素を取り付けて、単一のゲート34とドラム3の有孔壁4との間に決定される間隙においてガスの流路を妨げることが好ましい。
【0070】
単一のゲート34の作動およびガイドされた移動のために、ラックアンドピニオンユニット、ギア、軸受、ガイドなどが必要であり得る。
【0071】
この単一ゲートの解決策は、医薬物品の被覆には適さないことがあるが、そのプロセスおよび機械は、薬品製造の厳格な順守の特定の規則、例えば、FDA/BGA規則に関する業界要件、ならびに製薬業界に必要な信頼性、精度、衛生、および品質の要求に適合する必要があり、
図8の装置101の変形形態は、手続き上の要求をあまり必要としない他の工業用途にとって重要となることがある。
【国際調査報告】