(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-07
(54)【発明の名称】がんのための抗CD40抗体併用治療
(51)【国際特許分類】
A61K 39/395 20060101AFI20230531BHJP
A61P 1/18 20060101ALI20230531BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230531BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230531BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20230531BHJP
A61K 47/61 20170101ALI20230531BHJP
A61K 31/7068 20060101ALI20230531BHJP
A61K 31/337 20060101ALI20230531BHJP
C07K 16/28 20060101ALI20230531BHJP
【FI】
A61K39/395 N
A61P1/18 ZNA
A61P35/00
A61P43/00 121
A61K45/00
A61K47/61
A61K39/395 T
A61K31/7068
A61K31/337
C07K16/28
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023509466
(86)(22)【出願日】2021-04-27
(85)【翻訳文提出日】2022-12-23
(86)【国際出願番号】 US2021029315
(87)【国際公開番号】W WO2021222188
(87)【国際公開日】2021-11-04
(32)【優先日】2020-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514076560
【氏名又は名称】シージェン インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】520434824
【氏名又は名称】エムエスディー インターナショナル ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135415
【氏名又は名称】中濱 明子
(72)【発明者】
【氏名】シュミット,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ガーディ,シーラ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C085
4C086
4H045
【Fターム(参考)】
4C076AA11
4C076AA16
4C076BB13
4C076BB16
4C076CC16
4C076CC27
4C076CC41
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4C076EE59
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4C084ZB26
4C084ZC75
4C085AA13
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4C085CC23
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4C085EE05
4C085GG02
4C085GG04
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC02
4C086EA17
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA17
4C086MA66
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA66
4C086ZB26
4C086ZC75
4H045AA11
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA53
4H045CA40
4H045DA75
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
本開示は、SEA-CD40などの抗CD40抗体及びペムブロリズマブなどの抗PD-1抗体の組み合わせを使用してがんを治療する方法に関する。治療は、化学療法を更に含むことができる。
【選択図】
図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
膵臓がんを治療する方法であって、前記膵臓がんを有する患者に、
(i)化学療法を各28日サイクルの1日目、8日目、15日目に、
(ii)抗CD40抗体を含む組成物を各28日サイクルの3日目に、及び
(iii)抗PD-1抗体を各42日サイクルの8日目に、投与することを含み、
前記抗CD40抗体が、1)配列番号1のアミノ酸1~113を含む重鎖可変領域及び配列番号2のアミノ酸1~113を含む軽鎖可変領域、並びにヒト定常領域を含み、前記ヒト定常領域が、EUインデックスによる残基N297にN-グリコシド結合糖鎖を有し、前記組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の20%未満が、フコース残基を含み、かつ/又は2)SEA-CD40バリアントであり、
前記抗PD-1抗体が、配列番号3~5のCDRを含む軽鎖、及び配列番号8~10のCDRを含む重鎖を含む、方法。
【請求項2】
前記組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の10%未満が、フコース残基を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の5%未満が、フコース残基を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の3%未満が、フコース残基を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の2%未満が、フコース残基を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記抗CD40抗体が、配列番号1のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号2のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記抗CD40抗体が、SEA-CD40である、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記抗CD40抗体が、SEA-CD40バリアントである、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記抗PD-1抗体の軽鎖が、配列番号6のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を有し、前記抗PD-1抗体の重鎖が、配列番号11のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記抗PD-1抗体の軽鎖が、配列番号7のアミノ酸配列を含み、前記抗PD-1抗体の重鎖が、配列番号12のアミノ酸配列を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記抗PD-1抗体が、ペムブロリズマブである、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記抗PD-1抗体が、ペムブロリズマブバリアントである、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記化学療法が、ゲムシタビン及び/又はパクリタキセルを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
パクリタキセルが、ナブパクリタキセルである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記抗CD40抗体が、10μg/kgで投与される、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記抗CD40抗体が、30μg/kgで投与される、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記抗PD-1抗体が、400mgで投与される、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記抗PD-1抗体が、静脈内投与される、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記膵臓がんが、膵管腺がん(PDAC)である、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記抗CD40抗体が、静脈内投与される、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記抗CD40抗体が、皮下投与される、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
がんを治療する方法であって、
(i)前記がんを有する患者に、化学療法を4週間毎のサイクルで投与することと、
(ii)前記患者に、抗CD40抗体を含む組成物を4週間毎のサイクルで投与することと、
(iii)前記患者に、抗PD-1抗体を3週間毎又は6週間毎のサイクルで投与することと、を含み、
前記化学療法が、各4週間サイクルの1日目、8日目、15日目に投与され、前記抗CD40抗体が、各4週間サイクルの3日目に投与され、前記抗PD-1抗体が、前記3週間サイクル又は6週間サイクルの各々の8日目に投与され、
前記抗CD40抗体が、1)配列番号1のアミノ酸1~113を含む重鎖可変領域及び配列番号2のアミノ酸1~113を含む軽鎖可変領域、並びにヒト定常領域を含み、前記ヒト定常領域が、EUインデックスによる残基N297にN-グリコシド結合糖鎖を有し、前記組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の20%未満が、フコース残基を含み、かつ/又は2)SEA-CD40バリアントであり、
前記抗PD-1抗体が、配列番号3~5のCDRを含む軽鎖、及び配列番号8~10のCDRを含む重鎖を含む、方法。
【請求項23】
前記組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の10%未満が、フコース残基を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の5%未満が、フコース残基を含む、請求項22又は23に記載の方法。
【請求項25】
前記組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の3%未満が、フコース残基を含む、請求項22~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の2%未満が、フコース残基を含む、請求項22~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記抗CD40抗体が、配列番号1のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号2のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項22~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記抗CD40抗体が、SEA-CD40である、請求項22~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記抗CD40抗体が、SEA-CD40バリアントである、請求項22~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記抗PD-1抗体の軽鎖が、配列番号6のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を有し、前記抗PD-1抗体の重鎖が、配列番号11のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を有する、請求項22~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記抗PD-1抗体の軽鎖が、配列番号7のアミノ酸配列を含み、前記抗PD-1抗体の重鎖が、配列番号12のアミノ酸配列を含む、請求項22~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記抗PD-1抗体が、ペムブロリズマブである、請求項22~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記抗PD-1抗体が、ペムブロリズマブバリアントである、請求項22~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記抗PD-1抗体が、3週間毎のサイクルで投与され、前記抗PD-1抗体が、3週間毎のサイクルの8日目に200mgの用量で投与される、請求項22~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記抗PD-1抗体が、6週間毎のサイクルで投与され、前記抗PD-1抗体が、6週間毎のサイクルの8日目に400mgの用量で投与される、請求項22~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記抗PD-1抗体が、静脈内投与される、請求項22~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
がんを治療する方法であって、
(i)前記がんを有する患者に、抗CD40抗体を毎週、2週間毎、3週間毎、4週間毎、5週間毎、6週間毎、7週間毎、又は8週間毎のサイクルで投与することであって、前記サイクルが、前記抗CD40抗体の第1の投与サイクルを含む、投与することと、
(ii)前記患者に、抗PD-1抗体を3週間毎又は6週間毎のサイクルで投与することであって、前記サイクルが、前記抗PD-1抗体の第1の投与サイクルを含む、投与することと、を含み、
前記抗CD40抗体の前記第1の投与サイクルにおける前記抗CD40抗体の第1の投与が、前記抗PD-1抗体の前記第1の投与サイクルにおける前記抗PD-1抗体の第1の投与の1日、2日、3日、4日、5日、6日、又は7日前であり、
前記抗CD40抗体が、1)配列番号1のアミノ酸1~113を含む重鎖可変領域及び配列番号2のアミノ酸1~113を含む軽鎖可変領域、並びにヒト定常領域を含み、前記ヒト定常領域が、EUインデックスによる残基N297にN-グリコシド結合糖鎖を有し、前記組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の20%未満が、フコース残基を含み、かつ/又は2)SEA-CD40バリアントであり、
前記抗PD-1抗体が、配列番号3~5のCDRを含む軽鎖、及び配列番号8~10のCDRを含む重鎖を含む、方法。
【請求項38】
前記組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の10%未満が、フコース残基を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の5%未満が、フコース残基を含む、請求項37又は38に記載の方法。
【請求項40】
前記組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の3%未満が、フコース残基を含む、請求項37~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の2%未満が、フコース残基を含む、請求項37~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記抗CD40抗体が、配列番号1のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号2のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項37~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記抗CD40抗体が、SEA-CD40である、請求項37~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記抗CD40抗体が、SEA-CD40バリアントである、請求項37~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記抗PD-1抗体の軽鎖が、配列番号6のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を有し、前記抗PD-1抗体の重鎖が、配列番号11のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を有する、請求項37~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記抗PD-1抗体の軽鎖が、配列番号7のアミノ酸配列を含み、前記抗PD-1抗体の重鎖が、配列番号12のアミノ酸配列を含む、請求項37~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記抗PD-1抗体が、ペムブロリズマブである、請求項37~46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記抗PD-1抗体が、ペムブロリズマブバリアントである、請求項37~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記抗CD40抗体が、2週間毎、4週間毎、6週間毎、又は8週間毎のサイクルで投与される、請求項37~48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記抗CD40抗体が、4週間毎又は8週間毎のサイクルで投与される、請求項37~49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記抗CD40抗体が、4週間毎のサイクルで投与される、請求項37~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記抗PD-1抗体が、3週間毎のサイクルで200mgの用量で投与される、請求項37~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記抗PD-1抗体が、6週間毎のサイクルで400mgの用量で投与される、請求項37~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記抗PD-1抗体が、静脈内投与される、請求項37~53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記第1のサイクルにおける前記抗CD40抗体の第1の投与が、前記第1のサイクルにおける前記PD-1抗体の第1の投与の2日、3日、4日、5日、又は6日前である、請求項37~54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記第1のサイクルにおける前記抗CD40抗体の第1の投与が、前記第1のサイクルにおける前記PD-1抗体の第1の投与の3日、4日、又は5日前である、請求項37~55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記第1のサイクルにおける前記抗CD40抗体の第1の投与が、前記第1のサイクルにおける前記PD-1抗体の第1の投与の5日前である、請求項37~56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記抗CD40抗体及び前記抗PD-1抗体が、以下からなる群から選択される治療レジメンによるそれらの第1のサイクルにおいて投与され、
前記抗CD40抗体が、1日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、2日目に最初に投与され、
前記抗CD40抗体が、1日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、3日目に最初に投与され、
前記抗CD40抗体が、1日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、4日目に最初に投与され、
前記抗CD40抗体が、1日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、5日目に最初に投与され、
前記抗CD40抗体が、1日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、6日目に最初に投与され、
前記抗CD40抗体が、1日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、7日目に最初に投与され、
前記抗CD40抗体が、1日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、8日目に最初に投与され、
前記抗CD40抗体が、2日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、3日目に最初に投与され、
前記抗CD40抗体が、2日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、4日目に最初に投与され、
前記抗CD40抗体が、2日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、5日目に最初に投与され、
前記抗CD40抗体が、2日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、6日目に最初に投与され、
前記抗CD40抗体が、2日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、7日目に最初に投与され、
前記抗CD40抗体が、2日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、8日目に最初に投与され、
前記抗CD40抗体が、3日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、4日目に最初に投与され、
前記抗CD40抗体が、3日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、5日目に最初に投与され、
前記抗CD40抗体が、3日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、6日目に最初に投与され、
前記抗CD40抗体が、3日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、7日目に最初に投与され、
前記抗CD40抗体が、3日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、8日目に最初に投与され、
前記抗CD40抗体が、4日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、5日目に最初に投与され、
前記抗CD40抗体が、4日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、6日目に最初に投与され、
前記抗CD40抗体が、4日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、7日目に最初に投与され、
前記抗CD40抗体が、4日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、8日目に最初に投与され、
前記抗CD40抗体が、5日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、6日目に最初に投与され、
前記抗CD40抗体が、5日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、7日目に最初に投与され、
前記抗CD40抗体が、5日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、8日目に最初に投与され、
前記抗CD40抗体が、6日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、7日目に最初に投与され、
前記抗CD40抗体が、6日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、8日目に最初に投与され、
前記抗CD40抗体が、7日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、8日目に最初に投与される、請求項37~48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記抗CD40抗体が、1日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、3日目に最初に投与される、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記抗CD40抗体が、1日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、5日目に最初に投与される、請求項58に記載の方法。
【請求項61】
前記抗CD40抗体が、1日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、8日目に最初に投与される、請求項58に記載の方法。
【請求項62】
前記抗CD40抗体が、3日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、5日目に最初に投与される、請求項58に記載の方法。
【請求項63】
前記抗CD40抗体が、3日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、8日目に最初に投与される、請求項58に記載の方法。
【請求項64】
前記抗CD40抗体が、5日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、8日目に最初に投与される、請求項58に記載の方法。
【請求項65】
がんを治療する方法であって、
(i)前記がんを有する患者に、化学療法を3週間毎、4週間毎、5週間毎、又は6週間毎のサイクルで投与することと、
(ii)前記がんを有する患者に、抗CD40抗体を毎週、2週間毎、3週間毎、4週間毎、5週間毎、6週間毎、7週間毎、又は8週間毎のサイクルで投与することと、
(iii)前記患者に、抗PD-1抗体を3週間毎又は6週間毎のサイクルで投与することと、を含み、
前記化学療法の前記第1の投与サイクルにおける前記化学療法の第1の投与が、前記抗CD40抗体の前記第1の投与サイクルにおける前記抗CD40抗体の第1の投与の1日、2日、3日、4日、5日、6日、又は7日前であり、
前記抗CD40抗体の前記第1の投与サイクルにおける前記抗CD40抗体の第1の投与が、前記抗PD-1抗体の前記第1の投与サイクルにおける前記抗PD-1抗体の第1の投与の1日、2日、3日、4日、5日、6日、又は7日前であり、
前記抗CD40抗体が、1)配列番号1のアミノ酸1~113を含む重鎖可変領域及び配列番号2のアミノ酸1~113を含む軽鎖可変領域、並びにヒト定常領域を含み、前記ヒト定常領域が、EUインデックスによる残基N297にN-グリコシド結合糖鎖を有し、前記組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の20%未満が、フコース残基を含み、かつ/又は2)SEA-CD40バリアントであり、
前記抗PD-1抗体が、配列番号3~5のCDRを含む軽鎖、及び配列番号8~10のCDRを含む重鎖を含む、方法。
【請求項66】
前記組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の10%未満が、フコース残基を含む、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の5%未満が、フコース残基を含む、請求項65又は66に記載の方法。
【請求項68】
前記組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の3%未満が、フコース残基を含む、請求項65~67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
前記組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の2%未満が、フコース残基を含む、請求項65~68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
前記抗CD40抗体が、配列番号1のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号2のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項65~69のいずれか一項に記載の方法。
【請求項71】
前記抗CD40抗体が、SEA-CD40である、請求項65~70のいずれか一項に記載の方法。
【請求項72】
前記抗CD40抗体が、SEA-CD40バリアントである、請求項65~69のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
前記抗PD-1抗体の軽鎖が、配列番号6のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を有し、前記抗PD-1抗体の重鎖が、配列番号11のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を有する、請求項65~72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
前記抗PD-1抗体の軽鎖が、配列番号7のアミノ酸配列を含み、前記抗PD-1抗体の重鎖が、配列番号12のアミノ酸配列を含む、請求項65~73のいずれか一項に記載の方法。
【請求項75】
前記抗PD-1抗体が、ペムブロリズマブである、請求項65~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
前記抗PD-1抗体が、ペムブロリズマブバリアントである、請求項65~73のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
前記化学療法が、ゲムシタビン及び/又はパクリタキセルのうちの一方又は両方を含む、請求項65~76のいずれか一項に記載の方法。
【請求項78】
前記化学療法が、ゲムシタビン及びパクリタキセルの両方を含む、請求項65~77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項79】
前記化学療法が、ゲムシタビン及びパクリタキセルからなる、請求項65~78のいずれか一項に記載の方法。
【請求項80】
パクリタキセルが、ナブパクリタキセルである、請求項77~79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
パクリタキセルが、アルブミン結合パクリタキセルである、請求項77~79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
前記抗CD40抗体が、2週間毎、4週間毎、6週間毎、又は8週間毎のサイクルで投与される、請求項65~81のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
前記抗CD40抗体が、4週間毎又は8週間毎のサイクルで投与される、請求項65~82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
前記抗CD40抗体が、4週間毎のサイクルで投与される、請求項65~83のいずれか一項に記載の方法。
【請求項85】
前記抗PD-1抗体が、3週間毎のサイクルで200mgの用量で投与される、請求項65~84のいずれか一項に記載の方法。
【請求項86】
前記抗PD-1抗体が、6週間毎のサイクルで400mgの用量で投与される、請求項65~85のいずれか一項に記載の方法。
【請求項87】
前記抗PD-1抗体が、静脈内投与される、請求項65~86のいずれか一項に記載の方法。
【請求項88】
前記第1のサイクルにおける前記化学療法の第1の投与が、前記第1のサイクルにおける前記PD-1抗体の第1の投与の2日、3日、4日、5日、又は6日前であり、
前記第1のサイクルにおける前記抗CD40抗体の第1の投与が、前記第1のサイクルにおける前記抗CD40抗体の第1の投与の2日、3日、4日、5日、又は6日前である、請求項65~87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項89】
前記第1のサイクルにおける前記化学療法の第1の投与が、前記第1のサイクルにおける前記CD40抗体の第1の投与の2日、3日、又は4日前であり、
前記第1のサイクルにおける前記抗CD40抗体の第1の投与が、前記第1のサイクルにおける前記抗PD-1抗体の第1の投与の3日、4日、又は5日前である、請求項65~88のいずれか一項に記載の方法。
【請求項90】
前記第1のサイクルにおける前記化学療法の第1の投与が、前記第1のサイクルにおける前記CD40抗体の第1の投与の2日前であり、
前記第1のサイクルにおける前記抗CD40抗体の第1の投与が、前記第1のサイクルにおける前記抗PD-1抗体の第1の投与の5日前である、請求項33~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項91】
前記化学療法、前記抗CD40抗体、及び前記抗PD-1抗体が、以下からなる群から選択される治療レジメンによるそれらの第1のサイクルにおいて投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、2日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、3日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、2日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、4日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、2日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、5日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、2日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、6日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、2日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、7日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、2日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、8日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、2日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、9日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、2日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、10日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、2日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、11日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、2日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、12日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、2日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、13日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、2日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、14日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、2日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、15日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、3日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、4日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、3日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、5日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、3日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、6日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、3日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、7日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、3日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、8日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、3日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、9日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、3日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、10日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、3日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、11日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、3日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、12日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、3日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、13日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、3日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、14日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、3日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、15日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、4日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、5日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、4日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、6日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、4日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、7日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、4日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、8日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、4日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、9日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、4日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、10日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、4日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、11日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、4日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、12日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、4日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、13日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、4日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、14日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、4日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、15日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、5日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、6日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、5日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、7日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、5日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、8日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、5日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、9日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、5日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、10日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、5日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、11日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、5日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、12日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、5日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、13日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、5日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、14日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、5日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、15日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、6日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、7日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、6日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、8日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、6日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、9日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、6日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、10日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、6日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、11日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、6日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、11日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、6日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、13日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、6日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、14日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、6日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、15日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、7日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、8日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、7日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、9日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、7日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、10日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、7日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、11日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、7日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、12日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、7日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、13日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、7日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、14日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、7日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、15日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、8日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、9日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、8日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、10日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、8日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、11日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、8日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、12日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、8日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、13日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、8日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、14日目に最初に投与され、
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、8日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、15日目に最初に投与される、請求項65~87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項92】
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、3日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、8日目に最初に投与される、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、5日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、8日目に最初に投与される、請求項91に記載の方法。
【請求項94】
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、7日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、8日目に最初に投与される、請求項91に記載の方法。
【請求項95】
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、7日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、15日目に最初に投与される、請求項91に記載の方法。
【請求項96】
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、8日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、10日目、11日目、12日目、又は15日目に最初に投与される、請求項91に記載の方法。
【請求項97】
前記化学療法が、1日目に最初に投与され、前記抗CD40抗体が、8日目に最初に投与され、前記抗PD-1抗体が、15日目に最初に投与される、請求項91に記載の方法。
【請求項98】
前記化学療法が、4週間毎のサイクルで投与される、請求項65~97のいずれか一項に記載の方法。
【請求項99】
前記化学療法が、各サイクルの1日目、5日目、及び8日目に投与される、請求項65~97のいずれか一項に記載の方法。
【請求項100】
前記抗CD40抗体が、4週間毎のサイクルで投与される、請求項65~99のいずれか一項に記載の方法。
【請求項101】
前記抗CD40抗体が、約3μg/kg、約10μg/kg、約30μg/kg、約45μg/kg、又は約60μg/kg(患者の体重)の用量で投与される、請求項22~100のいずれか一項に記載の方法。
【請求項102】
前記抗CD40抗体が、約10μg/kg(患者の体重)の用量で投与される、請求項101に記載の方法。
【請求項103】
前記抗CD40抗体が、約30μg/kg(患者の体重)の用量で投与される、請求項101に記載の方法。
【請求項104】
前記がんが、黒色腫、乳がん、転移性乳がん、肺がん、非小細胞肺がん(NSCLC)、又は膵臓がんである、請求項22~103のいずれか一項に記載の方法。
【請求項105】
前記がんが、膵臓がんである、請求項22~104のいずれか一項に記載の方法。
【請求項106】
前記がんが、膵管腺がん(PDAC)である、請求項22~105のいずれか一項に記載の方法。
【請求項107】
前記がんが、転移性膵管腺がんである、請求項22~106のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、2020年4月27日に出願された米国仮出願第63/016,247号の利益を主張する。前述の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、治療剤の組み合わせを使用するがんの治療に関する。
【背景技術】
【0003】
がんの治療は、1つを超える治療剤を投与することを含み得る。様々な治療剤は、単剤として、又は併用療法で使用されるように試験されている。
【0004】
抗CD40抗体は、がんを治療するための潜在的な治療法として試験されている。腫瘍壊死因子(TNF)受容体スーパーファミリーのメンバーであるCD40は、正常及び腫瘍性B細胞、指状嵌入細胞、基底上皮細胞、及びがん腫を含む様々な細胞型に発現している。CD40とそのリガンド/抗原であるCD40L(CD154、gp39、及びTRAPとも称される)との相互作用により、免疫応答が誘導される。いくつかの抗CD40抗体が臨床試験で試験されているが、現在までにFDAによって承認されたものはない。
【0005】
Merck and Co.,Inc.(Kenilworth NJ,USA)によって開発されたKEYTRUDA(登録商標)(ペムブロリズマブ)は、FDA承認の抗体治療剤である。現在までに、KEYTRUDA(登録商標)は、とりわけ、ある特定の黒色腫、非小細胞肺がん(NSCLC)、小細胞肺がん(SCLC)、頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)、及び古典的ホジキンリンパ腫(cHL)を含む様々な腫瘍及びがん型の治療薬として承認されている。KEYTRUDA(登録商標)の処方箋ラベルは、例えば、FDAに承認された薬物データベースでアクセス可能である。
【0006】
KEYTRUDA(登録商標)の有効成分であるペムブロリズマブは、抗PD-1抗体であり、そのリガンド/抗原であるプログラム死受容体1(PD-1)に結合し、免疫系による腫瘍細胞のクリアランスを助ける。PD-1は、免疫グロブリンスーパーファミリーのメンバーであり、そのリガンドであるPD-L1及び/又はPD-L2が関与すると、抗原受容体シグナル伝達を負に制御する。しかしながら、一部のがんは、抗PD-1又は抗PD-L1治療に反応しない(Danaher P et al.J Immunother Cancer.2018 Jun 22;6(1):63、Algazi et al.Cancer.2016 Nov 15;122(21):3344-3353)。
【発明の概要】
【0007】
SEA-CD40などの抗CD40抗体及びペムブロリズマブの組み合わせを使用して、がんを治療するための治療レジメンが、本明細書に記載されている。SEA-CD40などの抗CD40抗体、ペムブロリズマブ、及び1つ以上の化学療法剤の組み合わせを使用して、がんを治療するための治療レジメンも、本明細書に記載されている。1つ以上の化学療法剤には、例えば、ゲムシタビン及び/又はパクリタキセル(若しくはナブパクリタキセル)が含まれ得る。ABRAXANE(登録商標)は、アルブミン結合パクリタキセルを含むパクリタキセルの商標名である。
【0008】
SEA-CD40は、非フコシル化又は最小フコシル化(「非フコシル化」及び「最小フコシル化」は、本開示において互換可能に使用される)抗CD40抗体であり、自然免疫系を強力に活性化する。SEA-CD40は、臨床試験NCT02376699でがん治療として試験されている。
【0009】
SEA-CD40などの抗CD40抗体及びペムブロリズマブの組み合わせを使用して、がんを治療する方法は、相乗効果から利益を得ることができる。例えば、SEA-CD40は、初期の自然免疫応答を刺激することができるが、PD-1/PD-L1軸の遮断は、持続的な適応免疫応答を可能にする。
【0010】
SEA-CD40などの抗CD40抗体及びペムブロリズマブの組み合わせを使用して、がんを治療する方法は、1つ以上の化学療法剤、例えば、ゲムシタビン及びパクリタキセル(若しくはナブパクリタキセル)を投与することを更に含むことができる。ABRAXANE(登録商標)は、アルブミン結合パクリタキセルを含むパクリタキセルの商標名である。
【0011】
一態様では、本開示は、膵臓がんを治療する方法に関し、本方法は、膵臓がんを有する患者に、(i)化学療法を各28日サイクルの1日目、8日目、及び15日目に、(ii)抗CD40抗体を含む組成物を各28日サイクルの3日目に、及び(iii)抗PD-1抗体を各42日サイクルの8日目に、投与することを含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、配列番号1のアミノ酸1~113を含む重鎖可変領域及び配列番号2のアミノ酸1~113を含む軽鎖可変領域、並びにヒト定常領域を含み、ヒト定常領域は、EUインデックスによる残基N297にN-グリコシド結合糖鎖を有し、組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の20%未満は、フコース残基を含む。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、SEA-CD40バリアントである。
【0013】
いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、h409A11、h409A16、h409A17、又はAMP-514である。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、セミプリマブ-rwlc、スパルタリズマブ、AK105、ティスレリズマブ、ドスタリマブ、MEDI0680、ピディリズマブ、AMP-224、又はSHR-1210である。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、配列番号3~5のCDRを含む軽鎖、及び配列番号8~10のCDRを含む重鎖を含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、抗CD40抗体を含む組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の10%未満は、フコース残基を有する。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体を含む組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の5%未満は、フコース残基を有する。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体を含む組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の3%未満は、フコース残基を有する。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体を含む組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の2%未満は、フコース残基を有する。
【0015】
いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、配列番号1のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号2のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、SEA-CD40である。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、SEA-CD40バリアントである。
【0016】
いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体の軽鎖は、配列番号6のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を有し、抗PD-1抗体の重鎖は、配列番号11のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を有する。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体の軽鎖は、配列番号7のアミノ酸配列を含み、抗PD-1抗体の重鎖は、配列番号12のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、ペムブロリズマブである。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、ペムブロリズマブバリアントである。
【0017】
いくつかの実施形態では、化学療法は、ゲムシタビン及び/又はパクリタキセルを含む。言い換えれば、化学療法は、ゲムシタビン、パクリタキセル、又はゲムシタビン及びパクリタキセルの両方を含む。いくつかの実施形態では、パクリタキセルは、ナブパクリタキセルである。いくつかの実施形態では、パクリタキセルは、アルブミン結合パクリタキセルである。
【0018】
いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、10μg/kgで投与される。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、30μg/kgで投与される。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、400mgで投与される。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、静脈内投与される。
【0019】
いくつかの実施形態では、膵臓で治療されるがんは、膵管腺がん(PDAC)である。
【0020】
いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、静脈内投与される。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、皮下投与される。
【0021】
別の態様では、本開示は、がんを治療する方法に関し、本方法は、(i)がんを有する患者に、化学療法を4週間毎のサイクルで投与することと、(ii)患者に、抗CD40を含む組成物を4週間毎のサイクルで投与することと、(iii)患者に、抗PD-1抗体を3週間毎又は6週間毎のサイクルで投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、化学療法は、各4週間サイクルの1日目、8日目、15日目に投与され、抗CD40抗体は、各4週間サイクルの3日目に投与され、抗PD-1抗体は、3週間サイクル又は6週間サイクルの各々の8日目に投与される。
【0022】
いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、配列番号1のアミノ酸1~113を含む重鎖可変領域及び配列番号2のアミノ酸1~113を含む軽鎖可変領域、並びにヒト定常領域を含み、ヒト定常領域は、EUインデックスによる残基N297にN-グリコシド結合糖鎖を有し、組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の20%未満は、フコース残基を含む。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、SEA-CD40バリアントである。
【0023】
いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、h409A11、h409A16、h409A17、又はAMP-514である。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、セミプリマブ-rwlc、スパルタリズマブ、AK105、ティスレリズマブ、ドスタリマブ、MEDI0680、ピディリズマブ、AMP-224、又はSHR-1210である。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、配列番号3~5のCDRを含む軽鎖、及び配列番号8~10のCDRを含む重鎖を含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、抗CD40抗体を含む組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の10%未満は、フコース残基を有する。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体を含む組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の5%未満は、フコース残基を有する。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体を含む組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の3%未満は、フコース残基を有する。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体を含む組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の2%未満は、フコース残基を有する。
【0025】
いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、配列番号1のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号2のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、SEA-CD40である。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、SEA-CD40バリアントである。
【0026】
いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体の軽鎖は、配列番号6のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を有し、抗PD-1抗体の重鎖は、配列番号11のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を有する。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体の軽鎖は、配列番号7のアミノ酸配列を含み、抗PD-1抗体の重鎖は、配列番号12のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、ペムブロリズマブである。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、ペムブロリズマブバリアントである。
【0027】
いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、3週間毎のサイクルで投与され、抗PD-1抗体は、各3週間サイクルの8日目に200mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、6週間毎のサイクルで投与され、抗PD-1抗体は、各6週間サイクルの8日目に400mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、静脈内投与される。
【0028】
いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、約3μg/kg、約10μg/kg、約30μg/kg、約45μg/kg、又は約60μg/kg(患者の体重)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、約10μg/kg(患者体重)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、約30μg/kg(患者体重)の用量で投与される。
【0029】
いくつかの実施形態では、治療されるがんは、黒色腫、膀胱がん、肺がん、例えば、小細胞肺がん及び非小細胞肺がん、卵巣がん、腎臓がん、膵臓がん、乳がん、子宮頸がん、頭頸部がん、前立腺がん、膠芽腫、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ性白血病、肝細胞がん、又は多発性骨髄腫である。いくつかの実施形態では、治療されるがんは、黒色腫、乳がん、転移性乳がん、肺がん、非小細胞肺がん(NSCLC)、又は膵臓がんである。いくつかの実施形態では、治療されるがんは、膵臓がんである。いくつかの実施形態では、治療されるがんは、膵管腺がん(PDAC)である。いくつかの実施形態では、治療されるがんは、転移性膵管腺がんである。
【0030】
別の態様では、本開示は、がんを治療する方法に関し、本方法は、(i)がんを有する患者に、抗CD40抗体を毎週、2週間毎、3週間毎、4週間毎、5週間毎、6週間毎、7週間毎、又は8週間毎のサイクルで投与することであって、サイクルは、抗CD40抗体の第1の投与サイクルを含む、投与することと、(ii)患者に、抗PD-1抗体を3週間毎又は6週間毎のサイクルで投与することであって、サイクルは、抗PD-1抗体の第1の投与サイクルを含む、投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体の第1の投与サイクルにおける抗CD40抗体の第1の投与は、抗PD-1抗体の第1の投与サイクルにおける抗PD-1抗体の第1の投与の1日、2日、3日、4日、5日、6日、又は7日前である。
【0031】
いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、配列番号1のアミノ酸1~113を含む重鎖可変領域及び配列番号2のアミノ酸1~113を含む軽鎖可変領域、並びにヒト定常領域を含み、ヒト定常領域は、EUインデックスによる残基N297にN-グリコシド結合糖鎖を有し、組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の20%未満は、フコース残基を含む。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、SEA-CD40バリアントである。
【0032】
いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、h409A11、h409A16、h409A17、又はAMP-514である。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、セミプリマブ-rwlc、スパルタリズマブ、AK105、ティスレリズマブ、ドスタリマブ、MEDI0680、ピディリズマブ、AMP-224、又はSHR-1210である。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、配列番号3~5のCDRを含む軽鎖、及び配列番号8~10のCDRを含む重鎖を含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、抗CD40抗体を含む組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の10%未満は、フコース残基を有する。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体を含む組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の5%未満は、フコース残基を有する。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体を含む組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の3%未満は、フコース残基を有する。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体を含む組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の2%未満は、フコース残基を有する。
【0034】
いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、配列番号1のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号2のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、SEA-CD40である。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、SEA-CD40バリアントである。
【0035】
いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体の軽鎖は、配列番号6のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を有し、抗PD-1抗体の重鎖は、配列番号11のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を有する。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体の軽鎖は、配列番号7のアミノ酸配列を含み、抗PD-1抗体の重鎖は、配列番号12のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、ペムブロリズマブである。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、ペムブロリズマブバリアントである。
【0036】
いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、2週間毎、4週間毎、6週間毎、又は8週間毎のサイクルで投与される。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、4週間毎又は8週間毎のサイクルで投与される。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、4週間毎のサイクルで投与される。
【0037】
いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、3週間毎のサイクルで200mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、6週間毎のサイクルで400mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、静脈内投与される。
【0038】
いくつかの実施形態では、第1のサイクルにおける抗CD40抗体の第1の投与は、第1のサイクルにおける抗PD-1抗体の第1の投与の2日、3日、4日、5日、又は6日前である。いくつかの実施形態では、第1のサイクルにおける抗CD40抗体の第1の投与は、第1のサイクルにおける抗PD-1抗体の第1の投与の3日、4日、又は5日前である。いくつかの実施形態では、第1のサイクルにおける抗CD40抗体の第1の投与は、第1のサイクルにおける抗PD-1抗体の第1の投与の5日前である。
【0039】
いくつかの実施形態では、抗CD40抗体及び抗PD-1抗体は、以下からなる群から選択される治療レジメンによるそれらの第1のサイクルで投与され、抗CD40抗体は、1日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、2日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、1日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、3日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、1日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、4日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、1日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、5日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、1日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、6日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、1日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、7日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、1日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、8日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、2日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、3日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、2日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、4日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、2日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、5日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、2日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、6日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、2日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、7日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、2日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、8日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、3日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、4日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、3日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、5日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、3日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、6日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、3日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、7日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、3日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、8日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、4日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、5日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、4日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、6日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、4日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、7日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、4日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、8日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、5日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、6日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、5日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、7日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、5日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、8日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、6日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、7日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、6日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、8日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、7日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、8日目に最初に投与される。
【0040】
いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、1日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、3日目に最初に投与される。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、1日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、5日目に最初に投与される。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、1日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、8日目に最初に投与される。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、3日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、5日目に最初に投与される。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、3日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、8日目に最初に投与される。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、5日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、8日目に最初に投与される。
【0041】
いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、約3μg/kg、約10μg/kg、約30μg/kg、約45μg/kg、又は約60μg/kg(患者の体重)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、約10μg/kg(患者体重)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、約30μg/kg(患者体重)の用量で投与される。
【0042】
いくつかの実施形態では、治療されるがんは、黒色腫、膀胱がん、肺がん、例えば、小細胞肺がん及び非小細胞肺がん、卵巣がん、腎臓がん、膵臓がん、乳がん、子宮頸がん、頭頸部がん、前立腺がん、膠芽腫、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ性白血病、肝細胞がん、又は多発性骨髄腫である。いくつかの実施形態では、治療されるがんは、黒色腫、乳がん、転移性乳がん、肺がん、非小細胞肺がん(NSCLC)、又は膵臓がんである。いくつかの実施形態では、治療されるがんは、膵臓がんである。いくつかの実施形態では、治療されるがんは、膵管腺がん(PDAC)である。いくつかの実施形態では、治療されるがんは、転移性膵管腺がんである。
【0043】
別の態様では、本開示は、がんを治療する方法に関し、本方法は、(i)がんを有する患者に、化学療法を3週間毎、4週間毎、5週間毎、又は6週間毎のサイクルで投与することと、(ii)がんを有する患者に、抗CD40抗体を毎週、2週間毎、3週間毎、4週間毎、5週間毎、6週間毎、7週間毎、又は8週間毎のサイクルで投与することと、(iii)患者に、抗PD-1抗体を3週間毎又は6週間毎のサイクルで投与することと、である。いくつかの実施形態では、化学療法の第1の投与サイクルにおける化学療法の第1の投与は、抗CD40抗体の第1の投与サイクルにおける抗CD40抗体の第1の投与サイクルの1日、2日、3日、4日、5日、6日、又は7日前である。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体の第1の投与サイクルにおける抗CD40抗体の第1の投与は、抗PD-1抗体の第1の投与サイクルにおける抗PD-1抗体の第1の投与の1日、2日、3日、4日、5日、6日、又は7日前である。
【0044】
いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、配列番号1のアミノ酸1~113を含む重鎖可変領域及び配列番号2のアミノ酸1~113を含む軽鎖可変領域、並びにヒト定常領域を含み、ヒト定常領域は、EUインデックスによる残基N297にN-グリコシド結合糖鎖を有し、組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の20%未満は、フコース残基を含む。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、SEA-CD40バリアントである。
【0045】
いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、h409A11、h409A16、h409A17、又はAMP-514である。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、セミプリマブ-rwlc、スパルタリズマブ、AK105、ティスレリズマブ、ドスタリマブ、MEDI0680、ピディリズマブ、AMP-224、又はSHR-1210である。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、配列番号3~5のCDRを含む軽鎖、及び配列番号8~10のCDRを含む重鎖を含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、抗CD40抗体を含む組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の10%未満は、フコース残基を有する。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体を含む組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の5%未満は、フコース残基を有する。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体を含む組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の3%未満は、フコース残基を有する。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体を含む組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の2%未満は、フコース残基を有する。
【0047】
いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、配列番号1のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号2のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、SEA-CD40である。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、SEA-CD40バリアントである。
【0048】
いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体の軽鎖は、配列番号6のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を有し、抗PD-1抗体の重鎖は、配列番号11のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を有する。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体の軽鎖は、配列番号7のアミノ酸配列を含み、抗PD-1抗体の重鎖は、配列番号12のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、ペムブロリズマブである。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、ペムブロリズマブバリアントである。
【0049】
いくつかの実施形態では、化学療法は、ゲムシタビン及びパクリタキセルのうちの一方又は両方を含む。いくつかの実施形態では、化学療法は、ゲムシタビン及びパクリタキセルの両方を含む。いくつかの実施形態では、化学療法は、ゲムシタビン及びパクリタキセルからなる。いくつかの実施形態では、パクリタキセルは、ナブパクリタキセルである。いくつかの実施形態では、パクリタキセルは、アルブミン結合パクリタキセルである。
【0050】
いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、2週間毎、4週間毎、6週間毎、又は8週間毎のサイクルで投与される。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、4週間毎又は8週間毎のサイクルで投与される。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、4週間毎のサイクルで投与される。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、3週間毎のサイクルで200mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、6週間毎のサイクルで400mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、静脈内投与される。
【0051】
いくつかの実施形態では、第1のサイクルにおける化学療法の第1の投与は、第1のサイクルにおける抗CD40抗体の第1の投与の2日、3日、4日、5日、又は6日前であり、第1のサイクルにおける抗CD40抗体の第1の投与は、第1のサイクルにおける抗PD-1抗体の第1の投与の2日、3日、4日、5日、又は6日前である。いくつかの実施形態では、第1のサイクルにおける化学療法の第1の投与は、第1のサイクルにおける抗CD40抗体の第1の投与の2日、3日、又は4日前であり、第1のサイクルにおける抗CD40抗体の第1の投与は、第1のサイクルにおける抗PD-1抗体の第1の投与の3日、4日、又は5日前である。いくつかの実施形態では、第1のサイクルにおける化学療法の第1の投与は、第1のサイクルにおける抗CD40抗体の第1の投与の2日前であり、第1のサイクルにおける抗CD40抗体の第1の投与は、第1のサイクルにおける抗PD-1抗体の第1の投与の5日前である。
【0052】
いくつかの実施形態では、化学療法、抗CD40抗体、及び抗PD-1抗体は、以下からなる群から選択される治療レジメンに従って、それらの第1のサイクルで投与される:化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、2日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、3日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、2日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、4日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、2日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、5日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、2日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、6日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、2日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、7日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、2日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、8日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、2日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、9日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、2日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、10日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、2日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、11日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、2日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、12日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、2日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、13日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、2日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、14日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、2日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、15日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、3日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、4日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、3日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、5日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、3日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、6日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、3日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、7日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、3日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、8日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、3日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、9日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、3日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、10日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、3日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、11日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、3日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、12日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、3日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、13日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、3日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、14日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、3日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、15日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、4日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、5日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、4日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、6日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、4日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、7日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、4日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、8日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、4日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、9日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、4日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、10日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、4日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、11日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、4日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、12日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、4日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、13日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、4日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、14日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、4日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、15日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、5日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、6日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、5日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、7日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、5日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、8日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、5日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、9日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、5日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、10日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、5日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、11日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、5日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、12日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、5日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、13日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、5日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、14日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、5日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、15日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、6日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、7日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、6日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、8日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、6日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、9日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、6日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、10日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、6日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、11日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、6日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、11日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、6日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、13日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、6日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、14日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、6日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、15日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、7日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、8日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、7日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、9日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、7日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、10日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、7日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、11日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、7日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、12日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、7日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、13日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、7日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、14日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、7日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、15日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、8日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、9日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、8日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、10日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、8日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、11日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、8日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、12日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、8日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、13日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、8日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、14日目に最初に投与され、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、8日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、15日目に最初に投与される。
【0053】
いくつかの実施形態では、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、3日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、8日目に最初に投与される。いくつかの実施形態では、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、5日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、8日目に最初に投与される。いくつかの実施形態では、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、7日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、8日目に最初に投与される。いくつかの実施形態では、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、7日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、15日目に最初に投与される。いくつかの実施形態では、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、8日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、10日目、11日目、12日目、又は15日目に最初に投与される。いくつかの実施形態では、化学療法は、1日目に最初に投与され、抗CD40抗体は、8日目に最初に投与され、抗PD-1抗体は、15日目に最初に投与される。
【0054】
いくつかの実施形態では、化学療法は、4週間毎のサイクルで投与される。いくつかの実施形態では、化学療法は、各サイクルの1日目、5日目、及び8日目に投与される。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、4週間毎のサイクルで投与される。
【0055】
いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、約3μg/kg、約10μg/kg、約30μg/kg、約45μg/kg、又は約60μg/kg(患者の体重)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、約10μg/kg(患者体重)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体は、約30μg/kg(患者体重)の用量で投与される。
【0056】
いくつかの実施形態では、治療されるがんは、黒色腫、膀胱がん、肺がん、例えば、小細胞肺がん及び非小細胞肺がん、卵巣がん、腎臓がん、膵臓がん、乳がん、子宮頸がん、頭頸部がん、前立腺がん、膠芽腫、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ性白血病、肝細胞がん、又は多発性骨髄腫である。いくつかの実施形態では、治療されるがんは、黒色腫、乳がん、転移性乳がん、肺がん、非小細胞肺がん(NSCLC)、又は膵臓がんである。いくつかの実施形態では、治療されるがんは、膵臓がんである。いくつかの実施形態では、治療されるがんは、膵管腺がん(PDAC)である。いくつかの実施形態では、治療されるがんは、転移性膵管腺がんである。
【0057】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明、及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0058】
定義
「併用療法」又は「組み合わせ」という用語は、1つを超える治療剤を投与することを含む治療レジメンを指す。併用療法は、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、一晩、10、又は多数の治療剤を含むことができる。各治療剤は、例えば、生物学的薬剤、小分子、抗体、化学療法剤などを含む、同じ又は異なる種類の分子であり得る。各治療剤は、同じ又は異なるサイクルで投与され得る。治療剤の一部又は全ては、一緒に製剤化され得る。治療剤の一部又は全ては、別々に投与され得る。
【0059】
「ポリペプチド」又は「ポリペプチド鎖」は、天然に又は合成的に産生されるかにかかわらず、ペプチド結合によって連結されるアミノ酸残基のポリマーである。約10未満のアミノ酸残基のポリペプチドは、一般に「ペプチド」と称される。
【0060】
「タンパク質」は、1つ以上のポリペプチド鎖を含む高分子である。タンパク質は、炭水化物基などの非ペプチド成分も含むことができる。炭水化物及び他の非ペプチド置換基は、タンパク質が産生される細胞によってタンパク質に添加され得、細胞の型によって異なるであろう。タンパク質は、そのアミノ酸骨格構造の観点から本明細書では定義され、炭水化物基などの置換基は、概して指定はされないが、それでも存在し得る。
【0061】
「アミノ末端」及び「カルボキシル末端」という用語は、ポリペプチド内の位置を表すために本明細書で使用される。文脈が許す場合、これらの用語は、近接性又は相対的位置を表すためにポリペプチドの特定の配列又は部分に関して使用される。例えば、ポリペプチド内で参照配列に対してカルボキシル末端に位置するある特定の配列は、参照配列のカルボキシル末端に近接して位置着けられるが、必ずしも完全ポリペプチドのカルボキシル末端にある必要はない。
【0062】
「抗体」という用語は、抗原の存在に応答して体によって産生される免疫グロブリンタンパク質、並びにその抗原結合断片及び操作されたバリアントを表すために本明細書で使用される。したがって、「抗体」という用語は、例えば、完全長の免疫グロブリン重鎖及び軽鎖を含む無傷モノクローナル抗体(例えば、ハイブリドーマ技術を使用して産生された抗体)、並びにF(ab’)2及びFabフラグメントなどの抗原結合抗体断片を含む。概して、操作された無傷抗体及び断片、例えば、キメラ抗体、ヒト化抗体、単鎖Fv断片、単鎖抗体、ダイアボディ、ミニボディ、線形抗体、多価又は多特異性(例えば、二重特異性)ハイブリッド抗体なども含まれる。したがって、「抗体」という用語は、抗体の抗原結合部位を含み、その抗原に特異的に結合することができる任意のタンパク質を含むように広義に使用される。
【0063】
「抗体の抗原結合部位」は、その抗原に結合するのに十分な抗体のその部分である。最低限のかかる領域は、典型的には、可変ドメイン又はその遺伝学的に操作されたバリアントである。単一ドメイン結合部位は、ラクダ抗体(Muyldermans and Lauwereys,J.Mol.Recog.12:131-140,1999、Nguyen et al.,EMBO J.19:921-930,2000を参照のこと)又は単一ドメイン抗体を産生させるための他の種のVHドメイン(「dAb」、Ward et al.,Nature 341:544-546,1989、Winterらの米国特許第6,248,516号を参照のこと)から生成され得る。ある特定のバリエーションにおいて、抗原結合部位は、天然又は非天然(例えば、変異誘発された)の重鎖可変領域若しくは軽鎖可変領域、又はそれらの組み合わせの2つの相補性決定領域(CDR)のみを有するポリペプチド領域である(例えば、Pessi et al.,Nature 362:367-369,1993、Qiu et al.,Nature Biotechnol.25:921-929,2007を参照のこと)。より一般的に、抗体の抗原結合部位は、共通エピトープに結合する、重鎖可変(VH)ドメイン及び軽鎖可変(VL)ドメインの両方を含む。本開示の文脈内で、抗体は、抗原結合部位に加えて、例えば、抗体の第2の抗原結合部位(同じエピトープ若しくは異なるエピトープ、又は同じ抗原若しくは異なる抗原に結合することができる)、ペプチドリンカー、免疫グロブリン定常領域、免疫グロブリンヒンジ、両親媒性ヘリックス(Pack and Pluckthun,Biochem.31:1579-1584,1992を参照のこと)、非ペプチドリンカー、オリゴヌクレオチド(Chaudri et al.,FEBS Letters 450:23-26,1999を参照のこと)、細胞増殖阻害薬物又は細胞傷害性薬物などのような、1つ以上の構成要素を含むことができ、単量体又は多量体タンパク質であり得る。抗体の抗原結合部位を含む分子の例は、当該技術分野で既知であり、例えば、Fv、単鎖Fv(scFv)、Fab、Fab’、F(ab’)2、F(ab)c、ダイアボディ、dAb、ミニボディ、ナノボディ、Fab-scFv融合物、二重特性(scFv)4-IgG、及び二重特異性(scFv)2-Fabを含む。(例えば、Hu et al.,Cancer Res.56:3055-3061,1996、Atwell et al.,Molecular Immunology 33:1301-1312,1996、Carter and Merchant,Curr.Opin.Biotechnol.8:449-454,1997、Zuo et al.,Protein Engineering 13:361-367,2000、及びLu et al.,J.Immunol.Methods 267:213-226,2002を参照のこと。)
【0064】
「がん(cancer)」、「がん性(cancerous)」、又は「悪性(malignant)」という用語は、通常、無秩序な細胞増殖を特徴とする哺乳動物における生理学的状態を指すか、又は説明する。がんは、固形腫瘍又は血液がんであり得る。がんはまた、黒色腫、転移性乳がんを含む乳がん、非小細胞肺がんを含む肺がん、膵臓がん、リンパ腫、結腸直腸がん、又は腎がんであり得る。いくつかの実施形態では、がんは、黒色腫、転移性乳がんを含む乳がん、非小細胞肺がんを含む肺がん、又は膵臓がんである。膵臓がんは、膵管腺がん(PDAC)であり得る。PDACはまた、転移性であり得る。
【0065】
本明細書で使用される「免疫グロブリン」という用語は、免疫グロブリン遺伝子によって実質的にコードされる1つ以上のポリペプチドからなるタンパク質を指す。免疫グロブリンの一形態は、脊椎動物における天然(すなわち、自然)の抗体の基本構造単位を構成する。この形態は、四量体であり、免疫グロブリン鎖の2つの同一の対からなり、各対は、1本の軽鎖と1本の重鎖とを有する。各対では、軽鎖及び重鎖可変領域(VL及びVH)は、一緒になって、抗原への結合の中心的役割を果たし、定常領域は、抗体エフェクター機能の中心的役割を果たす。免疫グロブリンタンパク質の5つのクラス(IgG、IgA、IgM、IgD、及びIgE)は、高等脊椎動物において特定されている。IgGが主要なクラスを構成し、通常、血漿中に見出される2番目に豊富なタンパク質として存在する。ヒトでは、IgGは、IgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4と表示される4つのサブクラスからなる。IgGクラスの重鎖定常領域は、ギリシャ記号γを用いて同定される。例えば、IgG1サブクラスの免疫グロブリンは、γ1重鎖定常領域を含む。各免疫グロブリン重鎖は、種における所与のサブクラスに関して本質的に不変である定常領域タンパク質ドメイン(CH1、ヒンジ、CH2、及びCH3;IgG3はCH4ドメインも含む)からなる定常領域を保有する。ヒト及び非ヒト免疫グロブリン鎖をコードするDNA配列は、当該技術分野で既知である。(例えば、Ellison et al.,DNA 1:11-18,1981、Ellison et al.,Nucleic Acids Res.10:4071-4079,1982、Kenten et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 79:6661-6665,1982、Seno et al.,Nuc.Acids Res.11:719-726,1983、Riechmann et al.,Nature 332:323-327,1988、Amster et al.,Nuc.Acids Res.8:2055-2065,1980、Rusconi and Kohler,Nature 314:330-334,1985、Boss et al.,Nuc.Acids Res.12:3791-3806,1984、Bothwell et al.,Nature 298:380-382,1982、van der Loo et al.,Immunogenetics 42:333-341,1995、Karlin et al.,J.Mol.Evol.22:195-208,1985、Kindsvogel et al.,DNA 1:335-343,1982、Breiner et al.,Gene 18:165-174,1982、Kondo et al.,Eur.J.Immunol.23:245-249,1993、及びGenBank受入番号J00228を参照のこと。)免疫グロブリン構造及び機能の概説については、Putnam,The Plasma Proteins,Vol V,Academic Press,Inc.,49-140,1987及びPadlan,Mol.Immunol.31:169-217,1994を参照のこと。「免疫グロブリン」という用語は、その一般的な意味で本明細書で使用され、文脈に応じて、無傷抗体、その構成要素の鎖、又は鎖の断片を表す。
【0066】
完全長免疫グロブリン「軽鎖」(約25Kd又は214個のアミノ酸)は、アミノ末端で可変領域遺伝子によって(約110個のアミノ酸をコードする)、及びカルボキシル末端でカッパ又はラムダ定常領域遺伝子によってコードされる。完全長免疫グロブリン「重鎖」(約50Kd又は446個のアミノ酸)は、可変領域遺伝子(約116個のアミノ酸をコードする)、及びガンマ、ミュー、アルファ、デルタ、又はイプシロン定常領域遺伝子(約330個のアミノ酸をコードする)によってコードされ、後者は、抗体のアイソタイプを、それぞれ、IgG、IgM、IgA、IgD、又はIgEとして定義する。軽鎖及び重鎖内で、可変領域及び定常領域は、約12個以上のアミノ酸の「J」領域により連結され、重鎖は、約10個以上のアミノ酸の「D」領域も含む。(一般に、Fundamental Immunology(Paul,ed.,Raven Press,N.Y.,2nd ed.1989)、Ch.7を参照のこと。
【0067】
免疫グロブリン軽鎖又は重鎖可変領域(本明細書では、それぞれ、「軽鎖可変ドメイン」(「VLドメイン」)又は「重鎖可変ドメイン」(「VHドメイン」)とも称される)は、3つの超可変性領域(「相補性決定領域」又は「CDR」とも呼ばれる)によって分断された「フレームワーク」領域からなる。フレームワーク領域は、抗原のエピトープへの特異的結合のためにCDRを整合させる働きをする。したがって、「超可変領域」又は「CDR」という用語は、抗原結合の主な要因である抗体のアミノ酸残基を指す。アミノ末端からカルボキシル末端まで、VLドメイン及びVHドメインの両方は、以下のフレームワーク(FR)及びCDR領域を含む:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。各ドメインへのアミノ酸の割り当ては、Kabat,Sequences of Proteins of Immunological Interest(National Institutes of Health,Bethesda,MD,1987 and 1991)、又はChothia & Lesk,J.Mol.Biol.196:901-917,1987、Chothia et al.,Nature 342:878-883,1989の定義に従う。Kabatは、異なる重鎖間又は異なる軽鎖間の対応する残基が同じ番号を割り当てられる、広く使用されている番付規則(Kabat番付)も提供する。VLドメインのCDR1、2、及び3は、それぞれ、本明細書では、CDR-L1、CDR-L2、及びCDR-L3と称され、VHドメインのCDR1、2、及び3は、それぞれ、本明細書では、CDR-H1、CDR-H2、及びCDR-H3と称される。
【0068】
したがって、本明細書で使用される「モノクローナル抗体」という用語は、ハイブリドーマ技術を通じて産生された抗体に限定されない。「モノクローナル抗体」という用語は、真核生物クローン、原核生物クローン、又はファージクローンを含む単一のクローンに由来する抗体を指し、それが産生される方法ではない。
【0069】
「キメラ抗体」という用語は、第1の種に由来する可変領域及び第2の種に由来する定常領域を有する抗体を指す。キメラ免疫グロブリン又は抗体は、例えば、異なる種に属する免疫グロブリン遺伝子セグメントから、遺伝子操作によって構築され得る。以下に定義する「ヒト化抗体」という用語は、キメラ抗体を包含することを意図していない。ヒト化抗体は、その構築においてキメラである(すなわち、タンパク質の1つを超える種からの領域を含む)が、ヒト化抗体は、本明細書で定義されたキメラ免疫グロブリン又は抗体には見出されない追加の特徴(すなわち、ドナーCDR残基及び受容体フレームワーク残基を含む可変領域)を含む。
【0070】
「ヒト化VHドメイン」又は「ヒト化VLドメイン」は、完全に又は実質的に非ヒトドナー免疫グロブリン(例えば、マウス又はラット)からのいくつかの又は全てのCDRと、ヒト免疫グロブリン配列に完全に又は実質的に由来する可変ドメインフレームワーク配列とを含む、免疫グロブリンVH又はVLドメインを指す。CDRを提供する非ヒト免疫グロブリンは、「ドナー」と呼ばれ、フレームワークを提供するヒト免疫グロブリンは、「アクセプター」と呼ばれる。場合によっては、ヒト化抗体は、適切な結合特徴を強化するために、ヒト可変フレームワーク領域内に非ヒト残基を保持することになる(例えば、抗体がヒト化される場合に結合親和性を保存するために、フレームワーク内の変異が、必要とされ得る)。
【0071】
「ヒト化抗体」は、ヒト化VHドメイン及びヒト化VLドメインのうちの一方又は両方を含む抗体である。免疫グロブリン定常領域は、存在する必要はないが、存在する場合には、それらは、ヒト免疫グロブリン定常領域に完全に又は実質的に由来する。
【0072】
抗体の、その標的抗原への特異的結合は、少なくとも106、107、108、109、又は1010M-1の親和性を意味する。特異的結合は、検出可能に規模が高く、少なくとも1つの無関係の標的に生じる非特異的結合から区別可能である。特異的結合は、特定の官能基間の結合の形成又は特定の空間的適合(例えば、ロック・アンド・キータイプ)の結果であり得るが、非特異的結合は通常、ファンデルワールス力の結果である。しかしながら、特異的結合は、モノクローナル抗体がただ1つの標的に結合することを必ずしも意味するものではない。
【0073】
本明細書に記載されるタンパク質では、配列番号によって明記されるものに対応するアミノ酸残基への参照は、かかる残基の翻訳後修飾を含む。
【0074】
本明細書で使用される「希釈剤」という用語は、本明細書に記載される例示的又は適切な濃度を変更又は達成するのに適した溶液を指す。
【0075】
「容器」という用語は、例えば保存のために、物体又は液体をその中に配置又は収容することができるもの(例えば、ホルダー、容器(receptacle)、器(vessel)など)を指す。
【0076】
「投与経路」という用語は、例えば、非経口、静脈内、筋肉内、又は皮下など、治療用タンパク質を送達するための当該技術分野において認識された投与経路を含む。がんの治療のための抗体の投与に関して、静脈内又は皮下投与による全身循環への投与が望ましい場合がある。固形腫瘍を特徴とするがんの治療に関して、必要に応じて、投与を腫瘍に直接局所化することもできる。
【0077】
「治療」という用語は、疾患を治す、癒す、軽減する、遅らせる、軽減する、変更する、緩和させる、治療する、改善する、又は影響することを目的とした、疾患を有する患者への治療剤の投与を指す。
【0078】
「パクリタキセル」という用語は、元の形態の化学療法剤パクリタキセル、又は「アルブミン結合パクリタキセル」及びアルブミン結合パクリタキセルを含むパクリタキセルの商標名である「ABRAXANE(登録商標)」などの様々な製剤を指す。
【0079】
「患者」という用語は、予防的又は治療的処置のいずれかを受けるヒト及び他の哺乳動物対象を含む。
【0080】
「有効量」、「有効用量」、又は「有効投与量」という用語は、所望の効果を達成する、又は少なくとも部分的に達成するのに十分な量、例えば、疾患又は障害の1つ以上の症状の発生を阻害する、又は改善するのに十分な量を指す。有効量の薬学的組成物は、「有効レジメン」で投与される。「有効レジメン」という用語は、疾患又は障害の予防的又は治療的処置を達成するのに十分な、投与される組成物の量及び投与頻度の組み合わせを指す。
【0081】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、特定の値からプラス又はマイナス10%のおおよその範囲を意味する。例えば、「約20μg/kg」という表現は、18~22μg/kgの範囲を含む。本明細書で使用される場合、約は、正確な量も含む。したがって、「約20μg/kg」は、「約20μg/kg」及び「20μg/kg」を意味する。
【0082】
本明細書で使用される場合、「ペムブロリズマブバリアント」は、軽鎖CDR以外にある位置での3つ、2つ、又は1つの保存的アミノ酸置換、及び重鎖CDR以外にある6つ、5つ、4つ、3つ、2つ、又は1つの保存的アミノ酸置換を有することを除いて、ペムブロリズマブの配列と実質的に同一である重鎖及び軽鎖配列を含むモノクローナル抗体を意味し、例えば、バリアントの位置は、可変領域のFR(フレームワーク)領域にあるか、又は定常領域にあり、かつ任意に、重鎖のC末端リジン残基の欠失を有する。言い換えれば、ペムブロリズマブ及びペムブロリズマブバリアントは、同一のCDR配列を含むが、それらの全長軽鎖配列及び重鎖配列のその他の位置に、それぞれ3つ又は6つ以下の保存的アミノ酸置換を有するため、互いに異なる。ペムブロリズマブバリアントは、以下の特性に関してペムブロリズマブと実質的に同じである:PD-1に対する結合親和性、並びにPD-L1及びPD-L2のそれぞれのPD-1への結合を遮断する能力。
【0083】
「PD-1アンタゴニスト」は、PD-L1(例えば、がん細胞上で発現される)のPD-1(例えば、免疫細胞(T細胞、B細胞、又はNKT細胞上で発現される)への結合を遮断し、好ましくは、PD-L2(例えば、がん細胞上で発現される)のPD-1(例えば、免疫細胞で発現されるPD-1)への結合も遮断する任意の化合物又は生体分子を意味する。PD-1及びそのリガンドの代替名又は同義語には、PD-1についてはPDCD1、PD1、CD279、及びSLEB2、PD-L1についてはPDCD1L1、PDL1、B7H1、B7-4、CD274、及びB7-H、PD-L2についてはPDCD1L2、PDL2、B7-DC、Btdc、及びCD273が含まれる。ヒト個体が治療される、本発明の治療方法、薬剤、及び使用のうちのいずれかにおいて、PD-1アンタゴニストは、ヒトPD-L1のヒトPD-1への結合を遮断し、好ましくは、ヒトPD-L1及びPD-L2の両方のヒトPD-1への結合を遮断する。ヒトPD-1のアミノ酸配列は、NCBI Locus番号:NP_005009に見出すことができる。ヒトPD-L1及びPD-L2アミノ酸配列は、それぞれ、NCBI Locus番号:NP_054862及びNP_079515に見出すことができる。
【0084】
本明細書で使用される場合、「SEA-CD40バリアント」とは、軽鎖CDR以外にある位置での3つ、2つ、又は1つの保存的アミノ酸置換、及び重鎖CDR以外にある6つ、5つ、4つ、3つ、2つ、又は1つの保存的アミノ酸置換を有することを除いて、SEA-CD40の配列と実質的に同一である重鎖及び軽鎖配列を含むモノクローナル抗体を意味し、例えば、バリアントの位置は、可変領域のFR(フレームワーク)領域にあるか、又は定常領域にあり、かつ任意に、重鎖のC末端リジン残基の欠失を有する。言い換えれば、SEA-CD40及びSEA-CD40バリアントは、同一のCDR配列を含むが、それらの全長軽鎖配列及び重鎖配列のその他の位置に、それぞれ3つ又は6つ以下の保存的アミノ酸置換を有するため、互いに異なる。SEA-CD40バリアントは、以下の特性に関してSEA-CD40と実質的に同じである:CD40に対する結合親和性及び非フコシル化特性。
【0085】
「保存的アミノ酸置換」とは、タンパク質のアミノ酸の、類似の特性(例えば、電荷、側鎖サイズ、疎水性/親水性、主鎖構造及び剛性など)を有するその他のアミノ酸による置換であって、その変化が、生物活性、又は抗原親和性及び/若しくは特異性などのタンパク質のその他の望ましい特性を変化させることなく頻繁に起こり得る置換を指す。一般的に、ポリペプチドの非必須領域における単一のアミノ酸置換によって、生物学的活性は実質的に変化しないということを、当業者は認識している(例えば、Watson et al.(1987) Molecular Biology of the Gene,The Benjamin/Cummings Pub.Co.,p.224(4th Ed.)を参照のこと)。更に、構造的又は機能的に類似したアミノ酸の置換は、生物学的活性を妨害する可能性がより低い。例示的な保存的アミノ酸置換を、以下の表1に示す。
【表1】
【0086】
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者により一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本発明で使用するための方法及び材料が本明細書に記載されている。当該技術分野で知られている他の適切な方法及び材料も使用することができる。材料、方法、及び実施例は、単なる例示であり、限定することを意図するものではない。本明細書で言及する全ての刊行物、特許出願、特許、配列、データベースエントリ及び他の参考文献は、それらの全体が参照により組み込まれる。矛盾がある場合、本明細書が、定義を含め、優先される。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【
図1A】未処置(G1;対照)、抗mPD-1サロゲート抗体(G2;「抗PD1」)を投与された、SEA-m1C10(G3;「SEA-m1C10」)を投与された、又はSEA-m1C10及び抗mPD1サロゲート抗体(G4;「SEA-m1C10+抗PD1」)を同時投与により投与されたCT26結腸がんモデルのマウスの腫瘍体積の中央値を示す。
【
図1B】未処置(G1;対照)、抗mPD-1サロゲート抗体(G2;「抗PD1」)を投与された、SEA-m1C10(G3;「SEA-m1C10」)を投与された、又はSEA-m1C10及び抗mPD1サロゲート抗体(G4;「SEA-m1C10+抗PD1」)を交互の投与により投与されたCT26結腸がんモデルのマウスの腫瘍体積の中央値を示す。SEA-m1C10投与及び抗PD1投与の期間は、X軸上の縦線でラベル付けされている。
【
図2A】未処置(G1;対照)、抗mPD-1サロゲート抗体(G2;「抗PD1」)を投与された、SEA-m1C10(G3;「SEA-m1C10」)を投与された、又はSEA-m1C10及び抗mPD1サロゲート抗体(G4;「SEA-m1C10+抗PD1」)を同時投与により投与されたA20播種性リンパ腫モデルのマウスの生存曲線を示す。
【
図2B】未処置(G1;対照)、抗mPD-1サロゲート抗体(G2;「抗PD1」)を投与された、SEA-m1C10(G3;「SEA-m1C10」)を投与された、又はSEA-m1C10及び抗mPD1サロゲート抗体(G4;「SEA-m1C10+抗PD1」)を交互の投与により投与されたA20播種性リンパ腫モデルのマウスの腫瘍体積の中央値を示す。SEA-m1C10投与及び抗PD1投与の期間は、X軸上の縦線でラベル付けされている。
【
図3A】未処置(G1;対照)、抗mPD-1サロゲート抗体(G2;「抗PD1」)を投与された、SEA-m1C10(G3;「SEA-m1C10」)を投与された、又はSEA-m1C10及び抗mPD1サロゲート抗体(G4;「SEA-m1C10+抗PD1」)を同時投与により投与されたRENCA腎細胞がんモデルのマウスの腫瘍体積の中央値を示す。
【
図3B】未処置(G1;対照)、抗mPD-1サロゲート抗体(G2;「抗PD1」)を投与された、SEA-m1C10(G3;「SEA-m1C10」)を投与された、又はSEA-m1C10及び抗mPD1サロゲート抗体(G4;「SEA-m1C10+抗PD1」)を交互の投与により投与されたRENCA腎細胞がんモデルのマウスの腫瘍体積の中央値を示す。SEA-m1C10投与及び抗PD1投与の期間は、X軸上の縦線でラベル付けされている。
【
図4】本開示で論じられる配列を列挙する。可変領域は、太字で下線が付いている。
【発明を実施するための形態】
【0088】
本開示は、SEA-CD40などの抗CD40抗体及びペムブロリズマブなどの抗PD-1抗体の組み合わせを使用してがんを治療する方法に関する。一態様では、本開示は、抗CD40抗体、抗PD-1抗体、及び化学療法の組み合わせを使用してがんを治療する方法も提供する。
【0089】
CD40
CD40は、腫瘍壊死因子(TNF)受容体スーパーファミリーのメンバーである。これは、50kDaの見かけ上のMWを有する単鎖I型膜貫通タンパク質である。その成熟したポリペプチドコアは、237アミノ酸からなり、このうち、173アミノ酸は、TNF受容体ファミリーメンバーに特徴的である4システインリッチリピートに組織化された細胞外ドメイン(ECD)を構成する。2つの潜在的なN結合型グリコシル化部位が、ECDの膜近位領域内に存在し、一方、潜在的なO結合型グリコシル化部位は存在しない。22アミノ酸膜貫通ドメインが、ECDをCD40の42アミノ酸細胞質尾部と接続する。CD40媒介シグナル伝達に関与する配列モチーフが、CD40細胞質尾部において同定された。これらのモチーフは、TNF-R関連因子(TRAF)と呼ばれる細胞質性因子と相互作用して、MAPキナーゼ及びNFκBの活性化を含めた多数の下流事象の誘因となり、これらの事象は、ひいては様々な炎症、生存、及び増殖関連遺伝子の転写活性をモジュレートする。例えば、van Kooten and Banchereau,J.Leukoc.Biol.67:2-17(2000)、Elgueta et al.,Immunol.Rev.229:152-172(2009)を参照のこと。
【0090】
造血系内で、CD40は、分化の多数の段階のB細胞、単球、マクロファージ、血小板、濾胞樹状細胞、樹状細胞(DC)、好酸球、及び活性化T細胞上に見出すことができる。正常な非造血組織では、CD40は、腎上皮細胞、ケラチノサイト、滑膜及び皮膚起源の線維芽細胞、並びに活性化された内皮上に検出されている。CD40の可溶性バージョンは、場合により一次転写物の異なるスプライシング又はメタロプロテイナーゼTNFα変換酵素による限定されたタンパク質分解によってCD40発現細胞から放出される。放たれたCD40は、CD40/CD40L相互作用を妨害することによって免疫応答を潜在的に修正することができる。例えば、van Kooten and Banchereau,J.Leukoc.Biol.67:2-17(2000)、Elgueta et al.,Immunol.Rev.229:152-172(2009)を参照のこと。
【0091】
CD40の内因性リガンド(CD40L)は、CD154としても公知の39kDaのII型膜糖タンパク質である。CD40Lは、TNFスーパーファミリーのメンバーであり、細胞表面上で三量体として発現する。CD40Lは、活性化されたCD4+、CD8+、及びγδT細胞上で一過性に発現する。CD40Lはまた、精製された単球、活性化されたB細胞、上皮及び血管内皮細胞、平滑筋細胞、並びにDC上で可変レベルで検出されるが、これらの細胞型に対するCD40L発現の機能的な関連性は、明確に定義されていない(van Kooten 2000、Elgueta 2009)。しかしながら、活性化された血小板上のCD40Lの発現は、血栓性疾患の病因に関与している。例えば、Ferroni et al.,Curr.Med.Chem.14:2170-2180(2007)を参照のこと。
【0092】
CD40/CD40L相互作用の最もよく特徴付けられた機能は、抗原提示細胞とT細胞との間の接触依存的な双方向の相互作用におけるその役割である。例えば、van Kooten and Banchereau,J.Leukoc.Biol.67:2-17(2000)、Elgueta et al.,Immunol.Rev.229:152-172(2009)を参照のこと。活性化T細胞上のCD40Lが抗原-活性化B細胞上のCD40に結合すると、B細胞が急速に増えるように駆動するだけでなく、メモリーB細胞又は血漿細胞に分化するためのB細胞の本質的なシグナルももたらす。CD40シグナル伝達は、胚中心の形成を担い、胚中心では、B細胞は、親和性成熟及びアイソタイプスイッチングを起こして、IgG、IgA、及びIgEアイソタイプの高親和性抗体を産生する能力を取得する。例えば、Kehry,J.Immunol.156:2345-2348(1996)を参照のこと。したがって、機能的なCD40/CD40L相互作用を妨げるCD40L遺伝子座位中の変異を有する個体は、循環IgMの割合が過剰になること、並びにIgG、IgA、及びIgEを産生することができないことによって特徴付けられる原発性免疫不全X連鎖高IgM症候群に罹患する。これらの患者は、抑制された二次体液性免疫応答、再発性発熱性感染症への感受性の増大、並びにより高い頻度のがん及びリンパ腫を示す。CD40又はCD40L遺伝子座を不活化するためのマウスにおける遺伝子ノックアウト実験は、X連鎖高IgM患者に見られる主要な欠陥を再現する。これらのKOマウスは、障害性抗原特異的T細胞プライミングも示し、CD40L/CD40相互作用が、細胞媒介免疫応答を開始するための極めて重要な要因でもあることを示唆する。例えば、Elgueta et al.,Immunol.Rev.229:152-172(2009)を参照のこと。
【0093】
インビボでのCD40L又は抗CD40によるCD40ライゲーションの免疫刺激効果は、同系腫瘍に対する免疫応答と相関した。例えば、French et al.,Nat.Med.5:548-553(1999)を参照のこと。腫瘍細胞に対する不十分な免疫応答は、免疫チェックポイント分子、例えば、PD1又はCTLA-4などの発現、MHC抗原の発現の低下、腫瘍関連抗原、適切な接着、又は共刺激分子の芳しくない発現、及び腫瘍細胞によるTGFβのような免疫抑制タンパク質の産生などの要因の組み合わせから生じ得る。抗原提示細胞及び形質転換細胞上のCD40ライゲーションは、接着タンパク質(例えば、CD54)、共刺激分子(例えば、CD86)、及びMHC抗原、並びに炎症性サイトカイン分泌を上方制御し、それによって抗腫瘍性免疫応答、並びに腫瘍細胞の免疫原性を潜在的に誘導及び/又は増強する。例えば、Gajewski et al.,Nat.Immunol.14:1014-1022(2013)を参照のこと。
【0094】
CD40架橋による主要な結果は、DC活性化(ライセンシングと呼ばれることが多い)、並びにT細胞に腫瘍関連抗原をプロセシングし、提示する骨髄細胞及びB細胞の能力の相乗作用である。先天性免疫応答を活性化する直接の能力を有することに加えて、CD40シグナル伝達のユニークな結果は、「クロスプライミング」として公知のプロセスにおけるCD8+細胞傷害性T細胞(CTL)前駆体への腫瘍由来抗原のAPC提示である。腫瘍特異的エフェクターCTLへの成熟DCによるCTL前駆体のこのCD40依存的活性化及び分化は、腫瘍細胞に対する細胞媒介免疫応答を増強し得る。例えば、Kurts et al.,Nat.Rev.Immunol.10:403-414(2010)を参照のこと。
【0095】
ダセツズマブ、SEA-CD40親分子(フコシル化抗CD40抗体)を含むアゴニストCD40 mAbは、単一作用物質及び組み合わせ化学療法設定において期待の持てる臨床活性を示した。ダセツズマブは、NHLの第1相研究及びびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)の第2相研究においていくつかの臨床活性を実証した。例えば、Advani et al.,J.Clin.Oncol.27:4371-4377(2009)及びDe Vos et al.,J.Hematol.Oncol.7:1-9(2014)を参照のこと。更に、CP-870,893、CD40に対するヒト化IgG2アゴニスト抗体は、パクリタキセル又はカルボプラチン又はゲムシタビンと組み合わせた場合、固形腫瘍徴候において期待の持てる活性を示した。これらの研究では、抗原提示細胞の活性化、サイトカイン産生、及び抗原特異的T細胞の生成が見られた。例えば、Beatty et al.,Clin.Cancer Res.19:6286-6295(2013)及びVonderheide et al.,Oncoimmunology 2:e23033(2013)を参照のこと
【0096】
抗CD40抗体
抗CD40抗体、例えばS2C6は、US20170333556A1に開示されており、これは、参照により本明細書に組み込まれる。S2C6抗体は、CD40シグナル伝達経路の部分アゴニストであるため、以下の活性を有する:ヒトCD40タンパク質への結合、カニクイザルCD40タンパク質への結合、CD40シグナル伝達経路の活性化、CD40とそのリガンドであるCD40Lとの相互作用の相乗作用。例えば、米国特許第6,946,129号を参照され、これは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0097】
ヒト化抗CD40抗体、例えばヒト化S2C6(hS2C6)は、US8303955B2及びUS8492531B2に開示されており、これらは両方とも参照により本明細書に組み込まれる。
【0098】
非フコシル化抗CD40抗体、例えば、hS2C6又はSEA-CD40は、US20170333556A1に開示されている。Fc受容体への結合の強化に加えて、SEA-CD40は、親抗体であるダセツズマブと比較して、CD40経路の活性も強化する。したがって、SEA-CD40抗体は、患者に低用量で異なる投与スケジュールを使用して投与される。
【0099】
US20170333556A1に記載されているように、SEA-CD40は、FcγIII受容体への結合の増強、及び免疫細胞におけるCD40シグナル伝達経路を活性化する能力の増強を示す。SEA-CD40を含む非フコシル化抗体を作製する方法も、US20170333556A1に開示されている。
【0100】
SEA-CD40の重鎖及び軽鎖のアミノ酸配列は、それぞれ、配列番号1及び2として開示されている(
図4を参照のこと)。US20170333556A1に開示されているように、重鎖の可変領域は、配列番号1のアミノ酸1~113に由来する。軽鎖の可変領域は、配列番号2のアミノ酸1~113に由来する。
【0101】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるヒト化抗CD40抗体は、本明細書に記載されるCD40の発現に関連する様々な障害の治療において有用である。SEA-CD40は免疫系を活性化して腫瘍関連抗原に反応するため、その使用は、CD40を発現するがんに限定されない。したがって、SEA-CD40は、CD40陽性及びCD40陰性がんの両方を治療するために使用することができる。
【0102】
非フコシル化抗体を作製する方法
本開示は、コアフコシル化が低減されたヒト化S2C6抗体を調製するための組成物及び方法を提供する。本明細書で使用する場合、「コアフコシル化」とは、N結合型糖鎖の還元末端でのN-アセチルグルコサミン(「GlcNAc」)へのフコースの付加(「フコシル化」)を指す。
【0103】
SEA-CD40抗体骨格のFc領域(又はドメイン)に結合した複合N-グリコシド結合糖鎖のフコシル化が低減されている。本明細書で使用される場合、「複合N-グリコシド結合糖鎖」は、典型的には、アスパラギン297(Kabat,“Sequences of Immunological Interest,5
th Ed.,Pub.No.91-3242,U.S.Dept.Healtth & Human Services,NIH,Bethesda,MD,1991に示されたEUインデックスに従う)に結合する。本明細書で使用される場合、複合N-グリコシド結合糖鎖は、主に以下の構造:
【化1】
を有する二分岐複合型糖鎖を有し、
式中、±は、糖分子が存在するか、又は不在であってもよいことを示し、数字は、糖分子間の連結の位置を示す。上の構造では、アスパラギンに結合する糖鎖末端は還元末端(右記)と呼ばれ、反対側は非還元末端と呼ばれる。フコースは、通常、典型的には、α1,6結合(GlcNAcの6位がフコースの1位に連結される)により還元末端のN-アセチルグルコサミン(「GlcNAc」)に結合される。「Gal」はガラクトースを指し、「Man」はマンノースを指す。
【0104】
「複合N-グリコシド結合糖鎖」は、1)コア構造の非還元末端側がガラクトース-N-アセチルグルコサミン(「gal-GlcNAc」とも称される)の1つ以上の分岐を有し、Gal-GlcNAcの非還元末端側が任意選択で、シアル酸、二分N-アセチルグルコサミンなどを有する複合型、又は2)コア構造の非還元末端側が高マンノースN-グリコシド結合糖鎖及び複合N-グリコシド結合糖鎖の両分岐を有するハイブリッド型を含む。
【0105】
いくつかの実施形態では、「複合N-グリコシド結合糖鎖」は、コア構造の非還元末端側がガラクトースN-アセチルグルコサミン(「gal-GlcNAc」とも称される)の0、1つ以上の分岐を有し、Gal-GlcNAcの非還元末端側が任意選択で、シアル酸、二分N-アセチルグルコサミンなどのような構造を更に有する複合型を含む。
【0106】
本方法によると、典型的には、少量のフコースのみがSEA-CD40分子の複合N-グリコシド結合糖鎖に組み込まれる。例えば、様々な実施形態では、約60%未満、約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、又は約3%未満の抗体は、フコースによるコアフコシル化を有する。いくつかの実施形態では、約2%の抗体は、フコースによるコアフコシル化を有する。
【0107】
ある特定の実施形態では、少量のフコース類似体のみ(又はフコース類似体の代謝物若しくは産物)が、複合N-グリコシド結合糖鎖に組み込まれる。例えば、様々な実施形態では、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、又は約3%未満のSEA-CD40抗体は、フコース類似体又はフコース類似体の代謝産物若しくは産物によるコアフコシル化を有する。いくつかの実施形態では、SEA-CD40抗体の約2%が、フコース類似体又はフコース類似体の代謝産物若しくは産物によるコアフコシル化を有する。
【0108】
抗体産生細胞をフコース類似体とともにインキュベートすることによりフコシル化されていない抗体を作製する方法は、例えばWO/2009/135181に記載される。簡潔に、ヒト化S2C6抗体を発現するように操作された細胞は、フコース類似体、又はフコース類似体の細胞内代謝物若しくは産物の存在下でインキュベートされる。本明細書で使用される場合、細胞内代謝産物は、例えば、GDP修飾された類似体又は完全に若しくは部分的に脱エステル化された類似体であり得る。産物は、例えば、完全に又は部分的に脱エステル化された類似体であり得る。いくつかの実施形態では、フコース類似体は、フコースサルベージ経路において酵素を阻害することができる。例えば、フコース類似体(又はフコース類似体の細胞内代謝物若しくは産物)は、フコキナーゼ又はGDP-フコース-ピロホスホリラーゼの活性を阻害することができる。いくつかの実施形態では、フコース類似体(又はフコース類似体の細胞内代謝物若しくは産物)は、フコシルトランスフェラーゼ(好ましくは、1,6-フコシルトランスフェラーゼ、例えば、FUT8タンパク質)を阻害する。いくつかの実施形態では、フコース類似体(又はフコース類似体の細胞内代謝物若しくは産物)は、フコースの新規合成経路において酵素の活性を阻害することができる。例えば、フコース類似体(又はフコース類似体の細胞内代謝産物若しくは産物)は、GDP-マンノース4,6-デヒドラターゼ又は/又はGDP-フコースシンテターゼの活性を阻害することができる。いくつかの実施形態では、フコース類似体(又はフコース類似体の細胞内代謝物若しくは産物)は、フコース輸送体(例えば、GDP-フコース輸送体)を阻害することができる。
【0109】
いくつかの実施形態では、フコース類似体は、2-フルオロフコースである。成長培地中におけるフコース類似体、及び他のフコース類似体の使用方法は、例えば、WO/2009/135181(参照により本明細書に組み込まれる)に開示される。
【0110】
コアフコシル化を低下させるために細胞系を操作するための方法は、遺伝子ノックアウト、遺伝子ノックイン、及びRNA干渉(RNAi)を含んだ。遺伝子ノックアウトでは、FUT8をコードする遺伝子(アルファ1,6-フコシルトランスフェラーゼ酵素)が不活性化される。FUT8は、GDP-フコースからN-グリカンのAsn結合型(N結合型)GlcNacの6位へのフコシル残基の移動を触媒する。FUT8は、フコースをAsn297でのN-連結二分岐炭水化物へ添加する役割を果たす唯一の酵素であると報告される。遺伝子ノックインは、GNTIII又はゴルジアルファマンノシダーゼIIなどの酵素をコードする遺伝子を付加する。細胞におけるかかる酵素のレベルの増加は、フコシル化経路からモノクローナル抗体を転用し(コアフコシル化の減少を引き起こす)、二分N-アセチルグルコサミンの量を増加させる。RNAiも、典型的には、FUT8遺伝子発現を標的とし、mRNA転写レベルの減少をもたらすか、又は遺伝子発現を完全にノックアウトする。これらの方法のいずれかも、非フコシル化抗体、例えば、SEA-CD40抗体を産生することができる細胞系を生成するために使用され得る。
【0111】
当業者は、抗体上のフコシル化の量を決定するために多くの方法が、利用可能であることを認識するであろう。方法は、例えば、PLRP-Sクロマトグラフィーを介するLC-MS及びエレクトロスプレーイオン化四重極TOF MSを含む。
【0112】
非フコシル化抗体であるSEA-CD40は、患者に投与されるとき、マクロファージへの単球成熟の活性化を誘導し、かつ免疫系チャレンジに対するロバストなT細胞応答を誘発する、例えば、インターフェロン-γ(IFN-γ)を含むサイトカイン、及びケモカインの産生を誘導する。抗体24.4.1などの完全アゴニスト抗体と異なり、SEA-CD40は、インターロイキン-10(IL-10)などの免疫減衰性(immune-dampening)サイトカインの産生を誘導しない。IL-10は、ひいては、免疫応答を減衰させるT制御性細胞の活性を誘導する。したがって、SEA-CD40は、T制御性細胞の活性を促進することを伴わないロバストなT細胞媒介免疫応答の誘導に有用である。
【0113】
いくつかの実施形態では、本開示は、SEA-CD40などの非フコシル化抗CD40抗体を含む組成物に関し、SEA-CD40などの抗体の定常領域は、EUインデックスによる残基N297にN-グリコシド結合糖鎖を有し、組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の40%未満、30%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、3%未満、2%未満は、フコース残基を含む。いくつかの実施形態では、組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の20%未満は、フコース残基を含む。いくつかの実施形態では、組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の10%未満は、フコース残基を含む。いくつかの実施形態では、組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の5%未満は、フコース残基を含む。いくつかの実施形態では、組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の3%未満は、フコース残基を含む。いくつかの実施形態では、組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の2%未満は、フコース残基を含む。
【0114】
いくつかの実施形態では、本開示は、SEA-CD40などの非フコシル化抗CD40抗体を含む組成物を投与することによりがんを治療することに関し、SEA-CD40などの抗体の定常領域は、EUインデックスによる残基N297にN-グリコシド結合糖鎖を有し、組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の40%未満、30%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、3%未満、2%未満は、フコース残基を含む。いくつかの実施形態では、組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の20%未満は、フコース残基を含む。いくつかの実施形態では、組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の10%未満は、フコース残基を含む。いくつかの実施形態では、組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の5%未満は、フコース残基を含む。いくつかの実施形態では、組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の3%未満は、フコース残基を含む。いくつかの実施形態では、組成物中のN-グリコシド結合糖鎖の2%未満は、フコース残基を含む。
【0115】
ヒト化抗CD40抗体又は薬剤は、非経口、皮下、腹腔内、肺内、及び鼻腔内、並びに局所的な免疫抑制治療のために望まれる場合には病巣内投与(潅流するか、又はさもなくば移植前に移植片を抗体と接触させることを含む)を含む任意の適切な手段によって投与される。ヒト化抗CD40抗体又は薬剤は、例えば、注入として又はボーラスとして投与され得る。非経口注入には、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内、又は皮下投与が含まれる。更に、ヒト化抗CD40抗体は、特に抗体の投与量を減らしながら、パルス注入によって適切に投与される。一態様では、投薬は、投与が短期間であるか長期間であるかに部分的に応じて、注射により、最も好ましくは静脈内又は皮下注射により与えられる。
【0116】
疾患の予防又は治療のために、抗体の適切な投与量は、上記に定義されているような治療されるべき疾患の種類、疾患の重度及び経緯、抗体が予防目的で投与されるか又は治療目的で投与されるか、以前の療法、患者の臨床履歴、並びに抗体に対する応答、並びに担当医師の慎重さなどの様々な要因に依存するだろう。抗体は、一度に又は一連の治療にわたって患者に適切に投与される。
【0117】
抗体組成物は、良好な医療行為と一致する様式で製剤化され、用量決定され、投与される。この文脈で考慮すべき要因には、治療されるべき特定の障害、治療されるべき特定の哺乳動物、個々の患者の臨床状態、障害の原因、薬剤の送達部位、投与方法、投与のスケジューリング、及び医師に知られている他の要因が含まれる。投与されるべき抗体の「治療有効量」は、そのような考慮事項によって支配され、がんを含むがんを予防、改善、又は治療するために必要な最小量である。SEA-CD40は免疫系を活性化して腫瘍関連抗原に反応するため、その使用は、CD40を発現するがんに限定されない。したがって、SEA-CD40は、CD40陽性及びCD40陰性がんの両方を治療するために使用することができる。
【0118】
抗体は、問題の障害を予防又は治療するために現在使用されている1つ以上の薬剤で製剤化される必要はないが、任意に製剤化される。かかる他の薬剤の有効量は、製剤中に存在するヒト化CD40抗体の量、障害又は治療の種類、及び上記の他の要因に依存する。これらは、一般に、本明細書の上文で使用される投薬量及び投与経路と同じ投薬量及び投与経路で使用されるか、又は前述の用いられる投薬量の約1~99%で使用される。
【0119】
本発明の治療方法、薬剤、及び使用に有用なPD-1アンタゴニストには、PD-1又はPD-L1に特異的に結合し、好ましくはヒトPD-1又はヒトPD-L1に特異的に結合するモノクローナル抗体(mAb)又はその抗原結合断片が含まれる。mAbは、ヒト抗体、ヒト化抗体、又はキメラ抗体であり得、ヒト定常領域を含み得る。いくつかの実施形態では、ヒト定常領域は、IgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4定常領域からなる群から選択され、好ましい実施形態では、ヒト定常領域は、IgG1又はIgG4定常領域である。いくつかの実施形態では、抗原結合断片は、Fab、Fab’-SH、F(ab’)2、scFv、及びFv断片からなる群から選択される。
【0120】
ヒトPD-1に結合し、本発明の治療方法、薬剤、及び使用に有用なmAbの例は、US7488802、US7521051、US8008449、US8354509、US8168757、WO2004/004771、WO2004/072286、WO2004/056875、及びUS2011/0271358に記載されている。本発明の治療方法、薬剤、及び使用においてPD-1アンタゴニストとして有用な特定の抗ヒトPD-1 mAbには、以下が含まれる:
ペムブロリズマブ(MK-3475としても知られる)、WHO Drug Information,Vol.27,No.2,pages 161-162(2013)に記載されている構造を有し、表2に示されている重鎖及び軽鎖のアミノ酸配列を含むヒト化IgG4 mAb、ニボルマブ(BMS-936558)、WHO Drug Information,Vol.27,No.1,pages 68-69(2013)に記載されている構造を有するヒトIgG4 mAb、WO2008/156712に記載されるヒト化抗体h409A11、h409A16、及びh409A17、並びにMedImmuneによって開発中のAMP-514。
【0121】
ヒトPD-L1に結合し、本発明の治療方法、薬剤、及び使用に有用なmAbの例は、WO2013/019906、WO2010/077634 A1、及びUS8383796に記載されている。本発明の治療方法、薬剤、及び使用においてPD-1アンタゴニストとして有用な特異的抗ヒトPD-L1 mAbには、MPDL3280A、BMS-936559、MEDI4736、MSB0010718C、及びWO2013/019906の配列番号24及び配列番号21の重鎖及び軽鎖可変領域をそれぞれ含む抗体が含まれる。
【0122】
本発明の治療方法、薬剤、及び使用に有用な他のPD-1アンタゴニストには、PD-1又はPD-L1に特異的に結合し、好ましくはヒトPD-1又はヒトPD-L1に特異的に結合する免疫接着、例えば、免疫グロブリン分子のFc領域などの定常領域と融合させたPD-L1又はPD-L2の細胞外又はPD-1結合部分を含む融合タンパク質が含まれる。PD-1に特異的に結合する免疫接着分子の例は、WO2010/027827及びWO2011/066342に記載されている。本発明の治療方法、薬剤、及び使用においてPD-1アンタゴニストとして有用な特定の融合タンパク質には、PD-L2-FC融合タンパク質であり、ヒトPD-1に結合するAMP-224(B7-DCIgとしても知られる)が含まれる。
【0123】
本発明の治療方法、薬剤、及び使用のいくつかの好ましい実施形態では、PD-1アンタゴニストは、(a)軽鎖CDR配列番号3、4、及び5、並びに(b)重鎖CDR配列番号6、7、及び8を含む、モノクローナル抗体又はその抗原結合断片である。
【0124】
本発明の治療方法、薬剤、及び使用の他の好ましい実施形態では、PD-1アンタゴニストは、ヒトPD-1に特異的に結合し、(a)配列番号11を含む重鎖可変領域又はそのバリアント、及び(b)配列番号6を含む軽鎖可変領域又はそのバリアントを含む、モノクローナル抗体又はその抗原結合断片である。重鎖可変領域配列のバリアントは、フレームワーク領域(すなわち、CDR以外)に最大17個の保存的アミノ酸置換を有することを除いて参照配列と同一であり、好ましくはフレームワーク領域に10個未満、9個未満、8個未満、7個未満、6個未満、又は5個未満の保存的アミノ酸置換を有する。軽鎖可変領域配列のバリアントは、フレームワーク領域(すなわち、CDR以外)に最大5個の保存的アミノ酸置換を有することを除いて参照配列と同一であり、好ましくはフレームワーク領域に4個未満、3個未満、又は2個未満の保存的アミノ酸置換を有する。
【0125】
本発明の治療方法、薬剤、及び使用の別の好ましい実施形態では、PD-1アンタゴニストは、ヒトPD-1に特異的に結合し、(a)配列番号12を含む重鎖及び(b)配列番号7を含む軽鎖を含むモノクローナル抗体である。
【0126】
上記の治療方法、薬剤、及び使用の全てにおいて、PD-1アンタゴニストは、PD-L1のPD-1への結合を阻害し、好ましくはPD-L2のPD-1への結合も阻害する。上記の治療方法、薬剤、及び使用のいくつかの実施形態では、PD-1アンタゴニストは、PD-1又はPD-L1に特異的に結合し、PD-L1のPD-1への結合を遮断するモノクローナル抗体又はその抗原結合断片である。一実施形態では、PD-1アンタゴニストは、重鎖及び軽鎖を含む抗PD-1抗体であり、重鎖及び軽鎖は、配列番号12及び配列番号7のアミノ酸配列をそれぞれ含む。
【0127】
一実施形態では、PD-1アンタゴニストは、抗PD-1抗体である。一実施形態では、抗PD-1抗体は、ペムブロリズマブである。一実施形態では、抗PD-1抗体は、ペムブロリズマブバリアントである。
【0128】
以下の表2は、本発明の治療方法、薬剤、及び使用で使用するための例示的な抗PD-1 mAbのアミノ酸配列の一覧表を提供する。
【表2】
【0129】
がんを治療するためのSEA-CD40などの抗CD40抗体の投与量及び投与
非経口投与のための薬学的組成物は、好ましくは、無菌かつ実質的に等張性であり、GMP状態下で製造される。薬学的組成物は、単位剤形で(すなわち、単一投与用の投薬量)提供され得る。薬学的組成物は、1つ以上の生理学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤、又は助剤を使用して製剤化され得る。製剤は、選択される投与経路による。注射に関して、抗体は、水性溶液、好ましくは生理学的に適合性の緩衝液(注射部位の不快感を低減するため)に製剤化され得る。溶液は、懸濁剤、安定剤、及び/又は分散剤などの製剤用作用物質を含有し得る。代替的に、本抗体は、使用前に、好適なビヒクル、例えば、減菌発熱物質不含水で構築するために、凍結乾燥形態であり得る。
【0130】
いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、静脈内投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、皮下投与される。更なる実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、腫瘍部位に皮下投与される。
【0131】
SEA-CD40は、アゴニスト抗体であり、Fcγ受容体IIIへの増強された結合性を有し、CD40シグナル伝達経路の増強された活性化を呈する。CD40経路のその増強された活性化のために、SEA-CD40は、免疫系の強力な活性化因子である。免疫系の増強された活性化により、SEA-CD40をフコシル化された親抗体と比較して低レベルで投薬することが可能になる。
【0132】
一例として、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、約0.1~約70μg/kg(患者の体重1kg当たりのμgでの抗体)のレベルで患者に投与することができる。他の可能な投与量範囲には、約1μg/kg~約60μg/kg、約10μg/kg~約50μg/kg、及び約20μg/kg~約40μg/kgが含まれる。他の可能な投与量範囲には、約1μg/kg~約5μg/kg、約5μg/kg~約10μg/kg、約10μg/kg~約15μg/kg、約15μg/kg~約20μg/kg、約20μg/kg~約25μg/kg、約25μg/kg~約30μg/kg、約30μg/kg~約35μg/kg、約35μg/kg~約40μg/kg、約40μg/kg~約45μg/kg、約45μg/kg~約50μg/kg、約50μg/kg~約55μg/kg、及び約55μg/kg~約60μg/kgが含まれる。
【0133】
いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、患者に、約1μg/kg、約2μg/kg、約3μg/kg、約4μg/kg、約5μg/kg、約6μg/kg、約7μg/kg、約8μg/kg、約9μg/kg、約10μg/kg、約11μg/kg、約12μg/kg、約13μg/kg、約14μg/kg、約15μg/kg、約16μg/kg、約17μg/kg、約18μg/kg、約19μg/kg、約20μg/kg、約21μg/kg、約22μg/kg、約23μg/kg、約24μg/kg、約25μg/kg、約26μg/kg、約27μg/kg、約28μg/kg、約29μg/kg、約30μg/kg、約31μg/kg、約32μg/kg、約33μg/kg、約34μg/kg、約35μg/kg、約36μg/kg、約37μg/kg、約38μg/kg、約39μg/kg、約40μg/kg、約41μg/kg、約42μg/kg、約43μg/kg、約44μg/kg、約45μg/kg、約46μg/kg、約47μg/kg、約48μg/kg、約49μg/kg、約50μg/kg、約51μg/kg、約52μg/kg、約53μg/kg、約54μg/kg、約55μg/kg、約56μg/kg、約57μg/kg、約58μg/kg、約59μg/kg、約60μg/kg、約61μg/kg、約62μg/kg、約63μg/kg、約64μg/kg、約65μg/kg、約66μg/kg、約67μg/kg、約68μg/kg、約69μg/kg、又は約70μg/kgで投与される。好ましい実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、患者に、約3μg/kg、約10μg/kg、約30μg/kg、約45μg/kg、又は約60μg/kgで投与される。より好ましい実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、がん患者に、約30μg/kg又は約10μg/kgで投与される。別のより好ましい実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体が、がん患者に、約10μg/kgで投与される。更に別のより好ましい実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体が、がん患者に、約30μg/kgで投与される。
【0134】
SEA-CD40などの抗CD40抗体は、1週間間隔、2週間間隔、3週間間隔、4週間間隔、5週間間隔、6週間間隔、7週間間隔、8週間間隔、9週間間隔、10週間間隔、11週間間隔、12週間間隔などを含む異なる間隔で投与され得る。言い換えれば、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、毎週、2週間毎、3週間毎、4週間毎、5週間毎、6週間毎、7週間毎、8週間毎、9週間毎、10週間毎、11週間毎、12週間毎のように投与され得る。いくつかの実施形態では、間隔は、毎月のスケジュール、例えば、1カ月間隔、2カ月間隔、又は3カ月間隔である。いくつかの実施形態では、間隔は、各サイクルがSEA-CD40などの抗CD40抗体の1回以上の投与を含み得るサイクルに基づいている。各サイクルの例示的な長さには、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、及び12週間が含まれる。サイクルの長さは、1サイクル毎に異なり得る。SEA-CD40などの抗CD40抗体は、各サイクルの任意の1日以上で投与され得る。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、サイクルの初日に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、1サイクル、2サイクル、3サイクル、4サイクル、5サイクル、6サイクル、7サイクル、8サイクル、9サイクル、10サイクル、11サイクル、12サイクル、13サイクル、14サイクル、15サイクル、又は16サイクルの治療期間中、3週間のサイクルの初日に投与される。
【0135】
SEA-CD40などの抗CD40抗体は、各1週間サイクルの1日目、2日目、3日目、4日目、5日目、6日目、又は7日目に投与され得、すなわち、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、治療レジメンの1日目、2日目、3日目、4日目、5日目、6日目、又は7日目から開始して毎週投与される。SEA-CD40などの抗CD40抗体は、各2週間サイクルの1日目、2日目、3日目、4日目、5日目、6日目、7日目、8日目、9日目、10日目、11日目、12日目、13日目、又は14日目に投与され得、すなわち、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、治療レジメンの1日目、2日目、3日目、4日目、5日目、6日目、又は7日目、8日目、9日目、10日目、11日目、12日目、13日目、又は14日目から開始して2週間毎に投与される。SEA-CD40などの抗CD40抗体は、各3週間サイクルの1日目、2日目、3日目、4日目、5日目、6日目、7日目、8日目、9日目、10日目、11日目、12日目、13日目、14日目、15日目、16日目、17日目、18日目、19日目、20日目、又は21日目に投与され得、すなわち、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、治療レジメンの1日目、2日目、3日目、4日目、5日目、6日目、7日目、8日目、9日目、10日目、11日目、12日目、13日目、14日目、15日目、16日目、17日目、18日目、19日目、20日目、又は21日目から開始して3週間毎に投与される。SEA-CD40などの抗CD40抗体は、各4週間サイクルの1日目、2日目、3日目、4日目、5日目、6日目、7日目、8日目、9日目、10日目、11日目、12日目、13日目、14日目、15日目、16日目、17日目、18日目、19日目、20日目、21日目、22日目、23日目、24日目、25日目、26日目、27日目、又は28日目に投与され得、すなわち、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、治療レジメンの1日目、2日目、3日目、4日目、5日目、6日目、7日目、8日目、9日目、10日目、11日目、12日目、13日目、14日目、15日目、16日目、17日目、18日目、19日目、20日目、21日目、22日目、23日目、24日目、25日目、26日目、27日目、又は28日目から開始して4週間毎に投与される。SEA-CD40などの抗CD40抗体は、各5週間サイクルの1日目、2日目、3日目、4日目、5日目、6日目、7日目、8日目、9日目、10日目、11日目、12日目、13日目、14日目、15日目、16日目、17日目、18日目、19日目、20日目、21日目、22日目、23日目、24日目、25日目、26日目、27日目、28日目、29日目、30日目、31日目、32日目、33日目、34日目、又は35日目に投与され得、すなわち、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、治療レジメンの1日目、2日目、3日目、4日目、5日目、6日目、7日目、8日目、9日目、10日目、11日目、12日目、13日目、14日目、15日目、16日目、17日目、18日目、19日目、20日目、21日目、22日目、23日目、24日目、25日目、26日目、27日目、28日目、29日目、30日目、31日目、32日目、33日目、34日目、又は35日目から開始して5週間毎に投与される。SEA-CD40などの抗CD40抗体は、各6週間サイクルの1日目、2日目、3日目、4日目、5日目、6日目、7日目、8日目、9日目、10日目、11日目、12日目、13日目、14日目、15日目、16日目、17日目、18日目、19日目、20日目、21日目、22日目、23日目、24日目、25日目、26日目、27日目、28日目、29日目、30日目、31日目、32日目、33日目、34日目、35日目、36日目、37日目、38日目、39日目、40日目、41日目、又は42日目に投与され得、すなわち、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、治療レジメンの1日目、2日目、3日目、4日目、5日目、6日目、7日目、8日目、9日目、10日目、11日目、12日目、13日目、14日目、15日目、16日目、17日目、18日目、19日目、20日目、21日目、22日目、23日目、24日目、25日目、26日目、27日目、28日目、29日目、30日目、31日目、32日目、33日目、34日目、35日目、36日目、37日目、38日目、39日目、40日目、41日目、又は42日目から開始して6週間毎に投与される。
【0136】
本開示において、投与サイクルは、当業者が理解するように、交換可能に日単位又は週単位で記載されている。例えば、1週間の投与サイクルは、7日間の投与サイクルと同じであり、2週間の投与サイクルは、14日間の投与サイクルと同じであり、3週間の投与サイクルは、21日間の投与サイクルなどと同じである。
【0137】
抗CD40抗体と併用してがんを治療するためのペムブロリズマブの投与量及び投与
ペムブロリズマブは、3週間毎に1回、200mg又は2mg/kgで投与され得る。いくつかの実施形態では、ペムブロリズマブは、6週間毎に1回、400mgで投与される。
【0138】
ペムブロリズマブは、3週間間隔及び6週間間隔を含む異なる間隔で投与され得る。言い換えれば、ペムブロリズマブは、3週間毎及び6週間毎に投与され得る。いくつかの実施形態では、間隔は、各サイクルがペムブロリズマブの1回以上の投与を含み得るサイクルに基づいている。各サイクルの例示的な長さには、3週間及び6週間が含まれる。サイクルの長さは、1サイクル毎に異なり得る。ペムブロリズマブは、各サイクルの任意の1日以上で投与され得る。
【0139】
いくつかの実施形態では、ペムブロリズマブの代用として、別の抗PD-1抗体又は抗PD-L1抗体が、使用される。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、ニボルマブ、セミプリマブ-rwlc、スパルタリズマブ、AK105、ティスレリズマブ、ドスタリマブ、MEDI0680、ピディリズマブ、AMP-224、及びSHR-1210からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、又はセミプリマブ-rwlcである。いくつかの実施形態では、抗PDL1抗体は、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、アベルマブ、SHR-1316、MEDI4736、BMS-936559/MDX-1105、MSB0010718C、MPDL3280A、又はエンバフォリマブからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、抗PDL1抗体は、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、又はアベルマブである。
【0140】
がんを治療するための抗CD40抗体及びペムブロリズマブの併用療法
SEA-CD40などの抗CD40抗体は、がんを治療するためにペムブロリズマブと併用して使用することができる。
【0141】
SEA-CD40などの抗CD40抗体を投与すること及びペムブロリズマブを投与することを含む治療レジメンは、異なる投薬スケジュールを有することができる。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、2週間サイクルで投与され、ペムブロリズマブは、3週間サイクルで投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、3週間サイクルで投与され、ペムブロリズマブも、3週間サイクルで投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、4週間サイクルで投与され、ペムブロリズマブは、3週間サイクルで投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、2週間サイクルで投与され、ペムブロリズマブは、6週間サイクルで投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、3週間サイクルで投与され、ペムブロリズマブは、6週間サイクルで投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、4週間サイクルで投与され、ペムブロリズマブは、6週間サイクルで投与される。好ましい実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、4週間サイクルで投与され、ペムブロリズマブは、3週間サイクルで投与される。別の好ましい実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、4週間サイクルで投与され、ペムブロリズマブは、6週間サイクルで投与される。
【0142】
好ましい実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、ペムブロリズマブの投与前に投与される。SEA-CD40の後にペムブロリズマブを投与することは、ペムブロリズマブが免疫細胞に結合し、SEA-CD40によってペムブロリズマブと結合した細胞の強化されたクリアランスから生じて、その後の免疫枯渇の可能性を軽減するため、有益であり得る。併用療法では、各薬物の第1の投与サイクルの初日は全て、同じ日に始まる。
【0143】
いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの1日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの2日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの1日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの3日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの1日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの4日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの1日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの5日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの1日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの6日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの1日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの7日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの1日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの8日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの1日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの9日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの1日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの10日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの1日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの11日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの1日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの12日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの1日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの13日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの1日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの14日目に投与される。
【0144】
いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの2日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの3日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの2日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの4日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの2日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの5日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの2日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの6日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの2日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの7日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの2日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの8日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの2日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの9日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの2日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの10日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの2日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの11日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの2日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの12日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの2日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの13日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの2日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの14日目に投与される。
【0145】
いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの3日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの4日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの3日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの5日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの3日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの6日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの3日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの7日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの3日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの8日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの3日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの9日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの3日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの10日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの3日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの11日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの3日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの12日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの3日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの13日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの3日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの14日目に投与される。
【0146】
いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの4日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの5日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの4日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの6日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの4日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの7日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの4日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの8日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの4日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの9日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの4日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの10日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの4日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの11日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの4日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの12日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの4日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの13日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの4日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの14日目に投与される。
【0147】
いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの5日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの6日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの5日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの7日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの5日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの8日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの5日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの9日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの5日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの10日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの5日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの11日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの5日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの12日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの5日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの13日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの5日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの14日目に投与される。
【0148】
いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの6日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの7日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの6日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの8日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの6日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの9日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの6日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの10日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの6日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの11日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの6日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの12日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの6日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの13日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの6日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの14日目に投与される。
【0149】
いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの7日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの8日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの7日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの9日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの7日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの10日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの7日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの11日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの7日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの12日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの7日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの13日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの7日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの14日目に投与される。
【0150】
いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの8日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの9日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの8日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの10日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの8日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの11日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの8日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの12日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの8日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの13日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの8日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの14日目に投与される。
【0151】
いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの9日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの10日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの9日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの11日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの9日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの12日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの9日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの13日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの9日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの14日目に投与される。
【0152】
いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの10日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの11日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの10日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの12日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの10日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの13日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの10日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの14日目に投与される。
【0153】
いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの11日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの12日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの11日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの13日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの11日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの14日目に投与される。
【0154】
いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの12日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの13日目に投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの12日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの14日目に投与される。
【0155】
いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの13日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの14日目に投与される。
【0156】
いくつかの実施形態では、第1のサイクルにおけるSEA-CD40などの抗CD40抗体の第1の投与は、第1のサイクルにおけるペムブロリズマブの第1の投与の1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、又は14日前である。いくつかの実施形態では、ペムブロリズマブの第1の投与は、第1のサイクルにおけるSEA-CD40などの抗CD40抗体の第1の投与から1日、数日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、又は14日後である。
【0157】
いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体の各用量は、抗CD40抗体の用量から少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、又は9日後に投与される。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体及び抗CD40抗体は、同じ日に投与されない。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体の投与と抗CD40抗体の投与との間の間隔は、少なくとも若しくは約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、若しくは24時間、又は少なくとも若しくは約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、若しくは14日である。
【0158】
いくつかの実施形態では、ペムブロリズマブは、約2~4週間毎(例えば、約2週間毎、約3週間毎、又は約4週間毎)のサイクルで投与される。いくつかの実施形態では、ペムブロリズマブは、14日毎、15日毎、16日毎、17日毎、18日毎、19日毎、20日毎、21日毎、22日毎、23日毎、24日毎、25日毎、26日毎、27日毎、又は28日毎のサイクルで投与される。いくつかの実施形態では、ペムブロリズマブは、約5~7週間毎(例えば、約5週間毎、約6週間毎、又は約7週間毎)のサイクルで投与される。いくつかの実施形態では、ペムブロリズマブは、35日毎、36日毎、37日毎、38日毎、39日毎、40日毎、41日毎、42日毎、43日毎、44日毎、45日毎、46日毎、47日毎、48日毎、又は49日毎のサイクルで投与される。
【0159】
いくつかの実施形態では、ペムブロリズマブは、3週間毎に約200mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、ペムブロリズマブは、3週間毎に200mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、ペムブロリズマブは、約2mg/kgの用量で3回毎に投与される。いくつかの実施形態では、ペムブロリズマブは、6週間毎に400mgの用量で投与される。
【0160】
抗CD40抗体及び化学療法の併用療法
SEA-CD40などの抗CD40抗体の併用療法は、化学療法を併用し得る。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体及びペムブロリズマブとの併用療法は、化学療法と更に併用され得る。
【0161】
ほとんどのヒトでは、何百万もの細胞がアポトーシスによって死滅し、免疫応答を起こすことなく除去される。しかしながら、いくつかの化学療法剤による治療後、免疫細胞が腫瘍に浸潤することが観察されている。したがって、化学療法剤によって殺された腫瘍細胞の一部は、ワクチンとして作用し、腫瘍特異的な免疫応答を引き起こす。この現象は、免疫原性細胞死(ICD)と呼ばれる。例えば、Kroemer et al.,Annu.Rev.Immunol.,31:51-72(2013)を参照のこと。化学療法剤がICDを誘発する能力は、実験的に決定することができる。2つの基準を満たす必要がある。まず、化学療法剤でインビトロで処置したがん細胞を免疫コンピテントマウスに注射すると、アジュバントの非存在下で、腫瘍抗原に特異的な防御免疫応答が誘発される必要がある。第二に、ICDを誘発する可能性のある化学療法剤を用いた処置によるマウス接合モデルなど、インビボで発生するICDは、免疫系に依存する腫瘍の免疫応答を促進する必要がある。
【0162】
ICDを誘導する化学療法剤には、例えば、アントラサイクリン、抗EGFR抗体、ボルテゾミブ、シクロホスファミド、ゲムシタビン、腫瘍の照射、及びオキサリプラチンが含まれる。SEA-CD40などの抗CD40抗体及びペムブロリズマブの組み合わせは、これらの化学療法剤のうちのいずれかと組み合わせて使用して、増強した免疫応答が生じ、患者のがんを治療することができる。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体及びペムブロリズマブの組み合わせは、ゲムシタビン、ダカルバジン、テモゾロミド、パクリタキセル、アルブミン結合パクリタキセル(ナブパクリタキセル)、又はカルボプラチンのうちの1つ以上と組み合わせて使用される。ABRAXANE(登録商標)は、アルブミン結合パクリタキセルを含むパクリタキセルの商標名である。いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体及びペムブロリズマブの組み合わせは、化学療法剤ゲムシタビン及びパクリタキセル/ナブパクリタキセルの両方と組み合わせて使用される。
【0163】
いくつかの実施形態では、併用療法は、SEA-CD40などの抗CD40抗体、ペムブロリズマブ、及び化学療法を含む。いくつかの実施形態では、併用で使用される化学療法には、ゲムシタビン又はパクリタキセルが含まれる。いくつかの実施形態では、併用で使用される化学療法には、ゲムシタビン及びパクリタキセルの両方が含まれる。いくつかの実施形態では、パクリタキセルは、ナブパクリタキセル、例えばABRAXANE(登録商標)である。
【0164】
併用で使用される化学療法は、サイクルで投与され得る。いくつかの実施形態では、サイクルは、1週間であり、すなわち、化学療法は、毎週投与される。いくつかの実施形態では、サイクルは、2週間であり、すなわち、化学療法は、2週間毎に投与される。いくつかの実施形態では、サイクルは、3週間であり、すなわち、化学療法は、3週間毎に投与される。いくつかの実施形態では、サイクルは、4週間であり、すなわち、化学療法は、4週間毎に投与される。いくつかの実施形態では、サイクルは、5週間であり、すなわち、化学療法は、5週間毎に投与される。いくつかの実施形態では、サイクルは、6週間であり、すなわち、化学療法は、6週間毎に投与される。いくつかの実施形態では、サイクルは、7週間であり、すなわち、化学療法は、7週間毎に投与される。いくつかの実施形態では、サイクルは、8週間であり、すなわち、化学療法は、8週間毎に投与される。各サイクルで、化学療法は、1回以上投与され得る。
【0165】
いくつかの実施形態では、併用で使用される化学療法は、4週間サイクルで投与される、すなわち、化学療法は、4週間毎に投与され、化学療法は、各サイクルで3回投与される。いくつかの実施形態では、併用で使用される化学療法は、各サイクルの1日目、8日目、及び15日目に投与される。
【0166】
いくつかの実施形態では、併用で使用される化学療法は、約3~5週間毎(例えば、約3週間毎、約4週間毎、又は約5週間毎)のサイクルで投与される。いくつかの実施形態では、併用で使用される化学療法は、21日毎、22日毎、23日毎、24日毎、25日毎、26日毎、27日毎、28日毎、29日毎、30日毎、31日毎、32日毎、33日毎、34日毎、又は35日毎のサイクルで投与される。
【0167】
いくつかの実施形態では、併用で使用される化学療法には、ゲムシタビン(例えば、INFUGEM(商標))及び/又はパクリタキセル(例えば、ABRAXANE(登録商標))が含まれる。いくつかの実施形態では、ゲムシタビンは、各サイクルで1回、2回、3回、4回、又は5回投与される。いくつかの実施形態では、ゲムシタビンは、各サイクル(例えば、28日サイクル)の1日目、8日目、及び15日目に投与される。いくつかの実施形態では、ゲムシタビンは、各サイクル(例えば、21日サイクル)の1日目及び8日目に投与される。いくつかの実施形態では、ゲムシタビンは、約800~1500mg/m2(例えば、約800mg/m2、約850mg/m2、約900mg/m2、約950mg/m2、約1000mg/m2、約1050mg/m2、約1100mg/m2、約1150mg/m2、約1200mg/m2、約1250mg/m2、約1300mg/m2、約1350mg/m2、約1400mg/m2、約1450mg/m2、又は約1500mg/m2)の用量で、例えば、約20~60分(例えば、約20分、約30分、約40分、約50分、又は約60分)にわたって投与される。いくつかの実施形態では、パクリタキセルは、各サイクルで1回、2回、3回、4回、又は5回投与される。いくつかの実施形態では、パクリタキセルは、各サイクル(例えば、21日サイクル又は28日サイクル)の1、8、及び15日目に投与される。いくつかの実施形態では、パクリタキセルは、約50~300mg/m2(例えば、約50mg/m2、約60mg/m2、約70mg/m2、約80mg/m2、約90mg/m2、約100mg/m2、約110mg/m2、約120mg/m2、約125mg/m2、約130mg/m2、約140mg/m2、約150mg/m2、約160mg/m2、約170mg/m2、約180mg/m2、約190mg/m2、約200mg/m2、約210mg/m2、約220mg/m2、約230mg/m2、約240mg/m2、約250mg/m2、約260mg/m2、約270mg/m2、約280mg/m2、約290mg/m2、又は約300mg/m2)の用量で、例えば、約20~60分(例えば、約20分、約30分、約40分、約50分、又は約60分)にわたって投与される。
【0168】
好ましい実施形態では、化学療法の第1のサイクルの第1の投与は、SEA-CD40などの抗CD40抗体の投与前に行われ、化学療法の結果として、抗原が腫瘍細胞から放出されるようにする。いくつかの実施形態では、化学療法は、SEA-CD40などの抗CD40抗体の投与の1日前に行われる。いくつかの実施形態では、化学療法は、SEA-CD40などの抗CD40抗体の投与の2日前に行われる。いくつかの実施形態では、化学療法は、SEA-CD40などの抗CD40抗体の投与の3日前に行われる。このタイミングは、SEA-CD40などの抗CD40抗体が抗腫瘍免疫応答を引き起こす可能性を高めることが予想される。具体的には、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗原の更新及び提示を刺激することができるため、循環抗原の増加したレベルの状況で最も効果的であると予想される。更に、SEA-CD40などの抗CD40抗体を投与する前に、化学療法後1~3日待つことにより、相乗的な毒性の可能性が軽減され得る。
【0169】
いくつかの実施形態では、抗CD40抗体の各用量は、化学療法の用量から少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、又は9日後に投与される。いくつかの実施形態では、化学療法及び抗CD40抗体は、同じ日に投与されない。いくつかの実施形態では、化学療法の投与と抗CD40抗体の投与との間の間隔は、少なくとも若しくは約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、若しくは24時間、又は少なくとも若しくは約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、若しくは14日である。
【0170】
いくつかの実施形態では、化学療法は、化学療法の第1のサイクルの1日目に投与され、SEA-CD40などの抗CD40抗体は、抗CD40抗体の第1のサイクルの3日目に投与され、ペムブロリズマブは、ペムブロリズマブの第1のサイクルの8日目に投与され、化学療法サイクル、抗CD40抗体サイクル、及びペムブロリズマブサイクルの1日目が同じ日に始まる。
【0171】
好ましい実施形態では、併用療法は、28日サイクルの1日目、8日目、及び16日目に投与される化学療法、28日サイクルの3日目に投与されるSEA-CD40などの抗CD40抗体、及び42日サイクルの8日目に投与されるペムブロリズマブを含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、28日サイクルの1日目、8日目、及び16日目に投与される化学療法、28日サイクルの3日目に投与されるSEA-CD40などの抗CD40抗体、及び21日サイクルの8日目に投与されるペムブロリズマブを含む。好ましい実施形態では、併用療法は、28日サイクルの1日目、8日目、及び15日目に投与される化学療法、28日サイクルの3日目に投与されるSEA-CD40などの抗CD40抗体、及び42日サイクルの8日目に投与されるペムブロリズマブを含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、28日サイクルの1日目、8日目、及び15日目に投与される化学療法、28日サイクルの3日目に投与されるSEA-CD40などの抗CD40抗体、及び21日サイクルの8日目に投与されるペムブロリズマブを含む。いくつかの実施形態では、化学療法は、ゲムシタビン及びパクリタキセルの両方を含む。いくつかの実施形態では、パクリタキセルは、ナブパクリタキセル、例えばABRAXANE(登録商標)である。
【0172】
一態様では、本開示は、化学療法、ペムブロリズマブ、及びSEA-CD40の組み合わせで膵臓がんを治療することに関し、化学療法は、各28日サイクルの1、8、及び15日目に投与され、SEA-CD40は、各28日サイクルの3日目に投与され、ペムブロリズマブは、各42日サイクルの8日目に投与される。いくつかの実施形態では、化学療法は、ゲムシタビン及びナブパクリタキセル(ABRAXANE(登録商標))からなる。いくつかの実施形態では、SEA-CD40は、静脈内投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40は、皮下投与される。いくつかの実施形態では、ペムブロリズマブは、400mgで投与される。いくつかの実施形態では、ペムブロリズマブは、200mgで投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40は、10μg/kgで投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40は、30μg/kgで投与される。いくつかの実施形態では、膵臓がんは、膵管腺がん(PDAC)である。いくつかの実施形態では、膵臓がんは、転移性膵管腺がん(PDAC)である。
【0173】
別の態様では、本開示は、化学療法、抗PD-1抗体、及びSEA-CD40の組み合わせで膵臓がんを治療することに関し、化学療法は、各各28日の1、8、及び15日に投与され、SEA-CD40は、各28日サイクルの3日目に投与され、抗PD-1抗体は、各42日サイクルの8日目に投与される。いくつかの実施形態では、化学療法は、ゲムシタビン及びナブパクリタキセル(ABRAXANE(登録商標))からなる。いくつかの実施形態では、SEA-CD40は、静脈内投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40は、皮下投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40は、10μg/kgで投与される。いくつかの実施形態では、SEA-CD40は、30μg/kgで投与される。いくつかの実施形態では、膵臓がんは、膵管腺がん(PDAC)である。いくつかの実施形態では、膵臓がんは、転移性膵管腺がん(PDAC)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、ペムブロリズマブである。いくつかの実施形態では、ペムブロリズマブは、400mgで投与される。いくつかの実施形態では、ペムブロリズマブは、200mgで投与される。
【0174】
がん
SEA-CD40などの抗CD40抗体、ペムブロリズマブ、及び化学療法の併用療法は、例えば、固形腫瘍又は血液がんを含む様々なタイプのがんを治療するために使用することができる。いくつかの実施形態では、がんは、黒色腫、転移性乳がんを含む乳がん、非小細胞肺がんを含む肺がん、膵臓がん、リンパ腫、結腸直腸がん、又は腎がんである。いくつかの実施形態では、がんは、黒色腫、転移性乳がんを含む乳がん、非小細胞肺がんを含む肺がん、又は膵臓がんである。いくつかの実施形態では、膵臓がんは、膵管腺がん(PDAC)である。いくつかの実施形態では、PDACは、転移性である。
【0175】
膵臓がんは、全てのがんの中で最高の死亡率のうちの1つを有し、米国では年間推定42,470症例で成人のがん死亡原因の第4位となっている。Nieto et al.,The Oncologist,13:562-576(2008)及びCancer Facts and Figures,American Cancer Society(2009)を参照のこと。毎年、米国で新たに診断される全てのがんの約3%を占めている。しかしながら、その2倍近い約6%のがん患者が膵臓がんで死亡している。Cancer Facts and Figures,American Cancer Society(2009)を参照のこと。膵臓がんの高い死亡率は、診断時の転移性疾患の多発の結果である。結果として、患者の5%~15%のみが、切除の可能性がある腫瘍を示す候補者である。Nieto et al,The Oncologist,13:562-576(2008)を参照のこと。
【0176】
好ましい実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体、ペムブロリズマブ、及び化学療法の併用療法は、膵臓がんを治療するために使用することができる。いくつかの実施形態では、膵臓がんは、転移性膵管腺がん(PDAC)である。
【0177】
いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体、ペムブロリズマブ、及び化学療法の併用療法は、特にがんが低レベルのCD40を発現するか、又はCD40を検出可能に発現しない場合、免疫応答性であることが知られている腫瘍を治療するために使用される。免疫応答性がんには、例えば、黒色腫、膀胱がん、肺がん、例えば、小細胞肺がん及び非小細胞肺がん、卵巣がん、腎臓がん、膵臓がん、乳がん、子宮頸がん、頭頸部がん、前立腺がん、膠芽腫、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ性白血病、肝細胞がん、並びに多発性骨髄腫が含まれる。
【0178】
いくつかの実施形態では、SEA-CD40などの抗CD40抗体、ペムブロリズマブ、及び化学療法の併用療法は、固形腫瘍を治療するために使用される。更なる実施形態では、SEA-CD40は、血液がん、例えば、非ホジキンリンパ腫及びホジキンリンパ腫を含むリンパ腫、慢性リンパ性白血病、又は多発性骨髄腫を治療するために使用される。
【0179】
本開示はまた、本明細書に記載される様々な使用のための併用療法を製造する方法も提供する。併用療法は、投与のための説明書と一緒に容器、パック、キット、又はディスペンサーに含まれ得る。
【0180】
本発明の任意の特徴、ステップ、要素、実施形態、又は態様は、具体的に別途記載のない限り、任意のその他と組み合わせて使用され得る。本発明は、明確性及び理解の目的に関して、図示及び実施例によってある程度詳細に記載されているが、ある特定の変更及び修正が添付の特許請求の範囲の範囲内で実践され得ることは明らかであろう。
【実施例】
【0181】
本発明は、以下の実施例において更に説明され、これは特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定するものではない。
【0182】
実施例1:がん患者をSEA-CD40、ペムブロリズマブ、及び化学療法の組み合わせにより治療すること
膵臓がんの治療は、化学療法、SEA-CD40、及びペムブロリズマブの組み合わせで評価される。抗原放出を刺激するために、1日目に化学療法を投与し、続いて3日目にSEA-CD40を投与する。化学療法後、1~2日待った後にSEA-CD40を投与すると、化学療法の結果として腫瘍細胞から抗原放出が起こることを可能にする。このタイミングは、SEA-CD40が抗腫瘍免疫応答を引き起こす可能性を高めることが予想される。具体的には、SEA-CD40は、抗原の更新及び提示を刺激することができるため、循環抗原の増加したレベルの状況で最も効果的であると予想される。更に、SEA-CD40を投与する前に、化学療法後1~2日待つことにより、相乗的な毒性の可能性が軽減され得る。ペムブロリズマブは、8日目に投与される。SEA-CD40の後にペムブロリズマブを投与することは、ペムブロリズマブが免疫細胞に結合し、SEA-CD40によってペムブロリズマブと結合した細胞の強化されたクリアランスから生じて、その後の免疫枯渇の可能性を軽減するため、有益であり得る。SEA-CD40は、ヒトにおいて有意な免疫刺激をもたらすレベル(例えば、10μg/kg又は30μg/kg)で投与される。
【0183】
バックグラウンド:SEA-CD40は、抗原提示細胞(APC)に発現する共刺激受容体であるCD40に対する研究中の非フコシル化ヒト化IgG1モノクローナル抗体である。APC上のCD40の活性化は、サイトカイン産生及び共刺激受容体を上方調節し、T細胞への腫瘍抗原提示を増強する。前臨床データは、CD40アゴニストと組み合わせた化学療法による膵管腺がん(PDAC)の治療が、抗原提示を増強し、抗腫瘍免疫応答を開始し得ることを示す(Byrne KT and Vonderheide RH,Cell Rep 2016;15,2719-32)。進行中の第1相試験(SGNS40-001)は、SEA-CD40を単剤療法として及びペムブロリズマブと併用して進行性の固形悪性腫瘍又は血液悪性腫瘍を有する患者において評価する。転移性PDACにおけるSEA-CD40、ゲムシタビン、ナブパクリタキセル、及びペムブロリズマブの組み合わせを評価するために、新しいコホートが登録されている。ABRAXANE(登録商標)は、アルブミン結合パクリタキセルを含むパクリタキセルの商標名である。
【0184】
方法:このコホートは、転移性疾患に対する以前の治療を受けていない転移性PDAC患者で構成されている。患者は18歳以上であり、登録の4ヶ月以上前に(ネオ)アジュバント療法が完了し、ECOG(Eastern Cooperative Oncology Group)の状態が1以下であり、腎機能、肝機能、及び血液機能が十分であり、RECIST v 1.1基準による測定可能な疾患でなければならない。各28日サイクルの1、8、15日目にゲムシタビン及びナブパクリタキセルの標準レジメンは、3日目にSEA-CD40を静脈内(IV)に投与する。ペムブロリズマブは、8日目に開始して42日毎に投与される。主な目的は、投与レジメンの抗腫瘍活性を評価することであり、副次的な目的は、薬物動態分析によってSEA-CD40及びペムブロリズマブの安全性及び忍容性を評価することである。有効性エンドポイントは、RECIST(固形腫瘍における反応評価基準)の治験責任医師(一次)によってORR(客観的奏効率/全奏効率)、疾患制御率(反応又は安定疾患約16週間)、奏効期間、PFS(無増悪生存期間)、及びOS(客観的奏効/全奏効)に従って確認される。疾患は、RECIST(固形腫瘍における反応評価基準)及び免疫ベースのRECIST(iRECIST)を使用して8週間毎に評価される。治療は、許容できない毒性、iRECISTによる進行性疾患、同意の撤回、又は試験終了まで継続される。投与量制限毒性の評価は、初めに、コホートに推奨されるSEA-CD40の第2相用量を特定するために、6人の患者の群で行われる。以下の表3は、初回84日間(12週間、化学療法及びSEA-CD40の28日サイクルを3サイクル、ペムブロリズマブの42日サイクルを2サイクル)の化学療法、SEA-CD40、及びペムブロリズマブの投与日数を示す。84日目以降の投与日も同じスキームである。
【表3】
【0185】
実施例2:SEA-CD40サロゲート及び/又は抗mPD-1サロゲート抗体の同時投与又は交互の投与を伴うマウス腫瘍モデル
マウスモデルは、がん治療の有効性及び機序を評価するのに非常に有用であることが証明されている。SEA-CD40はマウスCD40を認識しないため、マウスがんモデルにおけるSEA-CD40の研究は、困難であった。したがって、非フコシル化抗CD40抗体の活性を評価するために、同系マウス腫瘍モデルが、開発された。ヒトIgG1及びヒトFcγRIII/CD16のマウス機能的同等物は、それぞれ、マウスIgG2a及びマウスFcγRIVであり、マウスIgG2aのマウスFcγRIVへの結合は、抗体依存性細胞傷害性(ADCC)を媒介する。例えば、Bruhns,Blood 119:5640-5649(2012)及びNimmeriahn et al.,Immunity 23:41-51(2005)を参照のこと。ラット抗体1C10を使用して、SEA-CD40のサロゲートを生成した。例えば、Heath et al.,Eur.J.Immunol.24:1828-1834(1994)を参照のこと。簡単に言えば、ラットモノクローナル抗体のVL及びVH遺伝子断片は、マウスCD40を認識することができる。1C10抗体は、マウスCカッパ及びマウスIgG2a CH1-CH2-CH3断片にそれぞれ、インフレーム5’でクローン化された。得られた遺伝子をCHO細胞で発現させると、ラットVL及びVHドメイン、並びにIgG2aアイソタイプのマウス軽鎖及び重鎖ドメイン(mIgG2a 1C10)を有するキメラ1C10抗体が生成された。mIgG2a 1C10は、米国特許出願公開第2017/0333556 A1号に記載される方法を用いてCHO細胞増殖培地中の2-フルオロフコースの存在下で発現させ、非フコシル化形態のmIgG2a 1C10(mIgG2a SEA 1C10、又はSEA-m1C10)を生成した。
【0186】
SEA-m1C10又は抗mPD-1サロゲート抗体(「抗PD1」)、及びそれらの組み合わせの単剤活性を、固体及び同系腫瘍モデルで調査した。SEA-CD40の機序(例えば、抗原提示細胞の増強された活性化、及びその後の増幅された抗腫瘍T細胞応答の誘導)に基づいて、SEA-m1C10を抗mPD-1サロゲート抗体による初回の治療の前に投与した。
【0187】
抗体の原液を適切な濃度に希釈し、次いで100μlの体積で動物に注射した。最終投与量は、SEA-m1C10については1mg/kg、抗mPD-1サロゲート抗体については1mg/kgであった。実験期間中、腫瘍の長さ、腫瘍の幅、及びマウスの体重を測定し、腫瘍の体積を計算した。マウスの腫瘍体積が1000mm3に達した時点で安楽死を行った。
【0188】
CT26大腸がんモデル
SEA-m1C10抗体及び抗mPD-1サロゲート抗体の組み合わせ活性は、抗mPD-1サロゲート抗体治療に応答するCT26結腸がんモデルで試験された。0日目に、BALB/cマウスに、CT26同系腫瘍細胞株をマウスの側腹部の皮下に移植した。平均腫瘍サイズ(式:体積(mm3)=0.5*長さ*幅2を使用して測定、長さが長い方の寸法で幅が短い方の寸法)が100mm3に達したとき、マウスを対照群G1及び3つの処置群G2~G4(1群当たり5匹のマウス)に無作為に入れた。
【0189】
ある実験では、処置群のマウスに、単一の薬剤(抗mPD-1サロゲート抗体(G2)又はSEA-m1C10(G3))、又はその組み合わせ(G4)を同じ日に腹腔内投与した。投与頻度は、3日に1回、合計3回の治療であった。対照群のマウス(G1)は、未処置であった。マウスの腫瘍体積の中央値を、
図1Aに示す。
【0190】
あるいは、処置群G3及びG4のマウスに、3日間隔で(例えば、9日目~15日目の期間内に)3回の用量のSEA-m1C10を投与した。SEA-m1C10処置の最終日(例えば、15日目)に、抗mPD-1サロゲート抗体の第1の用量を、G2及びG4群のマウスに投与し、次いで、(例えば、15日目~21日目の期間内で)3日間隔で2回の更なる用量を投与した。対照群のマウス(G1)は、未処置であった。マウスの腫瘍体積の中央値を、
図1Bに示す。
【0191】
結果は、SEA-m1C10が単独で投与した場合、抗腫瘍効果を全く示さないことを示した。
図1Aに示されるように、SEA-m1C10及び抗mPD-1サロゲート抗体を同時に投与した場合、組み合わせの活性又は拮抗する活性さえ観察されなかった。しかしながら、SEA-m1C10を抗mPD-1サロゲート抗体と交互の様式で投与した場合、抗腫瘍活性が増強された(
図1B)。上記の結果は、これらの薬剤の投与のタイミングが治療効果を達成するために重要であることを示す。更に、これらの結果は、SEA-CD40の提案された作用機序と一致している。
【0192】
A20播種性リンパ腫モデル
SEA-m1C10抗体及び抗mPD-1サロゲート抗体の組み合わせ活性も、A20リンパ腫モデルで試験された。BALB/cマウスに、A20細胞を静脈内注射すると、約2~4週間で播種性リンパ腫を確立された。A20播種性リンパ腫モデルは、1マウス当たり1×106個のA20細胞を静脈内(IV)に注射することにより、免疫コンピテントの雌のBALB/cマウスで開始された。マウスを対照群G1及び3つの治療群G2~G4(1群当たり6匹のマウス)に無作為に入れた。
【0193】
ある実験では、処置群のマウスに、腫瘍細胞接種後7日目に開始して、q3d×3スケジュール(合計3回の治療で3日毎に1回)で3mg/kgの抗体を腹腔内(i.p.)投与した。対照群のマウスは、未処置であった。全てのマウスを、体重減少及び腫瘍負荷の症状、例えば腹膜の腹水についてモニタリングした。マウスを殺処分した後、腫瘍負荷を更に検証した。
図2Aは、対照群のマウス(G1)、抗mPD-1サロゲート抗体で処置したマウス(G2)、SEA-m1C10で処置したマウス(G3)、及びそれらの組み合わせで同じ日に処置したマウス(G4)の生存曲線を示す。
【0194】
異なる実験では、A20リンパ腫モデルが、皮下法によって確立された。具体的には、腫瘍を約100mm
3まで成長させ、処置群G3及びG4のマウスに、3日間隔で(例えば、4日目~10日目の期間内に)3回の用量のSEA-m1C10を投与した。SEA-m1C10処置の最終日、抗mPD1サロゲート抗体の第1の用量を、G2及びG4群のマウスに(例えば、10日目に)投与し、次いで、(例えば、10日目~16日目の期間内で)3日間隔で2回の更なる用量を投与した。対照群のマウス(G1)は、未処置であった。マウスの腫瘍体積の中央値を、
図2Bに示す。
【0195】
図2Aに示すように、SEA-m1C10で処置したマウス(G3)は、対照群のマウス(G1)と比較して、動物の生存を有意に延長した。更に、A20の播種モデルにおけるSEA-m1C10及び抗mPD1サロゲート抗体の同時投与は、いかなる抗腫瘍活性も示さず、一緒に投与した場合、拮抗的にさえ見えた。対照的に、
図2Bに示されるように、SEA-m1C10を抗mPD-1サロゲート抗体と交互の様式で投与した場合、抗腫瘍活性が増強された。例えば、抗mPD-1サロゲート抗体(G2)及びSEA-m1C10(G3)の両方が腫瘍の進行を遅らせ、それぞれ、4/6及び5/6の動物が完全奏効(CR)を達成したが、これらの2つの薬剤の組み合わせ活性は、顕著であり、6/6の動物(G4)で完全な腫瘍退縮を促進した。
【0196】
RENCA腎細胞がんモデル
SEA-m1C10抗体及び抗mPD1サロゲート抗体の組み合わせ活性も、皮下のRENCA腎細胞同系モデルで試験された。0日目に、BALB/cマウスに、RENCA同系腫瘍細胞株をマウスの側腹部の皮下に移植した。平均腫瘍サイズ(式:体積(mm3)=0.5*長さ*幅2を使用して測定、長さが長い方の寸法で幅が短い方の寸法)が100mm3に達したとき、マウスを対照群G1及び3つの処置群G2~G4(1群当たり5匹のマウス)に無作為に入れた。
【0197】
ある実験では、処置群のマウスに、単一の薬剤(抗mPD-1サロゲート抗体(G2)又はSEA-m1C10(G3))、又はその組み合わせ(G4)を同じ日に腹腔内投与した。投与頻度は、3日に1回、合計3回の治療であった。対照群のマウス(G1)は、未処置であった。マウスの腫瘍体積の中央値を、
図3Aに示す。
【0198】
あるいは、処置群G3及びG4のマウスに、3日間隔で(例えば、5日目~11日目の期間内に)3回の用量のSEA-m1C10を投与した。SEA-m1C10処置の最終日(例えば、11日目)に、抗mPD-1サロゲート抗体の第1の用量を、G2及びG4群のマウスに投与し、次いで、(例えば、9日目~15日目の期間内で)3日間隔で2回の更なる用量を投与した。対照群のマウス(G1)は、未処置であった。マウスの腫瘍体積の中央値を、
図3Bに示す。
【0199】
図3Aに示されるように、これらの結果は、SEA-m1C10及び抗mPD-1サロゲート抗体の同時投与は、いかなる抗腫瘍活性も示さず、一緒に投与した場合、拮抗的にさえ見えることを示した。
図3Bに示されるように、SEA-m1C10及び抗mPD-1サロゲート抗体の両方が腫瘍の進行を遅らせたが、交互に投与されたこれらの2つの薬剤の組み合わせ活性は、抗腫瘍活性を改善し、腫瘍増殖の遅延をもたらした。
【0200】
他の実施形態
本発明をその詳細な説明と併せて記載したが、前述の記載は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を例示し、これを限定するものではないことを理解されたい。他の態様、利点、及び修正は、以下の特許請求の範囲内である。
【国際調査報告】