(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-07
(54)【発明の名称】分離可能に接続しかつ接続力可変なクリップ装置
(51)【国際特許分類】
A61B 17/122 20060101AFI20230531BHJP
【FI】
A61B17/122
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022566424
(86)(22)【出願日】2021-06-07
(85)【翻訳文提出日】2022-10-31
(86)【国際出願番号】 CN2021098588
(87)【国際公開番号】W WO2021249331
(87)【国際公開日】2021-12-16
(31)【優先権主張番号】202010534802.6
(32)【優先日】2020-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520322853
【氏名又は名称】南微医学科技股▲フェン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】MICRO-TECH(NANJING)CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Gaoke Third Road,National New & High Technology Industrial Development Zone,Pukou District Nanjing,Jiangsu 210032(CN)
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】唐 志
(72)【発明者】
【氏名】範 茗僑
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160DD02
4C160DD03
4C160DD19
4C160DD29
4C160MM33
4C160MM43
4C160NN04
(57)【要約】
分離可能に接続しかつ接続力可変なクリップ装置であって、クリッピング部(1)と搬送部(2)とを含み、クリッピング部(1)は少なくとも2つのサイドクリッピングアーム(11)及びクリッピングベース(12)を含み、サイドクリッピングアーム(11)はクリッピングベース(12)に設けられ、サイドクリッピングアーム(11)の近位端は制御線(22)に接続され、クリッピング部(1)に固定接続部材(13)及び分離接続部材(14)が設けられ、制御線(22)の遠位端にリリーサー(24)が設けられ、サイドクリッピングアーム(11)の末端がリリーサー(24)に接続される。把持過程において、サイドクリッピングアーム(11)が把持対象組織に対して比較的大きな把持力を印加することができ、リリース過程において、制御線(22)が比較的小さな引き力を印加すると、サイドクリッピングアーム(11)の末端とリリーサー(24)との分離を実現することを保証する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリッピング部(1)と搬送部(2)とを含む分離可能に接続しかつ接続力可変なクリップ装置において、前記クリッピング部(1)の近位端は前記搬送部(2)の遠位端に分離可能に接続され、
前記クリッピング部(1)は少なくとも2つのサイドクリッピングアーム(11)及びクリッピングベース(12)を含み、前記搬送部(2)はハンドル(21)と、制御線(22)とシース管(23)とを含み、前記シース管(23)の近位端は前記ハンドル(21)に接続され、前記制御線(22)は前記シース管(23)の内部に設けられ、
前記サイドクリッピングアーム(11)は前記クリッピングベース(12)に設けられ、前記サイドクリッピングアーム(11)の近位端は前記制御線(22)に接続され、前記ハンドル(21)は制御線(22)を駆動してシース管(23)のなかにおいて運動させ、サイドクリッピングアーム(11)をクリッピングベース(12)に対して運動させ、サイドクリッピングアームの開閉を実現する、分離可能に接続しかつ接続力可変なクリップ装置であって、
クリッピング部(1)に固定接続部材(13)及び分離接続部材(14)が設けられ、制御線(22)の遠位端にリリーサー(24)が設けられ、前記サイドクリッピングアーム(11)の末端は前記リリーサー(24)に接続され、
前記サイドクリッピングアーム(11)の末端が前記クリッピング部(1)の遠位端にある場合、前記固定接続部材(13)は前記リリーサー(24)と前記サイドクリッピングアーム(11)の末端との間の分離動作を拘束し、前記サイドクリッピングアーム(11)の末端と前記リリーサー(24)を固定接続状態にさせ、
前記サイドクリッピングアーム(11)の末端が前記クリッピング部(1)の近位端にある場合、前記分離接続部材(14)は前記リリーサー(24)又は前記サイドクリッピングアーム(11)に適応し、前記サイドクリッピングアーム(11)の末端と前記リリーサー(24)を分離可能な接続状態にさせる、
ことを特徴とする分離可能に接続しかつ接続力可変なクリップ装置。
【請求項2】
前記サイドクリッピングアーム(11)の末端と前記リリーサー(24)が分離可能な接続状態にある場合、前記サイドクリッピングアーム(11)の末端とリリーサー(24)との間の接続力は分離可能な接続力であり、
前記サイドクリッピングアーム(11)の末端と前記リリーサー(24)が固定接続状態にある場合、前記サイドクリッピングアーム(11)の末端とリリーサー(24)との間の接続力は固定接続力であり、
前記固定接続力は前記分離可能な接続力より大きく、前記分離可能な接続力は5N以上である、
ことを特徴とする、請求項1に記載の分離可能に接続しかつ接続力可変なクリップ装置。
【請求項3】
前記リリーサー(24)と前記サイドクリッピングアーム(11)の末端との接続方式は変形可能な接続であり、
前記サイドクリッピングアーム(11)の末端が前記クリッピング部(1)の遠位端にある場合、前記固定接続部材(13)は前記サイドクリッピングアーム(11)の末端又は前記リリーサー(24)の変形を制限し、前記サイドクリッピングアーム(11)の末端と前記リリーサー(24)を固定接続状態にさせ、
前記サイドクリッピングアーム(11)の末端が前記クリッピング部(1)の近位端にある場合、前記制御線(22)は前記リリーサー(24)又は前記サイドクリッピングアーム(11)の末端が前記固定接続部材(13)から離脱するように駆動し、それによって前記サイドクリッピングアーム(11)の末端と前記リリーサー(24)との分離を実現する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の分離可能に接続しかつ接続力可変なクリップ装置。
【請求項4】
前記固定接続部材(13)はシュート構造であり、前記分離接続部材(14)はリリースチェンバーであり、シュートの溝幅は前記分離接続部材(14)の幅より小さく、前記固定接続部材(13)と前記分離接続部材(14)は階段溝を構成する、
ことを特徴とする、請求項3に記載の分離可能に接続しかつ接続力可変なクリップ装置。
【請求項5】
前記リリーサー(24)に第1接続孔(241)が設けられ、前記第1接続孔(241)は前記サイドクリッピングアーム(11)の末端の第1接続軸(111)に接続され、前記第1接続孔(241)の遠位端側に第1リリース口(242)が設けられ、
前記リリーサー(24)は前記固定接続部材(13)の中に係合され、前記リリーサー(24)が前記固定接続部材(13)の中から前記分離接続部材(14)の中に運動した後、前記第1リリース口(242)が押圧を受けて変形しかつ前記第1接続軸(111)をリリースする、
ことを特徴とする、請求項2~4のいずれか一項に記載の分離可能に接続しかつ接続力可変なクリップ装置。
【請求項6】
前記固定接続部材(13)にガイドバー(131)が設けられ、前記リリーサー(24)にガイド溝(243)が設けられ、前記ガイド溝(243)は前記ガイドバー(131)に係合する、
ことを特徴とする、請求項2~4のいずれか一項に記載の分離可能に接続しかつ接続力可変なクリップ装置。
【請求項7】
前記サイドクリッピングアーム(11)の末端に第2接続孔(112)が設けられ、前記第2接続孔(112)は前記リリーサー(24)における第2接続軸(244)に接続され、前記第2接続孔(112)の近位端側に第2リリース口(113)が設けられ、
前記サイドクリッピングアーム(11)にさらに係合ブロック(114)が設けられ、前記係合ブロック(114)は前記固定接続部材(13)のなかに係合され、前記係合ブロック(114)が前記固定接続部材(13)のなかから前記分離接続部材(14)のなかに運動した後、前記第2リリース口(113)が押圧を受けて変形しかつ前記第2接続軸(244)をリリースする、
ことを特徴とする、請求項2~4のいずれか一項に記載の分離可能に接続しかつ接続力可変なクリップ装置。
【請求項8】
前記固定接続部材(13)はバックルであり、前記バックルは前記リリーサー(24)に係合し、それによって前記リリーサー(24)の変形を制限し、前記サイドクリッピングアーム(11)の末端と前記リリーサー(24)を固定接続状態にさせ、
前記分離接続部材(14)は止めブロックであり、前記止めブロックはクリッピング部(1)の近位端に設けられ、前記バックルが前記クリッピング部(1)の近位端に運動することを阻止し、それによって前記バックルを前記リリーサー(24)から離脱させ、前記サイドクリッピングアーム(11)の末端と前記リリーサー(24)を分離可能な接続状態にさせる、
ことを特徴とする、請求項3に記載の分離可能に接続しかつ接続力可変なクリップ装置。
【請求項9】
前記リリーサー(24)と前記サイドクリッピングアーム(11)の末端との接続方式は係合であり、
前記サイドクリッピングアーム(11)の末端が前記クリッピング部(1)の遠位端にある場合、前記固定接続部材(13)は前記サイドクリッピングアーム(11)の末端に接続され、かつ前記リリーサー(24)に係合され、前記サイドクリッピングアーム(11)の末端と前記リリーサー(24)を固定接続状態にさせ、
前記サイドクリッピングアーム(11)の末端が前記クリッピング部(1)の近位端にある場合、前記分離接続部材(14)は前記リリーサー(24)と結合し、前記サイドクリッピングアーム(11)の末端は前記リリーサー(24)と分離可能な接続状態にある、
ことを特徴とする、請求項1に記載の分離可能に接続しかつ接続力可変なクリップ装置。
【請求項10】
前記固定接続部材(13)は前記サイドクリッピングアーム(11)の末端に設けられた二つの円弧状係合壁であり、二つの円弧状係合壁の間に形成された第3リリース口が分離接続部材(14)であり、前記リリーサー(24)に第3接続軸(245)が設けられ、前記第3接続軸(245)の直径は前記第3リリース口の開口寸法より大きく、
前記サイドクリッピングアーム(11)の末端が前記クリッピング部(1)の遠位端にある場合、前記固定接続部材(13)は前記第3接続軸(245)に係合し、前記サイドクリッピングアーム(11)の末端と前記リリーサー(24)を固定接続状態にさせ、
前記サイドクリッピングアーム(11)の末端が前記クリッピング部(1)の近位端にある場合、前記第3接続軸(245)は前記第3リリース口にあり、前記サイドクリッピングアーム(11)の末端は前記リリーサー(24)と分離可能な接続状態にある、
ことを特徴とする、請求項1又は9に記載の分離可能に接続しかつ接続力可変なクリップ装置。
【請求項11】
前記固定接続部材(13)は前記サイドクリッピングアーム(11)の末端に設けられた第4接続軸であり、前記リリーサー(24)に弧状スライドスロット(246)が設けられ、前記弧状スライドスロット(246)に予め設定された第4リリース口は分離接続部材(14)であり、前記第4接続軸の直径は前記第4リリース口の開口寸法より大きく、
前記サイドクリッピングアーム(11)の末端が前記クリッピング部(1)の遠位端にある場合、前記第4接続軸は前記弧状スライドスロット(246)に係合され、前記サイドクリッピングアーム(11)の末端と前記リリーサー(24)を固定接続状態にさせ、
前記サイドクリッピングアーム(11)の末端が前記クリッピング部(1)の近位端にある場合、前記第4接続軸は前記第4リリース口にあり、前記サイドクリッピングアーム(11)の末端は前記リリーサー(24)と分離可能な接続状態にある、
ことを特徴とする、請求項1又は9に記載の分離可能に接続しかつ接続力可変なクリップ装置。
【請求項12】
前記固定接続部材(13)は係合バーであり、前記サイドクリッピングアーム(11)の末端と前記リリーサー(24)に前記係合バーと係合するための係合孔が設けられ、前記分離接続部材(14)は弾性部材(141)及び弾性ブロック(142)を含み、前記弾性部材(141)は前記弾性ブロック(142)に接続され、
前記サイドクリッピングアーム(11)の末端が前記クリッピング部(1)の遠位端にある場合、前記係合バーは前記サイドクリッピングアーム(11)の末端の係合孔と前記リリーサー(24)上の係合孔を貫通しかつ係合し、前記サイドクリッピングアーム(11)の末端と前記リリーサー(24)を固定接続状態にさせ、
前記サイドクリッピングアーム(11)の末端が前記クリッピング部(1)の近位端にある場合、前記弾性ブロック(142)は前記係合バーを前記リリーサー(24)の係合孔から押し出し、前記サイドクリッピングアーム(11)の末端は前記リリーサー(24)と分離可能な接続状態にある、
ことを特徴とする、請求項1又は9に記載の分離可能に接続しかつ接続力可変なクリップ装置。
【請求項13】
前記サイドクリッピングアーム(11)の末端にフック(116)が設けられ、前記リリーサー(24)の遠位端に擁壁と第5リリース口が設けられ、そのうち、前記固定接続部材(13)は擁壁であり、前記分離接続部材(14)は第5リリース口であり、
前記クリッピングベース(12)に突起(122)が設けられ、前記リリーサー(24)の側面にさらに前記突起(122)と結合する螺旋溝(247)が設けられ、
前記サイドクリッピングアーム(11)の末端が前記クリッピング部(1)の遠位端にある場合、前記フック(116)は前記擁壁に係合し、前記サイドクリッピングアーム(11)の末端と前記リリーサー(24)を固定接続状態にさせ、
前記サイドクリッピングアーム(11)の末端が前記クリッピング部(1)の近位端にある場合、前記第5リリース口は前記フック(116)まで回転し、前記サイドクリッピングアーム(11)の末端は前記リリーサー(24)と分離可能な接続状態にある、
ことを特徴とする、請求項1又は9に記載の分離可能に接続しかつ接続力可変なクリップ装置。
【請求項14】
前記クリッピングベース(12)にピン軸(121)が設けられ、前記サイドクリッピングアーム(11)に運動スライドスロット(115)が設けられ、前記ピン軸(121)は前記運動スライドスロット(115)に対してスライドすることができ、それによってサイドクリッピングアーム(11)の開閉を制御する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の分離可能に接続しかつ接続力可変なクリップ装置。
【請求項15】
前記クリッピング部(1)はさらに前記クリッピングベース(12)に接続される分離クロー(15)を含み、前記分離クロー(15)は前記制御線(22)に接続される牽引部(151)、及び前記牽引部(151)に設けられた複数の変形可能な接続クロー(152)を含み、
前記クリッピングベース(12)に複数の孔が設けられ、前記接続クロー(152)を固定するために用いられ、制御線(22)の引張力が接続クロー(152)の変形限界まで増大する時に、前記接続クロー(152)をクリッピングベース(12)から分離させる、
ことを特徴とする、請求項1に記載の分離可能に接続しかつ接続力可変なクリップ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、内視鏡医療器具の技術分野に関し、特に、分離可能に接続しかつ接続力可変なクリップ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
組織挟締装置は最小侵襲の手術器具であり、患者体内の創面止血、例えば、消化管止血等によく用いられる。組織挟締装置は内視鏡鉗子チャネルを介して患者体内の手術位置に送り込まれることができ、かつ体外で挟締操作を実施し、止血治療を完了する。
【0003】
典型的な組織挟締装置は、クリッピング部と、搬送部と、操作部材とを含む。実際の応用において、クリッピング部と搬送部は内視鏡鉗子チャネルを介して患者の消化管に送り込まれ、クリッピング部を患者体内の所定の手術位置に到達させ、さらに操作部材を介して手術動作を実施し、実施された手術動作はさらに搬送部を介してクリッピング部に伝達され、クリッピング部に動作応答を発生させ、手術創面に対して止血又は挟締操作を行う。
【0004】
クリッピング部の閉じ及びクリッピング部と搬送部との分離はいずれも操作部材が制御線に対して近位端への引き動作を印加することによって実現され、全体の引き動作は2回の力受け過程に分けることができ、1回目の力受けはクリッピング部が閉じる時の力受けであり、クリッピング部が組織を締め付けるために、クリッピング部と搬送部との間に、比較的大きな接続力を必要とし、それによって手術者が印加した作用力をクリッピング部に効果的に伝達することを保証する。2回目の力受けはクリッピング部が閉じられた後、クリッピング部は搬送部と分離する必要があり、従来の組織挟締装置は、1回目の力受けが比較的大きい場合、この時の分離可能な接続力もより大きい。
【0005】
一方、このような分離方式は固定の定格接続破断力設計を採用するため、分離可能な接続が受ける作用力は一定の力の値に達した後、変形し、それによりクリッピング部と搬送部とを分離させる。例えば、両端が太く中間が細い構造又はJ形フックを採用し、実際の応用過程において、クリッピング部は人体内に挟締動作を実施する時に、片手又は両手でハンドルを操作して近位端に移動する時に、微小な軸方向ストロークを感知することができず、クリッピング部が比較的大きい組織又は比較的硬い組織をクリッピングする時に、挟締動作を完了していなくても、クリッピング部は抵抗力により動作を継続することができない。この時、操作者がクリッピング部の異常をタイムリーに発見しなければ、さらに体外の操作部材を介してクリッピング部に比較的大きな作用力を印加し、分離可能な接続部分が比較的大きな作用力を受けて変形するようにし、挟締動作が完了しないことを引き起こす場合、クリッピング部と搬送部が早期に分離し、挟締動作が失敗してしまう。
【0006】
他方、クリッピング部に比較的高いクリッピング力を備えさせるために、クリッピング部の設計は一定の剛性を有し、実際の操作過程において、クリッピング部が開くから閉じるまでの過程において制御線が伝達する力は大きくする必要があるが、分離する時に、クリッピング部と操作部材との間の距離が2mを超え、かつ人体の自然な湾曲によりクリッピング部と搬送部との接続箇所が湾曲し、それにより制御線の力受け状態は正の圧力を有し、クリッピング部の遠位端の分離可能な接続力が操作部材に伝達すると数倍に拡大され、手術者の力受け限界を超え、さらにクリッピング部のリリース力が大きすぎ、操作部材によってクリッピング部を効果的にリリースすることができず、クリッピング部を無理に引き抜くほかはなく、患者に出血損傷を与えてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願は、分離可能に接続しかつ接続力可変なクリップ装置を提供し、従来の挟締装置において、挟締(クリッピング)動作が完了していない時に、クリッピング部と搬送部が早期に分離し、挟締動作が失敗してしまうことを解決し、及びクリッピング部のリリース力が大きすぎ、操作部材によってクリッピング部を効果的にリリースすることができないことを避ける。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願は、分離可能に接続しかつ接続力可変なクリップ装置を提供し、クリッピング部と搬送部とを含み、クリッピング部の近位端は搬送部の遠位端に分離可能に接続され、クリッピング部は少なくとも2つのサイドクリッピングアーム及びクリッピングベースを含み、搬送部はハンドルと、制御線(control line)とシース管とを含み、シース管の近位端はハンドルに接続され、制御線はシース管の内部に設けられ、
サイドクリッピングアームはクリッピングベースに設けられ、サイドクリッピングアームの近位端は制御線に接続され、ハンドルは制御線を駆動してシース管のなかにおいて運動させ、サイドクリッピングアームをクリッピングベースに対して運動させ、サイドクリッピングアームの開閉を実現し、クリッピング部に固定接続部材及び分離接続部材が設けられ、制御線の遠位端にリリーサーが設けられ、サイドクリッピングアームの末端はリリーサーに接続され、
サイドクリッピングアームの末端がクリッピング部の遠位端にある場合、固定接続部材はリリーサーとサイドクリッピングアームの末端との間の分離動作を拘束し、サイドクリッピングアームの末端とリリーサーを固定接続状態にさせ、
サイドクリッピングアームの末端がクリッピング部の近位端にある場合、分離接続部材はリリーサー又はサイドクリッピングアームに適応し、サイドクリッピングアームの末端とリリーサーを分離可能な接続状態にさせる。
【0009】
任意選択的に、前記サイドクリッピングアームの末端と前記リリーサーが分離可能な接続状態にある場合、前記サイドクリッピングアームの末端とリリーサーとの間の接続力は分離可能な接続力であり、
前記サイドクリッピングアームの末端と前記リリーサーが固定接続状態にある場合、前記サイドクリッピングアームの末端とリリーサーとの間の接続力は固定接続力であり、
前記固定接続力は前記分離可能な接続力より大きく、前記分離可能な接続力は5N以上である。
【0010】
任意選択的に、リリーサーとサイドクリッピングアームの末端との接続方式は変形可能な接続であり、サイドクリッピングアームの末端がクリッピング部の遠位端にある場合、固定接続部材はサイドクリッピングアームの末端又はリリーサーの変形を制限し、サイドクリッピングアームの末端とリリーサーを固定接続状態にさせ、
サイドクリッピングアームの末端がクリッピング部の近位端にある場合、制御線はリリーサー又はサイドクリッピングアームの末端が固定接続部材から離脱するように駆動し、それによってサイドクリッピングアームの末端とリリーサーとの分離を実現する。
【0011】
任意選択的に、固定接続部材はシュート構造であり、分離接続部材はリリースチェンバーであり、シュートの溝幅は分離接続部材の幅より小さく、固定接続部材と分離接続部材は階段溝を構成する。
【0012】
任意選択的に、リリーサーに第1接続孔が設けられ、第1接続孔はサイドクリッピングアームの末端の第1接続軸に接続され、第1接続孔の遠位端側に第1リリース口が設けられ、リリーサーは固定接続部材に係合され、リリーサーが固定接続部材のなかから分離接続部材のなかに運動した後、第1リリース口が押圧を受けて変形しかつ第1接続軸をリリースする。
【0013】
任意選択的に、固定接続部材にガイドバーが設けられ、リリーサーにガイド溝が設けられ、ガイド溝はガイドバーに係合する。
【0014】
任意選択的に、サイドクリッピングアームの末端に第2接続孔が設けられ、第2接続孔はリリーサーにおける第2接続軸に接続され、第2接続孔の近位端側に第2リリース口が設けられ、サイドクリッピングアームにさらに係合ブロックが設けられ、係合ブロックは固定接続部材のなかに係合され、係合ブロックが固定接続部材のなかから分離接続部材のなかに運動した後、第2リリース口が押圧を受けて変形しかつ第2接続軸をリリースする。
【0015】
任意選択的に、固定接続部材はバックルであり、バックルはリリーサーに係合し、それによってリリーサーの変形を制限し、サイドクリッピングアームの末端とリリーサーを固定接続状態にさせ、分離接続部材は止めブロックであり、止めブロックはクリッピング部の近位端に設けられ、バックルがクリッピング部の近位端に運動することを阻止し、それによってバックルをリリーサーから離脱させ、サイドクリッピングアームの末端とリリーサーを分離可能な接続状態にさせる。
【0016】
任意選択的に、リリーサーとサイドクリッピングアームの末端との接続方式は係合であり、サイドクリッピングアームの末端がクリッピング部の遠位端にある場合、固定接続部材はサイドクリッピングアームの末端に接続され、かつリリーサーに係合され、サイドクリッピングアームの末端とリリーサーを固定接続状態にさせ、
サイドクリッピングアームの末端がクリッピング部の近位端にある場合、分離接続部材はリリーサーと結合し、サイドクリッピングアームの末端はリリーサーと分離可能な接続状態にある。
【0017】
任意選択的に、固定接続部材はサイドクリッピングアームの末端に設けられた二つの円弧状係合壁であり、二つの円弧状係合壁の間に形成された第3リリース口が分離接続部材であり、リリーサーに第3接続軸が設けられ、第3接続軸の直径は第3リリース口の開口寸法より大きく、サイドクリッピングアームの末端がクリッピング部の遠位端にある場合、固定接続部材は第3接続軸に係合し、サイドクリッピングアームの末端とリリーサーを固定接続状態にさせ、
サイドクリッピングアームの末端がクリッピング部の近位端にある場合、第3接続軸は第3リリース口にあり、サイドクリッピングアームの末端はリリーサーと分離可能な接続状態にある。
【0018】
任意選択的に、固定接続部材はサイドクリッピングアームの末端に設けられた第4接続軸であり、リリーサーに弧状スライドスロットが設けられ、弧状スライドスロットに予め設定された第4リリース口は分離接続部材であり、第4接続軸の直径は第4リリース口の開口寸法より大きく、サイドクリッピングアームの末端がクリッピング部の遠位端にある場合、第4接続軸は弧状スライドスロットに係合され、サイドクリッピングアームの末端とリリーサーを固定接続状態にさせ、
サイドクリッピングアームの末端がクリッピング部の近位端にある場合、第4接続軸は第4リリース口にあり、サイドクリッピングアームの末端はリリーサーと分離可能な接続状態にある。
【0019】
任意選択的に、固定接続部材は係合バーであり、サイドクリッピングアームの末端とリリーサーに係合バーと係合するための係合孔が設けられ、分離接続部材は弾性部材及び弾性ブロックを含み、弾性部材は弾性ブロックに接続され、サイドクリッピングアームの末端がクリッピング部の遠位端にある場合、係合バーはサイドクリッピングアームの末端の係合孔とリリーサー上の係合孔を貫通しかつ係合し、サイドクリッピングアームの末端とリリーサーを固定接続状態にさせ、
サイドクリッピングアームの末端がクリッピング部の近位端にある場合、弾性ブロックは係合バーをリリーサーの係合孔から押し出し、サイドクリッピングアームの末端はリリーサーと分離可能な接続状態にある。
【0020】
任意選択的に、サイドクリッピングアームの末端にフックが設けられ、リリーサーの遠位端に擁壁と第5リリース口が設けられ、そのうち、固定接続部材は擁壁であり、分離接続部材は第5リリース口であり、
クリッピングベースに突起が設けられ、リリーサーの側面にさらに突起と結合する螺旋溝が設けられ、サイドクリッピングアームの末端がクリッピング部の遠位端にある場合、フックは擁壁に係合し、サイドクリッピングアームの末端とリリーサーを固定接続状態にさせ、
サイドクリッピングアームの末端がクリッピング部の近位端にある場合、第5リリース口はフックまで回転し、サイドクリッピングアームの末端はリリーサーと分離可能な接続状態にある。
【0021】
任意選択的に、クリッピングベースにピン軸が設けられ、サイドクリッピングアームに運動スライドスロットが設けられ、ピン軸は運動スライドスロットに対してスライドすることができ、それによってサイドクリッピングアームの開閉を制御する。
【0022】
任意選択的に、クリッピング部はさらにクリッピングベースに接続される分離クローを含み、分離クローは制御線に接続される牽引部、及び牽引部に設けられた複数の変形可能な接続クローを含み、
クリッピングベースに複数の孔が設けられ、接続クローを固定するために用いられ、制御線の引張力が接続クローの変形限界まで増大する時、接続クローをクリッピングベースから分離させる。以上の技術的解決手段から分かるように、本願の提供する分離可能に接続しかつ接続力可変なクリップ装置は、実際の応用において、サイドクリッピングアームの末端がクリッピング部の遠位端にある場合、固定接続部材はリリーサーとサイドクリッピングアームの末端との分離を拘束し、サイドクリッピングアームの末端とリリーサーを固定接続状態にさせ、サイドクリッピングアームが比較的大きな把持力を備えることを保証する。サイドクリッピングアームの末端がクリッピング部の近位端にある場合、分離接続部材はリリーサー又はサイドクリッピングアームに適応し、制御線が比較的小さな引き力を印加することで、サイドクリッピングアームの末端とリリーサーとの分離を実現することができるように保証する。
【発明の効果】
【0023】
以上の技術的解決手段から分かるように、本願の実施例の提供する分離可能に接続しかつ接続力可変なクリップ装置は、把持過程において、サイドクリッピングアームの末端がクリッピング部の遠位端にある場合、固定接続部材はリリーサーとサイドクリッピングアームの末端との間の分離動作を拘束し、サイドクリッピングアームの末端とリリーサーを固定接続状態にさせ、サイドクリッピングアームは把持対象組織に比較的大きな把持力を印加することができ、組織を把持する過程において、サイドクリッピングアームに失敗が発生しないことを保証し、サイドクリッピングアームは必ず組織を把持することができる。リリース過程において、サイドクリッピングアームの末端はクリッピング部の近位端にあり、分離接続部材はリリーサー又はサイドクリッピングアームに適応し、サイドクリッピングアームの末端とリリーサーを分離可能な接続状態にさせ、制御線が比較的小さな引き力を印加することで、サイドクリッピングアームの末端とリリーサーの分離を実現することができるようにを保証し、手術者の操作を容易にする。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本願の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下は実施例における必要な図面を簡単に説明し、明らかに、当業者にとって、創造的な労働をしない前提で、これらの図面に基づいて他の図面をさらに得ることができる。
【
図1】本願の実施例が提供する分離可能に接続しかつ接続力可変なクリップ装置の全体構造概略図である。
【
図2】本願の実施例が提供するピン軸と運動スライドスロットとが結合する構造概略図である。
【
図3】本願の実施例が提供する実現形態A-1-1の構造概略図である。
【
図4】本願の
図3におけるサイドクリッピングアームとリリーサーとの分離状態の構造概略図である。
【
図5】本願の実施例が提供する実現形態A-1-2の構造概略図である。
【
図6】本願の実施例が提供する実現形態A-1-3の構造概略図である。
【
図7】本願の実施例が提供する実現形態A-2の構造概略図である。
【
図8】本願の実施例が提供する実現形態B-1の1つの構造概略図である。
【
図9】本願の実施例が提供する実現形態B-1の別の構造概略図である。
【
図10】本願の実施例が提供する実現形態B-2の構造概略図である。
【
図11】本願の実施例が提供する実現形態B-3の構造概略図である。
【
図12】本願の実施例が提供する実現形態B-4の構造概略図である。
【
図13】本願の実施例が提供するクリッピング部と搬送部との完全な分離状態の構造概略図である。
【
図14】本願の実施例が提供する分離クローと接続管との結合構造概略図である。
【符号の説明】
【0025】
1…クリッピング部、11…サイドクリッピングアーム、111…第1接続軸、112…第2接続孔、113…第2リリース口、114…係合ブロック、115…運動スライドスロット、116…フック、12…クリッピングベース、121…ピン軸、122…突起、13…固定接続部材、131…ガイドバー、14…分離接続部材、15…分離クロー(claw)、151…牽引部、152…接続クロー、2…搬送部、21…ハンドル、22…制御線、23…シース管、24…リリーサー、241…第1接続孔、242…第1リリース口、243…ガイド溝、244…第2接続軸、245…第3接続軸、246…弧状スライドスロット、247…螺旋溝。
【発明を実施するための形態】
【0026】
なお、本願の提供する技術的解決手段において、説明しやすいために、クリップを人体内に入れる一端は遠位端と呼ばれ、遠位端は主に体内組織に対して手術動作を実施するために用いられ、体外に位置する一端は近位端と呼ばれ、近位端は主に施術者が操作するために用いられる。本願は、他に説明する以外、各部材の遠位端とは、いずれも体内側に近い一端であり、各部材の近位端とは、いずれも体外側に近い一端である。
【0027】
組織挟締装置が挟締動作を完了していない時に、クリッピング部と搬送部が早期に分離し、挟締動作が失敗してしまうことを避けるため、及びクリッピング部のリリース力が大きすぎ、操作部材によってクリッピング部を効果的にリリースすることができないことを避けるためである。
図1に示すように、本願の実施例の提供する分離可能に接続しかつ接続力可変なクリップ装置は、クリッピング部1と搬送部2とを含み、前記クリッピング部1の近位端は前記搬送部2の遠位端に分離可能に接続される。
【0028】
前記クリッピング部1は少なくとも2つのサイドクリッピングアーム11及びクリッピングベース12を含み、前記搬送部2はハンドル21と、制御線22とシース管23とを含み、前記シース管23の近位端は前記ハンドル21に接続され、前記制御線22は前記シース管23の内部に設けられる。前記サイドクリッピングアーム11は前記クリッピングベース12に設けられ、前記サイドクリッピングアーム11の近位端は前記制御線22に接続され、前記ハンドル21は制御線22を駆動してシース管23において運動させ、サイドクリッピングアーム11をクリッピングベース12に対して運動させ、サイドクリッピングアーム11の開閉を実現する。
【0029】
そのうち、ハンドル21は手術操作を実施するために用いられ、手術操作者の直接操縦部材であり、実際の応用過程において、前記ハンドル21によって制御線22を駆動して運動させ、それによって前記クリッピング部1のサイドクリッピングアーム11の開閉を制御する。
【0030】
シース管23の近位端は前記ハンドル21に接続され、人体消化管構造、及び内視鏡鉗子チャネルの形状に適応するために、シース管23は軟質円管構造を採用し、例えばプラスチックホースである。かつその内部に螺旋状に延伸する支持バネが設けられ、前記シース管23が消化管側壁組織の押圧を耐えることができることを保証し、押圧作用がシース管23内部の部品の動作に影響を与えることを避ける。本願の実施例が提供するシース管23の長さはハンドル21が体外で手術操作を行う距離を満たすべきである。
【0031】
前記サイドクリッピングアーム11の前記クリッピングベース12に対する運動を実現するために、
図2に示すように、前記クリッピングベース12にピン軸121が設けられ、前記サイドクリッピングアーム11に運動スライドスロット115が設けられ、前記ピン軸121は2つのサイドクリッピングアーム11の運動スライドスロット115を連続的に貫通し、前記運動スライドスロット115に対してスライドすることができ、それによってサイドクリッピングアーム11の開閉を制御する。
【0032】
なお、実際の応用過程において、前記ピン軸121は前記クリッピングベース12に固設され、前記運動スライドスロット115は前記クリッピングベース12に対して運動する。前記運動スライドスロット115はクリッピングアームの閉じを実現するために、L形、鈍角形、円弧形等の構造であってもよい。実際の応用過程において、トリプルアームクリップを例とし、2つのサイドクリッピングアーム11と1つのミドルクリッピングアームを含むことができ、サイドクリッピングアーム11はピン軸121及び運動スライドスロット115の作用で、ミドルクリッピングアームに対してクリッピング動作を生成し、それによって組織をクリッピングする。さらに、
図1に示すように、前記サイドクリッピングアーム11とミドルクリッピングアームにさらにクランプ歯が設けられ、それによってサイドクリッピングアーム11とミドルクリッピングアームの組織に対するクリッピング能力を補強する。
【0033】
なお、本願の実施例は、把持力が大きくリリース力が小さいクリップを提供し、トリプルアームクリップであってもよく、非トリプルアームクリップであってもよく、
図1に示すように、破線枠に示されるのはそれぞれトリプルアームクリップとダブルアームクリップの図である。
【0034】
前記クリッピング部1にさらに固定接続部材13及び分離接続部材14が設けられ、前記制御線22の遠位端にリリーサー24が設けられ、前記サイドクリッピングアーム11の末端は前記リリーサー24に接続される。
【0035】
実際の応用過程において、前記制御線22は前記サイドクリッピングアーム11を駆動して厚い組織をクリッピングして閉じる過程において、すなわち前記サイドクリッピングアーム11の末端が前記クリッピング部1の遠位端にある場合、前記サイドクリッピングアーム11はまだ完全に閉じておらず、クリッピングされた厚い組織もサイドクリッピングアーム11の閉じに比較的大きな抵抗力を生成し、この時、制御線22は前記サイドクリッピングアーム11を駆動して閉じ続け、前記固定接続部材13の拘束作用により、前記リリーサー24と前記サイドクリッピングアーム11の末端との間の分離動作を制限し、前記サイドクリッピングアーム11が完全に閉じていない前に、前記サイドクリッピングアーム11と前記制御線22が早期に分離することを避け、なお、サイドクリッピングアーム11と制御線22との分離動作については、実体構造で実現されるのはサイドクリッピングアーム11とリリーサー24との間の分離動作であり、実現される機能は制御線22と前記サイドクリッピングアーム11との間の制御関係を分離させることであり、以下に説明する制御線22と前記サイドクリッピングアーム11との間の分離は、いずれも実体構造においてサイドクリッピングアーム11とリリーサー24との間の分離であり、ここで前記固定接続部材13は前記リリーサー24を拘束し又は前記サイドクリッピングアーム11を拘束することにより、前記リリーサー24と前記サイドクリッピングアーム11の末端との分離動作を制限することができ、拘束は前記リリーサー24又は前記サイドクリッピングアーム11の変形を制限することであってもよく、前記リリーサー24又は前記サイドクリッピングアーム11の位置を制限することであってもよく、前記リリーサー24と前記サイドクリッピングアーム11の末端が分離状態に達することができず、すなわち、前記サイドクリッピングアーム11の末端は前記リリーサー24と固定接続状態にあり、この時、前記リリーサー24と前記サイドクリッピングアーム11の末端は分離することができず、前記サイドクリッピングアーム11が前記制御線22の比較的大きな引き力を耐えることができることを保証し、それにより前記サイドクリッピングアーム11が把持対象組織に比較的大きな把持力を印加することができ、前記サイドクリッピングアーム11と前記制御線22が分離することがない。
【0036】
前記サイドクリッピングアーム11がさらに閉じる過程において、前記ハンドル21は制御線22を駆動してシース管23において運動させ、それによってサイドクリッピングアーム11をクリッピングベース12に対して運動させ、前記サイドクリッピングアーム11の末端は遠位端から近位端に運動する過程において、サイドクリッピングアーム11の開口が徐々に小さくなり、前記サイドクリッピングアーム11の末端が前記クリッピング部1の近位端にあると、前記サイドクリッピングアーム11が完全に閉じ、このとき、前記分離接続部材14は前記リリーサー24又は前記サイドクリッピングアーム11に適応し、前記サイドクリッピングアーム11の末端と前記リリーサー24を分離可能な接続状態にさせ、このとき、体外操作端では、前記制御線22の引き出し長さに基づいて、前記サイドクリッピングアーム11が閉じられたと判定することができ、前記制御線22を介して前記サイドクリッピングアーム11にさらに比較的小さい作用力を印加するだけで、前記サイドクリッピングアーム11の末端と前記リリーサー24との分離を実現することができる。
【0037】
なお、ここで述べた適応は、分離接続部材14の位置が前記リリーサー24又は前記サイドクリッピングアーム11の位置に対応することであってもよく、また、前記分離接続部材14が前記リリーサー24に結合して運動し、前記リリーサー24と前記サイドクリッピングアーム11とを分離状態の位置にすることであってもよく、また、前記分離接続部材14が前記リリーサー24又は前記サイドクリッピングアーム11を、前記固定接続部材13の制限から離脱させることであってもよい。
【0038】
以上の技術的解決手段から分かるように、本願の実施例の提供する分離可能に接続しかつ接続力可変なクリップ装置は、把持過程において、前記サイドクリッピングアーム11の末端が前記クリッピング部1の遠位端にある場合、前記固定接続部材13は前記リリーサー24と前記サイドクリッピングアーム11の末端との間の分離動作を拘束し、前記サイドクリッピングアーム11の末端と前記リリーサー24を固定接続状態にさせ、前記サイドクリッピングアーム11は把持対象組織に比較的大きな把持力を印加することができ、組織を把持する過程において、サイドクリッピングアーム11に失敗しないことを保証し、サイドクリッピングアーム11は必ず組織を把持することができる。リリース過程において、前記サイドクリッピングアーム11の末端は前記クリッピング部1の近位端にあり、前記分離接続部材14は前記リリーサー24又は前記サイドクリッピングアーム11に適応し、前記サイドクリッピングアーム11の末端と前記リリーサー24を分離可能な接続状態にさせ、前記制御線22が比較的小さな引き力を印加すると、前記サイドクリッピングアーム11の末端と前記リリーサー24との分離を実現することができることを保証し、手術者の操作を容易にする。
【0039】
さらに、本願の実施例において、前記サイドクリッピングアーム11の末端と前記リリーサー24が分離可能な接続状態にある場合、前記サイドクリッピングアーム11の末端とリリーサー24との間の接続力は分離可能な接続力である。前記サイドクリッピングアーム11の末端と前記リリーサー24が固定接続状態にある場合、前記サイドクリッピングアーム11の末端とリリーサー24との間の接続力は固定接続力である。前記固定接続力は前記分離可能な接続力より大きく、前記分離可能な接続力は5N以上である。なお、実際の応用過程において、前記分離可能な接続力の大きさは、クリップ装置の用途に応じて適応的に変化することができ、例えば、リリーサー24の剛性を変更することにより、分離可能な接続力の大きさを調整する。
【0040】
本願の実施例において、固定接続力及び分離可能な接続力の大きさをテストするために、それぞれ以下の方法を用いてテストを行う。
【0041】
固定接続力のテスト方法:ハンドル21を移動し、サイドクリッピングアーム11の末端を前記クリッピング部1の遠位端に位置させ、このときにサイドクリッピングアーム11は開いた状態にあり、固定接続部材13は前記リリーサー24とサイドクリッピングアーム11の末端との間の分離動作を拘束し、前記サイドクリッピングアーム11の末端と前記リリーサー24を固定接続状態にさせる。クリッピングベース12を引張機の上クリッピング端に固定し、続いて開いたサイドクリッピングアーム11のクリッピング領域にクリッピング物を置き、開いたサイドクリッピングアーム11が閉じることができないようにし、それによってサイドクリッピングアーム11の末端と前記リリーサー24が固定接続状態にあることを確保する。続いてリリーサー24を引張機の下クリッピング端に固定し、引張機を開き、引張機の引張モードを採用し、引張機の速度を50mm/分(min)に設定し、テストプロセスを起動してリリーサー24とクリッピングベース12とが分離するまで続き、リリーサー24とクリッピングベース12との最大分離力を記録する。
【0042】
分離可能な接続力のテスト方法:ハンドル21を移動し、サイドクリッピングアーム11の末端を前記クリッピング部1の近位端に位置させ、このときにサイドクリッピングアーム11は閉じた状態にあり、分離接続部材14は前記リリーサー24又は前記サイドクリッピングアーム11に適応し、前記サイドクリッピングアーム11の末端と前記リリーサー24を分離可能な接続状態にさせる。クリッピングベース12を引張機の上クリッピング端に固定し、このときにサイドクリッピングアーム11は閉じ状態にある。続いてリリーサー24を引張機の下クリッピング端に固定し、引張機を開き、引張機の引張モードを採用し、引張機の速度を50mm/分に設定し、テストプロセスを起動してリリーサー24とクリッピングベース2とが分離するまで続き、リリーサー24とクリッピングベース12との最大分離力を記録する。
【0043】
前記サイドクリッピングアーム11の末端と前記リリーサー24との接続及び分離を実現するために、本願の実現形態Aにおいて、前記リリーサー24と前記サイドクリッピングアーム11の末端との接続形態は変形可能な接続である。前記固定接続部材13を介して前記サイドクリッピングアーム11の末端又は前記リリーサーの変形を制限し、前記サイドクリッピングアーム11の末端と前記リリーサー24との固定接続の形成を保証する。前記制御線22は前記リリーサー24又は前記サイドクリッピングアーム11の末端を前記固定接続部材13から離脱するように駆動し、前記サイドクリッピングアーム11の末端又は前記リリーサー24が変形し、前記サイドクリッピングアーム11の末端を前記リリーサー24から分離させる。
【0044】
具体的には、前記固定接続部材13が前記リリーサー24と前記サイドクリッピングアーム11の末端との分離を拘束することを実現するために、
図3、
図4、
図5及び
図6に示すように、実現形態A-1において、前記固定接続部材13をシュート構造にし、前記分離接続部材14をリリースチェンバー構造にすることができ、かつ前記シュートの溝幅が前記分離接続部材14の幅より小さいことを保証し、前記固定接続部材13と前記分離接続部材14が階段溝を構成するようにする。
【0045】
具体的な実現過程において、様々な形態を用いて前記リリーサー24と前記サイドクリッピングアーム11の末端との変形可能な接続を実現することができ、例えば、実現形態A-1-1において、前記リリーサー24に第1接続孔241が設けられ、前記第1接続孔241は前記サイドクリッピングアーム11の末端の第1接続軸111に接続され、前記第1接続孔241の遠位端側に第1リリース口242が設けられる。
【0046】
前記リリーサー24は前記固定接続部材13に係合され、前記リリーサー24が前記固定接続部材13の内部から前記分離接続部材14の内部に運動した後、前記第1リリース口242は押圧を受けて変形しかつ前記第1接続軸111をリリースする。
【0047】
ここで、
図4に示すように、前記第1接続孔241の片側が閉じておらず、前記第1リリース口242が開設されるため、前記第1接続孔241の側辺は変形することができ、前記第1接続孔241の側辺は前記固定接続部材13に係合され、かつ前記第1接続孔241は前記第1接続軸111に接続される。
図3に示すように、前記サイドクリッピングアーム11の末端が前記クリッピング部1の遠位端にある場合、前記固定接続部材13は前記第1接続軸111が前記第1接続孔241から離脱することを制限し、前記サイドクリッピングアーム11と前記制御線22との早期分離を避け、前記サイドクリッピングアーム11の末端が前記クリッピング部1の近位端にある場合、前記リリーサー24は前記固定接続部材13の制限から離脱し、前記分離接続部材14の内部に入り、この時、前記第1接続孔241の側壁は変形することができ、前記第1接続軸111を前記第1リリース口242から滑り出させ、前記サイドクリッピングアーム11と前記制御線22との分離を実現する。
【0048】
さらに、前記固定接続部材13がより良好なガイド作用を備えることを保証し、それによって前記リリーサー24の運動を制限するために、
図5に示すように、実現形態A-1-2において、前記固定接続部材13にガイドバー131が設けられ、前記リリーサー24にガイド溝243が設けられ、前記ガイド溝243は前記ガイドバー131に係合し、前記ガイドバー131によって前記ガイド溝243に係合し、前記リリーサー24のスライドがより安定することを保証する。
【0049】
前記リリーサー24と前記サイドクリッピングアーム11の末端との変形可能な接続を実現するために、また例えば、
図6に示すように、実現形態A-1-3において、前記サイドクリッピングアーム11の末端に第2接続孔112が設けられ、前記第2接続孔112は前記リリーサー24における第2接続軸244に接続され、前記第2接続孔112の近位端側に第2リリース口113が設けられる。前記サイドクリッピングアーム11にさらに係合ブロック114が設けられ、前記係合ブロック114は前記固定接続部材13に係合され、前記係合ブロック114が前記固定接続部材13から前記分離接続部材14に運動した後、前記第2リリース口113が押圧を受けて変形しかつ前記第2接続軸244をリリースする。
【0050】
実現形態A-1-3において、前記サイドクリッピングアーム11の末端が前記クリッピング部1の遠位端にある場合、前記固定接続部材13は前記係合ブロック114に係合することにより、前記第2接続軸244が前記第2接続孔112から離脱することを制限し、前記サイドクリッピングアーム11と前記制御線22との早期分離を避け、前記サイドクリッピングアーム11が分離位置に到達する場合、前記係合ブロック114は前記固定接続部材13の制限から離脱し、前記分離接続部材14に入り、この時、前記第2接続孔112の側壁は変形することができ、前記第2接続軸244を前記第2リリース口113から滑り出させ、前記サイドクリッピングアーム11と前記制御線22との分離を実現する。
【0051】
具体的には、前記固定接続部材13が前記リリーサー24と前記サイドクリッピングアーム11の末端との分離を拘束することを実現するために、
図7に示すように、実現形態A-2において、前記固定接続部材13はバックルであり、前記分離接続部材14は止めブロックであり、前記止めブロックはクリッピング部1の近位端に設けられ、前記止めブロックが設けられる位置は前記リリーサー24の分離位置に適応し、すなわち、前記リリーサー24はクリッピング部1の遠位端から近位端へ運動する過程において、前記止めブロックを通過した後、前記リリーサー24と前記サイドクリッピングアーム11との分離位置に到達する。
【0052】
前記サイドクリッピングアーム11の末端が前記クリッピング部1の遠位端にある場合、前記バックルによって前記リリーサー24を係合し、かつ前記リリーサー24に追従して運動し、前記リリーサー24の変形を制限し、それにより前記サイドクリッピングアーム11の末端は前記リリーサー24と固定接続を形成する。
【0053】
前記サイドクリッピングアーム11の末端が前記クリッピング部1の近位端にある場合、前記止めブロックはバックルに対して阻止作用を形成し、前記バックルを前記リリーサー24から離脱させ、制御線22が引き力を印加し続けた後、前記リリーサー24が引かれて変形し、それにより前記サイドクリッピングアーム11の末端と前記リリーサー24との分離を実現する。
【0054】
前記サイドクリッピングアーム11の末端と前記リリーサー24との接続及び分離を実現するために、本願の別の実現形態Bにおいて、前記リリーサー24と前記サイドクリッピングアーム11の末端との接続形態は係合である。前記サイドクリッピングアーム11の末端が前記クリッピング部1の遠位端にある場合、前記固定接続部材13は前記サイドクリッピングアーム11の末端に接続され、かつ前記リリーサー24に係合され、前記サイドクリッピングアーム11の末端と前記リリーサー24を固定接続状態にさせる。前記サイドクリッピングアーム11の末端が前記クリッピング部1の近位端にある場合、前記分離接続部材14は前記リリーサー24と結合し、前記サイドクリッピングアーム11の末端は前記リリーサー24と分離可能な接続状態にある。
【0055】
具体的な実現過程において、様々な形態を用いて前記リリーサー24と前記サイドクリッピングアーム11の末端との係合を実現することができ、例えば、
図8及び
図9に示すように、実現形態B-1において、前記固定接続部材13は前記サイドクリッピングアーム11の末端に設けられた二つの円弧状係合壁であり、二つの円弧状係合壁の間に形成された第3リリース口は分離接続部材14である。前記リリーサー24に第3接続軸245が設けられ、前記第3接続軸245の直径は前記第3リリース口の開口寸法より大きい。
【0056】
前記サイドクリッピングアーム11の末端が前記クリッピング部1の遠位端にある場合、前記第3接続軸245は片側の円弧状係合壁領域内において運動し、係合結合により、前記サイドクリッピングアーム11の末端は前記リリーサー24と固定接続を形成する。
【0057】
前記サイドクリッピングアーム11の末端が前記クリッピング部1の近位端にある場合、前記第3接続軸245は二つの円弧状係合壁の間の第3リリース口まで運動し、制御線22が引き力を印加し続けた後、前記第3接続軸245は第3リリース口から押し出され、それにより前記サイドクリッピングアーム11の末端と前記リリーサー24との分離を実現し、なお、前記第3接続軸245が第4リリース口からスムーズに押し出されることを保証し、同時に前記第3接続軸245が第3リリース口から自然に脱落することを引き起こさないために、前記第3接続軸245の直径を前記第3リリース口の開口寸法よりわずかに大きく設定する。
【0058】
具体的には、実現形態B-1において、
図8及び
図9では、2種類の変形構造を提供し、
図8では、前記円弧状係合壁は前記サイドクリッピングアーム11の末端の片側表面に設けられる。
図9では、前記円弧状係合壁は前記サイドクリッピングアーム11の末端に透かし彫り構造によって設けられる。
【0059】
また例えば、
図10に示すように、実現形態B-2において、前記固定接続部材13は前記サイドクリッピングアーム11の末端に設けられた第4接続軸であり、前記リリーサー24に弧状スライドスロット246が設けられ、前記弧状スライドスロット246に予め設定された第4リリース口は分離接続部材14であり、前記第4接続軸の直径は前記第4リリース口の開口寸法より大きい。前記サイドクリッピングアーム11の末端が前記クリッピング部1の遠位端にある場合、前記第4接続軸は前記弧状スライドスロット246にそって運動し、係合作用により、前記サイドクリッピングアーム11の末端と前記リリーサー24に固定接続を形成させる。
【0060】
前記サイドクリッピングアーム11の末端が前記クリッピング部1の近位端にある場合、前記第4接続軸は前記第4リリース口まで運動し、前記サイドクリッピングアーム11の末端は前記リリーサー24と分離可能な接続状態にある。制御線22が引き力を印加し続けた後、前記第4接続軸は第4リリース口から押し出され、それにより前記サイドクリッピングアーム11の末端と前記リリーサー24との分離を実現し、なお、前記第4接続軸が第4リリース口からスムーズに押し出されることを保証し、同時に前記第4接続軸が第4リリース口から自然に脱落することを引き起こさないために、前記第4接続軸の直径を前記第4リリース口の開口寸法よりわずかに大きく設定する。
【0061】
また例えば、
図11に示すように、実現形態B-3において、前記固定接続部材13は係合バーであり、前記サイドクリッピングアーム11の末端と前記リリーサー24に前記係合バーを係合するための係合孔が設けられる。前記分離接続部材14は弾性部材141及び弾性ブロック142を含み、前記弾性部材141は前記弾性ブロック142に接続され、具体的には、前記弾性部材141はバネを採用することができる。
【0062】
前記サイドクリッピングアーム11の末端が前記クリッピング部1の遠位端にある場合、前記係合バーは順次前記サイドクリッピングアーム11の末端の係合孔と前記リリーサー24上の係合孔を貫通し、係合作用により、前記サイドクリッピングアーム11の末端と前記リリーサー24に固定接続を形成させる。
【0063】
前記サイドクリッピングアーム11の末端が前記クリッピング部1の近位端にある場合、前記係合バーの一端は前記弾性ブロック142の位置に運動し、前記弾性ブロック142は弾性部材141の押圧作用を受け、前記係合バーを前記リリーサー24の係合孔から押し出し、前記弾性ブロック142の前記サイドクリッピングアーム11に近い側に、斜面が設けられ、制御線22が引き力を印加し続けた後、前記リリーサー24の係合孔のエッジが斜面を押圧し、前記弾性ブロックを前記リリーサー24の係合孔から離脱させ、それにより前記サイドクリッピングアーム11の末端と前記リリーサー24との分離を実現する。
【0064】
また例えば、
図12に示すように、実現形態B-4において、前記サイドクリッピングアーム11の末端にフック116が設けられ、前記リリーサー24の遠位端に擁壁と第5リリース口が設けられる。そのうち、前記固定接続部材13は擁壁であり、前記分離接続部材14は第5リリース口である。前記クリッピングベース12には突起122が設けられ、前記リリーサー24の側面にはさらに前記突起122と結合する螺旋溝247が設けられる。前記サイドクリッピングアーム11の末端が前記クリッピング部1の遠位端にある場合、前記フック116は前記擁壁に係合され、前記サイドクリッピングアーム11の末端と前記リリーサー24とを固定接続状態にさせる。
【0065】
前記サイドクリッピングアーム11の末端が前記クリッピング部1の近位端にある場合、前記第5リリース口は前記フック116に回転し、前記サイドクリッピングアーム11の末端と前記リリーサー24は分離可能な接続状態にある。前記サイドクリッピングアーム11の末端が前記クリッピング部1の遠位端にある場合、前記フック116は前記擁壁に係合され、前記サイドクリッピングアーム11の末端と前記リリーサー24は固定接続である。
【0066】
なお、ここで説明されるフック116が前記擁壁に係合されることは、前記フック116の尾部のフック本体が擁壁に係合されることを意味し、前記フック116が前記第5リリース口に適応することは、前記フック116の尾部のフック本体が前記第5リリース口からリリースすることができることを意味する。
【0067】
前記サイドクリッピングアーム11の末端が前記クリッピング部1の近位端にある場合、前記螺旋溝247は前記突起122に接触しかつ係合され、前記突起122の押圧を受け、前記リリーサー24が回転し、前記第5リリース口が前記フック116の位置まで回転した後、制御線22は引き力を印加し続け、前記フック116は前記第5リリース口からリリースされ、それにより前記サイドクリッピングアーム11の末端と前記リリーサー24との分離を実現する。
【0068】
クリッピング部4と前記シース管23との間の分離可能な接続を実現するために、
図13及び
図14に示すように、本願の一部の実施例において、前記クリッピング部1はさらに前記クリッピングベース12に接続される分離クロー15を含む。前記分離クロー15は前記制御線22に接続される牽引部151、及び前記牽引部151に設けられた複数の変形可能な接続クロー152を含む。前記クリッピングベース12に複数の孔が設けられ、前記接続クロー152を固定するために用いられ、制御線22の引張力が接続クロー152の変形限界まで増大する時に、前記接続クロー152をクリッピングベース12から分離させる。
【0069】
前記制御線22に接続管221が設けられ、前記制御線22は前記接続管221を貫通する。前記接続管221は前記分離クロー15を牽引するために前記牽引部151に接触する。本実施例において、分離クロー15は円周方向の複数の接続クロー152を有し、接続クロー152はクリッピングベース12及びシース管23の孔部と結合することができ、牽引部151の任意の部位は同時に制御線22に接続され、制御線22の引張力により接続クロー152は変形してクリッピングベース12とシース管23から離脱し、クリッピングベース12とシース管23の効果的な分離を実現する。
【0070】
以上の技術的解決手段から分かるように、本願の実施例の提供する分離可能に接続しかつ接続力可変なクリップ装置は、把持過程において、前記サイドクリッピングアーム11の末端が前記クリッピング部1の遠位端にある場合、前記固定接続部材13は前記リリーサー24と前記サイドクリッピングアーム11の末端との間の分離動作を拘束し、前記サイドクリッピングアーム11の末端と前記リリーサー24を固定接続状態にさせ、前記サイドクリッピングアーム11は把持対象組織に比較的大きな把持力を印加することができ、組織を把持する過程において、サイドクリッピングアーム11に失敗が発生しないことを保証し、サイドクリッピングアーム11は組織を把持することができる。リリース過程において、前記サイドクリッピングアーム11の末端は前記クリッピング部1の近位端にあり、前記分離接続部材14は前記リリーサー24又は前記サイドクリッピングアーム11に適応し、前記サイドクリッピングアーム11の末端と前記リリーサー24を分離可能な接続状態にさせ、前記制御線22が比較的小さな引き力を印加すると、前記サイドクリッピングアーム11の末端と前記リリーサー24との分離を実現することができることを保証し、手術者の操作を容易にする。
【0071】
本願の提供する実施例の間の類似部分は相互に参照すればよく、以上に提供する具体的な実施形態は本願の総体的な構想におけるいくつかの例に過ぎず、本願の保護範囲を限定するものではない。当業者にとって、創造的な労働なしで本願の解決手段に基づいて拡張した任意の他の実施形態はいずれも本願の保護範囲に属する。
【0072】
本願は、2020年6月12日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202010534802.6、発明の名称が「把持力が大きくリリース力が小さいクリップ」である中国特許出願の優先権を主張し、その内容の全てが参照によって本願に組み込まれる。
【国際調査報告】