(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-08
(54)【発明の名称】容器閉鎖デバイス及びその操作方法
(51)【国際特許分類】
B65D 45/32 20060101AFI20230601BHJP
G21F 5/12 20060101ALI20230601BHJP
G21F 9/36 20060101ALI20230601BHJP
【FI】
B65D45/32 100
G21F5/12 D
G21F9/36 521A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022565885
(86)(22)【出願日】2021-04-28
(85)【翻訳文提出日】2022-12-13
(86)【国際出願番号】 US2021029701
(87)【国際公開番号】W WO2021222444
(87)【国際公開日】2021-11-04
(32)【優先日】2020-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522376106
【氏名又は名称】アトキンズ ニュークリア セキュアード ホールディングス コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】ATKINS NUCLEAR SECURED HOLDINGS CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100225543
【氏名又は名称】上原 真
(72)【発明者】
【氏名】ゴードン クロフォード
(72)【発明者】
【氏名】ジョン リチャードソン
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA12
3E084AB10
3E084BA01
3E084CA01
3E084CB03
3E084DA01
3E084DB14
3E084FD04
3E084GA08
3E084GB12
3E084GB21
3E084HA03
3E084HB09
3E084HD01
3E084LA17
(57)【要約】
蓋アセンブリ及びこの蓋アセンブリを組み付ける方法。蓋アセンブリは、容器蓋を容器開口に固定するよう構成された開放ループのクランプバンドであって、閉鎖位置に向けて偏倚される、該クランプバンドと、開放ループのクランプバンドに結合される閉鎖アセンブリとを備えることができる。閉鎖アセンブリは、ねじ山付き突耳及びねじ山なし突耳であって、それぞれが開放ループのクランプバンドの対向する端部に固着される1対の突耳と、1対の突耳によって受け入れ可能なクランプボルトであって、ねじ山なし突耳の近位に位置決めすべきボルトヘッドを有するクランプボルトと、クランプボルトを受け入れるジャムアセンブリであって、クランプボルトに沿う1対の突耳間の較正位置に固定可能な、該ジャムアセンブリと、を有することができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器蓋のための蓋アセンブリであって、
前記容器蓋を容器開口に固定するよう構成された開放ループ型クランプバンドであり、閉鎖位置に向けて偏倚されている、該開放ループ型クランプバンドと、並びに
前記開放ループ型クランプバンドに結合される閉鎖アセンブリであり、
前記開放ループ型クランプバンドの互いに対向する端部にそれぞれ固着したねじ山付き突耳及びねじ山なし突耳を含む1対の突耳、
前記1対の突耳に受け入れ可能であり、前記ねじ山なし突耳の近位に位置決めされるボルトヘッドを有するクランプボルト、及び
前記クランプボルトを受け入れるためのジャムアセンブリであり、前記クランプボルトに沿って前記1対の突耳間の較正位置に固定可能である、該ジャムアセンブリ
を含む、該閉鎖アセンブリと、
を備える、蓋アセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載の蓋アセンブリにおいて、前記クランプボルトは、前記開放ループ型クランプバンドを開放位置と閉鎖位置との間で移行させるよう回転可能である、蓋アセンブリ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の蓋アセンブリにおいて、前記ジャムアセンブリは、1対のジャムナットであり、前記1対のジャムナットの各々が前記1対のジャムナットの他方に向けてトルクを付与されて前記ジャムアセンブリを前記クランプボルトに沿う前記較正位置に固定する、該1対のジャムナットを含む、蓋アセンブリ。
【請求項4】
請求項1~3のうちいずれか1項に記載の蓋アセンブリにおいて、前記開放ループ型クランプバンドは、ほぼ円形のドラム蓋の周りに装着するためのクランプリングである、蓋アセンブリ。
【請求項5】
請求項1~4のうちいずれか1項に記載の蓋アセンブリにおいて、前記ボルトヘッドの前記ねじ山なし突耳に対する位置を維持するよう、前記ねじ山なし突耳と前記ジャムアセンブリとの間に位置決めするための離隔デバイスを備える、蓋アセンブリ。
【請求項6】
請求項5に記載の蓋アセンブリにおいて、前記離隔デバイスは、前記クランプボルトのシャフトにおける開孔内に受け入れられるコッターピンを含み、前記開孔は、前記ねじ山なし突耳に関して、前記ボルトヘッドとは反対側に位置決めされる、蓋アセンブリ。
【請求項7】
請求項5に記載の蓋アセンブリにおいて、前記離隔デバイスは、ベルビルワッシャ又は楔デバイスのうち少なくとも一方を含む、蓋アセンブリ。
【請求項8】
請求項1~7のうちいずれか1項に記載の蓋アセンブリにおいて、前記容器蓋の周縁の近位の領域に重なり合い、前記容器蓋と前記容器開口との間の境界面に下向き封止力を加える環状ウエイトを備える、蓋アセンブリ。
【請求項9】
請求項8に記載の蓋アセンブリにおいて、前記環状ウエイトは、前記容器開口における前記容器蓋の配置又は取外しのために前記容器蓋に係合するよう構成された電磁石又は吸引デバイスを含む、蓋アセンブリ。
【請求項10】
請求項8に記載の蓋アセンブリにおいて、容器充填ヘッドからの過剰物質を受け止めるドリップトレイを備える、蓋アセンブリ。
【請求項11】
請求項10に記載の蓋アセンブリにおいて、前記ドリップトレイ及び前記環状ウエイトは、互いにほぼ同心状になるよう構成される、蓋アセンブリ。
【請求項12】
容器蓋のための蓋アセンブリであって、
前記容器蓋を容器開口に固定するよう構成された開放ループ型クランプバンドと、
前記開放ループ型クランプバンドに結合される閉鎖アセンブリと、及び
前記容器蓋の周縁の近位の領域に重なり合い、前記容器蓋と前記容器開口との間の境界面に下向き封止力を加える環状ウエイトと、
を備える、蓋アセンブリ。
【請求項13】
請求項12に記載の蓋アセンブリにおいて、前記容器蓋はほぼ円形であり、前記環状ウエイトは、前記容器蓋の半径方向外方部分に下向き封止力を加える、蓋アセンブリ。
【請求項14】
請求項13に記載の蓋アセンブリにおいて、前記環状ウエイトは、該環状ウエイトを前記容器蓋に同心状に整列させるよう構成された複数の楔形状をした位置合わせ用フィンガを含む、蓋アセンブリ。
【請求項15】
請求項12~14のうちいずれか1項に記載の蓋アセンブリにおいて、前記容器蓋を前記容器のリム上に又はリムから持ち上げるよう適合化された電磁石又は吸引デバイスを備える、蓋アセンブリ。
【請求項16】
請求項12~15のうちいずれか1項に記載の蓋アセンブリにおいて、前記環状ウエイトは、容器充填ヘッドからの過剰物質を受け止めるドリップトレイとして構成される、蓋アセンブリ。
【請求項17】
請求項12~16のうちいずれか1項に記載の蓋アセンブリにおいて、容器充填ヘッドからの過剰物質を受け止めるドリップトレイを備え、前記ドリップトレイ及び前記環状ウエイトは、前記環状ウエイトに同心状に位置決めされるよう構成される、蓋アセンブリ。
【請求項18】
請求項12~17のうちいずれか1項に記載の蓋アセンブリにおいて、前記開放ループ型クランプバンドは、ほぼ円形のドラム蓋の周りに装着するクランプリングである、蓋アセンブリ。
【請求項19】
請求項12~18のうちいずれか1項に記載の蓋アセンブリにおいて、前記閉鎖アセンブリは、
前記開放ループ型クランプバンドの互いに対向する端部にそれぞれ固着したねじ山付き突耳及びねじ山なし突耳を含む1対の突耳と、
前記1対の突耳に受け入れ可能であり、前記ねじ山なし突耳の近位に位置決めされるボルトヘッドを有するクランプボルトと、及び
前記クランプボルトを受け入れるためのジャムアセンブリであり、前記クランプボルトに沿って前記1対の突耳間の較正位置に固定可能な、該ジャムアセンブリと
を含む、蓋アセンブリ。
【請求項20】
請求項19に記載の蓋アセンブリにおいて、前記クランプボルトは、前記開放ループ型クランプバンドを開放位置と閉鎖位置との間で移行させるよう回転可能である、蓋アセンブリ。
【請求項21】
請求項19又は20に記載の蓋アセンブリにおいて、前記ジャムアセンブリは、1対のジャムナットであり、前記1対のジャムナットの各々が前記1対のジャムナットの他方に向けてトルクを付与されて前記ジャムアセンブリを前記クランプボルトに沿う前記較正位置に固定する、該1対のジャムナットを含む、蓋アセンブリ。
【請求項22】
請求項19~21のうちいずれか1項に記載の蓋アセンブリにおいて、前記開放ループ型クランプバンドが閉鎖位置に向けて偏倚される間に、前記ボルトヘッドの前記ねじ山なし突耳に対する位置を維持するよう、前記ねじ山なし突耳と前記ジャムアセンブリとの間に位置決めするための離隔デバイスを備える、蓋アセンブリ。
【請求項23】
請求項22に記載の蓋アセンブリにおいて、前記離隔デバイスは、前記クランプボルトのシャフトにおける開孔内に受け入れられるコッターピンを含み、前記開孔は、前記ねじ山なし突耳に関して、前記ボルトヘッドとは反対側に位置決めされる、蓋アセンブリ。
【請求項24】
請求項22に記載の蓋アセンブリにおいて、前記離隔デバイスは、ベルビルワッシャ又は楔デバイスのうち少なくとも一方を含む、蓋アセンブリ。
【請求項25】
請求項12~24のうちいずれか1項に記載の蓋アセンブリにおいて、前記容器開口における前記容器蓋の配置又は取外しのために前記容器蓋に係合するよう構成された電磁石又は吸引デバイスを備える、蓋アセンブリ。
【請求項26】
請求項12~24のうちいずれか1項に記載の蓋アセンブリにおいて、容器充填ヘッドからの過剰物質を受け止めるドリップトレイを備える、蓋アセンブリ。
【請求項27】
請求項26に記載の蓋アセンブリにおいて、前記ドリップトレイ及び環状ウエイトは、互いにほぼ同心状になるよう構成される、蓋アセンブリ。
【請求項28】
容器蓋のための蓋アセンブリを組み付ける方法であって、
開放ループ型クランプバンドの第1開放端部に固着したねじ山なし突耳にクランプボルトを挿通するステップと、
前記クランプボルトをジャムアセンブリに係合させるステップと、
前記開放ループ型クランプバンドの第2開放端部に固着したねじ山付き突耳にクランプボルトをねじ込むステップと、及び
前記ねじ山付き突耳と前記ねじ山なし突耳との間に位置決めされる前記ジャムアセンブリを、前記クランプボルトに沿う較正位置に固着するステップと、
を備える、方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法において、前記ジャムアセンブリは、1対のジャムナットであり、また前記クランプボルトを前記ジャムアセンブリに係合させるステップは、前記1対のジャムナットの各々が前記1対のジャムナットの他方に向けてトルクを付与して前記ジャムアセンブリを前記クランプボルトに沿う前記較正位置に固定するステップを含む、方法。
【請求項30】
請求項28又は29に記載の方法において、ボルトヘッドの前記ねじ山なし突耳に対する位置を維持するよう、前記ねじ山なし突耳と前記ジャムアセンブリとの間に離隔デバイスを固定するステップを備える、方法。
【請求項31】
請求項30に記載の方法において、前記離隔デバイスはコッターピンを含み、また前記離隔デバイスを固定するステップは、
固着済みの前記ジャムアセンブリと前記ねじ山なし突耳との間の位置で前記クランプボルトのシャフトに開孔を穿孔するステップと、及び
前記ジャムアセンブリと前記ねじ山なし突耳との間にピンを位置決めするように、前記穿孔した開孔内に前記コッターピンを挿入するステップと、
を含む、方法。
【請求項32】
請求項28~31のうちいずれか1項に記載の方法において、前記クランプボルトを前記ねじ山付き突耳からねじ戻して前記開放ループ型クランプバンドを開放位置に位置決めする方向にボルトヘッドを回転するステップを備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2020年4月28日に出願された「CONTAINER CLOSURE DEVICE AND METHOD OF OPERATING THE SAME」と題する米国仮特許出願第63/16,652号の優先権を主張し、その全内容は、参照により本明細書に組み込まれるものである。
【0002】
本開示は、概して容器に関し、またとくに、容器閉鎖デバイス及びこの容器閉鎖デバイスの操作方法に関する。
【背景技術】
【0003】
核廃棄物若しくは毒物のような、危険のおそれがあり又はそれに対する被曝を最小限にすべき物質は、固体、液体又はそれらの組合せの形態をとり得る。容器は、このような物質を隔絶、保管又は輸送するよう構成することができる。幾つかの実施形態において、容器は、物質を収容し、また物質を固定化試薬と混合して固化マトリクスを生成するよう構成することができ、これにより容器内に収容された物質が環境に漏洩する又は滲出する可能性を減少する。幾つかの他の実施形態において、容器は、物質が環境に滲出するのを防止するために、容器開口に容器蓋を固定することによって封止することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示に記載の実施形態は、容器蓋用の蓋アセンブリを提供する。幾つかの実施形態において、蓋アセンブリは、先行認証済み閉鎖デバイスに基づく特徴を含むことができ、またこの閉鎖デバイスは、技術者が容器から物理的に離れた距離をとって容器を封止し得る特徴により機能強化することができる。
【0005】
幾つかの状況において、技術者は、容器開口と容器蓋との間の境界面で容器蓋の周縁を繰り返し叩き込んで、境界面における封止の完全性を高めることができる。このような操作は、危険物質が容器から外部に飛散させる事象を増大させ、それにより、潜在的に技術者を危険物質に曝すおそれがある。本開示に記載の実施形態は、容器を封止するため、容器蓋に下向きの力を遠隔から加えるように適合可能なデバイスを提供する。幾つかの状況において、容器蓋に下向きの力を加えるように適合可能なデバイスは、容器蓋と容器開口との間の封止の完全性を増大させることができる。
【0006】
幾つかの状況において、容器及び関連閉鎖デバイスが認証又は規制認可を受けた後では、容器又は関連閉鎖デバイスに修正を加えると、幾つかの状況において、その認証は無効にされることがある。本開示の幾つかの実施形態は、容器閉鎖デバイスの遠隔操作を可能にし、また先行の認証又は規制認可の無効化を回避することができる特徴を含む。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様において、本開示は容器蓋のための蓋アセンブリを提供する。この蓋アセンブリは、容器蓋を容器開口に固定するよう構成された開放ループ型クランプバンドであり、閉鎖位置に向けて偏倚されている、該開放ループ型クランプバンドと、並びに開放ループ型クランプバンドに連結される閉鎖アセンブリとを備えることができる。閉鎖アセンブリは、開放ループ型クランプバンドの互いに対向する端部にそれぞれ固着したねじ山付き突耳及びねじ山なし突耳を含む1対の突耳と、1対の突耳に受け入れ可能であり、ねじ山なし突耳の近位に位置決めされるボルトヘッドを有するクランプボルトと、及びクランプボルトを受け入れるためのジャムアセンブリであり、クランプボルトに沿って1対の突耳間の較正位置に固定可能である、該ジャムアセンブリとを含むことができる。
【0008】
幾つかの実施形態において、クランプボルトは、開放ループ型クランプバンドを開放位置と閉鎖位置との間で移行させるよう回転可能であり得る。
【0009】
上述した実施形態のいずれにおいても、ジャムアセンブリは、1対のジャムナットであり、1対のジャムナットの各々が、1対のジャムナットの他方に向けてトルク付与されてジャムアセンブリをクランプボルトに沿う較正位置に固定する、該1対のジャムナットを含むことができる。
【0010】
上述した実施形態のいずれにおいても、開放ループ型クランプバンドは、ほぼ円形ドラム蓋の周りに装着するためのクランプリングとすることができる。
【0011】
上述した実施形態のいずれにおいても、蓋アセンブリは、ボルトヘッドのねじ山なし突耳に対する位置を維持するよう、ねじ山なし突耳とジャムアセンブリとの間に位置決めするための離隔デバイスを備えることができる。
【0012】
幾つかの実施形態において、離隔デバイスは、クランプボルトのシャフトにおける開孔内に受け入れられるコッターピンを含み、開孔は、ねじ山なし突耳に関して、ボルトヘッドとは反対側に位置決めされ得る。
【0013】
幾つかの実施形態において、離隔デバイスは、ベルビルワッシャ又は楔デバイスのうち少なくとも一方を含むことができる。
【0014】
上述した実施形態のいずれにおいても、蓋アセンブリは、容器蓋の周縁の近位の領域に重なり合い、容器蓋と容器開口との間の境界面に下向き封止力を加える環状ウエイトを備えることができる。
【0015】
幾つかの実施形態において、環状ウエイトは、容器開口における容器蓋の配置又は取外しのために容器蓋に係合するよう構成された電磁石又は吸引デバイスを含むことができる。
【0016】
幾つかの実施形態において、蓋アセンブリは、容器充填ヘッドからの過剰物質を受け止めるドリップトレイを備えることができる。
【0017】
幾つかの実施形態において、ドリップトレイ及び環状ウエイトは、互いにほぼ同心状になるよう構成され得る。
【0018】
別の態様において、容器蓋のための蓋アセンブリを提供する。該蓋アセンブリは、容器蓋を容器開口に固定するよう構成された開放ループ型クランプバンドと、開放ループ型クランプバンドに連結される閉鎖アセンブリと、及び容器蓋の周縁の近位の領域に重なり合い、容器蓋と容器開口との間の境界面に下向き封止力を加える環状ウエイトと、を備えることができる。
【0019】
幾つかの実施形態において、容器蓋はほぼ円形であり、環状ウエイトは、容器蓋の半径方向外方部分に下向き封止力を加えることができる。
【0020】
幾つかの実施形態において、環状ウエイトは、該環状ウエイトを容器蓋に同心状に整列させるよう構成された複数の楔形状をした整列フィンガを含むことができる。
【0021】
上述した実施形態のいずれにおいても、蓋アセンブリは、容器蓋を容器のリム上に又はリムから持ち上げるよう適合化された電磁石又は吸引デバイスを備えることができる。
【0022】
上述した実施形態のいずれにおいても、環状ウエイトは、容器充填ヘッドからの過剰物質を受け止めるドリップトレイとして構成され得る。
【0023】
上述した実施形態のいずれにおいても、容器充填ヘッドからの過剰物質を受け止めるドリップトレイを備え、ドリップトレイ及び環状ウエイトは、環状ウエイトに同心状に位置決めされるよう構成され得る。
【0024】
上述した実施形態のいずれにおいても、開放ループ型クランプバンドは、ほぼ円形のドラム蓋の周りに装着するクランプリングであり得る。
【0025】
上述した実施形態のいずれにおいても、閉鎖アセンブリは、開放ループ型クランプバンドの互いに対向する端部にそれぞれ固着したねじ山付き突耳及びねじ山なし突耳を含む1対の突耳と、1対の突耳に受け入れ可能であり、ねじ山なし突耳の近位に位置決めされるボルトヘッドを有するクランプボルトと、及びクランプボルトを受け入れるためのジャムアセンブリであり、クランプボルトに沿って1対の突耳間の較正位置に固定可能な、該ジャムアセンブリとを含むことができる。
【0026】
幾つかの実施形態において、クランプボルトは、開放ループ型クランプバンドを開放位置と閉鎖位置との間で移行させるよう回転可能であり得る。
【0027】
上述した実施形態のいずれにおいても、ジャムアセンブリは、1対のジャムナットであり、1対のジャムナットの各々が1対のジャムナットの他方に向けてトルクを付与されてジャムアセンブリをクランプボルトに沿う較正位置に固定する、該1対のジャムナットを含むことができる。
【0028】
上述した実施形態のいずれにおいても、蓋アセンブリは、開放ループ型クランプバンドが閉鎖位置に向けて偏倚される間に、ボルトヘッドのねじ山なし突耳に対する位置を維持するよう、ねじ山なし突耳とジャムアセンブリとの間に位置決めするための離隔デバイスを備えることができる。
【0029】
幾つかの実施形態において、離隔デバイスは、クランプボルトのシャフトにおける開孔内に受け入れられるコッターピンを含み、開孔は、ねじ山なし突耳に関して、ボルトヘッドとは反対側に位置決めすることができる。
【0030】
幾つかの実施形態において、離隔デバイスは、ベルビルワッシャ又は楔デバイスのうち少なくとも一方を含むことができる。
【0031】
上述した実施形態のいずれにおいても、蓋アセンブリは、容器開口における容器蓋の配置又は取外しのために容器蓋に係合するよう構成された電磁石又は吸引デバイスを備えることができる。
【0032】
上述した実施形態のいずれにおいても、蓋アセンブリは、容器充填ヘッドからの過剰物質を受け止めるドリップトレイを備えることができる。
【0033】
幾つかの実施形態において、ドリップトレイ及び環状ウエイトは、互いにほぼ同心状になるよう構成され得る。
【0034】
別の態様において、容器蓋のための蓋アセンブリを組み付ける方法を提供する。この方法は、開放ループ型クランプバンドの第1開放端部に固着したねじ山なし突耳にクランプボルトを挿通するステップと、クランプボルトをジャムアセンブリに係合させるステップと、開放ループ型クランプバンドの第2開放端部に固着したねじ山付き突耳にクランプボルトをねじ込むステップと、及びねじ山付き突耳とねじ山なし突耳との間に位置決めされるジャムアセンブリをクランプボルトに沿う較正位置に固着するステップと、を備えることができる。
【0035】
幾つかの実施形態において、ジャムアセンブリは、1対のジャムナットであり、またクランプボルトをジャムアセンブリに係合させるステップは、1対のジャムナットの各々が1対のジャムナットの他方に向けてトルクを付与してジャムアセンブリをクランプボルトに沿う較正位置に固定するステップを含むことができる。
【0036】
上述した実施形態のいずれにおいても、方法は、ボルトヘッドのねじ山なし突耳に対する位置を維持するよう、ねじ山なし突耳とジャムアセンブリとの間に離隔デバイスを固定するステップを備えることができる。
【0037】
幾つかの実施形態において、離隔デバイスはコッターピンを含み、また離隔デバイスを固定するステップは、固着済みのジャムアセンブリとねじ山なし突耳との間の位置でクランプボルトのシャフトに開孔を穿孔するステップと、及びジャムアセンブリとねじ山なし突耳との間にピンを位置決めするように、穿孔した開孔内にコッターピンを挿入するステップと、を含むことができる。
【0038】
上述した実施形態のいずれにおいても、方法は、クランプボルトをねじ山付き突耳からねじ戻して開放ループ型クランプバンドを開放位置に位置決めする方向にボルトヘッドを回転するステップを備えることができる。
【0039】
この点において、少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、実施形態は、適用の際に、以下の説明に記載される又は図面に示される構成要素の構造の詳細及び構成に限定されないことを理解されたい。また、本明細書で使用される表現及び用語は、説明を目的とするものであり、限定するものとみなされるべきではないことを理解されたい。
【0040】
本明細書に記載する実施形態に関する多くのさらなる特徴及びそれらの組み合わせは、本開示を読んだ後の当業者ならば容易に分かるであろう。
【0041】
図面では、実施形態が例として示されている。明細書及び図面は単に例示目的であり、理解の助けとなるものであることを明確に理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図2】本開示の実施形態によるクランプリング及び閉鎖アセンブリを図示する。
【
図3】本開示の実施形態による蓋アセンブリの斜視図を図示する。
【
図4A】本開示の実施形態による、開放端部付きクランプリングに開放位置及び閉鎖位置で連結された閉鎖アセンブリの斜視図を図示する。
【
図4B】本開示の実施形態による、開放端部付きクランプリングに開放位置及び閉鎖位置で連結された閉鎖アセンブリの斜視図を図示する。
【
図5】本開示の実施形態による、開放端部付きクランプリングに開放位置及び閉鎖位置で連結された閉鎖アセンブリの斜視図を図示する。
【
図6】本開示の実施形態による、開放端部付きクランプリングに開放位置及び閉鎖位置で連結された閉鎖アセンブリの斜視図を図示する。
【
図8】本開示の実施形態による、容器蓋用に蓋アセンブリを組み付ける方法を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0043】
容器は保管又は輸送すべき材料を収容するよう構成することができる。例えば、ドラム又は他の容器タイプは、材料を保管又は輸送するよう適合化することができる。技術者は、容器と容器蓋との間のシールを汚染物が突破する機会を減少する手動操作を行うことができる。例として、容器内の材料が環境又は人間に危険を及ぼすものになり得ないとき、容器を封止又は封止解除する技術者が行う操作の安全性に関連する心配事を軽減することができる。
【0044】
幾つかの状況において、容器は、環境又は人間に対して有害な可能性のある物質等の危険材料を保管又は輸送するよう適合化することができる。危険物質としては、人間に対して健康を害する又は環境に望ましくない変化をもたらす物質があり、例えば、とりわけ電離放射性材料がある。幾つかの状況において、危険物質を保管する容器は、0.2人体レントゲン当量/時(Rem/hr : Roentgen Equivalent Man per hour)のような接触取扱い限界を超えるおそれがある。遠隔操作できる容器閉鎖デバイスを設けるのは有益であり得る。危険材料を保管又は輸送する容器を封止するように適合化された閉鎖デバイスを遠隔操作することによって、技術者が危険材料に接触することに伴うリスクを減少することができる。
【0045】
危険物質を容器内に封入する方法は、容器の開口又はリムに容器蓋を固定するステップを含むことができる。幾つかの状況において、技術者は、容器蓋を容器開口に配置し、また容器蓋の周縁と容器のリムとの間の境界面でシールを生じさせるための力を容器蓋に加えることができる。技術者は、マレット又は他の打撃デバイスによって容器蓋に下向き力を加えることができる。しかし、容器蓋を打撃すると、危険物質を容器外に飛散させ、これにより潜在的に技術者を危険物質に曝すおそれがある。容器を封止するため、容器蓋に遠隔で下向き力を加えるのに適合可能なデバイスを設けることは有益であり得る。幾つかの状況において、容器蓋の周縁周りにほぼ一様な下向き力を付与し、これにより容器蓋と容器開口との間の封止の完全性を高めることは有益であり得る。
【0046】
幾つかの状況において、危険物質を収容、保管、又は輸送するために容器を利用する上で、幾つかの規制当局は、容器及び閉鎖デバイスに1つ又はそれ以上の認証試験を受けさせることを課すことができる。例えば、管轄区域/国々によっては公的にアクセス可能な道路上における輸送のために認可されるために、危険物質を収容する容器が、落下試験要件、浸水試験要件、等の認証要件を順守することが必要な場合がある。このような認証基準は、一連の試験基準に基づいて容器が確実に破壊又は損傷を受けないことの保証につながり得る。幾つかの状況において、規制認可又は認証を取得することは労力を要するプロセスであり、また時間を消費する又はコストがかかる場合がある。
【0047】
容器及び関連の閉鎖デバイスが認証又は規制認可を受けた後で、容器及び関連の閉鎖デバイスを修正すると、幾つかの状況において、認証を無効化するおそれがある。先行する認証又は規制認可を無効化することがないように容器閉鎖デバイスに対して強化を施すのは有益であり得る。
【0048】
本開示に記載の実施形態は、容器蓋のための蓋アセンブリを含む。幾つかの実施形態において、蓋アセンブリは、先行認証済み閉鎖デバイスに基づく特徴を含むことができ、またこのような閉鎖デバイスは、技術者が容器から物理的に比較的大きく離れた距離をとって容器を封止できる特徴により機能強化することができる。幾つかの実施形態において、蓋アセンブリは、容器蓋の周縁の近位にある領域で環状ウエイトデバイスを重ね合わせるデバイスを含むことができる。この環状ウエイトデバイスが、容器蓋と容器開口との間の境界面に下向きの封止力を付与することにより、技術者は、容器から物理的に比較的大きな距離をとって位置取りをできるようにになる。
【0049】
技術者と危険物質を保管する容器との間の距離を増やすことによって、また技術者がこのような容器に対して物理的に近接する必要があり得る持続時間を最小限にすることによって、技術者が危険物質に曝されることを減少することができる。
【0050】
本開示の実施形態は、廃棄材料を隔絶、保管又は輸送するほぼ円筒形の容器(例えば、市販の113.6リットル又は208.2リットル(30又は55ガロン)のドラム)につき説明する場合がある。当然のことながら、他の容器タイプ、形状又はサイズを使用することができる。例えば、危険物質を収容、保管、又は輸送する容器は、他の非円形断面形状を有する場合がある。
【0051】
図1Aを参照すると、これは本開示の実施形態による容器110の一部切除した斜視図を図示する。容器110はほぼ円筒形の形状とすることができる。例えば、容器110は、208.2リットル(55ガロン)の容器又はドラムとすることができる。他のサイズ及び容器タイプを使用することもできる。幾つかの実施形態において、内部に収容された物質と相互反応させるためのデバイスをドラム内に配置することができる。このようなデバイスとしては、混合パドル又は他の装置を挙げることができる。
【0052】
幾つかの実施形態において、容器110は、容器110の開口に据え付けられる容器蓋114を含むことができる。容器蓋114は、容器110を封止し、それにより容器110内に収容された物質を外部環境から隔絶できるよう適合化することができる。
【0053】
容器110は、巻き込み上部リム112又はカールが付いた開口を有することができる。巻き込み上部リム112は、容器蓋114の周縁と相補関係とすることができる。
【0054】
図1Bを参照すると、これは
図1Aに図示した容器の拡大部分切除図を図示する。幾つかの実施形態において、巻き込み上部リム112と蓋114の周縁との間にガスケット116を位置決めすることができる。蓋114を容器110の開口に据え付けると、ガスケット116は、廃棄材料が容器外部の環境に漏出又は通過するのを防止するシールを生じさせることができる。幾つかの実施形態において、ガスケット116はゴムで構成することができる。ガスケット116用に他のタイプの材料を使用することもできる。
【0055】
幾つかの実施形態において、容器蓋を容器110の開口に固定するように、開放ループ型クランプバンドを構成することができる。例えば、開放ループ型クランプバンドは、容器蓋114の周縁及び容器110の巻き込み上部リム112の近位にある組合せ領域周りを包み込むよう適合化されたクランプリング120とすることができる。クランプリング120を容器蓋114の周縁周りに締め付けると、クランプリングはガスケット116を圧迫し、また容器蓋114と容器開口との間の境界面にシールを生じさせることができる。
【0056】
図1において、容器の巻き込み上部リム112及び容器蓋114の周縁は、凸状の境界面として図示してある。幾つかの実施形態において、容器蓋114と容器開口との間の境界面はそれぞれ凹状面であり、開放ループ型クランプバンドは、このような凹状輪郭を有する容器蓋周縁及び容器リムの組合せの周りを包み込むよう構成することができ、また容器蓋ではなく容器に衝合することができる。
【0057】
図2を参照すると、これはクランプリング120及び閉鎖アセンブリを図示する。クランプリング120は、容器蓋を
図1の容器に固定又は固着する容器蓋周りを包み込むよう構成することができる。幾つかの実施形態において、クランプリング120は開放ループ型クランプバンドとすることができる。例えば、クランプリング120は、2つの開放端部付きの開口を有するほぼ円形のリングとすることができる。
【0058】
クランプリング120は、クランプリング120に連結される閉鎖アセンブリを含むことができる。容器蓋を容器開口に据え付けるとき、及びクランプリング120を容器蓋の周りに包み込むとき、閉鎖アセンブリは、容器蓋の周縁周りでクランプリングを締め付けるよう構成することができる。クランプリング120を締め付けて容器蓋を容器開口に固定するとき、クランプリング120は閉鎖位置をとることができる。締め付けられると、クランプリングは、容器を封止するよう、ガスケット(
図2には明示しない)を圧迫することができる。
【0059】
閉鎖アセンブリはクランプリング120の開放部分に連結することができる。閉鎖アセンブリは、ねじ山付き突耳122a及びねじ山なし突耳122bを含むことができる。ねじ山付き突耳122a及びねじ山なし突耳122bはクランプボルト124を受け入れることができる。クランプボルトは、クランプリング120の接線方向に位置決めすることができる。
図2は、開放又は非締付位置にあるクランプリング120を図示する。
【0060】
クランプボルト124を時計周り方向に回転すると、クランプボルト124のボルトヘッドがねじ山なし突耳122bをねじ山付き突耳122aに向けて前進させ、クランプリング120を容器蓋の周りに締め付けることができる。
【0061】
図2の実施例において、ねじ山付き突耳122aとねじ山なし突耳122bとの間に単一ロックナット126が位置決めされる。単一ロックナット126はクランプボルト124を受け入れることができる。クランプボルト124を回転してクランプリング120を容器蓋周りに締め付けると、単一ロックナット126は、クランプボルト124に沿って、且つねじ山なし突耳122bに向かって回転して調整され得る。
【0062】
封止済み容器の輸送中、容器は振動又は同様の衝撃運動を受けることがある。単一ロックナット126は、ねじ山付き突耳122bに衝合するよう締め付けることができる。単一ロックナット126をねじ山なし突耳122bに衝合するよう締め付けることにより、封止済み容器を輸送するときに、クランプボルトのねじ山なし突耳に対する移動を減少させることができる。
【0063】
この実施例において、
図2につき説明した例示的なクランプリング120及び閉鎖アセンブリを締め付ける操作を行う技術者は、クランプボルト124を回転させつつ、単一ロックナット126をクランプボルト124に沿って及びねじ山付き突耳122aに向かうよう反復的に回転させることを必要とし、これは少なくとも、ねじ山なし突耳122bが単一ロックナット126を偏倚して圧着するからである。ねじ山なし突耳122bは単一ロックナット126に圧着し、これは少なくとも、クランプリング120が閉鎖位置に向けて偏倚するよう構成されているからである。例えば、閉鎖位置にあるクランプリング120は、開放位置にあるクランプリング120のリング直径より小さいリング直径を有することができる。別の実施例において、クランプリング120が閉鎖位置にあるとき、ねじ山付き突耳122aとねじ山なし突耳122bとの間の距離は、クランプリング120が開放位置にあるときのねじ山付き突耳122aとねじ山なし突耳122bとの間の距離よりも小さくなり得る。
【0064】
図2につき説明した実施例において、技術者は、クランプリング120を容器蓋の周縁周りに締め付けるために、単一ロックナット126(レンチを用いて)及びクランプボルト124を反復的に又は順次に回転させることを必要とし、このことは、容器を封止する操作を遠隔で行うには難題であり得る。技術者は、(i) 容器蓋及び容器開口のリムの組合せ周りにクランプリング120を着座させる、及び/又は(ii) 容器を封止するよう
図2に図示したクランプリング120を締め付けるのに、物理的に容器近傍に位置する必要があるため、このような操作を行うことは、技術者が容器に曝される又は容器に近接している時間量を増大させるおそれがある。このせいで、技術者は、容器内に存在し得る危険材料に対する物理的な被曝を減少することができなくなるおそれがある。封止している標的容器に対して密な物理的接触状態をとることになる技術者にとって、時間量又は要件を減少する閉鎖デバイス及びこの閉鎖デバイスの操作方法を提供することは有益であり得る。
【0065】
幾つかの状況において、技術者は、容器及び容器蓋に対するクランプリング120の張力付与の不均一性を低減するために、容器蓋の周縁を容器の上部リム(
図1)に反復的に打撃するようゴム製マレット又は同様の器具を利用することができる。幾つかの状況において、技術者は、容器を封止するために、クランプリング周りの複数箇所でほぼ同様の下向き力を加えるようクランプリング120を打撃することができる。
【0066】
さらに、クランプリング120が意図しない位置に曲がったとき(例えば、クランプリングの周縁部分が単一の又は水平平面上にないようなとき)、技術者は、容器開口と容器蓋との間の境界面でクレームリング220を所定位置に位置決めするよう、クランプリング120の一部を打撃することができる。
【0067】
しかし、容器蓋の周縁及び/又はクランプリングを打撃することは、容器内の危険物質を容器開口に向けて飛散させることを促進するおそれがある。したがって、容器蓋と容器開口との間の境界面におけるシールの完全性を増大するために容器蓋の周縁を打撃することによって、技術者にとってこのような危険物質が技術者に飛び散るリスクが増大するおそれがある。容器蓋と容器開口との間の境界面に下向き封止力を付与するとともに、技術者を容器内に保管された危険物質に曝す機会を減少するデバイスを提供するのは有益であり得る。
【0068】
図3を参照すると、これは本開示の実施形態による蓋アセンブリ300の斜視図を図示する。蓋アセンブリ300は容器310の開口に据え付けることができる。
【0069】
幾つかの実施形態において、容器310は円筒形ドラムとし、また容器310の開口はほぼ円形とすることができる。
図3に図示する蓋アセンブリ300は、容器310の円形開口に据え付けるよう構成することができる。
【0070】
容器蓋302は、容器310の開口と相補関係にある周縁を有することができる。例えば、容器蓋302は円形とし、また容器310の開口の直径とほぼ同様の直径を有することができる。
【0071】
蓋アセンブリ300は、容器蓋302の周縁の近位にある領域に重なり合う環状ウエイト350を含むことができる。例えば、環状ウエイト350は、容器蓋302の頂部に着脱可能に位置決めすることができる。容器蓋302に重なり合ったとき、この環状ウエイト350は容器蓋302と同心状となり得る(ほぼ同様の中心点を共有する)。
【0072】
環状ウエイト350は容器蓋302の外面に隣接して位置決めすることができる。幾つかの実施形態において、環状ウエイト350はリング形状又はドーナツ形状とすることができ、また容器310に対するシールを閉じる又は維持する操作中に容器蓋302又はクランプリング320に下向き力を加えるよう構成することができる。
【0073】
環状ウエイト350は、容器蓋302と容器310の開口との間に据え付けたガスケットに対する下向き封止力を維持する形状とすることができる。例えば、環状ウエイト350が容器蓋302の外面に隣接して位置決めされるとき、環状ウエイト350はガスケットに圧力を加えることができる。その後、技術者はクランプリング320を閉鎖位置に移行させる操作を行うことができる。環状ウエイト350が容器蓋302に配置されている間、容器蓋302に対する圧迫力により、容器蓋302と容器開口との間の隙間を液体及び固体が通過することの発生が減少する。
【0074】
さらに、環状ウエイト350を容器蓋302の外面に隣接して位置決めするとき、環状ウエイト350は、クランプリング320を容器蓋302周りに締め付ける間に、容器蓋302とクランプリング320との間の同心性を維持するよう位置決めすることができる。したがって、環状ウエイト350は、容器310の開口に対する蓋の取り外し又は取り付けの操作中に、クランプリング320が水平平面においてほぼ円形形状を維持するよう構成することができる。
【0075】
幾つかの実施形態において、環状ウエイト350は複数の整列フィンガ352を含むことができる。幾つかの実施形態において、この整列フィンガ352は楔形状とすることができる。整列フィンガ352は環状ウエイト350の周囲に分布させることができる。
【0076】
例えば、
図3に図示する環状ウエイト350は、環状ウエイトの外側端縁周りに離間した位置で分布させた3つの整列フィンガ352を含む。3つの整列フィンガ352を
図3に図示したが、任意な数の整列フィンガ352を使用して、環状ウエイト350の容器蓋302に隣接する位置決め及び環状ウエイト350の容器蓋302に隣接する位置の維持を支援することができる。
【0077】
幾つかの状況において、容器蓋302の頂部に重なるよう環状ウエイト350を降下させるとき、整列フィンガ352の楔形状構造は、環状リング350及び容器蓋302の整列を支援することができる。
【0078】
幾つかの実施形態において、クランプリング320は開放端部付きクランプバンドとすることができる。この開放端部付きクランプバンドは、閉鎖位置及び開放位置をとることができる。クランプリング320が閉鎖位置にあるとき、クランプリング320の直径は、クランプリング320が開放位置にあるときのものと比べて小さいものとすることができる。クランプリング320が開放位置にあるとき、容器蓋302を容器開口に固定するためにクランプリング320を据え付けることができる。
【0079】
クランプリング320は、容器310の封止を解除するとき、又は技術者が容器蓋302を容器310から取り外すとき、容器蓋302の周縁から緩めるよう構成することができる。
【0080】
蓋アセンブリ300は、クランプリング320の開放部分に連結される閉鎖アセンブリを含むことができる。この閉鎖アセンブリは、ねじ山付き突耳322a及びねじ山なし突耳322bを含む1対の突耳を有することができる。ねじ山付き突耳322a及びねじ山なし突耳322bは、それぞれ開放ループ型クランプバンドの対向する端部に固着することができる。
【0081】
クランプボルト324は、ねじ山付き突耳322a及びねじ山なし突耳322bによって受け入れ可能であり得る。クランプボルト324を回転することにより、開放端部付きクランプリング320を容器蓋302の周縁周りに締め付けることができる。クランプボルト324は、ねじ山なし突耳322bの近位に位置決めすべきボルトヘッドを有することができる。
【0082】
幾つかの実施例において、クランプボルト324は、ねじ山なし突耳322bに押し込む又は挿入することができる。幾つかの実施例において、クランプボルト324は、シャフトに沿って複数のねじ山を有することができ、またねじ山付き突耳322aの対応するねじ山に螺合することができる。
【0083】
幾つかの実施形態において、閉鎖アセンブリは、クランプボルト324を受け入れるジャム(jam)アセンブリを含むことができる。幾つかの実施形態において、ジャムアセンブリとしては、ねじ山付き突耳322aとねじ山なし突耳322bとの間に位置決めされる1対のジャムナット328を挙げることができる。
【0084】
1対のジャムナット328はクランプボルト324を受け入れることができる。クランプボルト324を回転してクランプリング320を容器蓋302の周縁周りに締め付けた後は、1つ又はそれ以上のジャムナット328をねじ山なし突耳322bに隣接させ、封止済み容器を輸送するときにクランプボルトのねじ山なし突耳に対する移動を減少させることができる。更なる詳細を
図4A及び4Bにつき説明する。
【0085】
ジャムナットが単一又は単独のロックナットであり得る
図2につき説明したような実施例において、技術者は、(i) クランプボルトに沿って(レンチを用いて)ジャムナット位置を調整する、(ii) (ソケットを用いて)クランプボルトを回転する、(iii) クランプボルトに沿ってジャムナット位置を調整する、等々を、クランプリングが所望位置に締め込まれるまで反復シーケンスで行う必要があり得る。このような例の操作は、高度な器用さを必要とし、また技術者はこのような例の操作を実施するため、両手を必要とする場合がある。
【0086】
さらに、技術者が容器蓋の周縁からクランプリングを緩めて容器蓋を容器開口から取り外すとき、少なくともクランプリングが閉鎖位置に向けて偏倚されている場合があるため、技術者は緩んだ又は開放位置にクランプリング320を物理的に保持する必要があり得る。例えば、ねじ山なし突耳が拘束されておらず、かつジャムナットがクランプボルトに沿ってねじ山付き突耳により近接して位置決めされているとき、ねじ山なし突耳に関連したクランプリングの端部はクランプボルトに沿って摺動するおそれがある。
【0087】
したがって、幾つかの状況において、蓋アセンブリの取外し中にクランプリングを開放位置に維持する(少なくともねじ山なし突耳に対するクランプボルトの移動を減少することに基づいて)という閉鎖アセンブリの特徴を設けることは有益であり得る。
【0088】
図4Aを参照すると、これは本開示の実施形態による、開放端部付きクランプバンドに連結される閉鎖アセンブリの斜視図を図示する。開放端部付きクランプバンドはクランプリング420とすることができる。
図4において、クランプリング420は、開放位置490a及び閉鎖位置490bにある状態で図示されている。閉鎖位置にあるクランプリング420の直径は、開放位置にあるクランプリング420の直径よりも小さいものであり得る。クランプリング420の直径を縮小することにより、クランプリング420は、容器蓋を容器開口に固定するよう構成することができる。クランプリング420の直径を縮小することにより、ねじ山付き突耳422aとねじ山なし突耳422bとの間の距離が縮小する。
【0089】
図4において、閉鎖アセンブリは、ねじ山付き突耳422a及びねじ山なし突耳422bを含む1対の突耳を有する。ねじ山付き突耳422a及びねじ山なし突耳422bは、それぞれ開放端部付きクランプバンドの対向する端部に固着することができる。
【0090】
ねじ山付きクランプボルト424は、ねじ山付き突耳422a及びねじ山なし突耳422bに受け入れ可能とすることができる。クランプボルト424を回転してクランプリング420を容器蓋の周縁周り又は容器の開口周り(
図4には図示しない)に締め付けると、クランプボルト424のボルトヘッドは、ねじ山なし突耳422bに向かって前進し、またねじ山なし突耳422bをねじ山付きクランプボルト424の回転軸線に沿ってねじ山付き突耳422aに向けて前進させる力を付与する。クランプボルト424のねじ山はねじ山付き突耳422aのねじ山に係合することができる。
【0091】
図1及び2につき説明したように、単一ジャムナットを据え付ける場合、技術者は、クランプリングを容器蓋の周縁に締め付けるときに、単一ジャムナット及びクランプボルトを反復的に回転調整する一連の操作シーケンスを行う必要があり得る。このような操作を必要とし得るのは、少なくとも(i) ねじ山なし突耳が単一ジャムナットに圧着するよう偏倚されているから、及び/又は(ii) 単一ジャムナットを回転してねじ山付き突耳及びねじ山なし突耳が互いに向かって前進できるようクランプボルトに沿って前進させる必要があるからである。
【0092】
例として
図1及び2につき示唆した1つ又はそれ以上の非効率性に対処するため、
図4の閉鎖アセンブリは、1対のジャムナット428を含むことができる。幾つかの実施形態において、ジャムナット428はそれぞれ、
図3のジャムナット328よりも薄い寸法又は輪郭を有することができ、これにより、1対のジャムナット428の物理的寸法がクランプリング420の締め付けを阻害することはなくなる。
【0093】
幾つかの実施形態において、1対のジャムナット428は、クランプボルト424に沿う較正位置をとるよう構成することができる。したがって、ジャムナット429がクランプボルト424に沿う較正位置に固定されると、クランプリング420が容器蓋の周縁周りで閉鎖又は締付位置にあるときに、1対のジャムナット428はねじ山付き突耳422aに隣接することができる。較正位置は、事前定義することができ、また開放ループ型クランプバンドの直径、容器蓋の直径、又は容器開口の直径の関数とすることができる。
【0094】
クランプボルトに沿う較正位置に1対のジャムナット428を固定するため、幾つかの実施形態において、1対のジャムナット428の各々は、1対のジャムナット428の他方に衝合するよう位置決めされ、また互いに向かう方向にトルクを付与され得る。例として、1対のジャムナット428の各々は、1対のジャムナット428の他方に対して、おおよそ94.92N・m(70ft/lbs)の回転トルクを付与することができる。他のトルク量を使用することもできる。
【0095】
1対のジャムナット428が互いに向かう方向に回転トルクを付与された後、1対のジャムナット428は、クランプボルト424に沿う固定された位置をとり得る。すなわち、クランプボルト424及び1対のジャムナット428は、その構成要素が集合的に単体アセンブリであるかのように構成され得る。
【0096】
閉鎖位置490bにされた後は、1対のジャムナットはねじ山付き突耳422a及びねじ山なし突耳422bの双方におおよそ隣接して位置決めされ、これによりクランプボルト424のねじ山なし突耳422bに対する移動を制限することができる。さらに、1対のジャムナット428がクランプボルトに沿って所定位置(クランプリングがその容器向けに構成されるときに決定される)に位置決めされるとき、クランプリングを容器蓋の周縁周りに締め付ける操作を行う技術者は、クランプボルトをソケットによって回転しつつ1対のジャムナットを調整する必要をなくすことができる。
【0097】
本開示に記載のように、幾つかの状況において、容器蓋の容器開口における取外し又は据付けのためにクランプリング420を開放位置に維持できるよう、クランプボルト424のねじ山なし突耳422bに対する位置を維持するのが望ましい場合があり得る。
【0098】
他の幾つかの状況において、ジャムナット428をクランプボルトに沿う較正位置に固定することができるが、ねじ山なし突耳422bは、ジャムナット428とボルトヘッドとの間に実質的にギャップ又は空間を占有しない。ねじ山なし突耳422bには、ねじ山が付いておらず、またクランプボルト424と確実な係合を行わなくともよいから、幾つかの状況において、ねじ山なし突耳422bは、ジャムナット428とボルトヘッドとの間の空間内で摺動することができる。
【0099】
すなわち、ねじ山なし突耳422bがジャムナット428とボルトヘッドとの間で制御不能に摺動する状況になると、クランプリング420は開放位置又は閉鎖位置のどちらも維持しないことになり得る。クランプリング420が設定した開放位置又は閉鎖位置を維持できるよう、ねじ山なし突耳422bをボルトヘッドとジャムナット428との間の位置で維持する特徴を設けることは有益であり得る。
【0100】
図4Bを参照すると、これは閉鎖アセンブリが開放位置490a及び閉鎖位置490bにある状態それぞれの説明図を図示している。
図4Bは
図4Aにほぼ類似し、またクランプボルト424のねじ山なし突耳422bに対する移動を減少する特徴を追加で図示する。
【0101】
図4Bにおいて、閉鎖アセンブリは、ねじ山なし突耳422bとジャムナット428(例えば、ジャムアセンブリ)との間に位置決めされる離隔(standoff)デバイス460を含むことができる。この離隔デバイス460は、ねじ山なし突耳422bのボルトヘッドに対する位置を維持するよう適合化し得る。離隔デバイス460は、クランプボルト424のねじ山なし突耳422bに対する移動を制限するよう構成することができる。クランプボルト424のねじ山なし突耳422bに対する移動を制限すると、クランプボルト424がねじ山付き突耳422aに対する非締結位置(例えば、開放位置)にあるとき、開放端部付きクランプリング420を開放位置に維持することができる。
【0102】
幾つかの実施形態において、離隔デバイス460は、クランプボルト424のシャフトにおける開孔内に受け入れられるピンを含むことができる。この開孔は、クランプボルトのボルトヘッドに対してねじ山なし突耳422bが衝合することを維持するために、シャフトに沿ってピン等々を受け入れるよう位置決めされ得る。開孔の位置は、閉鎖アセンブリが開放位置490aにあるときクランプリング420が緩んだ状態をとるように予め決定することができる。幾つかの実施形態において、このピン460は、コッターピン又は同様の工学的なピンとすることができる。開孔は、ねじ山なし突耳422bに関して、ボルトヘッドとは反対側に位置決めすることができる。
【0103】
幾つかの実施形態において、開孔はクランプボルトのシャフトにおける穿孔した孔とすることができる。幾つかの状況において、クランプボルトに孔を穿孔することは閉鎖アセンブリの規制認証を無効化するおそれがある。
【0104】
図4A及び4Bの閉鎖アセンブリにつき説明した実施形態は、少なくとも1対のジャムナット428が互いにトルクを付与されるため、技術者がクランプリング420を容器蓋の周縁周りに及び容器の開口周りに遠隔から締め付けることを可能にし得る。したがって、クランプボルト424は一体型コンポーネントとして回転することができ、1対のジャムナット428を追加で調整又は取扱い操作する必要性を排除することができる。このようにして、技術者は、クランプリング420を締め付けるために容器開口に物理的に隣接する位置に立つ必要はなく、また1対のジャムナット428及びクランプボルト424の反復シーケンスで調整する順次のステップを行う必要もなくすことができる。上述したように、アームアセンブリは、容器開口に蓋アセンブリを位置決めするよう構成することができ、また延長した長さのソケットレンチを使用してクランプボルト424を回転し、クランプリング420を容器蓋の周縁周りに締め付けることができる。蓋アセンブリは延長した長さのソケットレンチによって調整する(クランプボルト及びジャムアセンブリの組合せを回転する)ことができるため、容器蓋を容器開口に締結する間、技術者が容器の近位に物理的に立つ必要性をなくすことができる。
【0105】
さらに、
図4Bの閉鎖アセンブリにつき説明した実施形態は、クランプリング420を開放位置490aに維持する特徴を含み、これにより、クランプリング420/容器蓋の取外し又は設置中にクランプリング420を開放位置に保持するために技術者が容器に物理的に隣接して立つ必要性をなくすことができる。技術者が容器蓋又は閉鎖アセンブリを容器開口近傍で物理的に取扱い操作することの必要性を減少すると、技術者の危険廃棄材料に対する被曝リスクを減少することになる。
【0106】
閉鎖アセンブリの幾つかの実施形態において、本明細書記載の特徴の組合せによれば、容器蓋及び容器の取扱い操作中にクランプリングを開いた状態に保持することが可能になる。
【0107】
本明細書に記載のように、危険材料を保管及び輸送することに関連する容器、容器蓋又は閉鎖アセンブリは、規制基準が課されることがある。容器、容器蓋及び閉鎖アセンブリの特定の組合せは、認証試験が課せられる場合がある。本開示の幾つかの実施形態では、既存容器の特徴が、先行の認証又は試験結果を無効にすることなく、例えば、
図4A及び4Bにつき説明した特徴で強化され得る。例えば、閉鎖アセンブリのねじ山付き突耳とねじ山なし突耳との間において、単一ジャムナットをジャムアセンブリ(例えば、それぞれが低プロファイル/厚さを有する1対のジャムナット)に置換することは、容器アセンブリの先行認証を無効化することがなく、したがって、改善した容器アセンブリを得るためのコストを最小限にすることができる。さらに、1つ又はそれ以上のジャムナットとねじ山なし突耳との間に離隔デバイスを導入することは、容器アセンブリの先行認証を無効化しないようにすることができる。
【0108】
幾つかの実施形態において、危険物質(例えば、材料のうち、とりわけ電離放射性材料)を収容又は保管するための容器は、マシンオペレータ又は技術者の被曝を減少するための保護バリアを採用する環境内で取扱い及び輸送することができる。幾つかの実施形態において、保護バリアは、ガス状材料、エアロゾル、又は空中浮遊粒子を閉じ込めるよう構成することができる。
【0109】
幾つかの実施形態において、電離放射を減少する又は閉じ込めるよう生物学的遮閉バリアを構成することができる。容器を取り扱う幾つかの環境としては、少なくとも2つの領域、すなわち、(a) 電離ガンマ放射性を呈する材料を取り扱う遮閉エンクロージャエリア、及び(b) 空中浮遊放射性アルファ粒子を取り扱う閉じ込めエリアがあり得る。
【0110】
幾つかの実施形態において、危険材料を取り扱うため容器アセンブリを環境に持ち込む前に、以下の操作、すなわち、(a) クランプボルトのシャフトに穿孔することによってボルトヘッドに対する予め決定した又は較正した場所に開孔を設けるよう既存クランプボルトを修正する、(b) 既存の単一ジャムナットを1対のジャムナットに置き換えて、ねじ山付きクランプボルトに受け入れさせる、(c) クランプボルト及び1対のジャムナットが一体型アセンブリとして回転し得るよう、予め決定した(例えば、較正した)位置に1対のジャムナットを効果的にロック又は固定するために、1対のジャムナットの各々をクランプボルト周りで1対のジャムナットの他方に向かわせるトルクを発生させる、(d) 穿孔した開孔内にピンを挿入し、ピンを貫通開孔の両側から突出させ、これによりねじ山なし突耳に対するクランプボルトの位置を維持する、(e) 危険廃棄物取扱い中にクランプリングを十分に緩めて容器開口から持ち上げるのを確実にするために、クランプリングを取り外す(開口位置にある間に)、又は(f)環状ウエイトがクランプリングの周縁形状を維持できる(例えば、単一平面内で)ように、容器蓋の外面に隣接して環状ウエイトを配置する、のうち1つ又はそれ以上の操作に基づいて容器アセンブリを調製することができる。
【0111】
図5を参照すると、これは本開示の実施形態による、開放位置590a及び閉鎖位置590bで開放ループ型クランプバンド520に連結した閉鎖アセンブリの斜視図を図示する。
【0112】
図5に図示した閉鎖アセンブリは、
図4A又は4Bにつき説明した閉鎖アセンブリと同様の特徴を含む。さらに、
図5に図示した閉鎖アセンブリは、1つ又はそれ以上のベルビルワッシャ570を含む離隔デバイスを有する。ベルビルワッシャ570は、ねじ山なし突耳522bと1対のジャムナット528との間に位置決めすることができる。ねじ山なし突耳522bに対するクランプボルトの移動を最小限にすることができ、また容器蓋の据付け又は取外し中にクランプリング520を開放状態に保持することができる。
【0113】
図6を参照すると、これは本開示の実施形態による、開放位置590a及び閉鎖位置590bで開放端部付きクランプリング620に連結した閉鎖アセンブリの斜視図を図示する。
【0114】
図6に図示した閉鎖アセンブリは、
図4A又は4Bにつき説明した閉鎖アセンブリと同様の特徴を含む。さらに、
図6に図示した閉鎖アセンブリは、楔672を含む離隔デバイスを有する。楔672は、ねじ山なし突耳622bと1対のジャムナット628との間に位置決めすることができ、これによりねじ山なし突耳622bに対するクランプボルトの移動を最小限にすることができ、また容器蓋の据付け又は取外し中にクランプリング620を開放状態に保持することができる。
【0115】
図7を参照すると、これは本開示の実施形態による蓋装置700を図示する。この蓋装置700は、円筒形ドラム等々の容器内に危険廃棄物を配置し且つパッケージングするための容器蓋又は蓋アセンブリ(例えば、
図3の蓋アセンブリ300)とともに操作するよう構成することができる。
【0116】
幾つかの実施形態において、遠隔操作環境は、危険廃棄物パッケージング環境内における1つ又はそれ以上の場所にドラムを運搬するよう構成された装置を含むことができる。この装置は、蓋アセンブリに連結し得る、またドラムに対する蓋アセンブリの据付け又は取外しをし得るアームアセンブリを含むことができる。
【0117】
図7において、装置700は、蓋取外し装置700に連結するよう構成された回転シャフト780を有するアームアセンブリを含むことができる。この回転シャフトは、容器又はドラムの開口に向けて又は開口から蓋装置700を回動させるよう構成することができる。幾つかの実施形態において、装置は、アームアセンブリの近位場所に容器を運搬する特徴を含み、またアームアセンブリは、容器蓋702を標的容器の開口に据え付ける前に、標的容器に対する容器蓋702の位置の微調整を行うよう構成することができる。
【0118】
幾つかの実施形態において、装置は、アームアセンブリの近位の場所に容器を運搬するよう構成することができ、また構成可能なターンテーブルを介してドラムを回転させ、蓋アセンブリ又は蓋の取外し操作のための所定位置にドラムを向き決めさせるよう構成することができる。
【0119】
蓋アセンブリは、容器蓋702と、容器蓋702の周縁に近接する領域に重なり合うよう適合化された環状ウエイト750とを含むことができる。幾つかの実施形態において、容器蓋702の頂部に配置されるとき、容器蓋702及び環状ウエイト750は、互いに同心状となるよう位置決めされ、これにより整列した中心点を有することになり得る。
【0120】
蓋アセンブリは、クランプバンド又はクランプリング(
図7には明示的に図示されていない)と、クランプリングに連結される閉鎖アセンブリ708とを含むことができる。閉鎖アセンブリは、本開示の実施形態に記載の1つ又はそれ以上の特徴を有することができる。
【0121】
装置700は、アームアセンブリに連結し得る1つ又はそれ以上の電磁石756を有することができる。容器蓋702をスチール又は磁性材料で構成することができる実施例において、1つ又はそれ以上の電磁石756が付勢されるとき、電磁石756が容器蓋702に連結されるよう構成することができる。装置700は、容器蓋の据付け及び容器開口の封止のために、容器蓋702を容器開口に向けて回動させるよう構成することができる。
【0122】
幾つかの実施形態において、1つ又はそれ以上の電磁石756は、容器蓋が環境内に不慮に解放されることにつながり得る電磁石756の不慮の滅勢を防止するよう構成された、独立した無停電電源を含むことができる。上述した実施例において、1つ又はそれ以上の電磁石756は、磁性材料で構成された容器蓋702に一時的に連結し得る。容器蓋702を容器開口に位置決め及び配置するときは、1つ又はそれ以上の電磁石756を滅勢することができる。
【0123】
幾つかの実施形態において、蓋取外しアセンブリ700は、容器蓋702をピックアップするための1つ又はそれ以上の構成可能な吸引カップを含むことができる。容器蓋702が非金属材料で構成されている状況(又は吸引カップデバイスを利用するのが有益である状況)において、アセンブリ700は、容器蓋702をピックアップするための1つ又はそれ以上の構成可能な吸引カップを含むことができる。
【0124】
幾つかの状況において、危険廃棄材料は、容器開口上方に位置決めされ得るオーバーヘッド充填ポートを介して容器に搬送することができる。充填ポートは、容器内に材料を分配するよう構成することができる。充填ポートが廃棄物の分配を停止するとき、アセンブリ700は、容器開口に隣接する位置にドリップトレイ782を回動させ、充填ポートからこぼれ落ちる過剰な又は余剰材料を受け止めることができる。
【0125】
幾つかの実施形態において、ドリップトレイ782は、環状ウエイト750又は容器蓋702と同様の形状を有することができる。充填ポートからの過剰な又は余剰材料を受け止めることにより、ドリップトレイ782は、余剰材料が容器の又は容器蓋702の外面を汚すのを防止するよう構成することができる。
【0126】
幾つかの実施形態において、ドリップトレイ及び環状ウエイトは、互いにほぼ同心状となるよう構成することができる。例えば、ドリップトレイ及び環状ウエイトはほぼ円形の形状にでき、またドリップトレイ及び環状ウエイトは、ドリップトレイの中心点及び環状ウエイトの中心点が整列するよう位置決めすることができる。
【0127】
幾つかの実施例において、ドリップトレイ782は、環状ウエイト750又は容器蓋702の形状又はサイズとほぼ同様の形状又はサイズを有することができる。
【0128】
幾つかの実施形態において、環状ウエイト750は、中空の中央領域を有するリング状ウエイトとすることができる。幾つかの実施形態において、ドリップトレイ782は、環状ウエイト750の中空中央領域内にほぼ位置決めされるようにすることができる。
【0129】
幾つかの状況において、より小さい容器、バッグ又は他の詰め込まれたデブリに収納された固体廃棄物を、本開示に記載の実施形態の装置で封止される容器内に配置することができる。
【0130】
幾つかの実施形態において、環状ウエイトが容器蓋の頂部に位置決めされるとき、環状ウエイトは、容器蓋と容器開口との間の境界面に封止力を加えることができる。これに続いて、容器蓋を容器開口に装着することができ、またソケットツールを閉鎖アセンブリに伸展させることができる。ソケットツールは、(i) 容器蓋の周縁、及び(ii) 容器開口の上部リム、の周りでクランプリングを締め付けるよう閉鎖アセンブリ708のクランプボルトを回転することができる。
【0131】
幾つかの実施形態において、廃棄材料を充填された容器はターンテーブル上で回転させられ、閉鎖アセンブリのクランプボルトをクランプボルトまで伸展するソケットに整列させ、そこでソケットツールがクランプボルトを回転することができる。クランプボルトは、容器蓋の周縁周りにクランプリングを締め付ける所定トルクまで回転することができる。
【0132】
幾つかの状況において、容器蓋が容器開口に固定された後に、環状ウエイトを容器蓋から取り外すことができる。
【0133】
図8を参照すると、これは本開示の実施形態による、容器蓋用の蓋アセンブリを組み付ける方法800を図示する。蓋アセンブリは、本開示に記載した、
図3~7につき説明した特徴等の特徴を含むことができる。幾つかの実施形態において、方法800の操作は、本開示に記載した蓋アセンブリの実施形態を組み付ける技術者が行うことができる。幾つかの実施形態において、方法800の操作は、組み付け装置の操作に基づいて少なくとも部分的に行うことができる。
【0134】
説明を簡単にするため、
図4Bを参照しながら
図8の方法800の操作を説明する。幾つかの実施形態において、操作としては、クランプボルト424をねじ山なし突耳422bに挿入するステップと、クランプボルト424にジャムアセンブリを係合するステップと、及びクランプボルトをねじ山付き突耳422aにねじ込んで、クランプボルト424のボルトヘッドがねじ山なし突耳422bの近位に位置決めされるようにするステップとを含む一連の操作があり得る。幾つかの実施形態を説明するため、
図8の方法800を参照する。
【0135】
ステップ802では、操作として、クランプボルト424をねじ山なし突耳422bに挿通させるステップを含む。ねじ山なし突耳422bは、クランプリング420のような開放ループ型クランプバンドの第1開放端部に固着することができる。幾つかの実施形態において、クランプボルト424はシャフトに沿ってねじ山を有することができる。ねじ山なし突耳422bにはねじ山がないため、クランプボルト424をねじ山なし突耳422bに挿通させるステップは、クランプボルト424をねじ山なし突耳422bに押し込むステップを含み得る。クランプボルト424をねじ山なし突耳422bに挿通させるために、クランプボルト424を回転する必要のないようにすることができる。
【0136】
ステップ804では、操作として、クランプボルト424をジャムアセンブリに係合させるステップを含む。幾つかの実施形態において、ジャムアセンブリは1対のジャムナット428を含む。1対のジャムナット428は、クランプボルト424を1対のジャムナット428にねじ込むことによって、クランプボルト424に係合することができる。本開示に記載するように、ジャムアセンブリは、クランプボルトに沿ってねじ山付き突耳422aとねじ山なし突耳422bとの間に固定することができる。
【0137】
ステップ806では、操作としてクランプボルト424をねじ山付き突耳422aにねじ込むステップを含む。ねじ山付き突耳422aはクランプリング420の第2開放端部に固着することができる。クランプボルト424の回転方向に応じて、クランプリング420は、容器蓋を容器開口に固定するために、開放位置から閉鎖位置に移行することができ、また容器蓋を容器開口から取り外せるようにするために、閉鎖位置から開放位置に移行することができる。
【0138】
ステップ808では、操作として、ジャムアセンブリをクランプボルト424に沿う較正位置に固着させるステップを含む。ジャムアセンブリは、ねじ山付き突耳422aとねじ山なし突耳422bとの間に位置決めすることができる。
【0139】
幾つかの実施形態において、ジャムアセンブリを固着させるステップは、1対のジャムナットの各々を他方に向かわせるトルクを付与してジャムアセンブリをクランプボルトに沿う較正位置に固定するステップを含む。クランプボルト424をジャムアセンブリに係合することによって、クランプボルト424及び1対のナット428は、クランプボルト424が開放ループ型クランプバンドの開放位置と閉鎖位置との間を移行するよう回転するときに、一体構造として回転することができる。
【0140】
ジャムアセンブリはクランプボルト424に固定され、これによりクランプボルト424及びジャムアセンブリが一体構造となり得るため、クランプリング420を開放位置から閉鎖位置に移行させる操作中に、技術者がジャムアセンブリ(例えば、クランプボルト424に沿う較正位置に固定された1対のジャムナット)を回転させる必要性をなくすことができる。このことは
図2で説明した実施例とは対照的であり得る。
図2を思い起こすと、単一ロックナット126は、クランプボルト424に沿う任意な特定位置に固定されない場合がある。クランプリングを開放位置から閉鎖位置に移行させるため、技術者は、ロックナット126及びクランプボルト124の一連の回転操作を反復シーケンスで行うことが必要な場合がある。クランプリング120は閉鎖位置に向けて偏倚されているため、ねじ山なし突耳122bは単一ロックナット126に向けて偏倚され得る。
【0141】
幾つかの実施形態において、クランプボルト424に沿う較正位置は、開放ループ型クランプバンドが閉鎖位置にある間にジャムナット428がねじ山付き突耳422aに隣接するときの位置として予め定義又は特定され得る。クランプボルト424に沿う較正位置は、開放ループ型クランプバンドの直径、容器蓋の直径、又は容器開口の直径の関数であり得る。
【0142】
本開示に説明したジャムアセンブリの実施形態は、ナットの各々が互いに向かう方向にトルクを付与された1対のナットを含む。1対のナットの各々に対して互いに向かう方向にトルクを付与する際、1対のナットはクランプボルト424に沿うその位置に固定することができる。
図4の1対のナット428の各々は、
図1の単一ロックナット126の厚さ輪郭よりも薄い厚さ輪郭を有することができるため、クランプボルト424に沿って固定される1対のナット428を含む実施形態は、結果として、このような容器を封止することに関連する、容器、容器蓋又は蓋アセンブリのための先行認証試験又規制認可を無効化するおそれのない特徴となる。
【0143】
幾つかの実施形態において、操作として、ねじ山なし突耳422bとジャムアセンブリとの間でねじ山なし突耳422bに対するボルトヘッドの位置を維持する離隔デバイスを固定するステップを含むことができる。幾つかの実施形態において、離隔デバイスは、とりわけ、コッターピン460(
図4B)、ベルビルワッシャ570(
図5)、又は楔672(
図6)とすることができる。
【0144】
幾つかの実施形態において、離隔デバイスを固定するステップは、固着したジャムアセンブリ(例えば、1対の固定したナット428)とねじ山なし突耳422bとの間の位置でクランプボルトのシャフトに開孔を穿孔するステップを含むことができる。離隔デバイスを固定するための操作としては、ジャムアセンブリとねじ山なし突耳422bとの間にピンを位置決めするように、穿孔した開孔内にコッターピン460を挿入するステップを含むことができる。
【0145】
幾つかの実施形態において、方法800は、開放ループ型クランプバンドを開放位置に位置決めするよう、ねじ山付き突耳422aからねじ戻す方向にクランプボルト424を回転する操作を含むことができる。開放ループ型クランプバンドが開放位置をとるよう蓋アセンブリを組み付けること(例えば、方法800)によって、クランプバンドは容器封止ステーションに供給され、また開放ループ型クランプバンドは、容器蓋と容器開口のリムとの間の境界面での位置決めに容易に利用可能になり得る。
【0146】
用語「接続した(connected)」又は「連結した(coupled)」は、直接結合(互いに結合される2つの素子が他方と互いに接触し合う)及び間接結合(少なくとも1つの追加素子が2つの素子間に位置付けられる)の双方を含み得る。
【0147】
実施形態について詳細に説明してきたが、本明細書の範囲から逸脱することなく、様々な変形、置換、及び変更を本明細書において行うことができることを理解されたい。さらに、本開示の範囲は、本明細書に記載されているプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法、及びステップの特定の実施形態に限定されることを意図するものではない。
【0148】
当業者であれば、本明細書に記載した対応する実施形態に利用できるものとほぼ同じ機能を実行し、又はほぼ同じ結果を達成する、現時点で既存の、又は後に開発される、開示、プロセス、機械、製造、組成物、手段、方法、又はステップから容易に理解するであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、その範囲内に、そのようなプロセス、機械、製造、物質の組成物、手段、方法、又はステップを含むことが意図される。
【0149】
明細書は、本発明の主題の多くの例示的な実施形態を提供する。各実施形態は本発明の要素の単一の組み合わせを表すが、本発明の主題は、開示された要素のすべての可能な組み合わせを含むと考えられる。したがって、ある実施形態が要素A、B及びCを含み、第2の実施形態が要素B及びDを含む場合、本発明の主題は、明示的に開示されていなくても、A、B、C又はDの他の残りの組合せも含むと考えられる。
【0150】
理解され得るように、上記に記載されかつ例示された実施例は、例示的なものに過ぎないことが意図される。
【0151】
出願人は、記載された実施形態及び実施例が例示的かつ非限定的であることを注記する。特徴の実際の実装形態は、いくつかの又はすべての態様の組合せを組み込むことができ、また本明細書に記載する特徴は、将来の又は既存の製品計画の指標と見なされるべきではない。
【国際調査報告】