(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-08
(54)【発明の名称】硬膜内区画へのアクセスおよび頭蓋内血腫の治療のための装置および方法
(51)【国際特許分類】
A61M 1/00 20060101AFI20230601BHJP
【FI】
A61M1/00 130
A61M1/00 161
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022566079
(86)(22)【出願日】2021-04-27
(85)【翻訳文提出日】2022-12-26
(86)【国際出願番号】 US2021029276
(87)【国際公開番号】W WO2021222157
(87)【国際公開日】2021-11-04
(32)【優先日】2020-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511281899
【氏名又は名称】マヨ ファウンデーション フォー メディカル エデュケーション アンド リサーチ
【氏名又は名称原語表記】MAYO FOUNDATION FOR MEDICAL EDUCATION AND RESEARCH
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】サバスターノ,ルイス イー.
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ヤン
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA16
4C077CC03
4C077DD21
4C077EE04
(57)【要約】
装置および方法は、脳圧迫の即時軽減および硬膜下血腫の再蓄積の防止を提供する低侵襲処置について記載する。例えば、本開示は、マルチモーダルカテーテルベースの技術を使用する、単一の血管内介入での、出血する中硬膜動脈の分岐血管の塞栓および硬膜下血腫の排出のための装置および方法を記載する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭蓋内硬膜内腔への経血管的アクセスおよび頭蓋内血管外液、血栓または粒子状物質の排出のためのシステムであって、
硬膜内区画と環境とを連通させる第一の内腔を画定し、血管チャネルへの挿入のために構成された遠位端部分を有する細長い要素と、
血管内腔から小脳テント上の硬膜内区画内にアクセスするために前記第一の内腔内にスライド可能に配置可能な穿孔要素と、を含む、システム。
【請求項2】
前記第一の内腔内にスライド可能に配置可能で、中硬膜動脈の分岐血管内への挿入のために構成された遠位端部分を有する、マイクロカテーテルをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
患者の硬膜下血腫の排出方法であって、
前記患者の脈管構造内の吸引カテーテルを、前記吸引カテーテルの遠位端が前記患者の中硬膜動脈内に位置するまで前進させることであって、前記吸引カテーテルは第一の内腔を画定する、前進させること、
第二の内腔を画定するシャフトおよび前記第二の内腔内のスタイレットを前記吸引カテーテルの前記第一の内腔を通って前進させること、
前記スタイレットの傾斜遠位端が前記中硬膜動脈の壁を通る穿刺を生成するように、前記第一および第二の内腔の出口を越えて前記スタイレットを遠位に前進させること、
前記シャフトの遠位端部分が自然な湾曲した形状を取るように、前記シャフトを前記スタイレットの上を、および前記穿刺を通って前進させること、
前記吸引カテーテルを、前記穿刺を通って前進させること、
湾曲した形状を有する前記遠位端部分を有する前記シャフトおよび前記吸引カテーテルを、前記硬膜下血腫に向かって、前記吸引カテーテルの開放遠位端部分が前記硬膜下血腫に入るまで前進させること、および
前記吸引カテーテルを使用して、前記硬膜下血腫から液体を排出すること、を含む、方法。
【請求項4】
前記第一の内腔内のマイクロカテーテルを、前記マイクロカテーテルの遠位端が前記中硬膜動脈の出血する分岐血管内に位置するまで前進させること、および
前記マイクロカテーテルを介して塞栓性物質を注入して、前記中硬膜動脈の前記出血する分岐血管を塞ぐこと、をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記吸引カテーテル、シャフト、およびスタイレットを、前記穿刺を通って延在することから引き出すこと、および
前記第一の内腔を通してコラーゲンプラグを送達して前記穿刺を塞ぐこと、をさらに含む、請求項3または4に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、2020年4月28日出願の米国仮出願第63/016,613号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、頭蓋内血腫の治療および経血管的アプローチから硬膜内区画へのアクセスのための装置および方法に関連する。例えば、本開示は、マルチモーダルカテーテルベースの技術を使用する、単一の血管内介入での、中硬膜動脈の塞栓および硬膜下血腫の排出のための装置および方法に関連する。
【背景技術】
【0003】
硬膜下血腫(SDH)は、脳の外側の血液の集まりで、一般的に頭部外傷から生じ、しばしば抗凝血剤と関連している。SDHは、入院を必要とする軽度~重度の頭部損傷の約11%、重度の外傷性脳損傷の約20%を悪化させる。外科的に排出されない場合、SDHは頭蓋骨内の圧力を増加させ、繊細な脳組織に損傷を与え、生命を脅かす可能性がある。最初は、急性SDH(aSDH)は主に硬い血餅によって形成されるが、その後数日で、血餅は粘性亜急性SDH(saSDH)へと漸進的に液化され、これが永続化して慢性SDH(cSDH)へと拡張する傾向がある。後者の病態は、高齢患者の脳萎縮および抗凝血剤の使用による抗凝固と関連しているため、高齢化集団における公衆衛生上の問題となっている。毎年、10万人のアメリカ人当たり約17~20人がcSDHの影響を受ける。これまで、cSDHは障害を引き起こす、致命的な疾患であり続けており、入院中の死亡率は16.7%、1年死亡率は32%、そして患者の21.1%のみが帰宅を認められた。
【0004】
症候性SDHの標準治療は、外科手術による排出である。一般に、cSDHは比較的薄く、二つの穿頭孔で排出することができるが、saSDHおよびaSDHは粘性液体および/または血餅によって形成され、その排出は、開頭術と呼ばれる大きな骨の「窓」を利用する。開頭術は、cSDHの患者の10%超に影響を及ぼす慢性から急性のSDH(acSDH)で使用され、固形硬膜下血餅と混合した封入された液化血腫によって形成される。当初の外科手術による排出の有効性にもかかわらず、最大37%の失敗率のため懸念されている。治療が一度失敗し、患者が二度回目の外科的治療を受ける場合でも、さらなる再発は一般的であり、cSDHの再発は46%に達する可能性がある。
【0005】
外科的排出は、通常、硬膜下腔へのドレーンの導入と組み合わされ、これは2~3日間、定位置にとどまる。この戦略は、ドレーンのない手術と比較して、再発率および6か月死亡率を約50%減少させると報告されたが、ドレーンは、脳損傷、新生膜からのさらなる出血、再発率を変化させることのない感染、および/または臨床転帰などの合併症をもたらす可能性がある。
【0006】
開放的外科的介入は、抗凝固剤および抗血小板剤の取り消しまたは中止を利用して、心血管周術期リスクを増加させる。開頭術には全身麻酔を伴うことがあり、これは他の併存疾患を有する高齢患者に特に危険である可能性がある。SDHの開頭術に関連する罹患率と死亡率は依然として高く、それぞれ25%および11%にもなると報告されている。
【0007】
血管内中硬膜動脈(MMA)塞栓は、術後再発を低減するために使用される新たな血管内処置である。塞栓剤の注射の後、その後血腫はゆっくりと再吸収され、数週間から数か月の期間にわたって脳への質量効果を減少させる。MMA塞栓の症例シリーズのメタ分析では、従来の管理と比較して、塞栓後cSDHの再発率が低いことが報告されている(2.1%対27.7%、OR 087、95% CI0.026~0.292、P<0.001)。MMA塞栓は、aSDH、saSDH、およびacSDHを有する高リスク患者(すなわち、凝固障害または抗凝血剤を必要とする)におけるcSDHの治療および再発予防のための有望なアプローチである。
【0008】
「ツーステップ」管理は効果的であるが(術前または術後補助としての血管内MMAによる急速な脳減圧のための外科的排出)、この戦略は、上述の手術のすべてのリスクおよび不快感を依然として担持し、二つの異なる処置を必要とする。これは、患者にとって不便であり、入院期間および回復時間を延長し、したがって、医療費を増大させる。SDH拡張を阻止し、かつ脳圧迫の即時軽減のためにSDHを排出するMMAの塞栓を可能にする完全血管内処置は、緊急の未だ満たされていない臨床ニーズである。
【0009】
慢性SDHを治療する統合血管内アプローチは、同時のMMA塞栓および液体の排出を必要とする。MMAの解剖学的構造、cSDHの位置および粘度、およびMMAならびに基礎となる硬膜の動脈壁の強度を含む本明細書に記述の教示に基づいて、MMA塞栓および経動脈的cSDHは、本明細書に開示の装置および方法によって実行可能である。
【0010】
急性、亜急性、および慢性から急性の、典型的にはSDHを排出する血管内アプローチは、MMAを収容できるものよりも大きい内腔を有するカテーテルを必要とする。さらに、MMAの塞栓は、cSDHと比較して重要性が低い。上矢状静脈洞の解剖学的構造および強度を含む本明細書に記載の教示に基づいて、横S状複合体および上錐体静脈洞、経静脈的SDH排出は、本明細書に開示の装置および方法によって実行可能である。
【0011】
頭蓋内区画への経動脈的および経静脈的アクセスのための装置および方法は、頭蓋内区画内の治療薬および装置の送達を可能にする。
【発明の概要】
【0012】
本開示は、硬膜内区画へのアクセスおよび硬膜下血腫の治療のための装置および方法を記載する。例えば、本開示は、マルチモーダルカテーテルベースの技術を使用する、単一の血管内介入での、中硬膜動脈の塞栓および慢性硬膜下血腫排出のための装置および方法を記載する。
【0013】
本明細書では、末梢アプローチから頭蓋内静脈洞をナビゲートし、硬膜下血腫を排出するために硬膜内区画にアクセスする装置および方法が記載される。また、本明細書では、小脳テント上硬膜内区画への経血管的アクセスのための装置および方法が記載される。硬膜内区画は、硬膜下腔、拡張したくも膜下腔(例えば、槽)、脳組織、および脳室(例えば、脳内部の液体充填された空洞)から構成される。小脳テント上区画は、小脳テントの上の頭蓋内腔とみなされる。本明細書に開示される装置および方法はまた、経血管的アプローチからの硬膜上腔へのアクセスも記載する。
【0014】
一態様では、本開示は、頭蓋内血管外液体、血栓、または粒子状物質の排出のためのシステムを対象とする。このシステムには、(i)第一の内腔を画定し、血管チャネルに挿入するように構成された遠位端部分を有する吸引カテーテル、(ii)第二の内腔を画定し、第一のルーメン内にスライド可能に配置可能なシャフト、拘束されていない時に湾曲した形状を有し、第一の内腔内に半径方向に拘束された時に直線形状を有するように可撓性のある、シャフトの遠位端部分、および(iii)第二の内腔内にスライド可能に可能で、中硬膜動脈の壁の貫通のために構成された傾斜先端を有するスタイレット、とが含まれる。
【0015】
頭蓋内血管外液体、血栓、または粒子状物質の排出のためのかかるシステムは、任意に、以下の特徴のうちの一つまたは複数を含み得る。一部の実施形態では、システムはまた、第一の内腔内にスライド可能に配置可能で、かつ中硬膜動脈の分岐血管内への挿入のために構成された遠位端部分を有するマイクロカテーテルを含む。
【0016】
別の態様では、本開示は、患者の硬膜下血腫の経動脈的排出のための方法を対象とする。方法には、(a)吸引カテーテルを、患者の脈管構造内で、吸引カテーテルの遠位端が患者の中硬膜動脈内に位置するまで前進させること、吸引カテーテルは第一の内腔を画定する、(b)第二の内腔を画定するシャフトおよび第二の内腔内のスタイレットを吸引カテーテルの第一の内腔を通って前進させること、(c)スタイレットの傾斜遠位端が、中硬膜動脈および硬膜の壁を通った穿刺を生成するように、第一および第二のルーメンの出口を越えて、スタイレットを遠位に前進させること、(d)シャフトの遠位端部分が自然な曲線形状を取るように、シャフトをスタイレットの上を、かつ穿刺を通って前進させること、(e)穿刺を通って吸引カテーテルを前進させること、(f)湾曲した形状を有する遠位先端部分を有するシャフトおよび吸引カテーテルを硬膜下血腫に向けて、吸引カテーテルの開放遠位端部分が硬膜下血腫内に入るまで前進させること、および(g)吸引カテーテルを使用して、真空およびあるいは他の血栓切除強化法を用いて、硬膜下血腫から液体を排出すること、とが含まれる。患者の硬膜下血腫のかかる排出方法は、任意に以下の特徴のうちの一つまたは複数を含み得る。方法はまた、(h)マイクロカテーテルの遠位端が中硬膜動脈内に位置するまで第一の内腔内にマイクロカテーテルを前進させること、および(i)動脈穿孔の前に一般的に実施される、中硬膜動脈を閉塞するためにマイクロカテーテルを介して塞栓性物質を注入すること、とを含んでもよい。一部の実施形態では、方法はまた、穿刺を通って延在する吸引カテーテル、シャフト、およびスタイレットを除去すること、および第一の内腔を通ってプラグ、コイルまたは粒子を送達して穿刺を遮断すること、とを含み得る。
【0017】
本明細書に記載の装置および方法は、頭蓋内区画へのアクセスを提供し、治療剤ならびに装置の永久的または一時的な送達、および複数の介入の実施を可能にし、a)硬膜を貫通して硬膜下腔に留まる、2)硬膜を貫通して硬膜下腔を横断し、くも膜下腔、脳組織および脳室に入る、といった特徴を含み得る。
【0018】
別の態様では、本開示は、患者の硬膜下血腫の経静脈的排出のための方法を対象とする。方法には、(a)吸引カテーテルを、患者の脈管構造内で、吸引カテーテルの遠位端が頭蓋内静脈(上大脳静脈など)または硬膜静脈洞内に位置するまで前進させること、吸引カテーテルは第一の内腔を画定する、(b)第二の内腔を画定するシャフトおよび第二の内腔内のスタイレットを吸引カテーテルの第一の内腔を通って前進させること、(c)スタイレットの傾斜遠位端が、静脈および/または静脈洞の壁を通った穿刺を生成するように、第一および第二の内腔の出口を越えて、スタイレットを遠位に前進させること、(d)シャフトの遠位端部分が自然な曲線形状を取るように、シャフトをスタイレットの上を、かつ穿刺を通って前進させること、(e)穿刺を通って吸引カテーテルを前進させること、(f)湾曲した形状を有する遠位端部分を有するシャフトおよび吸引カテーテルを硬膜下血腫に向けて、吸引カテーテルの開放遠位端部分が硬膜下血腫内に入るまで前進させること、および(g)吸引カテーテルを使用して硬膜下血腫から液体を排出すること、とが含まれる。
【0019】
本書に記載の主題の特定の実施形態は、以下の利点のうちの一つまたは複数を実現するために実施することができる。第一に、中硬膜動脈の塞栓のための本明細書に記述された装置および方法は、術後の慢性硬膜下血腫の再発を低減するための有効な戦略を提供し、および慢性硬膜下血腫の主な治療法として、特に抗凝固療法または抗血小板療法が中断できない患者に有用である。本明細書に記載の血管内処置では、中硬膜動脈は塞栓されて、「漏れのある」膜への血液供給は減少し、慢性硬膜下血腫が排出され、手術で頭蓋骨を開頭することなく脳への質量効果が低下する。
【0020】
第二に、本明細書に記載の装置および方法は、単一の低侵襲血管内介入処置において、中硬膜動脈の塞栓および硬膜下血腫の排出処置を有利に組み合わせる。
【0021】
第三に、本明細書に記載の新しい技術および装置は、開蓋切開手術および関連するすべての不快感ならびに合併症を回避し、同時に即時の脳減圧および血腫再発の防止を提供する。
【0022】
第四に、本明細書に記載の血管内処置は、抗凝固剤の取り消しまたは中断を必要としないため、周術期リスクおよび合併症が減少し、臨床転帰の改善をもたらす。
【0023】
第五に、記載の低侵襲介入は、意識下鎮静下(および潜在的には外来患者として)で、最小限の不快感で実施することができ、入院時間を著しく短縮し、患者の回復時間を早める。
【0024】
第六に、本明細書に記載の装置および方法は、より大きなサイズの静脈および硬膜静脈洞を有利に使用して、SDHにより近いもしくはその直接上の硬膜内区画に、またはより大きな口径のカテーテルを用いて、アクセスする。これは、高粘度の液体の排出、血餅の摂取、または硬膜の動脈を通ってでなければ適合しないであろう治療物質および移植組織の送達に必要とされてもよい。
【0025】
第七に、本明細書に記載の装置および方法は、頭蓋内区画へのアクセスを提供し、それにより、血腫または他の液体収集物の排出、薬剤および細胞の送達、電極または管の移植、生検を含む、複数の介入の実施を可能にする。
【0026】
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術および科学用語は、本発明が関連する当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。その液体、ゲル、または固体形態(または組み合わせ)での硬膜下血腫の治療に加えて、本明細書に記載の方法および材料を、硬膜外血腫、嚢胞、ハイグローマ、感染、または身体の任意の他の場所の任意の他の液体などの他の頭蓋内収集物の治療に使用することができる。本明細書に記載のものと類似または等価な方法および材料を本発明の実施のために使用することができるが、好適な方法及び材料を以下に記載する。本明細書で言及されている全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、その全体が参照により組み込まれる。矛盾する場合、定義を含む本明細書が優先する。更に、材料、方法、および実施例は例示に過ぎず、限定することを意図するものではない。
【0027】
本発明の一つまたは複数の実施形態の詳細は、添付の図面および本明細書の説明に記載される。実施形態を支持する実験的所見が本明細書に開示される。本発明の他の特徴、目的、および利点は、説明、図面および特許請求の範囲から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1A】
図1Aは、硬膜下血腫が一般的に発生するヒト脳の領域を描写する、コンピュータ生成画像である。
【
図1C】
図1Cは、硬膜下血腫の排出の多数の例示的な経路を描写する画像である。
【
図1D】
図1Dは、横静脈洞、S状静脈洞、ならびに上錐体静脈洞、および硬膜下血腫の典型的な位置を描写する画像である。
【
図2】
図2は、中硬膜動脈の出血する分岐血管から形成される硬膜下血腫の概略図である。
【
図3】
図3は、分岐血管からの出血を止めるために塞栓性物質を注入する例示的なマイクロカテーテルの概略図である。
【
図4】
図4は、中硬膜動脈の壁に穿孔を穿刺する例示的なスタイレットの概略図である。
【
図5】
図5は、壁穿孔を通って硬膜下血腫へ向かって前進する例示的なガイドワイヤの概略図である。
【
図6】
図6は、ガイドワイヤの上を、壁穿孔を通って硬膜下血腫へ向かって前進する例示的な吸引カテーテルの概略図である。
【
図7】
図7は、硬膜下血腫を排出するための硬膜下血腫内における吸引カテーテルの遠位端部分を示す概略図である。
【
図8】
図8は、壁穿孔および中硬膜動脈分岐血管を塞ぐためにコラーゲンプラグを送達する吸引カテーテルの概略図である。
【
図9】
図9は、吸引カテーテルの除去後の例示的な最終構成で、壁穿孔および中硬膜動脈分岐血管を塞ぐコラーゲンプラグを示す。
【
図10】
図10は、二つの「J」構造を有する遠位端部分を有する別の例示的なシャフトの概略図である。
【
図14】
図14は、吸引カテーテルおよびシャフトの別の例示的実施形態を示す。
【
図17】
図17は、吸引カテーテルおよびシャフトの別の例示的実施形態を示す。吸引カテーテルは、それを通ってシャフトが前進する横方向の開口部を有する。
【
図19】
図19は、針を用いて中頭蓋窩のMMAおよび硬膜を貫通するための切断力を表す箱ひげ図である。
【
図20】
図20は、針を用いて前頭および頭頂骨の下にある(すなわち、凸面)MMAおよび硬膜を貫通するための切断力を表す箱ひげ図である。
【
図21】
図21は、針を用いて、前頭および頭頂領域(凸面)のMMAおよび硬膜を貫通するための切断力と中頭蓋窩(頭蓋骨基部)のMMAおよび硬膜を貫通するための切断力とを対比して表す箱ひげ図である。
【
図22】
図22は、針を用いて、上矢状静脈洞の前部、中部、および後部三分の一の側壁を貫通するための切断力を表す箱ひげ図である。
【
図23】
図23は、異なる患者からの慢性硬膜下血腫の複数の試料の粘度およびせん断率を比較する対数折れ線グラフである。
【
図24】
図24は、慢性硬膜下血腫液体の対数流量をカテーテルIDと比較する折れ線グラフである。
【
図26-1】
図26A~26Fは、SDHを排出するためのRFエネルギー要素を含むサブコンポーネントの概略図である。
【
図27】
図27A~27Kは、硬膜を穿孔し、SDHを排出し、動脈切開を閉じるための固定要素を含むサブコンポーネントの概略図である。
【
図28】
図28A~28Cは、遠位カテーテル端を方向付けるための二つの作動装置を含むカテーテルの概略図である。
【
図29】
図29Aおよび29Bは、遠位カテーテル端を方向付けるための一つの作動装置を含むカテーテルの概略図である。
【
図30】
図30A~30Cは、開口部および付属ワイヤ固定のための第二のカテーテルを含むカテーテルの概略図である。
【
図31】
図31A~31Dは、動脈および周囲の組織を撮像するための血管内超音波要素を含む装置の概略図である。
【
図32-1】
図32A~32Iは、閉塞解消要素を含むシャフトの様々な実施形態の概略図である。
【
図33】
図33Aは、吸引力および流量を増加させるためのカテーテルの実施形態の概略図である。
図33Bは、カテーテルの遠位端を塞ぐ粒子状物質を破壊するためのカテーテルの実施形態の概略図である。
【
図34】
図34A~34Eは、SSSの壁を通って硬膜下腔にアクセスし、SDHを排出する概略図である。
【
図35】
図35A~35Cは、SPSなどの第二の血管分岐内に付属ワイヤで装置を固定する概略図である。
【
図36】
図36Aおよび36Bは、SPS内のワイヤの上を前進することができる附属物を含む鞘の概略図である。
【
図37】
図37A~37Cは、固定要素およびレールシステムを含む保護鞘を含むカテーテルの概略図である。
【
図38】
図38A~38Dは、シャフトに接続されたバルーン要素を含む装置の概略図である。
【
図39】
図39は、異なる周波数における血液と頭蓋組織の誘電率を比較する折れ線グラフである。
【0029】
同様の参照番号は、全体に対応する部品を表す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本明細書で開示される装置および方法は、血管内腔から硬膜内区画に入るための全く新しいクラスのプラットフォームである。このシステムは、頭蓋骨を開かないSDHの排出を含む経血管的脳神経外科手術を可能にするであろう。理想的には単一のアプローチで行われ、抗凝固剤を止める必要はない、脳圧迫の即時軽減と硬膜下血腫の再蓄積の防止を提供する低侵襲処置は、未だ満たされていない臨床ニーズである。したがって、本開示は、かかる様式で硬膜下血腫を治療するための装置および方法を記載する。
【0031】
本開示は、経動脈的血腫排出のためのカテーテルベースの技術による血管内介入における、中硬膜動脈塞栓および硬膜下血腫の排出を含む装置および方法を記載する。装置は、末梢動脈アクセスからMMAにナビゲートし、塞栓剤の送達を可能にし、血管内区画から硬膜下腔へのアクセスを提供し、通路が開存している間に血液の溢出を減少させ、頭蓋内区画内のナビゲーションを脳穿孔または損傷なしで可能にし、硬膜下収集物の排出を可能にし、およびカテーテルの除去に当たっての動脈切開(例えば、動脈壁および/または硬膜の穿孔)の閉鎖ならびに動脈閉塞を容易にする。
【0032】
本開示はまた、末梢静脈アプローチからの、上矢状静脈洞および上錐体静脈洞を含む、硬膜静脈洞内へのナビゲーション、および血腫排出のための硬膜下腔内への穿孔のための装置および方法についても記載する。装置は、末梢静脈アクセスから硬膜洞内へとナビゲートする経静脈的使用を含み、血管内区画から硬膜下腔へのアクセスを提供し、通路が開存している間に血液の溢出を防止し、脳穿孔または損傷なしに頭蓋内区画内のナビゲーションを可能にし、硬膜下収集物の排出を可能にし、カテーテルシステムの除去に当たってのデュロトミー閉鎖を容易にする。
【0033】
図1A~Dを参照すると、硬膜下血腫(SDH)は、出血の一種であり、通常、外傷性脳損傷と関連する血液の集まりは、硬膜の内層と脳を囲む髄膜のくも膜との間に蓄積する。それは、通常、硬膜下腔を横断する架橋静脈の断裂から生じる。硬膜下血腫は、頭蓋骨内の圧力の増加を引き起こし、その結果、デリケートな脳組織の圧迫および損傷を引き起こす可能性がある。SDHは、脳と硬膜の間(例えば、硬膜)に位置し、典型的には、大脳半球の凸面に面し、MMA、上矢状静脈洞(SSS)、下矢状静脈洞(ISS)、上錐体静脈洞(SPS)、横S状接合部または横静脈洞(TS)を含む硬膜の血管構造に近接する。
【0034】
SDHの分布が、9つの異なるレベルでのスキャンを含む各症例の患者71人からのCTスキャンを分析することによって計算された。1)軸平面:頂点から1cm、脳梁の上部、モンロー孔、中脳、2)前頭面:蝶形骨翼、フォーラムロツンダム(forum rotundum)、第4脳室、テント切痕、およびトルキュラ(torcula)。次に、各2D平面上の脳の表面でのSDH存在の可能性を計算し、それを空間的補間とともに3D脳の周辺部に沿ったSDH存在の確率を計算するために用いた。結果を、3D等角投影図(左)、側面図(右上)、および上面図(右下)にてヒト脳の異なる位置におけるSDH存在の確率の等高線図である
図1Aに示す。カラー凡例バーは、0.1単位で0~1のスケールで確率を示す。xおよびz軸の単位はミリメートル(mm)である。
【0035】
図1B~Dは、硬膜下腔にアクセスして、経動脈的および経静脈的経路から硬膜下血腫を排出する、本明細書で開示される装置および方法のアクセス経路の例を示す。
【0036】
ここで
図1Bを参照すると、MMA20は典型的には、顎動脈の第一部分の第三の分岐であり、外頸動脈の二つの末端分岐のうちの一つである。
図1Bは、左側に硬膜下血腫10を有し、中硬膜動脈(MMA20)および上矢状静脈洞(SSS5)との関係を有する、頭蓋骨1、脳2、硬膜4を含む頭部の冠状断面を示す画像である。
【0037】
図1Cは、硬膜4の脈管構造を有する頭蓋骨1の後側部図を示す画像である。点線は、中硬膜動脈(MMA20)、上矢状静脈洞(SSS5)、下矢状静脈洞(IPS6)、上錐体静脈洞(SPS7)を通るSDH排出の経路を表す。
【0038】
頭部の両側に一つのMMA20がある。側頭下窩内の顎動脈を分枝した後、それは、棘孔と呼ばれる骨腔を通って、0.3cm~2.8cmであり得る頭蓋内区画に入る。頭蓋内区画に入ると、MMA20は、棘孔の長手方向軸から60~120度の角度で前方および横方向に偏向され、硬膜4の硬膜外側(硬膜4と頭蓋骨1の間)上を走る。
【0039】
動脈は、通常、動脈の周辺を180度未満で囲む、頭蓋冠の内面の骨溝内を走る。MMA20の主幹は24mm±10mmであり、その後、前頭および頭頂の分岐へと分岐する。他の小さな分枝が存在する。MMA20sの主幹の平均直径は0.9mm±0.3mmであるが、1.48mm±0.48mmの平均直径を有するcSDHの場合、それよりも概して大きい。
【0040】
SSS5は、鶏冠の近傍から後頭蓋の静脈洞の合流部に大脳鎌に沿って走る弁のない正中線静脈である。上矢状静脈洞は、31cmから38cmの典型的な長さで両方の大脳半球に面し、各側(左および右大脳半球)から12~20の静脈支流を受ける。静脈洞は、典型的な幅が3mm~18mm、高さが3mm~14mmの三角形形状を有する。SSS5の典型的な断面積は、15mm2~90mm2であり、静脈洞壁と正中線との間の角度は、典型的には、25°~65°の範囲である。SDH10の外科的排出を受けている患者100人の非造影頭部CTにおけるSSS5および硬膜下腔(SDS)の構造解析は、SSS5の典型的な幅が9.6mm(SD 2.4)、典型的な高さが5.6mm(SD 1.6)、典型的な面積が34.5mm2(SD 13.8)であることを示した。傍矢状硬膜下腔(すなわち、SSS5内側とSDH10横側との間)の最小幅は5.3mm(SD 3.3)であり、硬膜下腔を介したSSS5とSDH10との距離は19.8mm(SD 14.1)であった。
【0041】
典型的には、静脈洞は、頭部後部の静脈洞の合流部により近づくほど大きい。静脈洞の合流部では、SSS5の内腔は横およびS状静脈洞内に続き、その後、頸静脈に排出される。SSS5は、硬膜4層に囲まれ、髄液で満たされたくも膜およびくも膜下腔によって脳から分離される。高齢患者では、脳は萎縮し、静脈洞と脳の間の空間が広がる。慢性SDH10の患者90人のコホートにおいて、我々は、脳の表面と頭蓋骨1を覆う硬膜4の間の傍矢状位置の空間は、1mm~20mm、典型的には2mm~8mmであることを見出した。SSS5壁とSDH10との間の距離は、0mm~60mmの範囲で、患者の90%超が40mm以内、患者の75%超が20mm以内であった。
【0042】
図1Dは、左中および後頭蓋窩の斜位図を示す画像である。横静脈洞11、S状静脈洞12、および上錐体静脈洞13は、硬膜下血腫10の典型的な位置が赤色で強調表示されているのと共に、強調表示されている。11、12、および13の各静脈洞の間の角度は、黒い点線で示されている。11、12、および13の三つの静脈洞の接合部からの経血管的穿孔への軌道の角度が、灰色の点線矢印で示される。
【0043】
上錐体静脈洞(SPS13)は、典型的には海綿静脈洞および上錐体静脈洞複合体から血液を受け取り、横静脈洞11に排出する硬膜静脈系の一部である。SPS13は、症例の60%で海綿静脈洞および横S状接合部の両方と接続し、37%で海綿静脈洞に接続せずに横S状接合部と横方向にのみ接続し、3%で横S状接合部と接続せずに海綿静脈洞とのみ接続する。さらに、SPS13は両側構造である。したがって、97%の症例では、経頸静脈的アプローチを通じてSPS13にアクセスすることが可能である(横静脈洞11は、S状静脈洞12に排出され、これが続いて、頸静脈球、次いで内頸静脈および頭蓋骨1の基部に排出される)。静脈洞は、上錐体洞溝と呼ばれる側頭骨の溝の中を走り、小脳テントはSPS13の端に付着する。SPS13の横静脈洞11または横S状接合部への接続は、上錐体洞溝の最も後方および横方向の部分で発生し、これは、脳の凸面に到達するための硬膜下腔への穿孔(SPS13の近位、横静脈洞11または横S状接合部から)のための解剖学的に戦略的な点である。SPS13と横静脈洞11との間の角度は、軸平面において概して80度~120度である。SPS13とS状静脈洞12との間の角度は、典型的には30~80度である。SPS静脈洞の直径は通常1mm~5mmである。経血管的穿孔および硬膜下腔ナビゲーションがSPS13の長手方向主軸から80度~180度の角度で行われる場合、脳凸面上のSDH10の大部分がアクセスされるであろう。
【0044】
図19~22を参照すると、針の貫通試験が実施され、結果が、貫通力をy軸上およびサンプル識別をx軸上に取る箱ひげ図で表示された。中央値は中央線であり、箱は第一四分位および第三四分位を包含し、点線は最小値および最大値にそれぞれ伸びる。
【0045】
針の貫通試験は、MMA20および硬膜4の壁を通して、外径0.014インチおよび10~15度の攻撃角度を有するステンレス鋼の面取り針(遠位傾斜21度、近位傾斜14度)で実施された。例えば、IV Catheter Radio-opaque、REF4056、MOD11などのJelcoによって製造された1-1/4インチの長さを有する20G針。
【0046】
図19は、針を用いて中頭蓋窩のMMAおよび硬膜を貫通するための切断力を表す。
【0047】
図20は、針を用いて前頭および頭頂骨の下にある(すなわち、凸面)MMAおよび硬膜を貫通するための切断力を表す。
【0048】
図21は、針を用いて、前頭および頭頂領域(凸面)のMMAおよび硬膜を貫通するための切断力と中頭蓋窩(頭蓋骨基部)のMMAおよび硬膜を貫通するための切断力とを対比して表す。
【0049】
図22は、針を用いて、上矢状静脈洞の前部、中部、および後部三分の一の側壁を貫通するための切断力を表す。
【0050】
図19~22に示すように、動脈内腔から硬膜下腔に貫通するために必要な切断力は以下の通りである。1)MMA 20/硬膜4全体:0.75N(標準偏差(SD)0.33N);2):MMA 20/非石灰化硬膜4:0.68N(SD 0.24N);3)MMA 20/石灰化硬膜4:1.29N(SD 0.48N)。中頭蓋窩のMMA20/硬膜4は、0.39N(SD 0.12N)の切断力を必要とした。
【0051】
0.028インチの外径を有する同じ針と外側傾斜シャフト(遠位の傾斜23度、近位傾斜9度)での、MMA20壁および非石灰化硬膜4の貫通は、1.8N~2.2Nの切断力を必要とした。上記と同じ針および外側シャフトおよび0.045インチの外径を有する先細でないカテーテルでの、MMA20壁および非石灰化硬膜4の貫通は、2N~8Nの切断力を必要とした。上記と同じ針および外側シャフトおよび先細のカテーテル(032インチの先細での内径から0.045インチの最終外径)での、MMA20壁および非石灰化硬膜4の貫通は、1.5N~2.5Nの切断力を必要とした。
【0052】
10~15度の攻撃角を有するSSSの壁(硬膜4を含む)を通る針の貫通試験(20G 1-1/4インチのJelco IV Catheter Radio-opaque、REF 4056、MOD11の針を用いた)では、以下の切断力が必要であった。1)SSS全体:0.57N(SD 0.25N)、2)静脈洞の前方三分の一:0.53N(SD 0.22N)、静脈洞の中央三分の一:0.56N(SD 0.28N)、3)静脈洞の後方三分の一:0.61N(SD 0.24N)。トロカール(OD 0.083インチ)およびカテーテル(ID 0.088インチ/OD 0.106インチ)上に取り付けられた針(0.042インチ)によって形成される三軸伸縮穿孔システムを使用して、6Nの力が、SSSを通って硬膜下腔内に穿孔するために必要とされた。
【0053】
図23を参照すると、十のcSDHを十人の患者の排出手術中に収集し、37℃で、異なるせん断率(例えば、γ=10
-2、10
-1、1、10、100、および1000s
-1)下で粘度を評価するために、レオメーター(reometer)(DHR-1 Hybrid、TA Instruments)で試験をした。
図23は、粘度をy軸上にPa-sで、せん断率をx軸上にs
-1で取った対数折れ線グラフである。サンプルキーは右上にはめ込まれ、曲線適合は負の勾配を有する破線として示され、水の粘度は、10
-3Pa・sの水平の破線として示される(水と標識付けられている)。
【0054】
非ニュートンのせん断減粘挙動が観察された。粘度をμ=Kγn-1として推定する(例えば、フィッティング)ためにべき法則を使用し、式中、μは粘度であり、γはせん断率であり、Kおよびnは材料定数で、それぞれ0.113Pa・sおよび0.410に等しい。適合は、サンプル点と相関した破線として示される。
【0055】
図24を参照すると、圧力勾配下で管を通過する非ニュートン流体について、流量Qは
【数1】
によって計算され、ここで、DはカテーテルIDであり、ΔPはカテーテル遠位端での動脈圧と近位端での真空圧との間の圧力差であり、Lはカテーテルの長さである。
図24は、y軸上にmL/分で対数流量と、x軸に沿ってインチでカテーテルIDとを、比較した折れ線グラフである。SDH液体の吸引流量は、カテーテルIDの関数として曲線として示されるが、これは、注射器の手動プルによって-45kPaの真空圧力が生成され、カテーテルの長さは1.4mであることを想定している。
【0056】
式から、流量はD5.44に比例するので、IDは、MMA20へのカテーテルアクセスを維持しながら、可能な限り大きく選択されなければならない。ID 0.027インチのカテーテルは、18mL/分の吸引流量を生成することができる。我々は、ID 0.027インチを有する150cm長のカテーテルを通して、注射器によって臨床的に関連のある速度でcSDHを吸引できることを見出した。ID 0.027インチのカテーテルは、MMA20内にナビゲートすることができる。
【0057】
図2は、中硬膜動脈20の出血する膜および/または分岐血管22から形成される硬膜下血腫10の概略図である。側頭下窩で顎動脈を分岐させた後、それは、棘孔を通って硬膜4、外側髄膜層、および頭蓋冠に供給する。cSDHの場合、MMA20はまた、血液を病理学的膜に供給し、収集物を拡大および永続させる。
【0058】
出血する分岐血管22などの出血する血管を識別するために、撮像手順を実施することができる。例えば、一部の実施形態では、硬膜下血腫10に寄与している出血する血管を特定するために、X線(蛍光透視)および/またはコンピュータ断層撮影(CT)撮像手順を実施することができる。かかる場合、造影剤(例えば、ヨウ素系造影剤)を静脈内に注射し、X線および/またはCT画像を強化するために使用することができる。
【0059】
図3は、膜を塞栓し、分岐血管22および分岐が注ぐ膜からの出血を停止または防止するために、塞栓性物質(例えば、液体の塞栓剤、マイクロ粒子など)を注入している例示的なマイクロカテーテル110の概略図である。マイクロカテーテル110は、大腿動脈(鼠径部)もしくは橈骨動脈(手首)または任意の他の適切な血管アクセスポイントなどのアクセスポイントを通って患者の脈管構造内に設置され得る吸引カテーテル100を介して前進する。典型的には、吸引カテーテル100は、ガイドカテーテルの内腔(典型的には5フレンチまたは6フレンチ、例えば5Fまたは6F)を通って顎動脈内に送達され、ガイドカテーテルは患者の末梢動脈の脈管構造、典型的には大腿および橈骨動脈、より一般的ではない場合、上腕動脈および頸動脈に位置する鞘内に導入される。
【0060】
本明細書に開示される結果に基づいて、以下の設計仕様は、好ましい実施形態とみなすことができる。吸引カテーテル100は、MMA20をナビゲートするための0.060インチ以下の遠位OD、およびSDH10を排出するための0.020インチ以上の遠位ID、経大腿および経橈骨介入を可能にするための125cm以上の作業長を有する。吸引カテーテル100は、ねじれることなく最小曲線角度70°で前進し、棘孔を通って頭蓋内区画に入ることができる。吸引カテーテル100は、MMA20/硬膜を穿孔するために、ねじれる、卵型になる、またはヘルニアになることなく親内腔または分岐動脈内に入る1Nを超える前方荷重を生成するのに十分なカラム強度を有し、およびMMA20壁および硬膜を通る穿孔部位で崩壊またはねじれることなく、注射器でSDH10を吸引するために虚脱することなく20inHg超の吸引力を生成する。
【0061】
図4は、MMA20の壁に、硬膜下血腫10に向かう方向に、穿孔を穿刺する、例示的なスタイレット130の概略図である。スタイレット130は、MMA20の壁の貫通を支援する傾斜遠位端部分を有し得る。スタイレット130は、シャフト120の内腔を通って前進し、これは次に吸引カテーテル100の内腔を通って前進する。
【0062】
シャフト120は、ワイヤの上を前進してMMA20中に入る0.014インチマイクロワイヤと適合性がある(例えば、IDが0.014インチより大きい)。シャフト120のIDは、150~250μmのサイズであるPVA粒子を注入するために0.012インチより大きく、硬膜4を捕捉するためにカテーテルの端を避けるためにカテーテルのIDよりも小さい0.006インチ未満の遠位ODを有する。シャフト120は、スタイレットを硬膜下腔に向ける単方向の偏向を含む。
【0063】
スタイレット130は、シャフト120の端が硬膜4を捕捉するのを避けるために、シャフト120のIDよりも小さい0.003インチ未満の遠位ODを含む。スタイレット130は、シャフト120を通って最小曲線角度70°で前進し、棘孔を通って頭蓋内区画に入る。スタイレット130は、1N未満の切断力の経動脈的穿孔のための遠位端に鋭利な面取り針、および最小曲線角度70°でカテーテルを通る送達に適合する直径を有する閉鎖装置、とを含む。これにより、スタイレット130は、押すか、または取り外すことを介して、棘孔を通って頭蓋内区画に入ることができる。すべてのサブコンポーネントは、放射線不透過性(例えば、従来の蛍光透視法で可視化されるのに十分なX線減衰を提供する)であるか、または少なくとも一つまたは複数の放射線不透過性領域を有する。代替的に、構成要素は、金、白金、白金イリジウム、タンタル、ビスマス、およびタングステン充填ポリマーなどの一つまたは複数の蛍光透視マーカーを含み得る。
【0064】
一部の実施形態では、マーカーは、穿孔要素の後端部に適用され、前端部での相対的な位置を示す。マーカーは、装置の各要素の回転配向または相対奥行きを示すことができる。
【0065】
一部の実施形態では、スタイレット130およびシャフト120の後端部は、これらの要素の相対的な長さの調整を可能にする組立によって結合される。組立の例は、ノブまたはホイールによって操作されるねじ込みねじを含み得る。この組立は、スタイレット130を遠位シャフト120内に有利に収納し、スタイレット130の傾斜先端が、特に棘孔の角のある部分において前進中に吸引カテーテル100の内面を損傷する、例えば、引っかくおよび/または捕捉するのを防止する。この組立は、スタイレット130の切断傾斜を、奥行き制御された貫通のためにシャフト120の遠位に一定の距離で露出する。
【0066】
図5は、MMA20の壁穿孔を通って硬膜下血腫10へ向かって前進する例示的なシャフト120の概略図である。シャフト120は、スタイレット130の上を前進し、適切に高い押出し性(例えば、カラム強度)を有する。シャフト120の可撓性の遠位端部分は、シャフト120が硬膜下血腫10に向かって非外傷的に前進できるように、自然な非拘束の湾曲した形状(例えば、J型)を有する。0.040インチのODを有するマイクロカテーテル110を、0.014インチのマイクロワイヤの先端の上を、死体のヒト頭部の硬膜下腔を通って前進させることに基づいて、硬膜下ナビゲーションは実行可能であり、非外傷性などの肉眼で見える脳損傷をもたらさない。硬膜下腔内の前進中、J型またはU型は脳表面に平行である。これにより、望ましくない脳貫通のリスクが低減する。シャフト120の前進が脳表面とSDHとの間にシャフト120を配置する場合、シャフト120は回転してJまたはU形状をSDHに向け、その後前進する。
【0067】
シャフト120は拘束されていないJまたはU形状を有するが、シャフト120の遠位端部分はスタイレット130の上にあり、スタイレット130の剛性は、シャフト120の遠位端部分をまっすぐにする(例えば、
図4で描写する通り)。一部の実施形態では、シャフト120は、コイル状ワイヤで補強されたマイクロカテーテルである。スタイレット130の相対位置をシャフト120の上に変更することによって、シャフト120の剛性および形状が変更される。
【0068】
図6は、シャフト120の上を、MMA20の壁穿孔を通って、硬膜下血腫10へ向かって前進する例示的な吸引カテーテル100の概略図である。吸引カテーテル100は、ワイヤ補強チューブとすることができる。吸引カテーテル100は、開ポートを有する吸引カテーテル100の遠位端部分が硬膜下血腫10内に配置されるまで前進するであろう。カテーテル100の前進は、硬膜下腔への溶液の注入によって促進され得る。シャフト120およびカテーテル100は、テフロン(登録商標)などのような潤滑物質によって被覆され得る。
【0069】
図7は、硬膜下血腫10内に位置付けられた吸引カテーテル100の遠位端部分を示す概略図である。ここから、吸引カテーテル100を使用して吸引を適用して、血液および/または他の液体を吸引して、硬膜下血腫10を少なくとも部分的に排出することができる。吸引カテーテル100のワイヤ補強は、硬膜下血腫10を吸引するために真空が適用される間、吸引カテーテル100が虚脱するのを防ぐのに役立ち得る。適用される真空は、低周波数および/または高周波数で、連続的、動的、周期的、および拍動性であり得る。脈動圧は、吸引除去を容易にする血餅の疲労および破砕を誘導する。液体排出は、頭蓋内区画と大気との間の圧力勾配によって自然に発生することがある。真空は、注射器またはポンプのいずれかを使用して適用することができる。
【0070】
図8は、MMA20の壁穿孔を閉塞し、MMA20の分岐血管を閉塞するために、止血要素180(例えば、穿刺部位、または別のタイプのプラグ材料/装置に急速な止血をもたらすために使用することができるコラーゲン材料)を送達する吸引カテーテル100の概略図である。その後、
図9に描写するように、吸引カテーテル100を抜去して、硬膜下血腫10を排出するための
図2~9に記載される手順を完了することができる。
【0071】
図2~9は、本明細書で血管外アクセスカテーテル(EVAC)とも呼ばれる、装置のプラットフォームを記述する。上述のように、EVAC装置は、少なくとも吸引カテーテル100、およびマイクロカテーテル110ならびにシャフト120によって形成され得る穿孔要素、とを含む。しかしながら、これらの構成要素のうちの二つは、類似の手順ステップを達成するための設計により単一の構成要素に統合されてもよく、またはより多くの構成要素が追加されてもよい。
【0072】
EVAC装置は、血管内区画から硬膜下腔へのアクセスを提供し、通路が開存している間に血液の溢出を防止し、脳穿孔または損傷なしに頭蓋内区画内のナビゲーションを可能にし、硬膜下収集物の排出を可能にし、およびEVAC装置の除去時に通路閉鎖(および必要に応じて動脈閉塞)を確保するプラットフォームである。
【0073】
図25A~25Eを参照すると、EVAC装置2500の一実施形態が示されている。一部の実施形態では、
図25Aに示すEVAC装置2500は、本明細書に記載の吸引カテーテル2510のサブコンポーネント(例えば、マイクロカテーテル、シャフト2520、またはスタイレット2530)であり、直接手動で、または少なくとも部分的にハンドルアセンブリ2540によって作動される。ハンドルアセンブリ2540の一実施形態では、吸引カテーテル2510は、ユーザに近位の端部で、SDH10吸引のための真空源に接続されたポート2560を含むハンドルハウジング2550に取り付けられる。
【0074】
ハンドルハウジング2550の内部において、および吸引カテーテル2510と同軸で、シャフト2520は、スライダ2570への近位端で組み立てられ、スライダ2570をハンドルハウジング2550上のスロット2572に沿ってスライドさせて押すか引くことによって作動させると、それは、吸引カテーテル2510内で、シャフト2520の対応する同軸並進運動を発生させる。シャフト2520の遠位端は、スライダノブ2570を使用して、吸引カテーテル2510遠位端に対して位置付けられる。スライダ2570は、シャフト2520の位置を吸引カテーテル2510内に維持するために、止めねじ方式(例えば、止めねじを使用して、またはシャフト2520の並進動作を凍結するためにハンドルハウジング内に回転して入る)で、ハンドルハウジング2550に対して回転可能に締められる。一部の実施形態では、シャフト2520は、非外傷性マイクロワイヤを配置する中空内腔を有する傾斜切断先端を有する。
【0075】
ハンドルハウジング2550の近位端は、スタイレット2530が組み立てられるスタイレットノブ2580を受領する。
図25Bは、吸引カテーテル2510、シャフト2520、およびスタイレット2530の入れ子アセンブリを含む、ハンドルアセンブリ2540の構成要素の断面図を示す。スタイレット2530は、スタイレットノブ2580内で近位端にて終了および付着する。スタイレットノブ2580は、スタイレットノブ2580をハンドルハウジング2550の内外に駆動する回転を通してスタイレット2530の相対位置を制御する。
【0076】
リングシール2590は、吸引カテーテル2510およびシャフト2520の近位端に配置され、これにより真空漏れおよびシステムへの空気の導入が低減される。一実形態では、吸引カテーテル2500、シャフト2520、およびスタイレット2530のそれぞれは、生理食塩水潤滑およびSDHの希釈などの液体を注入するための液体ポートを有する。代替的な実施形態では、これらのポートはまた、ポート2560などの、SDH吸引を強化するために真空源に接続されてもよい。様々な代替的な実施形態では、個別のマーカーまたはルーラーは、シャフト2520、吸引カテーテル2500、および/またはスタイレット2530の遠位端の相対的位置を示すために、スライダ2570および/またはスタイレットノブ2580上に標識される。別の実施形態では、ナットなどの内ねじを有するスペーサーは、スタイレットノブ2580とスライダ2570との間に組み立てられて、シャフト2520遠位端からのスタイレット2530の最大突出を減少させることができ、ハードストップを提供する。
【0077】
図25Cは、ハンドルハウジング2550およびスライダ2570を通り、ハンドルハウジング2550、スタイレット2530、およびシャフト2520の長手方向軸に垂直な、ハンドルアセンブリ2540の横断断面図である。スライダ2570の回転可能な接続が左に示される。スライダ2570は、スライダ2570がハンドルハウジング2550と接触し、ハンドルハウジング2550に対するシャフト2520の位置を維持するまで回転する。
【0078】
EVAC装置2500は、周辺アクセスからMMA内にナビゲートされ、膜の微小血管閉塞のための動脈内塞栓性物質を送達するために使用される。次に、EVAC装置2500を使用して、動脈壁を意図的に穿孔し、硬膜下腔(例えば、脳、硬膜、および頭蓋骨の間)を通って前進し、慢性硬膜下血腫(cSDH)を排出する。アクセス中、止血要素は、血管外通路を閉じる動脈穿孔および/またはMMAの内腔にわたって配置、送達、または注入される。
【0079】
本明細書に記載の装置、システム、および方法は、硬膜下腔からの液体、血餅、および粒子状物質の排出のみを目的としたものではないことが理解されるべきである。代わりに、本明細書に記載の方法およびシステムは、安全なアクセスの取得、および例えば、急性硬膜外血腫、嚢胞液および膿の排出などの、硬膜上腔内での液体や血餅の排出のために適合され得る。これらの場合、システムはまた、排出カテーテルの内側、外側、または両方に配置される、血餅を軟化する要素(例えば、回転要素、振動要素、流体ジェットなど)を含み得る。さらに、本明細書に記載の方法およびシステムは、くも膜下腔、槽、脳組織および脳室を含む、硬膜内区画内の任意の頭蓋内標的へのアクセスを得るために適合され得る。
【0080】
本明細書に記載の装置、システム、および方法は、動脈を通じた液体または粒子状物質の排出のみを目的としたものではないことが理解されるべきである。代わりに、本明細書に記載の方法およびシステムは、硬膜下または硬膜上腔への安全なアクセスを取得し、静脈、硬膜静脈洞および任意の他の自然の回廊を通して液体、粒子状物質および血餅を排出するために適合され、使用され得る。
【0081】
本明細書に記載の装置、システム、および方法は、任意の血管外空間への安全かつ安定した経血管的アクセスを取得し、その後、動脈切開または静脈切開部位を閉じるために使用され得ることが理解されるべきである。
【0082】
変形および他の実施形態および/または特徴
一部の実施形態では、シャフト120は、動脈壁の貫通および硬膜下血腫への進入を容易にするために、ジアテルミー、電気焼灼、または任意の他の電気的特徴を有する。また、硬膜下血腫、血腫内の隔壁、または任意の出血源を取り囲む膜を切断および/または凝固させるために、ジアテルミー、レーザー、および電気焼灼を使用することもできる。MMAなどの経血管的通路および血管内腔を閉じるために、ジアテルミー、レーザー、および電気焼灼を使用することもできる。単極または双極焼灼は、別個の構成要素として、または吸引カテーテル100および/またはシャフト120に統合されて使用され得る。一部の実施形態では、シャフト120は単極(シャフトの少なくとも部分、概して先端)として作用することができ、シャフト120およびカテーテル100(少なくともセグメント、概して遠位端)は結合動作中に双極として作用することができる。
【0083】
一部の実施形態では、シャフト120または吸引カテーテル100は熱アブレーションで結合され得る。
【0084】
ここで
図26A~26Fを参照すると、一部の実施形態では、少なくとも一つの貫通要素(スタイレット2630、シャフト2620、および吸引カテーテル2600)は、高周波(RF)アブレーションチップを有する。RFエネルギーを適用して、組織温度を急速に上昇させ、液体を蒸気に変換する(すなわち、気化)ことにより、焦点組織破壊および空隙をもたらす。気化は、血管内腔から硬膜内区画への開窓をもたらし得る。これは、切断端を有する機械的針と比較して、穿孔のための切断力を低減し、カラム強度を低減させることに有益である。結果として生じる組織空隙はまた、経血管的通路に沿ってエッジが捕捉する可能性を低減するであろう。さらに、非外傷性RF針の先端は、シャフトおよび吸引カテーテルを損傷する可能性が低い。
【0085】
一部の実施形態では、RFエネルギーは、周囲の膜を通じてのSDHへの進入、混合年齢SDHおよび慢性SDHに関連する隔壁の穿孔を促進し、排出管状要素(例えば、吸引カテーテル)の開口部の詰まりを解消するために使用される。
【0086】
一部の実施形態では、RFアブレーションエネルギーは、同じまたは追加のRF要素によって送達されて、介入の終了時に必要に応じて、貫通部位および動脈閉鎖で組織を凝固させることもできる。一部の実施形態では、RF要素先端は、RF要素の遠位端から近位端まで延在し、ハブ内の電気ジョイントによってRF発生装置に接続された接続ワイヤを有する二つ以上の電極を含む。これらのワイヤは、典型的には、ステンレス鋼、銅、および銀などの導電性金属から作製され、PTFEなどのプラスチック層で絶縁されるか、またはシャフトまたは吸引カテーテルの壁内に埋め込まれることによって絶縁される。電極は絶縁されておらず、ステンレス鋼、銀、金、または白金などの高い放射不透過性を有する導電性および生体適合性金属で作製されるか、または被覆される。一部の実施形態では、一つまたは複数の電極は、単極様式で並列に動作し、同じ接地パッドを共有するために、RF発生装置に個別に接続される。二つの電極を有する別の実施形態では、電極の一方はRF発生装置に接続され、他方の電極は接地に接続され、双極様式で機能する。別の実施形態では、単一または複数(2を超える)の電極は、RF要素に組み立てられ、その単極または双極様式で機能するように構成され得る。双極システムでは、電流は二つの電極の間に優先的に集中する。
【0087】
一部の実施形態では、双極構成は、吸引カテーテル内の電極および穿孔要素内の一つの電極によって得ることができる。穿孔要素は、吸引カテーテルから出現したときに形状を獲得して、先端を動脈壁および硬膜に向け得る。貫通要素および吸引カテーテルは、電極間の距離と組織への電流の送達とを維持しながら同時に前進することができ、または穿孔要素は吸引カテーテルを固定しながら前進することができ、これは組織破壊の低下および脳の貫通の可能性の減少を伴う電極間の距離の増大をもたらす。
【0088】
一部の実施形態では、エネルギー送達装置の電極は、弾丸、円錐、切断された円錐、円筒、球、ドーム、リング、半環状、楕円、傾斜、および矢じりの形のうちの一つの形状を有する。形状は、優先的な電流送達および方向的穿孔のために、少なくとも部分的に電気的に絶縁され得る。電極の電気的に露出した領域は、16mm2以下であり、典型的には2mm2~10mm2の範囲内である。
【0089】
一部の実施形態では、RF穿孔要素は、ステンレス鋼、銅、チタン、およびニッケル-チタン合金を含む導電性材料から作製された実質的に管状な部材からなる。管状要素は、RF発生装置に近位に結合され、その上に配置された電気絶縁体を有し、最小限の遠位領域の散逸で非絶縁セグメントまたは電極にエネルギーを送達する。管状要素の遠位端は、開または閉とすることができる。管状要素は、先細であってよく、手持ち式作動装置に結合されてもよく、また本明細書に記載されるように、柔軟性を高めるためにスコア付けされてもよい。一部の実施形態では、二つ以上の管状要素を結合して、RF穿孔要素を形成することができる。
【0090】
図26A~26Fは、RFアブレーション装置およびかかる装置を使用してSDH2610を除去するステップを描写する。
図26Aは、MMA2620の壁の近くで、硬膜下血腫2610に向かう方向に位置付けられた例示的なRFスタイレット2630の概略図である。
【0091】
高周波エネルギーは、発生装置によって生成され、貫通部材の遠位端に取り付けられた一つ(例えば、単極配置)または複数(例えば、双極配置)の電極(例えば、双極アレイの二つの電極)によって送達される。電極は、貫通部材の遠位端から近位端まで延在する貫通部材の壁内部に埋め込まれ、または壁に取り付けられた導電性ワイヤを介して、電気波発生器に接続される。導電性ワイヤは、最先端を除いて全長に沿って電気的に絶縁されている。電気波発生器は、300~600kHz(例えば、400kHz~600kHz、500kHz~600kHz、300kHz~500kHz、または300kHz~400kHz)、および120~220V(例えば、140V~220V、160V~220V、180V~220V、200kHz~220kHz、120kHz~200kHz、120kHz~180kHz、120kHz~160kHz、または120kHz~140kHz)の範囲の高周波電気波形を生成する。
【0092】
一部の実施形態では、貫通部材は、RF能力および非外傷性の鈍いまたは丸い遠位端を有するスタイレット2630によって形成される場合、
図26Aに示すとおりである。
図26Bでは、スタイレット2630は、RFエネルギー2632を送達しながらMMA20を貫通し、次いでシャフト2620、その後吸引カテーテル2600の同軸前進(
図26B)が示される。スタイレット2630は、その後、硬膜下腔を非外傷的に前進するか、またはワイヤによって交換されるように使用され得る。
【0093】
一部の実施形態では、
図26Cに示す通り、RFスタイレット2630は、シャフト2620または吸引カテーテル2600から出てきた際に、曲線またはピッグテール形状を取得する(
図26D)。これは、血管内腔への意図しない後退を防止し、硬膜下腔への装置前進中の脳穿孔を防止するのに有益であり得る。
【0094】
他の実施形態では、シャフト2620は、RF能力を有する。シャフト2620は、RFエネルギー2632を送達しながら、蛍光透視誘導下で経動脈的に穿孔点まで前進し、その後、動脈壁および硬膜を通って硬膜下腔内に押し込まれる。次に、シャフト2620を通して硬膜下腔内にワイヤを押し込み、その後に吸引カテーテル2600を前進させることができる。
【0095】
図26Dは、硬膜下血腫2610内に位置付けられた吸引カテーテル2600の遠位端部分を示す概略図である。ここから、上述のように、吸引カテーテル2600を使用して吸引を適用して、血液および/またはその他の液体を吸引して、硬膜下血腫2610を少なくとも部分的に排出することができる。
【0096】
図26Eは、MMA20壁を通して収納された吸引カテーテル2600および適用されたRFエネルギー2632を示す概略図である。一部の実施形態では、RFエネルギー2632は、電極を介してMMA20壁上の開口部に適用され、熱凝固(例えば、凝塊)を誘導して穿孔を閉鎖する。
【0097】
図26Fは、MMA20の壁を破壊する適用されたRFエネルギー2632から形成される血餅2640を含むMMA20を示す概略図である。
【0098】
一部の実施形態では、貫通システムは、一つまたは複数の開口部I、標的組織の穿孔を確認するために注入ポートを通って造影剤を注入するためにチャネルに流体的に連結された遠位セグメント、高周波穿孔中に熱的に影響された領域を減少させるために周囲組織を冷却するための生理食塩水、または硬膜下腔の潤滑性および幅を増加させるための生理食塩水を含む。
【0099】
一部の実施形態では、単極電極が使用され、別の接地パッドは、蛍光透視誘導下で、貫通部材の遠位端から標的組織を指すベクトルに沿った方向に、患者頭部の周辺部に取り付けられる。これは、最小のエネルギーを使用し、かつ周囲の組織に最小の熱損傷を生じさせる方向的高周波穿孔を可能にするのに有益である。
【0100】
別の実施形態では、RFエネルギー2632は、連続的に、またはパルスで適用され得る。
【0101】
別の実施形態では、一つまたは複数の熱電対は、貫通部材の遠位端の近く(例えば、RFスタイレット2630の近く)に取り付けられ、標的部位のおよび/または標的部位の近くの組織温度を監視する。温度信号は、電気波発生器に送信され、パルスRFエネルギー2632の持続時間および負荷サイクルなどの波形パラメータは、電気波発生器を介して変調される。例えば、電気波発生器は、比例-積分-微分(PID)アルゴリズムおよび/またはカルマンフィルタリングアルゴリズムなどの、一つまたは複数の熱電対からの少なくとも温度信号に基づいて波形パラメータを調節するアルゴリズムを含む。
【0102】
別の実施形態では、貫通部材は、傾斜などの一つまたは複数の鋭利な端部を含み、MMA20の血管および硬膜を穿孔し、RFエネルギー2632を減少させて貫通を行う。代替的な実施形態では、RFスタイレット2630は、非外傷性非切断先端を有する。
【0103】
一部の実施形態では、スタイレット2630、シャフト2620、カテーテル2600、またはそれらの組み合わせであり得るRF要素は、一つまたは複数の電極、温度センサ、および/または圧力センサの組み合わせを含む。一実施形態では、二つの圧力センサが、RF要素の先端と組織との間の接触圧力(例えば、第一の圧力センサ)および/または血液もしくはSDH液体などのRF要素を囲む液体の圧力(例えば、第二の圧力センサ)を感知するために、RF要素の遠位端に配置される。
【0104】
第一の圧力センサは、RF要素の先端に配置され、第二の圧力センサは、第一の圧力センサの近位0.2~2mmに配置される。かかる距離は、穿孔プロセスの異なる段階を識別するように選択される。RF要素が血管穿孔点にナビゲートしている時、第一および第二の圧力センサの両方が名ばかりの血圧を測定する。
【0105】
RF要素が、良好な壁面配置を有する標的組織を押すように前進する場合、接触圧力は高く、これは第一の圧力センサからの高い数値によって反映される。一方、第二の圧力センサは、組織と接触せず、名ばかりの液体圧力のみを測定する。
【0106】
組織穿孔の間、第一の圧力センサと組織との間の接触圧は、高から名ばかりに減少する一方、第二の圧力センサと組織との間の接触圧は、名ばかりから高に増加する。組織が穿孔された後、第一および第二の圧力センサの両方が、硬膜下腔内の名ばかりの液体圧力を測定する。別の実施形態では、複数の圧力センサが円周方向に配置され、平均圧力測定値が、RF要素の先端と組織との間の非垂直接触角によるバイアスを減少させるために使用される。
【0107】
別の実施形態では、そのかかる圧力測定は、RFエネルギー2632の適用を起動および/または終了するために使用される。典型的な穿孔手順では、装置はまず血管穿孔点に前進し、次いで、RF要素の位置および偏向角度が、圧力測定によって組織に対するRF要素の良好な壁面配置が確認されるまで調整される。RFエネルギー2632が活性化され、RF要素は、組織が穿孔され、圧力測定によって確認されるまで、組織を穿孔し始める。別の実施形態では、そのかかる圧力測定は、進行を知らせるために、手術を行う臨床医に信号(光、音、または他の信号の形態で)を与えるために使用される。
【0108】
別の実施形態では、一つまたは複数の温度センサが、RF要素の遠位端に配置され、RF起動中に温度値を監視し、温度値をRF発生装置に供給して、高温または低温に対応する信号を提供する。RF発生装置は、装置のインピーダンス、電圧、負荷サイクル、パルス幅、および/またはそれらの組み合わせを、比例-積分-微分(PID)アルゴリズムおよび/またはカルマンフィルタリングアルゴリズムなどの制御機能を使用して、調整することによって、安全のためにRFエネルギー2632を終了させるために、温度測定値を受信し、RFエネルギー2632を制御することができる。
【0109】
一部の実施形態では、シャフト120は、先端をまっすぐにする一つまたは複数の機構、およびシャフト120の少なくとも一つのセグメントの剛性を増加させる一つまたは複数の機構(内部にマイクロワイヤを引く、またはコイルプルシステムなど)を有し得る。
【0110】
一部の実施形態では、吸引カテーテル100および/またはシャフトの少なくとも一つのセグメントは、偏向および/または操縦可能である。偏向(例えば、操縦)は、カテーテルの残りの部分とは独立した遠位カテーテルセグメント(例えば、端部)の動きを指す。操縦性は、装置の長さに沿ったトルク伝達によって、遠位カテーテルセグメントを回転させる能力(例えば、カテーテルの残りの部分に関して時計回りおよび/または反時計回りに)を指す。
【0111】
偏向を引き起こすトルクは、装置先端の近くのプルまたはアンカーリングに接続された一つまたは複数のシャフトによって伝達され得る。遠位カテーテルセグメントは、作動時に一つまたは複数の方向に回転し(例えば、回転する、または平面内で屈曲する)、元の形状(例えば、直線状)に戻る。偏向は、対称、非対称、ループ曲線、または複合物とすることができる。偏向は、一つまたは複数の平面で発生し、平面上および平面外であり得る。
【0112】
図27A~27Kは、偏向可能なカテーテルの使用を描写する概略図である。頭蓋骨271、脳272、硬膜274、およびMMA276は、硬膜274と脳272との間のSDH2710と共に示されている。
【0113】
例えば、一部の実施形態では、吸引カテーテル2700は、吸引カテーテル2700の壁にスライド可能に位置付けられる一つまたは複数のプルワイヤを含む。ワイヤを引くことによって、吸引カテーテル2700の遠位端セグメントを横方向に偏向させることができる。一部の実施形態では、遠位端セグメントは、カテーテル2700の末端の0.5cm以上(例えば、1cm、1.5cm、または2cm)を含む。吸引カテーテル2700を操縦するための偏向能力の使用に加えて、偏向能力は、MMA276などの血管の内壁に対して吸引カテーテル2700を固定する(例えば、位置を維持する)ために作動させることもできる。
【0114】
吸引カテーテル2700をMMA276の内壁に固定することで、シャフト2720および/またはスタイレット2730の押出し性を強化し、吸引カテーテル2700をMMA276から押し出す反動(例えば、押す可能性)が減少する。吸引カテーテル2700がMMA276の内壁に固定されている間、吸引カテーテル2700の内腔内でシャフト2720および/またはスタイレット2730を押す能力が増強される。
【0115】
かかる実施形態では、吸引カテーテル2700は、
図27Aおよび
図27Bが示すように、ワイヤ2705の上を前進したシャフト2720の上を前進し、頭蓋内のMMA276内に入ることができる。マイクロワイヤ2705を取り外し、シャフト2720(
図27C)を通して塞栓剤を注入してMMA276を塞栓した後、スタイレット2730は、シャフト2720の遠位端(
図27D)に前進する。
【0116】
スタイレット2730の前進は、棘孔に対して近位のシャフト2720を引っ込めて、その後、シャフト2720およびスタイレット2730を遠位のMMA276内腔に同時に前進させることによって促進することができる。回転可能な吸引カテーテル2700は、蛍光透視法を用いて放射線不透過性の蛍光透視要素を可視化することによって配向される(例えば、回転または偏向によって)。
【0117】
硬膜274および硬膜下腔に対するカテーテル27の配向が決定され、プルマイクロワイヤが作動され、結果として吸引カテーテルの遠位端セグメントの偏向が生じる(
図27D)。カテーテル2700の配向を変化させ、MMA276内腔内に固定することにより、MMA276内のカテーテル2700の位置が維持される。
【0118】
スタイレット2730およびシャフト2720は、
図27Eに示す通り、カテーテル2700を通って前進し(同時にまたは続いて)および硬膜下腔を貫通し、および
図27Fに示す通り、硬膜下腔に前進する。スタイレット2730は、非外傷性先端を有するマイクロワイヤ2705と交換することができ、一部の実施形態では、上述のようなJ形状などの形状を含み得る。スタイレット2730は、硬膜下腔内、および硬膜下血腫2710内へ前進する(
図27G)。
【0119】
シャフト2720は、マイクロワイヤ2705の上を前進する。ワイヤ2705は、シャフト2720および吸引カテーテル2700の前進への安定性および支持を提供するために、遠位領域ではより硬くなく(例えば、可撓的)、近位領域ではより堅くてもよい。次に、吸引カテーテル2700は、動脈壁を通って、シャフト2720およびマイクロワイヤ2705(または交換されない場合はスタイレット2730)の上を、硬膜下腔内に前進し、SDH2710内に前進する(
図27H)。次に、マイクロワイヤ2705が除去され(
図27I)、吸引によってSDH2710が排出される(
図27J)。動脈切開は、止血コイル278(
図27K)などの止血要素を用いて閉じられる。
【0120】
一部の実施形態では、シャフト2720は、傾斜を含む遠位端に切断機能、およびワイヤ2705を配置する内腔を有する。この実施形態では、シャフト2720は、カテーテル2700の遠位端の遠位に前進し、硬膜274を貫通するように押し込まれ、その後に硬膜下腔を通ってマイクロワイヤが同軸前進する。一部の実施形態では、吸引カテーテルはシャフト2720の上をスライドして硬膜下腔内にナビゲートする。他の実施形態では、シャフト2720は、硬膜下腔を通ってマイクロワイヤの上を前進し、その後に吸引カテーテルが同軸前進する。
【0121】
図28A~28Cは、それぞれ作動装置2850aおよび作動装置2850bを含む、二つの作動装置2850(例えば、アンカーに取り付けられたプルワイヤ)を含む吸引カテーテル2800を描写する概略図である。
図28A~28Cのプルワイヤは破線で示され、アンカーはカテーテル2800軸を横断する黒い帯として示されている。カテーテル2800は、硬膜284に隣接するMMA286内腔内に前進したと示されている。一部の実施形態では、作動装置2850は、カテーテル2800の内部内腔の周りに円周方向に配置されたリングアンカーに取り付けられたプルワイヤである。一部の実施形態では、作動装置2850は、カテーテル2800の外表面に円周方向に固定される。二つの作動装置2850をカテーテル2800内の二つの位置に含むことは、二つの作動装置2850の間にトルクを生成し、単一の作動装置2850を使用するよりも高い角度の偏向を生成する手段を提供する。
【0122】
図28Aは、硬膜284に隣接するMMA286の内腔内のカテーテル2800の概略図である。一部の実施形態では、作動装置2850aなどの第一の作動装置は、カテーテル2800に沿って、作動装置2850bなどの第一の作動装置と比べより遠位に固定される第二の作動装置よりもより近位に(例えば、遠位端からより遠く)固定される。第一の作動装置2850aを接続するプルワイヤは、第一の経路に沿ってカテーテル2800の表面に沿ってスライド可能に配置され、第二の作動装置2850bプルワイヤは、第二の経路に沿って表面に沿ってスライド可能に配置される。第一の作動装置2850aが作動すると、それがMMA286内の吸引カテーテル2800を作動装置2850aのリングアンカーの位置で横方向に偏向し、それが
図28Bでは棘孔の隣にある。
図28Cで示す通り、第二の作動装置2850bのプルワイヤは、例えば、第一の作動装置2850aが偏向された方向とは異なる、第二の方向で、吸引カテーテル2800先端を硬膜284に向かって内側に偏向するように作動する。
【0123】
図29Aおよび29Bは、カテーテル2900遠位端を偏向する単一の作動装置2950(例えば、アンカーに取り付けられたプルワイヤ)を描写する概略図である。
図29Aおよび29Bのプルワイヤは破線で示され、アンカーはカテーテル2900軸を横断する黒い帯として示されている。一部の実施形態では、一つまたは複数の作動装置2950は、一つまたは複数の関節点および/または一つまたは複数の方向の偏向につながる吸引カテーテル2900壁に沿って、例えば、直線状、湾曲状、「s」形状、またはらせん状の経路などの経路に従うカテーテル2900に取り付けることができる。この構成は、有利な様式で吸引カテーテル2900を空間的に配置する場合に積極的に支援することができる。
【0124】
例えば、作動装置2950は、吸引カテーテル2900を関節接合して、棘孔(頭蓋内区画へのMMA296の入口)を中心とする凹面を有する曲線を形成する。作動装置2950は、吸引カテーテル2900を内側に関節接合し、カテーテル2900出口を硬膜294および硬膜下腔に向ける。例えば、遠位セグメントを内側および横方向に湾曲するために吸引カテーテル2900を関節接合することができるらせん状に整列した作動装置2950は、頭蓋骨基部および硬膜294の解剖学的構造および固定点に従って、硬膜下腔への方向付け可能な貫通のためのカテーテル2900の挿入およびMMA296の横断を受け入れるであろう。
【0125】
一部の実施形態では、吸引カテーテル2900の関節接合は、プルワイヤ、ノッチ、プリセット曲線、形状、および/または当業者によって明らかである任意の他の機構などの、作動装置2950または2850を提供することができる一つまたは複数の作動装置を用いて達成することができる。一部の実施形態では、プルワイヤまたは他の関節接合要素などの作動装置が、シャフト内に存在する。
【0126】
一部の実施形態では、一つまたは複数の受動的(例えば、関節接続不可能)ワイヤを使用して、吸引カテーテル2900を安定化し、および方向を提供することができる。
【0127】
一部の実施形態では、バルーンへの送気、遠位血管セグメント内に配置され、かつ一つまたは複数の伸縮要素に機械的に接続されるステント、または他の拡張可能要素の配置は、穿孔要素の押出し性を高め、反動を低減することができる。
【0128】
一部の実施形態では、シャフト120および/またはスタイレット130の押出し性の強化は、吸引カテーテル100の反動を減少させ、分岐する付属物を有する送達鞘をワイヤの上を動脈分岐内に前進させることによって方向性を達成できる。
図30Aから30Eは、MMA306の分岐部などの、動脈分岐部で外部表面に付着した第二のカテーテル3002を含む吸引カテーテル3000を描写する概略図である。第二のカテーテル3002は、第一のカテーテル3000よりも小さな内側内腔を有する。
【0129】
MMA306は、典型的には硬膜の硬膜外側に位置し、典型的には硬膜に平行な平面に分岐を有する。第二のカテーテル3002を含むカテーテル3000は、MMA306分岐を保持し、カテーテル3000の位置を安定化する付属物を含むことができ、MMA306壁および硬膜を垂直に中央化された軌道で穿孔するための3次元配向を提供する。
【0130】
図30Bは、J形状の遠位端を有するワイヤとして付属物3010を描写するが、付属物3010は、カテーテル3000および第二のカテーテル3002に停止張力を提供するのに十分な、ハイポチューブ、カテーテル、ステント、バルーン、または他の展開可能な要素であってもよい。付属物3010がワイヤである実施形態では、メインカテーテル3000の内腔内またはメインカテーテル3000の壁に配置または付着された第二のカテーテル3002の内腔内を移動することができる。付属物3010は、独立した構成要素として、または送達カテーテル3002からの展開可能な付属品として配置される。
【0131】
カテーテル3000は、穿孔要素3012へのアクセスを可能にし、硬膜下腔に向かって配向可能な軸外開口部を提供する、予め作られた開口部3004を有する。一部の実施形態では、穿孔要素3012は、カテーテル3000を通って前進し、硬膜下腔内に貫通する針である(
図30C)。穿孔要素3012の形状は、永久的であってもよく、または可鍛性材料(例えば、ニチノール)からなってもよい。
【0132】
形状はまた、穿孔要素3012内の形取られた内側要素によっても提供され得る。穿孔要素3012が吸引カテーテル3000または送達鞘を超えて前進する距離は、穿孔距離(dp)と呼ばれる。この距離、dpは、本明細書に記載のハンドルによって、固定され、一時的に固定され、または調整可能であり得る。
【0133】
一部の実施形態では、穿孔要素3012は中空であり、造影剤は、穿孔要素3012内腔を通って硬膜下腔内に注入され得る。
図30Cは、造影剤3015を硬膜下腔内に注入する穿孔要素3012を描写する。次いで、穿孔要素3012の先端位置は、硬膜内の針先端位置を確認するために、造影剤と比較して視覚化することができる。別の方法として、他の液体を、穿孔要素3012内腔を通して注入することができる。例えば、硬膜下腔のサイズおよび潤滑性を増加させるための、水などの液体の注入。
【0134】
図30Dは、穿孔要素3012を通って、例えば、SDHの中などの、硬膜下腔の中へと同軸に前進したマイクロワイヤ3014を描写する。一部の実施形態では、第三の吸引カテーテル3016は、硬膜を通って、マイクロワイヤ3014の上を、穿孔要素3012の上を、
図30Eが示すように、SDHの硬膜下位置などに前進することができる。経動脈的通路の作製後に硬膜下腔へのアクセスを失うリスクは、ワイヤを硬膜下腔内に前進させることによって減少する。
【0135】
一部の実施形態では、吸引カテーテルの遠位端セグメントは傾斜先端を含み、例えば、吸引カテーテルへの開口部は楕円形の開口部を含み、先端平面は吸引カテーテルの横平面に対してある角度であり得る。一部の実施形態では、傾斜先端は、配向のための蛍光透視要素を含む。
【0136】
吸引カテーテルの傾斜先端は、MMA壁の硬膜下腔への貫通を容易にする。吸引カテーテルの貫通能力は、切断端と組み合わせた場合に増加する。傾斜先端は、カテーテル内腔と貫通面との間の並置を改善する。傾斜先端は、貫通方向性を改善し、SDHの排出を容易にする。
【0137】
一例として、吸引カテーテルは、MMA内に位置付けられ、傾斜先端がMMA壁に面するまで、蛍光透視観察(例えば、蛍光透視法)下で回転される。貫通は、スタイレットおよび/またはシャフトを硬膜下腔内に前進させること、吸引カテーテルでの貫通、または代替的に、予め成形された湾曲した針での貫通と、その後の硬膜下腔内へのワイヤの前進を含むがこれに限定されない、本明細書に開示される任意の実施形態によって達成される。
【0138】
一部の実施形態では、吸引カテーテルは、動脈壁に対して傾斜先端を位置付け、先端を硬膜下腔に向けて配向する作動装置(例えば、プルワイヤ)を有し、これにより、反動を最小化するためにより強いカラム強度を提供すると同時に、方向的貫通が促進される。一部の実施形態では、シャフトおよびスタイレットの貫通の深さは、ハンドルで維持および調整することができる。典型的な貫通深度は、1mm~10mmの範囲(例えば、2mm~10mm、4mm~10mm、60mm~10mm、8mm~10mm、1mm~8mm、1mm~6mm、1mm~4mm、または1mm~2mm)を含む。
【0139】
一部の例では、CTスキャン画像および/または脳MRI画像などの、介入前または介入中に取得された画像に基づいて、貫通深度が調節可能である。スタイレットおよび/またはシャフトは、硬膜下腔内に最終位置に前進し、ハンドルはシャフト位置をロックするように作動される。スタイレットを除去し、硬膜下腔に造影剤を注入する。領域は、本明細書に記載の方法を使用して撮像され、シャフト遠位端の硬膜下位置を確認する。ワイヤは、シャフト内に同軸で硬膜下腔内に前進する。
【0140】
一部の実施形態では、穿孔は、最初にMMA壁および硬膜を内側に貫通し、(例えば、表面に沿って)脳から離れるように横方向に湾曲して、硬膜の硬膜表面に面した傾斜を方向付ける(例えば、「S」形状の)穿孔要素(例えば、針)を用いて生成することができる。穿孔要素の遠位セグメントの湾曲は、MMA内腔に平行な近位セグメント、MMA壁および硬膜を通って斜角で移行する中間セグメント、および硬膜ならびに脳に平行な硬膜下腔内の遠位セグメントをもたらす。この実施形態は、望ましくない脳穿孔のリスクを低減し、脳穿孔の場合には、ワイヤ前進が、硬膜下腔に再入するための軌道に従うことを保証する。
【0141】
一部の実施形態では、作動装置は、吸引カテーテルと関節接合して、傾斜の頂点に向かって偏向させ、その後に針およびシャフトを含む前述した要素のいずれかで穿孔する。
【0142】
一部の実施形態では、穿孔要素はスタイレットまたは吸引カテーテルであり得る。一部の実施形態では、穿孔がSDH内に向けられる場合、針を真空源に接続してSDHを排出する、または穿孔要素を収納してSDHとカテーテル内腔との間の通路をもたらすことができる。一部の実施形態では、伸縮要素(例えば、吸引カテーテル、スタイレット、鞘、および/またはマイクロカテーテル)は、要素の剛性を高め、望ましくない回転を最小にし、平面に沿った配向を維持するために、一つまたは複数の構造要素(例えば、レール)を含む。
【0143】
一部の実施形態では、装置は、断層撮影構成要素などの画像構成要素を含む。例えば、装置は、光干渉断層計(OCT)または血管内超音波(IVUS)断層撮影構成要素を含み得る。IVUSを使用する実施形態では、生物学的構成要素に対する以下のエコー輝度の外観が配向を提供する。硬膜および硬膜の付属品は、高エコーである。髄液は低エコーである。脳表層軟膜は、低エコー皮質灰白質の上に重なった明確に定義された高エコー層であり、高エコー白質の上に重なっている。くも膜下腔には、超音波のドップラーモードで多数の血管が含まれる。硬膜下収集物には、ドップラー上の血管が稀であるか、または全く含まれず、硬膜下収集物は、高エコー膜を有してもよく、高エコー、低エコー、またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0144】
図31A~31Dは、MMA316内に配置された画像構成要素を含む装置の概略図である。
図31Aは、マイクロワイヤ3110およびMMA316内の第二の付属マイクロワイヤ3111によって固定された送達鞘3100を描写する。穿孔要素3112は、MMA316壁を貫通すると示されており、任意に、マイクロワイヤ3110の上を遠位MMA内に前進する、一つまたは複数の内腔を有する送達鞘を含み得る。
【0145】
送達鞘3100は、遠位端の開口部を貫通点に向けるように回転される。典型的には、送達鞘3100は、近位により高い内径および外径を有し、遠位に先細る(例えば、より低い内径および外径)。これにより、棘孔および頭蓋内のMMA316に入るのを助ける送達鞘3100の柔軟性が増加する。
【0146】
開口部は、送達鞘3100の遠位端に、または遠位端に対して近位(例えば、5cm以内)の側壁(例えば、開口部3004)内にあってもよい。硬膜の外表面におけるMMA316の分岐を利用して、送達鞘3100は、優性分岐内(例えば、
図31Aの右の分岐)に前進し、および付属マイクロワイヤ3111は、MMA316分岐の第二の分岐内(例えば、
図31Aの左の分岐)に前進する。これにより、送達鞘3100が空間内に配向され、分岐部の平面に垂直で(例えば、脳に向かって)内側の穿孔点に向かって開口部が配置される。T
【0147】
送達鞘3100の配向は、放射線不透過性マーカーおよび/または蛍光透視法に従い、装置を回転させることにより、誘導することができる。代替的に、画像構成要素3160(例えば、OCTまたはIVUS構成要素)を使用して、MMA316分岐内腔を撮像し、装置を回転させて、送達鞘3100およびマイクロワイヤ3110を、MMA316内で検出された生物学的マーカーなどの対応する角マーカーで配向させることができる。
【0148】
一つまたは複数の貫通要素(穿孔要素3112、スタイレット、シャフト、または吸引カテーテル)が、開口部およびMMA316壁および穿孔された硬膜に向かって前進する。穿孔要素3112は、開口部からの退出時に湾曲するメモリ材料(例えば、ニチノール)で作製することができ、または硬膜への1度超の(例えば、2度超、5度超、または10度超の)攻撃角度を提供するために、開口部は角度の付いた表面に結合されてもよい。穿孔要素3112は、メモリ材料(例えば、ニチノール)から予め成形され、硬膜下腔内に貫通し、マイクロワイヤのSDHへの同軸前進を可能にするように前進し得る。
【0149】
吸引カテーテルは、硬膜を通って穿孔要素3112の上を進み、その後、硬膜下腔を通って、SDHの位置へワイヤの上を進むことができる。穿孔要素3112は、代わりに、血管内空間からSDHへワイヤの上を前進する吸引カテーテルと交換され得る。一部の実施形態では、装置は、SDHの上で硬膜を穿孔する。これらの場合、穿孔要素3112の前進、およびMMA316壁および硬膜の穿刺の後、穿孔要素3112は、SDHの排出を可能にする。
【0150】
一部の実施形態では、穿孔要素3112は、硬膜を通る貫通のためにスタイレットによって補強される。貫通後、スタイレットは除去されてもよく、SDHを排出するために、穿孔要素3112に内腔を提供する。一部の実施形態では、穿孔要素3112でのSDHへの貫通後、ある長さの交換ワイヤを(硬膜下腔内に穿孔要素3112を通って前進させることができ、装置が除去され、およびワイヤの上で吸引カテーテルと交換され得る。交換ワイヤの長さは、250cm~300cmの範囲である。吸引カテーテルは、動脈切開部位を通って硬膜下腔内にワイヤの上を前進し、SHDにアクセスする。ワイヤが取り除かれ、SDHが排出される。
【0151】
ここで
図31Dを参照すると、吸引カテーテルのサイズを最大化する実施形態を示す。吸引カテーテルは、送達鞘3100の内腔を通して送達される。送達鞘3100は、MMA316分岐内に前進し、MMA316の各分岐におけるワイヤの使用によって配向される。
【0152】
送達鞘3100は、遠位端に開口部を有し、これにより、MMA316壁および硬膜に向かっての穿孔要素の前進が可能となる。一部の実施形態では、穿孔要素の方向は、湾曲した配向を有する予め成形された穿孔要素3112を使用することによって提供することができ、MMA316壁を内側および垂直に穿孔するために蛍光透視法を用いて配向される。
【0153】
配向はまた、送達鞘3100の内面または外面、および/または穿孔要素3112に接続されたレールシステムによっても提供され得る。代替的な実施形態では、穿孔要素3112は、送達鞘3100のID内に固定された偏向面に向かって前進し、その結果、開口部および穿孔点に向かって穿孔要素3112が前進する。
【0154】
一部の実施形態では、本明細書に記載の穿孔要素は、混合年齢SDHおよび慢性SDHに関連する膜および隔壁を通して穿孔するために使用される。
【0155】
一部の実施形態では、穿孔要素3112は、造影剤または生理食塩水を含む液体の注入を可能にする遠位端でまたはその近くで、一つまたは複数の開口部と流体接続される。
【0156】
一部の実施形態では、硬膜下腔内の穿孔プロセスおよび進入は、例えば、電位差滴定圧力センサ、誘導式圧力センサ、容量式圧力センサ、歪みゲージ圧力センサ、光ファイバー圧力センサ、可変リラクタンス圧力センサ、微小電気機械システム圧力、および圧電圧力センサなどの圧力センサを含む、一つまたは複数のセンサを装置内に含むことによって監視される。
【0157】
圧電圧力センサは、圧力信号を捕捉するために、遠位端に近接する穿孔要素3112のOD内に配置された圧電フィルムを含み、信号は、MMA316壁を通る貫通に関連する圧力ピークを含み、硬膜下腔にアクセスする際の圧力低下によるものである。圧力センサはまた、血管内腔から頭蓋内区画内への貫通時に圧力波形(例えば、動脈、頭蓋内、または静脈穿孔波形)を感知することができる。
【0158】
一部の実施形態では、穿孔プロセスおよび硬膜下腔への進入は、組織の分光値を測定することによって監視される。
【0159】
一部の実施形態では、穿孔手順および硬膜下腔への進入は、組織および液体のインピーダンス値および/または誘電率値を測定することによって監視される。
図39は、y軸上の誘電率値をx軸上の電気信号(例えば、RFエネルギー)のkHzの周波数と比較した折れ線グラフである。
図39は、
図39の線で表される四つの組織(例えば、血管壁、硬膜、または脳表面)または液体(例えば、血液)を含む。個々の線は、右上のキーインセットに従って、適用されたエネルギー周波数に関する例示的な組織または液体の誘電率を表す。血液(実線)は、描写された周波数にわたって最も高い誘電率を有し、脳表面(点線)は、血液よりも低い誘電率を有し、血管壁(破線)は、脳表面よりも低い誘電率を有し、そして硬膜(一点鎖線)は、最大約720kHzまでの最小の誘電率を有し、血管壁は、約720kHzを超えて最小の誘電率を有する。
【0160】
誘電率とは、組織の集中的(例えば、物体または組織の体積または質量から独立している)電気的特性である。より高い誘電率を有する組織は、交互電流を伝送するとき、または本明細書に記載する本発明では、RF電流を伝送するとき、インピーダンスがより低い。RF周波数範囲(例えば、100~1000kHzの範囲)では、血液は、脳表面と比較してより高い誘電率を有し、その後、血管壁および硬膜が続く。
【0161】
典型的な動作RFエネルギー周波数範囲(例えば、300~600kHz)では、血液の誘電率は、脳表面の誘電率よりも4倍高く、硬膜および血管壁の誘電率よりも10倍超高い。誘電率におけるかかる大きな差異は、RF要素の位置を検出するために使用され得る。RF貫通中、RF要素は、硬膜および血管壁からの低誘電率(または高インピーダンス)を感知している。硬膜および血管壁が穿孔されると、RF要素が硬膜下腔に入り、脳またはSDHに接触する際に、誘電率の増加(またはインピーダンスの減少)が測定される。かかるインピーダンス信号は、RF発生装置に供給され、RF電力を自動的に減少または遮断し、および/または音、光、振動、もしくはそれらの組み合わせで手術臨床医に通知する。硬膜内介入が完了した後、RF要素を含む機器は血管内腔に引き戻され、再び血液に囲まれる。これは、誘電率の増加(またはインピーダンスの減少)をもたらす。かかる誘電率および/またはインピーダンス信号は、RF発生装置に供給されて、RF電力を凝固モードに修正(例えば、上昇、低下、開始、または終了)し、および/または音もしくは光の様式で、もしくはそれらの組み合わせで手術臨床医に通知を提供する。
【0162】
一部の実施形態では、穿孔プロセスおよび硬膜下腔への進入は、MMA316壁を通る貫通に関連する推力を測定するために、穿孔要素の近位端に力センサを含むことによって監視される。
【0163】
一部の実施形態では、穿孔プロセスの後に、患者の外にあってもよい圧力変換器に流体的に連結されたチャネルによって、穿孔要素の先端の圧力を測定する。
【0164】
一部の実施形態では、穿孔プロセスに続いて、貫通要素の前方端に、またはそこから20mm以内に配置され、患者の外部(例えば、外部)に存することができるEEGレコーダに電気的に結合された電極(例えば、EEG測定装置)を用いて、脳波(EEG)活性を記録する。一部の実施形態では、EEG測定装置は、RFスタイレット2630などのRFエネルギー送達装置として機能し得る。この実施形態では、スプリッターとして動作するEEG界面装置は、RF発生装置およびEEGレコーダへの装置の同時接続を可能にする。この実施形態は、RFエネルギー2632送達と同時に連続的なEEG記録を促進する。
【0165】
これらの特徴を達成するためのスタイレット、シャフト、またはカテーテルの構成は、ハイポチューブ、単一のソリッドロッド、複数の道、束、チューブ(一つまたは複数の内腔を有する)、シャフトストランド、ケーブル(並んで走る二つ以上のワイヤ、接合、ねじれたまたは編組まれた)、コイル、編組、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される一つの長手方向要素を含む。
【0166】
一部の実施形態では、装置のサブコンポーネントは、金属または金属合金(ステンレス鋼、ニチノール、銀、チタン、銅、コバルトクロム、ニッケルクロム、白金イリジウム、およびその他を含むがこれらに限定されない)、ポリマー(ナイロンまたは他のポリアミド、フルオロポリマー、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、高密度ポリエチエン、ポリウレタン、およびポリイミドを含むが、これらに限定されない)、セラミック、生体吸収性または分解性の構成要素または組合せ、から作製される。
【0167】
装置の構築は、内側ライナーおよび外側ジャケットを含んでもよく、製造技術は当業者に知られている。これらの要素は、装置への構造支持を強化し、構成要素間の滑らかな伸縮を促進し、穴を封止することによって真空漏れを防止し、および排出される血腫の流れを強化し、ならびに血餅およびフィブリンが吸引カテーテルを詰まらせる可能性を低減するために必要な場合がある。
【0168】
本明細書の装置の要素が、頭蓋内区画内にナビゲートするのに非常に柔軟であり続け、穿孔して硬膜下腔内に進むのに十分なカラム強度を有することが有益である。一部の実施形態では、装置の要素は、MMAへの/内のナビゲーションをするための典型的な値である約0.001lbf・in2を有する0.0002lbfin2~0.005lbfin2の範囲の先端曲げ剛性を有する。一部の実施形態では、装置の要素は、SSSへの/内のナビゲーションをするための典型的な値である約0.028lbf・in2を有する0.006lbfin2~0.15lbfin2の範囲の曲げ剛性を有する。この目的のために、要素は、様々な剛性のセクションを有する。これは、異なる要素構造構成、材料、材料の割り当て、厚さ、材料の量、異なるデュロメーターを有する材料、および/または選択的補強を用いるおよび組み合わせることによって達成される。
【0169】
一部の実施形態では、サブコンポーネントのいずれかは、例えば、棘孔の曲線を横断するために、要素の柔軟性を増加させるための複数のスコアリングを含み得る。複数のスコアリングは、らせんスコアリングパターン(連続的または中断的)、放射状スコアリングパターン、カスタムメードのスコアリングパターン、放射状リングパターン、長手方向スコアリング、傾斜スコアリング、ウィンドウ、タブ、または穴を含むが、これに限定されるものではない形状またはパターンを取ることができる。スコアリングは、レーザースコアリングおよびエッチングを含む任意の適切なスコアリング方法を使用して、要素内に生成され得る。スコアリングは、サブコンポーネントのうちの少なくとも一部分(例えば、セグメント)にあってもよく、一部の実施形態では、一側面上に優先的に存在する。
【0170】
一部の実施形態では、サブコンポーネントのいずれかは、その長さに沿って、連続的、遠位方向に先細り、近位方向に先細り、両方が先細り、およびそれらの組み合わせのうちの一つの特性を有する。
【0171】
一般的に、サブコンポーネントは近位により大きく、より硬く、より高いトルク伝達を有し、遠位に先細り、棘孔および頭蓋内MMAに入るために柔軟性が増加するであろう。
【0172】
一部の実施形態では、スタイレット、シャフト、またはカテーテルを含む任意のサブコンポーネントは、対向するピッチ角で巻かれた二層以上の高張力のワイヤと共に構成され、ねじり剛性の高い柔軟要素をもたらす。
【0173】
別の実施形態では、スタイレット、シャフト、カテーテル、固定要素、または保護鞘を含むサブコンポーネントは、円形、楕円、正方形、開始、ひし形、長方形、平坦、またはそれらの組み合わせの断面形状のうちの一つを有する長さの少なくとも一部分に沿って、レールシステムを有することができる。受け入れ内腔は、内側部材の形状に適合する。受容内腔IDは、内側部材のODとほぼ合致(例えば、0.002インチ以内)して、非長手方向の動きを制限するか、または限定的な事前設定された範囲の回転の動きを可能にするように成形される。一部の実施形態では、サブコンポーネントは、サブコンポーネント当たり一つまたは複数のレールシステムを含み、レールシステムは、サブコンポーネント全長を含み得る。
【0174】
スタイレットおよびシャフトの非円形状の構成は、サブコンポーネント間の相対回転を制限し、一方で長手方向軸(例えば、長手方向)に沿って伸縮する能力を維持する。かかる非円形の実施形態は、穿孔標的に向かうガイド要素上の穿孔要素の軌道を維持するのに役立つ。一例として、レールシステムは、貫通要素を遠位固定要素上に前進させる場合に有益であり得る。この例では、固定要素(バルーンまたはステントまたはその他のもの)は、平坦なワイヤによって装置に接続することができる。平坦なワイヤは、要素が、穿孔要素(または保護鞘)のワイヤの上を、穿孔点まで前進することを可能にする。他の実施形態では、伸縮要素間の放射状のアライメントは、接合面で長手方向の凹部とフィンとを結合することによって維持することができる。
【0175】
一部の実施形態では、血管外空間のシャフト120の遠位セグメントに配置されたステントを展開またはバルーンに送気することにより、吸引カテーテル100を血管外空間内に押し込むための改善された手段を提供できる。
【0176】
蛍光透視法下で非常に可視的である蛍光透視要素は、所望される任意の場所の任意の構成要素上に位置することができる。
【0177】
一部の実施形態では、蛍光透視要素構造は、偏向要素の方向を示す要素を含み得る。偏向要素の方向は、マーカーが例えば、偏向平面などのサブコンポーネントを方向付けるであろう平面を示す。例えば、マーカーは、偏向平面に合致するノッチを有する部分円であってもよく、または偏向平面は、部分放射線不透過性の円によって、あるいはマーカー内の非対称によってマークされてもよい。蛍光透視要素の代替的な例としては、矢じり、輪、またはバンドの記号または構造が挙げられる。
【0178】
一部の実施形態では、蛍光透視要素は、円周方向の様式で穿孔要素に支持を提供する。
【0179】
一部の実施形態では、蛍光透視要素は、傾斜先端または切断先端を含む蛍光透視マーカーなどの、MMAおよび/または硬膜を穿孔するために必要な切断力を減少させる。
【0180】
一部の実施形態では、蛍光透視要素は、伸縮要素のODとのギャップを減少させるように先細にすることができる。
【0181】
一部の実施形態では、二つ以上の蛍光透視要素が、サブコンポーネント内に存在する。例えば、シャフトまたはカテーテルは、装置の遠位端を示すために遠位に一つの蛍光透視要素を有し、既製のコイルを含む動脈切開を閉じる要素の離脱を示すためにより近位のセグメントにある別の蛍光透視要素を有することができる。
【0182】
一部の実施形態では、二つ以上の異なるサブコンポーネントは、サブコンポーネント間の長手方向および/または回転アライメントを示す二つ以上の蛍光透視要素を有する。これらの蛍光透視要素は、シンボル(例えば、「中心部」)、交差形状の形成(例えば、「T」、「L」、「+」、または「X」)、または当業者によって明らかな他の方法を含み得る。
【0183】
一部の実施形態では、シャフト120またはスタイレットの遠位端部分は、シャフト120の先端を脳表面から離して維持する要素(例えば、尾根、フィン、くさび)または形状を有し得る。形状は、永久的、一時的、または可逆的であり得る。例えば、サブコンポーネント内にメモリ材料(例えば、ニチノール)から構成される可逆的な形状の要素を圧縮し、サブコンポーネントから出現した後、要素は元の形状を回復し、代替的には、形状は、修正(例えば、拘束)要素を除去した後に回復される。
【0184】
一部の実施形態では、シャフト120またはスタイレット(または他のサブコンポーネント)は、成形された内側要素を含み、シャフト120またはスタイレット(または他のサブコンポーネント)の遠位端部分の形状は内側要素の形状に対応する。内側要素は、サブコンポーネントの長さの一部分内の硬質または半硬質要素であってもよく、メモリ材料などの硬質または半硬質材料からなってもよい。
【0185】
例えば、内側要素および対応するサブコンポーネント形状は、遠位端部分が貫通のために硬膜に向けられ、近位端部分が硬膜の外側にあり、遠位部分および近位部分に対して角度の付いた接続部分を有する、「S」字形状を含み得る。前進の距離(例えば、接続部分の長さ)の後、外側同軸要素の遠位端は、硬膜を通って延在し、例えば、1mm~5mmで硬膜を通って延在し、形状は、先端を脳から離れる方向に向けて形成される。一部の実施形態では、前進の距離は、0.1mm~15mm(例えば、1mm~15mm、5mm~15mm、10mm~15mm、0.1mm~10mm、0.1mm~5mm、または0.1mm~1mm)の範囲内である。最も遠位の「S」形状に対して近位の第二の曲線は、脳および硬膜表面と平行な形状の曲線の配向に役立つことができる。
【0186】
一部の実施形態では、一つまたは複数のサブコンポーネントは、貫通後の硬膜の硬膜下面にサブコンポーネントを固定するか、または硬膜内面に固定するための、一つまたは複数の固定機能を含む。これらの固定機能の例としては、ワイヤ(例えば、ピッグテールワイヤなどの形状ワイヤを含む)、ステント、バルーン、矢じり、翼、フィン、ループ、屈曲、銛、スパイク、フック、および/またはバーブが挙げられる。これらの固定機能は、装置のサブコンポーネント(スタイレット、またはシャフトなど)を貫通後に固定し、MMA壁および硬膜を通って前進する間に外側の貫通要素により張力負荷を適用することを可能にする。これらの固定機能は、再捕捉されるために圧縮可能(例えば、低デュロメーター材料で形成される)であってもよい。
【0187】
一部の実施形態では、固定機能は、作動または起動時にサブコンポーネントを固定するために作動可能である。代替的に、固定機能は、血管外区画への進入時と同時にアンカーを提供するように固定(例えば、静止)される。一部の実施形態では、貫通要素は、作動時または前進時にアンカーとなり得る。一例として、スタイレットは、血管壁および硬膜を貫通するために使用することができ、そして囲まれたサブコンポーネントからの出現時に、同時にスタイレットを硬膜下腔内に固定するピッグテール形状を取得する。スタイレットのピッグテール形状は、硬膜下腔内で前進の際に非外傷性の先端を提供する。
【0188】
一部の実施形態では、一つまたは複数のサブコンポーネントは、動脈壁または硬膜の穿孔後に意図的ではないサブコンポーネントが動脈内に後退するリスクを最小化する一つまたは複数の停止機能を有する。後退は動脈切開を通じて出血を持たし得るため、これは有利である。停止機能は、拡張および/または展開して、これらの要素を担持するサブコンポーネントよりも大きな直径をもたらす要素(または代替的にサブコンポーネント直径を拡張する)を含み、停止機能の例としては、バーブ、フィン、ワイヤ、カラー、リブ、リム、リボン、およびバスケットが挙げられる。一部の実施形態では、停止機能は再捕捉される(例えば、収納される)。他の制限機能の例は、可逆的な傾斜、刻み目、またはノッチなど、サブコンポーネント長さの一部分に沿ってサブコンポーネント直径を減少させる要素であってもよい。一部の実施形態では、停止機能は、手動でまたは自動的に収納可能である(例えば、隠すことができる)。
【0189】
一部の実施形態では、一つまたは複数のサブコンポーネントは、長手方向前進を制限する一つまたは複数の制限機能を含む。例えば、制限機能は、サブコンポーネントの貫通深度を硬膜穿孔の距離内に制限する。制限機能は、拡張および/または展開して、これらの要素を担持するサブコンポーネントよりも大きな直径をもたらす要素(または代替的にサブコンポーネント直径を拡張する)を含み、停止機能の例としては、バーブ、フィン、ワイヤ、カラー、リブ、リム、リボン、およびバスケットが挙げられる。一部の実施形態では、制限機能は再捕捉される(例えば、収納される)。他の制限機能の例は、可逆的な傾斜、刻み目、またはノッチなど、サブコンポーネント長さの一部分に沿ってサブコンポーネント直径を減少させる要素であってもよい。一部の実施形態では、制限機能は、手動でまたは自動的に収納可能である(例えば、隠すことができる)。
【0190】
一部の実施形態では、穿孔要素は、貫通深度を制限する固着機能を有し得る。これは、穿孔要素が、ある点を超えて前進することを意図していないが、内側要素および/または外側要素を遠位に前進させることを可能にする場合に、有益である。一例として、傾斜シャフトは、動脈壁および硬膜を穿刺し、硬膜下腔内に前進し、縁によって停止する貫通要素とすることができる。この時点で、マイクロワイヤはシャフトの内側と遠位で硬膜下腔内に前進する。次に、吸引カテーテルは、血管壁を通ってシャフト上を前進し、硬膜下血腫を通ってマイクロワイヤ上を前進し、一方で固定シャフトは、残りの前進要素に対してカラム支持を提供する。
【0191】
一部の実施形態では、硬膜を最初に穿刺する穿孔要素は、脳穿孔を防止するために非拘束の硬膜下腔内に展開する特徴を有する。
【0192】
一部の実施形態では、一つまたは複数の装置サブコンポーネントは、穿孔後の意図的ではない動脈への引き戻しのリスクを最小化し、特定点を超えての長手方向前進を制限する、一つまたは複数の特徴を有し得る。
【0193】
一部の実施形態では、吸引カテーテルは、スタイレットまたはシャフトの遠位端を超えて硬膜下腔を通って伸縮することができる。これらの実施形態のうちの一つでは、傾斜先端を有するスタイレットを前進させて、動脈壁および硬膜を貫通することができる。シャフトは、動脈壁および硬膜を貫通するためにスタイレットの上を前進することができる。スタイレットは除去され、先端の硬膜下位置を確認し、硬膜内標的をマッピングするためにシャフトを通して造影剤が注入され、非外傷性マイクロワイヤがシャフト内に同軸に前進し、その後、硬膜下腔内に遠位に前進し得る。シャフトはマイクロワイヤの上を硬膜下腔内に前進することができ、その後にカテーテルの同軸前進が続く。吸引カテーテルの遠位端で標的に到達した後、内側要素が引き出される。
【0194】
他の実施形態では、シャフトは、近位支持を提供し、スタイレットの上で動脈壁および硬膜のみを、短い距離(例えば、1mm~20mm)で穿孔して、外側カテーテルの穿孔を容易にし、その後マイクロワイヤの上を硬膜下腔内に前進するように構成される。
【0195】
他の実施形態では、保護鞘は、伸縮システムに追加され、穿孔サブコンポーネント上に配置され得る。保護鞘は、穿孔サブコンポーネントの長さ全体にわたって配置されてもよく、または穿孔構成要素の遠位セグメントを覆うように選択的に配置されてもよい。かかる場合、保護鞘は、一つまたは複数のプルワイヤまたはプッシュワイヤによって長手方向に移動される。保護鞘は、穿孔要素の標的までの前進の間、穿孔要素の切断機能および送達カテーテルの内面を保護する。保護鞘は、保護鞘が本明細書に記載のレールシステムによって固定要素(バルーン、ステントなど)に結合されるとき、内側穿孔要素の配向を提供する。保護鞘は、保護鞘から外された時に、穿孔要素が記憶形状を取得することを可能にする。保護鞘は、穿孔要素の位置を示すために、一つまたは複数の蛍光透視要素を有し得る。
【0196】
他の実施形態では、シャフトは、本明細書の別の箇所に記載される穿孔要素で構築され、内側スタイレットなしで動脈壁および硬膜を穿孔するように作動される。シャフトは、先端が硬膜下腔に確実に開くように、放射線不透過性造影剤を注入するための内腔を有し得る。シャフト内腔は、硬膜下腔に注入された場合、低抵抗で流れるであろう、および脳実質に注入された場合、より高い抵抗で流れるであろう、生理食塩水を注入するためにも使用され得る。非外傷性スタイレットまたはマイクロワイヤは、シャフトの内側およびシャフトを超えて硬膜下腔内に同軸で導入され得る。吸引カテーテルは、動脈壁および硬膜を通ってシャフト上を前進し、その後、硬膜下腔内をスタイレット/マイクロワイヤ上を前進することができる。
【0197】
本明細書に記載する任意の要素は、同軸および/またはワイヤ高速交換システム上で伸縮することができる。
【0198】
一部の実施形態では、本明細書に記載される任意の要素またはサブコンポーネントは、その特定の要素のカラム強度を増加させるための補強を有し得る。
【0199】
一部の実施形態では、スタイレット、シャフト、および/またはカテーテルの遠位端は、市販の皮下注射針または血管アクセス針を含む。針先の長さは、動脈壁および硬膜を貫通するために加えられる力を減少させ、棘孔の湾曲部を通るナビゲーションの容易さを増加させる。傾斜が長くなると穿刺力は低下するが、頭蓋内MMAにはたどって行かない可能性が高い。スタイレットの遠位端に溶接された市販の28G針(例えば、直径0.015インチのロープ状の要素)から得られた1.5mm未満の長さの傾斜は、ID0.030インチおよびMMAに位置するOD0.043インチのカテーテル内の棘孔を通って、IDが0.016インチおよびODが0.024インチのシャフト内を前進することができる。針は、別の箇所に記載されるようにカラム強度を維持しながら、柔軟性を高めるために、複数の切断を含み得る。
【0200】
一般的に、動脈ナビゲーションは、針の先端を、シャフトの1mm遠位のスタイレットの前方端に維持すること、シャフトと同一平面にすること、またはシャフトの遠位端から10mm以内で維持することによって促進される。針は、それらが溶接される要素よりも大きく、同じサイズ、または小さくすることができる。伸縮要素間の最小のギャップ(例えば、0.2mm未満の直径差)は、動脈/硬膜壁での捕捉の可能性を低減する。
【0201】
一部の実施形態では、シャフト120の遠位部分はバルーンを含む。シャフト120は、中心位置または中心外位置であってもよく、吸引カテーテル100からの平行または対角の出現を有する。バルーンの膨張は、(i)動脈壁を通って、および/または硬膜下腔内を前進するためにシャフト120に支持を提供する、(ii)血液の溢出を防ぐために親動脈の動脈切開を閉塞する、(iii)吸引カテーテル100の通過を容易にするために動脈切開を拡張し、脳表面を押して送気されるようにする、(iv)硬膜下腔内への吸引カテーテル100のシャフト上の前進を促進するために遠位支持/固定を提供する、(v)前進中に脳表面をシャフト120から押し離す、および(vi)カテーテル100の粒子状物質の詰まりを解消する、ために使用することができる。
【0202】
一部の実施形態では、シャフト120の遠位部分は、吸引カテーテル100の前進のための硬膜下廊下の硬膜外、硬膜内を形成するバルーンを含む。
【0203】
一部の実施形態では、カテーテル100とシャフト120との間の棚は先細とすることができる。別の実施形態では、カテーテル100は、前進する力を脳表面から離れて、SDHの方へ向けるための一つまたは複数の傾斜を有し得る。かかる先細設計は、動脈壁、硬膜下腔を通って、およびSDHに入る前進を容易にすることができる。
【0204】
一部の実施形態では、シャフト120は、より大きな直径の先端を「キャップ」として有する。キャップの直径は、カテーテル100の外径より小さいか、または等しくてもよい。キャップは、円錐の頂点が中心である、または中心から外れている、円形または円錐形であってもよい。キャップとカテーテル100との界面は、主軸、斜位、または組み合わせに対して垂直であってもよい。貫通および前進モードについては、システムの押出し性を強化し、カテーテル端を隠すために、カテーテル100の遠位端にプルワイヤで近位にまたは接触してキャップを配置することができる(これは、動脈壁および硬膜下腔を通ってSDH内への前進を容易にし得る)。吸引モードの場合、キャップは、入口点および開き、吸引するために、プッシュワイヤによってカテーテル100の先端から分離することができる。カテーテル100の先端が詰まっている場合、カテーテル100の詰まりを解消するために、キャップはプルワイヤによって抜去される。
【0205】
一部の実施形態では、カテーテル100の先端端部は閉じてもよく、および/または異なる形状を有してもよい。カテーテル100は、液体を吸引するための側孔/開窓を有し得る。一部の実施形態では、カテーテル端は先細であり、先端に開口部を有さない。この設計にはレッジがないため、非常に非外傷性である。一部の実施形態は、カテーテル100内に少なくとも部分的に配置されるシャフトの同軸前進を可能にするために、端部に開口部を有してもよい。
【0206】
一部の実施形態では、カテーテル100の遠位端は、硬膜下腔および脳への貫通を防止するための壁内の要素への進入を容易にする傾斜および鋭利な端部を有し得る。丸くない楕円形の内腔を有するカテーテル100は、脳の貫通の可能性を低減することができる。傾斜先端を有するカテーテルは、液体および血餅の排出を容易にすることができる。
【0207】
一部の実施形態では、カテーテルは、液体および血栓の排出を強化する遠位漏斗を有し得る。漏斗は、バルーンシステム、プルまたはプッシュワイヤによって開放されてもよく、または圧縮状態で導入され、その後、鞘から外れた後に漏斗内に拡張することができる編組された設計もしくはスロット付きハイポチューブ設計を有してもよい。
【0208】
カテーテル100の内腔は、溶液、薬剤、細胞、または粒子の注入を可能にするように構成され得る。一部の実施形態では、カテーテル100は、硬膜下血腫の排出の前、間、および後に液体注入を可能にする追加の中空チャネルを有し得る。液体は、吸引カテーテル100の外側、吸引カテーテル100の先端、または吸引カテーテル100の主内腔の内側に向けることができる。液体注入は、液体の粘度を減少させ、排出を増強することができる。
【0209】
一部の実施形態では、液体は、治療位置に薬理剤を送達するこができ、または後に吸引カテーテルによって吸引される溶液中の懸濁された細胞および粒子を送達することができる。
【0210】
一部の実施形態では、吸引カテーテル100の内腔は潤滑物質で被覆され、液体および粒子状物質の排出を容易にすることができる。
【0211】
システムのガイダンスは、侵襲的(US、CTO、血管鏡)および非侵襲的(蛍光透視法、US、CT、MR)撮像様式により、目に見える構成要素を含むことによって結合され得る。これは、画像誘導介入と結合され得る。一部の実施形態では、吸引カテーテル100または貫通要素自体は、構造視覚化のための侵襲的撮像様式と一体化され得る。
【0212】
一部の実施形態では、吸引カテーテル100は、硬膜下収集物の内視鏡支援された経血管的排出のための統合カメラを含み得る。カメラは、硬膜下腔または硬膜上腔のシャフト120上のカテーテル100の前進の視覚化を提供することができる。内視鏡機能は、光ファイバー、相補型対称金属-酸化物-半導体、走査ファイバー内視鏡、または任意の他の方法に基づくことができる。光学系は、カテーテルの頭部(光源および電気ワイヤをカテーテル壁内に配置することができる)内に取り付けてもよく、これは、ワイヤ(貫通要素であり得る)の上を、血管外空間内を、そして排出のために収集物内に前進することができる。
【0213】
これらの実施形態の一部では、カテーテル100は、排出開窓およびカテーテル100のシャフトを偏向させる操縦可能な機構を有することができる。この実施形態では、動脈壁の穿孔に伴い、カテーテル100は同軸に前進する。
【0214】
一部の実施形態では、生理食塩水注入は、カテーテルの前進を促進し(例えば、表面の潤滑性を増加させ、空間を分離および生成するために)、および/またはカメラによる直接の可視化を改善するために、硬膜下腔に注入され得る。システムは、上述の通り、前進し、収集物に入り、排出するために使用することができる。
【0215】
一部の実施形態では、貫通要素は、先端から0.01mm~10mmの範囲の遠位セグメント内に一つまたは複数の開口部を有し得る。開口部は、シャフトまたはカテーテルの一つまたは複数の内腔に流体的に連結されてもよく、硬膜下腔への穿孔時に注入を可能にしてもよい。
【0216】
一部の実施形態では、コアリング要素は、カテーテルのバルーンの上に取り付けられ、血管チャネル壁を通る通路を生成することができる。コアリング要素は、吸引カテーテルの内腔と連続してもよく、これにより血管外空間への安定した通路が可能となる。一部の実施形態では、カテーテルの上に取り付けられたバルーンは、カテーテル内腔に連続するチャネルを有する。バルーンの送気により、カテーテルが安定し、チャネルの開口部を血管壁に近づけた。血管外アクセスは、本明細書で先に記載されるように達成される。
【0217】
一部の実施形態では、MMA壁貫通要素は、送達カテーテル100から出てきたときに取得される、予め成形された湾曲部を持つ。かかる場合、壁貫通要素は、送達カテーテル100の変形を最小限で引き起こす、または全く引き起こさないほど十分に可撓性であるが、血管内腔への出現に当たって、血管壁を貫通する間、維持される湾曲を獲得する。一部の実施形態では、湾曲の曲げ半径は変化してもよく、標的の位置に向かってシステムを向けるように選択することができる。この実施形態は、例えば、血管形状が標的から分岐し、血管壁への貫通が標的につながらない場合に有益である。この分岐する湾曲は、血管外空間でのみ取得されるシャフト内の他の湾曲と組み合わせることができる。これは、各々独立した曲線の曲げ半径および柔軟性を変更することによって達成することができる。
【0218】
一部の実施形態では、貫通要素は、切断端、傾斜、切断先端、円錐形状、コアリングパンチ、およびコルクせん抜き形状を含む、血管壁および硬膜を通る貫通を促進する特徴を有し得る。切断機能は、内側端の外側端にあってもよい。内側内腔に向いた後の逆切断端は、二つの同軸伸縮要素間のギャップを最小化し、より低い力での穿孔を容易にする。貫通を促進する機能は、複数の機能のうちの一つまたは組み合わせであってもよく、スタイレット、シャフト、またはカテーテルを含む任意の装置要素で組み合わせることができる。一部の実施形態では、カテーテル100および/または貫通要素(例えば、シャフトまたはマイクロカテーテル)の剛性は、これらの要素の壁に関連するアクセサリチャネルの可変圧力での空気または液体の導入によって変更され得る。チャネルは、カテーテル100および/または貫通要素(例えば、シャフトまたはマイクロカテーテル)の任意のセグメントに配置されてもよく、任意の長さであってもよい。
【0219】
例えば、カテーテル100は、貫通要素(例えば、シャフトまたはマイクロカテーテル)が動脈壁または硬膜下膜を横断するための支持を強化するために、壁チャネルへの生理食塩水注入時に硬くすることができる。血管外空間内での前進時に、カテーテル100の最も遠位のセグメントは、生理食塩水を除去することによって柔軟/軟質とすることができる。
【0220】
別の実施例では、貫通要素(例えば、シャフトまたはマイクロカテーテル)は、多デュロメーター構造を有してもよく、近位に硬く、遠位に柔軟/軟質であってもよい。遠位セグメントは、柔軟性を変更するためにチャネルと関連し得る。動脈壁を通る貫通については、遠位セグメントは、内側チャネル内の液体注入によって硬化され得る。血管の貫通に伴い、内側チャネルを収縮させ、貫通要素の柔軟性を高め、前進を救うことができる。一部の実施形態では、この内側チャネルは、動脈壁に対して、または動脈壁を通って押し込む間に閉塞される遠位セグメントに開口部を有する。閉塞されている間、液体はチャネル内に留まり、陽圧によって貫通要素に最大の剛性を与える。血管外空間内への貫通に伴い、チャネル開口部は閉塞されず、内側チャネルの液体の急速な放出を可能にし、剛性の減少をもたらす。この機構は、脳の貫通の可能性を減少させるため、装置の安全機能を増加させる。これらのチャネルにおける空気および液体の注入は、カテーテルまたは貫通要素を偏向させるためにも使用され得る。
【0221】
一部の実施形態では、カテーテル100および/または貫通要素(例えば、シャフト130またはマイクロカテーテル110)は、差圧、インピーダンス、その他を含む、管の少なくともセグメントの血管外位置を感知するための方法および機構と組み合わされる。
【0222】
一部の実施形態では、一つまたは複数の磁気構成要素を、磁気ベースの移動のためにEVACシステムの任意の構成要素に追加することができる。
【0223】
血管外介入の完了時に、動脈切開は、バルーン、ゲルフォーム、コラーゲン、トロンビン、粒子(例えば、ポリビニルアルコール、エンボスフィア(embosphere))、コイル(例えば、押し出し可能な、注射可能な、取り外し可能な)、液状剤(例えば、接着剤、エチレンビニルアルコール)、硬化剤(例えば、テラデシル硫酸ナトリウム、アルコール、アルゲル)、プラグ(例えば、自己拡張可能な円筒形または砂時計形)、ステッチ、電気凝固法である止血機構の一つまたは組合せによって、閉じられる。
【0224】
一部の実施形態では、止血要素は、装置回収中の偶発的な後退を防止する機構を持つ。例の様式として、これらの要素は、ゲルフォームまたはコラーゲン綿撒糸の遠位セグメント上の焦点拡大、および鞘から外れた後に放射状に拡張する開花要素を含む。
【0225】
一部の実施形態では、任意の装置サブコンポーネントの少なくとも一つのセグメントを切り離して、動脈切開を閉じることができる。
【0226】
一部の実施形態では、止血要素(コイルのような)は、化学的、機械的、およびまたは電気的機構によって所望の長さで横断され得る。これは、動脈切開を通じて閉鎖要素を展開し、その後、止血要素を切断して、動脈の長いセグメントが塞栓しないようにすることが望ましい。
【0227】
一部の実施形態では、穿孔要素は、閉鎖装置と連結され得る。閉鎖装置は、穿孔点における穿孔要素の除去時に解除され得る。
【0228】
一部の実施形態では、動脈切開は非常に小さく、結果として、止血装置を必要とする著しい血液の溢出は生じないであろう。
【0229】
図10~13を参照すると、シャフト140の代替的実施形態は、二つの「J」構成を有する遠位端部分を有する。最も遠位の「J」142は、実施され、切断端または傾斜部を画定することができ、MMA20または硬膜下血腫膜の壁を方向的に貫通することが可能である。近位の様式で配置されると、シャフト140がカテーテル100から現れた後に形成され、硬膜下腔内に前進するための非外傷性の形状を提供する別の「J」または「U」144がある。壁の貫通を強化するために、遠位のJ142は、近位のJセグメント144よりも鋭くかつ硬くあってもよい。可撓的であることによって、近位Jセグメントは、カテーテル100内で半径方向に拘束されている間に真っ直ぐになる。この実施形態では、スタイレットは不要である。代わりに、遠位のJ142先端は、MMA20の壁に貫通および穿孔する。遠位の予め形成されたJ142は、シャフト140をそれが硬膜下腔を向く、および硬膜下腔に垂直方向になるまで回転させることによって、動脈壁を通った方向的貫通を可能にする。貫通に当たって、シャフト140は、必要に応じて硬膜下腔に平行にかつ硬膜下腔内に向くように回転することができ、シャフト140は、シャフト140が近位J144の形状を取得するまでカテーテル100の外側へと前進した。
【0230】
図14~16を参照すると、描写された実施形態は、カテーテル200によって画定される内腔内に、スライド可能に配置された吸引カテーテル200およびシャフト210を含む。カテーテル200は、その遠位端部分に排出開窓を画定する。
【0231】
図14に示すように、シャフト210は、MMA20の壁を穿孔するために使用される。その後、カテーテル200の遠位端部分は、シャフト210がそれを通って延在する穴を画定する一方で、先端もMMA20の壁を通って前進するように構成されるように、先細となる。さらに、シャフト210の遠位端部分は、(
図15に示すように)シャフト210が硬膜下血腫10に向かって前進するための非外傷性の先端を提供するように、自然なJまたはU形状を有する。硬膜下血腫10への進入に当たって、吸引カテーテル200の開窓および内腔を露出してシャフト210は引き戻され、および/または除去され得る。
【0232】
一部の実施形態では、シャフト210は、一つ、二つ、またはそれ以上の伸縮要素によって構成することができる。この設計は、MMA20を貫通し、そして硬膜下膜を貫通するための剛性、硬膜下腔内への前進への支持、JまたはUシャフト210を有する非外傷性先導形状、およびカテーテル200の開窓が硬膜下血腫10内に導入された場合の最大の真空有効性を提供する。
図32および33を参照すると、一部の実施形態では、シャフトのカテーテル200への再導入は、粒子状物質によって塞がれているカテーテル200の詰まりを解消することができる。物質は、吸引カテーテルの遠位端および/または一つまたは複数の横窓を通って液体の排出を可能にする閉塞解消要素によって、カテーテル200の遠位端で、カテーテル200の外側へ押し出されるか、圧縮または軟化され得る。
【0233】
一部の実施形態では(
図32A~B)、シャフトの遠位端は、粒子状物質を押し出すためのプランジャー、ブラシ、矢じり、ディスク、およびバルーンの構成を有する。一部の実施形態では、(
図32C~E)、シャフトは、直線または成形された構成、例えば、「J」、「L」、「S」、正弦曲面、「T」、または他の偏心形状を有し、線形平行移動、振動、回転、および周回の一つまたは組み合わせで移動することができる。
【0234】
別の実施形態では(
図32F)、シャフトは遠位端に偏心質量を有し、粒子状物質を攪拌するために送達される機械的エネルギーを増強する。さらに、偏心構成は、吸引カテーテル内に振動を生成し、摩擦により吸引カテーテル壁の内壁に粘着性である粒子状物質を除去することを容易にすることができる。偏心質量はまた、粒子状物質を軟化するための切断要素であってもよい。
【0235】
代替的実施形態では(
図32G)、シャフトの遠位端は、バルーンを膨張させる、またはステントを開くなどの手動で拡張できる、または回転運動下での求心力により自己拡張するなどの、拡張可能要素を有する。この拡張可能要素は、粒子状物質を攪拌するために送達される機械的エネルギーを増強することができ、粒子状物質を軟化するための切断機能も有することができる。別の実施形態では(
図32H)、シャフトは吸引カテーテル内および外部への液体または粒子状物質の輸送を容易にするためのインペラー、オーガ、またはアルキメデスねじである。
【0236】
閉塞解消要素は、吸引カテーテル内に既に引き込まれた粒子状物質および液体を、真空によって除去するために、吸引カテーテル内に取り囲まれることができる。一部の実施形態では、吸引カテーテルの遠位端と同一平面または超えるように、閉塞解消要素は延在することができる。一部の実施形態では、吸引カテーテルの遠位端からの出現に当たって、閉塞解消要素はより大きくなる。閉塞解消要素は、銅-アルミ-ニッケルおよびニッケル-チタン(ニチノール)などのメモリ材料(例えば、形状記憶合金)、または回転による求心力による作動で構築することができる。吸引カテーテルの外部に配置される閉塞解消要素については、切断要素は、血餅を軟化するが、切断端を脳または硬膜表面に対して囲み、目隠しすることによって、脳または硬膜表面を損傷しないが、粒子状物質との接触を可能にするように構成され得る(
図32I)。
【0237】
かかる特徴を有するシャフトは、吸引カテーテルを含む抽出装置を通して長手方向に延在する。閉塞解消要素は、血腫の排出を容易にし、例えば、遠位端から5cm以内などの、サブコンポーネントの遠位端に優先的に上記特徴を含む。閉塞解消要素の近位端は、50rpm~500,000rpmの範囲の回転速度を閉塞解消要素に提供することができる吸引ポンプおよび電気モータを含む駆動ユニットに取り付けられ得る。
【0238】
他の実施形態では、閉塞解消要素は、1rpm~100rpmの範囲の回転速度を達成するために、手で作動することができる。一部の実施形態では、閉塞解消要素の嵌合アセンブリは、吸引カテーテルに対する軟化要素の移動を提供する。嵌合アセンブリは、ルアーアセンブリ(Luer assembly)またはトウヒーボースト(Touhy-Borst)弁を含んで、閉塞解消要素または周囲のハイポチューブの周りのシールを維持することができる。
【0239】
一部の実施形態では、シャフトは、吸引カテーテルの吸引内腔の占有を最小化し、吸引および吸引の流れを最大化するために先細である。一部の実施形態では、薬剤は、このカテーテルシステムの一つまたは複数の内腔を通って注入され、粒子状物質の溶解を容易にする。一部の実施形態では、薬剤は、粒子状物質と吸引カテーテルとシャフトとの間の界面を潤滑にするために、このカテーテルシステムの一つまたは複数の内腔を通して注入され、粒子状物質が吸引カテーテルに沿って近位に流れるのを助ける。一部の実施形態では、液体は、排出される液体を希釈するために注入される。
【0240】
図33Aを参照すると、一部の実施形態では、吸引カテーテルの遠位端、例えば、遠位端から5cm以内の吸引カテーテルの部分は、吸引カテーテルの開口部面積を増やすために壁の拡張が可能である。吸引力はカテーテル断面積に比例し、吸引流量はカテーテル断面積の二乗に比例する。開口部面積を増大させることにより、吸引力および流量が増加する。
【0241】
一実施形態では、吸引カテーテルの遠位端は、低い弾性および高い伸縮限界(例えば、熱可塑性ポリウレタンまたはシリコンなど)を有するポリマージャケットで構築されている。吸引カテーテルが標的に送達された後、ステントは吸引カテーテルの遠位端に送達され、ポリマージャケットを変形させるために開かれる。
【0242】
代替的な実施形態では、吸引カテーテルの遠位端は、拡張された漏斗形状を有するように製造中に事前構成された銅-アルミ-ニッケルおよびニッケル-チタン(ニチノール)などの形状記憶合金によって作製される。形状記憶合金漏斗は、吸引カテーテルの遠位端から近位端まで延在する、一つまたは複数のプルワイヤによって取り付けられる。拡張を起動する前に、プルワイヤを引っ張り、漏斗を円筒形に圧縮する。吸引カテーテルが標的に到達した後、プルワイヤが開放されて、形状記憶合金が跳ね返って漏斗形状を取る。
【0243】
一部の実施形態では、吸引カテーテルの遠位端は、高い熱膨張係数を有する材料によって構築され得る。熱は、例えば、吸引カテーテル壁または別の付属内腔内の一つまたは複数の電気抵抗ワイヤを使用して、生成され、このセグメントに伝導されて、拡張を活性化する。拡張を停止するために、生理食塩水などの冷たい液体がカテーテルの内腔を通って送達され、吸引カテーテルの遠位端を冷却し、円筒形を回復させる。
【0244】
図33Bを参照すると、別の実施形態では、高圧の液体(例えば、生理食塩水)が、吸引カテーテル壁の内側の内腔または吸引カテーテルに隣接する別の内腔を通って液体源から送達され、吸引カテーテルの内壁上の一つまたは複数の流れ注入ポートを通って遠位端またはその近くで吸引カテーテル内腔に入ることができる。この高圧流れジェットは、吸引カテーテル内の粒子状物質を軟化し、粒子状物質の断片を吸引端部の近位端に向かって押すことができるため、有益である。流れ注入ポートは、流れジェットが、好ましくは吸引カテーテルの近位端に向かって傾斜するか、または吸引カテーテルの長軸に垂直に傾斜して、高圧流が硬膜下腔に入るのを防ぐように配向される。流れ注入パターンは、連続的またはパルス状であってもよい。
【0245】
一部の実施形態では、吸引カテーテルおよび/または嵌合アセンブリは、一方向の液体の流れが硬膜下腔から離れるのを確実にする弁を有し得る。
【0246】
一部の実施形態では、吸引カテーテル100の遠位セグメントは、吸引カテーテル100を詰まらせる粒子状物質を防止するためのワイヤバスケット、バルーン、およびその他の要素を含み得る。一部の実施形態では、吸引カテーテル100は、液体および血栓の除去を強化するために、漏斗形状または拡張可能な漏斗形状のバルーンを装備することができる。一部の実施形態では、漏斗は、複数の切断または編組ステントを用いてハイポチューブを鞘から外すことによって作製することができる。一部の実施形態では、吸引カテーテルに流体結合されるポリマーによって、漏斗骨格を覆うことができる。
【0247】
一部の実施形態では、吸引カテーテル100は、遠位端の近位にバルーンを装備することができる。硬膜下腔への進入後のバルーンの送気は、出血を防止し、動脈への反動を防止し、シャフト120の押出し性を強化し、脳を非外傷的に押し出し、硬膜下腔を広げるために有利であり得る。一部の実施形態では、吸引カテーテル100の遠位セグメントにある形成されたバルーンは、開口部を、硬膜下腔内に脳と硬膜に平行であるように、カテーテルに向けることができる。
【0248】
出血は、装置を含む同じ血管から、または他の血管から、血管外空間で起こり得る。出血を低減するか、または止血を達成するために、一部の実施形態では、一つまたは複数のサブコンポーネントには、焼灼装置および電気焼灼、化学焼灼、レーザー、超音波焼灼、およびバルーンを含む方法が含まれる。
【0249】
図17および18を参照すると、一部の実施形態では、貫通要素310(例えば、シャフトまたはマイクロカテーテル)は、カテーテル300の内腔の分岐面によって横方向に分岐することができる。この実施形態では、分岐面は、カテーテル300の出口または出口に近接して配置される。貫通要素310が配置されるカテーテル300の内腔の主軸に関する表面の角度は、送達カテーテル300からの出現時に貫通要素310が投影する角度を画定する。
【0250】
一部の実施形態では、吸引カテーテル100または静脈送達鞘は、バルーンまたはステントによって装備されて、装置を血管壁に固定し、方向的貫通を容易にすることができる。これは、静脈および硬膜静脈洞が、頭蓋内区画内へのナビゲートのためにおよび液体、特定の物質または血餅を排出するために使用される場合に有益であろう。
【0251】
本明細書に開示される本発明は、静脈系を通った、硬膜内区画へのアクセスおよびSDHの排出を教示する。特に、SSSおよびSPS13と横S状静脈洞12との接合部は、SDHが典型的に位置付けられる小脳テント上硬膜下腔へのアクセスに適した解剖学的特徴を有する。
【0252】
一部の実施形態では、静脈送達鞘は、末梢静脈アクセスから、頸静脈、S状および横静脈洞へのアクセスおよび上矢状静脈洞へのアクセスへとナビゲートされ得る。この時点で、静脈送達鞘は、本明細書に記載の実施形態(例えば、プルワイヤ)のいずれかによって関節接合されて、カテーテルを静脈系内に固定し、排出する収集物と同側の静脈洞の横壁に向かって遠位端を向けることができる。SSSの形状は三角形で、最大の側面は頭蓋骨に対して配向された基部である。送達鞘の関節部は、三角形の基部(例えば、頭蓋骨)で装置を自己配向し、装置の遠位端を静脈洞の側壁に向け、硬膜下腔に向かう穿孔要素に方向性を提供する。
【0253】
一部の実施形態では、方向性および固定は、ステントの配備またはバルーンの送気によっても達成され得る。この時点で、硬膜洞壁は、シャフト120または熱アブレーション、コアリングパンチ、または本明細書に記載の任意の実施形態によって生成される開口部によって貫通され得る。次に、血管外空間へのアクセスを得ることができ、液体、血栓および粒子状物質の排出のための吸引カテーテル100を含む、装置がカテーテルから血管外空間へとナビゲートされ得る。血管外空間における介入の完了後、装置は血管チャネル中に、および被覆されたステントまたは本明細書に記述の実施形態のいずれかによって閉鎖される開口部に引き戻される。
【0254】
一部の実施形態では、90%を超える患者においてSSS内にナビゲートするために、鞘の遠位ODは、0.118インチ未満である。長さは130cmであり、経大腿静脈アプローチを可能にする。鞘は、サブコンポーネントが90°以上の曲線角度で前進して、頸静脈球を通って頭蓋内区画に入り、横S状接合部およびトルキュラ(torcula)を横断することを可能にする柔軟性を有する。
【0255】
鞘の柔軟性は、90°を超える曲線角度を有する一方向の偏向を達成して、内側穿孔要素を静脈洞の側壁に向け、遠位の支持を提供することができる。
【0256】
一部の実施形態では、カテーテルは、血餅の摂取を容易にするために0.070インチ未満の遠位ID、および経大腿使用に140cmの長さを有する。カテーテルは、SSS/硬膜を穿孔するためにねじれおよび卵形化することなく6Nの前方荷重を生成し、注射器でcSDHを吸引するために虚脱することなく20inHgを超える吸引圧力に耐えるのに十分な強度である。
【0257】
一部の実施形態では、カテーテルは、硬膜下腔をスワイプしてSDHを取り込み、少なくとも90°の最小曲線角度で前進することができる双方向の偏向を達成するのに十分な柔軟性を持つ。
【0258】
一部の実施形態では、トロカールは、ワイヤの上をSSS内に前進する既製の0.035インチワイヤと適合性がある。硬膜を捕捉することを避けるために、トロカールの遠位ODは、包囲カテーテルのIDよりも0.004インチ未満小さい。トロカールは、鋭い傾斜先端を含み、SSS壁および硬膜穿孔に対してねじれることなく、少なくとも6Nの前方荷重を生成することができる。トロカールは、90°の最小曲線角度で前進することができる。
【0259】
一部の実施形態では、プラグは、カテーテル(例えば、カテーテルID未満のOD)を通った送達に適合する直径を有し、90°の最小曲線角度を達成することができる。プラグは、SSSの開存性を有するデュロトミー閉鎖のために、押し込みまたは取り外し可能である。サブコンポーネントは、放射線不透過性であるか、または蛍光透視要素を有する必要がある。
【0260】
図34Aから34Eは、SSSの壁を通って硬膜下腔にアクセスし、SDHを排出するための実施形態の使用を描写する概略図である。各図は、SSS上の冠状断面および左傍矢状腔、および左S状静脈洞上の3D再構成の斜面図を含む。
図34Aでは、送達鞘遠位アクセス鞘およびカテーテルは、大腿静脈からSSS内にワイヤの上を前進する。
【0261】
ワイヤを除去し、ロードマップ静脈造影を行い(例えば、SSSに造影剤を注入する、または診断目的で動脈にカテーテルが導入された場合には動脈サイズから注入する)、穿孔のために静脈のない静脈洞のセグメントを選択する。
【0262】
図34Bは、トロカールがカテーテルの遠位端まで同軸に前進し、鞘が関節接合して安定性、剛性およびシステムへの近位支持を提供し、穿孔要素を静脈洞の側壁に向けることを示す。次に、トロカールを前方に押すと、静脈洞壁および硬膜を通って、傍矢状硬膜下腔内へのアクセスを得る。
【0263】
図34Cは、安全な硬膜下ナビゲーションのためにトロカールの上を前進したワイヤを示し、カテーテルは、デュロトミー部位を通ってトロカールの上方および外側の硬膜下腔内に同軸に前進している。トロカールを除去し、カテーテルを真空源に接続し、前方または後方に関節接合して硬膜下腔をスワイプする。
【0264】
液体および血餅(例えば、SDH)の排出強化が必要となる実施形態では、
図34Dに示す通り、オーガシャフト(または回転要素、または振動要素、または本明細書に記載の任意の軟化要素)がカテーテルの遠位端に前進し、同時の真空で作動する。
【0265】
図34Eは、カテーテルシステムが除去され、止血閉鎖要素が、排出が完了した後に、デュロトミー部位に配置されることを示す。
【0266】
図35Aから34Cは、静脈送達鞘が末梢静脈アクセスから頸静脈へとナビゲートされ、その後頭蓋内でS状横接合部へと前進する実施形態の使用を描写する概略図である。これは、標準的なグライドワイヤおよびカテーテル(例えば、Sofia5Fまたは6F、Microvention)の上を静脈送達鞘を前進させることによって容易にすることができる。その時点で、静脈送達鞘は、SPSを含む領域の解剖学的構造を利用して配向および安定化され得る。
【0267】
横S状接合部およびSPSによって形成される静脈複合体は、安全かつ効果的な穿孔を可能にする特徴を有する。例えば、これらの特徴としては、SPSが存在し、患者の97%で横静脈洞と通信すること、頭蓋内腔への経頸静脈的アプローチを可能にすること、装置を固定および配向するための要素を導入または配置するための理想的な場所を提供する骨溝と厚い硬膜小脳テントとの間のSPSの非常に安定した位置、SPSが小脳テント上区画に面する横静脈洞の屋根で、またはそれに近接して接続すること、経血管的穿孔および硬膜下腔ナビゲーションがSPSの長手方向軸から100度の角度で実施される場合、SDHの大部分が切断されること、より濃厚な液体またはより硬い塊の排出および硬膜内区画へより大きな装置の送達のための大口径装置とのアクセスを可能にするS状横接合部の大きな内腔、SDHが位置する小脳テント上区画内の脳凸面との非常に密接な地理的近接、を含むが、これらに限定されない。
【0268】
一部の実施形態では、
図35および36に示すように、静脈送達鞘は、SPS内のワイヤの上を前進することができる付属物(鞘、カテーテル、ワイヤ、ステント、およびバルーンの拡張)を有する。付属物は、静脈送達鞘を配向し、貫通中の反動を防止しながら支持を提供することができる。バルーンを有する実施形態では、バルーンはマイクロカテーテルまたはワイヤの先端にあってもよい。ステントを有する実施形態では、ステントは、マイクロカテーテルを通して配置され、ワイヤに機械的に取り付けられたままであることができる。
【0269】
ワイヤは、円形、正方形、長方形、または任意の他の形状であってもよく、SPS内にある固定要素に遠位に取り付けられる。穿孔要素は、静脈送達鞘の遠位端までワイヤの上を前進することができる。一部の実施形態では、穿孔要素は、切断傾斜(針またはカテーテル)を有する中空構造であり、これはワイヤ(高速交換システムを含む)の上を前進する。
【0270】
ワイヤと貫通要素との間のレールは、少なくとも、穿孔要素の遠位セグメントにあるが、穿孔要素の最も遠位のセグメントにはない。この実施形態は、硬膜内区画への貫通深度を制限する。穿孔要素の遠位端と、ワイヤが穿孔システムに入るレールシステムの最も遠位の開口から、静脈洞の壁厚を引いた距離は、貫通深度をもたらす。このシステムは、穿孔要素の配向を行い、(貫通要素を前に押しながら固定要素を引き寄せることによってレールシステムに張力を提供することによって)遠位支持を提供し、穿孔の深さを制限するため、有利である。
【0271】
図37A~37Cを参照すると、一部の実施形態では、レールシステムは、アンカー要素およびワイヤおよび保護鞘によって形成され得る。保護鞘は、S状静脈洞および頸静脈球の正常な解剖学的ねじれを通って、静脈送達鞘内の前進中に穿孔要素の捕捉を防止するのに有益であり得る。
図37Aを参照すると、かかる実施形態では、保護鞘によって覆われた穿孔要素は、静脈送達鞘の遠位端に前進する。
図37Bを参照すると、保護鞘は、貫通要素を露出しながらアンカーワイヤ上を引き戻される。
図37Cを参照すると、貫通要素は静脈洞壁を通って前進する。
【0272】
別の実施形態では、保護鞘は静脈送達鞘の遠位端まで前進し、貫通要素は保護鞘の外側へ突出し、静脈洞壁を穿孔するために前方に押しだされる。一部の実施形態では、保護鞘は、ハンドルアセンブリ内のノブまたはホイールによって作動するワイヤを引くか押すことによって長手方向に平行移動する。
【0273】
他の実施形態では、静脈送達鞘は、鞘を静脈洞壁に固定するための一つまたは複数のバルーン要素を有する。バルーン要素は、単一、複数であってもよく、同じサブコンポーネントセグメント内または複数のサブコンポーネントセグメント内に位置してもよく、閉塞性または非閉塞性であってもよい。
【0274】
一部の実施形態では、バルーンは、遠位S状静脈洞内の静脈送達鞘の遠位セグメントで送気され得る。穿孔要素は、静脈洞壁を通って蛍光透視誘導下で前進することができる。
【0275】
穿孔要素の内腔は、硬膜下腔内に生理食塩水または他の潤滑性物質、穿孔要素の硬膜下位置を確認するための造影剤を注入するためのチャネル、および/または硬膜下腔内にナビゲートしSDHを排出するためのワイヤおよび吸引カテーテルを提供する。穿孔要素は、他の装置および診断または治療物質を導入するための経路を提供する。
【0276】
一部の実施形態では、血管外アクセスを得た後、一つまたは複数のインプラント要素を、血管外空間に一時的または永久的(例えば、長期インプラント)に、完全にまたは部分的に設置することができる。インプラント要素には、電極、センサ、トランスミッタ、レシーバ、グリッド、ポート、カテーテル(弁および抗サイフォン機構と関連)、生検針またはパンチ、移植可能な化学療法ウエハーまたは放射線シードが含まれ得る。
【0277】
穿孔要素は、止血要素による穿孔点での止血を確実にする前、間、または後に収納され、アンカー要素は、マイクロカテーテルを前進させてステントを再度鞘で覆うこと、バルーンの収縮させること、またはワイヤもしくは付属物を引き戻すことによって再捕捉される。
【0278】
静脈洞の壁を通る穿孔点は、限定されるものではないが、ゲルフォーム、コラーゲン、プラグ、ステッチを含む、前述の止血手段によって閉じることができる。プラグには、円筒形または砂時計形状の自己拡張可能なニチノール編組、または一つまたは複数のディスクもしくは裂片が含まれる。止血手段の分離は、電気化学的、電気機械的、機械的、取り付けられたねじの回転であることができる。静脈洞壁での穿孔の閉鎖のためのほとんどの実施形態では、静脈洞の主内腔は開いたままである。
【0279】
一部の実施形態では、止血要素は、装置回収中の偶発的(例えば、意図的ではない)な後退を防止する機構を有する。一例として、これらの要素は、ゲルフォームまたはコラーゲン綿撒糸の遠位セグメント上の焦点拡大、および鞘から外れた後に放射状に拡張する開花要素を含む。
図38A~38Dは、プラグ送達カテーテルを介してプラグが送達される実施形態を描写する概略図である。
図38Aでは、プラグ要素は、針を通って血管外空間内に前進される。
図38Bでは、遠位プラグ要素は、鞘から外れ、ディスクまたはパラシュートとして拡張する。
【0280】
図38Cを参照すると、プラグ要素は、静脈洞の硬膜下側に対する良好な並置を確保するために引かれるワイヤによって機械的に接続される。
図38Dでは、プラグ要素送達カテーテルは、鞘から外れ、近位プラグ要素を展開して、次に、静脈洞の血管内側に対する良好な並置を確保するために前方に押される。
【0281】
本明細書には多くの具体的な実施の詳細が含まれるが、これらは、任意の発明の範囲または特許請求の範囲の制限としてではなく、特定の発明の特定の実施形態に特有であり得る特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実施形態との関連で本明細書に記載される特定の特徴は、単一の実施形態で組み合わせて実施されてもよい。反対に、単一の実施形態の文脈で記述される様々な特徴は、複数の実施形態に別々に、または任意の適切なサブコンビネーションで実施されてもよい。さらに、特徴は、特定の組み合わせで作用するものとして本明細書に記述されてもよく、そのように最初に請求されたとしても、請求された組み合わせからの一つまたは複数の特徴は、場合により、その組み合わせから切り出されてもよく、請求された組み合わせは、サブコンビネーションまたはサブコンビネーションの変形に向けられてもよい。
【0282】
同様に、動作が特定の順序で図面に描写されているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示される特定の順序で、または順次実行されること、または図示されたすべての動作が実行されることを必要とすると理解されるべきではない。特定の状況では、マルチタスク処理および並列処理が有利であり得る。さらに、本明細書に記載の実施形態における様々なシステムモジュールおよび構成要素の分離は、すべての実施形態でかかる分離を必要とすると理解されるべきではなく、記載のプログラム構成要素およびシステムは、概して、単一の製品に統合され得るか、または複数の製品に包装され得ることが理解されるべきである。
【0283】
主題の特定の実施形態が記載されている。他の実施形態は、以下の請求項の範囲内である。例えば、特許請求の範囲に列挙された行為は、異なる順序で実施されてもよく、なおも望ましい結果を達成することができる。一例として、添付の図に描写されるプロセスは、望ましい結果を達成するために、必ずしも示される特定の順序、または連続的な順序を必要としない。特定の実施に当たっては、マルチタスク処理および並列処理が有利であり得る。さらに、実施形態を表す図は、各装置サブコンポーネントの識別および機能を容易にする変形を含む。
【国際調査報告】