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特表2023-524045パターン散光素子と波長選択性反射素子とを備えたバックライト
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-08
(54)【発明の名称】パターン散光素子と波長選択性反射素子とを備えたバックライト
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20230601BHJP
【FI】
F21S2/00 481
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022566099
(86)(22)【出願日】2021-04-14
(85)【翻訳文提出日】2022-12-27
(86)【国際出願番号】 US2021027233
(87)【国際公開番号】W WO2021221908
(87)【国際公開日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】63/017,296
(32)【優先日】2020-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/144,760
(32)【優先日】2021-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】アレン,カーク リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ハン,ソンフォン
(72)【発明者】
【氏名】モーリー,パメラ アーリーン
(72)【発明者】
【氏名】ミー,シアン-ドン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァラヌィツャ,アンドリー
【テーマコード(参考)】
3K244
【Fターム(参考)】
3K244AA01
3K244BA50
3K244CA02
3K244DA01
3K244EA02
3K244EA16
3K244GA02
3K244GA04
3K244GA05
3K244GA08
3K244GA10
(57)【要約】
バックライトは、基板、複数の光源、反射層、第1散光板、第2散光板、および、色変換層を備えている。複数の光源は基板に近接している。反射層は基板に近接している。第1散光板は複数の光源の上にある。色変換層は第1散光板と第2散光板の間にある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックライトは、
基板と、
基板の近位にある複数の光源と、
基板の近位にある反射層と、
複数の光源の上の第1散光板と、
第2散光板と、
第1散光板と第2散光板の間の色変換層とを備えている。
【請求項2】
第1散光板は、複数のパターン反射素子が設けられたパターン散光素子を備えており、パターン反射素子は各々がそれに対応する光源と整列状態にある、請求項1に記載のバックライト。
【請求項3】
第1散光板は複数の光源と色変換層の間にある、請求項2に記載のバックライト。
【請求項4】
パターン散光素子は担体を備えており、複数のパターン反射素子は担体の第1面上にある、請求項2に記載のバックライト。
【請求項5】
パターン散光素子は担体の第1面の裏側の担体の第2面上に散光層を備えている、請求項4に記載のバックライト。
【請求項6】
反射素子は、
第1面およびその裏面の第2面が設けられている担体と、
担体の第1面上にあって、第1波長範囲の垂直入射光の約60パーセントより多くを透過し、第1波長範囲とは異なる第2波長範囲の垂直入射光の約60パーセントより多くを反射する第1波長選択性反射素子と、
担体の第2面上にあって、第1波長範囲の垂直入射光の約60パーセントより多くを透過し、第1波長範囲とは異なる第3波長範囲の垂直入射光の約60パーセントより多くを反射する第2波長選択性反射素子とを備えている。
【請求項7】
バックライトは、
基板と、
基板の近位にあって第1波長範囲内の光を発するようにした複数の光源と、
基板の近位にある反射層と、
担体、担体の第1面上の第1波長選択性反射素子、および、第1波長選択性反射素子の上の、または、担体の第1面の裏側の担体の第2面の上の複数のパターン反射素子を備えているパターン散光素子と、
第1波長範囲の光を、第1波長範囲よりも高い第2波長範囲の光に変換したり、第2波長範囲よりも高い第3波長範囲の光に変換したりする色変換層とを備えており、
第1波長選択性反射素子は第1波長範囲の垂直入射光の約60%より多くを透過し、第2波長範囲の垂直入射光の約60%より多くを反射する。
【発明の詳細な説明】
【関連出願との相互参照】
【0001】
本願は、合衆国法典第35編第119条のe(米国特許法)に基づき、2020年4月29日出願の米国特許仮出願第63/017,296号および2021年2月2日出願の米国特許仮出願第63/144,760号の優先権を主張するものであり、両仮出願の内容は参照することでそれらの全体が本願明細書の一部を成すものとする。
【技術分野】
【0002】
本件開示は、広義には、各種の表示装置用のバックライトに関するものである。より具体的には、本発明は、パターン反射素子と波長選択性反射素子とが設けられたパターン散光素子を備えたバックライトに関連している。
【背景技術】
【0003】
液晶表示装置(LCD)は、携帯電話、ラップトップ、電子タブレット、テレビ、コンピュータ・モニターなどの多様な電子機器で広く使用されている。液晶表示装置は、表示パネルに個別にアドレス指定可能な光バルブの配列が設けられている、光バルブベースの表示装置のことである。液晶表示装置は光を生成するバックライトを備えていることがあるが、生成された光は次には波長変換され、フィルタ処理され、偏光され、または、これら全ての処理を受けることで、液晶表示装置からの画像を生成する。バックライトは、端縁照射型または直接照射型のいずれかである。端縁照射型バックライトは発光ダイオード(LED)配列が導光板にその外周端縁位置で結合されており、導光板はその表面から発光する。直接照射型バックライトは縦横平面(2次元)配列の発光ダイオードが液晶表示装置パネルの直ぐ裏側に設けられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
直接照射型バックライトは、端縁照射型バックライトと比較してダイナミックコントラストが向上するという利点が得られる。例えば、直接照射型バックライトが設けられた表示装置は、個々の発光ダイオードの明るさを個別に調整することで画像全体の明るさのダイナミックレンジを設定することができる。これは局所調光として広く知られている。しかしながら、所望の光均一性を達成し、直接照射型バックライトで高温点が出るのを回避し、または、その両方を叶えるために、散光板または散光フィルムを各発光ダイオードから隔てて位置決めするとよく、従って、表示装置の全体的厚みを端縁照射型バックライトの厚みよりも大きくするとよい。直接照射型バックライトの光の横方向拡散を向上させるために、レンズを各発光ダイオードの上に配置して使用してきた。しかし、そのような構成においても、発光ダイオードと散光板または散光フィルムとの間を移動する光の光学距離すなわちOD(例えば、少なくとも10ミリメートルから、通例は約20ミリメートルないし約30ミリメートルまで)が原因で、依然として表示装置の全体的厚みが望ましくないほど大きくなってしまい、上記のような構成のゆえにバックライトの厚みを減らすにつれて望ましくない光学損失が生じる恐れがあり、または、その両方ともを生じてしまいかねない。端縁照射型バックライトはより薄くすることができても、個々の発光ダイオードからの光が導光板の広域部の全体に亘って拡散することで、個々の発光ダイオードまたは発光ダイオードの各群を消灯してもダイナミックコントラスト比には極小の効果しかなくなる恐れがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本件開示の実施形態の幾つかはバックライトに関連している。バックライトは基板、複数の光源、反射層、第1散光板、第2散光板、および、色変換層を備えている。複数の光源は基板に近接している。反射層は基板に近接している。第1散光板は複数の光源の上にある。色変換層は第1散光板と第2散光板の間にある。
【0006】
本件開示の更に別な各実施形態は反射素子に関するものである。反射素子は担体、第1波長選択性反射素子、および、第2波長選択性反射素子を備えている。担体には第1面、および、第1面の裏側の第2面が設けられている。第1波長選択性反射素子は、担体の第1面上にある。第1波長選択性反射素子は、第1波長範囲の垂直入射光の60パーセントを超える量を透過するとともに、第1波長範囲とは異なる第2波長範囲の垂直入射光の60パーセントを超える量を反射する。第2波長選択性反射素子は担体の第2面上にある。第2波長選択性反射素子は、第1波長範囲の垂直入射光の60パーセントを超える量を透過し、第1波長範囲とは異なる第3波長範囲の垂直入射光の60パーセントを超える量を反射する。
【0007】
本件開示の更に別な各実施形態はバックライトに関するものである。バックライトは基板、複数の光源、反射層、パターン散光素子、および、色変換層を備えている。複数の光源は基板に近接して設置されて、第1波長範囲内の光を発する。反射層は基板に近接している。パターン散光素子は担体、担体の第1面上の第1波長選択性反射素子、および、第1波長選択性反射素子上または担体の第1面の裏側の担体の第2面上の複数のパターン反射素子を備えている。色変換層は第1波長範囲の光を第1波長範囲よりも高い第2波長範囲の光に変換したり、第2波長範囲よりも高い第3波長範囲の光に変換したりする。第1波長選択性反射素子は、第1波長範囲の垂直入射光の60パーセントを超える量を透過し、第2波長範囲の垂直入射光の60パーセントを超える量を反射する。
【0008】
本明細書に開示されている各種バックライトは、光効率を向上させた薄型の直接照射型バックライトである。バックライトは、光源を隠す機能を改良した結果として、より薄型のバックライトになっている。光源を隠す機能を改良したことで、バックライトの光源の真上にあるいわゆる「高温」点を排除することができるため、表示装置全面に亘って均一な明るさが得られる。本明細書で開示されているバックライト内で使用されるパターン散光素子は整列公差が高く、輝度均一性および色均一性を向上させ、更に、多様な色、多様な発光角度プロファイル、または、その両方を属性とする光源と併用できる構成になっている。
【0009】
上記以外の各種の特徴および利点は本項以降の詳細な説明に明示されているが、一部はその説明から当業者には容易に自明となるし、或いは、本項以降の詳細な説明および添付の特許請求の範囲の各請求項は元より、添付の図面なども含めて本件に記載の各実施形態を実施することによっても当業者には認識される。
【0010】
前述の概要説明と本項以降の詳細な説明はその両方ともが単なる例示であり、特許請求の範囲の本質および特徴を理解するための概略または枠組みを提供することを意図しているものと理解するべきである。添付の図面は更なる理解をもたらす目的で含まれており、本明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成している。各図面は1つ以上の実施形態を例示しており、詳細な説明と併せて多様な実施形態の幾多の原理や動作も図説している。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】パターン散光素子を備えている具体例のバックライト部の多様な図のうちの1つの図。
図1B】パターン散光素子を備えている具体例のバックライト部の多様な図のうちの1つの図。
図1C】パターン散光素子を備えている具体例のバックライト部の多様な図のうちの1つの図。
図2図1Aないし図1Cの具体例のバックライト部を備えている具体例の液晶表示装置(LCD)の断面図。
図3A】パターン散光素子を備えている具体例のバックライト部の断面図。
図3B】パターン散光素子を備えている具体例のバックライト部の断面図。
図4】パターン散光素子を備えているもう1つ別の具体例のバックライト部の断面図。
図5】パターン散光素子を備えている具体例のバックライト部の断面図。
図6A】具体例のパターン散光素子の断面図。
図6B】具体例のパターン散光素子の断面図。
図7A】また別な具体例のパターン散光素子の断面図。
図7B】また別な具体例のパターン散光素子の断面図。
図8A】また別な具体例のパターン散光素子の断面図。
図8B】また別な具体例のパターン散光素子の断面図。
図9A】具体例の空間的に均一で角度的にはランバート配光の光源を空間輝度および色座標を測定する検出装置と一緒に例示した断面図。
図9B】具体例の空間的に均一で角度的にはランバート配光の光源を空間輝度および色座標を測定する検出装置と一緒に例示した断面図。
図10A】具体例の空間的に均一で角度的にはランバート配光の光源を、具体例のパターン散光素子および空間輝度と色座標とを測定する検出装置と一緒に例示した断面図。
図10B】具体例の空間的に均一で角度的にはランバート配光の光源を、具体例のパターン散光素子および空間輝度と色座標とを測定する検出装置と一緒に例示した断面図。
図11A】具体例の光源および具体例のパターン散光素子の2つの配向について、測定された空間分布Cx(r)のグラフ。
図11B】具体例の光源および具体例のパターン散光素子の2つの配向について、測定された空間分布Cy(r)のグラフ。
図11C】具体例の光源および具体例のパターン散光素子の2つの配向について、測定された空間分布輝度(r)のグラフ。
図12A図11Aないし図11Cから派生した、色座標差DCx1(r)≡Cx1(r)-Cx0(r)および色座標差DCx2(r)≡Cx2(r)-Cx0(r)のグラフ。
図12B図11Aないし図11Cから派生した、色座標差DCy1(r)≡Cy1(r)-Cy0(r)および色座標差DCy2(r)≡Cy2(r)-Cy0(r)のグラフ。
図12C図11Aないし図11Cから派生した、色座標比RCx1(r)≡Cx1(r)/Cx0(r)および色座標比RCx2(r)≡Cx2(r)/Cx0(r)のグラフ。
図12D図11Aないし図11Cから派生した、色座標比RCy1(r)≡Cy1(r)/Cy0(r)および 色座標比RCy2(r)≡Cy2(r)/Cy0(r)のグラフ。
図12E図11Aないし図11Cから派生した、輝度比RL1(r)≡Luminance1(r)/Luminance0(r)および輝度比 RL2(r)≡Luminance2(r)/Luminance0(r)のグラフ。
図13A】具体例の光学構成部材について、色座標差DCx1(r)および色座標差DCx2(r)のグラフ。
図13B】具体例の光学構成部材について、色座標差DCy1(r)および色座標差DCy2(r)のグラフ。
図13C】具体例の光学構成部材について、色座標比RCx1(r)および色座標比RCx2(r)のグラフ。
図13D】具体例の光学構成部材について、色座標比RCy1(r)および色座標比RCy2(r)のグラフ。
図13E】具体例の光学構成部材について、輝度比RL1(r)および輝度比RL2(r)のグラフ。
図14A】もう1つ別の具体例のパターン散光素子について、色座標差DCx1(r)および色座標差DCx2(r)のグラフ。
図14B】もう1つ別の具体例のパターン散光素子について、色座標差DCy1(r)および色座標差DCy2(r)のグラフ。
図14C】もう1つ別の具体例のパターン散光素子について、色座標比RCx1(r)および色座標比RCx2(r)のグラフ。
図14D】もう1つ別の具体例のパターン散光素子について、色座標比RCy1(r)および色座標比RCy2(r)のグラフ。
図14E】もう1つ別の具体例のパターン散光素子について、輝度比RL1(r)および輝度比RL2(r)のグラフ。
図15A】更にもう1つの具体例のパターン散光素子について、色座標差DCx1(r)および色座標差DCx2(r)のグラフ。
図15B】更にもう1つの具体例のパターン散光素子について、色座標差DCy1(r)および色座標差DCy2(r)のグラフ。
図15C】更にもう1つの具体例のパターン散光素子について、色座標比RCx1(r)および色座標比RCx2(r)のグラフ。
図15D】更にもう1つの具体例のパターン散光素子について、色座標比RCy1(r)および色座標比RCy2(r)のグラフ。
図15E】更にもう1つの具体例のパターン散光素子について、輝度比RL1(r)および輝度比RL2(r)のグラフ。
図16A】また1つ別な具体例のパターン散光素子について、色座標差DCx1(r)および色座標差DCx2(r)のグラフ。
図16B】また1つ別な具体例のパターン散光素子について、色座標差DCy1(r)およびDCy2(r)のグラフ。
図16C】また1つ別な具体例のパターン散光素子について、色座標比RCx1(r)および色座標比RCx2(r)のグラフ。
図16D】また1つ別な具体例のパターン散光素子について、色座標比RCy1(r)および色座標比RCy2(r)のグラフ。
図16E】また1つ別な具体例のパターン散光素子について、輝度比RL1(r)および輝度比RL2(r)のグラフ。
図17A】もう1つ別の具体例のパターン散光素子について、色座標差DCx1(r)および色座標差DCx2(r)のグラフ。
図17B】もう1つ別の具体例のパターン散光素子について、色座標差DCy1(r)および色座標差DCy2(r)のグラフ。
図17C】もう1つ別の具体例のパターン散光素子について、色座標比RCx1(r)および色座標比RCx2(r)のグラフ。
図17D】もう1つ別の具体例のパターン散光素子について、色座標比RCy1(r)および色座標比RCy2(r)のグラフ。
図17E】もう1つ別の具体例のパターン散光素子について、輝度比RL1(r)および輝度比RL2(r)のグラフ。
図18A】更にもう1つ別の具体例のパターン散光素子について、色座標差DCx1(r)および色座標差DCx2(r)のグラフ。
図18B】更にもう1つ別の具体例のパターン散光素子について、色座標差DCy1(r)および色座標差DCy2(r)のグラフ。
図18C】更にもう1つ別の具体例のパターン散光素子について、色座標比RCx1(r)および色座標比RCx2(r)のグラフ。
図18D】更にもう1つ別の具体例のパターン散光素子について、色座標比RCy1(r)および色座標比RCy2(r)のグラフ。
図18E】更にもう1つ別の具体例のパターン散光素子について、輝度比RL1(r)および輝度比RL2(r)のグラフ。
図19A】更にまた別な具体例のパターン散光素子について、色座標差DCx1(r)および色座標差DCx2(r)のグラフ。
図19B】更にまた別な具体例のパターン散光素子について、色座標差DCy1(r)および色座標差DCy2(r)のグラフ。
図19C】更にまた別な具体例のパターン散光素子について、色座標比RCx1(r)および色座標比RCx2(r)のグラフ。
図19D】更にまた別な具体例のパターン散光素子について、色座標比RCy1(r)および色座標比RCy2(r)のグラフ。
図19E】更にまた別な具体例のパターン散光素子について、輝度比RL1(r)および輝度比RL2(r)のグラフ。
図20A】また1つ別の具体例のパターン散光素子について、色座標差DCx1(r)および色座標差DCx2(r)のグラフ。
図20B】また1つ別の具体例のパターン散光素子について、色座標差DCy1(r)および色座標差DCy2(r)のグラフ。
図20C】また1つ別の具体例のパターン散光素子について、色座標比RCx1(r)および色座標比RCx2(r)のグラフ。
図20D】また1つ別の具体例のパターン散光素子について、色座標比RCy1(r)および色座標比RCy2(r)のグラフ。
図20E】また1つ別の具体例のパターン散光素子について、輝度比RL1(r)および輝度比RL2(r)のグラフ。
図21A】また別な2つの具体例のパターン散光素子について、色座標差DCx1(r)のグラフ。
図21B】また別な2つの具体例のパターン散光素子について、色座標差DCy1(r)のグラフ。
図21C】また別な2つの具体例のパターン散光素子について、色座標比RCx1(r)のグラフ。
図21D】また別な2つの具体例のパターン散光素子について、色座標比RCy1(r)のグラフ。
図21E】また別な2つの具体例のパターン散光素子について、輝度比RL1(r)のグラフ。
図22A】更に1つ別な2つの具体例のパターン散光素子について、色座標差DCx1(r)のグラフ。
図22B】更に別な2つの具体例のパターン散光素子について、色座標差DCy1(r)のグラフ。
図22C】更に別な2つの具体例のパターン散光素子について、色座標比RCx1(r)のグラフ。
図22D】更に別な2つの具体例のパターン散光素子について、色座標比RCy1(r)のグラフ。
図22E】更に別な2つの具体例のパターン散光素子について、輝度比RL1(r)のグラフ。
図23A】更にまた別な2つの具体例のパターン散光素子について、色座標差DCx1(r)のグラフ。
図23B】更にまた別な2つの具体例のパターン散光素子について、色座標差DCy1(r)のグラフ。
図23C】更にまた別な2つの具体例のパターン散光素子について、色座標比RCx1(r)のグラフ。
図23D】更にまた別な2つの具体例のパターン散光素子について、色座標比RCy1(r)のグラフ。
図23E】更に別なまた2つの具体例のパターン散光素子について、輝度比RL1(r)のグラフ。
図24図1Aないし図1Cの具体例のバックライト部を備えているもう1つ別の具体例の液晶表示装置の断面図。
図25A】波長選択性反射素子が設けられたパターン散光素子を備えている具体例の液晶表示装置の断面図である。
図25B】波長選択性反射素子が設けられたパターン散光素子を備えている具体例の液晶表示装置の断面図である。
図25C】波長選択性反射素子が設けられたパターン散光素子を備えている具体例の液晶表示装置の断面図である。
図26】第1波長選択性反射素子および第2波長選択性反射素子を備えている具体例の反射素子の断面図。
図27A】多様な構成の波長選択性反射素子についての、反射率対波長のグラフ。
図27B】多様な構成の波長選択性反射素子についての、反射率対波長のグラフ。
図27C】多様な構成の波長選択性反射素子についての、反射率対波長のグラフ。
図27D】多様な構成の波長選択性反射素子についての、反射率対波長のグラフ。
図27E】多様な構成の波長選択性反射素子についての、反射率対波長のグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここから、本件開示の各種の実施形態を詳細に参照してゆくが、それらの各実施例は添付の図面に例示してある。可能な場合はいつでも、同一部材または類似する部材を指すのに図面全体を通して同一の参照番号を使用している。しかしながら、本件開示は多数の異なる形態で実施することができ、本明細書に明示されている各実施形態に限定されると解釈するべきではない。
【0013】
本明細書では多様な範囲が1つの特定の値の「およその値(約~)」を下の極限値とする範囲として表されていたり、もう1つ別の特定の値の「およその値(約~)」を上の極限値とする範囲として表されていたり、または、前者のおよその値から後者のおよその値までの範囲として表されていることがある。そのような範囲が表現されている場合、別の実施形態は、前者の丁度の値を下の極限値とする範囲、後者の丁度の値を上の極限値とする範囲、または、前者の丁度の値から後者の丁度の値までの範囲を含んでいる。同様に、各値がその前に「約(abоut)」を使用することで近似値として表されている場合、その特定の値の丁度の値はもう1つ別の実施形態であることが分かる。個々の範囲の極限点は、もう一方の極限点との関係があるから、また、もう一方の極限点とは無関係であるから、その両方の意味で重要となることが分かる。
【0014】
本明細書で使用されているような方向を表す用語、例えば、上、下、右、左、前、後、頂、底、縦、横などは、描かれた図に言及する際に限って作成されたものであり、絶対的な配向を含意する意図は無い。
【0015】
別段そうと分かる言明がない限り、本明細書に明示されているどの方法であれ、その各工程が特定の順序で実施されることを要件としていると思料すべしとの意図は全くないし、どの装置についてであれ、特定の配向が要件とされると思料すべしとの意図も全く無い。従って、或る方法の請求項がその各工程の後続が実施されてゆく順序を実際に列挙していない場合や、何であれ装置の請求項が個々の構成部材に対する順序または配向を実際に列挙していない場合や、各請求項でも明細書の説明でも各工程が特定の順序に限定されるべきであることを別途特別に述べていない場合や、或る装置の各構成部材に対する特定の順序や配向が言及されていない場合は、いかなる点であれ順序または配向が暗示されているとは決して解釈するべきではない。このことは全ての起こり得る言外の意の解釈基準についても成り立ち、例えば、各工程の配分、操作の流れ、各構成部材の順序、または、各構成部材の配向に関する論理の諸問題、文法上の構成または句読点に由来する平易な意味づけ、および、明細書に記載されている各実施形態の数または種類などについても成り立つ。
【0016】
本明細書で使用されているような、単数形「或る・或る1つの(a)」、「或る・或る1つの(an)」、および、「その・該(the)」は、文脈が明確に別途さに非ずと表明をしていない限り、複数を指した意味を含んでいる。従って、例えば、「或る・或る1つの」構成部材への言及は、文脈が明らかに別途の表明をしていない限り、2つ以上のそのような構成部材を有している態様を含んでいる。
【0017】
ここで図1Aないし図1Cを参照すると、具体例のバックライト部100の多様な図が描かれている。図1Aはバックライト部100の断面図である。バックライト部100は基板102、反射層104、複数の光源106a、および、パターン散光素子110bを備えているとよい。パターン散光素子110bは担体108(例えば、導光板)および複数のパターン反射素子112を備えている。複数の光源106aは基板102上に配置されており、基板102と電気通信する状態にある。光源106aは各々が垂直軸線に沿って符号107aで示されるようなピーク強度光線を放射することができる。反射層104は基板102上にあり、各光源106aを包囲している。或る具体例の各実施形態においては、基板102が反射性となるようにして、反射層104を無しで済ますようにしてもよい。パターン散光素子110bは複数の光源106aの上にあり、各光源106aに光学的に結合されている。或る具体例の各実施形態においては、光学接着剤(図示せず)を使用して複数の光源106aをパターン散光素子110bに結合することができる。光学接着剤(例えば、フェニルシリコーン)は、担体108の屈折率以上の屈折率を有しているとよい。複数のパターン反射素子112は担体108の上面に配置されている。パターン反射素子112は各々が、対応している光源106aと整列状態にある。
【0018】
パターン反射素子112は各々がその幅または直径に沿った厚さ方向プロファイルを有しており、該プロファイルは概ね平坦な、参照番号113で示されているような区分と、該平坦な区分から張り出してそこを包囲している、参照番号114で示されているような湾曲した区分とを含んでいる。概ね平坦な区分113は粗面プロファイルを有している(例えば、概ね平坦な区分全体の厚さにわずかな変動がある)。或る具体例の各実施形態においては、概ね平坦な区分113は厚さがその平均厚さの±20パーセント以下だけ変動している。この実施形態では、担体108に直交する方向で測定された平均厚さは、概ね平坦な区分の最大厚さ(Tmax)にその最小厚さ(Tmin)を加えた和を2で除算した値(すなわち、(Tmax+Tmin)/2)と規定される。例えば、概ね平坦な区分113の約100マイクロメートルの平均厚さに対しては、その最大厚さは約120マイクロメートル以下になり、その最小厚さは約80マイクロメートル以上になる。それ以外の各実施形態では、概ね平坦な区分113は厚さがその平均厚さの±15パーセント以下だけ変動している。例えば、概ね平坦な区分113の約80マイクロメートルの平均厚さに対しては、その最大厚さは約92マイクロメートル以下になり、その最小厚さは約68マイクロメートル以上になる。
【0019】
更にまた別な各実施形態においては、概ね平坦な区分113は厚さがその平均厚さの±10パーセント以下だけ変動している。例えば、概ね平坦な区分113の約50マイクロメートルの平均厚さに対しては、その最大厚さは約55マイクロメートル以下になり、その最小厚さは約45マイクロメートル以上になる。更に別の各実施形態では、概ね平坦な区分113は厚さがその平均厚さの±5パーセント以下だけ変動している。湾曲した区分114は、パターン反射素子112の中心からの距離の変化に対する厚さの変化の絶対比と規定することができる。湾曲した区分114の勾配は、パターン反射素子112の中心から遠ざかるにつれて減少していてもよい。或る具体例の各実施形態においては、該勾配は概ね平坦な区分113の近傍で最大となり、パターン反射素子112の中心から遠ざかるにつれて急速に減少し、該中心からそれ以上遠ざかるにつれて緩慢に減少する。
【0020】
概ね平坦な区分113の各々の参照番号120で示されているような(基板102に平行な面内の)寸法L0(すなわち、幅または直径)は、個々の対応する光源106aの参照番号124で示されているような(基板102に平行な面内の)寸法(すなわち、幅または直径)よりも大きいのがよい。概ね平坦な区分113の各々の寸法120は、個々の対応する光源106aの寸法124に或る所定の値を乗算した積よりも小さいのがよい。或る具体例の各実施形態では、各光源106aの寸法124が約0.5ミリメートル以上である場合、該所定の値は約2または約3となり、概ね平坦な区分113の各々の寸法が各光源106aの寸法の3倍未満となるようにするとよい。各光源106aの寸法124が0.5ミリメートル未満である場合、該所定の値は光源106aとパターン反射素子112との間の整列性能によって決定することができるが、パターン反射素子112の各々の概ね平坦な区分113の寸法が約100マイクロメートルから約300マイクロメートルの間の範囲内で、光源106aの各々の寸法を超えて大きくなるようにするとよい。概ね平坦な区分113は各々が、パターン反射素子112の各々を個々に対応する光源106aと整列状態にさせるのに十分なだけ大きく、尚且つ、好適な輝度均一性および色均一性を達成するのに十分なだけ小さい。
【0021】
パターン反射素子112の各々の寸法L1(すなわち、幅または直径)は参照番号122で示されており(基板102に平行な平面内にある)、隣接し合う光源106a相互間のピッチPは参照番号126で示されている。図1Aにおいてピッチは一方向に沿っているように図示されているが、これとは異なり図示の方向に直交する方向であってもよい。ピッチは、例えば、約90ミリメートル、約45ミリメートル、約30ミリメートル、約ミリメートル、約5ミリメートル、約2ミリメートル、約1ミリメートル、または、約0.5ミリメートルであってもよいし、約90ミリメートルより大きくてもよいし、或いは、約0.5ミリメートルより小さくてもよい。或る具体例の各実施形態においては、ピッチ126に対するパターン反射素子112の各々の寸法122の比L1/Pは、約0.45と1.0との間の範囲内である。この比は、光源106aのピッチ126に伴って変動することがあり、また、個々の光源の発光面とこれに対応するパターン反射素子112との間の距離に伴って変動することもある。例えば、ピッチ126が約5ミリメートルであり、個々の光源の発光面とこれに対応するパターン反射素子との間の距離が約0.2ミリメートルである場合には、上記比は、約0.50、約0.60、約0.70、約0.80、約0.90、または、約1.0になるとよい。
【0022】
パターン反射素子112は各々が、これに対応する光源106aから放射されて担体108に入射した光の少なくとも一部を反射する。パターン反射素子112は各々が鏡面反射率と拡散反射率を示す。鏡面反射光は担体108の底面から出射する。鏡面反射光は、主として反射層104と担体108との間の反射が原因で横方向に進み、或いは、反射層104と色変換層、反射層104と散光シート、または、反射層104と散光板との間の反射が原因で横方向に進む(図2に関連して後段以降で明らかにする)が、反射層104からの反射が不完全なせいで幾ばくかの光の損失が生じることがある。
【0023】
拡散反射光は、担体108の垂線を起点に測定して0°から90°の間の角度分布を示す。拡散反射光の約50パーセントは、内部全反射の臨界角(θTIR)より大きい角度を示す。従って、拡散反射光は、その後で光が各パターン反射素子112によって担体108から取り出されるまで、内部全反射のおかげで損失なしに横方向に進むことができる。
【0024】
図1Bは、基板102上の複数の光源106aおよび反射層104の上面図である。光源106aは、複数行および複数列から成る2次元配列状に構成されている。図1Bには9個の光源106aが3行3列状に例示されているが、これ以外の各実施形態においては、バックライト部100は、いくつであれ好適な行数と好適な列数に構成された任意の好適な数の光源106aを備えていてもよい。光源106aはこれ以外の周期的パターン、例えば、六方格子パターンまたは三角格子パターン、もしくは、準周期パターンまたは不完全周期パターンで構成されていてもよい。例えば、光源106a相互の間隔は、バックライトの端縁域、その角部、または、その両方の部位では狭くなっていてもよい。
【0025】
基板102(図1A)は、印刷回路基板(PCB)、ガラス材または可塑材の基板、もしくは、上記以外の、電気信号を各光源106aまで通過させて各光源を個別に制御するのに好適な基板であればよい。基板102は剛性基板でも軟性基板でもよい。例えば、基板102は平面ガラスまたは曲面ガラスから構成されていてもよい。曲面ガラスは、例えば、約2000ミリメートル未満の曲率半径を有しているとよいが、曲率半径は、例えば、約1500ミリメートル、約1000ミリメートル、約500ミリメートル、約200メートル、または、約100ミリメートルなどでもよい。反射層104は、例えば、銀、プラチナ、金、銅などの金属箔か、各種の誘電材料(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの重合体)か、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)などのような各種の多孔質重合体材料か、各種の多層誘電体干渉コーティング材か、もしくは、チタニアや硫酸バリウムなどの白色無機粒子またはそれら以外の光を反射して反射透過光を調光するのに好適な着色顔料のような各種材料を含有している反射性インクから構成されているとよい。
【0026】
複数の光源106aは各々が、例えば、発光ダイオード(例えば、約0.5ミリメートルより大きい寸法)、小型発光ダイオード(例えば、約0.1ミリメートルから約0.5ミリメートルの間の寸法)、超小型発光ダイオード(例えば、約0.1ミリメートルより小さい寸法)、有機発光ダイオード(OLED)、または、上記以外の、約400ナノメートルから約750ナノメートルの範囲の波長を有している好適な光源であればよい。上記以外の各実施形態では、複数の光源106aは各々が400ナノメートルよりも短い波長、750ナノメートルよりも長い波長、または、その両方を組み合わせた波長を有していてもよい。各光源106aからの光は担体108に光学的に結合されている。本明細書で使用される場合、「光学的に結合される」という表現は、光源が担体108の表面に配置されて直接的にまたは光学的に透明な接着剤を介在させて担体108と光通信する状態にあって、光を担体に導入し、その光は少なくとも一部を内部全反射のせいで担体が伝播するようになることを意味するものと解釈するべきである。各光源106aからの光が担体108に光学的に結合された結果、光の第1部分は内部全反射のせいで担体108内を横方向に進んでからパターン反射素子112によって担体から取り出され、光の第2部分は反射層104の反射面およびパターン反射素子112の反射面における多重反射のせいで、または、光学フィルム積層体(図2に例示)と反射層104との間の多重反射のせいで、反射層104とパターン反射素子112との間を横方向に進むこととなる。
【0027】
多様な実施形態に応じて、担体108は、何であれ、照射用途および表示用途に利用される好適な透明材料から構成されているとよい。本明細書で使用する場合、「透明」という表現は、担体がスペクトルの可視域(約420ナノメートルないし約750ナノメートルの波長域)において500ミリメートルの長さに亘って約70パーセントを超える光透過率を示していることを意味するものと解釈するべきである。或る幾つかの実施形態では、具体例の透明材料は紫外線(UV)領域(約100ナノメートルないし約400ナノメートルの波長域)において500ミリメートルの長さに亘って約50パーセントを超える光透過率を示しているとよい。多様な実施形態に従って、担体は、約450ナノメートルないし約650ナノメートルの範囲の各波長については、50ミリメートルの経路長に亘って少なくとも95パーセントの光透過率を示すようにしてもよい。
【0028】
担体の光学特性は、透明材料の屈折率の影響を受けることがある。多様な実施形態に従って、担体108は、約1.3ないし約1.8の範囲の屈折率を示すようにするとよい。それ以外の各実施形態では、担体108は、(例えば、吸収、散乱、または、その両方が原因で)光減衰が比較的低レベルであるのがよい。担体108の光減衰(α)は、例えば、約420ないし約750ナノメートルの範囲の各波長については、1メートル毎に約5デシベルより少なくするとよい。担体108は各種の重合体材料から構成することができるが、例えば、各種の可塑材(例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、メチルメタクリレートスチレン(MS)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)など)、ポリカーボネート(PC)、または、上記以外の類似する各種材料が挙げられる。担体108はガラス材料から構成されていてもよいが、例えば、アルミノ珪酸塩ガラス、アルカリアルミノ珪酸塩ガラス、硼珪酸塩ガラス、アルカリ硼珪酸塩ガラス、アルミノ硼珪酸塩ガラス、アルカリアルミノ硼珪酸塩ガラス、ソーダ石灰ガラス、または、上記以外の好適な各種ガラス類が挙げられる。ガラス担体108として使用するのに好適な市販のガラス類の具体例であって限定されない例として、コーニング・インコーポレーティッド(Corning Incorporated)から入手できるEAGLE XG(登録商標)、Lotus(商標)、Willow(登録商標)、Iris(商標)、および、Gorilla(登録商標)などのガラス類が挙げられる。基板102が湾曲ガラスから構成されている各実施例では、湾曲したバックライトを形成するように担体108も湾曲ガラスから構成されているとよい。これ以外の各実施形態では、担体108は、比較的高レベルの光減衰を示してもよい。担体108の光減衰(α)は、例えば、約420ナノメートルないし約750ナノメートルの範囲の各波長については、1メートル毎に約5デシベルより大きくてもよい。
【0029】
図1Cは、担体108上の複数のパターン反射素子112の上面図である。パターン反射素子112は各々が、概ね平坦な区分113および湾曲区分114を備えているとよい。これに加えて、各パターン反射素子112は担体108上の個々のドット115を含んでいてもよい。概ね平坦な区分113は湾曲区分114よりも反射性を高くすることができ、湾曲区分114は概ね平坦な区分113よりも透光性を高くすることができる。湾曲区分114の各特性は、概ね平坦な区分113から遠ざかるにつれて切れ目なく滑らかな態様で変動してゆく。図1Cに例示された実施形態においては、各パターン反射素子112は形状が円形であるが、それ以外の各実施形態では、各パターン反射素子112は何か別の好適な形状(例えば、楕円形、長方形、六角形など)を呈していてもよい。パターン反射素子112が担体108の上面に直接作成されている場合は、パターン反射素子112は光源106aを隠す能力が向上する。担体108の上面にパターン反射素子112を直接作成することで、スペースの節約にもなる。
【0030】
或る具体例の各実施形態においては、パターン反射素子112は各々が散光反射素子であるため、各パターン反射素子112は、幾ばくかの光線を内部全反射によって担体108内を伝搬させることができるようにするのに十分なだけ大きい角度で散乱させることによってバックライト部100の性能を更に向上させている。そのような光線はその場合にはパターン反射素子112と反射層104の間、または、光学フィルム積層体と反射層104の間で多重的な跳ね返りを被ることが無いため、光出力の損失を回避し、それによりバックライトの効率を向上させている。また或る具体例の各実施形態では、パターン反射素子112は各々が鏡面反射素子である。それ以外の各実施形態では、各パターン反射素子112の各領域の幾ばくかは散光性のより高い反射性を示し、また幾ばくかは鏡面性のより高い反射性を示す。
【0031】
各パターン反射素子112は、例えば、白インク、黒インク、金属インク、または、上記以外の好適なインクでパターンを印刷(例えば、インクジェット印刷、スクリーン印刷、マイクロ印刷など)することによって形成されるとよい。各パターン反射素子112はまた、まず先に白素材または金属素材の連続層を堆積することにより、例えば、物理蒸着法(PVD)または何組かの、例えば、スロットダイ被膜術またはスプレー被膜術などの被膜技術の組合せ法によって実施してから、次に、フォトリソグラフィーまたはそれ以外の周知の領域選択素材除去法によって該連続層をパターニングすることによって形成されてもよい。各パターン反射素子112はまた、担体自体から素材を選択的に除去する上記以外の周知の方法、例えば、担体へのレーザーアブレーションまたは化学エッチングによって形成されてもよい。
【0032】
白色光源106aが使用される或る具体例の各実施形態では、各パターン反射素子112に多様な反射性材料、吸光性材料、または、反射吸光性材料が不定密度で存在していることが、バックライトの個々の調光区域の全面に亘る色シフトを最小限に抑えるのに有益となることがある。パターン反射素子と反射層104(図1A)との間の光線の多重的跳ね返りが原因となって、スペクトルの赤色部で青色部よりも光損失がより多く生じる恐れがあるが、逆もまた然り。この場合、例えば、僅かに色付けされただけの反射素材、吸光素材、反射吸光素材を使用することにより、または、分散の度合いの正負符号が逆の各素材を使用することにより(後者の場合、分散とは反射、吸光、または、反射と吸光の両方のスペクトル依存性を意味する)反射を工学的設計により色中立にすることで、色シフトを最小限に抑えることができる。白色光源106aが使用された場合、パターン反射素子112が緑色光や赤色光とほぼ同量の青色光を反射および透過することも有益である。パターン反射素子112は、閾値寸法よりも大きい超微小級寸法の粒子を含んでいることがある。例えば、閾値寸法は、二酸化チタンについては約140ナノメートル、酸化アルミニウムについては約560ナノメートル、或いは、フッ化ナトリウムについては約750ナノメートルであるとよい。上記以外の各実施例では、閾値寸法は約1マイクロメートル、約2マイクロメートル、約5マイクロメートル、約10マイクロメートル、または、約20マイクロメートルであってもよい。青色光源106aが使用されている或る具体例の各実施形態においては、パターン反射素子112が緑色光や赤色光よりも多量の青色光を反射し、緑色光や赤色光よりも少量の青色光を透過することが有益である。パターン反射素子112は、閾値寸法よりも小さいナノ級寸法の粒子を含んでいても構わない。例えば、閾値寸法は、二酸化チタンについては約140ナノメートル、酸化アルミニウムについては約560ナノメートル、またはフッ化ナトリウムについては約750ナノメートルであるとよい。
【0033】
パターン散光素子110bは空間的に変動する透光率を示し、または、空間的に変動する色シフトを示す。パターン散光素子110bはまた、空間的に変動する透光率も空間的に変動する色シフトも示すようにすることができる。パターン散光素子110bの空間反射率と空間透光率は互いに連携しているので、パターン散光素子は空間的に変動する反射率も示す。例えば、パターン散光素子110bの同じ部位で、反射率が小さい(または大きい)ほど、連携して透過率が大きく(または小さく)なる。それゆえ、本明細書で開示されているパターン散光素子は空間透光率によって定量化されても、空間反射率によって定量化されることは無い。空間的に変動する透光率は、2種類の空間輝度分布比に関連して表されているが、一方は空間的に均一かつ角度的にはランバート配光の光源の上にパターン散光素子が配置された状態で測定し、他方は空間的に均一かつ角度的にはランバート配光の光源を用いて測定した。空間的に変動する色シフトは、2種類の空間色座標分布の差、それらの比、または、その両方に関連して表されているが、一方は空間的に均一かつ角度的にはランバート配光の光源の上にパターン散光素子が配置された状態で測定し、他方は空間的に均一かつ角度的にはランバート配光の光源を用いて測定した。これら測定値について、興味の対象の領域を、どれでも1つのパターン反射素子112について参照番号118で示されているような半径方向位置rと規定した。半径方向位置rは、個々のパターン反射素子112の中心と相関的に測定された。半径方向位置rは個々のパターン反射素子112の中心と一致する0から個々のパターン反射素子の最大半径方向位置rに対応する参照番号119と示されたrmaxまでの範囲に及んでいる。興味の対象の領域とは、複数の光源106aのレイアウトに対応する繰り返しの単位であり、正方形、長方形、六角形、または、上記以外の好適なレイアウトであればよい。
【0034】
図2は、具体例の液晶表示装置(LCD)140の断面図である。液晶表示装置140は、先に図1Aないし図1Cを参照しながら説明および例証したように、パターン散光素子110bが設けられたバックライト部100を備えている。これに加えて、液晶表示装置140のバックライトは選択的にバックライト部100の上に散光板146が設けられていてもよく、選択的に散光板146の上に色変換層148(例えば、量子ドットフィルムまたは蛍光体フィルム)が設けられていてもよく、選択的に色変換層148の上にプリズムフィルム150が設けられていてもよく、更に、選択的にプリズムフィルム150の上に反射偏光子152が設けられていてもよい。液晶表示装置140はまた、バックライトの反射偏光子152の上に表示パネル154を備えている。或る具体例の各実施形態においては、反射偏光子152は表示パネル154に接合されていてもよい。
【0035】
バックライト部100が適切に機能するように、各光源106aと担体108上の各パターン反射素子112との間の整列状態を維持するために、担体108と基板102を同一または類似する種類の素材で作製することで、担体108上の各パターン反射素子112と基板102上の各光源106aの両方が広範な動作温度に亘って互いに良好に整合された状態にあるようにするのが有利である。或る具体例の各実施形態においては、担体108と基板102は同じ可塑材で作られている。それ以外の各実施形態では、担体108と基板102は同一種類または類似する種類のガラスで作製されている。
【0036】
担体108と基板102上の光源106aとを整列状態に保つための代替の解決策は、柔軟性の高い基板を使用することである。柔軟性の高い基板は、コンポーネントのはんだ付けを可能にするために、ポリイミドやそれ以外の耐高温重合体フィルムで作製されているとよい。柔軟性の高い基板は、難燃性等級4(FR4)やガラス繊維などのような素材で作製されていてもよいが、通常よりも大幅に厚みが減る。或る具体例の各実施形態においては、厚さ0.4ミリメートルのFR4素材を基板102に使用するとよいが、これは動作温度の変化に起因する寸法変化を吸収するのに十分な柔軟性を呈し得る。
【0037】
図3Aは、具体例のバックライト部200aの簡略化された断面図である。バックライト部200aは、先に図1Aないし図1Cを参照しながら説明および例証したバックライト部100と類似しているが、但し、バックライト部200aでは、光源106bが光源106aの代わりに使用されている点、および、多数のパターン反射素子212が設けられたパターン散光素子210aがパターン散光素子110aの代わりに使用されている点は例外である。図3Aは、簡略化のために、単一の光源106bおよびこれに対応する単一のパターン反射素子212を例示しているが、バックライト部200aは、何個あれ好適な数の光源106bおよびこれらに対応するパターン反射素子212を備えていてよいことが分かる。先に図1Aないし図1Cを参照しながら説明および例証したように、バックライト部200aは基板102および反射層104を備えているとよい。これに加えて、バックライト部200aは、担体108の上に光学フィルム積層体(図示せず)の第1層(例えば、参照番号146で示したもの)を備えている。光学フィルム積層体の第1層は、散光板、色変換層、プリズムフィルム、または、上記以外の好適な板状部材またはフィルム状部材であるとよい。この実施形態では、各パターン反射素子212は担体108の第1面上にあり、ここでは、担体の第1面は複数の光源106bに対面している。
【0038】
各光源106bは、約10度より大きい軸外し角θに沿って(すなわち、複数の光源106bが配置されている平面に垂直な軸から外れて)、参照符号107bで示されているようなピーク強度光線を発する。或る具体例の各実施形態では、軸外し角θは約10度から約80度の間の範囲内にあり、例えば、約20度から約60度の間の範囲内にある。各パターン反射素子212は空間透光性または空間反射性を示す。光源106bのピーク強度光線107bが対応するパターン反射素子212と交わる半径方向位置rはR0に等しい。半径方向位置 r は、対応するパターン反射素子212の平面内で (パターン反射素子の幅または直径に沿って)、尚且つ、パターン反射素子212の中心を起点にして測定される。半径方向位置rがR0-50%×R0≦r≦R0+50%×R0の条件を満たしている場合は、rが0に等しい場合よりも反射率は大きくなり、すなわち、透光率は小さくなる。或る具体例の各実施形態においては、rがR0-50%×R0≦r≦R0+50%×R0の条件を満たしている場合は、反射率は最大であり、すなわち、透光率は最小である。もう1つ別の実施形態では、半径方向位置rがR0-20%×R0≦r≦R0+20%×R0の条件を満たしている場合は、rが0に等しい場合よりも反射率は大きくなり、すなわち、透光率は小さくなる。上記以外の各実施形態では、半径方向位置rがR0-50%×R0≦r≦R0+50%×R0の条件を満たしている場合は、rがR0+50%よりも大きい場合よりも反射率は大きくなり、すなわち、透光率は小さくなる。
【0039】
或る具体例の各実施形態においては、光源106bは各々が、高さが約200マイクロメートル以下で幅または直径が約500マイクロメートル以下の小型発光ダイオードである。反射層104とパターン散光素子210aの底面との間の光学距離が約0.5ミリメートル以上、約1.0ミリメートル以上、または、約2.0ミリメートル以上である場合、R0は概算によりR0=OD×tan(θ)と定めることができるが、ここでは、OD(参照番号218で示されている)は反射層104とパターン反射素子212との間の光学距離である。上記以外の各実施形態においては、R0=S0/2+(OD-h0/2)×tan(θ)と概算され、ここで、S0は対応する光源106bの幅(または直径)であり、h0(参照番号216と示されている)は反射層104より上位の対応する光源の高さである。光源106bは、垂線方向および光線107bを含んでいるまた別な平面においては寸法が異なっていることがある。
【0040】
図3Aに例示された実施形態では、個々のパターン反射素子212が呈する空間的厚さプロファイルでは、その最大厚さがある部位で、対応する光源106bのピーク強度光線107bはパターン反射素子212と交わる。上記以外の各実施形態では、個々のパターン反射素子212の空間色座標xにおいて、その最大色座標xのある部位で、対応する光源106bのピーク強度光線107bがパターン反射素子212と交差する。もう1つ別の実施形態では、個々のパターン反射素子212の空間色座標yにおいて、その最大色座標yのある部位で、対応する光源106bのピーク強度光線107bがパターン反射素子212と交差する。また別な実施形態では、個々のパターン反射素子212の空間厚さプロファイル、空間色座標x、および、空間色座標yにおいて、その最大厚さ、最大色座標x、および、最大色座標yのある部位で、対応する光源106bのピーク強度光線107bがパターン反射素子212と交差する。本明細書で使用された場合、空間色座標xおよび空間色座標yは、CIE1931色空間に従って定まる。多様な色空間を使用して色を定量化することができるうえに、それ以外のどのような色空間でもCIE1931色空間に変換することができる。空間色座標xおよび空間色座標yは、図11Aないし図23EにおいてはそれぞれCxおよびCyとして示されている。
【0041】
図3Bは、具体例のバックライト部200bの簡略化された断面図である。バックライト部200bは、先に図3Aを参照しながら説明および例証したバックライト部200aに類似しているが、但し、バックライト部200bにおいて、パターン散光素子210bには、担体108の表面上の各パターン反射素子212が複数の光源106bから背を向けて設けられている点は例外である。この実施形態においては、
【0042】
であり、ここで、S0(参照番号214で示されている)は対応する光源106bの幅(または直径)であり、h0(参照番号216で示されている)は反射層104より上位の対応する光源の高さであり、OD(参照番号218で示されている)は反射層と担体108の間の光学距離であり、 hg(参照番号219で示されている)は担体の厚さであり、nは担体の屈折率であり、θは対応する光源のピーク強度光線107bの軸外し角である。
【0043】
ピーク強度光線は、一断面で説明されているが、アジマス角φに伴って変動させることができる。すなわち、ピーク強度配列の軸外し角θは三次元立体形状を呈している光源のアジマス角φの関数である。あらゆるアジマス角φを成す各ピーク強度光線は、アジマス角φの関数である半径方向位置r=R0(φ)においてパターン反射素子と交差する。パターン反射素子の平面では、0°と360°の間で変動する全てのアジマス角φにおけるR0の集合がパターン反射素子の中心を囲む環を形成している。環の形状は楕円形、円形、または、何であれ別の好適な形状であればよい。このように、複数の光源106bを含む一平面内の多数のアジマス角φに対応するR0に等しい一組の半径方向位置rは、対応する個々のパターン反射素子212の中心を包囲し、また、半径方向位置rがR0(φ)-50%×R0(φ)≦r≦R0(φ)+50%×R0(φ)にして0°≦φ≦360°の条件を満たしている場合は、rが0に等しい場合よりも反射率は大きくなり、すなわち、透光率は小さくなる。
【0044】
図4は、もう1つ別の具体例のバックライト部220の簡略化された断面図である。バックライト部220は先に図3Aを参照しながら説明および例証したバックライト200aに類似しているが、但し、パターン反射素子212の代わりにパターン反射素子242が使用されたパターン散光素子240をバックライト部220が備えている点は例外である。一実施形態においては、パターン反射素子242は各々が、例えば参照番号244で示されているような複数の中実区分と、該複数の中実部244と交互に配置された、例えば参照番号246で示されているような複数の中空部とから構成されている。個々の中実部244と個々の中空部246は環状で、例えば、円形、楕円形、または、それ以外の、対応する光源106bと整列状態になるのであれば何であれ好適な形状であるとよい。もう1つ別の実施形態では、パターン反射素子242は各々に、例えば参照番号246で示されている複数の空隙(例えば、円筒状の空隙)が設けられている。個々のパターン反射素子242の中心から等距離に配された空隙246は多重の環状配置で、例えば、円形、楕円形、または、それ以外の、対応する光源106bと整列状態になるのであれば何であれ好適な形状であるとよい。
【0045】
個々の中実部244の空間的中空な開口率A(r)は、As(r)/(As(r)+Ao(r))に等しいとよいが、ここでは、rは対応するパターン反射素子242の中心からの距離であり、As( r)は対応する中実部244の面積であり、Ao(r)は対応する中空部246の面積である。この実施形態では、個々のパターン反射素子242は空間的中空な開口率プロファイルを呈しており、その最小開口率となる部位では、光源106bのピーク強度光線107bが対応するパターン反射素子と交差している。
【0046】
パターン反射素子242は各々に、可変散光反射素子を構成するための、或るパターンの反射素材が設けられている。反射素材には、例えば、銀、プラチナ、金、銅などの金属箔か、各種の誘電体材料(例えば、ポリテトラフルオロエチレンなどの重合体)か、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホンなどのような各種の多孔質重合体材料か、各種の多層誘電体干渉コーティング材か、もしくは、チタニアや硫酸バリウムなどの白色無機粒子またはそれら以外の、光反射するのに好適な各種材料を含有している反射性インクが挙げられる。
【0047】
各パターン反射素子242は、例えば、白インク、黒インク、金属インク、または、これら以外の好適なインクで或るパターンを印刷(例えば、インクジェット印刷、スクリーン印刷、マイクロ印刷など)することによって形成することができる。各パターン反射素子242はまた、まず先に白色素材または金属素材の連続層を堆積することにより、例えば、物理蒸着法(PVD)または何組かの、例えば、スロットダイ被膜術やスプレー被膜術などの被膜技術の組合せ法によって実施してから、次に、フォトリソグラフィーまたはそれ以外の周知の領域選択素材除去法によって該連続層をパターニングすることによって形成されてもよい。
【0048】
図3Aないし図4の各実施形態は、光源106bの上に封入層を含むように修正されていてもよい。封入層は平たい層でもよいし、球面屋根式であってもよい。その場合、封入層の屈折率が原因で半径方向位置R0が異なってくることがある。これ以外の各実施形態では、担体108を無しで済ましてもよいし、パターン反射素子212または242を光源106b上の封入層上に配置するようにしてもい。また別な各実施形態では、担体は光源106bの上に配された封入層であってもよい。やはりこの事例でも、半径方向位置R0は封入層の屈折率が原因となって異なってくることがある。
【0049】
図5は、一具体例のバックライト部300の断面図である。バックライト部300は、先に図1Aないし図1Cを参照しながら説明および例証したバックライト部100に類似しているが、但し、バックライト部300では、個々のパターン反射素子112が対応する光源106aに対面している点は例外である。先に図1Aないし図1Cを参照しながら説明および例証したように、バックライト部300は基板102、反射層104、および、複数の光源106aを備えているとよい。この実施形態では、パターン散光素子110aは、第1面304と第1面の裏側の第2面306が設けられている担体108(例えば、導光板)を備えている。複数のパターン反射素子112は担体108の第1面304上にあり、ここでは、担体の第1面304は複数の光源106aに対面している。
【0050】
図6Aは、一具体例のパターン散光素子320aの断面図である。パターン散光素子320aは、先に図5を参照しながら説明および例証したパターン散光素子110aに類似しているが、但し、パターン散光素子320aが散光層322を備えている点は例外である。散光層322は担体108の第2面306上にある。パターン散光素子320aは、バックライトの領域内で担体108の第1面304が複数の光源106aに対面した状態で配置されるよう構成されている。もう1つ別の実施形態では、散光層322は、担体108の第1面304と複数のパターン反射素子112との間に配置されているとよい。
【0051】
散光層322は、バックライトの領域内では複数の光源106a(図示せず)に背面を向けている。散光層322は各光源106aから放射された光の横方向拡散を向上させており、これにより、光の均一性を向上させている。散光層322は、鏡面反射率と拡散反射率、および、鏡面透過率と拡散透過率を示すようにすることができる。鏡面反射率または鏡面透過率とは、測定の段取り一式に依存して0°または8°で鏡面方向に沿った反射光または透過光の百分率のことであるが、拡散反射率または拡散透過率とは、鏡面反射率または鏡面透過率を除いた反射光または透過光の百分率のことである。散光層322が曇価と透過率を示すようにしてもよい。散光層322の曇価は、例えば、約10パーセント、約20パーセント、約30パーセント、約40パーセント、約50パーセント、約60パーセント、約70パーセント、約80パーセント、約90パーセント、約95パーセント、または、約99パーセント以上であってもよく、散光層の透過率は約20パーセント、約30パーセント、約40パーセント、約50パーセント、約60パーセント、約70パーセント、約80パーセント、約90パーセント、または、約95パーセント以上であってもよい。或る具体例の各実施形態では、散光層322は曇価が約70パーセントで、全光線透過率は約90パーセントである。上記以外の各実施形態においては、散光層322の曇価は約88パーセントであり、全光線透過率は約96パーセントである。上記以外の各実施形態では、散光層322は曇価が約99パーセントであり、全光線透過率が約10パーセント、約20パーセント、約30パーセント、約40パーセント、約50パーセント、約60パーセント、約70パーセント、約80パーセント、または、約90パーセントである。米国材料試験協会 (ASTM)のD1003「各種透明可塑材の曇価と光透過率の標準試験方法(Standard Test Method fоr Haze and Luminous Transmittance оf Transparent Plastics)」によると、曇価とは、透過光が散乱によりその方向を入射ビームの方向から2.5°を超過して逸れた割合と規定され、透過率とは透過光の割合と規定される。曇価と透過率は多様なヘイズ計測器により測定することができる。
【0052】
散光層322は光源106aからの光線を拡散する。その結果、バックライトの各パターン反射素子112は、散光層322が設けられていないバックライトのパターン反射素子に比べて薄くなってもなお、各光源106aを効果的に隠すことができる。拡散しなければ内部全反射されてしまう光線をも、散光層322は拡散する。これに加えて、散光層322は、バックライト内の色変換層、散光シート、または、散光板(例えば、図2の参照番号146で示すもの)によって反射されて戻ってきた光線は全部拡散する。従って、色変換層、散光シート、または、散光板と、例えば、1つ以上の明るさ増長フィルムなどのような、散光板または散光シートの上の何らかのプリズムフィルムとによって引き起こされる光再利用効果を、散光層322が向上させるのである。
【0053】
或る具体例の各実施形態では、散光層322は、散乱粒子の均一層または連続層を含んでいる。散光層322は、近隣にある散乱粒子相互間の距離が光源の寸法の5分の1未満である散乱粒子の均一な層を含んでいると思料される。光源に対する散光層322の位置とは無関係に、散光層322はよく似た拡散特性を示す。散乱粒子は、例えば、アルミナ粒子、TiO粒子、ポリメチルメタクリレート樹脂粒子、または、上記以外の好適な粒子などのような、マイクロ寸法またはナノ寸法の散乱粒子を含有している透明インク中または白色インク中に存在するようにするとよい。粒子寸法はいろいろであるが、例えば、約0.1マイクロメートルから約10.0マイクロメートルの範囲内であればよい。上記以外の各実施形態では、散光層322は防幻パターンを含んでいるとよい。防幻パターンは重合体ビーズの層から形成されていてもよいし、或いは、エッチング加工されてもよい。この実施形態では、散光層322は、例えば、約1マイクロメートル、約3マイクロメートル、約7マイクロメートル、約14マイクロメートル、約21マイクロメートル、約28マイクロメートル、または、約50マイクロメートルの厚さでもよいし、上記以外の好適な厚さでもよい。
【0054】
或る具体例の各実施形態においては、散光層322は、スクリーン印刷によって担体108に適用することができるパターンが設けられていてもよい。散光層322は、担体108に塗布されたプライマー層(例えば、接着剤層)上にスクリーン印刷されてもよい。上記以外の各実施形態では、接着層を介して散光層を担体に積層することによって、散光層322を担体108に付与してもよい。更にまた別な各実施形態では、散光層を担体内部にエンボス加工(例えば、熱エンボス加工または機械的エンボス加工)すること、散光層を担体内部にスタンピング加工(例えば、ローラースタンピング加工)すること、または、散光層を射出成形することによって、散光層322を担体108に付与してもよい。もっと別な各実施形態では、担体をエッチング(例えば、化学エッチング)することによっても、散光層322を担体108に付与することができる。実施形態によっては、レーザー加工(例えば、レーザー損傷)を利用して、散光層322を担体108に付与する場合もある。
【0055】
更に上記以外の各実施形態においては、散光層322は複数の中空ビーズを含んでいてもよい。中空ビーズは可塑材の中空ビーズでもよいし、ガラスの中空ビーズでもよい。中空ビーズは、例えば、「3M GLASS BUBBLES iM30K」の商品名でスリーエム・カンパニー(3M Company)から購入できるガラス小球でもよい。このようなガラス小球のガラス組成物は、約70重量パーセントないし約80重量パーセントの範囲のSiO、約8重量パーセントないし約15重量パーセントの範囲のアルカリ土類金属酸化物、約3重量パーセントないし約8重量パーセントの範囲のアルカリ金属酸化物、および、約2重量パーセントないし約6重量パーセントの範囲の酸化ホウ素(B)を含有しているが、この場合、各重量パーセントはガラス小球の総重量に基づいている。或る具体例の各実施形態では、中空ビーズの寸法(すなわち、直径)は、例えば、約8.6マイクロメートルから約23.6マイクロメートルまでと多様で、平均寸法は約15.3マイクロメートルであるとよい。もう1つ別の実施形態では、中空ビーズの寸法は、例えば、約30マイクロメートルから約115マイクロメートルまで多様であり、平均寸法は約65マイクロメートルであるとよい。更に別な各実施形態では、散光層322は、赤色、緑色、または、その両方の色の量子ドット、もしくは、これら以外の好適な蛍光体粒子などのような複数のナノ寸法の色変換粒子を含んでいるとよい。更にまた別な各実施形態においては、散光層322は、複数の中空ビーズ、ナノ寸法の散乱粒子、および、赤色、緑色、または、その両方の色の量子ドット、もしくは、これら以外の、フルオロケイ酸カリウム(PFS)ベースの蛍光体などのような好適な蛍光体粒子のナノ寸法の色変換粒子を含んでいるとよい。
【0056】
中空ビーズは、まず最初に溶媒(例えば、メチルエチルケトン(MEK))と均一に混ぜ合わせ、その後に、何であれ好適な結着剤(例えば、メチルメタクリレートおよびシリカ)と混合し、次いで、ペースト状物に形成する必要がある場合は、熱硬化または紫外線(UV)硬化により固定する。次に、ペースト状物をスロット被膜術、スクリーン印刷術、または、それら以外の何であれ好適な手段で担体108の表面上に堆積させることで、散光層322を形成することができる。この実施形態においては、散光層322は約10マイクロメートルから約100マイクロメートルの間の厚さを呈しているとよい。もう1つ別の実施例では、散乱層322は厚さが約100マイクロメートルと約300マイクロメートルの間であってもよい。必要に応じて、多重コーティングを利用して厚い散乱層を形成するようにしてもよい。各実施例において、散光層322の曇価は、ビー・ワイ・ケー・ガードゥナ(BYK-Gardner)社のヘイズ・ガード(Haze-Gard)などのヘイズ計測器で測定すると、99パーセントを超えることがある。散光層322の内部に中空ビーズを使用することの2つの利点は、1)散光層322の重量を減らす、2)厚さが薄くても所望の曇価レベルを達成する、が挙げられる。
【0057】
図6Bは、具体例のパターン散光素子320bの断面図である。パターン散光素子320bは、先に図6Aを参照しながら説明および例証したパターン散光素子320aに類似しているが、但し、パターン散光素子320bは、担体108の第1面304がバックライト内の複数の光源106aに背面を向けた状態に置かれるよう構成されている点は例外である。
【0058】
図7Aは、もう1つ別の具体例のパターン散光素子340aの断面図である。パターン散光素子340aは、先に図5を参照しながら説明および例証したパターン散光素子110aに類似しているが、但し、パターン散光層340aに封入層342が設けられている点は例外である。封入層342は担体108の第1面304上にあり、複数のパターン反射素子112の各々を封入している。パターン散光素子340aは、担体108の第1面304がバックライト内の複数の光源106aに対面した状態で置かれるよう構成されている。封入層342は、透明な樹脂材、シリコーン材、または、それら以外の好適な素材から構成されているとよい。透明な樹脂材、シリコーン、または、それら以外の好適な素材は約60パーセントを超える透過率を示し、好ましくは約90パーセントを超える透過率を示すべきである。封入層342はナノ寸法またはマイクロ寸法の散乱粒子を含んでいるとよい。
【0059】
図7Bは、もう1つ別の具体例のパターン散光素子340bの断面図である。パターン散光素子340bは、先に図7Aを参照しながら説明および例証したパターン散光素子340aに類似しているが、但し、パターン散光素子340bは、担体108の第1面304がバックライト内の複数の光源106aに背面を向けた状態で置かれるよう構成されている点は例外である。
【0060】
図8Aは、もう1つ別の具体例のパターン散光素子360aの断面図である。パターン散光素子360aは、先に図5を参照しながら説明および例証したパターン散光素子110aに類似しているが、但し、パターン散光素子360aは担体108の第1面304と第2面306の両方の表面上に複数のパターン反射素子112が設けられている点は例外である。パターン散光素子360aは、担体108の第1面304上に複数の第1パターン反射素子112aが設けられている。第1パターン反射素子112aは各々が、バックライト内の対応する光源106aと整列状態になるよう構成されている。パターン散光素子360aはまた、担体108の第2面306上に複数の第2パターン反射素子112bが設けられている。第2パターン反射素子112bは各々が、バックライト内の対応する光源106aと整列状態になるよう構成されている。パターン散光素子360aは、担体108の第1面304または第2面306のいずれかがバックライト内の複数の光源106aに対面する状態で配置されているとよい。第1パターン反射素子112aと第2パターン反射素子112bとは同じであってもよいし、そうでなくてもよい。
【0061】
図8Bは、もう1つ別の具体例のパターン散光素子360bの断面図である。パターン散光素子360bは、先に図8Aを参照しながら説明および例証したパターン散光素子360aに類似しているが、但し、パターン散光素子360bには封入層342aおよび封入層342bが設けられている点は例外である。封入層342aは担体108の第1面304上にあり、複数の第1パターン反射素子112aの各々を封入している。封入層342bは担体108の第2面306上にあり、複数の第2パターン反射素子112bの各々を封入している。封入層342aおよび封入層342bは各々が透明な樹脂材、シリコーン、または、それら以外の好適な素材から構成されているとよい。パターン散光素子360bは、担体108の第1面304か第2面306のいずれか一方がバックライト内の複数の光源に対面した状態で配置されているとよい。
【0062】
図9Aは、具体例の空間的に均一で角度的にランバート配光の光源400aを空間輝度および色座標を測定する検出器420と一緒に例示した断面図である。空間的に均一で角度的にランバート配光の光源400aは基板402、複数の光源406a、第1のボリューム散光板408、フィルム積層体410、および、第2のボリューム散光板412を備えている。フィルム積層体410は色変換層、1つまたは2つのプリズムフィルム、1つまたは2つの散光シート、または、これらの各種組合せを備えている。
【0063】
複数の光源406aは基板402上に配置されており、基板402と電気通信状態にある。或る具体例の各実施形態では、複数の光源406aは各々が青色発光ダイオード(LED)である。第1のボリューム散光板408は、複数の光源406aの上に配置されている。或る具体例の各実施形態では、光学接着剤(図示せず)を使用して、複数の光源406aを第1のボリューム散光板408に接合するとよい。フィルム積層体410は、第1のボリューム散光板408の上に配置されている。第2のボリューム散光版412は、フィルム積層体410の上に配置されている。
【0064】
隣接し合う光源406a相互間のピッチPは参照番号426で示されている。ピッチは、図9Aにおいては一方向に沿って例示されているが、これとは異なり、図示された方向に直交する方向でもかまわない。ピッチは、例えば、約5ミリメートル、約2ミリメートル、約1ミリメートル、もしくは、約0.5ミリメートルまたはそれ未満であるとよい。第1のボリューム散光板408および第2のボリューム散光板412は各々が、例えば、厚さが約3ミリメートルであるとよい。検出器420は、空間輝度および色座標を測定するよう構成されている。検出器420は、例えば、レイディアント・ヴィジョン・システムズ(Radiant Vision Systems)社から購入できるProMetric(登録商標)イメージング・カラリミター(Imaging Colorimeter(モデルIC-PMI16)または、これとは別の同等の機器であってもよい。
【0065】
図9Bは、もう1つ別の具体例の空間的に均一で角度的にランバート配光の光源400bを空間輝度および色座標を測定する検出器420と一緒に例示した断面図である。空間的に均一で角度的にランバート配光の光源400bは、基板402、複数の光源406b、および、ボリューム散光板414を備えている。複数の光源406bは基板402上に配置され、基板402と電気通信状態にある。或る具体例の各実施形態では、複数の光源406bは各々が白色発光ダイオードである。ボリューム散光板414は複数の光源406bの上に配置されている。或る具体例の各実施形態では、光学接着剤(図示せず)を使用して、複数の光源406bをボリューム散光板414に接合することができる。
【0066】
隣接し合う光源406b相互間のピッチPは参照番号426で示されている。ピッチは、図9Bにおいては一方向に沿って例示されているが、これとは異なり、図示された方向に直交する方向であってもよい。ピッチは、例えば、約5ミリメートル、約2ミリメートル、約1ミリメートル、もしくは、約0.5ミリメートルまたはそれ未満であるとよい。ボリューム散光板414は、例えば、約6ミリメートルの厚さを呈しているとよい。或る具体例の各実施形態においては、ボリューム散光板414は、2枚以上のボリューム散光板と置換して、全体厚さが1枚のボリューム散光板414の厚さに等しくなるようにしてもよい。
【0067】
2種類の具体例の空間的に均一で角度的にランバート配光の光源400aおよび400bを説明および例証してきたが、上記以外の各種構成の、空間的に均一で角度的にランバート配光の光源を本件で採用してもよい。
【0068】
図10Aは、空間的に均一で角度的にランバート配光の光源406aと一緒に具体例のパターン散光素子110aおよび検出器420も含んでいる、具体例の測定の段取り一式500aの断面図である。この実施形態では、パターン散光素子110aは、担体108の第1面304が空間的に均一で角度的にランバート配光の光源400aに対面するように配置されている。検出器420は、担体108上のパターン反射素子112の空間輝度および色座標を測定するよう構成されている。
【0069】
図10Bは、空間的に均一で角度的にランバート配光の光源400aと一緒に具体例のパターン散光素子110bおよび検出器420も含んでいる、具体例の測定の段取り一式500bの断面図である。この実施形態では、パターン散光素子110bは、担体108の第1面304が空間的に均一で角度的にランバート配光の光源400aに背面を向けるように配置されている。検出器420は、担体108上のパターン反射素子112の空間輝度および色座標を測定するよう構成されている。
【0070】
図10Aおよび図10Bは、空間的に均一で角度的にランバート配光の光源400aを使用することで担体108上のパターン反射素子112の空間輝度および色座標を測定するための、測定の段取り一式を例示しているが、これら以外の各実施形態では、空間的に均一で角度的にランバート配光の光源400bまたはこれと同等の光源を採用してもよい。これに加えて、パターン散光素子110aが図10Aに例示され、パターン散光素子110bが図10Bに例示されているが、これらに類似した測定の段取り一式を上記以外の、例えば、先に説明したパターン散光素子で参照番号210aと210b、240、320aと320b、340aと340b、360aと360bと示されたものなどのような、多種のパターン散光素子について採用してもよい。これに続く図11Aないし図11Cから図23Aないし図23Eまでの各グラフは、図10Aおよび図10Bの測定の段取り一式500aと500bを利用して判定された測定値を含んでいる。
【0071】
図11Aないし図11Cは、具体例の角度的にランバート配光の光源400aおよび具体例のパターン散光素子(例えば、110aと110b)の2種類の配光について、測定された空間色座標Cx(r)、測定された空間色座標Cy(r)、および、測定された空間輝度(r)それぞれを示したグラフであるが、ここでは、rは半径方向位置である。半径方向位置rはパターン反射素子112の中心に相関的に単位ミリメートルで測定され、パターン反射素子の中心に一致する0からその最大半径方向位置に一致するrmaxまでの範囲に及んでいる。グラフは各々、具体例の角度的にランバート配光の光源400aについては図9Aの測定の段取り一式を利用して判定し、複数のパターン反射素子112が角度的にランバート配光の光源400aに対面した状態である場合のパターン散光素子については図10Aの測定の段取り一式を利用して判定し、複数のパターン反射素子112が角度的にランバート配光の光源400aに背面を向けた状態である場合のパターン散光素子110bについては図10Bの測定の段取り一式を利用して判定した。
【0072】
図11Aのグラフでは、空間的に均一で角度的にランバート配光の光源について測定された空間色座標Cx(r)は、本明細書ではCx0(r)と示されているが、黒ベタ三角形で記されている。担体108の底面上のパターン反射素子112が角度的にランバート配光の光源400aに対面して設けられているパターン散光素子110aについて測定された空間色座標Cx(r)は、本明細書ではCx1(r)と示されているが、白丸で記されている。担体108の頂面上の各パターン反射素子112が光源400aに背面を向けて設けられているパターン散光素子110bについて測定された空間色座標Cx(r)は、本明細書ではCx2(r)と示されているが、黒丸で記されている。
【0073】
図11Bのグラフでは、空間的に均一で角度的にランバート配光の光源について測定された空間色座標Cy(r)は、本明細書ではCy0(r)と示されているが、黒ベタ三角形で記されている。担体108の底面上のパターン反射素子112が角度的にランバート配光の光源400aに対面しているパターン散光素子110bについて測定された空間色座標Cy(r)は、本明細書ではCy1(r)と示されているが、白丸で記されている。担体108の頂面上のパターン反射素子112が角度的にランバート配光の光源400aに背面を向けているパターン散光素子110bについて測定された空間色座標Cy(r)は、本明細書ではCy2(r)と示されているが、黒丸で記されている。
【0074】
図11Cのグラフでは、空間的に均一で角度的にランバート配光の光源について測定された空間輝度(r)は、本明細書ではLuminance0(r)と示されているが、黒ベタ三角形で記されている。担体108の底面上のパターン反射素子112が角度的にランバート配光の光源400aに対面しているパターン散光素子110aについて測定された空間輝度(r)は、本明細書ではLuminance1(r)と示されているが、白丸で記されている。担体108の頂面上のパターン反射素子112が角度的にランバート配光の光源400aに背面を向けているパターン散光素子110bについて測定された空間輝度(r)は、本明細書ではLuminance2(r)と示されているが、黒丸で記されている。輝度は単位ニトで測定されている。
【0075】
図11Aないし図11Cの各グラフで分かるように、空間的に均一で角度的にランバート配光の光源400aに基づいて測定された空間色座標Cx0(r)とCy0(r)、および、空間輝度Luminance0(r)は、興味の対象の領域内の半径方向位置rとは無関係に概ね平坦であるが、興味の対象の領域とは、この実施例では0に等しい半径方向位置rと約3.2ミリメートルに等しい最大半径方向位置rmaxの間のことである。各色座標の絶対最大差は、興味の対象の領域におけるrについて|max(Cx0(r))-min(Cx0(r))|および|max(Cy0(r))-min(Cy0(r))|と規定されるが、Cx0とCy0それぞれについて約0.002よりも小さい。各色座標についての相対最大差は、|100%-min(Cx0(r))/max(Cx0(r))|および|100%-min(Cy0(r))/max(Cy0(r))|と規定されるが、Cx0とCy0それぞれについて約1パーセントよりも低い。輝度についての相対最大差は、|100%-min(Luminance0(r))/max(Luminance0(r)|と規定されるが、Luminance0については約2パーセントよりも低い。上記の測定された各空間分布は、角度的にランバート配光の光源400aまたは400bの特性である。図示されてはいないが、角度的にランバート配光の光源400aまたは400bの配光輝度分布はランバート配光分布をほぼ踏襲する。空間的に均一で角度的にランバート配光の光源400aは、この光源のもたらす空間輝度および空間色座標が上記の諸条件を満たしている限り、多様なピッチの発光ダイオードで構成されていてもよいし、或いは、多様なボリューム散光板で構成されていてもよい。
【0076】
測定されたCx1(r)、Cy1(r)、Luminance1(r)、Cx2(r)、Cy2(r)、および、Luminance2(r)は、角度的にランバート配光の光源400aの色座標Cx0(r)とCy0(r)および輝度Luminance0(r)に伴って大きく異なってくる場合がある。色座標Cx0(r)とCy0(r)および輝度Luminance0(r)とは無関係である、または、少なくともこれらの影響を受けないパターン散光素子110aおよび110bの各々の諸特性が、透過率および色シフトである。パターン散光素子110aの色シフトは、色座標差DCx1(r)≡Cx1(r)-Cx0(r)と色座標差DCy1(r)≡Cy1(r)-Cy0(r)、色座標比RCx1(r)≡Cx1(r)/Cx0(r)と色座標比RCy1(r)≡Cy1(r)/Cy0(r)、または、上記の色座標差と色座標比の両方と記述することができるが、ここで符号≡は「~と規定する」を意味している。パターン散光素子110aの透過率は、輝度比RL1(r)≡Luminance1(r)/Luminance0(r)と記述することができる。同様に、パターン散光素子110bの色シフトは、色座標差 DCx2(r)≡Cx2(r)-Cx0(r)と色座標差DCy2(r)≡Cy2(r)-Cy0(r)、 色座標比RCx2(r)≡Cx2(r)/Cx0(r)と色座標比RCy2(r)≡Cy2(r)/Cy0(r)、または、上記の色座標差と色座標比の両方と記述することができる。パターン散光素子110bの透過率は、輝度比RL2(r)≡Luminance2(r)/Luminance0(r)と記述することができる。
【0077】
図12Aないし図12Eは、図11Aないし図11Cから派生した、色座標差DCx1(r)≡Cx1(r)-Cx0(r)と色座標差DCx2(r)≡Cx2(r)-Cx0(r)、色座標差DCy1(r)≡Cy1(r)-Cy0(r)と色座標差DCy2(r)≡Cy2(r)-Cy0(r)、色座標比RCx1(r)≡Cx1(r)/Cx0(r)と色座標比RCx2(r)≡Cx2(r)/Cx0(r)、色座標比RCy1(r)≡Cy1(r)/Cy0(r)と色座標比RCy2(r)≡Cy2(r)/Cy0(r)、および、輝度比RL1(r)≡Luminance1(r)/Luminance0(r)とRL2(r)≡Luminance2(r)/Luminance0(r)それぞれのグラフである。
【0078】
図12Aおよび図12Bで分かるように、各色座標差DCx1(r)、DCx2(r)、DCy1(r)、および、DCy2(r)は以下の各特徴を示している。
【0079】
1)各曲線はr=rmaxにおけるよりr=0において概ね大きい値を示し、すなわち、DCx1(0)≧DCx1(rmax)+0.005、DCy1(0)≧DCy1(rmax)+0.005、 DCx2(0)≧DCx2(rmax)+0.005、および、DCy2(0)≧DCy2(rmax)+0.005である。
【0080】
2)差DCx1(r)-DCx2(r)と差DCy1(r)-DCy2(r)は半径方向位置rと共に変動する。|[DCx1(0)-DCx2(0)]-[DCx1(rmax)-DCx2(rmax)]|は約0.01以上であるか、または、少なくとも約0.005以上である。|[DCy1(0)-DCy2(0)]-[DCy1(rmax)-DCy2(rmax)]|は約0.01以上であるか、または、少なくとも約0.005以上である。
【0081】
3)rの値が0mmと所定の値の間、この実施例では、0mmと約0.7mmの間にある場合については、各曲線DCx1(r)、DCy1(r)、DCx2(r)、および、DCy2(r)は比較的平坦であり、約0.005未満だけ変動する。
【0082】
4)rの値が0からrmaxに向けて増大してゆくにつれて、各曲線は概ね下がり気味になるか、平坦なままである。DCx1は、r=0における約0.022からr=rmaxにおける約0.008に向けて減少してゆくが、DCx2は、r=0における約0.032からr=rmaxにおける約0.005に向けて減少してゆく。DCy1は、r=0における約0.022からr=rmaxにおける約0.010に向けて減少してゆくが、DCy2は、r=0における約0.032からr=rmaxにおける約0.008に向けて減少してゆく。
【0083】
5)rが閾値の約2よりも小さい場合、DCx1(r)<DCx2(r)であり、また、DCy1(r)<DCy2(r)であり、rがこの閾値よりも大きい場合、DCx1(r)>DCx2(r)であり、また、DCy1(r)>DCy2(r)である。
【0084】
6)r=0の場合やrの値が0とrmaxの間である場合、DCx1(r)、DCy1(r)、DCx2(r)、および、DCy2(r)は0より大きい。
【0085】
図12Cおよび図12Dで分かるように、色座標比RCx1(r)、RCy1(r)、RCx2(r)、および、RCy2(r)は次の各特徴を示している。
【0086】
1)各曲線はr=rmaxにおけるよりr=0において概ね大きい値を示し、すなわち、RCx1(0)≧RCx1(rmax)+3%、RCy1(0)≧RCy1(rmax)+3%、RCx2(0)≧RCx2(rmax)+3%、および、RCy2(0)≧RCy2(rmax)+3%である。
【0087】
2)差RCx1(r)-RCx2(r)と差RCy1(r)-RCy2(r)は半径方向位置rと共に変動する。|[RCx1(0)-RCx2(0)]-[RCx1(rmax)-RCx2(rmax)]|≧3%である。|[RCy1(0)-RCy2(0)]-[RCy1(rmax)-RCy2(rmax)]|≧3%である。
【0088】
3)rの値が0mmと所定の値の間、この実施例では、0mmと約0.7mmの間にある場合については、各曲線RCx1(r)、RCy1(r)、RCx2(r)、および、RCy2(r)は比較的平坦であり、約3%未満だけ変動する。
【0089】
4)rの値が0からrmaxに向けて増大してゆくにつれて、各曲線は概ね下がり気味になるか、平坦なままである。RCx1は、r=0における約107%からr=rmaxにおける約103%に向けて減少してゆくが、RCx2は、r=0における約111%からr=rmaxにおける約102%に向けて減少してゆく。RCy1は、r=0における約107%からr=rmaxにおける約103%に向けて減少してゆくが、RCy2は、r=0における約110%からr=rmaxにおける約102%に向けて減少してゆく。
【0090】
5)rが閾値の約2よりも小さい場合、RCx1(r)<RCx2(r)であり、また、RCy1(r)<RCy2(r)であり、rがこの閾値よりも大きい場合、RCx1(r)>RCx2(r)であり、また、RCy1(r)>RCy2(r)である。
【0091】
6)RCx1(r)、RCy1(r)、RCx2(r)、および、RCy2(r)はr=0においては約1より大きく、0とrmaxの間である。
【0092】
図12Eで分かるように、輝度比RL1(r)およびRL2(r)は、以下の特徴を示している。
【0093】
1)各曲線はr=rmaxにおけるよりr=0において概ね小さい値を示し、すなわち、RL1(0)≦RL1(rmax)-3%、および、RL2(0)≦RL2(rmax)-3%である。
【0094】
2)差RL1(r)-RL2(r)は半径方向位置rと共に変動する。|[RL1(0)-RL2(0)]-[RL1(rmax)-RL2(rmax)]|≧3%である。
【0095】
3)rの値が0mmと所定の値の間、この実施例では、0mmと約0.7mmの間に或る場合については、各曲線RL1(r)およびRL2(r)は比較的平坦であり、約3%未満で変動する。
【0096】
4)rの値が0からrmaxに向けて増大してゆくにつれて、各曲線は概ね上がり気味になるか、平坦なままである。RL1は、r=0における約60%からr=rmaxにおける約99%に向けて増加してゆくが、RL2は、r=0における約40%からr=rmaxにおける約110%に向けて増加してゆく。
【0097】
5)rが閾値の約2よりも小さい場合はRL1(r)>RL2(r)であり、rがこの閾値よりも大きい場合はRL1(r)<RL2(r)である。
【0098】
6)RL1(r)およびRL2(r)はr=0においては100%より小さい。
【0099】
7)RL2(rmax)>100%であり、r=0付近からパターン散光素子の中心から離れた領域までは、パターン散光素子が配光をし直していることを示している。
【0100】
上記の各曲線および後段以降に説明する各曲線の比較的平坦な部分は、概ね平坦な区分と呼ぶことができる。上記の各曲線および後段以降に説明する各曲線の増加部分または減少部分は、曲がり区分と呼称してもよい。
【0101】
図13Aないし図13Eは、色座標差DCx1(r)とDCx2(r)、色座標差DCy1(r)とDCy2(r)、色座標比RCx1(r)とRCx2(r)、色座標比RCy1(r)とRCy2(r)、および、輝度比RL1(r)とRL2(r)それぞれのグラフであるが、この場合、パターン散光素子110aと110bは、空間的に均一な散光層が設けられた比較対照用の光学部品と置き換えてあった。図13Aないし図13Eで分かるように、各曲線DCx1(r)、DCy1(r)、DCx2(r)、DCy2(r)、RCx1(r)、RCy1(r)、RCx2(r)、RCy2(r)、RL1( r)、および、RL2(r)は、半径方向位置rとは無関係で、概ね平坦である。各曲線は、r=0においてもr=rmaxにおいても概ね同じ値を示す。例えば、|DCx1(0)-DCx1(rmax)|<0.004、|DCy1(0)-DCx1(rmax)|<0.004、|DCx2(0)-DCx2(rmax)|<0.004、|DCy2(0)-DCy2(rmax)|<0.004、|RCx1(0)-RCx1(rmax)|<2%、|RCy1(0)-RCy1(rmax)|<2%、|RCx2(0)-RCx2(rmax)|<2%、|RCy2(0)-RCy2(rmax)|<2%、|RL1(0)-RL1(rmax)|<2%、および、|RL2(0)-RL2(rmax)|<2%である。これに加えて、差DCx1(r)-DCx2(r)、差DCy1(r)-DCy2(r)、差RCx1(r)-RCx2(r)、差RCy1(r)-RCy2(r)、および、差RL1(r)-RL2(r)もまた、rの値とはほぼ無関係である。例えば、|[DCx1(0)-DCx2(0)]-[DCx1(rmax)-DCx2(rmax)]|<0.004、|[DCy1(0)-DCy2(0)]-[DCy1(rmax)-DCy2(rmax)]|<0.004、|[RCx1(0)-RCx2(0)]-[RCx1(rmax)-RCx2(rmax)]|<2%、|[RCy1(0)-RCy2(0)]-[RCy1(rmax)-RCy2(rmax)]|<2%、および、|[RL1(0)-RL2(0)]-[RL1(rmax)-RL2(rmax)]|<2%である。上記の各結果は比較対照用の光学部品にも当てはまるが、該光学部品は液晶表示装置のバックライトに見られる厚さ約2mmのボリューム散光板であった。
【0102】
図14Aないし図14Eはもう1つ別の具体例のパターン散光素子についての、色座標差DCx1(r)とDCx2(r)、色座標差DCy1(r)とDCy2(r)、色座標比RCx1(r)とRCx2(r)、色座標比RCy1(r)とRCy2(r)、および、輝度比RL1(r)とRL2(r)それぞれのグラフである。各曲線は図12Aないし図12Eの各曲線それぞれに質的には類似しているが、量的に異なっている。例えば、図14Eで分かるように、RL1は、r=0における約65%からr=rmaxにおける約100%に向けて増加してゆき、RL2は、r=0における約30%からr=rmaxにおける約110%に向けて増加してゆく。
【0103】
図15Aないし図15Eはまた別な具体例のパターン散光素子についての、色座標差DCx1(r)とDCx2(r)、色座標差DCy1(r)とDCy2(r)、色座標比RCx1(r)とRCx2(r)、色座標比RCy1(r)とRCy2(r)、および、輝度比RL1(r)とRL2(r)それぞれのグラフである。各曲線は図12Aないし図12Eそれぞれに類似した反応パターンを示しているが、異なる特徴もある。例えば、DCx2、DCy2、RCx2、および、RCy2は各々がr=0mmから増加し、r=約0.7mmで最大値に達する。その後、各曲線はr=約0.7mmから減少を始めてr=約1.5mmまで続く。各曲線はr=約1.5mmからr=約2.5mmの間では平坦なままであり、次に、r=約2.5mmから減少を始めてr=rmaxまで続く。
【0104】
図16Aないし図16Eは更にもう1つの具体例のパターン散光素子についての、色座標差DCx1(r)とDCx2(r)、色座標差DCy1(r)とDCy2(r)、色座標比RCx1(r)とRCx2(r)、色座標比RCy1(r)とRCy2(r)、および、輝度比RL1(r)とRL2(r)それぞれのグラフである。各曲線は図15Aないし図15Eそれぞれのものと類似している反応パターンを示している。例えば、DCx2、DCy2、RCx2、および、RCy2は各々がr=0mmから増加を始めて、r=約0.7mmで最大値に達する。その後、各曲線はr=約0.7mmから減少を始めてr=約1.5mmまで続く。各曲線はr=約1.5mmからr=約2.5mmまでの間は平坦なままであるが、続いて、r=約2.5mmから減少を始めてr=rmaxまで続く。RL2はr=0mmから減少を始め、r=約0.7mmで最小値に達する。その後、RL2はr=約0.7mmから増加を始め、r=約1.5mmまで続く。r=約1.5mmからr=約2.5mmまでの間は、RL2は平坦なままである。次に、RL2はr=2.5mmから増加を始めてr=rmaxまで続く。
【0105】
図17Aないし図17Eは更に別の具体例のパターン散光素子についての、色座標差DCx1(r)とDCx2(r)、色座標差DCy1(r)とDCy2(r)、色座標比RCx1(r)とRCx2(r)、色座標比RCy1(r)とRCy2(r)、および、輝度比RL1(r)とRL2(r)それぞれのグラフである。各曲線は、図16Aないし図16Eそれぞれのものと類似した反応パターンを示している。例えば、DCx2、DCy2、RCx2、および、RCx2は各々がr=0mmから増加を始め、r=約0.7mmで最大値に達する。その後、各曲線はr = 約0.7mmから減少を始めてr=約1.5mmまで続く。各曲線は、r=約1.5mmからr=約2.5mmまでの間は平坦なままであるが、その後、r=約2.5mmから減少を始めr=rmaxまで続く。RL2はr=0mmから減少を始め、r=約0.7mmで最小値に達する。次に、RL2はr=約0.7mmから増加を始め、r=約1.5mmまで続く。r=約1.5mmからr=約2.5mmまでの間は、RL2は平坦なままである。その後、RL2はr=約2.5mmから増加を始めてr=rmaxまで続く。
【0106】
図18Aないし図18Eはもう1つ別の具体例のパターン散光素子についての、色座標差DCx1(r)とDCx2(r)、色座標差DCy1(r)とDCy2(r)、色座標比RCx1(r)とRCx2(r)、色座標比RCy1(r)とRCy2(r)、および、輝度比RL1(r)とRL2(r)それぞれのグラフである。各曲線は、図12Aないし図12Eそれぞれのものと比較して、どこか類似しているがどこか相違している反応パターンを示している。例えば、図12Aないし図12Eと同様に、閾値よりも小さいrの値については、DCx1(r)<DCx2(r)であり、また、RCx1(r)<RCx2(r)である。図12Aないし図12Eとは異なり、全てのrの値に対して、DCy1(r)<DCy2(r)であり、また、RCy1(r)<RCy2(r)である。これに加えて、r が閾値より大きい場合は、DCy1(r)とDCy2(r)は0未満となることがあり、RCy1(r)とRCy2(r)は100%未満となることがあり、また、RL1(r)とRL2(r)は100%を超過することがある。
【0107】
図19Aないし図19Eはまた別な具体例のパターン散光素子についての、色座標差DCx1(r)とDCx2(r)、色座標差DCy1(r)とDCy2(r)、色座標比RCx1(r)とRCx2(r)、色座標比RCy1(r)とRCy2(r)、および、輝度比RL1(r)とRL2(r)それぞれのグラフである。各曲線は、図18Aないし図18Eのものと比較して、どこか類似しているがどこか相違している反応パターンを示す。具体的には、全てのrの値に対して、DCx1(r)<DCx2(r)であり、また、RCx1(r)<RCx2(r)である。全てのrの値に対して、DCy1(r)<DCy2(r)であり、また、RCy1(r)<RCy2(r)である。全てのrの値に対して、DCy1(r)<0であり、また、DCy2(r)>0であり、RCy1(r)<100%であり、また、RCy2(r)>100%である。
【0108】
図20Aないし図20Eは、更に別な具体例のパターン散光素子についての、色座標差DCx1(r)とDCx2(r)、色座標差DCy1(r)とDCy2(r)、色座標比RCx1(r)とRCx2(r)、色座標比RCy1(r)とRCy2(r)、および、輝度比RL1(r)とRL2(r)それぞれのグラフである。各曲線は、図19Aないし図19Eそれぞれのものと比べて、どこか類似しているがどこか相違している反応パターンを示している。具体的には、全てのrの値に対して、DCx1(r)<DCx2(r)であり、また、RCx1(r)<RCx2(r)である。全てのrの値に対して、DCy1(r)>DCy2(r)であり、また、RCy1(r)>RCy2(r)である。
【0109】
図21Aないし図21Eから図23Aないし図23Eの残余の各実施形態の各々については、2種類の具体的なパターン散光素子に対する図10Aの段取り一式に従って測定された色座標差DCx1(r)とDCy1(r)、色座標比RCx1(r)とRCy1(r)、および、輝度比RL1(r)を例示している。図10Bの段取り一式に従って測定された色座標差DCx2(r)とDCy2(r)、色座標比RCx2(r)とRCy2(r)、および、輝度比RL2は、図12Aないし図12E、および、図14Aないし図14Eから図20Aないし図20Eを参照しながら説明したものに類似している。
【0110】
図21Aないし図21Eはまた別な2種類の具体例のパターン散光素子についての、色座標差DCx1(r)、色座標差DCy1(r)、色座標比RCx1(r)、色座標比RCy1(r)、および、輝度比RL1(r)それぞれのグラフである。白丸は第1パターン散光素子(PDIF-1)の各データ点を示しており、黒丸は第2パターン散光素子(PDIF-2)の各データ点を示している。
【0111】
図22Aないし図22Eはまた別な2種の具体例のパターン散光素子についての、色座標差DCx1(r)、色座標差DCy1(r)、色座標比RCx1(r)、色座標比RCy1(r)、および、輝度比RL1(r)それぞれのグラフである。白丸は、第3パターン散光素子(PDIF-3)の各データ点を示しており、 黒丸は第4パターン散光素子(PDIF-4)の各データ点を示している。図22Aないし図22Eで分かるように、PDIF-3は、DCx1(r)、DCy1(r)、RCx1(r)、および、RCy1(r)に関しては空間色シフトに際して小さな傾きを示している。各曲線はr=0からr=rmaxまでほぼ直線的に、DCx1(r)は約0.003だけ、DCy1(r)は約0.004だけ、RCx1(r)は約0.8%だけ、また、RCy1(r)は約0.1%だけそれぞれ減少する。上記以外の各実施形態では、各曲線はもっと少量しか減少しないこともある。しかし、PDIF-3の空間輝度比RL1(r)はほぼ直線的に増加し、増分はr=0のときの約70%から始まりr=rmaxのときには約82%になる。
【0112】
図23Aないし図23Eはまた別な2種類の具体例のパターン散光素子についての、色座標差DCx1(r)、色座標差DCy1(r)、色座標比RCx1(r)、色座標比RCy1(r)、および、輝度比RL1(r)それぞれのグラフである。白丸は第5パターン散光素子(PDIF-5)の各データ点を示しており、黒丸は第6パターン散光素子(PDIF-6)の各データ点を示している。
【0113】
図8Aを再度参照し直すと、パターン散光素子360aは、パターン反射素子112aおよびパターン反射素子112bを担体108の両面上に配置した状態で設けることができる。パターン反射素子112aとパターン反射素子112bとが概ね同一である場合は、図10Aおよび図10Bのいずれの測定の段取り一式であれ角度的にランバート配光の光源400aに対面しているのが担体108の第1面304と第2面306のいずれであっても、パターン散光素子360aは同じようなものである。この場合、DCx1(r)はDCx2(r)と概ね同一であり、以下、DCy1(r)はDCy2(r)と、RCx1(r)はRCx2(r)と、RCy1(r)はRCy2と、また、RL1(r)はRL2(r)とそれぞれ概ね同一である。従って、0からrmaxの範囲の全てのrの値について、|DCx1(r)-DCx2(r)|<0.005であり、|DCy1(r)-DCy2(r)|<0.005であり、|RCx1(r)-RCx2(r)|<3%であり、|RCy1(r)-RCy2(r)|<3%であり、また、|RL1(r)-RL2(r)|<3%である。
【0114】
図8Bを再度参照し直してみると、パターン散光素子360bは、パターン反射素子112aおよびパターン反射素子112bを担体108の両面上に配置した状態で設けたうえで、112aを対応する封入層342aの中に、また、112bを対応する封入層342bの中にそれぞれ封入した状態に設けることができる。パターン反射素子112aとパターン反射素子112bとが概ね同一で、尚且つ、封入層342aと封入層342bが概ね同一である場合は、図10Aおよび図10Bのいずれの測定の段取り一式で実施するのであれ角度的にランバート配光の光源400aに対面しているのが担体108の第1面304と第2面306のいずれであっても、パターン散光素子360aは同じようなものである。従って、0からrmaxの範囲の全てのrの値について、|DCx1(r)-DCx2(r)|<0.005であり、|DCy1(r)-DCy2(r)|<0.005であり、|RCx1(r)-RCx2(r)|<3%であり、|RCy1(r)-RCy2(r)|<3%であり、また、|RL1(r)-RL2(r)|<3%である。
【0115】
図24は、別な具体例の液晶表示装置600の断面図である。液晶表示装置600は、先に図1Aないし図1Cを参照しながら説明および例証したように、パターン散光素子110bが設けられたバックライト部100を備えている。これに加えて、液晶表示装置600のバックライトは、バックライト部100の上に色変換層148(例えば、量子ドットフィルムまたは蛍光体フィルム)が設けられ、色変換層148上に散光板146が設けられ、選択的に散光板146上にプリズムフィルム150が設けられており、更に、選択的にプリズムフィルム150上に反射偏光子152が設けられている。液晶表示装置600はまた、バックライトの反射偏光子152の上に表示パネル154が設けられている。或る具体例の各実施形態では、反射偏光子152は表示パネル154に接合されているとよい。
【0116】
この実施形態では、パターン散光素子110bを第1散光板と呼称し、散光板146を第2散光板と呼称してもよい。図24に例示した第1散光板110bは、先に図1Aを参照しながら説明したようにパターン散光素子であるが、これ以外の各実施形態では、第1散光板110bは前述のように第2散光板146に類似していてもよいし、或いは、パターン散光素子210a(図3A)、パターン散光素子210b(図3B)、パターン散光素子240(図4)、パターン散光素子110a(図5)、パターン散光素子320a(図6A)、パターン散光素子320b(図6B)、パターン散光素子340a(図7A)、パターン散光素子340b(図7B)、パターン散光素子360a(図8A)、パターン散光素子360b(図8B)、または、これら以外の好適な散光板に類似しているとよい。色変換層148は、第1散光板110bと第2散光板146の間にある。
【0117】
第1の散光板110bは、複数の光源106aと色変換層148との間にある。図24で分かるように、また、前述のように、第1散光板110bは複数のパターン反射素子112が設けられたパターン散光素子を備えているとよいが、ここでは、パターン反射素子112は各々が、個々に対応する光源106aと整列状態にある。パターン散光素子110bは担体108を備えており、前述のように担体108の第1面上に複数のパターン反射素子112が設けられているとよい。それ以外の各実施形態では、第1散光板110bは、先に図3Aないし図8Bを参照しながら説明したように、上記以外の各種の構成を有してもよい。
【0118】
或る具体例の各実施形態においては、第1散光板110bは第1のヤング率を示し、第2散光板146は第1のヤング率よりも小さい第2のヤング率を示す。一実施形態では、第2のヤング率は、第1のヤング率の半分未満である。第2散光板146はボリューム散光板であり、第2散光板の厚さの全長に亘って光を散乱させる。これとは対照的に、散光素子シートは、その容積内部ではなくその表面で光を散乱させる。例えば、第1散光板110bは、EAGLE XG(登録商標)ガラス(約73.6ギガパスカルのヤング率)またはフロートガラス(約47.7ギガパスカルのヤング率)から構成されていてもよい。第2散光板146は、ポリカーボネート(約13.5ギガパスカルから約21.4ギガパスカルの間の範囲内のヤング率)、ポリメチルメタクリレート(約2.855ギガパスカルのヤング率)、または、もっと低いヤング率を示すガラスから構成されていてもよいが、その各々は容積内で光を散乱させるための散乱要素と混合されている。
【0119】
液晶表示装置600内の第1散光板110bと第2散光板146の間に色変換層148を配置することによって、色変換層148が両散光板の間に配置されていない液晶表示装置140(図2)と比べて、輝度、輝度の均一性、および、色の均一性を向上させることができる。第1の散光板110bと第2の散光板146の間に色変換層148を設けた場合は、CIE空間における平均の色座標xおよび色座標yを増大させることができることから、光源106aが発する青色光がより多量に緑色光および赤色光に変換されたことが示されている。これに加えて、輝度も増大させることができる。これらの改良点に基づいて、この事情がなければ利用することになるかもしれない弱い拡散シートを無しで済ますことができ、色変換層148の色変換粒子の濃度をもっと低くしてもよくなることで、液晶表示装置140に比べて液晶表示装置600のコストを削減できる。
【0120】
或る具体例の各実施形態においては、色変換層148が第1散光板110bと第2散光板146より上位に配置された場合の輝度と比べると、色変換層148が両散光板の間に配置された場合は輝度が約101パーセントないし約111パーセントの範囲内の値まで増大する。更に、色変換層148が第1散光板110bと第2散光板146の間に配置されている場合、CIE空間の色座標xおよび色座標yを約0.40未満にすることができる。或る具体例の実施形態では、色変換層148が第1散光板110bと第2散光板146の間に配置されていると、CIE空間の色座標xおよび色座標yは約101パーセントないし約112パーセントの範囲内で増大する。
【0121】
図2で分かるように、色変換層148は、散光板146のもつ熱安定性および寸法安定性がほとんど無いことがあるため、散光板146の頂面上に設置されるとよい。パターン散光素子(例えば、参照番号110bで示されるもの)を使用する場合、特に、担体(例えば、参照番号108で示されるもの)がガラスである場合、色変換層148はパターン散光素子の頂面上に設置して、追加の散光板(例えば、参照番号146で示されるもの)は無しで済ませてもよい。従って、図2で分かるように追加の散光板(例えば、146)を使用した場合、色変換層を設置する最良位置は、両散光板の間よりはむしろ、追加の散光板の頂面上であると考えるのが自然である。従って、図24に例示されているような第1散光板110bと第2散光板146の間に色変換層148を設ける配置は、容易に自明となるものではない。加えて、色変換層148が第1散光板110bと第2散光板146の間に配置されている場合、各色座標は必ずしも目標通りになるとは限らず、輝度も必ずしも向上するとは限らない。色変換層148を第1散光板110bと第2の散光板146の間に配置した場合で、向上した輝度という利点を実現するためには、CIE空間の色座標はxおよび色座標yは約0.40未満にするべきである。各色座標を目標通りにするためには、色変換粒子の濃度を低下させるように、或いは、色変換粒子の層をより薄くするように、色変換層148を改変するべきである。
【0122】
図25Aは具体例の液晶表示装置700aの断面図である。液晶表示装置700aのバックライトには、バックライト部702aが設けられ、選択的にバックライト部702a上に散光板146が設けられ、選択的に散光板146上の色変換層148(例えば、量子ドットフィルムまたは蛍光体フィルム)が設けられ、選択的に色変換層148上にプリズムフィルム150が設けられ、更に、選択的にプリズムフィルム150上に反射偏光子152が設けられている。上記以外の各実施形態では、色変換層148はバックライト部702aと散光板146の間に配置されていてもよい。液晶表示装置700aはまた、バックライトの反射偏光子152の上に表示パネル154を備えている。先に図1Aないし図1Bを参照しながら説明および例証したように、バックライト部702aは基板102、反射層104、および、複数の光源106aを備えている。これに加えて、バックライト部702aはパターン散光素子710aを含んでいる。パターン散光素子710aは担体108、担体108の第1面上の波長選択性反射素子712a、および、担体108の第1面の裏側の担体108の第2面上の複数のパターン反射素子112から構成されている。
【0123】
この実施形態では図25Aに示すように、波長選択性反射素子712aは複数の光源106aに対面しており、複数のパターン反射素子112は複数の光源106aに背面を向けている。これ以外の各実施形態では、波長選択性反射素子712aは複数の光源106aに背面を向けていてもよいし、複数のパターン反射素子112が複数の光源106aに対面していてもよい。波長選択性反射素子712aの構成は、図26を参照しながら後段以降でより詳細に説明する。
【0124】
複数の光源106aは第1波長範囲内の光を発する。色変換層148は第1波長範囲の光を、第1波長範囲を超えてより高い第2波長範囲の光に変換したり、第2波長範囲を超えて更に高い第3波長範囲の光に変換する。波長選択性反射素子712aは、第1波長範囲の垂直入射光の約60パーセントより多くを透過し、第2波長範囲の垂直入射光の約60パーセントより多くを反射する。或る具体例の各実施形態においては、波長選択性反射素子712aはまた、第3の波長範囲の垂直入射光の約60パーセントより多くを反射する。第1波長範囲は、例えば、約430ナノメートルから約460ナノメートルの間の範囲内にあり、第2波長範囲は、例えば、約530ナノメートルから約570ナノメートルの間の範囲内にあり、第3の波長範囲は、例えば、約620ナノメートルから約680ナノメートルの間の範囲内にある。
【0125】
波長選択性反射素子712aが設けられていないパターン散光素子、例えば、図1Aのパターン散光素子110bに比べると、波長選択性反射素子712aが設けられたパターン散光素子710aを備えているバックライトは輝度が増大しているうえに均一性も向上している。或る具体例の各実施形態においては、パターン散光素子に波長選択性反射素子712aが設けられている場合、バックライトの輝度の増大分は約13パーセントにもなることがある。
【0126】
図25Bは具体例の液晶表示装置700bの断面図である。液晶表示装置700bのバックライトは、バックライト部702bが設けられており、選択的にバックライト部702b上に散光板146が設けられており、選択的に散光板146上に色変換層148(例えば、量子ドットフィルムまたは蛍光体フィルム)が設けられており、選択的に色変換層148上にプリズムフィルム150が設けられており、更に、選択的にプリズムフィルム150の上に反射偏光子152が設けられている。これ以外の各実施形態では、色変換層148はバックライト部702bと散光板146の間に配置されていてもよい。液晶表示装置700bは、バックライトの反射偏光子152の上に表示パネルも備えている。先に図1Aおよび図1Bを参照しながら説明および例証したように、バックライト部702bは基板102、反射層104、および、複数の光源106aから構成されている。これに加えて、バックライト部702bはパターン散光素子710bを備えている。パターン散光素子710bは担体108、担体108の第1面上の波長選択性反射素子712b、および、波長選択性反射素子712b上の複数のパターン反射素子112から構成されている。
【0127】
この実施形態では図25Bに例示されているように、波長選択性反射素子712bおよび複数のパターン反射素子112は、複数の光源106aに背面を向けている。これ以外の各実施形態では、波長選択性反射素子712bおよび複数のパターン反射素子112は複数の光源106aに対面していてもよい。波長選択性反射素子712bの構成は、図26を参照しながら後段以降でより詳細に説明する。
【0128】
複数の光源106aは第1波長範囲内の光を発する。色変換層148は、第1波長範囲の光を、第1波長範囲を超えてより高い第2波長範囲の光に変換したり、第2波長範囲を超えて更に高い第3波長範囲の光に変換したりする。波長選択性反射素子712bは、第1波長範囲の垂直入射光の約60パーセントより多くを透過し、第2波長範囲の垂直入射光の約60パーセントより多くを反射する。或る具体例の各実施形態においては、波長選択性反射素子712bはまた、第3波長範囲の垂直入射光の約60パーセントより多くを反射する。第1波長範囲は、例えば、約430ナノメートルから約470ナノメートルの間の範囲内にあり、第2波長範囲は、例えば、約530ナノメートルから約570ナノメートルの間の範囲内にあり、第3波長範囲は、例えば、約620ナノメートルから約680ナノメートルの範囲内にある。
【0129】
波長選択性反射素子712bが設けられていないパターン散光素子、例えば、図1Aのパターン散光素子110bと比べると、波長選択性反射素子712bが設けられたパターン散光素子710bを備えているバックライトは、輝度が増大しているうえに均一性も向上している。或る具体例の各実施形態では、パターン散光素子に波長選択性反射素子712bが設けられている場合は、バックライトの輝度の増大分は約13%にもなることがある。
【0130】
図25Cは具体例の液晶表示装置700cの断面図である。液晶表示装置700cのバックライトは、バックライト部702cが設けられており、選択的にバックライト部702c上に散光板146が設けられており、選択的に散光板146上に色変換層148(例えば、量子ドットフィルムまたは蛍光体フィルム)が設けられており、選択的に色変換層148の上にプリズムフィルム150が設けられており、更に、選択的にプリズムフィルム150上に反射偏光子152が設けられている。これ以外の各実施形態においては、色変換層148は、バックライト部702cと散光板146の間に配置されていてもよい。液晶表示装置700cは反射偏光子152の上に表示パネル154も備えている。先に図1Aおよび図1Bを参照しながら説明および例証したように、バックライト部702cは基板102、反射層104、および、複数の光源106aから構成されている。これに加えて、バックライト部702cはパターン散光素子710cを含んでいる。パターン散光素子710cは、担体108、担体108の第1面上の第1波長選択性反射素子712a、担体108の第1面の裏側の担体108の第2面上の第2波長選択性反射素子712b、および、波長選択性反射素子712b上の複数のパターン反射素子112から構成されている。
【0131】
この実施形態では図25Cに例示されているように、第1波長選択性反射素子712aは複数の光源106aに対面しており、第2波長選択性反射素子712bおよび複数のパターン反射素子112は複数の光源106aに背面を向けている。これ以外の各実施形態では、第1波長選択性反射素子712aが複数の光源106aに背面を向けているようにしてもよいし、第2波長選択性反射素子712bおよび複数のパターン反射素子112が複数の光源106aに対面しているようにしてもよい。第1波長選択性反射素子712aおよび第2波長選択性反射素子712bの構成は、図26を参照しながら後段以降でより詳細に説明する。
【0132】
複数の光源106aは第1波長範囲内の光を発する。色変換層148は、第1波長範囲の光を、第1波長範囲を超えてより高い第2波長範囲の光に変換したり、第2波長範囲を超えて更に高い第3波長範囲の光に変換したりする。第1波長選択性反射素子712aは、第1波長範囲の垂直入射光の約60パーセントより多くを透過し、第2波長範囲の垂直入射光の約60パーセントより多くを反射する。或る具体例の各実施形態においては、第2波長選択性反射素子712bはまた、第1波長範囲の垂直入射光の約60パーセントより多くを透過し、第2波長範囲の垂直入射光の約60パーセントより多くを反射する。これ以外の各実施形態では、第2波長選択性反射素子712bは、第1波長範囲の垂直入射光の約60パーセントより多くを透過し、第3の波長範囲の垂直入射光の約60パーセントより多くを反射する。第1波長範囲は、例えば、約430ナノメートルから約470ナノメートルの間の範囲内にあり、第2波長範囲は、例えば、約530ナノメートルから約570ナノメートルの間の範囲内にあり、第3の波長範囲は、例えば、約620ナノメートルから約680ナノメートルの範囲内にある。
【0133】
第1波長選択性反射素子712aおよび第2波長選択性反射素子712bが設けられていないパターン散光素子、例えば、図1Aのパターン散光素子110bと比べると、第1波長選択性反射素子712aおよび第2波長選択性反射素子712bが設けられたパターン散光素子710cを備えているバックライトは、輝度が増大しているうえに均一性も向上している。或る具体例の各実施形態では、パターン散光素子に第1波長選択性反射素子712aおよび第2波長選択性反射素子712bが設けられている場合、バックライトの輝度は増大分が約13パーセントにもなることがある。
【0134】
図26は、担体108、第1波長選択性反射素子712a、および、第2波長選択性反射素子712bから構成されている具体例の反射素子750の断面図である。第1波長選択性反射素子712aは、図25Aの波長選択性反射素子712aの代わりに使用されてもよいし、或いは、図25Cの第1波長選択性反射素子712aの代わりに使用されてもよい。第2波長選択性反射素子712bは、図25Bの波長選択性反射素子712bの代わりに使用されてもよいし、或いは、図25Cの第2波長選択性反射素子712bの代わりに使用されてもよい。第1波長選択性反射素子712aは担体108の第1面上にある。第2波長選択性反射素子712bは、担体108の第1面の裏側の担体108の第2面上にある。
【0135】
第1波長選択性反射素子712aは、低屈折率誘電体層752ないし752と高屈折率誘電体層754ないし754から成る高低屈折率交互の第1積層体を含み、この場合、「N」は何であれ好適な数で、例えば2、3、4、5、6、または、それ以上であり、4層、6層、8層、10層、12層、または、それ以上の数の誘電体層の第1積層体をもたらしている。低屈折率誘電体層752または高屈折率誘電体層754のいずれか一方が担体108の第1面に接触している。或る具体例の各実施形態では、低屈折率誘電体層752が担体108の第1面に接触することで、第1波長選択性反射素子712aが選択した波長でより高い反射率を達成するよう図っている。第2波長選択性反射素子712bは、低屈折率誘電体層762ないし762と高屈折率誘電体層764ないし764から成る高低屈折率交互の第2積層体を含み、この場合、「M」は何であれ好適な数で、例えば2、3、4、5、6、または、それ以上であり、4層、6層、8層、10層、12層、または、それ以上の数の誘電体層の第2積層体をもたらしている。低屈折率誘電体層762または高屈折率誘電体層764のいずれか一方が担体108の第1面に接触している。或る具体例の各実施形態では、低屈折率誘電体層762が担体108の第2面に接触していることで、第2波長選択性反射素子712bが選択した波長でより高い反射率を達成するよう図っている。或る具体例の各実施形態では、「N」は「M」に等しい。 それ以外の各実施形態では、「N」と「M」は等しくなくてもよい。第1積層体は、例えば、少なくとも4つの誘電体層を含んでいるとよく、第2の積層体も、例えば、少なくとも4つの誘電体層を含んでいるとよい。それ以外の各実施形態では、層752ないし752と層762ないし762は高屈折率誘電体層であってもよく、層754ないし754と層764ないし764が低屈折率誘電体層であるとよい。
【0136】
低屈折率誘電体層752ないし752と低屈折率誘電体層762ないし762は各々がMgF、SiO、または、これら以外の好適な低屈折率誘電体素材を含んでいるとよい。高屈折率誘電体層754ないし754と高屈折率誘電体層764ないし764は各々がZrO、Nb、TiO、Al、Si、または、これら以外の好適な高屈折率誘電体素材を含んでいるとよい。一実施形態では、低屈折率誘電体層752ないし752と低屈折率誘電体層762ないし762は各々がMgFを含んでいるとよいし、高屈折率誘電体層754ないし754と高屈折率誘電体層764ないし764は各々がZrOを含んでいるとよい。もう1つ別の実施形態では、低屈折率誘電体層752ないし752と低屈折率誘電体層762ないし762は各々がSiOを含んでいるとよく、高屈折率誘電体層754ないし754と高屈折率誘電体層764ないし764は各々がZrOを含んでいるとよい。またもう1つ別の実施形態では、低屈折率誘電体層752ないし752と低屈折率誘電体層762ないし762は各々がSiOを含んでいるとよく、高屈折率誘電体層754ないし754と高屈折率誘電体層764ないし764は各々がNbを含んでいるとよい。更にもう1つ別の実施形態では、低屈折率誘電体層752ないし752と低屈折率誘電体層762ないし762は各々がSiOを含んでいるとよく、高屈折率誘電体層754ないし754と高屈折率誘電体層764ないし764は各々がTiOを含んでいるとよい。もう1つ別の実施形態では、低屈折率誘電体層752ないし752と低屈折率誘電体層762ないし762は各々がSiOを含んでいるとよく、高屈折率誘電体層754ないし754と高屈折率誘電体層764ないし764は各々がAlを含んでいるとよい。更に別の実施形態では、低屈折率誘電体層752ないし752と低屈折率誘電体層762ないし762は各々がSiOを含んでいるとよく、高屈折率誘電体層754ないし754と高屈折率誘電体層764ないし764は各々がSiを含んでいるとよい。
【0137】
第1波長選択性反射素子712aは、第1波長範囲の垂直入射光の約60パーセントより多くを透過し、第1波長範囲とは異なる第2波長範囲の垂直入射光の約60パーセントより多くを反射する。第2波長選択性反射素子712bは、第1波長範囲の垂直入射光の約60パーセントより多くを透過し、第1波長範囲とは異なる第3波長範囲の垂直入射光の約60パーセントより多くを反射する。或る具体例の各実施形態では、第1積層体の低屈折率誘電体層752ないし752と高屈折率誘電体層754ないし754は各々が、第2波長範囲における選択波長λの4分の1波層であり、以下の条件を満たしている。
【0138】
【数1】
【0139】
および
【0140】
【数2】
【0141】
であり、ここでは、
L1は各低屈折率誘電体層の屈折率であり、
L1は各低屈折率誘電体層の厚さであり、
H1は各高屈折率誘電体層の屈折率であり、また、
H1は各高屈折率誘電体層の厚さである。
或る具体例の各実施形態においては、第2積層体の低屈折率誘電体層762ないし762と高屈折率誘電体層764ないし764は各々が、第3波長範囲における選択波長λの4分の1波層であり、以下の条件を満たしている。
【0142】
【数3】
【0143】
および
【0144】
【数4】
【0145】
であり、ここでは、
L2は各低屈折率誘電体層の屈折率であり、
L2は各低屈折率誘電体層の厚さであり、
H2各高屈折率誘電体層の屈折率であり、また、
H2は各高屈折率誘電体層の厚さである。
【0146】
或る具体例の各実施形態では、第2波長範囲は第3波長範囲に等しい。この場合、例えば、8層または12層の波長選択性反射素子はそれぞれ、前者は担体108の第1面上の4層の第1波長選択性反射素子712aと担体108の第2面上の4層の第2波長選択性反射素子712bとに分割することができ、後者は第1面上の6層の第1波長選択性反射素子712aと第2面上の6層の第2波長選択性反射素子712bとに分割することができる。大きい波長選択性反射素子を2つのより小さい波長選択性反射素子に分割することにより、波長選択性反射素子の担体108への粘着度を向上させることができる。これに加えて、効果的に厚みを増した波長選択性反射素子が原因で(第1波長選択性反射素子712aと第2波長選択性反射素子712bとの間の担体108のおかげで)設計波長での反射率を増大させることができる。
【0147】
それ以外の各実施形態では、第1波長選択性反射素子712aは、第3の波長範囲の垂直入射光の約60パーセントより多くを透過し、第2波長選択性反射素子712bは、第2波長範囲の垂直入射光の約60パーセントより多くを透過する。或る具体例の各実施形態では、第1波長範囲は約430ナノメートルから約470ナノメートルの間の範囲内にあり、第2波長範囲は約530ナノメートルから約570ナノメートルの間の範囲内にあり、第3の波長範囲は約620ナノメートルから約680ナノメートルの間の範囲内にある。
【0148】
或る具体例の各実施形態では、上述の波長選択性反射素子712aおよび712bは、薄膜堆積プロセスを利用して作成することができる。それ以外の各実施形態では、波長選択性反射素子712aおよび712bは各々が、パターン散光素子710a、710b、または、710cの担体108の一方の表面上に低屈折率重合体層と高屈折率重合体層とが交互に接合された積層体であってもよい。各積層体の個々の層は、上述の4分の1波光路の諸条件を満たしているとよい。高屈折率重合体層は各々がポリエステル類またはポリイミド類を含んでいるとよいし、低屈折率重合体層は各々がフッ素化重合体類を含んでいるとよい。
【0149】
図27Aないし図27Eは、波長選択性反射素子の多様な構成についての反射率対波長のグラフである。後段以降で説明する波長選択性反射素子は各々が、図25Aまたは図25Cの波長選択性反射素子712aの代わりに使用されてもよいし、或いは、図25Bまたは図25Cの波長選択性反射素子712bの代わりに使用されてもよい。これに加えて、後段以降に説明する波長選択性反射素子は各々が2つのより小さい波長選択性反射素子712aおよび712bに分割されてもかまわないが、図25Cに例示されているように2つが結合してパターン散光素子710cになっている場合は、先に説明した(例えば、12層の波長選択性反射素子を2つの6層波長選択性反射素子に分割したような)波長選択性反射素子に類似した特徴をもたらす。
【0150】
図27Aは、4層、6層、8層、10層、および、12層の各波長選択性反射素子の反射率対波長のグラフである。この実施形態では、波長選択性反射素子は、低屈折率MgF誘電体層と高屈折率ZrO誘電体層とが交互に(例えば、2対、3対、4対、5対、および、6対の誘電体層として)設けられており、低屈折率MgF誘電体層が担体と接触している。MgF誘電体層は各々の名目厚さが約109ナノメートルであり、ZrO誘電体層は各々の名目厚さが約70ナノメートルである。各MgF誘電体層と各ZrO誘電体層の名目厚さは、600ナノメートルの選択波長の4分の1波光路に一致している。すなわち、
【0151】
【数5】
【0152】
であり、ここでは、nは各層の屈折率であり、dは各層の厚さであり、λは選択波長である。
【0153】
図27Aは、波長選択性反射素子の反射率に関して波長選択性反射素子の1つの特徴を例示している。波長選択性反射素子の透過率は、次のようにして得られる。
【0154】
【数6】
【0155】
この実施形態では、波長選択性反射素子が6層、8層、10層、12層、または、それより多い数の層を含んでいる場合は、波長選択性反射素子は、約430ナノメートルから約470ナノメートルの間の範囲内の波長の垂直入射光をその約60パーセントより多く透過し、約530ナノメートルから約680ナノメートルの間の範囲内の波長の垂直入射光をその約60パーセントより多く反射する。これとは対照的に、この実施形態でも2層または4層を含んだ波長選択性反射素子の場合は、約530ナノメートルから約680ナノメートルの間の範囲内の波長の垂直入射光をその約60パーセントより少なく反射する。
【0156】
図27Bは、多様な入射角の光に対する8層の波長選択性反射素子の反射率対波長のグラフである。この実施形態では、波長選択性反射素子は、低屈折率MgF誘電体層と高屈折率ZrO誘電体層とが交互に(例えば、4対の誘電体層として)設けられており、低屈折率MgF誘電体層が担体と接触している。MgF誘電体層は各々の名目厚さが約109ナノメートルであり、ZrO誘電体層は各々の名目厚さが約70ナノメートルである。各MgF誘電体層と各ZrO誘電体層の名目厚さは、600ナノメートルの選択波長の4分の1波光路に一致している。波長選択性反射素子の反射率は、0°(垂直入射)、40°、60°、および、80°についての各曲線で示されているように、入射角に伴って変動する。図27Bに示されているように、入射角が大きくなるにつれて、ピーク反射率はより短い波長に向けて推移してゆく。従って、この実施形態では、例えば、斜め入射角が約60°から約80°の間の範囲に入る場合は、波長選択性反射素子は約450ナノメートルの波長の垂直入射光をその約60パーセントより多く透過し、約450ナノメートルと同じ波長の幾分斜めの入射光をそ約60パーセントより多く反射する。
【0157】
図27Cは、8層の波長選択性反射素子の反射率対波長のグラフである。この実施形態では、波長選択性反射素子は、低屈折率SiO誘電体層と高屈折率ZrO誘電体層とが交互に(例えば、4対の誘電体層として)設けられており、低屈折率SiO誘電体層が担体と接触している。SiO誘電体層は各々の名目厚さが約102ナノメートルであり、ZrO誘電体層は各々の名目厚さが約70ナノメートルである。各SiO誘電体層と各ZrO誘電体層の名目厚さは、600ナノメートルの選択波長の4分の1波光路に一致している。波長選択性反射素子の反射率は、0°(垂直入射)、40°、60°、および、80°についての各曲線で示されているように、入射角に伴って変動する。
【0158】
この実施形態では、波長選択性反射素子は、約430ナノメートルから約470ナノメートルの間の範囲内の波長の垂直入射光をその約60パーセントより多く透過し、約530ナノメートルから約680ナノメートルの間の範囲内の波長の垂直入射光をその約60パーセントより多く反射する。例えば、斜め入射角が約70°から約80°の間の範囲内にある場合は、波長選択性反射素子は約450ナノメートルの波長の幾分か斜め入射光をその約60パーセントより多く反射する。
【0159】
図27Dは、8層の波長選択性反射素子についての反射率対波長のグラフである。この実施形態では、波長選択性反射素子は、低屈折率SiO誘電体層と高屈折率ZrO誘電体層とが交互に(例えば、4対の誘電体層として)設けられており、低屈折率SiO誘電体層が担体と接触している。SiO誘電体層は各々の名目厚さが約93ナノメートルであり、ZrO誘電体層は各々の名目厚さが約64ナノメートルである。各SiO誘電体層と各ZrO誘電体層の名目厚さは、550ナノメートルの選択波長の4分の1波光路に一致している。波長選択性反射素子の反射率は、0°(垂直入射)、40°、60°、および、80°についての各曲線で示されているように、入射角に伴って変動する。
【0160】
この実施形態では、波長選択性反射素子は、約430ナノメートルから約470ナノメートルの間の範囲内の波長の垂直入射光をその約60パーセントより多く透過し、約500ナノメートルから約580ナノメートルの間の範囲内の波長の垂直入射光をその約60パーセントより多く反射する。例えば、斜め入射角が約40°から約60°の間の範囲内にある場合は、波長選択性反射素子は約450ナノメートルの波長の幾分か斜めの入射光をその約60パーセントより多く反射する。
【0161】
図27Eは、8層の波長選択性反射素子についての反射率対波長のグラフである。この実施形態では、波長選択性反射素子は、低屈折率SiO誘電体層と高屈折率ZrO誘電体層とが交互に(例えば、4対の誘電体層として)設けられており、低屈折率SiO誘電体層が担体と接触している。SiO誘電体層は各々の名目厚さが約107ナノメートルであり、ZrO誘電体層は各々の名目厚さが約73ナノメートルである。各SiO誘電体層と各ZrO誘電体層の名目厚さは、630ナノメートルの選択波長の4分の1波光路に一致している。波長選択性反射素子の反射率は、0°(垂直入射)、40°、60°、および、80°についての各曲線で示されているように、入射角に伴って変動する。
【0162】
この実施形態では、波長選択性反射素子は、約430ナノメートルから約470ナノメートルの間の範囲内の波長の垂直入射光をその約60パーセントより多く透過し、約560ナノメートルから約700ナノメートルの間の範囲内の波長の垂直入射光をその約60パーセントより多く反射する。例えば、斜め入射角度が約70°から約80°の間の範囲に入る場合、波長選択性反射素子は約450ナノメートルの波長の幾分か斜めの入射光をその約60パーセントより多く反射する。
【0163】
本件開示の精神および範囲から逸脱することなく、本件開示の各実施形態に対して多様な修正および変形を行うことができることが当業者には明らかとなるだろう。従って、本件開示はそのような各種の修正や変更を網羅するものと解釈するべきであるが、それは、そのような修正や変更が添付の特許請求の範囲の各請求項およびその均等物の範囲に入る場合に限ってのことである。
【0164】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0165】
実施形態1
バックライトは、
基板と、
基板の近位にある複数の光源と、
基板の近位にある反射層と、
複数の光源の上の第1散光板と、
第2散光板と、
第1散光板と第2散光板の間の色変換層とを備えている。
【0166】
実施形態2
第1散光板は、複数のパターン反射素子が設けられたパターン散光素子を備えており、パターン反射素子は各々がそれに対応する光源と整列状態にある、実施形態1のバックライト。
【0167】
実施形態3
第1散光板は複数の光源と色変換層の間にある、実施形態2のバックライト。
【0168】
実施形態4
パターン散光素子は担体を備えており、複数のパターン反射素子は担体の第1面上にある、実施形態2のバックライト。
【0169】
実施形態5
パターン散光素子は担体の第1面の裏側の担体の第2面上に散光層を備えている、実施形態4のバックライト。
【0170】
実施形態6
第1散光板はガラスから構成されている、実施形態1のバックライト。
【0171】
実施形態7
色変換層は量子ドットフィルムを備えている、実施形態1のバックライト。
【0172】
実施形態8
色変換層は蛍光体フィルムを備えている、実施形態1のバックライト。
【0173】
実施形態9
第1散光板は第1のヤング率を示し、第2散光板は第1のヤング率の半分より小さい第2のヤング率を示し、また、第2散光板はその厚さの全体に亘って光を散乱させる、実施形態1のバックライト。
【0174】
実施形態10
反射素子は、
第1面およびその裏面の第2面が設けられている担体と、
担体の第1面上にあって、第1波長範囲の垂直入射光の約60パーセントより多くを透過し、第1波長範囲とは異なる第2波長範囲の垂直入射光の約60パーセントより多くを反射する第1波長選択性反射素子と、
担体の第2面上にあって、第1波長範囲の垂直入射光の約60パーセントより多くを透過し、第1波長範囲とは異なる第3波長範囲の垂直入射光の約60パーセントより多くを反射する第2波長選択性反射素子とを備えている。
【0175】
実施形態11
第2波長範囲は第2波長範囲に等しい、実施形態10の反射素子。
【0176】
実施形態12
第1波長選択性反射素子は第3波長範囲の垂直入射光の約60パーセントより多くを透過し、第2波長選択性反射素子は第2波長範囲の垂直入射光の約60パーセントより多くを透過する、実施形態10の反射素子。
【0177】
実施形態13
第1波長範囲は約430ナノメートルから約470ナノメートルの間の範囲内にあり、第2波長範囲は約530ナノメートルから約570ナノメートルの間の範囲内にあり、第3波長範囲は約620ナノメートルから約680ナノメートルの間の範囲内にある、実施形態10の反射素子。
【0178】
実施形態14
第1波長選択性反射素子は低屈折率誘電体層と高屈折率誘電体層とを交互に配した第1積層体、および、第2波長選択性反射素子は低屈折率誘電体層と高屈折率誘電体層とを交互に配した第2積層体を備えている、実施形態10の反射素子。
【0179】
実施形態15
第1積層体の低屈折率誘電体層と高屈折率誘電体層は各々が、第2波長範囲の選択波長λの4分の1波層を備えており、以下の条件を満たしており、
【0180】
【数7】
【0181】
および
【0182】
【数8】
【0183】
であり、ここでは、nL1とdL1はそれぞれ第1積載体の各低屈折率誘電体層の屈折率と厚さであり、また、nH1とdH1はそれぞれ第1積載体の各高屈折率誘電体層の屈折率と厚さであり、更に、第2積層体の低屈折率誘電体層と高屈折率誘電体層は各々が、第3波長範囲の選択波長λの4分の1波層を備えており、以下の条件を満たしており、
【0184】
【数9】
【0185】
および
【0186】
【数10】
【0187】
であり、ここでは、nL2とdL2はそれぞれ第2積層体の各低屈折率誘電体層の屈折率と厚さであり、また、nH2とdH2はそれぞれ第2積層体の各高屈折率誘電体層の屈折率と厚さである、実施形態14の反射素子。
【0188】
実施形態16
第1積層体は少なくとも4つの誘電体層を備えており、第2積層体は少なくとも4つの誘電体層を備えている、実施形態14の反射素子。
【0189】
実施形態17
高屈折率誘電体層は各々がZrO、Nb、TiO、Al、または、Siを含んでいる、実施形態14の反射素子。
【0190】
実施形態18
低屈折率層は各々がMgFまたはSiOを含んでいる、実施形態14の反射素子。
【0191】
実施形態19
第1波長選択性反射素子の上に、または、第2波長選択性反射素子の上に複数のパターン反射素子を更に備えている、実施形態10の反射素子。
【0192】
実施形態20
バックライトは、
基板と、
基板の近位にあって第1波長範囲内の光を発するようにした複数の光源と、
基板の近位にある反射層と、
担体、担体の第1面上の第1波長選択性反射素子、および、第1波長選択性反射素子の上の、または、担体の第1面の裏側の担体の第2面の上の複数のパターン反射素子を備えているパターン散光素子と、
第1波長範囲の光を、第1波長範囲よりも高い第2波長範囲の光に変換したり、第2波長範囲よりも高い第3波長範囲の光に変換したりする色変換層とを備えており、
第1波長選択性反射素子は第1波長範囲の垂直入射光の約60%より多くを透過し、第2波長範囲の垂直入射光の約60%より多くを反射する。
【0193】
実施形態21
第1波長選択性反射素子は低屈折率誘電体層と高屈折率誘電体層を交互に配した積層体を備えており、低屈折率誘電体層と高屈折率誘電体層は各々が、第2波長範囲の選択波長λの4分の1波層を備えており、以下の条件を満たしており、
【0194】
【数11】
【0195】
および
【0196】
【数12】
【0197】
であり、ここでは、nL1とdL1はそれぞれ各低屈折率誘電体層の屈折率と厚さであり、また、nH1とdH1はそれぞれ各高屈折率誘電体層の屈折率と厚さである、実施形態20のバックライト。
【0198】
実施形態22
高屈折率誘電体層は各々がZrO、Nb、TiO、Al、または、Siを含んでいる、実施形態21のバックライト。
【0199】
実施形態23
低屈折率層は各々がMgFまたはSiOを含んでいる、実施形態21のバックライト。
【0200】
実施形態24
第1波長選択性反射素子は第3波長範囲の垂直入射光のの約60パーセントより多くを反射する、実施形態20のバックライト。
【0201】
実施形態25
パターン散光素子は担体の第2面の上に第2波長選択性反射素子を更に備えており、第2波長選択性反射素子は第1波長範囲の垂直入射光の約60パーセントより多くを透過し、第3波長範囲の垂直入射光の約60パーセントより多くを反射する、実施形態20のバックライト。
【0202】
実施形態26
第1波長選択性反射素子は低屈折率誘電体層と高屈折率誘電体層とを交互に配した積層体を備えており、低屈折率誘電体層と高屈折率誘電体層は各々が、第3波長範囲の選択波長λの4分の1波層を備えており、以下の条件を満たしており、
【0203】
【数13】
【0204】
および
【0205】
【数14】
【0206】
であり、ここでは、nL2とdL2はそれぞれ各低屈折率誘電体層の屈折率と厚さであり、また、nH2とdH2は各高屈折率誘電体層の屈折率と厚さである、実施形態25のバックライト。
【0207】
実施形態27
第1波長範囲は約430ナノメートルから約470ナノメートルの間の範囲内にあり、第2波長範囲は約530ナノメートルから約570ナノメートルの間の範囲内にあり、第3波長範囲は約620ナノメートルから約680ナノメートルの間の範囲内にある、実施形態20の反射素子。
【符号の説明】
【0208】
100 バックライト部
102 基板
104 反射層
106a 複数の光源
108 担体
110b パターン散光素子
112 パターン反射素子
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図14A
図14B
図14C
図14D
図14E
図15A
図15B
図15C
図15D
図15E
図16A
図16B
図16C
図16D
図16E
図17A
図17B
図17C
図17D
図17E
図18A
図18B
図18C
図18D
図18E
図19A
図19B
図19C
図19D
図19E
図20A
図20B
図20C
図20D
図20E
図21A
図21B
図21C
図21D
図21E
図22A
図22B
図22C
図22D
図22E
図23A
図23B
図23C
図23D
図23E
図24
図25A
図25B
図25C
図26
図27A
図27B
図27C
図27D
図27E
【国際調査報告】