(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-07
(54)【発明の名称】低泡性洗浄組成物
(51)【国際特許分類】
C11D 1/62 20060101AFI20230531BHJP
C11D 3/20 20060101ALI20230531BHJP
C11D 3/33 20060101ALI20230531BHJP
C11D 17/08 20060101ALI20230531BHJP
C11D 17/06 20060101ALI20230531BHJP
C11D 3/40 20060101ALI20230531BHJP
C11D 3/50 20060101ALI20230531BHJP
B08B 3/08 20060101ALI20230531BHJP
【FI】
C11D1/62
C11D3/20
C11D3/33
C11D17/08
C11D17/06
C11D3/40
C11D3/50
B08B3/08 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022566178
(86)(22)【出願日】2021-04-29
(85)【翻訳文提出日】2022-11-16
(86)【国際出願番号】 US2021029811
(87)【国際公開番号】W WO2021222510
(87)【国際公開日】2021-11-04
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】510250467
【氏名又は名称】エコラボ ユーエスエー インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100202418
【氏名又は名称】河原 肇
(74)【代理人】
【識別番号】100191444
【氏名又は名称】明石 尚久
(72)【発明者】
【氏名】デリック アンダーソン
(72)【発明者】
【氏名】ビクター フク-ポン マン
(72)【発明者】
【氏名】エリク シー.オルソン
【テーマコード(参考)】
3B201
4H003
【Fターム(参考)】
3B201AA46
3B201BB01
3B201BB82
3B201BB95
3B201BB96
3B201CC01
4H003AC08
4H003AC23
4H003AE05
4H003AE06
4H003BA12
4H003DA01
4H003DA05
4H003DA17
4H003DC02
4H003EB08
4H003EB13
4H003EB15
4H003EB16
4H003FA12
4H003FA19
4H003FA26
4H003FA28
4H003FA34
(57)【要約】
【課題】本開示は、四級アンモニウム化合物を含む低泡性洗浄組成物、並びに低泡性洗浄組成物を製造する方法、及びそれを使用する方法に関する。
【解決手段】有益なことに、洗浄組成物は、機械食器洗い及び定置洗浄が挙げられるが、これらに限定されない、低泡性を必要とする洗浄方法及び洗浄装置に適合する。洗浄組成物は、低温消毒用途に特に好適である。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
四級アンモニウム化合物と、
ポリカルボン酸及び/又はその塩と、
を含む、洗浄組成物であって、
前記ポリカルボン酸が、少なくとも2つのpKa値を有し、前記pKa値の各々が、約7未満である、洗浄組成物。
【請求項2】
前記ポリカルボン酸が、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、N-ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、N-ヒドロキシエチル-エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、N、N-ジカルボキシメチルグルタミン酸四ナトリウム塩(GLDA)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、前述のうちのいずれかの塩、又はキシレンスルホン酸ナトリウムのうちの1つ又は複数を含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項3】
前記pKa値の各々が、約6.5未満である、請求項1又は2に記載の洗浄組成物。
【請求項4】
前記ポリカルボン酸が、約6未満の少なくとも2つのpKa値を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項5】
前記ポリカルボン酸が、約2~約6の少なくとも1つのpKa値を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項6】
前記四級アンモニウム化合物が、アルキル(C8~C16)ジメチルベンジルアンモニウムクロリド(ADBAC)、アルキル(C8~16)ジメチルエチルベンジルアンモニウムクロリド(ADEBAC)、ジアルキル(C8~C16)ジメチルアンモニウムクロリド(DAAC)、又はそれらの混合物である、請求項1~5のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項7】
前記組成物が、液体であり、約4.5~約10のpHを有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項8】
前記四級アンモニウム化合物が、約10ppm~約40重量%の濃度であり、前記ポリカルボン酸又はその塩が、約25ppm~約50重量%の濃度である、請求項1~7のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項9】
前記組成物が、濃縮された液体組成物であり、前記四級アンモニウム化合物が、約1重量%~約40重量%の濃度であり、前記ポリカルボン酸又はその塩が、約1重量%~約50重量%の濃度である、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物が、すぐに使用可能な液体組成物であり、前記四級アンモニウム化合物が、約10ppm~約1000ppmの濃度であり、前記ポリカルボン酸又はその塩が、約25ppm~約10,000ppmの濃度である、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が、約5重量%~約95重量%の濃度の担体を更に含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物が、固体であり、約10重量%~約80重量%の濃度の固化助剤を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物が、染料、付臭剤、pH調整剤、被覆剤、界面活性剤、又はそれらの混合物を更に含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
物品を洗浄する方法であって、前記方法は、
請求項1~13のいずれか一項に記載の低泡性洗浄組成物と前記物品を接触させることを含む、方法。
【請求項15】
前記接触ステップの前又は間に、前記低泡性洗浄組成物を溶解及び/又は希釈するステップを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記物品が、食器、布地、又は硬質表面である、請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
前記方法が、前記物品をすすぐステップを更に含む、請求項14~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記方法が、約20℃~約100℃の温度で実施される、請求項14~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記方法が、約20℃~約70℃の温度で実施され、前記洗浄方法が、消毒方法である、請求項14~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記方法中に、生じる任意の泡が、30秒未満で壊れる、請求項14~20のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、「低泡性洗浄組成物」と題された、2020年4月30日に出願された米国仮特許出願第62/704,256号に対する米国特許法第119条の下での優先権を主張し、これは、本明細書、特許請求の範囲、図面、及び実施例を限定なく含む、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、低減された発泡を有する洗浄組成物に関する。具体的には、四級アンモニウム化合物を含む洗浄組成物であって、低減された発泡を有する、組成物。
【背景技術】
【0003】
四級アンモニウム化合物は、それらの消毒特性について認識されている。しかしながら、それらは元来、機械食器洗い及び定置洗浄が挙げられるが、これらに限定されない、低泡性特性を必要とする領域に組み込まれていない。これは、四級アンモニウム化合物が、特に撹拌又はせん断力下で、高い泡特性を有することが知られているためである。高発泡組成物は、食器洗い機械及び定置洗浄の動作を干渉することで知られている。例えば、泡の蓄積はポンプのキャビテーションを引き起こし、スプレーアームの適した機械的機能を妨げる場合がある。加えて、洗浄されている物品(食器など)上で泡が乾燥し、残留物が残る場合がある。低発泡組成物が好まれるか、又は必要とされる用途では、組成物は、殺菌活性のための他の活性化合物に依拠してきた。例えば、そのような状況では、塩素及び/又は過酸化物系の消毒剤に依拠することが多い。それに応じて、低発泡用途に好適である四級アンモニウム系消毒組成物が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、四級アンモニウム化合物を組み込んだ低泡性洗浄組成物を提供することである。
【0005】
本発明の更なる目的は、機械食器洗い及び定置洗浄での使用に好適な組成物である。
【0006】
なお、本発明の更なる目的は、低温消毒組成物に好適な組成物を提供することである。
【0007】
本発明の他の目的、利点、及び特徴は、添付の図面と併せて以下の明細書から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書に記載の洗浄組成物の利点は、それらが四級アンモニウム化合物を組み込みながら低泡性特性を有することである。機械食器洗い及び定置洗浄での使用に好適であることが、これらの組成物の利点である。これらの組成物の更に別の利点は、それらが低温条件下で効果的な消毒を提供することである。なお、これらの組成物の更なる利点は、それらが低臭気特性を有することである。
【0009】
本明細書に開示されるように、好ましい実施形態は、四級アンモニウム化合物並びにポリカルボン酸及び/又はその塩を含む洗浄組成物であり、ポリカルボン酸が、少なくとも2つのpKa値を有し、pKa値の各々が、約7未満である。
【0010】
また、本明細書には、物品を洗浄する好ましい方法であって、四級アンモニウム化合物並びにポリカルボン酸及び/又はその塩を含む洗浄組成物と物品を接触させることを含み、ポリカルボン酸が、少なくとも2つのpKa値を有し、pKa値の各々が、約7未満である、方法が開示される。
【0011】
好ましい実施形態では、ポリカルボン酸は、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、N-ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、N-ヒドロキシエチル-エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、N、N-ジカルボキシメチルグルタミン酸四ナトリウム塩(GLDA)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、前述のうちのいずれかの塩、又はキシレンスルホン酸ナトリウムのうちの1つ又は複数を含む。好ましい実施形態では、四級アンモニウム化合物は、アルキル(C8~C16)ジメチルベンジルアンモニウムクロリド(ADBAC)、アルキル(C8~16)ジメチルエチルベンジルアンモニウムクロリド(ADEBAC)、ジアルキル(C8~C16)ジメチルアンモニウムクロリド(DAAC)、又はそれらの混合物である。本明細書に開示されるように、組成物は、固体又は液体であり得、染料、付臭剤、pH調整剤、被覆剤、及び界面活性剤のうちの1つ又は複数を更に含み得る。また、本明細書には、洗浄組成物を製造する好ましい方法が開示される。
【0012】
本発明の複数の実施形態が開示されているが、なお他の実施形態は、本発明の例示的な実施形態を示して説明する以下の詳細な説明から、当業者には明らかになるであろう。したがって、実施例、図面、及び詳細な説明は、本質的に例示的であり限定的ではないとみなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1A】溶液中で混合した直後、混合後約15秒、及び混合後約1分に、それら単独で、及び旧来の消泡界面活性剤の存在下で、様々な四級アンモニウム化合物の泡特性を比較した棒グラフを示す。泡の高さの測定値は、インチで示される。
【
図1B】溶液中で混合した直後、混合後約15秒、及び混合後約1分に、それら単独で、及び旧来の消泡界面活性剤の存在下で、様々な四級アンモニウム化合物の泡特性を比較した棒グラフを示す。泡の高さの測定値は、インチで示される。
【
図2A】溶液中で混合した直後、混合後約15秒、及び混合後約1分に、それら単独で、並びにポリカルボン酸及び/又は塩の存在下で、様々な四級アンモニウム化合物の泡特性を比較した棒グラフを示す。泡の高さの測定値は、インチで示される。
【
図2B】溶液中で混合した直後、混合後約15秒、及び混合後約1分に、それら単独で、並びにポリカルボン酸及び/又は塩の存在下で、様々な四級アンモニウム化合物の泡特性を比較した棒グラフを示す。泡の高さの測定値は、インチで示される。
【0014】
本発明の様々な実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。様々な実施形態への参照は、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書に表される図は、本発明による様々な実施形態を限定するものではなく、本発明の例示的な例証のために提示される。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示は、四級アンモニウム化合物を含む低泡性洗浄組成物に関する。洗浄組成物は、既存の低泡性洗浄組成物よりも多くの利点を有する。例えば、低泡性洗浄組成物は、低泡性特性を保持しながら、四級アンモニウム化合物を組み込む。このため、これらの組成物は、機械食器洗い及び定置洗浄などの低泡性を必要とする用途に好適である。加えて、これらの組成物は、低温条件下で効果的な殺菌活性を提供する。好ましい実施形態では、洗浄組成物は、消毒組成物として使用することができる。
【0016】
本発明の実施形態は、特定の洗浄条件、汚れ、又は洗浄装置に限定されず、これらは変化する場合があり、当業者によって理解される。更に、本明細書で使用される全ての専門用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、いかなる様式又は範囲においても限定することを意図するものではないことを理解されたい。
【0017】
本明細書内に記載される数値範囲は、範囲を定義する数字を含み、定義される範囲内の各整数を含む。本開示全体を通じて、本発明の様々な態様が、範囲形式で示される。範囲形式における説明は単に便宜及び簡潔さのためであり、本発明の範囲への堅固な限定として解釈されるべきではないことを理解されたい。したがって、範囲の説明は、その範囲内の全ての可能性のある部分範囲、分数、及び個々の数値を具体的に開示しているとみなされるべきである。例えば、1~6などの範囲の説明は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などの部分範囲、同様にその範囲内の個々の数字、例えば、1、2、3、4、5、及び6、並びに少数及び分数、例えば、1.2、3.8、1と1/2、及び4と3/4を具体的に開示されたとみなされるべきである。これは、範囲の広さに関係なく適用される。
【0018】
定義
本発明をより容易に理解することができるように、特定の用語をまず定義する。別に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明の実施形態が関係する当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと類似、修正、又は同等の多くの方法及び材料を、過度の実験なしに本発明の実施形態の実施に使用することができ、好ましい材料及び方法を本明細書に記載する。本発明の実施形態を説明及び特許請求する上で、以下に記載される定義に従って以下の専門用語が使用される。
【0019】
本明細書で使用される場合、「約(about)」という用語は、質量、体積、時間、温度、pH、及び細菌又はウイルスのログカウントを含むがそれらに限定されない、定量化可能な任意の変数に関して、例えば典型的な測定技術及び設備を通じて行うことができる数量の変形を指す。更に、実世界で使用される固体及び液体の取り扱い手順を考慮すると、組成物を作製するか、又は方法などを行うために使用される成分の製造、供給源、又は純度の差異を通じた可能性が高い、ある特定の不注意による誤差及び変形例がある。「約」という用語は、これらの変形例も包含する。「約」という用語によって修飾されるか否かにかかわらず、特許請求の範囲は、その量に対する等価物を含む。
【0020】
「活性物質」又は「活性物質パーセント」又は「活性物質重量パーセント」又は「活性物質濃度」という用語は、本明細書において互換的に使用され、水又は塩などの不活性成分を引いたパーセンテージとして表される浄化に関与する成分の濃度を指す。
【0021】
本明細書で使用される場合、「アルキル」又は「アルキル基」という用語は、1個以上の炭素原子を有する飽和炭化水素を指し、直鎖アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなど)、環式アルキル基(又は「シクロアルキル」若しくは「脂環式」若しくは「炭素環式」基)(例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなど)、分岐鎖アルキル基(例えば、イソプロピル、tert-ブチル、sec-ブチル、イソブチルなど)、並びにアルキル置換アルキル基(例えば、アルキル置換シクロアルキル基及びシクロアルキル置換アルキル基)を含む。
【0022】
別段に特定されない限り、「アルキル」という用語は、「非置換アルキル」及び「置換アルキル」の両方を含む。本明細書で使用されるとき、「置換アルキル」という用語は、炭化水素骨格の1つ又は複数の炭素上の1つ又は複数の水素を置換する置換基を有するアルキル基を指す。そのような置換基としては、例えば、アルケニル、アルキニル、ハロゲノ、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホネート(phosphonato)、ホスフィネート(phosphinato)、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル、及びウレイドを含む)、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、複素環式、アルキルアリール、又は芳香族(複素芳香族を含む)基が挙げられ得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、置換アルキルには、複素環式基が含まれ得る。本明細書で使用される場合、「複素環式基」という用語は、環内の炭素原子のうちの1つ又は複数が炭素以外の元素、例えば、窒素、硫黄、又は酸素である、炭素環式基に類似している閉環構造を含む。複素環式基は、飽和又は不飽和であってもよい。例示的な複素環式基としては、これらに限定されるものではないが、アジリジン、エチレンオキシド(エポキシド、オキシラン)、チイラン(エピスルフィド)、ジオキシラン、アゼチジン、オキセタン、チエタン、ジオキセタン、ジチエタン、ジチエト、アゾリジン、ピロリジン、ピロリン、オキソラン、ジヒドロフラン、及びフランが挙げられる。
【0024】
本明細書で使用される場合、「浄化」という用語は、汚れ除去、漂白、微生物集団減少、及びそれらの任意の組み合わせを促進するか、又は助けるために使用される方法を指す。本明細書で使用される場合、「微生物(microorganism)」という用語は、あらゆる非細胞生物又は単細胞(コロニーを含む)生物を指す。微生物は、全ての原核生物を含む。微生物は、細菌(シアノバクテリアを含む)、胞子、地衣類、真菌類、原生動物、ビリノ、ウイロイド、ウイルス、ファージ、及びいくつかの藻類を含む。本明細書で使用される場合、「微生物(microbe)」という用語は、微生物(microorganism)と同義である。
【0025】
明細書で使用されるとき、「殺菌剤」という用語は、A.O.A.C.Use Dilution Methods,Official Methods of Analysis of the Association of Official Analytical Chemists,paragraph 955.14 and applicable sections,15th Edition,1990(EPA Guideline 91-2)に記載される手順を用いて、最も認識されている病原微生物を含む全ての栄養細胞を殺滅する薬剤を指す。本明細書で使用されるとき、「高レベル殺菌」又は「高レベル殺菌剤」という用語は、高レベルの細菌胞子を除き、実質的に全ての生物を殺滅し、食品医薬品局によって滅菌剤としての市販を許可されている化学的殺菌剤で効果をもたらす化合物又は組成物を指す。本明細書で使用されるとき、「中レベル殺菌」又は「中レベル殺菌剤」という用語は、環境保護庁(EPA)によって殺結核菌剤として登録されている化学的殺菌剤でマイコバクテリア、ほとんどのウイルス、及び細菌を殺滅する化合物又は組成物を指す。本明細書で使用されるとき、「低レベル殺菌」又は「低レベル殺菌剤」という用語は、EPAによって病院殺菌剤として登録されている化学的殺菌剤でいくつかのウイルス及び細菌を殺滅する化合物又は組成物を指す。
【0026】
本明細書で使用されるとき、「食品加工表面」という語句は、食品加工、調理、又は貯蔵活動の一部として使用される用具、機械、設備、構造、建物などの表面を指す。食品加工表面の例としては、食品加工又は調理設備(例えば、スライス、缶詰化、又はフリュームを含む運搬設備)の表面、食品加工ウェア(例えば、調理器具、食器類、洗浄ウェア、及びバーグラス)の表面、並びに食品加工が行われる構造の床、壁、又は備品の表面が挙げられる。食品加工表面は、食物腐敗防止空気循環システム、無菌包装消毒、食品冷蔵及びクーラーのクリーナー及び消毒剤、用品洗浄消毒、ブランチャークリーニング及び消毒、食品包装材、カッティングボード添加剤、サードシンク(third-sink)消毒、飲料冷却機及び加温機、肉の冷却又は熱湯処理の水、自動食器消毒剤、消毒ゲル、冷却塔、食品加工用抗菌衣服スプレー、及び非水性~低水性食品調理潤滑剤、油、及びすすぎ添加剤中に見出され、用いられる。
【0027】
本明細書で使用される場合、「食品」という語句は、抗菌剤又は組成物での処理を必要とする可能性があり、更に調理して食べられるか、又は更に調理されなくても食べられる、任意の食品物質を含む。食品には、肉(例えば、赤肉及び豚肉)、魚介類、鶏肉、農産物(例えば、果物及び野菜)、卵、生きた卵、卵製品、インスタント食品、小麦、種子、根、塊茎、葉、茎、トウモロコシ、花、芽、調味料、又はこれらの組み合わせが挙げられる。「農産物」という用語は、典型的には未調理で、しばしば未包装で販売されており、時には生食することができる、果物並びに野菜及び植物又は植物由来材料などの食品を指す。
【0028】
「硬質表面」という用語は、カウンタートップ、タイル、床、壁、パネル、窓、配管器具、キッチン及びバスルームの家具、電気器具、エンジン、回路基板、並びに皿などの実質的に非可撓性の固体表面を指す。硬質表面は、例えば、保健医療表面及び食品加工表面を含み得る。
【0029】
本明細書で使用されるとき、「保健医療表面」という語句は、保健医療活動の一部として使用される、器具、デバイス、カート、ケージ、家具、構造、建物などの表面を指す。保健医療表面の例は、医療又は歯科器具の表面、医療又は歯科デバイスの表面、患者の健康状態を監視するために使用される電子機器の表面、及び保健医療が行われる構造の床、壁、又は備品の表面を含む。保健医療表面は、病院、外科手術、虚弱、出産、葬儀場、及び臨床診断室内に見られる。これらの表面は、「硬質表面」(壁、床、ベッドパン等)、若しくは織物表面、例えば、編み物、織物、及び不織布表面(外科用衣類、カーテン、ベッドリネン、包帯等)、若しくは患者ケア機器(呼吸器、診断用器具、シャント、ボディスコープ、車椅子、ベッド等)、若しくは外科用機器及び診断用機器として代表されるものであり得る。保健医療表面には、動物の医療において用いられる物品及び表面が含まれる。
【0030】
本明細書で使用されるとき、「器具」という用語は、本発明による組成物での浄化から利益を得ることができる、様々な医療又は歯科器具又はデバイスを指す。
【0031】
用語「洗濯」は、洗濯洗浄機械で洗浄される品目又は物品を指す。一般に、洗濯は、織物材料、織布、不織布、及びニット織物から作製された、又はそれらを含む、任意の品目又は物品を指す。テキスタイル材料は、シルク繊維、リネン繊維、綿繊維、ポリエステル繊維、ナイロンのようなポリアミド繊維、アクリル繊維、アセテート繊維、並びに綿及びポリエステルブレンドを含むこれらのブレンドのような、天然又は合成繊維を含み得る。繊維は、処理済又は未処理であり得る。例示的な処理済繊維は、難燃性について処理をされたものを含む。用語「リネン」は、多くの場合、ベッドシーツ、ピローケース、タオル、テーブルリネン、テーブルクロス、バーモップ、及び制服を含むある特定の型の洗濯品目を説明するために使用されることを理解されたい。本発明は、非洗濯物品並びに皿、ガラス、及び他の器物のような硬面を含む表面を処理するための組成物及び方法を追加的に提供する。
【0032】
本明細書で使用されるとき、「医療器具」、「歯科器具」、「医療デバイス」、「歯科デバイス」、「医療設備」、又は「歯科設備」という語句は、医療又は歯科において使用される、器具、デバイス、用具、電化製品、装置、及び設備を指す。そのような器具、デバイス、及び機器は、冷殺菌、浸漬、若しくは洗浄され得、次に熱滅菌され得るか、又は別様に、本発明の組成物の浄化から利益を得ることができる。これらの様々な器具、デバイス、及び機器は、限定されないが、診断用器具、トレイ、パン、ホルダー、ラック、鉗子、はさみ、せん断器、鋸(例えば、骨鋸及びそれらの刃)、止血鉗子、ナイフ、チゼル、骨鉗子、ファイル、ニッパー、ドリル、ドリルビット、やすり、バリ、スプレッダー、ブレーカー、エレベーター、クランプ、針ホルダー、担体、クリップ、フック、ガウジ、キューレット、リトラクター、ストレートナー、パンチ、エクストラクター、スクープ、角膜切開刀、スパチュラ、エクスプレッサー、トロカール、拡張器、ケージ、ガラス食器、チュービング、カテーテル、カニューレ、プラグ、ステント、スコープ(例えば、内視鏡、聴診器、及び関節鏡)、及び関連する機器等、又はそれらの組み合わせを含む。
【0033】
本明細書で使用される場合、「不快な臭い」、「不快臭」、又は「悪臭」という語句は、可能である場合に典型的な人が引き下がる、つんとした、刺激が強い、若しくは刺すような臭い又は大気環境を指す。ヘドニックトーンは、匂いが快いか不快かの尺度を提供する。「不快な臭い」、「不快臭」、又は「悪臭」は、5重量%の酢酸、プロピオン酸、酪酸、若しくはそれらの混合物の溶液と同様に不快か、又はそれ以上に不快であると格付けするヘドニックトーンを有する。
【0034】
本明細書において使用する場合、用語「ポリマー」は、一般に、これらに限定されないが、ホモポリマー、コポリマー、例えばブロック、グラフト、ランダム及び交互コポリマー等、ターポリマー、並びにより高次の「x」量体を含み、それらの誘導体、組み合わせ及びブレンドを更に含む。更に、別段に具体的に限定されない限り、「ポリマー」という用語は、限定されることはないが、アイソタクチック、シンジオタクチック、及びランダム対称、並びにそれらの組み合わせを含む、分子の全ての可能な異性体構成を含むものとする。更に、別段に具体的に限定されない限り、用語「ポリマー」は、分子の全ての可能な幾何学構成を含むものとする。
【0035】
本特許出願の目的では、微生物集団が少なくとも約50%、又は水による洗浄によって達成されるよりも有意に多く減少する場合、微生物減少の成功が達成される。微生物集団のより大きな減少により、保護のレベルがより大きくなる。
【0036】
本明細書で使用される場合、「消毒剤」という用語は、細菌性汚染物質の数を公衆健康要件によって判定される安全レベルにまで減少させる薬剤を指す。一実施形態では、本発明における使用のための消毒剤は、少なくとも3対数の減少、及びより好ましくは5対数オーダーの減少を提供するであろう。これらの減少は、Germicidal and Detergent Sanitizing Action of Disinfectants,Official Methods of Analysis of the Association of Official Analytical Chemists、段落960.09及び該当部分、15th Edition,1990(EPA Guideline 91-2)に記載された手順を使用して評価することができる。この参考文献によれば、消毒剤は、いくつかの試験生物に対して、室温、25±2℃で30秒以内に、99.999%の減少(5対数オーダーの減少)を提供するべきである。
【0037】
本明細書で使用される場合、「汚れ」又は「染み」という用語は、非極性の油性物質を指し、これは、鉱物粘土、砂、天然鉱物質、カーボンブラック、グラファイト、カオリン、環境粉塵などのような粒子状物質を含有してもよく、又はしなくてもよい。
【0038】
抗菌の「殺菌(-cidal)」又は「静菌(-static)」活性の区別、有効性の程度を説明する定義、及びこの有効性を測定するための公式の実験室プロトコルは、抗菌剤及び組成物の関連性を理解するための考慮事項である。抗微生物組成物は、2種類の微生物細胞損傷を生じさせることができる。第1は、致死的で不可逆的な作用であり、微生物細胞の完全な破壊又は無能力化をもたらす。第2のタイプの細胞傷害は可逆的であり、したがって、生物がその薬剤から解放されると、それは再度増殖することができる。前者は殺菌性であり、後者は静菌性であると称される。消毒剤及び殺菌剤は、定義によると、抗菌活性又は殺菌活性を提供する薬剤である。対照的に、防腐剤は概して、防止剤又は静菌組成物として説明される。
【0039】
本明細書で使用される場合、「実質的に含まない」という用語は、その構成成分を完全に欠くか、又はその構成成分が組成物の性能に影響を及ぼさない程度の少量の構成成分を有する組成物を指す。構成成分は、不純物として又は汚染物質として存在してもよく、0.5重量%未満でなければならない。別の実施形態では、構成成分の量は0.1重量%未満であり、更に別の実施形態では、構成成分の量は0.01重量%未満である。
【0040】
本明細書で使用される場合、「ウェア」という用語は、食事及び調理用具、食器類などのアイテム、並びにシャワー、シンク、トイレ、浴槽、天板、窓、鏡、運搬用車両、及び床などの他の硬質表面を指す。本明細書で使用される場合、「ウェア洗浄」という用語は、ウェアの洗浄、清浄、又はすすぎを指す。ウェアは、プラスチック製のアイテムも指す。本発明による組成物で浄化され得るプラスチックのタイプとしては、ポリカーボネートポリマー(PC)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンポリマー(ABS)、及びポリスルホンポリマー(PS)を含むものが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の化合物及び組成物を使用して浄化され得る別の例示的なプラスチックには、ポリエチレンテレフタレート(PET)が含まれる。
【0041】
「重量パーセント(weight percent)」、「重量%(wt%)」、「重量パーセント(percent by weight)」、「重量%(% by weight)」という用語、及びそれらの変形は、本明細書で使用される場合、その物質の重量を組成物の総重量で除し、100を乗じた物質の濃度を指す。本明細書で使用される場合、「パーセント」、「%」などは、「重量パーセント」、「重量%」などと同義であることが意図されることが理解される。
【0042】
本発明の方法、システム、装置、及び組成物は、本発明の構成成分及び成分、並びに本明細書に記載の他の成分を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなってもよい。本明細書で使用される場合、「から本質的になる」とは、方法、システム、装置、及び組成物が、追加的なステップ、構成成分、又は成分が、特許請求される方法、システム、装置、及び組成物の基本的かつ新規の特徴を物質的に変更しない場合にのみ、追加的なステップ、構成成分、又は成分を含み得ることを意味する。
【0043】
低泡性洗浄組成物
本出願による低泡性洗浄組成物は、液体又は固体であり得る。固体組成物は濃縮されており、活性成分の所望の濃度を達成するために十分な量の担体で溶解する必要がある。液体組成物は、濃縮されているか(使用前に更に溶解する必要がある)、又はすぐに使用可能な溶液であり得る。すぐに使用可能な溶液についての望ましい濃度は、その最終使用及び用途に依存し得る。更に、濃縮物は、最終希釈比に基づいて、及び濃縮物が無水配合物又は水性配合物として配合されるかどうかに基づいて、それらの濃度が変化し得ることを理解されたい。
【0044】
液体組成物又は希釈時の固体組成物のpHは、約4.5~約10、好ましくは約4.5~約9、より好ましくは約5~約8.5の範囲であり得る。濃縮された組成物では、pHは、好ましくは約5~約10、より好ましくは約5.5~約9.5である。すぐに使用可能な組成物では、pHは、好ましくは約4.5~約9.5、より好ましくは約5~約8.5、最も好ましくは約5~約7である。
【0045】
好ましくは、低泡性洗浄組成物は、四級アンモニウム化合物、ポリカルボン酸及び/又はその塩を含む。低泡性洗浄組成物は、担体、染料、付臭剤、pH調整剤、被覆剤、固化助剤、界面活性剤、又はそれらの組み合わせを更に含み得る。低泡性洗浄組成物は、食器洗い洗剤、すすぎ助剤、消毒洗剤、消毒すすぎ助剤、硬質表面洗浄剤、洗濯洗剤、及び洗濯消毒剤としての使用に好適で有り得る。
【0046】
四級アンモニウム化合物
本明細書に記載の低泡性洗浄組成物は、四級アンモニウム化合物を含む。「四級アンモニウム化合物」という用語は、一般的に、以下の式を有する任意の組成物を指し、
【化1】
式中、R1~R4は、各々、C16未満の鎖長を有し、X-は、アニオン性対イオンである。実施形態では、アルキル基は、同一であっても異なっていてもよく、置換又は非置換、飽和又は不飽和、分岐鎖又は非分岐鎖、及び環式又は非環式であってもよく、エーテル、エステル、又はアミド結合を有してもよく、それらは、芳香族又は置換芳香族基であってもよい。「アニオン性対イオン」という用語は、四級アンモニウムと塩を形成することができる任意のイオンを含む。好適な対イオンの例としては、塩化物及び臭化物などのハロゲン化物、硫酸メチル、カーボネート、及びバイカーボネートが挙げられる。好ましくは、アニオン性対イオンは、塩化物である。いくつかの実施形態では、約8~6個、好ましくは8~12個、又はより好ましくは8~10個の炭素鎖を有する四級アンモニウムが組成物中に含まれる。
【0047】
好ましい四級アンモニウム化合物は、水溶性化合物であり、本明細書に記載の化合物の塩を更に含み得るものである。好適な塩としては、ニトレート、スルフェート、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸メチル、スルホン酸メチル、カーボネート、バイカーボネート、カルボキシレート、ポリカルボキシレート、ホスフェート、ホスホネートなどの、有機酸及び無機酸の両方の塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
好ましい四級アンモニウム化合物としては、オクチルデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロリド、及びジデシルジメチルアンモニウムクロリドを含む、アルキル(C8~C16)ジメチルベンジルアンモニウムクロリド(ADBAC)、アルキル(C8~16)ジメチルエチルベンジルアンモニウムクロリド(ADEBAC)、並びにジアルキル(C8~C16)ジメチルアンモニウムクロリド(DAAC)が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい実施形態では、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド(DAAC)は、C10以下(C8~C10)を有するジアルキルである。好ましい実施形態では、四級アンモニウム化合物は、オクチルデシルジメチル、ジオクチルジメチル、及びジデシルジメチルアンモニウムクロリドのブレンドである。単一の四級アンモニウム又は1つより多い四級アンモニウムの組み合わせが低発泡洗浄組成物中に含まれ得る。
【0049】
いくつかの実施形態において、R基、アニオンの性質、及び存在する四級窒素原子の数に応じて、抗微生物四級アンモニウム化合物は、以下のカテゴリ:モノアルキルトリメチルアンモニウム塩;モノアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩;ジアルキルジメチルアンモニウム塩;ヘテロ芳香族アンモニウム塩;多置換四級アンモニウム塩;ビス-四級アンモニウム塩;及びポリマー四級アンモニウム塩のうちの1つに分類され得る。各カテゴリについては、以下で更に述べる。
【0050】
モノアルキルトリメチルアンモニウム塩は、長鎖アルキル基である1つのR基を含み、残余のR基は、メチル又はエチル基のような短鎖アルキル基である。モノアルキルトリメチルアンモニウム塩のいくつかの非限定的な例としては、Rhodaquat M242C/29及びDehyquart Aの商品名で市販されているセチルトリメチルアンモニウムブロミド;Arquad 16として市販されているアルキルトリメチルアンモニウムクロリド;アルキルアリールトリメチルアンモニウムクロリド;並びにAmmonyx DMEとして市販されているセチルジメチルエチルアンモニウムブロミドが挙げられる。
【0051】
モノアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩は、長鎖アルキル基である1つのR基、ベンジルラジカルである第2のR基を含み、2つの残余のR基は、メチル又はエチル基のような短鎖アルキル基である。モノアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩は、非イオン性界面活性剤、洗剤ビルダー、香料及び他の成分と一般に適合する。モノアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩のいくつかの非限定的な例としては、Lonza Inc.からBarquatとして市販される、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、及びLonza Inc.からLonzagardとして市販される、ベンゼトニウムクロリドが挙げられる。加えて、モノアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩は、置換されてもよい。そのような塩の非限定的な例としては、ドデシルジメチル-3,4-ジクロロベンジルアンモニウムクロリドが挙げられる。最終的に、Stepan CompanyからBTC 2125Mとして市販される、及びLonza IncよりBarquat 4250として市販される、アルキルジメチルベンジルとアルキルジメチル置換ベンジル(エチルベンジル)アンモニウムクロリドの混合物が存在する。
【0052】
ジアルキルジメチルアンモニウム塩は、長鎖アルキル基である2つのR基を含み、残余のR基は、メチル基のような短鎖アルキル基である。ジアルキルジメチルアンモニウム塩のいくつかの非限定的な例としては、Lonza IncからBardac 22として市販されているジデシルジメチルアンモニウムハライド;Lonza IncからBardac 2250として市販されているジデシルジメチルアンモニウムクロリド;Lonza IncからBardac LF及びBardac LF-80として市販されているジオクチルジメチルアンモニウムクロリド);並びにLonza IncからBardac2050及び2080として市販されているジデシルジメチルアンモニウムクロリド及びジオクチルジメチルアンモニウムクロリドとの混合物として販売されているオクチルデシルジメチルアンモニウムクロリドが挙げられる。
【0053】
好ましい実施形態では、低泡性洗浄組成物は、約10ppm~約40重量%の四級アンモニウム化合物、より好ましくは約15ppm~約30重量%の四級アンモニウム化合物、又は最も好ましくは約20ppm~約25重量%の四級アンモニウム化合物を含む。
【0054】
好ましい実施形態では、濃縮された低泡性洗浄組成物は、約1重量%~約40重量%の四級アンモニウム化合物、より好ましくは約5重量%~約35重量%の四級アンモニウム化合物、又は最も好ましくは約10重量%~約25重量%の四級アンモニウム化合物を含む。
【0055】
好ましい実施形態では、低泡性洗浄組成物は、約10ppm~約1000ppmの四級アンモニウム化合物、より好ましくは約15ppm~約500ppmの四級アンモニウム化合物、又は最も好ましくは約20ppm~約250ppmの四級アンモニウム化合物を含む。
【0056】
ポリカルボン酸及び/又は塩
低泡性洗浄組成物は、好ましくは、ポリカルボン酸及び/又はその塩を含む。理論に束縛されることを望むものではないが、ポリカルボン酸及び/又はその塩は、対イオンを提供することによって四級アンモニウム化合物の電荷を部分的に中和(すなわち、マスキング)し、かつこの電荷マスキングは、泡の形成及び/又は安定性を低減させる、より好ましくは阻止すると考えられる。ポリカルボン酸及び/又は塩の電気陰性度は、電荷マスキングが起こるために重要であることが見出された。この点において、適切なpKa値を有するポリカルボン酸及び/又はその塩を選択することが重要である。
【0057】
ポリカルボン酸は、少なくとも2つのpKa値を有し、最も好ましい実施形態では、ポリカルボン酸は、3つのpKa値を有する。好ましくは、各pKa値は約7未満、より好ましくは約6.5未満である。好ましい実施形態では、ポリカルボン酸は、約7未満、より好ましくは約6.5未満、及び最も好ましくは約6未満の少なくとも2つのpKa値を有する。好ましい実施形態では、ポリカルボン酸は、約6未満、より好ましくは約5.5未満、最も好ましくは約5未満の少なくとも1つのpKa値を有する。好ましい実施形態では、pKa値の各々は、約2~約7、より好ましくは約2.5~約6.5である。好ましい実施形態では、pKa値のうちの少なくとも2つは、約2~約7、より好ましくは約2.5~約6.5、最も好ましくは約3~約6である。好ましい実施形態では、ポリカルボン酸は、約2~約6、より好ましくは約2.5~約5.5、最も好ましくは約3~約5の少なくとも1つのpKa値を有する。
【0058】
好ましい実施形態では、ポリカルボン酸は、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、N-ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、N-ヒドロキシエチル-エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、N、N-ジカルボキシメチルグルタミン酸四ナトリウム塩(GLDA)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、前述のうちのいずれかの塩、キシレンスルホン酸ナトリウム、又はそれらの混合物である。
【0059】
好ましい実施形態では、低泡性洗浄組成物は、約25ppm~約50重量%のポリカルボン酸若しくはその塩、より好ましくは約50ppm~約40重量%のポリカルボン酸若しくはその塩、又は最も好ましくは約100ppm~約35重量%のポリカルボン酸若しくはその塩を含む。
【0060】
好ましい実施形態では、濃縮された低泡性洗浄組成物は、約1重量%~約50重量%のポリカルボン酸若しくはその塩、より好ましくは約5重量%~約40重量%のポリカルボン酸若しくはその塩、又は最も好ましくは約10重量%~約35重量%のポリカルボン酸若しくはその塩を含む。
【0061】
好ましい実施形態では、低泡性洗浄組成物は、約25ppm~約10,000ppmのポリカルボン酸若しくはその塩、より好ましくは約50ppm~約5000ppmのポリカルボン酸若しくはその塩、又は最も好ましくは100ppm~約2500ppmのポリカルボン酸若しくはその塩を含む。
【0062】
担体
低発泡洗浄組成物は、担体を含み得る。好ましい担体としては、水及び/又は水混和性溶剤が挙げられる。本明細書で使用される場合、「水混和性」という用語は、構成成分(例えば、担体又は溶剤)が、約20℃で約0.2g/L超、好ましくは約1g/L以上、より好ましくは10g/L以上、及び最も好ましくは約50g/L以上の濃度で水中に可溶性又は分散性であることを意味する。
【0063】
濃縮された液体組成物では、担体は、好ましくは約5重量%~約50重量%、より好ましくは約10重量%~約40重量%、最も好ましくは約15重量%~約35重量%の濃度である。
【0064】
すぐに使用可能な溶液では、担体は、活性成分の所望の濃度に到達するのに適切な量で存在し得る。好ましい実施形態では、すぐに使用可能な溶液中の担体の量は、約20重量%~約95重量%、より好ましくは30重量%~約92重量%、最も好ましくは約40重量%~約90重量%である。
【0065】
染料/付臭剤
低泡性洗浄組成物は、任意選択で、染料、香料を含む付臭剤、及び他の美的増強剤を含み得る。染料は、例えば、FD&C Blue 1(Sigma Chemical)、FD&C Yellow 5(Sigma Chemical)、Direct Blue 86(Miles)、Fastusol Blue(Mobay Chemical Corp.)、Acid Orange 7(American Cyanamid)、Basic Violet 10(Sandoz)、Acid Yellow 23(GAF)、Acid Yellow 17(Sigma Chemical)、Sap Green(Keyston Analine and Chemical)、Metanil Yellow(Keystone Analine and Chemical)、Acid Blue 9(Hilton Davis)、Sandolan Blue/Acid Blue 182(Sandoz)、Hisol Fast Red(Capitol Color and Chemical)、Fluorescein(Capitol Color and Chemical)、Acid Green 25(Ciba-Geigy)などとして、組成物の外観を変更するために含まれ得る。
【0066】
芳香剤又は香料を含む好ましい付臭剤としては、シトロネロールなどのテルペノイド、アミルシンナムアルデヒドなどのアルデヒド、C1S-ジャスミン又はジャスマルなどのジャスミン、バニリンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0067】
低泡性洗浄組成物が染料及び/又は付臭剤を含む場合、そのようなものを任意の量で添加して、所望の美的増強を達成することができる。好ましくは、染料又は付臭剤は、約0.001重量%~約5重量%の量であろう。
【0068】
pH調整剤
低泡性洗浄組成物は、任意選択で、pH調整剤を含み得る。pH調整剤は、低泡性洗浄組成物のpHを調節するために使用される。好適なpH調整剤は、強酸、弱酸、強塩基、及び弱塩基が挙げられるが、これらに限定されない、酸及び塩基であり得る。好適な酸としては、有機酸及び無機酸が挙げられ得る。好ましい有機酸の例としては、なかでも、これらに限定されないが、ヒドロキシ酢酸(グリコール酸)、クエン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、トリクロロ酢酸、尿素塩酸塩、及び安息香酸などのカルボン酸が挙げられる。なかでも、シュウ酸、マロン酸、グルコン酸、イタコン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、及びテレフタル酸のような有機ジカルボン酸はまた、本発明に従って有用である。
【0069】
好ましい無機酸としては、なかでも、硫酸、スルファミン酸、メチルスルファミン酸、塩酸、臭化水素酸、及び硝酸が挙げられるが、これらに限定されない。これらの酸はまた、他の無機酸又は上述のこれらの有機酸と組み合わされて使用され得る。
【0070】
好ましい塩基としては、アンモニア、水酸化アンモニウム、アミン、アルカノールアミン、アミノアルコール、ボレート、カーボネート、水酸化物、シリケート、又はそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0071】
低泡性洗浄組成物がpH調整剤を含む場合、そのようなものを任意の量で添加して、所望のpHを達成することができる。好ましくは、pH調整剤は、約0.001重量%~約10重量%の量であろう。
【0072】
被覆剤
低泡性洗浄組成物は、任意選択で、被覆剤を含み得る。低泡性洗浄組成物がすすぎ助剤又は消毒すすぎ助剤である実施形態では、被覆剤が存在することが好ましい。被覆剤は、任意選択で、他の低発泡洗浄組成物にも同様に含まれ得る。
【0073】
好ましい被覆剤は、12個以下の炭素原子を有するアルキル基を含むアルコールエトキシレート化合物を含み、式I:R-O-(CH2CH2O)n-H(I)によって表される構造を有し、式中、Rは、(C1~C12)アルキル基であり、nは、1~100の範囲の整数である。いくつかの実施形態では、Rは、(C8~C12)アルキル基であり得るか、又は(C8~C10)アルキル基であり得る。同様に、いくつかの実施形態では、nは、10~50の範囲、又は15~30の範囲、又は20~25の範囲の整数である。いくつかの実施形態では、アルコールエトキシレートは、6以下のnなど、低いEO含有量を有する。
【0074】
より好ましい実施形態では、被覆剤は、各々が式Iによって表される構造を有する少なくとも2つの異なるアルコールエトキシレート化合物を含み得る。つまり、式IのR及び/若しくはn変数、又はこれらの両方は、被覆剤中に存在する2つ以上の異なるアルコールエトキシレート化合物中で異なり得る。例えば、被覆剤は、Rが(C8~C10)アルキル基である第1のアルコールエトキシレート化合物、及びRが(C10~C12)アルキル基である第2のアルコールエトキシレート化合物を含み得る。好ましい実施形態では、被覆剤は、12個を超える炭素原子を有するアルキル基を含むアルコールエトキシレート化合物を含まない。好ましい実施形態では、被覆剤は、12個以下の炭素原子を有するアルキル基を含むアルコールエトキシレート化合物のみを含む。
【0075】
低泡性洗浄組成物が被覆剤を含む場合、被覆剤に使用されるアルコールエトキシレートは、例えば、環境に優しく、外食産業で使用するのに好適であるなどの、ある特定の特質を有するように選定され得る。例えば、被覆剤で使用される特定のアルコールエトキシレートは、環境又は食品事業の規制上の要件、例えば、生分解性の要件を満たし得る。
【0076】
好ましい実施形態では、低泡性洗浄組成物は、約10ppm~約40重量%の被覆剤、より好ましくは約25ppm~約35重量%の被覆剤、又は最も好ましくは約50ppm~約30重量%の被覆剤を含む。
【0077】
好ましい実施形態では、濃縮された低泡性洗浄組成物は、約1重量%~約40重量%の被覆剤、より好ましくは約5重量%~約35重量%の被覆剤、又は最も好ましくは約10重量%~約30重量%の被覆剤を含む。
【0078】
好ましい実施形態では、低泡性洗浄組成物は、約10ppm~約10,000ppmの被覆剤、より好ましくは約25ppm~約7500ppmの被覆剤、又は最も好ましくは約50ppm~約5000ppmの被覆剤を含む。
【0079】
固化助剤
好ましい実施形態では、低泡性洗浄組成物は、任意選択で、1つ又は複数の固化助剤を含み得る。固化助剤の例としては、尿素、アミド、そのようなステアリンモノエタノールアミド又はラウリン酸ジエタノールアミド又はアルキルアミド、硫酸塩又は硫酸化界面活性剤、及び芳香族スルホネート、固体ポリエチレングリコール、固体EO/POブロックコポリマー、酸又はアルカリ処理プロセスを通じて水溶性になっているデンプン、冷却時に固化特性を加熱された組成物に付与する様々な無機物などが挙げられるが、これらに限定されない。そのような化合物はまた、活性成分が長期間にわたって固体組成物から分注され得るように、使用中に水性媒体中の低泡性洗浄組成物の可溶性を変化させることができる。好ましい実施形態では、固化助剤は、ビルダーとしても働き得る。
【0080】
好適な芳香族スルホネートは、キシレンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、クメンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸カリウム、キシレンスルホン酸アンモニウム、キシレンスルホン酸カルシウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、及び/又はブチルナフタレンナトリウムを含むが、これらに限定されない。好ましい芳香族スルホネートは、キシレンスルホン酸ナトリウム及びクメンスルホン酸ナトリウムを含む。
【0081】
固体低泡性洗浄組成物の好ましい実施形態では、固化助剤は、塩化ナトリウム、デンプン、糖類、プロピレングリコールなどのC1~C10アルキレングリコール、固体PEG、固体PPG、固体EP/PO、アミド、尿素、アセテート、ボレート、ホスフェート、シリケート、スルホネート、又はそれらの混合物を含む。
【0082】
低泡性洗浄組成物中に含まれる固化助剤の量は、所望の効果によって影響され得る。一般に、有効量の固化助剤は、他の材料の有無にかかわらず、低泡性洗浄用組成物を固化させるように作用する量であるとみなされる。典型的には、固体実施形態については、低泡性洗浄組成物中の固化助剤の量は、約10重量%~約80重量%、好ましくは約20重量%~約75重量%、より好ましくは約20重量%~約70重量%である。
【0083】
好ましい実施形態では、固化助剤は、スルフェートを実質的に含まない。例えば、洗浄組成物は、1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、より好ましくは0.1重量%未満のスルフェートを有し得る。好ましい一実施形態では、洗浄組成物は、スルフェートを含まない。
【0084】
界面活性剤
いくつかの実施形態では、低泡性洗浄組成物は、任意選択的に、界面活性剤を含み得る。界面活性剤の所望の役割、及び低泡性洗浄組成物の最終使用に依存して、好適な界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、又はそれらの混合物であり得る。界面活性剤が低泡性洗浄組成物中に含まれる場合、いくつかの実施形態では、界面活性剤は、好ましくは約10ppm~約50重量%、より好ましくは約25ppm~約45重量%の界面活性剤、又は最も好ましくは約50ppm~約35重量%の界面活性剤の濃度である。
【0085】
好ましい実施形態では、濃縮された低泡性洗浄組成物は、約1重量%~約50重量%の界面活性剤、より好ましくは約5重量%~約45重量%の界面活性剤、又は最も好ましくは約10重量%~約35重量%の界面活性剤を含む。
【0086】
好ましい実施形態では、低泡性洗浄組成物は、約10ppm~約10,000ppmの界面活性剤、より好ましくは約25ppm~約7500ppmの界面活性剤、又は最も好ましくは約50ppm~約5000ppmの界面活性剤を含む。
【0087】
非イオン性界面活性剤
有用な非イオン性界面活性剤は、一般的に、有機疎水基及び有機親水基の存在により特徴付けられ、典型的には、有機脂肪族、アルキル芳香族、又はポリオキシアルキレン疎水性化合物の、一般的な実施がエチレンオキシド又はその多水和生成物(polyhydration product)、ポリエチレングリコールである親水性アルカリ性オキシド部分との縮合によって製造される。実際には、反応性水素原子を有するヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、又はアミド基を有する任意の疎水性化合物は、エチレンオキシド、又はその多水和付加物、又はプロピレンオキシドのようなアルコキシレンとのその混合物と縮合されて、非イオン性表面活性剤を形成できる。任意の特定の疎水性化合物と縮合する親水性ポリオキシアルキレン部分の長さは、親水性及び疎水性特性の間の所望の程度のバランスを有する水分散性又は水溶性化合物を生成するように、容易に調節され得る。有用な非イオン性界面活性剤には、開始剤反応性水素化合物としての、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、及びエチレンジアミンをベースとするブロックポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレンポリマー化合物。化合物の1つのクラスは、エチレンオキシドと、プロピレンオキシドをプロピレングリコールの2つのヒドロキシル基に付加することによって形成した疎水性塩基とを縮合することによって形成した、二官能性(2つの反応性水素の)化合物である。分子のこの疎水性部分は、約1,000~約4,000の分子量を有する。次いで、エチレンオキシドは、この疎水性物質(hydrophobe)を親水基の間に挟み込むように添加され、最終的な分子の約10重量%~約80重量%を構成するように長さにより制御される。化合物の別のクラスは、プロピレンオキシド及びエチレンオキシドのエチレンジアミンへの連続的な添加に由来する三官能性ブロック共重合体である。プロピレンオキシドハイドロタイプ(hydrotype)の分子量は約500~約7,000の範囲であり、親水性物質(hydrophile)のエチレンオキシドは分子の約10重量%~約80重量%を構成するように付加される。
【0088】
直鎖若しくは分岐鎖構成の、又は単一若しくは二重アルキル構成物質のアルキル鎖が約8~約18個の炭素原子を含有する1モルのアルキルフェノールの、約3~約50モルのエチレンオキシドとの縮合生成物。アルキル基は、例えば、ジイソブチレン、ジ-アミル、重合プロピレン、イソ-オクチル、ノニル、及びジ-ノニルにより代表され得る。これらの界面活性剤は、アルキルフェノールのポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリブチレンオキシド縮合物であってもよい。この化学の商業的化合物の例は、Rhone-Poulenc製のIgepal(登録商標)、及びUnion Carbide製のTriton(登録商標)の商品名で市販されている。
【0089】
約6~約24個の炭素原子を有する、1モルの飽和又は不飽和直鎖又は分岐鎖アルコールの、約3~約50モルのエチレンオキシドとの縮合生成物。アルコール部分は、上述された炭素範囲内のアルコールの混合物からなり得るか、又はこの範囲内の特定の数の炭素原子を有するアルコールからなり得る。同等の市販の界面活性剤の例は、Shell Chemical Co.によって製造されているNeodol(商標)の商品名、及びVista Chemical Coによって製造されているAlfonic(商標)の商品名で入手可能である。
【0090】
約8~約18個の炭素原子を有する、1モルの飽和又は不飽和直鎖又は分岐鎖カルボン酸の、約6~約50モルのエチレンオキシドとの縮合生成物。酸部分は、上記に定義された炭素原子範囲内の酸の混合物からなり得るか、又はこの範囲内の特定の数の炭素原子を有する酸からなり得る。この化学物質の商業的化合物の例は、Lipo Chemicals,Inc.製のLipopeg(商標)の商品名で市販されている。
【0091】
一般にポリエチレングリコールエステルと呼ばれるエトキシル化カルボン酸に加えて、グリセリド、グリセリン、及び多価(サッカリド又はソルビタン/ソルビトール)アルコールとの反応により形成される他のアルカン酸エステルは、特殊化された実施形態、特に間接的食品添加剤用途について本発明における用途を有する。これらのエステル部分は全て、それらの分子上に、これらの物質の親水性を制御するために更なるアシル化又はエチレンオキシド(アルコキシド)付加に供され得る1つ又は複数の反応性水素部位を有する。
【0092】
非イオン性低発泡性界面活性剤の例は、以下を含む。
エチレンオキシドをエチレングリコールに付加して指定の分子量の親水性物質を提供し、次いでプロピレンオキシドを付加して分子の外側(端部)に疎水性ブロックを得ることにより改質され、本質的に反転された(1)からの化合物。分子の疎水性部分は、約1,000から約3,100の分子量を有し、中心の親水性物質は、最終的な分子の10重量%~約80重量%を含む。分子の疎水性部分は、最終的な分子の10重量%~80重量%を含む中心の親水性物質を有し、約2,100~約6,700の重量がある。
【0093】
プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、塩化ベンジルなどの疎水性小分子;及び1~約5個の炭素原子を含有する短鎖脂肪酸、アルコール又はアルキルハロゲン化物;並びにそれらの混合物との反応により発泡を減少させるために、(多官能性部分の)末端ヒドロキシ基を「キャッピング」又は「端部ブロッキング」することにより改質された、グループ(1)、(2)、(3)及び(4)からの化合物。また、末端ヒドロキシ基を塩化物基に変換する塩化チオニルなどの反応物質も含まれる。末端ヒドロキシ基へのそのような修飾は、オールブロック、ブロック-ヘテリック、ヘテリック-ブロック、又はオールヘテリック非イオン性物質をもたらし得る。
【0094】
有効な低発泡性非イオン性物質の更なる例は、以下を含む。
1959年9月8日にBrownらに発行された米国特許第2,903,486号の、式:
【化2】
により表され、式中、Rが8~9個の炭素原子のアルキル基であり、Aが3~4個の炭素原子のアルキレン鎖であり、nが7~16の整数であり、mが1~10の整数である、アルキルフェノキシポリエトキシアルカノール。
【0095】
交互親水性オキシエチレン鎖及び疎水性オキシプロピレン鎖を有する、1962年8月7日にMartinらに発行された米国特許第3,048,548号のポリアルキレングリコール縮合物であって、末端疎水性鎖の重量、中間疎水性単位の重量、及び連結親水性単位の重量が各々縮合物の約3分の1を表す、ポリアルキレングリコール縮合物。
【0096】
一般式Z[(OR)nOH]zを有する、1968年5月7日にLissantらに発行された米国特許第3,382,178号に開示される消泡性非イオン性界面活性剤であって、Zがアルコキシル化可能な材料であり、Rが、エチレン及びプロピレンであり得るアルキレンオキシドに由来するラジカルであり、nが、例えば、10~2,000以上の整数であり、zが反応性オキシアルキル化可能な基の数によって決定される整数である、消泡性非イオン性界面活性剤。
【0097】
式Y(C3H6O)n(C2H4O)mHに対応する、1954年5月4日にJacksonらに発行された米国特許第2,677,700号に記載の共役ポリオキシアルキレン化合物であって、Yが約1~6個の炭素原子及び1個の反応性水素原子を有する有機化合物の残基であり、nがヒドロキシル価により決定される少なくとも約6.4の平均値を有し、mがオキシエチレン部分が分子の約10重量%~約90重量%を構成するような値を有する、共役ポリオキシアルキレン化合物。
【0098】
式Y[(C3H6On(C2H4O)mH]xを有する1954年4月6日にLundstedらに対して発行された米国特許第2,674,619号に記載される共役ポリオキシアルキレン化合物であって、Yが、約2~6個の炭素原子を有し、かつxが少なくとも約2の値を有するx個の反応性水素原子を含有する有機化合物の残基であり、nがポリオキシプロピレン疎水性塩基の分子量が少なくとも約900であるような値を有し、mが分子のオキシエチレン含有量が約10重量%~約90重量%であるような値を有する、共役ポリオキシアルキレン化合物。Yについての定義の範囲内に該当する化合物は、例えば、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、エチレンジアミンなどを含む。オキシプロピレン鎖は、任意選択ではあるが有利には、少量のエチレンオキシドを含有し、オキシエチレン鎖もまた、任意選択ではあるが有利には、少量のプロピレンオキシドを含有する。
【0099】
本発明の組成物において有利に使用される更なる共役ポリオキシアルキレン表面活性剤は、式:P[(C3H6O)n(C2H4O)mH]xに対応し、式中、Pが約8~18個の炭素原子を有し、x個の反応性水素原子を含有する有機化合物の残基であり、xが1又は2の値を有し、nがポリオキシエチレン部分の分子量が少なくとも約44であるような値を有し、mが分子のオキシプロピレン含量が約10重量%~約90重量%であるような値を有する。いずれの場合においても、オキシプロピレン鎖は、任意選択ではあるが有利には、少量のエチレンオキシドを含有してもよく、オキシエチレン鎖は、任意選択ではあるが有利には、少量のプロピレンオキシドを含有してもよい。
【0100】
本組成物における使用に好適なポリヒドロキシ脂肪酸アミド界面活性剤は、構造式R2CONR1Z(式中、R1は、H、C1~C4ヒドロカルビル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、エトキシ、プロポキシ基、又はそれらの混合であり、R2は、直鎖であってもよいC5~C31ヒドロカルビルであり、Zは、鎖に直接接続された少なくとも3つのヒドロキシルを有するヒドロカルビル直鎖を有するポリヒドロキシヒドロカルビル、又はそのアルコキシル化誘導体(好ましくはエトキシル化若しくはプロポキシル化)である)を有するものを含む。Zは、グリシチル部分のような、還元アミン化反応において還元糖に由来し得る。
【0101】
脂肪族アルコールの約0~約25モルのエチレンオキシドとのアルキルエトキシレート縮合生成物は、本組成物における使用に好適である。脂肪族アルコールのアルキル鎖は、直鎖又は分岐、一級又は二級であることができ、概して6~22個の炭素原子を含有する。
【0102】
エトキシル化C6~C18脂肪アルコール及びC6~C18混合エトキシル化及びプロポキシル化脂肪アルコール、特に水溶性のものは、本組成物における使用に好適な界面活性剤である。好適なエトキシル化脂肪アルコールは、3~50のエトキシル化度を有するC6~C18エトキシル化脂肪アルコールを含む。
【0103】
特に本組成物における使用に好適な非イオン性アルキルポリサッカリド界面活性剤は、1986年1月21日に発行された米国特許第4,565,647号、Llenadoに開示されるものを含む。これらの界面活性剤は、約6~約30個の炭素原子を含有する疎水性基及びポリサッカリド、例えば、ポリグリコシド、約1.3~約10個のサッカリド単位を含有する親水性基を含む。5又は6個の炭素原子を含有する任意の還元サッカリドが、使用され得て、例えば、グルコース、ガラクトース、及びガラクトシル部分は、グルコシル部分に置換され得る。(任意選択で、疎水基は、2位、3位、4位などで結合し、したがって、グルコシド又はガラクトシドとは対照的にグルコース又はガラクトースをもたらす。)サッカリド間結合は、例えば、更なるサッカリド単位の1つの位置と、先行するサッカリド単位上の2位、3位、4位、及び/又は6位との間にあり得る。
【0104】
本組成物を使用するのに好適な脂肪酸アミド界面活性剤は、式:R6CON(R7)2を有するものを含み、式中、R6は、7~21個の炭素原子を含有するアルキル基であり、各R7は、独立して、水素、C1~C4アルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、又は-(C2H4O)XHであり、xは、1~3の範囲内である。
【0105】
非イオン性界面活性剤の有用なクラスとしては、アルコキシル化アミン、又は、最も具体的には、アルコールアルコキシル化/アミノ化/アルコキシル化界面活性剤として定義されるクラスが挙げられる。これらの非イオン性界面活性剤は、少なくとも部分的に、一般式:R20-(PO)SN-(EO)tH、R20-(PO)SN-(EO)tH(EO)tH、及びR20-N(EO)tHによって表すことができ、式中、R20は、アルキル、アルケニル、若しくは他の脂肪族基、又は8~20個、好ましくは12~14個の炭素原子のアルキル-アリール基であり、EOは、オキシエチレンであり、POは、オキシプロピレンであり、sは、1~20、好ましくは2~5であり、tは、1~10、好ましくは2~5であり、uは、1~10、好ましくは2~5である。これらの化合物の範囲における他の変形例は、代替の式:R20-(PO)V-N[(EO)wH][(EO)zH]によって表すことができ、式中、R20は、上で定義されたとおりであり、vは、1~20(例えば、1、2、3、又は4(好ましくは2))であり、w及びzは、独立して、1~10、好ましくは2~5である。これらの化合物は、商業的には、非イオン性界面活性剤としてHuntsman Chemicalsより販売されている製品ラインにより代表される。このクラスの好ましい化学薬品は、Surfonic(商標)PEA25アミンアルコキシレートを含む。本発明の組成物に好ましい非イオン性界面活性剤は、アルコールアルコキシレート、EO/POブロックコポリマー、アルキルフェノールアルコキシレートなどを含む。
【0106】
論文Nonionic Surfactants,edited by Schick,M.J.,Vol.1 of the Surfactant Science Series,Marcel Dekker,Inc.,New York,1983は、本発明の実施において一般的に使用される広範な非イオン性化合物に関する優れた参考文献である。非イオン性クラス、及びこれらの界面活性剤の種の典型的なリストは、1975年12月30日にLaughlin及びHeuringに発行された米国特許第3,929,678号に与えられている。更なる例は、「Surface Active Agents and detergents」(第I巻、及び第II巻、Schwartz,Perry及びBerch)に記載されている。
【0107】
半極性非イオン性界面活性剤
半極性型の非イオン性表面活性剤は、本発明の組成物において有用な別のクラスの非イオン性界面活性剤である。一般に、半極性非イオン性物質は、高発泡物質及び泡安定剤であり、これはCIPシステムにおけるそれらの適用を制限し得る。しかしながら、高発泡洗浄方法論のために設計された本発明の組成上の実施形態内では、半極性非イオン性物質は、即時的な有用性を有するであろう。半極性非イオン性界面活性剤は、アミンオキシド、ホスフィンオキシド、スルホキシド及びそれらのアルコキシル化誘導体を含む。
【0108】
アミンオキシドは、次の一般式に対応する三級アミンオキシドであり、
【化3】
式中、矢印は、半極性結合の従来の表示であり、R
1、R
2、及びR
3は、脂肪族、芳香族、複素環式、脂環式、及はそれらの組み合わせであり得る。概して、洗剤関連のアミンオキシドについては、R
1は約8~約24個の炭素原子のアルキルラジカルであり、R
2及びR
3は、1~3個の炭素原子のアルキル若しくはヒドロキシアルキル、又はそれらの混合物であり、R
2及びR
3は、例えば、酸素又は窒素原子を通じて互いに結合されて環構造を形成することができ、R
4は、アルカリ、又は2~3個の炭素原子を含有するヒドロキシアルキレン基であり、nは0~約20の範囲である。
【0109】
有用な水溶性アミンオキシド界面活性剤は、ココナッツ又はタロウ(tallow)アルキルジ-(低級アルキル)アミンオキシドから選択され、それらの具体例は、ドデシルジメチルアミンオキシド、トリデシルジメチルアミンオキシド、テトラデシルジメチルアミンオキシド、ペンタデシルジメチルアミンオキシド、ヘキサデシルジメチルアミンオキシド、ヘプタデシルジメチルアミンオキシド、オクタデシルジメチルアインオキシド(octadecyldimethylaine oxide)、ドデシルジプロピルアミンオキシド、テトラデシルジプロピルアミンオキシド、ヘキサデシルジプロピルアミンオキシド、テトラデシルジブチルアミンオキシド、オクタデシルジブチルアミンオキシド、ビス(2-ヒドロキシエチル)ドデシルアミンオキシド、ビス(2-ヒドロキシエチル)-3-ドデコキシ-1-ヒドロキシプロピルアミンオキシド、ジメチル-(2-ヒドロキシドデシル)アミンオキシド、3,6,9-トリオクタデシルジメチルアミンオキシド、及び3-ドデコキシ-2-ヒドロキシプロピルジ-(2-ヒドロキシエチル)アミンオキシドである。
【0110】
有用な半極性非イオン性界面活性剤は、以下の構造を有する水溶性ホスフィンオキシドも含み、
【化4】
式中、矢印は、半極性結合の従来の表示であり、R
1は、10~約24個の炭素原子の鎖長の範囲のアルキル、アルケニル、又はヒドロキシアルキル部分であり、R
2及びR
3は、各々、1~3個の炭素原子を含有するアルキル又はヒドロキシアルキル基から別々に選択されるアルキル部分である。
【0111】
有用なホスフィンオキシドの例には、ジメチルデシルホスフィンオキシド、ジメチルテトラデシルホスフィンオキシド、メチルエチルテトラデシルホスホンオキシド、ジメチルヘキサデシルホスフィンオキシド、ジエチル-2-ヒドロキシオクチルデシルホスフィンオキシド、ビス(2-ヒドロキシエチル)ドデシルホスフィンオキシド、及びビス(ヒドロキシメチル)テトラデシルホスフィンオキシドが含まれる。
【0112】
本明細書において有用な半極性非イオン性界面活性剤は、次の構造を有する水溶性スルホキシド化合物も含み、
【化5】
式中、矢印は、半極性結合の従来の表示であり、R
1は、約8~約28個の炭素原子、0~約5個のエーテル結合、及び0~約2個のヒドロキシル置換基のアルキル又はヒドロキシアルキル部分であり、R
2は、1~3個の炭素原子を有するアルキル及びヒドロキシアルキル基からなるアルキル部分である。
【0113】
これらのスルホキシドの有用な例には、ドデシルメチルスルホキシド、3-ヒドロキシトリデシルメチルスルホキシド、3-メトキシトリデシルメチルスルホキシド、及び3-ヒドロキシ-4-ドデコキシブチルメチルスルホキシドが含まれる。
【0114】
本発明の組成物のための半極性非イオン性界面活性剤は、ジメチルアミンオキシド、例えばラウリルジメチルアミンオキシド、ミリスチルジメチルアミンオキシド、セチルジメチルアミンオキシド、それらの組み合わせなどを含む。有用な水溶性アミンオキシド界面活性剤は、オクチル、デシル、ドデシル、イソドデシル、ココナッツ、又はタロウアルキルジ-(低級アルキル)アミンオキシドから選択され、その具体例は、オクチルジメチルアミンオキシド、ノニルジメチルアミンオキシド、デシルジメチルアミンオキシド、ウンデシルジメチルアミンオキシド、ドデシルジメチルアミンオキシド、イソドデシルジメチルアミンオキシド、トリデシルジメチルアミンオキシド、テトラデシルジメチルアミンオキシド、ペンタデシルジメチルアミンオキシド、ヘキサデシルジメチルアミンオキシド、ヘプタデシルジメチルアミンオキシド、オクタデシルジメチルアミンオキシド、ドデシルジプロピルアミンオキシド、テトラデシルジプロピルアミンオキシド、ヘキサデシルジプロピルアミンオキシド、テトラデシルジブチルアミンオキシド、オクタデシルジブチルアミンオキシド、ビス(2-ヒドロキシエチル)ドデシルアミンオキシド、ビス(2-ヒドロキシエチル)-3-ドデコキシ-1-ヒドロキシプロピルアミンオキシド、ジメチル-(2-ヒドロキシドデシル)アミンオキシド、3,6,9-トリオクタデシルジメチルアミンオキシド及び3-ドデコキシ-2-ヒドロキシプロピルジ-(2-ヒドロキシエチル)アミンオキシドである。
【0115】
本発明の組成物と共に使用するのに好適な非イオン性界面活性剤としては、アルコキシル化界面活性剤が挙げられる。好適なアルコキシル化界面活性剤には、EO/POコポリマー、キャップドEO/POコポリマー、アルコールアルコキシレート、キャップドアルコールアルコキシレート、これらの混合物などが含まれる。溶剤としての使用に好適なアルコキシル化界面活性剤としては、Pluronic及び逆Pluronic界面活性剤などのEO/POブロックコポリマー、Dehypon LS-54(R-(EO)5(PO)4)及びDehypon LS-36(R-(EO)3(PO)6)などのアルコールアルコキシレート、並びにPlurafac LF221及びTegoten EC11などの末端処理アルコールアルコキシレート、それらの混合物、又は同様のものが挙げられる。
【0116】
アニオン性界面活性剤
疎水性物質の電荷が負であるためアニオン性物質として分類される界面活性物質、又はpHが中性以上に上昇しない限り分子の疎水性部分が電荷を持たない界面活性剤(例えば、カルボン酸)もまた、本発明において有用である。カルボキシレート、スルホネート、スルフェート、及びホスフェートは、アニオン性界面活性剤に見出される極性(親水性)可溶化基である。これらの極性基と関連したカチオン(対イオン)のうち、ナトリウム、リチウム、及びカリウムは、水溶性を付与し、アンモニウム及び置換アンモニウムイオンは、水溶性及び油溶性の両方を提供し、カルシウム、バリウム、及びマグネシウムは、油溶性を促進する。当業者が理解するように、アニオン性物質は、優れた洗浄性界面活性剤であり、したがって強力(heavy duty)洗剤組成物への好ましい添加物である。
【0117】
本組成物における使用に好適なアニオン性スルフェート界面活性剤には、アルキルエーテルスルフェート、アルキルスルフェート、直鎖及び分岐一級及び二級アルキルスルフェート、アルキルエトキシスルフェート、脂肪オレイルグリセロールスルフェート、アルキルフェノールエチレンオキシドエーテルスルフェート、C5~C17アシル-N-(C1~C4アルキル)、並びに-N-(C1~C2ヒドロキシアルキル)グルカミンスルフェート、並びにアルキルポリグルコシドのスルフェートなどのアルキルポリサッカリドのスルフェートなどが含まれる。また、エチレンオキシド及びノニルフェノールのスルフェート又は濃縮生成物(通常1分子当たり1~6個のオキシエチレン基を有する)などの、アルキルスルフェート、アルキルポリ(エチレンオキシ)エーテルスルフェート、及び芳香族ポリ(エチレンオキシ)スルフェートも含まれる。
【0118】
本組成物での使用に好適なアニオン性スルホネート界面活性剤としてはまた、アルキルスルホネート、直鎖及び分岐鎖の一級及び二級アルキルスルホネート、並びに置換基を有するか又は有しない芳香族スルホネートが挙げられる。
【0119】
本組成物での使用に好適なアニオン性カルボキシレート界面活性剤としては、カルボン酸(及び塩)、例えば、アルカン酸(及びアルカノエート)、エステルカルボン酸(例えば、アルキルスクシネート)、エーテルカルボン酸、スルホン化脂肪酸、例えば、スルホン化オレイン酸などが挙げられる。そのようなカルボキシレートとしては、アルキルエトキシカルボキシレート、アルキルアリールエトキシカルボキシレート、アルキルポリエトキシポリカルボキシレート界面活性剤、及び石鹸(例えば、アルキルカルボキシル)が挙げられる。本組成物において有用な二級カルボキシレートには、二級炭素に接続されたカルボキシル単位を含有するものが含まれる。二級炭素は、例えば、p-オクチル安息香酸におけるように、又はアルキル置換シクロヘキシルカルボキシレートにおけるように、環構造にあってもよい。二級カルボキシレート界面活性剤は、通常、エーテル結合、エステル結合、及びヒドロキシル基を含有しない。更に、これらは、通常、頭部基(両親媒性部分)内に窒素原子を欠く。好適な二級石鹸界面活性剤は、通常、11~13個の総炭素原子を含有するが、より多くの炭素原子(例えば、16個まで)が存在し得る。好適なカルボキシレートにはまた、例えば、アシルグルタメート、アシルペプチド、サルコシネート(例えば、N-アシルサルコシネート)、タウレート(例えば、N-アシルタウレート及びメチルタウリドの脂肪酸アミド)などのアシルアミノ酸(及び塩)が含まれる。
【0120】
好適なアニオン性界面活性剤には、以下の式のアルキル又はアルキルアリールエトキシカルボキシレートが含まれ、
R-O-(CH
2CH2O)
n(CH
2)
m-CO
2X(3)
式中、Rは、C
8~C
22アルキル基であるか、又は
【化6】
R
1は、C
4~C
16アルキル基であり、nは、1~20の整数であり、mは、1~3の整数であり、Xは、水素、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウムなどの対イオン、又はモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、若しくはトリエタノールアミンなどのアミン塩である。いくつかの実施形態において、nは4~10の整数であり、mは1である。いくつかの実施形態では、Rは、C
8~C
16アルキル基である。いくつかの実施形態では、Rは、C
12~C
14アルキル基であり、nは4であり、mは1である。
【0121】
他の実施形態では、Rは、
【化7】
であり、R
1は、C
6~C
12アルキル基である。更にまた他の実施形態では、R
1は、C
9アルキル基であり、nは、10であり、mは、1である。
【0122】
このようなアルキル及びアルキルアリールエトキシカルボキシレートは、市販されている。これらのエトキシカルボキシレートは、通常、酸の形態として入手可能であり、それらは、アニオン性又は塩の形態に容易に変換され得る。市販のカルボキシレートには、Neodox 23-4、C12-13アルキルポリエトキシ(4)カルボン酸(Shell Chemical)、及びEmcol CNP-110、C9アルキルアリールポリエトキシ(10)カルボン酸(Witco Chemical)が含まれる。カルボキシレート、例えば製品Sandopan(登録商標)DTC、C13アルキルポリエトキシ(7)カルボン酸もまた、Clariantから入手可能である。
【0123】
カチオン性界面活性剤
表面活性物質は、分子のヒドロトロープ部分上の電荷が正である場合、カチオン性として分類される。ヒドロトロープがpHが中性近く又はそれ以下まで下げられない限り電荷を帯びないが、その場合カチオン性(例えば、アルキルアミン)である界面活性剤も、この群に含まれる。理論的には、カチオン性界面活性剤は、「オニウム」構造RnX+Y-を含む元素のいずれの組み合わせからも合成され得、リン(ホスホニウム)及び硫黄(スルホニウム)などの窒素(アンモニウム)以外の化合物を含み得る。実際には、カチオン性界面活性剤分野は、恐らく、窒素性カチオン性物質への合成経路が、単純で容易であり、高収率の生成物を得るため、窒素含有化合物により支配され、これは、それらをより安価にすることができる。
【0124】
カチオン性界面活性剤は、好ましくは、少なくとも1つの長炭素鎖疎水性基及び少なくとも1つの正に荷電した窒素を含有する化合物を含み、より好ましくはこれを指す。長炭素鎖基は、単純な置換によって窒素原子に直接結合され得るか、又はより好ましくは、所謂中断アルキルアミン及びアミドアミン中の架橋官能基によって間接的に結合され得る。そのような官能基は、分子を、より親水性及び/若しくはより水分散性にし、共界面活性剤混合物によってより容易に水に溶解されるようにし、並びに/又は水溶性にすることができる。水溶性の増大のために、更なる一級、二級、若しくは三級アミノ基が導入され得るか、又はアミノ窒素が低分子量アルキル基を用いて四級化され得る。更に、窒素は、多様な不飽和度の分岐鎖若しくは直鎖部分の一部、又は飽和若しくは不飽和複素環式環の一部であり得る。それに加えて、カチオン性界面活性剤は、2個以上のカチオン性窒素原子を有する複雑な結合を含有してもよい。
【0125】
アミンオキシド、両性物質及び双性イオンとして分類される界面活性剤化合物は、それ自体が一般的には中性近くから酸性pHの溶液中でカチオン性であり、界面活性剤の分類と重複する。ポリオキシエチル化カチオン性界面活性剤は、概して、アルカリ性溶液中で非イオン性界面活性剤のように作用し、酸性溶液中でカチオン性界面活性剤のように作用する。
【0126】
最も単純なカチオン性アミンであるアミン塩及び四級アンモニウム化合物は、以下のように概略的に描かれ、
【化8】
式中、Rはアルキル鎖を表し、R’、R’’、及びR’’’はアルキル鎖若しくはアリール基のいずれか又は水素であり得、Xはアニオンを表す。アミン塩及び四級アンモニウム化合物は、それらの高い水溶性の程度のため、本発明における実践的な使用に好ましい。
【0127】
大量の商業的カチオン性界面活性剤の大部分は、当業者に既知の4つの主要なクラス及び追加的な部分群に細分され得、”Surfactant Encyclopedia”,Cosmetics & Toiletries,Vol.104(2)86-96(1989)に記載される。第1のクラスは、アルキルアミン及びそれらの塩を含む。第2のクラスは、アルキルイミダゾリンを含む。第3のクラスは、エトキシル化アミンを含む。第4のクラスは、例えば、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンゼン塩、複素環アンモニウム塩、テトラアルキルアンモニウム塩などの四級物を含む。カチオン性界面活性剤は、本組成物において有益であり得る多様な特性を有することが知られている。これらの望ましい特性としては、中性pH以下の組成物における洗浄力、抗微生物性効能、他の薬剤と連携した増粘又はゲル化などが含まれ得る。
【0128】
本発明の組成物において有用なカチオン性界面活性剤としては、式R
1
mR
2
xY
LZを有するものが挙げられ、式中、各R
1は、直鎖又は分岐アルキル又はアルケニル基を含有し、最大3個のフェニル又はヒドロキシ基で任意選択的に置換され、以下の構造のうちの最大4つ:
【化9】
又はこれらの構造の異性体若しくは混合物によって任意選択的に中断された直鎖若しくは分岐鎖アルキル又はアルケニル基を含有する有機基であり、これは、約8~22個の炭素原子を含有する。R
1基は、12個までのエトキシ基を更に含むことができる。mは、1~3の数字である。好ましくは、分子中の1個以下のR
1基は、mが2である場合に16個以上の炭素原子を有するか、又はmが3である場合に12個超の炭素原子を有する。各R
2は、1~4個の炭素原子又はベンジル基を含むアルキル又はヒドロキシアルキル基であり、かつ分子中の1個以下のR
2は、ベンジルであり、xは、0~11、好ましくは0~6の数である。Y基上の任意の炭素原子位置の残りは、水素により満たされる。
【0129】
Yは、
【化10】
又はそれらの混合物を含む基であり得るが、これらに限定されることはない。好ましくは、Lは、1又は2であり、かつY基は、Lが2である場合に、1~約22個の炭素原子と2個の遊離炭素単結合とを有するR
1及びR
2類似体(好ましくはアルキレン又はアルケニレン)から選択される部分により分離されている。Zは、ハロゲン化物アニオン、硫酸アニオン、硫酸メチルアニオン、水酸化物アニオン、又は硝酸アニオンのような水溶性アニオンであり、特に塩化物アニオン、臭化物アニオン、ヨウ化物アニオン、硫酸アニオン、又は硫酸メチルアニオンが、カチオン性構成成分の電気的中性を付与する数において好ましい。
【0130】
両性界面活性剤
両性又は両性電解質界面活性剤は、塩基性及び酸性親水性基の両方並びに有機疎水性基を含有する。これらのイオン性実体は、他のタイプの界面活性剤について本明細書に記載されるアニオン性又はカチオン性基のいずれかであり得る。塩基性窒素及び酸性カルボキシレート基は、塩基性及び酸性親水性基として採用される典型的な官能基である。いくつかの界面活性剤では、スルホネート、スルフェート、ホスホネート、又はホスフェートは、負電荷を提供する。
【0131】
両性界面活性剤は、脂肪族二級及び三級アミンの誘導体として広く記載することができ、ここで脂肪族ラジカルは、直鎖又は分岐であってもよく、脂肪族置換基のうちの1個は、約8~18個の炭素原子を含有し、1個は、アニオン性水可溶化基、例えば、カルボキシ、スルホ、スルファト、ホスファト、又はホスホノを含有する。両性界面活性剤は、当業者に既知であり、本明細書にその全体が参照により組み込まれる”Surfactant Encyclopedia”Cosmetics & Toiletries,Vol.104(2)69-71(1989)に記載される、2つの主要なクラスに細分される。第1のクラスは、アシル/ジアルキルエチレンジアミン誘導体(例えば、2-アルキルヒドロキシエチルイミダゾリン誘導体)及びそれらの塩を含む。第2のクラスには、N-アルキルアミノ酸及びそれらの塩が含まれる。一部の両性界面活性剤は、両方のクラスに当てはまると想像され得る。
【0132】
両性界面活性剤は、当業者に既知の方法によって合成され得る。例えば、2-アルキルヒドロキシエチルイミダゾリンは、長鎖カルボン酸(又は誘導体)のジアルキルエチレンジアミンとの縮合及び閉環によって合成される。商業用両性界面活性剤は、例えば、クロロ酢酸又は酢酸エチルでのアルキル化によるイミダゾリン環の連続的加水分解及び開環によって誘導体化される。アルキル化中に、1つ又は2つのカルボキシ-アルキル基が反応して、三級アミン及びエーテル結合を形成し、異なるアルキル化剤が、異なる三級アミンを生じる。
【0133】
本発明において用途を有する長鎖イミダゾール誘導体は、一般に以下の一般式を有し、
【化11】
式中、Rは、約8~18個の炭素原子を含有する非環式疎水基であり、Mは、アニオンの電荷を中和するためのカチオン、一般的にはナトリウムである。本組成物に用いることができる商業的に有名なイミダゾリン由来両性化合物としては、例えば、ココアンホプロピオネート、ココアンホカルボキシ-プロピオネート、ココアンホグリシネート、ココアンホカルボキシ-グリシネート、ココアンホプロピル-スルホネート、及びココアンホカルボキシ-プロピオン酸が挙げられる。アンホカルボン酸は、脂肪族イミダゾリンから生成することができ、ここで、アンホジカルボン酸のジカルボン酸官能基は、二酢酸及び/又はジプロピオン酸である。
【0134】
本明細書で上記のカルボキシメチル化化合物(グリシネート)は、しばしばベタインと呼ばれる。ベタインは、双性イオン界面活性剤と題した以下の節において、本明細書で以下に説明される特別なクラスの両性化合物である。
【0135】
長鎖N-アルキルアミノ酸は、反応RNH2によって容易に調製され、Rは、C8~C18直鎖又は分岐鎖アルキル、ハロゲン化カルボン酸を有する脂肪アミンである。アミノ酸の一級アミノ基のアルキル化は、二級及び三級アミンをもたらす。アルキル置換基は、複数の反応性窒素中心を提供する追加のアミノ基を有してもよい。最も商業的なN-アルキルアミン酸は、ベータ-アラニン又はベータ-N(2-カルボキシエチル)アラニンのアルキル誘導体である。本発明において用途を有する商業的なN-アルキルアミノ酸両性電解質の例は、アルキルベータ-アミノジプロピオネート、RN(C2H4COOM)2及びRNHC2H4COOMを含む。一実施形態において、Rは、約8~約18個の炭素原子を含有する非環式疎水性基であり得、Mは、アニオンの電荷を中和するためのカチオンである。
【0136】
好適な両性界面活性剤には、ココナツ油又はココナツ脂肪酸などのココナツ生成物由来のものが含まれる。追加の好適なココナツ由来の界面活性剤には、これらの構造の一部として、エチレンジアミン部分、アルカノールアミド部分、アミノ酸部分、例えば、グリシン、又はそれらの組み合わせ、及び約8~18個(例えば、12個)の炭素原子の脂肪族置換基が含まれる。そのような界面活性剤は、アルキルアンホジカルボン酸ともみなされ得る。これらの両性界面活性剤は、C12-アルキル-C(O)-NH-CH2-CH2-N+(CH2-CH2-CO2Na)2-CH2-CH2-OH又はC12-アルキル-C(O)-N(H)-CH2-CH2-N+(CH2-CO2Na)2-CH2-CH2-OHとして表される化学構造を含み得る。ココアンホジプロピオン酸二ナトリウムは、1つの好適な両性界面活性剤であり、ニュージャージー州クランベリーにあるRhodia Inc.からMiranol(商標)FBSの商品名で市販されている。化学名ココアンホジ酢酸二ナトリウムを有する別の好適なココナツ由来の両性界面活性剤は、同じくニュージャージー州クランベリーにあるRhodia Inc.からMirataine(商標)JCHAの商品名で販売されている。
【0137】
両性クラス及びこれらの界面活性剤の種の典型的なリストは、1975年12月30日にLaughlin and Heuringに発行された米国特許第3,929,678号に与えられる。更なる例は、“Surface Active Agents and Detergents”(Vol.I and II by Schwartz,Perry and Berch)に与えられる。これらの参考文献の各々は、本明細書に参照によりそれらの全体が組み込まれる。
【0138】
双性イオン性界面活性剤
双性イオン性界面活性剤は、両性界面活性剤のサブセットと考えることができ、アニオン性電荷を含み得る。双性イオン性界面活性剤は、二級及び三級アミンの誘導体、複素環式二級及び三級アミンの誘導体、又は四級アンモニウム、四級ホスホニウム、又は三級スルホニウム化合物の誘導体として広義に説明され得る。典型的には、双性イオン性界面活性剤は、正荷電四級アンモニウム、又は場合によってはスルホニウム若しくはホスホニウムイオン、負荷電カルボキシル基、及びアルキル基を含む。双性イオンは、一般に、分子の等電領域においてほぼ同程度にイオン化し、正-負電荷中心間に強い「内部塩」誘引を生じ得るカチオン性基及びアニオン性基を含有する。そのような双性イオン性の合成界面活性剤の例としては、脂肪族ラジカルが直鎖であっても分岐であってもよく、脂肪族置換基のうちの1つが8~18個の炭素原子を含有し、1つがアニオン性水溶化基、例えば、カルボキシ、スルホネート、スルフェート、ホスフェート、又はホスホネートを含有する、脂肪族四級アンモニウム、ホスホニウム、及びスルホニウム化合物の誘導体が挙げられる。
【0139】
ベタイン及びスルタイン界面活性剤は、本明細書で使用するための例示的な双性イオン性界面活性剤である。これらの化合物の一般式は、以下のとおりであり、
【化12】
式中、R
1は、0~10個のエチレンオキシド部分及び0~1個のグリセリル部分を有する、8~18個の炭素原子のアルキル、アルケニル、又はヒドロキシアルキルラジカルを含み、Yは、窒素原子、リン原子、及び硫黄原子からなる群から選択され、R
2は、1~3個の炭素原子を含むアルキル基又はモノヒドロキシアルキル基であり、Yが硫黄原子であるとき、xは1であり、Yが窒素原子又はリン原子であるときは2であり、R
3は、1~4個の炭素原子のアルキレン又はヒドロキシアルキレン又はヒドロキシアルキレンであり、Zは、カルボン酸基、スルホン酸基、スルフェート基、ホスホネート基、及びリン酸基からなる群から選択されるラジカルである。
【0140】
上に列挙した構造を有する双性イオン界面活性剤の例には、4-[N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)-N-オクタデシルアンモニオ]-ブタン-1-カルボキシレート、5-[S-3-ヒドロキシプロピル-S-ヘキサデシルスルホニオ]-3-ヒドロキシペンタン-1-スルフェート、3-[P,P-ジエチル-P-3,6,9-トリオキサテトラコサンホスホニオ]-2-ヒドロキシプロパン-1-ホスフェート、3-[N,N-ジプロピル-N-3-ドデコキシ-2-ヒドロキシプロピル-アンモニオ]-プロパン-1-ホスホネート、3-(N,N-ジメチル-N-ヘキサデシルアンモニオ)-プロパン-1-スルホネート、3-(N,N-ジメチル-N-ヘキサデシルアンモニオ)-2-ヒドロキシ-プロパン-1-スルホネート、4-[N,N-ジ(2(2-ヒドロキシエチル)-N(2-ヒドロキシドデシル)アンモニオ]-ブタン-1-カルボキシレート、3-[S-エチル-S-(3-ドデコキシ-2-ヒドロキシプロピル)スルホニオ]-プロパン-1-ホスフェート、3-[P,P-ジメチル-P-ドデシルホスホニオ]-プロパン-1-ホスホネート、及びS[N,N-ジ(3-ヒドロキシプロピル)-N-ヘキサデシルアンモニオ]-2-ヒドロキシ-ペンタン-1-スルフェートが含まれる。当該洗剤界面活性剤に含有されるアルキル基は、直鎖又は分岐であってもよく、飽和又は不飽和であり得る。
【0141】
本組成物における使用に好適な双性イオン性界面活性剤は、次の一般構造のベタインを含む。
【化13】
【0142】
これらの界面活性剤ベタインは、典型的には、極度のpHで強いカチオン性若しくはアニオン性の特徴を呈さず、これらの等電範囲で水溶性の低減も示さない。「外部」四級アンモニウム塩とは異なり、ベタインは、アニオンと共生できる。好適なベタインの例としては、ココナツアシルアミドプロピルジメチルベタイン、ヘキサデシルジメチルベタイン、C12-14アシルアミドプロピルベタイン、C8-14アシルアミドヘキシルジエチルベタイン、4-C14-16アシルメチルアミドジエチルアンモニオ-1-カルボキシブタン、C16-18アシルアミドジメチルベタイン、C12-16アシルアミドペンタンジエチルベタイン、及びC12-16アシルメチルアミドジメチルベタインが挙げられる。
【0143】
本発明において有用なスルタインは、式(R(R1)2N+R2SO3-を有する化合物を含み、式中、Rは、C6~C18ヒドロカルビル基であり、各R1は、典型的には独立して、C1~C3アルキル、例えば、メチルであり、R2は、C1~C6ヒドロカルビル基、例えば、C1~C3アルキレン又はヒドロキシアルキレン基である。
【0144】
双性イオン性クラス及びこれらの界面活性剤の種の典型的なリストは、1975年12月30日にLaughlin and Heuringに発行された米国特許第3,929,678号に与えられる。更なる例は、“Surface Active Agents and Detergents”(Vol.I and II by Schwartz,Perry and Berch)に与えられる。これらの参照文献の各々は、本明細書にそれらの全体が組み込まれる。
【0145】
好ましい実施形態
低泡性洗浄組成物の成分(及び任意選択の成分)の好ましい濃度を、表1A~1Cに示す(全ての上限及び下限の濃度値は、本明細書で定義される約という用語によって修正される)。
【表1】
【表2】
【表3】
【0146】
上述のように、低発泡洗浄組成物は、濃縮された(液体又は固体)組成物として配合され、その後、希釈して、使用組成物を形成し得るか、又はそれらは、すぐに使用可能な組成物として配合することができる。概して、濃縮物は、水で希釈されて、対象物に接触して所望の浄化、すすぎなどを提供する使用溶液を提供することが意図される組成物を指す。洗われる物品に接触する低泡性洗浄組成物は、本発明による方法で採用された配合物に依存して濃縮物又は使用組成物(又は、使用溶液若しくはすぐに使用可能な組成物)と称され得る。低泡性洗浄組成物中の四級アンモニウム化合物及びポリカルボン酸及び/若しくはその塩、並びに他の任意選択成分の濃度は、組成物が濃縮物として、又は使用溶液として提供されるかどうかに依存して変化するであろうことを理解されたい。
【0147】
使用溶液は、所望の濃度を有する使用溶液を提供する希釈比で濃縮物を水で希釈することによって、濃縮物から調製され得る。濃縮物を希釈して使用組成物を形成するために使用される水は、希釈水又は希釈剤と称され得、場所によって変化し得る。典型的な希釈係数は、およそ1~およそ10,000であるが、水の硬度、除去される汚れの量などの要因に依存するであろう。一実施形態では、濃縮物は、約1:10~約1:10,000の濃縮物と水との比で希釈される。具体的には、濃縮物は、約1:100~約1:5,000の濃縮物と水との割合で希釈される。より具体的には、濃縮物は、約1:250~約1:2,000の濃縮物と水との割合で希釈される。
【0148】
好ましくは、低泡性洗浄組成物は、低発泡又は非発泡である。本明細書で使用される場合、非発泡は、組成物が希釈時に泡を形成しないか、又は約20℃~約100℃の温度で10秒未満、より好ましくは5秒未満で壊れる泡を形成することを意味する。本明細書で使用される場合、低発泡は、組成物が約20℃~約100℃の温度で30秒未満、より好ましくは20秒未満、最も好ましくは15秒未満で壊れる泡を形成することを意味する。
【0149】
低泡性洗浄組成物を製造する方法
低泡性洗浄組成物は、固体又は液体組成物として調製することができる。好適な固体洗浄組成物は、顆粒及びペレット化された固体組成物、粉末、固体ブロック組成物、キャスト固体ブロック組成物、押出固体ブロック組成物、プレス固体組成物などを含むが、これらに限定されない。
【0150】
固体微粒子浄化組成物は、本発明に従って形成された乾燥固体成分を適切な比で単にブレンドすることによって、又は適切な凝集系中で材料を凝集させることによって作製することができる。ペレット化された材料は、固体の粒状又は凝集した材料を適切なペレット化設備で圧縮して、適切にサイズ決めされたペレット化された材料をもたらすことによって製造され得る。固体ブロック及びキャスト固体ブロック材料は、予備硬化された材料のブロック又は容器内で固体ブロックに硬化するキャスト可能な液体のいずれかを容器に導入することによって作製され得る。好ましい容器は、使い捨てのプラスチック容器又は水溶性フィルム容器を含む。組成物のための他の好適な包装としては、可撓性バッグ、小包、収縮ラップ、及びポリビニルアルコールのような水溶性フィルムが挙げられる。
【0151】
固体低泡性洗浄組成物は、バッチ又は連続混合システムを使用して形成され得る。例示的な実施形態では、一軸又は二軸スクリュー押出機を使用して、1つ又は複数の構成成分を高剪断で組み合わせ、混合して、均質な混合物を形成する。いくつかの実施形態では、加工温度は、構成成分の溶融温度以下である。加工された混合物は、形成、キャスティング、又は他の好適な手段によって、混合器から分注され得、そこで、洗浄組成物が固体形態に硬化する。マトリックスの構造は、その硬度、融点、材料分布、結晶構造、及び当該技術分野における既知の方法による他の同様の特性に従って、特徴付けられ得る。一般に、本発明の方法に従って処理される固体洗浄組成物は、成分の分布に関してその質量全体を通じて実質的に均質であり、寸法的に安定的である。
【0152】
押出プロセスでは、液体及び固体構成成分は、最終混合システムに導入され、構成成分が、構成成分がその質量全体を通じて分配される実質的に均質な半固体混合物を形成するまで、連続的に混合される。混合物は、次いで、混合システムからダイ若しくは他の成形手段の中へ、又はそれを通して排出される。生成物は、次いで、梱包される。例示的な実施形態では、形成された組成物は、およそ1分間~およそ3時間で固体形態に硬化し始める。具体的には、形成された組成物は、およそ1分間~およそ2時間で固体形態に硬化し始める。より具体的には、形成された組成物は、およそ1分間~およそ20分間で固体形態に硬化し始める。
【0153】
キャスティングプロセスでは、液体及び固体構成成分は、最終混合システムに導入され、構成成分が、構成成分がその質量全体を通じて分配される実質的に均質な液体混合物を形成するまで、連続的に混合される。例示的な実施形態では、構成成分は、混合システム中で少なくともおよそ60秒間混合される。混合が完了すると、生成物は梱包容器に移され、そこで凝固が起こる。例示的な実施形態では、キャスト組成物は、およそ1分間~およそ3時間で固体形態に硬化し始める。具体的には、キャスト組成物は、およそ1分間~およそ2時間で固体形態に硬化し始める。より具体的には、キャスト組成物は、およそ1分間~およそ20分間で固体形態に硬化し始める。
【0154】
プレス固体プロセスでは、顆粒固体及は他の粒子固体のような流動性固体は、加圧下で組み合わされ得る。プレス固体プロセスでは、組成物の流動性固体は、型枠(例えば、型又は容器)内に定置される。方法は、流動性固体を型枠内に穏やかにプレス成形して、固体清浄組成物を生成することを含み得る。圧力は、ブロック機械又は回転板プレスなどによって適用され得る。圧力は、約1~約3000psi、約5~約2500psi、又は約10psi~約2000psiで適用され得る。本明細書で使用される場合、用語「psi」又は「ポンド毎平方インチ」は、加圧されている流動性固体に適用される実際の圧力を指し、加圧している装置においてある点で測定されるゲージ又は水圧を指さない。方法は、固体洗浄組成物を製造するための硬化ステップを含み得る。本明細書で言及される場合、流動性固体を含む硬化されていない組成物は、硬化されていない組成物が安定的な固体洗浄用組成物へと固化するであろう流動性固体を構成する粒子間に、十分な表面接触を提供するように圧縮される。十分な量の互いに接触している粒子(例えば、顆粒)は、安定的な固体組成物を作製するために効果的な粒子同士の結合を提供する。任意選択の硬化ステップの包含は、数時間又は約1日(又はそれ以上)のような期間の間、プレス固体が固化するのを可能にすることを含み得る。追加の態様では、方法は、米国特許第8,889,048号(これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に開示される方法などの、流動性固体を型枠内又は型内で振動させることを含み得る。
【0155】
プレスされた固体の使用は、タブレットプレス内の高圧若しくは著しい量のエネルギーを消費する組成物の溶融を必要とする注型を必要とする、並びに/又は高価な設備及び高度な技術知識を必要とする押出による従来的な固体ブロック又はタブレット組成物を上回る、多くの利益を提供する。プレスされた固体は、固体洗浄組成物の作製のために必要である他の固体配合物のかかる様々な制限を克服する。更に、プレス成形された固体組成物は、組成物が貯蔵され得るか、又は取り扱われ得る条件下で、その形状を保持する。
【0156】
「固体」という用語により、硬化された組成物が、適度な応力若しくは圧力又は単なる重力下で流動せず、その形状を実質的に保持するであろうことが、意味される。固体は、粉末、薄片、顆粒、ペレット、錠剤、ドロップ剤、パック、ブリケット、レンガ、固体ブロック、単位用量、又は当業者に既知である別の固体形態のような様々な形態であり得る。固体キャスト組成物及び/又はプレス固体組成物の硬度は、例えば、コンクリートのように比較的密で硬い融合固体生成物の硬度から、硬化ペーストであるとして特徴付けられる硬さまでの範囲であり得る。加えて、用語「固体」は、固体洗浄用組成物の貯蔵及び使用の予想される条件下での洗浄用組成物の状態を指す。一般に、洗浄用組成物は、最大およそ100°F、具体的には最大およそ120°Fの温度に曝露される際に、固体形態のままであろうことが、予想される。
【0157】
得られる固体泡性洗浄組成物は、キャスト固体生成物、押出、成型、若しくは形成された固体ペレット、ブロック、錠剤、粉末、顆粒、薄片、圧縮された固体が挙げられるが、これらに限定されない、形態をとってもよく、あるいは形成された固体は、その後、粉末、顆粒、若しくは薄片に粉砕又は形成され得る。例示的な実施形態では、固化マトリックスによって形成される押出されたペレット材料はおよそ50グラム~およそ250グラムの重量を有し、組成物によって形成される押出された固体はおよそ100グラム以上の重量を有し、組成物によって形成される固体ブロック洗剤はおよそ1~およそ10キログラムの質量を有する。固体組成物は、機能性材料の安定化された供給源を提供する。いくつかの実施形態において、固体組成物は、濃縮溶液及び/又は使用溶液を生成するために、例えば、水性媒体又は他の媒体中に、溶解されてもよい。この溶液は、その後の使用及び/若しくは希釈のために貯水槽に方向づけられ得るか、又は使用点に対して直接適用され得る。
【0158】
以下の特許は、本発明の固体洗浄用組成物において利用され得る固化剤、結合剤、及び/又は硬化剤の様々な組み合わせを開示する。以下の米国特許、米国特許第7,153,820号、同第7,094,746号、同第7,087,569号、同第7,037,886号、同第6,831,054号、同第6,730,653号、同第6,660,707号、同第6,653,266号、同第6,583,094号、同第6,410,495号、同第6,258,765号、同第6,177,392号、同第6,156,715号、同第5,858,299号、同第5,316,688号、同第5,234,615号、同第5,198,198号、同第5,078,301号、同第4,595,520号、同第4,680,134号、同第RE32,763号、及び同第RE32818号は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0159】
液体組成物は、典型的には、水性液体又は水性液体溶剤系中で成分を形成することによって作製され得る。そのような系は、典型的には、活性成分を水又は相溶性の溶剤に溶解又は懸濁し、次いで生成物を適切な濃度に希釈して、濃縮物又はその使用溶液のいずれかを形成することによって作製される。ゲル化組成物は同様に、適切な濃度でゲル化剤を含む相溶性の水性、水性液体又は混合水性有機系に活性成分を溶解又は懸濁することによって作製することができる。本明細書における全ての刊行物及び特許出願は、本発明が関連する技術分野における通常の技術レベルを示している。
【0160】
低泡性洗浄組成物を使用する方法
低泡性洗浄組成物は、多様な形で使用することができる。低泡性洗浄組成物は、物品と接触することによって、洗浄される物品に塗布されることが予想される。この接触は、注ぎ込み、スプレー塗布、モップ拭き、拭き取り、又は組成物を塗布する任意の他の方法で実施することができる。好ましい実施形態では、物品は、低泡性洗浄組成物の塗布後に水ですすぐことができる。好ましい実施形態では、物品は、低泡性洗浄組成物の塗布前にすすぐことができる。
【0161】
低泡性洗浄組成物は、約20℃~約100℃の範囲の温度での洗浄プロセスに適用することができる。好ましい実施形態では、低泡性洗浄組成物は、約20℃~約70℃、より好ましくは約20℃~約60℃、最も好ましくは約20℃~約50℃の温度での低温洗浄プロセスに適用される。
【0162】
使用方法としては、食器洗い方法、洗濯方法、定置洗浄方法、硬質表面洗浄方法、及び消毒方法が挙げられ得るが、これらに限定されない。低泡性洗浄組成物は、前処理、洗いステップ、すすぎステップ、及び/又は仕上げステップとして、これらの方法のうちのいずれかに適用することができる。
【0163】
本明細書における全ての刊行物及び特許出願は、本発明が関連する技術分野における通常の技術レベルを示している。全ての刊行物及び特許出願は、あたかも各個々の刊行物又は特許出願が具体的かつ個々に参照により組み込まれるのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【実施例】
【0164】
本発明の実施形態を、以下の非限定的な実施例において更に定義する。これらの実施例は、本発明の特定の実施形態を示しているが、単なる例示として与えられていることを理解されたい。上記の説明及びこれらの実施例から、当業者は、本発明の本質的な特徴を確認することができ、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本発明の実施形態の様々な変更及び修正を行い、これを様々な用途及び条件に適合させることができる。したがって、本明細書に示され説明されたものに加えて、本発明の実施形態の様々な修正は、前述の説明から当業者には明らかであろう。そのような修正もまた、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。以下の実施例で使用される材料を、以下に列挙する。
【0165】
以下の市販のポリカルボン酸及びそれらの塩を実施例で採用した:シトレート、スクシネート、マレート、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、N、N-ジカルボキシメチルグルタミン酸四ナトリウム塩(GLDA)、及びメチルグリシン二酢酸(MGDA)。
【0166】
以下の市販の四級アンモニウム化合物を実施例で採用した:アルキルアルコキシル化四級アンモニウム、アルキルジエタノール四級アンモニウム、アルキルC10~C16ベンジルアンモニウムクロリド(ADBAC)、アルキルC10~C16エチルベンジルアンモニウムクロリド(ADEBAC)、及びジアルキルC8~C16ジアルキルC1~C4アンモニウム塩。以下の商品名の下で供与されている四級アンモニウム化合物も実施例で採用した:Bardac 205M、Bardac 2250、Carboquat、Stepan Quat、及びBarQuat MB-50。
【0167】
以下の例示的な市販の消泡剤を実施例で採用した:Airase(登録商標)(Evonikから入手可能なシロキサン消泡剤)、Plurafac SLF-180(複数の商業的供給業者から入手可能なアルコールアルコキシレート)、N3(例示的な市販の逆ブロックコポリマー消泡界面活性剤)、及びSurfynol(登録商標)MD 20(Evonikから市販されているジェミニ系消泡界面活性剤)。
【0168】
実施例1
泡評価
四級アンモニウム化合物の発泡特性を評価し、次いで、旧来の消泡化合物を含めたときの低減した発泡について試験した。泡の高さを、以下の手順ステップで決定した。
1.試験組成物の1200ppm溶液を水中で混合した。
2.混合直後の泡の高さを測定した。
3.溶液を撹拌し、泡の高さを15秒後に測定した。
4.溶液を撹拌し、撹拌の更に45秒間後(溶液を混合してから合計60秒)、溶液を測定した。
【0169】
試験継続時間の間、溶液の温度は120°Fであった。これらの予備試験の結果を
図1A及び1Bに提供する。
図1A及び1Bに見られるように、試験した様々な四級アンモニウム化合物は、撹拌の15秒間後に、混合後の有意な泡の高さを提供した。旧来の消泡剤は、四級アンモニウム化合物の発泡特性に種々の影響を与えていた。
【0170】
異なる四級アンモニウム化合物の泡を制御するポリカルボン酸及び/又は塩の能力も試験した。上記で概説した同じ手順ステップに従った。この試験の結果を
図2A及び2Bに示す。
図2A及び2Bに見られるように、ポリカルボン酸及び/又は塩の大部分は、発泡に対して有意な減少を提供した。そうでなかったものは、アセテート、硫酸ナトリウム、安息香酸ナトリウムであった。理論に束縛されることを望むものではないが、これは、部分的に、アセテート及び安息香酸ナトリウムの一塩基性性質、並びに硫酸ナトリウムの強酸pKa(-3のpKa)によるものであると考えられる。他のポリカルボン酸は、
図1A及び1Bに示す旧来の消泡剤とは対照的に、同様の、及び多くの場合、優れた泡減少を提供した。
【0171】
実施例2
抗微生物評価
四級アンモニウム化合物を、異なるpH条件下で、例示的な細菌(大腸菌及び黄色ブドウ球菌)に対する抗微生物効力について試験した。この評価のために、120°Fの温度で、500ppm硬水中で様々な試験溶液を調製した。微生物集団を試験組成物と約30秒間接触させた。接触手順の前後に微生物集団を測定し、その差を取って、対数減少を特定した。試験した四級アンモニウム化合物、それらの濃度、及び対応する対数減少を以下の表2に示す。
【表4】
【0172】
この試験は、ポリカルボン酸及び/又はそれらの塩を組成物中で効果的に採用することができるように、四級アンモニウム化合物の抗微生物効力を維持する適切なpH条件を判断するために実施した。表2に見られるように、組成物は、約5~9のpHで有意な対数減少を提供した。例えば、約5、8、及び9のpH値では、試験した四級アンモニウム組成物の溶液は、黄色ブドウ球菌の微生物集団との30秒の接触時間後に約6超の対数減少を提供した。
【0173】
本発明はこのように説明されているが、これは多くの方法で変動し得ることは明らかであろう。このような変更は、本発明の趣旨及び範囲からの逸脱とみなされるべきではなく、全てのこのような修正は、以下の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。上記明細書は、開示された組成物及び方法の製造及び使用の説明を提供する。本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく多くの実施形態を行うことができるため、本発明は特許請求の範囲に属する。
【手続補正書】
【提出日】2022-11-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0173
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0173】
本発明はこのように説明されているが、これは多くの方法で変動し得ることは明らかであろう。このような変更は、本発明の趣旨及び範囲からの逸脱とみなされるべきではなく、全てのこのような修正は、以下の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。上記明細書は、開示された組成物及び方法の製造及び使用の説明を提供する。本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく多くの実施形態を行うことができるため、本発明は特許請求の範囲に属する。本開示の実施形態の例を以下の項目[1]~[20]に列記する。
[1]
四級アンモニウム化合物と、
ポリカルボン酸及び/又はその塩と、
を含む、洗浄組成物であって、
上記ポリカルボン酸が、少なくとも2つのpKa値を有し、上記pKa値の各々が、約7未満である、洗浄組成物。
[2]
上記ポリカルボン酸が、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、N-ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、N-ヒドロキシエチル-エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、N、N-ジカルボキシメチルグルタミン酸四ナトリウム塩(GLDA)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、前述のうちのいずれかの塩、又はキシレンスルホン酸ナトリウムのうちの1つ又は複数を含む、項目1に記載の洗浄組成物。
[3]
上記pKa値の各々が、約6.5未満である、項目1又は2に記載の洗浄組成物。
[4]
上記ポリカルボン酸が、約6未満の少なくとも2つのpKa値を有する、項目1~3のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
[5]
上記ポリカルボン酸が、約2~約6の少なくとも1つのpKa値を有する、項目1~4のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
[6]
上記四級アンモニウム化合物が、アルキル(C8~C16)ジメチルベンジルアンモニウムクロリド(ADBAC)、アルキル(C8~16)ジメチルエチルベンジルアンモニウムクロリド(ADEBAC)、ジアルキル(C8~C16)ジメチルアンモニウムクロリド(DAAC)、又はそれらの混合物である、項目1~5のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
[7]
上記組成物が、液体であり、約4.5~約10のpHを有する、項目1~6のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
[8]
上記四級アンモニウム化合物が、約10ppm~約40重量%の濃度であり、上記ポリカルボン酸又はその塩が、約25ppm~約50重量%の濃度である、項目1~7のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
[9]
上記組成物が、濃縮された液体組成物であり、上記四級アンモニウム化合物が、約1重量%~約40重量%の濃度であり、上記ポリカルボン酸又はその塩が、約1重量%~約50重量%の濃度である、項目1~8のいずれか一項に記載の組成物。
[10]
上記組成物が、すぐに使用可能な液体組成物であり、上記四級アンモニウム化合物が、約10ppm~約1000ppmの濃度であり、上記ポリカルボン酸又はその塩が、約25ppm~約10,000ppmの濃度である、項目1~8のいずれか一項に記載の組成物。
[11]
上記組成物が、約5重量%~約95重量%の濃度の担体を更に含む、項目1~10のいずれか一項に記載の組成物。
[12]
上記組成物が、固体であり、約10重量%~約80重量%の濃度の固化助剤を含む、項目1~8のいずれか一項に記載の組成物。
[13]
上記組成物が、染料、付臭剤、pH調整剤、被覆剤、界面活性剤、又はそれらの混合物を更に含む、項目1~12のいずれか一項に記載の組成物。
[14]
物品を洗浄する方法であって、上記方法は、
項目1~13のいずれか一項に記載の低泡性洗浄組成物と上記物品を接触させることを含む、方法。
[15]
上記接触ステップの前又は間に、上記低泡性洗浄組成物を溶解及び/又は希釈するステップを更に含む、項目14に記載の方法。
[16]
上記物品が、食器、布地、又は硬質表面である、項目14又は15に記載の方法。
[17]
上記方法が、上記物品をすすぐステップを更に含む、項目14~16のいずれか一項に記載の方法。
[18]
上記方法が、約20℃~約100℃の温度で実施される、項目14~17のいずれか一項に記載の方法。
[19]
上記方法が、約20℃~約70℃の温度で実施され、上記洗浄方法が、消毒方法である、項目14~18のいずれか一項に記載の方法。
[20]
上記方法中に、生じる任意の泡が、30秒未満で壊れる、項目14~20のいずれか一項に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
四級アンモニウム化合物と、
ポリカルボン酸及び/又はその塩と、
を含む、洗浄組成物であって、
前記ポリカルボン酸が、少なくとも2つのpKa値を有し、前記pKa値の各々が、
7未満である、洗浄組成物。
【請求項2】
前記ポリカルボン酸が、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、N-ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、N-ヒドロキシエチル-エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、N、N-ジカルボキシメチルグルタミン酸四ナトリウム塩(GLDA)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、
又は前述のうちのいずれかの
塩を含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項3】
前記pKa値の各々が、
6.5未満である、請求項1又は2に記載の洗浄組成物。
【請求項4】
前記ポリカルボン酸が、
6未満の少なくとも2つのpKa値を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項5】
前記ポリカルボン酸が、
2~
6の少なくとも1つのpKa値を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項6】
前記四級アンモニウム化合物が、アルキル(C8~C16)ジメチルベンジルアンモニウムクロリド(ADBAC)、アルキル(C8~16)ジメチルエチルベンジルアンモニウムクロリド(ADEBAC)、ジアルキル(C8~C16)ジメチルアンモニウムクロリド(DAAC)、又はそれらの混合物である、請求項1~5のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項7】
前記組成物が、液体であり、
前記組成物が、4.5~
10のpHを有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項8】
前記四級アンモニウム化合物が、
10ppm~
40重量%の濃度であり、前記ポリカルボン酸又はその塩が、
25ppm~
50重量%の濃度である、請求項1~7のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項9】
前記組成物が、濃縮された液体組成物であり、前記四級アンモニウム化合物が、
1重量%~
40重量%の濃度であり、前記ポリカルボン酸又はその塩が、
1重量%~
50重量%の濃度である、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物が、すぐに使用可能な液体組成物であり、前記四級アンモニウム化合物が、
10ppm~
1000ppmの濃度であり、前記ポリカルボン酸又はその塩が、
25ppm~
10,000ppmの濃度である、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が、
5重量%~
95重量%の濃度の担体を更に含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物が、固体であり、
10重量%~
80重量%の濃度の固化助剤を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物が、染料、付臭剤、pH調整剤、被覆剤、界面活性剤、又はそれらの混合物を更に含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
物品を洗浄する方法であって、前記方法は、
請求項1~13のいずれか一項に記載の
前記低泡性洗浄組成物と前記物品を接触させることを含む、方法。
【請求項15】
前記接触ステップの前又は間に、前記低泡性洗浄組成物を溶解及び/又は希釈するステップを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記物品が、食器、布地、又は硬質表面である、請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
前記方法が、前記物品をすすぐステップを更に含む、請求項14~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記方法が、
20℃~
100℃の温度で実施される、請求項14~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記方法が、
20℃~
70℃の温度で実施され、前記洗浄方法が、消毒方法である、請求項14~18のいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】