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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-08
(54)【発明の名称】調整可能発光デバイス
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/20 20200101AFI20230601BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20230601BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20230601BHJP
   F21K 9/00 20160101ALI20230601BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20230601BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230601BHJP
【FI】
H05B45/20
F21S2/00 100
F21V23/00 140
F21K9/00
H01L33/00 L
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022565661
(86)(22)【出願日】2021-04-22
(85)【翻訳文提出日】2022-10-26
(86)【国際出願番号】 EP2021060496
(87)【国際公開番号】W WO2021219479
(87)【国際公開日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】20171706.3
(32)【優先日】2020-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ボムメル ティース
(72)【発明者】
【氏名】ヒクメット リファット アタ ムスターファ
【テーマコード(参考)】
3K014
3K273
5F142
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K273PA10
3K273QA07
3K273TA05
3K273TA15
3K273UA22
3K273VA08
3K273VA10
5F142AA24
5F142BA02
5F142BA32
5F142CB14
5F142CB22
5F142CD01
5F142CG01
5F142DA02
5F142DA03
5F142DA12
5F142DA73
5F142DB54
5F142GA21
5F142HA05
(57)【要約】
全色温度(CTtot)を有する光を調整可能に放出するように構成された発光デバイスであって、第1の主表面、及び反対側の第2の主表面を有する支持体と、第1の主表面に配置され、第1の低色温度から第1の高色温度までの第1の範囲内で調整可能に調節可能な第1の色温度(CT)を有する光を放出するように構成された第1の光源と、第2の主表面に配置され、第2の高温度から第2の低温度までの第2の範囲内で調整可能に調節可能な第2の色温度(CT)を有する光を放出するように構成された第2の光源と、CTtotが不変のままであるように、第1の状態と第2の状態との間でCTを増加させ、CTを減少させることによる、事前選択方式に従って、CT及びCTを第1の状態から第2の状態に調整可能に調節するように、第1及び第2の光源を個別に制御するように構成されたコントローラと、を備える、発光デバイス。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
全色温度(CTtot)を有する光を調整可能に放出するように構成された発光デバイスであって、?
第1の主表面、及び前記第1の主表面とは反対側の第2の主表面を有する支持体と、
前記支持体の前記第1の主表面に配置され、第1の色温度(CT)及び第1の光束Fを有する第1の光を放出するように構成された第1の光源であって、前記第1の色温度が、第1の低色温度(CT low)から第1の高色温度(CT high)までの、区間範囲r1=|CT low-CT high|を有する第1の色温度範囲内で調整可能に調節可能である、第1の光源と、
前記支持体の前記第2の主表面に配置され、第2の色温度(CT)及び第2の光束Fを有する第2の光を放出するように構成された第2の光源であって、前記第2の色温度が、第2の高色温度(CT high)から第2の低色温度(CT low)までの、区間範囲r2=|CT low-CT high|を有する第2の色温度範囲内で調整可能に調節可能である、第2の光源と、
第1の状態のCT lowから第2の状態のCT highに前記第1の色温度を増加させることによる、かつ前記第1の状態のCT highから前記第2の状態のCT lowに前記第2の色温度を減少させることによる、
事前選択方式に従って、前記第1の色温度及び前記第2の色温度を前記第1の状態から前記第2の状態に調整可能に調節するように、前記第1の光源及び前記第2の光源を個別に制御するように構成されたコントローラと、を備え、
前記コントローラが、前記発光デバイスの前記全色温度が前記第1の状態及び前記第2の状態において一定値で不変のままであるように、
前記第1の光束F及び前記第2の光束Fを、r1<r2である場合にFの変化がFの変化よりも大きくなるように、又はその逆になるように、制御するように更に構成されており、好ましくは、前記第1の色温度と前記第2の色温度が300K未満だけ異なる、
発光デバイス。
【請求項2】
前記第1の光源の前記光束と前記第2の光源の前記光束が、前記第1の状態及び前記第2の状態において等しい、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項3】
前記第1の光源の前記光束及び前記第2の光源の前記光束が、前記第1の状態から前記第2の状態への遷移中に一定のままである、請求項2に記載の発光デバイス。
【請求項4】
前記第1の色温度と前記第2の色温度が、前記第1の状態又は前記第2の状態において等しい、請求項3に記載の発光デバイス。
【請求項5】
前記第1の状態の前記第1の色温度が前記第2の状態の前記第2の色温度に等しく、前記第1の状態の前記第2の色温度が前記第2の状態の前記第1の色温度に等しい、請求項3に記載の発光デバイス。
【請求項6】
前記第1の光源の前記光束と前記第2の光源の前記光束が、前記第1の状態と前記第2の状態とでは異なる、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項7】
前記第1の光源の前記光束及び前記第2の光源の前記光束が、前記第1の状態から前記第2の状態への遷移中に一定のままである、請求項6に記載の発光デバイス。
【請求項8】
前記第1の状態から前記第2の状態までの前記第1の光源の光束の差が、前記第1の状態から前記第2の状態までの前記第2の光源の光束の差とは異なる、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項9】
前記第1の色温度の変化が、前記第2の色温度の変化とは異なる(|CT low-CT high|≠|CT low-CT high|)、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の発光デバイス。
【請求項10】
前記発光デバイスが、
第1の主表面、及び前記第1の主表面とは反対側の第2の主表面を有する細長い支持体を備える、少なくとも1つの発光ダイオード(LED)フィラメントを備え、
前記第1の光源が、前記細長い支持体の前記第1の主表面に取り付けられ、前記第1の色温度(CT)を有する前記第1の光を放出するように構成された、第1の複数のLEDであり、
前記第2の光源が、前記細長い支持体の前記第2の主表面に取り付けられ、前記第2の色温度(CT)を有する前記第2の光を放出するように構成された、第2の複数のLEDである、
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の発光デバイス。
【請求項11】
前記第1の複数のLEDがLEDの2つ以上のサブセットを備え、各サブセットが、異なるカラーポイントを放出し、前記コントローラによって個別に制御可能であり、前記第2の複数のLEDがLEDの2つ以上のサブセットを備え、各サブセットが、異なるカラーポイントを放出し、前記コントローラによって個別に制御可能である、請求項10に記載の発光デバイス。
【請求項12】
前記第1の複数のLED又は前記第2の複数のLEDの前記2つ以上のLEDサブセットが、第1の色温度を有する白色光を放出するように構成されたLEDの第1のサブセットと、第2の色温度を有する白色光を放出するように構成されたLEDの第2のサブセットとを備え、前記第1の色温度が前記第2の色温度よりも高い、請求項11に記載の発光デバイス。
【請求項13】
前記第1の複数のLED又は前記第2の複数のLEDの前記2つ以上のLEDサブセットが、赤色LEDを備える赤色サブセット、緑色LEDを備える緑色サブセット、及び青色LEDを備える青色サブセットを備える、請求項11又は12に記載の発光デバイス。
【請求項14】
ランプであって、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の発光デバイスと、前記発光デバイスを少なくとも部分的に覆う透過エンベロープと、前記ランプをソケットに電気的かつ機械的に接続するためのコネクタと、を備える、ランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、色温度の調整可能性を有する発光デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)などの制御可能な光源を備えたランプ、照明器具又は照明デバイスは、コントローラ又は制御ユニットと通信可能に接続され得る。これは、多色フィラメントランプなどの異なる色の光を放出可能なランプにとって、ランプによって放出される光の色を調節することを容易又は可能にするために、特に望ましい場合がある。代替的又は追加的に、照明デバイスの光源の調光、又は光源の作動/停止が、照明デバイスに制御シグナリングを送信する制御ユニット又はコントローラによって制御されてもよい。
【0003】
ランプ、照明器具又は照明デバイスをコントローラと接続することにより、新たな機能が促進され又は有効にされ得る。上述の例は、例えば、光源の色又は強度がユーザによって望むように調節され得る装飾ランプ又は照明の分野において有益であり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
米国特許出願公開第2019/041013号明細書は、地面及び天井面を有する構造内で動作する、個別に制御される2つ以上の光源を含む照明デバイスを開示している。第1の光源が、照明デバイスによって遮られずに、照明デバイスの真上の天井部分に向けて上方に所定の相関色温度を有する光を放出する。第2の光源が、床面に向けて下方に所定の相関色温度を有する光を放出する。コントローラが、時間スケジュールに従って、光源の色温度及び強度を個別に調節する。
【0005】
装飾ライトにおける光源の制御性を使用する多くの創造的な方法に加えて、「上下照明」機能が望まれる照明器具又は光エンジンの分野では、1つの新たな機能があり得る。本発明の目的は、発光デバイスであって、その光源の色温度及び光束を制御可能かつ調節可能な発光デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、この目的及び他の目的は、全色温度(CTtot)を有する光を調整可能に放出するように構成された発光デバイスであって、第1の主表面、及び第1の主表面とは反対側の第2の主表面を有する支持体と、支持体の第1の主表面に配置され、第1の色温度(CT)を有する第1の光を放出するように構成された第1の光源であって、第1の色温度が、第1の低色温度(CT low)から第1の高色温度(CT high)までの第1の色温度範囲内で調整可能に調節可能である、第1の光源と、支持体の第2の主表面に配置され、第2の色温度(CT)を有する第2の光を放出するように構成された第2の光源であって、第2の色温度が、第2の高色温度(CT2high)から第2の低温度(CT low)までの第2の色温度範囲内で調整可能に調節可能である、第2の光源と、発光デバイスの全色温度が第1の状態及び第2の状態において一定値で不変のままであるように、第1の状態のCT lowから第2の状態のCT highに第1の色温度を増加させることによる、かつ第1の状態のCT highから第2の状態のCT lowに第2の色温度を減少させることによる、事前選択方式に従って、第1の色温度及び第2の色温度を第1の状態から第2の状態に調整可能に調節するように、第1の光源及び第2の光源を個別に制御するように構成されたコントローラと、を備える発光デバイスによって達成される。
【0007】
全色温度の下で、照明デバイスの全体的な色温度が理解されるべきである。これは、これらの光源の光束を考慮した、第1及び第2の光源の色温度の平均である。
【0008】
本発明の文脈では、等しい色温度は、第1の色温度と第2の色温度との差が300K未満、より好ましくは250K未満、最も好ましくは200K未満であることとして定義され得ることに留意されたい。
【0009】
全色温度が一定値で不変のままであることの利点は、装飾効果であり得る。より具体的には、発光デバイスを直接見るときに、ユーザは、2つの光源の異なる色温度を区別してもよい、例えば、第1の光源はより冷たい白色光を放出してもよく、第2の光源はより暖かい白色光を放出してもよい。同時に、より大きなスケールでは、発光デバイスが配置されている周囲の全照明を見ると、色温度は同じままである。
【0010】
第1の主要な実施形態によれば、第1の光源の光束と第2の光源の光束は等しい。
【0011】
第1及び第2の光源の等しい光束では、全色温度は、単純化のために、任意の所与の状態での第1及び第2の色温度の平均として定義され得ることに留意されたい。本発明の文脈では、等しい光束は、第1の光源と第2の光源との間の光束の差が、好ましくは50lm未満、より好ましくは45lm未満、最も好ましくは40lm未満であることとして定義され得る。
【0012】
等しい光束を有する結果としては、第2の状態の全色温度を第1の状態の全色温度に維持するために、第1の色温度の色温度変化と第2の色温度の色温度変化が、第1の状態におけるそれらの始点(CT low及びCT high)又は第2の状態におけるそれらの終点(CT high及びCT low)に関係なく、等しくなければならない。これらの実施形態は、発光デバイスの対称的なデコ効果(deco effect)につながり得る。
【0013】
この第1の実施形態の2つの特別な場合では、第1の色温度と第2の色温度は、第1の状態又は第2の状態において等しく、全色温度に等しい。このため、言い換えれば、第1の色温度と第2の色温度は、等しく始まった後に発散するか、又は異なって始まった後に収束する一方、全色温度は維持される。
【0014】
第1の主要な実施形態のまた別の特別な場合では、第1の色温度はAからBに増加する一方、第2の色温度はBからAに減少する。言い換えれば:CT low=CT low及びCT high=CT high
【0015】
第1の光源と第2の光源の等しい光束は、所望の視覚的効果に応じて、第1の状態と第2の状態との間の遷移中に一定に留まってもよく、又は遷移中にわずかに変わってもよい。
【0016】
第2の主要な実施形態によれば、第1の光源の光束と第2の光源の光束は、第1の状態及び第2の状態において異なる。第1の光源と第2の光源の異なる光束は、所望の視覚的効果に応じて、第1の状態と第2の状態との間の遷移中に一定に留まってもよく、又は遷移中にわずかに変わってもよい。
【0017】
この実施形態の結果としては、第1の状態において、全色温度がより高い光束を有する光源により近づく。第2の状態において同じ全色温度を維持するためには、より低い光束を有する光源の色温度はより大きく変化される必要があり、すなわち、その光源の色温度の区間範囲は、他の光源の色温度の区間範囲よりも大きくなければならない。
【0018】
第3の主要な実施形態によれば、コントローラは、第1の光源の第1の光束(F)及び第2の光源の第2の光束(F)を個別に制御するように追加的に構成されている。
【0019】
より詳細に、第1の光源は、CT lowで第1の光束(F )を有し、CT highで第2の光束(F )を有してもよく、第2の光源は、CT highで第1の光束(F )を有し、CT lowで第2の光束(F )を有してもよい。
【0020】
第1及び第2の光源の色温度及び光束の両方を制御する可能性を有することにより、コントローラは、視覚的効果を提供しながら、発光デバイスの全色温度を不変に保つ技術的効果に到達する、様々な事前選択制御テーマを有し得る。
【0021】
例として、第1の状態において第1の色温度と第2の色温度が等しい(CT low=CT high)場合、第1の光源の色温度と第2の光源の色温度は、第1及び/又は第2の光源の光束がしかるべく改変される限り、異なる量だけ変化してもよい。
【0022】
例えば、第2の光源の色温度が減少されるよりも、第1の光源の色温度が大きく増加される(|CT low-CT high|>|CT low-CT high|)場合、第1の光源から放出される光の勝った冷たさを補償するために、第2の光源の光束が増加され(F <F )、及び/又は第1の光源の光束が減少される(F >F )必要がある。その逆も真である:(|CT1low-CT high|<|CT low-CT high|)であれば、(F <F )及び/又は(F >F )。
【0023】
第1及び第2の光源の光束の増加又は減少が等しくてもよく、又は追加的に、第1の光束と第2の光束が第1の状態又は第2の状態において等しくてもよいこと(F =F 又はF =F )に注目すべきである。
【0024】
代替的に、第1の状態から第2の状態までの第1の光源の光束の差は、第1の状態から第2の状態までの第2の光源の光束の差に等しくない|F -F |≠|F -F |:第1及び第2の光源の光束の増加又は減少は、発光デバイスの全色温度を不変に保つ所望の効果に到達するために必ずしも等しくなくてもよい。
【0025】
一実施形態によれば、発光デバイスは、第1の主表面、及び第1の主表面とは反対側の第2の主表面を有する細長い支持体を備える、少なくとも1つの発光ダイオード(LED)フィラメントを備え、第1の光源は、細長い支持体の第1の主表面に取り付けられ、第1の色温度(CT)を有する第1の光を放出するように構成された、第1の複数のLEDであり、第2の光源は、細長い支持体の第2の主表面に取り付けられ、第2の色温度(CT)を有する第2の光を放出するように構成された、第2の複数のLEDである。
【0026】
この実施形態は、発光デバイスによって周囲に放出される光の全色温度を不変に維持しながら、異なる色温度又は色を有する光を2つの面が放出し得る、第1の対称状態から第2の状態に調整可能である、例えばフィラメントランプのような発光デバイスの利点を伴い得る。
【0027】
LEDフィラメントの一実施形態によれば、第1の複数のLEDはLEDの2つ以上のサブセットを備え、各サブセットは、異なるカラーポイントを放出し、コントローラによって個別に制御可能であり、第2の複数のLEDはLEDの2つ以上のサブセットを備え、各サブセットは、異なるカラーポイントを放出し、コントローラによって個別に制御可能である。
【0028】
この実施形態によれば、第1の光源の特定の白色温度(CT)を達成するために、異なるカラーポイントを有するLEDの2つ以上のサブセットの強度及び/又は活性が、互いに対して制御されてもよい。同様のものは、第2の光源から放出される光の特定の色温度(CT)を達成するために準用し得る。
【0029】
一実施形態によれば、第1の複数のLED又は第2の複数のLEDの2つ以上のLEDサブセットは、冷たい白色光を放出するように構成されたLEDの第1のサブセットと、暖かい白色光を放出するように構成されたLEDの第2のサブセットとを備えることがあってもよい。この場合、暖かい白色光を有するサブセット及び冷たい白色光を有するサブセットの強度及び/又は活性は、第1又は第2の光源の所望の色温度を得るために互いに対して制御されてもよい。
【0030】
追加的又は代替的に、LEDフィラメントのいずれかの面について、第1又は第2の光源のLEDサブセットは、その特定の光源からの特定の全カラーポイントを達成するように制御されてもよい。
【0031】
LEDフィラメントの一実施形態では、第1の複数のLED又は第2の複数のLEDの2つ以上のLEDサブセットは、赤色LEDを備える赤色サブセット、緑色LEDを備える緑色サブセット、及び青色LEDを備える青色サブセットを備える。結果として、サブセットはそれぞれ、赤色、緑色及び青色の光を放出し得る。
【0032】
第2の態様によれば、発光デバイスと、発光デバイスを少なくとも部分的に覆う透過エンベロープと、ランプをソケットに電気的かつ機械的に接続するためのコネクタと、を備えるランプ。
【0033】
コネクタは、E26やE27などのねじ山付きエジソンコネクタなどの電気コネクタであってもよいが、これに限定されない。
【0034】
本発明は、請求項に列挙されている特徴の、全ての可能な組み合わせに関するものである点に留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
ここで、本発明の現時点で好ましい実施形態が示されている添付図面を参照して、本発明が、以降でより完全に説明される。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、完全性及び網羅性のために提供され、当業者に本発明の範囲を完全に伝達するものである。
図1】本発明の第1の態様による発光デバイスを示す。
図2】事前選択制御方式の一実施形態を示す。
図3】事前選択制御方式の一実施形態を示す。
図4】事前選択制御方式の一実施形態を示す。
図5】事前選択制御方式の一実施形態を示す。
図6】発光デバイスの一実施形態を示す。
図7】第1の状態における発光デバイスの光温度/スペクトルを色度図に示す。
図8】第2の状態における発光デバイスの光温度/スペクトルを色度図に示す。
図9】第2の状態における発光デバイスの光温度/スペクトルを色度図に示す。 図に示されるように、層及び領域のサイズは、例示の目的のために誇張されており、それゆえ、本発明の実施形態の一般的な構造を例示するように提示されている。同様の参照符号は、全体を通して、同様の要素を指す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1は、本発明の第1の態様による発光デバイス1を概略的に示す。第1の光源10は、支持体40の第1の主表面42に配置されており、第2の発光デバイス20は、支持体40の第1の主表面42とは反対側の第2の主表面44に配置されている。第1の発光デバイスは、第1の低色温度CT lowと第1の高色温度CT highとの間で調整可能である第1の色温度CTを有する第1の光Lを実質的に第1の方向Dに放出するように構成されており、第2の発光デバイス20は、第2の高色温度CT highと第2の低色温度CT lowとの間で調整可能である第2の色温度CTを有する第2の光Lを第1の方向kとは反対側の実質的に第2の方向Dに放出するように構成されている。発光デバイス1は、CTtotの全色温度を放出する。第1の光源10及び第2の光源20は、電気接続線30を通じてコントローラ50に接続されている。
【0037】
図2のグラフには、コントローラ50の事前選択方式の一実施形態が示されている。x軸は時間tを示しており、第1の状態t及び第2の状態tが記されており、y軸は色温度(CT)を表している。図2及び図3の実施形態では、第1の光源10の光束Fと第2の光源20の光束Fが、互いに等しく、第1の状態tから第2の状態tへと変わらぬままであることが想定されている点に留意されたい。コントローラ50は、発光デバイスの全色温度が第1及び第2の状態において一定値で不変のままであるように、第1の色温度を第1の状態tのCT lowから第2の状態tのCT highに増加する(L)ことによる、かつ第2の色温度を第1の状態tのCT highから第2の状態tのCT lowに減少する(L)ことによる、事前選択方式に従って、第1及び第2の色温度を第1の状態tから第2の状態tに調整可能に調節するように、第1の光源10及び第2の光源20を個別に制御する。観察されるように、第1の色温度と第2の色温度は等しく、それゆえに、第1の状態tの全色温度に等しい(CT low=CT high=CTtot)。第2の状態tの全色温度をCTtotに維持するために、第1の色温度の区間範囲r1は、第2の色温度の区間範囲r2に等しい必要がある。言い換えれば:r1=|CT low-CT high|=|CT low-CT high|=r2。
【0038】
図3に示されるグラフには、第1の状態tにおける第1の色温度CT lowと第2の色温度CT highが等しくない事前選択制御方式の一実施形態が示されている。コントローラ50が発光デバイス1の全色温度を第2の状態t2においてCTtotに維持することを可能にするために、第2の状態t2の第1の色温度が第1の状態の第2の色温度に等しくなり(CT high=CT high)、かつ第2の状態t2の第2の色温度が第1の状態t1の第1の色温度に等しくなる(CT low=CT low)ように、第1の色温度の減少L1及び第2の色温度の増加L2が行われる必要がある。結果として、第1の色温度の区間範囲と第2の色温度の区間範囲は等しいr1=r2。
【0039】
事前選択制御方式の以下の実施形態(図4及び図5)では、第1の状態t1における第1の光源10の光束及び第2の光源20の光束(それぞれF 及びF )は、第2の状態t2におけるそれらの光束に等しくない(それぞれF 及びF2):F ≠F 及びF ≠F 。左側のy軸が色温度CTを表し続ける一方、右側のy軸が光束Fを示していることも注目すべきである。
【0040】
図4の実施形態では、第1の状態tにおける第1の色温度と第2の色温度は等しく、発光デバイス1の全色温度に等しい:CT low=CT high=CTtot。第1の光源10の光束と第2の光源20の光束は、第1の状態tにおいて等しい:F =F 。コントローラ50は、2つの色温度の区間範囲が等しくなく、第1の区間範囲が第2の区間範囲よりも大きいように、r1の区間範囲を有するL1に沿って第1の色温度を調整し、r2の区間範囲を有するL2に沿って第2の色温度を調整する:r1=|CT low-CT high|>|CT low-CT high|=r2。
【0041】
第1の光源10と第2の光源20の調整可能区間範囲が等しくない事前選択制御方式のそのような実施形態では、発光デバイス1の全色温度を第2の状態t2においてCTtotに維持するために、第1の光源10及び第2の光源20の光束は、対応する反対方向において変化される必要がある。図4の実施形態では、これは、第1の光源10の光束の低減及び第2の光源20の光束の増加ということになる。第1の光源10及び第2の光源20の光束の変化は、それぞれ破線L1'及びL2'で示されている。このグラフから、F1>F1及びF2<F2が観察される。より簡略して言えば、色温度の変化がより激しい光源(この実施形態では第1の光源10)は、第1の状態t1から第2の状態t2へのその光束の減少も有する。色温度の変化がより激しくないもう一方の光源(この実施形態では第2の光源20)は、第2の状態t2において第1の状態t1と同じようにその光束を維持することができる(F2=F2)、又は図4の実施形態の場合のように、その光束の増加を有してもよい。
【0042】
図5の実施形態では、第1の色温度と第2の色温度は、第1の状態t1において等しくない(CT low≠CT high)。追加的に、第1の状態t1における第1の光源10の光束と第2の光源20の光束は、等しくない:F ≠F2。発光デバイス1の全色温度CTtotが、異なる色温度のそれぞれから生じる光束の強度に対応する値であることに留意されたい。コントローラが第2の状態t2において同じ全色温度CTtotを維持するためには、第1の光源10及び第2の光源20の光束は、第1及び第2の色温度の変化に従って調節される必要がある。
【0043】
図6は、発光デバイス1のLEDフィラメント100の実施形態を示す。本発明の文脈では、発光デバイス1のLEDフィラメント100は、以下のように説明することができる。第1の複数のLED110が、細長い支持体120の第1の主表面122に配置されている。本明細書では、「支持体」及び「基板」という用語は、交換可能に使用される場合があり、他の記載がない限り、同じ意味を示すことに留意されたい。LED110は、細長い支持体120の第1の主表面122を少なくとも部分的に覆う封止材152によって覆われてもいる。これらのLED110は、それらの封止材152とともに発光デバイス1の第1の光源130に対応する。細長い支持体120の第1の主表面122とは反対側の第2の主表面124には、第2の複数のLED110が配置され、封止材154によって覆われている。これらのLED110は、それらの封止材154とともに発光デバイス1の第2の光源140に対応する。第1の光源130及び第2の光源140は、電気コネクタ30を通じてコントローラ50に接続されている。コントローラは、第1の光源130の第1の色温度を第1の状態t1の第1の低色温度から第2の状態t2の第1の高色温度に、第2の光源140の第2の色温度を第1の状態t1の第2の高色温度から第2の状態t2の第2の低色温度に、個別に調整する。
【0044】
好ましくは、LEDフィラメント100は、長さG及び幅Wを有し、G>5Wである。LEDフィラメント100は、図6と同様の直線構成で、又は、例えば、湾曲構成、2D/3D渦巻や螺旋などの、非直線構成で配置されてもよい。
【0045】
LED110が配置されている直線配列は、細長い支持体120の長手方向であってもよい。直線配列は、好ましくはN×M個のLED110のマトリックスであり、ここで、N=1(又は2)であり、Mは、少なくとも10、より好ましくは少なくとも15、最も好ましくは少なくとも20、例えば、少なくとも30個や36個のLED110である。
【0046】
支持体120は、剛性(例えば、ポリマー、ガラス、石英、金属若しくはサファイアから作製されているもの)、又は可撓性(例えば、ポリマーの、例えばフィルム若しくは箔で作製されているもの)であってもよい。
【0047】
剛性材料の支持体がLEDフィラメント100のより良好な冷却をもたらす場合があり、これは、LED110によって発生した熱が剛性基板120によって分散され得ることを意味する。
【0048】
可撓性材料の支持体120が、可撓性に起因して、LEDフィラメント100の美観を設計するための形状自由度を提供し得る。
【0049】
薄い可撓性材料の熱管理は、剛性材料と比較すると、典型的には劣る場合があることに留意すべきである。しかしながら、これに対して、基板120として剛性材料を有することは、LEDフィラメント100の形状設計を制限し得る。
【0050】
支持体120は光反射性であってもよい。この実施形態では、LED110によって放出された光は、LED110が配置されている基板120の表面122、124から反射され、よって、光がフィラメント基板120を伝播することが妨げられる。
【0051】
更に、LED110は、例えば種々の色又はスペクトルの、LED光を放出するように構成されてもよい。封止材152、154は、LED光を変換された白色光に少なくとも部分的に変換するように構成されたルミネッセント材料を含んでもよい。ルミネッセント材料は、無機蛍光体、青色及び/若しくは緑色-黄色及び/若しくは橙色-赤色蛍光体、並びに/又は量子ドット若しくは量子ロッドなどの、蛍光体であってもよい。
【0052】
追加的又は代替的に、封止材152、154は、光散乱材料を含んでもよい。
【0053】
LEDフィラメント100のLED110はそれぞれ、白色光を放出してもよい。LEDは、冷たい白色光又は暖かい白色光を放出してもよい。LEDは、封止材152、154が蛍光体粒子などのルミネッセント材料を含むような、封止材152、154によって覆われている青色LED又はUV LEDであってもよい。ルミネッセント材料は、LED110からの光の波長変換をもたらすことになり、この区画から放出される光は、青色/UV光と波長変換された光との混合から成る、白色光となる。白色光は、黒体ライン上の色温度を有してもよい。
【0054】
追加的又は代替的に、LEDフィラメント100は、封止材152、154がルミネッセント材料を含むように、封止材152、154によって覆われた赤色(R)及び青色(B)LEDを備えてもよい。
【0055】
代替的又は同時的に、LEDフィラメント100は、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)LED110のグループを含んでもよく、RGB LED110のそれぞれから放出された光が、組み合わされて、冷たい色温度又は暖かい色温度を有する白色光が作り出される。各グループの赤色、緑色及び青色LED110は、グループとして配置されてもよく、又はLEDフィラメント100の長手方向に順繰りに配置されてもよい。
【0056】
白色光は、調節可能な色温度を有する。これは、少なくとも2つの異なるタイプのLED110、例えば赤色及び青色LEDを含むことによって実現されてもよい。各タイプのLED110の相対強度を制御することにより、放出光の色温度を制御することができる。
【0057】
追加的又は代替的に、LEDフィラメント100によって放出される光は、スペクトルの任意の色に調整可能であってもよい。これは、RGB LED110のそれぞれの活性及び/又は強度を個別に制御することによって達成されてもよい。
【0058】
発光デバイス1の第1の光源10、130及び第2の光源20、140の全色温度並びに/又は光束のみを変更することに加えて、第1の状態t1から第2の状態t2への全色温度を一定に維持するための別の方法は、光源からの放出光の色を変更することである。
【0059】
この実施形態の代替例によれば、第1の状態t1及び/又は第2の状態t2において第1の光源10、130及び第2の光源20、140によって放出される光は、異なる温度の白色光でなくてもよく、白色以外の色、例えば、赤色又は緑色を有する光であってもよいが、これに限定されない。その場合、第1の光源10、130及び第2の光源20、140の非白色光の放出の合計が、黒体軌跡上にあってもよい。これは、光源のそれぞれから放出される光が異なる色であっても、発光デバイスから放出される全体光が、第1の状態t1における発光デバイス1の色温度によって定義される特定の色温度を有する白色を有し得ることを伴ってもよい。
【0060】
図7図9は、黒体軌跡が実線で示されている一方、スペクトル軌跡が破線で示されている、色度図を示す。発光デバイス1の全色温度CTtotは、発光デバイス1から放出される全白色光がどのくらい暖かいか又は冷たいかに応じて黒体軌跡上にあり、点Xで示されている。
【0061】
図7は、第1の状態t1における一実施形態による発光デバイス1の光温度/スペクトルを示している。この特定の実施形態によれば、全色温度は約3500K付近である。このプロットによれば、第1及び第2の色温度も、第1の状態において点X上にあることが理解され得る。
【0062】
図8は、発光デバイス1の第2の状態t2の温度/スペクトルを示している。第1の色温度は、黒体軌跡に沿って点Xから点Zに増加され、点zが黒体軌跡上に留まることが観察可能である。これは、第1の光源10、130から放出される光が白色のままであり、第2の状態t2においてはただより冷たい温度であることを意味する。同様に、第2の色温度は、黒体軌跡に沿って点Xから点Yに減少され、点yも黒体軌跡上に留まる。これは、第2の光源20、140から放出される光が白色のままであり、第2の状態t2においてはただより暖かい温度であることを意味する。全色温度はXで記され、観察可能であるように、図7と同じ点(第1の状態t1)のままである。
【0063】
図9は、第2の状態t2における、コントローラ50の事前選択制御方式の別の実施形態による発光デバイス1の光温度/スペクトルを示している。この実施形態では、第1の光源10、130の光は、黒体軌跡から離れて、スペクトル中の緑色に近い色に向けて調整される。第1の発光デバイス10、130のスペクトルは点mとして示されている。同様に、第2の光源20、140のスペクトルは、黒体軌跡から離れて、赤色に近い色に向けて調整される。これは、点nで記されている。発光デバイス1の全色温度を第2の状態t2においてCTtot(点X)に維持するために、第1の光源10、130及び第2の光源20、140の色調整が、スペクトル軌跡内で反対方向に行われる必要があることに留意されたい。
【0064】
当業者は、本発明が、上述の好ましい実施形態に決して限定されるものではない点を、理解するものである。むしろ、多くの修正形態及び変形形態が、添付の請求項の範囲内で可能である。例えば、事前選択方式が、本説明の実施形態の全てに示されるような線形経路に沿ってではなく、一定の振幅又は代替的に可変の振幅を有する正弦波関数に沿って、第1及び第2の光束が増加又は減少されるようなものである一実施形態。
【0065】
更に、図面、本開示、及び添付の請求項を検討することにより、開示される実施形態に対する変形形態が、当業者によって理解され、特許請求される発明を実施する際に遂行され得る。請求項では、単語「備える(comprising)」は、他の要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数を排除するものではない。特定の手段が、互いに異なる従属請求項内に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが、有利には使用され得ないことを示すものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】