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特表2023-524035加齢性状態を処置するための低酸素誘導因子プロリルヒドロキシラーゼ阻害剤
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-08
(54)【発明の名称】加齢性状態を処置するための低酸素誘導因子プロリルヒドロキシラーゼ阻害剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/00 20060101AFI20230601BHJP
   A61K 31/444 20060101ALI20230601BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230601BHJP
   A61P 7/06 20060101ALI20230601BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20230601BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20230601BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20230601BHJP
   A61P 3/02 20060101ALI20230601BHJP
【FI】
A61K45/00
A61K31/444
A61P43/00 111
A61P43/00
A61P7/06
A61P29/00
A61P21/00
A61P9/00
A61P3/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022566057
(86)(22)【出願日】2021-04-28
(85)【翻訳文提出日】2022-12-27
(86)【国際出願番号】 US2021029669
(87)【国際公開番号】W WO2021222424
(87)【国際公開日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】63/062,259
(32)【優先日】2020-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/153,356
(32)【優先日】2021-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/127,767
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/136,138
(32)【優先日】2021-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/017,578
(32)【優先日】2020-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521106005
【氏名又は名称】バイオエイジ ラブス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】モーゲン, エリック キム
(72)【発明者】
【氏名】フォートニー, クリステン パトリシア
(72)【発明者】
【氏名】レオン, ペン
(72)【発明者】
【氏名】ホー, アンドリュー ジャライ
(72)【発明者】
【氏名】レボ, ジャスティン
(72)【発明者】
【氏名】パン, ヨン
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA17
4C084MA52
4C084NA14
4C084ZA36
4C084ZA55
4C084ZA94
4C084ZB11
4C084ZC20
4C084ZC21
4C084ZC42
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC17
4C086GA07
4C086GA08
4C086MA52
4C086NA14
4C086ZA36
4C086ZA55
4C086ZA94
4C086ZB11
4C086ZC20
4C086ZC21
(57)【要約】
本開示は、高齢者の未解明の貧血、加齢性特発性貧血、および高齢者の炎症性貧血を含めた貧血、筋肉減少症、虚弱、組織傷害、筋肉傷害、ならびに虚血性障害から選択される疾患または状態を含めた、加齢と関連する状態を処置する方法であって、高齢対象に、治療有効量の低酸素誘導因子プロリルヒドロキシラーゼ阻害剤を投与するステップを含む、方法を提供する。本発明者らは、バイオインフォマティクスおよび機械学習手法を適用して、生存予測モデルを使用してヒトデータを分析し、ベースラインHIF1α経路タンパク質レベルと将来的な加齢性転帰との関連を発見した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加齢関連病的状態を処置する方法であって、加齢関連病的状態を発症しているかまたは発症するリスクがある40歳よりも上のヒト対象に、治療有効量の低酸素誘導因子プロリルヒドロキシラーゼ(HIF-PH)阻害剤を投与するステップを含む、方法。
【請求項2】
前記加齢関連病的状態が、加齢性貧血である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記加齢性貧血が、高齢者の炎症性貧血(AI)である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記加齢関連病的状態が、急性医療事象、プロセス、または入院によって誘発された貧血である、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記ヒト対象が、2mg/L超のCRPレベルを有している、請求項3~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ヒト対象が、4mg/L超のCRPレベルを有している、請求項3~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ヒト対象が、6mg/L超のCRPレベルを有している、請求項3~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ヒト対象が、8mg/L超のCRPレベルを有している、請求項3~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記ヒト対象が、10mg/L超のCRPレベルを有している、請求項3~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記貧血が、高齢者の未解明のまたは特発性貧血(UAE)である、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
前記ヒト対象が、10mg/L未満のCRPレベルを有している、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ヒト対象が、8mg/L未満のCRPレベルを有している、請求項10~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記ヒト対象が、6mg/L未満のCRPレベルを有している、請求項10~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記ヒト対象が、4mg/L未満のCRPレベルを有している、請求項10~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記ヒト対象が、2mg/L未満のCRPレベルを有している、請求項10~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記ヒト対象が、上昇した処置前IL-6レベルを有している、請求項2~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記ヒト対象が、2.5pg/ml超の処置前IL-6レベルを有している、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ヒト対象が、5pg/ml超の処置前IL-6レベルを有している、請求項16~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記ヒト対象が、10pg/ml超の処置前IL-6レベルを有している、請求項16~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記ヒト対象が、7pg/ml超の処置前TNFαレベルを有している、請求項16~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記ヒト対象が、8pg/ml超の処置前TNFαレベルを有している、請求項16~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記ヒト対象が、9pg/ml超の処置前TNFαレベルを有している、請求項16~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記ヒト対象が、10pg/ml超の処置前TNFαレベルを有している、請求項16~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記ヒト対象が、12g/dL未満の処置前ヘモグロビンレベルを有している、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記ヒト対象が、10g/dL未満の処置前ヘモグロビンレベルを有している、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記ヒト対象が、13g/dL未満(男性)または12g/dL未満(女性)の処置前ヘモグロビンレベルを有している、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記ヒト対象が、11g/dL未満(男性)または10g/dL未満(女性)の処置前ヘモグロビンレベルを有している、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記ヒト対象が、9g/dL未満(男性)または8g/dL未満(女性)の処置前ヘモグロビンレベルを有している、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記ヒト対象が、30ml/分超のeGFRを有している、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記ヒト対象が、50ml/分超のeGFRを有している、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記ヒト対象が、正常なB12および葉酸レベルを有している、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記ヒト対象が、100超の血清フェリチン(SF)および/または20%超の腫瘍炎症シグネチャー(TIS)を有している、請求項1~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記ヒト対象が、腎疾患を有していない、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記ヒト対象が、慢性腎疾患(CKD)を有していない、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記ヒト対象が、ステージ3~5の慢性腎疾患(CKD)を有していない、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記ヒト対象が、血液透析を受けていない、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記ヒト対象が、貧血を有していない、請求項1に記載の方法。
【請求項38】
前記加齢関連病的状態が、虚弱である、請求項1に記載の方法。
【請求項39】
前記ヒト対象が、低下した筋肉強度および/または低下した握力を有している、請求項1~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記ヒト対象が、低下した筋力を有している、請求項1~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記ヒト対象が、下肢筋肉質量の低下を有している、請求項1~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記ヒト対象が、上肢筋肉質量の低下を有している、請求項1~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記ヒト対象が、筋肉量の低下を有している、請求項1~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記筋肉量が、肩の外転筋、肩の内転筋、肘の屈筋、肘の伸筋、手首の屈筋、および手首の伸筋から選択される1種または複数の上肢筋肉の筋肉量である、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記ヒト対象が、加齢関連虚弱以外の任意の疾患を有すると診断されていない、請求項1~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記ヒト対象が、筋肉減少症を有している、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記ヒト対象が、毛細血管密度の低下を有している、請求項1~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記加齢関連病的状態が、疲労である、請求項1~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記ヒト対象が、50歳よりも上である、請求項1~46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記ヒト対象が、55歳よりも上である、請求項1~49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記ヒト対象が、60歳よりも上である、請求項1~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記ヒト対象が、65歳よりも上である、請求項1~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記ヒト対象が、70歳よりも上である、請求項1~52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記ヒト対象が、75歳よりも上である、請求項1~53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記ヒト対象が、80歳よりも上である、請求項1~54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記ヒト対象が、85歳よりも上である、請求項1~55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記HIF-PH阻害剤が、以下の一般式(I’)
【化18】
[式(I’)中、Wは、式-CR1112CR1314を表し、
11は、水素原子、C1~4アルキルもしくはフェニルを表し、
12は、水素原子、フッ素原子もしくはC1~4アルキルを表すか、または
11およびR12は、隣接する炭素原子と一緒になって、C3~8シクロアルカンもしくは4~8員の酸素原子含有飽和複素環を形成し、
13は、水素原子、カルバモイル、C1~4アルキル(ここで、前記C1~4アルキルは、ヒドロキシ、C1~3アルコキシ、およびジ-C1~3アルキルアミノからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、ハロ-C1~4アルキル、フェニル、ピリジル、ベンジルもしくはフェネチルを表し、
14は、水素原子、C1~4アルキルもしくはハロ-C1~4アルキルを表すか、または
13およびR14は、隣接する炭素原子と一緒になって、C3~8シクロアルカン、4~8員の酸素原子含有飽和複素環、もしくは4~8員の窒素原子含有飽和複素環(ここで、前記4~8員の窒素原子含有飽和複素環は、メチル、ベンジル、フェニルカルボニル、およびオキソからなる群から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)を形成するか、または
12およびR13は、隣接する炭素原子と一緒になって、C3~8シクロアルカンを形成し、
Yは、単結合またはC1~6アルカンジイルを表し、ここで、前記C1~6アルカンジイルは、1個のヒドロキシルによって必要に応じて置換されており、前記C1~6アルカンジイルの炭素原子の1つは、C3~6シクロアルカン1,1-ジイルによって必要に応じて置換されており、
は、
水素原子、
1~6アルキル、
3~8シクロアルキル(ここで、前記C3~8シクロアルキルは、C1~6アルキル(1個のフェニルによって必要に応じて置換されている)、フェニル(ハロゲン原子およびハロ-C1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、C1~6アルコキシ(C3~8シクロアルキル、ハロゲン原子およびC1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されているフェニル、ならびに1個のハロゲン原子によって必要に応じて置換されているピリジルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、C3~8シクロアルコキシ、フェノキシ(ハロゲン原子、C1~6アルキル、C3~8シクロアルキル、およびハロ-C1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、ならびにピリジルオキシ(ハロゲン原子、C1~6アルキル、C3~8シクロアルキル、およびハロ-C1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)、
フェニル(ここで、前記フェニルは、置換基のα3基から選択される、同じかまたは異なっている1~3個の基によって必要に応じて置換されている)、
ナフチル、
インダニル、
テトラヒドロナフチル、
ピラゾリル、
イミダゾリル、
イソオキサゾリル、
オキサゾリル
(ここで、前記ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、およびオキサゾリルは、C1~6アルキルおよびフェニル(ハロゲン原子およびC1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)、
チアゾイル(ここで、前記チアゾイルは、C1~6アルキル、フェニル(ハロゲン原子およびC1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、およびモルホリノからなる群から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)、
ピリジル(ここで、前記ピリジルは、置換基のα5基から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)、
ピリダジニル、
ピリミジニル、
ピラジニル
(ここで、前記ピリダジニル、ピリミジニル、およびピラジニルは、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、C3~8シクロアルキル、フェニル、C1~6アルコキシ(1個のC3~8シクロアルキルによって必要に応じて置換されている)、およびフェノキシ(ハロゲン原子、C1~6アルキル、およびC3~8シクロアルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
ベンゾチオフェニル、
キノリル、
メチレンジオキシフェニル(ここで、前記メチレンジオキシフェニルは、1個または2個のフッ素原子によって必要に応じて置換されている)、
4~8員の窒素原子含有飽和ヘテロシクリル(ここで、前記4~8員の窒素原子含有飽和ヘテロシクリルは、ピリミジニル、フェニル-C1~3アルキル、C3~8シクロアルキル-C1~3アルキルカルボニル、およびフェニル-C1~3アルコキシカルボニルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)
を表す]、または
次式(I’’)
-CONRCH-R (I’’)
[式(I’’)中、
は、水素原子またはC1~3アルキルを表し、Rは、フェニル(ハロゲン原子、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、およびフェニルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)を表し、
置換基のα3基は、
ヒドロキシ、
シアノ、
カルボキシ、
ハロゲン原子、
1~6アルキル(ここで、前記C1~6アルキルは、C3~8シクロアルキル、フェニル、C1~6アルコキシ(1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている1個のC3~8シクロアルキルによって必要に応じて置換されている)、フェノキシ(1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)、およびピリジルオキシ(C1~6アルキルおよびハロ-C1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
ハロ-C1~6アルキル、
3~8シクロアルキル(ここで、前記C3~8シクロアルキルは、1個または2個のハロゲン原子によって必要に応じて置換されている)、
3~8シクロアルケニル(ここで、前記C3~8シクロアルケニルは、1個または2個のハロゲン原子によって必要に応じて置換されている)、
フェニル(ここで、前記フェニルは、置換基のα4基から選択される、同じかまたは異なっている1~3個の基によって必要に応じて置換されている)、
チエニル(ここで、前記チエニルは、1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)、
ピラゾリル(ここで、前記ピラゾリルは、1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)、
イソオキサゾリル、
チアゾイル(ここで、前記チアゾイルは、ヒドロキシ、C1~6アルキル、およびC1~6アルコキシからなる群から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)、
ピリジル(ここで、前記ピリジルは、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、ハロゲン原子、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、C3~8シクロアルキル、C1~6アルコキシ、ハロ-C1~6アルコキシ、およびC1~6アルキルスルホニルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
ピリミジニル(ここで、前記ピリミジニルは、1個のアミノによって必要に応じて置換されている)、
キノリル、
1~6アルコキシ(ここで、前記C1~6アルコキシは、カルボキシ、ヒドロキシ、カルバモイル、C3~8シクロアルキル(1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)、フェニル(ヒドロキシ、ハロゲン原子、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、ハロ-C1~6アルコキシ、およびジ-C1~6アルキルアミノからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、ピリジル(ハロゲン原子およびC1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、ベンゾトリアゾリル、イミダゾチアゾイル、ジ-C1~6アルキルアミノ、オキサゾリル(1個または2個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)、ピラゾリル(1個または2個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)、チアゾイル(1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)、およびインダゾリル(1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
ハロ-C1~6アルコキシ、
2~6アルケニルオキシ、
3~8シクロアルコキシ、
フェノキシ(ここで、前記フェノキシは、ハロゲン原子、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、およびハロ-C1~6アルコキシからなる群から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)、
ピリジルオキシ(ここで、前記ピリジルオキシは、ハロゲン原子、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、およびC3~8シクロアルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
ピリミジニルオキシ、
ピペラジニル(ここで、前記ピペラジニルは、1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)、
モノ-C1~6アルキルアミノカルボニル(ここで、前記モノ-C1~6アルキルアミノカルボニルの前記C1~6アルキルは、カルボキシ、ヒドロキシ、ジ-C1~6アルキルアミノ、ピリジル、フェニル、および2-オキソピロリジニルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
ジ-C1~6アルキルアミノカルボニル(ここで、前記ジ-C1~6アルキルアミノカルボニルの前記2個のC1~6アルキルは、隣接する窒素原子と一緒になって、4~8員の窒素原子含有飽和複素環を必要に応じて形成する)、
1~6アルキルスルファニル、および
1~6アルキルスルホニル
からなり、
置換基のα4基は、
カルボキシ、
シアノ、
ヒドロキシ、
スルファモイル、
ハロゲン原子、
1~6アルキル、
ハロ-C1~6アルキル、
3~8シクロアルキル、
フェニル、
1~6アルコキシ、
ハロ-C1~6アルコキシ、
1~6アルキルカルボニル、
ジ-C1~6アルキルアミノカルボニル、
1~6アルキルスルホニル、
モノ-C1~6アルキルアミノスルホニル(ここで、前記モノ-C1~6アルキルアミノスルホニルの前記C1~6アルキルは、1個のヒドロキシによって必要に応じて置換されている)、および
ジ-C1~6アルキルアミノスルホニル
からなり、
置換基のα5基は、
ハロゲン原子、
1~6アルキル、
ハロ-C1~6アルキル、
1~6アルコキシ(ここで、前記C1~6アルコキシは、C3~8シクロアルキル(1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)およびフェニル(ハロゲン原子およびC1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
ハロ-C1~6アルコキシ、
フェニル(ここで、前記フェニルは、置換基のα6基から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
ピリジル、
フェノキシ(ここで、前記フェノキシは、ハロゲン原子、シアノ、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、C3~8シクロアルキル、ハロ-C1~6アルコキシおよびC1~6アルコキシ(1個のフェニルによって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)、および
ピリジルオキシ(ここで、前記ピリジルオキシは、1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)、および
フェニルスルファニル(ここで、前記フェニルスルファニルは、1個のハロゲン原子によって必要に応じて置換されている)
からなり、
置換基のα6基は
ハロゲン原子、
1~6アルキル、
ハロ-C1~6アルキル、
3~8シクロアルキル、
1~6アルコキシ、および
ハロ-C1~6アルコキシ
からなり、
は、C1~4アルカンジイルを表し、
は、水素原子またはメチルを表し、
は、-COOH、-CONHOH、またはテトラゾリルを表す]
によって表される化合物、または薬学的に許容されるその塩である、請求項1~56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記一般式(I’)において、
は、メタンジイルであり、
は、水素原子であり、
は、-COOHであり、
または薬学的に許容されるその塩である、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記一般式(I’)において、
前記化合物が、一般式(I’-2)
【化19】
[式(I’-2)中、
11は、水素原子、フッ素原子、C1~4アルキルもしくはフェニルであり、
12は、水素原子、フッ素原子もしくはC1~4アルキルであるか、または
11およびR12は、隣接する炭素原子と一緒になって、C3~8シクロアルカンもしくは4~8員の酸素原子含有飽和複素環を形成し、
13は、水素原子、カルバモイル、C1~4アルキル(ここで、前記C1~4アルキルは、ヒドロキシ、C1~3アルコキシ、およびジ-C1~3アルキルアミノからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、ハロ-C1~4アルキル、フェニル、ピリジル、ベンジルもしくはフェネチルであり、
14は、水素原子、C1~4アルキルもしくはハロ-C1~4アルキルであるか、または
13およびR14は、隣接する炭素原子と一緒になって、C3~8シクロアルカン、4~8員の酸素原子含有飽和複素環もしくは4~8員の窒素原子含有飽和複素環(ここで、前記4~8員の窒素原子含有飽和複素環は、メチル、ベンジル、フェニルカルボニル、およびオキソからなる群から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)を形成するか、または
12およびR13は、隣接する炭素原子と一緒になって、C3~8シクロアルカンを形成する]
または薬学的に許容されるその塩によって表される、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記一般式(I’-2)において、
Yは、単結合またはC1~6アルカンジイルであり、ここで、前記C1~6アルカンジイルの炭素原子の1つは、C3~6シクロアルカン-1,1-ジイルによって必要に応じて置換されており、
は、
3~8シクロアルキル(ここで、前記C3~8シクロアルキルは、C1~6アルキル(1個のフェニルによって必要に応じて置換されている)、フェニル(1個のハロ-C1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)、C1~6アルコキシ(C3~8シクロアルキル、ハロゲン原子およびC1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されているフェニル、ならびに1個のハロゲン原子によって必要に応じて置換されているピリジルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、C3~8シクロアルコキシ、フェノキシ(ハロゲン原子、C1~6アルキル、C3~8シクロアルキル、およびハロ-C1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、ならびにピリジルオキシ(ハロゲン原子、C1~6アルキル、C3~8シクロアルキル、およびハロ-C1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)、
フェニル(ここで、前記フェニルは、置換基の前記α3基から選択される、同じかまたは異なっている1~3個の基によって必要に応じて置換されている)、
ナフチル、
インダニル、
テトラヒドロナフチル、
ピラゾリル(ここで、前記ピラゾリルは、C1~6アルキルおよびフェニル(1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)、
イミダゾリル(ここで、前記イミダゾリルは、C1~6アルキルおよびフェニルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
イソオキサゾリル(ここで、前記イソオキサゾリルは、1個のハロゲン原子によって必要に応じて置換されている1個のフェニルによって必要に応じて置換されている)、
オキサゾリル(ここで、前記オキサゾリルは、C1~6アルキルおよびフェニルからなる群から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)、
チアゾイル(ここで、前記チアゾイルは、C1~6アルキル、フェニル、およびモルホリノからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
ピリジル(ここで、前記ピリジルは、置換基の前記α5基から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)、
ピリダジニル(ここで、前記ピリダジニルは、1個のC3~8シクロアルキルによって必要に応じて置換されている1個のC1~6アルコキシによって必要に応じて置換されている)、
ピリミジニル(ここで、前記ピリミジニルは、ハロ-C1~6アルキル、C3~8シクロアルキル、フェニル、およびフェノキシ(1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
ピラジニル(ここで、前記ピラジニルは、C1~6アルコキシ(1個のC3~8シクロアルキルによって必要に応じて置換されている)およびフェノキシ(ハロゲン原子、C1~6アルキル、およびC3~8シクロアルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
ベンゾチオフェニル、
キノリル、または
メチレンジオキシフェニル(ここで、前記メチレンジオキシフェニルは、1個または2個のフッ素原子によって必要に応じて置換されている)
であり、
または薬学的に許容されるその塩である、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記一般式(I’-2)において、
11は、水素原子であり、
12は、水素原子であり、
13は、水素原子であり、
14は、水素原子であり、
Yは、メタンジイルであり、
は、
フェニル(ここで、前記フェニルは、フェニル(カルボキシ、シアノ、ヒドロキシ、スルファモイル、ハロゲン原子、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、C3~8シクロアルキル、フェニル、C1~6アルコキシ、ハロ-C1~6アルコキシ、C1~6アルキルカルボニル、ジ-C1~6アルキルアミノカルボニル、C1~6アルキルスルホニル、ジ-C1~6アルキルアミノスルホニルおよびモノ-C1~6アルキルアミノスルホニルからなる群から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されており、ここで、前記モノ-C1~6アルキルアミノスルホニルの前記C1~6アルキルは、1個のヒドロキシによって必要に応じて置換されている)、ピリジル(カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、ハロゲン原子、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、C3~8シクロアルキル、C1~6アルコキシ、およびC1~6アルキルスルホニルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、フェノキシ(ハロゲン原子、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、およびハロ-C1~6アルコキシからなる群から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)、ならびにピリジルオキシ(ハロゲン原子、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、およびC3~8シクロアルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される1個の基によって置換されており、Rによって表される前記置換フェニルは、1個のハロゲン原子によってさらに置換されていてもよい)、
ピリジル(ここで、前記ピリジルは、フェニル(ハロゲン原子、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、C3~8シクロアルキル、C1~6アルコキシ、およびハロ-C1~6アルコキシからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、ピリジル、フェノキシ(ハロゲン原子、シアノ、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、C3~8シクロアルキル、ハロ-C1~6アルコキシおよびC1~6アルコキシ(1個のフェニルによって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)、およびピリジルオキシ(1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される1個の基によって置換されており、Rによって表される前記置換ピリジルは、ハロゲン原子およびC1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によってさらに置換されていてもよい)、または
1個のフェノキシによって置換されているピラジニル(ここで、前記フェノキシは、ハロゲン原子、C1~6アルキル、およびC3~8シクロアルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)
であり、
または薬学的に許容されるその塩である、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記化合物が、
N-{[4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-(4-フェノキシベンジル)-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル]カルボニル}グリシン;
N-[(4-ヒドロキシ-1-{1[6-(4-メチルフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-({4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-[(6-フェノキシ-3-ピリジニル)メチル]-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル}カルボニル)グリシン;
N-({1-[4-(4-フルオロフェノキシ)ベンジル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル}カルボニル)グリシン;
N-({4-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチルフェノキシ)ベンジル]-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル}カルボニル)グリシン;
N-[(1-{[6-(4-シアノフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-({4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-[4-(2-ピリミジニルオキシ)ベンジル]-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル}カルボニル)グリシン;
N-[(1-{[6-(4-フルオロフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-[(1{[-6-(4-クロロフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-{[4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-({6-[4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-3-ピリジニル}メチル)-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル]カルボニル}グリシン;
N-[(4-ヒドロキシ-1-{[6-(3-メチルフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-[(1-{[6-(3-フルオロフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-({4-ヒドロキシ-1-[4-(3-メチルフェノキシ)ベンジル]-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル}カルボニル)グリシン;
N-({1-[4-(3-フルオロフェノキシ)ベンジル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル}カルボニル)グリシン;
N-[1-{[5-(4-フルオロフェノキシ)-2-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-[(4-ヒドロキシ-1-{[5-(4-メチルフェノキシ)-2-ピリジニル]メチル}-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-({1-[4-(4-クロロフェノキシ)ベンジル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル}カルボニル)グリシン;
N-[(4-ヒドロキシ-1-{4-[(6-メチル-3-ピリジニル)オキシ]ベンジル}-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-[(1-{[6-(2-フルオロフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-[(4-ヒドロキシ-1-{[6-(2-メチルフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-({1-[4-(2-フルオロフェノキシ)ベンジル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル}カルボニル)グリシン;
N-({4-ヒドロキシ-1-[4-(2-メチルフェノキシ)ベンジル]-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル}カルボニル)グリシン;
N-[(1-{[6-(3-クロロフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-{[4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-({6-[3-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-3-ピリジニル}メチル)-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル]カルボニル}グリシン;
N-({4-ヒドロキシ-1-[4-(3-メトキシフェノキシ)ベンジル]-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル}カルボニル)グリシン;
N-{[4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-({6-[3-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]-3-ピリジニル}メチル)-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル]カルボニル}グリシン;
N-[(1-{4-[(5-フルオロ-2-ピリジニル)オキシ]ベンジル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-[(1-{4-[(5-クロロ-2-ピリジニル)オキシ]ベンジル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-[1-{[(6-(4-シクロプロピルフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-[(4-ヒドロキシ-1-{4-[(5-メチル-2-ピリジニル)オキシ]ベンジル}-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-{[4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-(4-{[5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジニル]オキシ}ベンジル)-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル]カルボニル}グリシン;
N-{[4-ヒドロキシ-1-({5-メチル-6-[(6-メチル-3-ピリジニル)オキシ]-3-ピリジニル}メチル)-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル]カルボニル}グリシン;
N-[(1-{[5-(4-クロロフェノキシ)-2-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-[(4-ヒドロキシ-1-{[6-(3-メトキシフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-[(1-{4-[(6-クロロ-3-ピリジニル)オキシ]ベンジル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-{[4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-({5-[4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-ピリジニル}メチル)-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル]カルボニル}グリシン;
N-{[4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-(4-{[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジニル]オキシ}ベンジル)-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル]カルボニル}グリシン;
N-[(1-{[6-(3-クロロ-4-メチルフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-[(1-{[6-(3-フルオロ-4-メチルフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-[(1-{[6-(4-フルオロ-3-メチルフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-[(1-{[6-(4-エチルフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-[(4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-{[6-(4-プロピルフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-1,2,5,6-テトラヒドロ-3ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-[(4-ヒドロキシ-1-{[6-(4-イソプロピルフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-[(4-ヒドロキシ-1-{[5-(4-メチルフェノキシ)-2-ピラジニル]メチル}-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-({1-[4-(3,4-ジメチルフェノキシ)ベンジル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル}カルボニル)グリシン;
N-[(1-{[5-クロロ-6-(4-メチルフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-[(1-{[5-フルオロ-6-(4-メチルフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-[(1-{4-[(5-シクロプロピル-2-ピリジニル)オキシ]ベンジル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-[(4-ヒドロキシ-1-{[2-(4-メチルフェノキシ)-5-ピリミジニル]メチル}-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;N-[(1-{[6-(4-クロロフェノキシ)-5-メチル-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-[(1-{[5-(4-クロロフェノキシ)-2-ピラジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;および
N-[(1-{[5-(4-シクロプロピルフェノキシ)-2-ピラジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン
から選択されるか、または薬学的に許容されるその塩である、請求項57~61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
前記式(I’)の化合物が、一般式(I)
【化20】
[式(I)中、
11は、水素原子、C1~4アルキルもしくはフェニルであり、
12は、水素原子もしくはC1~4アルキルであるか、または
11およびR12は、隣接する炭素原子と一緒になって、C3~8シクロアルカンもしくは4~8員の酸素原子含有飽和複素環を形成し、
13は、水素原子、C1~4アルキル、ハロ-C1~4アルキル、フェニル、ベンジルもしくはフェネチルであり、
14は、水素原子もしくはC1~4アルキルであるか、または
13およびR14は、隣接する炭素原子と一緒になって、C3~8シクロアルカンもしくは4~8員の酸素原子含有飽和複素環を形成するか、または
12およびR13は、隣接する炭素原子と一緒になって、C3~8シクロアルカンを形成し、
Yは、単結合またはC1~6アルカンジイルであり、ここで、前記C1~6アルカンジイルの炭素原子の1つは、C3~6シクロアルカン-1,1-ジイルによって必要に応じて置換されており、
は、
3~8シクロアルキル(ここで、前記C3~8シクロアルキルは、フェニルおよびベンジルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
フェニル(ここで、前記フェニルは、置換基のα1基から選択される、同じかまたは異なっている1~3個の基によって必要に応じて置換されている)、
ナフチル、
インダニル、
テトラヒドロナフチル、
ピラゾリル(ここで、前記ピラゾリルは、1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている1個のフェニルによって置換されており、1個のC1~6アルキルによってさらに置換されていてもよい)、
イミダゾリル(ここで、前記イミダゾリルは、1個のフェニルによって置換されている)、
イソオキサゾリル(ここで、前記イソオキサゾリルは、1個のハロゲン原子によって必要に応じて置換されている1個のフェニルによって置換されている)、
オキサゾリル(ここで、前記オキサゾリルは、1個のフェニルによって置換されており、1個のC1~6アルキルによってさらに置換されていてもよい)、
チアゾイル(ここで、前記チアゾイルは、1個のフェニルによって置換されている)、
ピリジル(ここで、前記ピリジルは、フェニル、フェノキシ(ハロゲン原子、シアノ、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、C3~8シクロアルキル、C1~6アルコキシ、およびハロ-C1~6アルコキシからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、およびフェニルスルファニル(1個のハロゲン原子によって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される1個の基によって置換されている)、
ピリミジニル(ここで、前記ピリミジニルは、シクロヘキシルおよびフェニルからなる群から選択される1個の基によって置換されている)、
ベンゾチオフェニル、
キノリル、または
メチレンジオキシフェニル(ここで、前記メチレンジオキシフェニルは、1個または2個のフッ素原子によって必要に応じて置換されている)
であり、
置換基のα1基は、
ハロゲン原子、
1~6アルキル(ここで、前記C1~6アルキルは、C3~8シクロアルキル、フェニル、およびC1~6アルコキシ(1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている1個のC3~8シクロアルキルによって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
ハロ-C1~6アルキル、
3~8シクロアルキル、
フェニル(ここで、前記フェニルは、置換基のα2基から選択される、同じかまたは異なっている1~3個の基によって必要に応じて置換されている)、
チエニル、
ピラゾリル(ここで、前記ピラゾリルは、1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)、
イソオキサゾリル、
チアゾイル(ここで、前記チアゾイルは、1個または2個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)、
ピリジル(ここで、前記ピリジルは、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、およびハロ-C1~6アルコキシからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
キノリル、
1~6アルコキシ(ここで、前記C1~6アルコキシは、C3~8シクロアルキルおよびフェニル(ハロゲン原子およびC1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
ハロ-C1~6アルコキシ、
2~6アルケニルオキシ、
3~8シクロアルコキシ、
フェノキシ(ここで、前記フェノキシは、ハロゲン原子、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、およびハロ-C1~6アルコキシからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
ピリジルオキシ(ここで、前記ピリジルオキシは、ハロゲン原子、C1~6アルキル、およびハロ-C1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、および
1~6アルキルスルファニル
からなり、
置換基のα2基は、ハロゲン原子、シアノ、ヒドロキシ、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、フェニル、C1~6アルコキシ、ハロ-C1~6アルコキシ、C1~6アルキルカルボニル、およびジ-C1~6アルキルアミノスルホニルからなる]
または薬学的に許容されるその塩によって表される、請求項57に記載の方法。
【請求項64】
前記化合物が、N-[(1{[6-(4-クロロフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン、または薬学的に許容されるその塩である、請求項57~63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
前記化合物が、2-[[1-[[6-(4-クロロフェノキシ)ピリジン-3-イル]メチル]-4-ヒドロキシ-6-オキソ-2,3-ジヒドロピリジン-5-カルボニル]アミノ]酢酸である、請求項64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
前記化合物が、N-[(1-{[6-(4-シクロプロピルフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン、または薬学的に許容されるその塩である、請求項57~63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
前記化合物が、N-[(4-ヒドロキシ-1-{[6-(3-メチルフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン、または薬学的に許容されるその塩である、請求項57~63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
前記化合物が、N-[(1-{[6-(3-フルオロフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン、または薬学的に許容されるその塩である、請求項57~63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
前記化合物が、N-[(4-ヒドロキシ-1-{4-[(6-メチル-3-ピリジニル)オキシ]ベンジル}-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン、または薬学的に許容されるその塩である、請求項57~63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
前記HIF-PH阻害剤が、デシデュスタット、または薬学的に許容されるその塩である、請求項1~56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項71】
前記HIF-PH阻害剤が、エナロデュスタット、または薬学的に許容されるその塩である、請求項1~56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項72】
前記HIF-PH阻害剤が、モリデュスタット、または薬学的に許容されるその塩である、請求項1~56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
前記HIF-PH阻害剤が、ロキサデュスタット、または薬学的に許容されるその塩である、請求項1~56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
前記HIF-PH阻害剤が、ダプロデュスタット、または薬学的に許容されるその塩である、請求項1~56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項75】
前記HIF-PH阻害剤が、バダデュスタット、または薬学的に許容されるその塩である、請求項1~56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
前記HIF-PH阻害剤が、1-(6-(2,6-ジメチルフェノキシ)-7-フルオロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸(JNJ-42905343)である、請求項1~56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
前記HIF-PH阻害剤が、JNJ-42041935である、請求項1~56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項78】
前記HIF-PH阻害剤の用量が、POで1日当たり少なくとも0.01mg/kgである、請求項1~77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項79】
前記HIF-PH阻害剤の用量が、POで1日当たり少なくとも0.1mg/kgである、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記HIF-PH阻害剤の用量が、POで1日当たり少なくとも0.05mg/kgである、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記HIF-PH阻害剤の用量が、POで1日当たり少なくとも2mg/kgである、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記HIF-PH阻害剤の用量が、POで1日当たり少なくとも3mg/kgである、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
前記HIF-PH阻害剤の用量が、POで1日当たり少なくとも4mg/kgである、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記HIF-PH阻害剤の用量が、POで1日当たり少なくとも8mg/kgである、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記HIF-PH阻害剤の用量が、POで1日当たり少なくとも12mg/kgである、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記HIF-PH阻害剤の用量が、POで1日当たり少なくとも14mg/kgである、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記HIF-PH阻害剤の用量が、POで1日1回少なくとも16mg/kgである、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
前記用量が、0.5mg/kgである、請求項78に記載の方法。
【請求項89】
前記用量が、1mg/kgである、請求項1~77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項90】
前記用量が、2mg/kgである、請求項1~77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項91】
前記用量が、2.5~160mg/kgである、請求項1~77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項92】
前記用量が、1~30mgである、請求項1~77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項93】
前記用量が、1~11mgである、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
前記用量が、少なくとも1mgである、請求項92に記載の方法。
【請求項95】
前記用量が、少なくとも5mgである、請求項92に記載の方法。
【請求項96】
前記用量が、少なくとも8mgである、請求項92に記載の方法。
【請求項97】
前記用量が、少なくとも10mgである、請求項92に記載の方法。
【請求項98】
前記用量が、少なくとも24mgである、請求項92に記載の方法。
【請求項99】
前記HIF-PH阻害剤が、経口投与される、請求項1~98のいずれか一項に記載の方法。
【請求項100】
前記用量が、毎日投与される、請求項1~98のいずれか一項に記載の方法。
【請求項101】
前記用量が、均等にまたは不均等に分割された複数の部分用量として投与される、請求項1~100のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1. 関連出願の相互参照
本願は、2021年2月24日出願の米国仮出願番号第63/153,356号、2021年1月11日出願の同第63/136,138号、2020年12月18日出願の同第63/127,767号、2020年8月6日出願の同第63/062,259号、および2020年4月29日出願の同第63/017,578号の優先権および利益を主張し、それらの開示全体は、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
2. 背景
人が加齢するにつれて、生理的および病態生理学的変化が蓄積し、これらの蓄積した加齢性変化が、様々な外部および内部ストレッサーによる死亡の素因になる。「虚弱」の指標は、このような加齢性変化の複合的尺度として開発された。集団の年齢中央値が上がるにつれて、加齢性欠損の蓄積を低減または相殺し、したがって高齢個体の虚弱尺度を低減させる薬物が必要になってくる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
3. 概要
本発明者らは、バイオインフォマティクスおよび機械学習手法を適用して、生存予測モデルを使用してヒトデータを分析し、ベースラインHIF1α経路タンパク質レベルと将来的な加齢性転帰との関連を発見した。特に、本発明者らは、HIF1αのより高い循環レベルが、総死亡率の低下(p=0.0029)、すなわちより長い寿命と関連すること、およびHIF-PHのより高い循環レベルが、HIF-1αの分解を誘起し、総死亡率の上昇(p=0.0201)と関連することを発見した。加えて、その分析では、より高レベルのHIF1αが、より良好な将来的身体機能と関連している一方、より高いレベルのHIF-PHが、より悪化した将来的身体機能と関連することを実証した。
【0004】
次に本発明者らは、HIF-1α血清タンパク質濃度が、ヒトの健康な加齢コホートにおいて年齢と共に低下すること、ひいてはHIF-1αの公知の下流標的遺伝子の発現が、ヒトが加齢するにつれて減少するHIF-1αによって影響を受けることを発見した。
【0005】
本発明者らは、これらの発見に基づいて、HIFプロリルヒドロキシラーゼであるBGE-117の阻害剤を、高齢マウスにおける効果について試験した。BGE-117(TP0463518およびTP518としても公知)は、以下の構造を有する。
【化1】
【0006】
最初の組の実験では、本発明者らは、BGE-117で処置した老齢マウス(27カ月齢)が、同齢の対照と比較して統計的に有意な(p<0.001)自発的活動の増加を示し、虚弱の低減および改善された身体的健康を示したことを実証した。
【0007】
加えて、本発明者らは、BGE-117で処置した27カ月齢のマウスが、ヘモグロビンレベルの上昇を示したことを発見した。BGE-117は、正常な健康ヒトボランティア(Shinfuku et al., Am. J. Nephrol. 48(3):157-164 (2018))および慢性腎疾患を有する患者においてHIF-PHを阻害し、エリスロポエチン(EPO)生成を増大することが公知であり、若齢5/6腎摘出ラットにおいてヘモグロビンレベルを上昇させることが示されたが(Kato et al., J. Pharmacol. Exp. Ther. 371:675-683 (2019))、正常な腎機能を有する高齢個体に対するその効果は、まだ報告されていなかった。
【0008】
次に本発明者らは、高齢マウス(23カ月齢および27カ月齢)が、加齢性貧血を自然発症的に発症すること、ならびにこの貧血に、上昇したレベルの炎症性サイトカインIL-6およびTNFαが伴うことを発見した。この発見は、特発性貧血の根本的病因が、炎症性貧血であることを示唆した。次に本発明者らは、BGE-117の有益な効果が、貧血、特に炎症性貧血を有する老齢マウスにおいても観察され得るかどうか、またはその代わりに正常ヘモグロビンレベルベースラインを有しており、炎症性サイトカインのレベルが上昇していない老齢マウスに限定されるかどうかを決定することを探究した。本発明者らは、高レベルの炎症性サイトカインを有していた各月齢コホートのマウスを選択し、炎症性貧血を有している老齢マウスにおいても、BGE-117がヘモグロビンレベルの上昇に有効であることを実証した。
【0009】
次に、本発明者らは、別のHIF-PH阻害剤であるロキサデュスタットも、特発性炎症および炎症性貧血を示す加齢動物においてヘモグロビンを上昇させることができることを実証し、したがって、一クラスとしてのHIF-PH阻害剤が、炎症性貧血を有する老齢動物を含めた老齢動物の貧血を処置するのに有効であることを実証した。
【0010】
したがって、第1の態様では、本開示は、加齢関連病的状態を処置する方法であって、加齢関連病的状態を発症しているかまたは発症するリスクがある40歳よりも上のヒト対象に、治療有効量の低酸素誘導因子プロリルヒドロキシラーゼ(HIF-PH)阻害剤を投与するステップを含む、方法を提供する。
【0011】
一部の実施形態では、加齢関連病的状態は、加齢性貧血である。
【0012】
一部の実施形態では、加齢性貧血は、高齢者の炎症性貧血(AI)である。
【0013】
一部の実施形態では、加齢関連病的状態は、急性医療事象、プロセス、または入院によって誘発された貧血である。
【0014】
一部の実施形態では、ヒト対象は、2mg/L超のCRPレベルを有している。一部の実施形態では、ヒト対象は、4mg/L超のCRPレベルを有している。一部の実施形態では、ヒト対象は、6mg/L超のCRPレベルを有している。一部の実施形態では、ヒト対象は、8mg/L超のCRPレベルを有している。一部の実施形態では、ヒト対象は、10mg/L超のCRPレベルを有している。一部の実施形態では、貧血は、高齢者の未解明の貧血(UAE)である。
【0015】
一部の実施形態では、ヒト対象は、10mg/L未満のCRPレベルを有している。一部の実施形態では、ヒト対象は、8mg/L未満のCRPレベルを有している。一部の実施形態では、ヒト対象は、6mg/L未満のCRPレベルを有している。一部の実施形態では、ヒト対象は、4mg/L未満のCRPレベルを有している。一部の実施形態では、ヒト対象は、2mg/L未満のCRPレベルを有している。
【0016】
一部の実施形態では、ヒト対象は、上昇した処置前IL-6レベルを有している。一部の実施形態では、ヒト対象は、2.5pg/ml超の処置前IL-6レベルを有している。一部の実施形態では、ヒト対象は、5pg/ml超の処置前IL-6レベルを有している。一部の実施形態では、ヒト対象は、10pg/ml超の処置前IL-6レベルを有している。
【0017】
一部の実施形態では、ヒト対象は、7pg/ml超の処置前TNFαレベルを有している。一部の実施形態では、ヒト対象は、8pg/ml超の処置前TNFαレベルを有している。一部の実施形態では、ヒト対象は、9pg/ml超の処置前TNFαレベルを有している。
【0018】
一部の実施形態では、ヒト対象は、10pg/ml超の処置前TNFαレベルを有している。一部の実施形態では、ヒト対象は、12g/dL未満の処置前ヘモグロビンレベルを有している。一部の実施形態では、ヒト対象は、10g/dL未満の処置前ヘモグロビンレベルを有している。
【0019】
一部の実施形態では、ヒト対象は、13g/dL未満(男性)または12g/dL未満(女性)の処置前ヘモグロビンレベルを有している。一部の実施形態では、ヒト対象は、11g/dL未満(男性)または10g/dL未満(女性)の処置前ヘモグロビンレベルを有している。一部の実施形態では、ヒト対象は、9g/dL未満(男性)または8g/dL未満(女性)の処置前ヘモグロビンレベルを有している。
【0020】
一部の実施形態では、ヒト対象は、30ml/分超のeGFRを有している。
【0021】
一部の実施形態では、ヒト対象は、50ml/分超のeGFRを有している。
【0022】
一部の実施形態では、ヒト対象は、正常なB12および葉酸レベルを有している。
【0023】
一部の実施形態では、ヒト対象は、100超の血清フェリチン(SF)および/または20%超の腫瘍炎症シグネチャー(TIS)を有している。
【0024】
一部の実施形態では、ヒト対象は、腎疾患を有していない。
【0025】
一部の実施形態では、ヒト対象は、慢性腎疾患(CKD)を有していない。
【0026】
一部の実施形態では、ヒト対象は、ステージ3~5の慢性腎疾患(CKD)を有していない。
【0027】
一部の実施形態では、ヒト対象は、血液透析を受けていない。
【0028】
一部の実施形態では、ヒト対象は、貧血を有していない。
【0029】
一部の実施形態では、加齢関連病的状態は、虚弱である。
【0030】
一部の実施形態では、加齢関連病的状態は、疲労である。
【0031】
一部の実施形態では、ヒト対象は、低下した筋肉強度を有している。一部の実施形態では、ヒト対象は、低下した毛細血管密度を有している。
【0032】
一部の実施形態では、ヒト対象は、低下した筋力を有している。
【0033】
一部の実施形態では、ヒト対象は、下肢筋肉質量の低下を有している。
【0034】
一部の実施形態では、ヒト対象は、上肢筋肉質量の低下を有している。
【0035】
一部の実施形態では、ヒト対象は、筋肉量の低下を有している。一部の実施形態では、筋肉量は、肩の外転筋、肩の内転筋、肘の屈筋、肘の伸筋、手首の屈筋、および手首の伸筋からなる群から選択される1種または複数の上肢筋肉の筋肉量である。
【0036】
一部の実施形態では、ヒト対象は、加齢関連虚弱以外の任意の疾患を有すると診断されていない。
【0037】
一部の実施形態では、ヒト対象は、筋肉減少症を有している。
【0038】
一部の実施形態では、ヒト対象は、毛細血管密度の低下を有している。
【0039】
一部の実施形態では、ヒト対象は、50歳よりも上である。
【0040】
一部の実施形態では、ヒト対象は、55歳よりも上である。
【0041】
一部の実施形態では、ヒト対象は、60歳よりも上である。
【0042】
一部の実施形態では、ヒト対象は、65歳よりも上である。
【0043】
一部の実施形態では、ヒト対象は、70歳よりも上である。
【0044】
一部の実施形態では、ヒト対象は、75歳よりも上である。
【0045】
一部の実施形態では、ヒト対象は、80歳よりも上である。
【0046】
一部の実施形態では、ヒト対象が、85歳よりも上である。
【0047】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、以下の一般式(I’)
【化2】
[式(I’)中、Wは、式-CR1112CR1314を表し、
11は、水素原子、C1~4アルキルもしくはフェニルを表し、
12は、水素原子、フッ素原子(fluoride atom)もしくはC1~4アルキルを表すか、または
11およびR12は、隣接する炭素原子と一緒になって、C3~8シクロアルカンもしくは4~8員の酸素原子含有飽和複素環を形成し、
13は、水素原子、カルバモイル、C1~4アルキル(ここで、C1~4アルキルは、ヒドロキシ、C1~3アルコキシ、およびジ-C1~3アルキルアミノからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、ハロ-C1~4アルキル、フェニル、ピリジル、ベンジルもしくはフェネチルを表し、
14は、水素原子、C1~4アルキルもしくはハロ-C1~4アルキルを表すか、または
13およびR14は、隣接する炭素原子と一緒になって、C3~8シクロアルカン、4~8員の酸素原子含有飽和複素環、もしくは4~8員の窒素原子含有飽和複素環(ここで、4~8員の窒素原子含有飽和複素環は、メチル、ベンジル、フェニルカルボニル、およびオキソからなる群から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)を形成するか、または
12およびR13は、隣接する炭素原子と一緒になって、C3~8シクロアルカンを形成し、
Yは、単結合またはC1~6アルカンジイルを表し、ここで、C1~6アルカンジイルは、1個のヒドロキシルによって必要に応じて置換されており、C1~6アルカンジイルの炭素原子の1つは、C3~6シクロアルカン1,1-ジイルによって必要に応じて置換されており、
は、
水素原子、
1~6アルキル(akyl)、
3~8シクロアルキル(ここで、C3~8シクロアルキルは、C1~6アルキル(1個のフェニルによって必要に応じて置換されている)、フェニル(ハロゲン原子およびハロ-C1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、C1~6アルコキシ(C3~8シクロアルキル、ハロゲン原子およびC1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されているフェニル、ならびに1個のハロゲン原子によって必要に応じて置換されているピリジルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、C3~8シクロアルコキシ、フェノキシ(ハロゲン原子、C1~6アルキル、C3~8シクロアルキル、およびハロ-C1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、ならびにピリジルオキシ(ハロゲン原子、C1~6アルキル、C3~8シクロアルキル、およびハロ-C1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)、
フェニル(ここで、フェニルは、置換基のα3基から選択される、同じかまたは異なっている1~3個の基によって必要に応じて置換されている)、
ナフチル、
インダニル、
テトラヒドロナフチル、
ピラゾリル、
イミダゾリル、
イソオキサゾリル、
オキサゾリル
(ここで、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、およびオキサゾリルは、C1~6アルキルおよびフェニル(ハロゲン原子およびC1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)、
チアゾイル(ここで、チアゾイルは、C1~6アルキル、フェニル(ハロゲン原子およびC1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、およびモルホリノからなる群から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)、
ピリジル(ここで、ピリジルは、置換基のα5基から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)、
ピリダジニル、
ピリミジニル、
ピラジニル
(ここで、ピリダジニル、ピリミジニル、およびピラジニルは、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、C3~8シクロアルキル、フェニル、C1~6アルコキシ(1個のC3~8シクロアルキルによって必要に応じて置換されている)、およびフェノキシ(ハロゲン原子、C1~6アルキル、およびC3~8シクロアルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
ベンゾチオフェニル、
キノリル、
メチレンジオキシフェニル(ここで、メチレンジオキシフェニルは、1個または2個のフッ素原子によって必要に応じて置換されている)、
4~8員の窒素原子含有飽和ヘテロシクリル(ここで、4~8員の窒素原子含有飽和ヘテロシクリルは、ピリミジニル、フェニル-C1~3アルキル、C3~8シクロアルキル-C1~3アルキルカルボニル、およびフェニル-C1~3アルコキシカルボニルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)
を表す]、または
次式(I’’)
-CONRCH-R (I’’)
[式(I’’)中、
は、水素原子またはC1~3アルキルを表し、Rは、フェニル(ハロゲン原子、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、およびフェニルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)を表し、
置換基のα3基は、
ヒドロキシ、
シアノ、
カルボキシ、
ハロゲン原子、
1~6アルキル(ここで、C1~6アルキルは、C3~8シクロアルキル、フェニル、C1~6アルコキシ(1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている1個のC3~8シクロアルキルによって必要に応じて置換されている)、フェノキシ(1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)、およびピリジルオキシ(C1~6アルキルおよびハロ-C1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
ハロ-C1~6アルキル、
3~8シクロアルキル(ここで、C3~8シクロアルキルは、1個または2個のハロゲン原子によって必要に応じて置換されている)、
3~8シクロアルケニル(ここで、C3~8シクロアルケニルは、1個または2個のハロゲン原子によって必要に応じて置換されている)、
フェニル(ここで、フェニルは、置換基のα4基から選択される、同じかまたは異なっている1~3個の基によって必要に応じて置換されている)、
チエニル(ここで、チエニルは、1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)、
ピラゾリル(ここで、ピラゾリルは、1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)、
イソオキサゾリル、
チアゾイル(ここで、チアゾイルは、ヒドロキシ、C1~6アルキル、およびC1~6アルコキシからなる群から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)、
ピリジル(ここで、ピリジルは、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、ハロゲン原子、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、C3~8シクロアルキル、C1~6アルコキシ、ハロ-C1~6アルコキシ、およびC1~6アルキルスルホニルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
ピリミジニル(ここで、ピリミジニルは、1個のアミノによって必要に応じて置換されている)、
キノリル、
1~6アルコキシ(ここで、C1~6アルコキシは、カルボキシ、ヒドロキシ、カルバモイル、C3~8シクロアルキル(1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)、フェニル(ヒドロキシ、ハロゲン原子、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、ハロ-C1~6アルコキシ、およびジ-C1~6アルキルアミノからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、ピリジル(ハロゲン原子およびC1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、ベンゾトリアゾリル、イミダゾチアゾイル、ジ-C1~6アルキルアミノ、オキサゾリル(1個または2個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)、ピラゾリル(1個または2個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)、チアゾイル(1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)、およびインダゾリル(1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
ハロ-C1~6アルコキシ、
2~6アルケニルオキシ、
3~8シクロアルコキシ、
フェノキシ(ここで、フェノキシは、ハロゲン原子、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、およびハロ-C1~6アルコキシからなる群から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)、
ピリジルオキシ(ここで、ピリジルオキシは、ハロゲン原子、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、およびC3~8シクロアルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
ピリミジニルオキシ、
ピペラジニル(ここで、ピペラジニルは、1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)、
モノ-C1~6アルキルアミノカルボニル(ここで、モノ-C1~6アルキルアミノカルボニルのC1~6アルキルは、カルボキシ、ヒドロキシ、ジ-C1~6アルキルアミノ、ピリジル、フェニル、および2-オキソピロリジニルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
ジ-C1~6アルキルアミノカルボニル(ここで、ジ-C1~6アルキルアミノカルボニルの2個のC1~6アルキルは、隣接する窒素原子と一緒になって、4~8員の窒素原子含有飽和複素環を必要に応じて形成する)、
1~6アルキルスルファニル、および
1~6アルキルスルホニル
からなり、
置換基のα4基は、
カルボキシ、
シアノ、
ヒドロキシ、
スルファモイル、
ハロゲン原子、
1~6アルキル、
ハロ-C1~6アルキル、
3~8シクロアルキル、
フェニル、
1~6アルコキシ、
ハロ-C1~6アルコキシ、
1~6アルキルカルボニル、
ジ-C1~6アルキルアミノカルボニル、
1~6アルキルスルホニル、
モノ-C1~6アルキルアミノスルホニル(ここで、モノ-C1~6アルキルアミノスルホニルのC1~6アルキルは、1個のヒドロキシによって必要に応じて置換されている)、および
ジ-C1~6アルキルアミノスルホニル
からなり、
置換基のα5基は、
ハロゲン原子、
1~6アルキル、
ハロ-C1~6アルキル、
1~6アルコキシ(ここで、C1~6アルコキシは、C3~8シクロアルキル(1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)およびフェニル(ハロゲン原子およびC1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
ハロ-C1~6アルコキシ、
フェニル(ここで、フェニルは、置換基のα6基から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
ピリジル、
フェノキシ(ここで、フェノキシは、ハロゲン原子、シアノ、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、C3~8シクロアルキル、ハロ-C1~6アルコキシおよびC1~6アルコキシ(1個のフェニルによって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)、および
ピリジルオキシ(ここで、ピリジルオキシは、1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)、および
フェニルスルファニル(ここで、フェニルスルファニルは、1個のハロゲン原子によって必要に応じて置換されている)
からなり、
置換基のα6基は
ハロゲン原子、
1~6アルキル、
ハロ-C1~6アルキル、
3~8シクロアルキル、
1~6アルコキシ、および
ハロ-C1~6アルコキシ
からなり、
は、C1~4アルカンジイルを表し、
は、水素原子またはメチルを表し、
は、-COOH、-CONHOH、またはテトラゾリルを表す]
によって表される化合物、または薬学的に許容されるその塩である。
【0048】
一部の実施形態では、前述の一般式(I’)において、
は、メタンジイルであり、
は、水素原子であり、
は、-COOHであり、
または薬学的に許容されるその塩である。
【0049】
一部の実施形態では、前述の一般式(I’)において、化合物は、一般式(I’-2)
【化3】
[式(I’-2)中、
11は、水素原子、フッ素原子、C1~4アルキルもしくはフェニルであり、
12は、水素原子、フッ素原子もしくはC1~4アルキルであるか、または
11およびR12は、隣接する炭素原子と一緒になって、C3~8シクロアルカンもしくは4~8員の酸素原子含有飽和複素環を形成し、
13は、水素原子、カルバモイル、C1~4アルキル(ここで、C1~4アルキルは、ヒドロキシ、C1~3アルコキシ、およびジ-C1~3アルキルアミノからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、ハロ-C1~4アルキル、フェニル、ピリジル、ベンジルもしくはフェネチルであり、
14は、水素原子、C1~4アルキルもしくはハロ-C1~4アルキルであるか、または
13およびR14は、隣接する炭素原子と一緒になって、C3~8シクロアルカン、4~8員の酸素原子含有飽和複素環もしくは4~8員の窒素原子含有飽和複素環(ここで、4~8員の窒素原子含有飽和複素環は、メチル、ベンジル、フェニルカルボニル、およびオキソからなる群から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)を形成するか、または
12およびR13は、隣接する炭素原子と一緒になって、C3~8シクロアルカンを形成する]
または薬学的に許容されるその塩によって表される。
【0050】
一部の実施形態では、前述の一般式(I’-2)において、
Yは、単結合またはC1~6アルカンジイルであり、ここで、C1~6アルカンジイルの炭素原子の1つは、C3~6シクロアルカン-1,1-ジイルによって必要に応じて置換されており、
は、
3~8シクロアルキル(ここで、C3~8シクロアルキルは、C1~6アルキル(1個のフェニルによって必要に応じて置換されている)、フェニル(1個のハロ-C1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)、C1~6アルコキシ(C3~8シクロアルキル、ハロゲン原子およびC1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されているフェニル、ならびに1個のハロゲン原子によって必要に応じて置換されているピリジルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、C3~8シクロアルコキシ、フェノキシ(ハロゲン原子、C1~6アルキル、C3~8シクロアルキル、およびハロ-C1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、ならびにピリジルオキシ(ハロゲン原子、C1~6アルキル、C3~8シクロアルキル、およびハロ-C1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)、
フェニル(ここで、フェニルは、置換基の前述のα3基から選択される、同じかまたは異なっている1~3個の基によって必要に応じて置換されている)、
ナフチル、
インダニル、
テトラヒドロナフチル、
ピラゾリル(ここで、ピラゾリルは、C1~6アルキルおよびフェニル(1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)、
イミダゾリル(ここで、イミダゾリルは、C1~6アルキルおよびフェニルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
イソオキサゾリル(ここで、イソオキサゾリルは、1個のハロゲン原子によって必要に応じて置換されている1個のフェニルによって必要に応じて置換されている)、
オキサゾリル(ここで、オキサゾリルは、C1~6アルキルおよびフェニルからなる群から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)、
チアゾイル(ここで、チアゾイルは、C1~6アルキル、フェニル、およびモルホリノからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
ピリジル(ここで、ピリジルは、置換基の前述のα5基から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)、
ピリダジニル(ここで、ピリダジニルは、1個のC3~8シクロアルキルによって必要に応じて置換されている1個のC1~6アルコキシによって必要に応じて置換されている)、
ピリミジニル(ここで、ピリミジニルは、ハロ-C1~6アルキル、C3~8シクロアルキル、フェニル、およびフェノキシ(1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
ピラジニル(ここで、ピラジニルは、C1~6アルコキシ(1個のC3~8シクロアルキルによって必要に応じて置換されている)およびフェノキシ(ハロゲン原子、C1~6アルキル、およびC3~8シクロアルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
ベンゾチオフェニル、
キノリル、または
メチレンジオキシフェニル(ここで、メチレンジオキシフェニルは、1個または2個のフッ素原子によって必要に応じて置換されている)
であり、
または薬学的に許容されるその塩である。
【0051】
一部の実施形態では、前述の一般式(I’-2)において
11は、水素原子であり、
12は、水素原子であり、
13は、水素原子であり、
14は、水素原子であり、
Yは、メタンジイルであり、
は、
フェニル(ここで、フェニルは、フェニル(カルボキシ、シアノ、ヒドロキシ、スルファモイル、ハロゲン原子、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、C3~8シクロアルキル、フェニル、C1~6アルコキシ、ハロ-C1~6アルコキシ、C1~6アルキルカルボニル、ジ-C1~6アルキルアミノカルボニル、C1~6アルキルスルホニル、ジ-C1~6アルキルアミノスルホニルおよびモノ-C1~6アルキルアミノスルホニルからなる群から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されており、ここで、モノ-C1~6アルキルアミノスルホニルのC1~6アルキルは、1個のヒドロキシによって必要に応じて置換されている)、ピリジル(カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、ハロゲン原子、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、C3~8シクロアルキル、C1~6アルコキシ、およびC1~6アルキルスルホニルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、フェノキシ(ハロゲン原子、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、およびハロ-C1~6アルコキシからなる群から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)、ならびにピリジルオキシ(ハロゲン原子、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、およびC3~8シクロアルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される1個の基によって置換されており、Rによって表される前記置換フェニルは、1個のハロゲン原子によってさらに置換されていてもよい)、
ピリジル(ここで、ピリジルは、フェニル(ハロゲン原子、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、C3~8シクロアルキル、C1~6アルコキシ、およびハロ-C1~6アルコキシからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、ピリジル、フェノキシ(ハロゲン原子、シアノ、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、C3~8シクロアルキル、ハロ-C1~6アルコキシおよびC1~6アルコキシ(1個のフェニルによって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)、およびピリジルオキシ(1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される1個の基によって置換されており、Rによって表される前記置換ピリジルは、ハロゲン原子およびC1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によってさらに置換されていてもよい)、または
1個のフェノキシによって置換されているピラジニル(ここで、フェノキシは、ハロゲン原子、C1~6アルキル、およびC3~8シクロアルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)
であり、
または薬学的に許容されるその塩である。
【0052】
一部の実施形態では、化合物は、
N-{[4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-(4-フェノキシベンジル)-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル]カルボニル}グリシン;
N-[(4-ヒドロキシ-1-{1[6-(4-メチルフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-({4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-[(6-フェノキシ-3-ピリジニル)メチル]-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル}カルボニル)グリシン;
N-({1-[4-(4-フルオロフェノキシ)ベンジル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル}カルボニル)グリシン;
N-({4-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチルフェノキシ)ベンジル]-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル}カルボニル)グリシン;
N-[(1-{[6-(4-シアノフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-({4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-[4-(2-ピリミジニルオキシ)ベンジル]-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル}カルボニル)グリシン;
N-[(1-{[6-(4-フルオロフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-[(1{[-6-(4-クロロフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-{[4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-({6-[4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-3-ピリジニル}メチル)-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル]カルボニル}グリシン;
N-[(4-ヒドロキシ-1-{[6-(3-メチルフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-[(1-{[6-(3-フルオロフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-({4-ヒドロキシ-1-[4-(3-メチルフェノキシ)ベンジル]-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル}カルボニル)グリシン;
N-({1-[4-(3-フルオロフェノキシ)ベンジル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル}カルボニル)グリシン;
N-[1-{[5-(4-フルオロフェノキシ)-2-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-[(4-ヒドロキシ-1-{[5-(4-メチルフェノキシ)-2-ピリジニル]メチル}-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-({1-[4-(4-クロロフェノキシ)ベンジル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル}カルボニル)グリシン;
N-[(4-ヒドロキシ-1-{4-[(6-メチル-3-ピリジニル)オキシ]ベンジル}-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-[(1-{[6-(2-フルオロフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-[(4-ヒドロキシ-1-{[6-(2-メチルフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-({1-[4-(2-フルオロフェノキシ)ベンジル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル}カルボニル)グリシン;
N-({4-ヒドロキシ-1-[4-(2-メチルフェノキシ)ベンジル]-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル}カルボニル)グリシン;
N-[(1-{[6-(3-クロロフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-{[4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-({6-[3-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-3-ピリジニル}メチル)-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル]カルボニル}グリシン;
N-({4-ヒドロキシ-1-[4-(3-メトキシフェノキシ)ベンジル]-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル}カルボニル)グリシン;
N-{[4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-({6-[3-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]-3-ピリジニル}メチル)-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル]カルボニル}グリシン;
N-[(1-{4-[(5-フルオロ-2-ピリジニル)オキシ]ベンジル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-[(1-{4-[(5-クロロ-2-ピリジニル)オキシ]ベンジル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-[1-{[(6-(4-シクロプロピルフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-[(4-ヒドロキシ-1-{4-[(5-メチル-2-ピリジニル)オキシ]ベンジル}-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-{[4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-(4-{[5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジニル]オキシ}ベンジル)-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル]カルボニル}グリシン;
N-{[4-ヒドロキシ-1-({5-メチル-6-[(6-メチル-3-ピリジニル)オキシ]-3-ピリジニル}メチル)-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル]カルボニル}グリシン;
N-[(1-{[5-(4-クロロフェノキシ)-2-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-[(4-ヒドロキシ-1-{[6-(3-メトキシフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-[(1-{4-[(6-クロロ-3-ピリジニル)オキシ]ベンジル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-{[4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-({5-[4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-ピリジニル}メチル)-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル]カルボニル}グリシン;
N-{[4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-(4-{[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジニル]オキシ}ベンジル)-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル]カルボニル}グリシン;
N-[(1-{[6-(3-クロロ-4-メチルフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-[(1-{[6-(3-フルオロ-4-メチルフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-[(1-{[6-(4-フルオロ-3-メチルフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-[(1-{[6-(4-エチルフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-[(4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-{[6-(4-プロピルフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-1,2,5,6-テトラヒドロ-3ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-[(4-ヒドロキシ-1-{[6-(4-イソプロピルフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-[(4-ヒドロキシ-1-{[5-(4-メチルフェノキシ)-2-ピラジニル]メチル}-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-({1-[4-(3,4-ジメチルフェノキシ)ベンジル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル}カルボニル)グリシン;
N-[(1-{[5-クロロ-6-(4-メチルフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-[(1-{[5-フルオロ-6-(4-メチルフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-[(1-{4-[(5-シクロプロピル-2-ピリジニル)オキシ]ベンジル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-[(4-ヒドロキシ-1-{[2-(4-メチルフェノキシ)-5-ピリミジニル]メチル}-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;N-[(1-{[6-(4-クロロフェノキシ)-5-メチル-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;
N-[(1-{[5-(4-クロロフェノキシ)-2-ピラジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン;および
N-[(1-{[5-(4-シクロプロピルフェノキシ)-2-ピラジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン
から選択されるか、または薬学的に許容されるその塩である。
【0053】
一部の実施形態では、式(I’)の化合物は、一般式(I)
【化4】
[式(I)中、
11は、水素原子、C1~4アルキルもしくはフェニルであり、
12は、水素原子もしくはC1~4アルキルであるか、または
11およびR12は、隣接する炭素原子と一緒になって、C3~8シクロアルカンもしくは4~8員の酸素原子含有飽和複素環を形成し、
13は、水素原子、C1~4アルキル、ハロ-C1~4アルキル、フェニル、ベンジルもしくはフェネチルであり、
14は、水素原子もしくはC1~4アルキルであるか、または
13およびR14は、隣接する炭素原子と一緒になって、C3~8シクロアルカンもしくは4~8員の酸素原子含有飽和複素環を形成するか、または
12およびR13は、隣接する炭素原子と一緒になって、C3~8シクロアルカンを形成し、
Yは、単結合またはC1~6アルカンジイルであり、ここで、C1~6アルカンジイルの炭素原子の1つは、C3~6シクロアルカン-1,1-ジイルによって必要に応じて置換されており、
は、
3~8シクロアルキル(ここで、C3~8シクロアルキルは、フェニルおよびベンジルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
フェニル(ここで、フェニルは、置換基のα1基から選択される、同じかまたは異なっている1~3個の基によって必要に応じて置換されている)、
ナフチル、
インダニル、
テトラヒドロナフチル、
ピラゾリル(ここで、ピラゾリルは、1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている1個のフェニルによって置換されており、1個のC1~6アルキルによってさらに置換されていてもよい)、
イミダゾリル(ここで、イミダゾリルは、1個のフェニルによって置換されている)、
イソオキサゾリル(ここで、イソオキサゾリルは、1個のハロゲン原子によって必要に応じて置換されている1個のフェニルによって置換されている)、
オキサゾリル(ここで、オキサゾリルは、1個のフェニルによって置換されており、1個のC1~6アルキルによってさらに置換されていてもよい)、
チアゾイル(ここで、チアゾイルは、1個のフェニルによって置換されている)、
ピリジル(ここで、ピリジルは、フェニル、フェノキシ(ハロゲン原子、シアノ、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、C3~8シクロアルキル、C1~6アルコキシ、およびハロ-C1~6アルコキシからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、およびフェニルスルファニル(1個のハロゲン原子によって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される1個の基によって置換されている)、
ピリミジニル(ここで、ピリミジニルは、シクロヘキシルおよびフェニルからなる群から選択される1個の基によって置換されている)、
ベンゾチオフェニル、
キノリル、または
メチレンジオキシフェニル(ここで、メチレンジオキシフェニルは、1個または2個のフッ素原子によって必要に応じて置換されている)
であり、
置換基のα1基は、
ハロゲン原子、
1~6アルキル(ここで、C1~6アルキルは、C3~8シクロアルキル、フェニル、およびC1~6アルコキシ(1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている1個のC3~8シクロアルキルによって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
ハロ-C1~6アルキル、
3~8シクロアルキル、
フェニル(ここで、フェニルは、置換基のα2基から選択される、同じかまたは異なっている1~3個の基によって必要に応じて置換されている)、
チエニル、
ピラゾリル(ここで、ピラゾリルは、1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)、
イソオキサゾリル、
チアゾイル(ここで、チアゾイルは、1個または2個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)、
ピリジル(ここで、ピリジルは、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、およびハロ-C1~6アルコキシからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
キノリル、
1~6アルコキシ(ここで、C1~6アルコキシは、C3~8シクロアルキルおよびフェニル(ハロゲン原子およびC1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
ハロ-C1~6アルコキシ、
2~6アルケニルオキシ、
3~8シクロアルコキシ、
フェノキシ(ここで、フェノキシは、ハロゲン原子、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、およびハロ-C1~6アルコキシからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
ピリジルオキシ(ここで、ピリジルオキシは、ハロゲン原子、C1~6アルキル、およびハロ-C1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、および
1~6アルキルスルファニル
からなり、
置換基のα2基は、ハロゲン原子、シアノ、ヒドロキシ、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、フェニル、C1~6アルコキシ、ハロ-C1~6アルコキシ、C1~6アルキルカルボニル、およびジ-C1~6アルキルアミノスルホニルからなる]
または薬学的に許容されるその塩によって表される。
【0054】
一部の実施形態では、化合物は、N-[(1{[6-(4-クロロフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0055】
一部の実施形態では、化合物は、2-[[1-[[6-(4-クロロフェノキシ)ピリジン-3-イル]メチル]-4-ヒドロキシ-6-オキソ-2,3-ジヒドロピリジン-5-カルボニル]アミノ]酢酸である。
【0056】
一部の実施形態では、化合物は、N-[(1-{[6-(4-シクロプロピルフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0057】
一部の実施形態では、化合物は、N-[(4-ヒドロキシ-1-{[6-(3-メチルフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル(carbonly)]グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0058】
一部の実施形態では、化合物は、N-[(1-{[6-(3-フルオロフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0059】
一部の実施形態では、化合物は、N-[(4-ヒドロキシ-1-{4-[(6-メチル-3-ピリジニル)オキシ]ベンジル}-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0060】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、デシデュスタット、または薬学的に許容されるその塩である。
【0061】
一部の実施形態では、化合物は、式(3)の化合物である。
【化5】
【0062】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、エナロデュスタット、または薬学的に許容されるその塩である。
【0063】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、モリデュスタット、または薬学的に許容されるその塩である。
【0064】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、ロキサデュスタット、または薬学的に許容されるその塩である。
【0065】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、ダプロデュスタット、または薬学的に許容されるその塩である。
【0066】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、バダデュスタット、または薬学的に許容されるその塩である。
【0067】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、1-(6-(2,6-ジメチルフェノキシ)-7-フルオロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸(JNJ-42905343)である。
【0068】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、JNJ-42041935である。
【0069】
一部の実施形態では、状態は、虚弱である。
【0070】
一部の実施形態では、状態は、加齢関連虚弱である。
【0071】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤の用量は、少なくとも0.5mg/kgである。一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤の用量は、少なくとも2mg/kgである。一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤の用量は、少なくとも4mg/kgである。一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤の用量は、少なくとも8mg/kgである。一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤の用量は、少なくとも12mg/kgである。一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤の用量は、少なくとも14mg/kgである。一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤の用量は、少なくとも16mg/kgである。
【0072】
一部の実施形態では、用量は、0.5mg/kgである。一部の実施形態では、用量は、1mg/kgである。一部の実施形態では、用量は、2mg/kgである。一部の実施形態では、用量は、2.5mg/kg~160mg/kgである。
【0073】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤の用量は、POで1日当たり少なくとも0.01mg/kgである。
【0074】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤の用量は、POで1日当たり少なくとも0.1mg/kgである。
【0075】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤の用量は、POで1日当たり少なくとも0.05mg/kgである。
【0076】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤の用量は、POで1日当たり少なくとも2mg/kgである。
【0077】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤の用量は、POで1日当たり少なくとも3mg/kgである。
【0078】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤の用量は、POで1日当たり少なくとも5mg/kgである。
【0079】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤の用量は、POで1日当たり少なくとも10mg/kgである。
【0080】
一部の実施形態では、用量は、1~30mgである。
【0081】
一部の実施形態では、用量は、1~11mgである。
【0082】
一部の実施形態では、用量は、12~30mgである。
【0083】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、経口投与される。
【0084】
一部の実施形態では、用量は、毎日投与される。
【0085】
一部の実施形態では、用量は、均等にまたは不均等に分割された複数の部分用量として投与される。
4. 図面の簡単な説明
【0086】
本開示のこれらおよび他の特色、態様、および利点は、以下の説明および添付の図に関してより良く理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0087】
図1図1は、本明細書においてTP0463518と交換可能に呼ばれるBGE-117の構造を示す。
【0088】
図2A-B】図2A~2Bのグラフは、所与のタンパク質の血清レベルと、ヒトの健康な加齢コホートにおける総死亡率の将来リスク(すなわち寿命)との間の関係を、非公開臨床転帰データおよびアーカイブ試料で作製されたプロテオミクスデータを用いて調査するバイオインフォマティクス生存モデルから得られる。図2Aは、HIF-1αタンパク質レベルの上20%(実線)対下20%(破線)の、ヒトについての生存確率のカプラン-マイヤー曲線を示し、ヒトにおけるHIF1アルファのより高い循環レベルが、総死亡率の低下(p=0.0029)と関連することを実証する。図2Bは、タンパク質レベルによる生存ハザード比の非線形フィットを作製するために制限付き三次スプラインを用いた類似のモデルを示し、ここで、低酸素誘導因子-プロリルヒドロキシラーゼ(HIF-PH)のより高い循環レベルは、総死亡率の上昇(p=0.0201)と関連している。破線は、実線についての95%信頼区間を示す。HIFα(0.90)およびHIF-PH(1.08)のハザード比を、コックス比例ハザードモデルを使用して作製する。図2Aおよび2Bのp値を、各場合のハザード比が1に等しいとする帰無仮説の試験に基づいて、これらのハザード比について計算する。
【0089】
図2C-D】図2C~2Dは、加齢関連病的状態の病因へのHIF経路の関与をさらに詳述する。図2Cは、良好な転帰の確率上昇(y軸)によって図示される通り、より低いレベルのHIF-PH(x軸)により、寿命(≧85歳の生存)および身体機能(≧85歳の良好な可動性)が改善されることを示す。図2Dは、良好な転帰の確率上昇(y軸)によって図示される通り、より高いレベルのHIF1α(x軸)により、寿命(≧85歳の生存)および身体機能(≧85歳の良好な可動性)が改善されることを示す。
【0090】
図3図3A~3Bは、C57BL/6マウスのための活動用回転カゴのモニタリング実験設定および代表的な活動データを示す。図3Aは、ケージ内の活動用回転カゴの上のC57BL/6マウスを示す。回転カゴは、走行活動データを分析のためにコンピューターに無線で転送する。図3Bは、虚弱エンドポイントを評価するための走行活動検証プロットを示す。様々な月齢のC57BL/6マウスを、図3Aの通り走行用回転カゴケージで試験し、群平均活動をプロットする。検証では、ケージ内自動化回転カゴモニターによってアセスメントされる通り、若齢(3~5カ月齢)、中齢(12カ月齢)、および老齢(18カ月齢)動物の間で、自発的回転カゴ活動に大きな差があることを実証する。
【0091】
図4A図4Aは、実験群(「ctl 23m」=23カ月齢の対照、「TP 23m」=TP-518(BGE-117)で処置した23カ月齢のマウス、「ctl 27m」=27カ月齢の対照、「TP 27m」=TP-518(BGE-117)で処置した27カ月齢のマウス)における、23カ月齢および27カ月齢のC57BL/6マウスの、処置前の0日目のヘモグロビン濃度に有意差がなかったことを示す。
図4B図4Bは、14日間の処置の後、BGE-117で処置した27カ月齢のマウス対ビヒクル単独を投与した27カ月齢のマウス(対照)において、ヘモグロビン濃度に統計的に有意な差があり、BGE-117処置群でヘモグロビンレベルが著しく上昇し、14日間の処置の後、BGE-117で処置した23カ月齢のマウス対ビヒクル単独を投与した23カ月齢のマウス(対照)において、ヘモグロビン濃度に統計的に有意な差があり、BGE-117処置群でヘモグロビンレベルが著しく上昇したことを示す(「」はp<0.05および「***」はp<0.01)。
【0092】
図5図5は、BGE-117が、老齢マウスにおいてヘモグロビンレベルを改善することを示す。
【0093】
図6-1】図6は、BGE-117が、老齢マウスの自発的活動レベルを改善することを示す。
図6-2】図6は、BGE-117が、老齢マウスの自発的活動レベルを改善することを示す。
【0094】
図7図7A~7Bは、若齢(3~6カ月齢のマウス)と、老齢C57BL/6マウス(23カ月齢または27カ月齢マウス)との間の、ヘモグロビン濃度の差を示す。図7Aは、若齢(3~6カ月齢のマウス)マウスが15.79g/dLの平均ヘモグロビンを有し、23カ月齢のマウスが13.71g/dLの平均ヘモグロビン濃度を有していることを示すデータを提示する。図7Bは、若齢(3~6カ月齢のマウス)マウスが15.79g/dLの平均ヘモグロビン濃度を有するのに対して、27カ月齢のマウスが11.46g/dLの平均ヘモグロビン濃度を有していることを示すデータを提示する。有意レベルに留意されたい。
【0095】
図8図8A~8Dは、Luminex 5-PLEXアッセイ(lxsamsm-05)により、若齢(3~6カ月齢)動物と比較して老齢C57BL/6マウス(23カ月齢または27カ月齢)の顎下静脈から収集した血液試料の炎症性サイトカイン上昇を示す。図8Aは、若齢マウスと23カ月齢のマウスとの間のTNFα血中レベルに大きな有意差があることを示す。図8Bは、若齢マウスと27カ月齢のマウスとの間のTNFα血中レベルに大きな有意差があることを示す。図8Cは、若齢(3~6カ月齢)と23カ月齢のマウスとの間のIL-6血中レベルに有意差があることを示す。図8Dは、若齢マウスと27カ月齢のマウスとの間のIL-6血中レベルに大きな有意差があることを示す。LLOQは、定量下限を指し、この限界値未満では、結果は質的になる(他のデータ点に対する相対的な位置は信頼できるが、絶対的濃度が十分には定義されない)。
【0096】
図9図9A~9Bは、BGE-117が、TNFαのレベルが上昇した老齢マウスにおいて、TNFαのレベルが上昇した対照(未処置)老齢マウスと比較してヘモグロビンレベルを改善することを示す。Luminex 5-PLEXアッセイ(lxsamsm-05)によりアセスメントされ、本発明の若齢コホートの最若齢値の少なくとも150%のTNFα濃度を有することによって定義される通り(図8A~8Dを参照されたい)、上昇したTNFαを有する23カ月齢のC57BL/6マウスを使用した。血液試料を、BGE-117処置の前と、2週間のBGE-117処置の後に再び、顎下静脈から採血した。ヘモグロビンを分析した。図9Aは、対照動物のヘモグロビンレベルに著しい変化がなかったことを示す。図9Bは、TNFαの上昇にもかかわらず、BGE-117で処置した動物のヘモグロビンレベルが著しく上昇したことを示す。
【0097】
図10図10A~10Bは、BGE-117が、IL-6のレベルが上昇した老齢マウスにおいて、IL-6のレベルが上昇した対照(未処置)老齢マウスと比較してヘモグロビンレベルを改善することを示す。Luminex 5-PLEXアッセイ(lxsamsm-05)によりアセスメントされ、本発明の若齢コホートの最若齢値の少なくとも150%のIL-6濃度を有することによって定義される通り(図8A~8Dを参照されたい)、上昇したIL-6を有する23カ月齢のC57BL/6マウスを使用した。血液試料を、BGE-117処置の前と、2週間のBGE-117処置の後に再び、顎下静脈から採血した。ヘモグロビンを分析した。IL-6の上昇にもかかわらず、BGE117で処置した動物においてヘモグロビンレベルの大きく著しい改善が見出され(図10B)、一方、ビヒクル単独を投与した動物は、変化を示さなかった(図10A)。
【0098】
図11図11A~11Bは、BGE-117が、TNFαのレベルが上昇した老齢マウスにおいて、TNFαのレベルが上昇した対照(未処置)老齢マウスと比較してヘモグロビンレベルを改善することを示す。この実験では、Luminex 5-PLEXアッセイ(lxsamsm-05)によりアセスメントされ、本発明の若齢コホートの最若齢値の少なくとも150%のTNFα濃度を有することによって定義される通り(図8A~8Dを参照されたい)、上昇したTNFαを有する27カ月齢のC57BL/6マウスを使用した。血液試料を、BGE-117処置の前と、2週間のBGE-117処置の後に再び、顎下静脈から採血した。ヘモグロビンを分析した。TNFαの上昇にもかかわらず、BGE117で処置した動物においてヘモグロビンレベルの著しい改善が見出され(図11B)、対照動物は、ヘモグロビンレベルの著しい変化を示さなかった(図11A)。
【0099】
図12図12A~12Bは、BGE-117が、IL-6のレベルが上昇した老齢マウスにおいて、IL-6のレベルが上昇した対照(未処置)老齢マウスと比較してヘモグロビンレベルを改善することを示す。Luminex 5-PLEXアッセイ(lxsamsm-05)によりアセスメントされ、本発明の若齢コホートの最若齢値の少なくとも150%のIL-6濃度を有することによって定義される通り(図8A~8Dを参照されたい)、上昇したIL-6を有する27カ月齢のC57BL/6マウスを使用した。血液試料を、BGE-117処置の前と、2週間のBGE117処置の後に再び、顎下静脈から採血した。ヘモグロビンを分析した。IL-6の上昇にもかかわらず、BGE117で処置した動物においてヘモグロビンレベルの著しい改善が見出され(図12B)、一方、対照マウスではヘモグロビンレベルの変化は観察されなかった(図12A)。
【0100】
図13図13A~13Bは、ロキサデュスタットが、上昇したTNFαを有するマウスにおいて、TNFαのレベルが上昇した対照(未処置)老齢マウスと比較して、著しくはないが貧血を減弱する(ヘモグロビンレベルを増加する)傾向を示したことを示す。Luminexによりアセスメントされ、本発明の若齢コホートの最若齢値の少なくとも150%のTNFα濃度を有することによって定義される通り(図8A~8Dを参照されたい)、上昇したTNFαを有する27カ月齢のC57BL/6マウスを使用した。血液試料を、ロキサデュスタット処置の前と、2週間のロキサデュスタット処置の後に再び、顎下静脈から採血した。ヘモグロビンを分析した。ロキサデュスタットで処置した動物において、保護傾向が観察されたものの、ヘモグロビンレベルの著しい改善は見出されなかった(図13B)。
【0101】
図14図14A~14Bは、ロキサデュスタットが、IL-6のレベルが上昇した老齢マウスにおいて、IL-6のレベルが上昇した対照(未処置)老齢マウスと比較してヘモグロビンレベルを改善することを示す。Luminex 5-PLEXアッセイ(lxsamsm-05)によりアセスメントされ、本発明の若齢コホートの最若齢値の少なくとも150%のIL-6濃度を有することによって定義される通り(図8A~8Dを参照されたい)、上昇したIL-6を有する27カ月齢のC57BL/6マウスを使用した。血液試料を、ロキサデュスタット処置の前と、2週間のロキサデュスタット処置の後に再び、顎下静脈から採血した。ヘモグロビンを分析した。ロキサデュスタットで処置した、IL-6のレベルが上昇した27カ月齢のマウスは、統計的に有意ではないが、貧血の改善(ヘモグロビンの増加)を示し(図14B)、一方、未処置動物は、加齢し続けるにつれて、研究期間にわたってヘモグロビンが著しく低下した(p<0.05)(図14A)。
【0102】
図15図15は、BGE-117についてのヒト高齢者における第2相臨床試験設計を示す。主要エンドポイントおよびキーエンドポイントには、FACIT疲労スケールおよびヘモグロビンレベルが含まれる。
【0103】
図16図16は、第2相臨床試験の概略的な全体的研究設計の流れ図を提供する。
【0104】
図17図17は、HIF-1α血清タンパク質濃度が、図2Aのヒトの健康な加齢コホートにおいて年齢と共に低下することを示す。
【0105】
図18図18は、ヒトの健康な加齢コホートからの高齢(71~83歳)ヒトと若年(52~62歳)ヒトとの間のHIF-1αシグナル伝達および遺伝子発現の差を、それらのコホートに独自の臨床転帰データおよびアーカイブ試料で作製されたプロテオミクスデータを用いて実証するヒートマップを提供する。ヒートマップの血清タンパク質の発現の差は、下流HIF-1α遺伝子レベル(例えば、上方調節または下方調節)が、年齢と共にHIF-1αレベルが変化すると影響を受けることを示す。
【発明を実施するための形態】
【0106】
5. 詳細な説明
5.1. 定義
別段定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する分野の当業者によって一般に理解される意味を有する。
【0107】
「個体」、「宿主」および「対象」という用語は、交換可能に使用され、限定されるものではないが、ヒトおよび非ヒト霊長類、ラットおよびマウスを含めたげっ歯類、ウシ、ウマ、ヒツジ、ネコ、ならびにイヌを含めた処置されるべき動物を指す。「哺乳動物」は、任意の哺乳動物種の1種または複数のメンバーを意味する。非ヒト動物モデル、すなわち、哺乳動物、非ヒト霊長類、ネズミ科、ウサギ類などは、実験的調査のために使用され得る。
【0108】
「患者」という用語は、ヒト対象を指す。
【0109】
「処置する」、「処置」という用語およびその文法的変異は、臨床技術分野で理解されている最も広範な意味で使用される。したがって、その用語は、疾患の治癒または完全寛解を必要とせず、「正常な」非病理学的な加齢と関連する生理的尺度の改善を含めた、任意の臨床的に所望の薬理学的および/または生理的効果を得ることを包含する。別段特定されない限り、「処置する」および「処置」は、予防を包含しない。
【0110】
「治療有効量」という句は、疾患、状態、または障害を処置するために哺乳動物または他の対象に投与される場合、その疾患、状態、または障害を処置するのに十分な化合物の量を指す。「治療有効量」は、化合物、疾患およびその重症度、ならびに処置されるべき対象の年齢、体重などに応じて変わり得る。
【0111】
「加齢性貧血」という用語は、加齢と関連する貧血の発症を指す。加齢性貧血には、限定されるものではないが、その全体が参照により本明細書に組み込まれるMakipour et al., (Makipour et al., (2008) Unexplained Anemia in the Elderly. Semin Hematol. 45(4):pgs. 250-254)に記載される通り、未解明の加齢性貧血(UAA)が含まれる。また加齢性貧血には、感染症またはがんと診断されていない老齢個体における炎症性貧血(AI)を含めた、老齢個体における炎症性貧血(AI)が含まれる。ある特定の実施形態では、加齢性貧血は、慢性疾患、鉄欠乏、ビタミンB12欠乏、葉酸欠乏、消化管出血、および骨髄異形成症候群の1つまたは複数によって引き起こされる。UAAは、本明細書では「高齢者の未解明の貧血」(UAE)および「加齢性特発性貧血」と同義に使用される。
【0112】
「炎症性貧血」という用語は、炎症、例えば感染症、自己免疫疾患、がん関連、および慢性腎疾患(CKD)などを引き起こす慢性状態を有するヒトに影響を及ぼすタイプの貧血を指す。
【0113】
「薬学的に許容される塩」という用語は、対象に投与するのに許容される塩を指す。薬学的に許容される塩の例として、限定されるものではないが、鉱酸塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、および硝酸塩;スルホン酸塩、例えばメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、およびトリフルオロメタンスルホン酸塩;有機酸塩、例えばシュウ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、安息香酸塩、マンデル酸塩、アスコルビン酸塩、乳酸塩、グルコン酸塩、およびリンゴ酸塩;アミノ酸塩、例えばグリシン(glylcine)塩、リシン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸、およびアスパラギン酸;無機塩、例えばリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、およびマグネシウム塩;ならびに有機塩基との塩、例えばアンモニウム塩、トリエチルアミン塩、ジイソプロピルアミン塩、およびシクロヘキシルアミン塩が挙げられる。「塩(複数可)」という用語は、本明細書で使用される場合、水和物塩(複数可)を包含する。
【0114】
薬学的に許容される塩の他の例として、適切なカチオンと配合された本開示の化合物のアニオンが挙げられる。本開示の化合物の塩は、治療上の使用について薬学的に許容され得る。しかし、薬学的に許容されない酸および塩基の塩も、例えば、薬学的に許容される化合物の調製または精製において使用され得る。
【0115】
本組成物および方法に含まれる塩基性の性質の化合物は、様々な無機酸および有機酸と共に多種多様な塩を形成することができる。このような塩基性化合物の薬学的に許容される酸付加塩を調製するために使用することができる酸は、限定されるものではないが、リンゴ酸塩、シュウ酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、酒石酸水素塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチジン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルカロン酸塩、サッカリン酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩およびパモ酸塩(すなわち、1,1’-メチレン-ビス-(2-ヒドロキシ-3-ナフトエート))を含めた、非毒性の酸付加塩、すなわち薬理学的に許容できるアニオンを含有する塩を形成する酸である。
【0116】
本組成物および方法に含まれる酸性の性質の化合物は、様々な薬理学的に許容できるカチオンと共に塩基塩を形成することができる。このような塩の例として、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩、および特にカルシウム、マグネシウム、ナトリウム、リチウム、亜鉛、カリウム、および鉄塩が挙げられる。
【0117】
本開示の化合物は、様々な光学異性体を生じる、ある特定の場合には、1つまたは複数の不斉中心を有する。したがって、本開示の化合物は、別個の光学異性体(R)および(S)として、またはラセミ体もしくは(RS)混合物として存在することができる。2つまたはそれよりも多い不斉中心を有する化合物の場合、それらの化合物は、それらのそれぞれの光学異性に起因してジアステレオマーを生じる。本開示の化合物は、任意の割合のこれらすべての異性体を含む混合物を包含する。例えば、ジアステレオマーは、当業者に周知の方法、例えば分別結晶化によって分離することができ、光学的に活性な形態は、この目的で周知の有機化学技術によって得ることができる。加えて、本開示の化合物は、幾何異性体、例えばcisおよびtrans形態を生じることがある。さらに加えて、本開示の化合物は、様々な互変異性体を生じる互変異性を有することができる。本開示の化合物は、前述の異性体、および任意の割合のそれらの異性体を含む混合物を包含する。
【0118】
さらに、本開示の化合物またはその塩が水和物または溶媒和物を形成する場合、これらも本開示の化合物またはその塩の範囲に含まれる。
【0119】
塩基性または酸性部分を含む、本組成物および方法に含まれる化合物はまた、様々なアミノ酸と共に薬学的に許容される塩を形成することができる。本開示の化合物は、酸性基および塩基性基の両方、例えば、アミノ基1個およびカルボン酸基1個を含有することができる。このような場合、化合物は、酸付加塩、双性イオン、または塩基塩として存在することができる。
【0120】
範囲:本開示を通して、本開示の様々な態様が、範囲形式で提示される。範囲は、列挙された終点を含む。範囲形式での記載は、単に便宜的に簡潔にするためのものであり、本開示の範囲に対する変更できない限定として解釈されるべきではないことを理解されたい。したがって、ある範囲の記載は、その範囲内のあらゆる可能な部分範囲および個々の数値を具体的に開示しているとみなされるべきである。例えば、ある範囲、例えば1~6の記載は、部分範囲、例えば1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6など、ならびにその範囲内の個々の数、例えば、1、2、3、4、5、5.3、および6を具体的に開示しているとみなされるべきである。これは、その範囲の幅にかかわらず適用される。
【0121】
本開示では、「含む(comprises)」、「含むこと(comprising)」、「含有すること(containing)」、「有すること(having)」、「含む(includes)」、「含むこと(including)」、および言語的なその変異は、明確に列挙されているもの以外のさらなる構成成分の存在を許容する、米国特許法においてそれらに帰する意味を有する。
【0122】
具体的に記述されない限りまたは文脈から明らかでない限り、本明細書で使用される場合、「または」という用語は、包括的であると理解される。
【0123】
具体的に記述されない限りまたは文脈から明らかでない限り、本明細書で使用される場合、「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」という用語は、単数または複数であると理解される。すなわち、冠詞「1つの(a)」および「1つの(an)」は、本明細書では、1つまたは2つ以上(すなわち少なくとも1つ)の、冠詞の文法的目的語を指すために使用される。例えば、「1つの要素」は、1つの要素または2つ以上の要素を意味する。
【0124】
具体的に記述されない限りまたは文脈から別段明らかでない限り、本明細書で使用される場合、「約」という用語は、当技術分野における通常の許容範囲内、例えば平均の2標準偏差以内であると理解され、記述された値から±20%または±10%、より好ましくは±5%、さらにより好ましくは±1%、およびさらにより好ましくは±0.1%の変動を包含することを意味する。組成物における構成成分または材料の量に関してパーセンテージが提供される場合、そのパーセンテージは、別段記述されない限りまたは文脈から理解されない限り、重量に基づくパーセンテージであると理解されるべきである。
【0125】
ステップの順序またはある特定の行為を実施するための順序は、本開示が操作可能なままである限り重要でないことを理解されたい。さらに、2つまたはそれよりも多いステップまたは行為は、同時に実施することができる。
【0126】
「薬学的に許容される賦形剤」、「薬学的に許容される希釈剤」、「薬学的に許容される担体」および「薬学的に許容されるアジュバント」という用語は、交換可能に使用され、一般に安全であり、非毒性であり、生物学的にも他の方法でも望ましい医薬組成物を調製するのに有用な賦形剤、希釈剤、担体、またはアジュバントを指し、獣医学的使用およびヒトの製剤への使用に許容される賦形剤、希釈剤、担体、およびアジュバントを含む。「薬学的に許容される賦形剤」という句は、1種および2種以上の両方の、このような賦形剤、希釈剤、担体、および/またはアジュバントを含む。
【0127】
本明細書で使用される場合、「徐放」、「遅延放出」、および「制御放出」という用語は、制御放出性の医薬製剤の治療剤またはAPIの持続または延長放出を指す。これらの用語はさらに、治療有効量の本明細書に記載される医薬活性成分を含む医薬組成物の薬物動態(PK)パラメーターなどの、持続または延長作用持続期間を提供する組成物を指すことができる。
【0128】
一般に、ある特定の元素、例えば水素またはHへの言及またはその描写は、その元素のすべての同位体を含むことを意味する。例えば、R基が水素またはHを含むものとして定義される場合、R基は、重水素およびトリチウムも含む。したがって、放射性同位体、例えばトリチウム、14C、32Pおよび35Sを含む化合物は、本発明の技術の範囲内にある。本発明の技術の化合物にこのような標識を挿入するための手順は、本明細書の開示に基づいて、当業者に容易に明らかになろう。
【0129】
特定の立体化学が明確に示されていない限り、化合物のあらゆるキラル、ジアステレオマー、およびラセミ形態が企図される。したがって、本明細書に記載される化合物は、その描写から明らかになる通り、ありとあらゆる不斉原子において濃縮または分解された光学異性体を含む。R-エナンチオマーおよびS-エナンチオマーのラセミ混合物、ならびにR-およびS-エナンチオマーのエナンチオマーが濃縮された立体異性混合物、ならびに個々の光学異性体は、それらのエナンチオマーまたはジアステレオマーのパートナーを実質的に含まないように単離または合成することができ、これらの立体異性体はすべて、本発明の技術の範囲内にある。
【0130】
「ハロゲン原子」は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヨウ素原子を指す。
【0131】
「C1~3アルキル」は、1~3個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルを指す。具体的には、メチル、エチル、n-プロピル、およびイソプロピルを指す。
【0132】
「C1~4アルキル」は、1~4個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルを指す。具体的には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、およびtert-ブチルを指す。
【0133】
「C1~6アルキル」は、1~6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルを指し、例として、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、2-メチルブチル、n-ヘキシル、イソヘキシルなどが挙げられる。
【0134】
「ハロ-C1~4アルキル」は、ハロゲン原子による置換を有する、1~4個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルを指す。ハロゲン原子による置換数は、好ましくは1~3であり、好ましいハロゲン原子は、フッ素原子である。例として、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1-フルオロエチル、1,1-ジフルオロエチル、2-フルオロエチル、2-フルオロ-2-メチルプロピル、2,2-ジフルオロプロピル、1-フルオロ-2-メチルプロパン-2-イル、1,1-ジフルオロ-2-メチルプロパン-2-イルなどが挙げられる。
【0135】
「ハロ-C1~6アルキル」は、ハロゲン原子による置換を有する、1~6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルを指す。ハロゲン原子による置換数は、好ましくは1~5であり、好ましいハロゲン原子は、フッ素原子である。例として、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1-フルオロエチル、1,1-ジフルオロエチル、1,1,2,2,2-ペンタフルオロエチル、2-フルオロエチル、2-フルオロ-2-メチルプロピル、2,2-ジフルオロプロピル、1-フルオロ-2-メチルプロパン-2-イル、1,1-ジフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル、1-フルオロペンチル、1-フルオロヘキシルなどが挙げられる。
【0136】
「C3~6シクロアルカン」は、3~6個の炭素原子を有する環式アルカンを指す。例として、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、およびシクロヘキサンが挙げられる。
【0137】
「C3~8シクロアルカン」は、3~8個の炭素原子を有する環式アルカンを指す。例として、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、およびシクロオクタンが挙げられる。
【0138】
「C3~8シクロアルキル」は、3~8個の炭素原子を有する環式アルキルを指す。例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルが挙げられる。
【0139】
「C3~8シクロアルケニル」は、3~8個の炭素原子を有する環式アルケニルを指す。例として、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、およびシクロオクテニルが挙げられる。
【0140】
「4~8員の酸素原子含有飽和複素環」は、環中に1個の酸素原子を含有する4~8員の単環式飽和複素環を指す。例として、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランなどが挙げられる。
【0141】
「4~8員の窒素原子含有飽和複素環」は、環中に1個の窒素原子を含有する4~8員の単環式飽和複素環を指す。例として、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジンなどが挙げられる。
【0142】
「4~8員の窒素原子含有飽和ヘテロシクリル」は、環中に1個の窒素原子を含有する4~8員の単環式飽和複素環式基を指す。例として、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニルなどが挙げられる。
【0143】
「C1~3アルコキシ」は、1~3個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルコキシを指す。具体的には、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、およびイソプロポキシを指す。
【0144】
「C1~6アルコキシ」は、1~6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルコキシを指す。例として、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、n-ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、2-メチルブトキシ、n-ヘキシルオキシ、イソヘキシルオキシなどが挙げられる。
【0145】
「ハロ-C1~6アルコキシ」は、ハロゲン原子による置換を有する、1~6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルコキシを指す。ハロゲン原子による置換数は、好ましくは1~5であり、好ましいハロゲン原子は、フッ素原子である。例として、モノフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、1-フルオロエトキシ、1,1-ジフルオロエトキシ、1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ、2-フルオロエトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、3,3,3-トリフルオロプロポキシ、1,3-ジフルオロプロパン-2-イルオキシ、2-フルオロ-2-メチルプロポキシ、2,2-ジフルオロプロポキシ、1-フルオロ-2-メチルプロパン-2-イルオキシ、1,1-ジフルオロ-2-メチルプロパン-2-イルオキシ、4,4,4-トリフルオロブトキシなどが挙げられる。
【0146】
「C1~6アルケニルオキシ」は、オキシが、2~6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルケニルに結合しているような構造の基を指す。例として、エテニルオキシ、(E)-プロパ-1-エン-1-イルオキシ、(Z)-プロパ-1-エン-1-イルオキシ、プロパ-2-エン-1-イルオキシ、(Z)-ブタ-2-エン-1-イルオキシ、(Z)-ペンタ-3-エン-1-イルオキシ、(Z)-ヘキサ-4-エン-1-イルオキシ、(Z)-ヘプタ-5-エン-1-イルオキシ、および(Z)-オクタ-6-エン-1-イルオキシなどが挙げられる。
【0147】
「C3~8シクロアルコキシ」は、3~8個の炭素原子を有する環式アルコキシを指す。例として、シクロプロポキシ、シクロブトキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ、およびシクロオクチルオキシが挙げられる。
【0148】
「ジ-C1~3アルキルアミノ」は、同じかまたは異なっている2個の置換基として前述の「C1~3アルキル」を有するアミノを指す。例として、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジ(n-プロピル)アミノ、ジ(イソプロピル)アミノ、エチルメチルアミノ、メチル(n-プロピル)アミノなどが挙げられる。
【0149】
「ジ-C1~6アルキルアミノ」は、同じかまたは異なっている2個の置換基として前述の「C1~6アルキル」を有するアミノを指す。例として、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジ(n-プロピル)アミノ、ジ(イソプロピル)アミノ、エチルメチルアミノ、メチル(n-プロピル)アミノなどが挙げられる。
【0150】
「C1~6アルキルカルボニル」は、カルボニルが、前述の「C1~6アルキル」に結合しているような構造の基を指す。例として、メチルカルボニル、エチルカルボニル、n-プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、n-ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、sec-ブチルカルボニル、tert-ブチルカルボニル(butylcarbony)、n-ペンチルカルボニル、イソペンチルカルボニル、ネオペンチルカルボニル、2-メチルブチルカルボニル、n-ヘキシルカルボニル、イソヘキシルカルボニルなどが挙げられる。
【0151】
「モノ-C1~6アルキルアミノカルボニル」は、カルボニルが、単一置換基として前述の「C1~6アルキル」を有するアミノに結合しているような構造の基を指す。例として、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、n-プロピルアミノカルボニル、イソプロピルアミノカルボニル、n-ブチルアミノカルボニル、イソブチルアミノカルボニル、sec-ブチルアミノカルボニル、tert-ブチルアミノカルボニル、n-ペンチルアミノカルボニル、n-ヘキシルアミノカルボニルなどが挙げられる。
【0152】
「ジ-C1~6アルキルアミノカルボニル」は、カルボニルが、同じかまたは異なっている2個の置換基として前述の「C1~6アルキル」を有するアミノに結合しているような構造の基を指す。例として、ジメチルアミノカルボニル、ジ(n-プロピル)アミノカルボニル、ジ(イソプロピル)アミノカルボニル、エチルメチルアミノカルボニル、メチル(n-プロピル)アミノカルボニルなどが挙げられる。
【0153】
ジ-C1~6アルキルアミノカルボニルの2個のC1~6アルキルは、隣接する窒素原子と一緒になって、必要に応じて、4~8員の窒素原子含有飽和複素環を形成し得る。
【0154】
「C1~6アルキルスルファニル」は、スルファニルが、前述の「C1~6アルキル」に結合しているような構造の基を指す。例として、メチルスルファニル、エチルスルファニル、n-プロピルスルファニル、イソプロピルスルファニル、イソブチルスルファニル、n-ヘキシルスルファニルなどが挙げられる。
【0155】
「C1~6アルキルスルホニル」は、スルホニルが、前述の「C1~6アルキル」に結合しているような構造の基である。例として、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n-プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、イソブチルスルホニル、n-ヘキシルスルホニルなどが挙げられる。
【0156】
「モノ-C1~6アルキルアミノスルホニル」は、スルホニルが、単一置換基として前述の「C1~6アルキル」を有するアミノに結合しているような構造の基を指す。例として、メチルアミノスルホニル、エチルアミノスルホニル、n-プロピルアミノスルホニル、イソプロピルアミノスルホニル、n-ブチルアミノスルホニル、イソブチルアミノスルホニル、sec-ブチルアミノスルホニル、tert-ブチルアミノスルホニル、n-ペンチルアミノスルホニル、n-ヘキシルアミノスルホニルなどが挙げられる。
【0157】
「ジ-C1~6アルキルアミノスルホニル」は、スルホニルが、同じかまたは異なっている2個の置換基として前述の「C1~6アルキル」を有するアミノに結合しているような構造の基を指す。例として、ジメチルアミノスルホニル、ジエチルアミノスルホニル、ジ(n-プロピル)アミノスルホニル、ジ(イソプロピル)アミノスルホニル、エチルメチルアミノスルホニル、メチル(n-プロピル)アミノスルホニル、イソプロピル(メチル)アミノスルホニルなどが挙げられる。
【0158】
「C1~4アルカンジイル」は、1個の水素原子が、1~4個の炭素原子を有するアルキル基から除去されているような構造の二価の炭化水素基を指す。例として、メタンジイル、エタン-1,1-ジイル、エタン-1,2-ジイル、プロパン-1,1-ジイル、プロパン-1,2-ジイル、プロパン-1,3-ジイル、プロパン-2,2-ジイル、ブタン-1,4-ジイル、2-メチルプロパン-1,2-ジイルなどが挙げられる。これらの中でも、メタンジイル、エタン-1,1-ジイル、エタン-1,2-ジイル、プロパン-1,1-ジイル、プロパン-1,2-ジイル、プロパン-1,3-ジイル、およびプロパン-2,2-ジイルは、C1~3アルカンジイルである。
【0159】
「C1~6アルカンジイル」は、1個の水素原子が、1~6個の炭素原子を有するアルキル基から除去されているような構造の二価の炭化水素基を指す。例として、メタンジイル、エタン-1,1-ジイル、エタン-1,2-ジイル、プロパン-1,1-ジイル、プロパン-1,2-ジイル、プロパン-1,3-ジイル、プロパン-2,2-ジイル、ブタン-1,4-ジイル、2-メチルプロパン-1,2-ジイル、ペンタン-1,5-ジイル、ヘキサン-1,6-ジイルなどが挙げられる。
【0160】
「C3~6シクロアルカン-1,1-ジイル」は、1個の水素原子が、3~6個の炭素原子を有するシクロアルキル基から除去されているような構造の二価の環状炭化水素基を指す。例として、シクロプロパン-1,1-ジイル、シクロブタン-1,1-ジイル、シクロペンタン-1,1-ジイル、およびシクロヘキサン-1,1-ジイルが挙げられる。
【0161】
「フェニル-C1~3アルキル」は、置換基としてフェニル基を有する前述の「C1~3アルキル」を指す。例として、ベンジル、フェネチル、およびフェニルプロピルが挙げられる。
【0162】
「C3~8シクロアルキル-C1~3アルキルカルボニル」は、3~8個の炭素原子を有する前述のシクロアルキル基が、前述のC1~3アルキルを介してカルボニル基に結合しているような構造の基を指す。例として、シクロプロピルメチルカルボニル、シクロプロピルエチルカルボニル、シクロブチルメチルカルボニル、シクロペンチルメチルカルボニル、シクロヘキシルメチルカルボニルなどが挙げられる。
【0163】
「フェニル-C1~3アルコキシカルボニル」は、フェニル基が、前述のC1~3アルコキシを介してカルボニル基に結合しているような構造の基を指す。例として、フェニルメトキシカルボニル、フェニルエトキシカルボニル、およびフェニルプロポキシカルボニルが挙げられる。
【0164】
以下の頁では、本開示の化合物をより詳細に記載するが、本開示は、以下の例示に決して限定されないことを理解されたい。
【0165】
本明細書に記載される通り、本文は、本化合物、組成物、および方法の様々な実施形態を指す。記載される様々な実施形態は、様々な例示的な例を提供することを意味し、代替種の説明として解釈されるべきではない。むしろ、本明細書で提供される様々な実施形態の説明は、範囲が重複し得ることに留意されたい。本明細書において論じられる実施形態は、単に例示的であり、本発明の技術の範囲を限定することを意味しない。
5.2. 生存予測モデル
【0166】
本開示の態様は、生存測定基準(survival metric)を算出する生存予測モデルの構築に一般に関するバイオインフォマティクスモデルを含む。このような生存測定基準は、生存に関する観察可能な量、例えば生存予想値および/または死亡リスクに関し得る。様々な実施形態では、生存予測モデルは、生存期間に関する観察可能な量(「加齢指標」)を選択することによって構築され得る。このような加齢指標は、総死亡率と相関する変数、例えばある特定の臨床学的因子を含み得る。一部の実施形態では、生存予測モデルは、生存測定基準を作製するために、1つまたは複数の生存バイオマーカーを1つまたは複数の加齢指標と一緒に利用する。
【0167】
本開示の生存予測モデルは、HIF1αおよびHIF-PHの血清レベルと、ヒトの健康な加齢コホートにおける総死亡率の将来リスクとの関係を、それらのコホートに独自の臨床転帰データおよびアーカイブ試料で作製されたプロテオミクスデータを用いて、生存モデリングに基づいて調査することである。加えて、HIF1αまたはHIF-PHレベルと、可動性低下事象(例えば、自己申告による活動困難によって示される、歩行、階段を上る、または移動活動能力の低下)との関係を、コックス比例ハザードモデルを使用して調査し、HIF1αおよびHIF-PHのそれぞれについてハザード比および関連p値を作製する。
5.3. 加齢性状態を処置する方法
【0168】
本発明者らは、バイオインフォマティクスおよび機械学習手法を適用して、生存予測モデルを使用してヒトデータを分析し、ベースラインHIF1α経路タンパク質レベルと将来的な加齢性転帰との関連を発見した。特に、本発明者らは、HIF1αのより高い循環レベルが、総死亡率の低下(p=0.0029)、すなわちより長い寿命と関連し、HIF-1αの分解を誘起するHIF-PHのより高い循環レベルが、総死亡率の上昇(p=0.0201)と関連することを発見した。加えて、分析により、より高いレベルのHIF1αが、より良好な将来的身体機能と関連する一方、より高いレベルのHIF-PHが、将来的身体機能の悪化と関連することを実証した。
【0169】
次に本発明者らは、HIF-1α血清タンパク質濃度が、ヒトの健康な加齢コホートにおいて年齢と共に低下すること、ひいてはHIF-1αの公知の下流標的遺伝子の発現が、ヒトの加齢につれて減少するHIF-1αによって影響を受けることを発見した。
【0170】
これらの発見に基づき、本発明者らは、高齢マウスにおける効果について、HIFプロリルヒドロキシラーゼの阻害剤であるBGE-117を試験した。BGE-117(TP0463518およびTP518としても公知)は、以下に示される構造を有する。
【化6】
【0171】
最初の組の実験では、本発明者らは、BGE-117で処置した高齢マウス(27カ月齢)が、同齢の対照と比較して統計的に有意な(p<0.001)自発的活動の増加を示し、虚弱の低減および改善された身体的健康を示すことを実証した。
【0172】
加えて、本発明者らは、BGE-117で処置した27カ月齢のマウスが、ヘモグロビンレベルの上昇を示したことを発見した。BGE-117は、正常な健康ヒトボランティア(Shinfuku et al., Am. J. Nephrol. 48(3):157-164 (2018))および慢性腎疾患を有する患者においてHIF-PHを阻害し、エリスロポエチン(EPO)生成を増大することが公知であり、若齢5/6腎摘出ラットにおいてヘモグロビンレベルを上昇させることが示されたが(Kato et al., J. Pharmacol. Exp. Ther. 371:675-683 (2019)、正常な腎機能を有する高齢個体に対するその効果は、まだ報告されていなかった。
【0173】
次に本発明者らは、高齢マウス(23カ月齢および27カ月齢)が、加齢性貧血を自然発症的に発症すること、ならびにこの貧血に、上昇したレベルの炎症性サイトカインIL-6およびTNFαが伴うことを発見した。この発見は、特発性貧血の根本的病因が、炎症性貧血であることを示唆している。次に本発明者らは、BGE-117の有益な効果が、貧血、特に炎症性貧血を有する高齢マウスにおいても観察され得るかどうか、またはその代わりに正常ヘモグロビンレベルベースラインを有しており、炎症性サイトカインのレベルが上昇していない高齢マウスに限定されるかどうかを決定することを探究した。本発明者らは、高レベルの炎症性サイトカインを有していた各月齢コホートのマウスを選択し、炎症性貧血を有している高齢マウスにおいても、BGE-117がヘモグロビンレベルの上昇に有効であることを実証した。
【0174】
次に、本発明者らは、別のHIF-PH阻害剤であるロキサデュスタットも、特発性炎症および炎症性貧血を示す加齢動物においてヘモグロビンを上昇させることができることを実証し、したがって、あるクラスとしてのHIF-PH阻害剤が、炎症性貧血を有する加齢動物を含めた加齢動物の貧血を処置するのに有効であることを実証した。
【0175】
したがって、第1の態様では、本開示は、加齢関連病的状態を処置する方法であって、加齢関連病的状態を発症しているかまたは発症するリスクがある40歳よりも上のヒト対象に、治療有効量の低酸素誘導因子プロリルヒドロキシラーゼ(HIF-PH)阻害剤を投与するステップを含む、方法を提供する。様々な実施形態では、疾患または条件は、貧血、慢性腎疾患を伴う貧血を含めた炎症性貧血(AI)、加齢性貧血、筋肉減少症、虚弱、筋肉傷害、および虚血性障害からなる群から選択される。一部の実施形態では、疾患または状態は、組織が再生されるか、または創傷が治癒もしくは治療される疾患または状態である。一部の実施形態では、疾患または状態は、線維症である。
【0176】
HIF-PH阻害剤は、HIF-PHを直接的にまたは間接的に、競合的にまたは非競合的に阻害することができる。以下にさらに記載される通り、一部の実施形態では、HIF-PHの阻害剤は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,422,240号に記載される化合物である。
5.3.1. 処置されるべき対象
5.3.1.1 対象の年齢
【0177】
一部の実施形態では、ヒト対象(患者)は、40歳よりも上である。ある特定の実施形態では、患者は、50歳よりも上である。ある特定の実施形態では、患者は、51歳よりも上、52歳よりも上、53歳よりも上、54歳よりも上、55歳よりも上、56歳よりも上、57歳よりも上、58歳よりも上、59歳よりも上、60歳よりも上、61歳よりも上、62歳よりも上、63歳よりも上、64歳よりも上、65歳よりも上、66歳よりも上、67歳よりも上、68歳よりも上、69歳よりも上、70歳よりも上、71歳よりも上、72歳よりも上、73歳よりも上、74歳よりも上、または75歳よりも上である。ある特定の実施形態では、患者は、76歳よりも上、77歳よりも上、78歳よりも上、79歳よりも上、80歳よりも上、81歳よりも上、82歳よりも上、82歳よりも上、84歳よりも上、85歳よりも上、86歳よりも上、87歳よりも上、88歳よりも上、89歳よりも上または90歳よりも上である。様々な実施形態では、患者は、40~50歳、50~60歳、52~62歳、63~70歳、60~70歳、70~80歳、または80~90歳である。ある特定の実施形態では、患者は、51歳、52歳、53歳、54歳、55歳、56歳、57歳、58歳、59歳、60歳、61歳、62歳、63歳、64歳、65歳、66歳、67歳、68歳、69歳、70歳、71歳、72歳、73歳、74歳、75歳、76歳、77歳、78歳、79歳、80歳、81歳、82歳、83歳、84歳、85歳、86歳、87歳、88歳、89歳、90歳、91歳、92歳、93歳、94歳、95歳、96歳、97歳、98歳、99歳、または100歳である。
5.3.1.2 処置前の筋力および筋肉量
【0178】
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法におけるHIF-PH阻害剤を用いる処置の前(処置前)、対象は、40歳よりも若いヒト対象の筋力と比較して、加齢と関連する筋力の低下を有している。
【0179】
一部の実施形態では、患者は、40歳よりも若いヒト対象の下肢筋肉質量と比較して、加齢と関連する下肢筋肉質量の低下を有している。
【0180】
一部の実施形態では、患者は、40歳よりも若いヒト対象の上肢筋肉質量と比較して、加齢と関連する上肢筋肉質量の低下を有している。
【0181】
一部の実施形態では、患者は、40歳よりも若いヒト対象の筋肉量と比較して、加齢と関連する筋肉量の低下を有している。
【0182】
一部の実施形態では、筋肉量は、肩の外転筋、肩の内転筋、肘の屈筋、肘の伸筋、手首の屈筋、および手首の伸筋からなる群から選択される1種または複数の上肢筋肉の筋肉量である。
5.3.1.3 処置前の毛細血管密度
【0183】
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法におけるHIF-PH阻害剤を用いる処置の前(処置前)、対象は、40歳よりも若いヒト対象の筋力と比較して、毛細血管密度の低下を有している。
【0184】
一部の実施形態では、患者は、50歳よりも若いヒト対象の筋力と比較して、毛細血管密度の低下を有している。
【0185】
一部の実施形態では、患者は、60歳よりも若いヒト対象の筋力と比較して、毛細血管密度の低下を有している。
5.3.1.4 加齢性状態
【0186】
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法におけるHIF-PH阻害剤を用いる処置の前(処置前)、対象は、腎疾患を有していない。ある特定の実施形態では、患者は、慢性腎疾患(CKD)を有していない。特定の実施形態では、患者は、ステージ3~5のCKDを有していない。特定の実施形態では、患者が、血液透析を受けていない。
【0187】
一部の実施形態では、患者は、腎疾患を有している。ある特定の実施形態では、患者は、慢性腎疾患を有している。特定の実施形態では、患者は、ステージ3~5のCKDを有している。ある特定の実施形態では、患者は、血液透析を受けている。ある特定の実施形態では、患者は、血液透析を受けていない。
【0188】
一部の実施形態では、患者は、貧血を有していない。
【0189】
一部の実施形態では、患者は、加齢性AIを有している。
【0190】
一部の実施形態では、患者は、貧血を有している。特定の実施形態では、貧血は、慢性腎疾患と関連している。特定の実施形態では、患者は、加齢性貧血を有している。加齢性貧血には、限定されるものではないが、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれるMakipourら(Makipour et al., (2008) Unexplained Anemia in the Elderly. Semin Hematol. 45(4):pgs. 250-254)に記載されている通り、未解明の加齢性貧血(UAA)、およびAIが含まれる。
【0191】
一部の実施形態では、患者は、輸血依存性加齢関連性貧血を有している。輸血依存性加齢関連性貧血は、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれるBeyerら(Beyer et al., (2010) Anemia and transfusions in geriatric patients:a time for evaluation. Hematology. 15(2):pgs. 116-121)に記載され得る。
【0192】
特定の実施形態では、未解明の加齢性貧血には、限定されるものではないが、エリスロポエチン応答の低下をもたらす腎臓内分泌機能の加齢関連性低下;1g/dLまでのヘモグロビンレベルの低下の原因となるアンドロゲンレベルの加齢性低下;炎症性マーカーの加齢性上昇、例えば炎症の機序、例えばエリスロポエチンの阻害およびヘプシジンの誘導による上昇したサイトカインレベルの上昇による、加齢関連性サイトカイン調節不全(例えば、IL-6およびTNFα)と関連する貧血;造血幹細胞増殖能力の加齢関連寄与;ならびに関連する白血球または血小板の特色がない貧血として現れる初期脊髄形成異常症(MDS)の1つまたは複数が含まれ得る。
【0193】
一部の実施形態では、加齢関連病的状態は、虚弱である。ある特定の実施形態では、患者は、筋肉減少症を有している。
【0194】
一部の実施形態では、患者は、加齢関連虚弱以外の任意の疾患を有すると診断されていない。
【0195】
一部の実施形態では、加齢関連病的状態は、疲労である。ある特定の実施形態では、疲労は、患者が記録した転帰(PRO)を使用して測定される。ある特定の実施形態では、疲労は、FACIT疲労スケールを使用して測定される。
【0196】
一部の実施形態では、加齢関連病的状態は、組織傷害である。ある特定の実施形態では、患者は、筋肉傷害を有する。
【0197】
一部の実施形態では、患者は、筋肉加齢性状態を有する。ある特定の実施形態では、筋肉の加齢性関連状態は、股関節骨折/股関節骨折機能回復である。ある特定の実施形態では、筋肉加齢性状態は、集中治療室症候群である。ある特定の実施形態では、筋肉の加齢性関連状態は、集中治療室内での脱力感である。さらなる筋肉の加齢性関連状態には、限定されるものではないが、それぞれそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれるBeaupre et al., (2014)およびInoue et al., 2019 (Beaupre et al., (2014) Maximising functional recovery following hip fracture in frail seniors. Best Pract. Res. Clin. Rheumatol. 27(6):pgs. 771-788、Inoue et al., (2019) Post-intensive care syndrome:its pathophysiology, prevention, and future directions. Acute Med. Surg. 6(3):pgs. 233-246)に記載されている筋肉の加齢性関連状態が含まれる。
【0198】
ある特定の実施形態では、組織傷害を有している患者へのHIF-PH阻害剤の投与は、患者における組織再生を促進する。ある特定の実施形態では、組織傷害を有している患者へのHIF-PH阻害剤の投与は、患者の創傷治癒を促進する。
【0199】
一部の実施形態では、加齢性状態は、虚血性障害である。
5.3.1.5 処置前の特徴
【0200】
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法におけるHIF-PH阻害剤を用いる処置の前(処置前)、対象は、加齢関連病的状態の1つまたは複数の徴候および/または症状を有している。
5.3.1.5.1 処置前のCRPおよびIL-6レベル
【0201】
一部の実施形態では、患者は、IL-6媒介性炎症を有している。
【0202】
一部の実施形態では、患者は、上昇した処置前C反応性タンパク質(CRP)レベルを有している。
【0203】
一部の実施形態では、患者は、少なくとも2mg/Lの処置前CRPレベルを有している。一部の実施形態では、患者は、少なくとも2mg/L、少なくとも2.5mg/L、少なくとも3mg/L、少なくとも3.5mg/L、少なくとも4mg/L、少なくとも4.5mg/L、または少なくとも5mg/Lの処置前CRPレベルを有している。一部の実施形態では、患者は、少なくとも7.5mg/L、少なくとも10mg/L、少なくとも12.5mg/L、または少なくとも15mg/Lの処置前CRPレベルを有している。様々な実施形態では、患者は、少なくとも2mg/Lの処置前CRPレベルを有している。様々な実施形態では、患者は、少なくとも2.5mg/Lの処置前CRPレベルを有している。様々な実施形態では、患者は、少なくとも5mg/Lの処置前CRPレベルを有している。様々な実施形態では、患者は、少なくとも7.5mg/Lの処置前CRPレベルを有している。様々な実施形態では、患者は、少なくとも10mg/Lの処置前CRPレベルを有している。様々な実施形態では、患者は、少なくとも12.5mg/Lの処置前CRPレベルを有している。様々な実施形態では、患者は、少なくとも15mg/Lの処置前CRPレベルを有している。
【0204】
本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態では、患者は、上昇した処置前血清IL-6レベルを有している。
【0205】
一部の実施形態では、患者は、少なくとも2pg/mlの処置前IL-6レベルを有している。様々な実施形態では、患者は、少なくとも2pg/ml、少なくとも3pg/ml、少なくとも4pg/ml、少なくとも5pg/ml、少なくとも6pg/ml、少なくとも7pg/ml、少なくとも8pg/ml、少なくとも9pg/ml、少なくとも10pg/ml、少なくとも11pg/ml、少なくとも12pg/ml、少なくとも13pg/ml、少なくとも14pg/ml、または少なくとも15pg/mlの処置前IL-6レベルを有している。ある特定の実施形態では、患者は、少なくとも2pg/mlの処置前IL-6レベルを有している。ある特定の実施形態では、患者は、少なくとも2.5pg/mlの処置前IL-6レベルを有している。ある特定の実施形態では、患者は、少なくとも4pg/mlの処置前IL-6レベルを有している。ある特定の実施形態では、患者は、少なくとも5pg/mlの処置前IL-6レベルを有している。ある特定の実施形態では、患者は、少なくとも7.5pg/mlの処置前IL-6レベルを有している。ある特定の実施形態では、患者は、少なくとも10pg/mlの処置前IL-6レベルを有している。ある特定の実施形態では、患者は、少なくとも12.5pg/mlの処置前IL-6レベルを有している。ある特定の実施形態では、患者は、少なくとも15pg/mlの処置前IL-6レベルを有している。
【0206】
一部の実施形態では、患者は、上昇した処置前CRPレベルおよび上昇した処置前IL-6レベルを有している。ある特定の実施形態では、患者は、少なくとも2pg/mlの処置前IL-6レベルおよび少なくとも2mg/Lの処置前CRPレベルを有している。ある特定の実施形態では、患者は、少なくとも2pg/mlの処置前IL-6レベルおよび少なくとも2.5mg/Lの処置前CRPレベルを有している。ある特定の実施形態では、患者は、少なくとも2pg/mlの処置前IL-6レベルおよび少なくとも5mg/Lの処置前CRPレベルを有している。ある特定の実施形態では、患者は、少なくとも2pg/mlの処置前IL-6レベルおよび少なくとも10mg/Lの処置前CRPレベルを有している。ある特定の実施形態では、患者は、少なくとも4pg/mlの処置前血清IL-6レベルおよび少なくとも2mg/Lの処置前CRPレベルを有している。ある特定の実施形態では、患者は、少なくとも4pg/mlの処置前IL-6レベルおよび少なくとも2.5mg/Lの処置前CRPレベルを有している。ある特定の実施形態では、患者は、少なくとも4pg/mlの処置前IL-6レベルおよび少なくとも5mg/Lの処置前CRPレベルを有している。ある特定の実施形態では、患者は、少なくとも4pg/mlの処置前IL-6レベルおよび少なくとも10mg/Lの処置前CRPレベルを有している。ある特定の実施形態では、患者は、少なくとも5pg/mlの処置前IL-6レベルおよび少なくとも2mg/Lの処置前CRPレベルを有している。ある特定の実施形態では、患者は、少なくとも5pg/mlの処置前IL-6レベルおよび少なくとも2.5mg/Lの処置前CRPレベルを有している。ある特定の実施形態では、患者は、少なくとも5pg/mlの処置前IL-6レベルおよび少なくとも5mg/Lの処置前CRPレベルを有している。ある特定の実施形態では、患者は、少なくとも5pg/mlの処置前IL-6レベルおよび少なくとも10mg/Lの処置前CRPレベルを有している。ある特定の実施形態では、患者は、少なくとも10pg/mlの処置前IL-6レベルおよび少なくとも2mg/Lの処置前CRPレベルを有している。ある特定の実施形態では、患者は、少なくとも10pg/mlの処置前IL-6レベルおよび少なくとも2.5mg/Lの処置前CRPレベルを有している。ある特定の実施形態では、患者は、少なくとも10pg/mlの処置前IL-6レベルおよび少なくとも5mg/Lの処置前CRPレベルを有している。ある特定の実施形態では、患者は、少なくとも10pg/mlの処置前IL-6レベルおよび少なくとも10mg/Lの処置前CRPレベルを有している。
5.3.1.5.2 処置前のTNFαレベル
【0207】
一部の実施形態では、患者は、TNFα媒介性炎症を有している。
【0208】
一部の実施形態では、患者は、少なくとも5pg/mlの処置前TNFαレベルを有している。様々な実施形態では、患者は、少なくとも5pg/ml、少なくとも5.5pg/ml、少なくとも6pg/ml、少なくとも6.5pg/ml、少なくとも7pg/ml、少なくとも7.5pg/ml、少なくとも8pg/ml、少なくとも8.5pg/ml、少なくとも9pg/ml、少なくとも9.5pg/ml、少なくとも10pg/ml、少なくとも10.5pg/ml、少なくとも11pg/ml、少なくとも11.5pg/ml、少なくとも12pg/ml、少なくとも12.5pg/ml、少なくとも13pg/ml、少なくとも13.5pg/ml、少なくとも14pg/ml、少なくとも14.5pg/ml、または少なくとも15pg/mlの処置前TNFαレベルを有している。
【0209】
様々な実施形態では、患者は、5pg/mlの処置前TNFαレベルを有している。様々な実施形態では、患者は、5.5pg/mlの処置前TNFαレベルを有している。様々な実施形態では、患者は、6pg/mlの処置前TNFαレベルを有している。様々な実施形態では、患者は、6.5pg/mlの処置前TNFαレベルを有している。様々な実施形態では、患者は、7pg/mlの処置前TNFαレベルを有している。様々な実施形態では、患者は、7.5pg/mlの処置前TNFαレベルを有している。様々な実施形態では、患者は、8pg/mlの処置前TNFαレベルを有している。様々な実施形態では、患者は、8.5pg/mlの処置前TNFαレベルを有している。様々な実施形態では、患者は、9pg/mlの処置前TNFαレベルを有している。様々な実施形態では、患者は、9.5pg/mlの処置前TNFαレベルを有している。様々な実施形態では、患者は、10pg/mlの処置前TNFαレベルを有している。
5.3.1.5.3 処置前の推定糸球体濾過率(eGFR)レベル
【0210】
一部の実施形態では、患者は、30ml/分超の処置前推定糸球体濾過率(eGFR)を有している。様々な実施形態では、患者は、35ml/分超、40ml/分超、45ml/分超、50ml/分超、55ml/分超、60ml/分超、65ml/分超、70ml/分超、75ml/分超、または80ml/分超の処置前eGFRを有している。様々な実施形態では、患者は、40ml/分超のeGFRを有している。様々な実施形態では、患者は、50ml/分超のeGFRを有している。様々な実施形態では、患者は、60超のeGFRを有している。
5.3.1.5.4 処置前の血清フェリチン(SF)レベルおよび腫瘍炎症シグネチャー(TIS)
【0211】
一部の実施形態では、患者は、100超の処置前血清フェリチン(SF)レベルを有している。様々な実施形態では、患者は、105超、110超、115超、120超、125超、130超、135超、140超、145超、150超、155超、160超、165超、170超、175超、180超、185超、190超、195超、または200超の処置前SFレベルを有している。様々な実施形態では、患者は、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、または200の処置前SFレベルを有している。
【0212】
一部の実施形態では、患者は、20%超の処置前腫瘍炎症シグネチャー(TIS)を有している。様々な実施形態では、患者は、25%超、30%超、35%超、40%超、45%超、50%超、55%超、60%超、65%超、または70%超の処置前TISを有している。様々な実施形態では、患者は、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、または70%の処置前TISレベルを有している。
【0213】
様々な実施形態では、患者は、100超、105超、110超、115超、120超、125超、130超、135超、140超、145超、150超、155超、160超、165超、170超、175超、180超、185超、190超、195超、または200超の処置前血清フェリチン(SF)レベル、および25%超、30%超、35%超、40%超、45%超、50%超、55%超、60%超、65%超、または70%超の処置前TISを有している。
5.3.1.5.5 処置前の葉酸およびB12レベル
【0214】
一部の実施形態では、患者は、正常な葉酸および/またはB12レベルを有している。
【0215】
様々な実施形態では、患者は、2~10ng/mLの範囲の処置前赤血球中葉酸レベルを有している。様々な実施形態では、患者は、140~960ng/mLの範囲の処置前血漿中葉酸レベルを有している。
【0216】
様々な実施形態では、患者は、200~900ng/mlの範囲の処置前B12レベルを有している。
5.3.1.5.6 処置前Hbレベル
【0217】
ある特定の実施形態では、患者は、12g/dL超の処置前ヘモグロビンレベルを有している。様々な実施形態では、患者は、12g/dL超、12.1g/dL超、12.2g/dL超、12.3g/dL超、12.4g/dL超、12.5g/dL超、12.6g/dL超、12.7g/dL超、12.8g/dL超、12.9g/dL超、または13.0g/dL超の処置前ヘモグロビンレベルを有している。様々な実施形態では、患者は、13g/dL超、14g/dL超、15g/dL超、16g/dL超、17g/dL超、18g/dL超、19g/dL超、20g/dL超、21g/dL超、22g/dL超、23g/dL超、24g/dL超、25g/dL超、26g/dL超、27g/dL超、28g/dL超、29g/dL超、または30g/dL超の処置前ヘモグロビンレベルを有している。ある特定の実施形態では、患者は、12g/dL未満、11g/dL未満、10g/dL未満、9g/dL未満、8g/dL未満、7g/dL未満、6g/dL未満、5g/dL未満、4g/dL未満、2g/dL未満、または1g/dL未満の処置前ヘモグロビンレベルを有している。
【0218】
一部の実施形態では、患者は、輸血を受けることができない。ある特定の実施形態では、患者は、禁忌により臨床的に別段に指示される場合、輸血を受けることができない。一部の実施形態では、患者は、12g/dL未満または10g/dL未満の処置前ヘモグロビンレベルを有している場合、輸血を受けることができない。一部の実施形態では、患者は、8g/dL未満、7g/dL未満、6g/dL未満、5g/dL未満、4g/dL未満、2g/dL未満、または1g/dL未満の処置前ヘモグロビンレベルを有している場合、輸血を受けることができない。
5.3.2. 処置後エンドポイント
【0219】
本明細書に記載される方法では、HIF-PH阻害剤を用いる処置の後(処置後)、患者は、加齢関連病的状態の1つまたは複数の徴候および/または症状が低減する。
5.3.2.1 C反応性タンパク質(CRP)の低下
【0220】
一部の実施形態では、有効量のHIF-PH阻害剤の投与により、患者の血清CRPレベルは処置前レベル未満に低下する。
【0221】
一部の実施形態では、処置後CRPレベルは、45mg/L以下である。ある特定の実施形態では、処置後CRPレベルは、40mg/L以下である。ある特定の実施形態では、処置後CRPレベルは、30mg/L以下である。ある特定の実施形態では、処置後CRPレベルは、20mg/L以下である。ある特定の実施形態では、処置後CRPレベルは、10mg/L以下である。ある特定の実施形態では、処置後CRPレベルは、5mg/L以下である。ある特定の実施形態では、処置後CRPレベルは、2.5mg/L以下である。ある特定の実施形態では、処置後CRPレベルは、2mg/L以下である。ある特定の実施形態では、処置後CRPレベルは、1mg/L以下である。
【0222】
一部の実施形態では、CRPレベルは、処置前レベルと比較して、少なくとも10%低下する。様々な実施形態では、CRPレベルは、処置前レベルと比較して、少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%低下する。ある特定の実施形態では、CRPレベルは、処置前レベルと比較して、少なくとも20%低下する。ある特定の実施形態では、CRPレベルは、処置前レベルと比較して、少なくとも30%低下する。ある特定の実施形態では、CRPレベルは、処置前レベルと比較して、少なくとも40%低下する。ある特定の実施形態では、CRPレベルは、処置前レベルと比較して、少なくとも50%低下する。ある特定の実施形態では、CRPレベルは、処置前レベルと比較して、少なくとも60%低下する。ある特定の実施形態では、CRPレベルは、処置前レベルと比較して、少なくとも70%低下する。ある特定の実施形態では、CRPレベルは、処置前レベルと比較して、少なくとも80%低下する。ある特定の実施形態では、CRPレベルは、処置前レベルと比較して、少なくとも90%低下する。
5.3.2.2 Hbレベルの誘導
【0223】
一部の実施形態では、有効量のHIF-PH阻害剤の投与により、患者の血清Hbレベルは処置前レベルを上回って上昇する。
【0224】
一部の実施形態では、処置後Hbレベルは、10g/dl超である。一部の実施形態では、処置後Hbレベルは、10.5g/dl超である。ある特定の実施形態では、処置後Hbレベルは、11g/dl超である。一部の実施形態では、処置後Hbレベルは、11.5g/dl超である。ある特定の実施形態では、処置後Hbレベルは、12g/dl超である。一部の実施形態では、処置後Hbレベルは、12.5g/dl超である。ある特定の実施形態では、処置後Hbレベルは、13g/dl超である。一部の実施形態では、処置後Hbレベルは、13.5g/dl超である。ある特定の実施形態では、処置後Hbレベルは、14g/dl超である。一部の実施形態では、処置後Hbレベルは、14.5g/dl超である。ある特定の実施形態では、処置後Hbレベルは、15g/dl超である。一部の実施形態では、処置後Hbレベルは、15.5g/dl超である。ある特定の実施形態では、処置後Hbレベルは、16g/dl超である。一部の実施形態では、処置後Hbレベルは、16.5g/dl超である。ある特定の実施形態では、処置後Hbレベルは、17g/dl超である。一部の実施形態では、処置後Hbレベルは、17.5g/dl超である。ある特定の実施形態では、処置後Hbレベルは、18g/dl超である。一部の実施形態では、処置後Hbレベルは、18.5g/dl超である。ある特定の実施形態では、処置後Hbレベルは、19g/dl超である。一部の実施形態では、処置後Hbレベルは、19.5g/dl超である。ある特定の実施形態では、処置後Hbレベルは、20g/dl超である。
【0225】
一部の実施形態では、Hbレベルは、処置前レベルと比較して、少なくとも10%上昇する。様々な実施形態では、Hbレベルは、処置前レベルと比較して、少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%上昇する。ある特定の実施形態では、Hbレベルは、処置前レベルと比較して、少なくとも20%上昇する。ある特定の実施形態では、Hbレベルは、処置前レベルと比較して、少なくとも30%上昇する。ある特定の実施形態では、Hbレベルは、処置前レベルと比較して、少なくとも40%上昇する。ある特定の実施形態では、Hbレベルは、処置前レベルと比較して、少なくとも50%上昇する。ある特定の実施形態では、Hbレベルは、処置前レベルと比較して、少なくとも60%上昇する。ある特定の実施形態では、Hbレベルは、処置前レベルと比較して、少なくとも70%上昇する。ある特定の実施形態では、Hbレベルは、処置前レベルと比較して、少なくとも80%上昇する。ある特定の実施形態では、Hbレベルは、処置前レベルと比較して、少なくとも90%上昇する。
5.3.3. 式(I’)、式(I’’)、式(I’-2)、および式(I)のHIF-阻害剤
【0226】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、以下の一般式(I’)
【化7】
[式(I’)中、Wは、式-CR1112CR1314を表し、
11は、水素原子、C1~4アルキルもしくはフェニルを表し、
12は、水素原子、フッ素原子もしくはC1~4アルキルを表すか、または
11およびR12は、隣接する炭素原子と一緒になって、C3~8シクロアルカンもしくは4~8員の酸素原子含有飽和複素環を形成し、
13は、水素原子、カルバモイル、C1~4アルキル(ここで、C1~4アルキルは、ヒドロキシ、C1~3アルコキシ、およびジ-C1~3アルキルアミノからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、ハロ-C1~4アルキル、フェニル、ピリジル、ベンジルもしくはフェネチルを表し、
14は、水素原子、C1~4アルキルもしくはハロ-C1~4アルキルを表すか、または
13およびR14は、隣接する炭素原子と一緒になって、C3~8シクロアルカン、4~8員の酸素原子含有飽和複素環、もしくは4~8員の窒素原子含有飽和複素環(ここで、4~8員の窒素原子含有飽和複素環は、メチル、ベンジル、フェニルカルボニル、およびオキソからなる群から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)を形成するか、または
12およびR13は、隣接する炭素原子と一緒になって、C3~8シクロアルカンを形成し、
Yは、単結合またはC1~6アルカンジイルを表し、ここで、C1~6アルカンジイルは、1個のヒドロキシルによって必要に応じて置換されており、C1~6アルカンジイルの炭素原子の1つは、C3~6シクロアルカン1,1-ジイルによって必要に応じて置換されており、
は、
水素原子、
1~6アルキル、
3~8シクロアルキル(ここで、C3~8シクロアルキルは、C1~6アルキル(1個のフェニルによって必要に応じて置換されている)、フェニル(ハロゲン原子およびハロ-C1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、C1~6アルコキシ(C3~8シクロアルキル、ハロゲン原子およびC1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されているフェニル、ならびに1個のハロゲン原子によって必要に応じて置換されているピリジルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、C3~8シクロアルコキシ、フェノキシ(ハロゲン原子、C1~6アルキル、C3~8シクロアルキル、およびハロ-C1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、ならびにピリジルオキシ(ハロゲン原子、C1~6アルキル、C3~8シクロアルキル、およびハロ-C1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)、
フェニル(ここで、フェニルは、置換基のα3基から選択される、同じかまたは異なっている1~3個の基によって必要に応じて置換されている)、
ナフチル、
インダニル、
テトラヒドロナフチル、
ピラゾリル、
イミダゾリル、
イソオキサゾリル、
オキサゾリル
(ここで、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、およびオキサゾリルは、C1~6アルキルおよびフェニル(ハロゲン原子およびC1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)、
チアゾイル(ここで、チアゾイルは、C1~6アルキル、フェニル(ハロゲン原子およびC1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、およびモルホリノからなる群から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)、
ピリジル(ここで、ピリジルは、置換基のα5基から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)、
ピリダジニル、
ピリミジニル、
ピラジニル
(ここで、ピリダジニル、ピリミジニル、およびピラジニルは、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、C3~8シクロアルキル、フェニル、C1~6アルコキシ(1個のC3~8シクロアルキルによって必要に応じて置換されている)、およびフェノキシ(ハロゲン原子、C1~6アルキル、およびC3~8シクロアルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
ベンゾチオフェニル、
キノリル、
メチレンジオキシフェニル(ここで、メチレンジオキシフェニルは、1個または2個のフッ素原子によって必要に応じて置換されている)、
4~8員の窒素原子含有飽和ヘテロシクリル(ここで、4~8員の窒素原子含有飽和ヘテロシクリルは、ピリミジニル、フェニル-C1~3アルキル、C3~8シクロアルキル-C1~3アルキルカルボニル、およびフェニル-C1~3アルコキシカルボニルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)
を表す]、または
次式(I’’)
-CONRCH-R (I’’)
[式(I’’)中、
は、水素原子またはC1~3アルキルを表し、Rは、フェニル(ハロゲン原子、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、およびフェニルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)を表し、
置換基のα3基は、
ヒドロキシ、
シアノ、
カルボキシ、
ハロゲン原子、
1~6アルキル(ここで、C1~6アルキルは、C3~8シクロアルキル、フェニル、C1~6アルコキシ(1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている1個のC3~8シクロアルキルによって必要に応じて置換されている)、フェノキシ(1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)、およびピリジルオキシ(C1~6アルキルおよびハロ-C1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
ハロ-C1~6アルキル、
3~8シクロアルキル(ここで、C3~8シクロアルキルは、1個または2個のハロゲン原子によって必要に応じて置換されている)、
3~8シクロアルケニル(ここで、C3~8シクロアルケニルは、1個または2個のハロゲン原子によって必要に応じて置換されている)、
フェニル(ここで、フェニルは、置換基のα4基から選択される、同じかまたは異なっている1~3個の基によって必要に応じて置換されている)、
チエニル(ここで、チエニルは、1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)、
ピラゾリル(ここで、ピラゾリルは、1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)、
イソオキサゾリル、
チアゾイル(ここで、チアゾイルは、ヒドロキシ、C1~6アルキル、およびC1~6アルコキシからなる群から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)、
ピリジル(ここで、ピリジルは、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、ハロゲン原子、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、C3~8シクロアルキル、C1~6アルコキシ、ハロ-C1~6アルコキシ、およびC1~6アルキルスルホニルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
ピリミジニル(ここで、ピリミジニルは、1個のアミノによって必要に応じて置換されている)、
キノリル、
1~6アルコキシ(ここで、C1~6アルコキシは、カルボキシ、ヒドロキシ、カルバモイル、C3~8シクロアルキル(1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)、フェニル(ヒドロキシ、ハロゲン原子、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、ハロ-C1~6アルコキシ、およびジ-C1~6アルキルアミノからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、ピリジル(ハロゲン原子およびC1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、ベンゾトリアゾリル、イミダゾチアゾイル、ジ-C1~6アルキルアミノ、オキサゾリル(1個または2個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)、ピラゾリル(1個または2個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)、チアゾイル(1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)、およびインダゾリル(1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
ハロ-C1~6アルコキシ、
2~6アルケニルオキシ、
3~8シクロアルコキシ、
フェノキシ(ここで、フェノキシは、ハロゲン原子、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、およびハロ-C1~6アルコキシからなる群から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)、
ピリジルオキシ(ここで、ピリジルオキシは、ハロゲン原子、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、およびC3~8シクロアルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
ピリミジニルオキシ、
ピペラジニル(ここで、ピペラジニルは、1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)、
モノ-C1~6アルキルアミノカルボニル(ここで、モノ-C1~6アルキルアミノカルボニルのC1~6アルキルは、カルボキシ、ヒドロキシ、ジ-C1~6アルキルアミノ、ピリジル、フェニル、および2-オキソピロリジニルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
ジ-C1~6アルキルアミノカルボニル(ここで、ジ-C1~6アルキルアミノカルボニルの2個のC1~6アルキルは、隣接する窒素原子と一緒になって、4~8員の窒素原子含有飽和複素環を必要に応じて形成する)、
1~6アルキルスルファニル、および
1~6アルキルスルホニル
からなり、
置換基のα4基は、
カルボキシ、
シアノ、
ヒドロキシ、
スルファモイル、
ハロゲン原子、
1~6アルキル、
ハロ-C1~6アルキル、
3~8シクロアルキル、
フェニル、
1~6アルコキシ、
ハロ-C1~6アルコキシ、
1~6アルキルカルボニル、
ジ-C1~6アルキルアミノカルボニル、
1~6アルキルスルホニル、
モノ-C1~6アルキルアミノスルホニル(ここで、モノ-C1~6アルキルアミノスルホニルのC1~6アルキルは、1個のヒドロキシによって必要に応じて置換されている)、および
ジ-C1~6アルキルアミノスルホニル
からなり、
置換基のα5基は、
ハロゲン原子、
1~6アルキル、
ハロ-C1~6アルキル、
1~6アルコキシ(ここで、C1~6アルコキシは、C3~8シクロアルキル(1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)およびフェニル(ハロゲン原子およびC1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
ハロ-C1~6アルコキシ、
フェニル(ここで、フェニルは、置換基のα6基から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
ピリジル、
フェノキシ(ここで、フェノキシは、ハロゲン原子、シアノ、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、C3~8シクロアルキル、ハロ-C1~6アルコキシおよびC1~6アルコキシ(1個のフェニルによって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)、および
ピリジルオキシ(ここで、ピリジルオキシは、1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)、および
フェニルスルファニル(ここで、フェニルスルファニルは、1個のハロゲン原子によって必要に応じて置換されている)
からなり、
置換基のα6基は
ハロゲン原子、
1~6アルキル、
ハロ-C1~6アルキル、
3~8シクロアルキル、
1~6アルコキシ、および
ハロ-C1~6アルコキシ
からなり、
は、C1~4アルカンジイルを表し、
は、水素原子またはメチルを表し、
は、-COOH、-CONHOH、またはテトラゾリルを表す]
によって表される化合物、または薬学的に許容されるその塩である。
【0227】
ある特定の実施形態では、式(I’)の化合物において、
は、メタンジイルであり、
は、水素原子であり、
は、-COOHであり、
または薬学的に許容されるその塩である。
【0228】
ある特定の実施形態では、化合物は、一般式(I’-2)
【化8】
[式(I’-2)中、
11は、水素原子、フッ素原子、C1~4アルキルもしくはフェニルであり、
12は、水素原子、フッ素原子もしくはC1~4アルキルであるか、または
11およびR12は、隣接する炭素原子と一緒になって、C3~8シクロアルカンもしくは4~8員の酸素原子含有飽和複素環を形成し、
13は、水素原子、カルバモイル、C1~4アルキル(ここで、C1~4アルキルは、ヒドロキシ、C1~3アルコキシ、およびジ-C1~3アルキルアミノからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、ハロ-C1~4アルキル、フェニル、ピリジル、ベンジルもしくはフェネチルであり、
14は、水素原子、C1~4アルキルもしくはハロ-C1~4アルキルであるか、または
13およびR14は、隣接する炭素原子と一緒になって、C3~8シクロアルカン、4~8員の酸素原子含有飽和複素環もしくは4~8員の窒素原子含有飽和複素環(ここで、4~8員の窒素原子含有飽和複素環は、メチル、ベンジル、フェニルカルボニル、およびオキソからなる群から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)を形成するか、または
12およびR13は、隣接する炭素原子と一緒になって、C3~8シクロアルカンを形成する]
または薬学的に許容されるその塩によって表される。
【0229】
ある特定の実施形態では、式(I’-2)の化合物において、
Yは、単結合またはC1~6アルカンジイルであり、ここで、C1~6アルカンジイルの炭素原子の1つは、C3~6シクロアルカン-1,1-ジイルによって必要に応じて置換されており、
は、
3~8シクロアルキル(ここで、C3~8シクロアルキルは、C1~6アルキル(1個のフェニルによって必要に応じて置換されている)、フェニル(1個のハロ-C1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)、C1~6アルコキシ(C3~8シクロアルキル、ハロゲン原子およびC1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されているフェニル、ならびに1個のハロゲン原子によって必要に応じて置換されているピリジルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、C3~8シクロアルコキシ、フェノキシ(ハロゲン原子、C1~6アルキル、C3~8シクロアルキル、およびハロ-C1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、ならびにピリジルオキシ(ハロゲン原子、C1~6アルキル、C3~8シクロアルキル、およびハロ-C1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)、
フェニル(ここで、フェニルは、置換基の前述のα3基から選択される、同じかまたは異なっている1~3個の基によって必要に応じて置換されている)、
ナフチル、
インダニル、
テトラヒドロナフチル、
ピラゾリル(ここで、ピラゾリルは、C1~6アルキルおよびフェニル(1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)、
イミダゾリル(ここで、イミダゾリルは、C1~6アルキルおよびフェニルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
イソオキサゾリル(ここで、イソオキサゾリルは、1個のハロゲン原子によって必要に応じて置換されている1個のフェニルによって必要に応じて置換されている)、
オキサゾリル(ここで、オキサゾリルは、C1~6アルキルおよびフェニルからなる群から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)、
チアゾイル(ここで、チアゾイルは、C1~6アルキル、フェニル、およびモルホリノからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
ピリジル(ここで、ピリジルは、置換基の前述のα5基から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)、
ピリダジニル(ここで、ピリダジニルは、1個のC3~8シクロアルキルによって必要に応じて置換されている1個のC1~6アルコキシによって必要に応じて置換されている)、
ピリミジニル(ここで、ピリミジニルは、ハロ-C1~6アルキル、C3~8シクロアルキル、フェニル、およびフェノキシ(1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
ピラジニル(ここで、ピラジニルは、C1~6アルコキシ(1個のC3~8シクロアルキルによって必要に応じて置換されている)およびフェノキシ(ハロゲン原子、C1~6アルキル、およびC3~8シクロアルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
ベンゾチオフェニル、
キノリル、または
メチレンジオキシフェニル(ここで、メチレンジオキシフェニルは、1個または2個のフッ素原子によって必要に応じて置換されている)
であり、
または薬学的に許容されるその塩である。
【0230】
ある特定の実施形態では、式(I’-2)の化合物において、
11は、水素原子であり、
12は、水素原子であり、
13は、水素原子であり、
14は、水素原子であり、
Yは、メタンジイルであり、
は、
フェニル(ここで、フェニルは、フェニル(カルボキシ、シアノ、ヒドロキシ、スルファモイル、ハロゲン原子、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、C3~8シクロアルキル、フェニル、C1~6アルコキシ、ハロ-C1~6アルコキシ、C1~6アルキルカルボニル、ジ-C1~6アルキルアミノカルボニル、C1~6アルキルスルホニル、ジ-C1~6アルキルアミノスルホニルおよびモノ-C1~6アルキルアミノスルホニルからなる群から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されており、ここで、モノ-C1~6アルキルアミノスルホニルのC1~6アルキルは、1個のヒドロキシによって必要に応じて置換されている)、ピリジル(カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、ハロゲン原子、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、C3~8シクロアルキル、C1~6アルコキシ、およびC1~6アルキルスルホニルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、フェノキシ(ハロゲン原子、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、およびハロ-C1~6アルコキシからなる群から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)、ならびにピリジルオキシ(ハロゲン原子、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、およびC3~8シクロアルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される1個の基によって置換されており、Rによって表される前記置換フェニルは、1個のハロゲン原子によってさらに置換されていてもよい)、
ピリジル(ここで、ピリジルは、フェニル(ハロゲン原子、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、C3~8シクロアルキル、C1~6アルコキシ、およびハロ-C1~6アルコキシからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、ピリジル、フェノキシ(ハロゲン原子、シアノ、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、C3~8シクロアルキル、ハロ-C1~6アルコキシおよびC1~6アルコキシ(1個のフェニルによって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される、同じかまたは異なっている1個または2個の基によって必要に応じて置換されている)、およびピリジルオキシ(1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される1個の基によって置換されており、Rによって表される前記置換ピリジルは、ハロゲン原子およびC1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によってさらに置換されていてもよい)、または
1個のフェノキシによって置換されているピラジニル(ここで、フェノキシは、ハロゲン原子、C1~6アルキル、およびC3~8シクロアルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)
であり、
または薬学的に許容されるその塩である。
【0231】
特定の実施形態では、化合物は、N-{[4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-(4-フェノキシベンジル)-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル]カルボニル}グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0232】
特定の実施形態では、化合物は、N-[(4-ヒドロキシ-1-{1[6-(4-メチルフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0233】
特定の実施形態では、化合物は、N-({4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-[(6-フェノキシ-3-ピリジニル)メチル]-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル}カルボニル)グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0234】
特定の実施形態では、化合物は、N-({1-[4-(4-フルオロフェノキシ)ベンジル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル}カルボニル)グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0235】
特定の実施形態では、化合物は、N-({4-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチルフェノキシ)ベンジル]-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル}カルボニル)グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0236】
特定の実施形態では、化合物は、N-[(1-{[6-(4-シアノフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシンである。
【0237】
特定の実施形態では、化合物は、N-({4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-[4-(2-ピリミジニルオキシ)ベンジル]-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル}カルボニル)グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0238】
特定の実施形態では、化合物は、N-[(1-{[6-(4-フルオロフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシンである。
【0239】
特定の実施形態では、化合物は、N-[(1{[-6-(4-クロロフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0240】
特定の実施形態では、化合物は、N-{[4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-({6-[4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-3-ピリジニル}メチル)-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル]カルボニル}グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0241】
特定の実施形態では、化合物は、N-[(4-ヒドロキシ-1-{[6-(3-メチルフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0242】
特定の実施形態では、化合物は、N-[(1-{[6-(3-フルオロフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0243】
特定の実施形態では、化合物は、N-({4-ヒドロキシ-1-[4-(3-メチルフェノキシ)ベンジル]-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル}カルボニル)グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0244】
特定の実施形態では、化合物は、N-({1-[4-(3-フルオロフェノキシ)ベンジル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル}カルボニル)グリシンである。
【0245】
特定の実施形態では、化合物は、N-[1-{[5-(4-フルオロフェノキシ)-2-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0246】
特定の実施形態では、化合物は、N-[(4-ヒドロキシ-1-{[5-(4-メチルフェノキシ)-2-ピリジニル]メチル}-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0247】
特定の実施形態では、化合物は、N-({1-[4-(4-クロロフェノキシ)ベンジル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル}カルボニル)グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0248】
特定の実施形態では、化合物は、N-[(4-ヒドロキシ-1-{4-[(6-メチル-3-ピリジニル)オキシ]ベンジル}-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0249】
特定の実施形態では、化合物は、N-[(1-{[6-(2-フルオロフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシンである。
【0250】
特定の実施形態では、化合物は、N-[(4-ヒドロキシ-1-{[6-(2-メチルフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0251】
特定の実施形態では、化合物は、N-({1-[4-(2-フルオロフェノキシ)ベンジル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル}カルボニル)グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0252】
特定の実施形態では、化合物は、N-({4-ヒドロキシ-1-[4-(2-メチルフェノキシ)ベンジル]-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル}カルボニル)グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0253】
特定の実施形態では、化合物は、N-[(1-{[6-(3-クロロフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0254】
特定の実施形態では、化合物は、N-{[4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-({6-[3-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-3-ピリジニル}メチル)-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル]カルボニル}グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0255】
特定の実施形態では、化合物は、N-({4-ヒドロキシ-1-[4-(3-メトキシフェノキシ)ベンジル]-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル}カルボニル)グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0256】
特定の実施形態では、化合物は、N-{[4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-({6-[3-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]-3-ピリジニル}メチル)-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル]カルボニル}グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0257】
特定の実施形態では、化合物は、N-[(1-{4-[(5-フルオロ-2-ピリジニル)オキシ]ベンジル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0258】
特定の実施形態では、化合物は、N-[(1-{4-[(5-クロロ-2-ピリジニル)オキシ]ベンジル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0259】
特定の実施形態では、化合物は、N-[1-{[(6-(4-シクロプロピルフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0260】
特定の実施形態では、化合物は、N-[(4-ヒドロキシ-1-{4-[(5-メチル-2-ピリジニル)オキシ]ベンジル}-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0261】
特定の実施形態では、化合物は、N-{[4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-(4-{[5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジニル]オキシ}ベンジル)-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル]カルボニル}グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0262】
特定の実施形態では、化合物は、N-{[4-ヒドロキシ-1-({5-メチル-6-[(6-メチル-3-ピリジニル)オキシ]-3-ピリジニル}メチル)-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル]カルボニル}グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0263】
特定の実施形態では、化合物は、N-[(1-{[5-(4-クロロフェノキシ)-2-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0264】
特定の実施形態では、化合物は、N-[(4-ヒドロキシ-1-{[6-(3-メトキシフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシンである。
【0265】
特定の実施形態では、化合物は、N-[(1-{4-[(6-クロロ-3-ピリジニル)オキシ]ベンジル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0266】
特定の実施形態では、化合物は、N-{[4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-({5-[4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-ピリジニル}メチル)-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル]カルボニル}グリシンである。
【0267】
特定の実施形態では、化合物は、N-{[4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-(4-{[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジニル]オキシ}ベンジル)-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル]カルボニル}グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0268】
特定の実施形態では、化合物は、N-[(1-{[6-(3-クロロ-4-メチルフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0269】
特定の実施形態では、化合物は、N-[(1-{[6-(3-フルオロ-4-メチルフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0270】
特定の実施形態では、化合物は、N-[(1-{[6-(4-フルオロ-3-メチルフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0271】
特定の実施形態では、化合物は、N-[(1-{[6-(4-エチルフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0272】
特定の実施形態では、化合物は、N-[(4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-{[6-(4-プロピルフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-1,2,5,6-テトラヒドロ-3ピリジニル)カルボニル]グリシンである。
【0273】
特定の実施形態では、化合物は、N-[(4-ヒドロキシ-1-{[6-(4-イソプロピルフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0274】
特定の実施形態では、化合物は、N-[(4-ヒドロキシ-1-{[5-(4-メチルフェノキシ)-2-ピラジニル]メチル}-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0275】
特定の実施形態では、化合物は、N-({1-[4-(3,4-ジメチルフェノキシ)ベンジル]-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル}カルボニル)グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0276】
特定の実施形態では、化合物は、N-[(1-{[5-クロロ-6-(4-メチルフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0277】
特定の実施形態では、化合物は、N-[(1-{[5-フルオロ-6-(4-メチルフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0278】
特定の実施形態では、化合物は、N-[(1-{4-[(5-シクロプロピル-2-ピリジニル)オキシ]ベンジル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0279】
特定の実施形態では、化合物は、N-[(4-ヒドロキシ-1-{[2-(4-メチルフェノキシ)-5-ピリミジニル]メチル}-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシンである。特定の実施形態では、化合物は、N-[(1-{[6-(4-クロロフェノキシ)-5-メチル-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0280】
特定の実施形態では、化合物は、N-[(1-{[5-(4-クロロフェノキシ)-2-ピラジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0281】
特定の実施形態では、化合物は、N-[(1-{[5-(4-シクロプロピルフェノキシ)-2-ピラジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0282】
ある特定の実施形態では、化合物は、一般式(I)
【化9】
[式(I)中、
11は、水素原子、C1~4アルキルもしくはフェニルであり、
12は、水素原子もしくはC1~4アルキルであるか、または
11およびR12は、隣接する炭素原子と一緒になって、C3~8シクロアルカンもしくは4~8員の酸素原子含有飽和複素環を形成し、
13は、水素原子、C1~4アルキル、ハロ-C1~4アルキル、フェニル、ベンジルもしくはフェネチルであり、
14は、水素原子もしくはC1~4アルキルであるか、または
13およびR14は、隣接する炭素原子と一緒になって、C3~8シクロアルカンもしくは4~8員の酸素原子含有飽和複素環を形成するか、または
12およびR13は、隣接する炭素原子と一緒になって、C3~8シクロアルカンを形成し、
Yは、単結合またはC1~6アルカンジイルであり、ここで、C1~6アルカンジイルの炭素原子の1つは、C3~6シクロアルカン-1,1-ジイルによって必要に応じて置換されており、
は、
3~8シクロアルキル(ここで、C3~8シクロアルキルは、フェニルおよびベンジルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
フェニル(ここで、フェニルは、置換基のα1基から選択される、同じかまたは異なっている1~3個の基によって必要に応じて置換されている)、
ナフチル、
インダニル、
テトラヒドロナフチル、
ピラゾリル(ここで、ピラゾリルは、1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている1個のフェニルによって置換されており、1個のC1~6アルキルによってさらに置換されていてもよい)、
イミダゾリル(ここで、イミダゾリルは、1個のフェニルによって置換されている)、
イソオキサゾリル(ここで、イソオキサゾリルは、1個のハロゲン原子によって必要に応じて置換されている1個のフェニルによって置換されている)、
オキサゾリル(ここで、オキサゾリルは、1個のフェニルによって置換されており、1個のC1~6アルキルによってさらに置換されていてもよい)、
チアゾイル(ここで、チアゾイルは、1個のフェニルによって置換されている)、
ピリジル(ここで、ピリジルは、フェニル、フェノキシ(ハロゲン原子、シアノ、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、C3~8シクロアルキル、C1~6アルコキシ、およびハロ-C1~6アルコキシからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、およびフェニルスルファニル(1個のハロゲン原子によって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される1個の基によって置換されている)、
ピリミジニル(ここで、ピリミジニルは、シクロヘキシルおよびフェニルからなる群から選択される1個の基によって置換されている)、
ベンゾチオフェニル、
キノリル、または
メチレンジオキシフェニル(ここで、メチレンジオキシフェニルは、1個または2個のフッ素原子によって必要に応じて置換されている)
であり、
置換基のα1基は、
ハロゲン原子、
1~6アルキル(ここで、C1~6アルキルは、C3~8シクロアルキル、フェニル、およびC1~6アルコキシ(1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている1個のC3~8シクロアルキルによって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
ハロ-C1~6アルキル、
3~8シクロアルキル、
フェニル(ここで、フェニルは、置換基のα2基から選択される、同じかまたは異なっている1~3個の基によって必要に応じて置換されている)、
チエニル、
ピラゾリル(ここで、ピラゾリルは、1個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)、
イソオキサゾリル、
チアゾイル(ここで、チアゾイルは、1個または2個のC1~6アルキルによって必要に応じて置換されている)、
ピリジル(ここで、ピリジルは、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、およびハロ-C1~6アルコキシからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
キノリル、
1~6アルコキシ(ここで、C1~6アルコキシは、C3~8シクロアルキルおよびフェニル(ハロゲン原子およびC1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)からなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
ハロ-C1~6アルコキシ、
2~6アルケニルオキシ、
3~8シクロアルコキシ、
フェノキシ(ここで、フェノキシは、ハロゲン原子、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、およびハロ-C1~6アルコキシからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、
ピリジルオキシ(ここで、ピリジルオキシは、ハロゲン原子、C1~6アルキル、およびハロ-C1~6アルキルからなる群から選択される1個の基によって必要に応じて置換されている)、および
1~6アルキルスルファニル
からなり、
置換基のα2基は、ハロゲン原子、シアノ、ヒドロキシ、C1~6アルキル、ハロ-C1~6アルキル、フェニル、C1~6アルコキシ、ハロ-C1~6アルコキシ、C1~6アルキルカルボニル、およびジ-C1~6アルキルアミノスルホニルからなる]
または薬学的に許容されるその塩によって表される。
【0283】
特定の実施形態では、化合物は、N-[(1{[6-(4-クロロフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。化合物「N-[(1{[6-(4-クロロフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン」は、本明細書で使用される場合、「BGE-117」および「TP-518」と交換可能に使用される。
【0284】
特定の実施形態では、化合物は、N-[(1-{[6-(4-シクロプロピルフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0285】
特定の実施形態では、化合物は、N-[(4-ヒドロキシ-1-{[6-(3-メチルフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0286】
特定の実施形態では、化合物は、N-[(1-{[6-(3-フルオロフェノキシ)-3-ピリジニル]メチル}-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0287】
特定の実施形態では、化合物は、N-[(4-ヒドロキシ-1-{4-[(6-メチル-3-ピリジニル)オキシ]ベンジル}-2-オキソ-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジニル)カルボニル]グリシン、または薬学的に許容されるその塩である。
【0288】
特定の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、デシデュスタット、または薬学的に許容されるその塩である。
【0289】
特定の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、エナロデュスタット、または薬学的に許容されるその塩である。
【0290】
特定の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、モリデュスタット、または薬学的に許容されるその塩である。
【0291】
特定の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、ロキサデュスタット、または薬学的に許容されるその塩である。
【0292】
特定の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、ダプロデュスタット、または薬学的に許容されるその塩である。
【0293】
特定の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、バダデュスタット、または薬学的に許容されるその塩である。
【0294】
特定の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、1-(6-(2,6-ジメチルフェノキシ)-7-フルオロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸(JNJ-42905343)である。
【0295】
特定の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、JNJ-42041935である。
【0296】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤の用量は、POで1日当たり少なくとも0.5mg/kgである。
【0297】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤の用量は、POで1日当たり少なくとも2mg/kgである。
【0298】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤の用量は、POで1日当たり少なくとも4mg/kgである。
【0299】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤の用量は、POで1日当たり少なくとも8mg/kgである。
【0300】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤の用量は、POで1日当たり少なくとも12mg/kgである。
【0301】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤の用量は、POで1日当たり少なくとも14mg/kgである。
【0302】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤の用量は、POで1日1回少なくとも16mg/kgである。
【0303】
一部の実施形態では、用量は、0.5mg/kgである。
【0304】
一部の実施形態では、用量は、1mg/kgである。
【0305】
一部の実施形態では、用量は、2mg/kgである。
【0306】
一部の実施形態では、用量は、2.5~160mg/kgである。
【0307】
一部の実施形態では、用量は、1~30mgである。
【0308】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、経口投与される。
【0309】
一部の実施形態では、用量は、毎日投与される。
【0310】
一部の実施形態では、用量は、均等にまたは不均等に分割された複数の部分用量として投与される。
【0311】
一部の実施形態では、化合物は、式(3)の化合物である。
【化10】
5.3.4. 他のHIF-PH阻害剤
【0312】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、公知のHIF-PH阻害剤である。
【0313】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、エナロデュスタット、または薬学的に許容されるその塩である。ある特定の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、エナロデュスタットの誘導体である。
【0314】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、モリデュスタット、または薬学的に許容されるその塩である。ある特定の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、モリデュスタットの誘導体である。
【0315】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、ロキサデュスタット、または薬学的に許容されるその塩である。ある特定の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、ロキサデュスタットの誘導体である。
【0316】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、ダプロデュスタット、または薬学的に許容されるその塩である。ある特定の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、ダプロデュスタットの誘導体である。
【0317】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、バダデュスタット、または薬学的に許容されるその塩である。ある特定の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、バダデュスタットの誘導体である。
【0318】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、デシデュスタット、または薬学的に許容されるその塩である。ある特定の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、デシデュスタットの誘導体である。
【0319】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、ジメチルオキサリルグリシンである。
【0320】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、式(IV)の化合物を有するIOX2である。
【化11】
【0321】
一部の実施形態では、化合物は、(N-[[1,2-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-(フェニルメチル)-3-キノリニル]カルボニル]-グリシン、N-[[4-ヒドロキシ-2-オキソ-1-(フェニルメチル)-1,2-ジヒドロ-3-キノリニル]カルボニル]グリシン)である。
【0322】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、式(V)の化合物を有するIOX3である。
【化12】
【0323】
一部の実施形態では、化合物は、N-[(1-クロロ-4-ヒドロキシ-3-イソキノリニル)カルボニル]グリシンである。
【0324】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、低酸素誘導因子-1アルファ(HIF-1α)プロリルヒドロキシラーゼ阻害剤である。HIF-1α-PH阻害剤の非限定的な例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,999,971号に見出すことができる。ある特定の実施形態では、HIF-1α-PH阻害剤は、式
【化13】
を有する化合物
[式中、Lは、CHまたはSOから選択され、
Zは、式
【化14】
を有し、
Rは、水素に対する0~5個の置換基を表し、
指数nは、0~5の整数であり、
およびRは、それぞれ独立に、
i)水素、
ii)置換もしくは非置換C~C10直鎖、C~C10分岐、もしくはC~C10環式アルキル、
iii)置換もしくは非置換C~C10直鎖、C~C10分岐、もしくはC~C10環式アルケニル、
iv)置換もしくは非置換C~C10直鎖もしくはC~C10分岐アルキニル、
v)置換もしくは非置換CもしくはC10アリール、
vi)置換もしくは非置換C~C複素環式、
vii)置換もしくは非置換C~Cヘテロアリール
から選択されるか、または
viii)RおよびRは、一緒になって、2~20個の炭素原子および1~7個のヘテロ原子を有する、置換もしくは非置換複素環式環または置換もしくは非置換ヘテロアリール環を形成することができる]
または薬学的に許容されるその塩である。
【0325】
様々な実施形態では、Lは、CHである。
【0326】
他の様々な実施形態では、Lは、SOである。
【0327】
様々な実施形態では、各Rは、水素に対する、
i)置換または非置換C~C12直鎖、C~C12分岐、またはC~C12環式アルキル、
ii)置換または非置換C~C12直鎖、C~C12分岐、またはC~C12環式アルケニル、
iii)置換または非置換C~C12直鎖またはC~C12分岐アルキニル、
iv)CまたはC10置換または非置換アリール、
v)C~C置換または非置換複素環式、
vi)C~C11置換または非置換ヘテロアリール、
vii)ハロゲン、
viii)-[C(R23a)(R23b)]OR10
(R10は、
a)-H、
b)置換または非置換C~C12直鎖、C~C12分岐、またはC~C12環式アルキル、
c)CまたはC10置換または非置換アリールまたはアルキレンアリール、
d)C~C置換または非置換複素環式、
e)C~C11置換または非置換ヘテロアリール
から選択される)、
ix)-[C(R23a)(R23b)]N(R11a)(R11b
(R11aおよびR11bは、それぞれ独立に、
a)-H、
b)-OR12(R12は、水素またはC~C直鎖アルキルである)、
c)置換もしくは非置換C~C12直鎖、C~C12分岐、もしくはC~C12環式アルキル、
d)CもしくはC10置換もしくは非置換アリール、
e)C~C置換もしくは非置換複素環式、
f)C~C11置換もしくは非置換ヘテロアリール
から選択されるか、または
g)R11aおよびR11bは、一緒になって、3~10個の炭素原子、ならびに酸素、窒素および硫黄から選択される0~3個のヘテロ原子を有する置換もしくは非置換環を形成することができる)、
x)-[C(R23a)(R23b)]C(O)R13
(R13は、
a)置換または非置換C~C12直鎖、C~C12分岐、またはC~C12環式アルキル、
b)-OR14
であり、
14は、水素、置換または非置換C~C直鎖アルキル、CまたはC10置換または非置換アリール、C~C置換または非置換複素環式、C~C11置換または非置換ヘテロアリールである)、
c)-N(R15a)(R15b
(R15aおよびR15bは、それぞれ独立に、水素、置換もしくは非置換C~C12直鎖、C~C12分岐もしくはC~C12環式アルキル、CもしくはC10置換もしくは非置換アリール、C~C置換もしくは非置換複素環式、C~C11置換もしくは非置換ヘテロアリールであるか、またはR15aおよびR15bは、一緒になって、3~10個の炭素原子、ならびに酸素、窒素および硫黄から選択される0~3個のヘテロ原子を有する置換もしくは非置換環を形成することができる)、
xi)-[C(R23a)(R23b)]OC(O)R16
(R16は、
a)置換または非置換C~C12直鎖、C~C12分岐、またはC~C12環式アルキル、
b)-N(R17a)(R17b
であり、
17aおよびR17bは、それぞれ独立に、水素、置換もしくは非置換C~C12直鎖、C~C12分岐もしくはC~C12環式アルキル、CもしくはC10置換もしくは非置換アリール、C~C置換もしくは非置換複素環式、C~C11置換もしくは非置換ヘテロアリールであるか、またはR17aおよびR17bは、一緒になって、3~10個の炭素原子、ならびに酸素、窒素および硫黄から選択される0~3個のヘテロ原子を有する置換もしくは非置換環を形成することができる)、
xii)-[C(R23a)(R23b)]NR18C(O)R19
(R18は、
a)-H、または
b)置換もしくは非置換C~C直鎖、C~C分岐もしくはC~C環式アルキル
であり、
19は、
a)置換または非置換C~C12直鎖、C~C12分岐、またはC~C12環式アルキル、
b)N(R20a)(R20b
であり、R20aおよびR20bは、それぞれ独立に、水素、置換もしくは非置換C~C12直鎖、C~C12分岐もしくはC~C12環式アルキル、CもしくはC10置換もしくは非置換アリール、C~C置換もしくは非置換複素環式、C~C11置換もしくは非置換ヘテロアリールであるか、またはR20aおよびR20bは、一緒になって、3~10個の炭素原子、ならびに酸素、窒素および硫黄から選択される0~3個のヘテロ原子を有する置換もしくは非置換環を形成することができる)、
xiii)-[C(R23a)(R23b)]CN、
xiv)-[C(R23a)(R23b)]NO
xv)-[C(R23a)(R23b)]21
(R21は、-F、-Cl、-Br、または-Iから選択される1~21個のハロゲン原子によって置換されているC~C10直鎖、分岐、または環式アルキルである)、
xvi)-[C(R23a)(R23b)]SO22
(R22は、水素、ヒドロキシル、置換もしくは非置換C~C直鎖もしくはC~C分岐アルキル、置換もしくは非置換C、C10もしくはC1~4アリール、C~C15アルキレンアリール、C~C置換もしくは非置換複素環式、またはC~C11置換もしくは非置換ヘテロアリールであり、
23aおよびR23bは、それぞれ独立に、水素またはC~Cアルキルであり、
指数xは、0~5の整数である)
から独立に選択される置換基であり、
Zは、4-クロロフェニルである。
【0328】
様々な実施形態では、Zは、2-クロロフェニル、3-クロロフェニル、2-フルオロフェニル、3-フルオロフェニル、または4-フルオロフェニルから選択される。
【0329】
ある特定の実施形態では、HIF-1αプロリルヒドロキシラーゼ阻害剤は、
1-ベンジル-3-ヒドロキシ-4-(ピペリジン-1-イルメチル)ピリジン-2(1H)-オン;
1-ベンジル-3-ヒドロキシ-4-(モルホリン-4-イルメチル)ピリジン-2(1H)-オン;
1-ベンジル-3-ヒドロキシ-4-(チオモルホリン-4-イルメチル)ピリジン-2(1H)-オン;
1-ベンジル-3-ヒドロキシ-4-(チアゾリジン-3-イルメチル)ピリジン-2(1H)-オン;
1-ベンジル-3-ヒドロキシ-4-(ピロリジン-1-イルメチル)ピリジン-2(1H)-オン;
1-ベンジル-3-ヒドロキシ-4-(4-ベンジルピペリジン-1-イルメチル)ピリジン-2(1H)-オン;
1-ベンジル-3-ヒドロキシ-4-(4-ベンジルピペラジン-1-イルメチル)ピリジン-2(1H)-オン;
1-ベンジル-3-ヒドロキシ-4-[(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル]ピリジン-2(1H)-オン;
1-ベンジル-3-ヒドロキシ-4-(1,4-ジオキサ-8-アザスピロ[4,5]デカ-8-イルメチル)ピリジン-2(1H)-オン;
1-ベンジル-3-ヒドロキシ-4-アゼパン-1-イルメチルピリジン-2(1H)-オン;
1-ベンジル-3-ヒドロキシ-4-(アゾカン-1-イルメチル)ピリジン-2(1H)-オン;
1-ベンジル-3-ヒドロキシ-(1,4’-ビピペリジニル-1’-イルメチル)ピリジン-2(1H)-オン;
1-ベンジル-3-ヒドロキシ-4-[(3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチル]ピリジン-2(1H)-オン;
メチル1-[(1-ベンジル-3-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-イル)メチル]ピロリジン-2-カルボキシレート;
1-ベンジル-3-ヒドロキシ-4-{[2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-イル]メチル}ピリジン-2(1H)-オン;
1-ベンジル-3-ヒドロキシ-4-{[2-(ピリジン(pyrdine)-2-イル)ピロリジン-1-イル]メチル}ピリジン-2(1H)-オン;
1-ベンジル-3-ヒドロキシ-4-[4-(6-クロロピリダジン-3-イル)ピペラジン-1-イルメチル]ピリジン-2(1H)-オン;
1-ベンジル-3-ヒドロキシ-4-[4-(2-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イルメチル]ピリジン-2(1H)-オン;
1-(3-メトキシベンジル)-3-ヒドロキシ-4-(ピペリジン-1-イルメチル)ピリジン-2(1H)-オン;
1-ベンジル-3-ヒドロキシ-4-{[3-(1-H-イミダゾール-1-イル)プロピルアミノ]メチル}ピリジン-2(1H)-オン;
1-ベンジル-3-ヒドロキシ-4-(ベンジルアミノメチル)ピリジン-2(1H)-オン;
1-ベンジル-3-ヒドロキシ-4-{[(2-(ピリジン-2-イル)エチルアミノ]メチル}ピリジン-2(1H)-オン;
1-ベンジル-3-ヒドロキシ-4-{[(テトラヒドロフラン-2-イルメチル)アミノ]メチル}ピリジン-2(1H)-オン;
1-ベンジル-3-ヒドロキシ-4-[(2-メトキシエチルアミノ)メチル]ピリジン-2(1H)-オン;
1-ベンジル-3-ヒドロキシ-4-[(1-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イルアミノ)メチル]ピリジン-2(1H)-オン;
1-ベンジル-3-ヒドロキシ-4-[(ピリジン-4-イルメチルアミノ)メチル]ピリジン-2(1H)-オン;
1-ベンジル-3-ヒドロキシ4-{[(フラン-2-イルメチル)アミノ]メチル}ピリジン-2(1H)-オン;
1-ベンジル-3-ヒドロキシ-4-{[2-(メチルチオ)エチルアミノ]メチル}ピリジン-2(1H)-オン;
1-ベンジル-3-ヒドロキシ-4-[(4-メトキシベンジルアミノ)メチル]ピリジン-2(1H)-オン;
1-ベンジル-3-ヒドロキシ-4-[(1-フェニルエチルアミノ)メチル]ピリジン-2(1H)-オン;
1-ベンジル-3-ヒドロキシ-4-(シクロヘプチルアミノメチル)ピリジン-2(1H)-オン;
1-ベンジル-3-ヒドロキシ-4-[(4-メチルシクロヘキシルアミノ)メチル]ピリジン-2(1H)-オン;
1-ベンジル-3-ヒドロキシ-4-[(1-ベンジルピペリジン-4-イルアミノ)メチル]ピリジン-2(1H)-オン;
3-[(1-ベンジル-3-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-イル)メチルアミノ]アゼパン-2-オン;
1-ベンジル-3-ヒドロキシ-4-[(1-ベンジルピロリジン-3-イルアミノ)メチル]ピリジン-2(1H)-オン;
(R)-1-ベンジル-3-ヒドロキシ-4-[(1-フェニルエチルアミノ)メチル]ピリジン-2(1H)-オン;
1-ベンジル-3-ヒドロキシ-4-[([1,3]ジオキソラン-2-イルメチルメチルアミノ)メチル]ピリジン-2(1H)-オン;
1-(4’-メチルベンゼンスルホニル)-3-ヒドロキシ-4-(ピロリジン-1-イルメチル)ピリジン-2(1H)-オン;
1-(4’-メチルベンゼンスルホニル)-3-ヒドロキシ-4-チアゾリジン-3-イルメチルピリジン-2(1H)-オン;
1-(4’-メチルベンゼンスルホニル)-3-ヒドロキシ-4-アゾカン-1イルメチルピリジン-2(1H)-オン;
1-(4’-メチルベンゼンスルホニル)-3-ヒドロキシ-4-(4-フェニルピペラジン-1-イルメチル)-ピリジン-2(1H)-オン;
1-(4’-メチルベンゼンスルホニル)-3-ヒドロキシ-4-[1,4’]ビピペリジニル-1’-イルメチルピリジン-2(1H)-オン;
1-(4’-メチルベンゼンスルホニル)-3-ヒドロキシ-4-[4-(6-クロロピリダジン-3-イル)ピペラジン-1-イルメチル]ピリジン-2(1H)-オン;
1-(4’-メチルベンゼンスルホニル)-3-ヒドロキシ-4-(ベンジルアミノメチル)ピリジン-2(1H)-オン;または
1-(4’-メチルベンゼンスルホニル)-3-ヒドロキシ-4-[(2-メトキシエチルアミノ)メチル]-ピリジン-2(1H)-オン
から選択される。
【0330】
ある特定の実施形態では、HIF-1αプロリルヒドロキシラーゼ阻害剤は、式
【化15】
[式中、Zは、フッ素および塩素から選択される1~5個のハロゲンで置換されているフェニルであり、
は、C~C直鎖アルキルまたはC~C分岐アルキルである]
を有するか、または薬学的に許容されるその塩である。
【0331】
様々な実施形態では、R4は、tert-ブチルである。
【0332】
様々な実施形態では、Zは、4-クロロフェニルである。
【0333】
ある特定の実施形態では、1つまたは複数の化合物は、tert-ブチル4-{[1-(4-クロロベンジル)-3-ヒドロキシ-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-イル]メチル}-ピペラジン-1-カルボキシレート、または塩酸塩、硫酸水素塩、硫酸塩、p-トルエンスルホニル塩、メタンスルホニル塩およびそれらの混合物から選択される薬学的に許容される塩である。
【0334】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、鉄キレーター、2-オキソグルタル酸模倣薬、および修飾アミノ酸、例えばプロリンアナログ、または2-オキソグルタル酸模倣薬として機能する化合物である。ある特定の実施形態では、2-オキソグルタル酸模倣薬は、複素環式カルボキサミドである。ある特定の実施形態では、複素環式カルボキサミドは、2-オキソグルタル酸の構造的模倣薬である。ある特定の実施形態では、複素環式カルボキサミド化合物は、複素環式カルボニルグリシン化合物である。様々な実施形態では、複素環式カルボキサミドは、キノリンカルボキサミド、イソキノリンカルボキサミド、ピリジンカルボキサミド、シンノリンカルボキサミド、またはベータ-カルボリンカルボキサミドである。HIF-PH阻害剤の非限定的な例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,775,902号に見出すことができる。ある特定の実施形態では、HIF-PH阻害剤には、限定されるものではないが、[(1-クロロ-4-ヒドロキシ-イソキノリン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸、[(7-クロロ-3-ヒドロキシ-キノリン-2-カルボニル)-アミノ]-酢酸、[(3-ヒドロキシ-6-フェノキシ-キノリン-2-カルボニル)-アミノ]-酢酸、[(1-クロロ-4-ヒドロキシ-5-メチル-イソキノリン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸、[(4-ヒドロキシ-7-フェニルスルファニル-イソキノリン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸、{[4-ヒドロキシ-7-(4-メトキシ-フェノキシ)-イソキノリン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸、{[7-(4-フルオロ-フェノキシ)-4-ヒドロキシ-イソキノリン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸、{[1-クロロ-4-ヒドロキシ-6-(4-メトキシ-フェノキシ)-イソキノリン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸、2-[(4-ヒドロキシ-7-フェノキシ-イソキノリン-3-カルボニル)-アミノ]-プロピオン酸、[(4-ヒドロキシ-1-メチル-7-フェノキシ-イソキノリン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸、[(4-ベンジルオキシ-1-メチル-7-フェノキシ-イソキノリン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸、[(4-クロロ-7-ヒドロキシ-チエノ[3,2-c]ピリジン-6-カルボニル)-アミノ]-酢酸、[(7-エチニル-4-ヒドロキシ-チエノ[2,3-c]ピリジン-5-カルボニル)-アミノ]-酢酸、{[4-ヒドロキシ-7-(2-メチル-ベンゾオキサゾール-6-イルオキシ)-イソキノリン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸、{[7-(ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イルオキシ)-4-ヒドロキシ-イソキノリン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸、{[2-(4-フルオロ-フェニル)-4-ヒドロキシ-7-メチル-チエノ[2,3-c]ピリジン-5-カルボニル]-アミノ}-酢酸、{[2-(4-クロロ-フェニル)-6-ヒドロキシ-チエノ[3,2-b]ピリジン-5-カルボニル]-アミノ}-酢酸、{[1-シアノ-7-(4-フルオロ-フェノキシ)-4-ヒドロキシ-イソキノリン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸、[(7-クロロ-1-シアノ-4-ヒドロキシ-イソキノリン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸、[(7-クロロ-3-ヒドロキシ-4-ヨード-キノリン-2-カルボニル)-アミノ]酢酸、{[1-(4-クロロ-フェニルスルファニル)-4-ヒドロキシ-イソキノリン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸、[(7-シクロヘキシルスルファニル-4-ヒドロキシ-イソキノリン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸、[(1-シアノ-4-ヒドロキシ-8-フェノキシ-イソキノリン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸、{[7-(2,3-ジヒドロ-ベンゾフラン-5-イルオキシ)-4-ヒドロキシ-イソキノリン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸、2-[(4-ヒドロキシ-7-フェニルスルファニル-イソキノリン-3-カルボニル)-アミノ]-プロピオン酸、{[1-(2-フルオロ-フェノキシ)-4-ヒドロキシ-イソキノリン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸、[(4-ヒドロキシ-1-メチル-6-フェノキシ-イソキノリン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸、{[4-ヒドロキシ-6-(ピリジン-2-イルスルファニル)-イソキノリン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸、[(4-ヒドロキシ-7-フェノキシ-イソキノリン-3-カルボニル)-アミノ]酢酸、[(2,4-ジブロモ-7-ヒドロキシ-チエノ[3,2-c]ピリジン-6-カルボニル)-アミノ]-酢酸、[(4-ブロモ-7-ヒドロキシ-チエノ[3,2-c]ピリジン-6-カルボニル)-アミノ]-酢酸、{[4-ヒドロキシ-1-メチル-7-(2-メチル-ベンゾオキサゾール-6-イルオキシ)-イソキノリン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸、[(7-ヒドロキシ-2-フェノキシ-チエノ[3,2-c]ピリジン-6-カルボニル)-アミノ]-酢酸、[(4-シアノ-7-ヒドロキシ-チエノ[3,2-c]ピリジン-6-カルボニル)-アミノ]-酢酸、[(4-フラン-3-イル-7-ヒドロキシ-チエノ[3,2-c]ピリジン-6-カルボニル)-アミノ]-酢酸、{[2,3-ビス-(4-フルオロ-フェニル)-7-ヒドロキシ-チエノ[3,2-c]ピリジン-6-カルボニル]-アミノ}-酢酸、[(1-ホルミル-4-ヒドロキシ-6-フェノキシ-イソキノリン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸、{[1-シアノ-6-(2,6-ジメチル-フェノキシ)-4-ヒドロキシ-イソキノリン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸、[(1-シアノ-4-ヒドロキシ-5-フェノキシ-イソキノリン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸、{[6-(ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イルオキシ)-1-シアノ-4-ヒドロキシ-イソキノリン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸、{[1-シアノ-6-(2,3-ジヒドロ-ベンゾフラン-5-イルオキシ)-4-ヒドロキシ-イソキノリン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸、{[1-シアノ-4-ヒドロキシ-8-(3-メトキシ-フェノキシ)-イソキノリン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸、{[1-シアノ-4-ヒドロキシ-6-(2-メチル-ベンゾオキサゾール-6-イルオキシ)-イソキノリン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸、[(7-ベンジル-1-シアノ-4-ヒドロキシ-イソキノリン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸、{[1-シアノ-5-(4-フルオロ-フェノキシ)-4-ヒドロキシ-イソキノリン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸、[(7-クロロ-4-エチル-3-ヒドロキシ-キノリン-2-カルボニル)-アミノ]-酢酸、{[7-クロロ-3-ヒドロキシ-4-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-キノリン-2-カルボニル]-アミノ}-酢酸、[(6,7-ジクロロ-4-ヒドロキシ-イソキノリン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸、[(4-ヒドロキシ-8-フェニル-イソキノリン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸、[(4-ヒドロキシ-6,7-ジフェノキシ-イソキノリン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸、{[7-(4-フルオロ-フェノキシ)-4-ヒドロキシ-1-メチル-イソキノリン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸、[(1-シアノ-4-ヒドロキシ-7-フェノキシ-イソキノリン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸、{[8-(4-フルオロ-フェノキシ)-4-ヒドロキシ-1-メチル-イソキノリン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸、{[1-シアノ-8-(4-フルオロ-フェノキシ)-4-ヒドロキシ-イソキノリン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸、[(1-シアノ-4-ヒドロキシ-6-フェノキシ-イソキノリン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸、および{[1-シアノ-6-(4-フルオロ-フェノキシ)-4-ヒドロキシ-イソキノリン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸が含まれていてもよい。
【0335】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、[(1-クロロ-4-ヒドロキシ-イソキノリン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸、[(4-ヒドロキシ-7-フェノキシ-イソキノリン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸、[(4-ヒドロキシ-7-フェニルスルファニル-イソキノリン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸、および3-{([4-(3,3-ジベンジル-ウレイド)-ベンゼンスルホニル]-[2-(4-メトキシ-フェニル)-エチル]-アミノ}-N-ヒドロキシ-プロピオンアミドから選択される化合物である。本開示において使用することができるHIF-PH阻害剤の非限定的な例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,629,131号に見出すことができる。
【0336】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、1-(6-(2,6-ジメチルフェノキシ)-7-フルオロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸(JNJ-42905343)である。ある特定の実施形態では、JNJ-42905343は、式
【化16】
の化合物を含む。
【0337】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、1-(5-クロロ-6-(トリフルオロメトキシ)-1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸(JNJ-42041935)である。
5.3.5. 医薬組成物
【0338】
本明細書に記載される方法において使用されるHIF-PH阻害剤は、任意の適切な投与経路によって投与するのに適した任意の医薬組成物に製剤化することができる。適切な投与経路には、限定されるものではないが、経口および静脈内投与経路が含まれる。適切な経路には、経口吸入による投与を含む経肺投与も含まれる。最も適切な経路は、レシピエントの状態および障害に応じて決まり得る。製剤は、好都合には、単位剤形で提示することができ、調剤分野で公知の方法のいずれかによって調製することができる。
【0339】
すべての方法が、HIF-PH阻害剤またはその塩を、1種または複数の賦形剤を構成する担体と合わせる工程が含む。一般に製剤は、活性成分を、液体担体または微粉砕固体担体またはその両方と均一かつ十分に合わせ、次に必要に応じて、生成物を所望の製剤に成形することによって調製される。
【0340】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される方法において使用される投与経路は、非経口投与である。ある特定の実施形態では、本明細書に記載される方法において使用される投与経路は、静脈内投与である。ある特定の実施形態では、本明細書に記載される方法において使用される投与経路は、経口投与である。
【0341】
経口投与に適した本発明の方法の製剤は、それぞれ所定量の活性成分を含有する別個の単位、例えばカプセル剤、カシェ剤もしくは錠剤として、散剤もしくは顆粒剤として、水性液体もしくは非水性液体中の溶液剤もしくは懸濁液剤として、または水中油液体エマルションもしくは油中水液体エマルションとして提示され得る。活性成分はまた、ボーラス剤、舐剤またはペースト剤として提示され得る。
【0342】
錠剤は、必要に応じて1種または複数の補助成分と共に圧縮または成型することによって作製され得る。圧縮錠剤は、適切な機械内で、必要に応じて結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、潤滑剤、表面活性剤または分散化剤と混合された、自由流動形態、例えば粉末または顆粒の活性成分を圧縮することによって調製され得る。成型錠剤は、不活性な液体希釈剤で湿潤させられた粉末化化合物の混合物を、適切な機械内で成型することによって作製され得る。錠剤は、必要に応じて、コーティングまたは割線を施すことができ、錠剤の活性成分を徐放、遅延放出または制御放出するように製剤化され得る。
【0343】
非経口投与のための製剤には、抗酸化剤、緩衝剤、静菌薬、および製剤を所期のレシピエントの血液と等張にする溶質を含有し得る、水性および非水性の無菌注射溶液剤が含まれる。非経口投与のための製剤には、懸濁化剤および増粘剤を含み得る水性および非水性の無菌懸濁液剤も含まれる。製剤は、多用量容器の単回用量、例えば封止アンプルおよびバイアルで提示することができ、使用直前に無菌液体担体、例えば食塩水、リン酸緩衝食塩水(PBS)などを添加するだけでよいフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保存され得る。即時注射用溶液剤および懸濁液剤は、上記の種類の滅菌散剤、顆粒剤および錠剤から調製され得る。
【0344】
医薬組成物は、1種または複数の医薬賦形剤を含み得る。任意の適切な医薬賦形剤を使用することができ、当業者は、適切な医薬賦形剤を選択することができる。したがって、以下に提供される医薬賦形剤は、例示的なものであることを企図され、限定的なものではない。さらなる医薬賦形剤には、例えば、その全体が参照により組み込まれるHandbook of Pharmaceutical Excipients, 8th Revised Ed. (2017)に記載されるものが含まれる。
【0345】
「薬学的に許容される塩」という用語は、無機酸および無機塩基ならびに有機酸および有機塩基を含む薬学的に許容される非毒性の酸または塩基から調製された塩を指す。薬学的に許容される塩の非限定的な例として、限定されるものではないが、鉱酸塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、および硝酸塩;スルホン酸塩、例えばメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、およびトリフルオロメタンスルホン酸塩;有機酸塩、例えばシュウ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、安息香酸塩、マンデル酸塩、アスコルビン酸塩、乳酸塩、グルコン酸塩、およびリンゴ酸塩を含む酸付加塩;アミノ酸塩、例えばグリシン塩、リシン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸、およびアスパラギン酸;無機塩、例えばリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、およびマグネシウム塩;ならびに有機塩基との塩、例えばアンモニウム塩、トリエチルアミン塩、ジイソプロピルアミン塩、およびシクロヘキシルアミン塩が挙げられる。
5.3.6. 投薬量レジメン
【0346】
様々な実施形態では、HIF-PH阻害剤は、加齢性状態、例えば限定されるものではないが、虚弱、貧血、慢性腎疾患を伴う貧血、加齢性貧血、疲労、線維症、炎症、筋肉老化、股関節骨折/股関節骨折機能回復、ICU後機能回復 筋肉減少症、組織傷害、および虚血性障害を処置するのに十分な用量で投与される。
【0347】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、少なくとも0.001mg/kgの量で投与される。ある特定の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、少なくとも0.01mg/kgの量で投与される。ある特定の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、少なくとも0.05mg/kgの量で投与される。ある特定の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、少なくとも0.5mg/kgの量で投与される。ある特定の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、少なくとも1mg/kgの量で経口投与される。ある特定の実施形態では、用量は、少なくとも2mg/kg、少なくとも3mg/kg、少なくとも4mg/kg、少なくとも5mg/kg、少なくとも6mg/kg、少なくとも7mg/kg、少なくとも8mg/kg、少なくとも9mg/kg、または少なくとも10mg/kgである。
【0348】
様々な実施形態では、HIF-PH阻害剤の用量は、少なくとも0.01mg/kgである。様々な実施形態では、HIF-PH阻害剤の用量は、少なくとも0.1mg/kgである。様々な実施形態では、HIF-PH阻害剤の用量は、少なくとも0.5mg/kgである。様々な実施形態では、HIF-PH阻害剤の用量は、少なくとも1mg/kgである。様々な実施形態では、HIF-PH阻害剤の用量は、少なくとも1.5mg/kg、少なくとも2mg/kg、少なくとも2.5mg/kg、少なくとも3mg/kg、少なくとも3.5mg/kg、少なくとも4mg/kg、少なくとも4.5mg/kg、少なくとも5mg/kg、少なくとも5.5mg/kg、少なくとも6mg/kg、少なくとも6.5mg/kg、少なくとも7mg/kg、少なくとも7.5mg/kg、少なくとも8mg/kg、少なくとも8.5mg/kg、少なくとも9mg/kg、少なくとも9.5mg/kg、または少なくとも10mg/kgである。ある特定の実施形態では、用量は、少なくとも5mg/kg、少なくとも10mg/kg 少なくとも15mg/kg、少なくとも20mg/kg、少なくとも25mg/kg、30mg/kg、少なくとも35mg/kg、少なくとも40mg/kg、少なくとも45mg/kg、少なくとも50mg/kg、少なくとも55mg/kg、少なくとも60mg/kg、少なくとも65mg/kg、少なくとも70mg/kg、少なくとも75mg/kg、少なくとも80mg/kg、少なくとも85mg/kg、少なくとも90mg/kg、少なくとも95mg/kg、少なくとも100mg/kg、少なくとも125mg/kg、少なくとも150mg/kg、少なくとも160mg/kg、少なくとも175mg/kg、または少なくとも200mg/kgである。ある特定の実施形態では、用量は、250mg/kg、300mg/kg、350mg/kg、400mg/kg、450mg/kg、500mg/kg、600mg/kg、650mg/kg、700mg/kg、750mg/kg、800mg/kg、850mg/kg、900mg/kg、950mg/kg、または1000mg/kgである。ある特定の実施形態では、用量は、1日当たり0.001mg/kg~100mg/kgである。ある特定の実施形態では、用量は、1日当たり2mg/kg~100mg/kgである。ある特定の実施形態では、用量は、1日当たり25mg/kg~1000mg/kgである。
【0349】
ある特定の実施形態では、用量は、POで1日当たり少なくとも0.01mg/kgである。ある特定の実施形態では、用量は、POで1日当たり少なくとも0.1mg/kgである。ある特定の実施形態では、用量は、POで1日当たり少なくとも0.05mg/kgである。ある特定の実施形態では、用量は、POで1日当たり少なくとも0.5mg/kgである。ある特定の実施形態では、用量は、POで1日当たり少なくとも1mg/kgである。ある特定の実施形態では、用量は、POで1日当たり少なくとも2mg/kgである。ある特定の実施形態では、用量は、POで1日当たり少なくとも3mg/kgである。ある特定の実施形態では、用量は、POで1日当たり少なくとも4mg/kgである。ある特定の実施形態では、用量は、POで1日当たり少なくとも5mg/kgである。ある特定の実施形態では、用量は、POで1日当たり少なくとも6mg/kgである。ある特定の実施形態では、用量は、POで1日当たり少なくとも7mg/kgである。ある特定の実施形態では、用量は、POで1日当たり少なくとも8mg/kgである。ある特定の実施形態では、用量は、POで1日当たり少なくとも9mg/kgである。ある特定の実施形態では、用量は、POで1日当たり少なくとも10mg/kgである。ある特定の実施形態では、用量は、POで1日当たり少なくとも11mg/kgである。ある特定の実施形態では、用量は、POで1日当たり少なくとも12mg/kgである。ある特定の実施形態では、用量は、POで1日当たり少なくとも13mg/kgである。
【0350】
様々な実施形態では、HIF-PH阻害剤の用量は、少なくとも0.5mg/kgである。ある特定の実施形態では、用量は、少なくとも1mg/kgである。ある特定の実施形態では、用量は、少なくとも40mg/kg、少なくとも40mg/kg、少なくとも50mg/kg、少なくとも100mg/kg、少なくとも150mg/kg、少なくとも175mg/kg、または少なくとも200mg/kgである。ある特定の実施形態では、用量は、250mg/kg、500mg/kg、750mg/kg、または1000mg/kgである。ある特定の実施形態では、用量は、1日当たり25mg/kg~1,000mg/kgである。
【0351】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、0.001mg/kg、0.01mg/kg、0.02mg/kg、0.03mg/kg、0.04mg/kg、0.05mg/kg、0.06mg/kg、0.07mg/kg、0.08mg/kg、0.09mg/kgまたは0.1mg/kgの用量で投与される。一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、0.1mg/kg、0.1mg/kg、0.2mg/kg、0.3mg/kg、0.4mg/kg、0.5mg/kg、0.6mg/kg、0.7mg/kg、0.8mg/kg、0.9mg/kg、または1.0mg/kgの用量で投与される。一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、1.5mg/kg、2mg/kg、2.5mg/kg、3mg/kg、3.5mg/kg、4mg/kg、4.5mg/kg、または5mg/kgの用量で投与される。一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、10mg/kg、12mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、30mg/kg、40mg/kg、または50mg/kgの用量で投与される。一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、10mg/kg、50mg/kg、8mg/kg、100mg/kg、150mg/kg、200mg/kg、250mg/kg、300mg/kg、350mg/kg、400mg/kg、または450mg/kg、500mg/kg、550mg/kg、600mg/kg、650mg/kg、700mg/kg、750mg/kg、800mg/kg、850mg/kg、900mg/kg、950mg/kg、または1000mg/kgの用量で投与される。
【0352】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、患者の体重または表面積とは独立な用量(固定用量(flat dose))で投与される。
【0353】
一部の実施形態では、固定用量は、0.001mg、0.01mg、0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.5mg、0.6mg、0.7mg、0.8mg、0.9mg、または1mgである。一部の実施形態では、固定用量は、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、または10mgである。一部の実施形態では、固定用量は、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、または20mgである。一部の実施形態では、固定用量は、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、46mg、47mg、48mg、49mg、または50mgである。一部の実施形態では、固定用量は、40mg、42mg、44mg、46mg、48mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg、または100mgである。一部の実施形態では、固定用量は、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、800mg、900mg、または1000mgである。一部の実施形態では、固定用量は、0.1~40mgの範囲である。一部の実施形態では、固定用量は、12~30mgの範囲である。一部の実施形態では、固定用量は、0.1~1mg、1~10mg、10~15mg、15~20mg、20~30mg、30~40mg、または40~50mgである。一部の実施形態では、固定用量は、1~50mg、50~100mg、100mg~200mg、200mg~300mg、300mg~400mg、400mg~500mg、500mg~600mg、600mg~700mg、700mg~800mg、800mg~900mg、または900mg~1000mgである。
【0354】
様々な実施形態では、用量は、1~5000mgである。様々な実施形態では、固定用量は、12~30mgである。様々な実施形態では、固定用量は、1~11mgである。様々な実施形態では、固定用量は、12~40mgである。ある特定の実施形態では、用量は、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、375mg、400mg、450mg、500mg、550mg、600mg、650mg、700mg、750mg、800mg、850mg、900mg、950mg、または1000mgである。ある特定の実施形態では、用量は、1500mg、2000mg、2500mg、3000mg、3500mg、4000mg、4500mg、または5000mgである。
【0355】
様々な実施形態では、用量は、25~2000mgである。ある特定の実施形態では、用量は、25mg、50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、350mg、375mg、400mg、425mg、450mg、475mg、500mg、525mg、550mg、575mg、600mg、625mg、650mg、675mg、700mg、725mg、750mg、775mg、800mg、825mg、900mg、925mg、950mg、975mg、または1000mgである。
【0356】
HIF-PH阻害剤は、単回用量または多回用量で投与することができる。様々な実施形態では、HIF-PH阻害剤は、1日に1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、7日に1回、14日に1回、21日に1回、28日に1回、または1カ月に1回投与される。様々な実施形態では、HIF-PH阻害剤は、1日に2回、2日に2回、3日に2回、4日に2回、5日に2回、6日に2回、7日に2回、14日に2回、21日に2回、28日に2回、または1カ月に2回投与される。様々な実施形態では、HIF-PH阻害剤は、週1回、週2回、週3回、週4回、または週5回投与される。
5.3.7. 剤形
【0357】
一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤またはその塩は、懸濁液剤で投与される。他の実施形態では、HIF-PH阻害剤またはその塩は、溶液剤で投与される。一部の実施形態では、HIF-PH阻害剤またはその塩は、固体剤形で投与される。特定の実施形態では、固体剤形は、カプセル剤である。特定の実施形態では、固体剤形は、錠剤である。具体的な実施形態では、HIF-PH阻害剤は、結晶形態または非晶質形態である。特定の実施形態では、HIF-PH阻害剤は、非晶質形態である。
【実施例
【0358】
5.4. 実施例
以下は、本開示を行うための具体的な実施形態の実施例である。実施例は、単に例示目的で提供され、本開示の範囲を限定することを決して企図するものではない。使用される数(例えば、量、温度など)に関して正確さを確保するよう努めたが、当然のことながら、いくらかの実験誤差および偏差が許容されるべきである。
【0359】
本開示の実施では、別段指定されない限り、当業者の知る範囲内のタンパク質化学、生化学、組換えDNA技術および薬理学の従来の方法を用いる。このような技術は、文献において完全に説明されている。
5.4.1.
(実施例1)
バイオインフォマティクス分析により、ヒトの健康な加齢コホートにおけるHIF1αおよびHIF-PHの、総死亡率(生存)および可動性低下事象との関係を特定する
【0360】
生存予測モデルを使用して、HIF1αおよびHIF-PHの血清レベルと、ヒトの健康な加齢コホートにおける総死亡率の将来リスクとの関係を、それらのコホートからの臨床転帰データおよびアーカイブ試料で作製されたプロテオミクスデータを使用して、生存モデリングに基づいて調査した。加えて、HIF1αおよびHIF-PHレベルと、可動性低下事象(例えば、自己申告による活動困難によって示される、歩行、階段を上る、または移動活動能力の低下)との関係を、コックス比例ハザードモデルを使用して調査し、HIF1αおよびHIF-PHのそれぞれについてハザード比および関連p値を作製した。
【0361】
図2Aに示される通り、HIF-1αタンパク質レベルの上20%(実線)対下20%(破線)の、ヒトについての生存確率のカプラン-マイヤー曲線を作製した。本発明者らは、ヒトにおいて、HIF1αのより高い循環レベルが、総死亡率の低下(p=0.0029)と関連することを発見した。図2Bは、タンパク質レベルによる生存ハザード比の非線形フィットを作製するために制限付き三次スプラインと共に使用した類似のモデルを示し、ここで本発明者らは、HIF-PHのより高い循環レベルが、総死亡率の上昇(p=0.0201)と関連することを発見した。破線は、実線についての95%信頼区間を示す。HIF1α(0.90)およびHIF PH(1.08)のハザード比を、コックス比例ハザードモデルを使用して作製した。図2Aおよび2Bのp値を、各場合のハザード比が1に等しいとする帰無仮説の試験に基づいて、これらのハザード比について計算した。
【0362】
生存確率モデルのHIF1αおよびHIF-PHのハザード比は、より高いレベルのHIF1αが、より良好な将来的身体機能と関連し、より高いレベルのHIF-PHが、将来的身体機能の悪化と関連することを示した。
【0363】
同様に、図2C~2Dは、加齢関連病的状態の病因へのHIF経路の関与を実証する。図2Dは、良好な転帰の確率上昇(y軸)によって図示される通り、より高いレベルのHIF1α(x軸)が、寿命(≧85歳の生存)および身体機能(≧85歳の良好な可動性)の改善と相関することを示す。図2Cは、良好な転帰の確率上昇(y軸)によって図示される通り、より低いレベルのHIF-PH(x軸)が、寿命(≧85歳の生存)および身体機能(≧85歳の良好な可動性)の改善と相関することを示す。
5.4.2.
(実施例2)
下流HIF1α標的遺伝子は、加齢した健康なヒトにおけるHIF-1αレベルによって影響を受ける
【0364】
実施例1に記載される通り、それ以外は健康な加齢したヒトにおけるベースラインHIF1α経路タンパク質レベルと将来的な加齢性転帰との関連の発見に基づいて、同じコホートを使用して、HIF-1αのタンパク質血清レベルおよび公知のHIF-1α標的遺伝子のタンパク質血清レベルに対する年齢の効果を決定した。
【0365】
図17に示される通り、HIF-1α血清タンパク質濃度は、図2Aのヒトの健康な加齢コホートの年齢と共に低下する(中年群:52~62歳および高齢群:71~83歳)。
【0366】
図18のヒートマップは、52~62歳の間の1つの時点と、71~83歳の間の第2の時点(時点はおよそ20年離れている)と2つの時点の間の、同じ個体におけるHIF-1αの選択された下流標的遺伝子(KRT18、DDT4、ADM、IGFBP3、TFRC、TGFB3、HSP0B1、PLAUR、TFF3、またはIGFBP2)によってコードされる血清タンパク質レベルの上方調節または下方調節を示す。図18のヒートマップから分かる通り、ヒートマップの血清タンパク質の発現の差は、下流HIF-1α遺伝子レベル(例えば、上方調節または下方調節)が、年齢と共にHIF-1α変化レベルが変化すると影響を受けることを示す。したがって、HIF-1αシグナル伝達経路は、HIF-1αの低下に起因して、ヒト高齢者では活性化されにくい。
5.4.3.
(実施例3)
BGE-117は老齢(高齢)マウスの活動レベルを改善する
【0367】
(i)実施例1に記載される通り、それ以外は健康な加齢したヒトにおけるベースラインHIF1α経路タンパク質レベルと将来的な加齢性転帰との関連、ならびに(ii)実施例2に記載される通り、加齢中のHIF1αおよびその下流標的のレベルの低下の発見に基づいて、HIFプロリルヒドロキシラーゼの阻害剤を高齢マウスに投与して、自発的身体活動に対する阻害剤の効果を、同齢の対照と比較してアセスメントした。
【0368】
BGE-117(TP0463518およびTP518としても公知)は、以下に示される構造を有する。
【化17】
【0369】
BGE-117は、慢性腎疾患を有する患者および正常な健康ヒトボランティアにおいてHIF-PHを阻害し、EPO生成を増大することが公知であり(Shinfuku et al., Am. J. Nephrol. 48(3):157-164 (2018))、5/6腎摘出ラットにおいてヘモグロビンレベルを上昇させることが示されたが(Kato et al., J. Pharmacol. Exp. Ther. 371:675-683 (2019))、正常な腎機能を有する高齢個体に対するその効果は、未知である。
【0370】
この研究では、高齢マウスを、BGE-117で35日間毎日処置した。毎日の自発的走行用回転カゴ活動レベル、ならびに0日目および14日目のヘモグロビンレベルを測定した。BGE-117化合物の効果を、マウスの虚弱の逆転について調査した。
研究設計
【0371】
この実験では、非常に高齢であり、ベースラインに対してHbレベルおよび活動レベルの低下を示した27カ月齢のマウス(実験開始時に27カ月齢であり、実験は35日間続いたので、終了時には28カ月齢であった)を使用した。
【0372】
活性化合物(BGE-117)またはビヒクルを投与し始めた後、マウスを35日間観察し、その間に、マウスは活性化合物(BGE-117)またはビヒクルの強制飼育を毎日受けた。動物を、自発的走行用回転カゴを利用できるようにして飼育し、その回転カゴにより、走行データを分析のためにコンピューターに無線で転送する。目的の転帰は、各群のマウス(1群当たりn=9)によって生じた回転カゴの1日の回転数中央値であり、これは、図6にドットとして示されており(1群につき1日当たり1つの回転数中央値)、右には数としても示されている。最適線(LOESSスムーズ化を使用して作製した)を群ごとに作製し、最適線についての95%信頼区間と共に図6に示す。示されるp値は、BGE-117対ビヒクル群における中央値の間の日差を計算することによって作製した。
【0373】
日差が明らかな方向性をもつ傾向を示すかどうかを決定するために、アセスメントを行った。形式試験は、これらの日差と日数(例えば実験の1日目、2日目、3日目など)の間のスピアマン相関係数を計算し、この相関係数が0に等しいとする帰無仮説を試験することを含んでいた。
【0374】
研究の初日(研究1日目)は、動物の順応で始まり、続いてBGE-117処置を研究33日目(フェーズ1日目)に始める。研究は研究67日目に終えた。活動用回転カゴのモニタリングは、研究33日目(フェーズ1日目)に始まり、研究67日目(フェーズ35日目)に終了した。BGE-117処置および活動用回転カゴのモニタリングの全継続期間は、35日間であった。研究の虚弱部分について、活動モニタリング用回転カゴを使用し、それをコンピューターモニタリングシステムで受動的にモニタリングして、マウスをアセスメントした。
【0375】
体重、臨床評価、および体組成スコアを使用して、動物福祉をモニタリングした。動物を、IACUCプロトコールに従って評価し、安楽死の基準を満たした場合、安楽死させた。
【0376】
表1に示される通り、研究には、C57BL/6系統の27カ月齢のマウスが含まれていた。18~24カ月齢の範囲のマウスは、56~69歳の範囲のヒトと相関し、24カ月よりも老齢のマウスは、69歳を超えるヒトと相関することが公知である(Flurkey, Currer, and Harrison, 2007, "The mouse in biomedical research" in James G. Fox (ed.), American College of Laboratory Animal Medicine series, Elsevier, AP: Amsterdam; Boston)。後者の年齢範囲は、動物のバイオマーカーの老化変化の存在として定義される「老齢」または「高齢」の定義を満たす。
【表1】
【0377】
TA-1処置群のためのBGE-117化合物を、0.5%カルボキシメチルセルロース(CMC)および0.5%Tween(登録商標) 80で製剤化し、1mg/ml濃度で構成した。対照群のための被験物質は、ビヒクル対照として作用する0.5%CMCおよび0.5%Tween 80を含んでいた。マウスを、0.3mg/用量(TA-1)について体積300μl/マウス(0.3ml/マウス)で1mg/ml濃度のBGE-117で処置した。対照群マウス(TA-2)には、0.3ml/マウスの用量体積でビヒクル対照を投与した。投与は1日1回経口で行った。
【表2】
【0378】
処置群は、表3に示される。
【表3】
【0379】
群1~2についての研究パラメーターは、表4に提供される。群1~2のマウスについての研究パラメーターには、動物順応、動物福祉、例えば動物の体重のチェック、臨床検査、処置の投与、活動モニタリング、ならびに特定の研究日および/またはフェーズ日の採血が含まれていた。
【表4-1】
【表4-2】
【表4-3】
活動モニタリング用回転カゴ試験
【0380】
活動モニタリング用回転カゴは、回転をモニタリングする走行用円盤である。図3Aを参照されたい。回転カゴは、自発的回転カゴ走行を1日24時間モニタリングすることができる。活動を、コンピューターモニタリングシステムを用いて受動的に無線でモニタリングした。走行用回転カゴでの活動レベルを、毎日モニタリングした。回転カゴデータは、各群の1日の回転数中央値であった(BGE-117処置対対照)。
【0381】
図3Aに示される走行用円盤は、研究全体について各マウスケージ(各ケージは、1つの回転カゴおよび1匹のマウスを有する)内にある回転カゴを含んでいた。回転カゴを電子的にモニタリングし、1分間当たりの回転カゴの回転数を、研究全体を通して継続的に記録した。これらのデータを、マウス1匹についての1日当たりの総回転数として、図6にまとめる。図6は、実験群1つについての1日当たりのこれらの回転数の中央値を示す。
採血
【0382】
4mmのランセットを使用して、およそ150マイクロリットルの全血をオトガイ下静脈から収集し、顎下静脈をバックアップとして利用した。血液を500マイクロリットル血清セパレーター管を使用して収集し、室温で45分間または凝血するまで保存した。血液を、4℃で4000RPMにおいて10分間、遠心分離した。血清をすぐに分析しない場合、血清を0.5mlの一定分量に配分し、-80℃で保存し輸送した。
ヘモグロビン(Hb)アッセイ手順
【0383】
以下の手順を、ヘモグロビンアッセイのために実施した。
1.マウスの血液をLi-ヘパリン管に収集した。
2.血液を、簡単にボルテックスし、全血2μlを、蒸留水18μlを含有する96ウェルクリアプレートに移した。
3.160μlの試料緩衝液を、ヘモグロビンアッセイキット(ab234046)の96ウェルクリアプレートに添加した。
4.1N NaOH20μlを血液試料に添加して、各ウェルの試料を希釈した。
5.標準曲線を、製造者の使用説明書に従って、含まれていたヘモグロビン標準(ab234046)を用いて確立した。
6.反応物を室温で8~15分間インキュベートした。エンドポイントモードで575nmにおける吸光度を読み取った。
7.Hb濃度を、アッセイキットによって推奨される通り計算した。
研究結果
【0384】
図6に示される通り、BGE-117で処置したマウスでは、活動用回転カゴ試験から示される通り、対照と比較して著しく増大した活動が実証された。
【0385】
加えて、BGE-117で処置した27カ月齢のマウスは、図4および5ならびに以下の表5にまとめられる通り、改善されたヘモグロビンレベルを示した。
【表5】
【0386】
したがって、化合物BGE-117は、加齢性虚弱に対抗し、身体性能を増大することができ、それ以外は健康な老齢(高齢)マウスの貧血に対抗することができる。
5.4.4.
(実施例4)
BGE-117は高齢マウスにおいて高齢者の未解明の貧血および炎症性貧血を処置するのに有効である
【0387】
BGE-117(BGE-117)は、HIF-1αを安定化する競合的HIFプロリルヒドロキシラーゼ(PHD)1/2/3パン阻害剤であり、マウスおよびヒトの両方においてEPO生成の増大をもたらす。BGE-117は、慢性腎疾患を有する患者および正常な健康なヒトボランティアにおいてHIF-PHを阻害し、EPO生成を増大することが公知であり(Shinfuku et al., Am.J. Nephrol. 48(3):157-164 (2018))、5/6腎摘出ラットにおいてヘモグロビンレベルを上昇させることが示されたが(Kato et al., J. Pharmacol. Exp. Ther. 371:675-683 (2019)、炎症性貧血に対するBGE-117の効果は未知である。加えて、未解明の加齢性貧血および老齢対象における炎症性貧血に対するBGE-117の効果は未知である。
【0388】
実施例1では、本発明者らは、BGE-117が、老齢であるがそれ以外は健康なマウスにおいてヘモグロビンレベルを上昇させることができることを実証した。この研究の目標は、より高い循環レベルの炎症性サイトカイン(130%またはそれよりも高い中央値)を有する高齢マウスの未解明の加齢性貧血および炎症性貧血に対するBGE-117の効果をアセスメントすることであった。
研究設計
【0389】
この研究は、BGE-117またはビヒクルを14日間の継続期間に1日1回投与したC57BL/6系統の23カ月齢のマウス(n=39)(実験開始時に23カ月齢であり、実験は35日間続いたので、終了時には24カ月齢であった)および27カ月齢のマウス(n=14)(実験開始時に27カ月齢であり、実験は35日間続いたので、終了時には28カ月齢であった)を含んでいた。
材料および方法
【0390】
試薬:2-[[1-[[6-(4-クロロフェノキシ)ピリジン-3-イル]メチル]-4-ヒドロキシ-6-オキソ-2,3-ジヒドロピリジン-5-カルボニル]アミノ]酢酸(BGE-117、図1)を、既に記載されている方法および実施例1に従って合成した。
【0391】
動物福祉:動物福祉を、実施例1に記載される通りモニタリングした。
ヘモグロビンおよび炎症性マーカーの測定
【0392】
23カ月齢および27カ月齢のC57BL/6マウスが、自然発症的に貧血を発症したかどうかを決定し、特発性貧血への炎症の寄与をアセスメントするために、マウスを、ヘモグロビンレベル、ならびに炎症性マーカーTNFαおよびIL-6について試験した。
【0393】
ヘモグロビンレベルを、23カ月目に23カ月齢のマウスで測定した。23カ月齢のマウスは、図7Aに示される通り、若齢(3~6カ月齢)マウスのヘモグロビン濃度と比較して、統計的に有意なより低いヘモグロビン濃度を有することが見出された(p=0.0188)。ヘモグロビンレベルを、27カ月目に27カ月齢のマウスで測定した。27カ月齢のマウスは、図7Bに示される通り、若齢(3~6カ月齢)マウスのヘモグロビン濃度と比較して、統計的に有意なより低いヘモグロビン濃度を有することが見出された(p=0.0012)。
【0394】
炎症性サイトカインレベルを、23カ月目(±2週)に23カ月齢のマウスで測定した。23カ月齢のマウスは、図8Aおよび8Cに示される通り、正常な若齢動物(3~6カ月齢)との比較において、TNFα(p=0.0004)およびIL-6(p=0.0170)の両方のレベルが統計的に有意に上昇したことが見出された。炎症性サイトカインレベルを、27カ月目(±2週)に27カ月齢のマウスでも測定した。27カ月齢のマウスは、図8Bおよび8Dに示される通り、正常な若齢動物(3~6カ月齢)との比較において、TNFα(p=0.0005)およびIL-6(p=0.0034)の両方のレベルが統計的に有意に上昇したことが見出された。
【0395】
これらの知見により、3~6カ月齢の若齢マウスと比較して23カ月齢および27カ月齢のマウスにおいてヘモグロビンレベルが低いことによって証拠付けられる通り、それ以外は健康なマウスにおいて加齢性貧血が自然に発症することが実証され、正常な若齢動物との比較において、23カ月齢および27カ月齢のマウスで上昇したIL-6およびTNFαレベルによって証拠付けられる通り、加齢性特発性貧血には炎症が伴っていたことが実証される。
【0396】
23カ月齢のマウスが23カ月目(±2週)に炎症性貧血を発症したら、平均ヘモグロビンレベルおよび炎症性サイトカインレベルが群内で確実に均衡を保つようにしながら、ビヒクルで処置した炎症性貧血対照群1(「23カ月齢の対照群」(CG1))(n=18)およびBGE-117で処置した炎症性貧血群(「BGE-117 23カ月齢の試験群」(BGE-117 TG1))(n=21)の2つの群に無作為に分けた。2つの「炎症性貧血」群の処置前(ベースライン)のマウスは、図9~10に示される通り、高いTNFαおよび/またはIL-6を有していた。
【0397】
27カ月齢のマウスが27カ月目(±2週)に炎症性貧血を発症したら、平均ヘモグロビンレベルが群内で確実に均衡を保つようにしながら、ビヒクルで処置した炎症性貧血対照群(「27カ月齢の対照群」(CG2))(n=8)、BGE-117で処置した炎症性貧血群(「BGE-117 27カ月齢の試験群」(BGE-117 TG2))(n=6)の2つの群に無作為に分けた。2つの「炎症性貧血」群の処置前(ベースライン)のマウスは、図11~12に示される通り、高い(130%またはそれよりも高い中央値)TNFαおよび/またはIL-6を有していた。
【0398】
図8A~8Dに示される通り、23カ月齢のマウスおよび27カ月齢のマウスは、3~6カ月齢の若齢マウスに対してIL-6およびTNFαのレベルが上昇していた。
【0399】
23カ月齢および27カ月齢の試験群BGE-117 TG1およびBGE-117 TG2に、0.5%カルボキシメチルセルロース(CMC)および0.5%Tween 80中10mg/kgのBGE-117を、経口強制飼育により1日1回5週間投与した。23カ月齢および27カ月齢の対照群CG1およびCG2には、同じスケジュールで経口強制飼育により0.5%カルボキシメチルセルロース(CMC)および0.5%Tween 80のビヒクルを投与した。
【0400】
血液を、研究開始時の薬物投与直前および14日間の薬物投与後に、顎下静脈から収集した。血液試料をEDTAと混合し、改変を加えたAbcam製のヘモグロビンアッセイキット(ab234046)を使用して分析した。シグナルをMolecular Device SpectraMax 340PC-384で読み取った。炎症性マーカーを、Luminex 200でLuminexマウス磁気アッセイ(R&D Systemsによる5-PLEX、LXSAMSM-05)によって測定した。薬物開始後35日目に、マウスをイソフルランで麻酔し、腹部静脈から血液試料を収集した。
【0401】
血液試料をEDTAと混合し、次に試料を遠心分離して(4℃、2130×gで10分間)、血漿を得た。
結果
【0402】
23カ月齢および27カ月齢のC57BL/6マウスにおいて、ヒトの未解明の加齢性貧血を模倣する貧血が自然に発症した。23カ月齢および27カ月齢の貧血マウスは、3~6カ月齢の若齢マウスと比較して炎症促進性サイトカインTNFαおよびIL-6のレベルが上昇しており(図8A~8D)、貧血の根本的病因が炎症性貧血であったことを示唆した。
【0403】
23カ月齢および27カ月齢の試験群へのBGE-117の投与は、ビヒクル単独を投与した23カ月齢および27カ月齢の対照群(23カ月齢のマウスについては図9Aおよび10A、ならびに27カ月齢のマウスについては図11Aおよび12A)のHbレベルと比較して、Hbレベルが著しく上昇した(23カ月齢のマウスについては図9Bおよび10B、ならびに27カ月齢のマウスについては図11Bおよび12B)。
【0404】
したがって、ヘプシジンレベルを上昇させ、細胞内の鉄の封鎖および機能性貧血を引き起こすことが公知の上昇したTNFαおよびIL-6の存在にもかかわらず、BGE-117の投与は、炎症性貧血を低減させるのに有効であった。さらに、これらの効果を、ヒト高齢者対象に対応する23カ月齢のマウスおよび27カ月齢のマウスにおいてBGE-117についても観察した。
5.4.5.
(実施例5)
ロキサデュスタットは老齢マウスにおいて高齢者の未解明の貧血および炎症性貧血を処置するのに有効である
【0405】
この研究の目標は、図13~14の処置前(ベースライン)群において示される通り、より高い炎症性サイトカイン(130%またはそれよりも高い中央値)を有する老齢マウスの未解明の加齢性貧血および炎症性貧血に対するHIF-PH阻害剤であるロキサデュスタットの効果をアセスメントすることであった。
研究設計
【0406】
この研究は、ロキサデュスタットまたはビヒクルを14日間の継続期間に1日1回投与したC57BL/6系統の27カ月齢のマウス(n=32)(実験開始時に27カ月齢であり、実験は35日間続いたので、終了時には28カ月齢であった)を含んでいた。
材料および方法
【0407】
試薬:4mg/mlの濃度のロキサデュスタットを、0.5%カルボキシメチルセルロースおよび0.5%Tween-80の撹拌した水溶液に粉末(MedKoo Biosciences,Incカタログ番号:317133)をゆっくり滴下することによって調製した。投薬用懸濁液を継続的に2時間撹拌し、一定分量に分け、使用まで-20℃で保存した。毎日の投薬直前に、投薬用懸濁液を室温で解凍し、ボルテックスした。
【0408】
動物福祉:動物福祉を、実施例1に記載される通りモニタリングした。
ヘモグロビンおよび炎症性マーカーの測定
【0409】
27カ月齢のC57BL/6マウスが、自然発症的に貧血を発症したかどうかを決定し、特発性貧血への炎症の寄与をアセスメントするために、マウスを、ヘモグロビンレベル、ならびに炎症性マーカーTNFαおよびIL-6について試験した。
【0410】
ヘモグロビンレベルを、27カ月目に27カ月齢のマウスで測定した。27カ月齢のマウスは、図7Bに示される通り、若齢(3~6カ月齢)マウスのヘモグロビン濃度と比較して低いヘモグロビン濃度を有することが見出された。
【0411】
炎症性サイトカインレベルを、27カ月目(±2週)に27カ月齢のマウスでも測定した。27カ月齢のマウスは、図8Bおよび8Dに示される通り、正常な若齢動物(3~6カ月齢)との比較において、TNFαおよびIL-6の両方のレベルが上昇したことが見出された。
【0412】
これらの知見により、3~6カ月齢の若齢マウスと比較して27カ月齢のマウスにおいてヘモグロビンレベルが低いことによって証拠付けられる通り、それ以外は健康なマウスにおいて加齢性貧血が自然に発症することが実証され、正常な若齢動物との比較において、27カ月齢のマウスで上昇したIL-6およびTNFαレベルによって証拠付けられる通り、加齢性特発性貧血には炎症が伴っていたことが実証される。
【0413】
27カ月齢のマウスが27カ月目(±2週)に炎症性貧血を発症したら、平均ヘモグロビンレベルが群内で確実に均衡を保つようにしながら、ビヒクルで処置した炎症性貧血対照群(「27カ月齢の対照群」(CG2))(n=9)およびロキサデュスタットで処置した炎症性貧血群(「27カ月齢のRoxa試験群」(Roxa TG1))(n=23)の2つの群に無作為に分けた。2つの「炎症性貧血」群の処置前(ベースライン)のマウスは、図13~14に示される通り、高い(130%またはそれよりも高い中央値)TNFαおよび/またはIL-6を有していた。
【0414】
27カ月齢の試験群Roxa TG1に、40mg/kgのロキサデュスタットを、経口強制飼育により1日1回2週間投与した(10ml/kgの投薬用懸濁液)。
【0415】
血液を、研究開始時の薬物投与直前および14日間の薬物投与後に、顎下静脈から収集した。血液試料をEDTAと混合し、改変を加えたAbcam製のヘモグロビンアッセイキット(ab234046)を使用して分析した。シグナルをMolecular Device SpectraMax 340PC-384で読み取った。炎症性マーカーを、Luminex 200でLuminexマウス磁気アッセイ(R&D Systemsによる5-PLEX、LXSAMSM-05)によって測定した。薬物開始後35日目に、マウスをイソフルランで麻酔し、腹部静脈から血液試料を収集した。
【0416】
血液試料をEDTAと混合し、次に試料を遠心分離して(4℃、2130×gで10分間)、血漿を得た。
結果
【0417】
27カ月齢のC57BL/6マウスにおいて、ヒトの未解明の加齢性貧血を模倣する貧血が自然に発症した。27カ月齢の貧血マウスは、3~6カ月齢の若齢マウスと比較して炎症促進性サイトカインTNFαおよびIL-6のレベルが上昇しており(図8A~8D)、貧血の根本的病因が炎症性貧血であったことを示唆した。
【0418】
27カ月齢の試験群へのロキサデュスタットの投与は、ビヒクル単独を投与した27カ月齢の対照群のHbレベル(図13Aおよび図14A)と比較して、Hbレベルが上昇した(TNFαのレベルが上昇した27カ月齢のマウスについては図13B、およびIL-6のレベルの上昇については図14B)。統計的に有意ではないが、40mg/kgのロキサデュスタットの投与は、炎症促進性サイトカインTNFαおよびIL-6のレベルが上昇した27カ月齢のマウスにおいてヘモグロビンレベルを改善するのに有効であったものの、一方で未処置動物は、研究期間にわたってヘモグロビンの著しい低下を示した(図14A)。
【0419】
したがって、上昇したTNFαおよびIL-6の存在にもかかわらず、ロキサデュスタットの投与は、炎症性貧血を低減させるのに有効であった。さらに、これらの効果は、加齢したヒト対象に対応する27カ月齢のマウスにおけるロキサデュスタットについても観察された。
5.4.6.
(実施例6)
BGE-117は第2相研究において活動レベルおよびヘモグロビンレベルを改善する
【0420】
研究標題:未解明の加齢性貧血(UAA)の処置におけるBGE-117の有効性および安全性を評価するための第2a相の12週の無作為化二重盲検によるプラセボ対照を含む多施設研究
【0421】
研究設計概要
【0422】
これは、65歳を超える患者にBGE-117を12週間投与した場合のBGE-117の安全性を比較するための、第II相の無作為化二重盲検によるプラセボ対照を含む多施設研究である。研究は、スクリーニング、処置、および追跡調査の3つの期間からなる。図16は、研究設計の概要を提供する。
【0423】
この研究の研究サイズは、160人の評価可能な対象である(80人の対象がBGE-117に無作為化され、80人の対象がプラセボに無作為化される)。対象が参加する最長継続期間は、およそ154日である。この継続期間は、スクリーニング期間のための6週間、処置期間のための12週間、および追跡調査期間のための4週間を含む。
【0424】
対象がスクリーニング期間に入ったら、対象の適格性を、スクリーニング期間中、最少2回のスクリーニング来院時に確認する。スクリーニング期間中(-42日目~-1日目)にすべての適格性基準を満たした対象は、3回目の来院(1日目)の開始時に無作為化され得る。
【0425】
目的
【0426】
主要目的
・ UAAの処置におけるBGE-117の有効性を評価すること。
【0427】
二次目的
・ UAAの処置におけるBGE-117の安全性および忍容性を評価すること
・ UAAの処置におけるBGE-117の全体的Hb制御を評価すること
・ UAAの処置におけるBGE-117の出発用量の適切性を評価すること
・ UAAの処置におけるBGE-117の集団PKを特徴付けること
・ UAAの処置における臨床転帰アセスメント(スケール)の使用を評価すること
【0428】
探索
・ BGE-117処置の前、その間、およびその後のBGE-117処置への応答において、UAAを有する高齢対象の末梢血の非特異的プロテオミクス、メタボロミクスおよびトランスクリプトミクスを探索すること
・ BGE-117処置の前、その間、およびその後のBGE-117処置への応答において、UAAを有する高齢対象の活動レベルおよび睡眠の質を探索すること
【0429】
エントリー基準
【0430】
組み入れ基準
・ 1.研究に参加するためのインフォームドコンセントに自発的に書き入れ、署名し、日付を記入できること
・ 2.研究手順および制限に完全に従うことを理解し、それを行うことができ、それを行う意思があること
・ 3.初回スクリーニング来院時に65歳またはそれよりも上であること(この組み入れ判断基準は、初回スクリーニング来院時だけでアセスメントされる)
・ 4.以下の通り定義されるUAA
○ 平均Hbが≧9.0g/dL、ただし≦11.0g/dL。2回の実験室尺度を、スクリーニング期間中、少なくとも7日隔てて得る。Hbの結果は、以下と一致すべきである。
■ 少なくとも1つのHb測定値が≧9.0g/dL、ただし≦11.0g/dL
■ 両方のHb測定値が互いに0.5g内である
○ 甲状腺刺激ホルモン(TSH)が≧0.1mcU/mL、ただし≦10.0mcU/mL
○ 血清鉄が≧60μg/dL、トランスフェリン飽和度が≧15.0%、および血清フェリチンが≧30.0ng/mL
○ 他の原因および/またはさらなる血球減少症(血小板数が<130.0K/μl、白血球[WBC]数が<4K/μl)を伴わず、平均血球体積(MCV)が≦100.0fL
○ 正常の範囲の下限を超える葉酸およびビタミンB12レベル
・ 5.腎疾患における食事改変(MDRD)によって測定されるeGFRが≧30.0mL/m/1.73m
・ 6.≦35.0のスコアを有するFACIT-疲労スケール
・ 7.初回スクリーニング来院時の体重が≧40.0kgであること
【0431】
除外基準
1.以下のいずれかの病歴または診断
・ 悪性貧血、サラセミア、鎌状赤血球貧血、鎌状赤血球形質(sickle trait)、または骨髄異形成症候群に起因する貧血
・ 現在寛解状態であるとしても、赤血球生成に影響を及ぼすと思われる、臨床的に診断された慢性炎症性疾患(例えば、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、セリアック病)
・ 骨髄低形成または赤芽球ろう
・ 前立腺がんのための過去12カ月のアンドロゲン除去療法または放射線処置
・ 初回スクリーニング来院前12週間以内またはスクリーニング期間中の鉄静注
注記:経口鉄は許容される。しかし、スクリーニングおよび処置期間を通して、同じ投与レジメンが使用されなければならない。
・ スクリーニング前6カ月以内またはスクリーニング期間中の心筋梗塞、急性冠症候群、脳卒中、一過性虚血性発作、または血栓形成促進性不整脈もしくは状態(例えば、未処置心房細動)
・ スクリーニング期間前の12週間以内に活動性疾患(すなわち活動性悪性腫瘍)を伴うがんの診断を受けたか、または積極的処置を受けている(皮膚の扁平上皮細胞または基底細胞癌は、この判断基準から除外される)
2.以下として定義される血液悪性腫瘍の疑いまたは血液悪性腫瘍
・ 骨髄検査によって確認された過去の診断
・ 他の原因および/またはさらなる血球減少症(血小板数が<130K/μl、WBC数が<4K/μl)を伴わず、MCVが>100fL
・ 血液塗抹標本での異形成症またはそれ以外の未解明の単球増加症が既に観察されている
3.以下を含む高血圧の病歴
・ 制御困難な高血圧(研究者および医用モニターによって承認されている場合を除く)
・ 悪性高血圧症(研究者および医用モニターによって承認されている場合を除く)
・ 無作為化前の2週間以内の収縮期圧が≧160mmHgまたは拡張期圧が≧95mmHg(反復測定によって確認される)。
注記:
○ 高血圧治療薬を受けている対象は、無作為化前の少なくとも8週間、安定用量および治療薬を受けているべきである
○ 対象は、血圧が制御されたら再スクリーニングされ得る
4.初回スクリーニング来院前の12週間以内に、研究者によって判断される消化管出血の最新の証拠
5.ニューヨーク心臓病学会機能分類システムによって定義されるクラスIIIの心不全
6.脚ブロックを有する対象における、Fridericiaの式を使用して心拍数で補正したQT間隔(QTcF)が>500ミリ秒またはQTcFが>530ミリ秒
注記:この評価は、初回スクリーニング来院時だけで行われることになり、ECGおよび対応する間隔および全体的解釈は、適切に指定され訓練された職員が、機械または手動で読むことができる。
7.ALTおよびASTが、≧3×正常値上限(ULN)
8.ビリルビンが>1.5×ULN(ビリルビンが分画され、直接ビリルビンが<35%である場合、>1.5×ULNの単離ビリルビンは許容される)
注記:ジルベール症候群と関連するビリルビン上昇は許容される。
9.報告によるアルコールの平均摂取量が≧80g/日(すなわち、ビール缶6本またはハードリカー5ショットと同等)
10.標的範囲(12.0~13.0g/dL)へのHbの上昇は、研究者によって判断される通り、対象に許容されない医学的リスクを及ぼすおそれがある
11.IPにおける賦形剤への重症アレルギーもしくはアナフィラキシー反応または過敏症の病歴
12.治験薬の30日または5半減期(いずれか長い方)以内の治験薬の使用
13.BGE-117-201への過去の無作為化
14.研究者が、対象を許容されないリスクに曝すか、研究服薬遵守に影響を及ぼすか、または研究の目的もしくは検査手順もしくは起こり得る結果の理解を妨げるおそれがあるとみなす、現在の任意の不安定な病状。これには、以下が含まれる。
・ 現在の不安定な活動性肝臓または胆道疾患(一般に、腹水症、脳症、凝固障害、低アルブミン血症、食道/胃の静脈瘤、持続性黄疸、または肝硬変の開始によって定義される)
注記:安定な肝疾患(無症状性胆石、無症状性B/C型慢性肝炎、またはジルベール症候群を含む)は、対象がそれ以外はエントリー基準を満たしており、研究者およびスポンサーが研究へのエントリーを承認する場合、許容される。
15.処置が必要とされ得るか、または対象が研究を完了できなくなるおそれがある、精神医学的疾病の現在のまたは関連する病歴
【0432】
方法論
【0433】
安全性:安全性エンドポイントは、処置群および来院日によってまとめられる。潜在的な臨床的重要性、ベースラインからの変化、および範囲外の値を含む記述統計が、定量的安全性データのために計算される。
【0434】
薬物動態:PK分析のための血液試料は、プロトコールに記載される時点に採血される。データに基づいて、集団PKモデルを開発することを試みる。集団PK分析の結果は、別々の報告書で提示する。
【0435】
プロテオミクス、メタボロミクスおよびトランスクリプトミクス:末梢血試料を、可能なプロテオミクスおよびトランスクリプトミクスアセスメントのための特定の時間に得る。
【0436】
活動レベルおよび睡眠の質:患者には、装着型活動モニターが備えられ、それによって活動レベルおよび睡眠の質のその後の計算を可能にする加速度測定データを継続的に収集する。
【0437】
治験薬品(複数可)の投与
【0438】
投薬
【0439】
対象は、IPを水と共に1日1回摂取するよう助言され、3回目の来院(1日目)に開始して、15回目の来院(85日目)まで連続84日間、朝食の1時間前に被験薬を摂取するよう推奨される。カプセル剤は、粉砕、咀嚼または切断することなく、丸ごと摂取される。
【0440】
この研究は、プラセボ対照を含む二重盲検研究である。対象は、以下のいずれかを受けるように無作為化される。
・ BGE-117:4mgおよび12mgカプセル剤の、低酸素症誘導因子-プロリルヒドロキシラーゼ(HIF-PHD)阻害剤、または
・ プラセボ:活性薬物を含まない、釣り合う用量のカプセル剤
・ BGE-117/プラセボの出発用量および最大用量は、対象の腎臓機能のスクリーニング結果に基づいて決まる。
・ 推定糸球体濾過率(eGFR)が≧60mL/分/1.73m2である対象の出発用量は、12mg/プラセボである。最大用量は、24mg/プラセボである。
・ eGFRが≧30~<60mL/分/1.73mの間の対象の出発用量は、4mg/プラセボである。最大用量は、16mg/プラセボである。
【0441】
処置期間
【0442】
処置期間は、以下の表6に記載される3つの投薬期間を有する。
【表6】
【0443】
用量調整指針
【0444】
5回目から11回目の来院まで(15日目から57日目まで)、標的範囲内のHbを達成し、維持するために、およそ14日ごとに用量調整の機会が計画される。用量調整は、≧12.0~≦13.0g/dLの範囲の滴定Hbレベルを目標として、実施研究室(local laboratory)の結果に基づいて行われる。研究者の意見において、過度に急速なHb上昇の事象が生じるか、または容認しがたく高いHbレベルもしくは傾向があった場合、用量は、用量調整審査がない来院日であろうといつでも調整され得る。
【0445】
eGFRが≧60mL/分/1.73m2の対象についての許容可能な用量レベルは、0mg(中断)、4mg、8mg、12mg、16mg、20mg、および24mgである。最大用量は、24mg/プラセボである。
【0446】
eGFRが≧30~<60mL/分/1.73m2の間の対象についての許容可能な用量レベルは、0mg(中断)、4mg、8mg、12mg、および16mgである。最大用量は、16mg/プラセボである。
【0447】
用量の「一段階」の漸増または低減は、それぞれ、4mgの増大または低減を指す。任意の1回の来院に許容される唯一の用量増大は、「一段階」、すなわち4mgである。用量低減は、低減の理由および研究者の判断に基づいて4mgを超える場合がある。
【0448】
具体的な用量調整指針は、以下の通りである。
・ 一段階の用量漸増は、過去2週間の対象のHb上昇が≦0.5g/dLであり、対象が<12.5g/dLのHbを有している場合、必要に応じて5回目、7回目、9回目、および11回目の来院(15日目、29日目、43日目、および57日目)に行うことができ、11回目の来院(57日目)後のさらなる用量漸増は許容されない。
・ Hbが>12.5g/dLである場合、用量漸増は許容されない。
【0449】
用量低減は、研究中いつでも行うことができる。11回目の来院(57日目)またはその後に低減される場合、その後再び同じレベルまで用量を増大することはできない。
【0450】
対象のHbが任意の時点で13.0g/dLを超える場合、または対象のHbが過去2週間に>1.0g/dLに上昇するかもしくは過去4週間に>1.5g/dLに上昇した場合、用量は、以下の指針に従って低減することができる。
・ 24mgの用量を12mgに低減する。
・ 20mgの用量を8mgに低減する。
・ 16mgの用量を8mgに低減する。
・ 12mgの用量を4mgに低減する。
・ 8mgの用量を4mgに低減する。
・ 4mgの用量を0mgに低減する(中断)。
【0451】
対象のHbが任意の時点で13.5g/dLを超える場合、投薬を中断し、13.0g/dL未満に戻るまでHbレベルを追跡する。
【0452】
研究者は、実施研究室のHbの結果が知らされていないことから、対象の来院時に用量調整を推奨することができる可能性がある。研究者がHbの結果を審査する機会を得たら、Hbレベルおよび次回の来院まで摂取すべき用量に関して対象に指導する。その指導は、対象の来院後24~96時間および対象が新しい調整用量を摂取し始め得る場合に行われ得ると見込まれる。
【0453】
身体検査(身長および体重を含む)
【0454】
全身の身体検査は、認定された医師、医師助手、または診療看護師によって様々な時点で実施される。
【0455】
身体検査には、以下の身体系の審査が含まれる。
・ 全身の外観
・ 脊椎/頸部/甲状腺
・ 心血管
・ 皮膚
・ 筋骨格
・ 神経学
・ 頭部、目、耳、鼻、および喉
・ 呼吸器
・ 腹部(肝臓および腎臓を含む)
【0456】
スクリーニング来院時に特定された臨床的に有意な異常は、対象の原資料およびeCRF/CRF治療歴に記述される。初期スクリーニング期間の来院後の臨床的に関連する変化は、研究者によって判断される通り、AEのeCRF/CRF頁に記録される。注記:身長は初期検査時だけで収集する。
【0457】
簡易身体検査は、様々な時点で実施され、以下が含まれる。
・ 身長
・ 体重
・ バイタルサイン(血圧および脈拍数)
・ 臨床研究室検査
・ 全血算:
○ 好塩基球(絶対的)
○ 好酸球(絶対的)
○ ヘマトクリット
○ ヘモグロビン
○ HbA1C(4mL)は3回目の来院(1日目)およびEOTPだけで収集される
○ 網状赤血球数(絶対的)
○ 赤血球
○ 全好中球(絶対的)
○ 総白血球数およびその分画
【0458】
臨床化学
【0459】
血清臨床化学のために、血液試料(6mL)を収集する。以下のパラメーターをアセスメントする。
・ アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)
・ 二酸化炭素
・ リン酸塩
・ アルブミン
・ 塩化物
・ カリウム
・ アルカリホスファターゼ
・ クレアチニン
・ タンパク質
・ アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)
・ ガンマ-グルタミルトランスフェラーゼ(GGT)
・ 尿素窒素
・ カルシウム
・ グルコース
・ 尿酸
【0460】
凝固およびD-ダイマー
【0461】
凝固のために、血液試料(3mL)を収集する。以下のパラメーターをアセスメントする。
・ プロトロンビン時間(PT)
・ D-ダイマー
・ 活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)
・ 国際標準化比(INR)
【0462】
エリスロポエチン
【0463】
血清EPOレベルのために、血液試料(2mL)を収集する。
【0464】
ヘモグロビン電気泳動法(ヘモグロビン異常症の分取)
【0465】
ヘモグロビン電気泳動法(ヘモグロビン異常症の分取)のために、血液試料(1mL)を収集する。
【0466】
炎症パネル
【0467】
炎症パネルのために、血液試料(2mL)を収集する。以下のパラメーターをアセスメントする。
・ C反応性タンパク質(CRP)
・ インターロイキン(IL-6)
・ ヘプシジン
【0468】
鉄パネル
【0469】
血清鉄パネルのために、血液試料(2mL)を収集する。以下のパラメーターをアセスメントする。
・ 血清鉄
・ 全鉄結合能
・ トランスフェリン飽和度
・ 血清トランスフェリン
・ 血清フェリチン
【0470】
葉酸およびビタミンB12
【0471】
葉酸およびビタミンB12のために、血液試料(2mL)を収集する。以下のパラメーターをアセスメントする。
・ 葉酸塩(葉酸)
・ ビタミンB12
【0472】
脂質パネル
【0473】
非絶食時脂質レベルのために、血液試料(2mL)を収集する。以下のパラメーターをアセスメントする。
・ HDL
・ コレステロール
・ 総トリグリセリド
・ 低密度リポタンパク質(計算)
【0474】
便潜血検査
【0475】
同意した対象は、1回の便通からまたは実験室マニュアルに記載される通り収集した便検体を提供する。
【0476】
眼科検査
【0477】
眼科検査は、適切に委任された眼科医または検眼士によって実施される。各アセスメントは、少なくとも以下の構成成分を含む包括的な目の検査を含む。最高矯正視力の測定、眼内圧、前眼房検査、および眼底(fundoscopic)検査。これらの検査値は、眼のAEのアセスメントのために使用される。
【0478】
深部静脈血栓症についての血管ドップラー超音波
【0479】
血管ドップラー超音波を使用して、深部静脈血栓症(DVT)の存在について走査する。DVT走査は、適切に委任された職員によって、様々な時点で実施される。
【0480】
薬物動態収集
【0481】
薬物動態のための血液試料(4mL)を、様々な時点で採取する。この研究のPKアセスメントを実施する生体分析実験室の名称および所在地を、各施設の研究者ファイルおよびスポンサーの試験マスターファイルに保存する。
【0482】
実際のPK血液試料収集時間、対、投薬時間をモニタリングする。研究者は、プロトコールによりスケジュールされた時間にすべてのPK血液試料を収集するためにできる限りの相応の努力をするよう、スポンサーから期待されている。
【0483】
エンドポイントおよび統計分析
【0484】
試料サイズの計算および検出力の考慮
【0485】
12週目のヘモグロビンの変化を、主要研究エンドポイントとし、研究試料サイズを計算するために使用する。80および80の群の試料サイズにより94%検出力を達成して、平均差が1.0mmHgになり、両方の群の標準偏差が1.8mmHgになる場合に等平均値の帰無仮説を棄却する。試験統計は、0.05の両側有意レベル(アルファ)の2試料t検定である。
【0486】
研究集団および分析対象集団(set)
【0487】
「安全性対象集団」を、少なくとも1用量のBGE-117を受けたか、またはプラセボだけを受けた対象について別個に定義する。処置時に分析された安全性集団を使用して、安全性を報告する。
【0488】
「最大解析対象集団/処置意図解析集団(intent-to-treat)(SAF/ITT)」を、研究に無作為化され、少なくとも1用量の試験薬物を受け、1つのベースライン後アセスメントを有していた対象として定義する。無作為化時に分析されたFAS/ITTを使用して、有効性エンドポイントを分析する。
【0489】
「パープロトコール対象集団(PPS)」を、大きいプロトコール偏差がないFAS/ITT対象集団の対象として定義する。この対象集団は、対象の>5%がFAS/ITTにいる場合に形成され得る。有効性分析は、処置時に分析されたPPS対象集団について反復され得る。
【0490】
「PK」対象集団は、少なくとも1用量のBGE-117を受け、少なくとも1つの評価可能な投薬後PK濃度値を有する対象からなる。この対象集団を使用して、PKを分析する。
【0491】
「プロテオミクス、メタボロミクスおよびトランスクリプトミクス」対象集団は、少なくとも1用量のBGE-117を受け、少なくとも1つの評価可能な投薬後プロテオミクスおよびトランスクリプトミクス値を有する対象からなる。この対象集団を使用して、プロテオミクス、メタボロミクスおよびトランスクリプトミクスを分析する。
【0492】
エンドポイント
【0493】
主要エンドポイント:
・ ベースラインと比較した15回目の来院(85日目/EOTP)のHbの改善
【0494】
二次キーエンドポイント:
・ ベースラインと比較した15回目の来院(85日目/EOTP)のFACIT-疲労スコアの改善
【0495】
二次エンドポイント:
・ ベースラインと比較した7回目および11回目の来院(29日目および57日目)ならびに追跡調査来院時のHbの変化
・ ベースラインと比較した7回目および11回目の来院(29日目および57日目)ならびに追跡調査来院時のFACIT-疲労スコアの改善
・ ベースラインと比較した7回目、11回目、および15回目の来院(29日目、57日目、および85日目)、ならびに追跡調査来院時のSPPBスコアの変化
・ ベースラインと比較した7回目、11回目、および15回目の来院(29日目、57日目、および85日目)ならびに追跡調査来院時の6MWT距離の変化
・ ベースラインと比較した7回目、11回目、および15回目の来院(29日目、57日目、および85日目)ならびに追跡調査来院時のSF-36の変化
・ eGFRが≧60mL/分/1.73mの対象およびeGFRが≧30および<60mL/分/1.73mの対象のUAAの処置におけるBGE-117の出発用量の評価
【0496】
有効性統計分析
【0497】
Hbの変化は、主要エンドポイントであり、加齢患者における未解明の貧血の疾患の直接アセスメントである。FACIT-疲労の変化は、二次キーエンドポイントである。これらのエンドポイントの両方の分析は、ベースライン共変数を用いるANCOVAである。FACIT-疲労の試験は、Hbの変化について統計的有意性を達成した後に初めて行われる。
【0498】
一次分析は、ベースラインHbを共変数として用いる共分散分析(ANCOVA)である。さらなる潜在的共変数を調査する。この主要エンドポイントおよびすべての二次エンドポイントの分析に関する詳細を、SAPに入力する。
【0499】
安全性分析
【0500】
安全性分析を、対応する安全性解析対象集団(Safety Set)に基づいて実施する。プラセボを受ける対象は、安全性分析の研究部分ごとにプールされ得る。
【0501】
有害事象を、医薬品規制用語集(MedDRA)を使用してコード化する。処置下で発現したAE(TEAE)の事象回数、発生率、およびパーセンテージを、コホートおよび処置群ごとに器官別大分類、優先使用語、および処置群によって全体的に計算する。TEAEを有する対象の数およびパーセンテージを、重症度およびIPとの関係によってさらにまとめる。IPに関係する有害事象、離脱をもたらしたAE、SAE、および死亡も同様にまとめる/一覧化する。
【0502】
臨床研究室検査、バイタルサイン、眼科検査、血管ドップラー知見、およびECG知見を、処置群および来院によってまとめる。記述統計を、定量的安全性データ、および適用できる場合にはベースラインからの差について計算する。頻度数を、質的安全性データの分類のために収集する。安全性データのベースラインを、初回用量のIPの前の最終値として定義する。潜在的に臨床的に重要な知見をまとめるか、または一覧化する。
【0503】
臨床転帰アセスメント
【0504】
臨床転帰アセスメントを、様々な時点でアセスメントする。
【0505】
慢性疾病治療の機能的アセスメント-疲労スケール(FACIT-疲労)
【0506】
FACIT-疲労アセスメントを、同意した対象から収集する。FACIT-疲労スケールは、自己申告による疲労、ならびに毎日の活動および機能に対するその影響をアセスメントする13項目の質問表である。
【0507】
略式項目調査計測手段(Item Short Form Survey Instrument)(SF-36)
【0508】
SF-36アセスメントを、同意した対象から収集する。SF-36アキュート版は、過去7日間にわたる身体機能、身体の日常役割機能(role physical)、体の痛み、活力、社会生活機能、精神の日常役割機能(role emotional)、心の健康、および全体的な健康を含めたいくつかの領域に対する対象による健康概念を解明するように設計された全体的な健康状態の質問表である。質問表は、対象に、過去7日間の間にどのように感じたかについて思い起こさせる36の質問を含有する。
【0509】
簡易身体能力評価バッテリー(Short Physical Performance Battery)(SPPB)
【0510】
SPPBアセスメントを、同意した対象から収集する。SPPBは、バランス試験、歩行速度試験、および椅子立ち上がり試験の3部からなる。
【0511】
6分間歩行試験(6MWT)
【0512】
6MWTアセスメントを、同意した対象から収集する。6MWTは、硬い平坦な表面を合計6分間歩行する対象からなる。
【0513】
臨床全般印象(CGI)
【0514】
CGIアセスメントを、同意した対象から収集する。CGIは、対象の進行および処置応答の全般的アセスメントを経時的に行うための、質問表に基づく計測手段である。この研究では、CGIの以下の2つのサブスケールを収集する。
・ 状態変化
・ 治療有効性
【0515】
CGI-状態変化
【0516】
CGI-状態変化の尺度は、対象によって完成されることになる。対象は、以下の分類からなる7ポイントスケールを使用して、対象の活力レベルの任意の変化を測定することになる。
1-非常に大きく改善された
2-大きく改善された
3-最小限に改善された
4-変化なし
5-最小限に悪化した
6-大きく悪化した
7-非常に大きく悪化した
【0517】
CGI-治療有効性
【0518】
CGI-治療有効性は、以下の分類からなる4ポイントスケールを使用して、認知される処置の治療有効性に関して、対象によって測定される。
1-非常に良い
2-中程度
3-わずか
4-未変化または悪化
【0519】
握力検査(上半身強度検査)
【0520】
Jamar握力計による握力検査を、同意した対象から収集する。このアセスメントは、対象の最大握力を記録するためのものである。各参加者は、指示通りにそれぞれの手について3回の最大限の自発的検査を実施する。
【0521】
検査は利き手から始める。検査は、研究者または適切に委任された職員によって指導を受ける。可能な場合、対象は、対象の研究参加中ずっと同じ職員によってアセスメントされる。各検査結果を、kgで小数点第1位まで測定する。
【0522】
結果
【0523】
BGE-117の投与は、以下に対して有効である。
1)ベースラインと比較した、ヘモグロビンレベルの上昇
2)ベースラインと比較した、FACIT-疲労スコアの改善によって実証される疲労軽減、
3)ベースラインと比較した、簡易身体能力評価バッテリー(SPPB)スコア、6分間歩行試験(6MWT)、および握力検査の改善によって実証される身体活動の改善
4)酸素運搬、可動性、QOL、および活力レベルの改善
5)ベースラインと比較した、活動レベルおよび睡眠の質の改善。
6. 均等論および参考文献の援用
【0524】
本開示を、好ましい実施形態および様々な代替の実施形態を参照しながら特に示し、記載してきたが、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、それらの実施形態の形態および詳細に様々な変更を加えてもよいことが、関連技術分野の当業者によって理解されよう。
【0525】
本明細書の本文に引用されるすべての参考文献、交付済み特許および特許出願は、あらゆる目的でその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
図1
図2A-B】
図2C-D】
図3
図4A
図4B
図5
図6-1】
図6-2】
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【国際調査報告】