(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-08
(54)【発明の名称】マイクロフォン構成部品及び製造方法
(51)【国際特許分類】
H04R 23/00 20060101AFI20230601BHJP
H04R 31/00 20060101ALI20230601BHJP
【FI】
H04R23/00 320
H04R31/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022565689
(86)(22)【出願日】2021-04-27
(85)【翻訳文提出日】2022-10-26
(86)【国際出願番号】 GB2021051019
(87)【国際公開番号】W WO2021219994
(87)【国際公開日】2021-11-04
(32)【優先日】2020-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521437781
【氏名又は名称】センシベル アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コルベルグ, シグビョルン
(72)【発明者】
【氏名】ラコール, マチュー
(72)【発明者】
【氏名】ミューレ, オラ フィネン
(72)【発明者】
【氏名】サグベルク, ホーコン
(72)【発明者】
【氏名】ベナーロド, ヤコブ
【テーマコード(参考)】
5D021
【Fターム(参考)】
5D021DD04
(57)【要約】
マイクロフォン組立体に設置するための光マイクロフォンモジュール(2)が記載されている。モジュール(2)は、半導体チップ(4)、スペーサ(6)及び干渉構成部品(8)を、スペーサ(6)が半導体チップ(4)と干渉構成部品(8)との間に配設されている状態でスタックに組み立てることによって製造されている。干渉構成部品(8)は、メンブレン(12)と、メンブレン(12)から離間した光学素子(14)を備える基板(10)とを備える。半導体チップ(4)は、少なくとも1つの光検出器(18)を含む光電子回路(20)を備え、上部に装着されるか、又は内部に集積された光源(16)を有する。光源(16)は、光を干渉配置(8)に提供するように配設されているため、2つの光部分(26、28)は、夫々の光路を介して伝搬し、メンブレン(12)の位置に依存する干渉パターンを光検出器(18)にて生み出す。スタックは、内部空洞(30)と、内部空洞(20)とスタックの外部(34)との間に空気の通路を提供する少なくとも1つの開口部(40)とを備え、それにより、内部空洞(30)は、スタックの外部(34)と流体連通している。メンブレン(12)の第1の側部は、スタックの外部(34)と流体連通しており、メンブレン(12)の第2の側部は、内部空洞(30)と流体連通している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光マイクロフォン組立体を形成するためにハウジングに設置するための光マイクロフォンモジュールを製造する方法であって、前記光マイクロフォンモジュールが、
基板、メンブレン、及び前記メンブレンから離間した少なくとも1つの光学素子を含む干渉構成部品であって、前記少なくとも1つの光学素子が、前記基板の表面を備える、及び/又は前記基板の表面上に配設されている、干渉構成部品と、
少なくとも1つの光検出器を含む光電子回路を備える半導体チップと、
前記半導体チップ上に装着されているか、又は前記半導体チップ内で前記光電子回路及び前記少なくとも1つの光検出器と集積されている光源と、
スペーサと、を備え、
前記方法が、
前記半導体チップ、前記スペーサ、及び前記干渉構成部品を、前記スペーサが前記半導体チップと前記干渉構成部品との間に配設されている状態でスタックに組み立てること、を含み、
前記光源及び前記少なくとも1つの光検出器が、前記半導体チップ上にそれぞれの位置を有し、それにより、前記半導体チップ、前記スペーサ及び前記干渉構成部品が前記スタック内に組み立てられた後に、前記光源が光を前記干渉配置に提供するように配設されるために、前記光の第1の部分が前記干渉配置を介して第1の光路に沿って伝搬し、前記光の第2の部分が前記干渉配置を介して第2の異なる光路に沿って伝搬し、それによって、前記メンブレンと前記光学素子との間の距離に依存する光路差を前記第1の光路と第2の光路との間に生じさせ、前記少なくとも1つの光検出器が前記光路差に依存する前記光の第1の部分及び前記光の第2の部分によって生成される干渉パターンの少なくとも一部を検出するように配設されており、
前記スタックが、内部空洞と、前記内部空洞と前記スタックの外部との間に空気の通路を提供する少なくとも1つの開口部とを備え、それにより、前記内部空洞が前記スタックの外部と流体連通しており、
前記メンブレンの第1の側部が、前記スタックの前記外部と流体連通し、前記メンブレンの第2の側部が、前記内部空洞と流体連通している、方法。
【請求項2】
前記干渉構成部品及び前記スペーサのうちの少なくとも一方が、前記スタック内の前記内部空洞を画定する形状を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スペーサ及び前記干渉構成部品のうちの少なくとも一方が、前記少なくとも1つの開口部を備える、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記半導体チップ、前記スペーサ、及び前記干渉構成部品を前記スタックに組み立てる前記工程が、前記光源、前記光検出器、前記光学素子、及び/又は前記メンブレンを位置合わせすることを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記干渉構成部品の前記基板が、1つ以上の基板開口部を備え、それにより、前記半導体チップ、前記スペーサ、及び前記干渉構成部品が前記スタック内に組み立てられた後に、前記メンブレンの前記第1の側部が前記スタックの前記外部に開放され、前記メンブレンの第2の側部が前記基板開口部を介して前記内部空洞と流体連通している、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記干渉構成部品の前記基板が、基板開口部を含み、それにより、前記半導体チップ、前記スペーサ、及び前記干渉構成部品が前記スタック内に組み立てられた後に、前記メンブレンの前記第1の側部が前記基板開口部を介して前記スタックの前記外部と流体連通し、前記メンブレンの前記第2の側部が前記内部空洞に対して開いている、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記光マイクロフォン組立体を形成するために、前記光マイクロフォンモジュールを前記ハウジングに設置することを更に含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ハウジングが、ハウジング基部を備え、前記方法が、前記光マイクロフォンモジュールを前記ハウジング基部に装着することを更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ハウジングが、エンクロージャを備え、前記方法が、音響空洞を形成するために前記エンクロージャを前記スタックの上に装着することを更に含む、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記エンクロージャ又はハウジング基部が、音響ポートを備え、前記方法が、前記エンクロージャ又は前記ハウジング基部を、前記音響ポートが前記メンブレンと位置合わせされている状態で前記スタックに封止することを更に含む、請求項7~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記半導体チップ、前記スペーサ、及び前記干渉構成部品が前記スタックに組み立てられた後に、前記光学素子と前記光検出器を備える前記半導体チップ上の表面との間の垂直間隔が200μmよりも大きい、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの光学素子が、回折光学素子を備える、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
1つ以上の光学構成部品が、前記スペーサ内又は前記スペーサ上に設けられている、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
光マイクロフォン組立体を形成するためにハウジングに設置するための光マイクロフォンモジュールを製造する方法であって、前記光マイクロフォンモジュールが、
基板、メンブレン、及び前記メンブレンから離間した少なくとも1つの光学素子を含む干渉構成部品であって、前記少なくとも1つの光学素子が、前記基板の表面を備える、及び/又は前記基板の表面上に配設されている、干渉構成部品と、
少なくとも1つの光検出器及び光源を備える半導体チップであって、前記少なくとも1つの光検出器及び前記光源が、前記半導体チップ上に装着されているか、又は前記半導体チップ内に集積されている、半導体チップと、
スペーサと、
前記スペーサ内又は前記スペーサ上に設けられた1つ以上の光学構成部品と、を備え、
前記方法が、
前記半導体チップ、前記スペーサ、及び前記干渉構成部品を、前記スペーサが前記半導体チップと前記干渉構成部品との間に配設されている状態でスタックに組み立てること、を含み、
前記光源及び前記少なくとも1つの光検出器が、前記半導体チップ上にそれぞれの位置を有し、それにより、前記半導体チップ、前記スペーサ及び前記干渉構成部品が前記スタック内に組み立てられた後に、前記光源が光を前記干渉配置に提供するように配設されるために、前記光の第1の部分が前記干渉配置を介して第1の光路に沿って伝搬し、前記光の第2の部分が前記干渉配置を介して第2の異なる光路に沿って伝搬し、それによって、前記メンブレンと前記光学素子との間の距離に依存する光路差を前記第1の光路と第2の光路との間に生じさせ、前記少なくとも1つの光検出器が前記光路差に依存する前記光の第1の部分及び前記光の第2の部分によって生成される干渉パターンの少なくとも一部を検出するように配設されており、
前記スタックが、内部空洞と、前記内部空洞と前記スタックの外部との間に空気の通路を提供する少なくとも1つの開口部とを備え、それにより、前記内部空洞が前記スタックの前記外部と流体連通しており、
前記メンブレンの第1の側部が、前記スタックの前記外部と流体連通し、前記メンブレンの第2の側部が、前記内部空洞と流体連通している、方法。
【請求項15】
前記スペーサが、前記半導体チップと前記干渉構成部品との間の領域に懸架された支持構造体を備え、前記光学構成部品が、前記支持構造体内又は前記支持構造体上に設けられている、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
光マイクロフォン組立体を形成するためにハウジング内に設置するための光マイクロフォンモジュールであって、前記光マイクロフォンモジュールが、
基板、メンブレン、及び前記メンブレンから離間した少なくとも1つの光学素子を含む干渉構成部品であって、前記少なくとも1つの光学素子が、前記基板の表面を備える、及び/又は前記基板の表面上に配設されている、干渉構成部品と、
少なくとも1つの光検出器を含む光電子回路を備える半導体チップと、
前記半導体チップ上に装着されているか、又は前記半導体チップ内で前記光電子回路及び前記少なくとも1つの光検出器と集積されている光源と、
スペーサと、を備え、
前記半導体チップ、前記スペーサ、及び前記干渉構成部品が、前記スペーサが前記半導体チップと前記干渉構成部品との間に配設されている状態でスタックに組み立てられており、
前記光源は、光を干渉配置に提供するように配置されているため、前記光の第1の部分は前記干渉配置を介して第1の光路に沿って伝搬し、前記光の第2の部分は前記干渉配置を介して第2の異なる光路に沿って伝搬し、それによって、前記メンブレンと前記光学素子との間の距離に依存する光路差を前記第1の光路と第2の光路との間に生じさせ、前記少なくとも1つの光検出器は、前記光路差に依存する前記光の第1の部分及び前記光の第2の部分によって生成される干渉パターンの少なくとも一部を検出するように配置されており、
前記スタックが、内部空洞と、前記内部空洞と前記スタックの外部との間に空気の通路を提供する少なくとも1つの開口部とを備え、それにより、前記内部空洞が前記スタックの前記外部と流体連通しており、
前記メンブレンの第1の側部が、前記スタックの前記外部と流体連通し、前記メンブレンの第2の側部が、前記内部空洞と流体連通している、光マイクロフォンモジュール。
【請求項17】
前記干渉構成部品及び前記スペーサのうちの少なくとも一方が、前記スタック内の前記内部空洞を画定する形状を有する、請求項16に記載の光マイクロフォンモジュール。
【請求項18】
前記スペーサ及び前記干渉構成部品のうちの少なくとも一方が、前記少なくとも1つの開口部を備える、請求項16又は17に記載の光マイクロフォンモジュール。
【請求項19】
前記メンブレンの前記第1の側部が、前記スタックの前記外部に対して開いており、前記干渉構成部品の前記基板が、1つ以上の基板開口部を備え、前記基板開口部を介して前記メンブレンの前記第2の側部が前記内部空洞と流体連通している、請求項16、17又は18のいずれか一項に記載の光マイクロフォンモジュール。
【請求項20】
前記干渉構成部品の前記基板が、基板開口部を備え、前記基板開口部を介して前記メンブレンの前記第1の側部が前記スタックの前記外部と流体連通し、前記メンブレンの前記第2の側部が、内部空洞に対して開いている、請求項16、17又は18のいずれか一項に記載の光マイクロフォンモジュール。
【請求項21】
前記光学素子と前記光検出器を備える前記半導体チップ上の表面との間の垂直間隔が、200μmよりも大きい、請求項16~20のいずれか一項に記載の光マイクロフォンモジュール。
【請求項22】
前記少なくとも1つの光学素子が、回折光学素子を備える、請求項16~21のいずれか一項に記載の光マイクロフォンモジュール。
【請求項23】
1つ以上の光学構成部品が、前記スペーサ内又は前記スペーサ上に設けられている、請求項16~22のいずれか一項に記載の光マイクロフォンモジュール。
【請求項24】
光マイクロフォン組立体を形成するためにハウジング内に設置するための光マイクロフォンモジュールであって、前記光マイクロフォンモジュールが、
基板、メンブレン、及び前記メンブレンから離間した少なくとも1つの光学素子を含む干渉構成部品であって、前記少なくとも1つの光学素子が、前記基板の表面を備える、及び/又は前記基板の表面上に配設されている、干渉構成部品と、
少なくとも1つの光検出器及び光源を備える半導体チップであって、前記少なくとも1つの光検出器及び前記光源が、前記半導体チップ上に装着されているか、又は前記半導体チップ内に集積されている、半導体チップと、
スペーサと、
前記スペーサ内又は前記スペーサ上に設けられた1つ以上の光学構成部品と、を備え、
前記半導体チップ、前記スペーサ、及び前記干渉構成部品が、前記スペーサが前記半導体チップと前記干渉構成部品との間に配設されている状態でスタックに組み立てられており、
前記光源は、光を干渉配置に提供するように配置されているため、前記光の第1の部分は前記干渉配置を介して第1の光路に沿って伝搬し、前記光の第2の部分は前記干渉配置を介して第2の異なる光路に沿って伝搬し、それによって、前記メンブレンと前記光学素子との間の距離に依存する光路差を前記第1の光路と第2の光路との間に生じさせ、前記少なくとも1つの光検出器は、前記光路差に依存する前記光の第1の部分及び前記光の第2の部分によって生成される干渉パターンの少なくとも一部を検出するように配置されており、
前記スタックが、内部空洞と、前記内部空洞と前記スタックの外部との間に空気の通路を提供する少なくとも1つの開口部とを備え、それにより、前記内部空洞が前記スタックの前記外部と流体連通しており、
前記メンブレンの第1の側部が、前記スタックの前記外部と流体連通し、前記メンブレンの第2の側部が、前記内部空洞と流体連通している、光マイクロフォンモジュール。
【請求項25】
前記スペーサが、前記半導体チップと前記干渉構成部品との間の領域に懸架された支持構造体を備え、前記光学構成部品が、前記支持構造体内又は前記支持構造体上に設けられている、請求項23又は24に記載の光マイクロフォンモジュール。
【請求項26】
請求項1~15のいずれか一項に記載の方法を用いて製造された光マイクロフォンモジュール。
【請求項27】
請求項16~26のいずれか一項に記載され、内部に又は上部に設置された光マイクロフォンモジュールを備える光マイクロフォン組立体又はホストデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、光マイクロフォンに関し、特に、光マイクロフォンの構成部品及びそのような構成部品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロフォンは、典型的には、周囲の音響振動に応答して振動する可動部材(例えば、メンブレン)の変位を測定することによって、音波を電気信号に変換するために使用される。このような可動部材の変位を測定するいくつかの方法があり、容量性読み出し(一般に、コンデンサマイクロフォンと呼ばれる)、及び静電又は電磁読み出し機構(例えば、ダイナミックマイクロフォン)が挙げられる。
【0003】
マイクロフォンメンブレンの位置を読み出す代替的な方法は、光干渉読み出しである。このようなシステムの典型的な例では、回折格子がメンブレンに隣接して設けられ、電磁放射が回折格子に向けられる。光の第1の部分は、格子から後方に反射される。第2の部分は、格子を透過し、格子は、放射を回折する。回折された放射は、メンブレンに衝突し、メンブレンは、それを回折格子上に反射する。放射は、格子を通過し、光の2つの部分が干渉して、検出器によって検出することができる干渉パターンを生み出す。干渉パターンは、格子の回折次数に一致する形状(すなわち、空間分布)を有するが、これらの回折次数に向けられた光強度は、光の2つの部分の相対位相に依存し、したがって、格子とメンブレンとの間の距離に依存する。メンブレンの位置(したがって、動き)は、これにより、検出器における光の強度の変化から判定することができる。
【0004】
このような光マイクロフォン配置では、メンブレンは、典型的には、ハウジング内に装着されて光マイクロフォン組立体を形成し、メンブレンは、メンブレンの一方の側部がマイクロフォン組立体の外部と流体連通し、メンブレンの他方の側部がマイクロフォン組立体内の密閉された音響空洞(一般に、バックボリュームと呼ばれる)と流体連通するように配置されている。入射音響波は、次いで、外部と流体連通しているメンブレンの側面にのみ力が及び、メンブレンを振動させる圧力差を生み出す。
【0005】
光マイクロフォンは、高い信号対雑音比(signal to noise ratio、SNR)及び高い感度を有する。ただし、上記で考察したような光学読み出し方法に関わる物理的プロセスの長さスケールに起因して、光マイクロフォンは、典型的には、製造において重大な課題を提示し得る小さな(例えば、マイクロメートルのスケールの)構成部品を備えている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、光マイクロフォン組立体を形成するためにハウジング内に設置するための光マイクロフォンモジュールを製造する方法を提供し、光マイクロフォンモジュールは、
基板、メンブレン、及びメンブレンから離間した少なくとも1つの光学素子を含む干渉構成部品であって、少なくとも1つの光学素子が、基板の表面を備える、及び/又は基板の表面上に配設されている、干渉構成部品と、
少なくとも1つの光検出器を含む光電子回路を含む半導体チップと、
半導体チップ上に装着されているか、又は半導体チップ内で光電子回路及び少なくとも1つの光検出器と集積されている光源と、
スペーサと、を備え、
本方法は、
半導体チップ、スペーサ、及び干渉構成部品を、スペーサが半導体チップと干渉構成部品との間に配設されている状態でスタックに組み立てること、を含み、
光源及び少なくとも1つの光検出器は、半導体チップ上にそれぞれの位置を有し、それにより、半導体チップ、スペーサ及び干渉構成部品がスタック内に組み立てられた後に、光源が光を干渉配置に提供するように配設されるために、光の第1の部分は干渉装置を介して第1の光路に沿って伝搬し、光の第2の部分は干渉装置を介して第2の異なる光路に沿って伝搬し、それによって、メンブレンと光学素子との間の距離に依存する光路差を第1の航路と第2の光路との間に生じさせ、少なくとも1つの光検出器は光路差に依存する光の第1の部分及び光の第2の部分によって生成される干渉パターンの少なくとも一部を検出するように配設されており、
スタックは、内部空洞と、内部空洞とスタックの外部との間に空気の通路を提供する少なくとも1つの開口部とを備え、それにより、内部空洞はスタックの外部と流体連通しており、
メンブレンの第1の側部は、スタックの外部と流体連通しており、メンブレンの第2の側部は、内部空洞と流体連通している。
【0007】
本発明は、上記で定義した本発明の方法を使用して製造された光マイクロフォンモジュールに及ぶ。
【0008】
第2の態様から見ると、本発明は、光マイクロフォン組立体を形成するためにハウジング内に設置するための光マイクロフォンモジュールを提供し、光マイクロフォンモジュールは、
基板、メンブレン、及びメンブレンから離間した少なくとも1つの光学素子を含む干渉構成部品であって、少なくとも1つの光学素子が、基板の表面を備える、及び/又は基板の表面上に配設されている、干渉構成部品と、
少なくとも1つの光検出器を含む光電子回路を含む半導体チップと、
半導体チップ上に装着されているか、又は半導体チップ内で光電子回路及び少なくとも1つの光検出器と集積されている光源と、
スペーサと、を備え、
半導体チップ、スペーサ、及び干渉構成部品は、スペーサが半導体チップと干渉構成部品との間に配設されている状態でスタックに組み立てられており、
光源は、光を干渉配置に提供するように配置されているため、光の第1の部分は干渉配置を介して第1の光路に沿って伝搬し、光の第2の部分は干渉配置を介して第2の異なる光路に沿って伝搬し、それによって、メンブレンと光学素子との間の距離に依存する光路差を第1の光路と第2の光路との間に生じさせ、少なくとも1つの光検出器は、光路差に依存する光の第1の部分及び光の第2の部分によって生成される干渉パターンの少なくとも一部を検出するように配置されており、
スタックは、内部空洞と、内部空洞とスタックの外部との間に空気の通路を提供する少なくとも1つの開口部とを備え、それにより、内部空洞はスタックの外部と流体連通しており、
メンブレンの第1の側部は、スタックの外部と流体連通しており、メンブレンの第2の側部は、内部空洞と流体連通している。
【0009】
半導体チップが、少なくとも1つの光検出器を含む光電子回路を備えると言う場合、これは、少なくとも1つの光検出器を含む光電子回路が半導体チップに集積されている、例えばモノリシックに集積されていることを意味する。光源は、チップ内の回路及び光検出器とモノリシックに集積され得る。半導体チップは、集積回路、例えば特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)を備え得る。
【0010】
2つの領域が流体連通していると言う場合、これは、領域間の実質的に瞬間的な圧力均等化を可能にするように、空気が領域間を流れることができることを意味すると理解され得、例えば、2つの領域が1つ以上の開口部を介して流体連通している場合、流体連通しているとは、空気が有意な音響抵抗なしに開口部を通って流れることができることを意味すると理解され得る。そのため、「流体連通」という用語は、(例えば、光マイクロフォン組立体が使用される場所における周囲圧力の変化に対応するために)長い時間スケールで2つの領域間の静圧の均等化のみを可能にする通気孔などの小さな間隙には適用されないことを理解されたい。ただし、そのような通気孔は、光マイクロフォン組立体の音響空洞と光マイクロフォン組立体の外部との間の静圧を均等化することを可能にするために、(例えば、メンブレン内に)追加的に設けられてもよい。
【0011】
スタックの「外部」は、スタック内にはないが、例えば、光マイクロフォンモジュールがハウジング内に設置されて光マイクロフォン組立体を形成するときに、必ずしも互いに流体連通していなくてもよい領域を指すことを理解されたい。例えば、内部空洞はスタックの外部と流体連通しており、メンブレンの第1の側部はスタックの外部と流体連通していると言う。これはまた、内部空洞がスタックの外側の第1の領域と流体連通しており、メンブレンの第1の側部がスタックの外側の第2の領域と流体連通していると表現され得る。モジュールがハウジング内に設置されるとき、第1の領域及び第2の領域は、それぞれ、音響空洞及び光マイクロフォン組立体の外部に対応し得る。
【0012】
上記の開示から理解されるように、半導体チップ、スペーサ、及び干渉構成部品がスタックに配置されると言う場合、これは、これらの要素が、スペーサが他の2つの要素の間に配設されている状態で配置されることを意味する。スタックに組み立てられることは、半導体チップ、スペーサ、及び干渉構成部品が、層状配置で一方が他方の上に配置されることを意味すると理解され得る(ただし、組み立てられたスタックの特定の向きは必要とされないことを理解されたい)。例えば、半導体チップ、スペーサ、及び干渉構成部品はそれぞれ、スタック内の層を画定し得る。半導体チップ、スペーサ、及び干渉構成部品の各々は、例えば、半導体チップが実質的に又は完全にスペーサの第1の側部にあり、干渉構成部品が実質的に又は完全にスペーサ側の第2の側部にあるように、それ自体の層内に実質的に又は完全に含まれ得る。半導体チップ及び干渉構成部品は、それらの間に容積を画定するように位置決めされ得、その容積内に、スペーサは、部分的に、実質的に、又は完全に含まれる。半導体チップ、スペーサ、及び干渉構成部品が、同じ(又は実質的に同じ)横方向寸法を有すること、又はスタック内で同じ面積又は「フットプリント」を占有することは必須ではないが、いくつかの実施形態ではそうしてもよい。半導体チップ、スペーサ、及び干渉構成部品のうちの1つ以上は、他のものとは異なる横方向の寸法、例えば、異なる長さ及び/又は幅を有することができる。
【0013】
一連の実施形態では、干渉構成部品及びスペーサのうちの少なくとも一方は、スタック内の内部空洞を画定する形状を有する。これは、スペーサがスタック内の内部空洞を画定する形状を有するか、又は干渉構成部品がスタック内の内部空洞を画定する形状を有するか、又はスペーサ及び干渉構成部品が各々、それらのそれぞれの形状が協働してスタック内の内部空洞を画定するそれぞれの形状を有することを意味することを理解されたい。
【0014】
例えば、スペーサは、例えば、周辺壁によって囲まれた孔又は中空を備えてもよい。例えば、スペーサは、その第1の側部から第2の側部まで貫通して延びる孔を備えてもよく、半導体チップはスペーサの第1の側部に対して装着され、干渉構成部品は孔を取り囲むようにスペーサの第2の側部に対して装着される。別の例として、干渉構成部品は、例えば間隔部分又は周辺壁によって囲まれた孔又は中空を備えてもよい。例えば、干渉構成部品は、(スタックが組み立てられるときに)基板とスペーサとの間に位置決される孔又は中空が存在するように形作されてもよい。これらの例は、組み合わせて提供されてもよい。例えば、スペーサ及び干渉構成部品は各々、それぞれの孔又は中空を備え得るため、スペーサ及び干渉構成部品がスタック内にある場合、それらのそれぞれの孔又は中空はともに接合されて、内部空洞を形成する単一の組み合わされた容積を形成する。
【0015】
一連の実施形態では、スペーサ及び干渉構成部品のうちの少なくとも一方は、少なくとも1つの開口部を備える。例えば、スペーサに1つ以上の開口部があってもよく、及び/又は干渉構成部品に1つ以上の開口部があってもよい。
【0016】
本発明の方法は、光マイクロフォンモジュールをハウジングに設置する工程を必ずしも含まないが、以下で考察するように、本方法は、そのような設置工程を更に含み得ることを理解されたい。
【0017】
半導体チップ、スペーサ、及び干渉構成部品の各々は、微小電気機械システム(micro-electromechanical system、MEMS)構成部品又は非MEMS構成部品であり得る。微小電気機械システム(MEMS)という用語の意味は、当業者にはよく理解されており、構成部品が「MEMS構成部品」であると記載されている場合、これは、構成部品が、例えば、微細加工技術を使用して制作され得る、小型化された機械及び/又は電気機械要素(すなわち、デバイス及び構造体)を備えることを意味し、ここで、小型化とは、小型化された要素の物理的寸法がマイクロメートルのスケール、例えば、最大1ミリメートル以下であることを意味することが理解されよう。これにより、「非MEMS」構造体は、上記の「MEMS」の定義を満たさない構造体であることも理解されよう。
【0018】
本発明の方法及び光マイクロフォンモジュールは、光マイクロフォンモジュール及び光マイクロフォン組立体の生産(特に大量生産)において利点を提供する。光マイクロフォンで使用される光読み出し方法に起因して、典型的には、光マイクロフォン組立体が製造されるときに、光源、干渉構成部品、及び光検出器を正確に位置合わせされる必要がある。ただし、光マイクロフォン組立体が、例えば、大きな音響空洞を形成するための大きなエンクロージャを含む大きなハウジングを備えることも望ましい場合がある。大きな音響空洞は、メンブレンが振動するときに音響空洞内の空気の圧縮の影響を低減するので望ましい。空気の圧縮は、特に大きなたわみで、メンブレンの硬化と同等の効果をもたらし、マイクロフォン性能に悪影響を及ぼすことがある。半導体チップ、スペーサ及び干渉構成部品をスタックに組み立てる工程は、好ましくは、光源、光検出器、光学素子及び/又はメンブレンを位置合わせすることを含む。
【0019】
干渉構成部品を設置するための大きなハウジングを有するため、光源及び光検出器は、必要な位置合わせを達成するためにこれらの要素を相互に正確に位置決めすることを困難にすることがある。本発明に従って、スペーサと干渉構成部品(及び内部空洞を介してメンブレンと音響空洞との間の流体連通を提供するための1つ以上の開口部を含む)とともにスタックに組み立てられた半導体チップ上の光源及び光検出器を提供することによって、より精度の低い技術を使用して光マイクロフォンモジュールを大きなハウジングに設置する前に、スタックの組み立て中の初期位置合わせ工程においてそれらを位置合わせすることが可能である。例えば、スタックの組み立て中の位置合わせは、干渉構成部品並びに別個の光源及び光検出器を大きなハウジング内に装着し位置合わせするのに必要とされる技術よりも容易かつ/又はより正確な技術(例えば、MEMS基部の技術、ウェハレベルパッケージング、ファンアウト技術)を使用して実行され得る。加えて、設置工程は、より低い精度で実行することができるので、より迅速かつ容易に実行され得る。これにより、本発明は、有利には、大量生産を含む、より容易な、より速い、及び/又はより安価な生産を促進し得る。
【0020】
本発明はまた、有利には、光マイクロフォンモジュールが、単一の予め組み立てされた集積構成部品として消費者(例えば、光マイクロフォン用のホストデバイスの製造業者)に供給されることを可能にし得、それにより、消費者は、比較的不正確な技術を使用して光マイクロフォンモジュールを消費者自身のホストデバイスに設置することができるようにすることができるが、これは、スタックが製造されたときに、干渉構成部品、光源、及び光検出器の位置合わせが既に達成されているからである。
【0021】
光源、光検出器、光電子集積回路を有する半導体チップの使用は、これらの構成部品の別個の位置合わせを必要とすることになる構成部品のいくつか、例えば、光検出器を別個に(例えば、個別の特定用途向け集積回路(ASIC)チップ上に)装着することなく、スタック構造体の使用を容易にするので有利である。
【0022】
スペーサは、有利には、半導体チップと干渉構成部品との間に十分な距離を提供するか、又は提供するのに役立ち得、それにより、光マイクロフォンモジュールがハウジング内に設置されたときに、メンブレンの第2の側部と音響空洞との間の流体連通を可能にするのに十分な大きさの空気通路、すなわち、(例えば、スペーサ及び/又は干渉構成部品内の)1つ以上の開口部を提供することができる。これにより、本発明は、有利には、単一の集積光マイクロフォンモジュールが提供されることを可能にし得、光源、干渉構成要素、及びその光検出器は、スタック構成によって正確に位置合わせされ、構成部品は、スタックの一部を形成しない大きな音響空洞を有する光マイクロフォン組立体での使用にも適している。
【0023】
このように、本開示から、「モジュール」は、集積構成部品、例えば、予め位置合わせされた構成部品を備える単一ユニットを意味すると理解され得ることが理解されよう。「モジュール」は、例えば、設置の準備ができている、予め組み立てられたユニットを意味すると理解され得る。「光マイクロフォンモジュール」は、内蔵型として記載され得るが、これは、例えば、機能するために任意の外部光源、検出器、又は光学構成部品を必要としないことを意味し得る。
【0024】
一連の実施形態では、メンブレンの第1の側部はスタックの外部に開いており、干渉構成部品の基板は、メンブレンの第2の側部が内部空洞と流体連通する1つ以上の基板開口部を備える。そのような実施形態では、干渉構成部品は、その基板がメンブレンと内部空洞との間に位置決めされるように配置され得る。
【0025】
別の一連の実施形態では、干渉構成部品の基板は、基板開口部を備え、基板開口部を介して、メンブレンの第1の側部はスタックの外部と流体連通しており、メンブレンの第2の側部は内部空洞に開いている。メンブレンの側面が領域に対して開いていると言う場合、これは、メンブレンと領域との間に介在する開口部、例えば、メンブレンより小さい開口部がないことを意味すると理解され得る。「基板開口部」という用語は、基板内の開口部を意味し、基板開口部を、内部空洞とスタック外部との間の流体連通を提供する上述の開口部と区別するために使用される。
【0026】
基板は、任意の好適な厚さを有し得る。いくつかの実施形態では、基板は、均一な厚さを有する。いくつかの実施形態では、基板は、均一な厚さを有さず、例えば、基板は、より厚い支持領域によって囲まれた薄い(例えば、エッチングされた)領域を含み得る。
【0027】
スペーサは、例えばボンディング、接着剤、又は任意の好適な貼着手段を使用して、半導体チップに貼着され得る。本方法は、スペーサを半導体チップに貼着することを含み得る。
【0028】
スペーサは、例えば、スペーサと干渉構成部品の基板とが単一部品から形成されるように、干渉構成部品と一体的に形成されてもよい。
【0029】
代替的に、スペーサ及び干渉構成部品は、別個の部品から形成されてもよい。スペーサは、任意の好適な貼着手段を使用して干渉構成部品に貼着され得る。本方法は、スペーサを干渉構成部品に貼着することを含み得る。スペーサは、単一部品から、又は2つ以上の部品から形成され得る。例えば、スペーサは、層状配置又は積層配置で配置された2つ以上の部品を備え得る。本方法は、スペーサを2つ以上の部品から、例えば、層状配置又は積層配置で組み立てることを含み得る。半導体チップ、スペーサ、及び干渉構成部品をスタックに組み立てる工程は、スペーサを2つ以上の部品から、例えば、層状配置又は積層配置で組み立てることを含み得る。
【0030】
光マイクロフォンモジュールの構成部品(例えば、スペーサ、干渉構成部品、半導体チップ、光源)が、別の構成部品又は相互に装着又は貼着されていると記載されている場合、これは、任意の好適な手段又は方法によって達成され得る。いくつかの非限定的な例としては、ウェハボンディング又はファンアウト法などのウェハレベル組立技術、フリップチップボンディング又は構成部品のピックアンドプレースなどのチップレベル組立及び表面装着/はんだ付けが挙げられる。
【0031】
本方法は、光マイクロフォン組立体を形成するために、光マイクロフォンモジュールをハウジング内に設置することを含み得る。
【0032】
ハウジングは、光マイクロフォンモジュールを装着するのに適したハウジング基部を備え得る。本方法は、光マイクロフォンモジュールをハウジング基部上に装着することを含み得る。ハウジング基部は、特定用途向け集積回路(ASIC)チップを備え得る。
【0033】
ハウジングは、スタックの上に装着して音響空洞を形成するためのエンクロージャを備え得る。本方法は、音響空洞を形成するために、エンクロージャをスタックの上に装着することを含み得る。
【0034】
エンクロージャは、エンクロージャがスタックを覆うように、ハウジング基部又は半導体チップに貼着するのに適するように構成、例えば、形作られ得る。半導体チップは、半導体チップ上のスタックを囲む装着領域を含み得、装着領域は、例えば、エンクロージャを半導体チップに封止することによって、その上にエンクロージャを装着するのに適している。例えば、装着領域は、スタックを囲む平坦な表面、例えば、構成部品及び集積回路がない表面を備え得る。本方法は、エンクロージャがスタックを覆うように、エンクロージャをハウジング基部又は半導体チップに貼着することを含み得る。
【0035】
エンクロージャは、音響ポート、例えば、ハウジング内に設置される光マイクロフォンモジュールのメンブレンと実質的に同じサイズの開口部を備え得る。音響ポートは、エンクロージャがスタックの上に装着されたときに、例えば、干渉構成部品又はスタックの他の部分を音響ポートの周囲に封止することによって、音響ポートがメンブレンと位置合わせされている状態でエンクロージャをスタックに封止することができるように、サイズ決めされ、形作られ、及び/又は位置決めされ得る。本方法は、エンクロージャ内の音響ポートがメンブレンと位置合わせされた状態で、例えば、干渉構成部品又はスタックの別の部分を音響ポートの周囲に封止することによって、エンクロージャをスタックに封止することを含み得る。
【0036】
エンクロージャは、光マイクロフォンモジュールが光マイクロフォン組立体を形成するためにハウジング内に設置されたときに、メンブレンの第1の側部が光マイクロフォン組立体の外部と(例えば、音響ポートを介して)流体連通し、メンブレンの第2の面がスタックの内部空洞を介して音響空洞と流体連通するように、音響空洞を画定し得る。
【0037】
スタック、例えば、干渉構成部品は、メンブレンを囲む取付領域を含み得、取付領域は、エンクロージャに封止するのに適している。例えば、取付領域は、メンブレンを囲む平坦な表面部分であってもよい。取付領域は、突出部分、例えば、メンブレンを囲む壁であってもよい。これは、エンクロージャが突出取付領域に封止されるとき、メンブレンがハウジングの表面から後退し、これにより露出が少なくなり、光マイクロフォン組立体の使用中にメンブレンが損傷するリスクが低減するために有利であり得る。本方法は、エンクロージャをスタックの(例えば、干渉構成部品の)取付領域に封止することを含み得、取付領域は、メンブレンを囲む。
【0038】
光マイクロフォンモジュール(例えば、半導体チップ)は、光マイクロフォンモジュールをハウジング内に装着するのに適した、例えば、光マイクロフォンモジュールをハウジング基部に貼着するのに適した露出面(例えば、スペーサ及び干渉構成部品から離れて面する半導体チップの側部)を備え得る。本方法は、露出面をハウジングに、例えば、ハウジング基部に貼着することによって、光マイクロフォンモジュールをハウジングに装着することを含み得る。
【0039】
半導体チップがエンクロージャ内に音響ポートを有するハウジング基部上に装着される配置は、「トップポート」構成と記載され得る。光マイクロフォンモジュールが、そのような「トップポート」構成に装着されることは必須ではない。光マイクロフォンモジュールは、「ボトムポート」構成で装着されてもよい。「ボトムポート構成」では、音響ポートが、ハウジング基部に設けられてもよい。光マイクロフォンモジュールは、例えば、干渉構成部品がハウジング基部に装着され、メンブレンがハウジング基部の音響ポートを介してハウジングの外部に開放されるようにメンブレンが音響ポートと位置合わせされた状態で、逆方向に取り付けられてもよい。
【0040】
光マイクロフォン組立体の要素が別の要素上に装着されるものとして記載されている場合、これは、一方の要素を他方の要素に封止すること、糊付けすること、ボンディングすること、又は他の方法で貼着することを含み得る。
【0041】
光マイクロフォン組立体は、ホストデバイス(例えば、スマートフォン)内に設置されてもよく、ホストデバイス内への設置に適していてもよく、又はホストデバイスの一部を形成してもよい。光マイクロフォン組立体は、ホストデバイスとは別個に形成されてもよく、すなわち、光マイクロフォンモジュールをハウジング内に装着されて光マイクロフォン組立体を形成することができ、次いで、光マイクロフォン組立体をホストデバイス内に装着することができる。代替的に、光マイクロフォン組立体は、ホストデバイス内に形成されてもよく、例えば、ホストデバイスを備えてもよい(又はホストデバイスの一部を備えてもよい)。例えば、光マイクロフォンモジュールをハウジング内に設置して光マイクロフォン組立体を形成することは、光マイクロフォンモジュールを(例えば、半導体チップを取り付けることによって)ホストデバイスの表面上に直接装着すること、及びエンクロージャをスタックの上に装着することを含み得る。
【0042】
本発明は、内部に又は上部に設置された、上記で定義されるような、光マイクロフォンモジュールを備える光マイクロフォン組立体又はホストデバイスにまで及ぶ。
【0043】
半導体チップは、約2mm2のサイズを有してもよいが、より大きなサイズ及びより小さいサイズが可能であり、例えば、半導体チップは、0.01mm2(すなわち、100×100μm2)~8mm2、例えば、0.1mm2~4mm2、例えば、1mm2~2mm2の範囲内のサイズを有してもよい。半導体チップのサイズは、光検出器を組み込み、かつ光源が上部に装着されるか又は内部に装着された光電子回路を備える半導体チップ表面の面積を指すことを理解されたい。
【0044】
半導体チップは、半導体ウェハ、例えば、シリコンウェハ、又はGaAs又はInGaAsウェハを備え得る。例えば、半導体チップがASICを含む場合、シリコンが使用され得、光源が半導体チップに集積される場合、GaAs又はInGaAsが使用され得る。
【0045】
上述のように、半導体チップは、(例えば、光電子回路を組み込み得る)ASICを備え得る。ただし、これは必須ではなく、いくつかの実施形態では、ASICを備える別個のASICチップが提供される。ASICチップが半導体チップとは別個であるいくつかの実施形態では、ASICチップは、光マイクロフォン組立体内に別個に(例えば、半導体チップに隣接して)装着されてもよく、又は半導体チップは、光マイクロフォンモジュールが更にASICチップを含むようにASICチップ上に装着されてもよい。光電子回路は、生の信号又は処理された信号が、ASICに、又はチップから離れて、例えば別個のASICチップが提供される場合、別個のASICチップに伝送されることを可能にするように構成され得る。ASICは、光源及び/又は光検出器を制御するように構成され得る。ASICは、光検出器から受信した信号を処理するように構成されてもよく、例えばASICは、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、又はフィールドプログラマブルゲートアレイを備え得る。ASICは、別個のプロセッサを必要とすることなく、光マイクロフォンの機能に必要な全ての処理を実行するように構成されてもよく、例えば、ASICは、信号を出力するための出力ピンを備えてもよく、ASICは、光検出器から受信した信号を処理して、入射音響波の振幅を表す出力信号を生成し、出力信号を出力ピンに出力するように構成される。
【0046】
上述のように、スペーサは、半導体チップと干渉構成部品との間の分離を提供する。特に、スペーサは、半導体チップ上の光源及び光検出器と、干渉構成部品の光学素子及びメンブレンとの間の分離を提供し得る。干渉構成部品はまた、光源/光検出器とメンブレン/光学構成部品との間の分離を提供し得る。干渉構成部品は、間隔部分を含むことができ、例えば間隔部分は干渉構成部品のメンブレン又は光学構成部品とスペーサとの間の分離を提供する。
【0047】
干渉構成部品は、間隔部分を含んでもよく、間隔部分は(例えば、それ自体で、又はスペーサと組み合わせて)内部空洞を画定するように形作られる。間隔部分は、メンブレン又は光学構成部品とスペーサとの間の空間を囲むか又は部分的に囲むように形作られ、それによって、内部空洞又は内部空洞の一部を画定し、例えば、間隔部分は周壁であり得る。開口部は、間隔部分に、例えば間隔部分のみに、又は間隔部分とスペーサに設けられてもよい。
【0048】
したがって、スペーサ、間隔部分、又はスペーサと間隔部分の両方はともに、内部空洞と音響空洞との間の流体連通を提供するために、スペーサ及び干渉構成部品のうちの一方又は両方における(例えば、間隔部分における)1つ以上の開口部のための適切な空間を提供し得る。
【0049】
スペーサ(又は間隔部分と合わせたスペーサ)は、光学素子と半導体チップとの間に、200μmよりも大きい、例えば、300μmよりも大きい、例えば、400μmよりも大きい、例えば、500μmよりも大きい、例えば、600μmよりも大きい、700μmよりも大きい、例えば、800μmよりも大きい、例えば、900μmよりも大きい、例えば、1mmよりも大きい分離を提供する高さを有してもよい。光学素子と半導体チップとの間の分離は、より正確には、光学素子と、光検出器を備える半導体チップ上の表面との間の垂直分離として定義され得る。
【0050】
スペーサの高さ、又は間隔部分と合わせたスペーサの高さは、干渉構成部品と半導体チップ上の光源及び光検出器との間の必要な光伝搬距離に基づいて選択され得る。例えば、第1の光部分及び第2の光部分は、第2の光部分が半導体チップ上の光源から横方向に変位された光検出器に入射するように、メンブレンの表面に対してある角度で伝搬し得る。光部分の伝搬角度は、干渉構成部品の性質、例えば光学素子のタイプ、又は例えば、検出された回折次数の角度によって判定され得る。
【0051】
したがって、スペーサの高さ、又は間隔部分と合わせたスペーサの高さは、光源と光検出器との間の特定の伝搬角度及び分離について、第2の光部分が光検出器に到達するのに検出器と干渉構成部品との間の分離が十分であることを確実するように選択され得る。本発明に従って同じ半導体チップ上に光検出器及び光源を設けることは、有利には、光源と光検出器とをより近くに位置決めすることを可能にし得るが、これは、光源及び光検出器は、例えば、光源と同じチップに集積される代わりに別々に設けられた場合に可能であり得るよりも、互いにより近くに位置決めされ得るためである。
【0052】
スペーサを設けることにより、有利には、1つ以上の光学構成部品、例えば、マイクロレンズを半導体チップと干渉構成部品との間に設けることが可能になり得る。一連の実施形態では、1つ以上の光学構成部品(例えば、レンズ又はマイクロレンズ)が、スペーサ内又はスペーサ上に設けられる。
【0053】
1つ以上の光学構成部品をスペーサ内又はスペーサ上に設けることにより、有利には、光マイクロフォンモジュールスタックの組み立て中に光学構成部品の位置合わせが可能になる。上述のように、スタックの組み立て及び位置合わせのために使用される技術は、光マイクロフォン組立体のより大きな部品(例えば、基部及びエンクロージャ)を組み立てるための技術よりも正確及び/又は容易であり得る。そのため、本発明の実施形態によれば、光学構成部品の正確な位置合わせが、より容易に達成され得る。
【0054】
これは、それ自体新規であり、発明的であり、したがって、第3の態様から見ると、本発明は、光マイクロフォン組立体を形成するためにハウジング内に設置するための光マイクロフォンモジュールを提供し、光マイクロフォンモジュールは、
基板、メンブレン、及びメンブレンから離間した少なくとも1つの光学素子を含む干渉構成部品であって、少なくとも1つの光学素子が、基板の表面を備える、及び/又は基板の表面上に配設されている、干渉構成部品と、
少なくとも1つの光検出器及び光源を含む半導体チップであって、少なくとも1つの光検出器及び光源が、半導体チップ上に装着されているか、又は半導体チップ内に集積されている、半導体チップと、
スペーサと、
スペーサ内又はスペーサ上に設けられた1つ以上の光学構成部品と、を備え、
半導体チップ、スペーサ、及び干渉構成部品は、スペーサが半導体チップと干渉構成部品との間に配設されている状態でスタックに組み立てられており、
光源は、光を干渉配置に提供するように配置されているため、光の第1の部分は干渉配置を介して第1の光路に沿って伝搬し、光の第2の部分は干渉配置を介して第2の異なる光路に沿って伝搬し、それによって、メンブレンと光学素子との間の距離に依存する光路差を第1の光路と第2の光路との間に生じさせ、少なくとも1つの光検出器は、光路差に依存する光の第1の部分及び光の第2の部分によって生成される干渉パターンの少なくとも一部を検出するように配置されており、
スタックは、内部空洞と、内部空洞とスタックの外部との間に空気の通路を提供する少なくとも1つの開口部とを備え、それにより、内部空洞はスタックの外部と流体連通しており、
メンブレンの第1の側部は、スタックの外部と流体連通しており、メンブレンの第2の側部は、内部空洞と流体連通している。
【0055】
第4の態様から見ると、本発明は、光マイクロフォン組立体を形成するためにハウジング内に設置するための光マイクロフォンモジュールを製造する方法を提供し、光マイクロフォンモジュールは、
基板、メンブレン、及びメンブレンから離間した少なくとも1つの光学素子を含む干渉構成部品であって、少なくとも1つの光学素子が、基板の表面を備える、及び/又は基板の表面上に配設されている、干渉構成部品と、
少なくとも1つの光検出器及び光源を含む半導体チップであって、少なくとも1つの光検出器及び光源が、半導体チップ上に装着されているか、又は半導体チップ内に集積されている、半導体チップと、
スペーサと、
スペーサ内又はスペーサ上に設けられた1つ以上の光学構成部品と、を備え、
本方法は、
半導体チップ、スペーサ、及び干渉構成部品を、スペーサが半導体チップと干渉構成部品との間に配設されている状態でスタックに組み立てること、を含み、
光源及び少なくとも1つの光検出器は、半導体チップ上にそれぞれの位置を有し、それにより、半導体チップ、スペーサ及び干渉構成部品がスタック内に組み立てられた後に、光源が光を干渉配置に提供するように配設されるために、光の第1の部分は干渉装置を介して第1の光路に沿って伝搬し、光の第2の部分は干渉装置を介して第2の異なる光路に沿って伝搬し、それによって、メンブレンと光学素子との間の距離に依存する光路差を第1の光路と第2の光路との間に生じさせ、少なくとも1つの光検出器は光路差に依存する光の第1の部分及び光の第2の部分によって生成される干渉パターンの少なくとも一部を検出するように配設されており、
スタックは、内部空洞と、内部空洞とスタックの外部との間に空気の通路を提供する少なくとも1つの開口部とを備え、それにより、内部空洞はスタックの外部と流体連通しており、
メンブレンの第1の側部は、スタックの外部と流体連通しており、メンブレンの第2の側部は、内部空洞と流体連通している。
【0056】
本発明は、上記で定義した本発明の第4の態様の方法を使用して製造される光マイクロフォンモジュールに及ぶ。
【0057】
半導体チップは、その中に集積された光電子回路を備え得る。光電子回路は、光検出器を備え得る。少なくとも1つの光検出器及び光源が半導体チップ上に装着されている、又は半導体チップ内に組み込まれていると言う場合、これは、装着と集積との組み合わせ、例えば、光源が半導体チップ上に装着され、光検出器が集積されること、及びその逆を含むことを理解されたい。
【0058】
一連の実施形態では、スペーサ及び干渉構成部品のうちの少なくとも一方は、スタック内の内部空洞を画定する形状を有する。一連の実施形態では、スペーサ及び干渉構成部品のうちの少なくとも一方は、1つ以上の開口部を備える。
【0059】
本発明の第3の態様及び第4の態様の任意選択の特徴は、該当する場合、本発明の第1の態様及び第2の態様の任意選択の特徴であってもよい。
【0060】
光学構成部品は、スペーサ内に集積されるか若しくは形成されてもよく、又はスペーサ上に装着されるか若しくは組み立てられてもよい。光学構成部品は、例えば、光の第1の部分及び/又は第2の部分が光学構成部品を部分的又は完全に通過するように、半導体チップとメンブレンとの間に位置決めされ得る。光学構成部品は、これにより、光の第1の部分及び/又は第2の部分が、光マイクロフォンモジュールの動作を促進するように方向付けられる(例えば、集束させる)ことを可能にし得る。
【0061】
光学構成部品は、1つ以上の屈折及び/又は回折光学構成部品を備え得る。光構成部品のうちの1つ以上は、例えば、光が光源からメンブレンに伝搬する際に、光の第1の部分及び/又は第2の部分にコリメートし得る。光学構成部品のうちの1つ以上は、例えば、光を第1の部分及び第2の部分に分割するか、又は第1の部分及び/又は第2の部分を更なる部分に分割するために、光源によって放射された光を2つ以上の部分に分割し得る。光学構成部品のうちの1つ以上は、第1の光部分及び/又は第2の光部分を、それらが干渉構成部品から後方に伝搬し、それにより、光検出器に衝突するときに、それらを方向付け、偏向、又は集束し得る。
【0062】
半導体チップ、スペーサ、及び干渉構成部品をスタックに組み立てる工程は、光源、光検出器、光学素子、及び/又はメンブレンに対して光学構成部品を位置合わせすることを含み得る。
【0063】
スペーサは、半導体チップと干渉構成部品との間の領域に懸架された支持構造体(例えば、ブリッジ構造体)を備え得る。光学構成部品は、支持構造体内又は支持構造体上に設けられてもよく、例えば、支持構造体内に一体化されるか若しくは形成されてもよく、又は支持構造体上に装着されるか若しくは組み立てられてもよい。
【0064】
上述のように、スペーサは、スタック内の内部空洞を画定する形状を有し得る。スペーサが支持構造体を備える場合、支持構造体は、支持構造体が内部空洞の境界を画定するように、スペーサの内側に障壁を形成し得る。代替的に、支持構造体は、空気の通過を可能にする1つ以上の孔を備えてもよく、それにより、支持構造体は、スペーサの内側に障壁を生み出さず、その場合、支持構造体はスタックの内部空洞の内側にあると記載され得る。
【0065】
光源と光検出器との間の分離は、熱効果(すなわち、光源からの熱)が光検出器の性能に著しく影響を及ぼさないように十分に大きくなるように選択され得る。熱効果を低減するために、低消費電力(例えば10mW未満)の光源が使用されてもよい。分離は、スペーサ(又は間隔部分を合わせたスペーサ)に好都合なコンパクトなサイズを提供することができるほど十分に小さくなるように選択されてもよい(ただし、上記で考察したように、開口部を介した流体連通に必要な間隔を可能にする)。光源と光検出器との間の分離は、100μm~500μm、例えば200μm~300μmであってもよい。2つ以上の光検出器が存在する場合、光源と光検出器との間の距離は、光源と光検出器との間の平均距離、又は光源と光検出器のうちのいずれか1つとの間の最大距離を指し得る。
【0066】
スペーサの高さ、又は間隔部分を合わせたスペーサの高さは、3mm未満、例えば2.5mm未満、例えば2mm未満、例えば1.5mm未満、例えば1mm未満、例えば500μm未満であってもよい。
【0067】
上述のように、光学素子は、回折光学素子であり得る。メンブレンの表面が、干渉構成部品の基板の基板開口を介してスタックの外部又は内部空洞と流体連通する実施形態では、これらの基板開口は、例えば、回折格子の一部を形成する孔(例えば、格子線を形成する細長い孔)とは異なることを理解されたい。そのような格子線孔は、典型的には、小さくて薄く、上記で考察した意味の範囲内で流体連通のための十分に大きな空気通路を提供しない。
【0068】
光学素子は、例えば、反射面であってもよく、それにより、反射面及びメンブレンは、ファブリペロー干渉計としてともに動作する。いくつかの実施形態では、光学素子は反射面であってもよく、回折光学素子はメンブレン上に組み立てられてもよい。例えば、これは、干渉構成部品のメンブレンがスタックの内部空洞と干渉構成部品の基板との間に位置決めされる上記の実施形態で使用され得る。
【0069】
ここで、ある特定の望ましい実施形態を、添付図面を参照しながら、単なる例として記載する。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【
図1】本発明の第1の実施形態による光マイクロフォンモジュールの断面を示す。
【
図2】
図1の光マイクロフォンモジュールを組み込んだ光マイクロフォン組立体の断面を示す。
【
図3】
図2の実施形態の部分的に切り欠いた三次元表現を示す。
【
図4】本発明の第2の実施形態による光マイクロフォンモジュールを組み込んだ光マイクロフォン組立体を示す。
【
図5】本発明の第3の実施形態による光マイクロフォンモジュールを組み込んだ光マイクロフォン組立体を示す。
【
図6】本発明の第4の実施形態による光マイクロフォンモジュールを組み込んだ光マイクロフォン組立体を示す。
【
図7】ホストデバイスに設置された
図1の光マイクロフォンモジュールを備える光マイクロフォン組立体を示す。
【
図8】本発明の第5の実施形態による光マイクロフォンモジュールを組み込んだ光マイクロフォン組立体を示す。
【
図9】本発明の第6の実施形態による光マイクロフォンモジュールを組み込んだ光マイクロフォン組立体を示す。
【
図10】本発明の第7の実施形態による光マイクロフォンモジュールを組み込んだ光マイクロフォン組立体を示す。
【
図11】本発明の第8の実施形態による光マイクロフォンモジュールを示す。
【発明を実施するための形態】
【0071】
図1は、本発明による光マイクロフォンモジュール2の第1の実施形態を示している。光マイクロフォンモジュール2は、半導体チップ4、スペーサ6、及び干渉構成部品8を備え、これらは、スペーサ6が半導体チップ4と干渉構成部品8との間にある状態でスタックに配置されている。干渉構成部品8は、基板10及びメンブレン12を備える。基板10のメンブレン12に面する表面上に回折光学素子14が設けられている。
【0072】
半導体チップ4上には垂直共振器面発光レーザ(vertical-cavity surface-emitting laser、VCSEL)16が装着されている。半導体チップはまた、光検出器18と、VCSEL16に隣接する特定用途向け集積回路(ASIC)20とを備える。ASIC20は、ワイヤボンディング22によってVCSEL16に接続され、光検出器18を組み込んだ光電子回路23を含む。VCSEL16及び光検出器18の動作は、それにより、ASIC20を介して制御される。
【0073】
光マイクロフォン組立体における動作中、VCSEL16は光24を干渉構成部品8に向けて放射する。光は基板10を通過し、回折光学素子14に入射する。光26の第1の部分は、回折光学素子14から後方に反射され、基板10を通って後方に伝搬して光検出器18に衝突する。光28の第2の部分は、回折光学素子を通過して回折され、次いで、メンブレン12から反射される。反射された光は、基板10を通って後方に伝搬し、回折光学素子からの回折次数のうちの1つを受け取るように位置決めされた検出器18に衝突する。光の第1の部分及び第2の部分は干渉して、検出器18で干渉パターンを生み出し、光検出器18で測定される強度は、回折光学素子14とメンブレン12との間の分離に依存する。そのため、メンブレンが音響波の存在下で振動するとき、入射波の振幅に対応するメンブレンの変位は、光検出器18で検出される光の強度に関連付けることができる。メンブレンの変位、したがって入射音響波の時変振幅は、光検出器18で記録された信号から判定することができる。
【0074】
スペーサ6は、半導体チップ4と干渉構成部品8との間に内部空洞30を画定するように形作られる。メンブレン12の第1の側部32は、光マイクロフォンモジュール2の外部34に対して開いている。メンブレン36の第2の側部は、基板10の大きな開口部38を介して内部空洞30と流体連通している。内部空洞30は、スペーサ6内の大きな開口部40を介して光マイクロフォンモジュール2の外部34と流体連通している。干渉構成部品8には、メンブレンを囲む上部取付領域42が設けられている。取付領域42は、
図2~5を参照して以下で更に考察するように、音響空洞を生み出すために光マイクロフォンモジュール2の上に位置付けることができるエンクロージャ内の音響ポートの周囲を封止するのに適している。
【0075】
光マイクロフォンモジュール2は、VCSEL16、干渉構成部品8、及び光検出器18を正確に位置合わせする精密位置合わせ技術を使用して、半導体チップ4、スペーサ6、及び干渉構成部品8をスタックに組み立てることによって製造される。この例では、構成部品は、ウェハボンディングを使用して組み立てられるが、他の技術(例えば、ファンアウト技術、フリップチップ/バンプボンディング、構成部品のピックアンドプレースによる接着剤、表面装着、はんだ付けなどの他のウェハレベルの組立技術)が、この実施形態及び他の実施形態において代わりに使用され得る。スタックは、光マイクロフォンモジュール2を光マイクロフォン組立体又はホストデバイスに設置する前に組み立てられる。半導体チップ4は、半導体チップ4の底部に露出面44を備えており、露出面44は、光マイクロフォン組立体又はホストデバイス内の表面に光マイクロフォンモジュール2を装着するのに適している。
【0076】
図2及び
図3は、光マイクロフォン組立体46に設置された
図1の光マイクロフォンモジュール2を示している。光マイクロフォン組立体46は、半導体チップ4の表面44を介して光マイクロフォンモジュール2が装着される基部48を備える。半導体チップ4は、ワイヤボンディング50を介して基部48に接続され、ASIC20の出力が半導体チップ4から送信されることを可能にする。ワイヤボンディングは必須ではなく、代わりに代替の方法を使用することができる。エンクロージャ52は、光マイクロフォンモジュール2の上に装着されている。エンクロージャ52は、基部48上に装着されている。エンクロージャは、音響ポート54を備える。音響ポート54を囲むエンクロージャ52の周辺領域56は、無応力接着剤58を使用して干渉構成部品8の取付領域42に封止されている。エンクロージャ52は、それによって、光マイクロフォン組立体46の外部62と流体連通していない密閉された音響空洞60を形成している。光マイクロフォンモジュール2がこのようにして光マイクロフォン組立体46に設置されると、メンブレン12の第1の側部32は、音響ポート54を介して光マイクロフォン組立体46の外部62と流体連通し、メンブレン12の第2の側部36は、干渉構成部品基板10の開口部38、スタックの内部空洞30、及びスペーサ6内の開口部40を介して音響空洞60と流体連通している。
【0077】
入射音響波が光マイクロフォン組立体に衝突すると、メンブレン12の第1の側部32に圧力が及ぶ。音響空洞60は光マイクロフォン組立体の外部62から隔離されているので、音響波はメンブレン12の第2の側部36に圧力を及ぼさない。これにより、圧力差が生み出され、圧力差により、メンブレン12は、入射音響波の時間変化振幅に比例した量だけ変位する。次いで、この変位は、上記の干渉読み出し方法を使用して測定される。これにより、検出器における信号を使用して、入射音響波の振幅を判定することができる。
【0078】
上記に考察したように、半導体チップ、スペーサ、及び干渉構成部品8は、スタックの組み立て中に、精密な位置合わせ技術を使用して位置合わせされる。これは、光マイクロフォンモジュール2が光学マイクロフォン組立体46内に設置されるとき、比較的不正確な位置決め技術を使用してこれを達成できることを意味するが、これは、スタックが組み立てられたときに、VCSEL16、干渉構成部品8、及び光検出器18の位置合わせが正確な位置合わせ技術によって既に確立されているからである。
【0079】
図3から、干渉構成部品が互いに貼着された2つの部分を含むことが分かる。第1の部分11は、その上に光学素子14を有し、その中に開口部38が形成された干渉構成部品の基板10を備える。第2の部分は、メンブレン支持体9であり、基板の頂部上に装着されている。
【0080】
図4は、光マイクロフォンモジュール66が設置された、本発明の第2の実施形態による光マイクロフォン組立体64を示している。この実施形態の光マイクロフォンモジュール66は、スペーサ72及び干渉構成部品74が半導体チップ70上のより中央に位置決めされることを除いて、第1の実施形態の光マイクロフォンモジュール2(半導体チップ70、スペーサ72及び干渉構成部品74を含む)と同一である。半導体チップ70は、VCSEL76、光検出器78、及び特定用途向け集積回路80を含み、これらもまた、
図1~3の実施形態における対応する構成部品よりも中央に位置決めされている。結果として、半導体チップ70は、スペーサ72及び干渉構成部品74を囲む周囲表面82を有し、この周囲表面82は、エンクロージャを装着するのに適している。
図4から分かるように、エンクロージャ84は、周辺領域82において半導体チップ上に装着され、音響ポート86を備える。エンクロージャ84は、
図2に示された実施形態に関連して記載されたものと同様の方法で、音響ポート86の周囲で無応力接着剤88を使用して干渉構成部品74に封止されている。エンクロージャ84は、こうして、音響空洞90を形成し、光マイクロフォンは、これにより、
図1及び2を参照して上記に記載したのと同様に動作する。
【0081】
エンクロージャ84が装着された光マイクロフォンモジュール66は、光マイクロフォン組立体64の基部92に装着されている。半導体チップ上に装着される音響空洞を有することは有利であり得、例えば、最初に光マイクロフォンモジュールスタックを組み立て、次いで別個の工程においてエンクロージャ84を装着することによって、エンクロージャを含む光マイクロフォン組立体が製造されること、例えば、大量生産されることを可能にし得る。このようにして提供された光マイクロフォン組立体は、次いで、例えば、ホストデバイスに直ちに設置され得るように、すなわち、基部92がホストデバイスの表面であるように、サードパーティ製造業者に供給され得る。
【0082】
図5は、光マイクロフォン組立体96に設置された光モジュール構成部品94の第3の実施形態を示している。光マイクロフォンモジュール94は、光マイクロフォンモジュール94が第1の実施形態の干渉構成部品8と比較して反転された干渉構成部品98を備えること、すなわち、干渉構成部品が部分的に透明なメンブレン100及び基板102を備え、メンブレンが半導体チップ108上のVCSEL104及び光検出器106に面し、基板102が光マイクロフォン組立体96のエンクロージャ112内の音響ポート110に隣接していることを除いて、第1の実施形態の光マイクロフォンモジュール2と同一である。
【0083】
これにより、この実施形態では、メンブレンの第1の側部114は、基板102内の音響ポート110及び開口部118を介して光マイクロフォン組立体96の外部116と流体連通している。メンブレン100の第2の側部120は、光マイクロフォンモジュール94の内部空洞124及び光マイクロフォンモジュールのスペーサ128内の開口部126を介して、エンクロージャ112によって形成された音響空洞122と流体連通している。この例では、メンブレン100及び基板102の表面130はともに、ファブリペロー干渉計として機能して、検出器106において干渉パターンを生成する。ただし、代替の干渉配置が可能であり、例えば、回折光学素子がメンブレン100上に形成され得る。
【0084】
図6は、
図2の実施形態の変形例を示し、対応する特徴は同様の番号で示されている。この実施形態では、半導体チップ132に加えて、ASICチップ130が設けられている。接続134、136は、半導体チップ132とASICチップ130との間に設けられて、ASICチップ130による光検出器18及び光源16の制御を可能にし、ASICチップ130と基部48との間に設けられて、オフチップ構成部品、例えば、電源への接続を可能にする。ASIC138は、(半導体チップ上の代わりに)ASICチップ上に設けられ、光検出器18を備える光電子回路140は、半導体チップ132上に設けられている。別個のASICチップは、他の実施形態、例えば、上記の他の実施形態の変形例において同様に提供され得る。
【0085】
図7は、ホストデバイス142に設置された
図2の実施形態の光マイクロフォンモジュール2を示している。ホストデバイス142は、内部に凹部146が形成されたハウジング144を含む。光マイクロフォンモジュール2は凹部146内に装着され、エンクロージャ148が凹部146を覆うように位置決めされ、エンクロージャ148及び凹部146がともに光マイクロフォンモジュール2のための音響空洞150を形成し、それによって光マイクロフォン組立体を形成している。エンクロージャはまた、無応力接着剤152を使用して光マイクロフォンモジュールに封止されている。エンクロージャはまた、凹部146の周囲154に封止されている。ホストデバイスにおけるこの設置例では、ホストデバイスのハウジング(及びハウジング内に形成された凹部)が、光マイクロフォン組立体のための大きな音響空洞を提供するために有利に使用され得る大きな容積を提供することが分かる。
【0086】
図8は、本発明による光マイクロフォンモジュール156の更なる実施形態を示している。光マイクロフォンモジュール156は、半導体チップ158、スペーサ160、及び干渉構成部品162を備え、これらは、スペーサ160が半導体チップ158と干渉構成部品162との間にある状態でスタックに配置されている。干渉構成部品162は、上記の他の実施形態の干渉構成部品と同様であり、メンブレン164を含む対応する構成部品を含み、同様に機能する。光マイクロフォンモジュール156は、音響空洞170を形成するエンクロージャ168を有する基部166上に装着されている。
【0087】
図6の実施形態と同様に、ASIC174を備える別個のASICチップ172が、半導体チップ158に隣接して設けられている。半導体チップは、光電子回路176を備える。この例では、光電子回路176は、モノリシックに集積されたVCSEL178と、モノリシックに集積された2つの光検出器180とを備える。このようなモノリシックに集積されたVCSEL及び2つの光検出器は、この実施形態において必須ではなく(又はこれに限定されず)、変形例が可能であることを理解されたい。
【0088】
半導体チップ158、スペーサ160、及び干渉構成部品162はともに、スタックの内部空洞182を画定する。この実施形態では、スペーサ160は、内部空洞182内に懸架されたブリッジ構造体184を備える。スペーサは、ブリッジがメンブレン164と音響空洞170との間の流体連通を妨げないように、スペーサ160の本体内に空気通路186と、ブリッジ構造体184内に空気通路188とを含む。空気通路は、スペーサ内に異なるように(例えば、スペーサ160の本体内のブリッジ構造体184の上方に)位置決めすることができ、この場合、ブリッジ構造体184は、空気通路が貫通しないように(以下で考察する、
図9に示される実施形態などのように)設けられ得る。
【0089】
ブリッジ構造体184は、その中に形成されたマイクロレンズ190を含む。変形例では、他の光学構成部品が、スペーサ内に形成されるか、又はスペーサ上に、例えば、ブリッジ構造体上に装着されてもよい。スペーサ内又はスペーサ上に設けられたマイクロレンズ又は他の光学構成部品は、有利には、光源とメンブレン及び/又はメンブレンと光検出器との間を伝搬する光の操作、例えば、光マイクロフォン性能を改善又は最適化するために光を集束又は方向付けることを可能にし得る。
【0090】
図9は、本発明による光マイクロフォンモジュール192の更なる実施形態を示している。光マイクロフォンモジュール192は、半導体チップ194、スペーサ196、及び干渉構成部品198を備え、これらは、スペーサ196が半導体チップ194と干渉構成部品198との間にある状態でスタックに配置されている。干渉構成部品198は、上記の他の実施形態の干渉構成部品と同様であり、メンブレン200を含む対応する構成部品を含み、同様に機能する。光マイクロフォンモジュール192は、音響空洞206を形成するエンクロージャ204を有する基部202上に装着されている。
【0091】
図1の実施形態と同様に、半導体チップ194はまた、光検出器208と、半導体チップ194上に装着されたVCSEL212に隣接する特定用途向け集積回路(ASIC)210とを備える。ASIC210は、ワイヤボンディング214によってVCSEL212に接続され、光検出器208を組み込んだ光電子回路216を含む。VCSEL212及び光検出器208の動作は、これにより、ASIC210を介して制御される。
【0092】
図8の実施形態と同様に、スペーサ196は、半導体チップ194と干渉構成部品198との間に懸架されたブリッジ構造体218を備える。ただし、この実施形態では、ブリッジ構造体218は空気孔を含まず、スペーサの内側に障壁を形成している。これにより、ブリッジ構造体218、干渉構成部品198、及びスペーサの上部220はともに、スタック内に内部空洞222を画定する。スペーサの上部220には空気通路が設けられ、メンブレン200と音響空洞206との間の流体連通を可能にする。
【0093】
図8の実施形態と同様に、マイクロレンズがブリッジ構造体内に形成され、VCSEL212、メンブレン200、及び光検出器208の間を伝搬する光を方向付ける。マイクロレンズの代わりに、又はマイクロレンズに加えて、1つ以上の他の光学構成部品を設けることができる。
【0094】
図10は、本発明による光マイクロフォンモジュール224の更なる実施形態を示している。光マイクロフォンモジュール224は、半導体チップ226、スペーサ228、及び干渉構成部品230を備え、これらは、スペーサ228が半導体チップ226と干渉構成部品230との間にある状態でスタックに配置されている。干渉構成部品230は、上記の他の実施形態の干渉構成部品と同様であり、メンブレン232を含む対応する構成部品を含み、同様に機能する。光マイクロフォンモジュール224は、音響空洞238を形成するエンクロージャ236を有する基部234上に装着されている。
【0095】
図1の実施形態と同様に、半導体チップ226はまた、光検出器240と、半導体チップ226上に装着されたVCSEL244に隣接する特定用途向け集積回路(ASIC)242とを備える。ASIC242は、ワイヤボンディング246によってVCSEL244に接続され、光検出器240を組み込んだ光電子回路248を含む。VCSEL244及び光検出器240の動作は、これにより、ASIC242を介して制御される。
【0096】
先の図に示した実施形態とは対照的に、この実施形態では、干渉構成部品230は、光学素子260を備える基板258の中央部分256の下の中空空間254を囲む周壁252の形態の間隔部分250を備える。
【0097】
図9の実施形態と同様に、スペーサ228は、半導体チップ226と干渉構成部品230との間に懸架されたブリッジ構造体262を備える。
図9の実施形態とは対照的に、ブリッジ構造体262は、スペーサ228の内部ではなく、スペーサ228の頂部にわたって形成される。ブリッジ構造体262は、空気孔を含まず、したがって、スペーサ228の頂部にわたって障壁を形成している。これにより、干渉構成部品230の形状は、スタック内の内部空洞264を画定し、ブリッジ構造262は、その下部境界壁を形成している。空気通路266は、メンブレン232と音響空洞238との間の流体連通を可能にするために、干渉構成部品の間隔部分250に設けられている。
この実施形態及び他の実施形態の変形例では、スペーサは、干渉構成部品及びスペーサの形状がともに内部空洞を画定するように、異なって形作られ得る。例えば、スペーサ内のブリッジ構造体は、スペーサの内側のより低い位置に位置決めされてもよく、又は1つ以上の空気孔を備えてもよく、又はスペーサはブリッジ構造体なしで設けられてもよい。
【0098】
図8及び9の実施形態と同様に、マイクロレンズ268がブリッジ構造体262内に形成されて、VCSEL244、メンブレン232及び光検出器240の間を伝搬する光を方向付ける。マイクロレンズ268の代わりに、又はそれに加えて、1つ以上の他の光学構成部品を設けることができる。
【0099】
図11は、本発明による光マイクロフォンモジュール270の更なる実施形態を示している。
図1~10の実施形態と同様に、光マイクロフォンモジュール270は、半導体チップ272、スペーサ274、及び干渉構成部品276を備え、これらは、スペーサ274が半導体チップ272と干渉構成部品276との間にある状態でスタックに配置されている。光マイクロフォンモジュール270は、
図1~10の実施形態に含まれるものと同等の光学構成部品及び電子構成部品(VCSEL278及び光検出器280を含む)を含み、同様に動作する。この実施形態は、上記で考察した実施形態と比較していくつかの変形例を示している。これらの変形例は、他の実施形態において、個別に又は組み合わせて提供され得る。
【0100】
この実施形態では、音響ポート282が光マイクロフォンハウジングの基部284に設けられている。光マイクロフォンモジュール270は、干渉構成部品の取付領域286が音響ポート282の周囲に取り付けられた状態で、逆向きに装着されている。この構成は「ボトムポート」構成と呼ばれ得るのに対して、
図1~10に示される構成は「トップポート」構成と呼ばれ得る。
【0101】
干渉構成部品276は、基板288及びメンブレン290を備える。この実施形態では、干渉構成部品276の基板288は、
図1~10の実施形態の基板よりも薄い。基板288は、より厚い周辺支持領域292を有する。
【0102】
基板288(具体的には、より厚い支持領域292)は、スペーサ内の開口部298を介してスタックの外部296と流体連通する内部空洞294を画定するように形作られている。スタックの外部296は、ハウジングの音響空洞(バックボリューム)に対応している。メンブレン290の一方の側部は、基板内の開口部300を介して内部空洞294と流体連通している。メンブレンの他方の側部は、音響ポート282を介してハウジングの外部302に開いている。
【0103】
この実施形態では、半導体チップ272の幅はスペーサ274よりも小さいため、半導体チップ272、スペーサ274、及び干渉構成部品276は、半導体チップ272と干渉構成要素276との間にスペーサ274を備えたスタック内に依然として配置されているが、半導体チップ272は、スペーサ274の一方の側面の表面の比較的小さい部分のみを覆う。
【0104】
本発明のいくつかの可能な実施形態のみを記載されており、他の実施形態及び変形が、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内で可能であることが理解されよう。
【国際調査報告】