IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシーの特許一覧 ▶ ローム アンド ハース カンパニーの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-08
(54)【発明の名称】液体洗濯組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 17/08 20060101AFI20230601BHJP
   C11D 1/02 20060101ALI20230601BHJP
   C11D 1/83 20060101ALI20230601BHJP
   C11D 1/722 20060101ALI20230601BHJP
【FI】
C11D17/08
C11D1/02
C11D1/83
C11D1/722
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022558508
(86)(22)【出願日】2021-04-27
(85)【翻訳文提出日】2022-09-27
(86)【国際出願番号】 US2021029317
(87)【国際公開番号】W WO2021222190
(87)【国際公開日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】63/017,809
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(71)【出願人】
【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】弁理士法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イズミトリ、アスリン
(72)【発明者】
【氏名】ユイ、ワンリン
(72)【発明者】
【氏名】ヤング、ティモシー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】カリカリ、オーファ サーポン
(72)【発明者】
【氏名】ヘイズ、ジョン
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003AB03
4H003AB19
4H003AB27
4H003AC23
4H003BA12
4H003DA01
4H003DB01
4H003DC02
4H003EB04
4H003EB08
4H003ED02
4H003FA04
4H003FA06
4H003FA28
(57)【要約】
液体洗濯洗剤配合物が提供され、液体担体と、洗浄界面活性剤と、洗浄ブースタと、を含み、洗浄ブースタが、式(I)のものであり、(I)式中、xが、3~10であり、yが、5~20であり、zが、5~30であり、x+y+z≧18であり、x≠zであり、各Rが、C7-9アルキル基であり、R基の75重量%以上が分岐状である。
【化1】
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体洗濯洗剤配合物であって、
液体担体と、
洗浄界面活性剤と、
式(I)の洗浄ブースタと、を含み、
【化1】
式中、xが、3~10であり、yが、5~20であり、zが、5~30であり、x+y+z≧18であり、各Rが、C7-9アルキル基であり、前記R基の75重量%以上が分岐状である、液体洗濯洗剤配合物。
【請求項2】
前記液体洗濯洗剤配合物が、
前記液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、15~97.99重量%の前記液体担体と、
前記液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、2~60重量%の前記洗浄界面活性剤と、
前記液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0.01~25重量%の前記洗浄ブースタと、を含む、請求項1に記載の液体洗濯洗剤配合物。
【請求項3】
前記液体担体が、水を含み、80~100重量%の前記洗浄ブースタが、式(II)
【化2】
のものであり、式中、xが、4~7であり、yが、7~18であり、zが、9~30である、請求項1に記載の液体洗濯洗剤配合物。
【請求項4】
98~100重量%の前記洗浄ブースタが、式(II)のものであり、式中、xが、4~6であり、yが、8~17であり、zが、10~28である、請求項3に記載の液体洗濯洗剤配合物。
【請求項5】
99.5~100重量%の前記洗浄ブースタが、式(II)のものであり、式中、xが、5であり、yが、9~15であり、zが、16~26である、請求項4に記載の液体洗濯洗剤配合物。
【請求項6】
前記洗浄界面活性剤が、アニオン性界面活性剤を含む、請求項5に記載の液体洗濯洗剤配合物。
【請求項7】
前記洗浄界面活性剤がまた、非イオン性界面活性剤を含む、請求項6に記載の液体洗濯洗剤配合物。
【請求項8】
溶剤を更に含む、請求項7に記載の液体洗濯洗剤配合物。
【請求項9】
ヒドロトロープ及びビルダを更に含む、請求項8に記載の液体洗濯洗剤配合物。
【請求項10】
本発明の布地物品を洗浄する方法であって、汚れた布地物品を提供することと、請求項1に記載の液体洗濯洗剤配合物を提供することと、洗浄水を提供することと、前記洗浄水及び前記液体洗濯洗剤配合物を前記汚れた布地に適用して、洗浄された布地物品を提供することであって、前記洗浄水が、35℃以下の温度にある、提供することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体洗濯洗剤配合物に関する。特に、本発明は、液体洗濯洗剤配合物に関し、液体担体と、洗浄界面活性剤と、洗浄ブースタと、を含み、洗浄ブースタが、式(I)
【0002】
【化1】
のものであり、式中、xが、3~10であり、yが、5~20であり、zが、5~30であり、x+y+z≧18であり、x≠zであり、各Rが、C7-9アルキル基であり、R基の75重量%以上が分岐状である。
【0003】
洗濯物上の汚れは、2つの一般的なカテゴリに分類される;i)一般に、アルミノケイ酸の負に帯電した層と、アルミノケイ酸層の間に位置し、それらを一緒に保持している、正に帯電したカチオン、例えば、Ca++と、を含む粒子を含む、粘土汚れ;又はii)典型的には、フライ油、グリース、トマト若しくはスパゲッティソースのこぼれたもの、ヒトの汗(皮脂)、及び使用されるモータ油若しくは石油のような非鹸化性の油のシミによって引き起こされる、油若しくはグリース系(grease borne)の汚れのいずれかである。油系のシミは通常、乾燥洗浄によって除去することができるが、これは高価である。以前では、そのような油汚れは、非常に高温の洗浄条件(典型的には60~90℃)を使用して除去されていたが、現在はエネルギーを節約する傾向にあり、15~50℃の領域のはるかに低い洗浄温度を使用している。しかしながら、残念ながら、油汚れは、そのような温度で容易に除去されない。
【0004】
洗濯、シミ防止、柔軟仕上げなどのような、家庭及び産業上の布地処理プロセスにおける使用のための汚れ放出剤が、当該技術分野において既知である。例えば、20年を超えて既知である、いわゆるPET/POETポリマー(ポリエチレンテレフタレート/ポリオキシエチレンテレフタレート)、及び例えば、米国特許第3,557,039号に教示されるPET/PEG(ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレングリコール)ポリマーのような、汚れ放出特性を有する、テレフタル酸及び他の芳香族ジカルボン酸のポリエステルが、当該技術分野において広く開示されている。これらのPET/POET及びPET/PEGポリマーは、特にポリエステルのような合成繊維からの油汚れの放出を促進するのに役立つことが既知である。それらの有効性は、PET/POET及びPET/PEGポリマーとポリエステル繊維との間の構造の類似性から生じる親和性に起因すると考えられている。ここ数年間にわたり、PET/POET及びPET/PEGポリマー中の主鎖及び側鎖は改変され、液体及び固体(顆粒)洗剤に配合され得る、コスト効果の高いポリエステルの汚れ放出添加剤の範囲を達成している。しかしながら、これらの材料の主要な欠点は、それらが綿及び綿混紡布地にほとんど又は全く利点を提供しないことであり、任意の汚れ放出効果が観察される前にはるかに大量のポリマーが必要とされ、特に、PET/POET材料は低い水溶性を有するので、それらの使用を困難にする。
【0005】
この分野における広範な研究活動にもかかわらず、特に油及びグリース系の汚れの優れた汚れ放出特性を有し、家庭の洗濯条件下の低い温度において綿及び綿混紡布地のような天然布地に非常に効果的である、汚れ放出添加剤の必要性が引き続き存在する。
【0006】
本発明は、液体洗濯洗剤配合物を提供し、液体担体と、洗浄界面活性剤と、洗浄ブースタと、を含み、洗浄ブースタが、式(I)
【0007】
【化2】
のものであり、式中、xが、3~10であり、yが、5~20であり、zが、5~30であり、x+y+z≧18であり、x≠zであり、各Rが、C7-9アルキル基であり、R基の75重量%以上が分岐状である。
【0008】
本発明は、布地物品を洗浄する方法を提供し、汚れた布地物品を提供することと、本発明の液体洗濯洗剤配合物を提供することと、洗浄水を提供することと、洗浄水及び液体洗濯洗剤配合物を汚れた布地に適用して、洗浄された布地物品を提供することであって、洗浄水が、35℃以下の温度にある、提供することと、を含む。
【発明を実施するための形態】
【0009】
驚くべきことに、本明細書に記載される洗浄ブースタは、低温(すなわち、35℃以下)において、特に綿含有布地(例えば、ポリコットンブレンド)からの油及びグリース系の汚れ(例えば、皮脂汚れ)の、効果的な汚れ放出特性を提供し、追加の利益は、OECD 301Fの手順に従って易生分解性を示すことが見出された。
【0010】
別段示されない限り、比率、百分率、部などは、重量によるものである。組成物中の重量百分率(又は重量%)は、乾燥重量の、すなわち、組成物に存在し得る一切の水を除外する百分率である。
【0011】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体担体(液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、好ましくは、15~97.99重量%(より好ましくは、40~94重量%;更により好ましくは、45~90重量%;最も好ましくは、47~71重量%)の液体担体)と、洗浄界面活性剤(液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、好ましくは、2~60重量%(より好ましくは、5~50重量%;更により好ましくは、7.5~45重量%;最も好ましくは、35~40重量%)の洗浄界面活性剤)と、洗浄ブースタ(液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、好ましくは、0.01~25重量%(より好ましくは、1~10重量%;更により好ましくは、2.5~7.5重量%;最も好ましくは、4~6重量%)の洗浄ブースタ)と、を含み、洗浄ブースタは、式(I)
【0012】
【化3】
のものであり、式中、xは、3~10(好ましくは、4~7;より好ましくは、4~6;最も好ましくは、5)であり、yは、5~20(好ましくは、7~18;より好ましくは、8~17;最も好ましくは、9~15)であり、zは、5~30(好ましくは、9~30;より好ましくは、10~28;最も好ましくは、16~26)であり、x+y+z≧18(好ましくは、20~60;より好ましくは、21~28;更により好ましくは、24~60;最も好ましくは、35~60)であり、x≠zであり、各Rは、C7-9アルキル基(好ましくは、Cアルキル基;より好ましくは、分岐状2-エチルヘキシル基)であり、R基の75重量%以上(好ましくは、80~100重量%;より好ましくは、90~100重量%;更により好ましくは、95~100重量%;なおより好ましくは、98~100重量%;更になおより好ましくは、99~100重量%;最も好ましくは、99.5~100重量%)は分岐状である。
【0013】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体担体を含む。より好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、15~97.9重量%(好ましくは、40~94重量%;より好ましくは、45~75重量%;最も好ましくは、47~71重量%)の液体担体を含む。更により好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、15~97.9重量%(好ましくは、40~94重量%;より好ましくは、45~75重量%;最も好ましくは、47~71重量%)の液体担体を含み、液体担体は、水を含む。最も好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、15~97.9重量%(好ましくは、40~94重量%;より好ましくは、45~75重量%;最も好ましくは、47~71重量%)の液体担体を含み、液体担体は、水である。
【0014】
好ましくは、液体担体は、C1-3アルカノールアミン及びC1-3アルカノールなどの水混和性液体を含むことができる。より好ましくは、液体担体は、液体担体の重量に基づいて、0~8重量%(好ましくは、0.2~8重量%;より好ましくは、0.5~5重量%)の水混和性液体を含み、水混和性液体は、C1-3アルカノールアミン、C1-3アルカノール、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0015】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、洗浄界面活性剤を含む。より好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、2~60重量%(好ましくは、5~50重量%;更により好ましくは、7.5~30重量%;最も好ましくは、25~40重量%)の洗浄界面活性剤を含む。更により好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、2~60重量%(より好ましくは、5~50重量%;更により好ましくは、7.5~30重量%;最も好ましくは、25~40重量%)の洗浄界面活性剤を含み、洗浄界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びそれらの混合物からなる群から選択される。なおより好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、2~60重量%(より好ましくは、5~50重量%;更により好ましくは、7.5~30重量%;最も好ましくは、25~40重量%)の洗浄界面活性剤を含み、洗浄界面活性剤は、アニオン性界面活性剤を含む。なお更により好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、2~60重量%(より好ましくは、5~50重量%;更により好ましくは、7.5~30重量%;最も好ましくは、25~40重量%)の洗浄界面活性剤を含み、洗浄界面活性剤は、アニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤との混合物を含む。最も好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、2~60重量%(より好ましくは、5~50重量%;更により好ましくは、7.5~30重量%;最も好ましくは、25~40重量%)の洗浄界面活性剤を含み、洗浄界面活性剤は、直鎖状アルキルベンゼンスルホネートと、ラウリルエトキシ硫酸ナトリウムと、非イオン性アルコールエトキシレートとの混合物を含む。
【0016】
アニオン性界面活性剤としては、アルキルスルフェート、アルキルベンゼンスルフェート、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルポリエトキシスルフェート、アルコキシル化アルコール、パラフィンスルホン酸、パラフィンスルホネート、オレフィンスルホン酸、オレフィンスルホネート、アルファ-スルホカルボキシレート、アルファ-スルホカルボキシレートのエステル、アルキルグリセリルエーテルスルホン酸、アルキルグリセリルエーテルスルホネート、脂肪酸のスルフェート、脂肪酸のスルホネート、脂肪酸エステルのスルホネート、アルキルフェノール、アルキルフェノールポリエトキシエーテルスルフェート、2-アクリルオキシ-アルカン-1-スルホン酸、2-アクリルオキシ-アルカン-1-スルホネート、ベータ-アルキルオキシアルカンスルホン酸、ベータ-アルキルオキシアルカンスルホネート、アミンオキシド、及びそれらの混合物が挙げられる。好ましいアニオン性界面活性剤としては、C8-20アルキルベンゼンスルフェート、C8-20アルキルベンゼンスルホン酸、C8-20アルキルベンゼンスルホネート、パラフィンスルホン酸、パラフィンスルホネート、アルファ-オレフィンスルホン酸、アルファ-オレフィンスルホネート、アルコキシル化アルコール、C8-20アルキルフェノール、アミンオキシド、脂肪酸のスルホネート、脂肪酸エステルのスルホネート、C8-10アルキルポリエトキシスルフェート、及びそれらの混合物が挙げられる。より好ましいアニオン性界面活性剤としては、C12-16アルキルベンゼンスルホン酸、C12-16アルキルベンゼンスルホン酸、C12-18パラフィンスルホン酸、C12-18パラフィンスルホン酸、C12-16アルキルポリエトキシスルフェート、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0017】
非イオン性界面活性剤としては、アルコキシレート(例えば、ポリグリコールエーテル、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、末端基キャップされたポリグリコールエーテル、混合エーテル、ヒドロキシ混合エーテル、脂肪酸ポリグリコールエステル、及びそれらの混合物が挙げられる。好ましい非イオン性界面活性剤としては、脂肪アルコールポリグリコールエーテルが挙げられる。より好ましい非イオン性界面活性剤としては、二級アルコールエトキシレート、エトキシル化2-エチルヘキサノール、エトキシル化された種子油、ブタノールキャップされたエトキシル化2-エチルヘキサノール、及びそれらの混合物が挙げられる。最も好ましい非イオン性界面活性剤としては、二級アルコールエトキシレートが挙げられる。
【0018】
カチオン性界面活性剤としては、四級表面活性化合物が挙げられる。好ましいカチオン性界面活性剤としては、アンモニウム基、スルホニウム基、ホスホニウム基、ヨードニウム基、及びアルソニウム基のうちの少なくとも1つを有する四級表面活性化合物が挙げられる。より好ましいカチオン性界面活性剤としては、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド及びアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリドのうちの少なくとも1つが挙げられる。更により好ましいカチオン性界面活性剤としては、C16-18ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、C8-18アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、及びジメチルジタロウ塩化アンモニウムのうちの少なくとも1つが挙げられる。最も好ましいカチオン性界面活性剤としては、ジメチルジタロウ塩化アンモニウムが挙げられる。
【0019】
両性界面活性剤としては、ベタイン、アミンオキシド、アルキルアミドアルキルアミン、アルキル置換アミンオキシド、アシル化アミノ酸、脂肪族四級アンモニウム化合物の誘導体、及びそれらの混合物が挙げられる。好ましい両性界面活性剤としては、脂肪族四級アンモニウム化合物の誘導体が挙げられる。より好ましい両性界面活性剤としては、8~18個の炭素原子を有する長鎖基を有する脂肪族四級アンモニウム化合物の誘導体が挙げられる。更により好ましい両性界面活性剤としては、C12-14アルキルジメチルアミンオキシド、3-(N,N-ジメチル-N-ヘキサデシルアンモニオ)プロパン-1-スルホネート、3-(N,N-ジメチル-N-ヘキサデシルアンモニオ)-2-ヒドロキシプロパン-1-スルホネートのうちの少なくとも1つが挙げられる。最も好ましい両性界面活性剤としては、C12-14アルキルジメチルアミンオキシドのうちの少なくとも1つが挙げられる。
【0020】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、洗浄ブースタを含み、洗浄ブースタは、式(I)のものである。より好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0.01~25重量%(好ましくは、1~10重量%;より好ましくは、2.5~7.5重量%;最も好ましくは、4~6重量%)の洗浄ブースタを含み、洗浄ブースタは、式(I)のものである。更により好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0.01~25重量%(好ましくは、1~10重量%;より好ましくは、2.5~7.5重量%;最も好ましくは、4~6重量%)の洗浄ブースタを含み、洗浄ブースタは、式(I)のものであり、式中、xは、3~10(好ましくは、4~7;より好ましくは、4~6;最も好ましくは、5)であり、yは、5~20(好ましくは、7~18;より好ましくは、8~17;最も好ましくは、9~15)であり、zは、5~30(好ましくは、9~30;より好ましくは、10~28;最も好ましくは、16~26)であり、x+y+z≧18(好ましくは、20~60;より好ましくは、21~28;更により好ましくは、24~60;最も好ましくは、35~60)であり、x≠zであり、各Rは、C7-9アルキル基(好ましくは、Cアルキル基;より好ましくは、分岐状2-エチルヘキシル基)であり、R基の75重量%以上(好ましくは、80~100重量%;より好ましくは、90~100重量%;更により好ましくは、95~100重量%;なおより好ましくは、98~100重量%;更になおより好ましくは、99~100重量%;最も好ましくは、99.5~100重量%)は分岐状である。なおより好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0.01~25重量%(好ましくは、1~10重量%;より好ましくは、2.5~7.5重量%;最も好ましくは、4~6重量%)の洗浄ブースタを含み、洗浄ブースタは、式(I)のものであり、式中、xは、3~10(好ましくは、4~7;より好ましくは、4~6;最も好ましくは、5)であり、yは、5~20(好ましくは、7~18;より好ましくは、8~17;最も好ましくは、9~15)であり、zは、5~30(好ましくは、9~30;より好ましくは、10~28;最も好ましくは、16~26)であり、x+y+z≧18(好ましくは、20~60;より好ましくは、21~28;更により好ましくは、24~60;最も好ましくは、35~60)であり、x≠zであり、y<zであり、各Rは、C7-9アルキル基(好ましくは、Cアルキル基;より好ましくは、分岐状2-エチルヘキシル基)であり、R基の75重量%以上(好ましくは、80~100重量%;より好ましくは、90~100重量%;更により好ましくは、95~100重量%;なおより好ましくは、98~100重量%;更になおより好ましくは、99~100重量%;最も好ましくは、99.5~100重量%)は分岐状である。更になおより好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0.01~25重量%(好ましくは、1~10重量%;より好ましくは、2.5~7.5重量%;最も好ましくは、4~6重量%)の洗浄ブースタを含み、80~100重量%(好ましくは、90~100重量%;より好ましくは、95~100重量%;更により好ましくは、98~100重量%;なおより好ましくは、99~100重量%;最も好ましくは、99.5~100重量%)の洗浄ブースタは、式(II)
【0021】
【化4】
のものであり、式中、xは、3~10(好ましくは、4~7;より好ましくは、4~6;最も好ましくは、5)であり、yは、5~20(好ましくは、7~18;より好ましくは、8~17;最も好ましくは、9~15)であり、zは、5~30(好ましくは、9~30;より好ましくは、10~28;最も好ましくは、16~26)であり、x+y+z≧18(好ましくは、20~60;より好ましくは、21~28;更により好ましくは、24~60;最も好ましくは、35~60)であり、x≠zである。最も好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0.01~25重量%(好ましくは、1~10重量%;より好ましくは、2.5~7.5重量%;最も好ましくは、4~6重量%)の洗浄ブースタを含み、80~100重量%(好ましくは、90~100重量%;より好ましくは、95~100重量%;更により好ましくは、98~100重量%;なおより好ましくは、99~100重量%;最も好ましくは、99.5~100重量%)の洗浄ブースタは、式(II)のものであり、式中、xは、3~10(好ましくは、4~7;より好ましくは、4~6;最も好ましくは、5)であり、yは、5~20(好ましくは、7~18;より好ましくは、8~17;最も好ましくは、9~15)であり、zは、5~30(好ましくは、9~30;より好ましくは、10~28;最も好ましくは、16~26)であり、x+y+z≧18(好ましくは、20~60;より好ましくは、21~28;更により好ましくは、24~60;最も好ましくは、35~60)であり、x≠zであり、y<zである。
【0022】
好ましくは、本発明の洗濯洗剤配合物は、任意選択的に、溶剤(例えば、エタノール、プロピレングリコール);ビルダ(例えば、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、ゼオライト、クエン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、及びアミノカルボキシレート(メチルグリシン二酢酸、ナトリウム塩又はグルタミン酸二酢酸、ナトリウム塩など));ヒドロトロープ(例えば、キシレンスルホン酸ナトリウム);泡制御剤(例えば、脂肪酸、ポリジメチルシロキサン);酵素(例えば、プロテアーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、マンナナーゼ);防腐剤;香料(例えば、D-リモネンなどの精油)、蛍光増白剤;漂白剤(例えば、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム);染料;添加剤ポリマー(例えば、アクリル酸ホモポリマー、並びにアクリル酸とマレイン酸、スルホン化モノマー及び/又はエチルアクリレートとのコポリマーなどの分散剤ポリマー);並びにそれらの混合物からなる群から選択される添加剤を更に含む。
【0023】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択的に、有機溶剤を更に含む。より好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択的に、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~50重量%(好ましくは、0.5~25重量%;より好ましくは、1~15重量%;最も好ましくは、2.5~10重量%)の有機溶剤を更に含む。更により好ましい、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~50重量%(好ましくは、0.5~25重量%;より好ましくは、1~15重量%;最も好ましくは、2.5~10重量%)の有機溶剤を含み、有機溶剤は、エタノール、プロピレングリコール、グリセロール、1,3-ブタンジオール、1,3-ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、及びそれらの混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~50重量%(好ましくは、0.5~25重量%;より好ましくは、1~15重量%;最も好ましくは、2.5~10重量%)の有機溶剤を含み、有機溶剤は、エタノールとプロピレングリコールとの混合物である。
【0024】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択的に、ヒドロトロープを更に含む。より好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択的に、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~10重量%(好ましくは、0.1~10重量%;より好ましくは、0.2~8重量%;最も好ましくは、0.5~7.5重量%)のヒドロトロープを更に含む。更により好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択的に、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~10重量%(好ましくは、0.1~10重量%;より好ましくは、0.2~8重量%;最も好ましくは、0.5~7.5重量%)のヒドロトロープを更に含み、ヒドロトロープは、アルキルヒドロキシド、グリコール、尿素、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、キシレンスルホン酸、トルエンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、及びクメンスルホン酸のカルシウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム及びアルカノールアンモニウム塩、それらの塩、及びそれらの混合物からなる群から選択される。なおより好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~10重量%(好ましくは、0.1~10重量%;より好ましくは、0.2~8重量%;最も好ましくは、0.5~7.5重量%)のヒドロトロープを更に含み、ヒドロトロープは、トルエンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸カリウム、キシレンスルホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸アンモニウム、キシレンスルホン酸カリウム、キシレンスルホン酸カルシウム、クメンスルホン酸ナトリウム、クメンスルホン酸アンモニウム、及びそれらの混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~10重量%(好ましくは、0.1~10重量%;より好ましくは、0.2~8重量%;最も好ましくは、0.5~7.5重量%)のヒドロトロープを更に含み、ヒドロトロープは、キシレンスルホン酸ナトリウムである。
【0025】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択的に、ビルダを更に含む。より好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択的に、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~30重量%(好ましくは、1~20重量%;より好ましくは、2.5~10重量%)のビルダを更に含む。更により好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択的に、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~30重量%(好ましくは、1~25重量%;より好ましくは、2.5~10重量%)のビルダを更に含み、ビルダは、無機ビルダ(例えば、トリポリホスフェート、ピロホスフェート)、アルカリ金属炭酸塩、ホウ酸塩、重炭酸塩、水酸化物、ゼオライト、クエン酸塩(例えば、クエン酸ナトリウム)、ポリカルボキシレート、モノカルボキシレート、アミノトリスメチレンホスホン酸、アミノトリスメチレンホスホン酸の塩、ヒドロキシエタンジホスホン酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸の塩、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)の塩、エチレンジアミンテトラエチレン-ホスホン酸、エチレンジアミンテトラエチレン-ホスホン酸の塩、オリゴマーホスホネート、ポリマーホスホネート、それらの混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択的に、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~30重量%、0~30重量%(好ましくは、1~25重量%;より好ましくは、2.5~10重量%)のビルダを更に含み、ビルダは、クエン酸ナトリウムを含む。
【0026】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択的に、構造化剤を更に含む。より好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~2重量%(好ましくは、0.05~0.8重量%;より好ましくは、0.1~0.4重量%)の構造化剤を更に含む。最も好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~2重量%(好ましくは、0.05~0.8重量%;より好ましくは、0.1~0.4重量%)の構造化剤を更に含み、構造化剤は、その場で結晶化されたときに、液体洗濯洗剤配合物全体にわたって糸様構造系を形成することができる非ポリマー結晶性ヒドロキシ官能性材料である。
【0027】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択的に、香料を更に含む。より好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択的に、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~10重量%(好ましくは、0.001~5重量%;より好ましくは、0.005~3重量%;最も好ましくは、0.01~2.5重量%)の香料を更に含む。
【0028】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択的に、柔軟仕上げ剤を更に含む。より好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択的に、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~10重量%(好ましくは、0.5~10重量%)の柔軟仕上げ剤を更に含む。最も好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択的に、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~10重量%(好ましくは、0.5~10重量%)の柔軟仕上げ剤を更に含み、柔軟仕上げ剤は、カチオン性コアセルベート化ポリマー(例えば、カチオン性ヒドロキシルエチルセルロース、ポリクオタニウムポリマー、及びそれらの組み合わせ)である。
【0029】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択的に、pH調整剤を更に含む。より好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択的に、pH調整剤を更に含み、液体洗濯洗剤配合物は、6~12.5(好ましくは、6.5~11;より好ましくは、7.5~10)のpHを有する。pHを調整するための塩基としては、水酸化ナトリウム(ソーダ灰を含む)及び水酸化カリウムなどの鉱物塩基、重炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、水酸化アンモニウム、並びに有機塩基(例えば、モノ-、ジ-、又はトリ-エタノールアミン、及び2-ジメチルアミノ-2-メチル-1-プロパノール(2-dimethylamino-2-methyl-1-propanol、DMAMP))が挙げられる。pHを調整するための酸としては、鉱酸(例えば、塩酸、リン酸、及び硫酸)並びに有機酸(例えば、酢酸)が挙げられる。
【0030】
好ましくは、本発明の布地物品を洗浄する方法は、汚れた布地物品(好ましくは、汚れた布地物品は、油及びグレイ汚れ(glay soil)により汚れており、より好ましくは、汚れた布地物品は、皮脂油及び粘土汚れにより汚れている)(好ましくは、汚れた布地物品は、シミの付いたポリエステル布地、シミの付いたポリエステル綿混紡布地、シミの付いた綿テリー布地、シミの付いた綿インターロック、及びそれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは、汚れた布地物品は、シミの付いたポリエステル布地及びシミの付いたポリエステル綿混紡布地のうちの少なくとも1つである)を提供することと、本発明の液体洗濯洗剤配合物を提供することと、洗浄水を提供することと、洗浄水及び液体洗濯洗剤配合物を汚れた布地に適用して、洗浄された布地物品を提供することであって、洗浄水が、35℃以下(好ましくは、10~35℃;より好ましくは、15~30℃;最も好ましくは、20~25℃)の温度にある、提供することと、を含む。より好ましくは、本発明の布地物品を洗浄する方法は、汚れた布地物品(好ましくは、汚れた布地物品は、油及びグレイ汚れにより汚れており、より好ましくは、汚れた布地物品は、皮脂油及び粘土汚れにより汚れている)(好ましくは、汚れた布地物品は、シミの付いたポリエステル布地、シミの付いたポリエステル綿混紡布地、シミの付いた綿テリー布地、シミの付いた綿インターロック、及びそれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは、汚れた布地物品は、シミの付いたポリエステル布地及びシミの付いたポリエステル綿混紡布地のうちの少なくとも1つである)を提供することと、本発明の液体洗濯洗剤配合物を提供することと、洗浄水を提供することと、すすぎ水を提供することと、洗浄水及び液体洗濯洗剤配合物を汚れた布地に適用して、洗浄された布地物品を提供することであって、洗浄水が、35℃以下(好ましくは、10~35℃;より好ましくは、15~30℃;最も好ましくは、20~25℃)の温度にある、提供することと、次いで、すすぎ水を洗浄された布地物品に適用して、洗浄された布地物品から液体洗濯洗剤配合物を除去することと、を含む。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態を、以下の実施例で詳細に説明する。
【0032】
合成S1:洗浄ブースタ
9リットルの反応器に、2-エチルヘキサノール(780.0g)及び85%の水酸化カリウムペレット(10.81g)を充填した。次いで、反応器の内容物を窒素によりパージした。次いで、真空を反応器の内容物に、2時間かけて100mm水銀柱に徐々に適用した。反応器の内容物の試料(15.8g)を反応器から取り出し、Karl Fisher滴定によって水分含有量を測定した。411重量百万分率(parts per million、ppm)の水分含有量が観察された。次いで、反応器の内容物を、乾燥窒素を用いて7回、25℃で110~139kPaに加圧して、反応器のヘッドスペースから酸素を除去した。次いで、反応器の内容物を撹拌しながら130℃に加熱した。次いで、プロピレンオキシド(1,660g)を4時間にわたって反応器の内容物に充填した。次いで、反応器の内容物を、撹拌しながら130℃で更に2時間保持した。次いで、反応器の内容物を、60℃に冷却した。反応器の内容物の試料(142.9g)を取り出した。次いで、反応器の内容物を130℃に加熱し、エチレンオキシド(2,070g)を4時間かけて反応器に充填した。次いで、反応器の内容物を、撹拌しながら130℃で更に2時間保持した。次いで、反応器の内容物を、60℃に冷却した。反応器の内容物の試料(142.9g)を取り出した。次いで、反応器の内容物を130℃に加熱し、プロピレンオキシド(1,475g)を4時間かけて反応器に充填した。次いで、反応器の内容物を、撹拌しながら130℃で更に2時間保持した。次いで、反応器の内容物を、60℃に冷却した。次いで、反応器の内容物を10%水溶液中の酢酸を用いて中和して、4~8のpHを達成して、比較実施例C1の洗浄ブースタを得た。
【0033】
合成S2~S14:洗浄ブースタ
合成S1を、得られた生成物の洗浄ブースタにおいてプロピレンオキシド(propylene oxide、PO)及びエチレンオキシド(ethylene oxide、EO)の適切なモル比を得るために、PO及びEO供給物の量を調整して、合成S2~S14において繰り返した。調製された生成物の洗浄ブースタの各々は、式(II)
【0034】
【化5】
のものであり、表1に示されるようなx、y及びzの値を有した。
【0035】
【表1】
【0036】
比較実施例C1~C7及び実施例1~8:液体洗濯洗剤
後続の実施例の付着試験で使用される液体洗濯洗剤配合物を、表3に示されるような洗浄ブースタを用いて、表2に記載されるような一般的な配合を有するように調製し、標準的な液体洗濯配合物の調製手順によって調製した。
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
一次洗浄性能試験
22℃の設定試験温度、各実行に使用する20個の1.2リットルキャニスタでの30分間の洗浄サイクルを使用するLaunder-Ometer(SDL Atlas、モデルM228AA)で、比較実施例C1~C7及び実施例1~8の液体洗濯洗剤配合物の一次洗浄性能を評価した。洗浄した布地を、Eberbach E6000レシプロ式シェーカで100ppm(2/1のCa2+/Mg2+)に硬度を調整した周囲温度の水300mLにおいて、260osc/分で5分間すすいだ。試験で使用したシミの付いた布地及び汚れたバラストは、PCS-S-132高識別皮脂BEY顔料、及び収縮前の綿インターロック布地に縫い付けたTestfabricsからのPCS-S-94皮脂/埃ASTMシミであった。綿インターロックのサイズは、5×5cmであった。シミの付いた見本は、2.5×3cmであった。1つの5×5cmの切片のSBL-CFT汚れバラストを各キャニスタに添加して、洗浄溶液に対するベースラインの汚れを提供した。研究に使用した水の硬度は、CaCO(2:1のCa2+:Mg2+モル比)として100,000ppmに調整し、EDTA滴定によってチェックして確認した。洗浄液体中の総界面活性剤濃度は、200ppmであった。
【0040】
反射率測定及びシミ除去指数(Stain Removal Index、SRI)
ASTM方法D4265-14を使用して、一次洗浄性能試験で評価した液体洗濯洗剤配合物の各々の汚れ除去指数(soil removal index、SRI)を判定した。条件ごとに8つの見本(ポットごとに2つの見本、4つのポット)から取得した平均SRIを、表4に提供する。
【0041】
シミの付いた布地のL、a及びbの値を、Colour ConsultからのMach 5分光光度計を用いて洗浄の前及び後に測定した。未洗浄のシミのないポリコットン布地についてのL、a及びbの値を、以下のようにSRI計算において測定した:
【0042】
【数1】
式中、USは、未洗浄のシミ領域であり、UFは、未洗浄(シミのない)布地領域であり、WSは、洗浄したシミ領域であり、ΔE (US-UF)は、未洗浄のシミと未洗浄の布地との間のΔE色差であり、ΔE (WS-UF)は、洗浄したシミと未洗浄の布地との間のΔE色差である。ΔEの値は、次のように計算する
ΔE=(ΔL*2+Δa*2+Δb*21/2
表4に提供されるΔSRIの値は、比較実施例C1について測定したSRIに対する、示された実施例について測定したSRIの間の差を示す。正の値は、比較実施例C1に対する汚れ除去の増加を示す。
【0043】
【表4】
【0044】
比較実施例C8~C10及び実施例9:液体洗濯洗剤
後続の実施例の洗浄試験で使用される液体洗濯洗剤配合物を、表6に示されるような洗浄ブースタポリマーを有する表5に記載されるような一般的な配合を有するように調製し、標準的な液体洗濯配合物の調製手順によって調製した。
【0045】
【表5】
【0046】
【表6】
【0047】
再付着防止
比較実施例C8~C10及び実施例9の液体洗濯洗剤配合物の再付着防止性能を、毎分90サイクルで撹拌されたTerg-o-tometerモデル7243ESで、表7に示される条件により評価した。
【0048】
【表7】
【0049】
布地を5サイクル連続して洗濯し、HunderLab UltraScan VIS比色計を使用して、460nmで白色度指数を測定し、ASTM E313に従って布地の白色度を判定した。きれいな未洗浄の布地の白色度指数を陽性対照として使用した。液体洗濯配合物の各々についての陽性対照に対する白色度指数の変化を、表8に提供する。
【0050】
【表8】
【国際調査報告】